商工委員会 第27号
- 発言数
- 82 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/05/30
会議録
○理事(岸田幸雄君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず、委員長及び理事打合会の協議事項について御報告いたします。本日は、中小企業投資育成株式会社法案の質疑を続行いたすことになりましたから御了承願います。 —————————————
○理事(岸田幸雄君) それではこれより議事に入ります。 中小企業投資育成株式会社法案を議題といたします。 前回に引き続いて質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○近藤信一君 過日の委員会におきまして、私、やはり中小企業投資育成株式会社法案の概要についてちょっとお尋ねしたわけでございまするが、そのときに長官からも御答弁がございましたけれども、いま一度詳しく御説明をお願いいたしたいと思います。それは、この法案と、ただいま本委員会にも提案されておりますところの中小企業基本法、この中小企業基本法との係関は一体どういうところが大きく違っておるのか、また、そう大きな違いはないということであるのか、そういう点いま少し詳しく御説明を願いたいと思います。
○政府委員(樋詰誠明君) 中小企業基本法は、いまさら申し上げるまでもなく、先生よく御承知のとおりでございますが、最近の社会的、経済的中小企業の基盤の変化に即応いたしまして、今後日本経済の中でも特に重要な地位を占める中小企業がますますその本来の使命を発揮し得るように、内外の経済的、社会的ないろいろの条件を整え、また、自分自身の独立する力を発揮させることができるように、いろいろの条件を整えてあげるということを目的とし、中小企業の努力の目標等を掲げるということを目的にしております。それには金融、財政、経済、労働、科学技術その他あらゆる面における施策、配慮というものを加えるべきであるというふうに規定しておるわけでございますが、まずその中で第二十五条におきまして、「国は、中小企業の企業資本の充実を図るため、中小企業に対する投資の円滑化のための機関の整備、祖税負担の適正化等必要な施策を講ずるものとする。」という規定がございます。この「中小企業に対する投資の円滑化のための機関の整備、」ということをひとつ基本法の中でうたっておるわけでございますが、この二十五条の条文を受けまして作られたのが今御審議をいただいております投資育成会社法案でございます。 先生の今お尋ねの件は、あるいは基本法にいう定義と申しますか、中小企業の範囲とこの投資育成会社でいう対象企業との関係ということでございますならば、中小企業基本法におきましては、一応今まで中小企業ということでいろいろな施策の対象にしておりましたもの、これは御承知のように、原則として資本金一千万円か従業員三百人、商業、サービス業におきましては資本金一千万円かまたは従業員三十人ということで扱ってきたわけでございますが、最近の実態を見ますと、工業におきましては、従業員三百人程度を使っている企業は原則として資本金が五千万円程度に増資されているという実態が判明したわけでございます。また逆に資本金一千万円程度のサービス会社、商業会社というのは三十人でなくて五十人程度の人を使っているというのが最近の実態でございますので、その実態に合わせまして、中小企業基本法におきましては、原則として五千万円か三百人、商業につきましては一千万円か五十人という実態に合わせたとらえ方をするのが適当であろうというふうに規定いたしておりますが、しかもこれは原則でございますが、大むねそういうことで施策ごとにそれぞれの法律で不備があれは別途定めるということを取っておるわけでございます。このただいま御審議いただいております投資育成会社におきましては、差し当たりの対象を資本金五千万円以下の会社が増資をするという場合に、普通の方法では増資ができないという場合、その増資の一定割合をこの投資育成会社が持つことによって、設備投資計画その他が円滑に遂行できるような増資を実現させて参りたいということでございます。この五千万円というのは、たまたま中小企業基本法の五千万円と一致したような格好になっておりますが、この五千万円ということを取り上げましたのは、現在株式を公開市場で一般大衆との間で売買が認められますのは資本金の最低限が五千万円ということになっておるわけでございます。この投資育成会社のねらいは同族だけではなかなか所要の増資ができないという場合に、国、地方公共団体あるいは民間、財界というようなところで中立的な性格を持った投資機関を設けて、そこで増資の一部を引き受けてやろう。しかもその引き受ける目的はできるだけすみやかに公開市場に株式をつなぐことができることにしようという見地からやっておりますので、そういう意味で店頭売買の対象として登録されるということが五千万円以上であるということから、少なくとも五千万円以上にしなければ一般大衆につなごうと思ってもつなげないといった事情もございますし、その間を考慮いたしまして、できるだけ早く五千万円以上にして大衆市場につなぐことができるようにしたいということで五千万円にしたわけでございます。
○近藤信一君 今の御説明でよくわかりましたけれども、毎年、歴代の内閣、政府におきましては、中小企業対策ということで本委員会でも法案が改正されたり、それから新しく提案されたり、もうたくさん中小企業の法律案というものが出てくるわけなんで、それらと今度の投資育成会社法案と重複するというふうなことはございませんか。
○政府委員(樋詰誠明君) この投資育成会社法は、中小企業の自己資本の充実をはかるということを直接のねらいとしているわけでございますが、この自己資本の充実をはかるというのは何のためかと申しますれば、近代的な競争に十分耐え得るだけの技術あるいは設備というものを備えた会社に衣がえすると申しますか、体質を改善して強化しなければならないという点からこうやっているわけでございます。したがいまして、たとえば先般御可決いただきました中小企業近代化促進法といったようなもの、あるいは中小企業高度化資金融通特別会計法によります高度化のための資金の無利子貸付、あるいは近代化設備資金の無利子貸付といったようなものと、この投資育成会社によって株式を引き受けてもらうことによって調達した資本金といったものとがあわせて使われて、近代化の促進のために向けられるといったようなことがこれはあると存じます。今申し上げましたようなのを設備そのものに即してとらえたのが近代化促進法であり、中小企業高度化資金融通特別会計法でございます。これは中小企業の自己資本の充実という観点からとらえたわけでございまして、そこで調達された資本が近代化に使われるという面においては、両々相待って中小企業の体質改善に役立つということになるのであります。
○近藤信一君 そこで、政府の中小企業対策をずっと見て参りますると、どうも中小企業のうちの比較的大きいほうに重点が置かれておるように思われるわけなんです。中小企業の範囲について政府案がかなり大きなものを入れておりまして、過日もいろいろ質問いたしましたように、小規模の対策がなおざりになるんじゃないかということが心配されるわけなんです。この法案も割合に大きな優秀な会社に重点があるように思われまして、小規模事業に対する点については、あまり考えていないんじゃないかというふうにも思われるわけなんですが、基本法と関連して、小規模対策についてのお考えについてひとつお示しを願いたいと思います。
○政府委員(樋詰誠明君) 中小企業と申しましても、その中で先生の今御指摘の小規模企業というものが圧倒的な多数を占めているということはおっしゃるとおりであります。われわれも富士山のすそ野といったように、非常に幅広く広がっている小規模企業、その上に中規模企業が中空にあり、さらに大企業がその上にそびえているという格好で、日本経済全体が成り立っているというふうに考えますので、この一番下の小規模事業というものが健全でないと十分な土台が作られないというふうに考えております。今回、基本法を御審議願っておりますのも、この零細あるいは小規模というところまでひっくるめまして、中小企業全体が真に健全な体質になるということがなければ、国際競争その他に耐え得ないという意味からこれを作ったわけでありまして、もちろん今までの施策等では小規模に対して十分な商工会によります経営改善普及事業といったようなもの、あるいは家族専従者に対する控除の引き上げ、あるいは小口保証料の引き下げ、また国民金融公庫による零細な企業に対する資金の貸し出しといったようなことをやってきたわけでございまして、今後さらにこういったような施策を一そう拡充するということによりまして小規模に対しては十分な配意をしたい、こういうふうに考えておる次第でございまして、このために基本法におきましても、第二十三条におきまして特に小規模対策という一条を設けまして、国のいろいろな施策が受け入れられやすいような格好にまで、小規模事業を持っていくことが必要じゃなかろうか。その具体的な方法と申しますればこれは結局税制であり、金融であろうかと、こう存じますが、そういうようなことをひっくるめまして、中小企業の中でも小規模の方々が国の経済政策的ないろいろな施策というものに十分乗り得るような、まず受け入れ態勢を作るというところまで持っていく必要があるのだということを基本法の上に明示いたしまして、それにのっとって今後税制なり金融なりという方面について一般の施策を進めていきたい。そういうふうにして数の多い小規模には十分な措置を講じますが、それと並行いたしまして、中小企業の中の特に自己資本の充実を急ぎ、国際競争力を強化し、あるいは産業構造の高度化のために緊急に必要なものに対する資本の充実ということのために、比較的上のところにこういう措置を講ずる。もちろんこれだけでは不十分でございますので、小規模事業対策をあわせ講ずることによって、中小企業政策全体としての体系立った施策を進めていきたいと思っております。
○近藤信一君 過日いただきました資本金階級別、業種別のこの資料を見ましても、圧倒的に五百万円未満の資本が多いわけですね。五十万六千七百二十一のうち四十六万八千百五、こういうふうになっておるわけです。今、長官から御説明いただきまして私よくわかるのです。わかるのだけれども、基本法が成立しまして、その小規模の事業に対する対策といいますか、そういうものは、今御説明の中にいろいろとございましたけれども、今、委員会に出ておるところの関連法案といいますか、中小企業関係の下請代金やら、それから協同組合、いろいろまあ出ておりますけれども、これだけでは私は十分な措置を講ずることにできないんじゃないかと、こういうふうに思うのであります。たとえ基本法が成立いたしてみましても、そういう小規模事業者の点までこの基本法で規制するということも私むずかしいのじゃないかと、こういうふうにも思うのですが、その点どうですか。
○政府委員(樋詰誠明君) 過般御決定いただきました中小企業の近代化補助金、これを裏づけますための近代化資金助成法、あるいは高度化資金融通特別会計法による高度化資金の貸付といったようなものは、実績的に見まして大体百人以下のむしろ小規模というところに属する方に九二・三%今まで融資されておるわけでございます。われわれはこういう無利子の貸付といったようなものを国からあるいは県から半額お貸しするというような制度を今後さらに拡充していきたいと、こう思っておりますので、こういうこの前御審議いただきました高度化資金あるいは近代化補助金を含めます資金の助成法は主として中小企業の中でも規模の小さな方々に対する施薬ということでございます。この、今お願いいたしておりますのは、中小企業の中の比較的規模の上の方、こういうことになりますが、さらにわれわれは高度化資金融通特別会計の充実等をはかることによりまして、小さな方々ができるだけ早く適正規模にまでいき得るように、近代化資金の調達がより円滑になるように努力したいと考えております。
○近藤信一君 私は過去の例から言いましても、なるほどりっぱな法律ができますけれども、いざというときになりますと、なかなか運営面でそれがうまくいっていない。たとえば協同組合法のときでも、あれほど騒がしい法案でございましたが、あの中にも組合のあれがあるのですね。組織することができる。あれなどでも私どもが資料をもらいましたあれからいきますと、わずかしかこれが組織されていない。こういうことで、私は実際面においては非常に行政上の指導といいますか、何といいますか、そういう点がなかなか小さいところまで及ばない、こういうことでりっぱな法律ができても、それがただ文字の上のことだけになってしまう、こういうきらいがあるんじゃないかとも私は思うのです。その点長官どういうふうに考えておられますか。
○政府委員(樋詰誠明君) 確かに小組合でございますとか、あるいは企業組合といったようなものは、法律制定の当時に考えられたほどは伸びておらないというのは、先生御指摘のとおりであります。いろいろ原因もございましょうが規模の小さな方々になればなるほど非常に協同しにくい。あるいは一国一城のあるじ的な気持を強く持っておられる方がございまして、こういう方は中には協同すること自体にちょっと不安を持っておられるといったような面もいろいろあって、今までだいぶおくれてきたんじゃないか。たまたま今までは自由化等もそう伸展もいたしておりませんために、一種の封鎖市場というようなことでございましたために、規模の過小な方々も何とかやっていくということもできたわけでございますが、だんだんその市場が封鎖性から解放されるというような格好にならざるを得ないということになって参りますと、やはり自分自身だけで適正規模に達し得ない方々は、何らかの格好で組合を作るなり、共同出資をするなりして会社を作るなり、合併するということによって、適正規模に到達されるという必要が、これは現実の問題として起こってくる。われわれはそういう基盤の変更等について十二分に商工会あるいは商工会議所等を通じて啓蒙宣伝等に努めると同時に、組合法の協同組合あるいは小組合といったようなものの真の精神に立脚して組合を組織されるように、今後中小企業の組織化についてはいま一段の努力をして、組織を通じて中小企業がよくなるという格好に持っていきたいと思っております。
○近藤信一君 そこで、中小企業の自己資本の充実ということが本法案のねらいであると私は思うのであります。中小企業ではどの階層で自己資本の充実に困難があるのか。もし御調査してございますならば、その点ひとつお示しを願いたいと思います。
○政府委員(樋詰誠明君) お手元に差し上げました資料の四ページに資本金階級別、自己資本の比率とございます。これを見ますと、むしろ小さい五百万未満という方のほうが千万円、五千万円といったような方々よりも自己資本の比率が少ないというのが現実でございます。ただわれわれ資本金の比較的小さな方々には思い切って増資をしようとすれば、比較的増資する余力はお持ちで、いろいろ内部留保その他には努めておられますけれども、資本はむしろ過小であるというような方々は相当あるわけでございまして、百万円あるいは二百万円といったような増資をこの際やろうとすれば、まあ比較的やれるといったような方々が多いのじゃないか。そこにいきますと、五百万あるいは一千万という程度の方々がさらに五百万、一千万程度調達しようということになりますと、なかなか絶対額が大きくなることによって非常にむずかしくなる。そこで、このむずかしくなる部分の一部分をこういう中立的な機関で埋め合わす必要があるのじゃないかということから、本法案の審議もお願いしておるわけでございます。規模の小さな方々に対しては、国民金融公庫の融資とか、先ほど申し上げました近代化補助金といったようなものの活用といったようなことを通じて、企業の設備の近代化、体質の改善をはかると同時に、それと並行して増資についても、この際ひとつできるだけ自己資本をふやしていただきたいということを指導し、またそれに必要な資金の調達等につきましても、政府金融機関等からの貸し出しというようなことで増資ができるようなバック・グラウンドを作り上げるということによってやっていけば、必ずしもこの投資育成会社といったようなものに持ってもらわなくても増資ができるのじゃないか。そういうふうに考えまして、自分で増資したいけれども、現実に増資しようと思ったら金が少し足りなくて困るという方々に二割なり三割なり援助しようというのが、この法律でございます。
○近藤信一君 本法案におけるところの中小企業の範囲は、過日も長官が御答弁されておりましたが、五千万円以下の会社、そうして下のほうは五百万円程度、そういうことを言っておられましたが、五百万円程度ということになるから三百万、四百万でも見込みのあるところはと、こういうことでございましたが、たとえば百万円という下のほうですね。百万、二百万というところでも相当将来性があり、それからこれから将来見込みがあって、たとえば海外との競争ができ得る、こういうような優秀な会社もあるのじゃなかろうか、私はこういうふうに思うのですが、そういうものに対してはどういうようにお考えですか。
○政府委員(樋詰誠明君) この会社が株式を引き受けるという形で援助いたしますのは、大体五年ないし七年くらいの期間というふうに一応考えておるわけでございまして、平均いたしまして五、六年たったところで、これを一般株式市場に公開いたしまして、それで入ってきた代金をもって次の会社の株式の増資を引き受ける資金に充てるというふうにやる、そういうふうに思っておりますので、あまり小さな規模の会社を引き受けますと、十年も二十年もその会社の株式をずっと持っていなければならない。ほかの会社の株を取り上げるところまでなかなかいかないといったことになりかねないので、大体平均いたしまして大ざっはに申しまして五百万円以上くらいの規模の会社がこの対象になることが多かろうということを申し上げたわけでございます。もちろんそれ以下の会社でございましても、この法律の建前からいたしますれば対象にし得るわけでございまして、その会社が具体的な妥当な設備投資計画等を持ち、増資の計画といったようなものをお持ちであるということで、その会社も株を持つということがあまり長く資金を寝かすということでなくて済み得るということに、会社の当事者が判断いたしました場合には、必ずしも五百万円の資本金には拘泥しないで持ち得るわけでございます。
○近藤信一君 今長官からの答弁がございましたが、五百万円にこだわらずに、その下のほうでもというお話でございまするが、たとえば現在の資本は非常に低い、少ないが、しかし事業の内容というものが相当しっかりした事業をやっておるところを私どもちょいちょい見受けるのですね。そういうものに対して、やはりあまりそれは資本金が少ないからだめだと、こういうことで、百万円、二百万円でも事業内容が、私どもしろうと目から見ても、これは資本金は少ないけれども、相当しっかりした事業をやっておるというふうに見受けるところもあるので、そういうところに対してはどのように考えておられますか。
○政府委員(樋詰誠明君) この会社が株式を保有いたしますのは、先ほど来申し上げたように、一般公開市場に株が売り出されるまでの間持ってあげようということでございまして、一般公開市場に出す最低限度が五千万円ということでありますので、できるだけ早く五千万円規模になっていただきたいという要望が片一方にあるわけでございます。そこで、五、六年ぐらいのところで五千万円までなり得るということから考えますと、あまり現在小さいものだと十年も二十年もかかって、なかなか一つの会社に固定してほかに回転しない、結局効率の悪い金の使い方になる、だからある程度資本金の大きいものを取り上げることになることが多いだろうということを申し上げたわけでございまして、今先生の御指摘になりましたような非常に現在の資本金規模は小さいけれども、技術内容といい経営者の素質といい、また将来の計画等も妥当なものを持っているといったような場合には、この会社が直接保有しなくても、まずほかの方法で早くある秘匿の規模まで増資していただいて、そしてその上でそれ以上はとても無理だという段階に達したときに、この会社に株を持ってくれぬかというふうにお話していただければ、結局ほかの中小企業に対しましても、あまり迷惑と申しますか、一社で資金を独占するという期間が長くなくて済みますので、今先生のおっしゃいましたような優秀な会社でございますれば、その会社の所要資金の融資につきましては、いろいろ別途政府でもできるだけの協力をいたします。そして、この会社の手によらないで増費ができるようにしむけて、そうして一定規模以上まできて、これ以上とても無理だ、やはりこの会社に持っていかなければならぬということになったところで、この会社が乗り出すという順序にいたしたほうがよろしいのじゃないかと思います。
○近藤信一君 中小企業金融公庫で投資育成会社の株式を引き受けることにしたのは、どういう理由によってこのようになったのか、それからあえて育成会社という特殊会社を作らなくても、中小公庫で直接投資できるようにしてもよかったのじゃないかと思うのです。そうすれば、中小企業としては、中小公庫へ金を借りに行くか、また投資をお願いにいくか、仕事は比較的簡単になると私思うのです。それをあえて別の会社をお作りになった端的な理由というものがあると思うのですが、その点はどうですか。
○政府委員(樋詰誠明君) 中小企業金融公庫は、これは申し上げるまでもなく、融資を目的とする機関でございます。この投資育成会社は融資でございませんで、株主自体になって、しばらくの間株主としてその企業のめんどうを見るということでございまして、これはむしろ普通の方法からいいますと、政府が直接出資してこう特殊会社を作って、そして投資のめんどうを見、その会社に対する長期あるいは短期の資金等も必要であれば、中小企業金融公庫をして協力させるという方法をするのが一番普通のやり方じゃないか、こういうふうに思ったわけでございますが、投資育成といったようなことがわが国では初めてのケースでございまして、しかも非常にこれは投資とかあるいは投資とかあるいは育成ということは、よほど経営の才幹のある方がおやりいただくというのでないと非常にむずかしい事業でもございますので、この運営はいわゆる国策会社といったようなものの国の関与の強い方法よりも、民間の創意工夫にまかせる部分の割合ができるだけ多いほうがいいということを考えました点と、それからできるだけ民間の資金というものを活用することによって産業界が中小企業を育て上げるのだという方向に持って行くことが、これは一番望ましい方法じゃなかろうか。そういうようなことから直接投資を避けて一応中小公庫を経由するという形にして政府の関与の度合いをある程度ゆるめるというような格好をとりました。しかも、中小公庫が直接その会社に投資するということでは中小公庫の金だけしか活用できないということになりますが、中小公庫が政府から出してもう金をこの特殊な投資育成会社に投資する。それと合わせてその倍額以上の資金を国以外の地方公共団体あるいは民間から集めるということによって中小公庫自体でやるつもりもはるかに大きな資金量をそこに獲得して投資が行なえるということを考えまして、多量の資金を動員するためには、そういう特殊会社を作るという方法が非常に実行しやすい形であるということで特殊会社を、こういう特別の投資育成会社を作ったわけでございます。
○近藤信一君 私がなぜこういうことを言うかというと、特殊会社というものは、私は非常にやり方によって危険な場合もあるのじゃないかと思う。というのは、かつて私ども本委員会でもいろいろと議論をいたしました東北開発株式会社ですか、という特殊会社がありまして、あれの内容を私どもがこの委員会でいろいろとお尋ねしましたときに非常にずさんなあれがあって、とにかく政府から金をもらってはそれを使う。赤字であろうと、会社が興しました工場がつぶれようと、そんなことはおかまいなくて、いつまでもいつまでも営業が続けられている。こういう状態があったわけなんです。私はそういうことで、これは政府が責任をもっているのだから、金がなくなれば、政府から何とかしてもらえばいいという安易な気持で、この特殊会社が運営されていくというときに非常に危険じゃないか、こういうふうに私は思うのです。その点はまあ間違いのないお見通しのもとに一応今度は計画されたのだろうと思うのですが、あなたの御意見をひとつ伺いたい。
○政府委員(樋詰誠明君) この投資育成会社は国が出資いたします特殊の会社ではございますが、国が資本金を持ちますのは三分の一以下ということにこの法律の中に規定してございまして、場合によりましては四分の一あるいは五分の一にもなるかもわからないのでございます。いわゆる今までの特殊会社というものとは多分に株主の構成要素が変わっているものでございます。われわれはこの投資育成会社の株主の一番大きいのは財界に求めたい、こういうふうにも思っておりますし、またその運営もできるだけ民間の練達の士にほんとうに経済ベースに即した運営をやっていただきたいというふうに考えておりますので、社長の人選あるいはその他につきましても、こういう特殊の機関を設けるにあたって、これが本来の目的を十二分に達成し得るような人にぜひお願いしていただき、また十二分に腕をふるっていただきたい、とかく政府の特殊機関であるというのでイージー・ゴーイングに流れるといったようなことでなしに、あくまでも経済ベースに即して、国民の金あるいは県民の金というものをここで活用するわけでございますので、その金がほんとうに国民経済全体に有効に使われるという方向にぜひひとつ運用していただきたいということから、政府の関与その他も必要限度にとどめて、民間の方々が自由に腕がふるえるようにやっていきたい、ただ、変なほうにいかぬようにという監督だけは政府で加えるというふうに考えております。
○近藤信一君 政府の投資育成会社で負担する——この法律は三分の一ですね。これは増資された場合にも、またそれによって三分の一をずっと将来続けていくのかどうか。その点はどうですか。
○政府委員(樋詰誠明君) これは政府が持ち得るのは三分の一以内と、こういうことになっておりますので、この法律上からいうと、将来増資をする場合に政府が必ずしも出さなければならないというものではございません。ただ、われわれといたしましては、こういう特殊の会社でございますから、民間、地方だけが出して、あともう政府は一回出したきり出さないのだというようなことでなく、できるだけ政府も今後増資というような場合には応分のやはり出資ということをして、この会社自体の資本充実というものに努力すべきじゃないかというふうに考えております、これは今後大蔵省と予算折衝その他で努力していきたい。法律上は将来増資した場合に必ず国も出さなければならないというものではございません。
○近藤信一君 そういたしますと、私、前に質問いたしましたように、東京と大阪ですね、そして名古屋と違うのですね、資本が。名古屋なら一億——政府が出す金が一億、これをあと三分の二は地元で出して負担するわけです。将来地元がどんどんと事業を行なっていって増資した場合に、政府はあくまでもそこはこの一億円から動かないということですか。
○政府委員(樋詰誠明君) これはすべての予算に共通して言えることでございますが、財政当局としては次年度以降の約束ということは、これは絶対にしないわけでございまして、この投資育成会社の予算が政府できまりましたのは、大臣折衝の段階できまったわけでございますが、その際にもお互いに、大蔵省はもちろん来年以降これで出すんだということを約束するんじゃないぞという含みを持っておりますし、こちらはこちらで三十九年度以降要求しないというのじゃないという、お互いに三十八年はこれでいこう、来年三十九年度以降はまたそのときにやりましょうということでいっておりますので、われわれといたしましては、できるだけ政府としても、民間あるいは地方公共団体が増資されるという際には、応分のやはり増資に協力すべきであると考えておりますが、政府全体としてこうきまったというものではございません。
○近藤信一君 この会社の仕事は証券会社のやっている仕事でございまして、証券会社が中小企業の育成にあまり熱心でないために、こうした特殊会社でこれを実施しようとするのだと思うのですが、その点はどうなんですか。
○政府委員(樋詰誠明君) 従来から証券会社も近い将来株式市場に公開されるだろうというめどのあることがはっきりしている——半年とか一年以内にこれは大体公開されるというようなものについては、いろいろ資金的な援助等をやって育て上げるということもやっておりますが、証券会社はいずれも純粋の営利会社でございますので、五年、七年といった期間処分のできない株をじっと抱いて持っているということは、これは要求しても無理でございます。ただ、先ほど来申し上げておりますように、中小企業の中には、相当急いで増資をせなければいけない、といって現在の株主だけではなかなか増資はできないので、何らかの形で中立的な機関がその増資の一部を引き受けてあげる必要がある。しかも、その引き受けたときには、五年なり七年なりはどこにも売らぬで、じっと抱いておって、将来株式市場に公開できる規模にまで大きくなったところで、それを処分して次の会社を取り上げるという必要があるといったものもあるわけでございますので、これは証券会社が短期間に育成ができるといったようなものについては、これは当然証券会社にまかしておけばいいのじゃないか。証券会社のいわゆる営利主義的な考えではすぐ取り上げることができないといったところを、五年なり七年間保有してあげて、そうしてそれからあとは証券会社を通じて証券市場に公開するという橋渡しをしようというのでございますから、おのずから証券会社と性格の違った中立機関というのが会社の特質でございます。
○近藤信一君 今長官も言っておられるように、証券会社はまあ営利が目的であるから、利潤の問題を考えて、いろいろとこうやることは事実であって、それだから中小というのか、あまり見込みがなさそうなところには熱意を示さない、こういう結果に私はなってくるのじゃないかと思うのです。そこでまず私は、できればこの証券会社を督励して、もっとこういう仕事をやらせてもよかったのじゃないか、こういうふうに思うのですが、この点はどうですか。
○政府委員(樋詰誠明君) まあ先生もお話になりました営利会社でございますので、いろいろはじいてみて、あんまりもうからぬというものには、これは直接政府としては強制するわけには、これはいかぬわけでございます。われわれは早くその証券会社が興味を持って、一般市場につないでやろう、そのために大いに努力したいといった規模にまで中小企業を引き上げるという必要があると存じまして、その役をこの投資育成会社に果たしてもらおうと考えておるのでございます。
○近藤信一君 投資育成会社を設立することに、聞くところによると、証券業界はあまり乗り気じゃなかった、いわゆるそっぽを向いておったと、こういうふうなことを聞くわけですが、中小企業の株式について将来冷淡になるようなことはないだろうか、それから投資会社と証券界との将来の関係、こういうものについてお聞かせ願いたい。
○政府委員(樋詰誠明君) 一部の証券会社がこの構想がいろいろ練られております間に心配したような言動があったことは、これは事実でございます。しかしその心配のあれは、結局この新しい投費育成会社が証券会社の競争相手になりはしないか、自分たちのお得意さんを取られはしないかといったような誤解に基づくものが多かったのじゃないかと存じます。先ほど来申し上げておりますように、この会社は自分自身が一般大衆に証券会社と同じように売り出すのではございませんで、公開市場に売り出すようになるまで、これを育て上げましたならば、その株は証券会社に引き取ってもらって、証券会社の手を通じて一般大衆に売るということで、いわゆる証券取引法による証券会社ではない、一般大衆には直接売れないという性格のものにいたしております。そこでだんだんそういう性格がわかって参りましてからは、証券界におけるこの会社に対する反対というものは意見がなくなりまして、逆に今では、ぜひこの投資育成会社の株を持ちたい、その持つについて自分のところに持たさないなんて言ったら困るといったような御意見がいろいろあるわけでございまして、これは証券業界におまかせして、証券業界で持っていただく場合にどういう形で持っていただくのが一番いいだろうということをひとつ御検討をいただいて、げたを預けるような格好になっておりますが、現在の段階においては、これは証券会社と競合するのでなくて、証券会社が取り扱えるようなところにまで小さな方々を引き上げてやるのだという真意がわかりましてからは、先生御心配のような反対意見というものは影をひそめておるわけでございます。
○近藤信一君 そうすると、証券会社で将来取り扱っていけるように投資育成会社で育てていくわけですね、育てていって、これで一人前だというときにはどういう形になりますか。
○政府委員(樋詰誠明君) その際には証券会社に対して入札という格好で、この会社の株を引き受けていただく。これはAの証券会社は百円で引き受けるといい、Bの証券会社は百五十円で引き受けるといった場合には、百五十円でBの会社に引き受けていただいて、Bの会社がそれを大衆に売り出すということで、一応原則としては証券業者に対する入札の方法で処分したいと考えております。
○近藤信一君 証券会社で株を扱うということになりますと、やはり株は私はしろうとでよくわかりませんけれども、上がったり下がったりありますね。株の上がるときはいいんだけれども、下がった場合にどういう結果になりますか。
○政府委員(樋詰誠明君) 証券会社が大衆に売ったという値段よりも、これは上がることもあれば、下がることもあるのじゃないかと思いますが、しかしもう公開市場に出されるという段階になりますれば、これはそれからあとはそのときの経済情勢により、あるいは投資家の自己の判断というものに待たざるを得ないのでございますので、われわれといたしましては、この会社の株式が公開市場で売買されても、十二分に額面以上で売買されると、またそれだけの実力があると見きわめのついたところで出すわけでございますので、一度証券会社に入札さして、引き受けてもらいましてからあとは、これは投資育成会社の責任はここでおしまいという格好で、あとは大衆投資家というものの責任と証券会社の間の問題といいますか、これは結局株を買ってもうけるものもあれば、あるいは損する人もありますので、そこは投資家の責任でやっていただかざるを行ないと思います。
○近藤信一君 それは政府がやられる仕事でございますから、額面を割るというふうなことは私はないと、そういう見込みのないところには政府投資会社としては私はやらないと思うのですけれども、やはり先ほどのように、いいときもあれば悪いときもある、額面を割ったような結果が出たときに、これはどういう……国の損害ということになるのか、この点どうですか。
○政府委員(樋詰誠明君) これはわれわれはこの投資育成会社で育て上げたという会社、それが将来額面も維持できないということになることは、まず万々あるまいと、こう存じておりますが、しかしその間にその会社の経営者がかわったり、いろいろな不測の状況によって、そういうことにならぬとも限らない。それは一方的に断定はできないわけでございますが、そういう場合には、先ほど来申し上げておりますように、やはり投資家が幾らでそれを興うかということは、投資家自身の判断でございますすので、むしろ一番心配なのは、非常に高い値段で初めて公開市場に売り出して、間もなくその会社の株が暴落する、額面を割るわけじゃございませんが、三百円とか五百円で売り出しておいて、すぐ百円か百五十円になるといったようなことのないように、なお努力したいと思っておりますが、このためには、ただいま申し上げましたような、いろいろ入札その他でたくさんの証券会社といったものの意見というふうなものも十分そこで反映もされますので、そういう心配はまず普通の場合には起こり得ないのじゃないかというふうに考えます。
○近藤信一君 そこで、第八条では、さらに対象業種を政令で指定すると、こういうことになっておるわけですが、その指定の範囲は「産業構造の高度化又は国際競争力の強化の促進に寄与する」としてあるので、これはさきに可決されたところの中小企業近代化促進法の場合と全く同一じゃないかと思うのですが、近代化促進法の政令指定と同じになるのかどうか。それからその選定の基準についてもひとつあわせて御説明を願います。
○政府委員(樋詰誠明君) 産業構造の高度化に役立つ、あるいは国際競争力の強化に資するというような点では、これは御指摘の近代化促進法と同じような観点に立っておりますが、近代化促進法は、その上にさらに中小企業性の高い業種ということを要求しておるわけでございまして、たとえば中小企業によって生産が半分以上行なわれておるというものを取り上げていこうというふうにしておるわけでございます。それに対しまして、この投資育成会社のほうの取り上げる対象は、必ずしも中小企業性が高い業種でなくても、たとえば生産の六〇%程度が大企業によって行なわれており、四割程度が中小企業で行なわれておる、その四割程度行なわれておる中小企業の中で大いに競争力をつければ将来一人前になるであろう、しかもそれを育てることが産業構造の高度化に役立つと思われるものは取り上げていこうというように考えておりますので、近代化促進法よりは観念的にはこのほうが対象は広くなり得るというふうに考えております。 それからなお、具体的にどの業種がなるかということは、これは別途政令で定めるということでございますが、政令で定められるものというものは、これから各原局の意見等も聞いて決定したいと思っておりますが、産業構造の高度化とか、国際競争力の強化ということから当然必然的に出てくるというものといたしましては、一番代表的なものは機械工業であり、あるいは輸出に重点を置かなければならない高級の軽工業関係というものにさしあたりなるという可能性が多いのじゃないか。これは各原局と十分に相談した上で指定したいと考えております。
○近藤信一君 その、政令できめるところの業種指定というのですか、その業種指定、それから基準というものは、あなたのほうでまだ別にどの点までというふうなはっきりしたあれはお考えになっておりませんか。
○政府委員(樋詰誠明君) まだ考えておりませんが、今申し上げましたように、各原局のほうにこれから相談いたしまして、できるだけ本法の精神が生かされるというような業種から選んでいただきたいということで、今お願いしておるところでございます。
○近藤信一君 たとえば輸出品ですね。輸出品を生産しておるところの工業を優先的に指定するとか、また国内で特に重要な産業に寄与しておるところの業種を指定するとか、そういうふうなことで選定をお考えになっておられますか。
○政府委員(樋詰誠明君) 今、先生がおっしゃいましたような点がその選定の非常に大きな要素になろうかと存じております。
○近藤信一君 投資育成会社の資本金は、法案によりますと、中小企業公庫から出資するのが三分の一、予算による中小公庫から六億の出資を予定しておりますが、少なくとも投資育成会社は三つの総資本金合計十八億円以上になるわけだが、総額は幾らぐらいになりますか。
○政府委員(樋詰誠明君) これは最低が、今、先生のお話の十八億円ということになるわけでございますが、われわれといたしましては、できますれば、これは多々ますます弁ずでございますが、東京、大阪といったようなところは十億程度にまで持っていければということで財界のほうにお願いしてございますが、まだ財界で必ずこれだけ出してやるということも確定しておりませんので、少なくとも二十数億程度にするところまではぜひ持っていきたいということで、今せっかく努力をしておるところでございます。
○近藤信一君 先月の委員会で私質問いたしまして、長官から御答弁がございまして、東京、名古屋、大阪と、こういううことになって、管内だけのあれに応ずるのか、それとも管外からの要求があった場合には、それに対してもあなたのほうはその希望に応じられるのか、この点はどうですか。
○政府委員(樋詰誠明君) 一応三つの会社を作ります。そしてその三つを作りましたのが、それぞれの地元の中小企業に密着して投資といったようなものは行なわれ、育成事業というものが行なわれるのが一番効果を発揮しやすいのじゃないかということから、それぞれの地域に作ったわけでございますが、しかし、いろいろの関係がございまして、本社は東京にあって、工場が中部地方にあるというようなものもありましょうし、あるいは関西に工場を作りたいのだといったようなこともあろうかと、いろいろなことがございますので、法律的にも、また事業会社の……投資育成会社の定款の面でも、自分の対象区域というものをはっきりさして、これ以外は引き受けないのだというような方法はとらないつもりでございます。大体原則として、東京の投資育成会社は関東以北の会社が主となるでありましょうし、名古屋の投資育成会社は中部地方のものが主たる投資の対象になろうかと思われますが、もしそれ以外の管外にぜひ投資したといったような場合には、これは法律上も、定款上もそれを禁ずるという必要はないと思いますので、その点は実情に応じて弾力的に行なえるというふうにしたいと思っております。
○近藤信一君 それと申しますのも、たとえば中部ということになって、東海、北陸ということになっていますね。その東海、北陸ということになると、東海というとまあ静岡も東海に入る場合があるし、ある場合によっては静岡は関東地区にも入ることがあるし、それから三重県の場合は東海に入る場合と近畿地方ということで関西のほうに入る場合、こういう行政の関係で何かややこしいところがあるのですね。そういうところなんかのことが私問題になるのじゃないかと思うのですが、これは一体どちらのほうに明確に所属するのかどうか。こういう点はあなたのほうでそれは管轄外というふうなことをおきめになられるのかどうか、政令でそういうことをきめるのか。
○政府委員(樋詰誠明君) これは先ほど来申し上げておりますように明確に地域がどこだというふうにきめると、かえってぎこちなくなりはしないかと思ってりますが、おのずからそこに常識的な線がひとつ出てくるのじゃないか。その常識的な線で申し上げますと、三重県はこれはむしろ経済的には東海地方に属すべきである、そういうふうに考えております。静岡県をどうするかという点は、たとえば先生も御承知のように、電力会社でも大井川の……富士川ですか、東京電力、中部電力と分けているとか、いろいろな面等もございます。これは静岡県あたりの意見等も十分聞いて、静岡県が将来出資をかりにするといった場合に、中部地方の名古屋の投資育成会社に出すのか、あるいは東京に出すのかというところで、ある程度静岡県の企業をどっちの会社が育成するかということがきまると思いますけれども、普通のあれからいえば、静岡県はやはり中部地力ではなかろうかというふうに考えております。
○近藤信一君 たとえば北陸というのは富山、石川、福井と、こう言って、長野は北陸に入らない。ところが長野は愛知県、名古屋へ簡単に出てこれるわけなんで、そういう場合のときは、やはり名古屋でやったほうが私は便利じゃないかと、そういうことを思ってお尋ねしたわけですが。
○政府委員(樋詰誠明君) 一番むずかしいのが今御指摘の長野県と静岡県ではなかろうかと思うのです。いろいろな県で経済的に東京につながったり、あるいは名古屋と結びついたりというようなことになっておりますが、これは結局長野県が、あるいは静岡県が、どっちの会社に自分として出資するかということで、よく県の御意見等も伺いたい、こう思っております。その上でできるだけそれぞれの県を、少なくとも国と同額以上は出して、出資育成するわけでございますので、県の御意見等を十分に伺った上で、どちらに出資するかきめていただきたいというふうに思っております。今のところ、国としてきちっときめてしまうことは、むしろ遠慮すべきじゃないかと考えております。
○近藤信一君 そういたしますと、それははっきりと上意に諮って決するのじゃなくして、その点は機動性をもって、管外であろうとも投資を引き受けることが便利であれば、その点は管外であろうと引き受ける、こういうふうな建前になっているわけですね。
○政府委員(樋詰誠明君) そのとおりでございます。
○近藤信一君 投資育成社会へ地方団体と局間からの出資を期待しているわけでございますが、その出資の地方団体や、民間会社も、やはり今私がいろいろとお尋ねいたしましたように、管外からもこういうふうなことがこれから出てくると思うんですが、そういう点はどうですか。
○政府委員(樋詰誠明君) 今いろいろ地方庁にあるいは財界の方面に出資についてお願いしているわけでございますが、特に財界のほうでは、一つの機関が三つの投資育成会社に出資するということも、これはあり得ると思いますし、たとえば中部地方で、名古屋の会社に主力を置いて、あと東京にも若干出資したいといったような意向を示しておられるところもあれば、あるいは関西のほうが主力だけれども、東京のほうにある程度出資したいといったような希望を持っておられるとか、いろいろな方がございますので、われわれといたしましては、先ほど来申し上げていますような、経済圏としておのずからある程度の大きなアウトラインは引けるかと、こう思いますけれども、本店所在地と工場所在地その他と、いろいろな面から、一つの投資者が二つ以上に会社に投資するということもあり得るのじゃないか。ただ、地方庁といたしましては、やはりおのずから投資先は一つに限られるといったようなことが多かろうかというふうに存じております。
○近藤信一君 長官がこの前も言っておられましたように、まず今年度の試みとして三地区ですか、三地区になった、これが成功すれば、将来はやはりもう少し、たとえば福岡だとか、宮城県、東北のほうにも作っていってもいいという考えを持っているというふうなことでございましたが、その場合、やはり地方団体が、自治体の財政上の理由から、それはとても応ずることはできないのだ、出資することはできないのだというふうなことがあった場合には、あなたのほうが幾らここへ一つやりたいといっても、これは困難だと思うんですが、そういう場合はどのようなお考えを持っておられますか。
○政府委員(樋詰誠明君) この三つの会社を発足さしていただきまして、その成績を見た上で、必要があればさらに三つ以外のところにも設けるというのが衆議院の附帯決議の御趣旨であり、また大臣が極力それに沿うように努力したいと申し上げましたことでございまして、われわれといたしましては、まずこの三つを発足さして、それがどういうふうな効果をあげるかということを見た上で、その次にどこに設とるけかいうことをやりたいと、こう思っておりますので、その際にどこの地域がまず取り上げられるか、その時期がいつになるか、そのときの地方公共団体と政府の出資といったような関係はどうなるかということについては、まだ今のところいずれともきまっておらないわけでございまして、とりあえずは、できるだけこの三つを健全に育てるということに全力を注ぎたいと考えております。
○近藤信一君 なぜそれをお尋ねするかというと、民間側では、ぜひやってもらいたい、三分の一は出しましょう、政府で三分の一を負担する、あと地方で三分の一出す、ところが地方自治体が赤字で、とても三分の一は応じられない、三分の一にどうしても応ずることはできないから、その足りない分は民間のほうでじゃ負担するから、それで当分は三分の一の割合の額だけできればいいじゃないか、こういうふうな希望があるかとも私は思うのですが——民間側からですよ、それでもあくまでも原則は三分の一、いわゆる国とそれから地方自治体と民間と、これが三分の一のはっきりした等分した数字にならなければいけないということかどうか、この点どうですか。
○政府委員(樋詰誠明君) この三つの会社でも、たとえば東京の会社が北海道、東北の中小企業を取り上げるということは、私が先ほど申しましたように、十分可能なわけでございます。ただ将来北海道あるいは東北地方で、東京のお世話にならないで自分たちだけで作りたいと、これもあるいはあるかと存じます。で、今この会社の発足にあたりましては、一応公庫が出すのが六億円であり、全体の三分の一をこえてはならない、また政府が出す分は地方庁が出す分をこえてはならない。ですから言いかえれば、地方庁が出さなければ政府は出せないというのが今のこの三つの会社についてはそういうことになっておりますが、しかしこれは将来そういう場合にはどうするかということについては、今は法律上別にはっきりきまっておるわけではございません。かりにこのままの格好になるといたしますれば、やはり地方庁が出さないということになれば、国としてはそれ以上は出せないということになるわけでございますが、今先生の例としておあげになりましたように、民間方面で非常に熾烈な要望をお持ちになっておるということであれば、これはまず民間を主として一われわれとしては将来はむしろだんだん民間に肩がわりしていくというのが望ましいと思っておりますので、その場合には民間を主として、そして地方庁なりあるいは国が五分の一でも出すといったようなこともあり得るんじゃないか。いずれにいたしましても、この三つの会社がそれぞれ成績を上げてきて、こういうのが続々できてくるということになれば、そのときの実情に一番即したような方法をまたあらためて講ずる必要があるならば、方法化の形でお願いしたいというふうに考えております。
○近藤信一君 そうすると、ただいまの答弁からいきますと、民間のほうで非常に熱意があり、そして将来性があると、だが地方自治体だけが赤字で困っておるから、その希望どおりの等分の三分の一はどうしても負担ができない、その場合には五分の一になるかもわからぬ、しかし総額においてはこのきめられた額ができればよろしいとこういうことと理解しておるんですが。
○政府委員(樋詰誠明君) まあきめられた額というのは結局……
○近藤信一君 三億なら三億と、こうきめるでしょう。
○政府委員(樋詰誠明君) かりに三億という資本金で発足したという際に地元の財界が二億出ましょうと、あと五千万ずつなら地方庁でも出せるといったような場合、これは全体として六分の一というものを出すわけでございますが、そういうこともこれは実際にはあり得るんじゃないか。この法律では差しあたりこの三つについてやる場合の総額が六億円であり、三分の一をこえてはならないと、こういうことをいっておりますが、それ以外の場合にはどうするかということをまだ触れておりませんので、将来新しい会社を作る場合には、またそのとき所要の立法措置を講ずるということで、一番実情に合ったような方法を選びたいと思っております。
○近藤信一君 今の長官の御説明のように、やはり法律ではこう三分の一以内できちんときまるわけですね。だからやはりそういう議論が私は出てくるんじゃないかと思うのです。で、五千万円、五千万円で、片方が二倍、三倍ということでも、将来はひとつ考えて、何とか民間の熱意にこたえるようにおやりになる、まあそういうようにこれから考えていくと、こういうことですね。
○政府委員(樋詰誠明君) そのとおりでございますし、また民間がうんとたくさん出して下さるというのであれば、この三つの会社につきましても、かりに名古屋の場合、国が一億しか出しておりません。地方庁がまた一億五千万出すと、民間が三億出して下さるというんならそれでもいいわけでございます。われわれはできるだけ民間からたくさん出していただくということを今日におきましては、また将来においても期待するものでございます。
○近藤信一君 今度の六億円の政府出資で十八億程度の総資本金では、将来投資育成の事業にはなかなかこれは不足するのではないかというふうなことが考えられるわけであります。その際これを増資をされるのか、それとも各地方に設立することで補っていくのか、増資する場合には、普通の株式会社であれば現在の株主に割り当てるのが普通でございますが、この投資育成会社もそのときの株主に割り当てられるのかどうか、そうなると、地方団体や民間会社の出資したものは将来負担を感ずることになるが、その間の調整をどういうふうにあなたのほうでは考えておられるのか。
○政府委員(加藤悌次君) 増資の場合の旧株主の引き受け権でございますが、日本の今までの慣行からいたしますというと、これは旧株主にまず割り当てるということでございますが、法律的にこれは自由でございます。それから実際問題といたしまして、投資会社が操業いたしましてある程度の期間はなかなかむずかしい、旧株主が割り当ててほしいということはない、もうこれくらいでかんべんしてほしいということになるのが、現在の国策会社にもそういうものが多々見受けられるわけでございますが、そういう状況でございますので、おそらく二年、三年と増資を続けていくという場合には、もちろんその旧株主でひとつ引き受けてやろうという方が出てこられればけっこうでございますが、それだけで必ずしも十分でないという場合には、さらに範囲を広めまして新しい方に増資の新株を引き受けていただく、こういうことにやっていかざるを得ないのじゃなかろうかというふうな感じでございます。
○近藤信一君 見込みがあり、将来性があればこの旧株主もそんなに私、増資に対しては今昔われたようなかんべんしてくれ、困るというようなことはないのじゃないかと思うのですが、どうですかその点は。
○政府委員(加藤悌次君) これは見通しの問題で、非常にむずかしいのでございますが、われわれが一応収支計算の見通しを立てておりますが、要するに、この会社が益金が出るのが、大体五年目ぐらいから。ですからそれまでの間は臥薪嘗胆と申しましょうか、一文の配当ももらわずに出資者の御協力を願うということになるのでございますので、一般的な感じからすると、ただいま私が申し上げたようなことだと思います。ただこれを仕事をやってみたところが、実際にどうもうまくいきそうだと、株式を手放すときに初めてキャピタルゲイン ということで多額の剰余金というか利益が出て参るわけでございますから、そこに至るまでに見通しがはっきりしておって、五十円の株式が七十円にも百円にもなりそうだということで、増資の場合には必ず自分も引き受けたい、旧株主でそういうものがあれば、われわれそれにこしたことはないわけでございまして、そういう場合にはおそらく今までの一般原則によって旧株主の引き受けを尊重する、したがって、旧株主に増資新株を割り当てるということを考えてしかるべきじゃなかろうかと思っております。そのいうことになれば、非常にけっこうなことだと思っております。
○近藤信一君 そういたしますと、旧株主に割り当てることもあるし、新しい株を出す場合もある、こういう二本建ということになるわけですね。
○政府委員(樋詰誠明君) そうでございまして、ただわれわれ現在までに地方庁あるいは民間の団体等にお話ししていますときには、少なくとも三年ぐらいは毎年増資をしていただくというくらいのことで当初から踏み切って御協力願いたいというふうにはお願いしてございます。ただこれはいろいろ都道府県にございます議会の承認といったようなこともございますので、それぞれの地方自治団体の理事者としてもあらかじめ自分だけできめるというわけには参らないと思いますが、われわれとしては原則としてできるだけ当初引き受けた方に今後もやっていただきたい、こう思っておりますが、それが不可能な場合には、先ほど振興部長が申し上げましたように、第一回目には出していただかなかった株主を新たに財界等に見つけて、そこに協力していただくといったようなことも当然あり得ると思います。
○近藤信一君 中小企業金融公庫の引き受ける株式を議決権のない株式にされましたときの理由は何か。どういう理由であるか。
○政府委員(樋詰誠明君) 中小公庫が引き受ける株式は議決権のない株式である、それから利益をもって将来消却される株式である、それから配当において優先的に配当を受ける株式である、この三つの性格を持っていることということが第三条に書いてあるわけでございますが、この議決権のない株式というものにいたしましたのは、これは先ほど来申し上げておりますが、できるだけこういう投資育成といったような業務につきましては、民間の会社経営のほんとうに力を持っておられるといったような方々の創意工夫に待つということがいいので、あまり政府が株主としてそこでいろいろな発言をするというよりも、むしろ政府は民間あるいは地方公共団体だけでは集まらない金を援助するという形で出資するという格好にとどめるほうがいいのじゃないか、そういう意味から議決権もないということにしたわけでございますが、大体議決権のない株ということにいたします半面、これは今まで長期信用銀行あるいは不動産銀行といったようなものに対して政府が出費したときの先例もそうでございますが、議決権はない、しかし一応優先配当をつける、それから将来利益があった場合にはその利益をもって消却していただいて、言いかえますと、将来この会社は順調に育っていきますと、民間と地方公共団体とこの両者が株主になる、政府は一応株主ではなくなって、民間的な色彩の強い会社として運営していただくということになるわけでございますので、こういう会社がうまくいった場合に利益をもって返していただく、また配当もそのときにしていただくという一極の出世払いの確定利付債券といったようなものがこういう優先的株式、無議決権株式という形をとっているというふうに御理解いただきたいと思うのでございます。
○近藤信一君 今の御答弁のように優先株式にされた、政府から出資するのは他の株主への配当が済んでから配当をつけるようにすべきじゃなかったかと私はそう思うのですが、優先配当率は一体どのくらいにあなたのほうでは見ておられますか。
○政府委員(樋詰誠明君) 大体六分五厘と考えております。 それからむしろ後配株にすべきじゃないかというお話でございますが、先ほどの私の説明が舌足らずであったかと存じますが、あくまでも株主という地位にとどまって配当を後配株という格好で、あとから受けるという格好にするのがいいか、あるいは政府の援助は、これはむしろ長期の一種の債券を持った、社債を持ったというような格好でやって、会社の運営には口を出さぬほうがいいか、いろいろやり方があろうかと存じますが、この投資育成会社につきましては、後者の形をとりまして一種の社債的なものを持つのだから、会社の運営には政府はできるだけ口を出さない、ただ社債といいますと、これは会社がもうかってももうからぬでも金利を払う、元本返せ、こういうことになるわけでございますが、それではこういう新しい試みの会社がはたして確実にもうかるかどうか、われわれはもうかるつもりでやっておるわけでございますが、わかりませんので、将来利益が出たらその利益で消却して下さい、利益が出たら配当するでしょうが、その際にはまず六分五厘は下さいということをいっておるわけでございまして、われわれは少なくとも将来この会社は自分自身でも一割以上の配当ができるということになるだろうと、こう思いますが、そういう際には政府には六分五厘払い、民間あるいは地方団体には一割あるいは一割二分を払うということにしてもいいわけでございまして、一種の六分五厘は社債的な関係で経営にはタッチしないからひとつそれだけは返して下さい、金利を払って下さい、しかしもうからない間は払う必要はありませんから、もうかるようになってからでけっこうですというような形をとっておるわけでございます。
○近藤信一君 そこで優先株式は、商法によりますると四分の一を限度とすることになっておるはずですが、この投資育成会社に限って三分の一まで差しつかえないことにしたのはどういう理由でそういうことになったのか。それから三分の一までよいことにしたのだから、もっと割合を多くして中小公庫の出資割合、すなわち国庫資金の出資割合をもっと多くすることを考えてはどうかと思うのですが、この点はどうですか。
○政府委員(樋詰誠明君) 一応国と地方公共団体と民間と三者で出すということを建前といたしておりますので、少なくとも三分の一ということを考えたわけでございまして、これは実際には民間からたくさん出していただけば四分の一になるかあるいは五分の一になるかということになるわけでございますが、あまり民間が出す金が少ないというようなことで、この会社を作った目的が達せられなくても困りますので、少なくとも初年度六億出すのなら全体でミニマム十八億の金は集まる、それ以上の金が集まるということを期待しておりますが、そういう意味から四分の一は少ない、少なくとも三者出すのなら三分の一を一応の目標にしてもいいのではないかというのでこういうふうにしたわけでございます。
○近藤信一君 そういたしますると、商法にのっとったということで考えずに、ただ地方公共団体と民間と政府と、こういうことで三者三分の一と、こういうことであなたのほうでは計画をされたと、こういうことで理解してもよろしいですね。
○政府委員(樋詰誠明君) そのとおりでございます。
○理事(岸田幸雄君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(岸田幸雄君) 速記を始めて下さい。 それでは他に御発言もなければ、本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめまして、これにて散会いたします。 午後零時十八分散会