大蔵委員会 第5号
- 発言数
- 102 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/02/08
会議録
○委員長(佐野廣君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 この際、池田大蔵政務次官から発言を求められております。これを許します。池田政務次官。
○政府委員(池田清志君) 一言ごあいさつを申し上げます。 ただいま委員長から御紹介をいただきました池田清志でございますが、今回はからずも大蔵政務次官に任ぜられ、政府委員を命ぜられました。もとより非才浅学、至らぬ者でございますが、皆様方の御指導、御鞭撻によりまして、大過なきを期したいと念願しておる次第でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 簡単でございますが、一言ごあいさつを申し上げました。(拍手) —————————————
○委員長(佐野廣君) 去る二月五日付託されました本院先議の「国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件」、並びに去る一月三十日予備審査のため付託されました産業投資特別会計法の一部を改正する法律案、及び去る二月五日予備審査のため付託されました国民金融公庫法の一部を改正する法律案、酒税法の一部を改正する法律案、印紙税法の一部を改正する法律案、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案、昭和三十七年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案、以上七件を一括議題とし、順次提案理由の説明を聴取いたします。
○政府委員(池田清志君) お許しをいただきまして、ゆっくり提案理由の説明を申し上げさしていただきます。 ただいま議題となりました「国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件」外六件につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。 最初に、「国有財産法十三条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件」につきまして、御説明申し上げます。 本件は昭和三十八年度予算に予定しておりまする皇室用財産の取得について、国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるものであります。 次にその概要を御説明申し上げます。 第一は、二重橋の新設であります。現在の二重橋は老朽化しておりまするので、皇居造営の機会にこれをかけかえようとするものであります。 第二は、皇居内にある病院の新築であります。このたび皇居付属庭園整備計画に伴い、病院の建物の撤去を要することになりましたので、この際、これを新築しようとするものであります。 第三は、皇居東側地区の工作物の新設であります。昭和三十五年一月二十九日の閣議決定に基づく皇居東側地区の整備に伴い、これに必要な水道、下水道の工作物を新設しようとするものであります。 第四は、正倉院東宝庫の空気調和装置の新設であります。近年異常に増加した観光自動車等の排気ガス及び塵埃による空気の汚染に対する空気調和装置を新設しようとするものであります。 次に、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。 政府は、今国会におきまして、昭和三十七年度一般会計補正予算第二号を提出し、御審議を願っておりますが、同補正予算におきましては、産業投資特別会計の投資の財源の確保をはかるため、一般会計から産業投資特別会計の資金への繰り入れ三百五十億円を計上いたしております。また、今国会に提案いたしております昭和三十八年度予算におきましては、一般会計から産業投資特別会計の歳入に四百九十七億円の繰入金を予定いたしております。 この法律は、これらの予算措置に伴い、一般会計から産業投資特別会計資金及び歳入に繰り入れを行なうことができるものとし、これに伴う所要の措置を講じようとするものであります。なお、従来は、御承知のとおり、産業投資特別会計の資金及び歳入への繰入金については、そのつど、産業投資特別会計法の附則におきまして所要の措置を講じて参りましたが、今後は、予算の定めるところにより、所要の繰り入れを行なうことができることといたしております。 なお、昭和三十八年度の産業投資特別会計の投資計画額は八百三十七億円であります。そのうち、二百三億円は外貨債の発行を財源とする日本開発銀行及び日本道路公団に対する貸付金であり、その残額六百三十四億円は、住宅金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫、日本輸出入銀行、日本住宅公団等に対して出資を行なうものであります。この出資財源といたしましては、同会計の自己資金等四十四億円のほか、前に申し述べました一般会計からの繰入金四百九十七億円及び資金からの受入金九十三億円を充てることといたしております。 次に、国民金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。 国民金融公庫は、銀行その他一般の金融機関から資金の融通を受けることを困難とする国民大衆に対して必要な事業資金を供給することを目的として、昭和二十四年六月に設立されて以来、国民大衆の旺盛な資金需要に対処して、その事業の推進をはかって参ったのでありまして、昭和三十六年度末において、その設立以来の融資総額は七千四百十二億円、その融資残高は千四百二十億円に達しております。 昭和三十七年度におきましても、当初事業計画では普通貸付千二百六十億円、その他の諸貸付を含めて総額千四百四十八億円の貸付を計画しておりましたが、その後、政府資金の追加等により現在のところ、普通貸付千三百六十九億円、恩給担保貸付百三十八億円、その他の議貸付を含めて総額千五百十億円程度の貸付を予定しております。なお、当初計画において計画いたしました農地被買収者に対する貸付につきましては、三十七年度内に貸付を行ない得なかったものについては、これを三十八年度に繰り延べることを考慮いたしております。 以上申し述べましたような計画に対応し、必要な資金として三十七年度内に政府資金六百二十億円を新たに供給することとしておりますが、公庫の経営基盤の一そうの強化に資するため、政府資金のうち二十億円は一般会計からの出資金を予定しておりますので、これに伴い、公庫の資本金三百億円を二十億円増額して二百二十億円とする必要があります。 次に、酒税法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。現在、酒税法におきましては、清酒、ビール等につきましては、その原料である米、麦芽等の使用率の限度が法律に規定されているのに対しまして、合成清酒につきましては、その原料たる米の使用率の最高限度が政令にゆだねられておりますので、今回、合成清酒の米の使用率につきましても、その限度を法律で規定することといたしました。また、最近における本みりんの生産及び取引の状況に顧みまして、本みりんの基準アルコール分を引き上げることとする等、所要の規定の改正を行なっております。 ————————————— 次に、印紙税法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。 この法律案は、漁業協同組合及び漁業協同組合連合会の発する貯金証書のうち、記載金高三千円未満のものに対する印紙税を非課税とする措置を講じようとするものであります。 なお、以上の税制整理二法律は、本年四月一日から施行することとしております。 次に、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。 日本輸出入銀行は、昭和二十五年十二月、日本輸出銀行として設立されて以来、プラント輸出金融を中心として輸出入及び海外投資に関する金融を行ない、わが国貿易の振興並びに経済協力の推進に格段の寄与をいたして参りましたことは、御承知のとおりであります。 日本輸出入銀行の業況は、わが国貿易の進展に伴って着実に伸びてきており、その融資残高は、昨年十二月末において二千四百十一億円に達しております。今後も海外からのプラント輸出等の引き合いは、東南アジアを初めとしてさらに増加していくことが予想されますとともに、これら諸国との経済協力もまた一層その実をあげていくことと思われ、日本輸出入銀行の融資を必要とする事案はますます増加する見通しであります。 昭和三十八年度のわが国経済運営の基本的課題は輸出力の増大をはかることであり、この施策の一つとして、輸出振興に重要な役割を果たしております日本輸出入銀行の資金の充実をはかることが緊要と考えられます。 昭和三十八年度の財政投融資計画において、政府は、日本輸出入銀行の融資見込み額を千三百億円と推算し、このため必要な資金として、同行に対して、新たに八百十億円の資金を供給することといたしております。 このうち二百億円は、産業投資特別会計からの出資、六百十億円は資金運用部からの融資を予定しておりますので、これに伴い、同行の資本金九百八十三億円を二百億円増額して千百八十三億円とする必要があります。 最後に、昭和三十七年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案につきまして、御説明いたします。 この法律案は、昭和三十七年産の米穀につき、事前売り渡し申し込み制度の円滑な実施に資するため、米穀の生産者が同年産の米穀を政府に対し事前売り渡し申し込みに基づいて売り渡した場合において、従来と同様、同年分の所得税について、その売り渡しの時期の区分等に応じ、玄米換算百五十キログラム当たり平均千四百円を非課税とする措置を講じようとするものであります。 「国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件」外六件につきまして、この提案の理由を申し上げました。何とぞ御審議の上、すみかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
○委員長(佐野廣君) 以上で提案理由の説明は終わりました。 引き続き、「国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件」及び昭和三十七年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案の二件につきまして、補足説明を聴取いたします。白石管財局長。
○政府委員(白石正雄君) 「国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件」につきまして、御説明を申し上げます。 御承知のように、国有財産法第十三条第二項によりますと、「皇室用財産とする目的で財産を取得し、又は皇室用財産以外の国有財産を皇室用財産としようとするときは、国会の議決を経なければならない。但し、当該財産の価額が三百万円以上である場合を除く外、毎年四月一日から翌年三月三十一日までの期間内に、その取得し、又は皇室用財産とする財産の価額の会計額が三千万円に達するに至るまでの場合については、この限りでない。」、かように相なっておりまするので、この規定に基づきまして提案をいたしておる次第であります。 ここに提案いたしておりまする予算につきましては、別途、三十八年度の予算案の皇室費の中におきまして、宮廷費のところにおいて、皇居東側地区施設整備費、皇居造営関連施設整備費、正倉院施設費というそれぞれのところにおいて計上に相なっております。 次に、その内容でございますが、第一は、二重橋の新設でございます。御承知のように、二軍橋は、俗称二重橋といわれておるわけでございますが、これは石橋の部分と、鉄で作りました鉄橋の部分とあるわけでございますが、その鉄橋の部分を今回かけかえしようというものでございます。この二重橋の鉄橋は、明治二十一年に完成いたしまして、自後七十余年を経過いたしております。橋の耐用年数は、通常五十年程度といわれておりますが、すでにそれを二十年ほども超過いたしておるわけでございまするし、かつまた、この材料は、錬鉄製で作られておりまして、現在の鋼鉄の橋に比較いたしますというと、強度が低いといわれておるわけでございまするので、なおまた、現在の橋では、ほとんどかような材料の橋は見当たらないというような状況でございます。したがいまして、時期的に見ましても、すでにかけかえの時期に来たっておりまするので、今回皇居造営の機会にこれのかけかえをいたそうと考えておる次第でございます。 なお、この工事は、三十八年度と三十九年度で大体完成いたすわけでございますが、その後皇居の造営工事をいたす予定でございまするので、その間におきましてその工事のための車両が通過をいたすというようなこともございまするので、皇居の造営工事が終了いたしました暁におきまして、四十一年度にその舗装を完了いたしまして完成をいたしたい、かような予定に相なっております。 第二の問題は、病院の新築でございます。現在の宮内庁病院は、昭和初年に建築せられました鉄筋コンクリート倉庫の一部に開設せられておりまして、皇族、旧皇族を初め職員及び広く一般にも利用せられてきております。しかしながら、この建物は、すでに老朽化いたしておりまして、窓も小さく、病院としては不適当な個所が多く、新築の必要があったのでございまするが、たまたまこのたび皇居付属庭園整備計画に伴いまして、この建物を撤去する必要が生じたのでございます。したがいまして、この機会に新築をしようとするのでございます。 第三は、皇居の東側地区の主要工作物の新設でございます。皇居付属庭園の整備に伴いまして、病院、庁舎等の建物を移築その他新築をする必要があるわけでございまするが、それらに伴いまして、上下水道とか、排水とか、電気、ガス設備とか、合同マンホールなどの工作物を、まず庭園整備に先だちまして、そういった工作物を整備しようというのが、第三の問題でございます。 第四でございまするが、第四は、正倉院の東宝庫空気調和装置の新設でございます。正倉院の御物は現在、昭和二十七年度に完成しました鉄筋コンクリートの宝庫——これを東宝庫と呼んでおります。それから昭和三十六年度に完成しました鉄筋コンクリートの宝庫——これを西宝庫と呼んでおりますが、この二つに収蔵せられております。火災とか地震とか、そういった災害に対する安全を保つように、これらの宝庫に保存せられておる次第でございます。 しかしながら、近年におきまして、観光、交通の異状な増大から、付近の空気の汚染がはなはだしく、御物に悪影響を与えますので、昭和三十六年度におきまして、西宝庫のほうに空気調和装置を備えましたところ、その効果が非常によろしかったのであります。したがいまして、同じような装置を東宝庫のほうにも備えたいということで、今回予算を計上し、国会に提案いたしている次第でございまするが、その関係から今回の議決案件の中に加えている次第でございます。 以上が「国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件」の内容でございます。 なお、昭和三十八年度の予算に計上せられておりまする金額とは若干の相違がございます。これは、昭和三十八年度の予算の中に、先ほど申し上げました皇居東側地区施設整備費、皇居造営関連施設整備費として計上されておりまする金額の中には、国有財産の取得とは考えられないような単なる除却、撤去、そういったものの経費も含まれております。なお一件三百万円に満たない少額のものも含まれております。したがいまして、議決案件の金額と別途提案されておりまする予算案の金額とは若干相違いたしております。 以上をもちまして、御説明を終わります。
○委員長(佐野廣君) 大蔵省主税局志場税制第一課長。
○説明員(志場喜徳郎君) 昭和三十七年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案につきまして、補足説明を申し上げます。 この法律案は、去る昭和三十年以来、毎年当該年産米につきまして、行当たり平均千四百円を、課税所得に算入しない、つまり非課税をするという措置をとって参りましたが、それのそのままの継続でございます。昭和二十九年までは、御承知のように、米穀の供出奨励金につきましては非課税にして参りましたわけでございますが、その奨励金が米価の中に織り込まれるという機会におきまして、昭和三十年からその分を一般米価の中から非課税にする必要があるのではないかということと、かたがた、実質的な農家の手取りを、米価の引き上げにかえまして、減税措置によってふやそうではないかという趣旨から、三十年産米から、こういうような非課税のための法律案が出されている次第でございます。 昭和三十七年産米につきましても、その内容は昨年と実質的に変わりはございません。ただ、第一期の売り渡し時期につきましては、例年九月三十日をもって締め切られているわけでございまするけれども、昨年がたまたま日曜日にあたりましたということで、十月一日ということに、この法案の第一項、第一号でなっておりますが、それはそういうふうに農林省のほうの売り渡し期日の告示で定められておったのでございます。なお、第四号にございますけれども、普通の府県では、第四番目の売り渡し時期は、十月の三十一日でございますけれども、北海道につきましては、十月下旬から天候不順のために作物の収穫がおくれ、出荷がおくれたということから、特に十一月五日に延ばされておりますので、この点が期日の特例でございます。 そのほかに、石当たり千四百円、これを時期別格差によりまして、金額を分けております。つまり、千二百円から二千円の間にわたりまして、この売り渡し期日に応じまして格差がつけられておるわけでありますけれどもその内容は昨年と結果的に変わっておりません。実質的に同じ内容になっております。 以上がこの法律案の内容でございます。 なお、この措置によりまして所得税の減収額、減税額がどの程度になるかと申しますと、本年度の実績見込みで約十億円程度であろう、こういうふうに考えております。もっとも、これが住民税にも影響を及ぼしますわけで、住民税の減収額は約二十億円程度に当たるのではあるまいか。合計、国税、地方税を通じまして三十億円程度の減税に相なるかと、こういうふうに考えるわけであります。 なお、適用対象になる農家の人数でございますけれども、まあ全国の農家約五百九十万世帯と考えまして、そのうちの十八万世帯くらい、約三・二%程度の人たちにこの措置が及ぶわけでございます。と申しますのは、所得税の控除引き上げによりまして、納税者の数そのものが、もしこの予約減税措置がなかった場合に二十八、九万人にしかすぎませんわけでございますので、この措置によって約六万人程度が控除失格となって所得税を納める必要がなくなる、所得税納税者でなくなる。そして二十三万人——残る納税者の中で、つまり控除失格しないうちで、約十八万人程度の人がこの措置によりまして実質的な減税措置を受ける、かような状態に相なっております。 以上簡単でございますけれども、補足説明申し上げました次第でございます。
○委員長(佐野廣君) 以上で補足説明は終わりました。 —————————————
○委員長(佐野廣君) 次に、参議院先議の「日本専売公社法四十三条の十九の規定に基づき、国会の議決を求めるの件」を議題とし、質疑に入ります。御質議のおありの方は順次御発言を願います。
○柴谷要君 塩の専売問題について、少し御質問いたしたいと思います。 現在、公社の直営で行なっておりまする事業場というのは何カ所くらいおありですか、それから特にその事業場が行なっておる製塩の方式、あるいは年間どのくらいできておるか、それが国内消費とどういう率になっておるか、それらの問題について、まず最初にお尋ねをいたしたいと思います。
○説明員(高橋時男君) 御質問の趣旨がちょっとあれでございますが、公社でやっておる事業というのは、塩だけの事業でございますか、たばこも入れてのお話でございますか。
○柴谷要君 直営です。
○説明員(高橋時男君) 塩の直営工場といたしましては、従来福島県にございます小名浜工場ただ一カ所でございます。そのほかに公社の塩関係の地方の施設といたしましては、神奈川県の小田原市に製塩試験場、それから山口県の防府市に製塩試験場、その二つがございます。製造をやっておりますのは小名浜の工場で、これが一万トン前後の年生産をして参りましたが、昨年の十月に操業を停止いたしましたので、現在は公社としての生産はございせん。
○柴谷要君 直営工場として製塩をやっておったところは小名浜一カ所、特に小田原は試験工場。それから、防府は何でございますか。
○説明員(高橋時男君) 小田原の製塩試験場は、主としてイオン交換樹脂膜の関係の研究をいたしております。で、塩は試験の過程において何キロという程度はできますけれども、製造をしておるというほどの規模ではございません。 それから、防府のほうは、従来はあの地区に民間の塩田がございましたので、そういう塩田に関連しまして、海水から塩田で濃い塩水をとる——採鹹と申しておりますが、こういうことにおもな重点を置いて試験をして参りましたが、三十四、五年度の塩業整備であの辺の塩田が全部廃止になりましたので、あそこはやめまして、そういう採鹹の方面の試験はやめまして、現在は、とりました濃い塩水をいかに効率的に煮詰めるか——煎熬といっておりますが、この煎熬方面に重点を置いて試験をしております。したがいまして、これも試験の過程において若干塩はとれますけれども、これも何キロとか、何トンというもので、えらくたくさん製造するというほどの塩はできません。
○柴谷要君 すでに直営事業場として塩の直接製造をやっておったのは小名浜だけ、他はいわば試験段階を出ておらない、こういうことでございますが、そうしまするというと、小名浜を廃止されることによって、製造工場といいますか、製造事業場というものはこれはなくなってしまう、こういうことでありますが、塩業審議会でございますか、特に公社が諮問をして答申が出さておりまする塩業審議会の内容を見ますと、あながち全然廃止しろというようなことになっておらない。にもかかわらず、この小名浜工場を廃止をしていくという理由、これを廃止をしていかなければならぬ、こういう理由がどこから生まれてきたか、それをひとつ克明に御説明をしていただきたいと思います。
○説明員(高橋時男君) 小名浜の製塩試験工場を廃止した理由いかんというお尋ねかと思います。小名浜の試験工場は、昭和二十七年にできたものでございますが、これは海水から電気の力をもちまして塩を作る方法で、電気加圧直煮方式とわれわれ呼んでおります。こういう新しい方式で、塩田を用いずにもっぱら工場の設備のみをもってして海水から最終段階に塩ができてくる、こういう、従来の塩田を利用して海水をある程度濃くし、その濃くした鹹水をおかまに入れてたいて塩にすると、こういう方式とは全然別個のいわゆる工場生産方式ともいうべき新しい方式をもって塩を作るという研究をわれわれの技術のほうでやって参りましたが、企業化できる大体の見通しがつきましたので、中間試験工場として年約一万トンの生産規模で始めたものでございます。当時としてはきわめて画期的な方式であったわけでございまして、この方式をまねて民間でも数個の製塩工場がその後できました。 その後、御承知のように、塩の国内の生産が需要を著しくオーバーするというような状態になりましたので、昭和三十四、五年、両年度にわたりまして総額百十四億円の塩業整備交付金を支給しまして、生産力の約四分の一程度を整理したわけでございます。その間、小名浜工場はずっと続いて参りましたが、最近に至りまして、十年間の歳月を経過しましたために、機械設備の老朽がはなはだしくなってきた、こういうようなこともございまして、他方、電気加圧直煮方式というものは、一応、専売公社として一万トンの中間規模でもって始めたわけでありますけれども、その試験技術開発と申しますか、そういう開拓的な、試験的な意味も一応達成せられましたので、他方機械も十年を経過して老化しているというようなことで、これをさらに修理して続けるということであれば、莫大な経費も要するし、本来設立の目的であります中間試験の目的も完了した、こういうようなことで、やめてはどうか、こういうことになりましたが、なお副次的には、今九十万トンの国内生産を行なっておりますが、生産者に生産ワクを設けて、自由勝手にたくさん作るということをしないようにしてもらっているときでありますので、公社がたとえ一万トンといえどもこの際長くいつまでも製造しているということも、大局的に必ずしも適当ではなかろう、こういうような、ほぼ三つの理由を主眼といたしまして、廃止に決定いたした次第でございます。
○柴谷要君 小名浜工場が過去において十分試験的の面でも、また実質的の面でも貢献をして、すでに任務は終わった、しかも最近、塩の製造については、かなり過剰生産になっておる、こういうさなかでもあるし、特に最近の製塩事業については、画期的な新しい施設を備え付けないというと、単価の点においても外国塩の輸入に太刀打ちできない、こういうようないろんな面があって、廃止という方向に向かったと思うのでありますが、ここに働いておりました従業員の処置はどのようになされたか、この経緯をひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○説明員(高橋時男君) 当時小名浜の工場に働いておりましたのは、管理職とも約九十人前後でございました。ここに働いておりました職員の諸君は、昭和二十七年に工場を作ったときに、新たに採用した者、また管理職、技術者等は、他の専売公社の個所において勤務していた者等を集めて発足したものでありますから、大体の構成におきまして、年令におきましても、学歴構成におきましても、他の事業場に比して若い人が多い、それから高校卒以上の人が大部分である、こういうようなことでありましたので、われわれとしては、いわば土着と申しますか、その土地はえ抜きでずっと育ってきて、そこの学校を出て、そこにある事業場に勤めているというような事例が他には多いのでありますが、小名浜工場については、そういう土着といいますか、そこの土地でずっと成長されて、そこに勤務しておられるというような関係の職員が比較的少なかったこういうような事例もございまして、労働組合のほうとも話し合いを重ねまして、各人の希望を聞きながら、公社の事業上の必要性と勘案して、各人の希望になるべく沿うように、また、公社の必要になるべく合致するようにというようなことで、労働組合と話を続け、円満に妥決いたしまして、個人々々について詳細に計画を作って、各人不満のないように配置がえをいたしました。現在十名前後の管理職と、若干の管理職以外の一般の人がおりますが、大体管理職の人が十名前後財産管理に当たっておりますが、今回、この処分の御承認をいただきますれば、そういう職員も遠からず他の勤務個所へ全部配置がえになるというふうに考えております。
○柴谷要君 特に事業場閉鎖という問題は大きな問題で、そこに働いている人たちが組合との話し合いで円満に移行されたということはまことにけっこうだと思うのです。 そこで、これはそのような御発言がありましたので新しい問題をお尋ねしたいと思いますが、昨年秋のできごとではないかと思うのですが、塩の必要度が増してくる時期、いわゆるつけものであるとか、みそ、しょうゆの製造にかかる、こういう段階のときに急に高い塩を買わされたということ、並びに当時、品物が非常に不足をした、こういう事態が昨年九月から十月ごろ起きている。一体、この原因はどこから生まれてきたのか、これは皆さん御承知のはずなわけです。たとえば、塩にもいろいろ種類がございまして、白塩とか上質塩であるとか、等級が分かれて内容が違っておるのですが、野菜をつけたり、あるいはみそ、しょうゆを製造するときに、大量に必要な時期に、この欲する白塩が非常に少なく、そうして上質塩の押し売りじゃないけれども、高い価格のものは店頭にあるけれども、安いものがなかった、非常に不足を来たして問題が起きたことを専売の皆さん御存じでおりますが、一体その原因はどこから生まれてきたのか、これはおわかりでしたら、ひとつ説明していただきたいと思うのです。
○説明員(高橋時男君) 昨年のつけものの最盛期にあたりまして、場所によっては消費者から、安い塩、はかり売りの塩を供給してもらいたいと思っているのに、袋詰めの割高の塩だけしか売らぬのはけしからぬじゃないかというような苦情が新聞紙等にもありました。投書欄にも載っておりましたが、また国会の先生方あるいはその他の方面からも、電話その他口頭の御連絡等でそういう苦情の御連絡あるいは御忠告等がございました。私どもといたしましては、そういう事態のないように努力してきたのでおりますが、事実としてそういうことが若干ございましたことは、まことに申しわけないと思っております。どうしてそういうことになったかという点を、お話ししたいと思います。大体、全国でソーダ工業用を除きました一般の家庭用の食用塩、みそ、しょうゆ醸造、あるいはつけもののつけ込み、家庭で料理に使う塩、あるいは化学工業で三千トンとか五千トンとか少しの塩を使う、そういうものを寄せまして、大体百万トンから百十万トンくらいの塩を年間消費するわけでございます。そのほかソーダ用塩が二百六、七十万トン。この百万トンないし百十万トン程度の、ソーダ工業用以外の塩のうち、家庭で主婦が買って消費される分が大体五十万トン、あと、みそ、しょうゆ屋さん、化学工業等でお使いになるのが五、六万トン、こういうふうに考えております。 この家庭の主婦がお買いになって各家庭でつけものの形あるいは塩そのままの形でお使いになる五十万トンの家庭用塩のうち、約十万トン前後が袋詰めの、家庭用食塩とわれわれ申しておりますけれども、純度九九%以上の塩で、これがポリエチの袋に入っております。それから、あとの四十万トンが、上質塩と申しまして、これは三十キロのセメント袋のようなクラフト紙に入って売られております。昨年度まではわらかますに入った塩でございまして、これは白塩と申しまして、純度が九三%、さっき申しましたセメント袋のような紙の袋に入っておりますものが九五%、こういうことになっております。昨年まではこのわらかますに入っております白塩というものを一般にも売っておりまして、大きな農家なんかでつけ込むときには、かます一俵単位で買ってらっしゃる。また、都市の家庭等では、はかり売りで十円、二十円とお買いになる、こういうようなことでありましたが、このわらかますは純度が低いために、しばらく、数カ月しますというと、にがりがしみ出してきて、かますがぬれているわけであります。それから、塩としても固まってしまう、またはかり売りするときにも、わらくずが入るというようなことで、保管の面、それからはかり売りする際の衛生の面等で、他の食品がだんだん衛生化して純度が高まってきているときに、塩のみが依然としていつまでもそういう状態であるのは適当でないというようなことで、三十七年度からはわらかますで純度の低いものを入れるということはやめにしたわけです。他方、わらの事情もあったわけでございまして、ああいうわらかますを作るというような地方の産業というものがだんだん衰微していく。それから袋詰めの段階で、製塩工場でもああいうわらかますに塩を詰めるということは相当重労働でありまして、塩をあそこへ入れてはかりにはかって縄がけをして倉庫へ積み上げていくというのは、大の男がたくさん要るわけであります。そういうわらかますの生産事情、それからああいう袋詰めの労働事情等からも、いつまでもわらかますに詰めるという態勢は維持できないという情勢になってきましたので、三十七年度からああいうものに見切りをつけて、袋詰めにする、これにしますというと、ベルト・コンペアでやりますので、婦人労働でも軽く秤量、袋詰めミシンがけ等ができるわけであります。そういうことにしますというと、今度は、紙の袋でありますから、純度を上げないというと湿気が、わらかますと違って紙でありますから、湿気を保持するということは物理的に非常に困難であります。そういう点からも純度を上げる、九五%にする。 そうしますというと、家庭の主婦の苦情はどういう点かといいますと、一つは、従来の白塩のような、こうつかんでみるというと、ややしとっとするような、ああいう感じの塩でないと、さらさらした塩では、何かつけものをつけた場合にききめが薄いのじゃないか、どうもちゃんとつけものがつからぬではないかというような、まあ品種が違っていくためにつけものがよくつからぬというような御心配の苦情が一つと、それから、従来ははかり売りだから、中身だけを正味に買うのだから安いと。ところが、袋詰めになっているものは、袋詰めだから袋代等で割高である。こういうような二つの不平が主であろうかと思います。 私どもとしては、先ほど申しましたように、今とうふなどでも、ポリエチの袋詰めになっているとうふなどを売っている。また納豆その他でも、大体昔のような包装形態でなしに、きわめて簡易に衛生的に持ち運び、売り買い等ができるような形態になっているのでありまして、これは商品全般の傾向であります。塩につきましても、わらのごみの入ったぬれた塩を家に持ち帰っても、数日するとすぐぼたぼたぬれてしまうというのは、やはり食品販売の形として近代的ではないというようなことから、品質を上げ、袋詰めにするということにしたわけであります。 したがいまして、この袋詰めは、一昨年度から、昭和三十六年度から一部の地区でテスト販売をしてみたわけでありますが、その当座は若干不平があったわけでありますが、そういうテスト販売をした地区につきましては、本年度におきましては不平というものはほとんど聞いておりません。テスト販売ではなしに、三十七年度、去年の秋初めて売り出した方面では、やはり品物に対する主婦のなじみが少ないということから、非常に不平不満が投書欄等に出ましたが、少し使ってみていただけば、やはり便利である、衛生的である。それから品質においても、これでつけたからさらさらしてききめが少し弱いのではないかというようなことはないわけでありまして、来年度からは、だんだん家庭の主婦がなれていただくことによって、そういう不平はだんだん少なくなるのではないかと考えております。 まだ、割高ではないかという点でありますが、これは純度が高いし、袋に詰めますから、ほかの一般の自由商品は利幅というか、マージンが大きいですから、袋代込みであっても、従来の値段と同じで売っているのですが、その利幅の中で何とか処理ができますけれども、塩は御承知のとおり全然もうけない原価主義でやっておりますから、袋詰めにすれば若干の割高になりますけれども、何にいたしましても、このくらいの袋で六百グラムでありますから、普通のサラリーマンの家庭であれば、そう一月で何袋も使うという品物でもないわけであります。また、農家で大量におつけになる場合は、三十キロ、このくらいのかますが大体五百四十円——詳しい数字はちょっとあれしておりますが、五百四十円程度でありまして、農家で四斗だる、一斗だる等でつけ込まれるときは、そういうものをお使いになればよいと思います。このくらいで、家庭用で三・二キロ百円というものがございますから、そう割高の塩を無理に押しつけて、農家その他の家庭に重い負担をかけておるということでないと思いますが、若干、末端の販売面におきまして、この塩しかないのだ、専売公社からこれを売れと言われたから、これを売るという、不親切な、お客さんに対する応待等が間々あるやに聞いておりますので、そういうことのないように、先般詳細なお客の扱い方等に関するパンフレットを作成しまして、八万人の小売屋さん全部にそういうものを配りまして、各地区各地区の販売人の組合の代表者を集めて講習会のようなものを開いて、よくお客さんの御納得のいくように、買っていただくように、こういう指導の講習会も開いております。来年度からはだんだんそういう御不平、御不満等も解消してくるのではないか、こういうふうに考えております。
○柴谷要君 私がこういう質問をしたのは、実は、塩が専売制になっておる、公社の塩に対する熱意というか、国民に実情をよく知らしめない、そこに問題があるのではないか。というのは、六百グラムでもって二十円の袋は、確かに衛生的でいい。それから、かます販売で小売店が目方をはかって売るという方法は、確かに目方どおりに売れないのです。なぜ売れないかというと、先ほどお話がありましたように、にがりとなってかなり目減りがするものですから、ですから、一キロといっても、九百グラムなら九百グラム大体はかっているので、そして損のないように売っておったのが現実だと思う。ですから、正しい売り方をすれば目が切れてしまうということで、かます販売の問題については、これは改善をする必要があると思っておったのですが、しかし当時の白塩の価格は一キロ二十円です。二十円でお売りになる。ところが、今回六百グラムでもって二十円というのは、これは一キロにすると三十三円ばかりに該当するのです。今まで二十円で一キロ買えて、つけものをつけておったのが、急に三十三円の塩を買うということになると、これは十三円も高く押しつけられたという消費者側の観念が浮いてくるわけです。しかし、こういう経緯をもって専売公社としては販売するんだということを国民に十分知らしめて、そうして使っていただけば、このほうがよりよい効果が出るんですということを十分知らした上でこれを進めたほうが効果があったと思う。皆さん方の努力も報いられたと思う。ところが、ただ小売店を通じてこういうふうに変わってきたんだということで、この塩以外にありません、こういう断わったものですから、やはり消費者側ではここで文句が出た、こう思う。ですから、塩の専売が行なわれている限りにおいては、やはり公社の責任をのがれるわけに参りませんので、どうか、そのほうがよい結果をもたらす、こういうことであるならば、自信をもって国民に知らしめる、そうして消費をしてもらう、こういう心がまえが必要じゃないか。塩に対して熱意をもう少し傾けて国民に接してもらいたい。これを実は要望したいためにこの質問を申し上げたわけです。 確かに小売店等においては、かます売りはごめんだという声を圧倒的に聞いております。ですから、これを袋入りにして、しかも衛生的で、販売にはそう手数がかからない、こういうことになればけっこうなことだと思う。ただ、それだって、十分国民に知らしめていかなければならぬ。また時期的に、そういうものが急に変わったんだから、ないんだというような小売店の販売法にも問題点があると思いますが、これはあなた方専売公社の指導よろしきを得なかったと、こういう結論になると思うので、今後も起き得ることでありますから、十分御注意願いたいと、こう思うわけです。 それでは、最後の質問になりますが、小名浜工場、これは国会の議決をもって承認を得られますというと、処置をしなければならぬと思う。その処置の方法について今公社でお考えになっておる点を、ひとつお聞かせをいただきたい。
○説明員(小林章君) 本件は、先ほど塩業部長から話がありましたが、国会の御承認を得ましたならば、その上で、私のほうにも大体国の会計規定に準ずる会計規程がございます。それによりまして処置する、かように考えております。
○柴谷要君 対象になっておる土地であるとか建物、こういうものの処置に ついては一応計画をお立てになっておるわけですか。
○説明員(小林章君) ただいまのところ、まだ具体的に計画は立てておりません。国会の御承認を得た上で、そういう法規に照らしてできるだけ早く処置したい、かように考えております。
○柴谷要君 それでは、国会の承認を得るまでは何もやらぬでおる、こういうことでございますか。
○説明員(小林章君) 先ほども話がありましたように、ただいま職員につきましては、できるだけ相談をして、早期に職場転換をいたしたいというのと同じように、器具、備品等、雑品につきましては、いつまで置いておきましても、塩分のものでございますから、かえってむだになるので、こういうものはできるだけ早く承認がありましたら譲るし、また公社の中で、ほかの機関で使えるものがあればほかに転換したいということを考えております。基本財産につきましては、承認を得た上で考えたい、かように考えております。
○柴谷要君 その問題等については今のお話でわかりましたが、土地、建物等の処置の問題、たとえばすでに小名浜工場を廃止するといううわさはずっともうあのかいわいには響き渡っていると思う。必要な部面から、たとえば払い下げてほしいとか、あるいは建物等についてはどういうふうにやられるのか、いろいろ公社に御質問なり問い合わせがあると思うのです。こういう問題について、多少その話のできる範囲の問題でけっこうですけれども、ありましたら、ひとつ。
○説明員(小林章君) ただいまお話ありましたように、確かに私の記憶では六、七件うわさによりまして申請が参っております。けれども、基本財産につきましては、国会の御承認を得ないとどうにもできないので、それまではお待ち願いたいということで、すべて留保いたしております。
○柴谷要君 大体まあそういう処置の問題については、競争入札をさして高いものに払い下げる、こういう基本的な考え方はお持ちでございますか。
○説明員(小林章君) 考え方と申しますか、ただいま申しましたように、会計規程、それが大体国のほうの会計法規と大体一緒でございます。したがいまして、ただいまお話しのように、原則は競争入札ということに相なろうかと思います。
○野溝勝君 こまかい問題ですが、二、三お伺いしたいと思います。大体この食塩と工業塩、塩といってもいろいろあるのですが、目下のところ大体の需要量はどんな工合にいっておりますか。製塩で、たとえば食塩がどのくらい、工業塩がどのくらい、それでその需要はどんな関係、こういうことをひとつ。
○説明員(高橋時男君) ソーダ工業用塩は、ソーダ工業の消長によるわけでございますが、最近数年を見ますと、大体二百五、六十万トンから二百七、八十万トンというふうに、毎年ある程度増加しております。これに対して、ソーダ工業用を除く一般の食料用塩、その他化学工業等に若干使いまするこういう塩は、先ほど申し上げましたように、百万トンないし百十万トンぐらいでございまして、確かになめる塩につきましては人口の増加によってある程度ふえるわけでありますが、他方、農家のみそ、しょうゆの自家醸造とか、つけものを大量につけ込むという習慣がだんだんと少なくなるという傾向もございますので、著しくどんどん一般の食料用塩がふえていくということはないと思いますが、若干ふえていく程度かと思います。
○野溝勝君 そうすると、生産と需要量との関係ですけれども、需給関係ですが、その点はどういうふうなのですか。
○説明員(高橋時男君) 国内の生産は現在年間九十万トンでございまして、国内の塩を使う用途については、大体九十万トンぐらい国内の塩を使うような用途がございますので、国内の生産九十万トンと国内塩のそういう種類の塩の需要九十万トンとほぼ見合っております。あとはしょうゆを作るとか魚の塩蔵には、外国から塩を十八、九万トン程度毎年輸入しておりますので、それでもって魚の塩蔵としょうゆの醸造用塩の一部に充てております。
○野溝勝君 そうすると、結局、国内工業塩、食塩合わせてのうち、大体食塩は足りないのじゃないのですか。
○説明員(高橋時男君) 現在九十万トンということで国内塩を作ってもらっております。この九十万トンの塩で、先ほど申しました家庭の主婦が毎月少しずつ買っていかれる塩とか、あるいはつけもの用塩であるとか、その他の用途に充てておりますので、大体九十万トンぐらい作ってもらっておれば、需給がほぼ均衡して好都合であるというふうに考えております。
○野溝勝君 そうすると、あなたのさっき言われた国内食用塩が百万トンから百十万トン、そのほうは大体まあそこそこにいくのだが、工業塩のほうはほとんど補足できないのじゃないのですか。
○説明員(高橋時男君) 工業塩はすべて外国から輸入しておりまして、国内塩は原則として使っておりません。
○野溝勝君 工業塩を一つも作らぬのですか。そうすると、今まで国としてもずいぶん金を公社へ出し、試験場もそれぞれ作って、いろいろと国の費用を使っておるのですが、先ほど柴谷委員の質問の中に、小田原、防府、小名浜等の試験場もあったのですが、これら試験場は一つも工業用塩について研究というふうなことはしておらぬと、こういうふうにとっていいんですか。
○説明員(高橋時男君) 日本の国内の塩業は、御承知のように、日本の気候風土が、雨量が非常に多いというようなことでございますので、外国の塩の主産地のように、年間の降雨量が何百ミリであるという、きわめて少ない砂漠のようなところの海岸の広いところをせきとめまして、そこに海水を入れて、天日で蒸発さして塩をとるというのと違いまして、日本では、年間千七、八百ミリとか二千ミリという雨量があるわけでありますから、こういう雨量の多い国では、砂漠のような熱帯地区で塩をとるというようなわけには参りませんので、どうしてもコストが割高になる。この割高になるコストを、どうしたら少しでも引き下げられるかと、こういうようなことで、公社でも、試験場において、いろいろ研究しまして、若干の成果が上がったものについては、これを民間の製塩業者に教えて、民間の製塩コストを下げるというふうにやって参ったわけであります。他方、工業用塩は、これも、わが国の塩業界、またわれわれ塩の行政をあずかっておる者として、工業用塩を国内で自給するということも、全然考慮に置いていないわけではありませんので、また民間の企業等におきましても、海水を直接、ある程度濃くして、塩の形にしないままでソーダ工業等に使う道はないかというようなことも、一つのアイデアとして相当研究しております。まだ外国塩に匹敵するほどの安い原価でそういう工程が完成しておるとはいえませんけれども、全然そういう方面に関心がない、あるいは研究していないということではございません。
○野溝勝君 そうすると、工業塩の輸入額になるわけですが、総額どのくらいになりますか。
○説明員(高橋時男君) 大体、中共から入れます塩が、年によって違いますけれども、八ドルから八ドル五十セントかと思います。その他の遠いところは、ならし、日本到着で大体十ドルでございます。ですから、二百七十万トンとすれば二千七百万ドル、ラウンドして、大体そういう見当でございます。
○野溝勝君 これは、国内資源を開発するという意味においても、大いに努力しなければならぬと思うのです。たとえば石油にしても、あるいは砂糖等の資源にしても、外国への依存度が高いのですから、それでは国際収支の問題などから見てもいかにも日本がますます不利になるので、その点、政府としては馬力をかけねばいかぬと私は思っておるのです。その点は、砂糖及び石油等の資源開発に相当政府は努力しておるのですが、この点、専売公社はおかしいと思う。全然できないできないというのじゃなくて、今のように、何らか工業塩に、性質のいいものができないでも、それに匹敵するか近いものぐらいは開発するということに相当の馬力をかけねばいかぬと思うので、そういう点に対する努力がどうも少ないように思うのですけれども、その点、もう少しその経過を話してくれませんか。 それと、私の聞かんとするところは、それに対して、技術者を外国に派遣するとか、あるいはいろいろ研究をやってみたとかいう経過、そういうものがあったら、それを含めてお話しを願いたい。
○説明員(高橋時男君) 工業用塩を国内で自給するという方向について、公社はあまり熱意もないのじゃないかという御質問かと思います。われわれとしましては、塩専売の建前上、国内の食料用塩を大体自給して参りたいということが主眼でやって参ったわけでありますけれども、日本の産業全体としてみますれば、化学工業の基礎原料の第一とも申すべき塩をすべて外国から輸入しているということは、これはいかにも残念なことである、こういうふうに考えております。この面で従来いろいろ研究もして参ったわけでありますが、最近ではイオン交換樹脂膜法による海水の電気透析という方法がある程度目鼻がついて参りまして、今数社においてそういう実験をし、そのうち特に二社はある程度、中規模といいますか、相当な規模で操業をいたしております。で、こういうようなものが将来どんどん伸びてくれば、先生のおっしゃるような方向に進む一つの大きな手がかりになるのではないかと思っております。 このイオン交換樹脂膜法といいますのは、海外の中に電気のプラスとマイナスの極を通じまして、その極の間へ特別の電気的性質を有する合成樹脂の膜を、電気の方向に対して直角に何百枚というほど、プラス、マイナス交互に並べて、電気を通じますというと、塩の濃い部分と逆に塩の非常に薄くなった部分とが交代に膜の間にできます。その濃くなった部分だけを取り出しますというと、これが濃い塩水になる。これをおかまで煮詰めれば塩になる。それから薄いほうのところは、海水よりも塩分が少ないわけでありますから、これは真水に近くなる。こういう方法につきまして、現在アメリカでも相当研究しております。アメリカは塩がたくさんあるわけでありますけれども、飲料用水あるいは工業用水等が不足している。それですから、海水あるいは大陸の中に出てくる不純分の多いわき水、こういうものから不純分を取り除いて、なるべく真水に近い水をとりたいという方向で研究をしております。私どものほうでは、水は当分あるとして、塩がまずほしいということで、塩のほうをとる研究をしておりますが、この方法がだんだん完成して参りますれば、海水から工業用水を相当安い値段で取り出し、あわせて副産物として塩もとれる、こういうことになるかと思いますが、こういう方法も現に小名浜に新日本化学の工場がありまして、これが年間五万トンの規模でやっております。去年の三月からフル操業に入ったわけであります。現在新しい技術でありますために、若干の工程のトラブルがございまして、当初予定したほどの効率は上がっておりませんけれども、これは新技術でありますから、何年かいろいろやっている間には、ちゃんとしたものになるというふうに考えております。 それから、四国の坂出で旭硝子、これはソーダとガラスを作っている会社でありますが、これが約一万トンの規模で、従来の塩業者で日本化学塩業という会社とタイアップして、やはり海水から濃い塩水をそういう電気的な方法でとるということをやっております。そのほか徳山曹達とかその他の会社において、まだ工業化試験はしておりませんが、自分の構内で小規模にやはり電気的な方法で海水を濃くするということで考えております。そういう会社ではおそらく、もしそういう方法が完成すれば、全量といわないまでも相当の分量は補助的に海水から濃い塩水を使ってソーダ工業の原料に充てるということをもくらんでいるのではないかと思いますので、先生が御心配のように全然何らの努力等がなされていないというわけではないというふうに考えております。
○野溝勝君 私がこういうことを言うのは、あなたの御指摘になるとおり、二千七百万ドル以上もの莫大な金を出して、外塩を入れておるわけですね。ですから、私は財政の点からみても、当然政府はこういうことを真剣に考えなきゃいかぬ。まあそういう点では、公社はあまりにも容易に政府資金によってやっていくのだというような考えではないが。まあ国費などはあまり、責任を持たぬと言ったのでは言い過ぎかもしれぬけれども、あまりそういう点についての注意が足りないと思う。だから、この点、公社も日本の経済に大きな役立ちをするぐらいの何かひとつ仕事をやってみたらどうかと思う。そういう点は一つもやっていない。こういう点はひとつ総裁が来たとき伺います。 次に、先ほど食塩の点については俗にいうパーパー程度にいくというのだが、一体それなら、なぜ最近製塩工場などの整理をするのだ。御承知のとおり、坂出などはほとんどやめちゃった。まあ各地における製塩工場はみなほとんど軒並みにやめるというか、規模を縮小するというか、そういう方向です。最近聞くところによるというと、道路敷に食塩を使っておる。これは一体どういうわけなんですか。われわれしろうとにはわからないが……。
○説明員(高橋時男君) 最初に塩業整備のことに関する御質問かと思いますが、塩業整備は昭和三十四年度、五年度、両年度にまたがって行なわれたものでございます。当時、従来は年間国内の製塩の生産量が大体五、六十万トンぐらいが長い間常識的な限度と考えられておったのでありますが、昭和三十一、二年ごろから、塩田地方を御旅行になったときごらんになると思いますが、枝条架方式と申しまして、塩田の中に丸太を建てまして、その丸太の上へ横にまた丸太を渡して、そこから竹のささらをたくさんたらす、そういう方式でやりましたところが、一ヘクタールあたりの生産力が年間百トン前後でございましたが、そういう方法を用いましたために二百五十トンないし三百トンぐらいに飛躍的に上昇したわけでございます。そういうようなことのために、年間五、六十万トンぐらいの生産力を持っておりましたものが、だんだんふえまして、潜在能力的には百三十四万トンぐらいまでいったわけでございます。これは建設途中のものとかそういうものを寄せて、百三十四万トンぐらいになるという事態が現出したわけでございます。これはたいへんだと、こんなに塩を作られたのでは毎年デッド・ストックがたまるばかりだということで、整備交付金を支出していただきまして、この能力を九十万トンに詰めたわけでございます。したがいまして、まあ部分的にはそこもやめた、ここもやめたという態勢になりましたけれども、九十万トンという生産力はまだ相当な生産力でありまして、どんどんやめてしまったというほどでもないかと思います。大体国内の需要に見合うぐらいでありますから、このぐらいで当分塩の生産としては適正な規模であろうかと考えております。 次に、道路に塩を使うという方法でございますが、一つはほこりの、ちゃんと舗装していない砂利道に塩をまきますというと、ほこりも立たないし、それからある程度道を固める、こういう効果があるということで、一、二試験をしておりますが、まだこれなら絶対いけるというほどの試験成績をあげておりません。 もう一つ、塩のそういう土木的な使い方の試験としては、新しくできた箱根の有料道路と山中湖畔の舗装道路、いずれも完全舗装の道路でございますが、ここへ雪が降った場合に塩をまく。そうしますと、雪がかちかちに凍った表面に塩がしみ込んでいってその雪を解かす、除雪作業を容易ならしめるというような効果がございまして、アメリカのそういう積雪地帯では相当広範囲に使っているということでございますので、わがほうもまねをしてやってみようということでやってみたわけでございますが、ある程度有効であるということで、さらにこういう試験を広めて、おいおい塩の用途を広めて参りたいと。 それから、もう一つ、学校のグラウド、運動場ですね、これがほこりが立って近隣の住家に非常に迷惑を及ぼすというようなことから、どうしたらいいかという相談があるわけですが、私どもとしては、一般のグラウンドやテニスコートなどに塩をまけば、地盤を固めるし、ほこりも立たないということがありまして、塩の用途としては何万トンという新しい用途が開けるわけでございませんけれども、こういうことをだんだんPRして進めて参っております。
○野溝勝君 その利用度を考えることはいいが、実際一般から見たらばかばかしく聞こえるのです。それから、具体的にもあなたのおっしゃるとおり、まだ需要供給の点においてもそこそこという段階にありながら、一方においては工場はだんだん整備されてくる。しかるに、塩は余った余ったといって、一方においてはこういう製塩工場はだんだん抑圧されてきている。余ったらどこへ使うかというと、今のように、あなたの話を聞くと、余っておりもしないのに、運動場であるとか、あるいははなはだしいのはホテルの基礎工事に使っている、道路敷に使っている。こういうやり方はあまりにも無計画だと思う。特にこんなことで、経済効果があるということで、いやしくも食生活の問題を脅かすという事態が起これば、これは重大なる問題です。そういう点は私は慎重を期すべきであろうと思う。そうなれば、むしろ専売公社法なり塩専売法なりは改正しなければならないのであって、そういうほうとの関係も考えずに経済効率だけ考えていったんではそういう不安が出てくるので、そういう点においての配慮というものは持っておられるのか。
○説明員(高橋時男君) ただいま塩の土木的な用途について申し上げましたか、これはトン数としてえらくたくさんふえるものではないと思いますけれども、そういうことを研究しておるということの一端を、気持を申し上げたのであります。 塩の国内塩は、先ほど申し上げましたように、九十万トンの生産規模でありまして、大体国内でこの九十万トンの塩が、主として食料塩でございますが、使われておるということで、今後も大体このくらいの規模で推移していく。で、塩の事業全体としてだんだん合理化をはかって、外国の塩に対して非常に割高であるという非難を少しでもやわらげて参りたい、こういうように考えております。
○野溝勝君 その問題等については国策との関連もあるし、塩の専売法との関係もありますので、総裁が次に来るということなので、その際に私はお伺いをしたいと思いますが、最後に一つ聞いておきたいことは、先ほど柴谷委員からも言われておる小名浜工場の整理、これは公社の自慢のモデル・プラントとして作った工場なんですが、これはどういう関係か知りませんが、整備するという方針ですが、ついてはこの整備するにあたりまして、整備する対象になっておるものは、これは処分しなければならない。ところが、処分は国会の一応承認を得なければ具体的な処分はできないという小林君からの御答弁ですが、筋はそのとおりだと思いますけれども、あらかじめ、この整備をする以上は、どういう計画で、どういうのを対象にして整備するかというようなことも考えておるわけで、また考えておらなければこんなことは提出できない。また大蔵省も、大蔵大臣の大体承認を得ることに公社法ではできておるのでございますから、ついては、まあこの際、大蔵省の承認、大蔵大臣の承認を得るとしても、大体その整備のやり方は公社がやるわけですが、これは大蔵大臣のほうの承認は大体得ておるわけですね。
○政府委員(片桐良雄君) お答え申し上げます。公社の財産の処分につきましては、個々のケースについて大蔵大臣の承認を得るということはございません。公社は、先ほど経理部長からも御説明申し上げましたように、公社の財産の処分その他につきましては、公社が日本専売公社法に従いまして会計規程というのを作っております。会計規程自体は大蔵大臣の承認事項になっておりますが、個々の財産処分その他につきましては、会計規程に従って公社が処分してもよろしい、こういうことになっております。ただ、ただいま議題になっております製造工場、これに準ずる重要な財産の処分に限って国会の議決を得る、こういうことになっております。ですから、本件につきましては、形式的には大蔵大臣の承認という問題はございません。
○野溝勝君 事務的なことはそれで了承しました。しかし、管理並びにその他の手続上の問題についても、国が出資しておるのでございますから、当然大蔵大臣がこれに対する意見を出すことはできると思うのですが、この間の大蔵省の管財局長の見解を聞いておきたいのでございますが……。
○政府委員(白石正雄君) 私のほうの見解というお尋ねは、ちょっと質問の趣旨をはっきり了解しかねるのでございますか……。
○野溝勝君 たとえばこの小名浜工場の場合のように、整備するについては、もちろん専売公社法に基づいて専売公社の総裁の権限でできるのですが、しかし、そういう問題を一応大蔵省のほうとしては相談とか、そういうものに対する意見は何にも出さないのですか。
○政府委員(白石正雄君) これは先ほど監理官からお答え申し上げましたように、一般的に大蔵省といたしましては専売公社を監督いたしておりますので、その面におきまして監督上の指示なり、あるいは勧告なり、そういったことはいたすと思います。ただ、財産処分そのものにつきまして、財産処分の面につきまして所管いたしております管財局長の関係といたしましては、これは私どもは、国有財産一般につきまして、管理処分の範囲内におきまして事務を取り扱っておりますので、専売公社の財産はただいまのところ国有財産の範囲外でございますから、そういう意味におきまして、専売公社の財産の処分につきましては、管財局といたしましては関係いたしていないと、かような次第に相なっております。
○政府委員(片桐良雄君) ただいまの管財局長の御説明に多少補足いたします。日本専売公社の事業につきましては、これは大蔵大臣の一般の監督下にあることはお説のとおりでございます。これは大蔵省内部で監督の事務をやっておりますのは、日本専売公社監理官、現在私がやっております。で、財産の処分その他につきましても常時専売公社と連絡をとりまして、もちろん本件のごときも十分事前にいろいろ連絡をし、協議をし、研究したあげくに、国会に出したわけでございます。ただ、この間におきまして、専売公社の財産は国有財産でございませんので、管財局長は無関係でございます。もっぱら大蔵省内部では専売公社監理官がその責任を負ってやっております。
○永岡光治君 これは専売公社のほうから出るんじゃないかと思いますが、資料要求を一、二したいと思います。 塩の国内の需要ですね、したがって用途、用途の分類、それをお知らせいただきたいのと、それのトン当たりの販売価格、それから需要に対する供給源の内訳、国内幾ら、外国幾ら、外国の場合は国別に、それも輸入価格の一覧表をお願いいたしたい。 それから、第二は、国内製塩に従事しておる従業員、従事している数、人口ですね、数。家族じゃありません、従事しておる人の数、それをひとつお知らせいただきたいと思います。以上二つの資料を要求いたします。
○委員長(佐野廣君) よろしゅうございますね。
○政府委員(片桐良雄君) 承知いたしました。
○鈴木市藏君 この前に出された理由書の中に、こっちのほうですね、専売公社のほうから出されて参りました「四十三条の十九の規定に基づき、国会の議決を求めるの件」と、調査室から出されましたこれとの間の、ちょっと関連を明らかにしてもらいたいと思うのです。「処分する財産の区分、種別、数量及び台帳価額等」というのと、この大蔵委員会の調査室から出されてきた内容の説明「処分する財産」、この項との関連がちょっと一致しておりませんので、この点をひとつまず最初にお聞きしたいと思うのです。
○政府委員(片桐良雄君) はなはだ恐縮でございますが、委員の御質問の、別のうちのほうから出たという、それはどのようなものでございましょうか、ちょっと教えていただきたいのですが。
○鈴木市藏君 「日本専売公社法第四十三条の十九の規定に基づき、国会の議決を求めるの件」というのが出ております。これで見ますと、(二)に「処分する財産の区分、種別、数量及び台帳価額等」というのが書かれてあるわけです。で、ここでは、つまりこの「処分する財産の区分、種別、数量」というのがちゃんと書かれておりまするが、こっちでは、この肩書きに「先議」と書いてあるこのほうですね、このほうで見ますと、「内容の説明」という中で、「処分する財産」というのは土地と建物の坪数だけであって、この関係はどうなるのか。つまり今度処分を必要として国会の議決を求めるのは「前記財産の……」、この辺のところがはっきりいたしませんので、これを明らかにしてもらいたいのです。
○政府委員(片桐良雄君) この議決を求める件によりまして国会の御議決をいただきたいと存じますのは、ここに書いてございます事務所建、工場建、倉庫建、雑屋建、この建物と土地でございまして……。
○鈴木市藏君 装置は入るのですか。
○政府委員(片桐良雄君) ええ装置も。これは裏をごらんいただくと、議決案のほうの裏のページ、二ページをごらんいただきますと、そこに構築物、装置が入ってございます。で、実は小名浜工場の財産の中にも、国会の議決を要しないで公社限りで処分のできるものもございます。そういうものはこの中には入っておりません。したがいまして、ここにございますのは、日本専売公社法第四十三条の十九の規定に基づいて国会の議決を求めなければ処分ができない財産に限っております。たとえば、この工場の中でいろいろなこまかい物品もございます。しかし、これは国会の議決を要しなければ処分ができないという問題ではございませんので、こういうものは全部落としてございます。したがいまして、本議決を求めるの件で御審議いただきたいのは、ここにございます建物と土地と機械、これは公社法の四十三条の十九に従いまして、これだけはどう処分するにしても国会の議決を求めなければならない、こういうものをここに列挙してあるわけでございます。したがいまして、御議決いただきます対象は、ここに列挙してありますこれらの物件に限るわけでございます。この台帳価額その他は、これは公社で一体どこの価額になっておるか。この台帳価額と申しますのは、これらの物件を購入したときの正味の価額でございます。そういう価額をつけてあるだけでございまして、別にこの価額が、処分、議決の対象とかなんとかになるものではございません。
○鈴木市藏君 そうすると、具体的にお聞きしますが、その処分の対象になって国会の議決を求めるというのは、一体どういうものをさすのですか。
○政府委員(片桐良雄君) 処分の対象になりますものは、あくまで、法律の規定にございますように、「製造工場及びこれに準ずる重要な財産」、こういうわけでございます。
○鈴木市藏君 土地はどうですか。
○政府委員(片桐良雄君) 土地は、製造工場並びにこれに準ずる財産の中に入ってございます。
○鈴木市藏君 装置はどうですか。
○政府委員(片桐良雄君) 装置も、今申し上げましたように、製造工場並びにこれに準ずるという意味で規定したものの中に入っておるわけでございます。鈴木市藏君 そうすると、一応あれですね、出された処分の対象となるべきものは、台帳価額でいえば五億五千三百五十三万八千九百五十円、台帳価額でいえばと、こういうふうに理解してよろしゅうございますな、そういう内容を。
○政府委員(片桐良雄君) あくまで処分いたします対象物は有体物でございますが、その価額は、今委員のお説のとおり、これだけのものでございます。
○鈴木市藏君 この内容だということですね。
○政府委員(片桐良雄君) はい、そういうわけでございます。
○鈴木市藏君 それで、聞きますけれども、これで、こちらのほうでは注として、「処分については、民間への払下げが予定されているが、売払収入は、前記財産のほか、国会の議決を必要としない宿舎等の附属財産を含んで一億七、四〇〇万円を予定」しているといっていますが、この台帳価額あるいは正味価格でいわれている金額とはだいぶこれは相違しておると思いますが、どういうこれは関係になっているのですか。
○政府委員(片桐良雄君) これは先ほど申し上げましたように、この小名浜工場全体にはまだこのほかにいろいろ雑な財産がございます。これらも一々処分しなければなりません。それらの価額と、それからこれらの御審議いただきます財産、対象になります財産、これらの価額につきましては、台帳ではかほどになっておりますけれども、たとえば機械類は今から十年前に作ったものでございまして、塩を作りますということは、非常にその機械の腐食を早めます。で、現在機械は残っておりますけれども、もうおそらくスクラップとして以外には使えないであろうと思われる機械もかなりございます。そういうものは台帳価額ではかなりのものがございましても、正味は非常に、まあゼロとは申しませんが、非常に少ないものになっておる。そういう関係がございます。ただ土地につきましては、取得いたしました当時から見ますと、かなり土地の値上がりが期待できますので、その部分についてはおそらく台帳価額より高く売れるであろう。差し引きいたしまして、まあここにございますように、全体で約一億七千四百万円、まあこれは公社がこれくらいには売れるであろうと思われている価額でございますが、台帳価額から見ますとばなはだ少ないわけでございますが、この大部分は今申し上げましたように、機械その他建物等で、おそらく使いものに非常にならないか、あるいは使えても非常にその価値が少ないと、売却価格が著しく下回ると、台帳価額を下回るであろうと予定されるものの合計でございます。
○鈴木市藏君 それで、この公社法の四十三条の十九の項では、処分というのは譲渡もしくは交換というふうにいっていますが、これを処分する場合には——ちょっと交換は先ほどからの説明で考えられないので、当然処分すると、民間への払い下げが予定されているといっていますが、この払い下げ価格、何を基準に算定しておられますか。
○政府委員(片桐良雄君) 払い下げ価格は、土地などにつきましては大体その付近の地価、それから不動産研究所等に依頼しまして大体の、まあ不動産研究所等が調査しました価格、まあ大体付近の地価でございます。小名浜一帯はずっと工場地帯でございまして、隣、近所にたくさん大きな工場がございますが、大体の地価の見当がつくわけでございます。それを基準に考えております。機械類は、これはやはりその公社の専門家その他が見まして、どの程度使いものになる、したがってどの程度の価格が期待できるというような計算をいたしまして、積み上げましたものでございます。建物にしても同様でございます。
○鈴木市藏君 さらに聞きたいのですけれどもね、先ほど申し上げました中では、台帳価額、正味価額とも、土地は大体まあ不動なものとして一応数字は出ておりますが、これで見ますと、坪当たり五百二円。で、まあおそらく公社のほうもこのここに出した数字で国会の承認を求めようと考えておられないと思いますけれども、今あなたがおっしゃったような意味で、その土地の大体時価で売るということになりますと、今小名浜のこの工場の付近の土地は一体どのくらいですか。
○説明員(小林章君) 先ほど申しましたように、処分につきましては国会の御承認を得た上で具体的な準備に入りたいと思っておりますので、正式にと申しますか、まだそういう外部の権威ある機関にはお願いはいたしてございまいせんが、大体現地の管理者あたりの意見を——意見と申しますか、最近の例等も聞きまして、坪当たり六千円前後ではなかろうかというように今のところ踏んでおります。なお、具体的には御承認を得た上でそういう事務に入りたい、かように思っております。
○鈴木市藏君 それから、もう一つ聞きますけれども、先ほど柴谷委員の質問にもまだそこまでは行っていないというお話でしたが、民間に譲渡する場合の予定されている対象会社というようなものはございますか。
○説明員(小林章君) 先ほど申しましたように、公社といたしましてはまだ全然予定をいたしておりませんけれども、ただうわさを聞きまして、払い下げてもらいたいという申請を出してきておるところが、私の記憶で七、八カ所あったように記憶いたしております。
○鈴木市藏君 ちょっとその名前、言ってくれませんか。
○説明員(小林章君) この席でありますので、記憶だけですが、まず第一に磐城市、それから三菱金属、それから隣の新日本化学、もう一つ日本水素、それから海水化学工業、まあそんなところと、あと二つ三つあったと思いますが、来ております。
○鈴木市藏君 かなり、現地のうわさでは、三菱金属が払い下げを受けるんだというのがもっぱらな評判になっておりますが、公社はこの三菱金属に払い下げるというような何らかの意味での下相談、内諾、そういったものをしたことはありませんか。
○説明員(小林章君) 全然ございません。
○鈴木市藏君 二月六日の日経新聞にこういう記事が載っております。三菱金属が「昨年十月閉鎖した専売公社小名浜製塩工場敷地四万九千五百平方メートルなどの買収を予定、交渉を進めている。」、ですから、今まあ五つ六つ名前が出されましたけれども、専売公社があらかじめ小名浜工場は払い下げる、その払い下げる対象の会社は三菱金属にしている、内諾を与えていると言わぬばかりの記事が新聞に堂々と載っているわけです。もしそうでないとすれば、これを否定するような事実を一つはっきり申してもらいたいと思う。
○説明員(小林章君) その新聞記事を、私、拝見いたしておらないのでありますが、私どもといたしましては、先ほど申しましたように、一市数会社からそういうように申請が参っておりますが、対象といたしましては、同様に、目下国会の承認を得る手続申請中であるから、それが済んだ上でなければ何とも応対しかねますという返事を、同様にいたしてございます。
○鈴木市藏君 これは、もし国会の承認を得た後に三菱金属にこの工場が払い下げられるといったような事実が起きたときには、あなた方は今の国会の答弁について責任を負いますか。
○説明員(小林章君) どこに行くかは現在のところ予定いたしておりませんので、したがいまして、万が一にも手続を踏んだあとで行きましても、これは手続上そうなったということでございますので、責任云々のことはちょっとわれわれとしても返答いたしかねるかと思います。
○鈴木市藏君 それは、三菱金属が今、小名浜にことしの四月から着工する予定の工事を進めているということは知っておられるはずだと思う。それで、三菱金属は隣接の土地を大体坪八千円から一万円程度で買うという交渉をしているということについては、知っておりますか。
○説明員(小林章君) そういう工事建設の計画があることは、申請が参っておりますので、知っておりますけれども、そのほかの土地の買収の値段その他につきましては、私は全然今まで知っておりません。
○鈴木市藏君 その点は一応この質問の中で警告を発しておきますが、もし三菱金属にこれが払い下げられるということになると、私たちとしては、その間の事情については今のような説明ではとても納得できるものでないということだけは、一本くぎをさしておきます。 それから、先ほど高橋塩業部長の御説明にありました、三つの理由によってこれを廃止する。一つは、機械が老朽化した。二つ目には、試験的意味はもう達成した。三つ目には、民間でもすでにもう過剰生産になっているから、あえて公社でやるということもどうかと思う。そういう三つの理由で処分することにきまったと、こういう理由をあげましたが、この三つの理由とも私たちはちょっと納得できない理由ですね。一つは、二十七年に作った新設の工場が十年たつかたたない間に老朽化したということは、普通の説明ではこれはちょっとできかねることですよ。普通の工場でこういうことが起きたとしたら、これはたいへんなことであって、したがって、この老朽化という問題については、これはまあいろいろ見方の相違があると思いまするけれども、これを処分する理由としては薄弱だと思います。この試験的意味は終わった、達成されたということも、この理由書の中に書いてありますけれども、この塩が専売になっているという公社の持っている使命というもので、塩の直営工場を全部なくしてしまうということは、一体どういうことなのか。これはもう公社が塩に関する限りは中間ブローカー的な役割しか果たさなくなって、その公社としての本来の性格がなくなってしまうのじゃないかということについては、一体どういうふうにお考えになっているか。この点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(高橋時男君) 最初に、十年くらいでもって老朽化するのはひどいじゃないかという御質問でございます。扱っているのは海水とか塩とか、非常に腐食のはなはだしいものでございますから、部分的に非常に老朽化しているという程度が著しいところと、十年たってもびくともしないという部分があるわけでございまして、全部が全部施設がぽろぽろに老朽化してしまったというわけではございません。したがいまして、十年使ってもびくともしないところはそのままでありますが、パイプや、特にパイプのつなぎ目とかそういうようなところは、塩分でありますから、割に早く老朽化する。こういうものを取りかえますというと相当金がかかってしまう、こういう事情があるわけでございまして、全面的に全部老朽化してしまったということではないので、若干われわれの説明が言葉足らずであったかと思いますが、そのように補足させていただきます。 それから、直営工場をやめてしまって、公社がそのブローカー的な役割しか果たさないでいいのかどうかというお尋ねかと思います。私どもとしては、あの工場を廃止するにつきましては、あの工場が先ほど申し上げましたように電気加圧の方式でやりましたものでありますから、建物から設備等がそのように作られているわけであります。したがいまして、ほかの方法でやるとすれば、あれを全部取りのけるとか、あるいはほかの片すみの空地でもって手狭にちょこちょこやるとかいうようないろいろな構想もあるわけでありますけれども、ああいう加圧式製塩方法で年間一万トンも作るという意味の試験はもう必要はないということになったのでありまして、さっき柴谷委員の御質問にお答えしましたように、小田原におきましてはイオン交換樹脂膜製塩法をやった場合に、どうなるかとかいうようなことを研究しておりますし、また山口県の防府試験場では塩を煮詰める法ということを主としてやる製塩の試験をしておりますので、小名浜をやめたからといって、試験から一切の手を引いて何もしないということではございませんので、やはり学術、技術の進展の方向に即応して、一応使命を完了したものはやめるけれども、新しい事態のものについてはやはり研究していくんだ、こういう体制をしいているわけでございます。
○鈴木市藏君 この工場を処分することにきまった答申といいますか、塩業審議会合理化方策要綱というのがありますね。三十六年の五月の二十四日に出されているわけです。そうすると、この要綱に基づいて大体その小名浜工場の廃止という方向に踏み切ったというふうに受け取られるのですが、この塩業審議会合理化方策要綱というのを、きょうここで説明していただいてもまた長くなると思いますから、としていただきたい。先ほどの永岡委員が申されました資料に追加して、委員長、ひとつ確認してもらいたいと思います。出していただきたい。 最近、小名浜一体には無機化学のコンビナートを作るということで、すでにちょっと名前のあがった日本水素だとか、あるいは新日本化学だとか、堺化学だとかいったのがずっとおしなべてやって、一つの無機化学コンビナートを作ろうとしている。つまり、こういうコンビナート造成の要請に進んでこたえたものが小名浜の専売公社の廃止ではないかということは、ずいぶん当時からうわさに上っておりましたが、そういうことの関連は全くないのだと、あなたがさっきあげた一、二、三の理由によってその必要がなくなったのだ、いわゆる純然たる公社内の必要に応じて廃止をきめたのだというここを、はっきり言い切られますか。この点の、小名浜コンビナートの造成の諸計画と、あれだけの敷地と建物を持っている工場を何らかの意味でコンビナート造成の、育成強化のために使わなければならぬというような意味での、そういうつまり内々の話があって、廃止に踏み切ったのだといううわさをずいぶん私たちは聞いておりますが、この点についてはどうなんですか。
○政府委員(片桐良雄君) お答え申し上げます。ただいま初めてそういうお話を実は承ったような次第でございまして、私どもとしてはそのような趣旨は毛頭考えてございません。小名浜の工場の廃止につきましては、すでに昭和三十四年、専売制度調査会というのを設けまして、たばこ、塩に関する専売制度全般につきまして、しょう脳を含めまして、この専売制度がどうあるべきかという調査を依頼したことがございます。この調査会が大蔵大臣に対します答申の中に、塩に関しましては、こういう答申をしておるのであります。「生産、販売等の諸企業の経営活動に対する介入は、必要最小限度にとどめ、生産者、販売業者、消費者間のそれぞれの関係をできる限り自由企業的とすることが適当である。」というような結論を出しております。したがいまして、公社の塩の専売事業というものはできるだけ自由企業化して、公社の介入をできるだけ少なくしていくというのが当時の専売制度調査会の勧告でございます。われわれはこの勧告に基づきまして、大体の政策を進めてきているわけであります。小名浜の件も、遠く淵源を尋ねればこの辺に由来するかと思います。 さらにまた、昨年の九月と思いますが、行政管理庁が公社の行政全般に対する査察をいたしまして、その結果、日本専売公社監督行政監察結査に基づく勧告というのを大蔵大臣に出しております。その行政管理庁の監察結果の勧告、その中にも、小名浜工場は、これはその意味もないし、使命も果たしたから、できるだけ早い機会にやめろということを行政管理庁から勧告を受けておるのであります。したがいまして、私どもは先ほど申し上げました基本線にのっとり、かつ具体的にはこういう行政管理庁の勧告などもございまして、ここに小名浜工場は廃止して、よりその資金を重点的にもっと有効な方面に使おう、こういうふうな決意をいたしたわけでございます。決して小名浜工場をコンビナート作成のためにこれを廃止するということをきめたわけではございません。その点ははっきりと申し上げます。
○鈴木市藏君 この小名浜工場と東北開発株式会社ですか、これとの関係は全然ございませんか。
○政府委員(片桐良雄君) 全くございません。私の承知している限りにおいては、何もございません。
○鈴木市藏君 では、次に、ここで働いておった労働者の処置の問題です。これは先ほど柴谷君からの質問で大体説明されたと思いますが、現在は十人ぐらいしか残っていないと言っていましたね、さっき。それはほとんど全部職制ですか、残っているのは。実際の作業はすでにやめてしまって、そうしてそこで働いた人たちの何といいますか、身の振り方といいますか、配置転換、それは労働組合との合意の上でやったのですか。
○説明員(高橋時男君) よく相談をしてやりましたわけでありまして、全然意見の不一致等はございません。組合の方でも、また各本人も、十分に納得し、満足しておるというふうに了解しております。
○委員長(佐野廣君) 他に御質疑もないようでございますから、本日はこの程度にいたします。 これをもって散会をいたします。 午後零時二十六分散会 —————————————