社会労働委員会 第12号
- 発言数
- 115 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/03/26
会議録
○委員長(加瀬完君) ただいまより社会労働委員会を開会いたします。 委員の異動についてお知らせいたします。 三月二十日、山高しげり君及び高橋進太郎君が委員を辞任せられ、その補欠として林塩君及び徳永正利君が選任せられました。 —————————————
○委員長(加瀬完君) 雇用促進事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の通告がございますので、これを許します。阿具根君。
○阿具根登君 局長さんでけっこうですが、この第三十五条を見てみますと、カッコの中で「銅鉱、鉛鉱その他」云々とありまして、「附属する選鉱、製錬」と、こういうことになっておるわけなんです。そうすると、山によっては、その山に付属した製錬所がありますけれども、また、ある山においては製錬そのものが独立しているわけなんです。そうすると、そういう独立したところは一体どうなるか。たとえば三井ですと、日比とか三池とかございますね。三菱は直島、秋田、大阪。同和は岡山。古河は大阪、こういう独立した製錬所も同じ合理化の波を受けているわけなんです。あるいは自由化の波を受けているわけなんです。こういう独立した製錬所はこの中に入るか入らないか、いかがです。
○政府委員(三治重信君) 山の鉱区あるいは租鉱区と一緒にある製錬所につきましては、実際問題としてなかなか離しにくいということで、この製錬所もこの対象に入れるようにしておりますが、そういう所とは全然離れた所に立地して製錬所が一つの近代工業として独立してあるような製錬所につきましては、この適用にはなりません。
○阿具根登君 それがおかしいのです。その答弁になるとちょっと困るのですね。たとえば三井金属にしましても、日比、三池というのは、これは独立しております。しかし、山は同じ山を持っているのであって、しかも、合理化というのは、同じような波をかぶっておる。経営者も同一である。こういうところを、これは三菱にしましても、先ほど申し上げましたように、秋田にしろ大阪にしろ直島にしろ、同じ同系列内の事業所なんですね。これが独立しておるからこの法律の適用を受けないということになってくると、同じ会社の一部はこの通用を受け、一部は受けない、こういう矛盾が出てきますね。これは一体どういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(三治重信君) これは石炭におきましても、たとえば鉱区以外の営業所とか、同じ会社の経常でも、営業所とか販売所、あるいは石炭鉱山で、たとえば実際にあるかどうかは別として、ほかの関連事業を持っておるという場合には、石炭の離職者対策として、同じ会社に雇われておるからといって、それを対象にするということはないわけであります。どうしても石炭鉱業におきましても金属鉱業におきましても、鉱区、租鉱区のそういう鉱山において従事しておる人、私たちのほうとしては、それでも、そういう鉱山や租鉱区、鉱区にある製錬所は、それを別にするということでなくて、むしろそういう鉱山に付属しておるというのを幅広く解釈して、そういう製錬所も入れるということで、私たちとしては、法律上は幅広くしておるという感じなんです。全然山と離れた、たとえば三井金属の鉱業所の竹原鉱業所というふうに、全然山から離れた、全然別個の立地条件の所にある製錬所なんかは、どうしてもこれは入れにくい。これは石炭におきましても、本社が東京にあるとか大阪にある、あるいは石炭に関連して事業を持っていても、石炭鉱山会社が持っていても、それは当然入らんわけですから、製錬所は、それじゃ同じような山がつぶれればこの製錬所がつぶれるかというと、先日通産省からの御説明がありましたように、この各金属の需要そのものはあるわけです。製錬所そのものは外国からも買鉱をして製錬をしているわけですから、今後とも、日本における非鉄金属の需要というものは、石炭みたいに需要が落ちるわけではなくて、需要はむしろ増加こそすれ、減るということはない。それで製錬関係においても、日本は、技術関係で立地条件がよければ、そこでどんどん会社としても製錬をする。現状は、国内で取れなくても、外国から入れられるということで、山に付属している製錬所は、その山とあるいは運命を共にすることがあるかもしれんということで、幅広く私どものほうは入れているつもりなんです。したがって、どうしても山と全然かけ離れたところの製錬所は、やはりこれは一つの別の事業所であるというふうに考えざるを得ないのではないかというふうに考えております。
○阿具根登君 それは幅広くじゃなくて、幅狭く解釈されているのじゃないですか。炭鉱の場合でも、東京の本店ということだけをとればそうなるかもしれません。しかし、たとえば三菱鉱山なら三菱鉱業所として、あるいは三菱鉱山としてやる場合は、これは入ると私は思っているのです。だから、この場合でも、それでは貿易の自由化になったからといって、独立した製錬所は合理化は受けないのだ、ここはますます人手が要るのだ、こういう解釈なら、また私は成り立つと思うのです。しかし、当然これは合理化のあらしを受けて首切りが出ているわけだ、失業者が出てくるわけだ。そうすると、何も企業の中の一部はよくて、一部は合理化だということじゃないのです。企業は一体として考えるわけです。そうすると同じ被害を受けることになるわけなんです。だから、当然これは含めなければいかんと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(三治重信君) まあ私の説明がまだ足らんと思いますが、石炭におきましても非鉄におきましても、特別立法をして、特別の援護業務をやるといいますのは、地下産業である、人里離れた所である。非常に長年のそういう鉱山労働という特殊の作業に従事しているために、その離職者が再就職するのに、一般の産業の従事者よりか著しく不利な条件にあるから、それを援護しようということであるわけです。そうしますと、工場地帯にある製錬所の従業員とすれば、そういうやはり一般の作業の工場、事業場の従業者と、全然鉱山、鉱区から離れている製錬所の従事者は変わらないんじゃないか。地下産業であるということや、人里離れた所で長年作業に従事しているということからの範疇には入れにくいのではないだろうかということになるわけです。そうして、その会社に、石炭会社なりあるいは鉱山会社に勤めているから、それは鉱山なり何なりに整理があれば、今度はまた石炭に帰ってきて、若松にある営業所の従業員になるというようなことでして、この金属鉱山の山が、自由化によって採算が合わないところが——製錬所はあるいは合理化によって収益性が上がるかわかりませんけれども、それは都会地においても若干のその影響がある場合もあるわけです。そういうふうなことで、ここはどこかでやはり線を引かざるを得ない。したがって、われわれのほうとしては、製錬所は、製錬所全部をはずしているわけではありません。山に付属してあるようなものにつきましては、製錬所もその鉱山離職者として使う。しかし、全然離れた所の一般の鉱業従業者と変わらないような製錬所については、これはやむを得ないということです。
○阿具根登君 そういうふうに分離されるからそうなるので、たとえば人事交流なんかでも、これはしょっちゅうやるんですよ、同じ系列にあるから。人事交流もしょっちゅうやっておるんだから、これを別々に切り離すということは非常に困難だと僕は思うのですがね。
○国務大臣(大橋武夫君) 人事交流もあると思います。そこで、離職するときに、鉱山から離職されれば適当にお考えをいただきたい。
○阿具根登君 大臣、非常に含みのある御答弁でしたが、法律の解釈上、ここでこれ以上質問しないで、やはり運用上そういう点は十分含んでおやり下さるものと、こういうように解釈いたしたいと思います。大臣の含みのある御答弁は、相当お考え下さっておるものと思いますので、そういう事態が起こりましたときには、また御相談申し上げることにしまして、次に進みますが、次は、職種の問題ですね。職種を十四職種に限られておるわけですね。そうすると、これ以外の職種のものはこの対象にならない。その点がどうも私には了解できないのですが、どういう理由で十四職種以外のは対象にならないか、この点ひとつ。
○政府委員(三治重信君) 鉱物の種数は、この非鉄につきましては非常にたくさんあるわけでございまして、したがって、その具体的な指定を政令にゆだねておるわけで、その政令では、私たちは、先生御指摘のように、大体十四鉱物の種類を予定しておりますが、これにつきましては通産省とも連絡いたしまして、貿易の自由化の対象になっている鉱物、あるいは非常に合理化が進んで、たとえば硫黄なんかはそうでございますが、そういうふうに、合理化によって、そういう貿易自由化によっての鉱物と同じように相当の離職者が出ると予想され、また、現に出ている鉱物の種類に今のところ限っているわけですが、これは政令指定でございますので、今後とも、他のこの鉱物の種類の山で、そういうふうなこれと同じようなケースが出る場合には、通産省ともよく連絡し、業界、組合とも情報もよく聞きまして、これを同じような十四の鉱物の種類の山と同じような状況が出ることが予想され、また、現に出るようになれば、それを追加指定することによって私たちは十分配慮していきたいと思います。
○阿具根登君 それでは、そういう事態の生じた場合は、政令その他から十分に考慮していく、こういうことだと思いますので、そういうことがあった場合には、それを適用されるように、特にお願いしておきます。 それから、住宅の問題ですが、現在まで相当の失業者が出ておりますが、金属関係で住宅にどういうようなお考えを持っておられるか、現在、炭鉱は、御承知のように、建てられた住宅の半数くらいは炭鉱が入っておると思うのですが、今後どういうふうに考えておられるか。たとえば大土森の中で相当出ておりますが、そういう就職状況、住宅の状況等はどうですか。
○政府委員(三治重信君) 三十八年度で予算上対象にしておりますのは九百四十戸でございます。このほかに炭鉱離職者と同じような、何と申しますか、鉄筋アパートの店舎のほうは一般用として、石炭以外に、三十八年度で千七百戸同じように建てるようにしております。これは特別の住宅確保の奨励金の支給対象の九百四十戸、一般対象の千七百戸の中でこの住宅対策を考えております。
○阿具根登君 そうすると、三十八年度でどのくらい失業者が出るという見通しですか。
○政府委員(三治重信君) 現在のところ、四千ないし五千人でございます。
○阿具根登君 そうしますと、鉱山の場合は、御承知のように、へんぴな山里にあるのですね。そうすると、そこに残って仕事をするということはきわめて困難なんですね。そうして一部の人は、一部というよりも、それ以上かもしれませんけれども、少しばかりの田畑を持っている、そうして生活のかての一部にしている、主体は鉱山にある。だから残っておっても食えないわけです。そうすると、そういう人たちは非常な未練があるわけです。先祖代々の土地である。だからといって、それじゃ食えない。そうすると、やはり就職というものについて考えていただかねば、困難が炭鉱以上に出てくるところがあるのじゃないかと思うのです。そこで、大土森等も調べてみますと、一応就職は会社があっせんしたけれども、続々とまた帰って来ておる、こういう状態にあるわけです。だから、就職された者をどういう心がまえであっせんされておるのか、その五千名から出る人のうち、一千七百名ということなんですが、まるまる五千人だから五千戸作れというわけにもいかんでしょうけれども、特殊な事情にございますので、どういう職業訓練をやり、どういう補導をしたい。たとえば陳情等も聞いてみますと、はるばる出て行って職業訓練を受けるということは非常に困難だ。集団でおるのだから、ひとつ集団のところに補導に来てくれないかというような要望もあるわけなんです。だから、非常に職業に対して魅力を持たせねばならない、意欲を持たせなければならない、こういう点があると思うのです。そういう点をどういうふうにお考えになっておるか、計画がどういうふうになっておるか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(三治重信君) 職業訓練の関係につきましては、今の予定では転職訓練の職種十職種を予定しております。なお、現地にそれぞれ——今、先生が言われたように、非常に全国に分布しておりますので、石炭のように統一性が保たれていない。各山や、その状況によって、離職者の生活状態なんかも相当違っております。したがって、私たちのほうは、統一的、規格的な指導はやりませんで、各県で非常にその実情に合うような計画を本省に持ってこさせまして、それぞれその地元に合うような訓練計画、あるいは再就職計画をやっております。したがって、一律的には、非鉄金属の離職者については、石炭のようにはやらないつもりでおります。また、そのほうが各現地とも、先日も御説明したように、最大なのは岩手の松尾鉱業が約千人、これも会社並びに安定所に就職依頼者が約千名——八百五十名になるわけですが、これが最高のわけです。そのほかの県におきましては、二、三の山を合算しても、多いところで、五六百人、小さいところだと大体二百名程度、それが三十三県かに分布されておるわけです。その各県の事情に合うように、県が主体となって、事業主、関係組合と連絡をとり、できるだけ当該県の中で再就職を確保するように、しかしながら、県の中でできない場合には、石炭と同じように、広域紹介によっていく。これが県内で非常に再就職がうまくいくところと、それから、東京近辺に出て来ないと就職口がないということになるわけですが、そういうふうに各地によって違って、それぞれ現地に合う就職計画を作り、それによってスムーズに再就職していくというふうにしていきたいと考えております。
○阿具根登君 そこで、これは炭鉱の場合も金属の場合も一緒ですが、も御承知のように、大体半数は会社が自己紹介せい、会社が就職あっせんせい、こういう基本線で進んでおられるから、会社としても、なるべく数をふやして会社が就職をあっせんした姿にしたい、こういうことでやっているのです。ところが、この前たまたま座間に行ったときも、局長も私も相当質問を受けたのですが、あっせんをしてくれたから、わざわざ北海道の片いなかから東京まで上って来たところが、その会社は日ならずしてつぶれた。ところが、会社はその次はあっせんしてくれない。家は片づけて東京に来た、会社はつぶれた、一体どうしてくれるのだ。一年以内は世話するということは言っているけれども、非常な精神的打撃を受けておるわけです。そういうおざなりの就職あっせんを会社はやるおそれが非常にあるわけです。全部が全部じゃないでしょうけれども、これは安心して行けるということでなくて、おまえここにおればどうせつぶれるのだから、どうせここで失業するよりも、この仕事はどうだいということで、おぼれる人はわらをもつかむような気持で国を立ってくる。まだ、四囲の生活にもなれておらない、子供も学校で土地のなまりも抜けない、そのときに親は失業しておる、こういう状態が出てきて、非常な心配をしておるのです。こういう点については何か特別なお考えを持っておられますか。
○政府委員(三治重信君) せっかく需要地に来られて再就職する。その会社の都合が大部分ですが、そういうことによって再離職せざるを得ない。そういう方たちに対する問題は、石炭調査団のときにも、非常に強く、そこでわれわれはそういう意味におきまして、今後も就職指導官で、個人別に最後までめんどうをみる。今までの紹介官というものは、名就職者の一枚のカードによって処理されてきた。ところが、今度の石炭におきましても金属におきましても、就職指導官がそういう人たちを個人別にやり、それは二年、三年ということになりますと、百五十人、二百人その本人が、結果として離職すれば持つことになるわけです。そうすれば、家族の事情、個人的な話が就職指導官を通じてできるように私たちはしていきたいということで就職指導官をお願いしておるし、それから、現地の職業安定所におきまして、これは需要地、供給地とも、そういう特別の、何と申しますか、個人的つながりを持つ指導官でそういう問題を一つは解決していきたいというふうに考えております。それから、やはりそういう方たちは、実際の数は私たちはそう多くはないと思います。したがって、そういう方たちをめんどうみるのに、現在の安定所の機能でそれができないはずはないと思いますし、今までのところ、そういう問題について、とかく安定所自身のほうも、それほどやはり何と申しますか、会社と同じように量を扱って、あとのアフター・ケアに業務を相当さくということについて怠っていたのではないかと思いますが、こういう問題につきましては、そのアフター・ケアまで注意をするように今後とも指導していきたいというふうに考えております。
○阿具根登君 金属の場合は、何万人とまとまって一つの地域から出るということが非常に少ないのですけれども、炭鉱の場合に協力員制度を今度作られたのですが、金属の場合はそういう考えはございませんか。
○政府委員(三治重信君) 協力員制度につきましては、一般の協力員制度、これは無給に近い協力員制度ですが、そちらのほうで、現在も、たとえば日本鉱業さんとかそのほかのところで二、三協力員を任命して実際上はやっております。まあ石炭と同じように、非常に有給な協力員の体制は現在のところとらぬでも、非常に各県の受け持ちの委嘱者数が一県当たりにすると少ないわけですから、これは安定所の職員で、十分協力員の分もかねてやれるのではないかというふうに考えております。
○阿具根登君 たとえば鉱山のほうに千人も一ぺんに出たとかいう、そういうような場合でも安定所の職員だけでやっていく、こういう考え方ですか。
○政府委員(三治重信君) そういう場合には、協力員を現在も任命しておりますし、そういう特別に多い集団的な場合には協力員をお願いしてやっております。ただ、今度やります石炭のようないわゆる反対給付が十分にいかない、それは今後石炭にもそれだけやりますから、何か別の形で何とかめんどうをみないかというふうになりますれば、まあその均衡も考えて、できるだけの処置はとらなくちゃならぬのではないかというふうに思いますが、いずれにしても、協力員制度を必要とする場合におきましては、一般の協力員でございますので、その部面でやっていく、現にやっておりますし、将来も必要とあればやっていきたいと思います。
○阿具根登君 石炭の場合も、一人で何千名も受け持って協力ということはできないわけですね。限界があるわけなんですね。そうするなら、一応そういう限界のもとで一つの鉱山で百人も百五十人も出た、そういう場合は協力員を任命するということは、その協力員に対しては、石炭の場合のように、やはり政府がそれは生活をみてやらなければ、ほんとうに親身になって世話ができないわけなんですね。だから、石炭の場合何万人と出たから、まあ百数十名の協力員を作った、金属の場合はばらばらだからこれは作れない、まあこういうことなんですけれども、まとまれば五千人からの失業者が出るということは局長言われたとおりなんです。そうするなら、やはりこれは何百名か、あるいは何十名かになった場合には、それについては協力員を置くのだというぐらいの心がまえがなければ、私はほんとうの就職の世話はできないのではなかろうか。さっき申し上げましたように、会社は一ぺんやったら、二度目はあまりめんどうをみてくれません。これは何としても、半数のうちの大部分は傍系会社のほうにつくかもしれない。しかし、一部の人はおそらく貧弱なところに押し込められていると思う。そういう人たちは二度と会社に、ここは好かぬからもう一回世話してくれと言えない、そう言える制度を作ってもらっておかなければならない。これはやはりそうなってくると、頼むのは労働省です。だから、労働省の出先機関でもちろんやってもらっておるけれども、自分たちの仲間からそういう人を一人でも任命をしてもらうということになれば、非常に心強い相談相手になれる、また、職安局のほうも非常に相談に乗れるんじゃないか、こういうように思うので、ひとつそういう線で進んでもらいたいと思います。 それから、これはこの前、局長にも御質問を申し上げましたから、簡単でけっこうですが、大臣にお答え願いたいと思います。これは二年間になっておるわけですが、この前も申し上げましたように、二年の間に完全に就職を世話していただけばそれでけっこうです。おそらくそういう考え方でやっておられると思うのですが、しかし、二年間で全員就職ができるとは私は思わないわけです。やはり非常に気の毒な方が出てくる、こう思いますので、それに対する考え方と、それから、この前も問題になりましたから、これはくどく申し上げませんが、就職手当が一方にあって、一方においては就職手当がない、いい意味では、いや失業保険の切れるまでには世話しますということになれば私はけっこうだと思う。しかし、失業保険が切れても仕事はなかった、一方は、炭鉱の人は促進手当をもらっている、こちらはない、これでは少し片手落ちじゃないか。量が少ないならば少ないほど、その少ない人は一番気の毒な人です。そうしたならば、経費としてもわずかなものであるから、同じようにみてやるべきである、こういう考え方ですが、大臣いかがですか。
○国務大臣(大橋武夫君) まず二年間ということでございますが、これは二年間といたしましたのは、仰せのとおり、失業者を早く就職させていただく、就職していただくように努力することが必要である、こう考えまして、一応二年間をめどに片づけるというつもりでかかったわけでございます。したがいまして、これは二年後においてどうするかという問題は、その際に検討を必要とするのではないかと存じます。 次に、促進手当の問題でございますが、促進手当につきましては、御承知のとおり、昨年の石炭調査団の答申されました石炭離職者対策に初めて促進手当というものを示唆されたわけでございまして、労働省といたしましても、今までの失業対策といたしましては、これは思い切った前進というつもりでこれを採用いたしたわけなのであります。しかし、何分わが国といたしましては初めての試みでございまして、失業保険以外に離職中の者に手当を出すという制度はこれが初めてでございますので、まず、できるだけ範囲を限定して、そうしてこれを慎重に実施していく、この結果によりましては、あるいは将来失業者に対する対策について、労働省としても考え直さなければならないような時期があるかもしれませんが、いずれにしましても、最初の試みでございますので、範囲を限定して、そして慎重に行ないたいという意味で、石炭離職者にまず採用いたしたのであります。その後になりまして、一般失業者のお世話をいたしまする失対の改正に際しまして、やはり職業訓練と並びまして、促進手当というものを取り入れたわけでございますが、今回の鉱山離職者につきましては、そこまでやることもいかがであろうかという考えで、これを取り入れることを避けた次第でございます。しかし、まあ今後の状況によりまして、将来の問題としてはあるいは考えなければならんかもしれませんが、さしあたりは二年間にぜひ就職させるというつもりで就職をさせる、場合によっては、必要がありまするならば、この一般失対事業として行なわれまする手当の制度もございまするので、これらを適当に運用して、できるだけ全員を早く就職させるようにしたい、こういう考えでございます。
○阿具根登君 二年間の期間の問題は、これはそのときになって再度考えようと言われておりますので、今一応それを了解するといたしましても、促進手当の問題は、考え方が大臣違うんです。これは確かに調査団が促進手当ということは出しましたけれども、労働省が非常に頭を使いまして、これは一般失対あるいは緊就と書いたものですね。緊就で使っても一般失対で使っても四百五十円、頭打ちの促進手当を出しても、国が出す金額は同じことだということはこの前言われたとおりなんです。そうすると、考え方は、失対事業で仕事をさせれば、それまた就職になってしまう。そうして、それから抜け出しきらない。だから、仕事をさせて同じ金額を国が出すのが一番いいけれども、それじゃそのもの自体が就職になって永久にこれは続く。だから、それよりも、仕事をしないで四百五十円やっておれば、仕事がないのだから、これは短期間にどうしても就職せねばいけないのだ、こういうように考え方が変わってきたわけなんですね。だから、一般失対も緊就も特失も、全然数はふえておらない、かえって減っているわけです。そうすると、この金属からはみ出された人が一番かわいそうになってくるわけですね。そうですね。一般失対で行くところもない。促進手当ももらえない。極端に言えば、促進手当をもらっておれば、たとえば三年間なら三年間は仕事をせぬという気持になりはせぬだろうか。極端に言えば、やっておかなければすぐ仕事に何でもつくじゃないか、先ほどの理論を飛躍させるとそういうことになるわけです。こういうひどいことを金属鉱山の失業者にだけせぬでもいいじゃないか。私の考え方は、これは一般失対にも行きませんよ、満員ですから、満ぱいですから。そうすると、この人たちは一般失対にも行けない、そうかといって促進手当ももらえない、仕事もない。とするならば、まことにみじめなのがこの人たち。だから、そういう考え方からいくなら、当然促進手当を上げておいて、そうしてその間に、これは三年間はやらなくてもいいんです。仕事があれば、失業保険の切れる前に仕事をさせたほうがいいんですから、これも微々たる金額だと私も思うんですがね。どうしてこれが石炭と一緒にやれなかったのか、こう思うわけなんです。
○政府委員(三治重信君) そういうふうに言われますと、私のほうも非常につらいわけなんですけれども、石炭の方面は、まあ国の対策ということで、特別な対策をとられたわけなんですが、この非鉄の方面におきましては、やはり政府の全体の考え方として、非鉄金属そのものの需要は今後ともあるし、この産業そのものも、将来探鉱によって、あるいは国の資源として開発をできる可能性もある。むしろ国の主たる政策は、今とりあえず、貿易自由化によって、現在の山はどうしても合理化せざるを得ないけれども、しかし、さらに探鉱により、あるいはそういう新しい鉱脈ができれば、十分需要はあるのだから、新開発もできる。この産業そのものが衰微することは客観的に考えられない、需要はどんどんふえるというふうな考え方もあるわけでございまして、そういうときでありますので、ここでやはり貿易の自由化ということになりますと、ほかの産業一般も、今度は共通的に、あるいは競争力が弱い産業につきましても、貿易自由化によって、あるいは離職者が出るかどうかも考えなければならない。そういうふうになりますと、労働省としても、そういう国の政策、あるいは経済の変動による一般的な離職対策として失対法を改善して、そうして今、先生が言われたように、従来の失業者に対しては再就職をさせるけれども、それができない場合にはすぐ失対事業というふうな考え方を改め、その失対事業に行く前に、ひとつ訓練あるいは手当制度を考えるということで、石炭ほどは長くはございませんけれども、訓練の場合の訓練手当と並行して、訓練所に入られない方でも、失対事業に入る前に、やはり就職指導課程というものを設けて、就職指導課程を受けられる方には就職指導手当を出すというふうに考えております。それが今提案されておるわけですが、この非鉄につきまして、先生の今おっしゃるように、失業保険が切れてもなお再就職の道がない人が若干残る場合におきましては、この失対法による職安法並びに失対法の改正によって、就職指導手当あるいは訓練手当の制度で重点的にやって解消していきたいというふうに考えております。
○阿具根登君 局長の気持はわかるのですが、しかし、精神的な問題なんです、これは。二年間で訓練を受けて、訓練を受けておる間は訓練の手当を出して、そうして仕事を覚えさせて就職させるのだ、これは確かにいいことだと思うのです。しかし、その仕事がなかった場合、この人たちは行く先がないのです。なかった場合は一般失対にも行けない。これは欠員が出れば入れるでしょう。しかし、今のところ一般失対に行ける見通しはないのです。そうすると、この人たちは今度はどこに就職するか、生活保護しかないのです。一般失対に行けない、就職ができない、促進手当もない。そうすると、非常に訓練期間中に私はもう精神的な打撃は大きいんじゃないかと思うのです。同じ山の生活をして、石炭と金属で、おれは早く仕事につかなければ、失業保険が切れたらもう何もないぞという気持の人、悪く言えば、そういう気持があるから早く就職ができるのだというふうにとれるかもしれませんけれども、私はそうではないと思うのです、実際問題として。職業の名前をあげると非常に語弊がありますけれども、お医者さんの子は、やあやあ言っておるけれども、お医者さんは自分の子供をお医者さんにしたい。俳優の子供は、やはりやあやあ言っておるけれども、自分の子供を俳優にしたい、鉱山とか石炭とか、私らの親の時代には、自分のむすこはやはり炭鉱だということで継いできたんですけれども、もう今の炭坑夫や鉱山の労働者は、自分の子供を金属の坑内とか炭鉱の坑内に入れようと思う者はもうおりません。もう魅力がない。だから、そういう人たちに対しては、まあたくさんの金がかかるわけじゃないのだから、私はもっとめんどうをみてやっても、めんどうをみ過ぎるということはないと思う。もし何なら、一ぺんそれは金属でも炭鉱でもいいですから、ひとつ坑内で働いて下さい、そうしたらどういう考え方をするか。そういうみじめな思いをしておって、失業して行く先がない。これなら手厚くし過ぎるということはない。そのくらいみてやっても私はいいと思うのです。これは通産大臣がおられるから、議論のやり場がないけれども、通産大臣は、資本主義の国だから、あなたのおっしゃるようには国有か国営でなければできんじゃないかと言ったけれども、社会主義の国だけが国有をやっているわけじゃないのです、御承知のように、炭鉱とか鉱山というものは。だから、私は、もう少しあたたかくやってもらいたい。せめて炭鉱と同じようにしてもらいたい、同じような環境にあり、同じような失業をしていくならば。なぜ炭鉱と金属と差別してもらったのか。それもわずかな金額です。五千人出るうち、千七百名準備して下さるとおっしゃる、そうして、仕事も二年のうちに必ずさせますよと、それだけの意気込みがあるならば、残ってくる人はわずかです。そのわずかな人を生活保護を受けるようなところに追い込ましている。私は、なぜもう一息がんばっていただかなかったのだろうかと、非常に残念に思うわけです。しかし、もうこれ以上は、御承知のことですから、私は申し上げませんが、せめて失業保険が切れて、訓練を終えたけれども仕事がないという人に対しては、もう一回ひとつ考えを改めていただきたい、こういうことを強くお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
○政府委員(三治重信君) 今御説明したこと、ちょっと不十分だったかと思いますが、今度の職安法、失対法の改正で、訓練だけでなくて、促進手当に準ずるような就職指導手当の制度を設けておりますので、その訓練所に入られる、また入られたあと数カ月再就職までにかかる方については、非鉄の離職対策にもこの職安法、失対法の改正による就職指導手当制度を重点的に適用していきたい、これがまた今後とも、貿易自由化、あるいは産業構造の変化による離職者対策として、失業保険のあとへ就職指導手当制度を入れて、それでなおもどうしても就職できない方に事業というふうな段階を設けるように、訓練と並行して就職指導手当制度を設けておりますので、非鉄の方等につきましては、これを就職指導手当制度を重点的にまず適用していきたいというふうに考えておりますので、全然失業保険が切れたから生活保護ということでなく、もう少し今度新しいクッションを……。
○阿具根登君 なぜそんな差をつけなければいかんかということです。
○政府委員(三治重信君) この点は、一般と石炭という特別なのとの関係になりますので、金額の問題につきましては、今後ともやはり経済の進歩に伴って逐次改善をしていきたいというように、とりあえず三十八年度につきましては相当差がありますけれども、やはりこれは制度の初めでありますから、今後とも実額については、一度制度ができれば、今後改善の余地は十分あるというふうにお答えしていいのではないかと思います。その運用を今後ともひとつ御指導順いたいというふうに思っております。
○委員長(加瀬完君) ほかに御発言ございませんか。御発言もないようでありますので、質疑はこれにて尽きたものと認めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないものと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。雇用促進事業団法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加瀬完君) 総員挙手、全会一致でございます。よって、雇用促進事業団法の一部を改正する法律案は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、議長に提出する報告書の作成等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(加瀬完君) 速記を起こして。 午後は一時半より再開いたすこととし、暫時休憩いたします。 午前十一時二十九分休憩 —————・————— 午後一時四十四分開会
○委員長(加瀬完君) ただいまより社会労働委員会を再開いたします。 薬事法の一部を改正する法律案を議題といたします。まず、提案者から説明を求めます。参議院議員高野一夫君。
○高野一夫君 ただいま議題となりました薬事法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を説明申し上げます。 医薬品の調剤または供給の業務が、国民の疾病治療ないしはその予防を目的として、国民保健の上にきわめて重要なる使命を持つものであることは申すまでもありません。したがって、医薬品は他の一般商品と異なり、生命の保持という特別の重要使命を持った特殊性を持つものと考えます。そのような特殊性を持つ医薬品であり、国民保健に関する責務を果たすべき特殊の業務でありますために、薬事法または薬剤師法、その他医薬品、薬業に関する一連の法律によって規制が加えられ、それらの規制を受けながら義務を果たさなければならぬ次第と相成っておりますことは、各位のすでに御承知のとおりであります。 しかるところ、医薬品の調剤及び供給の業務に携わっている薬局、薬種商及び一般販売業のごときは、現在都市に集中し、繁華街に偏在乱設される反面、これらの施設のない地域では住民に不便を与え、偏在の地域にあっては必然過当競争の激化となり、いわゆる乱売が行なわれ、その結果は経営の不安定を招来して、あるいは施設に欠陥を生じ、あるいは医薬品供給の適正を阻害する結果となり、そして今後とも、かかる事態はますます激しくなる傾向にあります。このことは、偏在乱設に大いなる原因があるばかりでなく、医薬品販売の特殊の使命感を持たずに、単なる営利事業として経営に当たる大企業体が実現することにも原因があると考えます。 現行の薬事法をもってしては、偏在乱設を防止する道もなく、一定の基準に適合すれば開設を許可するよりほかない状態にあるのであります。現行薬事法制定にあたって、国会は、新規開設の際には適正配置を考慮して許可、不許可をきめるよう要請しており、厚生省も極力その指導を行なっているのであります。その結果、主要なる都道府県においては適正配置の内規を定めて、それをもって行政措置に役立てようとしております。しかし、これはあくまでも内規にすぎず、法律に基づく条例ではないために、十分の目的を達し得ない現状にあります。 これらの欠陥を是正して、乱設偏在を防ぎ、各自が適正なる医薬品の供給や調剤を行なうことができるようにいたしまして、国民の医療と保健に奉仕せしむべきであります。そしてこのことがあわせて無薬局地区や無薬店地区の解消にも資する一助ともなり得れば、国民皆保険医療に協力せしめるゆえんともなろうかと考えます。よって本改正案を提出いたした次第であります。 次に、その内容について概略の説明を申し上げたいと存じます。 第一に、薬剤師でない者が薬局を開設する場合には、管理薬剤師を置くことになっておりますが、特に大企業においては、事業量が多い場合に、一人の薬剤師のみでは適正なる管理をなし得ない実情にありますので、本改正によって、かかる場合には薬剤師の員数を、現在のごとく一人に限るのでなく、必要に応じて、その員数を増加せしめるよう、省令をもって定めたいのであります。 第二には、薬局、一般販売業及び薬種商について、配置の適正を期するため、基準を都道府県の条例で定めて、開設許可の要件とすること、その基準に基づく許可、不許可の判定には、地方薬事審議会の意見を聞くこととしてあるのであります。 そしてその配置の基準は、薬局、一般販売業及び薬種商が、安定した経営を保持して、住民に対し適正な調剤の確保と、医薬品の適正な供給をはかることができるように、人口、交通事情、その他調剤及び医薬品需給に影響を与える各般の事情を考慮して、都道府県の条例で定めることにいたしております。 ただし、卸売業のみを行なう一般販売業または薬種商については、この配置の基準を適用しないことといたしたいのであります。 第三には、本改正案は、公布の日から施行することといたしますが、ただし、管理薬剤師の員数に関する規定は、公布の日から起算して六カ月をこえない範囲内において政令で実施期日を定めることにしてあります。 以上、この改正法律案の提案理由及び内容の説明を申し上げましたが、何とぞ御審議の上、御賛同賜りますよう、切にお願い申し上げます。
○委員長(加瀬完君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(加瀬完君) 速記を起こして。 —————————————
○委員長(加瀬完君) 次に、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法案を一括して議題といたします。 まず、提案理由の説明を求めます。渡海政務次官。
○政府委員(渡海元三郎君) ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 戦傷病者、戦没者遺族等に対しましては、戦傷病者戦没者遺族等援護法、未帰還者留守家族等援護法及び未帰還者に関する特別措置法によりまして各般の援護措置が講ぜられてきたところでありますが、今も、なおこれらの援護施策に不均衡、不十分な点もあるやに考えられましたので、種々検討を重ねました結果、今般これらの援護措置の改善をはかることといたしまして、この法律案を提案することといたした次第であります。 次に、この法律案の概要について御説明いたします。 まず、第一は、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正であります。 その改正の第一点は、徴用工、勅員学徒等の準軍属に関する処遇の改善についてであります。すなわち、準軍属の父母に対する遺族給与金の支給要件を、軍人軍属の父母に対する遺族年金の支給要件と同様にするよう緩和し、次に、現在五年間を限り支給することとされている遺族給与金の支給期間の制限を撤廃して年金化するとともに、準軍属の障害年金、遺族給与金等の支給事由にかかる戦時災害の要件を撤廃して、軍人、軍属の場合と同様にいたしまして、これらの措置により、準軍属の処遇が、軍人、軍属の場合に比し、著しく均衡を欠いておりましたのを是正することといたしました。 改正の第二点は、軍の指揮監督のもとにあって、一実上軍と同様の勤務にもっぱら従事していた期間に受傷または死亡した南満洲鉄道株式会社の職員等を軍属とし、障害年金、遺族年金を支給することとしたことであります。 改正の第三点は、内地等に勤務していた元の陸海軍の有給軍属のうち、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法による年金を受けられないものについて、これを本法の対象に加え、障害年金または遺族給与金を支給することとしたことであります。 改正の第四点は、勤務に関連する傷病により、昭和十六年十二月八日以後死亡した軍人、軍属の遺族に支給される特別弔慰金については、死亡した者の死亡が在職中である場合または死亡が一般疾病によるときは退職後一年、結核、精神病によるときは退職後三年以内の場合に限られておりますが、この年限をそれぞれ二年または六年以内に延長することとしたことであります。 なお、これに関連いたしまして、別途本国会に提案されております恩給法等の一部を改正する法律案により、旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律が改正され、同法による特例遺族年金の支給要件も、右の特別弔慰金の支給要件の場合と同じく緩和することとなっております。 次に、第二は、未帰還者留守家族等援護法の一部改正であります。現在引き続き一年以上入院して同法による療養の給付を受けている患者で増加恩給等の支給を受けられない者に対し、療養手当として月額二千円を支給することといたしました。 第三は、未帰還者に関する特別措置法の一部改正であります。外地において今次戦争に起因して消息不明となった一般邦人のうち、現在同法の対象とされていないものを新たに法の対象に加え、厚生大臣が戦時死亡宣告の申し立てを行なうことができることといたしました。 右のほか、所要の条文の整理を行なうことといたしました。 以上がこの法律案を提出いたしました理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことを御願い申し上げます。 ————————————— 次に、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法案の提案理由を御説明させていただきます。 ただいま議題となりました戦没者等の妻に対する特別給付金支給法案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 過ぐる大戦において、戦闘その他公務により死没された軍人、軍属、準軍属等の戦没者等の遺族の方々に対し、政府といたしましては、恩給法、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の施行により、公務扶助料、遺族年金等を支給するなど、これまででき得る限りの措置を講じてきたところであります。 しかしながら、これらの遺族の方々のうちでも、戦没者等の妻であった方々につきましては、一心同体ともいうべき夫を失ったという大きな心の痛手を受けつつ今日に至ったという特別の事情があると考えられます。したがいまして、この際、このような戦没者等の妻の精神的痛苦に対しまして、国としても、何らかの形において慰藉することが必要であるものと考え、これらの方々に特別給付金を支給することといたしますため、ここにこの法案を提案することといたした次第であります。 次に、この法案の概要について御説明いたします。 まず、第一に、昭和十二年七月七日に勃発した日華事変以後に公務上負傷し、または疾病にかかり、これにより死亡した者の妻であったことにより、本年四月一日において、旧軍人、旧準軍人または旧軍属にかかる公務扶助料、特例扶助料、戦傷病者戦没者遺族等援護法による遺族年金、特例遺族年金または遺族給与金、元の陸軍または海軍の雇用人等にかかる旧令共済殉職年金等を受ける権利を有する妻に二十万円の特別給付金を支給することといたしたことであります。 第二に、この特別給付金は、十年以内に償還すべき記名国債をもって交付するとともに、 この国債は無利子とし、昭和三十八年五月一日をもって発行することにいたしました。 なお、国債の償還金の支払については省令をもって規定いたすこととなりますが、本年十月三十一日に第一回として一万円を、その後、一回に一万円ずつ毎年二回、最終回は昭和四十八年四月三十日に一万円を支払うことといたしております。 第三に、特別給付金を受ける権利は、譲渡を禁止しておりますが、相続についてはこれを無条件に認めるとともに、国債についての継承についても、民法の原則により、相続人が受継するものといたしております。 その他、特別給付金につきましての時効、差し押えの禁止、非課税、実施機関等、所要の事項を規定いたしております。 なお、この法律による特別給付金の支給件数は約四十四万程度と見込んでおります。 以上がこの法案を提出いたしました理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(加瀬完君) 以上の法案に対する質疑は次回以降にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(加瀬完君) 次に、社会保障制度に関する調査を議題といたします。 サリドマイド及び中性洗剤の毒性の問題について調査を進めます。質疑の通知がございますので、 これを許します。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(加瀬完君) 速記を起こして。
○山下春江君 サリドマイドによる奇形児が生まれるという問題につきまして、もうここ一、二カ月いろいろな新聞でも取り上げましたし、いろいろな機会に議論されておるようでございますし、厚生省も相当真剣にこの問題を取り上げておると思いますので、私が伺います前に、まず、この問題が起こりましてから今日まで薬務局でお取り扱いになりました経過を簡単にお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(牛丸義留君) サリドマイドと申しますのは、ドイツで開発された睡眠薬でございます。日本におきましては、昭和三十一年に許可をいたしまして、一般に販売をされたわけでございます。これが一昨年の暮れごろからドイツにおいて問題が発生いたしたわけでございますが、それはサリドマイドが日本では昭和三十二年ごろから発売されたわけでございますが、それよりちょっと前にドイツでは発売されているわけでございます。その後の奇形児の発生というものが臨床によって報告されて、そのときにホコメリヤといういわゆるアザラシ状の四肢をした奇形児の発生というものが、これは従来からそういう形の奇形児というものがときどき生まれてきたわけでございますが、そういうものの報告例がふえてきたという現象がドイツであったわけでございます。それで、この原因は 一体何によるかということから学者の間で議論がなされて、たまたま時を同じくして薬との関係が問題にされ、サリドマイドの発売の時期と、そういう形の奇形児の発生率というものがそこに関連のある一つのカーブが発見された。そういうことから、レンツという学者が、これは特定の薬物、すなわち、サリドマイドによるものではないかという推定をされたわけでございます。そういうことで、ドイツにおいては、一応製造、発売の停止をして、そうして市場からの引きあげを行なったということがわが国にもわかったわけでございまして、わが国におきましては、昨年の四月に業者の、これは日本において大体六、七社サリドマイド系の睡眠薬を製造、発売しているわけでございますが、私どももドイツのそういう情報がわかりましたので、取りあえず業界とも連絡をして、この製造を停止する、そうして妊婦に対する服用を避けるように通知をするという措置を取りあえずとったわけでございます。その後、日本におきましても、北海道大学の梶井という先生でございましたが、日本においてそういう臨床の例があるという報告があり、さらに今のようなままで製造を禁止して、これ以上の市場の頒布はしないわけでございますが、すでに市場に出しているものに対しては、これは販売を禁止しているわけではございませんので、そういうことでは、妊婦に服用しないという注意を与える程度では必ずしも安全を期せられないという配慮から、昨年の九月に至りまして、全面的に、それまで各薬局なり薬店に、すでに市場に流通している品物も全部引きあげる措置をとってきたわけでございます。それと同時に、この睡眠薬と奇形児との関係ということは、ドイツにおいても学者の間でそれぞれ論議が行なわれ、まだ断定的な結論は出てないわけでございますが、日本においてもそういう学者の意見を聞いて、はたしてそういうふうな原因がどういうふうにして起こってくるのかということをわれわれも研究を依頼いたしまして、動物実験その他も行なっていただいたわけでございます。そういういわば原因究明の措置も同時にとったわけでございますが、この薬の行政上の問題からいいますと、今申し上げましたように、まず製造を停止して、薬の蔵出しを停止したということは、昨年の五月にそういうことを行ないました。それから九月に、今度は今まで流通しているものを全部引きあげて、一般の販売経路からなくするという措置をとった。そうしてこの薬は、昨年の十二月に製造品目を全部停止し、取り消しをしたわけでございます。そういうことで、一応サリドマイドの市場における流通ということは全部なくなったわけでございますが、問題は、こういうふうな医薬品の将来の取り扱い、この原因の究明と同時に、こういうものの類似医薬品から起こる危害というものを防止するためにいかなる措置をとったらいいかということを、昨年の秋から専門の先生方にお集まり願いまして、いろいろ懇談をいたし、一応の結論を得ましたので、薬事審議会を開きまして、そこで正式に諮問をいたしまして、新しい来月の四月から始まる新年度からのすべての医薬品の新薬の許可につきましては、胎児に対する影響ということについての動物実験もあわせて付加をして、それにそういう実験データをつけて申請をしてくるようにする、そういう措置をとったわけでございます。
○山下春江君 今一応の厚生省としてのこの問題が起こりましてから後にとられました措置について伺ったのでありますが、今、薬務局長の手元に、全国にこのサリドマイド禍による奇形児、アザラシ児といっておるそういうものがどのくらい推計されておるか、その数をちょっとお知らせを願いたい。
○政府委員(牛丸義留君) これは東大の森山先生にお願いをして、私どもも承知しておるわけでございますが、現在、先生のところに集計された報告例は、これは二月末現在かと思いますが、六十例くらいでございます。これはサリドマイド系の奇形児の報告例が六十例くらいでございます。それで、その中でサリドマイド系の睡眠薬を妊娠中飲んだという人が、約半数はサリドマイドを妊娠中飲んだという報告であるというふうに私どもは聞いております。
○山下春江君 六十例という、私これは数を争うわけじゃありません。一人でもいけないのでありますが、六十例というのは非常に少ない数で、私の承知しております人から寄こされた手紙でも、これはちょっと公開するわけに参りませんが、これは自分の孫にこういう者ができたということは、どうぞ厳に秘密にしてくれと書いてありますので、名前は申し上げませんが、この手紙によりますと、これはもっともしろうとが、そういう人はないかないかと探したのでございますから、その先生のところに正式に通報されたものとはその性質が違うと思いますが、少なくとも、北海道だけにでも約千人ありはしないかと、こう思うのです。そういうことでございまして、私は数の多い少ないを言うのではなくて、先ほど局長からの推移の御報告はよくわかりましたが、そこで、問題が起こってきますのは、昨年の九月から一切の製造をやめさしたし、それで市販されておったものも引き上げたということでございますが、きょうはたまたま薬事法の一部改正なども出ておりまして、これは非常に大切な大きな法案だと思うのですが、いかに薬事法を改正いたしまして薬剤師の方々の素質を引き上げる、そして適正な配置をし、そして医師の指示によって適正な、それこそ的確な調剤をして投薬するとしましても、厚生省が販売を許可してしまいますと、それはなかなか一人々々の薬剤師さんは、その薬を検討するだけの研究室なんてだれも持っていないのです。そこで、今動物実験の結果をつけて出せよと言ってあると、こうおっしゃるのですけれども、それは私は厚生省の態度としては、事いやしくも日本において売られる薬というのは、厚生省薬務局が許可したというものは、それは国民はだまって目つぶしで安心して飲むのです。それほど権威のあるものなんです。権威がなければいけないのです。けれども、今のお話を聞きますと、こういう問題がやんやん出てきて、そしていろいろ奇形児が生まれた。その人たちがそんなもの飲まなきゃ一番よかったんですが、厚生省が許可しているということで、眠られない妊婦、おそらくこれから世の中がだんだんと、何といいましょうか、ノイローゼぎみの人がふえてくる社会情勢下にあっては、いろいろな騒音とか、家庭の建築の様式とか、いろいろなところから、私はやっぱり飲むなと言っても睡眠薬を飲むという人がふえるんではないかと思うときに、九月に厳重にこれはやめさしたと言われますけれども、そこまで許可したそのことによって起こってきた。何人かわかりません、私は、日本全国で少なくとも数千と思いますが、それはおどかしで言うんでも何でもない。そういうふうに推計される向きがございますけれども、その生まれてしまった者に対しては、何としてもこれは厚生省が責任を持ってもらわないとどうにもならない。ほかにこういうことに責任を持つどんなクッションを置いてみても、これはやっぱり厚生省の責任だと思うのですが、それにその責任を果たせる状況下に厚生省がなかったということも、ひとつここでこういう問題が起こったので考えなきゃいけないので、アメリカの衛生関係のケルシーさんというのは女史ですかどうですか、その方が非常に用心深い研究をされた結果、アメリカではその災いを未然に防ぐことができたということを考えてみましても、こういう薬を厚生省が、ただ何か実験の裏づけが少しくっついてたとしましても、薬をお作りになります会社では、それはもう八割が営利ということが頭にあるのでありますから、そのデータをもって厚生省が許したということはどうしてもいけないですね。これはいけないといって局長をいじめてみたってしょうがないですけれども、これは私はおそるべきことだと思います。ですから、この委員会でこういうことをお尋ねするということは、私は、委員会が協力をして、日本の薬学、医学というものが世界にそう劣っていないとわれわれは今日まで信じてきたのでありますが、ならば、厚生省がどんなお金をかけても、こういう災いを再び起こさないように、薬務局の中でもう一つあなた方が国民に責任の持てる、それは厚生省が許可したということ自体で何も疑わずに飲むのですから、それをまた資格のある薬剤師さんが、これは厚生省の許可した薬ですよというのであれば、何らの疑いを持つだけの知識を持たないのです、一般のこれを飲む人たちは。ですから、私は、この問題を解決するために委員会の御協力を得て、厚生省が、こういうものに対して、もう国立のあらゆる——今薬事審議会で答申したとおっしゃるのですけれども、そんなことで安心するからいけないのです。薬事審議会で答申して、その答申に基づいてというようなこと自体は、ほんとうにもう私はそれはそういう組織があるから御利用になってもいいんですけれども、それではいけないのであって、少なくとも、今後外国に日本の薬を売り出すというようなことも、私は、日本独特のすばらしい薬もあると思うのですから、将来やはり薬ももちろん自由化されるでありましょうから、そういう場合に日本独特の、日本でなければ得られないような原料によって作りましたすばらしい薬などというものは、世界のどこにも大きな顔をして私は輸出すべきだと思います。その輸出すべき薬のもとを取り締まっている厚生省には試験室も何もない。その業者たちが何かちょっと動物実験か何かの裏づけをつけてくれば、これでよかろうといって許可するところであります。そんなものは世界の人はおっかながって買いません。だから、そういうことをあなたはこの問題と同時にお考えになったかどうか、そういうことに対してはどうなさろうとするのか。
○政府委員(牛丸義留君) サリドマイドは、これに対して催奇形の作用というものがまだ学問的には確立しておりませんが、しかし、相当の疑いを持たれておることは事実でございます。したがいまして、現在サリドマイドについては製造並びに販売をすべて禁止をしておるわけでございますが、これが今から七、八年前にドイツでも許可され、ドイツを除くその他のヨーロッパにおいても許可され、日本においても三十二年に許可されました。その当時におきましては、これは従来の睡眠薬よりもきわめて効果がいいし、それに副作用がないということで、むしろ推奨された実は睡眠薬であったわけでございます。それで、これは実験データも何もなく、私どもが事務的に業者の申請がこうであるからといって許可していると、そういう漫然とした許可ではございませんで、中央薬事審議会の専門の先生方は、これは医者並びに薬剤師その他の全部日本の新薬の持ち場といたしましては、病理的な面、あるいは薬理的な面の権威者の集まりで、その先生方がデータを審査をして、そうして、それが人間のからだのどういう点に作用があるかということを、まず基礎実験として動物で実験例をする。それから今度はそれを臨床例として、日本の国内の有名な病院、その他権威のあるそういう医療機関で行なわれた臨床例もつけて、人間におけるそういう作用の結果も含めて許可をしておるわけでございまして、この点については、私は、世界のその他の国に比べて、日本の薬の許可が放漫であるとか粗雑であるというふうには考えていないわけでございます。それにかかわらず、サリドマイドのようなそういう事件が起こったということは、その当時の学問では、これが奇形に影響あるということが予測できなかった、そういう点にこの問題の不幸があるわけでございまして、これは私どもも今考えればまことに不幸な事件でございますし、生まれた子供さんに対しては、何か私どもとしてもすべての手段を尽くして、できるだけのお世話をすべきだと思うわけでございますが、しかし、学問は日進月歩ではございますけれども、今から七年前の事件を、今日こういうふうにはっきりとしたというのと同じ程度に予測できなかった。そういう点は、これは不幸な事件ではございますが、一面、その当時の問題としてはやむを得なかったのじゃないかと思います。しかし、こういう不幸が再び起きないように私どもとしては万全の対策を考えなければならぬ。そういうことからいろいろな先生方とも御相談しまして、このサリドマイドと奇形との関係を、はたしてどういうふうにして学問的にトレースしたらいいかということを今研究をしていただいておるわけでございます。それには実際に現実にそういう奇形の赤ちゃんをお生みになったお母さん方の報告も、いろいろと先生方に頼んで今集めておるわけでございまして、これは五月の学会でその集計が報告されることかと思います。しかし、それはサリドマイドの原因の究明ということと、しかし、薬はサリドマイドだけではございませんで、そういうふうな不幸が再び起こらないためにはどういう措置をすればいいかということは、結局審査のときにそういう胎児に及ぼす奇形作用、そういうふうなことをもっと詳しいデータを取って、そして審査をする、そういう措置がとりあえず私どもとしては必要かと思いまして、新年度から、今までいろいろと要求をしているデータのほかに、そういうものを要求したわけでございます。しかし、それは申請者に要求したから私どもそれでいいというふうには考えているわけではございませんし、引き続き、この問題に対しては、薬事審議会の中に、医薬品の安全対策特別部会というものを現在作って、そこでいろいろと専門家の御意見も聞き、必要な場合は国立の衛生試験所というのが私どものところにございますし、ここには優秀な先生方もおられる、また、ものによっては予防衛生研究所の問題もございます。それから、各大学等の研究機関もございますから、そういうところに必要に応じて研究を委託する、こういう措置をとって、将来再びかような不幸な事件が起こらないようにしたいと思うのが私どもの念願でございます。
○山下春江君 将来起きないような措置というのでありますが、今の局長がまあ許可されたわけではなくて、七年前には別な局長でありますけれども、しかし、これはまあ何としても、当面この問題の起こった局長が責任を負う以外に方法はありませんが、どちらにいたしましても、製薬会社というのは、三十七年度ですか、何でも二千数百億、二千五、六百億くらいな薬が作られて売られて、それが国民に飲まされておるわけでありまして、この辺で私は、やっぱり薬の問題で厚生省がほんとうに本気になっていただかないと、日本人のからだをみんなわやくちゃにしてしまう。私自身も、この中に六つも七つもいろいろな薬が入っておったのですが、これを御飯だか薬だかわけがわからぬように飲んでおったのですが、私は、昨年参議院の選挙をやるので、それで一人で飛び回るものですから、毎日こんなものを道楽に飲んでいて、ほんとうに病気になったときに何も薬がきかなくなったらたいへんだと思って、この中から全部ほうり出して、一つも飲まないで歩くことにしたら飲まなくなっているのですが、それで特別にからだが弱くなったとは別に考えておらないのですが、したがって、医薬品というものに対して全く国民は無抵抗ですね。ですから、こういうことで医薬審議会とおっしゃるけれども、高野先生はもっとよく御存じでしょうけれども、医薬審議会というのは私は詳しく知らないのですが、何か非常に権威ある研究室を持っているものでありますか。
○政府委員(牛丸義留君) 薬事審議会は、大学の先生なり、そういう研究機関のいろいろな専門家の人たちが集まった一つの審査機関でございます。別にそこが試験機関を持っているというのではございません。
○山下春江君 それが私はたいへん危険だと思うのですよ。それは先生方はそれぞれの大学その他に研究室がございましょうけれども、その審議会をなさるところは、ただ議論するところですから、自分がきょうまで御研究になったその知識をもとにしていろいろな議論をなさるところであって、あなたのほうの厚生省として、その先生方に立ち会ってもらって試験をするその場所は持っていないということは、私は厚生省のためを思って言っておるのですよ。いじめておるのではないのです。そういうものを厚生省は持たなければいけないじゃないか、持たないでいいかどうか。私は、このことは、サリドマイドというそれは、あなたの言う六十ケースくらいで終わればけっこうですが、私はそんなことはないと思うのです。やはり親としては絶対に言いたくない。たとえばこの手紙一つ見ましても、どうぞ絶対に言わないでくれと書いてある。四月一日から手術をしてみる。北大の先生が引き受けてくれている。しかし、なおるかどうかということについては、どうしても返事をして下さらないが、とにかくやってみるんだということであるのでありますが、局長も御承知のとおりでありましょうが、これは医務局長のほうがいいかもしれませんが、とにかくサリドマイドの奇形児は知能指数は高い、高いだけに悲劇が強いのですね。蒙古型の精薄児か何かなら、同じように親から見ればかわいそうだと思いましても、本人の苦痛は、かわいそうながら、そんなにない。このアザラシ子は、これから何年かたってその人たちの受ける苦痛というものに対しては、今何とかしなければと考えるのでなしに、何とかしなければいけませんが、しかし、聞くところによると、厚生省はたいへんすばらしいことをなさったというんですか、それをやったんじゃないでしょうか。それは糸賀先生のほうと、これは滋賀県、三重県ですか、それから東京は何という先生でしたか、肢体不自由児の重度の子供を入れるところに、サリドマイドに対する百ベッドですか、併設をなされた、そしてそこへ希望者をすぐ収容して治療をやっていただいておる、こういうことを聞いたんですが、そういうことを御存じですか。
○政府委員(牛丸義留君) 重度の身体障害児に対しまして、収容施設としては、児童局で三十八年度四千万円の予算で二カ所の増設が計上されたわけであります。しかし、サリドマイドのそういう奇形児ももちろんでございますが、別にそれに限ったというわけではございませんが、私どもとしては、そういう施設には優先的にお世話願うようにはいたしたいと思います。
○山下春江君 お世話願うとは、自分で金を出してそこへお願いしてなおしていただくのでございますか。医務局長、それは児童局とはいいながら、医務局か何かで御監督をなさっていらっしゃるのではないでしょうか。
○政府委員(牛丸義留君) 児童局でございます。
○山下春江君 事、病気ですから、その施設へ入れたいと申し入れたら優先的に入れてあげると今おっしゃったでしょう。それはどういう形態で治療をしていただいておるのでございましょうか。国の責任ですか。
○政府委員(牛丸義留君) 児童福祉法に基づく養育施設でございますから、一般の福祉施設としての利用でございます。
○山下春江君 それはいけないのでございます。それはそういうところでやってもらっては困るのでございまして、それが世間でおさまらないところですよ。児童福祉施設といっても、これは厚生省が許可しなければできなかった、ほんとうの話。あなたはその当時の局長でないのにきゃあきゃあ言うのは御迷惑と思いますが、やはり責任を持って聞いていただかなければなりませんが、これは何がどうあろうと、このものをドイツでも売っておった、フランスでも売っておった、それでは言いのがれられませんよ。日本で売ろうとするには、ドイツで売っていようとフランスで売っていようと、厚生省薬務局が許可したというと、薬としては金看板がついたので、国民が安心して無抵抗で飲む、それを児童福祉法で収容して治療してやるとおっしゃるからこの問題はおさまらない。やはり私は、これは生まれてきた子供たちの人格権を考えてみても、この子供たちが十になり十五になったとき、どうしたらいいかということも、ほんとうに考えのつかないほど身ぶるいのする問題でございますから、薬をとめたからいい、これではいけない。今できたものに対して、どうかして、どんなに理屈がどうあろうと、あなたのほうでは、役所として言う言い方はいろいろあると思うのですけれども、それを全部やめて、これは厚生省でわからなかった、医学のことですからわからなかったということはあろうと思いますが、あってもなくても、許可したことによって起こってきた災難であって、そうして、しかも、それが蒙古型精薄児のような子でなしに、知能が高い子であるだけに、非常に私はこの与える苦痛というもの、今後たとい何十人にしても何百人にしても何千人にしても、この問題は、どうしても国会に社労あるいは社会保障のこうしたりっぱな委員会があるにもかかわらず、これに対して手を打たなかったということは、私はこういう子供たちに対して相済まぬことだと思いますので、政務次官、ひとつ大臣の代理で、どうしたらいいかということを、今具体的なことを御答弁を願う御用意をお願いしておかなかったから、それはないと思いますが、しかし、私ども協力して、国で何とかこれをみてやるという方法を考え出したいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(渡海元三郎君) 御要望まことにごもっともでございまして、私たちも、こういったことが再度起こらないように、薬事審議会におきましても、今後新薬の許可に対しましては慎重に取り扱い、万全を期するように御協議願ったと聞いております。 なお、不幸にして起こりました児童の方々に対して、厚生省としていかになすべきかということにつきましては、ただいまの御議論まことにごもっともでございます。ただいま重症身体障害者児童対策の持っておりますところの施設に対して優先的にこれを収容いたしまして、これに対する適当な療育を行なっておる次第でございますが、福祉施設ではいけないという点でございますが、おそらく福祉施設でございますから、私は、予算にも計上されてありますし、公費でもって治療が行なわれておるものと、かように考えますが、これはあくまでも児童福祉法に基づくところのものであって、それだけでは十分でない。むしろ厚生省の責任という点を考えたならば、国家補償的な観念からやるべきじゃないかという御議論になるのじゃないかと思いますが、その点ごもっともでございますが、今の児童福祉法でとりあえずやっておりますので、なお国家補償的なものに切りかえなければそれ以上のものができないかどうか等につきましては、先生の仰せのとおりの論拠もございますので、十分に今後検討さしていただきたいと思います。
○藤原道子君 関連。私は、いつも問題が起きるたびに厚生省は弱腰だと思うのです。私は、この面につきましては、山下委員は局長に、あなたの責任でないのにお気の毒だとおっしゃったけれども、私はそうは思わない。私は、かつてこの委員会で、ドイツで騒ぎ出したときに、直ちに日本で禁止すべきではないかとお伺いしたことがある。これについては、日本ではまだそういう事例が起こっていないから、目下調査中で、対処したい、こういう御答弁をなすったことがある。私は、発売をしたドイツですでに大騒ぎが起こっておるということになれば、何はおいてもこれを禁止する、これが厚生省のとるべき態度だと思う。この点あなたの責任は重大だと思う。局長の責任というより、私は厚生省の責任だと思う。しかも、これだけ大きな問題が起きておるのです。わずかな例というようにおっしゃいましたけれども、私は今たくさんの例があると思います。かりにそういうお子さんを持った御両親の気持を考えてみて下さい。この子の一生をどうするか。しかも、幸か不幸か、非常に頭のいいお子さんが多いというようなことを私ども聞いておるのであります。しかも、これに対して いろいろな調査を、どういうわけなんでしょう、東大の分院の森山教授に対して、厚生省はわずか二十万円の費用を出して研究を委託した。二十万円で何ができるのですか、一体。私は、こういう子を持った親の立場に立ってものを考えるならば、そんなのんびりしたことは言っていられないと思います。二十万円でどれだけの研究ができるのですか。私は、今、児童福祉法で云々とおっしゃったけれども、少なくともこのことに関しては、全部国家が責任を持って困った人はみてやるというだけでなく、この子の将来に対してまで私は責任を負うべきだと思いますが、いかがでございますか。これらの点につきまして、私は、厚生政務次官の責任ある御答弁をいただきたい。
○政府委員(渡海元三郎君) ただいま山下委員の御質問に対しましてお答えいたしましたのでございますが、現在、重症身体障害者児童対策の施設におきましてとりあえずやっております。もちろんただいま山下委員からも御指摘になりましたとおり、国家補償でやるべきかどうかという点も十分考慮されますので、至急検討さしていただきたい、かように答えました次第でございます。なお、重症身体障害者児童対策の施設に入れております療育児につきましても、また別途にこれを特別にやるべきか、その他もあわせて検討さしていただきたいと存じます。
○藤原道子君 東大の二十万円はどうなんですか。
○政府委員(牛丸義留君) 森山先生に対する研究費というのは、これは過去全国において奇形の子供さんの生まれたその調査の費用でございまして、研究費でなくして、調査の集計のための必要な経費でございます。
○山下春江君 政務次官から御答弁をいただいたので、まあその程度にしておきたいのですが、もうちょっと推し進めると言うて下さい。われわれは決して厚生省だけにまかしておかないで、これはもうほんとうにわれわれもこういう問題について、もっと早く政府を鞭撻し、政府の施策を是正させるべきであったということを考えると、私どもも責任があるから、みんなでやりますが、どうしても児童福祉法じゃいけないというのじゃないのですよ。いけないというのじゃないけれども、そういう逃げようとする気持を許さないのですよ、みんなが。今未亡人のお方々に、ほんとうにつえとも柱とも頼んだ夫が亡くなって、あの政治を知らない女のかぼそい細腕で、あのきびしい社会にほうり出されて難儀をした婦人たちに、ほんとうによくやってくれましたといって報償金を出そうとしておるその厚生省が、この問題に対して児童福祉法でやるなんて言ったのじゃおさまらない。そんなことをしてもおさまらない。だから、私は、その方法のいかんにかかわらず、それは私はここで言及いたしませんけれども、やはり政府は責任を持って、国が保障するのだ、それは厚生省のミスというだけでなしに、やはりこれは政府のミスなんです。そういうことはあなた方にしてみれば、薬務局というものが、そういうことになるとたいへん大きな責任の場に立たせられるということを御心配かもしれませんが、そんなものじゃないのです。それはやはり学問的にわからないことも確かにあります。ありますけれども許可した、たとえば私どもテレビのダイヤルを回すと、イソミンと出てくるのです。赤ん坊でも覚えているコマーシャルをじゃんじゃんやらしておいて、そうしてやめさしたとおっしゃるけれども、全部の薬局から吸い上げられたものかどうか。まだひそかに買っておるものがあるのじゃないか。そんなことだって怪しげなものだと思いますが、要するに、これは国家補償という言葉がどぎつければ、国が責任を持って何とかしてあげます、これだけでも言うてほしいのです。
○政府委員(渡海元三郎君) 私の答弁が御要望の線に沿わなかったという点で、再度答えろということでございます。実は率直に申し上げまして、私も今、山下先生の御質問を聞きまして、初めて隠れたるものが非常にたくさんあるのだ、この災いによって泣いておられる悲劇の方々がたくさんあるのだということを初めて知ったわけでございまして、私、職務怠慢と言われればそれまででございますが、実は今まで局長から、このような事例は、日本は幸いにいたしまして非常に少ない例のように聞きましたものですから今のように答えたのであります。実情を知らなかったためにここで責任ある答弁ができませんために、検討さしていただきますということを答えたのでございますが、私は、おそらくこれを深く研究さしていただけば、山下先生の今御質問になられました必要性の痛感をいたすようなことになるのじゃなかろうかと思います。私は事実をつかみまして、善処する上においては全責任を持って、全力をあげて厚生省といたしましては努力をいたしますということを、大臣にかわり、お答えさしていただきたいと思います。
○山下春江君 どうぞそうお願いいたします。この子供たちをかかえている親たち、そうして私たちの目の前に、五年たった、十年たった後のその苦しみが目の前に見えている。そのことにつきまして何とかしなければというその気持を、政務次官が責任を持って何とかしょうとお答えいただきました。ぜひひとつ善処して、この悲しみをひとつ軽く、明るい気持を持たしてやっていただきたいことを心からお願いいたしまして、私のサリドマイドに対する直間をこれで終わります。
○藤原道子君 私は、ただいまの御答弁を伺いまして、山下さんは、あなたに期待して質問を終わられた。だけれども、少なくとも政務次官が、これだけ大きな問題になっているのに、今、山下さんの質問を聞いて初めて知った、これは何事です。ほんとうに知らなかったのですか。それじゃ私は御両親たちは泣ききれないと思う。あなたは厚生政務次官でしょう。私のほうが泣けますよ。そういう子を抱いてどうして今後いこうかと思って気違いのようになっている親心、しかも、これが入院いたしました場合、島田療育園とか、琵琶湖の何とか学院へ行けば月に二万円から三万円かかるというのです。不幸にしてこういう子供が生まれた親御さんすべての人が二万も三万もかけてできる人ばかりでしょうか。できたとしても、個人の負担にどれだけかけなければいけない問題かどうかということを考えると、責任回避もはなはだしいと思う。いかなるあなただって、サリドマイドの問題をきょう山下さんの質問で初めて聞いたなんということは断じて許せない。そういう状態だから厚生行政は弱いのですよ。
○政府委員(渡海元三郎君) サリドマイドの問題は新聞紙上にも出ておりますので、私も関心を持ちまして、直接薬務局長からも聞いたこともございます。知っております。ただ、今申されましたように、数の上におきまして、私たちが森山教授から受けております点におきまして、非常に隠れたるものがたくさんあるということは存じておりませんでしたので、その点を私はただいま率直に申し上げましておあやまりしたのでございまして、そのために隠れたるために、私実情を知らないということを率直に申し上げたのでございまして、サリドマイドそのものの悲惨なものであるということは、十分新聞紙上その他でも、局長からも、なおそれ以外に、私たちの耳に入っていないが隠れたる多数の泣いておられる方があるということを聞いたものでございますから、それらもあわせて調査いたしまして、当然最大限の努力をさしていただくということを今お答えいたしたような次第でございます。
○藤原道子君 それはその意味ならば、私はあなたを責めたのが間違っているかわからないけれども、それにしても、何だか答弁がたよりない。それから、このサリドマイドの問題は、厚生省が禁止したのじゃないのですよ。当事者の製薬会社のほうで自発的に廃棄処分にしたのです。私はこういう点も手ぬるいと言うのです。私は、少なくとも疑いがあるものは、事、人命に関する薬の問題なんです。そういうときには、少なくとも疑わしい情報が入ったら、これは研究しなければわからないという問題ならば、率先して一時的にでもこれを禁止する処分が私は望ましいと思う。これは強く反省してもらいたい。さらに、最近何だか流産をとめる薬といいますか、それも何やら問題になっているやに聞いておりますが、それはどうなんですか。
○政府委員(牛丸義留君) 流産の薬と言われるのは、おそらく。プロルトンの問題だと思いますが、これもやはりドイツの製品でございますが、これが今問題になっているというわけではございませんし、その中に補助剤として使われているウレタンという、これは局方品でございまして、これはもう世界で安全であるということが一般に公認されている薬でございます。これが理論的には細胞に影響があるということがいわれているわけなんです。それでドイツのシェーリングという、これはドイツでも一流の会社でございますが、サリドマイドのような事件が将来起こることを心配いたしまして、自発的にその薬の製造を停止したわけでございまして、それが日本でそういうふうなものを取り扱っておる日本の貿易商があるわけでございますが、そのドイツの本社のそういう連絡を受けて廃棄処分にした、そういうことが新聞でも騒がれたようでございまして、これが現実に奇形児に影響がある、奇形作用があるというようなことは、今日では問題にはされてないわけでございます。
○藤原道子君 現実に起こってからではたいへんなんですよ。危険だと思ったらすぐとめる。今度そういう処分をされたというならたいへんけっこうでございますが、そういうふうに扱ってもらいたいと同時に、私は、大丈夫だと思ったものがそういうふうな影響があるということが問題になる。ところが、先ほど山下さんがおっしゃったように、厚生省には研究機関がないんですね、こういうものについては。あるのかないのか知らぬけれども、どうもないように思う。あるならば、はっきりしたことをここで、どういう機関でどういう人がやっておられるのか、それに対して厚生省としてはどれだけの権威を持っておいでになるかというようなことをあわせて伺いたいと思います。
○政府委員(牛丸義留君) 医薬品に対する研究機関としましては、試験研究機関として国立の衛生試験所がございます。これには医薬品の薬理の問題、その他成分、分量の試験検査、そういうことを常時やっておるわけでございまして、特に今のような問題は、それはそれとして別に特定の研究をする必要があるわけでございますが、医薬品についての常時の研究機関としては、国立の衛生試験所というりっぱな機関があるわけでございまして、研究機関がないというわけではございません。
○藤原道子君 そうした研究機関にどれだけ金がかかっていますか、予算は。
○政府委員(牛丸義留君) 職員は百四、五十名の職員をかかえておるわけでございますが、年間の経費は、今ちょっとはっきりした数字が手元にはありませんが、二億円程度の金であると思います。
○藤原道子君 私は、きょうは関連でございますからこの程度にいたしますけれども、とにかく日本の悪い点は、研究とか、そういう面にあまり金が使われていない。それに対しての責任の所在があまり明らかでない。そういうことでずるずるやっているうちに悲劇が生まれている。こういうことを繰り返し繰り返しやっているように思いますので、今後はもっと強い態度で処理してもらいたい。 それから、日本くらい薬が自由に買える国はないというふうにいわれている。日本くらい注射の好きな国はないということもいわれている。その証拠には、お医者さんの家族にはあまり注射しない、そういうふうなことがうそか何かいわれているくらい薬の好きな国民でございます。そうして睡眠薬遊びなんというのがずいぶん子供たちにはやっている。非行少年の問題が大きく問題になっている。睡眠薬遊び等が転落する大きな動機になっている。しかも、その子供たちが薬を自由に買える。こういうことは今後十分検討されまして、はっきりひとつ対処してもらわなければ困ると思う。 それから、サリドマイドの睡眠剤が、これが危険であったというけれども、買いに行く人は、特別にそれを指名したわけじゃないのです。だから薬の危険性があるとか、こういう場合には、こうだとか、睡眠薬はあまり常用してはいけないのだという、危険な面を行政当局にやってもらわなければ、売らんかな、売らんかなの宣伝ばかりで、危険な、よくきく薬ほど毒性があるということを考えなければいけない。それに対しての対策、国民の注意を喚起する、こういう点がおくれているように思いますので、今後は、それを十分にやっていただきたいという注文が一つ。 さらに、くどいようでございますが、奇形児として生まれてきた子供たちの対策、これについては真剣に御協議して対策を立てられますよう強く要望しまして、このあざらし児の問題については、私はこれで質問を終わります。
○政府委員(渡海元三郎君) 私も毎日薬を飲んでおるのでございまして、今藤原委員の御指摘になりました点、まことにごもっともだと思います。日本はたやすく手に入り、何と申しますか、安易に薬を飲んでおる。これに対するところの、はたしてそれだけの効用ありやいなやという点。しかし効用よりも、むしろ害があるというような点につきましては十分注意し、国民の衛生思想、正しい薬の服用ということを十分指導して参らにゃいかぬと思います。御注意の点、重々気をつけまして、今後の行政指導に当たりたいと思います。 なお、睡眠薬につきましては、十分とは申し上げかねますが、ただいま申されましたような点も考慮いたしまして行政指導も行ない、そういった宣伝指導もするようにやっていっておりますが、今後十分、これが徹底しますようにやっていきたいと思います。 なお収容施設につきましては、前に山下委員にも答えましたとおり、私も実情を十分研究さしていただきまして、万全の策を講じさしていただきたいと思います。
○藤原道子君 これは新聞で承知したことで、よくわからないのですが、今度手術で効果があるとかいうので、外国からその道の権威者が日本へ来るとかというようなことをちょっと新聞で見たんですが、サリドマイドの奇形児の問題で。そういう場合には、もし知っていらっしゃれば聞きたいのですが、費用等は、その親ごさんがお持ちになるのですか、どうなんですか。
○政府委員(牛丸義留君) 私、まだ十分承知しておりませんので、よく調べまして御連絡いたしたいと思います。
○徳永正利君 今妊婦の問題、眠り薬の問題がいろいろ御質問ありましたが、男が飲んで何か奇形児ができるとか、まあ男が子を生むわけじゃないのですけれども、何かいろいろな面で、いろいろな問題があるということはございますか。
○政府委員(牛丸義留君) これは胎児に関係があるわけでございますから、男がそれを飲んでも別に影響はないというふうに私どもは承知しております。
○藤原道子君 私はこの際、昨年以来国会でたびたび問題になっておりました中性洗剤の問題で、若干御質問いたしたいと思います。この前やはり私、この委員会で質問いたしましたときに、まだ害があるかどうかわからない、毒性はないと思うけれども、なんとか審議会に諮問して、その結論を待って決定したい、こういうようなことだった。その後、あれは何と言いますか、薬事審議会というのですか、何というか、食品衛生調査会ですか、そこの結論が出ておりましたら、これをお聞かせ順いたい。
○政府委員(五十嵐義明君) 藤原先生の御指摘の点は、昨年の四月の十九日でございます。食品衛生調査会に大臣から諮問をいたしまして、その後科学技術庁の特別研究費などによります、かなり広範な研究の結果を総合いたしまして、十一月の十四日に答申をいただいたわけでございますが、その主文を申し上げますと、中性洗剤を野菜、くだもの類、食器等の洗浄に使用することは、洗浄の目的からはなはだしく逸脱しない限り、人の健康をそこなうおそれがない。こういう答申をいただいております。
○藤原道子君 それも印刷物をあとでいただきたいと思います、委員会の委員に。 それからそのメンバーは、どういう人がやっていらっしゃるのか。あの問題については、反対と賛成とずいぶん対立したはずですね。私は最近ある人から、非常に手が荒れるというようなことから、いろいろな話をして、それで中性洗剤のことに思いをいたしまして、これは衆議院の速記録なんですが、昨年の四月四日ですかの速記録なんです。それから当委員会で坂本委員の質問なすった点などを調べてみたのです。そうするとあまりにも明らかに対立しているのですね。ですから、そこの中には対立した意見が両方入って調査されたものか。そうでなくて、一方的な陣容で調査されたものか。この点をさらにお伺いしたい。
○政府委員(五十嵐義明君) この点につきましては、多少経過を追って御説明申し上げたいと思いますが、食品衛生調査会では通常メンバーが五十人もございますので、八部会を作っておりまして、常任委員会でこういった重要な問題をきめる慣例になっておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、昨年の二月当委員会で、また四月衆議院の科学技術振興対策特別委員会でお取り上げをいただきまして、その後鋭意研究をいたしました結果、食品衛生関係の研究の成果につきましては、九月の末に大部分が出そろいまして、一年間を経過する長期のものを除きましては、大部分の成績が出ましたので、そこで四月以来検討されておりました調査会で、この委員会を開きまして、十月の二十五日に実際に研究をされました賛成、反対両方の委員の方々に特別に御出席をいただきまして、それぞれの御意見を研究の成果について伺ったわけでございます。 その結果、この研究の結果を取りまとめまして、答申を出すために小委員会を作ったわけでございますが、小委員会にはこの常任委員会の委員長でございます慶応大学の医学部の教授の阿部勝馬先生、それから東京大学の医学部の名誉教授の小林芳人先生、東京大学薬学部名誉教授の秋谷七郎先生、このお三人が小委員になられまして、前後三回にわたりまして委員会を開いたわけでございます。最後に十一月十四日に先ほど申し上げました常任委員会を開きまして、このメンバーはなくなられた方が一人ございますが、十四名のメンバーでございまして、このとき特につけ加えておきたいことは、ただいま先生の御指摘のように、もしこの委員会が賛成者側だけで一方的にきめられるということはいかがかと思いまして、特にこの問題について御意見を持っておられる柳沢教授を常任委員になっていただくようにお願いをいたしたわけでございますが、これはお断りを受けましたので、したがいまして十四人のメンバーで研究の成果を取りまとめ、小委員会の意見を聞いて答申の結論を出していただいた、かような次第でございます。
○藤原道子君 そこで、その結論に基づかれて、それで全国へ課長名で指示をされたということになるのですが、去年十一月三十日に課長命令ですか、それを出されているのですが、これを見ると、研究の結果は、何ら影響がない。「標記のことについては、すでに昭和三十一年」云々と書いているわけですが、いろいろ研究を重ねたけれども、調査会においては、あまり毒性がないということが答申された。したがって「一般消費者に対しこの答申の主旨の徹底を計られたい。」こういうふうな指令が出ているのですね。ところがこれによりますと、効果の例としては回虫卵、農薬が落ちるとか水二リットルに茶さじで幾らとか、二、三分浸透しておくとか、あとで水洗いをして下さいというようなことが書いてございますが、これが普通の使用量でいけば、毒性はない、心配はない、こういうことなんですね。それから過大広告を禁止しておられますけれども、しかし先ほどもどなたかのお話がございましたけれども、通常に使えば差しつかえないということは、通常とはどういうことか、通常でない場合に使ったら毒性があるのか、こういう点が、私にはよく理解ができないわけでございます。 それから二、三分水につけてそれで四、五回洗えばいいということなんでございますけれども、今ごろ、さっきの例じゃございませんが、テレビが非常に中性洗剤の広告をこれでもか、これでもかというふうにやっている。ところがイチゴなんかをこれから洗う場合に、二、三分イチゴを中性洗剤につけておいて、四、五へん洗ったらどうなりますか。ああいうものは中に浸透する。これを考えると、普通に使えば毒性がなくても、その使用によっては毒性がありとするならば、イチゴその他のやわらかい、こういうものは中に浸透するのじゃないか、こういう場合が非常に不安になってくるのじゃないかというような点で、そういうことは、どういうふうにお考えになっているか、しかも一時影をひそめておりましたのに、こういうものが出て以来、ものすごいはんらんぶりなんです。売らんかなの宣伝は目に余るくらいだと思うのです。したがって、私は主婦の立場から非常に心配ですから、それでお伺いするのです。
○政府委員(五十嵐義明君) 御指摘のように、この答申が出ましたので、その内容を検討いたしまして、十一月の末に、先ほど先生が申されました課長名をもちまして各都道府県の主管の局長に連絡をいたしたわけでございます。なおそのほかに業者を集めまして、使用の方法を明確に容器に書くとか、誇大な広告を避けるとかいうようなことは、できるだけの措置はいたしたつもりでございます。 そこで、通常の使用方法、「洗浄の目的から甚だしく逸脱しない限り人の健康を害うおそれがない。」と、こういう文章をそのまま裏を返して読みますと、少し逸脱すれば危険があるかもしれない、こういうことにもなるわけでございますが、実はそういった点につきましては、この答申をいただきましたときに、よくこれを一般に説明するために、調査会で御了承を得ました解説と申しますか、そういうものがございますので、それを御参考に申し上げたいと思いますが、「洗浄の目的から甚だしく逸脱した場合というのは、例えば余り高い濃度や長い時間使うというようなことであって好ましくないことである。また、洗剤の容器は、食料品と間違えないようにし、必ず「洗剤」、「台所用」、「洗濯用」等の文字を日本語で書いておくなど、使用者が洗剤の目的を逸脱しないよう」行政的な指導をするというような解説がございます。 これだけでもなお、通常の使用の限界というものが、いろいろ幅があるというようなことになって参るわけでございますが、先ほど申し上げました実験の段階におきまして、急性毒性、それから慢性の毒性との研究をいたしまして、野菜、食器その他から食事に伴って人間のからだに入ってくる量はどれくらいであろうかということを、いろいろな角度から検討をしていただいたわけでございますが、その結果によりますと、急性の毒性の場合は、御承知のようにLD50を一つの標準にして使っておりますが、それがキログラム当たり二グラムが、大体の各研究者のほとんど統一した数字でございますが、水洗をしないでごく普通に使いました場合、このLD50の六千分の一程度のものが体内に入る可能性がある。それから最悪の場合、水洗をしない場合約二千分の一の量が入る可能性がある。それから水洗をいたしますと、これはぐっと減りまして、普通の場合は一万三千分の一ぐらい、それから非常に条件が悪く、長時間浸したとか、あるいは品物痛みがあるとか、形の上で洗剤が残りやすいとかという場合に三千二百分の一というような数字が出ております。 それから慢性毒性につきましても、この安全量は大体一キログラム当たり三百ミリグラムというような数字が出ているわけでございますが、今申し上げたように数字を申して参りますと、水洗いをしないで、普通の場合九百分の一、最悪の場合三百分の一、それから水洗をいたしまして普通に使いますと約二千分の一、最悪の場合でも、この安全量の五百分の一というような、これは一つの幅のあることを申し上げたわけでございますが、そういうようないろいろな研究の結果から、先生方——もちろんこの委員会の中には、みずからこの問題を研究なすった方がおられるわけでございますが、その御結論として普通商品に書いてあります通常の場合は、液として〇・二五%を使うのが通常でございますが、そういう量で使いますならば、それが多少上下いたしましても心配はないと、こういう結論を下されたものと承知いたしているわけでございます。
○藤原道子君 食品衛生調査会の答申について、厚生省では、十分満足すべき回答と、こういうふうに理解していらっしゃるわけですか。 それから今研究機関が、ああいう毒性がこれだけ大きな問題になったものでございますから、あらゆる研究があるのじゃないかと思うのです。私はしろうとでわかりませんけれども、そういうものも、この機関において十分なされていたというふうにお考えになっているかどうか、それから〇・二五%ですか、そういうぐらいが適量だとおっしゃっても、各家庭にはかりを持っているわけではなし、一般の家庭の主婦が多く使うわけなんです。こういう点も、あなた方は十分お考えになっているかどうか、さらに、慢性毒性には答申が触れていないようでございますが、慢性毒性というものは、大体において今私たちの環境からいって、あらゆる面から若干ずつ危険なものをとっていると思うのです。こういうようなことが、いろいろ重なってくるわけです。着色している食品だとか何だとかいうような面から、いろいろなものがプラスされてくる。大体六、七十種類ぐらいのものが、われわれの生活に触れているのじゃないかというようなことが常識的に新聞等にも出るわけです。そういうことになると、若干でも毒性があるということが、私たちに非常に不安になってくるわけです。それから健康な人にはその適量ということが当たるかもわからない。だけれども、すでに肝臓を病んでいる人、あるいは老人であるとか、あるいは衰弱した人、あるいは乳幼児というものも同じ量とっていくわけです。やはり中性洗剤で洗ったものを食べていく。また、それに触れ、ほかのものも摂取している。こういう場合に、はたしてこれで身体に影響がないものだろうか、急に健康障害が起こったということでなければ中毒でないというような考え方は危険ではないか。じわじわからだがやられるというようなこともありはしないかと私たちは心配するわけです。 ですからやはり今、日本では業界が非常に強うございますから、そういう圧力に屈したとは思いませんけれども、そういう点が、われわれ主婦といたしましては非常に心配なところである。けれども、そういうこともあわせお考えになって、この答申案が満足すべきものであるという結論をお出しになったのかどうか、この点について。
○政府委員(五十嵐義明君) この答申につきまして、結論的に申し上げますと、私どもは相当に広範な研究を行ないまして、権威者のお集まりの慎重御審議の結果でございますので、ただいまお話のございました慢性の毒性ということも含めまして、私は満足すべき御答申であるというふうに了解いたしているわけでございますが、なお、つけ加えまして、お尋ねのございました二、三の点について申し上げてみたいと存じますが、どういう研究機関で、どんなふうに十分な研究が行なわれたかということでございますが、研究の項目は、食品衛生上の問題はもちろんでございますが、皮膚障害の点、それから製造工場で、どういう障害ができるだろうかという労働省関係の問題、それから私どものほうの関係では上水道、水のほうにどういう影響があるか。それからドイツで問題になりまして議論のございました下水処理について、どういう影響があるかというような項目につきまして、それをさらに細分いたしまして、たとえば食品衛生の問題でございますと、急性毒性、慢性毒性、それから生化学的にはどういうふうになるか、あるいは皮膚を通して、どういうふうに吸収するか、あるいは野菜そのものにどういうふうに浸透して、どのくらい残るかというような、そういうふうな細目にわたりまして、六つの研究機関、十の都道府県における上水道の研究、八つの都市における下水道処理の研究というようなふうに、かなり広範な研究をやっていただいたというふうに理解いたしているわけでございまして、また、最終的な研究の成果を、今月末、あるいは来月初めにいただく分もございますが、この種の研究としては非常に系統的に広く行なわれたものと考えているわけでございます。 それから主婦が〇・二五%というようなことで使えるだろうかと、そんなものは計れるかということでございますが、これは通常キャップがございまして、このキャップ一ぱいをどれくらいの水に溶かしてというような書き方になっておりまして、使い方については、そこに書いてありますように使えば、パーセントがちょうどそれに合うようになっておりますので、これはそのように使っていただけるというふうに私は考えているわけでございます。 それから答申の中で、慢性毒性に触れていない、この食品の関係のみならず、そのほかにも洗濯その他で触れる面があるのじゃないか、こういうお話でございますが、この点は、先生方の御答申は、もちろん食品衛生調査会としての御答申でございますが、その内容を十分に検討いたしてみますと、他のそういう部分からの影響というようなことも十分弾力の範囲に含めまして、普通の使い方であれば安全であるというふうに御答申をいただいたものと考えているわけでございます。 なおまた、健康者あるいは病人、老人、子供、そういう方が、あるいは洗濯をなさる、あるいは食事をなさるかということは別問題といたしましても、一般健康労働者の怒限度とか許容量と違いまして、一般市民に対しては、常識的にそういう老若あるいは病者というようなものも安全の圏内に一応の弾力を持たせて考えるというのが常識でございまして、この程度の御答申、この程度の使い方であれば、そういった点も含めまして心配はないといというふうに考えているわけであります。
○高野一夫君 ちょっと関連して、あなたの御質疑は非常に大事な御質疑だから、その前に確かめたい。ちょっと伺いたいのですが、中性洗剤というのは、法律的に何になっているのですか。
○政府委員(五十嵐義明君) 中性洗剤を規制する法律の根拠は、ただいまのところございません。
○高野一夫君 そうすると、製造も自由、販売も自由、取り扱いも自由ですか、これは中性洗剤に限らず、この種の製品は、すべて野放しですか、どうなんですか。
○政府委員(五十嵐義明君) この製品につきましては、厚生省の立場では法規的な規制は行なっておりません。
○高野一夫君 これは、ずっと使っていて何事もないかもしれないし、今度の場合みたいに問題になり得ることもあるし、あるいは長い間使っていて、何らか作用が起こるということも、化学製品である限りは、いろいろな種類のものが出てくれば当然考えられる。それに対して何らか規制の方法を、ひっかける道を考えなければいかぬのじゃないですか。
○政府委員(五十嵐義明君) 高野先生の御指摘の点は、私どももその点につきまして、関係の各局ともいろいろ相談を今までいたしております。これを法律的にどう規制すべきか、一つは水道の水質基準という問題がございますので、水質基準の点で、中性洗剤の中の主成分であるABSの含量ということが法規的に一つ問題になることがあるわけでございます。それから食品の取り扱い上、ただいまのような形で洗浄に使っているという場合に、食品添加物として考えられるかどうかという問題があるわけでございます。これは、もし食品の製造過程において食品衛生法にいう食品添加物の性格を持つものであるならば、これは食品添加物として規制する方法があるということが考えられるわけでございますが、ただいままでのところは、そこまで踏み切る実情でもございませんので、私どもとしては、そういった場合にも安全性ということが確保されるかどうかということにつきまして、先ほど申し上げました試験研究をなお引き続いて長期の実験を続けておるような次第でございます。
○高野一夫君 食品衛生法に言う添加物とは、とうていわれわれ考えられないと思う。しかし物は化学的製品なんですから、こういう化学的製品が、家庭で常時使われる、その場合に弊害が起こり得るということは、これはあなた、科学者として当然考えなければならん。だから、それが医薬品にしてもそうでしょう、何事もない、だれが使ってもかまわないものもあるけれども、やはり医薬品として取り締まる、それは非常に危険を伴う場合があり得るから、——これだって何でもないかもしれない、あるいは何かあるかもしれない、しかし類似した製品が出て来て、それがまた将来長く使っている間に、いろんな悪い副作用を起こすことも考えられる。そうすると、いろんな今後起こり得る、製造、発売される可能性のある、こういう化学的洗剤について、これは添加物でもない、医薬品でもない、医薬部外品でもない、それを野放しにしておくということは、これはとうてい私はいかんと思うのですね。 これは、今その成案がなければないでいいですが、早急に関係各局と相談されて、何らか取り締まるべきだ。どういう規制をすべきであるか、何という定義を下すかということを早急に研究されて、また適当な委員会で質問をいたしますから、説明を願いたいと思います。
○政府委員(五十嵐義明君) ただいまの御指摘の点は、私どももそのつもりで従来とも検討を続けておりますが、さらに、これを進めまして、結論を得ますればまた御報告申し上げたいと思います。
○藤原道子君 私は、少しでも疑わしいうちは、まだ、研究の成果が出てから云々という言葉があったけれども、それが出るまで、なぜこの使用をその前に許されたかということにも疑問がある。たとえて言えば、公害問題だとか上下水道、浄化槽の影響あるいは魚とか貝類とか真珠貝の養殖、これらにも、いろいろ影響あるやに私ども聞いておる。ところが、調査したところが、そこの結論は出たかどうか知らんけれども、今までは伺ってないのだが、こういうものに対しても調査しておられるのか。その調査の結果はどうか。それから主婦の皮膚が、とても荒れる。どうかすると非常に湿しんが出るのですね、というようなことも、これは何ら害がないと言い切れるかどうか。それはどうなんですか。 〔委員長退席、理事藤田藤太郎君着 席〕
○政府委員(五十嵐義明君) 疑わしいうちは禁止をしろと、 こういうお話でありますが、実は、これが日本に初めて入りましたのは昭和二十五年ぐらいにサンプルとして入りましたようなわけでございます。その後だんだんと使われるようになったのでございますが、私どもも外国の文献、また一部先ほど薬務局長からも話がありました国立衛生試験所で試験をやりまして、安全性を認めたので、これについては特別の禁止とかその他の規制をしなかったわけでございますが、その後問題になりましたので、再度研究の結果、先ほど申し上げましたような答申が出たようなわけでございます。 それから魚介類、真珠貝等、そういったものについての研究ということは、これはいたしておりません。私どものほうは、一応人の健康の問題に——どういう影響があるかということを中心にして研究をいたしたわけでございます。それから皮膚の湿しんにつきましては、これはその御婦人の体質と申しますか、によりまして、やはり湿しんとか、あるいは荒れとか、そういうのが出る方があるようでございます。この点は確かに、そういう点もございます。
○藤原道子君 ところが外国の文献とおっしゃるんですが、私アメリカへ行ったときに、アメリカでは食品をあまり洗っていないようなんです。それで使用上の注意に、必ずゴムの手袋をはめて使用する。それで薬の中の中性洗剤を売るときにサービスでゴムの手袋をつけて売っている薬もある。そのくらい親切にしてある。しかもお皿を洗うとか、お洗たくをするとか、そういう面には使ってるようですが、野菜類、食品にはあまり使っていないように私は承知しておる。これは私が間違っていて、あなたのほうに文献があれば別ですが、とにかく食品に堂々と使って、食品の消毒になるんだと大々的に宣伝しているのは、どうも日本だけじゃないかと思うんです。 〔理事藤田藤太郎君退席、委員長 着席〕 それからもう一つ。サリドマイドのお薬もドイツで売り出して、ドイツで騒ぎ出した。ところがこの中性洗剤も、ドイツでは今製造も使用も禁止しているというじゃないですか。あなたのほうで調べさせた資料にあります。それで、これを見ますと、とにかく議会でもそれが決定して、六十四年まで一時製造、販売を禁止し、それで六十四年の十月一日以降は、これを体刑をもって処罰する、というようなことがドイツではきまったという。国会を通過した。ドイツで始めた。で、ドイツで今使用を禁止し、製造を禁止している。ところが、日本では研究したけれども害がない、これは一体、どういうことなんです。 私は事は、人命に関することですから、疑わしい場合には、率先してこれを禁止して、ほんとうに調査した結果、結論でも、どの面から見ても心配がないということになってから、初めて十分なる注意を与えて、販売を許可するということでなければいけない。ところがこのごろデパートへ行ったって何だってはんらんしているでしょう、そして何にも、注意書にしたって何にしたって簡単な——これはあなたのほうの通達を見れば、喜んで業者は販売しますよ。しかし、使わせられるほうは心配です。ただでさえ肝臓が悪い人がふえて、アレルギー体質の人がふえている、こういうときに、少しでも疑わしいものは、もっと真剣な考慮が払われてもいいんじゃないか、こう思うんです。いかがでございますか。
○委員長(加瀬完君) ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(加瀬完君) 速記をつけて。
○政府委員(五十嵐義明君) 外国の事情は、私も向こうを見て参った者から聞いておる程度でございますが、アメリカでは、家庭では使用していないというようなお話でございましたが、これは販売の習慣が違うというような点がございまして、家庭に入る前に、これが使われて洗浄されて、きれいな形になって販売されておるというふうに私承知いたしておるわけでございまして、ゴム手袋につきましては、これは食品衛生調査会の御答申の趣旨から申しますれば、特に健康上支障があるとは考えられないわけでございますが、先ほど御指摘のように、体質によりまして湿しんあるいは荒れ等の方もございますから、そういう方は、お使いになるのは確かにけっこうだと存じます。 それからドイツで問題になっておりましたことは、私ども承知いたしておりますが、これは下水処理の問題から出発いたしました議論でございまして、たしか一九六二年、昨年の夏あたりから禁止をする予定でありましたものが二年間延びまして、一九六四年以降に、一定のパーセントで分解するような製品に限って、これを製造、販売させると、こういうふうに承知いたしておるわけでございます。 そこで私どもの立場でも、やはり下水道の終末処理を所管いたしております関係もございまして、ABS、中性洗剤の中のABSを分解する、あるいは分解しやすい製品を作るというようなことにつきまして科学技術庁の御協力を得まして、分解する菌の研究を昨年十二月から追加をして始めたような状況でございまして、そういったことで、ただいまのところは下水の終末処理に支障のある報告は受けておりませんけれども、将来非常にこれが、なお大量に使われる場合に、ドイツと同じような問題に逢着するという場合を予想いたしまして、ただいまそういった分解菌の研究というようなものもやっておるような次第でございます。
○藤原道子君 それはABSの問題で云々とおっしゃっている。溶解すればいいですよ、溶解しないから、日本の問題じゃないですか。下水の問題が、終末処理があまり問題になってないとおっしゃるけれども、去年の科学技術特別委員会ですか、ここじゃこれはずいぶん取り上げられているじゃないですか。だから、問題にならなかったことはないですよ。去年すでに衆議院の委員会でうんと問題になっているし、最近の上水道へ参りまして、水源地ですか、あるいは下水終末処理機関へ参りましても、あぶくがこんなに立ってしまってたいへんじゃないですか。しかもそれが、ただこのごろ終末処理下水施設がないですから、いけるというのですか、流していますね。下へたまるようにして自然に吸収しているような簡易処理機関ができて、それが地下水 の中へ入る、それが井戸水に出ている、その中に入っているということで汚染されているという統計も出ているじゃございませんか。ということになれば、あなたは環境衛生局長ですね、食べるものだけじゃない、こういう水が汚染される、終末処理ができない、それが還元して、またその水を飲む、あるところでは水道をひねったら、あぶくの立った水が出てきたなんて大騒ぎをした事件があったではないですか。これでいいのですか。 私は、こういうところに問題があると思う。まあこのぐらいはいいだろうと、そこに大きな問題が起こって、今のアザラシ型の赤ちゃんが生まれるような結果も招くのですよ。疑わしいときには、これは結論が出るまで禁止してもかまいません。回虫が少々わいたって、それで命はとられませんよ。だんだん回虫は減ってきている。これは中性洗剤のおかげだなんて書いてあるけれども、そうじゃございません。このごろ、だんだん農薬も化学製品を使うようになったから下肥をあまり使わなくなったから自然に減ってきているんですよ。この問題を私やかましく申し上げますのは、こういう疑わしい問題があるときに、来年オリンピックで外国のお客さんがたくさんくるんですよ。日本はおいしい水が飲まれるということが、私たち誇りであり仕合せだと思っている。その水までよごれてきた。それを飲んでいるうちに、知らず知らずに身体に影響があったといたしましたら、一体どういう結果になるか。ですから、厚生行政を担当される皆さんは、国民の命を預かっていらっしゃる。したがって私どもがこの問題に神経質になる。界面活性剤はなかなか溶解しないというじゃないですか。あるいはまた血を溶かす、溶血作用というのですか、私しろうとだからよくわからないのですが、そういうものも危険があるというようなこともいわれる科学者もある。だから反対の科学者が断わったから、その人に入ってもらわなかったとおっしゃるけれども、やはり柳沢さんたちが、ずいぶん脅迫されているらしいのです。けれども、その中を敢然として反対の意見を堅持していらっしゃる。だれが好んでそんなことをしますか。科学者としての良心があればこそ、これを忠実に主張しておいでになると思う。したがって最後の結論は、こういう反対の人も学説をもって反対しているんだから、そういう人たちの意見も、やはり尊重してほしいと思う。私は昨晩これを一生懸命読んでみて、こういうふうにはっきり対立している、そういう参考人はあまりないですよ。ところが、今度の結論には、その反対意見が入ってないのですよ。だから私危険だと思う。しかも世間で、どうも厚生省が業者の圧力に負けたんだなんといううわさもありますよ。そういううわさが入るのは、それは、そうだろうと思う。原理はみんなアメリカからきている。それでもって三井系が八五%の製品だというのですよ。どうもそういうところから、厚生省が軟弱であり、あるいはまた業者に押されたんだというようなうわさが出るようになる。私は、そういう点が心配でございますから……。 あなたは今、下水の問題は起きてないとおっしゃったけれども、私の知っている限りでは下水問題も起きている。あるいはこれはなかなか何といいますか、あれしないものだから、キャベツなんかがなまのまま、パキッとした状態のままで流れていくから処理ができない。これでずいぶん何といいますか、塵芥を集める人たちも困っている。こういうことを聞いて、悩みを訴えられている。そういう点はどう考えているか、どう認識されていられるかを聞かしてほしい。
○政府委員(五十嵐義明君) 下水の処理につきましては、中間的な報告しか受けておりませんが、なお年度末あるいは来年度早々には、全部の下水関係の資料がまとまると思います。現在まで受け取りましたところでは、あぶくが出る、これは〇・五PPMぐらいのときにあぶくが出るということがございまして、それを水、シャワーで処理するという程度で、それ以上、下水終末処理の場合の細菌による消化作用と申しますか、そういったことに障害があるという報告は聞いていないわけでございます。 それから上水につきましては、なるほど昨年多摩川の関係などで雨量が非常に少ない場合に、水量がわずかなものでございますからABSの量がふえたというような例がございましたが、これにつきましては、その後活性炭素を使う設備を完備いたしまして、手元に資料もございますが、ほとんど根絶、あるいはごくわずかの量が出るという程度で、健康に支障のあるような量は出ておりません。 それからなお、これは念のためでございますが、先ほど慢性、急性の毒性のときに、人体内に入る量と安全度をLD50と比較いたしましたときにも、外国で通常使われております水道の中に入っている許容量のかりに二倍の量が入った水を飲んだ場合入る量を含めまして、それだけの安全率を見て計算をしたのでございまして、そういった点も、私ども安全性については、ある程度の確信と申しますか、そういった考え方を持っております。 それから井戸につきましても、実は全国で五百カ所近く調べたわけでございます。答えのございましたのは四百四十幾つかでございますが、その中で、やはりABSが含まれておるものがございました。これにつきまして条件を調べてみますと、たとえば井戸の深さ五メートル以下であるとか、あるいは大腸菌がその中から出てくるということで、ABSとは無関係にも、その水は飲料不適であるというような井戸がほとんどでございまして、これはもちろんABSの問題については、今後十分に注意して参らなければならないと思いますが、井戸の構造、設備、管理といったことについても、これはいろいろ考えていかなければならぬ問題かと承知したわけでございます。そのほか疑わしいものは禁止をしろということで、サリドマイドの例をあげてのお話でございますが、ドイツの例は、先ほど申し上げたようなことでございまして、この点につきましては各国で使っておりまして、特に健康上あるいは生命上云々というような問題も聞いていないわけでございます。また日本で、昨年の春以来系統的にやりました実験でも、そういう結果が出ていないということで、今これを禁止するという理由は、私どもの立場では、どうも考えられないということでございます。 それから溶血作用というような専門的な問題も取り上げてのお話でございますが、この点も、この実験の中にございまして、試験管内では、溶血作用が見られるが、動物実験では、それは見られないというような実験もございまして、この溶血作用云々ということが、あるいはまあ、そのほかにもいろいろ血液のPHでありますとか、いろいろな問題ございますが、そういった総合的な研究の結果をまとめましての御答申でございまして、もちろん学説と申しますか、対立した御意見の方の資料も十分参考にいたしまして、むしろそれが数字の上では、科学技術庁の研究費でやりました数字と、ほとんど同じような数字が出ておるものが多いわけでございまして、それをどう見、どう読むか、どうそれを健康上判断するかというようなことが問題であろうかと思うわけでございますが、私は御答申の趣旨が、これは正しいものであろうと考えておるわけでございまして、また何か、一部の圧力に屈して云々というようなことは、これは絶対にございませんことを申し上げておきたいと思います。
○藤原道子君 私も、実は夕べ旅行からおそく帰りましてから、この問題にちょっと訴えがあるものですから、大急ぎで昨年の資料など、速記録などを見て、大急ぎのにわか勉強ですから、もっと突っ込んでお伺いするのは後日に譲りまして、とにかく非常に危険な人命にかかわる問題でございますから、さらにさらに研究していただきたいということを強く要望いたします。 それから先ほどもお話がございましたように、何ら規制がなく野放しということも、これは大きな問題だと思いますので、この点も十分御検討いただいて、何らかの規則を作る。それからドイツでこれを禁止するということになったからこそ、ドイツでは溶解性——分解しやすいもの、ABSでなく、もっと分解しやすいものを研究するというように、また一段の進歩が出ているわけですね。これをみるときに、私たちはドイツが危険だと思う、こういうものを禁止する以上は、それは何といったって、そこに問題があるということを、どうしても考えないでいられない。しかもドイツが発明して、こっちへきたものでしょうということになれば、よほど考えていかなければならないんじゃないか、出てから、まことに申しわけありませんと言われても取りかえしつかないのですから。それから水もだいぶきれいになった、活性剤を入れた、活性剤を入れたとおっしゃるけれども、活性剤といっても非常に高価なものだというじゃないですか。ですから、それをふんだんに使い得る東京都にしても、あるいは厚生省にしても予算があるわけじゃないです。それからあるところへ行きましたら洗たくするのに水があわ立つから、だから洗たく剤を使わなくてもきれいになるわよなんて喜んでおる。私たちはこんな水を飲んでおるんです、知らないで。危険度はないというけれども、そんなもののまざった水を飲んでいるなんと思うと、とてもいやでございます。もう少し責任のある、もう少し権威のある御答弁が願えるように、さらに御検討をお願いしたい。 たいへん憎まれ口聞きましたが、私は事、人命に関するもの、これを究明して安全を期するのが政治の務めだと思いますので、あえてお伺いしているわけです。また日をあらためて、私ももら少し勉強いたしまして、さらにこの問題の御質問を申し上げたい、こう思います。
○政府委員(五十嵐義明君) 藤原先生からも非常に専門的な御知識を基礎にしまして、いろいろ御質問、あるいは御指摘、あるいは御要望を受けたわけでございますが、十分御趣旨を体しまして、先ほど高野先生からも御要望のございました法規的な規制というふうな点も含めまして、十分研究、検討さしていただきたいと存じます。
○高野一夫君 私、ちょっと政務次官にお願いしておきたいんですが、今、局長も触れられたんですが、私は、先ほど中性洗剤が法律的に何だということを聞いたら何もないんですね。化学的製品であるのですから、何事もない場合もあれば危険性を伴う場合もある。化学的製品——農薬は農薬取締法で、医薬品は薬事法で、食品添加物は、食品衛生法で取り締まる、まあ食品衛生課まで置かれて厳重にやろうという、まことにけっこうだと思います。先ほど藤原委員からもいろいろ話が出て、家庭で常用されるこの化学的製品が、法的に何の解釈もなければ、何の取り締まりもできないというので、関係局とよく相談して話をまとめる、こういうことでございましたから、これはひとつ政務次官、大臣が中座になられて医務局、薬務局、公衆衛生局、環境衛生局、少なくともこれだけは関係があると思いますので取りまとめて、そして何らかの法的の解釈、定義、そうして取り締まりの対象にするということの案をお作りになるように特にお願いしておきたい。
○政府委員(渡海元三郎君) 私、大臣と交代いたしましたので、出ておりませんので、先ほどの御質問の内容は聞いておりませんが、ただいま御要望のございました点ごもっともだと思いますので、十分検討いたしまして、御要望に沿うように普処させていただきたいと思います。
○藤原道子君 理事と委員長にお願いがあるんです。一度終末処理機関と、それから貯水池ですか、こういうところへ一度委員会で見に行きたいと思うんです。そういうようなことも、やはり御計画にお考え願いたいわけです。
○委員長(加瀬完君) ただいまの藤原君の御意見は、委員長理事会で打ち合わせしまして、皆様方にお諮りをいたします。 ほかに御発言がございませんか、——御発言もないようでありますので、本件に関する調査は、この程度にとどめます。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十八分散会 —————・—————