大蔵委員会 第11号
- 発言数
- 100 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1963/02/28
会議録
○委員長(佐野廣君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 本院先議の外国保険事業者に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き、本案に対する質疑を行ないます。 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○大竹平八郎君 外国保険業者の再保険の問題につきまして、少しお尋ねをいたしたいのですが、従来、日本として再保険の一番多いのは、言うまでもなく船舶業者が大体多い。おそらく保険金としては元受けが百五十億円くらいじゃないかと思うのですが、これは大体百トン以上の船を中心とするのですが、この再保険のつまり流れ方といいますか、たとえていいまするならば、ある船会社が住友とか、あるいは東京海上、安田とか大正、そういう一流の保険会社と契約をいたした、そういう場合に日本の保険会社が十分消化力がない、そうしてその場合八〇%は自分のほうで引き受ける、二〇%は再保険としてイギリスならイギリスへ出すというようなこと、これはまた、しかしイギリスのほうの会社としても、引き受けてもあるいはまたアメリカの会社へ出すかもしれない。そういうので、再保険の一体最後の商社をどうということをお尋ねするわけじゃないのですが、そういう意味で、再保険の金額なり、それから日本の商社が外国商社に再保険をやっている状況というものが、何かおわかりになるものがありますか。
○政府委員(池田清志君) お尋ねのことは、事柄が具体的であり専門的でございますので、担当官から答えさせます。
○説明員(柏木雄介君) 再保険につきましてのお尋ねでございますが、船舶の例をとりますと、今御指摘のように、船が大きい場合にはやはり元受会社だけでは全部の消化ができませんので、一定割合を自分のところで保有して、その残りを再保に出すわけでありますが、戦前と違いまして、戦後は日本における再保険市場が相当程度発達いたしておりまして、再保に出す場合も、まず優先的に東亜火災海上再保険会社という、日本にあります再保険の特別の会社でございますが、そこへ再保に出しまして、そこでもなおかつ消化できない場合には、さらに国内のほかの会社への再保に出す。さらに、それでも消化できないというときに、初めてというか、そこで外国へ再保に出すというようなことが大体慣例になっておりまして、したがいまして、戦前のように再保といえばすぐ外国へ出すというふうな仕組みには最近になっておりませんでございます。 したがいまして、再保険の金額も戦前に比してずっと減っておりまして、三十六年度におきます再保険のしりは、こちらが海外へ出した再保険のしり、つまりこちらが再保険として送った金から再保険金として受け取った金額を引いたものの金額が十二億七千万円であります。しかし、半面といたしまして、こちらが外国へ再保険を出しますと、普通の場合はそれに見合って相当金額の保険を交換にもらうというふうになっております。これは日本の会社の国際的地位が高まるにつれまして順次金額がふえておるわけでありまして、大体パー・パーくらいで交換ができる。その関係で、外国から逆に再保険をとっております金額、それからこっちが支払っている保険金を引いたものが昨年は十八億二千九百万円になっております。それで、先ほどのこちらが出している再保険との総合収支といたしましては、逆に五億五千九百万円の受け取りになっている。実はこれは昨年はちょっと例外でございまして、事故の関係で逆にこういうふうになったのでありますが、最近数年間というか、通常の形におきましては、大体こちらが持ち出しになるというふうになっておりますが、たまたま昨年はこちらの受け取りがふえているという関係になっております。
○大竹平八郎君 これは常識的に考えて、バリューの高いほど再保険の外国商社に依存する率というものは多いと思うのですが、その点はどうなんですか。
○説明員(柏木雄介君) 御指摘のとおりでございまして、やはり大きいものになりますと、日本の保険市場における消化がむずかしい。したがって、一つの船で五十億とか百億という船も最近できておりますが、そういう場合になりますと、どうしても日本における消化というものは総体的に少なくなるのでございます。
○大竹平八郎君 それからバリューが高くなると、したがって再保険の再保険という意味の歩み方というのが非常に多くなっていると思うのですが、現在としまして、たとえば日本の四社が引き受けて、そして二五%外国へ出す。外国へ出す船は大体ロンドンでしょうけれども、ロンドンにこれを出す。それで、大体その二五%くらい以内に小さいものであるならば、そのロンドンでとまる場合が多いのですか、あるいはバリューの多くなった、三〇%以上再保険を持たされるというようなものが、さらにまたニューヨークあたりに行くような状況になっているのですか、現実はどうですか。
○説明員(柏木雄介君) その辺の的確な数字はつかんでおりませんが、大体日本における出再先は、こちらが外国へ出しております保険の六〇%くらいはおそらくロンドン・マーケットへ行っているのではないか。そのロンドン・マーケットへ行っていう六割、大体全体の日本から出している再保険の四割程度はロイズに行っているという状況でございます。ロイズ——イギリスにおける有名な保険引き受け団体ですが、今お尋ねの点でございますが、ロイズに行っているものは、そこからさらに再保険があるという場合は非常に少のうございます。大体ロイズではそのまま保有して消化する場合が多いのでありますが、あとの三、四割というものは、イギリスの会社に出たものあるいはヨーロッパに出たものが、さらに転々とほかの国に流れていく、あるいはアメリカに参りますということでございまして、それが最終的にどこへ落ちついているかということは数字的につかんでおりませんが、先ほど申し上げましたように、ロイズに行っている分は大体ロイズにおいて消化されているというふうに推察されます。
○大竹平八郎君 それから、いま一つお尋ねしたいのは、たとえばアメリカのAIUなんていうのは日本のいわゆる法人になっておりますね。大体外国の保険会社というものは、進出しているものはほとんど日本法人になっているのですか。ただ支店で扱っておるのもあるのか、あるいは全部が日本法人になってやっておるのか。まずそのいい例は、アメリカの今のAIUなんか完全に日本法人だと思っているのですが、その点はどうですか。
○説明員(柏木雄介君) 日本に進出いたしております保険会社は、大体、事業形態といたしまして、支店の形をとっておるものと、それから代理店形態のものとございますが、三十六社進出しておりまする外国の損害保険会社のうちで、支店形態をとっておりますものが二十一社、代理店形態が十五社であります。支店形態のものがノース・アメリカンとかあるいはBIGという英国系統の保険会社でございますが、今お話のございましたAIUというのは、これは日本法人でありますが、保険会社ではなくて保険の代理業をやっておる会社でございまして、しかも専門にやっておる会社でございまして、したがってAIUが代理をしているアメリカの損害保険会社が三つございますが、その三つの仕事をあわせて代理して行なっているわけでございます。
○大竹平八郎君 それから、為替はあなたの専門のところで、伺いたいのですが、今後為替の自由化というものが当然、一年後か半年後か知らぬけれども、IMFの理事会が二月六日に日本にも通告してきた。それから、さらにまたガットからももうすでにその通達が来ておる。いっか日本が、一年後か知らぬが、覚悟していかなければならぬという点で、為替が自由化された場合に、この外国保険という問題はどういうような形をとっていくでしょうか。
○説明員(柏木雄介君) 為替が自由になった場合、今のいわゆる八条国体制がずっと普遍化したというような場合を想定いたしました場合に、保険のほうはどうなるのだろうかということでございますが、保険につきましては、為替が自由になった、すなわち保険も自由になるというような直接の関係はないのではないかというふうに見ております。これはイギリスのような国では、数百年の伝統と申しますか、保険というものは完全な自由営業でやっておりますが、イギリスのような例外を除きますと、ほとんど世界のすべての国というものは保険という営業は免許制でやっておる。これはアメリカでもそうでありますし、ヨーロッパの主要国、日本におきましても明治三十三年以来免許制でやっておるというわけでございまして、免許制をやっていますと、どうしても反射的な意味合いにおきまして免許を受けない保険事業者というものの取り扱いをどうするかということになりまして、したがって保険が完全な自由になるということは、おそらく、なかなかないのではないか。免許制というものは、やはり保険の事業に特有な契約者の保護というか、契約者の利害、保険事業者の利害の調整という問題がございますので、保険事業といものが公共性の高いものとして、各国ともこれを育成強化する必要があるという観点から、これを保護育成するという過程にございます。したがって、こういう特有の免許制を持っている保険事業については完全な自由化というようなことはおそらくないのじゃないか。ガットにおきましても、輸出入貨物の通商の自由化ということを非常に強く推進しておるわけでございますが、ガットにおきまして問題になっております保険の自由化という問題は、全く輸出入貨物に関する積荷保険の自由化でございまして、これは日本としても当然のことというわけで、もう数年前から自由化しておりますし、今後もそれを続けていく方針でおります。
○大竹平八郎君 最後にいま一つ、ただいまの為替の自由化に関連しまして、今の外資法——外資法は送金を保護せられるためにできておるのですが、これはさしあたってこれに適用されるのですけれども、しかし、今のガットの問題といい、IMFの勧告といい、当然これは大蔵省としても為替あるいは外資法の根本的な改正をせなければならない時期というものが必ず私は来ると思うのです。そこで、今度の法律案ですが、外資法との関連というものはどういう工合に解釈しているのか、これは必ず当然暫定的にもさしあたって改正しなければならぬことになると思うのですが、その点をひとつ最後にお伺いいたしたい。
○説明員(柏木雄介君) 御質問に対して直接お答えになるかどうかはっきりいたしませんけれども、為替の自由化の場合に、いわゆる経常取引の自由化と、それから資本取引の自由化ということがあろうかと思いますが、経常取引の自由化につきましては、先ほど申しました八条国体制というか、それの問題でございまして、これがどういうことかは先ほど申し上げたとおりでありますが、資本取引の自由化、それが外資法の改正というか、そういう問題があった場合に、保険のほうはどうかということでございますが、これはやはり先ほど申し上げましたような保険特有の免許制ということの半面としまして、資本取引が完全に自由化になったゆえに保険も自由化されるという直接の関係はないのじゃないか。やはり保険事業の保護育成、保険契約者の保護という観点から、やはり国々によってそれ相応の体制を整えていく必要があるのではないかというふうに考えております。
○津島壽一君 ちょっと銀行局長にお伺いいたします。今度の改正案の三条の中で、五項の二号の趣旨をちょっと御説明願いたいと思いますが、すでに説明していたらよろしゅうございますが。つまり、日本に支店を設けない保険業者と契約する場合に、ほかの契約ができて、それが同等または有利な条件である場合は大蔵省は認可しない、許可しないと、こういうのですが、同等という場合でも許可しないわけですか。それが質問のポイントですがね。
○政府委員(大月高君) この第五項第二号の趣旨は、結局、外国の保険事業者が締結、オファーしております契約に対しまして、日本の保険業者が持っております保険契約の原案というものが非常に条件が悪いという場合には、これはどうしても許可せざるを得ないのではないか。逆に申しますければ、わが国の持っております契約の条件が外国の条件に比べまして同等であるかあるいはさらに有利である場合、この場合には許可をしないのだ、そういうことによりまして、ほんとうの意味でわが国の経済として外国へ出さなくちゃいかぬというようなもの以外に許可しない、こういうことでございますから、同じような条件を持っておる場合には許可をしない、こういう精神でございます。
○津島壽一君 その同等の場合でもこの法律で許可しないとすることが、はたして妥当かどうかというわけなんです。もしこういうことが書けるなら、有利な場合には、ほかの日本の会社——許可を受けた、認可を受けた保険会社の業者との契約がより有利であるのに、これはひとつ自分が好きであるとかなんとかということでやるということは、これは許可しないほうがいいでしょうね。同等の場合でも許可しないということまで法律で規制することは、もしこれが立法可能なことなら、外国品ですね、物、日本に支店のない商社と物を取引する場合に、日本にあるもの、また、許可を受けた外国商社の日本にあるものから同等で買えるなら、外国と直接に取引するのはいかぬという、これは国際収支上大いにやりたいことですがね。しかし、そういうことはどうも公正でないように感ずるものですが。もし、これが適用できるのなら、どうも私は物の取引で非常に大きな制限を加えて、いやしくも同等なら日本のを買えという国産奨励の運動もできるのですね。どんなものでしょうか、ちょっとそこのところが……。
○政府委員(大月高君) この問題は、もし保険事業自体が完全にフリーな事業でございまして、過去自由にやっているということでございますと、今のような自由化の精神からいって、保険業者の合理化を促進するという面から申しましても、お説のことのほうがいいのじゃないかと考えるわけでございますが、先ほど調査官からもお話し申し上げましたような保険事業の特殊性、具体的に申しますれば、免許制度をとっておるというところが一つの問題であろうと思います。それは外国保険事業者といえども、国内の保険事業者といえども、日本の国内においては免許を受けて事業をやるということでございますので、その裏といたしまして、たとえば保証金を積みますとか、あるいは責任準備金の積み方を強制するとか、いわば自由競争の原理を越えたいろいろな制約を付しておるわけでございまして、そのハンディキャップ自体を考慮いたしますと、同等であるということは、むしろ日本の条件のほうが努力をいたしておる、こういうことになるかと思います。そういう意味で、実質上同等であるということは、日本の条件のほうが努力という面を加味いたしまして有利になっておる、こういう感覚で書いてあるわけでございます。
○柴谷要君 外国保険業者が三十六社あるというが、その内訳をちょっとお聞かせ願いたい。
○説明員(柏木雄介君) 日本にあります外国損害保険会社三十六社のうち、英国籍が二十一社、それからアメリカ籍が六社、香港が三社、フランス、ニュージーランドが二社、フィリッピン、インドが各一社でございます。
○柴谷要君 こちらで調べたのは、香港が四社で英国が二十社……。かつて日本に免許を求めた会社は三十七社あった。その三十七社のうち、一社がいつの間にか消えているのですけれども、これは英国のロイアルですが、二十六年八月十五日に免許を受けていながら、今日では資格を喪失しているようだけれども、その会社の内容についてひとつお聞かせを願いたい。
○説明員(柏木雄介君) ロイアル・インシュアランス・カンパニー・リミッテッドという会社が、前に日本で免許を受けて営業をいたしておったのでありますが、そのうち、日本における営業を停止いたしまして、その会社のほうから免許の返還というか、廃業するという届出がありましたので、それで免許を取り消し、廃業したわけでございます。したがって、日本におきましては、もう現在では全く財産も債権債務も残っていないという状況でございます。
○柴谷要君 その取り扱いは法二十条でやったと思うのですが、財産及び事業廃止の届出という条項で処理されておると思うのですけれども、そのようにやっておりますか。
○説明員(柏木雄介君) そのとおりでございます。
○柴谷要君 三十六社の日本における保険会社の中で兼業会社が十四社ありますけれども、これは日本で兼業を認めて許可になっておりますか。
○説明員(柏木雄介君) それぞれの本国におきましては、兼業を認めている国がありまして、それによって会社によっては損保、生保の兼業をいたしておりますが、日本において営業の免許を申請する場合には、必ず損保を業とするのか、生保を業とするのか、その点を明確にし、免許いたしまして、したがって、一たん損保あるいは生保の免許を受けますと、兼業禁止ということでございまして、それ以後は日本において商売する限り、損保は損保、生保は生保というふうに限定いたしております。
○柴谷要君 今回の法律改正によりますと、外国の保険事業者が免許をとって日本で保険事業を営む場合には、支店等を設けなければ絶対できないというふうな解釈になっていると思うのですが、そのように認識していいですか。
○説明員(柏木雄介君) そのとおりでございます。
○柴谷要君 支店等を設けない外国保険事業者は、原則として日本では保険契約はできない、こういうことになると思うのですが、それでよろしいですか。
○説明員(柏木雄介君) そのとおりでございます。
○柴谷要君 この法律が制定された後と、日本で免許を受けないで契約をした件数があると思うのですが、それは御承知でございますか。
○説明員(柏木雄介君) まあ、そういうケースが絶無ということの確証があるわけではございませんが、あっても、それは非常に例外的ではないかというふうに思います。
○柴谷要君 そういうものは、本法が成立いたしますと、罰則がかかると思うのですが、そういうものはどういうお取り計らいをやるおつもりですか。
○説明員(柏木雄介君) 今回の法律改正が成立いたしますと、そういう違反行為があれば、それは法に従って追及するつもりでございます。
○柴谷要君 この法律は、日本の保険業者全体にとってはたいへんいい法律になってきていると思う。自由化といっても、真の自由化ではない。そのような関係から、保険の実態を見ると、まだまだ日本では十分に保険というものが浸透しておらない。諸外国には非常に有利な保険がたくさんできていると思う。そういうものとからみ合わせて、将来この法律をまた再び改正するというような時点は起こらないものでしょうか、どうでしょうか。見通しについてひとつお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(柏木雄介君) 御指摘のように、日本におきまする保険事業は、現在やはり火災保険、海上保険が主体でございまして、いわゆる新種保険というものの普及は、諸外国というか、諸先進国に比べるとまだ非常に少ないのでございますが、これは一方、日本における保険思想というものが必ずしもそれほど普及していないというような問題、保険会社のほうの努力もあるいは不足しているかもしれないというような問題もあるかと思いますが、私どもとしては、保険事業の公共性にかんがみ、そういう保険のニード、そういう需要がある限りは、保険会社に、どんどん勉強してそういう保険を作るように指導いたしているのでございまして、新種保険も最近数年間、逐年ふえてきておりますし、今回の法律改正を機会に、さらに損保業界の体質改善、そういうような意味における努力というものを要請し、業界のほうも一生懸命やるということになっております。したがいまして、この法律を改正したあと、さらにもう一段改正するという考えは持っておりません。
○野々山一三君 その「支店等」という「等」の問題、この間西川さんが質問していたのですけれども、その定義というものをもうちょっとはっきりしないと、結局は、免許条件をこまかくきめても、これはざるにはならないと思っても、たとえば一人ぐらいの出張所員を置いても通るということになるとするならば、単に、一千万円ですか、保証金を積んだだけで一人ぐらいの事務所員がおって、それを「支店等」という「等」に認めるというのでは、これは業務上の信用担保というものはないわけですね。これはどういうふうに定義されるのですか。
○説明員(柏木雄介君) 外国保険事業者が日本に免許を申請する場合に、店舗を設けて、その主たる店舗をどこに置いてやるのだということを明記して申請するわけでありますが、その店舗が今お話がありましたような店舗らしからざるものであれば、私どものほうといたしまして、当然そういうものは免許をしない。やはり主たる店舗は、その日本で行なおうとする事業にふさわしい店舗を備えておるということの確認を得まして、その上で免許いたします。
○野々山一三君 ふさわしいというものの認定ですけれども、しかし、この法律は今後改正するつもりもないし、今までの抜かりを、ざるになっておるものを、ざるにならぬようにしてしまうということが、この法律改正の趣旨であるとすれば、「等」というものは、今言ったように、日本のそれらの事業にふさわしいものという、これは非常に意味が広いものになりますね。これは運用いかんによってはもうどうにもなってしまうという懸念は、当然のこととして起こるのです。免許をする基準なり要項みたいなものでも作る気持があるのですか。
○説明員(柏木雄介君) この前の委員会のときに少し申し上げましたが、要するに、帳簿書類を備え、独立の計算ができるような体制が十分できておること、保険申し込み書式、保険証書、約款等も備えて、契約締結の主要事務がそこで十分処理できるような体制ができておること、いろいろそういう観点を十分考慮してきめるわけでございまして、それが一律な形がとれないと申しましたのは、保険業務にもいろいろな形がございまして、先ほど申し上げましたように、支店形態をとっているところと、代理店形態をとっているところとございますし、そのように保険の業務というもののやり方が必ずしも一つのワクにはまったものでないものですから、ある程度の弾力性を持たせるということはやむを得ないと思いますが、私どものほうで免許する際には、その辺の実情に合うような吟味をいたしまして、それで、これでよろしいということであれば、そこで初めて免許をいたすということでございます。そういうふうに考えております。
○野々山一三君 帳簿を備え保険契約業務を遂行するに足る条件があるといったって、この場でもって極端な言い方をして恐縮ですけれども、今言われたようなことというのはもう当然のことで、それをつかまえたからといって、何も直ちにそれで大丈夫ということにはならぬと思うのです。資産関係だとかいろいろな表とか、あるいは他の法律でこういうことをいう場合には、たとえば支店及びこれこれこれらのものについてはこれを支店と認めて「等」というような、大体取りきめをするのが常識だと思うのです。この法律だけは、そこをはっきりさせていないのはどういう意味ですか。
○説明員(柏木雄介君) 保険事業におきましては、いわゆる店舗行政と申しますか、銀行とかその他の金融機関におきましては、店舗を設ける場合には、別の許可を受けなければならぬという制度がございますが、保険におきましては、その事業の特殊性と申しますか、いわゆる店舗行政というものをやっておりませんでございます。これは外国の保険事業者に限らず、日本の保険事業者につきましても、いわゆる店舗というものの規制ということはいたしておりません。しかし、保険事業者が日本で商売を始める際には、その際には外国保険事業者法第四条の規定がございますが、免許申請する際に日本における主たる店舗はどこかということをはっきりさせる。従たる店舗ということが問題じゃなくて、主たる店舗がどこにあるかということを明記さす。その店舗がどういう、まあ私どもから見てこれが適当というものでなければ、当然免許をしない。しかし、日本における商売はその主たる店舗だけでやるわけでありません。従たる店舗もありますし、主たる店舗の数とかあるいはその形式等について、国内についてやっておりますようなやかましい規制は実施いたしていないわけでございます。
○野々山一三君 これは認定の問題ですから、何か基準になるものがあれば、まあということにもなるわけなんですが、この法律をこういうふうに改正をして、そうして今までの被害代理業務とか、何かわけのわからぬものがあったり、あるいは今後起こる危険性があるので改正するのだという趣旨を、的確に行政行為の上でチェックしてもらいたい。これは今後の問題として、あとでまた調べることにしますけれども、あなた方それだけ自信を持って言えるというならば、私はそういう要望を付しておきたいと思います、間違いのないように。
○渋谷邦彦君 外国の損保会社の内訳はこの資料に出ておりますが、募集網の機構についてはどのような状態になっているのか、それを教えていただきたいのですが。
○説明員(柏木雄介君) 日本に外国の保険事業者が三十六社来ておりますが、実は三十六社も全部、何というか、各個ばらばらに商売しておるわけでございませんので、幾つかの大きいグループに分けて商売をいたしておるわけでございます。一番大きいのがBIGグループというか、イギリスの保険会社が十数社集まってやっておる一つの保険集団がございます。それから、先ほどから申し上げましたAIUというアメリカの保険集団、あるいはAFIAという保険集団、あるいはコーンズの集団、全部、日本において募集いたしております。主体というか、グループといたしましては、おそらく十社以内にとどまると思います。 その募集網というか、募集機構というのは、主として日本の会社同様代理店を使っておりまして、その代理店も一部は専属代理店でありますが、いわゆる乗り合い代理店と称して、一つの代理店が幾つもの会社を代理しているという場合が多いのでございます。が、そういう代理店を使っております。そういう点、日本の会社の募集網とさして大きな違いはないのじゃないかと思います。
○渋谷邦彦君 今の御説明ですと、エージェント・システムをとっていらっしゃるようですが、大体主たる営業をやっている会社が十社、大体そのもとで代理店をやっている店数はどのくらいになるか。乗り合い、専業、いろいろあると思いますが、できれば専業だけでもけっこうだと思います。
○説明員(柏木雄介君) 日本の会社の代理店の数は約十万でございますが、それに比べますと、外国保険事業者の代理店の数はよほど少ない、非常に少ないのだというふうに見ております。しかし、ただいま的確な数字は持っておりませんので、御了承顔います。
○渋谷邦彦君 今伺った理由は、この法律案の趣旨はわが国の保険市場の撹乱を規制しようという目的があるわけですね。そうしますと、当然そういった根拠がなければならないということが想定されるわけで、そうした点について今伺ったわけですが、非常に少ないということは、数えるに足りないというふうに解釈してよろしいわけですか。
○説明員(柏木雄介君) 日本における外国損害保険事業者の、まあシェアと申しますか、実際にとっている契約の割合は全体の三%弱ということでございます。まあこれは全くの推測でございますが、代理店の数等も、日本の会社に比べまして、それ以下なのではなかろうかというふうに見ております。
○渋谷邦彦君 もう一点だけお伺いしておきたいことは、今の募集網に関連いたしまして、日本人としての社員がおそらく主たる業務を推進しているのだろうと思うのですが、大体有力なところでどのくらいの社員が雇われている状態ですか。
○説明員(柏木雄介君) 日本で一番活発に活動いたしておりますAIUの集団店舗、本店に相当するものでしょうか、そのスタッフはたしか五、六十人おったと思います。それは日本の保険会社の一番小さい会社の本社スタッフに比べると、半分ないし三分の一以下かと存じます。
○鈴木市藏君 ちょっと、この間の委員会のときにも質問しましたが、明確なお答えにはならなかったように思っておりますけれども、つまりこの措置が——自由化ですね、自由化といっても、それこそ貿易の自由化、為替の自由化だけにとどまらず、自由化というものは非常に広範囲な影響を及ぼすものだと思いますが、この自由化の対策にとっては前向きの姿勢としての法律であるのか。それとも、自由化自体について何らかの国内規制を必要とするという立場でとられた法律なのか。その辺のところがどうもはっきり、先日来の委員会の質問においてもしないのですが、明確にひとつこの点は答えていただきたい。
○政府委員(池田清志君) お尋ねの点でございますが、先ほど来お尋ねがあり、御答弁申し上げておりまするように、わが国がIMFによりまして八条国になるというようなことで、結局ガットの関係におきましても、輸入制限をしてはならないといったような国になっていくわけでございまして、政府といたしましては、物についての貿易の関係におきまする自由化を努力いたしまして、すでに八八%も実現をいたしておるのであります。さらにまた、自由化は進めて参るわけでございます。保険のこの問題は、先ほど調査官からもお答えいたしておりまするように、いわゆる免許制度ということによりまして規制をしておるわけでございまして、お尋ねのいわゆる自由化との関係いかんということになりますと、端的に申し上げますと、これまたお答え申し上げておりますが、自由化の問題とは直接の関係はございません。こういうことでございまして、保険事業というものをよりよく育てていきたいと、そしてまた外国のほうからわが国に侵入をいたしまして、わが国を撹乱するというようなことがないようにしていきたいというところにねらいがあるわけでございます。
○鈴木市藏君 免許制にするという場合に、どうなんですか、一応資格ありと、先ほど同僚議員からも質問があったように、資格ありというようなものについては、きわめて事務的に判断するのか、そこに政策的な意図を持って、できるだけ国内の保険業者を保護するという立場で免許の問題が勘案されるのか、この辺のところはどうなんですか。
○政府委員(大月高君) 損害保険会社の免許の基準と申しますか、あるいは方針と申しますか、そういう考え方に関するお話だと思いますが、大体におきまして、現在の保険事業は、外国から進出いたしてきております保険会社を含めまして、生保、損保を通じまして、数としては十分であると考えております。したがいまして、国内の保険会社の免許も原則としてはやらないという考えで、したがいまして、外国から進出して参ります外国の保険事業者に対しましても同様の原則、これは航海条約との関係等もございまして、外国の人と日本の人とに対して差別待遇はしない原則をとっておりますので、それはいずれも原則として免許しないという両方一般の原則を適用いたしておるわけでございます。そういう意味で、単に既存の会社を保護していくということではなしに、ますます過当競争を避けまして合理化を進める、契約者の保護に万全を期する、こういうような精神でございます。
○鈴木市藏君 もう一つ聞きたいことは、かつて戦前には、東京海上火災などでは、かなり各国の支店を持って保険業をやっていたのであります。今は一体日本の保険会社が外国での事業を営んでいる場合にどういう状況にあるか、そしてそれが事業を営むについては、やはり外国においても今ここで言われたようなこういう規制の適用を受けているのかどうか、この現況についてお聞きしたい。
○説明員(柏木雄介君) 戦争前は、御指摘のように、東京海上が非常に活発に海外で営業をいたしておりましたのですが、戦後戦争の影響で完全に締め出され、その後逐次東京海上を始め日本の会社が海外に進出をして、昔の営業を復活しようと努力をいたしておりますが、それはたとえばアメリカの例にいたしますと、もうすでにアメリカは三社行っておりますし、英国は四社、その他西独など各国に出ておりまして、国数にすれば十四、五カ国出ておりまして、会社数にいたしまして累計三十一社出ております。 しかし、その年間の商売がどうかということになりますと、実のところまだ微々たるものでございまして、とても戦前のようなところまでは達していない状況でございます。これは各社とも一生懸命努力いたしておりますが、何分にも保険事業というものは何か商品を売り込むと同じように、物を売り込むと同じように一ぺんに商売の販路ができるようなものではございません。漸次市場を開拓していくというじみちな方法しかないものですから、こういうことになっておりますが、実績としましては、年々その業務が拡大しております。三十五年度におきます海外業務の総収入保険料は八億六千万円でございますが、三十六年度はこれが十億九千万円にふえておりまして、三十七年度以降も相当のテンポで業績が上がっているものと期待をいたしている次第でございます。
○委員長(佐野廣君) 他に御発言もないようでございますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○鈴木市藏君 私たちは、この法案が自由化ということについてやはり一応先を見越した法案の一つだというふうな見地で、ずっと委員会で質問いたしましたが、この点について明確なお答えがなくって、むしろ、いや、それは当面の自由化の対策とは違うのだという御説明でしたけれども、この辺がどうも明確ではない。おそらく、私は、やはり外資法やその他の問題との関連をもって、すべてこれらの問題がやがてまた一連の法的関係として出てくるのではないかという予感がしてならないのです。したがって、こういうようなものを一つ一つこま切れに出してくるということに非常な不安を感じ、疑惑を感ずるわけです。この法律それ自体は、国内の保険業者を擁護するという立場に立っているという点で、この法律自体のことについてはわかりますけれども、そういうつまり自由化問題に対する全般的な全貌的な立場が明確にならないという観点で、私たちは、一見妥当のように考えられる問題でありまするけれども、その本質において不明確であるという点では、遺憾ながら賛成できかねるということです。
○委員長(佐野廣君) 他に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。外国保険事業者に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐野廣君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続等については、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐野廣君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決定いたしました。 —————————————
○委員長(佐野廣君) 次に衆議院送付の酒税法の一部を改正する法律案及び印紙税法の一部を改正する法律案を議題とし、両案を一括質疑に入ります。 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○永末英一君 酒税法について若干お伺いしたいのであります。この前に酒税の減税を行ないましたが、減税を行なった以後、各級、特に清酒ですね、各級清酒について販売量の変動があったと思いますが、どういう工合に変動があったかを御説明を願います。
○政府委員(村山達雄君) 今手元にありますのは、大体三十八年度見込み数量で申し上げたいと思いますが、三十七年度の実勢も大体それに似ているかと思いますが、対前年度で数量の割合を申し上げます。清酒は一〇八・五%で八・五%、伸びておるのでございます。合成清酒が九五%で五%の減、しょうちゅうも五%の減、それからみりんは大体一〇〇%程度、それからビールは一一五%、果実酒類が一一〇%、ウイスキー類が一一〇%、スピリッツ類が一〇〇%でございます。リキュールが一一〇%、雑酒が一一〇%程度、大体かような傾向になっております。
○永末英一君 その清酒の中で各級酒、これは前と少し標準を変えましたけれども、変動が出ておると思うのです。それをひとつ御説明願いたいと思うのです。
○政府委員(村山達雄君) これは三十六年度対三十七年度の実績でございますが、改定後の級で申し上げます。これは級別の入れかえがありますので、ちょっと読み方が何でございますが、改定後の級別でいきますと、一級が、特級一級の合計で一八二%、それから清酒二級で一一五%、合計で一一六%、こういうことになっております。先ほど申しました一〇八・五%と申しますのは、その実績に対して来年度どれだけ伸びるかということの数字を申し上げたわけでございます。で、先ほどのやつは予算の数字で申し上げましたので、見込み数量でもう一ぺん申し上げます。それでいきますと、清酒はただいま申しましたように一一六・三、合成清酒が一〇一・九、それからしょうちゅうが甲乙合計で九七・九、それからみりんが一二二・六、ビール二六・五、果実酒類九四、それからウイスキー類一一九・二、スピリッツ九六・四、リキュール一一九・二、雑酒一三五・六、合計して全酒類で一一三・五、かようになっております。
○永末英一君 この清酒の中で新級酒、新しい級になったところで、特級、一級の伸び率と、二級酒と比べると、二級酒のほうが少ないというのは、原因は何ですか。
○政府委員(村山達雄君) おそらく、まあこれをごらんになるとわかりますように、実は特、一級の内訳を申し上げますと、特級は実は対前年度六一%でございます。一級が一四八%、約五割伸びております。これは御案内のように、従来の準一級を一級に上げました。それで一級を特級に大体持っていきました。そしてそれぞれ減税をやった関係で、これが一つあると思うのでございます。それと消費者の全体としての消費水準が上がってきたということからいたしまして、従来実際をいうと、実力からいうと準一級であったものが、今度一級という名前になりました。そこに減税が行なわれてきた。だから、商品としても手ごろの商品でなかったか。そこへもってきて、各級を通じまして減税を行いましたけれども、消費水準が上がった。特に年末に非常に伸びている点を見てみますと、そういう点がうかがえるわけでございます。
○永末英一君 従来の準一級が一級になったために、非常に前年度比五割増し程度の大幅の売り上げ増加があった。二級というのは、まあ名前が変わらないためにあまり上がらなかったというのか、その一級、二級の呼称によってそれで生じておるのか、それとも減税額については、その幅は準一級が一級に上がった場合に比べるとむしろ少ない、つまり価格の下げ方は少なかった、このために伸びが少ないのじゃないかという見方がありますが、主税局長はどう思いますか。
○政府委員(村山達雄君) 呼称の点もあるかと思いますが、実際は消費水準が上がったということではないかと思います。この前の減税のところを今御指摘がありましたので、見てみましても、清酒の一級分につきまして、減税率はもちろん下にいくほど減税率は高いわけでございます。下級酒ほど減税率が高い。絶対額でいいましても、幾らも違わない。清酒の一級で六十円、二級で五十円程度の減税でございます。減税率で見ますと、一級が一八%それから二級で二四%の減税率になっております。そういうふうに考えますと、呼称も一つあると思いますが、やはり消費水準が上がってきたことじゃなかろうか。基準価格でいいますと、四百四十円と五百九十円というようなことになっております。だから、その辺、一級というのが手ごろの商品になってきたのではなかろうかということであります。
○永末英一君 級別を少し上げて絶対税額を——消費水準が上がったかどうかはいろいろ見方がございますが、大蔵省としてはともかく税額の絶対額は、売れるほうが収入が多い。しかし、大衆のほうは、もし二級酒の価格が安ければもっと飲みたいと思っているかもしれない。そのためには価格の絶対額は低いのですから、歩合を少し多くしても、値段の下がった感覚はそう多くない。そういうことが二級の売れ行きのスピードを落としているのではないかと思われる。むしろ二級酒の率を上げて、そうして二級酒を大いに安くして大衆に飲ませるという配慮は大蔵省にはございませんか。
○政府委員(村山達雄君) 品質をよくする点につきましては、これはもう各級通じましてこれからだんだん品質をよくしないと、清酒自体が非常な競争をしている状況でありますし、ビール、洋酒の進出が非常に著しいおりからでもありますので、この品質の向上の問題は、各級を通じてのこれからの基本命題になるのではないかというふうに考えております。 もう一つ、価格の問題がございます。税率につきましては、昨年ここで非常に御検討願いまして、まずまず一通りことは済んだと思っておりますが、その値段をどうするかということにつきましては、現在の基準価格制度をそのままにしておいたほうがいいのか、あるいはもうちょっとこれに弾力性を持たせていくという考え方がいいのかという点を中心議題といたしまして、国税庁にあります酒類行政懇談会で目下検討を続けられているわけでございます。漸次今後、この前の酒類団体法を改正した当初の意図を進める意味におきまして、できるだけいい意味の自由競争によって価格の引き下げあるいは品質の向上をはかっていく、そういう意味で基準価格制度についても全般的に検討を加えたい、こういうような方向が現在打ち出されておるわけでございます。品質につきましては、まさに長年の伝統がございますが、さらに一歩研究を進めるということが今後ますます要請されるのじゃなかろうか、かように思っております。
○永末英一君 二級酒の価格について、税額を下げて、もっと他のウイスキーなりあるいはまたスピリッツ、雑酒等の値段と比べて、二級酒の持っている値段の感覚が、酔っぱらう程度と見合うわけではありませんけれども、それを下げたほうが、もっと売れ行きがいいという工合には考えられませんか。
○政府委員(村山達雄君) やはり一つのバランスがございますので、われわれ見ておりますのは、ほかの税との税負担の割合等を見ておりますが、各酒の間におきましては一応小売価格に対する比率が一体どのくらいになるかという点を見ておるわけでありますが、その点でいいますと、現在清酒の二級は三三%程度の負担率でございます。これに対しまして、ビールでございますと五二%非常に高いということは御案内のとおりでございます。それから、特にウイスキーになりますと、特級で四七%、一級が三七%程度のものでございます。この辺を考えてみますと、清酒の二級が特に税負担率が高いというふうにも考えていないわけでございます。
○永末英一君 大衆酒はほかのものとバランスをとって、ちょっと安くしたからバランスがとれているというのではなく、うんと安くすることが僕らは必要だと思うのです。その辺、御考慮願いたいと思います。 もう一つ、基準価格制度ができましたとき、ともかくうまい酒を安く売るのだというつもりで基準価格制度を作ったという御説明が当委員会でございました。ところが、今局長からお話がございましたように、これに対して検討を加えているというのでありますけれども、検討の加え方にもいろいろあろうと思うのです。ただ単にこれを撤廃して自由価格にしてしまうのか、それとも撤廃する意味合いが、値段がどんどん引き上がっていったのではこれは大衆に対して負担が増加してくることになる。したがって、どういう工合に、基準価格の改定なりあるいはまたこれを撤廃するなりということを考えておるのか、その辺のことを少し御説明願います。
○政府委員(村山達雄君) この問題は実は執行問題に属している問題でありまして、国税庁が中心になって今研究を進めております。われわれも酒類行政懇談会の席上に出ておりますので、そのときにおける模様をかいつまんで申し上げますと、マル公制度から基準価格制度になりましたのは、当時いわば非常な乱売が行なわれて較差が非常に出てきた、そのために酒類業界が非常に不安定な状態に陥った。もともとあの当時マル公がありましたのは、米と酒類だけくらいになってしまった。このマル公というのは戦時中の遺物でございますので、新しい時代に応じたものにしなくちゃならない。その意味では、従来のような最高価格制度ではなくて、目安価格としての、一種の安定帯価格としての基準価格制度を打ち出していく。そのねらいは、一つには、当分の間、急に自由価格制度に移行いたしますと非常な過当競争が起きて、そのために消費者の利益になるかどうかという問題ももちろんございますけれども、数多くの中小のメーカーが非常な過当競争のために余分な乱売をするとなると、そのことはひいては酒税の保全にも影響を及ぼす。そこで、一つの暫定的な、自由価格への移行の一つの階梯としての基準価格制度を打ち出したわけであります。 しかし、御案内のように、あの基準価格制度ができまして、移行して、昨年の減税の際に減税額だけ下げたわけでございますが、その後の基準価格の状況を見ておりますと、合成清酒、しょうちゅうにつきましては、最近における運賃あるいはびん代その他の価格の高騰に伴いまして、若干の基準価格の引き上げを見ましたが、清酒、ビールその他につきましては、同じ事情にありながら、全然それがなされていない。こういう問題と、それから基本的にそれを、一体基準価格制度というものをいつまでも置くことがいいのかどうか。かえってフリーにしたほうが、いい意味の、過当競争でないいい意味の競争が行なわれれば、消費者の利益になるのではないか。もともと基準価格制度はそこへ至る階梯として作ったということが酒類行政懇談会で論議されまして、将来の方向としては基準価格を撤廃すべきである、こういう方向が打ち出されております。ただ、清酒二級とビール、これは現在大衆酒であるということ、特に清酒二級につきましてはメーカーの数が非常に多いということ、これで一挙に基準価格を撤廃するということにいたしますと非常に混乱が起きるから、将来その方向をにらみ合わせながらも、一挙にそこを今直ちにはずすというわけにはいかないであろう。しかし、酒税確保という面だけをいうのであれば生産者の基準価格だけをきめておけば足りるのであって、卸、小売についてははずしてもいいのじゃないか、こういうような議論が出ているわけでございます。ただ、あとの点につきましては、なお技術的に生産者価格だけについて基準価格を残して、それから卸、小売を撤廃することについては、やや疑念を持っている向きもあるようでございますが、方向としてはその方向が打ち出されているというような現況でございます。
○永末英一君 将来の方向として基準価格の撤廃が論議されておる過程において、片一方の酒蔵米の割当というものは毎年々々非常に大衆にわかりにくいような技術的な操作をやっておられるけれども、価格は自由になってきておって、片一方、生産する場合の酒造米の割当が非常にがんじがらめのやり方をとっておるということでは、どうもバランスがとれぬのではないか。したがって、その辺のところもあわせてお考えかどうか、伺っておきたい。
○政府委員(村山達雄君) 前回の酒類行政懇談会ではそこまでは論議されませんでした、正直申しまして。ただ、私が憶測いたしますのは、おそらくその問題も同じ命題である。しかし、かりに自由の方向に動くにいたしましても、価格も取っぱずす、それから米の生産割当も一挙に取っぱずすということは、それは非常に、あまりに制度の改変が激し過ぎる。まず価格から手をつけていきまして、その情勢を見た上で、おそらく、今のその結果が非常にいいということでありますと、その問題を消化した上でその問題に行くのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。さらにひいては、これは将来の問題でございますが、免許制度のあり方、単に原料米の割当だけでなくて免許制度のあり方にまでつながる問題ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。今の段階でとりあえず問題にされておりますのは、価格の問題でございます。
○永末英一君 その作業の大体のめどはいつごろですか、作業完了の。
○政府委員(村山達雄君) これは国税庁におきまして、現在、各全酒類業者からのデータをとりましてやっておりますが、どんなに急ぎましても相当かかりまして、この前聞きましたところでは四月一ぱい中にできるかどうかというようなことでございました。この前大蔵委員会でも論議されましたが、大蔵委員会のほうではできるだけ早く急げというふうな御注文がついておりまして、国税庁でも鋭意事務的な処理はスピード・アップしてやります、こう答えております。
○永末英一君 次に、みりんについてちょっと伺いたいんですが、今度は本みりんの、特に零細メーカーに対する配慮によって改正案が出ておるようですが、みりんというのは、これは飲料ですか、調味料ですか。
○政府委員(村山達雄君) 本みりん、本直しと、こうございまして、本みりんのほうは大体調味料だと思います。ただ、御案内のように、本直しというのも相当出てございまして、これはみりんとしょうちゅうを使うわけでございます。そういう意味で、本みりんもまた本直しの原料であるという意味で、酒類になっておるということでございます。
○永末英一君 酒税法では、本みりんと本直しと別ワクで掲げられておる。今あなたの御説明では、本みりんそのものであれば、どうも飲料とは言えぬけれども、本直しの原料になるから飲料である、したがって酒税法の範疇に入る、こういう御説明でございますが、そういうことですか。
○政府委員(村山達雄君) 大筋はそういうことでございます。御案内のように、ただ、みりんを使うときは、おとそでちょっと使いますが、それ以外は大体まあ本直しとして使っておる、こういう状態でございます。
○永末英一君 いわゆる新式みりんというのがあって、これは調味料だというので、酒税法の範囲外で扱われておる。そうしますと、みりんというのは、そのもの自体では、あなたもお認めのように、飲料ではない。そうすると、何か、同様の名称を用いておるものが調味料の性格でいっており、片方は酒税の性格でやられておるということでは、少し均衡がとれぬではないかという意見がありますが、この点についてどう考えますか。
○政府委員(村山達雄君) 今おっしゃったのは、おそらくアルコールの入っていないものじゃないかと思います。いわゆる新式みりんではないんでございましよう。
○永末英一君 入っておるのがあるんですよ。その含有量が酒税法に規定されておるものよりも少ないということで。
○政府委員(村山達雄君) もちろん、一度以上であれば酒類になるわけでございます。一度未満であれば差しつかえない、こういうことでございます。ですから、それが一度以上であって、酒税法にいういわゆる酒類に該当しておって、そのまま放置されるということはないと思います。
○永末英一君 酒税法で扱っておられる各酒類の中で、みりんのごとき取り扱いを受けておるものはほかにありますか。つまり、そのもの自体は飲料ではないけれども、それを使えば飲料になる、よって酒税法の範疇に入ると、こういうものはほかにありますか。
○政府委員(村山達雄君) まあしいて申しますと、最近洋食にブランデー、ブドウ酒をうんと使っておりますが、ますますこの傾向は、今後の料理業界ではこういうような風潮は高まると思いますが、そういうことはあると思います。
○永末英一君 ブランデー等もこれは主として飲料であって、それを調味料に使っておる。みりんの場合は主たる役割は調味料であって、それが飲料に使われる場合があると、こういうことなんです。したがって、そういう点のところを、つまりアルコール含有量だけでやっていると、入ったり出たりするわけです。そういう点については今の税法の体系上、未来永劫、本みりんは飲料として供せれる可能性がある、こういうことで酒税法の範疇でやっていくというお考えですか。
○政府委員(村山達雄君) いや、この問題は実はもう長年論議された問題でございまして、そういう点もございまして、減税のつど、本みりんの税率はもう思い切って下げているわけでございます。三十四年でも本みりんを一番下げましたし、昨年の改正でも本みりんは一番下げたわけでございます。しかし、現在みりんをなお酒税法の規定下に置くので、あまり他の用途に見当たらぬわけでございます。かりにこれを一歩野放しにして、あれだけのアルコール分のあるものをもし非課税にするということになりますと、これはそのあとどういうことになりますか。これを使っていろいろな現象が出てくるのではなかろうかというふうに感ぜられます。そういたしますと、それに関するいろいろな取り締まりの関係とか、まあたいへんな作業を持たないと、にわかに結論は出ないのじゃないか。しかし、おっしゃるような点はございますので、みりんに対する税率はもうどんどん下げているのは御案内のとおりでございます。で、将来どうなるかという問題については、この問題はとくと検討して参らねばならぬ問題だというふうに考えております。
○永末英一君 もう一点お伺いしたいのですが、最初、老酒を一年延ばしておけば大体終わるだろうというのが、当分の間に変わって、えらい見込み違いのようですが、おそらく一年の間ということを最初考えられた場合には、ちゃんと生産量を押えてやっておられたと思うのです。それが当分の間にされて、とことこまた生産されては困るのですが、きちっとそれは固めておいでですか。
○政府委員(村山達雄君) この制度は、もう御案内のように、昨年酒類のたね類を書いたところに補足しているわけでございまして、老酒は従来雑酒で取り扱っておりましたのが、今度エキス分二度以上のものはリキュールにいったわけでございます。それから、二度未満のものは新しいたね類でスピリッツにいったわけでございます。で、リキュールの新税率は大体旧雑酒の税率を中心にいたしまして、それを下げたわけでございます。ところが、スピリッツのほうの税率は、むしろどちらかと申しますと、今の純粋アルーコールのようなものでございますので、そのほうの税率を盛った。その結果として、スピリッツの税率は、一度当たりが相当リキュールより高くなっている、こういう事情にあるわけでございます。で、老酒のうち大部分のものは、これは少し甘味の勝っているものはリキュールにいったわけでございますが、甘味のない、エキス分二度以下のものはスピリッツにいって、新しいスピリッツの税率を盛られることになる。 で、税法が変わりましたので、今後の醸造につきましては、もちろん新しい税率を予定して造っていただくということ以外にないわけでございますが、そのときに、旧税率の予定で造った老酒があるわけでございまして、それが全国で百六十六キロリットルでございまして、これを今度蔵出しするときに新税率でやっては、いかにも架空の結果になりますので、そのストックが売れるまでその分については旧雑酒として、それに対応する新税率を使います。これが附則の趣旨でございます。したがいまして、税法改正以後の新醸造はもちろんないわけでございます。 その後の売れ行きを見ておりますと、なかなか売れませんで、在庫が、三十七年の四月から九月の、これは販売実績、百六十六キロリットルのうち十キロリットルしか売れていない。それから、三十七年十月からことしの三月までの予定が十五キロリットルでございますから、なお百四十キロリットルぐらい残るわけでございます。で、いろいろ計算を出してみますと、まあ一年間で売れるものが三十五キロリットルぐらいであろう。まあ前年度の実績は二十五キロリットルでございますが、三十五キロリットル。そういたしますと、この百四十キロリットルを消化するにはなお四年余り、四年ぐらいかかりそうだということでございます。で、まあこれもしかも少し売れるという見込みを立てて、まだそういうことでございますが、別に弊害があるわけではございません。新しいものにつきましてはすべて新税率によるわけでございまして、従来そういうことを予定しないで造った人に対する経過措置として、なお残す必要があるということで残っているわけでございます。
○大竹平八郎君 今老酒の話が出たので、老酒の問題でちょっと伺いたいのですがね。まあ私は割合に老酒の味を知っているほうなんですがね。今この日本で出ておるその老酒というものは、信用して飲めるものは実際ないのです。だから、今局長の言われるとおり、たくさん余るというのは当然なんで、そこでこれは話は少し横道になりますが、あなた方の大先輩で、かっての大蔵大臣であった河田烈という人がおりましたね。あの人と私が終戦後関西旅行をしたことがある。ところが、関西のある家に泊まった、そのとき、これは今から十二年前の松竹梅の酒なんです。日本酒なんです。完全な。それは戦争中も持って、地下室に置いておいた、こういうわけです。そこでこれを、腐っているかどうか、これを飲んでもらいたい、こういうことなんです。ところが、河田さんも長い間大蔵省で育だった人だから、これはもったいないから、自分が飲まないで、一体腐っているかどうかを醸造試験所にやってひとつ調べようというので、そのまま醸造試験所に持ってきて調べたことがある。だいぶ前の話ですが……。ところが、その譲造試験所の所長が、何といった人か今忘れましたが、その所長が、これはかねて醸造試験所が老酒として造ろうとしていたその形態そのままだと。こういうものならば、たとえ高くも、これは幾らでも売れる、非常にいいものを持ってきてくれた、これをひとつ研究して、将来ほんとうの、つまり老酒として売り出すように努力したい。売り出すといっても、その人の権限でできるわけではありませんが、そう言ったことがあるのです。そういうわけですから、ほんとうの老酒のいいものができれば、これは私は完全に売れると思う。今変な、怪しげな支那料理屋に行くと、ときどき出しますが、目がつぶれるんじゃないかと、まずそういう警戒が先に立つものですから、将来どうですか、そういう意味で本格的な一の老酒を出すというような一体構想はありませんか。
○政府委員(村山達雄君) どういう酒を造るかということは、実は業界にまかしておるわけでございまして、酒税法のほうといたしましては、できるだけ税体系のバランスさえくずさない限り、自由なものに向かっていきたいというのが念願でございます。 その意味で、昨年も御案内のとおりに、酒類の種類の大改正、それからアルコール分についても全く自由にいたしたわけでございまして、各酒類につきまして、炭酸ガスも、何を入れてもよろしい。昔でございますと、高いアルコールの度数は一度当たりの税率を高くしておったわけでございますが、御案内のように、昨年の大改正で、全部一度当たりは同じにするとか、すべて自由な方向に持っていって、そうしてそのワクの中で自由に研究をしていいものを出してもらいたい、こういうことをわれわれとしては念願しておるわけでございまして、おっしゃるように、老酒を日本で造ったのは、私、実は存じませんが、造っておりますのは関東醸造と、協和発酵の二社のようでございます。それから、老酒はシナで飲んだこともございますが、三年とか五年ものがうまいという話を聞いております。ブドー酒にいたしましても、三年あたりが一番うまいということを聞いておりますが、日本酒はどうもせいぜい一年。この辺にもいろいろの問題があるように存じますが、醸造試験所を初めといたしまして、各酒類業者はそれぞれ品質については非常に検討を加えておるわけでございます。何分にも酒の試験ということは、試験的にいろいろなものを造るということが、企業としてはかなりの危険を冒さなければならぬという現状にあるために、なかなか思い切った試験ができないのだろうと、こう思います。そういった点を政府のほうの譲造試験所等が十分認識しまして、今後検討を進めて、いいアイデアがあるものはどんどん業界に発表していく、こういう方向が望ましいというふうに考えております。
○委員長(佐野廣君) 他に御質疑もないようでございますから、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十五分散会