商工委員会 第24号
- 発言数
- 71 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/05/21
会議録
○委員長(赤間文三君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず、委員長及び理事打合会の協議事項について報告をいたします。本日の委員会は、下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案について提案理由の説明を聴取することになりました。それからばい煙の排出の規制等に関する法律の一部を改正する法律案について質疑を行なうということになりましたので、御了承願います。 —————————————
○委員長(赤間文三君) それではこれから議事に入ります。 ばい煙の排出の規制等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取いたしておりまするので、これから質疑に入ります。 御質疑のおありの方は順次御発言をお願い申し上げます。
○近藤信一君 まずお伺いいたしまする点は、現行のばい規煙制法が全然動いていないという点です。言うまでもありませんが、昨年の第四十回国会でこの法律が成立して、同じく十二月の一日に施行令が制定されたにもかかわらず、肝心の指定地域や排出基準がきまらないからということで、今年の二月十二日、私がこの商工委員会で通産省の佐橋局長に、いつごろきまるのかと質問いたしましたところが、そのときに、局長は、三月中に具体的な政令を出そうと、こういう答弁をされておる。それがいまだにきまらないということですが、一体いつごろこれをおきめになろうとしておられるのか。まずこの点お尋ねいたします。
○政府委員(五十嵐義明君) この法律の施行につきましては、御指摘のように、昨年の十二月の一日に、特定有害物質の指定でございますとか、あるいは和解仲介の制度等につきまして一部分動き出したわけでございますが、この法律の主体をなしております地域指定並びに排出基準等につきましては、ただいま先生がお話しになりましたように、私ども、事務的にも、この大よそ三月末を目標にいたしまして事務を進めて参ったわけでございまして、現在、大体地域指定につきましても、関係都道府県知事の意向を聞くことになっておりまして、内容がほぼ固まっておる段階になっております。また排出の基準につきましても、いろいろとこまかい点で最終的な仕上げというような点も若干ございますが、おおむね通産省との間にも話し合いがついておりまして、そういった準備がほぼ整っておるわけでございますが、今回この改正の御審議をお願いいたしましたように、この法律と、従来条例によりましてこの種のばい煙の規制等を行なっておりました都市のこの条例との間の調整の上に若干の問題がございまして、これに手間取った次第でございまして、この改正案の御審議をいただきまして成立さしていただきました暁には、できるだけ早く、そういった政令、省令の制定をいたしたいと、かように考えておる次第でございます。
○近藤信一君 今の御答弁にもありますように、まだはっきりときまらないと、この改正案が通った暁には早い時期にという御答弁でございますが、いまだにきまらない。指定地域や排出基準がきまらないというのは、やはりこれは加害者ともいうべき産業界を代表する通産省と、それから被害者側の立場と申しまするか、衛生保健を所管しておられるところの厚生省、こういう関係でお互いの立場に固執しておられるのではないかというふうにも思われるのです。官庁間のなわ張り根性というものがいろいろな面で行政に現われて無用の摩擦を引き起こしているように私は思うのですが、この法案もやはりそういう点の一つの現われじゃないかというふうに思うのですが、まあどちらの省の原案みたいなものでもあれば、どちらかのですね、まあ厚生省または通産省というしっかりした案というふうなものがあれば、ひとつお示し願いたいと思うのですが、まあその話し合いまでこれは進んでおらないということですか。
○政府委員(五十嵐義明君) 今回の改正のみならず、この法律が制定されました経過につきましては、私も一昨年の秋ごろからずっと関与いたしておりまして、先生の御指摘になりますような通産省と厚生省との間の何か官庁間のあつれきと申しますか、あるいはなわ張り争いと申しますか、そういったもので事務がはなはだしく支障したということは私は感じておりません。むしろ私どもは通産省のお立場で業界と非常に密接な連絡をとりながら保健衛生の面を強調する私どもの厚生省の立場もよく理解していただきまして、排出基準等につきましても、相当各国の例に見ましても厳格だと、厳正だと思われるような程度の原案を話し合っておるような次第でございまして、決して無用の摩擦があったということはございません。 それから、厚生省あるいは通産省いずれにしましても、この原案のようなものがあるかというお尋ねでございますが、最終的には政令あるいは省令で決定する事項でございますが、一応私どもが事務的に考えておりますこの地域指定の考え方を申し上げますと、まあ東京都におきましては、東京都の大部分の地域、それに横浜、川崎、これを含む一つの地域を想定いたしております。二番目には大阪市とその周辺の市部、尼崎、神戸市、その間の市の部分というふうなのを一つのグルーブと考えております。また北九州、新しくできました北九州市一円を一つのグループとして指定するというような考え方を持っております。 それから、排出基準につきましては、現在の技術水準であれば、まあ当然守らなければならない、また守るべきであるというような水準を、従来、目で見まして煙の黒さで示すというようなことでなしに、一立方メートルの煙の中にどれくらいの物質以上を含んではいけない、どの程度のパーセント以上のガスを含んではいけないというような趣旨の排出基準をきめまして、それによって実施したいということで、十五種類に及びますそれぞれのばい煙の排出発生施設につきまして基準を考慮しておるというような状況でございます。
○近藤信一君 今考えておられるのは横浜、日立、尼崎、千葉ですか。
○政府委員(五十嵐義明君) 一応千葉はただいまのところは考えておりません。
○近藤信一君 今、横浜、日立、尼崎等考えておられるようでございますが、その他の地域については、まだ具体的にはもっとふやそうというようなことはお考えになっておられませんか。
○政府委員(五十嵐義明君) ただいま申し上げました三つのグループの地域以外にも、たとえば四日市でございますとか、宇部でございますとか、産業の非常に発達しておる都市があるわけでございます。そういったところにつきましては、私どもが予想しております三つの地域に準じまして、調査の資料をとりまとめまして、その資料のできしだい必要のある順序に従いまして追加して指定をして参りたい、このように考えております。
○近藤信一君 この改正法案は、今ごろになって提出せざるを得なくなった、こういう理由について伺いたいと思いますが、ばい煙規制法が昨年の四月成立した以前から、各地方団体には条例があることは御承知のとおりだと思います。今度わざわざこれを改正するのは、現行法の立案の当時、地方条例のことを考えていなかったかどうか、調整する必要がないとあなたのほうではこれを認めたのかどうか。また今度の改正を機会に現行法の解釈なり運用なりの方向を改めたのかどうか、この点はどうですか。
○政府委員(五十嵐義明君) 御指摘になります点はまことにごもっともでございまして、私どももこの法律の立案の当時一応いろいろな角度から法律と条例の調整の問題を考慮いたしまして、当時一応今回の改正のような条文は必要なかろうということで、実は法律の御制定をいただいたわけでございます。その理由は、私どもが考えておりますこの法律の対象になります施設は、その地域におきまして大体九〇%以上の重油とか石油とか、あるいは石炭とかいうものを使う大きな施設を対象としておるわけでございまして、残されるものはその燃料の、パーセントにしまして一割程度、そこでそういうものにつきましては指導でもってある程度いけるのじゃないか。それからまたこの法律と異なる趣旨、目的で、たとえば近所の迷惑になる、それを防ぐというような意味の目的で条例をきめるということは法律に反しないのではないかというような考え方で今回の改正の必要性が必ずしもあるとは考えないで、実は出発いたしたわけでございます。その後いろいろと検討いたして参りまして、この法律の対象にいたします個々の発生施設についても検討し、その他の点についても話し合ってみますと、指定地域の中で小さな施設から出てくるばい煙が、ただ近所にだけ迷惑をかける、決して大気汚染とは関係がないのだというようなこととは、なかなかこれは明確に区別しがたいというような問題に逢着いたしまして、したがって、こういった問題について、これを明確にする必要があるということで、法制局とも実はいろいろと相談をいたしたわけでございます。その結果、いわゆるばい煙規制法の建前、それからまた従来地方公共団体で条例で規制をしておったいきさつ等から考えまして、この際、こういった点を法律の上で明確にしておくことが必要であるというような結論になりまして、その点を法律の上で明文化していただきたいという改正をお願いいたした次第でございます。
○近藤信一君 このばい煙規制法は、これは官庁間のなわ張り争いばかりではなく、やはり私どもの考え方からいくと、都道府県との所管争いもあるのじゃないかというふうにもまた思われるわけなんです。今、局長が言われましたように近所の迷惑にかかわるというようなことは、そういうこまかいことまで具体的にはわからない、そういうことでございますが、ふろ屋とかビルとか、比較的小さな施設、こういうところから出るばい煙というものは、やはり全局長も言われましたように、実際近所迷惑の点が非常に多いと思うのです。都市の大気汚染というものとこういうものと関係がないと思われるのかどうか。この点はどうですか。
○政府委員(五十嵐義明君) その点は私ども最初の検討が不十分であったということを申し上げなければならないと思います。私は、事柄を大ざっぱに分けて考えますれば、やはり大都市の大気汚染のおもな原因と申しますか、要素はやはり大工場、事業場の大きな煙突でございまして、私どもが法律の対象にいたしておりますたとえばボイラーでございますと、伝熱面積三十平米以上というようなものであろうと考えるわけでございます。ただそれ以下の小さなものが近所の迷惑になるということのほかに、大気汚染と全然関係がないかと言いますと、これはそうは言い切れない。やはりそこに関与する、重復してくる面がある程度あるのではないか。その点を割り切ることができないと、やはりそこが重複した面があるということを考えなければならないということが、一つの意味では今回の改正の原因にもなった、理由にもなったと、かように申し上げるべきだと思います。
○近藤信一君 今度の改正案のねらいは、都道府県の条例との調整をはかるということにあるようですが、大体現行法の第二条第三項によりますると、ばい煙発生施設として本法の規制の対象となるものは、鉱山以外の工場または事業場にある施設のうち、ばい煙を多量に発生する施設で政令で定めることになっております。具体的には政令でしばることになっており、その政令では電熱面積——いわゆる熱を伝える面積が三十平米以上の大きなボイラー等が実際の規制の対象になってくるわけです。したがって、小さなボイラーを使っているふろ屋、病院、それからビル等は、各地方の条例にまかせるという建前を取っておるようですが、この法律自体では規制しないことになっているようであります。しかし煤煙発生施設の政令で三十平米以上の伝熱面積などと言わずに、もっと小さいボイラーまで規制できるような、範囲を広げれば条例に依存しなくとも、私はすべてが規制できることになると思うのですが、現行法でなぜふろ屋、それから病院、ビル、こういうところの小さなボイラーまで規制するような体制をとらなかったという理由は、何かほかに理由がありますか。
○政府委員(五十嵐義明君) まことにごもっともなお尋ねだと存じます。 こういうばい煙規制法を制定いたしますからには、技術その他の面が許されるならば九〇%といわず、一〇〇%までを規制して参りたいというのが私ども保健衛生の立場からも当然考えられるわけでございますが、現行の政令で定めました範囲は、御指摘のようにボイラーでありますと三十平米以上でありまして、その辺のねらいが実は大気汚染の原因になるばい煙につきましてどの程度まで国が一律にこれを規制していけるかということを技術的な面、その他あらゆる角度から検討いたしました結果、この程度の規制を行ないますならば、大気汚染の防止、ばい煙の防止には相当の効果が期待できるということで、この政令の基準をとったわけでございます。それではそれ以下について同じような考え方を広げていくことはなぜいけないか、こういうことでございますが、この法律では指定地域につきましては、全国一律にかなりきびしい規定になっております。事前の届出をし、六十日間の猶了をおきまして、その間に計画の変更を命ずることもできる、あるいは廃止を命ずることもできる、またその施設が排出基準に合わなければその改善を命ずる、あるいは常時みずから発生するばい煙を測定する義務もある、また改善命令にそむけば使用停止をするというようなふうに、一連のかなり厳格な規定になっておりまして、しかもその排出基準を守りますためには、相当の大がかりの施設が必要でございます。したがいまして、そういった一連の画一的な規定を小さな中小企業等の施設まで全部に及ぼすということは実情に合わないというような考え方から、これを大部分のものを規制し得る九〇%程度というところを目安に政令をきめたという次第でございます。
○近藤信一君 今の御答弁、私もわからないことはないのですが、だんだんと都市が発展してくればくるほど、都市におけるいわゆる規制されぬものに対するばい煙や何かで迷惑をこうむるのは非常に多くなってくることも、これは事実だと思うのです。まあ全国的に一律には規制されないというお話でございますけれども、これはある程度の問題については、やはり一律に規制したほうが二重的な手間もくわないんじゃないか、こういうふうに私どもしろうと考えではするわけですが、この点はどうなんでしょう。
○政府委員(五十嵐義明君) 論理的にはまさにそのとおりであると存じます。私どもも先ほど申し上げましたように、できますことならばこの法律によりましてすべての排出、発生施設につきまして同じような規制をしていく、日本の空からばい煙をゼロにしたいというような気持は保健衛生の面から強く持つわけでございます。いろいろ実態を考えて参ります場合に、必ずしもそれが今の実情に適合しておるかどうかということにつきましては、多々問題があるのでございまして、私どもはこの法律の第一条の目的にも書いてございますように、まず大気汚染による公衆衛生上の危害を防止するということを目標にいたしまして、生活環境の保全と産業の健全な発展との調和をはかるという点で線を引く方向をとったという次第でございます。
○近藤信一君 もらいましたこの資料によりますると、現在地方で条例で縛っておるのは十カ所くらいしかないのですが、このほかの道府県ではまだ具体的な条例の動きというものはないのですか。
○政府委員(五十嵐義明君) 条例として定められておりますものは、都道府県並びに市につきましてこの十カ所でございます。
○近藤信一君 現行の条例は東京都、神奈川県、大阪、福岡、新潟、千葉、埼玉、川崎市と、こういうふうにこの資料にもございますようですが、東京都以外は、公害防止条例というような形で、騒音、振動、粉塵、それから廃液と並んでばい煙も規制していくのが現状のようです。東京都は公害防止条例のほかに、特にばい煙防止条例を作って、そうして規制しておるのでありますが、ばい煙防止関係の条例は相当の強い規制をすることになっておるのでございます。今度の改正案では条例で必要な規制をきめることを妨げない、こうあります。そうしますと、規制の対象は異なっても、ばい煙施設の届出とか、それから計画変更命令とか、それから煤煙の濃度の測定とか、こういう規制の点で法律と条例が重複することがあるのではないか、そう思うのです。それとも大きいものはこの法律で小さいものは条例でと、すべてのやり方を割り切って別々のやり方でおやりになるのか、この点はどうですか。
○政府委員(五十嵐義明君) 先生の御指摘のとおりと考えますが、今回の改正によりまして、かりに同一の趣旨、目的でありましても、条例で規制することができるようになったわけでございますが、これは対象を区分いたしまして、たとえばボイラーでございますれば三十平米以上のものは法律の規制でやる、それ以下のものは条例で規制をする、こういうことに区分して考えるわけでございまして、なお、その規制の方法、手段等につきましては、おそらく今の条例から考えまして法律よりももっと簡易なものになるというふうに考えられるわけであります。
○近藤信一君 そういたしますと、法律のほうでも都道府県知事に大幅な権限が委譲されているので、都道府県は法律による規制と条例による規制と別々な方法によって規制していくことになりまして、事務上に錯綜して収拾困難だ、こういうことになるのじゃないかと思うのですが、法律と条例との規制の方法の根本的な相違というものは一体どこにあるのか、この点をお尋ねしたいのですが。
○政府委員(五十嵐義明君) 事務の錯綜があるかないかというお尋ねでございますが、この点は、私どももこの法律を制定いたします段階で、実は、従来にもないくらいの地方との連絡をとりまして、いろいろと地方の条例並びにその運営の実情等を勘案して、この法律の制定に当たったわけでございまして、事務的なこの錯綜というようなことは、私は予想できないのでございますが、また法制定と、それから条例の制定との間に根本的な相違があるかないか、あればどういうことかという御趣旨かと思いますが、この法律にいたしましても、あるいは条例にいたしましても、ばい煙の防止を目的といたしまして、生活環境をよくしていく。その結果、公衆衛生の危害を防止し、あわせて産業の健全な発展をはかっていくというような趣旨では、根本的に差はないものと私は考えております。
○近藤信一君 そういたしますと、法令と条例と二本建で万全を期していく、こういうことになるわけですね。
○政府委員(五十嵐義明君) そのとおりでございます。法律と条例との間に盲点あるいはそごというもののないような形で運営して参りたい、こういう考え方でございます。 —————————————
○委員長(赤間文三君) 質疑の途中でございまするが、去る十五日予備審査のため本委員会に付託をせられました下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案を議題に供します。政府から提案理由の説明を聴取いたします。徳安総務長官。
○政府委員(徳安實藏君) ただいま議題となりました下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明いたします。 下請代金支払遅延等防止法が制定されましてから、すでに六年余を経過することになりましたが、この間、政府関係機関におきましては、この法律の積極的な運用に鋭意努力いたしますとともに、昨年は本法の改正強化を行なう等の措置を講じまして、下請代金の支払遅延防止等にかなりの効果をおさめて参りました。 しかしながら、本法制定時と現在とを比較いたしますに、この間、国民経済の発展に伴いまして企業の規模も大幅に拡大して参りました。また、たまたま今国会に中小企業基本法案が提出せられ御審議をお願いしている経緯もございますので、この際、本法により保護の対象とされております下請事業者の範囲を改める必要があると考えられ、ここに本改正法案を提出いたした次第であります。 次に、本改正法案の概要でございますが、親事業者及び下請事業者の定義を改めまして、下請事業者の範囲を拡大しようとするものでございます。 何とぞ慎重審議の上、御賛同あらんことをお願いいたします。 なお、法案の内容はきわめて簡単なものでございますので、後日、公正取引委員会より詳細に御説明申し上げる所存でございます。
○委員長(赤間文三君) 以上で提案理由の説明は終了いたしました。 自後の審査は後日に譲ることといたします。
○委員長(赤間文三君) 再び、ばい煙の排出の規制等に関する法律の一部を改正する法律案を議題として質疑を続行いたすことにいたします。
○近藤信一君 現行のばい煙規制法は、ばい煙処理施設に対しまして資金のあっせん等について国が援助するということになっておりますが、この現行法の附則三項において、中小企業振興資金等の助成法の改正は、助成法による貸付金の償還期間を一般より二年延長して七年とすることとしているだけであるが、このことからもまた助成法の趣旨からいっても、ばい煙処理施設にはすべて中小企業振興資金等助成法の資金貸付の対象になるはずでございます。ただ、運用上、現行ばい煙規制法の対象が三十平米以上の伝熱面積を持つボイラー、大きいものとすれば浴場や中小ビルのばい煙処理施設を作ろうとするときは、助成法の資金を流してやるのかどうか。この点を一点と、それから開銀や中小企業金融公庫などの資金も貸し付けてやる予定のようだが、どの程度貸し出されるかどうか。その額の点。それから同じく附則第二項でばい煙処理施設には固定資産税を課税しないように規定しておりますが、これもすべてのばい煙処理施設に適用するのかどうか。この点いかがですか。
○説明員(馬郡巌君) お答えいたします。御質問の中小企業の近代化資金助成法によります無利子の金の貸付につきましては、三十八年度から約二億三千万円の融資を予定いたしております。これは指定施設につきましても、指定施設外につきましても、同様に貸し付けることができるのでございます。ただ貸し付けの返済期間は、指定施設の場合は七年、その他の施設の場合は五年というようなことになっております。ただ指定施設外につきまして、五年ということで指定施設と若干期問が短くなっているわけでございますが、金額も比較的小さな金額になるというような点を考えまして、この間をうまく運用して参りたいと思います。なお、中小企業金融公庫、商工中金の支給につきましても、極力こういうばい煙処理施設の設備資金につきまして融資いただくように、今現在公庫なり中金と相談いたしております。金額等につきましては、できるだけ多量というように考えておりますが、両公庫なり中金につきましても、趣旨につきまして賛同をいただいておりますので、円滑なる運営が今後はかっていくことができるかと考えております。 なお、御質問の固定資産税の減免でございますが、法律によりましてこれは既定施設につきましてのみ固定資産税の優遇をはかられるというようなことになっております。
○近藤信一君 今の御説明によりますと、既成施設に対しては七年間の償還期間というもので、既成施設以外はやはり小さいから短い。いわゆる額が小さいからだということだと思うのですが、やはり小さければ小さいだけ苦しいので、私はこの施設に対しましてなかなか困難じゃなかろうかというふうに思う。そういたしますと、やはりこれは私は既成施設以外の小さなところに対しまして無理して施設をするわけなんですが、同じように取り扱うべきじゃないかというふうに考えるわけなんです。 それからやはり固定資産税の問題に対しましても、やはり御答弁では既成施設に対しては適用するが、既成施設以外のところは適用しない。こういうことで、私はおかしいんじゃないかと思うのですが、これはどうですか。もう少し処遇すべきじゃないかと私は思うのですが。
○説明員(馬郡巌君) ただいま申し上げましたように、中小施設に対しましては確かに金額が小そうございますが、行ないます中小企業者も小さいので、その限度において、その程度に応じまして、やはり重い負担になる場合もあろうかと思いますが、ただ、この法律で規制いたします指定施設につきましては、相当金を要する設備でございまして、また新しく施設をいたさなければ、なかなか排出基準は守りにくいというようなことになろうかと思います。ただ、指定施設以外の比較的小さなばい煙発生施設につきましては、燃焼管理、運転上の注意というようなことによりまして、そういうものの指導によりまして、大体かなりばい煙の発生をとめることができるというような段階かと存じますので、新しく施設をするというケースは比較的少ないのではなかろうかというふうに考えます。
○近藤信一君 どうもそういう点が私はお役所仕事じゃないかと思うんで、いつも問題になるんですが、ただ、規制される施設だからとか、これは規制施設以外だからといって、私は差別すべき問題じゃなかろうと、こう思うわけです。というのは、小さければ小さいなりに、やはり芳しい経営をやっているわけなんです。苦しい経営の中で、小さいなりに施設をやろうとすれば、それだけ苦しいわけなんで、その小さいところはなかなか施設ができないと、こういう結果に私はなってくると思う、結果論からいくと。だから、やはりこういう点はもっとお役所は、事業の小さい大きいにかかわらず、そういう施設をしなければならぬ問題については、私は考えるべきじゃないかと思うんですが、将来も、やはり今御説明がありました基準で押し通されるということですか。この点どうですか。
○説明員(馬郡巌君) 中小企業者の負担の増加という点につきましては、近藤委員の御指摘のとおりであろうと考えておりますが、指定施設を法律で明示いたしまして、指定施設以外を法律の対象から除きました趣旨は、先ほど厚生省からも御説明がございましたとおり、中小の方々に大企業と同じような負担を直ちに負わせるということはなかなか問題があろうというふうな点もございまして、そういうふうな実際上の実情を考えますと、中小のばい煙発生施設につきましては、大きなばい煙発生施設と同じような排出基準で規制するということは困難であろうと思います。したがいまして、現在の施設で燃焼管理なりあるいは一部の簡単な手直しによりまして、ばい煙の発生を少なくするというようなことでやれるような状態になるべくしていきたい、そういうことで、実際上の資金を大きく必要とするというようなことはないようなことを考えていかなければならないのではなかろうかというふうに考えております。
○近藤信一君 次に、五月十六日の朝日新聞によりますると、新潟で行なわれた日本気象学会で、気象庁、気象研究所、その他の関係者から、日本のスモッグについてこまかなデータなどが発表されております。それによると、東京、大阪、横浜、札幌等、それぞれスモッグの原因や状態が異なっているようでございます。したがってばい煙規制や、不完全燃焼防止対策の根本対策のほかに、各都市の実態に即した具体策が必要だと報告されているのですが、ばい煙規制法では、画一的な規制しかできないと思うが、この点、どのように考えておられるのか、この気象庁の研究などは、あなたのほうでどの程度参考にしておられるのか、この点お尋ねします。
○政府委員(五十嵐義明君) 新潟の日本気象学会での発表の詳細につきましては、私どもも新聞程度しか今のところ承知いたしておりませんが、御指摘のように、それぞれの都市によりまして特色がございます。東京、大阪、横浜、札幌を例におあげになりましたが、ロンドンのスモッグの型とか、これは主として霧と石炭のばい煙によるものでございますし、またアメリカのロスアンゼルス型とかいうふうに、自動車の排気ガスによるものがおもな原因となっておるものとか、いろいろその都市によって事情が異なりますことは御指摘のとおりでございます。スモッグにつきましては、ばい煙の排出の規制等に関する法律では、これが非常に激しくなりまして、何らかの措置を必要にするような事態になりましたときには、知事が一定の措置をすることができるというようなことで、初めてこのスモッグ対策というものが法律の規定とされたわけでございますが、私ども現在まで承知いたしておりますところでは、幸いに昨年の暮の東京の状態なども、亜硫酸ガス等の数字で見ますると、かつて一九五二年にロンドンで非常に大きな問題を起こしました当時に比べまして、数分の一というような程度でございまして、これ以上悪化させたくないというのが私どもの強い願望でございます。したがいまして、その土地々々の気象の関係なども非常に大きな要素となっておりますので、実は私どもこの方面の担当官が集まりまして、気象庁も、それからまた通産、厚生はもちろんのこと、運輸関係等、それぞれの関係者が集まりまして、連絡をし合いながら、今後の公害の対策と合わせまして、いろいろ検討いたしているような次第でございます。
○近藤信一君 いろいろと検討されているようでございますが、近ごろ日本のスモッグ問題も外国並みに非常に強く現われてきておって、この学会の大会でも言われているように、石炭系燃料の燃焼が原因の大気汚染は気管支肺炎を起こしたり、それから呼吸器系統の病気にかかる、それから石油関係のほうは目をやられるというふうに、いろいろと形があって、それぞれの病状というものは違ってくるわけなので、こういう点について私はもっとこういう学会の研究を基礎に、厚生省でもよく研究をして、スモッグの対策というものに万全を期すべきじゃなかろうかと、こういうふうに思うのですが、そういう研究についてまだ今真剣に取り組んでやっておられないのですか。それとも、今のお話で研究をしておるということでございますが、まだ十分な対策というものが立っていないということになれば、まだあまり進んでいない、こういうふうに見受けるわけですが、この点どうですか。
○政府委員(五十嵐義明君) スモッグ対策の研究についてのお尋ねでございますが、スモッグの原因を大きく分けまして、一つは、この法律で規制いたしておりますばい煙が大きな原因の一つでございます。もう一つは、まだ規制をするに至っておりません研究段階にあります自動車等の排気ガスの問題があるわけでございます。 ばい煙につきましては、先ほど来申し上げましたようなことで、この法律が全面的に動き出して参りますれば、相当の効果を私は期待できると考えておるわけでございます。排気ガスにつきましては、実は各国ともこの問題については今研究の段階でございまして、自動車の非常に発達いたしておりますアメリカでも、来年から自動車に一部防除装置を取り付けるというような規定をきめたというふうに聞いておるわけでございますが、厚生省におきましては、三十八年度の予算でこの排気ガスにつきまして相当突っ込んだ研究をしたいと考えまして、実はこの自動車から出て参りますいろいろなガス、粉塵等五種類にわたるものを自動的に記録測定する装置の研究を従来やって参ったわけでございます。それがようやく完成いたしましたので、これをひとつ都内のおもな場所に三カ所ほど選びまして備えつけまして、その影響というようなものを一つは研究して参りたい。また私どもの関係では、厚生省の科学研究費でありますとか、付属の研究機関にそれぞれ研究費がございます。また科学技術庁から昨年度はかなり多額の研究費もちょうだいして研究にあたったわけでございますが、ただいま主としてこの公害、特に大気汚染による身体の障害というようなものをひとつ大きな研究課題にいたしまして、三十八年度におきまして十分な検討をして参りたいというようなことで話し合いを進めておる段階でございまして、研究調査につきましては十分手を尽くしてできるだけ早い機会に取り上げ得るものは行政的な段階に取り上げていきたいというふうなことを考えておる次第でございます。
○近藤信一君 この学会でも、いろいろと調査した結果を発表し合って、やはり今後の問題として、大気汚染は非常に悪化するという、こういう見通しを持ってやはりばい煙規制や不完全燃焼防止などの根本対策のほかに、やはり各都市の実態に即した具体策とスモッグ予防制度の確立が急務であるというように結論づけられておるわけでありますが、やはりこれからのスモッグの問題は、自動車がだんだんとふえてくるという点からいっても、やはり大きな問題として、これは日本だけの問題じゃなくて、世界的な問題であろうと思うのですが、やはり日本も今のうちにやはりそういう対策をしっかりと立てていただければ、将来大きなことにならないのではないかと思うので、この点はひとつ十分御研究をなさって、一日も早くその万全を期していただきたいと、かように私思うわけなんです。
○久保等君 特に自動車の排気ガスの問題で今質疑が行なわれているのですが、私そのことについて一言ちょっとお願いをしておきたいと思うのですが、自動車の排気ガスの問題で、今アメリカの問題が実例としてあげられておるのですが、私は日本の場合の状況とアメリカの状況とは相当違うと思うのですがね。これはわれわれが経験することなんですが、屋外で、たとえば電車通りあたりでかりに自動車なり、バス、トラックなりのあとを三十分間か一時間もしくっついて行くとすると、これはもう全く煙にむせてついて行けないですよ。ところがアメリカあたりで三十分、一時間かりに車のあとにくっついて行ってみても、私はそれほど直接的にひどいなという感じはしないのですよ。これはまあ車の大体種類がアメリカと日本の場合は問題にならぬ。種々雑多な、しかも大型のバス、トラック、これのひんぱんさ、頻度というものは、これはまことにひどいものだと思うのですよ。したがって、アメリカの場合に、排気ガスについて来年あたり近々その問題が立法化されるとか何とかという段階にあるそうですが、日本の場合の現状というものは、単に車の台数がアメリカと比べてどうとかこうとかという問題でなく、質の面において非常に違った日本の特殊事情があると思うのです。まことに電車通りあたりで二、三十分も立っておりますと、これは全くどうにもならぬほどひどい排気ガスです。内容がどういうものが化学的に含まれているか別として。われわれがそういう体験を通じて考えても、排気ガスの問題については早急に何らかのやはり私は対策を立てなければならぬという状況に置かれていると思うのです。 そこで、学会あたりで研究をして発表されておるような状況ですが、そういった方面とは厚生省は特別連絡をとられたり、そういったデータ等十分に厚生行政の中で生かして参るというような措置はとられておらないのですか。
○政府委員(五十嵐義明君) 学会あるいは役所の関係の付属の研究機関等におきまする各種の研究の成果をできるだけ早く取り上げていきたいという意欲は十分持っております。すでに大臣を囲んで関係の権威の学者にお集まりをいただいて、いろいろとお話を伺うというような機会も持ち、また私ども自身が担当者同士の打合会を持ちまして、そこで意見の交換をし合う、また先ほども申し上げました研究費等を通じまして、新しく開拓していく学問の分野にも協力を求めるというようなことで、いろいろと努力をいたしまして、先生のおっしゃるようなふうにこれを行政に織り込む努力を重ねておるつもりでございまして、まあその点はもう一つ、先ほど通産省からお話のございました現在の条件でやれることをやってほしい。たとえばエンジンの整備でありますとか、あるいは燃料の選択でありますとか、あるいは運転の仕方でありますとか、そういったことについても、道路運送車両法等関係の法律があるわけでございますから、現実にできることなら、できるだけ指導なり自粛なりあるいは注意なりをやっていくということを一方に官庁間で話し合いながら、他方新しい研究を取り入れていくというような方向で努力いたしておる次第であります。
○久保等君 確かに自動車の排気ガスの問題については、これは運輸省あたりも非常に重要な所管庁だと思うのですが、したがって、そういう排気ガスそのものが出ないようにすることは、これは一番好ましいことです。したがって、そういう施設の面について、運輸省所管の技術的な問題もあろうと思うのです。したがって、厚生省だけでやれるという問題ではもちろんないと思いますが、しかし、今日のとにかく実情というものは、御存じのように、これはむしろ私は一刻を争って何とか措置をしなければならぬというふうに非常にひどいものだと思うのです。あのもうもうたる煙を立てながら走っている大型トラックや、バスなんかもありますよ、率直に言って。だからああいう問題については、厚生省は公衆衛生という立場で取り上げるのですが、これは当然運輸省あるいは通産省のほうにも関係があると思うのですが、ここらの三省あたりで十分にひとつ御協議を願って、何らかのやっぱり措置をとっていかないと、人間のみならず、これは街路樹にしたって、樹木にしたって影響が私はたいへんあると思うのです。しかもこれは単にデータをこれから集めるとか何とかいうよりも、これは相当はっきりしたデータが集められると思うのです。今のような深刻な状況を見ますと、よほど時間をかけてよく調べないとどうもわからないという問題ではなくて、被害の点では、害の点でも相当はっきりしたデータが幾らでも集まると思うのです。しかし問題はそれに対してどういう規制をしていくか、あるいは根本的にエンジンその他に対する何らかの改善方法がないか、燃料等の使用について何か規制をするとか、いろいろな方法が考えられると思うのです。しかしいずれにしても、公衆衛生の立場から現実に被害が私はもう起きておると思うのですよ。われわれが事実街頭あたりに立って数時間おることができないほど、非常に交通のひんぱんなところでは、そういう著しい例がまれでない状態に今日あるのですから、ぜひひとつ早急にこの問題を取り上げて何らかの改善をはかってもらいたいと思うのですがね。まあスモッグといっても、空高く舞い上がる以前に、とにかく現実に非常に私はいろいろと害毒を流しておると思います。こういうことについて、積極的に厚生省としてもひとつ取り上げてもらいたいと思います。厚生大臣から。
○国務大臣(西村英一君) せっかくの御意見でございますので、まさにそのとおりでございまして、もう日本といいますか、東京の大気汚染は、この法律の適用外ではございまするが、自動車の排気ガスの問題です。そこで今これはもちろん運輸省でいろいろガスを出さないような研究、機械の開発をやっています。その開発がおくれていると申しますか、それで、いい安くてうまく排気ガスを防ぐ機械が開発されていない。これは車両会社も相当身を入れて今やっておる段階です。そこで日本の場合が外国と比べて悪いのは、ゴー・ストップが非常に多いわけで、そのたびごとにやるのですが、何と申しましても、第一は車両整備です。これは道路車両法でもこの整備の強化を改正をしたようでございます。しかし、それでも絶対にこれは追っつかないと思います。ぜひ機械開発をやるということ。それから私のほうでやっていきたいというのは、一体悪い悪いと言うが、排気ガスの中に含まれておる一酸化炭素がどんな工合であるか、亜硫酸ガスがどんな工合か、その分析をしてみたいと思うので、その機械の開発ができましたので、それをあちらこちら東京でつけます。これはレコーディング・メーターになっておりまして、今までは一時間だけはわかっておったんですが、今度はレコーディング・メーターになっていますから、二六時中カーブが、その一酸化炭素がどういうふうになっておるかということがわかるようになりました。最近試作ができまして、つけて、こんなあれじゃたいへんじゃないかと言えば、自動車の関係に、非常にこれはもっとやらなければならぬということになります。厚生省といたしましても、各省非常に密接な関係がありますので、通産省はもちろん、運輸省、科学技術庁、気象庁ということがありますので、これが今事務的な連絡会議を持たしてやっておりますが、それでなお不十分であるということになれば、もう少し強力な協力体制を作ってやらなければならぬのじゃないかと思っております。いずれにいたしましても、このばい煙の排出の規制法、それ自身がたいへんおくれておるのであります。しかし、十分私のほうとしては、この時点でひとつこれ以上に悪くならないということに気をつけていきたいと思いますから、どうぞ御協力のほどをお願い申し上げたいのでございます。
○久保等君 さらにもう一つ大臣に重ねてお願い申し上げたいと思う。こういった問題は、どうしても各省に関係するところが多いものですから、事務当局で事務連絡会議とかなんとかいってやられることは、もちろんこれは必要だと思います。しかし、そこでは私はやはり問題がなかなか解決しないと思います。やはり高いレベルと言っちゃなんですけれども、やはり閣僚間あたりのところで積極的にこの問題を取り上げてやる、しかも所管省もこれまたいろいろと、どこが一体中心になってやるかという問題ですが、これは私は厚生省のところでやられないと、やはり公害を及ぼす、そこらのところが中心になってやりませんと、どうしても運輸省あるいは通産その他の関係じゃ……、実害の一番把握する場所はどこかと言えば厚生省だと思う。そういう場のところが積極的にこの問題を中心になってひとつ閣僚間の連絡調整をやり、さらに指導的立場をとってやられるという、どっか中心になってやりませんと、なかなか問題が解決の方向に前進しないと思います。ぜひ大臣、今非常に積極的な御発言と御答弁があったのですが、ひとつ早急に改善の方向に持っていけるように御努力をいただくように、私重ねてお願い申し上げたいと思います。
○近藤信一君 産業公害はばい煙のみでなく、やはり水質汚濁、粉塵、騒音、震動、臭気などがあります。水質汚濁については、その効果は別といたしましても、水質の保全法とそれから工場排水規制法がありまして、それから地盤沈下対策としてはこれまた工業用水法や建築物用の地下水の採取規制法がございます。しかし、騒音、震動、臭気等についてはばい煙と同じく公害防止条例という形で地方公共団体で法令に基づく規制を行なっているのです。そういう意味から申しますと、条例すなわち地方公共団体のほうが国よりも一歩進んだ施策をとっているようにも見受けられるのです。しかし、こういう産業公害を防止することは、これは近代国家であり、福祉国家として進もうとするわが国にとりましては、国の責任のもとにこれは規制措置というものを講じなければならないのじゃないかと思うのです。そういう意味からいきましても、一日も早く実効を上げるべきじゃないかと思うのですが、政府の産業公害に対するいわゆる方向というか、この点についてひとつお示しを願いたいと思います。
○国務大臣(西村英一君) 一般的な産業に伴う公害ですが、ばい煙だけについても非常にむずかしい、いわんや騒音とかあるいは臭気とか非常に技術的なむずかしい面があるし、これをまたどう行政の上で取り締まるかという方法論についても非常にむずかしいのでございます。正直なところ、今騒音等についてもあるいは臭気等についても、部分的にはやっておりますけれども、こういう方策があると申し上げるだけの方策を持っておりません。しかしながら、非常なこれは世の中のやかましい問題になりまして、今後また産業の発達につれまして、ぜひひとつ考えなければならない問題だと、かように思っておる次第でございまして、軽視しているわけではございませんが、技術的に、方法的になかなかむずかしい問題があるということだけでございまして、十分政府としては力を注ぎたいとかように考えておる次第でございます。
○近藤信一君 それからもう一つは、水質保全の問題は、特に工場の廃液の問題が中心としてなされておりますけれども、今都市における運河ですね、御承知のように運河の水が非常に汚濁している、そうして異常な臭気を持って環境衛生上非常に私はよくないと思うのです。というのは、やはり都市における屎尿処理の問題等もあろうかと思うのですが、そういう問題について何かお考えを持っておられますか。
○政府委員(五十嵐義明君) 水質の汚濁全般につきましては、これはもちろん経済企画庁が中心になりまして、各省が力を合わせてやっておるわけでありますが、たとえば隅田川が汚ないじゃないか、お茶ノ水という名前にふさわしくないじゃないかというような問題につきましては、確かにこれは単に公共用水域関係の二法と別個にもいろいろ考えなければならない点があると思います。御指摘になりましたごみの問題につきましても、あるいは小工場の廃液の問題等についても、これは都市美化という点から、環境衛生の面をさらに都市美化に結びつけるというようなことでいろいろな試み、動きがあるわけでございます。私どももそういった点で、たとえば隅田川の水をきれいにするというようなことにつきましては、特別な、法律の対策と関連いたしまして、政府で特別な予算を考えるというようなこともございまして、そういった水の浄化というような点につきましても、それぞれの立場で協力して努力をして参る所存でございます。
○近藤信一君 せっかく都市における産業発展上運河が作られていくわけでございまするけれども、それが今では市民の困りものみたいな状態が起こっておるのでありまして、その辺運河の二、三百メートル辺はぷんぷんと異常な臭気がして、非常に住民に対するところの影響というものは悪いのです。特に私どもの名古屋市においてもいろいろと苦労をされておるのですが、なかなかこれは直らないわけですね。こういう点も、私は将来政府として大きく考えていかなければならぬのじゃないかと思うのです。それでなければ、私はただ隅田川のあの川の水質自体がなかなか直らぬということでございまするけれども、運河でいろいろと産業上利用しておる受益者というのか、そういう人はいいかもしないけれども、そこの付近の住民にとっては非常に大きな迷惑を感ずる事態がしばしば見受けられるわけなんです。やはりこういう点、将来何かの処置を講ずるべきじゃないかというふうに思うわけなんです。これはしろうと考えかもしれませんけれども、こういう点にも十分ひとつ御配慮を願っていただきたいと私は思うのです。
○国務大臣(西村英一君) やはり都市計画の最も重要なところでございまして、私の所管じゃございませんが、これはやはり都市計画上、それでそういうようなどぶの水をきたなくせぬのには豊富なる水を得るより仕方がないと思います。豊富な水を得るように政府といたしましては力を注ぎたいというので、先般も水資源の公団も作ったようなわけであります。いずれにいたしましても、やはり流さなければきたなくなるのは当然でございます。都市計画になぜ関連するかというのは、都市計画でその狭い所にどんどん家を建てていく。つまり水の流れを悪くしていく。東京都でも先生御承知のようにちょっと雨が降るとはけ切れません。そういうような状態で現状の悪いことは十分承知をいたしておるが、なかなか多方面にわたることで思うようにいかないのでございまするが、私ども政府の一員といたしまして十分注意をしていきたい、かように考えておる次第でございます。
○奥むめお君 せっかく大臣がお越し下さっているのですから、ちょっとお願いやら御質問やらいたしたいと思います。衛生管理ということから言いまして、大きい産業道路やその他の大きな道はどんどんきれいになっていく。それからビルの大きいものはどんどん建っているけれども、国民生活に一番深い関係のある路地の住宅とかあるいは道とかいうものは、いつまでもきれいにならないのですね。これはオリンピックまでに幾らかきれいになるのでしょうか。これは厚生大臣の管轄じゃないけれども、私はこういうことはやはり金を使わせるのが、どうも産業関係とかあるいは表向きの関係のところを派手にするのには使うけれども、一人々々の国民に利害関係のある衛生問題あるいは衛生をそこなうものの防除というものには非常に少ないと思うのですね。こういう点で、厚生大臣がいつも公害やらあるいは排気ガスの問題やら、水の汚染の問題やらを主張していらっしゃるのは私たいへんうれしいことだと思っております。何でございましょうか、厚生省として、まず予算から聞きたいと思うけれもど、おふろの煙突をそれではきたないものが出ないようにいま少し注意させるとか、条例によって注意させるのでしょうが、これは相当金がかかる問題ですか。予算として厚生省なり東京都なり条例を持っているところはどれくらいの予算をもってそれをしていますか。
○国務大臣(西村英一君) 私もほんとうの専門屋ではございませんが、おふろ場でございますと、今集塵装置は機械式と電気式があるわけです。機械式の集塵装置が非常に発達してくると、これはある程度小規模の煙突でも取りつけて効果は上げられるのですが、私たちの奨励するのは機械式の集塵装置のいいもの、安いものをと、こういうことを私は言っているのですが、現在の状況でございますると、やはり機械式でいろいろ方式はありまするが、ふろ場のボイラーが五十万円ぐらいかかるとすると、煙突の集塵装置がやはり七十万円ぐらい、ボイラーと同じ値段ぐらい、それよりかちょっと上というぐらいの大体見当じゃないかと思いますが、車門屋がおれば何ですが、本体のものを作るよりは、機械式集塵装置をボイラーへつければもう少し、本体よりもうちょっと上の金がかかる、こういうようなものじゃないかと思いますが、機械式の安くてそうして集塵能力のいいものをひとつだれか発明せぬかということを私ハッパをかけているわけでございます。
○奥むめお君 ふろの問題だけでもだいぶ金がかかるらしい。そんなに金がかかったら、今でさえもふろの値上げ問題が出て、またそれが値上げの口実になるおそれが多分にあると思いますね。ですから、いかがですか、局長に伺いますが、ふろの問題だけではなくて、公害防止を含めて、機械を調査、研究なさるのはやってなさるらしいけれども、まだそれは実益にはなっておりませんね。ですから、私どもは実益を持っているわけなんです。求めているわけですよ。もし何か機械を据えるとか、あるいは直すとかいうふうなことでお金がかかるとしたら、先ほどの委員の御発言に対しても、厚生大臣は各省大臣とも大いに緊密な連絡をとってやりますとおっしゃって下さるけれども、はたしてやれるかどうかしらんと思って、はなはだ心細いのですね。役所というものはなかなかそういうことは簡単に進まぬ。ことに金を伴う問題は進まないのじゃないか。ですから、こういう問題をいっそ政府が全部負担するというわけにいかないのですか。条例でいろいろさせる、させるけれども、金が出るのではなかなかできませんね。だからむしろ条例をどんどんやらして、そうして政府がそれにお金をつけるというふうな法政正まではいかないものですかね。
○政府委員(五十嵐義明君) これは考え方の問題でございますが、先生のおっしゃるようなふうにするというのは、今のいろいろな建前から考えまして、非常に無理だというふうに私には考えられますが、ただ、実益を上げるのに手をとまねいていなくても、何か方法があるのじゃないかという点は確かにございます。たとえば、今大臣が御説明されましたようなふうに、ふろ屋の煙突の除塵装置を設けるのにもある程度金がかかりますけれども、これは先ほどの近藤先生の御質問のときにございましたが、法律が規制しておりますものにつきましては、その法に基づいて一定の金融その他の措置が講ぜられておりますが、規制外の条例のものにつきましても、都道府県によりましては、その金融その他の措置を講じておるところが現にあるわけでございまして、そういうような措置を講ずるとか、また実際に除塵装置を設けなくても、黒い煙を出さないということが燃料を最も効率的に使う方法であるというふうに私ども教えられておるわけでございまして、そういうふうにたき方をいろいろ工夫する、またその燃料をいろいろ選ぶ。九州のほうでは無煙ボイラーというふうなものが考えられまして、そういうものも使われておるそうでございます。そういうふうにまあ実益を上げる手近かな方法をいろいろ取り入れていくというようなこともあわせて、これは実施していくべきじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
○奥むめお君 不燃ボイラーって何でございますか。 それからもう一つ続いてお伺いしたいのですが、完全燃焼——石炭の完全燃焼ということがしょっちゅう言われますね。ああいうことはどういうふうになっておりますか。 まず不燃ボイラーから。
○政府委員(五十嵐義明君) 私の発音が悪かったのでございます。無煙ボイラーでございます。
○奥むめお君 わかりました。
○政府委員(五十嵐義明君) 完全燃焼して煙が出ない、あるいは燃料そのものに相当吟味をしまして、煙が出ないようにする、こういうようなことが考えられておるのでございます。
○奥むめお君 まあ日本の機械が自動車の排気ガスなんか考えましたら、機械の構造がよほど悪いからああいうふうなことになるのか、燃料が悪いからああいうふうになるのか、あるいはゴー・ストップが多いから出るのだとおっしゃった言葉がありましたけれども、一体主としてどういうことに原因するとお考えになりますか。
○政府委員(五十嵐義明君) まあ被害を受ける保険衛生の立場からでございますが、これは一つだけの私は理由ではないと思います。やはり幾つかの理由が重なりまして、先ほども申し上げましたように、おふろのかまひとつたくのにも、たき方によって非常に黒い煙の出かたが違う。たとえば東京都の条例でございますと、一時間に何分黒い煙を出してもいいというように、時間と黒さできめておるというような仕組みになっておりますが、そういうふうにたき方、操作でもって改善する余地が出て参ります。またエンジンの整備というようなことによっても問題がある程度改善できる。また燃料そのものについてもいろいろと選択の余地がある。学者の御意見を伺いますと、現在の条件でもやりようによっては相当改善の余地があるのだ、それをまずあわせて努力をしていくべきだということを教えられておるわけでございます。そういったことを各省と連絡をしながら励ましあうと申しますか、お願いをすると申しますか、そういう努力をしておるわけでございます。
○奥むめお君 これはどこの家庭でも困っておる問題ですからね。早急によくしていきたいと思うのですね。まあ善処してもらいたいと思うのですけれども、なぜそんなに行なわれないのでしょう。おそくなるのでしょう。そういう公害防止の具体的な実行がね、なぜおくれてきたのでしょう。金が要るからおくれたとか、あるいは自動車の問題だったら、厚生省はしたいけれども、運輸省はいろいろまた別の立場から文句がある。通産省には通産省の文句があって、要するに先ほど近藤さんも御質問の中でそういうことをおっしゃっていましたけれども、いかがでございますか。
○政府委員(五十嵐義明君) 私の理解いたしますところでは、やはり技術開発という点が一番の問題点じゃないかと思います。この技術開発につきましては、単に実験室で試験管の中でできるということでは問題の解決にならないわけでございまして、これをまあ実用化できるという段階まで技術を開発していく、そういう面でまだまだ問題点が残っておる、これを至急に解決していくことが一つの道である。あわせて先ほど申し上げましたように、現在できることを忠実に実施していくような心がまえをみんなが持っていくということが、一つの道であるとこういうふうに考えておる次第でございます。
○奥むめお君 なぜそれを実行できなかったのか、わかっていらっしゃるのに。一つでも実行したほうが、家庭はずいぶん助かるのですが、どうですか。
○政府委員(五十嵐義明君) これは私どもの立場でその実行をいろいろお願いをしておるわけでございます。各省はそれぞれ講習会をやり、あるいは指導をし、エンジンの整備をいたしますとか、あるいは運転の正常化につきましても努力をいたしてきておりますので、逐次私は改善されておるものと存じているわけでございますが、なお、これは百点までいっているかと申しますと、その余地が残されておる、こういうふうに考えております。
○阿部竹松君 奥委員のお尋ねに関連してお尋ねします。今、厚生省の局長さんですかの御答弁によりますと、被害者というような御言葉をお使いになって、厚生省が被害者という立場になれば、加害者は通産省、都になるかもわかりません。そこで私、奥委員のお尋ね、局長さんの御答弁を聞いていると、ばい煙を防ぐいろいろな質疑応答の中にいわゆる技術的におくれておるというお話、あなたがそういう御解釈であれば、これは通産省と交渉しているか、大工場にお話をしているかわかりませんが、しかし、そういうようなことじゃないわけです。東京の深川の工場に行ってごらんなさい。発電所にちゃんとばい煙装置をして煙が出ない、ちゃんと技術的にも物理的にもみなできることになっている。それをできるのをやっておらぬわけです。あなたのような御答弁は、奥委員の質問に対する御答弁にならない。ちゃんとできるにもかかわらず、ほおかぶりしている。ですからあなたの御見解が正しいとすれば、あなたが知らないから、被害者の立場から加害者にものを申すことができないということになるわけです。したがって、そういう点に関連してお尋ねするわけですから、これ以上お尋ねしませんけれども、結局問題として今日の段階では、亜硫酸ガスを含むばい煙にしても、あるいは一酸化炭素を含むばい煙にしても、全部吸収できるような設備ができることになっている。それをやっていないのが今日の現状で、学問的にも物理的にもできないという段階ではないわけです。そうでしょう。ですからどうも私は、奥委員の質問に対する御答弁は納得できないのです。
○政府委員(五十嵐義明君) 私の御説明に少し不備な点がございましたと思いますが、確かに大工場のばい煙等につきましては、先生のおっしゃるとおり九八、九%までこれを取り除く施設ができておりまして、これは今度の法律の規定に基づく排出基準におきましても、そういった非常に高度のものを大規模の工場の発生施設については取り入れなければ、基準が守られないような、そういう政令並びに排出基準をきめていこうという考え方に立っているわけでございますが、研究がおくれておると申し上げましたのは、たとえば自動車の排気ガスの問題でございますとか、あるいは亜硫酸ガス自体の吸収除去の問題でございますとか、そういった問題につきましては、まだまだおくれておる点があるわけでございまして、先生のおっしゃるような発電所とか、あるいは大企業の煙突等につきましては、確かに先生のおっしゃるとおりの施設を今後取りつけてばい煙を防いでいくことができると、かように考えておるわけでございます。
○阿部竹松君 ということなんですが、それをやっておらぬ。大工場でどこもやっておらぬ。私の知っているところでは、九八%という数字をおあげになったが、九八%やっておらぬのですよ。やっておるところは二%ぐらい、本ものやっているところはもうほとんど二%か三%、日本国じゅうで。したがっておそらく、端的に申し上げれば、これは金がかかるからやらないわけです。特に電気会社等においては、公益事業の電気事業法でかかっただけ払いましょうという法律があるにもかかわらず、経営を黒字にするためん今までは条例に基づいてやっておったわけでございますので、非常に良心的に研究をしまして、成果を上げておりますところと、そうでないところとがあるわけでございます。たとえば、山口県の宇部などはかつては日本で一番たくさんの粉塵を降下しておったのでございますけれども、それが非常な努力によりまして、今はもうかえって他の都市の模範となるというような状況になっている。また八幡市の煙突なども非常にいい成績を上げているというふうに聞いているわけでございまして、そのようなふうに今度の法律の規制によりまして持って参りたいというのが私どもの念願でございますのにやっておらぬのが実情なんです。ですから、大企業さえこれがとにかく実態なんですから、いみじくも被害者という言葉をお使いになったのですから、今後、徹底的におやりになっていただきたい。
○政府委員(五十嵐義明君) 私の使いました言葉が不穏当でございましたら改めさしていただきたいと思いますが、確かに先生のおっしゃいますとおり、日本の除塵装置の実施状況もいろいろ非常にまちまちでございまして、もちろで、さように進めさせていただきたいと、かように考えております。
○委員長(赤間文三君) ほかに御発言もなければ、本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。 これで散会をいたします。 午後三時十三分散会 —————・—————