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43回国会参議院1963/06/20

社会労働委員会 第25号

発言数
141
登壇者
11
会派数
2
開催日
1963/06/20

会議録

鈴木強日本社会党

○委員長(鈴木強君) ただいまより開会いたします。  委員の異動についてお知らせいたします。本日、加瀬完君が委員を辞任され、その補欠として藤原道子君が選任されました。   —————————————

鈴木強日本社会党

○委員長(鈴木強君) 生活環境施設整備緊急措置法案及び清掃法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。  前回に引き続き、質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。  なお、この際、皆さんにお諮りいたします。委員外議員田中一君より発言を求められております。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木強日本社会党

○委員長(鈴木強君) 御異議ないと認めます。  では、最初に田中一君。

田中一日本社会党

○委員以外の議員(田中一君) 前回、この五つの五カ年計画に対しまして計画案ができているはずだといって、きょう資料を拝見いたしましたが、そのうち、終末処理と公共下水道その他の下水道の計画性が従来どういう形で行なわれておったか。おそらく今回お示しになったこの五カ年計画には、相当話し合いの上で、全体の計画の量としては、これはもう計算上間違いがなかろうと思うのです。しかしながら、従来の終末処理場の建設並びに下水道の建設を考えてみますと、そこに予算と工事の並行度においてズレが相当にあるということを指摘しなければならぬような実情がたくさんございます。そこで、過去においては、完成される時期、それから下水道の場合には、当然これは起債をもって地方公共団体の負担を一応処理をしている実情でありますが、従来の進行度というものは、これは五十年たってもできないような計画が相当多かったわけです。したがって、それらの単なる予算だけじゃございません、予算のほかに起債という問題がこの事業遂行のための大きな要素となっておりますから、今までのものとこの計画案に対する方針とを明らかにしてほしい。都市局長並びに関係行政局長からそれぞれ説明を願います。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) お答えいたします。下水道の全般的な計画につきましては、国民所得倍増計画に基づきまして、下水道の投資額といたしまして配分小委員会できまりましたのは五千七百億ということに相なっております。したがいまして、それを基準にいたしまして三十六年度を初年度といたします十カ年計画を立てまして、昭和四十五年度における市街地面積が四十六万六千ヘクタールというふうに見込みまして、その総ワクといたしまして五千百五十億という形で全体の十カ年計画を立てました。それに従いまして、そのあとで環境整備の問題が非常に急を告げるようになりましたので、とりあえず緊急三カ年計画を立てまして、三十七年度の要求は、それに基づきまして要求したわけでございます。で、三十八年度の要求になりまして、三カ年計画は五カ年計画というふうに改訂いたしましてこのたびの提出と相なったわけでございます。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) ただいま都市局長からも御説明を申し上げましたが、従来、公共下水道の排水面積に含まれる排水人口と屎尿処理の終末処理人口との間には、若干の食い違いがございまして、一口に申しますと、終末処理人口のほうがおくれておったわけでございます。したがいまして、このおくれを何とか取り戻して、公共下水道の整備と相待って、屎尿の衛生的な処理に努力すべく、従来十カ年計画を立てまして、建設省とも緊密な連絡をとって事業を進めておったわけでございますが、何分にも、最近の人口の都市集中、あるいは農村におきます化学肥料の普及度の事情から、特に緊急に屎尿の処理等、汚物の処理を急速に整備していかなければならないという事情に立ち至りまして、従来の十カ年計画を改めまして、三十八年度から四十二年度に至ります五カ年計画を策定いたしまして、お手元に差し上げました資料にございますように、四十二年度の終わりには、国民総人口の約八割に相当いたします八千万の国民の生活に伴う汚物を衛生的に処理いたしたいという計画を立てたわけでございます。この中で公共下水道と関連いたしますのは屎尿処理関係でございまして、もちろん八千万人の屎尿を全部公共下水道と直結いたしまして水洗便所で処理をいたすということは事実上不可能でございまして、私どもと建設省との間で十分連絡いたしまして計画いたしました計画の到達目標は、四十二年の終わりに、八千万のうち、約三割に相当いたします二千五百万人分の屎尿を公共下水道と直結いたしました終末処理場で処理いたしたい、こういう考え方を持ったわけでございます。ところで、この二千五百万と、それから建設省から出しておられます四十二年度末のこの排水人口に伴う処理人口二千百万との間に四百万の食い違いがあるわけでございますが、この点につきましては、従来とも、事業の進展の工合によりまして、究極の形では公共下水道に直結するわけでございますが、あらかじめ終末処理場が先にできまして、この四百万については、私どもの言葉で申し上げますと、くみ取って参りまして、一応マンホールに投入して処理をする、終末処理場で処理いたしまして、その四百万につきまして、やがて建設省の御計画によりまして公共下水道が完備していく、こういう計画を立てたわけでございまして、今後とも緊密な連絡を取りながらこの計画の実施に当たりたい、かように考えているわけであります。

田中一日本社会党

○委員以外の議員(田中一君) 都市局長に。あなたのほうへ今下水道の新設のための地方債は、三十八年度、今日どのくらいの申し込みがきていますか。それはひとつ計算して下さい。  そこで伺いたいのは、この補助金の配分がそれぞれ両者でできた。そこで、これに対しては自動的に起債というものが、きめられた比率というものが、交付というか、起債を承認されておりますか。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) 従来の例でいきますというと、配賦されました国費に対しまして、予定どおりの地方債がついてきております。

田中一日本社会党

○委員以外の議員(田中一君) これは大臣に申し上げますが、今回のこの五カ年計画というものが、私が心配しているのはこういうことなんです。常に終末処理と下水道の関係、これは環境衛生局長は、屎尿処理のほうがおくれておったと言いますが、おくれておったというのは、計画的にそれがない場所があったということだと思うのですよ。実際の処理の問題というのは、工事の問題になりますと、先行している面もあるのです。これはまあ政治的ないろいろな問題もあるでしょう。下水道が、とうていまだ終末処理までもう五年もかからなければ到達しないという現状でありながら、終末処理場だけはできている。むろんこれには道路を作って、あるいはトラック等でもって屎尿の投入をやっておるのでしょうけれども、こうしたものは、全体の計画が完成しなければ完成にならないわけです。で、今回の五カ年計画ができ上がる以上、との計画どおり、この資料にあるとおり、第一に、起債は必ずくるという前提です。それから、その前提となるものは、終末処理と下水道の建設というものが並行して、どちらが先行するのでもない、同じように、完成は同時に完成するという見込みがなければ、これはやはり終末処理だけが先行しても困るわけなんです。しかし、今まではどうもその食い違いがある。そこで、ある一つの都市の例をとってみても、その都市のその年度の補助金というものを考えてみると、もう三十年ぐらいかからなければ終末処理場までいかないわけですよ。本管がいかないのだ。支管というやつは、これはブランチの場合はいいとしても、本管がいってないのです。にもかかわらず、終末処理はどんどん進んでいるということがあるわけです。それで市町村は、もう必ず地元負担というものを取っておるのです。地元負担というものは、地元は下水道の建設、ことに水洗便所等になれば助かりますから、相当多く取っている。にかかわらず、予算の配分というか、補助金の配分が少ない。また、もらうほうも、今度は一生懸命自治省に行ってお願いしなければならない。私はこんな必要はなかろうと思うのです。両省で補助金の分配がきまれば、自動的に自治省はそれを手続きして、地方債というものが認められるというような措置をとってほしいと思うのです。この点は厚生大臣はどうお考えになりますか。また、今回の五カ年計画というものは、非常に各都市の住民というものは期待しております。それだけに、そういう方法をとられるように閣議決定なりなんなりしていただきたいと思うのです。一々歩き回ってお願いしなければ地方債もこないということじゃ困るわけなんです。この点はどうお考えになりますか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 田中委員の御指摘の点、今までやはりすべての計画がマッチしておらぬということを、私も正直なところ、認めるわけでございますが、何さま、一番おくれておるのはメーン・パイプで、これは実は早くやらなければならぬのに、それがずいぶんおくれたものだから、何もかも順序なく進めなければならないような結果になりまして、メーン・パイプが相当におくれるから、それではしかし処理ができぬ。まず終末処理を先に作って、マンホールに投入しようじゃないかというようなことも起こってきますし、いろいろな面からちぐはぐになっておることは御指摘のとおりでございます。したがいまして、今御質問にもありましたように、メーン・パイプを進めまして、それにわれわれが合わして、自動的にそれに十分な金をつけ、それの一環として、十分な完成した計画をもって、そごのないように十分進めていきたいということをかたく考えておるのでございまして、幸いにいたしまして法律が通りますれば、これを機会に、厚生、建設両省ないし自治大臣を含めまして、十分な措置をとっていきまして、そごのないように十分気をつけていきたい、かように考えておる次第でございます。

田中一日本社会党

○委員以外の議員(田中一君) わかったかね、三十八年度の地方債の要求は。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) 下水道——建設省の分につきましては、三十八年度は事業費で三百二十五億、その中で国費が六十四億七千万でございまして、地方負担として二百六十億四千万ございますが、その中の百六十億が、準公営企業債というふうになっております。これは、国費に対するものは自動的に起債がついて参りますので、今までよりも差が出るというふうには考えておりません。

田中一日本社会党

○委員以外の議員(田中一君) ちょっとよくわからないのですが、事業費が……。

鈴木強日本社会党

○委員長(鈴木強君) もう少し大きな声で……。

田中一日本社会党

○委員以外の議員(田中一君) 事業費が三百二十五億で、そのうち国費が六十四億七千万……。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) つまり事業費に対して自己負担となります分が二百六十億四千万でございます。その国費に対する自己負担分の中で、百六十億が準公営企業債となっておるということでございます。

田中一日本社会党

○委員以外の議員(田中一君) 地方債は……。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) お答えいたします。いわゆる起債分が百六十億ということでございます。

田中一日本社会党

○委員以外の議員(田中一君) 百六十億全額起債、こういうことですね。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) 国費の六十四億七千万に対しまして、自己負担となります分、つまり使用料とか、そういうことによって地元から上がってくるいろいろな税金を加えたものが二百六十億でございますので、その中で、つまり、地方債としてもらいます分が百六十億、こういう意味でございます。

田中一日本社会党

○委員以外の議員(田中一君) もう一ぺん言いますよ。事業費が三百二十五億、そのうち、国費の補助金が六十四億七千万、そうして使用料その他で地元が負担するものが二百六十億四千万、地元というのは受益者負担ということですね。それから、残りの百六十億が地方債、こういうことなんですか。

谷藤正三建設省都市局長

○政府要員(谷藤正三君) そのとおりでございます。自己負担が二百六十億、その中で百六十億が準公営企業債。

田中一日本社会党

○委員以外の議員(田中一君) これは大体全額負担になっていますか、全額起債ということになっていますか。地方が自分で負担する分ですね——じゃ、御承知のように、地元負担金を取っておりますね、取っておるでしょう。それに対して公共企業体で持つものはどのくらいの比率になっておるのですか。今言ったように、百六十億というものは地方債ということになりますね。その以外に地方公共団体が持つべき費用負担があるのですか。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) 総事業費に対しまして、つまり単独分として地元負担分が二百六十億でございますので、その中で地方債としてもらうのが百六十億でございます。そうしますと、その差が地元の単独負担ということになります。つまり地元の税金によりまして仕事をするということになります。

田中一日本社会党

○委員以外の議員(田中一君) それで、百六十億の地方債というのは借金でしょう、結局そうでしょう。そこで、その残っている百億のうち、地元受益者が幾ら負担するか、それから企業体が大体幾ら負担するか、これはわかりませんか。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) それは地元の負担の中で、百億分の中では使用料を取っているところもございますし、取っていないところもございます。各市によりましていろいろに変わっておりまして、それから地元負担金という形をとっているもの、あるいは使用料として取っているもの、あるいは全然取らないものというふうに、いろいろ分かれておりまして、今度の新しい計画では、そういうものをできるだけ統一いたしまして、不足分の自己負担分に対しては、統一的な方法で地元の負担を出してもらうように考えております。

田中一日本社会党

○委員以外の議員(田中一君) そこで、環境衛生局のほうですが、終末処理場の計画がないところで都市局のほうで下水を作っているところはないわけですね。下水道建設ということを建設省がやっている都市では、必ず終末処理場というものの計画があるわけですね、計画としては。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) 今の御質問は、むしろ逆のお答えのほうがおわかりやすいかと思いますが、私どもの計画としましては、建設省と密接な連絡をとりまして、建設省のほうで公共下水道の計画のあるもの、それの計画が明確になりましたものにつきまして、終末処理場の計画を私どもが検討をいたしまして、それについて許可をすると、こういう形になっておりますので、したがいまして、終末処理場が公共下水道の計画なしに先行するということはないと、このように考えておるわけであります。

田中一日本社会党

○委員以外の議員(田中一君) そうすると、今後は予算のつけ方も、都市局のほうの公共下水道の完成度というか、それに合わせた行き方をするものと、それからマンホールに投入するものと二つのものがあるが、今回のこの屎尿処理の問題等もあって、これはどうだ、人間の住む社会には必要というか、あるんだから、都市局に関係なしに投入場というか、屎尿処理場を作るということは考えられますか。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) その点は、都市局と関係なしに私どものほうが終末処理場を勝手に計画するということは絶対にございません。それは法律の中にもその点が第三条の三項にございまして、これを建設大臣と厚生大臣が、下水道整備計画、それから終末処理場、しかも、その上、屎尿処理施設も、なお終末処理場に後々転換するというような場合もあり得ますので、その三者について十分調整をはかって計画を立てる、こういうことになっておりますので、私どもだけが勝手に計画する〜いうことは絶対にございません。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) ただいまの先生の御質問に対しまして、実は、終末処理場、あるいは屎尿処理場が、ある都市におきまして先行いたしておるということがありましても、これは建築基準法上、都市計画決定をいたさなければならないことになっておりますので、建設省のほうでは、当然必ず位置につきまして、あるいは、また、時期につきましてわかることになっております。

田中一日本社会党

○委員以外の議員(田中一君) 八千万人の人口のうち、二千何百万人だけはとりあえず取り上げて、当面の問題としてそれを処理しようということになっておりますけれども、そうすると、問題は、都市局のほうがすべて計画が先行しておるということですね。これは当然そうならなければならぬと思いますがね。そうすると、今日までに、各都市のうち、全然下水道計画のないところはどのくらいありますか。それから、また、基準としては、人口何万以上のところはこれを作るとか何とかいう、その基準があるのじゃないかと思いますがね。現在進行中の都市、それから全然手をつけてない都市……。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) 公共下水道の設置の都市施設でございますが、現在、合わせまして都市施設として五百五十九ございます。その中で、設置の都市施設は百五十八でございます。未設置の都市は四百一ございます。ただいま先生御質問の中の、常に公共下水道が先行するかどうかという問題でございますが、これは終末処理場の問題につきましては相当の時間がかかりますので、一般の場合には環境のほうが先行いたしまして、とりあえず河川のほうへ流しておるという、そういう状態から、終末処理場の完成と相待って、それをつなぐというふうな場合もございますし、あるいは、また、終末処理場にちょうど間に合うように下水道等を作る、あるいは新産都市とかその他のところでそういうふうな合理的な仕事の進め方ができます場合には、一緒に合わせてやっております。したがいまして、市の状態によりまして、先行する場合、あるいはおくれる場合と、両方出てくるわけでございます。

田中一日本社会党

○委員以外の議員(田中一君) そうすると、現在五百五十九都市のうちの四百一都市は、これは全然計画がないというわけですか。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) そのとおりでございます。

田中一日本社会党

○委員以外の議員(田中一君) 環境衛生局長に伺いますが、今言うとおり、五百五十九都市のうちの四百一都市は全然下水道の計画がないということは、今回この生活環境施設整備といううたい文句の中から見ると、はなはだ国民をだましておるようにならざるを得ないと思うのですがね。私は、生活環境を守るという意味において、こういう四百一都市に対しては、積極的に終末処理というか、屎尿処理といいますか、衛生上からそういうものをどんどんあなた方のほうで先行して作ってもらって、投入場所を作って、そうしてきれいな水にして河川に流すということも考えられると思うのですが、そういう計画もないのですか。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) 私の御説明が不十分でございまして御疑問が出たと思うのでございますが、先ほど申し上げましたように、八千万の一応対象人口のうち、二千五百万ほどは公共下水道と直結、あるいはマンホール投入で、終末処理で処理する。残りが約五千万余りあるわけでございます。これにつきましては、実は理想といたしましては、先生御指摘のように、公共下水道が完備されまして、終末処理場で処理するということが理想でございますけれども、それを待っておりましては今急場の屎尿処理ができませんので、したがいまして、約この五千万——ここには四千九百四十万という数字をあげてごさいますが、約五千万につきましては、とりあえず屎尿消化槽、くみ取って参りまして、それでもって投入して消化して処理する、こういう屎尿消化槽の施設を整備いたしまして、それで処理をいたす、こういう考え方でございまして、さらに、また、それに一部分ホテルでございますとか病院とか、自家用の屎尿浄化槽、これが加わりまして、全体で八千万ということを大体予想しておるわけでございます。

田中一日本社会党

○委員以外の議員(田中一君) この屎尿消化槽、それから終末処理、これの起債はどうなっておりましたかね。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) 屎尿処理の終末処理場並びに屎尿消化槽の起債の関係でございますが、これは従来の実績によりまして申し上げますと、資料にもちょっと書いてございますが、国庫補助率は、終末処理場並びに屎尿処理施設とも、一般に三分の一国庫補助でございまして、六大都市等につきましては四分の一の国庫補助でございまして、残りの分につきまして一定の割合で起債を受けておる、こういうような状況でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 ちょっと私、関連して。  どうも五十嵐局長の話を聞いていると、九千九百七十六万人の中で、八千万人を五年間で処理をするという内容がどうもよくわからない、聞くたんびに。もう少しはっきり——今これを聞いていると、屎尿消化槽と終末処理を含めて八千万というようなことにどうもなりそうな話が出てくるのだけれども、それじゃごみはどうなるというようなこと、ひとつ八千万人を対象にするということなら、ごみはどうするんだ、屎尿処理、終末処理の問題はどうするんだ、それから下水道の整備はどれだけやるんだ、それから水洗便所はどれだけとにかく五カ年間でやるのだということを明らかにひとつしてもらわないと、どうもここのところがややこしい。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) どうも説明が不十分で申しわけございません。この資料で申し上げますが、資料の三ページのところに表で、「事業の目標」という欄がございますが、これは私どもが厚生省の試案としまして、こういう五カ年計画でこういう目標を持って事業を達成いたしたいという計画をまるい数字で表したものでございますが、これの左側に大きな数字でI、IIと書いたところがございますが、そのIは、下水道の終末処理場の整備事業でございまして、この欄をごらんいただきますと、ここに二千五百万と書いてございます。この二千五百万は、この欄を縦にごらんいただきますと、一番下に八千万という数字がございますが、その八千万の中の二千五百万でございまして、そして、この二千五百万人の人口を対象にして昭和四十二年の末に終末処理場を処理いたしていきたい。ところで、現在はそれはどうなっているかと申しますと、その右の隣りの欄に「三十七年度末計画済人口」というのがございまして、これが七百万という数字が出ておるわけでございます。したがいまして、三十八年度から四十二年度までの五カ年間で整備していきたいと厚生省が考えております人口は、差し引き千八百万人、この千八百万人につきまして下水道の終末処理場を整備して参りたい、こういう考え方でございます。それで、その二千五百万、あるいは七百万、千八百万という数字の下にパーセントが出ております。このパーセントは、八千万、あるいは三十七年度末までに整備を終わりました三千五万、あるいは差し引き五カ年間に整備をいたして参りたい四千九百九十五万という一番下の数字を一〇〇といたしましてパーセントを表したものでございまして、したがいまして、下水道終末処理場につきましては、三十七年度末までには計画済みが二三%あまりになっておる。したがいまして、目標に到達するためには、今後全体の三六%を整備して参りたいと、こういう計画でございます。  それから、なお、この四十二年度に到達する二千五百万を一〇〇といたしますと、別のパーセントが出て参りますが、これはここに書いてございませんけれども、申し上げますと、二千五百万を一〇〇といたしますと、三十七年度末までには二八%を整備が終わっておる計算になりまして、今後この七二%ほどを終末処理場につきましては整備して参らなければならない、こういう数字になるわけでございます。以下、同じように、第二の屎尿処理施設整備につきましても(イ)と(ロ)に分けまして、(ロ)の屎尿浄化槽につきましては、これは自家用でございますので、予算、起債等には関係がございませんが、全体の八千万のうち、六一%余に当たります四千九百四十万人を整備して参りたい。そのうち、私どもの計算では、二千五万人が三十七年度末までに計画が済むことになっておりますので、差し引きいたしまして二千九百三十五万人をこの五年の間に整備して参りたい、このように考えているわけでございます。浄化槽につきましては、これは予算、起債と関係ございませんが、従来の自然の伸び率など、実績を基礎にいたしまして、これもこの計算を出したわけでございます。  それから、次のページに参りまして、ごみでございますが、ごみにつきましても、これも私どもの希望の計算でございますが、ごみの処理方法といたしましては、左側に(イ)、(ロ)、(ハ)と書いてございますように、焼却施設、それから高速堆肥化処理施設、飼料、こういうような三つがございまして、この方法によって四十二年度末には、一番下の欄の一〇〇%の八千万の人口のうち、そのほとんど大部分であります九三%余、七千五百余万人につきましては、その生活に伴って排出するごみを焼却施設で処理して参りたい。そのうち、三十七年度までには二千三百万人分が計画済みになっておりますので、私どもの計算では、残りの五千二百余万人につきまして、今後五カ年間で整備をして参りたい、こういう目標を立てたわけでございます。  なお、同じように、高速堆肥化処理施設につきましても、従来、百三十五万人ほどの整備が計画済みになっておりますが、到達目標は四百三十一万でございますので、差し引き二百九十六万、約三百万人ほどの整備を今後いたして参りたい。これらの計画が総合的に完成いたしますと、私どもの推定いたします昭和四十二年度末の特別清掃地域の人口約八千万の生活に伴います屎尿並びにごみを、すべて衛生的に処理して参りたい、こういうような目標を立てて、一応こういう資料を提出いたしたわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで、この三十七年度末計画というのは、この前に立てられた十カ年計画でしょう。そうじゃないですか。この「三十七年度末計画済人口」というのは何をさしているのか。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) 御指摘のように、三十六年から四十五年まで一応十カ年計画を私ども立てたわけでございますが、その中で、三十六年と三十七年はすでに実施済み、あるいは計画済みでございます。その数字をここに織り込みまして、三十七年末までの計画済みの人口、言葉をかえますと、先生のおっしゃる十カ年計画の最初の二年分をここに織り込みまして、その終わりの時点でとらえました計画済み人口でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 その終末処理を含んで二千五百万、下水道終末処理場整備というのが二千五百万になっているのですけれども、ここからあがってくるものは、私は、やはり環境衛生関係の水洗便所ということになってくると思うのですね。その水洗便所の計画、現状と計画はどうなっているのですか、それから補助。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) 水洗便所につきましては、私どもの計画では、マンホール投入は別といたしまして、公共下水道と直結いたしますものにつきましては、すべてその地域の屎尿は水洗便所で処理いたしたいという考え方でおるわけでございますが、これにつきましては、特に補助は考慮いたしておりません。現在までのところ、国民年金等の還元融資によりまして融資の方法を講じて、その普及の促進をはかっておる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 現状は幾らあって、一年どれだけふえているか、あなたのほうの計画は将来どうするか、こういうことです。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) 公共下水道と直結いたしまして終末処理場が整備され、当然水洗便所で処理しなければならない地域の水洗便所の普及率でございますが、これは全国的に見まして、いろいろな事情がございますが、遺憾ながら一〇〇%には参っておりません。六割あまりの普及率にしかすぎないような現状でございます。これにつきましては、ぜひとも私ども融資等の道をさらに拡大強化いたしまして、一〇〇%に普及して参りたいと、かように考えておる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 一〇〇%というのは何をさしているのか。現状どの程度に普及しているのかということの調査ができていないということですか。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) ただいま私が申し上げましたのは、全国で当然水洗便所に切りかえれば水洗便所で処理できる数字を一〇〇%と見まして、その地域でなおくみ取り便所で残っている部分があるわけであります。その率が水洗便所が大体六〇%強、それから、残りの四割ほどがまだくみ取り便所で残っておる、このような状況でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで、今、下水道の本管と支管の下水処理施設を行なって終末処理の下水の管をこしらえた、京都あたりで行なっているのは、半額をとにかく出しなさい、半額負担してあげましょうというような格好でやっておる。しかし、相当値段が高くなるので、住民はこれができない。終末のほうはできても、肝心の家々が水洗便所をなかなかやり切れぬ、この状態だと私は思う。そこで、せっかく下水道で環境衛生をやって衛生的にやろうとするのに、個々の負担が大きくて出せない、出せないからできないという現状にあるのではないか、ですから、これは今補助対象にないと言われるけれども、融資だけだと言われるけれども、融資だけではこれはなかなか進まないのじゃないか、これはやっぱり何といっても下水道終末処理の整備をすると同時に、やっぱり水洗便所を促進する、そうしなければ、せっかくの下水道の完備も宝の持ちぐされになってしまう。それには、やっぱり補助金とか手当てをしてあげなければできないのじゃないか、私はそう思うのですが、それはどうですか。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) 水洗便所の普及のために補助金を考慮してはどうかというお尋ねでございますが、この点につきましては、水洗便所は結局個人の住宅の施設であるというような点から考えましても、そこまで補助金で考えていくことが、この際、はたして適当であるかどうかという問題が一つあるわけでございます。また、一方に、私どもとしましては、とにかく処理する施設が少ない、そのためには、限られた資金を最も効率的に使いまして処理施設を一方に整備していきながら、一方に、個人の水洗便所等につきましては、融資の道等をさらに強化いたしまして国民の協力を求めて、両々相まってこの計画を達成していきたい、このような考え方を持っておるわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 しかし、現実の問題として、水洗便所をやろうとしたら三万円か四万円かかるわけです。厚生省の大きな任務としては、低所得をなくしていくという方向にあるのでしょう、実際問題として、低所得のためにそれができない。そこで、地方自治体が何か金を負担して処理をしている、半額とか三分の一とか、場合によったら六割という格好で地方自治体が支出をして水洗便所の奨励をしている、それすらなかなかできない。それじゃ六割なら六割地方自治体が持って、そして四割を持ちなさい、四割分は融資でまかなってあげましょうという話しができたとしても、利益を受けるのはそこの家ですから、それじゃ利益のためにそれをやると、こうやったところで、たとえば地方自治体はどうするか、個々の問題をとらえたら、あなたは個人の利益的立場から云々という話しが出るけれども、地方自治体はせっかく下水道をこしらえて、見ているわけにいかないということになるのじゃないですか。そこらあたりを総合的にもっと検討したらどうなのですか。どうなっていますか。あなたのほうの調査では、私の今の半額とか三分の一地方自治体で出しているというのが間違いかどうか。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) 先生の御指摘のように、地方自治体の財政等に応じまして、一部自治体自身が財政的な裏づけをしておるところがあることは私どもも承知いたしております。ただ、この問題を、国が、地方財政の状況のいかんにかかわらず、また、緊急に整備を必要とする処理施設の整備等との関連、あるいは水洗便所そのものの所有権というような観点から、一律に全体として補助の制度を考えていくということについては、やはり私は問題があるのじゃないかというような気がいたします。ただいまのところは、先ほど申し上げましたように、やはり融資等の方法で協力を求めてこれを普及して参りたい、かように考えておるわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 現実の問題として、あなたが今おっしゃったように、地方自治体が下水符は布設できた、水洗便所がいつでもできる条件ができる、それだけに費用をかけてその条件は作ったけれども、水洗便所ができない。だから、これを促進するために財政支出をするとか何とかやって促進しようとしてみたって、なかなかできていないというのが現実じゃないですか。あなたのおっしゃる六〇%というのが、私はそんなにうまくいっていないと思う、一世帯ずつの個々の家庭を見てみれば。大きいところ、ビルとか何とかを含めてならできているか知らぬけれども、実際問題として、個々の家庭において六〇%なんて、下水道の管ができても、なかなかできてないんじゃないかと私は思う。それくらい三万も四万もかかるものを、それじゃ下水をこしらえたからやりなさいというほど財政的余裕がない、力がないのが現状ではないか。それを、今それは個人の財産の問題として、できた便所が財産権に属するからなんという理屈でほうっておいたら、せっかく費用をかけて下水道をこしらえたけれども、水洗便所が何もできなければ、それは遊んでしまうということになるんじゃないか。だから、どうしたら一番いいか。個人の問題であるから、一〇〇%それを国でやれなんて、そのことまで私は言いませんよ。言いませんけれども、しかし、水洗便所が促進されるということが動いていなければ意味ないじゃないですか。そこを言っているんです。三万も四万も金を出して、普通の今日の給与生活者やその他の零細な家ではそんなことできませんよ、実際問題として。そこにねらいがあるんじゃないですか、環境衛生というのは。大きな排水路の終末の土管を伏せてやることはまず第一の条件です。これは大いにやってもらわなければいけません。しかし、その土管ができたという、この土管によって処理ができるという条件のもとに国民が恩恵を受けるというたら何でしょうけれども、それによって衛生管理ができるという、こういうのがつながりだと思う。その衛生管理が肝心なところができない。せっかく下水管が布設されて、りっぱな処理ができる設備ができているのに、くみ取りで屎尿処理場へ持っていくというようなことは、私は、近代国家を目ざす日本の国の政治としては、少しもの足らぬと思う。なかなかその下水管のやつが、今ここであなたの計画を見ても、五カ年計画で二千五百万人しかできないのであります。この二千五百万人の計画ができたときには、この分だけは水洗便所ができているという処置をあなた方とらなければ、これはこれで二千五百万人できた、町つじには土管が通ったが、上はみんなくみ取りで処理場へ運んでいるのだということじゃ、これは何をしているかわからぬということになる、そう思いませんか。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) 確かに先生おっしゃるとおり、当然水洗便所で処理できる地域にある便所が、なお、くみ取り便所で残っておるということはまことに遺憾だと思います。これは何とかして一〇〇%水洗便所に切りかえるようにしていかなければならないと私どもも考えておるわけでございます。しかし、それを補助金という制度まで一挙に持っていくことが適当であるかどうかということは、これは先ほど来申し上げましたように、いろいろ問題があると考えるわけでございまして、現に国民年金融資の貸付金の金額を見ましても、三十六年度は二億五千五百万円、三十七年度は三億四千万円というような額を、六分五厘の低利率で二十カ月償還というような形で貸付をいたしておりまして、これに応じまして水洗便所の整備が行なわれておるわけでございます。それがたまたま先生のおっしゃるようなふうに、急速に一〇〇%までいかないということはまことに遺憾でございますが、なお、これにつきましては、個人の衛生知識の向上でありますとか、あるいは協力の態勢、あるいは住宅そのものの問題等、問題があろうかと存ずるわけでございますが、私どもといたしましては、なお、この貸付金の増額、あるいは国民の協力を求めるというふうな方法を講じまして、この普及率をさらに増加して参りたい、そういうふうに努力をして参りたい、このように考えておるわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、ひとつよく考えていただきたいことは、たとえばほかの例をあげて恐縮ですけれども、水道がございますね、水道は個々に入らなければ意味がない。だから、本管を布設すると同時に、個々の家庭に、あらゆるところに、まず、水ですから、これは上水のほうでそれをやる。私は今の補助金は少ないと言っておりますけれども、とにかく地方自治体は、これこそ一戸のがさずこれをやらなければならない、これをやっているわけです。それじゃ今度はその食べるほうと出すほうとの話になりますけれども、終末処理になってきて、今度は終末処理の問題になってきたら、屎尿の問題になってきたら、道路のまん中に土管を何とかして作ってやろう、そこのところから出てくるものはあなたまかせだということじゃ、ちょっと計画がつり合わぬのじゃないか。だから、個々に対して補助金を出すとか何とかいう理屈が立たなければ地方自治体を援護してあげて、地方自治体は、それは財政支出をせなければ進まぬものだからやっているのです。そこに援護するなら、全体の近代環境衛生社会を作るというなら、私は、単に個人財産云々とこだわらなくても理屈はつくと思うのです。だから、そういうところからでも、私は補助金というものを固執いたしませんけれども、そういう形の中で、二千五百万人分の下水処理ができたら、二千五百万人分の水洗便所までができておるということでなければ、私は、清掃関係全般の計画というものは何にもならぬ、そう思うのです。だから、そこは、単に融資の機会がありますよというだけではどうにもならぬ。ちゃんと計画の中に、幾らの財政援助を地方自治体へやって、地方自治体の援護によって個々にみさす、そうして、それにはきちっとその計画と同じだけの金額を融資対象として、今六分五厘と言われたけれども、この融資が割り当たるだけの計画をきちっとつけてその計画に入っていくということでなければ、水洗便所はいつまでたってもできやしない、これを聞いているのです。その決意のほどを大臣から聞いておきたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 下水管メーン・パイプができて、終末処理場ができて、それで流れ込む設備ができない、こういうことになるとたいへんだという、もとよりこれはもう明らかなことでございます。しかし、今申し上げましたように、この水洗便所というものは個人の家屋と一緒にくっついているものであるから、そこを今までのように、公共の施設として全部やるわけにいかないから融資で今やっている、現在のところの普及率はあまりよくない、こういうことを政府委員が説明しているのではございますが、五カ年の後において、もし二千五百万人の処理を衛生的にするならば、それと同時に、水洗便所も一〇〇%二千五百万人分をはかしたらどうだと、こういうことでございますが、十分そのように努力いたしたいと思います。ただし、今、政府委員も言いましたように、個人負担でございますので云々の問題がございます。これは上水道にいたしましても、水道パイプが通っておりましても、引き込みのところは個人負担でございます。やはり金がない人は自分の井戸水を使うというところも全然ないわけではございません。ガス管にしても同じことでございます。しかし、公共事業にかくのごとき非常に大きい金を注ぎ込む以上、その目的が達せられないことでは絶対困りますので、十分この施設が百パーセントに使われるように今後十分検討いたして参りたい、かように思っておる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 今、大臣の決意のほどを聞きまして、それはわかりましたけれども、水道のことをおっしゃったけれども、地方自治体ではやっぱしその所得の低い人には調整をとって施設をしておりますね。そうして高い人と低い人との負担、財政支出の問題ですね、そこらをあんばいをいたしまして、今簡易水道にいたしましても上水道にいたしましても、金がないから引けないというような条件は私は作ってはいかぬと思います。そんなことは今ありませんからね。その水道の低所得者の負担額というもの、月払いとか年払いとかという格好の額と水洗便所の額とは全然違うのですから、そこに問題があるということをひとつ御考慮願って、融資さえやれば事が足りるんだということのないように、特別のひとつ御配慮を、今の決意のほどによってお願いしておきたいと思います。  それから、大蔵省の方を呼んでおりますが、私の質問は午後にいたします。

鈴木強日本社会党

○委員長(鈴木強君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時半まで休憩いたします。    午後零時十二分休憩    —————・—————    午後一時五十三分開会

鈴木強日本社会党

○委員長(鈴木強君) ただいまより再開いたします。  午前中に引き続き、質疑を続行いたします。御質疑のある方は、順次御発言を願います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 この緊急措置法案は、現在ある清掃法の精神に基づいて公衆衛生の向上をはかる、こういう目的で作られたというふうに私は理解するわけでございますが、しかし、今までのこの委員会における質疑等を聞いてみますと、この五カ年計画は、私たちから言わせれば、非常にあいまいである。いわゆる資金的な裏づけにしても、何ら確固たるものがない。私は、清掃法をほんとうに忠実にこれを政府が守り、実施していくというならば、少なくとも三十八年度を初年度とする五カ年計画を策定する、そして、この法案がきまらなければ、そういう予算的な裏づけも、あるいは正式な五カ年計画も作れないのだ、こういうような態度では、この清掃法をほんとうに忠実に守っていこうという態度が私は政府にはみられないと言っても過言ではないと思うのです。たといこの法案が通ろうと通るまいと、清掃法の精神に基づいて、昭和三十八年度におきましては、政府はほんとうに公衆衛生の向上をはかって国民の健康を守っていく、こう言うならば、資金的な確保というものを、この三十八年度の予算の中で、十分に将来の展望に立ってとっていく、こういうことが私は大事ではなかろうかというふうに思うのです。そこで、そういうような観点に立ちまして、現在清掃法の中で、汚物の海洋投棄、あるいは河川に放流するというようなことについては、やってはいけない、こういうような禁止規定、一応条件はありますけれども、あるわけです。しかし、実際に全国的に見まして、相当な割合でこの非衛生的な処理、あるいは処分がなされておる、こういうふうに言われております。現在この清掃法の十一条に違反をするような海洋投棄、あるいは河川への放流、こういうものがあるかどうか、そういう点をまずお伺いしたいと思います。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) 御指摘の汚物の処理の方法でございますが、確かに、特に屎尿の処理につきましては、現在必ずしも理想的な形で処理しておるとは言い切れない面がございまして、海洋投棄ということを申されましたが、三十六年度の全国の実態調査に見ましても、特別清掃地域で排出されております屎尿の一八%あまりが海洋に投棄されておりますことは事実でございます。しかしながら、これも先生のお話の中にございましたように、一定の条件をつけまして、海洋の中でも、政令に定める海域にはこれを捨てることを禁止する等の措置を講じまして、環境衛生その他の影響を極力避けるように務めているわけでございますが、十一条違反の不法投棄が皆無であるかどうかということにつきましては、これは私どもつとめて市町村の指導、あるいは監視等の実施によりまして、違反のないようにつとめているつもりでございますが、事実問題として、全然これがないと言い切れるだけの十分な調査その他はいたしておりませんので、あるいは中にはそういった不法な面もあるかもしれません。全然ないということは申し上げられないと思います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 率直にあるかもしらぬと、ないとは言えないという点については率直でいいと思いますけれども、しかし、私どもにいろいろ国民の中から、特に沿岸漁業者ですね、漁業労働者のほうから出てくる声としては、この海洋投棄が非常に多くて、非常に漁区に対する面、あるいは水質の面、いろいろ問題がある。したがって、この海洋投棄、河川放流は絶対禁止してもらわなくちゃならぬ、こういうような陳情がたくさんきております。今全然調査をしておらない、こういうことを言われておりますが、私は、その地方自治体、あるいは特別清掃地域にしても、当然そういう終末処理なり、あるいはその他のこういう屎尿処理に対してのいろいろな計画を作った場合には、一応厚生省にも、補助金なり、あるいは起債等の関係もありまして、許可の申請もしてくると思うんですが、そういう許可の申請をしてきた場合に、この清掃法に違反をするような海洋投棄とか、河川の放流とかいうようなものがないのかどうか、そういう点も十分調査をして、そうして、そういう処理に不十分な施設、小さい施設ではなくて、もっと十分な施設を作るような指導をしていくということが私は必要であると思うのです。この十一条の違反に対しては、さらに罰則の規定もあるわけでございますけれども、そういう公共団体が、この十一条違反となるような海洋投棄、あるいは河川に対する放流をやって、公共団体がこの法律によって何らかの行政的な措置を受ける、こういうことは今までありましたか、それとも受けることがこの法律上可能なのかどうか、そういう点をお伺いしたい。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) 施設の許可にあたっては、不法投棄などをしないように、十分実情を調べて許可をし、指導しろということは御指摘のとおりであります。私どももそういう考え方で事業の進展をはかっておるつもりでございますが、この十一条違反の実例がないかというお尋ねに対しまして、全然ないということは言い切れないと申し上げましたのは、実際に海洋投棄をいたします場合に、たとえば東京都でございますと、船団を組みまして、そこに職員が乗って、禁止区域内に捨てないように、禁止区域を越えた地域でこれを放流するようにその監視に当たっておるわけでございますが、また、関係の官庁と連絡をいたしまして、随時監視、指導をやっていただいておるわけでございます。そういう際に、悪天候、あるいはその他のいろいろな事情があろうかと思いますが、現に一、二その禁止区域内で放流をするというようなことが発見されまして、これがその不法行為として摘発を受けたという事例は従来ございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 全体的に見て、この不衛生的な処理が七割もあるわけですね。これはもう厚生省が出した厚生白書にちゃんと書いてあるわけですから、間違いないと思います。そういうような大きな割合の不衛生的な処分がなされておる。で、それを今度の五カ年計画で厚生省はすべて衛生的に処理する、こういう目標を立てているわけですね、こういう自信があるのですか。との海洋投棄、あるいは河川放流というようなことは一切なくして、ここに掲げておるように、すべて衛生的に処理をしていく、この五カ年計画を遂行することによってこれが可能であると考えておられるわけですか。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) 現在、屎尿七割が不衛生的な処分をされておる、こういうお話でございますが、これはまあ言葉のあやと申しますか、特別清掃地域の中で、私どもが理想と一応考えております下水道と直結いたしました水洗便所、あるいはそれに準じます屎尿消化槽、あるいは浄化槽、こういうもので処理されておりますものが三割強でございますので、したがいまして、残りの七割は、必ずしもこの理想に近い形で処理されていないということは事実でございますが、しかし、これが全部不衛生的処分をされておるということではないわけでございまして、海洋投棄も、これは必ずしも理想的な形ではございませんが、いろいろな角度から、環境衛生上支障のないような条件を付しまして処理をいたしております。また、農村に還元をいたしておる部分もあるというようなことで、七〇%が全部不衛生的に処理されておるのだということではないと考えるわけでございますが、この五カ年計画を実施した際に、その残りの七割がほんとうに衛生的に処理できるのか、そういう自信があるのか、こういうお尋ねでございますが、私どもといたしましては、従来とも、かなりの率で補助金なり起債なりの増加をみて参ったわけでございますが、最近、特にこの汚物処理につきましては、地方公共団体その他から非常に強い要望がございまして、地方のこの施設の整備に対する御熱意も非常なものがございます。したがいまして、この緊急措置法を成立させていただきまして、五カ年計画を閣議で御決定いただくというような運びになりますれば、私は、必ずこの目的を達成できると、かように考えておるわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 最近、東京都で、千葉県の浦安の沖にごみを捨てる、こういうような話が出まして、地元の漁民が一斉に反対をしておるわけですが、このことを御承知でしょうか。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) 私、まだその点については承知いたしておりません。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 かりにそういうようなことが東京都で計画をされ、実施をするということになりますれば、当然、厚生省として、東京部に対して何らかの措置をすべきではないかと私は思うのですが、その点はいかがですか。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) ごみ処理の施設につきましては、午前中も御説明申し上げましたように、焼却施設によりまして処理をいたすということが理想でございまして、東京でも十数カ所に及びます焼却施設の計画を実は持っておるわけでございます。しかし、現在までできておりますのはそのうちの一部でございまして、今後この施設の増強を待たなければならないわけでございます。現在、主としてその処理方法の主要は部分を占めておりますのは、夢の島に埋め立てをしているということです。したがいまして、この埋め立て地が手狭になって参りまして、そこに埋め立てができないということになりますと、勢い他にかえ地を求めるか、さもなければ焼却施設を急速に整備をしていくということしか、まず東京都の場合は方法がないわけでございまして、したがいまして、私どもといたしましては、この東京都の焼却施設の整備を急速に進めるように、実は都ともいろいろ話し合いをいたしておるわけでございますが、しかしながら、今のお話は初耳でございまして、都でどのような計画を現実に持っておるのか、承知いたしておりませんが、いずれにいたしましても、地元の反対というようなことを押し切ってこういう問題を処理するということは、決して望ましいことではないと思いますので、実情をよく聞き取りまして、この五カ年計画の見通し等を勘案して、十分な話し合いをしてみたい、かように考えておるわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 そこで、厚生大臣にお伺いしたいのですが、先ほど局長が言われましたように、いまだに海洋投棄、あるいは河川の放流ということがあるということなんです。しかし、この河川とか海洋とかというのは、漁民にとりましては、これは生産の場であり、また、われわれ国民にとっては、生鮮食料の供給面になっておるわけです。したがって、もっと海洋、河川等は、最も清潔に、そうして、かなり保護されていかなければならぬ、こういうふうに思うのですが、今の清掃法では、私は、やはり海洋投棄、あるいは河川の放流というようなものを完全に禁止をしていくということにはならない、できないというふうに思うのですが、この際、清掃法の改正なり、あるいはその他の措置によって、河川あるいは海洋に対する投棄、放流を禁止する何らかの措置をとるお考えはありませんか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 古い統計ですけれども、三十五年の統計で調べたところによると、農村還元二四、五%、海洋投棄一八%、農村還元、海洋投棄だけで四〇%以上のあれがやられておるわけです。ところが、この清掃法ができましたときは、これでいいだろう、農村還元も相当の利用度がその当時はあったのでございます。それから、一方、施設ができていないものだから、海洋投棄も、区域を限定してやればまあまあ支障はないだろうというようなところから現在の清掃法ができておったので、今申しましたように、相当にこの農村還元と海洋投棄でもって処理しようということがやられておったのですが、もう御承知のとおり、農村還元もできませんし、いわんや海洋投棄というような非文明的なこともできませんので、今度の急速に施設をしなければならぬということがそのためにも起こったようなわけでございます。したがいまして、その意味からいいまして、清掃法は不完全ではございますが、今直ちに清掃法を変えましても、やはり方法がなければそうすることになりますので、むしろ今回緊急に施設を急ごうじゃないか、それには計画的に早く進めようということをやったのでございまして、やがてもうこの段階になれば、これら農村還元とか、あるいは海洋投棄というようなものは——農村還元は別ですけれども、海洋投棄などは法律で禁止するというような時代がこの五カ年計画の終わりごろにはこなくてはならないだろうと期待をいたしておるのでございまして、あくまでも衛生的に処理したい、そのためには施設を急ぐのだということを考えておるのでございますから、さような意味で、今後施設重点に進みたい、かように考えておる次第でございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 それは四十二年になりましてこの五カ年計画が完全に遂行されれば、今、大臣の言われたようなこともあるいは可能かもしれません。しかし、四十二年までは依然として海洋投棄してもよろしい、あるいは河川に放流しても今までどおり大目に見ていく、こういうことでは、公衆衛生の向上という目的を持った清掃法の建前からいっても、政府、すなわち、国あるいは地方公共団体の責務からいっても、私はおかしいと思うのですよ。したがって、そういうような、もう法律上何ら措置をしなくても大丈夫のような状態になるまでは、やはりこの海洋投棄なり河川の放流というものはもっと厳格に規制をして、そして、海で働く、あるいは川で働く労働者の保護、あるいは国民の食生活に対する完全な衛生的な管理、こういうものはやはり政府としては当然考えていかなければならぬと思うのです。したがって、私は、今の清掃法を厳格に適用していく、運営をしていく、こういうことで可能であればけっこうでございますけれども、しかし、今までの現実の姿を見ますと、せっかくこういう規定があり、あるいは罰則まであっても、依然として海洋投棄は一八%以上行なわれており、また、ごみの問題についても、大半は埋め立て処分、焼却処分によっておりますけれども、しかし、まだまだ川に捨てる、あるいは海に捨てる、こういうことが行なわれておる。したがって、私は、もっと何らかの措置をとらなければならないのじゃないか、こういうふうに思うのですが、その点はどうですか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) それは今すぐ海洋投棄をやっちゃいかぬと、こういいましても、また、法律をそういう工合に直しましても、施設がなければ守られることではございませんので、私たちは、この計画によりまして実施が伴えば、これはもう毎年々々海洋投棄もだんだん減っていく、河川の投棄も減っていく、ごみの処理にいたしましても、もうすでに大部分は埋め立てでやっておりましたが、埋め立てでやらなくても、だんだん埋め立てに捨てる部分が減っていく、それで施設が計画どおりに着実に行なわれれば、もう年々歳々そういうものは減っていく、しこうして、五カ年の最終においては、ごみにいたしましても、大部分を焼却にたよるというのですから、埋め立てなんか使わなくても焼却でいける、海洋投棄等は全然行なわれないということにならなければならないと思うのであります。計画は、実施が確実にできれば、それを期待いたしておるのでございまして、私は、計画の最終年度におきましては、さような非衛生的なものがないように、ひとつ十分な力をいたしたいと、かように考えておりまするが、今直ちに海洋投棄をやるな、こういいましてもやりようがないわけでございます。そこでこういう緊急整備をしよう、施設をふやそう、こういうことでございますから、どうぞひとつさような意味において御了承を賜わりたいと思います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 それでは五カ年計画がどうも自信を持って遂行できるようなお答えでございますけれども、私は、この五カ年計画を遂行するには、非常に多くの困難な問題があろうと思うのです。まず、第一は、資金の確保だと思うのですね。第二には、それじゃそれだけの仕事をやっていく、事業を運営していく主体性の問題があると思います。第三には、そういう施設を作る場所をどうやって確保するか、こういう問題もあろうと思います。  そこで、一つ一つお聞きしたいのですが、厚生白書の中でも、政府の計画をする八千万人から排出されるところの屎尿、あるいはごみを処理していくためには、少なくとも、昭和三十七年の予算の数倍の予算を確保しなければできない、資金がなければできない、こういうふうにいわれているわけです。ところが、三十八年度の予算を見ますと、せんだっての委員会で局長が答弁しましたように、非常に不十分な予算だ、こういわれておるわけですね。そういう点で、私は、この資金の確保という第一の条件がほんとうに計画どおり行なわれるのかどうかということに非常に危惧を感ずるわけですが、まあそういう点について、これはせんだっての委員会でもちょっと質問しましたので、繰り返しになりますが、ひとつ再度、厚生大臣の確信ある資金の確保についての答弁をこの際いただいておきたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 五カ年計画の初年度にしては予算が少ないじゃないかということのたびたびお話が出まして、私も、その点はもう少し金があったらと思います。思いまするが、これも前回申し上げましたように、財政上のいろいろな理由、あるいは、また、技術的な理由——いろいろな理由と申しますのは、この屎尿処理等にいたしましても、日本における発達が非常におそいものだから、その方法論につきましてもいろいろ議論がありますので、それで三十八年度の初年度はこの程度でし、あと技術的な方法その他がきまれば、最終目標としての四十二年には完成しようじゃないかということでありますので、来年、再来年と、だんだん予算は上がっていくと思います。また、上げなければ、これは五カ年計画を遂行できません。したがって、三十八年に比較的少なかった、それにいたしましても三十七年度の五〇%増しでございます。しこうして、ことしはもうその範囲内で実施計画を実はやっておりまするが、本年度だけで百十八カ所の河川を指定いたしまして出発をいたしました。まだ事業といたしましては、どこでも一年でできる、単年でできる事業はありません。大体二カ年かかりましても、用地を探し、付帯工事をやりましても、一カ所どうしても二年、あるいは大規模のものでは三年くらいかかるわけであります。ことし継続は別にいたしまして、新規百十八カ所をかかりましたが、さらに来年度はそれに新規を加え、継続のものと新規を加えてどう、来年度、再来年度どう、相当の予算は獲得しなければならぬ、かように思っております。ただ、予算の立て方が単年度でございますから、五カ年間を割って、来年度はこうなる、再来年はこうなるという予算を示すわけには参りませんが、少くとも、最終目標の四十二年度の事業量をそれだけこなすということは、今後私たち十分な努力をいたさなければならないと思っておりますが、私は十分な自信をもってひとつやりたい、また、これをやらなければ、今のように、屎尿等にしても、農村関係ではできませんから、ほんとうにふん詰まりになってどうにもならないわけです。絶対に私はこれを確信をもってやろう。これは御案内のとおり、予算等におきましても、見積もりはいろいろ議論がございますが、今、標準単価が安いというようなことがありますが、これは屎尿処理のみならず、学校建築にいたしましても何にいたしましても、標準単価が安いということ、これにつきましても、標準単価を少しでも上げてもらいたい。今までの屎尿処理の単価は、人口一人当たりに対して千五十円の単価でありましたが、三十八年度の予算を組みましたときは、人口一人当たりにつきまして千二百円の予算で組んだのでございます。しかし、これも少しつらいのです。したがいまして、三十九年度の予算を組みます場合には、人口一人当たりに対する予算の増額をも期待いたしておるわけでございます。この標準単価を上げますれば、実際の建設費とこの補助金とのつり合いが非常にとれていくわけでありまして、いろいろな問題を含んでおりますけれども、ひとつこの五カ年計画を完成したいということにつきましては、私たちは十分な力をいたしたい、かように考えておる次第でございまするから、ひとつ何とぞ御協力のほどをお願い申し上げる次第であります。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 私も協力したいと思いますから一応質問しておるわけですが、しかし、少くとも、政府も所得倍増計画を作って、それに基づいて新産業都市計画なり、あるいはいろいろな首都圏整備計画にしても、やっておるわけですよ。そうすれば、いわゆる大体その的確な数字は言えないにしても、昭和三十八年、三十九年にはどういう所にどういう町ができ、どれだけの人口になる、そうして四十年にはどういう団地ができていき、どういう都市が発展をしていく、こういうことはおそらくそれぞれの計画の中にあるはずだと思うのです。そうすれば、昭和四十二年になったら最終的に、予算がここにありますけれども、千九百三十三億円ですか、これを四十二年度までに必ずそれだけで完成していくのだ、こう言われただけでは、私はちょっと不安を感ずるわけです。やはり今言った総合的な国土開発計画なりに基づいて、三十八年度はこのくらいの予算を大体とってやるのだ、あるいは四十年度はどうだというくらいのやはり目安というか、そういう計画を今持っておらなければ、私は、現実にこの行き詰まっておる状態がいつになってもこれは解消しない、そういうふうに思うのです。国民の不満というものが続いている、こういうふうに思うのですが、今の大臣の答弁ではちょっと納得できないのです。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 納得ができなければ困るのですが、この年度計画は今まで計画がなくて、厚生省だけが考えていろいろやるのですから、なかなかそれがオーソライズされたものになっていなくて、計画はしますが、実際予算の折衝のときは、やはり財政上の理由からもいろいろ思うようにいかない。今回は、それよりも法律に基づいてそれぞれ五つの計画を出す。第一番は幹線である下水道のパイプをどうするかという計画、第二番目は屎尿処理の計画、第三番目は単独にやる浄化槽の計画等、そういう計画を年度別に作り、最終の目標をきめ、事業量をきめて、それをこのとおりにやりますから、これをひとつ閣議決定してもらいたいという権威を持たせたいということです。もちろん私どもはその最終目標に向かって年度別の計画はやりまするが、その年度別の計画というやつは、結局、直接、年度々々の金の問題にかかってきますから、予算の立て方が単年度予算の立て方でございますから、継続予算というものは認められておりませんから、予算は単年度になりますけれども、最終の目標におきまして、その目的量を一つの閣議決定に持ち込みたい、そして、それを権威あるものにすれば、その計画に基づいてわれわれは行政をやることができるのでございますから、そういう意味で、十分今回の法律に基づいてりっぱな計画を出して、その計画を閣議の決定にしたい、それが認められれば計画どおりにそれが進んでいくという運びになるのでございます。十分その意味で御理解ができると私は思いまするが、御不審なところがありますれば、十分そういうことで御理解ができると思うのですが、どこが御疑問であるか、私もその疑問の点がちょっとわからぬのでありますが。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 厚生省の作った五カ年計画試案ですが、これはいわゆる到達目標だけでしょう。私は先ほどから言っているように、昭和三十八年度を初年度とする五カ年計画を策定する、こうなっております。少なくとも、もう昭和三十八年度に入っているのですから、こういう到達目標の五カ年計画なんというよりも、私たちがほしいのは、今、大臣が言われたように、三十八年度は下水道の幹線道を何本どういうところにどのくらい作るのだ、あるいは浄化槽をどのくらい作るのだ、こういうような具体的な五カ年計画を示してもらわなければ納得できない、こういうことなんです。それはまあ今出せと言っても無理でしょうから、次に譲りたいと思いますけれども、第二の問題として主体性の問題、いかにこういう施設を作り、あるいは整備をいたしましても、その施設を動かす事業の運営、これがやはり的確に行なわれなければ何にもならない。完全な公衆衛生の向上をはかることができない、こういうふうに思うのでありますが、この清掃事業の運営についてどういう方針をお持ちでございますか。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) 生活環境施設の運営、特に私どもの関係の汚物処理事業の運営につきましては、これは清掃法の各条文の思想にもございますように、それぞれ市町村、あるいは都道府県、国にそれぞれの責務が課せられているわけでございます。現実の事業の運営として望ましい姿としては、清掃法の形から見まして、地方自治体が主となってこれを実施していくということが望ましいと私どもは考えているわけでございまして、できます限りそういう方向に向かって運営の主体を強化していくというふうには努力をしたい、こういうような考え方を持っております。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 今それぞれ各地方自治体におきましては、私どもとしては、当然これは直営でやっていくべきだ、こういうように考えておるわけでございますが、しかし、いわゆる収益企業と申しますか、だんだん公営企業ではなくて、収益企業化しておるために請負化していくという傾向が非常に多いわけです。そこで、私は、あくまでもこの清掃法の規定に基づいて、国あるいは地方自治体の責任として、直営でこの運営をやっていく、そして、十分な従業員の確保、あるいは労働条件等についても厚生省としても指導監督をして、そして事業の合理化をはかっていく、このことが私は大切ではなかろうか、こういうふうに思うのです。そうでなければ、ますます収益企業化して、住民に対する手数料の引き上げとか、あるいは事業の運営にしても、この五カ年計画に沿ったような円滑な運営というものはできない、こういうふうに思うのですが、この点はいかがですか。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) 清掃法の中でも、一般市民の場合と、また、事業等に基づいて出て参ります多量の汚物なぞとは一応使いわけをいたしておりまして、先生のおっしゃる直営という思想も、これは一般論としてまあそういう方法がとられておるわけでございます。また、現実の姿を見て参りますと、屎尿、特に屎尿が主として肥料として使われておった、そのために一定の対価を得られるような有価物であったといういきさつがございまして、わが国の屎尿処理の仕組みというものは、各国に例を見ない特殊な形であったということは事実でございます。したがいまして、そういった問題を一応直視しながら、清掃法に示された直営の思想というものを生かして、汚物の処理が適正に行なわれる方向に持っていきたいということは、私どもも深く考えておる次第でございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 次の問題として、場所の問題ですね、施設をする設置場所の確保の問題ですが、私どもの地元におきましても、ごみの焼却場を作り、あるいは屎尿処理場を作る、こういうことになりますと地元で非常に反対をするわけです。したがって、なかなか確保できない。行政管理庁で調べた結果によりましても、そういうことで調整ができない件数が七三%にも上っておる、こういうことが言われておるわけですが、この設置場所の確保について、一体どういう手段と申しますか、方法を考えておられるのか。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) 従来、汚物処理の施設を設置する場合に、場所につきましていろいろ問題がありますことは御指摘のとおりでございます。場所の決定にいろいろとトラブルがございまして、地元の反対を受ける、あるいは了解を得るまでに非常に長時間を要するというようなことが事実ございます。しかし、私どもといたしましては、だんだんとこういう施設に対する理解も深まってきておりまして、事実上話し合い、あるいは市町村に対しまする県あるいは国の指導というようなことによりまして、ほとんど大部分の問題を従来とも解決し、処理して参っております。今後とも、さらに一般国民の方の理解を深めまして、できるだけ納得のいくような話し合いの上でこの問題を解決していきたい、このように考えておるわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 付近の住民と話し合って解決しておる、こういうお話でございますが、しかし、先ほど申しましたように、依然として七三%近い調整不能な件数がある、こういわれておるわけです。したがって、私は、今、局長が言われたことは、これはどうもただ精神的な言葉としか受け取れないわけです。現実にわれわれも耳にし、また、目にも見ておるわけですから、いかに汚物処理場の設置場所の確保に各市町村自治体が悩んでおるかということはわかるわけですけれども、そのためには、やはり何らかの設置場所の確保のために、法的な措置か、あるいは現在ある法律の適用によって、強制的な土地収用というようなこともやっていかなければ、この五カ年計画の遂行も非常に困難ではないか、こういうふうに思うんですが、そういうある程度の強制的な土地の収用、そういうお考えはございませんか。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) 七三%の不調という数字は、私どものほうでは十分理解できないわけでございますが、これはどういう時点の数字であるかわかりませんが、私ども仕事の上で感じます点としましては、補助金をきめ、また、起債のお許しを得るという場合に、土地がきまらなければその補助金も起債も流れてしまうということになるわけでございます。現実にそれが流れてしまって、そしてせっかくきまった補助金が役に立たなかったというような例は、皆無ではございませんけれども、決して七〇何%というような高い数字ではございませんで、この設置の途中の段階でいろいろのトラブルがあったものが七三%ということでありますならば、事柄の性質上、いろいろと近所に御意見があったというようなことはうなずけないわけでもないかと存じます。  なお、土地の収用につきましては、何か強制的な手段を考えてはどうかという御意見でございますが、これは私ども、ただいままでの段階では、先ほど申し上げましたように、こういう国民の日常生活に不可欠の問題でございます環境衛生上欠くことのできない施設でございますので、できるだけ土地の方の御理解を得る、あるいは公共的な土地を利用するというようなことに努力をいたしまして、強制ということにつきましては、一応ただいままでのところは考えていない次第でございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 厚生省に起債を申請し、あるいは補助金の申請をする場合には、土地がちゃんとできて、そうしてやってきますから、厚生省としては、それ以前の土地取得の上における地元住民との問題については、それはわからないかもしれません。しかし、厚生省にそういう申請をしてくる以外に、やはり各地方自治体の要求として、あるいはその地域の住民の要求として、こういう処理場を作ってくれ、あるいはこういう焼却場を作ってくれという声は、これは全国的に相当大きく出ているわけです。しかし、今申しましたように、用地の取得が非常に困難であるから、それが全部厚生省に上がってこない、結局話し合いができて、土地の取得ができたところしか厚生省のほうに上がってこない、こういうことになっていると私は思うんです。したがって、ほんとうにこれから八〇%近くの国民の汚物を処理するということになりますれば、私は、今のままでいったら、現実のままではこの用地取得というのは非常に困難である、こういうふうに私は思うんです。しかも、土地の値上がり等についても、これは年々膨大になっておりますし、これは先ほど言った一人当たり千二百円ぐらいの標準単価では、これは相当計画にそごを来たすと私は思うんです。したがって、私は、やはり公共的な立場に立って、ある程度の土地取得についての何らかの措置を考えていくべきだと、こういうふうに思うんですが、これは間違っていますか。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) 土地の取得が非常にむずかしい、また、それについて何らかそれを円滑に処理していく方策を講ずべきであるというお考えについては、私も全く同感でございます。そういう方向に努力をして参りたいと思います。ただ、その手段として強制的にやるということがいいか悪いかということは、この土地取得の難易の問題とか、あるいは今後の進展の問題とか、他の制度との関連とかいうようなことを十分考えた上でなければ、強制というところまで踏み切るということについては相当問題があろうかと思いますので、こういった点は十分考えさしていただきたいと思います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 まあ地域住民が反対をするやはり大きな理由としては、悪臭が出るとか、あるいは煤煙が出る、こういうところにあるんですね。したがって、そういうような悪臭をなくし、あるいは煤煙を防止する、そういう技術的な研究も私は当然あわせてやっていかなくちゃならぬと、こういうふうに思うんですが、そういう研究は厚生省として進めておられますか、また、そういうような設備がもうすでにできておりますか。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) 汚物処理施設に伴う悪臭、あるいは煤煙その他の公害に類するものについてでございますが、これは確かに生活環境行政全般がおくれておるその中で、まあ特におくれている部類の一つでございまして、御承知のように、煤煙の排出を規制する法律が昨年の通常国会で制定をみまして、ようやく一部分が動き出したという段階でございますが、しかし、この公害関係をめぐる諸般の問題につきましては、私どもも鋭意研究努力を重ねておるつもりでございまして、主としてただいまのところは煤煙問題を中心に、すなわち、大気を汚染し、あるいは大気を媒体とする公害問題というようなことを主体にして努力をいたして参っておるつもりでございますから、こういった技術の開発によりまして、汚物処理施設に対する一般民衆の見方というものもずいぶん変わってきております。たとえば横浜などの施設を見ましても、一見、公園と見られるようなりっぱな施設ができておりまして、付近の人が最初反対したことをまあ反省しておられるというようなことも聞いております。そういった面からも、土地の確保ということと関連いたしまして、付近からきらわれないようなりっぱな施設を作っていくというようなことで、技術開発にも努力をして参りたいと、かように考えております。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 最後にもう一度。そうすると、この煤煙の規制、あるいは悪臭の防止、こういうものについては、まあ各公共団体が厚生省にそういう施設の設置を申請してきた場合に、やはりある一定の基準なり、あるいは規制をして、あまり公害のはなはだしいような施設に対してはこれを許可しない、こういうようなやはり何らかの基準を設けるべきではないかと私は思うのですけれども、そういう基準はおありですか。またはそういうものをやはり許可の一つの要件としてやっていくお考えはございますか。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) 汚物処理の施設につきまして、それを許可する際に、直接公害問題の条件と結びつけまして許可する許可しないというような基準は、ただいまのところはそれは考えていないのでございますが、今度は違う方向からこれを見ますと、たとえばごみの焼却施設の大規模なもの、こういうものにつきましては、ばい煙の排出の規制法の建前から一定の規制を受けるということになるわけでございます。そういう面と、なお、技術が次第に開発されて参っておりますので、勢い設備そのものはよくなってきておりますが、この技術指導によりましてそういった公害ができるだけ少なくなるような指導を強化していく、こういった両方の面から先生のおっしゃるようなふうに指導して参りたい。また、法律の規定のあるものは、その規定によって取り締まりをしていきたい、このように考えたいと思います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 指導していく、あるいは取り締まりをしていく、こう言いますが、やはりこの施設をする際に、そういう公害を防止するようなりっぱな施設を作っていくということがまず私は何よりも先決だと思うんです。先ほど厚生大臣は、海洋投棄や河川への放流を禁止するよりも、まずこの施設を作ることが先決だと言われたと同じように、私は、公害が発生してからではもうおそいと思うんです。その公害の発生しないように、やはり政府は十分な資金の確保もして、りっぱな施設を作っていく、こういうことをまずやっていくということが大切でございますから、そういう点を私はこの五カ年計画を作るにあたって、十分技術を開発して、そうして地域住民が反対もしないで土地を提供する、あるいはそこに作られても、今例としてあげられた横浜のように、皆さんがその不満もないというようなことでなければならない、こういうふうに思いますので、そういう点をひとつ十分考えてもらいたいと思うんです。これで終わります。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 この法律は三十八年を起点として、かりそめの終着駅を四十二年に置いている。こういう五カ年計画で、なるほど言葉のあやはどうでありましても、下水の問題とか、ごみの処理の問題であるとか、ふん便の処理という問題について、言われるがごとく緊急にこの施設を整備、充実するということは必要だと思います。そういう中で、若干の紆余曲折はあっても、この法律が日の目を見るということを仮定いたしましても、今日ただいまの時点ではまだ歩いていない法律であります。そこで、この法律が、たとえば三十八年三月十一日の時点で本会議で厚生大臣が趣旨説明をなさいました。そういう関連の中で、やはり清掃法の一部を改正する法律案というのが、藤田藤太郎議員外数名の発議者、多数の賛成者を得て、やはり同時提案というような形に相なっているわけであります。そこで、やはり物事は、計画を立て、これにしかるべき予算的な措置をして一人前に歩ける、そういう方向にいくのが常道であろうかというふうに考えます。ものの順序から見まして、今この下水の問題であるとか、その屎尿処理の問題は、あす、あさっての計画を緊密に予算的措置で裏づける、そのことも大事でありますけれども、今日ただいま、そして、あす、あさっての問題をどうするかということについて私は若干お伺いを申し上げるわけであります。と申し上げまするのは、たとえば来年度においては東京オリンピックがある。私は、少し新潟の場合は早いじゃないかと思いましたけれども、ともかくも、ぜん立てができてしまいまして、来年はタイミングを同じういたしまして新潟では国体があるのだ。厚生大臣も、たとえば四月、五月の時点でやはり新潟に足を運んでおられると思います。かてて加えて、御承知のように、三十八年の一月の豪雪では相当に痛めつけられている。そういう中で、新潟県は、やはり衛生設備の点ではなかなかうまくいっておりませんので、伝染病の非常に激しいところなんです。そういう中で、あの豪雪の時点において、たとえば緊急災害の措置法の行なわれた地域では、それなりに厚生省の配慮で指導もされたし、天井から目薬の程度であっても、それなりの措置はされておると思います。しかし、今前段に申し上げましたように、りっぱなスタイルを整備して、三十八年度——三十八年度といっても、もうすでに半ばを過ぎておる。それで三十八年度を起点としておるわけです。これが予算を伴って一人歩きするのはなかなかたいへんだ。そういう中で、今日の問題——明日の問題はどうでもいいというわけじゃないのです。今日の問題が大事であるからこの五カ年計画をどうこうということではない。そのことも必要でありますけれども、今日ただいまの問題をどう配慮されておるか。一例を申し上げておきますが、今、新潟市におきましても、その他の来年の国体が繰り広げられるところの各地域におきましても、市長や、あるいは婦人会その他のものを動員いたしまして、盛んに清掃運動だとか何とかいって、市長、その他顔役がねじりはち巻で、盛んに草を取ったり、どぶを掃除したり、それから、ごみ容器をみんな家々に持て、持つことにだれも異存はないのでありますけれども、それから信濃川、阿賀野川に、くそ、小便を捨ててはいかんと言ったって、どうもふん詰まりで処理の方法がない、こういう状態でありますから、私の言わんとするところは、この五カ年計画も、言うならば、やはり下水やごみや、それから屎尿の処理という施設を緊急に施設をするその計画はけっこうだと思います。それに必要な予算を、今、柳岡委員が心配されておるように、そういうふうにして理解、納得が、かりにできても、この予算措置という問題については野放しで、了解をした、よろしゅうございますというわけにはなかなかいかぬぞということも、大事を踏むゆえにそう思うのでございますが、そこで、今日の問題は、今申し上げましたように、東京オリンピックでは、東京をきれいにしなければならない。背に腹はかえられないから、沖へ行って、そうして千葉県あたりの沿岸漁民が迷惑することは当然なんです。舞台はいなかで、非常に違いますけれども、新潟でも、現在やはり三十八年度もうすでにこの法案が一人歩きができるようになれば動き始めるでしょう。三十九年の時点では国体が開催されるというような点で、三十八年一月の豪雪の時点におけるいろいろな問題は処理ができていない。処理ができていないから、一体その時点においてどういう手を打って置かれたかということ。それから、今後の問題についても、非常にやはり漸次予算をつけて、実情に即してこの五カ年計画を実践されるといっても、いわゆる今明日の問題について十分処理ができるかどうか、実は私は、やはりこの中で目下勉強中でありますので、厚生省が厚生省の分として生活環境の五カ年計画をお立てになる立案過程において、各四十六都道府県から、かくかくに緊急施設を整備するのだから、各地域の立地条件のデータを出してほしい、そういう計画の上に立ってこの計画を立案したというふうに、かつて政府委員がおっしゃいました。そこで、私が新潟県の民生部にいろいろ聞いてみた。計画は出しました。出しましたけれども、これが大体十分施設されるかどうか。なるほど三十六年を起点として向こう十カ年計画は立てておる。それを五カ年に圧縮をして、緊急の名はついたけれども、新潟県の場合は、いわゆる三八・一の豪雪の跡片づけができていない。そこへ三十九年度は国体があるのだ。そういう中で、この屎尿処理の問題や、ごみ処理の問題はたいへんな問題なんだ。だから、やはりこの法律が一人歩きしても、栄養失調のような形で一人歩きしても何にもなりはせんのだといったような問題で非常に心配しているわけであります。その辺につきまして、かの三八・一豪雪の中で十八億とかの予算が全体の総ワクとして出ておりますが、そういう中で、ふん便処理の問題について、厚生省は、こういう金は渡すが、これをどういうふうに使えというようなふうに指示されておられるか。その関連の中で、そんなことは心配ないのだ、この法律が一人歩きすれば三十八年度から動くことになるから、三十九年度には速度がついているから、きれいにりっぱに国体ができるような環境整備ができるのだ、そういうふうになるか ならんかというような問題について、やはり私は、場あたりの質問のようになりますけれども、一応前段申し上げましたとおり、三十八年の三月十一日の時点で本会議の中でこの法案が提案された。そういう同時提案という、タイミングは同じであって、清掃法の一部改正という問題、この問題がむしろ先に歩きながら、そうしてこの施設を整備充実するという案が出て、現実を十分処理しながら、そうしてその裏づけとしてこういうしっかりした計画、それが栄養失調の予算のひょろひょろしたようなものじゃ言いわけになってしまうのだ、こういうふうに配慮しますので、その辺のところをひとつ厚生大臣——厚生大臣も新潟に五月に一回、六月に一回行っておられると思いますので、十分新潟のほうでは実情を——知事さんも議会にもなれ、しゃばなれしておられますので、十分厚生大臣にもそれなりの強い陳情や要望があったと思いますのですが、そういうようなことをあわせ兼ねて、ひとつ五カ年計画ができれば実はこういうふうになっていくのだ、何もそうあせって、ばかな金を使って太い陳情をしなくてもいいのだというような、ひとつ安堵を与えるようなニュアンスを得られるかどうか、厚生大臣から私の問わんとするところに対する若干の見解を承っておきたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 東北地方は、とかく環境衛生がおくれておったと思うのであります。それはやはり農村還元ということが反尿の場合には相当に考えられておったからじゃないかと思われますし、なお、一般的に東北方面は施設がおくれておりますが、困りましたのは、屎尿の処理であると思います。実は、国体のあるということを反映してかもしれませんが、新潟県といたしましては、屎尿設備の希望が非常にたくさんな個所から出されております。出されておりますから、今年度の実施計画といたしましても、相当に新潟方面は考えましてやったつもりでございます。しかして、私が新潟方面に参りましたのは、実は今言いましたように、三八・一豪雪で、普通なことをやったのでは、また雪害時期に非常に困るのじゃないかというふうなことも多少考えましたので、その方面も多少見たいと思って行ったのでございます。御承知のように、あのような雪の場合でございますと、下水道による終末処理であれば、雪がいかに降りましても問題がないわけでございますが、大部分はくみ取り式でございますと、消化槽がありましても、そこまでくんで持っていくことが困難じゃないか。いわんや、くみ取ることそれ自身が非常に困難じゃないか、かように思われるのでありまして、でき得べくんば下水道をやって、そうして完全なものにしたほうがいいのじゃないか、こう考えられるのでございます。しかし、そうなりますと、今、衛生施設をしているところは非常に少ないのに、初めから下水道でやるということは非常に年月がかかる。そこで、とりあえず消化槽の施設でもって処理するとしても、将来やはり下水道による終末処理施設というふうに転換ができるような方法で考えるべきじゃないかという感じを持って帰ったのでございます。したがいまして、私は、東北方面は、新潟にかかわらず、あのような豪雪があることを考えまして、これは雪のないところとは別な観点をもって、消化槽の施設をやる場合でも、その位置、その施設の方法というものを十分下水道に切りかえられるようなことでやらないと、将来に災いを残すと、かように感じて帰ったのでございます。したがいまして、そういうような施設は将来考えるといたしましても、すべてのところが不衛生なことで、ほとんど施設がございませんので、とりあえず消化槽でやりまするが、希望も非常に多いことでございまするから、十分その辺は実施予算において考慮をいたしたつもりでございます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 ちょっともう一つだけ。政府委員の方でけっこうですが、新潟市地域その他で国体が繰り広げられるという展望の中で、いろいろの関連のある地域では、新潟の実情というものは、ただでさえごみ手数料の問題に対して、手数料が適当でないのだという形で、非常に署名だとか、いろいろ社会問題、政治問題化すような動きの中に、さなきだにこのごみの処理に対して、容器を強制的に持て、それは金はよこさないのですよ。そういうような形で非常に混乱をしておるのです。また、この市町村の公共団体からいけば、それはごみをふたのできる容器に入れて十分清掃することがいいからそうするでしょうけれども、予算の措置も考えず、顔役やなんかを見てそれをして、それは金のある人はきれいなことですから持つんですけれども、持たない人と非常に混乱があるので、これは筋の通った行政指導でやはりさらに何らかの配慮をするような工合にしなければいかぬと思うのですが、こういうような点についてどういうようなお考えを持っておられるか。それは新潟に限らず、どこでも大同小異です。このごみの処理に対して、各家々にふたのつくような容器を、ぶっつけ本番でなくて、何か容器をというような格好でやっておると思うのですが、そういう点についてひとつ。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) ごみの収集につきまして、容器の点をどう考えるかというお尋ねに集約できると思います。この点につきましては、最近、東京都内におきましても、収集容器ということで、一定のふたのつきました容器にごみを入れまして、それを一定時間に収集していくというようなことをやっております。外国の例は私どもつぶさには承知いたしておりませんが、容器のサイズをきめまして、その容器を循環的に使うというように、非常に理想的に行なわれておるところもあるように聞いておるわけでございますが、したがいまして、財政その他の事情が許しますならば、この容器等によりまして能率的な収集をしていく、また、外部からそれを見ましても、都市の美観をそこなわない、環境衛生上そごのないような形で処理していくということにつきましては、ぜひ望ましいわけでございますが、今直ちに国の制度として、国の方針としてこの容器について強制的にこれを云々するということは、まだその時期ではない、もう少しなおその前に、先ほど来申し上げておりますような受け入れ態勢というようなものを整備してかかるということが順序ではないか。しかしながら、国体その他の特殊の行事を控えておるところにつきましては、たとえば東京都のオリンピック対策にいたしましても、また、地方公共団体における国体の場合にいたしましても、できるだけ既定の予算の範囲内で、行事の実施に支障のないような運用の面での協力、あるいは指導というようなものは従来ともいたして参ったつもりでございます。また、今後とも、そういったことにつきましては十分話し合いまして、実情に合うようにひとつ実施をして参りたい、このように考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、二、三厚生省と大蔵省に質問いたしたいと思います。  この五カ年計画は、まあわれわれ質疑をしてきたのでありますけれども、厚生省の説明を聞き、建設省の説明を聞いたのでありますけれども、十カ年計画の上に緊急五カ年計画をやって環境衛生を高めようというこの法律案の出し方について、少しあわてられたといいますか、具体的な年度ごとの計画その他が十分にこなされていないというきらいが非常に強いのであります。そこらあたりに私たちの十分これを理解でき得ない問題点があるわけで、非常に残念だと思っているわけであります。そこで、私は、この問題について今まで質疑をしてきましたから、いずれ大臣その他が答弁されたように、私たちや国民が納得するように、至急にこの問題の処理はされると私は思うのでありますけれども、問題は、政府全体の環境衛生に対する熱意の問題を私はここで少し問題にしておきたいと思うのであります。と申しますのは、たとえば厚生省が今度の環境衛生、屎尿とごみの問題についても、ある程度前進をして、オリンピックを控えておるということも一つの問題でありますけれども、ところが、実際に、たとえば予算上で見ますと、百三十九億も今年は要求しておるのに、たった二十二億の査定に終わっている、それでまあ厚生省も、予算できまったのだからということで、ここで苦しい答弁が続けられている。だから、そういう条件のもとだから、この五カ年計画もわれわれの期待に十分こたえることができないというのが、私は大ざっぱに言って、この法案審議の過程だと、こう思うのです。   〔委員長退席、理事阿具根登君着   席〕 ですから、私は大蔵省にお聞きしたいのでありますけれども、これは厚生省が出したから、その財源の関係だけは他と調整の上でとにかく処理をしておけばいいのだと——これは専門的な主計官がおいでになるわけですから、厚生省は厚生省、労働省は労働省という工合に、その事業の本質をつかまえて、そのより実効が上がるというところに私は国全体の予算をやっぱりやっていかない限り、各省が幾ら努力しても実効が上がらないという答えになってしまうと、こう思うのです。だから、大蔵省としては、このような問題についてどういう心がまえでおいでになるか、日本の環境衛生については、どうとらえて今度の三十八年度の予算をきめられたかということをひとつ明らかにしておいてもらわないと、この法律ができたけれども、結局は絵にかいたもちのような結果に終わってしまいやしないかという心配を私はしておるわけであります。大蔵省は、日本の環境衛生の問題を進めるにあたって、どの程度の理解をし、どれくらいの心がまえをしておられるか、ひとつ大蔵省の見解を聞いておきたいと思います。

船後正道大蔵省主計局主計官

○説明員(船後正道君) 先ほど来、本委員会の御審議を拝聴いたしておりまして、生活環境施設の整備がきわめて重大な問題であるという点につきましては、私ども全く同感でございます。厚生省所管の終末処理施設、屎尿消化槽、この予算をとって見ましても、ここ数年来、御承知のとおり、対前年度三割ないし四割という伸び率でふえてきております。これはまあそのときにおける一般会計全体の伸び率、あるいは一般の公共事業費の伸び率、これに比較いたしまして、かなり大幅な伸びであったわけでございますが、特に三十八年度につきましては、この終末処理と屎尿消化槽と両者を合計いたしまして三十七年度約二十四億円が約四十億円、かように七割程度の増額をみたわけでございます。もちろん、これにつきましても、まだ不十分であろうという御意見もあろうかと思うのでございますけれども、何分財源は限りがございますが、財政需要は限りがないわけでございまして、この限られた財源の範囲内で種々の財政需要の相互間のバランスをはかりながら配分していくということになるわけでございますので、この点は御了承をいただきたいと思うのでございます。なお、ただいま御審議中のこの法案が成立いたしますれば、これに基づきまして、今後五カ年間の到達目標というものが五カ年計画の形で策定されるわけでございます。今後の予算につきましては、この計画の線に沿って、でき得る限りの配意をして参りたい、かように考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 財源が云々というお話がございました。ことしはあなたのおっしゃるように、七割あまりふえていることも事実です。しかし、厚生省の要求が百三十九億であって、それで二十二億くらいに査定がされるということになると、私は厚生省にお尋ねしなきゃならぬと思うのです。その百三十九億が二十二億というと何分の一になりますかね、七分の一近くに削られて事が終わるというようなことで厚生省は黙っておられるのかということになるし、そうして、また、厚生省としても、そういう予算の立て方でいいのかどうかという反問が私自身の中に起こってくるわけです。ですから、私は、そういう格好で今後の環境衛生の問題が扱われるということになると、大蔵省は査定されたけれども、この五カ年計画も、この法律が通ったら、その趣旨に沿って云々とおっしゃるけれども、このような厚生省に対する処理の仕方であったら、私は、この法律が通ったってから回りしてしまうという以外にしか考えられないというところから私は質問をいたしておるわけであります。ですから、実際問題としてそういう条件があるから、厚生省も思い切ったことが十分に言えないというところで私は同じ質疑を繰り返さざるを得ぬという残念な委員会の運営になっている、これもそういうところから出てきているのではないか、こう思うのでありまして、きょうのところは、私は、まあ大蔵省がこの趣旨に沿って、厚生省や建設省がおっしゃったことをここで聞いておられるわけでありますから、この聞いておられたことは完全に、少なくとも、最低限これだけは実施するという、こういうことに了解してよろしいかどうか、これだけをひとつ大蔵省にもう一度聞いておきたいと思う。

船後正道大蔵省主計局主計官

○説明員(船後正道君) 何分今後の問題につきましては、予算はその年度年度の経済情勢、財源状況を勘案して決定されるわけでございますので、どの程度の今後の予算の計上が伸びるかという点につきましては、これは確言できる段階ではございませんけれども、先ほども申し上げましたとおり、この生活環境施設の整備はきわめて重要な問題でございます。十分その点は念頭に入れて考えて参りたいと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 どうもその辺のところが私は残念でしようがないわけですよ。私は最低のことを言っておるのです。あなた方もそこで聞いておられるが、厚生省と建設省が、これだけのことは法律の趣旨としてやりたいと、こうここでおっしゃっておるのですから、少なくとも、今この委員会がこの生活環境施設整備法を取り上げて議論をして、担当行政庁がお答えになったことぐらいは、これは法律が通ったらやるという心がまえがなければ、厚生省だって建設省だって、今後仕事はできないと思う。そこのところだけを言っておるのです。この点は大臣に来てもらって明確にすべきなんですけれども、私は遠慮して担当の主計官に来ていただいておるわけですけれども、ここでは、そんなできるだけなんということのないように、明らかにしておいてもらわぬと、これは厚生省だって建設省だって、これはたいへんですよ。そこのところはひとつ心から確認をしておいてもらいたい、これをひとつお願いをします。それで、くどくは言いませんから、大臣においても、私は、この点だけはここで討議され、   〔理事阿具根登君退席、委員長着席〕 議論して、われわれも理解したというのは、質問、答弁の中で、これだけのことは最低やりたいということですから、これはひとつきちっと厚生大臣もその決意で、私は、足らないことがあると、私たちとしてはこれだけではとてもから回りをするのじゃないかという不安を持って、まだ解消いたしませんが、ひとつそれは大臣としても決意を持っておいてもらいたい。  それから、ここでもう一つだけ大臣にお尋ねをしたいのでありますけれども、私は、ごみ、それから屎尿、下水、終末処理と、こういう工合に詰めて参りました。しかし、これはやはり近代国家を目ざす日本として、何としても大事なことは私は行政だと思うのですよ。事業の主体がどこにあるかという、このことだと私は思う。だから、設備その他は政府の指導によって自治体がおやりになるということになりますけれども、残念ながら、今のところ、ごみと屎尿をあげてみますと、ちょうど反対に二〇%と八〇%が直営と民営ですね。ごみは八〇%が自治体、二〇%が民営、屎尿は八〇%が民営といいますか、直接やっていないで、二〇%が直接だと、こういう実態なんであります。私は、やはりこのような事業は地方自治体の固有事務としてやらない限り、この問題はほんとうに厚生省が指導して環境衛生を高めていくということにそぐわないと思うのです、民間にまかしたり、そういうことをしておいたら。だから、これは何といっても、原則的に地方自治体の固有事務としてやるべきものだと、私はそう思うのです。自治省もそういう見解であるようですが、厚生省としても、これはやはり積極的に固有事務として市町村、要するに地方自治体が直轄してこのような環境衛生の諸事業はやる、屎尿処理やごみの収集、焼却はやるということを強力に行政指導してもらわない限りは、ここで論議し、厚生省が環境衛生を高め、国民の幸福を高めていこうということとはつながらないと、私はそう思う。その点について大臣の見解を聞いておきたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) この清掃事業が地方公共団体の固有の事務だということにつきましては、私もそうでなくてはならないと思います。したがいまして、今までもそうでしたが、今後もそういうふうな指導を十分いたします。ただし、藤田さんも十分御承知のとおり、屎尿処理が八割も請負だ、しかし、ごみは二割しか請負でないという歴史的な経過というのは、やはり従来は屎尿は利用価値があったからでございます。今や利用価値が全然ないようなことになったのでございまするから、その間に、この改善に経過的な措置が要るだろうということで、一日でそれの切りかえはできないということを言っておるのでございまして、決して今の状況がいいものだと思っておりません。あくまでも、やはり市町村の固有の事務だ、しかも、非常にこの面が国全体としておくれておる、国民全体の認識が今までも足らなかった、そういうようなことが積もり積もって今日のような状況になったのでございまして、厚生省の計画といたしましても、十カ年計画を立てたときには、まだそれほどの切実性をもってやはり考られておらなかった。だんだんそれではいかぬということになりましたので、私たち責任を持っておる当局といたしましてもそうでございまするし、大蔵省当局にいたしましても、だいぶこれは屎尿に対する認識が変わってきたと私は思います。したがいまして、この法律が通りまして、計画が閣議に提出されましたら、それを認めてくれれば、大蔵省も必ずやわれわれの希望する予算をこれはひとつつけてくれるものだと、かように私は考えておるものでございますので、ひとつ固有の事務ということは、私、あらためてそういうふうに今後も指導して参りたいと、かように思う次第でございます。

鈴木強日本社会党

○委員長(鈴木強君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

鈴木強日本社会党

○委員長(鈴木強君) 速記を起こして下さい。  生活環境施設整備緊急措置法案についての質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木強日本社会党

○委員長(鈴木強君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより、生活環境施設整備緊急措置法案の討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木強日本社会党

○委員長(鈴木強君) 御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。生活環境施設整備緊急措置法案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

鈴木強日本社会党

○委員長(鈴木強君) 多数でございます。よって、生活環境施設整備緊急措置法案は、多数をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、この際、各会派共同提案にかかる生活環境施設整備緊急措置法案に対する附帯決議案を提出いたします。  まず、案文を朗読いたします。     附帯決議案  一、政府は速に本法に基き五ケ年計画を樹立しその内容を公表すること、なお計画対象は、出来る限り広範囲とすること。  二、生活環境を抜本的に改善するため、清掃法、下水道法等について、すみやかに所要の改正をおこなうとともに、総合的な公害対策の樹立につとめること。  三、政府は、自治体に対して、自治体が責任をもつて清掃事業の適切なる実施を期するよう行政指導すること。  四、施設の整備にあたつては、住民に負担をかけないようにつとめること。  五、清掃事業に関する地方交付税の算定基礎を実情に見合つてすみやかに合理化するようつとめること。  六、政府は、悪条件下にある清掃事業職員の待遇改善のため特別の配慮を行うこと。  七、生活環境施設の設置にあたつては、とくに農漁業に悪影響をあたえないよう配慮すること。  この附帯決議案の説明は、質疑の中でいろいろ相互に議論がされたのでありまして、この説明は省略をいたしたいと思います。

鈴木強日本社会党

○委員長(鈴木強君) ただいま藤田委員から提出されました附帯決議案を議題といたします。本附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

鈴木強日本社会党

○委員長(鈴木強君) 総員挙手と認めます。よって、各会派共同提案にかかる藤田委員提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  この際、本附帯決議について、厚生大臣の御所見を求めます。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 政府といたしましては、ただいまの附帯決議の趣旨を十分尊重し、善処いたしたく存じます。

鈴木強日本社会党

○委員長(鈴木強君) なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木強日本社会党

○委員長(鈴木強君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。   —————————————

鈴木強日本社会党

○委員長(鈴木強君) 次に、老人福祉法案を議題といたします。  これより質疑に入ります。御質疑のある方は、順次御発言を願います。  ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕

鈴木強日本社会党

○委員長(鈴木強君) 速記を起こして下さい。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 私は、本法案で、次の用語の定義について、その解釈等を御説明願いたい、こう考えます。本法の中で、老人の定義、これについて規定がございませんので、まず、その老人に対しての定義についてどういうふうにお考えか、これを明確にお示しを願いたい。

大山正厚生省社会局長

○政府委員(大山正君) 老人福祉法案の立案に際しまして、老人の定義を法案の中に入れるかどうかということにつきまして検討したのでございますが、一定の年令で区切りますことにつきましてはいろいろ問題があるのではなかろうか、かように考えまして、意識的に定義を避けまして、社会的通念から言って、老人と自他ともに考えられるような人のための福祉ということに考えたのでございます。ただ、具体的に施策をするにあたりましては、たとえば健康診断を行ないますとか、あるいは老人ホームに入所の措置を講ずるというような条文につきましては、一応年令を区切りまして、「六十五才以上」というような表現を用いたのでございますが、法律案全体としては、特に定義は設けない。この点は、児童福祉法の児童の定義などとはいささか趣きを異にするのではないか、かような考え方でございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 この定義については、立案にあたっていろいろ論議されたことは事実でございますね。今のような解釈のもとにこれを挿入することは取りやめた、こういうふうなことでございますね。そこで、それならば老人の福祉の解釈でございますが、この法案を見ますと、まことに福祉の措置がきわめて貧弱なように考えられるのでございますから、老人の福祉というもののあり方をどのように解釈しておいでになるか。

大山正厚生省社会局長

○政府委員(大山正君) 老人の福祉の、「福祉」という言葉の定義はどうかというお尋ねであろうかと思いますが、これも非常に抽象的なことになりますが、一般に老人のしあわせを高めると申しますか、そういうような程度の考え方であるわけでございますが、そのものの考え方といたしましては、二条、三条が基本的な理念というように考えておりますが、やはり健全で安らかな生活が保障されるように、しかし、それは、ただ老人が安穏に老後を送ればよいということでなくて、やはりその多年にわたる知識、経験を社会に役立たせるように、あるいは健康を保持するように、あるいは、また、日常の生活が自分の家庭で営めないというような人につきましては、いろいろ老人家庭奉仕員を派遣するとか、あるいはそれぞれに応じた施設に入っていただくというようなことによりまして、一般の老人の方のしあわせが高まるように、同時に、特殊な保護と申しますか、福祉の措置を必要とする方につきましては、そういう特殊な福祉の措置が講ぜられるようにと、こういうような考え方で、一般の老人の方、それから特殊な保護、あるいは援護の必要な老人の方と分けて福祉を考えるべきだ、かような考え方でございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 私が申し上げますのは、この法案をずっと拝見いたしまして、非常に貧弱だと思うのです。私たちが考えておる老人の福祉という点につきまして、それで今お伺いしたわけでございますが、今あなたの御答弁のようなことにつきましては、逐条的に御質問を申し上げて問題を明らかにしていきたいと思います。  それでは、本法案の原理と基本的理念との関係についてはどのように考えておいでになるか。基本的理念というので第二条が起こされておりますが、原理と基本的理念との関係がまことにあいまいだと思うのです。立法上の問題でありますが、基本的理念は目的の中に入れるか、あるいはまた、原理として取り扱うほうがよりよいのではないかと、こういうふうに私には考えられますが、原理を具体化するということのほうが望ましいように私考えますが、どういうふうにこの点はお考えになるか。目的の中に入れるか。

大山正厚生省社会局長

○政府委員(大山正君) 第一条が本法案の目的ということで、このときの表現といたしましては、「老人の福祉に関する原理」という言葉を使いまして、原理、原則といったようなことを明らかにするんだという考え方でございますが、二条、三条におきまして老人福祉を考える場合の基本的な理念というものを明らかにしてはどうか、いわば老人憲章とでも言いかえてもよろしいでしょうが、老人憲章は、別に法律そのものとしてでなしに考えるとしまして、法律を立案するにあたっての基本的なものの考え方というような意味で、二条、三条を基本的な理念として別に掲げたわけでございます。したがいまして、二条、三条、あるいは四条というふうなことをひっくるめまして原理というふうに考えまして、第一条には「原理」という言葉を使ったわけでございますが、御指摘のように、非常にここに原理と理念で何か特別な意味があるかということになりますと、必ずしもそう厳密な使い分けをしたという意味はないと思いますが、第一条におきましては「(目的)」として、原理、原則を明らかにするのだ、二条以下において、またあらためてものの考え方を少し詳しく表現した、そういうような考え方で立案した次第でございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 したがって、私は、こういう分け方をするよりも、むしろ目的の中に書いたほうがいいのじゃないかというふうに考える。そこで、今立法にあたってのお考え方を伺いました。そこで、老人福祉法案という名称で提出されたわけでございますから、老人福祉に関する総合的立法というふうに解釈してよろしうございますか。

大山正厚生省社会局長

○政府委員(大山正君) 老人の福祉に関係ある問題といたしましては、具体的にこの法律の中に盛られましたいわゆる社会福祉的な見地の老人福祉のほかに、たとえば年金の問題でありますとか、あるいは老人の職業なり労働の問題でありますとか、あるいは住宅の問題でありますとか、いろいろほかにもあると思います。そういうものを総合した立法という形が一つ考えられるかと思いますが、何と申しましても、老人の年金の問題でありますと、やはり国民年金法の体系がある、あるいは住宅の問題であれば、住宅関係の法律なり制度がある、また、労働の問題につきましては、労働省の問題、あるいは法律があるというようなことになりますので、それらを全部総合した法律を作るということは、不可能とは申し上げられませんが、非常に困難があり、また、現在の法律制度の建前からいうと、必ずしも適当ではあるまい、こういうように考えまして、第一章の総則におきましては、それらに通ずるような理念、原理を一応掲げますが、第二章以下の具体的な措置といたしましては、児童福祉法でありますとか、身体障害者福祉法でありますとか、精神薄弱者福祉法等の例にならいまして、厚生省所管、特に社会局所管というようなことに相なろうかと思いますが、そういうような具体的ないわゆる社会福祉面における福祉措置ということを掲げた、こういうような体裁になっておりますので、御指摘になりましたような老人福祉全般にわたる総合立法をするというような観点から見れば、あるいは内容が乏しいということになろうかと思いますが、それらに通ずる原理、原則だけは明らかにしておきたい、具体的な条文としては社会福祉的な面を取り上げて規定した、こういうような趣旨でございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 結局、一般から見ますと、老人福祉法である以上は、老人福祉が個々にりっぱに守られるものでなければならない。総則の中ではそういうふうな方向に目的として表現されている。ところが、今内容になれば、いろいろな関係各省にわたるから、思うようにいかない。けれども、老人の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じるということになれば、住宅であるとか、あるいは年金であるとかいうようなもの、また、労働であるとか、こういうものが一つにまとまってこなければ、生活の安定、老人の福祉というものにはならないと思う。したがって、これは老人福祉法という名に値しない法案ではないかというふうに私は考えますが、どういうふうにお考えでしょう。

大山正厚生省社会局長

○政府委員(大山正君) その点の御批判まことにごもっともでございますが、現在の制度から申しまして、たとえば国民年金法のうちから老齢年金の部分だけこちらへ持ってくるということも、実際問題としては不可能でございますし、また、そうすることが適当とは思われないのでありまして、やはり年金は他の年金と一緒にしました一つの制度がよろしいのではあるまいか、あるいは、また、保険医療の問題につきましては、老人の一斉健康審査のことにつきましては、この法案の中に取り入れるように立案したのでございますが、たとえば医療に関する社会保険のようなことをこちらへ取り出すというわけにも参りませんし、あるいは老人の労働問題、職業問題を、たとえば職業安定法なり何なりからこちらへ移すということもできないわけでございますので、現在の法律制度の体制から申しますと、全部ここへ統合する、たとえば老人の税金については、税法からはずしてこちらへ持ってくるというわけにも、やはり実際問題としてできないのではないかというふうに考えまして、まあ現在までできております福祉立法、たとえば児童福祉法でありますとか、精神薄弱者福祉法、あるいは身体障害者福祉法等につきましても同様な問題があるわけでございますが、この程度の形に取りまとめて、全般に通ずる原理、原則だけはひとつ老人福祉法としてうたいたい、しかし、あとの具体的内容は、狭い意味の社会福祉面における福祉立法である、このように考えまして立案した次第でございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 目的のところであまりに大きく出ておりますから、それで私質問するわけです。それと同時に、今、児童問題でも、やはり児童政策の一本化ということがいわれているのですね。せっかく出しても、いろいろな点に制約されて、思うように法案の目的が達せられないのではないかということを憂うるものでございます。  以下、逐次お伺いいたしますが、そこで、第二条の基本的理念、ここに社会の進展に寄与することは人間本来の責務であって、義務である。寄与することによって老人が敬愛されるというのではなくて、すべての老人は人間として敬愛され、その福祉が高められなければならない、こういうふうに私は考える。ところが、本法案によりますと、「老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として敬愛され、」というような表現が使われている。この表現は適切ではないように考えますが、いかがでございますか。でないと、社会に寄与したから敬愛されるということになると、私は、社会に寄与しなかったというような考え方もあるだろうし、社会的に見てそういうふうな批判の出る場合もあるだろうと思う。私は、老人は人間として敬愛される、こういうふうでなければ本法案の趣旨にそぐわないように思うのですが、いかがでございますか。

大山正厚生省社会局長

○政府委員(大山正君) 御説のように、老人が人間として敬愛されなければならないのは当然だと私どもも考えております。ただ、その点は、老人のみならず、あらゆる人間についていわれることでございますので、老人の問題を特に取り上げた場合に、福祉を考える基本的な考え方をどこに置くかということで、いろいろ考えてみたのでございますが、やはり老人の生活の保障ということと、単にそれは経済的なその他の保障だけでなくて、やはり精神的に老人を敬愛するという気持が老人福祉の根本になるのではあるまいか。そうすると、その老人を敬愛するということはどういうところからくるかというと、もちろん人間として敬愛すべきでございますが、特に老人ということについて考えた場合に、個々の例外はあるといたしましても、一般的に総じて申しまして、やはり現在の社会を築き上げたのは、老人の方々が若い時代に大いに働かれたというのが結局今日の時代を作っているわけでございまして、そういうような意味合いにおきまして、やはり社会に寄与してきたということの意味において、特に老人を敬愛するという、その念をやはり老人福祉の基本に置くべきではあるまいか、そういうような考え方で立案したのでございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 それを特にそういうふうに引き出さなくても、老人が人間として敬愛されるということでいいじゃないですか。

大山正厚生省社会局長

○政府委員(大山正君) たとえば児童の場合に、児童憲章その他に、児童が人として敬愛されるという表現があったかと思いますが、これはやはり児童というものが一人前の人間でないというような考え方で扱ってはほんとうの児童福祉にならない、やはり児童を一人前の人間として敬愛すべきだというふうな意味だと私は理解しているわけでございますが、老人にそういう表現を考えました場合に、老人は、ほうっておくと人として敬愛されないのだというような点は別にないように思いますから、人として敬愛するという表現を特にとることがはたして適当かどうかというような考えがあるわけでございまして、やはり老人ということを特にうたう以上は、やはり多年にわたって社会の進展に寄与してきたという点に着目して表現をするのが適当ではあるまいか、私ども立案者としてはそういうように考えた次第でございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 立案にあたって、そういうことは論議されなかったのですか。

大山正厚生省社会局長

○政府委員(大山正君) 「敬愛」というような言葉の使い方が、はたして現在の若い人たちの世代にどのように受け取られるかというような点につきましても、ずいぶん中で論議したのでございますが、いろいろ論議の結果、この表現が最も妥当な表現ではあるまいかということで、私どもとしては、この案ということに一応結論を得た次第でございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 若い人たちに老人を敬愛する考え方を育成していく上からいっても、人間として敬愛されるということの表現のほうが役立つと、私はそういうふうに解釈いたします。  そこで、第三条におきまして、「老人は、その希望と能力とに応じ、適当な仕事に従事する機会その他社会的活動に参与する機会を与えられるものとする。」と、こういうふうに規定されているのですが、ところが、この規定についてどういうふうなことが考えられ、どういう方法でこれが実現をおはかりになるお考えでありますか、それからお伺いいたします。

大山正厚生省社会局長

○政府委員(大山正君) ただいまの三条二項の規定でございますが、これは先ほども申し上げましたように、老人に関係のあるいろいろな施策、厚生省のみならず、その他の各省の施策におきましても、こういうものの考え方でやっていただきたいというような意味で、ここは総論的に言っているわけでございますので、たとえば労働省でやっておりますいろいろな労働の政策、あるいは職業雇用の政策というような面について、十分こういうような考え方でやってもらいたいというような希望を表現しているわけでございますし、また、本法律案の中におきましては、第十三条に、「老人福祉の増進のための事業」ということで、地方公共団体が、いろいろ老人の心身の健康保持のために、たとえば教養講座でありますとか、あるいはレクリエーションでありますとか、老人が自主的に積極的に参加できるようないろいろな事業を実施するようにということを十三条に書いたわけでございますが、こういったことだけでなしに、あらゆる面におきまして、老人が、やはり単に労働、あるいは職業雇用といったような面だけでなしに、一般的な社会活動におきまして、たとえば社会奉仕的な活動でもよろしいわけでございますが、そういうようないろいろな面において参加するように、国も地方公共団体も、あるいはその他一般の国民も、ひとつそういう考え方でやるようにしてほしいという、そういうような願望をここへ表現する、そういうような考え方でございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 せっかく老人福祉法と銘打って、ここには「老人は、老齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して、常に心身の健康を保持し、その知識と経験を社会に役立たせるように努めるものとする。」、老人は、だれでもそういう希望は持っておるのです。自分の知識をもっと社会に役立たせたい、もっと働きたい、もっと働く場所がほしい、こういう希望を持っていない老人はないと思う。ところが、今言うように、今の社会の状態から推しまして、老人は定年制に——五十五才ですか、今大体五十五才。それから、それまであった仕事から追われるのですよね。それで、自分の知識を役立たせたいと思っても、若い者は歓迎されるけれども、お年寄りは、もう中高年過ぎたら、なかなか就職の機会はないのです。だから、これを出す以上は、もっとはっきり何か確信を持つ具体的な実現の方法等の御配慮があるのかということで私はお伺いしているのです。

大山正厚生省社会局長

○政府委員(大山正君) ただいまの三条一項の考え方につきましては、先生がおっしゃるとおりでございまして、二条を受けまして、やはり老人の側から、何か一つの努力目標と申しますか、そういうものを書くべきではあるまいかという考え方でこの一項を書いたわけでございますが、一項が実現されるために、どうしてもそのうらはらと申しますか、そういうような意味で、二項のように、やはり国なり地方公共団体、あるいは社会全般が、そういうような考え方で老人にそういう機会を与えるように努力しなくちゃいかぬ、そういうことで二項の表現をとったわけでございますが、その具体的な現れについて一体どうするのだということでございまして、まあ四条の二項に、国、地方公共団体がいろいろ施策を講ずるにあたって、「前二条に規定する基本的理念が具現されるように配慮しなければならない。」ということで、特にこういうこととは限定はしておりませんが、一般的に、老人の福祉に関係のある、あるいは老人に関係のある施策については、この基本理念によってやるようにという考え方を表明したのでございまして、まあ本法案の中における具体的な条文としては、先ほど申し上げました十三条によってそれを推進していくように、あとは具体的な運用の問題として、私どもその面について今後大いに努力して参りたい、かように考えます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 これはね、大きく老人福祉法とぱっと出した、いかにも老人の福祉が守られるように。ところが、中を見ると、まことにお粗末です。せっかくここまで立案に踏み切られて、それで老人に対するあたたかい気持からここまできた。ところが、それがないことが、結局、画龍点睛を欠くというのですか、そういうような結果になっているように私どもには考えられてならない。もう一歩踏み込んで、したがって、私は、ここに老人福祉増進の責務、第四条ですね、これに対しては、ただ「国及び地方公共団体」のみに規定せずに、「及び社会は」というような言葉を入れて、ここの社会にも責任を持ってもらうというようなことがいいのじゃないかというふうに考えますと同時に、この場合に、所得保障であるとか医療保障、住宅、就職、雇用、国鉄運賃の割引とか、あるいは所得税の控除というようなことについて特段な配慮をするということを基本原則としてここに規定しておくべきではないかというふうに考えますが、これはいかがでございましょうか。

大山正厚生省社会局長

○政府委員(大山正君) 御意見でございますので、私からどのようにお答え申し上げてよろしいか、適当なお答えができかねるかと思いますが、四条二項につきまして、「国及び地方公共団体と社会は」というように書きました場合に、「社会は」ということが、いわゆる責務というふうな考え方でいった場合に、「社会」という表現が、はたして社会が責務を負うということは、法律的な表現としてはいささかそぐわないのではあるまいか。むしろその三条の二項で、「老人は与えられるものとする。」ということは、結局社会もこれはもうみんなを含むわけでございますので、まあ受け身に書いた表現のほうが適当ではあるまいかというような考え方でございまして、やはり責務を負う主体を書く場合には、やはり国なり地方公共団体なりという特定した表現をとらざるを得ないのではあるまいか、このような考え方をいたしております。  それから、お話のように、ここに「老人の福祉に関係のある施策」ということでは非常に抽象的で、もっと具体的にいろいろ書き並べるべきではなかったかという御意見でございまして、この点は確かにごもっともな御意見と思います。私どもも具体的な表現をとることを考えてみたのでございますが、なかなかそれではこれだけ書けばよろしいということも限定もできませんので、まあ「関係のある施策」ということに広く規定したわけでございますが、考え方といたしましては、それではどういうものがあるかという御質問でございますれば、やはり保険医療の問題、あるいは年金の問題、生活保護の問題、労働、職業、雇用の問題、住宅の問題、公租公課といったような問題が考えられるかと思います。  それから、ただいまお話の国鉄の運賃割引でありますとか、あるいは放送料云々といったような問題につきましては、具体的に書くところまで話が煮つまりませんでしたが、考え方といたしまして、まあ三項がそれに当たると、「老人の生活に直接影響を及ぼす事業を営む者」、つまり国、地方公共団体以外に、いろいろ事業をしている主体は、やはり「老人の福祉が増進されるように努めなければならない。」ということで、旅客運送事業なり、あるいは住宅公団などが、住宅のうちでも、一番下の階を老人のためにまあ優先的に扱うといったような施策をぜひやっていただきたい、こういうような考え方で三項の規定を立案したのでございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 私は「社会」という言葉を使いましたが、「国民」とか何とかあると思うのです。要するに、今まで国が老人の問題に対してあまりやっていないのですよ。ところが、もう十年も前から国民運動のような形で、年寄りの日とか、あるいは年寄りに対するいろいろな仕事が行なわれているのです。それをここで「国及び地方公共団体」と規定いたしますと、何やら官僚的になるような感じがする。官僚的になると、あたたかさが抜けちゃうんですよ。で、官僚支配というような感じを社会に与える、こういう点から、いい言葉はあれでございますけれども、そういう考えに基づいて私は御質問した、こういうわけなんです。何やら、もう時間が四時までということで、そろっと時計が出て参りましたが、私は、本法案についてはずいぶん問題がある。私も若干は準備いたしておりますが、この質問はそれじゃ次回に譲るといたしまして、本日は基本的なところで、あとは次回に譲り、本日の質問はこの程度にいたします。今のだけ答弁を願います。

大山正厚生省社会局長

○政府委員(大山正君) 第四条の立案にあたりまして、お話しのように、たとえば国、地方公共団体だけを取り上げるのはいかがであるか。一般国民、特に、たとえば家族というようなことについて規定してはどうかという考え方も立案途中でいろいろ論議したのでございます。たとえば児童福祉の場合には、ここに児童の保護者だったと思いますが、まあそういうような児童を扶養する者、あるいは児童の保護者とともに、国、地方公共団体が責務を負うというような表現があったわけでございまして、まあ何かそういう表現か、あるいは「一般国民」というような表現のとり方があるのではないかというように考えましたが、どうも老人の場合には、児童と違いまして、「老人の保護者」という表現もなかなかとりにくい、また、「家族」という言葉も、今日の言葉としては、法律用語として必ずしもはっきりしないというようなことで、これはまあ二条なり三条に一般的な規定があって、これは全部がこういう目標に向かって進まなくてはならぬという規定がある以上、それがいいのではあるまいか。むしろ第四条としては、国と地方公共団体が特に責務を持っているのだという点を明らかにしたほうが、むしろ強く出てよろしいのではあるまいか。官僚的という御批判でございますが、一般国民が責務を負っておって、国と地方公共団体はそれらと同格で、適当でいいのだという意味にむしろとられて、非常に弱くなっては、せっかくの条文が意味が薄れはしまいか、そういうような考え方で、国及び地方公共団体の責務を特にここに明らかにしたというような考え方でございます。

鈴木強日本社会党

○委員長(鈴木強君) 本法案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時一分散会

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