P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
43回国会参議院1963/03/30

社会労働委員会 第14号

発言数
60
登壇者
11
会派数
2
開催日
1963/03/30

会議録

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) ただいまより社会労働委員会を開会いたします。  委員の異動についてお知らせいたします。  三月二十九日大谷藤之助君及び徳永正利君が委員を辞任せられ、その補欠として佐藤芳男君及び野田俊作君が選任されました。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 国民健康保険法等の一部を改正する法律案及び国民健康保険法の一部を改正する法律案——前者は政府提案、後者は衆議院第九号でございます——を一括して議題といたします。提案理由の説明を求めます。  まず、内閣提出案について説明を願います。西村厚生大臣。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) ただいま議題となりました国民健康保険法等の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。  わが国の医療保険制度は、今後その内容を充実するとともに、各制度間において、なお、給付内容及び被保険者負担等の面における総合調整を要するところが多い現状であります。ことに、国民健康保険につきましては、その給付内容を改善し、被保険者負担の軽減をはかることが、同制度の対象とする被保険者の実情から考えて当面の急務とされるところでありますので、早急にその給付率を引き上げ、給付期間の制限を撤廃する等、給付内容改善の措置を講ずるとともに、低所得被保険者の保険料負担の軽減をあわせて行なうようにするため、この際、国民健康保険財政に対する国の援助を一段と強化することが必要であると考えるのであります。  また、国民健康保険制度についての改善と並行して、健康保険、船員保険、各種共済組合の被用者保険各制度につきましても、この際、給付期間の制限の撤廃、継続給付の期間の延長等の措置を講ずることにより、その給付内容の向上をはかるとともに、国民健康保険財政の負担の軽減に資することが適当であると考えるのであります。  以上のような理由により、この法律案を提案した次第でありますが、次に、この法律案の内容について御説明いたします。  まず、国民健康保険関係につきましては、第一に、世帯主またはこれに準ずる被保険者が療養の給付を受ける場合の一部負担金の割合を十分の五から十分の三に引き下げることといたしております。第二に、療養の給付に関して、給付開始後原則として三年と定められていた給付期間の制限を撤廃することといたしております。第三に、国民健康保険の被保険者が生活保護法による保護を受けるに至ったときは、その日から所要の医療給付は生活保護の医療扶助によって一元的に行なうこととし、国民健康保険の被保険者資格を喪失させるように改めることといたしております。第四に、国民健康保険の被保険者のうち、保険料の負担能力の乏しい低所得者に対して、保険料を一般の者より大幅に減額して賦課するため、これに必要な規定を設けております。第五に、以上に申し上げました給付率の引き上げ、保険料の軽減措置等の施策を実施するための費用について、国が所要の財政措置を講ずることとし、調整交付金の総額を、市町村の療養給付費見込額の百分の五から昭和三十八年度においては百分の八・八、平年度においては百分の十に増額することといたしております。第六に、現行国民健康保険法の施行の際の経過措置として認められていたいわゆる給付制限を、昭和四十年三月末日までにことごとく廃止させることといたしております。  次に、健康保険等の被用者保険関係につきましては、第一に、健康保険の任意継続被保険者の被保険者資格期間を現行の六カ月から一年に延長することといたしております。第二に、健康保険、船員保険、公共企業体職員等共済組合、国家公務員共済組合及び地方公務員共済組合の療養の給付の支給期間につきまして、現行の三年の制限を、被保険者資格存続中の者については、これを撤廃し、被保険者資格喪失後の者については、五年に延長することといたしております。  なお、本改正は、国民健康保険の療養給付率の引き上げに関する部分は十月一日から、その他の部分は四月一日から実施するものでありますが、国民健康保険の療養給付率の引き上げについては、特別の事情がある保険者で、都道府県知事の承認または認可を受けたものに限り、昭和四十年三月末日まで猶予を認め、また、国民健康保険の療養給付期間の制限の撤廃についても、同日まで猶予を認めることといたしております。  以上が、この法律案の提案理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかにご可決あらんことをお願い申し上げます。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 次に、衆議院発議案について説明を求めます。衆議院議員五島虎雄君。

五島虎雄日本社会党

○衆議院議員(五島虎雄君) ただいま議題となりました国民健康保険法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。  今日、わが国の医療保障を充実する上において、国民健康保険の療養給付率を引き上げ、必要な国庫補助分を増額することは緊急の課題であります。昨年八月、総理府社会保障制度審議会が政府に対して    いました勧告も、このような趣旨から、第一に、社会保障の均衡のとれた発展のために、制度が違えば同一の事故でも、支給の条件や金額が違うような場合があるのは、すみやかに改めるべきであること、第二に、医療保険の給付率は、それぞれの制度ごとに被保険者、被扶養者を通じて九割程度にまで、さしあたっては最低七割程度にまで引き上げることを強調しているわけであります。  私は、従来も繰り返し主張して参りましたように、わが国医療保険の最下限をなす国民健康保険を、たとえば療養給付率が家族を含めて五割というような低水準に放置すべきではないと考えまして、本法律案を提案いたす次第であります。  法案の内容を簡単に申し上げます。  第一に、療養の給付は、現行三年を全快までといたしました。  第二に、療養給付率を、世帯主、家族とも現行五割を七割に引き上げることにいたしました。ただし、それぞれの実施時期については、準備期間を考慮し、世帯主については昭和三十八年四月一日から、家族については一年後の昭和三十九年四月一日からといたしたのであります。第三に、右のために要する財源は、国の費用によってまかなうこととし、療養給付に対する国庫補助率は、現行二割五分を四割五分に引き上げることといたしました。実施時期は右と同じであります。第四に、低所得層の保険税または保険料を免除するための措置として、財政調整交付金を現行の五分から一割に引き上げ、免除分に充当することといたしました。この実施時期は、昭和三十八年四月一日であります。第五に、被保険者が生活保護の適用を受けるようになった場合の併給期間が、従来は三ケ月間であったのをなくして、ただちに医療扶助へ移行できるようにいたしました。  以上のとおりでありますので、何とぞ慎重審議の上、すみやかに本法案を可決されるようお願い申し上げます。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) これより質疑を行ないます。  御質疑のある方は、順次御発言を願います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、厚生大臣に質問を申し上げます。  国民健康保険というのは、何としても私たちの社会保障の柱でございます。一つは国民年金、それから一つは国民健康保険。国民の皆保険制度の何としても底上げと申しましようか、国民の全体のレベルを上げるための私は重要な施策であると思うのであります。で、そういうことでございますから、この国民健康保険の問題については、国民の皆さん、特に住民福祉を中心とする地方自治体の行政にたずさわっている方々については、非常に関心の深いものでございます。  そこで予算書を見ますと、ことしは四千五百三十四万三千というのが今年の国民健康保険加入者の予想でございます。政府は今度世帯主七割給付ということを改正案の中心として出してこられたことについて、この努力を多とするわけでございます。ところがこの法律を読んでみますと、今年の十月一日からの実施が四十年の四月一日までというようなところに完全実施の目標を置かれ、大体二年間という、この中で実施をするということでありますけれども、今日まで国民の皆さんが願い、または地方自治体の行政にたずさわっておる人が願ってきたことと相あわせてみますときに、もっと早く、まず世帯主の七割給付の実施をしなければならぬのではないかという問題が緊急の問題として出てくると思います。これが一つでございます。で、世帯主は一応、そういうコースに乗ったのでありますけれども、今度は家族の問題であります。家族の給付が五割でとどまっているということを考えてみますと、これもやはり重大な問題でありますから、世帯主、家族を含めて七割給付に早く踏み切る、社会保障制度審議会では、昨年社会保障全般について政府に答申をいたしております。外国のこのような制度は、何としても保険制度要するに、医療保障とそれから所得保障の年金制度というもの、これによって老後の所得保障ができる、生活ができる、年金で。または医療保障は、本人の責任でなしに、社会の責任で予防、保険、衛生、それから疾病治療というようなところまでもっていこうという思想が、あらゆるところにみなぎっておるし、社会保障制度も、そういう趣旨で答申をいたしておるのでありますから、そこで、家族給付を、いつから、まず、第一段階として七割給付に踏み切るかという問題が第二の課題でございます。そのような課題の上に立って八割、九割という工合に、本人一〇〇%という工合に進めなければならぬというのが、これはまあ私たちばかりでなしに、国民みんなの期待しておるところだと私は思うのでございます。  これは、順次進めていただかなければならぬが、まず、前段の世帯主の完全実施を二年ということでなしに、一日も早く、私は、十月からというのでありますから、ことしから全部おやりになるんだと思っておったら、そうでない、非常に経過措置的なゆとりがあるわけであります。で、まあこの点を厚生大臣としては、どういう工合に早期実現をされるか、家族給付について、どういう工合にされるか、これをまず、二つをお聞きをしたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 仰せのとおり、この国民健康保険は、社会保障の一つの非常に大きい柱でございます。しかし、これの改善につきましては、もう皆様方国民の世論も、相当にあるわけでございまして、私は、この改善につきましては、全力をあげてやらねばならぬと思っております。しかし、御案内のとおり、まあ制度が新しいのと、それからなかなか国家的にやはり財政上、金が非常によけい要ることでございますので、まあ世帯主と家族一ぺんにこれはやるとすれば、それは非常にいいことかもしれませんが、やはりどうしても財政上、そういう段階をつけなければならぬということで、とりあえず世帯主につきましては、ことしの十月から施行ということでございまするから、これはもう来年も、ずっと施行していくのでございまするから問題はない、まあ多少、十月からになぜしたのか、四月からなぜしなかったのかというお尋ねもあろうかと思われまするが、いろいろ財政上の都合等もありまして、十月からになったわけでございます。昨年の七月には、社会保障制度審議会の答申もありますので、やはりもう早い機会に、家族もこの七割給付に持っていきたいという私たちの心組みは十分いたしております。しかし、やはりこれもひとえに財政上の問題があるわけでございまして、これは他の社会保障との、やはりバランスの問題もありましょうが、今私は、ここでもって何年にやるということの確約はできませんけれども、できるだけすみやかに家族七割給付までこぎつけたい、かように考えておるわけでございます。  一方、また国民健康保険につきましては、低所得者の保険料の軽減というような問題もありますので、いろいろ金の面におきまして、財政の面におきましての考え方、あるいはそれらのバランスの問題をとりつつ、しかし、ひとつ強力に、すみやかに家族の給付につきましても改善をはかりたい、かように心組みをいたしておるような次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 まあ私は、そのあなたのお答えの前段ですね、今法律で、願わくは四月から実施ということにありたいけれども、十月から実施に踏み切ったということで、私は、その前段の議論はあまりしたくない、むしろその世帯主の実施の段階を四十年までの間にするというところに問題を私は提起をしている。十月実施をするということに努力をされたことには敬意を表するけれども、それが四十年四月一日までの間に実施をするということであると、結局ことしじゃなしに来年、再来年というところまでいかなければ、さぼる気になったら、そこまでの間で実施するということになると、せっかく七割給付といわれても、二年先にいってということになればたいへんだということを言っておる。だから、その点は行政指導その他で、まず世帯主の給付を少なくともことし全部できなくとも、来年の四月ごろには、全部の世帯主に実施ができる、そういう指導をしていただきたい、そういう御決意をお尋ねしている。  後段は、一日も早くすみやかにという衆議院のほうでも、この問題については議論があったと思いますが、すみやかにやるということについての、われわれは期待を持っております。期待を持っておりますが、これを、大臣の立場がありますから、何月何日からやるというところまで私は突きつけませんけれども、まず、前段の問題がぼけてしまうと、後段の問題もおのずから、それに続いてぼけてしまうということでありますから、まず世帯主の問題は何としても、少なくとも本年の末あたりまでには、やはり完全に実施ができるようにしてもらいたいということを言っておるのです。それをひとつ……。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 世帯主の七割実施は十月から行政指導として全部やりたい、かように考えておる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうすると、法律上では少しゆとりがあるけれども、実際問題としては、十月から世帯主の問題については完全実施ができるようにやると、こういうことでいいですね。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 今のところ、さように心得ておる次第でございます。

小山進次郎厚生省保険局長

○政府委員(小山進次郎君) ただいまの点、補足して申し上げますと、実は、一部の市町村で現在世帯主も家族も含めて六割給付というのをやっているところがあるわけであります。こういった地域で、ある時期までは、われわれは六割給付を全部にやっているので、その場合の経費は、もちろん世帯主の七割と、家族の五割をやっているよりよけいにかかるのだから、しばらく待ってくれといったような要望があったわけであります。これの説得に若干手間がかかりましたけれども、実質的に見て、予算も全部の市町村について世帯主七割給付ができるだけの予算を組んでおりますし、しかも現実の問題として四分の三国が持つという予算が用意してございますので、六割をやっているところでは、別に保険料は上げなくとも、国の補助金をつけ加えるだけで七割と六割という姿にできるということが各市町村ともわかりましたので、全部やりますと、こういうことになりましたので、法律では、ゆとりは設けてありますが、大臣の申し上げたとおり、これは本年度中に必ず実施いたします。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 その前段は明らかになりました。  そこで、後段の家族給付を七割にしていただく、しようということも、私は今のような熱意でやっぱしやっていただかなければならぬと思うのです。まあ大臣はいろいろの立場があって、早急にというのは衆議院の段階では、少なくとも二年くらいの間にやるように、政府は約束を——約束といいましょうか、そういう工合に努力をするというお話だと私は聞いておりますから、そういう工合に、まず世帯主の問題が早急に解決すれば、来年、少なくとも再来年には、家族の給付も七割になる、こういう工合に期待してよろしゅうございますね。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 家族の給付につきましても、これはやはり今おっしゃいましたように、なるべく早く、ひとつ努力したいと思っております。衆議院の段階におきまして、いろいろお話もありましたが、御期待に沿うようにせっかく努力したいと、かように思っておる次第でございます。

佐藤芳男自由民主党

○佐藤芳男君 ただいまの問題に関連いたしまして、家族の給付の問題でございますが、西村厚生大臣が、このたびの予算編成のときに非常に御苦心をされましたととは、私はよく了承をいたしておるのであります。また、厚生省くらい重要な項目をたくさんかかえておいでの省はないのでございまするから、それらのにらみ合わせにおいて、今、すぐ直ちに実現のできないことも、また私どもも了承をするのでございますが、ただいまお話のございましたように、できる限りすみやかに家族に対する給付も行なうという熱意のほどはわかったのでありますが、その手段といたしまして、次のようなことをお考えになるというわけにはいかないものかと私は考えます。  すなわちどういうようなことであるかと申しますと、また三十九年度の予算編成になりますと、いろいろ御苦心をされるのでございますが、その際に、家族の七割給付を目標とはするのでございますが、さしあたり家族に対しては五割を六割にする、その次の段階には、今度は七割にするというように段階を踏んでいかれることが、予算折衝その他におきましても通る率が、相当プロパビリティがいいのじゃなかろうかと、かように私は思うのでございまして、何年もたってから家族の七割給付を実施されるよりは、とりあえず六割給付、その次の段階には七割給付、家族のほうは、そのように段階をお設けになるということについては御考慮がないものか。  さらに、もしもそうした御考慮が可能だとした場合におきまして、私はここではっきりと、一つ申し上げておかなければならぬことがあるのであります。中山さんが厚生大臣の当時におきまして、私どもこれを要望いたしましたところが、厚生省の事務当局におかれましては、三カ年計画をもって今、私の申し上げるように順次上げていこうと、ところがその案のお心組みの内容を内々御説明を受けましたところによりますと、給付率の引き上げに耐え得る財政力ある市町村から順次始めていこうというようなお考えが、その当時の事務当局にあったのであります。そうするというと、これは貧乏者は麦飯を食え、金持は銀飯を食えという思想に通ずるということに相なるのでありまして、私どもは、そういう考えはおやめなさいと御忠告を内々申し上げたことがあるのでありますが、家族に対する七割給付を何年もたってから行なうということでなしに、まず家族のほうは六割給付を来年はやる、その翌年は七割給付にもっていく、その際におきましては、一視同仁の態度をもって臨まなければならぬことは申し上げるまでもないところでございます。とにかく段階を踏んで七割にもっていかれるというお心組みがおありでございましょうか、どうでございましょうか。この点をお伺いしたいと思うのであります。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 今のお話でございまするが、方法論でございまして、今、おっしゃいましたような方法でいくか、地域的でいくか、これはいろいろ研究しなければならぬと思いまするが、せっかくの御意見もありますので、十分これが実現の際にはその方法論につきましては、慎重に取り扱っていきたい、かように思っておる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで私は、今度は財政上の問題をお聞きしたいと思います。  地方自治体のまず最初に財政が窮屈になってくると、制限診療というところへ流れていくわけであります。これが一つであります。もう一つは、保険料の値上げを、どうして保険料をたくさん取るかというところに地方自治体が頭を使う、この弊害はたくさん出ていると思います。私も一、二の例をとってみたいと思うのであります。たとえば昨年、三十六年度きりで皆保険が大都市が一番おくれて実施したのでありますけれども、その実施の段階に入って、大体均等割の九五%くらいのところを最低としてやってきたと私は見ているわけであります。ところが、もう今日の段階では、どうもそういうその均等割の面を乗り越えて、その均等割対一四五とか一五〇とかいうようなことで、まず取って、取り方の問題を見てみると、私は、国保の精神というのはフィフティ・フィフティの原則だと今まで説明されてきたし、そういう方向で厚生省も保険料の問題は考えてこられたと思うのです。要するに、五〇%は均等割、あとの五〇%を資産割、所得割という分野で大まかに分けて保険料を算定してこられたと私は思う。これがまあ私は一応のコースであって、しかし目的税であるけれども、一番上は押えるという格好のものをわれわれも了解してきたわけであります。ところが最近の一、二の例でありますけれども、均等割という名目をさけて所得割というような格好で、例をとると均等割四〇、世帯割二〇、資産、所得割四〇、こういうことに名目を変えてやると、そこにもう、その国保の保険料の負担区分の大原則がくずれてしまっているということが私は指摘しなければならぬと思うのです。ですから、その一番底が、うんと上がってしまう。それから大体五万円くらいが頂点であったやつが六万円になり七万円になりという工合に、上のほうもちょっぴり上げる。こういうことでは、私はこの皆保険にそぐわないのではないかという気がいたすわけであります。  ですから、この問題について、政府はどう考えておられるかということがお聞きしたい。それから、その段階的に制限診療を、どういう工合に筋として動いていくかということと、二つお聞きしたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 保険税は大体応能割と応益割とフィフティ・フィフティと私は大体承知しておりますが、その応能割の中で、また方法が違っておる。応益割は応益割の中で、そのやり方がまた違っておるというようなやり方をやっておるようでございますが、政府委員が詳しいですから、その辺はひとつ政府委員から答弁させまして、不合理な点がありますれば、十分御意見は承りたい、かように考えておる次第でございます。

小山進次郎厚生省保険局長

○政府委員(小山進次郎君) ただいま藤田先生がおっしゃったような傾向というものが現実にありますことは、私どももおっしゃるとおりだと思います。これは国民健康保険の対象が、全般的に所得が高くなりまして、国民健康保険の形の中で金があるということになっている人々でも、国民全部の規模で考えてみますと、あまり高くない人が、その程度のものになっている、こういう事情が今のような傾向になっておることであると思います。  この傾向は、先生仰せのようにどうしても直していかなければならぬ。その意味で、今度の減税措置によりまして、応益割を低所得被保険者について、うんと下げるという措置をあわせて行なう考えを持っているわけでございます。所得が九万円以下の世帯については、現在の保険税を半分に減税をする。それから、それをこえるけれども、所得が比較的低いという被保険者については、これも昨日大臣が衆議院で申し上げたのでありますが、見込みとしては、できるならば三分の一から五分の二程度の減税をしていく、こういうふうにしているわけでございます。これが実現いたしますというと、応能と応益の割合は、全体から見ましても、応能のほうがやや高目になるということで、一応、全体としての姿は整うわけでございますが、全体的に見て、どうも保険税なり保険料というものは、もう一回考えてみなくてはならぬという時期にきているというのが関係者全部の感じでもありますし、厚生省、自治省よく相談をいたしまして、なるべく早い機会に、これをすっきりした姿に持っていく、かようにいたして参りたいと思っております。  それから後段に仰せになった制限診療の撤廃の問題、これはお手元に差し上げてございます資料にもございますように、今二つの面で制限があったのでございます。一つは給付範囲のほうに若干の制限がございました。これも全部ではございませんが、ごく一部の地域におきまして、たとえば往診は扱わない、入院治療は扱わない、あるいは歯科の補綴は扱わないというような意味の制限診療があったわけでございますが、これはぜひ撤廃させたいと思っております。法律でも、これを撤廃することにいたしまして、一応猶予期間を見まして、これも三十九年度一ぱいに、すべてを撤廃するということにしておりますが、方針としては、これも本年度末までに何とか、ほとんど全部解決いたしたい、かように考えているわけでございます。給付期間の三年というものを撤廃するのも、同様にして大体、本年度一ぱいで問題の地ならしを完了いたしまして、ごく特殊の地帯については、事情を十分きわめました上で、どうにもやむを得なければ、三十九年度に問題を残すことがあり得ますけれども、なるべくそうしないで解決をしたい、かように考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで、その今の前段の問題です。私はもっとやはり厚生省が、そのフィフテイ・フィフテイの原則を守るということを明らかにしてもらいたいと思うのです。で、もっともらしい理屈をつけて取るんでしょうけれども、均等割四〇%だといって、本来の法律の趣旨からいえば五〇%だけれども四〇%と、こう言う。それで世帯割は二〇%、これは均等割ですよ、どう理屈をつけたって均等割、それは二〇%、あと資産割と所得割を四〇%。私はこういうことが、何で実施ができるんだといって文句を言ったんだけれども、どうも厚生行政があいまいなのかどうか知らぬけれども、それが実施されて、やられているということですね、それで私は、残念でしょうがない。そういう点を実際にやっているんですからね。私はもっとちゃんと、ここらあたりの問題を、けじめをつけておいてもらわなければいかぬのじゃないか。ただ、今度は減免の問題が出て参りましたから、これは大いに活動していただきたいわけでありますけれども、しかし、少なくとも法のこれは柱ですから、柱の問題はくずさないようにしていただいて、その上に立って減免の問題を考えていただくということでなければ、私は何か利用されたり、ややこしくなるのではないかと思う。  それからもう一つ、これに関連して、目的税でありながら最高限度を押えている。私は那辺のところがいいかどうかという問題は、私も今、幾らがいいとはよう言いません。この問題に対して、はっきりよう言いませんけれども、おのずからいろいろの問題があるわけです。片方で国民年金は均等割になっておる。で、要するに国保の問題は五万円とか七万円というところで頂点を切るということになっているわけです。今日の所得分布から、国民所得や総生産の面から見て、五万円がいいのか、七万円がいいのか、十万円がいいのか、負担能力からいって、那辺のところに問題点があるのかということは、私はもっと厚生省は研究なさっていいのではないか。ほかの問題との関連・国民年金のほうは均等割にしておいて、国保のほうは、そういう格好にして、あるところは五万円だ、あるところは七万円だということでは、私はやはりけじめのつかぬ問題ではなかろうか。だから、やはりこれは累進課税で頭打ちしないならしないということで貫かれるか、そうでなければ、どの辺で頭打ちをするのが適当なのかということは、私は国民全体の経済の所得分布の中から、私はある程度科学的に分析をしておやりにならないと、今後問題が起こるのじゃないかという気がいたすわけです。この点も、特別の配慮をしていただきたい。  締めて申し上げますと、フィフティ・フィフティの原則を守る、守った上で処理をして、頭打ちの問題については、私は早急に日本の経済や国民所得や、その他の社会の中の制度負担の問題とあわせて検討していただきたい。ばらばらのようなものが行なわれておるということは私は納得できない。これもう一回見解を伺いたい。

小山進次郎厚生省保険局長

○政府委員(小山進次郎君) 五対五の原則というのは、先生おっしゃるように、守らせていくようにしたい考えでございます。また、これは先生も御承知のとおり、法律で標準をきめまして、実際上の運用は、それぞれの市町村の実情にまかせるという仕組みになっておりますので、若干入りこみのあることは避けられないわけでございますが、ただ、傾向として御指摘のように、とかく物事が安易に応能割のほうに持っていくという傾向がありやすいという点は、気をつげなくちゃいかぬ点でございますので、常に姿をただしていくという方向で指導を十分していくつもりでございます。  それから、最高については、これは法律にきめておるわけでありますが、すでにきめましてから、相当の年月も経まして、実際問題として、今日の実体に合うかどうかということ、確かに先生おっしゃるとおり問題だと思っております。これは先ほど申しました国民健康保険料あるいは国民健康保険税のあり方について、検討の際のやはり一つの大きな項目になっております。これは当然引き上げを前提として、おっしゃるように、どの程度増価をするかという問題として、十分検討して参りたいと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私はもう一度、そのことを確認しておきたいのです。今までの私の言ったような均等割四十、世帯主割二十、それから資産、所得割四十ということ、それから頭打ち七万円ということ、そのために一番下を今まで九五%を一四五%でもって、あさってから実施をするということをちゃんときめているところがあるのですよ。それに対して政府は、どういう監督をしたのかと言いたくなる。  そこで原則を私は言っているのですから、原則を守っていただけば、そういうものをやはりちゃんと原則に基づいて直していかなければならぬということを含んで私は発言をしておりますから、その点もよくお考えをいただきたい。

小山進次郎厚生省保険局長

○政府委員(小山進次郎君) 先ほど来、先生申されておるところにお答え申し上げておりますとおり、普通の市町村においては、当然この標準が文字どおり私は守っていかせるべきものだと思っております。  ただ、市町村によりましては、所得のあり方が非常に貧困者が多くて、どうも結果的に五−五の原則が守りにくいという、市にはあまりありませんけれども、実際問題として町村があることはあるのでございます。そういうところに対しましては、やはり実情に応じて、その町村でやるという配慮は許さなくちゃいかぬわけでございます。法律で標準をきめまして、その標準に基づいて市町村が条例できめていくわけでございますので、その点は考えなくちゃいかぬと思いますけれども、そうでない普通の市町村におきましては、私ども、先生のおっしゃるような考え方を十分滲透させるようにして参るつもりでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 もう一つ言っておきますが、何といっても、たくさんの人から取るということは、たかだか高い上のほうから取るということは、そうたくさんないわけですけれども、だから、私は上のほうについては、科学的分析を検討をしてもらいたい。といって、今五万円、七万円という問題を、あまりにその問題を押していないのだけれども、やり方の流れというものは、やはり大衆の、低所得者の多数のところから取ろうという問題にいきますから、九五%が一四五に一ぺんに下ははね上がって、理屈がないから今のような格好になる、フィフティ・フィフティの原則がくずされていく、それで上をちょっぴり、五万円が七万円になるというような格好になるわけです。だから、私はやはり内容を改善していただくと同時に、上のほうも研究してもらいたい、下のほうの問題も、今減免でやられていますけれども、しかしあくまでフィフティ・フィフティという原則を立てておいて、その上で処理していただきたい。そうでないと、何かこれがミックスになって、どうもくずれてしまうという気がいたしますので、重ねて申し上げておきたい。  それからその次の問題は、私は皆保険における医療給付というものが、全国的にうまくいっておるかどうかということなんです。で、一昨日の社会労働委員会では、薬局などの適正配置の問題が議論がされて、一応その方向ですね、府県の薬事審議会にかかるのでありますけれども、そういう方向の皆保険に対応したような格好の問題が出てきたわけですね。だから、私たちもそれについて、何とか推進をしてもういたいと思うのでありますけれども、まだ、聞くところによると、配給の家庭薬ぐらいで、国保は強制的に皆保険として入っておるけれども、それが実施されてない地域があるようであります。何といっても、それは医療担当者の問題に入っていくわけです。  ですから、むしろ都会、日本の今の生活地域差を見ますと、大都会中心が文化生活の追求によってといいましょうか、まあそればかりじゃありませんけれども、生活費が高く、地方に行くほど生活費が安くつくのだという、今、困難のどん底は、公務員給与にもまた現われておるわけであります。そういうことで僻地に行くほど給与が安いですね。  私は医学医術の面から見れば、そんなものではないのじゃないかと、地域差の撤廃をされたことも私も賛成をしたほうでありますけれども、そういう工合にして地域差も撤廃をするということであれば、私はその後にくるものは何か、医療担当者の適正な、やっぱり国民皆保険の体制を作るということでなきゃならぬ、それには、むしろ今の地域差方式の逆だと私は思う。僻地手当というようなもの、やはりその人が勉強にも困らないし、そしてどんな地域にでも、医療担当者がいていただいて、その人には将来の前進、勉強、向上に困らないという条件を厚生行政で作りながら、適正配置という問題を考えないと、今の公務員の地域差給与という問題だけを考えておったら、私はどうにもならぬのじゃないか、その給付の地域差だけは変わりましたけれども、私は地域差を撤廃しただけでは事足りないと思う。それに僻地手当式なものを名実ともに、都会におっても、僻地におっても、不自由をしないという条件を、やはり厚生省が作る。そういう体制を作らない限り無医地区とか無医村とかいうようなものは私は解消しないんじゃないか。国民の立場に立って見たら、それは国民というのは保険料は払うけれども、家庭薬の配給だけでしんぼうしなければならぬということになるわけでありますから、そこらあたりの——まあいろいろの面で努力をしていただいていることはわかっています。巡回診療とかされてはおりますけれども、私は、もう一段と根本の考え方を直して、そうして、この無医地区、無医村の解消に乗り出されない限りこの問題は解消しない、こう思う。厚生大臣の決意のほどを聞いておきたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 皆保険の一つの問題点でございまして、御指摘のとおり、体制ができなくては、皆保険ということは現われないのでございまするが、現実の問題は、やはり今御指摘のように、保険料は同じく納めておって、医療機関が不備だということがあるのでございます。これをどうしたらということは、なかなか容易ならぬ問題でございまするが、十分力を入れたいと思っております。しかし、現実の問題で、やはりどこでもお医者さんは不足というよりは偏在だと、それを偏在させないようにあまねくやるのには、どうするかということで、今度の地域差の撤廃等もむしろその方面から考えて強力に私のほうではやっておったんでございまするが、さらに一歩を進めて、どうしても、これはいなかほど収益が上がらないことは確かでございますが、さりとてやはり命には変わりはないのでございまするから、ひとつ何と申しますか、手当制度というようなものも、これは一つの今後考えなければならぬ問題ではなかろうか、かように思っておるのでございます。  私も、まだ僻地の問題につきましては、正直のところ十分把握はいたしておりません。ただ、気持はわかり、おそらくそうなっておるだろうと思われまするが、十分把握はいたしておりませんが、すみやかに十分な現状把握をいたしまして、何らかの手を打たないと、皆保険といってもほんとうは皆保険じゃない、こういうことになりまするから、今後十分検討さしていただきたい、かように思う次第でございます。

山下春江自由民主党

○山下春江君 ちょっと関連。今藤田先生の御説明、私どもも全く同感でございまして、大体、西村厚生大臣の御決意を、この際伺っておきたいと思いますことは、今藤田先生のおっしゃったその地域差撤廃——私も、地域差撤廃では医師の適正配置がとてもできないと思う一人でございます。ですから、やはり地域の非常な僻地にいる者に対しては、何か手当のようなものを特別に払うような方法にしなければいけないだろうと思う点は全く同じでございましたが、それから、先ほど藤田先生の御意見の中に、まだ、皆保険といいながら置き薬でなおしているのがありはせぬかというお話でございましたが、私はこれも、確かにいると思うのであります。ということは、必ずしも医師が、その地域にいないとか何とかではございませんけれども、今の国民健康保険の内容では、やはり農村あたりの少数の裕福な人が、この保険を利用できるのであって、ほんとうに貧乏な人は今の制度では利用できないというのが実情で、仕方がないから、保険へいっても、今度七割に世帯主が上がるのでありますけれども、五〇%の自己負担ができないために、医者に行かないで置き薬でなおすといのが、今の農村のほんとうの実情だと思うのでございますが、  そこで、先ほど佐藤委員からも述べられましたように、どうしても家族の給付率の引き上げが早急になされなければならないと思います。それはなぜかと申しますと、今ではこの経済成長に伴ういろいろな産業構造の変化で、農村には人がいなくなりました。したがって、かあちゃん農業——世帯主のほうがむしろ公共事業等に出ておりますから、あるいはこれは健康保険に加盟しておるかもしれません。何も他に方法のないかあちゃん農業でやっている、重労働にたえるのに、今の家族が、五割ではとても保険が利用できないということがあると思います。そういう点から、どうしてもこの国民健康保険は、家族の給付率がすみやかに引き上げられないと、国民健康保険の皆保険の実を上げることができないと思います。  そういうことと、もう一つ、政府としてのお考えを、ぜひひとつお聞きいたしたいのは、農業や漁業や、その他の零細業が他産業との格差を縮めるというときに、何としても、これは特に農業の場合などは、今の農業生産物を倍に上げる、三倍に上げるということは、これは流通過程においてできない相談でございまして、この生活の格差を縮めるためには、強力な社会保障が農村に入り込まなければ、私は格差の縮まる方法はないと思うのでありますが、そういうことに対しましても、ことしは非常な、格別な御努力を大臣はなさいまして、いろいろな面で非常に政策が伸びて参りましたことに対しては感謝にたえませんけれども、しかしながら、そのことしお抱きになった気持を、今後の厚生行政はかくあらねばならぬという一つの御決意があろうと思いますが、今、私申し上げましたように、農業の他産業との格差を縮めるということで、農業、漁業等に向かって、社会保障が非常に大きな力をもって入り込んでいかなければ、その実があげにくいということに対しては、大臣はどのように御決意をなすっておられましょうか、お聞きしたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) まあ農村の格差を縮めること、これはなかなか厚生省だけの力でできるものではございませんが、厚生大臣といたしましても、十分考えなければならぬと思っております。しかし、私のほうででき得る、厚生省としてでき得ること、今度の児童館あたりを作りましたのも、やはり何とかして、この働く衆の方々を、子供が手足まといにならぬように働かしたいと、いろいろな面につきまして、いろいろ考えなければならぬことがありまするが、どうしてもやはり深く農村に社会保障を進めるためには、やはり新しい観点から物事を進めていかなければならぬと思っております。  私は僻地に行きまして一、二見ましたのですけれども、町村長あたりが言うことには、診療所があると、どうも診療所が、ことしは百万円赤字だとか、二百万円赤字だとか言うのですが、それはしかし、村長さん違うのじゃないですかと、一体義務教育をするためには、どのくらい出しているかと、こう言いますと、義務教育のためには二千万円くらいお金を出しているのだ、医療のために百万、二百万の金を言っておったのじゃ、昔の医療と今は違いますよ、昔はどんな僻村でも僻地でも、やはり家代々の医者がおりまして、そこで業をやっておったのです。ところが今日は、医業が進歩いたしましたために、だれもいなかに居つく人はありません。そこでやはり農村自治体としても、もう少し考え方を変えて、医者に対する態度というものを、やはり昔の夢を追っておったのじゃいかぬから、義務教育でもって金を出すことには、町村長はあまり気にいたしておりませんが、医者のために金を出すことは、こんなに赤字が出たと、それで、私はよくわかりませんけれども、それはこんな話じゃないですか、もっと医者のために金を出してもいいのじゃないですか、これは教育より先じゃないですか、病気になったらどうするのですか、教育より優先するのじゃないですか、こういうようなことを話ししたこともあるのでございまして、これはやはり時代が相当に移り変わりつつあることを、農村の方々の自覚も、まだなかなかおそいのでございます。  しかし、そういうこととは別にいたしまして、私のところでは、今言いましたように医療問題、それから所得の保障問題等、全般について、相当に考えなければならぬと思っております。今山下先生のお話は、非常に大所高所からの話でございまして、そうなりますると、また話は別なことになりまするが、少なくとも社会保障を農村にまで十分進めていきたい、かような考えは十分持っておるつもりでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 ですから、私は無医地区、無医の問題は重要な関心を持っているし、また、国民もそうでございますから、ぜひ一段と努力をしていただきたいということを特に強く主張しておきます。  それからもう一、二点聞いておきたいのですが、次は事務費の問題です。事務費は、百二十円から百三十円に平均値がなったのですが、全額国庫負担をするという趣旨とは違うんでありますね。これは私は、厚生省は現時点においてどう見ておられるかということなんです。実際問題としては、まあ極端なことを言うに、特に大都会地なんかですと、事務費が倍ではおさまらぬと、こう言っておるわけですね。百二十円の倍だったら二百四十円、それでとても事務費はおさまらぬのだということをたびたび陳情を受けるわけです。ですから、百二十円になったら、その辺の、まあ大都市周辺はどれくらいになるのかということをお聞きしたいのと、それから将来、事務費についてどう考えていくべきか。国がだんだん監督行政もそれに応じて強化しなければならぬと私は思うのでありますけれども、そうでなければ、国保の問題ですから、そこらとの関係を事務費についてどう厚生省は考えておられるか。それをひとつお聞きしておきたい。

小山進次郎厚生省保険局長

○政府委員(小山進次郎君) ただいま先生仰せのとおり、事務費についての国の負担が非常に適当でないとおっしゃいますことは、私どもたいへん心苦しく思っておるわけでございます。概して申しますと、現在の事務費の国庫負担は、実際に市町村が支出をし、しかも必要としている部分の六割前後、平均してその程度になっております。したがって、大都市等につきましては五割を割っているという事例のあることも御指摘のとおりだと思います。これはどうしても、やはり必要な事務費は国のほうで負担をするという原則は貫いて参らなくちゃいかぬと思いますが、今の程度ではそれが解決いたしておりません。それで、来年度は厚生省を中心といたしまして、財政当局の協力も得まして、実態調査をやる予定にしております。関係者全部で実態を調べてみて、やはり今の負担では無理があるということを客観的に明らかにいたしまして、問題を根本的に解決するよう進めて参りたい、こういう気持でおるわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それから、その次は、今度調整金が五%を八・八%、来年度から一〇%、こういう工合にこの法律を見るとなっておるわけでありますが、まあ財政上の理由からだというお話がございましたが、私がどうも考えるのに、この問題と四十年四月から実施する問題と、どうもうらはらのような気がするわけですね、財政援助の問題。だから、ここらあたりで今年の十月には、先ほどのお話ですと、世帯主の給付は大体完全実施の方向へいくのだということを言われました。私は、そういうところになってくると、どうもやはり八・八%というのが気になるわけですね。だから、飛躍をするのに一八・八%の財源不足という問題が出てくるのでありますから、これはやはり自治省と自治体との関係で特別交付金の問題が私は出てくるような気がするわけです。そこらあたりの点も財政調整の特別交付金の実情にかんがみて、私はやはりこのめんどうを見て上げなければ、実施はしたいけれどもできないというようなことで、ここで皆さん方がせっかく努力をして、十月から実施するんだという話になってけっこうだと私も思うんですけれども、それが実際にまたそういうところで障害が起こるというような気がしますから、その点は何としてもやはり実情にかんがみて明確にしておいてもらいたいという気がするわけです。その点はどうでしょうか。

小山進次郎厚生省保険局長

○政府委員(小山進次郎君) 先ほど申し上げましたように、今年度組んであります費用は、全市町村が世帯主七割給付をする場合に必要な費用をもとにして出しております。したがって、その費用を完全に組んであるわけであります。今年度の率と明年度の率との違いがありますのは、今年度は年度半ばから実施する、ちょうど半年分であるというような事情が両者の違いのもとでありまして、先生御懸念の点はそこにはないわけであります。ただ、先生御心配なのは、そうは言っても、貧しい町村の場合に、かりに四分の三を見てやるとしても、四分の一分保険料を上げなくちゃならぬという場合に、できないおそれがあるのじゃないかということを頭に置いて御懸念になっておるのだと思いますが、この点につきましては、補助金の配分の場合、今年度はこういうふうな原則をとることにしておるわけでございます。従来でありますると、要りました費用の四分の三を補助する、こういう仕組みをとっておったわけでございます。そうしますと、元来、医療費をたくさん必要とする、逆にいえば、医療費をたくさん使い得る保険経済を持てるようなところには、多い国庫補助金がいくけれども、実際の必要はあるのだが、どうも経済的な能力が十分でないために、それがその保険経済の面において医療費をふやす要因として現われてきていない、そういうようなところには金がいかない、こういうことになるわけです。今年度は四分の三を平等に分けることにいたしますので、貧しい市町村にはおそらく五割を七割に引き上げる二割分のほとんど全体がいく、こういう格好になるはずでございます。したがって、その意味において御懸念の点はないと、こういうふうに考えていただいて差しつかえないわけでございます。     —————————————

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 委員の異動についてお知らせいたします。  本日、野田俊作君が委員を辞任せられ、その補欠として徳永正利君が選任されました。     —————————————

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 今の藤田委員の質問に関連をして、多少前向きで飛躍しているかと思いますが、重要だと思いますので、大臣もおられますので若干お尋ねいたしておきますが、それは国保の運営主体の問題についてであります。現行の市町村単位の運営については、元来この思想は地域福祉の思想から出ているので、その限りにおいて全く正しいと思いますが、今日の状態では、同じ思想でも、御承知のように、広域行政であるとか、あるいは道州制の提言が前向きに出ている、そういうことの中でありますから、運営の単位を国に移管して、財政基盤を一そう強固にする、またすべきではないかと、こういうふうに基本的には考えているわけでありますが、これと関連をして、実は別な機会に別に質問をしようと思いましたけれども、関連でありますから、たとえば最近、生命保険協会の出した民間健康保険の構想に対して、政府は、現行の健康保険を阻害しない限りで条件つきでこれを認める方針である、これは私ども新聞で大体知っている範囲を越えておりませんが、このことは、保険財政の基盤を拡大強化するという根本方針に反するばかりでなく、国民皆保険の基本的な精神に実は食い違いがあるのじゃないか、こういうふうに心配するわけでありますが、あとのほうはこれは若干はずれておりますけれども、前段の運営主体の基盤が強固になれば、サービスの格差とか、あるいは経済の二重構造がやはり保険のサービス面や給付率の面にでこぼこのあるということは、これは段階的に漸進的に直していかなければならぬ筋合いのものだと思いますけれども、現実はかりにそうであっても、前向きに今申し上げたような国保の運営主体についてひとつ御見解をお伺いしたい、こういうふうに思うわけであります。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 国保の運営主体を町村じゃいかぬ、国家にしたらどうだという御意見も承っておるのでございます。しかし、まあそれも徐々にそういうことにはなるかもしれませんが、やはり社会連帯性と申しましても、やっぱり地域から先にという地域社会の連帯性、それから進んで国家の連帯性ということにもなるのでございまして、本保険制度は日もなお浅いんだし、現在なお地域を抜きにしていきなり国家にと、こういうのもまあ直ちにどうかと思われます。しかし、そういう御意見も十分尊重すべきものだと思います。皆保険になれば国家が運営主体になるということも十分考えなければならぬ問題と思いまするから、せっかく、これからそういうような方向にはあるいはなるかもしれませんが、十分検討をいたしたい、かように思っております。後段の問題につきましては、新聞紙上で私知るだけでありまして、今直ちに私のほうでどうこうというあれはございませんが、少なくともこの皆保険は今調整の段階に入っておるのであります。これは年金制度にいたしましても同じでございますので、やはり部分々々でもってうまいことがあるから、それはそこでやりたいんだというようなことはまあ慎んでもらわなければならぬと思うのです。そうでなければ、各社会が豊かなものは豊かなものだけで組んでいくということになりますれば、これは社会連帯性にはなはだ欠けるところが私はあると思います。まだどういうものをどういうふうにしてやるのかということをしっかりと私は聞いておりませんから、生命保険から提案されていることについては批判は避けまするが、少なくともこれはやはりそういうことが起こりましたら十分検討し、全体の意思に反するようなことは絶対に私たちは賛成することはできないと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで私は、さっきの話の続きですけれども、小山局長がことしは大丈夫だ、こうおっしゃられたわけです。しかし小山さんも私も頭に浮かんでくることは、財政のゆとりのある町村とない町村との関係というものがこれは出てくるわけですね。だから非常に片方は制限をきつくやっている、制限のない給付も高いところがある。その民主主義の基礎は地域住民の意思から出発することは当然ですけれども、やはり全体のレベルを上げていくというのには、やはり公平の原則の問題も出てくるわけです。ですから、やはりあまりひどい町村はそのままほっぽり出すということじゃなしに、現実の時点、機構、運営主体が町村にあっても、たとえば府県におけるプールとか何とかで、めんどうを、低いところはみてやる。それに対して国が突っかい棒をかけてあげる。こういうやっぱり私は何らかの調整がなければならないと思う。その点は今後の大きな課題ですから、今度は適当に分けて云々といわれたけれども、やはり調整の問題というのは全然無視するわけにはいかない問題です。これはまああとの課題だと私は思います。その点も十分にまた日をあらためて議論はしたいと思いますけれども、この国保の改正案が出発して、遺憾のないように、ひとつ特段の配慮をしておいていただきたいということを、このほうは申し上げておきます。  それから今、杉山委員の御発言になりました、私も少し触れておきたかった問題なんです。生命保険会社が医療給付の一部をやろうという話でございます。私はこれはほんとうに日本の社会情勢の根本をくつがえすような気がいたしますし、こういうことが出てくると。大臣もちょっと触れられましたけれども、金持だけが云々というお話が出てきました。全く私はその点については大臣と同じなんです。今、給付をアメリカとイギリスとこう比べてみて、そしてイギリスやフランスが医療制度が非常に——国民皆保険といいましょうか、社会保障が非常に進んでいる。片一方のアメリカではそういうことをやり出して、金持ちだけがと言おうか、非常に私は社会保障の全体の前進を阻害しておるのではないかという気がするわけですから、私はこの生命保険の医療給付の一部分担といいますか、これは重大な関心を持って見ていただかなければならぬのではないか。ただ、私が心配をしておるのは、これは立法措置なのか、大臣の所管行政措置なのかということなんです。そこのところを私は心配をしておるわけです。こういうことを認可、許可しておるのは法律事項でなしに、大臣の行政措置としてやれるということになるのかということになると、これはまあ西村大臣は先ほどの決意から見て心配はいたしませんけれども、何かそういうところにも問題が引っかかってきて、心配する面がより多くあるわけです。ですから、その点の事務的なといいますか、この措置をどこでどういう順序で具体的に爼上に上ってくるのか、事務的なことを事務的にお聞きしたいことと、やはり大臣の決意をもう一度お聞きしておきたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 今おっしゃいましたような心配を実は私はしておるので、生命保険のほうの関係で、大蔵省だけでどんどんとやられるようなことがあると大へんだと思って、実は事務当局に命じて大蔵省との打ち合わせをしておるのですが、これはぜひやっておかなければならないと思います。そうせぬと、どこに抜け穴があるか私は事務的によく知りませんので、私は精神を申し上げただけでありまして、十分注意をいたしていきたいと、かように思っておる次第であります。事務的には政府委員から答弁させます。

小山進次郎厚生省保険局長

○政府委員(小山進次郎君) ただいま大臣が申されましたように、この問題はすでに大蔵省に申し入れをしております。それで手順のほうといいますか、かりに物事がああいうふうな、人々の伝えられておるような内容のもので事を進めようとした場合に、どういう段階を経るかという点が藤田先生のお尋ねの点でございまして、こういうことになるようであります。いろいろ言われておりますのは、大きく分けて二つに分けられるようであります。一つは、現在の生命保険に付随してやるきわめて簡単な医療保険の事業でございます。たとえば生命保険に入っている人が交通事故でけがをして入院をしたというような場合に、一回当たり幾ら出す、こういうような仕組みのものでございまして、これが一つの部類でございます。このほうは大蔵大臣に認可の申請をして、大蔵大臣が認可をすれば実施できるというものでございます。この分についてはすでに一年以上前から一部やっているようでございます。それから、問題はその次のほうの部分でございますが、伝えられるものは、大部分次の部分の手順が必要なわけでございますが、どうも私どもが承知しておりますところでは、これは現在の保険業法でできるかどうかということが一つ問題だと思っております。生命保険でもないし損害保険でもない別の保険というものをやるということになりはしないか。そうなれば法律改正というものが要るわけでございます。しかし、これは大蔵省の所管の保険業法の改正になるわけでございます。それで両者を含めまして、先ほど来、大臣が申し上げましたような根本の精神に基づいて、大蔵省当局とそれから生命保険協会の責任者に対してそれぞれ話は伝えております。いろいろ新聞紙上でどうも不謹慎な報道が伝わって参りますので、話が違うじゃないかという警告はすでに今までもいたしておりますが、少なくとも生命保険協会の責任者が厚生省当局に誓約をしております限りにおきましては、中身はまだ研究段階で固まっていない。したがって、伝えられるように四月一日にでもなれば、すぐにでも実施されるように考えられている事実はない。いずれにしても研究段階なんで、話が固まったらそのときにそれぞれ関係筋に御相談を申し上げます、こういうことでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 あんまりこの問題は……、次の機会に触れましょう。そこでもう一つ聞いておきたいことは、国民健康保険制度調査委員会というのがありますが、これはどういうものなんでしょうか。

小山進次郎厚生省保険局長

○政府委員(小山進次郎君) 先生仰せのものは、ひょっとすると、市長会で設けておりまする研究会的なものでございましょうか。それならば市長会の中にそういうふうな委員会が設けられておりまして、各方面の人々が、いずれも学識経験者でございますが、そういう人々の意見を聞いていろいろと研究をしている、そういうような研究会的な調査会でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 これは小山さんもこの委員会に入っておられるわけですね。それで自治省から厚生省、大体、自治省と厚生省、政府の機関はそうですが、その他各地方自治体の諸君がたくさん、行政官が幹事として入っておられる。これが市長会の提案として出てきている。市長会のどうもあなたのおっしゃったような機構のようでございます。まあここにいろいろのことがずっと書いてあるわけです。こういうことはどうなんでしょうか。厚生省としては単なる研究機関として見ておられるのか、厚生省の指導によってこれができたのか、そこらあたりの区分を少し明確に聞いておきたいと思うのです。保険局長が入っておられる。幹事には保険局の保険課長、国民健康保険課長も入っておられる。それから保険局の調査課長も入っておられる。それから自治省では市町村税課長、それから官房参事官、交付税課長というふうに、皆さん行政のほんとに中心になる人が入っておられるわけですがね。どうもよく僕はわからぬのだが、政府の機構として出てくるならその中に各省が協力して入っていくというのだけれども、市長会の発議で委員会ができて保険局長が委員になる。課長諸君が幹事として具体的に参加される。それでどこで集約するかというと市長会にいくんだと思うのですけれども、われわれもたまたま資料をもらったわけなんです。これは研究されるということならとやかく言いませんけれども、こういう格好でいいのかどうかという、私にはよく割り切れないから聞いているわけですよ。こういうものはやはり政府の中で学識経験者を、いろいろの角度の人から政府がおやりになったら、国民健康保険制度調査会というならやっぱり保険者もあれば、学識経験者もあれば、被保険者もあり、一般の社会の人も入って、そして委員構成をして公平なものが作られる、そういうところに政府の局長とか課長が入って、大いにそこの経験を語られて問題を集約されるというのはいいんだけれども、市長会でしょう、市長会という任意団体がこういうものを作って、そこへ委員として局長が入り、課長が入ってものを作るということになると、国民の側からみるとどうなるか。この内容のとやかくを、私は今時間がありませんから議論しませんけれども、こういう機構の問題、これでいいのかどうかという疑問を持っているからちょっとお尋ねしている。

小山進次郎厚生省保険局長

○政府委員(小山進次郎君) 私、先ほどあいまいなお答えをいたしましたが、それでございますならば、まさしく先生おっしゃるとおりの者がそれぞれ名を連ねております。これはそれぞれの者がいわば学識経験者としてそういう研究会に入っておるわけでございます。従来といえども、たとえば医療問題等について医師会にそういう研究会が設けられた場合に、関係の者が入って一緒に学識経験者として討議をする、あるいは国保連合会にそういうものが設けられた場合に入るということは例があるわけでございます。で、この点はおっしゃるように、常に限界をわきまえておるわけでございますが、市長会、あるいは医師会、国保中央会、町村会といったようなかなり公の仕事を受け持っておる部分の多い団体については、従来ともこういうものはそういうやり方をしておるわけでございまして、私ども今のところ特にこれを差し控えにやならぬというふうには考えておらないわけであります。ただし、ここではあくまで名を連ねておる者どもは個人としてでございますから、これが役所のものでないことは、これは申すまでもないわけでございまして、役所の意見、あるいは考え方というものとはこれを全然関係ないもので、その点は非常に明瞭な線をおのおのが持っておるわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 いや、私はこれを特に問題にしようとは思っていませんけれども、しかし何じゃないですか、医師会や、歯科医師会や、市長会や、または国保連合会という工合にお作りになるなら、自由に研究機関をお作りになってもいいと私は思うのです。しかし、他の団体で一般の人と同じように、正規の委員として政府の局長や課長がここへ入っていくということが私はどうもよくわからぬところなんです。こういう委員会を作って研究される、政府の皆さんが経験やその他の行政上の説明をされたり、賛助員になってその委員会が有効になることはいいけれども、どうも正規の委員ということになれば、被保険者がそれじゃそれを作ったときにお入りになるという意見も出てくる。今までそういうものはありませんけれども、しかし、正規の局長やそういう人が入って権威のあるものだということしか外には伝えられません。そんなら政府で作る機関とは私はそごを来たしてくるという心配をするわけであります。このくらいでここはやめておきますけれども、私は少し注意をなさったほうがいいんじゃなかろうか、正規の委員ではなしに、賛助員とか、研究を助けるメンバーとして大いに参加されることはいいと思う。しかし正規の委員として入って、この結論だといって国民の前にいったら、受け取る側の国民はどうかということに私はなってくる。だから、これなかなかいい資料が出ているので、この内容について時間がないから私言いませんけれども、いま少し、国保の問題全般について資料なんか出ているから、われわれ資料を見るところはけっこうですけれども、意見がやはり出ているわけです。その意見というものは、それじゃ政府の機関のものとはどうなるのかということになる。だから、そこらは私はお考えになったほうがいいんではないかという気がいたしますから、ちょっと聞いたわけであります。この問題はきょうはこの程度でやめます。  そこで、もう一つは、大臣からちょっと聞いておきたいのです。それはどういうことかというと、私は先日も小山局長に少し申し上げたわけです。厚生省が御出席になられたという言い方が当たるか当たらないかしりませんけれども、先日も国民健康保険の問題が新聞に大きく出た、非常に大きく出ました。その内容を通じて見て、小山保険局長も、それから医務局長、保険庁の方々も、そういうふうな意思はなかったのだということで釈明がありましたけれども、大臣としては、やはりもう少し新聞に出すときには、スクープされたのかわかりませんけれども、新聞に出すときには、保険給付が高まったからすぐ保険料で取るのだという印象を国民に与えるようなことのないようにしてもらいたい。そうなると、私たちは国民の側から言えば、われわれから言えば、政府は三十億を支出する約束が今日では五億円しか支出されていないのであります。これは五カ年間で百五十億になります。まず国民にこれを返してもらいたいという話から始めなければなりませんし、二百九十億円の積立金が二十億円食いつぶされただけで、二百七十億という積立金があるわけであります。小山さんの話や保険庁の話を聞くと、そういうことになる。ところが外に出る、新聞に出る話は、ちょっと給付が赤字になったから千分の六十三の保険料値上げ、この検討が始まるという印象で新聞に出されることになると、第一番に聞かれるのはわれわれに聞かれるわけです。国民からまず窓口として、どういうことなんだということを聞かれると、まことにもってわれわれとして立場が、何ということを言うのだということで、まずそこのところで聞かれたとたんに、われわれはふんまんやるかたないといいますか、けしからんということになるわけです。だから、われわれは軽々に新聞なんかにはそういうことの発表のないように、もっとやはり物事はきちっと前段と後段とお考えになって新聞に発表していただかないと困るということを申し上げたい、大臣には。だから国保法の問題にも少しそういう面が出てきたりしております。国保法の問題は何としても年度末、われわれも上げようということで協力しておるわけですけれども、そういうことのないようにひとつしてもらいたい。もっとやはり行政というものは、大臣の責任で発表されるときには、あらゆるものを検討して、確信をもって、その上で新聞に発表するようにしてもらいたい、これだけをひとつ大臣に確約をしていただきたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 実は厚生関係の記事が最近非常に多いのであります。非常に藤田さんは御丁寧な言葉で私どもにお尋ねがありましたけれども、衆議院では実はこの問題でたいへん非難攻撃されたのでございます。仕事をせぬくせに新聞ばかりよけい出ておる。ところが、御承知のように、大体、厚生省の仕事は今までは社会面の記事が多かった。最近はやはり国民生活とのつながりが非常に密接なということでありましょうか、新聞記者の政治面の方々がまた非常に聞き耳を立てております。非常に関心を持っております。したがいまして、私は正当なる意味においての報道、あるいは正当な意味においての宣伝というものは、これは十分やらなければならぬと思いますが、ややもして間違えられた報道、あるいは何と申しますか、間違えられたほうにいくような報道をされたのでは非常に困ると思いまして、ただいまはこのジャーナリストに対しては非常に関心を持っておるのであります。事実非常に厚生行政の記事が政治面に特に最近は多いのでありまして、新聞でも私の写真が一番新聞に載る。仕事をしないくせにけしからんじゃないかというおしかりを受けるのでありますが、十分今後とも注意をいたしますが、これはジャーナリストをきらうという意味ではありませんで、正当なる報道、正当なる宣伝をさせるように十分注意をいたして参りたい、かように考えておる次第であります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 だから社会保障、社会問題がジャーナリズムの中に非常に取り上げられるようになってきたということは私はけっこうだと思います。その点は、だからなおさらそういう問題については政府発表は正確に実態をつかまえて、やはり慎重に大いにやってもらいたい。そうでないと、何か知らぬけれども、どうも実態を知らないで、われわれの側から見ると、次の国会や次の行政に対する攻撃をまず新聞でやっておいてから、立法府に行政府の厚生省が臨んでくるようなひがみ根性を持ってくる。私はそういうことをあまり言いたくないから遠慮して言っておるわけですが、実際問題として、だからそういうことのないようにひとつ注意をしていただきたいということを重ねて私は大臣にお願いをしておきます。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 小山さん、さっき藤田委員から、例の市長会の研究会ですか、その正式メンバーになっておる、これは私は速急におやめになるべきだ。どんどん出て、意見を求められた場合に、行政官庁としてはこういう事情がある、こういう意見がある、これはもう積極的にお出になって発言していい。ということは、市長会、議長会、知事会というのは、あなたたちが考えられるような医療費の問題、あるいは国保の問題で多くの場合に非常に反対的陳情を受ける部署です。それで市長会あるいは議長会、知事会のそういう調査研究会に政府の関係の役人——局長なり課長なりが正式メンバーの委員になっておるのはおかしいですよ。それで、あなた方考えておるのと反対の陳情を持ってくる。だから、私はそれはそれで、何か随意に意見を求められた場合には、それはもう賛成であろうと反対であろうと率直に政府の立場で説明されることは、これはもう大いにひとつやっていただきたい。政府の政策に反対の陳情や声明を出すのは市長会、議長会、知事会ですよ、国保の問題、医療費の問題で。その中のそういう研究の機関の正式のメンバーになるということはどうかと思うので、随時、毎回お出になって大いにけっこうだと思うが、何かそれはひとつ考慮される必要があると思いますがね。

丸茂重貞自由民主党

○丸茂重貞君 私も今の高野委員の御意見に賛成でして、先ほど小山局長の御答弁の中に、医師会のほうにも専門委員あるいは学識経験者で行っておるのだというお話がありましたが、私の知っておる範囲では、どうも寡聞にしてそういう実態を知らないのですが、これは私が忘れたのならやむを得ないですが、特に場合によると、医務局とか、薬務局とか、利害関係の密接な、対立関係のない局長さんならば場合によっては過去においてあったかもしれない。ところが今、高野さん御指摘のように、特に社会保険の関係でははっきりと厚生省は保険者代表という立場を持っておられる。最近は社会保険庁ができたから、形の上ではそうでないと言い張られれば言い張れるのですけれども、長い歴史では保険者代表という格好を持っておる。そうすると、時代を別にすると、支払う側と支払われる側ということに事実大分けにする、そのめどにするようなこういう立場からすると、保険局長さんという立場はよほど慎重に動かれぬと、御本人のお考えにならない意外な誤解や疑惑を招く心配もあるのじゃないか、こういう気がします。まさに私は今その点について高野先生が御指摘になったのだと思いますが、他の部局と違いまして、保険局については今後とも一そう慎重な御配慮をいただきたいと思います。そういうことからつまらない疑惑や何かができるということは、やはり国民の負託にこたえるゆえんじゃないというふうに感じます。これは関連して私のほうからもお願いしておく次第であります。

小山進次郎厚生省保険局長

○政府委員(小山進次郎君) 先ほど藤田先生から十分御理解のあるお話があって、この機会にこれをこれ以上言う気持はないのだというお話がございましたので、私申し上げなかったのでありますが、私の気持は、事の経緯を明らかにするということを重点に先ほどのことを申し上げたわけであります。ただ、現在の気持を言えば、そういう点についてやはり気になるというお考えもあり得るということであるならば、私はもともとそれほどありがたくないと思っておる気持もあるものだから、これを機会にという気持もあったのであります。ただ、先ほど来のお話をお聞きしますと、このことが非常に変わったような御判断でありますと、私はどうもその点はいささか納得しがたいものがあるわけであります。私どもと国保の関係というものは、これは非常に密接なものでございまして、国民健康保険というものを将来どうするかということについては、これは私どもあらゆる機会にいろいろな人々と意見をかわさなくちゃならぬわけでございますので、この点は、ちょうどほかの専門行政を担当するところが、これと協力しながらいろいろ研究を深めていくと、それと同様なことと思っております。しかし、この問題については私どもの現在の気持はそうでございますから、当然そういうふうに運ぶつもりでございます。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 他に御発言はございませんか。御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。  別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認めます。これより採決に入ります。  国民健康保険法等の一部を改正する法律案(閣法第八七号)全部を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 総員挙手であります。よって、国民健康保険法等の一部を改正する法律案(閣法第八七号)は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、議長に提出する報告書の作成等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は各派の皆さん方の御意見の一致に基づきまして、国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案を上程いたします。  案文を読み上げます。  一、政府は、今回の改正法律の地方   自治体における実施状況を勘案   し、必要ある場合にはさらに財政   調整交付金の増額をすること。  二、政府は、世帯主の七割給付の完   全実施を急ぐとともに、その家族   についても可及的すみやかに七割   給付を実施すること。  三、政府は、国民皆保険の実情にか   んがみ、無医地域解消のため、一   段と努力すること。  もう今、大臣との間に質疑をいたしまして、私が特段に説明することがありません。ただ、一の問題にいたしましても、二の問題にいたしましても、何としても早急に、一の問題は実情にかんがみて何とかこの正常な皆保険が実施されるように、二の問題につきましては、この七割給付というものが家族を含めて早急のうちに実現するように、また三の無医地区解消の問題も、これは大臣以下厚生省の努力によって国民の期待、われわれ社会労働委員会の期待に沿って、これが進展するように特段の御配慮をわずらわしたい、これが本日の附帯決議でございますので、厚生省といたしましても、この趣旨をどうぞ一日も早く実現していただきますようにお願いをするわけでございます。終わります。

鹿島俊雄自由民主党

○鹿島俊雄君 私はただいま藤田委員の提案になられました附帯決議案に対して、自由民主党を代表して賛意を表します。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) ただいま藤田委員から提出されました附帯決議案を議題といたします。  本附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 全会一致と認めます。よって、藤田委員提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  この際、本附帯決議について、厚生大臣の御所見をお述べ願います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 政府といたしましては、ただいまの附帯決議の趣旨を十分尊重いたしまして、全力を傾倒いたしましてこれが実現を期したいと、かように思っておる次第でございます。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 速記起こして。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時六分散会      —————・—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗