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43回国会参議院1963/03/14

社会労働委員会 第10号

発言数
68
登壇者
8
会派数
1
開催日
1963/03/14

会議録

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) ただいまより社会労働委員会を開会いたします。  委員の異動についてお知らせいたします。本日、中尾辰義君が委員を辞任せられ、その補欠として小平芳平君が選任せられました。   —————————————

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 雇用促進事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言願います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、通産省の鉱山局の大木さんにお尋ねをしたいのですけれども、今日まで非鉄金属鉱業は、貿易自由化から非常に困難な状態になっているということについて、通産省はどういう手を打たれたかということが一つです。  それから、もう一つは、自由化そのものからくる含有量その他精製作業その他に関係してくるんだと思うのですけれども、そういう実態を、亜鉛とか銅とか、そういうものをあげて御説明を願いたいと思います。

大木恒通商産業省鉱山局鉱業課長

○説明員(大木恒君) 金属鉱物並びに地金の自由化は、金属鉱山にとりまして非常に問題があるということは、すでに御承知のとおりでございまして、先般の国会におきまして、これに関しまして、金属鉱山の危機打開に関する決議が術議院の本会議でなされたのでございます。その後、通産省といたしましては、この自由化を迎えまして、鉱業審議会を通産省内部に設置いたしまして、これが対策について鋭意検討を加えて参っております。この審議会の中間答申が昨年の十月に出されまして、その中間答申の線に沿いまして、通産省といたしましては各般の施策を講じて参ってきたのでございます。その内容を大別いたしますると、予算措置並びに立法措置等でございますが、本日、雇用促進事業団法の改正に関連いたしまして、離職者の問題についてどういう答申がなされたかということだけを申し上げますると、「雇用対策の基調は、鉱業の健全な発展による雇用機会の確保におかれるべきであるが、現に相当数の離職者の発生を見ており、今後も体質改善対策の計画的推進の過程において鉱山の縮少、休廃止等により、さらに離職者の発生が余儀なくされるものと予想されるので、当面現行制度の枠内の離職者対策を急ぐとともに、鉱業離職者の特殊性に即した特別の対策の確立を早急に図るべきである。」という答申がなされたのでございます。それで、その対策につきまして、いろいろ労働省のほうとも御相談の上、今回の改正法律案が出されたものと考えておりますが、通産省といたしましては、さらに予算措置並びに立法措置なども考えておりますのでございますが、現在国会に提出されてございまする暫定関税措置法の中に、暫定関税の改正案並びに探鉱——特に鉱山の体質改善は、探鉱を促進するということが一番体質改善の早い道でございますので、金属鉱物探鉱融資事業団法という新しい法律の提出をしておるわけでございます。このように、法律上あるいは財政上、特に大蔵省との折衝におきまして、補助金の増額等、各般の対策を立てておりまして、その離職者対策も金属鉱山の自由化の一つの考え方であると思います。  さらに、第二番目の御質問でございまする各鉱種についてでございますが、日本の金属鉱山の大宗をなしておりますものは銅、鉛、亜鉛でございます。それで、銅につきましては三月末に自由化するという計画でもって進んでおりまして、これは暫定関税措置法案の中に暫定関税の改正案が盛られてございますが、その内容はタリフ・クォーター制度を採用いたしまして、暫定関税三万円ということで自由化に踏み切ることにしております。そのほか、まだ国会のほうには提出に至っておりませんが、鉱業につきます安定、ことに需給価格の安定につきまして何らかの対策を立てるべきであるということで、現在省内で検討を進めている法律案もあるわけでございます。このように、銅につきましては、三月末の自由化を目途に対策を立てております。銅に次ぎまして大きな鉱種は、鉛、亜鉛でございますが、鉛、亜鉛は海外相場が非常に低落いたしておりまして、現在のまま自由化をいたしますと、相当大きな問題が残りますので、今回の三月末の自由化につきましては、これを当分延期するということにしております。そのほか、日本の特産物でございます硫黄、硫化鉱の海外相場が非常に低いので、現状のまま自由化をいたしますと壊滅的の打撃を与えられますので、これらにつきましても自由化の延期の措置を現在とりつつあるわけでございます。そのほか、マンガン・タングステン・モリブデンなどのこまかい鉱種がございますが、これらはすべて大部分十月に自由化に踏み切っておりまして、一部をこの三月に延期しているのでございますが、大体大きな鉱種といたしましては、鉛、亜鉛、銅、硫黄、硫化鉱を自由化にするという形になっております。  以上、今まで鉱業政策として考えて参りましたことを、ごく簡単でございますが、御説明いたしました。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 この問題の根源は貿易自由化から始まっているということ、それから、もう一面から見ると、機械化が進んだためだと私は思う。要するに、生産費が、国際的に機械化の進んだことによってコスト・ダウンをしたといいますか、そういうものが値下げの原困になっているのだと私は思う。だから、そういうことになると、日本もやはり機械化というものが進められていることだと思うのですけれども、その状態はどうなっているかということです。それが一つ。それから、実際にそういう工合にばたばたと鉱山の縮少ということになってくると、結局被害を受けるのは、石炭もそうでありますけれども、働いている労働者だけが犠牲になるということになる。しかし、おのずからその範囲には限度があると思うのですけれども、そこらが、たとえば鉱物の中にどのくらい、採算上の問題としてどういう状態になっているのか、外国と比べて極端にいいところもあるかもしれませんけれども、日本の鉛、亜鉛、銅、そういうものを見て、実際に努力しても採算が合わないのかどうか、そういう点を少し話してもらいたい。

大木恒通商産業省鉱山局鉱業課長

○説明員(大木恒君) 鉱山企業は、もちろん機械化によりまする合理化を進めておりますが、外国の鉱山企業と比較いたしまして日本の企業は相当格差がある。その一番大きな原困はどこにあるかと申しますると、やはり企業の規模が違うということが大きなハンディ・キャップになっていると考えております。  それから、もう一つの大きな問題は、所持いたします鉱石の品位が日本と外国と非常に違うということでございまして、たとえて申しますると、銅につきましては、日本の一番最初に採掘いたします元鉱品位は一・二%の銅を現在掘っております。これは百数十鉱山ございます銅鉱山の平均でございますが、一・二%の銅を掘っておりますが、外国の例を申し上げますると、フィリピンあるいはアメリカのような大きな産銅国では大きな露天掘りをやっておりまして、品位は一%前後ではございますが、日本のように坑内で採掘いたしません。そのために非常に品位は低いのでございますが、大量生産によってコストダウンしておるというものが現実でございます。また、昭和の初めごろから産銅国になっております中南米あるいは南アフリカ連邦、その辺の銅につきましては、全部元鉱品位が三%ないし四%のものを採掘しておるわけでございます。特にアフリカにおきましては六%程度の高いものを採掘している。そういう品位のよい良質の原料を使って電気銅を生産しておりますために、どうしても日本の低品位鉱と比較いたしますると格差が出て参るのはやむを得ない状態だと思います。  それから、先ほど申し上げました生産規模も、一企業について大体日本の五倍ないし七、八倍の生産規模をもちまして一企業が生産しておる。そういう実情でございますので、どうしても日本製品が割高になるというのは避けられない事情になっております。それで、そういう自然的条件による格差を解消するということは、ある程度関税その他の政策によりましてカバーしてやるのがこれは必要ではないか。日本の銅、亜鉛の関税につきましては、将来その自然の格差を解消してやる程度の関税をもってやるべきであるという感じがしておるわけでございますが、一挙に高い関税をつけましても、その製品の消費者に対する多くの影響がございますので、現在暫定関税ということで処理しておりますが、その暫定関税を置いておりまする間に、何とかして体質の改善を進めるという政策をとっておりまして、   〔委員長退席、理事阿具根登君着   席〕 その間、先ほど申し上げましたような探鉱促進、探鉱融資事業団などによります探鉱融資を行ないまして、高品位優良な鉱床の発見をはかっていくという政策をとっておるのでございます。品位が、かりに〇・一%上がりますと、現在一・二%の元鉱を掘りまして、現在建値二十八万円で銅を売っておりますが、かりに一・三%の品位のものを掘るようになりますと、約一万二、三千円のコスト・ダウンができる、それほど原料代というものが最終製品に影響を与えておるような状況でございます。高品位の優良鉱床を発見するような保護を政府としてとらなければならない、こう考えておるわけであります。  それから鉛、亜鉛につきましては、やはり同じような意味での格差が外国とございます。しかし、現在、鉛も亜鉛も非常に供給が過大でございまして、世界の需給状況は供給過大という状況を呈しておりまして、そのために異常に安い品物が世界に出回るといったような現象を呈しております。そのために国連におきまする鉛・亜鉛会議というものがここ二、三年来開催されておりまして、何とか鉛、亜の需給価格の安定をはかろうじゃないかという話し合いが進められておりまして、また、今月の下旬にもジュネーブで第五回目が開催されるような状況でございまして、世界的に非常に頭を痛めておりまする問題でございます。日本も同じように、その点については困っておるのでございますが、先ほど申し上げましたように、ひとつ暫定的に自由化を延定いたしまして、その間に対策を立てていくということになると思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 鉛、亜鉛の質はどうですか、外国と比べて。

大木恒通商産業省鉱山局鉱業課長

○説明員(大木恒君) 鉛、亜鉛は、日本の鉛、亜鉛の元鉱品位の合計は約六%でございます。これは掘ります場合は鉛も亜鉛も一緒に出て参ります。大体価格が同じでございますので、鉛、亜鉛を合計の品位でもって評価しております。大体日本の鉛、亜鉛の元鉱品位は六でございます。それに対しまして外国は大体一〇%、高いところにおきまして一五、六というのを採掘しております。特にオーストラリア、カナダの鉛、亜鉛企業というのは非常に大きな企業でございまして、それと比較いたしますると、日本の品位は相当低いということが言えるわけでございます。それから、生産規模におきましても、先ほど申し上げましたように、豪州などと比べますと、約三分の一程度の生産規模でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 高度経済発展ということの中には、あらゆる産業の発展というものも大いに含まれておるし、また、そうしなければならんと私は思うのですけれども、主たる原因が質だ、採算上の問題だというなら、いろいろわれわれも考えられますけれども、ただ単に企業規模の格差によって採算がとれない、立場が有利でないということが主たる原因ということであれば、通産行政をやっておられる通産省は、もっと監督、援助をして、そうしてやはり国際的なレベルの中にこの問題を持っていこうというのは当然の措置じゃないですか。そこのところはどうですか。

大木恒通商産業省鉱山局鉱業課長

○説明員(大木恒君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、通産省といたしましても、機会あるごとにそういう形に誘導して参るようにいろいろ考えておりますが、御指摘の、たとえば精錬所におきましても、現在、銅精錬所は十数カ所にございます。規模が先ほど申し上げましたように小さい、そういうものを今後個々に育成するよりは、大きな臨海精錬所を設けて、一段と規模を大きくした合理化された精錬所を作っていくべきじゃないか、こういうことがいわれておりまして、これも鉱業審議会から答申の形でもって出されておるわけでございます。こういう問題は、早急に企業を整備していくということはできませんが、そういうような需囲気の中で鉱山局といたしましては助成的に誘導して参りたいと思っておるわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 石炭の場合でも同じなんですけれども、とにかく産業が進んでくると、国内資源を活用するというところに全然目を触れないで、無放任にしておいて、そしてその結果は石炭にすれば中小炭鉱を買い上げる。労働者の離職対策というけれども、実際問題として、炭鉱の労働者が炭鉱地帯にあってどんな悲惨な目にあっているかということは、私が申し上げるまでもないと思う。だから、金属鉱山の問題も結局同じ経過を経て、そこで働いている労働者だけが結局あらゆるボタを全部かぶるということなんですね。たとえば鉱山の買い上げになりますと、業者は一定の貯炭量に応じて買い上げられる。労働者は仕事を失なってほうり出されるということで、何にもならない。ここも結局同じことになっていく。私は、こういうことこそ労働行政としてやればいいのだというものの考え方そのものが根本的に間違っていると思うのです。労働省は、何も失業した者を網か何かで受けて、そうしてそれを処理すると、そんな単純なものではないと私は思うのです。経済計画を立てるときに、生産の拡大をするときに、ちゃんと需要と供給の問題、その問題が通産行政の中にちゃんと考えられていなくてはならない、私はそう思うのです。だから、それも同じ炭鉱の運命なのです。あとは労働行政だ、首切ったあとは、合理化で処理したあとは全部労働行政だというような格好でいられるような行政というものは、私はなっておらぬと思うのです。本末転倒だと思うのです。先日も私は予算委員会で企画庁長官を中心に議論をいたしました。通産大臣は大半どこかの委員会に行っていて出てこなかったけれども、私は、日本の経済計画を立てるときに、たとえば炭鉱または鉱山というものが、あらゆる面から検討をしてみてどうにもならない、国際的に見てどうにもならないというなら、どうにもならないような処置をちゃんとやらなければならないと私は思うのです。これは労働行政にいくまでの問題だと、私はそう思っているわけです。ですから、今日の日本の貿易が、特に欧州あたりのほうが振るわないという——アメリカでも片貿易でありますけれども、振るわないというのは、その批判は何かというと、それはチープ・レーバー、ソーシャル・ダンピングという昔からの流れが日本の外国への貿易が振るわない原因である。ガットの三十五条を援用する、まあ三十五条ははずしましょう。しかし、いつでもとめますよという留保条件をちゃんとつけて三十五条援用をはずしましょうという懸度じゃないですか、各国とも。その基礎をなしているものは何か。だから経済計画、生産計画を立てるとさには、その生産と合わして需要というものがちゃんと考慮されている、生産と消費のバランスがとられるというところに経済計画の基礎が置かれなければならない。そのために、労働力を持っている国民の配置の問題もちゃんと考えて物事を立てなければいかぬのではないかと言って、私は、この間、宮沢企画庁長官にしつこく尋ねた。いろいろ例をあげて、議論をいたしました。議論をいたしましたところが、答えができない。それでは日本の産業は付加価値がないのかというと、付加価置は欧州並みなのです。その付加価値の分配率を見たら外国の半分です。そんなことで、ただ自由放任で、むだなとは、私はそこまでは言い切りませんけれども、弱肉強食の中で、ほんとうに国民の立場から言うならば、むだなような設備投資がどんどん他の産業で行なわれておる。その犠牲はみな国民にかぶってくる。付加価値はどうかというと欧州並みで、分配は半分、こういうことで、とにかく合理化をして企業だけ立てていけばいいというものの考え方が私は根本ではないかと思うのです。そういうことをやはり通産省が考えておかなければ、こういう問題がなんぼでも出てくる。鉱業審議会をお作りになって、これを答申して、今度の雇用促進事業団法の一部改正をして、労働省の関係にしてやっていただくということは、私はけっこうだと思います。この法案自身についてとやかくは言っていないわけであります。しかし、私は、こんなことを各産業で次から次に繰り返していく、労働省はそれを受けて、それを処置するのにきゅうきゅうとなっている。ここに私は出発点が間違っていると、そう思うのです。ですから、やはり正常な生産機構の発展ということ、それに応じて需要の問題も正常な形で計画の中にちゃんと入れられていかなければならないのではないかと、私はそう思うのです。その点は通産省はどう考えておられるのだろうか。今ここにきて審議会を開いておやりになった、処置をされたことは、そのことは私はいいことだと思います。しかし、そんなことは初めからわかっている問題ならわかっている問題として、なぜ経済産業計画の中にこれを考慮しておやりにならないかということが私は非常に不満なんです。だから、宮沢企画庁長官に、労働力の配置、供給と需要の問題を経済計画を立ててなぜやらないか。政府はやっていないという返事なんです。けしからぬ。世界各国でそんなことをやっていない国がどこかありますか。これが日本が信用を先う問題であり、貿易が問題になってくる。対日本貿易の問題にかかってくるのじゃないかと言いて私は議論した。そのとき通産大臣は何と答えたか。私は通産大臣と徹底的にこれはひとつこの国会で議論したいと思います。政府が計画を立てます、やるのは各省でございますから、そんな方針とはかかわりありませんという返事をした。あなたばかりいじめても私はしょうがない。そこで、私は、池田総理に、これはそんな計画か、この政府の今年の経済計画の方針がそんなものかと言ったけれども、のれんに腕押しみたいな返事をしますから、よし、きょうはよろしい。企画庁長官に尋ねてみたら、いや、そうじゃありませんと、こう言う。だから、私は、政府がせっかく完全雇用もやります、社会保障も高めますという方針を出しながら、通産行政においては目もくれないというような格好でおやりになっているではないか。これでは私はいつまでたっても、生産拡大は幾らしても、たとえば所得倍増論の基準年度でなしに、三十五年度を基準にしても、今操業短縮を二割以上やっていますけれども、これがせめて九割まで操業いたしましたら、ことしの総生産は二十二兆ぐらいになりますよ。もっとこえて二十三兆くらいに僕はなると思う。そうしたら、昭和四十五年の総生産二十六兆の八割以上も生産拡大だけは二年かそこらでできてしまう。が、需要の問題はどうです。三十五年を基準にしてみても、国民一般で二割にならぬじゃないですか。とてもそんな格好が正常な、ノーマルな経済の姿とはどうも思えない。これはあなたに議論をふっかけてえらい悪いけれども、そういう状態を何の御批判もなしに、ただすらっと見ておられて、出てきたやつは処理すればいいのだ、これはしかし全部処理しきれますか。炭鉱労働者でもそうではありませんか。ベースに入るのは、何割という大きな数字ではないのです。そういうことが平気で行なわれている。私はそこが問題だと思う。   〔理事阿具根登君退席、委員長着   席〕  私は四、五年前にILOの問題をつかまえて、通産省にどうですかと言ったら、ILOなんてどこにあるのですかという調子で答弁されて、私はものすごく憤慨したことがあります。しかし、そんな状態でないとこういうことを通産省はどの程度認識されているか、私はお聞きしたいのですよ。どうでしょうかね。

大木恒通商産業省鉱山局鉱業課長

○説明員(大木恒君) 私、全般の政治的なことはあれでございますが、私の所管しておりまする金属鉱山の労働者と申しますか、その立場についての考え方を申し上げますと、先ほど石炭の例をお出しになりましたが、金属鉱山と石炭の基本的に違いまする点は、金属鉱物の需要というのは、将来の相当伸びていくという前提があるわけでございます。これは重要基礎産業といたしまして、化学工業あるいは金属工業のりっぱな原材料として、その需要は年々増大して参ります。これはもうまぎれもない事実だと思います。それから、もう一つ、わが国の金属鉱物がはたしていいものがあるかという点が一つあると思いますが、これは戦争の時代に、戦時行政で非常な乱掘をいたしました。乱掘をしてあらゆるものを掘ってしまったわけでありますが、戦後二十年たちまして、やはり戦前以上の埋蔵鉱量というものを確保することができたわけであります。これは日本の国土に相当優秀な資源がまだ相当あるのだ、ただ探す努力をしていないためにお役に立てないということがこれでもって言えると思うのでございます。そういうようなことを考えますると、この需要の増大に対処いたしまして、自由化の波を防ぐためには、どうしても暫定期間、日本の企業の体質改善をしなければならぬ。体質改善をすれば、それによる雇用の機会というものは当然生まれてくるわけでありまして、新しい鉱山の開発を積極的にやれば、さらに新しい関連的な仕事もふえて参りまして、それによる雇用の増大というものは、石炭と違って、必ず出てくるという確信のもとに鉱業政策を進めておりますが、ただ、その暫定期間の間に、どうしても休廃止する山が出て参ります。それについての手厚い保護をやるべきであるという考え方から雇用対策が出発しておる、そう考えておるわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、戦時中に乱掘したということもよくわかっておってあなたにこういう議論をふっかけてもどうもと思うのですが、しかし、実際におやりになるのはあなた方なんです。あなたがお立てになると私は思うのですよ。課長さんや、せいぜい局長さんまでのところでこういう計画やその他を精密にお立てになるのだと思って、それで私は少し聞いてもらったわけです。政治的な議論は通産大臣やその他の人にやらなければならぬのですけれども、私は少し聞いてもらったわけです。だから、あなたのところで、そういうかまえが、世界の流れがどうか、どういうところに貿易のネックがあるのか、日本が近代化していく自由民権の憲法のもとに日本の産業の発達、経済の発展もさせなければならないけれども、そこにはどういう姿勢というものが必要かということを皆さん方のところでよくお考えなっていただかないと、この問題は解決せないと私は思うのです。これは金属鉱山ばかりじゃないと思うのですよ。だから、たとえば金属鉱山一つとってみたって、戦時中に乱掘があったというなら、そういう実態なら、もっと緻密に対策を立ててこられて、新しい鉱山の開発に力を入れて、それで外国との企業格差が違うというなら、機械化が足らないというなら、なぜ指導をして、こんなどんな行き詰まるでほうって置かれたか、どんと突き当たってしまってから、今のあなたの御意見を聞くと、審議会をこしらえて、こうだああだということを議論して雇用問題からまず出発したというのだけれども、そういうことであっていいのかどうかということを私は言いたいわけですよ、実際問題として。あなたは、今のお話によりますと、新しい開発をすれば雇用もふえるのだ、いいんだとおっしゃった。そんなことをおっしゃるなら、なぜ前からちゃんとそういう計画をお立てにならなかったか、監督官庁じゃありませんか、私はそう言いたいわけであります。だから今日お聞きしているところによると、質においてもそんなにきつい——後進国の例を見たら別ですけれども、先進国といいますか、アメリカやフィリピンは一%だ、日本は一・二%か一・三%だというなら、多少条件が悪くとも、銅の国際的な需要との関係があるでしょうけれども、何とかその点はなるはずでございます。そうすると、企業規模だとか、精錬技術とかというようなことに落ちてくるわけですね、これは。そうでしょう。そうなると、これは通産行政は努力が足らぬのじゃないかということに尽きはしませんか。その点はどうなんです。

大木恒通商産業省鉱山局鉱業課長

○説明員(大木恒君) 国内の地下資源の体質改善、あるいは新しい鉱床の探索、こういうことは、戦後の乱掘のあと、日本の鉱業会社が独自の力で現在の姿まで持ってきたことは事実でございます。その間、政府といたしましては、外国の製品の輸入の制限をしておりまして、いわゆるFAでございまして、このFA下の貿易管理のもとにおいて日本は企業の建て直しをやって参ったわけでございまして、その間に非常にたくさんな資源を発見したことは先ほど申し上げたとおりでございます。本来、探鉱という問題は、企業が独自の力でやるべき性質のものだと私は考えておりますが、この急激な貿易自由化の時期に際会いたしまして、どうしても企業だけではその負担が過重である。場合において、政府において保護する、補助するというようなことで今回の金属鉱物探鉱融資事業団法案を提出しておるわけであります。管理貿易時代におきましては、確かに日本の企業が独自でやりましたが、そのやれた理由は、国内価格が海外の価格に比べまして非常に高かったわけであります。高い価格を維持するように政府が保護しておったということが言えるわけでありまして、その範囲内において企業努力といたしまして鉱山の企業を続けて参ったと考えていいと思います。そういうことで、今まで政府は何もしなかったのじゃないかということは、確かに一面において御説のとおりでございますが、FA下におきます価格政策という面からいいますと、偉大な保護政策をしておったということもまた言えるわけであります。それから、日本の銅の品位は一・二%、アメリカが一%であるという一つの格差がありますが、日本の一・二のところを掘っております銅鉱山もいろいろございまして、現状において、たとえば二十二、三万で仕上がる山もございます。あるいは三十万をこしておるものもあるわけであります。非常に山々によってコストは違うわけでございます。かりに今自由化いたしますと、外国の電気銅は二十三万四、五千円で入って参ります。そうなりますと、それより安い電気銅を作るような山はもちろん稼行できますが、それよりもコストの高いところは一ぺんに休廃止しなければならないという状況になりますから、それに対して、現在タリフ・クォーター制度をとるということで進んでおります。そうやって急激なショックを山に与えないような対策をとって、四年ないし五年の間に鉱山の体質の改善をしたいという方向で進んでおります。もちろん電気銅を使う立場にあります電線伸銅のことも考えなければならないと思います。いつまでも割高なものを生産するということは許されないだろうと思います。そういう暫定期間の対策で自由化の波を乗りこえていくという対策になっておるわけであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 だから、非常に根本の問題に触れますけれども、生産性の向上というものについて、生産性が向上していく、これが人類や国民の幸福になるならだれも反対するものはないと思うのです。ところが、そうでなしに、生産性向上運動というような格好でよく言われている問題を一つとってみても、この設備はそのままにしておく、そして合理化だけで生産性向上運動をやるというところに問題点を残して、七、八年前から生まれてきたものは残しておるのじゃないかと私は思うのです。だから、そのいう意味で、私は、もっともっと政府が指導をして、国際的などうせ自由化という問題は、これは必然性ですよ。何ものも将来の形においてこれを食いとめるものはないと私は思うのです。だから、人類が幸福になる限り、そういう道筋をたどるのは私は当然だと思うのです。そんなことですから、やはり努力をしてかまえをちゃんと作って、そうしてどうにもならないものはどうにもならないもので、日本の能力に合うものがだんだんと進んでいくような手当てを——規模が大きいとか小さいとか、だから負けるとか、そんなことで、結局そこのところは何も努力もしないで、労働者だけが犠牲になっていくという格好じゃ意味がないんじゃないですか。私はそれを先ほどから言っているわけですよ。だから、やはり通産省は、この鉱山ばかりでなしに、産業全体を把握しておられるのだから、計画をお立てになるときには、ちゃんと需要の問題もお考えになってお立てにならなければこういうことが出てくるのじゃないか。建設々々で、ものすごい付加価値を企業自身はとっておいて、そうしてあとは知らぬという格好では、私は少し話が合わないと思うので、これはいずれ通産大臣やその他に申し上げますけれども、結局お作りになるところはあなたのところなんですから、あなた方自身がそのかまえになってもらわない限り、日本の経済はちんば発展になってしまう。景気変動を繰り返すために中小企業や労働者が犠牲になるという結果になる以外の何ものでもない、そんな経済政策をもう国民はいつまでも許しておかないと私は思うのです。そういうことをあなた方のところでお立てになるのだから、ちゃんとやはり近代国家並みなものの考え方をしてもらいたい。それでなければこういう問題が出てくる。それで、私たちがこれにふんまんやるかたないところを、今度は法律で保護するということになっていますから、それは私はけっこうですけれども、こんなことを、このやり方が足らぬかどうかという議論に入る前に、その前段の議論をしなければならぬというのは残念しごくだ、私はこう思っておるわけです。  そこで、鉱山局の行政において、ILOの鉱山労働者の条約や勧告やいろいろありますけれども、ああいうことをどう見ておられますか、お聞きしたいと思う。

大木恒通商産業省鉱山局鉱業課長

○説明員(大木恒君) 鉱山局はILOと直接の関係はございませんが、実は、私個人のことを申し上げてたいへん恐縮でございますけれども、保安局の鉱山課長をやっておりましたころに、金属鉱山のILOの会議がございました。そこに出席したことがございまして、ILOの会議場に流れております雰囲気というものを私自身は十分承知いたしておるつもりでございます。ただ、最近の動きにつきましては、遺憾ながら存じておらないのでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、まず一九一九年からILOができたが、ILOがいかなる目的で誕生したか。戦後そのILOに対して、日本の資本家は一生懸命にILOに再加入するために努力した。政府と労使の三者で金を出し合って一生懸命努力をしてILOに加盟ができた。常任理事国になった。ところが、ILOの条約や勧告や決議というものをなまに宣伝されると、とたんに困るから、ILOの協力団体であるILO協会を脱退します、日本の資本家諸君は平気でそういうことを言う。一切ILOの運動には参加しない。これは一つの例なんですけれども、こんなものなんですよ。だから、あなた方は通産行政の中でいろいろの制約があるでしょのけれども、これは世界の流れというものはちゃんと知っておいてもらわないと、間違いが次から次と起きてくると私は思う。これは労使関係の労働者保護の問題ですけれども、しかし、ILO自身が目的にして誕生したときの精神というものが通産行政の中に入ってきたら、今のように、設備拡大だけは三年たたないうちに倍増計画の八割以上できた、需要の問題はほったらかしというような格好に通産行政はならなかった、私はそういうふうに思う。まあそういう意味で、あえてあなた方に御意見を聞いたわけですけれども、私は、もっと根本の問題に触れて通産省がもっと通産行政をやることをお願いもし、期待をしておるところでございます。それから、この鉱山の問題も、まだ開発するなら、そのようなところに世界に伍して日本の鉱山事業というもの、鉱山資源というものを開発して人類に貢献するというなら、私は、積極的な努力をそこへ傾けていただきたいとお願いをしたいわけです。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 大木課長のほうに質問いたしますが、ただいまの藤田君の質問で、銅はこの三月から自由化するが、関税は三万円かける、こういうことですが、その答弁の中で、外国から輸入される電気銅は二十三万五千円ぐらいで入ってくる、こうことであったと思うのです。日本の銅はおそらく二十八万円前後で私は生産されておると思うのです。そうしますと、三万円の関税をかけてもこれは追いつかない、こういうことになってくるわけですね。そうすると、これに対してどういう対策をおとりになっているか、その点ひとつ詳しく御説明願います。

大木恒通商産業省鉱山局鉱業課長

○説明員(大木恒君) 銅は四月一日からタリフ・クォーター制度を採用する暫定関税措置法案が国会に提出されると思いますが、その場合に、一次税率はゼロでございまして、二次税率が三万円というタリフになっております。その場合に、日本の需給状況をはじきまして、外国からまあ電気銅を入れる必要がなければ、タリフの一次税率で入れるものがゼロでございますが、かりに日本の国産だけで間に合わない場合におきましては、最低必要量だけで入れて参ります。そうなりますと、それが先ほど申し上げました二十三万四、五千円の外銅が入ってくるわけでございます。その外銅はそういう意味で一次税率で入って、これはいきなり電線伸銅の消費者のほうに渡って参りますが、それ以後はみな三万円の二次税率を払わなければ輸入できないという仕組みになるわけでございます。そうなりますと、それは二十六万四、五千円のものであれば、三万円を払っても出てくるわけでございます。その場合に、国内建値は相変わらず二十八万円でありますと、これはどうしても二次税率を払って外銅が入って参ります。そのためには、国内建値についてはさらに引き下げなければならないことになる。現在二十八万円でありますが、これは四月以降大幅にやはり改定されることになると思います。そういうように、国内の電気銅につきまする価格は、自由化になりますると大幅に改定されることは必至でございます。ただ、その場合には、日本の鉱山がつぶれない程度のいろいろ対策をやらなければならない。これは日本の銅の供給構造は、現在国内鉱山から約十万トン出ております。それから、外国から鉱石を輸入いたしまして精錬いたしますそれが約十三万トンぐらいあります。そのほかにスクラップとか故滓類で四、五万トン出しております。そういうような銅の供給の構造になっておりますが、輸入鉱は比較的国内鉱よりも安く仕上がるという内容になっておりますので、その辺をプールいたしまして国内鉱山の維持をはかっていくという考え方を持っておるわけであります。それで四月以降の建値が幾らになりますか、ここで申し上げるわけにも参りませんですけれども、現在の二十八万円はもちろん維持できないことになるかと思います。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 考え方はこうですね。需要を考えて国内産を優先するんだ、国内産では足らない、国内産はせいぜい十万トンどまりで、しかも、需要は二十七、八万トンである、だからその差は輸入に待たなければならない、しかし、その輸入に待つということでは非常なアンバランスが出てくるから、これをプール式にやっていくと、こういうことですか、ただいまの御答弁は。

大木恒通商産業省鉱山局鉱業課長

○説明員(大木恒君) 需給をはじきまして、不足分を輸入するという格好になりますが、その場合の不足量の算定は、四月以降の自由化価格という問題が当然出て参りまして、二十八万円で確保ができまする鉱山の分まではたして国内の生産世の中に入れていいかどうかという問題はもちろん残るわけであります。それが、かりに二十七万あるいは二十六万というふうに建値を下げざるを得ないというような場合の国内の生産力というものは、ある程度落ちて参ると思います。しかし、それは何らかの他の措置によって大きなショックはないように今考えなければいけないと思いますが、今おっしゃったような観点で、それでさらに不足する分に対して一次税率でもって出てくるという格好になります。それで、二次税率でもって入れるということがどんどん行なわれますると、これは非常に大きなショックを鉱山に与えますのですから、この場合には緊急輸入制限とか、あるいはいわゆるAFA制度というのがございますが、そういうように監視制度を設けまして、相当大きなショックが与えられる場合においては、緊急に輸入制度という措置もあわせて考えておるわけであります。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 けっこうだと思うのですが、自由化をして、しかも、関税をこのくらいかけておって輸入制限ができますか。業者はこれに従いますか。

大木恒通商産業省鉱山局鉱業課長

○説明員(大木恒君) 私の御説明が省略いたした点がございますが、実はタリフ・クォーター制度をやりますと、かりに一次税率で無税で電気銅を入れた場合、これは二十三万四、五千円で入ってくると思います。国内の建値が現在二十八万円ですから、これは幾らか下がる、そうすると非常に安いものが需要者のところに渡るわけであります。その場合に、需要者のほうは、その安いものを買った一つのメリットをある程度山に還元してやろうじゃないかという話し合いが関連業界との間にできております。結局プール思想でございますが、これは山と需要者の間で自主的な協調のもとに、その金を山のほうに還元してやる、それで建値が下がった分についてのあとの補償と申しますか、補給を行なうという格好にしておりまして、現在話し合いがほとんど固まったようなところであります。それから、また、輸入鉱石につきましても、その割安な点もございますので、それは精錬所がまた輸入鉱石を処理してできました価格のうちの一部を日本の国内鉱山に還元する、そういう関連業界の自主的な話し合いが進んでおるわけであります。二十八万円の建値は下がりますが、現在の山が維持できないというような程度の低い建値にはならないような対策をとっておるわけであります。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 金額はここで言えないならばそれでいいんですが、第一次の無税の場合、一応二次の金額に見合うくらいのことを考えておられると受けてとってよろしゅうございますか。

大木恒通商産業省鉱山局鉱業課長

○説明員(大木恒君) 国内建値が問題でございまして、二十三万四、五千円で一次税率で入って参ります。これは現実にそうだと思います。これはタリフのワクに入れば入りますが、ワクに入らなければ入らないという格好になります。たとえば一万トンなら一万トンというものが入ってくるとして、それが二十三万四、五千円で入って参ると、国内建値がかりに二十七万円といたしますと、その差額があるわけでございまして、それを関連業界の協調のもとに山に還元するという格好になると思います。そういたしますと、三万円の税金を払っても国内建値の関係で入れてくるということはなくなるわけでございまして、そういう心配は一応計算上はないわけでございます。ただ、その場合、思惑で相当長期にわたって大量に入れてくるような契約でもするような場合におきましては、輸入制限ということも考えております。そういう体制になっております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そこで、銅はそれだけ手当をして、この銅からは失業者はどのくらい出ますか。

大木恒通商産業省鉱山局鉱業課長

○説明員(大木恒君) 離職者の数につきましては、私ども労働省のほうからもいろいろ情勢を伺っておりますが、昨年の初めから今日まで、約九千人の離職者が各鉱種にわたって出るわけでございまして、この三月の自由化に至りましてどのくらい出るかという点については、現在のところ確たる数字はつかんでおりません。しかし、われわれのほうの鉱業政策の基調は、一時に大量の離職者が出るというのを極力避けるために、事前にいろいろ手を打っているわけでございまして、九千人以上がはたして何名ふえますか、今のところ確たる数字を申し上げる材料はございませんし、大幅な離職者は出ないだろうという見通しを持っております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 次に進みましょう。  鉛、亜鉛は延期になりましたが、長い期間の延期ということも考えておられぬと思います。期間はどのくらい延期されるのですか、また、その延期後自由化する場合、どういう構想を持っておられるか、その点をお聞かせ願います。

大木恒通商産業省鉱山局鉱業課長

○説明員(大木恒君) 鉛、亜鉛は三月には自由化しないような関税措置法案になっておりますが、これがいつまで自由化が延期できますか、この点はガットの関係がございまして、私は通商の関係のことはあまり詳しくはありませんが、私の聞いております範囲では、九月のガットの総会におきまして、自由化スケジュールを日本のほうから出すということを聞いておりますが、それによってわがほうから鉛、亜鉛の自由化スケジュールが出されると思います。ただ、そのあとにおいて各国との間のいわゆる協議がございますが、その協議のいかんによって自由化の時期というものがきまってくるというような感じを持っております。それで今年の九月までにスケジュールを出すべきであるということになりますと、この問題について鉱業審議会に一応諮問をいたしまして、残存輸入制限品目として何年程度置いておくのがいいかということがきまるだろうと思います。もう一つ、先ほど申し上げましたような国際鉛・亜鉛会議の動きがございまして、各国ともいろいろ鉛、亜鉛について頭を悩しております。それと同時に、日本も、その鉛、亜鉛の会議の動きを見ながら対策もあわせ考えていかなければならぬと、こう思っておりまして、現在何年間輸入制限をするか、その辺についてまだ成案ができておりません。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうしますと、鉛、亜鉛が自由化になったら私は打撃が大きいと思います。それが九月に自由化されるスケジュールがあって、まだ通産省は計画を持っておらないというようになってくると、これは鉛、亜鉛に従事している人たちは、非常な不安が業者にも労務者にもあると思う。今までも行き当たってしまって、どうにもこうにもできなくなってほうり出されておる。ところが、先は自由化をやるということははっきり打ち出しておるのだから、それがわかっておるのに、しかも、九月にスケジュールが出される、このときに国際情勢をにらみ合わして、その場になって対策を立てるというのはおそ過ぎはせぬか、こう思うのですが、通産省は諮問される場合でも、自分の腹案があって審議会に諮問されると思うのですが、その腹案はないのですか。

大木恒通商産業省鉱山局鉱業課長

○説明員(大木恒君) 九月のガット総会におきまする会議では、日本が自由化いたしまする計画のスケジュールを出す、それがために残存輸入制限品目といたしまして鉛、亜鉛を入れておるということになっております。その後、各国との間にコンサルテーションがありまして、そして一品目ごとにきめていかれるという予定になっております。その間に、またいろいろ政府としての方針がきまると思いますが、当面は九月の自由化品目の自由化スケジュールをどういう格好で持っていくかということを、早急に政府といたしまして、鉱山局といたしましても態度をきめなければならないときだ、ただ、それには、先ほど申し上げたような国際鉛・亜鉛会議の動きもございます。たまたまこの三月の二十四からですか、ジュネーブでございますから、鉱山局からも職員が代表として参ります。各国の事情をよく調査いたしまして、その後に至急に審議会を開きまして対策を考えるという格好にしておるわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 通産省にまだ質問がたくさん残っておりますが、これは次回に譲ります。  労働省に質問いたしますが、通産省にお尋ねしましたが、失業される数がはっきりわからないようですが、三十七年、三十八年、三十九年で、その非鉄金属からはみ出すといいますか、ほうり出される失業者はどのくらいと計算されておるか、お尋ねいたします。

三治重信労働省職業安定局長

○政府委員(三治重信君) 非鉄金属鉱山は、広い範囲で全部とりまして約一万弱、三十七年度一万人弱の離職者が出ると思います。直接自由化の影響ということでなくて、合理化という面も含めるとそういうことになりますが、自由化だけを限ってとりますと、約九千人程度というふうに三十七年度は考えております。三十八年度、三十九年度につきましては、大体三十七年度の半数前後ではないかというふうな情報を、各会社に当たってみたところ、大体三十八年、三十九年度で現在の各山の自由化に対処する体制はそのくらいで大体対処できるのじゃないかということを言っておられる、これがわれわれの現在の情報でございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 私どもの情報では、三十七年は局長がおっしゃったように、九千人から一万人、三十八年度以降三十九年までに一万四、五千名の失業者が出てくる、こういうふうに考えておるわけです。そうすると、私たちとしては二万三、四千人の失業者が出るが、労働省では一万七、八千人、少し差が大きいようですが、これは今後研究していきたいと思いますが、それではこの法案に盛られておるので何人分の予算をこれは考えておられるのですか。どのくらいの失業者を雇用促進事業団で就職をさせる考えか、そういう点をお願いいたします。

三治重信労働省職業安定局長

○政府委員(三治重信君) 予算といたしましては、雇用奨励金が三千八百万円強でございます。それから住宅確保奨励金、これは五千七百万円ほどで、約九百四十戸、それから職業訓練の関係は、これは金属鉱山の離職者の出るところの県で、職種を十職種ほど一般訓練所を増強するという考えでございます。大体われわれのほうの雇用計画につきましては、安定所の紹介目標が本年度が約二千人、それから来年度が二千五百人でございます。なお、これは会社ともいろいろ情報をとっておりますし、それから会社、組合と労働省に通産省も入れて懇談会を設けておりますが、非常に各山元での労使協調が割合にうまくいっておりますのと、それから各山ごとでは、単位としては人数が大体二、三百名が多い。一番多いところでも岩手県の千名というようななので、大きな山については、第二会社なり配置転換ということで、大半を会社は処理しておられます。したがって、それから各府県で今申し上げましたように、取り扱う離職者の数が大体年間五百名程度を見込んでおるということでありますので、そう広域職業紹介を強力にやらぬでも、各地元、あるいは鉱山会社の系列会社または中小の山においては、全山を閉山しておるようなところは、県が責任を持って再就職をいろいろあっせんをしておりますので、石炭のようにたくさん滞溜するというようなことは予想されないというふうに考えております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 岩手の問題がありましたので、松尾鉱山と思いますが、ここで千人の離職者が出て、その後の情勢はどうですか、千人の就職は完全にできますか。

三治重信労働省職業安定局長

○政府委員(三治重信君) 松尾鉱山では、昨年の十月の終わりに、希望退職ということでの整理で離職された方が千九十五名ございます。そのうち、一月末までわれわれのところに入った情報によりますと、就職決定者が三百八名、それから現在訓練所に入っておられるのが百四十四名、それから、まだ職業相談中の方が四百三十六名、それで、この離職者のうちで、安定所へ職業相談なり、あるいは安定所に行かれてもいいというふうに言われて、安定所で現在のところお世話する必要がないというふうに見ておりますのが二百七名、こういうふうな状況でございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうしますと、この説明の冒頭に大臣も言っておられますように、炭鉱と同様に、この自由化のために非常に犠牲が出てくるということでこういうことが考えられており、しかも、雇用促進事業団の法律の一部改正が今審議されておるわけですが、炭鉱と同じような状態で失業者が出てくる。言いかえれば、鉱山は炭鉱以上にいなかのきびしい所にあるということになってくるわけですね。そうすると、炭鉱と同じ処遇をしてやるか、あるいはそれ以上のことを考えてもいいのではないかということになりますが、出されておるものを見ますとずいぶん違っておるようですが、炭鉱の離職者対策と鉱山の離職者対策の違っているところはどこどこであるか、また、どういう理由であるか、それをひとつ説明して下さい。

三治重信労働省職業安定局長

○政府委員(三治重信君) 一番大きな違いは、求職手帳制度による三年間ごめんどうをみるという保障と申しますか、援護対策、これが金属鉱山の離職者にはない。それ以外につきましては大体同じでございます。ただ、移転資金につきましては、石炭の関係につきましては交付制度がございますので、移転資金が金額が多うございます。それ以外は同じでございます。それで、なぜ求職手帳制度による促進手当をつけなかったかということでございますが、これにつきましては、石炭のほうは一地域に大量に、まあ万と数える離職者が出られる。それで政府側ですぐお世話がなかなかむずかしい場合もあるということで、まあ長期失業される方も出てくるのではないかということで三年間ということにしたわけでございます。金属鉱山につきましては、大体そういう非常に数が一カ所に少ない。それから、非常に全国にわたる範囲に分布されておりますので、われわれ職業安定機関としては、非常に負担が各県に細分化されておりますので、現在の職業安定所の職業紹介体制からいきますれば、そう長い期間かからなくて再就職のお世話ができるのではないか。そうすれば、現在のところ、現在の失業保険、これの給付の延長制と、訓練所に入っていただく訓練制度というものを強力に押していけば、そう長い期間はかからないのじゃないかということがわれわれのほうの考え方で、差をつけたところでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 私は、そこの意見が全く違うのです。この法律そのものが二年間ということを出しておられるわけですね。そうしますと、少なくとも二年間のうちには失業者が残っておるということです。求職者が残るから、私は、この二年間ということにももっと議請がございますが、しかし、この法律案から見ましても、少なくとも二年間というものは、こういう離職者手当とか、あるいは移転手当を出しますということであれば、少なくとも二年間は離職者が残っておるというその観点からしますれば、そうしますと、失業保険は大体六カ月から九カ月で切れるから、そうすると金属鉱山だけは、長い人でも、あとの一年間は促進手当がもらえない、こういうことになるのが一点どうしても私は納得できない。  それから、もう一点は、金属鉱山は一カ所で出るのは非常に少ない率だ、そのとおりです。一番多いところで、さっきおっしゃられたように松尾鉱山の千人、あとは二、三百名、こういうことはわかりますが、そんならば、なおさら求職手当をやり、促進手当をやってもこれは微々たるものです。金額にしては微々たるものであっても、与える精神的な影響というものは、非常に先業者に対してあたたかい手当になるのじゃないか。それがどうして外されねばならなかったか。私は、これはどうしても納得できませんが、まだほかに理由がございましたら御説明願います。

三治重信労働省職業安定局長

○政府委員(三治重信君) 先ほど申し上げた以外の理由はございません。まあ量が非常にたくさんになると、質的に特別な対策をとる必要があるということで、政府が考えて、石炭には最高の現在のところの特別な離職対策がとられたわけでございます。それと同じようにやるべきだという御議論も、十分われわれはその御主張は当然あるべきだと思っておりますが、ただ、政府の全体の離職者対策としていった場合に、特別だ特別だといって、みんな一番上に上がるのはいいことではありますけれども、なかなか各省との折衝で十分にいけなくて、われわれも努力が足りなかった点もあろうかと思いますが、ただ、非常に石炭に特別な対策をとって、そしてここで同じような山の離職者に対してそれと同じものがとれないということについては、そういう御不満は十分納得できるわけでございますけれども、これは石炭につきましては、ほんとうに急激に大量だということ以外にはないわけでございます。  それから、われわれのほうの今後の失業対策といたしましても、そういう特殊な立法で特殊にやってきますと、必ず何か同じような事情が出た場合には、それに右へならえをしたらどうかという議論が出ますし、また、さらにそういうふうな特定産業の離職者または特定地域の離職者に対して特別なものをやると、今申し上げたように右へならえ、右へならえの議論が必ず出るわけです。したがって、われわれのほうとしては、失業対策の全般の水準を高めていく、そういうことによってやはりどういう産業からも、また、どういう地域からでも、失業という現象について、それが国民全体に同じような施策が行なわれるような水準を高めていくほうがいいという考え方で、今度の職業安定法、失業対策法の改正案の中には、そういう再就職の困難な中高年令者を対象とする特定の職業指導対策、それから、その裏づけとして再就職せられるまでの間、求職促進手当を、若干金額は低いわけでございますが、就職指導手当を支給する案を考え、そして特殊から一般化をして失業対策の水準を高める、こういうことで対処していきたい。もちろんこの職安法、失対法が御承認願えれば、もしもこの間で失業保険が切れたあと、また、未就職の方についてはこういうふうな特別の就職指導法、就職指導手当を配慮していきたいというふうに考えております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 時間が約束の時間ですから、長く質問できませんが、私どもは、たとえば三年間にしたところで、促進手当をもらうような状態のないことを望んでいるのです。そういう状態のないように望んでおる。それまでに就職させてもらいたい、自分が正当な労働について、その労働の価値による賃金をいただいて生活をしてもらいたいというのが私たちの考え方なんです。そうすると、たとえば求職手帳を作られて促進手当をつけても、それをもらう人はなかった、全部それまでに就職させてしまったというような実績があがれば、これにこした喜びはないと思うのです。何もそれを使う必要はない。しかし、その人に与える影響と精神的な問題とを考え、または就職のできなかった人ということを考える場合に、なぜこれをつけてやれなかったか、どうしても私はこれは納得できない。それから局長が、失業保険が切れてもなお就職のなかった場合には考えるということをおっしゃいましたですね。どういう構想をお持ちになっておるか、これはおそらく非常にみなが心配しておる問題だと思いますから、ひとつお示し願います。

三治重信労働省職業安定局長

○政府委員(三治重信君) 今申し上げました職安法、それから失対法の一部改正の案が今国国で通過いたしますれば、就職指導手当を安定所の特別な就職指導課程に入った方には就職指導手当、これは約九千百五十円程度になるのですが、これを支給することができる。そうしてその特別指導課程を通して再就職を早めていくということを考える。なお、今度今先生がおっしゃいましたように、できるだけ早く再就職を容易にするためにということで、非常にこれは大蔵省のほうも相当反対があったところを最後まで押しまして、再就職促進のために雇用奨励金制度、それから住宅確保の奨励金の支給、その再就職を早める事業主側に対する援助というものをやる、これをやってもらえば各金属関係の会社の組合のほうも、できる限り各方面にわたって再就職を促進をして、万遺洩なきを期するというふうなところで、懇談会のほうも御了承を願うということでございまして、また今後実績を見まして、やはりどうしても石炭と同じようにやらなければ失業対策として不完全であるというふうな実態が出ますれば、今後ともこれを絶対やらないということではなく、十分検討していきたいというふうに思っておりますが、われわれのほうとしては、今後の一般的な失業対策としては、職安法、失対法の改正によって、やはり石炭で今度あれはまた長期三年間でございますが、それほどでなくとも、一般的ないわゆる失業保険のうち、また失業保険の対象にならない人たちで、就職活動をされる方には、いささかなりとも就職手当を出して、そうしてまた特別の指導を考案して、それには就職指導官を特別に配置するわけでございますが、そういう職業紹介の技能を高めて、再就職を容易にしていくという方向で発展的に考えていきたい、こう考えております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 私は、失業保険の切れたあとの処遇というのに何か特別なこととをお考えになっているかと思ったら、そうでもないのですね。しかし、私の時間がないので、お次の質問があるようですから、きょうで終わる審議でもございませんので、一応これくらいで終わりますが、ただいま申し上げておりますのは、三治局長も十分御承知の上でこれは御返事願っておるものと思いますし、私どもが考えておりますのは、たとえば炭鉱にしろ鉱山にしろ、これは地下産業の労働者が主体になっておるわけなんです。その地下産業の労働者が、非常に都会から離れた所で、特殊な環境の中で生活をしておる、そういう人たちが政府の政策によって失業を余儀なくされた、そうした場合に特別な処遇をすることが、他の一般産業に対して影響を与えるというような感覚が私と違うわけなんです。日本の労働政策というものはさか立ちしておるのです。せびろを着てネクタイをしめて冷房の中で働いている人には土曜の半どん等が昔からあるのです。しかし、生命の危険にさらされて、太階の恩恵にも当らずに、日々生命をすり減らしてやっておる人にそういう恩恵はないのです。そうして生産の基盤だということでしわ寄せはされておる、そういう私は逆な考え方を持っておるのです。だから、こういう人たちに対しては、政府がより私はあたたかい手を伸ばすべきだと思う。かりにそうじゃないとしたら、皆さんが職がなかった場合に炭鉱や鉱山の抗内で働けるかどうか、こういうことを考えていただいて、もう少しあたたかいひとつ処遇をしてもらいたい。十分考えて今日までやられたことには感謝いたしております。しかし、それが一般産業の労働者と何か同じように考えておられるものが私は根底に流れておる、こう思いますので、どうしてもただいまの御説明では納得できませんが、本日はこれで質問を打ち切ります。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。   —————————————

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 次に、労働情勢に関する調査を議題といたします。質疑の通告がございますので、これを許します。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 この前のときに林野庁の労使関係について質問をいたしました。きのう夕方電話がありまして、労務ハンドブックは撤回をする、だから資料を出さないというお話がありました。それできょう出ていないわけでありますけれども、あれは撤回されるなら、労使間の正常な形で今後運営されるということですから、けっこうなことだと思うのですがどうですか。

日比野健児林野庁職員部長

○説明員(日比野健児君) 先日の本委員会で労務ハンド・ブック——われわれは労務ハンド・ブックという名称はつけていないのでありますが、いわゆる国有林の労使関係のあり方と将来というようなことの題目でございますが、その点につきましては、経緯を申し上げますと、昭和三十三年か四年ごろ、当時の労使関係は非常にがたがたした時代でございましたが、そういう時代を背景にしまして、まあこれは事務参考といたしまして林野庁で作ったもので、各局に配りました。それが労務ハンド・ブックと従来いわれておりまして、そのいわゆる労務ハンド・ブックにつきましては、そういう使命を終わったということです。これは当局会議の措置といたしまして、三十六年の暮れですね、当局会議の措置といたしまして処置したという例がございまして、その後当局といたしましては、いわゆる労務ハンド・ブックというようなものは作っておりませんのでございますが、たまたま前回講演の筆記集録したものが問題になったのでありますが、内容等を検討いたしますと、この前申し上げましたように、表現の未熟な点が相当ありますので、まあ読む人が読めば、あるいはすなおに理解される点があると思いますが、何と申しましても、全国の管理者と申しましても、営林署長、その他中央の係官、末端の管理者の方もおられますので、あるいは理解に不十分があって、不測の紛議をかもすおそれがあるというような観点に立ちまして、その講演集につきましては、これは当局会議の措置といたしまして、しかるべき措置をとりたい、かように考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 しかるべき措置という意味はこう解釈していいんですね。林野庁としては、こういうものの考え方、これはあなたのほうがこういう文書をまとめて発表されたいきさつはどうかわかりませんけれども、こういう問題は一応白紙にする、こういう工合に理解していいのですね。

日比野健児林野庁職員部長

○説明員(日比野健児君) あの講演集については、ないものにするということです。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで、そういう態度を林野庁がおとりになることはけっこうなことでありますが、私は、紛争といいますか、問題の焦点がこういうところから出てきていると思うわけです。そこで、先日お願いしておきましたが、組合から資料を出したのでしょうか。

日比野健児林野庁職員部長

○説明員(日比野健児君) 組合からは項目だけが出て参りまして、内容が出ていなかったものですから、比較検討はできずに、資料として、提出することができなかったことを御了承願いたいと思います。項目はきております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで、私は何といっても、この前から申し上げているように、その正常な状態に戻してもらいたい。やはり林野庁というものは重要な国家的職務、重要な業務なんですから、その中で労使間に紛争が起きるようなことでは困る。それはやはりあらゆる面に出てきていると思います。薬の散布の問題や、各職場におけるいろいろの関係者のやりとりの問題や、まあこの前も少し申し上げましたけれども、こういうものは今のお考えに沿ってひとつ白紙にみんな返してもらいたい、正常な形にですね、どうでございましょう。この機会に労使がほんとうにそういう信頼する状態にぜひひとつ返してもらいたいと思うのですが、どんな御所見でしょうか。

日比野健児林野庁職員部長

○説明員(日比野健児君) 先生のいわれる御趣旨については同感でございます。ただ、何と申しますか、労使関係と申しますのは両方がありますわけでございまして、言いにくいことでございますが、当局だけその気になりましても、組合のほうにはまた組合の立場がございまして、組合の立場はわかりますが、そういう立場にあくまで固執されるというとおかしいのですが、一つの主張に固執されまして、妥協点に進むということがもしないとすれば、なかなかそうはいきませんけれども、そういう場合には、われわれとしては誠心誠意お話し合いを持ちまして、すべての問題を含めまして、そういうことのないように常々心がけたいと思っております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 よく気持はわかりました。それで問題は、先日も職員部長のおっしゃるように、全林野の組合とあなた方との関係、要するに団交というものはいろいろな問題の議論がある。これは両方に主張点があるのですから、問題の処理というのは、そこに妥協点というものがなければならない。少なくとも不当労働行為等の問題は中央の団交では行なわれてないのですから、問題は現地だと私は思うのですね。だから、その現地のだれが見てもわかるように、まあ今までの労務ハンド・ブックというものが白紙になったのですから、その立場に立って現地のいろいろの不信行為をやはり戻していただくということが必要ではなかろうか。私は、まあこういうことを申し上げたらどういう工合に理解されるかわかりませんけれども、当局側と特に問題の起きているような現地へあなたのほうのしかるべき人がおいでになって、両方がおいでになって、現地で一つ一つ正常な形に解決をしていく、こういう方法はいかがなものでございましょうかね。

日比野健児林野庁職員部長

○説明員(日比野健児君) まあ、どう申しますか、一応その形式は団交ルールの協約もございまして、そういうものに立ってやっていきたいと思います。そうでありませんと、そうかといってしゃっちょこばって言うわけじゃございませんけれども、そういうものを一応前提にしましてやっていきませんと、直接中央から行って話をつけるということになりますと、まあそういう団交ルールの関係等で、またいろいろな影響もあるのじゃないかという気もしますので、基本としてはそう考えますが、考え方の基本は、要するに両方が誠意をもって話し合って物事をまあ円満——必ずしも円満という言葉は当たらぬと思いますけれども、尽くすべき議論は両方尽くしまして、ぎりぎりの限界までいきまして、そこで両方どうするか、こういうような原則といいますか、そういうまあ方式といいますか、やり方と申しますか、そういうことで労使の関係というものを処理するのが、一番長続きすると申しますか、信頼関係を確立するのに一番適当な方法じゃないか、そういうふうに考えておりますので、われわれとしては、そういう立場の相違もありますけれども、相違を持ちながらも、尽くすべき議論は十分尽くしまして、ぎりぎりまで問題をしぼりまして、そこまでいけば、どうするかということもおのずから道は開けると思いますので、そういう態度で今後とも処理したいと思っております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私も、組合とあなた方の団交のルールを飛びこえて地方へ行ってということを言っているわけじゃありませんけれども、中央の団交でいろいろな手順や何かを、まあ白紙になった状態に基づいて団交されていろいろ議論をされると思うのです。しかし、えてして全国的な組織ですから、私もほかのところで一つこういうものを扱ったことがあるわけですけれども、中央で団交をされて、なかなかこっちとこっちの流れとか、当局と組合の流れ云々でなかなか解決しない、そういうときには、ぜひ地方で団交——むろんそれは基本でございますから、これはこれからおやりになって、それから、しかるべき当局側と組合側の代表が現地へ行って、その行き過ぎたやつを一つ一つ解決していく。それは全国的にあるわけじゃないでしょうが、極端に問題の起きているようなところへ行っておやりになる方法が、上も下もみんな解決する方法じゃないか私はそういうふうに感じているわけですそういう点をひとつここで、むろん団交が基本でございますから、中央の組合とあなた方とやって、それで問題が処理されてないようなところは、双方が行って解決をするというようなことに、どうでしょうかね、せられたら。私はそれが一番円満な処置じゃないかと思うのですがね。どこへどう行ってどうしなさいとは私は言いません。そういうことは言いません。けれども、そういうあたたかいお気持が出てこないと、やはり現地の紛争、感情問題なんかはなかなか白紙に返らないんじゃないかという心配をしておりますから、それで申し上げているわけです。

日比野健児林野庁職員部長

○説明員(日比野健児君) われわれといたしましては現地へ行く行かぬという問題は、とにかくどう申しましても二の次にしているのでございますが、要するに、中央において団交ルールに従いまして、団交すべきことは中央においてまず議論をしまして、その上でぎりぎりのところまでくれば、またおのずから道があるんじゃないか、こういうように考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで、私は、もう一言あなた方の御決意をお尋ねしておきたいんですが、なかなか事が一ぺん起きると、もとへ戻すのに苦労が要るものだと私は思うわけですよ。それで心配をしているわけですが、ぜひひとつそれじゃ団交でいろいろな問題を処理をして、そうして場合によっては現地の直接指導もされるように、ぜひ私はお願いをしておきたいと思うのです。まあ今、職員部長と今のような少しお話をしたのですが、長官のお気持もぜひ承っておきたいと思います。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) ほかの委員会に出ておりまして、おくれて参りまして恐縮でございます。ただいまのお話でございますが、職員部長からお答えを申し上げましたとおり、基本的には、各段階の団交によりまして処理をして参るわけでございますが、事の重要性等によりましては、従来から現地に関係者を派遣いたしまして指導もいたしておるところでございまして、非常にあたたかい御指導をいただいて、まことに感謝にたえないわけでございます。今後もさらにそういう気持をもちましてこの労務管理の適正化に努めて参りたいと存じます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 この前の委員会に長官がおいでにならなかったので、ちょっとニュアンスが違うようなことにお聞きしたのですが、この労使の不信感というものがいろいろあって、間違いと言ったら言い過ぎかもしらぬけれども、紛争が各地に起きている。その基本になるというのは、どうも労務ハンド・ブックという、そういう名称で呼ばれているんですけれども、そういうものが基本になっているようだからということで終わったんですが、きょうはそのハンド・ブックというものを白紙に返して正常な形にしたい、そういうことですから、それはけっこうです。ですから、今まで起きてきたいろいろの事態の紛争は、むろん団体交渉で正常なものに複するために努力されるでありましょうけれども、特別な感情や何かが残っている現地において、それから、また、不公平な取り扱いをされているものはみんな白紙に、前に戻るわけでしょうけれども、今までの慣行によって、特にそれが感情や何かで戻らぬようなことがあったら困りますから、上も下も解決するために、ひとつ場合によっては両者のしかるべき人が行って、直接指導して正常な形に戻していただきたいというまあ私は意見を申し上げているわけです。団体交渉から始まって、誠意をもってそうやりましょうという職員部長のお話ですから、長官のお気持もちょっと聞いておきたい、そういうことです。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) あるいは私のお答えが若干御質問にはずれておったかと思います。私といたしましては途中から参りまして、全般的な問題として伺っておりましたのでそういうお答えを申し上げたわけでございます。例の先生のお言葉の中にありました労務課長の講演に関する一連の問題に関連いたしまして、熊本営林局の管内に起きておりますいろいろな感情的な問題、その他の問題になるかと思うのでございますが、そういった点につきましては、私どもとしては、やはり先ほど申し上げましたように、原則的には現地々々の実情に沿れて、団体交渉によって正常化をして参りたいと思っております。私どもといたしましては、だれかを現地に派遣をいたしまして、現地でもって処理するということにつきましては、ただいまのところ考えておらないのでございます。将来はまたその情勢に応じて対処をいたしたいと思っております。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 私のほうからちょっと補足いたします。藤田委員の御質問は、熊本と、ある地域を限定したのではございません。たとえば熊本のごときある地域の中で、本庁の考え方と必ずしも一致しない形で団交等が問題になりまして、労使の対立があって正常化されておらないところには、本庁から人を派して正常化をおはかりになるようにしたほうが円滑にいくのではなかろうか、こういう御趣旨なのです。この点でお答え願います。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) どうもとんちんかんの答弁ばかりしておりまして、まことに恐縮でございます。そういう点につきましても、私ども必要に応じて現地の指導をするということを考えております。これは団交だけで十分にいかないというような場合には、そういうことも考えなければならぬと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 一緒になって林野庁が問題を解決するために決意されているということで、私も敬意を表します。労務ハンド・ブックというような格好のものは白紙に戻して、正常な格好でおやりになるということですから、ぜひ早急の間にこれを進めていただきたいことをお願いしたいわけです。団体交渉から始めて、早急の間に進めていただきたい。そして、たとえば薬の散布でけがした人とかいろいろの問題を含んでいると思います。組合のほうからも、そういう立場になって、具体的にここはこうだああだという話がどうせ団体交渉で出ると思いますから、そういうようなところまでぜひひとつ努力していただいて、双方が信頼感が持てるような関係になりますれば、私のほうもここで皆さんをわざわざわずらわす必要もなくなるから、ぜひそれもひとつ努力していただきたい。できれば適当な機会においでになって、どういう工合になっているかということを聞かせていただく機会をまた作って、そしてこの問題は皆さんに期待をかけまして、私はきょうはこの質疑を終わりたいと思います。ぜひひとつ今の長官の気持、職員部長の気持を現実に現わしていただきますようお願いしておきます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 今、藤田委員の質問に対しまして、労務ハンド・ブックの処理についての当局の意向というものがはっきりしたわけでございますが、やはりこの処理について、単に書かれたものを引き上げるとかということだけでは問題は解決しないし、解消しない、こういうふうに思います。今まで下部の機関において起きておる場合が、すべて労務ハンド・ブックといわれておりますけれども、この中に流れる一貫した思想の中から起きているということを考えますと、やはりこの処理に当たっては、先ほど申されましたように、中央の段階における労使の話し合いというものを十分にしていただきまして、そして今後の労働問題の紛争について、信頼感を持ったひとつ団交を行動の中で示していただくように、私からもぜひお願いをしたいというふうに思うわけでございます。  もう一つ、先般の薬剤撒布による被害についての資料をきょういただいたわけでございますが、この状況と原因というものを見てみますと、必ずしもこれは作業員の不注意からこういう被害が起きたというふうには私は思われないわけでございます。したがいまして、先般も言いましたように、こういう非常に危険な有害な作業をするという場合の当局の指導、あるいは責任者の注意、こういうことが非常に重要じゃないかというふうに思います。今までの下部における話し合い等の経過等を聞いてみますと、こういう問題については、一切営林署ですか、下部の機関においては、話し合って労働条件について取りきめをしちゃいかぬ、この問題の権限は一切上部にあるのだ、こういうような指示を当局としては流しているようでありますけれども、これはやはり現場の地域々々のいろいろな特殊性と申しますか、それぞれの地域的な条件があるわけでございますから、特に労働基準法の安全衛生の規定の中にも、この有害な作業に従事する場合のいろいろな取りきめと申しますか、規定があるわけです。ですから、十分そういう規定に沿った労使の話し合いというものをやらなければならないのじゃないかというふうに思うわけでございますが、この間の話によりますと、作業員本人の不注意ということが、私の印象では強くそれに原因があるように受け取られたわけです。しかし、今申しましたように、必ずしも本人の不注意ということじゃなくして、事前における当局の十分な対策というものが欠けておったというふうに思いますので、こういう点についても、ひとつ誠意をもって下部の機関において作業条件についての話し合いを十分やられるようにお願いしたいと、こういうふうに思うのですが、いかがでございますか。

吉村清英林野庁長官

○政府委員(吉村清英君) そういう点につきましては、確かに不注意ということだけにきめつけるわけにはいかないかと思います。たとえば一例を薬剤にあげますと、この使用方法、性能等を十分に理解させて使わせる、こういう努力をしなければならんということは仰せのおりでございまして、私どももさように考えまして、厳重にそういう指導をいたしておるわけでございます。ただ、ここで私も申し上げておきたいのでございますが、余談になって恐縮でございますが、かようにいろいろな問題を私も承わりまして、まことに恐縮に存じておるわけでございます。しかしながら、やはりこの当局者といたしましても、きのうまでは組合員であった者でございます。決してこの組合員と申しますが、作業員と申しますか、職員と申しますかが憎くてこういう措置をしているということではないのでございまして、確かに完全な措置のみが行なわれているということは私どもも自信を持って申し上げかねるのでございますが、日ごろ、いわゆる言葉としては適当ではないのですが、管理者といたしましても、十分そういう点にいては働く人の立場場になって考えなければなりませんし、また、管理者自身は、きのうまでは組合員なり職員であった人でありますから、十分わかり得るはずであります。したがいまして、そういう点につきましても、私どもも十分今後注意をいたすわけでございますが、どうか組合と申しますか、職員の人たちも、十分当局の立場というものも理解して、ここにほんとうの信頼関係を築き上げてこの国有林野の事業を進めて参らなければならんと、こう考えておりますので、その点もどうかひとつよろしく御指導のほどをお願い申し上げます。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 別に御発言はございませんか。御発言もないようでありますので、本件に関する調査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。   午後零時十七分散会    ————・————

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