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43回国会参議院1963/03/28

商工委員会 第18号

発言数
214
登壇者
10
会派数
4
開催日
1963/03/28

会議録

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員長及び理事打ち合わせ会の協議事項について報告を申し上げます。  本日は、中小企業振興資金等助成法の一部を改正する法律案及び中小企業近代化促進法案について、衆議院における修正点の説明を聞き、補足説明を聴取いたしましたのち質疑を行なうことになりましたので、御了承を願います。     —————————————

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) それではこれから議事に入ります。  中小企業振興資金等助成法の一部を改正する法律案及び中小企業近代化促進法案を一括して議題といたします。まず、衆議院における修正点の説明を聴取いたします。逢澤衆議院商工委員長。

逢澤寛自由民主党

○衆議院議員(逢澤寛君) 中小企業振興資金等助成法の一部を改正する法律案及び中小企業近代化促進法案に対する衆議院修正の趣旨を御説明申し上げます。  ただいま議題となっております中小企業振興資金等助成法の一部を改正する法律案及び中小企業近代化促進法案は、両案とも衆議院において修正を行ないましたが、その趣旨を私から簡単に御説明申し上げます。  修正の要旨は、第一に、中小企業者の定義に関する規定あるいは改正規定を改め、「これらの法律において「中小企業者」とは、工業、鉱業、運送業、商業、サービス業その他」を「営む中小規模の事業者であって政令で定めるものをいう。」ものとしたこと、第二に、中小企業者の定義について定める政令の内容は、国の中小企業政策の基本方策を定める法律が制定実施されるまでの間は、それまでの暫定措置として定められたものとしたことであります。  中小企業者の定義について、このような修正を行なった理由を次に申し上げます。  すなわち、政府、日本社会党及び民主社会党は、それぞれ中小企業基本法案を提出し、現在、両院の商工委員会に付託されておりますが、三案とも、中小企業者の定義については、その考え方を異にしており、その調整は、基本法案の本格的審議を待つ以外にないのであります。  一方、御審議中の中小企業の近代化に関する両法案は、その内容から見て、また昭和三十八年度予算との関係から見て、中小企業者を初め、国民多数がその早期制定を期待しているのであります。  したがって、これらの法案は、基本法案に先立ってその成立をはかるべきものと存じますが、このためには、法案中の中小企業者の定義の規定を一応切り離して処理する必要があると考えたのであります。  以上の理由に基づきまして、定義は暫定的に政令に譲り、基本法制定後にあらためて確定する趣旨の修正を行なった次第であります。  以上御説明申し上げます。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 以上で修正点の説明を終了いたしました。次に政府委員から補足説明を聴取いたします。樋詰中小企業庁長官。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 中小企業振興資金等助成法の一部を改正する法律案の補足説明を申し上げます。  まず、第一条の目的に関する規定の改正でございますが、中小企業者の事業の共同化、工場及び店舗の共同化その他中小企業構造の高度化に必要な資金または中小企業者の設備の近代化に必要な資金の貸付を行なう都道府県に対しまして、国が助成を行なうことにより、中小企業の近代化の促進に寄与することが、この法律の目的であることを明らかにしたものでございます。  第二条は、この法律で使用する用語の定義に関する規定であります。まず、中小企業者の定義でございますが、政府の原案では別途国会に提出中の中小企業基本法案に定める中小企業者の範囲と同趣旨のものを定めることとなっておりましたが、衆議院における審議の結果、ただいま逢澤委員長から御説明ございましたように、中小企業者の範囲は具体的には政令で定めることと修正をいただいております。なお、これに伴いまして、本条の規定により定められる中小企業者の範囲は、国の中小企業に関する施策について基本となるべき方策を定める法律が制定実施されるまでの暫定措置として定められたものとする旨の附則第二条の規定が新たに設けれらております。  次に、中小企業高度化資金及び中小企業設備近代化資金でございますが、簡単に申しますと、中小企業の近代化を二以上の中小企業者が相協力して行なう場合に貸し付けられるのが中小企業高度化資金で、個々の中小企、業者が行なう場合に貸し付けられるのが中小企業設備近代化資金でございます。この二つの資金の内容につきましては、後に御説明いたします。第三条及び第三条の二で規定をいたしております。  第三条及び第三条の二は、国の助成対象となる資金の範囲及び国の助成の内容を定めた規定でございますが、第三条の改正は、中小企業高度化資金貸付制度の創設に関するものでございまして、今回の改正中最も重要なものであります。すなわち、二以上の中小企業者が相協力して近代化をはかることを促進するため、従来から助成対象としております中小企業等協同組合等の共同施設、工場団地のほかに、新たに卸商業団地、中小商業者の協業によるスーパー・マーケット、寄合百貨店等、中小企業者の合併、共同出資により設立された法人の施設等を加えまして、これらを貸付対象とする新しい資金貸付制度を設け、そのために必要な資金の一部を、国が都道府県に貸し付けることとするものであります。  なお、国の助成方法を都道府県に対する資金の貸し付けとし、補助金交付の方法をとりませんでしたのは、後に御説明申し上げますように、国の資金の効率的使用をはかるためであります。これに伴いまして、従来都道府県に対する補助金交付の方法で助成しておりました工場団地、中小企業等協同組合等の共同施設につきましては、国の助成方法が都道府県に対する資金の貸付に改められることとなります。   第三条の二に規定しております中小企業設備近代化資金につきましては、条文整理の関係から全文改正の形をとっておりますが、実体的改正点はございません。国の助成方法も、従来どおり、都道府県に対する補助金交付の方法で行なうこととしております。  したがいまして、国の助成方法が、中小企業高度化資金の場合と中小企業設備近代化資金の場合とで異なることとなったわけでございます。いずれの場合におきましても、中小企業者等に対する資金の供給は、都道府県からの無利子資金の貸付という形になっております。どこが両者の相違点であるかと申しますと、都道府県へ中小企業者等から償還された資金が、中小企業設備近代化資金の場合にはそのままその都道府県の新規の貸付の財源となるのに対し、中小企業高度化資金の場合にはそれが都道府県から国に償還され再配分されることとなっているのであります。中小企業高度化資金につきましては一件当たりの貸付規模が大きいものが含まれておりますため、中小企業者等から償還を受けた都道府県に、新しい貸付対象がない場合、または貸付対象があっても貸付金額が償還金額より少ない場合を免ずる可能性がありますので、中小企業者等からの償還金を国に集中し、再配分を行なうため、資金の貸付という方法をとることといたしましたが、中小企業設備近代化資金につきましては、このような問題がありませんので、従来どおりの方法をとることとしたのであります。  なお、都道府県に対する貸付の円滑な運用をはかるため国に特別会計を設ける必要がありますので、別途中小企業高度化資金融通時別会計法案が国会に提出されております。  また、昭和三十八年度におきましては、中小企業高度化資金貸付のため、国から都道府県への貸付金額約二十三億円を予定し、中小企業設備近代化資金のため都道府県への補助金交付額四十一億円を予定しております。これによりまして、都道府県が貸し付けます中小企業高度化資金の額は約五十億円、中小企業設備近代化資金の額は約百十六億円となる予定であります。  第四条以下の改正は、国から都道府県に対する貸付が行なわれることとなったことに伴う所要の改正等であります。  以上が本法案によります中小企業振興資金等助成法の内容についての改正でありますが、このような内容の改正とあわせまして、法律の題名を中小企業近代化資金助成法と改めることとしておりますが、これは別に御審議願っております中小企業近代化促進法案等と表現をあわせるためでございます。  以上をもって本法案の御説明を終わります。     —————————————  次に、中小企業近代化促進法案の主要点について御説明申し上げます。  まず、第一条は、目的に関する規定でありますが、この法律は業種別に中小企業の近代化を促進し、これを通じて国民経済の健全な発展に寄与することをそのねらいとしております。その方策としては、業種別に中小企業の実態を調査し、その実態に即した中小企業近代化計画を策定し、その計画を円滑に実施するために必要な助成措置を講じまして、近代化が計画的、効率的に行なわれるよう措置いたしますとともに、需給構造の変化等に即応して事業の転換を行なおうとする中小企業者に対しては、指導、助成等を通じてその転換の円滑化をはかることとしております。  第二条は、本法における中小企業者の定義を定めたものであります。政府の原案では、別途国会に提出中の中小企業基本法案に定める中小企業者の範囲と同趣旨のものを定義しておりますが、先ほど申し上げましたように、衆議院におきまして、御審議の結果、政令にゆだねることと修正をいただいております。  第三条は、中小企業近代化基本計画について定めた規定であり、いわば本法の中核となるべき規定であります。この中小企業近代化基本計画の策定の対象となる業種は、次の二つの要件を満たすものでなければならないことといたしております。すなわち、その第一は、その業種における事業活動の相当部分が中小企業者によって行なわれていること。第二は、その業種に属する中小企業の生産性の向上をはかることが産業構造の高度化、または国際競争力の強化を促進し、国民経済の健全な発展に資するため、特に必要であると認められることであります。  次に、中小企業近代化基本計画についてでありますが、この計画に定められる事項は、大別して近代化の目標と、その目標を達成するために必要な事項とに分かれております。近代化の目標は、製造業を例にとりますと、目標年度における製品の性能または品質、生産費、適正な生産の規模または方式といったものが目標となるわけであります。この目標の達成のために必要な事項としては、設備の近代化、経営管理の合理化、技術、技能の向上、事業の共同化、その他の中小企業構造の高度化、競争の正常化、取引関係の改善、需要の開拓等の事項があげられておりまして、業種の実態に応じ、その全部または一部を計画事項として盛り込むこととなります。このように中小企業の近代化のための体質改善、あるいは環境整備といった一連の施策を相互に有機的に関連きせ総合的に遂行していくことにより、効率的に近代化を促進しようというのがこの計画のねらいとなっております。  なお、この計画を定める場合には、あらかじめ中小企業近代化審議会の意見を聞くことといたしまして、広く学識経験者の意見を取り入れ、いろいろな角度から慎重に審議し、適切なものを作り上げていくことといたしますとともに、基本計画が定められたときはこれを公表し、その周知徹底をはかることとしております。  第四条は、中小企業近代化実施計画について定めたものであります。基本計画は長期的な観点に立って策定されるものであるので、その年々の実施にあたっては、その年度の一般的な経済情勢その他の事情を勘案して実効を期する必要がございます。したがいまして、本法では、基本計画の実施をはかるため必要な実施細目としての実施計画を年々定めることとし、基本計画と同様これを公表するほか、さらにその実施の促進をはかるため、中小企業者またはその団体に対し、必要な指導を行なうこととしております。  第五条は、基本計画または実施計画の変更について定めたものでありまして、経済事情の著しい変動があった場合において、特に必要があると認められるときは、主務大臣はこれらの計画を変更しなければならないこととしたものであります。  第六条は、実施計画に定める中小企業の近仕化のための設備の設置に必要な資金の確保等について定めたものであります。計画に定められた目標を達成するためには、相当の設備投資を行なう必要があると考えられますが、これに必要な資金については、個々の企業が当然その調達に努力すべきものではあるにいたしましても、中小企業の資金調達力の現状から見て、所要額の調達を行なうことは非常に困難であると考えられますので、政府が積極的に財政資金を確保し、あるいは融資をあっせんすることに努める旨を明らかにしたものであります。  第七条は、中小企業者もしくはその団体、または関連事業者もしくはその団体に対する主務大臣の勧告について定めたものであります。基本計画に定める近代化の目標を達成するために必要な事項のうち、設備の近代化、管理の合理化、技術技能の向上等の事項は、個々の中小企業者の経営内部の問題として個々の中小企業者の努力に期待すべきものであり、国は必要な場合に指導、助成等の側面的措置をとることで足りると考えられますが、事業の共同化とか競争の正常化、取引関係の改善といった事項は、個々の中小企業者の努力だけでは解決されない問題であります。そこで、このような事項に関し、中小企業者が相互に協力して事業活動を行なうことが特に必要であると認められるときは、まず第一項でこれらの中小企業者に対し必要な勧告ができるように措置するとともに、さらに関連事業の協力をも必要とし、その協力が得られないために勧告にかかる事項の実施が著しく困難であるときには、第二項によって勧告することができるように措置することとした次第であります。  なお、関連事業者とは、当該中小企業者の事業と競合し、もしくは関連する事業を行なう者でありまして、たとえば同業の大企業、競合品の生産者は前者に属し、親事業者、問屋等中小企業者と取引関係にある事業者は後者に属することとなります。第三項におきましては、勧告の重要性にかんがみ、これを中小企業近代化審議会の諮問事項としまして、その発動の慎重を期しますとともに、各業種に関する勧告措置の運用に統一性を持たせることとしております。  第八条は、企業の合併または共同出資による新法人の設立等の場合の課税の特例について定めたものであります。中小企業の近代化の促進のためには、個々の中小企業者の設備の近代化、技術水準の向上等を通じてその生産性の向上をはかることも、もちろん大いに推進されなければならないのでありますが、中小企業、特に小規模企業が適正規模化していくためには個々の企業が相集まって一体化し、あるいは有機的に結合してその規模を拡大していく方向へ誘導し、助成することがきわめて有効な方策であると考えられます。したがいまして、本条におきましては、中小企業者が合併あるいは共同出資による新会社の設立等を行なうことにより、基本計画に定める近代化の目標に達することとなると認められる場合には、主務大臣がその旨を承認し、その承認を受けた合併、共同出資等については、税制上の特例を認めることとして、その推進をはかることとしたものであります。  第九条は、減価償却の特例について定めたものであります。中小企業者が健全な経営を維持しながら急速な体質の改善を行ないますためには、金融上の措置と並行して自己資本の充実を促進することが重要でありますので、指定業種に属する事業を営む中小企業者に対しましては、その有する固定資産について特別償却を認めることとしたものであります。なお、本条及び前条の課税の特例の具体的な措置については、別途租税特別措置法によって定められることとなっております。  第十条は、事業の転換の指導及び助成について定めたものであります。需給構造その他の経済的事情の変化に即応して事業の転換を行なおうとする中小企業者の転換の円滑化をはかりますことは、その企業主及び従業員のためのみならず、国民経済上もきわめて大切なことであります。したがいましてその事業の転換が中小企業の近代化の促進に資するようなものである場合には、中小企業者の自主的な申し出に基づき、政府が積極的に指導をし、必要がある場合には転換のために必要な資金の融通のあっせん、従事者の就職を容易にするための必要な援助に努めることとしたものであります。  第十一条から第十六条までは中小企業近代化審議会の組織運営について定めたものであります。中小企業近代化審議会は、前にも述べましたように、本法ではきわめて重要な地位を占めておりまして、近代化計画の策定、勧告、報告の徴収事項については必ず本審議会の意見を聞くこととされております。  第十七条は、報告の徴収について規定しております。すなわち実効性のある近代化計画を定め、またはその円滑な実施をはかるためには、実態を十分に把握することが不可欠でありますので、その実態を明らかにする必要がある場合には、中小企業者のみならず関連事業者からも報告を求めることができることといたしました。  第十八条は、主務大臣の定義の規定でありまして、主務大臣は当該指定業種に属する事業を所管する大臣とする旨を規定しております。ただし、事業者に対する勧告または報告徴収の場合は例外でありまして、対象となる関連事業者の行なう事業を所管する大臣ということになっております。  第十九条は、第十七条の報告の徴収を担保する意味での罰則に関する規定でありまして、報告をしない者または虚偽の報告をした者に科せられるものであります。  最後に、附則関係の規定でありますが、第一項は本法の施行期日の規定でありまして、本年四月一日から施行することとしております。  第二項は前にも述べましたように、衆議院による御修正の結果新たに追加となりました規定であります。  第三項は、現行の中小企業業種別振興臨時措置法の一部改正の規定であります。中小企業近代化促進法は、いわばこの業種別振興法を発展的に解消するものとして制定されるものでありますが、現在なお一部業種につきまして業種別振興法の指定を準備中のものもあり、また相当数の業種について実態調査を行ない、あるいは改善事項の作成作業を行なっている段階でありますとともに、同法は昭和四十年三月三十一日限りで失効する限時法でもありますので、特に同法を廃止する措置はとらず、本法制定に伴う経過措置としてその一部を改正することとしたのであります。  第四項は本法制定に伴い、中小企業庁設置法の一部を改正するものであります。  以上をもってこの法律案の御説明を終わります。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 以上で補足説明は終了をいたしました。それではこれより質疑に入ります。  御質疑のおありの方は順次御発言をお願いいたします。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 本法案に修正提案されました衆議院の逢澤委員長にお尋ねいたしますが、政府は法律によって中小企業とは何ぞやという定義を下されておる。ところが今修正個所の御説明を承ると暫定的であるようですが、政令でもって中小企業とはという修正をされておるわけですがね。何で法的に政府が明確に第二条で中小企業とは何ぞやというきめつけをしておるのに、衆議院では政令でもってきめるということをおきめになったか、その理由をお尋ねいたします。

逢澤寛自由民主党

○衆議院議員(逢澤寛君) 今お尋ねの点は、さきに説明申し上げましたように、この第一は中小企業の定義の問題であります。それは、この法律が中小企業者また関係業者とすれば、非常に成立を期待しておる。期待しておりまするが、予算が伴っておる。そこで、これは早期に審議してやらぬと四月一日から実施することができない。そこで、この定義をはっきりすることによって、審議が非常に長引くということになる。その長引くということは、さきに申し上げましたように、社会党さんのほうも、その他のほうからも、中小企業の定義については御意見がある。その御意見を衆議院において審議しておりますると、年度内にこの法律を出すことができない。出すことができなきゃ、予算に関係のあることで実施することができない。こういうような関係がありまするので、そこで、この定義は御承知のようにいろいろある。また、その内容についてもいろいろ内容がある。千万であるとか、三千万であるとか、五千万であるとかいうようなことがある。そこで、そうなると、いずれ十分審議をしていただいて、いずれにか決定をする時期が出てくる。決定したおりに、その決定したところに譲りたい。こういう趣旨でありますことを御了承いただきたいと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 ただいまの逢澤委員長の御説明で一応は了としますが、予算がついておりまして四月一日から実施するといっても、明確な法律でない限りはこれは議決することは、できません。と同時に、最前の御説明をお伺いすると、暫定的に政令でやって、後に論議される中小企業基本法において中小企業の定義をきめなさると。それによって、その政令がどういうことになるかわかりませんけれども、基本法の定めによって、これが右へならえということになるわけですがね。何で基本法を先にやらなかったんですか。基本法のきまり方によってこの法律が根本的に違ってきますよ。まず、基本法を先にきめて、中小企業というものは何ぞやということを明確にして、しかしてこの二法案が当然論議されるべきであって、これから本家本元の基本法を論議するのに、枝葉末節の法案のほうを先にきめて、そして今度はそれを政令で定めておいてこれは暫定措置にしょう。あとどうなるか、二カ月後になるか一カ月後になるかわかりませんけれども、そのときによって左右されるという法律を、単に、予算がついておりますから、四月一日実施だから、社会党が云々ということは、どうも法律を立法化する院としては軽はずみじゃないかと思うんですが、いかがですか。

逢澤寛自由民主党

○衆議院議員(逢澤寛君) お答え申し上げます。それは、さきにも申し上げたように、やはり時間を要するものである。しかし、法律を制定するのでありますから、これは両院とも慎重に審議しなきゃいかぬ。そこで、一方には、関係者大衆からいくと、法律の制定を非常に期待しておる。そこで、一応これは通過しておいて、それで定義の問題については、さきに申し上げたように慎重審議をして、その帰結したところにそれを決定すると、こういうことでありまするから、衆議院でやったのが、これはきわめて正当なことだとわれわれは信じておる。これは何べん言っても、それはあなたの議論からいえば水かけ論になる。あなたのほうは、定義を先にきめて、なんぼ時間がかかってもかまわぬからゆっくりやったらいいじゃないか、こういう御意見。それは国民大衆、関係者大衆の期待に反することをやることになるから、一応この法律はこういうような条件で制定して、そして、いろいろ御意見があるんだから、御意見がきまったら、きまったところにやったらいいじゃないかというのが衆議院の意見であります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 あなたと議論しておっても水かけ論だというような論争であれば、これはとってもあなたにお尋ねしてもどうにもならないんですが、私は法律論争としてやっているわけですよ、法律論争として。ですから、たとえば政令でお定めになられるようですが、政令で定めて中小企業とは何ぞやということがきまるわけですから、特にこの九条なぞは相当影響があるようですが、そういうことで、一応通産省の政令によってこの法律の庇護を受ける。しかし、基本法のきまり方によっては、君のところはこの法の適用を受けますよということで、一ヵ月ぐらいたって、法の定めが政令で違ってくると、これは実は政令できめたことが法的に違って参りましたら、今度は中小企業のこの本法の適用は受けませんということになる危険性が多分にありますよ。政令即法律になるという前提条件であれば別問題ですがね。しかも、中小企業基本法がまだ国会に提案されておらんということであれば別問題です。しかし、すでにもう中小企業基本法は一カ月も一カ月半以前にも国会に提案されておる。したがって、私の言い分は、出されておるのですから、そのほうを先にやって、そしてこれもともども論議すべきであって、出されておらんで、二年後あるいは三年後というのだったら別問題ですよ。もうすでに一カ月も一カ月半も前に出されておって、それを、本法のほうを先に論議せんで、枝葉末節のほうを、国民が要望しておるから急いだということについては、法律的に見ても、将来に禍根を残すのじゃないかというような心配もある。どうですか。

逢澤寛自由民主党

○衆議院議員(逢澤寛君) その点は私どもも同感な点であります。したがって、このことについては、衆議院において野党の諸君とも話し合いをして、野党の諸君のほうでも、この法律案の早期通過を要望しておる。そういうような話し合いによって、この定義の解釈についてはあとの政令に譲る、こういうことに了解の上で、これはできていると御了承いただきたいと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 いや、私はその野党がどう言いなさったか、社会党、民社党がどう言いなさったか、そういうことについては私どもは知らない。ですから、私の言うのは、まあ了解したからこう上がってきたのでしょうが、そういうことでなしに、政令が暫定処置として今度お出しになられて、一カ月か、一カ月半後に基本法ができるのですから、そうすると、中小企業は何ぞやということは、政令即同じものが法律に盛られるならば別問題ですよ。しかし、違ってくると、四月一日から発足すると、四月中は中小企業であるということで、この二つの法律の適用を受けた企業が、法律ができることによって、君のところは違います、今度は君のところは適用だというような、朝令暮改的なことになりはせんか、こういう心配ですね、それがある。しかし、それがまあどういうことか、その点が一つと、それからもう一つ、政令で定める場合にはどういうものが政令として出されますかという中身について、与野党と当局と打ち合わせでもあるのですか。もしあれば、政令で定める場合には大体こういうような方針でいきたいというようなことになっておるものかどうか、その点をお尋ねいたします。

逢澤寛自由民主党

○衆議院議員(逢澤寛君) あとのほうから申し上げますが、その当局との打ち合わせばありません。それから前者につきましては、先にも申し上げたように、大体においてこれはいろいろ意見はあるでしょう。けれども、これは政令で定めるということにしておきますれば、最悪の場合にあなたの仰せのようなことがあるかもしらんけれども、それは大体ないという——大体においてこの原案の趣旨のようなことに成立するのではないかというような考え方が非常に多かった。そういうようなことで、こういうような、政令で定めるということにしておけば大体大過はなかろうがという見解で、政令に定めるということにやっていることを御了承いただきたい。

向井長年民主社会党

○向井長年君 政府委員に聞きたいのですがね、これは、こういうようにして衆議院で修正されて参議院に回らされた。参議院においてこれが通過する。そうすると、四月一日から実施だと、こういうことを言われるわけなんですが、その政令は、いわゆる今後基本法が検討されますが、この検討、一カ月あるいは一カ月半向こうに決定されると思いますが、それまでにやはり政令を作ろうということなんですか。その点はいかがです。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) われわれとしましては、国会再開されましたならば相当早く、できるだけ早く、基本法のほうの御審議を願っておきめいただけるものと、そういうふうに思っております。したがいまして、それまでの期間は、まずこの法律を通していただけたということによりまして、この法律だけは一応できたということになりますと、各県等もそれぞれ準備ができるわけでございます。そこで、いろいろの準備はひとつするように、法律もできたから、ということでやっていただきまして、基本法が与野党のいろいろ御審議の結果きまったということになれば、その段階に政令を出すということにしたいと。ただこういうふうになりますと、もし非常にそれがおくれて困ると、その場合に、どうしても予算の執行も急がなければならないということになれば、たとえば今すぐでも出さにゃいかぬということになりますならば、これはさしあたりといたしましては、現在も法律があるわけでございますから、そこで、現在の法律をとりあえず政令にそのまま移すというのが一番無難な道ではなかろうか。ただ、現在の法律もそれから政府の原案もそれから社会党の案も、これはそれぞれ若干ずつ範囲が違っておりますので、いずれをとるにしましても、若干ずつ違いがございますので、今すぐ出さなければならないということになれば、現行の法律をそのまましなければいかない。しかし実際問題といたしましては、再開国会後すみやかに基本法が制定されるというふうに確信いたしておりますので、それまでいろいろな舞台裏の準備を、法律が通ったんだからということでやっていただくということによりまして、基本法の御審議の結果を待つということにしたいと思っております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 そうなると、結局四月一日から実施々々とこう言われるけれども、今の答弁を聞いておりますと、各都道府県等の準備段階に入ると、こういうことが主眼であって、事実上の直接の実施ですね、税制の問題とか、あるいは金融問題、あるいはその他近代化問題、こういう問題については、実際問題としては無理である。こういろ考え方であるわけなんですね。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) この点につきましては、たとえば現在のままの定義で参りますと、中小企業というのは三百二十八万七千八十九とあるわけでございます。これをかりに政府案ということにいたしましても、三千五百十五ふえるだけで、〇・一%ということになるわけであります。それから社会党の案ということになりますと、約一万三千ばかり減ることになりますが、これも一%に満たないまだ数字でございますので、大勢には、準備段階としては差しつかえないのじゃなかろうかと考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 逢澤委員長ね、私どもが数国会以前から、中小企業とは何ぞやという定義を明確にしようということで、常に論争しているわけです。特に中小企業団体法ができた当時、この適用範囲は一体どういうことかということで論争いたしました。御承知のとおり、衆議院と参議院と両院で三国会ぐらい継続審議になって、まあ最終的結論出たわけですが、しかしそのときから、中小企業とは何ぞやということで論争いたしました。あるいはまた、国会に中小企業の代表者の御意見を聞きたいというところで、中小企業の代表を呼んだところが、その中小企業の代表の中に三菱鉛筆の社長がおいでになった。私も三菱ですからよく知っておりますが、そこの会社は確かに定義に当てはまる。鉛筆会社で膨大な六億も七億も利潤を上げていますが、オートメ化しているから人数が少ない。こういうことで、単に人数と金額だけで割り切れない問題がありますけれども、しかし、いずれかに割り切らなければならぬ。したがって、法文化して明確にしておきなさいということが常に私どもの主張であったんです。これはもう与野党一致した意見です。ところが、あなたのほうで、いろいろ意見があったために、この問題を政令に委ねて後刻基本法の中で論議するとおっしゃっておるけれども、しかし政令でやると、さいぜん私が申し上げたとおり、問題が起きやせぬかという心配。しかしあなたは、まあそういうこともあるかもしれぬけれども、大丈夫だと、原案にひとしいものが政令として盛り込まれるだろう。原案というのは政府原案をさしておるのだろうと思うのですが、政府原案をさして、それが、政府原案がそのまま盛り込まれるというのだったら、何のためにこれを修正したかわからぬということになる。そのほんとうの理由はですね、それと同時に、政令に政府が任かせたのですから、政府の出した原案を修正しなければならぬほど強い御意見をお持ちの衆議院の商工委員会がだね、それほどの大問題をなぜ政令に任かせたかということをお尋ねしたいわけなんです。

逢澤寛自由民主党

○衆議院議員(逢澤寛君) いろいろ御意見はあると思うのです。いろいろ御意見はあると思いまするが、さきに申し上げたようなことで、一応は基本的にはまず関係者の要望にこたえるということが一番の問題である。したがって、論議は残しておきませんと、論議が今お話しのような重要な論議になってくると、それを無視するということは、これはできないことなんです。したがって、それは論議は十分尽くして、その帰趨に問わねばならぬというようなことは、これは両院とも同じ感覚であろうと思うのです。決定するのじゃないのだ、したがって、その論議を通じて結論を得たいというのでやっておりますと、こういうことを御了承いただきたいと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 まあそういう意味はわからぬでもないのですが、論議を残しておいてもですね、法律は生き物ですから、これはもう四月一日から実行されるわけですよ。論議が残ったままで法律が実行されるということは、これはきわめて危険です。特に樋詰長官のお話を承ると、準備させなきゃならぬ。しかし中小企業というのははっきりわかっておらぬ。何を対象にしてとにかく準備させるかというふうな——これは結婚式場はこれはもう混むから早く結婚式場予約しなければならぬけれども、嫁さん婿さんきまらぬというのと一緒で、何を準備するか。中小企業の該当企業なり該当商社なり該当するものがきまらぬのですから、何を対象として各そのそれぞれ下部機関に準備させるのですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 先ほども申し上げましたように、中小企業というのは大体三百二十八万七千ばかり現在あるわけでございます。現行法の一千万かつ三百人。それで、今度われわれのほうが国会に出しまして御修正いただいたわけでございますが、五千万かつ三百人ということにしましても三千五百しか全体でふえないということで、まあ大勢としてはほとんど大差がない。九九%以上の——三百二十八万のうちの三千五百でございますので、〇・一%程度というものの差しかないわけでございますので、準備といたしましては、さしあたり従来の中小企業というものを一応の対象にしていろいろな準備を進めましても行政上さしたる支障はないと、そういうふうに考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 世界で一番中小企業が多いのが御承知のとおりスペインで、二番目が日本ですから、世界で第二の中小企業国です。しかし、三百二十八万とおっしゃるのはどこから出てきたか。もうすでに、何だね、三百二十八万というのは定義がきまったと同じじゃないか。その三百二十八万が三百十八万になるか三百三十八万になるかわからぬというところに問題がある。あなたが三百二十八万何千といって正確に言うのだったら、あなたのほうではっきりきまっておるのじゃないか。何をものさしにするか、それにもかかわらず、政令でどうするかということは、衆議院の商工委員会で一ぺんも話し合っておらぬということ、別にあなたのほうから進んで言う必要もないから言わなかったかもしれぬけれども、政令でどういうものを出すかということが法律の改正によって問題になるわけです。政令がどういうものを出されるか、したがって、まあまだ論議しておらないかもしれませんけれども、あなたの答えが出ておる。式がなくて答えが出っこない。三百二十八万というのは、どういう公式で出てきたのかということです。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 私がむしろ三百二十八万七千と申しますのは、法人企業統計並びに事業所統計によりまして、総理府で調べました統計、その中から現在の定義、すなわち資本金一千万または三百人以下に該当するものが三百二十八万七千余りあるということを申し上げたわけでございまして、それでは五千万にかりに引き上げられた場合に幾らふえるかということを同じ総理府の統計で調べますと、三千五百十五ふえるということを申し上げたわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 衆議院の逢澤委員長に申し上げますが、私ども、政府が提案する、内閣が出す法律についてもそうですが、衆議院の修正された点についても、院議で決定してきたことですから、十分尊重して論議して結論を出したいと思います。私ども、これ以上お尋ねしませんし、これでお引き取り願いたいわけですが、ほかの諸先生方がお尋ねされる点があれば別ですが、私はこれでけっこうです。ただ、お願いしておきたいことは、基本法に一切ゆだねるわけですから、政令は暫定措置ですから、私どもも今までいろいろと長い間、中小企業とは何ぞやという定義について論議をして参りました。したがって、まあ衆議院のほうと同じように真剣にこの定義について今後論議をして参りたいと思います。ですから、そういう点もお含みになって、今後中小企業の基本法を論議されるときに、この定義については、まあ政令がどういうふうに出されるかは別として、その政令を前提条件とせぬようにひとつ御論議を、委員長特段の配慮をいただきたいということを御要望申し上げまして、きょうはどうもたいへんありがとうございました。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 逢澤商工委員長に阿部さん以外の方で御質問のある方はいい機会ですから、よろしゅうございますか。——じゃ、ないようですから、どうも御苦労様でした。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 樋詰長官にお尋ねしますが、これは中小企業ばかりでない、あらゆる産業、大企業においても、合理化とか近代化という名称の法律なり、いろいろ会社が一つの企業をもり立てるとか、あるいはまた企業を興こすとか、あるいは現在の企業の内容を切りかえるというときは、常に近代化とか合理化、こういうことをいうわけです。まあこの法律の中にもありますが、近代化、合理化、これはどういう意味に私どもは解釈すればよろしいのですか。合理化とか近代の差ですね。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは、近代化という言葉を特にわれわれがとりましたのは、中小企業で一番問題になるのは、これは申し上げるまでもなく生産性が低いということでございますが、この生産性が低いということをどうしてかと、その原因を考えてみますと、多分に前近代的ないろいろな要素を持っておるというふうに考えられるわけでございます。そこで、われわれといたしましては、この前近代的な要素を払拭いたしまして、できるだけ近代的な要素というものを多く身につけるようにして中小企業というもの全体の底上げをするというようなことが必要じゃなかろうかということで、近代化という言葉を使ったわけでございます。で、今御指摘の合理化ということが片方にございますけれども、合理化も結局ねらうことは同じかもわかりませんが、合理化のほうにはえてしてどちらかというと非能率切り捨てといったようなニュアンスと申しますか、そういったような響きを持っているような面等もございますので、われわれといたしましては、中小企業が全体的にレベル・アップしていくのだと、そして前近代性を払拭して近代的な要素を身につけてよりたくましくやっていくということのためには、一番ふさわしい言葉はこの近代化じゃなかろうかということで使ったわけでございまして、近代化といい、あるいは中小企業の振興といい、あるいは合理化といい、これは人によって一つことをさしているといったこともあるかもわかりませんが、一種の歴史的と申しますか、歴史の流れに沿いまして、経済的、社会的な条件が変化しつつある現在において、新しいあすに力強く出発するというためには、中小企業にとって近代化という言葉をもって表現する一切の努力が一番効果的じゃなかろうかというふうに考えているわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 二つの法案をお尋ねすることになっていますが、まあおもに促進法のほうから先にお尋ねしたいと思いますが、なお、関連がございますから、飛び飛びになった場合にはごかんべん願いたいわけですが、またそこでお尋ねするのは、皆さん方のほうで中小企業の構造の高度化という言葉をお使いになっておるようですがね、それはまた今のと全然違うわけですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 中小企業の高度化と申しますのは、先ほども若干触れたんでございますが、中小企業にとって一番大きな問題は、中小企業が数が多過ぎて規模が小き過ぎるということでなかろうかと思っております。それでこの企業規模の過小性というものに着目いたしまして、企業規模の適正化、あるいは事業の共同化、集団化というようなことによりまして、このよろな中小企業の構造を是正して、生産性を最も効率的に向上させていくようにするということをわれわれは中小企業構造の高度化と、こう言っているわけでございまして、これはたとえば合併でありますとか、あるいは協業化でありますとか、あるいは商業における経営形態の近代化でありますとか、あるいは非能率的なと申しますか、行き詰まった部門から将来明るい部門への転換でありますとか、そういったものをひっくるめまして中小企業構造の高度化と言っておるわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうすると、長官、合併とか協業ということになってくると、これは合理化と同じじゃないですかね。無理にこじつけて、三つあるもんですから、長官が無理して答弁しているような気がするのですが、高度化ということと合併あるいは協業、こういうことになるとちょっと私は納得いかぬのですが、その点と、もう一つ衆議院で、今、逢津委員長にお尋ねしたように修正になったわけですが、この政府の見解はどうなんですか。この修正された中身についてですね。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 中小企業の高度化と近代化でございますが、中小企業構造の高度化と申しますのは、中小企業の近代化を進めるために必要な前提であり、またその態様でございまして、中小企業の近代化のためには設備、経営、技術等のいろいろな要素の改善、向上ということが必要でございますが、中小企業構造の高度化はこれらの諸要素の改善、向上を効率的に進める方策である、こういうふうに考えております。したがいまして、高度化は、近代化よりも狭い概念でございまして、近代化を促進するための手段的な概念というふうに御理解いただきたいと思っております。  それから先ほどの定義の修正の点でございますが、私どもといたしましては、現在の一千万円または三百人、これは工業の場合においては千人とか例外はございますが、一応製造業等につきました場合に一千万円または三百人というもの、それはその後各方面で設備投資等が行なわれまして、大体三百人の従業員を持っているところの資本金はむしろこの法律では、現行法が定められた当時は、大体千万円でちょうどバランスしておったわけでありますが、その後調べてみますと、従業員三百人のところはおおむね資本金が五千万になっている。それからまたそういうことで実情にたまたま合わせたということでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうしますと、今修正個所についてお尋ねしたお答えとして、どういう内容を政令に盛り込みますかというお尋ねに対しては、原案どおりにいくでしょうという逢澤委員長の答弁、この原案というのは政府がお出しになっていることをさしているかどうかお尋ねしませんでしたが、そういうことでないかというように判断しましたし、その次に政令の内容について政府当局と話し合いがなされましたかというお尋ねに対しては、やっておりませんという御答弁でしたが、衆議院段階はそれといたしまして、今、長官の答弁の中でも若干うかがえるわけですが、政令はどういう基準で盛り込むものかまだきまっておるかどうかわかりません。しかし、きまっておらないならば、長官の御見解でもけっこうですからお示し願いたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 政令をかりに四月一日に出さざるを得ない、そうでないならば一さいの準備が進まないということになりますれば、これはわれわれといたしましては、こういう一番基本的なことを政府限りでやるわけには参りませんので、現在の法律による一千万円または三百人というものを政令としては出さざるを得ない、もしすぐ出すとすれば。ただこれは先ほど申し上げましたように、現行でいくかあるいは政府の原案でいくかということにつきましても、実際問題としてはほとんど企業の数からすると大差ないわけでございますので、準備自体としてはどっちにころんでも支障がないという程度の事前準備が進められるものと、こう思っておりますので、基本法の御審議を待ちたいと思っておりますが、今すぐ出さざるを得ない、どうしてもいけないということになれば、これは政府としてとるべき道は、現行法一千万円ということにせざるを得ないかと考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 現行法でいった場合には、長官から御説明があった三百二十八万、こういうことになるのですね。そうするとこのほうでいくと依然として三百二十八万ということにならぬじゃないですかな。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) そこで、現在の一千万円または三百人ということになると、三百二十八万七千でございます。それが五千万円または三百人、かりに上がった場合に幾らになるというと、三百二十八万七千から三百二十九万三千五百ふえるだけでございます。三百二十八万七千を一応対象に準備を進めまして、それがその結果三百二十九万となったからといって、急にあわてなければならないことはまずない、一番上のところを中小企業に入れるかどうかというだけの問題でございますので、現行法どおりにいきましても、実際の支障はほとんどないのじゃないかということを申し上げておるわけであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 次に、さいぜんも若干逢澤衆議院の委員長にお尋ねしたわけですが、基本法がいずれ本国会でできることとして、当然基本法が先でなければならぬという私は見解を持っておるわけです。ですから、なぜ政府当局は基本法のほうを先に論議して決定するようにお努めにならなかったかということが、私きわめて疑問に思っておるわけです。一番根本方針の基本法を来国会か次々の国会で論議するなら別ですが、同じ国会で論議するのですから、そうすると基本法を、やはりどうしても当然基本法が先にならなければならぬのだし、政府としてもそうだと思うのですが、これはあなたのほうで基本法をおそくお出しになったから、基本法がおくれて枝葉末節の二つの法案が先になったからということと、それから近代化促進法というものを作らなければならなかったとその根本原因、それをお尋ねします。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは筋から申しますと、これは先生のおっしゃるとおり、まず基本法を作って、それの関連法というものを御審議いただく、またそれで御決定いただくというのがこれは一番筋だろうと、こう存じます。ただ、先ほど逢澤委員長も申し上げましたように、基本法はこれはいわば憲法でございまして、それ自体では大きな方向を示すということにとどまりまして、個々の具体的な施策につきましては、それぞれの実定法にゆだねておるわけでございます。そこで大きな方向というものにつきまして、これは御審議願って、それをおきめいただくということは、十分時間があればもちろんそうすべきだと思いますが、われわれといたしましては、具体的な内容を持った実定法、これが非常におくれるということになると具体的な御迷惑を中小企業にかける。基本的な方向の憲法そのものについては考え方がどうだこうだという非常な大きな問題でございますが、これはいわば憲法で、直接権利を付与したり、利害関係が比較的薄いものが多うございますので、順序としてある程度おくれるということもやむを得ないということで、これは順序から申せば先生のおっしゃるように、まず憲法を作って、そして大きな範囲内において一連の体系の法律を次々に審議していただくということが、これは一番望ましいこととは思いますが、しかし、逢澤委員長も申し上げましたように、いろいろな助成の面その他で、待っている中小企業者の実情等を考えますと、実定法のほうをまず先に上げていただいて、そして基本的な論議のほうは若干おくれるということも便法と申しますか、やむを得なかったのじゃないかと、こう存じております。  なお、近代化促進法をなぜ作らなければならないかということでございますが、これは御承知のように、最近中小企業を今までささえておりました経済基盤、これが自由化の推進でございますとか、あるいは高度経済成長による労働力の不足でありますとか、いろいろな面で大きく変わってきております。これからの中小企業というものは、これはひとり中小企業だけではございませんが、日本経済全体が国際競争に直面せざるを得ない、またそれを乗り切って初めて真にたくましい発展ができる、そういうふうに考えるわけでございますが、そういう経済の新らしい段階に入り、しかも外からの脅威というようなものを考えざるを得ないということになったわけでございますので、たくさんございます中小企業の中で、今特に中小企業の占めるウェートの高いものであって、しかもその産業のその部門に属する中小企業が振興するかどらかということが、国民経済全体の産業構造を高度化することに非常に大きな影響を持ち、また国際競争力の点から申しましても至大な関心を持たざるを得ないといったものでございますので、逐次これを取り上げまして、今まで以上の手厚い保護助成の措置を講ずることによりまして、一日も早く一本立ちできるようなふうに持っていきたいということで、そういうことで法律を御審議願っておるわけでございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 ちょっと関連で、特に政務次官に聞きたいのであります。今長官からいろいろお話ありましたが、基本法があとになって、関連法が先に出る、こういう形ですが、確かにこういう問題は促進しなければならぬ法案であると思うのですが、結局中小企業法案そのものが先ほどから阿部委員も言われたように、いわゆる大企業に対して中小企業の底上げという問題が大きな問題だろうと思う。そうすると、最近、最近というよりも現在特定産業振興措置法案、これが国会に提案されておりまして、まだ趣旨説明は聞いておりませんが、こういう案が大企業の今後の国除競争力を増大するという立場からああいう法案が出されておりますが、そういう法案を今後通過さし、促進さすために、こういう中小企業の当面する問題を早急にこれは早くしなければならぬというこういう立場に立っていうならば、政治的にそういうふうに考えられたのか、その点どうなんですか。

上林忠次自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(上林忠次君) 当面しております自由化の問題に即応しまして、何とかして第一線になくてはならぬ、立つためには一番風当たりの強い大企業を安全の位置に持っていかなければならぬ。これを持っていかないとこれに従う中小企業もやっぱり弱体化する。大企業ばかりでなくて、これに従っている中小企業が相当あるのだ。その問題で先ほどから阿部氏から問題が出ていると思いますが、いずれにしましても、中小企業を育てるためには、中心になる基本的なああいうような基本産業の拡充をはからなくちゃならぬ。その問題で先ほどから論議されておるわけでありますが、大企業ばかりを生存させるという意味じゃないのでありまして、まず大企業が倒れたらしまいじゃないか、日本の産業はしまいじゃないか、これに従う中小企業がしたがって没落する、没落するかどうかという時期にきているのじゃないか、そのどこをつかむか、中小企業合理化等から引っ張り上げるかという問題で、先ほどから論議されておりますことは、大企業のほんとうの目ぼしい産業をまず外国の産業と対抗できるような位置に持っていきまして、これを安泰に置いて、これから関連した中小企業の発展を期したい、そして日本の産業の拡充発展を期していきたいと私は考えております。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) ちょっと今の政務次官の御説明に補足さしていただきますが、現在御審議願っております中小企業関係の法律は、これは特定産業振興法とは全然関係なしに、むしろ大企業に対する中小企業の格差を是正するという、そして中小企業全体の底上げをするということを目的として出したわけでございます。ただこれを出しましたあとで、今、政務次官がおっしゃいましたように、大企業自体のほうに立ってこれでいいのかというと、相当問題があるのじゃないかということで、特定産業振興法案が大企業も中小企業も全部ひっくるめた当該産業自体として、いかにも外国から攻勢を受けたらひとたまりもないという懸念のあるものについては、大企業、中小企業の差別なしに、全部ひっくるめた当該産業として何らかの格好で国際競争をしなければならない、そのためにある程度いろいろな設備も要るじゃないかということで出されたわけでございまして、われわれがここで御審議願っておりますのは、国内においてまず大企業との格差を是正するということを目標に出されたものでございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 それで大体わかりました。そういうものには関係なしに早くしなければならぬ、こういうことですが、政務次官の今の答弁はちょっとどうも私納得できないのですが、これは今、日本のあらゆる生産ですね、これは大企業と中小企業を比較した場合どのくらいの割合にあるか、中小企業は大体七割じゃないですか。それから輸出問題にいたしましても、やはり五割強は中小企業が担当しておるのじゃないか、こういうことだと思うのですが、そういう中で、今の政務次官の意向を聞いておると、中小企業が中心で、そうして中小企業も若干底上げしなければならぬと、こういうような意向になるのですが、これは私たちこれを論議する立場から考えるとちょっとおかしいのじゃないかと思うのですよ。その点は明確にしていただきたいと思うのですが、今、長官に聞きますが、先ほど申しましたように生産の問題ですね、やはり大企業はどういう範疇に入れるかは別にしましても、やはり七割近くの中小企業でこれがあらゆるものが生産されておる、輸出の場合においても五割強ではないかとこう思うのですが、その点いかがでしょうか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 中小企業の範囲をどこにおくかという点、若干問題があると思うのであります。先ほど申しましたようにどっちにころんでも大差はない、ネグリジブルの差であります。そこで一番新しい総理府の統計は昭和三十五年度までになっておりますが、だんだん中小企業のウエートは減りつつあるわけでございまして、三十五年度には付加額におきまして大体四九%、付加価値におきましては一応四六%ということになっております。確かにもう少し前には六割あるいはそれ以上になったこともございますが、最近非常に大企業のほうの伸び方がより大きかったというようなことが出ておりますので、半分を今、割っているという格好になっています。それから輸出につきましては、これはどうもはたしてどれが一体中小企業のものかということは非常にむずかしいわけでございますが、たとえばある試算によりますと五二%程度が中小企業の手に成るというふうにいわれております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 そういう割合が出ておりますけれども、大企業とてもすべて大企業で生産しておるということじゃなくて、ほとんどは大企業は下請というか、こういう中小企業に委託した問題が非常に多いのじゃないか。したがって、当初申しましたように、大企業も国際競争を、これは対等の立場でやらなければならぬというようなこともわかりますけれども、ここにやはり中小企業の大きな先ほどからいわれる高度化あるいはまた底上げ、これが必要になってくると思うわけなんです。そういう意味でこういう関連法案も出ておると思いますので、先ほどちょっと振興法、いわゆる特定産業振興法、これに比較して政務次官に聞いたのですが、この点はひとつ政務次官として明確に中小企業の問題を理解してもらっていなければいかぬと思います。

上林忠次自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(上林忠次君) 特定産業に重点を置いたとおっしゃいますけれども、まず特定産業が一人前になってくれなくちゃ困る、日本の産業としてこれが中核になるのだと思っております。とにかくわれわれとしましては、ああいうような大産業に比べて中小企業はやっぱり格差がひどい、これを是正するのがわれわれの目標でありまして、先ほど申しますように中小企業の付加価値が減ってくるということも最近の情勢でありまして、かような変化が起きている。特にそういうような点から考えますと、中小企業には手厚い処置を講じて、高度化とかあるいは設備の改良を促進いたしまして、何とか付加価値を多くしまして、差額を少なくしなくちゃならぬ、差等を減していくというようなことが必要である。それで特にわれわれはこういうふうな審議をしていただきまして法律を出そうと考えておる次第であります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 法律を見ましても、長官の御答弁を承っても、大企業と中小企業の格差をなくす、二重構造をなくす、生産性を同じようにするように努力する、こういうことなんですから、次官のさいぜんの御答弁のように、まず大企業、その次は中小だというようなことは、心の中でお持ちになっても、この法案を審議するときにはおっしゃらないほうがよろしい。  なお、樋詰長官にお願いしておきますが、今の次官の答弁に関連して、次官のおっしゃったとおりであるが、もちろん大企業も手当をせんければならぬ、それには向井委員の質問したように特定産業云々という法律ができます、こういうことなんですが、あなたは中小企業庁長官であるし、有能な通産官僚の最高幹部なんですから、あの特定産業振興法案などというものは、これは私ども社会党は全く反対なんですが、社会党内だけじゃなく、自民党さんの中にも反対の方がたくさんいるのですよ。昔の戦国時代の終末どきに、豊臣家と徳川家が戦って、まず関が原でやられて、大阪冬の陣でやられて、大阪夏の陣に近いああいうふうな法案とあなたは心中なんかせぬほうがいいですよ。あなたは中小企業を一生懸命にやっておれば、将来あなたは通商産業省を背追って立つのだから、ああいうつまらない法案と心中なんかせぬように、これはよけいなことですが注意しておきます。  そこでお伺いしたいことは、さいぜんも御説明がございましたが、何とかして四月一日から発足させ得る予算措置も講じておるということなんですが、三百二十八万も、約三百三十万もございまして、それを全部てこ入れするというのですが、予算はどのくらい盛り込んでおりますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 予算といたしましては、通産省関係では八十五億、労働省その他入れまして百十八億ということでございます。これは予算額そのものは非常に小さな額になっております。ただ、中小企業の関係は今さら申し上げるまでもありませんが、三百二十八万からの方々のすみずみまで行き渡るようにするということは、結局金融と税制と両方でできるだけ配慮をするというのが、一番すみずみまで浸透する施策であろうと考えておりますので、それにつきましては、政府関係の金融機関等におきましても、昨年度より一五%貸し出し規模をふやしまして、本年は三千億あまり、一応の予定では三千五億ということになっておりますが、それだけの貸し出しを政府財政金融機関だけでも出そうということを考えております。そういう直接な政府の予算以外に、財政投融資といったような面から中小企業を大いにバック・アップする。それから税制の面から専従者控除でありますとか、あるいは同族会社の留保金を軽減するというようなことで、いろいろ配慮を払うということによりまして、国の予算、税制、金融、この三本建てを通じてできるだけすみずみまで施策が行き渡るように努力したいと考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 確かに長官の御答弁にありましたように、三百三十万中小企業がありましても、それは私も全部該当するとは思いませんし、そういう必要のないところもたくさんあるだろう、しかし、あまりにも額が少ないのですね。私もしろうとですが、しろうと目で見ても額が少ない。これはイギリスの国会では野党と与党がここでやり合うのですが、与党の豊田先生あたりはその道の権威者ですから、うんと論戦を今やってみたいと思うのですが、今おっしゃったような金額で、この法文の示すような産業構造の改革から大手、中小企業の問題等解決できるかどうかということをまず申し上げたいわけです。なお、そういう点について詳しく御説明願いたいのと、租税特別措置法で適用を受けているのは一部分じゃないかということを主張して参りましたが、その点も見ているようですが、大蔵省と話し合いがついた大体の額はどのくらい見ているのですか。おそらく大蔵省との話しい合いをしているだろうと思いますが、大体の話し合いなされた額はどのくらいですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 先ほど申し上げましたように予算の金額としては、これは確かに多い額ではございません。直接この対象になるという中小企業は全体から見たら非常に微々たるものであるということは御指摘のとおりだと思いますが、先ほど申し上げましたように、中小企業政策は、こういう国から直接無利子の貸付金を出すとかいったような、そういうことのほかにいろいろ金融のめんどうをみるというようなことで、お世話していくということがむしろ行政の本筋であろうかというふうに考えておりますので、その点を重ねて申し上げさしていただきます。  第二番目の御質問の税の関係で、それでは一体どの程度まで中小企業がめぐまれることになるかということでございますが、これは三十七年度に比べまして大体同族会社の留保金関係で三十億円、近代化促進法の第九条の関係の割り増し償却というのがございます。それで十五億、団地、合併、協業化の促進というようなことに伴います清算所得に対する課税減免というようなことで三十億円、それから専従者の控除引き上げということに伴いますもが六億円ということで、合計して減税関係は、これは数字はもう少し多いと思うのでございますが、大蔵省が、非常に正確にと申しますか、固くしぼってみたところで、大体八十一億円ばかりの減税が今までの上に加えられるということになっております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 その減税の問題で特に近代化の八条の中にもありますが、租税特別措置法の改正等も加わっているのですが、ひとつこの点について早急に具体的に詳細な資料を出していただきたいと思うのですが、出ますか、あすまでに資料。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 速記ストップ。    〔速記中止〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 速記を始めて。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) この中で合併関係は大企業と込みになっているそうでございますので、はっきりした数字がわかりませんが、この法律の中の第九条の割り増し償却、あるいは同族会社の留保金というような問題、あるいは専従者控除というものは、これは資料として提出いたします。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 速記を止めて。    〔速記中止〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 速記を始めて。  それでは午前はこの程度で暫時休憩をいたします。    午後零時八分休憩      —————・—————    午後一時三十八分開会

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  まず、委員の異動について御報告をいたします。  本日丸茂重貞君が辞任をされ、その補欠として小林英三君が選任されました。     —————————————

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 午前中に引き続き、中小企業振興資金等助成法の一部を改正する法律案及び中小企業近代化促進法案を議題として質疑を続行することにいたします。  御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 通産大臣にお尋ねいたしますが、午前中樋詰中小企業庁長官から、いろいろと二つの法案の説明を受けいろいろお尋ねしたわけですが、特に中小企業近代化促進法案の施行にあたって、予算の額をお尋ねしましたところが、百幾らという、億単位の金なんですが、百億ぐらいの金をもってしては、三百二十八万あるというのですから、もちろんこれは全部が対象になるわけでございませんけれども、八幡製鉄一つみてもまあ資本金が百億円、日本全国の中小企業に対する近代化の措置とか、あるいはまた高度化、合理化の中身についても承りましたが、これだけのお仕事をされるのに八幡製鉄一つの会社ぐらいの金では、はたしてねらっておるところの近代化促進ができるかどうかということなんですが、もちろん中小企業といえども、全部国にたよって近代化するとか、合理化するというものではなかろうと思いますが、それにしても、あまりにもわずかな額であるというようなことからして、ねらっておる趣旨のようなことができ得るかどうかということをお尋ねします。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) これは阿部さんもすでにおわかりのことでありますが、確かに直接予算は少ないのでありますが、中小企業というものは、何も独立して存在しているのじゃなくて、経済の中で大企業との関係も持ち、また横との関係を持ったりして、そうして仕事をしておるわけであります。そこで、経済全体が動いてくるようになれば、中小企業もその意味で動きやすいというような面もあるのでありまして、中小企業に一応振り向けておる財政資金とか、金融資金というようなものだけが、中小企業振興でもなければ、何でもない。もちろん今あなたのお話のことは、近代化ということを中心にして取り上げておっしゃっておられるのですから、その意味では確かにまだ足らないのではないかというお考えについては、われわれも十分だと思っておるわけではございません。しかし、先ほども申し上げたとおり、日本の経済の中で、どの程度に中小企業に資金を振り向けていくか、私はすべての経済に——大企業といわず、中小企業といわず、小企業といわず、みんなに国としては援助をして、あるいは何らかの金融措置その他合理化等の問題を考えていく必要はあると思いますけれども、まあ中小企業に十分それをやらなければならぬけれども、この現段階において、財政的にみれば、この程度のことをやってはどうかというのが政府全体としての考え方であろうと思うのであります。それが予算にあらわれてきておるわけであります。それでは、通産大臣自体として十分と思うかということになれば、これは近代化はまだやったほうがいいのですから、それは決して私は十分でございますとは申し上げかねるのでありますが、しかし、この限度で差しあたりやむを得ない。しかし、今後はもっともっと努力をして近代化促進に努めて参りたい、かように考えておるわけであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 確かに、百十数億の金ばかりでなくて、今、大臣のおっしゃったようなことを午前中伺いました。一例をあげると、租税特別措置法の問題にいたしましても、八十数億の税金をみてもらうということになるのですから、まああらゆる手を講じてやるようにできておりますけれども、それにしても、あまりにも太平洋にアワ粒というぐらいで、これは極端な例になるかもしれませんけれども、日本国中の中小企業に当てはめることですから、これはとても満足でないということを大臣もおっしゃっておるわけですが、これではとうてい法案の趣旨というものが生きてこないような気がするのですがね。ないよりはましだということになりはせぬですか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) こういうものは、見方といいますか、数字のとり方等でもいろいろ変わって参ります。われわれとしては、この日本の国力の段階において、また日本の経済の段階において、また予算の段階において、満足はできないけれども、まあがまんせざるを得ないということでありまして、あるいはあなたのおっしゃるように、もし大したことではないということになれば、むしろないよりはましだということになるかとも思いますが、少なくとも前向きの姿勢で中小企業に取り組んでいる、量は少ないけれども、前向きの姿勢におるということだけは御理解をいただきと思う、かように考えておるのであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 次にお尋ねしますが、この法案の中に、三百二十八万か三百三十万ある中小企業の中で該当する種目をあげておりますが、「工業、鉱業、運送業その他」、「その他」というのはまあ窯業とか、建築とかが入るかと思うのですが、大体この「その他の業種」というのはどういうものが入るとお考えになっておるわけですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) この中には運輸業でありますとか、建設業でありますとか、それから金融、保険、不動産といったようなものでございます。それからこのほかに公益事業でございまする電気、ガスといったようなものがございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうしますと、相当なものが入ると同時に、相当な種類の産業がはずれるということになりますが、同じ中小企業でも、これは企業庁長官、あれですね、純然たる個人の中小企業と、大企業の系列会社の中小企業がありますね。その差等はもう全然この法の施行に当たって見ないのですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 私先ほど三百二十八万七千というふうに申し上げましたが、そのうちで法人企業は約五十万六千程度で、あとの二百八十万ばかりはこれは個人企業でございます。大部分は町で一番われわれの身近にございます小売商店といったようなものが多いわけでございます。個人企業が大体二百八十万、それから法人企業が五十万、大きく分けるとそういうようなことでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 それが第二条の三ですか、二条の三に書いてある会社及び個人というふうに政令で定めることになっておりますが、それに該当するのですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) この二条は、先ほど申し上げましたように、一応衆議院で御修正いただいたわけでございますので、今政令ということになっておりますが、われわれは原案を出しましたときに、ここにありますのは、現在の定義におきましても、原則として一千万円または三百人、ただ鉱業関係について、石炭にいたしましても、金属鉱山にいたしましても千人、同じ工業でもゴムの関係あるいは陶磁器の関係というようなものは九百人、繊維の染色整理では六百人までを一応中小企業と見るというふうに、それぞれの業種によりまして必ずしも画一には律することができない面がございますので、われわれ政府原案におきましては、特に第三項を設けまして、一律にいかないところを拾う、これは現行法でも大体こういうことをやっておるわけでございます。ですから、鉱山でありますとか、あるいは繊維の特殊の部門、あるいはゴム、陶磁器といったようなところについては、原則だけで律すると、非常にかわいそうな面が出てきわせぬかというようなものにつきましては、実情に応じて政令で定めていきたいというふうに考えたわけであります。ですから、今度全部政令になるという場合にも、原則的にはこうだけれども、例外的にはこういうことについても配慮しなければならないという規定を当然置かざるを得ないと考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 私は明日、最終的にもし疑点があれば大臣にお尋ねしなければならぬかもしれませんが、きょうはこの法文の中身をお尋ねするのですから、大臣、お引き取り願っても私はけっこうです。ただ、向井、奥両委員がおりますので、委員長からお尋ねいただきたいのですが。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) ちょっと速記をやめて。    〔速記中止〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 速記を起こして。向井委員。

向井長年民主社会党

○向井長年君 非常に中小企業の近代化促進なり、あるいは助成の問題については、大企業との対比があると思うのですよ、それを進める上において。したがって、朝からも若干長官に質問しておったのですが、特定産業振興措置法案、こういう法案が国会に出されておるようですが、これにつきましては、非常に業者と申しますか、これの意見を非常に尊重して聞こう、まあこういう形にあの趣旨がなったと思います。この中小企業の近代化促進助成という問題については、これに対しては政府みずから力をかけて、そういう方向にもっていこうとするのか、この近代化促進法は、そういう性格が、そういう意味においてニュアンスが違うのじゃないかと思うのですが、この点、大臣どう考えておりますか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 確かに、特定産業振興に関する法律というのは、民間の意向をできるだけ尊重するという建前であります。というのは、いわゆる官僚統制になって何かいかにも官製のものにしていくというような形をなるべく避けたいという考え方でございます。それと比べますと、中小企業近代化の問題になりますというと、若干事情が違いますけれども、しかし、やはり審議会を置きまして、御承知のように、基本計画とか実施計画その他必要な問題を全部これにかけてやっていくという配慮をいたしております。私たちとしては、もちろんやはり自由意思というものを十分に尊重をしていかなければならない、かように考えておるわけでございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 そこで、特にこういう中で業種指定等の問題があると思うのです。こういう業種指定の問題については、これは民間業者の意見を十分尊重をしてやらなければいかぬのじゃないか、こういう点についてどう今後考えられるかこの点ひとつ。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) もちろん業種指定をやります場合におきましても、そういう意見を十分に考慮いたしまして、そういういわゆる官僚統制的な形にならないようにということは極力気をつけて参りたい、かように考えておるわけでございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 もう一点だけ大まかな問題ですが、これは全般的に通ずる問題ですが、こういうようにして近代化促進に対する助成とかあるいは金融の助成等は今後通産省としてやっていかれるわけですが、こういう中で、非常に政府の金のかかる、いろんな費消をするということによっての先ほど言われた非常に規制というものが、官僚規制といいますか、官僚統制というか、こういう問題が相当起きてくるかと思います。そうすると、事業の自主性という問題が相当阻害される面と、能率を向上し、あるいは生産を上げなければならぬという立場にありながら、そういうことによって非常に阻害されるような状態が出てくるおそれがあると思う。こういう点について通産大臣のお考えを伺っておきたい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 確かに運営を誤まりますと、おっしゃるような問題も起こってくる可能性なしといたしません。したがいまして、通産省としては、十分その点に注意をして、そういうことのないようにひとつ努力をさしていただきたいと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 ただいまの答弁の以前に、長官から私の質問に対する御答弁をいただいたのですが、確かにおっしゃるとおり、午前中も論議になりましたとおり、二条は修正されておりますけれども、しかし逢澤商工委員長が答弁なさっておったように、大体これが生きておるものと——法律でなくて政令でいくんですが、生きておるものと解釈して論議しても差しつかえなかろうと思うのですが、ないと言われればそれまでですが、そこでお尋ねしたいのは、業種別振興法で四十四か四十五の業種を指定して改善を勧告しておるですね。この四十四というのは、私どもが考えたら、五十も六十も拡大しなければならぬと思うのですが、大体勧告しておるような種別の産業が皆当てはまるということになりますか。それとも全然別個の立場でお考えになっておられるのですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 今業種別振興法では業種を毎年二十ずつふやしまして六十六指定をいたすわけでございます。そのうち四十につきまして、この三月までに大体、改善の事項が策定され得る見込みでございます。あした審議会がございまして、そこで十一上がりますと四十になるわけでございまして、われわれといたしましては、その業種別振興法の中から、特に最近の内外の事情にかんがみまして、今まで以上に近代化を促進しなければならない、そのためには税制上のいろいろなバック・アップもしてやる、あるいは金融の問題におきましても、従来以上に力強い裏づけをするという必要があるものを、逐次取り上げていきたいと思っておりますので、現在あります業種別振興法の中から、国民経済的な観点に立って一番緊要性の高い順序でこの法律で指定するということが一番大きな方針になろうかと考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうしますと、樋詰さん、業種別振興法によって改善を勧告しておるそれぞれの業種、この中からももちろん該当が出てきましょうが、それと関係がないわけですね。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 業種別振興法のものを全部ここで一気に指定するというわけではございませんで、指定されるものもあり、指定されないものもある。指定されないものにつきましては、まだ改善事項等の策定されていないものが今後も引き続きまして改善事項を策定いたしまして、こういう方向に進むべしと、そういう大きな道はお示ししたいと考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 これは最後のほうに出てくるわけですが、今まである審議会が、今度改造されて新らしく審議会ができるのですが、そうしますと、この業種の指定というのは、審議会に一つ一つわけて指定する、こういうことになりますか、それともあなたのほうの調査によって決定するものですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 業種を指定いたしますのは、これは一応、役所限りで指定いたしまして、その指定された業種についてどういうふうに持っていくかという改善事項の策定等につきましては、これは審議会にお諮りいたしまして、こういう業種についてはどういう点で問題で、だからどうしなければならないのだということを官民の有識者に御審議いただきまして、国としてきめていくということでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 それと関連してですが、第三条に、基本計画を定めなければならない、ということが書いてございまして、一、二と註釈が加えられておりますが、基本計画というのはどういうことを意味し、どういう計画を立てるということなんですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) この基本計画は、これは今のはやりの言葉で申しますと、いわゆるビジョンと申しますか、中小企業が、今後一体、目標を達成するためには、どういうような方向に進まなければならないか、まずその前に、中小企業は近代化のためにどのような目標を設定すべきであるか、それからその目標を達成するためにはどのような手段をとらなければならないか、といったような方針を一つの総合的な計画として策定公表したいということでございまして、その基本計画の内容は、策三条の第二項にございますように、まず目標といたしましては、目標年度、大体これは三年から五年、ものによって三年ないし五年計画になるのが多いと思いますが、製品の性能あるいは品質、生産費、それからどの程度の規模になるのが、一体、適正な生産規模であるか、あるいはどのような生産方式でやるのか、一番能率的な、合理的な生産方法であるか、といったようなことについての目標を定めまして、その目標を達成するために、第三号以下にございますような設備にはどの程度のものを準備しなければならないか。そのためには金が幾ら要るか。いわゆるその設備を動かす人の面におきましては、経営の面、あるいは技術の面においてどのようなことをせなければならないか。あるいは過当競争等を防ぐために、いろいろと取引関係を正常化する、適正にするというようなことのためには何をすべきかというようなことを、それぞれの業種ごとに書かせるということを考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうしますと、こう基本計画は、審議会の意見を聞いてやると言うから、だいぶおそくなる、こう見てもよろしいですね。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは第一条にございますように、まず実態を調査する。そしてその実態に即してやるということでございますので、これから実態を調査するというものについてては、それは少なくとも一年間ぐらいの時間がかかるだろうと存じますが、先ほど先生が御指摘になりました業種別振興法で今まですでにいろいろ調査もされまして、そして改善事項の策定もされている。しかし、改善事項の策定だけでは資金的にも税制的にも何ら裏づけがないというので強力に実施されないために、うまくいかないというようなもの等を指定する場合には、大体実態の調査もできておりますし、ある程度どう行くべきかということにつきましても、大体の方向が出ておりますので、そういうすでに改善事項が策定されておるものを取り上げるという場合には、比較的短期間で基本計画というものも定め得るのではないかと考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうしますと、あれですね。短期間でできるとおっしゃるわけですから、この法律が直ちに動き出すことになりますが、いずれにいたしましても、さんぜん大臣にも申し上げましたとおり、法律の中身がよくても裏づけする予算が免税を含めても少ないわけですから、法律のねらいどおりに行くかどうかはわかりませんが、いずれにしても、今よりよくなることは間違いない。そうすると、零細企業との関係ですが、幾つかの中小企業がこの法律あるいは政府のてこ入れによって、今より高度な生産化なり、あるいはまた融資面においても幅ができてくるわけですから、当然、大手と中小とを近づけるというのですから、まさか大手を下げるわけではないでしょうから、中小が上がるということになりますと、その余波を受けて零細企業がどうなるかという懸念が出てくるわけです。そういう点について中小企業庁の御見解はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは今御審議いただいております二つの法律、これに基づく国のいわゆる助成といった面、これがほんの一部の企業にしか及ばないではないかという点につきましては、これは先生の御指摘のとおりだと思います。しかし、従来の実績等を考えましても、この促進法と並行して御審議いただいております資金助成法——今までは振興資金等助成法という名前で近代化補助金、あるいは団地の貸付金ということで出ておったわけでございますが、これらの無利子の貸付金は、本来個々の企業では金融ベースに乗らないという方々に対しまして、政府並びに府県から所要資金の二分の一を無利子で貸して上げる。そうすると、それがさそい水になって残りの半分については一般民間の金融機関から金が引き出されるであろうということで、さそい水にするということをねらいにして作った制度であります。従来の実績から申しましても、大体中小企業は、企業の規模で申しますと、従業員が三百人までというのが一応入っているわけでございますが、実績からいたしますと、企業の数にいたしまして、四十九人以下の企業が七三%、金額にいたしまして六〇・五%というものは四十九人以下五十人未満の低いところにされておるわけでございます。それからまた上のほうにつきましては、若干二百人をこえているというものも一・四%ばかりございますが、原則として百人までの企業というものに集中してできるだけ考慮するということを趣旨にして運用いたしておるのでございます。で、今後ともわれわれといたしましては、できるだけ自力でなかなか金を借り得ないという方々に、半分資金の援助をするということで、それらの小さな方々が近代化に向かって立ち上がることができるということをしていただきたいというふうに考えております。ただ団地その他につきましては、まとまって数十人以上の方が行って、大規模にと申しますか、適正規模に達するために協力はやられますので、そのときの企業者は比較的大きい方も入られますけれども、個々の企業にお貸しするという場合は、今申し上げましたようなむしろ規模の小さな方々に貸すということをねらいにしておりますし、実績も今申し上げましたように数にして七割以上、金額にして六割までは五十人未満の企業ということになっております。その方針をさらに拡大強化するという方向で進めていきたいと思っております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 ただいま御答弁ございました資金等助成法の一部を改正する法律案については、あとでお尋ねいたしますが、どう考えてもこの法案が強力に動くことはけっこうなんですが、強力に動けば動くほど、零細企業は、一方が保護されることによって零細企業のほうが切り捨てられるという懸念がある。しかし、今の御答弁を聞くと、法律は二本建てでこちらからこぼれたものはこちらで救うというような御答弁ですが、そういうような工合に、長官の御答弁のような実態になりましょうかね。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 近代化計画を立てますものも、中小企業性の多いといいますと、大部分、具体的に半分以上は、中小企業によって生産が行なわれているのだといったような業種について、その業種全体としてどうあるべきかといったような目標を立てるわけでございます。その中には、おのずからある程度規模の小さな方もあれば、中小と言いながら相当でき上がっているという方もいろいろあると思います。しかし、そういう非常に規模の小さな方々もひっくるめまして、企業にあって今後ますます激化する内外の競争にたえていくためには、少なくともこの程度までは団結されて適正規模になられるということでないと、非常に今後苦しくなりますよということの、将来の見通しをここでお示しするわけでございまして、そしてその将来の見通しに従って、それではひとつ同士的に集まって組合でも作ってやろうか、あるいはこの際お互いに出資して会社を作ろうか、あるいは合併しようかと、いろいろ問題はあるかと思いますが、いずれの方法にいたしましても、このままでは大へんなことになるからということを認識した方々が適正規模になるために組合等で寄り集まられるという際に、ひとつできるだけバック・アップしようというのが近代化促進法でございます。それから近代化促進法に指定されない業種というもの等につきましては、これは一般の政府関係の金融機関あるいは振興資金等助成法という個々の企業に貸し付けるのは、近代化計画とは必ずしも直接には結びつけておりませんので、こういう政府が無利子で貸すという資金を有効に使うということによって、できるだけ非指定業種につきましても近代化を促進することができるようにということはお助けしていきたいと考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 私も今長官から御答弁をいただきましたような促進法についての解釈と全く同じに理解するわけです。ですからこの方法に反対でなくして、それによって自民党さんは協業化、社会党は協同化と、どっちでもけっこうですが、そういうことでいろいろな交通整理ができるわけです。したがって、その交通整理できた、気の毒な人がどうなるか、心配がある。ですから心配ございません。この法によってこうなりますよと、私どもが安心して賛成できるような御答弁をいただければけっこうで、反対でなくて、交通整理しなければならないことになると思うのです。今のままの姿で近代化あるいは合理化の促進ができないのですから、そうすると、いずれこぼれるものが必ず出てくるに違いない。それが一体どうなるかということで心配がありますので、その点についての御説明をいただきたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 今阿部先生がおっしゃいました、今のままの姿で全部大きくなるということ、これは非常に私たちも無理であろう、この前も、少し余談のようでございますが、中小企業の、ほんとうに零細な方々の社長がお見えになりまして、自分たちはここでほんとうに一緒になればいいんだけれども、社長という名前がなくなるのはさびしいのだということを言っておられたわけでございます。ただ理屈としては、自分たち、やはりある人が社長になり、ある人が専務になり、ある人は課長になるというようなことでも、全部の持っている設備なり何なり出し合って、そうして一緒になり、だれも失業する人もなくて、そして能率をうんと上げ得るということになるのだけれども、どうもなかなか社長という名刺を出せなくなるというのはさびしいのだということを言って笑っておられたのですが、われわれといたしましては、今のままの企業、三百二十八万というもの、これは個人が二百八十万いるわけでございます。個人の企業はそのままにしておいて、そして全部が大きくなるといっても、これは無理じゃなかろうかと思いますので、これはやっぱり同志的結合なりやっていただきまして、数はある程度減るけれども、しかし失業する人はいなくなるということは、これは可能であろう。これは一ぺんに全部すっと行なわれるわけでもございませんし、徐々に行なわれていくわけでございますから、これが数年にわたって、ことに基本計画自体でも五年くらいという目標にいたしておりますが、その間に徐々にそういう結合が行なわれていくということになりますれば、大体その結合が行なわれることによって、生産性が上って、非常に物がたくさん作り出されるという、その物を消費するほうの国民全体の消費力というものとも、大体マッチしながら生産性を上げていくということもできるのじゃないかと思いますので、自主性を尊重しながら、しかも政府のほうで適正な援助をということを行なっていきますならば、御心配のような、非常に零細な方がそのためにあおりをくってひどい目にあうということにならなくて済むのじゃないか。またそうすべきである、こう考えております。特に基本法の御審議の際にお願いするのでございますが、零細な方々に対しまては、いきなり経済合理主義ということを要求いたしましても無理でございますので、この際にはいろいろ社会政策的な考慮というようなことも同時に並行してとりながら、かすに若干の時間をもってして、逐次経済合理主義のほうに向かう態勢をとっていただくという方向に持っていきたいと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 まあ御答弁はよくわかりましたが、その二百八十万の中の半分でも百四十万ですが、それが御趣旨のようなことで、三年か五年のうちにできるかどうかわかりませんが、いずれにいたしましても、日本の国情からいって、国民性からいいまして、なかなか長官のおっしゃるようなことにならぬと思いますが、もしなったとすれば、二百八十万ということになるが、とうてい百四十万も、その半分の七十万もできないというのが現実の姿となって、今後数年間に現われてくると思いますが、それにしても、こういうお世話をいただいたところと、全然指定されなかった業種との、まあ失業者は出ませんとおっしゃっておるけれども、失業者が出ないまでも、企業の差というものはついてきますね。それは否定できませんね。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは税制上の恩典、あるいは金融上の特別な配慮という面につきましては、先生のおっしゃるように、一般業種と、この被指定業種との間には、ある程度の差が出るということは、これはやむを得ない事実でございますが、しかし、これは当該業種自体が置かれております内外の情勢にかんがみまして、特に急ぐというものについては、ほかの業種よりも手厚い措置をとりましても、必ずしも公平の原則には反しない、むしろ国民経済的な見地から見ると、少しほかの方々よりも手厚い措置をとってでも早くその業界全体に立ち直っていただくという方向をとることが、国民九千万全体にプラスになるのじゃないかということで指定をしたい。こう思っておりますので、ある程度の差ができるということは、これは先生のおっしゃるとおりでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうしますとあれですね、まあ勧告によるか、勧告を待つまでもなく、本法案ができたあと、自主的に交通整理をやるかは別として、共同出資であるとか、合併とかあるいは新会社の設立、こういうのが出て参りますね。それに伴って独禁法という日本国経済憲法がある、これとの関係はどういうことになりますか。それともう一つ、公正取引委員会とおそらく話をなさっていると思います。公正取引委員長がきのうおいでになったとき聞けばよかったのですが、きのうはほかの問題でおいでになったようでしたから聞きませんでしたが、長官からでもけっこうでございますから、公正取引委員会の見解を一つあわせて承っておきたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) まず、独禁法との関係でございますが、これは本法自体に独禁法の例外規定といったような措置がございませんので、法律上は合併、共同出資等につきましては、当然独禁法の適用を受けるわけでございます。ただ現実問題といたしましては、ここでねらっておりますものが、中小企業を底上げして、大企業に押し負けを食わぬという、言葉はどうか……大企業と対等な取引関係でも結べるようにまで上げていくということでありますので、独禁法の一応適用は受けましても、そのためにその合併待ったといってストップをかけられるということは現実問題としてないであろうというふうに考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 公正取引。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) それから公取との関係においては、勧告をしたりいろいろするという際には、あらかじめ十分公取と打ち合せした上でやるということに話がついております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 それからその次にお尋ねするのは、実施計画に基づいてやられるわけですが、そうすると、業種がきまって実施計画に基づいて指定業種の方々がやられる、午前中のお尋ねに対してそれぞれ政府の考えている金額についてお尋ねいたしまして、御答弁いただいているわけですが、たとえばどういう方法で——これは具体的になりますが、今度融資する場合にどういう方法でどのような窓口を通じてやられるか、この点をお尋ねいたします。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) まず、中小企業の近代化を促進いたします際には、いわゆる高度化という言葉でわれわれが言っております二以上の企業が力を合わせまして、そうしていろいろ近代化を進めていくという場合も、単独の企業が政府から無利子の金を借りてやる場合と二つあるわけでございますが、その単独の企業が借りてやる場合には、これは大体今年度の予算は一応四十一億計上しているわけでございます。それに対しまして県も同額の四十一億を出すということになっておりまして、これが一応八十二億でございますが、このほか三十七年度までの貸しつけたもので県に返ってくるもの、これは三十四億ございます。したがいまして全体で百十六億の金、それが個々の企業に貸しつけられる資金として、それぞれの県に用意されているわけでございます。それでちょうど二分の一補助する、無利子の金としてお貸しするということになっておりますので、企業の事業量といたしましては、その倍の二百三十二億の大体設備をまかなうことができるということになるわけでございます。それから二つ以上の企業が協力いたしまして、そうしていろいろ仕事をする場合、高度化という観点から、いろいろの助成をするわけでございますが、それは全体といたしまして、ことしの資金は二十三億百万というのが国の予算でございます。現在御審議いただいておりますこれに対しまして、県が同額出すというのと、その中には協同組合に対する施設も、それから団地に対する施設もいろいろあるわけでございます。やはり若干返って参りますので、二十三億百万円が県から貸し出される際には五十二億というものになりまして、大体五十二億の金が協業するあるいは団地を作るという方々に対して、無利子で貸し出されるということになるわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 県ということは、四十八都道府県全部で四十一億ですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) そのとおりでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 次に、十条ですがね。第十条には、転換の指導等ということで、経済状態の変化に伴って、大臣が転換を円滑にできるように指導する云々とうたってあるわけですが、法文としてもまことにけっこうですし、中身もけっこうですが、ちょっと樋詰長官にお尋ねしますがね、これはいうはやすく行なうにはなかなかかたいというように考えますが、どのようなことでも——再三申し上げましたように、日本人の国民性もありますし、簡単にはなかなかできぬと思うのです。やはり何か力がなければ、日本人という国民はうんといわない国民性が一部分にはあるわけですから、単に大臣の勧告とか、そういうことで、それははいそうですか、それは経済状態が違ったからやむを得ませんということで、すぐいくとは考えられませんが、その点はどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 私どもといたしましては、転換につきましては、これは転換あるいは中には事業の廃止ということもあろうかと存じますが、これはもうあくまでも自主的な判断におまかせしたい。いわゆる企業の整備というような格好で、もうとてもこの業種はだめだから、あなたとあなたはひとつやめてくれというようなことは毛頭考えておらないわけでございます。ただ所得水準とか、あるいは生活様式の変化でありますとか、技術革新でありますとか、あるいは生産方式がすっかり変わったとか、いろいろな格好で経済情勢が変ってきております上に、自由化といったようなこともございますので、中小企業の立っている基盤が大きく変わっていることは申し上げるまでもございませんが、そういうことから、この業種の将来はこういうふうに持っていかないと非常に苦しくなりますよといったような、近代化の計画という名前のもとに、政府の見通しをお示しするわけでございますが、その結果、組合等で力を合わせる方もおれば、あるいは自分はもうこの業種はやめてほかの業種にひとつ持っていきたいというような方もいろいろおられるのではないか、こういうふうに、自発的にいろいろよそにいきたいということで申し出られました方には、第十条にございますように、「中小企業者の申出があった場合において」、こうございますので、あくまでも中小企業者のほうに自主的な判断はおまかせする。ただ、とても自分は今の業種においては将来非常にむずかしい、こう思われるので、今後伸びると思われる業種にひとつ転換したいのだというふうに出られました場合に、申出を受けまして、助言とか、あるいは情報の提供、転換資金のあっせん、または転換するにつきましても、いろいろ企業診断等も必要だと思われますので、診断制度の活用だとかといったような、いろいろなことをして差し上げようということで、これはあくまでも申出を受けて受け身でやるということで、積極的にあなたはやめなさいというようなことをいう気持は全然ございません。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 なるほど長官の御説明のように、二行目に「申出」ということが書いてございますから、申出が前提条件である。しかし、その申し出によって——申し出までは本人のあれですが、あと政府が相当やらなければならぬわけですね。私のお尋ねしておることは、どうというような方法でやられるか、こういうことなんです。本人が全部一切きめてきて、政府に単に金を貸せということだけではなかろうと思うのです。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは政府のほうにお申し出があったという場合、ただ漫然と、自分はどうも業界は大へんだからどうしたらいいでしょうかというふうにおっしゃる方も、これは中にはあるかもわかりませんが、自分はこういう業種にひとついきたいのだけれどもどうだろうかといったようなことで転換を申し出られる方が多いんじゃないか。そういう際に、先ほど申し上げましたその行く先の業界の実態についてどういうふうになっているかといったような実態を御説明する。それから、もしおいでになるならば、こういう点を特に注意される必要がありましょうということについて、必要な情報の提供と同時に助言をする。それから当然技術を伴うといったような場合には、各県等の公設試験研究所等に御紹介するなりいたしまして、そこで技術指導を受けなさいというようなことをアドヴァイスする。それから企業全体につきましては、今までのようなどんぶり勘定じゃ非常に無理だから、こういうふうに直したらどうだというような経営指導をいたしますと同時に、その企業自体について診断をいたしまして、こういう点にあなたの企業は企業としての病根があるから、これを直してひとつ新しいところへいってももう病気にかからぬように注意しておやりなさいといったような、いろいろな指導をしようというわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 まあ主務大臣が中小企業の構造の高度化とか、あるいはまた競争の正常化とかいろいろな問題で勧告ですね、改善の勧告あるいはまたそういうことを今までこの法案がなくともやっておられるのだろうと思うのですがね。そういう場合、具体的に何か事例がございませんか。こういう法案がなかったから、今までやらなかったということであれば、それまでですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) この法律に書いているようなことで勧告をしたことはございません。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 しかし業別種振興法の定めに従ってやったことはありますね。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 業種別振興法に基づきましても、ここでいうような勧告という例は今までございません。ただ、いろいろ団体協約でありますとか、あるいは組合協約というようなことで協同組合あるいは商工組合というようなところで、いろいろ自分たちは過当競争にならぬようにこういう申し合わせをしてやっているのだけれども、アウトサイダーであるものがこれを乱すために、せっかく自分たちが自粛してもだめになるというようなことで、アウトサイダー規制命令を出してくれというようなことで、アウトサイダー規制命令を出したことはございます。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 ちょっと——アウトサイダー規制命令って、たとえばどういうことなんですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) たとえば、アウトサイダー規制命令でございますと、団体法で生産調整等いろいろやっておるわけでございますが、過当競争にならぬために。それを組合員はおのおの約束を守りまして、あまりものをよけい作らぬでとにかくやろうということでどうにかやっておる際に、アウトサイダーが組合の自粛をいいものにして、非常に大量に作っていきなりそれを組合員値段よりも安い値段で流がして結局市場を撹乱させるといったような場合に、そういう場合に、組合員と同じような規模で生産を自粛するようにということのアウトサイダー命令、これは特に繊維関係に今まで例が多かったということでございます。具体的にもしあれでしたら、担当の指導部長、見えておりますので、指導部長から申し上げます。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 その資料をいただきたいですね。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは本日は間に合いませんが、できるだけ早く資料を作りまして、今までのアウトサイダー規制命令等の内容を提出いたします。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 どうぞお願いいたします。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 この法案実施にあたって、企業が合併するという場合に、この課税の問題について特例を設けて免税するというやに承っておりますが、どの程度やられるのか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは法人が合併いたしました際に、被合併、吸収合併されます際の法人、これは帳簿価格は百万円だけれども、実質価値は五百万円だ、あるいは千万円だといったような資産を出すわけでございますが、その際、合併したために今まで百万円と書いておった帳簿のものを千万円で出資した、そうすると九百万円利益が出たじゃないかということで、黙っておれば課税の対象になるわけでございます。それをやりますと、とても含み利益がみんな外に出てしまい、こわがってだれも合併しないということになりますので、一応合併する際に、非合併法人の清算所得につきましては、これは今までの帳簿価格どおりに圧縮して記帳を認めるということにいたしまして、課税されるのを防ぐという点が一つと、それからもう一つ、そういう合併によって法人ができました際に、登記をしなければならないわけでございますが、この法人の登記に関する登録税、これを免除する、大体この二つを考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 樋詰さんね、この第九条に、「中小企業者」ということで、カッコして「(資本の額又は出資の総額が五千万円をこえる者及び常時使用する従業員の数が三百人をこえる者を除く。)」と、このカッコはどうして必要なんですか。ちょっとわかるようでもあるけれども、よく理解できないのですが。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これはわれわれが定義のところで、「五千万円」または「三百人」と書いたわけでございますが、そういう「五千万円」または「三百人」と申しますと、五千万円か、三百人かどちらかに引っかかれば中小企業だということになるわけでございます。ところが課税の場合に、税の関係で特別償却まで認めてやるということになると、これは普通の人には認められない、償却を特に認めて早くあなたは自己資本を充実して、丈夫なからだをお作りなさいというために認めるわけでございますので、できるだけこれはほかの人とのバランスをとる上から申しますと、中小企業という中でも、真に中小企業性のあるものに限定すべきじゃなかろうか、したがいまして、税に関する限りは、五千万円と、三百人と双方の要求を満たすというものをもって一応中小企業としたい、これは金融機関に金を借りて行くというような場合でありますれば、これは五千万円か三百人か、どっちか条件を満たしていればいいわけですが、あなたは実質大企業だから、あなたにはお貸ししません、あなたはむしろ大企業の銀行に行ってひとつお借りなさいと言ってお断りもできるわけですが、税金の場合には制度としておきますので、その中で取捨選択はできないということになると、ほかとの均衡上できるだけしぼったほうがいいんじゃないかということで、税に関してだけカッコということで特にしぼりをかけたわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 それは固定資産税の範囲は、別にお考えになっておりませんか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは工場の建屋と機械、その二つでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 審議会のことなんですがね、この法案に審議会を設置するという理由が、さいぜんのお話ですと、ほかの問題等もそれぞれ国でおきめになるようですから、これは審議会などというものは必要がないような気がするのですが、四十名もある審議会ですね、やっぱり必要ですか。行政管理庁あたりで、あらゆる審議会というのが、どうしても必要な審議会もありましょうし、必要でない、二年に一ぺんぐらいしか開かないという審議会もあるようですが、三百ほど審議会があります。ですからこれははたして審議会、必要ですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) この審議会は、現在の中小企業振興審議会、それをこちらのほうに発展的に移っていただきたいと思っているのでございまして、この近代化促進法による基本計画の策定あるいは実施計画や勧告、報告の徴収というようなことのほかに、指導法というのが別途これも御審議願うべく提出してございますが、その指導法の関係で、いろいろ計画を立てまして、指導計画というようなことにつきましても、この審議会を活用しよう、それからいろいろ振興資金等助成法の関係におきます事項も審議するのは全部この近代化審議会にやらせようということで、従来ありました審議会、これを名前を変えて、そして新しい事態に即応して、今まで行なわなかったような重要な事項で、政府が独断でやるというようなことを避けるために、御意見を伺ったらいいと思われるような事項は、この審議会に御意見を伺いたいというふうに考えておるわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 今御説明のあったように、介在してあれするということがあるのですね。そこでさいぜんの御答弁の独禁法違反ではございませんが、しかし関係がありますという御答弁ですが、そうしますと、この審議会のメンバーですが、この法律が成立しないうちからきまっているとは考えませんけれども、長官の構想としては、中小企業の業者ももちろん入りましょう、あるいはまた学識経験者というものも入るかどうかわかりませんが、そういう方々とか、関連産業とか、それから一般の消費者、こういうそれぞれのメンバーが任命されるわけですか。それともどういうふうな格好で審議会が構成されるのか、その点を御説明願います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 現在の中小企業振興審議会は、いわゆる一般の学識経験者の方、それから金融機関の関係の方、それから産業界及び中小企業団体の関係の方、それから労働界の代表の方、消費者代表という方々のほかに、政府、地方公共団体からそれぞれ二名ずつ現在は出ているわけでございますが、この数をどうするかということは、一応別といたしまして、ただいま申し上げました各方面の方々の中から選考させていただくのが一番筋じゃなかろうか、なお、政府関係と申しますのは、従来は中小企業庁の長官と公正取引委員会の事務局長の二人です。政府関係は大体この二人でいいじゃないか、こういうふうに考えております。それ以外の方々につきましては、現在の振興審議会というようなものをもう一度よく考えた上できめたいと思います。選考範囲は今申し上げたような方々から選らばせていただきたいと、こういうふうに考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 消費者代表は入るのですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 入ります。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) ちょっと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 速記を始めていただきます。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 お話を伺っておりまして、近代化されるということは非常にいいし、また高度化するということもたいへん買物する者から言うてもいいことと思うのですが、ですけれども、つまりサラリーマンがよけいになるということじゃございませんか。店主がみんな大きなものに合流していけばサラリーマン生活になるわけでしょう。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 最も端的な表現をとれば、そういうことで、個々の独立企業者であった者があるいは他人のところに使われるという身分になるということは、これは否定できないと存じます。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 不安を感じますのは、店もきれいになるだろうし、いろいろなこともあろうけれども、売ります値段が高くなりはせぬか、こういう心配を持つのです。と申しますのは、生産合理化で産業が高度化しましても、それがコスト・ダウンになって安くなるというためしはほとんどないわけです。もし、あるとしたら電気冷蔵庫か少数の耐久資材が安くなったそうですけれども、一般にわれわれが着ます繊維だとか、あるいは日用品、食料品など高くなっているんですよ。コストダウンしていない。今度の合理化のこの法案で高くなりはせぬか。あなたは安くなるとお思いになりますか、高くなるとお思いになりますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) それは物を作る面で生産性、それから売る場合における価値実現性と申しますか、あまり不当に安く買いたたかないようにということで中小企業者の手取りをできるだけ高くする。またそこに働いている方々の賃金というようなものもできるだけ高くさせるということに役立つと同時に少なくともこれを近代化することによって消費者に迷惑をかけるというようなことは、これは近代化しても少し筋違いの方向に走った結果にならぬとも限りませんので、われわれといたしましては、これが中小企業者自体の手取りも多くし、そこで働いている方々の生活も楽になると同時に、これを適正強化するということによって全体のコストを大幅に下げるということが、必ず可能であると確信いたしておりますので、消費者のほうにも、これは当然その一部はお返しして、むしろ質はよくなって値は下げるという方向に持っていくべきじゃないか、これが一つの企業だけで市場を独占している場合は、いろいろ近代化設備をやったからコストを高くするというということはできるかもしれませんが、お互いに競争してやるということでありますれば、やはりいい品物をより安く売るのだ、作るのだというような態勢を確立しないと、その企業は長続きしないということになると存じますので、まず、お客様に安く品物を提供することができるような企業を作るために近代化という方向に持っていきたい、そういうふうに考えます。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 それでは価格指導の面でどういう構想を——あなたは高くならない、安くしていくつもりだとおっしゃるけれども、その指導はどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは先ほどの近代化の目標自体の中にも、生産費の目標を掲げるということになっているわけでございますが、われわれといたしましては、この法律で指定されますものにつきましては、これは少なくともその程度までコストそのものを下げるということでないと、近代的な企業ということにはほど遠いんで、経済合理主義に基づく競争場裏から脱落する可能性がありますというような目標を掲げるわけでございますが、この目標、この生産費にある程度若干の流通経費というものを足したものが、これは一般消費者に売られるコスト。値段、価格になるわけでございますが、これは結局消費者と労務者とそれから企業の経営者と、三者の間で合理化によるコストの低下というものをどういうふうに分けるかということの問題になるかと思いますが、これは全体的には国の価格水準を上げないようにという大きな線に沿って合理化の、近代化の効果の一部が必ず消費者のほうにも反映して品物が安くなるようにということを筋といたしまして指導していきたいと考えております。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 たいへんいいことを言って下さって、私どももそれを期待しております。ただ長い間のいろいろな法案審議を通しまして考えられることは、どうも役人が指さしたら必ずその業種の値段が上がるということは、これは間違いのないことですね。ですからそういうことがないように、これはほとんど議論されないで済む問題ですけれども、大へん不安なことでございますから、特に御注意いただきたいし、何かの機会で必ずその点に触れていただきたい、これが私のお願いでございます。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) ただいまの御注意をよく守りまして、逆の方向にいかぬように細心の注意を払っていきたいと思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 今長官はそう言っておられる。先ほど通産大臣もそう言われた。本省ではそういう形で人を監督されておると思うのですが、しかし出先では、いわゆる通産省の出先では、非常に業者に対しましては監督がきびしいというのか、あるいは介入がきびしいというのか、そういう事態が——今後資金的な問題とか税制の問題が、そういう形で助成をするような立場になると、これに対しては非常にきびしくなるのですよ。監督指導という名前になるのかもしれないが、悪く言えば介入という問題も出てくる、そういう中で、当局はそう考えておっても、出先の担当官はなかなかそういうようなサービス的な考え方になりにくいのです。これを特に出先のほうに、今奥先生が言われたことは注意をしてもらわなければいかんと思うのです。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) われわれも末端まで、もちろん府県等にも今申し上げましたことはよく徹底さしたい、こう思っております。これも蛇足でございますが、最近非常に交通等が発達しまして、買物の範囲というものが広くなっておりますので、おのずから経済競争というようなことは今までよりもより行なわれるのじゃないかというふうにも考えておりますので、そういう、少しいい気になって高く売るようなことをしておると、すぐ隣に負けるのだというようなこと等につきましても、啓蒙宣伝を行ないまして、消費者あってのメーカーでありあるいは商売であるということをよく業界の方々にも徹底するように努力したいと思います。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 業種の指定が政令にゆだねられておりますね、これは不安でもありますけれども、たとえば業種別の振興法案ではお菓子屋、クリーニング屋などを指定していらっしゃいますが、私どもから言えば、なるべくきれいな店でいい品物を安く買えさえすればいいのですね。そういう場合に、あなたがたが今度パン屋さんやお菓子屋、クリーニング屋などを指定なさるとしますね、そうしますと、それの指定が生協や農協でしている同業と抵触します場合、これをどうなさいますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) われわれさしあたりは、この近代化が特に急がれるということで、重点的に資金の援助あるいは税制上の考慮を払うというようなものは、外国との競争から見まして製造業をさしあたりは考えておるわけでございます。今、業種別振興法の中には、先生御指摘のようなクリーニング業といったようなものも入っておるわけでございますけれども、当面の問題といたしましては製造業を中心に指定さしていただきたい。将来だんだん製造業等も一巡するということになりますれば、この第二項にございます製造業その他の業種とございます製造業以外のものもあるわけでございますけれども、今一番の問題、特に外国との競争ということを考えますと、製造業が当面の問題でございますので、製造業を指定して、そうして物を作るほうの体質を近代化するいろいろ商売関係のほうのものにつきましては、これは設備近代化の補助金でございますとか、あるいは協業化の無利子の貸付金といったような資金的な援助は助成法のほうでいたしますが、近代化資金自体はさしあたりは取り上げないというつもりでございます。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 お菓子製造の……

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 実は三十八年度、この法律を通していただきましたら、何を指定するかということにつきまして、今寄り寄り協議をいたしておりまして、まだきまっておらないわけでございますが、お菓子も確かにこれは製造業でございますし、いろいろ外国からの競争の脅威もある、そういう点は私も承知いたしておりますが、はたして三十九年すぐこれで指定されるかどらかというところまではまだ議論が詰まっておりません。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 石けんはどうですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 大体業種別振興臨時措置法の場合にも、一年間に二十ぐらいずつ取り上げていろいろやってきたわけでございまして、今回もこの近代化促進法では二十程度の業種を、初年度と申しますか、毎年考えたい、こう思っておりますが、その際、当面一番問題になっておりますのは、綿・スフというもの、あるいは毛織物、あるいは金属、玩具、洋食器といったようなものは、相当緊急ないろいろな問題に直面しているのではないかというふうに考えられておりますが、それでは二十のうち、少なくとも十五ぐらいあげてみろと仰せられましても、ちょっと今のところこれこれを初年度取り上げますというところまではまだいっておりませんので、もう少し各業界の当面しているいろいろな問題等を原局とも十分打ち合わせをした上で、できるだけ早くいい方向に進んでいきたいというふうに考えております。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 私、今外国との関係をおっしゃいますから、それでは石けんとか、お菓子なんかずいぶん入ってきているじゃないか、こう思ったから伺ったわけですが、国内で営利を目的とせずして取り扱いをしている農協、生協、こういうようなものがまたいろいろな仕事をしておりますね、それはあなた方の合理化対象の業種と競合するために規制をなさいますか、それはどういう扱いをなさいますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは基本法の際に、また必ずいろいろ御審議をいただかなければならないと思っているのでございますが、一応われわれ基本法に、中小企業者とそれ以外のものとの間に、中小企業者が中小企業者以外のものの経済活動によって適正な事業活動の機会を奪われるということのないようにという一条を置いているわけでございます。これは、たとえば農協というもの、あるいは生協というものは、これはそれぞれ組合員に対してできるだけいい品物を安くやろうというような相互扶助の組織としてこれはできているわけでございます。それが組合員に対してだけいろいろやっておられるという限りにおいては、これは末端の小売商その他が文句を言うべき筋合いのものではなかろう、こう思っております。ただそれが組合員からさらに手を広げまして、一般の市中の方々に対しましても、いろいろ手広く商売をされるというような場合には、これは農協なり、あるいは生協なりというものが、それぞれの本来の目的から逸脱しているかどうかというところで判断すべきじゃなかろうか、もし本来の範囲から逸脱しているというのであれば、これは営利を目的としておるのであれば、したがって、いろいろな税法においても、一般の中小企業とは違う、特別の税法上の扱いを受けているといったような恩典を与える必要も何もなくなって、そういうふうに一般の商業活動をやるなら、これに一般の企業として堂々とおやりなさいということを申し上げざるを得ないと思うわけでありまして、本来の農協あるいは生協の分野、活動の本来の趣旨にのっとって事業活動をやっておる限りにおいては、これは中小企業の側から文句を言うべき筋合いのものではございません。それがはみ出しておると思われる場合には、それぞれの組合を管轄する主管官庁ともよく相談いたしまして、適切な措置をとるというふうにいたしたいと思っております。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 中小企業庁の高官に私がよけいなことを言うようですけれども、一体にこの法案を見ておりまして、話の進め方として、消費者のほうにも向いていらっしゃるようにおっしゃるけれども、私どもどうも中小企業という業種だけが相手である、その業種もお客さんがあってこその中小企業ですから、だから買いものをする人の、使用する人の立場というものをもっとうたい込んでいただいていいのではないか、私こういうふうして読んでいるのです。ですから先ほどの質問にも出たわけですけれども、そういう意味で、これは政府自体の傾向ですけれども、協同組合、生協、農協というと、消費者からいえば、営利を目的とせざる供給事業ですから、中小企業以上に育成して下さるほうが、生活安定には役立つと私は信じております。だけど、なかなか伸びません。伸びないのは政府の指導方針が間違っていると思います。これはあなたに言う何ではございませんけれども、しかし、お聞きになってほしいと思うのです。ですから、そういう意味で、この法案の審議の過程で、ぜひ、また法案をいろいろ修正なさるまでには、われわれの意見を入れていただきたいと思うのですけれども、いかがですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 先生も御指摘になりましたように、われわれもお客さんあっての商売であり、メーカーである、また先ほど申しましたが、だんだん買いものの範囲が非常に広がりつつございます。また過当競争ということ、これは日本には、申し上げるまでもなく非常に熾烈なものがあるわけでございます。そこでわれわれ中小企業の近代化を促進するというのが、この法律のねらいではございますが、それは中小企業だけがよくなればいいというのではございませんで、中小企業の近代化を促進すると同時に、それが国民経済全体の健全な発展に寄与するんだということでなければならないということから、これは第一条の目的自体にも、「国民経済の健全な発展に寄与することを目的とすること。」と書いてあるわけでございますが、書きっぱなしで、どうもこれ以外の点については、消費者への配慮は薄いのではないかという今の御注意のようでございますけれども、その点につきましては、先ほど来申し上げておりますように、お客さんがあって初めて商売も成り立つのだということにつきましては、だんだん中小企業者も自覚を深めていると思いますが、ただいまの御注意の線に沿って、実際に経済が運行されるように、われわれといたしましてもできるだけの努力を払っていきたいと考えております。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 速記とめて。    〔速記中止〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 速記を始めて下さい。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 中小企業振興資金等助成法の一部を改正する法律案に関しまして、さっき中小企業庁長官から資金計画の一端を説明せられたわけですが、そのときの説明によりますと、高度化関係が五十億、近代化関係が百十六億ということでありましたが、この高度化関係五十億の資金源の内訳、同様近代化関係の百十六億の内訳、同時にそれの配分計画、これは具体的に、あるいはきまっておらぬかもしらんけれども、大体の構想として工業にどうか、商業にどうか、そのうち団地関係が幾らか、あるいは協業化関係が幾らか、そういう構想を数字的裏づけによって明らかにしておいていただきたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) まず、個々の企業に対します設備近代化資金でございます。これは国の予算として御審議を今いただいておりますものが四十一億円ございます。で、この同額が県から支出されまして、さらに今までに貸し付けておりました金が三十四億円入って参りますので、百十六億円が個々の企業に対する設備近代化のための無利子資金として貸し出される。大体その場合の二百三十二億の事業規模がここで達成可能になるわけでございます。なお、この配分につきましては、今までの実績と、それから非常に県によりましてでこぼこがございますので、後進県と申しますか、今まで県に行ってなかったというようなとところにつきますものについては、ある程度の後進性を、今まで足りなかった分を是正するというような意味で少し厚く見るというような方針でおりますが、まだ具体的にどの程度の配分をするかということについてはきまっておりません。これはいずれ県のほうから大体自分のほうでもこの程度の県費を出すということにしたいので国でこれだけの金をくれというようなことで申請が参りますので、その申請とあわせて後進県に対する配分というようなことも一緒にいたしまして、できるだけ早くきめたいと、こう思っております。  それからいわゆる高度化基金で二つ以上の企業が力を合わせていろいろ仕事を進めるという際には、これは二十三億百万円という予算がことし認められておるわけでございまして、これと同額が県から支出される。それから今までお貸ししておりましたものが返ってくるものを入れて五十二億になるわけでございますが、これを二十三億百万円というものをさらに少しわけて申しますと、工業の団地に対して十四億六千百万円でございます。それから商業の団地これを三十八年度から新設いたしますが、これが一億円、団地関係が合計十五億六千百万円。それから共同施設、いわゆる協同組合による共同施設、これに対しますもの、それと協業という関係で七億四千万円という予算を組んでおります。これは一応予算の上では七億四千万円一本にこうなっておりますが、大体共同施設に五億円、協業化関係に二億四千万円というくらいの配分がどうだろうかと、これはまだきまったわけではございませんが、そういうようなことでいろいろ今、中で検討しているところでございます。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 その場合に、この近代化資金それから高度化基金以外に、民間資金に対してどの程度の期待をこの近代化計画では持っておられるか、その辺を伺いたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 大体この高度化基金の中では一番大きいのは団地の関係でございますが、団地では当面この対象になります土地の造成費あるいは建屋あるいは機械というもの、これを所要資金の半分を無利子の金でまかなうということにいたしておりますので、各企業それぞれの団地等におきましては、それだけでもって不十分だということで、いずれももっと大きないろいろな計画を持たれ、また将来の発展等を考えまして、あらかじめ土地をよけい造成しておるといったようなところもございまして、実績から申しますと、大体全体の二割程度が無利子の貸付金でまかなわれている、こういう考え方でありますので、団地の関係で申しますと、十五億六千万円の大体五倍、七十五億から八十億くらいの金が団地関係に使われるのじゃないか、そういうふうに思っております。  それから協同組合並びに個々の企業の設備の近代化というものにつきましては、これは当面の所要額の二分の一ということまでやっておりまして、このほかに当然ある程度対象にならない機械の設備といったようなものもあるかと、こう思うのでございますが、それにつきましては、政府金融機関等からの貸し出しというようなことで、まあひとつ補っていきたい、さように考えております。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 今の民間に期待するもの、総額で幾らになりますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) それは結局三十八年度に中小企業が設備投資にどれだけの金を向けるかというようなことになるかと、こう存ずるわけでございますが、大体われわれといたしましては、三十八年度の中小企業の設備投資は六千億程度じゃなかろうか、そういうふうに考えております。これは今までだんだん大企業との投資の格差が開いて参りまして、最近数年間は二九%、二七%というふうに、だんだん全体の割りが減って参りましたけれども、少なくとも三十八年度からはこのおくれを取り戻すということで、全体の三分の一程度は中小企業のほうにぜひ確保したいということで、全体の三三%程度というふうに考えますと、一応六千億程度のものになるかと思います。六千億というものから見ますと、これは非常に微々たる金でございますが、これを各企業の内部留保金、それから民間からの借入金、あるいは政府関係機関の借入金並びに政府の無利子貸付金といったようなものでまかなっていきたいと存じます。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 そこでお尋ねしたいのでありますが、これは大蔵省のほうにお尋ねをしますが、今、長官の答弁によりますというと、民間資金に依存、期待するものというものは相当な額であります。それでそのうち小部分のほうのものが中小企業近代化資金ないしは高度化資金、そちらのほうは無利子ということであります。ところが大部分のその民間資金が高金利である場合には、何としても近代化、合理化は言うべくして行ない得ないということになりますので、一面において大蔵省のほうは、われわれ前々から問題にしておりました歩積み、両建、これについては今回は今までに比べると初めてといってもいいくらい本格的に歩積み、両建規制に向かってこられて、これはまことにわれわれ共鳴するところであります。  まず伺いたいのは、どの程度それが進んでいるのか、あるいは目標とするところはどういう点なのか、この点を承って、実質金利というものが相当下がってくるという見通しがつかないと、これは法律まで作ってここで近代化、高度化を大いにやるとは言うもの  の、ある意味において絵にかいたもちになるおそれがあるわけであります。そういう点について、最も多額を期待せられているのは、何と言っても民間金融機関である。これに対する実質金利の引き下げ、その見通し、また、すでに伝えられるところによると、ある程度もう具体化しているようでありますが、そこらについて承りたい。

佐々木庸一大蔵省銀行局検査部長

○説明員(佐々木庸一君) 今、御質問になっておりまする合理化、近代化資金と、最近私どもがやっております両建、歩積みの自粛の関係との結びつき、若干困難な点があるわけでございますが、今、私どもが業界に対しまして要望しております自粛措置のほうから申し上げますというと、貸し出しとともに両建を行なうようなことは、今後厳に慎しんでもらいたい、やめていただきたいということを申し入れております。そのほか両建に類しますような定期積金契約、相互掛金契約を、一時先掛けというようなこともやめてもらいたいということを申し入れております。なお、貸付金に内入れに充当し得るような金が入ってきましたときには、従来それを銀行が、債務者が使えない形で納めておりましても、内入れに扱いまして債務額を減すということをなかなかやってくれなかった例もあるのでございますが、そういうものを、債務額を減すように一部分でも相殺するように求めているわけでございます。なお、担保となっております定期預金とか掛金とかが満期ないしは支払い期日が参りました際には、なるべく相殺するように求めておるわけでございます。また手形を割り引きます際の歩積みにつきましては、過当なものをとりませんように、根担保がありますときは、その状況を考慮して歩積みを少なくするように求めておるわけでございますが、おおむねそのような筋につきまして業界と話し合いもつきまして、近日中にこれを実行に移すことができるであろうと思っておるところでございますが、この際にもう一つ金利措置を申し上げておかなければならぬのでございますが、そのような措置をやりますとともに、今ありまするものの整理を希望しておるわけでございますが何らかの理由におきまして、どうしても整理ができないような場合は、金利措置といたしまして預金が担保となっておりまする貸し出につきましては、百万円以上のものは銀行の場合においては一銭六厘、百万円以下のものについては一銭七厘という申し合わせが現存しております。これを厳に守ってもらいたいということを申し入れております。なお、割引につきましては普通の場合の約定金利よりも三厘以上引き下げておられることに申し合わせができておりますのを守ってもらいたいというのを申し上げておる次第でございます。なお、相互銀行、信用金庫につきましても、これに準じて措置をしてもらうようにしておるのでございますが、大体預金担保貸し出しにつきましては、銀行の場合よりも二厘高のところでございます。百万円以上につきましては一銭八厘、百万円以下につきましては一銭九厘ということになろうかと期待しておるのでございますが、手形割引の場合には今の約定よりも二厘ないし三厘下げてほしいということを持ちかけておるところでございます。したがいまして、この措置が浸透しますれば、今申し上げましたような金利措置もあわせ行ないますことによりまして、かなりの効果は期待できると考えておるところでございます。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 われわれ伝え聞くところによりますと、歩積みについては一件あたり三%まで、それから残高については一〇%までという限界でもう進んでおられるようにも聞くのですが、それはどうですか。

佐々木庸一大蔵省銀行局検査部長

○説明員(佐々木庸一君) 歩積み両建の問題は古い問題でございますので、いろいろ経緯があるのでございますが、今守られていなければならぬ基準じゃないかと思っておりますのは、三十年の申し合わせでございます。そのときには今、先生がお話しになりましたような、一件の金利額に対して三%程度、その集積限度と申しますか、集まりました限度の一割程度ということを頭の中においてやっていただきたいという申し合わせになっておるわけであります。ただし、現実の場合をみますというと、御承知のとおり手形にいろいろ種類がございます。支払人の信用度もいろいろ違いますし、また割引依頼人の信用度によってもいろいろ違う場合がございます。また景気変動によりまして同じ債務者の信用度が時点を異にしますと違ってくるという場合もございますので、これをあまり機械的に適用することは無理かと存じます。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 ただ、申し合わせをしておると、まあ、そいつを推進しておるという程度では、今まででも何回も、この前もこの商工委員会で追及したのですが、もうどの程度通牒を出しておるのか、それをひとつ資料として出してもらいたいというので大いに追及して、出されたのだけでも、何か十回ぐらいすでに通牒を出しておられるのです。ですから、そういうことを今僕は伺うつもりで、せっかく忙しいのに検査部長にきてもらったのじゃないのです。これは新たに今度方針を確立して新しい考え方で再出発しているのだというふうにわれわれ聞くものですから、それを確かめたいと思ったので、ただ今までのように申し合わせ程度のことをどうこうというのじゃ一向、われわれが期待をかけておるところと、あまりに隔たりがあるのです。今度それは歩積み、両建、その両建のほうは全廃するのだ。そうして、歩積みのほうは一件当たり三%、そうして、残高に対して一割を限度とするというのでいく、そうしてその方針のもとに全国相当検査もせられておるかのように聞くのですけれども、はたしてそうなのかどうなのか、その点はどうなんですか。

佐々木庸一大蔵省銀行局検査部長

○説明員(佐々木庸一君) 御指摘のように、はなはだ遺憾でございましたが、今まで十数回の通牒を出しましても、効果はどうもあまりあげられませんでした。今回は私ども志を新たにいたしまして、十分に過去の例を反省しまして効果のあがることを期待しておるわけでございますが、自粛申し合わせがまず根本になるわけでございますけれども、今回の業界の気持というものは、今回の国会の御議論その他によりまして非常に変わっております。今度こそはやらなければならぬという気持がありありとあるように思われる次第でございます。なお、われわれとしましても、これを受けまして、今気運の高まっておるときでもございますので、前回行なわれました特別検査、歩積み、両建問題だけを対象にいたしました特別検査を今後もまた実行いたしますように、これは相当長期間を要する問題だと思われますので、今までの定例検査のうちに、歩積み、両建問題を組み込みまして、今後も監視を厳重にやっていきたいと考えておるところでございます。前回三月の一日から九日まで行なわれました。特別検査の模様の報告を受けますというと、金融機関側でも非常に反省をしておられるということでございますから、今回は前とは違って効果があげられると考えておるところでございます。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 今の答弁でやや明らかになりましたが、さっきの答弁の際に、いよいよ近々本格的にやられるというような答弁があったのでありますが、その近々というのは一体いつ頃を目途として本格的に再出発するのかどうか、これは今、公定歩合第三次引き下げまでやって、まことに低金利推進けっこうであります。これは国際的にも競争力強化のために当然なことではあるが、まことにけっこうであり、中小企業としてはもちろんけっこうでありますが、いかに公定歩合引き下げていっても、実質金利が下がらなければ何にもならないのですから、ことに基本法まで制定して、関連法を、今審議中のものだけでも、真剣に審議をしておるわけですけれども、その際に、今も言うごとく一部が無利子、他はもう高金利であったら何とも処置なしです。それに、ことに私の心配するのは政府の計画による近代化の線に乗らずしていく中小企業も相当ある、そういうものが非常に実質金利が高いということでは、大企業と中小企業の格差がつくのみならず、今度は中小企業で政府の直接指導のもとにいくものと、しからざるものとの間に、また格差がついてくる。その際に実質金利というのは非常な大きな問題になると思うのです。そういう点でぜひとも今答えられた線で再出発せられるその時期を承り、同時に真剣に今度こそ、お話のごとく業界も、金融業界も目ざめてきたようですから、このチャンスを逃がさず、新しい態勢を確立されるように願いたいと思いますが、御見解を承りたいと思います。

佐々木庸一大蔵省銀行局検査部長

○説明員(佐々木庸一君) 豊田先生の御意見ごもっともでございます。たとえば、この際新しい措置を発動しますについて、業界といろいろ話し合いをして参ったわけでございます。その話し合いはおおむね先週末まででついたと考えておるところでございます。したがいまして、あと字句の修正と若干の手続をやりましたならば発動できると思ってるところでございます。うちの局長は、一両日中にでもという気持でおるわけでございますが、若干準備の関係がありますので、今週中には私どももやらなければならんと考えておるのでございます。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 では今週中ということで、おそくともという意味ではっきりしましたが、ぜひそれを明らかにせられ、そして強力にひとつ今回は推進してもらいますように、特に検査部長がじかじか出られたのですから、検査部でだんだん取り締まっていかれれば、それが一番てきめんにこたえてくるのですから、その点も強く要望いたしておきます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 関連。豊田先生の質問に対する関連ですが、今答弁されておるところによると、大体これは行政指導、強力な行政指導、あるいは自主的な問題、こういうことで、これに対して、そういうことを歩積み、両建に対して、やっちゃいけないという立法措置を講じないのですか。そういう意図はないのですか。長年の問題でしょう、これは。もう幾らやっても、そういうことはないようにいたすように努力いたしますとか、あるいは、われわれにそういう考えでおりますということを、たびたび大蔵省のほうでは答弁されておる。ところでいつになっても、なくならないのです、現実に。したがって、これに対する強行な立法措置を講ずるという考え方はないのですか。

佐々木庸一大蔵省銀行局検査部長

○説明員(佐々木庸一君) 一定の基準を示しまして、それに反するものはやめなさいと、こう言います場合に、基準が変わらないで、はっきりしたものを指示すれば、お話のようなことはできるかと思うのでございますけれども、先ほど来申し上げておりますとおりに、相手方の信用状態に基づきまして、たとえば歩積み預金などの場合は変わらなければならん筋のものでございます。それから取引が初めての人でありますときと古くからの取引先とでは商慣習上違ってるわけでございます。それから景気変動の時点でまた違うということもあるのでございます。好況のときは少なくても、金融引き締めが強くなって参りまして、取引先の資産状態にいろいろ問題が多いときには、歩積みをふやすということもやむを得ないかと思ってるわけでございますので、そういうふうな取引先ごとに違い得るものでございます。時点を異にして同じような人に対しても違い得るものでございますので、立法化はきわめて困難かと思ってるところでございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 景気変動とか何とか言いますけれども、これの貸付に対しては、その相当額に対しての幾らか歩積みさす、こういう形になっているのですが、ほとんどそれ相応以上の担保を取っておるのです。保証問題は完全に指定しか貸さないのだ。おそらく中小企業はなおさらそうだろう。それ以上にまた歩積みをして利子を取るという考え方は公正取引に反するのじゃないですか。そういう立場から若干そういう意味で独禁法の問題にもからんでくると思うのですが、どうなんですか。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 要するに、担保を取っておれば歩積みをやらんでもいいじゃないか。こういう御質問なんです。

佐々木庸一大蔵省銀行局検査部長

○説明員(佐々木庸一君) 担保が十分であります場合は、お説のような場合が出てくるかと思います。われわれも過剰な担保をとってはならないというふうに指導しているわけでございますが、ただ今お話のありました独禁法問題でございますが、実例といたしまして、三十一年でありますか、非常にひどいものが行なわれておりましたときに、警告が発せられておる、公取委員会の警告が発せられております。したがいまして、私どももひどいものは独禁法に違反することになると、考えておる次第でございます。先々日、衆議院の大蔵委員会でも春日委員がそれを追及いたしまして、公取委員長がおいでになりましていろいろ御答弁になりました。公取委員長も、この問題につきましては、公取委員長として今後特別努力をするというお話でございました。われわれも金融機関を指導いたします場合に、独禁法にかかるようなことをやってもらっては困ると思いますので、厳重に指導して参りたいと考えておるところでございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 そうすると、今言うように、一定の基準等きめて、それの分は許す、こういう形は、これは政令で出すつもりですか。

佐々木庸一大蔵省銀行局検査部長

○説明員(佐々木庸一君) 従来の形が申し合わせになっておりましたので、私どもその形を踏襲しまして、業界が自分から進んでやれるような形式をとったほうがいいと思いましたので、日銀とも相談いたしまして、われわれの考えておることを織り込んでもらいました。自粛措置というものをきめて、そういう形でやろうと考えておるところでございます。先ほど申し上げましたように、いろいろな場合を想定しなければいけませんので、法令の形にするのはなかなかむずかしいと考えておるところでございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 そうすると、それに違反した場合ですね、自主的にきめられた場合に違反をする傾向が出てくると思いますが、違反したと、こういう形についてはどうもできないのでしょう。その基準を守らないで今までどおりのような形をやった場合にはどういう措置もできない。こういうことならば、やっぱり、何とかその措置を生かすためには立法措置をとらざるを得ないのじゃないですか。

佐々木庸一大蔵省銀行局検査部長

○説明員(佐々木庸一君) 自粛の申し合わせに違反した場合に法的な措置をとり得るかということになりますというと、御指摘のとおり法的な措置はとり得ないわけでございますが、しかし、行政指導なりいろいろな措置がとり得る余地があるものと考えておる次第でございます。たとえば、政府関係金融機関の貸し出しに関連しまして、代理貸しなどにも関連しまして、このようなものがありました場合には、その代理貸しを担当し得る店舗のリストからはずしてしまうというようなことをいたしまして、法律上の罰則ということは困難でございますけれども、指導上きびしくすべてやっていきたいと考えておる次第でございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 それは考えておるだけで、明確にこういう申し合わせなり、あるいは基準から反したいわゆる銀行に対しては、政府としては行政上こういうことをやると、こういうことをやっぱり公表しなければ、考えておるだけでは同じことではないですか。今までたびたび行政指導の中からそういうことをやっちゃいかぬということを通達なり、指示を出しておるということを答弁してきている。ところがいまだにやらない。そういうところにやられるのは中小企業の諸君ですね。したがって、そういう人たちはほんとうに必要な金を借りたい。そのために無理して担保も入れておる。あるいは保証人も出しておる。ところが、三千万借りれば、その中で千何百万は大体歩積みをしなければいかぬ。そして利子を払っていかなければならぬ。こういう歩積みをしたやつに対してもやっぱり担保はその値打ちで入っているわけなんで、非常に矛盾が多いと思う。だからその点は、先ほど豊田先生の質問で一週間以内にそういう一つのあれを出して厳重にやると、こう言っているけれども、やはりそれに対する裏づけというか、やはりそれに反した場合は行政上こういうことをやるのだということを銀行に通達し、公表すべきだと思いますが、この点いかがですか。

佐々木庸一大蔵省銀行局検査部長

○説明員(佐々木庸一君) はなはだデリケートな問題でございますので、今のところいろいろな行政措置をとることを考えておりますと、こう業界の方には申し上げておる次第でございます。私ども今回の場合は、今まではどうも先生御指摘のように効果が上がりませんでして、前回までの経緯を指摘されますと、まことに答えようがないのでございますけれども、今回は業界の気持が違ってきておると見ておるわけでございます。したがいまして、役所のほうでいろいろやり得る特典みたいなものを押えます手はいろいろあるわけでございますけれども、それをあまりぎらつかせないで効果をかなり上げられるんじゃないかと思っておるところでございます。もしどうもうまくいきませんでした場合には、またいろいろ御指摘のように考えなければならないと思っておる次第でございます。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 今のに関連してまた続けるわけでありますが、法律できめるかどうかということ、これも一つの方法であり、またそれは問題のある点も今承ったわけでありますが、しかし基準を明らかにするということは、これは行政指導の上からも当然そうあらねばならぬと思うのでありますが、その場合に、さっきちょっと答弁されておるときに気にかかったのでありますが、相手方にもより、またその時点によっても、いろいろケースが異なるというお話でありましたが、そういう考え方であるからして、従来ある程度の基準を設け申し合わせをしても、千差万別だといういき方でいろいろ説明をすれば、その場は済んでいくということになるおそれがあり、そのためにいつまでたっても事は明らかにならぬ、そこに問題があるわけでありますので、むしろ、やや基準は低くても、一度きめた以上は、いかなる事情があっても、それに対しては行政措置等において相当制裁を加えていくということをやらぬと私は効果がないと思うのです。そういう点で、基準は相当高くしておいても、いろいろなことを言われれば、それで認めていくというのでは、ほんとうに百年河清を待つべきようなことなんで、そういう面から、今回は一度きめた以上は、その基準というものはあくまで守らし、また守っていくんだ。いわんやさっき向井委員からもお話がありましたけれども、担保もとっておるのだし、また金融機関というのは、実に精細なる審査をして、その上で貸すんですから、貸そうというようなものについては、そんなに危険はないと判断すればこそ貸すのですから、そういう場合にはまた相手によりけり、時点によりけりというので、せっかくきめた基準なり、あるいは申し合わせを破らすということでは、これは全く意味がないと思うんですね。この点業界も目がさめてきたというし、大蔵省も今度は真剣になされかかっているように思うんですが、これから、この際ぜひとも基準をきめた以上は、それを守らしていくのだ。そうして大蔵省が真剣になっていけば、私はいろいろな方法があると思うのです。別に法律によって罰則まで作らなくたって、それは場合によれば、少々の罰則以上に痛い手もあるんですから、こいう点でやりようによっては十分いける、それには基準をきめたら動かさぬということでなければ、私は意味がないと思うのですが、この点どうですか。

佐々木庸一大蔵省銀行局検査部長

○説明員(佐々木庸一君) 御趣旨は豊田委員のお話のとおりであると思う次第でありますが、ただ一つ検査部の立場を申し上げてみたいと思いますが、検査部の第一番の仕事は、預金者保護の観点から検査をしておるということになっておるわけであります。私どもいろいろな仕事をやります場合に、預金者保護ということを土台にいたしまして、その上に金融機関が公共性を十分に発揮しますような、今の御指摘いただいておりますように扱うべきだと考えておるわけであります。あまりに弱いところに持ってきて、担保力のないところに貸すというようなことになっても、また困りますので、若干の余裕と申しますか、そういうものを持たせていただきたいという考えでございます。大幅にゆるめて言い抜けをしようというつもりでは毛頭ございません。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 大丈夫なところへだけ貸しているのが金融機関なんですから、それに対してさらに歩積み、両建、それも事情によっては認めるかのようないき方では、実質金利は上がる一方になるのです。ですから、そこのところをはっきりと大蔵省では考えて、この際再出発しておられないというと、金融機関も怨府になるし、大蔵省も怨府になると思います。そういう点でよほどお考えになるように、検査部長だけ責めてもしようがありませんが、やがては本会議なりその他適当なところで、上のほうを詰問せんければならんようなことにならんように、ひとつ検査部長が内助の功を発揮せられることをこの際大いに希望しておきます。そうして一週間内にやられるその基準は、お体裁のいいものですぐくずれるというのじゃなくて、もうきめたらそれを守らせるのだということでお進みになるように特に希望いたしておきます。  中小企業庁のほうに伺いたいのでありますが、何か伝えられるところによると、閣議で投資会社制度ができれば、近代化資金、高度化資金の資金源を投資会社の資金強化に一本化したほうがいいのじゃないかというようなことが出たかのように新聞で伝えられたのでございますが、そういう事実があるのかどうか。もしもそういう事実があるとすると、投資会社のほうは、資本金一千万円ないし三千万円ぐらいのものを重点において対象にするのだということのようでありますが、近代化資金あるいは高度化資金のほうはそんな資本金に必ずしもなるものばかりでもないし、いわんや団地あるいは共同施設あるいは協業、こういうようなものを対象にする必要があるわけでありまして、そういうものは投資会社の資金を幾ら強化してみたって筋が違うわけなんでありますから、あくまで投資会社は投資会社、そうして近代化資金なり高度化資金のほうはそれはそれとして強化していくという必要があると思うのでありますが、その点。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) ただいまの先生のお話、閣議でどういうことが出たかというようなことにつきましては、福田大臣からもこういう話があったというふうには伺っておりませんし、またわれわれは今、先生御指摘のように、これは比較的上の部分もそれから下の部分も、みんながうまくいくということが一番大切だとこう思いますので、若干ねらっている層も違えばやり方もいろいろ違うということになりますと、今の段階ではむしろ分けていくほうが混淆をきたさなくていいのじゃないかというふうに考えておりますが、今の点につきまして、もし一部にいろいろそういうふうな御意見もあるのだというようなことでありましたならば、よく伺ってみますが、今の私の個人的な見解では、先生の御指摘と同じ考えを私も持っております。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 閣議の関係でありますから、これは福田通産大臣に直接質問したほうがいいと思います。それで中小企業庁の長官からも福田通産大臣に、そういう質問もあったという連絡をしておいてもらいまして、適当なときにあらためて大臣に質問をします。同時に事務当局としては、投資会社制度の資金源と近代化ないしは高度化資金の資金源とは明らかに区別をして進むべきだという考えでありますから、その点了承します。  次に、近代化促進法の関係でありますが、これは従来の法律の業種別振興法で業種を指定して、これの合理化をしてきたことは御承知のとおりでありますが、今回近代化促進法によって業種指定をやる、その業種指定の際に、業種別振興法によって指定せられてすでに合理化が進むとか、あるいは合理化をせられるものだという期待のもとに進んでおるにもかかわらず、次に近代化促進法では指定せられぬということになると、そこに大きなそごを来たし、また業界としてはその点をだいぶ不安に思っておる向きもあるのであります。むしろ基本法ができ、近代化促進法が関連法として制定せられるならば、今までよりも一そう広い業種指定もあり、しこうしてその線での近代化、合理化があろうというふうに期待するのは、私は無理ではないと思うのでありますが、むしろ逆に狭まってくるということだと大いに問題だろうと思います。その点いかがでしょうか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) われわれといたしましては、業種別振興法の六十六業種につきましては、それぞれ既定の方針で改善計画を策定いたしまして、その改善計画に沿った合理化、近代化が行なわれることが望ましいと思っておりますし、今後ともその線に沿って近代化が行なわれるように、いろいろの一般的な助成策というものは強化して参りたい、こう思っておりますが、今回特に近代化促進法を提出いたしまして、今までの助成法以上の特別の助成措置、すなわち資金の裏づけ、あるいは税法上の優遇というようなことをいたしましたのは、これは中小企業の中でも、最近の自由化等の現状にかんがみまして、この際早急に体質改善をはかるということが、国民経済全体的な見地からも非常に緊急に要請されておる、そういうものに限りまして、一般の人にはない税法上の恩典等を認めてまで引き上げていかざるを得ないのじゃないかというふうに、今まで以上に中小企業の環境が変わってきて、同じ中小企業の中でも、国民経済全体に及ぼす影響の度合いというもの等の厚薄によりまして、この際特に取り上げなければならないというものと、ある程度少し待っていただいても、国民経済全体としては何とかやれるものと、これはおのずからある程度の差はつけ得るのじゃないかということで、とりあえず業種別振興法におきましても、大体三年間で六十六の業種というものを指定して、今日逐次やってきたわけでございますが、大体新しい促進法におきましても、一年間二十程度というようなものを頭に置きまして、そして税の特別優遇あるいは資金の絶対確保というようなことについて、重点的な施策をやっていく、これで全部終わりということじゃございませんで、その緊要度に応じて、以下逐次ほかの品目に及ぼすというふうにやっていきたいというふうに思っておる次第であります。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 そうすると、近代化にA、B二つのクラスができるというようなことですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 促進法の対象になるものと、助成法の対象になるものと二つできるわけでございます。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 近代化促進法による指定業種の資金確保、これの金利は、特別金利でいき得るわけですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) その金利の点につきましては、まだこれを必ず特別金利でいくということ等の話はついておりません。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 償却の点は租税特別措置法によって特別償却を認める、これはどんなことになっておりますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 促進法に指定されました業種企業が使っております生産用の建屋、機械というものについて、普通の償却よりも三分の一毎年よけいに償却できるということをいたしたらと思っております。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 最後に一つ承っておきたいのでありますが、特定のものについては、同じく近代化するものについては非常な特典が与えられる、そうでないものについては、だいぶ格差があるということがいいか悪いか、非常に問題じゃないかと思うので、そういう点において、従来すでに近代化、合理化の線を切って進んできているようなものについては、極力高度の近代化、合理化の線でいくようなふうに指導していくというのが、政府の方針に変わりがあったかの感を与えることも、これは問題だろうと思います。そういう点について、極力今回の近代化促進法の線に沿って、従来の業種別振興法の行き方で継続していくということがしかるべきものだろうと思うのですが、この点特に伺っておきたいと思います。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 今御指摘のように、基本ができるのでございまして、今までよりは薄くなるということは考えておりません。今までの方針をさらに拡充する、しかもその中で特に緊急を要するものについては、この際画期的なプラスを加えるということで、全体の方向としては拡充しながら、その中でも特に必要なものについて特段の措置を講ずるということでございまして、今、先生の御指摘になった骨子が十分報いられるように、個々の法律を運用していきたいと思っております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 促進法で二、三点お聞きしますが、この三条の中で、特に基本計画一から二は、大体必須事項ですね、それからそのあと八号までは大体任意事項と、こういう形になるのですが、こういう必須事項の問題については、目標を何年くらいに置いてきめられるつもりでありますか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 大体目標は五年程度ではなかろうか、ものによりましては、三年というものも若干あると思いますが、大体五年程度を一応目安といたしております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 次に、生産規模の問題でございますが、生産規模の適正なものはどういうものを標準として考えておられるかこの点。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 結局需要との関係で、これはそれぞれ変わってくると思いますが、機械の稼働率、あるいは稼働率がむずかしければ、一年間に一体どの程度のものを幾ら作るかといったようなこと、これは業種によって適正規模も変わってくるのは当然でございますので、それぞれの業種の実態に応じまして、少なくともこの程度なければ非常に将来むずかしくなるといったものを具体的にお示しするようにしたいと思っております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 その規模の問題につきましては、生産する品物あるいは種類、こういうものによっておのおの違うと思うのです。それと同時に、大量生産に向く品物と、あるいはそれ以外に需要の拡大と、こういう形に向くものと、いろいろ種類があるわけなんですが、そういう標準はどのように考えておられるのか。これは今のところ出てないのですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは非常に抽象的な言い方になりますが、最近だんだん生産規模が大きくなってきておる。生産規模が大きくなればなるほどいいようなものもございますが、それは非常に専門化、単一の品質のものを作るという場合には、そういう規模を非常に大きくして作るということが、非常にコストを安くするということは確かにございますが、同時に非常に特殊の用途に充てられるもの、あるいは専門的な商品というもので、必ずしもそう量はよけい要らないといったものがたくさんあるわけでございますので、そういうものは、これはむしろ中小企業が非常に小回りをきかせて作ることがいいのではないかと存じております。そこでこの促進法自体でいろいろ指定いたしますものは、中小企業性のある産業につきまして、しかも内外の情勢から見て、一日も早く近代化をしなければならないというものでございますので、できるだけ早くそういう専門品といったようなものをどうやって作れば一番合理的にいくかというような点について、十分な注意を払って、それぞれ適正な規模をお示しするというふうにしたいと思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 もちろんそういう品種なり、あるいは種類によってだいぶん変わってくると思いますが、この生産場所というか位置ですね。こういう問題にもやはり相当影響があると思います。いわゆる需要地に近いとか、あるいは輸送に便利であるとか、こういう問題があるわけでありますが、こういう点も大きくこの中に入って、その規模の問題として考えられていくのか伺いたい。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは業種共通の問題でございますので、一応適正規模だと、これは一応この業種についてはという普遍妥当なものをお示しするわけでありますが、ただいまの市場との関係というようなことは、それぞれの場合に、企業自体が大体自分のところは非常に市場が有利な関係にあるから、必ずしも基準そのままではないけれども、この程度のものでもほかのところよりももっとうまくいくはずだというようなものもあるかと思いますが、これは一応標準的な場合の標準基準をお示しするということで、あとはケース・バイ・ケースで、それぞれの企業が判断されるということにすればいいのじゃないかと思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 そういう場合に、それは地域の場合はそれでいいのですが、特に経営主というか工場主というか、この人たちの能力とか財力とか、こういう問題も大きくそれに影響するわけでありますが、こういう問題については、どういう形で考えられるのか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは絵にかいたもちに終わったのでは意味がございませんので、現実の姿に照らしまして、この程度まではある努力すれば必ず達し得るのだという現実に立脚した目標というものを掲げたいと考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 現実にこの程度ならという判断をどういうところに置かれるのですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは大体適正規模というようなことが、一応の前提になるわけでございまして、適正規模ということになりますれば、これは一人々々でできない場合には、やはり数人が力を合わせてやらざるを得ないのじゃないか。そこで数人が力を合わせると申しましても、いきなり大企業のまねをせいといっても、これはとてもできない。また作っている品物の需要、それから現在の技術水準というようなものから見て、ある程度、一応達し得る限度じゃなかろうかというふうに思われますので、そういう点を考慮いたしまして、共同して、みんながやるとして達せられる一番近い目標というものは、少なくともこの程度ですよということをお示ししたいと思っておりますが、人の問題につきましては、これは別途御審議願います指導法で、今後中小企業の経営者並びに技術者の能力を高めるということについて、特段の努力をするということによって、この法律自体も補っていきたいと考えております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 規模の問題、それでいいんですが、この資金確保の問題について、大体重点は設備費と言いますか、こういうところに重点が置かれると思うのですが、実際問題として、中小企業は運転資金にも相当これは苦労するわけですね。したがって、この問題としては、運転資金はこれは自己資本でやれ、こういうことであるのか、やはりそういう点は運転資金の場合においても、なんぼか考える、こういうことになるのですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) これは資金の全体的な、量的な確保ということにつきましては、政府関係金融機関からの貸出額と、それから御審議願っておりますこういう近代化あるいは高度化資金としての無利子の貸付があるというようなものが、直接の財政資金として出るわけでございます。このほか、保険制度を拡充するということによりまして、公庫の保険ということに最終的につながらせることによって、民間の金融機関からも金を引っ張り出して、しやすくするというような方途を合わせ講ずることによって、少なくともこの指定されたものが設備、運転、両方面で困るというようなことのないように、いろいろ万全の注意を払っていきたいと思っております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 その民間からというものは、これは特に政府から要請するわけですか。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 設備近代化の関係につきましては、三千万円まで公庫で保険しましょう、現在七百万円まででございますが、そういうことによりまして、三千万円までの近代化設備を作るという際には、最終的には国の保険でめんどう見ますからということで、民間金融機関も、安心して金が出せるということを、新しい制度として設けたいと思っているわけです。

向井長年民主社会党

○向井長年君 その設備費ですが、設備については、その一つの企業の設備に対するもの、どのくらいの割合で、おそらく全部じゃないでしょうが、どのくらいの割合で政府はこれを貸し付けるのか、無利子で……。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 無利子で貸し付けますのは、さしあたりは二分の一ということでございます。したがいまして、いろいろ機械、同じ種類の工場と申しましてもたくさんの機械があるわけです。どの機械でもというわけじゃございませんで、こういう製造業のこういう機械といって、機械も、種類を指定いたしますので、その機械も買うとすれば半分見てあげましょう、それに伴う一般的な汎用モーターとか、そういうものがありますが、そういうものは別途自分でひとつ考えて下さいというわけです。

向井長年民主社会党

○向井長年君 その事業の特殊な機械ということになりますね、特定の機械、その設備に対してのいわゆる二分の一、その製品を行なうところの全部の設備費の二分の一というわけじゃございませんね。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 仰せのとおりでございます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 これでけっこうです。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 速記を起こして。  本日はこの程度で散会することにいたします。    午後三時五十九分散会

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