社会労働委員会 第11号
- 発言数
- 128 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/03/19
会議録
○委員長(加瀬完君) ただいまより社会労働委員会を開会いたします。 委員の異動についてお知らせいたします。 本日、林塩君が委員を辞任せられ、その補欠として山高しげり君が選任せられました。 —————————————
○委員長(加瀬完君) 母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の通告がございますので、順次発言を許します。
○藤原道子君 私は、まず第一にお伺いしたいのは、この母子福祉資金貸付法については、この委員会のときに附帯決議がついております。これに対して、政府は極力努力いたしますという御答弁をいただいておる、とりわけ母子福祉が各般にわたっておりますので、これを統合いたしまして、母子総合福祉法を制定すべきであるというのが強い本院の要望でございますから、これについて、政府はきょうまで非常に消極的な態度であったと思うのです。非常に遺憾だと思います。 したがいまして法律案の附帯決議についてのその後努力された件につき、あるいは総合福祉法の制定の用意があるかどうかということについて、まず第一にお伺いしたいと思います。
○政府委員(黒木利克君) 母子福祉資金の貸付等に関する法律が昭和二十八年に制定をせられまして以来、数次にわたりまして改正をいたしておりますが、残された問題が、まだ多々ありますが、附帯決議等で御要望になりました中で、母子福祉についての総合的な施策、ないしは総合的な立法について検討をするようにということでございました。 そこで、厚生省といたしましていろいろ検討はしておるのでございますが、特に最近には全国社会福祉協議会が母子福祉の総合的な立法の要綱案というようなものを厚生省に申し出があったのでございます。それをいろいろ検討を今しておりますが、現在のところでは、この全社協の総合法案をみてみますと、従来の施策に、単に保育手当というような新しい制度をつけ加えるというだけで、実はあまり実益がないような内容になっておるのであります。法律を作るからには、やはり大きな実益が必要であろうと思いまして、どのような実益があるか、いろいろそれについても、関係方面とも検討をしておるのでありますが、今のところ検討中という段階でございます。 ただ、中央児童福祉審議会が児童福祉法の全面改正というようなことの答申が出まして、児童福祉法を今全面的に再検討をいたしております。また、母子保健、母子衛生の関係の立法を作る必要があるのではないかという論議もございまして、かれこれ合わせまして、この児童福祉法の根本改正、あるいは母子保健立法の必要の可否、これに関連いたしまして、やはり母子福祉の総合立法について検討を迫られておるわけでございまして、いま暫く結論を待たせていただきたいと存ずる次第でございます。
○藤原道子君 法律案の総合立法についての要綱が出てきた。だが、これは実益があまりないらしい、だが検討中だ。それならば、あなたの総合立法に対しての見解はどうなんですか。どういう点を入れれば実益があるのか、それは検討しておいでになると思いますので、その経過等を伺いたい、そのお考えを伺いたい。
○政府委員(黒木利克君) 実は児童局を中心にいたしました母子福祉の総合立法の、もし内容ということになりますと、母子福祉資金のこの貸付の法律を主体にいたしまして、児童福祉法の中の母子寮とか、その他の制度を取り入れるというようなことが骨子になると思います。しかし、母子福祉の対策の中身としては、御承知のように所得保障と申しますか、社会保障の面で国民年金と、母子福祉年金あるいは厚生年金なり、共済組合保険と、いろいろ母子手当の問題、このような所得保障の問題を、この母子福祉の総合立法に取り入れるということは技術的にもなかなか困難ではないか、やはりこの所得保障の問題は、家族手当と申しますか、そういうことで、本格的に最後的な体系というものを完備すべきではないかという考えでおるわけでございます。それから、母子という同じ言葉は使っておりますが、一般の母子を対称とした保険立法、これはもちろんいわゆる母子家庭のほうも対象にするのでございますが、これを、この母子福祉の関連でどうするかということも、いろいろな対象も異なりますから問題があるわけでございます。 そこで結局児童局として立法する場合には、社会福祉の施策として母子福祉総合立法ということしか考えられないのでございますが、現在のところでは、いろんな既存の制度を単にこの総合法の中に入れるというような程度でございまして、実は、あまり実益が期待されないのであります。ただ、先ほど申しました全社協から保育手当というような新しい構想を持ち出されまして、これがもし可能性があるならば、相当な実益になると思うのでありますが、これにつきましても、いろいろ内容上検討を要する問題がございまして、どうもこれも具体性が、まだないわけでございます。そうしてみますと、やはり児童福祉法の改正の機会に、母子だけの総合的な立法を児童福祉法から離して作ることが考えられるわけでありますが、しかし、一面から児童福祉法の中に、むしろこういうような母子福祉の貸付の関係も取り入れたらどうだというような御意見もございまして、一体、どうしたほうがはたして母子世帯のためになるか、実益があるかということについて、まだ私としても結論を見出せないという段階でございます。
○藤原道子君 大臣がおくれておいでになりましたので、大臣に児童、母子対策についての基本的なお考えを伺いたい、私どもは、母子福祉資金の貸付法が出るときに、これだけではおかしい、非常に重大な問題であるから、母子の福祉を守るために、もっと抜本的な立法をすべきではないかというようなことで、政府の所信をただして参りました。そしてこの母子福祉資金の貸付法ができてから、その後二十四国会あるいは二十六、二十八、三十四、これらの国会に、衆参ともに附帯決議をもって、それで大臣に母子対策の重要性を訴え、そして政府も善処いたしますということで、きょうまで来ているんです。 それで、本院の強い要望は、母子の福祉をはかるためには、母子の福祉の総合立法を作るべきではないかということを強く要望してきた。ところがこれだけ長い間、委員会の要望、附帯決議等があるにもかかわらず、きょうまで非常な消極的な態度である。それで今、いろんな社会的な問題が起きている。夫がいてさえ暮らしにくいときに、母一人で子をかかえて生きる道がいかにけわしいか、これらのことは、今さら言うまでもないことだと思うのです。それをわずかな福祉資金の貸付法で糊塗しておられる今日、大臣としては、母子世帯に対して今後どう福祉をはかっていくかというような基本的のお考えを、大胆率直に私は伺いたいと思います。
○国務大臣(西村英一君) 母子対策に対して、総合的に考えてみるべきじゃないかという、国会のいろいろの御先生方の御意見もあったことは承知をいたしておりますが、それはそれといたしまして、現在の状況では母子対策は、考えられるあらゆる面から、いろいろ行なわれておるんであります。今回法律を提案いたしましたのも、そのうちの一部分ではございまするけれども、その内容を充実していこう、母子の方々の御要望にこたえて、内容を充実していこうということで、今回は母子の貸付金の改正案を提出いたしたのであります。母子対策は、あらゆる面から推し進めなければならぬのでございまするから、一ぺん今、それをここでひとつ総合的に全部見渡してみようじゃないかという必要性は、私もそれは同感でございます。同感でございまするが、まあ、その内容がよくなるということが第一の問題でございますので、今各個で行なわれておりまするところの施策、たとえば住宅の問題にしましても、あるいは税金の問題にしましても、貸付金の問題にしましても、個々別々に、いろいろな施策が行なわれております。行なわれておりまするから、これらを一つ一つレベル・アップをしていくということも、これはやらなければならぬと思います。ただ、法律を総合的に作りましても、何がその主眼になるかということが根本問題であろうと思うのであります。私も言い回しがちょっと下手でございますので、はなはだ先生におわかりにくいかもわかりませんが、法律を作るというよりも、内容を充実していくというところに力を置きたい、その一環として、今度も貸付金の一部ではございまするが、内容を充実していきたい。 それからもう一つは、今までは御承知のとおり母子対策と申しますと、低所得者——困っている方々に救いの手を差し伸べてやる、所得を若干保障してやる、教育も少し授けてやろう、それから母子対策ということは、所得保障のみではございません。母子というこの特殊な地位に、社会的に置かれておる方々でございますので、低所得者対策としての施策もさることながら、もっと母子家庭に対するほかの観点から、ものを考えなければならぬのじゃないか、この点は、実は私どもも同感でございます。しこうして社会の状況といたしましても、社会の母子の受け入れ方としても、従来よりは非常に考え方が変わってきておると思います。たとえばお父さんのない家庭の子供は、就職に対して困難があるとかいうような問題は、私たちも今、ちまたに聞きますと、やや昔よりは緩和せられたのじゃなかろうかと、私はかように思うのであります。まだしかし、多少はハンデキャップはあるかもしれないと思われます。しかし、私が申しましたように、母子対策については、低所得者の対策に、さらにプラス母子の置かれている特殊の事情にかんがみまして、一般的なものを考うべきじゃないか、そういう意味において、この際、総合的にひとつ母子対策の総合法を作ったらどうであろうか、作るべしという御意見も、私は十分わかります。したがいまして、今までお約束してきましたのに、機が熟せぬと申しますか、総合対策は、今回提出することができませんでしたが、その一部分でありますものについて、内容を改善したいということで提案した次第でございます。また後ほど、いろいろ御質問がありましたらお答えいたしますが、一応、私の考え方を申し述べた次第であります。
○委員長(加瀬完君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(加瀬完君) 速記を起こして。 先ほど報告いたしました資料要求の件について、厚生省保険局の企画課長広瀬治郎君が出席しております。資料要求の件について、鹿島君の発言を求めます。
○鹿島俊雄君 厚生省保険局企画課長に資料要求いたします。それは最近、生保協会で私的医療保険をやる。これに対して厚生省では、その企画に対して同意するというようなことが新聞に散見するのですが、われわれといたしましては、その内容はつまびらかに承知しておりません。一応、本委員会はもちろん、われわれ一同、内容を知らないので、厚生省で資料のお持ち合わせがあれば、御提出願いたいと思います。
○藤原道子君 私は今、少し簡潔に所信を表明したらいいと思う。何とか消極的なのをごまかそうとするから、非常に答えがあいまいになってきて、中心点を把握するのに骨が折れるのです。大臣は、考えは持っているとおっしゃるけれども、母子対策については非常に弱いのです。その一つの現われとして、やっぱりこの間の保育所問題で申し上げましたように、間食費がたった三円というような考えられないようなことに据え置いておられるというところに問題がある。同時に、ただいま大臣が言われましたように低所得層の母子対策だけでなく、母子全体の福祉対策を考えて参らなければならないというのが、私たちの主張でございますから、この点は十分お考えになって、至急に立案されるようにしてもらいたい。全社協から出ているから検討するなんという答弁は、この委員会ではできないはずです。附帯決議でも、十分考慮いたしまして御期待に沿いますと、しばしば答弁していらっしゃるのですから、厚生省が率先して出さるべきであろうと私は思いますので、その点は非常に遺憾でございます。 そこで中央児童福祉審議会で、いろいろなことを審議することになっているのですが、貸付等についても、この審議会の意見を聞いて貸し付けることになっているのですけれども、実際には、この審議会の開催が非常に少ないように思う。これは一体どういうわけか、それから、また急を要する場合は、都道府県の審議会の意見を聞かないで貸付の決定をすることができる、こういうふうになっておりますが、そういう場合の事例などについて、若干御説明願いたい。
○政府委員(黒木利克君) 御質問のように貸付は、中央児童福祉審議会が原則として決定をする、ただし、緊急の場へは都道府県知事が専決ができるという規定がございまして、その運営状況についての御質問でございますが、実は中央児童福祉審議会の中に、この母子福祉の貸付の特別部会というものを各県が作りまして、簡便に決定ができるようにいたしておるのであります。これは各県数字がまちまちでございますので、大体、毎月一回ずつやる県、それから九回ぐらいやる県、あるいは六回ぐらいやる県というふうに分かれております。平均して、大体年に七回ほどでございますが、御承知のように、この事業資金の問題は、いろいろ季節ごとの貸付の必要がございまして、たとえば夏になりますというと、氷を中心にした行商というようなことで、それに間に合うように、たとえば五月には二回開くとかいうような季節ごとに運営をやっております。たとえば四月には、入学資金その他いろいろ授業料等の関係がございますから、必ず開催をするというようなことで、大体平均しては七回近くでありますが、各県によりましては、毎月やっておるところもございます。
○藤原道子君 私は、この審議会の状況等にも遺憾な点が多々あると思うのです。ほんとうに母子福祉を考えて、なるべく早急に査定をする。それから、どうも考え方が、回収しやすいほうへ貸し付けるという傾向があるやに伺っておりますので、今後、そういうことのないように考慮してもらいたい。 それから母子世帯の住宅対策は、一体どういうふうになっておりますか。第二種公営住宅ですか、これらについても、あるいは母子寮についても、私どもは前の委員会で、この第二種住宅は母子対策用、母子世帯用何割というふうに、はっきりきめて、これらの人に住宅を開放すべきだというふうに要望いたしておきましたが、それらの状況についてお伺いいたします。
○政府委員(黒木利克君) 先ほどの、貸付を迅速にするということは、もう十年もやっておりまして、マンネリズムになっておるきらいもございますので、先生のおっしゃるように迅速にやりたいと思います。 それから住宅の対策の問題でございますが、御承知のように、昭和三十年度から、第二種公営住宅に、母子世帯を重点的に入居させるという措置を先生方の御協力によりまして始めたのでございますが、昭和三十四年度からは、さらに対策を一段と強化いたしまして、第二種公営住宅の建設戸数の中から、一定のワクを建設省からもらいまして、これを母子世帯向け住宅として建設させる。そうしてその家賃の減免についても考慮するように指導して参っておるのであります。そこで、昭和三十四年度からの計画戸数、これは毎年千五百戸、今まで四千五百戸割り当てておりますが、そのうち、現実に建設した戸数は、昭和三十六年度は千六百十でございますが、平均すると、大体千五百に満たない、四千二百九十九を今建設をいたしておるのでございます。しかしこれはそのワクは、まだ拡大はできるのでありますから、こういう実績に基づきまして、将来ともたくさんの戸数を確保するように努力して参りたいと存じます。
○藤原道子君 今、母子住宅で足りないと思うのは、どれくらいあるのですか。それから母子寮は、子供が年令に達すると出なければならないのですね。こういう状況と比較いたしまして、この一定額のワクはもらったとおっしゃるけれども、それで十分足りているのかどうか、足りない場合は、一体、どうなっているか、そういう状況を伺いたい。
○政府委員(黒木利克君) 大体、母子寮で自立いたしまして、もう退寮可能な世帯が、現在三千二百四十世帯でございます。これは全入居世帯の二九・五%になるのでありますが、今回は、こういう人たちに対しまして、一万二千円の敷金に相当するようなものを転宅資金として新たに退寮がしやすいように措置をとったわけでございます。その他会社等に住み込むとか、その他の一般の住宅、部屋を借りるとか、そういうようなことをやっておるのでございますが、大体、二千七百五十四世帯くらいが今回の転宅資金の利用で、住居の獲得が可能ではないかというふうに見込んでおります。
○藤原道子君 それでは、これに足りない分は、どういう対策を立てられるかそれから一万二千円で転宅の支度資金ができるでしょうか。
○政府委員(黒木利克君) 転宅資金は一万二千円でございますが、大体、公営住宅等の敷金等を調査いたしまして、この程度で転宅ができるであろうというようなことでやっておるわけであります。したがって、公営の住宅には、大体、これで入れるというふうな見通しをつけておるわけでございます。ただ、一軒の家を借りるよりも、部屋を借りるという傾向も非常に多いと思いますので、その際も、一万二千円前後で大体いけるのではないだろうかという考えでおる次第でございます。
○藤原道子君 今の住宅事情を御調査になれば、そんななまやさしいものじゃないと思うのです。それから、最近、青少年の非行がふえて、非常に苦労していることは親がよく承知しているはずなんです。こういう点から考えましても、その大きなウエートが住宅問題にもかかっているのです。そういう点から、もっと建設省のほうに強力に働きかけて、ワクをふやして、公営住宅が希望者にすべて当たるように対処されることが、この際、絶対必要だと思います。一般の住宅に入る場合に、敷金が幾らかかる、転宅費用がどれだけかかるかということを考えれば、黒木さんだって一万二千円で、これは足りると思っていないと思う。まあ何とかなるだろう、何とかならないのが、母子世帯だろうと思うのです。そういう点は、十分もっと愛情をもってやっていただかなければ、母子対策の成功はおぼつかない、かように考えます。 それから、母子世帯の現在の雇用対策、就業状況、こういうものをちょっとお伺いいたします。
○政府委員(黒木利克君) 母子世帯の雇用対策は、労働省が直接所管をいたしておるのでございますが、最近は、高年齢の女子世帯に対する就労対策に非常に力点を置いておられるようであります。厚生省といたしましても、労働省のほうにお願いをいたしまして、母子世帯の公共職業安定所あるいは公共職業補導所における就職の促進をお願いしておるような次第でございます。私のほうは母子福祉の貸付のほうで、技能修得資金というような、あるいは就業資金というような制度があるのでございますが、これも昨日、いろいろ予算委員会で御質疑があったのでございますが、非常にその利用率が低いのでございます。年間、三十六年度は百にも満たないというような状況でございますが、いろいろ調べてみますと、労働省方面のいろんな雇用の対策というものが、こういうような母子世帯にも及びまして、かなりな成果をあげておるということが、どうも原因だというふうに思えるのでありまして、やはり、本筋は労働省において、雇用政策として取り上げていただく、あるいは労働省の職業補導所で、いろいろ職業の補導をしていただくということが本筋だと思いますので、そちらのほうに、ますます努力をいたしていただけるようにお願いをいたしておるところでございます。
○藤原道子君 このごろ雇用が好転したような話は、これは逆じゃないでしょうか。結局、資金を借りられないのは、払う見込みがないから借さないのでしょう。ここに問題がある。それから、最近になって、むしろ子をかかえた婦人たちの職場がせばめられている、正当な所が。だんだんとサービスのほうに行かざるを得ない。こういう方向に追いやられている現実を御承知でしょうか。だから、私は夫に代わる支えとして国家社会が見るという場合に、償還可能な人にのみ貸し付けるという今のやり方に問題がある。これらに対して、どうお考えでしょうか。
○政府委員(黒木利克君) 償還能力がない者に対して貸し付けるということがだんだんむずかしくなってきたのではないかという御質問でございますが、実は私のほうでは、貸し付けの場合に、できるだけ物的な担保はもちろんとりませんが、保証人というような制度だけで、貸し付けをできるだけ阻害しないようにという運営を心がけておるわけであります。衆議院におきましても、この保証人制度すら、この貸し付けというものを大いに阻害しているのではないかというような御注意がございましたが、いろいろ調べてみましても、未亡人の団体から、この保証人制度について絶対に因る、これが貸し付けを阻害するというような御要望は、実は聞いていないのでございます。むしろ、保証人がおるということは、そういうような協力者、援助者を得るということでありまして、母子相談員が、できるだけそういうような援助者を見つけて上げるというようなことで、実は保証人制度を、むしろ援助者を見つける一つの方法としてすら活用するように、私のほうは指導しておるような次第でございます。 それから、単に保証人が得られないから、貸し付けがなかなかむずかしいというようなことのないように、連帯——何と申しますか、借り受け人が、母子の世帯の借り受け人が連帯して共同で、お互いに保証し合って借りる道も、実は、運用上認めているわけであります。したがいまして、資力が——かりに一人でなくても二人、三人共同で、お互いが保証し合うというようなことの運用で、そういうような実際の担保能力がなくても、貸すようなことをやったり、あるいは未亡人団体なり、あるいは自治体等でも見てもらう保証等の制度もありますから、そういう意味で、そういう制度を活用して貸し付けが、そういうような償還能力がないがためにできないことのないように、実は指導をしております。 なお、先般の改正で、償還の猶予とか、あるいは償還をしなくともよろしい、償還免除というような制度も、実は法律上できておりますので、そういう点も活用いたしまして、御質問のように担保能力がないために、こういう制度が運用ができにくいというようなことがないように努力して参りたいと思います。
○藤原道子君 そういうことがないように運営されていると、確信を持って答弁できますか。
○政府委員(黒木利克君) 実は衆議院でも、さんざん御質問がございまして、いろいろ未亡人団体とか県等に照会をしたのでございますが、保証人が得られないということが唯一の理由で貸し付けができないというようなことは、まだ聞いていないのであります。しかし、われわれが把握しない裏面におきまして、そういうものが得られないために、貸し付けの申請すらしないというような事象等も、もちろん、考えられないこともないわけでございまして、これは附帯決議にもありましたように、この保証人制度、あるいは貸付を阻害する原因が何かということの究明をいたしまして、善処いたして参りたいと思います。
○藤原道子君 結局、厚生省では償還状況がいいというようなことをよくおっしゃるのですが、これは一面において苛斂誅求が行なわれているのではないかというような気がする。私たち泣きつかれた実例があるのです。それは都道府県の、何と言いますか、事務に要する費用に、この取り立て金の手数料というのですか、そういうものが充てられている。それから同じ仲間からの相談員——こういう人に取りに来られれば、それは泣き泣きでも出さなければならない。ここに母子世帯のつらさがあるのです。ですから母子相談員の事務費その他は、別個に国が負担する、こういうふうになさらなければ、それは同じ仲間から取り立てにこられると、つらくても食費をさいてでも払わなければならない、こういう点があり、また、そういう人の実績を上げなければならないために、やはり償還可能の人が優先的に借りられる、こういう弊害が下部には起きているのです。ですから、これに対しては、やはり利子も、違約金の一部とかいうようなものも、この際やめてしまう。そして母子相談員に対する手当は国が負担する。取り立ての中から一部を回わす、率によって収益を上げる、こういうことは、私は国の法律としてとるべきでないと思います。ことに弱い母子世帯に対する貸付金でございますから、私はそう思いますが、あなた方は、どうお考えでしょうか。
○政府委員(黒木利克君) 確かに、お説のように、こういう事務費的なものは、公の費用で負担するということが理想だと思います。ただ現在、すべての貸付制度につきまして、運用の事務費は貸付金の利子等から、あるいは利子にプラス一般の県の繰り入れでまかなっておるというような実情でございますので、ただちに全面的に、この事務費を利子等から充当することを廃止することはできないと思いますが、しかし、そちらのほうに向かって努力はしなくてはならぬと思います。 そういう意味で、今回改正の御審議を願っておりますのは、従来事務費に利子等を充当するのですが、それが三分の一まで、従来何と申しますか、利子を充当する率が低かったのでございますが、今度はそれを、三分の一を二分の一にするというようなことで改正を実はしたような次第であります。しかし、これだけではもちろん事務費が足りませんで、私のほうは、県からの一般会計の繰り入れ等をできるだけ促しまして、先生のお説のように、だんだん公費で事務費は運用できるようなことをやりたいと思っております。ただ、なおこの母子相談員は、実は現金の取り立てには従事させていないのであります。特にケース・ワーカーでございますから、こういうようなことで償還の事務と関係をつけますというと、ケース・ワークの本義に反しますから、現金取り立ては行なわせておりません。それから相談員の人件費は、この母子福祉資金の貸し付けの事務費からは充当をされていないのでございます。しかしお説のような趣旨もよくわかりますので、できるだけ、こういうような面は改善をして参りたいと思います。
○藤原道子君 私は、そこで根本的に、あなた方と意見が違ってくるわけなんです。私どもは、母子福祉資金貸付法ができた精神は、私は、国がほんとうに、その制度がなければ、母子は生活保護を受けて暮らしたほうが楽なんですよ。それをしたくない。夫がいてさえ暮らしにくい世の中に、母が子をかかえてやっていくのは、いかにも困難なんですよ。苦しいですよ。だから、それに対して貸付制度を設けた。これに利子をとること自体が間違いなんですよ、最初から。これは無利子であるべきはずなんです。初めは、奨学資金まで利子をとった。このごろはなくなりました。そういうことで、漸次、ちびちび後退していくのだとおっしゃるけれども、そのものの本質を考えれば、利子とか違約金とかいうものは全廃すべきだと思うのです。大臣いかがでございましょうか。か弱い母子世帯からまで利子をとらなければ、国の予算は成り立たないかどうか。ほかの制度が利子をとっているから、だから母子資金のほうも、利子をとるのだということは当たらないと思う。私は無利子でいいと思う。無利子にしても、国の予算は破滅しません。私は母子世帯に対して、無利子にする。それから何といいますか、延滞の違約金、これなんかも、取ること自体が苛斂誅求だというのですよ、私は、そういうことに対して、大臣はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(西村英一君) 御趣旨の点は、十分考えてやっておるわけでございます。全部じゃございませんが、利子を取るにいたしましても、世間通例の利子に比べれば、きわめて低い。しかも取らないものもある。これは一般通例ではありません。世間の状況をみていただけばわかります。全部をやめるということも、それは、そうかもしれませんが、少くとも母子に対する貸付の精神は、十分考えてやっておるつもりでございます。
○藤原道子君 十分考えていらっしゃるなら、この際、思い切って利子をやめたって、幾らになるのですか、そういう点で、まして違約金を取るなんて、とんでもないことだと思います。母子世帯から違約金を取らなければ、そうしなければ、国がやれないわけじゃないと思う。利子を取るものもあれば、取らないものもある、それはそうですよ。取らないのがあたりまえなんです。取っているほうが間違いだと私は思う。だから利子と違約金は全廃すべきだ、こう思いますが、もう一ぺん重ねてくどいようでございますが、お伺いいたします。
○政府委員(黒木利克君) 実は、二つの方法があるわけであります。先生のおっしゃるように、利子とか違約金というものはやめてしまう、しかし、これは貸付制度である以上は、やはり他の制度との関係もありまして、貸付であるからには、一応は低利といえども利子は取る、あるいは延滞の場合は、延滞の違約金を取るというのが、いわゆる私法上のこれはしきたりでございますから、これはやむを得ないという考え方と、もう一つは、利子や違約金は、そういう私法上の契約に従いまして取りますけれども、ただ償還ができない場合、あるいはそういうような利子が支払えない場合、償還の免除をしたり、償還の猶予をするというような制度を大いに活用するというやり方が二つあるわけでありますが、先生方の御意見によりまして、漸くその第二段の償還免除とか、あるいは償還の猶予とか、そういう制度を先般の改正で取り入れていただいて、これの運用を今やっておるわけでございますが、やはり貸付制度であるからには、この第二段の方法でいく以外には、今のところ方法がないのではなかろうか。ただ、今回は就学資金のみならず、就業資金につきましても無利子にするというような、逐次、そちらの方向には向かってはおるのでございますが、全然無利子にするというようなことは、なかなか財務当局との話し合いができかねると思うのであります。あるいは利子の補給というようなことを別途の制度で考えるということも考え得られないことはないのでありますが、そういう点につきましては、さらに検討をさせていただきたいと思います。
○藤原道子君 私は可及的すみやかに、その方向が実現することを強く要望いたしておきます。 それから時間の都合があるそうで、非常に残念でございますが、母子福祉資金の貸付に、私は医療費とか入学準備金、こういうものを加えるべきだ、こう考えますが、これについてのお考えを伺いたいと思います。
○政府委員(黒木利克君) 母子世帯に対して、必要な医療費の貸付の論議がたびたびございましたが、現在、社会局のほうでやっております世帯更正資金の中に、医療費の貸付制度というのがございまして、母子世帯のほうも、この適用を実は受けておるわけでございます。そこで世帯更正資金のほうから、こちらに移すということも一法でございますけれども、いろいろ運営上の問題で、やはり医療費の貸付は一元的にやったがよかろうということで、社会局のほうにお願いしておるというような格好でございますが、将来検討してみたいと思います。お説のように、母子福祉総合法等の場合には、これももちろん、母子福祉資金の中に取り入れてしかるべきじゃないかと思いますが、ただ、その運営上、まちまちになるということが、特に医療になりますというと、いろいろ手続が煩瑣になりますから、いろいろ制度が細分されますというと、かえって不便ではないかという弊害もあると思います。それから入学支度金の問題は、未亡人団体からも非常に強い御要望で、私どもとしては、そういう要求をしたのでございますが、実は公平に、やはりこの貸付をしなくちゃならぬ。そうしますと、全体で、どうしても二億円くらいの金が必要になって参るのであります。御承知のように、来年は国費の負担によって一億、県が五千万円の増額でありまして、これは償還資金等を計算に入れますと、三十八年度は十七億くらいの原資になると推定されます。昨年は、実は十五億の原資でございました。そこで二億円の差が、昨年よりもふえたわけでありますが、この入学支度金制度を採用しますと、この増額分が、全部ふっ飛んでしまうということで、新しく転宅資金あるいは今度就学資金の単価も上げますが、そういうことが十分行なえませんものですから、結局、財源が十分でないということで、やむを得ず見送らざるを得なかったのでございますが、これは大臣も明後年、大いに努力をしたいということを衆議院でも申されておりますから、大臣の御指示によりまして、これは最善の努力をしたいと思います。
○藤原道子君 私は、医療費の問題で、向こうにあるから、それを運用する——そこに、いろいろな問題がありますから、私どもも、母子総合福祉法を実現したいと考えておりますので、その点はそれといたしまして、私はこの入学資金ですね、これだけは、どうしても実現したい。それは子供が入学するとき、母の気持は想像以上につらいものなのです。今入学するのに、小学校でもどれだけ要るか、中学になったら、どれだけの金が要るかということを考えるときに、その子の入学の支度ができない、母の気持というものは考えただけでも、胸が痛い、こういうところが、わずかな予算で資金がないから見送られた、大臣もお考えになっておるというようなことで、今年実現できなかったことは非常に残念でございます。必ず来年度においては、これが実現されまするように、この点は特に強く要望いたします。 それから据置期間ですね。これは少し短いと思うのですけれども、これをもう少し長く延ばすようなことはできないものですか。どの期間を見ても——もう時間の関係で一律に言いますけれども、据置期間が非常に短い、すれすれの、やっとこすっとこ暮らしているわけです。そこへ金を借りるのです。それで生活をしなければならない、その金も返さなければならない、こういうことになると、それはもう借りた先、六カ月くらいの据え置きでは、これは大へんです。この据置期間を私はぜひ延長してほしい、これは、どういう考えで六カ月、六カ月と、こうなるのでしょうか。六カ月で返すだけの余裕が出るという考え方が、私は納得がいかないのですが、この据置期間延長についてのお考えを伺いたい。
○政府委員(黒木利克君) これは、他の制度との調整上、そういうようなことに経過的には実はなって参ったのでありますが、御説のように、再検討の時期にもきておるわけでありますから、検討さしていただきたいと思います。
○藤原道子君 ほかの法律でも、そうなっておるからというのが、私はいやなんです。母子対策をここで論じている。ほかがどうあろうとも、母子世帯では困難だということがわかっているなら、やはりこの母子世帯に対しての愛情ある政治として、これができないはずがない。ほかがこうだからこうだ、母子総合福祉法にしても、今までないものを発足しようというのでしょう。だから、ほかとの関連ということは、度外視してもらわなければ、これはもう、新しい政治は進まないと思う。どう思います。
○政府委員(黒木利克君) 確かにわれわれとしては、母子福祉の特殊な立場から、特別な取扱いをするということを、たえず考えておるのでございますが、ただ、先ほど御質問にございました入学支度金の問題でも、私のほうは、ぜひ必要だということを財務当局に要求したのでありますが、御承知のように文部省系統の育英制度がございまして、ここにやはり影響する、私のほうは二億で済みますが、向こうのほうでやりますと十数億になるというふうなことで、たえず抑制をされてきたわけでありますが、何とかしかし、独自性を発揮したいということで、突破口を作る努力をいたしておるのでありますが、入学支度金等は、これは私のほうの独自の立場で、実は文部省のほうは要求しないものを要求してみた。そういう努力は御理解願いたいと思うのでありますが、お説のように、できるだけ他の制度がそうであるからでなしに、母子世帯の独自性というものを主張して、今後努力して参りたいと考えております。
○藤原道子君 委員長に伺いますが、きょうは大蔵省は来ていないのですか。
○委員長(加瀬完君) 大蔵省は、この間来ました課長は御家族の御不幸で出られない。それから、厚生省担当の次長並びに局長は、予算委員会のほうに出席を要請されておりまして、結局、先生の要求にこたえられる方が、本日は出席できかねる、こういう状態だというお話がございました。
○藤原道子君 大蔵省関係は、一人か、二人しかいないのですか。
○委員長(加瀬完君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(加瀬完君) 速記を起こして。
○藤原道子君 私は、大蔵省が握りつぶしてといわれるが、厚生省が弱いのだろうと思うのです。ほかの制度に影響するというけれども、それは両親のあるところでしょうね、育英資金なんということは……。これは父親のない子供のためなんですよ。それに二億要るから、それは一般の子供に及ぼせば二十億になる、だから、二億は泣き寝入りということには当然ならないし、大蔵省の考えが間違っていると思うから、そこで大蔵省に聞きたかったわけなんです。 それでは、最後に一つお伺いしたいと思いますが、母子相談員の手当とかあるいは旅費、事務費の額は、どうなっておりますか。 それからもう一つ、この母子相談員が、訪問調査とか、貸付相談指導だとか、償還督促、就職相談などをやっているわけですね。これが都市において、どうもまだ設置されていないというのですか、そういうところが相当多いように聞いておるのですが、その状況は、どうなっておりますか。それからまた、そうであるとすれば、その理由はどうであるか。
○政府委員(黒木利克君) 母子相談員の処遇の問題でございますが、これは昭和三十六年度に二〇%の手当の増額をいたしました。さらに三十七年度に活動旅費の大幅な増額、五千円を年額二万五千円に引き上げました。そのほか新たに社会保険の事業主負担の実現をみたのでありますが、これは御承知のように、交付税交付金に入っておりますので、目下自治省と相談をいたしまして、三十八年度においても、手当の増額をはかるべく、今折衝中でございます。 それから母子相談員は、今九百三十二人全国でおりますが、最近には、都市にも配置されるようになりまして、大体適当な数が現在そろいつつあります。そのほか母子福祉協力員というようなものを三十三府県に設置いたしまして、相談員に協力せしめております。
○藤原道子君 せっかく今度就学資金が五百円上りましたね。だけれども、今の社会の実情から見て、千五百円に上げるだけの親心があったならば、実情に即して上げてほしい。千五百円、こういう小刻みにされたのでは、せっかくの親心が泣くと思うのです。それをやはり三千円ぐらい、大学は五千円ぐらい引き上げるのが妥当である、こう思いますが、この千五百円とおきめになったことの理由はどうでしょうか。
○政府委員(黒木利克君) 文部省の管理局の調査で、高等学校の授業料その他が月に公立の場合に九百円程度、私立の場合は千五百八十円程度というような数字がございましたので、それで千五百円という実は算定をしてきめていただいた次第でございます。
○藤原道子君 私一人が長くやっていても、どうもなんでございますから、この程度でよしますが、委員諸君もお聞きのとおり、これは私だけのあれじゃないのですね。全員一致、全会一致で附帯決議をつけて、今までこの問題は皆さんも非常に熱心に審議していただいたわけです。ところが、それがあまり実効が上がってないのですよ。大体が母子世帯とか、厚生行政に対して少し熱意がなさ過ぎるという点で、くどく質問するわけなんです。したがって、私は厚生省に対して、最後に強く要望を申し上げたいのは、もっと力のある施策をしてもらいたい。母子世帯の実情に即した対策を立ててもらいたい。と同時に、据置期間をぜひ長くしてほしい。利子それからその他について、これを撤廃してほしい。一日も早く母子福祉総合法の制定を急いでもらいたいということを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○山高しげり君 二、三伺いたいと思います。ただいま藤原委員の熱心にいろいろお述べになりました中で、入学準備金のことが出て参りましたけれども、公平に考えられたので二億というような数字が出たというお話でございますけれども、その「公平」というのは、どういう意味でございましょうか。
○政府委員(黒木利克君) これは高校に入学する者で入学資金の貸付を受ける者全員、それから大学に入学をした者で、この入学資金の貸付を申請した者、あるいは貸付を受けた者全員というふうに考えまして、公平にということを申し上げたのであります。そこで、就学資金はもらえるけれども、入学支度金がもらえないというようなことのなかなかけじめがつけかねるという意味で、全員にやはり給付すべきだ、貸し付けるべきだということで申し上げた次第であります。
○山高しげり君 たいへんに御親切なようで、結果においては、あるいは実現できたかもしれない入学資金を取り逃がしたような結果になったうらみがないでもないような気持ちがするわけでございます。全員が、就学資金借り受け者の数字を基礎にして、それが全部入学準備資金を借り受けるであろうという、その推察が少し甘いというとなんでございますが、多少、少なくても入学準備資金の頭を出して、だんだんこれを現実に進めていったほうがよかったように考えるのでございますが、まず、今藤原先生もおっしゃいましたように、また大臣も来年は必ずとおっしゃるし、衆議院も附帯決議を強くなさいましたようでございますから、まあ必ず、ひとつ来年にお願いをしたいと思います。 そこで私、転宅資金につきましてひとつ伺ってみたいのでございます。転宅資金でございます。この資金は、先ほども御説明がございましたように、母子寮等から自立をする場合の敷金という御説明でございますが、この母子寮等の「等」の内容を伺いたいと思います。
○政府委員(黒木利克君) 実は先ほど御説明申し上げましたように、母子世帯で母子寮に入り、自立しまして転宅の可能の者が三千名あまりある。その中で、今回の資金で二千七百世帯を対象にいたしておるような次第でございます。したがって、母子寮から転宅をする場合に、来年度の予算では運用して参りたい。将来は母子寮のみならず、どこかにおりまして転宅をする場合にも運用をして参りたい。しかしその意味で、「母子寮等」ということで、将来の、そういう余地を残した次第でございます。
○山高しげり君 将来のために「等」をつけていただいているのも親心かもしれませんけれども、先ほど藤原委員も申されましたように、母子世帯の実情というものを、もう少しごらんいただきますと、なるほど母子寮から出なければならないお母さんは、子供が十八才になったら、もう母子寮にはおられないという、追い立てを食っている立場でございますから、住宅を必要とする程度が最も差し迫っている人という、一つのよりどころになると思うのでございますが、ただ、母子寮というものは大きな都市に主として設立をされておるのでございます。しかし、母子家庭というものは、町村にも散在しておりまして、その中にも、子供の年が大きくなったので、今まではとにかく、間借り生活で事が足りていたけれども、どうしても子供の成長に伴って一戸はかまえなければならないというような必要性に迫られている人たちも相当数ございます。 そこで、何か母子寮だけをお考えになっているような印象が、先ほどの数字の御説明によると出ましたので、「等」の内容ということを伺ってみたわけでございますが、将来のお含みがございますれば、この際は、やむを得ないと思いますが、次の機会には、ぜひそういう町村におります母子家庭というものの現実をよく把握なさって、御立案を願いたいと思う次第でございます。 次に、母子相談員のことについて申し上げたいと思います。先ほど藤原委員からも、いろいろと母子相談員の問題を御指摘になったわけでございますが、同じ厚生省の御所管で、婦人相談員という制度が売春防止法によって設置をされておりまして、ほとんど母子相談員と婦人相談員は、処遇に似通った点があるわけでございますけれども、ただ、その予算の面におきまして、婦人相談員は国庫負担でございますのに、母子相談員は、局長が仰せられましたように、交付税交付金でございます。したがいまして国から出て参りましたお金が、母子相談員については、一人幾らという積算で地方へ送られましても、地方によりましては、そのとおり母子相談員に支給をされ得ないという場合もあるわけでございます。この点は、私は婦人相談員のように、国庫負担にぜひ直していただきたい。この法律は二十七年に議員提案で生まれた法律でございまして、法制定の当初におきましては、母子相談員の経費は国庫負担でございました。その後数年にして交付税交付金に変わったということで、これはもう一ぺん抱き起こしていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○政府委員(黒木利克君) 現実に婦人相談員と、地方におきましては、ほとんど差別がございませんので、現在の制度で自治省と相談をして改善をするということのほうが、むしろ簡単ではないかというので、現在の制度で改善をはかりたいと考えております。
○委員長(加瀬完君) ちょっと私からも伺いますが、交付税交付金の交付を受けておらない自治体は、自前でやらなきゃならないことになりますね。ですから、出すか出さないかということになりますと、国の直接の補助金、あるいは国の負担というものとは違ってくるわけですね。山高先生のおっしゃるとおり、その点はどうなんですか、あわせてひとつお答え下さい。
○政府委員(黒木利克君) 実は、実態を調べてみまして、大体婦人相談員と母子相談員は、県におきまして同じような処遇をするという慣例になっておるようでございます。したがいまして、具体的には国庫負担を大蔵省のほうで予算のときにきめますが、それに右へならえを母子相談員もするということで、今のところ、特に交付税交付金のために不利な取り扱いを受けるという事例はないようでございますから、現在のままで進めたいというふうな考えでございます。
○山高しげり君 それでは、ただいま局長は、大体母子相談員は同じような処遇ということがあるとおっしゃったんですが、先ほどのお話にも、今回も幾らか処遇を引き上げて、一万五千円でございますか、それが実現いたしたといたしましても、母子相談員の勤務の実情というものからあわせまして、少しずつはふやしていただいておるといたしましても、一万五千円という処遇が、今日の母子相談員の働きに対して適当であるというお考えでございましょうか。もう少し申し上げれば、この母子相談員は、非常勤職員ということになりまして、週間中フルに働かなくてもいいことにはなっておりますけれども、非常勤と言いながら、常勤以上の執務状況でございます。しかもその内容は、厚生当局がもう熟知しておられると思いますけれども、事務に追われておりまして、先ほど局長は、ケース・ワーカーですからとおっしゃいましたけれども、一体ケース・ワーカーとして働くだけの時間、あるいはケース・ワーカーでございますと称して働くだけの技術を身につけているとお考えでございましょうか。
○政府委員(黒木利克君) 実は、母子相談員の勤務の形態は、非常勤がまだ非常に多いのでございます。これを県のほんとうの定数内の職員にするということが、そういう専門家たる処遇になると思いまするが、しかし母子世常の方々が大部分なっているのでありますから、いろいろ資格等において難点がございまして、どちらが一体、母子相談員のためになるかというようなことで、いろいろ問題がございまして、現状において急に改正するというような今考えはないわけでございますが、しかし、確かに処遇はこれで十分とは申せませんので、機会あるごとに増額して参りたいと思います。
○山高しげり君 私も非常勤を直ちに常勤に引き直していただきたいということを先ほどから言及してはおりません。現状におきまして、たとえば一万五千円に上げましても、それで幾らかは増額されたとは言え、働きの実情に対しては、非常に低いのではないか、そのことを申し上げた次第でございます。本年あたりは、高校卒のまだ若い娘さんでも一万五千円は、たいてい初任給をもらえるような御時勢に、もうこの制度が生まれましてから、十年間も勤続してきたベテランの母子相談員、しかもおっしゃいましたように、その大半が母子世帯の母でございます。しかも母子相談員の執務状況は、夜となく昼となく相談に参ります。母子家庭のお母さんは昼働いているので、相談に行く時間は夜きりしかない、福祉事務所のようなところにいく時間もないのであります。そういった実情におきまして一万五千円以上、厚生省が大蔵省から獲得していただけないということは、先ほどから藤原委員が指摘されましたように、私は母子福祉行政に対して厚生省当局が、努力はしているとおっしゃるでしょうけれども、やはり残念ながら力が弱いということを感じないわけには参らないのでございます。母子相談員の声は、やはりケース・ワーカーとして、ほんとうに働かしてもらいたい、福祉事務所の窓口におって、事務職員として大半を過ごすような実情には耐えられない、貸付の事務に追われ、返還事務に追われているので、事務職員という者を別に置くというような御意図が厚生当局におありになっているようにも聞いているのでございますが、その点はいかがでございますか。
○政府委員(黒木利克君) 確かに、この処遇の改善をはからなければならぬ。特に勤務の状態におきまして、過重な労務、事務量にならないように、母子福祉協力員の制度を作りましたり、あるいは貸付事務等につきましては、貸付の専任職員を充てるというような方向で進んでいるのでありまして、県に対して、そういうことで指導しているような次第でございます。 そこで、事務的なことをできるだけ他の職員に譲りまして、本来の相談業務に専念できるようにして参りたい。ただ処遇の問題は、やはり資格の問題と裏腹になるのでございますが、いろいろとこの資格につきましてやかましいことを言いますと、処遇は上がりますけれども、なかなか今度は、相談員になれないあるいは現在の相談員が資格がなくなるというようなこともあります。いろいろ問題がございますが、改善の方向に向かって極力努力をして参りたいと思います。
○山高しげり君 先ほどちょっと常勤、非常勤のお話が出ましたけれども、数県においては、県職員に引き直されたところもございますので、その場合に、今局長が御心配になりましたような、資格を失うような人が出て参らないことはなかったようでありますが、それらの場合には、それぞれの県当局におきまして、それこそ親心をもって、その人たちが困らないような処置もお取りになった実例を私どもも多少存じておりますので、この問題は、現状ではやはりヘビのなま殺しのような状況でございまして、母子相談員のしあわせにもならず、母子福祉のためにも、問題を相変わらず残しておるのでございますから、ひとつこれも、大きな将来の母子福祉行政の問題点とお考え下さいまして、なるべくすすみやかに解決をしていただきたいと希望をいたしておきます。 最後に、先ほどお話が出ました母子福祉総合法でございますけれども、昨日も厚生大臣には承ったのでございますが、先ほど局長のお言葉の中に、たとえば総合立法のごときも、一向その意見が出てこない。最近、まあ全社協から一つの案が出たけれども、内容を検討してみると、保育手当以外に、一向新味がないように思うというような御批判でございましたが、私が局長に伺いたいことは、一体、そういう立案が、民間の側から出てこなければ、政府は手をおつけにならないのでございましょうか。率直に私が国民の立場で考えましたときに、多くの国民は、そういうものが専門的な知識、技能をお持ちのお役所がお考えいただくのであって、しろうとが、しろうとの思いつきは申し上げられるけれども、専門は、そちらさんにいらっしゃるじゃないか、こういうことを考えているわけでございます。したがいまして、かりに全社協の総合対策要綱案にいたしましても、局長がごらんになれば、内容は貧弱かもしれないけれども、そういうものが出ても出なくても、これだけ藤原委員がおっしゃいましたように、藤原先生は、この法律の制定当初からの熱心な議員のお一人であられますし、この法律が議員立法で生まれ出たということから考えましても、十年間、その成りゆきについて、常にこれを注目をし改善に努力をしてこられたことを考えますと、私は、大臣並びに局長が、この際やはり母子福祉行政につきまして、画期的な飛躍をしなければならない段階であるということをお認めでございましたならば、ひとつ、総合法が生まれ出ますように、非常に御抱負の多い、児童行政のためには、挺身をしておいでになる局長を現在は得ておるのでございますから、ひとつ、局長御在任中に母子福祉総合法も、母子保険法、あるいはその他児童家族手当等と並びまして、日本の母子福祉行政に、りっぱな一つの主柱を打ち立てるという御決意をもってお臨みをいただきたいと思うわけでございます。 きのうも予算委員会でちょっと申しましたけれども、せっかく親心を持っていただいておりましても、本年度の改正点を拝見をいたしましても、何でございますか、下から要求をつき上げてきたところにだけ、ちょっちょっと上乗せをしていただいておるようで、下からの声がなければ、お見送りといったようなうらみがないことはないのでございます。技能修得資金、それに付帯して貸し付けられる生活資金が、十年間金額が一度も変更にならないというようなことは、その資金の利用率が低いということは、決して需要がないという説明にはなりませんので、そんなわずかな金を借りても、大した技術が身につかない。それよりは、生業資金で、手っ取り早く現金収入をはかるというように現実が流れているのでございまして、そういう流れ方が、正しい母子福祉のあり方であるかどうかというような批判、検討をもって、お臨み下さいますれば、私は本年度におきまして、やはり技能修得資金ないし生活資金の限度額も、当然引き上げられてよかったのではないか。私がこうして話しております間にも、町では交通事故が起こっていて、新しい母子家庭が何世帯も、あとにあとに加わっている現状でございます。私がちょっと仄聞をいたしました関係では、母子世帯にお母さん方は、相当の高年令であって、これから何か習い覚えるというよりは、現金収入をはかるほうにつくのではないかという御意見があるやに聞きましたけれども、交通事故の母子世帯の犠牲者である母親は、年の若い人が多うございます。老人ばかり、子供ばかりが事故の犠牲になるのではございません。まだ小さい子供を抱えたお母さん方で、これから働くために何か技術を身につけねば、わずかな生業資金で現金収入をはかるよりは、もっと明るい前途を持っている母親を私は多数知っておりますので、いま少し、母子世帯の実情に即したところの今後の母子福祉法の改正をしていただくなり、総合法をお考えになっていただくなり、母子福祉行政全般にわたりまして、いま少しく母子家庭の実情というものを、しっかり御把握が願いたいということを希望いたしまして、総合法に関する局長の御意見を、もう一度伺いまして、私の質問を終りたいと思います。
○政府委員(黒木利克君) 力足らず、まことに申しわけございませんが、現在のところでは、母子福祉総合法を立案するその実績というものに、なかなか苦労しておるということでございます。むしろ、たとえば技能修得の問題でも、労働省の雇用政策なり職業補導政策、あるいは所得保障政策でも、年金なりその他の家族手当の問題、あるいは課税政策というような、むしろ児童局が前面に出るよりは、各省の施策を母子福祉のために極力活用していただいていく、あるいは進めていくということが、むしろとるべき方策ではないか、児童局の一局のみだけで処理するには、あまりにも問題が大き過ぎるということで、実は私たち各省を激励をし、取りまとめ役、幹事役をやるというような程度で今考えておるわけでございます。しかし、この機会でございますから、いろいろまた、検討さしていただきたいと思います。
○藤田藤太郎君 私は最後にひとつ、内容は非常にたくさんあるわけですが、大臣の御所見を伺っておきたいと思うのです。 第一は、衆議院で附帯決議されたことは、私どもも、これは附帯決議をしようという考え方を持っておりましたが、ここで明確にありますので、私たちは、この附帯決議のまず実施を、大臣は確約をいただきたいのです。これが一つ。それから次は、この資金が年年減っていく、これがやはり附帯決議に出てきている。運用の面、手続の面の繁雑さ、こういうことを附帯決議で言わざるを得ないのではないかというところにきているということも、特別な配慮をしていただきたいということが一つ。それから問題は、ここの予算書の歳入歳出を見ると、違約金、たとえば歳出のところでは、貸付事務費が利子と違約金の三分の一をあてている。母子家庭というのは、今、藤原さんや山高さんおっしゃったように、母子家庭をいかにして守っていくか、こういうところに根本がなければならん。だから、違約金や利子のその三分の一を事務費にあてるのだという、ものの考え方が間違っていはせぬか。むしろ、事務費は国が出して、そうして、その違約金が出るような実情なら、違約金を払わないでもいいように処置をするのが母子福祉対策ではないか、私はそう思う。この見解をひとつお聞きしたいと思うのです。 それから、藤原先生がおっしゃったように、そういうことをふり返ってみると、利子の問題が出てきます。ほんとうに苦しい生活の方々の利子をこれだけ取っていいのか。むしろ利子は無料にするように努力をしていくところに問題の第一点がある。据置期間も一年と六カ月、これではやはり計画的に違約金を取るような印象を受けるようなことでは、母子福祉としての対策としては私は十分ではない。だから、そういう意味で、私は、違約金を払わなければならないような実情は厚生省の努力で解消していく、それには利子の問題や据え置きの期間の問題が出てくる。締めて申し上げますと、それが一つ。 もう一つは、だんだんと資金が減っている。借りたい人がたくさんあるのだけれども、手続やその他の問題で非常に問題がある、複雑なんだから。そこでこういう結果に陥っておるのではないか、こういう心配がありますから、衆議院で附帯決議がされておりますから、その点の第一点と、それから第二点、これをひとつ大臣からと局長から御意見を伺いたい。
○国務大臣(西村英一君) 実は、ざっくばらんに申しまして、制度が始まったときには八億ぐらい金がありまして、だんだんと減ってきたわけで、実は、この達成率から見まして、まあそれはどこの銀行でも一〇〇%というようなことはありませんですが、それが九十何パーセントになっています。それが減ってきた理由は、この制度として頭打ちになったのではないか。今あなたがおっしゃいましたように、貸付の事務が繁雑だとか、あるいはいろいろなことでもって利用度がなくなるというのであれば、それはもう事務的に改善しなければならないと思います。ならないと思いますが、少なくとも、この制度で母子家庭が非常にもう再起できるというようなことでありますれば、これは資金はわずかな資金でありますから、これは十億にしたってたいした金ではないのです、実は。ところが、今まで見ますと、ずっと減っておるのです。三億三年間続けた。私は、予算編成のときに、こんなことではいかぬじゃないか、利用度がなければ別だけれども、利用度があれば二億や三、四、五億出してもたいしたことではないではないかという考えを個人的には持っております。しかし、一方といたしまして、今度の改正案を出しましたのは、まあとにかく生業資金を倍額にしました。ところが、生業資金からだんだん教育資金に移りつつあるような傾向になっておるのであります。教育資金に移るというようなことになりますれば、またこの制度としては少し考え方も変えなければならない。また、ほかの制度との関連性も出てくるのではないかというようなことになりまして、今回は入学準備金の問題は見送りにいたしました。私は、今、藤田先生その他の諸先生方からもいろいろと御意見がありましたが、総体といたしまして、この制度が十分母子世帯が有効適切に御利用になるならば、今後の金額の増額、あるいは貸付条件の緩和というようなことにつきましても、十分検討をいたし、さらにいろいろ母子対策の総合、これは母子の置かれているいろいろ社会的な特殊な事情がございますので、十分わかります。ただ、私自身が十分世間を把握しているわけではありませんので、せっかく勉強いたしまして、十分皆さま方の御趣旨にこたえたい、かように思っている次第でございます。
○藤田藤太郎君 局長、その違約金の考え方を……。
○政府委員(黒木利克君) 違約金の問題は、先ほど申しましたように、こういうような延滞をした場合に違約金を取るというような民法の規定がございまして、それをあらゆる貸付の法律では援用いたしておるわけでございます。母子福祉も、貸付であります以上は、そういうことで規定せざるを得ないわけでございましたが、しかし、先ほど申しましたように、確かに母子世帯の特殊な事情がありますから、酷な面もございますので、そこでほかの制度にはまだあまり例のない償還の免除というような規定を、もちろん違約金も免除ということになりますが、そういう規定の改正をいたしまして現在運用いたしておるわけでございまして、そういうような改正の趣旨に従いまして、こういう違約金等が母子世帯を非常に苦境に陥れることのないように、私たち運用上気をつけて参りたいと思います。
○委員長(加瀬完君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないものと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。 御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加瀬完君) 全会一致でございます。よって、母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、議長に提出する報告書の作成等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(加瀬完君) 速記をつけて。 —————————————
○委員長(加瀬完君) 次に、社会保障制度に関する調査を議題といたします。看護制度に関する件について調査を進めます。質疑の通告がございますから、これを許します。
○藤原道子君 私は、前回に続きまして、看護制度の問題で若干御質問したいと思います。 過日、私から棒読みで御質問いたしましたことに対して、文書でお答えがございました。これについて、私はさらに進めてみたいと思います。きょう御回答をいただきましたのは、看護婦の待遇改善についてはどのような措置をとっているかということに対して、給与の面で相当上げた、こういうことがここに答えられている。引き続き努力したい、こういうことでございますが、今の看護婦の不足状況は想像以上なものがある。このごろ町では、中学卒業でも初任給一万二千円、中には一万三千円というところもある。ところが、高等学校を卒業して三年学校に行って、国家試験を受けて、それで一万二千五百円か一万四千円、准看は、中学卒業して二年学校に行って、それで九千九百円、これで改定いたしましたということでは、なかなか充足はむずかしい。ことに看護学院で今やっている状況を見ても、私は、どうも厚生省が看護婦充足に対してそれほど御熱意があるように思えない。なぜかなれば、高等看護学院で、専任教員というのですか、教師というのですか、これは三名となっているのですね。ところが、この看護学院を二、三調査してみましたけれども、厚生省の出した業務基準というのですか、これを見ましても、実に驚いたことは、教務主任がずいぶんたくさん(イ)から(ル)までの業務が規定してある。時間の関係でこれを読み上げることはやめます。ところが、舎監というのがいないのですね。舎監を教務主任が兼ねることになる。そうすると、昼間行って見ればてんてこ舞いをしていらっしゃる。教育方針だ教育計画だとずっとやってきて学生の訓練までして、その人に舎監もやれ。その舎監は、学生の生活指導、寄宿舎内の清潔、整頓、その他環境衛生の管理、寄宿舎内の規律、寄宿舎内の災害対策及び警備、寄宿舎内の物品、貸与被服等の問題、こういうものを教務主任がやれると思っているのですか。この間聞いたら、おそらく一昼夜勤務になっています。それで事足りるのか。それから、さらに、今の看護婦生徒の食費の問題などでも、育ち盛りの人たちが今のあの状態では、看護婦の問題にそれほど熱意が入れられているように思えないのですが、それはどうなのですか。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 看護婦さんの初任給につきまして、給与全般につきまして、国立病院、療養所の直接われわれが予算的に折衝いたしましたものの、また、ほかの看護関係のやはり基礎になります国立病院、療養所の給与関係は、お手元に差し上げました資料のとおり、今度の給与改定によりまして九%程度改善せられておりまして、ほかの七・一%よりも率はよくなっております。初任給は、今お話のように、看護婦が一万二千五百円のものが一万四千円に、准看護婦は九千九百円が一万一千四百円に、千五百円ずつ、一二%と一五%ぐらい上がっておるわけでございます。しかし、これに対して、今、先生のお話は、一般民間給与との関係のお話がございましたが、一般民間給与と看護婦さんの給与と比較いたしますと、国立のほうは、少くとも三十七年度の基礎になります調査ではよかったのでありますが、それでもわれわれのほうは看護婦さんの問題を真剣に努力しており、こういうふうな成果が上がったわけでございます。なお、当時の基礎になりました一般の民間の中学卒業の方の待遇は七千七百四十七円、高卒が一万三百九十六円、短大卒が一万二千九十円だったように思いまして、それから上昇がずっとよくなっておるのではないかと思うのですが、現在のは確かに中学卒、高校卒の方がずっとよくなっておりまして、国家公務員関係はあとを追っていく点に問題があると思いますが、将来も引き続いて努力していきたいと思います。 それから、看護婦の増員について熱意がないじゃないかというお話でございますが、たとえば予算的に見ましても、看護婦養成所に対しましては、四百万円程度の予算が、一億何ぼ、二十七倍にふえておるという状況で、われわれかなり努力したつもりでございます。それから、看護婦学院の養成所の舎監の問題、これはたしかにお話のごとく、舎監を置きたいとわれわれは感じておりまして、しかし、今の実際は、各養成所におきまして、これは国立も民間におきましても、まだ置いてないところが大部分なものですから、今の規則にはああいうふうに作っておる、「舎監を置くことを得」というくらいの程度になっておりますが、予算につきまして、われわれは、ずっと舎監を三十数名新規に置くように要求をしたわけでございますが、これが十分実現できなかった点はまことに申しわけないと思いますが、しかし、実際上におきまして、中の費途の流用におきまして、たとえば私の承知いたしておりますのは、東京第二病院などは舎監を一名たしか置いてやっておる状態でございます。さらに、看護婦養成所におきまして、全員寄宿制をとるかどうかという問題につきましても、あわせて研究をせなければいかぬ問題だと思いますが、いろいろ今からお教えを願いまして、看護婦養成関係には努力をすると同時に、改善を加えていきたいと思います。
○藤原道子君 舎監がいないだけでない。事務員もいない、掃除をする人もいない。これでやっていけるかどうか、大臣もよく聞いておいてもらいたい。高等看護学院は先生が三人、舎監もやらなければならない、事務員もいないから、事務もやらなければならない、お掃除もやらなければならない。どこまでも、黙っている人、弱い人、これが下積みになっているのが今の厚生行政だ。ここに抜本的な改正をしてもらわなければ、それこそ労働基準法違反どころでない実態が厚生省の足もとで起こっている。これに対して大臣はどうお考えですか。学校に百二十人いるわけですね、四十人定員とすれば。東一の高等看護学院に行きましても、そこに先生は三人だけで、お掃除する人もいなければ、事務員もいない、舎監もいない、全部三人の先生がやる。あまりそれではたいへんだというので、教務主任というのですか、その人が舎監の役から何から皆やらなければならぬ。看護婦養成に情熱があればこそやっておる。へとへとですよ。これでいいのですか。
○国務大臣(西村英一君) 私はそこの実情はよく知りませんけれども……。
○藤原道子君 知らなければ困る。
○国務大臣(西村英一君) そこの現場の実情はよくわからないのです。まあしかし、看護婦養成所を総体的に見ますと、少人数で養成所がたくさんありまして、そこであまり行き届いておらないというふうなことになってくるのじゃなかろうかと思うのです。やはり看護婦の養成は、私たちも別に心配して実は考えておるのです。しかし、教育関係ですから、一朝一夕にうまい案が出ないのです。部分的に今までは徒弟制度的な養成の仕方をしておったのを、今度学校制度的に大きな規模で考えていきたい、こういう私の希望があるわけです。先生が今御指摘になっておるそこにおいて非常に職員が少ないというようなことがありますれば、それはそれにつきまして改善しなければならぬと思いまするが、全般的な考えは、たった二十人三十人養成するのにあちらこちらありまして、それが今の看護婦の今後の要請にこたえることができるのだろうかどうだろうかという疑問を私は持っておるのでございまするが、いずれにいたしましても、これから社会保障を進めていく上におきまして、もう女子技術者の養成ですね、これは看護婦のみならず、助産婦その他の点も、それこそ女子技術者の待遇といわず、養成を総合的に考えてやる。もちろん給与、資格、身分、そういうものは考えを持っておるのですが、はなはだ抽象的でまことに申しわけありませんが、悪いところはどんどん直していきます。
○藤原道子君 ひとつどんどん直してもらわなければ、直さなければならぬところばかりですから、今までが悪過ぎるのですから、よほどひとつ強力な改正をお願いします。 そこで、この答弁の中にございますが、看護婦の労働時間の問題、四十八時間制を四十四時間制に切りかえた、全般的に見ても労働時間は短縮される方向にあると思うと、こういうことなんです。そこで労働時間四十四時間制になった、これは実施するのはたいへんなんです。あのときあなた方も御承知のように、千六百人ぐらいの要求をしたのじゃないかしら。ところが、大蔵省が認めたのは三十八名、四十八時間が四十四時間制に切りかえるときに、たしか三十七人ぐらいだと私は記憶します。そういう無理な中で操作をいたしますから、労働条件はますますひどくなってきていると言っても過言でない。そこで、夜勤勤務の質問に対しまして、月平均して八・八回程度であった、ひどいときは十三回のものもあったので、平均化について努力をしている、こういう御答弁をいただきました。ところが、しばしばあなた方が問題にされます東一の状況を調べました。ところが、東一では、やはり夜勤の回数が十二、三回になっておる。一人勤務のほうが多いのです。二人勤務のところがあって、調べてみたら子供のところ、こういう状態なんです。あなたがどう言いのがれようとなさっても、現在夜勤が非常に多いということ、これはもう資料が整って、私もたくさん持っておりますよ。きょう資料を——東一のものもあれば東二のものもあれば、あるいは鉄道病院のものもあれば、共済病院、皆そろえてきた。みんな一人勤務が多いじゃないですか。しかも、私は、この際、もういつもうるさいことばかりくらいにあしらわられちゃかなわないので、皆しかも患者が死ぬのは昼間よりも夜のほうが圧倒的に多い。これは東一の資料でごさいますけれども、ここに図表で出ておる、これが昼間なんです。夜は深夜と準夜でこのぐらい、こうして夜のほうが患者の死亡率が非常に高いのです。ですから、ここで申し上げたいのは、これは東一と世田谷、第二の資料でございますけれども、結局死亡、分娩から参りまして、日勤で昼間死ぬ患者さんが二八・四%というのが東一です。準夜、深夜で死にますのは百四十六名で七一・六%というのが夜死んでおる。それから、世田谷病院では、昼間が一三・一%で、夜が八六・八%それから、第二を見ますと、三八・八%が昼間で、夜が六一・二%、これはあなたがいつもいい病院としてここで報告されている国立第一、世田谷、第二の実例なんです。さらに、分娩にいたしましてもそうなんです。昼間の分娩、これは三九・六%で夜が六〇・四%で、夜が多い。それから、緊急患者の取り扱いも、昼間が二五・四%、夜が七四・六%、こういう数字が出ておる。これはもう病院の正確な数字なんです。ところが、この一番死亡の多い、分娩も多い、救急患者の多い夜間を一人で看護婦がやらなければならぬ、急変したときに、だからこそ窒息死する人も出てくるのです。こういうことに対して、私たちが、ぜひ一人勤務をやめて下さいというのは、こういう資料に基づいて要求している、看護婦の労働条件だけじゃございません。労働条件もさることながら、国民全体が安心してこれで医療が受けられますかというのです。ここに問題がある。これについて、なかなか二人勤務に切りかえることが困難だ、しかし、困難だといって、人間の命を粗末に扱うのは困ります。それから、あなたは、夜勤の一人勤務の場合には、夜勤婦長等が応援及び巡回をしてカバーしているということになっておるが、やっておりますか。夜勤の婦長さんはどうしているのですか。実態をお調べになったのでございましょうか。私は、委員会さえうまくのがれればいいというものじゃないと思う。日本の医療をしょって立っておる厚生大臣、夜勤の休息時間、これについても何とかやっているようなことをいっている、どうしてやっているのですか。重症患者をかかえて一人勤務をして、そうして死亡率も分娩率も急患率も、夜のほうが圧倒的に多い、これで看護婦が休息がとれると思いますか。うら若い看護婦さんが、そういう日にちを一カ月のうちに、ひどいところは確かに十五日から十八日、はなはだしいのは、たしか労災だと思いましたが、二十日間夜勤をさせる。ことに一カ月に二十五日か二十六日の勤務だと思いますが、これは日曜とか休日休みということになれば、一カ月のうちに昼間勤務するのが五日か六日ですよ。これじゃ看護婦さんがやめていくのはあたりまえだと思いますが、私の言うほうが無理でしょうか。大臣の御所見を伺いたい。これはあなたの国立病院の資料です。
○国務大臣(西村英一君) 交番勤務でありますから、三交代にすればどうなるのですか、十日は夜勤があるということになります。それで私は、これに書いてあるように、十五日も二十日も夜勤をさせておるのかと聞きますと、十二、三日だろう、二十日なんという例は国立病院にはないと、こう言っておるのでありますが、先生もお調べになりましたのでしょうが、私のほうの調査が行き届かないのかもしれませんが、いずれにいたしましても病院の現場でございますので、やはり実情に合った勤務をさせなければならぬと私は思います。しこうして、夜勤がそう二十日も続いて、これはおそらくそんな交番にはなっていなくて、あるいは看護婦が少ないから代行するか、代行して人のかわりをやるのがそんなに重なっていくのだろうと思います。いずれにいたしましても、今、先生がおっしゃいましたように、これは実情に即したやはり勤務をさせなければならないと私は思います。しかし、それには病院は病院の責任者の病院長がおるのでございまするから、それらの方々がその勤務の状況をきめるのだろうと思います。厚生省といたしましても、それに追っつかない、非常にこういうことに無理をしておるのだということになれば、さらに今の定員を再検討するということになるかと思うわけでございます。詳しいことは医務局長からお話をいたさせます。
○政府委員(尾崎嘉篤君) この看護婦さん全体の勤務体系の問題は、お話のように、医療の需要の問題と、現在日本におります看護婦さんの数、また、それに対して将来の養成状況、それから、同時に、病院とか診療所においてどれだけ雇えるかの経済力の問題、こういうようなものがいろいろ加味せられて運営せられておるわけでございますが、できるだけお話のように、看護婦さんだけでなく、看護婦要員の方全体の労働条件、病院勤務者全体の労働条件をよくするように、待遇をよくするように努める。また、人数をふやさなければいかぬわけで、切りかえのときにおいて人数が十分いっていないじゃないかというお話でございましたが、確かにこちらの要求どおりは大蔵省はいかなる場合もほとんど認めてくれることは少のうございますが、三十八名というのではなく、もう少し国立病院のほうは多かったように私は記憶しておるわけでございますが、ただ、四十四時間になりますと、八時間八時間で分けましてなかなか勤務の体制を作るのに苦しい問題もあったりいたしまして、確かに必ずしもスムーズに動いていない点もあるかと思いまして、さらにこれは改善に努め、同時に、機械化その他によりまして能率を上げるとか、または助手というような定員もふやしていくというようなことを考えていきたいと思います。 それから、夜勤の数でございますが、この問題は先生もよく御承知のことだと思いますが、私たちの昨年六月におきまして実態を調査いたしましたものでは、月平均八・八回というふうな数になっておりまして、一番多かったので十三回だったのでございますが、昔は夜勤専門の、夜勤ばかりやっている婦長さんもおったりいたしまして、それじゃちょっとむちゃじゃないかというので、だいぶ直さした私は経験を持っておるものでございまして、この点ではいろいろ今までも関心を持ってきたことでございますが、四十ベッドといたしまして、四十ベッドで看護要員が十人、そのうち、看護婦、准看護婦が八人といたしますと、深夜、準夜が一人勤務で、先生にしかられますが、一人ずつにいたしますと二人で、そういたしますと四分の一が夜勤となります。そうしますと、三十一の四分の一ですから、七・七ぐらいという状態になるのじゃないか、こういうふうな計算になるわけでございますが、ただ、その四十が五十、六十となりますと、もう少しその率が下がっていく、こういうような計算になってくると思いますので、今の体制をできるだけよくさすように、平均化すようにわれわれは努力をしていきたい。もちろん、その基本は看護婦さんの数をふやすことでありますが、定員の関係も、今、大臣からお話がありましたように、全体の看護婦数とからめて、われわれも今の看護要員の数については再検討しておるという状態でございます。それから、夜勤の場合、一人でやっておって、総婦長が応援とか巡回をやっておるかというようなお話でございますが、これは私はやっておると存じます。絶えず総婦長会議等においても、この点はよく指示をしておるところでございまして、少なくとも、国立は私はやっておるものだと信じております。ただ、夜勤を——私もときどき病院に行きまして、その看護日誌等を繰って見るときがあるのでございますが、やっておるように思います。しかし、その休憩時間を婦長でうまく全部カバーできるかどうかという点にはあまり自信はございません。この点はいろいろもう少しお互いの応援体制とか、少し余分に人数を夜勤に、たとえば外来のほうの人とか何とかを動員するとかして体制を整えていかねばならないと、こういうふうに考えます。実態をもう少し見ろというお話でございますが、私も、つい最近におきましても、あまりどうかと実は思いながらも、朝九時ごろに最近も東一の実態を抜き打ち的に中を見ていくというような状態で、いろいろ考えさせられる問題もありましたのですが、私自身でなく、さらに病院課長、療養所課長、また、婦長、さらに出張所等を通じまして国立関係は指導していきたいし、さらに全般的にも、府県を通じて、いろいろ改善に努力していきたいと思います。
○藤原道子君 大臣が四対一ならば云云とおっしゃったのですが、それは三交代制であればとおっしゃる、準夜、深夜があり、日勤があり、早出があり、お休みが看護婦さんにもある。それから、病欠というものは大体一人や二人はあるものです。そういうことは計算に入れて看護婦の定員は割り出すべきだと思うのです。ですから、いつかもこの委員会で、四対一じゃ定員が足りないと言ったら、四人に一人看護婦がついたらいいじゃないかという議員さんがありました。四人に常時一人ついていれば文句はない。ところが、そうじゃないのですから、だから患者四人に対して一人でも、休日がある、早出がある、おそ出があるということになれば、それは今申し上げたような資料で、しかも、これは別に作為でなく、この資料をつけて人事院に総婦長さんたちが人員増員の要求をされたときのデータで、だから、おそらく厚生省が知らないはずはない。知っていながら、しかも、人手が足りないから、休憩時間はどうなっているか、自信がありません。労働省から来てらっしゃいますか。私は、労働省にもこの前予算委員会でこの点を御質問いたしましたが、基準監督局長が、それは大臣が、これに対して、当然休憩はつけなければならないようでございますから、指導いたします、善処いたしますと、どういうふうに善処されたか、どういうふうに指導されたかを私は労働省から伺いたいと思います。
○説明員(小鴨光男君) 御指摘の点は私も十分承知しております。監督能力の少ないうちで、特に公共的企業について監督を実施しておりますが、三十六年から、病院関係、社会福祉関係に重点を置いて監督をしております。その間、違反の問題については、先生御指摘のように、労働時間の違反、休日の違反、休憩の違反、大体この順に違反件数が多くなっております。これらの是正の問題になりますと、なかなかその効果が上がらないということは事実でございますが、結局は、先ほど来御議論が出ておりますような人員不足の問題という点が非常に多いのではなかろうか。したがいまして、私のほうでも、これらの監督調査の結果、厚生省の当局ともいろいろ御連絡申し上げまして、労務管理の近代化の問題、あるいは人員の補充の問題という点について、いろいろ厚生省と協議しておるところでございます。休憩の確保の問題については、確かに違反が多うございますが、この点は労務管理の点でいろいろ手を打てば、ある程度確保できるのではないかと思いますが、時間の点については、先ほどのネックがございまして、計画的にこれを実践していくというふうに厚生省にも要求しております。
○藤原道子君 私はどうも納得がいかないのです。法律を守れ守れとやかましく言っている官庁で法律が守られていない。基準監督局でも、明らかに基準監督の面から違反であると思っても手が打てない、それでしわ寄せは医療を受ける国民大衆の上にはね返ってくる。若い看護婦さんが、それはこの資料を見ましても、夜勤は平均して十二回です。これは平均なんです。だから、あなたの言う八回の人もあるでしょう。だが、そのかわりに非常に高い、私が申し上げましたような十五回、十八回、二十回というようなものもあるのです、平均して十二回となっております。そうすると、ほとんど半分は夜勤ですね、勤務時間を計算してみましても。これでは若い看護婦さんたちに、ただナイチンゲール精神でのみ仕事を押しつけても、それはもう無理だと思うのです。だから、寄るとさわると何かほかにいいところないかしら、これじゃ若い命が続かない。こういうことが看護婦さんのささやきに出ているということを御承知でしょうか。私たちは非常につらいと思っております。私は、政治は命を大切に守るということが基本だと思うのです。だから、繰り返し繰り返し、同僚委員も、またかと言う人もあるけれども、私は、これはどうしても解決してもらわなければ安心がなりません。労働省におかれましてもその点は十分お考えになって、違反を摘発するのが使命ではなく、これを何とかやらせるように、明らかにはなはだしいのは、やはり罰則を適用してもいいと思う。それくらいな決意でやっていただかなければ、国民の医療が安心してまかせていられないということになるのじゃないでしょうか。このことを強く要望し、さらに、大臣におかれましても、これが実態だということをお考え下さい。看護婦さんは、その上に外来があるのです。この間、局長は、東一は十分、一〇四の充足率と言ったのですが、東一は特に忙しいからいたしましたということです。その東一で総婦長さんが頭が痛いのです。看護婦の配属をきめることにとても苦労していらっしゃる。病気になりそうだと言っている。こういう状態に放置されている。 それから、私どうしても資料の上で納得がいかないのでお伺いしたいのでございますが、患者さんが退院する日には入院患者として扱わないんですってね、退院となって。だから、現在員からはその日退院する人は省かれているんですって、医療のやり方から。ところが、退院する人で夕方ご飯を食べていらっしゃる人もあるのです。それが人員に表われていないということになっているのですね、今の定めが。これはどういうふうなことなんですか。私、これいくら資料を読んでもわからないのです。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 今お話の看護婦さんの数、その基礎になります待遇、労働条件、この問題につきましては、私はお話の点よく承知しておるつもりでございまして、まあこれは看護婦さんだけでなく、医療関係の人間は、絶えず患者さんに対して、いろいろ不平とか、何か悩みを出され、相当頭の痛い仕事をしており、また、危険も伴い、しかも、お話のように、普通のオフィスの勤めと違って、夜でも昼でも、必要なときには動員される。特に看護婦さんにつきましては、夜勤というものは一つのルールになっている。こういうような点から、一般の学校の学歴よりもずっとよい待遇をするようにわれわれは努力しなければいかぬ、そういうつもりで今までも努力しておるのでございますが、これでまだ足りないというお話でございまして、相当今からさらに努力していきたいと思います。 それから、入院統計の場合に、退院した日の人の数が入らないじゃないかというお話は、これは万国で入院統計をとります場合に、十二時現在の数をとるというふうなルールがあるものでして、それによって日本全体の統計をとっておるわけであります。それを基礎にしている計算によって今のようなお話が出てきたわけであります。そのかわり、夜の十二時ごろに入ってきた患者も一つになっている、こういうふうなわけであります。時によりますと、一つのベッドが、朝早く出て、夕方入って来る、こういうような場合は二人入院料をもらっているじゃないかという問題もございます。これは承知しておるわけでございます。今の全国的の統計をとりますと、そのようなルールが定まっておりますので、それでやっているわけであります。
○藤原道子君 私は、入院料を二日取ったっていいと思う、それはしかたがない。あいていれば、病人が出れば入院するのは、これはあたりまえだけれども、そういう数の上から計算を見ると、看護婦さんにそれだけ仕事がよけいになるわけです。患者数には扱わない、だが、看護婦さんの手はかかる、こういう矛盾があることを私は大臣に承知してもらいたい。そういう点で看護婦の定員等についても御考慮願わなければ、一人ぐらいと言うけれども、たくさんのベッドにはたくさんそういう事例が起こっておる。だから、看護婦はよけい過重労働が出てくるのだ。 それから、看護婦の充足率についてもだんだんありますけれども、この厚生白書でも明らかなように、あるいは私どもが調べた資料でも明らかなんでございますが、採用の数よりもやめていく数のほうが多いんですね、これはどうでしょうか。充足はした、なるほど採用はした、しかし、やめていく人のほうが入る人より多いということになったら、これは一体どうなるか、いつになったら充足ができるか、それをお伺いいたします。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 今のお話は、国立病院等の数字から見ますと、大体三月はずっとやめていっておりますが、四月には定員より少しオーバーして採らすことを認めておりますので、大体定員の充足率は同じ状態であるように思います。いろいろ御指摘がございましたので、私も気をつけておったんですが、東京都の医師会で調査しておりました看護婦さんの東京都の状態が二月十五日の雑誌に出ておりましたのですが、これから見ますと、やはり病院関係はプラスになって、看護婦さんはふえておりまして、退職の率と就職の数は、就職のほうが上回っておる状態でございまして、これは東京都の全体の統計でございます。これはしかし東京都でございまして、いなかとはちょっと違う状態かと思いますが、そういう数字がございます。個々の施設によりまして、これはいろいろプラス、マイナスが出てくると思います。しかし、今ほかの産業が非常にいんしんをきわめておりますので、待遇のいいそちらのほうに抜かれていくことは十分私どもも考え、また、あり得ることだと思いますし、そういうことでさらに忠告はしてもらわなければならないと、こういうふうに思います。また、待遇改善はやらなければならないと思っております。
○藤原道子君 私は、その雑誌は何という雑誌か承知しておりません。ところが、三十七年の五月に人事院に提出された資料によっても、国立病院の年間の看護婦、准看護婦の採用率一二%、退職率一四%、こうなっているんですね。私は、この人事院に提出された資料によって御質問しているのです。最近若干そういうふうに東京が採用率が上回っているといっても、今の時点においてこれがいつまで続くかわからない、そこが問題なんです。だから、今足りないんだから、欠員があるんだから、採用がふえてあたりまえだ。採用がふえなければ欠員さえ充当できないんですから、そういことで逃げないように、さらに熱意を持って看護婦の充足に努力してほしい。 それから、看護婦の病棟看護単位の拡大が最近目立つような気がする。これはあまりにも看護婦さんの受持患者数が多いんじゃないか、大体百対看護婦一です。こういうふうな状態なんです。特別の患者、手術とか重態とか、あるいは子供の場合には、患者四十対看護婦一だから、先ほどの資料でも、二名の夜勤のところを調べると、子供、重症というようなところが二名になっております。ほかは一名。受持の患者の数が多過ぎるということ、それから、病棟がうるさいものだから、夜勤を二人にしろというものだから、やはり受持をふやしている。所によれば、病棟が違うところを一看護単位にして、夜の夜中に、病棟が違って、そこを一人の看護婦が受け持つというむちゃなことはいかがでございましょうか。何人の看護単位が必要と思っておるのか、こういうふうな点を私は真剣に考えているというふうにはどうも納得がいかない。日本の建物とか構造上からもずいぶん無理がある、こういう点についてはどういうふうにお考えになるか。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 看護単位は、ただベッド数だけでいろいろ機械的にきめるわけにいかなく、婦長さんを中心にして、何人の看護婦さんのユニットでやっていけばいいか、そういうふうなことを考えます一つの方法として、そこにおります患者さんの種類、それから症状、どれだけの手当をしなければならない、また、どれだけ監督といいますか、よく見て回らなければならないかというふうな問題によりましてその大きさがいろいろ違ってくるという一つの立場と、もう一つ、今お話がありましたように、建物によりまして、ある程度ベッドがきまっている。その両方の問題を調和さして、いろいろ看護単位について苦労しているわけでございますが、お話のとおりに、これはできるだけ少なくて、そこに看護婦さんが十分におったほうがいい看護ができることは申すまでもございませんが、現在われわれも、大体四十から五十ぐらいで一つのユニットを作ったほうがいい、こういうふうに考えておるわけでございます。ただ、お話のように、夜勤の問題その他から、またいろいろ設備の問題もあると思いますが、全体的に看護単位の拡大の傾向——建物を作ります場合に、そういうふうに六十ベッドというふうな拡大をした病棟が作られる傾向が確かに近ごろ見えておりますので、この点われわれも注意をせねばならない、こういうふうに考え、今、科学研究費でこれらのものの検討をわれわれのほうはやっておるわけでございまして、そういうふうな、待遇と同時に、病院建築につきましても、いろいろわれわれのほうからも、スタンダードと申しては少し行き過ぎかもしれませんが、指導していきたい、こういうふうに思っております。
○藤原道子君 私は、誠意を持ってやってほしいのですよ、問題は。そこで、いろいろなことは抜きにいたしまして、それならば、今申し上げましたような、夜は死亡率、出産率等が圧倒的に多いのだから、夜の一人勤務はやめて下さいということ、これは患者からの注意です。不安だというのです。いつごろになったら一人勤務をなくしていけるのか。それに対しての努力、見通し、これを聞かして下さい。
○委員長(加瀬完君) 委員長からもお願いをいたしますが、医務局長のお答えは、藤原委員は事実をもってあれはどうするかという質問をしているわけですから、それはいけないとか、あるいはこういうように改良するとか、あるいは改善するとか、的確にやはり具体的なお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 夜勤を二人にするということは、現在の看護婦さんの日本における数から見て、今すぐはできないと私ども残念ながら思わざるを得ません。それで、ただいまのような方向にできますように、内々の計画といたしまして、いろいろ努力しております方向を申し上げますと、四十五年におきまして、看護要員でございますが、一般病棟三ベッドに一人、今、看護婦が四人に一人というふうになっておりますが、それを看護要員として三人に一人、そうして、そのうち結核と精神、それに準じてふやしていくつもりでございますが、そのうちの三分の一の仕事は看護助手でいいという立場で、そうしますと三分の二を看護婦、准看護婦でやっていく、こういうふうな計画の大筋を立てまして、その計画を立てましても、これを実行に移さなければならないと思いますので、そういうふうな線で、養成所の拡大、定員の拡大というふうなことを、三十八年度予算でもって、大体その増員計画の第一年目ぐらいの数は今確保しかけておるわけであります。今この予算の運用によってきますが、国立病院の養成所五つを新設する。それから地方公共団体、それから日赤の養成施設の新設四、増設八というものが今の計画の数には一応載っておりますが、その定員数の確保はどれだけできるか、今から行政上の交渉になってくると思いますが、そういうような方法でやって、もしこれらの実行ができれば、夜勤の二人制も、かなり必要なところによってはできるようになるのではないか、そういうふうに考えるわけであります。そういうような線で今努力をしているところでございます。
○藤原道子君 私は、そういう対策をとっているということをうすうす伺って、非常に危険だと思っておったのです。確かに今の看護婦さんのやる仕事の中に、相当数看護業務以外の仕事が入っていることは認めます。だから、それが看護業務以外のものを取り去って、准看護婦さんのやるべきものとしても、私たちは四人対一人では足りないと言うんです。安心した医療はできないと言うんです。ところが、看護婦が足りない足りないといって責められるから、だから三対一の看護要員にする、しかし、三分の一は看護婦にあらざるもので充当していく、これが非常に危険なんです。そうすると、三分の二が看護婦並びに准看護婦ということになると、夜勤等は、まさか看護助手にはやらせられない。そうすると、一体どうなんですか、看護助手というものは一体どういうものなんです、あなたの構想は。私は、そんなことで苦しまぎれの対策をお立てになるということは卑怯だと思うのです。今眠っておる優秀な看護力をどう掘り起こすかという努力も必要じゃないですか。数さえふやせばいいという簡単な考え方で看護問題を解決されるということは許されません。高い看護婦の教養が必要なんだ、看護婦は医者とは別個の資格がある、昔の医者の小間使いであってはならない、こういう立場で発足したはずなんです。現在の状態は。ところが、またこれが看護助手を三分の一も加えて、これ非常に私は危険だと思うのです。どういう考え方なんですか。優秀な看護力の掘り起こしもしないで、労働条件の解決もしないで、それで看護助手を充てて、うるさいから三対一に改めていこう、これでは納得できませんよ。あの医療法のときにも、資格のある人が四対一だったんです。ところが、いつのまにやら五、三、二なんという指導をしていらっした、それを正式に、今度は三分の一は看護婦にあらざる者で充当していく、どこまで下げていくんです。これで私たち委員会を侮辱されているように思います。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 今のお話、ちょっと私の申し上げ方が不十分だったのじゃないかと思いますが、看護婦さんの関係、看護婦、准看護婦の数につきましても、今の医療法が、一般においては四対一を標準にしていることは御承知のとおりで、それにつきまして、これは変わっていないわけです。今のお話の四、四、二の問題は、保険のほうで金を払います場合の基準といたしまして四対一の看護要員があって、そのうちの四、四、二の比率で看護婦、准看護婦があれば払うというような立場を今とっておられるわけでございまして、この点ちょっと不一致はありますが、現実として、それすらとれない病院がかなり多いという実情なのでございます。今度の、今私が申し上げましたのは、省として決定した案と申しますか、医療法をそれで変えるとかいうところまでいってございませんが、また御指摘も願いたいのでございますが、看護婦の数も、これで率を落としていくというわけではないのです。看護助手をふやしていこうという立場をとっておるわけでありまして、決して看護を後退させていくというわけではなく、日本の将来のやはり看護関係といたしまして、外国におきましても、看護助手の数が半分以上看護婦のうちで占めている国が大部分でございますが、日本の実態調査というものをしてみて、看護婦さんの今やっておられる仕事の二七%、三〇%以上のものが、調査によって違いますが、看護婦さん、准看護婦さんでなくていいという仕事があるというところから、看護助手をそれくらいのものを見てよろしいという立場をとっておるわけであります。その点、決して看護を後退させようという意図は毛頭持ってないのでありまして、その点はもう少し詳しくあとで御説明してもけっこうだと思います。 それから、現在眠っていると申しますか、潜在看護力の掘り起こしにつきまして努力してないじゃないかというお話でございますが、これはやっておりまして、たまたま神奈川県の県当局と医師会の共同によりまして調査をいろいろしてみられたところ、県内に看護婦さんとして家庭等におられまして遊んでおられる方が四百九十四名、そのうち、看護婦さんが四百五十二名、准看護婦が四十二名おられた。そして、そのうちで働く意欲を持っておられる方が二百五十一名おられる。また、医者のほうでやはりほしいというのが五百九十五名おるというような調査が出まして、その結びつきをいろいろ努力しておられると知ったのであります。これははなはだいい施策だと思いまして、かねてからいろいろ考えておったのでございますが、昨年の十二月二十四日付で、各県の衛生部に、こういうようなやり方があるから、ひとつそれをやれというような指令を発しておるところでございまして、潜在看護力の掘り起こしも今努力をしておるわけでございます。ただ、もう少しこれを、何と申しますか、活発にと申しますか、予算もとってしっかりやるべきではないかということでおしかりをこうむっておるのでございまして、この点さらに一そう潜在看護力の活用と申しますか、その方々が働かれるような労働条件を整えるという問題、これは保育所の問題もいろいろ検討しておりますが、それから待遇の問題とか、いろいろこの点でも努力をしていきたいと、こう思っております。
○藤原道子君 時間の関係もあるから、なるべく簡単に済ませたいと思うけれども、質問していると、質問するほど変にいくから、かんにんして下さい。 そこで、聞けば聞くほど納得がいかない、あなたは看護要員を三対一にするとおっしゃった、だから看護の内容を下げるのじゃないとおっしゃるけれども、三対一にすれば、三対一で看護婦の配置をするのです。そうすると、夜勤等がさらに看護婦はふえるのじゃないか。それから、あなたは外国の例をおとりになったから、私も外国の例をとらしてもらいます。外国では目方をはかるのは看護婦以外でしょう、何を運ぶのも、全部看護婦さん以外の人がやっております。さらに、ボタン一つ押すとカーテンが開く、患者さんは寝ている、ボタン一つで窓があくのです。また、ボタン一つでベッドの上げ下げが自由にできているのです。さらに、便を捨てたりなんかするのも看護婦さんではございません。記録を記入するのも看護婦ではございません。看護婦も准看護婦も、業務にのみ専念している、そういうふうにできるのですから、エレベーターで上がりおりはすぐできる、あんな山坂越えた国立病院とは違うのです。外国の例を言うならば外国並みにして下さい。外国並みにして下されば私は文句は言いません。メキシコあたりの看護学院に行ってみても、実に整備されてうらやましいものです。外国並みにやるのですか、これを伺います。 それから、もう一つは優秀看護婦さんの掘り起こしをすることに努力しておられますけれども、みなパート・タイマーで考えておられる。パート・タイマーでは、結局夜の勤務はどうなるのですか。やはり常勤の看護婦さんの上に夜勤が加重されてくるではありませんか。だから、保育所が二十四時間制のものがなければだめなのです。ところが、あなたのほうは二十四時間の実現は困難である。なぜ困難か。困難である、それは、予算がかかりましょう。しかし、現実に、御承知のように、夜の患者が死ぬ率が多いのです。患者が死んだって仕方がない、予算がございません、そうはっきり言えますか。それをどうするかということになれば、やはり看護婦さんが、人たるに値いする生活ができるようにしなければならない。看護婦を守るということは、即国民の医療——命を守る、そういうことに通じておるのでございますが、それでもあなたは、十分掘り起こしに努力しておると言えるのですか。 さらに、もう一つ続けますよ。この看護助手という制度でございますが、それは、どういう人を予定しているのか。今、鹿児島県看護婦とか、あるいは何々県看護婦というような看護婦にあらざる者を、その県単位で勉強したということにして、それで資格のない者に看護をさしておる。そういう例もあるじゃありませんか。あなたの考え方が、看護助手に、この看護要員の中に、看護婦にあらざる者を入れるという頭があるから、そういう結果になるのだと思うのです。それで、その鹿児島県看護婦、あるいはかりに大阪なら大阪府看護婦というような、地域における看護婦が続々養成されておる現状を、どう考えておいでになるか、これもあわせて明確に御返答下さいますね。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 夜勤の問題につきましては、私、御説明を落としまして申しわけございませんが、まず、今の私どもの御説明申し上げました看護婦さんの業務のうちで、いろいろ看護婦さんでなくて済む仕事がかなりある。この仕事が相当行なわれますのは、昼間がかなり多いと私は思うのでありますが、もちろん夜間にもありましょうが、昼間の関係が多いので、看護助手の方は、昼間に働いてもらって、そうしますと、看護婦さんが昼間におられる今と同じ人数の場合でも、昼間おられる方が、夜勤のほうにも回れるのではないか。もちろん、この点は看護婦さんの数の確保ができますれば、さらに看護婦さんのほうをふやしていくという立場で考えていくのがほんとうだと思いますが、そういうふうなことを夜勤については考えております。で、ただ看護婦さんの夜勤の率をふやすということは、なるべく避けていかなければなりません。それには、やはり看護婦さんの数はふやすと同時に、今のような方法を考えてみたわけであります。 それからパート・タイマーにしかならぬじゃないかというお話でございますが、今の神奈川県の調査によりますと、二百五十一名の就職希望者のうち、百五名は一日八時間の普通の勤務でいいという御希望もあるそうでございます。で、そうしますと、かなり、半分近くの方が普通のフル・タイムのほうに充当できるのではないかという、この数字を私は明るく見ておる者でございますが、あと午前中に働くのでなければ工合が悪いという者が三十二名、午後が五名、それから十時から十六時と昼の近くだけという人が九十五名でございまして、その他が十三名というふうになっております。フル・タイムに働ける方も、この中から発掘できると思います。なかなかこれはありがたい調査だと思いました。助手の資格としては、私は制度として、そこに考えたわけではないのでありまして、大阪というお話がございましたが、大阪は私よく存じませんが、鹿児島とか、またその他で副看護婦とか変な名前のものができつつあることは、われわれとしてはけしからぬというふうに思っております。決して、ああいうものを容認しているわけではないのであります。この点は、今の法律で身分を禁止することができないで弱っているのですが、今度の保助看法を改正する場合には、名称独占のことも考えるべきではないかと検討しているぐらいでありまして、看護助手を、いろいろまぎらわしい名前を使うことは、はなはだよくないと思い、さらに長野県でまた長野県正看護婦というのがあったりして、これ自身もやめさせるように指導をしろと県の衛生部長に言っているわけでありまして、こういうまぎらわしい制度を制度として作っていくつもりではないわけであります。
○藤原道子君 私が御質問しました二十四時間の保育所ですね、これはなぜ不可能ですか。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 二十四時間の保育所の関係は、保育所自体といたしましては、やはり子供さんは、家で夜寝るのがいいという考え方が児童局にあるようでありまして、児童局とも相談したのでございますが、その問題と、今一挙に二十四時間制の保育所を各施設に作れといいましても、すぐこれはなかなか動きもとれないという問題で、まず昼間の保育所、そういうものからスタートしていきたいという考え方をしているわけであります。特に国立病院では、今の状態では、ちょっとパート・タイマーという関係が、予算上もこの年度はできないので、今の二十四時間の保育所の問題について、これはむずかしいと書いているのは、国立の立場において作る場合の点を書いておったのでありまして、その点、はっきりいたしませんで申しわけなかったと思います。
○藤原道子君 外国の例を言えば、外国では二十四時間制の託児所を置いている所があるのですね。ということになれば、やはりできないことはない。必要が生むのですから、それを検討してほしいと思います。赤ちゃんは寝ているのがあたりまえなんです。大人だって夜は寝るのがあたりまえなんです。だけれども、保育所が収容所でなくて、子供の立場に立ってのりっぱな保育所であれば、私は保育所にいたことが子供に悪い影響を与えるとは思わない。そういう点で、ぜひ考えて、よりよい看護力が動員できるようにしてもらわなければ、そしてまた働きやすくしてもらわなければ、魅力ある職場にしてもらわなければ、看護婦の充足はできません。これは断言してはばからないと思います。そういう方向にぜひひとつ御配慮が願いたい。 それと同時に、看護助手の資格はどうなんですかと聞いた。その答弁はどうなんですか。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 二十四時間制の保育所の問題は、児童局ともよく相談いたしまして、向こうがよく勉強しておると思いますので、また病院の立場で、われわれも勉強したいと思います。 それから看護助手は、資格等は考えていないわけでございまして、各施設が必要に応じて、その方々に教育をしてもらえばいい。だから、身分法とか資格とかは全然考えないでいこうというふうに考えておるわけであります。
○委員長(加瀬完君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(加瀬完君) 速記を起こして。
○藤原道子君 押し問答をしてもしかたがありませんので、私は強くこれを要望するのです。それから、こういう看護力にしていけば、夜勤はふえる。夜勤は、必ず六日以内くらいに制限するのが妥当だと思います。これに対して局長はどう思いますか。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 夜勤は、できるだけ少ないほうがいいのはもちろんでございますが、六日、七日くらいに私もとどめたいと、こういうふうに思います。できるだけ、そういうような方向で考えております。
○藤原道子君 それから今度は、この間の答弁書だけは聞いておきますが、夜勤手当が百分の二十五、これは四十何円だと言ったけれども、人によれば、十七円くらいにしかならないのですってね。夜勤手当が百分の二十五で据え置くこと自身がおかしいと思う。そうして要求したけれども通りませんでしたと、この間の答弁でしたけれども、それなら、どのくらいを要求し、これを必ずあなたの要求することを実現しなければならぬと思いますが、それに対しての努力を、どう考えていただけるか。 それから、看護婦さんは出産後一年は夜勤をさせないようにしてほしいということに対して、それは不可能だと、こういうことになっておるのですが、出産後一年を夜勤をさせないようにということは、これはあたりまえ過ぎる人間的な要求だと思う。このくらいのことをしなければ……。結婚しても働こうという看護婦さんがいるにもかかわらず、やめていかなければならない、こういうことになるじゃありませんか。それで、中国あたりに行きましても、やはり子供が生まれて一年間は、夜勤をさせないと同時に、昼間保育所に入れて、それで一日授乳時間が二時間、賃金カットなしに与えられておる。外国々々と言うならば、そういうところの外国のいい例も考えてもらいたいと思います。 それから、無資格者は夜勤していないつもりだとおっしゃるけれども、やはりやらざるを得ないような条件に追い込まれておる。資料をあげて一々申し上げますことは時間がないので、これは省略しますが、そういうことのないように、無資格者が夜勤をするというようなことは法律違反だと思いますから、人命を尊重する意味から、断じて調査の上、これを禁止していただきたい、こう考えます。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 夜勤手当は百分の二十五を、どれだけ増額要求したかという、この数字を実は申し上げるのは、ほかに対して関係もありまして、つらいのでありますが、百分の五十にいたしました。百分の五十、これはほかのいろいろの職種との関係から、われわれの努力も足りなかったのでございましょうが、増額してもらえなかったのです。
○藤原道子君 百分の五十だったら幾らになるのですか。
○政府委員(尾崎嘉篤君) これは月給によって違います。だから月給が、たとえば一万五千円の方といたしますと、一万五千円を十二倍し、それを週の数五十二で除し、さらに一週の時間数四十四で除したものが一時間当たりの給与額となりますが、それにつき百分の二十五とか百分の五十となるわけであります。これはしかし、今のお話のような看護婦さんの仕事の特殊性から考えまして、私のほうは、ほかの職種とは少し違うのだという点で、三十九年度には強く要求していきたいと思います。 それから一年間の夜勤をさせない、これはもう少し看護婦さんの数がふえていけばやれると思いますが、母体保護の関係では、出産前後の休暇をとらせるというだけで一ぱいでございまして、ちょっとそれを、さらにふやしていきますと、ほかの若い方々、子供のない方々で労働が多くなって、現在の立場では、ちょっと八・八回はさらにふえてくる、こういうふうなことから、今すぐに実施はちょっと考えられない、こういうふうに申し上げておるわけであります。 それから無資格者は、私のほうで調べてみましたのでは、国立病院、療養所では、私のほうの少なくとも調査では深夜勤務をやらしていない、こういうふうな報告をもらっておりますので、後ほど先生のほうから具体的にお知らせ願います。ただ、おそ出勤務として八時間が八時、九時までおくれておるものがありますが、これは少し行き過ぎじゃないかと注意いたしております。そういうようなものがございます。
○藤原道子君 私が、夜勤のことに食い下がっているのは、アンケートをとって見ますと、夜勤が非常にからだに影響しているのです。これは夜勤に対しての影響を調査いたしますと、疲れも感じない、何でもないという人は一人もないのです。それで疲れる、とても疲れる、食欲不振、胃腸障害、倦怠、いろいろ、頭痛がする、体重が減る、貧血を起こす、かぜを引きやすい、全部、そういうつらい回答が寄せられているわけです。これはとりもなおさず、女子の深夜業禁止したのは、繰り返し申し上げますけれども、母体に影響があるから禁止している。看護婦と交換手等は特殊職種として、やむを得ないと認めている、だから、看護婦さんだから交換手さんだから、夜勤が母体に影響しないということは少しもないと思う。ですから、月うち、勤務の半分か、平均いたしまして夜勤をしている。平均して、そう資料が出ておりますから、それを調べて下さい。そんなむちゃなことはないと思う。ことに医療に従事する人に異常お産が多い、流産が多い、あるいはこういう夜勤が非常に多いと母体に影響することを知りながら、やむを得ず——こういうところに看護婦不足の重大なる原因があるということを十分にお考えになって、看護婦の待遇、さらに勤務の状況、これらについては、可及的すみやかに結論を出して、看護婦の充足をはかってほしいと思います。 さらに、もう一つ伺っておきたいのは、私どもが納得できないのは、妊婦で入院しますね、赤ちゃんが生まれますね、赤ちゃんは看護単位に入っていないわけです。ところが、赤ちゃんのほうが手がかかる、こういう現実を無視した配置状況に置かれている。赤ちゃんも、生まれれば一人の人間です。妊婦さんより赤ちゃんのほうが手がかかる。ところが、その赤ちゃんは一人前に扱われていない。だからこのごろ病院でも、産科勤務の看護婦さんのなり手がない。説得して産科へ行ってもらうのに婦長さんは御苦労している。あたりまえだと思う。一人の看護という名目のもとに、二人看病しなければならない。赤ちゃんは病気じゃないから、看病じゃないかもしれませんが、手がかかるのは、赤ちゃんのほうがかかる。こういうことを改めなければならないと思いますが、これに対する対策を考えておいでになるかどうか。そういうことにしているから、赤ちゃんが保育箱の中で焼け死ぬということも出てくる、どうなんですか、これは。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 夜勤の問題は、男子の夜勤でもお話のように、いろいろ疲労その他がやはり昼間の勤務と違って多いものでございますし、特にそれが、昼間、夜間変動していきますと、そこにいろいろストレスが多くなるのは、われわれもよく理解し、自分でも体験していることでございます。特に女の方でございますので、それに対する別途のまた問題もある、これもお説のとおりだと思いますので、夜勤手当の増額、これにつきましては、そういうふうな意味をもちまして、われわれも強くさらに申していきたいと思います。また基本的には、そういうふうな仕事をやっていただきます看護婦さん、それからお医者さんにつきましても、医療関係の従事者の待遇を改善し、また数を確保していくというふうに努力しなければならないということも申し上げるまでもないと思います。 それから妊婦の問題でございますが、赤ちゃんにつきまして、その赤ちゃんを、看護婦さんの配置の場合の数に入れてないのじゃないかというお話でございますが、この点は病院内の配置では、手のかかるところに置くようになって、産科病棟等には、看護婦さんが数が来る率がよくなっていると思います。ただ、全体として計算いたしますときに、今の数の中に入れていない、こういうのはけしからぬと言われると、そのとおりでございまして、この点、保険のほうに入っている、入っていないとは別にいたしまして、われわれも今から、数の問題は考えていかねばならない、こういうふうに思いまして、妊婦さんと赤ちゃんと二人で、全体としてどのくらいの看護力が必要かというふうな問題も、いろいろ検討を昨年からやっているところでございまして、この点は、決して忘れているわけではないのでございます。今、この点も、われわれも一つの問題として考えているところでございますので、御了承願いたいと思います。
○藤原道子君 私はこれでやめます。ただ強く申し上げておきたいのは、私の質問申し上げますのは、ひとり医療従業員からの陳情ではない。このごろ新聞に、喀血して死んだとか、窒息して死んだとか、この間のような無人注射で死んだとか、こういうようなことが新聞に出る。非常に患者さんたちが不安を訴えて、入院しておる患者さんたちも、夜になるのがこわいようだという人もいる。これでは私は相済まぬと思うのです。だから医療従業員と、さらに患者両方から、このつらい気持の陳情がある。ところが看護婦さんの充足はなかなかできない。それで聞けば、検討中です、何とかいたします、これでは、いつになっても果てしがないと思う、追及していけば。こんなことをすれば、将来助産婦さんは全然なくなるのじゃないですか。しかも、このごろでは、自宅で出産する人よりも、入院して出産する人がどんどんふえてきて、喜ばしい傾向なんです、母体保護の立場から。ところが、今申し上げたような待遇であるし、さらに助産婦のなり手がだんだん少なくなる。保健婦はどうでしょう。やはり保健婦も、希望者が少なくなっていく、やめていきます。保健所の医師、保健婦の充足、これらに対してもあなた、お答えできないでしょう、今の現状では。私は、これで文化国家と言えるか、安心して医療が受けられる状態におかれているかという質問に対しては、大臣だって、お答えにお困りになると思う。現実に死亡率にしても、分娩率にしてもわかっているでしょう。局長、わかっていながら、うっちゃっておくということは、私はけしからぬと思う。と同時に、労働省におかれましても、こんな重大なところで働いておる人たちが、こういう状態におかれておるのです。しかも、これで失敗が起きれば、看護婦が刑事罰を受けるのですよ。行政罰だけじゃないのですよ。こういうところに無理がある。それから今では、准看が夜勤はできないはずなんですよ、監督がなければ。看護婦の監督のもとに働くことになっている。ところがその准看にすら、注射をやらしているじゃありませんか。医師法では、看護婦は注射してはいけないことになっている。ところがこのごろ、どこの病院に行っても、ほとんど看護婦さんがやる。看護業務から、看護業務以外のものを取り去るならば、この注射におきましても、当然医師がやるべきだ。そうした当局は無理にやらせておいて、それで忙しい、そうして失敗をすれば、看護婦の責任になって刑事罰を受ける。こんな血も涙もないやり方のもとに、看護婦が今放置されております。こういうことに対しまして、厚生省、労働省といたしましても、もっと強い監督をしてもらいたい。もっと強い指導をしてもらいたい。しかも厚生省だ、労働省だといっても、同じ内閣のもとに、この行政機構としてあるのですからね。これをもっといかすことに、力を倍加することに、厚生省が弱くて予算が取れないのです。だから、こういう苦しい目におかれている。だから労働省のほうでも、こういう実態の違反を起こしているのだ、これでは由々しい問題だから、やはり人員はもっとふやすように、予算措置をしてやってくれという、ひとつ応援をしてもらいたい。 私はまだ資料を幾らも持っておりますけれども、もう質問する私自身が、またかと思うのです。同じことを毎年毎年委員会で繰り返して質問しておるけれども、解決ができない。解決ができないから、看護婦さんはだんだんやめていくのです。優秀な看護婦が巷に眠っているのです。それを掘りおこす道はありながら、予算がないからといって、これをおやりにならない。それで年若い看護婦さんたちの肉体をみすみす虫ばんでいる。患者が不安を起こしている。入院しながら看護婦も医者もいないところで死んでいくというばかなことは、外国にないと思う。外国の例をおとりになるのならば、ひとつ外国の例をもって医療の充実をはかってもらいたい。都合のいいときは外国です、私はこういう厚生省のへっぴり腰はいやなんです。もっと真剣に取っ組んでいただきたいということを強く要望いたしまして、きょうの私の質問は終わります。
○委員長(加瀬完君) 労働基準局の小鴨課長さんに伺いますが、今、藤原委員の指摘された点ですね。労働基準法に照らして、特に国立病院などの看護婦の労働実態がどうなっているか、把捉されておりますか。
○説明員(小鴨光男君) これは実は、国立のは一般職になるわけでございまして、この点については、国家公務員法によりまして、われわれには監督権はございません。民間について、先ほど申し上げた点は監督があるわけでございます。それらについての違反は把握してございます。しかし、この間の例の病院スト以来、国立、民間を含めまして、そういう点について、いろいろ問題がございます。基準法違反という面ばかりでなく、労務管理という全般についての近代化、ものの考え方という点については、厚生省といろいろ接触してやっておるところでございます。民間の実態ということも、ある程度国立の場合においても共通に考えられる部門もございますので、先ほど藤原先生御指摘の問題については、予算のときばかりでなく、通常の場合においても、十分厚生省と連絡してやっていきたいというふうに存じております。
○委員長(加瀬完君) 労働基準局として見た労務管理の実態について、こちらに御報告いただけますか、委員会に。
○説明員(小鴨光男君) 民間の点については資料がございますので、至急取りそろえて御報告したいと思います。
○委員長(加瀬完君) 厚生省の管轄内の病院は、労働省では、一応の報告はできませんか。
○説明員(小鴨光男君) 国立のことについては、実は監督権がございませんので、いわゆる責任を持った資料というのはございません。民間でもって推測していくほかないと思います。
○委員長(加瀬完君) 調査をすることはできませんか。
○説明員(小鴨光男君) 監督権の適用のないところに、私のほうでは調査することはできませんので、その点は、御了承願いたいと思います。
○委員長(加瀬完君) 労働省としては、かりに一般民間に比すれば労働基準法の違反だ、同様のことは国立病院で行なわれているのは、それはどこで仲裁するのですか。
○説明員(小鴨光男君) これは国家公務員法によりまして、人事院が責任を持っておるというふうに存じております。
○委員長(加瀬完君) 人事院が持っていることはわかっておりますけれども、しかし、人事院が、一々勤務状態を現状においては監督あるいは調査をしておらないでしょう。今、藤原委員の指摘するように、そこの仕事に従っている人たちが、人事院に事情を具申しましても、具体的には、その改善は何も行なわれていませんね。そうなってくると、国家公務員であるがために、労働三法の適用を受けなければ、保護もないということになりかねませんね。これらの点を労働省が、そのままでいいということになるのですか。
○説明員(小鴨光男君) これは先生、十分御承知かと思いますけれども、国家公務員法が労働三法の適用をはずしておる、したがって、それらの精神をいろいろ考慮して、人事院規則で定める、こういうふうに特に労働条件についてはいっているわけであります。したがいまして、その監督ないし施行の責任というのは、人事院がございますので、私どもは、人事院が全般的に、それについての施行上の責任は持っておるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、この点について、私どもは監督なり、あるいは調査をやるということになりますと、御承知のように、行政組織上の権限配分が乱れますので、私としては、ここではその点、御答弁できかねると思います。
○委員長(加瀬完君) わかりました。
○藤原道子君 この資料を添えて、人事院に出してあるのです。これは人事院に出した資料なんです。ところが人事院で、そのまま捨て置かれているわけです。
○委員長(加瀬完君) 今度、人事院呼びましょう。
○藤原道子君 今度、呼びましょう、お願いします。それから、もう一つ労働省に、民間の資料があるということで、それぜひ出してほしい。民間になると、今の国立より以上にひどいのですよ。ですから、ぜひそれがどういうふうに取り締まられ、調査されているかということの参考にしたいと思いますから、ぜひお願いしたいと思います。
○委員長(加瀬完君) 本日の質疑は、この程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後一時二十一分散会 ————・————