商工委員会 第22号
- 発言数
- 32 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/05/14
会議録
○委員長(赤間文三君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず、委員長より、理事打合会の協議事項について御報告を申し上げます。 本日は、採石法の一部を改正する法律案の質疑を行なうことになりましたから、御了承願います。 —————————————
○委員長(赤間文三君) 次に、委員の異動について御報告をいたします。 去る十日、亀井光君が辞任され、武藤常介君がその補欠として選任されました。 —————————————
○委員長(赤間文三君) 採石法の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○阿部竹松君 前回の委員会で法文の内容について承りましたが、その御答弁の中に、この採石をやっておる労務者がけい石、こういうのがあるのですから、これによってけい肺、じん肺病にかかった場合、終生これはなおらないということを聞いておりますし、当日、労働省の担当課長にもおいでを願ってお尋ねをしたわけですが、そのとおりという御答弁がございましたので、そういう終生なおらぬという作業を認容しておくという点についてどうかと思うわけです。これは厚生省なり、労働省の管轄かもしれませんが、その現場、職場は大臣の管轄ですから、こういう点についてあまり野放しにしておくきらいがあるのではないかという点を考えるのですが、いかがですか。
○国務大臣(福田一君) 職場において、そういうような終生なおらないような病気が起きるというような事態が非常に大きいプロバビリティで起きてくるような場合ということであれば、これはもう当然考えなければいけないということになると思うのでありますが、しかし、これはたとえば——たとえばの話ですが百人の従業員がいるうちで三人とか五人がかかるというような程度であった場合において、そういう仕事またそういう仕事のやり方を全部全面的に禁止するとか、あるいは仕事のやり方を変えさせるというところまでいくべきかどうかということは私は問題があると思うのでありまして、今、阿部さんの言われたお気持もよくわかるのでありますが、そういう意味での実態を十分に調査した上でしかるべき措置に出たいと私は考えております。ただ、具体的にまだ私は事務局のほうからそういう採石業に従事した人がどの程度けい肺病にかかっておるかということの数字を聞いておりませんので、あるいはお答えにはなっておらないかと思いますけれども、態度としては先ほど申し上げたようなことでいくべきだと、かように考えておるわけでございます。
○阿部竹松君 私も深く調べたわけではありませんけれども、この採石ですね、取るほう、それから建設石材として、たとえばビルならビル、建築物を建てる、こういう人が、年々けい肺、じん肺でなくなっているわけです。一番いい例がこの国会ですが、国会の中央部は全部石なんです。これ四十万個あるそうです。国会の建物の石は東洋一、二番目が三井ビルで十万個、この建築物を建てるとき二万数千名おったらしいのです。厳密にいうと二万三千幾らという話ですが、二万数千名おった。それが今では、万のほうがなくなって二千幾らしか東京におらない。もちろん関東近県におるわけですが、それがほとんどけい肺、じん肺でなくなっている。けい肺が起きると結核が起きることが多いですから、この法案と直接関係ありませんけれども、何らかの措置を講じてやらなければいけないんではないかということで、この点を大臣にお話しするのは初めてですが、前尾さん当時、ちょうど鉱業法の一部改正が出たものですから、鉱業法の改正の中で、ひとつ立法化して、そういう気の毒な方を守ってやってはいかがですかという御意見を出しましたが、考慮検討ということで、そのとき終わっている。また法律が出てきたから、思いついてお尋ねし、お話するわけではないのですが、それが実態なんですよ。ですから、これは何か法をもって規制しなければ、なかなかこの種のものは終生なおらぬわけですから、御承知のとおり防ぐことはできない。これは採石現場も建築現場も同じです。石を取ればよかろうと、こういうことじゃないと思うんです。その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(福田一君) おっしゃるとおりでございまして、私としてもそういうことの具体的な数字、それから実情を明らかにしておりませんが、しかし、事実問題としては、そういうことを労働省のほうで非常に関心を持っておりまして、今具体的にその問題について労働省のほうで検討をいたしております。われわれとしても、あなたのそういうお話がございましたので、特にまた労働省によく研究をして対策を講ずるように申し伝えるようにしたいと思います。
○阿部竹松君 なるほど大臣のおっしゃるとおりですね。これは労働省のほうでやっています。しかし、労働省でやっておるのは、基準局で、工場労働者と同じに取り扱われているのです。そういう面で、罹災者に対してどう保護するかということで、じん肺法ということでやっているわけです。私の大臣にお話ししているのは、かかってしまうと、じん肺法によって三年間みてあげるということになっておるのですが、かかってしまったら三年みて、あと打ち切りになって苦しんでなくなっていく以外にないのですから、これを通産省のほうで、鉱山局御当局で、かからぬような予防措置を諸外国のようにおやりになったらどうですか。そうするためには、これは全然鉱業法に含まれておりませんから、鉱山保安法で一般工場労働者と同じだということになっておりますから、その点は改正して、厳重に規制して、発病を防ぐような方法ができないか、こういうことですが。
○国務大臣(福田一君) 実態を十分調査させて、もしお説のとおりでございますれば、ひとつ対策を考えてみたいと思います。
○阿部竹松君 変えるということは、そのとおりであれば変えるということは、鉱業法改正のときに、私の言うとおりであれば変えると、こういうことですね。
○国務大臣(福田一君) 調査をした上で、いかなる措置をとるかということをきめていきたいということで、鉱業法とは今直接私は関係しておらないのであります。
○阿部竹松君 局長、それでいいですか。
○政府委員(川出千速君) 工場のほうも鉱山のほうも、そこに従事する人の衛生に関することは、現在労働省の所管になっておりますので、鉱業に入ったから通産省の所管ということになっていないものですから、その点だけ申し上げておきます。
○近藤信一君 ちょっとお尋ねしておきたいのですが、今度鉱業法の改正がございますると、酸性白土やそれからベントナイトとともに、陶石も鉱業法の法定鉱物に追加されると、こういう話だということですが、今まで採石法の対象になっていた陶石が、鉱業法の改正によりまして鉱業法に移されると、今度鉱業権を付与されなければ採掘することができないと、こういうことになりますが、これはいうまでもなく陶石は陶磁器の原料でございますから、鉱業法の対象鉱石と、こういうことになったために、今度採掘についての取り締まりが厳重になってくると、こういうふうに思うのですが、そうしますと、採掘しにくくなることは当然でございますし、原料もだんだんと減ってくるということになるから、自然と今度製品というものは高くなる、原料も高くなると、こういう結果になると思うのですが、その点はどうですか。
○政府委員(川出千速君) 鉱業法の改正につきましては、まだ政府部内でも案を検討中でございまして、最終的に国会に出す運びになっておりませんが、鉱業法改正審議会の答申によりますと、ただいま御指摘のように陶石あるいは酸性白土等を法定鉱物に追加をしたらどうかという答申がなされております。その線に沿って改正をいたしておるわけでございます。 法定鉱物に追加されますと、保護の度合いが強くなりますが、同時に監督は強化されるわけでございまして、陶石等の国民経済上におけるウエートが高くなることに着眼をして、鉱物に追加をするわけでございますので、国の保護等は当然従来よりも厚くなるわけでございます。法定鉱物になったがために価格が上がる、あるいは生産が少なくなるというようなことはないわけでございまして、むしろ生産もふえる、需要もふえて参るわけでございますから、そういう点に着目をして追加するわけでいますので、そのような事態はないかと思っております。また、ないように行政指導しなければいけないと思っております。
○近藤信一君 陶石を採掘したあと、この事業場の、これは資料が出ていますが、どもしろうとが見て非常に危険じゃないかと感ずるような個所がずいぶん見受けられるのですが、そういう点に対する何か指導というようなことは、やっていますか。
○政府委員(川出千速君) 現在は鉱業法の適用を受けておりませんので、その作業の方法について特別の事前の監督という制度はないわけでございます。実際上の行政指導なり監督はいたしております。法規に基づく監督はないわけでございます。鉱業法上の鉱物となりますと、これは施業案の認可なりその他に関しまして厳重な監督を受けることになっております。
○近藤信一君 公害の問題もそういう点から起こってくると思うのです。したがって鉱業法が改正になればそうう問題なんか解消されていくのですか。
○政府委員(川出千速君) 鉱業法の鉱物になりますと、これは例外なく作業につきましてはあらかじめ施業案の認可を受けなければなりませんし、今度の鉱業法の改正によりますと、さらにこの監督は強化される案になろうかと思っております。したがって従来の採石業よりは監督ははるかに厳重になろうかと思います。
○近藤信一君 いただいた資料の中に、「最近における採石業と公益等との紛争事例」の資料ですね、これを見ますと、指示したり勧告したりということが相当あるわけなんです。具体的に解決したというのも若干あるようでございますが、この指示したり監督したり、その結果その後におけるあれは何も出ていないのですが、これをちょっと説明していただけませんか。
○政府委員(川出千速君) これは採石業の届け出を受けておりますのは通商産業局長でございまして、通商産業局のほうから報告を過去において受けました事例を掲げたわけでございまして、現在の採石法の運用、あるいは行政指導と申しますか、それによりまして解決した事例もあるということでございます。
○近藤信一君 通商産業局長のほうの管轄で、鉱山局のあれでないから、こういうことになっていると思うのですが、この中にはやはり具体的に対策を立てたのと、勧告、指示した、そのしっぱなしというのとありますね。それはあなたのほうでは通産局のほうから何か資料をもらっていないのですか。
○政府委員(川出千速君) これは全国の地方通産局長から報告を取ったものでございまして、実際問題としましては現地で解決をした事例でございます。
○近藤信一君 これは阿部君の質問に重複するかもしれません、私ちょっと席をはずしておりましたので。今度の改正の中で「採石法の概要」の中の内容、これの2に、「他人の土地において」云々とありまして、それから「所有者がこれを拒否したときは、通商産業局長の決定により強制的に採石権の設定をすることができる途を開いたこと」こうあるのですが、強制的に採石権の設定をするということはどういうことですか。人の土地を勝手に強制的にできるのですか、法的に。
○政府委員(川出千速君) これは非常に簡単に書いてございますが、採石権の設定は、これは土地所有者と採石業者との間に行なわれる任意の契約でございます。土地所有者との間にいろいろ話がつかない場合に、採石法に基づきまして通産局長の許可を受けた上で、採石権の設定につきまして協議をすることができることになっておまりす。それで協議が整わない場合には、通産局長に採石権の設定につきまして裁定を求めることができることになっております。通産局長は公聴会を開き、よく意見を聞いた上で裁定を下すことができるわけでございます。したがって、これは任意契約をいわば強制することになりますので、強制設定というような表現をとったわけでございます。実際問題といたしましては、事例としては現在一つもないわけでございます。
○近藤信一君 まあ御説明でよくわかりますけれども、任意契約で人の土地を採掘するわけですけれども、やはりいろいろ紛争が解決できないとき、人の土地を強制的にやるということは、僕はこれはちっとどうかと思ったのだけれども、そこまで重要なこととあなたのほうではお考えになっておられるのですか。
○政府委員(川出千速君) 採石法の対象になっております岩石もやはり一種の地下資源でございまして、これは経済的に有効に使うことが必要だと思いますが、それを有効に使う場合に、土地の所有者がやる場合には、これは問題が起きないわけでございます。土地所有者以外のものが開発しようとします場合に、多くの場合には賃借権で行なわれているのが実例でございますけれども、場合によりまして土地所有者がどうしてもそういう契約に応じないような場合は、国土の資源開発という点に着目いたしまして合理的に開発をするためには、例外的にこれは通産局長が裁定するわけでございますので、両方の言い分なり利害関係等を比較考量の上で公平な立場でやるわけでございますので、そういう例外的な道を開いておいてもいいんではないかというのが現行採石法の建前でございます。ただし、そういうような事例は現在のところ、まだ一件もないということでございます。
○近藤信一君 この場合は、おおむねダム関係の山で採石する場合ですね、こういう場合が多いと私は思うのですがどうですか。
○政府委員(川出千速君) いろいろな場合があると思いますけれども、ただいま御指摘のような例も相当あるかと思います。
○近藤信一君 それから土地所有権、土地の賃借権、これはどちらでもいいということですか、採石権を設定する場合。
○政府委員(川出千速君) 鉱業法の鉱物の場合には、鉱業権を国から設定されないと、これは鉱物掘採ができないわけでございますが、岩石の場合でございますと、土地所有者は当然に土地所有権の一部でございますので掘採ができるわけでございます。土地所有者以外の人が掘採をする場合には、土地所有者になるか、あるいは賃貸で借りて掘採をするか、あるいは採石権を土地所有権の上に設定をいたしまして掘採をするということで、三通りの方法があると思います。土地所有権と、土地賃借権、それから採石権、三つの方法があると思います。
○委員長(赤間文三君) ほかに御質問がございませんか。——なければきょうはこの程度で散会いたします。 午後二時二十分散会