商工委員会 第10号
- 発言数
- 155 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/02/28
会議録
○委員長(赤間文三君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず、理事打合会の協議事項について報告を申し上げます。 理事打合会ではプラント類輸出促推臨時措置法の一部を改正する法律案の質疑を行なうことになっております。 本日は大体近藤先生、松澤先生、二宮先生から申し出があります。関連いたしまして随時関連質問して十分お願いいたしたいと思います。できれば火曜日の、この次の委員会で討論採決をする、こういう大体仕組みでございます。あらかじめ御了承を願います。
○委員長(赤間文三君) 次に、委員の異動について御報告をいたします。きのう野上元君、久保等君が辞任をされました。その補欠として阿部竹松君、光村甚助君が選任せられました。 —————————————
○委員長(赤間文三君) それでは、これより議事に入ります。 プラント類輸出促進臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、すでに提案理由の説明及び補足説明を聴取いたしておりまするので、これから質疑に入りたいと存じます。御質疑のおありの方は順次御発言をお願いしたいと考えております。
○近藤信一君 プラント類輸出促進臨時措置法の一部改正について若干の質問をいたします。輸出入銀行の三十八年度予算の内容の説明は、この前の委員会でもお聞きいたしましたし、またプラント輸出についての資金量の確保については不足させないようにするという説明があったのでありますが、この輸出入銀行の融資のうちに占めるプラント類についての割合、それから額はどれくらいになっておりますか。また輸出保険でプラント類が利用した額はどれくらいになりますか。まず、この点からお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(島田喜仁君) 輸銀の資金の中には、まずプラント関係の輸出のための資金と、それから海外で開発輸入をしたような場合の輸入に要する資金、それから海外投資をいたします場合の投資金融、大体この三つに分かれております。数字の点は輸出課長のほうから、時間の関係がございますので、御報告いたします。 それから輸出保険の中には八種類ございまして、そのうちで主としてプラントに適用されます保険は代金保険でございます。この数字も担当課長からお答えいたします。
○近藤信一君 昨年、ブラジルのウルブプンガの発電設備の国際入札で、わが国の日立それから、東芝、三菱電機の三者連合によるグループが せっかく一番札をとりながら、肝心の落札は、二番札のイタリアに持っていかれたことは、私どもの記憶に新しいところでございます。別に言葉じりをつかまえるというわけではございませんが、先日、当委員会で島田重工業局長は、プラント輸出の振興についてこういう答弁をされております。「プラント類につきましては、一つのプラントが出るというようなことになりますと、相当金額が大きい。」、「その一件が成約未成立であった、あるいは外国に引き合いがとられた、入札されたというようなことになりますと、ごそっと金額が減るわけでございまして」こういうふうに答弁をしておられますし、ブラジルの発電設備の落札失敗は、日本グループの入札価格が約五千五十万ドルと金額的にもまとまっております。しかも、今後の対ブラジル輸出にも大きな影響があると見られているわけでございますが、プラント輸出に関係する日本業界にとって大きなショックであったわけでございます。落札失敗の大きな原因は支払い条件にあったと聞いておりますが、その事情について、局長からひとつ御説明が願いたいと思います。
○政府委員(島田喜仁君) 経済協力部長が参っておりますので、そのほうから。
○説明員(井上猛君) ただいまの御質問の、ブラジルのウルブプンガの問題でございますが、本件につきましていろいろ御事情も御承知かと思いますが、関係各省でいろいろこの問題について相談いたしました結果、支払い条件の問題もございますけれども、一番大きな問題としましては、ブラジルの、要するに現在の経済情勢なり外貨事情が必ずしもよくないということで、債権確保の点で相当疑問がございました。したがって、そういう面も考慮いたしまして、金額も御承知のように、たしか四千万ドルに近かったと思います。そういう点でこちらのほうとしては、いろいろそういう条件を勘案した上で、少し無理ではないかというようにやってるうちに、イタリアのほうに落ちた。こういう事情でございます。
○近藤信一君 しからばイタリアがなぜ支払い条件を有利にさせられるのは、イタリア政府のプラント輸出に対する助成政策はどういうふうな工合になっておるのか。この点おわかりになっておりましたならば御説明を願います。
○説明員(井上猛君) イタリアのほうのそういう育成策がどういうふうになっておるかということは、実は私どものほうは詳しくつかまえておりません。先ほどの問題をちょっと補足いたしますと、実はブラジルのウルブプンガの問題が実は大きな案件をかかえております。そういった大きな案件でブラジルのほうに協力いたしておりますのと、先ほど申し上げたようなウルブプンが四千万ドルという大きなものをさらに追加するということになりますと、先ほど申しましたような債権確保という面から見ていろいろな問題があるのではないか。こういう事情であったのであります。
○説明員(山下英明君) 先ほどの島田局長から御指示がありました輸出入銀行における割合の数字を簡単に申し上げますと、去年四——十二月の九カ月間で輸出入銀行の総融資額が七百五十三億円、そのうち六百六十九億円、約九〇%弱が船舶を含めたプラントの輸出に使われております。それでその中で船舶が約四百億弱去年は使われましたので、いわゆるプラントには二百七十四億円使用されております。この中にはソ連の一億ドルの船舶がございましたので、去年の、実績としては船舶が非常に多うございましたが、プラント輸出で出る場合の大部分が輸出入銀行にかかっております。この点は先ほどの第一問に対する補足でございます。 それからただいまのイタリアの政策、協力部長に補足いたしますと、イタリアの振興策は従来再三調べましたところでは、一般の輸出振興策といたしまして、免税措置、特にヨーロッパの取引高税の免税をやっておること、それから日本の輸出入銀行と同じような輸出のための中央金融機関を作っておること、かつ日本と同じように輸出保険にかけておること、そして銀行の融資条件等を見ましても、たとえば利子は五%で、七五%まで融資しておるというような実情を見ますと、日本と劣らぬ輸出優遇措置を全般的にやっておると、こういう事情がわかっておりますが、はたして個々の入札その他について何年の延べ払い、あるいはどういう条件で応札してくるかという事情になりますと、イタリアに限らないことでございますが、なかなか情報が入りにくい。ウルブプンガの場合も協力部長の説明がありました程度の情報でございます。
○近藤信一君 ブラジルの発電設備の落札の失敗は、やはりこれは最大の理由は、今お話がありましたように延べ払い条件において日本が破れたようですが、価格や性能では十分にこれは国際競争国に太刀打ちできるだけの実力を持っておるわけなんです。しかるに延べ払い条件の面でイタリアに及ばなかった。このために、せっかくのプラント輸出の機会をみすみすのがしてしまう、こういう例がこのほかにもかなりあるようでございますが、このような状態では、政府は一体輸出増進にほんとうに熱を入れているのかどうか、実際これは疑わざるを得ないのであります。そこで支払い条件で長期の延べ払いを要求するのは、主としてこれは低開発国でございます。低開発国はおおむねこれは外貨資金繰りが楽でない、こういうことで延べ払いということになるわけなんですが、それがゆえにこそ、やはり長期の延べ払いを低開発国では要求するのでございます。債権の安全性の確保を考えますときには確かに重要でございますが、これにとらわれ過ぎては低開発国との経済的な協力ということも成り立たないと私は思うのでございます。で、目先のただ利害だけにこだわっておらずに、プラント輸出の機会をのがすことのないように私は御配慮を願いたい。 それから、ブラジルの発電設備を初めといたしまして大口のプラント輸出に成功することは、他の輸出も誘発的に伸ばす効果をも期待できるのでございまして、プラント輸出自体が日本商品についての評価を高め、認識を高める。それからプラント輸出で現地の開発が進めば、やはり対外購買力もそれに相当して上昇してくることはこれは当然でございます。低開発国の援助問題は、今では世界的な一つの課題となっておることも事実でございまして、政府もやはりこの低開発国に対する経済協力は非常に力を入れておられるということでもございますし、国際社会における工業国の一員としても、やはりわが国に課せられましたところの任務でもあろうかと私は思うのでございます。わが国の経済上の要請にも沿いまして、やはり輸出増進を日本経済の至上命令とする以上は、プラント輸出をめぐる国際競争の激化を乗り切らなければいけない。そのためにはやはり輸出増大にとっては大きなこれは布石ともなるべきケースだと私は思うのでございます。そこで、多少の無理や危険を冒してでも、これは確保しなければならないというくらいの積極性というものを持ってもよろしいのではないかと私は思うのです。そうしてこれは企業だけではできることではないのでございまして、国としての援助が必要でございます。政府のプラント輸出促進についての意欲、それから延べ払い条件の緩和、こういうものについての態度等について、どういうふうな見解を持っておられるのか、この点ひとつお聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(島田喜仁君) ただいま近藤先生からプラント輸出の重要性につきまして御意見がございましたが、全く同感でございます。ただ問題は、プラントは低開発国に対しまして出すものでありまして、先進国には原則として出ませんので、低開発国になりますというと、外貨事情も関係が一つございまして、現金で受け取る場合には問題はございませんが、延べ払いということになると債権確保の問題が出てきます。なお、外国との——実は欧米先進国との競争において、日本も低開発国にプラントを出すわけでございますので、その競争条件がなかなかつかみにくい。できるだけプラントを出すにしても、わが国にとって債権が確保できるような条件で出ることが望ましいわけでございますが、ほかの国との条件で、もっと緩和された条件で日本と競争に出てくる場合には、日本が負けるという工合に相なるわけでありまして、そこのかね合いが非常にむずかしいわけでございます。ただ、ただいま申し上げますように、国によりまして外貨事情も異なります。低開発国の中でもそれぞれ国によっても違いますし、それからそれぞれの案件によりましても条件がそれぞれ違って参りますので、これはケース・バイ・ケースに処理をしていくことになりますが、できるだけ私はやはりただいま近藤先生のお話にありましたように、プラント輸出の重要性、わが国にとっても重要でありますが、低開発国にとっても非常に開発上重要でございますので、今後私どもといたしましては、できるだけ御趣旨に沿いまして、輸出振興ができますように努力をいたしたい、こういうふうに考えております。
○近藤信一君 提案理由の説明の中でも言われておりますように、プラント輸出は技術の輸出を伴うものとして、外貨手取率それから付加価値率、この両方ともに、きわめてこれは高いものであります。その意義は非常に重要であると福田通産大臣も言っておられます。通産省ではどんな計算をしておられるのか。それがもし、高いという実例を他の輸出品に関する計算と比較してひとつお示しを願いたいのであります。
○政府委員(島田喜仁君) ただいまの近藤先生の御質問に対しては、詳細な資料が実はございますが、時間の関係で簡単にいたしますと、機械類では、三十五年をとってみますというと、外貨手取率は九五、六%という高い数字になっております。ほとんど九〇数%。それから鉄鋼の場合は同年七三・六%。あと、繊維、雑貨等につきましてはあとで、時間の関係がございますので。
○近藤信一君 今、機械類と鉄鋼だけのお話がございましたが、プラント輸出は今お話しのような性格を持っておりますが、日本ではプラントの輸出はようやく始まったばかりのようでございますし、むしろ輸入のほうが多いと思われるのでございますが、その種類や件数、それから金額の増減動向はどのようになっておるのか。この点いかがですか。
○政府委員(島田喜仁君) 数字の関係でございますので、担当の輸出課長山下説明員から……。
○説明員(山下英明君) ただいまのプラント関係の輸出入の比較について、資料によって御説明いたしますと、三十七年一−十二月の通関統計によります実績で申し上げますが、機械類の日本から外に出ます輸出、これが約十一億ドルございまして、このうちミシン、カメラ等のプラントとは言えない軽機械を除きますと六億ドル強になります。これには船舶約三億ドルも入っております。そういう輸出の状態に対しまして、輸入はいかがかと申しますと、一般機械、電気機械、輸送機械等、いわゆるプラント関係に属する重機械関係の輸入総額が六億ドル弱になっております。したがいまして常に輸出のほうがよけいに出ているというのが現状であります。
○小林英三君 ちょっと関連して。今近藤君がお聞きになりましたついでですが、最近といいますか、この四年間——この法律は四年前にできたのですが、この間にプラント輸出の比較的大きいケースですね、どの方面にどういうふうな重工業とかあるいは化学工業とか、こういうふうなもの。もしそれが金額が大体わかればその例を、大きい例をひとつ示していただきたい、最近の……。大きい例だけでいいですよ、どこの国にどれだけのプラント輸出が……。
○政府委員(島田喜仁君) 三十三年ごろから大きなものを申し上げますと、三十三年に肥料プラントがパキスタンに出ましたが、七十八億円でございます。それから、同じく同年、三十三年でございますが、アルゼンチンに鋼鉄工場の関係が出ましたが、これが三十九億円でございます。それから、もう一つ同年にアラブ連合に砂糖プラントが三十三億円、合計二百十七億円出ております。 三十四年には、火力発電設備がパキスタンに出ておりまして、二十億円であります。それから同じく、同年、紡績関係のプラントがイランに出ておりまして、これが二十億。それから、そのほか、たくさんございますが、三十四年には合計で百五十四億。 それから三十五年に、油田復興開発プラントがインドネシアに百四十六億。それから紙パルプ・プラントが同年ユーゴスラビアに出ましたが、これが三十一億円、合計同年は三百二十一億円。 それから三十六年度には、印刷機械がソ連に出ましたが、これが五十二億。同じくハードボード製造プラントが四十六億……。
○近藤信一君 今、説明中だけれども、資料がみなに手渡されていないから、そこで読んでおられる資料があるのなら、その資料をみんなに配っていただきたいと思うのですが。
○小林英三君 最近はこんな工合ですか、大体のところ。
○政府委員(島田喜仁君) まだ三十六年、三十七年とずっとございますが……。
○小林英三君 それではあとで資料で配って下さい。 それから今タイに行っている例の味の素、あれはプラント輸出というのですか、合弁でやっている。あれは合弁ですが、あれはプラントというのですか。味の素の会社ができましたね、タイに。合弁でやっている。あれはプラント輸出というのですか。
○政府委員(島田喜仁君) 要するに機械を向こうの設備に……たとえば会社が合弁である場合でも、現地法人である場合でも、その会社ができて工場を建てまして、その工場が使う設備が出て参る場合は、みなプラント輸出になります。
○委員長(赤間文三君) 今お話の重要なものだけ、あとで、ごく大きなものだけ、年次別に書いて、小林先生、それから希望の方に配って下さい。
○近藤信一君 資料をちょっと要求しておきますが、今局長が説明しておられました、そういう資料をひとつ各委員のところに出してもらいたい。希望しておきます。いいですね。
○政府委員(島田喜仁君) 提出いたします。
○近藤信一君 先ほど輸出課長が説明されたのによると、輸出の額は十一億だと、こう言っておられましたが、この中には、ミシン、カメラが含まれて、それを除くと六億ドルと、こういうことでございまして、そうすると、これはプラントの輸出と輸入とは同じ六億ドルで、とんとんと、こういうことになるわけですが、そうですか。
○説明員(山下英明君) さようでございます。三十七年の輸出入は……。ただプラントという言葉の定義が場合によって、二通りにも三通りにもなりますけれども、今申しましたのは通関統計で出てくる重機械の輸出入を申し上げたのでございます。
○近藤信一君 低開発国向けの大口プラントの輸出の延べ払いの認可はどのようにしておられるのか。それから政府だけの判断でもいけないと私は思うので、やはり民間の意見もよく聞くためには、認可にあたって民間代表を加えた新しい機関を設けて、そして政治的な配慮を加えて解決していく、こういうふうな方法について何か政府のほうでも検討されておられるのかどうか、この点はいかがですか。
○政府委員(島田喜仁君) 御承知のように、プラント輸出に関する延べ払い条件につきましては、国際的に見まして、国際的な競争関係からできるだけ秘密にして競争をすることになっておりますので、やはり方針は政府できめまして、そして個々の案件については会社のいろいろ秘密の問題もございますので、やはり認可にあたりましては、従来と同じような形でやって参りたい、こういうふうに思っております。
○近藤信一君 民間との問題で何か考える余地はないですか。従来の方針でいくと、こういうことですか。
○政府委員(島田喜仁君) はい。
○説明員(井上猛君) あとのほうの御質問に対しまして、民間のいろいろな人の意見を聞いたということでございますが、現在通商局におきましては、御承知のように、輸出会議、それから実は私のほうの官房の産業構造調査会というのがございまして、そこの貿易部会がございます。そういう方面でこれはもちろん低開発国だけではございませんが、貿易全体の輸出振興策についていろいろ議論しているところでございます。当然低開発国につきましては、先ほど先生からお話しがありましたように、外貨事情が非常に悪いとか、そういう国に対しては延べ払いで売るよりしょうがないというような状況でございます。当然議論の場で、そういう低開発国の輸出振興の延べ払い問題のというのは実は議論になるわけでございます。ただこれは全般的な政策の問題としていろいろ民間のほうの御意見が開陳されるわけでございますが、個々の認可の問題について、一々そういう民間業者を入れてやったらいいのかどうかということは、行政処分の問題でございますので、非常に微妙な問題かと思います。民間のいろいろな意見を聞くということは、先ほど申し上げたように二つの場でいろいろ民間の意見を聞いてやっているわけであります。
○近藤信一君 今答弁がございましたが、やはりこれは低開発国へのプラント輸出というものは、どうしても長期の延べ払いということになって、政府だけの判断では私は非常に困難な点もある。そこで私が今お尋ねしましたように、やはり実際に輸出する産業を預かっている民間の意見も十分に聞いて、そして将来やはり民間の代表を含めてでも相談して、そしてこの長期延べ払いに対処できる、そういうふうなことを考えたらいいのじゃないかというふうに私は思うのですが、この点政府としても十分ひとつ検討をして、将来の展望というふうなことについてもう少しお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(島田喜仁君) 近藤先生の御意見には二つありまして、輸出振興上から、政策的に延べ払い、その他延べ払い条件あるいは政府の財政資金の投入の問題等々について検討する場合には、ただいま協力部長から御説明申し上げましたように、輸出会議もございますし、最高輸出会議もございますし、それから審議会——産業構造調査会もございまして、そういう問題については民間学識経験者も入れまして、政策的な方向を検討してもらうことになっています。それから個々の案件につきましては、先ほど申し上げましたような関係から、公で具体的な処分をするわけに参りませんので、その点は、先ほど御説明したような方向で参りたい。ただいま近藤先生の御質問のプラント輸出のその重要性から、今後とも民間学識経験者等の意見をできるだけ尊重いたしまして、輸出振興に寄与するような形で運用をして参りたい、こういうふうに思います。
○近藤信一君 次に、補償料率についてのお尋ねをいたしますが、これは保険料みたいなものでございまして、現行補償料率は一〇%でありますが、このことが現行法による過去四年間に、政府と補償契約を締結したのは、わずか一件にすぎないと、こういうふうなことでございまして、この原因の一つであることは、前回の当委員会におきまして局長から答弁されまして明かとなっております。そこで政府は今回の一部改正を機会に、この料率を下げる意向があるように聞いておるのでございますが、この点について、当局のお考えを明かにしていただきたいのでございます。
○政府委員(島田喜仁君) 過去の経緯にかんがみますと、確かに補償料率が高かったことを、私ども反省をいたしたわけでございます。そこでこれは法律事項ではございませんが、約三割、従来は補償料率が一〇%でございましたが、これから三割、三%を引き下げまして、七%にいたしたい、こういうふうに考えております。
○近藤信一君 今、局長の答弁で、三%この料率を引き下げる、こういうことでございますが、三%の料率を引き下げた場合、今後、補償契約が多くなる、こういうふうなお見込みを立てておられるのかどうか、この点、いかがですか。
○政府委員(島田喜仁君) プラント輸出につきましては、プラント輸出が出るためには、単に御審議を願っております本法以外に、先ほど来、問題になりました延べ払い条件の問題あるいは保険の問題等、プラント輸出振興に関する諸政策が総合されて初めて輸出は出るわけでございます。したがって、この補償料率そのものを三%引き下げたからといって、それで幾らプラントが出るという計算は、なかなか実は率直に申しまして困難だと思います。ただその契約が、大体できる見通しが、条件等が整ってできたときに、もしコンサルティングの欠陥によって事故が起こったような場合には、賠償をしなければならぬというときに、そのシッパーなりメーカーなりが、企業のリスクにおいて負担ができるかというところに実は問題がかかっておるわけでございまして、これも輸出振興の面から、重要なポイントにはなって参りますけれども、補償料率が三%下がったことによって、そのことだけで、プラントがどのぐらい出るかという計算は、困難でございますが、しかしいずれにいたしましても、補償料率が下がったことは少なくとも、輸出プラントの促進になることは明かでございまして、まだこの法律の御審議をいただいておりませんが、今このプラントの話ができております案件の中でも、この法律の適用を受けたいという希望を持っておるものがすでに二、三件出ておりますので、それだけ見ましても、この料率の引き下げによりまして、やはり輸出プラントの輸出が振興される、こういうふうに考えます。
○近藤信一君 最後にお尋ねをいたしますが、現行法によりますと、補償金額の限度は七〇%となっておりますが、この限度は輸出保険と比較しますると低い、このために本制度を利用しようとするものの損失負担が非常に過重になってくる、ひいてはせっかくの本制度の実効性というものが、かなり減殺されるのではないかと、こう思うのですが、今回の一部改正については、この七〇%の点について全然触れていないのでございます。本改正案の検討に際して、この問題がどの程度検討されたのか、八〇%ぐらいに引き上げてもよさそうなものであるとも私は思うのですが、近い将来において、もう一度改正する考えはないのかどうか、この七〇%の補償限度では、たとえ料率を三%引き下げましても、やはり契約ができないというふうなことではないか、こういうふうに思うのですが、この点業界ではどんな見解を持っておるか、この点はいかがですか。
○政府委員(島田喜仁君) 業界では、やはり八〇%ぐらいに填補率をしてもらいたいという希望を持っております。ただ、保険と違います点を一、二申し上げますと、保険は、御承知のように、輸出保険は相手国における戦争であるとか、災害であるとかというような、相手国に発生する事故、そうして破産その他相手国の相手の債務不履行による損失を補填することになっておるわけでございます。ところがコンサルティングの問題は、相手側の問題ではなしに、その機械を作って出します企業が、本来からいえば負うべきものであるという考え方もなり立つわけでございまして、 コンサルティングの結果によって、その性能を保証した結果、その性能を確保しなければならぬわけでございますので、それができない場合には、本来みずからが負担をすべきものであると、こういう考え方になるわけでございますが、わが国がまだ先進国に比べまして、コンサルテイングが弱いという関係から、政府といたしましては、こういう法律によって補完的、助成的役割をしておるわけでございます。 もう一つは、保険等につきましては、輸出品につきまして、件数が多い関係から、事故率が大体算定できるわけでございます。ところが、このコンサルティングの結果によって違約金の補償をしなければならぬというようなケースが実はまだ少ないわけでございまして、この事故率の計算ができない。なおかつ先ほど近藤先生からもお話がありましたように、プラント輸出の金額は相当大きい額を占めるものがございます関係から、一つでも事故が起こりますというと、相当な填補をしなければならぬということに相なりますので、そこらの事故率の算定がむずかしい関係から見まして、まずまず、協会あたりは八〇%を希望しておりますが、七〇%程度といたしまして、あと三〇%程度は自己負担、こういうことで進みたいと考えております。
○近藤信一君 今局長から御説明がございましたが、やはりプラント輸出は、金額が多いので補償金額を一〇%上げるということは、それは困難かもしれません。しかし将来日本がプラント輸出を積極的にやろうと、こういう建前を業界がとろうとするならば、や はり補償限度率をもう少し上げてもらう、こういうふうなことは業界の要望じゃないかと私は思うのですが、やはり輸出振興の建前からいっても、政府はそういうふうなことも将来考えていかなきゃならぬじゃないかと思うのですが、この点ひとつ要望いたしまして、私の質問を終わります。
○松澤兼人君 今ちょうど近藤委員から御質疑のありました点から質問していきたいと思いますけれども、先ほどるる書類でもって説明のありましたのは、プラント輸出が成約できたという・件を順次読み上げられたのだろうと思うのです。そうしますと、件数にしてどれくらいになるわけですか。この法律ができましてから補償という関係なしにブラント輸出が成約できたというのはどれくらいになりますか、件数、金額は。
○政府委員(島田喜仁君) 三十三年から三十六年までを申し上げますと、三億円以上のものをとっておりますが、三十三年が十六件でございます。それから三十四年が二十件、三十五年が二十三件それから三十六年が三十三件、三十七年が九月までで十一件。合計百三件ございます。
○松澤兼人君 それで具体的にその百三件、かりに百三件と見まして、コンサルタントの事故というものはどのくらいあったことになりますか。
○政府委員(島田喜仁君) ただいま申し上げました件数とは一致しておりませんが、別な調べによりまして、全体で百四十件プラントが出た中で、事故のありましたのが、調査によりますと三件でございます。
○松澤兼人君 それは金額にしてどのくらいになりますか、その三件の金額……。
○政府委員(島田喜仁君) 合計で二万二千ドルでございます。
○松澤兼人君 そうすると、この処理はどういうことになっていますか、結局やり直すとか、機械を据えかえるとか、計画の変更、設計の変更、そういうようなことをやって、向こうの意見どおりに、希望どおりに取りかえたかどうか。そういうような点どうですか。
○説明員(山下英明君) 松澤先生の御質問にお答えいたしますが、今の三件のうち一件は違約金を一万七千ドル支払いました。残りの二件は部品等の取りかえで五千ドル相当分の補償をいたしました。合計局長の申し上げた二万二千ドルの損害でございます。
○松澤兼人君 二件合計で、一万ドルということですか、二件合計で五千ドルですか。
○説明員(山下英明君) 二件合計で五千ドル、三件合わせますと二万二千ドル。
○松澤兼人君 先ほど御説明のありました百三件とかりにいたしますと、その中にはコンサルタントの事故というものは含まれているんですか。それとも、別個、百三のほかに、先ほど百四十件のうち三件というふうに御説明なさったのですが、重複しているか、あるいは全然別個のものか、百三件の中には、そのコンサルタントの事故というものはないのですか。
○説明員(山下英明君) 百四十件は、過去五年間のプラント輸出につきまして特に本法律施行の資料としてアンケートでとったものでございます。先ほど局長の申し上げました百三件は大きなプラントについてのものでございます。それで百三件の中からは事故は発生しておりません。むしろ小さいプラント輸出について三件の事故が発生いたしました 。
○松澤兼人君 そうすると、三億円以上の大口には事故はなかったけれども、三億円以下の、むしろ小さいプラントについて事故があった。こういうことですか。
○説明員(山下英明君) そのとおりでございます。
○松澤兼人君 そうしますと、コンサルタントの事故率というものは、そういう数字では計算できませんか。先ほど近藤委員から事故の可雄性といいますか、あるいはどのくらい率があるかということについて、局長から御説明があったと思うのですけれども、事故率が正確に把握できないから補償の金額を七〇%から八〇%するということは困難だという御説明があったわけですが、この点で今の数字は百四十のうち三件ということでそれで直ちに危険率ということは計算することは困難とは思いますけれども、一応その数字を基礎にして計算するということはできませんか。
○政府委翼(島田喜仁君) 幸いその三億円以上のものにつきましては今まで事故が起きておりません。ただこれからプラント輸出は同じ低開発国の中でも非常にへんぴと言いますが、そういうところへ広がって参りますと、そういう問題が起こってくる可能性も出て参ります。そこでもし一件大きなものが事故を生じますというと、金額的には填補が大きくなって参りますので、計算上非常に違って参るわけであります。基本的には、日本では今申しましたように、数年間、プラント輸出がだんだんふえて参っておりますが、まだ確率といたしまして、事故率の計算はちょっとやはり困難である。こういうふうに思います。
○松澤兼人君 ひとつ観点を変えて御質問いたしますけれども、この百四十件中の三件の事故があったというのは、日本プラント協会の手を通したものであるか、あるいは直接契約したものであるか、その点を伺いたい。
○政府委員(島田喜仁君) プラント協会を通しておりません。
○岸田幸雄君 関連。今伺っていますと、三十三年——三十六年の間に三十六億円という数字、これは何でしたかね。全体のプラント輸出の補償額の総額のように聞いたのですが、そうじゃありませんか。その内訳は何か名年ごとに十六件とか二十件あって、さらに百三件あった。別口で、別の資料から見て、百四十件のうちで三件事故があって二万二千ドルの補償金をお払いになったということを伺ったと思うのですが、そうじゃないですか。つまり過去においてどのくらい補償しておられるのですかプラント輸出の措置法によって補償された金額という点は政府の総額は幾らなんですか、それはお調べになっているわけで、しょう。
○政府委員(島田喜仁君) まだ補償したことはございません。
○岸田幸雄君 その金額は集計されてないのですか。——補償契約、政府がつまりこの措置法によって……。
○政府委員(島田喜仁君) 補償契約は一件でございまして、二十八億円。政府とシッパーとが契約した補償契約額です。
○岸田幸雄君 さっきの二万二千ドルという数字は何ですか。二万二千ドル払ったというようなお話がありましたね。
○政府委員(島田喜仁君) 御承知のように、プラントを出す場合には、本来、シッパーと向こう側のインポーターなりユーザーなりとの間でプラント契約をいたしまして、そして、もし事故が起こった場合には違約金を払うとか、設備を取りかえるとかという条項がございまして、それに本来シッパーと受け入れ側との契約に基づいて事故があった場合には補償をしてくれるわけでございます。ところがわが国では、こういう法律に基づきまして契約額の中のある部分については先ほど近藤先生からお話がありましたように、事故が起こった場合には七〇%の補償をする。そのかわり補償科を政府に納めておるわけでございます。したがって、政府に補償料を納めずに、自分でもし事故が起った場合には自己負担をしようというものはこの法律にかかってこない、こういうことでございます。
○岸田幸雄君 そうすると、この措置法によって政府に補償してもらう契約をした総額というものはどのくらいですか。さっき御説明になった十六件とか十三件というのは、政府との補償でなくてプラント輸出をした金額、つまり輸出した件数でございますか。
○政府委員(島田喜仁君) 輸出した金額でございます。
○岸田幸雄君 そうすると、政府がこれまで輸出プラントに対して、メーカーというか、シッパーと契約した補償金の総額というものは、また調べもなければ……。
○政府委員(島田喜仁君) 二十八億円でございます。
○岸田幸雄君 二十八億円がさような契約によって政府が責任を、負っている金額ですか。補償してしまった金ですか。
○政府委員(島田喜仁君) まだ事故が起こっておりませんから損失負担はしておりません。
○委員長(赤間文三君) ちょっとお願いしますが、明確にひとつこちらのほうの許可を願います。おっしゃることは明確にひとつ一々どちらも許可を得てお願いいたします。
○岸田幸雄君 政府とシッパーと補償契約した金額が二十八億円ですね。
○政府委員(島田喜仁君) さようでございます
○岸田幸雄君 そうすると、それに対して政府が取ったこの法律による補償料といいますか、金は、その一割、一〇%に相当する金額ですか。
○説明員(山下英明君) ただいまのは、四年間で一件この法律に基づいて補償契約を結んできましたが、契約の内容の御質問と思いますが、契約金額は先ほど局長の申し上げた二十八億円でございます。そしてこの法律に基づく損害発生額、つまりそれだけの損害を補償するという額が三億円でございました。それでその一〇%、三千万円の補償料を政府に納めております。
○岸田幸雄君 一〇%——三億円損害が起こった場合に、前に何がしかの輸出した場合に、その中で幾ら国が補償してもらうかというと、シッパーのほうでこの法律に基ずいて契約した金額があるでしょう。その金額に対して一〇%、一割補償料を徴収するのじゃないですか。そうすれば三億円の一割、三千万円ということの関連はどうなんですか。その点ちょっと伺っておきたいのですが。
○説明員(山下英明君) 今おっしゃいましたとおりで、契約そのものは二十八億円でございますが、それの二割まで、補償限度というものがございますので、五億六千万円ですが、当該業者が政府と契約をしまして、政府から出してほしい金額は三億円ということでございましたので、そういう契約になっております。事故が発生すれば三億円まで政府が支払ってあげる。そのかわり、それの一〇%の三千万円補償料で納めてもらうということになっております。
○岸田幸雄君 そうすると、そういうやり方でやっておられて、これまでに政府が補償料として収納した金額と、すでに事故が起こって政府が補償して払った金との収支計算というものは、おとりになっているのですか。またなっておれば、どういう処理になっておるのか、ちょっと伺いたいのですが。
○説明員(山下英明君) 四年間法律をやって参りましたが、政府に補償契約を申し込んで参りましたのが、ただいま説明いたしました一件だけでございまして、これはソ連向けのプラントの輸出で、ことしの八月に据付を完了いたしまして、その後に事故が発生するかどうかという状態でございます。したがいまして現在までのところ、政府が支払った金額はゼロでございます。政府に入りました金額はこの一件の三千万円だけでございます。
○松澤兼人君 今岸田委員とのお話で、結局政府が補償契約したのは一件だけで、それはソ連向けのプラント輸出である。この件は、据え付けられたけれども、まだ事故が発生していない、だから政府自身が金を支払ったということはない。こういうことですね。
○説明員(山下英明君) さようでございます。
○松澤兼人君 それでは念のために伺いますが、四年間で結局一件だけが事故があった。一件だけ政府が補償契約したのだけれども、そこにはまだ事故はない。しかし百四十件のうち三件という事故があったのは、政府は何らこれと関係はないものである。そこで申請のあったものですね、これは十四件と聞いておりますけれども、実際そうなんですか。
○政府委員(島田喜仁君) さようでございます。
○松澤兼人君 その十四件のうち一件だけが政府との間に補償の契約ができた。そうしますと、その十四件のうち一件が取り上げられたわけで、あとの十三件はどういうふうなことになったのですか。
○政府委員(島田喜仁君) 現在の法律では、もし事故が発生した場合には、違約金を払うという条項が両者間で契約上明らかになっているものについて補償契約を結ぶということに実はなっております。ところが世界各国の、実例を見ますというと、大体三分の一程度は少なくとも違約金条項ではございませんので、もし性能どおりに設備ができなかった場合には、設備の取りかえ、もしくは修理をするという条項になっているものも実はあるわけでございます。そういうものについては実は本法の対象になりませんので、今度の改正ではそういう条項を入れようと改正をいたそうと思っておりますが、そういう違約金条項がないために、申し入ればして参りましたけれども、本法の適用のなかったもの五件ございます。それから料率が高いからやめたというものが二件ございます。一件は成約をいたしました。あと残りの六件はまだ成約の段階に至っておりません。
○小林英三君 ちょっと関連質問ですが、今の局長の松澤さんに対する答弁の中で、違約金条項の従来ないものに対しては政府補償のなにはしなかった。今度の改正案については、違約金条項のないものでも、ものによっては政府補償する、こういうように聞いたのですが、そうするというと、業者のほうで政府補償を希望しない場合と希望する場合とありますが、そういう場合には、この法律では必ず補償料を業者が払って、そうして政府に補償を求むるべしというのですか。あるいは選択は業者の自由で、おれのほうは大丈夫だと思うから、わざわざ補償料を払わなくてもいいのだというのもあるのですか。その点はどうですか。
○政府委員(島田喜仁君) 実はこういう事故が発生した場合に、政府がある程度填補をしてやろうという助成策をとっておる国は、どうも調査をいたしたところでは、先進国にございません。日本は、先ほども申し上げたようにコンサルティングの弱さから、こういう法律を成立をさしていただいたわけでございますが、本来メーカーは、外国に対してプラントを出す場合には、相当信用の関係もございますので、自信をもってとにかくプラント輸出あるいは相手に工場を作ってやろうということになるわけでございます。したがいまして、本来は民間の間で自信のあるものは、違約金条項なり取りかえ条項を書きましても、民間でやっておるわけでございます。ただ、もし万一事故が起こった場合は、全部負担することはむずかしいという場合には政府に補償料を払っている場合であって、しかも事故が起こった場合には、先ほどの七割を填補する。契約額はございませんが、その中で一定の金額に対する七割を填補する、こういうことになっておりますので、業界は本来この法律に縛られるわけじゃございませんので、これの適用を受けようというものは、補償料を払って先方と契約をする、こういうことになるわけでございます。
○小林英三君 もう一つ。今の、契約金の全額ではないが、そのうちの一部だという話なんですが、そのうちの一部というのはどういう話なんですか。
○政府委員(島田喜仁君) 御承知のように普通の火災保険等も同じことでございますが、たとえば輸出契約について五十億なら五十億のプラントを輸出しようという場合に、その五十億分全部が、たとえば事故が起こったために全部取りかえをしなければならぬとか、全部違約金を払うということはあり得ないわけでございまして、おそらくそのプラントのうちのいわば工場設備のうちの一部について、万一の不安があるという場合をおそらく業者も予想するわけでございます。したがいまして契約は五十億でございますが、そのうちの大体二割の十億を補償契約額の限度としております。それからまた業界のほうでも、おそらく、そのうちの一部について補償契約を結んで、そのうちで事故が起こった場合には政府の填補を受ける、こういうことになると思います。
○松澤兼人君 今御説明で、一件成立、申請を認めた。しかし六件の成約に至らないというのはどういうことなんですか。契約ができない間に申請をしてくるということがあり得るわけなんですか。
○政府委員(島田喜仁君) 実は、先ほど申し上げましたように、プラント輸出を出すためには、おそらく外国とのネゴに入りましてから、二年とか三年とか長くかかる場合が多いわけでございます。その間に、先ほど申し上げましたような、向こうの設計上の問題等も、非常に、最初スタートするときから変わって参りますし、それから延べ払い条件等についても、話し合いがネゴに入ってから時間がかかっているわけであります。そういう段階で一方もしこの法律の適用を受けようと思う場合には、いろいろな条件を頭におきながら政府に申し出て参ります。ところが、本法律の条件ではなしに、プラント輸出の成約ができないという場合には、この法律の適用もございませんし、それから輸出契約が成立しなかったという場合もございます。なお、輸出契約がネゴの段階にあって、まだ成立をしていないという場合には、また本法の適用を受けようと申し出がありましても、まだ適用を受けることにはならない、こういうことでございます。
○松澤兼人君 ですから、局長の御説明がちょっとへんなのではないかと思うのですけれども、まあ法文によれば、契約しているプラント類輸出業者というようなふうになっております。その契約をしているということは、もう現にしていることを言うのでしょう。だから、している者が補償の申請をしてくる。話し合いの途中で申請ということは、それは正式の申請ではないと思うのですが、六件の処理ということが、ほかに、法律に三項目の不適格の場合が書いてある。その不適格の場合が含まれているのではないかということを私は疑問に思っているのです。その六件の正確な意味をひとつ……。
○政府委員(島田喜仁君) 実はその申し出という意味を、法律に基づいて申請をしてくるというふうに理解をされた点は訂正をいたしまして、これは一応正式の申請を出す前に、とにかく政府に申し出をしてきた事前のネゴの件数でございますので、訂正をいたします。
○松澤兼人君 そうしますと、この三条の二項の、まあ三項目あるわけですが、こういう資格がないということのために申請があったけれども、その申請を認めなかったという件はないのですか。
○政府委員(島田喜仁君) ございません。
○松澤兼人君 そうしますと、もう一度、もとに戻りまして、先ほどの料率が高い、こういう点でありますけれども、今度三〇%を引き下げるということになるわけなのですが、それで、その料率の点と、もう一つは、先ほど違約の金支払いの条項のないもので、機械の取りかえを義務づけられているという点まで内容を拡大するということですが、料率を下げて、この法律の効力が一般に利用されるという点と、それから内容を広げることによってこの法律の恩恵を受けるという可能性と、どちらが多くなりそうだというお考えでございますか。
○政府委員(島田喜仁君) 先ほど申し上げましたように、この本法の補完的政策だけで申請がふえてくるかどうかという問題は、先ほど御説明したように、そのほかのいろいろな輸出条件等によるわけでございますが、その上に、今、先生のお話のどちらがふえてくる原因になるであろうかという御質問に対しては、はなはだ申しわけございませんが、ちょっとお答えいたしにくいと思いますが、まあ感じから申しますと、両方同じくらいに、もし改正がされるとすれば、それだけ申し出が両方にかかってふえてくる、こういうふうにお答えさせていただきます。
○松澤兼人君 社団法人日本プラント協会というのは、政府からこの法律による業務を委託されているわけでございまして、この点はまあ公けの立場とそれからいわば民間の立場とがちょうどうまくここで組み合わされているというふうに考えるのですが、その業務の内容等につきましては通産省としては別段指図をなさらない、あるいはこういうふうにやってほしいとかいうようなことをおっしゃることがあるのですか。
○政府委員(島田喜仁君) 今、先生からお話しありましたように、プラント協会は社団法人でございますが、プラント輸出の振興につきましていろいろ事業を営むわけでございますので、これに対しましては国から補助金が実は出ております。本法の運用につきましては、なかなかこれは専門的、技術的な知識が要りますので、政府とは契約をいたしますが、今お話しになりましたように、この実施につきましてプラント協会に委託をしております輸出振興のいろいろな事業につきましては、いろいろ行政指導もいたしますが、この本法の運用につきましては別段指示をするというようなことはございません。
○松澤兼人君 ジェトロのほうの関係はどういうことになりますか。重複している面もあるように考えられますけれども、ジェトロとそれからプラント協会との関係は何かどこかで連絡するような機関でもございますか。
○政府委員(島田喜仁君) 御承知のように、プラント協会は大体プラント輸出でございまして、ジェトロはむしろ性格から申しますと繊維なり雑貨なり一般の機械等につきまして重点が置かれていると思います。ただし、どちらも輸出振興団体でございますので、日本国内におきまして、言いかえれば、本国におきましてもそれから現地におきましても緊密な連絡をとって、今のお話のように、ロスのないように緊密な連絡がつくように運営をいたしております。
○松澤兼人君 昨日もジェトロのいろいろ報告を拝見しておりまして、どうもやはりこう品目別といいますか、市場別、そういうような分析はなかなかよくできておりますけれども、総合的にいって、プラントとかというような大きな題目としてとり上げられている点が全然見当たらなかったのですが、そういうことは、プラント協会にもう一切まかせておいて、ジェトロとしてはタッチしない、こういうことであるのか、あるいはプラントのほうはまだそこまでいっていないから、ジェトロの報告としてしいてとり上げるほどのことでもないと、こういうことでしょうか、どちらでございましょうか。
○政府委員(島田喜仁君) 海外におきますいろいろな市場調査等については、今お話の点の、ジェトロも全般的にやっておりますが、プラントに関する点に関しましては、原則的に先生のお話のあったように御理解願ってけっこうだと思います。特にプラントにつきましては、単なる商品の輸出でございませんので、それが機械の重機械であり、工場になる関係から、非常に技術的な知識とコンサルティング等を要する関係から、これはプラント協会が原則としてやっておる、こういうふうに御理解を願いたいと思います。
○松澤兼人君 このプラント協会の書類を拝見いたしますと、事務所が十一個所できて、新しくまたアフリカのほうにできるという話でございます。そうすると、ジェトロのほうもやはりそういう事務所というものを持っているわけで、結局どこかで重複しているという点があるのじゃないかと思いますけれども、それはどうなんですか。
○政府委員(島田喜仁君) 地域的には両方から派遣をされている地区がございます。
○松澤兼人君 この表で見ますと、ちょっと不思議に思いますことは、十一個所のうちでインドネシアというようなところが全然入っておりませんけれども、インドネシアなどはプラント輸出の対象の国として適当でないと考えて、そういうところに事務所を置いていないのでしょうか。ほかに何かの理由がございますか。
○政府委員(島田喜仁君) 確かにインドネシアは、東南アジアではインドに次ぐまあ大きな国でございますが、一つには、外貨事情が非常に悪いという点と、それから政治的に不安定であるという点等から、なかなかプラント輸出についても輸出がむずかしいという実情にございます。それからなおインドネシアにつきましては、非常に賠償が大きい関係から、いわゆるプラント輸出という形でなしに、賠償支払いという形で出ている面がございますので、インドネシアには今のところ事務所を設けておらない、こういうわけでございます。
○松澤兼人君 この書類を拝見いたしますと、インドネシアからいろいろ相談を受けたこともあるし、実際に有望なものとして、インドネシアの竹製紙工場というようなものも、載っておるようなわけですが、もう少しやはりいろいろとプラント協会としても、あるいは政府としても、ブラント輸出の可能性ということを検討して、さらにインドネシアのほうに、まあ賠償はともかくといたしまして、プラント輸出ができないかどうかということを折衝したほうがいいのじゃないかと、こう思いますけれども、急速にそういうプラント輸出の可能性というのはないのですか。
○政府委員(島田喜仁君) ただいま御説明を申し上げたような関係から、インドネシアには出してございませんが、先ほど申し上げましたような、外貨事情あるいは政治的の不安というような点とのにらみ合いも考えたながら、今後インドネシア等に対する派遣員の点を検討して参りたいと、こういうふうに思います。
○松澤兼人君 先ほどの書類いただきましたのですけれども、プラント輸出の中において、フィリピンなどはどういうようになっておりますか。この書類を拝見すればいいわけですか。結局この書類を見たらわかるということですね。
○政府委員(島田喜仁君) ちょっと御質問もう一度お願いいたします。
○松澤兼人君 私はこのプラント輸出の成約ができたもので、フィリピン関係はどういうふうになっておるかということを質問したわけなんです。ということは、特に賠償とそれから商業ベースのプラント輸出というものの関係がどうだろうかということを、実はその次に質問したかったのですが……。
○政府委員(島田喜仁君) 御承知のように、賠償のあるものは、相手方といたしましてはまず賠償で要求をいたしまして、なお施設、工場を作りたいという場合に、今先生がお話のコマーシャル・ベースに乗って要求して参るわけであります。ただそのときには、賠償の場合、向こうは金は要らない、それからなお現金の場合は外貨が直接なければ、この制約は、向こうが申し出をして参りませんが、延べ払いの場合には、現金とは違いまして、何年間に金を支払うという、相手国にとっては有利性がございますけれども、それでもなお金を払わなければなりませんので、それが結局わが国から見ますると、債権確保ができるか、こげつきかという問題になります。その面で、今御質問になったインドネシアとフィリピンと比較してみますると、フィリピンのほうが外貨事情がいいために、コマーシャル・ベースで話のつくもの、言いかえれば延べ払い条件で話のつく案件が比較的フィリピンのほうが多い、こういう条件になっております。
○松澤兼人君 東南アジアの諸国はどことも経済何年計画というものがございます。賠償でその中に入っておるものもあるでしょうけれども、こういう総合的な国家計画というものの線に乗れば外貨事情があっても、プラント輸出の可能性というものはある程度まで見通しは明るいんじゃないかと思うのですが、そういう点は特にインドが三次の五カ年計画をやっておりますが、そういう点で、向こう側の国家建設計画というものと、それからプラント輸出の関係について、非常に大きな問題ですけれども、何か局長のお考えがございますか。
○政府委員(島田喜仁君) 今、松澤先生のお話のありましたように、大体プラントの大部分というのは、やはり何らかの形における低開発国の経済開発に裏づけされているものが実は多いと思います。ただ外国の経済計画、開発計画がどれだけ具体化されていくかというところに、実はプラント輸出との結びつきのタイミングなり具体化の問題がなかなかむずかしくなるわけでございまして、実は各国とも経済開発に乗りましても、それが具体的に立地条件その他いろいろな工場を作っていくまでの間に消えてなくなるものもありますし、ネゴシエイションの段階においてすっかり形を変えてくるものもございます。しかしプラント輸出の重要性は、先ほど近藤先生からもお話がございましたが、日本の輸出振興にもなり、国内の生産を上げることにもなりますが、同時に後進国の経済開発に協力することになりますので、私どもといたしましては、できるだけ輸出振興の立場からこれに努力をして参りたいと思います。たとえばインド等につきましては、この延べ払い条件のほかに、いわゆるコマーシャル・ベースのほかに、御承知のように円クレジットを設定しております。パキスタンについても設定しております。こういうようなところについての開発計画の具体化のおくれる点並びにコマーシャル・ベースの場合には資金的な面の裏づけが出てこないと、実は向こうからも経済計画にはあるけれども、日本に申し出が具体化されて乗ってこないという面が実はございます。これを両方の立場から、できるだけ具体的に促進されるようなことを私どもは期待をして努力をいたして参りたいと、こういうふうに考えております。
○松澤兼人君 日本のコンサルタントが西欧の先進諸国に比べると、まだ多少弱い面があるというお話でありますけれども、しかし百四十件のうちコンサルタントの事故というものは三件程度であるとすれば、これは実際的にいってそう弱いとも考えられないのですが、しかし日本でも技術士法などというものができましてコンサルタントの技術的あるいは社会的な地位というものが格づけされたように思うのですが、実際に日本プラント協会などでは、そういう民間のコンサルタントあるいは技術士、そういうものをどの程度に活用している模様でございますか。
○政府委員(島田喜仁君) 実はプラント協会は、プラント協会自体としてコンサルタントを持っております。この点が数少ないコンサルタント機関の一つといわれておるゆえんでございますが、同時にそういうコンサルタントをたくさんかかえることは困難でございますので、実はプラント協会が中心になりまして、プラント協会自体のコンサルティングをする以外のものにつきましては、常時連絡をとっておりまして、たとえば電力の開発関係あるいは通信機械関係あるいはその他——これは機械メーカーではございませんので、作る仕事をやっているような生産会社から技術者を動員いたしまして、そうしてプラントの設計のアレンジをする。そしてここの事業にもありますように、調査団を派遣いたしまして、コンサルタント団体を派遣をするというような仕事も実はやっておりまして、そういう面については、政府も補助金を出す、こういう形になっております。
○松澤兼人君 私はもう質問を終わりますけれども、こういうりっぱな日本プラント協会というものがあり、そして政府では、十分危険についてめんどうを見てやろう、こういうふうに考えておられるにかかわらず、この法律が施行されてから政府自体が責任をもってめんどうを見た件数はわずかに一件であるということは、どこかにやはり欠陥があると思うのですけれども、今の料率、あるいは補償金額の問題を別にしまして、何かPRが足りないのか、あるいは全く純粋に、経済的な理由がわかりませんけれども、もう少し利用者があってもいいように思うのですが、政府としてさらにPRをするとか、あるいはプラント協会をさらに活用するとかいうことによって、この法律の目的を達成していただきたいと思うのですけれども、十分政府は、ほうっといても、将来この法律の恩恵を受ける人がふえてくるというふうにお考えでございますか、さらに積極的な御初力をなさるお考えでございますか。
○政府委員(上林忠次君) 日本の産業の将来の発展のためにも、何とかして、まあプラント輸出をもとにして開発していきたいという気持が通産省としては強いのでありまして、何とかしてこういうふうな契約を多くしていきたいと考えておりますが、何分経済的な関係、また国際事情がありまして自由にならないという点と、また日本の産業自身が、やはり弱体な点もある、それも関係していると思いますが、国際的に考えて、まだ十分じゃないという残念さがあるのでございますが、われわれといたしましては、何とかしてこの後進国を導いていく、そして将来の市場の拡張に努めていくというふうに努力しなくちゃならぬと考えております。
○二宮文造君 だいぶ時間がおそくなりましたけれども、きょうで質疑を終わりたいというようなお話でございますので、あえて続けさせていただきます。 先ほどからの説明で、プラントの輸出は漸増してきた、だが本法が施行されて、その利用者が一件であった、少なかったということを中心に話を進めて参りたいと思いますが、初めに、措置法の第二条の五項に「この法律において「プラント類輸出者」とは、プラント類の輸出契約の当事者のうち日本国内に住所又は居所を有する者をいう」この住所または居所の考え方についてお伺いしたいと思います。
○説明員(山下英明君) 外国為替管理法の体系の各法律を通じまして、俗に申します居住者主義、日本の居住者と、それから外国という場合には非居住者、こういう区分けでやっておりますので、それに準じた規定でございます。
○二宮文造君 と申しますのは、アメリカとの間には、友好通商航海条約ですかありまして、内国待遇をするというふうなこともございます。しますと、外国の商社が日本に居所を有して、そこで輸出契約をするということも当然考えられるのですが、その場合の本法の適用を受けるかどうかということを確認したいのですが。
○政府委員(島田喜仁君) 適用を受けます。
○二宮文造君 では、次に、第二条の第三項でコンサルティングの定義が出ておりますが、「この法律において、「コンサルティング」とは、外国におけるプラントの建設又は改造に関する計画又は設計をいう。」、この場合設計というのは、こちらにおって、内地におって、いわゆる青写真ですか、設計書を作るという点にとどまるのですか。それとも現地における工事の管理監督というところまで含むのですか。その辺の限界をお伺いしたいと思います。
○政府委員(島田喜仁君) 一応現地における設計を青写真をこちらで作る場合に、現地を調査して、その現地に適用できるような設計という問題もございますので、そういう精密の設計、工事の監督、あるいは計画、工場の運転に必要な現地人の教育等を行なう業務まで一応は包含すると、こういうことになっております。ただ具体的には個々のケースによりまして、これを含めるか含めないかという問題になると思います。
○二宮文造君 問題はコンサルティングの欠陥というその欠陥の解釈ですが、通常能力が出なかった場合は終局までいきますとコンサルティングの欠陥というところに帰結すると思います。したがって、どの点をコンサルティングの欠陥というか、そういう定義といいますか限界といいますか、そういうものをもってコンサルティングの欠陥という項目をうたっておられるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○説明員(山下英明君) 現地の建設または現地における修理等も含むと原則的に了解いたしております。
○二宮文造君 そうすると、的確なコンサルティングの欠陥という認定の基準は作ってないわけですね。そのときどきの交渉、判断に基づいて結論をつけるという状態ですか、お伺いしたいと思います。
○説明員(山下英明君) 先ほど二宮先生のお読みになりました法律上の定義、これが一つございますのと、それと先ほど局長が申し上げました輸出保険でカバーするような現地における不可抗力、損害等によって能力が出ない場合、これが当然除かれることは明らかでございますけれども、個々の損害発生とそれの原因との関係につきましては、契約者の申請に基づいて政府のほうで審査することになっております。
○二宮文造君 今度の改正が、違約金条項のほかに「機械又は装置の取替その他の必要な措置を講ずる義務」、このように変更するわけですが、もし本法が施行されたときにこの条項が加わっておりますと、現在までにどの程度この法の適用を受けるケースがあったか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(島田喜仁君) なかなかこのお答えはむずかしいわけでございまして、どの程度かということをお答えするわけには参りませんが、先ほど本法による正式な申請ではございませんが、この法律の適用を受けたいという申し出が事前にこういうものが十四件ございました中で、設備の取りかえ、補修という条項があっても違約金条項がない場合には本法の適用を受けないというために乗ってこなかったものが十四件のうち四件ございました。これで御類推をお願いをいたしたいと思います。
○二宮文造君 それからこの補償契約の締結の限度が国会の議決を要するというふうにきめられております。しかも会計総則であれはたしか六十億だったと思いますが、この六十億円をはじいたのはどういうふうに計算しておはじきになったか承りたいと思います。
○説明員(山下英明君) この法律の計算によりますと、かりに百億のプラント輸出契約の場合に、政府が払う金額は十四億円以下になります。大小さまざまのプラント輸出がございますが、かりにこういった百億、二百億という大口の契約に基づく補償の申請が一年間に三ないし四件あっても大丈夫な金額というひとつの目見当でございまして、先ほど申しましたように、実績が少ないために過去四年間予算総則に六十億を載せております。
○二宮文造君 この場合のこの六十億は、先ほど言われておりました契約総額の二〇%、二割、これを指すのか、あるいは政府の補償する限度のその七割、総体の一四%を指すのか、あるいは政府が損失を補償する、その金額を指すのか伺いたい。
○政府委員(島田喜仁君) 損失を補償する金額の限度でございまして、契約額が一〇〇といたしますと、その中の二〇が補償契約の限度でございまして、その中の七割を填補する、いわば一四%の額でございます。
○二宮文造君 もう一度確認しますが、総額の二〇%が補償の価格になるわけですね。それから政府の補償の限度はその七割ですから一四%ですか、シッパーはそこまで政府と補償契約、損失契約を結ばない、限度一ぱいは。たとえばこの間の東洋棉花の一例を見ましても、五億円の中の三億円しか結んでおりません。そうしますと、その場合の計算は政府が補償する金額の合計になると思うのですが、頭から一四%にはならないと思うのですがいかがでしょう。
○政府委員(島田喜仁君) 今私の申し上げました二〇%、言いかえれば、補償契約額もこれは最高限度でございまして、シッパーがそこまでは補償しないという場合には、それ以内である場合が多いかと思います。したがって補償契約額が小さくなってきた場合には、政府の填補する額も実は小さくなって参ります。しかし政府といたしましては、一応最高限度を申し出てきた場合に、その損失額ということで実は計算をいたしておりますので、それは最高限度でございまして、個々についてはそれ以内、それ以下の場合が多いと、こういうことでございます。
○二宮文造君 先ほどから問題になっておりました補償料の問題ですが、どう考えてみても百分の十というのは高率のようです。先ほどもそれを百分の七に訂正されるという、そういう見通しがあるというお話ですが、説明を聞いておりますと、百四十件のうちでそういうコンサルティングの欠陥というのは三件であったというふうな、先ほどの説明もありました。しますと、この料率が非常に高い、それが今までの本法適用のネックになっていたという説明でございました。そこでお伺いしたいのは、この補償率は政府の会計のどこへ入るのですか。
○政府委員(島田喜仁君) 一般会計の雑収入に入ります。
○二宮文造君 業者にしますと、非常に大きな金額になって参りますし、またコルサルティングの育成が整備されて参りますと、こういう事件もあまり起きないという考え方になって参りますと、この補償料がいわば政府のただ取りというような関係も考えられるわけですが、業者も大へんな中から輸出するわけなんですが、それが政府が損失を補償しなかった場合に、納付した業者に還付する、いわゆるプラス・マイナススが入ったほうの補償料のほうが多くなっていくという場合に、納付した業者に還付するという考え方はあるんですか、ないんですか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(島田喜仁君) 実は保険の場合においても起こる問題でございますが、外国に輸出するわけでございますので、コンサルティングの欠陥による事故は起こらないというこれは信用上の問題がありますから、そういう形でメーカーなりシッパーのプラントを輸出すると私どもは考えておりますが、ただ補償料率が非常に下がって参りますというと、多少この危険がございましても、輸出をするという、そういう考え方になることも予想されないわけではございませんので、ここに一件でも事故が起こった場合には、政府の填補する金額が多くなることが一つと、それから補償料が安くなったために、多少の問題があっても出すという悪い面が出ることをできるだけ防ぐという、この両方の立場から実は補償料率の問題は結論が出て参るわけでございます。 いずれにいたしましても、今まで先ほど申し上げましたように百四十件とかあるいは百三件とかありましても、普通の保険の場合に比べますというと、件数がはるかに小さいわけでございまして、その事故率の判定が非常にむずかしい。ただ、今度の内容と、それから補償料率の改正によりまして、情勢を見た上で、なお、この補償料率の問題は私どもとしては考える必要が出て参りましたときには検討いたしたい、こう思っておりますが、今のところまだ一件、最近補償契約が政府とできただけでございますので、今のところはその補償料を還付するというような考え方にはまだなっておりません。
○二宮文造君 特別会計をお作りになるような考えはありませんですか。
○政府委員(島田喜仁君) まだ遺憾ながら件数が少ない関係で、特別会計を作るような現在は考え方を持っておりません。
○二宮文造君 これが四十二年の三月までの期間の時限立法になっておりますが、これからどんどんとプラント輸出もふえて参ると思います。したがって、四十二年で区切ると、さらにもっと長い期間が必要でないかと思われる点はいかがでございますか。
○政府委員(島田喜仁君) 率直に申し上げまして、今まで御意見がございましたように、せっかくこういう法律を作って、輸出振興の一つのささえにしようということでありましたが、この適用を受ける案件が少ない関係もございまして、やはり一応、法律が成立をいたしましてから現在で四年でございますが、もう一度四年を延ばしてみまして、なおこの法律の運用なりあるいは今申し上げましたシッパーがこういう法律の適用を受けるものが多いか少ないかというような情勢をも判断するために、一応四年、こういうことにいたしたいと考えております。
○二宮文造君 最後に、これは考え方の問題ですけれども、先ほどからブラント輸出が非常に重要である、しかも今の日本の輸出入の内訳を見てみましても、機械の輸出というのは非常にふえて参りました半面、今度は、われわれが国内を見ますときに、後進国の機械輸出、向こうで産業が起こりますかどうか、今度は将来東南アジア、そういうところと日本との間の市場の問題であつれきが出てくるということも考えられますが、このプラント輸出の問題と、将来の日本の市場の問題ということについて、どのような見解をお持ちになりながら進めていかれるか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(島田喜仁君) これは、低開発国の経済開発の発展段階に応じまして、わが国の輸出の方針なり政策的な考え方というものは、やはり変わってなければならぬ、こういうふうに考えます。できるだけ商品輸出で出まして、後進国に同じ産業が起こっていないほうが貿易の商品輸出という面から見れば、わが国にとっては有利でございますが、後進国もだんだんと経済開発をして参りますというと、日本と同じ産業が、工業が起こって参ります。そのときには商品輸出はだんだんと少なくなって参ります。日本がかりに同じ業種の工場を外国に作るのに協力いたしましてプラントを輸出する場合には、ただいま先生のお話しのように、日本の輸出品と向こうで作る商品との競合が出て参りまして、いわば輸出はそれだけ少なくなってくるという関係にも立つと思いますが、ただ日本がプラントを輸出して、相手に同じ産業の工場を作らないと仮定した場合に、各国がそれではその国に対して経済開発に協力をしてプラント輸出をしないかというと、当然経済開発をしようという国が、日本から入れなくてもほかの国から入れるわけでございまして、ほかの国が工場を建てれば、日本の輸出品はそれだけ少なくなるという同じ結果に相なるわけでございます。したがいまして、やはり低開発国における経済開発の事情とにらみ合わせながら、やはり品種によりましては商品輸出からプラント輸出に切りかえていくという観点に立たざるを得なくなってくると思います。同時にまた日本の作っております商品と、それから経済開発によって起こってくる相手国——低開発国の商品との競合がありましても、また相手国が経済開発をいたしますというと、所得がふえまして、そうしていろいろな今度は他の商品の輸入を日本からするということも考えられるわけでございますので、やはり発展段階に応じてプラント輸出をいたしていくという形にだんだんになるわけであります。たとえば日本の輸出の大宗でありました綿業につきましても、外国にプラントを出したり、繊維機械を出したり、工場を作るような格好になっておりますし、それから肥料ににつきましても、わが国の肥料は世界一になったこともございますが、最近は国内市場から見まして、肥料の大きなプラントを低開発国に幾つか出しております。それから船につきましても同様でございまして、これは狭義のプランントではございませんが、むしろ最近は輸出船が多くなっておる、海運の面から見ますというと、同じ競合した問題がございますが、こういうふうに国内の定業の状況、あるいは外国の低開発国における経済開発の発展段階によりまして、それぞれ輸出政策のあり方というものをこれに順応させていくということが必要である、こういうふうに考えます。
○二宮文造君 了承しました。 次に、実は前回の委員会で、数字をあげまして日米の綿製品の問題につきまして、アメリカの規制を申し入れてきた数量と、日本側がはじいた数量を四段階に分けて私申し上げました。そしてこの線で大体確認してよろしいかというふうに申し上げたところが、繊維局長は大体そのとおりでございます、こういう説明でございました。ところが昨日のある新聞を見ますと、同じころに、私が質問をしておりますと同じ作間に、外務大臣が日本の今までの数字は誤りであったと、業界から出してきた数字をうのみにしたんで、アメリカが申し入れた規制の数量は、昨年のワクに比べてそんな減ったものではないという意味の話が出ております。新聞に発表されております。非常に私は不見識きわまると思うのです。その点の説明、もし資料がありましたら資料として出していただきたい、このようにお願いしておきたいと思います。といいますのは、あの計算で参りますと、大体一四%くらいの食い違いになります。ところが某新聞の発表によりますと、三%得度しか食い違いがない、これは何か、そのときにも私申し上げましたが、アメリカとの交渉の場合は、国内に対する放送は大きいけれども、国外に対する放送は非常に声が小さいわけです。これでは業者が困るというふうに申し上げておきました。そのような含みがあって、三%という言い方をしているのかどうか、資料でもってあとから説明をしていただきたい。これをお願いしておきます。 以上であります。
○政府委員(上林忠次君) 承知しました。
○委員長(赤間文三君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤間文三君) 異議ないと認めさよう決定をいたしました。 なお、討論、採決は次回に行なうことにいたします。 本日はこれにて散会をいたします。 午後零時四十三分散会 ————・————