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43回国会参議院1963/06/27

商工委員会 第36号

発言数
358
登壇者
14
会派数
5
開催日
1963/06/27

会議録

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員長及び理事打合会の協議事項について報告をいたします。  本日の議事は、中小企業基本法案につきまして、衆議院における修正点について説明を聞き、補足説明を時間がありましたら聞き、時間がなかったら省略するかもしれません。質疑の後に、本日中には審議を終了することとなりましたので御了承を願います。     ―――――――――――――

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) それではこれより議事に入ります。  中小企業基本法案を議題といたします。本案につきましては、衆議院において修正をせられておりまするので、まず最初に修正点の説明を聴取いたします。衆議院商工委員長代理理事岡木茂君。

岡本茂自由民主党

○衆議院議員(岡本茂君) 中小企業基本法案に対する衆議院の修正の趣旨を私から簡単に御説明申し上げます。  修正点は、お手元の資料のとおりでございますが、その要旨は、第一に前文及び第一条「(政策の目標)」の規定中「中小企業の経済的社会的制約による不利を補正する」とあったのを「不利を是正する」と改めたこと。  第二に、十四条第二項、中小企業に対する施策についての地域的条件の考慮の規定は、中小サービス業をも対象とするよう改めたこと。  第三に、第十九条「(事業活動の機会の適正な確保)」の規定について、必要な施策として「紛争処理のための機構の整備等」を挿入したこと。  第四に、第二十条(「国等からの受注機会の確保」)の規定中「受注の機会を確保する」とあったのを「受注の機会の増大を図る」に改めたこと。  第五に、第二十三条「小規模企業」の規定について、小規模企業の従事者に対し「金融、税制その他の事項につき必要な考慮を払う」ことを明記したこと。  第六に、第二十四条(「資金の融通の適正円滑化」)の規定中「資金の融通の適正円滑化を図るため、」「必要な施策を講ず」とあったのを「資金の確保を図るため、」に改めたこと。以上でございます。  これらの修正は、いずれも施策の内容について、その明確化あるいは強化をはかる目的に基づくものでございます。  以上御説明を申し上げます。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 修正点の説明は終了いたしましたが、この点についての御質疑がございましたら。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 ただいまの御説明をお聞きいたしまして、修正されました点について、もちろん私どもは異議はないわけでありますが、修正は大体におきまして適当だとも思われるわけでございますが、一応修正者のお気持がどこにあるかという点で、一、二点お尋ねをしたいと思うのです。  まず、前文及び第一条中、ただいま御説明ございましたように、「不利を補正」を「不利を是正」と、こういうふうに改められたわけでありますが、補正と是正というこの区別というものはどういうところにあるのか、この点をまずお尋ねいたしまして、また第三条の五号にも「不利を補正する」と、こうありまするが、その点は修正がされていない。前の二カ所の点と最後のところとちょっと食い違うような気もするわけですが、これは一体どういうところに異義があるのか、この点をお尋ねいたします。

岡本茂自由民主党

○衆議院議員(岡本茂君) お答え申し上げます。補正は大体足らないものを補い足すと、こういうことなんです。だから補正予算というような言葉でもわかるように、非常に大きなものにちょっと足すというような感じがいたすもので、それよりは強い感じがほしい、こういうことで是正というふうに改めたわけでございます。なお、第一条にもそれがございますので、前文とともにそういうふうに改めたわけでございますが、第三条のこれは特に申し出もなかったわけでございまするし、前のほうは社会的経済的というような非常に大きな問題まで全般をとらえております。あとのほうは、取引条件の不利というように、きわめて制約された部分になっておりますから、これは別に改めなくてもいいんじゃないかと思います。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 まあ、うしろのほうは取引条件の問題だから、これは従来どおり改正しなくてもいけるのじゃないかと、こういう今の御答弁でございますが、じゃ取引条件と前の条件とどう違うか、こういうことにもなろうかと思うわけでありますが、この点はどうですか。

岡本茂自由民主党

○衆議院議員(岡本茂君) まあ、緻密な議論をすれば、そういうことになるかもしれませんけれども、やはり取引条件のあれは、前文なり一条に示しておるような大きななにから見ると、きわめて極限されておりますから、それでいいのじゃないかというふうに考えます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 さらにお尋ねいたしますることは、十四条に「サービス業」を加えられたわけであります。これは見出しにも「サービス業」ということが加えられ、それから第二項にも「中小サービス業」が入っているわけでございます。けれども、第二項は、地域的条件を考慮せよというだけでたいした意味はないと思うわけなんです。小売商の近代化だけでなく、サービス業の近代化ということも考えてよいのではないかというふうにも思うわけでありますが、この点はいかがですか。

岡本茂自由民主党

○衆議院議員(岡本茂君) もちろんサービス業について近代化を考えていいわけであります。したがって十四条の二項は、中小企業について、「第九条若しくは第十一条から前条まで又は前項の施策を講ずるにあたっては、」ということでもはっきりいたしておりますように、その中には経営の近代化とか、経営管理の合理化というようなことが入っているわけであります。それをやるために書いておりますから、近代化をやるということは明確になっているわけであります。その土地域的条件についても考えるということが適当じゃないかというふうに考えたわけであります。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 そこで、この小売商の経営形態の近代化の施策ということでなく、ここはやはり中小商業または中小サービス業として、卸も加え、またサービス業も加えよう、こういう意見はなかったかどうか、この点はいかがですか。

岡本茂自由民主党

○衆議院議員(岡本茂君) 最初そういうまあ御要求がございまして、一項のほうに入れてもらいたいというお話でございましたが、ところが一項はごらんのとおり「流通機構の合理化に即応することができるように、」云々とこういうことになっている。これは最近における流通革命というものに対処するために特に経営形態の近代化ということをはかることになっているわけでございまして、そこでまあサービス業については、流通機構についての、流通革命というか、流通機構そのものではございませんから、ここへは入らない、むしろこれは二項に入れるべき問題であるということで、了解されたわけであります。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 時間もございませんから簡単にしておきますが、さらに十九条の修正はかなり重要な修正だと思いますが、いずれこれはまた通産大臣にもあとからお尋ねするわけでございますが、当面修正者のお考えを伺っておきたいと思いますのは、紛争処理のための機構がないと、中小企業分野が不当に侵害されても、中小企業はいつも泣き寝入りになる。こういうことでございまして、それを防ごうという御意見から出たものと私どもお察しいたしまするが、その機構としてどんなものを考えておられるのか。この機構というものは公正取引委員会のような司法的な権限を持っておる行政委員会のような機構、こういうことを考えておられるのか、それとも中労委のような機構を考えておられるのか、または単なる協議会的なもの、こういうふうに、いずれのようなことでこの点の修正がなされたのか、機構の点についてお尋ねしておきたい。

岡本茂自由民主党

○衆議院議員(岡本茂君) 目的は今おっしゃったとおりでございます。機構につきましては、今例示されましたように、公取あるいは中労委というような形態を特に考えておるわけでございません。現在のある機関といたしましては、中小企業団体法あるいは小売商等の臨時措置法の規定によります調停機関がございます。中央調停審議会あるいは地方調停審議会、この機能を強化することも一案でないかと思いますが、それでは足りないかもしれません。そこでこの機構については基本法で設定されますところの中小企業政策審議会、これにおいてよく検討いたしまして、最も適当な機関を定めていただく、かような考えでおります。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 それから二十条の問題でございますが、これは受注の機会を増大するように、こういうふうな修正でございまするが、受注の機会を増大するということは、たとえば一%でも二%でも増大ということになるわけでございまするが、まさか一%や二%の問題で、この改正がなされたものでないと私は思うのですが、一体これはある一定の受注を増大するという一応の基準みたいなものを考えておられるのではないかと私は思うのですが、この点はいかがですか。

岡本茂自由民主党

○衆議院議員(岡本茂君) この修正の途上におきまして一定割合という論議も行なわれた。しかし、一定割合ということを法文で明確にうたうまでにこの問題は割り切られておらぬ。アメリカでもそういう規定があるが、わが国でも直ちに一定割合ということをきめていいかどうか、かりに一定割合をきめましても、それはいろいろ中小企業者が大企業者に比して悪い条件であっても、これに受注さすのであるかということをせんじつめて参りますと、結局一定割合という、割り当てるのでなくて、そういう機会を与えるにすぎないのだというような問題になって参ります。だから一定割合確保というようなことを言い切るのには、まだ検討の余地があるということで、いろいろ御相談申し上げまして、この修正のように落ちついたわけです。一%や二%の増大、そういうような数量的のなにはございませんが、でき得る限り中小企業のために増大したいという含みがあることは事実でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 最後に、二十三条の修正の点でございますが、これは小規模事業対策として金融、税制その他の事項を明記したことは、この項目は政府案におきましては非常に弱い、それを補強する意味におきまして、これは適当な修正だと私どもは思いますが、社会保険等についても、やはりこれは十分な修正の必要があるのじゃないか、こういうふうにも思いまするが、これは「その他の事項」という中に含まれているのかどうか、そういうことでこの社会保険等のことが考えられていくのかどうか、この点はいかがですか。

岡本茂自由民主党

○衆議院議員(岡本茂君) おっしゃるとおり、「その他の事項」でも入るわけでございます。ただし、ここで社会保険を明示いたしますのには、今の状態では五人以下の事業所のところで社会保険をやれるのだということまでには至っておりませんので、これは研究中でございますから、そういうこともございまして、特に明示はいたしませんでしたが、そういう問題も含まれているわけでございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 今の近藤委員の質問に関連するんですが、一番最初の「補正」と「是正」の問題ですね。これにつきましては、若干補正よりも是正のほうが強い意味を持つのだ、こういう答弁ですが、補正といえば、大体中心があって幾らか手直しをしようというのが補正のように思いますが、是正といえば、やはり根本的な問題に若干触れるんじゃないかと思いますがね。この点やはり根本論になってくるかもしれませんが、この点重ねて近藤委員の質問に関連してお伺いしたい。

岡本茂自由民主党

○衆議院議員(岡本茂君) これは語感の問題ですが、補正よりも是正のほうが強い、だから場合によっては根本的のものに触れるかもしれません。しかし、そうでない場合もあると思います。ただ、全般としまして、補正から受ける語感というものは弱い。最初申し上げましたように、より強い語感のものがほしいということでこういう文字を使ったわけでございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 したがって、根本的な問題もここでやれるというふうに解釈してもよろしいんですね。

岡本茂自由民主党

○衆議院議員(岡本茂君) 入り得るわけですね。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 速記を始めて。  次に、政府委員から補足説明を聴取いたします。樋詰中小企業庁長官。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 中小企業基本法、案につきまして、若干補足説明を申し上げます。  わが国の中小企業は、国民経済のあらゆる領域にわたって、その発展に寄与するとともに、国民生活の安定に貢献して参りました。しかるに、最近に至りまして、生産性等の著しい企業間格差は、中小企業の経営の安定とその従事者の生活水準の向上にとって大きな制約となりつつあります上に、貿易の自由化、技術革新の進展、生活様式の変化等による需給構造の変化と経済の著しい成長に伴なう労働力の供給の不足は、中小企業の経済的、社会的存立基盤を大きく変化させようとしております。このような事態に対処いたしまして、中小企業の成長発展をはかるため、その経済的、社会的制約による不利を補正し、中小企業者の自主的努力を助長して、中小企業の体質改善を推進するとともに、事業活動の面における環境を整備して、生産性と取引条件の向上に格段の努力をいたさねばならないと考えております。このような考えのもとに中小企業の進むべき新たな道を明らかにし、中小企業に関する政策の目標を示すため本法案を提出した次第であります。  次に、本法案の内容につきましてその概要を御説明申し上げます。  第一に、中小企業に関する国の政策の目標は、国民経済の成長発展に即応し、中小企業の経済的、社会的制約による不利を補正するとともに、中小企業者の自主的な努力を助長して、中小企業の成長発展をはかり、あわせてその従事者の地位の向上に資することと規定いたしております。これは国民経済の成長発展の過程においてのみ中小企業の成長発展が達成されるものと考えたがためであります。  第二に、このような目標を達成するため設備の近代化以下八つの事項を掲げ、これらの事項について、国はその政策全般にわたり必要な施策を総合的に講じなければならないと規定して、中小企業の成長発展をはかる上に必要なすべての施策についてその方向づけを行なっております。これらの施策は体質改善のための施策と事業活動の面における環境の整備のための施策とに大別されますが、第二章及び第三章にそれぞれその方針を宣明いたしております。すなわち先に申し述べましたような中小企業の経済的、社会的存立基盤の変化に対処して、企業間格差を是正し、その成長発展をはかるためには、何よりも体質改善を積極的に推進しなければなりません。そこで第二章におきまして設備の近代化、技術の向上、経営管理の合理化につきまして規定いたすとともに、企業規模の過小な中小企業が、これらを最も効率的に推進し得る基盤を整備するため、中小企業構造の高度化の方策として、企業規模の適正化、事業の共同化、事業転換の円滑化及び小売商業における経営形態の近代化のための施策等について規定いたしております。  これらの体質改善のための施策は、鉱工業等に限らず、商業、サービス業をも当然に対象にしているのでありますが、最近の流通機構の合理化の進展にかんがみまして、中小商業がこれに即応していけますように、特に一条を起こしてその趣旨を規定しております。  また、以上申し述べました体質改善のための施策とともに、環境の整備のための施策をあわせ行なっていくことが必要でありますので、これにつきましては、第三章に規定いたした次第であります。  第三に、わが国の中小企業のうち相当部分を占めております小規模企業に対しましては、以上申し述べました諸般の施策が円滑に実施されますように特に手厚い配慮をいたすことが必要でございますので、特に一章を設けてその趣旨を規定いたしております。  第四に、体質の改善と環境の整備にとりましてきわめて重要な方策であります金融及び企業資本充実について、そのための施策の方針を第五章に規定いたしますとともに、第六章におきましては、行政機関及び中小企業に関する団体につきまして必要な整備をするように規定し、最後に第七章におきましては、中小企業政策審議会の組織等について規定いたしております。  なお、中小企業基本法は、中小企業ないし中小企業施策の方向づけを行なういわば中小企業に関する憲法のごときものでありますので、施策の具体化は、この法律の方向づけに従いまして、関連法律によって行なっていくこととなるわけであります。政府といたしましては、そのうち、とりあえず措置すべきものにつきまして、今国会に合計十の関連法律案を提案いたした次第でありますが、今後とも関連施策の整備及び予算の拡充に努力して参る所存であります。  以上が政府原案の補足的な説明でございますが、衆議院の審議の過程におきまして、すでに委員長より御報告のありましたとおり、六点について修正をいただいておりますことを付言いたします。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 以上で補足説明は終了いたしました。  それでは、これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 総理も非常にお忙しいおからだでございますが、特に今回政府から提案されましたところの中小企業基本法は、非常に中小企業にとりましては重要な法案でございまするから、お忙しい中、一、二の点について若干の質問をするものでありますが、まず第一に、私どもがこのたび提案されました中小企業基本法全般を通じて思いますることは、昨日も参考人を呼んでいろいろと意見をお聞きしたわけでございまするが、その参考人の御意見としても問題が取り上げられました点は、この中小企業基本法を全般的に見て特に感ずることは、零細企業者、小規模事業者に対するところの考慮というものが非常に少ないんじゃないか、こういう御意見が相当あったわけであります。したがいまして、私どももこの基本法全体を通じまして、小規模事業者に対するところの配慮というものが非常に少ない。のみならず、もしかすると零細企業をこれは切り捨てるというふうな、こういう法案になるんじゃないか、こういう心配もあるわけでございまするが、この点について総理のお考えをひとつお尋ねしておきたいのであります。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) これは農業基本法でも、また本法案におきましても、何と申しますか、憲章的、根本の考え方、方向づけでございまして、その農業における規模の差、あるいは中小企業におきまして見られるごとく、いろいろな中小企業的でも格差があるわけでございます。こういうものにつきましては、この基本法に基づきまして、付随する法令で規定すべきものが建前であるのであります。全般的の方向、考え方をやる基本法でございまするから、しょせんそうならざるを得ないと思います。ただごらんいただきますように、基本法の第四章第二十三条に特に規定を設けまして、社会保障的な考え方でやっていこうということも一つ入れておるわけでございます。どうもこういう基本法なんか出しますと、小規模経営者とかあるいは農業なんかではすぐ切り捨て、こういうふうなことが出る。これは結論が早過ぎる。やはりわれわれは全般を小から中、中から大、こういうふうな気持で格差解消というのが主でございますから、格差解消ということになれば、一番お気の毒な人をまずやっていくということが主であらねばならぬと私は考えております。基本法というものの持つ性格から、ちょっと一目見ると、そういう疑問が起こることはやむを得ないと思いますが、これは基本法の性格でございます。それに基づいて今後いろいろな施策を講じていこう、こういうことでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 今、総理から御答弁がございましたように、基本法は中小企業の基本的な問題だけである、あとはやはりいろいろなその他の関連法案でいろいろ考慮される、こういうことでございまするが、今回もやはり関連法が四つ出ておるわけなんです。この関連法を見ましても、ただ部分的な改正ということだけでございまして、まだ小規模事業者の問題については関連法に取り上げられておらぬ。こういう点も一つの心配になるわけでございまするが、将来まあ幾つかの関連法案というものが、また改正され、また提案をされるだろうと私は思うのですが、この点はいかがですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) お話しのとおりの方向でいっております。関連法四法案も二時から衆議院のほうで本会議で審議になりますが、あれにありますごとく、指導法にいたしましても、いろいろな点につきましても一応のあれはやります。今までのいろいろな小規模事業に対する施策等々、この基本法に基づいて直接関係のあるもの、そういうものを兼ね合わせまして、今後基本法の運用その他によって、ますます小企業者のほうにその措置が拡大するよう今後努力していきたいと考えます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 最後に一点。他の同僚委員も質問あろうかと思うので、一点だけお尋ねします。昨日の参考人からの御意見の中にも言われておったわけですが、特に商業関係の問題についても、非常に今度の基本法では十分でないということが言われておりましたし、また税制の問題について、現在中小事業者と大企業者とを比較すると、非常に中小商工業者のほうが実際面においては税金が高いんじゃないか、こういうふうな御意見があったのです。そして、将来やはり中小企業が生きていくためには、税制の改正ということを大きく考えてもらわなければ、これは中小企業としては、どうしてもいい近代化設備にしても、また技能者のいいのをかかえておっても、これは将来立ち行かない、こういうような御意見もあったわけなのでございまするが、税制、金融の問題についての総理の御意見をお聞かせ願いたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 産業行政をやっていきます上におきまして、のとおりに、工業、運輸業のほうはほんとうの統制といいますか、指導がうまくいっておる。商業関係というものは非常に種々雑多でございまして、経営の方針とか技術面、あるいは機械面というものが割合少のうございます。人の関係が非常に多いので、法律その他で指導していく上におきまして、商業部門のほうが他の製造業、工業部門、金融業等よりも非常にむずかしい。これは私は認めざるを得ない。それがむずかしいだけ、なかなか業務その他でむずかしいところがあるので、いろいろな商工会法とか指導等につきましては、これは私はやりにくい商業のほうに力を入れていかなければならぬのじゃなかろうかと思っております。  それからまた、税制面で商業方面はなかなか重いじゃないかということが言われておりまするが、また人によりましては、勤労所得者は全部わかってしまう、商業のほうはなかなかわかりにくい。今はだいぶ青色申告なんかでわかるようになって参りましたが、しかし、所得のあるところ課税するという建前からいけば、ほんとうにはっきり出てくるならば、私は、勤労者と事業者の差があろうはずはない。もしあるとすれば、事業税というものを商業、工業その他の事業にはかけていますが、事業税というものが税制上負担が多い。この事業税もだんだん税率を軽くしております。また、小規模のほうには特典を与えるように税制を改正したのが今までの例でございます。私は、税制その他につきましても、そう今の建前上不公平な点はない。ただ、業者につきまして、償却の問題がえてして大企業のほうが資産内容がはっきりしております。そうして、償却というものを、利益の中心としてではございませんが、非常に大企業のほうはよくいっておる。しかし、小企業のほうは、十年前はそういっておりません。しかし、最近に至りましては、小規模事業者のほうにつきましても特別の措置を講ずるようにいたしまして、前の税制から比べますと、よほど私は小規模業者に対する税制上の恩典がふえてきている。まだ十分ではございません。しかし、税制上今後はやはりこういう小規模業者に対しての関心をもっと強めていかなければならぬということは考えております。今のところ、特に非常に不公平だということにはなっていないと思うのでございます。しかし、なかなか調査がむずかしいのでございますので、青色申告等の制度を見ましても、なかなか隠そうとする、出すまいとする、またそれをうんと取ろうとする、いろいろな事情がございますが、よほど改善せられてきた、また今後も改善に努めていきたいと思っております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 今の近藤委員の質問に若干重複するかと思いますけれども、まず基本的な問題といたしまして、この中小企業は、現在資本あるいは労働、技術、経営、いろいろな面でこれは大企業に比較して非常に劣っておる、こういうことが言えると思うのですが、そこで今後これを近代化し、そして育成強化しなければならぬ、こういう立場でこの基本法が出されておるわけなんですが、したがって、この基本法の精神そのものが、もちろんこれは経済立法でもありますし、あるいはまた社会立法的性格も強く持たなければならぬ、こう思うわけであります。先ほど近藤委員も言われましたが、特にこの中小企業、小規模事業と申しますか、こういうところには経済性が非常に乏しいわけであります。したがって、そういうところに金融の問題なり、あるいはまた金利の問題、その他いろいろな指導が必要だと思うのですが、こういう点の中で、いわゆる経済性のない事業に対しましては、まあいうならば、今までのいろいろな法案を見ましても、あるいは実施の段階におきましては非常に冷酷なような感じがするわけであります。したがって、こういう小規模事業と申しますか、零細企業、これに対しては特に社会性を強く高めなければ、こういう企業は救われないのじゃないか、こういう考え方をするのですが、この点、この法案に基づいて、社会立法的性格を、いわゆる強く出してやらなければ、中小企業が大企業に対抗し、比較して増強できないのじゃないかと思うのですが、この点は、総理は先ほど言われましたが、具体的にそういう零細に対する社会保障的な形で進まれる考えを持っておるか、この点お伺いしたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 先ほど申しましたごとく、特に一章設けておりますが、私はずっと考えてみますのに、この中小企業に対しまする国民並びに政府の関心というものは、私は世界のどこの国に比べても劣らない、中小企業に対する施策、制度というものは私はほんとうに進んでいると思っております。私は大蔵大臣をしているとき、たとえば国民金融公庫とか、あるいは商工中金の資金を非常にふやしました。昭和二十四年に私大蔵大臣になったときには、商工中金なんかも二、三十億の資金――二十億でなかったと思います。国民金融公庫もそうです。それが千億以上にもなっている、中小企業金融公庫も設ける、いろいろな施策をやっております。まあ日本の農業協同組合が非常に発達しているというので、アジアの人はみんな習いに来ますが、中小企業制度も非常に賞賛されている。ただ、制度はできておりまするが、何と申しましても、先ほど申し上げましたごとく、力の入れようが、やろうとしてもなかなか手の届かぬというところにむずかしい点があるのであります。基本法を設けまして、あの精神に沿って既存の制度並びにまた今後起こるべきことを私は十分やっていきたい。それにはやはり零細企業につきましては、これは経済的の観念もさることながら、やはり社会保障的、社会福祉的の気持も入れていかなければならぬ、これは二十三条の精神であるのであります。いずれにいたしましても、私は日本の産業のうち、農業と中小企業というものにつきましては、どうしてもこれは格差をなくさなければいかぬ、私の経済成長というものも格差をなくする。そして最近格差がなくなってきつつあります。中小企業と大企業の格差は何と申しましてもなくなりつつある。しかしそれが消費者物価の値上がりに非常な影響をしている。中学卒業者、高等学校卒業者につきましても十対四か五であった、このごろは十対九くらいになった、こういう点は私は格差解消のための経済の成長が非常に役立っていると、今そのひずみの出ているときなんであります。方向としては私は所得十年以内の倍増というのがだんだん進んでいって、そしてその間にいろいろなひずみが出てきますが、経済の間における格差の是正のための経済成長というものは大体実を結びつつある。しかし、その間のしわ寄せをなくすことに努力しておる。今度の中小企業基本法案というものもそういう精神から私は出ておるのでございます。今後皆さん方と協力いたしまして、とにかく零細の企業を一段々々と上に上げていくということに努めていきたいと考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 時間があまりないようですが、今総理からいろいろ伺いましたが、その中で、きのうの公聴会でも金融の問題、金利の問題が非常に強く出されておりますが、特にこの金融の問題につきまして、国の財政投融資あるいはまた市中銀行等の融資、これについて一定の割合を中小企業にこれを回す、こういう総額の増加だけじゃなくて、一定の割合という形でそういうことができないのか、総理の所信をひとつ承りたい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) これは法制的にどうこうということは私は考えておりませんが、銀行行政としましてそういう方向ではいっております。したがいまして、各行別に中小企業への融資が全体の貸付の何割という表は大蔵省でとっておるはずでございます。多分四〇%前後いっておるのではございますまいか。大銀行と小銀行と違いますが。ただ、ここに驚くべきことは、私が十年前にいわゆる無尽会社というものを相互銀行にいたしました。銀行業者は非常に反対いたしました。しかし、私は、中小企業金融というものの特有の金融機関を別に設けるよりも、無尽会社というものにりっぱな着物を着せて、いわゆる相互銀行ということにしたならば、中小企業金融に非常に役立つだろう、銀行家の非常な反対があったにもかかわらず、昭和二十六年でございましたか、相互銀行というものを作った当時は、相互銀行が七十ばかりございましたが、そのときの総預金は、運用資金というのは千四、五百億円だったと思います。十年たった今は十倍以上、一兆七、八千億円になっております。したがって、昨年から今年にかけての金融につきまして、中小企業金融ということを言われますが、金に因ったのは大企業が非常に困った。中小企業金融というのは非常によかった。相互銀行がそうなったばかりでなしに、信用金庫も発展してきております。したがって、五銭五厘というコールはおおむね相互銀行、あるいは信用金庫から出ておるという状態になって、中小企業関係の金融機関の内容は非常によくなってきたと考えておるのであります。そこで相互銀行や信用金庫から数千億円のものがコールに流れるということは、相互銀行、信用金庫が利に走ることも無理からぬことでございますが、いわゆる借りるほうの業者、いわゆる中小企業者の信用度を高める、こういうことで保険制度を拡充するとか、いろいろな方法でやっておりますが、中小企業金融がまだ十分ではございません。過去十年間における中小企業金融の円滑化は、これはもうほかの国には例を見ないほど非常に進んできておると思います。私は、経済成長の効果がだんだんこういうところに現われ、大銀行と都市銀行の預金のふえ方と、中小企業関係金融機関の預金のふえ方に非常に差ができておる。これは私は、いわゆる格差の是正とか、日本の経済力の底力を強くし、また、したという証拠になると考えます。今後ともそういう方向で努力していきたいと考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 もう一点お伺いいたしますが、この基本法の二十条だったと思いますが、二十条に出ておるのですが、あるいはまた衆議院で若干修正されて受注の増大、こういう形も出ておるわけであります。ここで一番大きな問題は、国とか、いわゆる公共団体、あるいは公共企業体、こういうところでのいろいろな物品その他のいわゆる受注問題ですが、これにつきまして特に今後いわゆる中小企業に一定の割合をきめて、これは中小企業に発注する、こういうような形が将来できないか。これはアメリカでは御承知のごとく、国防省においては、たしか二五%とか三〇%程度、中小企業にこれは発注するということをきめて実施されておるように私、聞いておるのですが、日本でも今いうこの中小企業の今後の育成のためにも、一方においては金融技術の問題もありましょうし、一方におきましては、今言った生産に対する発注の問題、こういう問題を相当考慮していかなければならぬと思いますが、衆議院段階では若干、受注の増大というようなことに修正になって参っておりますが、総理として、将来、そういう官公需に対する受注の考え方、そういう形はどう考えておるか、御所信をお伺いしたい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) お話の点は全く同感でございます。ただ、先ほど銀行業務につきまして申し上げましたごとく、法律その他で規制するということはなかなかむずかしい。この衆議院の修正の「受注の機会の増大を図る」、この精神が必要なので、割合をきめてどうこうということよりも、多々ますます弁ずという方向で努力をすることが一番大切なんじゃないか。私はいい修正だと考えております。政府もそのつもりでやっております。何と申しましても、調べてみますと、因襲の久しき、なかなか今までのあれがあって、官公庁の注文その他も大企業――中小企業というところまで行かずに、いろいろなルートがあって御期待に沿い得ない点があったと思います。しかし、この精神によりまして、今後は中小企業と少なくとも政府関係とのつながりを増大するように努めていきたい、そうしてまた、民間のほうでもそういう気持でやっていってもらうことが大事だと考えております。

中田吉雄日本社会党

○中田吉雄君 私は、第五章の「金融、税制等」という欄がありますが、池田内閣におかれても、低金利政策といいますか、あるいは国際水準にさや寄せしますといいますか、金利の適正化をはかっておられますが、この歩積み、両建という問題は、ここにも「資金の融通の適正円滑化」という一項目が設けられまして、私の最近体験しました三つの例を申し上げて、これが中小企業対策として非常に重要なんだということを申し上げて所見を承りたいのですが、ある会社は一億八千、三つばかりの銀行から借りまして、一億預けさせられている、半分以上。それから、ある会社は五百万円借りて三百万円預金した。それから、これはごく最近私が体験したのですが、森永さんが中小企業金融公庫の総裁をしておるときに、一千万円の最高限度のワクをもらって、代理貸しを地銀がなかなかすべったこべったと言って受けないので、聞いてみると、あまりうまみがない。だから一千万円の代理業務をやるが、それの二割を預金してくれ、二割を定期預金をしてくれるなら、代理業務を引き受けましょう、こういうことで、私の体験したのでは、ほとんど、三、四割というのはいいところで、五割程度の預金をさせられておるわけです。高い金利で借りて安い金利で預けるものですから、なかなか、日歩五銭ぐらいになって、これがもう非常な重圧になって、中小企業の弱みからいたしまして借りざるを得ない。ところが、東京で市中銀行、私の知っておる大口の三十億借りたようなのでも、そういう預金をさせられておるわけです。そこで、どうしてもこの「資金の融通の補正円滑化」には、その具体的な内容として歩積み、両建をどうするかということが非常に最も緊急を要する大切な問題だと思うのですが、しかし、これをもう一片の大蔵省の通牒をもってしてもなかなかできないと思いますし、また、これをごく短期にやりますれば地方銀行としてはその存立にもかかわるほど影響は大きいと思うんですが、相互銀行、信用金庫あるいは地銀等が、それを可能にするような施策を伴いながら、年次計画を立ててやらぬといけぬと思うんですが、私、その点池田総理大臣の御所見を承りたい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) お話のとおり、事実は私はよく知っております。非常にたくさん知っております。昭和二十五年に初めて私がアメリカへ行ったときに、この歩積みの問題でアメリカはとうだと。――アメリカ合衆国は統計が非常に完備しておる。あらゆるものを統計でぴしゃっと実態がわかるということを開いて行ったものですから、向こうの大蔵省で銀行の歩積みはどうだと言ったら、この分だけはわからないということを言いました。もう、そのころから国際的にある。しかし、日本の歩積みはお話のような点が非常に多い。だから、低金利を言う前に、この歩積み、両建を直すことが中小企業に対しては最も必要であります。私は大蔵大臣をたびたびやりましたが、常にこれは言って調べておる。なかなか聞きません。最近に至りましては、去年ぐらい、含み貸付というような世界に例のないようなことを銀行がやっていますから、私は銀行には常に車中談その他でもきつく言っているような状態であります。しかし、これはもうほっとくわけにいきません。金融の正常化から言っても、中小企業対策から言ってもです。強く大蔵省に指示いたしまして、最近は各銀行を検査して、そうしてそれをお話のように徐々になくさせる、これが私は低金利実施上一番重要な問題と考えておるんです。大企業はやっていないというお話でございます。その大企業もある程度やられておる。しかしそれは中小企業のようなひどい歩積みではございません。で、これは信用確保とかなんとかいう名目はあるにいたしましても、それは五%とか六%ぐらいのものなら貸付先の預金ということもありましょうけれども、今は歩積みをさすための貸付――今のお話のような点がある。ことに中小企業金融公庫からの貸付なんかも、地方銀行は手数料は取っているわけです。しかもこれは保証制度も完備いたしまして、債権の確保ができるにかかわらず、二割の歩積みということは、お話のとおりにやはりよくないと。これをやめなければ私は金融の正常化も、それから経済の力ある発展もできない。これが一番の問題だと私は考え、特に力を私としては入れているわけでございます。

中田吉雄日本社会党

○中田吉雄君 とにかく中小企業金融公庫の代理業務ですらすべったこべった言って何カ月も促進しないのでよく調べてみると、二割預けて定期預金にしてくればやりましょうということで、まあ私があっせんしたんですが、仕方なしに二割積んでそういうことになりましたので、ひとつこれはぜひともそういうことのないように希望して私の質問を終わります。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 速記とめて。   〔速記中止〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 速記始め。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 御承知のとおり、基本法第一条には、政策の目標としてまず第一に「中小企業の経済的社会的制約による不利」の是正が掲げてあるのであります。ところが業界のほうでは、近代化、合理化に重点が置かれて、経済的、社会的の不利、不平等の是正ということが従属的になっていくのではなかろうかという懸念を持っておるのであります。しかし、今申しまするとおり、政策目標には最初に、中小企業の経済的、社会的制約による不利の是正をするとともに、ということがまず第一に書いてあるわけです。そういう点で、経済的、社会的の不利、不平等の是正というものに重点を置いて、そうしてそこに近代化、合理化をやる、これが政策目標として当然なことであろうと、まあ法文から考えても。そういう点について、この政策目標に掲げてある気分を十分に反映さすように、具体的に言えば、今申す社会的、経済的不利、不平等の是正をまずやる、それにあわせて近代化、合理化をやる、そうあらねばならぬと思うんですが、その点について御意見を承っておきたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 先生御指摘のように、まあ近代化その他による体質の改善ということと、それから環境の整備による取引上の不利を是正するということ、この二つがなければ中小企業の生産性の向上ということはできないのでございまして、これは私ども、中小企業の生産性を上げて格差をなくすという法律の目的を達成するために、この二つはあくまでも車の両輪で、いずれが重いと言うことはできないんじゃないかと思っておりますが、今、先生のお話のようにいろいろな面でさしあたって特に必要な面は、中小企業であるがゆえに大企業に比べて取引上の面においていろいろな不利を受けているといったようなことの著しいと感ぜられるものもございますので、そういうものはできるだけ早く環境を整えてやるという方向で進んでいきたいと思っております。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 これは中小企業庁長官、あるいは言葉の都合であったかもしれぬのですけれども、今言われたのは、体質改善のほうをまず言われて、そして不利、不平等の是正のほうを同時にと、こういうふうに言われたんですね。ところが第一条の法文を読んでみるというと、「国民経済の成長発展に即応し、中小企業の経済的社会的制約による不利を補正するとともに、」――それと同時に「中小企業者の自主的な努力を助長し、」、いろいろやっていくんだということが書いてあるのですが、僕の言う意味は、この順序で大いに努力をしてもらいたい、そうして業界の体質改善だけに主力を注いでいかれて、痛い思いをせんならぬというような誤解、懸念のないようにせられたい、そういう趣旨なんです。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 私先ほど車の両輪というふうに申し上げましたし、それから一番最後に、特に中小企業にとりましては、環境の是正ということが早急の解決問題として非常に痛感される面が多いと感ぜられるので、その点をとりあえず取り上げていくということに努力したいと申し上げたわけでございまするが、われわれはあくまでも第一条に書いてございますように、この二つは両輪ではございますが、どっちがより急ぐという場合に、より簡単にできるという面におきましては、環境の改善というようなことを取り上げてやることによって一般の中小企業者が非常に潤うということになるのじゃないかと思いまして、先生の御指摘のような気持でこの両輪を運営していきたいと思います。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 お話の趣旨によって運営せられるということでありますから、一応納得はいたしますが、重ねてこの法文の第一条に出ておりまするように、「経済的社会的制約による不利を補正する」、それと同時に、あわせて中小企業者の自主的な努力を助長して、近代化、合理化をやるという線をきめこまかに親心を持ちつつ、十分に施策をせられ、また運用せられるということを強く重ねて要望いたしておきます。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 御趣旨の線に沿って懸命の努力をいたします。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 次には、中小企業の組織の問題でありますが、これは中小企業対策の根幹の問題だと思うのでございます。その中小企業の組織化について具体的にどういう所見を持っておりますか。それを伺っておきたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 中小企業者は規模過小で、経営基盤が弱いというために、単独では解決困難な諸問題を抱えているわけでございます。これを組織によって解決することが必要であり、また効果的である、こういうふうに存じております。このための組織といたしまして現在協同組合、商工組合等の制度がございますが、これらの組織の特性を生かしながら、組織化の実をあげるように努力して参りたいと考えております。この趣旨に沿いまして、基本法は中小企業組織に関する施策として中小企業組織の諸施策の重要な一環としての方向づけを行なっているわけでございます。すなわち、二十七条で組織化の推進その他中小企業に関する団体の整備について規定いたしております。十三条で「事業の共同化又は相互扶助のための組織の整備、」を規定いたしております。また十七条で中小企業活動の自主的な調整のための組織の整備を規定し、この三条を基本法の中においたわけでございますが、この三つの条文の規定に沿いまして、今後ますます中小企業の組織を整備し、必要な施策を総合的に講ずることができるように努力していきたいと考えております。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 今お話の二十七条には組織化の推進について必要な施策を講ずるということがあり、また今お話のあったわけでございますが、これについては、組織について優遇をしていくということが金融、税制上必要だと思うのであります。特に金融面において組織、具体的に言えば、組合の金融について、その金利が個人なりあるいは個々の会社として借りるいき方よりも割高になるということでは、組織の推進にはこれはならぬと思いますね。どうしても組織推進ということになるならば、むしろ普通の個人なり会社で金を借り入れる場合よりも金利が安い、少なくとも同等でなければならぬということが必要だと思うのでありますが、これについて、お考えをお伺いいたします。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) お説のとおりに私ども存じておりまして、たとえば商工中金の金利というようなものにつきましても、今後できるだけ引き下げるというようなことができるような方向で最善の努力をしたい。組織化するということにやはり何らかの有利性があるということによって組織化を推進するという必要は、これは先生の御指摘のとおりだと存じております。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 実際的には今のところそうなっておらぬということは御承知のとおりでありますが、今真剣に今後その線に沿って組合組織の推進に値するような金融金利を考慮せられるということのようでありますからけっこうでありますが、これはなかなか大蔵省との関係とか、そういう面から制約が出てくる。したがって、これに対しては通産省、中小企業庁、また大臣、ここらが真剣にお考えにならぬと、言うことは言うが、その実が伴わぬということになると思うのであります。今回の基本法の制定により、今後画期的な組織化の推進ということが行なわれるべきでありますが、それだけに今の点については通産省あげて真剣に検討せられ、またそれを財政当局にも力強く反映さしていかれるようにせられたいと思うのでありますが、その点についての所信を伺います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 先ほど総理からもいろいろ中小企業金融についてのお話がございましたが、われわれといたしましては、今先生のお話のように、基本法の制定を機会に、単に通産省だけでなしに、関係各省全部がそろってやるということは、この第三条にも明記されて、総合的に施策を講じなければならないとなっておりますが、この基本法の精神が真に各省の施策の上に反映されるようにということを関係各省と連絡をとりながら進めていきたいと考えております。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 御承知のとおり、農業は共済制度の活用によって非常に伸びてきていることは御承知だと思うのでありますが、これに比べると中小企業関係は共済制度についての施策というものが、どうも十分でない。今日火災共済はある程度いっておりますけれども、その他の面において、たとえば風水害について農業のほうには実に手の届いた共済制度があるのでありますが、今回の長雨関係などについても、とにもかくにも共済制度があるがためにこの危機が緩和せられる。ところが、中小企業のほうにはそれがない。これは非常なアンバランスだと思うのであります。これは第十三条の「相互扶助のための組織の整備」というのが基本法の中にうたわれている。これでいかれるのだろうと思いますけれども、その点を特に確かめておくと同時に、これを活用せられて、今後広く中小企業の共済制度について十分なる施策をやられる意思があるかどうか、それを承っておきたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) この十三条にございます「相互扶助のための組織の整備」という中には、ただいま先生のお話のございました火災共済その他既存の組織の内応を整備して充実していくということのほかに、新しい共済制度といったようなものの創設ということも当然含んでおるわけでございます。政策審議会が設けられましたので、その政策審議会の御意見等も伺いまして、私どもといたしましては、農業において行なわれているような共済制度といったものも範にとりながら、できるだけ中小企業者相互の扶助によるいわゆる共済制度によって不測の損害に備えるといったような態勢を常に備えておくということのできるように努力していきたいと考えております。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) ちょっと今の問題に関連してお答えを願いたいのは、僕も豊田委員と全然同じで、過去において大阪あたりでも幾多の災害、風水害などあって、もう実にみじめな、中小企業一般が家を失い、商品は水づかりになりました。ところが農業の関係なんかを見ますと、実に手厚い保護が講ぜられておる、これは実に行き届いて。私は農業関係の災害救助については実にけっこうだと思う。農業関係もますます今後災害などは……。どうもこの中小企業関係、特に商業関係の風水害、水つかり、商品がなくなるというような場合において、至って冷淡なようである。それから中金の関係とかいろいろな関係で金を低利で貸すというようなことはたびたび承っておるわけですが、どうも同じ国家のやる災害救助その他において、農業と商工業との間に非常なアンバランスが過去においてあったように私は考えられて、今豊田委員の関連をしておりまするが、こういうところをひとつこの基本法ができたら真剣に取り組んで、同じ国民である農業者であろうと、商業者であろうと、ひとしく程度を同じにしまして、行き届いたことをやってもらわなければならぬ。私は基本法ができるときに関連して特にこのことについてお答えを願いたい。これはもう非常に私は過去において重大な問題であると考える。たとえば事業税のような問題についてもそういうことが考えられる。特にこの点を関連して、ただお座なりでない、真剣なひとつお答えをこの際願いたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 第十三条にございます「事業の共同化又は相互扶助のための組織の整備」というのは、これは実は内幕を申し上げるようでございますが、一番最初われわれ事務当局で作りましたときには、事業の共同化のための組織の整備ということだったわけでございます。まあいろいろ今両先生から御指摘のございましたような点等もあって。もう少し中小企業についてもいわゆる共済制度といったものの拡充について、この際根本的に考えるべきでないかといったような御意見がございましたので、これは最終段階においていよいよ政府案を出すという最終近くになって、この「相互扶助のための組織の整備」ということが入ったわけでございます。従来は、農業は何と申しましても商工業よりも自然的制約がやはり程度が高いというようなことから、向こうのほうが進んでおったのであろうかと、こう存ぜられますが、基本法ができました上は、政策審議会が設けられまして、いろいろな重要事項がここで検討されますので、今申し上げましたような特に「相互扶助のための」という言葉が入りました経緯等からいたしましても、われわれといたしましては、できるだけ早い機会に審議会にお諮りいたしまして、一体どういう共済制度といったようなことをしたらいいのかということについて学識者の御意見を伺い、ほんとうに実のあるような対策を講ずるように努力したいと考えております。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 スーパー・マーケット等、流通機構の問題についてお尋ねをしますが、スーパー・マーケットには、御承知のように、大企業関係のほうから出てくるものと、それからまた農協のスーパー・マーケットの問題、それからもう一つは小売商自体が共同化等によりましてスーパー・マーケットをやっていくという、大体形態は分けるとこの三つになるかと思うのでありますが、これに対する対策がそれぞれまた趣が違っていかなければならぬ問題であります。これについてどういうふうに基本法制定のこの契機において考えておられるか。それにあわせて第十四条にいう流通機構の合理化に即応するように小売商業の経営形態の近代化をはかるということが出ていますが、これは具体的にどういうことを考えているか承りたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 小売商業における経営形態の近代化と申しますと、たとえば最近非常に人手不足というようなことから、今、先生御指摘のスーパー・マーケットというようなものがいろいろな人によって経営されているわけでございますが、われわれといたしましては、中小企業者が相集まって、共同してスーパー・マーケットを作るとか、あるいは寄り合い百貨店、セルフ・サービスじゃございませんが、一応寄り合いで中小企業者が共同して百貨店を作る、あるいは特殊なもの、あるいは趣味商品といったようなものを、いわゆる標準化できない商品というものを売る専門店となるといったようなものがここに書いてありますが、これが小売商業における経営形態の近代化の一つの行き方ではなかろうかというふうに考えているわけでございまして、さらに今申し上げましたタイプのほかにもっとこうすべきではないかといったような意見等につきましては、ただいま産業合理化審議会の流通部会で検討していただいております。その御意見等を待ってやっていきたい、そういうふうに思っておりましたが、いずれにいたしましても、中小企業者による協業とかいうようなことはぜひ必要であろうと思いますし、また特質を生かした専門店化といったようなことによって、今後新しい活路が開かれるのではないか、そういうふうに思っております。  それからスーパー・マーケットの経営者につきましては、確かにお説のように大企業、大資本によるスーパー・マーケットもあれば、あるいは農協、生協等によるスーパー・マーケットもありますし、小売商業者が単独で、あるいは共同して行なうものといろいろあるわけでございます。小売商業者がみずからこれになるということは、新しい流通機構の合理化の要請に即応する新しい行き方でございますので、それは大いにわれわれといたしましては金融的にもバック・アップするということで助長して参りたい、こういうふうに思っておりますし、また農協なりあるいは生協なりというところが組合員に対して本来の目的のためにこういうセルフ・サービスによる販売を行なうということ、これ自体はそのほうの本来の目的に沿う限りにおいては、これはやはり生活の合理化という面に即する上においてけっこうなことじゃなかろうか、こう思っております。ただ非常にそれが急激に行なわれて、そのために付近の小売店に非常な甚大な影響を与える場合、あるいはかえって、この春非常なセンセーションを起こしました大資本が外国資本等と提携して進出、あるいは提携しないまでも大資本がみずから相当大規模なスーパー・マーケットを経営するというようなことによって、その付近に非常な脅威を与えるといったような場合には、これは中小小売業者の受け入れ態勢と申しますか、それに対抗するための態勢が整うまでの間、若干かすに時間をもってするなり、程度をゆるめるなりということをやってもらわなければならない場合が起こってくるのじゃないか、そう思いますので、そういう点につきましてはそれはこの春いたしましたような行政指導というようなもので、できるだけ大企業の側には自粛を求めるということによって、中小企業者のみずからの体質改善と申しますか、態勢をととのえるということを積極的に進めるというふうにやっていきたいと考えます。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 大企業あるいは農協等のスーパー・マーケット化につきまして、これが急速に事が進むために小売商等に甚大な影響を与えるという場合については、これについて調整も考えなければならないというような御趣旨の答弁でありましたが、これについてはタイミングを逸すると、もうあとの祭でどうにもならないということが非常に懸念せられるのであります。したがって、これについてはタイミングを逸しないように、緊急に適時適切な措置を講ぜられるように考えられたいと思うのであります。今お話のありましたセーフ・ウェイに対する措置などは比較的タイミングは悪くなかったのじゃないかと思うのでありますが、今後その点特に留意をしてもらって、この点については役所の機構からいうと必ずしも同一な人がいつもやるというわけではありませんが、これは実際タィミングを逸しないように十分に省内に趣旨を徹底せられ、またその方針を今後も明確にしていかれるように、また運用に万全を期してもらいたいというふうに考えるのでありますが、御意見はどうでありますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 機能的な行政措置というものの必要性については先生のおっしゃるとおりだと思っております。われわれは来たるべき七月一日から若干の内部の組織がえをいたしますが、新しい商業課におきましては特に今御指摘のありましたいろいろな流通面の問題ということが真剣に取り上げられなければならない、こう存ぜられますので、この新しい商業課においてさしあたってのいろいろな問題が十二分に活用ができるように対策が構じられるように人的な配置その他につきましても意を用い、御指摘のようなタイミングを失しない措置というものを確保するようにしていきたい、こう考えております。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 長官に伺いたいのですが、セーフ・ウエイの話が出ましたが、これからも、いろいろ外国資本が進出してくると思いますが、セーフ・ウェイはどういうふうにしておとめになったか。これからもそれをとめるあなた方の方針は、方向はどうなっておりますか。これを聞かしてもらいたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) セーフ・ウエイは御承知のように住友商事と提携いたしましてスーパー・マーケットを作りたいといったような計画を持っておったわけでございます。外国の資本がいきなり日本にきて自分だけでやるということは、それは幾ら大資本でもやはりその国その国の事情を十分に把握してからでないと、これはできませんので、セーフ・ウエイのスーパー・マーケット経営に対する多年の知識と経済力といったものをバックにしながら、住友商事の国内における市場調査の知識というものとタイアップしてやりたい、こう思ったのでありますが、われわれといたしましては、外国資本が国内の大資本と提携してそういう大スーパーを行なうということは少なくともその付近の小売店に相当大きな影響を与えるのじゃないか。スーパー・マーケット自体は先ほど申し上げたのでありますが、私は新しい行き方ということでできるだけ人手不足の折りに安く消費者に提供できるという合理的な一つの商業形態じゃなかろうかと、こう思っておりますが、しかし、わざわざ大資本が出てきて必要以上に中小の小売業者を圧迫するということは望ましくないので、このあたりについて、住友商事が中小小売業者を助けて、そうしてスーパー・マーケットを、共同スーパー・マーケットをバック・アップするというような方向であるならば、これは別に反対しないが、自分みずからが出ていって、そうして小売業者の部門を奪うということは好ましくないというような話を住友の責任者を呼んで何回かしたわけであります。その結果、住友商事といたしましては、一応それぞれの地方で小売店が共同してスーパー・マーケットをやろうといったような場合には、ひとつそれに対して応分の資金的な援助もしよう、そうしてそこには自分のいろいろな流通機能を発揮して、そうしてできるだけいい商品を安くこのスーパー・マーケットに卸すという、いわゆる卸売業という面において、大いに住友としては機能を発揮したい。小売のほうはそれぞれの地盤における小売業者が集まって共同しておやりになるという場合に、これを助けたい、こういうふうな話になりましたので、そういうことであるならば、小売商にとりましてはむしろプラスになつても、別にマイナスになることはない。また消費者に対する利益も決して侵害されることはないということで、それでは具体的にそれぞれの地方の小売業者あたりといろいろ話をして、そうして自分が第一線へ出るのでなくて、卸商としてできるだけいい品物を大量に集め、大量にスーパー・マーケットに卸すというほうの機能を発揮するようにということで、今その方向に沿ってそれぞれ具体的な話し合いが進んでおる、こう思うわけであります。幸いにこの場合には役所のいわゆる行政指導によりましてやってくれたわけでございますが、はたして今後あらゆる場合にうまくいくかということについては、これは必ずしも百パーセントのことはないわけでございます。ただこれは申し上げるまでもなく、消費者と直結する問題でございますので、小売業者の死活問題といったような非常に大きな問題というものも片一方ございますが、同時に、消費者の利益というものも考えなければならぬ。そういう点で実は去年の暮れから産業合理化審議会の流通部会におきましていろいろ、今後どういうふうに流通対策を考えるべきかということの御検討をいただいておりまして、大体九月ごろまでには結論が出るだろう、そういうふうに考えております。場合によりましては、何らかの法的規制というようなことをせざるを得ないということになるかもわかりませんが、それは審議会の結論を待った上で、われわれとしては、行政指導で足らない面は、そういう立法で予防措置を講ずるというようなことになるかもわかりませんので、その措置につきましては、またあらためてここに法案を出して御審議願いたいと考えます。それまでの問は行政指導でいきたいと考えます。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 次には、中小企業製品と貿易自由化の関係を承りたいと思うのでありますが、これは後ほど通産大臣がお見えになってからお尋ねしたほうがいいかと思いますけれども、一応長官の御意見を承っておきます。  それは、基本法の第二十二条に、中小企業製品の輸入品に対する競争力を強化するため必要な施策を講ずるとありますが、いろいろやられるでありましょうが、そのうちで一番大きな問題と私は思うのは、原材料関係について非常に行き届いた保護が講ぜられている。具体的に言いますというと、たとえば砂糖関係などについて、あるいは澱粉であるとかあるいは酪農製品であるとかいうようなものには非常に行き届いた保護がせられておる。したがって、この原料高には悩まぬ。ところが中小企業製品である菓子であるとか、こういうふうな加工品になるというと、原料高に悩まされておって、そこに今度は貿易自由化で安い外国製品が入ってくる。両方から突き上げられてくるわけであります。これについては、原材料に対する保護ももちろんこれは必要でありますけれども、加工工業に対する保護と原材料に対する保護とのバランスを考えないと、中小企業製品というものは全くやり切れぬと思うのであります。これについてどういう考えを持っておられるか。同時に、関税率の調整、あるいは輸入制限などもやるという趣旨が法文に出ておるのでありますが、これについては、さっき質問したのと同じように、タイミングを逸すると、これも何にもならぬのであります。そういう点について、関税率の調整、輸入制限等について、タイミングを逸しないような措置を勇気を持ってやられるということでないと、中小企業製品は貿易自由化に対して全く抵抗しがたいというような状態になろうかと思いますが、この点について御意見はどうでありましょうか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 一般的に申し上げまして、製品の自由化という場合を考えてみますと、中小工業で作っております雑品等は、むしろ比較的国際的に競争力の強いといったようなものもだいぶ多いのじゃないかと、われわれは、むしろ先生が今御指摘になりました、原料を作っている大企業といったような面、そのあたりからのしわ寄せが中小企業のほうにきて、そうしてコストが上げられるということの結果、いろいろな面で不利になるということのほうを実は自由化の場合におそれているわけでありまして、大企業が自由化されたことによっていろいろと苦しくなったというようなしわ寄せを中小企業のほうにこないようにということにつきましては、これは今後できるだけの配慮を払って、先ほど冒頭に先生のお話ございました、いわゆる環境の整備、価値実現性と申しますか、取引条件の不利を是正するということの立場から、これは抜本的なひとつ考え方というものについても考慮してみたいと、こういうように考えております。  それから、特に今のタイミングの点ということは、もうやられてからではおそいというのは当然でございますので、勇気を持ってやれというお話でございますが、そういう放置しておけばあぶないと思われましたときには、時期を失さないようにやりたい。これはわざわざこの二十二条を置かなくても、実はガットの十九条なりあるいは関税定率法だけでも、やってやれぬことはないわけでございますが、特に二十二条を置きましたのは、競争力、競争に耐え得るよう、力の弱い中小企業というものに対しましては、大企業に対する以上の配慮が必要であろうということで、特にこの二十二条も置かれているわけでございますので、この二十二条を置きました趣旨にかんがみまして、勇気を持って、タイミングを失しないように努力していきたい。もちろんこれはわれわれだけでできることではございませんので、関係各省と十分な連絡をとりたいと思っております。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 原材料関係についての今の御答弁、私は大体満足しますが、原材料関係を分析しますると、大企業関係と農林省所管物資、これがまあ一番多いのであります。したがって、これを裏から言うというと、大企業と農林省所管物資産業、それとこの中小企業、この対策の強弱、優劣、それのしわ寄せということが問題になってくるのであの、まして、そういう点について、この基本法ができた以上、農林省関係については絶えず緊密なる連絡をとられて、そうして原材料に対する保護政策が中小企業に対するしわとなって大きく出てこないように、そうしてまた、それによって、このタイミングを逸することによって中小企業が不測の被害を大きく受けることのないように、十分に今後緊密なる連係をとって、そうして施策の万全を期してもらいたいと思うのでありますが、その点についての御意見を重ねてお聞きしたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) ただいまの御趣旨のとおりに、われわれとしては全力を尽くしたいと存じております。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 次には、この小規模企業、零細企業関係の問題でありますが、これは、基本法の前文において、「適切な配慮を加え」るというふうになっておりまするし、また第四章第二十三条に独立の規定が置かれておることによりまして、零細企業、小規模企業に大いに重点を置いていこうという意図はうかがわれ、またそれはけっこうでありますが、しからばはたして具体的にはどういうことを真剣に考えておるのか、この点を承りたいと思っております。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これはまず現在商工会あるいは商工会議所におります経営指導員による経常改善普及事業というものを今後一そう徹底させるということをやっていきたいと、こう思っておりますし、またそれと並行いたしまして、少数事業者の組織化を推進するということにつきましては、先ほど初めのほうに先生御質問ございましたが、組織化が非常に中小企業の団結を強め海外競争力を付加するということをよく認識させまして、この組織化を推進するということでやっていきたい、こう思っておりますので、さらに今まで総理がお答えになりましたように、国民公庫あたりの金、これは背に比べますと、かなりふえてきておりますが、われわれといたしましてもちろんこれで満足はいたしておりませんで、この基本法成立を機会に特にわざわざこの小規模事業に対する一章が加えられたという趣旨等からいたしましても、今後は中小企業政策に総合的な有機性を持たせるということの一番大きな面は、まず金融を円滑化するということであり、税制を担税能力に合ったものに、もし悪ければ合わすということ、こういうことであろうかと思いますので、その点につきまして国民公庫の財源がふえるように財投をふやす、あるいは税制調査会のほうにお願いいたしておりますが、中小企業者に対する課税額がはたして今のままで一番いいのかどうかということにつきましてさらに今後御検討いただきまして、一番担税力に見合ったような税制を作っていただくということについて、この基本法の成立を機会に各省に一歩前進していただきたいというふうに考えております。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 ただいまの答弁で大体けっこうだと思いますが、特にこれの裏づけの施策は、金融税制関係はただいまお話のとおりだと思うのであります。それで、税制関係については、いろいろまあ今後検討するでありましょうけれども、たとえば零細企業、小規模企業というものは最も労働性のない企業なのでありまするので、勤労控除が一面において認められておるということのバランスからいうというと、零細企業の事業主控除、これを認めていくように最善の努力をするとか、あるいは金融面におきましてはいろいろまあ手も今後尽くされるでありましょうが、たとえば担保がないとか、それからまあ適当な保証人も得られない。しかし事業は非常にうまくいっておる。したがって、信用保証をつけりゃまあまあ大丈夫だと、いわんや信用保険の再保険つけていきゃいいというような場合には、無担保、無保証でも融資をしていく。要するに事業さえしっかりしておれば信用保証つき、信用保険の再保険つきでいくということについては、これはまあそんなに危険がないのじゃないか。そういう程度にまで十分な手をさし延べるということによって、初めて小規模企業、零細企業というものに対する手が十分に届いていくのではなかろうか。これは一例でありますが、かような点を十分に検討していって、またそれを実施することによって、初めてこの小規模企業という小まで独立に認めた意味が出てくるだろうと思うのでありますが、その点についてどういうお考えを持っておられるか承りたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 税制につきましては、確かに多年事業主控除というようなことがいろいろ叫ばれております。これにつきましては税制調査会等でもいろいろ検討をいたしておりまして、われわれとしてはこの検討の結果を待ちたいと、こういうふうに思っておりますが、このほかたとえば専従者控除等につきましてもわずかでありますが、まあことし引き上げられたと、この線をさらに今後ほんとうに実態に引き合う――他人を雇った場合に比べて、家族が労働している場合、あるいは本人が働いているという場合の税の上における取り扱いというものにつきましては、われわれは今のやり方では非常に不十分である、アンバランスであるという面も考えられますので、この面については是正するように、実情をよく税調のほうに認識していただくということの努力を続けていきたい。  それから金融につきましては、国民金融公庫では担保がなくても保証人だけで貸すというようなこともやっておるわけでございますが、さらに一歩進めて、今先生のお話のような、保証人もないし、適当な担保もない。しかし事業はしっかりしておるといったような場合、この場合には信用保証協会のほうで、大体、貸しても大丈夫だといったような判断が一応つき得るのじゃないか。ただ信用保証協会自体が保証するための財源に乏しいという面がございますので、保険公庫を通じて保証協会に対する財源を増加させるということに対して今後一そう努力して、御趣旨のような金融が実施できるという方向に努力していきたいと思っております。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 中小企業関係の予算、それから財政投融資関係あるいは中小企業省の設置、これらの問題については大臣に、ひとつ見えてから承りたいと思いますが、さきの貿易自由化対策、これとあわせて大臣に質問することにいたしまして、中小企業庁長官に対する質問はこれをもって打ち切ります。  また答弁の趣旨、おおむねけっこうだと思いまして満足します。

古池信三自由民主党

○古池信三君 今まで同僚の議員の皆さんから、中小企業問題に関する重要な諸点についていろいろ御質疑がありましたから、私はそれらの点については重複を避けてお尋ねをいたしませんが、ただここであまり今まで触れられなかった一、二の点についてひとつお尋ねをしたいと思います。  それは中小企業における技術という面ですが、今さら技術の重要なことは申し上げるまでもないと思いますけれども、特に中小企業の製品が国内市場はもとより輸出市場におきまして非常に大きな分野を占めておる、こういう点から考えますると、どうしても技術の向上ということは急速にやらなくちゃいかぬ。中小企業でももちろん例外はありまするが、しかし一般的にいうと、やはり大企業に比べると技術は劣っておると言わなければならないと思います。そこでこの法案において、第三条に技術の向上ということが基本的な方針として掲げられておる。さらに第十条においてやや具体的に施策のあらましが書かれておりまするけれども、これだけではどうもまだはっきりしない点がありまするから、政府としてはこの十条に書かれました必要な施策ということは、具体的にどんなことであるか、これをひとつできるだけ詳細に御説明願いたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) ただいま先生の御指摘のとおりに、中小企業におきましてはよい技術者をなかなか得がたいということでございますし、また入ってからも大企業等に比べまして国内留学あるいは海外留学はもちろんのこと、なかなかよそに出て技術水準を上げるというような機会にも恵まれないという点はおっしゃるとおりでございます。  そこで、われわれといたしましては、この基本法の関連法規といたしまして、ただいま衆議院で御検討いただいております中小企業指導法案を関連法規の一つとして出しているわけでございますが、との指導法案では、経営管理能力の向上ということと並びまして、技術の向上ということにつきましても特に意を用いまして、計画的に技術水準の向上をはかりたいというふうに考えております。従来も、現場でいろいろ技術シリーズといったような印刷物を作ったりいたしまして、技術の向上等に努めておりますし、また、試験研究機関、これは大体全国で公立が百七十ばかりあるわけでございますが、それに対しまして、毎年その中の一定部分のものに対して国庫補助を出しまして、そういう試験研究機関の整備といったようなものをはかってきたわけでございますが、三十八年からは、大体十八の県におきまして、県の知事の指定する特殊の機関において技術者を訓練していただきたい。大体一年間一日おきに、夜学でございますが、一流の講師の方においでいただきまして、そうして坐学と実習と両方にわたりまして、いわゆる技術家の人づくりということをいたしたい、こう存じておりまして、それぞれの県に適切な機関を御指定いただくようにということで、今準備をしていただいておりますので、指導法が通りましたならば、それに基づきまして指導計画を立て、そうして各都道府県あるいは五大市というようなところで、直接中小企業の技術者を訓練していただくということをやっていただきたいと思っております。また、中小企業指導センターを、この同じ指導法で特殊法人化するということにいたしておりますが、この指導センターにおきましても、技術者といりたようなものを指導する人を訓練する、先生をそこで訓練するというようなことをあわせ講ずることによりまして、中小企業の技術水準を向上させるということに資せしめたいというふうに考えております。

古池信三自由民主党

○古池信三君 大体わかりましたが、次の第十一条に関連しまして、経営管理の合理化促進という問題ですが、この問題も技術の向上と同様に、大企業のほうでは相当な経費をかけて経営管理をやっておりますけれども、中小企業はなかなかそこまでいかない。特に町工場あたりでは、従来のいわゆる勘で経営をやっているというのが多いと思うのです。そこに科学的な経営管理の方法を導入するという問題は、なかなかこれは容易ならん問題であるが、非常に重要な問題だと私は思うのですが、これについて、この十一条は経営の診断及び指導、さらにそれの経営管理者の研修事業の充実、あるいはこれらに対する機構の整備というように、比較的抽象的な言葉で書かれておりますが、こういうような診断員とかあるいは診断指導の機構というようなものは、どんなふうに考えておられるのか。もう少し具体的にひとつ説明をお願いしたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 中小企業の診断員につきましては、これは今までも中小企業の診断員という制度があったわけでございますが、だいぶ年数がたっておりますうちに、いろいろその診断員の中に素質の差といったようなものも出て参りまして、日進月歩ますますむずかしくなります経営管理法というものを、はたして十分身につけているかどうかということについて、若干の疑問もなきにしもあらずといったような点もございましたので、二年ばかり診断員の登録を停止いたしまして、いろいろ検討していたわけでございますが、成案を得まして、昨年から新らしく登録を再開いたしました。そうして一定の期間の試験を受けた方、試験に合格した方あるいは論文審森あるいは従来診断といったものについてりっぱな実績をお持ちの方というふうに、いろいろケースがございますが、そういう方につきまして、現在まで三千七百六十三人の診断員の登録を終えております。この内訳は、地方の公務員が大体五百七十名ばかりで、あとは民間の方々でございますが、いずれも一定の試験なりあるいは実績なりというものによって、りっぱに指導能力ありというふうに判断された方でございまして、これらの方々がどの県にどういうふうにおられるかということにつきましての登録簿を作りまして、そしてそれぞれの県が県内における中小企業の経営管理のため、向上のためにいろいろ診断をしたい、診断をしてくれという申し出があった場合に、診断をしてあげる際の便宜に供するというふうにいたしているわけでございます。先ほど技術者の研修のことを申し上げましたが、管理者のほうの研修、これも非常に大切なことでございますので、このほうは三十八年度大体三十一の県におきまして、やはり夜学でございますが、現在の中堅幹部あるいは将来幹部たらんとするというような方々に対しまして、新しい経営管理、財務管理、労務管理、品質管理、いろいろな管理方法がございますが、そういうものを全部引っくるめまして、新しい企業の経営管理能力を向上させるための講習というものを、隔日、一日おきに行のうということで、大体これは三十一の県が今その準備をいたしているわけでございます。

古池信三自由民主党

○古池信三君 ただいまの技術並びに経営管理の問題についていろいろと世話をしていただく機関は、大体において国の機関並びに都道府県の公立の機関がまず第一に当たるということは、これは当然のことだと思うんです。しかし、これらは、やはりいろいろ予算その他において制肘を受けることが多いと思うんですが、もしここで国がよく検定をして、信頼できるというような民間の団体があれば、そういうような有能な民間の団体はやはりこれも十分活用して、そして国立、公立の機関とともどもに手を携えて、かような中小企業の指導、向上のために協力をさせるということが必要じゃないかと思うんですが、これについてはどんなお考えを持っていますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 私が先ほど申し上げましたのは、国あるいは都道府県というようなものは予算に制約されます。そこで、三十八年度のきめられた予算の中で行なう計画として、こういうものがあるということを申し上げたわけでございまして、新しい指導法ができましても、この指導法にきめられた登録員、登録診断員以外は診断してはいけないんだといったようなものではございませんで、これはあくまでも都道府県等が診断をする際に、どういう方に頼んだら一番効率的にできるかという便宜に供するために登録制というようなものをとっているわけでございますので、先生が今お話になりましたような、民間にそういう適当な機関があるといったような場合には、大体の場合は、これは登録をお受けになるんじゃないかと私はこう思いますが、かりに登録をお受けにならない方がおられましても、それらの方々が実際にいろいろ診断をするということはごうも妨げることではございません。ただ、われわれは国、都道府県あるいは民間――民間の中には商工会議所とか、あるいは商工会とか、あるいはその中央会による組合の指導とか、いろいろなものがございますが、できるだけ重複を避げて、総合して最もいい経営管理、あるいは技術向上という面の診断、指導が行なわれるようにということを念願しておりますので、ただいま先生の御指摘のような、民間に適当な機関があるということであれば、それを活用するということは、非常にけっこうなことだと存じております。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 十九条の「中小企業者以外の者の事業活動による中小企業者の利益の不当な侵害を防止し、」、これは一体何をさしていらっしゃいましょうか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは非常に抽象的なことで、また私が申し上げるのもつかまえどころがないようだというお感じをお受けになるかもしれませんが、ただ、国民経済全体的な感じから見て不当であるということでございまして、これは現在の法律でいきますと、農協あるいは生協が、そのきめられた範囲内でいろいろ商品を販売し、あるいは大企業が商品を売るというようなこと、これはいずれも全部適法公正に行なわれているわけでございます。ただ、いかに適法、公正な行為でございましても、それがあまりにも急激に行なわれるといったようなことのために、関連する中小企業者が非常な苦しみに見舞われるといったような場合には、これは一種の緊急避難といったような意味で、ちょっとしばらく待ってくれ、あるいは程度をゆるめてくれということは、これは国民経済全体の運行のために私はそういうことを言うことは当然許されることと、こういうふうに思っているわけでございます。先ほど申し上げましたが、消費者との関係、非常にデリケートな関係がございますので、そういう消費者の利便ということと、たとえば商業をひとつ例にとってみましても、それによって受ける小売商業者の非常な打撃というものとを天びんにかけてみて、国民経済全体の見地から、これは程度をゆるめてもらう必要があるのか、あるいはしばらく待ってもらう必要があるのかというようなことを、関係各省十分に協議いたしました上で、総合的に判断したいということでございまして、それはたとえば商業問題だからといって、小売商が困るというのですぐ通産大臣が勝手にやるということでもございません。関係各大臣よく相談いたしまして、片一方の受ける利便とそれによって片一方のこうむる損害と申しますか、打撃というものと、それをどういうふうに一体評価するか、その評価の結果、しばらく待っていただきたいということもありましょうし、もう少し程度をゆるめていただきたいということもあろうかと、こう思いますが、それにつきましては、あっせん、調停その他できるだけの行政指導というようなことによって問題を解決していきたい、そういうふうに思っておるわけであります。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 しばらく待ってほしいとはどういうことですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) たとえば、小売業で申しました場合に、中小の小売業者が集まって寄り合い百貨店なり、あるいは共同スーパー・マーケットを作ろうという計画をしている、ところがまだ計画でできておらないという先に大きなところがどっと出てきて、そうして中小企業である小売業者そのものがとても今さら作ってもだめだというふうにやられていった場合もあるんじゃないか。その場合に若干待っていただいて、そうして早く中小企業者がやるというようなら、あなた方がひとつ寄り集まって共同スーパー・マーケットというようなことをやって、いい品物を安く売るということをおやりなさい。もしそれができてからであれば、かりにほかの者が進出するといった場合、もちろん十分対抗する力が出てくると思われますし、いずれにしても、非常にひよわで、また一本立ちになる前に、急激に大きなものがどっと出てくるといったような場合がかりにありといたしますならば、これは進出をしばらく待ってくれ。その間に片一方の小売業者にいつまでも待ってくれということは許されないと思います。その間に早く共同スーパー・マーケットを作るなら作り、寄り合い百貨店を作るなら作るというようなことで共同態勢を整えて、そういうことによって大企業の進出ということも、これは今さら出ていってもだめそうだからやめたということになるだろうと思いますが、せっかく中小企業者が小粒ながら集まって生産性を上げたい、一人当たりの水揚げをふやしたいという気持を持って進みかけているのを、それをつぼみのうちに踏みにじってしまうということのないような配慮をこの十九条でいたしたわけであります。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 私局長と同じに、実際消費者の立場は非常に大事な立場だと思います。ことに幾らデパートやスーパーが大きくなったとしましても、日本の家庭消費の七割近いものは小売商から買っている。生協もその中に入っている。ですから、一番中小企業のよくなることを願っているのは家庭消費者だ。これは農業者も、労働者も、中小企業者も大企業者も全部含めたものでございまして、社会党の中小企業法案がこの問題を含めていらっしゃることは、非常に私ははっきりしていていいと思うのです。私どもは中小企業がよくなることを一番願っております。だからこの法案はその限りにおいてはいい法律で、われわれがもっといい店で買えて、また技能の進んだ人たちが管理したもの、作ったものをわれわれが買えるということになるならば、とてもうれしい新時代だと思います。ただ、これを通産省がいかに運用なさるかによって、非常に家庭生活にマイナス面になるかもしれないということは、今までの経験から申しても、中小企業団体法によりましても、あるいは小売商業特別措置法によりましても、環境衛生法によりましてもあるいはその他の法律の改正にあたりましても、過当競争を防止するのだ、非常に名目はよろしいのですよ。過当競争はお互いに困るのですから。買う者だって困りますよ。ですからいいことなんだけれども、それは美名であって、実際には結局消費者、家庭にしわ寄せをし、あるいはやみカルテルの奨励になっている。今日池田総理が非常に物価値下げに執心をみせていらっしゃるけれども、これも私は一番の根本はやはり幾つもあるでしょうが、その大きなものの一つに中小企業を甘やかして、そしてめちゃめちゃにやみ価格を上げていった、このやみ協定だと思うのです。独禁法がありましても、公取はこれを取り締まられなかったのですよ、いろいろなもので。われわれしょっちゅう公取にその文句を言うてきておりましたけれども、今度あなた方がこの法律をお作りになって何をなさろうとするのか。これはまことに網羅主義で、ざる法みたいなもので、何もかも入ったけれども、いろいろなものが網の目から出てしまっていきやせぬか。結局残るのは家庭生活へのしわ寄せでなければ幸いだと、こう言いたいのです。その点を特に気をつけていただきたいと思うのです。物価が上がるのは中小企業が大企業に人を取られるから、こっちへ取り返さなければならぬから月給を上げざるを得ないのだ、だから物価が上がるのはやむを得ないのだと総理みずからもおっしゃっているし、通産大臣もそうおっしゃっている。われわれはそういう問題をそのように解釈しないで、賃金が上がることはあたり前ですよ。賃金を上げるのは上げざるを得ませんですね。しかしその賃金を企業努力によって収入をふやすようにするということが一番必要だけれども、企業努力によらないで物価値上げで吸収しようとするから家庭がひとたまりもない。今日、あなた方は高いところにいらっしゃるから御存じないかもしれないけれども、物価値上げで実に弱っていますのよ、家庭は。これは中小企業が賃金を上げるのは人を集めるためにこうしなければならない。ところが今度あなた方のこの法律では大企業と周囲の大きい企業と同じ生活ができるようにしてやらなければいかぬと書いておありになりますが、それはできるでしょう。物価でしわ寄せしていけばできるでしょう。しかし、雇われるほうから言えば賃金だけではございませんですよ。大きい規模の、大ビルディングに雇われたいのだ。世間的に名前のあるところへ行きたいのだ。月給は安くてもいいんだという人が非常に多いですね。こういう面でどうなさいますか、長官。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 今奥先生の御指摘になったような問題があるから、またわれわれこの法律を、基本法をここに出したわけでございまして、これは前文にも書いてございますが、中小企業のよってもって立ってきた基盤というものに大きな変化がきておりまして、封鎖市場ではなく、だんだん国際市場に直結した自由市場で競争にさらされるというような格好になりつつあるわけでございます。そこで中小企業は、いたずらに中小企業の擁護のためにやってくれといったような甘えた思想でおってはいけないので、やはり自主的努力によって生産性を上げるということが中小企業の生きる唯一の道だ。そのためには政府も、大企業も応分の協力援助をいたしましょうというのがこの法文の目的でございます。産業はおよそ工業にいたしましても、商業にいたしましても、消費者あってのものであるということは、これは当然でございまして、消費者の利益に反するというようなこと、これは何も消費者というのは、家庭の消費者だけではございません。これは原料を使うという産業同士もお互いに消費者の立場に立つわけでございます。そういうことで、消費者にしわを寄せるということのないように、生産性を高めることによって、自分のところで働いている人にも高い賃金が払えながら、しかも再生産に充て得る内部留保というものをふやしていけるというふうにするためには、これはどうしても生産性をあげるという以外にないということで、不利な環境を是正するということのためには、いろいろ政府のほうでも努力いたしますが、それと並行して自主的努力によって体質改善をなさいということが、この法律がねらっているもう一つの車の片方の輪でございますので、これは先生の今御指摘になりましたような過当競争を排除するのだという美名にかくれて、しわ寄せを消費者に持っていくというようなことは、だんだんと許されがたくなりつつあるのじゃないか。また、そういう甘えた気持ちを持っておりますと、結局みずから墓穴を掘るということにもなりかねないと思いますので、そういう点についての警鐘をここで発しながら、具体的にはじゃどうしてくれるのだということは、先ほど豊田先生の御質問にお答えしましたように、金融、税制あるいは技術の向上等のいろいろな面において、政府でもできる限りひとつ手を差し延べて、生産性がほんとうにあがるようにということでやっていきたい。消費者にしわ寄せするということは、これは許されることではないというふうに考えております。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 一番に申し上げたいことは、あなた方のこの法案の考え方というものは、相手であるお客さんの立場、利害というものをほとんど書いてない。お客さんあっての企業ですわね。それから大部分のものを中小企業者に仰いでいるんですから、それは一番認識を深めていかなければいかぬ点でございますね。これはいかがですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 私は、前文にも書いてございますが、中小企業の国民経済における非常な重要性、これは過去においてもそうでございましたが、今後もその重要性というものは当然変わらなく保持されていくものだと、こう思っております。中小企業の健全な発展がなくしては、わが国の国民経済全体のほんとうの発展伸張ということはあり得ない、こう思いますが、同時に中小企業の健全な発展は国民経済の均衡のとれた成長過程においてだけ許されるんじゃないか。それがアンバランスになりますと、どっかで破綻が起こってきて、結局挫折してしまうということになる、こう存じております。第一条にこの国民経済の成長発展に即応して中小企業の発展をはかるというふうに書いておりますのは、私が今申し上げましたような趣旨を目標に明示したわけでございまして、われわれは中小企業だけがうまくいくというようなことは、これは国民経済の中であり得ないことで、国民経済ということになりますと、これは消費者も全部引っくるめての問題でございまして、消費者の犠牲において国民経済が栄えるということは、これはもうないことは当然でございますので、国民経済の成長発展に即応し、中小企業の健全な発展をはかろうということは、ただいま先生が御指摘になったようなことをわれわれも考えておりますので、その目標の中に明示したわけでございます。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 私ね、こう一読しましてね。大企業、中小企業、零細企業、また一般消費者、こういうふうなものの位置づけをなさることが必要じゃなかったかと思うのですが、いかがですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは中小企業基本法でございますので、今後の中小企業のあるべき姿、またそれに到達するための方策といったようなものについての大きな方向づけを行なうというものでございますので、大企業はこうあるべきだ、中小企業はこうだという相互の関係を規定するということは、中小企業基本法の概念からははみ出るのではないか。中小企業基本法としましては、まず中小企業の今後の進むべき道、それに達するためのプロセスといったようなものを明らかにして、自主的努力をさせ、地方公共団体あるいは大企業の協力によって、その自主的努力がりっぱに実を結んで、そうしてどなたにも迷惑をかけない、中小企業も健全に自分の足元を踏み固めながら、一歩々々高めていく方向を示そうというものでございますから、ただいま先生のおっしゃいましたような消費者との関係、あるいは大企業と中小企業との関係というところまでを規定するというのには、この法律は少し荷が勝ち過ぎているというか、この法律の目的からはみ出すのではないかと考えます。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 そういうふうに言われると、私でもそれほどのことを書かぬでもいいじゃないかと思いましたよ。しかし、中小企業の立場で自分のまわりを見るときに、一般消費者はどういうものであるか、あるいは零細企業は、それも相当含まれているとおっしゃるでしょうが、大企業はどういうふうにあるものであるかということを、私はアドバイスという意味かなんかで書いておいてほしかったなと思うのです。あなたと意見が違うのでしたら、あなたがお書きになったものだから、あくまで固執するわけではございません。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) われわれも、先ほどの言葉を繰り返すようでございますが、みんながその義務を守りながら伸びていくということによって初めて国民経済のバランスのとれた成長発展ということが可能なわけでございますので、ただいま先生のおっしゃいましたような考えで、これは書いているつもりでございますし、また、運用もそういう方向でもっていきたいということで、この中に特にそういう先生おっしゃいましたような具体的な表現は確かにございませんが、国民経済とか、あるいは先ほどの不当な侵害とかいったような場合にも申し上げましたようなことで、全体との関係ということを調和させながら発展するということが、中小企業にとって一番大切だということで、その点については先生のお考えと私の気持とは変わりはないのではないかと、そういうふうに考えております。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 それじゃもう一度確認しておきたいのですが、農協、生協、漁協というふうなものは、今の時点において、この法案はどう措置をするのですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) まず原則的に申し上げますと、農協あるいは生協というものがその本来の目的どおりに活動していくという限りにおいては、この十九条の発動する余地は原則としてないと思います。特に生協については、私はほとんどの場合、現在の時点においてはあり得ないというふうに考えております。ただ、一部の農協等については、いろいろ問題等があるということもございますが、はたしてそれがすぐこの十九条にかかってくるかどうかということについては、もう少し検討したい。ただ、消費者が集まって、いろいろ団結している生活協同組合といったようなものについては、これは今の段階において十九条を発動するという必要はないというふうに考えます。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 これは私の意見でございますが、小売商に財布を持っていく主婦、購買者よりも、生協に行く人は自発的な購買者なんですね、これは法律が認めている、きめていますようにね。ですから、まあ一番自覚のある消費者だと、われわれはこういうプライドを持っていますね、こんなのが国中になったら、日本の国、いいものでなくちゃ買わないし、あるいはお金を滞らせないで、いろいろ親切にいうし……、これも私の意見ですけれども、聞いておいてもらいたいのは、たとえば、きのう公聴会がございまして、各般の人たちが御意見をおっしゃいましたが、聞いておりますと、自分の相手のお客さんとどう手をつなぐかということにはほとんど触れていない、金がないとか、税金をまけてくれとかおっしゃるけれども、私はこのお客さんとしてくる人を組織するというか、手をつなぐという努力は、日本では中小企業者が一番下手で、それで大企業はマスコミでそれ以上の努力をしていると思うのですよ。ですから、みんなが生協化しているような婦人組織とか、あるいは組合員の教育とか、あるいは品質管理とか、いろんなことを買う者の立場でしていったら、非常に中小企業も浮かばれると思うのですよ。そういう努力をこれからいずれなさるだろうと思いますけれども、御参考までに少し各地の婦人組織で一生懸命やっている、これはお金のない中でやっていますが、どうぞそれを見ていただきたい、これは私の注文でございます。  それからまあ全然別の問題ですが、第一条の「政策の目標」に、「中小企業の生産性及び取引条件が向上することを目途として、」と書いてございますね。この取引条件が向上するということは、どういうことでございましょうか。おそらく第三条の「国の施策」の中の第五号の過度競争の防止と下請取引の適正、これをいうのでないかと思います。いかがでございましょう。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君)まず第一点の先生の御意見、よい品を安くという、その要望にこたえるべく自主的努力をすべきであるということは、もうそのとおりだと思っております。  それから取引条件が向上するようにということは、これは単に下請だけに限りませんで、中小企業であるがために、品質あるいは機械の能率その他全然遜色のないようなものでも、特別大企業が作るよりもネーム・バリューがないというようなことのために、ほかのものが千円で売れるものを片方では八百円とか、八百五十円だとかという価値しかつけられないというような事実があるわけでございます。で、下請け関係で親のほうから不当に買いたたかれる、搾取されるというようなことをなくするようにということも当然でございますが、それ以外に広く中小企業なるがゆえに宣伝が行き届かないで、ネーム・バリューがないということのために受けているいろいろな不利というものを是正するというふうに努力したいということが、この「取引条件が向上することを目途として、」ということの内容でございます。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 過度の競争の防止ということがその趣旨ではございませんか、そうでございますね。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは二つあるわけでございます。中小企業同士が足を引っ張り合って、そうして結局共倒れになるというようなことをやっていると、そういう場合と、それから大企業との競争において、今申し上げました中小企業なるがゆえに非常な経済的、社会的な圧迫を受けてたたかれているという二つの場合があるわけでございます。過度の競争というのでダンピングをやるということは、これは一時的には消費者にとってプラスになるかもわかりませんが、決して長続きするわけではないということからいいまして、国民経済の安定成長にはマイナスであろうかと、こう存じます。ただ、先生の御指摘になりましたような過当競争の防止という美名のもとに、ぬるま湯につかっているというようなことは、これは許されない、そういうふうに考えておりますので、その点につきましては、新しいこういうふうな基本法もできた機会でございますし、関係各方面――これは商、工、そういう方面において十分に基盤が変わったということについての認識を深めていただきまして、国民経済の全体のプラスになるような方向で努力するようにやっていただきたいというふうに考えております。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 それでもう一つ伺っておきたいのは、審議会が作られるようでございますが、審議会はどういう構想でいらっしゃいますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) この審議会は一応二十名以内ということで、まだ具体的人選は進んでおりませんが、これにつきましては、学識経験者という方はもちろん、関係のある大企業の方にもお入りいただきたいと思っておりますし、中小企業の代表者、それから消費者の方々という各方面の方々を広く網羅いたしたい、そういうように考えております。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 農協、漁協、生協の代表者も入れて下さい、そういうことは必要じゃないですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 今ここでそういう各団体の代表者まで全部消費者代表ということで入れることができるかどうかということについて、私確答いたしかねますが、いずれにいたしましても、消費者の代表の方とかあるいは衆議院の過程でも御質問が出たのでございますが、労働界の代表の方とかいうような方々にも入っていただきまして片寄った意見でなく、ほんとうにみんなの総合的な見地から正しい結論が出るというような方々に入っていただきたいという見地で、人選を進めたいと考えております。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 どうぞひとつそういう点を考慮に入れておいて下さるようお願いいたします。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 私は前段の分については大臣が出席されてから質問をするということにいたしまして、内容について順次長官に質問するわけでありますが、中小企業の範囲の問題からまず伺いますと、中小企業の範囲はおおむね資本金五千万円以下並びに従業員三百人以下の会社として、その実際の範囲は他の法令で定めることになっておりますが、第一にお伺いいたしたいことは、資本金と従業員の二つで範囲を測定しようとして、その間の関係には何ら触れていないのではないか、一体、なぜこの基本問題については触れていないのか、この点からまずお尋ねいたします。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 大体従来中小企業関係の金融機関が対象とするといったものの範囲は、御承知のように、資本金千万円か、または従業員三百人、商業につきましては一千万円かまたは三十人と、商業サービス業につきましてはそういうことになっておったわけでございます。大体、今そういう規定ができてからほぼ十年経ったわけでございますが、今回、基本法の制定にあたりまして、私ども資本金規模と従業員規模というものとがどのような関係になっておるかということを調べてみたわけでございます。そういたしますと、この十年間に大体非常に設備投資といったようなものがふえるというような関係がございます。製造業等におきましては、三百人の従業員を使っておるという規模の会社の資本金は大体五千万円程度になっておるという事実が判明したわけでございます。それから逆に、商業関係におきましては、これは必ずしも固定資本というものはそう要らないわけでございます。そこで、千万円の資本金の商事会社というものはどの程度の従業員を使っておるかということをみますと、大体平均して五十人という、これは統計がそういう結果を示したわけでございます。そこで、この基本法を作るに際しまして、特に中小企業の範囲を増大させたということはございませんで、今まで中小企業といって漠然と考えておりましたものを、もっと実情に合わせるために一千万円、三百人というふうに考えたのが、実は三百人に対応するのは五千万円だというので五千万円または三百人といたしたわけでございますが、商業、サービス業におきましては一千万円の資本金で従業員五十人使っておるというのであれば、その五十人というところまで上げるということのほうがいいのではないかというので、このような規定にしたわけでございまして、大体これによりまして、従来いわゆる中小企業というものは三百二十八万七千ばかりでございましたが、今回それぞれ資本金規模をふやし、また従業員規模を増加するというので、約三千五百増加いたしまして、三百二十九万というものが中小企業の範囲に入るということになったわけでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 資本金が五千万円以下の会社であれば、従業員はどんなに多くてもこれは差し支えないし、また逆に従業員が三百人以下であれば資本金が一億円でも、また十億円でもかまわない、こういうことはこれは範囲がすこぶる明確を欠くのではないかというふうにも考えられるわけなんです。しかし、これは基本法だから今長官が説明されましたように、一応範囲の上限それから最大限だけをお示しになったわけでありますが、実際の政策の場合にはもっと明確にするおつもりがあるのかどうか、たとえば他の法令で定める場合、資本金五千万円以下かつ従業員三百人以下、こういうふうな規定をすることを考えておられるのかどうか。社会党の提案には、その資本金を三千万円以下かつ従業員三百人というふうに社会党の案には「かつ」ということが明確にしてあるわけなんですが、この点はいかがですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 過般御可決願いました中小企業近代化促進法も全般的には五千万円または三百人というものを一応対象にするということにいたしておりますが、先生も御承知のように、あの中に税制上の特別の控除がうたわれております。すなわち五年間三分の一ずつ割り増し償却を認めるということによって、自己資本の充実を促進しようという規定がございますが、この規定につきましては、五千万円かつ三百人ということにいたしまして、これは社会党でお考えになっているような資本規模と従業員規模、両方を満たしておらなければ税制の恩典には浴し得ないのだということを法律上明記したわけでございます。これは税というのは今さら蛇足だろうかと存じますが、一度きめてしまいますと、一視同仁ですぱっと適用されますので、またはということをやっておりますと、従業員が二百五十人で資本が三億だ五億だという会社にまで自己資本の充実だということで、そういう特別の償却を認める必要があるかどうかというような問題が起ころう。それについては、われわれはそういう必要はない、こう考えますので、そういうことの起こらないように税について五千万円かつ三百人ということをはっきりしたわけでございます。ただそれ以外の金融等につきましては、中小企業金融公庫等で金をお貸しする場合には、従業員規模はなるほど三百人以下だけれども、あなたは資本金が大きいので、ほかの市中金融機関に行っても十分借りられると思われるので、ひとつ遠慮して下さいということでお断りしているというのが実情でございますので、大体その「かつ」という場合と「または」という場合で、どれだけの差があるかということを調べてみましたら、大体件数にいたしまして、大体「かつ」にするのと「または」にするのとで差は二・四%、金額にいたしまして六・四%、結局金額にして全体の六%のものはあるいは「かつ」ということによってはみ出すということになるかもしれませんが、この六・四%の金融を受けている企業の数にして二・四%でございます。このものも大部分はだんだん小さいものから上げていきたい。今育成の途上にあるというような関係にあるものが大部分でございまして、もう少し経てば、やがて大企業が金融の取り引きをしている一般の金融機関と取り引きずるというところまで育っていく、そういうふうになれば縁を切るということになるというふうに考えられるのでございますので、不当に、実質的な大企業であるものが中小企業の恩典に浴するというようなことのないようにということにつきましては、ケース・バイ・ケースで施策していきたい。したがいまして、必要によりましては「かつ」というような表現で縛るということも当然今後もあり得るかと存じております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 今の御説明からいきますと、やはり従業員は中小企業のあれであっても、資本金が大企業並みということにもなるわけだし、また逆に、資本金は中小企業であるけれども、従業員は大企業並みと、こういう矛盾した場面が出てくるとも思われるのですが、こういう点についてやはり将来明確にこれはしていかなければ、私は中小企業という範囲に対する混乱というものが起こってくるのじゃないか、こういうふうにも考えられるわけなんですが、この点はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) お説のとおりでございまして、現在でも一千万円または三百人ということになっておりますが、たとえば鉱山業というものは、これは千人までのものは逆に中小企業として扱うべきだということから、政令で特例が設けられております。あるいはゴム産業等については九百人になっておりまして、これはそれぞれの産業の実態に応じまして、この範囲を拡大することも場合によってはございますし、また縮小することもある。それで特におおむね次に掲げるというふうに、ある程度のこれは一応の目安という格好にしたわけでございまして、実際的にはそれぞれの施策ごとに法律なりあるいは政令なりをもって、はっきり明定するというふうにしていきたいと存じます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 これは今、長官の答弁で、一応の目安をそういうことにしたと、こう言われるのですけれども、やはりこれは法律として残る以上は、科学的な面から十分にこういう点を規定していかなければ私はだめじゃないかと思うのですが、この点はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) この点につきましては、現在まで中小企業として保護育成の対象にしていたという人たちは、中途半端でほうり出すわけにいかないので、それらの方々はほんとうに実質大企業になるまでは中小企業としていろいろな保護政策の――保護と申しますか、助長政策の対象にしていきたいということから、こういうことをやったわけでございまして、じゃその五千万円と一千万円とどう違うかということになりますと、確かにこの点にはぴしゃっとしたものはないわけでございますが、今まで中小企業としていろいろ考えて来たという方々に対して、今後もさらに手厚いいろいろな助長政策というようなことを講ずることによって、その自主的努力がりっぱに効を奏することができるようにということを願う以上、中途半端でほうり出すというわけにいかないというふうに存じましたので、そういう方々がすべて網羅されるようにということから、こうやりましたので、大体今までの範囲というものをより現状にあわせるということで、こういう規定をしたということでございまして、われわれといたしましては、基本法でやる以上は、この書き方が一番実情にも合っており、あとはケース・バイ・ケースで、それぞれの法令できめるということでまかせたらいいのじゃないか、こういうふうに考えます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 今までの中小企業関係の法案では、これが資本金は一千万円以下、それから従業員が三百人、こういうことでございましたが、これを今度は資本金を一挙に五千万円まで引き上げられた。これは五倍引き上げられたと、こういうことになるわけでございます。そこで今も長官がいろいろ調査した結果、これが適当であろう、こういうふうなことを言っておられましたけれども、一体この中小企業庁で調査されました論拠といいますか、機関といいますか、一体どういうところによってこの調査をされたのか。この点を一つお聞かせ願いたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは毎年法人企業統計という統計がとられていることは、先生御承知のとおりだと思いますが、法人企業統計によりまして全部これは一つ一つ調べた結果集計いたしまして、三百人使っているところは平均すると資本金が五千万円程度になるという結論を得たわけでございます。法人企業統計を元にいたしております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 その今の法人企業統計ですか、それは一体民間でしているのか。役所でやっているのか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは毎年大蔵省が法人企業についてとっている統計でございます。正式の国の統計でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 三百人を雇用する会社が実際には五千万円程度の会社であるというわけで、資本金のほうを五千万円に上げたとするならば、やはり従業員のほうの基準が中心と見られますが、そう解釈してもよいのですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) われわれの調査によりますと、三百人程度使っているという方は、この十年間の間に、昔の十年前は一千万円だったけれども、現在はほぼ五千万円まできているという実情に基づいて、こういう改定をしたわけでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 従業員三百人の工業が実際には資本金五千万円程度の会社でございまするから、資本金のほうを今度は引き上げるといたしますれば、今度は商業、サービス業の場合、これは従業員は三十人の会社は資本金一千万円でなく、もっと低いということにならないのか。商業の場合には資本金のほうはそのままに据え置きになっておるが、従業員の数を五十人に引き上げた。こういうことになっておるわけですが、一体そうすると、この工業のほうと逆な関係になってきているというふうにも考えるのですが、こういうふうに異なってきた方針といいますか、理由といいますか、そういう点について。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは物的設備というものを非常に多く用います製造業と、それからむしろ人が財産で、そして一人当たりの水揚量というものを多くするということによって生産性を上げ得る商業、あるいはサービス業というものの業態の違いから出てくるのだと思いますが、同じ法人企業統計で調べました結果、一千万円程度の規模の商事会社、商業あるいはサービス業というようなものは、平均いたしまして五十人の従業員を使っているという事実が判明いたしましたので、このように直したわけでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 きのうも公聴会でちょっと意見が述べられたようでもございますが、今の商業関係におきましても非常に購買力が高まったというか、そういう関係から資本の問題でも一千万円くらいでは普通のそこらの店なんで、少し規模が、五十人も使っているというような規模であるならば、これは一千万円やそこらでは足らぬじゃないか。こういうふうな御意見もあったように思うのですが、こういう点どうお考えになりますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 確かに御要望といたしましては、いろいろな面から一千万円あるいは工業の五千万円自体が過小だというような御意見は、これはわれわれもいろいろな方面で伺ったのでございます。ただわれわれといたしましては、できるだけ従来中小企業として取り扱っておったという方々、その方々を中心にいたしまして、今までの施策の足らなかったところを充実していきたいというつもりで、中小企業の範囲を策定いたしましたので、その観点からいたしまして、特にこれを大幅に引き上げるということよりも、むしろ今までやっていた方々、それらの方々に対してできるだけいろいろな手厚い施策を講ずべきではないかということで、あえて資本金をふやすということば避けたわけでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 工業の場合は従業員三百人を重視しておられる。それで資本金のほうを引き上げた。それから商業のほうは、逆に資本金のほうを重視して、そして従業員のほうを引き上げた。これはどうも私は矛盾があるんじゃないかと思うのですが、その点はいかがですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 工業におきましては、特に製造業におきましてはだんだんだんだん大型の機械を使うというようなことから資本装備率が非常に上がってきているわけでございます。資本装備率が上がりますと、どうしても自己資本もふやす、また借入金もふやすということで、その膨大な資本装備に耐えるだけの資金の調達ということが必要になるわけでございまして、この必要性に基づいて、三百人程度使っている企業というものは、この十年間に平均いたしまして五倍にまで増資をしておるという事実があるわけでございます。  それから、一方商業、サービス業につきましては、これはそういう特に大規模の設備を必要とするというような性質のものではございませんで、むしろ財産は人でございます。いかにして一人一人が能率をよく発揮するかということによってその水揚量がふえるといったような種類のものでございますので、ここではこの十年間に資本金の増大ということはほとんど見られなかったということでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 今までの答弁から考えますると、政府案の方針は、中小企業の範囲をできるだけ上層部にきめていこう、そういう御意思の現われのようにも思われるわけでございます。もしこの次に基本法を変えるというようなことがございました場合、そのときにはかりに商業でも機械化合理化が進んで参りますので、この点と、従業員五十人のところが五千万円も一億もの資本を擁するものが多いということになりますれば、今度は資本金のほうを引き上げることになるのではないか。そうしてお互いに中小企業の範囲を上層まで引き上げていって、中小企業対策というものが、実際には大企業対策以外にないじゃないかと、こういうふうにも私は感ずるわけなんでございますが、この点についてはどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 現在の統計によりますと、五千万円の商業あるいはサービス業というところの従業員の平均は二百人ということになっております。この二百人も使っているというものは、これはもはや私は中小企業じゃない、それこそ大企業じゃなかろうか、そういうふうに考えますので、あえて資本金規模を五千万円まで上げなくて千万円と押えたわけでございまして、これは決して今先生がお話しになりましたような、中小企業といいながら、できるだけ上層部というものに厚く施策をやろうということのために、資本金を工業についてふやす、あるいは商業について従業員をふやすということをやったのじゃないかというお話でございますが、これはそうではございませんで、現在の中小企業というものをそのまま最も資本金なりあるいは従業員なりというものから見て実情に合ったという格好で規定するとすれば、どうなるかという観点で検討した結果、こう出たわけでございまして、いわば、これは従来の現状維持というものを実情に合わした現状維持ということでとったということでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 政府の方針を見ますると、中小企業対策、その実今私が申し上げましたように、大企業対策にならないまでも、少なくとも中小の上層部偏重というふうなきらいがあることは、今度の関連法案を見ましても、私はそういうことが言えるのじゃないかと思います。  たとえば、過日審議いたしました投資育成会社は、中企業対策であることは申すまでもありませんし、また近代化促進法も上層部が中心である。そうしてまた特定産業振興臨時措置法というのも大企業を中心としたところの法案でございます。つまり小規模対策と称すべきものは何もないことは、関連法案を見ても明らかになっているわけなんで、小規模事業者が基本法の成立を希望しておられることは、昨日の公聴会でも参考人の御意見が、早くこれは成立させてくれと、こういう御意見が多かった点からいっても、これはわかるわけでございまするが、しかし、この基本法によって安定成長の機会を示されると思いますので、政府といたしましても、小規模事業者の希望を十分にとり入れていかなければならぬのじゃないか。それでない限り、昨日もいろいろと論議されましたように、この法案というものは、やはり小規模事業に対するところの育成ということについて何ら基本法では考えられていない、こういうふうに思われるわけでございまして、また一般にいわれている今度の中小企業基本法というものは、おおむね大企業中心であって、実際の中小企業の零細事業者に対しては何らこれはあたたかみがないと、こう言われているこの点について、長官の御所見を承りたいのであります。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 確かに投資育成会社といったようなものは、これは五、六年の間に資本金が五千万円以上になるというような見込みのあるものをとり上げて、その一部を中立性のある特殊の機関で増資を引き受けようということでございます。この点は先生のおっしゃるとおりでございますが、しかし、これは中小企業政策の一つにすぎないわけでございまして、たとえば従来から行なわれておりまして、またことし増額されました設備近代化のための貸付金といったようなものは、これは大体中小企業の中でも従業員の数におきましては百人以下という、中小企業の中でもむしろ規模の小さい、比較的小さいと思われるところに九三%程度のものが向けられているわけでございます。しかもさらにそのうち四十九人以下というところに七三%というものを、そういうものが大きい数字を占めております。金額からいたしましても、大体二百人以下というところで、たしか八割七分程度の金がそちらにいっているわけでありまして、われわれはこういう設備近代化のための貸付金というようなものは、主として他の方法では資金の調達ができないといったような方々に対して、無利子の金を政府並びに地方庁から貸し出すことによって、一般の市中から金を引き出すというような誘い水の役割をさせたいというふうに思って運用しておりまするし、今後さらにこれを増額するという方向に努力いたしたいというふうに思っております。また中小企業金融公庫からの貸し出しにいたしましても、一千万円をこえるというところに対する貸し出しはわずか四%でございます。資本金が一千万円をこえるけれども、従業員が三百人以下であるということのために対象になっているというものはわずか四%にすぎないわけでございまして、先ほど申し上げましたが、金融関係では、実質的に市中の金融機関から調達できると思われる方はできるだけそちらに行って下さいというふうにお願いいたしまして、政府関係金融機関はそういう市中からはなかなか調達できないという方々を主力に貸すという方針をとっております。特に国民金融公園は、これは小規模零細の方々に対する貸付ということでございまして、大体現在一件当たりの貸付の平均がせいぜい二十万円程度という非常に零細な方々を数多く相手にするという機関でございますが、われわれはこの国民金融公庫の最近だんだん一日当たりの希望がふえておりまして、最近一カ年間ではたしか三十万円くらいまでの一件当たりの貸出になっておるとこう思いますので、そういう趨勢も勘考いたしまして、国民金融公庫の財源の増大ということには、この基本法の成立を機に特に力を注いでいきたい、そういうふうに考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 今度の国会で本委員会でもいろいろと中小企業の問題は多く論議されたのであります。しかし、実際にはこの零細企業に対するところの問題というものは、ほとんど私はなかったと思うのです。こういう点について、まあ長官もそれはおわかりのことだと思うのです。それから今長官が国民金融公庫はおおむねまあ零細企業の方々が利用しておるわけなので、それもしかも今言われましたように、わずか二十万円の金を借りるのに申請して五十日も六十日もかからなければ、申請した人の零細企業者の手に実際金が入らない。こういうことでは私は今要るのだからここで二十万円借りるわけだ。それが五十日先、六十日先になって手に入るのでは、私は何ら零細企業者の何といいますか、金融の対策としては、私はおかしいと思うのでございまして、こういう点について長官どのように考えておられますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これはもうおっしゃるとおりでございまして、タイミングを失したのでは、これはもう金は死んでしまう。あるいは金のみならずほかの施策もおくれたのでは、これは何にもならないと存じます。ただ今までいろいろ人手の関係その他から必ずしも十二分には行きわたらないといったような点等もございまして、これはいろいろ市中金融機関をして代理貸しをするというようなこともやってきたわけでございますが、今後できるだけ財源をふやすということと同時に、貸し出しの手続を簡易迅速化するということで、おくれないようにということにつきましては、これは私どもも先生と全然同じ考えを持っておりますので、その方向へ事が運ばれるように、これは大蔵省と協力いたしまして、中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫、商工中金といった各金融機関当局者の猛省を促し、迅速な処理をはかりたい、こういうふうに考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 先ほど同僚の中田委員から大臣に質問されたのも、この点なんですね。政府のまあ機関といいますか、政府から出資しておる金融機関が歩積みをせなければ貸し出しできぬ、または特に国民金融公庫などは東京は広いので、これはおそらく数カ所あると思います。名古屋ですら二カ所ございますから、東京は少なくとも私は五カ所、六カ所あると思うのです。それでこの多く支所を持っておるのも、この零細企業がのどから手の出るようなわずかな金を必要とするために迅速に処置をしよう、こういうことで支所がたくさん設けられております。けさ私聞いた話ですけれども、そういうあれで五十日も六十日もかかってやっと手に入る、こういうふうなことでは、私は実際零細企業は何ら金融の面においても救われない。また法律的にもいろいろと中小企業の法律案というものも考えられて、毎年本委員会でも審議したわけでございますけれども、零細企業に対するところのいわゆる施策といいますか、そういうものが私は一方に欠けておるのではないか、こういうことを思うわけでございますが、長官は零細企業いわゆる小規模事業者に対するいろいろな面について、もう少し迅速にでき得るような施策を講ずるというふうなお考えを持っておられるかどうか。今の大蔵省とただ交渉してということでは、なかなか大蔵省というところは金を、きんちゃくをぎゅっと締めて、なかなか金の面になると、ああでもない、こうでもないといって、なかなか零細企業者の期待にこたえられない、こういうきらいがあるわけなんで、この点についてもう一ぺん長官から御意見を承りたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは先生がるるおっしゃいますように、タイミングを失するということでは、せっかくの金融も死んでしまいますが、同時に金融機関のほうから見ますと、ただ無条件に申し込んできたら片っ端から貸すというわけにも参らない。ある程度の調査なり、ある程度のこれなら大丈夫だというめどをつけたい。これは政府金融機関の場合でも、当然であろうかと思います。そこでひとつ政府金融機関が貸し出す場合に、できるだけ調査等をすみやかに行なうように人員の拡充というようなことを、これは毎年行なっておりますが、それに努めますと同時に、信用保証協会というようなものをできるだけ活動しやすいように、保険公庫からする信用保証協会への補助財源の融資というようなことによりまして、保証協会が保証した方は、これは金融機関のほうで安心して貸せるということを今後促進したい。そのためには、単に国民金融公庫とか中小企業金融公庫というところの財源を直接ふやすだけではなしに、こういう信用保証協会の補助財源の拡充ということを通じて一応財源を増せば、六億なり七億なりというものの保証ができるということになりますので、そういうようないろいろな面から総合的な施策を講ずることによってタイミングを失しない金融を確保するように努めて参りたい。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) ちょっと関連して。一言だけ希望を示しますが、やっぱり今お話のように手続を簡単にするように、五年も六年も前から言うても、容易に簡単にしてくれない、わずかな金を借りるのに。みなあきれてしまうところが多い。どうしても手続を徹底的に簡素化をするということと、それから保証金が要るとか、担保が要るなんというようなことを言ったら、とにかく骨が折れる。できるだけ無担保で、特に中小企業にとって有望な仕事で、しかも、その人物がややよろしいということになれば、ときには貸しそこないがあっても、もう思い切って中小企業育成のために、むずかしい物的、人的担保を言わぬで敏速に貸す。損害が起これば、いろいろな方法で、それを見る方法を講ずる。こういうことを思い切ってこの基本法ができるときにお考え願わないと……。  もう一つは、従来の例からいうと、利子が高いような気がする。この零細な金の利子をやっぱり中小企業については下げる。どうしても利子を下げる。従来よりもこの基本法ができるときに手続を簡素化することと、利子を安くすること、もう一つは貸しそこないがあっても貸すくらいの勇気を出してもらう必要がある。これが出ましても、そういうことについての英断がなければ、また結果的にいい法律はできたが、効果が思うたほど上がらぬ。このことについてひとついまの問題と関連して明解にひとつ答弁をお願いしたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 先ほど豊田先生からも御質問がございまして、また近藤先生も今御指摘がありました。さらに委員長からそういう御質問もいただいたわけでございますが、われわれといたしましては、これは信用保証協会といったようなところ、そこを活用するということをいま一段と活発にするということになれば、これはあまりむずかしいこともいわぬでも今までよりも相当迅速にいき得るんじゃないかと、そういうふうに考えております。で、特に小口保険といったようなものにつきましては、これは今年も日歩一厘六毛から一厘四毛にまで下げるというようなことによりまして、零細金融ができるだけ金利の多寡に悩まないようにということについては及ばずながら努力してきたわけでございますが、今後ともこういう小口保険の拡充、料率の引き下げというようなことも、政府関係金融機関、特に国民金融公庫の財源の充実ということによりまして、十万円あるいは二十万円という非常に零細な金というものを早急に欲しているという方々にタイミングを失しないようにお貸しすることができるようにということにつきましては、できるだけの――基本法ができたという新しい時代でございますので、今まで何にもなかった時代よりも、われわれとしても財政当局に対していろいろ要求するという場合にも一段と強く、これは国の大方針としてこういうことが示されたんだということで、今までよりも強い要請ができるものだと、こう思っておりますが、またできるだけそういう努力はしたいと考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 ちょっとそれに関連して。  長官ね、今の委員長あるいは近藤さんの関連した問題ですが、これは特にこの法案を見ましても、何というか、特別の措置を講じなければならない、こういう形になっておるんですが、これは過去の経験から考えて、これは皆さん御承知のように、昭和三十二年に制定された協同組合法、この協同組合法の中の二十三条の三項ですか、これに、小規模事業者に税制上あるいは金融上の特別な措置を講じなければならぬと、こういうことが明示されておるんですよ。そうですね。これがしからば過去からどういう形になったかといえば、なるほど若干基礎控除がふやされたとか、あるいは政府の金融機関の融資が若干ふえたとか、こういうことはいえるんです。事典上。しかし、実際この小規模事業に対して十分ななにができてないということが現在の状態だと思うんです。したがって、これは法文の中では、文字では、必要な措置を講ずるのだとか、いろいろなことが書かれていますけれども、実際衝に当たってやられる中で、過去のこの実態を見ましても、小規模には非常に冷酷な状態がとられておる。成果が上がっておらない。こうなってくると、やはり今長官が幾らそういうようにしてと言われましても、現実過去においてこういう実例があるわけなんですから、この点は今いろいろと関連で質問があると思いますが、重要な問題だと思います。で、具体的に、ただ政府機関の金融の増大をするんだと、それで中小企業にできるだけ回すんだと、こういう日だけじゃなくて、具体的にしからばどう零細あるいは小規模には融資をていくか。先ほど言われた若干この保証協会の問題もありましょうが、そういう問題とあわせてもう少し具体的に答弁を願いたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) まず前段の小規模事業者、これは特に組合の関係で置かれた規定について御指摘になったと、こう思いますが、この法文の趣旨は、大体小規模事業者はおおむね担税力というものも少ないんじゃないか。で、担税力と申しますと、結局収入が少なくて税金を払うだけの所得を得ていないんじゃないかということから、それだけの考慮を払うべきものだという趣旨で書かれたものというふうに承知いたしております。それで御承知のように、企業の規模というもので税率を云々するということは必ずしも当を得ていないのでございまして、百万円でも相当の所得をあげているものもあれば、あるいは三百万円でも所得の少ないというものもある。結局税金というものは所得の多寡によってきめるべきである。所得の少ない方については担税力が少ないという判定のもとに安い税率を適用すべきであろうということから、一般の法人税率の三八%に対して、二百万以下の所得者に対しましては三三%という税率が現在適用になっているということは、先生も御承知のとおりのことでございまして、われわれはこの三三%というものだけのあれでいいのか、これを多段階化してもっと少ない方には低い税率にしたらいいのかというような御意見等もございまして、それらのことにつきましては、税制調査会のほうで慎重に御検討いただいているわけでございまして、その結果百万円以下の人はもっと下げるべきだというような御結論でもいただければ、これは当然財政当局においてそういう措置をとられるものということで、そちらの税制調査会の結論に待ちたいというふうに考えております。  また、後段のほうの話につきましては、ことしたとえば基礎控除が五千円上った、家族専従者の控除が五千円上ったというふうに、非常に微々たるものではございますが、いろいろな面で少しずつ上がってきたわけでございまして、そういう面から中小企業者の実質負担の軽減ということにつきましては、はなはだわれわれとしても不十分な額とは存じますが、それでもある程度は行なわれた。今後は基本法ができて、大企業も、国も、地方公共団体も、この中小企業の非常な重要性にかんがみて、中小企業がほんとうに健全に発達するように、それぞれの立場立場から最善を尽くすべきであるということが、この法律の上でもはっきりうたわれたということを機会に、金融あるいは税制という面におきましても、一段と前向きの姿勢で進むということが、関係各省にも強く要請されていると思うわけでございまして、第三条に各種の施策を総合的に行なわなければならないと書いてありますのも、単に通産省だけがひとり相撲で力み返ってみても何ともできないので、大蔵省も、労働省も、厚生省も、あらゆる面が一緒になりまして、技術の向上あるいは財政、経済、金融その他労働、いろいろな面から中小企業の生産性をあげるということに努力すべきであるということをこの第三条にうたい、またその線に沿って具神的な施策を進めていきたいと考えておるわけでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 中小企業の範囲を拡大することによりまして、従来の中小企業に対する助成が薄くなるのじゃないか、具体的の施策はそれぞれの法令に個別的に規定することになるわけでございますが、小規模の業者に対する政策の希釈されることを防ぐ方法をどうして講ずるか、こういうことについてお示し願いたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 今回中小企業の範囲を一応見かけ上はふやしたと、千万から五千万へ、あるいは三十人から五十人にふやしたというような格好になっておりますが、これは実際にふやしたというよりも実情に合わしたということでございまして、先ほど申し上げました三百二十八万七千が三百二十九万に、三千五百ばかりふえたと、しかもこれは実際にどちらかの条件が今入っておれば、現在すでにその適用を受けているといった方々でございますので、実質的には現状維持で、何らふえておらないわけでございます。むしろわれわれといたしましては、今後中小企業全体に向けられる税制、金融というようなものを主体にいたしまして、直接的な予算あるいは財政投融資によるいろいろな補助的な助成措置、設備の近代化のための補助金あるいは近代化の貸付金というようなもの、あるいは保険料というものを引き下げるといったような点というようなものをあわせ講ずることによって、全体に対する財政上、税制上のいろいろな措置を手厚くするということによって、下のほうにも十分に浸透するようにしていきたい。これは何と申しましても、中小企業対策の本命は、私は金融と税制ということにあろうかと、こう思いますので、先ほど総理大臣がおいでになって、諸先生の御質問に対してそういう点についてもお答えになりましたので、われわれは総理大臣の御方針を、こういう方向にあるということの確信のもとに、所要額を今後それぞれの方面に対して要求していきたいと考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 次に、第三条のほうに移りますが、第三条の一項には、国は第一条の目標を達成するため、第一号ないし第八号までの下項につき、その政策全般にわたり、必要な施策を総合的に講じなければならないと、こうございます。条文と照応して、総合的に、しかも明細に中小企業に関する施策の措置を行なうということを義務づけているわけでございますが、実際的にはこの規定によりまして――国の施策はとかく大企業中心の政策に陥りやすい。これは先ほどからしばしば申し上げておるところでございまして、中小企業はやはり特定の業種かまたは企業に限定されることになるわけでございまして、中小企業全般の成長発展がかえって阻害される結果となるのじゃないか。そして、その要件に合わない中小企業の整理切り捨てといいますか、こういうことが行なわれるような向きも出てくるんじゃないか。これはまあ心配されるわけなんですが、その点はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 投資育成会社とか、近代化促進法とか、そういうものを頭におかれての御質問かと存ずるわけでございます。これにつきましては、先ほども申し上げましたが、確かに投資育成会社というようなものは、零細というよりも、少なくとも中規模の方々というものを対象にしていること、これはもう仰せのとおりでございます。また、近代化促進法も、全業種というものではなくて、国民経済の高度化のために特に必要である、あるいは、国際競争上一日も放置できないという緊急の事態にさらされているといったようなものから、逐次取り上げていくということをねらいといたしておりますので、その限りにおきましては、それらの法律の対象になるものと対象にならないものとの間に、若干の差が出てくるということは、これは御指摘のとおりだと存じますが、しかし、そのためにいわゆる大企業偏重、あるいは一部の帝業偏重ということにならないようにということで、先ほどからいろいろ、中小企業政策の本命は金融と税制であるので、そういう面を通じて、広い一般の中小企業、特に国民経済のすそ野に横たわっておりますところの圧倒的多数の小規模零細の方々にも、施策の恩恵が行き渡るようにということを努めたいということで、先ほどから御答弁申し上げたわけでございまして、決して小規模零細の方、あるいは一部産業の切り捨てというようなことを意図しているわけではございません。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 そのことについて、きのう参考人の磯部教授も、これは蛇足といえば蛇足で、あってもなくてもいいんじゃないか、こういうふうなことを言っておられたわけなんですが、この点はどうなんですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 今の先生のお話は、第三条の第二項の「経済的社会的諸事情の変化を考慮して、産業構造の高度化及び廃業の国際競争力の強化を促進し、国民経済の均衡ある成長発展に資するように」という、この点についてのお話だと、こう存じますが、まあ実はわれわれは、これはなくしたら絶対いかぬかということになりますと、これはどちらかといえば確かに配慮規定でございます。で、先ほど奥先生からいろいろ御質問があったわけでございますが、中小企業、中小企業といって、中小企業だけの立場からいろいろやるというのでは、国民経済の均衡ある発展ということには資さない。これはやはり自由市場の完全競争ということにさらされている今日におきましては、常に世界的な視野に立ってものを考えなければならないのだという配慮をこの第二項にうたったわけでございまして、これは第一条並びに、と申しますか、前文並びに第一条の、中小企業の健全な発展がなくして国民経済の発展はあり得ないし、また、中小企業のほんとうの発展は均衡のとれた国民経済の中においてのみ達成が可能であるということ、これとうらはらをなすものでございますので、これはなくなったら絶対もう困るのかというふうにおっしゃられますと、まあなくても、前文と第一条がある限りにおきましては、これはわれわれはそれでもやっていけると思いますけれども、ただ、立案した側から申しますと、とかく非常に狭い視野に捉われがちだというような点もございますので、施策をする者も、それから、その施策の対象になる者も、常にこういう広い見地からする考慮を払わなければならないということを、念のために規定したわけでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 次に、第四条の地方公共団体の問題でございますが、国の場合、これはここにずっと書いてありまして、「講じなければならない」と、こうあって、「講ずるように努めなければならない」と、こういうふうにあるわけなんですが、こういうふうにされた趣旨というものは一体那辺にあるのか、この点をお聞かせ願いたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは国の法律でございますので、国自体につきましてははっきり「講じなければならない」ということをやったわけでございますけれども、一応地方自治という建前上、この地方自治を尊重いたしまして、また、地方の独自の財源というようなことでいろいろ施策されるものもございますので、そういう点から法律で国と地方とを全然一義的に同じ規定にするというのはどうかという配慮で、やや間接的な義務づけの方法をいたしたわけでございますが、われわれといたしましては、これは前文、それから第六条、そういうところに、中小企業以外の者もすべて協力しなければならないというふうに書いてございますので、こういうふうに「努めなければならない」ということで、間接的な書き方ということにはなっておりますけれども、義務づけが――これは実際にはそれぞれの地方の財政の実態に即して十分な協力をしていただきたいというふうに考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 それから、第六条で、中小企業者に自主的努力を義務づけるのは本末転倒ではないか、こう思うのです。その自主的とはどういうことを言っておられるのか。国の施策との関係はどういうふうになっておるのか。それから、あまりこの自主的を強調すると、中小企業の困難を業者の責任として政府は責任転嫁をすることにならないのかどうか、この点はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) われわれは決して国あるいは地方公共団体等の施策の足らない点を中小企業に責任転嫁するといったような意図は毛頭持っておりません。これは中小企業者に、とにかく甘えてはだめだということで、自主的努力を規定したわけでございますが、今までの中小企業の立ってきた基盤に大きな変化が出てきたという今日、この変化に対応して基本法を制定しなければならなくなったという事態にかんがみます際、国あるいは地方公共団体あるいは関連の大企業、その他一切の人々が、中小企業の健全な発展のためにそれぞれの立場から協力すべきでございます。この点は当然でございますが、しかし、何と言っても、中小企業の問題は中小企業者自身の問題でございますので、中小企業者の自主的努力ということをここにうたったわけでございまして、ただ責任を中小企業に転嫁しようといったようなものでないことを御了承いただきたいと存じます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 それから労働関係の適正化、従業員の福祉の向上等をなぜ中小企業者の努力事項として明らかにされなかったのか。中小企業者が労働条件をよくし、労働者をよく待遇するほど経営上に余裕がないとはわかっておりますが、労働環境をよくすることは、やはり雇用主の責任でもあるので、中小企業者の努力事項としても、私は差しつかえなかったのじゃないかというふうに思うのです。過日も、ある学者が言っておられるところによりますと、中小企業者自身がいわゆる労働組合というものに対して非常にまだ理解がないのだ。労働組合が作られるということで、その経営者は労働組合を作るようになったら、もう会社はやめてしまうぞ、こう言って威圧したところが、その息子が専務であって、それはおやじさん間違いだよ、いわゆる労働組合というものがなければ、今の中小企業としては発展がないのだ。こういうことでその専務の息子がおやじを口説いて、そして労働組合が結成されて、その後の運営、経営というものは非常にうまくいっている。こういう例もあるから、これは日本の中小企業経営者に対して、やはりこういう労働教育ということも考えていかなければならぬのじゃないかというふうな意見を述べられておるのです。こういうことについて、長官はどのように考えておられるのか、御所見を承っておきたいのであります。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 今の労働教育の必要性に関する先生のお話は、そのとおりだと存じます。この第六条の中にございます。「生産性及び取引条件の向上に努めなければならない。」、こういうふうに言っておりますが、この中には当然生産性の向上ということは、企業の体質改善ということをはかって初めてできるわけでございますが、その企業の体質改善という場合に、特に中小企業におきましては、大企業における以上に労働という構成要素の占める部分が今のところ大きいのではないか、そういうふうにも考えております。そこで企業の有機的構成要素としての労働者の待遇なり労働条件の改善、あるいは福祉の向上というようなことは、当然生産性の向上ということの中にわれわれは含ましているつもりでございますけれども、この点は先生が今御指摘になったような意味で書いておるわけで、生産性を向上させるということ、これはとりもなおさず労働者に対する賃金その他の労働条件をよくし、また企業自身にとっても、それを消費者に転嫁させるということでなくて、生産性の向上によって内部留保というものをふやすことができるようにということを、努めなければならないというふうな意味から書いたわけでございまして、この点については先生の御意見のとおりの気持を持って立案されたものでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 次に、「中小企業者以外の者であって、その事業に関し中小企業と関係があるもの」とは、具体的にどのようなものを意味しておられるのか。生協などが制約を受けるということになるのじゃないか。それから生協等は法令に基づいてこの事業活動というものをやっているのだから、それに制肘を加えるということは私はおかしいじゃないか、こういうふうにも思うのですが、この点はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは一応一般消費者以外のものは全部ここへ入るというつもりでおりまして、たとえば国あるいは地方公共団体といったようなものも、中小企業からいろいろ物を買い、中小企業に物を発注しておるといったような関係において、あるいは大企業、あるいは生協は同業者としてあるいはそれに原料を供給しあるいは備品加工を委託しといったような関係において――というようなことで、一般消費者以外のものは一応全部この事業に関し中小企業と関係があるし、国民経済の健全な発展の見地から応分の協力も必要であるというふうに考えたわけでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 ついでに私ここで質問をちょっとするのですが、これは先ほど奥先生からも十九条の問題について質問されたわけですが、長官が厚生省の社会局長と基本法の十九条に対して覚書をかわしておられるのであります。この覚書の中で、三項目あるわけですが、この一項目では「消費生活協同組合法第二条に規定されている基準に従い消費生活協同組合がその組合員に対して行なう物品の供給事業等の事業活動については、中小企業基本法第十九条の規定の適用はないものとする。」、こう一項にあるのです。ところが三項でこれは消されたような覚書なんですが、一体これはどういうところに意味があるのですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは生協がその本来の目的どおりにやっておれば、これは先ほども奥先生に申し上げたのでございますが、十九条の発動はあり得ない、こういうふうに考えております。ただ、何らかの形で、これはわれわれの常識で考えられないのでございますが、万一の場合、その生協が非常にワクをはみ出して一般の者にまで大量販売といったようなことで、非常に一般小売商が売っているようなものを安く売るというふうなことがかりにあったような場合には、これは生協の本来の目的からむしろ逸脱しているのでございますから、そういう際には、当然国民経済上の総合的な見地からある程度厚生省と相談いたしまして調整するということでございます。先ほども奥先生に申し上げましたが、生協がその本来の活動をやっている限り、私は十九条の発動する余地ということはあり得ないものと考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 先ほど奥先生の御答弁にもございましたし、今も長官答弁しておられますが、この三項では「消費生活協同組合と中小小売商との間に紛争が生じまたは生ずるおそれがある」と、こういうふうに非常に私はこの、字句からいくと危険な字句だと思うので、今長官言われましたように、生協ではそういうことは今のところないのだ、まあ先ほどの答弁からいいましても、農協関係では非常に小売商を脅かしておる動きというものがあるが、生協は正常な運営をしておるから今のところそういうおそれはないのだ、こういうような御答弁だと私は思うのですが、そういう点からいくと、私は一項でいっておる、この一項で覚書が取りかわされて、十九条の規定を適用しない、こうございまするが、十九条ではこれは法律の中で非常にあいまいになっておる、こういう点で、私はやはりこれからの生協の運用の面もあろうかと思うのですけれども、生協活動ということでこれは非常に営むものだとか行なうものだとか、こういうふうな解釈もあるので、非常にこの点は私はあいまいじゃないかと思うので、これは長官も十分私は考えて、この覚書に取りかわしてある一項を尊重してもらいたい、かように思うわけであります。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 原則はもう一項の尊重ということを再々申し上げているとおりでございますが、御承知のように小売商業調整特別措置法、この中にも現在「中小小売商以外の者の行う一般消費者に対する物品の販売事業に関し、その者と中小小売商との間に生じた紛争」というものをあっせん調停の対象になっております。現行法もこうなっておりますので、一応現行法どおりのことをここにただ単に書いたにすぎないのでありまして、もし、そういう非常に残念でございますが、事態が起こった場合には、紛争のあっせん調停ということの対象になり得るということを念のために書いたわけでございまして、生協が本来の目的どおりやっておる限りは、繰り返すようでございますが、十九条は発動しないというふうに御理解いただきたいと存じます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 それから、適正な企業の規模を作成する基準、それから方法等について具体的事例をあげてひとつ説明をしていただきたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これにつきましては、たとえば過般御可決いただきました近代化促進法といったようなものにつきましては、三年後あるいは五年後というものを一つの目標時期といたしまして、そのときの生産の規模、コストの目標、あるいは全体の輸出が一体どうなるだろうかといったようなことについて、いろいろ計画を立てて、その計画を達成するために、合併しあるいは出資をして会社を作るといった場合には、税法上の裏づけをし、あるいは近代化保険の対象にするといったようないろいろなことにしておるわけでございますが、これ以外の産業につきましても、これは今どの産業はどうだということをここで一々申し上げるわけには参りませんけれども、技術の進展、需要の見込みといったようなものから判断いたしまして、少なくともこの程度の規模というものがなければ、新しい時代に即応したコストというものを達成することはできないのじゃないかと思われるものにつきましては、成案を得たものからいろいろ出していきたい。現在まで、業種別振興法におきまして、いろいろ改善事項の策定ということがなされております。その中にも、ものによりましては、この程度のものが適正規模だといったようなのが示されたもの等もございますので、そういう業種別振興法の改善事項、あるいは近代化促進法による近代化計画、その他、それに、法律によらないというものにつきましても、できるものから適正な規模というものを政府の責任において公表し得る段階になれば、それを公表し、中小企業者がその規模にまで共同し得るというようなことにまで進めていきたいと存じております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 次に、十四条の問題で、昨日も参考人から、流通革命が大きく行なわれるのじゃないかということで、非常に心配されておる御意見もございましたので、ここで、「小売商業における経営形態の近代化」とは一体どういうことであるか。それから、これを推進することによって、それに取り残されるところの中小企業者はどうなるのか。それから、「地域的条件につき必要な考慮を払うものとする。」と、こういうふうにございまするけれども、このことは一体どういうことを意味するのか。この点の御答弁を願います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) まず第一の御質問でございます「小売商業における経営形態の近代化のため必要な施策」と申しますのは、たとえば規格品につきましては、最近の非常な人手不足というようなことから、セルフ・サービスによるスーパー・マーケットといったようなものができているわけでございますが、その規格品のセルフ・サービスによる販売、あるいは逆に今度はその規格化されない商品、特にいろいろ技術的な助言というようなものを必要とするような商品を売る専門店といったようなもの、あるいは総合化された専門店としての百貨店形式、これはいわゆるわれわれは中小企業者の寄り合い百貨店という方向に持っていきたいと、こう思っておりますが、そういう寄り合い百貨店かスーパー・マーケットか、あるいはセールス・エンジニアリングと申しますか、売る場合にあたってある程度の技術的助言を必要とするものについては、この助言をしながら消費者に対して大いにサービスを行なって買っていただくといったような、特殊品の専門店といったような格好に、ただ漫然と何でもかんでも売るというのではなくて、それぞれの商品の品質に応じた経営形態ということを検討すべきでないかということで、このほかにもいろいろあるかと存じますが、例示をいたしますと、今あげたような格好でいきたいということが一つでございます。  それから、まあ取り残されたものに対してどうするかということでございますが、これはわれわれといたしましては、ひとつできるだけ取り残されないように、どうしても適正規模に達しなければうまくいかないという方々は共同化あるいはその他の方法によって適正規模にまでひとつ結合していただきたい。いわゆる協業の実を上げていただきたいというふうに考えているわけでございます。  それから、地域的な考慮というものは何かということでございますが、これはだんだん交通が発達して参ります。そうしますと、いろいろと買物をするという場合でも、単に一つの商店街だけのことを考えたらだめなんで、やはり三つ四つの商店街をひっくるめて、どの商店街はどういう性格の店のものが主力を占めるというような格好になるのが一番いいかといったような、単なる個々の商店街診断ではなくて、広域商業診断というようなことが必要になろうかと考えまして、実は三十八年度から商業の広域診断ということについて実施するということにしているわけでございます。で、同じ商業といたしましても、山の手と下町と、あるいは郊外と都心というものでは、おのずから需要される品物の種類も違いますし、品質毛違うというようなこともありましょうし、またここに集まる人の数によりまして販売する店の格好というようなことも、これは当然変わってくるのじゃないかというように考えられますので、そういうふうな点を総合的な見地から診断いたしまして、最もお客さんを引きつけやすいような経営形態の店を作るように指導していきたいというふうに考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 ここで中小商業者が共同なり合併してスーパー・マーケットなんかを作るということは、これはまあ歓迎すべきことであり、また政府としてもそういうことを促進しておられるわけでございますが、逆に今度は中小商業者以外の者がスーパー・マーケットを作って一もうけしようという効きが、今方々に繰り広げられておるのでございます。こういう点については、長官どういうふうにお考えになられますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 中小企業者がみずからの生産性を高めるために適正規模に達するように共同してスーパー・マーケットを作る。あるいは寄り合い百貨店を作るということにつきましては、われわれは協業化というものに対して予算的裏づけをしていきたいと考えておりますが、大企業がたとえばスーパー・マーケットというものの経営に乗り出すといったような場合、これはスーパー・マーケットという形式そのものは、私は最近の人手不足等からいいますと、新しい経営形態でございまして、これは決してそのものを否定すべきものではないと、こういうふうに考えております。ただその中小企業を、大企業があまり急激に出てくるというようなことで、その付近の中小の小売商あたりが非常な打撃を受けるというような場合には、これは十九条の不当な利益の侵害があったものとして処理したいというふうに思うわけでございまして、これは消費者の利益も考えなければなりませんが、しかし、同時にただ消費者がうんと安く買えるからいいじゃないかというだけで、ある地方の小売業者あたりが非常な苦境に陥るということは、これは結局国民経済全体から見れば、むしろマイナスであろうと思われますので、これにつきましては、十九条によってこの大企業の進出をしばらく待てとかあるいは出てくるにしても規模をうんと小さくしようとかいったような、いろいろな制限措置ということを行政手段によってとっていきたい。ただ先ほど奥先生にも申し上げましたが、行政指導だけでは十分にいかないといったようなことも起こってくるかと、こう思われますが、この流通問題につきましては、昨年来、合理化審議会の流通部会でいろいろ検討いたしまして、相当検討が進んでおります。大体九月頃には結論が出るのじゃないかというふうに思っておりますので、その結論を得次第、もし法律が必要であるならばまた立法をお願いしたいというふうに考えて、現在いろいろデータを整備中でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 それからいま一つ、今、大企業のスーパー・マーケットの話が出たんですが、やはり、たとえば綿製品、これは日本の大企業と言われるのと、それから中企業と言われるのもやっておりますけれども、綿から糸にし、糸からさらに布にして、さらにその布をシャツ、ブラウス、いろいろまあ製品を作るわけなんです。そうして町の中にスーパー・マーケットを作るということは今ちょっと困難であろうが、町からだいぶ離れた郊外に、特に今わが国におきましても自動車族というのは非常にふえて、町の中ではとにかく車を置くところはないからというととで、郊外に衣料品の大きなスーパー・マーケットを作ったと仮定いたします。そうすると、やはりそこには駐車場の広いところも設けて、大々的にスーパー・マーケットがこれからできる、そういうことを私は考えるわけなんですが、こういうものに対するところのお考えはどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 今、先生のお話になりましたような、非常な交通の発達というようなことから、非常にその買いもの圏と申しますか、買いものの範囲がふえたわけでございます。そういうことがありますので、先ほど十四条の二項にもございましたように、相当広範囲にわたっての商業診断というようなことをやるのでないと、お客さんの需要にマッチしないことになるんではないかということで、三つも四つもの商店街をひっくるめました相当広範囲にわたっての商業診断を行なって、この商店街はどういうような姿になるのが一番いいのじゃないか、この商店街はどういうような格好にしたらいいかというようなことを、ある程度広い高い観点から指導したいというのがこの十四条の第二項の先ほど先生がお触れになった点であり、また、予算的にもこの三十八年から新しく設けた広域診断でございまして、今、先生のお話になりましたような、交通力が非常に発達してきたということに対応して、ますます買いもの圏が広がるという、そういう実態に即したような行政をとっていきたい、そういうふうに考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 次に、十八条の下請関係の近代化ということがあるわけなんでございまするが、この近代化ということは、下請のいわゆる系列といいますか、これはまあ一種の近代化と見るのか、あくまでもそれは近代化じゃない、こういうふうに言われるのか、こういう点はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) いわゆる単一の親企業といったようなものに系列化されて、それも親以外に商品を納めるところはないというような格好になりますと、これはとか、従属関係になってしまいまして、非常に前近代的な関係というものがそこにかもし出されやすい、そういうふうに考えるわけでございます。で、われわれがここに十八条で下請関係の近代化と言っておりますのは、たとえばベアリング業界といったようなのはいい例かと存じますが、ある自動車会社というものに限らず、甲の会社にも乙の会社にも、あるいは丙の会社にもとにかく納めるといったように、その一つの部品でございましても、一般市場を媒介としていろいろな需要者につながるという格好に持っていくということが、これは理想的であろうかと。そういうことによって、なるほど規模は中小ということで、大企業よりも小さいものでございましても、いわゆる社会的分業という格好で、経済的には対等の立場に立つということを目ざして進んでいきたい、ということがこの十八条のねらいでございまして、具体的に申しますと、たとえば規格統一というようなことを推進して、専門々々の物を作らせる、しかもその専門の物は単一の親企業に納めるというのではなくて、それを需要するAの会社にもBの会社にも、またCの会社にも納めることができるといったような関係によって、一人の者から搾取されるというようなことのないように持っていきたいという、いわゆる社会的分業体制の確立ということを念願したのが十八条でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 それでまあ下請事業の形態というものは、私はむしろ中小企業の存在をある程度維持していくことに、非常に好都合ではないかというふうに一方考えられるのですが、この点長官はどうお考えになりますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 系列化そのものということは私も決して悪いことだとは思いません。ただ系列化することによってお前はもうほかにはいぎょうはないのだからということで、いわゆる不利な条件の押しつけということが、これはいけないということで、系列なら系列でもよろしゅうございますが、その間には親子はおのおの人格を尊重して、十分な価格形成力を子供が持ち得るようにということを実現をしてみたい。そういうふうに考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 それから下請代命支払遅延等防止法、これはきのうも参考人から言われておって、六十日以内に何とか手形でなくして現金で、手形を切った場合には六十日以内に現金で払ってもらいたい、こういうことを言われておったのでありますが、ほんとうに下請業者を今長官が言われましたように保護する、こういうことになりますと、やはり支払防止法をもう少し強く改正する必要があるのじゃないかと私は思うのですが、この点はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 確かに先生のおっしゃいますように、大企業の金融のしわがいろいろ支払手形というような形で中小企業のほうに寄せられている。昔は現金で払ってくれたというものが手形になり、しかもその手形がだんだんと長くなるということについては、これは先生の御指摘のとおりだと存じます。またそのために昨年法律を改正していただきまして、六十日以内に払えということになったわけでございまして、法律的に六十日以上にならないと現金化し得ないといったような場合には、当然その金利は手形を振り出す親企業が払うのが建前でございますが、しかし、実際問題としてこれは力関係で、これは長くてもいいからひとつ下さいということでもらっているということの結果、合法的な契約だ、向こうがいいというから出したのだ、自分のほうで押しつけたのじゃないといったような逃げ口上が、親のほうでなされているということも事実であるかと存じます。これは下請企業の下請代金の支払遅延等防止法といったような法律、これはさらに法律として改正すべき点があれば、もちろんその点をやるべきでございますけれども、しかし実際の経済問題として、これはもう力の強いものが弱いものに不出な条件を押しつけるといったような現状は、これは法律だけを幾ら作っても直り得ないのじゃないか。そこでむしろここにございますように、下請取引全般について、代金の支払い遅延だけでなしに、全体の親子の関係というようなものを、搾取の関係じゃなくて、ほんとうに対等の立場で経済的に協力し合うのだというところまで持っていく必要があろうかという大方針を十八条にうたい、また十七条とあわせてそれによって中小企業の経済活動の不利を是正しようというふうに考えているわけでございまして、今後中小企業の健全な発展のために、下請代金支払遅延等防止法の一そうの励行については、これは公正取引委員会と協力してわれわれもできるだけ違反事項のないようにいたしたいと思いますが、しかし、これは何と申しましても、中小企業の経済的の力をつけてやるということ以外にないのではないか。これは昨日もいろいろ参考人が言っておられましたように、やはり税を軽くしてやるとか、あるいは政府系の金融機関から金融が潤沢に流れるようにというようなことにすることによって、初めて経済的にも対等の立場に近づき得ると思われますので、法律は法律として制定すべきものは制定し、もちろん改正もいたしますけれども、経済的の内容の充実ということにいろいろの方面で努めていきたいと考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 昨年下請代金支払遅延等防止法の改正をやった。しかし、これまであまりこれが実効がない、こういうふうに承っておるわけでございますが、それというのも、やはり私は罰則規定というものがない。それで親企業のほうは横着をかまえているんじゃないか。しかもそのしわ寄せというものは、ただ下請企業者だけではなしに、それに働いておるところの労働者に大きなしわが寄ってくるわけです。私どもしばしば聞かされておりますところの、そういう親工場の支配によって従業員の給料が払えない。だからといって、下請工場が銀行から金を借りて従業員の賃金を支払いできるかといったら、それもできない。そこで詰まったあげく、労働者の名によって労働金庫から金を借りて、労働者が労働者の名によって経営者に金を借りてやって、そうして中小企業の経営者がやっと労働者に賃金を五割とか六割とか支払う、こういうことをしばしば聞かされておるわけなんです。これはやはり私は観工場、大企業が仕事をさせておいて、金はなかなか支払わない、こういう横着なことは私は人道的に許されない。これはほかの犯罪と同じように罰則規定というものを設けて、厳重にこれを支払わせる、こういうふうな方途を考えるべきじゃないかと思うのですが、この点はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 自分が払われるにもかかわらず払わないというようなものであるなら、これはもう当然先生のおっしゃるとおり、厳罰に処すべきだと、こう存じます。ところが今先生御引例になりましたように、企業によっては労働者が労働金庫から金を借りて、そうして企業がつぶれぬようにということで、企業の運転資金なりその他をむしろ従業員がめんどうを見てやっているというのと同じように、親企業が金を払わないというので、親企業をえらい刑罰その他を科して、ぶつつぶしてしまうということになったのでは、これは中小企業として、特に下請企業としてはもう注文がもらえないということになって、結局自分にはね返ってくる。ですから、そういう意味から非常に代金の支払いが悪いというものにつきましては、いろいろ公取が警告し、公取の勧告に従わないというものは、これを広く天下に公表して、けしからんことをやっているのだということができるように、今の法規。――下請代金支払遅延等防止法にはなっておりますけれども、これが一件もやっておらない、今まで。というのは、そういう発表を見ますと、またその親企業自体があらゆる取引先からの信用を失ってつぶれてしまうというおそれがあって、むしろ系列の子会社のほうで親企業がつぶれたのでは自分たちのほうが困ってしまうので、ある程度代金の支払いはおくれても仕方がないので、親をつぶさんでくれといったような要望があって、今まで公取として公表しないというのが実際の話でございます。これは結局大企業のしわが中小企業に寄っているということ、これは私は非常にけしからんことだと思っておりますが、これは結局中小企業か親企業かどちらかに、たっぷり金があればそういうことにならぬということですが、とかく今のところは大企業も決して十分じゃないということになりますと、まず自分のほうを潤沢にしてからしわを寄せるという傾向なきにしもあらずと思われますので、これはやはり中小企業自体の負担力を高めるために税を軽くしてやるとか、あるいは中小企業独自の今後のルートを拡大するとかということによって上げることが非常に必要なんじゃないか。それと同時に、どうしても払わぬ者については、これは当然払わせるということが必要でございますので、それにつきましては、公取をして十分に取り締まっていただきたいと考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 今長官も言われましたように、親企業自身がもう金がなくて払えない、そういうことなら、ある程度同情もできるのだけれども、そうじゃなくして、親工場は親工場で自分のところの面子を保つためには株の配当もやり、さらに自分のととろの面接の従業員だけには支払って、下請には支払わない、こういうところもしばしばあるわけなんです。こういう点、私ども地方ではよく労働組合なんかでも紛争の起きるそれが原因にもなっておるところもあるわけなんです。そうすると、今度は親工場のほうから、金があるかないか知りませんけれども、若干の投資をして、そうして下請工場のほうにお前のほうの従業員を整理しろ、整理した分は親工場のほうから回しておる、こういう事実もあるわけなんです。これなんかに対しては、じゃ公取がすぐそれに対して直接手を入れるかというと、なかなか公取もそういう点は見て見ぬふりをしておる。こういうことについて私どもは非常に遺憾だと思うのですがこの点はいかがですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 親が払える能力があるにもかかわらず払わないというのは、けしからぬことは申し上げるまでもないことだと思います。今まで通産省といたしましては、それぞれの通産局からその管内で、大体払えるのじゃないかというふうに役所のほうで見られるにもかかわらず、非常に支払いが悪いといったようなものにつきましては、その会社の最高責任者を通産局長が招致いたしまして、そうして警告を発した、例がしばしばあるわけでございまして、今までのところ、そういう警告を発したものにつきましては、支払い条件が非常に改善されております。われわれといたしましては、払えるにもかかわらず、払わない、そういうもの、これはいろいろな方法で取り締っていきたい、こういうふうに思っております。同時に下請の方々が単独ではなかなか親に対してよう言い切らぬといったような場合もございます。そういうことで、そういう場合には現在でもいろいろ下請の組合があっちこっち結成されておりますので、今後やはり下請の協同組合というもの、これを一そう組織化いたしまして、下請の組合全体として組織の力を通じて親に対して猛省を求め、支払い条件をよくするという方向に努力していきたい、そういうふうに考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 きのう参考人も述べておられて長官もお聞きになっただろうと思うのですが、特にきのうは八幡の下請の人も言っておられた。この下請の協同組合を作っていろいろとやっておるけれども、あまり親企業の気に入らないことをやると、ちょんと切られるのだと、これが非常にわれわれとしてはこわいのだと、こういうことを言っておられたわけなんです。そこでやはり私どもは、特にまた今長官が公取の話をされましたのですが、きのうの参考人の意見の中にもございましたように、山口県から九州にかけてわずか六人の委員しかいない。これでは幾らあちらこちらに違反するような事態があっても、この六人やそこらでは何とも処置のしょうがない、こういうことも言っておられたわけなんですが、そうすると、やはり公取の委員をふやすか、それとも何かの敏速な措置というものを講じなければならぬ。それでなければ私は公取の機能というものは十分に発揮することができないと思うのですが、この点長官どういうようにお考えになっておられますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 今の公取の陣容で、はたして十二分な公取の取り締りができるかどうかについては、私責任をもったお答えはここでできませんが、決して余裕ある陣容ではなくて、この数の多い中小企業、また特に下請関係の適正化ということのためには、陣容の強化ということの必要性があるのじゃないか、こう存じますが、これは別途公正取引委員会の委員長等から御答弁申し上げるのが筋じゃなかろうか、こう存じておりますが、われわれが承知いたしておりますところでは、公取では、いろいろ下請の組合だけでなしに、各種団体を網羅いたしましたいわゆる協力団といったようなものの組織の結成をいろいろ指導されておるようでございまして、そういう団体の力というようなものを活用することによって、下請関係全般の適正化というようなことに最近非常に力を入れて乗り出してきたというふうに承知いたしております。われわれは今後この公取の方針にできるだけ協力いたしまして、協力団の活動というようなものを通じて、下請関係の是正に努力していきたいと思っております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 事業活動の面の関係法規の改正を含めまして、具体的にひとつ説明をしていただきたい。それから単に必要な施策だけ最後のほうに規定してあるわけなんですが、分野確定も考えているかどうか、そういう点、長官、御答弁願いたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 現在団体法によりますアウトサイダー規制命令あるいは設備の新設制限命令といったようなものもございますし、商業につきましては、御承知のように百貨店法あるいは小売商業調整特別措置法といったような規定がございますので、われわれは、この既存の法制を今後できるだけ活発に活用するということをいたしたいとこう思っておりますが、先生がただいま御質問の後段でお触れになりました紛争の処理といったようなことを含めまして、今後いろいろな面で大企業その他との間に起こるであろうと思われるようなトラブルを解決するという方法といたしましては、政策審議会に十分にひとつ検討していただきまして、この答申を待って必要な措置をとりたいと、こういうふうに考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 二十条の「国等からの受注機会の確保」、こういうことがあるわけなんでございますが、このことは一体どういうことを意味しておるのか、具体的にはどのような手段を講じようとされておるのか。なぜ一定の割合の確保としなかったか、こういうようなことについて、長官の御意見を承りたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 官公需の受注をできるだけ増大するようにということで、われわれは、「機会を確保する」というのを、衆議院で「受注の機会の増大」というふうに修正をいただいたわけでございますが、具体的にはわれわれは、たとえば各官公庁あるいは公共団体、特殊法人といったようなところが一体どのような物品の入札方法をとっておるのか、どのような物品、役務の発注方法をとっておるのかというようなことについて、いわゆる手引き書と申しますか、そういうものを作りまして、これを全国の組合等を通じて広く中小企業者の末端まで浸透さしたい。大体相手がどんな入札方法あるいは調達方法をとっておるかわからぬでおったのでは一人相撲になりますので、通産省はこういう方法、建設省はこういう方法をとっておる、それをまず知ってもらうことが一番必要じゃないかということで、そういう現状を知ってもらうための手引き書を作り、そしてこれをいろいろ協同組合を通じまして末端まで流すということを三十八年度はいたしたいと思っております。  それから昨年から中小企業庁長官の名前をもちまして、各省庁の長が物品、役務の調達の責任者でございますが、その方々に対しまして、できるだけ中小企業で供給できるものはひとつ中小企業から買ってもらいたいというお願いを公文書をもっていたしております。これを受けていただきまして、いろいろな省におきまして、たとえば建設省であれば、一定金額以下の工事というものは一定の資本金以上の会社には引き受けさせないというようなことで、たしか五階級くらいに分けまして、何万円までの工事、それから何万円から何万円までの工事というふうな一つの幅を設けまして、それに対応する応札者はどういう規模のものであるかというふうに、今やっていただいておるはずでございます。それから、この基本法を提出するにあたりまして、各省について調べました結果、総合的に申しますと物品、役務両方を通じまして、約、数において、件数においては八割までは中小企業から調達されております。ただ金額の面でいきますと、一九%ということになっておりますが、現在も数で八割、金額で一九%というものが中小企業に対して発注されておる。われわれは、これを今後できるだけ増大するという方向で関係各省並びに特殊法人等に協力をお願いしていきたいと考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 そこで長官、全般にわたってはちょっとわからぬだろうと思いますけれども、わが国の官公需は、年間どの程度にあるのか、そのほかの省にわたってわからなければ、通産省だけ、大よそのところがわかりませんか。わからなければあとで……。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) ちょうど官公需の具体的な資料がございますが、あとから資料として提出さしていただきたいと思います。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 そこでもう一つ官公庁の受発注といいますか、の手続は非常に繁雑である。そういう点でなかなか中小企業者がこの手続や何かでもって不利な点があるんじゃないか、たとえば、私どもも知っている点では、官庁の入札をするのでなくして、入札の権利をとるにすらなかなかむずかしいという話を聞いて、しばしばそういう相談に応ずるわけなんですが、私は、中小企業がそういう点で大企業と比べましては非常に困難ではないか。大企業は、官公庁に対するところの顔やら何やらでいろいろと発注や受注というものが受けやすい。しかし、中小企業はそういう顔もないし、また、交際費というものもないので、なかなかうまくいかないということをよく聞かされるわけなんですが、こういう点はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 実際問題といたしまして、あるいは公式には広く門戸を開放されておるはずの入札というものが特定の者に限られておるといったようなことがあるいはあるかと存じます。しかし、そういうようなことがあろうかとも存じますので、われわれといたしましては、各団体、組合を通じまして、大体さしあたり一万くらいの組合に出したいということで準備をいたしておりますが、各官公庁の公の入札の方法というようなものを、こうなっておるんだということを天下に公示いたしまして、そしてこの資格のあるものは当然入札に応ずることができるのだという方向に持っていくまず第一歩を築きたい、こういうふうに思っておるわけでございます。  それから入札という問題がございますが、いわゆる小規模の業者を育成するという立場から、現在の会計法は、協同組合というような組合から物を買う場合には、随意契約でよろしいという規定がございます。それからこれはものによって違いますが、工事と物では違いますが、百万円までの工事――六十万円以下のものでございましたか、金額はあとから訂正させていただくかもしれませんが、一定額以下の工事あるいは金額は随意契約でもよろしい、それから組合から買う場合には、随意契約でよろしいというような規定がございますので、むしろわれわれは、今後できるだけ協同組合といったようなものは、官公庁の入札という格好でなしに随意契約できるというような方向に持っていくということで指導したいと考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 それから国や地方公共団体、それからその他の公社、公団、こういうところではそれぞれ法令や、それから規定というものがあって、そういうことで規制される荷がなかなか多いわけなんですが、この点はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 一般的には、会計法で先ほど申し上げましたように、原則としては入札である、しかし、組合から買う場合には、これは随意契約でよろしい、あるいは一定額以下のものであるなら、随意契約でもよろしいというようなことでございますが、原則としてはやはり競争入札というのが建前となっております。  それから、先ほど官公需の金額がどのくらいあるかということでございますが、三十六年の防衛庁、厚生省、農林省、通産省、運輸省、労働省、建設省、自治省、それから国鉄、これで必ずしも全部ではございませんが、この地方支分部局を除きます本省関係、これだけの調査ができ上がっておりますが、これによりますと、以上申し上げましたところで五千二百四十億円の物品並びに役務の調達がなされている。それから件数といたしましては、百十二万件ということでございまして、この百十二万件のうち、件数では八〇・五%が中小企業、それから金額では五千二百四十億円のうちの一八・八%、約一九%弱というものが中小企業に向けられておるということでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 先ほど長官は、なるべく協同組合から買うように、こういうお話でございましたが、しかし契約方法、それから一般競争の契約、それから指名競争契約、それから随意契約、こういうようにいろいろの契約があるわけなんですが、この比率、金額はどれくらいですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 件数で申し上げますと、一般競争入札契約というものが三・八%、指名競争契約が七・九%、随意契約が八八・三%となっております。これを金額で参りますと、一般競争契約が六・一%、それから指名競争契約が四三・五%、随意契約が五〇・四%、そういうことになっております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 今のところ、任意契約というものが金額の面においても、件数の面においても一番多い。そういうことになるわけなんですが、任意契約で契約した場合に、これは直接商工組合とか協同組合、そういう関係なくしてやるということですか、組合じゃなくて、個人的の任意契約で。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは、今、先生のお尋ねそのままの実は調査ができておらないわけでございますが、大部分は金額が会計法でいう一定の金額、たとえば百万円以下というようなことから随契によるというものが非常に多いので、金額は多いけれども、協同組合であるからということで買っているといったようなものは比較的少ないのではないか。しかし、これは想像でございますので、もう少し調査いたしまして、資料ができましたら、お手元に差し上げたいと存じます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 次に、第四章の問題ですが……。

川上為治自由民主党

○川上為治君 ちょっと今の問題に関連して。今の二十条の発注問題に関連しまして、二点ちょっと質問を申し上げたいと思います。  第一点は、この条文の中に、たとえば国有林の払い下げとか澱粉の払い下げとか、そういうような払い下げについても、こういう機会を増大するというような、そういう機会を与えてくれるのかくれないのか、この中に入っておるのか入っていないのか、その点をお聞きしたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 今、川上先生の御指摘の国等からの発注を受けるというこの規定の中に、払い下げを受けるにあたって、中小企業が優先的にとか、あるいはできるだけそっちのほうにいくようにということは、この条文からは直接は出てこないという格好になっております。しかし、われわれといたしましては、今の先生の御指摘のような国有林あるいは官公庁の所有するものの払い下げという場合にあたっても、特に不都合がないという限りは、中小企業のほうにできるだけ払い下げるという方向で努力したいと思っておりますが、この二十条は、これは国からの発注の問題ということを直接規定いたしておりますので、これは先生の御指摘の逆の場合は、この中に入っておりません。

川上為治自由民主党

○川上為治君 私は、やはりそういう問題についても、中小企業者に対しまして極力機会を与えるような措置をとってもらいたい。この条文の中にはそういうことは書いてなくても、これは、これと同じような問題だと思いますから、特に私は強くその点を要望しておきたいと思うのです。農林省にしましても、あるいはその他の官庁におきましても、これに対しましては十分協力してもらうように、ひとつ政府のほうで善処してもらいたいということを特にお願い申し上げておきます。  それからもう一つの問題は、この「中小企業者の受注の機会を確保する等」と、この中に、一定割合を確保するという、そういうこともやれるのだというふうに私は考えているのですが、そういうふうに解釈するのですが、そういうことはできるのかできないのか、これをひとつお伺いしておきたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 今の一定割合というもの、たとえば二割とか二割五分とかいったような固定したものという意味でなくて、たとえば、先ほど申し上げました、国全体として、これは省によりでこぼこがございますが、三十六年の実績が一八・八%となっておりますが、これがかりにある省の実績が一八・八%であった場合に、少なくとも去年までこれでやっておったのだから、ことしはひとつ二〇%は中小企業から調達しよう、また、調達させようというようなことで、中小企業から調達するという一つの目標といたしまして、一定割合というものを掲げるという意味に先生が解釈しておられるのであるならば、われわれは、少なくとも過去の実績を下らないようにここまで買うように努力しようというメルクマールというようなものはきめるということも、この現在の官公需の発注に関する二十条の規定の中に含まれるものだと、こういうふうに考えております。

川上為治自由民主党

○川上為治君 私は、その一定の割合を確保するという問題については、非常に強く従来から要求をいたしているわけなんですが、たとえばアメリカにおきましても、百ならば百のうちで八十はこれは中小企業者のほうだけから入札を受ける、二十については、これは大企業のほうだけから入札を受ける、こういうようなやり方をとっておりまして、値段にしましても、その他のものについても、大企業のほうと中小企業のほうと、全く同じような条件のもとにやっておると、私は聞いております。ですから、そういうようなやり方をとるのであるならば、日本においても、これがなかなかできないということは私は言えないのじゃないかというふうに考えるのです。ところが、今まで聞いたところでは、どうも人件費がかかるとか、複雑になるとか、そういうような話を聞いておりますけれども、どうもこれは私にはそういう点はよくわからない。そんなに人件費がかかるとか、そういうことはあり得ないと、そう考えるのですが、この問題については、私は、政府としてはもっとよく考えて、それが実現できるように、この法律の範囲内においてこれはできると思うのですが、そういうことができるように、今後実行していただくことを私は特に強くこの点は要望しておきたいと思うのです。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) ある一定の目標といったようなものを掲げまして、できるだけそれを実現するように努力するといった意味の一定割合というふうなことでございますれば、先ほどから申し上げておりますように、たとえば昨年よりも下らないように、一八%であれば今度は二〇%、あるいは二二%にというようなことを目途といたしまして、中小企業からできるだけ買うようにということについては、通産省はもちろんのこと、関係官公庁に対しましても、協力していただくようにということを、この法律の制定の機会に強く要望したいと考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 小規模企業の関係について質問いたしますが、小規模企業について独立の章を設けられた趣旨は、これは了とするといたしましても、規模の零細な企業は、経済的社会的制約が特に多い。にわかに生産性の向上を期待することは非常に困難だと考えられるわけでございますが、政府は小規模企業に対する生産性の向上ということをどのように考えておられるのか、まず、この点からお尋ねいたします。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 小規模企業につきましては、四章に規定がございますように、また、衆議院で御修正をいただきまして、われわれの意図している方向を非常に具体的にはっきりと書いていただいたわけでございますが、中小企業の中でも、特に小規模の方々は、とかく経済政策のベースにそのままじゃ乗り得ないといったような零細な方々もたくさんおられるわけでございます。そこで、それらの方々の中には、具体的に申しますと、たとえば帳簿のつけ方一つ十分知らないというようなこと、あるいはひどいのになりますと、国民金融公庫というようなものに金を借りに行くという方法さえ知らずに、町の金融機関である高利貸しから安直に借りて、高利に悩まされているといったような人々がある。そういう人々に対しましては、われわれは商工会議所あるいは商工会というようなところに配置されました経営指導員を通じまして、帳簿のつけ方、あるいはどういうところに行ってどういう方法で金を借りたら借りることができるかといったような、最も初歩的なことから指導いたしておるわけであります。それと同時に、小口保険でございますとか、あるいは、先ほど申し上げましたような、近代化資金の貸付とかいったような金融上のいろいろな措置をする。また、ただいま衆議院を通過したそうでございますが、指導法というようなものを今度作っていただくわけでございますが、技術指導あるいは経営指導というようなことにつきましても、今までよりもより合理的な管理方法、技術の水準というものに達するようにということで、いろいろなことをやっておるわけでございます。いろいろな特殊の金融機関による金融のルートの増大、あるいは担税力に応じた税制の改正といったようなもの、これらはすべて私はやはり経済政策であろうかと、こういうふうに存じております。この経済政策をできるだけ合理的に活用するということが、この基本法の主たる目的でございまして、どうしても経済政策にすら乗り得ないという場合には、この社会政策的配慮ということがこれに出るのだと、こう存じますけれども、しかし、税金をある程度負けてやるとか、あるいは金融のルートを大きくするといったようなことは、これは私はむしろ、むしろといいますか、りっぱな経済政策であり、中小、特に零細に対する経済政策の今まで不十分であったという点を潤沢にするということによって、中小企業の体質を改善し、この生産性を向上させるという方向に努力していきたいと考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 本法案については、中小企業繁栄の方途を経済的合理性の追及に求めておられるわけです。今も長官が言われましたように、経済政策である、その経済政策に基調を求めておられますが、零細企業に対する政策といたしましては、そのほかに社会的政策をあわせて行なうことが必要だと思うのです。政府は小規模企業に対してどの程度に社会政策のお考えを持っておられるのか。また、いわゆる第三条第一項の施策と第二十三条との関係を、具体的にひとつ説明をしていただきたいのであります。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 私は、およそ企業という以上、これはやはりあらゆるものは経済ベースにのっとって行なわれるものだと、もし私の使い方が間違っておれば御訂正いただきたいと存じますが、単に保護救済という意味で先生がお使いになったのじゃないというふうに解釈いたしますので、そういうことであれば、たとえば先ほどから申し上げております五万円、十万円といったような零細の金を簡単に借りるということができるように政府金融機関の手元を豊かにして、それによって貸し出しの件数をふやし、また、貸し出し金額を増大するということ、これは非常に経済政策としてりっぱなものであろうかと、こう存じますし、また、中小企業が支払いの能力を越えて過重な税金を負担させられるということでありまするならば、それは担税力に応じたように税率を低くしてもらうということ、これも当然経済政策としてやるべきことということでございますので、これは大部分の場合は、経済政策で、私は、企業としていき得る限りは救われるものと、こういうように考えております。ただ、いろいろの問題からそういう経済政策だけではどうしてもいかないという面、これは絶無だとは言い切れない、こう存じますが、そういうことも考慮いたしまして、前文の中にも、小規模企業者に対する特別な考慮を払いながらということを特にうたい、この中に、当然経済政策のほかに社会政策的な配慮というものもやるべきであるということをいっておるわけでございますが、たとえば社会政策の一つといたしましては、いろいろな各種の社会保険制度といったようなものがございます。これは、現在五人以上の従業員を使っておるところには、失業保険にいたしましても、健康保険にいたしましても、あるいは厚生年金にいたしましても、みんな強制適用で、雇い主が応分の保険料を払っておるわけでございますが、しかし、五人以下のところは、これは給与体系もはっきりしておらないとか、あるいは雇用も非常に流動的で、必ずしも雇用が固定しておらない。それからまた、はたして雇い主にその保険料を払うだけの能力があるかどうかということもさだかでないというようなことから、任意包括加入制度になっておりまして、そこに入っておる人の従業員等は救われるけれども、そこに加入しない大部分の方は社会保険の恩恵に浴さないといったような状態になっておるのが現状でございます。これにつきましては、たとえば失業保険については、現在事務組合の制度がございまして、個々の零細企業ではなかなかきちんきちんと金を国に納めるということはむずかしいといった場合に、組合がかわって保険料を徴収し、みんなから集めて回って、そうして一括してそれを納めるというようなことで、いろいろな恩典を受けるために必要な事務の代行を組合がやっているというような制度がございます。厚生省のほうにおきましては、現在この事務代行の制度をそれ以外の各種の社会保険等にも活用したらどうかといったようなことで検討もなされておるというふうなことを伺っておりますし、昨日の衆議院の本会議におきましても、厚生大臣並びに労働大臣から、目下検討中であるというようなお話がございましたので、われわれは厚生省、労働省といったような関係各省と連絡をとりながら、できるだけ零細な方々に対しましても、大きな企業と同じような社会保険その他の社会福祉上の施策が十分行き渡るというふうに努力していきたいと考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 ちょっと関連。長官は今社会性の問題について、具体的に保険とかそういう問題を中心として話されておるが、そういう点はあまりに狭義な、狭い考え方の社会性だと思うのです。ここでいう社会性は、少なくともこういう自由競争の中で小規模企業がなかなか競争していくのは困難である、したがって、そういう諸君の、いわゆる先ほど言った金利を低くするとか、あるいは生産に伴うところの受注の問題を、これはやはり中小企業全般として、あるいは零細企業全般としてのそれの確保のために努力したとか、これはやはり大きな経済政策によって社会性を帯びた一つの施策である、そういう意味の社会性がここでうたわれておるとわれわれは考えるのですが、その点はいかがですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) それは、もう先生のおっしゃるとおりでございます。で、私が先ほどから申し上げております経営改善普及のためのいろいろな仕事をやっておりますが、これに従事しておりますいわゆる経営指導員というものは、現在四千四百十七名おるわけでございますが、この人たちの人件費は、これは国と地方庁でまるがかえでございます。これは経営主には一銭も負担をかけずにやっている。そういう意味におきましては、これは先生の御指摘のような広い意味での社会政策ということを、われわれは小規模企業対策としてすでにとっているわけでございます。こういう面については、今後さらに拡充するということでやっていきたいと思います。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 最後にお尋ねしますが、たとえば零細企業といえども、その零細企業の中には、やはり五人くらいの零細企業もあり、さらに夫婦二人くらいで作業をしておるというのも零細企業の中にはあるわけです。そこで、ほんとうに困っておる、夫婦二人くらいでやっておる程度だと、税金の面においても、税金を払うところまでいかない零細企業もあるわけなんです。そうした場合に、国民金融公庫から金を措りようとしても、非常に困難な場合があるわけなのです。そこで、先ほど向井委員も、経済的社会的両方の意味があるのじゃないかということで質問されたわけでございますが、私はそういう面に立って、やはり二、三人の経営であってもやはりこれは経営なんで、経営によって生きていこうという熱意を持っているわけなのです。やはりこういう問題に対するところの配慮といいますか、育成といいますか、そういう点についてもやはり十分将来考えていく必要があるのではないか、こう思うわけなのです。  以上で一応私は質問を終わりまして、あとは大臣御出席の上でやりたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 今、先生御指摘になりましたのは、主として個人企業のことだと思いますが、個人企業が二百八十万あります中で、税金を納めておりますのは大体その三分の一、九十万程度でございます。しかし、税金を納めるに至らないという非常に少額の所得者、これらの者に対しましても、政府関係金融機関から貸し出しをいたしておるわけでございまして、われわれは、そういう方々の所要資金というのは、それこそ零細な資金で、平均して二十万円程度でございます。大きいところは五十万も六十万もあるが、小さいところは五万円とか六万円、あるいは三万円といったものもあるわけでございます。そういう方々がほんのわずかな金というものを、のどから手が出るほどほしがっておられるといった場合には、そういう方々に迅速に所要資金が入るようにということを念願といたしまして、国民金融公庫の財源をふやしていきたいと考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 実際には、今、長官が言われたのは長官の考えであり、また、そういうふうな通達が行っておると思うのですけれども、実際の面に当たってみますると、なかなか調査の上においてはねられるということが相当あるのです。それをずっと追及していきますと、どうもうちは税金を納めていないからだめらしい、そういう意見を私しばしば聞くわけなのです。そういう点で私心配になるので、そういう点も十分に配慮するようにしていただきたい、かように思うわけであります。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) あるいは先生の御指摘の事実があるかと存じますが、しかし、それは結局金融機関の金が足りないために、たくさんの申し込みというものがある場合に、断わる口実に使っておるのではないかと思われますので、やはり国民金融公庫の財源そのものをふやすということが一番先じゃなかろうか、そういうふうに考えます。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 速記を始めて。  では、八時まで休憩いたします。    午後五時五十分休憩      ―――――・―――――    午後八時四十七分開会

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、中小企業基本法案を議題とし、質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 先ほどから近藤委員から詳細に質問されましたので、できるだけ重複を避けたいと思うのですが、重複の点もあると思いますが、まず長官にお聞きしたい点は、わが国の中小企業の中で、雇用面についてはどれくらいを占めているかというようなこと、それから生産面においては、全生産の中小企業がどれくらいの割合で生産しているか、なお、輸出面においては、中小企業が総額どれくらいのこれまた割合にあるか、この三点につきまして、まず査問いたしたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 大体中小企業に働いております人の総数は千七百五十万というふうに承知いたしております。それから付加価値生産願におきましては、大体、所得倍増計画におきまして示された基準年次におきましては、五二%程度。それから輸出につきましては、これは実は正確な役所における統計というものはないわけでございますが、大阪府のほうで調べていただきましたものでは、大体やはり五二%程度ということになっております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 雇用面においては千七百五十七万というんですが、これは大体どれくらいの割合になりますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 従業員の全体におきまして占めますものは、今度の新しい範囲によりますと、一応七八・七%でございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 次に、この法案の中の前文の問題で、特に今後、長官がその法の施行にあたっての当面の責任者だと思うのですが、そういう中で若干衆議院でも修正されて参りました一番重要な問題は、「補正」を「是正」という形にこれ変えているわけですが、修正しているわけですが、この問題の、何といいますか、概念ですね、これはひとつ長官に伺っておきたいと思います。「是正」と「補正」の概念をどう考えるか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これはむしろ語感の問題というような点が大きいのじゃないかと思うのでございますが、いろいろ衆議院で御議論いただきました際に、「不利を補正する」というのは、単に、ちょっと足らないところを補い正すという程度の響きを与えがちである、むしろ現在中小企業を取り巻いております経済的社会的制約といったようなものからする不利というものは、もっと本質的な要素があるのじゃないかということから、これを画期的に是正するというくらいの気持であらゆる施策をするべきであるということで、特に「是正」というふうにお直しいただいたのでありますが、われわれといたしましては、原案の当時からも決してただちょっと直すということじゃなくて、この基本法を契機にいたしまして、財政投融資あるいは金融、税制、いろいろな面で具体的な裏づけをすることによって、経済的社会的な不利を徹底的に直すという方向で努力したいと思ったわけでございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 次に、十三条の中で、特に事業の共同化、特に組織問題でございますが、この問題について法案の内容を見ますと、共同化のための組織の整備等ですね、こういうことがいわれておるわけなんですが、積極的にこの法案のような方向で指導するということだと思いますが、具体的に、しからば、どういう助長なり指導をされるのか、この点若干重複すると思いますが、お聞きしたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは、過般御決定願いました近代化資金助成法、あれによりますいわゆる高度化資金の貸し付けといったような場合には、この協同組合等協業化あるいは組織化という場合に、共同化資金を貸し付けるということにいたしております。また、協同組合が取得した土地を組合員に売却する場合、組合員が取得してから三年以内なら不動産取得税を免除する、また、不動産登録税を軽減するといった措置もとられております。それから、工場等買いかえの場合の圧縮記帳であるとか、あるいは組合の事務所の固定資産税は免除する、あるいは組合の病院用の土地の取得税の免除その他協業用の機械の特別償却あるいは固定資産税の軽減といったような措置を具体的に現在行なっておりますが、さらに、今申し上げましたような方向で今後施策を拡充していきたいと考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 その中で特に今協同組合とか、いろいろこれから組織化が強化されなければならぬわけなんですが、その組織化もただ単なる組織じゃなくて、十分これの機能が発揮されなければ意味がないわけなんです。したがって、そういう問題につきましては、もちろん地域的にも、あるいは業種別にも、いろいろ問題点があろうかと思いますが、この機能発揮に対するこれがいわゆる組織化し、その組織化されたところには十分な優遇的な措置を与える、こういうふうに考えられるわけなんですが、この点そのとおりでいいのかどうか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 中小企業の組織化は、これは今後中小企業が経済活動を行なっていく上に一番大切な一つの手段であると考えておりまして、この基本法にも御案内のように三つの条が設けられておるわけでございます。まず、二十七条には、組織化の推進その他中小企業に関する団体の整備について包括的に規定しております。また十七条では、事業活動の自主的調整のための組織の整備を規定いたしております。その十三条は、これは組織そのものというよりも、事業の共同化または相互扶助のために組織の整備を大いに利用しようというものでございまして、先ほど先生が御質問になったような趣旨で規定されておるのでございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 なお次の十九条ですが、「事業活動の機会の適正な確保」、こういう問題も先ほどからいろいろと論議されておりますが、紛争の処理の機構については、現在は公取とか百貨店審議会とかあるいは小売店審議会とか、こういう審議会があるわけでございますが、これは今後この機構を整備するためには、やはりばらばらな形が出てくるのじゃないかと思う。したがって、これは一元的にそういう機構を作っていくという考え方、こういうことをすべきだと思うのですが、この点いかがでしょうか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 大企業と中小企業との間の紛争、あるいは中小企業同士間の問題もあるかもわかりません。あるいは、先ほど問題になりました生協なりあるいは農協といったものとも、場合によっては紛争が生ずるかもわかりません。そういう場合に、これを国民経済的な見地からさばくということでございますが、しかしその場合、やはり一番大切なことは、産業政策の一貫性ということを保持することじゃなかろうか、そういうふうに存ぜられますので、今の段階におきましては、私は、最終的な責任をかりに負うとすれば、これはやはりそれぞれの主務大臣が負うべきであろうか、こういうふうに存じておりますが、しかし、これは先ほども御答弁申し上げましたように政策審議会、これが設けられましたならば、第一号の議案くらいにそれを御審議いただきまして、どういうふうな具体的な機構の整備等をやるべきかということについて御審議いただいて、その答申を得次第、所要の措置をとりたいと考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 もちろんそういうことでけっこうなんですが、しかし、ただいまこの法案を立案する段階の中で、長官としては、この立案の中で、どういうような機構を作ったらいいかということも、一応腹案を持っておられると思うのです。もちろん諮問されることもけっこうなんですが、こういう点について、ただいまならば公取とかあるいは百貨店審議会その他があるわけですから、そういうことをひとつどういう構想を持ってこの立案をされたのか、この点お聞きしたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 御承知のように、団体法によるアウトサイダーの規制命令でありますとか、あるいは製造設備の新設の制限とかいうような規定がございます。こういうものは今後ますます活用していきたいと思いますし、小売店との関係におきましては、小売商業調整法で、小売業者とその他との間に起こった紛争については、あっせん調停といったようなことができるということになっておりますので、できるだけそれを有効に活用するということをいたしたい、そういうふうに思っております。それからまた百貨店法、これでは御承知のように、許可という制度がしかれておりますので、これらの既存の法律をさしあたりは活用するということで、十九条の本来の目的が達成されるように努力していきたいと思っております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 次の二十条の問題につきましては、先ほどからもたびたび質問が出ているわけなんですが、もちろんこれは制度として、会計法等の改正等が必要かと思いますが、この制度を変えるということでなければ、ただ若干の随意契約、これを増大するのだとか、あるいは中小企業にどうするのだと、こういう抽象的なことではなかなかこれは確保はできないのじゃないかと思う。したがって、これに対するところの制度の改革をして、そして確保しようという考え方からこの問題に取っ組んでおられるのか、この点いかがですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 先ほど十ばかりの官庁の調達実績について、五千二百四十億円ばかりの調達の内訳を申し上げましたが、その中でも随意契約による分というものが一番多いわけでございます。これは会計法自体にも、たとえば協同組合から買う場合には随契でよろしいというようなことになっております。そういうことから一われわれ、個々の中小企業ではなかなか十分に官庁側にも信用してもらえないといったような場合でも、協同組合を組織するといったようなことによりまして、そして十分な信用力を保持するということもできるのじゃないか、こういうふうに考えておりますので、できるだけ協同組合等をして官庁の契約に応じさせるということを今後慫慂していきたいと思っておりまするし、現に昨年来関係各省庁に対しまして、できるだけ中小企業から買い得るものについては、中小企業から調達していただきたいということをお願いし、それぞれ相当の成績を上げてきていると思いますので、先ほど申し上げましたように、特に「増大」というふうに衆議院で御修正いただきました点にものっとりまして、今まで二割のものは来年は二一%、二二%はひとつ買うようにといったようなことを目標に掲げるというようなことで、できるだけ増大するように努めていきたいと考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 これは、先ほど近藤委員からも触れられましたが、大体そういうように政府としては言われましても、いろいろわれわれが知っている範囲においては、これは何といっても、何と申しますか、工事一つにいたしましても、あるいは物品の納入の問題にいたしましても、過去の実績があるわけなんですね。この実績を変えていこうとすれば、非常に並みたいていの努力ではないわけなんです。一つの指名入札に入れてもらう、そのための努力というものがなかなかたいへんですね、こういう点について、過去のいわゆるしきたりに対する改革をしなければならぬと思う。そういう点については、ただそういうように指示をしたいというようなことではなかなか直らないと思うのですね。したがって、具体的にそういう問題をどう指導し、指示していくか、これは特に地方公共団体等に非常に多いと思うのですが、これをひとつ具体的な方針を聞きたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) たとえば、ただいま建設省におきましては、工事の金額によりまして、それに応募する範囲をきめているわけでございます。たとえば千万円までの工事であれば、資本金は何万円以下の会社に限るとか、あるいは何億円以上の工事ということになれば、資本金はどれだけの会社だといって、それぞれ工事の額に応じましてその一定の幅に入る、分量に対応する応札者というものの範囲をきめるというようなことをしておられますが、私は、これは具体的に中小企業あたりから物を調達し、あるいは中小企業に役務の発注をする場合の非常に大きな一つの示唆ではないか、こういうようなことで、できるものにつきましては具体的にそういう措置をとっていただくということを各省にお願いして、これは契約するのは関係各省庁の委任でございますが、できるだけできるものはそういうふうにやっていただきたいというふうにお願いしていきたいと考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 そういう努力はけっこうなんですが、特に中小企業の中でも中に属するようないわゆる企業については、若干これは政治力も、あるいはまた経済力も持っておるわけです。特に小規模というか、零細については、なかなかそこに食い込むということは、ただ経済性だけの問題じゃなくて、そういう立場から非常に苦心をしている。まあ近い例を申し上げますならば、特に地方等ではある程度の有力者というか、こういう諸君が事業をやっておる面については、これはある程度スムーズにいっておるかわからぬ。だから、今言った小規模あるいは零細、こういうところの諸君が今までなかなかそういうところへ入り込むことができない。今後それをやるというためには、ただ単の指導だけでは、あるいはまた、お願いだけではできないのじゃないかと思う。したがって、やはり過去の実績に対しての改革をしようとするならば、やはりいろんな資本的な問題を考えつつ、あるいは業種的な問題を考えてやらなければいかぬのじゃないか。したがって、そういう点についてもう少し具体的に、そういう諸君の発注の確保のためにどう努力するか、この点について再度伺いたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 今、先生の仰せのように、何と申しますか、いわゆる顔といいますか、今までのつながりというようなものがなければなかなか食い込めないといったような事実があることは、これは否定できないのじゃないか。そこで私どもは、どの省はどういう契約方法をとっておるか、たとえば国有鉄道ではどういう調達方法をとっておるかというようなことにつきまして、これはそれぞれの省庁の御協力を得て、そういう手続についての手引き書というものを三十八年度に作るということにいたしておりますが、それらの手引き書を作ってその手引き書に示す資格に該当する方という方は、とにかくそこに行って応札できる、あるいは随契の対象にしてもらえるのだということで、堂々と交渉できるように、ただいわれもなしにそこから締め出されるというようなことがあった場合には、特別の事由があるかどうかというようなことにつきまして、これはさらにわれわれ、中小企業庁として今まで各省にお願いしておる線を強めるという意味で、こういう規定であるにもかかわらず、なぜ特定の人間を入れてくれないんだというようなことについて、十分に連絡をとることによりまして、過去の一定の実績、顔のつながりというものがなければ物品が納められない、あるいは契約に応ずることができないというようなことのないようにということにしていきたたい。これは一挙にはなかなかいかないと思いますが、まず応募する側に、各省庁がどういう一体方法をとっておるのかということを知ってもらう、インフォメーション・サービスというようなことで、とりあえず三十八年度の第一の着手としてやりたいというふうに考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 今すぐの問題じゃないけれども、将来そういう発注の問題について、関連法案等で、具体的に、やはり業種なり、業種というか種類ですね、あるいはまた額、そういうものをあわせてそれに対する制度化を中小企業あるいは大企業、そういうところの制度化をする考え方はございませんか。あるいはまた検討する考え方はございませんか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは、あるいはアメリカのような一定額を中小企業に留保するといったような考えはないかといったようなお話かと存じますけれども、それも結局、アメリカでもただ一応留保することを目標にして努力するけれども、値段は大企業と同じでないということであれば、やはり大企業のほうから買わざるを得ないというところに落ちつくというので、結局一種の努力目標という格好になっておりますので、その意味においては、今回増大するように努力しなければならないということがこの基本法ではっきりされたということであれば、この線に沿って今まで申し上げましたようなことを逐次進めていくということで相当の実効が上がるのじゃないかと考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 次に、この二十四条の資金の確保でございますが、それも先ほどからしばしば質問が出ておりますけれども、現在この財政投融資の中小企業とそれから大企業との割合はどれくらいになっておるか、あるいは設備投資等の割合ですね、こういうものはどれくらいの割合になっているか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 財政投融資全体に占めます中小企業向けの割合は、三十八年度におきまして一二・三%でございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 今後これを絶対量を増大しなければならぬわけですが、ただいまこの法案を通すと同時に、どれくらい増大しなければならぬかという問題と、特にこの中で、中小企業の増大すると同時に、中小企業に貸し付けるいろいろなもろもろの条件がございますが、この条件について、ただいままでのような条件でいいか、あるいは条件そのものももっと検討し、考えなければならぬ、こういう点はいかがでしょうか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 三十八年度につきましては、大体今のところ、民間の金融機関との関係等からいたしまして、一応この一二・三%程度の財投に裏づげられた貸し出しで、今まで計画されたものは充足し得る、こう思っておりますが、先ほど来たびたびお話に出ておりますような小規模、特に零細な方々に対する金融という面におきましては、必ずしも今のところ十分とは申し上げられないと存じまのすで、特に国民金融公庫の財源を充実するという方向で今後基本法の制定を機会に進んでいきたいとこう思っておりますが、また、組織化を進める以上、商工中金の金利というものをできるだけ引き下げるという方向で財政投融資の活用を財政当局にお願いしたいと考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 質問が、条項が交錯するのですが、次に、第十六条の中で、「労働関係の適正化」という言葉を使っておるのですが、この「適正化」というのはどういうことであるのか、どういう方向で適正化しようというのか、この点、具体的にちょっと御説明願いたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) ここでいっておりますのは、労使関係を近代化し、安定化して、労働関係を適正化するとともに、賃金、労働時間その他の労働条件の改善ということを考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 そうすると、まず、賃金の問題については、最低賃金制の確立と、こういう問題が中心であると思いますし、そうして労働時間の問題については、短縮しなけりゃならぬ、まあこういうことだと思うのですが、最低賃金制については、これは労働省の関係にもなるわけでございますけれども、特に中小企業の場合においては、今まだまだまもまちであるわけなんですね、したがって、この点について適正化ということをうたっている以上は、この適正化がどういう形において、この賃金制をしかれることが望ましいか、この点についてお聞きした

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは、先生御指摘のように、われわれとしましては、最賃法をできるだけ普及させ、徹底させるということを考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 それから特に家内工業的ないわゆる企業があるわけなんです。これは、おそらくこの十六条なり、あるいは二十三条ですか、二十三条に該当するかと思うのですが、こういう問題、具体的にこの法案の中には出ておらないのです。こういう家内工業的な企業に対する、この中小企業法案でどういう形において育成なり、強化しようとしているのか、この点お聞きしたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 家内工業的な非常に零細な企業主自体に対しましては、この二十三条で税制、金融その他の事項につき、特別の施策を講ずるということを考えております。それからそこに働く人につきましては、たとえば五人以下の非常に小さた方々に対しましても、できるだけ各種の社会保険といったようなものが行き渡るように、たとえば事務組合といったようなものの制度を失業保険だけでなしに、ほかの保険制度にも及ぼすというようなことを、今、厚生省、労働省で御検討いただいておりますので、早く、その方針の結論を出していただいて、企業主と同時に、そこで働く従業員の福祉の向上ということを期していきたいと考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 こういう諸君、特に、家内労働とか、あるいはまた企業を営んでおって、この企業右が労働をして、ともにやっておる企業が非常に多いわけなんですから、こういう諸君の所得税等の控除というものがなされていない。この点については、どういう形でやられようとするのか。特に、現布の税法では、給与所得者に対して、控除制度があるけれども、そういう中には、これは対象になっていない、こういう問題については、どういう救済をしようとするのか、これを改正しようとするのか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) まず、そこで働いております専従者につきましては、これは、御承知のように、控除制度がございまして、毎年少しずつではございますが、控除額が引き上げられるということになっておりまして、これはわれわれ、今後もさらに、他人を雇う以上に、むすこなり、あるいは奥さんなりというものがそこで働いているという場合に、差がつかないようにという、控除の引き上げを認めていただくようにしていただきたい、こう思っております。それから事業主自体の控除につきましては、それは結局、事業主の、ここに税の大家の公取委員長もおられますが、事業主控除ということになりますと、結局、何といいますか、どんぶり勘定みたいに一本になっているというようなことで、非常に分けてやるということが、税といったようなものの立場から把握しにくいというようなことで、今まで税制調査会あたりで否決されてきたのだと思います。いずれにいたしましても、中小企業、特に零細企業者であるがために、他人を雇う場合に比べて、非常に税の上で不公平な扱いを受けているというようなことのないように、税制調査会も十二分に御検討いただきたいというふうに、かねがねお願いいたしておりますし、今後も、その点で御検討を進めていただきたいと考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 この給与所得者ではないということ、それから事業収益を所得する事業家でもない、そういう人が事実あるわけなんです。したがって、そういう人が、自分自身で従業員と一緒になって、まっくろになって、いろいろな業種に携わっている、こういう諸君に対しては、もちろん小規模事業、零細事業ですが、所得税法を改正して、こういう諸君を、当然の控除制度を作ってあげなければ、実際これは大きな収入でも事業としてあるならばいいけれども、こういう事業は実に零細である、こういうところについても、やはり一般の給与所得者と考えた場合に、非常に不公平な状態にある、こういう点については、当然これはもう改正しなければならぬと思いますが、この点今、長官が言われたのは、そういうことをやるということでしょうか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 中小企業庁といたしましては、事業主控除というようなことにつきましても、税制調査会のほうに、かねがねお願いいたしているわけでありますが、労働部分と資本部分、いずれから一体その所得が生じたかといったような分離が非常に困難であるというようなことから、今までのところ、認められておらないというように承っておりますが、この点については、さらに税制調査会で御検討願いたいというように、お願いいたしております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 次に、産業分野の問題ですが、これはきのうも参考人からも若干の意見があり、あるいは磯部教授からもいろいろ意見が出ておりました。これはやはり少なくとも、この産業分野ということは、最近の情勢から見て、いろいろな入り乱れた形において、大企業が大きく進出してきておる、こういう中で業種等を指定しつつ、これは分野の確保をしなければ中小企業に対する保護政策にならない、こういう考え方を持つわけなんです。これについて、長官の所信をお伺いしたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 御承知のような技術革新の時代でございまして、いろいろ新しい技術によって、同じような用途に向けられる代用品と申しますか、というものがどんどん出ているという時代でございます。たとえば、天然繊維にかわる化学繊維、さらに合成繊維というようなことで、これはあるものをあらかじめ中小企業の分野というふうに確定いたしましても、それと同じような用途に向けられる代用品、中には質のいいかえって安いといったようなものが科学的に大量生産されるということがあり得るわけでありまして、そういう場合に、そういう科学の進歩をとめるということは、これはもちろんできないわけでございますし、いたずらに、天然のものだけは中小企業にといって分野を確定いたしましても、お客さんがそれについていかないということならこれは意味がないわけでございます。そこでわれわれは、そういうふうに技術革新の時代で需給構造がどんどんと変転しつつある際に、あらかじめこれは中小企業の分野だといって確定するということは、あまり意味がないんじゃないか。むしろ、先ほど来いろいろ申し上げておりますように、大企業の急速なる、あまりにも急激な進出によって中小企業が非常に苦境に陥るといったような場合には、それを紛争処理の形で消費者、大企業それから中小企業全部をひっくるめて、国民経済全体の見地からどういうふうに処理したらいいのかということを公正に判断するということをすることが一番賢明な道じゃないかということで、あえて分野の自然の確定、確保ということは避けておるわけでございますが、先生の御心配のようないろいろな紛争がかりに起こった場合には、最も公正な見地から処理したいと思っております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 そういうことを言われて、一般のマーケットとか、あるいはまた小売業者、こういう問題もあるわけなんですが、特にメーカーなんですね、こういう場合において、最近の実例を見ましても、御承知のように、自動車産業が綿製品を出してみたり、あるいはまた電気機具の産業が、これはもちろん大企業ですよ、こういうところが自動車産業にいろいろと手を出してみたり、これは中小企業の関係だけではなくて、そういう問題が最近往々にして出ておるわけです。したがって、それに伴うところの下請の問題ももちろん出て参ります。したがって、そういう綿製品の形になってくると、これはもう中小企業の分野も相当荒されておるわけですが、こういう業種の問題については、ある程度の、一つの、何と申しますか、基準なり、計画なり、そういう問題が、どういう形にやるのか別としましても、分野というものが入り乱れてきておると、この分野というものをもう少し確立しなければ、この自由化に備えてでも、かえってお互いの、それこそ過当競争と申しますか、そういう形が現われると同時に、それが中小企業に大きな弊害となって現われてくる、こういうことが考えられるわけなんですが、そういう点について私は明確に、ひとつ具体的に聞きたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 俗に言われますゆりかごから墓石までといいますか、何でもかんでも、とにかく全部大企業が手を伸ばして、俗な言葉でつめを長くして利益をかき集めるというようなことは、私も必ずしも適当だとは存じません。ただ先ほど来申し上げておりますように、一般の大衆としての消費者のみならず、いろいろな産業投資、材料あるいは中間製品といったものの供給者と消費者との立場というものがあるわけでございまして、あらゆる場合にやはり需要者の利益ということも考えなければならない、そういうことで、国民経済全体の見地から見てどちらが好ましいかという公正な判断基準を誤らなければ、これは中小企業にとりましてもそう過酷な時代が急激に来るのではなくして、中小企業は中小企業で適正な規模に団結するということにおいて、十分に新時代に耐え得るような態勢を整える、こういうふうに思っておりますが、中小企業に対する保護は若干時間をもってするということによって守りながら国民経済全体の利益の伸長をはかっていきたいと考えております。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 ちょっと関連で。今向井さんからの御質問が出ましたが、非常に零細な個人営業のような仕事でございますね、これはたいへん多うございますね。これからまた中年層の人が首を切られますと、どうしても食っていけないので、結局何か商売を始めなければいけない。一例を環衛関係の美容師にとりますと、親一人の、未亡人一人の姉妹なり娘さんが二人働いておる、それだけに設備も悪うございますね。しかし、悪いということは非衛生ということではない。自分の家だから非常にきれいにするとか、きれい好きな人が清潔を保っておるということで働いておりましても、そういうような人が、これから中小企業基本法によってどういう待遇を受けるのかしらということで非常に不安を感じますね。いかがでございますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) この基本法は一部の方が心配されておりますような、決して切り捨て法とか、あるいは企業整備を考えておる法律とかいうものではございません。中小企業全体のレベル・アップ、いわゆる底上げすると同時に、大企業との格差をできるだけ縮める、また、中小企業の中におきましても、中規模企業、小規模企業との間に相当格差がございますが、その小規模企業のほうの底上げということをねらいとしておるわけでございます。今までの実績から申しましても、大体二百八十万の個人企業というものの中で、事業税を納めている方は、大体三分の一しかいない、三分の二は事業税を納めていないという零細な方々でございます。こういう方々には税法上も現に担税能力がないという認定のもとに税金は取られていないという現実でございますが、積極的にそういう方々がいろいろな事業をやろうという際の事業の運転資金なり、あるいはわずかな設備資金というようなものを十分に調達ができないで困っておられるという場合が相当あろうかと思います。それのために国民金融公庫といったような機関の財源を拡充することによりまして、五万円あるいは十万円といったような小量の金額があれば十分に事業の改善がやっていけるというような方々に対する需要に応ずるように、せっかく国民金融公庫の増額というようなことを努力していきたいと考えているわけでございます。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 もしもそういう人がお金を借りたくない、借りるのがこわいというのが普通の零細者の心理でございます。金を借りるだけが喜びじゃなくて、借りられない、借りるのはつらいと思う人がございますね。それなのに、やはり金を借りてもっと規模を大きくしろとかなんとか言われれば人を雇わなければなりませんしね、そういうことをおそれているくらいの零細な人はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) そういう方々は、いわゆる町の金融業者、高利貸しから金を借りるというようなことの恐怖心というようなものを非常に持っておられるのじゃないか。われわれは、商工会あるいは商工会議所の経営指導員が四千四百十七名おります。そういうものを通じていろいろ零細企業等の指導に当たらせております体験から、国民金融公庫といったような機関の存在を十二分に知らない、そういうところにはたして自分たちが行って相手にしてもらえるのかどうかというようなことで、初めから高い金利を払って高利貸しから借りなければならないというふうに思っている方もいるというふうに実は伺っているわけでありまして、そういう方々にはこういう機関があって、そこに行けば町の金融機関とは比較にならない低利で相当緩和された条件で金が借りられるといったようなことを教えてあげているといった例があるというふうに承知いたしております。われわれは、そういう方々に政府関係金融機関というものの存在を知らせ、また、それとつなぎ合わせるような仕事を商工会あるいは商工会議所の経営改善指導員に期待しておるわけでございます。その指導によりまして、経営改善をさせていくことによって、底上げということをはかっていきたいと思っております。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 長官のお考えも、それはそれでよろしいでしょうけれども、もっと零細な人は、金を借りることがこわいのですよ。人の金なら使ったほうがいい、それでもうけたらいいじゃないかというのが一般の常識でございますけれども、もっと零細な人は借りること、そのことがこわいのです。これも私どものまわりにはたくさんいます。そういうような人は。そういう零細な人に、なおかつ、金を安く貸してくれるんだから、使って、店を大きくしたらいいじゃないか、あるいは設備をよくしたらいいじゃないか、人を雇ったらいいじゃないかというふうに勧めましょうか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 私は、現在二百八十万ある個人企業、それをあくまでも個人企業というままで、二百八十万を形をそのまま保たなければならないとは思っておりません。場合によりましては、小さな方々に、別に金を借りるとかなんとかということでなしに、適正規模によるようにお互いの組合組織にでもするなりというようなことで寄り集まって、より大きな経済力を発揮し得るようにということも一つの方法ではなかろうかと、こう思うわけでございます。もし二百八十万の個人企業、五十万の法人企業、全部合わせまして三百三十万のものに全部十分な生産性を上げてやれということになりますと、これは日本の経済力が今の何倍かに上がって需要がふえるということでないと、とてもできないということになりますので、やはりこれは決して企業整備をやれとかという問題ではございませんが、小さい方々、それが自分の努力で、自分でできない、他人から借りてでも大きくなろうというのがいやだとおっしゃるのであれば、数人集まって何とか共同して大きくなるということをやっていただくというのが適当ではなかろうかと考えております。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 そういうものの考え方というものはね、非常に零細できょう暮しが立てばいいのだというような人は切り捨てていくならば、あるいはアップするというのですか、切り捨てではなくてもっと高めてやるのだとおっしゃるのですが、そういうことは私どもこの法案の心とも思われないのですよ。もっとそういうような人も立っていく、その人が立てないとは言わないのだから、細々とこのままでいける、今つらいことは、細々とやっているのに組合からお前のところは安過ぎるから値を上げろ、金は借りられるのだから、金を借りろと言って責め立てられるのですよ。私はこういう組合の横暴というのは、かわいそうだと思うんですよ、きわめて零細な人には。いかがでございましょう。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) そういう意味なら先生の御質問わかったのでございますが、いわゆる協同組合が価格協定をやるというようなことで、協同組合のお互いの何といいますか、利益の保護のために、あるいは過当競争の抑止だと、防止だということのために、実際に安くできるにもかかわらず、価格を不当につり上げるというようなことは、これは適当でない、こういうふうに思っております。で、その点につきましては、現在まで一応協同組合の協同事業の中に、価格協定を含むということが一般の解釈になっておりますけれども、これらの点につきましては、基本法制定後、公正取引委員会等ともよく相談いたしまして、どういうふうに一体やったらいいのか、これは私も先ほど先生御指摘がありましたが、過当競争防止ということに隠れて値段をつり上げる、あるいはもっと安く供給したいという希望を持っている方があるにもかかわらず、無理やりにそういうことをさせないというようなことは、これはむしろ協同組合としても行き過ぎであろうかと考えておりますが、これはほんとうに組合の本来の同志的結合による、一人ではできないところを補いながらやっていくという精神が生かされるような方法で指導すべきだ、こう考えております。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 協同組合の行き過ぎだとおっしゃいましたが、それを今まで一度か規制したことがあるでしょうか。公取の委員長も今いらっしゃいますが、そういうことあったでしょうか。長官にまず伺いたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) あっちこっちのガソリン・スタンドが協同組合の形でございまして、これがガソリンの値段のいろいろな実際上の価格協定ということをやっておったのでございますが、これは協同組合がそういうことをやるのは行き過ぎであるというようなことから、もしそういういわゆる業界全体の調整事業ということでやるというならば、はっきり調整事業のできる団体法に基づく商工組合になるべきであるということから、本年度からそれは全部商工組合に組織がえをさせたという実例がございます。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 ほかには……。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) ほかには、私参りましてから一年間では、そういうふうな協同組合の価格協定行為は行き過ぎであるということについて、特別にどうこうという措置をしたことは、私自身は記憶いたしておりません。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 もう一つ言わしてもらいます。もう少し小さい問題で。おとうふですが、今機械化とうふを使いますと二~六円でできる。六円で売っているのですね。ところが、それを、じゃ十円なり十三円なりで売ったら組合でひどい目にあわせられる。自分で夜中からとうふをこしらえる人も、機械化してぬくぬくとこしらえている人も、それを受け入れて小売りしている人も、同じ値段で売ってますのよね。こんなときに組合が、安く売ったらけしからぬと言って、なぐり込みをかけたり、問題にしたりしますから、こわくてできませんのですよね。こういうふうなことを、私はこの法案の漏れるところから、消費者に安く買わせるものが高くなるとか、あるいは不当なもうけを取られるとかというふうなことが、もう例をあげれば切りがございませんが、ございますので、組合に対する――組合を結成するだけでそれが値上げにつながらないような、組合のやり方をよほどここで吟味しないといけないと思うのでございますよ。いかがでございましょう。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 先生の御趣旨は、私もそのとおりだと存じます。今のようなことが具体的にありました場合は、都道府県知事から、そういうことをやめさせるということができる規定になっておりますが、今までのところ、具体的にそれを発効した例はございませんが、そういう目に余ることがあるということであれば、それぞれの都道府県知事をして、そういうことを変えさせるという、そういうふうな規定がございますので、必要に応じて善処したいと考えます。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 まあ、だんだんにそういうふうに話がわかってきますと、これから実態を知ってもらいたいということを非常に感じるわけであります。  それで、いろいろ融資とか貸付とか、いろいろなことで今度お金の用意もなさいますようでございますが、別途の問題だけれども、たとえば公取ですね、やみ協定とかあるいは価格協定とかというふうなもので中小企業が一番上げてきておりますね。こういう一番民衆の生活に近いもので取り締まりの対象にしてもらえない毛のが非常に多うございます。これは予算をふやすなり人をふやすよりほかにできないと思うのでございますが、このほうもこの法案と同時に御推進下さらなければ困ると思いますけれども、いかがでございましょう。長官から伺いたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは先ほども申し上げたのでございますが、中小企業基本法というものは、これは決して中小企業だけの利益を考えるというものではございませんし、したがって、中小企業を甘やかすというようなものではないということを、先ほど申し上げたかと思うのでございますが、といって、中小企業基本法の中で消費者との関係あるいは大企業との関係ということまで全部うたうということは、これは中小企業基本法が中小企業自体の行くべき道を定める方向づけの法律であるということからして、行き過ぎじゃないかということで、これはその必要は、私もそう存じますが、これは別の法律でそういう規制をいたすべきであると考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 産分野の問題を先ほど質問しかけたのですが、これについて、この十四条で、流通機構の問題については、ある程度これはいろいろな条項で、「経営形態の近代化」とかあるいは「地域的条件」とかいろいろな形でこれに対する施策が行なわれるわけでございます。そこでしからば、生産の面ですね、生産の面においては、大体自由な形において生産を進める。したがって、中小企業は、それに勝ち、大企業に関連していかなければ、企業の合同なり合併をやって強くなってやっていけばいいじゃないか、こういう意見のように私受け取るわけです。ところで、これはやはり自由化に備えて、ある程度生産の面についても、若干これは何といいますか、計画性を持たないと、このしわ寄せというものはやっぱり中小企業にくるのじゃないか、こういう感じをするわけです。これは自由競争だからあたりまえじゃないかと、こういう格好になって参りますと、需要の面と生産の面とのアンバランス、特に最近の例ですけれども、極端な例だけれども、石炭対策はどうなんですか、ああいう結果が生まれてきて、石炭要らぬにもかかわらず買わされる、また、コストが高くついてもこれを使わなければならぬと、こういう事態が出てくるのは、これは計画性がないからですね。したがって、先般、昨日の参考人の意見を聞くと、自由経済、資本主義経済においては、そういう計画性はない、私は考えられない、こういう意見を言っておられましたけれども、これは私どうも納得できないのですよ。少なくとも国のいろいろな業種の生産というものは、強い統制はしなくても、国自体がこれに対するところの計画性をもって生産に当たらなければこれは自由競争なり、あるいは国際競争にもまた勝つことはできないじゃないか、そういう点について、この産業分野という問題については、やはり大きく中小企業と大企業との問題が出てくると思う。ただ単にその企業合同なり合併なり協同化をして対抗すればいいんじゃないか、こういうことでは見のがせないと思う。こういう点について、長官の所信を伺いたいと思う。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは、基本法の制定を機会に、中小企業施策を総合的に有機的に体系立ったものとして進めていきたいということがこの基本法の一つの大きなねらいになっております。で、この有機的総合的ということになれば、片一方で助長したら片一方でこれをたたきつけるというようなことのないように、これは単に産業経済政策だけでなしに、科学技術、労働、金融、財政、税制と、あらゆる面の施策が総合的に有機的に行なわれるべきだということでございまして、これは第三条に、そういう方向でやらなければいけないということをまず義務づけておるわけでございますので、先生の御懸念のないような方向にこの基本法の精神が十分生きるということを念願として運用していきたいと思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 ちょっと長官、その答弁はどうも当たらないのですがね。私の言っていることは、いわゆる先ほど言ったような分野の問題ですから、この産業分野の問題ですね、自由放任主義的な産業の生産を行なわしめてもいいんだと、これに対して中小企業は対抗するためには、協同組合なり合併なり、あるいは合理化をやってやれと、そうして打ち勝っていけばいいんじゃないか、こういうことのためには、金融なり税制なり、あるいは技術指導、いろいろな面はこれはもちろん援助しなければならぬ、こういうことなんですが、産業分野というものは、ある程度計画的に中小企業の分野あるいは大企業の分野というものを将来考えていく必要があるのではないかと、こういう私の質問なんです。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 分野の確定につきましては、先ほど申し上げましたような技術革新、需給構造がどんどん変わるという際に、あらかじめこれは中小企業の分野だといって確保しておくということが必ずしも意味がないというような事態も起こるのじゃないかと、ただ、じゃ野放図に放任しておくかということになりますと、そうじゃございませんで、たとえば過般御決定願いました近代化促進法でも三年後、五年後という先を予想いたしまして、三年後にはこうあるべきだといったような一応の目標というものを近代化計画の中に示して、そしてそれに向かって当事者も努力し、国、地方公共団体もそれを助成するという方向を明示しているわけでございますが、これは単に近代化促進法に示されたものだけでなくて、それ以外の分野につきましても、たとえばこの十二条に「企業規模の適正化」というようなこともうたってありますし、たしかここに適正化について、規模を公表するといったようなことも十二条の第三項にございますが、こういうことである程度こうあるべきだということにつきましては、将来の目標といったようなものを掲げ、政府が目的を統一し得るような、合目的的な施策ということを総合的に行なうということをやっていきたいと、こう思っております。  それからまた、大企業に対しましては、第六条で中小企業と取引関係にあるものの協力義務ということがうたってございまして、中小企業の健全な発展なくしては日本経済の真の成長はないということは、前文並びに第一条の目標の中に明示していることでございますので、十分にそういうことについての根本認識を持っていただきまして、自分だけがよければというようなことは、結局自分にはね返ってくるのだということをよく認識をした上で御協力を要請したいというふうに考えております。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 速記を始めて。  この際、お諮りをいたします。  ただいま中小企業指導法案、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、中小企業等協同組合法等の一部を改正する法律案、以上三案が衆議院より送付され、本委員会に付託されましたので、これら三案を議題に追加をいたしまして、四法案一括して御審議願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  速記をとめて。   〔速記中止〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 速記を始めて。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 時間がだいぶ切迫して参りましたので、私のほうも簡単に御質問を申し上げますが、答弁のほうもひとつ要点だけ簡単に答弁をしていただくということで質問をいたします。  まず、指導法案についてでございますが、きのうも質問したのでございますが、商工会でも経営改善普及事業をやっております。それから零細企業の診断指導は商工会の仕事になると思いますが、その事業と本法案との関係についてお示しを願いたいのであります。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 先生が今御指摘になりましたように、商工会、商工会議所あるいは中央会といったようなものがそれぞれ指導をやっております。で、それらの指導と、ほかに国、県あるいは指導センターといったようなものによる指導というものが、この指導法の対象によるのでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 国と、地方公共団体と、それから指導センターの三者の指導事業の関係は、まことに複雑になると思うが、その分業とそれから協力の体制をどう考えておられるのか、この点。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは法文の第三条の五号に、国、都道府県及び日本中小企業指導センターが行なう事業が相互に重複しないように計画を立てるということになっております。たとえば、国におきましては、県等が単独では実施できない指導事業、言いかえますと、全国的な規模で実施する必要があるもの、あるいは特殊の設備の使用を必要とする調査、試験、研究といったようなもの、これは国、中央でやりたい、こういうふうに思っておりますし、なお、対象企業が数県に散在しているような系列診断、貿易自由化に伴って問題化しております銅、鉛、亜鉛といったような鉱物にかかわる鉱山診断、こういったようなものは、通産局単位でやらせるというふうにいたしております。県内でやるといったようなものは、こういう全国的な規模でないというものに限り、さらに指導センターにおきましては、各県等の診断員の指導教育、それから情報の提供、いろいろその調査ということをやるつもりでおります。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 最近診断については、診断員が民間の独立の事業として行なわれているようでございますが、それと本法案との関係はどういうふうになっているか。それから民間の診断員は有料で指導しておりまして、しかも、相当に発展しているのでございますが、これを伸ばすことも私は必要であろうかと思うのですが、この点はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 民間の指導員が有料でいろいろ行なっているというのは事実でございますし、また、今後もいろいろな面でそういうものが行なわれるということはけっこうであろうかと、こう存じます。ただここに、この法律におきましては、一応国、都道府県あるいは中小企業指導センターというようなことで、いろいろ診断事業等行なう際に、この診断指導を行なう適格者と思われる方々の名簿を作っておきまして、そうしてたとえば府県等が診断をする、こういう場合の参考に資そうというものでございまして、これは国あるいは地方公共団体がやるのでございますので、無料で行なうということにいたしております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 大学などで中小企業の講座が非常に普及いたしますと、よい診断員も出てくるというふうに考えられる。卒業生の中小企業への就職もまた多くなると思うのです。現在中小企業論の講座のある大学もございますが、これをもっと多くするようにしたらよいのではないか、こういうふうに思うのですが、長官どう考えておられますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 私も先生と同じ考えを持っております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 で、特に大学でも卒業者はおおむね中小企業への就職ということよりも、やはり大企業への希望者がどこの卒業生を見ても多いわけなんです。そういう点からいきましても、私は中小企業を指導する立場のそういう方々が、もっとこの中小企業関係へ希望するような熱意というものを私は持たせるような方法を考えるべきじゃないか、こういうふうに思うのですが、この点はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) そういういろいろな熱意を持つように教育するということ、これはもちろん必要であろうと存じますが、一番大切なことは、中小企業をして魅力のある職場にするということであろうと思います。とにかく賃金が安いといったような状況、福祉施設が足らないといったような状況において、いい人に来いと言っても、これは事実上不可能ではないか。そこで、先ほどから私ども申し上げておりますのは、中小企業の生産性を高めることによって、そこに働く人々に十分な賃金を払いながら、よりいい福利厚生施設を付設しながら、しかも、中小企業者がそれによって値上げという格好で消費者にしわを寄せるのではなくて、生産性の向上で値上げをしないで、企業者も十分内部留保ができ、十分な賃金が払えるというような方向にするためにということで適正規模、その他による生産性の向上を実現したいと考えておるわけであります。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 ところが、現実におきましては、全くその逆な形で現われてきているのじゃないか。いわゆる生産性を高めて消費者にしわ寄せをしないというのが建前でございまするが、往々にしてそれが逆な方向で今日動いているというのが実際の姿じゃないかと私思うのですが、長官、その点どうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 先ほど総理もその点につきましては、今経済の過渡期という一つの変態的な現象が出ているのじゃないか、これを是正することがこの基本法のねらいであるというふうに言われたのでございますが、私どもも、その総理の言われた線に沿って、ほんとうにこの基本法が本来の目的を達するということになれば、今のゆがんだ形というものは逐次解決されるものというふうな確信を持って取り組んでいきたいと考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 従来中小企業の指導について、いろいろと欠けておった点がたくさん私はあったと思うので、幸いこのたびこの指導法というものが提案されまして今審議になっておりまするから、そういう中小企業の指導ということに対しましても、私は今後十分にひとつ努力をしてもらいたい、かように思うわけであります。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 先生のただいまの御意見の趣旨が十二分に反映されるようにこの法律を運営していきたいと考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 次に、中小企業信用保険法の一部改正について、若干のお尋ねをするわけでございますが、本法案が政府の部内で検討されていた段階におきましては、当初、この近代化保険について、信用保証協会の保証と、それから保険公庫の直接保険と両建に分割する構想であったように聞いておるが、結果的には、本法案の保証保険の形に落ちついてここに提案されたこの問題について、その検討の過程の論議といいますか、そういうものについて若干の説明をしていただきたいのであります。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) ただいま先生がお話しになりましたような保険公庫の直接保険という形と、信用保証協会が保証をして、そうしてそれについて保険公庫が保険をするという今ここで御審議願っておるような二つの形態が考えられるわけでございます。しかし、保険公庫が三十三年に発足するにあたりまして、信用補完制度のあり力としては、まず信用保証協会が第一線業務を行なうことが望ましいというふうにされておりましたし、また、現実にも信用保証協会の保証能力はここ二、三年飛躍的に増大いたしまして、大口の保証もある程度実施し得るという見通しがつきました。さらに、金融機関におきましても、事故が発生した場合に、保険金の支払いが部分的にしか行なわれない直接保険よりも、保証協会を通じて一〇〇%填補してもらうというほうが望ましいという利点等もございましたので、いろいろ論議の過程はございましたが、こういうふうな保証協会を通ずる間接保険ということに落ちついたわけでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 次に、検討された際に、填補率について、これを八〇%にしようという構想であったようでもあります。これは現在の一種、二種保険などと同じ七〇%となっておりますが、どうしてこの八〇%にすることができなかったのか、この点はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 大体保険といたしましては、特別の天災その他事故がありました場合には、これは八割というところまで認めておることは、先生の御承知のとおりでございますが、一般の場合には、七割という現在の制度というので大体目的を達し得るのじゃないかということで、第一種、二種あるいは小口保険と同じ七〇%ということにしたわけでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 そこで、まあ八〇%にすることはいろいろな点から非常に困難だと、こういうことですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 大体今までの実績等からいたしまして、保証協会を通ずる保険ということにいたします場合には、七割という填補率で十分やっていけるという見通しのもとにこう落ちついたわけでございまして、これはもちろん、できるだけ国から填補してもらう率が高ければ高いほどいいという意見が出たことは、これは事実でございますが、大体われわれとしては七割でやっていけるという見通しをもってここに落ちついたわけでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 保証協会のほうでは、これはもう少ないより多いがいいと、特に八〇%を要求しておられるわけなんで、やはり保証協会が、先ほど来いろいろと質問をしておりますように、往々にしてその保証せなければならぬのに保証をしないというふうな傾向というものがあることも、そういう点にもあるのじゃないかというふうにも思うのですが、この点はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 保証協会といたしましては、それは八〇%がよろしゅうございましょうし、さらに九割ということになればもっといいと、多々ますます弁ずという感じを持つと存じますが、しかし、全体として運営するということであれば、われわれは七割で十分やれるというふうに思っております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 この新種保険の対象となるものは何と何でありますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 機械工業振興臨時措置法によります特定機械、電子工業振興臨時措置法の対象となるもの、それと特定産業の指定業種、それと団地、それだけでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 工場等の集団化については、これは特定機械工業、それから電子工業近代化促進法の指定業種以外のものについても、やはり対象となるということかどうか、この点どうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) そのとおりでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 そういたしますると、提案理由の説明では、設備の近代化等に必要な資金、こういう表現でもって集団化についての資金を包含させて、それで集団化ということは文字としては表われていない。したがって、新種保険は設備の近代化に必要なものだけだという印象を受けやすいのではないか。もっとも法案なり要綱を詳細に検討すれば、これはわかることではございますが、しろうと目にはきわめて理解しにくい条文でできておるので、これは、誤解しやすい、こういうことになる。そこで、中小企業関係の雑誌等の記事などの解説の中でも、これは新種保険について設備の近代化、それから保証保険の新設、こういうように表現されておるわけです。それで集団化については、これは触れていないものもあるが、中小企業信用保険公庫から出されておる月報の中にもそれがございます。提案理由の中には、せめて集団化についての一言でも入れておくべきではなかったかと思われるのです。したがって、法律施行後においても一般へのPRを十分に、やる必要があり、そうしてもっと懇切にこれを行なう必要があろうかと思うのですが、この点はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは法案をお読みいただけば、この第六号に「中小企業振興資金等成助法第三条第一項第四号の事業協同組合等であって、」というのが、これは団地のことをこう言っておるのでありまして、それが特に提案理由その他にも団地ということが出ていないのは不親切じゃないか、近藤先生御指摘のとおりでありまして、この点はわれわれ提案理由の書き方に注意が足りなかったと思います。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 第三条第二項中の通産省令できめるところにより云々とあって、設備の近代化または工場、店舗の集団化のため必要なものである旨の証明を受けたものであって云々と、こうあるわけなんです。この通産省令の内容はおよそどういうものであるか、それから証明をするのはいかなる機関か、その証明するにあたって認定について問題の起こる余地はないかどうか、その点はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは証明機関は通産局長を考えております。それから認定する機関は、今通産局長と申し上げましたが、そのほかに府県知事あるいは市町村長といったような地方行政機関の長にも認定権を持たしております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 改正案によって創設されるところの新種保険は、その額が五十万円をこえるものであって、かつその借入期間が一年以上のものに限る、こういう制約が加えられておるわけでございますが、こういう制約を加えたのはどういう理由であるか、この点はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 五十万円以下のものは第一種保険の対象にもなるものでございます。それから第一種保険の料率は日歩一厘九毛、新種保険の料率は日歩二厘四毛ということで、五十万円以下の場合には第一種保険のほうが業者に得であるということで、これは書いてなくても当然業者はやると思いますが、念のためにこちらのほうが有利だからということで、不利な道を選ぶことのないようにということで、この規定を置いたわけでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 信用保証協会の保証限度額について、これは予算総則を見ましてもわかることでございますが、この際新種保険について、さらに小口第一種、第二種については、過去三年くらいの傾向について御説明していただければけっこうだと思うのです。ここですぐわからなければまた……。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) わからなければあとからでも……。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) あとから資料で提出させていただきます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 保険事故発生は、全保険契約の中のどのくらいの割合になるか、この点おわかりですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 二・四%程度でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 二・四%ぐらいだと、これは金額でどのくらいになるのですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 大体三十八年度の引き受けの予定額が四千六百億でございます。したがいまして、四千六百億の二・四%ということになりますと、百億程度が場合によったら事故ということになるかと考えます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 保証料は各協会によって違いがあるようでございますが、保証料決定の要素となるものは一体何であるか。この点はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 信用保証協会は、これはそれぞれの府県あるいは特別区というものごとに作られているものでございまして、それぞれの地方庁がまず出捐しあるいは貸し付けるといったようなことを基礎に整備しておりますので、それぞれ財政状況が違うわけでございます。そこで、それぞれの信用保証協会の財政上の基礎状態に呼応して若干ずつ保証料等も違っておりますが、私は、できるだけこれは安い方向に統一するというような努力が今後されることが望ましいと考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 協同組合法案の改正案について、一点だけお尋ねするわけでございますが、今までの例を見ますと、それは団体法のときもそうでございましたが、中小企業団体法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案というのが出されました。中小企業基本法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律というようにするのが慣例のようでございますが、今回、協同組合法等の改正案としたのは特別の何か理由というものがあったのかどうか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 特別の理由はございません。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 以上でこの問題については終わります。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) この際お諮りいたします。ただいま下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案が衆議院より送付され本委員会に付託されましたので、議題に追加して、五案一括して御質疑願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認めさようとりはからいます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 信用保険法の中で、一点質問しますが、これは何といっても原資を増大すべきであるということが第一要件だと思うのです。そういう意味から、今年も若干の原資がふえているわけでありますが、問題はこれは分散して出されるものですから、実際問題とすれば僅少なんですね。したがって、こういう問題につきましては、長期的に年次計画を持って増大するということができないかどうかという、この点についてお伺いしたいと思う。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) ことしも三十億の出資を保険公庫から融資をいたしました。大体百四十三億というものを現在保証協会の融資金に置いておりますが、大体われわれといたしましては、これで先ほど申し上げました四千六百億程度の引き受けはできるということに思っておりますので、今後、大体これは一年間に四〇%くらいの伸びを示しておりますが、今後も想定される伸びに応じて、その財源に必要だと思われるものにつきましては、地方庁からの出捐の見込みというようなものとあわせまして、その不足分を国から出すということにいたしたいと考えます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 そういうふうに若干年次計画ができるようですが、これは一応中小企業関係でそれを利用する場合においては、本年度はやはり一つの借り入れる点については、非常に困難であった、来年になればこうだ、こういう見通しがつくわけだ、したがって、具体的な年次の増大計画ですね、こういう問題がやはり示されることが非常に今後においてはいいわけだ、こういう点を明確にやっていただきたいと思いますが、この点について。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これにつきましては、三十七年度中に三十七年度の引き受けの実績は大体三千二百十七億であったわけでございますが、それに対しまして三十八年は一応四千六百億、保証があるだろうということで、これに必要な財源を作ったわけでございます。毎年年度の始まります前に、あらかじめ予定額を計上いたしまして、必要な予算措置をとりたいと考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 この指導法の問題につきまして、特にこの基本法との関連におきましては、基本法の審議過程でもいろいろ質問がございましたが、特に何と申しますか、組織の合同ですね。あるいは合併、共同化、こういう問題については一番心配するのは、たびたび言われるように力のないものは切り捨てられる。こういう危惧があるので、これは今直ちにその企業がそういう形をとれなくても、ある程度の年限を置いて言うならば、五年とか十年、そういう形において十年は長いかもしれないが、こういう形において長い口でやはりこの組織化に対する指導が必要ではないか。この点についていかがですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) そのために今回指導法で中小企業指導計画というものを定めまして、またこれに基づきして、各都道府県も自分の県内の実施計画というものを定めるということにしたわけでございまして、ただいま先生がおっしゃいましたような、あらかじめある程度の計画を立てまして、そして指導するという方向に進んでいきたいと考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 これは、各法案一点ずつですが、特にこの下請代金の法案でございます。今上がったようでございますが、これもあわせてちょっとだけお尋ねいたしますが、これもたびたび基本法の中でも出ておりますように、特にこの下請関係については、特に秩序ですね、言うならば、その親企業との問題、非常にアンバランスがあるわけです。したがって、もうここでは全面的に下請を保護するという立場でなければいかぬのじゃないかと思う。ただ、それに対する若干の、親企業との関係の調整という問題でなくて、やはりすべてこの下請に対しましては全面的ないわゆる保護政策が必要じゃないか、こういう考え方を持っておるわけなんですが、この点についていかがですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これにつきましては、たとえば規格統一というようなことを推進いたしまして、下請企業が製造いたします商品というものは、特定の親企業にだけしか通用するというものではない。いろいろな一般市場を媒介としてのたくさんの親企業といいますか、事業者とつながり得るといったような格好に持っていくということを念願し、俗な言葉で言えば、いわゆる社会的分業ということが確立されるように持っていくということが理想であるということを考えて、規格統一その他をいたし、この分業化ということを合理的に進めて参りたいと考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 下請代金支払遅延等防止法について、先ほど来長官にいろいろお尋ねしたわけですが、直接の担当でない点から長官にもちょっとわからない点もあったのではないかと思いますので、この点ひとつ公取の委員長にお4ねするわけでございますが、いろいろときのうも参考人から意見を聞いておりますると、なかなかこの下請代金の支払いに対するところの問題がうまくいかない。昨年の本委員会におきましても改正をやったんだが、なかなか実効は上がっていない。たとえば九州の方からの意見によりますと、わずかの人数であって、そして実際その支払いがあっても、人数が少ないかげんかどうか知りませんけれども、われわれの問題に対しては直接やってくれないと、こういう点が述べられたわけなんです。さらにもう一つは、特に過当競争の点については、過当競争じゃない、乱売だとかまたは過大広告の問題については、公取においてもいろいろやっておられるようであるが、実際のこの支払い問題に対しては十分た監督が足りない、こういう意見が述べられておるのですが、実際においてこれはどうなっているのですか、あなたのほうでは。

渡辺喜久造公正取引委員会委員長

○政府委員(渡辺喜久造君) 下請代金の遅延防止の問題につきましては、私のほうとしましては、相当力は入れてやっております。ただ幾つかの点でむずかしい点があるのじゃないか。と申しますのは、いろいろそういうふうなお話を伺いましても、具体的な事例をそれでは私のほうへすぐくれようとして持ってくるということは、すぐそのはね返りをこわがるという問題もございまして、まあ直接的につかみ得ない点がいろいろあります。私のほうといたしましては、一応全部の親企業を一括してというわけにもなかなかいきませんものですから、大体、遅延防止の必要のありそうな企業を特に重点を置きまして、一応、親企業にまず照会をして、それから親企業のほうから出てきたものについて、遅延の状況の相当疑いのあるもの、あるいは、今度は下請のほうから、いろいろそうしたクレームがあるとか、こういうものにつきましては、下請について調査をします。そしてさらに、そうしたもので、特に遅延の状況の顕著なものにつきまして、実際、会社のほうへ伺いまして、そして支払い状況を調べる、そういった実績をもとにしまして、私どもといたしましては、必要に応じて勧告をいたす、あるいは行政指導をする、こういったようなことをやっております。で、会社のほうの経理の関係等も多少あるようでございますが、かなりそういったことも、そういったいろいろな困難な事情もありますが、とにかく一応われわれのほうとしましては、できる限りの努力はして参りたい。ただ今後においては、もう少しその点について、われわれのほうの手もふやし、そういった点について、もっと効果の上がるようなことを考えて参りたい、かように考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 下請代金の問題につきましては、これは特に下請の協同組合等が、いろいろと強力な交渉を親企業とやろうとする場合に、やはり親企業のほうから、下請のほうに対するところの圧迫、圧力といいますか、これが、表面的にはあまりないけれども、やはりいろいろな手だてで圧迫される。それだから十分な強腰の交渉というものは、どうもできない、こういうことも言われておるわけなんです。そんなことを言うのだったら、お前はもううちの仕事をやってもらわなくてもいいと、こういうことで、ちょんと首を切られてしまう。で、前々知っておるけれども、なかなか実際の面においては、自分たちがこれを効果を上げるわけにいかない、こういうことも言っておられるわけなんです。で、そういう場合には、ただ申請した者だけを公取で扱っていく、こういうことでなくして、やはり監察的な立場から、申請のない者に対しても、十分ひとつ、何か取り締まるというか、そういうふうな方法というものはないだろうか、あなたのほうで考えておられるのかどうか。

渡辺喜久造公正取引委員会委員長

○政府委員(渡辺喜久造君) 先ほど私の申しましたことが、多少その意を尽くしていなかったと思いますが、私どもとしましては、一応、一般的な調査というものをいたしまして、それを資料にして、下請のほうの実態も調べ、さらに一歩進んで、親企業のほうへも参りまして、その帳簿検査をするとか、いろんな実態を調べまして、そうしてその遅延の状況を見て、必要があれば勧告をいたす、これを常に原則としております。ただし今度は、下請のほうの方から、あるいは協同組合であれば協同組合から、あるいは個人から、あるいは匿名などで、いろろいとクレームが出て参ります。そうしたものにつきましては、これをその一々を全部というわけに参りませんが、われわれのほうの一般調査とにらみ合わせて、そういったもののある場合には、さらにそれに重点を置いて調査をしていく、その二本立でもってやっておるというのが、現在の実情でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 まだたくさんお尋ねしたいこともあるわけでございますけれども、時間がだいぶおそくなってきておりますので、この程度にいたしまするが、せっかく大臣を、朝から首を長くして待っておって、大臣が来られたらひとつたくさん御質問をしようと思っておりましたが、時間がだいぶおそくなってきておるが、せっかくおいでになったのだから、一、二点について大臣にお尋ねをしたいと思うのです。  で、まず、私は大臣にお尋ねしたいことは、大臣が御就任なされてから、中小企業関係の工場を御視察になったことがあるかどうか。新聞等におきましては、大企業への視察だとか、また、集会等には顔を出されて演説をやっておられるわけでございます。私は実際、この歴代の大臣がそうでございますが、特に中小企業問題は非常に重大であるということを施政方針等におきましても言われるのだが、実際みずから足を運んで中小企業の実態をよく視察されたということは、私はあまり今まで聞いたことがないわけなんです。特に福田通産大臣はみずから小売商という体験もお持ちであるから、そんなもの見なくてもよくわかっておるのだ、こう言われるかもしれませんけれども、やはり私はひとつの中小企業の問題に十分に大臣がいろいろな施策を立てるということであれば、実際のこの動き、また実態というものを十分に把握していなければ私はできないのじゃないか、こういうふうに思うわけでございますが、大臣ひとつ中小企業へ足をお運びになったことがあるかどうかということをまずお尋ねいたします。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 御質問でございますが、自分の選挙区のことを申し上げてはまことに恐縮なんですが、あなたも御承知のように、私のところは福井県でございます。私の県は織物が非常に多い。それから、めがね工業、実に小さいめがねのワクなんですが、百人から二百人、せいぜい大きくて二百人。それから打ち刃物、こういうふうなものが実は私のところの産業でございます。そこで私いつも帰りますと、こういうところへしょっちゅう実は行っておるのでありまして、ほかの方は大臣としてどういうことをなすっていらっしゃったか存じませんが、私に関する限りは、そういう工場等はずいぶん見ております。メリヤス工場だとか、よく何だとか、いろいろあるのでございますが、人絹にしても絹織物にしても、女工さんのあれでいろいろ見せていただいております。それからまあ今御説明をいただいて恐縮なんですが、私自身が実は終戦後小さな本屋をやってみたの、今コーヒー屋をやったりしております。そういうことは、まあこういうところで申し上げる筋でもないが、親しい間柄の気持で申し上げているのですが、私は商業というものはなかなかやはりむずかしい面もあるし、非常に税制の面とか金融の面でいじめられております。実際は。そういうことも自分ではよくわかっております。だから、私はほかのお方に比較して――引き合いに出しては恐縮ですが、中小企業についてはいささか認識があるのではないかと、こういう感じを持っております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 今、大臣御答弁になりまして、郷里が福井県である、特に人絹関係の発展したところでございまして、中小企業の実態はいささか体験をしておられるという御答弁でございますが、私どもやはりなぜそういうことを質問するかというと、昨日もいろいろと参考人の御意見を聞きまして、その多くの方々、参考人のほとんどの方々が、今度の基本法をつらつらと見てみるのに、これはどうも小規模事業者、特に零細企業者、それから小売商業者ですね、こういう小規模事業者に対するところの問題が非常に欠けているんじゃないか。そしてもしかすると、これはひょっとしたらそういう零細の企業者の切り捨ての法案になるのではないか、こういうふうな意見もあったわけでございますし、それから先ほど総理にこの点を質問いたしましたが、総理はやはりこれは基本法だから、これからの関連法でいろいろなそういう問題を取り扱っていくのだと、こう言っておられる。特に小規模事業者に対しても大いに熱意を持ってやるのだとこう言っておられたのです。ところが関連法をこう見ましても、やはり小規模事業者の問題はあまり今度は取り扱っておらない。こういうことがあるものだから、やはり私は大臣に、実際の小規模事業者の実態というものを把握しておるかどうか、こういうふうな質問をしたわけなんであります。私は少なくともつぶれかかった工場に働き、また経済パニック、金融パニックのくるときも、ばたばたと倒れていった川口で実際職場の中で働いた、そういう体験を私は持っている。そういう点から、やはり小規模事業者を論ずるためには、そういう実態というものを千分に把握して、その上に立ってやらなければ、私は歴代の通産大臣が中小企業の問題をひとり重大だ重大だと、こう叫ばれるのだけれども、なかなか零細企業の点に対しては置き去りになる、こういうきらいがあるので、私は非常にこれを心配するわけなんですが、大臣、将来の中小企業の中の零細企業に対するところの心がまえというのか、それについてひとつ御所見を承りたいのであります。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 私は、もうおっしゃるとおりで、中小企業対策ということから考えれば、零細企業というか、特に小企業ですね、これは非常に考えてやらなければならぬと思っております。今の法案のうちに付属というか、一緒に出した法案のうちに、その種のものが少ないとおっしゃる、それもごもっとも、そのとおりであります。ただ、あなたもそれはもう私より専門家でいられるのだから、私がこういうことを申し上げるのは何ですけれども、小規模事業というのは、非常に業体が多いのですね、御承知のように。そうして、それぞれ一つ一つの仕事に一つ一つの特徴があるわけですね。同じ小売業といっても、小売業は何百種もあるわけです。そうしてそれがどうも八百屋さんに対する手当てをうまくしたからといって、酒屋さんのほうの手当てにはならないのですね。そういうところに私は非常にむずかしい面がある。そこで、もし、これをおしなべて考えれば、何かそこに共通するものがあるだろう、それをやらなければならぬじゃないか。そうすれば、税制、金融というものが出てくるわけであります。これは一応うたい文句のようにわれわれは一生懸命申し上げた。あなた方も税制、金融というものをやらなければならぬとおっしゃる。それは意見は一致しておるわけです。その点では。ただ、それでは一つ一つの商売について具体的にどういうふうにしていったらいいのかということになると、よほど私はまだ基礎的研究も必要になるのじゃないか。あまり対策のほうを先に急ぎましても、その基礎のデータができてこないうちは、なかなか私は立案は無理じゃないか、こう考えております。そこで、私はこれから総理も申し上げておったところであるけれども、そういう小さいものについても、一々こまかくやはり勉強していかなければいかぬ。そうして一つ一つでもいいから順次解決するような方向へもっていかなくちゃいかぬじゃないか。私自身はそういう感じでこの問題を見ておるわけであります。決して零細企業というものあるいは小企業というものを軽んじているのではなくて、まだほんとうのそういう意味でのデータがないということ、診断がついていないという面が非常に多い。そんなことじゃ政府として怠慢じゃないかとおっしゃられれば、それは事実なんでございまして、まだわれわれ、ここに長官もおりますけれども、とても商売のことなんか知りやしません。実際聞いてみたわけでもないが、大してわかりはしたい。わからないのに手当てするったって無理な話です。そこで私は、これはひとつ大いにこれから勉強さしていただいて、そうして一つ一つの問題を積み上げて、そうして解決していくようにしたい、こういうふうに考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 そこで、今、長官も言われたように、いわゆる中小企業の中にいろいろと、零細企業といえどもいろいろと雑多な業種があって、なかなか小規模聖業に対してはむずかしい問題である、こういうふうに言われたわけで、そういう関係から、私ども日本社会党といたしましては、そういう非常にやりにくい種々雑多な業種をかかえて、中小企業者がこれからこの自由化の中で生きていくためには、どうしてもこれは独立した一つの省というものを考えて、そうして、特別に中小企業問題だけをひとつ考慮する。そのために中小企業者の設置ということを私どもは主張しておるわけなのであります。これに対しましては、通産省に、なわ張りといいますか、なわ張りをとられるというふうなお気持があるのじゃないかと思うので、通産省はこのことはあまり賛成しておられないように私は思うので、大臣いつまでも、まだこれから何年も通産大臣をやられる、私はやってもらいたいのだけれども、やれるとは私思わないので、将来の中小企業省に対する展望、また、大臣の所見といいますか、そういうようなものをひとつお聞かせ願いたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) これは中小企業省を作ったらいいのではないかという御意見の中にも、もっともな面もあると思っておりますが、しかし、どっちのほうがいいかということになると、これは私は長い間大臣をしているわけではない、議員としてお答えしてみたいと思うのでありますが、やはりなんですね、産業、たとえば鉄鋼業とか、非鉄金属なら非鉄金属とか、織物とか、一つ一つの座業をあげていってみますね、これはやはり製造業のほうを考えてみると、やはり上から下につながっているのですね。実際問題としては、下請からまた下請という関係でつながっているものがありますね。そうすると、そのうちの上のほうだけをとって、これは通産省、こっちのほうは別の中小企業省、こういうふうにして、お互いの間の調整というものは非常にこれからまた困難になるので、私はこういうものは一本にしておいておいたほうが非常にいいという理屈が、ここにはっきり出てくると思う。問題は、あなたのいわれたような零細企業のうちの特に商業ですね、こういう面になるというと、そう縦横の関係というものは、実はない面があるわけで、だから、私はその面については、何か至急にひとつ考える必要があるのじゃないかという感じはいたします。しかし、全体としてそれを中小企業の要するに省ということにして、そうしてその産業のうちの下の部分だけとってこっちへ持っていって、上のほうは通産省に残しておく、商業の分だけやっぱりこっちへ持っていくというやり方ではたしていいかどうかということは、これはもう一ぺんあなたもひとつ議員のお一人でいられるから、まじめな意味で国政を審議するという意味で、ひとつお考えを将来またもう一ぺんお願いしておきたい、私はこう思っている。私自身は、あなた方のいわれることは全部否定してかかっておるわけではないので、今いったような産業、特に製造業なんかにおける仕組みから見ると、やっぱり上のほうへ水を流す、資金を流すと、それがだんだん下へずっと及んでいく場合が非常に多いのですね。そういう、鉄鋼業に対する政策をこういうふうにしたらいいと、織物業に対してはこうしたらいい、織物業の中でもこれはこういうふうにしてと、そしてみんなつながっていますからね、御承知のように。そこに私は問題がありはしないかと、こう思っている。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 最後に一点だけお尋ねするのですが、なるほど、今大臣がいわれましたように、工業にいたしましても、商業にいたしましても、これはずっと一貫した問題で切り離れた問題でないということも私もよく知っている。しかし、工業の面になりますと、でかいのはうんとでかい。それから化学工業でもそうでございますが、でかいのと小さいのとうんと開きがあると思うんですよ。そうすると、国の施策というものはおおむね大きいほうの施策ということに重点がおかれていきやすいわけなんです。今までずっと、私ども今年になってからこの商工委員会で審議いたしましたいろいろな中小企業関係法案にいたしましても、ずっと内容を検討していきますと、やはり中小企業法案であるといっても、これは上層のほうの問題が多いわけなんです。そういう関係からすると、私は通産省の方針といいますか、どうも上のほうへ上のほうへといきやすい方向じゃないか。それでだんだんと下のほうがなおざりになって、格差がだんだんと大きくなっていく。そういう点を私どもは非常に心配するわけなんです。なるほど上から下までずっと一貫しておるけれども、やはりこの場合には、中小、特に零細というものと上のほうとを、何といいますか、分けていろいろな施策を講じ、またそういう立場から検討する。相撲でも幕内と十両、三段目、いろいろと小さいやつは小さいやつで固まってあるように、やはりそういうことが私は必要であるから、私どもは中小企業省というものがどうしても必要だ、こういうことで社会党の基本法にはこれが特に取り入れられておるわけなんです。今度はそれが審議されることもなくやって参りましたけれども、やはり私は、将来中小企業というものは、大臣もそうだと思うんですが、日本の産業の重要な分野を受け持っており、将来なくなるということも考えられない。そういう点からいくと、ますます中小企業、特に下のほうの問題は重要な問題になってくるんじゃないか、こういうふうに思うわけなんで、こういう点大臣は通産大臣の席におられるうちに、ひとつ将来のしっかりした方針の下地ぐらいでもいいからお作り願っておきたい、私はこう思うわけでございまするが、大臣も本腰を入れてそういう問題をひとつ考えていただきたい、かように思いまして、大臣にお尋ねするわけでございますが、まあ時間もたいへんおそくなっておりますので、私の質問はこれにて終わります。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) たいへんいいお話ですから、私一言だけ申し上げます。  私は通産大臣になってから、局長、課長を集めて話をするようなときに、いつもそう言っているのですが、君らは一体下のことをよく知っておるのか、もっと一番下のことを勉強をしなきゃいけない、上の人の話だけでものを判断しちゃいけないのだと言うわけですね。いつも言っております。ここに皆おるから、まあ私がうそ言うているわけでも何でもないので、実際言うと、やはりどうしても上のほうの話だけが耳に入りやすいのですね。それではほんとうの政治ではないので、政治は一番下のところの人の考え方がどういうところにあるか、そういう人がどういう苦しみをしているかということを理解して、その上に立っての政治でなければ、私は政治じゃないというのが私の政治信念です。私自身の。だから、私はいつもそういうことを言っておるわけなんです。そういう意味から言えば、私はあなたと非常に共通した面があるだろうと思っております。したがって、私は通産行政を私が自分であれしている間は、できるだけそういう方針でやろうと思いますが、まあ将来としても、お説のような考え方で行政をやっていかなければならない、これはもう私は同意見でございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 私も通産大臣に七点ほど質問する予定を持っておりましたが、時間もございませんので、一点だけお聞きしまして、私は終わりたいと思いますが、ちょっと私の質問することは冗談めいたように聞えるかもわかりませんが、これは真剣に聞いていただきたい。ということは、過去において池田総理が、貧乏人は麦を食え、金持は白い飯を食うのだ、こういうことで非常に世論をにぎわした、こういうことがいわれているけれども、最近においては、御存じのごとく金持は麦を食っている、いわゆるパンですね。貧乏人が白い飯を食っている。こういう傾向に変わりつつあるのが現状ではないかと思っております。そこでそういうような際に、特に通産大臣は、この中小企業の生産する製品について、どう考えておられるか、これは大体大企業におきましては、規格品的なものを製造しているものが多いわけです。いうならば中小企業は、非常に何と申しますか、手の込んだような業種が多いのじゃないか、こういうことに考えられるわけです。最近アメリカに向けましても、大体この中小企業の製品が輸出されるように、強くなってきている。こういう状態の中で、日本も池田内閣が所得倍増、国民生活の向上という立場で、いろいろ政策をやっておられるわけなんです。こういうときに通産大臣が、ひとつ、金持は中小企業の製品を使えというようなスローガンを上げられたらどうかと思う。この点について、私は、大きなこの中小企業法案を作って、あるいは関連法案を作って、中小企業の今後育成をやるのだ、こういう立場を貫いておられる、この法案の中で、大臣がそういう形でやると、ほんとうに中小企業の今後の強化のために腰を上げたのだと、国民は非常に何といいまするか、感心と安心をするのじゃないか。したがって、そういう、金持は中小企業製品を使えというような、こういうスローガンを上げる気持はございませんか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 中小企業という立場からものを考えていきますというと、お説のようた考え方も、私はあり得ると思うわけであります。ただ、私はちょっと政治の問題で、今考えている理念はですね。世界中の人がお互いに安くていいものを使う、それから安くてうまいものを食う、栄養もあってですね。そういうふうにするのが、政治の根本理念でなければならぬ。それで自由化というようなものについても、われわれは賛成をいたしているわけで、そういうふうに進めようといたしているわけであります。そういう観点から考えてみまして、要するに、それじゃ日本の場合どうしたらいいのだ、中小企業の生きる道がないじゃないかと、今のような形では困るじゃないかと、こういうこともありますがね。私は中小企業でも、やはり大企業とうまくコンビになって、そうして大企業が中小企業を圧迫せぬような形にわれわれは行政指導を、ここに公取の委員長もおいでになりますが、公取なんかとちゃんとわれわれは連絡をとりながら、そういうことをしていくという、いわゆる一貫したものがあれば、それはそれでやる。それから同じ仕事のうちでも、中小企業に適するものもあるわけですね。特に日本の軽工業が、これだけ伸びてきたのは、やはり中小企業に適したものがあったからで、スイスが時計の工業やなんかが伸びたというのも、一つのあれは非常にこまかい仕事、機械に適しないということからあれが発展してきた。そういうものは今後もあり得ると思うのですね。やはり機械の大量生産じゃなくて、手を加えてやる仕事というものは、また別にあるのだ。そういうことをできるだけ見つけ、またそういうものにたくさんの人を集中して使うようにしなければならぬ。ということは、日本では人口が多いでしょう。人口が多いのに機械化ばかりやって、重化学工業ばかりやっていたのでは――重化学工業も必要なんですよ。その面では必要でありますけれども、その部面だけ、やっておったのでは私はいけないと思う。そこで、手工業――手を加える工業ですね、こういうものに大いに力を入れていかなければいけないのじゃないか、こういう実は私は感覚をもって見ているわけなのでございまして、お説ではございますが、悪くても何でも中小企業のものを使え、もし私がそういうことを言うたら、何だ、よくても悪くても使わせるのか、なんということを言われても困る。あなたの言われる、中小企業を愛護せよという立場から見られた御意見としては大いに賛成しますけれども、今言ったような点から考えると、にわかにそこまでは言うだけのまだ勇気がございません。

向井長年民主社会党

○向井長年君 けっこうです。もう私は終わります。時間がございませんから。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 一点だけ、この際何っておきますが、今回、中小企業行政としては画期的な基本法ができるわけでありますが、これを契機として、従来中小企業関係の予算、また財政投融資は、御承知のごとく非常に少ないのであります。で、これを、基本法制定の契機において、今後画期的な予算の増大、また財政投融資の増額について、先ほど来、大臣、いつまでも大臣ではないという話も出ておりましたけれども、通産大臣、恒久的なそのポストとしてお考えになりましたる際に、信念をひとつ伺っておきたいと思います。  それと同時に、これはひとつ、要望でありますが、実は、昨日、東京工業大学の名誉教授磯部君から、るる口述をせられたその中で、私は非常に打たれたのでありますが、それは、先ほど来お話のありましたるごとく、中小企業は非常に複雑多岐なものである、しかも、零細企業問題等を今後解決しようというのには容易ならぬ問題である、それには、ちょっと中小企業庁に席を置き、また大企業に関係をして、また従来大企業に関係しておったのが中小企業のその困難な問題に直面していく、かような体制では、中小企業対策というものは真に解決ができないのだ、中小企業というものに従事する体制の確立が中小企業問題の根本的解決には最も必要であろう、そういう意味で、中小企業省の設置が必要だ、ということを磯部名誉教授は心底から訴えたわけであります。  これについて、今後、先ほど来の大臣の打ち割った所信を伺ったんでありますが、真剣にこの中小企業省設置の問題について、どうぞ御研究を願いたい。この点を要望として申し添えまして、今後中小企業予算、財政投融資の画期的拡大、増加についての御所見を承っておきたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) お答え申し上げます。  中小企業基本法を実は作るということで、去年の、予算を編成するときにも、こういうことでもあるからというて、われわれとしてはできるだけ中小企業関係の予算を獲得することについて、また財政投融資をふやすことについて努力いたしたつもりであります。ただ、微力にして及ばなかったという面もあるかと思いますし、また、国の財政全体がこれをあるいは許さなかったという面もあったかと思うのであります。いずれにいたしましても、今度私たちとしては、中小企業基本法というものを作って、中小企業のために大いに骨を折ろうという体制、前向きの体制にきまった以上は、今後ともより一そう、そういう面に努力をいたすべきである。たとえ私が大臣であろうとなかろうと、今後の大臣というものはそういう努力をすべきものであると私は固く信じている次第でございます。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 他に御発言もなければ、五法案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。討論は、五法案を一括して願います。  委員長の手元に、川上君から修正案が、近藤君から附帯決議案が、提出をせられております。修正の御意見は討論の冒頭に、附帯決議案については、その次にお述べを願います。  なお、御意見のおありの力は、原案並びに修正案及び附帯決議案に対する賛否を明らかにしてお述べを願います。

川上為治自由民主党

○川上為治君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております中小企業基本法案に対しまして、各派共同提案にかかる修正案を提出し、この修正部分を除く原案に賛成するものであります。修正案がお手元にお配りしてありますが、一応朗読いたします。    中小企業基本法案に対する修正案   中小企業基本法案の一部を次のように修正する。   前文中「生産性」の下に「、企業所得、労働賃金」を加え、「小規模企業の従事者に対し」を「小規模企業従事者の生活水準が向上するよう」に、「自主的な努力」を「創意工夫を尊重し、その自主的な努力」に改める。   第一条中「従事者の地位」を「従事者の経済的社会的地位」に改める。   第三条第一項第二号中「技術者」の下に「及び技能者」を加え、同条第二項を削る。   第五条、第六条第二項、第二十三条及び第二十六条中「第三条第一項」を「第三条」に改める。   第十条中「及び技術者の研修」を「、技術者研修及び技能者養成」に改める。   第二十五条中「充実を図るため」を「充実を図り、事業経営の合理化に資するため」に改める。  修正の趣旨につきまして簡単に申し上げますと、  まず、前文第二段第一行の中ほどにある「生産性」という文字の下に、「企業所得、労働賃金」を加えましたのは、企業間に存在する格差は、生産性の格差のみが重要なだけでなく、企業所得や労働賃金の格差もきわめて重要なものでありますから、この趣旨を明確にした次第であります。  次に、同じく前文第三段第一行の中ほどを、「小規模企業従下着の生活水準が向上するよう」にと改めたのは、政府原案は配慮すべき対象が不明確でありますので、これを生活水準向上に置くようにしたいためであります。  それから、その次の行の「創意工夫を尊重し」を加えたのは、中小企業者の創意工夫の重要性を特に高調したいためであります。  次に、本文で、第一条中「従事者の地位」を「従事者の経済的社会的地位」に改めたのも、その趣旨を明確にするためであります。  第三条で、第一項第二号中に「及び技能者」を加えることにいたしましたのは、中小企業では、技術者のみならず、いわゆる職人等の技能者が非常に多く、かつ、きわめて重要な役割を果たしているからであります。  それから、同じ第三条で、第二項を削除することにいたしましたのは、第二項は、単に第一項の各種の施策を実施する場合の配慮すべき事項を述べたにすぎないとは思いますが、第一項の施策にワクをはめ、制限するように誤解され、あるいはこの条件に即しない中小企業は整理されるがごとき曲解を招くおそれもありますので、削除することにいたしたのであります。  この第二項を削るため、第五条、第六条第二項、第二十三条及び第二十六条中にありますところの「第三条第一項」を、それぞれ「第三条」とだけに改めることになります。  次に、第十桑中に「技能者養成」を加えたのは、第三条第一項第二号に述べたと同じことでございます。  最後に、第二十五条の修正は「事業経営の合理化に資するため」という目的を追加し、企業資本の充実のみならず、中小企業の事業経営の合理化のためにも、租税負担の適正化等の必要な施策を講ずることといたしたのであります。  修正の趣旨は以上のとおりでありますが、私は、中小企業基本法の成立は、中小企業界はもちろんのこと、広く一般国民も多年要望していたところでありますし、今後のわが国国民経済の発展の上に、この基本法がきわめて重要かつ緊切であると存じますので、右のように修正可決するよう切望する次第であります。  次に、中小企業指導法案外三件につきましては、原案どおり可決すべきものと賛成をいたす次第でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました中小企業基本法案については、川上委員提出の共同修正案に賛成し、この修正あるがゆえに、修正部分を除く原案に賛成するものであります。  なお、私は、各位の御賛同により、各派共同提案として、附帯決議を付することにいたしたいと存じます。  まず、附帯決議案を朗読いたします。    中小企業基本法案に対する附帯決議(案)   政府は本法の運用に当つては、左の各項を速かに実現すべきである。  一、本法の施行に当つては、中小企業が大企業に比しその生産性、企業所得及び労働賃金に著しい格差を生じている原因を十分に把握しその原因の除去につとめ、早急に関連法規の整備充実を図るとともに、予算の確保、税制の改善、財政投融資の充実その他中小企業諸政策の拡充につとめ、法の所期する効果が速かに実現出来るよう措置すること。  二、中小企業の組織については現行の組織に関する諸法規に再検討を加え、秩序と機能の充実された体制に整備するとともに、組織に対する特別の金融上、税制上の配慮を講ずる等の方法をもって組織の強化を図ること。  三、中小企業行政の強力な推進に資するため、国、地方公共団体を通じ、中小企業行政組織の整備強化を速かに図ること。  四、中小企業政策審議会には特に小規模事業者の代表及び消費者の代表を加えるよう配慮すること。  五、紛争処理のための機構の整備については、早急に中小企業政策審議会に諮問し、公正且つ実行力のある機構を設けるよう考慮すること。  決議案の趣旨につきましては、すでに質疑中に各位並びに私のしばしば言及した点でありまして、別に御説明の要をみないと存じますので、省略させていただきますが、何とぞ御賛成をお願いします。  私どもといたしましては、かねがね中小企業基本法の必要性を痛感しておった者でありまして、その意味で、今回この歴史的法律が成立しようとすることを喜ぶ次第であります。  ただ、私どもは、何分にも、政府案が中小企業の範囲を大きく広げ、中小企業の上限を引き上げて、上層部に手厚く、小規模事業に冷淡であるように思われるのを遺憾としたのでありますが、政府においても、今後小規模事業については特に配慮する由で、池田総理も先ほどその趣旨を強く答弁しておりますので、われわれも了承する次第であります。また、中小企業の実情に即した修正もみられそうであり、これによって政府案に対する不安が解消し、ここに賛成する者であります。ただ、最近における中小企業対策に最も不安を感じているのは零細企業でありますので、私どもの意のあるところを十分にくんで本法を運用することを希望しておきます。  それから、中小企業行政の現存の機構は、はなはだ弱小でありますので、附帯決議でも申し上げましたとおり、これが拡充強化はきわめて重要であります。ことに、閣議において中小企業のために発言し得る者がいないことは、中小企業のためにすこぶる不利でありますから、できるだけ中小企業省を設置するよう検討してもらいたい。せめて、中小企業行政機構の長は国務大臣として閣議に出られるようにしてほしいわけで、この点も強く要望しておきます。  他の四法案についても、基本法案に賛成すると同様の意味において賛成する次第でありますが、特に下請代金支払遅延防止法の改正案について、改正点については別に異議がありませんけれども、この法律が有名無実で、あまり実効をあげていないことをすこぶる残念に思うので、今後、法の励行に努めるよう、公取の活動を希望し、必要とあれば、法の改正をも検討してほしいのであります。  以上で討論を終わります。

二宮文造公明会

○二宮文造君 私は、公明会を代表しまして、ただいま上程になりました中小企業基本法案につきまして、共同提案にかかる修正案並びに修正部分を除く原案及びただいまの附帯決議案に対しまして、賛成の意を表するものであります。  ただ、この際一言申し上げておきたいことは、昨日の参考人の意見でも、業界代表の方々の御意見の中にありましたように、この基本法は不満足ではあるけれども、これをよりどころにして一歩前進を期待したいというのが業界の方々の意見でございまして、実態のつかみにくい、この中小企業を一本の法案化にしようとしたこの基本法に不満足な性格が現われてくるのは、業界の方々の指摘したとおりでありますが、激しい経済変動の中で、一定のワクで業者をふるいにかけるのではないかというふうな不安も、まだただよっております。特に、審議の過程でしばしば論議されましたように、小規模企業者に対する対策でありますが、私の手元にあります資料では、製造業を規模別に見まして、九人以下の従業員の割合は七三・二%というような非常に多くの割合を占めております。したがいまして、このような日本の中小企業の現状から見まして、これはふるいにかけられるのではないか……。さらにはまた、小規模事業者に対する政府の配慮が強く要望されるゆえんであります。そこで、附帯決議案の第四項にありますところの「中小企業政策審議会には特に小規模事業者の代表及び消費者の代表を加えるよう配慮すること。」という一項については、ただこの文案だけでなしに、政府として、特にその運営に慎重を期せられたいと思うのであります。  さらに、中小企業者の当面する困難というものは、金融とか、あるいは税制とか、あるいは雇用対策におきまして、大企業に比べてなみなみならぬ苦難に処している今日、この基本法の精神をさらに活用して、もって中小企業従事者並びに従業員に対する希望を与えてあげていただきたい。これをあわせて要望いたしまして、本案に対して賛成をいたすものであります。  さらに、中小企業指導法以下の法案につきましても、あわせ賛成の意を表するものであります。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 この法案は、読みました限りでは、大ぶろしきを広げているというふうな感じで、幾多の不安を持ちますし、また、不満足な点もございますけれども、ともかく、中小企業行政としては一歩前進したものであるし、これを足がかりにして、中小企業が体質を改善し、経営を改善し、ひいては消費者に利益を与えて、国民経済全体が正しく前進するように願うことで、私は賛成したいと思います。  ただし、この際、特に次の諸点を強く要望して、この法律並びに関連法律の運用にあたっては十分に留意されたいということがございます。  その第一は、過度の競争を理由とする中小企業のカルテル行為が従来不当に行なわれて、消費者物価値上がりの原因となっていることが多いので、このような行為を慎しみ、またやめさせ、企業努力を中心にするよう行政指導していかなければならぬ、これが一つ。  二つには、商工組合等がやたらにアウトサイダーを圧迫し、良心的に適正な価格で消費者のために物を作り、または売ってサービスをしているものに、値段を組合がきめて、そして無理に値段を引き上げさせたりする事例が従来非常に多かったのですが、これを改める。  第三に、生協、農協、漁協等非営利的な消費者組織は、中小企業者がややもすれば矛盾を小売価格の値上げによって消費者に転嫁しようとしてきたのに対しまして、消費者が自衛的な防御措置としてこの道を選んでいるのでございまして、またこれは自覚したる消費者の一つの組織でございますので、商業者が消費者とともに正しく発展をするためにも、むしろ刺激になると、私はこのように見、ておりますので、そういう理解のしでこの法案を運用してもらいたい。これが、私どもの生協その他の非営利組織を行政上規制しないようにということが願われるわけでございます。  また第四に、中小企業者は、一般に上部の関係大企業に対しては弱いけれども、消費者に対しては、うまくごまかして高い値段を押しつけてきました。これからは、あくまで、大企業に対しては、その過剰利益を吐き出させるように、強い圧力をかける力を持ってもらいたい。そのような御指導を願いたい。また、そのことによって、消費者価格価下げの機運を作っていかなければなるまい、こう思うのでございます。そうでないと、購買力は枯れてしまい、国民経済は回転していかなくなるであろうし、政府におかれましても、重大な場面に立ち至るのではないかと非常に案じるのでございます。  第五には、中小企業に働く従業員の人々の賃金、労働時間、福利厚生施設を改善することは非常に大切なことでございます。中小企業庁は、その内容の今後の動きを正しく把握して、教えていってほしい。ただし、問題なのは、賃金を大して上げてもいないのに、賃金上昇を理由にして、不当に価格をつり上げて企業利潤をむさぼっている企業者が従来多かったことを認識してもらいたい。その対策、指導の面でも、あるいは実際の面でも工夫してもらいたい。  それから、政府が各企業ごとに平均標準原価計算を明らかに示して、逸脱しないように厳重に指導されたいということ。  第五には、みなさんがしばしば指摘されていられたように、小規模事業者、ことに高齢者、未亡人、その他生業的事業をしている人々は、おそらく今後大企業や中小企業との間に格差がますますつけられてきて、あるいは切り捨てられるのではないかという不安を持つのも、これは無理からぬことだと思うのでございます。これに対しても、融資等で救えるとおっしゃいますが、やはりこれらの人々には社会保障を拡充して、無理して零細な事業をしなくてもすむ道を講ずるのが先決でございましょう。中小企業の問題で、一番不安を持ち、一番見通しを持ってないで苦労しているのは、これらの零細な企業の、生業的な企業を行なっているものでございますから、特にこの点で十分配慮すべきものと考えるのでございます。  なお、関連しました四法案に対しましては、中小企業に対すると同様の立場から、私は賛成を表明いたします。

向井長年民主社会党

○向井長年君 私は、民主社会党を代表いたしまして、政府提案の中小企業基本法案に対する自民党修正案に賛成し、なお修正案を除く原案に対しても賛成いたします。そのように修正される政府案の成立を望むものであります。  本案は、政府、社会党、民社党、それぞれの提案によるものでございまして、わが党案の骨子は、衆議院あるいは本院においても、ほぼ修正の中で取り入れられておるのでございますので、了解するものであります。  なお、中小企業指導法案外三件に対しましても賛成するものであります。  今後本案の施行にあたりましては、特に小規模事業に留意し、関連法案の整備及び金融、税制の改善、その他諸政策の拡充に努められんことを強く要望いたしまして、賛成の意を表するものであります。  なお、社会党の近藤委員から提出されました附帯決議案に対しても、全面的に賛成するものであります。  以上をもって、私の討論を終わります。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) ほかに御意見もないようですから、討論は、これをもって終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより中小企業基本法案について採決に入ります。  まず、討論中にありました川上君提出の修正案を問題に供します。  川上君提出の修正案に賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 全会一致でございます。よって、川上対提出の修正案は可決されました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。  修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、修正すべきものと決定をせられました。  次に、討論中に述べられました近藤君提出の附帯決議案を議題といたします。  近藤君提出の附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 全会一致と認めます。よって、近藤君提出の附帯決議案は、全会一致をもって、本委員会の決議とすることに決定をいたしました。  次に、中小企業指導法案、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、中小企業等協同組合法等の一部を改正する法律案及び下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案、以上四案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 全会一致でございます。よって、四法案は、いずれも原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。  なお、本院規則第七十二条によりまして、議長に提出すべき報告書の作成等につきましては、慣例によりまして、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたしました。  次に、ただいま決定をいたしました附帯決議について、福田通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。福田通商産業大臣。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) ただいま御決定になりました中小企業基本法案に対する附帯決議につきましては、決議の趣旨を体しまして、これを生かすよう努力をいたして参りたいと存じます。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 本日は、これをもって散会をいたします。    午後十一時三十分散会      ―――――・―――――

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