社会労働委員会 第16号
- 発言数
- 27 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/05/16
会議録
○委員長(加瀬完君) ただいまより社会労働委員会を開会いたします。 労働情勢に関する調査を議題といたします。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○杉山善太郎君 そっそくでありますが、大臣にお伺いいたします。 六月五日から、ジュネーブで開かれるILOの第四十七回総会に付議される予定議題の中で、モース事務局長の報告、それから条約・勧告の通用に関する情報及び報告、使用者の発意による雇用の終了等、かなり重要な案件が日程として審議に上るわけでありますが、たとえばモース事務局長は、御承知のように、その報告の中で、特にILOの現在の機構と活動計画が、非常に変容しつつある世界情勢に適応しているかどうか、こういった問題を取り上げることは事実であります。したがいまして、この事務局長報告をめぐり、今後のILOのあり方に論議が集中される、ただ集中されるばかりではなく、世界各国の関心事であろうかと思います。したがいまして、わが国はILOの常任理事国でありまする関係上、この問題に関連して政府の見解を若干お伺いしたい、かように考えます。
○国務大臣(大橋武夫君) 本年のILOの事務局長報告におきましては、ILOの活動と機構を、変化する世界情勢にいかに適合させようかという観点からいたしまして、ILOの計画と機構の全般について検討を試みておられるのでございます。この報告は、第一部企画、第二部機構という二つの部分に分かれておりまして、第一部におきまして、ILOの今後の活動は、技能の改善と労働力のより完全な利用、また、所得の配分、低開発国における労使関係の成長などの分野に集中すべきであるということが説明されております。第二部におきましては、ILO総会の役割及び手続、時の推移のために意義を失いつつある旧国際労働条約を廃止または修正するのに、現在はっきりした手続が定められておらないのであります。これをいかにするかというような点につきまして、かなり具体的な提案を行なっておるものと認められるのでございます。政府といたしましては、今回の報告につきましては、全体としては、かような考え方は、現下のILOとして当然なことであり、妥当なものであると考えておりまするので、これに対しましては、建設的な態度でこの報告の討論に参加いたしたいと存じております。したがって、各項目につきましては、目下労働省といたしましても、着々準備を進めておるような次第でございます。
○杉山善太郎君 まあそのいわれるところの、変容しつつある世界情勢に適応してということの持つべき意義と内容と思うのでありますが、と申しますのは、たとえば国連加盟国のほとんど全部がやはりILOの加盟国だ、若干少ないかと思いまするけれども、そういう中で、大づかみにいって、資本主義的な先進国、共産圏関係国、それから、問題は、やはりアジア・アフリカの大体後進国といいますか、低発——低い開発国といいますか、そういったような国が大体四十九国ぐらいあると思います。したがって、一国一票の原則で、大体構成の議長をきめるにしても理事をきめるにしも、その他いろいろな条約ないし勧告案を採択するにしても、結局民主的な運営のルールに従って票がものをいう。それから、まあ機構運営の裏づけである経費の分担、そういったような問題についても、かなりいろいろと共産圏、それから先進資本主義国、後進的な今申し上げたような対象の地域の新興国家の加盟といったような問題で、結局ILO全体が、やはり、高い目標の水準へ低い後進国が不公平のないような状態に底上げをされていくということが特に配慮される必要があるのだろうと、そういったような関係で、アジア・アフリカのグループの中でも、最も指導的なしかも、日本は常任理事国であるといったような観点から、相当程度の比重でやはり日本は配慮されなければならない、配慮されてしかるべきだと、かように判断いたすのでありますが、その辺については、やはり何かお考えでありますか。
○説明員(岡部実夫君) ただいま御指摘の点でございますが、御承知のように、最近ILOにおきましても、新しい新興国家の加入がおびただしい数に上って参りまして、ILO自体の内部におきましても、ただいま先生のおっしゃいましたような後進国に対しまする援助ないし技術的な開発の活動を相当重点的に、取り上げなければならないという議論が多くかわされております。わが国は、いわば先進的な諸国と後進的な諸国との間の中間的な役割をその中で果たす、技術的な面におきましては、そういう角度から、いわば内部におきまして一つの橋渡し的な役割を期待されておるわけでございます。たまたま、たとえばILOが最近計画しておりまする東南アジアの諸国のいわゆる技術訓練生を日本の訓練所に受け入れてほしいというような提案も具体的にはなされておるわけでございまして、私どもは、これらのの具体的な提案につきましては、私どもでできるような面については十分協力して、ILO全体の中に、いわばそういう具体的な活動を通じて協力をして参りたい、こう考えておる次第でございます。
○杉山善太郎君 第一点の質問は大体以上で終わりますが、第二点でございますが、また今度の総会で採択される案件の中で、たとえば具体的な問題として、昨年の総会——申し上げまするらなば四十六回の総会でありますがすでに第一次の討議を終わって、そうして今度の総会に付議されるところの使用者の発意による雇用の終了に関する議題で、しかも、この案件は、御承知のように、解雇に関するものでありまするから、世界中の労働者にとっては非常に重大な関心事である。特に御承知のように、わが国においては、石炭、金属鉱山関係の労働者の解雇の問題、それから駐留軍関係の解雇の問題、それから貿易の自由化からくる資本の集中、企業の合併等に伴う、いわゆる合理化に伴う首切り等の諸問題が関連しておるのでありまするから、ともかくも、この使用者の発意による雇用の終了に関する案件が、この——このとは第四十七回の総会でありまするが採択されることを予想する場合に、解雇について国際的な一つの公準といいますか、基準が示されることになるのでありまするから、わが国の政府、使用者、労働者、いずれの立場にとっても、非常に重大な関心事である。また、関心事であることが当然であろうかと思いますが、こういうような問題に関連をいたしまして、今日的な時点においてILOの関係担当大臣であ大橋労相から、本案に関する御所見を伺っておきたい、こういうふうに考えます。
○国務大臣(大橋武夫君) 労働者の使用主の発意による解雇につきましては、それが個人的にも、また、社会的にも、きわめて重大な問題であることは申すまでもございません。ことにわが国のごとく、完全雇用の達成におきましていまだ不十分な場合においては、このことは一そう問題となるべき性質のものであると思うのでございます。したがいまして、本案に関するILOの勧告案につきましては、政府といたしましても、その趣旨につきましては賛成であるのでございます。しかしながら、一方、採択されるべき勧告というものは、十分各国の実情と慣行の違いのありますことを考慮に入れた弾力的なものであることが望ましいわけでございまして、この意味で、この勧告は、雇用の終了を国際的な基準によって規律しようというより、むしろこの問題の実際的な解決のための一般的な手引きとして役立つようなものであることが望ましいと考えるのでございます。この見解は、政府といたしましては、第一次討議の段階から主張いたして参ったところなのでございまして、今回の総会におきましても、実際的、かつ、弾力的な勧告が採択されるように努力いたしたい所存てございまして、かような観点から、現在具体的な態度につきましては、なお検討を続けておる次第でございます。
○杉山善太郎君 申し上げるまでもないことでありますが、同勧告案の骨子は、すでに御承知のように、労働組合員、あるいは労働組合活動、あるいは人種などを理由に解雇してはならないということが一本大きな柱だと思います。それから、解雇されるべき労働者は、合理的予告期間や、これにかわる保障を受ける権利がある、そういう点も重要な一つの骨格の柱であります。で、被解雇者は失業保険などの社会保障や離職手当などの保障が与えらるべきであることは当然であるということも太い柱になっております。それから、問題は、人員整理計画がある場合は、労働者代表と事前協議があらゆる適当な機関で行なわれねばならない、こういうことであります。したがいまして、大臣もいわれたところの、わが国の実情に即応して、最も幅と弾力を持たしたところの配慮をしながら、十分これに目を向けていく必要があるのだといったような御返事でありまするが、そのことはそれなりに受け取れると思いますが、聞くところによるというと、この骨格の中に、やはりこのどの条約、勧告でも、ILOの性格は、それなりに、やはり一つの除外規定というものが、どの条約あるいは勧告を見てもあるようであります。それだけに、ILOそのものの組織なり機構なり運営なりの性格というものが、なかなかデリケートであるという点に配慮して、それぞれその時点々々でそれなりの除外規定があると思いますが、そのことはやむを得ないと思います、今日の段階では。しかし、今日の段階で、その除外規定の中で、たとえば除外規定の中では、私どもの了承しておる範囲では、特定機関における特定の仕事に雇用される労働者であるとか、使用期間中の労働者であるとか、あるいは短期間の臨時労働者は適用範囲から除外されることになっておる。大体三つの除外規定の対象があるようでありまするが、その中へ、やはり日本では公務員ですね、端的に申し上げてみるならば、やはり公務員にはそれなりのわが国には身分保障があるから、この除外例の中にひとつ修正という形で挿入をしようというようなことを日本政府はやはり意図されているというように伺っているわけでありまするが、大体この骨格の中には、労働者が、私的、公的いずれに従事しようとも、労働者は雇用の終了については同一の保障を受けることができるのだ、こういうようなのが大体大勢の意見である、そういうふうに承っているわけですが、政府は、今申し上げたようなこの除外規定の中に、関連をして日本の公務員をやはりこの除外規定の対象に、わが国は身分保障がそれなりにあるからというふうで、なされているように聞くわけですが、その点についてはいかがでありますか。
○国務大臣(大橋武夫君) 先生も御承知のとおり、昨年総会に提示されました第一次原案におきましては、公務員の除外例がはっきり規定いたしてあったわけでございます。これが昨年の討議の結果、今年はその条項が削除された案が提示されているわけでございまして、これにつきましては、政府といたしまして、昨年の案のごとく、公務員の除外例を認めるような修正を要求、提案してはどうかという意向も政府の部内の一部にはございますが、政府といたしましては、まだ関係当局の間でこの問題を検討中でございまして、今のところ政府が公務員の除外例を正式にILOにおいて要請するかどうかということについて、最終的な態度の決定はみておりません。十分に慎重に考慮して結論を出したいと思っております。
○杉山善太郎君 これは今非常に大臣のお言葉はデリケートであって、今検討中であるというお説でありまするが、これは大体ILOの場の一つの雰囲気からいきまして、世界の大勢、ことに先ほどちょっと申し上げましたように、資本主義的な先進国、共産圏国家あり、アジア・アフリカの後進国家の代表もあるわけでありまが、そういう中で、先進国と後進国の間を橋渡しをするのだと、国際労働担当の政府委員からお伺いしたわけでありまして、しかるべきが日本の置かれている位置づけであり、立場であると思うのであります。したがって、私の聞いている範囲では、やはりこの公務員は、特別の身分上の法律があるので、適用の範囲から除外すべきだという、そういう日本側の考えであるとするならば、それは検討中のようでありますけれども、それは世界の多くの人たち、先進国並びに共産圏国家、その他アジア・アフリカの中でも、やはり追いついていこうというような低開発地域の人々の一つの橋渡しの役割りからいっても、それは除外例の中に置くような修正を、日本政府の立場から、常任理事国の面目にかけても、出すべきじゃないのだというふうに、そういうふうに希望を申し上げ、そういう私見解をこの機会に表明しておきます。これは要望でありますが、申し上げておきます。これはもうすでに昨年第一討議を経過いたしまして、今年の四十七回の通常総会では、私どもの強い主観と希望も伴いますけれども、大体これは条約か勧告かということになるわけでありますが、条約というところへはなかなか発展をしないんじゃないかと思いますけれども、やはりぎりぎりの線で勧告という形で採択されるということは、十分もはや一つの過程と経緯からいたしましても、十分これは看取できる問題だ、そういうふうに受けとめて、あえて行き過ぎではないというふうに私どもは考えておるわけです。そこで、この関連で、条約になれば、当然の帰結として、やはりしかるべき一年の範囲内に国会に批准の問題が提案されるという段階に手続上運んでくると思いますけれども、勧告という形にいたしましても、国際基準というものがやはり提示されてくる。勧告されるわけでありますから、おのずから国内的に現在の労働基準法というものにも関連をして、やはりたとえば雇用の終了などの問題についても、既存の労働基準法そのままでは、たとえば基準というものをそのままに放任するならば、勧告は馬耳東風といったような工合にも予想されるわけでありますが、その辺については、それはまたそうなってからであるというようなふうにかまえておられますか。そういうことを予測して、基準法の改正についても、何か目下準備か、あるいは検討というようなことについて一応構想を持っておられるかどうか、そういったような点についてもこの時点にお伺いしておきたい、こう思うわけであります。
○国務大臣(大橋武夫君) この雇用の終了に関連いたしましては、労働基準法につきましては、ただいまのところ、特別の問題として差しかかった問題はないというふうに考えております。したがいまして、この雇用主の発意に基づく雇用の終了という条約なり勧告なり、これがILOの総会で正式に決定をいたしました場合におきましては、むろん新しい問題として、わが国においても、誠意をもってこれを検討し、国内の法律につきましては、わが国の実情に照らし、いかにすべきかという態度をきめなければならぬと思っております。したがいまして、政府といたしましては、労働基準法については、少くともこの雇用の終了に関する限りは、条約または勧告の決定を待って態度を検討したいという考えでおります。
○杉山善太郎君 これは筋違いではないかと思いまするけれども、また、大臣の受けとめられる立場においては、あるいは筋違いの質問だというふうに思われるかと思いますけれども、前段もちょっと申し上げましたように、この雇用の終了に関する問題は、言うならば首切り、解雇に通ずる問題でありまするから申し上げるわけでありますが、貿易の自由化からくる資本の集中だとか企業の合併だとかいう問題で、当然設備の近代化だとか技術革新という問題に関連して、当然合理化に伴う首切りが出てくるわけであります。そういう中で、今日的なこの問題をとらまえても、使用者側のほうでは、やはり合理化を進める際に、人員整理について事前協議という問題が、やはりこの雇用の終了に関する一つの勧告あるいは条約という形になる問題は未来の問題といたしましても、ともかくも事前協議という問題が非常に重要な比重をもって骨格をなしておるわけでありますが、したがいまして、日本の使用者側は、あげて、この問題については好ましくないのだ、そういうような立場で、なぜ好ましくないかということは、労働組合側は、事前協議ということを利用して大きくそこを足がかり、手がかりとして抵抗をするであろうといったようなことを予測して、やはりこの使用者側代表は、この雇用の終了の勧告案に対して、猛烈にひとつ反対するんだといったような立場をとっておられるやに聞いておりますが、もちろんその立場では、その立場に付随をしてそうかとも思いますけれども、しかし、ILOの性格そのものがやはり三者構成という建前でいくならば、どの立場に立っても、一方的な、わが田に水を引くような立場でものを律するということは、やはり政府の立場からいうならば、労働者に対しても使用者側に対しても、大所高所から権威ある行政指導というものはあってしかるべきだと思いますが、そういったような点については、前段ちょっとお伺いしたように、私は筋違いの質問ではないんだと、そういうような点についても、やはり労働省は権威ある一つの方向づけをしてしかるべきじゃないか、こういうようなわけで一応質問しておくわけであります。
○国務大臣(大橋武夫君) 使用者側のこの問題に対する態度はまだ明らかにされておりません。ことに明年の第一次討議の際に提出されておりました原案には、公務員の除外例というようなものがあったのでございますが、これに対しましては、使用者団体の総意によって除外例を削除したというような関係等もあるわけでございまして、いずれ使用者側も態度が決定されると思います。政府といたしましては、政府の態度も早く決定いたしまして、代表部に適切なる訓令をいたしまするとともに、使用者側なり労働者側なりに対しても政府の態度をはっきりし、あまりおかしなことのないような措置が必要ならば、そういうことも考えてみたいと思っております。
○杉山善太郎君 何回も申し上げるようでありまするけれども、御承知のように、わが国の置かれておる事情は、ともあれ、この雇用の終了に関する問題は、しかも、使用者の発意による雇用の終了でありまするから、言うならば、石炭や金属鉱山関係においても、現に相当な雇用の終了というようなぎりぎりの接点で大量の離職者、解雇者が出てくるんだ、かてて加えて、駐留軍関係の解雇者も出てくるんだ。今申し上げたような、貿易自由化からくる資本の集中、企業の合併というもの、また、合理化について、相当に使用者の発意によってやはり雇用の終了と、そういう形から、当然この対象である労働者側にすれば、やはり事前協議という問題に重点を置いてこの勧告がなされるというような、また、勧告案の骨格にも相当な比重の大きいこれが柱になっておるんだという、そういう面から、日本の労働者側にしてみれば、当然これが条約として、あるいは勧告として採択されるにいたしましても、重大な関心事であるということは必然であろうと、こういうふうに受けとめるわけであります。したがいまして、この勧告がなされるということを、すでに歴史的な過程の中では、第一次討議を終わって、四十七回の通常総会では、やはり最悪の場合でも、これは勧告という形で採択されるんだということになりますれば、その問題に対して十分姿勢を正しながら、日本の労働者側では、この事前協議というような問題について、この雇用の終了というものを受けとめながら最大に活用していこう、そういう姿勢をとることは、むしろ労働者側の立場として必然であろうかと、かように考えますので、もちろんこれはILOの四十七回総会における議事日程に上ってくる中で、日本の労働者階級にとってみれば、あるいはこれに使用者、政府にとっても重要な一つの案件であろうというふうに受けとめておりまするので、あえてこの時点で質問するわけでありまするが、先ほど質問に関連をして御要望も申し上げた点を十分留意をしてひとつ対処していただきたい、そういうことを要望申し上げましてこの質問は一応終わります。 次に、質問の第三点をお伺いいたしますが、去る十四日の閣議といってもおとといでありますが、日本政府代表として田村労働政務次官と、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部の青木大使の両氏を日本政府代表として任命なさったようでありますが、したがいまして、来たるべき六月五日から開会されるILO四十七回総会の日程の中で、議題になっておる条約・勧告の適用に関する情報及び報告、こういった議題の中で、当然日本問題が俎上に上ってくると思いますが、その時点において日本政府代表としては、去る三月ILO理事会で十三回目の勧告を受けておるという過去の経過からして、何らかの事情説明ないしは政府を代表する立場において演説がなされるというふうに社会通念上判断をするのでありますが、たとえば政府は、ILO八十七号批准の観点から、同条約の関係議案を去る三月の二日国会に提出しておられると、こういったような過去の経緯からいたしまして、この議案の取り扱いとか、国内法の改正案の内容をめぐって、幾多の問題がかもし出されてくると思います。今後政府は、国際的に国内的に、こういうような問題にどう対処していかれるのか。これはまあ非常にデリケートな問題でありまするので、食い下がったり掘り下げた質問は、この段階ではなすべきでないと思いますので、これはILO担当大臣が労働大臣であるという立場から、若干の所見をただいまの時点でお伺いしておきたいと、こう思いましてお尋ねするわけであります。
○国務大臣(大橋武夫君) 八十七号条約の問題は、今次総会の問題であるよりは、むしろこれに先立って開催されまする結社の自由委員会及び理事会の問題であると思うのでございます。したがいまして、政府代表といたしましては、今次総会におきまして、わが国内における八十七号条約問題につきまして、積極的に事情の説明または演説を行なうということは、現在のところ予定をいたしておりません。しかしながら、総会における討議の情勢のいかんによっては、特にわが国としてこの問題について発言をしなければならない場合も絶無とは言えないのでございまして、その場合におきましては、率直に現在の国内の準備の進行状況を説明いたしまして、政府としての今後の心がまえについて、十分総会の納得を得るようにいたしたいと存じておるのであります。すなわち、政府といたしましては、池田総理もしばしば言明いたしておりまするとおり、今国会におきまして、ぜひともこの問題についての国会の御結論を仰ぎたいというはっきりした態度で、このために諸般の準備を進めておるような情勢でございます。
○杉山善太郎君 きょうはこの辺で質問をやめることにします。大臣、私はきょうは大体この辺でやめることが適当かと判断いたしますので、一応質問を打ち切ることにいたします。
○藤田藤太郎君 それじゃちょうど大臣も職安局長もお見えになっておりますので——どうも失礼しました。職安関係の人が来ていないのですね。大臣にちょっとお聞きしておきたいと思います。 最近の雇用情勢というものがどういう工合になっているかということですね。まあ私はきょうはそのことだけ少し聞いておきたかったのですが。おいでになっておらないようでありますので、あまり詳しくやれませんが、やはり国内の情勢を見るというと、依然として学卒なんかの雇用は進んでおりますけれども、不安定な雇用条件というものはやはり存続しているわけですね。家内労働法ができて、そして家内労働者の援護の問題でやらなければならぬことは、今調査の段階であるわけなんです。私は考えますのに、日本の今日の経済の状態から見て、私は、今の生産設備が九〇%くらい操業するといたしますれば、相当な生産力になると思うのです。結局追いつかないのは、消費の面、購買力の面が追いつかない、それが今の景気の変動を繰り返しているわけですけれども、特に私は労働省にお願いしたいことは、この雇用の問題というのは、私は無限だというような感じを受けるわけです。というのは、零細農家の労働力がどうなっているかということを労働省としてもやはり把握していただいて、地域開発と申しましょうか、そういう問題の関連というものをお考えいただいておかないと年々深刻になるのではないか、こういう工合に思うわけです。今の操業度合いで政府の立てている国民所得の面から見ますと、十六兆六千五百億ですから、十七万三千円か五千円というところが国民所得の平均値になると思います。まあ九〇%操業になりますれば二十万近くになるのではないか、私はこう思うわけです。じゃ農民の生活は、私はずっと前にも一度申し上げたことがあると思いますけれども、五反百姓で、大体関東から西全部そうですが、五反百姓で冬作、裏作を入れての収入といったら、せいぜい十五万か六万だと思うのです。肥料や機械の購入の問題、そういうものを含めてそんな程度ではないかと私は思うのです。そうなると、一人の国民所得が二十万円になろうかというのに、五反百姓をして一家をささえて十五、六万という収入の農家が、それじゃ何の手も打たないでそれでいいのかという問題になってくると、たいへんな問題だと私は思うわけです。だから農業基本法で首切りだというだけでは済まないわけで、都会へ持ってくれば住宅が足らないわけで、どうにもならないわけですけれども、そこらあたりの問題というものは、労働雇用政策のうちの重要事点としてお考えになっておかないと、だんだんと深刻になる。農民というのは引っ込み思案ですから、自分の生活をどうこうということはあまりいわないですけれども、しかし、だんだんと国の経済、社会の動きに応じてそれが顕在化してくることだけは事実だと思うのです。それで、まあ三ちゃん農業というようなことをよくいわれるわけですけれども、若い人は全部出てしまうわけです。出てしまうといったって主体がなければ出るわけにもいかないわけですから、そこで非常に困っている人、農民の困っているということは、私は言葉に言い尽くせないのが状態だと思います、関東から西の農民の皆さんは。そこらに貧困の問題が出てき、病気の問題が出てくる、こういうことになるわけで、だから雇用問題というのは、長い目で、新しい生まれてきた、お百姓であろうと何であろうと、学卒だけは全部吸収してしまっていく。それじゃその人が農家の残った家族をささえるだけの生活が維持できるかどうかというと、これはとんでもないことでありまして、とてもできないわけでありますから、結局農家自身のことをいえば、食い減らしにはなります、一人は食い減らしにはなりますけれども、生産に対する労働力は消えてなくなって、結局その自分の残った農家の家庭経済にはプラスにならないという状態が今日の状態。だから、これは私は、非常に深刻になるのではないか。だから私は、きょう職安局長がお見えになっておったら、大臣の御所見を承ると同時に、ちょうど時間があったから、その問題を少し聞いておきたい、こう思ったわけです。だから、中学卒業は三倍だと、それからまた高校が二倍だ、また偏在して、東海方面では殺到率が〇・五ぐらいだ、九州へいくと三・何ぼだ、もっと分けると、鹿児島とか、そういう辺地なり、東北平均が二・何倍ですけれども、もっと県単位に分けていたら、五、六というようなところも私はたくさんあるのではないか。だから、そこらあたりの問題を単に労働力の移動は、中学だとか高校だけは私は移動できましても、全体の労働力の移動なんというのはなかなかむずかしいわけです。これはどこの国へいってもなかなかできないわけですから、そこにはやはり産業の地域開発の問題とあわせて私は御考慮をいただいて、そして雇用問題を立てていただきたい。そうでないと、どうも頭に出てくるのは、まず学卒の問題の雇用趨勢が出てくる。それから毎勤で三十人以上の捕捉できるものだけが出てくる。この中ではどうなっているこうなっているという議論がここでやられる。それで手のつけられないところはそのままだという格好では、少し雇用状態調査について足らざるものがあるのではないかという感じを私は非常に強く受けているので、だからそういう点の基本的な問題について、大臣に、まああまり私はきょうはやりませんけれども、基本的に労働行政をどういう工合にして、労働力と生活の問題との関係で持っていこうとしておられるか、御所見があったら承っておきたいこう思うのです。
○国務大臣(大橋武夫君) 労働というものは、もちろんこれは唯一の生活手段と考えるのでございまして、雇用の問題は、常に当事者の生活問題と密接不可分な問題であると考えます。農村におきまする労働力の欠乏ということは、確かに近年深刻になって参っておるのでございます。これにつきましては、農林省の事務当局と労働省の事務当局とは常に連絡をいたしまして、労働力の流動化、あるいは雇用の広域的な活動等に際しましては、常に農業関係の方面と共同の協議会において十分協議をいたして基本的な方針をきめるというような事務上の取り運びをいたしておるわけでございます。しかしながら、何と申しましても、現実に農村における労働力の不足、また、都会における、ことに中小企業における労働力の不足というような問題はどちらも深刻でございまして、これを十分に調整するということはなかなか困難であると存じます。しかし、産業の発展、また、国民生活の安定をはかりますために、この困難な問題を乗り越えていかなければならないのでございまして、この点は今後とも十分に各般の検討を加えながら努力を続けて参りたいと考えております。
○藤田藤太郎君 まあこの問題は私はこれ以上申し上げませんが、ただ方向として、家内労働法ができて家内労働法の調査をおやりになっておる、私はけっこうだが、やっぱり早く進めてもらいたいということが一つですし、今のように、日本の経済全体から見て深刻なそういう農業労働者の問題の、将来の生活を維持するための保護または保障の問題について、やっぱりそれが有効に生産労働力として浮かび上がってくるように配慮されるところに労働力配置、雇用問題の意義があるのではないか、私はこう思いますので、ぜひまあ私は大臣にお願いをしておきたいと思うのです。まあ職安行政の中でも、これを入れた状態の中で、ここでの何か方向を示していただきたい、これをお願いしておきます。 それから、もう一つ、ちょうどよい機会ですらお尋ねしたいのですけれども、労働基準行政なんですね。で、その機械化というのの進展というものと安全衛生というものは相伴っていると私は思うのであります。しかし、エネルギーが石炭から油、電気に変わっていって炭鉱が縮小して参りまして、炭鉱の諸君の雇用問題はむろんあります。これはもう長くなりますからやめますけれども、その安全衛生の面から、年来の課題になっておった地下労働の基準行政といいますか、これがやはり通産省にあるが、懸案としては、やっぱり労働省が持つべきではないかということを何回も私は言ってきたのですけれども、どうもその点、時には労働省が持つのがいいということをいわれるときがあったり、時には、いやいや、あれは通産省だといわれるときがあって、どうも私たちが、事故が起きた、そうしてそこに参りましても、どうもその点が、着物の上からかいているような感じを受けるわけでございます。だから、この基本的なお考え方は、労働大臣どうでございましょう。将来の方向として、私は炭鉱の犠牲者というのは、合理化されておって、機械化されて安全だといわれておっても、やはりあちらにもこちらにもできてきているわけです。で、まあ保安局長を呼んで具体的にいわなければ議論にはならないのでありますけれども、大筋として、石炭の保安行政、要するに、働いている労働者の基準の行政ですね、労働基準行政は労働省が一括してお持ちになったほうがいいのではないかという気が私はいまだにしているわけです。それは今まで議論があったことですから、労働省と通産省との間にいろいろと議論があったと思いますが、この点についてどういう工合に進行してい、または大臣としての御所見をこの際承っておきたいと思います。
○国務大臣(大橋武夫君) 沿革的に考えてみまするというと、地下労働につきましては、もともと鉱業法による労働行政が行なわれておった時代が長く続いておりました。その後、労働基準法の制定と同時に、安全、すなわち保安以外の労働行政が労働省に移管されたわけでございます。その際におきましても安全の問題は、安全のための設備と、また、鉱山におきまする生産のための設備等が不可分であるというようなことから、安全行政だけは一般の労働行政と切り離しまして、通産省に保留をされておるというような状況でございます。私は、この問題は理論的にどちらが所管をすべきかということに相なりまするというと、それぞれ理屈はあると存ずるのでございますが、要は、安全行政というものが労働者の産業災害をいかに減少させるかというのがかぎではないかと、こう思うのでございまして、そのために、今後、労働省所管の産業における災害の減少の成績がどうであるか、これに対して通産省の成績がどうであるか、現在産業安全につきましては、安全五カ年計画というような力をこれから思い切って入れようという時期でもございまするので、この数年間の実績等を検討いたしまして、それによってはっきりした結論を出すことが実際的ではなかろうかというふうに思っております。
○藤田藤太郎君 もう一つ、これは別なことですけれどもお尋ねをしておきたいのですが、特に民間関係においては不当労働行為——団体交渉の拒否であるとか、差別の扱いであるとか、そういう問題はすぐ労使関係の俎上に上るわけです。それがいい悪いの問題は、その議論の中、または労働委員会を通じての中から生まれてくるわけであります。それにとやかく私は今ここで特定の問題を議論しようとは思いませんけれども、特に公務員の不当労働行為ですね、公務員の出先その他の不当労働行為が非常に多いということを聞くわけであります。私は、これは労政局長の管轄じゃないかと思うのですけれども、これはどうなんでしょうかね、国の模範とすべき国家公務員、行政職の方々の不当労働行為が民間やその他より多いとは、そういう条件が当たっているか、当たっていないか知らぬけれども、公務員の中の不当労働行為が各所で多いということを、私は見に行って具体的な事例を今調べているところなんです。労働省でお調べになったことがありましょうか。私は、むしろ不当労働行為が起きないように国民に範を示すのが公務員ではなかろうか、行政職の労使関係ではなかろうかと、私は常日ごろそう思っているのだけれども、そうでなしに、その不当労働行為が非常に多いということが私たちの耳に入ってきますから、私も非常に克明に全行政職の中で調べております。労働省はどうつかんでおられますか。
○政府委員(堀秀夫君) お話のごとく、公務員の労使関係につきましては、これはもとより一般民間のむしろ範たるべき姿において運営されなければならないと私どもも考えるものでございます。公務員の関係につきまして特に多いとは私ども聞いておりませんが、しかし、ややもすれば、そのような話をときどき聞くわけでございます。もしそのような事実があるとすれば、それはまことに遺憾なことでありまして、労働省といたしましては、公務員の関係につきましても、あるいは支配、介入、差別待遇というような不当労働行為的なことが起きることは望ましくない、使用者側においてもその点を十分に念頭に置いて労務管理を行なってもらいたいということを、機会あるごとに関係の当局のほうには話しておるわけでありますが、なおこの問題についての具体的な審査というようなものは、これは御承知のごとく、人事院において管轄することになっておるわけであります。最近やはりそのような話もときどき聞いておるわけでありまするので労働省といたしましても、一般的な見地から、公務員の労務管理についてそのようなことがないように、円滑に運営するように配意してもらいたいということを、今後においても関係の当局に対して十分にしみ通るように措置して参りたいと考えておるわけであります。
○藤田藤太郎君 三公社五現業とか、五現業の中の現業部門その他については不当労働行為が行なわれる、私たちが差し出がましく言わなくても範となってもらわなければならぬのですけれども、問題が起きてくると、ここで大体一つずつ方向としては解決していくわけです。しかし、現業職じゃなしに、行政職のところに非常に多い、なぜそういうことになるのかという私は非常に疑念を持っているわけです。これは私は、労働省、大蔵省という工合に各省が分かれておりますから、なかなか手につきにくい問題だとは思うのです。しかし、少なくとも日本は、労働法の方向において正常な労使関係ということがあるわけですから、それはやっぱり労働省が率先してそういうことが起きないように指導されないと、私はうまくいかないのではないかという気がいたします。通産省は、もうとにかく生産を上げる方向のみ考えておって機械や設備に付随しているのが労働者や国民ぐらいにしか思っていないのです。外務省は、そういう問題は、われわれの行政に労働というような問題があるのかどうかぐらいにしか考えていないし、私は、専門的に、この問題は労働保護とか人権とかいうものが無視をされてどうもやられているところから不当労働行為がだんだん起きてくるのではないかという気がするわけで、これは私は、労働省が率先をして指導をしていただくということでなければこの問題は解決をせぬのではないかというぐらいに、あんまりたくさんあるので、私はそう考えているわけであります。この点も非常に労働省の行政が幅が広いことになるわけですけれども、やっぱり労働者のサービスといいますか、労働者を保護育成していくといいましょうか、やはり国民としての労働者の地位や人権を守っていくという立場から申しますと、私は、やはりそういうことはもっとやっていただかなければならないのではないかということを考えております。 それから、もう一つ私はお聞きしたいのは。先ほど少し国民所得のことに触れましたけれども、私はよくこういうことを言うわけです。日本の今日の生産機関が九〇%操業をやったら、国民所得は十九万円ぐらいか二十万円ぐらいになるだろう、経済体系の面から見てそういう想像がつくわけです。そういう場合に、フランスが六十五才以上の人に二万八千円の年金を出している。それから、病気になったときには無料で治療をする。これは厚生行政だといえばそれまでですけれども、非常に私は関係が深いのではないかと思います。この年金制度の問題を見ましても、厚生年金は民間の——今千六百万ぐらい加入をしておりますけれども、今これがフラット二千円であります。国民年金は四十五年後において月三千五百円になります。それじゃ保険のほうはどうかといいますと、本人は無料だが、家族は五割の給付ということになるわけで、これも組合管掌と政府管掌との差が非常に激しい。基準法で働いておりながら、五人以下のところは、健康保険に入らないで、国民健康保険に追いやられている。そこに日本の生産機関の零細企業の主体がある。こういうことを考えてみますと、まあこれは労働省みずからそれをどうせいとはいいませんけれども、私は、そういうところに重大な関心を持ってやっていただかなければいかぬのじゃないか、こう思っておるのです。だから、むしろ労働省から厚生省に要求をしていただいて、労働者の保護という問題こういう問題について、何か労働省は厚生省との間に連絡会議とか、または要求であるとか、意見を申し述べられたとか、そういうことを常日ごろおやりになっているのかどうか、そこらをひとつお聞きしたいわけであります。
○国務大臣(大橋武夫君) 遺憾ながら、そういう常時連絡的なことはこれまでのところやってきておりません。しかし、確かに御指摘のような点につきましては同感に存じますので、今後労働省といたしましても、十分に研究をいたしたいと存じます。
○藤田藤太郎君 そこで、私はもう一つお伺いをしておきたいのです。 労働省が賃金の問題を上げられるときには、たとえば厚生福祉の問題とか、社会保障、保険の問題はたくさん出ているから、名目賃金は安くても給与はいいんだということをよくいわれる。そういうものが賃金が安くないという基礎に使われてきたのではないかと私は思う。しかし、あなたのほうが出された統計もありますし、厚生省なんかが出された統計もありますけれども、よその国というのは、生活問題というものを非常に深刻に考えているのですね。ですから、たとえば外国の例をとってみますと、日本の何倍というものの賃金、日本の賃金対福祉厚生費その他の関係と、それから外国の賃金対福祉厚生費の関係は、日本の何倍という格好でこれを負担をして、使用者がその労働者の生活をみているということ、これもやっぱり賃金との関係で非常に深い関係を持ちながら、こちらではそういうところに金が賃金は安くても、実質賃金は高いのだと、こうおっしゃるけれども、外国の例を見るとそうではない。私は、それほど住民主権の憲法の中で、外国も出てきているのですから、雇用問題や賃金問題や生活環境の問題というものをやっぱり合わせて労働省の直轄行政でなければ、労働者を保護していくということについて各省に要求して、懇談、連絡会議をして、そういう総合的に高めるという方法をとっていただきたい、これをお願いをしたいわけです。そうでないと、こちらでは賃金は外国と比べて少し安いけれども、厚生福祉やその他のところにうんと金がいっているから、実質はそうだというけれども、それでは外国の例をとってみたらばどうか、たとえば年金しかり、医療制度しかり、厚生福祉の施策しかりという工合に、やはりみんながそうして全体の生活を上げるためにやっておって、そうして賃金だとか雇用の問題に関する行政が、私は、一つの大きな流れの中でバランスがとられてきている。ところが、どうも私は小言をいうようで申しわけないのですけれども、そういう点がばらばらなような気がするわけです。だから、少しきょうはそういうことをお尋ねしたのですけれども、もう少しそこらあたりの問題も、労働行政としては一番肝心な問題ではなかろうかと思いますので、その点の御努力をぜひお願いをしておきたいと思うのです。そうでないと、名目賃金は上がったが物価の値上がりでぴしゃっと落ちて、実質賃金はよくならない。ほかのほうの援護措置はあるかというと、そういうものはない、おくれているということになると、これは私は、外国の賃金と日本の賃金を一がいに比べてもどうにもならぬという議論がありますが、全くそのとおりの面も多分にあります。ありますけれども、私はそういう全体の保護政策の中から、労働保護、国民保護という問題が出てくるのではないか。だから、そこらあたりの外国の資料がどんどん入ってきて、外国の実態はもうガラス張りで、何もかもよくわかるわけでありますから、そういうのをつぶさにひとつ掘り出していただいて、そうして御検討いただきたい、そういうことを私は考えておりますので、大臣としても、こまかしい問題をたくさん申し上げましたけれども、特別な御配慮をひとついただいて、そういう労働省自身の行政でやれないことは、労働省が率先をしてやはり他に申し入れて、それを是正していただく、こういう工合に私はしていただきたい、こうお願いしたいのです。
○国務大臣(大橋武夫君) 十分御期待に沿うように努力したいと存じます。
○委員長(加瀬完君) 他に御発言もなければ、本件に関する質疑はこの程度にとどめ、午後は一時に開会いたすこととし、暫時休憩をいたします。 午前十一時三十七分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕