商工委員会 第21号
- 発言数
- 109 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/05/09
会議録
○委員長(赤間文三君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず、委員長及び理事打ち合わせの協議いたしました事項について報告を申し上げます。 まず、本日の打ち合わせましたことは、理事の辞任許可及び補欠互選の件、それからスーパーマーケット法案(参第三〇号)について提案理由の説明を聴取する。それから採石法の一部を改正する法律案(閣法第一五二号)の御質疑をお願いする、こういうことに大体委員長及び理事打合会では打ち合わせをいたしたのでございます。
○委員長(赤間文三君) それではこれから議事に入ります。 まず、理事の辞任許可に関する件について皆様方にお諮りを申し上げます。 上原正吉君から都合によって理事を辞任いたしたい旨の申し出がございましたが、これを許可することに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたしました。 つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じます。 互選の方法につきましては、従来の慣例によりまして、便宜その指名を委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんですか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認めます。 それでは、私から川上為治君を理事に指名をいたします。御了承を願います。 —————————————
○委員長(赤間文三君) 次に、去る五月六日本委員会に付託になりましたスーパーマーケット法案を議題といたします。 発議者から、この提案の理由の説明を聴取いたしたいと存じます。向井長年君。
○向井長年君 ただいま議題となりましたスーパーマーケット法案の提案理由の説明をいたしたいと存じます。一、スーパーマーケット進出の実態 最近、流通革命という流行語ができ、その特徴的な内容として、セルフサービス方式をとるスーパーマーケットやスーパーストアの出現が大きな問題として、取り上げられております。 セルフサービス小売店の続出する原因として、労働力不足が次第に表面化してきたので、多くの店員によるサービス販売が困難になった点、消費財の大量生産が進んできたので従来のメーカー、卸、小売という流通機構ではさばき切れなくなった点、また消費者購買力が手間のかからない半成品や加工品の食料の買いだめをするようになってきた点、さらに、金融の安定性のない中小問屋筋の換金投げ売りが安売り店の開設に拍車をかけた点などをあげることができます。 これらのセルフサービス店の数は、昨年十二月現在で二千六百八十二店といわれ、そのうち年間売上高一億円以上の店が三百八十三店といわれております。この数は、全国百三十万の九一%を占める従業員四人以下の小売商店数から見れば僅少でありますが、売上高の点で中小小売店を強く圧迫し始めていることは明直な事実となっております。すでに百貨店、私鉄その他の大資本がセルフサービス店経営に多数進出してきております。また昨年は、米国の有力セルフサービス店資本が進出してくるという計画が漏れて、ついに重大な社会的問題にまでなった事実があります。 今後、消費購買力の伸びに見合って、ますますセルフサービス店が多くなり、かつ大資本でこの分野に進出するものも多くなるのは必至となっております。二、スーパーマーケット法制定の必要 今や、いわゆるスーパーマーケット、スーパーストアといわれるセルフサービス方式の小売商経営を野放しに開店させるのでなく、一方において、従来からの中小規模の小売業者の経営権を守り、しかも他方においては、これらの従来からの中小小売業者を含めて小売商業全体の正常かつ合理的な発展をはかる見地に立って、これらセルフサービス経営について政策上の強力な指導方針の確立が必要となってきております。 本国会に提出されている政府、社会党及びわが民主社会党がそれぞれ提出している中小企業基本法案には、それぞれ中小規模の小売商業者の経営近代化と事業機会の確保について触れております。したがって、基本法関連法規として、緊急を要するスーパーマーケット対策の法制化が必要なはずであります。 わが民主社会党提出の基本法案の第十三条では、国は「小売業に関する流通秩序の正常化を図るため、積極的な施策を講じなければならない。」また国は、中小企業者を直接または間接に圧迫する大企業者の事業活動を予防かつ抑制し、大企業者の事業活動により受ける圧迫を排除するための措置をとらなければならない旨を明記いたしましたが、ここに提出したスーパーマーケット法案は、この基本法案の方針に基づき、かつ緊急を要するその方針の具体策として立案したものであります。三、本案の概要 本案は本来、現行の小売商業調整特別措置法の改正事項でありますが、あえて単独法案として立法した理由は、スーパーマーケット進出の一面には、百貨店の進出と同じく、大資本が中小企業の事業活動の機会を奪い去るおそれが強いので、百貨店法に準じて、スーパーマーケット業の事業活動を調整する法規を新しく制定したほうが、政策の運用、法体系の整備の両面から見て効果が高いからであります。 第一に、本案はスーパーマーケット業とは、日常生活必需品を多品目にわたってセルフサービス方式で小売りし、経営面積が二百平方メートル以上で、しかも百貨店法に規定する経営面積以下のものとして規定しました。(第二条)最低面積を二百平方メートルとした理由は、おもなる商品が食料品であれ衣料品であれ、セルフサービス方式をとり経営の合理性を保つには最低これだけの面積が物理的に必要だからであります。このような規定方法によりまして、スーパーマーケット、スーパーストア、などと呼ばれるすべてのセルフサービス店を、すべて法制上のスーパーマーケット業として包含しました。 第二に、スーパーマーケット業の、営業の許可、許可の申請、許可の基準、特定の営業方法の許可等(第三条から第八条、第十一条)の規定につきましては、すべて通産大臣の許可事項とし、大臣は、商工会議所や中小商業者の意見を聞いて、中小小売商業者の事業活動の利益を著しく害するおそれのある場合は、許可してはならないことにしました。この規定によりまして、中小小売商業者の経営近代化の一方法としてスーパーマーケット業に転化するものに対しては、できるだけこれを助成していくが、他地域から割り込んでくる大資本の進出については慎重に許可するかしないかを検討してのち決定することにいたしました。 第三に、開設されたスーパーマーケット業者が中小小売商業者に著しく影響するような営業方法をとった場合には、その行為をしないよう勧告し、また許可されていない営業方法で営業している場合は営業の許可取り消しや営業停止を命ずることができることにしました。これは、いったん営業を許可されて開業したスーパーマーケット業者の資本力が強大になれば、経営方法が変質して中小小売商圧迫になるおそれが十分あるからであります。 第四に、スーパーマーケット業者に対する法制上の営業停止、取り消しなどの処分をする場合には、処分について予告し、公開聴聞会を開いて、処分の公平をはかることにします。 第五に、地域的な案件処理について、通産大臣権限を都道府県知事に委任し、また都道府県は、都道府県スーパーマーケット審議会を設置して委任事項について調査審議させることにしました。 以上がスーパーマーケット法案の概要であります。何とぞ慎重審議の上、御賛同あらんことを切望して説明を終わります。
○委員長(赤間文三君) 以上で提案理由の説明は終了をいたしました。自後の審査は後日に譲ることといたします。 —————————————
○委員長(赤間文三君) 次に、採石法の一部を改正する法律案を議題に供します。 前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言をお願いいたします。
○阿部竹松君 労働省の担当の方にお尋ねいたしますが、採石業ですね、まあ、国内に六千ほどあるようですが、けい肺、じん肺の患者が相当出るわけです。その実情について若干御説明をいただきたいのですが。
○説明員(小鴨光男君) 先生御承知のように、採石関係につきましては、けい肺患者が相当おるということでございますが、けい肺法を当初三十年ごろに作り、それがさらに発展いたしまして、現在じん肺法という法律になっております。これにつきまして、予防措置、健康診断というものを中心として、規正しておるわけでございますが、もちろん採石法関係の適用を受けますところの事業及びそこで働く労働者につきまして、けい肺という職業病というものの発生が過去のケースで相当ございます。これの適用によって現在じん肺の治療対策、そういうものを実施しておるわけでございます。現在三十六年末で防災法に基づきますところのけい肺患者数というのが約千七百擁しておる状況でございます。
○阿部竹松君 採石業は、これは鉱業法によってやられるわけじゃないのですね。鉱業法ですと当然鉱山保安法に基づいてそれぞれ処置される。しかし、この採石の場合には鉱山保安法によってやらないのですから、一般工場労働者と同じように管理されておるわけです。今あなたのおっしゃったじん肺というのはあるかどうか、わからないのですか、脊損患者あるいはけい肺ですね、これは栃木県の鬼怒川に参りましても、神奈川県の箱根療養所に参りましても、相当数が大体採石業をやった人々なんですね。どういう方法で予防措置を講じておるのですか。
○説明員(小鴨光男君) ただいま申し上げましたように採石関係というものにつきましては、これの災害防止、これはもちろん労働基準法の適用を受けます事業でございますので、それに基づきます労働安全衛生規則というものによって災害の発生を国の監督によって防止しておるわけでございます。もちろんじん肺は、これは職業性の疾病でございますので、それらの予防対策を講じましても、なおかつそういう疾病にかかった方々につきましては、今先用御指摘のとおり、それぞれのけい肺の病院、施設、これによって予防、治療を実施しておるという状況でございます。
○阿部竹松君 私のお尋ねしておるのは、どういうような予防措置を講じておるのですかと、こういうことなんです。
○説明員(小鴨光男君) じん肺法によりますと、まず第一番目には、衛生管理者を設け、それからこれらの粉塵作業場で働く者に対しては、定期の健康診断を受けるあるいはその粉塵作業を行ないますところの事業場に雇われますときに、いわゆる就業の際に、やはり同じ健康診断を受ける、これは普通一般の健康診断とは違いまして、心肺機能検査、その他のじん肺発生の所見を確かめるための特別な健康診断でございます。それからもう一つは、作業中におきまして、いわゆる粉塵を吸わないという防止対策として、いろいろの吸塵装置ないしそれぞれ個々の労働者の保護具、こういうものを備えつけるということによって粉塵の吸入をできるだけ少なくする、こういうことでじん肺法はいろいろ対策を講じておるわけでございます。
○阿部竹松君 鉱山局から出た資料によると相当個所があるから、一つの個所をもって例証として取り上げて論議するのは、これは不適当かと思いますが、私の知っておるのは、栃木県の大谷石を採石しているところですね。そこはあなたの御答弁のあったような、初め健康診断やるとか、粉塵を吸収しない処置、それを全然講じておらぬというように承っておるのですが、今の答弁はちょっと納得できないのですがね。私の知っておるほうが誤りであって、あなたの御答弁が正しいのですか。
○説明員(小鴨光男君) 大谷石の採石場、これはまさにじん肺法に規定しておりますところの予防措置の対象になる事業場かと存じます。したがいまして、栃木の基準局並びに宇都宮の監督署におきましては、これはこの採石場を実は重点としてじん肺法の予防対策を実施しておる段階と承知しておるわけでございます。私どもの報告によりますれば、保護具というものはほとんど全部備えつけておるという状況でございます。ただ採石するために用いますところのチェーン・ソー、あるいは丸のこを使用する場合に、いわゆる湿式工法によりましてそういう粉塵の発化を防止する措置をとるというのが一番理想的でございますが、なかなか技術的に困難な点もあるというふうに承知しておりますので、現在は採石機に局所吸塵装置というものを取りつけるということについて現在指導中でございます。その他個々の労働者に対する保護具の装着という点については、使用者側に対して十分監督あるいは指導をしておるというふうに存じております。
○阿部竹松君 宇都宮監督署でどういう報告をなさったかわからぬのですが、私は現地を何カ所か見た。あなたの今の御答弁のようになっておらぬ。大体千七百名おるけい肺患者ですね。このうち大体今論議されようとする採石業、それから造船、あるいは金属鉱山、こういうところが大体対象になるのですが、七割まで採石業なんでしょう。そうじゃないですか。そうすると、あなたのおっしゃるようなことに現地はなっておらないのです。これは机上の空論じゃないですか。
○説明員(小鴨光男君) ただいま先生御指摘の点について、私どものほうの現地からの報告によりますれば、特に災害の防止の問題、いわゆる落盤、その他によって労働者がけがをするという点、それから今問題になっております粉塵の発生を極力押えるという点、この二つについて重点を置いて監督し、また指導しておるつもりでございますけれども、あるいは二、三そういう点もあろうかと存じますが、いわゆる保護具の装着という点につきましては、現地においてこれを重点的に監督、指導しておるというふうに存じております。なお、至らない点につきましては、さっそく現地と連絡いたしまして、そういう点について今後とも十分努力したいと存じております。
○阿部竹松君 衛生管理者を置いておるというお話ですが、どういう人が衛生管理者なのか。
○説明員(小鴨光男君) これは労働安全衛生規則によりまして、五十人以上の事業場について衛生管理者を一名以上置くということになっております。これは一定の資格を有する者という者を監督署の認定を受けまして選定するというふうになっておるわけでございます。特に医学上の知識を有する者、特に医師という者がほとんど大部分だというふうに規定しておるわけでございます。それによって選任しているわけでございます。ただ大谷石の事業場におきましては、五十人未満の労働者を使用しております小規模の分野もございますので、これについては、法律上の義務は課してございません。しかし、事案の性質上にかんがみまして、私どもは五十人以下の小事業場でございましても、それらが共同して衛生管理者を選任いたしますように指導勧奨し、また現に、特に大谷石の地区におきましては、そういう方々を共同衛生管理者として選任しておるという状況でございます。
○阿部竹松君 そうすると、五十名以下のところはないわけですが、通産省から出ている資料によると、五十名以下のところが相当ある。したがいまして、今御答弁があったような衛生管理者のおらぬところが相当あるわけですが、健康診断その他の資料はございますか、と同時に、小鴨課長さんは現地を一度でも視察なさったことがございますか。
○説明員(小鴨光男君) 健康診断の結果の詳細な内容については、ただいま手元に資料はございませんので、後刻報告したいと存じます。 私は、実は昭和二十七、八年ごろに、例の女子年少者の坑内労働ということが当時非常に問題になりまして、その面から一度行ったことを記憶してございますが、恐縮ですが、最近においてはございません。ただ現地からの報告、特に昨年の陥没事故に対して、現地からの局長を呼びまして、いろいろその実情について詳細報告は受けました。
○阿部竹松君 採石業に携わって長年働いてこられた方で、けい肺患者がきわめて多いわけですね。それで鬼怒川なり箱根、あるいは佐世保、こういうところに行って病院にかかっておるんですが、けい肺法の保健で、国の補償で療養を受けている人がたくさんある。しかし、今のけい肺法ではなかなか完全な保護措置といえない。あなたにお尋ねするのは無理だと思いますので、次回に大臣でも御出席願ってお尋ねしなければならぬわけですが、今のけい肺法で十分な措置だとはお考えになっておらぬでしょうね、労働省は。
○説明員(小鴨光男君) けい肺法並びにそれが発展しましてじん肺法となりまして数年を経過しておるわけでございますけれども、なお、その予防措置並びに給付の状態ということについて、十分でないということについては承知しております。またそれについてのいろいろの改正の意見ということもありますことは承知しております。予防措置につきましては、最近の医学の発達によりまして相当の効果を上げるというような実証をつかまえておりますので、実は活動性の結核といいますか、結核がこれと並行して発生した場合の進行度合いというものを防止する措置ということについては、最近労働衛生課のほうからそれぞれ関係局にその予防措置について通達は出しております。給付面については、これは実はいわゆる長期の給付制度というものも、前の労災法の改正において実現できたわけでございますが、特にけい肺という長期療養の問題につきましては、労災保険審議会——現在私どものほうにありますところの公労使三者によって構成されておりますところの労災補償審議会において、実は根本的な検討をしておる段階でございますので、これらの改正の意見というものをも十分参酌いたしまして、現在検討し、今後もそれをなるべく実現するようにやっておる段階でございます。
○阿部竹松君 小鴨さんはそう答弁されるのですが、あまり労災保険審議会は開かれておらぬらしい。私の言うのがうそであったら反駁して下さい。開かれておらぬ。それから、予防措置、予防措置とおっしゃるのですが、私の承知しておる限りでは、粉塵マスクが精一ぱいです。あなたは、医学が進歩した、予防措置を講ずべきである、こうおっしゃるが、いかなる方法で予防措置を講じていらっしゃるのですか、その粉塵マスク以外に。
○説明員(小鴨光男君) じん肺のいわゆる根本的な防止という予防措置につきましては、先生御承知のとおり、非常にむずかしい問題があるということは、われわれも承知しておるつもりでございますけれども、例のけい肺に肺結核というものが併発いたしました場合においては、そのけい肺というものが非常に進行するということが医学上の常識になっております。その肺結核の面においてこれを予防するという点についてのいろいろの投薬その他の問題については、ようやくこれを実験上の問題として実施でき得る段階にあるというふうに承知しておりますので、その面についてその進行をとめる、あるいは停止をさせるということについての具体的な行政措置というものも、実は先ほど申し上げましたとおり、各現地に通達いたしたわけでございます。もちろん全般的なじん肺を根本的になくすという対策については検討はしておりますけれども、なかなか困難であるということについては、私も承知しております。なお、今後も検討いたしたいと思います。
○阿部竹松君 課長さんはお医者さんでないから、こういうことをお尋ねするのは無理かもしれませんが、じん肺、けい肺にかかったら一生なおらないのでしょう。病院に入れてもスタミナをつけて、まあ端的な話で恐縮なんですが、三年生命が保つのを四年あるいは五年保つという程度で、一ぺん三症度、四症度になれば永久にもうなおらないのでしょう。あなたは研究とかなんとかおっしゃるけれども、なおるのですか。
○説明員(小鴨光男君) けい肺法を作りました当時におきまして、もちろんこれは不治の病だということは、残念ながら当時いわれておったわけでございます。現在においても、それが根本的に変わったということはいい得ない段階であることは私どもも承知しておるわけでございますが、ただ、先ほどから申しておりますように、肺結核がこれに合併いたしまして症状が進行するということは、ある程度とめ得るというような段階にきておるということは承知しておるわけでございます。じん肺そのものの医学的な知識については私はしろうとでございますので、これ以上申し上げられませんけれども、そういうものを含めての予防措置というものもできるだけ現実化したいということで、現在私どものほうにおきましても検討中である、こういうことを申し上げておきたいと思います。
○阿部竹松君 これ以上申しげられませんというと、知らないためか、それとも速記に残るのが都合が悪いので答弁がないかわからぬのですが、結核、結核とおっしゃるけれども、確かにけい肺なりじん肺にかかると、結核を併発するおそれは多分にあるわけです。しかし、結核と別個のけい肺、じん肺もあるのですから——結核はなおる。これはもう現在の医学が証明しておる。しかしけい肺は絶対なおりません。ですから、その点はどうなのですかというのです。
○説明員(小鴨光男君) 残念ながら私どもの承知している限りでは、そのとおりだと存じております。
○阿部竹松君 そうしますと、大体国で補償しているこれら患者に対しての保護措置はどの程度やっておられるのですか。
○説明員(小鴨光男君) 先ほど申し上げましたように、じん肺法におきましては、いわゆる吸塵装置あるいは湿式工法というようなことによって、現場の作業においてなるべく粉塵の発生を防止するということが一つ。この労働者に対して防護具を装着させるということが一つであります。それからできるだけ早期にけい肺患者を発見するために、そのような粉塵作業において労働するという場合において、その作業の際に健康診断を受けさせる。それから年一回定期の健康診断を受けさせる。それから症度が二度、三度にかかり、なおかつそれが肺結核を併発しているという症状になった場合には、即時に健康診断をさせ、症度が四になった場合において、いわゆる労災保険法の適用を受けさせるというような形においていろいろの防止対策を講じておるわけでございます。
○阿部竹松君 私のお尋ねする問題と御答弁が違うようですが、まあそれはそれでいいですが、大体日本で、けい肺にかかった患者のほとんどが、課長さんの答弁にもまあ明確ではないけれどもあるように、なくなってしまうのですね。そうすると、この予防措置について労働省はどういうようにお考えになっておるのですかね。やはり防塵マスク程度なのですかね。それともほかに方法をまだお考えになっておられるのですか。
○説明員(小鴨光男君) 先ほどから申し上げておりますように、理想的にはそういうことの発生を根本的になくすための防止措置というものが講じられればいいのでございますけれども、できるだけ粉塵の吸入を避けさせるという形において、先ほど申し上げましたような湿式工法ということが現在では取り入れられる最大の段階ではなかろうか、あるいはいわゆる防護具を装着させるということが最大の防止対策ではないかということで、この二つについては法律によって現在監督しておるわけでございますが、それ以上の効果的な措置ということについて現在私から申し上げる段階には至っておらないという状況でございます。
○阿部竹松君 これは通産省の川出局長さんにお尋ねいたします。 これは地下資源というものがありますね。しかし、どういうわけでこれは鉱業法の適用を受けないのですか。今ここで労働省の課長さんにお尋ねしたように、これは一般工場労働者と同じような保安管理、衛生管理なのですね。しかし、露天掘りもあれば、地下で採石する場合もある。しかし、これは地下資源ということになってくると、地下資源の労働者と同じような手当を受け得るわけですが、これはちょっとおかしいのですね。そういう点はどういうわけで別個になっておるか。地下資源でないのか。石を掘るのも、金、銀、銅を掘るのも同じです。しかし、これは地下資源ということになっておらないために、鉱業法、鉱山保安法ももちろん適用を受けない。今課長の御答弁があったように、これは一般工場労働者と同じ、しかしきわめて危険で、終生なおらぬような病気に、職業病ですが、取りつかれるおそれが十分ある。こういう点ちょっと私理解できないのですが、これは局長さんでも、次官からでもけっこうですが、お尋ねしたいのですが。
○政府委員(川出千速君) 採石法の対象になっています岩石も、鉱業法上の対象になっております鉱物も、同じく地下資源である点は、ただいま御指摘のとおり、同じと思います。鉱業法上の鉱物に指定いたしますのは、これは法律によってきめて参るわけでございます。これは国民経済の立場から、土地所有権と切り離しまして、国が鉱業権を付与する公的な設定行為によって地下資源を掘り出していくのが国民経済上有意義であるというものについて、国会の審議を経た上で、法律上の鉱物に指定をしておるわけでございます。長い沿革が鉱業法には明治以来あるわけでございますが、その鉱物も、経済情勢の変動に応じまして、少しずつ追加を重ねて参りましたが、岩石類を鉱業法の鉱物にいたしまして土地所有権と分離をするということは現在考えていないわけでございます。学問上と申しますと語弊がございますけれども、岩石と鉱物ということになると、鉱物のほうは化学的な成分に着目をいたしましてきめておる場合が往々ございます。岩石のほうは、その物質的な性質、たとえば形であるとか、値であるとか、そういうものに着目していってる場合が多うございます。ただし、もちろんこれには例外がございますが、そういうことも一つの鉱業法の鉱物になるかならないかということの標準ではないかと考えております。
○阿部竹松君 なるほど、一方は岩石の採取で、一方は鉱物資源の採鉱ですから、これは二本建になっても当然のことだと思うのですが、しかし衛生管理その他は同じであってもいいじゃないですか。とにかく、同じような作業をやって、同じような職業病にかかる、環境も同じだ。ただ、採掘するものが石であるか、金、銀、銅、鉛、亜鈴、スズであるか別として、これは二本建でけっこうでしょう。しかし、衛生管理、そういう点について同じであってもいいじゃないですか。今、労働省の課長さんと問答したように、けい肺法、じん肺法の患者、これは一つの法で守られているのですが、しかしこの建前でいくと全然別個なんですから、そこが私は不思議でならない。片一方は保安法の適用を受ける、片一方は屋外における工場労働者と同じという点、私はどうも納得できない。局長さんにお尋ねすると同時に、労働省でどうして別個にしておられるかをお尋ねしたい。
○説明員(小鴨光男君) 先生御承知かと思いますが、念のために事務的に御説明申し上げますと、鉱山保安法は主としていわゆる爆発その他災害の防止ということについて特別な法律があるわけでございます。基準法におきましては、本来適用があるべき理屈になるわけでございますけれども、今までのいろいろな行政上の経過がございまして、現在基準法の中から、鉱山におきますところの災害の防止という点については、御承知のように、通産省が所管しております。ただ、いわゆる衛生措置、衛生管理の問題につきましては、これは全般的に基準法の中に取り入れられておるということでございまして、法律上の体系はそういうふうな形になっておるということでございます。
○阿部竹松君 小鴨課長さん、爆発ばばかりじゃない、落石も同じじゃないですか。落石、落盤その他あるじゃないですか。
○説明員(小鴨光男君) おっしゃるとおりでございまして、いわゆる衛生以外の問題についての災害の防止、爆発、落石、落盤の防止、そういう問題については、これは鉱山につきましては鉱山保安法、採石法関係につきましては私ども、こういうことでございます。
○阿部竹松君 労働省の課長さん、私は、ほかの委員の方が御質問があれば別ですが、あとの問題は、この法案を論議する場合が何度あろうかと思いますので、大臣にお尋ねしますから、私はけっこうですから、私一人がお願いしたのでしたら、お引き取り願います。 鉱山局長さんにお尋ねいたしますが、石炭のような場合には、採掘したあとの鉱害問題が起きて、鉱害法によってそれぞれ補償することになっております。採石の場合はどうなんですか。
○政府委員(川出千速君) 石炭の鉱害問題は、鉱業の中でも特殊な形態でございますので、法律上も鉱害復旧措置に関する法律ができておりまして、それによって復旧措置について国が援助をしておるわけでございます。採石業につきましては、そういうような特別な措置は現在とられていないわけでございます。
○阿部竹松君 ないというのですか。
○政府委員(川出千速君) 鉱害の復旧につきましては、鉱業法の適用を受けております。鉱業の中でも石炭だけでございます。石炭以外のものについては、鉱害賠償の問題はございますけれども、鉱害復旧の関係はないわけでございます。
○阿部竹松君 そうすると、採石をするために、道路がいたむ、その辺の人家がえらい迷惑をするわけですが、ハッパをかける、家鳴り震動をする、そういうのは一切おかまいなし、こういうことですか。
○政府委員(川出千速君) これは、ほかの産業も同様でございますが、事業を行なう人の責任において措置をしなければならないのが建前でございまして、採石業についても同様でございます。ただ、鉱業につきましては、無過失賠償責任を鉱業法上明定しております。採石業は鉱業法の適用を受けておりませんので、これは一般の民法の原則に従って賠償責任を負うことになるわけであります。
○阿部竹松君 そうすると、民法に基づいて損害賠償、損害補償の訴訟を起こして、そうして話し合いがつかない限りは、とにかく裁判の判決に持つ、こういうことですか。
○政府委員(川出千速君) 賠償の法律問題についてはそういうことになろうかと思いますが、実は、採石法におきまして、現行法におきましても、公害防止のために監督規定を置いておりまして、その運用によって現在まで措置対策を行なってきたわけでございますが、最近採石による公害問題が企業の増大とともにふえて参りましたので、今回法律を改正いたしまして公害防止のための監督強化をいたそうというのが、法律改正の趣旨でございます。
○阿部竹松君 そうしますと、この法律は岩石採取が目的ですからね。河川から砂利をとる等は、これは全然関係ないわけですね。河川から砂利をとる場合には、河川法に基づいて、ちゃんとやはり公益保護とか公害防止とかいう規制があるように僕は承知しておりますけれども、これは全然関係ないんですか。
○政府委員(川出千速君) 砂利の採取につきましては、議員立法で砂利採取法が現在できております。しかしながら、実際問題といたしまして、砂利の採取の業態は、九〇数%は河川からだと思います。河川は、これは公有になっておりますので、その管理者である都道府県知事の使用許可を受けなければならないという意味で、行政庁のきびしい監督を受けておるのが実情でございます。
○阿部竹松君 ですから、砂利採取法というのがありまして、公害防止とか公益保護とかいう規制があるわけでしょう。したがって、この川と山なんですね——砂利と岩石と違うかもしれませんが、そういうのがあってもいいじゃないですかというのが私の質問なんです。河川法のほうは、河川法の定めに従って公益保護なり公害防止の規制があるわけです。これは河川法は局長さんのほうの管轄じゃないから御承知ないかもしれないけれども、しかしそれはある。山の石をとれば全然規制がない、それはおかしいじゃないですかというのが私のお尋ねをするところです。
○政府委員(川出千速君) 河川法のほうは、公有地である河川を使用させるわけですから、使用許可のときにいろいろ条件等をつける、護岸のためその他のことについてつけるのであろうかと思います。直接公害防止という立場からではないのではないかと思います。採石——あるいは河川以外の砂利の場合も入ると思いますが、それについては、公害防止もちろん必要でございます。これは私有地の場合がほとんど大部分でございますから、したがって、現在の採石法に公害防止のための監督規定を置いておるわけでございます。なお、それでは不十分だというので、さらにこれを強化しようということでございます。したがって、河川法の監督と今後強化しようとしておる採石法の監督強化との間に、それほどの私は差はないのではないかと考えております。
○阿部竹松君 しかし、局長さん、この法律を読ましていただくと、河川法のような公害防止とかはないんですがね。違いないとおっしゃるけれども、河川法には明確に規制してある。ないですね。ですから、全然一緒だとおっしゃればそれまでですが、同じだということになると、ちょっと理解できないのですがね。
○政府委員(川出千速君) 私の御説明がちょっと不正確であったかと思いますが、河川法のほうは、これは河川の管理者である都道府県知事が、公有地を使用させるときに、河川を保護するために、たとえば岸がくずれないようにとか、そういうために許可する際にいろいろ注意をすることでございまして、河川法自体に公害防止その他の規定があるわけではないわけでございます。
○阿部竹松君 河川法自体にあるんです。その堤防を破壊してまで砂利をとっちゃ困るとか、そういうことを規制してあるけれども——一般民家なりそういうところに影響を与えちゃいかぬということになっている、河川法では。このほうは、住民のすぐそばでダイナマイトをかけようと、ハッパをかけようと、家鳴り震動しようと、これは何ともない。ですから、そのあたり規制できぬものかというのが私のあれですがね。まあ局長さんが一緒だとおっしゃれば、そういうふうに解釈をしてもいいんですが、ちょっとどうも法文からいって納得できないのですがね。そういうことは間違いないんですか。
○政府委員(川出千速君) 一緒ではないわけでございまして、河川法のほうは、たびたび申し上げますけれども、都道府県知事の河川の使用の許可が必要である。したがって、許可がなければ事業ができないことになるわけでございます。採石業のほうは、自由な企業でございまして、届出さえすればだれでもやれるわけでございます。ただし、今回改正をいたしますと、公害を与えそうな場合には、事前に通産局長が命令を出しまして、所定の公害防止の掘さく方法によらなければ事業をしてはいけないという命令を出し得ることになるわけでございますし、あるいは直接公害防止のための具体的な措置を指示することもできますし、あるいはさらに進んで、非常に危険が急迫している場合には、事業の一時的な停止を命令し得るような監督規定を一段と強化したいというのが、今度の改正案の内容になっている次第でございます。
○阿部竹松君 今御答弁があったのは、三十三条の第二項ですね。通産局長がストップさせることができると明記してある。通産局長というのは、これは地方の通産局長ですか。
○政府委員(川出千速君) 通商産業局長でございまして、現在全国に八つ設置されております官庁でございます。石炭も通産局長が第一線で監督しているわけでございます。
○阿部竹松君 たとえば札幌、仙台、東京、名古屋などにありますね。それで、具体的にどういう場合にこの停止を命ずるのですか。
○政府委員(川出千速君) この事業の停止は、いわゆる制裁という意味の営業停止ではないわけでございます。急迫した場合の公害を免れるために一時作業を停止するわけでございますので、これはきわめて例外的な場合であろうと思います。
○阿部竹松君 そうすると、公害のおそれがあるとき、公害のおそれのある部分だけを停止させるということですか。 それからさらに、提案理由の説明のときは「一時的停止」と言い、この法文には「事業の停止」と書いてあります。これは次官に承ったほうが適切かもしれませんが、これはどちらがほんとうなのですか。
○政府委員(川出千速君) ちょっと表現が変わっているようでございますが、内容的には矛盾はないものと思います。事業の停止でございますので、これは廃止と異なりまして、おのずから期限付のものであろうと存ずるわけでございます。したがって、一時停止の一時でございますけれども、事業の停止は当然期限がついており、廃止ではないというように考えている次第でございます。なお、鉱山保安法等にも同様の「事業の停止」という表現がございますので、それにならった次第でございます。
○阿部竹松君 「一時停止」という提案理由のほうがほんとうなのですか、それとも法文にある「事業の停止」というのが正しいのですかと、端的に聞いているのです。
○政府委翼(川出千速君) 事業の停止というのは、一時的の停止でございます。したがって、提案理由に申しておりますのがその内容と考えております。
○阿部竹松君 そうすると、法文のほうを修正しなければならぬ、事業の停止というふうに。
○政府委員(川出千速君) 事業の廃止でなくて停止でございますので、これは法制局の審議のときにも議論いたしたわけでございますが、事業の停止で当然一時の停止という意味になるということでございまして、鉱山保安法の規定も同様な表現をとっておるわけでございますので、提案理由の説明のような内容でございます。そういうわけでございます。
○阿部竹松君 このいただいた「全国採石事業場の概況」というので拝見しますと、十四人、十九人というのもあれば、千単位の事業場もあるわけですね。ですから十九人や二十人のところは、一時停止であろうが、事業の停止であろうが、結論は同じになるかもしれませんが、しかし、大きなところにいくと、一時停止と事業の停止ということ、これは相当食い違ってくるのではないかと思うのですが、その法律を実施するにあたって、鉱山局長が直接その指示をするという、停止を命ずるというのだったら別問題ですが、八つも九つもある通商産業局の局長が地方におってやられるのですから、万そつがなかろうと思うのですが、しかし、この提案理由のほうが本文と変わっておりますと、どういうように理解するかということが、法が決定した以後の問題であろうかと思います。そういう御心配はございませんか。
○政府委員(川出千速君) 採石業につきまして永久に事業の停止命令を出すようなことはないわけでございます。これはあくまで事業の停止という表現をとっておりますと、これは期限付であるということでございますので、事業の停止は即一時停止という解釈をとっておりますから、その辺は間違いはないかと思います。なお、通商産業局長が事業の停止命令を出します場合は、よほど事態が急迫いたしておりまして、危害防止の措置をとる間一時作業を中止して、その間にいろいろな防護措置をとるというような例外的な場合であろうかと考えております。
○阿部竹松君 改正された三十三条は、現行の三十三条と私の解釈ではあまり変わりはない。ただ公害防止の「特に必要があるときは」、とこういっている。「特に必要があるときは、」ということは、具体的に今までどういう例証があったわけですか。改められたんですから、そういう事例があって、これはいかぬということで改正されたと思うのですが、三十三条は。
○政府委員(川出千速君) 「特に必要があるとき」ですから、よほどの理由がないと命令は出せないというわけでございます。現行法の場合には、若干表現が変わっておりまして「著しく公共の福祉に反すると認める」という表現をとっておりますが、解釈上、これにつきましては内容的には差異がないと考えておる次第でございます。ちょっと条文の書き方の体裁から「特に必要があるとき」という表現をしましたので、現行法をさらに活動条件を狭めた意味ではないわけでございます。
○阿部竹松君 そうしますと、今までの法でいきますと、石を採取し始めてからでもよかった。今度は採取前に届出なければならない。これは、いわゆる弊害があったために事前届出制に改めたわけですか。
○政府委員(川出千速君) 事後届出制は現行法でございますが、それよりも事前届出制のほうが、事前に予防措置を講ずるためにもよろしゅうございますし、実態を把握する場合にもそのほうが好都合である、つまり監督強化をして参りますために、事業を始める前に、どういう場所にどういう方法で事業をするかということをあらかじめ承知をしておきまして、それがきわめて公害を与えそうな場合ですと、採掘方法等について命令を発して、公害防止の方法によってやらなければならないというような今度の新規の規定でございますが、その運用のためにも、事前届出制のほうがよろしいかと思いまして、事後届出制を事前届出制に改めた次第でございます。
○阿部竹松君 そうしますと、事前届出制になったわけですが、今もやっておられる業者は全部通商産業局に届出済みなんですね。そうすると、これから新たにやる人が届け出るものか、現在の業者はもうこれは登録済みだからよろしい。したがって、今後この法律が国会を通過した次の日からの業者が届出するということになるのか、その点はいかがですか。
○政府委員(川出千速君) 国会を通過いたしましてこの法律が効果を持ったあとからの人に適用になるわけでございます。今後採石業に着手しようという人から適用になるわけでございます。既存の人には適用がないわけでございます。
○阿部竹松君 そうしますと、採石の方法も届出の中に含まれておるのですか。
○政府委員(川出千速君) 採石の方法につきまして、今後の着手する者については、届け出でなければならないわけでございます。なお、現在採石業を営んでおる者につきましては、採石業法の報告聴取によりまして採石方法については報告をとっておる次第でございます。
○阿部竹松君 そうしますと、新しい人だけが届け出るということになるわけですからきわめて数が少ない、こういうことになるわけですね。
○政府委員(川出千速君) 今後採石業に新たに着手する人がどのくらいになるかわかりませんが、現在の数に比べれば少ないと思います。
○阿部竹松君 その次にお尋ねいたしますが、これは地下資源ではあるけれども——さいぜんも労働省の課長さんにお尋ねをし、御答弁をいただいたのですが、地下資源であることは間違いないですね。しかし、その保安監督の規制を受けないということはどういうことですか。落石、落盤等が多い。しかし保安監督は全然ワク外ですから——さいぜん御答弁ございました。ワク外ですが、やはり熟練された保安監督官が監督することによって相当災害が防げる、こう思うのですが、これは鉱山局長にお尋ねするのはどうかと思いますけれども、これは地下資源ですから、いわゆる熟練された保安監督官が行って監督することによって落石、落盤、そういう災害が防げるというような気がするのですがね。しかし、一切地上鉱業労働者と同じ処遇を受ける、こういうことなのですか。この点はいかがでしょう。
○政府委員(川出千速君) 現存の行政制度と申しますか、それは採石等、鉱業法の対象にならないのはこれは鉱山保安法の適用は当然にないわけであります。これはもちろん例外もございますけれども、鉱業法の対象になるものは、概して坑内掘りが多い。地下作業が多いわけでございます。岩石等は例外がございますが、これは地表で作業する場合が多いわけでございます。そういう点もあるいは現行の制度に関係しておるのではないか、これは私の私見でございますが、そう考えておる次第でございます。なお、具体的な問題でございますが、坑内掘りをやっておりまして、災害問題等があります場合に、両者の緊密な連絡によりまして、鉱山保安のほうの専門技術者を派遣して坑内の調査に当たらせた実例もあるわけでございます。その辺は両者の緊密な連絡を今までもやっておりました。今後もやっていきたいと思っております。
○阿部竹松君 このいただいたあれで見ますと、露天掘りのほうが多く、坑内が少ない。しかし、今御答弁がございましたように、保安監督官が行って助言をやられたということはきわめてけっこうなのですが、やはり必ず規制なり何かしていかなければならないということではないので、あくまで助言は助言ですね。ですから、それを規制したらどうでしょうか、というのが私のお尋ねであり、意見でもある。しかし、今、局長さんにそういう点をイエスかノーかという回答を求めても無理かもしれませんが、やはり坑内の場合、北海道、栃木県、あるいは岡山県など坑内何百メートルも入っている。これは労働省の基準局の監督官が行ったってわからないでしょう。無理だと思うのですがね。これはあなたにお尋ねするのが当を得た質問かどうかわかりませんが、したがって、私は、そういう労働省に無理させてもいかぬのではないか。それより適切に指導できる、監督できる人がおるのではないか。イギリスの国会ですと、与野党が論争するのです。労働省出身の川出さんと論争したいのですが、日本はそういうことになっておらないから……。
○政府委員(川出千速君) これはなかなか沿革がある制度の問題でございまして、私からとやかくの意見は申し上げられないわけでございますけれども、少なくとも現在、たとえば大谷石の事故が昨年ございましたけれども、たとえば地質調査所なり、あるいは東京の調査局の鉱山技術者が現地に参りましていろいろ調査もしておるわけでございます。その辺はよく連絡をとってうまくいっておると考えております。運用の面で、むしろそういう場合は例外的な場合が多うございますので、やっていけるのではないかという考えでおるわけでございます。
○阿部竹松君 この改正は、公害の防止とか、公益の保護というのが織り込まれておるわけですから、きわめて適切な措置で、賛成なんですけれども、これをやることによって、業者は、中小というよりも小、零細企業かと考えるわけです。このいただいた参考資料によって見てもわかるように、零細企業、そうすると、相当経理上の、圧迫ということも考えられるわけですが、その点はいかがなものですか。
○政府委員(川出千速君) 採石業の企業は、御承知のとおり、中小企業がほとんど大部分でございまして、公害防止のためにいろいろな施設を作ることを命じますと、実は相当のあるいは経済的な負担になる場合もあろうかと存じます。その辺は公害防止についての命令を出すのも、必要最小限度にとどめますし、いずれにいたしましても、公害問題は、被害を受ける者と被害を加える者とのバランスと申しますか、比較考量の上においてきめなければならないわけでございます。経済的な負担が非常に大きいからといって、非常な公害を与えることが確実であるのを許すわけにはいかないので、やはり公害ということを優先的に場合によったら考えていかなければならない場合もあるかと思いますが、そういうような施設に要する資金等のあっせんにつきましては、政府としても今後努力をしなければいけないかと考えております。
○阿部竹松君 ただいまの局長さんの御答弁は、両方にとれるのです。きわめて僅少に指示したいということと、片方は、公害を与えるおそれがある場合は厳重に規制したい、こういう御答弁のとおりの内容だと思うのですけれども、しかし、いずれにしても、これは厳重にやらなければいけないわけですが、やはり法で規制する反面、保護政策はとっていかなければならないので、角をためて牛を殺すということわざもあるが、そういうことになるおそれがある、この点の配慮はいかがでしょうか。
○政府委員(上林忠次君) 現存も採石業のうち砕き石業については、助成、特別措置法によりまして、さく岩機等の特別償却の特別措置を織り込んだり、また地方税法によって軽油取引税の免税を行なったり、やはり中小企業近代化資金助成法の対象として、設備資金の無利子貸付を行なっておりますが、今度におきましても、砕き石業に限らず、採石業全体を通じまして特別償却及び中小企業設備近代化資金の貸付でも適用範囲を拡大しまして、なるべく採石業者の運営の円滑をはかっていきたいという気持でおります。
○阿部竹松君 ただいま次官の御説明にあったようなことは、あらゆる産業に適用されることですが、こういう法律をもって今後厳重に規制するというわけですから、あらためて何らかの方法をとる、この保護政策がないものでしょうかというお尋ねです。それからもう一つ、中小企業の近代化資金の対象になるものは……。
○政府委員(川出千速君) 今、次官から大綱を申し上げたのでございますが、中小企業の近代化資金の貸付対象につきましては、これは採石業に限らないわけでございますが、組合組織をとっております場合には、一般的に金額に限界がございますが、対象になる、組合の場合でございます。それから採石業のうち砕き石業でございますが、これにつきましては、昨年度から無利子の貸付の実は対象にいたして実行されておるわけでございます。 なお、税制の問題につきましても、先ほど政務次官からお答えになりましたように、特別の措置がとられておるわけでございますけれども、なお、今後さらにこれを拡充したいという考えは持っておる次第でございます。
○阿部竹松君 はっきり私記憶しておりませんが、三月の委員会で近代化資金の助成法という法律が通っておる。そのとき、石屋さんが、この業者が対象になっておらぬだったようですね。当時は四十九品目で、なお、二十品目ほど対象になりますという中小企業庁長官の御答弁でしたが、今の御答弁ですと、私の記憶の誤りかもしれませんが、対象になっておらぬわけです。
○政府委員(川出千速君) 採石業の全体がなっていないわけでございまして、これは先ほど政務次官からお答えになったとおりでございます。採石業の中には砕き石業とか、あるいは石材業とか、業態によって区別されておりますが、対象になっておりますのは砕き石業でございます。したがって、おそらくそのときの御議論は、それ以外の石に関する業界も入れてもらいたいというお話ではなかったかと想像いたします。
○阿部竹松君 大体、種種のどれが該当するわけですか。どのあれが該当するわけですか。どうも御答弁が理解できない。私のお尋ねが誤りかもしれませんが。
○政府委員(川出千速君) この表でございますと、採石業の業態に砕き石とか、割りくり石とか間知石とか、あるいは切り石とか、そういった業態によって分類されておりますが、この中で一番生産量の多いのは砕き石でございます。これは砂利同様のものを山から切り出した岩石で作るわけでございます。この砕き石について近代化資金の貸付が行なわれておるということを申し上げた次第でございます。
○阿部竹松君 しかし、私、局長さんのその御説明のあげ足をとるわけではありませんが、砕き石、この表の一番上の項目に書いてあるのはきわめて僅少なもんですがね、私のいただいているのは、これは通産省からいただいたのですが。
○政府委員(川出千速君) ちょっと私の表現が間違っておったかと思いますが、私の申し上げましたのは、砕き石の比産量が多いということを申し上げたわけでございます。企業数が必ずしも多くはないのであります。
○阿部竹松君 そうすると、この砕き石はダムのあれですからなんですが、これは協同組合を作っておらぬでしょう。しかし、任意組合には金は貸さぬ。同じ通産省でも、あなた方の答弁と企業庁長官の樋詰さんの話が違うというのは、私はどうも理解できないのですが、その点はいかがですか。そうでしょう、任意組合には金を貸さぬ、あの法案の審議を……。新たにこの法律が改まっておれば別ですよ、私どもが論議したときはそうなっておった。
○政府委員(川出千速君) 私の承知しております範囲では、現在一般的には中小企業の協同組合、商工組合等、組合を結成している場合には、金融的助成をはかるということに一般的にはなっております。これについては、採石業も当然入るということを申し上げたわけであります。
○近藤信一君 今の問題に関連するのですが、協同組合を作っておる事業というのはどれくらい現在あるんですか、その点おわかりであったらひとつ。
○政府委員(川出千速君) 採石業につきまして、組合の数を実はよく承知しておりませんが、百ぐらいということをちょっと聞いたことがございますけれども、これは現在資料を持っておりませんので、正確な答弁はできないわけであります。
○近藤信一君 任意組合は、これは方々であると思いますが、協同組合は、今の局長もはっきりとわからぬという答弁ですが、私も、その採石事業の協同組合というのはあまり聞いたことがないわけなんで、それからいま一つ、阿部さんからも言われた砕くほうの石というのは、これはおおむね中小企業じゃなくして、たとえばダム工事を請け負う鹿島なら鹿島、それが採掘権というのか、その権利というものをその山に設定するわけですね。したがって砕く石のほうにおいては、私はもちろん協同組合があるというふうに考えられないのですが、この点はどうですか。
○政府委員(川出千速君) 砕き石業が大企業であるということはないわけでございます。これはほとんど中小企業でございます。電源開発をするものが、自家消費のためにやるというような例、あるいは今の大きな土建会社がやるという例もあるかもしれませんが、数の上では中小企業が圧倒的なものを占めておると聞いております。
○近藤信一君 中小企業が多いということでございますが、それはやはり大企業の、大きな土建会社の下請事業としてその現場でやっておるというあれですか。
○政府委員(川出千速君) その辺の実態は、実は私正確に承知しておりませんが、独立でしている場合が相当多いのではないかと思います。 なお、もう少し具体的に申し上げますと、砕き石業者に対する三十七年度貸付額は約一億をこえておるわけでございまして、これは中小企業でないと出せないわけでございます。この数字から考えましても、相当数が中小企業であると考えております。
○近藤信一君 貸付をやっておるというのはどういうあれで、今言われた近代化資金というのか、ほかのほうの資金か、どういうあれですか。
○政府委員(川出千速君) いわゆる近代化資金でございまして、汎用設備あるいは破砕装置等を対象にしているわけでございます。
○近藤信一君 そうすると、組合じゃなくて個人でですか、近代化資金の貸付は。
○政府委員(川出千速君) ただいま申し上げましたのは、組合ではなくして各個の企業でございます。法人の場合もありますし、個人経営の場合もあると思います。
○阿部竹松君 近代化資金の対象になるというのはおかしい。ということは、業者が、砕き石ばかりではなく、あらゆる業を、土建屋さんですから三つも四つもやっておって、したがって、ほかの名称で融資を受けるというなら別問題ですが、砕き石が近代化資金ということになると、われわれこの前法を論議したとき、ごまかされたということになる、これが事実とすると。したがって、近藤委員からも発言があったように、ダム建設等はダム会社が、間なり、清水でも鹿島でも、全部自分の系列会社の第二会社を持っていって、関西でも中部でも東京電力でも東北でもやっているのです。僕たちは何度も建設現場を視察してよくわかったのですが、そうすると、砕き石を対象にするという業者は、電源開発なり、あるいはそういうような大きなダムの建設の対象にならない。特にこの二百幾らですか、あった砕き石のほう、一番前段にきているのは対象にならないのです。あなたの言うあれが正しいとすれば、近代化資金から一億も出すということはちょっと理解できないです。 それはそれでいいわけですが、委員長、そこで議事進行ですが、私ども勉強が十分でないし、その点局長さんにも十分お調べ願って、ちょうど時間も十二時過ぎましたから、本日はこれで閉会していただきたいと思います。お取り計らいを願います。
○委員長(赤間文三君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(赤間文三君) 速記を始めて。 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめて、散会をいたします。 午後零時十分散会