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43回国会参議院1963/05/28

社会労働委員会 第19号

発言数
103
登壇者
12
会派数
2
開催日
1963/05/28

会議録

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) ただいまより社会労働委員会を開会いたします。  生活環境施設整備緊急措置法案及び清掃法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。  これより質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

山本杉自由民主党

○山本杉君 ちょうど厚生大臣もおいででございますから伺いたいのですが、この間、藤原道子さんから、環境衛生の問題について、特に赤痢を取り上げて御質問があったのでございますが、たいへん不幸なことに、今度日本では一流中の一流といわれる帝国ホテルであのような真性赤痢が出て、自発的に営業を中止するような格好になったということでございますが、それに対して厚生省のお考えを伺いたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) ちょっと今質問が、声が小さかったので……。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 先生、もう一度おっしゃって下さい。

山本杉自由民主党

○山本杉君 帝国ホテルのこの間の赤痢について、質問のあとでございますが……。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) この前、食中毒の御質問がございました。大体私はそのときにお答えいたしたのでございまするが、ずっと過去の統計を見まして、厚生省が非常に努力はいたしておりまするけれども、なかなか食中毒は患者が減らない。したがいまして、今後はもう少し取り締まりのほうを強化したいということを申し述べておったのでございます。その後、実は、御案内のように、帝国ホテルにおけるあの問題が起こりました。で、目下東京都で鋭意その防疫のほうをやっておりまするけれども、先生の御質問、今趣旨がちょっとわかりにくかったですから、まだきょうは関係の局長と課長が参っておりませんので、どういう御質問でしたか、もう一度ひとつお願いをしたいと思います。

山本杉自由民主党

○山本杉君 それじゃ、さらにお聞きいたしますけれども、優秀な薬が出てきて病気がなおるという一方、赤痢がますますふえるというような傾向にあることは、厚生省もちゃんと認めていらっしゃる。集団食というものの中の食中毒がだんだんに多くなって困っているのだということを大臣が今おっしゃいましたけれども、集団赤痢といったようなものがそういうところで発生しているということは、結局、私は、食衛生に対する突っ込みが足りないからだと思います。それで、来年はオリンピックを控えて、ずいぶんたくさんの外人も入って来ることはわかっているのでございますが、これに対してどういうふうなお考えでございますか。はっきり伺いたいと思うのです。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 一般的な傾向といたしましては、集団給食が全国的に非常にふえておりまして、たとえば旅館であるとか、あるいは弁当であるとか、旅行者が非常にふえますとともに、集団の給食がふえております。そのほうの取り締まりにつきましては、これは従来もやっておりましたが、なお監視員を強化するとか何とかいう方法で、ひとつその取り締まりを強化したいと思っております。私、具体的な問題について詳細に存じませんけれども、統計を見ましても、先般からも、少しも中毒患者が減らないのみならず、少しふえる傾向にあるのは、非常にこれは残念なことと思われます。一般にいわれることは、何と申しますか、非常に食べものの純度が失なわれてきた。いろいろな添加物、その他妙な食べものがずいぶんはやってきたというようなことも、あるいは原因しておるかと思われるのでありまするが、ひとつこの点につきましては、十分今後は取り締まりを強化したい、また、監視員等も強化したい、かように考えておる次第でございます。

山本杉自由民主党

○山本杉君 取り締まりを強化したり監視員を強化したいとおっしゃっておるのでございますが、私ども、ほんとうの話、日本で、外でものを食べますときには非常に不安でございます。それで監視員というものが設けられて、この人たちがある程度の監督もしていると思われるのですが、その人たちがどの程度に、どういうふうにしているとお考えでございますか。厚生大臣、各区にどのくらいいて、これがどういうふうな割合でほうぼう回ることができて、そうして回ったという効果をどういうふうにあげているかというようなことを具体的にお聞きしたいのです。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 非常に多くの個所を回るのでございまするから、やはり限度があろうと思うのであります。しかし、最近の実績がこのように悪いのでございまするから、もう少し強化をしたいと思っておりまして、私はその実情を非常につまびらかにするわけじゃございませんので、まだ政府委員等が本日は見えておりませんから、あとから詳しく今の実情のことはひとつお話をいたしたいと思います。いずれにいたしましても、私は去年もちょっと感じたのですが、どうもこれはどういうわけだ、こういうことを事務当局のほうには盛んに言っておるわけでございます。しかし、指導するといいましても、また、監視するといいましても、これは人数に制限がありまするから、非常に十分なことができるかどうか知りませんが、今のような状態では絶対にいけないということだけは考えておりまするから、実情につきましては、後ほどまた政府委員から答弁をさしたい、かように考える次第でございます。

山本杉自由民主党

○山本杉君 今、大臣からおっしゃったように、政府委員が出ていないからということで同じことをお答えいただくようではしようがございませんから、この問題につきましては、また後日質問をさせていただくことにいたします。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それじゃ、大臣に御質問を申し上げたいと思うのです。  生活環境施設整備緊急措置法案というのをお出しになったのでございますけれども、これは五カ年計画をやる、この五カ年計画は閣議で行なう、だから、閣議で決定されなければこの法案の実体というものはわからないわけでありますけれども、しかし、このような五カ年計画で環境整備をやろうというのでありますから、厚生省並びに建設省においては、一定の屎尿、ごみ、下水、終末処理という四つの問題の構想を持ってこの法案を出されたと思うわけであります。先日から、この問題をめぐって、衆議院、参議院の本会議でやりましたけれども、何かこう総理や大蔵大臣、建設大臣、厚生大臣という工合に答弁があったわけでありますけれども、実際問題として、どれだけそれじゃ五カ年のうちに完成するのだ、こういうやはり意欲的な構想を持って、そうしてそれを閣議に持ち込んで実現するということでなければ、私は意味がないのではないかと、こう思うわけでございます。ですから、この五カ年計画の構想というものを、建設省のことはよくわからないといわれればそれまでになるかわかりませんけれども、一応厚生省としての構想、建設省を含めて、どういう答えが出るのか、この点をつまびらかにしていただきたいと思うわけでございます。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) もう藤田さん御承知のとおり、この屎尿処理、これは現在非常に非衛生的な扱いをいたしておるということは、もう御承知のとおりでございましょうが、それを早い機会に衛生的な処理をいたしたい。また、ごみにつきましてもそうであります。しかし、最近のいろいろ経済情勢のこの環境の変化によりまして、まあ努めて急速にこれを衛生的に処理したいと思いまして今回の五カ年計画を考えまして、それを法定いたしたいと考えた次第でございます。いかに私たちが五カ年計画を作りましてやりましても、これがやはり閣議の決定、あるいは法定されませんと、なかなか予算の獲得にも支障を来たしますので、計画をしっかりして、そうしてそれを権威あらしめたいと思いまして今回法案を提出いたしたような次第でございます。したがいまして、その取り扱いの対象となるものは、大体この五カ年間における最終の人口を見まして、その人口の中で幾らくらいを対象にしてこの屎尿処理、ごみの処理をすべきかといろ人口の想定をいたしまして、しこうして、その中で、すでに衛生上の処理のできておる人数を引きまして、残余の人数につきまして屎尿の量を測定し、しこうして、また、処理すべきごみの量を測定しまして、これを五カ年間に処理いたして参りたい、かように思うのでございます。しこうして、屎尿処理の場合は、御案内のとおり、下水等がありまして、その終末において処理する下水の終末処理、下水等がなくて単独にやりまする浄化槽あるいはまた各個人の家でやる浄化槽、そういう三種の種類に分けまして、対象人口をそれによって全部処理したいと思うのでございます。ごみのほうは、御案内のとおり、今の状況でございますると、これは焼却すれば一番いいのでございますけれども、焼却設備がないために、現在は埋め立てに大部分使われておりまするけれども、すでにごみをもって埋め立てるというような個所も非常に少なくなっておりまするから、大部分のところは焼却施設を設備いたしまして、大部分焼却したいと、かように考えておる次第でございます。したがいまして、その取り扱いの数量、処理すべき数量等は、今、局長から数字を申し上げたいと思います。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) ただいま大臣からお答え申し上げましたように、五カ年計画の構想といたしまして、私どもが達成目標として考えております数字は、昭和四十二年の国民の総人口を九千九百七十六万人、約一億でございますが、と推定いたしまして、この四十二年の時点で、市町村の責任で汚物を収集、運搬、処分しなければならないと考えられます、いわゆる清掃法によります特別清掃地域内の人口を、およそまるめまして八千万程度と見たわけでございます。で、この八千万程度の人口に対しまして、それぞれ屎尿及びごみを処理するわけでございますが、その処理の方法といたしましては、大臣の御答弁にもありましたように、屎尿につきましては、水洗便所、下水道完備、下水道終末処理、こういう形で処理いたしますいわば最も理想的な形のものがあるわけでございますが、この形。第二の形は、バキューム・カーでくみ取りまして、これを屎尿消化槽で処理するもの、それから、ごみにつきましては、その大部分を焼却処理をいたしたい、こういう構想を立てまして、その八千万程度の人口につきまして、現在の姿からそれぞれ昭和四十二年のこの到達目標を構想いたしまして、現地まで整備されております人口を差し引きまして、今後五カ年間に整備をして参らなければならない人口を、おおよそ下水道終末処理場の整備につきましては一千八百万人程度、それから、屎尿処理施設整備事業につきましては、これも約三千万人程度、また、ごみ処理施設の整備につきましては、同様に、約五千五百万人程度の分の汚物をすべて衛生的に処理したい、こういう目標を立てまして五カ年計画を決定していただきたいという構想を持っておる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 この法律によると、昭和三十八年以降ということになりますから、昭和三十八年から出発しようとすると補正予算を組まなければならぬことになりますね、それはどうですか。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) この五カ年計画のただいま申し上げました事業量を処理していきますための予算措置でございますが、これにつきましては、従来とも、かなりの程度で補助金、あるいは起債のワクが増加の傾向をたどって来てはおりますが、しかし、なおこれだけの事業量を処理するためには、相当巨額な費用が必要であることは申すまでもないわけでございます。しかし、この財源措置を補正予算でやるのか、あるいは昭和三十九年度以降の予算で逐次これを増加して、五カ年間でこの事業量を処理するのかということにつきましては、この計画の決定とも関連いたしまして、なお今後検討さしていただきたい、かように考えておる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 昭和三十八年から実施するといって、三十八年度この法律が通ったら、閣議で五カ年でいく——それは重点が均等割りとは私はいいませんけれども、計画ですから。しかし、三十八年度に手をかけなければならぬことは事実です。それじゃ、補正予算を組まなければならぬということになるのだが、その点があいまいです。それから、今年ごみの対策として厚生省は二十九億円、屎尿処理として百三十億円要求されて、それで全体としては二十二億ですか、屎尿とごみの問題は二十二億しか実行予算に上がってない、三十八年度の予算には。そういう状態でありながら、三十八年度からこの法律を通して、それじゃ何の財源でやろうとしているのか。私は、ここで問題になってくるのは、たとえばこの市町村の負担区分が、屎尿においては五分の一から四分の一になりました、今度の予算では。ごみの焼却においても四分の一です。四分の三は今日市町村の負担ということなんです。これが実際市町村で耐えられるかどうかという問題を指摘しなければならぬと私は思います。そうなってくると、五カ年計画というのは、もっと正直に言うたら三十九年度からやります、三十八年度のこのようなものは三十九年度から五カ年計画としてやりますというなら、私は正直な姿だと思う。ことしあなた方が予算要求をされたときに、六分の一か七分の一くらいしがなくて要求と決定の予算との差があるのに、三十八年度からこれをやって、それじゃ何をやるのか。あなたの今おっしゃったことを聞いておりますと、市町村の九千七百七十六万人の人口を推定して、四十二年に特別清掃地域八千万人の中で、第一の環境は水洗便所まで完備したもの、第二のところはくみ取り、ごみの焼却は大部分実施したい、こういう御説なんですね。こういう構想を持って出発されようとしておるのでありますけれども、こういうものは、内容そのものといいましょうか、私は、清掃、生活環境施設整備を早急にやってもらいたいという願いを持っているものであります。そういう立場から私はこういう発言をしているわけでありますけれども、このような法律を今度出したが、どうもこれだけを見ておりますと、計画倒れになって、あれもいかぬ、これもいかぬということで、結局ことし中は何も手をつけない。計画だけは一年結局ずらして、来年から少しばかりやってみようか。どのように計画がきまるか、ここまで私は申し上げませんけれども、あなたがおっしゃったことだけをやろうとするなら、もっと積極性がなければこの問題の解決はしない。大臣のお言葉にありましたように、何としても環境衛生をりっぱにしたいというこの熱意があるなら、もっと積極的にことしの予算から芽をちゃんと出しておかなければ、私は、この問題はなかなかできないのではないかと思います。私たちが考えております清掃の処理をしようという、この前も生活環境施設とともに提案をいたしましたが、これは今水洗便所は十カ年計画でありますけれども、他の問題を五カ年計画でやりまして七千億くらいの金がかかります。七千億くらいの金をかけなければ、少なくとも都市環境衛生の整備というものはできないのではないか、こういう工合に私たちは考えているわけです。だから、政府が五カ年計画でここまでやるのにどれだけの予算を持っておられるか、これをひとつお聞きしたいと思うのです。持っておられるのじゃない、どれだけの予算を必要とされておるか、お聞きしたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 御質問ごもっともでございます。五カ年計画を掲げておって三十八年度の予算がはなはだ少ないじゃないかということでございます。しかし、三十八年度の予算は、従来の予算に比べれば、相当な増額になっておるのでございます。しこうして、私たちは、こういうような単年度的な予算で、今までのようなやり方でいっては、なかなかこれは予算の獲得もむずかしいということで、むしろ五カ年計画の法定によってある程度の予算の獲得もしたい、予算がきまってから初めて計画というのでないのでありまして、計画を作って、それをもとにして予算の措置も講じたいというわけでございます。今おっしゃられました五カ年計画をするについては、あまりに予算が少な過ぎるではないかとおっしゃることにつきましては、私も、当初正直なところ、大蔵省に相当な予算は要求いたしたのでございまするが、諸般の事情のためにできなかったのでございまするが、三十七年度に比べますれば相当な飛躍をいたしておることも事実でございます。しこうして、五カ年間にやる仕事でございまするから、今後この法律が通過をいたしまして仕事量がきまり、五カ年にやらなければならぬということが十分権威づけられますれば、それに応じた予算の獲得もこれは当然であろう、かように思う次第でございますので、私は、今年度が均等割りよりは非常に少なかったということでございまするけれども、補助金の点、起債の面におきましても、昨年度よりは飛躍的に多くなった、来年はさらにこの法律を根拠にいたしまして、十分計画を遂行して参りたい、かように考えておるのでございます。今、藤田さんのおっしゃいましたように、この計画を、厚生大臣が言うように、完璧に衛生処理をするならば七千億の費用が要るんじゃなかろうか、こういうお話でございます。実は、これは非常に計算の仕方によるのでございます。計算の仕方と申しまするのは、実際は、施設をする場合に、土地の費用をどう見るとか、あるいはその施設そのものでなくて、いわゆる土地の費用その他の負担費用というようなものをどう見るかというようなことにもかかってくるわけでございますので、私たちは今試算はいたしておりまするが、この七千億だけかかるのかどうかというようなことにつきましては、今後ひとつ十分に検討をいたしてみたいと思うのでございます。私たちが所期しておりまするのは、とにかく取り扱わなければならぬ計画量というものをしっかりと目標をきめて、それをひとつ年々やっていきたい、かように思い、その計画がきまりますれば、それに応ずるところの予算は当然処置すべきものである、かように考えてやっておるような次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そういたしますと、この法律ができなければ環境衛生の計画が厚生省にはないというように聞こえるわけでございます。私は、一般環境衛生の行政の中で、常日ごろ、国民の環境衛生をこの水準まで引き上げるのには、これだけの施設とこれだけの費用が入用だということがつまびらかになっていなければならぬと思う。今の大臣のお話でございますと、この法律ができてから積極的になされることは事実でございましょう。しかし、そのような常日ごろの行政上の問題が、今のお話からお聞きしますと、ないような感じを受ける、それじゃ私は困るのではないか。環境衛生を、経済成長に応じて、国民生活向上に応じてこれを引き上げていく、それには常日ごろ厚生行政の中で検討され、そして一つか二つのモデルはいつも持っておられてしかりだと私は思う。それが今ないようなことでありますなら、私は何をか言わんでございます。  そこで、私は、その根本的な問題にもう少し触れてみたいと思うのでありますけれども、この五カ年計画を三十八年度からやる、今、大臣のお話を聞いていると、この法律がきまればできるだけ早くやるということになるのでありましょうけれども、そうすれば三十八年度は坊主というわけにいかないと私は思う。三十八年度は何らかの計画をお立てにならなければならぬと、私はそう思う。ことしの予算要求を見ても、百五十九億の予算を要求されて、そうして二十二億しかきまっていないわけでありますが、昨年からちょうど倍になりました。十億分が二十億になりました。これは努力をされた結果だと私は思いますけれども、しかし、少なくとも、この百五十九億という予算要求はどのような構想の中から出てきたということを私はやっぱりお話ししてもらわなければ、今、大臣がいわれたように、何もなかったという受け取り方以外には受け取りようがないわけであります。この点をひとつ明らかにしていただきたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 法定しないと何もできないのかということですが、これはもちろん法定しなくても、役所でございますから、ある計画は、厚生省は厚生省の計画を持ってやるわけでございます。しかし、今までずっと経過をいたして参っておったところが、なかなかこれは、ある計画は持ちましても、厚生省だけの計画ですと、それはやはりなかなかうまくいかぬ。しかも、非常に急ぐことになった。それは最近の社会情勢、また、皆様方の御要望からして、しかも、また、非衛生に取り扱っている実情等を考えてみまして、これはどうしてもこんなことじゃいかぬということで、緊急にひとつ五カ年計画を立てて、それを内閣でもって確定してもらいたいというのがこの主眼でございます。しこうして、一番初めのときには、したがいまして、年度割りよりも大きい金を実は要求いたしたのでございまするが、諸般の事情で、この初年度そういうような予算獲得ができなかったのでございます。しこうして、それでありまするけれども、まず例年よりはたくさんの予算だということで一応こういうことになったのでございまするが、しかも、もう一つ、これは実は言いわけにとられると非常に困りまするが、正直なところ、この屎尿処理等を処理していく方法論というものが、今までは非常にまちまちでございまして、実際あまり研究もできていなかったというような点も多々ありますので、同じ金を使うならば、ひとつ効率的にやろうじゃないか、これは屎尿処理をする場合に、まあおくれた技術でありまするので、もう各省まちまちにてんでんばらばらなことをやっておって、やったけれどもあまり有効でない、もうやり変えなければならぬというようなところも出てきているのでございます。これは、たとえば一万の都市の屎尿を扱う場合、五万の都市の屎尿を扱う場合、十万の都市の屎尿を扱う場合、どういう方法をもってやったほうが一番いいかという技術上の問題も多少ありましたので、初めは少しそういうことをも検討し、準備を十分整えていくことも一つの方法であろうというわけで、初めの要求はあのような要求をいたしましたけれども、これはいろいろ折衝の結果、今年度予算で提案したようなところになったのでございます。しこうして、これがもし法律として確定されますれば、来年、再来年、さらにこれはもうこの最終目的を達するに十分な予算も獲得でき、また、方法論等も、自信を持って予算を適切に使うようなことの指導ができるのではなかろうか、かように考えておる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そういたしますと、三十八年度から五カ年計画でやるということは、実行予算は三十九年度からと今の大臣のお話を聞いていると受け取れるようなお話なんです。私は、三十八年度から五カ年計画をやるといえば、三十八年度から実行予算を組んでこれはやっぱしおやりになるつもりだと思うのです。今のお話を聞いていると、ことし組んだ二十二億の予算で三十八年度はもうごまかしておくと言うたらおかしいですけれども、まあずるずるといってしまって、来年度から計画予算を組むということになる。こうなると、三十八年度から五カ年計画だとお言いにならないで、三十九年度から五カ年計画だと、こうおっしゃったほうがむしろ正直じゃないですかね、どうです。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 終末処理と屎尿処理を入れて四十億でございます。これは四十億でございまして、それに対して、また、起債は起債として別にあるのでございまして、昨年三十七年度の予算案は二十三億でございます。ことしの予算は両方で四十億でございまして、この四十億が少ないということは、私も十分であるとは思いません。思いませんが、三十七年度に比べまして相当に飛躍をした。しこうして、この三十八年度を五カ年計画の第一年度としてもそれはいいんじゃないか。あと三十九年度、四十年度予算を伸ばすことができれば、三十八年度も五カ年計画の初年度とすることも、これは差しつかえはないんじゃないか、かように思う次第でございます。ほんとうの意味からいけば、それは非常に予算が少ないから、三十九年度からということになるのじゃないかと申されますが、三十九年度からの五カ年計画と申しますと四十三年になりまするから、私は、三十八年度を含んで、昭和四十二年度に大よそこの目的に達したい、かように思っておる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 終末処理を入れて、ことしの予算としては四十億近くになることは、これは予算に載っております。しかし、五カ年で今おっしゃったような九千九百九十七万人ですかの人口の中から八千万人分だけやろうとすれば、私は相当な金が要ると思うのです。それをあなたは四十億終末処理を含めてことし出しているからということになると、たとえば政府の方針でいっても、市町村に負担分を四分の三全部かけても百六十億ですね。少なくとも私たちの算定によると七千億以上の金が要る。ことしは百六十億でやるというようなことなら、私は、どうも三十八年度以降五カ年計画とは理屈に合わないと思う。しかし、熱意のほどは、この法律が通ったらことしからでもやりたいということでございますから、それでまたやらなきゃならぬと思うのです、この法律が通ったら。だから、その点はひとつ総理大臣に来てもらって、池田内閣としてこの委員会に約束してもらいましょう。今年分は補正予算をどういう工合に組んでいくかということは、この委員会に出席してもらって約束してもらわなければ、ただ看板を出しただけでは済まない、私はそう思います。ですから、との問題については、もうこれ以上言いませんが、しかし、いずれにしても、行政を担当される厚生省や建設省は、少なくとも、その点はもっと熱意を持ってことしこのような法律を出すとおっしゃるなら、おっしゃるような手順をちゃんとしてから予算をお組みになるというのが私は順当な姿ではなかい、こういう工合に思うわけであります。だから、この環境衛生施設整備というのは、これはほんとうに名前のとおり、緊急にやらなければならぬ問題でございますから、これは大いにひとつ馬力をかけていただいて、そして五カ年間の間に完備をするのには、今年は補正予算でどういう工合にして組むということも、ひとつ池田内閣としてこの委員会に約束をしてもらいましょう。私は今から委員長にお願いしておきたいと思うのです。その点が明らかにならないと、この問題は少しむずかしいという感じがいたす次第でございます。  それじゃその程度にそこのところはしておきまして、そして現状はどうかということを少し厚生省当局からお開きをしたいと私は思います。今日の地方自治体に対しまして、国の負担区分がことしの予算案に四分の一ということで出ております。屎尿処理四分の一、それから首都堆肥化処理、施設整備、これも四分の一、ごみ焼却も四分の一ですね、終末処理も三分の一から四分の一という工合になっているわけでございます。この構想でやはりこの五カ年計画もおやりになるのかどうかということ、それから、そういうことで実際問題として今日の市町村の財政が持つのかどうか、この点もあわせてお聞きしておきたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 屎尿処理、終末処理のほうは大体三分の一の補助でございまして、大都市におきまして四分の一ということになっております。それから、ごみ処理のほうは四分のでございます。しかし、今おっしゃいましたように、そうすると他の部分が市町村の負担になるじゃないか、非常に市町村の圧迫になるのではないか、こういうことでございます。ごもっともでございます。したがいまして、私たち、大蔵当局とその補助率の問題について、実はもう何回となく交渉、打ち合わせをいたしているのでございます。この点は、正直なところ、非常に厚生省当局と大蔵省当局のいろいろ議論のあるところでございまするが、実は町村も非常に負担はかかろうとは思われまするが、それにもかかわらず、町村の希望は、どうしても処理しなければならぬから、ほんとうにたくさんな希望を申し込んできております。したがいまして、私は、補助率等につきましては、現在の状況はそうなっておりまするが、今後まだ私たちとしては大蔵当局といろいろ折衝をするということは考えている次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 その屎尿、ごみ終末処理、下水、この問題は、これはもう一貫的に計画をされ、私たちは、むしろ政府が終末や下水道の処理をおやりになって、それで具体的な各戸の暮らしの面の衛生的な取り扱いを、やはり清掃法の改正によって処理を早急にしなければならぬ、まあこういう構想を私たちは持っているわけでございます。ですから、そういう面において下水道及び終末処理が三分の一とか四分の一と、こうなりますけれども、しかし、日本の現在における都市集中を見てみますと、大都市やら中小都市やら、ほとんどもう大都市周辺の衛星都市というのは関連してしまって、ずっと処理をする場所もなかなか大計画でやらなければできないような状態にみななっているのではないか、そういうものの計画というのは、大々的に本腰を入れてやらなければ処理ができない、私たちはそう思っております。だから、政府自身が、国自身が肝心なところはやってやる、それで枝のところは市町村で引き受けなさいというくらいに本腰をお入れにならないと、三分の一、四分の一といわれますけれども、これはなかなか私は至難な問題ではなかろうか、こう思っているわけでございまして、この点は、まあ将来五カ年計画の中には、これでなしに、大蔵省と折衝するとおっしゃるのですけれども、大蔵省と折衝するとおっしゃる前に、厚生省としては、国民生活や所得、経済の動き、そういう関係から見てかくかくであるべきだという基本的な考え方をしっかり押してもらわないと、予算要求してもまとまらない。私は繰り返しますけれども、百六十億円予算要求して、そして二十億に縮まるようなことになってしまっては、せっかく厚生行政として努力されていることが国民の期待にはずれてしまうということになるわけですから、やはり大蔵省といえども、この厚生省の計画には一言も意見を言わせないし、修正はさせないという、こういうかまえを私はきちっと持ってもらわないと、閣議できめるときにも、やはり予算要求と決定との間にぼけたような格好になってしまいはしないか、私はそう思うのです。だから、そういう点はきちっとやはりやるという、国民生活向上の面から何が何でもそれだけの今構想を持っておられることは、やり抜くという決意をひとつ披瀝してもらわなければ、次の審議にどうも入りにくいと私は思うのです。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 藤田さんも御案内のように、道路につきましては道路整備の大体計画がありますし、それから、港湾にいたしましても港湾の緊急整備計画があります。実は、この屎尿及びごみ処理の計画というものは、これは厚生省も、何と申しますか、今までやってきたのでございますけれども、急激な変化のほうが非常にこんなことになったのでございます。実は、厚生省も非常にあわてたのでございます。しかし、まあ私たちは、こういうような農村や都市の屎尿の問題にいたしましても、こういうように急激に変化したことに対応して、十分国家がそのめんどうをみなければならないと思っております。元来は、こういうものは市町村の固有の事務であると私は思っております。しかし、固有の事務で市町村がずっとやっておれば、こういうせっぱ詰まったことはないのでございますけれども、このようになれば、どうしてもこれは市町村だけにまかしておくわけにいかない。国家が十二分に援助をして、早いこと衛生処理をしなければならないと思っておりまして、皆様方の御協力によりまして法案が通過いたしますれば、これは厚生行政の非常なよりどころになるのでございます。ひとつその点につきまして、私たちこの当事者といたしましては、十分な覚悟を持って進めていくつもりでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 今出ましたが、私たちは、こういう終末処理、ごみ、屎尿というような環境衛生の問題は、住民主権の憲法のもとにおいて、地方自治体が固有の事務として大いに力を入れていかなければいけない業務であると私は思う。ところが、その問題が住民からは責められる、国は十分にめんどうをみてくれない。そこで、結果的にはどうなっているかというと、今までは、化学肥料の発達していないときには、屎尿、ごみまでが堆肥とか.または肥料として農村に使われてきた。しかし、もうほとんどそういう状態はどんないなかの町村でも、もうそのような処理はない。むしろ化学肥料で農作物の肥料とするように転換をしてきた。私は、それだけ科学が発達したわけでありますから、そして、また、人間社会が発達したわけでありますから、これに応じて、今何といっても大都市は今まで幾らか手をつけておりましたけれども、農村の市町村が今一番困っているというのが現状ではないかと私は思います。その現状を幾らかでも、住民からやかましくいわれるから、処理しようとすると、金がない、援護してくれるところがない。そこで、もうただ住民からの文句を押える程度に動いているというのが私は現状ではなかろうか。  それから、もう一つは、私営業に委託をしてその処理に入っていく。私営業でありますから、何といっても利潤というものを追求しなければ業が成り立たないわけでありますから、そこに住民との摩擦が起きてくる。住民の願いとは違った方向でこの業が動いているというのが私は現状ではなかろうかと思う。だから、少なくとも、こういう性格のものは、私は、やはり地方自治体の固有事務として、市町村がみずから責任を持って直営の姿で処理するというところまで踏み切らなければこの問題は処理はできないのではないか、そういう工合に思います。そうでなければ、これはもう一口にいえば公共事業ですから、だから、私営業によって利益を積み重ねていくというような格好の事業ではない、そこらあたりの概念的な考え方を厚生省はどうお持ちになっているのでしょう。最近の状態を見ますと、だんだん苦しくなるにつれて、私営業に移行するようなところがあちこちに出てきている。これだけやかましくいわれて、五カ年計画を立てて処理しようという国の方針を出すような事態になってきて、日本もそれだけ経済力も成長してきている。それにもかかわらず、逆の方向に動いているようなところがあちこちに出てきている。何が原因かといえば、私は、市町村の財源力の不足、政府のめんどうの見方が足らぬ、こういう答えがこういう形に出てきているのだと私は思う。だから、そこらの概念をはっきりひとつ厚生省はしてもらわなければならぬ。ですから、その点の概念の問題について御所見を承っておきたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 市町村の固有の事務でありまして、市町村がみずからの責任においてやるということは賛成でございます。しかし、ただ、その点につきましては、もうたびたびわれわれは政府の見解を申しております。しかし、これは屎尿にいたしましても、ごみにいたしましても、非常に古い習慣がございまして、その古い習慣で直営でやるべきものを、これは業者が利益というよりも、役所仕事では能率があがらぬから、請負人にやらせようじゃないかといってやらしたところもありましょうし、非常に長い歴史を通ってきていることでございます。御承知のとおり、農村等における屎尿等は、相当に従来は肥料源として有効に使われておりましたから、むしろそれをそういうようなことで、長い歴史を通っているから今のようなことになっているのでございますけれども、今厚生省は、これを業者にやらせようというような指導は絶対にしておりませんし、また、業者にやらせるということはふえておりません。減ってもおりませんが、ふえてもおりません。しかし、今まで私たちは、これは市町村の直接の業務として、十分な責任を持ってやってもらいたいということを機会あるごとにいっているわけでございます。その点は私たちもたびたびいうように、市町村の責任においてやってもらいたい、業者を入れてもらいたくないという気持は十分にございます。指導も、将来そういうふうにしていきたい、かように思っている次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 厚生大臣の決意はわかりましたけれども、ふえてもないし、減ってもない、また、利潤追求になっていないとおっしゃいますけれども、屎尿とごみの民間と政府直営との比率というものは八と二で、全く逆なんです。利益にならない業は実際問題としてやらないのです。これは人情のしからしめるところだと思うのです。私は大ざっぱにそういうとらえ方ができると思う。だから、私は、やはりこの際、環境衛生の基本方針として、固有義務である、市町村が直接担当し、市町村の責任で処理をする屎尿、ごみ、むろん下水道や終末処理の問題は国と市町村がやらなければ、これは業としてなかなかできませんけれども、しかし、この問題はそういう工合に明らかにして、そういう基本方針を明らかにお出しにならないと、市町村自治体においては、むしろ民営に移していくようなところが現実に起きているわけです。必要ならこの次の委員会で、こういう工合に起きているということを私は提起してもよろしゅうございます。そういうことで糊塗をしている。その場さえ終わればいいというところに市町村の財源不足で逃げ込んでいるのが現状なんでございますから、そういうことがないようにやるには、国が積極的にめんどうをみるということでなければ、これは私は問題の処理はできないのではないか。そういうことになると、今のように総ワクから補助金の問題を見ても、私はこれでは足らぬのではないか。水洗便所にいたしましてもそうでございます。だから、そこのところは私たちも、そんなに国が全部持てとはいいませんけれども、たとえば交付税その他で財源措置をやりながら、市町村や都道府県のやはり自治体としての固有義務としての中に国が本腰を入れてめんどうをみてやる。少なくとも、二分の一はめんどうみてやらなければできないのではないか、こういう考え方を持っておりますから、そういう点は今度の五カ年計画の中にも明確にして、そして九千九百万の人口の中を全部やはり処理していくんだ、たといその計画が一年おくれたといたしましても、全部処理していくんだというかまえがここに出てきていないと私はいけないのではないか、こう思うのです。その点がどうも予算——どれだけの計画でどれだけの構想だといいますと、常日ごろは構想は持っているんだけれども、五カ年計画でどの姿になるんだというと、これとこれとやりたいというなら、それだけやるにはどれだけ予算が要るんだというと、それは精算しなければわからないということでは、私は少し話が聞こえないのではないか。法律を生み落とす立法府のわれわれといたしましては、そういう、やはりだれから尋ねられても、この法律によってこういう工合になっていくんだということを人に話すだけのわれわれに理解ができなければ、この法律はただ通したらいいということだけではいけない。こういう概念はわれわれ賛成でございます。この法律が目ざしている概念は賛成なんですけれども、題目だけを法律にしてしまうということなら、これは賛成できないと思うのです。それは国民を惑わすことに答えとしてはなってしまうわけですから、そこらあたりは、市町村の負担分はどうだ、そしてどれだけの事業計画ができる、それには国はどれだけのめんどうをみる、五カ年の間にどれだけの予算をつぎ込んで、市町村の負担分はこれだけ、国の負担分はこれだけ、そしてこれだけのものが実際に実現するんだということを私はやはり明らかにしてもらわなければ困ると思うのです。  それで、先ほどからもその話をしてきたのでありますけれども、今個々の区分の問題におきましてもその問題が関連をしてくるわけでございます。ですから、この点は、ひとついろいろお尋ねしていきますから、その最後のところで、その構想と計画のアウト・ラインだけは少なくとも出してもらいたい。われわれにも自信を持たしてくれなければ、これに賛成でございます、構想はけっこうでございますけれどもと、構想だけで賛成するわけにはいかないと、こう思う。予算の問題も、総理大臣の約束もやはり必要でありましょうし、しますけれども、それはあとにいたします。  そこで、今大都市と市町村との関係において、屎尿の問題と終末処理の問題が三分の一と四分の一にことしの予算はなっておるわけですけれども、今進捗状態はどうでございましょうか。六大都市はどのくらい、屎尿の問題の水洗便所、ごみの処理、焼却がどうだ、どういう処理をしているかと、私はまず六大都市の現状をお聞かせ願いたいと思うのです。

五十嵐義明厚生省環境衛生局長

○政府委員(五十嵐義明君) 下水道、終末処理施設の整備状況につきましてのお尋ねでございますが、私の手元にあります資料によりますと、全国で三十七年度末に下水道を整備し、その地区の排水をいたしております人口の概数は、総人口の一二%、それから、その中で終末処理によりまして屎尿処理をいたしております人口は、総人口の約八%、このようになっておりまして、全部で百十一の都市が下水道、終末処理施設を整備し、その中で百四が市でございますが、六大都市につきましては、もちろんそれぞれ下水道並びに終末処理の施設を持っておりまして、その処理に当たっておるわけでございますが、これを数字で申し上げますと、東京都におきましては、処理人口が二百二十三万四千人、大阪におきましては百二十三万七千人、それから、名古屋におきましては九十八万二千人、横浜におきましては八万九千人、京都におきましては十一万七千人というような人口が終末処理施設を使いまして屎尿の処理をしておる人口ということに相なっております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 東京は二百二十三万というと、旧都市二十三区の人口になりますか。それから、名古屋が、人口からいったら九十八万ですから、割合に進んでいるようですけれども、横浜は、やはり百万以上の都市でたった八万九千人、京都も百三十万の都市で十一万七千人、これはこんな現状なんでしょう。こんな現状なのに、五カ年計画で、そしてことしの予算でお組みになってやるというのに、構想が今ないということは、これはちょっと私はずさんじゃないかと思うのですがね。地方自治体は、今のような現状の厚生省の指導でいきましたら、住民の不服は出てくるけれども、とにかくそのままにしておいたらいいということになるような気がする。たとえば東京都にしても、二十三区で屎尿処理が四カ所ですか、それから焼却場が今度できて六カ所なのに、そのばらばらの状態でそういう屎尿やごみの焼却、ごみの処理の問題を区に移管するというような法律を、自治省が自治法の改正ということで出そうとしているじゃありませんか。大東京都にしてもそういう格好なんですよ。私は、他の都市はもう推して知るべしだと思う。そういうことについて私は厚生省の意見を聞きました。厚生省は反対でございます。それはけっこうでございます。その意見はけっこうでございますけれども、反対なら反対で、なぜもっと東京都の二十三区にばらばらにするようなことのないように、閣議の中で大臣が——すっかりきまって、そしてそんな自治法の改正をきのうですか、提案をして参りましたが、未然にそのような法律をなぜお押えにならないか。住民主権の憲法のもとでありますから、保健所であるとか福祉事務所であるとかというような行政なら地方におろして、地方住民とより密着をするのは必要でありましょうけれども、設備も一貫性も何もないこの終末処理の問題を区におろすのは、私は、これは何事かと思うんです。厚生省は、意見を聞いたら反対だといわれる。それは厚生省としてはりっぱだが、りっぱだというだけでとまっていてはどうにもならぬですよ。りっぱだということでとまっていただけではどうにもならぬ。やはりそれを食いとめて、そうしてちゃんとそういうばらばらにならないように、終末処理の五カ年計画を法律で提案しているような状態ですから、やはりそれが有効に生きるように都としてはやりなさいということで自治省に要求して処理されるのが当然でなかろうか、こういう問題も今日出ております。ですから、そういうことを考えて参りますと、これだけの部分的な問題を見てもおくれているのに、五カ年計画で構想もないのにこれをこの状態で置かれるということは、私はなかなか納得ができないわけであります。  もう一つは、特別清掃地域と、そうでない地域とがございます。しかし、特別清掃地域を設定されましてから、今日の都市発展状況というのは非常に違ってきているわけであります。ですから、その特別清掃地域というような概念で、そこだけにピントを合わしておいでになるだけでは、もう事は済まないと思う。文化生活に対する要求というものは、住民おしなべて要求している状態でございますから、住民がやはりすべからくこの国の政治の恩恵——恩恵といったらいけませんけれども、主権者である権利の生活の中において、みながいい生活をする中においては、特別な山の中とか、自己において処理できるようなところは、これは別でございましょうけれども、日本の国のほとんどのところは、特別清掃地域と、そうでない地域ということによってめんどうのみ方も違う、差別を受けるというようなことでは、私は済まされないんではないか、こういう工合に思うわけでございまするが、この二つの点についてどう思いますか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 東京都の清掃事務を区に移管するというようなことは、これは全部その清掃事業を区に移管するということではございません。終末処理の全体的な計画のものは、あくまで都でやるのでございます。そのうちの、ごく民衆に直接関係ある運搬、収集というようなものは、これは区においてやらしたほうがいいんじゃないかということでございまして、私のほうは全般的な処理施設、東京都全体で考えるようなことに対してはそういうように考えておりません。したがいまして、その点はひとつ御了承賜わりたいと思います。  それから、この清掃法にうたわれております特別清掃区域の問題ですが、これはまあ今のような規定にはなっておりますけれども、各市町村でその区域を広げることはできるのでございまするから、やはり市なら市と申しましても、現在は御承知のように、ほんとうの田園都市というようないなかに行けば、たいへんな広い町村区域になっておりますので、その点をこの公共団体の長が、この辺だけをひとつ清掃地域にしようじゃないか、それは自由にきめられるものでございますから、藤田さんのおっしゃるのは、そんなことをしなくて、廃止して一つの区域全部やったらいいじゃないか、そういう御意見も、今はだんだんそういうような気持で広くなりつつあると思います。しかし、御案内のとおり、現在の市と申しましても、ずいぶんこれはいなかのところもあるわけでございます。その辺は、区域の指定につきましては、自由に市町村長が変えられることでございますから、今のままでいけるのじゃないか、いいのじゃないか、こういうふうに私ども思っておりますが、さらにひとつ検討はしてみたい、かように考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 まあ後段の問題はあとからいいますけれども、前段の問題でも、ごみ取り、屎尿というのは、初め自治省で出そうとしておったのは、全部区に移管するということだったんです。しかし、肝心の担当しておるもの、屎尿業務に携わっておるものその他が、そんなことはできぬじゃないか、むしろ、本来、厚生省がいわなければならぬことを、現実にその作業をしておる人を中心に突き上げをいたしまして、厚生省も反対されました。そこで、今のような段階になってきたわけでありますけれども、たとえば運搬をひとつしてごらんなさい。二十三区の中に六カ所しかごみの焼却場がない、そうでしょう。それに、各区において財政の裏づけがあるかどうかわかりませんけれども、今特別区ですから、ないですね、市町村のように。その中で運搬をするなんということも、これは、あなた、各区ごとの自主的に処理できる問題じゃないですよ。屎尿問題にしてもそうでございます。ただ、今のような東京都の区制であったら、人件費の区に対する都からの補助金が出て、そうして都の自動車が来てそこのごみを引き上げるというくらいの程度のものなら、私は、区に移管しても可能であるかもわかりません。しかし、運搬から、ごみの収集から、屎尿の収集から、区に移管して統一的なことがどうしてできるんですか。私は、これはさかさまだと思う。そういう条件、各区ごとに処理場があるというようなことなら、これは話は別ですけれども、二十三区の中に四カ所と六カ所しかない。そういう格好のことを東京都すらやろうとしておる。これは何が目的なのか、私は知りませんけれども、そういうことを東京都すらやろうとしておる。能率が低下する以外に何ものもないと私は思う。そういうことを東京都すらやろうとしておる。  もう一つの清掃の特別地域の問題でありますけれども、このような生活環境施設整備の緊急措置法をお出しになるなら、この計画をりっぱに立てて、清掃法の法律の改正とともになぜお出しにならないか。そうでなければ、構想と、今の特別清掃地域や一般の地域との関係を私は今一つだけ問題にしましたけれども、その他の問題がみな環境衛生を高めるということになってくると、清掃事業全体について高めなければならぬ。私は、そういう清掃法自身も改めて、新たな構想で環境衛生を高める、国民の生活を高めるというところに持っていくというなら、清掃法の改正という問題をともに考慮されて国会にお出しになるのが道ではないか、私はそう思う。そこらあたりも何かちぐはぐじゃないですか。この法律そのものが出たときから私はそういう感じを受けておるわけです。どうもいかぬ、だから、足らない分をひとつ補おうじゃないかといって私は清掃法の一部改正を提案いたしました。だから、国会において説明のときでも、この環境施設整備の問題が急速に発展していく中の裏づけとして、具体的な国民の一戸々々の台所に直結した清掃、環境衛生というものが高まる具体的な法律をわれわれが出したのは、これが前提なんだといって私は説明をいたしたのであります。その前提になる法案が、まだ構想もあいまいである、三十八年度以隆といっても、これは三十八年度はもう何もなしに終わってしまうというような格好では、これは少し熱意が足らぬような気がするわけであります。きょうは何か時間が四十分過ぎまでだそうでございますから、あらためて私はこの関連についてお聞きをいたしますけれども、午前中の分はこれで終わりますけれども、その点は具体的な法律審議に入ったのでございますから、厚生大臣も、やはりこれに対する計画、それで今年はどの辺から計画をしていくのだ、今年の予算はどういう処置を講じていくのだ、それはひとつ建設省との間に十分の打ち合わせをしていただいて、そうして委員会に出てきていただきたい。いずれこの次は建設省からも来ていただきますけれども、その点はやはり委員会で、池田内閣としてきちんと約束をしていただかなければいけない問題ではなかろうか。私はこういう工合に思う次第でございます。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 熱意を疑われては困ります。非常に熱意を持っております。ただ、考え方がちょっと違うのでありまして、清掃法を改正すべきじゃないか、私も、清掃法は、これは今あなたのほうから提案している法律は、全面的に賛成ではありませんが、中には参考になるものもあります。しかし、その他私たちは清掃事業について、これは改正しなければならぬと思われている事項もございます。これは清掃法のピンからキリまでずっといろいろ書いてあるものでございますが、今回緊急五カ年計画を出しましたのは、そのうちでも、施設として衛生的に取り扱うものを早く施設をしたい。つまり終末処理場、浄化槽、消化槽、あるいはごみ処理の施設、あるいはまた下水道の施設、そういうものを計画を立てて急速にしなければならぬということをこの五カ年計画にうたったのでございまして、一般の清掃法につきましては、いろいろ時代の変遷もございますので、こまかい点もこれは改正しなければならぬのじゃないかという気持を持って、ただいま検討をいたしているのでございまして、ちょっとその考え方が違うのでございますが、いずれまた適当な機会に検討を終わりましたら——そういうこともあろうかと思われますが、熱意のほどは十分持ってやらなければ、もうこれはせっぱ詰まった問題でございますので、緊急法案を出しているのもその趣旨でございますことを御了承賜わりたいのでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、だんだんとこの内容を掘り下げてみるといろいろな意見が出てくるわけで、頭からあなた方の熱意を否定しているわけじゃありませんけれども、しかし、この緊急という性格、緊急ということは絶対的な問題です。今の事態の問題です。現在的な実際問題で、今早くやらなければならぬ国民的な、国家的な要求だと思うんです。それで緊急という名前がついたのです。しかし、全体的に生活環境をよくするということになってくれば、特別清掃地域と、そうでない地域との差別があるようなことでは、この法律を実際に高度に高めるということになってくると、そんな分け隔ての中においては問題の処理がむずかしいのではないか、そこらあたりが死文になってしまう。だから、清掃法というものもこれに応じてお出しになるのが順当ではないかといったのです。しかし、この次にひとつまたいろいろ御意見を伺わしていただきたいと思います。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめまして、午後は一時より再開をいたします。午後の予定は麻薬取締法案でございます。  暫時休憩いたします。    午前十一時四十五分休憩    —————・—————    午後一時二十四分開会

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) ただいまより社会労働委員会を再開いたします。  麻薬取締法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑に入る前に、本日出席の政府委員並びに説明員を御報告申し上げます。間もなく西村厚生大臣がお見えのはずであります。なお、厚生省よりは牛丸薬務局長、警察庁より楢崎保安課長、大蔵省より丸山監視課長、法務省より竹内刑事局長、桂青少年課長、以上の方が御出席でございます。  これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、麻薬取締法等の一部を改正する法律案審議にあたりまして、まず、その日本の麻薬問題というのは非常に重要な問題でございまするし、両院で決議をいたしまして、そうしてまた、民間からの運動もだんだんと盛れ上がってきているわけでありますけれども、しかし、麻薬によるこの違反行為というものは撲滅をしない。むしろ陰性になって、今までよりふえているのじゃないか、こういうことをすら言われているわけでございまして、非常に残念な問題でございます。参議院の社会労働委員会といたしましても、昨年は麻薬地域に対して調査団を派遣いたしまして、いろいろと麻薬撲滅のために努力をしてきたところでございます。しかし、私はこの麻薬の問題がこのようにやかましくいわれ、まあ最近は少しマスコミの面に出方が少なくなって参りました。  しかし、あの当時から振り返って見て、麻薬そのものの違反行為、被害行為というのでございましょうか、何かこう、麻薬による人命にかかわる恐ろしさというものが影をひそめてしまって、麻薬そのものの違反行為が、おもしろおかしく国民の中に伝わっている、こういう印象を非常に強く受けるわけでありまして、本院におきましても、私はその問題を指摘をして参ったところでありますが、最近では、マスコミの全体の問題も、この問題も国民に訴える面では、だんだんと影が少し薄れたという感じを持っているわけであります。しかし、まあ、そういう点では、今度法律として、ここへ出てきたわけでありますから、何としても麻薬の問題撲滅のためには本腰を入れて取り組まなければならぬ、私たちはそう考えているわけでございます。  そこで、法律の審議に入るわけでございます。しかし、もう一度、といわなきゃならぬかわかりませんけれども、実際問題として、今日麻薬患者がどれだけおるのか、この厚生省でつかんでおられる点を御報告を願い、第二に、患者の重症、軽症の程度によるけれども、この法律では六カ月以上はやらないということに書いて、それまでいろいろ手続があるわけでありますけれども、患者の根治をするためには、この麻薬病にかかって根治をするためには、どれくらいの治療日数が必要なのか、こういう点、まず冒頭に厚生省から承りたいとこう思うわけであります。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 先般来、衆参両院の議決もありましたので、われわれは昨年末から、政府といたしましても、これはどうしても本腰を入れなければならぬ、それにつきましても麻薬を取り締まる取り締まり法規といたしまして、やはりいろいろ欠けるところがあるということで、今回の法案を提出いたしたのであります。  今お尋ねの、実際現状はどうなっておるかという問題でございまするが、これは実際は、まあその患者を正確に把握することは最も必要なことではありますが、また同時に最も困難なことであるわけでございます。その数につきましては後ほど、これは厚生省から、また検察当局はまた別な立場から、その数は合わなければならぬはずでございますけれども、これはなかなか、いろいろ認識の仕方というようなものもありまするから、ひとつ政府当局からおのおの説明をさせまして、実際、何をおきましても、現状をかちっと把握していくということは最も必要なことであろうと思う次第でございます。  あとは事務当局から説明をさせます。

牛丸義留大蔵省関税局監視課長

○政府委員(牛丸義留君) まず、中毒者の数でございますが、これは毎年、大体事件との関係——いろいろな麻薬事犯を検挙いたしまするのに関連して発見されるもの、その他のものがあるわけでございまして、その数は毎年、大体二千名、最近の数を申し上げますと、三十七年が二千百七十六名、三十六年が二千百九十四名というように、大体二千名ぐらいの数が、毎年これは発見されている数でございます。しかし、これは再犯者の中から発見されるというようなものもございますので、ダブっている面もございまして、私どもが、現在、今までの、そういうふうにして毎年発見した者のリストを整備しまして、そしてそれを整備したその数で住所なりあるいは性別、姓名、そういうふうなものがはっきりといたしております数が大体六千名ぐらい把握しております。しかし、これは現実に把握し得た数がその程度ということでございまして、ただいま藤田委員の御指摘の中にもございましたように、把握できない、あるいは非常に隠密化しているものも相当おるわけでございまして、そういう面から、大体国内において私どもは四万程度の中毒者と名のつく者がおるのではないかというように、これは推定でございます。  それで、この的確に把握しているリストは、警察庁のほうでも同様に、犯罪検挙との関連でそういう姓名なり実態を把握されているリストが六、七千名あろうかと思いまして、今双方で、そういう名簿の交換をやっておるわけでございまして、これが完了をしますと、つき合わせによってさらに正確な中毒患者の実態がわかるかと思うわけでございます。  それから治療の期間でございますが、これは今度の法律におきまして六カ月を最長限として強制入院の道を講ずるように法案では規定をされているわけでございまして、この六カ月にいたしました理由といたしましては、中毒患者を発見しまして、大体二週間、三週間、まあ一カ月以内というのが——これは禁断症状というものが出る、それが治療をすることによって、大体おさまる期間が一カ月以内ぐらいでおさまるわけでございます。しかし、麻薬の中毒に対する治療は、禁断症状を除去したというだけでは、まだ身体的にもあるいは精神的にも麻薬からの依存度というものが脱却できないわけでございまして、それ以後一定の期間収容いたしまして治療をする。その治療は、いろいろと薬物治療なり、その他作業療法等もあるわけでございます。そうして大体治療の期間は、早いものは三カ月程度で治療ができるということでございます。しかし、中毒の程度、それからその人のいろいろな性情、性質なり、そういう条件もございますので、その期間をもう二カ月ぐらい、そうしますと、大体二カ月ないし五カ月というものが、治療期間として必要な期間である。そうすることによって相当重症なものも身体的に、からだの上から、あるいは気持の上からも、麻薬を欲求するという、そういう一つの性癖というものが脱却される、その最長期間を六カ月として、六カ月期間内に、そういうふうなものは脱却できるというのが、現在私どもがいろいろと専門の先生方にお尋ねをした結論でございまして、その結論に従いまして、期間を最長六カ月というふうに切った次第でございます。

楢崎健次郎警察庁保安局保安課長

○説明員(楢崎健次郎君) 中毒者の実態を把握するということは、麻薬の犯罪捜査におきましても一番根本的な問題でございまして、これが把握には非常に努力をしておるわけでございますが、ただいまも牛丸局長からお話がありましたように、全体の実態の把握ということは非常に困難な仕事でございます。警察庁で現在把握しております数字を申し上げますと、昨年末現在におきまして、中毒者名簿としてわれわれが保管しておりますものは九千五百五十五名、そのうち住所その他確認できるものが六千四百二十八名、あとの三千百二十七名については、住所その他が特定できない、一応名簿にのみ登載してある。こういう状況でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 まあ私たちが視察に行って、そしてこの二つの問題を理解するのが非常にわれわれとしても自信がないわけです。たとえば福岡へ参りますと、大体福岡県だけで推定は三千人おる。推定はできるのだけれども、実際問題として把握がその何分の一しかできない、こういうお話なんであります。これはまあ、少ないほうがいいにこしたことはないわけですけれども、隠れて、陰性でこういう中毒者がふえていくというところに問題があって、私はいかにして、この把握をするかいうところに厚生省の取締官、それから取締員と、警察の任務がまずそこから麻薬中毒患者の撲滅の問題は出発しなければならぬのじゃないか、こういう工合に思うわけでございます。  まあ府県にも取締員はおられるわけでございますけれども、警察の側にお尋ねをしたいのですけれども、実際に麻薬の中毒患者の生息しておる所とか、販売が行なわれておるという所は、まあ何といっても特殊地帯、要するにスラム街のような所が多いわけですね。ですからそういう所に、つぶさに警察官が行って、各戸別に調査が行なわれておるのかどうかということなんです。これは厚生省の取締官にもお尋ねしたいのですけれども、実際にそれが行なわれておるのかどうか。そうなると、もう少し推定と、それから把握しておる人員との問題が浮き彫りになってくるのではないか。実際問題として、その把握が十分にできない原因がどこにあるか。たとえば人員不足に起因をしておるのか。またはその権限、住民と取り締まりをする側との権限の問題に問題があるのかですね。  そういう点についてお聞かせを願いたいと思うのです。

楢崎健次郎警察庁保安局保安課長

○説明員(楢崎健次郎君) 中毒患者の実態の把握につきましては、われわれが整備しておりますリストは、これは第一には、厚生省関係からの、県の薬務課あたりからの連絡をいただいて、いわゆる中毒患者として登載される、あるいは麻薬犯罪の検挙によりまして、禁断症状その他によって麻薬患者と確認する、そういったものにつきまして、そういったものを基礎にしまして、麻薬犯罪を追及し、その過程において、だんだんと新たな麻薬患者を発見して、大体毎年二千名程度の新たな患者を発見しておる、こういう状況であります。スラム街その他を徹底的に糾明すればというお話でございますが、もちろんそういう仕事もやっておりますし、最近の麻薬患者あるいは麻薬犯罪の実態と申しますと、従来のいわゆる濃厚集中地帯が取り締まりの強化によりまして、非常に麻薬患者が少なくなりまして、これが地方に、あるいは他県に転出するというような現象が非常に多く起こっておりまして、これはやはり広範な捜査体制と申しますか、そういったことによって、やはり大都市のみならず中小都市、田舎の医者を回る中毒患者、そういったものを全部把握して、実態を究明するほかはないと考えております。  ともかく中毒患者の実態の把握につきましては、われわれこれが麻薬犯罪の一番根本的な重要な問題であるということで、たびたび、これを徹底して整理し、あるいは確認するということを努力をしておりますから、われわれとしても、まだまだこの九千名というのが麻薬患者の全体であるとは思っておりません。これをできるだけ完全なものにするということによって、なお努力いたしたいと思っております。

牛丸義留大蔵省関税局監視課長

○政府委員(牛丸義留君) ただいま警察庁のほうから御説明のあったとおりでございますが、さらに二、三付け加えますと、私は、これは個人的な意見になると思いますが、取締官なり取締員も、警察と同様にいろいろとやっておるわけですが、なかなか実態を把握できない。その一つの理由といたしましては、もちろんそういう人員の不足ということもあろうかと思いますが、麻薬の中毒患者というものが、麻薬禁断症状を起こしていないときには非常に外見上判別できないわけでございます。  それで、私どもが先ほど御報告いたしましたように、麻薬中毒患者を把握できる一つのきっかけといたしましては、禁断症状を起こすか、そういうことで医者のところに治療を受けに行くとか、あるいはそういうふうなことでお医者さんが発見できるというものも、ある程度ございますが、主として麻薬事犯の関連において検挙されて、そうして取り調べ中、あるいは現行犯として検挙しているときに禁断症状を起こしているとか、あるいは起こすとかいう、そういうことによって、中毒患者というものが発見されるのが一番実態には多いわけでございますので、不正に麻薬を密売をして、そうしてそれを施用をしておる、そうすると、その麻薬が体内に残存している間は、一見正常人の行動と同じでございますので、なかなかそういうものを身体検査したりなんかということは、これは犯罪の容疑がない以上できないわけでございますから、そんなところにも一つは、なかなか実態がつかめないところがございます。  それからもう一つは、これが、こういう者たちが存在をしている地域が、非常にスラム街その他一般の住宅としても、そういう所が非常に複雑な環境を構成しているわけでございますので、なかなかその実態が把握できない。それからもう一つは、そういう人たちは割合に定住性がないわけでございますので、非常に、一定の住居に常に存在して定住しているというほどのものでもない、そういうふうないろいろな要因が、麻薬の全体数を把握するのに、なかなか困難な一つの原因になっているのではないかというふうに私どもは考えております。  しかし、最近は、特にこういう麻薬の一般的な世論のそういう批判にもよりまして、地域的な活動が、最近非常に濃厚地区においては上がってきておるわけでございますから、そういう住民の地域活動、そういうものと関連して、これからは今までよりも、そういう点は非常に私は明るい見通しができるのじゃないかというふうには考えております。もちろん私どもの努力が必要でございますが、そういう努力と相待って、地域住民の協力というものは非常にこれは大きく期待できるのじゃないかというふうに考えているわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 これは私の主観になりますけれども、どうも第一番目の問題のほかに、何かそこらに支障があるのではないかという気がするわけです。人員の不足の問題、取締官、取締員、または警察の人員の不足の問題も、どうも一つあるようでございますけれども、もう一つは、たとえば警察が個々についての取り締まり、取り調べといいますか、把握の問題について、何かもう一つ足らざるものがあるような気がするわけです。そうでなければ密集地帯、集中している地域ですから、根本的に熱心に共同して共同作業で洗おうとしたら、私は相当禁断症状になっている者が目につきやすいと思うのですけれども、何としても一連として、根は麻薬が日本に入ってこないということが、その根をとめるということが一番いいことだと思うわけですけれども、しかし、それはあとからお聞きするとしまして、どうもそこらあたりが、もう一つ十分に施策が講じられないような気がするわけです。だから、そこらあたりにやはり推定と把握の仕方の問題の非常に大きな誤差が出てくるのじゃないか、こういう気がいたしまして、私は今度の予算をふやして、取締官やその他警察庁も相当予算をふやされましたけれども、これでいいのかどうかという、むしろまだ疑問を持っているくらいでございます。これは警察庁や取り締まりを把握するための予算としては、これは厚生省、警察庁が大蔵省に出された予算そのままで、こうなったのですか。もっと、予算要求がどれくらいで、そして決定されたのがこれだというような食い違いの点、意欲的な面と決定との差というのは、どうなっておりますか、それもひとつ聞きたいと思うのです。

牛丸義留大蔵省関税局監視課長

○政府委員(牛丸義留君) ただいまの御質問の中の厚生省関係、特に取り締まり体制の増強ということでは、取締官の増員ということは、私どもは結果的には十三名の増員でございましたが、百名以上の一応増員要求はしたわけでございます。同様に警察庁のほうも、一千名の増員を出されたわけでございますが、結果的には、それが約一割強くらいの増員にとどまった。これは、そういう意味からいうと、私どもとしては事務局には、もっと実は人間もほしい、取締官もほしいということでお願いしたわけでございますが、これはいろいろな最終的には国全体の予算の問題で、取りあえず予算で決定しました人員の増にとどまったわけでございまして、厚生省関係の取締官及び取締員全体として三十三名でございますかの増員でございます。  これは本年度は、これだけの増員でとにかく私どもは十分とは申し上げませんが、最大限の活動をひとつやっていきたいというふうに考えておる次第でございます。

楢崎健次郎警察庁保安局保安課長

○説明員(楢崎健次郎君) 警察庁といたしましても、麻薬取り締まりを飛躍的に強化したいということで、実は千名の地方警察官の増員、国家公務員として十七名の増員、予算としまして三億余の予算を当初お願いしたわけでありますが、結果といたしましては、地方警察官の五百名、それから国家公務員の十名、予算総額にいたしまして一億九千万ということに終わっております。もちろんこれで十分だとはいえませんが、厚生省のお話と同様、この陣容で、とりあえずできる限りの努力をしたい、こう考えておる次第であります。  ただ、警察官の増員は、五百名予算的に承認になりましても、これは教養その他の問題がありまして、実員が第一線に配置されるのは、実は来年の四月以降であります。その間は素手で待つというわけにも参りませんので、できるだけ、増員のめどが立ったわけでありますので、現在の部内の人員をやりくりしまして、できるだけ麻薬陣容を強化して取り締まりを強化していくという方向で現在進めておる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで大蔵省の方にお尋ねしたいのですけれども、ことしは大蔵省のほうといたしましても、この麻薬の問題については、これだけ社会で問題になって、この負担が国内では七百億だといわれておるわけです。で七百億円も麻薬に使われているということが言われておる。これはもうむろん推定でございますけれども、そういう膨大な金をこの麻薬に使って人命が尊重されているということが、これによって虫ばんでいくというような非常に重要な問題でございます。ですから、私はやはりこれを撲滅するためには、だんだん議論になると思いますが、中毒患者を早く把握して治療するということも重要な問題でございますけれども、その根を、ほとんどは外国からヘロインを中心にして入ってくるわけでございますから、この根を断つのには、私は相当大胆な取り締まりをやらなければ事が成就しないというのが、われわれの委員会ばかじゃなしに、私は今こそもう国の、民族の問題として、国をあげての問題だと思う。そういうときに、こういう意欲的なものを、予算上からといって、こういうところで押えてしまったということは、どういう理解をされて、こういうところで押えてしまったのですか。まあ主計官でありませんから、直接はなんでしょうけれども、大蔵省としての考え方を、あなたも担当官でございますからお聞かせを願いたいと思います。

丸山幸一大蔵省関税局監視課長

○説明員(丸山幸一君) ただいまの予算の面につきましては私所管外でございますので、これは発言を差し控えたいと思いますが、税関といたしましては、もちろん先ほど先生のおっしゃるとおり、水ぎわでこれを把握するということが最も大切であることは十分承知しております。したがいまして、本年度におきましても、わずかな増員でございますけれども、若干の増員もいたしますし、税関の内部における機構におきましても、麻薬専担班等を設けまして、鋭意水ぎわでの作戦を練っておるというわけでございます。何せ麻薬は、いわゆる容量が小さいと申しますか、大きな外国船の中で、これを捜査するということも非常に困難でございます。もちろん私どもとしましては、大体麻薬の密輸が東南アジア、香港あるいは沖繩、韓国というようなところから入ってくることは、十分従来の実績に徴してもわかっていることであります。したがいまして、こういった方面から来る船につきましては、要注意船として、少ない人員で重点的に検査を実施しておりますし、また、情報の収集にも十分努力しておりますが、何せ先ほど申し上げましたとおり、このわずかの量を携帯品の一部として隠して持って来るということが非常に把握困難でございます。実績がそれほど上がっておらぬということは残念に思っております。今後とも一そう情報の収集、それから重点的検査というふうなことをやっていきたい、そう思っております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 まあそこでですね、非常に私も残念だと思うのです。で、私たちしろうとが見ても、これでは十分に把握はできない。これはやっぱり何とかして、もっと的確な把握態勢があって、取り締まり体制があったら、水ぎわで押えるといいますが、日本へ行けば、国内では、なかなかそういうことは、実際に売りさばきがなければ入って来ないわけですから、そういう売りさばくところが幾らでもあるから無理して入って来る。これがやっぱり根ですから、そこの取り締まりをがっちりやっておかないと、いかに水ぎわ作戦でやってみても、網の目をくぐって、どんなにしてでも入って来るというところに、受け入れ態勢が幾らでもあるのだと、日本にさえ上陸すれば、幾らでもはけるのだということが私は根本だと思う。だから取り締まりの問題が私は一番大事じゃないか、こう思うわけです。  それでお尋ねしているわけですが、これはいずれ大蔵省の主計系統の方に来ていただいて、大蔵省の省議で、どういう方向でこの問題を把握されておるか、大臣を初め、お聞きしたいと思いますから、あなたのほうは、まあ出先の方でございますから、これ以上は私は追及をいたしません。  そこで、まあその問題はひとつあとに譲りまして、それで、患者の治療の程度はどれぐらいかというのに対して、大体二週間か三週間で禁断症状がとれてくる。あと早い者で三カ月ぐらいだと、こう言われておったのでありますけれども、私たちが調査したところでは、そうでもないようでございます。問題は、いかにして麻薬がおそろしいか、麻薬を使っては人命を滅ぼすかという、むしろ教育のところにもつと重点が置かれなければ、この問題はむずかしいのではないかということを現地で聞いて参りました。これについてのあとから御意見を承りたいと思うのでありますけれども、禁断症状がとれて、そうしてその方々が一カ月とか三カ月入院をして、そうして、もうとれた。しかし、一年もしても二年もしても、麻薬があると、麻薬に飛びつきたくなるというのが多くの人の現状だということを聞いて参った。だから、この法律の概念から言うと、六カ月以上はもう入院をさせないのだと、その患者、中毒患者自身の症状から見れば、一応ある程度の治療の段階に入ると思いますけれども、しかしその後の要するに環境、その麻薬中毒者になった人の環境、生活環境、その他の保護措置と、それからその方々に麻薬というもののおそろしさというか、これは社会教育だと思いますけれども、そういうものがなければ、私は、病院は出たわ、二、三カ月は黙っておる、しかしまた麻薬に飛びつくという結果を繰り返すのではないか。そういう点が、今度の法律の改正のところに出てないと思うのです。私は、だからこの治療の段階として、一連の問題として、これをなぜ取り上げなかったか。こういう点は、どう見ておられるかということを私はお聞きしたいのです。御意見を。

牛丸義留大蔵省関税局監視課長

○政府委員(牛丸義留君) 病院で中毒の治療をやりまして、それから再び社会に出て行って、また再び麻薬のとりこになって病院に舞い戻る、こういうケースは、ただいま藤田委員御指摘のとおり、過去において、あるいは現在の各麻薬の中毒専門の病院等におきましても、私どもも、よくそういうことを聞いておるわけで拠りまして、この点について、一体どういうふうに考えていくかというお尋ねだと思いますが、いろいろとこの点に対する考え方はあるわけでございます。  たとえばもっと強制収容の期間を長くしていくというのも一つの考えでございますし、それから病院とは別に、いわばそういうアフター・ケアのセンターみたいなものを作りまして、そこで社会復帰の訓練なり職業補導等も十分与えて、その上で社会に復帰するようにするというのも一つの考えでございます。それでそういう点、私どももいろいろと考えたわけでございますが、今のこの改正法律の考え方といたしましては、強制入院として治療期間六カ月というものは、これはとにかく麻薬の中毒を治癒させるというのが一つのねらいでございまして、その治癒した患者が社会へ帰る、これは麻薬相談員というものを、私どもはいろいろと、そういう熱心な方にお願いいたしまして、そうして入院のときもそうでございますが、退院後の職業なり身の振り方というものをひとつ世話してもらう、いわばボランティアのケース・ワーカーの仕事として、個々のそういう退院してきた患者の社会復帰というものを、個々の問題として解決をしていくような道を講じていきたいというのが今後の考え方でございます。  それで、これにつきましては、衆議院におきましても、やっぱりそういう議論がございまして、ちょうど一般のその他の、たとえば結核患者なりあるいは身体障害者等におけるがごとく、集団で機能の復帰というものの訓練をやるような、そういうセンター的なものを作ってやったらどうかというふうな御意見も、私ども拝聴したわけでございますが、これはこういう私どもの今度の、六カ月でとにかく退院して、あとは個々の患者に対する相談員の、まあいわばケース・ワークの仕事におまかせするというような考え方をとりました一つの考え方の基礎には、たまたまこの法律を準備しますときに、国会提出のちょうど直前くらいでございますが、アメリカあたりのいろいろな話を聞きましても、アメリカは従来国立の、連邦立の収容施設がございまして、そうしてそこへ五カ年間強制収容させられるわけでございます。そうして五カ年間のうちに治療をし、それからいろいろな社会復帰の訓練をして、そうして外へ出す、社会復帰をさせる、こういう道をアメリカは従来講じて来たわけでございます。これはしかし、そういうふうにしていろいろと社会復帰の訓練、身体精神上の治療はもちろん、教育ももちろんのこと、社会復帰の、そういう操作をした後退所さしても、その七五%か八〇%近い者が再び中毒患者になるというようなことで、まあアメリカと日本では事情が違うわけでございますが、なかなかそういう長期に収容しても効果がない、実効が上がらない。で、経費だけが非常にかかるというようなことで、アメリカの中でも、州の法律が連邦の法律のほかにございまして、特別の道を講ずることができるようでございますが、カルフォルニアとニューヨークの二州には、それを今までの長期収容というものを改めまして、六カ月収容する。そして六カ月収容したら、原則として社会に出す。そしてそれを社会に出した形で、それに指導員をつけまして、そして中毒に対するいろいろな観察、それから社会復帰に対するいろいろな指導、そういうようなものをやるというような制度を昨年から始めたようでございます。この効果が、まだ始めて一年ぐらいしかたっておりませんから、それで十分な判定はできるかどうかしりませんが、ちょうど私どもが考えておりますようなことを新しくアメリカでもやってみようというような格好になっておるわけであります。それで、それだからやったというわけではございませんが、まあ長期に収容するということだけでも効果が上がらないということは、私どももある程度理解できたような気もしますので、要するに収容施設というものは、病院として中毒の治療をやる。そしてそれに精神的な立ち直りまで、もちろん治療の中には入るわけでございますけれども、そして社会に帰して、今度は社会に帰しても、漫然と帰しましたら、再びもとのもくあみになる危険が多分にございますので、そこに社会がそれを善導していくような方策を講じたらいかがであろうか。そういうことで十分とは思いませんけれども、麻薬相談員という制度を作りまして、そしてそういうものに、ひとつ具体的に相談業務なり指導業務に携っていただくようにしたらどうか。これはまだ全国的に相談員が設置されておりませんので、その間は民生委員なりあるいはその他の、そういうふうな社会事業関係に熱心な方にお願いするしかないと思いますが、現在は濃厚八府県に対しまして二百名近くの相談員を現在お願いいたしまして、そういうふうな社会復帰したあとの麻薬中毒患者に対する職業のあっせんなり、あるいは環境の改善ということにひとつお世話を願う。これには不十分ではございますが、予算措置もいたしまして、手当も毎月差し上げるわけでございますが、これはもちろん実費程度で十分ではございませんが、制度としては、さような制度でとにかくやっていったらいかがであろうと、こういうふうに考えたわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 警察のほうの意見を聞きたい。

楢崎健次郎警察庁保安局保安課長

○説明員(楢崎健次郎君) 警察のほうとしましては、警察の権限が、主として犯罪の取り締まりということにありますので、直接的には犯罪者の検挙ということに従事しておりますが、犯罪者の事後の補導、あるいは環境の浄化ということにつきましては、一般的な青少年問題、あるいは防犯対策といたしまして、環境浄化の委員の中に席を連ねて、そういった総合対策を推進するお手伝いをしている。こういう状況でございます。  たとえば神奈川県の黄金町、あるいはいわゆる麻薬濃厚地帯、そういったところにつきましては、警察はむしろ縁の下の力持ちではありますが、推進力となりまして、そういったところの不良環境を除去する。そしてきれいな環境を作るということにいろいろと努力している次第であります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで、どうもその点が今度の改正の中で欠けているようでございます。もう一つ、私ほどうも今度の改正で理解が——これは今までもそうですけれども、どうもぴんとこないと言いましょうか、麻薬取締官、それから取締員、警察官、海上保安庁保安官、矯正施設の長、こういう方々が麻薬患者を摘発をして、府県の知事を通じて病院に入れる。それには精神衛生鑑定医ですか——という経路を経て知事の主管において、あと処理がされるということなんですが、そこのところが、それでいいのかどうか、麻薬患者という認定は専門医でなければわかりませんけれども、その主管そのものが——取り締まっておる者と、それを受けるほうは知事ということに、この格好のものは、閣議決定の政令ということの順序になっておるようでありますけれども——だから私は、やはり中毒患者は、これだけの各方面の取り締まりの皆さん方によったものは、自動的に十分の八を国が支出するわけでありますから、ここで自動的に、その取り締まりの意を体して鑑定医がこれに通じて、そして自動的にその県の病院に入れる。セクションがどうも知事ということであると、君たちはやってきたけれども、うちではそうではないのだという格好に知事のところで何かセクションが一つできるのに対して、私はこんな——あなた方からいわれたら、そんな心配はないのだと言われるけれども——私から見ると、どうもそこのところが、せっかく摘発した麻薬患者が、そこらのセクションで支障を来たさないかという心配をしているわけです。  これは各方面に関係をするわけですけれども、それについての御所見を承りたいと思います。

牛丸義留大蔵省関税局監視課長

○政府委員(牛丸義留君) 中毒患者の強制入院の措置を都道府県知事がやるわけでございますが、これはちょうど精神病者それから結核患者、そういうふうな、ライについても同様でございますが、要するに都道府県知事は、いわば国の機関として、厚生大臣の下部機関としての委任事務をやるという形でございまして、一般の厚生行政がさような一つの行政系統を通っているわけでございますから、そういう意味でも、私は別に知事がやるから、国と別なことをやるという御心配は要らないのじゃないかという点が第一点でございます。  それから公費負担制度というのは、国が十分の八の負担をいたしまして、あとの十分の二は都道府県がそれを負担する。そして全額公費負担という形になるわけでございます。その十分の二を持ちます理由は、結局麻薬中毒患者というものは、その住民でございますから、住民の福祉という観点から、知事さんがそこに責任の一端を持つという、そういう意味もあろうかと思います。したがいまして、従来からやっております一般的な厚生行政の行政系統を通っていくという点と、ただいま申し上げましたような住民に対する第一次的な福祉行政の担当者であるという知事に、そういう任務を与えるということが私はむしろ適当ではなかろうか。  それからもう一つは、これは全然そういう筋の問題でなくして、実際問題といたしましても、国がそういう事務をやるとしますと、厚生省の直接の国の機関、出先の機関あるいは警察その他でも、そういうお世話をする機関というものを実は新しく作らなければならないというふうな不便もございまして、結局、厚生大臣の事務を都道府県知事が国の事務の委任としてやっていただくという、こういう系統を通って、一般の厚生行政と同様に措置をする、こういう考えで貫いたわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 だから、私の不安が杞憂であればそれでいいのですが、中毒患者を摘発し保護するという各方面の皆さんが努力されたことが、そのまま治癒、治療という関係が直通にいくということであれば、私は行政の関係で杞憂も何もしないのですけれども、どうも都道府県知事は、精神衛生鑑定医により入院を必要と認めた場合には云々という、知事の主管による鑑定医というものの鑑定が出てくる。国の主管による鑑定医によってやったものが知事のほうへいくというなら、それは行政上の関係で心配しないけれども、知事の主管による、そういう過去の経過ということになってくると、そこにやはり問題があるのじゃないかという気がいたします。そういう心配をするわけです。まあそれでないというなら、一応ここのところは、その程度にしておきましょう。私はまだ十分に理解できないですけれども。  そこで、もう一つの問題は、外国からの麻薬が入ってくるのをどうして食いとめるかという問題だと私は思う。これは私たちの今まで聞いた範囲におきましては、まず水ぎわ作戦といいましょうか、飛行場は税関の方々がやっておられる。海では海上保安庁の方々の努力と、警察の方々、取締官、取締員という工合に全般に皆さんが協力してやっていただいているわけでありますから、ひとつ税関ではどうやっている、海上保安庁ではどうやっている、その関連において厚生省の取締官は、どういう工合にして水ぎわ作戦において防いでいるか。それにあわせて国内の取り締まり、麻薬の売買、入ってくるやつの取り締まり、それから摘出、そういうものが今度警察庁、あるいは法務省のほうにあとは引き継ぐことになりますが、まず、現段階のところの皆さん方、どうおやりになっているかということをお聞かせ願いたい、こう思います。

丸山幸一大蔵省関税局監視課長

○説明員(丸山幸一君) お答えいたしますけれども、水ぎわ作戦、非常にむずかしいわけでございます。従来の実績から申しましても、情報をキャッチするということが非常にいい結果を見ているわけでありまして、情報をキャッチする、それによって船内一斉検査を行なうということがまず考えられる。しかし、この情報も種々雑多ございまして、なかなか信ずべき情報というもののキャッチもむずかしいという状態になっております。  次に、そういった情報ばかりでなくして、やはり東南アジア方面等から来る、いわゆる要注意船というようなものにつきましては、これも税関の取り締まり職員、必ずしも十分の人員ではございませんけれども、これが重点的に検査をする。また、そういった船から上がってくる乗組員等の通路にあたります監視所におきましては、これも重点的に捜査をする。  以上のように、当然予想されるような国から来るというような船につきまして重点的にやるという以外に、現在のところ、これを全面的に、たとえば羽田から来る旅客につきましては全面的に、これの検査を厳重に行なう、あるいはいかなる外国貿易船も船内検査を厳重にやるというようなことは、現在の陣容からして、たいへんむずかしい問題でございますので、そういった重点的な検査をするということで、また重点的に時期を限って一斉検査をするというような方法で、今日まで参ってきているような次第でございます。

樋野忠樹海上保安庁警備救難監

○説明員(樋野忠樹君) 大蔵省のほうからも御答弁ございましたように、やはり的確な情報の入手が、一番大きな効果を表わすものと存じますので、関係官庁とも連絡を密接にとって、なるべくいい情報を得たいというふうに努力しているのでございますが、それらの情報によりまして、船の構造その他につきましては、海上保安官は、相当船内の細部にわたりますところにも、特殊の機能を持っているわけでございますので、それぞれ厚生、税関、警察等と協力いたしまして、非常に大きな船になりますと、やはり前部、中部、後部等に、それぞれ捜査班を分けまして、相当の勢力を投入しなければ非常に捜査がむずかしいのでございますが、したがいまして、私どもの船艇の、巡視船の勢力が足らない場合には、数隻のものが寄って大きな人数を構成する、なお不足の場合にはそれぞれ警察、税関、麻薬取締官等の応援を得まして、なるべく迷惑はかけないようには努力いたしますが、船のすみずみまでも捜索するというふうなことを励行しておるわけでございます。昨年の十月以来、私ども立ち入り検査を励行いたしまして、約三百件程度の立ち入り検査をやっておるわけでございますが、また船艇の特殊条件といたしまして移動し得るわけでございまして、麻薬の濃厚地帯を離れたところに、また虚をついて現われるのが普通密輸船の特徴だろうと思いまして、さような点には、情報あり次第、船艇を移動させて、そちらで立ち入り検査をやる。それからまた、いろいろの前科のあるリマークされておる船につきましては、情報がございませんでも、入港するずっと港の前から船を追尾させまして、港の中に入りましてから、出港したあとにも、相当期間追尾させまして、海中投棄、その他の積みおろし等がないように監視を十分しておるわけであります。要は、非常にむずかしい作業ではございまするが、現有勢力を全面的に活用いたしまして、この麻薬密輸入の撲滅に資したいと努力中でございます。

楢崎健次郎警察庁保安局保安課長

○説明員(楢崎健次郎君) 警察といたしましても、海外の情報の入手ということは、麻薬犯罪の対策の第一点として、非常に努力をいたしておる次第であります。  具体的には、まず海外からの麻薬情報を入手するということのために、今年度の予算につきましても、バンコックに麻薬関係の海外駐在官を一名常駐させると、こういう予算を入れていただきましたが、従来警察では香港と、それからジャカルタに一名ずつの駐在官を派遣しておりまして、従来とも関係諸国からの麻薬情報の交換あるいは入手ということについては努力してきた次第であります。  一昨日新聞に出ました、神戸に入港したハイ・メン号で、麻薬の密輸入の容疑者を一名逮捕した。これは香港からの、こちらからの手配に対する具体的な情報提供による、こういう次第でありまして、逐次、こういった国際的な情報交換が捜査効果を上げつつある一例とも言えると思います。  そのほかに警察といたしましては、東南アジアの麻薬関係の諸国、ビルマあるいはバンコック、マラヤ、香港、中国、フィリピン、そういった諸国との麻薬ゼミナールというものを昨年も開きましたし、本年も九月、十月に開催する、こういった場所において、できるだけ連絡交換の実をあげていく、こういうことで麻薬の一般的な情報、あるいは具体的な捜査情報ということについて緊密な連絡をとるという努力をしておるわけであります。  もちろんそのほかに、これが国内に入ってきてからの密売網のほうからの捜査によって、密輸入のルートをたぐり上げる、こういう努力もいろいろいたしておりまして、そのために、おもな開港所、あるいは容疑船舶、あるいは容疑船員、そういうようなことにつきましては、リストを作りまして、これの内偵捜査を厳重にする、こういう対策も講じておる次第であります。

牛丸義留大蔵省関税局監視課長

○政府委員(牛丸義留君) 麻薬取締官の活動も、ただいま各省庁から御説明がありましたのと、大体同様のやり方をやっているわけでございますが、香港なりあるいはバンコック等からの、外務省を通じた情報なり、あるいは民間のやはり情報というものもございまして、そういうふうなものも、私どもとしてはキャッチしまして、それに基づいて、警察なりあるいは税関なりと連絡をし、あるいは海上保安庁なり税関のほうからの情報もございますので、そういうときには、先ほど御説明がございましたように協力態勢で、その船なり、あるいはそういう税関のところに行きまして、専門的な立場から検査に立ち合って、いろいろな検索をやりまして、そういうふうな密輸に対する、あるいは海外からの潜入に対する措置は、関係省庁と協力する態勢でやっているわけでございます。  それから国内におきましては、これは警察なり、そういうものとの関係もございますが、それぞれ私どものほうの取締官のいろいろな内面の調査、捜査によって、一つの事件がだんだんと判明いたしますと、これは主として検察当局が中心になって、警察が処理するほうが適当な場合は、警察にこれを委譲する、あるいは協同して行なう場合もございます。あるいは単独で、検察当局の指揮を受けて麻薬取締官が検挙に立ち向かう、そういうようなことで、協力ないし単独の検挙事務をやっているわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで、水ぎわ作戦といいますのは、何といっても私は飛行機と船だ、だから今税関のお話を聞くと、人手が不足だから、どうも十分なことができない。海上保安庁も、そのような意見を今までに聞いたことがあるわけです。たとえば一万トン級ぐらいの船が入ってくれば、少なくとも二百人ぐらいが入って、一日か二日家探ししなければ、実際摘発はできないのだという話を私は聞いたことがございます。こういうのをひとつやろうという意欲は、それは持っていただいているわけでありますけれども、あれだけやかましく言われてきて、麻薬取り締まりが、国内の問題、委員会でも非常にやかましくなってきたのでありますけれども、今麻薬の改正を何とかやろうというときに、人員の不足で、そこのところあたりは、ということになると、まあどうもできない。他の業務がたくさんあるから、専門的なものは、あまり持てないからということだけで、一番水ぎわのところでダルになってしまうということは、警察と厚生省の取り締まりについて大きな支障を来たすと私は思うのですが、どうでございましょうか。  税関と海上保安庁の方にお尋ねしたいのですけれども、どれだけの人員でやれば、どれだけの機構をもってやれば、水ぎわ作戦で、万が一抜けるところがありますけれども、せめて九〇%ぐらいは食いとめることができるのだというようなことは、どうでございましょうか、お考えになっておられるか、そういうことについての、ひとつ皆さん方の内輪のいろいろな話を聞かしていただきたいと私は思うわけです。

丸山幸一大蔵省関税局監視課長

○説明員(丸山幸一君) お答えいたします。税関の仕事は、もちろん麻薬に限らずいろいろな禁制品——輸入禁制品の取り締まりである。しかし、これだけがまた税関の仕事ではないわけでございまして、現在貿易の振興、いわゆる通関業務の円滑化、迅速化というようなことも、これはまた、やはり一方の大きな問題として取り上げられていることは先生御存じだと思うのでございます。したがいまして、たとえば羽田に来る飛行機の旅客を一斉に精密な検査をする、あるいはどの外国貿易船も、全部一斉に検査をする、そうしてその間、相当の時日、時間を要するというふうなことになりますると、これはまた、一方で大きな障害を来たすと、そう考えられます。  したがいまして、私どもとしましては、麻薬だけに限って、これを撲滅するには税関職員がどのくらい要るかというふうなことについては、まだ私どもとしては検討しておりません。もちろん先ほど先生のおっしゃいましたように、一船に二百人といたしましても、これは膨大な数になりまして、これはちょっと考えられない数字になると思いますが、私どもとしましては、そういった税関の両局面の要請、それをどういうふうに調和して、この麻薬問題について解決していくかというところに苦慮しているわけでございます。

樋野忠樹海上保安庁警備救難監

○説明員(樋野忠樹君) 海上保安庁といたしましては、麻薬オンリーではございませんが、いわゆる港長業務というのがございまして、私どもとしましては、両方を兼ねまして約五カ年間に六十八隻の港内艇、巡視艇の増強を計画したわけでございますが、先ほどもどのくらいの船艇と人数があれば自信が持てるかということでございますが、なかなか海上保安庁の船艇の代替建造ですら、私どもの規模が約毎年二十億ほどの予算が必要とするのでございますが、それに六十八隻を作りますといたしますと、約十六億ほどの金が要るわけでございまして、さような私どもの希望する船艇をもしいただけるならば、現在の所有船艇とともに勢力を加えまして、先ほども申し上げましたように、移動する船舶でございますので相当の威力が発揮できるのではないかと思う次第でございます。巡視艇の増強には、一隻につきまして乗組員が六名でございますので、六十八隻といたしましても約四百人以上のものが必要になって参ります。また港の立ち入り検査班といたしましても、やはり専門の船舶の構造に詳しい海上保安官をもって立ち入り検査班三班を編成しまして、六大港といいますか、麻薬の濃厚地帯に配置しまして、関係機関と協調して密接な連絡をとってやれば、相当の成果を上げ得るものと考えておる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 いやどうも、われわれが麻薬問題を議論をして参って、最後のところは、大体そういうところへくるわけですね。税関と海上保安庁の水ぎわで十分な手当ができないから国内に流れてくる。国内の取り締まりにも手薄がありますけれども、だいぶに国民の皆さんの協力もあって麻薬を、何とか中毒患者を少なくしていこうという世論が今盛り上がっているところでありますけれども、その水ぎわ作戦において十分になされていないと、ずっと入ってくる。だから、これはやはり国全体が第一の関門、第二の関門、第三の関門という工合にして、やはり計画的に麻薬が入ってくるというところの問題というものを私は指摘して浮き彫りにして対策を立てていかなければ、人員の不足の点は充足していく、費用の足らぬところは、そこにも費用を充足していくという工合に私はやっていかないと、肝心の今度の法律の力には、力によってやるというだけでは、どうも十分な効果をあげることができないのではないかという心配をしているわけです。  たとえば罰則の面を見まして、三年から五年が三年から無期懲役ということになったり、五十万円が五百万円という罰金になったりしているわけでございますけれども、これだけでは私はなかなか——これも一つの方法であるかもわかりません。これ自身が適当かどうかというのは、これから議論のあるところでございますけれども、どうもそこらあたりの、だんだん詰めていくと水ぎわ作戦のところで漏れていく。今五年間で六十八隻ということをおっしゃいましたけれども、ちょっと船がだんだん繁雑をいたしますと、神戸や横浜に百隻ぐらいの船が入っているわけですね。ですから、要注意国と、それから情報との面を摘出いたしましても、相当な数に私はなるのではないか。だから、それからだんだんと、ざるから水が漏れるようにして漏れて国内に入ってくるということになると、たいへんだと私は思うのです。  そこでひとつ、西村厚生大臣にまあ政府として麻薬対策を立てるのに、そういろだいぶ、ここで議論をしてきましたけれども、どういう決意で実は麻薬を撲滅しようとしておられるかですね、まあ警察当局も、そういう中で、いろいろテレビとか映画に麻薬の犯罪の行為が出てきているわけですけれども、警察当局としては、どういう工合にこの問題を見ておられるかという点の御意見をお聞かせいただきたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) なかなか、この方法をやれば絶対だというような方法というものが、それはまあもちろん、ヘロインは日本国内にはありませんから、完全に密輸入でございますから、密輸入を完全に防ぐという方法があれば、それはもうそれに越したことはないわけでございます。しかし、それを完全に水ぎわで食いとめられるかということに非常な困難性があるわけでございます。  したがいまして、ことしは予算の折衝の場合にも、もう少し情報官を置くべきじゃないかということをわれわれのほうはいろいろ申し上げたのですが、情報官を置くにしても、そういうようなむずかしい情報をつかむことそれ自身は、またなかなか容易なことじゃないというような問題もこれはあります。それから、たとえば今おっしゃいましたように、大蔵省の税関の問題だとか、海上保安庁が船を作りたい、それはまあ船を巡視艇を六十八隻作れば絶対に船のやつが防げるというようなことも、これはなかなか容易なことではないのであります。しかし、それは実際、もう船で来るか飛行機で来るか、それ以外に方法はないのでございまするから、その水ぎわで防ぐということは、もう最力点に考えております。最力点に考えてはおりますが、ことしも、この情報官をたった一名警察関係から向こうにやってみよう、バンコックに派遣してみようということになったのですが、これらのことにつきましては、もう少しやはり研究しなければならぬ。これはもう密輸入がなければ、日本でできておらないのですから、確かに最重点には考えておりますけれども、したがいまして、麻薬禍の撲滅ということは、やはりそういうこととともに、患者それ自身も取り締まるというような、もうあらゆる手から攻めていかなければならぬというような考え方をいたしておるのでございまして、罰則を強化——あまり罰則がきびしくないから、そういう犯罪が行なわれるのだというような意見もありますから、罰則の強化もいたしましたし、また、この患者につきましての、これは環境が悪いし、健全な職業がないから、そういうことになるのじゃないかというようなことだから、そういう方面のことも、少し力を注がなければならぬだろうと、いろいろな面から攻めておるのでございまして、しいてどの点を重視するかといえば、今言ったように、この水ぎわで防ぐといいますか、密輸入がないようにということには、これは力点を置いていかなければならぬと、かように考えておる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 今、水ぎわでやるのが一番いいというようなお話がありました。だから、私のお尋ねしているのは、せっかくここで法律改正をして撲滅しようというのでありますから、今の六十八隻やったところで、これだけ要るということでありましたけれども、たとえば巡視艇、それから船内に入って検査する人員も必要でございます。だから、情報ということを皆さんおっしゃるのですけれども、警察や取締官の皆さんが、いろいろ非常に長い間の経験からくる情報ということで、警察の捜査情報——捜査力というものに延長した情報ということになっているのだと思いますけれども、たとえば現地で一g——一グラムというのですか、現地で五百円のものが日本に来て二万円するというのですね、それくらい日本で売買されるというようなものが、どうも情報というものが、ほんとうにそんなに頼る——これは重要な頼りになる一つの方法かもわかりませんけれども、これだけ高く値段のつくものを、そんなに簡単に情報がうまく、国内ならともかくとして、外国の情報というのが、そんなにうまくいくのであろうかという私は心配をしているところでございまして、情報も大いにキャッチして未然に防止してもらわなければいけませんけれども、何といっても現物を水ぎわで押える。情報も一つの方法であるけれども、何としても現物を水ぎわで押えるということが私はやはり大事な問題ではなかろうか、そこらあたりの問題で、私は厚生大臣にお尋ねをしたわけで、水ぎわで押えるのには情報収集も必要であろうが、どうしてそれを押えるか、国内に入って、それをどういう工合に取り締まりするかという段階をおいて、やはりきちんとした基本方針を立てていただかないと、私はこの問題を押えるのには相当な困難があるのではないか、そういう気がするものですから、政府は今度の麻薬撲滅に対する基本方針というような確固たるものを、閣議できめられた基本方針というものを、ひとつお聞かせいただきたいということなのです。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 第一に、私たちが考えておる根本は、とにかく啓蒙指導をしたいということが第一点でございます。というのは、これはもう少し麻薬禍というものが、民族のこれはたいへんな敵だということを国民に認識せしめる。しかし啓蒙宣伝の仕方によると、ややもすると、それがかえって逆なような結果を、おもしろおかしく、結局好奇心をそそるようなことにもなりますので、そのやり方等につきましても、これはたいへん気をつけなければならぬと思っております。私は啓蒙宣伝をする場合に、大体これは非常に特殊な犯罪でございますので、やはりこの地域活動、その土地のこれは特殊な環境の悪いところでやはり発生することは、これは事実でございますので、その地域の方々の熱心な地域活動に待つのが非常にいいと思います。現にやはり地方では熱心に麻薬禍のために心配をしてくれている方々がたくさんありますから、そういう方々の総力を結集していきたい。そういうような意味において啓蒙指導をやりたいと思っております。  御承知であろうと思いますが、中央におきましては麻薬推進本部を作って、総務長官が推進本部長になっておりますが、これは役所の関係としても、それぞれ地方でも作ります。地方でも地方の推進本部を作りますが、それと並行して民間団体の活動を期待して、それらの方々に啓蒙指導をさして、そうして地域活動を盛んにいたしたい、かように考えておるのでございます。  第二番といたしましては、どうしてもやはり、この麻薬の犯罪の取り締まりをやる。やはり犯罪の取り締まりをやらなければなりません。したがいまして、今回の警察官の増員というようなことが、これは犯罪取り締まりの強化をする一つの手段でございます。これは取り締まりの強化は、そういう国内の取り締まりということと、もう一つは、国外からの密輸入に対する対策、これはもちろん一番重視することではございますが、今言ったとおり、非常に困難性があるわけでございまして、水ぎわで防ぐといっても、やはり情報をキャッチして、水ぎわで防ぐことができるので、多くの飛行機、多くの船に対して暗中模索しては効果が上がらぬと思いますから、やはり情報と相待ってやることだと思っておるわけでございます。  第三番は、この施設を充実いたしまして、麻薬中毒の患者に対する更正といいますか、ということをはからなければならぬと、かように思っておるのです。  以上申し上げましたように、大体、啓蒙宣伝をする、その地域活動に身を入れる。これは非常に熱心に地方の方々の協力を得ないと非常に特殊な犯罪でございまして、それがやはり第一だと私は思います。  第二番には、今言いましたように、取り締まりをする場合の密輸入の取り締まりの強化、これは非常にむずかしいので、一人や二人の情報官を出しても、はたしていい情報がとられるだろうかどうだろうか。言葉もわからないのに、そんな秘密なことが、はたして成績があがるかどうかというので、とかくいろいろ予算折衝のときに議論になりまして、ことしはわずかに警察庁から、それではバンコックに一人ということが認められたわけでございまして、私たち、重視はいたしておりますけれども、非常にむずかしいということでございます。いずれにいたしましても、取り締まりの強化をして、国際的な犯罪でございますから、国外及び国内に対して取り締まりの強化をやる。それから中毒者に対しましては、これはあくまでもそれを収容施設に入れまして、病気をなおすとともに、あとはいわゆるアフター・ケアと申しますか、いろいろな指導をして参りたいと、かような三つの点から、おのおの改めていこうという考えをいたしておるのでございます。われわれは一生懸命やっておりまするが、どうかひとつ、そういうやり方は悪い、こうあるべきじゃないかということでありますれば、私たちは幾らでも御意見は承りまして、この麻薬禍のために前進したいと、かように考えておる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そんなら私は大臣に申し上げたいと思うのです。啓蒙宣伝、民間の皆さんの協力を得る、国内の取り締まりを強化する、そうして麻薬というものがおそろしいものだという工合にテレビや映画や、むしろそこのところを重点に、映倫によってきちんとけじめをつけてもらいたい、これが一つです。  今、海上保安庁の方が仰せられるように、五人一組みの巡視艇を三組みお作りになって徹底的にやれば、やはり何とか水ぎわで、ある程度の大きな効果をあげることができるけれども、その人がないのだということをおっしゃっておるわけです、警官も。だから、あなたのおっしゃるように、船と飛行機なんです、水ぎわで入ってくるのは。だから国内のそれをやると同時に、まず水ぎわの問題というものを人をふやして、きちっとやるということが、これは厚生大臣としてではございません、内閣の代表として御意見をおっしゃったと思いますから、私はそれを申し上げたい。そうでなければ、国内で幾らやっても、国内で起きたやつは罰則強化で処理をするのだ、道徳に待つのだということは、これは肝心なことです、今おっしゃったとおり肝心なことでございまして、しかし水ぎわのところが、ざるに水を入れたような状態であったら、私は防ぐことができないということを申し上げて、そこのところのけじめをつけてもらいたいということなんです。  そうでなければ私たち、これを長い間一年も二年も麻薬の問題と取り組んできて、ようやく法の改正をやって、人員も努力をしてふやしていただくようになったのでありますから、そこらあたりの問題もこれは専業でおやりになっているところでありませんから、麻薬取り締まり司法警察とか、そういう工合にして、警察と厚生省は専門にやる機関があるのですけれども、税関とか海上保安庁は専門でないのですから、なかなかむずかしいから、これだけのことはやはりしてもらわなければ、ある程度これについて専門的に防ぐことはできないとおっしゃっているのですから、これはひとつ内閣の方針として、ここのところへ力を入れていただきたい。これを私は大臣にお願いします。今、皆さんの意見を聞いたら、十分に改めましょうということをおっしゃったのですから、ここのところへやはり麻薬の今度の撲滅運動の中心になる法律をまず一歩踏み出して、そしてやっていこうというのでありますから、ここのところも、しっかり把握していただいてやっていただかなければ、私は十分な成果があがらないのではないか、こういう工合に思うわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 皆さんの意見を聞かしてくれという大臣の御意見ですから、私も少し申し上げたいと思うのです。  これだけ世論が高まって参りましたので、政府も非常な強腰で五十万円が五百万円というようなこと、一年に十年が、三年に無期だというようなことを出しておられますが、この法律のきまったのは十年前です。十年前だと土地だって今日は十倍になっております。何もこれは強いのでないのです。そして調べてもらうとわかるように、私今ちょっと調べてみたのですが、十万円の罰金を打たれた人は、この十年間一人もないのです。最高が八万円しか打たれてない。おそらく今のままでいったら、水ぎわでどんなに皆さんが苦労して押えられても、日本の場合は無期になるような人は一人もおらない。五百万円の罰金を打たれる人は一人もおらぬ。こういうことになると思うのです。今まで十万円打たれた人がいないのです。そうすると私はこういうことで撲滅ができると思うのは大きな間違いだと思う。  そこで、大臣に今度質問いたしますが、日本は今、密入国、あるいは密輸入の天国だと言われている。新聞でもしょっちゅうそれが言われておる。そうしますと諸外国は一体どうか。社会主義の国でも資本主義の国でも、先進国の例をひとつあげて、こういう日本のように麻薬が密輸されて害毒を流した場合に、どういう刑罰をされておるのか。またこれを入れないために、どういうことをやっておるのか。同じことをやって日本にだけ入ってくるというなら、日本の取り締まり陣がそれだけ低下しているのか。私はそうじゃないと思う。どこが悪いのか。日本人が外国人に比較して、麻薬に対するあこがれを持っているのか。そうするならば私はPRの問題、教育の問題だと思う。しかし今のままでやっていけば、私の考えでは、あなた方が水ぎわで一生懸命苦労される。いわゆる刑罰、罰金を十倍にふやしたぞとおっしゃても、逆にいえば、向こうはそれ以上のことを考える。罰金が十倍にふえれば利益が十倍ならいいじゃないか、イタチごっこです。少しくらい強化されても、向こうはより以上頭よくやってきます。少しくらいの罰金がふえたって、それ以上のことをやってきます。そうするとイタチごっこになると思う。さっきの八万円は間違いました。訂正しておきますが、十年間の懲役にした人は一人もおりません。八年が最高です。そして途中から帰って、満期までおった人はおりません。  そうすれば、私はきょうこの本を見ても、一人の麻薬患者が年に九百万使っておる。これを牛耳っておる方々が七百億円もの金をもうけて、海外に日本の金が出ていっておるといわれておる。このくらいの罰金やこのくらいの罰則で取り締まりができるか。また、その衝に当たっておられる方々も、皆さんから私たちに、こういうことでは私たちは取り締まれませんと。これだけ向こうは大きな資本の力を持っておる。しかも国内ではなくて、国外の方々、第三国人の方々が大部分である。これは、こうしてもらわなければとても取り締まれません。国内においては教育その他で一生懸命やってもらいたい。自分たちはこうしてもらわなければ、とても取り締まれません。こういうことが出てこなければ、これだけを論議しておったんでは、この範囲内だけのことになっちゃう。それでは、私が心配しておるのは、イタチごっこで、私たちもこれを一生懸命審議して出しても、より以上向こうは利口になってくるんで、イタチごっこで、こっちが強くやれば、向こうはよけい頭よくやるということだと思うんです。  また、私が不思議に思うのは、ごく最近の新聞で見ましたが、これだけやかましくなったところが、横浜の麻薬患者がどこへ行ったかわからなくなっちまったということが新聞に出ておった。そういうことがあり得るだろうか、日本の国内で。禁断状態にまで入っているような麻薬患者がたくさんおる。しかもそれを警察がずっとマークしておる。一人や二人じゃない。三百人からおる人が、どこかへ消えていなくなったというんです。そんなことで、外国から頭のいい人が持ってくるのがつかまえられますか。自分の国内の者が、しかも自分たちが網を張っておる、警戒をしておるその人たちが、行くえがわからなくなってしまった。どこにおるかわからない。これは法律の問題じゃないと思うんです、そういう問題になってくれば。どこに欠陥があるのか私たちに教えてもらいたい。私たちは逆に聞きたいんです、そういう点。なぜ行くえ不明になったか、麻薬患者がですよ。麻薬患者がおらぬようになってしまった。新聞がうそであったならば、うそとおっしゃっていただきたいけれども、私が新聞を見ても、そう書いてある。一体そういうことで、取り締まる取り締まるとおっしゃる、水ぎわで何とかしたいとおっしゃるけれども、水ぎわどころか上陸してしまって、体の動かない方々がわからなくなってしまうというようなことで、麻薬取り締まりができますか。私はこの写真見せてもらったけれども、ほんとうにおそろしい気がする。それをこういうことで取り締まれるだろうか。  私の言ったことが間違いであったならば、大臣に指摘してもらいたいし、あなたはこれで完全とはいかぬけれども、諸外国に負けぬだけやれる自信があるならば、そうおっしゃっていただきたい。私はこのくらいではだめだと思う。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) まあ私たち麻薬の撲滅のために、ほんとうに撲滅のために戦うつもりでございます。しこうして今までのいろいろ法規上の欠陥を、それぞれ是正するために今回法案を提案いたしたのでございまして、しかし犯罪でございまするから、先生がおっしゃいましたように、こちらがこういう手を持ってくれば、敵はまたいろいろな方法を考えるわけでございまして、先般の新聞も、そういう一つの現われであろうと思っております。したがいまして、まああらゆる面からやはり攻めていくという以外にはないかと思われます。  しこうして、そのうちにはおのずからその緩急もあると思っておりまするが、今までのこのやり方は、やはり予算的にも法律的にも欠陥がありましたので、今回はそれを改善したい。予算につきましても、本年度は、実は従来関係者——厚生省、総理府、それから大蔵省、法務省、警察庁、海上保安庁等の関係の役所で大体麻薬対策のために行使されておった予算が三億余りの金でございましたが、三十八年度はそれが九億九千四百万円、約十億の金になったのでございます。したがいましてこれらで十分であるかといいますれば、私はまあこの程度で、この際はひとつ十分で、これを見まして、今後ますます強化をしなければならぬ、取り締まりの人数や、あるいは施設の面で強化をしなければならぬと思われますれば、将来に向かって、また考慮しなければならぬと思いまするが、いずれにいたしましても、今までは等閑に付したわけではございませんが、すべてのこういう点について、われわれは手ぬるかったのではないかと思われまして、今回の法律の改正になったのでございます。  どうかその意味におきまして、私たちも麻薬禍——非常にむずかしい犯罪でございますので、いずれもこれは専門家の意見も聞いてやらなければならぬことでございまするから、私が申し上げましたのは、いい方法があれば、いかなる方法でも麻薬禍のために率直に取り入れて善処をしたい、かような意味で申し上げた次第でございますので、何とぞ御了承を賜わりたいと思います。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 諸外国では、麻薬に対して、どういう取り締まりをやっているか。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) ただいま御指摘がございましたが、先生のお気づきになっていない点が一つございましたので、私どもの立場から申し上げておきたいと思いますが、現行法は、七年以下ということになっております。この刑罰のもとで、昨年九月七日、東京高等裁判所、懲役十年、罰金五十万円という判決をいたしておりまして、これは併合罪でそういうふうに刑が重くなっているわけでありますが、現行法のもとでは、ぎりぎりの天井を上回った刑が、現実に現われておるということを申し上げておきたいと思います。  それから、取り締まりにつきましては、非常に困難な問題を幾つか持っておりますが、それにもかかわらず、むずかしいからといって投げやってしまうわけにはいかない、事柄はそれほど重大でございますので、関係の捜査機関はもとより、私どもも、ここにあらゆる知能をしぼりまして取り締まりの実効の上がりますように努力をいたして参ってきておりますし、今後この法案の罰則強化を機会に、さらに一段と刑の真に効果のある実施をいたして参りたいというふうに考えております。  ところで、外国の立法例でございますが、もとより私は、諸外国の立法例につきまして精通いたしておるものではございませんが、私どもの目に触れました外国の例を拾ってみますると、御承知のように、アメリカにおきましては、非常にこの麻薬禍について、被害も相当ありますし、かつ関心を持っておりまして、その罰則につきましても、連邦の罰則と、各州の罰則と二本建の構成になっておりますが、連邦のものを見ましても、日本の現行法とは比較にならぬほど法定刑も重いのでございますが、ただ御注意を願わなければなりませんのは、アメリカの法体系と日本の法体系とは非常に違っておりますために、アメリカでは人間の一生に生命がつながらない百年というような刑も出てくるわけでございまして、そういう点は、大陸法系の日本では、そういう刑罰というものは作り得ないことになっております。そういう法体系上の制約がございますが、全体として見まして、アメリカの刑が相当重いものであるということはわかるわけでございます。特に、州の法律の中に、たとえばルイジアナ州の法律では、二十一才未満の者に対して麻薬を販売した場合には、死刑にすることができる、もしくは三十年以上九十九年以下の体刑というような形が出ておるのでございます。そういうふうに、アメリカの法体系は違っておりますが、全体として見まして、非常に峻厳な刑罰をもって臨んでおることがわかるわけでございます。  フランスにおきましては、これはヨーロッパ大陸のほうでは、ちょうど現行法あるいは戦前の日本といったような状況下にありまして、刑罰は日本よりもむしろ軽い国のほうが多いかと思うのでございますが、フランスなどでは麻薬取締法というような法律でなくて、衛生法という法律の中に、麻薬事犯に対する罰則が設けられておりますが、一般の犯罪としましては、三月以上五年以下というような軽い刑になっております。  それから、ドイツにおきましては、麻薬取締法という法律がございますが、一番犯状の重いと思われる麻薬の輸出、輸入、生産、販売、譲渡、所持というような典型的な犯罪につきましても、ひとしく三年以下の軽懲役、こういうことになって、軽いのでございます。  一方、麻薬の生産地につながる世界での濃厚地区といわれます東南アジアからアラブ連合にかけましては、特にアラブ連合におきましては、一九六〇年の麻薬売買の禁止及び麻薬の施用、取引の取り締まりに関する法律、こういう法律のもとでは、無期徒刑とか死刑という刑罰を置き、罰金も三千円ないし一万エジプトリーブルで罰金がきめられておるのでございます。  それから、東南アジア関係で申しますと、香港では、危険な薬品に関する法律、これが一九六〇年に罰則が強化されたのでございますが、これの条文を見ますると、重大事犯につきまして懲役十五年——従来は十年でありましたものが、十五年と高くなっておりますが、いわゆる単純な所持、施用等の犯罪につきましては、三年、一万香港ドルといったような刑罰になっております。  タイ国におきましては、一九六一年に罰則を強化いたしておりますが、特にヘロインの輸出入、製造等につきましては、死刑、無期、五年以上の懲役または五万バーツ以上五十万バーツ以下の罰金といったような法定刑が定められております。ヘロインの所持につきましては、一年以上十年以下ということになっておりますが、かように見て参りますると、これはすべてではございませんが、日本の麻薬取締法が、どうしても軽きに失することは、すでに裁判の実務の上で、七年の法定刑に対して十年の刑を盛らなければならぬというような事態になって参りますし、その対象となって参りました犯罪者は、いわゆる大物中の大物と申しますか、大物ではありますけれども、段階からいうならば、何段階か経た者をさしておるように思われる点を考えてみますると、とうていただいまの現行法の、取締法の罰則では、事態を十分処理することができないということから、今回の罰則強化に踏み切ったわけでございますが、多少、立法の技術的な問題もございまして、従来は常習犯というような考え方を罰則の中に置いておったわけでございますが、これを一切取り払うことによりまして、実際問題として有期懲役になりますものは十五年以下でありますが、それがさらに二十年まで上っていくという事態も当然考えられますし、最も悪質犯と思われる輸出入、製造等の行為につきましては、画期的と思われます無期懲役をもおいた次第でございまして、諸外国の立法例と、改正されようとする取り締まり、罰則とを比較いたしてみますると、決して軽い、麻薬を甘やかしたような取り締まり、罰則にはなっていない。むしろ相当世界的に見て強い、きびしい態度をもって臨んでおる法律体系というふうに見て差しつかえないと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 あと質問者があるようですから、またいずれこの次いたしますけれども、刑事局長に一つお尋ねしておきたい。  それは、私たちが現地へ行って警察官の方、警察、それからいろいろと各方面の方を来ていただいて現地で調査いたしますと、今、麻薬取締法の罰則が取り締まりの中から引き継いでこられた問題を検察庁で調べて裁判になるのですけれども、どうも肝心なところで保釈で出て行ってしまうということで、せっかく大きな獲物をつかんだけれども逃げてしまう。そういうことで、せっかく取り締まって摘発してきた者が、何か、いいかげんなものとは言いませんけれども、そういう格好になってしまうということで、非常に残念がっておられたのがありました。あまり詳しく言うと裁判権の問題ですからいけませんから、あまり私は言いませんけれども、今回の法改正に基づいて、その点は改正されたわけでしょうか。保釈出所という問題について、麻薬犯罪者に対してはどうなっているか。今後この法案を検討するにあたって参考までに私は一言聞いておきたい。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) ただいまのようなケースが、私どもも実は幾つか経験をしておるのでございまして、現に横浜地方裁判所で係属しておりました麻薬事犯のキングなるものが、保釈中に国外に逃亡いたしまして、アメリカの裁判所で審判を受ける、それに不思議な縁で日本人が証人に現地へ行って、そのアメリカの裁判に協力して、判決を受けるような仕儀になった事例もございますし、そういう特別な事例でなくても、今御指摘のように、せっかくつかまえたのに、間もなく保釈になってしまった事例が少なからずあるわけでございます。これは刑事訴訟法の関係からくるのでございまして、御承知のように、一定の犯罪につきましては、保証金さえ積めば権利として保釈を受け得るという手続になっておりますことからくる事態でございます。われわれの真に遺憾に思うところでございますが、これは刑事被告人の人権を守っていこうという憲法の規定に基づいてできた制度でございまして、この点を改正することはむずかしいのでございまするが、それは先ほど申したように、犯罪の形態によってはそうなるということでありまして、今回の罰則強化によりまして、おもな犯罪は相当一年以上といったような刑になっております。それから、また、下の一年という短期の、きめてない罪につきましても、大体この種の麻薬事犯というのは、常習犯を除きましたのは、本来常習的な犯罪なんで、私いつも申すのでございますが、窃盗の中でも、すりも窃盗だし、普通のかっぱらいも窃盗でございますけれども、すりというのは、もう常習じゃないとなかなかできない。まあすりといえば常習犯だと見られるくらいに思われる窃盗なんでございますが、ちょうど麻薬の施用、販売と譲り受けといったようなものも、中毒症状を見ればわかりますように、これは常習的に使えばこそ中毒になるわけで、それをまた供給して参りますものは常習的にやっておるわけであります。そういう事態を刑事訴訟法の規定に合わせて照らしてみますと、まさに常習犯として行なった犯罪でございますので、権利保釈から除外されて、裁判官の裁量によって保釈するかどうかをきめるという犯罪の部類に入るわけでございます。この罰則強化によりまして、副作用的と申しますか、反射的に相当な部分のものが権利保釈から裁量保釈のほうに移ってきております。それから、また、事犯そのものも、常習的と見られるということを立証さえすれば権利保釈から裁量保釈になるわけでございます。したがいまして、刑事訴訟法には何らの手をつけませんけれども、そういう面で罰則強化が権利保釈からはずされるという結果になっておると思うのでございます。  しかしながら、これは事案々々によってきめるべきことでございまして、中にはどうしても保釈をしては適当でないと思われるものもありますし、また、中には、これは保釈をしても十分だ、安全だというものもありますので、そこは裁判所の実務に照らしまして、合理的に、適正に行なうように配慮して参りたいというふうに考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 今刑事訴訟法の問題が出ましたけれども、やはり問題として出てきておるのは、権利保釈じゃなしに、判事の保釈ですね、そういう格好のところに非常に不安があると思うのです。だから、今常習犯として判事保釈に移行したということですが、その判事保釈のところに問題がある。まあ人権問題がありますから、私は一律にこれをとめろとか、無視せいとは言いませんけれども、しかし、あなたが今おっしゃったように、麻薬なんていうのは、密輸入販売なんというのは、しろうとでできる問題じゃないのです、実際問題として。だから、やはり何も罪を憎んで人を憎まずということでございますから、それは私は罪に落とすだけが能じゃないと思います。しかし、次から次へ根が断たないというのが今日の現状なんです。  だから、その点では私は警察庁や検察庁や、取む締まり出先の有機的な協力をしていただいて、やはり撲滅という一本の柱に集中していただきたいと私は思うのです。  そこで、私はお願いをしておきますが、検察庁の立場から、よく犯罪行為の全貌を見ておられると思います。ですから、最近の特徴的な事犯、それから、今の警察庁から見た麻薬犯罪の全貌と申しますか、それは細部のところまではとてもできないと思いますが、全貌をひとつ資料にして——来週火曜日にここでやりますから、それまでに出していただけないか。大体どれぐらいの、犯罪行為にあがってきたものの中で、まだ隠れている推定もありましょうけれども、あがってきたものと推定とが、どういう経路で、警察庁から見られた、日本に麻薬が密輸で入ってきている状態と犯罪行為の全貌、どういう人の経路によって日本へ麻薬が入ってきているか、こういうことを、把握される限度でけっこうですから、ひとつ資料で出していただきたい。それから、警察庁にも厚生省にもこの点はお願いをしておきたいわけです。で、取り締まりの面から見て、日本の麻薬密輸入がどういう経路で入ってきているかというようなものをひとつ浮き彫りにしていただきたい。そうして、できたら、濃厚地帯といわれているのは、大きな港が中心です。神戸から大阪、それから横浜、福岡県、まあ今までの私の調べたところでは、そういうところがまず中心になってきて、むろん名古屋、東京、京都にも芽が出ておりますけれども、そういう濃厚地帯十府県というものをあげられておりましたが、この十府県の麻薬の取り締まりの面から見られた現状というものを、ひとつ来週の火曜日までにぜひ出していただきたい。これをお願いしたいというわけでございます。いずれまた次には出ていただいて御意見を聞かしていただくことになろうと思いますけれども、特に税関のほうも海上保安庁のほうも、皆さん方の立場から、今日まで取り締まりについて努力をしていただきましたこの現状と、それから、先ほどからお話のありましたような、水ぎわ作戦で、どれだけの構想を持てば、大体何%くらいにとどめることができるのだというようなことを、ぜひひとりこの次までに、来週の火曜日になると思いますけれども、それまでにお出し願えないか、これは皆さんにお願いでございますけれども、ぜひそうしていただきたいとお願いしておきます。それで私は、ほかにございますので、きょうはこれでやめます。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 今の資料はよろしうございますね。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 麻薬犯罪は、これはその被害の及ぶ範囲を考えれば公敵の第一号だと私は考えます。したがいまして、これに対する犯罪は、いかにきびしくしても、きびし過ぎることはないというふうに考えております。私の個人的見解からすれば、今回改正される取締法でも、まだまだ量刑が不足だというふうに考えますが、今日はその問題をはずれましてですね、今のような麻薬犯罪に対する徹底的な糾明をしてほしいという要望なりが当然出て参りますが、峻烈な追及が副作用的に出てきまする現状について、これがたまたま憂うべき現象になると非常に困りますので、その点について当局側の御意向をお聞きしたり、またお願いしておくつもりでございます。  その第一は、何としても麻薬犯罪を根絶させる一番効果的なものは、先ほども藤田委員が触れられたように、密輸入されるところの麻薬を根絶させることが一番近道だ、こういうふうに考えます。したがって、何としても当局は、この密輸入を根絶させるように全努力を払ってもらいたい。ところがなかなかその効果は願っても、遅々として上がらないという実情にありますと、その取り締まりの影響がはからないところに、当局の予期しないところに副作用的な現象が出てきているという点を私はこれから指摘したいと思います。この前の委員会における説明にもありましたように、密輸の薬を徹底的に取り締まっていきますと、中毒患者が手に入れにくくなるものだから、それが必然的に医療機関に殺到して、そこから薬を入れようとする傾向がだんだん強くなる。したがって、医療機関としても、従来よりも一そうその点について警戒をしなければならない、これは当然のことだと私は思います。ところが現実にこの傾向は、すでにある程度出てきておりますが、それに伴って憂うべき傾向は、今まで医療機関が、いわゆるいつでも警察当局の資料に、この前私が指摘しましたように、医師ないし医療従業員の犯罪が非常に多いのだというような資料をいただいておりますが、その犯罪事実を些細に検討してみますと、たった一回中毒患者に頼まれて、注射を打った者までも、刑事犯として取り扱われている。統計上は犯罪者として取り扱われている。それがために、非常に数が多くなっているということです。この前私が指摘しましたように、検察当局、警察当局にもまだ一つの迷信がある、どういう迷信かというと、医者ならば中毒患者を一目見ればわかるはずだという迷信があるのですね。これはあくまでも迷信なんですから、今日事実上、上層部から下層部を指導する場合に、この点を注意していただきたい。相当熟練した医者でも、初めての中毒患者を見破るなんというのはなかなかむずかしいんですよ。ところが実際中毒患者にだまされて、医療機関で注射をして、警察に呼ばれて調べられたような場合、頭から知っていて打ったというふうに調べられる事実があるわけです。これはしろうと考えとして無理からぬことだと思いますが、中毒患者だけはなかなか、それはある程度進んだ患者なら別ですが、そうでないものを一見して見破るということは、相当熟練した医者でもできないのです。したがって一回ぐらい来て、腹が痛い痛いと言って、麻薬の注射を打ったというのが、常に知っていて打ったという誤認の上に調査などされないように、これは厳に私はお願いしておきます。従来は中毒患者として発見すれぱ当局に届けます。ところが中毒患者を届けたからと言って、身柄拘束をされるわけでも何でもない、届けられた者が、ふんまんやる方なく医療機関に来て大声で文句を言う、それに対して警察の保護を頼んでも、十分な保護をしてくれないという実情があった、そういう実情が長年習慣的にあったものですから、今でも医療機関というものは、うっかり届け出て、そのしっぺ返しが自分のところにきてはかなわない。言いかえますれば、従来の習慣的な事情からすれば、警察が自分のほうを緊急に、即刻に守ってくれなかったということ事態があるわけですね。  この点はひとつ、ぜひとも当局におかれては、事情を十分了承、察知していただいて、単に一回だまされて打ったものを刑事犯として峻烈に取れ締まるのだというようなことがたいように、ひとつお取り計らい願いたい。そういたしませんと、今医療機関の中には、あとからいろいろ申し上げますが、もう麻薬は、ひとつ取り扱いはやめようじゃないかという機運が非常に盛り上がってきております。このことは、私は麻薬取り締まりというものは、いかに峻巌であってもいいと思いますが、副作用的な現象として出てきたことを、得々として麻薬検挙例の中に、医療従事者の犯罪をあげておられる、医療従事者の犯罪というものは、警察当局からみれば、赤子の手をひねるごときものです。というのは、毎年幾ら買って、毎年幾ら患者に使ったかということは、毎年収支を報告しているわけですから、その面から大した犯罪が行なわれる筋合いのものではありません。例外は一つ、二つあったようですが、一般的に言って、そうひどい犯罪が行なわれるわけじゃない、そういう赤子の手をひねるようなことに全力を注いだような検挙成績をもって、事足れりとしていただきたくない、これは私はぜひともお願いをいたします。そういたしませんと、はからないところに、とんでもない副作用が出まして、医者が麻薬を取り扱わないということになったら、これは患者の被害は甚大なものです。今、よりよりその専門団体が考えておりますことは、これは麻薬を打ち、注射をする必要があるような患者については、お役所みたいなところで、これはもう麻薬はおれのところにないから、役所に行って一式そこで注射してもらえというふうにやったら、麻薬については、われわれはせいせいしてやれるのではないかということまで話し合っております。これが実情でございます。そこで手心を加えるという意味では毛頭ありません。専門団体でも、この点については昨年、今年と一そう厳格なる指導をやっておられるようですが、その間のいろいろの意思の疎通が欠けたために調べられた、不当であったと、一回ごまかされたために、まるで犯罪者扱いで、ひどい扱いを受けたというような声がしばしばあります。こういう点はぜひとも今後警察当局、あるいは検察当局でも、いろいろ事情を考慮されたい、このように私はお願いをいたします。  さて、そこで今度もやはり中毒患者を発見したならば、医療機関が届け出ます。そうした場合に、一体どういうふうな御処置を厚生省の麻薬係、あるいは警察当局はとっていただくか。それからひとつお伺いいたします。

牛丸義留大蔵省関税局監視課長

○政府委員(牛丸義留君) 医療担当者の届出の義務は、従来の、現行の麻薬取締法の第五十条の規定を大体踏襲した規定でございまして、取り扱いました麻薬患者の中で、受診に来た患者の中で発見された場合には、それを届け出てもらう。そうすることによって、結局都道府県知事が精神衛生鑑定医によって麻薬中毒患者であるかどうかの鑑定をし、その人が患者であった場合には強制入院措置をする、そういう一番最初の機縁になるのが届出でございまして、これは医師だけじゃなくして、その他各警察官、麻薬取締官その他も、それぞれ職務執行上知り得た場合は届け出る、それと同じ意味でございまして、それ以外に私は義務を課しているものじゃないわけでございます。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 精神衛生鑑定医が鑑定をして、麻薬中毒者だと診定をして三カ月の治療を行なう、こういうことですね。そして三カ月の治療が終わったあとで、それが社会復帰した、それからあとは具体的にどういうふうな処置をおとりになるか。

牛丸義留大蔵省関税局監視課長

○政府委員(牛丸義留君) これは先ほど藤田委員からの御質問もございましたが、結局退院を——治療を終えて退院をしましたならば、それを社会に復帰させるということが大事な仕事でございます。しかし、漫然と社会に復帰させることでは、再び中毒にならないとも限りませんので、主として麻薬相談員等の活動によって、職業のあっせんなりあるいはその他、その人が再び麻薬の中毒にならないような環境に、職業なり仕事ができるというような相談の仕事をやって、社会復帰を完全なものにしていく、そういう措置をとっているわけでございます。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 法律の条文の体裁としては、おっしゃることはよくわかります。相談員の活用もたいへんいいことだと思いますが、実態として、中毒患者が社会復帰をした形をとっても、実際に薬の魅惑からのがれるということは非常にむずかしいと、これはしばしば指摘されたとおりですね。そうすると、相談員の手にかかったかつての中毒者が、その後各地に散在する場合もあり得ましょう。そういう場合に、その中毒者の名簿なり、何と申しまするか、行動の現況なりを——一番その中毒者が散在することによって直接被害を受けるのは、やはり医療機関だということを私は前提に申し上げた。そうすると、その医療機関が被害を受けないというか、何と申しますか、もう一回その医療機関にその中毒患者が行かないための具体的な処置をおとりになる気持があるかどうか。仄聞するところによりますと、そういう現在社会復帰している患者は、すでに中毒患者じゃない。したがって、その名簿を係官以外のところに漏らすということは、憲法上非常にこれは疑義があるということも聞いております、これは。憲法上疑義があるかないか。これはもう一回確認しておきたい。あるいはもし憲法上、そういうことが疑義があるとするならば、それにかわり得る行政的の何らかの措置を講じて、そのような被害から医療機関を守る御意思があるかどうか、具体的な方法を講じておられるかどうかをお聞きしたい。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 憲法上の疑義で、どなたがお答えになります。

牛丸義留大蔵省関税局監視課長

○政府委員(牛丸義留君) 法律的には、多少問題があるようでございますが、ただいまの丸茂委員の御質問の趣旨はよく私も了解できるわけでございますので、何らかの措置ができますならば、まあ再び中毒——退院した後は、これは中毒患者ではないわけでございますから、中毒患者としての通告はできないわけでございますが、そういう者が誘惑にかられて再犯する危険性を防止する意味において、行政的に考えられ得る措置がございますならば、適当な措置を検討してみたいと、かように考えております。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 今の薬務局長のお答えですと、今までは、さような点はお考えなかった。これから御検討になるということですか。私は前のときに、これは御注文を申し上げておいたつもりでしたが、頭が悪かったので忘れたのかもしれません。もし私が忘れたなら、今日ぜひともお願いしておきます。というのは、いろいろ法律上の疑義があるとするならば、頭のいい局長さんのことだから、その法律上の疑義を避けて、行政上うまい方法が確かに私は見つかるのじゃないか。で、これはもう中毒患者に対する愛情の問題ですからね、もう一回そういう泥沼に落ちるのを予防する措置、だからこれは治療だけではなくて、予防しなければとうてい避けられない。監視が厳しければ、近づく機会というのはそれだけ少なくなる、そう思います。そういう意味で、監視するということは、私は愛情の発露だと思う。こういう点を考えますならば、ひとり厚生省の麻薬課だけではなくて、場合によると、そういう監視の役を私は警察庁にお願いしてもいいのじゃないか、こう思います。警察庁の徹底した組織の上に乗せていただいて、どういう再犯のおそれある人が、どこに行ってどういう動静だということも、ひとつ警察庁の網の目から動静を探っていただいて、再びそういう危険に近づかないようなことをやられることが取り締まりの一番の効果を上げる点になる。この点については、今後さような道を開いていただく方途があるかどうか。  これを局長さんと警察庁と両方にお聞きしたいと思います。

牛丸義留大蔵省関税局監視課長

○政府委員(牛丸義留君) これは前々回でございましたか、丸茂委員からの御質問がありましたけれども、私も承知しておるわけでございますが、まあ実は法律上、あまり問題がないように私は考えておりましたが、ただいま念のために押しましたら、ちょっとまだ疑義があるようでございますから、そういう点検討しまして、御趣旨に沿う方向で検討いたしたいと思います。  それから、まあ同様なことは警察のほうの関係においても言えると思いますが、これは一般の医療取り扱い者に対する麻薬取締員等の行政指導と取り締まりというものは、非常にこれは別個の問題でございますので、その辺の事務運営に対しては、警察ともよく連絡をして適正を期していきたい、かように考えておるわけでございます。

楢崎健次郎警察庁保安局保安課長

○説明員(楢崎健次郎君) 警察といたしましては、防犯面あるいは補填面から、そういった再犯のおそれある者について、いろいろあとのめんどうを見るという仕事も一部にございますが、麻薬中毒者につきましては、やはり厚生省の相談員なりそういった機関がございますので、できるだけ協力いたしまして、一緒に、そういう中毒者の再犯を防止する、あるいは再び中毒にかかることがないようなお世話をするということにつきまして、関係機関と連絡をとりまして十分考えていきたいと思います。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 従来は、先ほど指摘したような一回ごまかされて注射を打ったというような場合に、確かにそれはごまかされたにしても悪いことは悪い、そこでいろいろ追及された場合に、一方的に悪いのは医師であるという立場であったのです。ところが今度は中毒患者のその後の処置について、取締法の改正で注意をするのだということになれば、今度さようなことがあった場合には、なるほどだまされた医療機関も悪いかもしれませんが、中毒者や回復者を監督指導しなければならない当局のほうも悪いという見地が成り立つかどうか、この点についてひとつ、ただいまと同じお二人から御意見を承らしていただきたい。

牛丸義留大蔵省関税局監視課長

○政府委員(牛丸義留君) まあむずかしい質問でございますが、そういう議論じゃなくして、とにかく麻薬の中毒患者を、そういう内容を知らないで医療担当者が麻薬の、たとえば胃けいれんなら胃けいれんという一般の救急患者として治療したという場合の麻薬取締法違反と、——これは形式的には、違反のことがある場合でありますから、そういう場合と、そういう内容を全部知って継続的に違反をするということとは、これは取り締まれに当たる取締官なり、あるいは警察官は、その事情を私は十分わかると思いますので、それを形式的に、すべて同様に取り扱うということは、私は常識的にはあり得ない。しかしまあ実際の問題としては、そういう誤解なり間違いなんということはあり得るわけでございますから、私どもとしては、十分そういう点を注意しまして、そうして間違いがないようにすることが一番の要諦でございますから、その辺のことは実施について十分適正を期すように将来も指導していきたいと思うわけでございます。

楢崎健次郎警察庁保安局保安課長

○説明員(楢崎健次郎君) 広い意味におきまして、やはりそういう医療環境を浄化する、防止するということは警察はもちろん関係局間の任務であると思うのでございまして、そういう意味で、できるだけそういう全体的な環境が悪くならないように、これを浄化するようにということを努力するということに努めたいと思います。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 どうも質問の仕方が簡潔直截であったものですから、簡潔直截な御返答を期待するのは無理かもしれません。しかし前回私がここでさような問題について局長さんに御質問申し上げた以降も、さような具体例が出ているということを私は指摘しておきます。私が申し上げているのは、今局長さんが言われた当然前者の場合でして、事情を了承しながら打ったという場合ですと、私は毛頭仮借なくやるべきだ、それは微動だもいたさない。その後、一回注射を打ったくらいのことで送検されたという実例があります。そういうことを考えますと、きょう御言明にはっきりならないのですが、今のお答えから、よほど頭のいい人でない限り、私の質問に対するお答えと直結はできませんので、そこで私としてはまだまだ不安なんです。ここで御両氏の御答弁をいただいても、なおかつ同じようなことが起こり得るのではないかということを非常に心配しています。  そこで当然その犯罪の内容について、常識として、さようなことが起こらないのだという今の局長さんの御答弁ですね。その常識が通用するような執行を今後やっていただけるかどうかという点を、もう一回くどいようですが、お答えいただきたい。今度は、お答えできるだろうと思います。

牛丸義留大蔵省関税局監視課長

○政府委員(牛丸義留君) 御趣旨はよく私も了解できるわけでございますが、去る五月の九、十、二日間全国の薬務課長会議、そのときに取締官、取締員等も関係の者みた集めたのです。新しい麻薬取締法改正の施行を間近に控えまして、将来のそういうものに対する取り締まりの徹底の方針、それから医療取扱者、その他麻薬取扱者に対する指導の問題等につきましては、私から詳細二日にわたって、そういう問題を討議をし、また実際第一線の意向も聞いた上で、二日の日には、そのことだけの関係の者だけが集まった討論会もやった実情もございますし、将来は、その点を十分含んだ上で、業務の執行の適正を期していきたい。かように考えております。

楢崎健次郎警察庁保安局保安課長

○説明員(楢崎健次郎君) 間違って、もうやめようと思っても、一回だけ打った、ほんのでき心であったという場合にも、やはり麻薬を知って施用した、注射したということになれば、違反であります。犯罪であります。しかしそういう場合には、やはり犯罪の状況を詳細に警察官は聞くわけでありますから、情状の面で、やはりそれが警察当局にも反映する、こういう措置は十分にとれると思っております。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 速記を起こして。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 今のお答えが、おそらくまた今後も同じような事態が生まれるのじゃなかろうかと私が心配する点なんですね。注射すると犯罪だ。これはそうでしょう、だれもこれは異論はないところなんです。たとえば一斉検査をしたところが、アンプルが一つ欠けておった。これも犯罪でしょう。法を冷厳に施行する立場からいえば、それも犯罪だ。従来でございますと、今お話のような情状を酌量するから、さようなことは、めったにないのだというニュアンスのお答えがあったのですが、はなはだ残念ながら、具体例はその逆の事実を証明しているわけですね。もしそれが御納得がいかないようならば、また具体例でいろいろ話し合いをしてもいいと思います。きょうはそれが本筋じゃないので、その問題は飛ばしますが、犯罪は犯罪なんだという立場が、私が今後一番心配する点なんです。  そこで、私が先ほど念を入れたように、今後は麻薬取締法が改正になって、中毒患者については、当局も麻薬を監視するところの責任を負うのだということになったんだから、さような場合には、なるほどこちらは犯罪をやったかもしれませんが、監視するところの責任者である当局の失態という責任は、どうなるかという点が当然出てくるはずですね。これは身もふたもないやり合いになる。さようなことをしたくないから、私はさような麻薬取締法の改正に伴うところの各界の情勢の変化を踏まえて、今後は従来のようなことは、ひとつなくしていただきたい、こういうお願いをしたわけです。相も変わらず、一つ間違っても犯罪は犯罪だということになれば、今回この取締法を改正した趣旨がだいぶ生きてこないのではないか、こう思うのです。そういう点は個々の例でないと、抽象論じゃなかなかむずかしいでしょうから、立場からすれば、それは犯罪じゃございませんと言えないことはよくわかっておりますが、法の施行の場合に、今言われたような情状酌量される点がなかった点がはなはだ多い、個々の例で。これは薬務局長には、そのつど言ってありますし、麻薬課にも言ってあります。だから、そういう立場から今度は法改正で、当局の責任があるのに、それを野放しにしたから、今度はそれを責任を追及するぞという、泥試合的な方向には持っていきたくないのだ。したがって、あらかじめさような点を十分了承されて、医療取り扱い、麻薬取扱者に対する点については、内容次第でいろいろ血も通った措置をとってもらいたい、こういうことがお願いしたいわけです。どうぞひとつ、他意のないところを御了解下さって、今後とも一そう麻薬取り扱い者に対する御指導なり、あるいはいろいろな御叱正なり、十分いただきたい、かように思います。  それから第二は、これは薬務局長さんにお願いするのですが、今の麻薬取り扱い者の資格申請の手続が非常に繁雑なんですね。これは私が断定したので、そっちから言うと、そんなことはないとおっしゃられても、これはやむを得ないのですが、これは取り扱い者の世論になっております。そこで、当然、麻薬を野放しにしてはいかん、あるいは、麻薬の被害を少しでも少なくするために当然とらなければならない手続は、これは私は省略してはいかんと思います。ところが、今の手続を見ますると、少し大げさに言えば、半分くらいは、さような実際の効果とは無関係な繁文褥礼的なものが非常に多い、お役所式の繁文褥礼的なものが非常に多いというふうに、これは取り扱い者の世論になっておる。こういうことを考えますと、ますます、取り締まりはきびしいわ、手続はきびしいわ、複雑だわということになり、これは非常に取り扱い意欲を私は減退させていと思うのです。  そこで具体的に、まず、たとえば麻薬取り扱い者の免許を交付申請するときに、医師の免許証をそろえろ、あるいは住所、氏名、本籍地を列挙したものを毎年出させるのですね。そうなっておりますね。これは、いったい、毎年あんなものを出させてどうして、お役所というのは、前の年の控えがないのか、医師免許証なんか、一たんもらったものは一生変わらないものだ。それをなぜ毎年々々ああいうふうに出させるのか。これは私は、それを簡素化したからといって、直ちに麻薬が非常に医師を通じて弊害がふえるということは絶対ないと思うのです。これは、一年に一回じゃないかと言わないで、たとえ一年に一回でも、保険の手続や何かたいへんあるのですから、これはひとつ、行政事務上差しつかえない最大限度まで簡素化してもらいたい。免許証なんか一回出せば私はたくさんだと思うのです。あるいは、申請者資格証明書などというものは、一回出せばたくさんだと思います、何らの変化がない場合には。こういう具体的な点について、私は、専門団体とひとつ局長さんお話し合いになって、両者で納得いく点について、うまいところをきめて下さいませんかというお願いをした覚えがあります。その後いろいろな状況があって、まだそこまで行っていないことはわからないじゃない——ないのですが、こういう問題は、むしろ私は役所側が積極的に検討されて、こういう案ではどうだといって、専門団体に御提案になるのが一番私は早道だと思うのです。あるいはたとえば、麻薬の申請書を出すたびに、手数料として二百円を取られる。あの二百円がいかなる費用になるか、私はつまびらかにはいたしませんが、さような費用がどうしても行政上必要ならば、これはむしろ、取り扱い者から取り立てるのだというようなことをしないで、堂々たるところの国家の費用、あるいは都道府県の費用で出すべきだ、かように私は考えます。  そういう点について、いろいろそれはしろうと考えなんだというふうな点がありましたならば、ひとつ御指摘をお願いします。

牛丸義留大蔵省関税局監視課長

○政府委員(牛丸義留君) 麻薬の取り扱い者の数は、お医者さんだけで九万人、そのほかたくさんの数でございますし、なかなか私どももめんどうな事務に追われているわけでございますが、しかし、一面また、めんどうでも一定の事務を的確にしないことには、万一の場合の事故ということのために、事故防止あるいは事故発見の手だてにならない場合もございますので、実際にそういう事務を担当される取り扱い者の方々には、めんどうなことでも、ある程度これはがまんしていただかなければならない点があると思います。一面においてはまだ、もっと厳正にやれというようなまた声もございますし、しかし、もし非常にむだなところがあるという御指摘ならば、その点は私どもも十分討検いたしまして、むだのない厳正な取り扱いをしていきたい、手続を整備していきたい、かように考えております。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 そのお答えはちょっと私ふに落ちないのです。具体的に、こういう問題はどうだという指摘をしてお答えをお願いしたわけですね。もしさような繁雑な点があれば、今後直しますというのですが、今具体的に指摘した、たとえば一、二の例については、どういう御見解なんだということで御質問したわけです。今言ったように、誤りなきを期するために必要やむを得ないでやってきたのだというようにとっておるのですが、それはなるほど、あなた方がこういうことを書けと言うときは、あなたは何もする必要がないのです。五年でも十年でも、そのまま放っておけば何も苦労がない。書くほうは、毎年片々書かなくちゃならない。しかも受ける法律というものは、麻薬取締法だけじゃないのです。たとえば医療機関で例をとってみますと、少なくとも五十の法律にがんじがらめに縛られている。そういう実情があるならば、麻薬行政を円滑にしていこうというならば、むだな、事務の繁雑化は避けなさい、避けていただきたい、こういうことなんです。だから今私、具体的な例をあげて、こういう点はどうですかとお聞きしているのだから、ほかのこと、一般的な問題はいいですから、その具体的な例には、これはどうしても必要欠くべからざるということであるならば、その理由をひとつ御説明いただきたい。

牛丸義留大蔵省関税局監視課長

○政府委員(牛丸義留君) まず、申請に要する書類の問題でございますが、医師の免許証の写しと、その他の住所、氏名、そういうようなものを要求しているわけでございます。年に一回でございますし、私どもは、そう煩瑣とも思っていないわけでございまして、また免許証は、通常の場合ならば、一生その人は医師の免許を持っておるわけでございますが、免許証の変更ということはあり得るわけでございますから、それを変更のときだけに提出しろということで、はたして適正を期されるかどうか、私どもはその程度は、ひとつがまんしていただけないだろうかというふうに考えております。現在免許申請についての書類を変更する考えは持っておりません。  それから、免許の手数料でございますが、これは一般的な行政手数料としての経費でございまして、それが結局は行政事務の費用に充当するわけでございまして、麻薬の免許だけに免許手数料を取っているというわけでもございませんし、これは医師の免許証等にも、あるいは薬局開設その他のときにも、全部手数料を取っておるわけでございまして、そういう事務経費のための手数料条例によって取っておるわけでございますから、その点はひとつ御了承願いたいと思います。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 局長にお願いしますが、質問者の質問にずばり答えて下さい。いろいろこういうことが必要ならば、必要だという、質問者の要求にお答え下されば、もっと論議が早く進みますから、どうぞお願いします。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 今、第一に医師免許証は、その都度変わるとおっしゃったが、医師免許証というのは、その人が死ぬまで変わらないのです、局長さん、お間違いです。たとえば私が九万三千三百五十四という医師免許証の番号をもらったとするならば、これは一生変わらないのです。どうぞその辺のところが、その誤りが基準になっておりますから、変える必要がないのだというふうに私はなると思う。医師免許証というのは、変わらないのです、一生生きている間、死んでも変わらないのです。これはぜひひとつ、お改めをいただきたいと思います。したがってそういうものを毎年出す必要はない、とういうことでお願いしたのです。これはそういう訂正の上に立って再考していただきたいのです。  第二は、麻薬免許証の手数料二百円というのは、ほかの免許と同じようにもらっているのだといっているのですね、ところが医療機関の指定にいたしましても、医師免許証の申請にいたしましても、これは大体生涯一度なんです。ところが麻薬は、たしかあれは毎年ですね、毎年々々二百円払っているわけです。その都度その都度、免許をもらうたびに二百円払っている、今、毎年二百円払っている。それと、一生に一度払うものと同じだから、どうしても、これももらうのだという議論は少しおかしい。事務費として、そういうようなものが要るならば、正当な事務費としてやるお考えはないか、どうしてもそれがだめならば無理しろと言っているのではない、一例としてあげているのです、どうですか、これは、もう一回……。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 検討いたします。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 じゃ、ひとつお願いいたします。  今、私は少し、何と申しますか、はっきり物を言い過ぎたかもしれません。しかし、物を早わかりさせるには、はっきり言ったほうがいいという私は主義だものですから、はっきり申し上げたのですが、意のあるところは了承していただきたいと思うのです。今一番重要なことは、これくらいのものは一年に一回だから書いてもらってけっこうだというお言葉なんですね。そういう気持をみんな法律を主宰しておるお役人が持っているものだから、受けるのは一人だが、やれやれというのはたくさんいる。そこの点をどうしても考えてもらいたいと思う。おれは一つしかやっていないのだから、おれだけ一つくらい一年に一回くらいやってくれぬか。その限りにおいては正しい。受けるほうの人は、そういう法律を、五十幾つの法律をかかえている。それが一つぐらいふえても何でもなかろうといって、全部がきたらどうなるか。患者なんか見ないで、一生懸命行政上の問題だけ取り組む医者ができ上がるということなんです。これはおそらく厚生大臣としても本意でないと思う。  そういう点で、私はぜひとも日本の医療行政のために、むだを排除する努力をしていただきたい。従来、私は牛丸局長は、たいへんその点で努力してくれたと確信しています。さらに一段、百尺竿頭一歩を進めて、たとえば今指摘したような問題等について、ひとつ御研究下さって、専門団体と了解のもとにおいて簡素化していただきたい。最後に御希望申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 右法案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時二分散会    —————・—————

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