大蔵委員会 第9号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1963/02/21
会議録
○委員長(佐野廣君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案、以上予備審査の三案を一括議題とし、三案につきまして、提案理由の説明及び補足説明を順次聴取いたします。 まず、三案の提案理由の説明を願います。池田大蔵政務次官。
○政府委員(池田清志君) ただいま議題となりました所得税法の一部を改正する法律案外二法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。 最初に、所得税法の一部を改正する法律案及び法人税法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。 政府は、今後におけるわが国の社会、経済の進展に即応する基本的な租税制度を確立するため、昨年八月税制調査会を設けまして鋭意検討を加えて参りましたが、昨年末同調査会から、最近における社会経済情勢の変化に応じて現行税制につきさしあたって改正を必要とする事項について、昭和三十八年度の税制改正に関する臨時答申を得たのであります。その後、政府におきまして同答申を中心にさらに検討を重ねた結果、昭和三十八年度におきましては、中小所得者の負担の軽減をはかるとともに、当面要請される資本蓄積の促進、社会資本の充実、中小企業の振興等に資するため、国税において平年度五百四十億円程度の減税を行なうことといたしたのであります。これらの税制改正諸法案のうち、今回、ここに所得税法の一部を改正する法律案及び法人税法の一部を改正する法律案を提出した次第であります。 まず、所得税法の一部を改正する法律案について、その大要を申し上げます。 第一は、中小所得者を中心とする所得税負担の軽減をはかることであります。すなわち、基礎控除を現在の十万円から十一万円に、配偶者控除を現在の十万円から十万五千円に、それぞれ引き上げるとともに、十五才未満の扶養親族の扶養控除額を現在の三万円から三万五千円に引き上げることとしております。また、これらの諸控除の引き上げに関連して専従者控除についても、青色申告者の場合は年令二十才以上の専従者の控除限度額を現在の十二万円から十二万五千円に、二十才未満の専従者の控除限度額を現在の九万円から九万五千円に、白色申告者の場合はその専従者の控除額を現在の七万円から七万五千円に、それぞれ引き上げることとしております。 以上申し述べました諸控除の引き上げにより、夫婦子三人計五人家族の標準世帯を例にとりますと、所得税が課されない所得の限度は、給与所得者では現在の約四十一万円までが四十五万円までに、事業所得者のうち、青色申告者については現在の約三十九万円までが四十二万円までに、白色申告者については現在の約三十四万円までが三十七万円までに、それぞれ引き上げられることになるのであります。 次に、少額貯蓄を優遇するため、従来の国民貯蓄組合制度にかえて、制度の合理化をはかりつつ、新たに一人一種類、かつ、一店舗に限り元本五十万円までの預貯金等について、その利子所得に対する所得税を免除することとしております。 さらに、海外事業活動の振興に資するため、外国税額控除制度について控除未済の外国税額について五年の繰り越し控除を認めることとする等、制度の拡充合理化をはかっております。 ————————————— 次に、法人税法の一部を改正する法律案について、その大要を申し上げます。 第一は、中小企業者の税負担の軽減措置の一環として、同族会社の留保所得に対する課税につき改正を行なうことであります。すなわち、現在、同族会社の課税留保所得金額の計算は、同族会社が留保した金額から、課税所得金額の百分の十に相当する金額と年五十万円とのいずれか多い方の金額を控除することとしているのでありますが、今回この控除額を、課税所得金額の百分の十五に相当する金額と年百万円とのいずれか多い方の金額とするよう改めることとしているのであります。 また、海外事業活動の振興に資するため、法人の外国税額控除制度について、所得税と同様に、その拡充合理化の措置を講ずることとしております。 ————————————— 最後に、関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、御説明いたします。 現行関税率表は、一昨年全面改正を行ない、さらに貿易自由化の繰り上げに対応して、昨年、その一部につき改正を行なったのでありますが、その後経済状勢等も変化して参っておりますので、これに対処するため、関税率について所要の調査を行なう必要が生じたのであります。このため、政府は、一般的な関税率改正について昨年十月に、また、石炭対策の一環としての石油の関税率改正について同年十二月に、それぞれ関税率審議会に対し諮問し、同年十二月二十五日及び二十七日にその答申を得ましたので、これに基づきまして、関税定率法及び関税暫定措置法につき、改正を行なうことといたした次第であります。 関税率の調整にあたりましては、関税による国内産業保護の要請のみでなく、国内における需要産業、一般消費者等に及ぼす影響をも十分考慮するとともに、国際的な関税引き下げの動向もしんしゃくして、広く、わが国経済の強化、発展という観点から検討を加えたのであります。 その結果、関税率の改正を行なうこととする品目は、関税定率法及び関税暫定措置法を通じ、三十八品目でありまして、その内訳は、税率を引き上げる品目十三、一部について税率を引き上げる品目三、税率を引き下げる品目十八、関税割当制度を採用する品目一、関税割当制度を廃止する品目一、分類を変更する品目二となっております。 石油につきましては、石炭対策の一環として、二年間に限り、原油の基本税率一キロリットル当たり五百三十円を暫定的に一キロリットルにつき六百四十円に引き上げるほか、重油についてもこれに見合う関税の引き上げを行なうとともに、石炭の長期引き取り契約を行なっている電力業及び製鉄業において消費する重油については、従来の還付のほか、その引き取り量増加に伴う補てん措置として今回の原油関税引き上げ分等に相当する額を、負担増加の額を限度として、特別に還付することとしております。 このほか、本年三月三十一日で適用期限の到来する重要機械類、給食用脱脂粉乳、原子力研究用物品等、航空機及びその部分品等、農林漁業用重油、肥料製造用原油、ガス製造用原油及び石油化学製品等製造用触媒の暫定免税、石油化学原料用揮発油等にかかる関税の還付並びに関税暫定措置法別表の品目の暫定税率中、国民経済上継続の必要があると見られるものの適用期限をそれぞれ延長することといたしております。なお、石油化学におきましては、最近灯油及び軽油を原料として使用する事実がありますので、これらについても関税の還付を行なうことといたしました。 次に、関税制度についてでありますが、ガット締約国である外国がわが国の輸出品に対して譲許の撤回等の緊急措置をとった場合は、これに対抗するため、特定品目の譲許を停止して一定範囲内で税率を引き上げる等の措置をとれることといたしました。 なお、オリンピック大会等国際的な運動競技会で使用される物品で再輸出されるもの及び市町村等が設置するごみ焼却設備用物品のうち国産困難なものについては、その使用目的等にかんがみ関税を免除することとするほか、特定用途免税品の一部につきその用途外使用を規制する等、所要の規定の整備を行なうこととしております。 以上三法案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し上げましたが、何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さいますよう、お願い申し上げます。
○委員長(佐野廣君) 以上で提案理由の説明は終わりました。 引き続き、これら三案の補足説明をお願いいたします。志場税制第一課長。
○説明員(志場喜徳郎君) まず、所得税法の一部を改正する法律案と法人税法の一部を改正する法律案の二法律案につきまして、簡単に補足説明を申し上げます。 今回の国税の改正は、規模におきまして、租税特別措置法等の改正を含めまして、初年度約四百四十二億円、平年度で五百四十億円と相なるわけでございますが、そのうち、ただいま提案されておりまする二法律案におきまする減税額は、初年度で二百九十六億円、平年度で三百五十億円という規模でございます。そのうち、さらに分けて見ますと、所得税の改正におきましては、諸控除の引き上げによりまする減税額が、初年度で二百七十七億円、平年度で三百二十億円でございまして、法人税の改正の点につきましては、初年度十九億円、平年度約三十億円、大体こういうような規模に相なっております。 まず、所得税法の改正案でございますが、先ほど提案理由で申し述べられておりますとおり、主要な点は三点でございまして、第一点は、基礎控除、配偶者控除、扶養控除及び専従者控除の諸控除の引き上げでございます。第二点は、少額貯蓄免税制度の導入でございます。第三点は、外国税額控除制度の改善でございます。 第一点の基礎控除の引き上げでございますが、これは昨年来消費者物価、ことに食糧費等の値段の高騰によりまする生計費が高まってくるということにかんがみまして、負担の軽減をはかりますために課税最低限の引き上げを行なおうというものであります。所得税におきます課税最低限、すなわち所得税がかからない限度をいかなる金額を目安として定めるかということにつきましては、いろいろと議論の立て方があろうかと存じますが、従来から所得税法におきましては、もちろん歳入の必要性等との関係もございまするが、主としまして、その趣旨は、いわゆる最低生活費と申しますか、基準的な生活費と申しますか、そういう部門に所得税の負担を及ぼさないことが適当であろうということを中心に考えまして定めておるわけでございます。具体的にしからばどういうふうな計算を基礎にして求めているのかということでございますが、やり方といたしましては、基準的な生計費を世帯構成員別にはじいてみようということをいたしております。つまり、マーケット・バスケット方式による食糧費を基準にして、基準者な生計費を求めるということをやっております。 若干専門的になりますけれども、マーケット・バスケット方式による食糧費と申しますのは、わが国の成年男子一日所要カロリー二千五百カロリー。ある程度の勤労なりいたしながら健康な生活を続けていくためには、成年男子におきまして二千五百カロリーのカロリーを要するということになっております。それはまあ年齢別によりましてそのカロリー数が変わるわけでございまするが、それを構成世帯の各構成員別の年齢を平均的なものを求めまして、その年齢に応ずる所要カロリーをはじきまして、これをとるためにはいかなる内容の食事をとる必要があるかということを考えまして、そのためにはどういうふうな献立であればよかろうか、献立を必要とするか、私どもも専門家でございませんので、これにつきましては従来から国立栄養研究所に依頼いたしまして、春夏秋冬に応じた献立を作っていただく、それぞれ三食分の献立を何種類か作っていただく、それによりまして、この算定の基礎になっております食物ごとにそれぞれの単価をかけまして食費を求める、こういうことでございます。 で、その場合もちろんぜいたくな献立は考えませんで、通常のといいますか、最も簡素な献立でございますけれども、そういうものをはじきまして、まず食費を求めまして、あとそれを生計費に直すわけでございますが、これにつきましては別途の家計調査——総理府でいたしております家計調査がございまするけれども、これは勤労世帯でございまするが、その家計調査におきましてそれぞれの世帯別に出ておりますから、ただいま算出したマーケット・バスケットによる食糧費の金額の上に世帯ごとに最も近い食糧費の支出金額が現われておるという、そういう世帯におけるエンゲル係数を求めまして、そのエンゲル係数で先ほどの標準的な食糧費を割り戻していきまして、基準的な生計費を求める、こういう方式をやっておったのでありますが、その同じ方式を使い、昨年——昨年といいますか、ただいまの現行法の課税最低限を定めるのに用いました当時に比べまして、昨年の中ごろないしは下期にかげての物価の状態を考えながら同じ計算をいたして参りますと、そこに上昇が見られるわけでございます。その上昇をそのままにしておきますことは、所得税の負担がその分だけ過酷に及んでいくだろうということが考えられますので、その上昇分を最低カバーしようじゃないか、相殺しようじゃないかということを目安に、今回の課税最低限の金額が求められまして、それを各種控除に割り振ったものでございます。これによりまして現行の課税最低限をきめる際の目安としました程度のものにつきましては、今回の改正案によりまして、物価上昇にかかわらず、大体それをカバーしておるというふうに考えるものでございます。これが課税最低限に関係する各種控除の引き上げでございます。あとはその金額だけでございますので、別段法律的にむずかしい点はないと思います。 第二番目の少額貯蓄の免税制度の導入でございますが、これにつきましては、現在国民貯蓄組合法というのがございまして、その中で、その国民貯蓄組合の利子につきましては所得税をかけないという規定が入っておりますが、この法律は戦争中のものでございまするし、むしろこれを所得税法本法に取り入れまして、零細なる預貯金利子についてはこれを非課税にするということが適当ではなかろうかということで、国民貯蓄組合制度にかえまして所得税法で非課税措置を設けよう、こういうことでございまして、その内容は、預金、あるいは合同運用信託、あるいは公社債ないしは公社債投資信託、以上三種類のうちの一種類を選んでいただきまして、しかもある特定のそれを扱う預入先の金融機関を選んでいただきまして、その窓口で元本五十万円までのそれらの預金あるいは公社債、公社債投資信託の有価証券の購入、あるいは合同運用信託の預託というものをやっていただきますと、その利子に対して所得税をかけないことにするというものでございます。 つまり、簡単に申しますと、一人一店舗一種類の預貯金の元本五十万円までの利子については免税にする、こういうもので、従来の国民貯蓄組合制度も元本が五十万円までということになっておりましたが、これは各営業所ごとに五十万円までの限度というものが守られるという建前に相なっておりますけれども、各店舗に分けて、一人が数店舗にそれぞれ持つた場合に、これを総合してその一人の人について五十万円までであるかどうかの確認につきましては、十分な取り締まりといいますか、規制は行ないにくかったと思うのであります。 なお、架空名義等によるその制度の乱用というようなことによりまして、大きな貯蓄を持っている人が乱用するというような弊害もいわれておったわけでございます。昨年この制度の改正が行なわれましたけれども、なおその点につきましては十分な改善を加え得なかったのであります。今回はその点にかんがみまして、一人一種類一店舗五十万まででございまして、そのためには納税者の方が、預貯金者の方がその銀行等の店舗を通じまして所轄の税務署に対し少額貯蓄非課税申告書なるものをお出し願う、こういうことにいたしておるのであります。もっとも、その中身は、ただ本人の住所氏名が確認されればいいわけでございまして、したがいまして、お互い同士、彼はだれの子供であるとか、奥さんであるとか、そういう続き柄関係なり、あるいはどれだけの預貯金をするのであるかという元本の金額なり、そういうことは書かないのでありまして、ただ本人の住所氏名が正当であるということさえわかればいいわけでありますが、そういう申告書を出していただきまして、それが銀行の窓口から、銀行がまとめまして税務署に送ってくる。その税務署は税務署ごとに名寄せをいたしておきまして、まあ二つ以上の金融機関においてそういった口座を持っていることがないかどうかということのチェックになるというような仕組みになっておるわけでございます。 ただ、この場合に、この国民貯蓄組合法がしたがって廃止になりますが、四月一日からにわかにこれを廃止するということは問題でございまするので、従来の国民貯蓄組合の預金利子につきましては、四月及び五月中に支払われるものは、何らの手続を要しないでそのまま従来の貯蓄組合法による非課税規定が働くことにしようとしておるわけであります。六月以降引き続きその貯蓄組合を少額貯蓄免税の対象にしたいというときには、その最初の利払い期までに、先ほど申しました貯蓄非課税申告書をその金融機関にお出し願えればよろしいということで、移り変わりを考えております。 なお、従来窓口貯蓄組合は一人当たり一店舗でございましたけれども、職域あるいは地域組合につきましては、預金を一口あるいは合同運用信託を一口ということで、合わせて百万円までの元本についての非課税制度があったわけでございます。そういうような人たちは、従来の制度によりますと、一種の期待権と申しますか、二口まで待てるという既得権と申しますか、そういうものを持っておりますので、にわかにこれを奪うこともいかがかと考えまして、なお一年間につきましては、そういう組合員につきましては一人二口まで今度の少額貯蓄を持ち得る、こういうことにいたしております。その組合員は、昨年十二月末現在におきまして、地域組合あるいは職域組合の組合員であったということの証明がなされれば、一人一種類でなくて一人二種類まで、つまり合計で元本百万円まで免税対象になり得る。もっとも、この措置は一年間でございます。 こういうふうにしておりますのが、少額貯蓄非課税制度でございます。 第三番目の外国税額の控除制度の改善でございますが、これは非常に技術的な問題でございますけれども、日本の法人あるいは個人が外国で事業をいたしまして所得を得ました場合に、この外国でも所得税ないしは法人税がかかるわけでざいます。その場合には、わが国ではその所得も総合合算いたしまして、わが国の課税を行ないますので、そのままでは二重課税になるわけでございます。したがって、それを緩和するために、わが国の税額から外国の税額を引くということで二重課税を防止しております。 これについての現在までの問題は、たとえばアメリカで一〇〇の所得を得ました場合に、アメリカの税率が日本よりも高いわけであります。二万五千ドルをこえますと、その分には、法人の場合の例でございますが、五二%の法人税がかかっております。わが国の税率は上のほうで三八でございますので、その差引一四というものが控除不足額、引き切れないというものが出るわけでございます。これは今しょうがないということで飛ばしておるわけでありますが、これを何とかできないかというのが今回のポイントでございます。そのときに、それじゃあ引き切れない分までも全部引いてしまったらどうかという議論もあるかもしれませんが、そうしますと実は補助金のようなことになりまして、わが国の国内で得た所得に対する所得税あるいは法人税までも食い込んでもうけていくということになりますので、これは不公平であるということから、各国ともそういう制度はいたしておりません。まだ国際的にも問題があろうと思います。したがいまして、三八という税率の範囲内における控除をしなければなりませんが、これについてしからばどういう方法があるか。大体アメリカの現行の制度にもならいまして、五年間その控除不足額を繰り越していくということを考えたのが今回の措置でございます。 たとえば、ある年に控除不足額が出ますと、それを五年間繰り越していくのであります。その五年間のうちには、たとえば税率の安い国において所得を得たということがその法人なら法人で出てくるといたしますと、そこでわが国の三八というものが余ってくる場合もあります。そういうことも期待されます。なお、だんだんと所得が年を追ってふえるということを前提に考えますと、ことし一〇〇であった所得が来年二〇〇になるということになりますと、来年におけるわが国の控除限度額は、二〇〇に三八%をかけますと七六までいくわけであります。一方、外国の所得に対する外国における所得課税が年度おくれるといたしますと、それはまだきまって参りませんので、わが国の限度額だけが先に計算されまして、そこに食い込んで、いわば先引きで控除していくということになりまして、だから、所得が将来ふえるであろうということ、ないしは税率の安い国に企業が進出し、ないしはそこでの所得を得るということを考えました場合に、現在控除不足でありましても、五年間繰り越していけば、そういった引き切れるチャンスが出てくるであろうということがみそであります。非常に技術的でございますけれども、そういうことによりましてできるだけ二重課税を長い目で防除していきたいというのが外国税所得控除の改正でございます。そういう点は所得税、法人税も同じでございます。 法人税につきましては、残る点は中小企業を主として考えました同族会社の留保所得課税の軽減でございまして、税率は改正いたしませんが、どのくらいの金額留保所得からその課税が行なわれるかという点につきまして、これを引き上げております。現在は課税所得の一割または五十万円のいずれか大きなほうを引きまして、その残りの留保所得に対しまして一割から二割までの課税を行なうということでございますが、今回、同族会社における留保率というものも参考にしたり、あるいは個人の所得税がこの二、三年間次第に軽減されてきておるというようなバランスから考えまして毛、控除額を一割五分または百万円のいずれか大なる金額まで引き上げるいうことにいたしたわけでございます。 以上、簡単でございますけれども、二法案につきまして補足説明を申し上げました次第であります。
○委員長(佐野廣君) 武藤関税局総務課長。
○説明員(武藤謙二郎君) 関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、補足説明を申し上げます。 まず、税率の改正でございますが、先ほど御説明申し上げましたように、今回お願いしておりますのは三十八品目でございます。一昨年の改正は大改正でございまして、六百九十二になっております。昨年は百三十八でございます。ことしは三十八品目でございます。 税率の関係は、法律で申しますと、基本税率を直すほうは定率法のほうに載りまして、期間を限って暫定税率を定める、このほうは暫定措置法と、両方に分かれておりますので、ごらんになる便宜上、「改正税率(案)及び現行税率対照表」というものをお配りしてございますが、これは暫定税率と基本税率と両方を、現行と改正と並べてごらんになりやすいように示してございます。 三十八品目の内容でございますが、引き上げが十三品目あるのでございますが、これは基本税率が三で、暫定税率の関係が十と、合わせて十三となっております。暫定税率の引き上げの中には、後ほど御説明申し上げますが、原油、重油とバナナというようなものが含まれております。それから、一部引き上げというのが三品目ございますが、これは全部暫定税率の引き上げでございます。次に、引き下げが十八品目ございますが、これは基本税率が一一、暫定税率が十六、こうなっております。それから、関税割当制度を新しく採用するものというのは、これは暫定で銅について関税割当制度を採用するということでございます。それから、関税割当制度を廃止するものが一品目ございますが、これは暫定税率の関係でタングステン鉱がございます。そのほか分類変更二というのが基本税率のほうでございます。合計しまして、基本税率の関係が七、暫定税率の関係が三十一、合わせて三十八となっております。 その中で主要品目について簡単に御説明いたしますと、まず、先ほどの「改正税率(案)及び現行税率対照表」をめくっていただきますと、最初にバナナがございます。バナナにつきましては、このページの真ん中の辺に「バナナのうち生鮮のもの」というのがございまして、現行に基本税率が三〇%、暫定税率が五〇%、こうなっております。改正案では、基本税率は動かしませんで、四月一日から一年間を限って暫定税率を七〇%に引き上げるということにいたしております。これは、現在の五〇%の税率のままで四月一日から自由化することはいろいろと国内の競合のくだもの等につきまして影響があるということで、七〇%に二〇%引き上げて自由化をスタートする、こういうことでございます。 それから、次は、石油の関係でございますが、この表をずっとめくっていただきますと、十三ページにございまして、十三ページに番号「二七〇九、石油(原油に限る。)」というところがございます。ここに現在の一キロリットル当たり五百三十円が、今度暫定で、約二%の引き上げになりますが、六百四十円と、百十円引き上げる。これが原油の関係でございます。 その次に、「二七一〇石油」云々とございまして、真ん中よりちょっと下のところにカッコして、「(4) 重油及び粗油」というのがございまして、イというところがございます。この「温度十五度における比重が〇・九〇三七以下のもの」云々、これはいわゆるA重油でございまして、A重油は、現在が一キロリットルにつき八百二十円のものが、今度の改正で、原油の引き上げに見合いまして、百三十五円引き上げまして九百五十五円となる、こういう案でございます。それから、一枚めくっていただきますと、十四ページにロというところがございまして、これがB重油でございますが、現行が六百三十円が、百円引き上げまして七百三十円になる。それから、下のほうへ行きましてハというのがございますが、これがC重油でございますが、C重油は現在の五百七十円が六百六十円と九十円引き上げになる、こういうことでございます。 なお、原油の関係は、先ほど御説明申し上げましたように、石炭対策としてこういう引き上げをいたしたのでございますが、さらに、長期引き取り契約を行なっている電力と鉄がさらに今度引き取りを増加する、その補てん措置といたしまして、暫定措置法の七条の六で特別還付という制度を設けてございます。この還付の関係を申し上げますと、昨年原油の関税が六%から一〇%に上がりました際に、石炭の引き取りに協力する電力、鉄につきましては、その四%の値上がり分を還付という形で返すことにしております。簡単に申しますと、電力と鉄は、従来どおり六%の税のかかった原油から出た重油を使うという形になっているわけでございます。今度は、先ほど申しましたように、その一〇%が二%上がりまして約一二%の関税になりますが、さらに電力と鉄が石炭の引き取りを増加するということでございますので、その一二%のうち、四%は昨年から引き続いて返すわけですが、さらに六%を特別還付という形で、石炭の引き取りによって負担が増加する、それを限度として六%を返してやるということになっております。したがいまして、原油の関係だけにつきまして申しますと、昨年から引き続いての還付が四%、それから特別還付が六%、合わせて一〇%、こうなっております。 なお、今度の改正で、重油のほうも原油に見合って、先ほど申しましたように引き上げますので、この引き上げ分も特別還付として返す、こういうことになっております。 次は、対抗措置の関係でございますが、これは定率法の九条の二の改正でございますが、現在ガットで認めております緊急関税につきましては、国内法で、政令で緊急関税を動かせる、こういうことになっているのでございますけれども、同じように、ガットで認めております措置で、外国が緊急関税をしいた、そのときに、こちらが対抗措置をとる、この関係につきましては国内法の手続がございません。したがいまして、外国が緊急措置をとった場合に、日本としてはこれに対して対抗措置がとりにくい。しかも、この対抗措置はガットの規定で、緊急にやらないととれない、こういうことになっております。そこで、そういう点を補うために、政令で対抗措置をとれるということにいたしたいと思いまして、法律の改正をお願いしております。 それから、最後は、特定の減免税物品の用途外使用の規制の関係でございますが、これは定率法の十三条その他の改正でございます。これは特定の用途に供することを条件に輸入原料品等の関税を減免した場合、従来は製造のつど製品検査を行なう、こういうことになっております。製品が連続的にできるという場合には、この方法は業者にも非常に不便ですし、税関のほうも非常に手間がかかります。そこで、そういう実態に即応するために、製品検査を随時の検査にする、こういうことにいたしまして、一方、現在暫定措置法の関係では、こういう特定用途の免税、減税という関係につきましては、用途外使用を禁止する規定があり、また罰則がある、こういうことになっておりますので、今回の関係につきましてもそれと均衡をとりまして、同じような規定の整備をする、こういう内容でございます。 大体関税定率法等の一部を改正する法律案につきましての説明は以上のとおりでございます。よろしくお願いいたします。
○委員長(佐野廣君) 以上で補足説明は終わりました。
○森部隆輔君 資料の要求をいたしたいと思いますが、その第一は、所得税の納税者中、農家の所得税納税者は全所得税納税者の何%であるか、数字をひとつ。最近五カ年間くらいの数字を……。 それから次は、農家の所得税の納税者中、主として農業の所得のみで所得税の納税者の対象となっている農家の数。最近は農外所得が非常に多いので、私の聞かんとするところは、農家の農業所得だけで納税者としての対象となっている数がわかれば、その数をひとつ示してもらいたい。それが第二です。 それから、次は、今度新たに農業近代化資金の貸付について、従来は系統農協を代理貸付の機関にしておったのですが、新たに銀行に代理業務をやらせることに今度改正をする案があるようでありますが、各府県ごとに、利子補給を始めて以来今日までの各府県ごとの借り入れ申し込み額と、貸付を決定した金額。これは、利子補給は最近始めたものでありますから、最初からのやつを各府県ごとに示してもらいたい。それから、なおついでに、これに関連いたしておりますが、利子補給は県と国がおのおの一分ずつというようなことでいっておりますが、県によっては二分、あるいはその他それ以上のところもあるかもしれませんが、必ずしも県は一率ではないので、各府県ごとに利子補給しておるその率をひとつお調べ願いたいと思います。 それから、第三に、今度、農林漁業金融公庫の資金量を増加することが提案されておりますが、公庫設立以来まだ十年そこそこでありますので、これは地方によっていろいろ違うので、各府県ごとに借り入れ申し込みの金額と貸付を決定した金額を、これは非常に数字がめんどうと思いますが、貸付の対象費目ごとに、土地改良に幾ら申し込んであった、あるいは自作農資金に幾ら申し込んであったというように、対象費目ごとに貸付申し込み額と貸付決定額を、これまた、公庫は設立十年前後ですから、設立以来の数字を示してもらいたいということ。 次は、第四番目に、法人税中、農業協同組合、同連合会、それから漁業協同組合及びその連合会の納入しておる金額、これは最近五カ年間でけっこうですが、全体の法人税の何%になるか、何割になるか、その数字を調べて提供してもらいたい。 以上、資料をお額いしたいと思いますが、かなり数字がめんどうですから、多少日にちがかかってもようございますが、正確な数字をお願いします。
○委員長(佐野廣君) よろしゅうございますね。
○政府委員(池田清志君) よろしゅうございます。
○委員長(佐野廣君) 本日はこれをもって散会いたします。 午前十一時二十四分散会 ————・————