大蔵委員会 第27号
- 発言数
- 79 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/06/06
会議録
○委員長(佐野廣君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について報告いたします。 去る五月二十九日、永末英一君が辞任、その補欠として田畑金光君が選任されました。同月三十一日、田畑金光君が辞任、その補欠として永末英一君が選任されました。六月四日、川野三暁君が辞任、その補欠として前田佳都男君が選任されました。同月五日、前田佳都男君が辞任、その補欠として川野三暁君が選任されました。 —————————————
○委員長(佐野廣君) 委員の異動に伴い、理事が一人欠けておりますので、この際、理事の補欠互選を行ないたいと存じます。互選の方法は、便宜、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。よって、委員長は理事に永末英一君を指名いたします。 —————————————
○委員長(佐野廣君) 「地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、税務署の設置に関し承認を求めるの件」を議題といたします。 本件は、去る五月二十八日、衆議院から送付せられ、本委員会に付託されました。 それでは、これより本件の質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言願います。
○柴谷要君 ただいま上程されました承認問題につきまして、二、三御質問をいたしたいと思います。 地方自治法第百五十六条第六項には「国の地方行政機関は、国会の承認を経なければ、これを設けてはならない。」と規定いたしております。これは今回西税務署を分割して港税務署を設置しようということで承認を求めてきた案件でありますが、これに伴って新設される税務署ができるのでありますが、一面、廃止される税務署が起きるということになろうかと思います。一面、行政機関が地方にできます際には、地元、いわゆる国民の利便のために設けられると思う。ところが、廃止されるところは、現在まで利用できたところが今度はできなくなる、こういう結果が生まれてくると思うのでありますが、それらの地域における住民の感情、また国税庁として行政上そうすることが一番いいのだという理由を、ひとつ簡潔に御説明を冒頭にいただきたいと思います。
○政府委員(木村秀弘君) ただいま御指摘のとおり、港税務署を西税務署から分割いたしますにつきましては、そのかわりとして三田の税務署を廃止する予定でおります。それで、三田の地元の納税者の方々の利便という面につきましては、私ども今後廃止することによって御不便をかけないようにいたしていきたいと存じます。この三田の問題につきましては、大阪の国税局長が地元に上がりまして、市長さん、市議会の議長さん、商工会議所の会頭さんというような市の理事者あるいは実力者の方々とお話し合いをいたしまして、地元としては税務署がなくなっても納税者に対するサービスの面で従来よりも悪くなるということのないようにという希望条件がついておりますので、この点につきましては、ある程度の職員を現在までの三田の署の庁舎に残留いたさせますと同時に、また確定申告時におきます納税相談等につきましては、所轄の税務署から三田に職員を臨時派遣をいたしまして、納税相談に応ずる等いたしまして、御不便をかけないように計画をいたしております。 また、三田署を廃止いたしますという理由につきましては、これが設けられました当時と三田署の現在とを比べますというと、三田署は納税者の人口が非常に減ってきております。したがって、事務量も激減をいたしておりまして、現在の職員数は、開設当時に比べ、約半分に減ってきております。しかも、今後なお減らさなければならぬというような傾向にございますので、この際思い切って廃止をいたす。そのかわり、ただいま申し上げましたように、地元の納税者の方に御不便をかけないように、別の方面でわれわれはやり方を考えていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○柴谷要君 三田税務署廃止の御意思はよくわかりましたが、それでは、引き続いて、国税庁の職員数、それから行政職に関係している員数——行政職といいましても、(一)、(二)とあると思いますが、ちょっと総務課長さんの御答弁でいいかと思いますが、行政職の(一)、(二)がある。それから、税務職の俸給表による職員数、それから医療職、研究職と、こういうふうに多岐多様に分かれていると思うのでありますが、その内容をちょっとお知らせをいただきたいと思います。
○政府委員(木村秀弘君) 詳しい数字は後ほど資料として出させていただきたいと存じますが、大体のところを記憶をたどって申し上げますと、職員数は全体で約五万でございます。そのうち、一般職、それから税務特別職階というふうに分かれておりますが、一般職に属する者は一割まではないかと存じます。大体、大部分が税務特別表の適用を受けておる職員でございます。それから施設職員、いわゆる運転手さんとか、あるいは小使さんとか、そういう特別の施設関係の職員が約五千人でございます。
○柴谷要君 国税庁の定員の数は五万九百十一人となっております。現在、その定員一ぱい職員がおられるのか、おられないのか、欠員数は何名ぐらいあるのか、これをひとつお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(木村秀弘君) ことしの四月一日現在の現員数が四万九千九百二十九人でございまして、欠員は、年度当初でもございますので、ほとんどございません。
○柴谷要君 今あなたがおっしゃったのが昭和三十八年度の国税庁の定員でございますか。
○政府委員(木村秀弘君) 現員でございます。
○柴谷要君 そうしまするというと、五万九百十一人からマイナス四万九千九百二十九人ということになると、それだけが欠員と、こういうふうに承知をしてよろしゅうございますか。
○政府委員(木村秀弘君) 四月に新規採用をいたしまして、税務講習所の普通科に入所いたしております者がそのほかにございます。
○柴谷要君 そうしますと、今教養中の者を入れると、大体定数に見合う、こういうふうに理解をいたします。 そこで、きょうは時間があまりありませんから、ごく簡潔にお尋ねして参りますが、本年度の国税庁の予算の中で、税務官署施設整備費というのがあるのですが、これを常識的に私ども予算を検討していくと、これで、つまり官公署を作る場合にこの施設費を使っているのじゃないか、こう思うわけです。そうすると、三億程度の金で、全国の税務署の庁舎を一体何ぼぐらい新築なり改築なりしていくのか、その内容についてお示しをいただきたいと思います。
○政府委員(木村秀弘君) 昭和三十八年度の当庁関係の新営費が九億一千百八十一万円でございまして、これで予定されております税務署の庁舎の新営は二十三税務署でございます。で、それが八億四千万余でございます。そのほかに名古屋国税局庁舎の基礎工事、それから税務講習所の東京支所の寄宿舎等が含まれて、ただいま申し上げた数字に相なっております。
○柴谷要君 私がお尋ねしたのは、税務官署施設整備費というのが予算の費目になっておるのです。それで三億七百九十一万円と計上されておる。で、国会の承認を得ている。そこで、今お答えの新設、増設等の問題で九億一千万と、こういうことでありますが、これはどういう費目でございますか、それを教えていただきたい。
○政府委員(木村秀弘君) ただいま申し上げましたのは、税務署関係の庁舎の新営費でございまして、そのほかに各所修繕、施設整備費、不動産購入費等がございます。柴谷委員が今御指摘になりましたのは、そのうちの施設整備費の三億七百万のことであろうかと存じます。
○柴谷要君 新営費というので、新営費の中に税務官署施設整備費が入っておる、こういう御説明でございますね。
○政府委員(木村秀弘君) これは別でございます。新営費は税務署の庁舎を新しく営造するための経費でございます。これは全然別の費目になっております。
○柴谷要君 そうしますと、これは別の費目と。そうすると、不動産購入費というのが四千二百万円ばかりございますが、これも別途であって、この四千万円の使途は大体どういうところにお使いになられるか、それをちょっと御説明いただきたい。
○政府委員(木村秀弘君) 不動産購入費は四千二百万円ございますが、これは各税務署で、現在敷地として民有地を借り上げておるものを買収いたしますものとか、あるいは税務署の隣接地に民有地がございますのを買収いたしますもの、あるいは現在都有地を借り上げ中でございますが、これを二カ年計画で買収いたします。そういうような不動産の購入費を含んでおるわけでございます。
○柴谷要君 この承認案件が国会で決定いたしますと、すぐ港税務署設置にかかると思うのでありますが、新設税務署にかけまする庁舎建設の費用、そういうものがおわかりでございましたら、お知らせを願いたいと思います。
○政府委員(木村秀弘君) 港税務署につきましては、昭和三十八年度におきまして三千九百六十九万八千円予算を計上いたしております。なお、そのほかに、土地につきましては、大阪市から二千五百万円で約五百坪購入する約束に相なっております。
○柴谷要君 そうしますと、三千九百六十万円で新庁舎を作られる。その中に勤務されまする職員の数は一体どういうふうになっておりますか。
○政府委員(木村秀弘君) 現在のところ予定で、はっきりはいたしておりませんが、約百十人程度と予定いたしております。
○柴谷要君 その署長以下いろいろ職種がありますが、大体のところでけっこうでございますけれども、法人とか、あるいは個人所得の担当だとか、そういうふうなものはまだおわかりになりませんか。大体、概数だけきめただけですか。
○政府委員(木村秀弘君) 大体ほかの税務署と同様な構成になるかと存じます。署長、それから課長といたしましては、総務、管理、徴収、それから直税は所得税、法人税に分けまして、各課に相なります。各課におきましては、徴収では管理、納貯、徴収、それから所得では資産、資料、法人では法人、源泉、それから間税では酒税、消費税、そういうような各係を設ける予定をいたしております。
○柴谷要君 百十人の港税務署の要員は現在の西税務署から配転をする、あるいは三田税務署廃止に伴う要員を配置がえをする、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(木村秀弘君) 原則的な考え方といたしましては、ただいまの西税務署で扱っておりますものを一部分けるわけでありますからして、原則的には西税務署の職員を分けるという考えでございますが、一方におきましては、三十八年度において各税務署の定員の改定、再配分をいたしておりますので、必ずしもこの西税務署から分ける人員と港税務署に配置される人員とは数の上では一致いたさないはずでございます。
○柴谷要君 定員再配分を行なっているから、西税務署だけで百十名を充足するのではなくて、ほかの定員が削減されたところから港税務署に行かれる、こういう御説明でございますね。
○政府委員(木村秀弘君) そのとおりでございます。
○柴谷要君 その際、これはまだ定員百十人ということだけきまって、内容は確定はしていないと思うのですが、その際起こり得ることは、定員が国税庁の一方的な再配分、いわゆる定員を一方的な基準をきめて、まあこれならばいいだろうということで、人員を浮かして強制配転などということが行なわれると思うのですが、そういう点についてはどのようなお考えでこれからやろうとしておられるか、見解をひとつ聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(木村秀弘君) 定員を再配分いたします場合には、各税務署の管轄区域内における事務量の計算をいたしまして、その事務量に見合って定員の再配分を行ないたい。承知のように、最近納税者の都市集中あるいは課税物件の集中等に伴いまして、かなり各所の税務署の異動が激しゅうございますので、そういう点と見合って事務量計算を行なって定員の再配分を行ないたい、こういうふうに考えております。
○柴谷要君 そうしますと、現在の定員再配分の方法としては、いわゆる作業量と申しますか、そういうものの関係で必要性が迫られで再配分する。かつて、数日前でありますか、大臣が、国税事務の簡素化、合理化というようなことで、機械化をする、そうして一定の人を浮かしてこれを法人関係に回して調査をやらせるのだ、こういうような大臣としての構想が新聞にちょっと載っているのですが、それとは全然関係のない、現状における定員の再配分、こういうことで進められる内容でございますね。
○政府委員(木村秀弘君) ただいまの港税務署の設置につきましては、現状に応じて、現状において事務量がどう分けられるかということで配分をいたしたいと存じております。大臣のお話にございました定員の再配分ということは、これとは別に基本的な問題として、現在、庁において研究をいたしております。
○柴谷要君 定員問題についてはまた後日伺うことにしまして、次の問題をお尋ねしておきたいと思いますが、直接税調査事務と間接税調査事務というので予算がとられているのでありますが、直接税調査要務と間接税調査事務の仕事量の増加率は一体どうなっておられるか、最近の国税庁のお調べをひとつお知らせいただきたい。
○政府委員(木村秀弘君) 傾向といたしましては、間税関係あるいは徴収関係というものの仕事の量が総体的に低くなっておりまして、直税関係の仕事が総体的にふえております。したがって、徴収あるいは間税の人員を、定員を減らしまして、直税に回すという考えでおります。
○柴谷要君 そういう傾向が昭和三十八年度の予算にはっきり現われていると思うのでありますが、間接税のほうの予算は昨年よりはるかに下回っている。ところが、直接税のほうは二億余円も増加をしている、二億円以上も増加をしている。こういうことは、要員配置の関係でこういうふうな予算の膨大な開きが出てきている、こういうふうに見てよろしゅうございますか。その予算も前年度とたいへん違いがあるのも、今長官が御説明になりましたような事務量内容であるから予算がこう変わってきたのだ、こういうふうに考えてよろしいものかどうか。ひとつ、ほかに理由がございましたら、御説明をお願いしたい。
○政府委員(木村秀弘君) これは、人件費は、御承知のように、直税、間税、徴収、総務、全部一本になっておりますので、三十八年度予算の直税関係、間税関係の比率は、人件費だけの問題ではございませんので、一般的に申し上げて、直税関係の調査のための事務費あるいは簿書の改訂その他、要するに一番おもな点は、調査のための事務費が直税関係にウエートがかかってきている、こういうことでございます。
○柴谷要君 どうも最近、私、税務署関係に用事があって出入りを激しくしているのですが、非常に税務署の仕事というものは、数年前から見るというと、今日の作業量といいますか、非常にふえておって、職員諸君がたいへんな作業をやっておる。しかし、窓口のサービスその他がよくなったことは事実だと思うのですが、その関係上、職員にたいへんなオーバー労働をやらしておる、こういうふうに見ておるのですが、長官は一体現状における国税庁職員の勤務の状態についてどういうお考えをお持ちになっておられるか、ひとつ腹蔵なくお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(木村秀弘君) ただいま御指摘のとおりでございまして、一方において事務量が非常にふえております。特に大都市署におきましては、事務量が激増いたしております。また一方において、われわれとしては納税者の方々に対するサービスと申しますか、税の各種の相談あるいは申告の指導に手落ちのないようにと言っておりますので、その辺の心づかいもかなり現在では行き届いておるのではないかと思っております。したがって、その両方の面から職員の労働の量がふえてきておることも御指摘のとおりでございます。私たちといたしましては、定員の増を希望いたしておりますけれども、しかし、いろんな事情からなかなか定員の増が困難でございますので、ただいまの方向としては、できるだけ事務を合理化、簡素化いたしまして、比較的軽い、手を省いてもよいというような事務はできるだけ切り捨てる。また一方におきましては、昭和四十二年を目標といたしまして、電子計算機の導入等によって事務を機械化いたしまして、それによって職員の事務量を若干でも減らしていきたいというふうに計画を立てて、現在相当その作業も進んでおる段階でございます。
○柴谷要君 長官としては、現在の要員事情ではたいへん業務量の増加に伴って不足勝ちである、しかし、まあ諸般の情勢からなかなか増員ということはあり得ないので、業務の簡素化に伴って、まあ現状で進んでいきたい、こういうお考えのようでございますが、それにはおのずと限界がある、限度があると思う。現在の働いておる税務職員のあの日々の作業量を見てみると、まことにもはや気の毒と言わざるを得ないような実態にあるということを私どもは承知をしておるわけです。できる限り、適切な要員を獲得して円満な事務の遂行がはかられるように、一段と努力を願いたいということを要望しておきたいと思うのです。 そこで、最近、最高裁判所から青色申告の更正をめぐって裁判の判決が出ました。この問題についてひとつお聞かせをいただきたいと思うのです。一審は敗れ、二審は勝訴しましたけれども、最高裁で敗訴したというこの事実が出ておりますけれども、この内容についてひとつ御説明をいただいて、自後、質問を展開していきたいと思います。
○政府委員(木村秀弘君) 最近新聞に掲載されました最高裁判所の判決で国側が敗訴いたしました事件は、要点を申し上げますというと、御承知かと思いますが、青色申告者に対して更正決定をいたしました際に、その更正の理由の付記が足りなかったという点でございまして、青色申告についての更正通知書の中には理由を明確にしなくてはならぬという法律の規定があり、この規定を守らないような処分というものは違法である、こういう内容の判決でございます。
○柴谷要君 まあたいへん、判決文の内容を読んでみますと、長いものですから、かいつまんで説明していただくとそういうことになると思うのですけれども、更正を行なって本人に通知をした。それが本人が納得がいかないから、税務署は不当な課税をしてきた、こういうことで裁判ざたになったと思う。私ども更正通知の内容を見せてもらったんですが、法的に考えますと、税務署が出した更正通知は取りようによってはあれでいいんじゃないかという見方もあると思う。ところが、法律の趣旨からいうというと、本人が納得をするというそのことがついておりますから、本人が納得するように書くにはあまり専門語的なものを書いてやってもわからぬということになれば、ことごとく更正の問題についてはこういう問題が起きるのじゃないか、こういうふうに思うわけです。まあしかし、最高裁で決定になった以上は、そのように税務署として守らなければならぬと思うのですが、今の窓口でそのように懇切丁寧に、納税者が承知をいたしました、理解をいたしましたといって快く受けるような状態にするには、一体、今の今日までとってきた税務署自身の考え方でそこまでできるのかできないのか、非常にむずかしい問題じゃないかと思うのです。裁判の精神からいいますならば、更正通知を出した場合に本人が納得をして、じゃ納めましょう、こういうことにならなければ、ことごとくの事案が裁判に持ち込まれてこういう結果が出てくるのじゃないか、こういうふうに思うのでありますが、再度こういう問題が起きないようなりっぱな更正通知を出し、本人を納得させられると、こういう処置ができるのかできないのか、この点をひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(木村秀弘君) 非常に数多くの賦課事務を取り扱っております税務署といたしましては、ただいま御指摘になりましたように、一々の青色申告者の申告に対して更正をいたします場合に、具体的に、かつ、わかりやすく理由を付記するということは、事務量から見て相当の負担になることは事実でございます。しかしながら、先般の最高裁判所の判決にもございますように、青色申告につきましては、あくまでも申告者が一読してどうして更正を受けたのかということが明らかになるように、理由を具体的にわかりやすく書いて差し上げるということは、これはわれわれの重要な仕事の一環であると存じております。したがって、できるかどうかということもさることながら、どうしても今後やらなくてはならぬ。こういうふうに一々の納税者の方に納得をしていただく、また納得できない場合には不服の申し立てなりあるいは訴訟を通じて国側に対して是正を求める手段を十分与えるという意味におきまして、どうしてもこれは事務量にかかわらずやらなくてはならぬことであるというふうに存じております。
○柴谷要君 私が特にこの問題をお尋ねいたしますのは、青色申告書に所得金額を三十万九千四百二十二円と申告をした。ところが、税務署はこれは少し低過ぎるというので所得金額を四十四万四千六百九十五円と更正をしたわけです。金額にして十万ちょっとなんです。ですから、これは税金額じゃないので、所得金額ですから、これに課税をされてくるわけですから、税金額というのは微々たるもんだと思う。それを一審、二審、三審と、最高裁まで争ったと。この内容が一体、金額の多少にかかわらず不当な更正であったからということで、納税者がこれは裁判所まで持ち込んで黒白をつけたのだと思う。ところが、これは金額が小でありますけれども、もしかりにこれがたいへんな高額の所得者であって、査定が非常に高額にまた課せられたと、こういうことになれば、これはまたひとつ裁判にでも持ち込めばこういう結果がまた出てくるのじゃないかというようなことで、たいへんなことが全国的に起きてくるのじゃないかというふうに思う。これに臨みます税務署としては、何といいますか、たいへんな仕事が課せられてきたと思うのですが、それについて国税庁長官は自信をもって、再度こういうことが起きないようにできると、こういうように御確信をお持ちになっておるかどうか、ひとつお尋ねをしてみたいと思います。
○政府委員(木村秀弘君) 本件につきましては、ただいま御指摘のように、金額そのものはたいした金額ではございません。ことに税額にいたしますと、たいした税額にはなっておりませんが、しかしながら、青色申告制度全体を通ずる問題として、非常に内容が重要な問題だと存じます。一審で敗訴し、二審で勝訴した、そういう過程を通じまして、国側としてはやはり青色申告者に対する更正の通知書にはどの程度の理由を付記すべきであるかということを明らかにいたしまして、今後の税務の行政のやり方というものに決定的な方針を与えていく必要がございますので、最高裁まで争って問題の黒白をはっきりしていただいた次第でございます。 なお、今後、理由を付記することによって事務量が非常にふえて、そのために税務署がやっていけるかどうか、あるいは一々の事案について裁判ざたになって、そのために事務量が非常にふえて、やっていけるかどうか、それに対する自信はどうかという御質問でございますが、われわれといたしましては、やはり青色申告制度を設けておる以上は、青色申告者として記帳をなさっておられる方々に対してそれを否認をいたすという場合には、それに相当の理由、裏づけというものがなくてはなりません。単に勘でもって、あるいは同業者との比較において、更正決定をするというようなことは許されませんので、そういう面におきまして、今後青色申告制度を推進していきます場合に、やはり一々の事項について具体的にわかりやすく更正の理由を付記するということが必要であろうと思います。また、そういうことによって青色申告者の方の御納得を得られる例も今後ふえて参る。したがって、納得が得られれば、不服の申し立てなりあるいは裁判所に出訴するという事案も減るのではないか、こういうように考えまして、やはり基本は一々の場合に相手方に十分理由を明らかにわかりやすく説明をして、納得を得るという方向で進みたいと思っております。
○柴谷要君 こういうお尋ねをいたしますのは、正直のことをいって、私どもの身辺に——まあ身辺と申しますか、私どもと接しております方々が青色申告をしておるのでありますけれども、これらの人たちの感情というのは、年間確定した所得金額をまるまる書くということではなしに、まあいろいろの理由をつけて、できることならば少額にというのが青色申告をやっておる人たちの気持だと思う。この裁判の結果、まあああいう結果が出たんだ。だから、今度も更正通知などを受けたら、さっそく裁判してやろう、こういうようにひまと手間のある人が出てくるのではないかということを実はおそれる。そこで、現在の青色申告制度に対して何らか検討を加えるという気持がおありであるかどうか。まあ税の改正を行なう気持があるかどうか。とにかく源泉徴収者というのは、赤ん坊の手をねじるより簡単にちゃんと俸給から差し引かれているから、的確にとられる。ところが、青色申告というのは、まだまだ私は、ほんとうに国民の立場に立ってみて、公正に税の公平という面から見て、はたしてその公平が行き届いているかどうかということを見ると、個人の申告にたより過ぎて、ややもすると税の公平という面から欠けている面が出てきているのじゃないか。ましてや、今回のような、この裁判をめぐって、今度青色申告者が、よし、今度おれのところに更正通知が来たらやってやろうと、こういう気持になられると、税の公正が欠けてくるのじゃないかというふうに思うわけです。それのみか、これを徹底させようとすると、税務署としてはたいへんな本人を納得させるだけの理由を書いたり努力をしなければならぬと思うのですが、これはこの裁判の結果というものは非常に重大な結果を投げ与えたと、こういうふうに思うわけです。一体その原因はどこにあるのかということも検討してみなければならぬと思うのですが、これはたいへんむずかしい問題になりますので、時間をかけて十分検討してみたいと思っているわけです。 そこで、一体この問題をめぐって、最近いただいたこの判決文でありますが、いろいろ読んでみましたところ、これによって青色申告に対する税務署の態度というものは非常にむずかしいものになってきた。これに十分に対処できるかどうか、こういう考え方から質問をしたわけなんです。しかし、長官が自身でおやりになるのじゃなくて、全国窓口の人がやられるわけです。これは窓口の人の負担というものは非常に加重されてきたと思うのですが、そう簡単にお考えになるというと、第二、第三の問題が発生しやしないかというふうに思うので、要員の面等については十分お考えいただかないといかないのではないかというふうに思うわけですが、この点についての見解をお聞かせいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(木村秀弘君) 青色申告につきましては、制度として私はやはり現在の制度は非常にいい制度であるというふうに思っております。何といたしましても、納税者の方が正確な記帳をつけられて、これに基づいて適正な課税が行なわれることが理想でございまして、われわといたしましては、青色申告者が正確に記帳をされるということについて、また税法にかなった記帳の仕方をとられるということについて、十分な打ち合わせなり指導というものを今後いたしていかなければならぬと存じます。 また、事務量の面でございますが、確かに窓口における事務量はそれだけふえて参ります。しかしながら、ただいままでも、更正の通知書に理由を簡単に書いた、あるいは理由を省略したということで、全然青色申告者の方に理由を申し上げなかったかというと、行政の実際といたしましてはそういうことはございませんので、口頭で調査の際に理由は申し上げているわけでございます。したがって、これを書面で差し上げる際に、書面に記載するかどうかという問題でございまして、確かに口頭で申し上げるのと書面に記載するのとでは相当事務量に相違はございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、基本は青色申告者の方々に納得をして納税をしていただくということが基本でございまして、そのためにはやはり税務署として事務量がふえても、各納税者の方に一体どうして更正を受けたのだという理由がわかりやすく、一読してわかりやすく説明をして差し上げる義務が法律上あるわけでございまして、この点は確かに事務量がふえますけれども、しかし、税務署としてはどうしてもやらなければならない義務であるというふうに感じております。
○鈴木市藏君 長官にお尋ねしたいのですけれども、私は国税庁管内における労働組合政策についての長官の率直なお考えを聞きたいと思うのであります。それは最近全国税労働組合に対する組織破壊の攻撃が計画的に組織的に行なわれてきている。これはもう数年にわたって行なわれておりまするが、特に最近各地で目に余る例が起きてきておりまするが、一体長官は全国税といわれているこの労働組合についてどういうお考えを持っておられるのか、率直にひとつお尋ねしたいと思います。 それから、二つ目の問題であります。昨年の十一月十六日だったかと記憶しておりますが、長官通達を出しましたですね。これは衆参両院の大蔵委員会もしくは社会労働委員会でこの全国税に対する不当労働行為が追及をされて、それで長官自身が通達を出している。この通達を出したあとにおいても、なおかつそういうことがあとを断たないで起きているという事実から見て、一体この通達を出すに至った経過、通達が実際問題として管下の税務署管内で十分にその趣旨が行なわれているかどうかという点について、その後のあなたの指導の考え方について。 以上二つをお聞きしたいと思います。
○政府委員(木村秀弘君) 私は、昨年の五月に就任以来、国税庁の組合に対するあり方というものにつきましては、しばしば国会で申し上げましたとおり、組合とわれわれ管理者側との関係が正常で、かつ、勤務条件に対する理由ある交渉については、十分話し合いを行ないたいという考えで今日までやってきておるつもりでございます。 ところで、昨年一部の局で、国税関係の管理者が正常な労働組合に対して不当な介入をしておる事実があるという疑いをはさまれまして、それが国会において論議の的になったことは御承知のとおりでございます。その後、こういう疑いを十分明らかにし、そして管理者においても不穏当な行為がないように、昨年十一月に通達を出しておる次第でございます。 ところで、ただいまの御質問のその趣旨が徹底しておらないようなおそれがあるという点でございますが、私どもといたしましては、単に通達の面のみならず、いろいろな会議等の際に十分説明をいたしております。趣旨が徹底をしていないというふうには信じておりません。ただ、その後も依然として全国税からの組合員の脱退が相次いで起こっておるということは承知いたしております。これは私は、おそらく過去における組合のやり方あるいはその方針というものが、やはり職員を納得させるだけの根拠が薄かったのじゃないか。たとえて申しますというと、職制に対して抵抗をする、服従はしない、あるいは業務規制というような戦術がとられておりまして、したがって役付の職員としてはどこまでもついていけない。まず役付の職員から脱落が生じ、また一般職員もそれに従って脱落が生じていくというような経過をたどっております。私たちといたしましては、私たちがどうするこうするということじゃなくて、こういう従来の組合の戦術に対する一般職員の批判が今のような事態を生ぜしめておるというふうに信じております。
○鈴木市藏君 あなたは、今のような事態は、官側のつまり不当な介入によるものでなくて、勧奨によるものではなくて、労働組合自体の戦術が招いた結果であるというふうに答えておりますが、しかし、あなたの就任以前は問わない、またその通達を出さない前のことについては私は問わない。あなたが通達を出してから後、事実において起きていることは、あなたの今ここで言われたようなきれいごととは違うと思うんです。あなたが通達を出してから——あの通達自身も、むしろ真意は第一項よりも第二項にあるというふうに考えられるような、きわめて歯切れの悪い通達を出しておりますけれども、しかし、その通達が出された後においてもそういうことが起きているんですが、あなたがもし現場の実際について十分に知っておらなければ、この起きている事実について逐一申し上げなければならないと思うんですが、これは時間の制限があってそう一々申し上げていることはできませんけれども、代表的なものとして仙台と大阪に起きている——今大阪に税務署を作るといっていることでありますが、大阪と仙台に起きているこの事実について、これは一体どういうことなんだかということについて、これがはたしてあなたの言うとおりに、官側は全く関知しないことで、労働組合の一方的な戦術の結果こうなったというふうに取れない。その事実について申し上げてみたいと思いますから、しっかりとお答えを願いたいと思うんです。 まず、大阪の西成税務署における今の態度というものは全くひどいものです。五月に入って国税庁の遠山審議官、この人を中心にして、乗り込んで策動してきておりますけれども、一体との遠山審議官というのはどういう人なんです。この前の国会の中でも、衆議院の社会労働委員会でも、遠山審議官が行くところ分裂策動を行なっている、不当労働行為を行なっているということについて追及をされておりますけれども、依然としてこの男の策動が跡を断っていない。一体これはどういうことなんです。これは労働組合の戦術とは取れない点ではないか。むしろ官側のほうがこういうような男をやっぱり先回りをさせて、分裂策動を行なわせているとしか取れない。しかも、この遠山という男は、御存じかどうか知りませんが、二十一年、二十二年ごろの全財といわれたところの労働組合の中央執行委員をやっていて、ことごとに労働組合の決定が官側に漏れていくその疑いをかけられた人である。こういう労働組合の中でも札つきな男を審議官にして、労働組合の分裂あるいはまた不当労働行為を指導して歩いているという事実については、一体これは組合の戦術とどういう関係があるかという点をひとつお聞きしたい。 それから、二つ目です。この問題に対しては、西成税務署の木下総務課長は、執行委員の一人が、こういったあなたの部下が不当労働行為をやった具体的な事実がたくさんわかっている、国会で追及されているのではないかという抗議の中に、国会が何だ、こういう暴言を吐いている。そして西成税務署などでは実に六課長、二係長が不当労働行為の扇動を行なっている。こういう事実はもう組合の戦術や何かの問題じゃないです。そしてそういう中でこういうことを言っておるんです。これは局長以下全部の方針でやっているので、全国税はやがてつぶれる、こういう宣伝をやっているんです。それから、組合に残っている者はみんな赤だ、ロシヤ民謡を歌っている者は赤に染まっているんだ、こういうようなことを公然と言いふらして、そして陰に陽にあらゆる手段を使って、全国税から脱退して第二組合に行くように、第二組合に行くことができなければ組合そのものから抜け出るようにということをやられている。これは一体あなたのいう組合の戦術とどういう関係があったか。これらの事実についてあなたは承知しているか、お答え願いたい。
○政府委員(木村秀弘君) 第一点の遠山審議官でございますが、今おあげになりました五月中に大阪に出張したという事実はございません。遠山審議官は主として服務に関すること、労働関係の事務を取り扱わし、専担させております審議官でございまして、この審議官が各地を回って組合の分裂をはかったということは事実ではございません。ただ、各地に出張をいたしまして、一般的な労働情勢の説明をさせ、あるいはその局内における労働情勢あるいは組合の情勢等を説明を聞いて私に報告をするというのが、遠山審議官の職責でございます。 それから、第二の、大阪の西成税務署の木下総務課長が国会が何だというような暴言を吐いたというようなお話でございますが、これは私はおそらく何かの誤解だと思います。国税の職員にそういう暴言を吐くような者がおるとは私は信じておりません。 なお、その他の事実、木下総務課長が申したといわれる事実につきましては、私はいさいを承知しておりませんが、後ほど調査をしてみたいと思います。
○鈴木市藏君 それで、あんたは、この遠山審議官の任務は労働情勢について長官に報告をすること、そういうことで各地を回って歩くのが職務だと言っておりますが、事実を見てごらんなさい。しかも、この遠山という男は全くけしからぬと思うのは、ひとり国税の中だけでやっているのじゃないのです。あんた御存じですか。ほかの官庁へまで行って、国税ではこういうふうな労務管理をやっているのだ、この国税の労務管理というものはまことに適切なものだ、模範的なものだ、これにならえというような講義を、不当労働行為扇動の講義を行なっているということを、あなたは知っていますか。
○政府委員(木村秀弘君) 遠山審議官が、ほかの省から国税庁の労働対策と申しますかについての説明をしてもらいたいという依頼を受けた事実は存じております。しかしながら、その役所へ出ていって、不当労働行為の扇動をしたというようなことは私は聞いておりません。
○鈴木市藏君 そこでどういうことを言っておるかというと、全国税で、いわゆる国税庁管内で働いている労働者は何万人いるのですけれども、現在はとにかく第二組合に二万人入っている、第二組合のほうが数が多くなっている、これはやっぱり相当気持のいいことだというようなことを言っておるのですね。それから、一切団体交渉には応じないのだ、交渉ではなくて陳情だ、こういうふうなことを言っておるわけです。これはまあ一々彼の言ったことがそのまま速記録に載っているわけじゃありませんけれども、要点については全部書いている。実にひどいことを言っていますよ。日本の官吏ですから、しかも国税庁の官吏ですから、少なくとも憲法にきめられている条文に忠実でなくちゃならぬ。民主主義を守るということについて忠実でなくてはならない。今のILO八十七号条約批准を目の前に控えている現状においては、なおさら忠実でなくてはならない。それとは全くうらはらのことを言っておる。その審議官という男は今ここへ来ているのですか。来ているなら、ここで一問一答を行ないたいです。おりますか。
○政府委員(木村秀弘君) おりません。
○鈴木市藏君 長官は一々彼の言動を見て歩くのではないから、知らないといえばそれまでかもしれませんが、まことにけしからぬ男です。国税だけでなくて、他省のところまで行ってそのようなきわめて悪質な労働行政の扇動をやっているという点については許されない。一体、労働組合というものについてどういうふうに考えているか。先ほど長官はなかなかきれいなことを言いましたよ。これまた長官の一問一答の答弁を見ると、あなたはなかなかきれいなことを言っているけれども、一体言われていること、こういう国会やなにかの委員会で言われていることが本旨なのか、それとも現実にやられていることが本旨なのかわからなくなってくる。こういうような審議官を今言ったような形で使っているというようなことは、まことにけしからぬ。即刻私はやめさせるべなだと考えるが、この点についてあなたは一体どうお考えになっておりますか。だめ押しをするようですが、しっかりとお答え願いたいと思うのです。
○政府委員(木村秀弘君) ただいま申し上げましたように、遠山審議官がよその役所から求められて出向いていって国税関係の説明をしていることは事実でございます。これは私も報告を受けております。したがって、第二組合というものが何万人になったかというようなことは、おそらく事実をお話をしたのであらうと思います。しかしながら、国税庁では団体交渉に応じておらないとか、あるいはこれは団体交渉じゃなくて陳情だと言ったというようなことは事実ではございません。おそらく誤り伝えられたのではないかと私は信じます。 それから、遠山審議官をやめさせろとかいうようなお話でございますが、これは私は、遠山審議官は私が現在の職務につく以前から現在のポストにおるわけでございまして、私もつき合って一年になりますが、私としては信頼のできる人であると確信をいたしておりますので、これを今動かすとか、あるいはやめさせるという気持は毛頭持っておりません。(「答弁いいぞ、はっきりしているじゃないか」と呼ぶ者あり)
○鈴木市藏君 日本民主主義を破壊しているのだよ、こういう男は。 それで、仙台に起きてきている事実についてこれから質問いたします。仙台では、税務署及び国税局管内の主として係長以上を対象に、「共産主義の特徴」、「官庁労使関係の国際的再評価」という無署名のパンフレットを配ってやっているわけです。一体、税務行政に「共産主義の特徴」といったようなパンフレットを配るというようなことがどういう理由で必要なのか、お伺いしたい。
○政府委員(木村秀弘君) ただいま仰せになったようなパンフレットを配ったというようなことは、私は全然聞いておりませんし、ただいま係の者が知っているかどうか聞いてみましたが、そういう事実はございません。
○鈴木市藏君 もしそれが事実であったとすれば、そのようなパンフレットを配って、係長にどういう、何を教育するのか知らないけれども、反共教育をたたき込もうとするようなことは現憲法下においては正しくないことであるし、まして官の金を使って、国民の税金を使ってそういうことをやることは正しくない、税務署の行政指導としては逸脱であるというふうにあなたはお考えになりますか、もし事実であったとすれば。
○政府委員(木村秀弘君) そういう事実は全然存じておりませんが、しかしながら、国家公務員といたしまして特定の政党に対してとやかく言うということが、政治活動の分野にまで踏み込んでおるというような段階になりますというと、私どもといたしましては厳重に監督をいたします。
○鈴木市藏君 それでは、ここに「仙台南昭和三十八年五月二日税務署」という丸はんこをついた「共産主義の特徴」というこのパンフレットが出ている。あなたたちは、組合員が政治活動をやるときには、それは行き過ぎだといって押える。官自身がこのように、特定政党についての明らかな政治活動だ、しかも反動的な政治活動だ、こういうふうなものをやるときには、時間内でこれを許し、しかも官の命令でこのようなことをやらしている。あなたが先ほど言ったように、この事実が明らかになったときにはこのパンフレットをさっそくひとつ回収をして、今後そのようなことは行き過ぎである、公党に対するところのいわれなき中傷に導くことであって、行き過ぎだということでひとつ取りやめていただきたい。これは言明できますか。
○政府委員(木村秀弘君) そのパンフレットは私も見たこともございませんが、役所側で、そういうパンフレットを出したのかどうか、あるいは個々の組合員、職員の一部の方が単独で独断で出したのであるかどうか、その辺については相当疑問があると思います。私は、役所がそういうものを出すということは常識上考えられないと思います。また、時間内に組合活動等をいたしますことは、これは国家公務員法上禁じられておりますので、時間内にそういう行動があったということになれば、厳重に注意をいたしたいと思います。
○鈴木市藏君 これは組合じゃないんです。係長以上を集めてやっておることなんであって、組合の仕事としてやっておるわけじゃない。むしろ、あなた方の指導のもとでやられている一つのそういうやり方なんですよ。ですから、これはなおさら行き過ぎだと思う。これを事実をひとつ調べていただいて、もしそのような行き過ぎがあるならば、即刻取り消す、パンフレットを回収するということはよろしいですな。
○政府委員(木村秀弘君) 私は、そういうことを役所が、係長以上にそういうパンフレットを出したというようなことは信じられませんが、万が一御指摘のような事実があれば、これは回収をいたします。
○鈴木市藏君 これは長官が通達を出した昨年の十一月六日以降に起きている大阪と仙台のきわめて特徴的な事実です。そしてそれだけじゃないのです。もう一つ聞きます。 この間、ちょうど今政務次官もおられるんだが、政務次官会議で人事行政に対する「人事管理を一元化」、「公務員の綱紀粛正を推進」という見出しで、五月二日の日経新聞に出ていたものですが、「労組対策をも兼ね」という見出しで書かれていたやつを見ますと、「さらにこの人事管理体制の組織については国税庁で行なっている人事管理方式を採用する方針である。国税庁の人事管理方式というのは、日本で最も進んだ管理方式といわれ」云々ということで、この国税庁の人事管理方式の中心をなすもの——これにもちゃんと書いてある。中心をなすもの、その大半は労働組合対策だ。これをひとつまねて全官庁の労務管理に及ぼしていこうということを次官会議で近く具体化するという新聞記事が載っておりますが、政務次官、あなた自身これに参加しておられたと思いますが、この真意についてひとつ率直にお答え願いたいと思う。
○政府委員(池田清志君) 五月の二日の政務次官会議において、ちょっと私忘却をいたしておるかと思いますが、そういうようなところまでお話があった覚えを持っておりませんです。
○鈴木市藏君 それは覚えがないと言っておいでですが、こんなにでかでか出ておるんです。まさか日経がうそをいうわけがない。だから、その事実があったかどうかという点についてあなたが記憶がないというならば、それはそれでいいですよ。いいですけれども、今ここで論議されているような、この全国税に対する今の労働組合政策といわれるものは、まさに強制労働に匹敵するようなやり方なんですよ。そして全国税という労働組合を敵視して、この組合をつぶして第二組合を育成するという一貫した方針のもとに進められておるのです。言葉はきれいなことを言っている。きれいなことを言っているけれども、事実はそうなっているんです。こういうやり方はいけないということが、目の前にきているところのILO八十七号批准の精神なんですよ。しかも、日本の憲法の二十八条の精神なんです。それを公然と踏みにじって、この反動的な日本の官庁の中でも国税が一番おくれているんです。一番おくれているというよりも、一番悪質なんです、労働組合に対するやり方は。日本で一番おくれておるということは、世界で一番おくれておるということですよ。十四回も勧告を受けて、やっとILOの批准に何とかかんとかこぎつけようか、しかも国内法の改悪も抱き合わせでやっていこうか、こういう政治的問題化されておる事実の中で、少なくとも官庁の労務行政に携わる人たちは、もっと謙虚に反省をして、こういうことが、だれに忠実を尽くすのか知らないけれども、目先——一見今の政府なりあるいは今のような行政上忠実なもののように見えるのだけれども、根本においては日本の民主主義を危うくする。憲法を危うくし、日本の民主主義を危うくするものですよ。日本の民主主義なんというものは一片の条文に書かれたものじゃなくて、職場における労働者の基本的な権利が日常活動として保障されておるかどうかということが民主主義の一番基本的なところなんです。これがくずれたら、民主主義なんというものは形骸になってしまう。あなた方は現にそれをやっておる。しかも、その国税の方式がうまくいった、全国税をだんだんくずして第二組合の力がふえてきた、これはうまい、これをひとつ全官庁に及ぼそうじゃないか、全国税方式はまことにうまいものだということで、これを政務次官会議で人事管理の一元化という方向でやっていこうとする、その反動的な労働政策の模範になっておる国税なんです。ILOの今のこの勧告の精神に照らしても、これはあなた方が厳重に反省をしてもらわなければしようがない。そしてできるならば、長官、あなたはもう一度しっかりと、実情において効果のあがるような再通達を出す気があるかどうか、お答え願いたい。
○政府委員(木村秀弘君) ただいまお話がございました中に、私たち国税の管理者が全国税組合を敵視しておるというようなお話がございましたけれども、しかし、私は、絶対に敵視をするのじゃなくて、逆に、一年間見てきておりますところでは、全国税のほうがわれわれを敵視しておるというふうに感ぜざるを得ません。いろいろな際にまかれておりますビラ等には、われわれのことを敵というふうに書いております。われわれは全国税を敵と言ったことは一度もございません。そういう点では全くわれわれは逆に考えざるを得ないのでございます。 また、この再通達の問題でございますが、これは皆さんおそらく御存じかと思いますが、昨年通達をいたしておりまして、その後会議等の席上ではよく趣旨を説明いたしております。したがって、今後も会議はしばしばあることでございますから、同じ通達を二度出すということでなく、会議の席上で十分趣旨の徹底をはかりたいと存じます。
○鈴木市藏君 この問題だけであまり時間をとっておることはどうかと思いますけれども、労働組合には組織防衛という正当に行使できる権利があるのですよ、組織を防衛するという。したがって、自分の組合がどんどん分裂させられていく、しかもそれが官側のやり方によって第二組合に持っていかれるという場合に、組織防衛の権利がある。正当に認められておるこの組織防衛の権利の立場から、あるいは組合の分裂を行なっておるあなた方を敵と呼ぶ場合があるかもしれない。これはしかし、あなた方を敵として言っておるのじゃない。組織防衛という立場で、分裂主義者、分裂をどんどんやっている者について、組織を守っていくという立場から、これは許されないということで抵抗に立ち上がるのは当然のことです。それを全部、全国税がむしろ国税庁そのものを敵としておるというふうに見ることは正しくないのです。問題の発端はもっと正常な、そういうつまり労働組合に対してもっともっと日本の民主主義の根本精神にのっとった態度でもってあなた方が接していくならば、私はそういうことはなくなると思うのです。ところが、全国税を何とかしてつぶして第二組合に切りかえをしていこうと現にやっておる。ここから問題が起きておるのであって、問題の種をまいたのは全国税の労働組合ではなくて、あなた方の労務政策そのものに問題があったというふうに考えまするので、これについては目先のいろんなことではなくて、もっと深く今後の問題を考えて、ひとつしかるべくしっかりとした反省を促し、必要とあるならば事実において調査を行ない、そのようなことのないように、厳重なひとつ方法を講じてもらいたい。それはほんとうにききめのあるような再通達というような方向で出すのか、それともあなた自身が現場に行ってみて、実情を明らかにして指導をするか、いずれにしてもそういうふうな方向において、今日以後、全国税の分裂がどんどん官側の指導において分裂させられていくことのないように、厳重なひとつ方針をとってもらいたいということを要望して、この問題に対する私の質問を終わります。
○政府委員(池田清志君) お答えではございませんが、ただいままでの質疑応答を拝聴しておりまして、全国税の個々の方々の中で組合を脱退された方があり、あるいはまた新しく組合を結成された事実のありますることは拝聴しておりまするが、これにつきましては、木村長官お答えしておりまするように、御本人の御自由の御意思でそうなっておるのでありまして、いわゆる役所といたしましては全然介入をいたしておらないところでございます。 なお、木村長官以下国税関係の職員は、国民に奉仕する熱意の最も旺盛な方々をそれぞれ適材適所に配置いたしておりますことを申し添えておきます。
○委員長(佐野廣君) 他に御発言もないようでございますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより本件の討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより本件の採決に入ります。「地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、税務暑の設置に関し承認を求めるの件」を問題に供します。本件を原案どおり承認することに替成の方の挙手を願います。 〔替成者挙手〕
○委員長(佐野廣君) 挙手多数と認めます。よって、本件は多数をもって原案どおり承認すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十三分散会 ————・————