大蔵委員会 第24号
- 発言数
- 100 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1963/03/30
会議録
○委員長(佐野廣君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 丸茂重貞君、西田信一君が委員を辞任され、その補欠として日高広為君、沢田一精君が選任されました。
○委員長(佐野廣君) 関税定率法等の一部を改正する法律案及び外貨公債の発行に関する法律案の二案を一括議題とし、両案の質疑を行ないます。 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○柴谷要君 貿易自由化との関連についてちょっとお尋ねをいたします。貿易自由化の推進が今後わが国の産業、経済界に及ぼす影響は深刻なものがあると思われます。今後の自由化率の引き上げの見通しと、これに対応する国内整備方策をどのように構想を持っておられるか、これをまず最初にお尋ねをいたします。
○説明員(宮本惇君) 御承知のように、本年の二月IMF八条国移行勧告が出まして、それに対応しまして、ガットのほうは十一条国になったわけでございます。十一条国になりますと、御承知のように、ガット規約上はいわゆるウエーバーというものをとらない限りは輸人の制限ができないということになるわけでございますが、そういう意味におきまして、これからは日本といたしましてはやはり自由化ということが義務になって参るわけでございます。もちろん、現在各国におきましてそれぞれ完全に自由化をしているわけではございませんが、いずれにいたしましても、これからは義務としての自由化ということになって参るわけでございます。そこで、政府といたしましては、御承知のように、現在残っております残存ネガ・リストの品目がブラッセルの関税分類表で二百五十四品目あったわけでありますが、この四月一日から二十五品目減らしまして二百二十九品目になるはずでございます。もちろん、その前提といたしまして、本日御審議の関税定率法によりまして関税を上げることを前提に自由化を踏み切ったものもあるわけでございますが、とにかく四月一日から二百二十九品目残るわけでございます。 これから先、しからばどういうふうに進めていくかということでございますが、御承知のように、わが国といたしましては、日本の最も得意とする輸出品目が先進国におきまして相当な差別待遇を受けているわけでございます。したがいまして、今後はそういう先進国との交渉の見合いにおきまして、逐次自由化を進めていくより仕方がないわけでございまして、今までのような貿易自由化促進計画というようなものを先に作ってやるのではなくて、相手の出方を見ながらやっていく。もちろん、そうは言っても、やはりただいまお話のございました、これからの自由化と申しますと、非常にむずかしいものが多く残っているわけでございますので、これに対していろいろ対策を講じつつ、しかも外国の出方を見ながら自由化を進めていくということで、今後の方針を今ここでどういう順序であるということは、これは政府としてもまだきまっておらない段階で、これから大いにやっていこう。 したがいまして、これに対します国内産業の整備対策ということになるわけでございますが、これは通産省物資あるいは農林省物資によっていろいろ違うと思いますが、やはりたとえばある場合には関税をある程度上げるとか、あるいはたとえば非鉄金属の場合は探鉱事業団というようなものを作ってできるだけ育成をする、あるいはたとえば大型の機械のようなものにつきましてはいわゆる延べ払い資金というようなことも考えながら、あるいはさらには中小企業全体の力をつけていくというようなことで、それぞれやっていくよりほかはないと思っております。 〔委員長退席、理事柴田栄君着席〕
○大竹平八郎君 関連して、ちょっと伺いたいのですが、自由化で今残っておるものが十何%かありますね。品目としては二百何品目かあると思うのですが、そのうちに、まあ砂糖とかその他大きな項目で、五、六、項目でいいですが、残っておるもののパーセンテージはわかりますか。たとえば砂糖が七%とかその他が何%とか、残っておるうちの主要なパーセンテージがわかったらお示し下さい。
○説明員(宮本惇君) その前に、今度の、かりに四月一日からの自由化で、パーセンテージは一%上がりまして八九%自由化ということになるわけでございます。しかしながら、御承知のように、ガットにおきましては、パーセンテージの問題というのは今後はあまり問題にならないで、むしろ個々の品目、それもそれの率とかいうことが問題になるわけでございます。しかしながら、昨年来九〇%自由化ということがいわれておりまして、パーセントが非常に問題になっておりますが、ただ御注意申し上げておきたいのは、この自由化率と申しますのは、一九五九年、つまり昭和三十四年の一年を基準年次といたしまして、いわゆる昭和三十四年度の総輸入額からガット上制限を認められておりますものの輸入額を差し引きましたものを分母といたしまして、そうして個々の品目のその年の輸入額を分子において出したものがパーセントでございます。したがいまして、当時輸入を非常に極端に制限した、あるいはゼロというようなものは、幾ら自由化してもパーセントには寄与いたしません。したがいまして、現在の輸入構造と当時の輸入構造が必ずしも一致しておりませんので、これから先はパーセントというものはあまり意味がなくなると思いますが、まあ残りました大きなパーセントと申しますと、やはり砂糖あたりがまあ三%以上でございますか、それから大きなものといたしましては、原油が一番大きかったわけでございますが、原油はこれは自由化いたしまして、残りました石油製品、重油その他揮発油、それが約二%弱でございまして、それから石炭がやはりそのくらいであると思いますが、パーセントといたしましては、そのくらいが大きいものでございまして、あとはもうこまかい品目の積み重ねになるわけでございます。日本といたしましても九〇%までいけば、もうよその国に対して何らひけ目をとることはないのでございまして、そういう意味で、むしろこれからは品目の数あるいはその個々の品目が問題になるということでございます。
○大竹平八郎君 いま一点お尋ねいたしますが、そうすると、三十八年四月一日現在として、品目としては幾つ残りますか。
○説明員(宮本惇君) 新聞にも出たわけでございますが、今月末までで二百五十四品目残っておりましたのが、四月一日から二十五品目自由化――自由化と申しますか、自動割当あるいは自動承認制に移りますので、結局残りますいわゆる残存ネガ・リストはブラッセルの分類表で二百二十九になります。二百二十九品目でございます。
○柴谷要君 今回の改正案の中で、自由化するために提案されておるバナナとか銅地金とか、主要品目の改正処置、並びに本年四月一日から自由化が予想されておるにもかかわらず延期をしなければならなかった砂糖とかあるいは亜鉛等について、実情、自由化の時期について概略説明をお願いしたいと思います。 〔理事柴田栄君退席、委員長着席〕
○政府委員(大沢融君) 砂糖の自由化の問題ですが、これは私どもの考え方といたしましては、なるべく早い機会にということで、しかし、手放しに自由化いたしますことは、国内の甘味資源作物に対する影響、あるいはまた国内で粗糖を精製される企業の方々にひどく打撃を与えるというようなことにもなりますので、国内の甘味資源につきましても、保護対策と申しますか、国内対策を一方に講ずる、また、外貨割当てをやります場合には、徐々に企業の合理化が進められるようにということで、関税割当制度を考えて、おるというようなことで作業を進めて参っておりますが、先週ようやく国内対策としての甘味資源特別措置法というものを国会に提案いたしまして、御審議を願うことになりますが、もう一方、関税割当制度の問題は今後関税審議会等で御議論をいただいて、これからやっていかなければなりませんので、なるべく早い機会にこういうようなことは、一時は四月というような説もございましたが、そういう手当をやって間違いのないようなことにして自由化をしたいということでございますので、今申し上げたような措置をとりましてやっていく。多少時期がおくれるということになろうかと思います。
○説明員(宮本惇君) 今砂糖のお話がございましたけれども、鉛、亜鉛につきまして簡単に申し上げますと、知のように、昨年の十月一日にやる予定で前回の関税改正で関税率を引き上げたわけでございますが、その後鉛及び亜鉛の国際市況が非常に悪くと申しますか、過剰生産になりまして、鉛及び亜鉛の値段が急激に下がってきたわけでございます。この原因は、ソ連の安売りとアメリカのストックパイル方式ということによると思いますが、いずれにいたしましても、そういうことで、この前御承知願いました関税だけで自由化に踏み切りますと、国内の鉛、亜鉛の関係の産業が非常な影響を受けるということで、もうしばらく国際的な鉛、亜鉛の価格が安定するまで様子を見ておるわけでございます。 いつごろまでになるかということでございますが、現在、国連におきまして、鉛、亜鉛につきましていろいろ研究会を今しておりまして、できれば将来商品協定を結んで、鉛、亜鉛の価格安定を期するという動きが出ておりますので、そちらのほうと見合いながら、そういう時期が来れば自由化に踏み切る、こういうことにいたしたいと思います。
○柴谷要君 前段のバナナの問題は、あとから質問したいと思いますから、次に移りたいと思います。 ガット関税との関係についてちょっとお尋ねしたいと思いますが、IMF八条国の勧告に伴い、わが国は自動的に十一条国になるということでございますが、今後ガットとの交渉においてどのような経過をたどることが予想されるのか。聞くところによりますと、西独あるいはイタリアでは、十一条国になっても輸入制限を続けていたという話があったので、わが国の場合でも同様な態度をとり得るのか、その点をひとつ明確にお答え願いたいと思います。
○説明員(宮崎弘道君) 先ほど宮本次長から申し上げましたように、四月一日に自由化が実施いたしますと、二百二十九の品目が残るわけでございますが、この中でガットの規定上ないしは日本のガット加入の際の議定書等によりまして自由化をすることが義務とせられていない品目がございます。これはたとえば国防上必要な品目、鉄砲とか大砲のたぐいでございますが、そういうものとか、あるいは公衆衛生上必要な品目、あるいは道徳問題、こういったような例外的に輸入制限を持続することが認められております品目がございます。あるいは金銀のごときものでございます。これはガット二十条と二十一条にその規定がございます。また、日本がガットに加入いたしますときの議定書によりまして、そのときに、そのとき以来日本の国内法で輸入を制限することを政府に対して強制しているような国内法がございます場合には、当該国内法に基づく輸入制限は続けてもよろしいということに相なっております。たとえば専売法に基づくたばこ等でございます。これらの品目が先ほどのブラッセルの四けたの分類表で何品目になるかということを厳密にはいまだ申し上げられないわけでございます。と申しますのは、それぞれにつきましてボーダーラインの場合があり得る。たとえば鉄砲、大砲は輸入制限を継続してよろしいが、空気銃はどうであるかといったように、その範囲が確定し得ない品目がございます。これはガットといずれ話をして確定するわけでございます。かりにこのように輸入制限を続けてよろしい品目は、これは非常にかりの数字でございますが、三十あったと仮定いたしますと、二百二十九のうちさらに三十引きまして、二百足らずの品目が、これがガット上自由化を要請せられておる品目になるわけでございます。つまり、先ほどのお話のように、ウェーバーをとらなければガット上、ガットの規定と両立しないところの輸入制限となるわけでございます。これをガットの専門用語で残存輸入制限と申しております。これは建前から申しますと自由化しなければいけないわけでございますが、これを一挙に自由化いたしますと、国内経済上いろいろな混乱を生じたり問題がございますので、各国ともこれを一挙に自由化することは必ずしも行なっておりません。 そこで、個々の手続といたしましては、これらの残存輸入制限品目につきましてガットにウエーバーを申請いたしまして、いわゆる義務免除を認めてもらうという方法もございます。現にドイツ、ベルギー、あるいはルクセンブルグ、こういったような国はそれぞれウエーバーを申請いたしまして、一定品目につきましてはウエーバーを認められた経緯がございます。しかし、その後ガットのウエーバーは、これらの国のウエバーも失効いたしておりまして、現在ではこれらの国もウエーバーをやっておりません。 そういたしますと、残存輸入制限はしからば放置されているのかと申しますと、これはやはり本来ガットの規定と両立しない制限でございますから、これをそのまま放置していくわけには参らないわけでございます。しこうして、残存輸入制限を取り扱います手紙を、ガット上これは総会の決議で定めております。それによりますと、ます第一に、残存輸入制限の品目表をガットに提示しなければならない、そうしてこの品目表を見まして、ガットの他の加盟国が、自分の利益が害せられていると思った場合には、当該国に対しまして協議を申し込むことができます。これはガットの第二十二条にございます。この協議の申し入れがございました場合には、当該国はこの協議の申し入れを受けて、そこで協議に入らなければならないということに相なっております。この協議のやり方もいろいろございますが、そういう協議の過程を通じまして、次第に自由化を行なっていくということが先例となっております。 先ほど申し上げましたように、ウエーバーをとる方法もございますし、今申し上げたように協議を重ねていくという方法もございまして、さしあたりまして日本はまだその段階までに参っておりませんので、ことしの二月のガット理事会におきまして、日本はガット第十二条を援用しないという意思の表明をいたしましたばかりでございますので、これから準備を進め、さらに内外の情勢をにらみ合わして、ガットの場でこの問題を論議していくということになると思います。なお、先ほど御質問がございましたイタリアも大体そういう手続によりまして、残存輸入制限の問題をガットの場でなお討議している段階でございます。
○柴谷要君 そうしますというと、自由化されない品目について残存輸入制限申請を今のところではする用意がないのか。まだ当分の間そういう用意をしないで、会議のほうに臨んで、日本の態度を明確にして、その上でやる、こういうことでございますか。
○説明員(宮崎弘道君) 二月のガットの理事会におきまして、日本が国際収支を理由とする輸入制限を行なう意思がないということを通報いたしました際に、現在のガットで定められております残存輸入制限に関しますいろんな手続のどれかに従って今後の自由化を進めていく予定であるということも意思表示をいたしております。そこで、さしあたりましては、まず政府の部内で十分討議を重ねました後に、先ほど申しました三十品目が輸入制限を持続していい品目であるかどうか、日本側でよく検討を積みまして、しかる後に残存輸入制限品目の表をガットの事務局に提示することになっております。この提示の時期はいまだ特に明らかにしているわけではございませんで、準備が完了し次第これをガット事務局に提示する。その上で、今度はガットのほうであるいは関係国の一部が日本に対して協議を申し込んでくるかもしれませんし、あるいはガットの理事会もしくは総会の席上で何らかガットとしての意思表示があるかもしれません。それをにらみ合わせながら、なおこちらの国内事情も要すれば説明しながら、話を進ていく。他方、それと関係なしに国内では、できるものは、先ほど来お話がございますように、自由化を実施していく。自由化の進捗が進めばガットの場でほかの国がいろいろ文句を言ってくることも少ない。かような関係になるわけでございます。
○柴谷要君 ちょっと外務省にもう一点だけお尋ねしておきますが、西独とイタリーでは、十一条国になりながら、かなり広範な輸入制限を行なっておるという話ですが、これはやはり正式にガット会議で各国の了解を得て残存輸入制限品目の中にきちっと盛り込んでそれをやってきた、こういう方式でございますか、それとも一国的な立場に立って輸入制限をきちっとこうやってきたのですか、その成り行きをひとつお知らせ願いたい。
○説明員(宮崎弘道君) 西独とイタリアの場合は、ちょっと異なった形態になっております。西独の場合には、十一条国になりましてから、しばらくの間輸入制限を維持していたわけでございますが、この場合に関係国からこれを自由化せいという要望が出まして、関係国が一団となりまして西独相手に、いわばこれをマルティラテラルの交渉と申しますが、多数国間の交渉を行ないまして、その結果、今から約三年余り前に西独のほうでこれ以上自由化はできないという品目表を出しまして、ただしその品目の一部は何年何月に自由化する、一部は次の年に自由化するという自由化計画と品目表を出しまして、そうしてその残されております品目につきましてガットのウェーバーが与えられたという形になっていたわけです。これはガットの二十五条に基づくウェーバーが約三年余り前に与えられたわけでございます。しかしながら、そのウェーバーの規定に従いまして西独は自由化すべきものは自由化をしていったわけでございますが、このウェーバーの期限が昨年の秋切れまして、その際に西独はウエーバーの更新をガットに申請いたしませんでした。したがいまして、なお自由化されておりません品目はいわゆる先ほど申し上げました残存輸入制限となって残っているわけでございます。 これに対しましてイタリアは、そういうような多数国間の協議という格好ではございませんで、関係国の申し入れに応じて二国間で協議をするという方式を積み重ねて参っているわけでございます。で、その結果、次第に自由化が進捗しているわけでございますが、ウエーバーもいまだ申請いたしておりません。したがいまして、イタリアの場合は十一条国に移行しまして以来引き続き残存輸入制限を維持しておりまして、先ほど申し上げました残存輸入制限の手続に従って処理しておる、かように相なっております。
○大竹平八郎君 関連 外務省の方、今の問題に関連してお尋ねいたしますが、私はまあ限定して申し上げますが、ウエーバーを求めたもの、あるいは求めないものも入れまして、西ドイツ、それからフランス、それからイタリアですね、これは相当、残存品目が残っておるはずなんですがね。そこに数字はございませんか。三国でいいです。
○説明員(宮崎弘道君) 残存輸入制限の品目は、ほとんど毎年のように各国とも減らす方向にございますので、正確な数字は現在持ち合わせがございませんが、西独の場合は大体九十程度、イタリアの場合は大体七十程度、フランスの場合は百余りでございます、等が残っておるようでございます。ただ、これは品目の数は、御承知のように、ブラッセルの関税分類表をこれらの国が使っておるわけでございますが、そのけた数なり、そのうちの一品目につきましても一部を自由化しているとか、いろいろな数え方がございますので、一がいにこれを対比するわけには参らないわけでございます。もう一つ、国によりまして地域別の残存輸入制限を維持している国もございますので、今申し上げましたのは大体対ドル地域とかいったような形のものを申し上げた次第でございます。
○大竹平八郎君 いま一つ。それで国によって制限をしておるという点で、私どもこれはほんとうか、うそか知りませんが、通産省の方もおられますので、これはフランスかイタリアか、どっちがとっておる処置か知りませんが、たとえば日本のカメラを押えるために、そうして日本だけでは名目上いかぬというので、カメラもカメラの部分品もできないようなアフリカのある国を抱き合わせて、そうして制限をしておる。それからまた、その他の精密機械について、ほかのアフリカ諸国のうちの一部と日本と抱き合わせにしているというような例があるということを聞いているんですが、そういう事実はありますか。
○説明員(宮崎弘道君) フランスの場合には、昔のOEEC諸国に対します自由化と、それから対ドル、つまり米国とかカナダに対します自由化と、それ以外のガット諸国に対します自由化と、こういった三本の自由化表は実は昔は持っていたわけであります。その中で対OEEC自由化表と対ドル自由化表が非常に似たようなものになりまして、つまり対ドル自由化が論議されてきたために、対OEECは自由化に近くなってきたわけであります。その他の国、つまりその他のガット国、この中に日本を入れているわけでございますが、その他のガット国に対します自由化と、それから対ドル自由化との間に、品目数にして百幾つかの差がございます。これは、この差の相当部分が、つまり実質的には日本に対する差別だというふうになっているわけでございます。これはその他のガット諸国の中にニュージーランドとか、豪州だとかいろいろな国がございますけれども、工業製品のうちの相当部分はいわば対日差別、実質的には対日差別であるわけであります。 そこで、この対日差別品目を減らしますようにフランスとの間でなお議論を、交渉を続けておるわけでございますが、ただ、御承知のように、フランスは現在は日本に対しましてガット第三十五条を援用いたしておりますので、ガットの場におきまして、このフランスの差別制限問題を取り上げるわけには参らない形になっております。 イタリアの場合も、対日差別品目数が相当数に上っているわけでございます。これも毎年の協議によりまして次第に減らすように努力をいたしておる次第でございます。
○説明員(宮本惇君) 実情は今外務省からお答えになったとおりでございます。したがいまして、われわれとしても、今お話しのように、対日差別待遇が、フランスが現在百五十はございますが、イタリアが百以上あるということで、イタリアの場合、特に三十五条の援用をしていないにもかかわらずそういうことをするのははなはだけしからぬということで、実は昨年八八%自由化いたしました場合も、日本のいわゆる割当制度はグローバルでございますので、一応グローバルで対抗上ねじり込んだものもあるわけでございます。したがいまして、今後の日仏あるいは日伊の交渉で、向こうが減らしてくればこっちもそれに見合って減らすというような交渉を現在やっておるわけでございまして、決してこちらだけが一方的にやって向こうはちっともしないというようなことはしないように、今後いわゆる経済外交の面から強くやっていきたいと、こう考えておる次第でございます。また、ガットあたりで、もし日本の自由化がおくれているじゃないかという議論が出た場合には、当然、よその国もやっておるじゃないかということで反論できるんじゃないかと思っております。
○柴谷要君 次は、関税政策についてですが、関税局長さんにお尋ねしたいと思います。わが国は関税政策として、現在、自由化対策のためには関税の引き上げを行なわなければならない。ところが、世界的な傾向としては、関税は大体まあ引き下げる方向に向かっている。こういう相反する立場に立たせられるわけでありますが、この点をどう調整していくのか、今後の関税政策のあり方をひとつお示し願いたいと思います。
○政府委員(稻田耕作君) 御案内のように、わが国は貿易依存度が非常に高いのであります。内にありましては産業の生産性を高め、また国際競争力を培養していくということが必要でありますが、対外的には、相手国の関税を引き下げまして、関税障壁の引き下げを求めまして、そうして貿易の拡大をはかっていくということであろうかと思うのでありまして、したがって、基本的にはわが国の関税は引き下げの方向をとるべきだと思うのであります。また、御案内のように、世界の大勢といたしましても、最近におきましては、ガットにおける関税引き下げに関する作業部会というようなものがひんぱんに開かれておりまして、主要国間におきまして関税を引き下げることによって、世界の貿易を一そう拡大しようという機運が高まっているのは御案内のとおりでございます。したがいまして、前にも申し上げたとおり、関税政策の基本といたしましては、関税を漸次引き下げていくという方向だと考えるのであります。 しかし、他面、わが国はただいま自由化の過程にありまして、自由化とあわせて関税の引き下げをやらなければならないということになりますと、なかなか困難な問題が多いのであります。国民経済上の見地から、とにかく保護育成を必要とする産業がございますし、また衰退を余儀なくされている産業につきましても、その衰退の過程をできるだけゆるやかにし、できるだけ摩擦を少なくし、できるだけそのショックを緩和するということが必要だと思うのでありまして、われわれといたしましては、具体的に関税率の調整を行なう際におきましては、各産業の実情を十分考慮いたしまして、周到な配慮をもってこれに処しているわけでございます。しかし、海外事情の変化及び予期されなかったような事情の発生によりまして、わが国の産業が危殆に瀕するというようなことがありますような場合には、緊急関税の発動というようなことも考えておる次第であります。いずれにいたしましても、具体的なケースにつきましては、弾力的に、しかもきめのこまかい配慮が必要だというふうに考えております。
○柴谷要君 確かに相反する二面を持つ行政をしなければならぬという非常にむずかしい立場に立たれると思うのでありますが、そのような情勢の中で、それでは今後EECの動向であるとか、あるいはアメリカの通商拡大法の動きなり、あるいはOECD加盟などの問題によって、今後わが国が貿易の面ないしは関税政策の面できちっとしたものを持っていかなければならぬと思う。その方策に対して、どのような展開がされようとしているのか、大体の荒筋でけっこうですけれども、ひとつしろうとにわかるように簡略に御説明いただきたいと思います。
○政府委員(稻田耕作君) お尋ねの一つといたしましては、関税一括引き下げがございますのでありますが、この関税一括引き下げと申しますのは、従来の関税の引き下げは、御案内のように、二国間によって、また品目別にこれを行なって参ったのであります。ガット成立以来、ごく最近のディロン・ラウンドと称せられるものを含めまして、五回の大きな関税引き下げが行なわれたのであります。その後この二国間による品目別の関税引き下げというものはもう限界に達しまして、もうどうにもならないというものが残ったり、あるいは二国間での話し合いということでありますので、二国間にまかされておるということでありますので、両国にとり非常にむずかしい問題、いわゆるセンシティブ・アイテムと申しておりますが、こういうものはずっと取り残されてきているというようなことになりまして、やはり二国間の品目別による関税引き下げというものはもう行き詰まっておる、何か新しい方法がないかということが各方面で問題になりまして、そこでこの一括引き下げという方式が論議されるようになったのであります。 ごく最近のことから申し上げますと、一昨年の十一月、十二月にかけて行なわれましたガット大臣会議におきまして、この一括引き下げの議題が起こったのでありまして、その結果、大臣会議におきまする報告という形におきまして、フランスが提案いたしました一括引き下げの方針というものが採択されたわけであります。越えまして昨年の一月には、アメリカの大統領がいわゆる経済白書におきまして通商拡大法の提案を呼びかけたのであります。そういううちにありまして、通商拡大法は若工の修正を受けまして昨年の十月成立をいたしました。それで、ガットといたしましては、昨年の十二月十二日にこれにつきまする第一回の作業部会を開いたのであります。その結果、引き下げの幅を五年間五〇%にする、それからできるだけ多くのガット加入国がこれに参加する、例外品目はできるだけ少なくしよう、最後に、後進国に対しましては条件をゆるくしよう、この四つの基本的なラインにつきまして一応の結論らしきものができたのであります。そうして第二回の作業部会が三月の十八日から行なわれておったのでありますが、ジュネーブの時間にいたしまして二十九日、ついに二十九日終了いたしました。非常なEECとアメリカとの間の農業問題その他においての相当な激論があったやに聞いておるのでありますが、そうして四月の二十二日からまたこの作業部会が再開されることになっております。そうして五月にはまたガットの大臣会議が開かれるということになっております。そこで大体の大筋が論議されると思うのであります。一括引き下ぐの問題のみならず、農業問題、また後進国の問題、この三つの議題につきまして論議がかわされると思うのであります。 そうして秋になりますと、十月の二十二日から、またガットの総会が開かれるという形になっております。したがいまして、ここにおきましても一括引き下げの問題が大きな議題となると思うのでありますが、われわれの見通しといたしましては、来年一ぱいいろいろなそのフォーミュラーをどうするとか、あるいは具体的な引き下げの幅をどうするとかいうことで、来年一ぱいはそういうことにかかるのではないかと思うのでありまして、大体再来年ごろから現実に引き下げが始まればまあ順調なほうじゃないかというように考えております。
○柴谷要君 先ほどお話の中に出ました緊急関税の問題で御質問しますが、要約しますと三点になるわけです。それを一ぺんにお尋ねしますから、ひとつ三点についてお答えをいただきたいと思います。今回外国の緊急関税に対する対抗処置が政府限りで講ぜられることになって、この点は租税法定主義に反しはしないかということが一点。それから、諸外国における緊急関税の発動、あるいは対抗処置を実施した実例があるかどうか、これが二点。それから、緊急関税の発動は、いわば最終的な手段であると思うし、相手国の対抗処置も考えなきゃならぬ。それだけに、慎重にしなければならぬ問題だと思う。実際問題として、わが国としては緊急関税なりその対抗処置を発動することはまれであると考えられるのでありますけれども、将来予想されるものとしてはどんなものが考えられるか。以上三点についてひとつお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(稻田耕作君) ただいまお話がありました緊急関税及びその対抗措置と租税法定主義についてお答えいたします。 この緊急関税を外国がとりました場合に、これに対して対抗推置をとるという場合におきまして、ガットにおきましては、発動国が緊急関税を発動した日から九十日以内に対抗措置を発動しなければならないという定めがあるのであります。その九十日以内の三十日前にこれを相手に通告しなければならないというようなことに相なっておりまして、きわめて緊急を要するのでありまして、これをそういう観点から政府限りにおいてということに相なったのであります。 しかし、租税法定主義は憲法の八十四条に規定するところでありまして、「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」というふうにありますのであります。ただいまの御審議をいただいておりますこの法律案によりまして、この法律の定める条件によるということに相なると思うのであります。したがいまして、租税法定主義とは反することはないのではないかと感じております。しかしながら、この規定は国民の権利義務に影響を与えることは事実なのでありまして、法律案にもありますように、対抗措置を発動した場合には、遅滞なくその内容を国会に報告し、またその措置が相当の期間継続するという場合におきましては、法律の改正を行なうことは当然であると考えております。 二番は、対抗措置発動の実例でございますが、昨年の六月にアメリカが板ガラス及びウィルトン・カーペットの関税引き上げを行なったのであります。この品目の利害関係国でありますEECは、英国及び日本と協議いたしたのでありますが、EECは昨年八月に対抗措置といたしまして、アメリカから入っておるポリエチレン等五品目につきまして関税引き上げを行なっております。また第二は、アメリカが一九五二年八月トルコに対しまして、トルコからアメリカに入っておりました干しイチジクの関税を約二倍に引き上げたのでありまして、これに対してトルコがアメリカから輸入される鉄製の家具、タイプライターなど八種目に対しまして、関税上の譲許の適用を停止しております。もう一つの例は、やはりアメリカが一九五二年二月、帽子製造用の毛皮の関税を引き上げたのに対しまして、ベネルックスがアメリカから輸入されるマステックスという充填料の一種でございますが、これに対して譲許税率の適用を停止いたしております。大体以上三件でございます。
○柴谷要君 それでは、引き続いて石油関税の問題でお尋ねしたいと思うのですが、エネルギー政策の見地から見れば、本来石油に対して課税はすべきでない、こう思っておる。ところが、今回あえて引き上げ措置を講じてきた積極的な理由は一体何か。
○政府委員(稻田耕作君) エネルギーとして重要であります原油、石油に対して関税を引き上げるべきでない、無税であるべきが原則であるというのは重々承知いたしておるのであります。今回の引き上げは石炭対策の一環といたしまして行なったのでありまして、もとより石油というものは石炭とは競合関係にあるエネルギーでありますが、それとともに石炭産業に対して特別な対策を政府がとっておるのでありまして、この特別な措置の一環といたしまして、このたび原油に関しましては二%相当でございます五百三十円から六百四十円に、重油を例にとりますと九十円の値上げを行なっておる次第であります。
○柴谷要君 私の質問はごく短く簡単にやりますから、ひとつ答弁も要領よく簡単に願いたいと思います。私の担当時間がなくなってしまうから、いらいらしているのです。 エネルギー対策の問題についてはこれでやめます。バナナ関係についてちょっとお尋ねしますが、バナナを本年四月一日から自由化されることがほぼきまったようであります。ところが、現行の関税率は五〇%、寄付金が三〇%であったと承知しているので、合計すると大体八〇%バナナ関係はいわゆる商売人の手に行かないものがあった。ところが、今度はこれが七〇%になり、次年度は五〇%にこれがまた下がる、さらに翌々年度は三〇%に引き下げられる、こういうことになる。一体、そういうふうな変化をたどっていく時点において、予想される小売価格というのは一体どの程度に落ちついていくのか、これをひとつお尋ねしたい。
○政府委員(富谷彰介君) 三十八年、本年に入りましてから三月までは、御指摘のとおり、台湾もので申しますと、市場価格にいたしまして八〇%よけいに金が要ったわけでございます。その上に、さらに従来は外貨割当制度がございましたものですから、バナナの稀少価値というのが出て参りまして、その八〇%かかったものが、競売の際に浜相場という、またさらにそれより何がしか高くなる価格が出たわけでございます。しかし、今度自由化されますれば、関税率の七〇%だけのみがかかりました価格で、一応つまり供給者側のほうが潤沢になりますから、従来のような売り手市場というような関係がなくなって、浜相場というものがだんだん消えていくのじゃなかろうか。したがって、値下がりのほうは、単に関税率の一〇%だけでなく、浜相場の価格も下がってくるのじゃないかというふうに考えております。 なお、将来五〇%、三〇%というふうになりますれば、おいおいそれと同様に下がることは予想されるわけでございますが、例で申し上げますと、キロ当たりで申しまして、現在が大体台湾ものが一キロ百二十四円見当でございますが、それが今度七〇%になりますと、大体百十円見当、一割までは下がりかねますが、大体その見当に下がってくるのじゃなかろうか。さらに、将来これが関税が五〇%になりますと、キロ当たり九十八円、それから三〇%になりますれば、それが八十七円、最終的にはキロ当たり八十七円くらいになるのじゃなかろうかという想定をいたしております。
○柴谷要君 浜相場というのは、輸入価格、いわゆる台湾なら台湾で買い付けた価格、あるいは中南米で買い付けた価格、これに運賃、保険料、関税、差益金、あるいは港湾荷役料、輸入業者の口銭、平均利潤、これに徴収差益金を全部まとめたものが浜相場、こうなると思うのです。 そこで、浜相場は、今あなたがおっしゃいましたけれども、大体買い値が二千五百円程度で、四十五キロ・ケースのものを二千五百円程度で買ってくる。ところが、浜相場になるというと、これが五千五百円ぐらいになる。これがわずか下がったからといって、市場に影響するようにはならぬと思う。今ここであなたが明確に答弁なすって、相当価格が下がるような話をきれて、結果的には、市場に出たらば値が下がらなかったということになると、国民の疑惑が一そうふえますから、ひとつはっきりお答え願いたい。 浜相場に対して、加工業者の直接経費なり、あるいは何といいますか、加工歩どまり、そうして加工業者から小売業者に渡る価格、これらを明確にひとつあなたのほうから答弁をしてもらいたい。その小売価格が現在市場に出ておるのは、一万一千円ないし一万二千円なんです。これが大体九千円くらいでいくのか、八千円くらいでいくのか。これによって国民が食する価格というものが出てくると思う。だから、この点をお答え顔いたい。浜相場が非常に安そうなことを言っても、市場価格が安くなるとは思われない。だから、浜相場が、加工業者に渡って、加工業者がどれだけの口銭、加工料を取り、そして小売業者に引き下げ、小売業者が何ぼの利益を見て国民に売りつけるのか、それを明確にしてもらいたい、大事なところですから。これだけお伺いいたします。
○政府委員(富谷彰介君) 先ほど申し上げましたのは、浜相場だけの問題でなくて、従来、売り手市場としてございましたものが、自由化されまして十分入ってきますれば、その分も関税率の引き下げのほかに下がるであろうということを申し上げたつもりであったわけでございます。 ただいまお尋ねのございました、卸から小売にいきます価格の推定、ただいま私のほうでそういう資料を手持ちいたしておりませんので、ここでお答えできませんので、はなはだ申しわけないのでございますが、三十七年、昨年度の浜相場、台湾ものが一がご当たりで七千百三十七円でございます。これが関税率が七〇%になりますると、大体五千円前後になるのではなかろうか。したがって、小売の一本当たりの価格の推定ということは、これはなかなかむずかしいのでございますが、先ほどキログラム当たりで申しましたような価格の推移になるのではなかろうかというような推定をいたした次第でございます。
○大竹平八郎君 今の問題に関連して伺いたいのですが、今度自由化になりまして、すでに台湾のバナナのごときは、長期契約を日本の業者が大ぜい行って、もうすでに開始をしているわけです。まだ調印の段階にはいっていないのですが、しかしこれは、値段が、台湾は以前と同じ七ドルということをいわれておるのですが、台湾の地域以外のエクアドルとか、その他の南米諸国、これは自由化によって一そう原価というものは安くなるのですか、どうですか。たしか二ドルを切るのじゃないですか、今までは。運賃が非常に高いから、結局、浜に来るとたいして違いがない。それから、味の関係からいえば、南米ものなどは、台湾ものからに比べたら問題にならぬ。こういう点で、台湾ものの人気があるわけなんですが、その問題が一つと、それからいま一つ、今局長は一キロ幾らとかなんとか言ったが、これはなかなかしろうとにはわかりませんよ。結局 一本幾らという大体目標があるわけです。私はあまりメートルのことは知らぬけれども、あれは風袋を入れて十二貫目ですから、大体十貫目ですよ、中身は。そうしますと、今までのあれで見ますと、大体浜に上がって三千五百円ぐらいに僕らは記憶しているのです。三千五百円ということになると、大体百匁が三本です。ですから、ほんとうからいきますと、一本十五円。しかし、実際は小売で、これはむろん加工業者とかいろいろな中間のあれがありますから、現在は三十円か、おそらく三十五円になっていると思う。実際その関税が上手にいけば、二十円、十五円。かつて大道のバナナのたたき売りというものが安いものの評価のような時代があった。そういうことが私は自由化になるとくるのではないか。そういう点で、今の柴谷さんもそういう意味で質問していると思う。ですから、その点をもう少し詳しく言われたらどうです。
○政府委員(富谷彰介君) ただいま御指摘がございましたように、エクアドルの相場は、大体二ドル切っております、これはFOBで。ただし、これは台湾と包装の格好が違いますので、台湾ものの百ポンド、四十五キロ入りに換算いたしますと、二ドルを切っているのでなくて、約三ドルちょっと出るような価格になるわけでございます。 それから、ただいま御指摘のございました一本当たりの価格、これはなかなか推定がむずかしいのでございますが、しいて申し上げますれば、大体一キロ当たりにいたしまして約九本あるという想定をいたしますと、先ほど申し上げました三十七年の浜相場で七千百三十七円、これを一本当たりに換算しますると、浜相場から直接一本当たりに換算したものでございますが、一本十七円四十銭、それから七〇%の関税率になりました場合に五千円、これを同様に換算いたしますと、十二円三十銭という価格が出て参ります。ただし、これは浜相場をいきなり一本当たりに換算した価格でございまして、小売のマージンその他加工費等も考えておりませんものですから、いきなりこの相場が市中で現出するわけではございませんので、念のためにお答え申しておきます。
○柴谷要君 私はここに数字を持っておるので、これで質問しておきますが、これが間違いであるなら間違いである、事実なら事実、こういうふうにノーとイエスかお答えいただけばけっこうです。CIFの価格が七ドルで二千五百二十円、それから運賃が三百四十二円、保険料が十八円、関税が、二〇%のときには五百四円、五〇%になりましてから千二百六十円、これに差益金担保金利で七円二十六銭、港湾荷役料が九十六円六十八銭、輸入業者の口銭が七百二円、端数はありますが、七百二円、平均利潤というのは六%で二百五円、それから徴収差益金というのはCIFの八〇%ですから、これが二千十六円、これをプラスしたものが合計で五千六百五十一円という価格になる。これがいわゆる先ほど局長の言われた浜相場だと、こう思う。大体五千五百円の浜相場で加工業者に渡されるわけです。加工業者の直接経費は大体七百円、それで加工歩どまりというのが八〇%、ここで平均利潤を約一割見ますと、加工業者から小売業者に引き渡すのは、品質によりますけれども、八千百円から九千円で小売業者に渡される。小売業者は、販売価格としては一万一千円から一万二千に売るというのが今日までの実情である。しかも、この数字は三十七年春の実績なんです。これに間違いないかどうか。 こういう値段で入っていたのが、今回は自由化されて七〇%という関税一本になるわけですから、それだけ下がらなければならぬし、それから、これを見てきますと、いかにしても、浜相場と、それから加工業者の手を経て小売業者に渡るまでに膨大な利潤がここにある、こういうふうにわれわれには考えられる。この点について、今の私の申し上げた数字がとっぴもないかけ離れた数字であると、こういうふうにおっしゃられるか、それとも、やや近いものであるか。先ほどあなたは、浜相場七千五百円と言われた。七千五百円ということになりますと、大体加工業者から小売業者に渡されるのは公定の加工賃七百円プラスされただけでいかざるを得ないということになります。そんな値段じゃないということをわれわれは承知しているだけに、その点について明快にひとつ答えてもらいたい。
○政府委員(富谷彰介君) ただいま先生がおっしゃいました数字は、おそらく正確なものであろうと思います。実は同じ数字を持っておりませんものでございますから、かくかくしかじかとは申し上げられませんが、最終的な姿が私どもの使っております数字とほとんど差がございませんので、おそらく正確なものであろうと想定いたします。 将来、自由化されました場合に考えられますことは、ただいま先生の御指摘の中間経費の削減ということが当然行なわれるというふうに私ども期待しております。従来は、外貨割当のもとにおける稀少物資でございましたので、どうしても売り手市場が現出したものが、今後は自由化によりまして、買い手のほうが相当強くなり、したがって中間経費等も当然商取引の常識的なところに落ちつくであろうというふうに考えておる次第でございます。
○柴谷要君 それでは、まあ次の質問をしたいと思うのですが、自由化されて、バナナの輸入というのは大体本年度は二百五十万かごが想定される。三十九年度になりますと、三百万かご入ってくるような状態ではないか、こう思うわけです。そうしますると、現在の日本にあります加工施設が間に合うかどうか、これは非常に疑問があると思う。今日すらバナナ輸入の問題については、非常に加工業者が膨大な利益を得ている。ましてや今度は品物がたくさん入ってくる。相当また量が多いために、加工業者が加工ができないといって値をつり上げる、こういうことになるので、実は関税を七〇%にいたしましても、市場価格は下がらないと私は推定する。そのように考えられるのだけれども、加工施設が間に合うのかどうか、これがまず一点。 それから、台湾バナナの買付をめぐって、貿易商者なり既成輸入業者との非常な相剋がある。一体アメリカの巨大な資本の進出が今日伝えられているわけでありますが、これが事実であるかどうか。とにかく巨大な資本と、それから既存の輸入業者との間の相剋がますます深刻になっていくのではないか、こう考えられるのですけれども、局長さんのほうではどういう見方をしておられるか、御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(富谷彰介君) 最初の、加工施設の問題でございますが、これは確かに先生御指摘のとおり、一時に従来の輸入量の五割増しあるいは倍といったようなものが殺到いたしますれば、施設が足りませんで、おそらくその面から輸入の数量のほうの規制を受けるのじゃなかろうかというふうに考えております。 それから、次の台湾の買付競争のお話でございますが、私どもが得ております情報では、確かに御指摘のとおり、日本側の商社、それから従来の加工業者の輸入実績を持っている者、そういった人たちが大体三つぐらいのグループに分かれまして、現地でだいぶ買付の競争を行なった。しかしながら、台湾側の意向といたしましては、日本側はそういうことをやらずに、一本で来たらどうだという話がありまして、現在買付に出向きました日本側の人たちもみんな東京に帰って来ておりまして、私どもの聞いております範囲では、逐次話し合いの機運が生まれておるというふうに聞いております。 それから、外国資本のお話でございますが、私の承知しております限りでは、台湾物に関して外国資本が乗り出してきまして輸入を独占しようとか、あるいは大きな分け前を取るというような動きはないように承知いたしております。これは台湾でなくて、フィリピンあたりに自分の農園を作って、それを日本に計画的に供給しようというふうな動きがある。しかしながら、これもまだ現在では計画段階でございまして、農園開発その他が緒についたというふうには承知いたしておりません。
○柴谷要君 それでは、ごく簡単ですけれども、農林省にお尋ねいたしますが、リンゴ、ミカン等の青果業者にこのバナナの輸入問題をめぐって深刻な事態が起きやしないかということで、非常に国内産業の面から心配されて、陳情等が多く行なわれていると思うのですが、これに対する農林省の態度、こういうものについてひとつお尋ねをしておきたいと思います。
○政府委員(富谷彰介君) 先生、私も農林省の者でございます。その国内産のミカンでありますとか、リンゴでありますとか、そういった生産も実は担当しておるものでございます。 御指摘のとおり、バナナの自由化というものがこういった国内産の買付に大きな脅威を与えるということで、私どもも実は心配いたしまして、したがって、三十七年度予算で、レモンの加工用の施設を国庫補助いたしまして、ミカンに対する何と申しますか、国際競争力をつけるような手を打ちました。それから、来年度、三十八年度では、今度はリンゴのほうに対しまして、やはり同じような競争力付与の貯蔵施設を作る予定にいたしておるわけであります。なお、そのほか、国内の果樹全般につきまして、果樹農業振興特別措置法というものがございまして、三十五年以来、競争力をつけるためにいろいろ努力をしている次第でございます。 したがって、私どもといたしましては、一挙に安い関税に持っていくのではなしに、漸進的に持っていきまして、バナナの価格も一ぺんに下げるのではなしに、逐次下げていくということになりますれば、国民消費の伸びによりまして果実の消費も上がっておりますから、そうそう国内の果実生産者に大きな脅威はないのではないだろうかという考え方を持っているような次第でございます。
○柴谷要君 それでは、最後の質問になるかと思うのですが、砂糖関税についてちょっとお尋ねしますが、自由化率を九〇%以上達成するために、砂糖の自由化は必至の問題である。その時期及び国内砂糖の保護対策、これについてお尋ねをしたいと思うのです。
○政府委員(大沢融君) 先ほどお話しした点でも触れたのでありますが、砂糖を自由化いたします場合に、当然国内の、たとえば北海道のテンサイでありますとか、暖地のテンサイ、あるいは西南暖地のカンショ等、あるいはまたイモからできる澱粉を通じて作るブドウ糖、そういうイモ作農家、テンサイ作農家というようなものの農家の所得というようなことについて、大事をとらなければならぬという意味で、先ほど申し上げましたように、従来も甘味資源振興の臨時措置法があったわけですが、甘味資源特別措置法というものを考えまして、従来のテンサイだけについての保護対策というものをさらに広げて、カンショあるいはブドウ糖、ブドウ糖を通ずるイモ作農家の保護というようなことを考えながら、合理的な生産振興をして、対外的な競争力を付与していくというようなことを内容といたしました法律を提案いたしておるわけでございます。 また、糖価が著しく下がるというような場合には、それを農家の作ったテンサイ等を原料として砂糖を作っている企業が立ちいかなくなっても困ります。そういうものについては買い上げの措置をとるようにというようなことで、十分な保護対策を考えながら、さらにまた先ほどもちょっと触れましたが、関税割当制度というようなことも考えて、企業が秩序ある合理化を進められる、そういう措置と並行して自由化を考えていく、そういう措置の整備と相待って自由化を考えるということで、時期は確定いたしておりませんけれども、そういう措置ができれば早い機会にやっていって差しつかえのないことではないかということに考えております。
○野々山一三君 たいした問題ではないのですけれども、通産省の方に、手続的なことで私ちょっと知りたいですから、お伺いしたいのですけれども、今度二十九品目が自由化される。その自由化されるものが、今伝えられるところによれば、四月八日ごろに実行されるのではないかというふうにいわれておりますが、そういうふうに理解してよろしいのですか。
○説明員(宮本惇君) 現在のところは二十五品目でございます。これが四月一日から自由化をされるわけであります。
○野々山一三君 そうすると、その二十五品目ですが、そのうち国会において関税定率法の改正が承認された後自由化するもの、それから国会においてガット譲許税率改正法改正法案が承認された後自由化するものというふうに区分けをして、通商公報の三月十九日付のものに区分が出ておりますけれども、それはそういうこと、つまり、四月一日ということの意味は、国会を通過したならば四月一日、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。
○説明員(宮本惇君) 御指摘のとおりでございまして、御承知のように、今度は、今御審議額っております関税定率法が三月三十一日までに通りますれば四月一日から実施と、もう一つは、例のガットの譲許税率の関係で、外務委員会の、国会の御承認があれば――これはもうあったそうでございますが、そういう意味でございます。
○野々山一三君 それで、お伺いしたいんでございますけれども、まあこれはあと二日後のことでございますけれども、今月中に外貨割当があっても、バナナの場合でも契約金を出して許可を受けて買い付けるわけですね。そういう手続をしなければ、今の現行法の建前では、当然買い付けて国内へ持ってくるということはできないわけでございましょう。
○説明員(宮本惇君) ちょっと御質問の趣旨がわかりませんでしたけれども、外割の制度のもとにおいては、外貨の割当を受けて、その外貨のつかない限りは輸入ができない。ただ、四月一日からは、自動承認制ならば問題なく、自動割当制でも、やはりほとんどどなたでも自由にできる、こういうことでございます。
○野々山一三君 そうすると、四月一日以降は、もうそれ以前に全然割当も受けず何もせずに買い付けておいて、持ってきて、そして揚げるときに関税を払えば、ライセンスを取りさえすればよい、こういうことでございましょうか。私、質問を簡単に済ませるためにちょっと事例を申し上げるのですが、実は四月一日に自由化ということが行なわれるということをある意味では前提にいたしまして、バナナをエクアドルから、日本価格にして約三億円、船にして三隻、今ちょうどハワイのあたりを船は走っておるという事実がある。一体そういうことは、今の私の聞いてるところからいって、どういうことになるのかということを聞いてるわけです。
○説明員(宮本惇君) バナナが四月一日からかりに自由化にならないとすれば、そういうことがあり得ないと思うんでございますが、四月一日の自由化を見越してそういうことをされたとすれば、法律の上からいうとやむを得ないと思います。
○野々山一三君 やむを得ない。
○説明員(宮本惇君) はあ。
○野々山一三君 やむを得ないということは、どういうことでございましょうか。今まだ日本へ来ていなければ文句ない、一日からならば新しい税率に基づいて関税を払いさえすりゃ、ライセンスを取りさえすればそれでいいと、こういうことでございましょうか。現行法の現時点でひとつ議論をしてもらいたいと思うんでございますけれども、これはバナナのみならず、相当こういう思惑輸入というものが行なわれるということによって、たとえば今度の場合だって、もう一割頭からもうかるということになる。三億円のバナナ、三千万円は頭からもうかるというようなことが堂々と、これがやむを得ないということで行なわれるというのは、どうもふに落ちないわけでございます。
○説明員(宮本惇君) 御指摘のとおりでございますが、どうしても、自由化ということは、だれでも入れていいということでございますので、過渡的には四月一日、もちろん実際的な具体的な受付その他は多少おくれると思いますが、それに間に合えば、自動割当あるいは自動承認制というのは、だれでも自由に入れられるという制度でございますので、過渡的にはそういうことがあるかと思います。が、これはやむを得ないと申しますか、四月一日以降は合法的と言わざるを得ない。
○野々山一三君 そうすると、あれでございますか、生鮮食料でございますから、ほかのものなら港まで持ってき、その回りをぐるぐる回っていればそれでいいけれども、これは揚げなければならぬ。あと二日くらいのことですからね、こういう議論をしておってもあれかもしれませんけれども、来れば揚げられない、腐らせるか、持って帰るか、あるいは放棄するか、今までの建前からいけばそういうことでございましょう。 それから、政策的な問題からいきますと、見え透いた利益を得るわけですね。これはこれからもやっていくことで、今までもあったことだからしょうがないということなら、それまでですが、切りかえにあたって経過的な処置というものを講じなければ、とんでもないことが起こるという危険性を私は感ずるんですが、そういう意味においてはどういうお気持でしょうか。
○説明員(宮本惇君) まあ一審そういうことを防止する意味では、たとえばバナナの自由化を四月一日からやるというのは、全然抜き打ち的にやって、事前にそういう行動をきせないということができれば、そういう面からはいいと思います。しかしながら、自由化という問題は、やはり関連業界の十分な納得を得ないでいきなりやるということは問題があると思いまして、特にバナナの場合は、昨年の十月以来御議論をいただいた末にやるわけであります。経過措置と申しましても、ちょっとなかなかむずかしいと思うのです。決してそういうことをやることによって、その価格だけはもうかるかもしれませんが、今後としてはこれが平常に戻るんじゃないか。つまり、そういうようなものが一時に出れば当然下がるということで、そこまでわれわれとしてそういうものを事前にいかぬということは言えるかどうか。多分言えないんじゃないかと思います。
○野々山一三君 たとえば、船積みする前に契約をしておるわけです。契約行為そのものは一体それでは実定法上どういうことになりますか。これは明らかな違法行為であり、この段階までは密輸行為である、こういうことになりはしませんか。厳密な時間的な区切りを前提にしてみてです。
○説明員(宮本惇君) 契約すること自体が違法行為……。
○野々山一三君 契約をして金を払っているんですが、外貨割当を受けず。やみ行為です。
○説明員(宮本惇君) やみで現実に払ったとすれば、これは当然問題になると思いますが、かりに先生今お話しのように、契約をしておいて、そうして入れてから払うということになれば、これはしようがない。ただ、事前にやみドルで払ったということなら、これは別途為替管理法上の問題になると思います。
○野々山一三君 そうすると、こういうまるきり思惑輸入というものを政府としてはもうしょうがない、これを何ら取り締まるとかしないということは、今後思惑輸入というようなものが非常にはやって、そうして不当な利益を得るということが行なわれてもこれはしょうがないということなんでしょうか。私は実は、そういうような思惑輸入によって市場が混乱するから、自由化そのものに対しても非常な慎重なる措置を講じてきたということがあなた方の立場でありましょう。そうなれば、当然それに対する対抗上というか、取り締まり上、取り扱い上の所要の措置を講ずべきではないか。そういう観点からすれば、いわゆるこういう密輸行為的なものですね、これは通常いわゆる密輸というならば、没収しなければならぬ。同時に、それは国がそれだけの利益を、三億円の品物を取るわけでございます。悪いことには、それだけの没収をして、国が取る、競売に付する、こういうことが当然のルールです。今までやられてきたこと。それが明らかに三月二十何日というときにエクアドルを出てきておるということは、万々承知の上で悪いことをやっておるということなんですけれども、それをあなたの今の答弁によれば、許すという、客観的にはそういう結果になる。前に申し上げたようなことと関連をして、どういうふうになるのですか。
○説明員(宮本惇君) 先に外貨の割当を受けないで、もしドルでも払ったというならば、これは明らかにいかぬと思いますが、契約だけをしておいて、四月一日から自由化になるからということで、多少すること自体は、これは決して、いわゆる思惑ということになるかもしれませんけれども、いいか悪いかという問題は、これはちょっと一がいに言えない。ただ、もし現在の法制上の違反があるなら、これは徹底的にそういう面で追及すべきだと思いますが、私の今申し上げておるのは、契約だけして、入ってくるのは四月一日から先になる、それまでは政府として何ら、自動割当制度でございますから、一応承認は得るわけでございますが、その出る時期が四月一日以降であるならば、一応合法と認めざるを得ないということになると思います。ですから、先に勝手にドルを払ったとかなんとかいうことは、これはまた別途の問題、それはそれとして追及すべきでございます。
○鈴木市藏君 今度の改正案の骨子をなしている二つの問題について、端的に質問いたしますから、明快にひとつお答え額いたいと思います。 一つは、報復条項を作った、ガット十九条3の(a)、(b)の発動ができるような条項を作りましたが、事実問題として、今アメリカとの間に綿製品の交渉をやっておりますが、ああいう形で交渉をやっておったところがどうにもならないと思いますけれども、かりにアメリカ側に押し切られたような場合、ああいうのは、つまりここに書いてある「その他の措置」の項に入るものとわれわれは考えますが、一体この法案が通ったあとは、直ちにこの報復措置を発動するような用意があるのかないのか、事アメリカに関する限りは別だというふうなことにならないようにはっきりとひとつお答えを願いたい。
○政府委員(稻田耕作君) このただいま法律案で御審議を願っております対抗措置は、相手が関税を引き上げたときに対する対抗措置でございますが……
○鈴木市藏君 「その他」というのは何ですか。
○政府委員(稻田耕作君) お答えいたします。「その他」というのは、相手がガットの規定に基づきましてその他の輸入制限を行なった場合……
○鈴木市藏君 同じじゃないですか、今の綿製品と。
○政府委員(稻田耕作君) ところが、御質問の綿製品のあれは、国際商品協定の形をとっておりますので、この適用には入らないのであります。
○鈴木市藏君 適用に入らないというのは、それはまあお考えでしょうけれども、日本政府は一時はガットへこの問題を持ち出すということを言っておるのですね。ですから、それはやっぱり事アメリカに関してはこの条項はあっても空文にひとしくなりやしないか。先ほど同僚議員が質問したところの三つの質問の中の最後の一つは、この条項は日本に関しては発動しないの.ではないか、日本はこの報復措置をとり得ないのではないかという質問をしたのに対して、関税局長は、二つの点は答えたけれども、三つ目の問題はさっき答えていないわけです。 そういうわけで、りこの一体報復条項というのを、単に規定上で置くということでなくて、実際に発動する、そういう自主性を貫くという用意があるかどうか。事アメリカに関する限りはこういうことについて多くの疑問を持っているので、はっきりとひとつお答え願いたい。
○政府委員(稻田耕作君) お答えいたします。この対抗措置につきましては、必要がある場合は発動をいたすつもりでおります。
○鈴木市藏君 じゃ、次の問題に移ります。特定の減免税物品の用途外使用の規制に関する項目の中で、今度は新しくトウモロコシやその他ですね、飼料に関する、つまりえさです、飼料に関する項目を作りましたですね。これを作った理由はどういうところにあるのですか。
○政府委員(稻田耕作君) 現在、配合飼料の製造につきましては、関税定率法によりまして承認工場で製造する場合と保税工場を用いる場合と、二本立になっておるのであります。このたび飼料工場につきましては、すべて七月一日から承認工場に移そうとするものであります。それは保税工場の建前からいたしまして、保税工場で製品ができまして、それからこの流通段階に入るために製品を引き取るというときに初めて輸入の手続が行なわれ、非常に煩瑣な手続が行なわれるのでありまして、こういうことのないように、連続して、生産し、連続して出荷していくという工場につきましては、随時検査をやりまして、そのつど検査による煩瑣な手続を避けたい、こういう趣旨からでございます。
○鈴木市藏君 この規定によりますと、今までそういうふうな業者が、今度はまあ再承認あるいは承認を受けるわけですね。その場合に既定の業者ですね、既定の業者に対してもう一度、つまり何といいますか、基準を新たにして承認をする向きとそうでない向きと分けるようなことが、現に行なわれておるかのように聞いておりますが、そういう基準というものは一体どこで引くのか。すべて既定の業者に対しては不公平なく再承認をするのか、それとも再承認をする場合にはもう一度やり直しをするか、そういう場合のつまりどこで基準を引くのか、それをお答え願いたい。
○政府委員(稻田耕作君) 現在の配合飼料の工場につきましては、全工場全部に対しまして、承認を平等に与える予定でございます。
○鈴木市藏君 全工場、全企業に対して平等に与えるわけですね。いわゆるえこひいきというか、取捨選択はやらぬわけですね。 もう一つ聞きたいと思いますが、手数料を今度取るわけですね、今までも取りましたね。もう一つ聞きたいと思うのは、何かこういうふうなことで、ある一定の、つまり工場の設備というか、そういったようなものについて注文をつけて、それに合格をしないようなところに対しては、あらためて指導というか、規制をきびしくするといったようなことが、現に行なわれているかのように聞いておりまするが、そういう点はどうですか。
○政府委員(稻田耕作君) 従来どおりでございます。
○鈴木市藏君 で、もう一つ。罰則規定を新しく設けましたね。この罰則規定を設けなければならない理由について御説明願いたい。
○政府委員(稻田耕作君) 実は関税暫定措置法には罰則の規定がございますので、それに合わせたのでありまして、それともう一つの理由は、そういう用途外使用の規制を厳格にするということが、前にも申し上げましたように、手続を簡素化していくということのうらはらになって参るのでありまして、また今申し上げましたように、暫定措置法にありながら定率法にこれがなかったのでございまして、その統一をはかったのであります。暫定措置法以上の量刑ないし罰金は科しておりません。
○鈴木市藏君 そうすると、この飼料については新しくこのような規定を設けたということは、飼料業者及びその飼料を使う一般の農民その他に対する影響について、今までとどういう変化があるか、どういうことを考えておられるか、ひとつお答え願いたいと思います。
○政府委員(稻田耕作君) この承認工場制に七月一日から一斉に移ることによりまして、業者のほうの手続が非常に簡単になるのでございます。今までは、保税工場への移し入れの承認とか、あるいは製品検査のつど輸入申告をいたすとか、非常に手続上煩瑣なことが多かったのでありまして、それが今度なくなったということであります。また、従来は罰則がなかったこととも関係いたしまして、免税原料品に対しまして担保を提供さしておったのでありますが、今後は原則として担保は取らないというふうに運用していきたいと思っております。そのほか、われわれ税関のものといたしましても手が省けて参りまして、その余力をほかの保税の工場のほうへ回したい、こういうふうに考えております。
○鈴木市藏君 あと一つだけ質問をいたします。ガット自体に関する問題ですが、今私たちはガットは一つの重大な矛盾というか、危機に直面しているというふうに考えているわけです。たとえば、あなたが先ほどおっしゃったように、何か新しい方向を求めている、それが五カ年・五〇%・一括引き下げの米案といったようなものもそういう一つの方向だということを答えておったと思います。これに対するあなたのお答えは、何かあなたまかせというような感じで、来年一ぱい何とか会議をやって方向を見出すようになるでしょうといったようなことなんですけれども、一体このガットに対して政府はどういう考え方でもって臨むのか。それから、ガット自体の基本的態度ですね、それから今言ったアメリカの五カ年・五〇%・一括引き下げというこの案に対してどのような、つまり自主的態度をもって臨もうとしているのか。こういう点については、先ほど来からの質問においてもきわめて不明確だというように感ずるわけです。 そこで、ガットが今なぜそのような危機に、一つの危機に直面しているかといえば、結局三つの問題に関係があるのじゃないかというように私たちは見ているわけです。一つは、やはりアメリカの力が総体的に低下してきて、アメリカ自身が通商航海条約その他、あるいはまたガットにおいてこういうようなことを言ってくるということそれ自体にはっきり現われているように自分たち自体でもうこれをどうしていいのか方途に困っているといった、そういう矛盾面に直面しているところから来ている問題が一つあると思うのです。二つには、やはり社会主義諸国ですね、やはり世界の市場はもう単一ではないので、社会主義市場との平和共存の方向というものをどうしてもとらなければならなくなってきている。特に国際貿易会議ですね、こういったものがもうことしの秋には開かれるというときに対して、一体どういう態度で臨むのかということが不明確だ、こういうふうな問題が二番目にあると思う。三つ目には、結局工業国と後進国との間の矛盾の問題、こういったようなものが相錯綜して、今ガットは一般的な危機というか、矛盾面に直面している。 こういうときにおける日本政府のガットに対する基本的な態度というものは一体どういう方向で進んでいくのか、何かまあその日暮らし的な、あなたまかせ的な、言うならばアメリカの風の吹き次第といったようなことが感ぜられるのであるけれども、そうではない、このような自主的な態度で臨むのだという構想があったら、お聞かせ願いたいと思うのです。
○政府委員(池田清志君) 国際間におきまして、貿易を通じて有無相通じて、そのおのおのの国の繁栄をはかり、その国民の生活向上、民生の安定を進めていき、しこうしてまた世界人類の福祉を増進していこうというのが、もう世界の大勢であります。この関係におきまして、そういうような国際的な関係を深めていこうというような方向に向かっておるのでありますが、わが国といたしましても、わが国だけ全くそういうものに関せずえんであり得ることはできないのでありまして、したがいまして、先ほど来御質問になっていただいておりまするように進めて、自由化等を進めておるわけです。 ところで、一方、わが国におきましては、わが国の産業経済というようなものを保護するというようなことが自由化の根本でなければならないわけ合いであります。その自由化の根本をわが国として守りつつ、世界の大勢に順応していくように進めていくというのが、われわれの態度でございます。
○大竹平八郎君 私は、両案に関連いたしまして、一点だけ特に政務次官から御答弁を願いたいと思うのであります。それは、この両案を通じて見まして、私どもが当然考えなければなりませんことは、世界の資本が日本の経済的状況に注目をいたしまして、そうしてこれがオープンになりますと殺到してくるということが想像できるわけであります。そこで、従来の日本の輸出の大宗といわれておりまする船舶の輸出一つを取り上げて見ましても、大体これは大きい国というよりも、ごく南米あたりの小さいリビアとかあるいはパナマとか、さらにはギリシャとかいうような国籍を持っておる人たちの注文というものが大体多かったわけです。これを実はいろいろ調べまするというと、その資本系統というものについては、私どもが考えさせられることが非常に多いわけであります。そういうわけで、今後オープンになりますと、この意味で、まあ極端に申し上げまするならば、ジューの資本も入ってくるでしょう。しかも、それが単に資本として入ってくるだけでなくして、私どもがおそるべきものは、まだ完成をされていない日本の企業の独占的な段階にまで入ってくるということを、私どもは心配せざるを得ないわけです。最近、御承知のとおり、 ニューヨークで売り出した関西電力のADRのごときは、とにかく発行と同時に売り切れるというようなことを見ましても、日本の経済にそういう人たちが大きな関心を持っておる。 こういう点から考えまして、どうしても外資に関する法律、いわゆる外資法案の大改革を私は迫られてくるのではなかろうかと思うのであります。これは何もすぐに来年度でなければならぬということはむろんないでしょう。と申しまするのは、先ほど来自由化の問題について始終質疑応答がございましたが、外務省は西ドイツが九十品目残っていると、こう言うのでありますが、私どもはもう少し残っていると聞いておるのでありますが、そういう西ドイツの態度一つ見ましても、相当外交的にこれをねばり、交渉して、二カ年間もかかっておるというようなことも見まして、すぐに来年度からこの外資法を根本的に改正をしなければならぬということにはならぬと思いますが、いずれはどうしても大改革をしなければならぬというように私ども考えられたのですが、この外資法は、御承知のとおり二十五年に成立をいたしまして、その後六、七回にわたりまして一部改正は行なわれておるのでありますが、私はそういう意味におきまして、この一部改正というようななまぬるいものでは、この世界経済のいわゆる日本に向かっての集中攻撃に対して対処はしていけないと、かように考えておるのでありますが、その点につきまして、特に政務次官の御意見を伺いたいと思うのです。
○政府委員(池田清志君) ただいまの御発言は、私ども政府に重大なる示唆をお示しいただきましたものでございます。先般来の国債あるいは政府保証債等におきます御審議におきましても、わが国の国際的な信用が高まりまして、その売れ行きが海外でよろしいということを御報告申し上げておるのでありまして、これはまことに御同慶にたえないのであります。しかしながら。一方、御指摘のように、外国資本が国内に導入されるということに相なるわけでありますが、これはつまりわが国の資本と競争する、こういう立場になることは御指摘のとおりであります。貿易につきましても、わが国の産業を保護するということが、自由化の根本であると申し上げましたように、資本につきましても同様に考えております。したがいまして、そういう基本を維持いたしつつ、わが国の国際信用力を高めていきまして、国債、公債、民間債等いろいろ国際信用が高まってくるということは喜ばしいことであるわけでございます。それらをどういうふうに調和すべきかという大きな重大な問題がございます。 御指摘のように、これはかかって外資法の問題に移っていくわけでございますが、外資法の改正云々については、政府の態度いかんというお尋ねでございますが、今日の時点におきまして、これを改正するというような準備はいたしておりません。しかしながら、御高見を私ども政府に対する宿題としてお与え下さいましたことを感謝をいたしまして、私ども大いに今後におきましてこの問題の調査検討をいたしたいと思います。
○委員長(佐野廣君) 他に御発言もないようでございますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。よって、両案の質疑は終わりました。 それでは、これより関税定率法等の一部を改正する法律案の討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○鈴木市藏君 私は、日本共産党を代表して、関税定率法等の一部を改正する法律案に反対します。 池田内閣の貿易関税政策は、常にアメリカに追随し、東西貿易の拡大に対する国民の要求に正しくこたえず、自主性を失っていますが、その端的な現われは、現在の綿製品に対する池田内閣の対米交渉の成り行きを見ても明らかであります。この現状においてガット十九条3、(a)、(b)による対抗措置を規定しても、事アメリカに関する限りおそらくこの規定を発動することなく、その自主性を貫き得ないこともまた言うをまちません。政府は、現に行なわれているガットの関税会議においても、アメリカの圧力のもとに、社会主義諸国、新興中立諸国、低開発国諸国に対する貿易関税上の平等互恵の立場をとっておらず、むしろその日暮らしの態度をとり、世界の平和共存の方向に向けていささかの熱意と努力をも示していないのであります。 私はこのような関税政策と本法案に反対して、討論を終わります。
○委員長(佐野廣君) 他に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。関税定率法案等の一部を改正する法案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐野廣君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、外貨公債の発行に関する法律案の討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○鈴木市藏君 私は、日本共産党を代表して、外貨公債の発行に関する法律案に反対します。 この法案に反対する根本の理由は、産業投資特別会計が池田内閣のいう国づくり、すなわち新産業体制づくりのための一大資金源となっており、さらに今回の措置によって外貨公債発行の窓口となり、さらに回を追うごとにその額を増大し、かくて金融的にもアメリカ独占資本への依存を強め、日本経済の従属的性格を深め、根本的にはわが民族と人民の利益にそむくことになると信ずるからであります。 その具体的な例証の一つは、この外債借り入れによって百十八億円を日本開発銀行に貸し付けることになるのでありますが、日本開発銀行の出資金はその大部分が見返り資金であり、アメリカ金融資本の代理店的役割をになっているのであります。しかも、開銀は池田内閣の特定産業振興という政策を推進する金融的一牙城となり、そのための体制金融を行なおうとしています。 かつてはアメリカの見返り資金がレッド・パージの資金となったと同様に、今回の外債が合理化のあらしを吹きまくり、労働者の大量整理へのドルのむちとなる危険を隠しているものと言わざるを得ません。 よって、反対を表明いたします。
○委員長(佐野廣君) 他に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。外貨公債の発行に関する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐野廣君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
○委員長(佐野廣君) この際、参考人の出席要求についてお諮りいたします。 租税及び金融等に関する調査のため、参考人の出席を求めたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。 なお、出席を求める日時、参考人の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ――――――――――――― 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十九分散会 ―――――――――――――