大蔵委員会 第13号
- 発言数
- 31 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/03/05
会議録
○委員長(佐野廣君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨四日、石田次男君及び平島敏夫君が辞任され、その補欠として渋谷邦彦君及び平井太郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(佐野廣君) この際、理事の補欠互選についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、理事が一名欠けておりますので、その補欠互選を行ないたいと存じます。互選の方法は、便宜、委員長から指名することに御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。よって、委員長は理事に渋谷邦彦君を指名いたします。 —————————————
○委員長(佐野廣君) 酒税法の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に続き、本案に対する質疑を行ないます。御質疑のおありの力は順次御発言を願います。
○野溝勝君 主税局長にお伺いいたしますが、私は酒税法が出ると毎回お伺いしておるのでございますが、昭和三十七年の三月二十九日に大蔵委員会が開かれた際に、酒税法一部改正の法律案に対して質問をしたわけです。そのときに、清酒と合成酒の関係について質問をいたしました。一体どれを清酒とし、どれを合成酒とするかという内容について、よくわれわれにはわからぬ。どちらも米を使い、アルコールを使いしておるのでございますが、その際に主税局長の御答弁は、大体米の量によって違うだけだと、こういうお話でございましたが、そのことに対しましては私もそのとおりだと思いますが、そのとおりに解釈していいですか。
○政府委員(村山達雄君) さようでございます。
○野溝勝君 そういうことであるとすれば、なぜ今回のような改正案を出すのでございますか。たとえば政令であっても差しつかえないのでございますが、それほど緊急必要に迫られた問題ではないと思うのでございますが、この点、いかがでございますか。
○政府委員(村山達雄君) これは御案内のように、今度の改正は政令段階に掲げてございます合成清酒の原料をそのまま法律段階に上げるというだけのことでございまして、内容的には現行法と変わりはないわけでございます。これは実は昨年の法律改正の際に法律案を提出いたしましたところ、合成清酒以外の酒類の原料は大部分法律で規定されているにもかかわらず、合成清酒だけ政令に譲るということは法律の体裁として不権衡ではなかろうか、こういう御意見がございまして、衆議院におきまして、衆議院の委員会の決議をもちまして、検討した上すみやかに形式上のバランスをとるべきである、こういう決議がなされたわけでございます。で、考えてみますと、確かに、そういう原料をどうするかということにつきまして、やはりこれは酒類のたね類をきめる問題でございますので、法律にはっきり掲げてその点を明確にしておいたほうがよろしい、こういう見解と、それからもう一つは、原料というものは今後ますます日進月歩することもあり得るから、むしろそういう意味では政令に置いて機動性を持たせたほうがいいのじゃないか、こういう二つの見解があったわけでございますが、他の酒類の原料がことごとく法律になっておることもございまして、それからまた、さしあたり合成清酒についての原料を変えるという見込みも今のところないものですから、この際といたしましては、やはりバランスをとりまして、法律段階で規定することが適当である、かように認めまして、今度提案いたした、こういう次第でございます。
○野溝勝君 衆議院の附帯決議もあり、他の酒類の事情等も勘案してやられたと、こういうんですが、大体、局長、議会は衆議院、参議院両院あるわけです。で、実際に緊急必要を感じた場合は、参議院においても当然衆議院と同じ附帯決議をすると思うのです。ところが、参議院ではしておりません。そういう点は私は慎重を期さなければならないと思います。もちろん、国会の議決、決議等に対しましては尊重しなければならないことは当然でございますが、やはり両院の決議があれば完全なものでございますが、衆議院だけの附帯決議をもってこれを取り入れるというようなことは、予算、条約等に対する優先性はあるといっても、一般法律問題等に関しましては、十分参議院の意見なども徴してもらわなければならぬと思うんです。特に参議院においてはいろいろ意見も出ておるのでございますから。それが一つ。 それから、第二点は、私の聞かんとする内容でございますが、これを一応政令を法律で規定するということになりますると、生産並びに税収の点においてはどんなふうに考えておられますか。
○政府委員(村山達雄君) これを政令から法律段階に上げましても、生産あるいは製造に直接影響するということはございません。 それから、先ほどちょっと言葉が足りなかったかもしれませんが、衆議院の形式的な決議があったから今度の改正をしたということではございません。たまたまそういうこともありましたと申し上げるわけでございまして、昨年、合成清酒だけその原料を政令にいたしましたのは、それほど深い意図があったわけではない。考えてみれば、合成清酒について今後原料は変わり得るかもしれぬというような場合に、その政令に置くということが少しは考えられますが、考えてみますと、やはり他の酒類の原料はすべて法律段階で規定されているということでありますれば、やはり酒類のたね類ということは、それによりまして税率を異にしているようなかなり重要な内容を持つわけでございますので、他の酒類と同じように法律で規定することは、実質的にも適当であると、かように考えまして、今回提案いたしたわけでございます。
○野溝勝君 局長にお伺いいたしますが、最近合成酒はだんだんと漸滅の傾向にあるということでございますが、その根拠はどこにあるのでございますか。
○政府委員(村山達雄君) これはなかなかむずかしい問題でございまして、どの一つの原因ということは申し上げかねるかと思いますが、われわれが考えておりますのは、幾つかの原因があるのじゃないかと思います。その一つは、何よりもやはり消費者の購買力が上がってきて、多少高くとも、何と申しますか、俗の言葉で、いいものを飲みたい、こういう傾向が一つあるのではないかと思います。これが一番大きな理由、購買力あるいは嗜好の変化と申しますか、その点があるのではなかろうかと思います。それから、一部合成清酒業界で言っておりますことは、その合成清酒という名前が非常にアピールしないのだ、それがかつてのいろいろな、戦後アルコールが払底した時代に多少粗悪な合成清酒が出た、そういう印象を思い出させる名称であるから、そのために合成清酒という名前はどうも今の大衆にはアピールしない名前だ、これも一つの原因ではなかろうか。さらに、品質という問題については、米の使用量が、現在製品段階で見まして米が五%ということが最高限度になっておるけれども、これをもう少し上げてもらえると、さらに品質の向上ができて、売れ行きがよくなるのではなかろうか、こういう点を合成清酒側では言っております。われわれは、そのうち、何と申しましても一番大きな問題は嗜好の変化と、それから消費水準がだんだん上がってきた、これが最大のポイントではなかろうかと実は考えておるわけでございます。
○野溝勝君 大体、私が最初にお伺いしたお答えのとおり、米の量によって清酒並びに合成清酒の区別をしておる。結局、大蔵省といたしましては、政府といたしましては、税収の確保ということがねらいであると思うのです。だから、税収の確保をするならば、なるべく大衆に消費を多くさせるということがねらいでなくちゃなんぬだろうと思います。そういうことになると、これは今の合成清酒というのでは大衆受けしない、そこで合成清酒を新清酒として名を変えてもらいたいということを当局に申し入れた。それを許されないということになると、どうも局長の御意見と論理矛盾するように思いますけれども、その関係の矛盾はないですか。私は、もう少し申し上げますが、たとえば酒税法においては製造法をはっきりきめておるわけなんです。してみれば、名称は自由であってよいと思うのです。憲法の二十一条にも表現の自由ということはある。これは行政措置でできることなんですけれども、表現は自由なんだ。だから、そういう点から見ても、あるいは税収の点から見ても、売れ行きは新清酒の名称を使ったほうがいいということを勘案して、税収、いわば政府の目的にも沿うことになる。だから、一つは、それを制限するというようなことは、製造法については制限があるけれども、規定されておりますが、名称などはどういうように変えようと表現の自由でよろしいと思うのであります。 そういうような点で、大蔵委員会においては、参議院の大蔵委員会では、相当意見が出たわけなんでございますが、私どもにはその点が非常に不明確であります。そこへもってきて、今回とうした合成酒のみに政令を廃して法律に規定するというような扱い方をすることは、何かそこに一つの圧力でもかかっておりゃせぬかと思うのでございますが、そういう誤解を起こして仕方ないのでございますが、この点はいかがでございますか。
○政府委員(村山達雄君) まず、名称問題でございますが、御案内のように、酒税法上どういう種類に属しましても、商標としていかなる名称をお用いになるのも、これはもう全く自由でございます。ただ、税法上の種類の名前を変えるかどうかというところでございます。この種類は、税法できまっておりますと、それぞれその商品にそれであるということをやはり、大きさは別問題でございますが、明示することになっております。たとえば合成清酒というレッテルをはっきりいたしまして、これは税率がそれぞれに種類ごとにきまっておりますので、消費者にそのことをはっきりさせるという意味で、並びに酒税法違反等のないようなために、この種類をはっきりさせるということでございます。もちろん、その場合、その当該商品につきまして商標としてどういうお名前をつけるか、これは全く会社としては、製造者としては自由なわけでございますので、名称問題は、したがいまして、言っているのは種類の名称を変えないとどうも伸びないというところに議論の焦点があるわけでございますが、そうだといたしますと、どうもそればっかりではないのじゃないか。それから、そうだといたしますと、やはり法律上の種類というのは、それは書くことによりまして、消費者がどういうものであるかということがわからないと、その種類を書かす意味からいたしまして困るわけでございます。したがいまして、突然ある新規な名前を持ってきまして、どうもこの名前がいいからこれを法律上の種類にしてくれといいましても、消費者は、こう見まして、何であるかわからないものでは困ると思うのでございます。そういう意味で、やはりその名は体を表わすような種類でなければならない。それから、その種類の名称は、同時に他の種類とまぎらわしいものであっては困る、この二つの制約はあるかと思うわけでございます。名称問題につきましては、そういう角度から今後も検討して参りたいというふうに考えております。 なお、今度の改正がそういう合成清酒側、あるいは合成清酒と清酒側と、いろいろな現在その調整の問題について意見の食い違いがあるわけでございますが、その点について、ある特殊の、特定の業界のために一つの圧力としてこういう政令段階での原料に関する規定を法律に上げたのか、こういうお尋ねであろうかと思いますが、そのことはちっとも考えてございません。実は昨年の衆議院でこういう御指摘があった際にも、直ちに合成清酒業界に実は事務的に連絡いたしまして、主税局といたしましては検討いたします、今のところどうもバランスでいうとやはり法律段階に上げざるを得ない見通しであるけれども、そのことは今合成清酒側が言っておるいろんな御要求、これを最終的にだめだという意味ではごうもございません、これはバランスだけの問題であるのでありますから、どうぞ誤解のないようにと、こういうことを申し上げて、合成清酒業界におきましても今度の意図につきましては誤解はないものと、かように信じておる次第でございます。
○野溝勝君 局長、十年間もこのままにしてきておいて、今これを法律に規定するということは、それだけの理由では、どうもそこに誤解されやすい。緊急必要に迫られたような問題があるように思うのでございますがね。さもなければ、今までそれでやってきて、相当生産もしてきたわけだ。ところが、順調にきているものを、こういうように法制化するというか、法律に規定するというのですから、もっと深い根拠がなければ、どうも納得ができないのでございますがね。どうでございましょう。
○政府委員(村山達雄君) 率直に申しまして、別に深い根拠はございません。昨年、御案内のように、従来の酒類の種類を改定いたしまして、新しく今度は十種類になったわけでございますが、ほかの種類につきましてはほとんど全部法律段階に掲げてあるわけでございます。合成清酒につきましては、それほど深い意図、そういうことはそれほど形式を考えませんで、非常に去年は忙しいせいもありまして、原案では政令段階のままにしておいたわけでございます。それで、言われてみますれば、ほかの種類につきましては、ほとんど全部が法律段階に上がっておりますから、この際バランスの上で上げたほうがよろしいと、単純にそういうことでございます。
○野溝勝君 これは国税庁長官——きょうは次長がお見えになっておりますから、次長のほうからお伺いするわけですが、現在の酒業界を見ると、非常に消長の開きが大きいわけですね。特に合成清酒は、聞くところによると、十年間に清酒が二百四十万石から五百五十万石に、二・三倍くらいに伸びておる。合成酒のほうは八十万石から七十万石と横ばいしている。昨年より年々一割ずつ売れ行きが激減している状態なんです。こういうときに、またこの上にがんとげんこつをくれるようなことをされると、結局、合成清酒はどうでもいいんだ。それから、先ほど局長のお話にありましたとおりに、嗜好の関係があったり、あるいは何といいますか、いろいろの名前等に対する感じ等から高いものが売れるようになってきた。衆議院の委員会においても、参議院の委員会においても、なるべく格安に大衆に受ける大衆酒を慫慂しろということが、今日までの意見であったわけであります。ところが、今の事情は逆なんですね。大衆酒より高級酒が売れる。そうすると、酒税法全体に対してもっと再検討しなければならぬと思うのでございますが、こういう点についてはお考えになっておりますかどうか。 それから、いま一つは、貿易の自由化によりまして、産業構造なども相当変革をされると思う。あらゆる産業界が変わってくると思う。当然酒類におきましても、洋酒との関係、さらには雑酒等の動き、こういうものから見て、主税局長、これは真剣に、思い切った再検討の段階にあると思う。そういう点から見まして、どう考えておられるか、主税局長のほうから聞くといたしまして、国税庁の次長のほうからお伺いしたいのは、今のような業界の動きから見て、税収上に大きな変化がくると思うのですが、その点、実際にやられておる国税庁のお考えはいかがですか。
○説明員(泉美之松君) お答えいたします。野溝委員の言われますように、ここ十年の間におきまして、清酒の生産は約二倍余りふえました。合成清酒のほうは七十万石から八十万石程度に参りましたが、また最近ややそれが減りぎみにありますということは仰せのとおりでございます。これは一つは、清酒につきましては、十年前ごろまではまだ原料である米につきまして、御承知のような食糧事情でありましたために制約がありまして、それが最近のような食糧事情になりまして、米の使用についてほとんど制限がなくなってきたというようなこと、それから先ほど主税局長が申し上げましたように、国民の所得がふえまして、その影響を受けまして、できるだけ品質のいいものを飲みたいという意欲がふえて参ったというようなことから、清酒の消費がふえておるわけでございます。合成清酒だけではございません、しょうちゅうにつきましても、最近消費があまりふえておりませんが、これは清酒が戦後一時非常に供給不足でありました当時、それを補うものといたしまして、しょうちゅうなり合成清酒の消費が非常にふえたのでございますが、その後今申し上げましたように、清酒の生産がだんだんふえて参ります。また、国民の消費購買力が高くなったというようなことから、そうした変化が生じて参ったのでございまして、まあ私ども酒類行政に従事いたしておる者といたしましては、こうした大きな動きにつきまして、その間のバランスをうまくとるようにいたしたいといろいろ苦心はいたしておりますけれども、なかなか国民の大きな消費購買力といったようなものの動きは、容易に行政力をもってどうこうというわけになかなか参らない状態でございます。先ほど野溝委員は、今回のあれで何かもう一つげんこつを食らわしたようなというお話がございましたが、今回の改正は、主税局長から申し上げておりますように、単に政令で規定しておりましたものを法律に直すというだけでございまして、実体的には何ら影響はございませんのでございます。それによって酒税収入に影響するということは別段ございません。 ただ、国民のこのアルコール類と申しますか、致酔飲料に対する酒費の動向を見ながら、酒税収入を最大限に上げるにはどうしたらいいかという問題がまあ課題になるといたしますと、その際におきましてはいろいろ考慮すべき問題は今後多かろうと思います。お話のように、貿易の自由化につれて、洋酒もいずれの日か自由化されるというようなことも考えられます。ビールとか清酒につきましてはすでに自由化が行なわれておるわけでございますが、そういった点も考え合わせながら、また国民の消費購買力の推移を見ながら、税収を最大限にするためにはいろいろ検討すべき点は多かろうかと思います。しかし、今回の措置によって税収に影響を受けるということはございません。
○政府委員(村山達雄君) 先ほど合成清酒は横ばいだと申し上げましたが、実は戦前のときに比べますと、合成清酒は約十倍になっておるわけでございます。九−十一年ごろはたしか七万石弱だと思っておりますが、それが今日七十万石になっております。清酒は同じ戦前基準九−十一年で四百八十万石くらいでございますが、ことしの予算では五百七十三万石、一・何倍というところでございます。ただ、戦後合成清酒がアルコールが非常に不足したために異常に伸びた、そのことから見ますと停滞ぎみである、こういうことでございます。 しかし、それにしても、停滞ぎみであることは事実でございまして、これをどうするかという問題これは消費者の側と、財政の側と、それから企業者の側と、この三者をにらみ合わして解決しなくちゃならぬ問題だと思うわけでございます。売れ行きの悪いものはすべて減税をやるというのは、実は間接税を企業対策に使うということでございまして、消費税の本質からいいますと、やはり査定の種類の性質ごとに考えるべきもので、必ずしも需要が減退したから税率を下げろということにはならないのではないかと、かように思うわけでございます。 ただ、企業者といたしましてお困りの点はよくわかるのでございますが、その面につきましては、たとえば同じ合成清酒と申し上げましても、非常に大きい方は非常に大きな規模で作っておられる、この人が経営上それほど困るという問題でなくて、むしろ今の停滞しているしわ寄せが合成酒を造っている小さな方々に来るというところに、企業対策上の問題があるわけでございます。また、そうかと申しまして、これを国民の側に、ぜひ飲んでくれといって飲む性質でもございませんし、さればといって、そういうものは企業対策上酒税を引き下げるということも直ちには出てこないことかと思うわけでございます。そういう意味では、徐々に売れ行きの多い、新しい需要の起きておる方面の酒類への転換と、こういう問題が最も現実的な方法ではないかと思うわけでございます。 ただ、御案内のように、酒の製造免許につきましては、これは財政物資である関係上免許制度をしいているわけでございます。その転換するほうの側の業界におきましても、相当数のやはり業者の方々がおられますので、無条件にすっぱり思うままに転換を認めるということはできないにいたしましても、方向といたしましては、その企業対策上の問題は新たに需要の拡大する方面に逐次持っていく、こういう方向は一つ考えられるのではなかろうかということで、目下国税庁を中心といたしまして、われわれのほうも一緒になりまして、その方面のことを今検討しておると、こういう段階でございます。
○野溝勝君 二百四十万石から五百五十万石と、二・三倍に伸びておるのですが、先ほど局長の御答弁によりますると、嗜好の関係やなんかで高級酒のほうがどんどん伸びておるということですが、現在高級酒がどのくらい、それから二級酒がどのくらいということがおわかりでしたら、ここで発表願いたいと思います。
○説明員(谷川宏君) お答え申し上げます。清酒の中で特級、一級、二級の消費の状況でございますが、三十六年度について見ますると、清酒全体が七十九万四千キロでございますが、そのうち二級が七十万一千キロでございます。それから一級が八万キロ、それから特級が一万一千キロでございます。これを前年と比べてみますると、特級、一級が若干ふえまして、二級が総体的に若干減っておるという状況でございますが、今後この傾向が続くものと考えます。
○野溝勝君 清酒の動きから見ると、大衆酒というものはだんだん減っていく、特級一級酒のほうがふえてくる、今後ともそういう見通しだ、もちろんこれは消費者の嗜好によるのであるから仕方がないということになっておる、こういうお考えなんですが、そうなってくると、われわれの主張する安い大衆酒が減ってくるというところは、いわば所得の高い層を中心の酒類生産に比重が向いていくわけなんです。農村などでは実際、一級酒、特級酒など飲む者はない。よいほうで二級酒か合成清酒か、さもなければしょうちゅう。今でもしょうちゅうなんです。そうすると、結局、これから見ると、農村というものは所得はよくないということがわかるわけなんです。これはいずれ後刻申し上げる機会もあるでしょう。 税制の点についてまだいろいろ申し上げたいと思うのですが、いずれにしてもそういう傾向にあるということは事実なんです。そうすると、そこで私は先ほどの意見を出したのです。今後自由化で洋酒がどんどん流入してくる、雑酒がどんどんふえてくる、こうなって参りますると、先ほど申しました対策について局長からの御答弁はないのでございますが、これは国税庁とよく相談をされて、抜本的な方針をここでひとつ立てるべきものだと思うのです。と申すのは、米を使って最も大衆に受ける酒類を造るということを根本に考えますならば、過去ののれん、過去の業態、それぞれに固定する必要はないと思います。これは国民の気持から見ればそう思います。そこで、ある人によりますると、合成酒は大きな事業家がやっておると申しますが、一部じゃないかと思います。大きな事業家もあるでしょう。しかし、清酒醸造をやるには、まだ政府保護の特権を与えられておる。一つの特権的営業です。ここに次長などおられますが、戦争中に醸造業をやっておったものが整理をされました。戦後、酒の醸造をやりたいといいましても、できない。今でもほとんどできない。酒造組合の承認がなければできない。またあっても、大蔵省が許すか許さぬかわからない。ところが、私はたびたびそうした問題を扱いまして、要請をしたのでございますが、いかんせん、酒造組合では受け付けない。こういう特権的な地位も持っておるわけであります。だからもそういうことを考えますると、どちらが保護されておるか明らかであると思う。専売的なものになっておりますから、一つの権利が与えられておると思うのでございますが、しかし、こういうものは、この新しい時代にはもう古い。こういうような、過去の遺物と申しては失礼でございますが、こうした固定した考えでは時代おくれである。業界というコップの中の争いを脱皮しなくては、貿易自由化における国際的な対抗はできるものじゃないと思うのです。ここら辺で清酒、合成酒の酒造界も反省されまして、飛躍するという方針を今から立てておかぬと、うちは五%だ、いや一〇%だ、米は使わぬ、いや、そちらも昔とは違い酒精使っている、こっちは発酵が違う、そんなけちな精神で対抗している時機でない。消費者もだんだんわかってきておりますからね。ですから、ここらあたりでやらぬと、洋酒攻勢で国際的に負けると思うのですよ。ですから、その点に対して、ここでひとつ、この改正法律案が出た機会に、当局には再検討願って飛躍を願いたいと思いますが、これに対してのお考えはいかがですか。
○政府委員(池田清志君) ただいま御審議をいただいておりまする酒税法の一部改正法律案におきましては、いろいろ御指摘のように、合成清酒の政令に移されておったものを法律に引き上げたことや、本みりんの内容をちょいとよろしくしたことや、あるいはまた暫定規定を当分の間延ばしていただくような、そういう今までいろいろと懸案となっておりましたような点の、改正といえばささいな改正にとどまっておることは御指摘のとおりでございます。酒類につきましては、お答えをいたしておるのでありますが、製造者、販売者の関係、及び消費者の関係並びに国の立場と、この三者が三すくみになっておりまして、その三者の利害関係が必ずしも一致しない関係にあることは御案内のとおりでございます。消費者の側から申しますというと、基準価格の安い、内容のよい酒類を飲みたいのは普通でありまするし、生産者、販売者側から申しますというと、現在の基準価格をお認めいただきました後におきましても、原材料の値上がり、輸送費の値上がり、あるいはまた人件費の値上がり等がありまして、現在の基準価格範囲内におきまする生産者、販売者等の利潤と申しましょうか、そういうものもおのずから圧縮されておることも御理解のとおりであります。これに加えまして、国のほうといたしましては、一般歳入におきまする大事な税源でありまして、ただいま御審議をいただいておりまする三十八年度の歳入におきましても、酒類といたしまして三千三十九億円の税収があることになっておるわけです。そういうふうにいたしますと、先ほど来申し上げまするように、この三者は、おのおの利害相反する立場にありまする関係が介在するわけです。かくのごとくいたしまして、いろいろな根本的な問題が伏在しておることは御指摘のとおりでございます。この問題につきましては、いわゆる基準価格をどうするかというようなこと等を中心といたしまして、現在国税庁におきましてあらゆる角度から検討を進めておりまする段階でございます。でありまするから、そういう機会に、御指摘のようなことも十分考えまして、御意向に沿うようなことができればよろしいというような気持におきまして、あるいは同法の抜本的な改正というようなところまでいくかどうかは予測できませんが、とにかく国税庁におきまして、ただいまあらゆる検討を続けておる段階でありますことを御報告いたします。
○野溝勝君 いろいろお伺いしたいこともありますが、私は、ただいま政府当局が誠意をもって再検討して御趣旨に沿うように努力すると、これについてはさように解釈してよろしいのですね。
○政府委員(池田清志君) はい。
○野溝勝君 そういうことでひとつ御努力を願いたいということで、私の質問を終わります。
○堀末治君 私、少しお尋ねします。これはあなた方御承知のとおり、酒のことは、失礼だけれども、私は根っから知っているから、あまりよけいなことは申しませんが、しかし、今局長の答弁その他にもありましたように、今の製造方法からいうと、清酒と合成酒と、一体どこで区別するか。もともと、私が申し上げるまでもなく、あなた方御承知と存じます。清酒というものは、大体米と水だけでできたものなんです。合成酒は、全然米を使わないで、そうしてアルコールを主体として、それにいろんな諸薬品を加えて造っておる。その当時は合成酒といっておったです。それは当然だと私は思うのですけれども、今になると、清酒は、米と水だけではない。これはもう皆さん御承知、あなた方は、なお御承知だと思う。ただ、清酒と合成酒は、裏表だけなんです。今清酒とあなた方がおっしゃっているものは、要するに昔の清酒のできた過程においてアルコールを添加し、それに今言ったとおりグルコースその他諸薬品を添加して、ずっと延ばしてできているのが今の清酒。合成酒はその逆で、アルコールを主体として、それに諸薬品を加えて、最後に香味液と称して米で造ったいわゆるもとの清酒を五%——内容はわかっていますけれども、要するに五%添加して、そうしてできた、こういうものです。それだから、ほんとうの実質は、裏表だ。それをあなた方が、どこどこまでも、一方は合成酒だ、一方は清酒だ、こういって主張している。 合成酒業者は、そういうような製法になってきたことだから、合成酒という名称をやめて、せめて新清酒とかなんとか別な名称に変えてくれというのが、今の合成酒業者の希望なんです。その中に、合成酒業者の希望は、二つある。もう少し米の量をふやしてほしいということ、それから名称を変えてほしいということ、この二つ。それをあなた方がどうしても賛成しない。これをあなた方が賛成しない理由、清酒業者の反対の理由はよくわかる。みんなよくわかっていますから、あまり強く言いませんけれども、しかし、どうもあなた方が、そういうふうに技術的に見て、清酒、合成酒として区別した何らの要するに技術的の要素がないと私は思う。裏表なんです。ほんとうにあなた方が、清酒と合成酒の区別をするというのならば、清酒は昔ながらの清酒に返ったほうがいい。また、合成酒はやはり五%のものをやめて、いわゆる合成酒の技術になって、これで合成酒だ、清酒だ、こういうふうに区別していくのなら、これは私は合理的だと思うけれども、今は実際そうでない。そうでしょう。これは私らはわかるのです。あなた方は、それをどこまでも、合成酒だ、清酒だと押えつけておる。そこにどうしても私は賛成できないところがある。いかがです、これは、局長。
○政府委員(村山達雄君) 現状におきまする清酒と合成清酒の区別は、今先生のおっしゃったとおりでございます。先ほど冒頭に申しましたように、米の使用割合のみが、実は原料で違う点なのであります。それで先生、今御指摘のように、清酒は戦前におきましてはほとんど米から造った、合成酒は米を使わなかった。いわゆる一ぺん戦後の経験を経て、現在の時点に立っておるわけであります。非常にアルコール不足のために、アルコール添加が清酒においても行なわれ、それから合成酒においても米を使って今日にきた。今日そういうものとして商品はあるわけでございます。 で、なるほど全体として伸びには違いはございますが、それぞれ七十万石とかあるいは五百七十万石とかいう消費者層を持っているわけでございます。したがいまして、消費者が現在の値段で現在の品質で七十万石あるいは五百七十万石程度を欲しておると、こう考えてもいいわけでございまするので、これを両業界の分野だけのためにもとへ戻れということが、はたして現実的であるかどうかという点をわれわれ考えておるわけでございます。しかし、そうは申しましても、それをいつまでも固執するのはどうだという逆の先生方の御指摘のあることはわかっておりますが、その点につきましては、先ほど申しましたように、将来の酒のあり方と申しますか、野溝先生御指摘のありましたような、自由化が行なわれたときにいろいろな酒が入ってくる、そういった場合のことも考えまして、基本といたしましては、やはり消費者の動向がどっちに向かうのかということが基本になければならないと思うわけでございます。税の仕組みもやはりその態勢に沿って、税収確保もその態勢にさおさしながらいくと。それから、やはりメーカー側の酒類の製造というものも、やはりそれに従っていくと。これが消費税として最もすなおな姿であると思うわけでございます。 ただ、その移り変わりの過程におきましては、御案内のように、非常に多くの業者、しかも零細な業者があるわけでございますので、できるだけフリクションを起こさないような方法で、その方向に向かって参りたい。その間、われわれ官庁にあります者も、その態勢はそのほうに向かいながらだんだん持っていく。そういう意味では、今の酒類の免許というものにつきましても、今後は国税庁のほうでもだんだん——今でもそうでございますが、ますます弾力的な運用が望ましいということでございます。今後、非常にむずかしい問題でございますが、われわれはその問題と真剣に取り組んで参りたい、かように考えておるわけでございます。
○堀末治君 あなたのお話はみんなよくわかるのです。私ら零細業者も多くて、多いということはよくわかるけれども、しかし、清酒、合成酒といったって、とにかく最近は一切はものを合理的に考えられていく時代であって、しかも今言ったとおり、全然、清酒というものの、もと言っておった清酒というものと、税法からいくと清酒というものが変わっている。その清酒は、今言ったとおり、せっかく合成酒が研究した技術をそのまま取り入れている。全部取り入れて、そうして要するに清酒というものはできているんだと。何も性質は変わらない、実際いうと。それに対して、どこどこまでもこれは清酒と、これは合成酒だと、こうあなた区別しているというのは、どうしても私は納得できない。しかも、合成酒業者は、せめて新清酒というようなことで名を変えてくれということを、これはきのう、きょうのことじゃない、私の時代からずっと言っている。さもなかったら、米をもう少しふやしていってくれぬかと。これも何べんも言っていることです。とうとう今日までやっていない。それはいいですよ。今あなたおっしゃったとおり、清酒業者も多いし、これはもう昔から何代も続いている父祖伝来の業者も多いことだから、それゆえに、ここでもってぺちゃんこになっては気の毒だということはよくわかるから、そんなものをぺちゃんこにせいとは申しませんけれども、しかし、要するに合成酒業者は、今野溝先生もおっしゃったが、今大資本がやっている、これはよくわかる。 しかし、大資本は大資本じゃない。零細な資本を集めてその会社ができている。清酒のほうは、失礼ですけれども、零細な営業がたくさん集まっておらない。そういうことを言い出すというと、父祖伝来の要するに個人の資本がうんと多い。今の合成酒業者からいうと、これはみんな零細の株を集めているのです。五十円の株をずっと集めてできている。これは大資本でない。そういう小資本が集まって要するに大きくなっているというだけで、実際いうと、今言ったとおり、そのあがった利益は全部大衆に持っていって還元されている。今の清酒の大部分は、どっちかというと、大衆にその利益は還元されないで、ある程度みんな、これは失礼ですけれども、会社といえば大部分同族会社です。そういう状況です。今の大衆資本をもってやっていくということになってくると、ほんとうをいえば、あなたなんかの意見からいえば、合成酒のほうをうんとふやしたほうが大衆に利益が還元される。清酒業者のほうだというと、今言ったとおり、同族会社が多いものだから、親方のところによけい入っていくという形になっている。そこは私は今あまり責め立てはしませんけれども、しかし、今言ったとおり、合成酒、清酒というものは実際に区別できない。飲んでみて区別したら、はっきりできるのはだれもありゃしない。一ぺんここで持ってきてごらんに入れますよ。失礼だけれども、私、酒の審査員を長くやって、そんなことで藍綬褒章もらったりしている。今でもたいていの酒は分けますよ。酒の審査なら他人にあまり劣らないと思っているのですが、それで区別つくかというと、区別つかない。 ただ、問題は、合成という名前がつけられているばかりに、けられているというのが今の実情です。それでもいいです。せめて今まで売れた程度のものが黙って売れておれば。合成酒業者もあまり黙っている。今年度からの売れ行きの悪いことは驚くべきものだ。私、きのう旭川の工場から帰ったのですが、旭川の工場で聞いたら、酒の入れ場がないというほど、どうにもこうにもならない。そういう状況になっている。どうしようもない。清酒は、このとおりうんと売れているのですよ。政務次官は知らないでしょうが、これ以上清酒がふえたら、たちまち、それこそおけをふやさなければ入れようがないのです。そういうことですから、幸い米がふえたからけっこうですけれども、あの米のないときにできたものは合成酒なんです。それを鈴木梅太郎先生がやったので、とにかく日本はこういう国で、肥料がないと米がとれない、米がとれないということになると飲む酒がなくなるというので、合成酒というものを研究し出した。幸い今日までその技術を全部清酒が取り入れてやっている。差しつかえないのです。差しつかえないのですが、せめて合成酒という名だけ、それならば、清酒に対しても合成酒という名をつけるのは当然なんです、同じ製法ですから。何も変わりない。裏からいくか表からいくかだけだ。ただ米の量がそれだけ違うということで、あとは何にも違わない。そういうわけです。それをいつまでもこうして区別しておくということは、はなはだ賛成できない。 今のこれを法律で五%にきめるということは、こんなことはどうでもいいことです。こんなことは政令できめていることだから、法律に書き直すならけっこうですが、そういうわけだから、合成酒と清酒というものに対しては、実際技術上からいっても、性質からいっても、ただ米の量が違うというだけで、何にも区別ないのですから、それだから、あなた方も、せっかく合成酒業者も何とか合成酒という名称をやめてくれというのだから、ひとつ局長も次長も、真剣に、早急に考えてやってほしい。そうでないと、合成酒業者に対して不公平です。とにかくこれが合成か清酒か、実際飲んでみて区別もつかない。製造方法も同じ、何らの差異もない、裏からいっても、表からいっても。それに対してあくまでも、今言ったとおり業者の請願を顧みないで、そうして区別しているということは、どうしても酒造業者においてこれほど不公平なことはない。税なんかそのときの情勢からして、上げようが下げようが、国会できめていくことだから、かまわないと思う。ただ、この名称を、何かあなた方いつまでもがんばっているのは、どうしてもおかしいと私は思いますよ。近いうちに真剣にお考えなさいということです。決して私は悪いことじゃないと思います。
○説明員(泉美之松君) 先ほどの野溝委員からのお話のように、合成清酒の業界からいろいろ要望があります。その一つに名称の問題があるわけでございまして、私どもただいたずらに漫然としているわけじゃございませんで、その名称をどうするかということについて、いろいろ業者のほうとも検討して参ったのでございます。ところで、御案内のように、合成清酒という名称は、合成繊維のように化学合成によってできるものではございませんので、本来合成清酒というものがその実体を表わしておらないことは、また確かでございますが、さりとて、それではどういうふうに名称を変えたらいいかということにつきまして、いろいろ検討いたしたのでございます。業界のほうからも十数個の名前が出まして、たとえて申し上げますと、今、堀委員のお話のございました新清酒という名前、それから混和酒というような名前、混合酒という名前、新日本酒というような名前、いろいろそういった名前につきまして業界ともども検討いたしたのでございますが、たとえて申し上げますと、新清酒と申しますと、清酒の新種とまぎらわしいというような難点がある。あるいは新日本酒といいますと、日本酒というのは一体何だというような問題もございまして、いろいろ検討をいたしたのでございますが、業界においてもこれをもって満足するというような自信のある名称がなかなか見つかりません。そとで、なお将来の検討事項といたしておるのでございます。 御案内のように、また先ほど主税局長からお答えいたしましたように、合成清酒の業界、清酒の業界、それぞれいろいろ問題をかかえておるわけでございます。何と申しましても、根本は、それぞれの業界の企業対策というものがまだ進んでおらない。貿易の自由化による影響で洋酒類が相当伸びていくというような時代に、同じ日本式の酒類の中でそうしたいがみ合いをしておることは、結局ためにならないことでありますから、両業界が協調を保ってやっていくようにするためには、両業界の企業対策というものを進めていかなければならないことと思うのでございます。私どもといたしましても、両業界の中央会と連絡をとりつつ、早急に企業対策を検討しながら、またただいまの名称につきましても今後十分検討していきたい、かように考えておる次第でございます。
○委員長(佐野廣君) 本日はこの程度で散会いたします。 午前十一時四十三分散会