大蔵委員会 第25号
- 発言数
- 62 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/04/19
会議録
○委員長(佐野廣君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について報告いたします。 四月八日、松野孝一君、後藤義隆君、北口龍徳君及び沢田一精君が辞任、その補欠として田中茂穂君、平井太郎君、森部隆輔君、青木一男君が選任せられました。 —————————————
○委員長(佐野廣君) 租税及び金融等に関する調査のうち、金融に関する件を議題といたします。 本件につきましては、去る三月三十日の委員会における決議に基づき、本日は参考人として中部相互銀行取締役木村彌三郎君及び静岡相互銀行社長笹野好男君の御出席をいただいております。 参考人の方にごあいさつ申し上げます。本日は、御多用のところ、まことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。 この際、委員長として一言申し上げます。銀行業務は、申すまでもなく、預金者の利益を保護し、同時に、産業経済の発展に寄与する建前より常に健全なる運営に心がけねばなりません。特に、相互銀行はそのおい立ちよりしまして、中小企業金融機関としての使命はまことに重大であります。最近、中部相互銀行及び静岡相互銀行におきまして、経営上の諸問題が表面化しておりますことは遺憾に存じます。この際、その実情を聴取するとともに、この種金融の正常なあり方について調査研究いたしたいと思い、本委員会を開いた次第であります。どうかこの趣旨に従って御審議を願いたいと存じます。 それでは、本件につきまして御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○柴谷要君 参考人の方には、たいへん御多用のところ、御苦労さまでございます。実は本委員会は、参考人として中部相互の石川さんに御出席をお願いしておいたのでありますけれども、何かの御事情で代理の方の御出席のようでありますが、まことに本人から十分な意思をお伺いできないことは残念でございます。しかしながら、代理人並びに笹野参考人から満足した御答弁あるいは御説明がいただけますならば、しあわせでございますが、もし十、分なお話が承れません際には、石川会長をして証人として御出席を願わなければならぬと私は考えておるのでありますけれども、御両人から十分なお話をお伺いできますならば、その点も後日考える、かように私自身考えておるわけであります。 そこで、まずお伺いをいたしたい点は、概略私が今回の問題点を申し上げます。その中から質問を展開して参りたいと思いますので、もし私が先に述べますことに間違いがありますならば、両参考人から御指摘をいただきたいと思います。私がさように考えております点から言及をして、いろいろと一お尋ねをいたしますのでありますから、まず基本になるものが間違っておりますというと、おのずと目的を達するわけに参りませんから、そこで基本的なものをごく簡略に申し上げます。 今回御証人においでをいただきましたのは、ほかでもなく、静岡相互銀行の持ち株六万株の中で、三万四千株という大量のものを丸善の社長さんがお持ちになっておられる。この限りにおきましては、静岡相互銀行は非常な上向きな経営を行ない、非常に円満に庶民のために相互銀行としての実績をあげられてきたと思う。ところが、丸善石油の社長さんが、どうしたはずみか、この静岡相互の株を中部相互銀行の会長である石川さんにお譲りになった。問題はここから発生していると思う。しかも、そのために静岡相互銀行の社長さんは公取にこれを提訴された。独禁法違反として提訴をされた。しかし、それが途中で取り下げをすると、こういう問題の中から、静岡相互銀行に就職されております従業員諸君が、前回と申しますか、前に鈴木一弘さんという方によって株の買い占めが行なわれた、そうして経営者陣営がおかわりになった、そのときにも問題が発生をして、行員各位が非常な努力をされて正常に戻された、こういう経緯の中から、またまた株の大量移動によって静岡相互銀行の中にかなりの不安動揺が生まれてきた。その結果、静岡相互の責任の立場にあられた方々が努力をした模様でありますけれども、とにかく株の独占をされた、その上に立っての静岡相互に対してはかなりの圧迫が加えられつつある、そういう中で企業を守らなければならぬと立ち上がった諸君を十三名も馘首をする、こういう問題ががぜん出て参りましたので、国会としてもこれは捨て置くわけにいかぬ、いわゆる相互銀行の使命を達成させるためには、どうしても正常なルールに戻させなければならぬ、かように考えて私は本委員会に参考人として御出席をいただいたものと考えまして、これから質問を展開しようと思うわけです。この私が申し上げたことに多少でも間違いがありましたら、御指摘をいただきたいと思います。なければ別段の御発言がなくてもけっこうでございます。この点から伺っておきたいと思います。
○参考人(笹野好男君) ただいま先生から御説明ございましたのですが、株の点でございますが、六百万株でございまして、そのうち丸善石油の関係の人が、丸善関係で持ちましたのが三百十万株という形でございまして、この鈴木一弘氏からの場合に譲り受けましたのが三百十万株でございます。それを丸善石油の販売者グループが所有いたしております。ただいまの御説明の株数がちょっと違いましたので、御訂正申し上げたいと思います。 なお、ただいまの丸善石油が経営いたしておりますときに、丸善石油関係の株主としてこの静岡相互銀行に前米本社長が社長としておりまして、その運営に関しましてはただいま先生からお話ございましたとおりで、私は昭和三十四年に非常勤として当行に入行いたしまして、その三十四年の八月に非常勤の副社長に就任いたしまして、引き続いて昭和三十八年の二月の二十三日に社長に就任いたしますまで非常勤として勤務いたしておりまして、その間丸善石油のグループの株式は各販売業者の名義に書かれて所有いたしております。丸善は融資をいただいているという関係でございます。 そこで、当時、私たち三十四年の入行当時におきましては、資金量も大体八十四、五億ということでございまして、ただいま先生がおっしゃられる順調に推移したという点につきましては、昭和三十八年の二月は大体二百七十億というような数字に進んで参りました。その間におきまして、従業員の給与ベースも、当初三十四年の三月には一万九千円、これは歩合給も入れまして、一万九千円——八百九十六円くらいでございまして、ボーナスも、賞与も一万五千九百円くらいでございましたのを、おかげさまで昭和三十七年十二月の賞与は七万五千円、給与も、歩合給は除かれましたが、二万九千円、たいへん上昇して参りました。そうしてこの株が、丸善の関係から石川さんを仲介といたしまして、その後にわかりましたが、三十七年に何がしかの方の名義に書きかえられたのでございます。 以上、今先生にお話を申し上げましたとおりでございます。
○柴谷要君 時間が制約されておりますから、私の質問に率直に、簡潔明瞭にひとつお答えいただきたいと思います。 これから徐々に入って参りたいと思いますが、私の申し上げたルールには間違いないというお話でございますから、そうしますと今回の問題は、これを三つに分けられると思う、一つは、株の譲渡に伴っての問題が一つ、もう一つは、静岡相互銀行自体に発生している問題が一つ、それからこの中には預金者なり利用者の問題がある、こういうふうに私はまずこれからこの三点について質問いたしたいと思う。 まず、石川さんの代理として出席いただきました木村さんにお伺いしたいのでございますが、木村きんが中部相互銀行の取締役となっておりますが、常務でございますか、専務でございますか。
○参考人(木村彌三郎君) ただいま先生のお言葉でございますが、私は中部相互銀行の取締役といたしまして昭和二十八年の十月に就任いたしまして、今日までその職務にありますが、常務ではございません。平取締役でございます。
○柴谷要君 中部相互銀行の取締役であられるのでありますけれども、帝産オートのほうの関係はどういうお仕事をおやりでございますか。
○参考人(木村彌三郎君) 帝産オートのほらの関係といたしましては、これは昭和二十一年に帝産オート株式会社が創立しましてから、その取締役として在任いたしておりまして、昭和二十六年に専務取締役として就任いたしております。
○柴谷要君 そうしますというと、帝産オートの専務であり、中部相互銀行の取締役という立場にありますというと、石川さんとは非常に事業上緊密である。しかし、石川さんの本心をお尋ねしても、これはおわかりにならぬと思いますが、石川さんがおとりになっております事業上の行動なりあるいは銀行の運営の方法なり、そういうものについては十分御認識いただいておるものとして私は御質問してよろしゆうございますか。
○参考人(木村彌三郎君) ただいま先生の御指摘になりました件でございますが、これは私もう、帝産オートの前身でありますところの帝国産金という会社に入社いたしましたのが昭和十三年の十二月でございまして、今日まで二十六年間同じところで大体石川博資と一緒に仕事をして参りまして、もちろん代表権者であり社長でありますととろの石川博資の命令なりその意思に従って仕事をしておるのでございますが、大体におきまして二十五年間というものを終始いたしておりますので、この銀行のことに対する石川博資の考え方及びわれわれのほらの事業関係におきましての社長の考え方につきましては、私も相当と申しますか、相当以上に熟知しておる自覚を持っておりますので、もしその点につきまして先生より御質問がございましたら、率直に私の存じておる範囲内においてお答えを申し上げ、御説明を申し上げます。
○柴谷要君 それでは、まず第一点としてお尋ねしたいのは、丸善石油から株を石川さんがお買いになった。相当の金額でありますから、この捻出を石川さんがされたことは事実だと思うんです。その捻出を中部相互銀行に求めたということが言われておりますけれども、それはそのようにわれわれが考えておるとおりのものであったかどらか。たとえば株を買うために六億何千万かの金が必要になってきた、そこで中部相互銀行にその資金源を求めた、こういう話があるわけですけれども、それは事実でございますか、ひとつお答えをいただきたい。
○参考人(木村彌三郎君) お答え申し上げます。これは、ただいま先生の御指摘のことにつきましては、少し話が長くなりますが、ちょっと主客転倒のような形でございますので、その点を私よりひとつ弁明させていただきたいのでございますが、これは本年の一月になりまして、丸善石油より静岡相互の株式の移動の話が持ち込まれましたときに、最初私のほらといたしましては、これは静岡相互銀行には米本さんというりっぱな社長がおられて相当の持ち株を持っておられる、そのほらに大体お回しになったほうがいいでしょうということで、一応私のほうは御辞退申し上げたのでございますが、しかし、その後仲介に立っておられる方々が米本社長のほらに参りまして、その株の引き取り方を要請されたようでございますが、いろいろの事情から米本さんがお引き受けにならないということが判明いたしまして、再び私のほらに持ってこられたのでございます。それで、その当時ちょうど私のほうは、先ほど申し上げましたように、昭和二十八年に中部相互銀行を、同じ県下において相互銀行を経営し、大株主として経営し、直接また取締役として私どもが参画し、石川もまた代表取締役としまして在任いたしておりました。 そういうところでありまして、そこに先ほど先生の御指摘の鈴木一弘氏の問題でございますが、これは静岡相互銀行のまとまった株式が丸善石油より、何かこれを丸善石油さんのほうの御都合でお手放しになる、世間で言うところによりますと、五人委員会とかなんとかいうものができたということを承っておりますけれども、これは新聞なんかで伝えられたところで、私どもの関知するところではないのでありますが、そういうような状態のときに、その株式の移動のことが盛んに宣伝されました。そこにまたもとの先生、ただいま御指摘の鈴木一弘氏が相当暗躍しておった。これは現に私のほらで株式を引き取りまして後に、数回にわたりまして私に直接面談を申し込んで、その株式を譲渡してくれということを相当、何と申しますか、高価な株であることを承知の上でそれを譲ってくれということを再三再四申し込んできたのであります。それで、それに対しまして、先ほどちょっと伺いますと、何か鈴木一弘氏と同様な買い占めというお言葉のように私もちょっと解釈したのでございますが、これは私の解釈が悪うございましたらおわびいたしますが、私のほらは、先ほど申し上げましたように、同じ県内におきまして中部相互銀行という相互銀行を経営いたしております。ことに、静岡相互銀行の株式がそういうふうに大量に動くことを、また鈴木一弘氏のような手に入りまして、そうして金融界の撹乱であるとか、あるいは株が方々に持ち出されていろいろさばかれる場合において被害をこうむりますのも、やはり中部相互銀行と申しますものが同じ県内にございます関係上、影響が少なくない。先生御指摘のように、行員全体の福利の問題もあり、また預金者、取引者へ及ぼす影響も少なくないと考えまして、私のほうでそれを引き取りまして、そしてやった次第であります。 それから、その資金の点につきまして、先生のただいま御指摘でございますが、これは私のほうといたしまして、ちょうどこの帝産オート関係の各社が設備もしくは運転資金として昨年末に中部相互銀行から借入の申し込みをいたしておりましたが、それで、ところが、ちょうど急速の場合におきますために一時それを流用しました。流用しましたが、そのなには返済方法はちょうどハワイにアメリカン石油……
○柴谷要君 わかった。くどくどしいことを聞こうとは思わない。だから、私は、資金源をどこに求めた、中部相互銀行から出した、それでいわゆる経緯については全部わかっておる。だから、そういうことをお尋ねするのじゃなくて、簡潔明瞭に、出しました、運転資金の一部を活用して、それだけ言っていただけばいい。 それで、次にお尋ねいたしますけれども、たしか石川さんが帝産オートの社長をやっておられて、そして関連事業体で何口かに分けて金を借りた。それは株を買うために運転資金として貸付を行なって、それを石川さんがお買いになった、こういうことなんです。事実でしょう。これは間違いないと思う。その石川さんが中部相互銀行の会長で、社長はおらない。会長がいわば、何というか、ワンマン経営をやっておる。そういう人がそういう立場において、しかもあなたの中部相互銀行の資本金は二億です。準備金は二億三千万。四億三千万の中部相互銀行が、一人の名義の方に六億五千七百万円の金を貸し付けるということが、相互銀行として正しいかどうか、こういう点はまだ掘り下げなければならないと思う。しかし、この委員会でそういうことを言おうと思いません。しかも、それだけでなく、日歩一銭六厘、最高二銭、こういう最も安い利息で融資をしておる。こういうことが世間に知れて、中部相互銀行が非難を買わないと思ったら大間違い。国会は、いかようなことがあろうとも、こういうようなことをやっておれば、委員会へ御出席をいただいて追及しなければならない。そのことは何かといえば、相互銀行の正常な運営を皆さんにやっていただきたい、こういう気持から申し上げておる。おわかりですね。 そういうふうな立場に立って、お買いになった株の上にあぐらをかいて、そして静岡相亜銀行のごときは、ここ数年来の営業実績をごらんになって、私どもは初めて見ますと、その相互銀行がりっぱな成績をあげているのも、役員の皆さん方の努力だけではないと思いますよ。全行員の皆さんが真剣になって業務に精励された結果、成績が現われた。それを単に、株の移動の中において多少の感情があろうとも、真剣になって戦い事業を守ってきた従業員十三名の首を切るということは、正気の経営者にできるはずはない。もっともっとああいう問題については真剣に話し合ってやるべきだと思う。こういうことをやっておいて、あなた方は中間にはいろいろ事情がありましょう。鈴木一弘氏のように買いあさりをやっておる人に株が渡ったら、静岡相互銀行はどうなるかくらいのことはわかりますが、そのために多少世間から批判を受けようとも、ひとつ親心を出してもやってやろうとお考えになったことも、あるいはあるかもしれません。しかし、そのことによって、行なっていることが正当だということにはなりませんよ。ならぬ。そのために預金者、利用者に不安を与えるなんということは、銀行経営に当たっておる皆さん方の責任じゃないかと私どもは思う。 そこで、問題の追及のみ先走って、解決があと回しになることを私は好みません。ですから追及は追及としてですよ、当面問題解決をあなた方が誠意をもってされるかどうかということを、これからお尋ねしたいと思う。この点についての長いお話はけっこうでございます。ですから、やる意思があるならやる意思があると、それはできませんならできませんと、こういう明快なお答えをいただきたいのでございます。 そこで、まず第一にお尋ねしたいのでありますが、何といってもですね、今静岡相互銀行の中に問題が起きております。不当なる労働行為という、いわゆる十三名の首切りの問題、これは株の大半をお持ちになっておる石川さんの努力が加われば解決できると思う。そこで、木村さん、この問題は円満に解決するように今後努力をなさる決意があるかどうか、それを明確にひとつお聞かせいただきたい。
○参考人(木村彌三郎君) まことに先生の適切なお話を伺いまして、私のほうもくどくど申しませんが、中部相互銀行から会社が借り入れております借入金につきましては、これは大蔵省よりも強い御指示がありまして、この五月の総会の終了後において直ちに決済するように手配をいたしております。 それから、今の十三名の解雇の問題でございますが、これは実際は静岡相互銀行の取締役会においてなされた問題でありますが、大株主としてこれに対して何らかの考慮を払えとおっしゃることはまことに当然のことでありまして、私どもとしては、これはまあ一応解雇処分いたしましても、もしでき得るならばこれを復職させられたらどうかということを取締役会に申し出ること、決してやぶさかといたしません。
○柴谷要君 大株主として、ひとつ今後大いにこの問題を円満に解決するように、ぜひひとつ意を体しておやりいただきたいと思う。 そこで、二点目として、笹野社長さんにお尋ねいたしますが、大株主がそういう御意向でありますから、当面の責任者、最高責任者である社長さんの見解をひとつ承っておきたいと思う。
○参考人(笹野好男君) ただいま先生からるる御説明がございました。たいへん世間をお騒がせ申し上げておることは申しわけないと存じております。私もこの点について大いに、大株主の御意向もありますし、私自体も善処したいということで努力いたしております。いろいろこの問題のいきさつがございますが、簡単に申し上げますると、私もこれに懸命な努力をいたしております。以上でございます。
○柴谷要君 大体解決の方向に一歩前進したようですから、ぜひひとつよろしくお願いしたいと思う。 その次はですね、何といっても、問題点は、職員の皆さんが不安を持っておるのは、株の移動によって、そのつど重役がかわったり、あるいは何といいますか、不安をもたらすようではいかぬということで、たいへん心配されているわけなんです。あくまでも静岡相互銀行が不安のない経営の中で、ほんとうに思い切り働きたいというのが全従業員の気持だと思う。そういう意味で、他の労働組合と異なって、支店長であるとか、あるいは部長さんまで、いわば従業員組合の中に入っておるという特殊なケースの組合だと思います。それだけに真剣に企業を守るという気持があられるのですから、ひとつその気持に沿うような、やはり経営者としてもスタッフが必要でもありますし、また株の問題についても動揺のないような、ひとつ安定した方向に向かって努力されるのが今日の経営者の責任じゃないかと思うのです。そういう点について、これはあえてどうこうしろというようなことを私ども申し上げるのではありませんけれども、将来その方向に向かって、静岡相互銀行が安定した中においてりっぱに金融機関としての責任が果たせるような体制を作り上げるということについて、何か御構想をお持ちでございましたら、中部の取締役さんからひとつお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(木村彌三郎君) まことに御指摘のとおりでございまして、これは先生のただいまのお言葉に対して全面的に私どもは賛意を表するものでございます。 それで、ちょっとここでこの問題につきましての構想といいますか、巷間には、あるいは中部相互銀行と静岡相互銀行がこの機会において合併するのではないかというようなことが相当流れておるようでございますが、私ども大株主としての考え方は、中部相互銀行は中部相互銀行として、静岡相互銀行は静岡相互銀行として、両方ともりっぱに将来隆盛に繁栄していくようにということを、大株主といたしましては期待いたしておるところでございます。
○柴谷要君 中部の石川さんは大株主ですから、やろうと思えばできるわけですが、しかし、おやりにならないという明確な今お答えですから、それはけっこうなことだと思う。それで、それだけではなしに、もう一歩前進した、今申し上げたような株の大半、過半数をお持ちになっている。その買ったときの状況その他も、それも今公取で問題になっているようですが、ですから、その問題を、まず誠意をもって経営者陣だけで解決するということも一つ残されておるわけです。それが一つ。 それから、今日静岡相互銀行の中に、これはちょっとこのような席上で言うのはどうかと思いますけれども、重役さんの中でも見解が違っておる。こういうようなことでは、やはりどうも将来に向かって、経営陣とあるいはこれに働く従業員の皆さんとの間の、なかなか感情というものが残っていくのじゃないかと思うので、これらの点についても何らかの考慮をお考えになっておられるものか、この点もひとつお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(木村彌三郎君) 静岡相互銀行の内部関係に対して、しいて立ち入ってかれこれ言うただいま私どものほうに権限はないのでございますが、大株主としての意見を徴せられるものとして私どもはここでお答え申し上げますが、もとよりこの重役の暗闘とかなんとかいうことにつきましては、これは世間でよく流布されておることで、私どもも耳にしないこともないのでございまして、これはいろいろと、今度もまず第一に大株主として希望いたしますところは、静岡相互銀行の役員とそして組合とが円満なるところの妥結をいたしまして、そうしてともに、いろいろ職員組合よりのお申し出もあるでしょうし、また取締役会の意向もあると思いますが、なるべくそこは両方が話し合って円満に話を進めていくということに、私どものほうも大株主として努力することにやぶさかではございません。
○柴谷要君 大体私が望んでおります、問題に対してたいへんいい答弁をいただきましたので、ぜひその方向で御努力いただきたいと思います。 もう一点は、石川さんという方は帝産オートの社長で事業家でいらっしゃる。なかなか広範なお仕事をなさっておるので、御多忙のようですが、こういう人で、事業体を広げていろいろ事業をやっておる方が、ややもして、中部相互銀行の会長もおやりになっておるのですけれども、二またでやっておられるととかくの世間からのうわさも出てくると思うのです。これは石川さんでないと心境をお尋ねできないと思うのですけれども、これは私どもが卒直に申し上げて、石川さんが中部相互銀行の会長であったからこのような大量の金が融資できた、自分のやっておる会社に融資できた。しかも、中部相互銀行が他の中小企業なり事業体に貸している金利よりはるかに安い金利で貸した、こういうような疑惑を持たれる。これが中部相互銀行の会長でなくして帝産オートの社長という立場に立って、中部相互銀行に借財を申し入れたということなら、これは世間でもずいぶん安く借りた、うまくやったということで済むと思うのですけれども、これがこういうような二またの仕事をやっておられるから、石川さん自体が非常に不利益な状態だと思う。この点について、これは御本人に聞かなければ明確なお答えできないと思いますが、あなた、側近の一人としてこのような姿をいいと思いますか、それとも変わってもらいたいと思いますか、それをお尋ねしたい。
○参考人(木村彌三郎君) 御指摘のことはごもっともでございまして、この点につきましては、実は本日御臨席になっておりますが、大蔵当局よりしばしば従来警告を受けまして参ったのでございまして、しかし、まあいろいろな関係で今日までその踏み切りがつかなかったのでございますが、先般大蔵当局へ私ども、石川も参りましてお約束を申し上げました。そのことをちょっと申し上げますが、大体五月の総会終了とともに、要するに石川が中部相互の代表取締役であり、それでもって帝産オート代表の関係でもって数社の社長をいたしておるという、こういうところに矛盾があるという先生の御指摘でございまして、そこで中部相互銀行の代表取締役であるところの会長は辞任いたしますと、こういうふうに大体大蔵当局のほうにはお話し申し上げて御了解を得ておるわけでございますが、今しばらくの御猶予をというところでございます。
○柴谷要君 銀行局長は今お聞き願ったと思うのですけれども、正式にこの委員会でこの問題を取り上げたのは、私的独占禁止法第十一条違反ではないかという疑いの一点、それから相互銀行法に対する違反行為が行なわれているのではないかというのが、これ二点、三点目としては、これは労働組合法のほうの関係ですけれども、不当労働行為が発生している、こういうふうなこの三点で、参考人の方に御質問したわけですが、この問題について大蔵省として、銀行局長として、中部なり静岡の問題をどのようにお考えになっておられるか、簡単でけっこうですから。
○政府委員(大月高君) お尋ねの三点について率直に見解を申し上げますと、一つは独占禁止法の問題でございますが、これは非常に微妙な問題でございまして、株の取得自体、つまり丸善から石川さんのほうへ株が移動したということは、先般この委員会においてもお答え申し上げましたとおり、単なる大株主の異動であるということでございまして、独禁法の問題はないと存じます。ただ、これに関連して、中部相互から石川さんのほうに金が出ておる、その金が株式の取得に用いられておる、こういう事実がかりに明確になりました場合に、それは株の取得が帝産オートないし石川さん個人の立場においてなされておるのであれば問題ないのでありますけれども、中部相互の融資を通して中部相互が静岡相互の株を取得したという実体があるということになりますと、ここに初めて独占禁止法違反かどうか、こういう問題が起きるわけでございます。そういう観点は、われわれの立場よりはむしろ公正取引委員会において現在御調査中でございますので、その結論に従いたいと思います。 それから、不当労働行為があるかどうかという問題は、これは労働関係の問題でございまして、県知事あるいは地労委、そういうような系統において御判断願う筋であります。 それから、第三の相互銀行法違反があるかどうかという問題でございますが、この点につきましては、はっきりわれわれの見解を申し上げますと、違反があると申し上げざるを得ないと思います。それは中部相互から石川さんのほうへ出ております金額は、いろいろな名義をもってなされておるわけでございますけれども、合計七億五千万でございます。それで、この金額はそれぞれの名義がございまして、相互銀行法自体の明確なる解釈によりますと、これは関連の名前による融資は含まない、つまり直接ある特定の人間に対する貸し出しが自己資本の十分の一をこえてはいけない、こういうことでございますので、この七億五千万全体が問題になるわけではございません。しかし、詳細にその中身を分析してみましても、自己資本の十分の一をこえておる貸し出しがあるということでございます。しかし、この十分の一をこえておる貸し出しにつきましては、現在罰則はございません。それから、はなはだ残念なことでございますけれども、ほかの相互銀行におきましても若干そういうような問題になっておる点もございまして、この相互銀行法違反があるからと申しまして、すぐに何らかの具体的な措置をとる、つまり行政的措置をとるということは適当でないと考えております。ただ、相互銀行法違反自体を黙過するということはわれわれとしてできませんので、先ほど木村参考人からお話がございましたように、先般石川さんと木村さんに直接私のところへ来ていただきまして、この石川さん関係の融資を整理してほしいということを申し入れ、先ほどのお話がございましたように、これは整理いたしますという御答弁を得ておるわけでございます。
○柴谷要君 あとで速記録をもう一ぺん読ましていただきますけれども、だいぶ私と見解の開きがあるわけですけれども、それを今お話もしておったんでは時間がかかりますから、やめておきたいと思いますけれども、相互銀行法の違反ということになりますというと、これはたいへんなことだと思うんですね。一体、相互銀行の使命たるや何かということになると、たいへんなことになると思う。石川さん自体に出た金というものはたいへん高額でありますから、それだけ一般事業者に融資ができないということであるわけですから。ですから、本委員会はこの問題を追及するというようなことはいたさないと思います。当面の問題を何とか円滑に処理をして、そうして本来の相互銀行の使命に立ち戻ってもらおう、こういうのが目的でございますから、その線に立ってひとつ努力をしていただきたいというふうにしてもらいたいと思います。いろいろ銀行局長もお聞きになっておられると思いますけれども、この問題は相当世間をにぎわしておりますし、預金者なり利用者なりが非常に不安を感じておりますから、大蔵当局としても非常に慎重を期さなければならぬ問題だと思います。ですから、十分意を尽くしてやってもらいたいと思います。 そこで、最後に私からお尋ねすることになるわけでありますけれども、いささかだめ押しをするようで非常に申しわけありませんが、先ほど、大株主として努力をする、それから当面の責任者として大株主の意向を体して問題の処理に当たる、こういうことでありますが、ここで答弁して現場にお帰りになる、ところが何らかきっかけを作ろうとしてもなかなかできない、そのまま経過しておりますといろと、日にちが立ってしまうということになると、なかなか問題が解決しないと思う。そこで、本委員会が参考人の皆さんにおいでをいただいていろいろ御質疑をした中で、誠意ある御答弁をいただいたわけでありますが、その答弁をされた問題を現実に処理するために、一体これから御両人はどのような行動にはいられようとしてお考えになっておるか。どうも帰ったけれども話の糸口をつけるあれがない、解決の方法を見出すのにどうも困難だ、何だかこっちから言っていくのは業腹のような気がする、そうかといって、従業員側からまた申し入れても受けてやる、こういうことになると、これまた団体交渉をするとかなんとかいうことになる。その前に解決の道を立てて、そうしてすみやかに問題の処理を終わろう、こういうふうにするには一体どうしたらいいか、この問題にひとつしぼって話し合いをしたいと思うんです。この点に対して何か名案をお持ちでございましたら、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。もしないとするならば、これは私どものほうから御要望だけを申し上げて参考にしていただきたいと、こう思うわけでございますが、ひとつお持ちでございましたら御披瀝をいただきたいと思います。
○参考人(笹野好男君) ただいま先生からたいへんけっこうなお話をいただきましたのですが、地労委のほうへあっせんを依頼しておりますのでございますが、なお私たちもこの解決には日夜腐心しております。でき得れば、ただいまりっぱな先生方いらっしゃいます、いろいろお知恵を拝借したいと思いますが、お願いいたしたいと思います。
○柴谷要君 労働問題は地労委に持ち込むのが筋ではございますけれども、ここへ持ち込むには、お互いの感情が激突し合ってそのまま行っておりますのですね。行っております。ですから、あなたの先ほど御答弁になりましたように、大株主も話し合いをしたいと考えておるし、当面責任者であるあなたも何とか解決したい、こういうことですから、地労委等の結論を待たないで、その以前に平和的に話し合いをして解決する、こういう方向にひとつ考えを変えていただけませんか。それについては、本委員会で今御質疑した中で御答弁あったことに対して、十分われわれが参酌をしながら、この問題の解決の糸口を見出すようにいたしたいと思う。その問題の具体的な問題については、後ほど委員長に要望いたしますので、委員長から御答弁がある中でひとつ解決を願いたい、こう思います。これは労働問題解決の一つでありますが、第二段として、従業員側からも要望がございますが、経営権の確立、こういう問題については委員会ではとやかく申しませんけれども、真剣にひとつお考えをいただきたいと思う。その点をどういうふうなお考えをお持ちになっておられるか、ひとつお聞かせをいただきたいと思うのですが。たとえば、石川さんが過半数を持っておるけれども、この株の問題を将来どうしたら円満にいくか、解決の方法としてどうしたらいいか、そういうようなお考えを木村さんお持ちでございましたら、お聞かせいただきたいと思います。
○参考人(木村彌三郎君) 私どもは、先生の御指摘のとおりに、なるべく地労委とかなんとかいう機関よりも、労使と申しますか、取締役会並びに静岡相互銀行の職員組合と腹を打ち割って数回の団交を重ね、いろいろのことを非常に希望いたしまして、その線で私どもも取締役会のほうへ十分話はつけるつもりでございます。 それから、株式の問題につきましては、何よりもます、何と申しますか、今静岡相互銀行では職員組合と取締役、経営陣との間においていろいろの紛争があるのですが、その解決をもう平和的に先生の御指摘のように早く解決していただきまして、そうしてこの本問題を処理するということが私は先決ではないかと存じますので、そういうことについて、大株主としましては、たとえば取締役会に対していろいろの要望もいたし、早期に解決されるようにこちらは念願し、なお推進する気持を持っております。
○柴谷要君 たいへんきょう参考人の方に有益なお話を承って、解決の糸口がここにできたと、こういうふうに私は思います。そこで、問題の解決の糸口が本委員会を契機にしてできたということは、非常に委員会の権威も一段と高まったと私は思って喜んでいるわけですが、どうかひとつ世間の疑惑を一掃し、本来の使命に立ち戻っていただくために、本日御出席いただきました参考人には特段とひとつ解決の方向に向かって努力をきれると同時に、関係当局、大蔵省においても、本問題がこれ以上新聞話題になったり、あるいは金融機関の面に悪影響を与えないように、ひとつ最善の努力を願いたいと思います。 そこで、同僚委員からの質問もあろうかと思いますけれども、私は特に本委員会がこの問題を取り上げて解決の方向を見出したということについて心から喜ぶとともに、委員長に特段の要望をしておきたいと思う。委員長は、私がここから要望申し上げることを、委員会が終了する直前までにひとつ構想を練っていただいて、委員会としての意見をひとつ発表願いたい、委員長の立場から発表をしていただきたいと、こう思うわけです。本問題を解決するにあたっては、できる限り、関係者の答弁のあった、それから大蔵当局の今後の処理の問題を十分適切にやってもらう、それから私どもの申し述べた本委員会の趣旨を十分くんでもらうというようなことに対して、委員長、ひとつ、委員会終了まぎわでけっこうでございますが、意のあるところを御披露していただいて、本問題をぜひ円満に解決をし、そうして平常の業務の遂行のできるように、従業員各位が不安のない中でりっぱに仕事に励まれるようにひとつ御努力を願いたい、こういうことを委員長に要望して私の質問を終わらしていただきます。
○野々山一三君 柴谷委員からすでに大筋の質問がありましたから、私はもうごくそれを補足する意味で伺っておきたいと思います。 その一つは、根本問題として、相互銀行法に違反する融資が行なわれたということが確認されたわけですけれども、ただ私、銀行局長の答弁の中で、他にもまだ類似的な行為があるのでこの際直ちに行政的な行為をすることはいかがかと思う、こういうような話がありましたけれども、それをそのままほうっておくことは、これはもう世間周知の中で議論をしたことでございますので、これをきちっと整理しておきたいと思いますので、したがって、そういう類似な行為があるということを言われた以上、関係当局として直ちにそういったものを正常な状態に帰すというための処置、内容的にはひとつ当局にまかせていいと思いますけれども、その処置を講ずるということだけはこの委員会できちっとしておいてもらわぬと、世間に一そうの疑惑を生み、特にそれが相互銀行という特殊なものであるだけに、預金者及び利用者の不安というものを増長するということになっては困りますので、私の申し上げた趣旨をひとつ前提にして、銀行局当局としての対策をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(大月高君) あるいは先ほど御説明申し上げました言葉が若干不足であったかもしれませんので、補足して申し上げますと、相互銀行法の第十条の違反につきましては、われわれといたしまして、健全経営という趣旨から立てられた条文でございまして、厳格に守ってもらわなくちゃいかぬという態度をとっております。したがいまして、われわれが検査をいたします場合には、必ずこの違反があるかどうかという点を厳重に検査いたしているわけでございます。また、行政指導の面におきましても、これの根絶を期したいということで努力をいたしております。そういう意味で、違反を黙認するという趣旨ではございません。 ただ、この十条自体につきましては、一つは罰則がないという問題、それから法律違反でございますので、法律違反に対しましては、相互銀行法におきましていろいろな措置がとり得ることになっているわけでございます。たとえば業務の停止でございますとか、役員の解任でございますとか、それは大蔵省として法律違反という事実に対しましてはそういう行政処分をなし得る権能を持っております。ただ、今の十条違反ということで、即、役員の解任、即、業務停止というようなことをいたしますれば、それは行政と法律違反の事態とのバランスを失するという問題がございまして、われわれといたしましては、今のような事態に対しましては、すぐにそういう非常に厳格な行政処分をやるということは適当でない、こういうように考えているわけでございます。その点が若干私の言葉が不足であったかと思います。 それから、この問題は、そういうように役員の解任でございますとか業務停止とかいう行政処分をするよりも、むしろその違反の事実を早くなくしてもらうということが趣旨でございますので、特に今回のように、こういう問題になっている案件をそのまま放置するということは、十条問題以外に、今柴谷委員からいろいろお話がございましたような複雑な問題を派生いたしております。そういう意味で、石川さんと木村さんに先般私のところに来ていただきまして、この貸付を整理するということにつきまして確約を得た、こういうことでございますので、われわれといたしましては、この十条違反問題につきまして、今申し上げましたような態度でもって厳格な指導をいたしておる次第でございます。
○野々山一三君 それから、これは確認しておいたほうが、あとで整理するためにも、もうお互い疑問を持たせないためにもいいと思うので、中相の木村さんですか、一ぺん聞いておきたいのですけれども、これは間違いがあるかどうかということでございますね。先ほど七億五千万の金が融資されたということを前提にいたしまして、株が三百四十万ですか、帝産オート系各社に取得されたわけです。その内容は、帝産オートにこれは百七十七万九千六百株ですか、それから帝産ダイカストに八十二万一千二百五十、それから帝国産金鉱業、これが二十五万株、帝産不動産に十一万四百五十株、帝産貿易に十万株、それから稲取温泉配給株式会社に十万株、これに対して、中相から取得した金額二百円でございますか、株一株に対して取得した額が二百円といたしますれば、その相当金額は帝産オートが三億七千六百九十一万、帝産ダイカストが一億六千四百二十五万、それから帝国産金が五千万、その次の帝産不動産が二千二百九万、帝産貿易が二千万、稲取温泉配給株式会社が二千万、こういう額ですね。それからその貸し出しの金利が、上から順番にいきますけれども、一つが一銭六厘、次が一銭八厘、次が一銭九厘、次が二銭、二銭、二銭、こういうまあ金利で融資を受けたもので株を取得した、こういうことに世間で言われておるわけですけれども、これは間違いないのでございましょうか。それをひとつ……。
○参考人(木村彌三郎君) 今先生のお言葉にございました金利の問題でございますけれども、これはごく短期間においてこれを実は整理することに——これは先ほど申し上げようと思いましたところが、時間の関係で申し上げられなかったのでございますが、短期間でこれが決済できるという見通しをつけて二、三の金策をして参ったのですが、それが具体的には申しませんが、それがちょっとはずれましたので、それで金利の是正をしなきゃならぬ問題がありました。金利は水準金利に全部引き上げて、あらためて契約をいたしたのでございます。
○野々山一三君 水準金利で、訂正をしたと言われるなら、それでいいのです。 それで、銀行局長、先ほどまあ相互銀行の制限をこえておるものがあると言われたのですけれども、どの部分とどの部分でございましょうか。
○政府委員(大月高君) 具体的な事案でございますので、中小金融課長からお答えさせます。
○説明員(吉田太郎一君) 中部相互から先ほど先生のお話にございました相手方に出しておる金額につきましては、私ども一月下旬に報告を求めておりまして、そのときに承知した金額を申し上げたいと思います。まず、帝産オート株式会社に対しましては、一月五日に貸付を起こしておりまして、三億七千六百九十一万円、これはさっき先生がおっしゃったとおりでございます。この場合、中部相互の相互銀行法の基準となります自己資本は四千万とお考えいただいてけっこうだと思います。と申しますのは、大体貸し出しを起こしました日の現在の自己資本の金額でございますので、この辺のところは検査で確実に掌握してからでないと正確な金額は申し上げられないかと思います。したがいまして、四千万をこえました金額は一応自己資本超過ということになるかと思います。ただ、この場合にちょっと申し上げる必要があろうかと思いますが、預金の担保がございます場合に、これを法十条の精神から見まして全額を自己資本に超過しておるものと見るかどうかという技術的な問題もあろうかと思いますが、一応四千万をこえますと、この帝産オートにつきましては四千万をこえる部分は超過しておる、法律違反だと承知しております。それから、同様全部その四千万の基準は当てはまるわけでございますが、稲取温泉配給株式会社に対しましては、やはり一月五日付で二千万円貸しております。この場合は限度内ということになるわけでございます。それから、限度を超過いたしますものは帝国産金鉱業株式会社というのがございますが、これは五千万を貸しております。これも一月五日付でございます。それから、帝産ダイカスト、これが一億六千四百万ということになっております。そのあと、それに対しまして一億の追加融資が行なわれたというように承知しております。大体そんなようでございます。
○野々山一三君 これは、これが違反の問題だということで、それを確認しておいたら、先ほど御答弁があったように、清算をするということでありますから、特に清算をする対象をきちっとしておきたいという意味で申し上げておるのであります。 第二番目に、鈴木一弘事件以来、株が相当移動する、役員がかわる、そして内部の相剋があり、銀行経営が不安定になる、従業員は不安だ。その結果として——結果としてというか、そういう過程を経まして、しかもなおかつ中相の会長であるという資格と帝産系の社長であるという資格とが利用をされて、融資が行なわれておる。そこで、静岡相互銀行のいわば新しい大株主として、そこで君臨をされたわけです。今、柴谷委員から指摘をされたように、団交問題などそういう問題は誠意をもって解決されるというのでありますから、これは期待していいのでありますけれども、なおかつ従業員及び預金者の側からいたしますと二つの心配があるわけです。 一つは、またまた大株主というものが君臨をしてきたので、今度は指摘をされて直すんだけれども、将来またそういう心配が起こりはしないかというのがこの預金者側の心配です。したがって、また特定の方法によって大量な金が働いたとすると、利用者としては非常な不安、圧迫を受けるわけです。そういう心配が一つ。それから、従業員の側からいたしますると、役員がかわる。中相で今指摘されておるような不正問題が行なわれたということになると、一体今後、経営に即して従業員が働くという場合に、自分の点が、お客さんの相手をしなければならぬ出先機関の従業員としては、一体どの程度の仕事をしていいのかどうかということの不安というものが伴うわけです。したがって、今申し上げたようなことの二つの心配というものを解消するということが、どうしても将来・そんなことは当然これで指摘されたんだからやりませんと言えばそれまでかもしれないが、なおかつ不安が伴うわけです。したがって、行内の仕事の安定といいますか、それから預金者及び利用者の心配を取り除くということのために何か手を打たなきゃいかぬような気がするわけです。それが特にこういう銀行の性格上一そうそれが要望ざれるはずでございます。具体的にそういう心配を取り除くための施策というようなものを、中相側としても、あるいは大株主の側としてもお考えがあるかどうか、その点をひとつお伺いをいたしたいわけです。なければ、また私もこういう方法があるではないかというわけで御指摘をしてもけっこうでございますが、とりあえず皆さんのほうからお答えをいただきたいと思います。
○参考人(笹野好男君) ただいまのお話でございますが、株が移動したことによりまして今回の問題が、ストもこれから発生したように思いますし、と申しますのは、株が移動するたびに従業員が不安であるということでございますが、私が昭和三十四年就任いたしましてからこのかた、株が丸善関係に移動してからは役職も全部ほとんど行員の中から出ておりますし、したがいまして、私とその他非常勤以外はほとんど、四、五人の方が銀行の行員の方から役員になっておりまして、そしてその点について、また先ほど申し上げましたように、給与の面も一万五千円ぐらいな賞与でございましたが、昭和三十七年の十二月には七万五千円、これはみんな行員の皆さんも大いに働いてくれたということでございます。ただ、今回の株の移動がありまして、それが不安だと必ずしも私は言えないんじゃないかというような考え方に考えるものでございますが、今いろいろ御指摘がございましたような事実から、不安であるというような考え方を持ってきたんじゃないかと思いますが、そういった点はその不安を解消するということに大きく問題があるんじゃないかと思います。これは大株主のほうがやっていただくことだと思います。 私たちはそれによって、むしろ預金者の方に迷惑をかけることを必配いたしておりまして、このために、先ほど御指摘がございましたんですが、行員が——私の銀行、静岡相互銀行そのものが、調書でも御存じのように、支店長、課長、いわゆる管理職を含んでおりますので、こういう形で仕事をしておりますことが預金者に対しては、もし万一のことでスト行為、争議行為が行なわれますとたいへんな迷惑が起こりますので、これは今後、ただいま先生からもお話がございましたこういった問題に対決したい。私、非常勤でございましたので、これは二月の二十三日に就任いたしました。その後二十六日に争議行為の通知が参りました。その間まことに申しわけないんですが、その対策が怠ったと申し上げてもいいんじゃないかと思いますが、ただ三日の間に争議通知が来たということによって、しかも管理職を含んでおるもの、これが預金者に及ぼす影響はまあたいへんなものだと思います。これを何とか解消したい、こう考えております。今後その問題が残ると思いますんですが、そういった形から、株の移動といっても必ずしも私は不安定なものじゃないんじゃないか。現実に、丸善関係があった場合には、みんな従業員の人から重役が出ている。ほかのものはただ非常勤というような形からいっても、これは当然その運営の方法によってはよろしいんじゃないか。ただ、繰り返しますと、その根本に不安があるというのでしたら、それを取り除けばいいんじゃないかと、こういうふうに考えております。そのほうも大株主のほうでお土与えをいただいているように伺っておりますので、その点は従業員諸君とも十分話し合って解決したいと思っております。以上でございます。
○参考人(木村彌三郎君) ただいま静岡相互銀行の代表の方からお話がございました。先ほど先生の御指摘のことにつきましては、私のほう、大株主といたしましては、もとより、何と申しますか、この波乱状態が続きますことは、御指摘のように、取引先あるいは預金者に対して非常な不安な状況を与えますので、これをまずなにしますことは株主として当然の義務と考えておりまして、それで静岡相互銀行の経営者のほうにおきましては、なるべく円満に早く妥結するように、また、ただいまいろいろ役職員のお話が出ましたが、これは株主総会において決定する問題でありますので、大株主の構想といたしましては、これを何も中部相互銀行関係の者を重役に入れるとかなんとかいうことは現在のところ考えておらないのでございまして、私どものほうの経営いたしております中部相互銀行といたしましても、昭和二十八年以来手がけて今日まで参っておりますが、中部相互銀行の者は会長と私が入っているだけでございまして、全部これを、取締役とか全部、従業員なり部長のうちから抜擢いたしまして運営さしている、こういう基本線については決して変わりございませんので、静岡相互銀行の株主だから役員は中部相互銀行から取締役を入れるとか、役員をどうするということは毛頭考えておりませんし、そうしてこれはまた大蔵の当局のほうにおいても強い御指示がありまして、そういう線でいたしておりますから、それと同時に、今の事態を早く収拾していただきまして、そうしてもって行員及び預金者、一般への心理的な影響を少なくして、そういうことのないようにということを念願いたしているわけであります。
○野々山一三君 そうすると、このあとで、預金者なり従業員側の、先ほど指摘したような不安というものを取り除くために、十分話し合ってそれを解決する、不安を取り除くという努力をするというふうに、あなた方両者の御意思と承ってよろしゅうございますか。
○参考人(木村彌三郎君) 大株主といたしましては、先生のおっしゃるとおりと承知いたします。
○野々山一三君 労働問題でちょっと申し上げておきたいのですが、私どもがきょうまで調べた限りでは、先ほど笹野社長がちょっと触れられた支店長なり部長なりというものが組合員に入っておるのでということが種ではないかと思いますが、理由かと思いますけれども、賃金やその他の交渉についても、そういうものと話し合ってもしようがない、そういうものは適法な労働組合ではないのだ、こういったことが言われているやに承っております。私は、これが労働委員会なりなんなりで資格認定を受けたもりでない組合であることは承知いたしますけれども、しかしそれが歴史的な、いわゆる従業員そのものが、株が移動する、すぐ役員がかわるということで、今まで非常に不安であった。したがって、自己保身、いわば従業員としての身分を保障してもらいたい、こういう立場がある。あるいは支店なりなんなりを預かっている者として、非常に顧客との間に不安をもたらすようなことがあってはならないから、こういういわば銀行を愛する、そうして自分たちの身分も保障してもらいたい、こういうことから出発して、そういう今社長が指摘するような支店長や部長というものが組合の中に入っているという歴史的なものがあることは御承知でしょうね。 で、そうだとすれば、それを御了承願うならば、そういう組合だから、賃金や労働条件のことについて話し合ってもしようがないのだという拒否の理由に直ちにそれを使って、そうして労使関係を対立するという要因になっていることも、また私は事実そこに理由があるように思う。しかし、これはひとつぜひ、経営者の側で干渉するというのもよくない。同時にまた、組合員のほうも歴史的なものがあるのでということで突っ張ることも、資格認定を受けるという段階になれば、これはなかなか通らないことじゃないかと、私は二十年来労働問題をやってきた者の経験者としてそれは承知するわけです。ただ、問題は、今の時点でそのことを理由にして団体交渉を拒否した、ひいてはそれが延長的に解雇の理由になったり、あるいは解雇の対象になったりというようなことが行なわれたことは非常に残念だ。おっしゃるとおり、早急に話し合って解決すると言われるのですから、私はそれを信用したいのでございますけれども、目くそ鼻くそを笑うのたぐいというものは、公共機関である金融機関として許されないことである。そこにあなた方のこういうふうに問題をこじらした大きな責任があるというふうに私は考える。私どもも、従業員の側に対しては適切な勧告をしてもよろしいと思います。同時にまた、あなた方も、目くそ鼻くそを笑うのたぐいというふうに私が極言しなければならぬような、そういったことがこの種の、よけい不安を醸成しておるんだということを、どうぞひとつ肝に銘じて帰ってもらう。そうして直ちにその問題を正常なルートに戻すということの気持を示してもらいたい。先ほど柴谷委員からも質問があったことですが、重複しますけれども、あえて私は申し上げておる気持をひとつ受け取ってもらって、明確なお答えをこの際、重ねてですけれども、いただきたい。
○参考人(笹野好男君) ただいま先生からのお話でございまして、よく御趣意わかりました。そういうことは私たちもわかりますので、御趣意に沿いまして善処いたしたい。そうして解決を一日も早くいたしたいと、かように念願しております。また、みな先生方の、その豊富な御経験で大いに御協力いただきたいと思います。お願いいたします。
○参考人(木村彌三郎君) ただいま先生の御指摘のことごもっともでございまして、私どもは大株主といたしまして、一日も早く平和的に解決する、そうして正常な軌道に乗せまして、一般へ心理的な影響を与えないようにということを強く取締役会へ要望いたします。
○戸叶武君 柴谷君と野々山君ので大体大筋は尽きておると思いますが、先ほど銀行局長が、独禁法違反の問題において、中部相互が取得したとすると問題だ、しかしこのことは公正取引委員会で目下調査中であるというふうに答えておりましたが、また中部相互銀行の木村氏は、同一県内における相互銀行が株主魔といわれる鈴木一弘氏のような好ましからざる人物の手に再び渡るようなことがあってはたいへんだから、それがため一時的な防衛措置としてやったんだというふうな答えですが、この答えの中から、木村氏の一時的応急措置としてやったんだというようなことであるならば、大体こういうふうに独禁法違反ということはほとんど明瞭になっているんだが、そういう独禁法違反を犯してもよろしいような慣例になっているのか、黙認するように、今までそういうような行政指導をやっているのか、これは私たちとして、大蔵省の今までの経験に照らしての一つの処置方式を承りたい。
○政府委員(大月高君) ただいまお話のございました独禁法違反の問題は、かりに木村参考人がお答え申し上げましたような趣旨でございましたならば、明確に独禁法違反でないわけでございます。と申しますのは、独禁法違反という事案がかりに起こりますとすれば、それは中部相互銀行が静岡相互銀行の株式を取得した、しかもその株数が十分の一をこえると、こういう事実があった場合に限るわけでございますので、石川さん個人あるいは帝産オートという金融機関以外の人が株式を取得しておるのでございましたならば、何ら問題はない。ただ、先ほど御説明申し上げましたように、この株式の取得に関連いたしまして、あるいは中部相互から直結した金が出ておるのではあるまいか。すなわち、その因果関係におきまして、中部相互銀行というものに主導権があるのか、あるいは帝産オート、あるいは石川さんのほうに主導権があるのかという非常にデリケートの問題でございまして、これは公正取引委員会のもっと詳細な、具体的な御調査によらなければわからない、こういう問題でございます。
○戸叶武君 これは形式的な法理論ではなくて常識問題、デリケートでもなんでもない。実体は、中部相互の会長の石川さんですか・その主導権のもとに行なわれておるというのは明々白々なんで、こんなところでむだな観念論で終始しておるところに、官僚の行政指導というものがいつも無力化していく、そういうところに脱法行為というものが公然と行なわれるので、そういう形式的な、法に触れないような形の答弁を木村君はぬけぬけとやっている。それだけのことです。そういう定義でいけば法網をくぐれるという方式でやったならば、行政指導なんというものはあってなきがごとしなんです。そういうことが、これは一つのテストケースだと思う。今後こういうことで許されるのだとすれば、これはこういうふうに銀行を利用して事業をやっておる者が、非常に中小企業やなにかの金融機関としての機能を麻痺さしていっても一向差しつかえないという結果が誘導される、そういう事例をとにかくこれによって作り上げる、そういうふうに、これは一つの中部相互とか静岡相互の問題だけじゃなくて、やはり大蔵省が今後行なう行政指導いかんによっては大きな責任をかぶらなければならない。もう少ししっかりした答弁をしてもらいたい。
○政府委員(大月高君) 先ほど申し上げましたとおり、独禁法の問題は法律違反かどうかという厳正なる法理論でございますので、われわれが単なる行政指導をもって措置すべきものでないと承知いたしております。ただ、この問題の実体から申しまして、今お話がございましたようないろいろな疑惑はございますし、いろいろな疑問もございます。そういう意味で、行政指導といたしましては、石川さん及び木村さんに御出頭願いまして、この関係の融資を整理していただく、ということに確約を得ておるわけでございます。これがわれわれの行政指導でございます。そういたしますれば、現在の事態が独禁法に違反しておるかどうかという問題は別にいたしまして、少なくとも中部相互と株というものについての因果関係が切れるわけでございますので、われわれとしては、だれが見ましても、一般の常識として中部相互とこの株とは関係がないという明確な形にいたしたいというのが、われわれの指導でございます。
○戸叶武君 今の答弁は非常にデリケートな答弁で、非常に政治的な答弁です。しかし、これから大蔵官僚が心すべきは、やはり形式的な法理論で逃げないで、その実体という問題なんですから、実体をよく見きわめて、それで行政指導をやっていくというふうにしないと、お役人にはものは頼めないという思想がこのごろ国民の間にびまんしておりますから、悪いやつはぬけぬけと脱法行為でまかり通るのですから、特に銀行業務にとってはそういうことが大事なんです。それがために銀行局長というものは置くので、それの行政指導ができなければ銀行局長必要ないです。 それから、次の相互銀行法違反、第十条の問題ですが、これ、銀行局長が言われたように、健全経営の建前からできている法律であって、このことに関しては銀行局長の答弁は非常に明快で、これ違反なりと断定を下している。いろいろな名義で金が出ておりますけれども、銀行局長が明言したように、石川氏のほうから出た金が七億五千万円であり、その出た金であるが、その株というものは額面一株五十円、時価三十円ということになっている。それが二百円で買われている。約七倍で買われている。こういうようなことを少なくともこういう銀行を経営しているものがやっていいものかどうか。普通の株式会社の株と銀行の株とは同一視すべきじゃない。こういうような形でもって銀行乗っ取りというものが正しくやられるところに、銀行マナーというものを慫慂心する余地がある。鈴木一弘が悪いんじゃない。鈴木一弘的人物が暗躍する余地をちゃんと与えているところに問題がある。こういうことをやって、少なくともきょうは石川さんの代理で出ている人というのは、木村さん、あなたもオートのほうにも関係があるし、銀行のほうにも関係がある。この二また道を歩いていますが、やはり辣腕家というのは、事業をやる上において銀行乗っ取り、こういう形でやっていくということが一番もうかる仕事ですか。それが銀行経営の責任者、少なくとも銀行の大株主がやるには一番うまいやり方ですか。もっと良心を持って答えて下さい、木村さん。
○参考人(木村彌三郎君) ただいま先生より御指摘ございましたが、私は帝産オートは専務取締役をいたしておりまして、中部相互銀行は、これは平取締役をいたしまして、石川博資が代表権持っている。また、専務取締役の渡辺鈴次郎が代表権を持って現地のことをやっておりまして、われわれはいわゆる、何と申すか、社外重役のような形でございます。 それから、この株式の取得について、価格その他のことについての御指摘があったようでございますが、これはまあ鈴木一弘をこの場へ持ち出すことはどうかと思いますけれども、そういう暗躍で再び金融機関に混乱状態を与えることは、何と申しますか、同じ金融機関に関係ある私どもとしてもしのびない。それだから、私らのほうの関係会社なり石川博資の関係者でもって一応この株を取得した。まあ私どもがその株を取得して以来も、鈴木一弘は再三再四私に面談を申し入れて、その株の譲渡を要請してきたのでございますが、しかし、そういうことになりますと、往年のまた混乱状態を来たすということは、はなはだどうも金融機関として好ましくないのではないか。そこで、われわれもちょうど同一県内に銀行の本店を持って大株主としております関係上、将来は両行がますます発展して、どの銀行もよく育っていくようにということを大株主として念願しておる、こういう次第でございますから、御了承願いとうございます。
○戸叶武君 今度は銀行局長にお尋ねします。どうも今の木村さんの答弁にもちょっと不満なんですが、きょうは帝産オートの専務として呼んだのじゃなくて、中部相互銀行のほうの石川さんの代理として呼んだということを柴谷さんが確認しているので、今の答弁だと、ウエートはどうも帝産オートの専務としてのほうにウエートがある答弁で、石川さんの代理としての答弁としては、不適任者をよこしたものだと私は不満を表明するものです。 銀行局長にお尋ねしますが、先ほど金利の問題は同僚の野々山さんからこまかく分析されましたが、相互銀行の金利というものは、水準金利に引き戻したと言いますけれども、水準金利というのはどの程度か。大体金利というのは三分五厘程度じゃないですか。それを一銭五厘なり二銭でもってやっているという点、そういうことがやり得るのか、それを聞きたい。
○政府委員(大月高君) 現在の相互銀行の平均の貸し出し金利は二銭五厘五毛でございます。われわれのいろいろな政策は全体の金利水準を下げるということにございまして、逐年低下の傾向を見せておるわけでございますが、昭和二十七年ごろの水準が三銭五毛でございました。それから次第に下がって参りまして、去年の上期の決算におきましては二銭五厘五毛と下がっているわけでございます。
○戸叶武君 不動産担保の問題やなんかも追及いたしますが、時間がありませんから、不動産担保においても普通三割減の六がけか七がけか、そういうことになっているようですが、そこらももっと銀行局長のほうで調べてもらいたいのですが、先ほど明らかになったように、木村さんの言明によると、別に他意がなかったのだというあの御趣旨がほんとうだとすれば、やはり自分のところで株を過半数独占しているという方式ではなくて、当該地区の相互銀行協会が加盟五行でできておりますが、そういうようなところに一時分担引き取りでもしてもらって、おもむろに安全株主への分散をはかるということも一方法としては可能だ。そうでないと、これはどんな弁解をしても、やはりあなたのほうで独占している形だと、その不安というものは解消しないと思うのですが、これは木村さんに聞くよりも、銀行局長に大蔵省としての行政指導の面からお聞きするのですが、なかなか具体的のことはすぐに言えないかどうかしれませんけれども、一番安全なのは、そういう指導をしなければ、これは非常に不安が解消されないと思うのですが、銀行局長の御見解はどうですか。
○政府委員(大月高君) 一般論といたしまして、銀行の大株主が特定の方に集中しておるということを銀行行政上どう考えるかという、非常にむずかしい問題だと思います。で、現在の商法ないし銀行法の建前から申しますと、株主は先ほどの独禁法の関係を除きましては完全に自由でございまして、政府の関与する限りでないという建前でございます。したがいまして、かりに今回のように相当大きな特定の株主が出現いたしましても、これは法律的にはどうもし得ない問題であろうと考えます。 それでは、銀行行政上どう考えるかということになりますと、われわれといたしましては、むしろ融資の分散、つまり大口融資をしないという指導が基本でございまして、とかく大きな株主ができますと、それに対する情実貸し出しというようなことから、大口貸し出しの制限がとかく乱になる、こう いうような因果関係があると存じます。そういう意味におきまして、われわれの希望といたしましては、できるだけ株主が特定のものに集中しておらないほうがいいという希望を持っております。ただ、具体的な事例におきまして、この問題としてはたしてだれに譲ったらいいのか、あるいは、どこへ分散をすべきかというような問題については、政府として関与すべきではない、こういうように考えております。
○戸叶武君 これが最後ですが、そうすると、木村氏の先ほどの他意がないという趣旨から見れば、もう自主的に中部相互のほうで、これは良識ある処置をしなければならない段階に来ていると思いますが、石川さん並びに大村さん、どういう御見解ですか。
○参考人(木村彌三郎君) その問題につきましては、これはいろいろ自分のほうでも考慮いたしておりますし、また、ただいま先生のお話しの東海地区云々というような話もありましたが、そういう問題につきましては今後検討を加えまして、銀行としても、これは帝産オートの専務というよりも銀行として私参っておるのでございますから、そういう問題につきまして、先生なり本委員会の御趣旨があったことをよく伝えまして、そうしてもってそういうことにつきましてもこちらのほうで進言する気持であります。
○鈴木市藏君 ちょっとこの際銀行局長に聞いておきますけれども、四月一日から相互銀行や信用金庫に対する準備預金制度の問題が開始されますね。こういうことと関連をいたしまして、やはりこれからも相互銀行とか信用金庫、こうしたつまり中小企業の融資を、あるいはまたその中小の預金を中心として運営される銀行に、金融政策的な面での大蔵省の考え方を聞いておきたいが、いわゆる弱小の相互銀行の合併、合理化、こういうようなものを政策的に進めていく意図があるのではないか。そうすると、こういうふうな問題は、今たまたま中相に起きた問題ではあるが、今後やはり全国的にいろいろな形をとって起こり得るものの一つの現われではないかという見方をせざるを得ない。この点についてのひとつ銀行局長の明確な見解を聞きたい。
○政府委員(大月高君) ただいまわれわれがとっております政策の基調は、貿易・為替の自由化ということでございます。この観点からいたしますと、先般来問題になっておりますように、特定産業の基盤の強化でございますとか、その他、国際競争力をつけるために産業界としては相当本腰を入れて体質改善をやっていただく、合理化をやっていただく、こういうような大勢になっております。そういう意味からは、ある場合には合併も必要ではあるまいかというのが今の通念であろうと存じます。また、金融の面におきましては、国際競争力を強化いたしますために、金利水準を逐次国際金利水準にさや寄せして参りたい、こういう理念を持っておるわけでございまして、貿易・為替の自由化の政策を進めるにあたりましては、金融界といえども産業界の例外ではあり得ないという明確な観念を持っているわけでございます。したがいまして、今後の金融界といたしましては、相当本腰を入れて合理化を進めていただく必要があると思います。したがいまして、ある場合におきましては金融機関の合併、統合というような問題も起こり得るものと考えております。ただ、具体的な事例といたしまして、どの銀行とどの銀行が一緒になったらいいとか、あるいは、どことどこは統合するとかいうことを政府において指示する筋合いのものではないというはっきりした見解を持っておるわけでございまして、当事者におきまして合併をしようということでございましたならば、できるだけわれわれとしては好意的な援助ないしアドバイスを加えて参りたい、こういうように考えております。
○鈴木市藏君 結局、今起きてきているような問題は氷山の一角的なもので、たまたまこれがこういったような諸問題をはらんでいるがゆえに表面に出てきたのであるけれども、大蔵省の、今の銀行局長の話から明らかなように、内面的にはやっぱり今後も金融機関の合理化、合併の促進といったようなことは政策的にはこれを進めていく、行政的指導の面としてもこれを進めていくということは、今の言明からも、また従来からの大蔵省がとってきておる政策から見ても明らかだと思うけれども、こういう政策をとって、このしわ寄せが、問題が変わって、銀行の業務をやっている、つまり従業員にしわ寄せされていくことも間々あると思います。今、相銀の問題も、中相の問題も、一つのやっぱりその問題点になっているのは、このようなつまり内部的な諸問題をかかえながら、しかもそれを、問題を他にそらすことによって内部的な問題を隠蔽しようとするように、従業員の首切りだとか、不当解雇だとか、あるいは不当労働行為とか、しかもそれをみずから地労委に提訴するといったようなことをやって、内部における腐敗、相銀法の違反、あなたが言ったような独禁法違反の疑いがあるというような問題をおおい隠すために、問題を、いわゆる労働組合のほうに圧迫を加える、そういうふうな形による合理化というようなものが今後起こり得る可能性がある。現にこれは一つのケースだと思いますが、起こり得る可能性があると思います。 この問題と、もう一つ、先ほどあなたの言ったような、つまり貿易・為替の自由化に即応する金融の面におけるいろいろな処置を講じていくということと付随して、今までつまり中小企業の金融あるいは——主として中小企業の金融をその分野として預かってきた相互銀行などの性格が変わるのではないか。つまり、やはり大金融資本に奉仕させられるような、そういう方向へ向かって変えさせられているのではないかということについてのわれわれの疑惑は払拭できない。 この二点について、つまり、合理化を行なう場合において、その従業員に対する不当な圧迫、これと、それから相互銀行並びにそういったような類似の銀行が本来の使命から逸脱していくような方向への指導を強化されてきやしないかという点についての二つを……。
○政府委員(大月高君) 金融機関の合理化の過程におきまして、労働者の地位が非常に不利な立場に置かれるのじゃないか、こういうお話でございますが、まあ私も労働問題につきましては所管外でございますので、明確なお答えもいたしかねるのでございますけれども、従来戦前のような思想、つまり企業の合理化は即賃金の切り下げである、また首切りであるというようなことではなしに、むしろいかにしてほんとうの意味の合理化をやっていくかということが最近の企業経営の考え方の基本になっているのじゃないかと私は考えるわけでございます。そういう意味におきまして、金融機関がどんどん合理化されていく、競争力が強くなっていくことは、即労働者の地位も向上し得る方向にあるというように考えるわけでございます。 それから、中小金融機関としての相互銀行の性格は今後もますます明確にいたすべきものだと考えるわけでございまして、完全な自由競争という建前からいきますと、とかくやはり相互銀行、信用金庫、信用組合というようなものは競争力は弱いと思います。しかし、最近中小企業基本法というような思想もございますし、われわれといたしましては、中小企業金融に関しましては、政府機関拡充と並行いたしまして、中小金融機関をまた強化育成するという明確なアイデアを持っておるわけでございまして、やはり全体として合理化されながらも、中小金融機関としてはさらにその地位を高めていただきたい、そういう考えで行政を進めていきたいと思っております。
○鈴木市藏君 ちょっと、あと一つだけ。中相と静相の参考人として呼ばれたお二人にはっきりとこの際私たちの希望意見を述べてみたいと思います。先ほど同僚の議員からも再々この問題について質問がありましたけれども、問題の本質は、どこにあるか、先ほど銀行局長との答弁の中にも明らかになっておるような点だと思いますけれども、あなた方は問題の本質をそらして、従業員の首切り、解雇、そういったような問題に持っていくことによって問題の本質をそらしてはいけない。これは間々あることなんです。よく経営者がそういうことで問題の本質をそらさないようにしてもらいたい。したがって、地労委に提訴といったようなことは、労働組合の側にも何ら相談なしに経営者の一存でやったというように聞いておりますけれども、そういうことは取り下ぐるべきであり、直ちに従業員側の労働組合当局側と団体交渉を持って明確な労働協約を作ってもらいたい、作るように努力してもらいたい。そうして経営の民主化、こういうふうな問題について十分労働組合、従業員の意のあるところを聞いてやるべきだと思うのです。したがって、先ほど同僚議員からも希望意見がありまして、あなた方もこの席上ではなかなかきれいなことを御返答のようでありましたが、即刻帰りましたらこの委員会の質問の趣旨を十分にふんまえて、(「委員長が言うことだ」と呼ぶ者あり)それは委員長に言ってもらえばなおけっこうだけれども、私は委員長じゃないから一委員として言っておくんだけれども、直ちにひとつ着手して解雇を取り消してもらいたい。これは無条件に取り消してやってもらいたいということを私は希望意見として申し述べておきます。
○委員長(佐野廣君) 最後に、委員長より申し上げます。 本件につきましては、質疑を通じて実情が明らかになりましたので、参考人の方々には時を移さず円満な解決のために御努力をいただかねばなりませんが、銀行局長におきましても、なお監督を厳にして不測の問題が起こらないように、本委員会の趣旨を尊重し、なるべくすみやかに適切な指導を要望いたします。また、解決の暁には、その状況を御報告願いたいと存じます。 参考人の方には、御多用中のところ長時間御出席を願いまして、まことにありがとうございました。 それでは、本日はこれをもって散会いたします。 午後零時十二分散会 ————・————