社会労働委員会 第17号
- 発言数
- 73 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/05/21
会議録
○委員長(加瀬完君) ただいまより社会労働委員会を開会いたします。 生活環境施設整備緊急措置法案及び清掃法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。 まず、政府より提案理由の説明を聴取いたします。西村厚生大臣。
○国務大臣(西村英一君) ただいま議題となりました生活環境施設整備緊急措置法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。 申し上げるまでもなく、下水や屎尿、ごみ等の汚物を衛生的、かつ、効率的に処理することは、国民が健康で文化的な生活を営むため、不可欠な条件でありまして、政府は、かねてから、地方公共団体が下水道事業や清掃事業を支障なく遂行することができるよう、下水道、屎尿処理施設等の生活環境施設の整備について深く意を用い、その促進をはかって参ったのであります。しかしながら、わが国においては、これら生活環境施設の整備が従来著しく立ちおくれていたばかりでなく、近年においては、人口の都市集中、あるいは国民の生活様式の変化等によって、地方公共団体が処理すべき下水や汚物の量が激増しつつあるため、政府及び地方公共団体の努力にもかかわらず、遺憾ながら、必ずしもその処理の万全を期し得ない現状であります。このような事態にかんがみ、政府といたしましては、これら生活環境施設の整備について、新たな構想のもとに、昭和三十八年度を初年度とする五カ年計画を策定し、これを強力、かつ、計画的に推進することといたしまして、この法律案を提出するものであります。 次に、この法律案の要旨でありますが、この法律案では、生活環境施設の整備事業を、下水道整備事業、終末処理場整備事業、屎尿処理施設整備事業及びごみ処理施設整備事業の四種に分けまして、それぞれについて五カ年計画を策定することとし、そのための手続として、建設大臣及び厚生大臣は、それぞれその主管にかかる事業につき、昭和三十八年度以降の五カ年間の実施目標と事業量とを定めた計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないことといたしております。なお、これら生活環境施設の整備五カ年計画の円滑な実施を確保するため、政府は必要な措置を講ずるものとし、また、地方公共団体も、この五カ年計画に即して、生活環境施設の緊急、かつ、計画的な整備を行なうように努めなければならない旨を規定いたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でございますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 —————————————
○委員長(加瀬完君) 次に、参議院議員発議案について説明を求めます。参議院議員藤田藤太郎君。
○藤田藤太郎君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました清掃法の一部を改正する法律案の提案理由を説明いたします。 最近、都市の清掃事業は、人口の都市集中生活用式の変化、農村における肥料利用の変遷などにもかかわらず、これに対応して改善が行なわれていないために、ひどい手詰まりにおちいっております。たとえば、ごみや屎尿の収集は、全人口の三分の一しか対象とされておりませんが、その収集対象地域においても、作業人員、作業用器材、終未処理場が決定的に不足しており、収集が極度におくれ、そのために路傍や空地には捨てごみが山積され、河川には屎尿が流されて、住民の生活や健康に重大な悪影響を及ぼしているのが現状であります。こうした実情に対して、清掃事業の改善を求める声が、国民の間からほうはいとして起こってきているのでありますが、この国民の声を、実現することは国会の任務であります。この観点に立つとき清掃法を抜本的に改善することは、当面の急務であります。 わが党がただいま提出いたしました清掃法の改正案は、大要次のようであります。 第一に、すべての市町村の清掃に対する責任を一そう明確にすることであります。清掃事業は、市町村民の生活と健康を守るという点において、市町村の固有事務であります。この固有事務である以上、清掃事務は、原則としては、市町村のすべての区域に及ばなければならないものです。ところが、現行清掃法においては、特別清掃地域及び季節的清掃地域以外では、清掃に対する法的規制がないのであります。本法案の一つの要点は、清掃が市町村の固有事務であり、市町村の清掃義務が、全地域に及ぶべきであるという観点に立って、特別清掃地域と季節的清掃地域の概念を廃止しようというところにあります。ただ、山林地帯など、清掃の実効のないところは除外するとともに、改正法案の経過措置規定で、現行清掃法において、特別清掃地域でない地域には、一年の猶予を置くことにしております。 第二に、第一の市町村の固有事務であるという観点を貫くならば、当然、汚物の収集、運搬及び処分については、市町村がみずからこれを行なうということになります。それゆえ、本改正案においては、「市町村は、汚物の収集、運搬又は処分に関する業務を他の者に委託してはならない」と規定したのであります。ただし、市町村の予算措置等の関連もあって、三年ないし五年の経過期間を設けております。 第三に、本改正案では、「市町村は、手数料その他汚物の収集又は処分等に対するいかなる対価をも徴収してはならない」と規定いたしました。地方自治法二百二十二条一項には、「普通地方公共団体は、特定の個人のためにする事務につき手数料を徴収することができる。」と規定しており、現行法に基づいて、地方自治体が、清掃手数料をとる場合の根拠として、この条文が援用されております。しかし、清掃事務は、一個人の要求に基づき、その者の利益のために行なうといった性質のものではないのであります。清掃事務は、公衆衛生を確保するために不可欠なものであって、住民を含めた地方公共団体の健全な発達を保証することを目的とした公益事務であります。住民は、そうした公益行政のために住民税を納めているわけであります。清掃について手数料を取ることは、住民にとってみれば、税金のいわば二重払いになるわけであります。この観点から、生理的に排出される糞尿と、日常生活で排出するごみについては、手数料を取らないことが地方自治法の趣旨からしても当然であります。ただし、営業その他のために排出される多量のごみについては、多少事情が異なりますので、この規定から除外しております。 第四に、今後、汚物処理の機械化を促進しなければなりませんが、そうした容器収集を可能ならしめるために、市町村に容器の配置義務を規定いたしました。 第五に、水洗便所化の促進の規定を置いております。 第六に、今後、地方自治体が、清掃事業を画期的に推進するために必要な国の補助義務を明確にいたしております。 これらの内容は、国民にとって緊急、かつ、最も重要なものの一つであります。 慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いします。
○委員長(加瀬完君) 右法案に対する質疑は次回以降にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(加瀬完君) 次に、社会保障制度に関する調査を議題といたします。質疑のある方は、順次御発言を願います。
○藤原道子君 私は、まず、食品衛生についてお伺いしたいと思います。私どもは、毎日の新聞を読むのがこわいくらい、各地に食中毒、さらに、また、赤痢が頻発いたしております。私は、最近主婦の方たちから数通にわたる投書をいただき、それには、これでは夏を控えて、国民生活は不安でたまらない、これは一体どうしてくれるのかというようなことがしきりに訴えられてきております。したがいまして、厚生省当局として、これらについてどういう対策を持っておられるか、これをお伺いしたいのです。自衛隊だとか、あるいはまたレジャー族もありますが、赤痢が集団的に発生しており、新潟では、駅売りのお弁当の中から何やら菌が発見された。修学旅行の子供が出先で食中毒のために倒れておる。枚挙にいとまない新聞記事でございますが、これらを読んで、一体当局はどういうふうに考えていらっしゃるか、どういう手を打っておられるかということについてまずお伺いしたい。大臣の食品衛生に対する対策と御決意を、まず大臣から伺いたい。
○国務大臣(西村英一君) 最近の傾向といたしましては、集団的に給食をするという傾向が非常に強くなっておるのであります。仕出しであるとか、あるいは旅館であるとか、従来は家庭本位でございましたが、集団給食。したがいまして、集団給食に対する営業者に対する取り締まりを強化しなければならぬと第一点は思っておる次第でございます。その他の点につきましては、従来、厚生省が、いろいろ食中毒に対する予防的な週間運動をやるとか何とかいうことをやっておったのでございまするが、結果的に見まして、統計を見ましても、あまり改善されておらないのであります。したがいまして、第一番には、やはり何と申しましても、営業者に対する取り締まりを強化する。それから、家庭におきましても、消費者一般にそういう認識を深くするというようなことを一般的に強力に押し進めなければならぬ、かように考えておるのでございまするが、こまかい点につきましては、政府委員から答弁させますが、私も、新聞を見るごとに、少しも減っておらぬじゃないか、こういうことは先生と同じような感じを持っておるのでございまするから、強力にひとつ取り締まりをやりたい、また、PRをやりたい、かように考えておる次第でございます。
○政府委員(五十嵐義明君) 藤原先生御指摘のように、最近食品の事情が非常に好転して参りまして、生活水準もよくなってきたというにかかわらず、依然として食中毒が跡を断たない。大臣からもお話がございましたが、三十六年には罹病患者が五万三千余りになりまして、前年よりも非常に多く出たのでございます。三十七年にはこれが少し減りまして三万七千程度でございまして、現在四月の二十一日までの数字を見ますと、大体昨年並みか、あるいはそれをちょっとこえる程度の患者数で現在に至っておるわけでございますが、これらの事情につきましては、いろいろと考えさせられる点があるわけでございます。私どもといたしましては、食中毒の対策には、何分にも、全国民が三度々々食事をする、こういうことでございますので、単に役所が指導監督を強化する、食品衛生監視員の数をふやすというようなことだけでは、これはとうてい問題の解決には十分でないわけでございまして、私どもの考えとしましては、どうしても、食品を製造し、あるいはそれを提供する業界の協力を強く得なければならない、これが一つ。それから、また、消費者の方に十分御理解をいただかなければならない、そういう強い裏づけのもとに私どもが食品衛生行政の仕事をいろいろと展開して参りたい、こういうのが私どもの基本的な考え方でございます。 そこで、三十八年度の予算におきましては、新しく食品衛生の問題を重視いたしまして、従来の食品衛生課を二つに分けまして、食品化学課というのを独立いたしました。食品衛生一課は、細菌、ばい菌等に基づく食中毒対策ということに専念いたす。また、食品化学課は、食品添加物等、化学的な物質の問題を専門的に取り扱うというような組織を強化いたしまして、それぞれの課で食品衛生の改善のために力を尽くして参りたい、こういうような体制をとって臨んでおる次第でございます。
○藤原道子君 今御答弁でございますが、それでは何だか厚生省の対策としてはたよりないように思うのです。現在、食品衛生監視員というんですか、これがどういう数で、どういう取り締まりをしておるかという点が一点。 さらに、日本人が多く摂取する魚介類の中毒が非常に多いんですね。毎年一千人以上が魚介類による中毒です。魚介類は複雑な過程を経て消費者の口に入るんです。これに対する適当な中毒防止の手が打たれていないと思うんです。冷凍品は、売るほうも買うほうも、新鮮度の落ちるのを心配しておるけれども、その味の落ちることについては、種々の手段で、業者は消費者にわからない方法で処理をしているというのが心配の種、これが一つ心配の点。たとえば鮮度の保持に必要な氷の使用についても、マグロのような高価のものについてはとにかく、イカとかタコとかイワシとかいう大衆魚については、ほとんど手が打れていない、大衆の口に入るものがほとんど注意が払われていない。従来の食中毒といえば、結局サルモネラとかブドー菌とか、そういうものに原因されているといわれているけれども、最近では好塩菌というものの食中毒が非常にふえてきているというふうに私は聞いている。好塩菌はイカとかタコの類は繁殖が非常に早いというんですが、このイカとかタコの類は大衆魚の主位を占めている。この主位を占めているものがこういう状態では、主婦としてまことに心配な問題であろうと思う。こういう中毒の原因菌の防止手段としてはどういう手が打たれているか、これに対してはどういうお考えを持っておられるか、これをまずお伺いしたい。
○政府委員(五十嵐義明君) まず、食品衛生監視の問題でございますが、監視員は、三十六年の統計によりますと、四千四百七十三名おりまして、これが国、地方公共団体、保健所等におきまして、それぞれ監視業務に当たっておるわけでございますが、何分にも、その対象となる施設が非常に多数でございますので、なかなか十分に監視の手が行き届かないということは、これは御指摘のとおりでございます。魚介類によります中毒が多いという点も、これも日本人の食生活から見まして当然考えられることでもあり、また、実際に統計によりましてもそういう結果が現われておりまして、従来はどういうもので食中毒になったかということを確かめることがなかなかむずかしかったのでございますが、だんだんそういった点が、疫学的な調査と申しますか、そういう点が訓練されて参りまして、現在では七、八割までは、何を食べたために中毒になったということがわかるようになって参りました。その中で、さらに半分近くの四五%前後は、先生のおっしゃるように、魚介類によるのだというようなことが明瞭になって参りましたので、したがいまして、食中毒の一つのねらいと申しますのは、先ほど大臣からもお話がございましたが、集団的な給食をやる施設というような、そういうものを施設の側からねらっていくということと、一方、魚介類を一つのねらいとして指導取り締まり、あるいは啓蒙というようなことをやっていくというのが一つの方法でございます。で、これらの魚介類につきまして、鮮度を保つために、陰でいろいろな手が打たれておるのじゃないかという御心配でございますが、こういった点につきましては、私どももできるだけ、たとえば遠洋漁業の場合の氷につきましては、一定量の抗生物質を認めるということを除きましては、食品衛生上許されておりませんいろいろなものを使うということは禁じておるわけでございますので、そういう趣旨で、その手は十分ではございませんけれども、業界の協力を得ながら、そういった不正、不当な措置のないように努力をして参りたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。 また、非常に専門的な病原性の好塩菌についてのお尋ねがございました。これも実は日本で新しく開拓された食品衛生の分野でございまして、一昨年あたりから、厚生省におきましても、食品衛生調査会のメンバーで特別の委員会を編成いたしまして、その分布状態、特に海の水の中に長く生きておる、それが魚を汚染するというような事情がございますので、その分布状態。それから魚についてどういう運命をたどっていくか、その分類というようなことにつきまして、委員会でいろいろと研究をしていただいております。ある程度の成果を上げておるわけでございますが、なお、病原性の好塩菌が人から人へはどういうふうになっていくかというようなことは、まだ十分研究されてない面がございますので、そういった点を引き続いて研究をしていただいておるようなわけでございます。 それから、イカ、タコなどにつきましても御指摘がございましたが、これらにつきましては、たとえばこれをゆでて販売するというような場合には、その取り扱いについて、一定の取り扱いの基準、規格を設けるというようなことをいたしまして、衛生的、また、中毒の防止という建前から指導をいたしておるわけでございますが、その最も問題になります魚介類の販売につきましては許可業種としておりまして、一定の店舗の設備を要求しておる。これを都道知県知事の手によりまして指導監督をして衛生措置の万全を期していくというような建前になっておるわけでございますが、何分にも、行き届かない点がいろいろとございまして、いまだに相当の中毒患者を出しておりますことは、まことに申しわけのないことでございます。今後私どもも、御指摘のような点につきまして、なお一そう心をいたしまして、この対策の強化に努力をして参りたいという考え方でおるわけでございます。
○藤原道子君 食品衛生監視員は四千四百七十三名、これが全国の監視に当たっているのですか。
○政府委員(五十嵐義明君) 全国の数でございます。
○藤原道子君 イカ、タコをゆでて売る場合には一定の期間を定める、これはどのくらいですか。
○政府委員(五十嵐義明君) これは期間ではございませんで、生鮮なものを清潔に処理するという、処理の仕方につきまして一定の処理方法の規格を示しまして、それに従ってやらせるというようなことにしております。
○藤原道子君 そんなことをしたって、四千四百七十三名で全国を見て回るのでしょう。その手薄に乗じていろいろな点が行なわれておるように思うのです。とにかく、これから夏に入りますので、もっともっとこの食品衛生に対しての対策を強化してほしい。それから、また、最近インスタント的な食品がうんと急激にふえて、毎日ラジオ、テレビでじゃんじゃん宣伝している。その製造過程といい、その包装といい、口に入れるときですらおそろしいわけです。ところが、夏季に入って女や子供に好かれる飲みものとして粉末ジュースというのが非常に販売されておる。ラムネやサイダーのような発泡剤というのですか、すっと出るやつ。あれなんかこのごろ三〇%ぐらい占めておるのですね。イチゴとかレモンとか、いろいろ書いてありますが、果汁を使していると称しているのですけれども、飲食店に行ってすら、業者は何食わね顔でこういうものを出してきたりするのです。ところが、果汁が入っておるかどうかということはどこで立証するのですか。あんなに安くて果汁が入るはずがないと思うのです、私たちは。けれども、それがもうテレビでも大々的に宣伝されておるのです。こういうことは一体どうなんですか。それから、有毒色素というのですか、こういうものが私とてもこのごろ危険に感じてたまらないのです。あらゆる食品に色をつけてあります。こういうものに対しては、一体どういう取り締まりをしておるのだろうか。それから、また、最近はお砂糖が非常に値上がりしてきた。お砂糖が値上がりしたために、人工甘味料か何だかわからないものが使われておるのじゃないか。どうかすると、ちょっとおかしいと首をかしげるような味のものが非常にふえて参りました。こういうふうなことは一体どうお考えになっておるか。それから、果汁が入っておるかどうかというようなことはどういうふうにして調べていらっしゃるか、こういうインチキ性を見破るにはどうしたらいいか、厚生省はこういうものに対する安全性を保証するにはどうお考えであるのかという点についてお伺いしてみたいと思います。
○政府委員(五十嵐義明君) まず、人手不足の問題でございますが、これは先ほど来申し上げておりますように、四千四百余人の食品衛生監視員だけでは、これはもう先生のおっしゃるとおり、とうていすべての対象を十分に指導あるいは監督するということはむずかしいわけでございまして、そこで業界の協力を得るという意味で、牛乳の製品等、一部の食品を製造する工場、会社には食品衛生の管理者を置くというような制度をとっております。また、各種の食品関係の業界の中から希望者を募りまして、食品衛生指導員制度というのを設けまして、国からも若干の補助を出しまして、業界の中でそれぞれお互いに指導し合うというような制度を考えまして、食品衛生監視員の手薄に備えて、協力してこの改善をはかっていくようなことを考えておるわけでございます。 それから、各種のインスタント食品、これはまことに最近目まぐるしいものがあるわけでございまして、包装、容器、あるいは保存方法等の進歩に伴いまして、いろいろなものが出て参っております。御指摘の粉末ジュースにつきましても、昨年末いろいろと論議いたしまして、一定の基準を設けまして、これはもちろん衛生的な基準でございまして、その衛生的な基準に合うもののみを販売させるという手続をとったわけでございます。その中に果汁が入っておるかどうか、栄養的にはどうだ、ビタミンがどうだというようなことにつきましては、これは環境衛生の立場、食品衛生の立場からは、これはちょっと手の伸びない点でございまして、私どもの立場では、これが衛生的であるかないかという点を確かめる態度をとっておるわけでございます。その衛生的であるかないかという点に、御指摘の有毒の色素という問題が関連して参るわけでございます。色素の問題につきましては、無色素運動というような運動が日本国内にもございます。たしか新潟でございましたか、婦人団体の間に、たくあんの色とか、その他色合いにごまかされるということでは食品の本質を失うということで、その本来の天然の色で食品を流通させたいというような動きがあるわけでございます。いろいろな点から各種の色素が要求される点もあるわけでございます。この点は、先ほど申し上げました食品化学課の仕事でございますが、一つ一つその成分、規格等を食品衛生調査会の専門の委員会にお諮りいたしまして、必要があれば長い間の実験をいたしまして、その成果によってこれを取り上げる、あるいは使用を禁止するというようなことをいたしておりますが、この点は御指摘の人工甘味料とも同じような考え方でやっておるわけでございまして、それの適不適をどうやって判断するか、こういうことでございますが、指定をいたす場合、あるいは人工甘味料の一部などは製造の場合に検査をいたしておりますが、そのほかに、実際に使われております品物を食品衛生監視員が収去して、サンプリングとして引き抜きいたしまして、それを地方衛生研究所、あるいは国立衛生試験所で実際に分析してみまして、それが規定どおりのものであるかどうかということを検査をいたしまして、それに反するようなものであれば、これを禁止するというような方法をとっておるわけでございます。
○藤原道子君 売り出されてからあとで検査して、それで禁止するといっても、その間に国民は飲んでいるでしょう、食べているんですよ。私たちは、販売を許可する前に、やはりそうした検査をしてから販売を許すのが筋道だろうと思う。そういう点に問題がある。だから、いつかもサリドマイドの問題で私はここで質問したけれども、日本ではまだ出ておりませんというような御答弁で、出てからではおそいのですよ。こういう考えだから食中毒が相次いで起こるといわれても答弁しようがないでございましょう。私は、ただいまの御答弁にあるように、あなたのほうで一定の規格をもって許可するんだというが、ところが、多くのものは厚生大臣の許可を受けることになっているんです。ところが、厚生大臣の許可というか、食品に対するレッテルがはられていても、これでもはたしてどうかわからない。店頭で抜き取り検査の結果によれば、厚生大臣に提出した製品見本については表示の内容と同一、ところが、売っているものの内容は、過半数がそれに到達していないというようなふうに私は聞いている。大衆は、厚生大臣の許可というレッテルがあれば、安心して買うのですよ。ところが、それが偽りである、こういうことで大衆の健康がそこなわれているところに問題がある。だから、こういう点をもっと厳重に、食べるものですから、あなたのお子さんだって中毒にかからないと断言できないでしょう。だから私は、事、人命に関すること、したがって、こういうものにつきましては、もっと真剣な取り締まりをしてもらいたい。それで、今までも何回か問題になりましても、あなた方のほうでは、予算がないとか、衛生監視員が足りないとか、同じようなことがいわれている。それで中毒が繰り返し行なわれている。ところが、オリンピックを来年に控えて、日本の国民の健康がどうなってもいいというわけではないですが、これを守りますと同時に、諸外国では非常にこれに対して手が打たれている。オリンピックを迎えて、イタリアあたりでは、特にこれに対して注意を払って、相当数を減らしたというデータもある。そういうときに、日本の現状はまことに嘆かわしいことだと思います。だから、もっと許可をする場合に厳重にしてもらいたい。売り出してから規格に合うものを云々ということではなくて、その前にやってもらわなければ、国民は安心して生きていられない。 時間の関係で続けてお伺いいたしますが、結局ことしこれから、七月から十月にかけて、食中毒の多発季節であるから、食品衛生監視員もさらに御努力を願うわけでございますが、今までの検査の数が七十七万件とか聞いているのですけれども、結果によると、理化学検査では、容器、包装、カン詰、ビン詰食品の不良件数がかなり高いというふうに聞いているのです。ところが、細菌検査において、全体の計算としても、過半数が不良の結果となっているのです。だから、食品衛生監視指導の一段の強化を、私は、この際、強く求めてやみません。また、次の適当の委員会に資料を出してもらいたい。私のいろいろ勉強した点によりますと、魚介類及びその加工品からの中毒が六〇・二%、複合調理食品、コロッケなどが一三・五%、穀類及びその加工品で四・八%、こうなっております。したがって、私は、魚介類に対する対策、これを特に強化してほしい。それから、有毒色素ですか、これが及ぼす有毒の点、このごろ心配で、あまりにもあざやかなものは、ついちゅうちょするようになるのです。ところが、子供はそういうものに魅力を感ずるのです。そういう点で、食品衛生対策の一段の強化をお願いしたいと思います。以上、二、三の点について伺いたいと思います。
○政府委員(五十嵐義明君) まことに一々ごもっともな御意見でございまして、たとえば食品の添加物などにつきましても、販売する前に厳重に指導監督をする、そのとおりでございます。指定をいたします前に、委員会にかけまして、厳重な措置をしているつもりでございます。また、私どもは、予算、あるいは人手の不足ということだけで、それに籍口してこの食中毒の現状を無視するわけにはどうしても参りません。現在与えられました条件で、何とかしてこの問題を少しでも改善していきたいという意欲に燃えているわけでございます。特に御指摘になりましたオリンピックは、これは単にオリンピックがあるからどうこうということではございませんけれども、非常にいい機会でございますので、こういう機会をつかまえまして、この関係の府県なども集まって、このことのために、さらに別の形で食中毒の対策というようなことを検討いたしているのでございます。 また、資料というお話でございますので、これはいずれも機会を見まして取りまとめたものを差し上げたいと存じますが、特に魚介類の問題、有毒色素の問題等につきましては、全く現在の食品衛生の上から重要な点でございますので、よく御趣旨を体しまして、指導監督、それから強力な業界の御支持を得る、また、消費者の方々にもよく御理解をいただきない、こういうふうに考えて努力して参りたいと思います。
○藤原道子君 大臣のお考えは。
○国務大臣(西村英一君) 藤原先生からいろいろ御意見がございましたが、全く同感でございまして、最近町の声といたしましても、私はたびたび聞かれることは、食べものの純度が非常に失なわれた、一体、厚生省はそういう取り締まりをやっているのだろうが、何をやってるのだという声が非常に強いのでございます。また、統計的に見ましても、食中毒の発生の患者が、これはもうおそらくことしもそうでございましょうが、四、五年来、これが少しも改善の跡がないのでございます。したがいまして、この点につきましては、もうほんとうにこの許認可の場合に、これをひとつ強化しなければならぬ。一方、多少許認可を強化いたしますと、業者の方々から非難の声も起こりますけれども、今の状況では、非常にこれは食生活上好ましくないと思っております。役所の行政の機構といたしましても、これは従来、環境衛生局の中に食品衛生課がありましたが、非常に添加物が多くなっておる、とても役所の一課だけでは始末におえないというような要望もありますし、また、諸先生方のあと押しもありましたので、本年はそれを二課にして、食品化学課を作ったようなわけでございますから、その面からいきましては、相当に強化されなければならぬと私は思っております。したがいまして、ひとつ十分その点につきましては留意いたしまして、まあ結果におきまして中毒患者が数字の上で少なくなる、こういうことをぜひともひとつやらなければならぬと、かように思っておりますので、今後ともいろいろ御注意を賜わりたく、お願いを申し上げる次第でございます。
○藤原道子君 食品衛生に対しては、資料をいただいてから、次回に譲ります。 私は、児童が守られていないと思いますので、この点について、きょうはじっくりお考えを伺い、さらにこれを強化していただきたい、こう考えて御質問を申し上げます。 児童福祉法が施行されまして十五周年、児童憲章ができましてから十一年になります。その間、児童が守られているか。私は、児童福祉法ができました当時は、非常な意気込みで厚生省は努力されました。もうこれならば何とかほんとうに子供の人権、子供の福祉が守られるというような希望すら持ったときもあった。ところが、いつの間にやらこれがだんだんと後退してきたような感じがしてなりません。ことしは厚生省といたしましては、十五周年を記念して、大いに発奮努力して、画期的な児童対策を推進していくというような構想のもとに、過日は児童白書ですか、これが五月五日に私ども新聞で拝見したわけであります。私は、こういう点について、厚生省が、児童福祉法ができた当時のように、今度また再出発だというお考えがあるやに聞きますけれども、この点について、まことに心もとない気がいたしますが、これについてどういう構想を持ち、どういうふうに推進していかれようとしているのか、そういった現状はどうかというような点できょうは御質問したいのですが、その前に、建設省の方が非常にお急ぎだそうでございますので、順序がちょっとうまくいかないのですけれども、委員会ということでございますので、建設省のほうに最初に御質問をしてみたい、こう思っております。 私は、今回非行少年の問題とか、あるいは交通事故で子供が非常に生命の危険に脅かされている、こういうことが相次いでおりますことは御案内のとおりであります。ところが、児童福祉法の中の厚生施設というのがございまして、これには厚生省関係としては児童遊園、ところが、建設省は児童公園ということでいろいろ努力をしていただいておるようでございますが、この児童公園の現状と、それから児童公園の問題点、これらについてお伺いしたいと思います。 で、過日の吉展ちゃん事件が起こりましたのも、たしか児童公園で遊んでいてこういうことになったと、こう思うのです。これは私の持論といたしまして、厚生省関係はもとより、児童公園にも、児童の遊びの指導員というようなものが置かれたらどうだろうか、ぜひ置いてほしい、こういう念願を持っておりますので、それらについてのお考えもあわせてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(谷藤正三君) お答えいたします。 児童公園の事業の内容につきましては、御承知のように、子供たちの心身の鍛練と、いい生活環境を作りたいという問題とあわせて、最近のように交通状態が混雑いたしますと、交通事故の対象——子供か非常に大きな交通事故を起こす機会が多くなって参りますので、そういうものに対する事故防止というものもあわせまして、現在の児童公園の実施については、主として大都市及び交通量の非常に多い都市を重点といたしまして現在の整備をはかっておる状態でございます。で、区画整理をいたしました公共用地とみなされました土地につきましては、できるだけ早く市街化するという順位に従いまして、逐次実施いたしておる状況でございます。 現在の状況を申し上げますというと、昭和三十六年の三月現在で二千八百九十カ所、面積で申し上げますと七百九十九ヘクタールでございますが、二十七年から三十七年衣で公共事業として実施しましたのは五百六十六カ所、国費で一億六千万円でございます。三十七年度には八十五カ所、二千七百五十万円でございまして、児童公園という名前だけは非常にりっぱでございますが、実際の整備状況から申し上げますというと、わずかに二千七百万円というのが全国の事業費として、国費として実施されておるような程度でございますので、公園そのものも、これは厚生省のほうにも相関連いたして参りますけれども、現在の社会環境施設の中の公園事業というのは、建設省が現在担当します全額に比較いたしまして、今年度がわずかに三億というのが国費でございます。これも初めて今三十八年度に三億をこえたという状態でございまして、その中で、これは一般の都市公園並びに児童公園その他の直営公園、国立公園等の区別といたしましても、私の申し上げておりますのは、都市公園法と相関連した都市内の公園でございますが、そういうものの全体を含んで三億というような状態でございまして、児童憲章にうたっておりますところの、児童のよい生活環境を作るというのには、あまりに遠いのが現状の状態と考えられます。私たちといたしましても、できるだけ努力いたしておりますが、現在の状況では非常に伸びが少なうございまして、三十七年度に対する三十八年度の伸びは、全体としまして一割一分の増でございます。その中で、最近、先ほど申し上げましたような理由によりまして、児童を守るという問題が非常にやかましくなって参りましたので、一割一分の増の中を、ほかの一般公園のほうは多少犠牲にさせていただきまして、本年度は前年度に対しまして、児童公園につきましては四割五分の増というふうにいたしまして、前年度の二千七百五十万に対しまして、今年度四千万という国費をつけまして百二カ所の整備をはかる、こういうふうにいたしておる次第でございます。 それで、実際の児童公園の使用状況につきまして、三十七年度に全国的に子供たちを調査をいたしました結果によりますというと、これは小学校が七十二校、学級にしまして四百三十二学級、人口にしましては二万一千人というものを対象にいたしまして全国的な調査をいたしました結果によりますというと、現在のところ、自分のうちの庭で遊んでおるというのが二四%、公園で遊んでいるというのが一八%という状態で、公園というのはあまりおもしろくないというふうな結果が出て参っております。それで、子供の大体低学年の三年生ないし四年生までは公園で遊ぶ、高学年になりますほど、公園なんかで遊ばないで、むしろあき地とか、あるいはまた道路で遊んでいるというような結果が出て参りまして、公園で遊ばない理由としましては、子供の嗜好傾向が、低学年では遊び力がブランコ、そういうものにたよりますが、高学年のほうへ入って参りますと、キャッチ・ボールが主力を占めてくるというふうな対象になりまして、今の児童公園程度の公園の広場ではキャッチ・ボールには狭過ぎる。したがって、そういうものにたよらないで、むしろ道路でキャッチ・ボールをやる、これがまた交通事故の対象になってくるというふうな悪循環を繰り返しているのが現状でございます。その点につきまして、先ほど申し上げましたような四割五分の増というのをはかりました理由も、できるだけ子供たちのそういう嗜好傾向に合うような方向で児童公園というものを整備いたしたいと同時に、また、非常に危険な区域については、できるだけ早急に数をふやしていきたいということを考えまして、特にほかのほうを若干犠牲にいたしまして、児童公園のほうにこういう主力を注いだわけでございます。ただ、最近特に問題になってきておりますところのものは、交通規制に伴いまして、道路上の自動車の駐車を許さないという地域が広くなりますにしたがいまして、無許可で勝手に現在の子供公園の中へ車を持ち込むというふうな事態も生まれてきておりますので、この点につきましては、特に警視庁その他と連絡をとりまして、あるいはまた行政指導を強化いたしまして、そういう弱点をなくしたいというふうに考えている次第でございます。この問題も、駐車場がなければほうっておけばいいというわけには参りませんので、今度は交通体制の整備という問題がありますので、その場合には公園の下を駐車場として整備させるというふうなこともございますが、そういうふうな公園の下を駐車場として整備いたします場合には、道路をまたいで歩道橋を作る、そして子供たちは決して道路を歩いて公園に至るようなことはさせないというふうなことも技術的には指導いたしております。できるだけ子供に対しまして、道路の上には出てこないで済ませるような方向に極力注意いたしておりますけれども、何分にも、全体の予算そのものが非常に少ないのと、都市公園から見まして、現在私たちが希望いたしておるところのものは、大体今の調査の結果によりますというと、約二万七千カ所ぐらいはどうしても整備してやらなければならない。ところが、実際の現在の整備状況は、先ほど申し上げましたように、二千八百九十カ所、約十分の一の量しかございません。そういうふうな状態でございますので、これらの問題をこのアンケートの結果によって再検討いたしまして、今後の整備に対しましてはできるだけ努力いたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○藤原道子君 私もおたくで出されたアンケートを手に入れまして、いろいろ検討さしていただいたんです。ところが、低学年と高学年の希望が非常に違ってきておりますね。公園の中の低学年の施設はあまり金がかからないと思うんです。だから、金がかからないからそういうものが多くなるということになると思うんです。高学年になると、ボール遊びだとか、あるいはプールなど、水遊びを非常に求めておるようでございますね。ですから、これは高級なプールなどができましたならば、非常に子供は喜んで遊びに行くと思うんです、ただ、東京都のように水不足では困りますけれども。そういう点、子供の希望を満たしてやるという愛情がほしいと思うんです。 それから、もう一つは、五分くらいで行けるところは利用するんですね。ところが、十分以上になると子供はあまり行ってない、こういうこともアンケートに出ているようでございますから、そういう点も考慮されて、りっぱな児童公園とあわせまして、近くにほんとうの子供の遊び場というようなものも考慮していただいたらどうだろうかというように私は考えるわけなんです。 それから、愛育会の理事長の荒居さん、あの人なんかも言っていらっしゃいますが、子供に空間を残さなければならないということを非常に力説されておられる。これは今の話と違いますけれども、東京の桜の木その他がどんどん枯死の状態で、いまに桜を見ようとすればアメリカに行けということになりはせぬかと思うほど心配でございます。これは東京のように、だんだん空間がなくなってくる、スモッグだ、やれ煤煙だというようなことで空気が悪い、その悪い空気に耐えられなくなって枯死していく、手入れも悪い、それに空気も悪い、こういうことが原因になっていると聞いております。ところが、これはひとり樹木だけではないと思う。人間に及ぼす影響もはかり知れないものがあると思う。ましてや成長期にある子供の健康を考えますときに、ぜひ建設省としても、都市計画の場合には幾らか土地が出るのでしょう。そういうこともあるはずでございますから、これを必ず児童公園の、そうしてなるべく子供が遊びやすいような状態を作っていただきたい。これは私の念願してやまないところなんです。 もう一つ、戦争前には日比谷公園あたりに指導員がおりましたね。日比谷公園は厚生省でなくて、たしかおたくのほうかどうか、よくわからないのですが、日比谷公園に児童の指導員というのが監視員という名前だかで置かれていたと思う。今でも二、三カ所かけ持ちでやっていらっしゃるところもあるようでございますが、ぜひ先ほどおっしゃいました子供の健康を守ると同時に、自動車の置き場になる、自転亀の置き場になる、おとなの遊び場所はどんどんふえていくのに、子供の遊び場所がだんだん少なくなっている。さらに子供に与えられた稀少価値ともいうような児童公園が、おとなの自動車や自転車の置き場になっているということは許しがたいことだと思う。だから、そこに監視員がいたならば、こういうことは許さないであろうと思う。そういう点もあわせまして、予算上の措置もございましょうが、建設省の予算というものは莫大なものですから、その中から何とかひねり出していただいて、こういう点に一段の御協力を願いたいと、これはお願いします。今の子供はだんだん遊び場所からほうり出されている状態でございます。このほうり出されている子供を守る上からも、ぜひ児童公園がさらにさらに発展されるように念願してやみません。 それから、公団住宅をお作りになるときに、こういう場合には、そこにはやはり急に人口がふえるから、公団住宅を作る場合には、若干あき地を作って、これは必ず義務づけて、そこに子供の遊び場所を作る。しかも、その公団住宅に住む子供たちだけの遊び場でなくて、その周辺の子供も利用できるように遊び場所をお考え願ったらどうだろうかと、こう考えますけれども、いかがでございましょうか。今公団住宅に若干の遊び場所があっても、公団住宅に住んでいる人の子供だけしか使われない、その付近の子供はうらやましそうにながめている。私は、ぜひその周囲の子供も遊べるような遊び場所、こういうことをお考え願いたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
○政府委員(谷藤正三君) ただいま先生のおっしゃいましたとおりに、子供たちの希望状態はそのとおりでございまして、ただいま児童公園としております面積が大体〇・一ヘクタール、三百坪くらいが実は単位になっております。そういう関係で、今までやっておりますのは非常に小さな公園ということになっておりますために、キャッチ・ボールを始めますと、もう場所がない。したがって、子供たちがキャッチ・ボールを始めるようになると、小さな子供は逃げ出さざるを得ない。それをできないように遊びの施設を作ってしまうと、これは子供たちの高学年のほうはキャッチ・ボールができないから外に出ていって、道路でキャッチ・ボールをするという矛盾が生じているわけでございます。その点につきましては、ある程度野球も、軟式の野球ぐらいはできるというふうにするためには、もう二百坪くらいふやしてやりませんと、実際に子供たちが、ある程度の施設もある、遊び場もある、キャッチ・ボールもできるというふうな態勢になりませんので、その点につきましては今後十分検討いたしまして、先生のおっしゃいますような形で整備の対象を広げて参りたい、こういうふうに考えているわけでございます。実は、このアンケートによりましていろいろ私ども勉強させられましたので、これをもとにいたしまして、子供たちの立場でものをひとつ考えていきたいというふうに思っておる次第でございます。 距離につきましては、大体現在のところ、一番遊びやすいのは、自分のうちから二百五十メートルないし三百メートルくらい。この程度でありますと、庭で遊んでおらないで、そこへ飛んでいくというふうになりますが、若干遠くなりますというと、みんな庭のほうでがまんするというふうな傾向にあるようでございますので、その点につきましても今後十分検討さしていただきたいと思います。 それから、樹木の問題につきましては、先生のおっしゃいましたとおり、各都市の煤煙によりまして順々に枯れていくというふうな状態が出て参りますので、現在ありますところの個人の住宅もしくは個人の所有地の山林なんかにおきます樹木につきましても、相当の樹齢がたっておって、相当の径を持っているというふうな樹木につきましては、できるだけ保存いたしたいという考えをもちまして、昨年、法律によりまして、樹木の保存に関する法律というものを議員提案で出していただきまして、これは国によりまして、個人の所有の樹木につきましても、ある程度まとまったものを構成している場合には、市町村長はこれを保存するようにすることができるというふうな形になりましたので、この点につきましては、これから逐次行政指導によりまして保存の方向に努力いたしたいと考えております。 それから、指導員の問題でございますが、日比谷公園のような、ああいういわゆる都市公園法に基づく一般公園になりますというと指導員もおりまして、いろいろその全体の管理をいたしておりますが、児童公園の場合には、先ほど申し上げましたように、面積が非常に小さいために、なかなかそういうふうな数も非常に多いという関係もありまして、現在のところ、そういう指導員というものは置いておりません。ただ、先ほど先生からお話がありましたように、いろいろな事故も起きておりますので、今後それを一カ所に定着させるということは、これは市町村の現在の情勢では、管理人の養成とか、非常にむずかしいと思いますので、ある程度要員を作りまして、それが巡回できるような程度には少なくとも指導いたしたいというふうに考えております。 それから、住宅公団もしくは建設公社その他の公団におきますところの団地造成をする場合の空地の問題でございますが、これは都市計画法に基づきまして、ああいう一団地の構成をいたします場合には、普通の場合においては一八%ないし二五%というものを空地として生み出さざるを得ないようになっております。したがいまして、住宅公団がやりますところの団地の場合には、必ず公園、道路、その他今の生活環境に必要な終末処理場、そういうものは作るようになっておりますので、住宅公団の公園につきましては、必ず公園というものができるようになっております。ただ、現在東京にありますところの一団地造成になります住宅団地、一団地を造成をしておりますところの、非常にわずかな、何百人しか入らないようなアパートが三つ、四つ固まっておりますああいう団地でございますが、ああいう団地の場合には、ほんとうの児童公園といっても、遊び場所に二、三のブランコがある程度の空地しかございません。この点は、ある程度やはり面積がございませんと、二〇%前後の空地というものが十分活用できるような態勢になっておりませんので、これは東京都のほうにまたよく指導いたしまして、できるだけそういう空地を作っていくように、これは行政的に指導いたしたいと思います。その他の一般の問題につきましては、一万人程度の人口が入るような大きな団地につきましては、必ず大きな公園を作るようにいたしておりますので、現在取りかかっております、最近ぼつぼつでき上がっておりますところの大団地造成では、十分に御希望に沿うような公園が生まれるものと信じております。
○藤原道子君 これは一万人程度の人が入るところには必ず公園ができる。そういう場合には、その周辺の子供も遊べるようになるのでしょうね。
○政府委員(谷藤正三君) 一団地造成をやりました場合の公園、道路その他は、全部地元の市町村の所属に入りますので、これはもう団地の住民であろうが一般の住民であろうが、だれでも自由に使えるようになります。
○藤原道子君 そこでお伺いしたいのですが、建設省のほうでも児童公園に非常に力を入れていらっしゃる、厚生省のほうにも児童遊園地がある。これらの間に、子供の福祉に対しての連絡、協議というようなことが行なわれているのかどうか。個々ばらばらでやっていらっしゃるのか、この点ちょっと両方からお聞きかせ願いたい。
○国務大臣(西村英一君) 実は、児童の遊び場所のことにつきまして、まあ児童公園のことにつきましては、今までの法律の建前はばらばらでございます。しかして、この児童公園がだいぶ世の中の問題となってきましたので、これはどうかしなければならんという議論が起っております。実は、先般からいろいろ議論がありますが、きょうの閣議でもその問題が取り上げられました。建設省でやっているのは、都市計画法に基づき、それを親法律としての都市公園法というのがあるわけで、これは児童公園のみならず、一般市民に提供する空地、緑地というふうなものを整備し、あわせて児童のための遊び場所というものを整備することにはなっております。一方、また厚生省関係としては、児童福祉法に、児童厚生施設として児童公園というものがあるのだということをうたっているのみでございまして、その他詳しい法律上のあれは何もありません。実行の面におきましても、これは全然打ち合わせがないわけではございませんでしたが、あまり連絡がなかったといってもいいと私は思うのであります。これはひとつ都市計画法に基づく一つの公園、なかんずく児童公園については何とかしなければならんじゃないか。これは文部省も多少関係しております。したがいまして、きょうの閣議で、官房長官が主宰をいたしまして、事務当局同士の打ち合わせを、今までの実情を把握して、今後どうあるべきかということを把握してやろうじゃないか。私は、厚生省の立場におきまして、現在は、現在の法規に基づいてやっておりますが、いい案ができましたら、これは行政官庁のセクショナリズムというようなことから全く離れてひとつやりたい、かようなことになっているので、今までのところでは、残念ながら、あまりいい連絡ではなかったと思います。建設省もようやく、これは建設省は都市計画全体を持っているのですが、大体都市計画は、都市計画全般につきまして、これは児童公園のみならず、少し手ぬるい。これは建設省が悪いわけではございません。予算上の問題からきているわであります。しかし、これからの都市づくりはそういうことでは絶対にいけないと思いますので、今後は建設省も、おそらく予算的にまた行政上身を入れると思います。私のほうも、また児童の立場からは、ぜひともこれはひとつ児童公園の普及を徹底的にはからなければならん、かように考えている次第でございます。こまかな点はそれぞれ政府委員からひとつ答弁をさせたいと思います。
○政府委員(谷藤正三君) ただいま大臣からお話のありましたとおりに建設省で担当いたしておりますのは、都市計画法に基づきますところの公園施設というふうになっておりまして、これは主として公共用地によって、たとえば区画整理をやる、市街地改造をやる、あるいはまた今まで国有地、都有地、あるいは市町村の公共用地であった場所というふうな場所を活用いたしまして、都市公園法に基づく公園づくりをする、その中の児童公園というふうになっておるわけでございます。したがいまして、建設省でやっていますところの事業内容は、用地のそういう空地を、今度公園としての全般の仕事をやるというふうに、あらゆる施設から、つまり子供の遊び道具という立場でなしに、公園としての地面からの整備をやっていくというのが、私のほうのやっております仕事の内容でございます。私の伺っておりますのは、児童公園として厚生省でやっておりますのは、主として子供のための遊び場としての施設のほうに重点があるのじゃないかというふうに伺っておりますので、面積も、むしろ地主の方から貸していただける場所とか、神社、仏閣の坑内とか、そういうふうなところを非常に活用されているのじゃないかというふうに考えておりますが、実は大臣から話がありましたように、こまかいところの打ち合わせをあまりやっておりませんので、今後はそういうことのないように、十分注意いたしたいと思います。
○藤原道子君 私は、むしろ建設省へお願いしたいのです。厚生省では土地を得ることがなかなか困難になってきているらしい。そういう点で、あなたのほうでは、都市公園法ですか、こういうもの、あるいはそうした土地を比較的に自由にできるわけですよ。ですから、あなたのほうでぜひ土地の確保をしていただく、そして、その運営等については、やはりおたくのほうでも、公園の目標でやっているのだから、子供を遊ばせるところではないとおっしゃるけれども、結局は児童の福祉を守る、児童の健康を保持する、集団訓練をするというようなことに役立たせることが目的、だろうと思うのです。ということになれば、だんだん発展していけば同じことになると思う。ですから、今後は厚生省と建設省、さらに文部省等が連絡していただいて、ほんとうに子供の福祉が守れるために、できるところは力を入れて、そうして両方で協議してよりよいものを作っていくという方向で進んでほしい。子供のアンケートを見まして私も教えられたのです。そういう点で、ぜひそういう方向で大臣にもひとつお話し合いを、今の閣議に出たということはたいんけっこうなことでございますので、おそきに失するような気もしますけれども、まあこれからひとつ大いに奮発していただきたいということを建設省のほうへ特に申し上げまして、お急ぎのようでございますから、建設関係の御質問はこれで終わりたいと思います。
○委員長(加瀬完君) 建設省に関連して私も伺いたいのですが、都市計画法では、一体何%公園、緑地帯としてとれるようにきまっているのですか。それから、公団法では、その面恥に対する何%をやはり公園、緑地としてとれるようになっているのですか。
○政府委員(谷藤正三君) 都市公園法に基づきましては、一人当たり六平方メートル、人口一人当たりにつきまして六平方メートルを確保するということになっております。現在東京、大阪その他につきましては、大体二平方メートルくらいの現状になっております。場所によりましては一平方メートルくらいしかない。外国の例でいきますというと、多いところでは四十三平方メートルくらいあるというふうなものがございます。現在のところは、そこまで持っていくのは非常にむずかしい状態でございますので、都市公園法では六平方メートルということになっておりまして、住宅公団の場合、もしくは国が実施する、公共団体が実施する場合につきましても、これは都市計画法上の、あるいはまた区画整理法上の問題になりますので、空地といたしまして、大体先ほど申し上げましたように、一八%ないし二五%というものが、全体の区画整理なら区画整理をやります面積の中でそれだけの空地を生み出す。その空地の中には、公園、道路その他の公共施設が全部入るというふうにしているわけでございます。したがいまして、公団だから幾ら、公共団体がやるから幾らというだけでなくて、全体の考え方としましては、そのものが六立米、それから一般の公共につきましては、全体の施行面積の中で一八%から二五用の公共用地を出しなさいということになっておるのであります。
○委員長(加瀬完君) 公共用地になりますと、まず道路が先になりますし、それから学校の敷地、そういうものに大半を占められまして、しかも、都市計画法、あるいは区画整理法でやりますと、なるべく地主側が供出する面積というものを少なくする、減歩率を下げる傾向がありますからね。減歩率を下げるためには、道路は下げられない、学校も下げられないというと、みんな公園にしわ寄せされて、団地なるものの中にできる公園は、全くお体裁のようなものが多いようですね。ですから、公園そのものにはっきり何%というワクをはめなければ、藤原さんの指摘するような問題の解決にはならないじゃないですか、現状では。
○政府委員(谷藤正三君) ことに個人施行の、あるいは組合施行の区画整理になりますと、そういう問題が必ず起きて参ります。実は今度の国会で、先日通過させていただきました土地区画整理法の一部改正におきまして、今度組合が施行する場合には、それに無利子の資金を貸し付けてやるというふうにいたしまして、それで貸付する場合につきましては、今年度は実は内容として三億の国費を出しまして、それに見合う分として地方公共団体が三億、両方合わせまして六億、それによって大体五百万坪の区画整理を実施するというふうにいたしておりますが、その中で、そういう貸付金を借りるところの組合に対しましては条件がついております。つまり施行面積が二十ヘクタール以上、つまり大きな両校になればなるほどパーセンテージをとられましても、残地が非常に多くなりまして、個人施行の場合に、もとのとれるチャンスが多くなる。二十ヘクタール以上です。公共用地につきましては二二%以上という制限がつきまして、二二%以上になりますと、大体において公園等の面積をとる場合においては、あまり苦労がない、そういうようないろいろ条件をつけまして実際に施行をいたしております。東京付近の緑地帯を解除をする場合におきましても、区画整理をいたさなければ解除をいたさない、区画整理をする場合は、そういう空地はこれだけのものを生み出せ、今二〇%になっておりますが、それ以上のものを生み出さなければ区画整理を行なわせないということにきめてありますので、あらゆる点につきましてそういう点に落度はないように、縛るべきものは縛っておるつもりでございます。 —————————————
○委員長(加瀬完君) 警察関係では、警察庁野田保安局長、冨永交通局長が出席をされております。
○藤原道子君 警察庁にお伺いしたい。最近非行少年が非常にふえて、これは非常に国民の苦労の種になっておる。それから、非行少年に陥る動機とか現状、こういうものについてまずお聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(野田章君) 最近の少年非行の傾向につきましては、現在三十七年中の刑法犯の少年の数は二十二万人余でございまして、戦前、戦後を通じて最問の数字を示しているのであります。なお、少年の千人当たりの犯罪者数をいわゆる犯罪者率と申しておりますが、これも三十七年には十才から二十才までの少年について千人当たり一〇・八人、これは戦前に比べて約三倍強でございます。また、そういう刑法犯少年が全刑法犯の被疑者中に占める割合は、三十七年におきましては三五・二%という、この点も年々上昇しているわけでございます。 なお、質的な問題といたしまして、三十七年中には、十四才、十五才という低い年令の少年の犯罪が非常に増加いたしまして、前年に比べて三五%という増加率でございます。なお、中学生による非行というものが特にふえておりまして、三十七年中、中学生による刑法犯罪というもので補導されたものが約八万人、全刑法犯少年の三六%という数字でございます。その他資料でお手元に配付してございますとおりでございます。 この非行の原因と申しますか、この少年非行増加の原因につきましても、各方面からいろいろと分析がされておるようでございますが、大体共通している見解を一、二申し上げますと、やはり少年の身体的発育というものに精神的な発達が伴わないというようなこと、戦後におけるいろいろな価値の転換といいますか、そういうものによりまして、たとえば新しい道徳的支柱というものがまだ確立されていない、古い道徳、あるいは古いしつけ、制度、そういうものがくずれて、しかも、新しい一つの規律といいますか、支柱というか、そういうものがまだできていない、あるいは経済成長に伴いまして、いわゆる消費ブームと申しますか、消費景気といいますか、そういうものが増大して、非常に享楽的な風潮というものが醸成されているというようなこと、あるいは、また、マスコミ等によって低俗な風潮を醸成し、あるいは助長しているということ、あるいは、また、戦時あるいは戦後における混乱期の影響というものがまだ残っている、こういうなようことが各方面から分析によって主張されている原因でございます。
○藤原道子君 今の動機の中に、家庭的な事情なんということはございませんね。
○政府委員(野田章君) 確かに家庭の役割というものは非常に大きな要素でございまして、特に少年の生育する過程、人格を形成する過程におきまして、家庭の占める役割がきわめて大きいわけでございますから、そういう家庭教育についての問題というものが、やはり非常に大きな一つの要素であろうと思います。
○藤原道子君 そこで、警察当局としては、こうした少年の非行対策、これらについて、どうしてもらったらいいのだ、こういうふうにしてほしいというような何かお考えがございますか。御遠慮なしに聞かしてほしい。
○政府委員(野田章君) 少年の非行防止対策という問題でございますが、これはただいまも御意見がありましたように、一つは、やはり家庭あるいは学校、そういう面から、健全な少年の育成という面において、いろいろと現在問題になっております諸点を解決していくということが、まず基本的に重要な問題であろうと思います。これらの点に関しましては、文部省、あるいは厚生省、その他関係の行政庁等におきまして、あるいは、また、吉少年問題の対策審議会というような、関係各機関の積極的な施策の推進ということが非常に望ましいことだと存じます。同時に、警察といたしましても、特に最近の少年非行の特徴の一つは、いわゆるグループ、集団による非行でございまして、この集団というものをいかに早く発見していくか、早く発見して、その非行集団というものをいかに早くこれを解体し、補導していくか、そういう問題があると思います。これらの問題につきましては、少年の非行の各過程において、いろいろな地域の団体、あるいは警察官、あるいは学校、あらゆる関係機関の共同の協力作業によりましてこれらの問題を解決していきたいというふうに考えております。
○藤原道子君 この非行少年の中に、知恵のおくれた子供、精薄ですね、知恵のおくれた子供とか性格異常者、こういうものはどの程度に含まれておりますか。
○政府委員(野田章君) 犯罪素質から犯罪に入っていく、素質に問題があるというものが大体一七%余りでございます。素質に問題がないというものが約八二%余りという状態でございまして、この素質に問題があるという約一七・一%の中には、いわゆる知能のおくれている者、あるいは犯罪的な素質のある者、そういう者全部含めての数字でございます。
○藤原道子君 私、せんだって少年院ですか、あすこに入っている子供で、正常な精神というか、正常な者は二九%くらいだというふうに聞いたんですが、あなたのほうでお調べになった場合には、素質に原因するものというんですか、そういうものが一七・一%くらいなんですか。よく新聞なんかで見ますと、精神簿弱者が放火とか、何かの場合に重大な事故を起こしているというようなことが出るんですけれども、占めておる比率はこの程度ですか。
○政府委員(野田章君) ただいま申し上げましたのは、十四才以上の刑法犯少年の十五万八千人について内訳を調べましたパーセンテージでございまして、まず本人の素質と見ていいものは大体一七%余りというふうに考えております。
○藤原道子君 私どもこの犯罪の統計を拝見しましてりつ然とするのでございますが、十四才未満というと十三才ですね、十三才の子供の強姦が百十八人、昨年は百十七人というふうに出ておるんですね。それから強喝ですね、これが千九十六人というようなここに数字が出ているわけでございますが、十三才の子供が強姦というと、ちょっと私ども普通の常識では想像できないわけでございますが、これはどういうふうな条件のもとでそういうことが行なわれるのですか。
○政府委員(野田章君) 強姦の中で、検挙なり犯罪の一つの統計を見る上の注意と申しますか、その点を申し上げてみますと、強姦罪は、御承知のように、いわゆる親告罪でございまして、被害者側からの親告によって罪というものがきまってくるわけでございます。ところが、いわゆる数人が共同して強姦をするという場合は親告罪ではないわけであります。そういう意味で、少年の強姦罪というものが全体の強姦罪の中で五割以上を占めておる。といいますのは、少年による強姦というものは、いわゆる輪姦事件である、要するに、親告罪ではない。そのために捜査というものが非常にはっきり件数が出やすいということが一部にはあると思います。しかし、十三歳の少年というものが主としてこういう数字になりますのは、単独の犯行ではなくして、数人の少年が共同して行なうという場合が多いわけであります。これは、これまた先生も御承知のように、群集心理といいますか、一人ではとうていできないようなことを、何人か集まるとやるというような心理が非常にあるわけでございます。そういう面で、少年非行というものが、ことにこういう凶悪な犯罪というものは集団によって行なわれる。集団によって行なわれる場合に、一人々々の子供ではとうていやれないようなことを、責任感がなくなるといいますか、あるいは付和雷同してやるとか、非常に異常な集団による興奮性があるとか、そういうような面から起こってくる、こういうわけでございます。そういう面で、十三歳というような年少の少年によりましても、それが特にやや年長の少年がリーダーなんかになって集団というものを作っております場合に、そういうリーダーに付和雷同して、そうして集団的な興奮というものが、常識的には考えられないような残虐な行為、あるいはそういう行為に走るということがあるわけでございます。
○藤原道子君 警察庁では、この少年犯罪、非行少年に対してのあれは何人くらいでやっていらっしゃいますか。
○政府委員(野田章君) 三十七年の十月末の調査で、各都道府県警察におきまして、少年警察に従事している警察官は、専従者が二千三十七名、それから兼務者、少年警察あるいはほかの保安というような兼務をしております者が約四千名でございます。で、合計しまして約六千名、専務者と兼務者合わせまして約六千名の警察官がこの問題に従事しておるわけでございます。
○藤原道子君 そうすると、警察に検挙され、補導された者がこの数字でございますね。まだほかに潜在して網にかからない者、これらの推定はどの程度にお考えでありますか。
○政府委員(野田章君) こういう犯罪の推定というのは非常にむずかしいわけでございますが、刑法犯を犯した少年の数というのは、ここにありますように、約二十二万人、そのほかに、たとえば道交法等による無謀操縦とか無免許運転とか、そういう特別法違反というものが相当ございます。これは刑法犯罪以外の、主として道交法違反でございますが、これが年々約八十万人くらいございます。そのほかに、警察で調べまして、いわゆる虞犯少年、いかがわしい場所に立ち入るとか、あるいは保護者の監督に服さない性癖があるとか、いかがわしい者と常時交わるとか、そういうことで、飲酒喫煙、その他そういういわゆる犯罪を犯しやすい少年として年々補導するものが、これまた約八十万くらいございます。そういう面から見ますと、刑法犯罪として検挙された二十万というものは、やはり少年全体の非行という、ことに法律違反という面から見れば特別法も同じことでございますから、順法とか、そういう問題から見れば非常にどうかと思うという少年の数というものは、非行少年、いわゆる刑法犯罪、あるいは特別法違反、あるいは犯罪を犯しやすい傾向というもので見ますと、年々問題にしておりますのは約百八十万以上に上るわけであります。犯罪の推定というものはよくわかりませんが、国連の資料等によりますと、この数字の約二倍くらいはあるというようなことをいっておりますが、この点はなかなか明確にはつかみ得ないところでございます。
○藤原道子君 警察庁として、地方へ参りますと、中央のように、いわゆる虞犯少年の補導等に対してちょっときつい面があるのですね。やはり虞犯少年の補導というような場合には、警察官というよりも、やはり親のような気持で補導していかなければならない。で、そういうことがあるものですから、警察の手にかかったというような一般に印象を与えるために、これを押えて表に現わさない、陰で何とか解決をするというようなことが、やがて大きな問題を起こす原因になっているのじゃないか、こう考えますので、その点につきましても十分注意していただきたい、こう思います。きょうは児童の福祉について、それがどうそこなわれているかというようなことをちょっとお聞きしたわけであります。
○政府委員(野田章君) ただいまのお話にもありましたように、青少年の非行に対する警察の態度の根本は、あくまでも青少年の保護、健全育成という方向を目ざしているわけでございます。したがいまして、さしたる、それほどひどく悪いことでないというものに必要以上に警察が入るということは、これはやはり避けて参りたい。一般の学校の先生とか、あるいはPTAとか、その他の関係機関の協力を得まして、非行度の薄いものについてはなるべくそういう方面にお願いをして、警察としましては、この先ほど来の統計にありますように、凶悪な犯罪、あるいは暴行、傷害等の粗暴な犯罪、そういうもので、能率的に警察でなければできないという問題を特に重点的にやって参りたいというふうに考えております。
○藤田藤太郎君 関連して。私は、非行少年の問題について、警察は、この起こってくる原因の主たるものは何か、こういう探究をされているかどうか、お伺いをしたいわけです。いろいろ原因があると思います。生活の問題や直接の監督、親子の関係の問題や、いろいろ私は問題があると思いますけれども、最も目につくのは、これはまあ私の主観になるかもわかりませんけれども、映画とかテレビの影響力というものが非常に大きいのではないか。これは直接目で見るのでありますから、ただ耳で聞く程度じゃないのです。目で見、耳で聞き、実態を映画やテレビで見るのですけれども、たとえば誘拐事件が起きたことや、それから暴行、暴力事件が起きたようなことがまことしやかに映画、テレビに出てくるわけですけれども、ああいうことは映倫の問題があるわけですけれども、警察はそういうことにどういうふうに取り組んでおられるのかということですね。これはやはり私も地方で保護司の関係なんかで、幾らかお手伝いをさせていただいておるわけですけれども、連れてくると、生活環境や、その他監督の問題もあるけれども、やはり大きな要素というものは、映画、テレビという、ああいう目で見、耳で聞くその影響というものが非常に大きいのではないかという気がしているわけです。これはいろいろな要素があるでしょうけれども、警察としては、そういう問題について、そのよってくる原因の問題をどういう工合に見ておられるか、ちょっとこの際聞いておきたい。
○政府委員(野田章君) 少年非行の原因の一つに、マスコミの影響というものが大きいのではないかという御意見でございますが、これは私どもも、そういう要素があるということをかねてから分析しておりまして、いろいろな機会にこの実証的なデータを作りたいということでやっておるのですけれども、そのデータを作って、どの程度のものかを明らかにするということは、常識的にはわかっていることなんですけれども、数字的になかなか得にくいというのが、これは警察に限らず、各方面でやっておりますが、明確な数字的なものが出てこないというのが現状でございます。ただ、一つの例で申し上げますと、映画につきまして、近畿地区の少年院に収容されている男子三百三十三名と、女子百十五名を対象として、マスコミの影響による度合いというものを調査した事例がございますが、これを大阪府の青少年問題協議会が集計しまして、男子は約一五%、女子は約一一%という数字がこの調査では出ております。そして、この非行の類型では、暴行、わいせつ、傷害という、男子につきましては、そういう犯罪に非常にマスコミが影響している。女子につきましては、家出、あるいは放浪、そういう面、非行少年の三分の一以上がマスコミの影響を受けているというのが、これは一つの研究でございますが、出ておるわけでございます。で、このマスコミが、確かにこまかい数字的なことは統計的に明らかでないにいたしましても、この一例にもありますように、また、お説のとおり、非常に大きいというのは、常識的に各方面から主張されていることでございまして、各府県におきまして、マスコミの悪影響から青少年を守るための施策の一つとして、青少年保護条例というものを作っている府県がございます。これが全国で現在二十一の条例がございます。この条例は、主として県民生部の児童課等が主管いたしまして、その条例に基づく審議会の決定によって、特殊の出版物、あるいは映画、ストリップ等の観覧を十八才未満の少年に禁止するという指定をするわけでございます。で、この指定は、この二十一の条例のある府県におきまして現在実施されておりまして、三十七年中におきましては、注意、指導をいたしました件数が総計で一万六千二百五十五、送致いたしましたのは五百五十一人という数字に上っておりますが、警察といたしましては、婦人児童課あるいは児童課等、所管の県庁の民生部の部局とよく連絡をいたしまして、青少年に有害な影響を与えていると思われるポスター、ビラ、あるいは映画興行等につきまして、情報の交換なり資料の交換というようなことで現在努力をいたしております。この点につきましては、今後とも中央青少年問題協議会等と緊密な連絡をとりながら、青少年に有害な影響を及ぼすマスコミの所産に対しまして、適切な規制なり指導の措置が推進されますように、警察としても大いに努力して参りたいと考えております。
○藤原道子君 そこで、かつて警察で児童を保護する制度と、厚生省の虞犯少年についての所管ですね、これはやはり厚生省一本にすべきじゃないか。虞犯少年の場合には、児童の福祉というようなものを目的としてやるのだから、虞犯少年の補導については厚生省一本にすべきじゃないかということを法務委員会で非常に問題にしたことがあるのですが、これに対して、こうした非行少年が出る原因その他につきましても、大いに児童福祉行政に影響があるのじゃないか。そこで、こういうことについて、今の警察と厚生省とは、虞犯少年、非行少年等について、いろいろとお打ち合わせその他がなされておるのでございましょうか。同じ立場にある子供について二つの所管になっておるわけですが、地方では、警察に呼ばれたというと、それがものすごく影響するのですね、あれも警察の厄介になったということで。どうもそういう点で問題があるように思いますが、どういうふうに考えておられますか。
○政府委員(野田章君) 警察と厚生省、あるいは文部省、関係の非常に深い分野でございまして、常時いろいろと連絡を密にいたしておりますが、今後ともさらに強化して参りたいと思います。 なお、この非行少年の処理につきましては、触法少年——十四才未満の少年が刑法に触れる行為をした場合、これは刑事責任がございません。そこで、かりに盗みをしても恐喝をしても、十三才の少年というのは、実は刑法による犯罪というような形にはならないわけですが、この触法少年につきましては、全部家庭裁判所等、そういうところから厚生省所管の保護施設のほうに全部行くわけでございます。で、警察で問題になりますのは、主として犯罪というものを発見して、その発見したものの処置は、家庭裁判所なり、あるいは厚生省所管の施設なり、そういうところに持っていくというのが大部分でございます。ただ、発見は、町で警察官がよく活動しておりますから、非行の事実というものを発見することは警察が非常に多い。その発見したものを家庭裁判所に送って、その家庭裁判所の判断に基づいて、児童相談所なり少年院なり、その他適切に処置される。警察で処置されることは非常に少ないわけでございます。なお、十六才以上の少年で、家庭裁判所から検察庁に逆送されるというものがございます。こういう特に悪質な犯罪につきましては刑事手続が進むが、その他のものについては、そういう処置は家庭裁判所から厚生省なりその他の所管のほうに移されるというわけでございます。
○藤原道子君 厚生省では、そういう点は、遺憾なく連絡はついておるのですか。
○政府委員(黒木利克君) ただいま警察庁からお話がありましたような次第でございますが、さらに警察庁から、児童福祉法等の改正等につきましてもいろいろな御意見を承っておりまして、少年法等の改正にもいろいろ現在問題があるようでございまして、厚生省も、中央児童福祉審議会がいろいろ御相談をしまして、児童福祉法改正の段階に、こういう問題もさらに改善をしようということで、警察庁とも絶えず連絡をとって検討を続けております。
○藤原道子君 きょうはたいへん欲ばって申しわけございません。時間がなくなって残念でございますが、あらためてお伺いしたいと思います。 ここで厚生大臣にお伺いしたいのでございますが、かえって最近経済成長が児童の福祉を阻害しておる、こういう声がちまたにも多いわけでございます。と同時に、黒木さんの説にも、そういうことが児童白書でもいわれておるように私拝見しておる。私はそうあってはならないと思う。今こそ人づくりと強く叫ばれております池田内閣におきましては、人づくりの基本である児童に対して、その施策があまりにも貧弱であるように私どもに考えられてならない。これに対して、今、大臣は、けさの閣議でも児童遊園の問題が問題になったといわれておるし、また、総理も児童問題について何か指示があったように伺っておりますけれども、それはないよりはいいのです。ところが、児童白書にいろいろ書かれておりますけれども、それを読むと、何か人ごとのような気がする。問題はあなた方の責任だ。そこで、今度児童対策をよほど強力に推進してもらわなければ、人づくりといってもかけ声ばかりで、その土台がくずれていてはほんとうの人づくりはできない、私はこう考えておる。 そこで、二つの問題に分けて御質問したいのですが、御案内のように、精薄にしても肢体不自由児にしても、妊娠中の影響が相当多いということは御案内のとおりです。そこで、母体、胎児に対する保護対策、生まれた子供に対する今後の福祉対策、これについて二つに分けてお伺いしたいと思いますが、私は、妊産婦に対しての国の施策は非常に貧弱だと思う。精薄等が生まれる原因が相当ここにあるということがわかりながら、妊婦に対してあまり強力な手が打たれていない。昨年、私どもは社会党といたしまして、妊産婦と乳幼児に、せめて、牛乳一合またはこれにかわる乳製品、これを国が支給する、これによって、せめては生まれ出る子供に対しましても健全であってほしい、生み出す母体を守っていきたい、こういうつもりで提案いたしましたが、野党の悲しさでつぶれてしまいました。ところが、厚生省で、ことしボーダー・ライン層以下に対して、脱脂粉乳を妊産婦と未歳児に支給するというような予算を要求せられたように伺っておりますが、これはどういうようになったのでしょうか、どういう理由で削減になったのか、出したということがうわさだけで、要求されたのではないのかどうか、その点について。
○国務大臣(西村英一君) 経済成長が青少年に対して非常に悪い環境を作るということは、経済成長そのものが悪いのじゃない、悪い環境を作るということは確かでございまして、私もその方面で特に勉強いたしておるわけじゃないが、やはり常識的な考え方としては、今も申しましたように、非行少年が戦前の三倍になって、戦前と戦後の変わりというものは、やはり社会環境が悪くなっておる。もう一つは、家庭教育の軽視ということがあるのじゃないかと思う。ただ、子供にテレビだけ与えておけばよく遊んでいるからとかいうような、これも今の児童公園等のそういう遊ぶ場所がないからとかいうことにつながっておりまして、一々関連性を持って、要するに、家庭の環境にいたしましても社会環境にいたしましても、青少年にとっては非常に好ましくない環境になっておるということではなかろうかと、かように思っております。そこで、お尋ねの点でございまして、したがいまして、子供に対しては、生まれ出る子供に対する注意、あるいは生まれる前に対する妊産婦のことというものは、厚生省でも十分気をつけなければならぬと思っております。三十八年度の予算におきましても、これはまず低所得者のために、妊産婦等につきましても、今おっしゃいましたような施策をやろうということで要求はいたしたのでございます。しかし、これは非常な大きい金の要ることでございまして、なかなか予算折衝でそれが通過しなかった、それだけのことでございます。しかし、私たちは決してこれをあきらめておりません。ただ、妊娠中毒の方々に対して若干の施策をしたので、その他の施策につきましては、われわれは要求をいたしましたけれども、実現をすることができなかった。これはいろいろ予算上の問題もありますし、技術上の問題も多少ありました。ありましたが、予算上の問題で成立しなかったのでございまするが、今私たちのほうでも、先生が申されましたように、妊産婦につきましては十分な考慮を今後していきたい、しこうして、生まれた子供につきましては、せんだっても申しましたように、議論がありますような施策につきましては、十分注意をして参りたいと、かように思っております。それがまた池田内閣の人づくりの基礎をなすものじゃないかと、かように児童の質的な向上に対しましても、十分に気をつけなければならぬ、それが人づくりの基礎をなすものじゃないか、かように思っているので、ひとつ今後とも、三十八年度には予算化されませんでしたが、決してあきらめておるわけじゃございません。
○藤原道子君 それが池田内閣の施策だと、こうおっしゃるので、私は、予算に阻まれる、莫大な予算がかかるといわれるけれども、経済の成長率からいきまして、たしか厚生省が要求されましたのは五十八億だったというふうに聞いておる。五十八億の予算でもっても、せめては私は一般家庭水準をめざしてやってもらいたい。しかし、厚生省ではボーダー・ライン層以下として五十八億、経済成長率から参りまして、世界に誇る日本の発展だといっていらっしゃる池田内閣が、その五十八億で母体が守られる、しかも、健全な子供を生み出すということになれば、私は安いものだと思う。私は、大臣があきらめていないとおっしゃるなら、池田内閣のこれは施策だとおっしゃるなら、必ずこれは獲得してもらいたい。 それから、もう一つ、池田内閣の人づくり政策といわれ、こうしたことが池田内閣のあれだといわれるけれども、池田内閣、池田総理その人について疑問を持つ。これは義務教育にたっている中学生、あるいは小学校の子供たちに長欠児童がたくさんいるのです。ところが、長欠児童生徒援護会の会長を池田さんがしていらっしゃる。ときどきお菓子なんかをくれていらっしゃる。私は、長欠児童などが出る家庭環境をよく調べ、そこには親が病気で子供が学校へ行けないなら医療扶助がある。経済的に行けないなら、やはりそこには生活保護があるはずです。それが十三や十四の子供が働きながら夜学に行く。これはまだいいほうです。夜学も行けないで不良の仲間に落ちていく、上の学校へ行く子供をうらやましがっている、不良に落ちていく子供も、この非行少年の中にはたくさん含まれている。こういうことを考えると、厚生大臣が、これが池田内閣の施策だなんといわれると、それならもっとやってもらいたいと言わざるを得なくなってくる。私はそうした意味で、きょうは何もあなたを責めるのじゃなくて、やってほしいから私は言っている。 そこで、児童行政がまちまちになっていると同じように、この福祉行政の面でもまちまちになっている。私はこの前も御質問いたしましたように、今の母子栄養保障の面もあると同時に、母子総合福祉法、これをお考えになっているかどうか。私はここに一元化して母子福祉を推進してほしい、こういう希望を持っておりますが、それに対しての構想を伺わしてほしい。
○国務大臣(西村英一君) 母子福祉対策につきましては、これを一元化して考えるべきだ、こういう御意見でございます。そのまたやり方も、これは必ずしも悪いというわけではございませんが、やはりその母子対策の部分々々を今上げていくということもこれは必要じゃないか。総合的に考えることもこれは必要でございまするけれども、何さま現在のところ、正直なところ母子対策全部が完璧を期しておるわけではございません。したがいまして、母子対策と一言にいいましても、いろいろな部分があろうと思われますから、その部分々々について強化をしていくということが必要ではなかろうかと思うのであります。で、まあすべては予算で解決するわけではありませんが、これは方法等も考えなければなりませんけれども、やはりやるからには相当に予算を伴ないます。しかし、全体的に児童関係の予算というものは、三十八年度は、まあ従来に比較して、相当に認められたと思うのであります。相当な増額を児童関係はいたしております。もちろん十分ではございません。と申しまするのは、これは厚生省の力というわけではございません。やはり世の中の状況として、児童に対する考慮を払わなければならぬ。それはお母さんも含んでの話であります。したがって、三十八年度は、予算的に見ましても、従来よりは相当ふえております。しかし、これで十分ではありませんので、今後もひとつ注意しなければならぬと思いますが、今、母子総合としての構想を持っておるわけではございませんので、まあ十分検討はいたしたいと思いまするが、部分々々のやはり内容の充実を十分はかっていっても目的は達せられるのじゃないか。母子対策としても、十分総合的に検討はいたして参りたいと、かように思っております。
○藤原道子君 私は、母子総合福祉法を制定して、もっとばらばらでなく、強力にやらなければ、部分々々を充実していくという考えで、そういうことはまだ手をつけてないとおっしゃいましたけれども、それはちょっと御答弁が違うように思うんです。そういうことの構想はあるはずなんです。それらについてきょうはいろいろ突っ込んで御質問したいのでございますが、もう予定の時間も迫っておりますので、これはまたいずれの機会かにひとつ黒木局長の御意見等も伺いまして、私これを推進してほしい。なぜかなれば、非行少年に対しても、厚生省と警察と文部省との関係がある、あるいは児童遊園一つ取り上げましても、建設省と厚生省との管轄が分かれておる。また、長欠児童に対しても、やはり文部省と厚生省の関係がある。いろいろばらばらになっているんです。だから、これはどうしても児童行政の一元化といいますか、保育所と幼稚園の問題、これらについても考えなければならない段階にきておる。ですから、それと同じように、一つのものにぴちっとして、そこで強力に福祉を守っていくというような構想が生まれてしかるべきだ、私はそういうふうに考えておりますが、それは今後の討論に譲るといたしまして、そこで、私は、時間がなくなりましたから「福祉新聞」ですか、これに載っている二、三の点で黒木さんにお伺いしたい。それは、あなたのお考えは、どうも家庭保育のほうへ重点を置かれるように見えるんです。だから、保育所とか児童遊園とかいうようなところへ今後の児童行政をもっておいでになるのか、家庭保育のワクに追い込めてしまおうとするのか、ここのあなたのお考えを伺いたいと思います。ここではいろいろイギリスの例があげられている。ところが、イギリスでも経費削減が主目的でこういう方向に持っていかれた、家庭保育のほうへ。ところが、日本とイギリスの家庭の実情が違うということになれば、あなたのお考えの基本を聞かなければ、どうも安心ができない。これをお聞かせ願いたい。
○政府委員(黒木利克君) 先般、国際児童福祉会議に出席をいたしまして、この保育の問題がやはり世界の大きな問題として論ぜられたのでありますが、大体二つの傾向があることがわかりました。一つは、イスラエルとかイギリス、欧州大陸等で、今まであまりにも施設保育に重点を置き過ぎた、そこでいろいろな弊害も生じてきたから、家庭保育のほうもひとつ大いに再評価する必要があるのではないかという傾向と、もう一つは、わが国のように、皆保育といいますか、施設保育をこれから大いにやっていこうというような二つの傾向がはっきりしてきたのであります。そこでいろいろ討議をしたのでありますが、その国のいろいろな社会的、経済的な事情によりまして、一がいには言えませんけれども、日本でやはり考えなくてはならぬ点は、子供が生まれまして、赤ちゃんのときからもう国の責任で施設に預けっぱなしで、それがまた一番子供のためにもいいんだというふうに一部考えられておる節もあるのでありますけれども、それはまた行き過ぎではなかろうか。しかし、全然こういう幼児教育を、幼稚園なり保育所なり、施設保育というものを軽視するような考えも行き過ぎだ。だから、日本の実情に合うような家庭保育なり、あるいは施設保育なり、両方の長所を取り入れて参るにはどうしたらいいかというようなことで、これから大いに検討をしなくちゃならぬというような気持を持って実は帰ったわけであります。これは単に厚生省だけでこういう大事な問題について一つの方向を打ち出すというわけにも参りませんから、中央児童福祉審議会の中に保育特別部会というものができておりますが、ここで、一体こういう問題をどうしたらいいか、特に幼稚園と保育所の一元化の問題というものがだいぶやかましくなって参りましたから、こういう問題も含めまして、現在御審議を願っておるのでありますが、そういうような専門の方たちの御意見、あるいはこの五月の末に児童福祉の全国会議を開きますが、そこでのいろいろな国民の方々の各層の御意見、そういうものに従いまして今後計画を立てて参りたいという考えでおるわけでございます。
○藤原道子君 私はぜひお考え願いたいのは、イギリスで成功したからといって、これが日本で成功するとは言えない。日本の場合は、赤ちゃんを生みっぱなしで施設へ預けていればいいのだという考えが一部にあるとおっしゃるけれども、家庭の置かれている経済的な基盤というものも考えてもらいたい。三畳や四畳に五人も八人も住んでいる、そういう家庭のあることも考えてもらいたい。働かなければ食えない家庭がある。とにかくボーダー・ライン層が約一千万といわれている日本、こういうことを考えるときに、今でさえ保育所が足りないのです。あなた方が保育にかける子供、その条件の中には、経済的というよりも、病気のときとか、片親だけというものが対象になる。それでさえ百万以上の保育にかける子供が今あるわけです。ところが、これをさらに経済的な問題に発展させれば、これはもうはかり知れない保育にかける子供がほうり出されているわけです。したがって、今急がなければならないのは保育所の問題である、あるいは幼稚園と保育所の一元化、これはどうしても真剣に考えて一元化していかなければ、その属している階級等によって子供のときから差別されていくというようなことも生まれて参りますので、これらについての御検討を真剣にやってもらいたい。ただ母の愛情が足らないから非行にいくのだという簡単な割り切り方では困るわけなんです。非行になる原因はもう種々雑多なんです。これはこの次に十分検討したいと思いますけれども、そういう点でひとつ御検討いただきたい。 それから、もう一つ、イギリスの方面のこと、だいぶ西欧諸国のことが出ておる。ソ連のこともちょっぴり出ておる。ところが、これに対して、私がなぜ母体保護のほうから先に申し上げたかというと、中国へ行ってみても、中国では妊娠すれば妊娠食が与えられる。カルシウムとかビタミンとかいうものが妊娠食として与えられる。労働婦人には授乳時間が二時間賃金カットなしに与えられる。あるいは妊娠中は作業を軽度に変えて、しかも、二時間ぐらいの休養時間がある。そのぐらいに胎内のうちから保護が与えられて、生まれてからの保育の問題でも、やはり全日制と全託制というものをとっております。ソ連でも、あなたもちょっとあげていらっしゃいますけれども、妊娠中からずっと家庭医が回っておるのです。それで、生まれてから精密検査をして、精神にも肉体にも異常がないということになって初めて退院さして、しかも、十カ月間は保健婦を派遣して、その健康状態にずいぶん心をいたしておるわけなんです。これは子供は個人的な問題でなく、やはり国家社会の子供であるという点から、しかも、胎内から健全な子供でなければよき社会人にはなり得ないというようなことが根本になっておると思うのでございます。 さらに、西欧諸国へ参りましても、日本がまるで足元にも寄れない設備があっての上の考え方、やはり妊娠手当もあるし、生まれれば児童手当もあるし、子供が守られている。しかも、児童手当が十分に出れば、あるいは保育の期間だけは家庭にということもいわれましょうけれども、今の日本で、一躍してここにいわれているようなことでは困る。それから、この中で黒木さんは、自分はもっと突っ込んでいいたいのだけれども、政府側にいると、どうもいいたいことがいえないのが残念だというようなことを漏らしていらっしゃる。私は、児童局長は政府側という考え方より、日本の子供をどう守るかという点に力をいたしていただかなければ、自民党の政策のままにお動きになるというのでは私は困ると思う。だけれども、野党の立場に立てといったってできないでしょうけれども、子供をどう守るかが基本になってくる。こういう点で、法学博士黒木さんとしては児童対策をどうお考えになっておるか、ひとつここでもの申していただきたいと要望いたします。
○政府委員(黒木利克君) 今回の児童福祉白書で、いろいろ各国の児童福祉の考え方なりやり方というものを紹介をしまして、日本のこれまでの児童福祉のやり方をいろいろ比較して、どういうところに欠陥があるか、あるいはどういうところに長所があるかというようなことを分析してみたつもりであります。これに対してどうするかということは、単に一私たちの力の足りないものだけできめることではなくて、やはり国民的な討議で結論、方針を打ち出していただきたい、そういうような意味で、今月の末に、先ほど申し上げました全国児童福祉会議を開きますから、ここでいろいろ討議をする材料としてこの白書を実は発表した次第であります。したがいまして、どうするかは、こういうような討議の場で、国民的盛り上がりでひとつ方向、方針をきめていただきたい。われわれはいわゆる公務員でございますから、国民のそういう御要望によって、できるだけその御意見に沿うように努力したいという心境でございます。
○藤原道子君 国民の要望によってやらなければならないけれども、児童局長としては、その基本を打ち出していかなければならないでしょう。ただ、公務員だからといっても、一般のその辺のそろばんをはじいているような公務員ではない。児童行政を担当している御本人ですから、また、あなたの考え方が児童行政に大きく影響してくることはあたりまえですから、遠慮なしにやってもらわなければ困る、児童白書が泣きますから。 そこで、きょうは私はたいへん盛りだくさんになりまして、意を尽くしませんでしたが、非常に長くお待たせいたしましたが、聞きたいことがたくさんあるのです。で、次に時間をいただいて、児童行政一般について皆さんと一緒に審議する時間を作っていただきたい。 最後に大臣にお伺いいたしますが、児童行政は今非常に大きな問題になっております。児童が危険にさらされていることは、交通問題等を見ても明らかなんです。非行は世界一だとか、殺人などは日本はイギリスの十倍です。こういうことがいわれておるときに、そういう人づくりの基本である子供の問題をもっと真剣に考え、予算を大きくとって、個々ばらばらでなくて、ひとつ児童行政に非常な力を入れていただきたい。時間がないのでこの次に伺いますけれども、西ドイツあたりでは、家庭青少年対策省というのができているくらいです。こういうことをお考えいただきまして、子供を守られるようなお力添えをしていただきたい。きょうは攻撃でなくて、ひとつお願いをしておきます。
○藤田藤太郎君 さっきの大臣の答弁について一言お尋ねをしたい。 それはどういうことかというと、藤原委員の、経済成長によって児童福祉が悪くなっている、そのとおりでございますと、こうおっしゃった。私はそこのところあたりがどうも理解ができない。池田内閣の中の閣員の一人でございます厚生大臣が、経済が成長するということ、これは人間の能力をフルに使って、そうして年産を向上し、経済を成長する、それは生産と消費のバランスによって国民が幸福になるということを、行政の面で政府が責任を持っておやりになっておることと私は思う。ところが、どうも何ですか、経済の成長にマッチして、今は比率が悪くなっておるから引き上げなければならない、こうおっしゃるなら私は話はわかるけれども、どうも私の聞いた感じでは、そうではなくて悪くなっているということをいわれたので、それでは行政の責任はどこにあるのだという感じを私はニュアンスの中から受けたものですから、お気持をひとつ聞かせていただきたい。
○国務大臣(西村英一君) もちろんおっしゃるように、経済成長は国民の幸福につながる、その目的のためにやっていることは言うまでもないことでございます。しかし、その場合に、経済成長が、国民の中でも、特に児童の問題について、住みにくい悪い環境を作りつつあるということは、やはりどうもそうである。都市の集中化で、いろいろな問題が、交通事故であるとか、あるいはその他の問題が起こります。また、農村等におきましても、われわれの昔と違いまして、子供の遊ぶ場所がない、農薬を使うからトンボもいない、みぞにはドジョウもいない、遊ぶ場所がないというような、経済成長に伴なって、児童だけについても悪環境を作りつつあるということを端的に申したのであります。もちろんそれを克服して、そうして児童もともに幸福になるように努めなければならぬことは当然であります。経済の目的それ自身は、児童も含めての国民全般の幸福につながることはもちろんであります。その意味から申しまして、経済のテンポにこの施設が追いつかないではないか、君のほうの省の施設は予算が追いつかぬ、大いに努力せよ、こういうことにつきましては、十分私も考えてやるつもりでございます。 それから、藤原先生からお話のごとく、児童問題については、非常に大きな問題を投げかけております。たとえばさいぜん申しました保育所と幼稚園の関係、しかし、これをただ単に統一したほうがいいか、この行政のまま改善すべきところを改善したほうがいいか、これは非常に研究を要します。したがいまして、私たちは、今これをどうするかということ、その他いろいろ児童問題については多くの問題を投げかけておるのでございまするから、十分これはお母さんも含めて、児童の問題については、今後諸先生方にも御協力願いまして、厚生省としては万全を期したい、かように考えておるものでございます。
○委員長(加瀬完君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十四分散会 —————・—————