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43回国会参議院1963/06/20

商工委員会 第33号

発言数
104
登壇者
7
会派数
4
開催日
1963/06/20

会議録

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員長及び理事打合会の協議事項について報告をいたします。  本日は金属鉱業等安定臨時措置法案について質疑をいたしまして、後に討論採決を行なうことになっております。     —————————————

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) それでは金属鉱業等安定臨時措置法案を議題に供します。  前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のおありの方は御発言をお願いいたします。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 本法は池田さんの貿易の自由化という政策の一環として作られる法律でしょうが、したがって、もうすでに、品種によっては貿易の自由化を行なっているものもあるし、今後行なうものもあるようですが、この金属鉱業はすでに行なっているものと、これから行なわんとするものがあるように承っておりますが、何と何がすでに行なっており、何と何がこれから行なわんとするものか、その点をまず御質問いたします。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 金属鉱物等の自由化の問題でございますが、昨年の十月と今年の四月に相当大幅の身由化を行ないまして、現在自由化が行なわれていない品目は、鉛、亜鉛、硫黄、硫化鉱、タングステン鉱、金鉱、以上の六つでございまして、そのほかは自由化が行なわれております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうすると、金属鉱業というものは、鉱業法によると、金属鉱業とは鉱物資源のうちで、これこれであるという品種を数えただけでも三、四十あるわけですね。そうしますと、今、鉱山局長のおっしゃった、その他はということになりますと、御答弁の中にございました、昨年の十月、それからそれ以後のものという以外のものは、全部貿易の自由化を行なうということになるわけですが、そういうふうに理解してよろしいですか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 昨年の十月に、若干の自由化が行なわれました。たとえば、マンガン鉱でございますとか、石綿等でございます。それから本年の四月に自由化が行なわれましたのは大物である銅、水銀、アンチモニー等でございまして、それ以外の鉱産物は昨年の十月よりも前に自由化されているわけでございます。それは一つは、たとえば銅鉱とか、鉛鉱、亜鉛鉱の鉱物につきましては、自由化はだいぶ前から行なわれておりました。問題は、銅、鉛、亜鉛の地金の自由化が一番問題であったわけでございます。それで一番、問題の銅、鉛、亜鉛のうち、銅地金につきましては、本年の四月に自由化をされたわけであります。それから鉛、亜鉛は、銅地金と一緒に自由化をする予定でおったわけでございま旧すが、海外の相場が非常に下落をしておりましたため、とりあえず一年間延期をされて、現在は自由化されていないわけでございます。それから硫黄、硫化鉱管つきましては、これは内外価格の差があまりに大きく、自由化をいたしますと、甚大な影響を国内鉱山に与えるおそれが非常に強いものですから、当分自由化を見送られておるのが現状でございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 通産大臣の福田さんにお尋ねをいたしますが、外国製品が下がるという鉱山局長さんのお話ですが、この法律だけで貿易の自由化の万全の対策となりましょうか。これから中身を十分お尋ねしてみないとわかりませんが、一読してみますと、なかなかこの法律をもって万全の対策ではないように理解されるわけですが、特にあわせて福田さんにお尋ねしたいことは、臨時措置法ですから、昭和四十三年というふうになっておるようですが、昭和四十三年までですが、完全にその諸外国にわが国内の生産が、コストの面において対抗できるかどうかという点をどのように大臣は行政面の中でお考えになっておるか。ひとつお尋ねをいたします。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 非鉄金属の問題は、御承知のように、なかなか国際的な価格の面における変動が特に最近は激しいのでございますし、また順次価格が全般として下がってきておるという事態が存在いたしております。そういうような国際競争力の問題が非常に大きいところへもってきて、日本における非鉄金属自体、非鉄金属を採掘しておりまする会社の規模が非常に小さいとか、あるいはまた鉱石があまり優良なものがないというようなこと等のいろいろな問題もございますので、それらの面をいろいろ考えた上で施策を進めていかなければならないわけであります。  そこでわれわれといたしましては、ここに御審議を願っております法律のほかに、金属鉱物探鉱融資事業団というものを設立しまして、そうして金融面で大いにこれを援助するということも考えております。また予算の面におきまして、一種の補助金交付等の措置も講じておるわけであります。それからまた、それらの会社に対する融資等の問題につきましても、投融資面においてわれわれはいろいろとめんどうを見るように努力はいたしておるわけでございまして、これらのものを総合的に行なって、自由化に対する施策を進めて参っておるのでありますが、それだけで十分であるかということになりますと、これは国際価格がどう変動するかということによって、また大きな動きが、施策も変わらなければならないと思うのでありますが、当面今のいわゆる世界的な価格体系が維持されるという限度においては、大体この種の施策をやっておれば、自由化に踏み切っていけると考えておるわけであります。しかしながら、価格が変動しあるいはその他の経済事情あるいはまた非鉄金属を使用する代替物がほかに出てきたというような問題等も、いわゆるそういうような特殊事情というものが出てきますれば、またそれに応じた施策を講じていかなければならない、かように考えておるわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 重ねてお尋ねいたしますが、今大臣の前に御答弁いただいた鉱山局長のお話では、外国商品のコストが下がったから一年間延期したとおっしゃっておる。そうすると、一番いい便法ですから、そういうような対策をとられたのでしょうが、また下がればやはりとらなければならないということになりませんか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 私はその値段の下がり方の問題もあろうかと思いますが、そう私は急には下がらないのじゃないかと思います。そういうことであれば、大体漸次自由化を進められるのではないか、また、そういうように自由化をいたしましても、場合によって非常な値段の値下がりを生ずるというような場合には、御承知のように、緊急的な税制、関税制度によってチェックするという工夫もあり得るわけでありますから、こういうこともあわせ考慮しながら、自由化に踏み切っていきたい、かように考えておるわけであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 どうもよく理解できないわけですが、そう下がらぬと言っても、たとえば、銅の生産量が一番多いから、銅の例をとってお尋ねしますが、銅のコストは今二十八万幾ら、千円か、二千円ですね。しかしそれが三千円か、四千円下がる、そこが一番大事なところなんですね、結局。その辺が一番大事なところ。そうしますと、確かにその二十八万円対一割にも満たない金額ですから、そうも下がらぬ、こういうことになるのでしょうが、そこが一番大事なところであるから、全国の中小企業から始まって金属鉱山が荒廃に瀕するという状態が起きるわけです。企業整備をやらなければならない。日本有数の日立鉱山においてすら、やらなければならない。これが実態ですから、どうもこういう方法もいいかもしれませんが、これでは万全だというように理解できないわけであります。一例をあげて見ますと、外国から入ってくるのと国内製品と、それからスクラップの再生産でいろいろ問題があるようですが、その三つの銅なら銅を国内で消費しているわけですね。ですから、外国商品とそれからスクラップと国内製品とあわせて一カ所で事業団を作って、そこで買い上げして、そうして再配分するというような方法でなければ、これは幾ら法文を作って保護政策だということで施策を行なっても、これは炭鉱のようなことになるような懸念がある、こういう点の御心配はございませんか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 私は銅の場合を例におとりになりましたが、銅の場合においても、確かにあなたのおっしゃるようなことも考えられないわけではありません。したがって、今あなたがおっしゃったような方法をとることも一つの施策と考え、一つの方法とは考えておりますが、さしあたりわれわれとしては、この種の措置によって大体やっていける、こういう確信のもとに実はこの法案を出しておるのでありまして、今の銅に関する現状、国際価格、また価格の動きあるいはまた国内の実情等から見れば、大体この法案によって処置をいたしていける、今あなたのおっしゃったような、もうほとんど完全統制的なものの考え方までいかなくともやっていけるのではないか、こういうふうに考えてこの法案を出しておるわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 それほど大臣が御自信があるのであれば、この金属鉱業等安定臨時措置法案は、この法案が可決することによって、通商産業省で今度政策をそれぞれ実施するのでしょうが、そうしますと、現在の全国にある大中小を含めて、各事業所はそのまま存続できますか。現行のように大臣のさいぜんおっしゃったように、金融措置も講じてあります、あるいはまたあわせて御答弁いただいておる事業団もできたじゃないか、これも加えて万全であるということになれば、四十三年まで現在の国内にある大中小の事業所は全部そのまま存続できますか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 私はそれには問題があろうかと思います。という意味は、やはり鉱山にいたしましても、その鉱脈がなくなった鉱山が、いかにこういう法律ができたからといって、そのまま存続するということはあり得ません。また、経営者自体が経営能力がなく、あるいはまた不正を働く等の事態によって、その会社が非常な不利といいますか、今後事業を継続することができない場合もないとは言えないと思います。この法律がねらいといたしますところは、そういうような特殊事情のない場合、普通の今後も大体鉱石もあるし、そうして一定の採掘ができるという状況において事業を継続しておるというようなものが、急に大きな影響を受けて倒産するとか、あるいは事業を継続することができないということは、この法律が通れば大体ないのではないか。そういう特殊事情も含めて全部維持できるかということになりますと、それは困難な場合も起こり得ると申し上げないわけにいかないと存じます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 それは福田さん、常識の問題であって、銅鉱山が銅の原鉱がなくなって、その事業所がつぶれるのは、これは当然なことなんです。あるいは亜鉛、鉛、すず、こういうところの鉱脈がなくなったところがつぶれるのは当然の話、あるいはまた経営者が炭鉱事業をやっておりながら、株に手を出して事業に失敗してつぶれる、これは当然のことです。私は貿易の自由化によってあたりまえに生業を営んでおりながら、あたりまえに事業の発展を祈って仕事をしておりながら、貿易の自由化によって影響するところはございませんかというお尋ねなわけです。大臣のおっしゃるように、鉱脈がなくなったところがつぶれるのは当然のことです。そんなことは聞いてはせぬ。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) おしかりを受けて恐縮でありますが、私があまり念を入れ過ぎて御答弁申し上げたものでありますから、恐縮なんでありますが、しかし、非常にコスト高のところでない限りは、私はこの法律が御承認をいただければ、事業を円満に継続していけると、かように考えておるわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 これはちょっと数字の問題になりますので、鉱山局長さんでけっこうですが、外国から入って参ります原鉱ですが、フィリピンのセブ島とかメナド、こういうところから入ってくる亜鉛、すず、それから中南米から、あるいはメキシコ、アメリカ、これから入ってくる原鉱、それから国内生産量、それからさいぜん申し上げましたスクラップ、こういうものの率はどういう率になっておりますか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) まず銅について申し上げますと、国内鉱山から出て参りますものが大体十万トン近い——三十七年は生産縮小をしておりましたので若干減っておりまして九万トンぐらいかと思いますが、大体十万トン近いと思います。それから輸入鉱、これは先ほどお話がございましたように、フィリピンあるいは南米あたりが中心でございますけれども、輸入鉱から作られる地金が大体十二、三万、それからスクラップその他の回収から作られるものが五万ないし六万トンくらいでございます。それから鉛でございますが、鉛は国内需要は大体十一万トンないし十二万トンでございますが、国内鉱山から出る鉛が約五万トンくらいでございます。それから輸入鉱石から取れますのが三万トンないし四万トン近い数字でございます。あと七、八千トンが国内のスクラップ等から回収されるものでございます。それから亜鉛につきまして申し上げますと、国内鉱石から出る量は約十七万トンくらいでございます。輸入鉱から出ますのが約六万トンないし七万トン、スクラップその他から出ますものが二万トン程度でございまして、亜鉛につきましては地金の輸入は行なわれていないわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 この価格の差はどれくらい違うのですか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 鉱山のコストは非常にわかりにくいわけでございまして、これはたとえば、高品位のところを抜き掘り的にでも掘れば非常にコストは下がりますし、品位の低いところを掘ればコストは上がるわけであります。したがって、品位と鉱量の状態によりましてある程度調節ができるわけでございますが、銅につきましては、国内鉱山のコストがどれくらいであるかという判断は非常にむずかしいわけでございますが、大体私どもは二十七万円と二十八万円の間じゃないかと推測をしておるわけであります。もちろん鉱山によりましては、それより非常に低い鉱山もあります。あるいは商い鉱山もあるわけでございます。それから輸入鉱のほうは、これは銅の地金につきましては、国際価格が金物市場の相場できまっておりますので、それから商取引によりまして個々の条件によって違う場合がありますが、製錬費及びその他諸経費を差し引いたものが銅に換算して鉱石の価格になっておるわけでございます。大体日本の製錬所が海外から買っております輸入鉱石を銅地金に換算いたしますと二十六万円前後ではないかと考えております。これも必ずしも一致した値段ではないわけでございます。高いものもあれば安いものもあるわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 あわせて、半年ほど前に北海道の野村鉱業イトムカ鉱山、ここで貿易の自由化に伴って、通産省の課長さんと関係がなかったようなあったような、新聞に出ておりましたが、イトムカ鉱山から出る水銀は日本の九九%、二つ三つほかに山を持っておるようですが、出るやに伺っております。この措置はどうなっておりますか。外国から入ってくるわけですね、これは貿易の自由化をやられると対抗できませんから、関税かけても。その措置はどうですか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 水銀地金の自由化は本年の四月から実施をしたわけでございます。実施にあたりまして、関税を改正をいたしておりまして、これはタリフ・クォータ制度を採用しておるわけであります。したがって、一次税率は無税でございまして、二次税率が二五%ということになっております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 タリフ・クォータ式と税金と両方かけるのはおかしいと思うのですが、それがタリフ・クォータ式でやって通産省の見通しどおりであればいいが、もし経済的な変動その他で通産省のお見通しと違うというと、ある面でタリフ・クォータ制度は成功しない、その点はどうなっておりますか。池田さんがおっしゃる所得倍増経済政策に従って、年々の計画に基づいて大体通産当局ではこれら金属工業の伸びを、国内消費量の伸びをどういうように計算されておるのか、その点をひとつお聞きしたい。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 鉱山物全体について今後の伸びの長期の見通しというものはできていないのですが、たとえば、銅について見ますと、これも公式の推測ではございませんけれども、昭和四十五年ごろ、銅地金の需要は現在の倍近くなりまして六十万トンと七十万トンの間ではないかという推測をいたしているわけであります。なお、鉛につきましては、現在十一万トンないし十二万トンの需要でございますが、この伸びは銅ほど伸びていないわけであります。これは代替商品が出て参ります影響もあるかと思いますが、そういうことであります。それから亜鉛の需要は現在、三十七年度は二十数万トンの需要でございますが、これは鉛に比べますと急速な伸びを示すのじゃないかと推測をいたしているのであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 銅が約倍、八割近く四十五年に伸びるという話ですが、それはあくまでも日本の経済の膨張率と同じ比率で上昇していくのじゃないか、それと違って、今まで銅製品を使わなかった、あるいは製造会社が新たに銅製品を使うようなひとつの販路を開拓して伸びているのか、その点はどちらですか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 銅の場合につきますと、鉱工業生産の伸びに合わせて見通しを立てております。過去の実績がさような傾向にあるわけでありますので、それに合わせて考えている次第であります。なお、銅の消費量——国民一人当たりの消費量を考えますと、まだ日本は工業国の中では低いほうでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 私の承知しているところでは、外国製品、たとえば、銅、鉛、亜鉛、すず、その箇所によって違いますが、アフリカに行きますとコンゴ、これは鉱物資源では世界一だということでありますが、今まではベルギーの保護国だった、ケニアはイギリス、ガーナ等もそうでありますが、今まではアフリカならアフリカに行って採鉱だけやって、原鉱は全部ロンドン、ブラッセルに持って来て製錬する。それが全部今まではイギリスの保護国、あるいはベルギーの保護国であったために意のままにならなかったが、独立国家になった。それでそこに製錬所を持って来て、そこで製錬をして製品を売るということにだんだんと相なるので、コストがだんだん上がる。それから東南アジアに行ってもそのとおり、中南米に行っても、今までは原鉱をどんどん買って、今日でも買っているのですが、今度は製錬所まで持って来いということになっているように聞いている、こういう点の事情はどういうふうになっておりますか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 銅について申し上げますと、銅は非常に世界的に、御指摘のように、生産地が偏在をいたしておりまして、北アメリカ、南アメリカ及びアフリカ、アジアの一部ということになっているわけであります。南米につきましても、それからアフリカについてもおそらくそうであったかと思いますが、山元にある程度大規模の製錬所を持っているわけであります。もちろんそこで全部製錬するわけじゃないが、さような形態で行なわれておったと思います。日本が輸入しております鉱石は、大体山元で品位二五%ぐらいの精鉱にいたしまして日本に持って来て、国内で製錬をして地金にしていくのであります。銅のコストの見通しその他はなかなかデータも少ないものでございますから、はっきりしたところはわからないのですが、過去二年間ぐらい銅の国際的な相場というのは安定しておりまして、今のところ急にこれが上がったり下がったりする見通しはないというように専門家は申しております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 という鉱山局長の御答弁ですが、銅の相場は大体アメリカがその基準を作るということに承知しておるわけですが、アメリカで相当動くのじゃないですか、上がったり下がったり。昨年からずっと一定した値段じゃないでしょう。そのためにわが国も影響しておるわけじゃないですか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 銅の相場は戦後は非常に上がったり下がったりいたしまして、低いときには日本の円に直しまして二十万円を割ったこともございますし、あるいはロンドン相場が四十万円越えたこともございますけれども、少なくとも最近二年間ぐらいは上がったり下がったりしない。若干ありますけれども、これは非常な小幅でありまして、ほぼ安定をした推移を過去二年間はたどっておるわけであります。今後のことになりますと、これは推測になりますので、はっきりしたことはわからないのですが、大体今のところそう大きな変動はないのではないかということを申し上げておるわけであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうしますと、余談になって恐縮ですが、この金属鉱山の三井、三菱、住友、古河、こういう経営者諸君は、銅のコストがきわめて暴落の一途をたどっておるので、賃金を払うことはできません、山はつぶさなければなりません、こういうように、もう局長も御承知のとおり、天下に声明しておる。従業員にもそのとおり言明しておる。そうすると、それはうそだということですね。これは局長さんの責任でございませんから、これ以上お尋ねしませんが、鉱山業の経営者は、これはでたらめを言っておるということになるわけですね。まあそれはあなた答弁要りませんけれども、私はそういうように解釈する。炭鉱経営者よりはあなたを信用いたします。  その次にお尋ねしますが、第二条に政令によって該当するものをきめることになっておりますけれども、政令できめるのですから、まだきまらないと御答弁になればそれまでですが、しかし、何か腹案がおありであればお示し願いたいと思います。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 第二条で政令で定めますのは一号と二号と二つの場合がございまして、一号の場合は、これは鉱物を定める場合でございます。二号は金属を定める場合でございます。これは鉱業審議会で諮ってきめることになっておるわけでございますが、たとえば鉱物で申しますと、銅鉱、鉛鉱、亜鉛鉱あるいはすず鉱、マンガン鉱あるいは硫黄鉱が候補に上がるのではないかと考えております。  それから金属といたしましては、銅、鉛、亜鉛あるいは水銀、すずというようなものが候補に上がっております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 あわせて資金の計画が例示されておるわけですが、具体的にどういうことになるのですか。お尋ねしたいわけです。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 資金の計画は直接法文には上がっていないわけでございますが、第九条で政府が、基本計画の達成をはかるために、金属鉱業等に対して必要な資金のあっせん等に努めなければいけないという規定がございます。体質改善をしていきますためには、たとえば探鉱関係にどの程度の融資が必要であるか、あるいは設備の近代化のためにどの程度の資金が必要であるかということは、これは基本計画と同時に年次別の実施計画を作るわけでございますので、そのときに具体的に鉱業審議会に諮ってきめていきたいと考えております。現在、銅につきまして、五年間にどれだけの資金が必要であるかということはまだ計算していないわけであります。本年度の、三十八年度の予算及び財政投融資につきましては、探鉱関係につきましては予算は三億円、それから探鉱融資事業団による融資が十五億円、すでにきまっておるわけであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 それは前に聞きましたが、ですから鉱山局長、私はこれを何度も読ましていただいて、理解するのが足りないかもしれませんが、この基本計画、まあ第三条からありますし、それから第六条、第七条とありますが、これもすでに通産省でもこういう計画を、今までこういう法律に基づいてやってきたわけじゃないのですが、やっておることなんじゃないですか。ですから、この法文によって、話はまた元へ戻りますが、はたして貿易の自由化の対策になるかどうかという心配があるわけですね。ないよりましかもしれませんが、これから貿易の自由化ということで怒濤のように入ってくるとは考えられませんけれども、少なくとも今御答弁になった銅が二十八万円の場合、外国が二十四万二、三千円。四万円も差があるわけですね。そうすると、まあこの前御答弁いただいたそれぞれの差益金といいましょうか、関税といいましょうか、そういう方向でやるというような御答弁もいただいておりますが、この法律に、もうすでに前からあなたのほうで、法律に基づいてやったんでなく、すでにやっておられることで、鉱業審議会云々は当然のことで、これももうすでにやっておられる、御意見を聞いておりますが、そうすると、どこが一番きめ手になるか、そのものずばりでお尋ねしたい。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 今度の自由化になり、あるいはなっておるわけでございますので、その場合に合理化の目標あるいは生産の目標を立てまして、体質改善に努めなければならないことは、この法律の第一の柱になっておるわけでございます。その目標は、これは利用者側から見れば、安いほうがいいということにもなりますが、鉱山側から見れば、安定供給という面もありますけれども、自然条件に制約されてある程度の限界があろうかと思います。したがって、その辺の調整は今後両業界の意見もよく聞かなければなりませんものですから、現在のところ結論を出しておるわけではないわけでございます。  それから、目標を定めまして、それを体質改善に一年々々進めていくわけでございますが、これも各企業の実情もよく聞きまして、大体どういう探鉱計画になっておるのか、あるいは設備の合理化、近代化計画を持っておるのかということを個々の企業についても相当具体的に話を聞いた上で案を作っていきたいと考えておるものですから、現在大体どのくらいの資金計画だということはちょっとお答えしにくいのが実情でございますので、何とぞ御了承願いたいと考えております。  それから、それが基本計画でございますが、何にいたしましても、需要業界と鉱山業界が協調をいたしまして、国内の鉱山から出てくるのは何といいましても安定供給源でございます。鉱山自身は体質改善に努力をしておるわけでございますが、その辺はある程度国際価格に比べまして高くても、輸入するものはだんだん今後はふえていくわけでございますから、その辺はよく話し合いをして、国内鉱山も成り立っていく、需要業界としても今後は輸入する分もふえて参りますので、これは国内鉱山を保護するために関税をあまりに上げてしまうというような措置もとれないかと思います。したがって、その辺の調整を第六条の「(取決め)」によりましてうまく運んでいきたいと考えておるような次第でございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 おっしゃるようなことは、今まで法文に基づいてやってきたわけでないけれども、実際はやっておられただろうと私は思う。ただ、貿易の自由化対策という名目ではなかったにしろ、国内の安定供給の面についても、生産の量の問題についても、それからその製造業者と生産業者の間の調整等も、これは鉱山局長の行政の一環として僕はやってきたんだろうと思う。ですから、少なくとも法律を作るのであれば、もう少してこ入れになるような法律になりはせぬかというようなことを私は希望もしておるし、この法律を読んでみてもう少し何とかならぬものかというように考えているわけです。したがって、まあ外国商品は確かに安い。使う人は安いほうがいいでしょう。しかし、国内コストも下げる方法があるわけですから、終戦後十八年の間に生産量等においても十六倍になっておるわけです。一が十六になっておる。そういうふうに改善できるわけです。ですから安いといって日本のわずかなドルを使って外国商品を買って、国内のゼロに等しい鉱山、これは再興も何もできません、そろばんに合わないのですから。しかしながら、相当数の優秀な鉱山があるわけですから、それもこういう法律で助かるわけですから、もう少し俗にいう、通産省に、かわったようですが、前の事務次官等がおられましたときに、計算センターというものを作ってやらなければならぬという案も出ておりまして、私どもがそういう方法もよかろうと、こういって賛成したわけですが、いつの間にか消えてしまってなくなった、こういうことですから、これは仏作って魂入れずじゃないか。安ければ外国商品でも何でもいいわけですか、国内産業を放棄しても。どうですか次官。

上林忠次自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(上林忠次君) 前の次官の言を私はっきり納得できませんけれども、われわれは日本の非鉄金属を何とか盛り上げていくというようなつもりで、この条文に盛り上げたつもりであります。そのほかは事務のほうからお答えいたします。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) ただいま御指摘のございました輸入するもの、あるいは国内生産のものを一手の買取機関で全部買い取って、そこでプールをして全体を薄めて安くするという考えもございまして、これは鉱業審議会でも議題にいたしまして議論をしたわけでございまするけれども、いずれにいたしましても、流通径路にきわめて強い統制を与えるということで、大方の意見が消極的でございましたので、その方法は採用しないことにしたわけでございます。  なお、銅につきましては、プール的な思想を断念しておるわけではないわけでございまして、現在別途考慮中でございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 この法文の第六条、これに取りきめですね、生産者と一方の側と取りきめするというのが第六条にあるわけですが、そこあたりが通産当局のねらいどころだというふうに思うわけですが、取りきめと協定という言葉とどう違いますか。協定ということになると独禁法違反、業者、生産するほうの側の大企業、こちらは製造あるいは需要者側の大企業と一緒になって、取りきめを協定ということになれば独禁法違反、取りきめという文字を使っておりますが、その間の独禁法との関連性はどう御理解なさっておりますか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 取りきめと協定の字句上の意味の差異はあるいはないのかもしれないわけでございますが、私どもの感じといたしましては、この第六条による取りきめは、普通のいわゆる独禁法でいっている共同行為、協定と異なりまして、売手と買手との間の取りきめでございます。元来利害が対立する売手と買手との間の取りきめでございますので、従来の横の関係だけの、同業者の間だけの協定行為、共同行為とはニュアンスが異なるのではないかということで、言葉も取りきめというものを選んだのでございます。若干そういう意味合いが異なる点があるのではないかと考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうすると、取りきめたということと協定したということと違うおけで、独禁法に関係がない、そのあたりも理解できませんが、そうしますと、中身の問題ですが、一方が、生産者のほうはこれはいいかもしれませんね。しかし一方、相手のほうは、これはどうも安い外国商品がいいということで完全に拘束されれば、これは問題です。これは安いということになった場合に、これはこの法文は空文になってしまう、六条はだめになる、同時に、最後に三万円以下の罰金これだけで、ことが済む、こういうことになるのですが、これは単純な法文の解釈ですが、作られた通商産業省のお考えというものはどういうものですか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 確かに先ほど申し上げましたように、本来利害が対立する間の取りきめでございますので、これは成立が必ずしも容易とは考えていない次第でございます。またこの取りきめに関する勧告もございますけれども、これは命令ではないわけでございまして、拘束力はないわけでございます。いろいろ政府といたしましては、需要者側にも負担の軽減をするような措置をあわせて考慮していかなければならないかと思いますが、たとえば、すずについて申し上げますと、今計画をいたしておりますのは、すずの関税は、現在基本関税は五%でございますけれども、これを暫定的にゼロにすることによりまして、需要者一般の、このすずは御承知のように、八割以上のものを輸入しているわけでございます。輸入の地金を安くする、そのかわりに国内から出てくるすずの地金は、関税はゼロであるけれども、従来のように五%上乗せをした価格で需要業界が引き取るという話し合いが現在進行をしているわけでございまして、これは一例でございますけれども、さような需要業界の負担を経減するような措置も必要であろうと考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 私のお尋ねしているのは、そういうことではなくて、勧告をすることになっているのですね、この勧告を聞かない場合がある、片方は高くて、片方は安いから、命令ではないわけですから、拘束を受けない、ああそうですかということはおっしゃるでしょうけれども、そういうときには、ここに罰則規定があるわけですが、わずか三万円罰金さえ払えばよろしいということになって、この法文が空文になりませんかというお尋ねです。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 今度第六条の取りきめに関する勧告については罰則はないわけでございます。罰則は報告の聴取の件についてだけでございまして、勧告しても聞かないという場合には、これはこの法律上はやむを得ないということになっております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 この取りきめの場合には、鉱山と製錬業者とか、製錬業者と地金業者あるいは鉱山製錬業者と地金業者、こういろいろあると思うわけですが、そういうことになりましょうか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) そのとおりでございまして、たとえば、製錬所を持っていない中小鉱山が多いわけでございますから、それが製錬所に鉱石を売るという場合には、製錬所と中小鉱山が売手と買手という関係になるわけでございます。  それから地金、たとえば銅地金でございますが、地金の段階になりますと、その地金を購入する需要者は九割くらいは電線及び伸銅品の業界でございます。そのときには、製錬会社と電線伸銅品業界とが売手、買手の関係になるわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうしますと、製造六社といわれる大企業を初め、俗に大手といわれる十数社を除いて、ほとんど製錬所を持っておらない、その製錬所を持っておらない中小鉱山企業と大企業の製錬所を持っている鉱業会社と取りきめをやるわけです。そのときは自主性で、独立にやるのですか。それとも、通産省の勧告によってやるとしても、中に立会人というか、あっせん人という形になりましょうか、どういうふうな方法でやるわけですか。今までの例ですと、この法律もなかったわけですが、取りきめておるわけですね、協定しておるわけです。君のところは安いから君のところから入れよう、あるいは大企業から融資をしてもらって何年間やろう、あらゆるルートを通じてやっておるわけです。そうしますと、今度法律ができてやるわけですから、そのような形態が変わってくると思うわけです。その変わってくる状態はどのようでしょう。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 今後の問題でございますので、必ずしもはっきりしない点がございますが、最近の実情から判断いたしますと、あえて勧告をしないで話し合いができそうでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうしますと、これは具体的例ですが、こういうときはどうなりますか。会社の例をとってみますと、住友が北海道に製錬所を持っている。自分の製練所であるから、東北地方、近畿から鉱石を北海道に持ってくる。三菱が東北に製練所を持っている。そのために北海道から鉱石を運ぶ、こういうばかげたことをやっておる。北海道の産物は北海道の製練所にいって製錬したほうが運賃もかからない、きわめて安価な製練費でできるわけです、コストが。東北の生産品は全部東北で製紙すればよろしい、これがてんでんばらばらにやっておって、商いコストでやっておる。こういうことについてメスを入れなければ効果があがらぬじゃないですか。今までどおり現状維持で……、

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) その点につきましてはまさにおっしゃるとおりでございまして、国内鉱山の輸送費の節減と申しますか、コストの低減のために交錯輸送の是正をはからなければならないということが最近強く言われておりまして、なるべくそういう方向で事を考えていきたいと考えております。これは過去のいろいろな因縁等がございまして、むずかしい面もあるわけでございますけれども、自由化に対処していくためには、できるだけそういう点は是正していきたいと私どもは考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 それに加えて、明治時代から安い千円か二千円の金で、ここは私の鉱区であるということで通産省に登録すれば、永久に鉱業権者、隣の山でやはりA、B、Cと持っていて、Aの人が鉱区がなくなり、Bのほうは数十年持っていても手をつけない、その鉱区の整理統合をやるという考え方はございませんか。もうほとんど明治時代の登録した鉱業権者はただのようなものです。あの四国へ参りますと、四阪島という島がある。大きな島ですが三万円です、三万円。あの島一つが三万円です。そういうようなところでやっておるのです。ここは鉱区でございませんけれども、明治、大正、昭和の初代には鉱区はただのようなものです、今からみると。掘っておる鉱区とか、企業をこれから開始しようという鉱区に手をつけよということは言いません。しかし、ここは私の鉱区だといって鉱物資源のたくさんある鉱区を開放せぬで持っていて、隣の鉱業権者がそばまで掘ってきたが、自分の鉱区がなくなったから君の鉱区譲ってくれといっても、これはなかなか譲らぬです。だから今すぐ取り上げるというのではなく、五年間鉱区に手をつけなければ国で買い上げます、鉱業権消滅しますよくらいまでいかなければ、これは鉱区の整理統合をやらなければ、いかに枝葉末節の法案を作っても私はいかぬと思うのです。その点これは大臣にも御答弁願いたいところですが、途中からおいでになりましたので、局長でもけっこうです。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) ただいまの御指摘は、鉱区調整の問題であろうかと思います。合理的に国内資源を開発するために、入り乱れておる鉱区を調整して経済的な開発ができるようにということでございます。これは全くそのとおりでございます。なお、鉱区調整につきましては、これは鉱業権の問題、すなわち、鉱業法の問題も基本的にございますので、現在、鉱業法の改正を検討しておりますけれども、その中の重要な項目の一つといたしまして、鉱区調整に関する現行法の規定を修正をする方向でその点考えておるところでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 これは鉱業法でやるというのですが、おそらく、鉱業法の原案、局長、御承知あるのですか。入っておりますか、鉱区の整理統合ということは。これは安定法ですから、ほんとうの安定するための臨時措置法であっても、安定するための、昭和四十三年までの法律ですから、そこあたり大事なところが抜けておるわけですが、鉱区の整理統合をやらぬで、ここは近藤先生の鉱区、ここは奥先生の鉱区だ、奥先生の鉱区がなくなったからといって、近藤先生は明治時代から膨大な鉱区を持っていても手をつけさせぬ、奥先生は膨大な製錬設備がございますけれども、その製錬設備が要らなくなってしまう、何億円とかけた製錬所をスクラップの鉄材として販売しなければならぬ、これが現状です。ですから、そこあたり、やはりメスを入れなければ安定法の意味をなさないというような気がします。その点はいかがでしょうか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 御指摘のとおりでございまして、これは鉱業権に関する基本的な問題になりますので、鉱業法の改正の中で考えたいと思っております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 その鉱業法は審議を始めてからもう四年ぐらいになるわけですね。四年ぐらいになるわけですが、原案できて今国会に上程するような話もございましたけれども、上程されぬわけですから、あと一週間、二週間に迫った期日ですから、おそらく出ぬことと思いますが、原案に入っておりますか、そういう点。これはこの法案と関係ありませんが、これは鉱業法に入っておればけっこうです。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 鉱業法改正の原案には入っております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 次にお尋ねいたしますが、これは前に昨年の暮だと思いますが、川出局長さんかと思いますがお尋ねしたときに、御答弁の中で若干触れられたわけですが、国内に相当製錬所がたくさんございまして、優秀な製錬所から小規模な製錬所があるわけですね。差しさわりがあるから名前はあげませんけれども、そういう製錬所を整理したいというようなお話を承ったような気がするわけですが、どういうような方向で進んでおるのでしょうか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 製錬所を整備する計画というのは、現在具体的には考えていないわけでございまして、将来の問題といたしまして、輸入鉱石の量が今後ますますふえてくる。それから製錬所が外国に比べますと、その能力がきわめて日本は小さく分散をしておりますので、将来、製錬所を臨海地区に大規模なものを作ることが適当ではないかということが鉱業審議会の答申になっておりますので、これは今すぐの問題ではございませんけれども、将来長期的な問題としてそういうことを考慮していったほうがいいのではないかということを申し上げたわけであります。現在の製錬所を直ちに整備するというような具体的な計画は持っていないわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 第十条の第一項に、輸入鉱石の値段が高騰した場合に、地金業者に対し通産大臣は輸入取引条件の改善を勧告するということになっておりますが、これは具体的にどういうことになるのですか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) これは過去において問題があり、現在において毛完全に解消しているわけではない、また将来起こるかもしれない問題でございますが、輸入鉱石はこれは自由な市場に出回っている数量が割に限定をされておるわけでございます、非鉄金属につきましては。したがって、各国は国外に進出をして、自分の山を開発するというのが一般的な傾向であるわけでございます。が、それはさておきまして、限定されておる鉱石でございますので、つい過当競争により、本来ならもっと安く入手すべき鉱石を高く買い付けるという傾向が過去においてあったわけでございます。そういうような場合は、今後も予想され得ることでございますから、輸入鉱石はなるべく有利な条件で買い付けるようにという勧告をする必要も将来起きると思いまして、この規定を入れてあるわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 銅の場合ですが、そうしますと、高騰した場合、現在では外国から輸入してくる場合に、初めは三万、あとは二万六千ですか、二万七千ですか、それだけ関税といいましょうか、差益金といいましょうか、それをカットするわけですね。これは高騰した場合にそうするとどうなりますか。現在はアメリカがまあ二十四万か二十四万二、三千ですから、その相場を単位として金額をきめたんでしょうが、もしアメリカ製品が二十八万円になったという場合でも、やはりその三万なら三万、二万六千なら二万六千の差益金をカットするわけですか、上がった場合に。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) ちょっと御質問の点を誤解しておるかもしれませんが、海外相場が現在よりも異常に上がった場合、あるいは下がった場合でも同様でございますが、現在の関税は上がったことによって変えるということは考えておりません。それから非常に下がった場合は、これは緊急関税で上げる場合もあり得るわけでございますが、これはあくまで緊急の場合でございます。海外相場の上下によって現在、銅のトン当たり三万円ということでございますが、これを変更することは考えていないわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そういう点を聞いておるわけですが、そうしますと、上がった場合、三十万になってもそれから関税を取るということになるわけですね。今の二十四万二千円が三十万になったと、輸入価格がですね、コストが。今は二十四万二千円か三千円ですから、わが国の二十八万とバランスをとるためにおきめになって取っているんですが、この二十四万が、平均二十四万であれば心配がない。しかし、局長さんは変動ないと言ったんですが、半年で三千円上がったり五千円下がったりしておるわけです。これが昭和二十九年ですか、三十年ですか、このときは局長さんは鉱山局におられなかったでしょうが、あの当時、銅が十七万円ぐらいまで下がった。それから一方、二、三年前には五十一万円もしたことがある。そのように、とにかく何か事件が起きると変動するわけです。ですから、変動した場合どうなるか。——下がったほうの場合はわかりました。しかし上がった場合、これは下がる場合のみないわけですから、上がる場合もあり得る。上がったときはどうなりますかということなんですが、上がった場合にはあくまで今御答弁のようにきめた関税と申しましょうか、差益金は取ると、こういうことですか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 上がった場合に関税は、これは当然上がったから関税を下げるという性質のものではないわけでございます。これは国際相場が上がったわけでございまして、トン当たり三万円という関税はむしろ比率から申しますとパーセントは下がる格好になります。従量税でございます。それから、差額を取るというお話は、あるいはプール的なお話に関連してのことかと思いますが、もしそのことでございましたら非常に上がった場合はまあそういう措置は休んでもいいんじゃないかと考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうすると、まあ銅なら銅の業者に限定してもけっこうですが、下がった場合は保障されて、上がった場合の規制がないから、上がったときは、それだけ利潤として計算される、こういうことになりますか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 国際価格が上がっているわけでございますから、その際は資本蓄積をして将来下がった場合に備えなければなりませんし、あるいは探鉱を大いにやるというのが過去の鉱山がやってきた経営の態度でございます。さようになろうかと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 その次にお伺いするのは、技術の指導をやる、その他の近代化、いろいろありますが、なかなか法律はでき上がっても具体的に困難だと思いますが、その点はいかようにやられるわけですか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 第九条の政府の援助のところでございますが、「必要な資金のあっせん、」これが一番重要点だろうかと思います。これが先ほど申し上げましたように、予算措置、探鉱補助金の措置、あるいは探鉱融資事業団の融資、昭和三十八年度の額をさらに増額したいと思っております。おな、設備資金につきましては、開発銀行その他の政府金融機関の融資の確保に努めなければならないかと思います。「その他の援助」ということになりますと、たとえば税制の問題でございますとか、これは今後検討しなければならない問題でございます。そういう問題であるとか、あるいは地質調査所による国の基礎的な調査等も「その他の援助」に入るのではないかと考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 とおっしゃることをさいぜんも聞きましたし、確かに今国会で十五億円の問題とか、三億円の探鉱補助金等も論議いたしました。しかし、今おっしゃったような国でどうするこうするといっても、実際問題としてできぬのじゃないのですか。確かに十五億円の金や、三億円の金は当然予算措置を講じてあるのですから出ましょう。しかし、技術の指導とか、近代化をやるとか、国で探鉱するといっても、具体的にこれは答弁はございましたし、法文にはございますが、ほんとうにできるのですか、そういうふうな方法を。やってみるのが事業団に十五億の金とか、三億円の中小炭鉱にですか、中小企業に対する探鉱補助金、これぐらいのものじゃないのですか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 探鉱関係の融資のほか、現在も開発銀行からの設備の貸付、あるいは北海道東北金融公庫、中小企業金融公庫、商工中金による運転資金等の援助は出ているわけでございます。今後この規定をも基礎にいたしまして、さらに拡充していきたいということを申し上げたわけでございます。それから「技術的な助言」と申しますのは、これは主として中小鉱山についてでございまして、これは三十八年度も、金額は少ないわけでございますが、現に予算措置も行なっておりまして、これは民間企業の専門家あるいは大学の先生等にお願いをして、技術の指導に三十八年度当たられることになっているわけでございまして、今後その方向をそれも拡充をしていきたいということを考えているわけでございまして、全然具体的な根拠がないのではないわけでございます。曲がりなりにも予算措置なり金融措置を現にとりつつあるわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 あまり端的なことを申して失礼ですが、中小鉱山の経営者諸君の話を聞いてみると、たとえば、補助金問題にしても、これはここで論議するときは膨大な額ですから、これはもうたいしたてこ入れになるような感じは受けます。しかし、全国無数の中小鉱山があるわけですから、一つの鉱山に当てた場合には、きわめて微々たる金額です。その微々たる金額も、本省ではないでしょうけれども、地方の通産局に参りますと、百度参りして、そうしてむずかしいとにかく認定を受けて、そうしてもう百度参りして、いろいろお金を使って、ようやく補助金をもらわなければならぬ、融資をしてもらわなければならぬというのが実態だというように私承っているのです。私の言うことが、これが間違いであれば幸いなんです。しかし、現実皆さん方がそうおっしゃるから、これは全部偽りだとは考えられない。わずかな金額なんです。それが相当数のとにかく日数を要し、相当数の労力を必要とする。金もかかるわけです。あらゆる会社に、二人か三人、その専門の職員を置いているというのが今日の実態です。皆さん方のところへ来て、にらまれては困るから、そういう端的な憎まれ口はきかないかもしれませんけれども、それが現状なんです。ですから、こういうことをやっていただくのは、きわめてけっこうで、適切かもしれませんけれども、もう少し簡易にして、もう少し早く何とか中小企業を助ける、てこ入れしてあげるというような方法は、これはないでしょうか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 補助金の性質上、あまりに簡素化するのにもある程度の限界はあるかと思いますが、今お話のございましたような点は、私どもも聞いているわけでございまして、なるべく御趣旨に沿うように今後努力したいと考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 その次にお尋ねいたしますが、これの最後に、さいぜんも若干触れましたが、罰則の項があるわけですが、これはしかしなかなか罰則の項に適用されるような人は出ても参らぬし、まあ出ないほうがいいかもしれませんが、しかし、三万円じゃ、これはなかなか通産大臣の言うことは聞きませんよ。一トンごまかせばもう三万円くらいの差益はできるのですから、一トンやればいいのですよ、銅の場合は。水銀なんというのは、外国コストが二百三十万円で、国内コストが三百万円くらいしているのです。ですから、一トン、インチキをやれば七十万円くらい差益が出るのですから、三万円くらいいとも安い罰金ですよ。こういうのはもう少し……、けたを違えたのじゃないかと思うのですがね。罰金を取るのが目的ではないから、軽いほどいいわけですが、しかし、そのくらいてこ入れをするという熱意があるくらいなら、これは強硬にやらなければだめなんです。空文化してしまう。  それから私は、この法文は、さいぜん申しましたとおり、鉱区の整理統合、流通機構の一元化をしない限りは、いかに法律を、鉱業を安定するのだといって作っても、これは、ないよりいいということになってしまうのではないかと考えるわけで、これ以上質問いたしませんが、もう少し実の入った法律を作っていただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わります。

二宮文造公明会

○二宮文造君 一点だけお尋ねいたしますが、いただいた資料によりますと、今問題になっております金属鉱業の安定のための臨時措置法といいながら、今までの審議の過程では非常に見通しが暗いわけです。しかし、この資料によりますと、各部門にわたって中小企業の占める比率がふえて参っておりますが、これはどういうふうに理解したらよろしいですか、資料の一ページです。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) この資料は、最近の情勢、ことに三十七年から本年にかけての情勢が、統計がまだできていないものですから、大体三十六年ぐらいまでの情勢が出ておるわけでございまして、なるほどこの資料によりますと、鉱物の種類によりましては中小関係の比率がふえておりますが、最近のによりますと、必ずしもそういうことではない、そういうことになっていないのではないかと考えております。これははっきりしたことはつかめないわけでございますが……。

二宮文造公明会

○二宮文造君 私は、中小企業の背に腹はかえられない執着というものが、やはりこういうふうな数字に表われてくるのじゃないかと思うのですが、特に気になりますのは、水銀の欄を見ますと、従業者がずっと減ってきております。水銀鉱では、四百三十四ですか、三十七年の十二月末で。この生産量のほうを見ますと、多かったときの割合にしては、生産量はそうは減ってないのですが、これは合理化が進んだと解釈してよろしいのですか。あるいは請負制度みたいな形で従業員数にあげられない従業員が中小企業に従事しているのじゃないかという心配があるのですが、いかがですか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 水銀の場合は、これは昨年の暮に人員整理を野村鉱業でやったのが影響しているかと思います。

二宮文造公明会

○二宮文造君 じゃ、特にお願いをいたしたいのは、雇用対策でございますが、大企業におきましては、組合なんかの組織がございまして、ある程度守られる部面もあるかと思いますが、中小企業の場合にはとうてい、なしくずしにほうり出されていくというふうな形が間々見受けられるわけでございますが、この点についてはどのようなお考えでございますか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 中小鉱山につきましては、これは国会の決議もあったわけでございますが、特に保護措置を講じなければいけないと私どもも考えておるわけでございまして、政府のやっておりますいろいろな援助措置についても、特に中小鉱山は厚くやっておるわけでございます。なお、いろいろな事情で閉山をしていくような場合、あるいは人員縮小をしていくような場合もあろうかと思いますが、これについては離職者対策等、別途に労働省のほうの関係になりますが、講ぜられつつあるわけでございます。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 質問したいと思いますが、この法律は、金属鉱業その他関連業界の協調によって引き取り態勢を中心とした生産と価格の安定策を講ずる、こういうふうに書いてございますが、私どもいわゆる金属鉱業による製品が一般の社会生活にふえてきていると思うのです。ですからその価格がどうなるかということは非常に重大な関心を寄せなくちゃならないと思います。この法律で価格が上がるか上がらないか、局長さん、どういうお見通しでいらっしゃいますか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 非鉄金属、特に銅、鉛、亜鉛等の価格でございますが、これは自由化に踏み切ったわけでございます。まあ、鉛、亜鉛につきましては近く自由化する方針でおりますが、自由化方針に踏み切って以来、非常にここ一、二年の間に下がってきております。銅について申しますと、一昨年の今ごろの建値は二十八万八千円しておったわけでございます。現在は、二十六万二千円に、二万円以上も下がっておるわけでございます。鉛にいたしますと、一昨年の今ごろは十万円ないし十一万円しておりましたが、現在は八万六千円の建値でございます。そういうふうに自由化によりまして、非鉄金属の地金の値段というものは急速に低下をしております。これが鉱山にとりましては非常な打撃になっておる次第でございます。この法律によりまして、その点をどういうふうに考えるかと申しますと、今後も鉱山につきましては、基本計画を作って体質改善に努めまして、もっとコストを下げていかなければいけないというのが基本的な前提になっておるわけでございます。そのために国は融資の面あるいは予算の面、その他によりまして応援をする。しかしながら、といって、非鉄金属につきましては、急に下げるわけにもいかない。若干の時日がかかるわけでございます。その間は業界と協力していただいて、従来よりもはるかに現在下がっておる、今後も下げていくわけでございますから、この引き取り等について協調をしていくという態勢をとりたいというのがこの法律の趣旨でございます。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 今下がっておるというのでやかましく問題になっておりますけれども、私どもこの法律によりまして引き取り協定と申しますか、いろいろ話し合いなさいますようになりますと、製品を買います需要者側と今度その製品をまた買います消費者側と、こういう間にしわ寄せになることが多いのじゃないかと、たいへん感じますが、いかがでしょう。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 需要者側が非常に分散をしております場合には、なかなか話し合いはむずかしいわけであります。需要者側が数が限られておるとか、あまり分散をしていない場合に話し合いがまとまるわけでございますが、元来需要者としては低いほうがいいわけでございます。といって、鉱山側として合理的なコストを割るということになりますと、これは鉱山が成り立っていかない。いろいろな雇用問題も生じ、社会問題も起きるわけでございますから、その辺の限界点におきまして話し合いをしてきめていくわけでございますから、次の消費者にさらに高いものを押しつけていくというようなことには、私は絶対ならぬと思います。自由化そのものが特に鉱山につきましては異常な影響を与える。現に価格を下げておられる。銅の関税はさらにまた下げる予定になっておるわけでありますが、今後この法律ができたから上げていくという格好にはならぬのじゃないかと思います。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 私はそういう観点から上がらないとおっしゃいますけれども、いろいろ不安の材料が多いわけです。通産大臣にまずお伺いしたいのは、日本の自由化政策というものは、これはなされる気持はあるのか、なさりたいのか。いやいや外国から押えられたからやむなくするのか、これをひとつ伺いたい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 外国からどうこう言われるということよりは、やはりお互いが自由な立場で貿易をし、物を売ったり買ったりすることが一番やはり世界全体の経済の動きを促進し、その動きの中において日本経済が一番うまく生きていける方法である、こういう観点でございますから、われわれのほうから、やはりできるだけ自由化をするという考え方で処置をいたしたい。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 言うことはそうでありましょうけれども、一〇.〇%自由化が九〇%なり八八%になるというふうにして、なかなか渋っております。いろいろ業界の事情もあろうし国内事情もあろうし、やむを得ないものもあろうと私お察しいたしますけれども、しかし国民からいえば、自由化になるということは、どんどんいいものが、安いものが外国からも入るから、国内産業はよほど合理化してコストを下げないと太刀打ちできないぞというような非常な気がまえがあったと思うのですね。その気がまえで一生懸命努力して合理化しようとしていた企業努力を、このごろここで審議しております一連の法案はみんな通産省が中に入ってこれをチェックするというふうにわれわれ思われるのですね。自由化というものは安いものが入るのがあたりまえでございます。それに国際的な競争力をつける、強化するとおっしゃっておるのですから、国際競争力の強化ということは、つまり日本の至上命令である輸出産業の増進を目ざしておると思いますがね。そうなりますと、国内の物価が上がらないように手を打つ、これは非常に必要なことだと思うのでございますね。ですから今のような法律をずっと一つ一つ見ていきますと、時間もないから十分申し上げられませんが、どうしても企業家が安易について努力を怠り、むしろ自由化のあらしの中にさらしてしまったほうが経済努力をして伸びるものは伸びる、また合同するものは合同する、自分の判断でそれをやっていけるのじゃないか。そうしてコストにだけ、値段にだけそれをしわ寄せするということができなくなるのじゃないか、私どもしろうと考えにはそういうふうに考えますのですが、いかがでございますか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 消費者によくて安いものを供給するという面から考えてみますというと、私、お説のとおりかと考えます。ただしかし、その場合に、そういう自由化をいたしまして、その産業がつぶれるということになりますと、そこに従事いたしておりまするところの従業員は非常な悪影響を受け失業状態に陥る、また産業自体がつぶれることによって、それがほかの関連産業にも悪影響を及ぼしていくという経済全体への影響を考えていきますというと、何でもかんでもどうなってもいいから、安い品物が消費者に入ればいいというだけの理由で、自由化を断行していくわけにはいかないのじゃないか。したがって、今八九%自由化しておりますが、われわれとしてはまだまだ今後も自由化いたしますけれども、これらの点も考慮いたしまして打つべき手を打って自由化をしたい、あるいはまたもうじき自由化するから早く用意しなさいというようなことを言って、そうして自由化を促進していくというようにしていくわけでございまして、根本論としてはもう奥さんのおっしゃるとおり、自由化を進めるということははっきりしておるわけで、ただそこへいくまでの道程において、年限を限るとか、あるいは何らかの手段を講じつつ、日本の経済あるいは日本の労働者あるいは関連した産業に悪影響がないようにしながら、自由化をできるだけ早く進めていく、こういう考え方で措置をいたしておるのでございまして、この法律もその一環でございます。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 その点わかりますが、私どもは一そう全体の産業が、中小鉱山、あるいは製錬業者、それを買って物を作る人も、あるいはそれを売って生計を立てる人も、全部が何とかしてこの自由化の波の上で安定した生活を立てたい、こう思うのでございますね。それが私どもの願いでございます。ですから、全部よくなるように考えてもらいたい。それには、少しばかり生産業者にあまりに頭が入っていて、それの最終の需要者の問題が軽んじられておる、これを私はおそれておるのでございますね。その問題を、この法案を審議の過程で何としても一言言わざるを得ない、こう考えたわけでございます。いかがでございますか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 御趣旨のほどはよくわかるのでありまして、銅なら銅の地金を生産する者、それからそれを製錬する者、それから今度はそれを買って使う者。買って使う場合にも、たとえば銅線にして銅線を売る人、それからまた銅線を事実使う人というふうにいろいろ考えてみますと、いろいろの需要関係、流通関係が起きてくると思います。その流通関係のどの段階において、もの人がみな協力し合って、そうしてできるだけ安い、よい品物を消費者に供給するように努力をしなければならない。そのときにあたって、第一次の生産者である銅を掘る人をあまり重く見過ぎるというか、保護し過ぎてはいけない、こういう御配慮であるということでございます。私はごもっともな御意見と存ずるのでありますが、しかし、今われわれが出しております法律も、今、奥先生のおっしゃったような気持を体しながら、この法律を作っておるつもりでございますので、この点はひとつ御理解を賜わりたいと存じます。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 重ねてお伺いいたしますが、私ども、所得倍増計画が進みましてから、ここに自由化の問題が入ってきて、自由化政策によってまだまだ上がるかもしれない物価が食いとめられてきた。それでもこのとおり上がった、こういうふうに見ますですが、池田さんもこのごろになって非常に物価値下げを急いでいらっしゃいますが、政府、通産省が今までしている仕事は、どうも業界のために物価つり上げの政策を推進する役回りをしてきた、業界の保護育成に一生懸命やってきた、それは結局最終需要者の消費者の消費生活にしわ寄せがきているのだ、物価の高いのもそのためにきたのだ、私はこのように思いますが、その御答弁をいただこうと思いませんけれども、国内物価が高ければ輸出がむずかしくなる。この輸出第一主義の建前から見ましても、通産省はもう少し末端消費者の立場、価格というものを引き下げる問題にもっと熱意を入れなければならない、私こう思いますが、いかがですか。それが足りなかったと思うのです。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 消費者行政に特に重点を入れて、消費者物価を下げることにもっと努力すべきであるという御趣旨につきましては、お説のとおり今後努力をいたして参りたいと考えております。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 この法案の中に取りきめという言葉がございますね。これは先ほど阿部委員が「協定と取りきめはどう違うのだ」という御質問をしていらっしゃった。私もそれを聞きたいと思ったけれども、あまりはっきりいたしませんけれども、この取りきめということは、価格や数量や品質の取引条件をメーカー同士が話し合いをしてきめるわけですね。これは独占禁止法の違反ではないのですか。違反であることをおそれるからそれを除外例を求めたのじゃございませんか。局長、いかがですか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 取りきめと協定の字句上の差異については私もはっきりわからないのですが、先ほど御答弁申し上げましたように、横の共同行為と縦の共同行為という点でニュアンスの差はあろうかと思います。縦の共同行為につきましても、独占禁止法に全く触れないという保証はないわけでございます。実質的に競争制限になる場合もあるかもしれないわけでございます。したがって、この法案では独占禁止法の適用を除外をする規定を置いておる次第でございます。なお、この運用につきましては、公正取引委員会と緊密な連絡をとりまして、弊害がないように運用していく所存でございます。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 独占禁止法に穴あけるという言葉、この前新聞に出ていました。四月の新聞だったと思いますが、経営者団体連合会の幹部も、今度特定産業のあの問題の法案を作ります過程で、独占禁止法に穴あけたことだけでも大成功だと言うたと新聞に出ている。続いて通産大臣も、独占禁止法に穴あけたことを得々としていらっしゃることを新聞で見ました。大臣、そういうふうにお考えでございますか。独占禁止法に対するお考えはどうなんですか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 私は、消費者行政というものは非常に大事だと思いますので、独占禁止法というものは、今後もその本来の使命を果たしていくべきであり、これはそのまま本来の活動を続けていかるべきものである、いくべきものであるというふうに考えております。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 何でございますか、ちょっと聞こえませんので……。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 独占禁止法は、消費者保護の建前でできているものであります。したがって、その趣旨を盛った独占禁止法というものは、今後も存続すべきものである。また、その精神が生きていかなければなりません、生かしていくべきであります、政治の上でいえば。  特定産業振興に関する私たちの考えは、消費者にやはりよくて安い品を供給するというのが目的でございまして、先ほども奥委員の仰せになりました、自由化をすれば海外から安いいい品物が入ってくるじゃないか。そのほうが消費者に得じゃないかというお考えを申し述べになったわけであります。しかし、そういうふうにして、いい安い品物が入ってくると、その面では一応国民は、国民経済は得をしますが、一方、それが入ることによってその産業がつぶれてしまったら、そのつぶれることによって受ける影響というのは、非常にまた国民経済が受ける影響は大きい。そのためにまた消費者である人は、あるいは失業救済のための経費を捻出しなければならなくなる。あるいはそのためにいろいろな経費を負担しなければならない。あるいは損害を受けるということになるでありましょう。そこで、そういうことのないように、ある一定の産業のものについては、その人たちが、そこに関係しているところの事業者が集まって、そうしてひとつこれは何らかのお互いに共同行動をしていこうじゃないかというような場合には、これを認めていったほうがいいのだ。それに対しては国も税制上、金融上の援護をするのだというのが、特定産業振興法でありまして、特定産業振興法というものは、独禁法と並行して、独禁法の不利を、独禁法と相並んで消費者を保護する法律である、こういうふうにわれわれは理解しているのであります。  したがいまして、穴をあけるとか何とかということを私が言ったように言われますが、それは新聞社の人が、実業界ではこういうことを言っているが、大臣はどういうお考えですかと言うから、そういう考え方もあるのかねと言ったところが、そのまま私が言ったごとく書かれてしまったわけで、私があえて穴をあけるという新語を製造したわけではないのでございますから、これはひとつ御了解願いたいと思います。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 これから新聞も気をつけさせなければいけない。大臣からひとつそういうふうにおっしゃって下さい。  特定産業問題は今度の国会には通らないし、いろいろ意見も、異論もずいぶんあるらしいので、ああいうなまのものを出さないほうがいいと思いますけれども、とにかくこの法律の中に、中小の鉱山であれ、あるいは大鉱山の会社であれ、あるいはそれの需要者側の問題が、話し合いによっていろいろ値段をきめる、数量もきめる。いろいろなことは、私どもはなるべくならばそういう問題はもう少し慎重に考えるべきである。あるいはこの法律が出る前に、そういうことの御指導があってしかるべき問題じゃなかったか、こう思うわけですね。通産省がもっと最終需要者の側に立って、価格を上がらないように、それから安定できるようになさるということは、ひいては働く人たち全体の安定をはかるわけでございますから、私はそのほうの問題を、特にこの法案を審議するにあたって御注文申し上げておきます。こう思っております。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) ほかに御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  金属鉱業等安定臨時措置法案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成等につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  本日はこれにて散会をいたします。    午後一時三十三分散会

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