石炭対策特別委員会 第6号
- 発言数
- 255 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/03/22
会議録
○委員長(堀末治君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 三月二十日、鹿島俊雄君が委員を辞任され、その補欠として竹中恒夫君が選任されました。 本日、岸田幸雄君が委員を辞任され、その補欠として井川伊平君が選任されました。 —————————————
○委員長(堀末治君) 次に、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案(閣法第一一号) 石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律案(閣法第一二号) 産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案 炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案 以上四案を一括して議題といたします。 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○阿具根登君 質問が少し飛び飛びになると思いますが、時間が限られておりますし、約束のものもございますので、答弁は十分親切にお答え願いたいと思います。 まず第一点は、先般、大矢委員から通産大臣に質問された中で、五千五百万トンは、これは努力目標である、こういうことを言われたのが会議録にはっきり残っているわけなんです。そうしますと、お互い公党が約束して、この国会が、しかも石炭問題が今日まで非常にスムーズに審議され、今日で終わらんとしておるのですが、五千五百万トンが努力目標だという通産大臣の見解であるならば、私どもは、今日までの約束はほごにされたものだ、こういうように考えざるを得ないわけです。あの約束は五千五百万トンも非常に困難であるが、六千万トン需要を満たすためにより努力をしようということが総理大臣の言明であったと思うのです。そうしますと、いわゆる大臣の言葉を借りて言えば、努力目標というならば、少なくとも六千万トンが努力目標であるべきなんです。五千五百万トンについては、政府は当然責任をもって負わねばならない、こういうことになると思うのですが、この前、関連ができませんでしたので、ひとつお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(福田一君) 私が五千五百万トンを努力目標だと申し上げたのは、この間、需要をどういうふうにして確保するか、こういうお話がずっと続いておったわけであります。それでありますから、需要確保ということになれば、これは今のところ五千三百万トンもあぶないという話もあるくらいであります。それで五千五百万トンが努力目標だと、こう言ったのであります。しかし、需要がそうなくても、五千五百万というものを基準にして、すべてのものを処理していこうということは、これはしばしばわれわれは申しておりますので、私はその点は変わりはないと思います。もちろん将来においては六千万トンまで、あるいはもっとふえても、ちっとも差しつかえないわけなんで、ある意味で言えば正当ないわゆる経済性があってやれるものならば、そういう努力をするということについては異議のないところであります。 ただし、私があのときに申し上げたのは、そういう需要確保の問題が関連をいたしておりましたので、そこで、私は努力目標、こういうことを申し上、げたのであります。政府としては、やはり五千五百万トンというものを基準にして生産をするということについては、一応これを基準にしてやらにゃならない、またそれが出た分に対して、需要がなくとも何とかしなきゃいかぬ、こういう政治責任を負いつつ、この問題の解決をしたい、かように申し上げているわけであります。
○阿具根登君 そうすると、こういうことになりますか。今、大臣が言われましたように、業者間では大体五千三百万トンそこそこを目標にしておるようです、需要として。そうすると、かりに需要が五千五百万トンなくて、五千三百万トンであった場合、二百万トンというものは政府が責任をもって処理すると、こういうことになりますか。
○国務大臣(福田一君) 私は、業者が五千三百万トンというようなことを言ってきたこともありますけれども、今の業者は、やはり五千五百万トンを目標にして努力する、需要確保に努力する、われわれも努力する、こういうことになっておると思うのであります。
○阿具根登君 努力はわかるんですよ。ところが事実問題として、今操短をやっているでしょう、一部では。操短をやっているんです。なぜ操短をやっておるかということは、五千五百万トンの需要はむずかしいんじゃなかろうかという心配なんですよ。だから最低の場合でも、五千五百万トンは貯炭になっても、それは政府が責任を持つんだという線が出てこなければならないわけなんです。さらにその五千五百万トンを六千万トンに近づける需要を政府は努力するというのが約束なのです。だから、少なくとも五千五百万トンは有澤調査団長が出したその点を尊重されて、たとえ需要がそれに満たなくても、政府は責任を持つのだということが大前提であるはずなのです。これは肯定していただけますか。
○国務大臣(福田一君) そういう御趣旨であれば、私は肯定をいたします。ただし、私が申し上げているのは、業者からいって、だんだん山は減るかもしれないが、五百も六百もある山を、一体そのまま、どういうふうに能率をあげていくか、一応割当をしていくでしょう。そういう場合、ビルドの山がふえていくというような場合、ビルドの山のほうが能率があがる。御承知のようにそれを一厘一毛違いなく持っていこうということは、割当ですから、むずかしい。これは統制でやってもむずかしいでしょう。それには幾つかのものを全部把握してやらなければいかぬわけです。一応の基準というものを作って、先生方がやる。しかも、その需要が非常に多いときならば、それはいいのですが、半年くらいやってみて、あとでもう少し上げようと思えば、幾らでも上げることはできるわけですが、しかし、今業者が、どういうことを考えているか知りませんが、大体やはり五千五百万トンを目標にやってきていると、私は思っております。われわれとしても、そういうことは、業者は業者として、一応五千五百万トンは政治的責任がある。これは処理していかなければならなぬ、こういうふうに考えて問題の処理をして参りたいと考えます。
○大矢正君 この間、私は通産大臣と、その問題についていろいろ議論をしたのだが、通産省の資料を見ても、三十七年度の需要見込みは五千三百万トン、事実上五千五百万トンの生産計画があるんだから、二百万トン貯炭がふえるということになるわけです。三十八年度はどうか、三十八年度は、これまた通産省の出された資料によると、電力の需要は伸びるけれども、これは政策的に伸ばすわけだが、しかも他の業種は、全体的に需要の減退傾向が現われている。こういう数字が通産省から出ているじゃないですか。そうすると、三十七年度で、すでに五千五百万トンの生産計画に見合う需要がない。二百万トン貯炭がふえる、それに加えて三十八年度が、またそういうことで、最大限これまた五千三百トンと見積っていい、これまた二百万トン貯炭がふえるということになると、合計四百万トン貯炭がふえるという結果が年度末において現われてくるんだが、そうなって参りますと、これは実際問題として、たいへんなことになるわけですね。だから政府は、一体五千五百万トン生産者側が生産した場合に、その責任を負うのか負わないのかということが問題なんですよ。これはあなたの言われるとおり、生産計画を立てる場合には、個々の山々の事情によって生産計画というものを立てられるのですから、その生産計画というものと需要とが合わない場合に、そこで問題が出てくるんだから、だから、調査団の答申というのは、私が申し上げるまでもなく五千五百万トンというものを基準にして、過程では五千五百万トンがいいとか、六千万トンがいいとか議論があったが、五千五百万トンの需要は確保するという前提で生産計画が立てられ、ビルド・アンド・スクラップの対策が生まれて、離職者の対策というものが調査団の答申で出てきたのだし、そこで政府として調査団の答申を尊重する、その上に立って石炭対策を樹立していきたいという過去における表明があるんだから……。そこで三十七年度二百万トンの需要が減退した。三十八年度また、ほぼそういう見込みがつくということになれば、この調査団の答申は尊重するということはくつがえって、またここで調査団にもう一ぺん検討してもらわなければならぬという不安感がある。ここでそういう不安感が出ないという見込みというのは、政府は一つには、需要は絶対確保するという態勢と、需要の減退によって貯炭が出る、その貯炭について政府が責任を負うという二つの問題がなければ、生産者側としては、一体何を基準として生産計画を立てていいかわかなないじゃないですか。二百万トンは、これはたいへんなものですよ。それはかりに金額的に言っても貯炭の場合はたいへんだし、もしそれを急速に減産するということになってくれば、それだけまた離職者が多くなってくるから、結局労働省の離職者対策の計画も、また抜本的に練りなおさなければならないことになってくる。通産大臣の言葉を聞くと非常に不明瞭です。あたかも需要と生産は別だという考え方に立って答弁されているんですよ。 しかし、今生産と需要というものを別々に考えられていいものですか。需要と生産は必ずやはり同一に考えていかなければならない問題です。だから、私は執拗に食い下がっているんです。だからもっと納得いくような、胸に落ちるような答弁をしていただかなければ、私は責任を持って、この法案に対していいとか悪いとかということは述べられないんですよ、根本問題として。
○国務大臣(福田一君) 私は、あなたが言われておることはよく了解して御答弁をしておるつもりでございます。まず数字的に見ますと、ことしは百万トンくらいの貯炭の予定でございます。五千四百万トンですから百万トンくらいは間違いありません。来年は伝えられるようなあれであれば、百五十万トンか二百万トンか需要が減退するおそれがないとは言えません。しかし、そういう場合においても、政府としては、融資その他の面でめんどうを見て参りましょう、そうして二百万トンや三百万トンの程度においては、何とか技術的にも貯炭の方法は、方々の段階においてとり得るが、しかし将来、もう一ぺん二百万トンもふえるということになれば、これはたいへんだ。だから私は、この間から申しておるように、政府として、この場合どうしたらいいかということを石炭調査団に調査さしておりますということを申し上げておるわけであります。私が政治的な責任は考えておるということを言っておるのは、そういう意味であります。決してあなた方の御趣旨とは私は相反しておらないと、こう私は考えております。 しかも私が数字の問題について、とやかく申し上げたのは、要するに今度石炭産業を合理化していくというのも、何も統制をやろうというのでない。これはあなた方、おわかりのとおりであります。統制でなければ、各山々が自由主義経済の立場に立ってやっていくんですから、そこにいささかの誤差はどうしても出てくる。お前のところは、一々、これ以上掘っちゃいかんということになっても、いろいろな問題が出てくる。私は、そういうことですから、一トンでも違わないで物事をきちっとしていくというふうには、なかなかいかないということを考えておるわけであります。だから、五千五百万トンを基準にしてやるということは、そういう意味だろうと思う。五千五百万トンから一トン上に出ても一トン下に出てもいけない、そういう考え方では、実際問題としてやっていけません。だからやっぱりスクラップ・アンド・ビルドにして、基準を五千五百万トンとして生産した場合に、五千五百万トン出るかもしれないけれども、今の場合において、私たちは需要が五千三百万トン、五千四百万トン、少なくとも五千五百万程度のところは、われわれは金融その他のめんどうを見なければならんということを申し上げている。すなわち政府が政治的な責任を負うということは、そういうことであります。したがって生産をする者からいえば、五千五百万トンまでは一応生産しても、何とかしてもらえる、こういうことです。 しかしこれは考えていくともう一つ問題が起きます。それは、たとえば五千三百万トンというものは一需要がある、二百万トン貯炭になったというときに、金を政府から融資してもらっても、融資の金利の負担はどうなる、こういう問題が起きる。ここのところは、どうするのだという問題があるでしょう。しかしわれわれは、そこはやつ。はり私企業として育てていくのだ、それを何から何まで政府が全部責任を負っていくというところまではなかなかむずかしい。いささかの問題は起きてくるでしょう。しかしそれに対して私たちとしては、とにかくビルドしていくというために、たいへんな金を注ぎ込んで特別の融資をして処理をしていこうということをしているのだから、場合によっては、企業努力も少しは考えて参らなければいかん。それが全然労働者に影響しないか、私は影響しないと思いません。たとえ一円でも影響すれば影響したということになるのですから。しかしそれはやはり、これだけの画期的な石炭に対する手当をしているのだから、いささかのことがあっても、そこはがまんをしてもらわなければならん。しかし物理的に見ても、二、三百万トンはいいけれども、それ以上になったらとても持てません。山元でも持てない。技術的にも問題が起こるだろう、そういうことは研究しなければならぬ。私が今後、石炭の問題で特に注意しなければならんことは、そこにありはしないかと思う。一つはそういう意味で、ちゃんと研究さしているのですから、あなた方の御趣旨とは変わらないと思います。しかし労働者に一円でも影響があったら、そんなものはだめなんだ、企業に少しでも損があったら、それは認めないのだということになったら、何人がこの石炭対策を処理できるか、私は非常にこれは疑われるのであります。
○阿具根登君 大臣は今まで長い間、衆議院、参議院で、こういう質問で責められてきているから、少しノイローゼになっておられる。一円や二円の問題で、だれがものを言っていますか。いやしくも通産大臣ともあろう方が、こういう席上で一円、二円の問題を論議していると思っておられますか。私は、そういう意味で言っているわけじゃないのです。政府が昭和三十一年に香ったのは、どういうことになっておりますか。四十二年には七千二百万トン石炭を使うと言っているのですよ。その準備を会社は着々進めていったのですよ。そうして、その結果どうです、今日のこの状態は。それじゃ五千五百万トンというから五千五百万トンだけの設備ができなければいいか。そういうわけにいかん、御承知でしょう。おっしゃるように、そんなにきちっといかん。特に地下にもぐって悪条件下で石炭を出すのです。そうすると相当余裕のある鉱区を持っており、準備をしておかなければならないわけなんです。だから一トンや二トン、五トンのことでものを言っているわけじゃない。一円、二円の問題でものを言っているわけじゃない。この精神は、率直に申し上げると五千五百万トンまでは責任を持つ、さらに、六千万トンまで何とか努力をしたい、努力をしていくのだということが政府の考え方だが、そうおっしゃれば、私たちはこれは追及しない。しかし一トン残っても、これはどうだ、労働者の賃金が一円下がってもどうだ、そういう問題になってくると、個々の山の問題から入らなければならない。そんなことはできないのです、ここでは。しかし政府としては、個々の山に入らないかわりに、私企業だから私企業だからといいながら、全体の山に対しては、どのくらい責任を持つのだ。五千五百万トンなら五千百万トンのワク内で出すとか、一千二百円ダウンせいという大ワクはぴしゃっときめておるわけなんですよ。そうすると、そのワクは、どうしても責任をもってもらわねばできない。いわゆる私どもが言っているのは、そのワクでさえも非常に無理があるから、できるだけ六千万トンに近づくようにやってもらいたいのだということなんです。それは非常に困難だけれども努力しましょうというのが、総理大臣の答えなんです。そうするならば、私はもっと、小さい問題にあまり拘泥されずに、やはり高い政治責任の立場から、そういう問題は十分承知の上で御答弁願っておると思うのですが、最後の質問になろうと思いますが、非常にたくさんの方が同じ質問をしておられるから、大臣としては答弁するのに、同じことばかり聞いておると思われるかもしれませんけれども、同じことばかり聞いていて、そのつどそのつど、大臣の答えが変わってきたんじゃ困る。時々の大臣で政策が違ってくるかもしれませんけれども、内閣の首班は変わっておるけれども、自由民主党の政策は変わっておらないはずだ、それが次々の大臣によって変わってきておる今日の状態から、私どもは心配するから、こういう質問をしておるわけだ。
○国務大臣(福田一君) あなたのおっしゃる意味はよくわかります。あなたの今御質問になりましたように、私、この答弁は、二十数回やっておるだろうと思っております。そのたびに五千五百万トンは政治責任としてやらなければなるまいということを言うておる。ところが最もよくおわかりになっておられる専門家のあなたがたが、また、この最後にいって言われるところをみると、何とかやっぱりそこに、いささかでも、われわれの言うていることに疑問があるのではないかと考えて、私は認識を深める意味で、そういうあなたにとっては蛇足と思われるけれども、私としても言いたいことではありません、そんな気持で申し上げておるのではない。しかしこれだけ言えば、たいていわかってもらえるだろう、これはわがままかもしれませんけれども、そう思って、私はそういうお答えをしておる。御趣旨は、あなたのおっしゃるとおりであります。
○阿具根登君 わかりました。それでは次に移ります。 少しこまかくなりますが、これも御答弁になっておることかもしれませんが、現在三井、三菱、北炭、その他ほとんどの大会社が、合理化で人員整理を出しております。ところが、その背後にひそんでおるものは第二会社ですね。そこで大臣にお尋ねしたいのですが、三井なら三井が膨大な資本をもって、まあ借金も資本のうちでしょうが、すぐれた技術者をもってやっていけなくなったような炭鉱が、そのままの鉱区、鉱道を第二会社に移譲して、第二会社でやっていけるということが考えられるかどうか。なお本問題については、組合の了解が得られたならば、第二会社もよろしいということになっておるわけなんですね。だから第一の質問は、今の問題、第二の質問は、組合が反対したならばどうなるか、組合が反対したならば、第二会社は作ることができないのかどうか、その点ひとつお聞きしたい。
○国務大臣(福田一君) 第二会社の問題は、われわれは例外として、一応これを認める、こういうことで、いわゆる方針をきめておるわけであります。しからば、それを具体的に、その場合どうなるかということについては、私はこの際は申し上げないほうがいいのじゃないか、という意味は、御承知のように、地域別、炭田別にスクラップ・アンド・ビルドの計画を立てる。そしてあとは労使双方の合意によって問題の処理をいたしましょう、こう言っておるわけであります。私が、その場合に絶対にノーともイエスとも、そういうことを言うことは、もうすでに、例外としては認めるという原則、あの原則で、大体やらしていただく、こうお答え申し上げるのが一番すなおであり、また問題の処理としていいのではないかと思っております。あまりこまかいところへ入っていきますと、かえってせっかくスクラップ・アンド・ビルドでしょうというときに、それを阻害するおそれもある、あるいはまた、私が労働問題にまで立ち至ってお答えをするということは、通産大臣としては差し控えたいと思います。
○阿具根登君 あとの問題は、また伺いたいのでございますが、前段の問題には、 答弁になっておらない。第一会社でやっていけないやつが、第二会社でやっていけるのは何かあるのですか。端的に言って、今日まで、経験豊富な、しかも自分たちが経営をやってきた山を、経営をやっておらない人にやらして、そこでは黒字になっている、第一会社でやっていく場合には赤字になる、これはいいことであるか、悪いことであるか、端的にお答えを願いたいと思うのです。それがどうこうということじゃなくて、第一会社がやっていけずに、第二会社ならやっていけるのは一体何なんだ。そういうことがあっていいか、こういう問題です。
○国務大臣(福田一君) 私はまず、おしまいのほうからお答えをすれば、あっていいと思っておるのでありまして、あっていいからこそ、例外を認め、その例外の場合において、あっていいと思っているのであります。それじゃ、その例外というものは、やる場合には、どういうことになるか、それはやはり、組合と経営者が、自由な立場においてお互いに相談をしてきめられるべきことである、こう考えておるわけでございます。
○阿具根登君 あっていいという根拠は何ですか。
○国務大臣(福田一君) 規制の問題で、われわれきめました要綱の中で、石炭鉱業の第二会社は、原則として認めない、ただし、雇用対策上真にやむを得ない場合に、労使双方が必要と認める場合は、この限りでない、こう書いてあります。このとおりでございまして、雇用対策上、たとえば真にやむを得ないという場合に、どういうことがあるかということになると、たとえば、どうしても、おれはこの山に残っていたい、労務者の方が、そう言われる。片一方の経営者のほうは、どうしてもこれは経営が成り立たないからというような相談をされて、どうしても残りたいといわれても、赤字が増す、だから会社全体としては、どうにもならないじゃないかということになる。その場合においても、いや、われわれとしては、何とか残してもらいたいということで、条件を話し合いをされるなり、あるいは、自分らとしては、こういうことをやってもいけばできるのだということを言われて、そうしてわれわれが見ても、これはどうしても、そこに残っていたいというようなら、しようがないじゃないか、すぐやめてどこかに移るといっても移れない人もあり得るだろう、そういう場合には、何か第二会社でも作ってお互にやっていくのだ、こういうことをおきめになれば、私はその条件にあてはまるのだと思います。
○阿具根登君 お気づきになったと思います。たとえば、ただいまの答弁のとおとりだと思うのです。先ほど大臣は、原則としてそれはよろしいとおっしゃった、原則として第二会社はできない。最初大臣は、感違いなすって、御返事になったと思われたから、私はその考え方が何なのか聞きましたが、原則としては、第二会社はできないのです、この法律は。そうして、労使間で話し合いがついたものは例外として認めるというのがそうなんで、なぜ第二会社ができないかというのは、私の言ったとおりのことだろうと私は思うのです。 そうすると、後段になって参りますと、なぜそれでは組合が第二会社を了解しなければならないのか、こういう問題になってくるわけです。これは私企業上の問題だから、勝手に労使でやりなさいといえばそれまでですが、原則として第二会社は認めないというのが前提なんです。だから、労使の今日の交渉を見ておりますと、最初、会社側から出すのは、大てい閉山です。閉山、頭からこうくるわけです。そうすると、これは閉山になったならば、たいへんなことになる。全部会社をやめて、知らぬ他国に出ていかなければならない。そうして今度話し合いの結果、それでは第二会社で半分でも使ってやろうか、こういうことになるわけなんです。そうすると、第二会社になれば、今までのような賃金は払えませんぞ、賃金がうんと低下してくるわけなんです。労働時間が延長してくるわけなんです。福利厚生施設その他が非常に劣悪になるわけなんです。保安資材が非常に減少するわけなんです。そうしなければやっていけるわけがないでしょう、これはおわかりになるでしょう。だから、原則としてやっていけないということが前提になっておるわけです。金をかけてできないやつが、金をかけずにできるわけがないんです。 そうなってくると、これは労使の問題よりも、政治の問題が、まだ大きな力を発揮しなければならぬのじゃなかろうかと私は思う。かりに第一会社で、どうしても赤字でやっていけない、これを合理化する、あるいは賃金の切り下げもたまにはあるでしょう、そういうこともやっていくということになれば、同じ条件が下がるならば、これはどなたがお考えになっても、会社が変わるということは、みんなが嫌うことだ。それなら第二会社にするだけの条件を切り下げても第一会社でやるべきだ、こういう結論になると私は思うのです。そうなってくれば、精神的な問題もございますが、福利厚生等の問題は、第二会社等と比較になりません。また、保安の問題も比較にならないのです。そういう点から考えるならば、これは何としても第二会社というものは考え直さなければならぬ、こうならねばならぬと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田一君) 私は、あなたのお話でありますが、われわれの方針でいいと思っております。それはどうしてかというと、この問題は、スクラップ・アンド・ビルドをして石炭鉱業を合理化するという建前から出たのであります。そうして第二会社の問題が起こるようなところは、どうしてもスクラップしなければいけないのだというような問題が起きておるところに、そういう問題が起きてくるのじゃ、ないかと私は思う、形から言って。そういう場合に、これをスクラップするのが筋になっているのに、スクラップをしないのだということにして、どういうふうにして問題を処理したらいいかということになってくるわけです。そこで組合と経営者の間で話し合いをされるということから、組合のほうとしては、組合員の大部分あるいは半分でも、とにかく残していくのだ、それが希望である、雇用の関係からいっても、今われわれは年もとっているし、あるいは炭住を出ていってどこへ行っても家があるわけでもない、やはりここに、とにかくいたいという人もあるだろうし、とにかくおれは最後までこの山に残りたいという意思の人もあるだろうし、いろいろあると思いますが、そういう意味で、どうしてもここに残りたい、ここで働きたいという意思を持っておいでになる場合においては、これは認めたほうがいい、雇用の対策上と、ここに書いてあるわけです。おれはよそへ行きたくない、どうしても残りたい、そんなことを言って、いてもらっても、こちらとしてはめんどうを見切れないということを、会社はおそらく話し合いの中で言うようになるでしょう、それを何としても居残るということで詰めていった場合において、やはりそれじゃ別の会社を作ってでも残る、こういうことで話し合いがつけば、それをわれわれは認めちゃいかぬということは、これは行き過ぎるのじゃないか、そこでそういう場合に限っては認めることにしようという一項を残しておるのでありますから、私は矛盾はない、もちろんお気の毒という、そういう情の問題では——筋の問題を申し上げているのであります。私は筋からいえば、これはやむを得ないことであると考えております。
○阿具根登君 私はその筋の問題で、大臣と全く違う。大臣の筋は間違っておると思うのです。やっていける、いわゆるスクラップしなければならないのが、第二会社でなら、スクラップしないでも済むということが間違っている、私から言えば。いいですね、それはやれるはずなんです。第二会社でやれるのが、第一会社でやれないわけがない。第二会社以上のものを一切がっさいやれというなら、やれないかもしれないけれども、人員もある程度減るでしょう、労働条件も低下するでしょう、労働もあるいは強化するかもしれない、しかしそれでもやっていけるはずです。第一会社でやっていけないのが、第二会社でやっていけるわけがない、第二会社でやっていけるというのは第一会社でもやっていけるのです。それを利潤が少ないとか、あるいはその他でやりたがらないわけです。それでなかったならば、私が言うように、第二会社でできるものが、第一会社でできないという理由は成り立たない、それが筋じゃないでしょうか、大きな資本で、大きな機械力で、しかも今日までやってきた自分の炭鉱を、自分のところはやれないといって、第二会社にやらせて、それじゃ第二会社はそのまま、まるまる自分のとこでやっていくかというと、そうじゃないでしょう、大臣御承知でしょう、第二会社で掘った石炭は、条件つきで第一会社が全部買い取っておるはずです。いいですね、それが筋でしょうか。私はそれは逆だと思うのです。より安いところに、より労働条件を悪化して、しかも鉱害賠償その他はそちらのほうに持っていって、掘った石炭は第一会社が買っておるはずです。そうすると、第一会社は、それでもうかっておるのです。それが私は今日の問題を引き起こしておるのではないか、こう思うのですが、これは数字になりますから、局長にお尋ねいたしますが、現在……。
○国務大臣(福田一君) 私は、阿具根さんの御意見に賛成しないという意味は、第二会社をやれとわれわれ言った覚えはありません。また経営者にも、第二会社をやってくれと言った覚えもない、そんなことを言っているのは、間違いであります。われわれは第二会社をやれと言っておるつもりはない、経営者としても、第二会社をやれなんと言う経営者がどっかにいるなら、それを聞かしていただきたい。私はそんなものじゃない、スクラップするんだ、こういうことをせざるを得ぬという会社の経営、これは三十八年度の分について言いますれば、審議会の決定がないですから、そういう話し合いをしても、結婚前のつき合いみたいです。結婚しているわけではないから、正式のものではありませんが、しかしそういうことは、会社の経営方針について話し合いをしているということをわれわれ禁止するわけにはいかぬ、しかし審議会にかかってから、あとの問題にしても、お前たちは、もう第二会社でやりなさいというようなことを、経営者は言うはずでもないし、そういう筋合いのものではないと私は思うのです。そういう原則で、やはりスクラップ・アンド・ビルドの方針でいくわけでございます。 しかしその場合において、先ほど言ったように、雇用の対策上、どうしても組合のほうで、おれたちを何とかして、スクラップでは困る、おれはここにいたいから何とか置いてもらいたいという、こういう話が出て、それならばといって、経営者がやむを得ず、これに応じてくるような場合、それで話し合いがまとまつ場合に、私たちが、それは認めないというわけにもいかないということから、そういう例外規定を設けておるのであります。私たちは第二会社を作ることを原則としているのではなくて、例外として認めるということを御理解願いたいと思います。
○阿具根登君 局長、第二会社とか臨時夫とか請負夫とか、こういう数字が出ておったと思いますので、お知らせ願いたいと思います。
○政府委員(中野正一君) 第二会社の定義というものがむずかしいものですから、はっきりつかみにくいと思いますが、現在中小の、三十六年度の実績で申し上げますと、五千五百万トンのうち千九百万トン近くは中小が掘っている、このうちで、いわゆる大手が中小の掘ったものを、第二会社の場合、一番いい例ですが、系列会社にして買い取っておる場合です。これが約六百万トン、このうち相当部分が第二会社というふうに考えていただいていいと思います。
○阿具根登君 昔のことを言って恐縮ですが、昔は炭鉱に、こういうことがはやっておったのです。「うちの炭鉱で要らないものは、職員、監督、馬のくそ」というものがあったのです。おわかり下さいますか、昔は、炭鉱は国がやっておったんです。御承知のように、それが大資本に流れていって、資本から出てきた職員というのがある。それを役員と呼んだ。昔は官営でしたから、職員のことを役員と言っておった。それからその当時は、請負夫というのが非常に入っておったのです。その元締めを監督と言っておった。また、昔は電車がなくて馬で石炭を引いておったのです。だから、坑道に馬くそがごろごろしておった。だから、この役員と監督と馬のくそが炭坑にいらぬものだということまで、みんなが言っておったのです。これがこの戦争になって、その請負夫というのが戦争前になくなってしまったのです。女性もおりましたが、それもなくなってしまったのであります。馬もなくなったのです。おるのはいわゆる役員さんだけです。ところが、戦後今日になって、かえってそれが復活して来よるわけです。まさか電車が馬にはなりませんけれども、請負夫が入ってきて、また監督制度、請負制度が復活してきたのです。今日まで二十何年近くもなかったのですよ、請負制度というのは。それが今日また復活してきたのです。まあリバイバルかもしれませんけれども、これはいい傾向ではないのです。同じ炭鉱に働いていながら、石炭を直接扱うか、そうでないかという問題で、一方は請負夫です。そして、この前でも御承知のように北海道で問題が起きましたのは、坑内に不適格者が1坑内に下がることができない人まで請負夫を下げておった。これが負傷して暴露したこともあるわけなのです。こういう請負制度が、今日相当出てきた。また、これで問題があまり大きくなるといけないので、今私が申し上げた系列会社というか、そういうのが出てきた。そして、その石炭は、大手が全部買い取るわけなのです。そうして販売するわけなのです。少し逆コースだと思っているのですが、そういう問題は、一体どうお考えでしょうか。私は今日までの姿が逆にさかのぼってきている、こう思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(中野正一君) ちょっと話が事務的なことなので……。 調査団でも今の請負組夫の問題については、非常に調査の過程において問題になりまして、数字を申し上げますと、三十一年度末に坑内で五千八百人程度の組夫が使用されておりましたものが、三十七年の五月末には一万二千人にまで増加している。最近では経常的な作業に従事している組夫も相当数に上っている。このような組夫の中には、再び炭鉱に舞い戻った離職者も少なくない、こういったようなことを言っておりまして、答申では、片方でスクラップ・アンド・ビルドの過程において相当の組夫の、一方で在籍鉱員の大量整理をやる過程において、整理をして、しかも、坑内の掘進仕繰りとか採掘というような、本来経常的な坑内作業に組夫を入れるのは、これは不合理ではないかということで、これは法的な規制をすべきであるという答申がございました。政府でもこれを受けまして、十一月二十九日の閣議決定で、そういう意味の閣議決定がなされております。これに基づきまして、われわれのほうといたしましては、今度の合理化臨時措置法の新しい——これは次のものでございまして、きょう御審議願っておるものではございません。その次に出します、まだ衆議院にかかっております法案の改正では、この請負組夫の規制を取り上げまして、今後相当人員整理がある過程におきまして、組夫をさらに在籍鉱夫に組みかえせる、これを計画的にやりたいというふうに考えておるわけであります。これがうまくいかないと、結局やはり在籍鉱員の失業者というものの数が相当大きくなりますので、離職者対策にも影響いたします。それで、ちょっとこの席で申し上げるのは工合が悪いのですが、実は合理化法案の御審議が、衆議院でまだ一回も行なわれていないということで、私どものほうは、四月の中旬には、来年度の合理化審議会——石炭鉱業審議会の合理化部会と鉱業部会を開かなければならないと、そうしないと、また審議会を開かないで整理、合理化をやったではないかというおしかりを受けますので、私どもおそくとも四月の中旬ごろまでにはやりたい。それに間に合わせたいと思って、いろいろやっておったんですが、そういうことで、法案は、政府としては提案をいたしておるわけであります。 それから第二会社の問題にしましても、答申案で先ほど来、大臣から御説明があったとおりでありまして、できるだけこれは、第二会社でなくてやっていくということが当然の措置でありまして、第二会社になりますれば、雇用条件あるいは労働条件あるいは保安上の問題と、いろいろ問題を起こしますし、非常に不合理な形で、一時的にそういうものが起こる。しかも、そういうものが非常に多数になりますと、せっかく片方でスクラップ・アンド・ビルドを、政府で多くの金をかけまして、企業も努力をいたしましてやっておる効果というものが減殺をされる。減殺程度であればよろしいのでございますが、悪くいたしますと五千五百万トンのスクラップ・アンド・ビルドが、五千五百万トンベースにしたスクラップ・アンド・ビルドの根本が狂うのではないかというので、できるだけこれは押さえる。ただその場合に、どうしても第一会社でやっていけないという場合には、筋道としては、やはりスクラップをすべきである。経済性のどうしてもないものについては、いくら労使で話し合いをいたしましても、自然条件等が悪くて、あるいはそのほかのいろいろの地域的な関係等で、どうしても経済的にやっていけないというものは、本来スクラップをいたしまして、それにかわる条件のいいものをビルドするというのが、石炭産業の安定をはかっていく上に最もとるべき道であるというふうに、われわれも調査団も考えたわけであります。ただその過程で、先ほど大臣もおっしゃいましたように、雇用対策上、どうしてもその山に残ってやりたいということで、一応会社としては一回スクラップにするということの山を拾いあげて、個々に労使が話し合いをして、何とか何年間か、そこでひとつ生活をするためにやっていこう、いわゆるほんとうの意味の、真の雇用対策上やむを得ない場合という場合において、労使が話し合いをした場合は、これは例外的に認める、こういう方針を通産省ははっきりとっておる次第でございます。
○阿具根登君 そういう場合ですね、AならAの炭鉱を一つ持っている人で、どうしてもやっていけないのだということで、その炭鉱を放棄しなければならない。そこで、従業員と話をして、経営者が変わるなり、あるいは規模が小さくなって別会社になるということはあり得るかもしれませんが、幾つも炭鉱を持っておって第二会社ということが許されるかということです。どうせその石炭は、その第一会社が買い上げる。名目をよそにやっただけなんです。実質は一つも変わらないわけです。ほかに山を持たなくて、自分は山から手を引くというのならわかるのです。ところが、三つも四つも山を持っている親会社がばんとおって、これが系列会社に落としておいて、その出た石炭はまた自分が買い上げて、そして自分の出炭として売りさばく、こういう第二会社はいいか悪いか。これはどうなります。
○政府委員(中野正一君) これはいろいろの見方があると思いますが、第一会社のほうの立場から言えば、どうしてもやっていけない、いかに労使が能率を上げようとして相談いたしまして、金を注ぎ込んでも、どうしてもだめだというときには、スクラップということにならざるを得ないわけでございまして、その意味で言えば、たとえ数山持っている会社にいたしましても、一山の会社におきましても、事情は同じではないかというふうにわれわれ見ております。もちろんこれは、数山持っている場合には、会社全体の経営というものを睨みまして、できるだけこれは、一時やっていけないからと言って、すぐ捨てるというような政策は、これは好ましくないというふうに考えておりますが、継続的にあるいは長期的に見て、どうしてもやっていけない、短期的にもやっていけないというようなものにつきましてはスクラップということにならざるを得ない。役所のほうにいろいろ相談があった場合に、これを絶対役所は拒否をするということも、それでは国で補助金でも出すかとか、国でかわって経営してくれるかということにもなりまして、これは今の自由企業の建前からいえば、政府は、そこまで管理できないのじゃないかこれは調査団の立場でございます。しかし先ほど来申し上げておりますように、第二会社化というものは、原則として認めないということであるわけであります。ただ、今先生のおっしゃいました、そこで出た炭を、第一会社が売るか売らぬかという問題は、これはまた、別個に考えていい問題じゃないかと、第二会社が、自分で販路を開拓してやれるものであれば、これは第一会社に売れば、それだけ手数料も取られるわけでありますから、そういうことは、またそのときの労使の話し合いの過程において役所側で相談がありますれば、当然あると思いますが、そういう点については、十分われわれとしては実情に即するように措置いたしたいと、こういうふうに考えております。
○阿具根登君 それでわかりましたが、その販売の問題ですね。これはちょっと御質問申し上げましたが、流通機構になってくるわけですね。ところが非常にたくさんの石炭を使う安定しておるという電気とかあるいは鉄鋼あるいはセメント、ガス、こういうところは、ちゃんと大手でほとんど割り当てられてしまって、そういうところは割り込むすきがないのじゃなかろうかと思うのです。そうしますと、勢い大手に買ってもらうということになるわけなんですよ。 そこでお伺いいたしますが、もう電力の石炭二千五十万トンですか、割当が済んだか、済んでおるとすれば、どういう配分になっておるか、それをお知らせ願います。
○説明員(生駒勇君) ただいまの二千五十万トンの割当の問題でございますが、これは先般来、たびたび会合いたしまして、なるべく早くきめるという建前で、私どもがその点を、いろいろ電力会社側に対しまして、指導と申しますか、そういうことをやっておるわけでございますが、まだ、現在は各社別の割当まで至っておらないのでございます。しかし私どもの見通しでは、遠からず大体、結論に達するだろうというふうに見通しておるわけであります。
○阿具根登君 これは資料要求しておりませんでしたから御無理かもしれませんが、それでは三十七年度の割当——各社別の割当の数字はわかりますか。
○説明員(生駒勇君) 三十七年度の割当の問題でございまするが、これは割当という言葉では、ちょっとどうかと思うわけでござまいすが、千七百万トンだったと思いますが、これを電力側で九社全体で引き受けるということでございまして、その内容につきましては、たとえば豊渇水の問題等がございます。あるいは需要減退の問題がございまするが、それを電力全体として千七百万トン引き受けるということでございますでの、各社別は、その過程におきまして、いろいろ変わったわけでございます。しかし三十七年度の千七百万トンは、電力側全体として引き受けるということになっておりまして、また現に、途中でいろいろ打ち合わせをいたしまして、一応需要減退のありさま、あるいは豊渇水のありさま、その他を検討いたしまして、千七百万トン引き受けるということで、一応三十七年度はけりがついておるわけでございます。
○阿具根登君 そういう場合、千七百万トンなら千七百万トンということは、これは一応引き受けていただいたが、その配分の方法は、皆さんのところじゃわからないのですか。三井がどのくらい、三菱がどのくらいと。なぜこういうことを聞くかというと、どういう配分で石炭が出されているのか、中小炭鉱はどういうルートを通って、そういうところに入っているのか、商社は一体、どういう商社があるのか、どういうルートでやっているのか、そういうことをお聞きしたいのです。それと、この前質問申し上げました一般暖房用炭の販売価格があまりにも差があるので、これを何とか考えてもらわなければいかぬのじゃないか、こういうことがあるからお尋ねしているわけなんです。
○説明員(生駒勇君) 今先生のお話でございますが、各社がどういう石炭事業者から購入しているかという点の実績のリストは、今、ちょっと手元にございませんので、あれでございますが、大体、大ざっぱに申しまして、電力側の買っております石炭、大手、中小と分けまして、大手が、これは私の記憶でございますが、大体八〇%くらいになっているのじゃないか、残りは中小ではないかというふうに考えている次第でございます。
○阿具根登君 これはあとでけっこうですから、私少し調べたいことがございますので、今日までの各社の配分を資料で御提出願います。 それから質問を変えますが、合理化計画と雇用計画について局長御説明願いたいと思うのですが、合理化計画と雇用計画、これは審議会でやられると思うのですが、その審議会の今後のあり方、あるいはこの構成、こういう問題についてお尋ねいたします。
○政府委員(中野正一君) すでに法案を提出いたしておりまするが、石炭鉱業審議会に今度は整備計画と再就職計画というものをかける、そうして御審議願うということになっておりまして、合理化計画につきましては、地域別、炭田別に合理化計画のうちの整備でございますね、整備計画というものは、閉山に伴う人員整理の見込みと、それからプラス——そうでなくて、一般の合理化による人員整理の見込みという、二つに分かれると思いますが、そういう整備の計画——見込みと言いますか、計画という言葉を使っておりますが、整備の計画というものを地域別にきめまして、政府で原案を作って、審議会にかける。そのときに今度は労働省のほうにおきまして、これに見合う再就職の計画、これもまあ見込みになるわけでありますが、これは労働省のほうで作っていただきまして、これを審議会にかける、こういうことになるわけでありまして、これはもちろん現在国会に提案をいたしておりまする合理化臨時措置法の改正案に盛られていることでございまして、この法案が通らないというと、そういうやり方はできないわけでございます。厳密に言うとできないわけでございます。そういたしまして、審議会では、この部会を設けることができるようになっておりますので、合理化部会と、雇用部会というものを作りまして、雇用計画、法律では再就職計画でございますが、再就職計画は、雇用部会で御審議願い、それから整備計画は合理化部会で御審議願うということにいたしまして、最後は両方の合同部会を開きまして、慎重審議いたしまして、政府に答申する、こういう形になると思います。 ただ、これは三十七年度にもやったのでございますが、私は非常に心配しておりますのは、法案が、今の情勢だとなかなか、私がこういうことを言うと工合が悪いのですが、もし四月の上旬までに法案が通らない場合はどうなるかということになりますが、これは政府側としては、先ほども申し上げましたように、三十八年度の合理化実施計画というものは、どうしても四月の初めには——四月の初めというか四月一ぱいにはかけないと、また、期の途中になりますというと、非常にまた混乱をいたしますので、できるだけ四月に入りましたら、早く審議会で御審議願いたいというふうに考えて、今準備を進めておるわけでございまして、どうしても改正案が通らない場合も、閣議決定の御趣旨、すなわち答申案を受けまして、十一月二十九日にこの閣議決定が行なわれております。この閣議決定には、今申し上げましたような趣旨のことが載っておりまして、すなわち増強整備の実施体制を進めるため、「政府は、毎年度、その基本となる生産構造計画を策定するが、この計画の一環として合理化整備計画を地域別炭田別に定める。」が、「この計画の策定にあたっては、整備計画の円滑な進行を期するため、地域別炭田別の合理化整備計画」と雇用計画をあわせて石炭鉱業審議会に付議するということになっておりますので、この閣議決定の趣旨に従いまして、今法律改正で考えておりますことと同じようなことをやりたい。ただその場合に、非常に違いまするのは、新しい改正案が通らないというと、どういうことになるかといいますと、合理化整備計画だけを正式にはかける、その裏付けの参考資料として再就職計画を労働省のほうで、これは当然作っていただくわけでありまするが、その再就職計画というものは、付属資料というか、参考資料として御審議を願う、こういうことになるわけでございます。しかしこの場合も合理化部会、雇用部会というようなものは、現在の合理化法でも、部会は作れることになっておりますので、先般三十七年度の合理化整備計画を御審議願った際にやりましたように、合理化部会と雇用部会は、すでに作っております。したがいまして、新しい法案の趣旨と同じようなことを、ひとつ行政的に措置したいというふうに考えておるわけであります。 それから合理化部会と雇用部会につきましては、いわゆる三者構成にすべきであるという、やはり要望が相当強くございましたので、この点につきましては、両部会とも、委員は労使の代表を同数、それから中立委員若干名ということで構成をいたしまして、にあたりましては、全員の意見の一致をみるようにできるだけ努力をするということで運用をいたしたい。これは運用いたしたいというよりは、私どもが運用をいたしたいというのでなくて、石炭鉱業審議会の、先般の総会を開きました際に、植村会長に、その点は数回にわたりまして、労働代表の御質問がございましたので、その点については、そういう趣旨のことを言われまして、総会の皆様の御了解を得ておりますので、そういう審議の進め方をいたしたいというふうに考えておる次第であります。
○阿具根登君 聞き方によれば、お前らが来月の上旬まで、法案を上げてやらなければ、これは、就職は円滑にいかぬぞというようなお叱りを受けたような気がするのですがね。それはそれとして、当面の責任者として御心配していただいておるのはよくわかるのです。 ところが、この合理化部会も雇用部会も、三者構成になるようですが、中立委員は大臣の任命でしょう。これはその三者構成の中の労使のあっせんとか推薦とか、そういう形はとらないのですか。また、もう一つ踏み込んで、この審議会の中立委員なるものは、これは国会の承認くらいの中立というのですか、まあ非常に公平な方を選ぶ、こういうような考えはないのですか。
○政府委員(中野正一君) 今の国会の承認を要したらいいかどうか、これはちょっと政治的な判断の問題で、私からちょっと——大臣からお答えがあるかと思いますが、石炭鉱業審議会のメンバーは、全部通産大臣の任命ということで、もちろんこれは本人の承諾は要りますが、労働代表側、これは全部学識経験者ということになっておりますので、それから使用者側、経営者側のほう、それから中立委員ということで通産大臣が公正な立場から、だれがいいかということを、これは何も中立委員だけじゃなくて、経営者側についても、組合代表側についても言えることだと思いますが、任命するという手続になっておるわけであります。
○国務大臣(福田一君) 御承知のように、この審議会に十分答申を検討していただくのですが、この場合において、実際に処理するのは、政府の責任ということで、所管大臣としては、私と労働大臣というのが所管大臣にあげられるかと思います。そういう意味におきまして、公正な方に、ひとつ委員になっていただくという意味で、実は、私としまして、合理化法の建前に基づいて任命を今おえておる、御承知のような段階でございます。今後どういうふうにするかということでありますれば、従前と同じような形でやっても差しつかえがないのじゃないか、かように私としては考えておるわけでございます。
○阿具根登君 局長にお尋ねします。たとえば四百四十万トンなら四百四十万トンの買い上げを予定されておりますね。これもこの審議会でやりますか。
○政府委員(中野正一君) これは今、いろいろ資料を作成中でございますが、地域別、炭田別に、これは閣議決定によりますと——法律では地域別という言葉になっておりますが、地域別、炭田別に、整備計画を原案を作って提案をするということになっております。その場合に——これは、人員整理のほうでございまして、そのもとになる一つの大きな柱のスクラップ計画というものが、大体どのぐらいになるかということは、三十七年度のときも、地域別に展開をいたしまして、全体としては、このぐらいになる見込みであるということでお諮りするわけであります。
○阿具根登君 そうしますと、地域別、炭田刑だから、個々の山には関係しないのだ、それは労使でやるべきだ、こうおっしゃると思うのです。しかし地域別、炭田別で、炭鉱の数が筑豊のように密集しておれば、それはいいわけですね、それは当たるわけですよ。ところが、炭鉱の数が少ないとか、そういう対象になる炭鉱が少ないといった場合、勢い個々の炭鉱に当たらざるを得ぬ、こういうことになると思いますが、いかがですか。
○政府委員(中野正君) これは、そういうことを意識してやっておるというのじゃなくて、三十七年度におきまして、すでにモデルというと悪いですが、実施しておりますので、それをちょっと申し上げますと、たとえば地域別の閉山規模ということで参考資料のほうでなっております。これは正式な諮問のほうにもありますが、なかなかこれは分け方がむずかしいのですが、たとえば北海道は、一つは石狩、茅沼、久遠、天北、留萌という、いわゆる北海道中央部及び北部というのが一つの区域にしております。中央部と北部と、それから例の釧路炭田を主としていますが、北海道東部、こういう二つになっております。東部、常盤炭田につきましては、東部本土地域、これは常盤炭田ばかりじゃありません。ほかに小さいのがあります。東部本土、西部本土これは宇部、大峯、津衣田炭田ということになって、これも宇部地区が多いのでありますが、西部本土地域、それから九州の分け方につきましては九州の北部、これは筑豊、福岡、朝倉炭田、それから九州の西北部地域、これは佐世保、唐津炭田、それから九州の西部地域、これは三池、崎戸、高島、天草炭田、こういうふうに九州は三つの地域、この程度の分け方にして整備計画なり、あるいは閉山規模というようなものを扱いたいというふうに考えております。
○阿具根登君 そうすると最後の、じゃ九州の西部をとってみても、三池、崎戸、高島ですね。そうすると三池や高島は、これはビルドの最たるものですね。そうすると崎戸は一体どうするか。あとは天草になるわけですね。そうすると、もうほとんど限定されて、この山をどうするかという問題も、ここでやるようになりやしませんか。労使双方が介入するところ、ないじゃありませんか。
○政府委員(中野正一君) 今御指摘のありましたように、個々の山の問題は、もちろん審議会では審議をされないというふうに考えておりますが、ただ役所のほうでいろいろ原案を作ります場合は、少なくとも大手の、特に問題になるような山につきましては、当然これは審議会へかける前に、この資料を作る前に十分検討をいたしまして、そうして資料を出すということになっております。
○阿具根登君 時間がずいぶんきたようですから先に進みますが、それでひとつ、ボーダーラインという説明をしてくれませんか。
○政府委員(中野正一君) これはボーダー・ライン炭鉱というような言葉が、実は突如としてというと悪いのですが、出てきまして、なかなかこれは英語の字引でも引いてみないとわからぬと思うのですが、いわゆる自民党と社会党の、この了解事項としてでき上がったものを、われわれの立場で考えてみますというと、これは増強、維持並びにボーダー・ラインにあるとなっておりまして、結局、これは増強、維持並びにボータ一・ラインにある炭鉱の強化育成でございますから、これは五千五百万トンの範囲内の山であるというふうに、当然これはだれが考えても考えられるわけであります。五千五百万トンをはみ出した、いわゆるスクラップしなきゃ、どうしても炭量もなくて非常に赤字が多くて、将来性もないと、経済性もないというような山をこれは救うという意味ではないということは、まあ常識的に考えて、どなたも御異存がないのじゃないかというふうに考えております。 そういう意味で、ただここでわざわざボーダ一・ラインというふうに書かれた意味合いは、五千五百万トンの範囲内で育成をしていかなきゃならぬ山であるが、一時的な金融のため、あるいは過去の負債が非常に多いとか、いろいろの関係で経営難に陥っておる、しかし、そこに一時的に再建資金というか、立ち上がり資金というのか、そういうものを政府のほうでめんどうをみてやれば、十分将来性はある、またやりようによれば、経営者のやり方あるいは組合のやり方等によって、十分将来やっていけるというふうに、だれもが認めるような場合に、これはそれを放っておくということは、政策上非常にまずいのじゃないか、そういうものに、てこを入れるということで、政府側で何らかの措置をやるべきじゃないか、これは従来からも、そういう政策はやっておるわけであります。やっておるというよりも、まあ石炭局のする仕事の半分以上は、そういう仕事が多いように、実際自分がやってきてみておりますが、そういう意味合いに、われわれのほうは考えておるわけでありまして、ただその場合に、特別の融資制度を設けるというようなことに、何かもう一歩踏み出して、そういうことを徹底してやったらいいのじゃないかというふうなことも考えております。その意味でボーダ一・ラインにあるという山というのは、いわゆる何を、どの山がスクラップ山とか役所がきめるわけじゃありませんが、役所側からみれば、将来十分やっていける山で、一時的に工合が悪い、こういう山をなんとかするという意味で、そういう意味でボーダー・ラインにある山と、しかし、ボーダー・ラインの上にある山というふうにお考えになったら一審わかりいいのじゃないかと考えております。
○阿具根登君 どなたが考えても、ボーダ一・ラインはあなたの解釈になりませんよ。どなたが考えてもボーダー・ラインというのは、これは助けるべくして助けるやつじゃなければできぬと、こういうことを言っておられるのですけれども、増強、維持並びにボーダー・ラインですよ。増強分と維持分は、当然なことです。これは増強分であっても、金が足りないのに出すのだ、それはあたりまえのことです。増強地指定をされておって、金融で困っておるところに金貸してやるのは当然なことなんだ。維持分の場合もそのとおりなんです。ボーダー・ラインというのは、増強、維持分以外のものだと、これは解釈しなきゃいかぬわけです。あなたも、私の勉強しておる学校へいかれているから、よく御存じだと思うのです。私の日本語解釈は違う。増強、維持並びにボーダー・ラインといえば、今スクラップになっておるけれども、その中でも、いよいよ助からぬスクラップと、何とか手入れしてやれば助かるスクラップ炭鉱があると思うのです。そのスクラップの上位にあるところをボーダ一・ラインと私は言っておると思うのです。あなたは何か増強、維持分の中の下のほうの、金が足らぬところをボーダー・ラインと、これはだれが考えても、そうですとおっしゃるけれども、だれがの中には、私は入っておりません。私はそれ反対だ。私は、ボーダー・ラインというのは、スクラップ群の中の私は上位にある人を助けるのだ。こういうふうに思ってよろしいですね。自民党と社会党の中では、そういう話し合いができておると思うのだけれども、そうでなかったら、たいへんな間違いになってくると思うのですが、私のやつは、どなたも考えられぬ問題でしようか。
○政府委員(中野正一君) これは役所の事務当局としては、今申し上げたような意味合いに考えております。どなたが考えてもそうじゃないかというようなことは、ちょっと言い過ぎたと思うのですが、訂正いたします。ただ、実際にわれわれが行政をやっていくために、ある特別な融資制度を作るというような場合は、そういう五千五百万トンの外にあって、もう、どうしてもスクラップにならざるを得ないのだというふうなことは、何も役所のほうで、そういうことをきめるわけじゃありませんで、これは融資制度でございまして、結局政府金融機関だけで片づくわけじゃございません。 具体的な例はちょっと申し上げかねますので申し上げませんがやはり金融の問題でございますので、どうしてもやはり従来から、ある市中の金融機関なり、あるいは開発銀行なり、あるいは合理化事業団なり、いろいろの金融機関がめんどうをみなければ立ち上がりはできないわけでございます。その意味で、そういう立場に立って考える場合のボーダー・ラインにある山というのは、このだれが考えても、将来性のある山でないものを、幾ら政府の金であっても、金を無理やり貸すというようなことは、一種の金融でございますので、補助金じゃございませんから、その意味で、当然こういう制度ができても、そこにそういう意味の限度があるのじゃない、だろうかというふうに事務的には考えておるわけであります。
○阿具根登君 いや、この問題はもうやめますけれども、将来性のあるという問題が、全然将来性のないものと、将来性が永久にあるものと、こういう問題があるわけです。そこがボーダ一・ラインの考え方の差なんです。これはもう、何ぼ金突っ込んでも、あしたからだめだという炭鉱と、これは少し金を突っ込んでやれば、五年や三年はまだもてるぞという炭鉱がたくさんあるわけです。将来性がない、十年も二十年もこの炭鉱はもう続かないのだ、せいぜい金突っ込んでも、三年か五年だというのはだめだというようなきめつけ方では、私はこれはないと思うのです。その点、少し違うようですけれども、これは十分あとで、また御相談申し上げたいと思いますが、 次に通産大臣、最後に御質問申し上げますが、二月の五日の閣議において政府機関を産炭地域に進出させるということがきめられておるようでございまして、これは地元は非常な期待を持って待っておるわけです。聞くところによれば、たばこの専売所とかなんとかができるようですが、どこまで進んでおるのか、実際、それをどういう機関を持っていってやるつもりかお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(福田一君) お説のとおり閣議におきまして、政府機関を持っていこう、あるいは自衛隊を持っていこうということもあります。このことはだんだんと話が進められておると思います。ただこれは、いろいろの関係がございまして、これは最終的に決定するまで、あまり申し上げないほうがいいんじゃないかということがあるのであります。ここで言うて、かえってじゃまになる場合もありますので、これはひとつわれわれを信頼していただきたい。真剣にやっています。私はこの問題は非常に大事だ。きのうも北海道へ行ってきました。やはりいろいろ話を聞いたりあれしても、産炭地振興ということは、これは非常に大事なことだと考えております。特に、また考えてきておりますし、きょうも実は閣議で、北海道視察の報告を述べたあとで、特に産炭地振興の問題については、各省もっと協力してもらいたい。雇用の問題についても、これは労働大臣の所管であるけれども、私からお願いしておくというふうに、ひとつ協力してもらいたいということを申したような次第でございまして、今後も大いに、その趣旨に沿って努力いたしたいと思っております。
○阿具根登君 たばこの専売はどうですか。
○国務大臣(福田一君) ただいま申し上げましたように、具体的な問題はすぐ、それはあすこへ作るというようなことを、きまらぬうちに言いますと、またそれに対して、おれのところへ持ってくるのじゃないかとか、いや、それは反対だとかというような話が出るおそれが多分にある。私はたばことも言いません。硬貨の鋳造の問題、いろいろありますが、とにかくなるべくひとつ早くきめたいと、こう思っておるのであります。いろいろの、そういう事情もありますので、ひとつおまかせを願いたいと思います。
○阿具根登君 労働大臣にお尋ねをいたします。労働大臣に基本的な問題を一つお尋ねしたいと思うのですが、今大臣が非常に御心配いただいておりますILOでも、時間短縮が非常に問題になっておりまして、週四十時間という声が出ておるのです。私は現在炭鉱問題を審議しておりますので、炭鉱の労働者——これには地下産業労働者というのが当たると思うのですが——についてお尋ねするのですが、いずれ今のような労働時間というものは、これは当然短縮される。これはだれが考えても、将来そうなると思うのです。 そうしますと、今ILOの線に沿って炭鉱労働者の労働時間を短縮するようになりますと、かりに官庁でやっておられますように土曜日の半ドンをとったとする。そうすると、私の計算では少なくとも二万人近い人がこれで助かると思うのです、半休になった場合ですね。そうすると土曜日全休にした、週五日制にした。そうすると、その倍になります。算術計算ですから、あるいは少し違っておるかもしれませんが、そうすると約四万人からの人が助かるわけですね。そうして、その人たちは労働の再生産を休養をとってやっていかれる、こういうことになってくると思うのです。そうすると、世界に対してもILOに対しても、日本はまず地下産業労働者から時間短縮をきめましたということも言えると思うのです。さらに今日、この石炭問題で九十九億からの金が一応考えられているのですが、それをそういう方面に使えば、私は今日こういう就職問題を心配するよりも、家の心配をするよりも、同じ金で約四万人近くの人が救えるのじゃないか、こういうように思うのですが、こういう考え方は間違っておるでしょうか。
○国務大臣(大橋武夫君) 労働時間の短縮ということは、これは今後の方向としては、当然そうであるべきであろうと存じます。 ただ、その理由によって、現在直ちにILOの条約が考えておるような四十時間というような目標、あるいは土曜日の半日休暇というようなことをやれば、計算上は二万人なり四万人なり救われるという計算は出てくると思うのであります。ただ、何分にも労働時間につきましては、これは日本の産業の全般的な実情というものと非常に密接な関係がございまするので、地下労働だけを特に時間短縮をやるということは、実際上可能かどうか、これはいろいろ関係者間にも問題があると思うのであります。しかし、それにしても、そういうことがやれるならば、やってはいけないとは考えておりません。ただ何と申しましても、時間は労働条件の基本的な問題でございますので、労働基準法を下回る労働時間をきめるということにつきましては、これは労使の話し合いによって処理されるべきものと思っております。
○阿具根登君 考え方として、かりに労働時間の短縮をやるとするならば、地下産業労働者の時間を短縮した場合に、どこからか非常に苦情があるでしょうか、それは業者は苦情を言うでしょう、そういう問題を離れて、今労働時間という問題がILOの問題になっておる、そういう場合に、どれを一番先に時間短縮すべきであるか、全部が短縮できれば、これにこしたことはない。しかし一番危険で、しかも太陽にも当たらない、人もいやがる。なぜ私がこういうことを申し上げるかといいますと、御承知のように、ドイツには、日本、イタリア、その他の国からたくさんの労働者が行っている。労働力が足らなくなったら、炭鉱の労働者が一番足らなくなるのです、どこの国でも。だれだって炭鉱のほうがいやなんです。だれだって、せびろを着て仕事をしたい、高い給料をもらいたいのです。だけれども、職がないから炭鉱にいるのが事実なんです。そうすると、労働力が不足してきたならば、必ず炭鉱が一番最初に不足してくるのです。今炭鉱が余って、やいやいいって首切りをやっておりますけれども、おそらくこれは、あるいは三年や五年たったら、逆な結果になってくるかもしれません。もう若い人達の職がどんどんあるとするならば、炭鉱に入っていく人はほとんどないと思う。大体三十八才から三十九才になっていますね、平均年令が。そうすると、だんだん老齢化してくるわけです。そうして油に、一たん何事かあった場合には、また政府が、大臣はじめ金太鼓をたたいて、石炭やあい石炭やあい、石炭の一塊は血の一滴であるといってやった時代もあるのです。そういうことにもなるので、石炭の労働者の時間を短縮するということについて、私は異論があるとは思わない、考え方としては。実際問題としては、いろいろ問題があるでしょう。しかし考え方としては、地下産業の労働者の時間を短縮すべきであるということについては御賛成いただけると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(大橋武夫君) 原則論といたしましては、時間は短縮の方向に向かうべきものでございますので、その手始めに地下産業が手をつけられるということは、これは別に差しつかえないことだと思います。また、そうした方向は、今後の労働の進むべき道から見ましても望ましいことだとは思います。
○阿具根登君 まあ、これから先のやつは、お互いに思想上の問題になりますから、あまり申し上げられませんが、そういう考え方からいけば、今でさえも炭鉱の労働者の賃金は、炭鉱外の労働者の賃金とほとんど変らない。そうして炭鉱は、千二百円コスト・ダウンだ、炭鉱は赤字だ、こういうことをいっておる。こういうことで、私企業ではやっていけぬということになってくるのです。これは通産大臣にいうべきことだったのですけれども、私が有沢団長に説明を聞いたときに、有沢団長は、こういうことをいわれた。——英国のサンキー委員会では、これは国でやるべきか、やるべきでないか、どうすべきかという質問をされておる、それだったならば、私も答弁の仕方があります、答申の仕方があります、しかし、私に質問されておるのは、今の資本主義の中の私企業でどうあるべきか、どうすべきかということで諮問を受けておるから、今日、こういう答申しかできなかった。しかも、これはもう社会化の第一歩なんです。もう一ぺんこれでやらせてみてくれぬか、これで失敗したら、万やむを得ません、社会化以外に方法はありません——有沢団長は、こういうことを公式の席上で申されたのです。そういう観点から、この炭鉱問題も、ひとつとり上げていってもらいたい。時間短縮の問題も、ひとつとり上げていってもらいたい。 そうしなければ——今日本が炭鉱の社会化をやっても、もう決して世界の先進国じゃないんです。社会主義の国はもうもちろんですけれども、資本主義の国で、御承知のように、それはもう一九一九年のときにサンキー委員会の結論が出ているのです。またフランスも、御承知のとおり、国がやっております。そうしてフランスは、これまた、今日新聞をにぎわしております。が、その国でやっておる炭鉱でストライキをやっておる。三〇%の賃金値上げでストライキをやっておる。政府が一%上げるといってもきかない。そういうことをフランスあたりではやっているのです。ということは、非常に石炭が要るのです。日本は逆に石炭は余る、余るといって、押さえている。使わない、使わないといっている。それはどうも、逆行になっておるのじゃないか、私はこう思うのです。 ところで、局長おられますか——住宅の建設でお尋ねしますが、今度八千戸ですか、全部できれば一万二千数百戸になるわけですね、一万数千何百戸になるはずですが、住宅は、一年間と限られておるわけですね。そうすると、私ども皆さんと一緒にお供をして参りましたときにも声が出ておりましたように、一年間といえば、やっと腰を落ち着けたばかりである。やっと生活の基盤ができたばかりで、それで今度は出ていかなければならぬ、非常にそういうことで心配しておるようですが、その点について、ひとつ局長のほうから、はっきり御答弁を願っておきたいと思います。
○政府委員(三治重信君) これは大臣も御答弁いただいたことでございますが、この移転就職者用宿舎を作ります場合に、政府各省の所管の問題で、いろいろ問題がございまして、こういう就職のために、とりあえず住宅を提供するというのを労働省が担当することになったわけであります。したがって、一年ということになっておりますが現在でもやむを得ない場合には、二年まで延長することができることになっております。 それから二年後の問題につきましても、まあ今、建設省と話をして、逐次三十八年度から、公営住宅の割当に際しましても、この移転就職者用宿舎に入ったものを、ある一定の割合で優先してとるようにいたしております。その割当が、三十八年度は、一応建設省との話では千五百戸というふうになっております。したがってこの移転就職者用宿舎に入られている方が、今後逐次公営住宅に、あるいは会社の住宅なりというものに移られることについては、労働省としても、法制上十分顧慮しなければいけませんし、また、住宅政策を担当する建設省も、その移転就職者用宿舎に入っておられる方を、ある一定の割合でそれぞれ各地——それぞれ公営住宅を建設する市や県にあっせんをして割当をして、そこに移っていただく。労働省自身は、雇用促進融資で各事業主に、その宿舎に入った人のために、自分のところで労務者用住宅を作る場合には、できる限り優先的に融資をあっせんする、こういう両方の建前からいく。それからさらに住宅金融公庫で、自己の住宅を建てようという方につきましても、今話を始めておりまして、住宅金融公庫の自己資金を、また三年後、四年後に作る方にも、そういう住宅融資につきまして、できる限り労働省と建設省と両方で住宅金融公庫と話をつけて、円滑に進めていきたい。 それで、移転就職者用宿舎につきましては、そういうふうにいたしまして、われわれのほうでは一年、二年ということで固定的に考えておらないつもりでございますが、いずれにいたしましても、これは私どもの労働力流動化の政策として何回かに使っていって、そうして政府として、住宅政策を早く完全なものにしていっていただけば、それが数年を出ずして、全員移転できるような理想の型まで持っていきたい、しかし、そうかといって、現実に引き取り、または入れる住居がないのに、それが、どうしても移転できない人を、規定だからといって、いわゆる追い出すようなことはしないように、そういう点は、十分配慮してやっていきたいと思います。
○阿具根登君 まあ、局長の話はよくわかりますが、これが下部に下りれば、もう一年たった、早く出ろ——もう一年も前から、早く出ろ早く出ろということをいわれて、住んでいる人は非常な脅威を感じておりますから、そういう点、十分ひとつ注意をしていただきたいと思います。 さらに大臣にお尋ねいたしますが、就職手帳が今度できるようになりまして、失業保険が切れた人が促進手当をもらうようになるわけなんですね。その考え方は促進手当——まあ頭打ちの四百五十円出される、こういうことなんですが、実際は緊就も、一般失対も、今度の予算で一名もふえておらぬわけなんですよ、そうすると、緊就も 一般失対もふえておらない、かえって減っておる。それに今度数万の失業者が出てくるということになると、それは全部就職させる腹ですか、それとも全部就職できないから、緊就のかわりに、一般失対のかわりに、四百五十円やって促進手当をやったのだと、こういうふうになりますか。その点ひとつ。
○国務大臣(大橋武夫君) 原則的には全部就職させたいという考えでございまして、しかし、何分相手のある仕事でございますから、これがうまくいかない場合においては、やむを得ず促進手当で保障する、こういうふうに考えております。
○阿具根登君 局長にお尋ねしますが、緊就は四分の三国が負担しておるわけですね。
○政府委員(三治重信君) 五分の四。
○阿具根登君 ああ五分の四。一般が四分の三でしたか。
○政府委員(三治重信君) 三分の二。
○阿具根登君 そうすると、それは一体、一人平均して幾らになりますか。
○政府委員(三治重信君) 緊就のほうは、三十八年度におきましては、一人当たりの単価が千三百円で、それの五分の四。それから一般失対のほうは予算単価として四百五十八円——労務費が四百五十八円、これの三分の二でございます。そのほかに事務費と、これは監督費も含めて事務監督費、それと、それから資材でございますが、合わして大体四百五十八円にあと——これはあとでお知らせしますが、資材費だけ二分の一でございます。一般三分の二を国が補助いたします。しかし今度の促進手当につきましては全額一般会計の予算になりまして、その一人当たりに国が出す分の比較でいきますと、そう大して差はないと思います。国のほうの負担分は大した差はないのですが、将来、また実際、これは地方費を含めれば、これは国全体として出すものは、一人当たりでは若干少なくなると思うのですが、国独自が負担する分については、やはりこういう失業対策という事業としてやる分よりか、国が直接政府の職員もふやし全部でやるわけですから、事務人件費も含めていきますと、やはり国が出す分のほうが多くなるのじゃないかというふうに考えております。
○阿具根登君 非常に私、奇異に感ずるのですが、それは、器材費とか事務費とか合わせれば、少し緊就あるいは一般失対のほうが多くなるかもしれませんけれども、事実問題としては、同じような金額を出されている。そうすると、国自体が考えるということになりますと、一般失業対策、緊就につけても、そのぐらいの金は要るのだ、つけなくても、そのぐらいの金は要るのだ。そうすると仕事を待って金をもらうよりも、仕事をしながら金をもらったほうが、本人もいいだろうし国もいいわけなんだ。同じような金額を出すなら、仕事をさしておいて、そして金を出したほうがいいんだと、こういう常識的に一なるのですが、一般失対もふやさない、緊就もふやさなくて、そして促進手当をあてられたというのは、まだ、ほかに何か理由があるようでございます。さらに、それじゃ緊就は、今日も七千人出ておりますが、この中から就職は優先的に考えられておりますか。それとも、これはそのまま据え置きですか。今、どんどん出てきますね。去年の四月一日から、こっちの人も促進手当をもうあげなければいかんでしょうね。そうすると、そういう人たちが優先ですか、それとも緊就に出てくる人を優先に仕事に向けるか、どちらになりますか。
○政府委員(三治重信君) われわれのほうは失業保険の受給者、それから就職促進手当の受給者、これをまず第一に就職あっせんに全力を注ぐというふうに考えております。現在の緊就の七千名につきましては、昨年もいろいろ調査をやりましたのですが、一たん就労をしている人は、なかなか、現在の就労を続けたいという希望者が大部分になる。これが今、一般失対、緊就のいわゆる事業的な失対をやった場合に固定するという原因だろうと思うのです。したがって、現在、何とか自分で働きながら、また非常に低い所得であるけれども、何とかしていく。その場合に、再就職意欲を持っている人に限るといっても、それが事業的な職業的な意識になりやすい。これが再就職を妨げる第一の原因じゃないか。したがって、同じぐらいの金でも、再就職促進という部面からいえば、事業で失業対策をやるより、手当的なもので国が責任をもって職場の機関、労使を動かして、労使の協力を得て再就職させたほうが、本人のために非常にいいということで展開したつもりでございます。
○阿具根登君 最後に大臣にお尋ねいたしますが、そうすると、この就職手当については、三年で打ち切りですが、これはたくさんの人の中には、いろいろ家庭的な事情その他事情がありまして、これは職につけない人が、さらに残ると思うのです。私は、それは理想をいえば、三年も遊ばして促進手当をやっても、本人も気が気じゃないでしょうし、また係の方も、気をもむでしょうから、これは一年でも半年でも、失業保険の切れないうちでも、仕事があったほうが一番いいと私は思うのです。しかし現実問題として、三年たっても仕事がなかった。政府も、それぞれ機関を通じてあっせんしていただくけれどもなかった。こういうような人に対しては、再考慮していただけるかどうか。
○国務大臣(大橋武夫君) 就職手当をみだりに延長するということは今考えておりませんが、しかし、三年たった後に、未就職の者がたくさんにあるというような事態が現実に現われました場合におきましては、これを何とか処理することは政府としての政治的責任でございまするので、その際には、当然何らかの措置を必要とするであろうと存じます。
○阿具根登君 私も三年後に、そういう事態が起こらないことを願っておりますし、まあ労働省にも御努力願いたいと思いますが、そういう場合には、ひとつただいまの大臣のお言葉のように、ひとつ考慮していただきたいと思います。約束の時間がきましたのでこれで終わります。
○委員長(堀末治君) これにて、午後二時まで休想いたします。 午後零時二十七分休憩 ————・———— 午後二時十九分開会
○委員長(堀末治君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 ただいま野田俊作君が委員を辞任され、その補欠として谷村貞治君が選任されました。 —————————————
○委員長(堀末治君) 御質疑のおありの方は、順次発言願います。
○田畑金光君 私は、電力用炭の問題について若干お尋ねをしたいと思うのですが、第一にお尋ねしたいのは、先ほども阿具根委員から質問がありまして、公益事業局の次長から答弁がございましたが、なお不明確な点がありますから、念を押したいと思います。 昨年ですね、昭和三十七年度の九電力会社が石炭を買ってくれたというか、引き受けてくれた量というのは幾らになっておるわけですか。
○説明員(生駒勇君) 千七百万トン。
○田畑金光君 その千七百万トンですが、どうなんですか、九電力が全部引き受けて、もう売買契約というか、引き渡しの終わったものが千七百万トンなのか、約束として引き受けるということだけに終わっているのが千七百万トンなのか。特にお尋ねしたいのは、もう電力会社が全部これは引き受けて受け取っておる数量なのかどうか、その点どうですか。
○説明員(生駒勇君) 千七百万トンと申します内容でございますが、お話のございましたように、確かに引取量を約束いたしました数字が千七百万トンでございます。したがいまして、実際契約はどうなっておるか、あるいは現実に支払いがどのくらいまで進んでおるかという点につきましては、多少問題があるかもしれないわけでございますが、要するに、三十七年度といたしましては、千七百万トン引き取るという前のお約束を電力会社側で果たしておるということでございます。
○田畑金光君 今の三十七年度分というのは、三十八年の三月三十一日までの引取量が千七百万トン、こういうことですね。
○説明員(生駒勇君) はい。
○田畑金光君 それで、引き取りの実情はどうなっておりましょうか。石炭局長のほうでわかっておりませんか。
○説明員(生駒勇君) 現在までの情勢では、千七百万トンはお約束どおり引き取っておりますし、また、三十七年度末におきまして千七百万トンが達成できるという見通しでございます。
○田畑金光君 約束だから、電力会社が引き取ることは引き取ると思いますが、電力会社のほうとしては、この法制の関係とか、あるいは景気の後退に伴う需要の減退とか、そういうようなことで、事実上千七百万トンというのは、非常にもてあましているということを私は聞いているのですが、その点どうですか。
○説明員(生駒勇君) もてあましておるということは多少あれでございますが、今までの需要減退その他ございましたけれども、お約束いたしましたのは千七百万トンでございますので、これはあらゆる努力をいたしまして千七百万トンを引き取るということで、途中でたびたび会合いたしまして、千七百万トン引き取るように措置いたした次第でございます。
○田畑金光君 九電力の手持ち貯炭というのは幾らぐらいになっておるのですか。最近の、一番最新の資料はございませんか。同時に、正常な手持ち貯炭から比べると、どの程度過剰になっておるのか、その点どうでしょう。
○説明員(生駒勇君) 大体二百万トン程度の貯炭でございまして、これは考え方で、多いという意見もございますし、二百万トン程度ならば持っておっていいじゃないかという議論もございますのですが、現実には二百万トン程度の貯炭がある次第でございます。
○田畑金光君 もう一つ、さっき次長のお答えの中ではっきりしておりませんでしたが、三十八年度の二千五十万トンの九電力の割当については、つい二、三日前も社長会議が持たれていろいろ話をしたけれども、なかなか議論が分かれて、結論がつかなかったということも私聞いておりますが、いつごろ話し合いがつく見通しなのか。さらに、三十八年度は計画に比べて二百五十万トンふえたわけですが、この二百五十万トンの引き受けというのは、九電力が能力に応じて引き受けるのか、それとも特殊な二、三の会社で引き受けるような方向になるのか、この点はどうでしょうか。
○説明員(生駒勇君) 二百五十万ントの引き受け方につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、数回にわたりまして会合をいたして、結論を得ようと努めておるわけでございますが、何分にも、御承知のとおり、需要減退というような、これはむろん需要は本年度よりもふえるわけでございますが、しかし、需要の伸び方が減退しておるというような関係もございまして、なかなか九電力会社の中で結論を得るに至っておならいことは、まことに残念であると考えておる次第でございます。しかし、昨年度と申しますか、三十七年度も同様でございますが、電力業界といたしまして千七百万トン引き受けをいたしましたということから、途中いろいろの経緯はございましたけれども、結果におきまして千七百万トン引き取りを実行してございます。したがいまして、三十八年度におきましても、電力会社全体として二千五十万トンを引き受けをしておるのでございますから、その意味におきまして、個々の会社の問題は別といたしまして、二千五十万トンを電力業界で引き取るという態勢にありますことは、先ほど御説明申し上げましたとおりでございます。ただ、個々の会社の受取量というようなことにつきましていろいろ議論が出ておりまして、まだ結論に到達しておりませんが、これも先ほど御説明申し上げましたように、近い機会に結論を得ることを私ども見通しを持っておる次第でございます。
○委員長(堀末治君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(堀末治君) 速記を始めて。
○田畑金光君 それで、公益事業局次長、二百五十万トンのことしの負担増は、結局東京と関西、中部電力、その三社が大体引き受けるようなことに話が進んでおるようですが、そうなっておるのではありませんか。
○説明員(生駒勇君) 大体電力業界の内部でそういう話し合いがつきつつあるというふうに私ども承知しておるのであります。
○田畑金光君 そこで、これは昨年の実績が千七百万トン、三十七年度ですか。三十六年度は幾ら残っておるか知りませんが、少なくとも、三十六年度の各電力会社別の石炭の引受量というのは数字の上に出ておると思いますが、手持ちに資料をお持ちでしょうか。
○説明員(生駒勇君) 昭和三十六年度の受け入れ実績千六百十八万トンでございますが、これの各社別の数字は手持ちにございます。
○田畑金光君 そうですか。では、その九電力のそれをちょっと言ってくれませんか。
○説明員(生駒勇君) 昭和三十六年度の石炭の受け入れば、合計いたしまして千六百十八万トン。内訳でございますが、北海道から申しまして百十四万トン、東北九十六万トン、東京三百八十八万トン、中部百十五万トン、関西三百万トン、中国百九十万トン、四国三十七万トン、九州三百七十五万トン、以上でございます。
○田畑金光君 もう一つ関連して。 この二百五十万トンを今年は計画よりも追加して三電力会社なら三電力会社が引き受ける。だんだん毎年ふえて参りますが、今年度のこの電力会社が長期に、昭和四十五年三千万トンを目標にして引き受けるについて、当然電力会社としては火力専焼の発電会社を作っていかなければ消費も困難だと、こう思いますが、この引受増のために、どの程度将来火力発電の新設あるいは増設、あるいはまたもう一つは石炭混焼率の引き上げ等の措置が必要になってくるのか、おおよその見当というのは、公益事業局あるいは石炭局の中では作業がなされておると思いますが、その点ひとりおおそよの将来の見通しはこうなるのだというぐらいの構想があれば、この際、明らかにしてもらいたいと思うのです。
○説明員(生駒勇君) 将来どのくらいの建設をやっていって、そのうち石炭火力をどのくらい作っていくかという点につきましては、現在電源開発審議会に大体これは四月にかけたいと思っておりますが、そのかけます資料といたしまして作成中でございます。したがいまして現在どのくらいの火力発電所を作って、そのうちどのくらいの石炭火力を作るかという点につきましては、まだ結論が出ておらないわけでございますが、大ざっぱに申しまして四十二年度までに石炭火力を大体着工いたしますものは二百万キロ以上のものでございますが、四十二年度までに完成いたしますためには、百二十万キロ程度の石炭火力を建設していかなければならない、かように考えている次第でございます。
○田畑金光君 三十八年度の電源開発審議会は、まあ年度早々の審議会が四月か五月に開かれるというお話ですが、審議会の計画の中に二百五十万トンの新たな消費増のために、それに応ずるというか、あるいは今後石炭消費の引受増に応じて、今お話のように、石炭火力を増設しなければならぬといいますか、あるいは新設、それで来たる近い機会の電源開発審議会の中には、そういう目的のために、新たに石炭火力の発電所建設、そういうものがのるのだ、こう考えておいてもよろしいですか。
○説明員(生駒勇君) そういうふうにする予定で検討を進めておる次第でございます。
○田畑金光君 四十二年度までに着工が二百万キロワット、完成が百二十万キロワットと、こういうわけですが、大体これで石炭の新たな消費増というのは幾らぐらい見込めることになるわけですか。
○説明員(生駒勇君) 現在、先ほど申し上げました四十二年度までに百二十万キロワットの完成を見なければならない計画だと申し上げましたのは、石炭を四十二年度までにおきまして二百五十万トン引き取るということが前提になっておるわけでございます。
○田畑金光君 要するに、二千五十万トン昭和四十二年度には消費しなければならぬが、それの消費の実現のためにこの程度の火力専焼の建設が必要だ、こういうことですね。
○説明員(生駒勇君) そういうことでございます。
○田畑金光君 このように、だんだん石炭消費のために石炭専焼の火力発電を作っていくとしますと、相当に電力会社の設備投資というものが拡大していくわけでございますが、そこで、昭和三十六年度並びに昭和三十七年度の電気事業における設備投資の計画というものがどのように進んでいっているのか、これをひとつ説明していただきたいと思うのです。昭和三十七年度一年だけでけっこうです。
○説明員(生駒勇君) 三十七年度の設備資金計画といたしましては、総工事資金といたしまして、九電力会社だけで約三千四百億の工事資金が要るわけでございます。そのほかに電源開発株式会社、公営あるいはその他の発電会社を入れまして、六百五十億ばかりの資金が要ることになっております。三十八年度は、先ほど申し上げましたように、まだ電源開発審議会にかかっておりませんので、現在検討中でございますが、大ざっぱに申しまして、九電力会社だけで三千五百億、その他の電発、公営その他の電気事業者を入れまして、大体六百億程度の資金が必要ではないかと、かように考えておる次第でございます。
○田畑金光君 三十七年度の設備投資の資金計画というのが、今の御答弁のように、九電力で三千四百億、その他電源開発、公営発電等で、六百五十億ですか、三十八年度は三千五百億、並びにその他関係が六百億、これは相当な設備資金計画というものが出ておるわけですが、その設備資金計画の原資というものは、一体どういう割り振りになっておるのか、それをまた大まかでけっこうですから、ひとつ三十七年度、三十八年度の設備投資資金の原資というものは、一体どういう内容によって構成されておるか、それをちょっと御説明願いたいと思うのです。
○説明員(生駒勇君) 三十七年度の設備計画三千四百億円の内容でございますが、そのうち、何と申しますか、大部分を占めておりますのが社債、借入金でございます。借入金が千四百四十五億、こういうことになっております。それで、そのほかに千六百億という債務償還のあれがございますが、内訳といたしまして、借入金が圧倒的に比重が多いということでございます。
○田畑金光君 大臣にお尋ねしたいわけですけれども、公益事業局次長から、いろいろ石炭の消費需要増大に応じて、電力会社は、それぞれ昭和四十二年度までの間に石炭専焼の火力を二百万キロワットの新規増設をやらなければならない、こういう大きな問題をかかえているわけです。それがために、相当毎年多くの設備投資資金計画というものが必要になってくるわけで、そこで、今後の長期の石炭の取引を確保するためには、電力会社に対して、やはり反対の給付と申しますか、見返り給付というものを政府の責任で保証しなければ、これはなかなか電力会社も、たとえばことしの二百五十万トンの引受増についても長い間議論しているようだが、社長会議の中でも、非常にもめているように聞いているわけで、そこで、この点を何度か大臣にお尋ねしておりまするが、石炭の引取増による電力会社の負担増というものに対して、政府はどういう反対給付というものを政策的に考えておられるのか。その点については、第一に、原油関税の全部の戻し措置をとると、こういうことは聞いておりまするが、そういう政策を含めて、具体的に今後どういう手を打っていかれようというのか、これをひとつ大臣からお聞きしておきたいと思うのです。
○国務大臣(福田一君) 御承知のように、三十八年度につきましては、例の戻し税の還付によりまして戻し税をいたしまして、電力会社との間に二百五十万トン増の引き取りの話し合いができたわけであります。そのときに、電力会社のほうでは、今後、将来並びにこの計画に沿って協力をいたします、しかし、政府のほうでも、その場合においては、いわゆる電力会社がこうむるこの負担増については十分考えてもらいたい、こういうことでございまして、われわれといたしましても、この線に沿って今後考えて参りたい。しからば、今どうするかということになりますと、これは御承知のごとく、予算の問題、その他いろいろ税法の問題とも関係いたしますので、今後私たちとしては、慎重に検討をいたして参りたいと思いますが、同時に、また、電力事業者が、今年のこの引き取りにつきましても、必ずしも全部保証したわけではないのでございまして、その内容については幾分のマイナス面が出てきている。協力をしていくということは、電力会社が公共事業であって、しかも、独占企業であるというところにかんがみまして、電力会社も、いわゆるエネルギー問題の解決——自身もエネルギーの大宗を占めているのでありますが、この解決に努力しようということで、公共的精神に基づいて協力をしてくれておりますので、今後とも、やはりそういう気持で私は電力事業者に考えてもらおうと思い、また、今日の電力事業というのは、一面において電気が非常にふえて参りますというと、発電所を作るべく非常に高額の金額を必要とするのでありますが、しかしながら、電灯電力、いわゆる家庭用電力がふえますというと、これが大きなプラスになってくることは御承知のとおりであります。こういうようなプラス面もある。もちろん工場、工業用のものがふえてきますというと、むしろ逆にマイナスの面がある。これはいわゆる両方相合わさっているものでありますが、概しては、ある程度プラス面も今のところ出てきておりますのでこういうことができるかと思いますが、これが直ちに電力料金にすぐ響いていくというわけでもございません。しかしながら、これらの問題は、電力の将来の需給状況等を見まして、政府としてこれらの点も考えながら十分に措置を考え、また、電力業者と協力態勢をとってもらうように努力をいたしたい、かように考えているわけでございます。
○田畑金光君 大臣の御答弁を承りますと、本年度の二百五十万トンの引受増については、原油関税の戻し税措置で話し合いはついた、電力会社も、ある程度マイナスを背負うことも承知してくれた、こういうふうに理解してよろしいですか。
○国務大臣(福田一君) さようでございます。そのとおりでございます。
○田畑金光君 さらに三十九年度以降、先ほど私がお尋ね申し上げましたように、毎年百万トン以上の石炭の引き取りをやらなければならない、ふやしていかねばならぬ、こういうことになってきますと、先ほど申し上げたように、いろいろな設備資金の問題等で電力会社が負担がふえてくるわけで、そこで、これも公益事業だからというので、独占企業だからというので、電力会社に、まあひとつそれくらいはがまんしてくれ、こういうことでやっていけるかどうか、これはやはり相当問題があるやに考えておりますが、来年度以降等については、政府としてはどういう方針でおるのかということですね。特に私がお尋ねしたいのは、電力の建設資金というものが、非常に先ほど来の公益事業局長の御答弁でわかりますように、大きい額に上るわけです。毎年ふえていくわけです。それで、この資本費の重圧というのが、最終的には料金にもはね返ってくるというようなことになってきますし、また、調査団の答申の中にも、電力会社の負担増というのは、やはり資本費の重圧というのを、政府の財政投融資措置等をふやして軽減措置をやってくれと、こういうことと両々相待って電力会社の負担増ということについても答申は強く要請しているわけで、そういう点からみれば、ただ、今の原油関税の戻し措置だけで将来にわたって処理するのだとは私は考えられませんが、こういう点についてはどういう方針でおられるのか。
○国務大臣(福田一君) お説のとおり、今後必要な石炭を引き取りますためには、特に火力発電設備の増強をしなければなりません。それには相当膨大な経費を必要とするわけでありますが、政府としては、電力会社がこの石炭の需要確保のために大いに協力してくれておるのでございますから、この種の石炭、いわゆる火力を作られる場合にあたっては、極力開発資金をつけるようにいたしたいと考えております。もちろん開発資金も六分五厘の金利でありまして、この金利がもう少し下げられれば負担減にもなりますから、これは将来の問題でございます。研究はいたさねばならないかと思いますが、それらはすべてやはり今度は電力の需要構造の変化というような問題も考えながら、にらみ合わせて処置をしていけばよろしいのじゃないかという意味で先ほどのような御答弁を申し上げておるわけでございます。
○田畑金光君 三十五年度から三十六年度、三十七年度のこの電力会社の設備資金調達計画を見ますと、開発銀行の資金というのは、二百四十億から、三十五年度が二百四十億、三十六年度が二百四十五億、三十七年度が二百五十八億、ほとんど横ばいの状況になっているというわけですね。大臣のお話のように、開発資金でみるといっても、これは横ばいの状態になっておるわけです。ところが、市中銀行の借入れというのをみますと、だんだんこれはふえていっておるわけです。ことに市中銀行の借入等を、たとえば三十七年度を見ますと一千億をこえておるというような状況ですね。そこで、今お話のように、開発銀行の資金だけでこれをふやしてめんどうをみるといっても、これは横ばいの状態であって、ふえていない、こういうことですが、開銀の資金だけでこれは解決できると思いますけれども、もっとほかに原資については考えておられるのかどうか、この辺ひとつ承りたいと思います。
○国務大臣(福田一君) それはもちろん開発銀行だけでやれるかということになると問題でありますが、しかし、私は、開発銀行の融資というものは、相当電力のためにはふやすべきである、そのメリットでもってやはりこの石炭をできるだけ使うようにするのでありますから、やはり火力発電をそのために作る、重油発電を作ったほうが安いのに、そのために火力発電を作るというのであれば、私は、開発資金などは順次増額をしていくべきである、その計画につきましては、この火力発電建設計画の具体化に伴いまして、われわれとしては十分考えてやらなければならない。今後の電力建設の資金というものは、やはり相当高額の点を維持していくと思うのでありますが、しかし、そういう場合におきましても、私は、資金の確保ということについては政府は十分考えて、もちろんこれは開発銀行だけというわけではございませんけれども、必ず資金は確保できるようにするまあ政治的な義務といいますか、そういうものがあると私は考えていいと思います。それは損をするそういう火力発電を作れという以上は、やはり何らかのそういうことをしていくことが当然だと考えるからでございます。
○田畑金光君 社債発行等についてはどういうようにお考えになっておりますか。社債発行についてみましても、これは公益事業局長から説明願ってもけっこうでございますが、社債発行を見ますと、三十五年度は千三百三十七億、三十六年度は七百五十五億、そして三十七年度は七百五十四億、こういうわけで、これもまた横ばい状態にあるわけです。昨年十二月、私、臨時国会のときに予算委員会で池田総理に質問いたしましたところが、政府としては、この社債の面で大いに電源開発資金等については協力しよう、こういうような答えがあったので、社債の面で相当これはふえていくのかと見ますと、横ばいなんです。これも、ただ社債だけで云々というわけじゃありませんけれども、社債発行、特に最近これが買オペの対象になる、買オペの対象にこれを入れると、こういうようなことも聞いておりますが、これはやはり重要なひとつ今後の電源開発資金等についての重要な原資の一翼をになうと思いますが、こういう面について、ひとつ政府の構想をお尋ねしておきたいと思うわけです。
○国務大臣(福田一君) 御承知のとおり、三月からマーケット・オペレーションを電力債についても認めるということにいたしてあるわけでございまして、まだ数字は、したがって具体的にあがって参りませんけれども、今後これが相当有効に働いて参る、かように考えておるわけでございます。御承知のように、電力の建設をやるときには増資ということでやりますが、増資をやりますというと、配当をいたしますときには、それの配当金の倍金がかかってくるというので、相当高い金を使うことになる。したがって、社債ですと七分何厘ということになりますから、これは相当安い、開発銀行だと六分五厘、またもっと安くなる。これらのことをずっとあんばいしながら建設計画自体を見て、そうして資金確保に対してはわれわれは十分努力をしていく、こういうことにいたしたいと申し上げておるわけでございます。
○田畑金光君 私は、この点については、さらに個別にお尋ねしてもよろしいわけでございますが、時間の関係もありますので、結論的に私が希望をすることは、今の大臣の答弁にありますように、増資ではやはりいろいろ高い実質的に金利がかかる。社債でも七分三厘に表面金利がなるわけです。市中銀行の借入というのが非常に大きな比重を占めておりますが、おそらく市中銀行の金利はうんと高いと見るわけです。信託銀行あるいは生命保険、こういう借入金も、やはり八分七厘前後の金利だと聞いているわけです。開銀は今お話しのように六分五厘で、一番安いわけです。ですから、やはり今後電力会社が長期に石炭を引き受けて、だんだんふえていく分を引き受けて、なおかつ電力会社の資本コストにそう大きなはね返りを防ぐためには、どうしてもここで資金計画の面で、もっと政府が積極的な手を打つ必要があろうと考えておりますので、この点をひとつ今後通産大臣の重要なお仕事の一つとして努力されますことを強く要望しておきたいと思います。 それから、もう一つお尋ねしたいことは、先ほどこれもまた阿具根委員から質問がございましたが、ボーダー・ラインの炭鉱についていろいろな定義のやりとりがあったわけです。しかし、われわれボーダ一・ライン炭鉱というのは、阿具根委員の質問されたような感覚で受け取っておるわけで、中野局長の先ほどの答弁のような考え方では、すなおにわれわれとしては受けとれないし、読めないわけです。まあそれはそれといたしまして、ボーダー・ライン炭鉱についての特別融資制度を確立するとか、こういうようなことが大蔵大臣等から言われておりますが、どういう特別融資制度を考えておるのか、この辺ひとつ承りたいと思うわけです。
○国務大臣(福田一君) 実はこの問題は、御承知のように、大蔵大臣の所管の問題でありまして、委員会等においても、私はこの問題に直接触れてお答え申し上げておりません。しかし、何か大蔵大臣には考えがあってああいうお答えを言われておると思います。私は、具体的に私から答弁をしてこういうことを申すと、かえっていけないと思います。まあ、しかし、大蔵大臣は確かに考えておるということだけは私からはっきり申し上げられるところでありまして、これは委員会においても、予算委員会においても、しばしば大蔵大臣は答弁をいたしておりますから、信頼をしていただいて間違いはなかろうと思います。私から、こうしますということをここでお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○田畑金光君 大蔵省の方はだれもいらっしゃらぬですか。——これはひとつ大臣も質疑応答で十分おわかりだと思いますが、特別融資制度というのができるのかできないのか、それはまあ別の機会に大蔵大臣、大蔵省に質問したいと思いますが、こういう面は、ひとつ大臣として極力御努力願いたいと、こう思うわけです。 それから、重油ボイラー規制法の延長措置については、いつごろ出される予定ですか。この国会中にはお出しになるのか、それとも、この国会は相当会期の延長もなさるようですが、十月末でいずれにしても期限がくるわけですから、いつごろ出されるわけですか。
○国務大臣(福田一君) いろいろ調査、研究、立案をいたしておる段階でございます。なるべくすみやかに出したいと思います。もちろん今回出さないということは絶対ありません。なるべくすみやかにという意味は、本国会中には出します、なるべく早く出したい、こういうことでございます。読んで字のごとくであります。
○田畑金光君 先ほど申し上げたように、この国会の会期が相当延びるといたしますと、十月末の期限ですから、当然この国会で出さぬと間に合わぬと思います。そこで、その際、この重油ボイラー規制の内容等については検討される予定なのか、単なる期限延長という、単純延長という考え方で処理されるのかどうか、その点はどういう構想でしょうか。
○国務大臣(福田一君) その問題を含めて研究をいたしておるわけでございます。
○田畑金光君 これは政府部内、特に通産省の中にいろいろ議論がある問題だと思うのですが、その省の中では大体煮詰まって、内容等についても、議論は一応片づけたいという段階なんですか。
○国務大臣(福田一君) 省の中においてそれを煮詰めている段階でございます。
○田畑金光君 かりにこの重油ボイラー規制法というのがなくなったということによって、どの程度まあ石炭の需要というものが影響を受けるのか。言葉をかえて言うと、この延長措置によって、どの程度石炭の需要の確保が将来にわたってできるのか、この点はどのように見ておられますか。
○政府委員(中野正一君) 大臣から再三言明がありましたように、重油ボイラー規制法は、再延長の方針で今検討いたしておりまして、なるべく早く国会に出したいと思っております。これによって、これはいろいろ計算がございますが、調査団の段階でいろいろ調査したときの資料によってやってみまするというと、百万トンないし百五十万トンは減る分を要するに食いとめ得るのじゃないかというように計算いたしております。
○田畑金光君 この法律は、いろいろまあ評価もありますけれども、しかし、これが存続するということは、心理的な効果という相当あると思うわけですね。しかし、また同時に、調査団の答申にありますように、需要確保という面を重点に置けば、この法律の内容についても、この際、延長措置と同時に、検討してみる必要もありはせぬか、こういう気持でわれわれは見ているんですから、ただそういう内容にわたっての、この際、需要確保という面から重油ボイラー規制の延長措置を講ずる、こういうようなことを言うと、その他の産業から相当反発もあるかもしれませんが、そういう角度で少なくとも取り組んでいただきたいということだけ要望申し上げておきたいと思います。 それから、もう一つ、直接大臣の関係というわけではございませんが、新産業都市建設という問題が起きておるわけです。事務的な所管は経済企画庁長官にございますが、やはりこの際、新たな産業都市を建設するということももちろん大事な問題でありまするが、その際、たとえば炭田地帯において、この法律の適用の条件に適した地域については、やはりこの際、新産業都市建設の指定にあたっても、十分優先的に考慮する、こういうことが私は大事な問題じゃなかろうか、こう思うのです。ことに新産業都市指定の基準の中には、産業立地条件であるとか、あるいはまた労働力の需給の問題であるとか、いろいろな点から基準条件というものが示されておるわけでございますが、そういう条件にかなった産炭地域等については、やはりこの際、重点的に、優先的に考えてみる、こういうようなことも私は大事な問題だとこう考えおりますけれども、この点通産大臣はどういうお考えでしょうか。
○国務大臣(福田一君) 新産業都市と石炭の問題というのは、私としては直接関係を結びつけるということは非常にむずかしいと思いますが、あわせて効果を上げ得るのであれば、これは考慮いたしていいと思います。なお、そのお話で煤煙を規制するというような問題がございまして、それに関連いたしまして、何か新しいコークスの製造法等も今研究いたしているようでございます。場合によってはそれはうまくいくかもしれぬという話をきのう北海道で聞いてきました。もしそういうのが実現いたしますと、かなり効果があると思います。何といたしましても、石炭の新しい用途というものを考えていくということが非常に大事ではなかろうか、こういうように考えているわけでございます。
○田畑金光君 私が新産業都市の問題でお尋ねいたしましたが、それは直接新産業都市ということと産炭地振興というのが結びつかぬというようなことの御答弁ですが、これはしかし、やはり場所と条件によっては結びつくわけですね。まあ臨海工業地帯であるとか、同時に、また、それが産炭地域であるとか、そうしてまた労働力の需給の面から見ても、新規の労働力の確保される状態にあるとか等々、この新医業都市指定基準に該当する地域であれば、この際、産炭地振興という問題が重要に取り上げられている時期でもありますので、あわせてひとつ検討願いたい。このこともひとつ要望として通産大臣に申し上げたいと思うのです。 それから、最後に、私は、労働大臣に一つだけお尋ねしておきたいと思うのです。この炭鉱離職者に伴ういろいろな援護措置ですが、この援護措置というのは、この産炭地域から——たとえば私の申し上げているのは、移住資金の手当の支給とか、あるいは住宅確保の奨励金とか、こういうことについてお尋ねしたいと思うのですが、これはこの法律の建前から見ますと、炭鉱の離職者がこの炭鉱地域からその他の地域に新たに就職して移住した、新たに職場についた、こういう場合でなければ適用できないような建前にこれはなっておるわけですね。ところが、この間、私、北海道に参りまして、ある炭鉱に参りましたところ、やはりその炭鉱に属する山が常磐にありますが、その常磐の山が合理化によって閉山する、しかし、その労務者を北海道に持っていきたい、こういうような措置を現にやっておるわけですが、その場合、この法律の適用は、単に石炭をやめて他の産業に移る場合だけでなくて、同じ石炭産業の中で移住する、就職する、新たな職場を同一産業の中で求める、こういうような場合等についても援護措置を適用するような方法を講じてもらいたい、こういう話がございましたが、この点は、労働大臣も先般北海道に行かれたとき、北海道の現地でもそういうような要望を聞かれて、労働大臣も善処を約束されたというようなことも聞いておりますが、この点、どのようにお考えになっておりましょうか。
○国務大臣(大橋武夫君) 炭鉱離職者の取り扱いにつきまして、現在考えておりまする法律案といたしましては、炭鉱離職者が他の産業に移る場合を考えまして、雇用奨励金とか、あるいは移住資金というようなものを設けた次第でございます。その趣旨は、長年従事してこられました炭鉱における仕事というものが全般的に縮小する、したがって、石炭産業からはみ出す離職者の方々を処理するために特別に設けた援護措置である、こういう次第でございます。そのために、石炭産業相互間における職場の移動については、格別の措置を講じないという建前に相なっておるわけでございまして、この点は法律にはっきり明文があるわけでもございませんが、今までの考え方といたしまして、大蔵省当局も強く主張いたしておるところであります。したがって促進事業団の事業要綱にもその旨はっきり書いてありますので、ただいまのところ、事情はよくわかりまするが、石炭産業内部の配置転換について特別の措置を講ずるということは、たとい雇用主が変わる場合におきましても、ちょっと事務的に困難だという状況でございます。
○田畑金光君 今の大臣の御答弁ですね、事務的には困難だというが、事務的に困難ということがどこにあるのか。そうしますと、基本的には、政府としては、炭鉱というものはできるだけ合理化していって、そして炭鉱の離職者というのは他の産業に配置転換ということを基本的に考えておるので、炭鉱の離職者が同じ企業の中で別の企業に移ることは政府としては奨励しないのだ、希望しないのだ、そういう事務的な指導というものを考えておられるのか、そういうあるいは一つの政策といえば政策なのか。というのは、炭鉱の離職者というのは、やはり長い間炭鉱という特殊な産業に働いていた人方でありますので、また、特殊な技能というものを持っている人方であるし、また、多くは中高年齢層がだんだんこれから出てくるとなれば、他の職場で仕事を探すということは容易でない。そういうことを考えてみますと、やはりもち屋はもち屋で、同じ産業の中で新たな職場を作って保障をする、こういうようなことも国の雇用対策の面から見て大事な問題じゃなかろうかと、私はこう思うのですがね。
○国務大臣(大橋武夫君) 政府の考えておりまする考え方といたしましては、炭鉱で長年炭鉱の作業に従事してこられた方が他の産業にお移りになる場合においては、非常に適応性を欠いておられる場合が多い。したがって、職業訓練、職業指導等、できるだけのお世話によって他の産業への適応性をつけていただくように心がける次第でありますが、それにいたしましても、環境も違いますし、作業の状況も違いますので、どうしても他に移った場合には、労働力の上においても大きなハンディキャップがあるのではなかろうか。そのハンディキャップにもかかわらず、雇用契約を成立させ、そうして就職の機会を得せしめようといたしますには特段の援護措置が必要だ、このように考えまして援護措置を決定した次第であります。したがって、炭鉱の労働者が他の炭鉱へ労働に行かれる場合におきましては、従来の知識、経験、技量というものを生かすことができるのでございまして、まあそこまで特別のお世話をすれば至れり尽くせりでございましょうが、とにかく政府がさしあたってやろうというのは、全然違った産業へ移られる場合、これをまず第一に考えて、これにいろいろな援護を集中しよう、こういう考え方でございます。
○田畑金光君 今の大臣の答弁はよく私もわかるわけです。だから、私の申し上げているのは、雇用奨励金を支給したらどうかなどということは言っているわけじゃないのです。ただ、政府の計画にもありますように、調査団の答申の中にも明示されておりますし、これから増強する、新たな炭田を開発するという場合もありましょうし、現にあるわけです。そういう将来長きにわたって炭鉱労働者の職場を確保できる職場等については、多くそれは北海道であるとか、あるいは九州であるとか、こういう遠隔の地にあるわけです。そういうようなところについて、たとえば新たな地域に移住する場合の移住資金とかあるいは住宅確保措置を講じてやるとか、そういう今、大臣の答弁の趣旨に沿う範囲内においてやはり援護措置を講ずるということも、私は、大きな視野から見た雇用計画、炭鉱離職者の雇用対策の面からいうと、むしろ国家の政策の面から見ても大きなプラスであり、前進ではなかろうかと、こう見ているわけで、今のお話のように、雇用奨励金を出すとか、訓練手当がどうとかいうのではなくて、特殊な移住資金であるとか、あるいは住宅確保措置とか、こういうようなものは同一産業の中においてもひとつ考えてよろしいのじゃないかということを私は申し上げておるわけです。
○政府委員(三治重信君) 細部に入りますので、私からお答え申し上げますが、炭鉱離職者を鉱業権者あるいは炭鉱の企業が人を雇い入れる場合に、炭鉱離職者を優先的に雇ってほしい、また、雇うような訓示規定はこの炭鉱離職者臨時措置法の規定の第六条にも規定してあるわけであります。やはり全体として石炭産業で余剰人員が出る、その上に強制的な離職者も出る。したがって、他産業に政府としても多額の金を使い、精力も使って就職させようといろいろな就職対策を考えたわけですが、炭鉱自身の企業で雇う場合には、それは同僚会社が自分のところで不要になった人が余ってる場合に、自分のところで新しく炭鉱を開発する、または離職のために不足になった人員を炭鉱離職者の中からやはり雇用するということは、やはり国の政策にも同調してもらう意味においてこういうような第六条として入れたわけでございますが、ただし、その北海道で就職するために、九州の離職者が北海道の炭鉱事業主のところへ行って就職するという場合には移住資金は出しております。ただ、住宅確保奨励金は、現在私たちの考え方は、炭住制度が戦後確立されまして、炭鉱の住宅は大体において確保されているということから、この住宅確保奨励金は対象にしておりません。移住資金は、名産炭地が非常に離れております。産炭地が離れておるところの異動につきましては移住資金は出します。ただ、同じ産炭地でAのところからBのところに移る場合には、実際上においても、その地域から出た場合に、指定地域から外へ出た場合に移住資金は出しておりますので、その点は、同じ産炭地の中から石炭離職者が機械工業のほうに就職されても、移住資金はほとんど出ない。差別をしているわけではありませんが、移住資金のほうは出しません。住宅確保奨励金のほうは実際上必要もないだろう、だんだん従業員が少なくなるのだから、炭住はむしろ余るだろうということで、そういうふうなものを出すようにしておりません。
○田畑金光君 私はこれで質問を終わりますが、今の移住資金の問題は、私もちょっと誤解しておりましたが、現に産炭地から別な産炭地に移住すれば移住資金が支給される、けっこうでございます。私の申し上げているのは、もう一つこの住宅確保の奨励金ですが、やはり増強炭鉱等においては現実に住宅の建設をやっておるし、やらなければならん炭鉱もあるわけです、相当に。だから、そういうところでは、やはり産炭地からそういう新たな産炭地のそういう企業に炭鉱離職者を雇用するというような場合においては、住宅確保の奨励金措置においても、これはやはり考えてみる必要がありはせんかと思ってるわけです。この点私、この間大臣が北海道のほうで、もっともだ、こういうようなわけで、大臣も了承して帰られたというような話も聞いたので、おそらくそうだろうと思ってお尋ねしてみたわけですが、しかし、これは十分ひとつ検討されて、それが合理的で矛盾がないと判断がついたならば、そういうようなこともひとつ近い将来の課題として取り上げてもらいたい、こう思うわけです。
○国務大臣(大橋武夫君) 増強のために炭鉱付属の住宅が必要な場合は、増強のための一般的な資金の中にそれが入ってくる場合も多いと思うのでございます。しかし、やはり炭鉱離職者の処置に関連するものでございますから、労働省といたしましても、今後通産省とよく相談いたしまして、検討いたしたいと存ずる次第でございます。
○大河原一次君 相当論議は尽くされたと思いますから、できる限り重複を避けて御質問申し上げたいと思いますが、ただ、今、田畑委員のほうから御質問になりました産炭地振興の問題ですね、これは大臣は新産業都市とは結びつくものではないということを言われておりますが、確かにそういう面もあろうと思いますが、ただ、問題は、産炭地振興ということは、石炭の内部だけ、あるいは産炭地の内部だけの問題ではないと思うのです。振興をはかるために、いわゆる外部的な影響力を与えるということをなし遂げたのではないかと思いますが、同時に、また、私は、新産業都市のことを考えたときに、産炭地という問題ばかりではなくて、一面には、大臣も御承知のように、今全国的に農業のいわゆる構造改善計画が進められていることは御承知だと思うのです。今年度は三百町村ですか、来年は四百市町村、一年ごとにとにかく全国的に地域の指定が行なわれる。当然構造改善計画それ自体も、一面からいうと、農業の内部だけでは構造改善計画はなし遂げられないのです。やはり外部的な影響力を与えるということでなければいかぬと思うのです。そう考えましたときに、やはり産炭地振興ということを考えたときに、やはり新産業都市の建設というものを、ある程度やはりこれに結びつけることが必要ではないかと、私はそう思うので、田畑さんからの質問がありましたけれども、大臣の答弁だけでは満足できないものがあるのでお聞きしたわけです。構造改善計画という、日本の農業の大きな画期的な計画といわれる構造改善計画というものが出ているわけです。これとも当然私は結びつく必要があり、同時に、二つの問題をかかえて、いわゆる新産業都市の建設というものをやはり当面積極的にむしろ考えていいのではないか、こう思うのです。大臣はどうです。
○国務大臣(福田一君) これ私は、言葉を返す意味で申し上げておるわけじゃございませんが、産炭地振興ということは、産炭地振興という目的のためにいろいろなことをしなければなりません。また、いろいろ結びつくものがあれば結びつけていったらいいと思うのでありますが、ただ、農業改善の場合におきまして、新しい村を指定して村づくりをやっておりますが、しかし、これは数が非常に多い。だから、かなり効果的な面がある。御承知のように、新産業都市の場合は、私幾つになるか知りませんが、今のところ企画庁長官は十ぐらいと、こう言っております。その十を産炭地振興と直接結びつけられるかどうかというようなことを考えてみるというと、なかなか直接結びつくというのは非常に問題があろうかと思うです。ただ、しかし、そういう新産業都市を作った場合に、そこに起こるいわゆる何といいますか、エネルギーの問題解決にあたって、この石炭の問題を考慮するというようなことは、私は十分考慮できる問題であるということは考えるわけでありますが、したがって、田畑さんの御質問に対しましても、直接結びつけてはたして考えるかどうかということは議論があろうかと、かような御答弁を申し上げた次第でございます。
○大河原一次君 それでいいと思うのです。私は、確かに言い回しが悪かったかもしれせんが、そういう要因が現在の産炭地振興という、いわゆる産炭地域におけるもろもろの条件が、いわゆる新産業都市に結びつき得る、そういう体制なり条件があるならば、それに結びつける必要があるのではないか。同時に、やはり私は、農業構造改善だって、これは農業の内部だけでは問題が達成できない問題だと思っているのです。そういう意味でお聞きをしたわけですが、それはそれでけっこうだと思うのです。 そこで、やはり産炭地振興の問題で、この法案の中にもボタ山の問題もあり、まだ討議されていないようですから、ボタ山の問題をお聞きしたいと思うのですが、ボタ山の取りくずしによって、いわゆる宅地の造成なり、いろいろ住宅に充てるというようなことが考えられているようですが、これは相当私は急速を要する問題ではないか、こう思うのです。いろいろ何かそのための立地条件の整備や何かやるというようなことを考えていますが、これはやはり早期にこれに対する手だてを講じなければならぬと思うのですが、そこで、全国のいわゆるボタ山の処理にあたって、どういうボタ山の内容といいますか、範囲といいますか、ボタ山を全国にどのくらい考えられていますか。産炭地振興に充てられるべき対象になるボタ山というのは、全国でどのくらいになっておりますか、わかったらお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(中野正一君) ボタ山の数は、今ちょっと私手元に……、相当数はあるわけなんですが、三十八年度におきましては筑豊地区、それから佐賀、長崎、それらか常磐地区というところで二十三のボタ山を処理するということで今度の予算をお願いいたしておるわけでございます。
○大河原一次君 二十三ですか。たったそれだけですか。
○政府委員(中野正一君) 初年度について二十三であります。
○大河原一次君 それで、ボタ山の宅地造成や、その他ボタ山の取りくずしが行なわれるわけですが、一体これはどこで計画をして、具体的にはどのような形でこれを実施に移されるわけですか。具体的にひとつボタ山の処理について。
○政府委員(中野正一君) これは今お願いをいたしております産炭地域振興事業団法の一部を改正いたしまして、産炭地域振興事業団の事業としてできることになるわけであります。それで、予算は、三十七年度が一億五千万円、それから三十八年度が十九億でございます。そうして、これを処理いたしますには、まずボタ山が相当ありまして、しかも、その地域で相当数の離職者が発生をする、そういう地域を選びたいということで、一応予算上は二十三億ということを考えておりますので、法律が通りますれば、さっそく事業団をして今調査をやっておりますが、本格的な実施に移りたい、その場合の処理をさせるときの形態でございますが、これは請負でやらせるということを考えております。ただ、その場合に、ボタ山の処理の一つの趣旨が、そういう多数発生する炭鉱離職者を、要するに安定した職場に常備の形でひとつこれを雇用させたいということが趣旨でございますので、原則として炭鉱離職者を雇用する会社に、指名で、要するに随意契約で請け負わせる、こういう形にいたしたい。したがって、どういう形の会社にするかということも、産炭地域振興事業団の要綱を作りまして、十分指導をいたしたいということで、今関係の離職者を多数出すような関係の会社と話し合いに入っております。また、組合あたりの意見も十分聞いてその詳細なことをきめたい、こう考えているわけであります。
○大河原一次君 その際、事業団が直接やるのではなく、いわゆる請負でやるということですが、その場合、やはり問題になるのは、使われる人は炭鉱離職者を優先的に使う、こういう考え方ですが、しかし、請負の形態はどういう形態であるかということを考えると、私は、ボタ山取りくずしということにつきましては、大した土木技術というものは必要ではないと思います。わずかの技術者がおればいいと思う。そうだとすれば、やはり離職された労働者が一つの企業的な組合を作って、その企業組合によって事業団との間に契約を結んでその事業に直接参加する、こういう形式をとるべきではないか、こういうことはできるでしょうか、どうですか。
○政府委員(中野正一君) そのときの請負をやります会社の形態につきましては、もちろんこれは炭鉱離職者を主体にしてやるわけでございますが、その場合には、職員の方もやはり一緒に入っていただいて、そして外から技術者は連れて来なければならないでしょうが、そういう形に、職員、労務者の離職された者を主体にした会社形態というものを考えております。
○大河原一次君 その場合、事業団との間に、いわゆる労働条件の締結が行なわれると思う。たとえば日額幾らとか、月額幾らというような賃金の形態が契約の中に織り込まるべきだと思う。そういう企業組合と事業団の間における労働条件の締結という形態はどうなるのですか。
○政府委員(中野正一君) 賃金の問題は、直接事業団との間の契約にするかどうか、ちょっとまだそこまで十分研究いたしておりませんが、賃金についても一定水準を想定して、その条件でやらせるということを、事業団が指導する際に、しかるべくきめてやりたいと考えております。
○大河原一次君 先ほども申し上げたように、これは一方は炭鉱がつぶれて離職者が出る。しかし、産炭地の振興ということになると、立地条件の整備その他で、相当私は時間が食ってしまうと思う。そういうことになると時間的なズレがきまして、実際ボタ山の取くずしを行なって、そこにいろいろな事業所が設置される、こういうことになると、そこに時間的な相当のズレが出て、収拾つかぬような状態になるのではないかというふうに考えているのですが、大体その産炭地振興事業としていろいろな施策がとられるわけでしょうが、一体どの程度の時間がかかるでしょうか。相当これは急ぐ必要があると考えているのですが。
○政府委員(中野正一君) 実は、産炭地域振興事業団が昨年の七月に一応発足したわけでありますが、その後必要な職員の充実なり、機構の充実なり、内部規程などについて非常に時間がかかりまして、これはもう少し急がなければいかんじゃないかということでございまして、相当急がしたのでございますが、ようやく融資業務につきましては、今年の初めから実施に入りまして、すでに十件ばかり融資が決定いたしまして、軌道に乗りました。土地造成につきましても、今五カ地点の調査を進めておりまして、そのうちの筑豊の粕屋地区、鞍手地区等の三ヵ所について決定いたしました。もちろんそれをやる場合は、相当詳細な設計調査をやらなければいけません。たとえば直方に中泉団地というのがございます。これらもやはり調査しますと、いろいろ問題がございまして、ひまがかかっております。農地転用に三カ月くらいかかっております。これも農林省との話し合いを早くさせるということで、ようやく三カ地点については近く農地転用の許可がおりて、本格的の工事にかかる、こういうことで、ボタ山処理につきましては、かねがね準備をさせておりますので、この法案の御審議が済んだ上は、さっそくひとつ急速にやらせるように考えております。
○大河原一次君 話は前後しましたけれども、ボタ山の取りくずしにあたって、今年は二十三カ所指定しているようですが、今後来年度は幾らになるか、全体として取りくずしの対象になるボタ山は全国的に幾つあるか、あとで調べてもらいたいと思うのですが、ただ、皆さんのボタ山に対する考え方、あるいはボタ山の範囲の問題でちょっとお聞きしたいんですが、今日まで、あるいは炭鉱が休閉山になる直前まで、あるいは現在炭鉱が継続しておっても、現在必要としないボタ山もあるわけですね。同時に、いわゆる現在まで企業が運営されておって、いわゆるズリと称する鉱山の処理場所が現在まであるわけですね。同時に、そればかりではないわけですね、ずっと何年か前も、炭鉱の発展とともに、一定のいわゆるボタ山が、土地やその他の制約を受けて、ボタ山として使用できないで、新たにボタ山を作られておる、それが現在まで及んでおる。ボタ山と、その炭鉱の発展段階に応じて、ボタ山が、すでにボタ山として使用されずして、それをすでに炭鉱会社において、事業所の設定であるとか、あるいは住宅のための宅地という、そういうふうに、かってのボタ山といったものが、炭鉱会社の事務所なり会社なり、あるいは住宅によって使用されておる。しかし、すでにその点も、住宅にも人がいない、事業所も半分使っていないというような、おそらくこれからは取りつぶしになって、そういったものは必要なくなってくるわけでございまして、そういうかってのボタ山が炭鉱地帯にあるのです。現在はボタ山として鉱山の処理場になっているが、その前に、鉱山の処理場になっているボタ山は使われていない、そういう点も当然取りくずしの対象としてのボタ山として考えていいかどうか、そういう点いかがですか。
○政府委員(中野正一君) さしあたり本年度はそういうものは対象に……。
○大河原一次君 いや、私は、本年度二十カ所はわかるのです。今後の問題。
○政府委員(中野正一君) 今後の問題としては、そういうものを対象としていいかどうか、これはボタ山のある場所なり、あるいは形態なりにおいて、いろいろ実情が違うと思いますが、そういうものも一度調査いたしまして、研究していきたいと思います。
○大河原一次君 これは雇用に結びつく大きな問題ですから、やはり対象というものを、もちろんあなたのほうから言わせれば、予算やその他の問題もあるだろうが、そういうかってのボタ山の処理というものを対象としてやるならば、そこに多くの労働者を雇用することができるし、したがって、そのことは産炭地の振興にも通ずるわけなんで、そういった意味で、今後のボタ山の処理、取りくずし等については、広範な立場から考えてもらわなければならないと、そう思うのです。 それから、いま一つ、産炭地振興について、すでに既存の産炭地域における、あるいは炭鉱会社自体で自家火力発電を持っておるわけですね。こういった火力発電所、あるいは、また、共同してやっておる共同火力等も私どものほうにもあるわけですが、これらの問題については、今後の産炭地振興の大きな一環として増設が望まれておる。あるいは場所が異なった所においては、新規のやはり事業所の設定という問題が、産炭地から、地方町村の中から、よく要望されているわけです。そういう点に対しては、どのような考慮を払っていかれるのでしょうか、通産大臣にお聞きしたい……。 もう一度申し上げましょうか。既設の火力発電所ですか、その中には、もちろん地方自治団体その他の団体において共同火力が作られておるということと、炭鉱会社自体がいわゆる自家発電としてやっておる、こういう既設の火力発電等に対して、今後政府はどのような手当をされていくか、産炭地振興の一環として。
○国務大臣(福田一君) 私は、たとえば常磐地区等にも見られるような火力発電、しかも、自分のところでやっぱり火力発電をやりまして、それを炭鉱のために使用しているようなところもあり、ほうぼうこの種のものはほかにもございます。私は、やはりこの種のものは今後存続していってもらうように考えていきたいと思っております。
○大河原一次君 僕はちょっと言葉が足らなかったのですが、炭鉱会社のいわゆる自家発電、これはもう炭鉱と炭鉱を取り巻く周辺の地域経済というものが疲弊してくるでしょう。したがってせっかく持っておった自家発電が、だんだん必要としないというようなことで、中には、何といいますか、開店休業というような状態になって、たまにしか煙をはかないということがある。もちろんこれがためには、今後地域におけるいろいろな工場の誘致、設置を積極的に私はしなければならぬと思う。僕は、先ほど申し上げた、いわゆる産炭地振興は急速を要するということは、そういう点を言っておる。そうしないでやると、せっかくの火力発電が煙がはけない、そういう状態だと思う。その点、私は相当考えてもらうべきじゃないか、そう思うのです。
○国務大臣(福田一君) 私は、それは産炭地振興の見地からいって、工場等が誘致されて、その電力が使用されるようになることが一番望ましいことだと思います。しかし、もしそれができない場合においては、やはりせっかくそういう火力発電ができているのなら、当該地区のいわゆる東京電力なり、あるいは東北電力、あるいは九州電力、まあいろいろありましょうが、そういう電力会社に売電をさせる、使わせるということができるかどうか、これも研究してみる必要がある。非常に非能率的で、御承知のように、あまり古くなってきますというと、非常に高いコストについていくということもあるかもしれません。だから、これは私、その発電所自体を具体的に示していただいて、研究させていただかないというと、こうするということは一がいに申し上げられないと思いますけれども、概括的に言えば、そういう施設があるのにこれを使わないということは、むろん損であります。だから、これはやはり使うようなふうに措置をいたして参りたい、かように存ずる次第であります。
○大河原一次君 私は、この産炭地振興というものをかなり重視しておるわけですよ。したがって、こういう産炭地振興というものはいかにあるべきかということになると、その産炭地域における当局者等の要望も十分聞かなければならないと思うし、政府のほうにいろいろ陳情、請願の形で出ておると思う。したがって、こういう機会において産炭地振興問題を取り上げる場合にも、ほんとうなら地方行政と一体となって、産炭地振興はいかにやるべきかという真剣な論議が必要だと思う。これはあとにすることにして、私はそういう点を要望しておきたいと思うのです。それから、産炭地振興については、いろいろたくさん問題があるのですが、前に質問されたと思いますから省略いたしますが、そこで、私は、先ほども田畑さんの意見もありまして、田畑さんの関連質問で申し上げたと思ったし、前回に大矢委員の質問もあったのですが、大臣もすでに御承知だと思うのですが、先般、電力会社、いわゆる中央三社を中心とする石炭の引き受けに対する配分計画の問題ですね、いろいろ意見が出されたということを大臣は知っておりますか。
○国務大臣(福田一君) そういうことをやられたということは新聞で承知いたしております。
○大河原一次君 僕もそうなんですが、その中で、これは非常に重視すべき点があるのではないかと思うのですが、その中には、結局本年度の引き受けに対する配分計画の中に、これは容易ではないのではないかという話が出て、しかし、これは国家の要請である、国家の要請であるから、国家の要請にはわれわれは従うべきではないかという意見がありまして、そのためには、いわゆる貯炭増だね、貯炭増においてその配分計画の引き受けを行なう、こういう決定がなされたというふうに僕は聞いておるのですよ。間違いありませんか。どうでございましょう。
○国務大臣(福田一君) 私、内容は承知しておりませんが、たしか三社で分けようということであります。どうもそうなる可能性が強いと思います。どうしてかというと、三社は負担能力が多いからであります。ほかの電力会社ですと、石炭の場合にマイナス面が出てきたときに、これを負担する力が少ない。資本金の関係、あるいは営業の関係等からみまして、だいぶ違いますから、規模が。で、そういうようなことに相なるのではないかと思っておるわけであります。そういう各社が貯炭増の形で買うかどうかということは、いわゆる火力を使えない、石油との混焼をできるだけやってみても十分使えないから貯炭増になる、貯炭がふえる形になってしまうというような意味を言っているのかとも思います。まだ具体的にその内容をどういうふうにやっておるか、聞いておりませんので、ちょっとお答えをいたしかねるかと思います。
○大河原一次君 私は、これは日本経済新聞ですか、つい先般も出ておったのを記憶しておるのですよ。これは相当重視すべき問題ではないかというふうに考えられたわけですが、と同時に、一方には、石炭業界においては、これと符を合わせたかのごとく、いわゆる五千五百万トンは容易ではない、五千二百万トン程度ではないかというふうなことも一方に出ておる。電力会社の中でそのような意見があり、石炭会社がそのような態度を示しつつあるということは、これは今日五千五百万トンの計画がつぶれるということになると、政府のせっかく立てた五千五百万トンのいわゆる今後の石炭の計画が、いわば今出しております有沢さんの調査団の答申なり、それに基づく政府当局の立案計画というものが根底からくずれてくるのではないかと考えたからお聞きしたわけです。それから、同時に、電力会社において、その引き受け配分において難色を示しつつあるということは、先ほど田畑君の質問に対して、公益事業局次長は、電力会社の貯炭が現在の二百万トンということを言われておったのですね。これは間違いでございませんか。公益事業局次長。
○説明員(生駒勇君) 間違いでございません。
○大河原一次君 私は何かの資料で見たのですが、四百万トンのようでしたが——いや、二百万トンに間違いなければけっこうです。同時に、先ほど大臣が、電力会社におけるいろいろな事情等も述べられたわけですが、私は、今後電力会社がますます貯炭増ということになる、これは引受計画であるからやむを得ないということで、無理に引き受けを行なうということによって、ますますコスト増を来たすものであるということがいわれておるのです。同時に、そういった中から、これはやっぱり一面にはもっと具体的に政府の電力会社に対する補償措置が完全になっていないから、補償措置が十分に講じられていないからというような、そういう意見もあることを私は聞いておるのです。補償措置について、具体的に政府は今後どのようにとられるか、その点をひとつ。
○国務大臣(福田一君) 私は、電力会社は今二百万トンぐらい持っておるということを聞いておりますが、これは必ずしも多いほうではないと思う。それくらいは当然だ、差しつかえない。ただし、将来の問題といたしまして、もっと貯炭がふえやしないかというお話でありますが、これはどの程度に石炭を混焼するかということを見ていれば、大体その数字はわかってくる。それから、もう一つは、渇水がどの程度であるかということに影響される。いわゆる油との関係をどういうふうにして石炭を使っていくか、渇水がどの程度になるか。この渇水のことは人為的にはわかりません。しかし、混焼率のほうは、大体見ておれば、この発電所なら混焼率を何%にすればどのくらいの石炭を使うかということはわかるのでありますが、いずれにいたしましても、こういう点を十分われわれとしても見て協力を求めていかなければならぬ。私は、電力会社は、そういう意味では、かなり協力をしてくれるものと考えておるわけで、もし電力会社の方たちがこういう点において協力をしない、それでいたずらに私益を追求するという形でありましたならば、これは不適当な形と言わなければならない、私はそう見ておるわけであります。したがって、そんな非協力的な態度はあり得ないと思いますが、いずれにしても、この石炭をどんどん買いますというと、先ほど来申し上げておったように、マイナスがつきまとうことは事実でありますから、そこで、会社経営の内容等を見ながら、これ以上買ったんじゃとてもたまらぬということになれば、あるいはそれはそういう問題も起きるでしょうということは、一面において政府がもっと補償をしなければならないということに相通ずるわけであります。したがって、われわれとしては、十分その間の事情を見ながら、予算編成のとき等々において、来年度以降のいわゆる補償の問題については、十分研究をしていく必要がある、かように考えておるわけであります。
○大河原一次君 これは補償の措置を具体的に十分にやってもらうことによって、電力会社等におきましても、やはり先ほど申したような、政府の要求にも十分こたえなければならんだろうという気持が出てくるだろうし、一面には、やはり民族産業をわれわれの手によって守るべきだという、民族産業を守るという精神が、そういう中からうらはらとしてあるべきだと思うのです。 時間がないから、森委員もあとから質問があるようですから、ごく簡単にいま一つだけ申し上げますが、これは前の臨時国会のときに、私は、基本的な政府の石炭対策に取り組む態度でなければならんということを考えて、臨時国会のときに申し上げたのですが、これは審議打ち切りになったわけですが、その際、私は、よく政府は、先般も大臣の言葉の中に、五千五百万トンは、いわゆる経済性並びに国際セキュリティを考えた中から出た数字であるということが述べられたわけでございまして、ただ、いつでも経済性、経済合理性ということを言われるわけですが、私は、この経済合理性というものが貫かれる前提としては、やはり、ナショナル・セキュリティ、国際収支あるいは雇用安定、雇用問題がうらはらの問題として当然考えなくちゃならんと思うのです。ややもすれば、今の政府の考え方や大臣の答弁の中からもうかがわれるのは、何かしら経済性というものと、いわゆる国際セキュリティというものは、何か相入れざるものだ、相反するものだ、対立するものだというふうな印象を受けている。私は、そうではなくて、この前聞いたのも、やはり経済合理性が貫かれるためには、そういう雇用の安定であるとか、特に雇用の安定というものは人権に関する重大な問題なんです。あるいはまた国際収支という問題、そういう問題は当然出てこなければならない問題だと思うのです。そういうわけで、むしろ対立する性格のものじゃない。セキュリティといわゆる経済合理性というものをいかに調整すべきかという調整論、そういう筋合いのものであると、私はそういうふうに考えていたのです。大臣は、そういう私の考えに対して、先般の臨時国会のとき、私の質問に対して、そういう線を考えられたために、いわゆる有沢調査団の五千五百万トンを中心とする石炭計画が立てられたものであるというふうに考えたのでありますけれども、私は、私なりの考えから申し上げますと、決して十分に供給の安定というものは考えられないでいるのじゃないか、雇用の安定を重視するというけれども、七万五千名もの失業者を出さしめるという、そういう考え方の中に人権尊重というものがどれだけ入っておるかと言わざるを得ない。大臣が経済ベースで考えているとき、あなたはやはり大臣である前に政治家です。しかも、輝ける政治家です。私は、やはり経済の問題のみで、経済一点張りでこの重大問題を解決するということは当を得ていないと思う。少なくとも人権尊重という問題から入っていくべきであると思うのです。大臣は、経済合理性の中に人権がいかに大事かということを十分お考えになっておられますか。
○国務大臣(福田一君) 私は、この前の御質問に対してお答えをいたしましたときも、有沢調査団の考え方を例を引いて申し上げたのですが、経済合理性という言葉の解釈は、いろいろ私はあると思うのです。そもそも経済合理性というものの中には、いわゆる雇用の問題というものはもちろん含まれておると私は解釈いたします。当然含まれておる。また、いわゆる何といいますか、外貨事情等も一つ考える、国内の資金の関係等も考えるということも当然含まれる、いろいろ私は含まれておると思うのであります。 しからば、一体政治の目的はどこに置いてものを考えたらいいかということにだんだん帰着してくると思うのでありますが、そういう場合には、今、日本の考えておることは、やはりできるだけたくさんの国民にいい生活をしてもらう、こういうことであります。そうして日本のような小さい資源の国で、しかも、入口が非常に多いというところでこの日本人の生活を守っていくということになれば、どうしてもやはり物を生産して海外に輸出して、そうして、それでこの国民生活を向上させるということが一番大きな命題になろうかと私たちは考えております。アメリカとかソビエトのように、資源も十分である、広い土地も持っておる、これを利用すれば幾らでも何でもできるという国では日本はないと思う。そこに日本の特殊性があろうかと思う。そういう観点から考えてみますというと、どうしても輸出振興ということが今第一の命題にならざるを得ない。国内だけでのいわゆる消費が伸びたからといって、あるいは設備投資がふえたからといって国民生活を向上させるというわけにはなかなかいかないと思う。どうしてもそこに命題がいく、そして輸出振興ということになってきますと、やはりエネルギーを安くしなければならぬ、こういう問題がどうしても出てくるわけであります。そこで、エネルギーを安くするという観点から見ると、初めてここに石炭のスクラップ・アンド・ビルドという問題が取り上げられてくるのです。そういうことを考えないで——考えないというのはおかしいが、そういうことに重点を置かないで政策を立てるということになりますと、また別個の政策の立て方があるいはあるかもしれません。しかしながら、こういう日本の特殊性を考えながら日本の経済を運行していくという場合には、やはり工業を伸ばしていくというよりほか道がないんではないか、こういう観点から見ていかなければならない。一方には、また、国際収支の問題も、これはたとえば国際収支が逆調になってきますというと、ここに日本の経済がいかに工業を伸ばそうとしても、これをチェックする要因がここに働いてくる。また、ここに失業者がたくさん出てくれば、失業者を救済していくという面において、また別個のいろいろ問題が出てくる。そういうこともありますから、そういうことも考えなければならない。雇用の安定の問題も、もちろん町には考えなければいけないが、しかし、大体においてそういうようなことを考えながら、石炭、いわゆる日本のエネルギーをどういうふうに使っていったらいいか、どういうふうな構造で持っていったらいいかということになったときに、有沢調査団は、大体五千五百万トンという石炭をずっと確保していったらいいだろう、しかしながら、日本のエネルギーはこれからどんどん需要がふえていくわけであります。そうなれば、石炭は絶対値では減らないけれども、パーセンテージではうんと減ってくるということになるでしょう。しかし、それはやむを得ない、こういうのが私は有沢調査団の考え方の根本をなしていると思う。私たちが考えているのも、実はここを重視しているわけであります。決して雇用の問題をあれしないわけじゃございません。そこで、そういうときに、いわばある意味において犠牲というのでありましょう、そこでどうしても離職される人には、国としてはできるだけ何らかの措置をとろうじゃないかというのが、今回われわれがいろいろ皆さんにお願いしている法案の内容になるわけであります。また、それに伴って産炭地においていろいろな事態の起こるのをできるだけ防いでいこうというのが、産炭地振興の形としてわれわれが今取り上げて御審議を願っておる。そういうわけでありますから、私たちは、決てし雇用の問題を軽視しておるという気持は全然ございません。
○大河原一次君 私は、今の大臣の述べられた考え方、それはもう現実の経済情勢の中でよくわかるのです。しかし、あなたの考え方なり、有沢さんの考え方というものは、経済の合理性ということを貫かれておる一点に尽きるのですよ。結局経済の合理性ということを私から言わせるならば、それは経済の合理性ではなくして、どちらかといえば資本の合理性をいっていると思うのですよ、資本の合理性と思っているんですよ。したがって、その調査団の答申に基づいたこの法案の内容等を見ますと、そういう点で貫かれているし、この合理性とセキュリティを十分に考えられたというけれども、現実に検討しますと、どちらといえば、私は半々ぐらいに考えればいいのだけれども、実際は経済の合理性が七〇%を占めておる、あと三〇%がいわゆる雇用なり、あるいはまたエネルギーの安全供給という面がわずかに三〇%程度しか考えられてない、こういうふうに考えるのです。あと一切は資本の合理性に貫かれておると思うのですが、しかし、今後は人権の尊重という、離職された労働者はどういう立場にあるかということも相当考えてこなければならぬと思うのです。いろいろ申し上げたい点がたくさんあるが、特に安全供給という問題が、現実において、実際において考えられておるか、フランスあるいはその他は、やはりエネルギーのことを考えた上で、まずもって安全供給という問題を根底に置いて考えて、その上に立った石炭計画が考えられているようですが、日本の場合は、安全供給という問題は、答申の中から見ると、安全供給というものは考えられておりませんよ、実際からいってそうだと思うのです。その点に対して質問を申し上げてもしようがないですが、私の質問はこれでやめますが、そういう点も十分御考慮を賜わりたいと思います。
○森元治郎君 簡単に、大を一つと小を一つ、二つお伺いします。 大のほうは、昭和四十二年度を石炭鉱業の安定と樹立の目標として進む、そして安定化計画が順調に進めば雇用条件の改善もできるだろうし、累積した赤字も解消するだろう、こういう気持で政府は臨んでおると思うのだが、四十二年が終わったときの石炭鉱業の姿をどういうふうに想像されるか、今、大臣の大河原委員に対する御答弁を伺っても、輸出振興が日本の当面する一つの大きな問題である、それはすなわちエネルギーの問題に関連するんだ、そうなれば安いエネルギーということになることは当然だし、また、輸出振興になれば、すべてのものは安くして売らなければならぬということになると、エネルギーにかかる比重は相当大きくなってくる。一生懸命五千五百万トン目標にやっていっても、この五年後の姿というものは、なかなか思うようにはいかないのではないかという私は心配を持つわけです。が、四十二年を終わったときの石炭鉱業の姿をどういうふうに想定されておるか、そして有沢調査団の答申を見ても、これを最後の機会としてしっかりやるんだということを書いてありますが、政府は、最後の機会と、こういうふうに了解されて進んでおるのかどうか、この点を伺います。
○国務大臣(福田一君) 具体的に石炭鉱業がどうなっておるという想定でございますが、これは私はいろいろ想定というのは想定でありますから、考えられないわけではありません。また、申し上げられないわけではございませんが、しかし、その姿がどうなっておるか、人や、山別とか会社別とかいうことになりますと、なかなかこれは申し上げることは困難です。ただ、一般的にいいますと、能率が一応四十トン前後、三八・何トンということでありますが、今のところ二十トン前後のものがそれまで能率が上がっていったという場合において想定してみますと、少なくとも、石炭全体としては黒字が出てくるようになるというように解しております。ただし、その場合においても、私はいろいろな要素があると思うのであります。たとえば物価が一応この限度である、あるいはまたこの石炭の需要がわれわれが考えておるほど確保できるということ、こういうこともいろいろ私はあると思うのです。そういうようないろいろな想定というものを見た場合において、一応はそのときには大体石炭は自立ができて、相当今まで持っておった膨大な負債を一面において償却して、負債を順次償却していくことは利子負担を軽減することになりますから、労働条件の大きな改善になって現われてくる、こういうふうに考えておるのでございまして、御承知のように、経済というものは生きものでございますから、私がここで申し上げても、あるいはわれわれはこの環境においてできると思っておっても、四十二年度前後になったとき、あるいはこれとは違った事情が出てくるかもしれません。われわれは、その場合は政府としてそのときにまた考えていったらいいんだ、これが最後のチャンスというような言葉は私は考えておらぬ。また必要とあれば何らかの措置をとることは当然のことであります。しかしながら、今考えられるこの時点においては、こういうような考え方で石炭産業を育成していくのが正しい、こういう考え方を持っておるわけでありまして、そのときの姿は、今のような状況が続いておれば、少なくとも経営上も黒字が出てくるし、また、石炭産業に従事している人たちも、今度は十分な明かるい社会生活も享有できるような形になってくるであろう、こういうふうに私は期待いたしておるわけであります。
○森元治郎君 ずっと国会の審議を、私専門家ではないのですが、見ておって、政府の気組みが1調査団は最後のチャンスだよと、よく大臣も言う私企業としての経営の合理化というチャンスは、これが最後だよという意味だと思うのですが、非常にしっかりやってくれと、こういうことを言っておるつもりなのだが、大臣は、今、生きものでございますから、そのときになったらまたあらためて考えると言うが、そういうようななまやさしい石炭事情ではないと思うのです。だから、大騒ぎをして、われわれ国会内に人がいないという、こういうときに石炭特別委員会というものを四時、五時までもやっている。こういうふうに事情は深刻だと思うのです。大橋労働大臣だったと思うのですが、もしうまくいかなかったときには政治的責任をとると、こう言ったのは離職者対策だけに関するお話だったかどうか、衆議院の予算委員会か何かでお話になったと思うのですが、もし間違いだったら……。
○国務大臣(大橋武夫君) 私の申し上げておりますのは、雇用計画を実施いたしまして、三年間は促進手当を支給いたすことにいたしておりますので、その間にすべての離職者に対して安定職場をお世話するのが政府の責任である、こういうことを申した次第であります。
○森元治郎君 通産大臣の御答弁にまた戻るわけでありますが、この五年間よほどしっかりやらなければならない。調査団の答申の言葉をまた引用しますれば、この安定計画を実行して、効果的にやるためには、石炭関係の閣僚会議及び石炭鉱業審議会の方々が、本気になって果断に行動しなければいかぬ、こういうことを言っておりますが、これをどういうふうに政府は受けておられるか、それが一つ。 それから、この五年間、四十二年までの間、石炭の有沢さんの調査団のこの組織というものは、これで終わってしまうのかどうか。私は、ここまで答申をして、大体答申の線が入れられたならば、やはりこの五年間は、引き続き年次計画を出し、そして政府に答申をし、あとあとまで、四十二年末までやっていかせるべきだと思うが、その点はどうですか。
○国務大臣(福田一君) この石炭問題に対する政府並びにその他の関係機関の態度はどうであるかというお尋ねでございますが、私は、政治はその時点において最善を尽くす。人間はその時点において最善を尽くすというのが政治の理念でなければならない。私たちが今ここでやっておりますことは、われわれが今考えている意味において最善の努力をする。したがって、必要なことは真剣にやらなければならない、できるだけのことはやらなければならぬ。ただ、あなたが先ほど御質問でございましたのは、一体四十二年以後にどういう形になるか、その形はどう想定しておるか、そして、また、その形以外のものはどうなっても政府は考えないのか、こういうふうな御質問があったかと考えましたので、われわれは、その場合には真剣にやっておりまして、また、一生懸命にやります。また、石炭関係者も一生懸命やっております。経営者の方も、また、労務者の方も一生懸命やっておられると私は信じております。しかし、いかに一生懸命やっておられると信じておりましても、外界の事情が変わってくれば、これはなかなか思ったようにいかない場合もあるわけであります。私は、政治というものは、われわれは神様ではありませんから、三年も五年も先のことを少しも違わないで見通しをするということはできない。その場合においては、私は、そのときにまたそのときの政治が考えるべきである。もしわれわれがやっておることが間違っておる、それで、それが国民の批判を受けたら、むしろ社会党がかわってやられる事態が起きるかもしれない。また、そこにおいてこそ初めて政治のおもしろ味が出てくると思う。私は十五年とか二十年ということはわからない。そういうことで、森先生の御質問でございますけれども、それはそのときに、またその事態において処理をしていく。今私たちが考えている点は、最善の考え方をもってそれでやれる、その形においてやっていける、見通しも含めて、私たちはこれが一番いい方法であると考えて皆さんに御審議を願っておるわけであります。
○森元治郎君 大臣は、最近御答弁に慣れられて、少しく長くなってきたように思います。前はわりにきちんと答えられたんですが、少し長くなってきたような傾向があるから、それは私は先輩として許してはあげますが、そのときそのときの最善の努力をするというのは、これは国会の答弁用の日本独特の表現なんですね。みんないかなることにも最善の努力でやっているのですよ。何もこの石炭だけに最善でなくて、みんな最善の努力をしてうまくいかないのです。これはそうでなくて、およそ想定され得るほかの要因も入れながら、四十二年の姿は私は出ると思う。これは社会主義の国でも、あるいはアメリカの場合でも、相当の想定の数字を出して、初めてそれに加えたり引いたりして規範ができて次の年度に移っていくのがあなたのよく言われる合理的という言葉、これがほんとうの合理化だと思うのです。そこで、もし四十二年がたって、外界の事情などによって動かなくなった場合、これは一体どういう政治責任をとられるつもりか。単にそのときはそのときだでは済まないので、四十二年を目標にとうたっている以上、政府の腹がまえもあってしかるべきだと思うのだが、私は腹がまえを伺いたい。社会党にかわれとあなたが言ったんではだめなんで、自民党全部が降参するのならいつでもかわってあげますけれども、その腹がまえだけを伺っておきたい。
○国務大臣(福田一君) そういう腹がまえということになれば、われわれは謙虚な立場で国民の審判をお待ちいたしたいと思います。
○森元治郎君 大臣に伺っておきますが、おそらく私は、四十二年は非常な困難な石炭鉱業の時代になるのではなかろうかと心配をしております。そういう、とても救い得ないという場合には国が干渉をするのか、極端な場合は国家管理もあり得るのか、大臣のお考えを伺いたい。
○国務大臣(福田一君) 今のわれわれが考えておりますのは、四十二年になれば、経営方面においても、また、そこに働いておいでになる労働関係のお方も、十分りっぱに石炭産業の中で仕事をやっていただける、こう考えておるわけでございまして、そのときになってどういう形が出てくるか、非常にまた苦しくなったらここで石炭国管をするか、こういうような御質問ということになりますれば、私は、もしわれわれがその場合政治をやっておるときにおいては、その時点においてまた考えさしていただくということ以上に申し上げるわけにはいかない。しかし、党としての立場からいいまするならば、石炭を国営に移す意思はございません。
○森元治郎君 専門家に伺いますが、四十二年ころになりますと、炭鉱労働者の平均年令は幾つくらいになるか。
○政府委員(中野正一君) 現在が大体労務者の平均年令が三十七歳ぐらいでございますから、今まで最近のぺースで交代していくということにいたしますと、四十一、二歳ということになるのじゃないかと思います。
○森元治郎君 新しい機械を入れたりなんかして、中年でもやれるかもしれぬが、年令から見ても、なかなかこれは重大問題だと思う。私は茨城県で常磐炭鉱ですが、日立製作所にお弁当を持って通って、汽車の中で女の子と笑いながら行くほうがよほどうれしいから、炭鉱に来ない。こういう面からも、小さいようでなかなか大きい問題だから、大臣が考えるように、そのときはそのときなんということではとんでもないことになると思う。 そこで、一体私企業だから干渉しないといいますが、今日の事態に持ってきた責任は使用者側にもたいへん大きいものがあるだろうと思う。これを一体どうするか、指導し、あるいは事情を調査し、あるいはインスペクトして大いにやっていくのだというようなことがいわれておりますが、景気のいいときはお月様を煙で煙らしてみたり、どんちゃん騒ぎをやって、悪いときには政府におんぶして、われわれ炭鉱に関係ない人の税金で救ってもらって、この一体監督をどうするか、単に石炭の審議会、あるいは関係閣僚会議で、問題があったときに泣きついたのを取り上げるだけでいいのか、この監督、連絡をどうするつもりですか。昔ありましたけれども、軍需省に監督官みたいなものがあった。はたしてうまくいったかどうかはよく知りませんけれども、よほどこれはネジをかけてしかるべきだと思う。これだけ騒がす、それで助けてもらう、また四十二年ごろはお手上げでございます、今度は国家管理でも何でもしてくれ、その間に自分の金はどこかへごまかしては家を建てる、路頭に迷わされるのはまた労働者である。この連中に対して一体どういう指導をしていくつもりか。ただ集めて労働大臣か通産大臣が訓辞でもするつもりか、この点をひとつはっきりしてもらいたいと思います。
○国務大臣(福田一君) 私は、これは石炭産業のみにとどまらず、全体の経済の仕組みに対する問題だと思います。石炭でなくても、そういうことを、いわゆる不況産業というか、いわゆる責任のある場合はあると思うのであります。そこで、そこまでいきますと、私はむしろ根本の社会主義か自由主義かという問題で考えていかなければこの問題の割り切り方はできないと思いますが、私たちは一応私企業を中心にしてやっておるのであります。私企業であるならば、大体個人経営もあるけれども、会社経営ということになる。そうすれば、そこで株主というものがこれをほんとうは監督をする、監督をされるのが一応の建前になっておるわけであります。ところが、そこは国民がそこまではたして自覚しておるかどうかというような問題もございまして、これは私は、森先生が言われるお気持はよくわかる。今までの責任をどうするかということを考えられることは当然であります。しかし、だからといって、株主総会においてこの非難をされて、そうしてその職を辞するというような場合は別として、政府として、これをおまえたち、けしからぬからやめさせろ、やめろというようなことを言ったら、これはもう私はいわゆる社会主義的なものの考え方でなければこれはできないと思います。しかし、いかに自由主義経済の中であってでも、道義的な問題は残っておると思うのであります。それをどういうふうに監督するかということになりますというと、そこまではわれわれは手を伸ばし得ないのではないかと考えておるのであります。
○森元治郎君 よく政府は行政指導ということをやるけれども、当然やってしかるべきだと思うか、これは大臣どうなんですか。行政指導、それじゃあんまり炭鉱はうま過ぎるんじゃないですか。みんな炭鉱になったほうがいいですよ。商売をやって、悪くなれば、あとは五年までゆうゆう延ばしてもらうし、お手上げになれば国で買ってもらう、こんなうまい商売はない。だから私は、やはり私企業で、社会主義だという1主義なんて大きなことは言わなくても、もっと政治力でやれると思う。それが大臣というのが最近行政長官みたいになっちゃって、政治家でなくなったのは、はなはだ残念だが、福田さん、新しい大臣として、政治力で責任をとらせるくらいの指導は十分できるはずだと思う。ただ、指導の仕方、いろいろあるでしょう。そういう強い力をひとつ示してもらいたいと思うのです。 そこで、過去の、大手でも中小炭鉱でもよろしいですが、いろいろな起伏があった中で、重役はほとんど交代したのかどうか、依然残っているのかどうか、その点が一つ。もう一つは、通産省のお役人か何かがこの大手の中に入っておられるところがあるかどうか、この二点をお伺いしたい。
○国務大臣(福田一君) 私の知っている限りにおきまして申し上げますならば、かなりやはり交代はいたしていると思います。人事の交代は順次行なわれております。 それから、通産省の人がそれほど入っているというふうには私は考えておりません。
○森元治郎君 いろいろな会社の顔を見ますと、日銀からも入っている、通産省からも入っている、くたびれたような顔の局長が入っている。これはさすがに苦しいところへは入ってこないのですよ。盛んに監督はする、注意はするけれども、決して自分が入らない。あなたらが飛びついて行くようだったら黒字が初めてできるのだろうし、まずまず定年後の五、六年は保証してもらえると思って入って行く。お役人さんはその間の頭は鋭いですから、それが行かないというのが、これはもう石炭の実態なんです。こういうこともよく考えて、石炭は四十二年くらいには大問題に私はなると思う。しっかり腹をかまえてやってもらいたい。そのときにきょうの速記録をあらためて皆さんの前に取り上げて、内閣打倒に持っていきますから、御注意を願います。 —————————————
○委員長(堀末治君) この際、委員の異動につき御報告いたします。 ただいま大竹平八郎君が委員を辞任され、その補欠として森八三一君が選任されました。 —————————————
○阿部竹松君 二、三点お尋ねいたしますが、石炭鉱業審議会、これは本会議でも委員会でも相当承りましたが、審議会のあり方について、十一月二十九日、皆さんの閣議決定で「石炭鉱業審議会を改組、強化、石炭政策の重要事項に関する調査、審議の体制を整備し、各部会による審議体制を強化するとともに、中立委員のみをもって構成する審議会を設ける。」こういうことになっているわけですね、閣議決定は。これに基づいて今後の石炭鉱業のあり方を論議されるのでしょうが、たまたま衆議院の石炭対策特別委員会の速記録ですが、衆議院のほうの質問の速記録は演説会のようなので、相当膨大なものですから、なかなか中身がつかめませんけれども、大臣が岡田利春委員の質問に答えて、この鉱業審議会のあり方について、「できるならばこのただいま出しておりまする四法案をすみやかに可決していただきまして、その上ですぐにでも審議会を開いてこれを実現して参りたい、こう考えておるわけであります。」と、こういう答弁をなさっている。そうすると、私どもが承知している限りにおいては、三十八国会に出された法案の中に入っていると思うわけですが、この四法案というのは、昨年度の臨時国会で廃案になりまして、新たに今国会でただいま論議している法案は、四法案をさす。しかるに、この法案が通れば、大臣が衆議院で答弁したように、強力なる中立委員のみをもって構成する審議会まで設けてやるのかどうかその答弁と関連して、審議会のあり方についてお尋ねいたします。
○政府委員(中野正一君) ちょっと事務的なことだけ御答弁いたしますが、今、先生がおっしゃいましたように、閣議決定で、石炭鉱業審議会の改組、強化ということをうたっております。それから、全般について、審議会の委員等について一、二触れておりますので、そういう点で今度の、きょう御審議願っている合理化臨時措置法じゃなくて、今衆議院のほうで御審議願おうと思っております第二回目の合理化審議会の改組で、例の労働大臣が作れらた再就職計画というようなものを整備計画と一緒に審議会にかけて御審議願う、こういうこと。それから、もう一つ、石炭鉱業審議会の目的の中に、近代化だけでなくて、石炭鉱業の安定ということも審議をする、こういうことの改正、それから、もう一点は、例の鉱区調整協議会というのが現行法律にはございますが、これをはずしまして、今度は未開発炭田だけでなくて、既存の炭田についても鉱区調整が強力にできる、こういうふうに改定いたしまして、同時に、鉱区調整協議会を廃しまして、石炭鉱業審議会の中の部会で審議していただく、こういうふうな改正を今国会に提案いたしておるわけでありまして、この法案が通過いたしますれば、その法案に従って、石炭鉱業審議会の任務というものが一部変わるということになるわけでございます。ただ、三十七年度を取り急ぎやりましたのは、三十七年度がもうすでに終わりに近づきましたので、三十七年度の石炭鉱業の合理化実施計画というものを御審議願わないというわけにもいきませんので、先月の二十五日に総会をやりました。二十六日に合理化審議会と雇用部会の合同部会を開催したわけでありますが、二十五日の石炭鉱業審議会におきまして全面的に委員の入れかえを、ちょうど任期も切れておりましたので、新しい任命をいたしまして、その際に、この閣議決定の趣旨に従って改組、強化をしよう、法律の改正を待たずに、これはまあ法律上は現行法でできますので、やろうということで、今度総合部会と、それから需給部会、合理化部会、雇用部会、資金部会、それにこの先ほど先生がお読み上げになりました十一月二十九日のあれに書いてございますが、中立委員のみをもって構成する審査会、これは経理審査会でございまして、これは個々の会社がいろいろの関係で立ち行かなくなったというような場合に、その再建整備計画を出させまして、これに対して政府の資金の援助、必要があれば政府関係機関、市中金融機関等の一時債務のたな上げというようなことでもやらなければどうしてもやっていけないというようなことがあった場合には、経理審査会で個々の会社の問題を審査していく、これはそういう意味で中立委員だけで経理審査会というのをやる、こういう部会を設けまして三十七年度は御審議願ったわけであります。しかし、三十八年度の問題については、われわれの希望といたしましては、きょう午前中も申し上げましたように、なるべく現在出しておりますが、合理化法がこちらを通りまして、これが施行されて、この法律によって石炭鉱業審議会の運営を考えていきたいというふうに考えております。
○阿部竹松君 石炭局長にお願いしますが、私は、時間の関係で、自民党の徳永理事から注文をつけられておる。ですから、質問する以外の御答弁にあまり時間をとっていただくと、私質問する時間がなくなりますから、お尋ねしただけ御答弁していただきたい。今の御答弁のようなことで私は了承しておりましたが、大臣の衆議院石炭特別委員会の議事録第三号にはそうなっておらぬ、「ただいま出しておりまする四法案をすみやかに可決していただきまして、その上ですぐにでも審議会を開いてこれを実現して参りたい、こう考えておるわけであります。」前文から、ずっとよく見ればそうなっている。その御答弁でいくと、大臣の御答弁は間違いであるということになります。
○国務大臣(福田一君) これは参議院の予算委員会におきまして阿部さんから御質問があったときに、実は私は、うっかり、必要があればという言葉を言って、たいへんおしかりを受けたことを覚えておりますが、そのときに申し上げましたとおり、現行法によって石炭鉱業審議会を強化してやっていく方針である、それは法律的にもできるのであるということを申し上げておるわけですが、一方、そのことと衆議院においての答弁が食い違うではないかという質問かと思うのでありますが、衆議院において私が申し上げましたのは、これらの法律等も上げてもらい、その他われわれがいろいろ考えておる法律案もありますので、こういうものを順次上げてもらって、そうして本来のいわゆる今の法律だけではなくて、そういうふうな法律をも加えた上での強化した案でひとつやっていきたいのだ、こういう意味のことを申し上げたつもりで私答弁しておったのでありますが、あるいは言葉が不足いたしておったかと思うわけでございます。
○阿部竹松君 ただいまの点については、もう一度合理化法案がかかるわけですから、そのとき論議し、お伺いすることにして、大臣あるいは石炭局長さんも、この速記録第三号を読んで、私のお尋ねするのが間違いであるか、大臣の御答弁が終始一貫しているかということをお調べの上、もう一度論議してみたいと思うわけです。 その次に、これは労働省関係になると思うわけですが、炭鉱離職者の臨時措置法案、その二条の改正に炭鉱労働者の定義について「業務」ということと、それから炭鉱労働者の範囲をきめておるわけですね。どういうわけで定義の改正をやらなければならなかったか。こういう事務的なことですから、安定局長でもけっこうですが、お尋ねいたします。
○国務大臣(大橋武夫君) 従来、炭鉱離職者の取り扱いにつきましては、いわゆる坑内夫、坑外夫、この作業員だけをとらえておりまして、職員クラスのものを入れておりませんでした。いろいろな実情からみまして、職員に対しましても、炭鉱離職者に準じた取り扱いを雇用対策としてはすべきだと、こういう趣旨で改正をいたしたわけであります。すなわち、範囲の拡張でございます。
○阿部竹松君 そうすると、提案理由に、「山元の職員等」、「等」というのが入っておりますね、これは全部入るというように理解してもよろしゅうございますか。
○政府委員(三治重信君) 職員につきましては、山元の職員を入れるということでございます。その「等」は、そのほかの組夫の関係やなんかがあるわけでございます。それから自然閉山というふうな、若干通産省のほうの合理化臨時措置法よりか、私たちのほうが、離職者対策のほうの実際の労務者の範囲においても、若干弾力的に取り扱っておりますので、そこで「等」と入れたわけでございますが、今度「作業」を「業務」に変えましたおもな理由は、大臣のほうから御答弁いただきましたように、山元の職員を離職者対策に含める意味で「業務」という広い範囲の文字にした、こういうことでございます。
○阿部竹松君 そうしますと、東京に本社がある、あるいは札幌、福岡等に本社がある、その本社関係の職員が入るかどうかということと、それから、もう一つお伺いしたいのは、会社の社長、重役等は別問題でしょうが、三井、三菱、住友、北炭、この大会社の部課長等もまさかこの法律によってお世話になるとは考えませんけれども、一社一山の中小企業、これも課長もおったり部長もおったりするでしょうけれども、そういう中小企業の炭鉱の課長、あるいはそういう職責にある者もお世話になるかもわからないわけでして、そういう人たちは該当するかどうかという二点についてお伺いいたします。
○政府委員(三治重信君) 一山一社で、本社が、この法律にありますように、その鉱区の中にあって、現場と一緒になっているところは入れますが、東京とか福岡というふうに、そういう産炭地以外に本社や営業所があって、そこに従事されている職員は入りません。本社がその鉱区以外にある、都会にある分、それから営業所の職員は入りません。それから、一山一社で、部課長でその鉱区におられるというか、職員として入るところにおられる部課長は入ります。この判断は、現在、失業保険のほうで使用者というふうにして、被保険者として扱っていない部面は入りませんが、被保険者として失業保険の対象にしておる部課長につきましては、山元においては入ります。
○阿部竹松君 次に、八条関係に関連してですが、まあ炭鉱の退職制度、あるいは年令等はまちまちですから、一がいに言えませんけれども、大体五十五才という一応の退職の労使双方の協定があるわけです。その際、もう五十五で定年退職、こういう人々がこの保護を受けることができるかどうかという点についてお尋ねするわけです。
○政府委員(三治重信君) 労使協定なり、あるいはそういうことで従来定年制が設けられておりまして、それが従来ともそういう企業整理とかなんとかいうことにかかわりなく定年制が維持されている、そのことによって離職される方は、このいわゆる解雇を余儀なくされる人という解釈に入りません。しかし、企業整理をやる場合に、特別従来の定年制よりかさらに下げて、ここでたとえば五十五才が従来定年だったのを、五十二才以上の者について特に退職を勧奨する、しかし、これを余儀なく定年にかかるといっても、そういう従来の慣行よりも年令を下げた場合の企業整理による特別な年令制限的なものをやる場合には、私のほうは対象にしていきますが、従来とも、石炭の合理化計画に関係なく、全体としての人員の自然退職という定年制の者はこの法の対象になりません。
○阿部竹松君 今御説明を承ったのですが、たとえば五十三、五十四ですね、そこで整理にあったということになって、皆さん方の労働省の支所から手帳を出すわけです。その手帳は五十六までもらえる、あるいは五十七までもらえる、こういうことになるのですが、その間の事情はどういうことになりましょうか。
○政府委員(三治重信君) 私のほうは、年令によって何才までの人を対象にするというふうに法の構成はどうしてもとれない。定年制がある山もあれば、全然ない山もあるわけです。したがって、従来の慣行として、この整理の前から定年退職をされている人は、法の関係からいえば、今度合理化臨時措置法の裏側として、雇用計画を立てていくということになりますと、ここに八条の初めに書いてありますように、「石炭鉱業の合理化に伴い離職を余儀なくされた炭鉱離職者」という解釈からいきますと、どうしてもそれが従来の慣例による定年退職者を対象にするわけにいきませんが、特別に五十二才の人を基準にしてきますれば、退職をつのって退職を勧奨するというふうな、定年制よりか低い年令でやられる分については入ります。その結果として、定年制の五十五才でやめられた場合には求職手帳がない。五十二、五十三、五十四才でやめられた人は、あと三年ぐらいという矛盾があるといえば矛盾がございますが、いずれにいたしましても、そういう合理化整備に伴って離職を余儀なくされたという観点からいきますと、そういう矛盾も常識的には考えられないわけではありませんが、この石炭合理化離職者に対する特別対策という私たちの考え方で、そこに線を引かざるを得なかったと、こういうふうに御了承願いたいと思います。
○阿部竹松君 それに関連して、通産省関係かと思いますが、一時金を三年未満は一万五千円とか、あるいは五年、十年、十五年というように段階をつけて、最後は二十年以上は十万円というような一応の案を出されたやに承ります。それが衆議院の特別委員会段階で、社会党、自民党さん、あるいは政府もお入りになったと思うのですが、その二十年という年度を十五年に切り下げてきたということと、下の三年未満一万五千円という金額を上げてお互いに話がついたというようにお聞しておるわけですが、これは法律でございませんけれども、政令でやられることでしょうから、この点明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(福田一君) 離職金の増額にあたりましては、現在のところ、勤続年数二十年以上の者に十万円支給するという考えでいますが、衆議院の法案審議の過程において、石炭対策特別委員会の理事の間で、勤続年数十五年以上の者に十万円を支給することにしようという話し合いが行なわれたことは私も承知いたしておりますので、この話し合いの趣旨に沿って必要な措置をとりたいと考えておるわけでございます。
○阿部竹松君 あわせて、通産大臣、下のほうを上げるという話もなさったというふうに承っておるわけですが、この点は御承知おきないですか。
○政府委員(中野正一君) その点につきましては、私は十分そのいきさつは承知しておりませんが、今、大臣がお答えになりましたように、二十年以上十万円を、十五年以上十万円と、こういたしましたので、それにスライドして、あるいはその格差はどういうふうになりますか、中身を変えなければいかぬのじゃないかという議論が出ておることは承知しております。しかし、今、大臣が御答弁なさった点は話がついているというふうに承知しておりますので、少なくとも、その点は、大臣が今御答弁がありました趣旨に沿って、事務当局として準備を進めております。
○阿具根登君 関連してちょっとお尋ねいたしますが、中小炭鉱で勤続年数を調べたのが、たしか局長から衆議院で答弁になっておったと思うのですが、それを見てみますと、三年未満の退職者というのが四〇数%あるはずです。そうしたら、そういう大体半数近くの人が非常に恩典に浴しない、これは何かつり上げてやらなければいかぬじゃないかということが当然話題になったものと思うのです。それも大臣お考え下さっておるものと私は思っておりましたが、それは対象になっておりませんかどうか。
○国務大臣(福田一君) 実は、そのときにそういう話もあったことを了承いたしおります。承知はいたしております。そこで、しかし、その三年以下の者についてどうするかという具体的な数字は出ておらないわけなんでございます。そこで、上のほうは十五年とすることにきまったことだけははっきりしておりますが、われわれとしては、今、局長が答えましたように、上がきまって下げた以上は、下も何らか処置しなければならぬのじゃないか、こういう考え方でこの問題を処理していく、こういうふうに考えているわけでございます。
○阿具根登君 そこまでお考えがあるとするならば、衆議院等の行きがかりもございまして、上はきまってきたのだから、この法律は、もう質問も相当進んでおりますので、ひとつ参議院のこの段階で、下をどうつり上げるか、相談申し上げちゃどうでしょうか。
○政府委員長(中野正一君) ちょっと御質問がございましたのでお答えせざるを得ないのですが、実は、衆議院のほうでこれははっきりしたことでございますが、予算の範囲内で処置するという話になっているわけでございます。そういう関係で、なかなか通産省としても、何とかしてこの問題を早く処理したいというふうに考えて日夜やっているわけでございますので、今言いました衆議院の段階ではっきり話のついた点は、今、大臣が答弁されたとおりで、ただ、事務当局の今までの検討の結果をちょっと御参考に申し上げまするが、確かに三年未満は、私の出した資料で四七%になっておるわけでございますが、実は、従来の離職金というのが大体一ヵ月分で、予算単価で一万五千円になっております。現在の通産省の国会に出した資料によりまするというと、三年未満はもう一万五千円加算しようということで、われわれとしては、原案を国会で説明したときは、相当これは有利じゃなかろうか、三年くらい働いた人に今までの離職金の倍を三十七年度から離職される人に差し上げるということであるから、相当まあ手厚い——手厚いといっても、いろいろの観点から議論はあると思いますが、ほかの、たとえば十年未満とか、そういう点に比べましてそれほど不均衡じゃないじゃないかということが、いろいろ今までの過程でも議論になっておりまして、その意味合いで、中身については、今日の段階では、まだ党のほうと政府側と十分煮詰まっていない、こういう段階であることを申し上げます。
○阿部竹松君 次に、保安臨時措置法の改正ですが、これは保安局長にお聞きします。これは金額の修正点だけですから、格別保安には問題はないのですが、今までどのくらいあったかということですね。今までこの法律によって保安上けしからぬということで廃山にされた山がどのくらいあったかということと、それから、これはまた警告によって保安の確保をやれば、また作業ができることになりますが、そういう見込みのない山がどのくらいあるかということと、それにあわせて、一般合理化によってやめなければならぬ離職者と同じ一切の待遇を受けるかどうかという点をお尋ねいたします。
○政府委員(八谷芳裕君) ただいままでに勧告をいたしましたのは、昭和三十六年度で年産額に直しまして二十万一千トンでございます。炭鉱数は十炭鉱でございます。それから、昭和三十七年度では三十九炭鉱で、五十三万六千トンでございます。したがいまして、すでに勧告したものが両年度で四十九炭鉱の七十一万七千トン、こういうふうになるわけであります。このほかに、三炭鉱ほど過去におきまして勧告を了承しなかったという山がございます。 それから、この離職金等の取り扱いは同じにしておるわけでございまして、この点は同じでございます。 それから、退職金等の取り扱いは、合理化法では七〇%の限度で鉱害債務等やるわけでございますが、保安臨時措置法に基づきますのは一〇〇%をこれに使うということでございますので、比較論だけでいきますと、まあ鉱害との見合い等によりますけれども、その関係では、保安臨時措置法の勧告に基づくほうが手厚いように見受けられると思うわけでございます。
○阿部竹松君 全部同じ待遇の扱いを受けるかどうか、これは三治さんでもけっこうですが、ほかの離職者と保安の場合……。
○政府委員(三治重信君) 保安による閉山の場合でも、これはもう合理化による離職者と同じでございます。
○阿部竹松君 そうすると、中野さん、有沢さんのおっしゃったのは百パーセント皆さんのほうでとり上げていないわけですから、それをお尋ねするのは無理かもしれませんが、有沢さんのお話を承ると、保安のほうは入っておらない。あなたのほうはどうなんですか、合理化対象人員ですよ。
○政府委員(中野正一君) 事業団のほうは、やはり買い上げになりますので、保安のほうも入れてございます。したがいまして、同じ扱いにいたしておるわけでございます。
○阿部竹松君 有沢さんのお話ですと、まあこれを云々と言うて、政府と話し合うわけにはいかぬでしょう。政府は参考までにしたのでしょうから問題は別ですが、有沢さんのお話によると、保安問題によって買い上げられたり、合理化された山は数に入れておりません。したがってこの鉱業審議会にはかからないのです。皆さんのほうは、この鉱業審議会を中心にして、閉山、休山、あるいは合理化をやって、その対象をどうするのかというのですし、この保安のほうは全然別個ですから、保安の設備のいかんによって、審議会でもって廃山とか、あるいは休山をきめるわけにはいかぬから、違いますので、そうすると、扱いについては安定局長から伺いましたから、これはわかりますが、その点ちょっとわかりませんかね。
○政府委員(中野正一君) 三十七年度の整備計画を出しました際は、普通の買い上げで、閉山によるものと、保安不良で勧告を受けたものと区別して一応御審議を願っております。と申しますのは、買い上げの予算にも関連いたしますし、また、そこから出て参ります離職者に対する対策等につきましても、やはりこれは労働省でもそうでございますが、私のほうでも同じ扱いをいたさなければいけませんので、そういう意味合いで、有沢先生の段階では、それは保安の問題は全然別個に扱っておるかもしれませんが、審議会としては、やはり一緒にやってもらいたい、こういう御要望でございます。
○阿部竹松君 最後にお尋ねしますが、手帳の失効について二項の四、五にいろいろ明記してあるわけなんですが、これはちょっときついような感じがするのですが、これぐらいまでにしなければなりませんか。
○政府委員(三治重信君) この十一条の二項の二号の、「新たに安定した職業についたとき」、それから、その他ここに書いてありますのは、大体私のほうとして手帳を失効させる正当な理由があるおも立った項目であるというふうに考えておりますが、ただ、新たについた職業とは何ぞやというふうな実際の問題になると、なかなか問題がありますので、こういうような問題につきましては、第一線のわれわれのほうといたしましても、十分その基準を明示して、大体私のほうの取り扱いの要領は、現在、失業保険の受給者につきまして、やはり就職指導、再就職させる、また、職業紹介する場合の新しい職業についての前職との比較の基準がございます。その失業保険の、取り扱いの要領とほぼ同様な取り扱いで、不当な取り扱いにならぬように、基準は、第一線機関に、失業保険の受給者の職業紹介に対して取り扱っている基準と同じように、明確な基準を示して、争いのないようにしたいと思います。なお、こういう問題について、安定所の職員が、まあ不当というのですか、当を得ない処置をした場合に、本人から審査会に審査請求できる取り扱いをこの法案で規定しておりますので、そういう弊害は十分防止できるのじゃないかというふうに考えます。 —————————————
○委員長(堀末治君) ちょっと待って下さい。 この際、委員の異動について御報告いたします。二木謙吾君が委員を辞任され、その補欠として青田源太郎君が選任されました。 —————————————
○阿部竹松君 ただいま手帳の失効についてお尋ねいたしましたが、この法文によると、職業安定所長が断を下すようになっておるようですね。しかし、職業指導官ですか、そういう方々も設けられるようでありますし、それは安定所長一人の権限でおやりになるのか、その各市町村にある安定所で会議等を開いてやるのか。そういう点をひとつ明確にお示しを願いたいと思います。 これで委員長、質問を終わります。
○政府委員(三治重信君) 実際にこういう場合の認定は、今度新しく設けます就職促進指導官が、本人の就職指導、職業紹介の上で判断しますが、その場合において、必ず法にありますように、最終的に所長までその決裁は必ず持っていって、十分慎重に扱うように法制上いたしているわけでございます。
○大矢正君 最後でありますので、ごく二、三点だけ集約的に質問しておきたいと思います。 先に労働省のほうから質問いたしますが、第一点は、先ほど阿部委員の質問に対して労働省からお答えがあったのです。それは定年退職の問題であります。私は、定年退職の問題でなく、希望退職の場合にはどうなるかということをお尋ねしておきたいと思います。かりに企業が合理化をする、それによって人員整理が行なわれるという場合がもちろんあります。その場合に、自主的にやめてもらう、ないしは、会社から解雇の通知と、いろいろありますね。それから、ある場合には、あなたやめてくれないかと、俗に言う肩たたきというのがあります。そういう場合と、それから、はっきりして明確な合理化計画ではないのだが、結局従業員を漸進的に減らしていこうという考え方が常に経営者の中にあるわけです。その場合に、そこの職場は不要と目されれば、そこの従業員に対して、あなた自分で希望してやめないか、やめるについては多少のことは会社もやってやろう、こういう形でやめるのが非常に最近多いわけです。先ほどのあなたの答弁からいくと、大量に合理化計画に基づいてやめた者でない限りは、その雇用促進手当の支給対象にはならないのではないかという危惧が生まれてくるのですが、その点はいかがですか。
○政府委員(三治重信君) その実際の線の、何といいますか、理解の上で、実際の線の引き方は、お尋ねのように、われわれもむずかしいと思います。しかし、現実に行なわれる整理が、希望退職の形をとろうが、また、解雇の形をとろうが、その点は通産省ともよく連絡をし、現地のほうで安定所長が、そういう企業整備をする山か、あるいはビルドする山か、そういう山の実態をよく調べた上で十分事前に事業主や組合にもそういう趣旨を説明して、その間に見解の相違のないようにやっていくつもりでございますが、ここでお答えできるのは、私のほうは、そういう整備の山になるようなところにおいて漸減的にやる場合には、できる限り広く適用をしていきたい。ただ、欠員補充をしているような山で、しかも、そういう普通の離職者が出る場合に、それまで離職者手帳を出すかどうかという問題は、そういう欠員補充をどんどんやっていながら、しかも、そこで退職をしていく者について手帳をやる必要はないのじゃないかというふうに考えておるわけですが、できる限りそういうふうな整備の山につきましては、希望退職などと申しましても、会社が人員を削減していく方針というもとにおける離職者については、できる限り離職手帳を発行していく考えてございます。
○大矢正君 私は、石炭産業に関連がありますから、内容的に非常に知ってるつもりでおりますが、結局自分は石炭産業におっても仕方がないと見切りをつけてやめていく人もあるし、そうでなくて、多少規模が小さくても、会社の合理化計画の一環の中で、自分の意思に基づいて自発的にやめていくという場合もあるわけで、そういう面で不公平な事態が離職手帳をもらう場合に生じては困りますので、十分その点は考えてもらいたいということを要望しておきます。 それから、次に、昭和三十五年、六年そうして昨年もそうでありましたが、石炭産業の離職者というものは、非常に集中的に現われてきております。そこで、三十七年度においてどの程度の離職者があり、それに対して政府及び石炭産業の企業家自身の努力によって再就職できた人数、こういうようなものはしばしば発表になっておるのでありますが、昭和三十五年と六年度、この二年度におきましてもかなり離職者が出ているわけでありますが、その離職者が今日どういう状態にあるのか。たとえばどの程度再就職をしたのか、再就職したとすれば、どういうような産業に行ったのか、ないしは、また、今日なお再就職の機会に恵まれないでいる人間はどの程度おるのかというような内容については、十分労働省としても調べておると思っておるのですが、そういう調査の資料というものがありますか。
○政府委員(三治重信君) 各年度ごとにわれわれの調査した資料は持っておりますが、ただ、去年調査したのを今年調査する、三十六年度の調査した分と三十七年度に調査した分それぞれの資料はございますが、その場合に、それが何年度の——三十五年度の離職者が三十七年度でどうなっているか、三十六年度の離職者が三十七年度でどうなっているかという、その調査はございません。全体としてその各年度に就職させ、それが産業別にどうなっているかという分は、必要ならばあとで出します。三十六年度、三十七年度、それぞれの時点で調査しておりますが、その調査時点のときに調査した対象者が何年度の離職者であったかということは調査してございません。
○大矢正君 それで、あと先になって何ですが、結局のところ、三十五年、六年、七年も含めてけっこうでありますが、離職した人間がどういう状況にあるかということは、資料として、ひとつあとからでいいですから、お出しを願いたい。これをお願いしておきます。 それから、次に、通産省関係でありますが、大臣に質問する前に、石炭局長でけっこうだと思いますが、一点お答え願いたいのでありますが、昭和三十六年度の実績、それから三十七年度の見込み、これは一般炭の需要の中に電力用炭の需要というのはどの程度の比率を占めていたか。これをまずお答え願いたいと思います。
○説明員(久良知章悟君) 電力用炭の需要を三十六年と三十七年の両年にわたっての御質問でございますが、雑炭を入れまして、三十六年度の需要五千八百二十万トンの中で、電力に対しましては千七百十六万トン、同じく三十七年度につきましては、五千七百十二万トンの総需要に対しまして、千九百四十四万トンを見込んでおります。
○大矢正君 私の聞いているのは、総需要の中における比率じゃなくて、一般炭の中で電力用炭というものはどれだけの比率を占ているのか。比率でけっこうですから、教えていただきたい。
○説明員(久良知章悟君) ちょっと比率は、今計算をしております。
○大矢正君 おおよそ目見当でわかるでしょう、何パーセントくらいになるか。
○説明員(久良知章悟君) 大体精炭にいたしまして四千二百万トン程度に相なりますので、約四〇%でございます。
○大矢正君 そこで、通産大臣にお尋ねをしたいのですが、一般炭の中で電力が占める需要の割合というのは一年々々大きくなってきているわけですね。おそらくこのまま推移して参りますと、六、七割は電力用炭で確保しなければならないということになると私は思うのです。そこで、結局一般炭を生産している企業にとりましては、自分の会社で生産をされる一般炭が、はたして電力用に需要されるかどうかということは、個々の企業にとっては非常に重要な問題なんです。これはもちろん需要の分野にわたって参りますので、その意味でなお問題がむずかしくなると思うのでありますが、たとえば昭和三十七年度の計画で参りますと、一般炭の電力用の需要は千七百万トンと、こういう数字が出ておりますね。そこで、電力用炭というのは、何でもかんでも一般炭だから電力需要があるというのでなくて、たとえばカロリーは四千八百カロリーとか、一つの規格があるわけです。その規格に基づいてカロリー当たりの価格がきめられて、それに合う石炭が実際には需要されているわけですね。ところが、これから、かりに三十八年度は二千五十万トンで、三百五十万トン電力用の需要がふえると仮定いたしました際に、結局一般炭といえども、今までと同様な言うなれば取引関係をやっていたのでは、炭種によって、合わない炭種というものは必ず出てくるわけですね。電力用にぴったり合うような炭を出しているところでありますると非常にけっこうなんでありますが、カロリーは六千カロリーもあって高い、高ければ当然高く売らなければいかぬというような問題があって、なかなか電力用炭というものは、確かに政府は二千五十万トンといって、需要は確保してくれるかもしらぬけれども、個々の企業にとってみた場合には、そこで非常に問題点が出てくるわけです。特に過去におきまして、かりに電力会社と取引関係があって、一つのシェアというものを持っている場合におきましてはけっこうなんでありまするが、そうではなくて、過去において電力会社との間に取引関係がない、シェアというものを全然持っていないという場合におきましては、その石炭というものは電力用に買ってもらえないという結果になって参りますね。そうなって参りますると、その炭鉱は採算がとれるとれないにかかわらず、つぶれなければならないという欠陥が出てくるわけです。ということは、需要がないのですから。そうなりますと、単に能率が悪いとかというような問題だけでその炭鉱がつぶされるのではなくて、能率もいいし、石炭は出るんだけれども、つぶれなければならないという問題点が、一般炭であるだけに、出てくるという問題があるのですが、通産大臣、この点についてどうお考えになっておりますか。
○国務大臣(福田一君) その問題は、私は、やはり需要の問題と非常に関係があると思います。仰せのとおりであります。私も電力のことはいささか知っておりますが、電力会社が買うのは、ちゃんと規格というものがあって、その規格によって値段がきまっております。その規格に合わない石炭を生産した場合、一般のいわゆる暖房用炭などになら売れるけどれども、電力には売れないという場合があるわけであります。そこいらに石炭問題の実を言うとむずかしさがある、数量だけのことを言っても、なかなかそうはいかないというむずかしさが私はあると思うのでありますが、しかし、私は、そういうのは多くは中小の山だろうと思うのです。そういうような手数がかかります。電力会社かう言うと、そういう中小のやつはあまり喜ばないんです。それから、長期計画をするときに出たり出なかったりするのですが、ほしいときには逆にくれなかったり、今までは中小の山というのはそういうことをしておるわけです。したがって、電力会社に信用がない、石炭が安いときにはどんどん買ってくれ買ってくれと言っていて、少し石炭が高くなると電力会社をすっぱかして、高いところに売っていたというような実例が実はあるわけなんです。そういうことが今日中小のが電力会社に喜ばれない一つの事情でもあったわけです。これはあなたは専門家ならおわかりだと思います。と同時に、私は、こういうことも、こういうふうに一応五千五百万トンという数字でやっていきますし、できるだけそういうような合格をするようなものは、なるべく電力会社に買ってもらうように、これはまあ私らは行政指導というか、できるだけやってくれというようなことは私は言えると思うのです。しかし、これを買えということは政府としては言えるものじゃありません。方針としては、そういうことも一つの中小のために援助してやりたい。これは、中小炭鉱なんか、やはり値段が少し大手に対してちょっとくらい低いのはしようがないです。やはりよけい買うのと少し買うのとじゃ、たいへん手数も違いますが、著しく違っているような場合には、これは少し考えなきゃいかぬ、今度の精算会寿ができるような場合には、あそこをすべて通りますからよくわかりますが、著しく変わったような場合には考えなきゃいかぬのじゃないかというようなことも、行政指導としては私は考えております。
○大矢正君 そこで、たとえば三十八年度では新しい石炭専焼の火力発電所ができる。従来は、これはいたし方ない問題だと思うのですが、新たにそういうように新設をされる石炭専焼の火力発電の石炭需要に対しては、やはり地域内における中小炭鉱や大手炭鉱の状況とか、そういうものを十分判断をして、過去においては電力会社との間に取引関係のあるとかないとかいうことは抜きにして、やはり中小炭鉱も、残っていける炭鉱は残していかなきゃならぬという立場があるわけでありますからして、そういう面で、政府も行政的に取引関係を持たせるような方向に私は努力をしてもらいたい、こういうことをお願いをしておきたいと思います。 そこで最後に、衆議院の石炭対策特別委員会におきましては、産炭地域振興事業団法の一部改正に関連をして、附帯決議が出されております。もとより私どもも附帯決議をたくさんしたいところでありますが、附帯決議必ずしも実効があるものだとは思っておりませんし、当委員会におきまして明確な政府の見解を表明していただくことによって同様の効果を持つものだという意味において、最終的に三点について通産大臣と労働大臣にお伺いしておきたいと思いまするし、また、もちろん私どもの立場を申し上げておきたいと思います。 その第一点は、先般私も通産大臣といろいろ質疑応答を行なったところでありますが、それは需要確保の問題についてであります。御承知のとおり、私どもは、先般来六千万トンの需要を確保してもらいたいと申し入れをいたしましたところ、政府としては、現状から見て六千万トンの需要を確保するように努力をするが、なかなか困難である。しかし、五千五百万トンの需要を確保したい、言うならば前向きの御答弁がありました。そこで、私ども考えてみまして、政府の今の石炭対策及び方針というのは、有沢調査団の報告というものが基調になっているわけでありまして、その有沢調査団の答申のさらに基調をなすものは何かといいますとまず第一にきめられたのは需要の想定であります。それから需要の確保であります。需要のないところに生産計画は立たないのでありまして、まず第一に、需要を幾らにするかということで五千五百万トンときめたのだと、私はそう思っておりまするし、また、有沢さんも、私どもの質問に対して、そう答えているわけであります。そうなって参りますと、有沢調査団の答申の基調は、あくまでも五千五百万トンの需要を確保するものである、こういうことが根底に流れているわけでありまするが、政府も当然のこととして、昨年の臨時国会以来、五千五百万トンは政府の責任において確保する、こういうふうにお答えしてきたと私は思うのであります。そこで、最近の石炭の需要状況を見ますると、昭和三十七年度はおよそ五千三百万トン程度しか需要がないのではないかというふうにいわれております。また、特別の対策のない限りは、昭和三十八年度も、これまた電力を除く一般の需要の減退によって、五千五百万トンの確保はなかなか困難のような判断もできるわけであります。そこで、私どもといたしましては、かりに五千五百万トンというものを最低限の線としてこれを確保することは絶対必要なことである。もしこれが破れるようなことになって参りますと、有沢調査団の答申というものは根底からくずれてくるわけでありまするから、今われわれがやっている石炭対策というものは、すべてまた新たにやり直さなければならぬということになってくるわけであります。したがって、政府は、積極的に前向きの姿勢で、五千五百万トンの需要、もしくはそれ以上の需要の確保に努むべきであると、私はそう考えております。 それから、第二点として、かりに一時的な状況によって五千五百万トンの需要確保ができないという際におきましては、政府はその責任を負って買い上げるべきである。が、しかし、今日それが不可能であるといたしますると、先般来通産大臣が答えておりますとおり、何らかの機関によって貯炭に対しては融資を行なう、そして、その融資は多額の金利負担になりますから、その金利についても政府はしかるべく考慮すべきではないか、こういうように私は考えるのであります。通産大臣の最終的な見解をひとつお答え願いたいと思います。
○国務大臣(福田一君) しばしばそのことについてはお答えいたしているのでありますが、スクラップ・アンド・ビルドをする、こういう場合どういう方法でやるか、何を基準にしてやるかということがないと私はできないと思う。そのスクラップ・アンド・ビルドの基準になるのは五千五百万トンということでございます。少なくとも、こういうような計画でスクラップ・アンド・ビルドをしていく以上は、五千五百万トンの石炭については、政治的責任をもってこれを処理していくということは当然のことであろうと私は考えているわけであります。また、そういうような趣旨のことをしばしば総理も言っておられるわけであります。でありまするから、私は、この点はあなたの御趣意に沿っているものと思いますが、しかし、そういう場合に、まず初年度においては金融等の措置で片づくと思いますが、その場合、金融の金利負担を幾らするかということになると、そこまで今ここで言明するわけにはいかないと思います。が、しかし、金融面においてできるだけめんどうをみる。しかし、これが二年、三年続くということになりますと、こういう山元での貯炭ができなくなるのではないかというふうに考えるのであります。物理的にできなくなる。こういう問題も含めて、今後の研究課題として、石炭局長に研究せよということを命じておるわけであります。さしあたりといたしましては、金融措置を考えて、少なくとも金融措置だけは考える、したがって、政府としては、需要が五千三百万トンしかないから、あとの分は掘っても知らない、そういうような態度で臨むことは絶対ございません。これだけは明らかにいたしておきたいと思います。
○大矢正君 ただいまの話はお互いに言いっぱなしでありますから、今の大臣の答えに対して、私の立場で反論することは避けたいと思います。次に、第二に、労働大臣と通産大臣にこれまた御答弁をいただきたい問題でありますが、それは雇用計画の策定と、それから、その再就職に対する政府の対策でありますが、もとより、かりに合理化が行なわれるにあたりましては、合理化を行なう企業内部それ自身におきまして再雇用の努力をされることは当然でありまするし、また、政府も先般来、閣議あるいは石炭閣僚会議等で再就職の道をいろいろ検討されておることはけっこうなことであります。ただ、私ども考えてみまして、やはり再就職の道がない場合には、その合理化は極力これは押えるべきではないかという考え方を根本的には持っております。再就職のないままにそれぞれの企業において自主的に人員の整理だけ行なわれるということになって参りますと、政府が立てますところの全体的な再就職計画というものと合わなくなって参ります。そういう立場から参りますと、私は、原則的には再就職の計画の上に立って合理化を行なう、言いかえると、人員整理を行なうということは正しいのではないか、こういうように思っておるわけであります。まあしかし、それのみ強調いたしましても、今日なかなか情勢としてはそこまで参るわけにはいかないという面もあるかもわかりません。が、しかし、その場合といえども、やはり実際に再就職の計画を練る、労働省は労働省独自の考え方だけではなくて、全体的な合理化計画を作る、あるいは検討する通産省と十分ひとつその間の連携をとり、また、個々の企業がどの程度の再就職の計画があるのか、こういうことも十分判断した上に立って、私はその合理化というものを進めるべきではないか、こういうように考えているのでありますが、通産大臣と労働大臣にお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(福田一君) ただいま仰せになりましたとおり、会社等においても、再就職の問題を十分考えてもらいたいというので労働大臣も言われておるわけであります。私たちといたしましても、労働省がそういう問題についてちゃんとお話し合いをされると思うのであります。それを基礎といたしまして、一つの資料として考えることは当然でございます。ただ、今、大矢さんも言われたように、これは何といいますか、雇用対策がなければ合理化はできないんだという考え方ではなくて、やはり合理化をやる、しかし、合理化をやる場合には雇用の面も十分に考えてやる、こういう考え方で処置をいたして参るということは、うらはらになるわけでありますから、一体どちらが表だか裏だか、議論が出てくると思いますが、しかし、今日この問題が出てきたということは、やはり石炭の合理化ということが中心になっております。その点を十分あなたの御趣旨の面も考え合わせながら処置をいたして参りたい、こう考えております。
○国務大臣(大橋武夫君) 合理化と雇用計画でございますが、これは常に相伴っていくべきものだという考えで運用いたしたいと思います。
○大矢正君 最後に、第三点目として、産炭地振興に関して私の意見を述べて、また、政府側のお答えをいただきたいと思うのでありますが、産炭地振興ということは、もとよりその地域の離職者が出た場合の離職者の吸収にもなりまするし、同時に、また、その地域にある商店なり、そういう人々に対しても、これがまた救済の役にも立つわけでありますし、同時に、あわせて地方自治体の財政面、ないしは地方自治体の運営に関しても、かなり影響を及ぼす問題であります。そこで、私どもといたしましては、政府が早急に産炭地振興の基本的な方針を出していただきたいと思いまするし、あわせて、また、それに基づく具体的な地域別の産炭地振興計画というものを出すべきではないか、やはり工場の誘致もあるでありましょうし、また、産業誘致のための融資その他の方法もありましょうし、あるいはまた先般も話に出ましたボタ山の処理もあるでありましょうし、あるいはまた産炭地域周辺の工業用地の造成なり、ないしは道路の整備、いろいろあると思うのでありまするが、そういう全体的な産炭地振興というものを、すみやかに基本的にも、かつ、具体的にも立てるべきである、こういうように思うのでありまするが、政府のお考えを最後に聞いておきたいと思います。
○国務大臣(福田一君) 産炭地振興の問題につきましては、仰せのとおり、ひとつ具体的に解決をいたして参りたいと思うのであります。一つ一つ具体化していくということが一番大事かと考えておるわけでございます。極力その線に沿って努力をいたして参りたいと思います。
○委員長(堀末治君) 他に御発言がなければ、これにて本案に対する質疑を終局することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堀末治君) 御異議ないものと認めます。 これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明かにして、順次御発言を願います。別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堀末治君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案(閣法第一一号)を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(堀末治君) 全会一致でございます。 よって、本案は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
○委員長(堀末治君) 次に、石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律案(閣法第一二号)を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(堀末治君) 全会一致でございます。よって、本案は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 —————————————
○委員長(堀末治君) 次に、産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(堀末治君) 全会一致でございます。よって、本案は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 —————————————
○委員長(堀末治君) 次に、炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(堀末治君) 多数でございます。よって、本案は、多数をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、議長に提出する報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堀末治君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。 本日はこれをもって散会いたします。 午後五時二十九分散会