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43回国会参議院1963/03/27

商工委員会 第17号

発言数
77
登壇者
9
会派数
3
開催日
1963/03/27

会議録

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員長及び理事打合会の協議事項について御報告を申し上げます。  本日は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について質疑の後、討論採決を行なう。金属鉱物探鉱融資事業団法案について質疑の後、討論採決を行なう。中小企業振興資金等助成法の一部を改正する法律案、中小企業近代化促進法案について補足説明を聞いた後、質疑を行なうこととなりましたので、御了承を願います。     —————————————

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 次に委員の異動について御報告を申し上げます。  本日小林英三君が辞任され、その補欠として丸茂重貞君が選任せられました。     —————————————

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) それではこれより議事に入ります。私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  昨日に続いて質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 私的独占の禁止関係の法律案につきまして、本日は新しい渡辺公正取引委員長がおいでになりましたので、私どもとしましては、公取が消費生活を守るただ一つの窓口と期待いたしております。しかし実際、政府関係の予算の経過を見ておりますと、たいへん冷遇されております。それで、新任の委員長は大蔵省でも一番国費のことではお詳しいし、くろうとでいらっしゃいますけれども、その点ではぜひ予算をたくさんとってもらいたいという期待を持つわけなんです。で、その私的独占禁止に関係するいろいろな仕事について、長官はどういう御抱負を持ってお入りになり、どういうお気持でいらして下さるかしら、それをここで伺いたい。

渡辺喜久造公正取引委員会委員長

○政府委員(渡辺喜久造君) 公正取引委員会の大きな仕事の一つといたしまして、今、奥委員のおっしゃいました消費者の利益を守るために、そこに不公正な取引といったようなものを取り締っていく、あるいは排除していくということは、これはわれわれの仕事として非常に大きな仕事と考えております。したがいまして、今、奥委員のおっしゃったように消費者の利益のために公取が、その与えられた権限の限度ではありますが、できるだけ全力を尽くしてやっていくということにつきましては、今後十分努めていきたいと思っております。で、お話のありました人員の関係、予算の関係等につきましては、御承知のように、私、着任早々でございまして、まだどの辺にどういうふうな補強をしていけば、そこにわれわれが期待できるような仕事ができるかという点につきましては、非常に恐縮でございますが、まだ勉強が十分できておりません。しかし、少なくとも明年度におきましては——までには、あるいはできるだけ早い機会におきまして、そういった面につきましての一応の結論を出しまして、しかるべく私ども措置したいと、かように考えております。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 情勢が、時代がずいぶん変わりまして、自由化がもう来ております。日本の経済もたいへんな困難と発展を約束されておるわけです。今までは国内の消費生活を守るというようなことで、私的独占禁止法というものはお働きになっていたと思うのですけれども、今では国際的な関係がずいぶん多くなると思うのですね。こういうことで責任もずいぶん重加されてくると思いますが、私どもからいいますと、国際的な視野から見ても、国内だけの問題を見ても、結局日本の経済、日本の台所を守る法律だと、こう思うのです。ですから、公正取引委員会におきましては、その点で外国との関係、自由化に備えてのどういうふうになるものでしょうか、お仕事は。

渡辺喜久造公正取引委員会委員長

○政府委員(渡辺喜久造君) 自由化の問題と結びつきまして、日本経済のあり方といいますか、あるいはわれわれのほうに直結している仕事の分野におきましても、その仕事のあり方というものについて、やはり一応見直してみるという問題は、これは私は当然あっていいと思います。しかし、この独占禁止法のねらっているまあ私的独占の排除、あるいは不公正な取引方法を排除するとか、こういったことによりまして、一般消費者の利益を守るという、そうした大きな目的は変わるものじゃない、自由化によってわれわれが取り扱う分野といいますか、仕事の対象は相当多く変わって参りますが、しかし、われわれがになっている使命というものについては、これは変わらない、かような考え方で今後に対処して参りたいと、こういうことでございます。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 国内の一部には独禁法を改正しなければならぬ、独禁法の横っ腹に穴をあけなければならないという自由化対策の議論も出ておるようでございますが、こういうことについて御返事を求めるほうが無理だと思いますから、私はそういう情勢下にありまして、委員長に特にしっかり日本の経済、日本の台所を守って下さる強い態度を持ち続けていただきたい、これは希望をまず申し上げておきます。

渡辺喜久造公正取引委員会委員長

○政府委員(渡辺喜久造君) 御期待に沿うように努力いたします。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 今度の予算で五十二人要求したのに六人になったとか、お金が非常に少なかったとかいうことは、もう先刻御承知のことだろうと思いますから、私申しませんけれども、公正取引委員会というものは、全国にさまざまの業態がありますのを調べなければならないし、またその実態を知らなければならないし、そういう点で地方庁への委託調査費というものが全滅されましたようですね。これは通産大臣にも伺いたいと思うのですけれども、公正取引委員会の仕事が非常にこまかく多岐にわたりますし、地方の実情の調査が一番大事だと思う。それから上がってきて仕事になると思う。それは一つにはモニター制をおかなければならない。しかし、また地方庁に委託して仕事しなければしょうがないと思うのですけれどもね、こういう予算がみてもらえなかったようですね。通産大臣、大臣としてそれどうお考えになりますか。せっかく今おいでになるのですから……。ほんとうに残念だと思うのです。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 公正取引委員会が実際の実情を知るために地方行政庁等とのうまく連絡がとれるような予算をというお話かと思います。私、実はまことに寡聞というとおかしいのですが、今それに対してお答えを申し上げる——御趣旨はよくわかりますけれども、今度の予算折衝の過程においてどの程度事務局のほうでそれをやったか、よく了知しておりませんので、後刻御返事をさしていただきたいと思います。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 重ねて伺いますが、予算に計上されなくても、どうしても要る人員をふやすということはできないわけでもないですね。そういう点で通産大臣、ひとつしっかり事情をお調べいただいて、たくさんの大事な問題が少しでも解決が急がれますように、人員問題なんか特にお計らい下さるように私お願いせざるを得ないのですが、いかがですか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) もとより通産行政のうちには消費者擁護という問題が非常に大きな行政の分野になっております。法制的に見まして、公正取引委員会がそのような場合いろんな事態においてまたこれを指導していただくということも必要です。われわれのほうとしてはやはり消費者を擁護するという行政を持っておるのでありますから、その面では通産局をして十分に指導、まあ行政的にわれわれのほうからも監督もいたしますし、通産局のほうでもそういう点には気をつけておると思いますが、今後御趣旨を体して消費者行政ということについては、公正取引委員会とも連絡をとりつつ、十分目的を達するように努力いたしたいと思います。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 たいへん大臣が消費者行政に熱意を示して下さいまして感謝いたしております。よけいなことですけれども、私が従来の通産省を見ていましたところで言いますと通産省は産業育成の官庁だと思いますね。これを消費者行政にすりかえよう——それも入れていこうとしていらっしゃる過程じゃないですか、今は。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 私はとにかく政治の目的は国民全体がいわゆる文化的な生活ができるようにする。そして平和に暮せるということが一番大きな目的であろうと思います。そのためのすべての施策であり、産業もやはりそのためのものであります。したがいまして、消費者行政というものは、われわれの役所としても非常に大きな部分を占めておるわけであります。今日までそれがネグレクトされておったのは、軽視されておったのは、いかにも日本の産業が世界の産業に比較しておくれをとっておりましたので、そのほうへ産業を早く力をつけるということは、また国民全般のためになるという見地から、そういう点に力が注がれておったかと思いますけれども、しかし決して今までの行政においても、消費者行政を忘れておったのではないと思います。しかし今後は、日本もかなり産業的にも立ち上がってきておるのでありますから、今後ますます本来の目的の消費者行政ということについては、十分力を注がなければならない段階にきておる、こういうふうに解釈しておるわけであります。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 たいへん共鳴のできる御意見でございまして、産業の発展を急ぐというために、所得倍増計画といいますか、このひずみで政府側は収入が上がったじゃないか、物価が上がっても、それを上回っているじゃないかということをよく言われてきましたね。だけれども、もう今日収入の上がったという喜びは物価が上がったという悲しみに帳消しされております。これが所得倍増計画なり、高度経済成長の計画なりが、もう家庭生活にしわ寄せされてくるのでございますね。この問題が一つあるし、もう一つは役所がみんなばらばらに自分の担当の仕事を、消費者生活に関係のあるものでも、農林省に関係し、厚生省に関係し、通産省に関係し、こういうふうに幾つも分かれて、統一して系統的に消費者生活を守るという線で一つのものを進めていないという、このうらみが——非常に今もう壁にぶつかっていると思うのでございますけれども、その点いかがでございましょうか。これを統合することが、これからの消費者行政じゃないかと思うのです。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 物価の上昇が所得の向上を上回るぐらいになっておるというよりなお説かと存じますが、この点については、ある程度おっしゃる面があるかと思っておりますが、全面的にそうかどうかということになると、いろいろ議論の分かれるところかと思います。しかしそういうことは別にしても、物価の上昇をなるべく押えていかなければならないという点については、全面的に賛同いたしておるわけであります。  そこで、それをどういうふうにやっていったらいいかということにつきましては、各役所が部分的にセクショナリズムをやっていたのではいけない、何か統合していかなければいけないというようなお説でございますが、政府としてもこの点については特に留意いたしまして、今度企画庁が中心になって物価を何とか総合的に抑制する施策を考えてみようということで、今作業を始めておることと思っております。したがいまして、奥委員のお考えになるような方向に政治も動きつつあると私は考えておるのであります。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 もっと申し上げたいことがありますけれども、きょうは私的独占の問題ですから、そう申し上げている時間もございませんが、公取の委員長に伺いたいと思いますけれども、まあ私ども私的独占を見ますときに、今公取でもだいぶ動き出していらっしゃるようでございますけれども、まあおそらく予算がなくて十分できないのだろうと思いますけれども、たとえばカン詰の不当表示、インチキ・ラベルですね。あるいはジュース、去年なんかずいぶんインスタント・ジュースが売れましたが、おそるべき内容のものが多ございまして、私どもそれ調査しておりますが、ほんとうにひどいものがたくさん売れました。子供たちは、ちょっと水を入れてまぜたらおいしく飲めるので、たいへん興味を持ちまして、びん詰を買うよりそのほうを喜ぶ。こういう中におそるべき添加物が入っている。あるいはうその表示がしてある。こういうふうなことを考えますと、このごろまたスーパー・マーケットができ、乱売、廉売がずいぶんできて参りましたが、ここにも二重価格と申しますか、インチキ価格ですね、安そうに割引したかのように見せて、インチキな値段、しかも品質はそれに及ばないほど粗末なものがある、こういうこと、いろいろな点を考えますと、私的独占の禁止の法律からいろいろ手を上げてもらわなければ困るのですね。修学旅行に行って、あるいは団体旅行に行って、おみやげ買ってきたら、必ず一つや二つはインチキなものをつかんで帰る。これは日本の商業道徳の低いということもありますけれども、そのために消費者が不当に支出を余儀なくされる。そして品質が粗末になっているのですね。これを取り締まるということは当然のことだけれども、それが今までおろそかになっていた。土地会社の広告なんか、これは一昨年あたりから目にあまるものがあって、非常にたくさんの人が迷惑をしておりまして、公取でもやっていらっしゃるようでございますけれども、土地会社なんかに私ども知り合いがたくさんありますから、いろいろ文句をつけておりますのですがね。公取は予算がないのだから、超過勤務をさせないようにしているから、だから日曜日か土曜日に広告をしたほうが得なんだ、やってきませんよと、こう言うておりますのですよ。そのくらい当然のこととしてインチキをしているのでございますね。こういう実態を、委員長が新しくお入りになりました以上は、よく調べていただきまして、これを強力に改正して、あるいは排除するものはどんどん排除命令を出すというふうにしていただかないと、ほんとうに消費者行政というものが、消費者保護というものが十分にいかないと思うのですよ。で、私どもこれはアメリカで見てきたことですけれども、テレビ、ラジオ、新聞広告、こういうようなものはもうしょっちゅうモニターに見てもらって情報を集めるというふうなこともすべきじゃないか。日本もやっと不当広告の問題を法律を作って取り締まるようになりましたけれども、とってもそこに手が及んでいないのじゃないですか、いかがでございましょう。委員長に伺わなくてもよろしうございますが、どの程度あなた方はそういう問題を取り上げていらっしゃいますか、公取として。

渡辺喜久造公正取引委員会委員長

○政府委員(渡辺喜久造君) 公正取引委員会といたしましては、奥委員のおっしゃったようなことを当然やるべきだと思います。ただ、まあ別に泣き言ではございませんが、人員なり経費の関係で、従来その機能が必ずしも十分でなかったのですが、さらに一歩進んでやるべきじゃないかと思いまして、その点につきましては同時にまた現在与えられている人員なり経費の範囲内で、あるいは現在以上の仕事も、まあ能率を上げるということができるのじゃないだろうかという面もまず第一に考え、さらにその上に必要があれば経費なり人員なりの増加ということについても、これはお願いしたいというふうに考えておりますが、具体的な問題につきましては事務局長が来ておりますから、事務局長から答弁いたします。

小沼亨公正取引委員会事務局長

○政府委員(小沼亨君) 具体的な問題につきましては、土地の関係の排除命令等を出しまして、一般的に広告等に対しましては排除命令を出さないものでもかなり問題のあるものにつきましては、警告を発しまして、今後法律に抵触するおそれのあるようなものは出さないという始末書を出させるということ、それからいろいろ伺っておるものの中に、表示と内容の違っておるもの、これはいろいろ責任のある検査機関に検査していただいたわけでございますが、かなりまぎらわしいものがあるというものにつきましても、これは警告を発し、今後そういう表示をしないという書きものを出しておるわけでございます。こういうことでございます。予算につきましては、公取全体の予算が前年三十七年度と比べまして、約一五%の増でございますが、特に旅費、庁費等につきましては、そういう少しでも活動できますように二二、三%の増加を一応大蔵省のほうで見ていただいておるわけでございますし、それからここで御審議いただいております設置法改正としまして定員も六名、これも不当表示の関係を主管する人数として一応見ていただくということになっておりますので、これらの活用を十分やりまして、まあ多ければ多いほどよろしいのでございますが、全力をあげてこういった消費者に迷惑をかけるような問題のないように微力を尽くしたいと思っております。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 重ねて伺いますが、公取が価格協定をなぜ取り締まらないのだろうか。実際もう、ことに地方によって値段も違いますね、こまかいものは。そうすると、それは全国にモニターでもなければ人を派遣するといったら大へんなことになります。価格協定というものが不当に行なわれておりますね。たとえばパーマネントでも、環境衛生関係のものでも、それからいろいろ家庭日用品の協定価格が、不当なものが行なわれているのですよ。こういうようなものをどのくらいお取り締まりになったのですか。

小沼亨公正取引委員会事務局長

○政府委員(小沼亨君) これは昨年の三月に閣議で、違法な価格協定を独禁法の運用強化で取り締まるようにということがございまして、その後公正取引委員会としましては、価格協定あるいはいろいろな団体が団体で価格を制限をしておるというものにかなり重点を置きまして調査いたしました。職権でも調べましたし、また方々から申告を受けたりいたしまして、かなり多くの調査をいたしました。結局、昨年の三月以降暮れまでに審決、主として価格に関する審決を七件、審判開始も価格競争を含めて十二件、最近にない多くの処理をして参ったと存じます。それらの中に、殊にただいま御指摘になりました環境衛生関係では、食肉関係で二件、クリーニングで一件、あと数件の美容、理容関係も調査いたしましたが、調査を始めた早々に、そういった決定したものを破棄して、もとの姿に帰ったということで不問にいたしたものも若干ございます。価格協定の関係は、主として事務的には審査部で扱っておりますが、それも人数の関係で十分ではございませんけれども、目下価格協定の問題が非常に取り上げられておりますので、今後こういうところにも重点を置いて参りたい。

奥むめお第二院クラブ

○奥むめお君 人数の足りないことでは、今、通産大臣に私もお願いしておきましたのですがね。実際こういう大事な問題は、国民の政治に対する不信につながるのですね。それから生活費が高騰するということ、いろいろな点でどうしてももっと機能を発揮してもらいたい。第四十国会では、不当景品類の何を出したことがありますね。附帯決議をつけたくらいです。この私的独占の関係では、たびたび附帯決議をつけて公取を激励しているわけです。政府に対しても要望しているわけですね。しかし、一向に実らない。私こういうことは、あなた方の熱意のほども疑われると思う。もっとがんばってしっかりおやりになったらどうかしら、こう思います。ほんとうに問題はたくさんございますから、きょうは時間もございませんから質問はこれで打ち切りますけれども、予算を獲得したり、人員をふやすことから、仕事の網の目を張ることから、今に対外関係で新しい問題が出てきますし、よほどしっかりしてもらわなければ困ると思う。いかがでございますか。

渡辺喜久造公正取引委員会委員長

○政府委員(渡辺喜久造君) 私も、前任者においても、おそらく御趣旨の点については、御趣旨のような線で十分努力をして参ったと私は信じております。しかし、私も新しく委員長になったのですから、私なりの気持で御趣旨のような点も十分考慮に入れながら委員会の仕事を全部レビューしまして、現在の定員、経費で、まずもってできるだけのことをする。それでなお不十分なところについては、あるいは人員の問題、あるいは経費の問題においても、さらにこれらの増加をお願いをするといったことによりまして、今、奥委員のお話しになったこと、あるいは奥委員を通じて消費者の皆さん方の御希望になっている点、公取委員会として、当然その与えられた使命を十分尽くすように努力をすることをここで御約束いたします。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 締めくくりの質問をする前に、ちょっと一、二点お伺いしたいのですが、不当景品類及び不当表示防止法が、昨年の八月に施行されまして以来、きょうまでに十六件違反した事件があったように、今もらったこれに出ておるのですが、私はその不当景品並びに不当表示という問題は、新聞やチラシだけが対象になっておるように思われるのだが、しかし、今テレビなんかでも非常に普及して参りまして、テレビ等にいまわしい、まあこれは類似するのじゃないかと思われるような広告が盛んになされておるのですが、これらに対するところの問題は、どういうふうにあなたのほうでは処理をしようと考えておられるのか。また、テレビの問題は、この範疇に入らないというふうな見解を持っておられるのか。この点まずお尋ねいたします。

渡辺喜久造公正取引委員会委員長

○政府委員(渡辺喜久造君) 広告の媒体としましては、新聞広告とか、チラシだけに限りませんで、テレビ等による、広告媒体としてテレビを使うという場合におきましても、商品の販売等に関連しまして、誇大広告をする、あるいは不当な懸賞、高額な懸賞をつけるという問題につきましては、当然取り締まりの対象になるわけで、したがいまして、本日もちょっと私耳にしたのですが、同じような問題がありまして、さっそくそれに対してしかるべき措置をとるようにという指示がなされております。われわれとしましても、単に新聞、チラシだけを広告媒体として対象にしておるというわけでなく、当然、現在はむしろテレビとか、そういうもののほうが印象的には強いのですから、これもわれわれとしましては、誇大広告であるものにつきましては、媒体として当然テレビも入ってくる、こういうふうな考え方で取り締まりをするようにしかるべき措置をとっておるような次第であります。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 私はそれは当然だろうと思います。テレビ、ラジオなんというものは、いわゆる報道機関としてりっぱな役割を今演じておるので、そこで、私がお尋ねしたいことは、公取委員長も御承知のように、このごろテレビのクイズが盛んに行なわれて参りました。しかも、それが何百万円というふうなクイズが出ている。「地上最大のクイズ」なんという広告をしておる。これはそれ、それの会社がスポンサーになってやっておりますけれども、ただ、それは会社の名前を宣伝するだけでなくして、必ずそのあとには、何かの商品のあれが出てくるわけです、テレビに。こういうものは、この不当表示ということに入るのか、入らぬのか。この点いかがですか。

小沼亨公正取引委員会事務局長

○政府委員(小沼亨君) これは、不当景品類及び不当表示防止法では、商品の販売手段としての問題でございますので、これを買えば、それと引きかえに抽せん券をやるという問題でございますと、われわれの制限にかかりますが、単にテレビでクイズをやるということで、面接の商品の販売が交換になってないというものは、ただいまのところこの法律では取り締まれないということであります。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 私は、それはおかしいのじゃないかと思うのです。いわゆる店の名前、会社の名前を発表して、そのあとへ品物を何々とこう出すことは、この品物を買え、こう言わんばかりだと私は思う。それは、直接に、これを買ったらこれが当たると、こういうクイズじゃないから、これはかまわないということは、私はどうも了解できないと思う。  それと、もう一つは、非帯に子供を——子供は、ああいうクイズに夢中になるあれがあるのですよ。これは、少年教育の上からいっても、私はこれを、直接、物を売るのじゃないから、これはかからないということで見のがしていいということは、社会的にもあまり面白くないことだと思うのですが、あなたはどういうふうにその点お考えになっておられますか。

渡辺喜久造公正取引委員会委員長

○政府委員(渡辺喜久造君) 社会的に見て、そうしたことが行なわれるということ自体が面白くないという点につきましては、正直にいいまして私も同感なんですが、公正取引委員会としましては、結局国会においてきめられました法律、もちろんそれは私的独占禁止法あるいはそれの補助的な法律であります不当景品類及び不当表示防止法、こういったものに従いまして、この不当景品類及び不当表示防止法というものに該当するかしないかという問題になりますと、今、事務局長が答えましたようなことになるわけです。ただ、そうしたものが社会的に面白くないから、これはやはりある程度阻止するような措置を講ずべきじゃないかという問題になりますると、あるいは公正取引委員会の仕事であるか、あるいは別途の仕事であるか、これは私も、今ここですぐ御返事できませんが、これは政府なり国会としてしかるべく手を打つべき問題だというふうに思いますが、公正取引委員会といたしましては、結局与えられた法令の上に乗っかりまして仕事をするのが使命でございますので、私も、そうした高額なクイズなどがはんらんすることは、決していいと思いませんし、当然阻止さるべきものであるというふうな常識的な判断は持っておりますが、法律によって云々というような問題になりますと、現在与えられております法律の規定になりますと、事務局長がお答えされたような答えにならざるを得ない、ある意味においてはいかぬかもしれませんが、そういうお答えになるわけであります。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 この問題は、ひとつ研究課題として十分研究をしていただいて、そうして将来何らかの対策を私は講ずべきではないかと思うので、この点はひとつ研究課題として十分研究していただきたいと思います。  そこで今回の独禁法の改正は、単に公取の事務局の人員を六名増員するだけの改正でありますので、これは最近、特定産業振興法案の提案に至るまでのいきさつや、それから、財界等でも独禁法の緩和や全面的改正ということを、盛んに意見など吐いておるわけなんです。それで、独禁法が、これは経済民主化とそれから一般消費者の利益擁護、こういう建前にあることは、もう公取委員長も御承知のとおりだと思うのです。そこで、今、盛んに一部の大企業の利益保護のために、独禁法を何とか骨抜きにするというふうなことが伝えられておる。また、この前、新聞にも論説として、何か風穴をあけたのじゃないかと、特定産業法の問題について、そういうふうなことも言われておるのですが、私どもは、そういうようなことは、絶対にこれは承服できることじゃございません。そこで自由化時代々迎えまして、独禁法にもいろいろとこれは検討しなければならぬという点があることは、私も若干認めるわけでございますが、これはあくまでも経済の民主化と、それから消費者保護、こういう建前であるべきでございますが、公取委員長は、今度新しく委員長になられまして、この点はどういうふうにお考えになっておりますか。きのう、同僚松澤委員からも御質問がなされまして、きのう新聞に出ておりました公取委員長の意見につきまして、きのうの委員会では、あれはちょっと間違って報道されておるというふうな委員長の意見だったそうでございまするが、この点ひとつ委員長のお考えをお伺いいたします。

渡辺喜久造公正取引委員会委員長

○政府委員(渡辺喜久造君) 御承知のように、独占禁止法が昭和二十二年ですか、初めてできまして、それから二十八年に、ある意味において相当大きな改正があって、その後現在に至っているわけでございますが、二十八年の改正は、占領下において作られました独占禁止法が、日本が独立した後において、新しく日本経済を動かしていく上において必要な限度、そういう意味においての大きな改正だったと思います。しかし、独禁法の持っている基本的なものの考え方といいますか、要するに、経済の民主化という言葉でもって呼ばれている一つの線、消費者の保護といったような一つの線、そういうものが、これは日本経済のあり方の問題とは別個に、基本的なものの考え方の線として、これは将来とも貫かるべき問題じゃないか、こう思っております。ただ、要するにそうした大きな目的を達成する意味におきましても、経済のあり方、いわば自由化の前におきましては温室的な経済と呼ばれていいと思いますが、そうした中においての企業のあり方、それがオープンになりまして、温室の外に出たという場合においての自由化後の経済、そういったものの環境の大きな違い、変わりというものを、これはやはり、そうした、先ほど言った基本的なものの考え方をそのまま貫くとしても、やはり変わるべきものがあるかないかということは、少なくとも検討さるべき問題ではないか。きのうも松澤委員から御質問がございまして、確かにいろんな議論がなされております。したがいまして、私どもとしましては、やはり、その議論をもう頭からよろいを着てしまって受けつけないというのは、これはまたいささかどうもあれですから、したがいまして、議論としては、それはわれわれのほうとしては一応十分検討はしていく。しかし、松澤委員の昨日おっしゃいましたように、現在の独禁法というのは、いろんな角度から見て、いわば片方の必要、片方の要望というものがいろいろ重なり合って現在の独禁法の姿ができているのでございますから、そう軽々にこれを改正するとか何とかということについては、私は考えておりません。したがって、研究は、これはもう私は、いろんな要望が出ていれば、これはわれわれとしては一々取り上げてやはり検討はしていく。しかし、独禁法を改正していくといった大きな問題をそれに結びつけるか結びつけないかということにつきましては、私はきわめて慎重にこれを扱わなけりゃならぬ。それで、昨日も松澤委員に申し上げたんですが、確かに私はいろいろ話しました。これは大体記者のほうから質問がありましたから私は答えたわけです。それに対して、たとえばある新聞は、「渡辺公取委委員長が初会見」として、その見出しに「独禁法改正は慎重に」という見出しをつけている新聞もあります。それからあるいは「独禁法のあり方再検討」という見出しをつけている新聞もあります。まあそんなようなわけで、結局、私のきわめてフランクに話した話が、あるいはその受け取られた新聞の方によっていろんなニュアンスをつけて新聞の記事になっておるんじゃないかと。したがいまして、私も今申し上げたと同じようなことを松澤委員に申し上げました。この公式の席で、私の考えていることはそういうものであるということを御了承願いたいという意味において、本日も重ねて申し上げますが、そういった気持のことを御了承願いたいと思います。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 今度六名増員されたにつきましては、不当景品類の取り締まりや、それから消費者物価対策の必要な人員の増加、こういうことでありますが、五十二名要求してわずか六名では、あまりにこれは少ない。歩どまりが悪い。五十二名でわずか六名しか取れないというのじゃ、どうもこれは公取委員長のあなたはまだ新任されたばかりで、前の委員長の責任かもしれませんけれども、公取のような大事な官庁は、人員を要求する力が弱い、と言ってはおかしいかしれませんが、五十二名要求して六名しか取れなかったということになれば、これは力が弱いと見るわけなんですが、こういうことは非常に残念なことに私は思うのです。で、今後は大いに——新公取委員長は何か聞くところによると、池田総理とは同期とか、後輩とかいう話も聞いておりますが、これは来年度はしっかりと予算を要求して、そうしてもっと公取の人数をふやして、そしててきぱきと処理のできるような方法をひとつ講じていただきたいと私は思うのですが、この点、新公取委員長としての所見を承りたいと思います。それで私の質問を終わります。

渡辺喜久造公正取引委員会委員長

○政府委員(渡辺喜久造君) たいへん激励にあずかりましてありがとうございます。できるだけの努力をいたします。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 他に御発言はございませんか。——他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに御賛成の方の挙手を願います。     〔賛成者挙手〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたしました。     —————————————

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 次に、金属鉱物探鉱融資事業団法案を議題といたします。  昨日に引き続いて質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 きのうの当委員会におきまして、福田通産大臣並びに鉱山局長から、法案の内容については十分承りましたので、条文等の内容についてはお尋ねいたしませんけれども、きのうも自民党の川上委員からも出ておりましたが、私は特にこの融資の機関である探鉱事業団、これについて私はもう少し中身を自主探鉱できるようなものにできなかったかということに思うわけなんで、そこで、衆議院のほうで三項目にわたる附帯決議がついておるわけです。きょう本法案を当委員会において採決するやに、委員長理事打合会等において決定しておりますので、この衆議院の附帯決議をどう取り扱うかということについて、関連をして若干お尋ねをしたいわけですが、これは福田通産大臣も御承知のとおり、私どもも長い国会での経験からして、法律と違って決議案というものが、どうも完全な義務づけがないために、院議で決定しておるわけですが、なかなか政府当局において実施されないということが、数多くの例として今日に至っておるわけですが、この三項目について、おそらく通産大臣は、十分御趣旨に沿うように努力しますという簡単な答弁をなされたそうですが、この一項目に、これは大体事業団の業務範囲を拡大して、自主探鉱を行なうようにやらなければならぬとすること、こういう条項ですが、この点については、きのうも当委員会でいろいろと意見が出て、御答弁もいただいたわけですが、この点について、大臣は、今国会でこの法案の修正ができないとしても、来国会等において本法案を修正して、当事業団が自主探鉱ができるようにやるかどうか、この点をまずお尋ねいたします。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) ただいま御質問の点につきましては、私たちも大いにそういう意味で努力をいたしたいと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 努力するということは、来国会等において自主探鉱できるように修正する、こういうふうに理解してもよろしいのですか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 御承知のように、政府は私一人でやっておるわけではございませんので、この機会に、私は実は努力すると申し上げる以外に方法はないと思います。大蔵省その他とも十分折衝して、お考えのとおりに、ひとついたしたいと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 通産大臣はおからだに似合わない小さい声で、全然聞こえませんが——ヘリコプターが飛んでいるので、もう少し大きな声で御答弁願いたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 私一人でやるわけでもございません。政府はいろいろの機関がありますので、来国会の問題となれば、大蔵省ともよく折衝いたしまして、御趣旨が通るように努力いたしたいと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 大蔵省は——十三億、それに出資二億で十五億ですが、探鉱の実態等あまり御承知おきないようですから、減らさぬように——きわめてシビアな態度をとられるかもしれませんが、しかし、この十三億、二億で十五億の金額、まあ明年度は増額という御意見も、きのう御答弁の中にございましたが、しかしやはり金を出す限りにおいては、生きて使うようにひとつお願いしたいということで、次に移ります。  この次の附帯決議は、「探鉱融資額を大幅に増額するとともに、長期低利の資金の確保と、融資条件等の改善を図ること。」、この改善をはかるということは、きのう鉱山局長から御答弁いただいたような方法でやる。その方法を改善する、こういう要望だと、この決議を解釈するのですが、この点はどのような論議がなされたか。あるいはこれに対する政府当局のお考えを承りたいと思います。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 衆議院の附帯決議の二番目は、まず探鉱融資額の大幅な増額ということでございます。融資額は、三十八年度は御承知のように十五億の規模でございます。これをさらにふやすという御趣旨かと存じます。それから融資条件等の改善と申しますのは、そのおもなものはたとえば金利ではないだろうかと思います。現在の予定では金利は年七分五厘でございまして、これは一般の金利から見ると低いわけでございますが、附帯決議の御趣旨は、おそらくそれよりももっと低くしなければいけないということかと思います。そのためには出資の額をふやすとかいろいろむずかしい問題もございますが、附帯決議の趣旨を尊重いたしまして極力努力いたしたいと考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 今まで多くのさいぜん申し上げましたとおり決議案も当院でつけたし、衆議院のほうから法案を採決して当院に回付される場合に決議案がついてきた法案を数多く見ましたが、まだ一本も法案に改善すべきだという、こういうのがついてきた法案が、あったかもしれませんけれども、私の記憶ではないわけです。まだ一つもやってみないうちに改善せいという案ですから、これはすでに衆議院で自民党と社会党と満場一致できめた決議案でしょうから、こういう附帯決議をつけるのであれば、法案を修正したほうがよかったと、こういうように考えるわけですが、それ以上他院のことですから触れませんけれども、しかし、それほどこの法案については私どもも意見がありまするし、衆議院のほうも多くの意見を持っておったと思うわけです。ですからただいま御答弁ございましたが、まだ法案にならぬうちから改善せいというような意見等が那辺にあったかということ。この法案の成立と同時にそれぞれの組織を作って行動するわけですから、十分なる御配慮をいただきたいと思うわけです。  その次に、「中小鉱山における探鉱事業の助成の強化を図ること。」、こういうことですが、きのう御説明があった三億円の金額を増してほしいと、こういう意味なんですか。これは鉱山局長あるいは大臣にお尋ねするのは、これは議院がきめたことですから無理かもしれませんけれども、おそらく論議されるときに、私どもと違ってお二方は御出席なさっておったと思うのです。ですから、その空気を御承知おきだと思うのです。ですから、これについてどういう態度をおとりになるか御表明をいただきたい。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 中小鉱山に対する探鉱事業の助成という一般的な表現でございますが、これは現在新鉱床の探鉱補助金制度がございますが、それをさらに拡充をすることも内容の一つかと考えております。それから探鉱用の鉱山機械を入手しやすいように考えるべきではないか、そのための一つの方策として、現在機械保険制度の対象に探鉱機械をあげることを考えております。また探鉱促進のための設備の融資等の中小金融公庫が政府機関にございますけれども、その融資を十分に供給せよというような内容のことも入っておるものと存じます。そういう諸点につきまして今後努力をいたしたいと思っております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そこでそれに関連してお尋ねいたしますが、きのう鉱山局長の御答弁の中に、大手、中小を分けまして、十五億の融資の対象になる大手と、それから補助金でいく中小とを二つに分けての定義のような御答弁がございましたが、中小炭鉱とはつまり十五億の融資の該当にならぬ中小企業、これは金額の場合には資本金五千万円、人数の場合には一千人というように御答弁いただいたように記憶をしておりますが、この点はいかがだったでしょうか、もう一度お尋ねしたいわけですが。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 現行法規によりますと、資本金では一千万円以下でございます。人数では千人以下でございます。いずれかを満足しておれば中小鉱山ということになるわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうすると、それが中小企業の定義だということになると、これから審議する予定になっておる中小企業近代化促進法案、これはたまたまこの法案審議のために樋詰長官もおいでになっているようですが、この中小企業の近代化促進法案の二条にこの総額が五千万以下の会社並に常時使用する数が三百人以下、こうなっておって、標準がきわめて違うわけですね。法律が違うから標準が違うかもしれませんけれども、これには鉱業も該当するわけです。年代が違ったりすると経済界の動向が違って貨幣価値が違うわけですから、資本金の額が違ったり、近代工業ですからオートメ化によって五千人でも大企業、あるいは五百人でも大企業の場合がありますので変動するわけですが、同じ国会において中小企業という定義が鉱山にあてはめて両方の標準にきわめて差があるということは納得いかぬわけですがね。中小企業というものの定義、その法案によって通産省の金属鉱山に対する中小企業の定義が違うということは——福田さんどうですか、居眠りばかりしておらぬで……。その点をあなたにお尋ねしておきます。局長が答弁するからいいじゃろうなんということで居眠りしておっては困る。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) ただいまの問題は衆議院におきまして両法案を、今御説明になった二つの中小企業の関係法案は政令でもって、改正をするんだ、中小企業基本法で考えておるいわゆる中小企業の定義というものを、中小企業基本法が通ったときに今度は変えるんだ、こういうふうに改めてこっちへ送付されてきておるはずであります。今あなたのお持ちの分にはあるいはそれがまだ直っておらないのじゃないかと思います。いずれにいたしましても、そういうわけでありますから、これで差しつかえないんじゃないか、こう考えるわけであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 福田通産大臣、居眠りしておったなどという大へん失礼なことを申し上げましたが、今お尋ねしてみると答弁が全然なっておらぬ、これは確かに居眠りしておったに違いない。(笑声)私の言わんとするところは、一つの国会で二つとも新しい法案なんです。新しい法案ですから、同じ通商産業省の中でこれは中小企業庁と鉱山局、これは違うかもしれませんけれども、中小企業という一つの部門に対してのものさしは同じでなければならぬと思う。片方は何百人から何百人ということであってはいかぬと思うわけですが、これはどうですか。両方に合致しなければならぬということを言っておらぬのですから、どちらかに合致すればこれは該当する、こういうことになるのですから……。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) またお叱りを受けると困りますから、中小企業庁長官に答弁させます。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 先ほど大臣から申し上げましたように、一応私ども今国会に御審議をお願いいたしております基本法関連の法律につきましては、今、先生御指摘のように、従業員は普通の場合には三百人、それから鉱山については千人、それから資本金については五千万というようなことでいっておったわけでございますが、ただいま大臣から申し上げましたように五千万または三百人ということを原則にするのがいいのか、あるいは社会党のいっておられる三千万かつ三百人というようなことにするのがいいのかというようなことにつきましては、これはもう少し掘り下げてよく検討した上で国会の意思をきめたいということが衆議院で与野党の間で一致した意見でございます。そこで大臣から申し上げましたように、衆議院で修正が加えられまして、第二条の定義は別に政令で定めるということにいたしまして、この政令で定めるものは別途基本法が策定されるということになるまでの暫定的な措置として一応政令で定めるのだ、大体今国会、法律を直した格好でそういうふうに政令にしていただきましたので、この次の国会まではとりあえず政令でそのまま参りまして、次の国会で基本法の定義に合わせるようにさらに法律で修正をするというふうな順序に今なっておるわけでございます。ただいま議題になっております中小鉱山の関係におきましては、鉱山局長といたしましては、まだ基本法がそういうような関係でこれから御審議いただくというようなことでもございますので、とりあえず従来の規定でやった場合にどらかということを申し上げたのだ、こう思いますので、衆議院の中小企業に関する議論と関連させまして、現段階においては、現行の各種の法令によるというものをとるというのも、これは一つの案と申しますか、現在ではまだ政令がきまっておりませんので、そういう現在の法律でやればこうなるということを鉱山局長は申し上げたのだ、そういうふうに思っております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 樋詰長官はもう自分の法案の審議に入ったと思って答弁なさっておるが、私の聞いておるのは、これからできようとする中小企業基本法、これができるだろうという仮空の想定に立って法律論議はできませんよ、これは。たしかに中小企業基本法ができれば、それがもととなってあらゆる定義がそれを参考にしてできるでしょうけれども、ただ私のさいぜんからお尋ねしておるのは、同じ国会で二つの法案が出て、同じ業種が、一つの問題では君は大手である、一つの問題では中小であるというようなことは納得できませんと、こういう話なんで、したがいまして、これから中小企業基本法ができるから、それに全部右へならえするのだということであれば、これは別問題ですが、しかし、これからできる基本法ですね、五月二十四日までしか国会ございませんので、はたして成立するかどうかわからない。それをあてにして論議するというのは納得できないんですよ。

樋詰誠明中小企業庁長官

○政府委員(樋詰誠明君) 私の御説明がはなはだまずかったかと思いますが、基本法はまだできておらないわけでございます。それで、しかもその基本法につきまして、こちらに関連法律として配付になりました二法案も、大臣が申し上げましたように、一応定義のことは今後の議論に譲るという格好になってきておるわけでございます。そこで、そうなりますと、現段階におきまして中小企業とは何かということを通産省が申し上げることになれば、今、先生がいみじくも御指摘になりましたように、まだできておらないというのを対象に云々するのはおかしいので、従来ある、既存の法律でいう中小企業というものに対して補助金を渡す。それはこれだけになります、現在の定義による大企業に対して金を融資するというのはこうなりますという鉱山局長のお答えは、これは現段階においては一番実情に合ったあれで、中小企業の問題は、先生御指摘のとおりに、これから御議論いただきましておきめいただく。それによってわれわれは中小企業はこうだということを申し上げることにしたいと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 今、長官から御答弁がありましたが、いずれにいたしましても、この探鉱事業団ができると、十五億の融資の対象になる会社、鉱山と、そちらのほうに対象にならんで、三億円のほうにおせわを願う会社と、はっきり二つに分れるわけです。ですから、きのうもお伺いしたわけですが、きょうこれから論議する法律を読んでみて、同じ鉱山で同じ通産省の支配下にあって、中小企業の定義が違うということでびっくりしたわけで、したがいまして、そういう点をお尋ねしたんですが、もう一度この十五億の融資の対象になる基準の会社あるいは山と、それからそこの対象には全然該当しない三億円のほうになるという、はっきり大手、中小とかいう論議は抜いて、こういうものがものさしであるというところを、もう一度ひとつ鉱山局長お示し願いたいのですが。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 法律上の問題といたしましては、すなわち事業団法案の問題といたしましては、大手とか中小とかという区別はないわけでございます。ただ、予算の問題といたしまして、新鉱床探査費補助金の対象にいたしますのは、これは補助金交付規則を作って交付するわけでございますが、これは中小鉱山を対象にいたすのでございます。したがって、大手には出さないわけでございます。探鉱補助金は、融資よりもはるかに手厚い保護促進策だと存じます。したがって、融資事業団の対象をどういうふうにするかということは、これは法律上の問題ではなくて、業務方法書の問題でございます。業務方法書は、事業団ができてから通産大臣の認可を受けて効力が発生するのでございますが、現在のところ、政府といたしましては、探鉱補助金の対象になっていないものを対象にする方針であるということを昨日御答弁申し上げたわけでございます。現在もさように考えているわけでございます。これは法律上の問題ではないわけでございますから、今後、業務方法書を作りまして、それを運用してみて、さらにまた、それを改めるところがあるということになれば、それはまた別途の問題になるかと思います。現在はただいま申し上げましたような方針でいるわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうしますと、鉱山局長の御答弁はこういうことになりますか——今の御答弁ですと、探鉱融資に該当せぬ会社が補助金の対象になる、こういうことですから、そうなると、人数が幾ら幾らとか、資本金が幾ら幾らというようなめどがない、こういうことになるのですか。きのうの御答弁と若干違うようですが……。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) 昨日の答弁と違わないと私は思います。補助金の対象になりますのは告示で決定をいたします。これは十数種の鉱種でございますので、相当広範囲でございます。それから中小鉱山に該当する先ほど申し上げました千人以下とかというのを対象にいたしまして補助金の交付をするわけでございます。最近の実績によりますと、二百くらいの企業に補助金を交付しているわけでございます。融資事業団のほうは補助金の対象にならないものでございますので、大手と申しますか、そういうところが対象になるわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 私の理解力が足らなかったかどうかわかりませんけれども、きのういろいろお尋ねしましたが、その中で融資のほうにいく会社、それから補助金のほうで手当てをしてもらう会社と、人数かもしくは資本金によって区別されるように承ったわけです。ということは、大手というものの中ですね、いろいろ名前まできのうは出ましたが、二十幾つあるということですが、その二十幾つというものは大ざっぱな選別ですけれども、その選別は、やはり人数でしているものか、従業員の数でしているものか、あるいは資本金でしているものかということで、そういう話で、御答弁の中に五千万円とか、あるいは一千名とかという数が出たような気がするのですが、これ私全然理解が違っておるのですかね。きのうの御答弁と違うようなんですが、きょうは今、鉱山局長の御説明を承っておると、人数にも金額にも資本金にも全然たよらぬというようなことになるような気がする。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) きのうと同じでございまして、違っていないわけでございますが、資本金でございますと、現在中小鉱山と言われておりますのは一千万以下になっております。それから人数で申しますと、ほかの中小企業の三百人をこえまして、鉱山には千人という限度が設けられておるわけでございます。昨日その点を申し上げたわけでございまして、現在もさように考えておる次第でございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そういうことで僕も理解しておったのですが、そうしますと、あれですね、資本金は一千万円、人数は一千名以下と、これがもう厳たるラインであって、たとえば一千名の会社が二千名の会社より企業内容がよかったり、一千万の会社が五千万の資本金を持っている会社より企業内容がよかったりする場合もあり得るわけですが、そういうことは一切抜きにして、一千名と一千万円というのがこれ厳然たるラインですね。もう企業の内容とかそういうものは全然ない、そういうことで理解してもいいわけですね。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) これは法律上の問題というよりも、業務方法書の問題になるわけでございますが、このラインをきめるとすれば、中小鉱山ということで線を引くことになるかと思います。補助金の対象になりますのが中小鉱山ということになりますと、先ほど申し上げましたように、千人未満、あるいは資本金で言えが一千万円未満ということになるわけでございまして、これは将来法律上の定義が異なって参りますと、これはまた異なるわけでございますけれども、現在ではそういうことになっておりますので、それを申し上げたのでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 確かにこの法案の中に、その方法書なるものを作って、そういうことをおきめになる旨の中身があるわけですが、いずれにいたしましても、予算もきまって、やる方法もきまっておるのですから、そうしますと、ここで論議して、実は事業団が発足して、理事長、理事、監事もできて仕事を始めるときに、ここで論議したことと全然違う方法書をきめられては困るわけです。当然やはり通産省のお考えが十分そこで生きて論議が盛り込まれなければならぬと思うのです。したがって、この任免権は理事長にしては大臣にあるのですから、大臣の構想と全然違う理事長なり理事がおって仕事をなさっては、ここで何のために論議するかわからぬ。したがいまして、方法書をあらゆる角度から論議して決定されるのでしょうが、ここで論議し、決定したことが無視されるような方法書であってはならぬし、また同じものが作られると思うわけです。ですから、方法書ができてから、方法書ができてからということで局長に逃げられると論議ができなくなるわけですが、いずれにいたしましても、方法書というものの内容がきまらぬうちにお尋ねするのはたいへん恐縮ですが、衆議院でもいろいろ論議あったでしょう。それからきのうから論議しているわけですが、こういう点が了解された分については十分盛り込められるわけですね。

川出千速通商産業省鉱山局長

○政府委員(川出千速君) そのとおりでございます。

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 速記を始めて下さい。  他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  金属鉱物探鉱融資事業団法案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。  なお、本院規則第七十二条によって議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。     —————————————

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 次に、中小企業振興資金等助成法の一部を改正する法律案、それから中小企業近代化促進法案、以上両案を一括して議題といたします。両案はお手元に配布いたしましたように衆議院においていずれも修正されておりまするから、御了承願います。まず政府委員から補足説明を聴取いたします。  速記中止。    〔午後三時五分速記中止〕    〔午後三時十九分速記開始〕

赤間文三自由民主党

○委員長(赤間文三君) 速記を始めて。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十一分散会      —————・—————

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