大蔵委員会 第22号
- 発言数
- 201 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1963/03/28
会議録
○委員長(佐野廣君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の立案を一括議題とし、前回に続き質疑を行ないます。 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○佐野芳雄君 ただいま上程せられておりまする税法の改正の問題に関連いたしまして、大蔵、労働両大臣にいろいろお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、いろいろな委員会で非常にお忙しいところ、お二人の大臣にお繰り合せいただきまして、与えられました時間もじゅうぶんございませんので、できるだけお答えを簡単にお願いするように、私のほうでお尋ねいたしたいと思います。あまり大臣のほうで御親切に御答弁願いますと、僕のほうの時間がございませんので、そういうつもりでお尋ねいたしたいと思います。 今度の所得税法の一部を改正する法律案でございますが、この法律案の中で、少額貯蓄の優遇ということで、従来の国民貯蓄組合制度にかえて、制度の合理化をはかりたい。そうして新たに一人一種類、かつ、一店舗に限って元本五十万円までの預金等について、その利子所得に対する所得税を免除する、このことでございますが、このことはいかにも少額貯蓄者にも恩恵を与えておるように政府は説明しておるわけでございます。戦争が済んでからもう二十年にもなりましたので、社会・経済状態も回復されて正常に移っている今日では、戦時に始まった国民貯蓄組合が今日廃止されるのは当然です。むしろ、おそきに過ぎるという感がするのであります。 ところで、問題は、この改正によって、今まで一人二種類まで可能であり、したがって元本が五十万円、計百万円まで免税であったのが、改正案では五十万円に押えられております。したがってその面からいうと、これは改正でなくて改悪であるというふうにとれるのでありますが、大蔵大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(田中角榮君) 仰せのとおり、国民貯蓄組合は制度上はりっぱな制度であり、またその目的も達成してきたわけでございますが、御承知のとおりの状況でございまして、これを乱用する人が非常に多いので、特に法律に基づいて処分を必要とするというような事態までありますので、これらの弊害を除去し、特に脱税の防止等をはかりながら、真に少額貯蓄者を優遇するという本来の目的を達成するためには、今度の改正のほうがより合理的であると、こういう判断に基づくものでございます。
○佐野芳雄君 そこで、先ほどお尋ねしましたように、今までは百万円までが免税されておったのですが、今度はそういうようなよい方向に持っていこうという意思を示しながら、現実には百万円の今までの免税点を五十万円に引き下げたということは、改悪ではないでしょうか。
○国務大臣(田中角榮君) 御承知のとおり、経過措置として現在二口百万円というものはそのまま認めるようにしておりますし、その経過措置が切れてから後の措置については、五十万円という限度がいいか、七十万円にするとか百万円にするとかいう問題については、そのときの情勢に応じてそのときまでに決定したい、こういう考え方でおります。
○佐野芳雄君 そうすると、これは後で大事な問題になるのですが、今の大蔵大臣のお答えでは、五十万円に限定しないで、ときの情勢で七十万円とか百万円になることがあると、こういうことですか。
○国務大臣(田中角榮君) 現在までの国民貯蓄組合では二口ということになっておりますから、この制度を永久に認めるという意味ではございませんが、原則としては五十万円としておりますが、経過措置として、今現在二口預金をしておりますものはそのまま認めると、経過措置を法定してあるわけでございます。ですから、それは無制限ではございませんから、いずれにしても、時間が来れば法定の五十万円の一口というものに戻るわけでございますから、そのときまでに、世の中の情勢を見ながら、五十万円までの限度額がいいのか、七十万円までの限度額がいいのか、百万円まで限度額を引き上げるべきかという問題は、郵便貯金の限度額や簡易生命保険の限度額や民間保険の無診査の限度額等の引き上げ等と関連をいたしますので、十分検討してしかるべく措置をしたい、このように考えておるわけでございます。
○佐野芳雄君 今の大蔵大臣のお答えは、非常に私は含みのあるお答えだというふうに受け取って、政令できめる場合に十分におっしゃったことが入れられるものであるという含みがあるというふうに理解してよろしいわけですか。
○国務大臣(田中角榮君) 分けて一つお考えいただきたいのですが、原則は五十万円でございます。ところが、現在は百万円まで認めておるのでございますから、脱税等をやっている、十口も二十口も百口もやっているような人たちを排除するために五十万円一口というものを法定いたしたわけでございますから、新しくこれからこの法律の適用を受けようというものは、一店舗で一人五十万円までと法律でもってきちっときめたわけでございます。ところが、それだけでもって、経過規定を全然きめておきませんと、今までの国民貯蓄組合法によりましては百万円まで認めておったものに対して、五十万円に下げれば改悪じゃないかということになりますので、現在認めておりますものは、この法律の制定によりまして経過措置をとっておるわけです。これは二年間だけは現在のままで持っておるわけでございますが、将来、二年間の期限が切れるまでの間に十分実情を検討いたしまして、五十万円の限度額がいいのか、七十万円の限度額がいいのか、これを百万円まで上げなければならないのかという問題は、この二年の期限が切れる前に態度を決定してしかるべく措置をいたしたい、こういうふうに申し上げておるわけであります。
○佐野芳雄君 この問題は、今の大臣の御答弁は、私の受け取り方では、非常に含みのある――今後御相談のできる余地を残した問題だというふうに理解しながら、いずれまたこれは、大臣お帰りになりましたら、事務当局と十分質疑を繰り返して参りたいと思います。 そこで、今おっしゃっておられますように、大臣は苦労人ですから十分御配慮願っておるようでありますが、とにかく経過措置の問題は別といたしまして、今度の改正案では一店舗一種類というふうに言っているわけです。預金する者の預金への自由意思をこれは拘束する結果になる、こういうふうに私たちは考えておるわけです。ということは、今日の少額預金者の預金の目的は、社会の進歩と経済の成長に伴って変化してきておるわけです。きのうまでは預金の美徳と言われておったんですが、今は消費の美徳と言われているような言葉が非常にはやるように、いろいろな条件が変わってきております。昔は、朝に星をいただき夜に星をいただいて働く者、休まないで働く者が働き者だ、こういうふうにされておったのですが現在では、適当に休養をとり、そして少なくとも週四十時間の労働を実現することが近代的な生産性を向上する方向であるというふうに言われておるわけですがこれは一つの世界の趨勢でもあるわけです。おそらく労働省はそういうふうなよい意味における近代的な労働慣行を作る方向に御努力を願っておるように私は思うのですが、この際、そういう時代の趨勢によるところの労働環境なり、あるいはそれに伴いまする労働者の考え方の変化、こういうことに対して大臣の御所見を承っておきたい。
○国務大臣(大橋武夫君) 仰せのごとく、労働というものについての考え方が逐次変わってきておるように存じます。労働省といたしましては、この新しい傾向に適応いたしまして、労働条件の整備、また労働環境の整備に努力をいたしておる次第でございます。
○佐野芳雄君 重ねて労働大臣にお尋ねをいたしておきたいと思うのですが、たとえば、昔は労働者を拘束するための手段として寄宿制度を活用されておったように思うのですが、しかも、これが労働者にいかにも福祉施設であるかのごとくに宣伝をされておりました。しかし、今の寄宿舎制度に対する考えというものは、これは単なる労働者の福祉という問題ではなしに、生産性を向上するために経営者が生産のために必要とするところの施設である、こういうふうな考え方になってきておると思うのであります。したがって、同時に、寄宿舎におきまするいろいろな制度も労働者の自由を拘束することがないという立場で行なわれておる、いわゆる古い慣行は是正しなければならない、こういう方向に労働者は御努力をされておると私は理解をいたしておりますが、大臣の御所見はいかがでございましょうか。
○国務大臣(大橋武夫君) 強制労働の禁止ということは、労働の大原則になっております。福祉事業につきましても、いやしくもさようなにおいのあるものにつきましては十分に注意をいたしております。
○佐野芳雄君 重ねてお尋ねしますが、ただいまお答えがありましたように、少なくとも私たちは戦時中の古い慣行や行為は漸次改善されてきていると考えております。したがって、近年の労使の問題は、経営者の都合によって物事が処理されるのではなくして、個々の労働者の人格を尊重し、個々の労働者の意思を尊重する建前のもとに、現実は労働者の意識を代表する組織としての労働組合の意向を考えながら労働行政は進められなければならぬし、そういうふうに進めておられるものだと私は理解するのですがへその点の労働大臣の御所見を重ねてお伺いいたします。
○国務大臣(大橋武夫君) そのとおりでございます。
○佐野芳雄君 そこで、大蔵大臣にお願いいたしたいのですが、少額預金者、ここでは労働者の立場で考えますと、たとえば労働者が十分の休養を得たいということはあすの生産性の向上のためにそうありたいということであると私は考えております。したがって、そういう立場から、休みの日はうんと楽しもう、いろいろのレクリエーションを楽しもう、旅行もしよう、こういうことで貯金をするという一つの形があるわけです。昔は電気冷蔵庫を持ったり、テレビを持ったりいたしますと、あの野郎はぜいたくだと言われておったのですが、今ごろそんなことを言う人はないと思うのであります。この間まで電気冷蔵庫や電気洗たく機、テレビは三種の神器と言われておったのですが今の高校を出た青年にそういう三種の神器という言葉はわからないと思うのですが、そういうふうにもう生活必需品になってきておるわけです。池田さんに言わすと、それは経済成長の結果と、そういうふうにおっしゃると思うのですが、それはそれといたしまして社会が進歩し、経済が成長してきている。したがって、そういうことで労働者の生活の状態も、環境も、考え方も変わってきておる。そこで、レクリエーションのため、あるいは家庭生活を快適にするために、少しでも貯金をしよう、こういう考え方がだんだん強く広がってきておるわけですが、そういう立場で行なう労働者の貯蓄は、半年か一年積み立てたらすぐ引き出す、いわゆる引き出すことを前提に、消費のための貯金、いわゆるすぐに引き出せる普通預金であるとか、そういう形になる預金がふえてきておると私たちは理解しておるのですが、そういうふうにやはり御同感願えますか。
○国務大臣(田中角榮君) 会社の内容がよくなり、親睦団体もできておりますから、このような性格を持った預金が各分野において行なわれておるという事実は承知いたしております。
○佐野芳雄君 そこで、その一面において、政府が一生懸命努力されておるのですが、なお十分住宅は解決しないわけです。で、政府の御努力を待っておってはどうにもならぬので、自分で家庭を建てよう、こういう生活設計をしております。また、政府の教育予算が十分でございませんので、したがって、子弟の教育のために教育費を積み立てていこう。また、池田総理は福祉国家を念願されて御努力されておるんですが、しかし、現実はなかなかそうではない。そうすると、老後の生活に対して不安のないように老後の生活のための生活設計をしていこう。こういうことで長期の預金をする計画を一面しております。一面においては、生活を楽しむために半年か一年預金して引き出そうという貯金の性格、方向を持ち、一面においては、長期の計画によるいわゆる定期性の預金を積み立てていこう、こういう二つの傾向が庶民の中にははっきり出てきておる。 このささやかな庶民の希望を入れてやるためには、政治の愛情を示すためには、少なくとも免税をするところの預金の対象は少なくとも二種類ないと、ほんとうに愛情のある政治とは言えないと私は思うわけです。それを今度は一つにされたわけですから、私はこの点についてももう一ぺんひとつ大蔵大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(田中角榮君) もちろん、零細な金を、多数から、多数の人たちから集めて、しかもささやかな夢を託しておる預金に対しては、特に恩恵を与えるような税制措置が好ましいという考え方に対しては、あなたと同一な見解でございます。しかし、長期のものと短期のものというふうに分けて、どのように税制上処遇ができるかという問題、なかなか技術上むずかしい問題でございます。まあそういう問題、これは会社の組合とかクラブとか、そういうものでも、一つの名儀で五十万円をこえるものを新たに預けた場合には税金がかかるじゃないかということを御指摘になっておると思いますが、これは、そういうときには、その実体が明らかなのでございますから、何人かの名儀でもって預けるということもできるわけでありますし、それが免税の恩典に浴すというものに対して、道を閉ざしているわけではないのでございます。 先ほど申し上げたとおり、原則的にこれらの問題を解決する、いわゆる少額貯蓄という問題が、五十万でいいのか七十万でいいのか、時代の変化により、また経済力も非常に成長したということを前提にして考える場合には、百万円までを少額貯蓄というものの限度だというふうに考えるかは、これから慎重に検討すべき問題だと思います。
○佐野芳雄君 私の申し上げておりますのは、あとで事務当局とよく質疑をかわしたいと存じますが、限度額の五十万円が前の百万円から見ると改悪になっているというだけではなしに、先ほどから申しますように、少額貯蓄者の預金の目的が変化いたしてきておりますから、一種類に拘束するのではなしに、やはり少なくとも二種類ぐらいにすることが必要ではないか。そうして、そういうふうに預金の目的が違いますから、一店舗に限るのでなしに、やはり二店舗ぐらい、便利のよいようにしてあげますよというようにしてやることが必要ではないか。こういう意味で、前の状態のほうがかえってよかったのではないか。ただ、国民貯蓄組合法の改正に伴いまするそういうことになりました問題点については、これは十分配慮しなければならぬというふうに考えますので、その点、ひとつ了承しておきたいと思う。 そこで、あらためてお伺いいたしますけれども、今度の改正案につきまして、衆議院でいろいろ審議をいたしております過程でも触れていなかったようで、ございますが、これは私の会議録を見た結果でございますが、そこでお伺いいたしますが、今度の少額貯蓄の問題についての改正点で、届出をいたしまする営業者と申しますか、金融機関と申しますか、この言葉の表現が「金融機関の営業所等」という言葉が入っておるが、一体この「等」とは何を指すのか、これは銀行局長でもけっこうですが。
○政府委員(大月高君) 今回の少額貯蓄の優遇制度は、普通の銀行預金のほかに証券類もございます、社債、金融債、そういうものもございます。それから、預金というような金融機関でない機関に対する預金もございますので、それらはいずれも金融機関の店舗というような表現では表現し切れないわけでございますが、そういうようなものを含めてそういう表現をとっておるというわけでございます。
○佐野芳雄君 今、大月局長は、社内預金という表現があったのですが、一体こういうことが公式の場で言えるかどうか疑問だと思うのですが、これは労働者の立場からいいますと、勤務先の預け金、俗にいわゆる社内預金と言っておりますけれども、そうなのですか。
○政府委員(大月高君) 正確に申し上げますれば、労働基準法第十八条に基づきます勤務先預け金のことでございます。
○佐野芳雄君 そこで、これは大蔵大臣にお尋ねしたいのですが、一体預金とはどういうことをいうのであるか、ということなんです。むずかしい定義は別にしまして、私は、預金とは社会通念上法律によって設立された法人たる金融機関が受ける金銭寄託であると私は思うわけです。したがって、そういうふうな私たちの考えております社会通念上の預金の解釈がもし間違いなければ、従業員の預かり金とか勤務先の預け金というものは、厳密な意味では預金ではないというふうに考えるわけです。これはあとで申し上げますが、こういう表現は私だけ言うのではなしに、銀行局長が公式の場で言っておられるわけです。したがって、私は勤務先の預け金であるとかあるいは従業員の預かり金というのは、俗には社内預金と言っておりますけれども、ほんとうは預金ではなしに、これは企業が従業員からの借用金だというふうに考えております。事実、企業が左前になりました場合に、いわゆる社内預金は一般債券と同じように扱われまして、預金としての保護はされていないわけです。したがって、そういうふうに私はこの問題を理解しているのですが、大蔵大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(田中角榮君) 通念上、また法律解釈上の考え方は、現在までの状態ではあなたの言われるとおりでございます。しかし、これから社会が変わって参りますし、また銀行局長が公式の席上で社内預金という言葉を申し述べたとおり、これからこの種の問題がいろいろ出てくる場合、その法律上の定義というよりも、社会一般の通念、また一般に通用しておる言葉として、社内預金とか旅行預金とか入学預金とか、また奥さん方がいろいろ預金をするとかいうことで、銀行以外に預けておる、その中の幹事が預かっておるというようなものもありますので、厳密に申し上げればあなたが言われるとおりでございますが、社会通念上の社内預金というふうに使われる言葉は、これから複雑になってくると、いろいろ生まれてくるだろうというふうに考えられます。
○佐野芳雄君 これは非常に重要な御発言をされておるのですが、勤務先預け金あるいは預かり金というものは、今日の法律があります限り、そう常識的に解釈の変わるべき筋合いのものでないと私は考えております。「出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律」の第二条には「業として預り金をするにつき他の法律に特別の言定による者を除く外、何人も業として預り金をしてはならない。」、そして第二項には、「前項の「預り金」とは、不特定且つ多数の者からの金銭の受入で、預金、貯金又は定期積金の受入及び、借入金その他何らの名義をもってするを問わず、これらと同様の経済的性質を有するものをいう。」ということで、金融機関以外はそういうものはしてはいかぬということがこの法律で明らかになっているわけです。そこで、みそは不特定多数か多数でないかという問題になると思うのですが、少なくとも今日基準監督署が基準法によって認可されておるところの勤務先預け金、預かり金というものは、特定の企業がその従業員との間に契約をして預かり金をしておるものである、こういうことで認可もされ、監督もされていると思うのですが、一体労働大臣はこのことについてどうお考えになりますか、そして実情はそういう方向に沿って運営されておるというふうにお考えになりますか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(大橋武夫君) いわゆる社内預金につきましては、その会社の従業員の預金だけを取り扱うように厳重に監督をいたしております。
○佐野芳雄君 現実にそのように行なわれておると大臣はお認めになりますか。
○政府委員(大島靖君) ただいま佐野先生の御指摘の点は、いわゆる社内預金として、従業員のみでなく、その他の預かり金もまじっておりやせぬか、こういう問題であろうかと思いますが、その点は、基準法の建前は、ただいま大臣が申し上げたとおり、従業員の預かり金でございますが、その他のものについてどの程度入っておるかどうか、その辺の実情については詳細私どものほうでも調査いたしておりませんが、それは基準法十八条以外の問題であろうと思います。まあ、やはり従業員のお金を社内預金する、あくまでそういう建前で基準法十八条は立てられており、私どものほうの行政においてもそういう扱うものを前提といたしておるわけであります。
○佐野芳雄君 おっしゃることは、法律の示しておるところを説明になっているのであって、そういう方向で努力をしておるというだけであって、具体的に一体そういう事実を把握されておるのかということが問題になると思うのです。その点は、あとで重ねてお尋ねいたします。 そこで、この際、関連いたしますので、大月銀行局長にお尋ねいたしておきたいのですけれども、昨年の七月二十二日の朝日ジャーナルに、「公認金融機関以外の人が一般大衆から預金をとってはいけないという大原則がありまして、」、したがって親戚、知人からの導入預金は、「明らかに法律違反です。従業員の名前で預けても、本人のものでないとはっきりすれば、法律違反だと思います。」、こういうふうに出ております。これはおそらく銀行局の長としては当然銀行局長の立場として言われたことでありまして、社内預金云々の問題点があるということを前提にして言われたものではない、私はこのように理解をいたしておるわけであります。 そこで、基準局長が今おっしゃいましたけれども、一体十分そういう問題点のありそうなところ、あるいはなくとも問題が起こらないように、ほんとうの意味における監督を基準監督署はしておられますかどうか、あるいはそういうふうな報告を絶えず聴取されておるかどうか、これはあとでこまかい点はお尋ねをいたしますけれども、一応大臣のおるところでこの点確認しておきたいと思いますo
○政府委員(大島靖君) 私どものほうは従業員が貯蓄いたしますものを、労働組合あるいは労働組合のない場合は労働者の過半数の書面による協定をもって基準監督署に届け出て参るわけでございます。従業員以外の問題については十八条の直接対象とするところではございませんので、そういう調査はいたしておりませんが、しかし、そういう事態もあるいはあるような場合も考えられますので、今後ともそういった点にまでだんだん調査をいたして参りたいと思います。
○佐野芳雄君 それは、基準局長、非常に無責任な答弁です。基準監督署は、申請があったら、それを調べて認定をするんでしょう。書面が来たら、どんどん認可するんじゃないんでしょう。そんなことならば、基準法によるところの第十八条の第三項ですか、あなたのほうでは、必要な場合には行政官庁が認めれば使用者に対してその当該貯蓄金の管理を中止させることができるのですね。しかも、罰則規定があるわけでしょう。だから、届出を受けるだけという無責任なことを、調査はこれからやるんだと…・。それじゃ、今まで監督していなかったのか。それじゃ、基準監督署が労働基準法の示している精神に、あるいは方向に、違反しておる、こう言わなければならぬと思うのですが、まことに重大な発言だと思うのです。
○国務大臣(大橋武夫君) ただいまの点はなかなか行政上はむずかしい点でございまして、これを法律的に考えてみまするというと、基準法による許可は監督署の仕事になっておるのでございますが、その基準法による正しい許可を受けた後に、事業主が従業員のものにあらざることを知りながら第三者からの預金を従業員のものとして預かるという場合におきましては、これは労働基準法の問題でなく、先ほど御指摘のこの預かり金等に関する法律の違反事項ということに相なるわけでございます。したがいまして、この法律は大蔵大臣の所管の法律で、ございますので、この法律の施行につきまして、労働大臣として取り締まりをやり得るという権限はございません。したがいまして、これは今後十分に大蔵省と連絡をとりまして、両者協力の上に御指摘のような監督を進めるようにすべき事柄だ、かように存じますので、そういうふうな扱いを今後することを申し上げておきます。
○佐野芳雄君 これは非常に重要な御発言でございまして、労働大臣に申し上げますが、基準法第十八条の三項には、「使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合においては、貯蓄金の管理に関する規程を定め、」、これは届け出ていると思うのですが、「これを労働者に周知さぜるため作業場に備え付ける等の措置をとらなければならない。」、これは労基法に示しておるわけですね。もしこのことをしていなければ違反になるわけです。そうですね。一体どの事業所でもこれが徹底しておるかどうか。私は、私のやっております仕事の関係で、組合運動の関係で絶えず工場に入って参ります。たくさんの工場に入ったけれども、特に注意して見るんですけれども、こういう規程の看板がかかっているのを見たことはない。一体、基準監督署は工場に行っているのかいないのか。少なくとも監督の責任を持つなら、今おっしゃったような十八条の示しておるところの行為が行なわれておるかどうか、このくらいはわかると思うのです。おそらくそういう注意をした者はないと思うのです。これは大臣、十分御聴取願いたいと思うのです。もし基準局長が、御心配ございません、どこの事業場でもしておるはずですとおっしゃいますならば、お答えを願いたいと思うが、お答えできないと思うのです。私は、それはきょうは預けておきます。 そこで、もう一つは、今労働大臣は、もし不特定多数の者の預金を預かっているならば、これは大蔵省の責任だ、こうおっしゃるのです。そうすると、もしそういう事実があるとするならば、銀行局長はそれは違反だと言っているんですから、だから、今労働大臣が言われたように、そういう違反行為があるならば、大蔵省のほうで十分措置されるであろう、されるべきである、こうおっしゃっておりますので、私はこれから具体的な事実をもって違反行為を申し上げます。そうするなら、そういう事実があるとするならば、銀行局長の言明にもありましたように、また労働大臣みずからそうおっしゃっているんですから、そういう性格のいわゆる社内預金をなぜ今度の免税の対象にしなければならぬのか。国民貯蓄法の時代における、国民貯蓄法の立場における免税と今度は違うと思う。大蔵省が所得税法の一部改法を出して、今度は税金の問題を出して、大蔵省が所管するのです。そういう責任ある新しい体制が生まれるならば、社内預金の問題はもっと厳格に、厳密に私たちは審議をして、この法案の審査は続けていかなければならぬというふうに考えております。したがって、この際、今の労働大臣の御言明に関連いたしまして、銀行局長が局長の立場として、社内預金のもし不特定多数の者の導入があるならば違反である、このことに対する御見解を伺っておきたいと思うのです。
○政府委員(大月高君) 先ほど、私が朝日ジャーナルで言明いたしました点についてお尋ねがございましたが、そこに書いてあるとおりでございまして、その問題は、勤務先預け金に関しまして、労働基準法の第十八条におきましては、従業員からの預かり金は適法といたしておりますけれども、従業員の名において、他人でございますとか、友人でございますとか、あるいは家族でございますとか、そういうような預金を受け入れますと、これは第十八条の指定以外になるわけでございます。そういたしますと、当然労働基準法十八条によって保護されない預金でございますから、それは当然「出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律」に違反する、こういうことでございます。 それで、勤務先預け金につきましては、労働省におきまして労働基準法第十八条に基づいて御監督になっておるわけでございますから、その御監督が適正に行なわれる限り、「出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律」の違反事件は起きない、そういう意味でわれわれは法律の適正な運用に期待いたしておるわけでございます。
○佐野芳雄君 そこで、労働大臣に申し上げ、あるいは銀行局長、大蔵大臣にも御承知願いたいと思うのですが、私は、そういう不特定多数の者、いわゆる従業員本人でない家族、親戚以外に、隣人からも委託を受けていわゆる従業員の名において預金をしているという、今銀行局長の言う違反行為を多く知っておるわけです、事業所の名前は申し上げませんが。これは報告があるはずですから、基準局長は御承知でなければならぬはずです。もっとも新しいものは申し上げませんが、二、三年前にある事業所が閉鎖いたしました。その従業員の預金は全部たな上げになりました。そこで、従業員が騒いだのでなしに、その従業員の近所の者、親戚の者が大騒ぎいたしまして、本人は自殺したとかしないとかいうふうな事件があちらこちらにできたことがございます。これは二、三年前の話です。このことは明らかに、いわゆる従業員以外の不特定多数の者の預金が導入されておる。銀行局長の言う、明らかにこれは違反行為である。こういう事実が工場がつぶれたことによって出てきているという事実を、御承知おき願いたいと思うのです。労働大臣はそんなことないとおっしゃいますかどうか。
○国務大臣(大橋武夫君) 私はないとは申しません。先生のおっしゃることでございますから、さだめしそういう事実があったことと存じます。たまたま、その事実の内容について私は承知はいたしておりませんが、またあるいはあり得べきことかとも存じます。つきましては、今後の対策といたしましては、この機会に、従業員の社内預金の名のもとに第三者の預金が預けられるというようなことのないように、大蔵省の銀行局の当局とも十分に連絡をいたしまして、今後は厳重に監督をいたしまして、将来さようなことのないようにいたしたいと存じます。
○佐野芳雄君 基準局長のところには、基準法によりまする法の施行の問題に関連して、いろいろの問題について地方の監督署からたえず報告が来ておると私は思いますし、また報告は聴取されておると思うのであります。これは最近の新しいチラシなのですが、これも事業所の名は申し上げませんが、これには「まず貯金、それから生かせ妻の腕」と、こういう見出しをつけて、おれのところの会社の利息はこれだけ、銀行や郵便局の普通預金はこうです、と、このチラシを町にまいているのです。そして非常に親切に、これで見ますと、去年の十二月から今年の一月までの私のほうの預金は、普通預金が九分六厘、特別――これは定期預金ですが、これは九分だ、しかも、これは五十万円まで無税であると、こういうふうに書いてある。そして無税にならないそれ以上の預金は八分四厘にすると、こういうことで、そしてそのチラシの裏にごていねいに、郵便預金を一年間一万円預けてもその金利は三百六十円、普通銀行では二百十九円だが、おれのほうの会社の貯金では九百六十円の金利がつきます。こういうチラシが出ているのです。これはおそらく、基準局のほうでいうと、それは従業員に渡したのであろうと、こう言うでしょうが、もしこれが町にまかれているとすると、これを知らないとすると、基準監督署は実に怠慢だと思うのです。こう言わなければならない。そしてどういう事情の変化か知りませんが、この会社の利息は今年の二月から変わっておりまして、そして百円から五十万円までは年九分――七分五厘、そして会社の特別預金は、いわゆる無税と考えられるものが九分と、同じように直しております。いわゆる無税になる、オーバーする金額につきましての金利を上げておるわけなのです。こういうことになりますと、これはもう純然たる金融機関並みの仕事をやっているということを言わなければなりません。 いろいろ企業の実態からいいますと、資金が必要である。銀行から借りにくい。どうせ高い金利で借りるならば、従業員の金に一割やそこらの金利を払っても、むずかしい、高い金利で借りるよりも得だし、借りる金を借りるのだからいいということになりますが、こうなると借用金ですよ。これは一つの例を申し上げたので、もし必要なら私のほうには十数項の例を持っております。こういうふうにいわゆる事業上やむを得ないものといたしましても、それが預金という形式になりますと、これは私は大蔵省の立場でチェックしなければならないことになると思うのです。これが今度の法改正に関係があるのです。ですから、私はこの問題はもう少し明らかにしなければならないと思うのです。 そこで、先ほど大島局長がいろいろ調査をしてごらんになったというようなことで、私は、この基準法によって認可をして、しかも中止するところの権限を持って、そういういろいろなことについての罰則規定はちゃんと持っているのですから、少なくとも、これから調査というのではなしに、今日までに調査がもうできていなければならないはずなのです。これから調査をしていくでは、基準法違反ですよ、基準監督署は。責任は基準局長にある、労働大臣にあると思うのです。事件がなかったからということで、これから調査するとは何ですか。私は、少なくとも調査はしていなければならない。されていなければならないはずです。 したがって、もう一ぺんお尋ねをしたいのですけれども、調査ができておるという建前で、していないというような怠慢はないという確信の上に立って、この機会に資料を要求をいたしたいと思うのです。いわゆる社内預金を行なっている企業の数、第二には、その企業内に勤務している従業員の数と貯金をしておる従業員の数、そしてその平均一人当たりの貯金額と全体の貯金総額、過去二カ年の間に事業の縮小あるいは閉鎖等によって、その貯金及び利息が約定どおりに支払われておるかどうか、もしそれに変化があれば、その内容と実情を、資料としてすみやかに出すように、労働大臣から事務当局に指令をしていただきたいと思います。特に、私は、このことを労働大臣にお願いするのは、やはり監督の最高の責任者である大臣からこのことをお命じ願いませんと、調査がなかなか出て参りませんから、そういう意味で、ひとつ資料の提供をぜひすみやかにお願いしたいと思うのです。 そこで、非常に三月中の日数も少なくなって参りましたから、法案の成立はおそらく政府側は急いでおられると思うのです。しかし、私たちの同僚である与党の議員の諸君といえども、この法律の改正に直接の関係のあるところの問題について、意見の相違はこれは別でありますが、佐野の意見には反対であるとおっしゃるのは、これはやむを得ないと思うのですけれども、少なくともこの法律の改正に必要な資料も出ないのに、重要な資料も出ないのに、与党の諸君といえども単なる賛成はできないと思うのです。資料が出て、その資料によって討議をして、そこで意見の食い違いのあるのはやむを得ないと思うのです。しかし、資料もないのに、そういう重大な問題があるのに、資料なしで、よろしい、与党の案であるから賛成である、そういう多数決はこの委員会では与党諸君としてもとらない、こういうふうに私は考えているのですが、そういう意味で、少なくとも今明日のうちにこの資料を出していただけますか。大臣のお答えを伺いたい。
○国務大臣(大橋武夫君) お答えをいたします。御指摘の資料の御要求はまことにごもっともとは存じますが、従来労働省といたしましては、さような詳細な資料も調査いたしておりませんので、今明日中に資料として提出することは不可能でございます。ただ、わかりまする資料は、事業所の数は大体わかっております。そのほかの数字は、まことに申しわけございませんが、今明日中に提出は不可能でございます。
○佐野芳雄君 これは非常に重要な御答弁でございまして、一体そういうふうなルーズと申しますか、責任ある体制のない――いわゆる勤務先預金を大蔵省は今度の免税の対象にして、しかも大蔵大臣が二日前に私の質問に対してお答えになりましたように、今度の低金利政策、金融正常化に基づいて、非常に毅然たる態度をもってこの方向に大蔵省は御努力になっているわけです。大蔵省の監督を受けておる相互銀行、信用金庫は、これだけの大蔵省のきびしい指導の方針に基づいて、非常に苦しい経営を今後改善しなければならないわけです。そういうようなものと一列同仁に、今労働大臣がお答えになるようなルーズな、責任のある体制のない町の一金融機関、しかも内容的には明らかに銀行局長の言う違反的行為である、不特定多数の者から擬装して導入しておるようなものを、免税の対象に一般金融機関と同じようにすることが一体妥当なのかどうか。今までは国民貯蓄組合法によっておりましたので、これは別個でありますが、これは私は非常に重大だと思います。だいぶ時間がなくなりましたけれども、この点あらためてお伺いいたしておきたいと思います。
○国務大臣(田中角榮君) 社内預金と俗に言われておりますものに対する大蔵省の考え方を率直に申し上げますと、原則としては好ましい姿ではないという考え方でございます。できれば、こういうものはやめてほしいというのが大蔵大臣としての考え方でございます。しかし、現実の問題として、労働基準法の十八条に基づいて、これらの規定を作らなければならなかったという事実というものも、認めておるわけでございます。これは労使双方が協議をして、こういう制度を作っておるわけでございます。まあ、あなたが先ほど言われましたとおり、運転手組合でもって、あるいは春秋の旅行に対する積立金というようなものが非常に大きくなったものが、社内預金というようなものにも発展してきているわけであります。ですから、現実問題としては、これらの問題に対して税法上の恩典を与える場合も、現実そのようなものがあるのでございますから、これに対しては、これ貯蓄免税の制度をそのまま適用しようということで御審議願っておるわけであります。 そこで、大蔵省の二律背反という問題がございます。先ほど申し上げたとおり、現実的にあるものに対しては恩恵を与えるという方向と、もう一つは、金融業そのものの考え方からいたしましても、実際上は労働基準法十八条に規定する組合員の預金、いわゆる従業員過半数以上の承諾を得ておるものというような限定されたものではなく、利息が高ければ親戚、知己、友人等が社員の名において預金をする。まして、ただいまお示しになったようなことが町にまかれておるということになれば、当然出資の「受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律」の真っ正面からの違反でございますので、まあ私はそういう意味では、現実論と、もう一つはこの法律、ただいま申し上げました銀行業務と類似をしたようなものを営んでおるという、営みやすいというものに対しては、何とか処置をしなければならぬという、二つのことを考えておるわけでございます。 まあ、先ほどからの御説に対して考えましたのは、労働省と大蔵省との間に十分処置をしまして、まずこの金利等の取締に関する法律によりまして、あなた方がそういうようなことをしますと、第十一条以降によりまして懲役もしくは三十万円以下の罰金に処せられるのですよ、こういうことは絶対やってもらっては困る、こういうことを周知徹底せしむる措置を早急にとるべきであるということが一つでございます。それから、もう一つは、少しでも利息が高いという状態を追っかけるために、ついに破産、倒産をしたときになってから騒ぐというような事態に対して、こういうところには預けてはならないのですと。また、これを自分の名前を貸して偽装預金をするという組合員自体に対しても、自省をしてもらうということも重要なポイントとして、猛省を促さなければいかぬと思います。それから、もう一つは、労働基準法十八条の罰則は、他の法令による罰則規定を引用しておりませんが、私はやはり労働基準法十八条の左の各号に該当する違反行為をした場合、管理が不適当であったというような場合は、これを返済しなければならぬという規定だけございますが、私は、少なくともこの金利等の取締法のような項を設けて、こういう法律の違反に対しても直ちに解散を命ずるとか、何年問かかることをやってはならぬとか、将来これに対して決してこの種の社内預金制度は認めないとかいう法制上の問題もあると思うのです。だから、これらを法制上いかに整備しなければならぬかというような問題に対しては、大蔵、労働両省間で可及的すみやかにこれに対して結論を出したいという考え方を明らかにいたしておきたいと思います。 最後にお願いいたしますのは、しかし、今度の税法改正で御審議を願っておりますのは、そういうあなたのおっしゃっているようなことをわれわれ自体もこれから考え、また当然法の改正等もしなければならないものに対しては鋭意検討を急ぎ、これが実効をあげるようにいたしますが、現実問題としてあります社内預金というものに対しては、現実論からして、少額免税制度を設ける以上、やはり適用範囲から除外をするということは当を得ておらぬということでございます。でありますから、この税法のほうはひとつ大蔵省の考え方も十分御理解賜りたいと、かように存じます。
○佐野芳雄君 いろいろ委員長並びに理事諸君に御無理を申し上げて、両大臣にお越しいただいたのですが、時間もだいぶ来ておるようですが、野々山同僚も質問があったのですが、私に道義的に譲ってやるということでやっておるのですが、それにいたしましても、だいぶ時間が来ておるわけです。この際に、私は大蔵大臣に御承知願いたいのですけれども、労働組合が納得しておるとか、労働者が理解しておるとかいうようなことが前提のようなお話がございましたけれども、実は一昨日でしたか、一昨々日でしたか、総評の代表と同盟会議の代表が労働大臣にお会いして、今社内預金の問題が税法の改正に関係して審議されておるようだけれども、私たち総評並びに同盟会議としては、社内預金に賛成いたしておりません、そういうことで、この際、社内預金についてもう少し新しい角度からの検討をしてもらいたいという要望をいたしております。したがって個々の労働者の感じは別といたしまして、少なくとも労働者の組織の代表であるという人たちは、社内預金に対しまして賛成していない。そのことをひとつ大臣はしっかり御承知おき願いたいと思います。したがって、この社内預金は労働組合も賛成しておるのだ、労働者と経営者と取り組んでいるのだからいいのだということでは全くございませんから、その点ははっきり御認識を願っておきたいと存じます。 そうして、私は同時に、前段、この質問に入ります前に、寄宿舎の問題とかいろいろな問題で労働大臣にお尋ねいたしました。このことは、古い労働慣行は、戦時中あるいは戦前からの古い労働慣行は漸次是正されてきておる。しかも、是正する方向に労働省は努力しておる。そういうふうな労働省の努力の方向と、この社内預金に対する扱いとは逆行しておる。したがって、今までと同じように、いつまでも実情であるとか慣行であるとかということになれば、私は正しい方向にはいかない。特に、もし今大蔵大臣が言われるように、実情がやむを得ないのだからということになれば、相互銀行や信用金庫がやっておる歩積み・両建も実情やむを得ない点があるわけです。このやむを得ない実情を承知しながら、さらに今後はもっときびしい条件で経営しなければならぬということを御承知の上で、低金利政策、金融正常化の方向に向かっておる。私は、こういうことがありますから、大蔵大臣に御質問申し上げた中で触れませんでした。しかし、関連いたしますきびしい条件については、いろいろいたしまして、そして最後に大蔵大臣にはっきり御確認願ったことは、こういう情勢の中で大蔵省としては金融正常化と低金利政策を推進するためにはきびしい態度をもって臨んでいく、もし歩積み・両建についてもわれわれの方向に協力できないという金融機関があるとすれば、遺憾であるけれども、これはもう取り締まってやっていくのだというふうにまでおっしゃっておられるわけですな。そんなら、方針として、法の規定に基づいて正しい運営をしておるものにそういうきびしい態度を持ちながら、今いろいろ御質問申し上げましたように、社内預金のようにまことに違反行為の少なくない、しかも非常に疑義のある点で、罰則規定がございましたが、私はむしろ罰則規定をふやすのでなしに、そういう罰則規定を行なわなくてもいいように監督するのが監督者の責任だと思う。起こったから罰すればいいんだで、罰します。そうではないのであってそういう罰則規定をせなくてもいいように、少なくとも監督者は努力しなければならない。それをやっていない。ある意味においてやっておるのでしょうが、そういう事実が明らかであるものを、なぜ今度の法改正によって新しい前進をしようとするものに、古いものを押しつけなければならないのか。私はここに問題点があると思う。しかし、両大臣の御質疑の時間が参りましたので、両大臣に対する質問は一応これで終わりまして、あともう少し突っ込んだ質問は、次官なり局長なりと続けて参りたいと思います。 なお、同時に、今労働大臣の言われた調査していないということは、まことに遺憾でございますけれども、しかしそれは事情がそうなら、これ以上追及しませんが。そこで、なおあとで野々山委員から関連いたしまして御質問があるようですから、ちょっとお待ち願いまして、今、基準局長のほうから、労働大臣の言われた資料、あるものをきょうじゅうに出していただけますか。その資料が不十分であれば、あらためて資料を要求いたしますけれども、とりあえず、審議を進めるために資料がなければ審議できませんから、とりあえずあるものを出して下さい。それが審議の役に立つかどうかは、その時点においてまた申し上げたいと存じます。これで一応資料の出ますまで、私の質問は終わります。
○野々山一三君 関連してちょっと。今質疑やられておった中で、両大臣に確認というか、その気持を述べられたことについて、もう一ぺんあらためて確認しておきたいので申し上げるのですが、文章に書いてありますから、趣旨を書き取って下さい。 一つは、先ほど佐野委員が指摘したように、社内預金の制度が非常に放漫に流れたり、運用が間違っておる。そのために非常に問題を起こしておるというようなことがあるものですから、それをこういう文章でちょっと確認をしておきたい。社内預金に対する実情を見るに、きわめて放漫に流れている実情にかんがみ、監督及び取り締まりの強化などの措置を講ずべきであるということですね。 それから、二つ目は、一般債権と同じように扱われておるために、会社がつぶれるというようなことになると、それでお流れという場合が多い。ことに、お流れになる場合に、労働組合がまとまっておればまだいいですが、二つ三つに分かれておるような場合、あるいは組合がないというような場合に、多く社内預金というものが運用されておることがある。したがって、法律上預金としての債権、預貯金としての債権を保全するための処置を講じなければ、社内預金制度をやりますといっても、これは意味がないのであって、そういう制度を確立するという考え方が気持の中にあったと解するのです。それを確認していいかどうか。 それから、三番目は、現状までの運用によれば、この不特定な第三者のものが流れ込んだり、あるいはまた名前が適当になっておったりというようなものがあって、しかも、先ほど佐野委員から指摘したように、非常な勢いで、実は金を集めたいという一策として、会社がその社内預金制度に力を入れておる。これの裏の一面を見ますと、チラシをまいておる。これに応じないやつは会社の趣旨に協力しないのだ、こうバッテンをつける論法、傾向が非常に強いと思う。これは労務管理政策の一翼となっておる。こういうものは、言葉をかえていえば、会社自身がだれかからの金を借りるという性質のものであって、社内預金としての性質はない。したがって、そういうものは、いい悪いは別として、社内預金のものの考え方からはずしていくということが私の一つと前提になっている。そこで、一般の会社の社内預金と今申し上げたようないわゆる借用金的な性質のもの、そういうものははっきりと区分して取り締まるということが必要です。それが一つ。 そうして、その社内預金としての金の運用にあたっては、もうまるっきり包括委任のようなものです。どんなように使われても仕方がない、文句を言うとまたにらまれる、こういう工合になっているから、金は預けっぱなし、適当にお使いなさい、会社がつぶれたらパーになる、こういう非常に不安定な状態にありながら、行政当局としては、しかし社内預金はやりたいのだという考え方がある。それでは困るので、運用にあたっては、ちゃんと協定を結んでそれを実施するということなど、社内預金としての制度を根本的に検討し直すということが必要な事態にきておるというふうに考えるわけであります。 この大ざっぱに申し上げた三つのことを、前向きで処理する確認をここで願えるかどうかということを両大臣に伺いたい。
○国務大臣(田中角榮君) 社内預金につきましての大蔵省の考え方は、先ほど申し上げたとおり、好ましくない、できるだけやめたいのだということだけははっきり申し上げました。それはなぜかというと、乱に流れやすい、こういう考え方でございまして、私としては、こういうものに対しては原則的にはそのようなことでございますが、事実あるものに対しては、やめるにしても段階的にどうしなければならないか、また現在あるものに対しては、労働基準法の十八条に基づいたものとしては、マイナス面をできるだけなくしなければならぬということで検査を行ない、しかるべき方途を立てるということは当然のことでございます。 第二の問題の、社内預金が現在あるのだ、特に十八条に基づいておるのだからという現状認識に対して、債権確保の道を講ずる。この問題は、これは常識の問題でございまして、これは私たちがやるよりも、こういう制度を認めておる以上、しかもこの条文の第一から第四項までをずっと見ますと、労使がこの条項どおりに行なう、しかも労働組合のほうでもって強く、この条文以上自分の債権確保のために協定を行なうということが一番望ましいことだと思う。これを法制上やりますと、十八条自体の表現が、社内預金をしてもいいという社内預金に対して道を開く条文ではなく、準拠法ではない。現在あるものに対してやむを得ない規定として十八条はあるわけでございますから、これ以上十八条に基づく社内預金というものに対して債権確保のために云々というようなことが、法制上もしそれをやるとすると、これが一つの金融業務のようなものを現実認識でもって認めなければいけないという問題もありますので、これらの問題に対しては十分検討をしなければならぬ問題だと思います。 それ以後の問題に対しては、私の先ほど申し上げたとおり、債権の問題、また制度上の問題、またこれがいろいろなところへ累を及ぼして他の法律との競合が起こらないようにというような問題に対しては、十分慎重な態度で、しかも積極的に配慮いたして参りたいと思います。
○国務大臣(大橋武夫君) 私も、従来の実情を先ほど来御指摘をいただきまして、基準監督署の監督方法がまことに不十分であったということを痛感いたしました。金融関係の事柄でございますので、今後は銀行局とも十分に連絡をいたしまして、一定の準則に基づきまして厳格なる監督を実施するようにいたしたいと存じます。 なお、特にこの社内預金を認めておりまする以上は、第三者からの借用金をやるということは、これはこの趣旨に全く背馳いたしまするので、この点についての監督を一そう厳重にいたしたいと存じます。
○委員長(佐野廣君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(佐野廣君) 速記を起こして。 ―――――――――――――
○委員長(佐野廣君) 次に、外貨公債の発行に関する法律案、国立病院特別会計法の一部を改正する法律案、中小企業高度化資金融通特別会計法案、以上三案を一括議題といたします。 これらの法案は、二十六日衆議院から送付せられ、本委員会に付記されました。 それでは、三案につきまして順次補足説明を聴取いたします。稻益理財局長。
○政府委員(稻益繁君) ただいま議題となりました外貨公債の発行に関する法律案につきまして、補足説明を申し上げたいと存じます。 政府は、昭和三十四年度におきまして、米国市場で、産業投資特別会計の貸付の財源に充てるため、戦後初めての外貨公債三千万ドルを発行いたしました。それ以来、日本電信電話公社債、日本開発銀行債等政府保証の外貨債の形で、主として米国市場を中心といたしまして、海外起債市場の開拓に努力して参ったのでありますが、昭和三十七年度におきましては、開銀債二回四千万ドル、電電債一回一千八百五十万ドルを米国市場におきまして、また大阪府市マルク債一回一億ドイツ・マルクを西独市場におきまして、発行いたしました。三十七年度といたしましては、年度合計で四回、ドル換算で八千三百五十万ドルの外貨債を発行することができるまでに至ったのであります。 このような経緯にかんがみまして、政府といたしましては、今後毎年度ある程度の外貨公債を発行し得る見通しを得ましたので、今般この法律案を国会に提出いたしました次第でございます。 この法律案の第一条は、政府に対する外貨公債の発行の授権を規定したものでございまして、政府は、予算をもちまして国会の議決を経た金額の範囲内で、産業投資特別会計負担の外貨公債を発行することができる旨、及び発行された外貨公債を失った者に対しまして交付するための外貨公債を発行することができる旨を規定したものでございます。 なお、昭和三十八年度特別会計予算、予算総則におきましては、この法律案に基づきまして政府が外貨債を発行することができます限度額を二百十六億円と定めております。これは別途国会の議決をいただきますために御審議をお願いいたしておる次第でございます。 この法律案の第二条は、外貨公債に対する税制上の取り扱いを規定したもので、ございまするが、外貨公債に対する税制上の取り扱いは、諸外国が発行いたしました外貨債の前例等を勘案いたしまして、通常行なわれておる原則によって定める必要があるわけでございます。政府関係機関または地方公共団体の発行いたします外貨債につきましては、諸外国が発行した外貨債の前例、また戦後わが国が発行いたしました外貨債の例を見律しても、利子及び償還差益につきまして租税その他の公課を課さないのが原則となっております。今回の外貨公債につきましても、これらの例にならいまして、租税その他の公課を課さないものとした次第でございます。この場合に、今回の非課税措置は、税法上の居住者、内国法人、日本に事業を有する非居住者、日本に事業を有する外国法人等に対しましては適用しないことといたしております。この点は、一般に外貨債発行の際に、その利子に対する税制上の取り扱いといたしましてしばしばその例を見るところでございます。 次に、この法律案の第三条は、外貨公債を発行する場合におきまして、発行地の法令または慣習が国債に関する法律の規定と異なりますために、その法律によることができない場合には大蔵省令をもちまして国債に関する法律と異なる定めをすることができる旨、及びその他外貨公債の発行につきまして必要な事項は大蔵大臣が定めることができる旨を規定したものでございます。 以上簡単でございますが、この法律案の補足説明を終わらせていただきます。
○委員長(佐野廣君) 上林法規課長。
○政府委員(上林英男君) ただいま議題となりました国立病院特別会計法の一部を改正する法律案及び中小企業高度化資金融通特別会計法案の提案理由に補足して、御説明を申し上げます。 提案理由で御説明いたしましたように、国立病院の多くは旧陸海軍病院を引き継いだものでございまして、その施設は古い木造施設のものが多く、また一階建の施設が多い等のため、病院の管理運営上能率的でないものが少なくない状況でございます。そこで、昭和三十七年度までに施設整備費として一般会計から約百三十億円に上る繰り入れをいたして参りまして、その施設の整備拡充に努めて参ったのでございます。 すなわち、昭和二十七年度以降、まず重点的に基幹となるべき十病院の整備に努め、ほぼその目標を達しましたが、他面、その他の病院については未整備のものが多く、今後引き続き準基幹病院となるべき病院につきまして、重点的に整備を促進して参りたいと考えております。このため、国立病院の施設費の財源を拡充する必要があるものと考え、昭和三十八年度からは、従来の制度による一般会計からの繰り入れのほかに、この会計の負担における借入金の道を開くことといたし、ただいま御審議をお願いいたしております昭和三十八年度予算におきましては、国立病院施設の整備費の財源といたしまして、資金運用部からの借入金十億円を予定いたしております。 しかして、この借入金の道を開きますためには、国立病院特別会計法に所要の規定を整備する必要がございますので、それに必要な改正案を御審議願うことといたしたものでございます。 なお、改正案の概要は、先般の提案理由で御説明いたしましたが、さらに補足いたしますと、まず、この特別会計で借入金をすることができることとするため、第八条の二に所要の規定を設けますとともに、これに伴いまして、第四条のこの会計の歳入歳出の規定、第七条の予算の添付書類及び第十条、第十一条の借り入れ及び償還事務等の規定につきまして、所要の改正を行なうことといたしたものでございます。 次に、中小企業高度化資金融通特別会計法案につきまして、その提案の理由を補足して御説明申し上げます。 提案理由にて御説明いたしましたごとく、政府は今国会に別途、中小企業振興資金等助成法の一部を収正する法律案を提案して御審議をお願いしておりますが、従来、中小企業振興資金等助成法におきましては、都道府県が中小企業者の設備の近代化並びに中小企業等協同組合等の共同施設の設置及び工場の集団化等に必要な資金の貸付事業を行なうときは、国はその事業に必要な資金の一部について毎年度補助金を交付し、その助成をはかって参ったのであります。この都道府県の貸付事業の対象は、大別いたしますると、第一に、個々の中小企業者が行なう近代化に必要な資金と、第二に、二つ以上の中小企業者が相協力して行なう近代化に必要な資金とに分けることができますが、この後者につきましては、一件当たりの金額も比較的大きく、また各都道府県における対象案件も毎年度変動することになりまするので、各都道府県における資金需要もそれに応じて変動しやすい状況にあります。 一方、従来の補助金交付方式による助成の場合は、その補助金を財源の一部とした貸付金の償還金は当該都道府県にとどまり、再貸付の財源に充てられることになるので、後者の資金について見ますと、ある年度に資金需要の多い県に対して多額の補助金を交付しましたが、その償還年度においては資金需要が大幅に減少することが予想されるのであります。 しかも、今回の改正法律案によりまして、この範囲を拡充し、従来の共同施設及び工場集団化等に必要な資金に加えまして、中小企業者の合併及び店舗の集団化等に伴う施設の設置に必要な資金を追加し、これらの資金に合わせて中小企業高度化資金と称することといたしましたが、これに伴い、その資金需要量も今後増加する見込みであることにもかんがみ、この中小企業高度化資金に対する国の助成の方法としては、その資金の効率的な使用をはかる見地から、従来の補助金交付から無利子貸付金の貸付に改めることとし、別途改正法案を提案して、御審議をお願いしている次第であります。 しかして、この改正後の法律の規定により、都道府県に対して行なう国の貸付については、これを一般の歳入歳出を区分して特別会計において経理することが適当であると考え、ここに中小企業高度化資金融通特別会計法案を提案した次第であります。 この特別会計は、昭和三十八年度において一般会計から二十三億百万円を繰り入れまして、これを財源として工場等集団化資金貸付金十四億六千百万円、商業集団化資金貸付金一億円、商工業協業化資金貸付金七億四千万円を、それぞれ各都道府県に対して貸し付けることを予定いたしております。都道府県におきましては、この貸付金と同額以上の財源を加え、これを原資として貸し付けることになります。 なお、この特別会計法案の各条文は、おおむね同種の特別会計の例文にならっておりまするので、御説明を省略させていただきます。 以上二法案の提案理由を補足して御説明申し上げました。何とぞよろしくお願い申し上げます。
○委員長(佐野廣君) 午前はこの程度とし、午後は一時再開いたします。 暫時休憩いたします。 午前十一時四十一分休憩 ―――――・――――― 午後一時十七分開会
○委員長(佐野廣君) 委員会を再会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 永岡光治君が辞任、その補欠として小酒井義男君が選任ぜられました。 ―――――――――――――
○委員長(佐野廣君) これより外貨公債の発行に関する法律案、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案を一括して議題とし、質疑を行ないます。 御質問のおありの方は順次御発言を願います。
○津島壽一君 外貨公債の発行に関する法律案、これできわめて簡単な質問を二つ、三つしたいと思いますが、簡単に御答弁願います。 その第一条ですね、これは外貨公債のいわゆる起債法というか、発行に関する基本の条項なんですね。これが原案では、起債の限度は「予算をもって、国会の議決を経なければならない。」、予算できめれば起債法はもう要らないのですね。そういう意味だと思うんです。それで、私は、これは非常に便利で、いわゆるビジネスライクだと思うんです。予算で通ったから、それにちゃんと外貨債発行と書いてあるから、二重の手間を必要としないという考え方だと思うんですが、しかし、従来、起債ということは非常に重要視されまして、個々の公債発行について、内国債たると外国債たるとにかかわらず、すべて起債法で限度をきめて起債を実行したというのが、昔からのやり方だったんですね。第一回の産投関係の分ははっきり出ておったと思いますが、今後は何回発行しても、予算に外債を幾ら発行するということを掲げてあれば、立法措置は要らない、こういうふうに読めるんですね。これは便利は便利なんですけれども、そういったような今後のいわゆるやり方をする一つのテストというか、先駆をなすものかどうか、そこのところをちょっとお伺いしたい、第一条の解釈の問題で。
○政府委員(稻益繁君) ただいま先生御指摘いただきましたように、前回の国債発行をいたします際には、当時の情勢と申しますか、戦後初めて出す公債でもありますので、起債市場における需要も永続性のあるものかどうかということもわからないというような事情もございまして、一回きりの法律の形でお願いをいたしたわけでございます。その後、政府保証債という形ですでに五回ほど発行いたしました。だんだん、ニューヨークの起債市場においていろいろ日本の外債についての評価も出て参っております。今後、私どもといたしまして、ある程度安定したいい条件の起債ができますれば、引き続き今後も国債の形ででも発行して参りたい、かような考えが基本にありまして、今回はいわゆる一年一回限りの形にいたしませんで、別途予算では十分限度について御審議いただくことにしまして、起債市場の事情が許しますれば、また国内の資金需要がそういったものを必要とするという事情でありますれば、引き続き発行が可能なようにいたしたい、かような基本的な考えをもちまして、今回はこのような形の法案で御審議をお願いした、かような事情でございます。
○津島壽一君 それで、これは原則的な問題を含んでおると思うのですね。たとえば、向こうで外債が発行しいいから、今後もあるだろうから、ひとつ予算できめさえすれば、個々の具体的の起債金額ですね、それを法律でうたわなくてもやっていいんだということは、明治政府ではやらなかったのです。すべて外債を発行するときには、何年何月の何の法律に書いてあるその金額というものを引用したわけです。今度は、予算にあるからいいんだという方針ならば――これは国内債ですね、内起債ですね、これは将来発行するかどうかわかりませんが、それでもやっぱりちゃんと書いたんですね。もし可能だから、やり得るからというので予算できめれば、その予算に国債財源とか国債発行によると書けば、国内債でも、この原則は便利ですからやってもいいかという議論が出たときに、どういうお答えになるかということを、将来のために聞いておきたい、こういうわけです。
○政府委員(稻益繁君) 国内の国債の問題は、大臣たびたびお答え申し上げておりますように、全然まだそういうことは実際考えておらないわけでございますが、外債としまして私ども実は今回のこの国債の法律を提案いたします際に、いろいろ内部でも検討いたしまして、先生御指摘のように、従来はまあそういうそのつどという形で行なわれておったわけでございまして、そういうやり方もあるかと思うのであります。ただ、何分、一応私どもが現在の時点で見通しますると、引き続き、まあ発行が、何と申しますか、市場の事情からも可能であろう、しかも国内のそういった面に対する需要も引き続いて多いであろうといったような事情を想定いたしまして、そういった事情のもとにおいてはこのような法律のほうがむしろ妥当ではなかろうか。二つの考えが実はあったわけなんでありますが、むしろこの形のほうが妥当ではなかろうかということでこのような形にしたようなわけでございます。
○津島壽一君 あまりくどく聞くと時間をとりますから、これは従来の起債権限の得られる立法とは非常に違ったことになっておると思うのですよ。今の内国債を発行するかどうかという政策問題を聞いておるのじゃないので、内国債についてもこういうような書き方ができれば非常に便利だと思うのですよ。予算の定むるところによって政府が内起債を発行することができる、こういう規定を作れば、年々の予算でどんどんやれば、いわゆる個々の内国債についての起債権限は要らないわけになるんですね。そういうことまでもやっぱり立法の形式からいえば可能であるということが考えられるから、これはもうたいへんな私は、財政の問題としてはここに一つの懇意が入っておると思うのです。それを戦前はなるべく簡便にしようとしたけれども、この程度までにはいかなかったでしょう。ことに戦後は、予算が通っても各省の設置法が通らなければ、職員も増加できないじゃありませんか。だから、予算の定むるところによって増員するとか減員することができるという法律だけ出しておけば、設置法は要らないのですな。毎議会に厄介なことをやっているんですね。しかし、そういうような、立法のやり方において従来の規定を破ってまでもここまでいくのは、どういうものかということで――私はこれに賛成なんですよ。賛成だけれども、どうもほかとつり合わないものになるのじゃないかということで、これは外債できますから、こうやっておけば便利じゃないかというくらいの問題だけに考えないほうがいいんじゃないかという私の感想ですが、これは反対するわけじゃないけれども、それが一点です。これ以上申し上げません。 それから、次の第二点の、第二条に非課税という規定がございます。これは前の法律にもこのとおりの大体規定があったのをそのままここへ書こうというので、これも別に異議を申し上げるわけじゃないのですが、これは主税局長にお伺いしたいのですが、いろいろな起債の発行に関する法律の中で、その発行したものの税金はこうするのだということを一々こういう立法の中へ税法規定を入れていくということであれば、これは特別措置法なんというのは要らなくなるのです。いわゆる助長する産業のところへ書けばいい。これも公債発行を容易にするための法律であって、しかも課税の問題で非課税にしようという一つの特別措置であるわけですね、これは。それならば、むしろこういう起債法規の中に課税法規を入れないで、これは立法の形式で――反対じゃないのですよ。これは特別措置法の中に入れる規定をわざわざここに盛り込む必要があるかどうかという立法の形式の問題ですが、しかも現在の特別措置法は、御承知のように、戦前外債はこれと同じような趣旨の規定があるわけですね。その法律の規定の中に、これから発行される外貨公債というか、第何号の外貨公債について、戦前外債と同様の特例を設けるという、文章は別としてですよ、そうすれば簡単じゃないかと思うのです。法文を引用しないで。しかも、所を得ているのじゃないかと思う。私は、税法規を見たり、全部あっちこっち、通産省の法規を見たり、農林省の法規を見たりしたけれども、税のことならここに書いてあるという立法形式がいいんじゃないかという観点から、この今新たにこしらえるこの法律に、またこの二条――これは戦前外債の非課税の規定を特別に設けられましたね、あの規定と違わないんですよ。しかも、ここへ第何条何項という規定を引用すると、読んでもわからぬです、私読んでわからぬから、法文を書いてもらったりなんかしたんですが、結局そういう立法形式がいいんじゃないかという考えなんです。主税局としてはどういうお考えですか、ちょっと承りたいのですが。
○政府委員(村山達雄君) 今先生おっしゃったのも確かに一つの考え方だと思います。ただ、現在、外債発行について非課税の規定を設けておりますのは、一つは、政府の発行したもの、それから電電とか日発、これはそれぞれ基本法がございます。こういうものは、それぞれそれの単行法の中でうたっているわけでございます。それで、今度は、外貨国債の発行が、これが一本になるかどうかわかりませんが、これはおそらく今までと違いまして、こういう一本の形になっておる。ここに入れますと、これで全部包括的にまかなえるわけでございます。 ただ、先生がおっしゃるように、特別措置法の中に規定するとすると、どういう形になるかと申しますと、これはおそらく、かりにおっしゃるのも、政府のお話じゃないかと思うのでございます。それぞれの政府機関とか、あるいは半官半民のものをすべてやるということになりますと、これは一々内容を審査しなければいけませんので、そういうことじゃなくて、政府についてどうかというお話であると思うのでございますけれども、政府のやる場合でも、現在の租税特別措置法の形でいいますと、一つ一つの税目について書く形でございます。所得税は所得税、法人税は法人税、相続税は相続税、印紙税は印紙税、それから地方税は地方税法の中に書くわけでございます。そうすると、今の租税特別措置法の形を改めれば別でございますが、今の租税特別措置法の体系のままでやるということにいたしますと、先生の言うようなことになりましても、同じ政府発行の公債について、それぞれの場所で、国の租税特別措置法の所得税のところ、法人税のところ、それぞれのところで全部書かなければならない。さらに、地方税法のところへ書かなくちゃならない。それとどちらがいいだろうかといろいろな考え方がございますが、それらを考え合わせまして、現在のところはここに盛ってあるような形になったということでございます。 それから、戦前のお話の六条の関係は違う事項でございます。
○津島壽一君 そうすると、戦前外債については措置法の第六条かなんかに書いたのは、あれは個々の税種に応じて別々に規定を置くということなしに、一ところへまとめてあれでいいようになっているんですか。これはまあ昔のことを聞いてもおかしいと思いますが。
○政府委員(村山達雄君) これはやはり、六条は直接には所得税だけをうたっております。それで、御案内のように、戦前の外貨債につきましてはそれぞれ約款でそれぞれの個別条件がきまっておりますので、その個別条件のあるものにつきましては、戦後も、税制の建前は変わりましたけれども、その免税約款が有効である限りそれによります。それがまあうしろにも書いてあるわけでございますが、かりに免税約款が具体的に何も取りきめてないという場合におきましても、戦前は支払い地課税主義をとっておったわけでございます。所得の発生は支払い地において行なわれるということでございました。ところが、戦後は支払い地が――発行している法人の所在地に所得が発生するという形をとっているわけです。ところで、戦前の外債の利払い地はほとんどが外国であるわけです。したがって、戦前では当然非課税、戦後では当然課税になるわけでございます。その間の経過をきめまして、それで、そういう約束で発行しているものについて、戦後国内の税制の建前が変わったからといって課税するということはおかしなことでございますので、当分の間非課税と、かりに免税約款がきめてなくても、当然その当時の引き受けた人は非課税になることを予定して買っているわけでございますので、その点もまた非課税にするということを六条であわせて書いてあるわけでございます。
○津島壽一君 それでは、今回発行する産投会計の外債と、戦前の事業債があるんですが、それとは違ったものですか、外債として。つまり、前の外債は約款において免税条項があったから、これを措置法で追認して、まあ立法のいわゆる非居住者に対して支払い義務者の権利を認めようというのがあるために、措置法でもってそれは課税しないんだと、こうしたわけですね。今度も、これはやはり日本が債務者でしょう。それならばかけてもいいんだと。がしかし、かけないんだというのがこの法律でしょう。かけてもいいものをかけないというところに特別立法があるんですね。その点は一つも変わらぬじゃないですか。 じゃ、前の所得税法の例外として戦前外債にね、それはほかの税種のところは課すかもわからぬのですか。すべての租税を課さないという約款になっているんですからね。そうすると、あそこへ持っていったから、いわゆる一度、何か特別措置をほかの租税ごとにみな書かなくちゃいかぬという立法技術というものは必要なんですか。特別措置法だから、一本で、何々税何々税は課さないと書けばいいんであって、しかも戦前外債については所得税についてはこうするということを書いてあるだけで、それと同じことを書いたら目的を達するんじゃないですか。何か非常にむずかしい立法技術が要ると言うが、それはあとで私聞きましょう。そういう説明では納得できない。まあその程度にしましょう。 それから、最後にもう一点ですが、これは大蔵大臣に質問したいと思っておった点ですが、どうも主税局長とか理財局長では困難と思いますが、この外債がこういうふうに書いてある、それ以外に外債の発行は予定されているものがあるし、いろいろあるんですが、東京湾のあれも出ておるんですが、この外債の発行というものは、大蔵大臣の職能権限ですね、これは。これだけは間違いないと思うんですね。 そこで、この法案がそういうように一般的の権限でもって起債をやり得るようにするというのは、今後も相当多いだろうということが予想され、また計画としても多いものがあるわけですね。 そこで、外債発行の仕事を大蔵大臣がやるんでしょうが、出先の機関はどうかという問題です。今たとえば大蔵大臣の代理というか、権限を委任されたものとして、これはニューヨーク市場でしょうが、これも話がはっきりしていると思うんだが、どういう機構になっているんですか、受け入れ交渉体制ですね。外務省は別ですよ。これは権限外ですからね。それは協力はしなければいけません。それをひとつ政務次官からでも、理財局長からでもいいが、これだけどんどん出てきて立法の形態まで変えていこうというような時期に、一体向こうの折衝をする権限を委任された機構ですね、それはどうなっているんですか。
○政府委員(稻益繁君) 私どもも、まあ政府保証債、ことに今回のような国債というような形で外国で発行するということになりますと、直接政府として外国のアンダーライターといろいろな折衝をやる必要が起こって参るわけでございます、条件の交渉もございますし。そういった意味で、実は私も正直なところ、特にニューヨークなんかにおいてはこういった面の有利な条件で、また市場の情勢も常ににらみ得るような、そうして発行するときには有利な条件が獲得できますように、そういう交渉をする出先の機関というものを、実は何と申しますか、相当な機関を置いていただくのが望ましい、かように実は常々考えているわけでございますが、現状を申し上げますと、御承知のように、戦後は出先の者が全部外務省の系統で一本になっております。私のほうからも実は出向の形でニューヨークに領事という資格で実は人が派遣されているわけでございます。たまたま、こういったニューヨークにおきます外債その他いろいろな大蔵関係の仕事が非常にふえて参っておりますので、そういった関係もありまして、現在大蔵省から参っております総領事館の中の領事、これに大蔵事務官の資格を別途兼務の形で与えまして、こういった関係の直接、何と申しますか、国債発行といった大蔵省の専管の事項でありますこういった事項については、極力そういった兼務の形での大蔵事務官の資格でいろいろ現場でもって折衝してもらっている。いろいろ市場の情勢を探ることをいたしましたり、あるいは条件の交渉をしたりするというようなことをやってもらっているのが実情であります。できれば、さらにそういった機構を充実したものにして参りたいというふうに、かように希望としては持っております。
○津島壽一君 それじゃ、私はあと政務次官を通じて大臣にもその希望を申し述べていただきたいと思うんですが、領事が世界の最高峰にある金融機関の首長と対等に話ができるということは考えられないのですよ。もっとも、ここにいる人のことを言っているのじゃないのですよ。非常に有能なりっぱな人がいるということは、私は否定できない。しかし、ものには大体限度があるのです。これは領事の力をもってなかなかやれないものもあるし、また相手方からいえば、世界の金融界のオーソリティ、最高峰にいる人と対等に交渉するということは、これは私どもとしては非常に困難だと思うんです。これは大蔵大臣じかに行ってやれば一番いいのですが、そうはいきますまい。それで、これだけ外貨需要が多くなって、この形容を見ましても、保証債もたくさん出ようというときに、総領事の下部組織の者がそれはいろいろやっていますというのでは、どうも相手方から見ても感じが悪いと思うんです。そういう意味において、私はこれだけの大きな計画を持って、将来大いにやるんだ、それが日本の産業の拡大に非常に寄与するんだという大きな方針であれば、私はやはりこの体制を早く整えないと、何か片手間でやっているような感じを諸外国の人に与える。 そこで、みずから出て来るんです、外部関係の銀行業者は。そうしていろいろなところを歩くわけなんですね。これは昔はあまりなかった。それは特別な起債についてはあった。政府債のことで外国の人がやって来て、こっちでいろいろ話し合うということはないんで、それは高橋是清さん以来、若槻さん、水町さん、森さん、そういう二十年、三十年の間というものは、そういう人が常時おって、非常に信用を博して、向こうの事情もよく知り、そうして相手に対しても非常な信頼を受けて交渉をするところに、やはり何というか、向こうも満足し、まあ目的を達し得るにも非常に十分なことがあがると思うので、私は、どうも戦後の機構として非常に、これだけ大きな仕事をやろうといっておるときに、領事を置いてあるからいいのだというようなことでは、私は問題にならぬと思うのですが、言葉が過ぎるかもしれませんが、これは私の自分の体験からそういう話をするのですから、よく大蔵大臣に政務次官からお伝え下さい。内外でそういう声を聞くのです。だれが日本政府を代表しておるかということをよく聞くのです。でありますから、ひとつ根本的にこの問題は、もちろん外務省の権限をどうするということは絶対にいけないことであるけれども、代表資格はちゃんとしたもので、向こうのりっぱな人とちゃんとした、対等なというか何かそういったふうな地位、それから長くおって向こうの事情をよく知るということでないと、私はそれは片手間ではいかぬと思う。そこで、政務次官がもし私の意見に同調するなら、きょうは大蔵大臣のいるところで私は言おうと思ったのだが、陰で言うよりは、この法律案が出た機会に言うのが私の義務だろうと思うから、非常に耳ざわりかもしれませんけれども、ひとつ政務次官から御所見を承りたい。
○政府委員(池田清志君) ただいまの御発言は、私ども政府にとりましてまことに重大なる示唆をお示しいただきまして、深く感謝を申し上げます。この法律を御立法いただきました後におきましては、予算の定めるところによりまして、その年における外国債発行の限度がきまって参ります。これを実行いたしまするのは大蔵大臣でありまして、大蔵大臣は外国市場の模様等を勘案いたしまして、それをその年度内に何回募集するかというようなことを運ばしていただくわけでございます。 つきましては、外国債の募集に当たりますわが国を代表する機関と申しますか、これが外国から信用を与えられるものでなければならぬことは今御指摘のとおりでございます。ところが、現状におきましては、御不満をいただいておりますような実情でございますから、外国債募集においても、今後たび重なることを予想いたしまして、ただいまの御指摘は大蔵大臣にもとくと報告いたしまして、政府、われわれといたしまして、外国駐在の機構と申しますか、そういうものの整備につきまして努力をさしていただきます。
○小酒井義男君 所得税の関係で一、二点お尋ねをしたいのですが、他の委員からあるいはすでに質問された点に触れるかもわかりませんが、そういう点がありましたら、ひとつ簡単に答えていただいて、あとは記録を見せていただけばいいと思います。 第一点は、源泉所得の関係でありますが、たとえば一般給与所得者の、ペースが一〇%アップしたという場合に、税収の面でどういうような数字が出てくるのか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(村山達雄君) これは、もちろん、個々の人の負担といたしましては、それぞれその累進税率の違いはありますが、税収総額ということになりますと、大体給与が一上がりますと税収では二ないし二・二くらい上がっておるというのが過去の実情でございます。
○小酒井義男君 これは予算の説明書を見て感じたことなんですが、源泉分の過年度の補正後の金額と現行税法による収入の見込み額、この金額を比較してみますと、私の計算でいきますと、前年に比べて千百二十九億七千九百万円ですかの増収になるのです。ところが、これを同じく前年度の数字で率を出してみますと、二八%になるわけなんですが、こういうふうに税収がふえてくるということになると、今のお話ですと、やはり相当今年度も給与の引き上げがなければこういう数字が出てこないのじゃないかと思うのです。そういう点で、どのくらいのものを見込んでこの数字をお出しになったかということを、実はお尋ねしたかったわけです。
○政府委員(村山達雄君) 三十八年度の源泉給与の税収の見積もり基礎といたしましては、雇用がどのくらいふえるか、それから賃金水準でどのくらいふえるだろうか、この二つの想定の上に立っているわけでありますが、雇用につきましては、大体前年度対比四・五%ぐらいふえるであろう、それから給与水準は六%ふえるという基礎の上に、税収の積算をしているわけでございます。
○小酒井義男君 御承知のように、一部の産業では、人員が減ったりあるいは給与の引き下げがされている部分があるのです。そういう情勢の中で、六%程度のベースアップでこれだけの税額が出るということは、少し納得がいきかねるのですが、もう少しベースアップがなければこれだけの収入には私はならぬのじゃないかと思うのです。
○政府委員(村山達雄君) 計算には間違いないと思います。ただ、その見込みの基礎が合っているか合わないかということでございます。 ちなみに申しますと、今度の予算編成に伴う経済指標の閣議の見通しでは、雇用が四・六%でございますか、それから賃金のほうが六・九%だと思います、それくらい見込んでいるという情勢でございます。ただ、御案内のように、これは給与全体でございます。こちらのほうは失格者の分は除かれております。したがいまして、日雇い労務者の分であるとか、あるいは家事使用人二人以下のものについては、源泉徴収は働きません。こういう部分は落として計算するわけでございますので、今大体下のほうがずっとふえている状況でございますので、閣議の見通しの数字よりは若干雇用、賃金とも落としたところで計算されている、こういう次第でございます。 そうやったときに、税収が幾らになるかということについては、実は、各階級別に全部計算しているわけでございます。その積み上げ計算の結果、こういう答えになります。総体的に申しますと、大体給与所得が一ふえたときに、税は今までの経験では二ないし二・二くらいになっております。今度の予算の、もっぱら積算の結果ではございますが、出しますと、同じような答えになっていると思います。
○小酒井義男君 これは先の話ですから、議論をするだけになると思いますので、具体的にもう一つの問題で、これは質問というよりも、むしろ私のほうからもいろいろ意見を申し上げて、政府でひとつ考えてもらいたいという問題なんですが、実は退職金に対する税金の問題なんです。 第三十一国会のときに、例の百万円まで控除するという法律が大蔵委員会にかかった。その当時、私、大蔵委員会におって、そうして百万円で打ち切るということになると、たとえば十五から五十五の定年まで一般に勤続すると、四十年になる。そうすると、四十才まで一年に対して三万円、五十才まで四万円、五十才以上五万円という控除で累算すると、百四十万の金額になるのに、逆に、かりに二十才で入って五十才でやめれば、これは三十年勤続で百万円の控除になるのです。それは矛盾があるじゃないか、もっと続けて控除してもいいじゃないかという意見を申し上げたことがあるのです。しかし、百万円という大ざっぱな引き上げをするんだから、今度はこれで通して、あとはひとつ検討をしたいということだったのですが、私の記憶では、そのときに政府のほうの意見として、無制限に控除をしていくと、退職金をよけいもらう人が控除が多くなって、長く勤続して退職金をよけいもらう人が非常に控除されることになるので、そういう弊害があるという意味の意見が出たのです。私は、それなら、一般の民間の産業なりあるいは公務員の勤続年限なりを考えて、一定の年令で制限をしたらいいじゃないかと、こういうことを言っておったと思うのです。ところが、出てきたのが、現在の法律は、これは無制限にやってきたのです。年令には制限ない、政府が言われた逆のことが出てきたのです。私は、これを一ぺん取り上げたいと思っておったのですが、ちょっとこういうことは変ですけれども、私自身が退職の関係にあったのです。ところが、本年の三月二十一日で私は定年をして、自分の問題は解決がつきましたから、この機会にひとつ、これの手直しができぬだろうかということを考えるのです。 一般の私どもの周囲の例を申し上げると、定年退職して退職金をもらって、それをどういうふうに使っておるかというと、相当数は在職中に、子弟の教育なり、あるいは結婚の費用というようなものに前借りをしておる。退職金をもらって返すというのが相当あります。また、退職金をもらって自分の家を作るというのは、これはいいほうです。そういうような実情にあるということと、それから、五十五ぐらいの定年でやめて再就職をしようと思っても、なかなか困難です。そうすると、年金を掛けておられる公務員の人は若干の年金が出ますけれども、民間の場合の収入というものは、退職金をもらった人はどうして七十才という平均寿命まで生き延びるかということを考えると、むしろ若年で定年退職になるような者に対する税率を考えてやる必要があるんじゃないかというふうに私は思うのです。それで、現在の三万円、四万円、五万円というのを、これをストレートで最初から五万円でぶつ通しでいくということはどういう弊害があるんだろうか、こういうことを実は考えるものですから、なければ、そういうふうにすることによって、比較的年令の若い退職者に対して税負担を軽減をすることができる、こういうふうな結果になると思うんですが、そういう私の考え方に対して、政府の考え方をひとつお聞かせ願いたい。
○政府委員(村山達雄君) これは、今御指摘のとおり、三十六年に実は百万円という制限を取っ払ったわけでございます。そのときの考え方は、大体定年が、普通の民間の例をとりますと、平均五十五才になっておる。そこで中学卒、高校卒、大学卒で、今の三万、四万、五万という基準で、百万円で頭打ちをしたときに、どれだけ切られるかというのを計算してみますと、大学卒では二十一万円、それから高校卒では三十三万円、中学卒では約四十万円程度までで頭打ちになってしまう。それがどうも――これは税制調査会でも審議したわけでございますが、その事由が、どうも財源の関係でということもおかしいし、それからまた負担力の関係からいっても、担税力等の照応関係からいっても、頭打ちというのはいかがなものであろうかということで、現行法のような、そこの頭打ちは全部取っ払ったわけでございます。 なお、退職金につきましては、全体として、これはいわば過去の勤務に対する対価として出てくるわけでございますから、現在のままでいいかどうか、あるいは一律にすることがどうか等いろいろ問題は多いわけでございますが、今後われわれとしては引き続き検討したいと思っておるわけでございます。ただ、まあ検討のあれではございませんが、一律というのと、それから少しずつかさ上げするのと、その年令によって段階をつけていくのと、どちらがいいであろうかというあたりが、少し問題として残るのではなかろうかと、かように考えております。
○小酒井義男君 今、検討していきたいという御答弁ですから、ひとつぜひ、できるだけ早い時期に何らかの結論を出して対処していただきたいと思うのです。ただ、私がこういうことを今の時期で申し上げているのは、国内のいろいろな経済的な変化に伴って、若年で退職をする人が、ことしあたりは相当出るのではないかという気もするのです。そういう層をできるだけ優遇するといいますか、あれするには、若干でもこれによって減税というところができれば、それも一つの政策としてでも考えられるのではないかというふうに思っておりますので、ひとつ御検討いただきたいと思うのです。
○委員長(佐野廣君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(佐野廣君) 速記を起こして。
○永末英一君 法人税で一点、小さな件でございますが、お伺いしておきたい。各法人が書籍を購入する場合に、損金とみなされ得るものと損金とみなされ得ないものについて、ある基準を設けて示達をしておられるようですが、その基準について御説明をお願いいたします。
○政府委員(村山達雄君) これは、おそらく国税庁の通達の問題だろうと思いますが、私手元に持っておりませんので、つまびらかにいたしませんが、おそらく、常識的に考えまして、資本的支出と思われるものは、これは損金にしませんし、それからその業態から見て経費と認められるものについては、もちろん経費でやっているだろうと思います。ですから、貸本屋が本を買っているというようなところですね。この辺はおそらく資本的支出で扱っているのだろうと思います。それからなお、資本的支出と認められても、例の減価償却一般のこれは通則でございますが、それが一万円以下であれば、特に取り扱いの便宜をいたしまして、法律でそれは一時的に損金にしてもよろしい、こういう規定は法律上あるわけでございます。
○永末英一君 会社が法律上いろいろなことを研究しなくちゃならぬというので、ワン・セットになった法律全集等を買い込むこと等もあります。それから、特にまた技術研究を要する会社であって、そういう書物を買い込むところもある。これが一万円以上の場合がたくさんあると思うのですね。そういう場合には、一万円以上というのは、一体一点ずつについて考えているのか、それともワン・セットになったものについても考えるのか、その辺のお考えは一体大蔵省はどう考えておられるのですか。
○政府委員(村山達雄君) 私の記憶しているのでは、たしか償却のところは、一個または一組ということでその一個または一組というのは、それぞれの償却資産ごとに、常識的に判断するということだろうと思います。ですから、まあ今の全集でございますか、全集ですとおそらく、何でございましょう、全体で見るのじゃないでしょうか。
○永末英一君 つまり、数冊でもって一万円以上になる場合と、一点ずつ買い込めば一万円以下の単価であるから、それは経費で落ちる。ところがたとえば三十巻一組のものを契約をする、そうすると一冊二千円にしましても、それははるかに一万円をこえる。そうすると、それは一万円以上であるから、今のような基準をオーバーしているからだめだ、こうなる。そうすると、同じものであっても、買い方によって変わってくる。これじゃどうもおかしいではないかという感じがするのですが、いかがですか。
○政府委員(村山達雄君) まあ詳しい答弁は、今の通達を見た上でないと申し上げられないと思いますが、まあ買い方によって違っては困るということでございましょう。
○永末英一君 それでは、通達を御研究なすって、要すれば、国税庁の責任者に来ていただいて、その点のことをひとつ明らかにしたいと思います。 きょうはこれで終わります。
○委員長(佐野廣君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(佐野廣君) 速記をつけて。
○鈴木市藏君 この外貨債発行に関する件で、ほんの簡単な点ですけれども、二点ばかり聞きたいのです。 一つは、今まではずっと、三十四年の一月に行なった以外には、ほとんど大部分は政府保証債でいったわけですね。で、四年たった今日、なぜ一体、れっきとした国債としての産投外債でやられるのか、この理由が今までのところ不明確なんです。これを明らかにしてもらいたい。この質問が一つ。 全部質問を言いましょう、時間の関係もあるから。つまり、再び発行に至った理由ですね。で、なぜ今までのような政府保証債の形における、たとえば開発とか道路公団とかいったところではいけないのか、そういった理由について、ひとつお尋ねをしたい。 それから第一回のときは、多分大蔵大臣は佐藤さんでしたね。それで、このときには外債発行への、要するに国債としての外債発行への突破口をここで開くものではないかということで、当時予算委員会でも議論の対象になったことは明らかです。ところが、それは財政法のワク外だというような口実でお逃げになって、第一回分はやられましたが、その後はまたいろいろな政府保証債をずっと続けられましたけれども、今回同様に、あのときの三十四年の一月にやられた外債の引き受け手であったファースト・ボストンと同じように、聞くところによると、今度もファースト・ボストンでやられる。これは一体、何か日本の外債とファースト・ボストンとの間に特殊的な関係というものが考えられるが、これは一体どういう理由に基づくものか、この点を第二点として質問いたしますから、明らかにしておいていただきたいと思うのです。 それから、第三点はですね、これは若干意見も入るかと思いますが、やはり今後はですね、今後は多くは、この外債を募集する場合は産投外債一本の構想でいくのではないか。しばしば新聞で報ぜられるところを見ると、大蔵省の基本的な考え方は、どうもそのようにしか受け取れない。産投外債一本で今後はいくという構想をお持ちであるかどうか、この点も第三点として御質問しますから。 それから、四点はですね、三十八年に産投外債六千万ドルですが、逐次年をおってこれを増加していくような考え方を持っているのかどうか。これは三十八年度一年限りの外債募集であるのか、今後も引き続き延長し、あるいは増加していくような方向をとろうと考えているのか、このことを。 以上質問した点ですね、四点です。委員長、一括質問しましたけれども、時間の関係で。これを答えてもらいたいと思います。
○政府委員(稻益繁君) お尋ねの第一点でありますか、三十四年一月、お説のように産投国債という形で外債を発行いたしました。で、それ以後、これは一回限りでありまして、それ以後は電電債、開銀債、こういった形で、いわゆる政府保証債の形で、ついせんだっての二月に開銀債をこめまして、五回ほど出して参っております。ところで、今回なぜ国債にまた戻ったのかというお尋ねだと存ずるのでありますが、これはまあいろいろ理由があるわけなんでありますが、一つは、三十七年度が実績で申しますと八千三百五十万ドル、これはマルク債も入っての話ですが、マルク債の二千五百万ドルを除きますと約五千八百五十万ドルでありますが、ニューヨーク市場で発行いたしております。今回は一応国債の形で六千万ドル、政府保証債の形で四千万ドル、計一億ドルを出すという計画です。 国債をとります一つの理由は、たまたま三十八年度に、戦前に発行いたしました外貨債の満期償還が三千万ドルくらい、二つの銘柄でありますが、来るわけであります。一つの考えといたしまして、そういう国債の償還時期が参りますと、これを借りかえてはどうかという一つの考えがあったわけです。いろいろニューヨークの市場でこの点をサウンドいたしてみますると、おおむねやはり借りかえというのは最近、何と申しますか、人気が悪いといいますか、やはり満期にきたものは一応償還してもらって、その償還することによって一つの新しい外債発行に有利な条件がそこに出るのだと。それだけのものをまるまる引き受けるということにはならないが、非常にそういうものを出しやすい空気ができると、そういったような事情もあるので、たまたま三千万ドルという国債償還があれば、この際は国債で出すということが非常に受け入れやすくなる。これが一つの理由と申しますか、原因になったわけであります。要するに、戦前の外貨債の満則償還が三十八年度に三千万ドルほど来る、この点が第一点であります。 それから、いま一つの事情は、いろいろ来年の財投の原資を考えました場合に、この際有利な条件で借りられるものならば、市場が許す限りひとつ発行したいという考えが基本にありまして、そういたしますると、政府保証債よりも国債のほうがより有利な条件で出せる、額も多くなるであろうという見通しが立ったわけであります。これが、いってみますれば第二の理由であります。 したがいまして、国債、これはまあいろいろ考え方があります。実際は開銀にこれを貸し付け、また一部は道路公団に貸し付けるわけでありますから、開銀債なり、あるいは道路公団債というものを出すのと実態は変わらないのであります。ただいま申し上げましたような二つの理由によりまして、今回は国債で出したい、かような結論を出したわけであります。 それから、第二点の、第一回の産投外債のときにファースト・ボストンを選んだ、これとの関係でまた今度もそういった国債を出すのではないかというお話でありますが、御指摘のように、第一回の産投外債を出します場合には、いろいろアンダーライターについて検討いたしました結果、ファースト・ボストンを選んだわけであります。いろいろ理由はあったわけでありますが今回またファースト・ボストンを一応アンダーライターとして実は選ぼうと考えております。考えておりますが、この点はニューヨークのいろいろ起債市場の慣行その他を調査いたしました結果、すでに国債という形で、かつてそういった、何と申しますか、引き受け業務をやってもらったところに特別な悪い事情がない限りは、諸外国もニューヨークでいろいろ外債を発行いたしておりまするが、おおむねその当初の選びました引き受け業者に引き続き依頼いたしておるという、こういう事情が伝統的と申しますか、慣習としてあるわけでございます。そういった意味におきまして、今回外貨国債を出すというのに、かつていろいろ世話を頼んだファースト・ボストンからほかに切りかえるということは、そういった慣行にも反することにもなる、かえってまずいことになるというような事情がありまして、一応今回もファースト・ボストンに依頼したい、国債についてでありますが、そういうような考えでおります。 それから、お尋ねの第三点、今後も産投外債一本でいくのではないか、つまり、要するに政府保証債をなくすのではないかというお尋ねだと思うのでありますが、これはいろいろ私どもニューヨークの起債市場を調べました結果、何と申しますか、その消化先でありますいろいろな機関投資家その他のあれを調査いたしましても、やはりある程度銘柄には、バラエティがあったほうがいい。正直に申し上げまして、過去に発行いたしましたもので比較的人気のありますのが電電債なのであります。御承知のように、アメリカではこの電電債というものが非常に受けがいいわけですが、そういったアメリカでの電電債の市場が反映いたしますせいもありますが、日本の外債の場合には、政府保証債の場合に電電債の受けが一番よろしい、こういった事情があるわけであります。そういった点から、今回も、先ほど申し上げましたように、たまたま三千万ドルの満期償還が参ります機会でありまするし、新しく道路公団債といった銘柄を、なじみのないものを出しますよりも、そういった点で国債にしぼるということをやったわけでございますが、国債一本にいたしますと、また目先のいわゆる投資家に対する魅力が薄いといった事情があったわけです。そういった事情がございましたので、今回は一応年四回発行ということにいたしまして、うち二回は国債の形で出す。一回は、そういったバラエティと申しますか、目先の魅力と申しますか、そういったものを変える意味におきまして、電電債を出す。いま一つは、東京都債、これは戦後初めてでありますが、戦前から東京市債というものが出ておりまして、ある程度なじみもあるし、非常に受け入れやすいだろう、こういった事情もありまして、今回は国債二本、電電債一本、東京都債一本といったような銘柄の選定をいたしたわけでございます。 今後のことにつきましては、何も私ども国債の姿一本にしぼりたいという考えは持っておりません。できるだけ有利な条件で、投資家にも魅力のあるような形で発行することが消化を円滑にするゆえんではないか、かような観点から今後も銘柄は選定いたしたい。もちろん、国内の資金需要との関係もございます。こういった点をにらみ合わせまして、国内、国外の事情をにらみ合わせまして、銘柄の選定を行なって参りたい、かように考えております。 第四点の、六千万ドルという外貨国債、この国債の形で出すのか、またこれをだんだん増加さしていくのかと。ただいま申し上げました点で大体関連してお答え申し上げたと存じますが、要するに、私どもとしましては、国債一本でやって参るということは別に考えておりません。国債がいい場合には国債を出しまするし、ある程度はやはり銘柄にバラエティがあったほうがいいという点は十分加味いたしまして、銘柄の選定をやって参りたい。したがいまして、国債が今回の六千万ドルから、さらに国債だけの形でどんどんふえていくといったようなことは、現在の私どもとしては考えておらないわけです。そのときどきの国内での資金の需要面、海外における起債市場の事情、そういったものを考え合わせまして選定して参りたい、かように考えております。
○鈴木市藏君 質問については大体答えをいただいたと思うのですが、これからちょっと若干意見になるかもしれませんけれども、今の御説明によっても大体考えられることは、政府保証債よりも産投外債のほうがニューヨークの市場としての受けがいい。先ほどの御説明にもあったような方向での御答弁だとすれば、これからはやはり外債という形が政府保証債に優先して行なわれる可能性は増大するものと、そういう方向へはっきりと今回の六千万ドルは踏み切った、そういう性格を持ったものだというように見ざるを得ないわけです。それで、これは今後の一つの大きなやはり問題点ではないかというふうに私たちは見ているわけです。 しかも、それがますます依存の傾向を強めて、やはりアメリカヘの金融的な依存度が一そう強まっていくということについては、これは日本の財政金融の面において十分に警戒をし、考慮をしなければならないことであるにもかかわらず、こういう点についての大蔵当局の見解は、必ずしも今の質問の中では私たちを納得せしめるものではなかったと思うのです。その点、最後に重ねて今言った点を一つお答え願いたいということと、もう一つは、ファースト・ボストンということの、つまり資料が全然われわれの手元にないわけです。ですから、それの外債を引き受けるところのアウトラインさえ、われわれは正式なものとして受け取っていないわけです。ですから、次回までにひとつこのファースト・ボストンのアウトラインでけっこうですから、われわれの審議の資料に提出してもらいたい。以上の二点です。
○政府委員(稻益繁君) 国債の形でどうもやはりふえていくのじゃないかというお尋ねでありますが、先ほど来申し上げましたように、私ども、たまたま三十八年度が国債の満期償還が三千万ドルあるということで、国債が二本、六千万ドルと、非常にふえた形になっているわけです。これも先ほど来申し上げましたように、やはり起債をいたします際に、確かに国債のほうが、一回の発行額なりあるいは利回りなり、こういうものが若干私どものほうにとって有利になるという事情が前提になっているわけなんでありますが、過去におきまして、これも御説明申し上げましたように、電電債なり開銀債なりというものが、すでに数回政府保証の形で発行されておりまして、ニューヨークの市場でかなりなじみができているわけです。こういったものはやはりできるだけ――過去におきまして、そのためにはアメリカの引き受け業者もかなりな努力をいたして参ったわけでありますから、こういうものを、せっかくそういったある程度開拓されました分野を、何と申しますか、打ち切って国債一本にしぼっていくというようなことは、かえって逆に市場の受けとしてもどうだろうかというような点を実は私ども考えているわけであります。まあ六千万ドル、二本というのが、今後さらに国債だけの姿でふえていくというふうには、私ども実は考えておらないわけであります。やはりできるだけそういった過去において開拓いたして参りました政府保証債の信用と申しますか、そういったものは今後も引き続き活用して参りたい。したがいまして、国債と政府保証債というものを、そのときどきの国内の資金需要なり、あるいはニューヨークの起債市場の受けなりといったようなものを勘案いたしまして、いろいろな組み合わせを考えてやるべきじゃなかろうか、かように考えているわけであります。 それから、先ほどのファースト・ボストンにつきましてのアウトラインというお話でありますが、さっそく資料を提出するようにいたします。
○委員長(佐野廣君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(佐野廣君) 速記を起こして。 ―――――――――――――
○委員長(佐野廣君) 次に、中小企業高度化資金融通特別会計法案及び国立病院特別会計法の一部を改正する法律案を一括議題とし、質疑に入ります。 御質疑のおありの方は順次御発言願います。
○永末英一君 中小企業高度化資金融通特別会計法案の中で、当該年度で支出済みとならなかったものを翌年度に繰り越して使用することができる、こういう種類の法律上の規定がほかにどれくらいありますか。
○政府委員(上林英男君) 特別会計には、繰り越しの規定がいろいろの種類がございます。その一つが今申されました支出残額繰り越しでございまして、ちょっと今幾つあるかということは即答しかねますけれども、そのほかに相当ございます。
○永末英一君 お伺いしたいのは、特別会計がいろんな会計ございますができた当初からこういうことをぴしゃっときめてやってきたか、あるいはいつごろからそういうものをつけ加えることになったか。それと、現在特別会計たくさんございますけれども、すべてがこういう規定で動いておるか、それともこのうちの大部分がこういうことになっておるかということが知りたいので、お答え願いたい。
○政府委員(上林英男君) 繰り越しの種類といたしましては、たとえば一番繰り越しの多く行なわれまする場合、その特別会計の性格といたしまして繰り越しが行なわれるような場合には、定時繰り越しというような制度がございます。たとえば国債整理基金でございますと、その年度の支出残額というものは、国債の償還を弾力的に行なっていこうという意味で、定時にある意味では無限に繰り越しができるというような、非常な特例ではございまするが、そういう特別会計もございます。それから、特別会計によりましては、その年度の歳出金のうち支出が終わらないようなものにつきましては、繰り越しができるというものの類型もございまするし、そのうちで、さらにそういうもののうち、債務を負担をいたしまして避けがたい事故のために支出が終わらなかったようなときにのみ繰り越しができるというような制度を持った会計もございます。これの繰り越し制度につきましては、おのおのの特別会計の性格にかんがみまして作られているわけでございまして、このただいま議題になっております中小企業高度化資金融通特別会計法におきまする支出未済額の繰り越しの制度は、特別会計といたしましては普通の制度であろうかと思っております。
○永末英一君 私の聞きたいのは、私どもは今提案されている種類の特別会計についての当、不当を伺っているのではなくて、大体特別会計のものの考え方というのは、やはりその目的に合わして作っている。したがって、普通の一般会計よりも相当弾力性はあるものだと思うんですよ。思いはいたしますが、全部の法規にわたってどういう工合に臨んでおられるかということを承知して置かなければ、それぞれの法律に一本これを入れることによって、今のところは予算の単年度主義を建前としておられると思うんですが、それが全部くずれるということであれば、それはそれとして別個の問題が起こるのではないかと思われますので、そういう概観をお聞きしているわけです。お答え願います。
○政府委員(上林英男君) 一般的な繰り越しの原則を申し上げますと、これは財政法によりまして明許繰り越しのございまするものは別でございまするが、一般の歳出金につきましては、御存じのように、その年度におきまして債務を負担したが避けがたい事故のために支出が終わらなかったものを繰り越しができるということにいたしております。特別会計におきましては、今おっしゃいましたように、この原則の特例を設けた例があるわけでございまするが、ただいま御審議願っておりまするこの特別会計におきましても、「この会計において、支払義務の生じた歳出金で、当該年度の出納の完結までに支出済みとならなかったものに係る歳出予算」、これのみを翌年度に繰り越し得るというふうに限定的に書いておるわけでございまして、いわば一般会計でございますると私の今申し上げました一般会計の財政法に従いました事故繰り越しに準じたような繰り越しを行なうという特別会計である、こういうふうに御了承いただきたいと思います。
○永末英一君 この支払い義務というのは、この会計が会計外のものに対して支払い義務を生ずる、こういう意味合いですね。
○政府委員(上林英男君) そのとおりでございます。
○永末英一君 私の伺いたいのは、いろいろこういう規定を持っておる特別会計があると思うのです。全部ありますか。そうじゃないと思うのですがね。
○政府委員(上林英男君) 特別会計の繰り越しの制度は、先ほど申しましたように、定時繰り越しができます特別会計もございまするし、このような制度を持ちました特別会計もございます。いずれにいたしましても、繰り越しにつきましては大体特例的な規定を設けておるわけでございます。
○永末英一君 大体ということであって、数字は明確でございません。それで、あなたの知っておる範囲での特別会計の個数、それから類似の規定しておるもの、こういうものをひとつ知らせてほしいのです。
○政府委員(上林英男君) 全部の特別会計につきましてどういう格好になっておるかは、もしお時間をいただけましたならば、ただいま四十一ほどこしらえてございますが、分類をいたしましてお届け申し上げますが、たとえば本日のもう一つの議題になっております国立病院特別会計法におきましては、現在今御審議願っておりまする高度化資金融通特別会計と同じような繰り越しの規定が、ございます。すなわち、国立病院特別会計法十六条の規定によりますると、「この会計において、支払義務の生じた歳出金で、当該年度の出納の完結までに支出済とならなかったものに係る歳出予算は、翌年度に繰り越して使用することができる。」というような条文がございます。その他の規定につきましては、時間をいただきますれば、整理をしてお届けを申し上げます。
○永末英一君 ぜひお知らせを願いたいと存じます。 それから、もう一つの問題は、これは法律上そういうことができるという規定があれば、それを受けて予算の話がなくちゃならないというので、この法律の第十四条の第三項においては、別段予算の配賦をしなくても、当然「予算の配賦があったものとみなす。」、当然とは言っておるのじゃなくて、やはり法文上明確に予算の配賦があったものとみなす。結局、法律で規定するものと予算で進んでいくものとが、あくまで二本立で進んでいると思うのです。 そこで、この前の産投会計のときに質問する機会がなかったのでありますけれども、この予算の措置ができたら、法律上規定があっても、それを阻却して当然それは使えるのだ、こういうようにになっている事例は何ぼぐらいありますか、それぞれの特別会計でですね。
○政府委員(上林英男君) ただいまの御質問は、一般会計から特別会計へ繰り入れをいたしまする場合に、予算で御議決をいただけば、それに従って、その定めるところにより一般会計から特別会計へ繰り入れることがきるという事例の御質問かと伺いますが……。
○永末英一君 それは産投会計の話です。産投会計のときには、産投会計ではそれぞれ一般会計からの繰り入れをこれまで法律でもって明示しておる。それを今度の法律、成立してしまいましたけれども、その法律で明記しなくても、その法律によって、今度成立した法律によって、一々やらなくていいということを政府が作ったわけです。そういうこれは特別会計。今問題になっておるのは特別会計でやはり予算で受けるんだということをそれぞれ法律で明記をしておる、そういう種類のものがほかにどのぐらいありますかと聞いている。
○政府委員(上林英男君) ちょっと私、まだ御質問の趣旨がよくわからないのでございますが、あるいは間違っておるかもしれませんが、たとえば今御質問になっておりますこの特別会計の十四条の三項の「繰越しをしたときは……配賦があったものとみなす。」という規定に関連いたしまして御説明さしていただきますと、御存じのように、歳出予算は、これは国会の議決によりまして成立するわけでございまするが、それは国会が内閣に与えました予算の執行権の付与ということになっておりますが、それを今度は内閣の中で各省各庁がこれをどういうふうに執行するか、それがいつ執行する段階になるか、こういう問題でございますると、財政法の規定によりまして予算が議決されますると内閣は直ちにこれを各省各庁の長に配賦する。それによりまして、各省各庁の長が配賦ができることになるわけでございます。ただ、繰り越しにかかわりまする歳出権につきましては、繰り越しにつきましてはもちろん財政法その他特別会計におきます特別会計法の規定に従って繰り越しができるわけでございますが、その範囲内におきまして行政長の権限にゆだねられておりまするので、この場合には新たに配賦という行為を一般会計におきましてもいたさないわけでございます。この旨は財政法におきましても四十三条におきまして、四十三条の四項に同じような趣旨の規定がございまして、「繰越をしたときは……配賦があったものとみなす。」と、こういう規定がございます。そこで、特別会計におきましても同じような取り扱いをいたしておるわけでございまして、繰り越しの場合につきましてはあらためて内閣から配賦を要せず、繰り越しの手続を了しましたときに財政法に申しまする配賦という手続があったものとすると、こういう趣旨でこの規定が設けられておるわけでございます。
○永末英一君 特別会計のときの繰り越しの場合、それから一般会計から特別会計へ振りかえる場合の措置以外にね、法律があって、その法律に基づいて当然予算を計上しなくちゃならないけれども、予算を計上された場合には、その法律の規定に予算のほうが――法律で認められて、優先して、別段その法律の規定をしなくても使えるというような規定がほかにありますか。私は知らぬのですから、聞いておるのです。
○政府委員(上林英男君) 私、まだ御質問の趣旨がよくのみ込めておりませんが、御存じのように、わが国の憲法におきましては、法形式といたしまして、予算と法律という二つの形式がございます。そしてそのおのおのの規定すべき分野については、それぞれ定められておるわけでございます。予算におきましては、もちろん予算の範囲と申しますのは単に歳入歳出予算のみではございませんで、そのほかいろいろな内容がありまするけれども、予算にきめられる事項は明定されておるわけでございます。そこで、その法律と予算という二つの法形式をどう調和するか、こういう問題があろうかと思います。その場合におきましては、もちろん、たとえば国が支出を行ないまする場合には、これは予算の定めまする専管事項でございます。したがいまして、国の支出にかかりまするものでございますると、それにつきまして法律が要るという場合には、かりに法律が通過をいたしましても、予算が通過をいたしませんと、これは使うことができない。また、逆の場合もしかりでございまして、この予算と法律をどういうふうに調和するかという問題になりますと、主として立法技術の問題にかかわって参るわけでございます。先般の産投会計法の場合におきまして、予算のほうは成立したが、それを使う場合に、従来の制度としましては個々の立法措置を要したという、予算と立法の調整措置を講じたわけでございますが、今回のお認めをいただきました法案によりますると、そこは予算の御議決をいただけばそれに従ってやり得るとかいうようなことで調整をいたした、こういう格好になるわけでございます。したがいまして、その調整は個々のケースによりまして違って参るわけでございます。場合によりまして、法律で歳出の限度額その他もきちっときめておるわけでございます。そういう場合には、かりに予算が通りましても、その限度内にのみ支出ができる、こういうことになるわけでございます。なお、まあ債務負担などの問題になりますると、これは法律でもきめることができまするし、それから別途国庫債務負担行為というようなものは予算の中にきめ得ることになっております。これはおのずからきめる場合も違って参りまするけれども、ある意味では両者にきめられるというような大体の建前になっておりますので、そういうようなところで予算と法律をどういうふうに調和していくかという一つの技術的な問題も含めました解決方法が講ぜられておる、こういう格好になるわけでございます。
○永末英一君 議会の角度から見ますと、法律も予算もそれぞれ議会の審議を経て成立をしてくる。しかしながら、今あなたのおっしゃるように、予算と法律とを調和調整せしめる目的で、予算も国会の審議を受けるから、予算の審議が通ったときには、法律の中でそれを受ける条項が入っておれば、建前は一つ一つ法律の決定を必要とするものであっても、その同一の法律の中に、たとえば産投会計の今度入った条項のように執行ができるという規定を入れておけば、その法律の各条項の示すところに従って、今までは一つ一つ法律の決定を必要としておったけれども、不必要となったのだというような事例はほかにありますかと聞いてある。ありませんか。普通は別々ですよね、あなたがおっしゃるように。予算が通っても法律が成立しなければ、これは使えない。しかし、すでにある法律が成立しておって、予算がそれで動いてきている。それに対して、予算が年度丸々でふくれたり、ずれたり、いろいろなことをしてくる場合に、たとえば産投会計ではそれをおもんぱかって、あなたのほうの見解としては、予算がつけば、一々法律上の決定は要らぬということを法律で認めたという形をとられたわけであります。そういう類似の法律はありますかと聞いている。
○政府委員(上林英男君) もちろん、いろいろたくさんあると思います。たとえば今の産投会計のように、一般会計から特別会計への繰り入れの例におきましても、各特別会計できめますと、一般会計から特別会計へ繰り入れまする場合におきましては、かつその繰り入れることが相当見込まれる特別会計におきましては、ほとんどの場合が予算の定めるところにより繰り入れることができるという規定を設けております。あるいは各種の補助立法におきましても、予算の範囲内において、たとえば補助率がありまする場合には何分の一以内の補助をすることができる、こういうような規定がございまするが、その場合におきましては、その限度は予算の定めるところによりまかせられておるというような例もたくさんあるわけでございまして、大まかな大筋につきましては、法律で規定がございまするのが通例でございまするが、こまかい執行の段階に至りましては、予算にその実際の執行の限度がゆだねられておるという例が相当にたくさんあるというふうに承知しております。
○永末英一君 予算の定めるところによりということを法律できめてあれば、あとは予算の専管事項にまかせて当然法律が動いていくわけですからね。ところが、当初法律によって一々繰り入れ額をきめるというような建前の法律であって、あとで産投会計のようにそれを修正をして、予算できめればそれでよろしいとやったような事例がほかにございませんか。
○政府委員(上林英男君) たとえば食管特別会計に対しまして一般会計からその赤字補てんのために相当の金額を過去に入れて参りました。終戦直後におきましては、その赤字につきましては、決算上生じました赤字を入れることが普通の場合であろうと考えておりましたので、そういうものにつきましては法的に措置がございまして、予算がきめられますと、決算上の赤字というものは補てんをして参った。ところが、決算上の赤字が確定いたしますまでには相当の年月がかかるものでございますので、その間赤字のために借入金をしてまた赤字をふやすというのでは工合が悪いというので、あらかじめ予算上赤字を見越しまして、予算繰り入れと称しておりまするが、予算がきまりましたときにあらかじめ見込んだ赤字を入れるというような制度を作ったことがございます。 その当時は、そういう状態でございまするので、個々の法律に基づきまして幾ら幾らを赤字と見込んで繰り入れることができるというような個別立法を相当長い期間やったことがございます。しかし、そういうことでございますよりは、むしろ今申し上げましたような、食管会計の現状からいえば、むしろそういう赤字を早目に、何と申しますか、埋めたほうがより食管会計の運営に適当だろうというような考え方から、昭和三十三年度だったと思いますが、調整資金という制度を作りまして、その調整資金に運転資金を食管会計へ繰り入れる、そうしてその調整資金というものは食管会計が赤字になりましたときには自動的に取りくずして欠損補てんに充てられるというような制度を作りました。そういう制度を作りましたときと同時に、今まで個々に立法をして参りました予算繰り入れというものの制度を改めまして、予算でおきめをいただきましたときにはこの調整資金へ資金を一般会計から入れていくことができるように、制度を改正したことがございます。 そういうように、この例は、今おっしゃいましたように、初めは個々に法律でもって一定の金額を限って食管会計へ一般会計から赤字繰り入れができるとやっておりましたのを、若干の制度の改正はいたしましたけれども、予算でおきめいただく場合にはその金額につきまして食管特別会計へ繰り入れができるというふうな改正をいたしたという例が。ございます。
○永末英一君 ほかにはありませんか、今のと同一性格のやり方。
○政府委員(上林英男君) 同じような種類だったと思いまするけれども、農業共済保険にも同じような例があったよおに記憶をいたしておりますが、ちょっと正確なことを今記憶いたしておりません。
○永末英一君 あとで、その性格に関するものをひとつお知らせを願いたいと思います。これで終わります。
○野々山一三君 最初に、ひとつ文句があるのですがね。私は、この法案が提案されたときに、かつての振興法に基づく中小企業の共同施設の今までの実績、それから設備近代化資金の貸付実績を、年次別、都道府県別、種目別にその資料を出してくれ、こういうことを要求しておりました。で、最初のうちに出て参りましたのがここにありますけれども、これは府県別の財源の一覧表だけなんで、どういう業種のどういうものにどういうふうに貸してきたか、それがどれだけ金が足りたのか足らぬのか、こういうことを要求してからもう約一カ月になる。公式の機会で資料要求したものを、一体一カ月もたってから、あとでまた出しますと、こういう事務局からの説明で、それじゃあとでもらいましよう、こういうことで、全然出さぬか、出すのがいやなのか、誠意がないのか、これはもうほかの案件でもたいがい要求したものの中で三割か四割は出さぬ、何とか理由をつけて出さぬ、こういうのが今までの実績でございます、資料要求したときの。ですから、審議をしてこれをあげてくれという法律案です。きょうあたり補足説明をしたのだから、冒頭にそういうものが出ぬなら出ぬということならいざ知らず、釈明もない。一体どういうことなのか。池田政務次官がそのとき約束されたものでございますけれども、どこが出さぬのか。中小企業庁が出さぬのか、大蔵省が出さぬのか、どっちが出さぬのか。両方ともひとつはっきりした答弁をしてもらいたい。それをやってもらわなければ意味ないですよ。専門委員会でさえも、どういう種類のものにどう使っておりますかという程度の資料は、参考資料としてはおおむねのことは私のところに出ていますけれども、法律によれば、非常な数多くの集団化へ共同化を促進するために金を貸すと、こう言っておる。材料がないはずはない。一カ月も前に要求したのにまだ出さぬというのなら、もう審議はしませんよ。答弁を願いたい。
○政府委員(池田清志君) 今の資料の御要求は、先日の委員会でちょうだいをいたしております。それにこたえた意味かどうか知りませんけれども、とにかく一応は出しておりますが、その中で御要求になりました業種別という点が漏れておりますることは、まことに遺憾に存じます。その後、政府におきましてもそれぞれ努力いたしまして、調査をしておると思うのでありますが、政府一体でございまして、どの事務当局でそれをやりますか、私ども内部でも促進をいたしまして、御期待に沿うようにいたします。
○野々山一三君 一カ月もなければ出せないはずはないんですよ。ちょっと政務次官にこの資料を渡して下さい。ありますか、そこに。――あるんですか、ないんですか。お手元にあるならあると言って下さい、子供じゃあるまいし。
○政府委員(池田清志君) 事務当局から御答弁申し上げます。
○政府委員(影山衛司君) 御要求の資料がお手元に描いておりません点につきまして、非常に申しわけないことだと思います。ただ、私どものほうといたしましては、御要求の資料は、一応お手元に届いておるのを御要求がありましてお届けしたわけでございますが、業種別の分類、実績につきまして、私どものほうといたしまして、出してはいけない不都合な点だとか、都合の悪い点はないわけでございまして、何かの手違いか、私どものほうの感じ、受け取り方の間違いからではないかと思っておりますので、さっそく調整をいたしまして御提出させていただきたいというふうに考えております。どうぞその点、あしからず御了承願いたいと思います。
○野々山一三君 この資料が手元にあるのかないのかということを聞いておるのは、貸付実績が、たとえば昭和三十五年に要求の五十二件に対する十七件というのまで出ておるわけですよ。したがって、一カ月も前に要求したものを、これは分類がないはずはないんです。手違いだとか、受け取り方の違いだなんということでは、許しませんよ。私は、その資料要求のときにあわせて政務次官に、いいですかということを念を押している。そういう審議態度でもって臨まれるなら、これはもうこれから一々あなたの目の前で文句を言わなければならないと思う。議会軽視もはなはだしいじゃないですか。そう思いませんか。
○政府委員(池田清志君) 資料の御要求に対しまして、ぴったりした資料提出がおくれておりますことは、まことに遺憾に存じます。私ども誠心誠意、各部局、政府一体となりまして努力をいたしておるんでありますが、私たちとしてこういうことのありましたことは、まことに申しわけなく存じます。国会を軽視しておるのでは絶対にないのでございまして、その点はあしからず御了承願います。
○野々山一三君 これ以上言いませんけれども、誠心誠意とかなんとかという言葉の問題じゃないのですよ。こんなものは、まるきりわかっているものを、作り上げるかどうか、今ごろ一カ月も二カ月も調査して作らなければならぬような資料要求なら、それらしくやりますが、言葉でもってごまかそうなんといってだめですよ。すぐ出しなさいよ。出さなければ審議できませんよ。一カ月前のやつ。
○政府委員(影山衛司君) 業種別の、部門別の貸付実績につきましては、従来から設備近代化資金につきましては実績をとっておりまして、ただいまここでも御答弁申し上げたいと存ずるわけでございます。それでございますので、資料の要求がございました……
○野々山一三君 人をばかにしたような言い方をするものじゃありませんよ。都道府県別の、これだけ数が多いのに、してみなさい。それじゃ、答弁をしてごらんなさいというんだ。ここで全部頭の中に入るように答弁してごらんなさい、君がそれをできる自信があったら。書いたものを出したまえ。
○政府委員(影山衛司君) 私の言葉が足りませんのがあれでございますが、直ちに提出さしていただきます。
○野々山一三君 君の言い方はめちゃくちゃだ。何だというんだ。
○政府委員(影山衛司君) 提出をいやだと言っているわけじゃございませんので……。
○委員長(佐野廣君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(佐野廣君) 速記を起こして。
○政府委員(上林忠次君) 突然やってきまして、何のことかわからないようなことですが、私のほうでよく調べております資料につきましては、さっそく調査いたしまして間に合うようにいたします。――できておりますから、できているのを提出いたします。
○委員長(佐野廣君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(佐野廣君) 速記をつけて。
○野々山一三君 そういう、全く一カ月も前に出した、要求されたものを、しかもあえて繰り返しますけれども、政務次官はわざわざそれに対して答えて、さっそく提出いたしますと言ったことなんだから、私は文句を言うのです。私が要求し、委員長も言って、言いっぱなしになっておるものではないのだ。どのつらさげて池田さん、あなたはそこにすわっているのか、心境を聞きたいくらいのものだ、実は。早急に出して下さい。 そういう意味で、その点については、僕は質問を少し保留しておきたいところがある、きょうあげることができなければ。時間一ぱいできなければ、質問を保留いたします。その限りにおいて余裕を与えますから、ひとつ善処して下さい。通したいなら、それまでに届けて下さい。 その次に質問を進めますけれども……。
○委員長(佐野廣君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(佐野廣君) 速記を始めて。
○野々山一三君 従前は補助金として出していたわけでござまいすね。この三十五年からの設備近代化資金並びに共同化施設資金というものを、いずれを見てみましても、大体国と府県との比率は五分五分ということになっているわけでありますけれども、この考え方の問題として聞きたいわけでございます。補助金でやっておったものを貸付にするということには、特殊の理由があるわけですか。まあ想像できないわけでもないのですけれども、積極的な理由というものをひとつ明らかにしていただきたい。
○政府委員(上林英男君) 従来は、御指摘のように、補助金の形態をとっておったわけでございまするが、ただいま別途御審議を願っておりまする中小企業振興資金助成法の一部を改正する法律案では、中小企業の高度化資金と称しまして、二つ以上の中小企業者が集まりまして、たとえば共同施設を作るとか、工場の集団化をはかるとか、また今度の改正案につけ加えたわけでございますが、商業店舗などの集団化をはかる、そういうようなことをやりまする場合には、一つの企業が設備の近代化をはかりますよりも金額が大きくなるわけでございます。かつ、その事柄の性質上、ある県におきまして集団化をやった。ところが、それが終わりますと、相当大きな金額がある県に参りますので、従来の補助金方式で参りますと、その金がその県にとどまって、その県のみにしか使われないということになりますが、今度の今申しました高度化資金と申しまするのは、金額も大きゅうございまするし、需要のところもその年度によりまして異なって参るわけでございます。したがいまして、従来の補助金の形式でございますると、一県から他の県へ持って参ることが不可能でございますから、そういうことにかんがみまして、ある県でその需要が全うされた後は、ほかの県の需要にこれを充てたい、そういうことの目的を達しまするために、従来の補助金方式を、一般会計から県への段階におきましては、無利子の貸付に改める、そういうことによりまして、その県の需要が済みました場合には、一たん特別会計に引き揚げまして、特別会計からまたほかの県へ貸し付ける、こういうことができるように措置をして、もって資金の効率的な運用をはかりたい、こういう趣旨をもちまして、従来の補助金方式を貸付金制度に変えた、こういうわけでございます。
○野々山一三君 そうすると、各府県別に高度化推進のための計画というも のを国が立てて進めるという要素と、都道府県別にその計画ができて中央へ要求されるという要素が、二つがかみ合って実行に移っていくと、ごく大ざっぱに考えていいのですか。
○政府委員(上林英男君) お説のとおりです。
○野々山一三君 それから、その資金の今までのものから見た需要と実績との関係についてお伺いをいたしたいわけですけれども、近代化資金のほうを見てみますと、貸付の申し込み件数に対する貸付の実績というものは、件数で見て大体二分の一でございます。金額で見て、近代化資金のほうは三分の 一が貸付実績、共同化のほうは件数で大体二分の一、金額で見て大体四分の一というのが数字の上に現われておるわけです。もちろん、補助金を出すという補助金政策の上に立ったものでありますから、相当のしぼりがかけられるということは想像されますけれども、私が先ほど問題にした、種目別にどういう結果が出ておるかということを調べたかったのは、実は仕事によって相当しぼりが強くかかっているところと、それからあんまりしぼりがかかっていないというところが、実績的にどうもあるわけでございます。今後どういう工合に金が流れるかということを、先ほどごく大ざっぱなつかみ方として伺いましたけれども、これは、実は先ほど申し上げたように、種目別に、あるいは地域別に、非常に地域の実情もありますから、一がいには言えませんけれども、アンバランスなしぼりがかかっているということがいわれているわけです。計画が進まないということが一つと、その結果としての、種目別に非常に片寄って共同化なり集団化というものが計画の中途でつぶれているというような事例も、このしぼりのために起こっているわけです。その意味を申し上げたので、この原因というのはどういうところにあるか。つまり、要求に対する実績が二分の一、金額的には三分の一ないし四分の一ということになっている事情を、どういう原因からこういう工合になっているのか。先ほど申し上げたように、多少ものことは了知できると思いますけれども、あなた方がどういうふうに把握しておられるのか、伺いたい。
○政府委員(影山衛司君) 充足率が、近代化資金におきましても、共同施設の資金につきましても、所要のところまで行っていないということは御指摘のとおりでございますが、私どもといたしましては、高度化資金につきましても、国からの資金の繰り入れ等を大幅に増額いたしまして、それで充足率を高めていきたいというふうに考えております。
○野々山一三君 考えている話をお伺いしているのじゃない。先ほど来あなたの答弁は、私の言っていることと全然違った角度から見て、ものを言っている。申し込みに対する実績が非常に下回っているのは、しぼりがかかっているのではないか。そのしぼりの過程で非常な業種別のアンバランスが起こっているのではないかということが想像される。一体この実績がこれほど下回っているのはどういう原因かということを聞いておるのであって、どうするかという話を聞いているのではないのです。わかりませんか。私の言っていることがわからなければ、言い直してけっこうです。何べんでも言い直します。
○政府委員(影山衛司君) 業種別にアンバランスが起こる原因といたしまして、私ども近代化補助金等を配分いたします際に、業種の企業数に応じてのウエートをかけております。その場合に、たとえば繊維で、ございますとか、軽工業部門とかいうようなものに、多少ウエートが、最近の実績等から見ましても下がっているという傾向がございます。それがウエートの関係等によってアンバランスが生じておるということではないかというふうに考えるわけでございます。
○野々山一三君 アンバランスの話は後に聞こうとしているのです。私は、申し込み対実績がえらい食い違っているのは一体どういうことなのかということを言っている。たとえば金が足りない、たとえばそれだけの助成をするほどの理由がないからだとかいうことがあるのでしょう。その原因やいかんと聞いているのでございます。アンバランスの話は、これからさらに問題にしたいわけです。
○政府委員(影山衛司君) 充足率が低いということの原因でございますが、要望に対しましてこちらから出します予算の額が少ないという点もございますし、あるいは設備近代化補助金等につきましては、無利子の貸付の制度ということでございますので、私どもの貸付の基準といたしましては、金融ベースに乗らないものをできるだけ選定していきたいという指導方針をとっております。その点で、設備近代化補助金等におきまして、各企業のほうから県のほうに申し込みがありました際に、金融ベースにこれは乗っておるから、ほかの中小企業金融公庫であるとか、ほかの金融機関に行ったほうがいいというようなものははずしておりますので、そういう運用方針からもある程度充足率が下がっておるという点もあるのであります。
○野々山一三君 実際にその工場団地なりあるいは機械工業団地を作る組合が、県や国の無利子貸付のその金だけに依存しているわけはないので、今度の法律だって二分の一は自分たちで資金をまかなわなきゃならぬわけでございますね。一体、こちらに金があってその集団化をやるなどということはないでしょう。資産の借りかえなり、いろいろな工面もしてやっておる。あなたの説によると、今までのやり方は、少しうがった、皮肉った言い方をするのでございますけれども、今までのやり方は、それでは水を向けるという役割りを果たしておったという程度だ。窓口へ出てきたものを、いや、これは一般金融ベースで、市中金融のベースでそれの資金をまかなってきておやりなさい、こう言ってけっとばす。それでもベースに乗らないものがあれば貸す。これはまあそういうことであれば、水を差し向ける程度のものであった、こういう受け取り方をしたくなるわけでございます。ちょっと皮肉った言い方ですけれどもね。それならそれでも一つの理屈だと思う。 それでは、協業化が進まない、あるいは集団化が進まないということのために、積極的に特別会計を設けてこれを指導するというなら、その裏の答えとしてそれが出てくるわけであります。その受け取り方をあなたのところへ質問をしていると、僕のほうが先に答えを出して、あなたのほうの答えが、質問にならないので困っているのだけれども、そういうことなんでございますか。
○政府委員(影山衛司君) お説のとおり、この設備近代化補助金にいたしましても、中小企業高度化資金につきましても、できるだけこういう対象になりますのは金融ベースに乗らないところに貸し付けるということにいたしまして、その結果、誘い水といたしましてその他の金融機関からの融資を誘う、あるいは共同化、集団化というような組織づくり、協業というものを進めていくというふうな趣旨からのものでございまして、先生御指摘のとおりでございます。
○野々山一三君 あなたは今度は、私のペースに逆に今度乗ってきて答えられているのですけれども、それならば一体、今までの高度化資金というのは、全く高度化資金ではなくて、全く呼び水的資金だ、こういうことになるわけでございますな。 さて、実際を見てみますと、あそこで、あるAならAという土地で、繊維なら繊維、あるいは工業機械なら工業機械の中小企業団地というものを作ろうという話が起こってから、大体三年くらいかからなければ軌道に乗らないようなわけなのです。それというのは、結局呼び水を向けるだけだという今までの指導で、そういう非常な期間を要する。その間に土地の物価が上がってしまう、資金もなかなか調達できない。ようやく共同化という機運が出てきたのに、その機運が水をさされてしまう、あきらめてしまうというような事例が相当あって、結果的に、求めておる中小企業の近代化あるいは集団化という作業をおくらしておるわけであります。そういう事例がある。それを今度の法律はどういうふうに解消しようとするかということを、実は方針の問題として次に聞きたいわけでございます。 で、今までの実績から見ますと、三十四億くらいの貸付実績があるわけでございますね、昭和三十五年にして。三十六年にして六十二億。ところが、今度のこの法律、特別会計法で予定をしておるものの貸付計画というものは、おおむね二十三億。そうでしょう。数字の上では非常にまあ、実績から見ると三分の一でございますね。そこで、同額は県が見るということになりますから、六割くらいに今までの需要実績から見るとなるわけです。一体、もし私の理解が違っていないとすれば、今あなたが積極的に私のベースに乗って答えられた趣旨がどういうように生きてくるであろうかということに疑問を持たざるを得ない。そこへもってきて、業種別の資金を見つけるために日時がさらにかかるということであれば、法律は積極的な面を表わしているようだけど、実際はなかなかその効果を発揮することができないのじゃないかという不安がこれに伴ってくるのです。是非の問題は別として、そういう疑義を持たざるを得ない。その点の心配はどういう工合になるのか、心配がないか、あるのかどうかということを伺いたい。
○政府委員(影山衛司君) 第一の、誘い水といたしまして高度化資金あるいは設備近代化資金を出したあとの資金のめんどうを見てやらなければいけないのじゃないかという御指摘の点でございますが、あとの資金につきましては、たとえば商工中金あるいは中小企業金融公庫の協調融資をお願いしている。それから、厚生施設資金につきましては、年金福祉事業団の施設融資をお願いするというような、融資のあっせんを私どもといたしましても積極的にやるという方向で、今後も続けていきたいというふうに考えております。 それから、第二点の、資金が非常に少ないのではないかという御指摘の点でございますが、この三十五年度の設備近代化資金の貸付実績のところに書いてございます三十四億、これは国庫補助と県費の繰入金と償還金等で三十四億になったわけでございます。設備近代化資金につきましては、三十七年度におきましては、国からの補助金三十五億、県からの繰り入れ三十五億、それから償還金を合わせまして九十億の貸付ベースになっておりまして、三十八年度は、国の予算が四十一億、県が四十一億、それから償還金が三十四億で、百十六億の貸付規模で貸すことになっております。 それから、高度化資金につきましては、昨年まで、三十七年度までは、共同施設と工場団地の両者に分けまして、それは補助金の額といたしましては十二億を出したわけでございまして、それに県が同額を加えまして、その償還金が四億ございますが、二十八億のベースでございます。ところが、三十八年度におきましては、高度化資金につきましては、国からの繰り入れが二十三億、それから県が同額を出しまして、それから償還金が約六億ございますので、五十二億という規模で運用していきたいということになりますので、三十七年度と三十八年度の貸付規模を比較いたしますと、一八六%になるということでございますので、相当規模の貸付額だというふうに考えております。
○野々山一三君 調査室から出ているこの資料ですか。
○政府委員(影山衛司君) 工場集団化貸付状況という資料にございます。
○野々山一三君 そうすると、こちらの出した別な、先ほど問題になった資料のしりの数字とは違うわけですね。
○政府委員(影山衛司君) 工場集団化貸付状況にございます。三十七年度の予算は、国庫補助額が八億七千五百となっておりますが、この八億七千五百と、県の繰り入れが八億七千五百、それで償還金はございません。そのほかに今度共同施設が約三億ございますので、国からの補助額が三億、県が三億、六億に対しまして償還金が四億でございますので、約十億と十八億、約二十八億と申し上げた数字は、この工場集団化貸付金のほかに共同施設の金額も入っておるわけでございます。共同施設の金額は、御提出してございますところの工場集団化貸付状況の一枚くらい前の資料に、三十七年度の予定が、その前に三十六年度の予定等も書いてあります。
○委員長(佐野廣君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(佐野廣君) 速記を始めて。
○野々山一三君 今事務当局で説明した数字が、それが基礎であるというならば、その数字を基礎にしていけば、多少前向きの資金準備というものがあるということは了解できるわけです。ただ、時間がないからやめますけれども、こういう事例があるのでございます。たとえば名古屋の港地区を相当集中的に埋め立てをやって、工場集団化をやって、たとえばある大きな製鉄会社をそこに導入する。御承知だろうと思いますけれども、この誘致をやって、そしてそこについでに副次的に工場の団地化、そして共同施設を誘致するということをしております。ところが、そういうことが片方の大もとである親会社、というと語弊があるかもしれませんが、そういうものが急激に仕事の計画をばさっと変えてしまう。そのために中小企業はカッパのおか上がり、何のために金をかけて、借金をしてそこへ行ったのかわからないというような事態が起こっているということです。 私がここで問題にしようとすることはそのことではない。そういうようにして金を貸せるのだけれども、先ほど来言ったように、今まではなかなか金が足りない。フィルターはかけられ、手続はうるさい。共同化が進みにくいものをあえて無理して進める。私ども進めてもらいたいという立場で、相当の指導をする。ようやくできる。その段階まで行くには相当のフィルターがかけられる。これでは一体高度化ということが進まないにきまっている。中小企業そのものの共同化ということも進まないということになるわけです。県が、この法律によっても、事業計画を定め、通産大臣が定める規定に従って資金を貸し付け、事業計画を作成して、その事業計画によらなければ貸付をしてはいけないというのでありますけれども、このいわゆる大臣の審査、それを相当程度合理化するということと、相当程度これに対して、いうなれば安定的な将来の事業経営、共同化されたものが安定的な状態におけるとい5基盤を見つけて、そしてそれを促進するというような工合にしなければならないというのは私の主張ですけれども、そのことにかこつけて、実は非常なめんどうくさい手続、あるいは非常なフィルターがかけられるというようなことがある。そういうことを起こさないような措置というものが必要なんです。そのための手当、方策というものがあるかどうかということを実は聞きたいのです。これは言葉ではなかなかむずかしい問題でしょうけれども、かいつまんで、ひとつその方向をお示しをいただきたい。
○政府委員(影山衛司君) 工場団地その他の共同化の事業計画がスムーズに進んでいきますように、政府当局といたしましても、私どもといたしましても、促進していかなければいけないわけでございますが、その点につきまして、いろいろ不工合な点があるといたしますと、私どももよく調査をいたしまして、今後できるだけ改善をしていきたい、こういうふうに考えております。それで、その一つのやり方といたしまして、特にたとえば工場団地等につきましては、団地診断というふうな制度もございますので、そういう制度も極力活用いたしまして、この団地が合理的に進んでいくというふうな方途を見つけ出して、そうして県のほうがやります工場団地でございますので、県が貸付の窓口にもなりますので、そういう点でできるだけスムーズに進めていくという方向で進めたいと考えております。
○野々山一三君 要望しておきますけれども、これは非常な関心事なんで、今まで、金額は当初は小さかったけれども、二十二年以来進めてきたのですね。その結果として共同化がどういうふうに進み、そうして集団化がどういうふうに進んで、そのためにマイナス面もあった、あるいは途中で挫折したのではないかと思われる点、将来改善をしなければならないと思われる点というようなものをひとつまとめて、いわば今日までの経過をまとめて、そうしてどういう点に中心を置いて対策を進めねばならぬかという指導方針といいますか、そういうものを早急にまとめていただきたいと思います。これがいわば出ていく金に対する重みを加えるでしょうし、特別会計を作って、立法措置をすることの意味を強めると思うのです。今ここであなたに聞いても、なかなかこれはむずかしいことでしょう。長官かだれか……。むずかしいようですから、ひとつまとめて説明をして、提出をしてもらいたいと思います。それをひとつやっていただけませんか。
○政府委員(池田清志君) 中小企業はわが国経済の根幹であると私は申しております。わが国が高度成長をいたしますには、経済が進んでいかなければなりませんが、大企業は目に見えるところの幹や葉や枝であると思いまするし、中小企業は土の中に埋まっております根幹である、こういうふうに私は理解しております。このことにつきましては、与野党とも、国会も政府も国民も、わが国経済の高度成長を期して努力していただいているところです。特におくれております中小企業の振興の面につきまして、皆様方の御協力をいただいておりますことを、まことに政府は喜びにたえません。でありまするから、今の中小企業高度化政策並びに資金の面につきまして、この国会にただいま御審議をしていただいておりまするように、今後におきまするところの一つの土台とも言うべきものをこしらえていただくことになっておるわけです。中小企業の高度化政策そのものは、通商産業省で素案と申しますか、あるいは最初の案を作っていただきまして閣議等にかかるわけでありますが、それに要しまする資料は、通商産業省でお願いをいたしまするし、その裏づけでありまする資金は大蔵省が担当いたしまして、三十八年の予算におきましても、昨年よりもうんとふえたところの資金を出すということになっておるわけです。これは今後におきまするこの問題に対する一つの方向を示しておるものでございまするから、お許しをいただけまするならば、政府はいよいよ努力をいたしまして、御期待に沿うように、さらにさらに努力をさしていただきます。
○野々山一三君 もうこれで終わりますけれども、一般的な中小企業振興対策というものの政府の考え方は少ないように私どもも承知をいたしております。私があえて申し上げるのは、共同施設を設置したり、中小企業の設備の近代化、工場の集団化ということを目的として、この法律によって金を貸し付けるという制度ができるにあたって、今までそれに類似する補助金制度などでやってきたものを、その限度において、その限り、全般のことでなくて、今までやってきた、主としてとらまえてきたそういうものの、今までの歴史上どういうマイナスがあったか、あるいはプラスがあったか、どういう欠点があったのか、あるいはどうしなければよくならないかということを取りまとめ、対策を示してほしい、こういうことを申し上げておるので、まあ政務次官が言われた趣旨はそれよりももっと広い意味でございますから、よくわかりましたけれども、もう少ししぼった具体的な話を申し上げておるのでございますから、焦点をはずさぬようにひとつ善処をしてもらいたいと思います。もうこれで終わります。
○柴谷要君 私は、国立病院特別会計法の一部を改正する法律案について、二、三質問を展開したいと思います。 まず、質問に入ります前に、医務局長は出席でございますね。衆議院の審議にあたって、衆議院の委員会で何回この法律案が審議をされたか、できますならば、日数、審議の時間、またあなたが答弁をなさった大体の時間、これらをおわかりでしたら、ひとつ教えていただきたいと思います。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 衆議院では、三月二十六日の大蔵委員会において審議がありまして、時間数は二時間ぐらい御審議をお願いいたしました。堀先生と高見先生からいろいろ御質問をお伺いいたしました、こういう形でございます。
○柴谷要君 至って簡単な法律のようでありますが、内容を見て参りますと、いろいろお尋ねしたいことがある。しかし、時間の制約もございますので、ごくかいつまんでお尋ねをいたしたいと思いますが、要領よくひとつ御答弁をいただきたいと思います。 国立病院といわれておるのは全国で八十五カ所ございます。この八十五カ所の病院で基幹病院と準基幹病院というふうに分かれておりますが、一体その基幹病院と準基幹病院というのはどういうものか。それから、二つ三つ重ねて質問いたしますから、一括御答弁いただきたいと思います。そのように分けた内容、それから国立病院全体の予算定員、それに伴う現在人員、それから国立病院に勤務しております職員の平均ベースは一体どうなっておるのか、これをひとつ最初にお尋ねいたします。御答弁願います。
○政府委員(尾崎嘉篤君) まず、第一点の、基幹病院と準基幹病院という名称でございますが、基幹病院という名前に実は二つの場合が混合せられておりまして、一つは、国立病院の第一次整備計画において問題にいたしました十の病院でございますが、これはわれわれといたしましては、北海道とか東北、関東、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州というふうな各そのブロックにおきましての最終的なと申しますか、一番しっかりした医療機関、これは大学等を除きましての話でございますが、そうしてその地区の方々がお困りの場合に、そこに行けば日本の現在の最善の医療が尽くせる、そういうような病院にしたいという立場でブロックの基幹病院というものを考えたわけでございます。これが十ございます。これが今までの十一カ年間で大体整備が終わったものでございます。それ以外に、別に各府県々々におきまして、公的医療機関に対しまして一つの整備計画を持っておりまして、その中で県の中心病院になりますというふうなもの、これは国立病院だけでなくいろいろな病院を一緒くたにしての話でございますが、そういうふうなある中心病院、またその次の、ある三つ、四つの保健所の単位の、地区においての中心病院というふうな一つの体系化を考えておるわけでございますが、そういうふうなうちにおいて国立病院がどういうふうにあるか。この府県の中心病院というふうなものを府県の基幹病院というふうに呼んでおりまして、これを一緒くたに呼んでおる可能性があるのでございます。今、国立病院では普通に、ブロックにおいての中心病院を基幹病院と言い、それに準じますような――準じますといっちゃ少し落ちますが、県の中心病院とか、またそれになっておりませんでも、相当その地区においての重要性を認めた病院を重点整備病院とこちらは称しておったのでございますが、現地の施設の方々が準基幹病院というふうな名前で、それについて今はわれわれもついつられまして、そういうふうな名前で呼んでおる場合もございます。そういうふうなわけでございます。 それから第二のお尋ねの、国立病院の定員と現員の関係でございますが、これは三十八年一月一日現在でございますが、定員は総数が一万六千百七十名、現員が一万六千二十九名でございます。欠員が百四十一名。このほかに、がんセンター四百十六名で、実人員が三十八年一月一日付で三百三十四名でございます。それから、その中の医者、看護婦、それはよろしゅうございますか。
○柴谷要君 あとで聞きます。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 平均ベースは行政(一)が二万四千八百一円でございます。行政(二)が一万八千六百二十六円、医療(一)、これは医者でございますが、四万五千五百二十九円、医療(二)二万七千五百四十二円、医療(三)、これは看護婦でございますが、二万四百八十七円でございます。
○柴谷要君 実は、国立病院のことでありますから、基幹病院、準基幹病院と区分けをしておるのは、病院としての施設なり占めておる重要性、そういうものから分けてきちっときめられておると思いましたが、そういう内容ではない、こういうふうに大体扱い上便宜的にやっておる、説明もこういうことでありますから、この名称については了解をいたします。 そこで、もう少し深く尋ねたいと思いますのは、基幹病院と称せられておるものが十カ所、これはおもなる都市にございますが、これはもちろん総合病院であり、完備しておると思いますが、この機関には十分研究をする機関をお持ちになっておられるのかどうか。それから、もともと基幹病院は今言ったような総合病院であって、機能は十分持っているけれども、研究部門等がないとか、こういうようなことの違いがあるのかないのか、こういう点についてひとつ御説明をいただきたい。これが一点。 それから、第二の問題としては、医療(一)から(二)、(三)を聞きましたけれども、大体医師としてインターンが終わって、これから病院勤務をやろう、こういう医師は大体(二)になると思うのでありますが、非常に俸給が安い。初任給が安い。そういうような関係で、はたして長い勉学を終え、研究を終わった優秀な医師が、国立病院に迎えられているのかどうか。これが第二点。 それから、第三点としては、医療(三)は、これは看護婦でありますけれども、大体年令構成はどのくらいになっておるか。二万四百八十七円というベースは、一体年令構成でどのくらいになっておるか。これをひとつまずお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 基幹病院の研究関係はどういうふうになっておるかというお尋ねでございますが、国立病院におきましての研究費は、医師一人当たり二万五千円の単価でございまして、そのうちに学会出張旅費と、あと庁費というのがございます。これを各病院に、ある部分は人頭で分け、ある部分は特別研究費として分けておるというふうにいたしまして、したがいまして、基幹病院というようなところには特別研究費の関係が割合に余分に行っておる、こういうふうな状態でございます。なお、この予算は三十八年度におきましては、一人当たり三万円に増額するとか、学会出張旅費が少なかったために五千円を学会等に行きます旅費として計上して、ふやしております。また、特別研究費というのを、新たにその分で金額の二万五千円、つまり三万円の中でやることはつらいものですから、これを別に設定いたしまして、一千百万円程度の特別研究費を三十八年度には組んでおります。このほかに、ガンにつきましても研究費を、国立病院とがんセンターとで一緒にやるようにという立場で、一千万円また別に組んでおります。こういうようなのが研究費で、今のこういうようなものが基幹病院的なところに割合多く行くと思います。 なお、研究いたしますには、費用と同時に、検査研究設備の問題が必要でございますが、その関係は従来から基幹病院のほうをまず第一義的に強く強化拡充しておりまして、特にこの最近三カ年におきましては、毎年五千万ないし六千万の研究機関の整備費を取りまして、それを基幹病院及びそれに準じますようなところに重点的に注入して設備を拡大しております。こういうようなことで、今検査関係の設備はかなり拡充しておると思います。 なお、こういうようなことのほかに、国立病院の特性を利用いたしまして、ほかではちょっとできないような共同研究と申しますか、世界で今の新しい科学研究にいろいろ使用せられております一定の組織をもっての臨床の共同研究、これをガンというようなものについて、その他についてやっております。したがいまして、今一番重点的には基幹病院をやっておりますが、そのほかの病院にもそれぞれの力に応じ、また熱意、努力に応じ、成果に応じて研究費は、また設備は拡充しておる、こういうふうな状態でございます。しかし、まだまだわれわれとしては、ほかの病院に比べましては、かなり研究、検査施設は充実してきていると思いますが、人の問題等におきまして、まだ拡充せねばならない、こういうふうに考えるわけであります。 それから、第二の、医療職の関係の人間がりっぱな人間かというふうなお話でございますが、これはちょっとほかの病院との関係でそう比較というようなものはなかなかむずかしいと思いますが、基幹病院につきましては、まあかなり私はりっぱな方が入っておられ、基幹病院としてのブロックでの中心病院というような責めに耐え得るというふうな状態になりつつあると思います。たとえば、最近におきまして開設いたしました福岡の中央病院、これなどは大体みな大学の助教授ないし講師級の若手のばりばりしたところに来てもらっているという状態でございます。しかし、全般的に見まして、待遇等の関係から、人を入れることについては院長先生方は非常に苦労しておられる。特にいなかの病院等におきましては、充足率は九八、九というようないい状態ではございますが、院長は医師の確保にえらい苦労しておられるということは事実でございます。ただ、将来といたしまして、医師の何と申しますか、長く勤めておりますと、医療研究活動が不活発になる傾向もあり、若返りのためにも、もう少し待遇等をよくして新陳代謝をはかり、いい医師をどんどん入れていくことにわれわれは努力しなければならないと考えるものであります。 それから、医療(三)の年令構成でございますが、平均年令で総婦長が四十八・八才、婦長が三十八・八才、看護婦が、これは総婦長、婦長を除いた看護婦でございますが、三〇・二才、准看護婦が二一・五才でございます。
○柴谷要君 ちょっと医務局長、私の質問を、人のいいか悪いかというような品定めのように聞かれたわけですが、そうではない。私は、先生を国立病院に迎える際に、長い研究をやり、りっぱなお医者さんに生まれようとしている人が、さてどこの病院に勤めようかというときに、国立病院に行こうか、それとも一般の民間の病院に行こうか、あるいは公共企業体が行なっている病院を希望しようかと、いろいろ検討されるわけですね。その際に、優秀な先生がどうも高額で迎えられてよそに行ってしまうというのが、かなり世間の通例になっていると思う。それは一体何が原因しているか。私は、国立病院に現在お勤めになっている先生方は、日本の医療界においては権威者ぞろいだと思っている。また、特におもなる病院におきまする院長先生以下副院長先生などは、全く医療界における、重鎮だと思う。だと思うのですけれども、これらの人の跡を継ぐようなりっぱな医師が、実は卵のうちから、病院を希望するときに国立病院を希望しないというきらいが最近あるように聞いているのです。一体その原因はどこにあるのか、厚生省はどういう点にお気づきになっているか、それを聞きたかった。希望は少ないということ。 実は医師というものはもう一生研究だと、こう言っているのですね。ですから、同じ病院に就職するならば研究機関を持ち、そして医師としての機能を十分に発揮できる場所を選ぶのが一番幸福だと、こう言っている。まあたとえば公共企業体で、逓信病院もそうでありますが、鉄道病院もそうですが、今の医師の待遇を見ますと、同じ大学を出、研究期間を長く続け、そして世の中に飛び立つと、法科の人たちはどんどん上がっていくけれども、医科を出た諸君は医者としていつまでたってもうだつが上がらない状態にある。これは不公平じゃやないかという叫びを、これは医師の方々から時おり聞かされるわけであります。たとえば、これは身近な例でありますけれども、国鉄などにいたしますと、よわい四十四、五才でいわゆる常務理事になって、天下をへいげいしている。ところが、医師は四十五才くらいなら、聴診器を持って一日二百人、二百五十人の外来患者を診察している。その人の勉強の課程を見ると、一方は法科、一方は医科を学び、しかも研究期間を長く持って国鉄病院に就職された。ところが、給料の差においては格段の違いができる。これで、しかも毎日々々重労働といっては何ですけれども、自分の任務を全うするために挺身をしておって、こういう差があるわけです。これを一体厚生省は、それは国鉄はそういう例があるかもしれませんけれども、国立病院はないと言い切れるかどうか、この面についてのあなたのお考えを聞かしていただきたいと、こう思うのです。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 医師の給与が、ほかの職種に比べてのいろいろ問題もございますが、民間の病院勤務の医師に比べましても、三〇%くらい低いというふうな点、また今のお話のような、ほかの職種のほうとのバランスのいろいろやり方もあると思いますが、いずれにいたしましても、医療職(一)の俸給表は、われわれはもう少し上げてほしい。それは思っており、また努力もしておるところでございます。医療職(一)が分離せられました昭和三十二年四月から後の累積改善率と申しますか、給与の改善せられた率は四八・四%で、全職種を通じて最高にはなっておるようでありますが、しかし、それでもなおわれわれとしては必ずしも十分だとは思っておるものではございませんが、もう少し努力をいたしたい、こう思います。 医者の仕事は、今お話しのように、相当仕事が激しいということと一緒に、危険もあり、また必ずしも病人さんの顔ばかり見る、いい仕事でもない。夜中にたたき起こされるというようないろいろの条件から見まして、私も何とかよくすることに努力しなければならない、こういうふうに思っておるわけでございますが、同時に、医者が、先生お話しのように、自分の研究ができ、また技術が十分発揮させられるようなところ、こういうふうな気持が多分に強い。またいい医者であればそういうようなことがなお強いと思いますが、そういうような点では、国立症院はできるだけそういうような良心を満足せしめるような、医療に対しましては薬品が足らぬとかいうようなことで何とか制限をするというようなことをしないでも、医者が良心の命ずるままに大体治療ができるような方法を講じ、また今の検査とか診断治療の関係の設備を充実していくように努めておるわけでございまして、これもまだ必ずしも十分とは申せません。特にいなかのほうの病院では十分とは申せませんが、できるだけ努力をしていって、山の上でも、その地区地区の山では一番高い給与になるように努力をしていきたいと、こういうふうに思っておるわけでございます。
○柴谷要君 人事院等の勧告等によりましても、いつも民間給与とバランスをとりたいということで、国家公務員の賃金というのは、毎年々女勧告を受けておるわけですね。ところが、今御指摘のこういうような民間と三〇%も違うということになりますれば、いかに無欲てんたんなお医者さんでも、これはよそを希望するのは無理はないと思うのでありますが、お医者さんにしてもしかりでありますから、その他看護婦なりあるいは一般の職員の方においても、そういう傾向が出がちだと思います。これは厚生省としては大いに、人命をあずかる大事なお医者さんでございますから、優遇をし過ぎたということにはならぬと思うのです。どうかひとつ、一般の観念から離れて、十分なる給与をひとつ厚生省としても考えられることを、これは強く要望をしておきます。 それから、第二の問題でありますけれども、看護婦養成にあたって、国庫補助が半額あって、あとは国立病院自体の会計の中から出されておるというのですが、一体養成期間中、看護婦にはどのくらいの給与を与えておるのか。それから、養成期間は何カ月くらい、それから准看護婦と本看護婦の資格を取りますにはどういう期間の教養が必要か、これをちょっとお知らせを願いたい。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 第一の、医師の待遇についてのおしかりは、私たちもその点仰せのとおりだと思いますので、さらに一そう努力をしていきたいと思います。 看護婦の関係は、実は国立関係は民間よりよろしゅうございまして、民間の者に比較しまして一〇%くらいよろしいようになっております。しかし、これはただし三十六年の何月かの調査だと思いますが、それから後にいろいろ情勢の変化は起こっておるとは思いますが、今度また九%くらい昨年の十月にアップをしておりますので、この点はかなりほかよりもいいと思います。 看護婦につきましての養成でございますが、養成には正看護婦と准看護婦二通りの養成の種類がございまして、准看護婦は、中学卒業後二カ年間の養成課程を経まして、そして試験を受けるわけです。それに通りますれば准看護婦になる。それから、普通の看護婦は、正看護婦と申しましょうか、普通の看護婦は、高等学校卒業後三カ年間の養成を受けまして、そして国家試験を受けまして、通りますれば看護婦になる。さらに、准看護婦が正看護婦になる道といたしまして、われわれ普通、進学コースと呼んでおりますが、そういうふうな道がありまして、これは三年以上准看護婦の実務をやりまして後二カ年間の進学コースを受けますと、正看護婦の試験を受ける資格を得る、こういうことになっております。そして国立病院でただいまやっております養成所は正看護婦だけでございまして、准看護婦関係はございません。 ここにおきましての待遇は、手当は出しておりません。国としては出しておりません。それから、食料は、三十八年度においては百円くらいの原材料費のものを食べさせるようにしております。ただし、これは休みが中にありまして、少しこれ以上になるかと思います。それから、宿舎費も、これは寄宿舎に全部入らしておりますので、それは取っておりません。それから、被服費等も白衣を支給しておる、こういう状態でございます。
○柴谷要君 この看護婦になるために、高卒をした者を三カ年間教育をするわけですね。一般家庭の子弟は、高校を卒業して就職すれば、大体本年あたりは初任給の引き上げがあって一万二千円の支給があるわけです。そして月給をもらいながら技術を身につけて一人前になっていくのが大かたのコース。ところが、国立病院の看護婦さんになるために入りますと、三カ年間勉強する。確かに看護婦としての経験なり技量を習得するわけでございますけれども、それを卒業されて国立病院に勤務する、そうすると何カ年間か義務年限があるはずだと思うのです。その義務年限は一体どのくらいか。それから、はたして食料費百円くらいのものしか支給しない、それから自服といいますか、それしか与えない、こういうことになると、あとはだ身につけるもの一切が自己負担でなければならぬということになると思うのですが、こういうことではたしてりっぱな人たちが養成できるでありましょうか。それとも殺到してきておるのか、この点をお聞かせ願いたいのが一つと、それから、今の社会情勢から判断して、こういうことがいいと厚生省でお考えになっておるのか、これもひとつあわせてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 食料費百円と申しましたが、これは食料費の材料費でございまして、それに対しまして光熱費、人件費等は全然入っていないのでございまして、患者の食料費は大体百三十円から百五十円が一般だと思います。それに比べて、ほかのところと比べますと、原材料費百円となりますと、そのほかに休みの分が一緒に加算になりますので、そう悪くはないと思います。しかし、これは少し、もう少しよくしたほうがいいという見方もできると思います。ただ、今までの看護婦さんの養成が、どちらかと申しますと、徒弟的な養成システム、考え方があった。さらにいえば、女中で開業医の方々では使っておって、そして養成していくというような行き方が、昔からの看護婦の養成の中にあった。それに対しまして、一つの職業人として、独立人として教育するという普通の学校教育的な考え方を加味していくこともやはり必要ではないか、こういうふうな考え方もいろいろ考えに合わせて検討しておるところでございまして、あるいはこの食料費とか宿舎料を取るべきじゃないか、授業料を取るべきじゃないか、学校システムをとるべきじゃないかという意見もわれわれは検討しておるところでございます。しかし、現在のいろいろの実情から見まして、そこまで踏み切るのはどうかというので、こういうシステムを続けておるわけでございますが、しかし、今のお話のように、学校に行くのに生活程度のいろいろ苦しい方もあるということも考えまして、これは国立病院についてやるという形でなく、府県の衛生部、府県を通じまして、府県で奨学資金と申しますか、育英資金を看護婦、准看護婦に出さすようにして、その国庫補助を二分の一するようなシステムを去年からとっておる次第でございます。したがいまして、これは何も国立のほうにだけ来るというわけでございませんで、一般のほうにも行くわけでございますが、その中に国立の看護婦さんの生徒も入るというふうな形になっております。そうした場合には、義務年限は、国立病院の養成については義務はございませんが、奨学資金を受けました方はその府県についての義務年限がそこに生じてきます。大ていそれは三カ年間の義務年限をつけておるようでございます。そうしますと、そういうことによりまして府県のアンバランスと申しますか、いなかで養成せられました看護婦さんが都会へ都会へと集中してくるのを少しでも防ごうという、地域のアンバランスを是正する目的も実はこれに加味いたしまして、そういうふうなシステムを考えておるわけでございます。 なお、殺倒しておるかどうかというふうなお話でございますが、大体国立病院の看護婦の養成関係は、地域によって違いますが、二倍ちょっと上でございまして、三倍には足りませんが、九州地区などに行きますと三倍をこしておりまして、たしか一番多いのは別府病院の養成所で、六倍くらいの競争率になっておるところもございます。全体としてはそういうふうな状態でございまして、昨年に比べましてことしは二割くらい応募率がふえております。去年が二千五百人ぐらいに対しまして、ことしは三千八十人だったと思います。
○柴谷要君 時間がだいぶ迫ってきましたけれども、まだ二、三点お尋ねしたいと思います。 国立病院の三十七年度の収入は、端数はありますが、大体百七十二億、それから三十八年度は見込みといたしましては二百十一億六千万ばかりの収入があるということになっていて、その中で特に増加いたしますのは診療収入になろうと思います。診療収入がふえるということは、単価の値上がりはないはずでありますから、これは国立病院利用者がかなりふえてくるのじゃないか、こういう見方をするわけですね。これほど診療収入をあげているのに、先ほどの御説明のように、予算定員よりはるかに少ない、現在人員百四十一名という欠員があるというのですが、はたして三十八年度はこれでたいへんな労働をかけることになりはしないかと、こういうふうにわれわれ憂えておるわけですけれども、この点は厚生省としてはどうお考えになっておられるか、この点をひとつお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 今の三十七年度の先生のお話は、予算の歳入じゃないかと思いますが、決算ではそれがずっと上がっておりまして、たしか予算より十四億くらいオーバーしておるはずで、ございます。だから、百八十五、六億だったと思います。
○柴谷要君 そうすると、三十八年度は大体……。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 百八十二億でございました。そのくらいになる予定でおるわけでありますが、したがいまして、三十八年度で二百十一億といいましても、三十億ぐらいの差で、一〇%ちょっとというような状態というところでございます。 これは毎年診療点数の伸びで十分このくらいになってくる、こういうような考え方でございますが、今の患者数は、病院のベット数が一定でございますので、多少転換病院と申しますか、結核療養所のうち二つを一般病院に転換いたしまして、そのうちの一部の病院にベッドをふやしたというので、ベッド数の増加もありますが、そういうような新しい要因もございますが、大部分の増加の要因は、患者さん一人当たりの診療点数の伸びでございます。特にやはり薬品類の高貴薬と申しますか、最近いろいろ新しい薬で高い薬が出ておりますので、そういうようなものの利用増加が大きな要因をなしておることが要因の分析でわかっておるのでございますが、その他、検査だとか手術の増加というような問題が起こっております。なお、外来はやはり患者数に少し増加のきみでありますが、これはできるだけ病院の本質から考えまして押えるように努力をしておる状態であります。
○柴谷要君 病院の実情からいって押えるというのですが、病院に来たやつを診療しないということじゃないでしょうね。私は、診療収入がふえてくることは、やはり病棟の転換なり、あるいは外来患者がふえてくるからこそ、診療益というものがふえてくると思うのです。そうなってくると、先ほどの御説明で、一万六千百七十人という定員を持っていながら、一万六千二十九人で、百四十一人も少ないという現実をどうお考えになっておるのでありますか。仕事量はふえていくのに、人はますます少なくていいのか。この穴埋めをするのかしないのか、これがまず一点。これはあなた方を責めるわけじゃありませんよ。これは国立病院をよくしたいからこういう質問をするのだから、誠意をもって答えてくれないと困るのです。 それから、時間がないから端折って申し上げますけれども、病院が一生懸命かせいで収入をあげる。なるほど一般会計から多少の繰り入れをし、あるいは借入金をして、工事を急いでりっぱな病院にする、こういう仕事をするために、一般会計から締り入れをしてもらったり、借り入れをしておるわけです。こういうふうな借金をしながらいて、さて三十八年度なら三十八年度の状態を見てくるというと、国債整理基金会計繰り入れというのが出てくるのです。これは三千二百何十万円ですか、額は総額から見れば少ないようなものですけれども、なぜそんなところに繰り入れるのか、もっと病院充実のほうにこういう金を使わしてもらえないのかどうか、こういう点をひとつお尋ねをしておきたい。
○政府委員(尾崎嘉篤君) まず外来の問題でございますが、外来を押えると申しましたのは、病院というものはできるだけ入院患者をよく見るというのがほんとうではないかというようなことから、一般の開業医の方々も十分やっていただけるような方々につきましては、一回診察いたしましたあとは、二回自からはなるべく開業医のほうに返していくというような方向が正しいのではないかということで、できるだけ外来をあまりふやして、かせぐかせぐというような立場をとらないということを申し上げたわけであります。 そういうふうに忙しくなるのに、人間に欠員があるじゃないかというお話でございますが、これはやはりやめていった人のあと補充するというのに、一つあきがあったりしますので、どうしても一%、二%の人のあきはやむを得ないのじゃないか。自転車操業的にそれを見越してやるという手もありますが、あまりそれをやりますと、つい定員をオーバーするようなことがあったりいたしまして、定員法の趣旨にも沿わないというので、大体一%、二%は、このような状態は最良の状態は最良の状態に近いのではないかと実は思っておる次第でございますが、この点、もう少し先生のお話の御趣旨も体しまして、検討いたしたいと思います。 なお、来年度におきましては、国立病院に医者、看護婦の増員をいたしております。ベッド数の増加等に対応いたしまして、増員をいたしております。増員数は、国立病院が二百三名、それから看護婦養成所が十四名、がんセンターに百十三名、合計三百三十名の増員をいたしておるような状態であります。これは三十八年度でございます。 それから、今の国債整理基金は、あれは借入金を今度十億円いたします。それに対しましての利子でございまして、利子を、自分のかせぎで持つのでなく、一般会計からの繰り入れでやってもらう、こういう趣旨でございます。御了承願いたいと思います。
○柴谷要君 それじゃ、最後の質問になりますけれども、国立病院が三十七年に土地の処分をして、収入を五億六千万円ばかりあげているわけです。これは旧陸海軍の病院を受け入れたために非常に膨大な地域を持っている、不用のものだから売り払った、こういう考え方だと私は理解しておる。そのように理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 膨大な土地を持っておりますというより、膨大な土地の上に病院が建っている。それを今度立体化するというふうにいたしますと、その土地があいてくる。それを売るというような意味でございます。
○柴谷要君 病院の周囲を売り払いますというと、買ったほうは勝手に使えるわけでありますけれども、国立病院なら国立病院の条件を悪くするようなところに売っておるのか、 いないのか、そういうところまで配慮して民間払い下げをやっておるかどうか。一体、売って、金さえ取ればいいのだというようなことで、むしろ病院には不適応な施設でも作られては迷惑するわけですから、そういう問題も十分吟味されて払い下げを行なっておるかどうか、お聞かせ願いたい。
○政府委員(尾崎嘉篤君) ざっくばらんな話を申し上げますと、われわれ、できるだけ高く売りたいという立場は強いわけでございますが、しかし、今お話しのように、病院として付近に変なやかましいものができたり、またいかがわしいものができたりいたしましては、患者さんの療養の妨げになるというふうなことがあってはいけないということで、そういう点にかなり制約を受けまして、そういうような点に苦慮いたしまして、そのような点については十分注意しておると思います。
○柴谷要君 最後に、二、三例、売り払ったところの概況がわかりましたら、ちょっとお知らせ願いたい。あまり遠くでない近くのところ、すぐ行って見られるようなところの例をひとつ……。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 一番近いところで申し上げますと、東京第二病院-駒沢病院でございます。そこの土地を、その隣に、オリンピックの関係であそこに競技場がだいぶできます。そういうような関係で、その地区に道路を作るとか公園を作るのに土地が要るからということで、そこを都のほうに分けるというようなこと。それから、名古屋病院が名古屋の県庁の横にございますが、そこが市の公園を作るのに、また道路の拡張に対しまして、やはり土地を売っております。それから、金沢病院につきましても、それはずっと離れたところ、分院になっておりますけれども、これをほかへ売りました。これはあまり影響がないところでございますが、この売り先、私ちょっと失念しておりますが、これはあまり関係ないところでありますが、しかし、これを変な、遊興施設とかなんかには売っておりませんようです。
○鈴木市藏君 関連。二つだけ一括して質問しますから、簡単に答えていただいてけっこうです。今、国立病院は、全部の病院を通じ、あるいは個々の病院を通じて、それぞれ独立採算制をとっているものと思いますが、今度の借り入れを行なうことによって独立採算制が一そう強まる方向へ向かうのかどうか、この点が一つです。 それから、二つ目は、医療国営ということについて、国民はそれを願っています。まして、国立病院の施設あるいは医療機能といったようなものは、こういうような借入金ということでまかなうのではなくて、一般会計の中からその支出の増大を認めなければならないし、またその方向によって医療国営の方向を充実さしていくのが本来の使命ではないかというふうに考えておりますが、その二点について質問をいたします。
○政府委員(渡海元三郎君) 第一点の、独立採算制の問題でございますが、独立採算制と申しましても、国立病院の中ではいろいろ研究その他の要素もございますので、そういったものは別途措置いたしましても、純然たる意味の独立採算制というものでございませんし、この制度を設けることによりまして独立採算制を強化するというようなことは、断じて考えておりません。 第二点の、病院整備費は一般会計からまかなうべきではないか。仰せのとおりでございまして、私たちも一般会計からまかないたいと、かように考えておるのでございますが、御承知のとおり、一般会計には資金の限度がございまして、実は八十五の病院のほとんどが陸海軍病院から引き継いだというような状態でございますので、国立病院は相当老朽化しておるという状態でございます。基幹病院十カ所は、十一年間かかりまして、百二十億ばかりの資金をかけまして、ようやく整備した。それだけを整備しますのに十一年間かかっておる、こういうふうな状態でございますので、特にこのたび借入金、一般財政投融資の金を受け入れましてやることによりまして、この予算面からの制約を、早急にこれの整理をしたいというところから、こういった制度を設けた次第でございまして、したがいまして、この借入金の返済につきましては、一部分その支払いのつどごとに国庫より、一般会計から資金をいただきまして借入金に充てるというふうなことも考えておるような次第でございます。 ―――――――――――――
○委員長(佐野廣君) この際、委員の異動について御報告いたします。 川野三暁君、青木一男君及び日高広為君が辞任され、その補欠として北口龍徳君、草葉隆圓君及び西田信一君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(佐野廣君) 他に御発言もないようでございますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより両案の討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○鈴木市藏君 私は、日本共産党を代表して、国立病院特別会計法の一部改正案に反対をします。 本来、国立病院の施設の整備につきましては、国が責任をもって資金を供し医療機能の充実をはかるのが当然であります。しかるに、この法案は、資金運用部からわずか十億円の資金の貸付を行なうというのでありまするが、このような借入金制度は、本来、国立病院の経営方向として正しいものとは考えられません。一般会計から支出を拡大してまかなうべきが至当であると考えております。医療国営を願う国民の要求から見て、きわめて不十分、かつ、根本的に相違した方向と言わなければならないと思います。 同時に、国立病院はこの資金の返済のために病院経営の圧迫を受けることになり、そこから独立採算制への強化が行なわれるようになるに違いありません。そして国立病院が本来の目的から次第に離れて営利事業化し、もうけ主義に陥り、また国立病院における従業員、特に看護婦などへのしわ寄せとなり、低賃金の維持と労働強化をもたらし、医療機能の低下をもたらすことになると言わざるを得ません。 よって、この法案には反対をします。 次に、私は、日本共産党を代表して、中小企業高度化資金融通特別会計法案に反対をします。 この特別会計の設置は、一見すると、中小企業の育成助成に今まで以上に金を出すかのように見えますが、決してそうではありません。通産省がきめた事業計画に従ってのみ資金を貸し付けるといったように、通産省が直接規制を行ない、都道府県を督促して中小企業の合併あるいは零細企業の切り捨てを行なおうとするものであります。こうして政府の干渉と強化のもとで、独占資本に役立つ中小企業の集団化を進めようとするものと言わなければなりません。 また、本法案は、中小企業の独自性を強めるものとはなっていないのであります。中小企業は金融、税制、販売の面ですべて独占資本に圧迫されており、三十八年度予算でもわかるように、大資本に対しては至れり尽せりの優遇処置をとり、その上に、特定産業振興臨時措置と称して大企業の育成をやろうとさえしているのであります。中小企業の真の育成強化についてはわれわれも賛成であります。真に中小企業を育成強化するためには、中小企業の要望をいれて、金融、税制、販売の面で独占資本を押え、中小企業の独自性、その自主的発展のために政府が全面的な援助を行なわなければならないのであります。しかし、本法案は、中小企業の近代化とか高度化をうたいながら、大企業への集中合併、特定産業への系列化と請負化を一そう促進する役割をになうものとなるに違いありません。 さらに、この法案は、今国会に提案されている中小企業基本法案と本質的に同一の構想に基づく関連法案であります。しかも、中小企業基本法案に対しては、中小企業者の多くが疑問を抱きあるいは反対しているばかりでなく、いまだこの法案が成立しない前に、このような部分法ともいうべき法律を先行させるということは、中小企業基本法をこま切れにして成立させようとする意図の現われであると言わざるを得ません。しかも、現実問題として、この法案によって近代化、高度化される中小企業はきわめてわずかな特定業者に限定されるでありましょう。それにもかかわらず、このような特別会計のもとで政府が地方自治体を督促して、大資本の利益のために中小企業への干渉、切り捨てを一そう促進させようとするものであります。 よって、本法案に反対します。
○委員長(佐野廣君) 他に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより両案を順次採決いたします。 まず、国立病院特別会計法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐野廣君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって可決すべきものと決定いたしました。 次に、中小企業高度化資金融通特別会計法案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。(「賛成」と呼ぶ者あり) 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐野廣君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続等につきましては、これを委員長に御一任額いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十三分散会 ―――――・―――――