社会労働委員会 第8号
- 発言数
- 83 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/03/07
会議録
○委員長(加瀬完君) ただいまより社会労働委員会を開会いたします。 雇用促進事業団法の一部を改正する法律案及び労働災害の防止に関する法律案を一括して議題といたします。 まず、当局より提案理由の説明を願います。大橋労働大臣。
○国務大臣(大橋武夫君) ただいま議題となりました雇用促進事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 各国における貿易自由化の大勢に即応し、わが国経済の一そうの伸展をはかるため、政府は、さきに貿易の自由化を推進することを決定したのでありますが、これに伴って、わが国における鉱業、特に金属鉱業等におきましては早急に抜本的な体質改善を行なう必要に迫られております。しかも、その過程において鉱山の縮小、休廃止等により、かなりの離職者が発生しており、このため、政府としては従来とも各般の施策を講じて参ったのでありますが、今後においても相当数の離職者の発生が見込まれているのであります。 自由化に伴う金属鉱業対策につきましては、さきの第四十回国会において決議がなされており、また、政府も鉱業審議会に対して自由化に対処する鉱業政策のあり方について諮問し、昨年十月同審議会から中間答申をいただいたのであります。政府といたしましては、国会における決議及び鉱業審議会の答申を十分に尊重いたしまして、今後における金属鉱業等の健全な発展をはかるための諸施策を講じ、これによって安定した雇用の確保に努めるとともに、金属鉱業等からの離職者に対しては、その諸事情が炭鉱離職者に類似しており、その再就職も困難な状況にあることにかんがみ、これら離職者に対する従来の施策をさらに一そう充実したものとするため、特段の措置を講ずることといたしました。 このため、職業紹介、職業訓練の体制を整備するほか、昨年末において、雇用促進事業団の業務の一部を拡充して、公共職業訓練を受けるこれら離職者に対して職業訓練手当のほか、技能習得手当や別居手当を支給することとし、移転資金についても増額をいたしたのでありますが、今回さらに、雇用促進事業団の業務の特例として、これら金属鉱業等離職者に関してその業務を一そう拡充して行なわせることとし、ここに雇用促進事業団法の一部を改正する法律案を提出いたした次第であります。 次に、その内容について概略御説明申し上げます。 まず、雇用促進事業団の行なう業務の特例として、新たに、公共職業安定所の紹介によって一定の要件を具備した金属鉱業等離職者を雇い入れる事業主に対して、雇用奨励金及び労働者住宅確保奨励金を支給することとし、これらの業務の実施について必要な規定を整備いたしたのであります。なお、このような事業団の業務は、金属鉱業等において貿易自由化に対処する態勢の整備等の事情を勘案し、この法律の施行後二年間に限り行なうものとし、これに伴って必要な経過規定を設けております。 以上のほか、本改正法案の附則におきまして、かかる業務の特例に関する規定は本年四月一日から施行することといたしております。 以上、この法律案の提案理由及びその概要につき御説明申し上げた次第であります。何とぞ御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 ————————————— 次に、ただいま議題となりました労働災害の防止に関する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。 労働災害の防止につきましては、従来から労働基準法その他労働者の安全衛生に関する法令の実施を通じ、鋭意努力を重ねてきたところであります。ことに昭和三十三年八月以降におきましては、産業災害防止対策審議会の答申の趣旨に沿って、産業災害防止総合五カ年計画の下に国民運動を展開いたし、これによって災害発生率はかなり低下いたしたのでありますが、他面、その間における国民経済の著しい成長等の事情もあり、労働災害の件数は、なお漸増の一途をたどり、いまだ多くの労働者がその犠牲となっておるのであります。 かかる実情にかんがみまして、わが国産業の進展に伴う労働災害の発生状況に対処するために、この際、政府といたしましては、労働基準法等の施行と相まって、総合的、かつ、計画的な労働災害防止対策を講じますことはもちろんのこと、特に民間の密接な協力を得てこの対策を推進いたしたいと存じまして、この法律案を提案いたした次第であります。 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。 第一に、政府は、労働災害の防止のための計画を作成し、かつ、これを公表し、事業主等関係各方面と一致協力して労働災害の防止に努めることとしたことであります。 労働災害防止計画は、五年ごとに作成される基本計画及び毎年作成される実施計画よりなっておるのでありまして、基本計画には、長期的な労働災害の減少目標、その他労働災害防止対策の基本となるべき事項を定め、実施計画には、それぞれの年における労働災害の減少目標、重点業種これらに対する主要な労働災害防止対策等を定めることといたしております。 第二に、この労働災害防止計画に沿う事業主の自主的な労働災害防止活動を促進するため、労働災害の防止を目的とする事業主等の団体について定めるとともに、これらの団体に対して政府の助成措置を講ずることとしたことであります。 この法律による労働災害の防止を目的とする団体といたしましては、全産業的なものとして中央労働災害防止協会、業種別団体として労働災害防止協会があり、それぞれ、その設立、業務、管理等について所要の準則を定めておるわけであります。すなわち、中央労働災害防止協会につきましては、業種別の労働災害防止協会、労働災害防止活動を行なう事業主の全国団体等を構成員としまして、その設立については、労働大臣の認可を要することとしております。その業務としましては、事業主、事業主の団体等の行なう労働災害防止活動を促進すること、労働災害の防止に関する教育及び技術的な援助のための施設を設置し、運営すること、さらに、次に述べます指定業種以外の一般業種につきまして、労働災害の防止に関する技術的な事項について、安全管理士及び衛生管理士をして事業主等に対する指導及び援助を行なわせること、その他労働災害の防止に関し必要な事項を全産業的規模において行なうこととしております。 次に、業種別の労働災害防止協会につきましては、労働災害の発生率が高く、かつ、特殊な業態にある等の事情により、その業種に専門的なきめのこまかい労働災害防止活動を行なう必要があると認められる場合におきまして、労働大臣の指定した業種ごとに設立することができるものといたしております。その構成員は、当該指定業種に属する個々の事業主及びその団体とし、設立については労働大臣の認可を要することといたしております。その業務につきましては、特に当該指定業種の労働災害の防止に関しまして労働災害防止規程を設定すること、労働災害の防止に関する技術的な事項について、安全管理士及び衛生管理士をして事業主等に対する指導、援助を行なわせることをその主要なものといたしております。 右の労働災害防止規程は、構成員であります事業主が労働災害の防止のために措置すべき事項について定めたものでありまして、これによって、法令の定める基準を当該業種の実態に即して具体的に補充し、労働災害防止措置の改善向上を行なうことを趣旨とするものであります。 以上の労働災害防止団体に対しましては、労災保険特別会計の予算の範囲内におきまして、その業務に要する費用の一部を補助することといたしております。 第三に、請負関係にある事業等につきまして特別の規制措置を講ずることとしたことであります。すなわち、労働基準法等従来の安全衛生に関する法令におきましては、個々の使用者とその使用する労働者との関係について、種々労働災害の防止に関し所要の規定を設けておるのでありますが、建設業等に多く見られるごとく、請負関係にある数個の事業が、同一の場所において同時に行なわれる場合につきましては、これらの事業の労働者が同一の場所で作業することから生ずる労働災害の防止に関しまして必要な規定を欠いておるのであります。そこで、この法律におきまして、これら請負関係において最も上位にある元方事業主は、統轄的な安全衛生管理の措置を講じなければならないことといたしますとともに、元方事業主等は、その請負人の労働者に使用させる建設物、設備等について必要な労働災害防止措置を講じなければならないこととして、これに対応する関係請負人及び労働者も一定の義務を負うべきこととしたのであります。 そのほか、労働災害発生の急迫した危険があり、かつ、緊急の必要があるときは、都道府県労働基準局長は、必要な限度において、使用者に対して作業の一時停止等の措置を命ずることができることとして、労働災害の防止に万全を期することとしたのであります。 以上がこの法律案の主要な内容でありますが、この法律は、非現業の国家公務員及び地方公務員並びに船員には適用しないことといたし、さらに、労働災害防止団体に関する規定は、国、地方公共団体及びいわゆる三公社が行なう事業につきましては、適用しないこととしております。また、鉱業に関しましては、鉱山保安法との関連において所要の特例を設けております。 なお、以上申し述べました諸事項に関する規定の実施を確保するために、所要の罰則を設けますとともに、附則におきまして、この法律の制定に伴い、関係法律の条文について所要の整備をすることといたしております。 以上が本法律案を提案するに至った理由及びその概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(加瀬完君) 右二法案に対する質疑は次回以降にしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(加瀬完君) 次に、労働情勢に関する調査を議題といたします。質疑の通告がございますので、順次御発言を願います。
○藤田藤太郎君 大臣がほかの委員会においでになられるようですから、一言だけ大臣に質問をしておきたいと思うのです。 それは公労協の賃金問題なんです。私は、一昨日予算委員会で、この問題の早期解決をするように提起をいたしているところでありますけれどもきょうから調停に入る。組合側の、仲裁によって早期解決してもらいたいというこの願いとは別に、調停でぼちぼちやっていくということになりますと、この問題は非常に長引くのではないか。それから、本来の自主交渉によって、この積み上げで問題解決をするというこの熱意や実際行動とは、私がどうも伺っているところによりますと、政府の意図と当局側の意図は少し食い違っておるようであります。便々として今日まで日をおくらしてきて、一気に調停に持ち込んで、ずるずると引っぱっていくような格好であると思いますから、なおさら今日のこの事態というものは、私は承知のできない事態ではなかろうか。ですから、給与担当大臣である労働大臣は、これはぜひともこの問題の早期解決のために処置をしていただきたい。一応の御返事は承っておりますけれども、このような状態でずるずるいけば、これは今度はこのような事態をめぐって問題が起きてくる。労働者は耐えきれない、公務員給与その他の関係で耐えられないというトラブルが起きてくると、私たちはむしろ心配をしているわけでありますから、大胆に、責任者である労働大臣は、大多数の組合の願いでありまする仲裁裁定で早期にこの問題を解決をするという方向で努力をしていただきたい。これを私はお願いすると同時に、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(大橋武夫君) この公労協関係の賃金引き上げの問題は、何分にも昨年秋以来の懸案でございまして、ずいぶん今日まで日時を経過いたしております。ことに最近に至りまして公務員の給与の引き上げも、国会の立法が行なわれまして、すでに決定いたした状態でございますので、政府といたしましても、この問題がすみやかに解決することを心から希望いたしておる次第でございます。しかしながら、実情は、各公共企業体とそれぞれ関係の組合との団体交渉が進行いたし、各公共企業体の理事者の責任においていろいろな交渉が行なわれて、この交渉が続けられて参ったわけでございます。聞くところによりますと、ほとんど各企業体とも調停の申請をいたしたようでございます。また、この調停の申請は、それぞれの団体関係の労使協定に準拠じたものと聞いておるのでございます。しかし、私どもも、だだいまお示しになりましたるごとく、公共企業体の性質上、この交渉で処理し得る事項には限度がございますので、この調停によって最終的に円満なる解決がはたして期待できるのかどうか、終局的には仲裁手続に移行しなければ解決が得られないのではないかというふうにも考えているのでございますが、何分にも、ただいま調停が始まりますところでございますし、また、この調停手続におきましては、ひとり公益を代表する労働委員ばかりでなく、労使を代表する労働委員も立ち会われて事情の聴取を行なわれるやに聞いております。仲裁の段階になりますると公益委員ばかりで処理をされるのでございますが、その前に、この調停段階におきまして、労使の代表委員をまじえまして、労使双方の主張を十分に検討されるということも、最終的な解決を得るために有益な場合も相当あるのではないか、かように考えまして、政府といたしましては、ただいま調停の成り行きを注意深く見守るということにいたしておるのでございます。しかしながら、これにももちろん時間的な限度を考えなければならぬものであろうと存じます。どうしてもこれがだらだらと限りなく延びるようでございましたならば、また政府としての立場から、企業体に対し、いろいろ勧告をする場合もあるかと存じますが、何分にも、調停がこれから始まろうとする段階でございますから、しばらく調停の成り行きを見させていただくことが適当ではなかろうかと、かように存じておる次第でございます。
○藤田藤太郎君 今、大臣のお言葉の中でおっしゃったとおり、公務員の給与もきまっていることだし、早期に問題を解決するということになれば、私は、その仲裁という問題で処理しなければしょうがないというところに追い込まれているのではないか。これが前段で交渉が煮詰められてきている問題なら、私は、一定の経過を経るというのが労使関係の順序だと思うのです。それは否定しないのです。調停、仲裁という順序は否定しない。ところが、昨年十一月の要求から二月十一日まで全部ほうっておいてゼロ回答をやった。それが今度二月二十二日になると、今度宣言して調停にほうり込む、私は、こんな労使関係というのはないと思う。これこそ労働行政の指導する分野がたくさんあるのではないかと私は思うのです。しかし、今その問題をとやかく先を突っ込んでは言いませんけれども、このような事態で調停が行なわれているということ自身が、私は不自然ではないかと思うのです。そんな不自然な状態の中で円満に解決するかというと、私は解決しないと思う。だから、そういう点は、大臣もいろいろの角度からごらんになっていると思いますから、いずれにいたしましても、早急に、ひとつ組合の願っている——そこで働いている職員のほとんどが、とにかくこの事態になったら意見や感情の問題ではない。この事態になって団体交渉も何もできていないような格好のものを事情調査とは何かというような口吻を漏らしておるわけでありますけれども、そんな格好でございます以上は、私は、一日も早く仲裁に持ち込んで処理をしてもらうように、一段と努力していただきたい。これを重ねてお願いしておきます。 —————————————
○委員長(加瀬完君) 委員の異動について御報告申し上げます。 本日、徳永正利君が辞任せられ、その補欠として高橋進太郎君が選任せられました。 —————————————
○藤田藤太郎君 私は、この前は訓練局と職安局に質問をいたしましたが、それはまだ質問はありますけれども、大ざっぱなことで、きょうは基準局関係で、少し予算上の関係でお尋ねをしておきたいと思うのです。 昨年基準局は賃金部というものをこしらえられた。非常に意欲をもって日本の賃金政策、労働省の政策を打ち出されるということはありませんけれども、今の世界的な、国際的な賃金というものはどういう位置を占めているか、どういう内容を含んでいるかということ、また、歴史、そういうものを研究をして労使の関係に資料を提供するために賃金部を作るのだ。いろいろ意見はありましたけれども、私たちは、むしろそういうものなら賃金部を作って大いにやってもらいたいと願ったような気持なんです。で、ここに賃金部ができて、出てきた予算を見ると、賃金問題の調査改善ということについて、たった六百四万円しか予算が計上されてないわけです。これをずっとこう見てみますと、私は、どうも日本の賃金事情をお調べになることはけっこうですけれども、しかし、賃金とか雇用なんというものは、経済の動きの中からきまってくるものなんです。そういうものに対する今日までの先進国の状態がどうだとかこうだとか、今の実態がどうだとかということこそ力を入れて基準局は賃金問題を検討されて、その資料を国民にお出しになって参考にされるというところに、むしろ国内の賃金調査も必要でしょうけれども、同じウエートで今そういうことをおやりになることが必要ではないか。そういうことが全部省かれて、たった六百四万円しか予算が組んでないということはどういうことなんですか。私は、この予算書を見たときからそういう懸念を持っているわけです。どうですか。
○政府委員(大島靖君) 賃金行政関係の経費が少ないことについてのおしかりをいただいたのでありますが、賃金行政全般の経費といたしましては、今回要求しております額は総計四千七百万円、前年度が三千二百万円でございますから、約一千五百万円の増加に相なります。ただ、今、藤田先生が御指摘になりましたのは、賃金問題の調査検討及び賃金体系等の改善援助に関する費用、これが六百万円でございます。この点についての御指摘でございますが、もちろん賃金問題についての基本的な統計調査、あるいは世界各国における賃金問題の調査、こういうことが基礎になって、その上に賃金行政が行なわるべきことは論を待たないわけでございます。ただ、全般的な賃金統計、あるいは、たとえば諸外国の調査、こういったものについては、労働省全体といたしましては統計調査部のほうで行なうことになっております。したがって、基準局の予算といたしましては、そういった統計調査部の統計なり調査の基礎の上に立って、その上で賃金行政上の措置をして参りたい、こういった関係で六百万円の予算に相なっておるわけでございます。さようにひとつ御了承をいただきたいと思います。
○藤田藤太郎君 統計調査部の予算を見ますと、九千五百三十八万円という額が出ております。これで実際に統計調査部の問題の主点を見ると、何が書いてあるかというと、五千五百二十一万円が毎月勤労統計、それから屋外労働者職種別賃金調査が一千百五十四万円、その他の統計調査は千九百七十万円、こういうことになっているわけですよ。そうすると、私は、一番今必要とされているのは、特に賃金調査部をこしらえておやりになっていただきたいことは、私は、世界の経済と賃金雇用の関係、雇用までいけば職安局がありますから何ですけれども、そういうことを一番おやりになるのを任務として調査部ができたと私は思うのです。実際の統計は統計調査部がやるにいたしましても、指示関係、やはり何かそういうところに力を入れるために私はできたものだと思う。ところが、統計調査部にどれだけの指示をされておるか知らないけれども、この予算では統計調査部は十分な私は処置ができないと思うのです。年鑑一冊買ったって何千円とするわけですから、人を派遣して実地調査をしてくるとか何とかということになりますと、じきに二百万円や三百万円の金が要るわけです。そういうところに力を入れないでどういうことなんだ、賃金問題は、そうすると基準局というのは直接に、労働条件は基準法の第二条で労使対等の立場できめるということですから、それは労働省がこれにくちばしを入れられることはなかろうと思いますけれども、しかし、その賃金を自然に労使がきめていくというためのいろいろの参考資料、それから、たとえば必要に応じては作製をする、こういうことがなくてはならないのではないかと私は思うのです。これ以上の議論をあなたにするのは何ですけれども、私は一昨日の予算委員会でも申し上げたのです。どの国を見ても、生産性、経済成長より賃金を高くしてバランスをみなとっておる、日本だけが半分にもいっていない、賃金が生産性や経済成長の半分にもいっていないという状態でどうなるのだ、経済自身を破壊しているではないかという議論を私はいたしました。ここを、今私は、賃金の問題というものと国民購買力の関係で、賃金はいかにあるべきかということをとり上げる日本の経済にとって最も重大なときじゃなかろうか、私はそう思っている。そういう意味で賃金調査部ができたことを大いに期待をしておった。ところが、今四千七百万円と言われたけれども、これは労働基準局の関係で、あとは最低賃金制の普及費であります。この内容を読んでみればいろいろのことが書いてありますけれども、大かた運営費でございます。だから、私は、そういう格好で調査部をこしらえられた意図というものがこんなものだったかということであれば、われわれの期待とはずれるし、そんなものを、何のために調査部をこしらえたか。格を上げて、賃金課で今までおやりになってきたことに何のプラスもしないで、何で調査部をこしらえたかということが、どうも私にはわからぬ。そういうところを聞いているわけです。
○政府委員(大島靖君) 私どもも、賃金問題を扱っていきます上におきまして、その基本として、賃金に関するできるだけ詳細な統計と調査、並びに賃金問題と賃金問題をめぐるその他の諸要素との関係についての調査研究、こういった基本的な基礎の上に賃金行政というものが行なわれ、あるいは賃金問題が論じらるべきもので、この点の御指摘については、私どももそのとおりだと存ずるわけであります。 で、賃金の基本的な調査につきましては、労働省といたしまして今やっております賃金基本調査、この調査には相当莫大なお金もかけておりますが、この調査というものは、私は、賃金調査としては世界的にちょっと珍しい調査統計であろう、珍しいという意味は、その規模にいたしましても、その調査の詳しさにおきましても、世界にちょっと類のない統計であろう。ただ、これが非常に詳細にわたっておりますために、なかなかこれを現実に利用する際に利用しにくいという面があるわけでございます。こういった点を、そういった基本的な調査統計がもっと一般に利用されるようにありたいと、こういうことが一つであります。 さらに、賃金問題とその他の諸要素の関係、この関係については、私どもは、まだ不十分な点を認めざるを得ないのでありまして、こういった点につきましては、私どもは、今後賃金部として強く研究を進めていかなくちゃいかぬと思うのです。ただ、この関係は、主として研究でありまして、そのためにお金をあまり必要とするということではなかろう思うのです。したがって、ただいま藤田先生御指摘の点につきましては、今後の私ども賃金部の賃金行政を進めていく上につきましての基本的な考え方として、私どもはありがたく御注意をいただくわけであります。この予算がなお十分とは申せませんが、私どもも、ただいま御指摘のような線に沿いまして、ひとつ極力努力をいたしたいと思います。
○藤田藤太郎君 私は、参考までに、少し賃金の実態について申し上げておきたいと思うのです。私は、労働省になぜそういうことを言うかというと、外国の統計というものはなかなか入りにくい。今入ってくるのは一九五九年か六〇年、最も早いので六一年というのはまれなんです。今世界的に生産性と賃金と人権問題ですね、それで経済の生産と消費のバランスの問題、国民購買力の問題でございますが、これが経済の発展の基礎だ、どこでも論じられるのはこれが中心です。これは貿易にもつながって、そういう格好のものが一番今日本で議論し、日本の経済発展のために必要な議論だと思う。また、それを外国がやっておるように積み上げていかなければならぬ重要な要件だと私は思う。それは雇用の問題と、それから賃金の問題だと私は思っている。よく議論がされるわけですけれども、たとえば一、二の例を申し上げておきますけれども、実質賃金を、経済企画庁の調査によっても、戦前を一〇〇として、戦後の実質賃金はどんなに上がってきたかという例を見ても、日本が一二五、ドイツが一四九、それからイギリスが一七五、アメリカが一八〇という工合に統計が出ております。それから現在の実質賃金は、日本を一にしたら、イタリアは低い、日本並みだとよくいわれるけれども、一・三から一・五、イギリスが三・五という工合に、たとえば婦人の賃金と男子の賃金を比べてみても、日本は男子の賃金を一〇〇にして、女子の賃金は四三です。男子一〇〇にして女子八〇以下のところはどこの国もありません。こういう問題があります。 それから、また、その付加価値の問題についてよく議論されるけれども、付加価値の問題にいたしましても、一人当たりの付加価値は、イギリス、ドイツ、フランスあたりが二千四百ドルから二千二百ドルです。日本は二千百ドルという水準まできている。それでも賃金は非常に安いということであって、その付加価値生産の中の配分率を見ますと、外国は大体五六、七で、日本は三三です。それではこういうものをどう見ていくか、それからもう一つの問題を見てみて、福利厚生に金をたくさん注ぎ込んでいると言われますけれども、日本は、賃金を一〇〇にして、福利厚生費に一一・八、それから社会保険費に六・八なんです。それから、この点外国はどれくらいやっておるかというと、例が出ておりますけれども、フランスは前段が三〇・八、後段が二六・三、たとえばイタリアは四二・四に三六・二です。ユーゴは特別多いのですけれども、いずれにいたしましても、日本は高いクラスどころか、うんと低いクラスにある。それでも日本は福利厚生にたくさんの金を使っていると言われますけれども、これをいろいろ私はこういう工合に取り上げてきましても、非常にたくさん日本の賃金については問題を含んでいる。経済発展の基礎条件としても問題を含んでいると私は思う。やはりこういうものをつぶさに賃金部はお調べになって、資料として、的確にお出しになる。ただ机の上で向こうから資料がくるのを寄せておるというだけでなく、外地に人を派遣されて、実態をよく調査して、労働省にこうせよということは私は言っておりませんけれども、世界各国の賃金というものは、どういうクラスにあるかということだけははっきりとやってもらいたい。そういうのを調査するために調査部ができたと私は思っている。 それから、最低賃金の問題にしてもそうです。だから、ここに四千百二十二万円のお金を出して調査されますけれども、主として運営費なんです。ことしは二百五十万人の最低賃金法適用をやろうといったって、今の最低賃金法はILOの二十六号条約に違反していないということをいいますけれども、今の日本の最低賃金法を見てみて、二十六号条約に違反しているとかしていないとかというこまかい議論をするよりも先に、もっと労使が対等の立場でこの賃金と取り組んで、最低賃金法をどうこしらえていくかという、すなおな形のところに、世界並みのところに法律は持っていかなければなりません。業者間協定を中心にしたようなことも、ただ存続しているという格好でなしに、やはり踏み切って改正していく、ILOの常任理事国でありますから、そういう点は大胆に批准して、ILOとの関係をもっと密接にして、そうして最低賃金の問題も、現地でお調べになられたら、私は、非常な最近までの資料を求められることだと思う。これなども、やはり国内の経済の発展のための大きな課題としてお調べになる、それで資料をお出しになるということが、これが私は賃金部の役割ではないか。私は、きょうは問題提起に終わりますけれども、こういう格好でとにかく賃金部ができて、賃金問題の調査検討及び賃金体系等の改善、援助ということで六百四万円しか金がないということでは、私は、意義は半減も四分の一減もしてしまった。せっかくの基準局のお考えになったことが、全然これで抹殺されたという感じを受けているわけでありますから、そこはぜひひとつ今後の構想を次の委員会にでもお出しを願いたいと私は思うんです。どうですか。
○政府委員(大島靖君) ただいま藤田先生から御指摘になりました、賃金問題を諸外国との対比において考える、この問題は、私どももその必要性を痛切に感じておるわけでございます。ただいまお話に出ました実質賃金の上昇の問題にいたしましても、あるいは賃金構造の各種の側面にいたしましても、これを世界各国との対比において見ていくということがどうしても必要になってくる事態になっておると思います。実質賃金の上昇の問題につきましては、戦前基準にいたしましては、今、先生の御指摘のような数字であろうかと思いますが、ただ、まあ敗戦の事情という特殊性もございます。戦後における実質賃金の上昇率は、日本は過去十年間ぐらいにはヨーロッパ各国よりもかなり多く上がっておる。大体十年間に六割ぐらい上がっておると承知しておりますが、まあイギリスとかフランスは大体二割五分から三割程度上がっている。しかし、敗戦という大きな痛手がございましたので、戦前基準ではまだそういった額には上昇は及ばないわけでございます。また、賃金構造の面にいたしましても、今、先生がいろいろ御指摘になりましたが、私どもといたしましては、諸外国と比べて日本の賃金構造の著しい特色は、一つは規模別賃金格差の問題であり、もう一つは年令別賃金格差の問題であろうかと思います。規模別賃金格差が諸外国に比べて非常に大きい、これが一方において低賃金層が諸外国に比べて多いということ、したがって、この問題につきましては、私どもとしましては、最低賃金制というものをできるだけ急速に、広範に強力に進めていきたいということで、かなり大きな予算を組んで力をいたして参りたいと思っておるわけであります。もう一つの年令別の賃金格差の問題は、これは賃金体系の問題としては年功序列型の賃金であり、今問題となっております職務給の問題である、こういった賃金体系の問題につきましても、私どもとしては研究を進めていく、民間においてもいろいろ研究を進められ、一部年功序列型賃金から職務給への移行も行なわれておりますが、こういった関係について、私どもも研究の面においてできるだけの資料を提供し、また、御援助もいたしておるわけであります。かように存じておるわけであります。全般といたしまして、非常に広い視野に立って賃金問題を今後進めていくようにという御趣旨については、私どももその方向へ進んで参りたいと思っております。
○藤田藤太郎君 賃金問題は、いずれ基準局の賃金調査部でひとつ構想をお立てになって、この委員会に報告をしていただきたいと私は思います。だから、これ以上議論はしたいのでありますけれども、いたしません。 それで、もう一つの問題は石炭問題の関係で、これは石炭委員会がありますから、だから私は、多くは触れませんけれども、石炭の安全保安というのは鉱山保安局が持っているわけです。このごろのように、合理化に次ぐ合理化、生産性に次ぐ生産性を上げる、急ピッチのために、労働者災害というのが私は順次ふえているという気がします。この鉱山保安局と労働基準局との関係について、いつも労働基準局は、鉱山保安といったものも労働省の基準局のほうに移したいという主張をされておったが、この点についてどのように話が進んでいるかということが一つ。 それから、もう一つ基準局にお尋ねしておきたいのですが、たとえば難聴の問題とかキー・パンチャーの問題とか、そういう新しい職業病がどんどん出てきているわけであります。ですから、この職業病の安全についてどういう指示、それから指導をされているかどうか、これもこの際、基準局長から聞いておきたいと思うわけです。
○政府委員(大島靖君) 鉱山保安の問題について、現在日本の災害の中で、産業別に見まして、特殊に災害率の高い業種が四つある。一つは鉱山業、一つは建設業、一つは林業、もう一つは貨物取扱い、この四つの業種が著しく産業災害率が高い。したがって、鉱山保安の問題というものは、日本の産業災害防止対策を立てる上からいきまして、非常に大きな問題であります。ただ、その所管に関しましては通産省に相なっております。終局的には私どものほうも産業災害全般の見地でかかわりがあるわけであります。特別な必要のあるときは、労働大臣から通産大臣に対する勧告の問題を留保しておるわけであります。ただ、この通産省に所管がなっております点につきましては、いろいろ沿革的な問題もあり、技術的な問題もあるわけであります。私自身といたしましては、所管の問題よりも、むしろ常時の連絡をいかに緊密にとるかということがまず当面大事なことではないかと思うのであります。一週間ばかり前にも鉱山保安局長が私のところに参りまして、その問題を二人でいろいろ相談もいたしておったのです。何よりも、まず本省段階において連絡を緊密にする。そのために鉱山保安局の管理課長と私どものほうの監督課長、安全課長、こういったところでひとつ常時の連絡をとって参りたい。それから、地元におきましては、たとえば福岡でございますと、福岡の鉱山保安局の出先と私どもの、たとえば福岡、佐賀、長崎、こういった基準局、こういったものが常時連絡をする、こういった緊密な連絡態勢をしいて参る、こういうような話をしておったのであります。実は昨年からすでにそういうものを実施しているのであります。今後さらに強くやって参りたい、こういうふうなことにいたしております。 なお、先ほど大臣から提案理由の説明をいたしました、今回提案いたしております労働災害防止法案におきましても、鉱山保安を含めまして、災害防止対策について、一段と飛躍していきたいと思っております。 なお、職業病の問題につきましては、難聴問題、これは技術的にも医学的に非常にむずかしい問題を含んでおりますので、私どものほうで特別の難聴の専門委員会を作りまして、この委員会で専門のお医者さん方並びに関係の皆さん方にいろいろ御研究をいただきまして、現在の段階では、ほぼある程度の結論が出かかっておる段階であります。いましばらく検討をいたして、しかるべく措置をいたしたいと考えております。なお、キー・パンチャーの問題につきましては、現在会計機を日本で使用しております会社全部を総括いたしました協会が二つございます。この協会を私どものほうの労働衛生課で指導、援助を申し上げて、会計機から参りますキー・パンチャーのいろいろな身体的な障害、肩のこり、手のふるえ、こういった問題についてどういうふうな措置をとるべきかということを昨年来研究をいたしており、先般結論を得まして、大体これで参れば支障がなかろうという各種の措置について結論を得ましたので、現在加盟各社、すなわち、これは会計機を使っておる会社全部になるわけですが、その指導をいたしておるところであります。大体これによりましてキー・パンチャーの各種の障害につきましては、ほぼ改善を期し得るのじゃないかと考えております。 総じて、こういった種類の新しい技術の進歩に伴います各種の労働衛生上の問題が今後も出て参りますので、私どものほうでは、今ジュネーブで世界安全衛生情報センターというものがILOの肝いりで設置されまして、ここで世界各国で新しい技術から生ずる各種の安全衛生の問題についての情報が全部集まるわけであります。ここに日本の全国衛生協会も加盟してもらいまして、ここから全世界的な安全衛生上の新しい問題についての情報を得て、これを国内に流していく、こういった措置をとって、できるだけ事前に注意し、予防していく、こういった方策をとるようにいたしております。御指摘の問題につきましては、今後とも私どもは十分注意をして参りたいと思っております。
○委員長(加瀬完君) 林野庁からの御出席は、若林業務部長、日比野職員部長であります。
○柳岡秋夫君 林野庁にお伺いしたいのですが、現在国有林野事業の生産性向上をはかる、こういう目的をもちましていろいろと合理化が進められておる模様でございますが、当然その合理化が進められるということによりまして、そこに働く従業員の労働条件にも大きな影響を及ぼすわけでございますから、労働者で作っている全林野組合というのがありますが、この組合との話し合いがやはり十分行なわれて、そして業務を遂行していく、こういうことが必要ではないか、こういうふうに考えるわけでございますが、現在この全林野組合とのそういう話し合いが十分に行なわれているかどうかということをまずお伺いしたいと思います。
○説明員(日比野健児君) 御質問の点につきましては、私どもといたしましては、常に組合との話し合いを通じて、円満に解決するということで従来ともやっておりますし、また、今後もそういうことでいきたいと思っておりますので、若干の地域におきましては、対組合関係でございますから、トラブルがありますけれども、大筋におきましては、まあ過去においてはいろいろな経緯があったようでございますが、現在においてはうまくいっていると考えております。
○柳岡秋夫君 そういう合理化に伴う生産性の向上がはかられるということになりますと、当然労働者の労働条件も向上していかなくちゃならぬ、こういうふうに私どもは考えるわけですが、これについてどう考えておりますか。
○説明員(日比野健児君) 労働条件の問題につきましては、申すまでもなく、一番基本的な問題でありまして、われわれといたしましても、あらゆる機会を使いまして、その向上に努めております。たまたま先ほどお話が出ましたが、まだこれは本年度の賃金についてははっきりしませんが、毎年賃金改定の時期におきましては、林野は特に作業員の方がありまして、作業員の方はちょっとほかに例がありませんので、林野庁で資料を整えまして、比較考量した結論に基づきまして、できるだけの努力をいたしまして、ここ二、三年だいぶ向上している、このように考えておりますので、今後ともそういう前向きの方向で処理をしていきたい、こういうふうに考えております。
○柳岡秋夫君 いろいろと、たとえば全幹集材とか、枯殺剤の撒布とか、生産性を向上させるために事業がなされているようでございますが、そういう新しい施策をする場合に、労働組合とあらかじめ協議をして実施をしていると思うのですが、どうでしょうか。
○説明員(日比野健児君) 労働組合と常に話し合えということは指導しておりまして結果においてそのようにやっていると思いますが、協議の内容につきまして、協議が整わぬ場合には事業に着手するなという点になりますと、公労法上の解釈上の問題もありまして、ぶつかりますので、私どものほうといたしましては、そういうものは、そういう議論があるにいたしましても、話し合いで常に十分双方了解の上で事業を進めるようにということは、常々指導しております。
○柳岡秋夫君 先ほど職員部長さんのお話ですと、各地域におきましても、十分組合と話し合いが円満に行なわれている、しかし、若干の地域についてはうまくいかないところもある、こういうお話がございましたが、私どものほうの調査によりますと、九州地方におきまして、非常に新しい施策に対して組合との話し合いがうまくいかずに問題が起きていると、こういう報告を聞いているわけです。しかも、そういう合理化に伴う施策に対して、労働条件の向上を要求して話し合いをしようということを申し入れても、一方的に団体交渉を拒否するとか、あるいは当然賃金問題等については、労使対等の立場できめていくというような、労基法なり、あるいは公労法の関係からいっても明らかである問題すらも、一方的に当局のほうで決定をして実施をする、こういうような事例があるやに伺っているわけでございますが、この点についてはどうでございましょうか。
○説明員(日比野健児君) 九州におきましては、先生御指摘のように、若干そういう事例がありまして、これはそれぞれ立場の相違でございますが、われわれといたしましては、十分話し合いをするようにということで、また、局、営林署段階におきましても、そういう態勢で常に当たっているわけでございますが、どう申しますか、林野庁には、先年団体交渉ルールの協約というものを作りまして、その協約に基づいて、それぞれの段階でそれぞれの権限に基づいてやるというような点におきまして、若干九州の地本と当局との間に見解の相違がありまして、形式論議にとかく終始しまして、そのために当局側としても、事業実行の時期等の関係もありまして、やむを得ずこちらが一方的に賃金を公示して事業に移ったという例はありますが、しかも、その場合でも、組合が話し合いに乗ってくれば、その話し合いの結果に基づきまして、修正すべきところは修正するという態度で対処しておるのでございますが、たまたま九州におきましては、そういうことで調停に乗った事例もありまして、串間の合理化の問題につきましては、先月の十九日ですか、地方大会がありまして、当局のほうは受諾ということでございますが、組合のほうは検討をしておられるようであります。
○柳岡秋夫君 そういうことで今調停あるいはあっせん、仲裁、そういうところにだいぶ多くの件数がかかっておるようでございます。これに対して当局側は、そういうあっせん等についても一方的に拒否をする、こういうことがいわれておるのですが、どうしてそういう公正な第三者機関が出すあっせんあるいは調停に対して林野庁として拒否をしなければならないのか、その辺ちょっとお伺いしたいと思います。
○説明員(日比野健児君) 林野庁といたしましては、先生御指摘のように、第三者機関にかかりまして、その御手数をわずらわしました結果につきまして拒否するというのは、非常にわれわれとしては実は心苦しいと思っておるわけでございますけれども、事案の性質によりまして、議論のある点につきましては、どうしてもせっかくの調停案でものめないということにもなっておりますが、また、事案の性質によっては、先ほど申しました串間の全幹集材の調停案につきましては当局としてはこれを受諾するという、こういうふうにその事態々々によって対処しておるのが現状でございます。
○柳岡秋夫君 私は、やはり業務を円満に能率よく遂行していくというからには、この労使の間の紛争が一日も早く解決をするということが最も大切であろうかと思います。したがいまして、こういう第三者機関に組合のほうもいろいろな法令に基づいて、調停申請あるいはあっせん申請をしているわけですから、そこから出された決定に対しては、やはり労使双方がこれを快く受ける、こういう態度をぜひとってもらわなければならない、このように思います。 そこで、もう一つ、臨時作業員の雇用については、その臨時作業員の雇用を解除する、首を切るというような場合には、あらかじめその期限の満了前に労働組合と協議をする、こういうような慣行と申しますか、協定があるやに承っておりますけれども、そういう協定を無視して、一方的に首切りが行なわれておるということが事実のようでございますが、その点はどうなんでしょうか。
○説明員(日比野健児君) 御指摘の慣例、協約があるかどうかにつきましては、慣例と申しますか、内容が問題でございまして、たとえて申しますと、「協議する」という表現になっておりまして、その場合でも、われわれは、個々の人の問題については、これは団交事項でない、ただ、労働過重の問題の面からの議論なら、これは団交事項になるじゃないかということで処理していますが、ただ、御指摘の熊本の場合におきましても、事前に組合と全然話し合いせずに、一方的に首切ったということは聞いておりません。
○柳岡秋夫君 次の問題として、先ほどの生産性向上の一つの施策として、本年度下刈り、枯殺剤と申しますか、そういう除草剤を初めて九州のほうで使用されたようでございますが、この薬の人畜に対する危険性というものに対して、どういうふうに把握をいたしておりますか。
○説明員(日比野健児君) 枯殺剤の問題につきましては、昨年度と申しますか、三十七年度に若干のと申しますか、寡少の問題が起きております。危険物かどうかということにつきましては、実は関係方面とも検討しておるのでございますが、まだ明確な結論は出ておらないのでございますが、いずれにいたしましても、現実にそういう災害が起きるという事態になりますれば、形式的に危険物であるとかないとかいう議論の前に、われわれといたしましては、その使用については、十分危険防止の見地から処理するようにということで、通達なり指示なりで注意しております。要するに風上からまけとか、下草の深いところにはまく筋道をあらかじめ刈り取りまして、からだにつかぬようにというようなことで、こまかい指示をしております。たまたま不幸な事例の場合におきましては、昼休み等で、ついうっかりたばこの火が落ちて火がついたというような事例もありますが、十分その点につきましては指導に遺憾のないように、営林局を通じまして、出先まで厳重に注意しております。で、また初めてやります場合には、管理者みずから使用方法等を実演いたしまして、こういうふうにやりなさいということで、指導の徹底を期しておるのが実情でございます。
○柳岡秋夫君 危険性について明確な結論が出ていないものを使用するということは、少し無責任じゃないかと私は思うのですがね。やはりこの薬は危険性がない、取り扱いについて注意をしろ、こういうことであれば、これは別問題になると思いますけれども、この薬の危険性については、まだ明確な結論が出ていないというような状態の中でこれを強制的に使用させるということは、少し無責任な感じがするわけでありますが、どうでしょうか。
○説明員(日比野健児君) 枯殺剤と申しますか、除草剤につきましては、御承知のように、林野庁と申しますか、林野庁だけでなしに、農業関係においてもずいぶん使っておりまして、そういう意味におきましては、われわれといたしましては、その使用方法について十分注意すれば災害防止はできるもの、こういう観点に立ちまして、その効果等のあるということもわかり出しましたので、試験的に各地でいろいろやっておるというのが実情でございます。
○柳岡秋夫君 そういう明確な結論が出ていない危険な薬剤を撒布する場合には、当然それを取り扱う労働者は非常に不安があるわけですね。したがいまして、当然その実施をする前に、当局に対して、この危険性の問題あるいは取り扱いの問題あるいはその他の労働条件の問題について、労働者が当局にいろいろと説明を聞いたり、あるいは要求したりするということは、私は当然なことだと思うのですが、これに対して、これを団体交渉を拒否をして一方的に実施をするということは、あまりにも行き過ぎた行為ではないかというふうに私は思うのですが、そういう点いかがでしょう。
○説明員(日比野健児君) 労働条件の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、われわれといたしましては、十分配慮するということで末端まで指導を徹底しておると思いますが、たまたま枯殺剤の問題につきまして、全然話し合いなり団交なりせずに、一方的に打ち切ったというお話でございますが、われわれのほうといたしましては、九州におきましても、実は今詳しい内容をちょっと持っておりませんが、七項目からの要求がありまして、それにつきましては、大体当初は二項目、危険手当の問題と、それから若干地下たびの議論が保留になったようでありますが、あとはまあその後は議論しまして、こっちで考えまして、防護衣というものについて、防護衣は前から渡すことになっておりまして、その後また防護衣と手袋ですね、あとはゴム長をまた追加いたしまして、したがって、九州の例で申し上げますと、組合から出た七項目の要求についても、危険手当の問題につきましては、一般的に波及というか、ということで、十分練って考えませんといけませんので、まして、いわんや営林署の署長にはその権限がありませんので、その点につきましては、組合の要求もできなかったのですけれども、その他の問題につきましては、ほとんど全部のみましてやっておるのが実情であります。たまたまそこでも話し合いがつかずに、やるやらぬということで、これまた時期の問題がありまして、いつから始めていただきたいということでやった例はございますけれども、事前の団交なり話し合いというものは十分行なわれておると、このように考えております。
○柳岡秋夫君 組合側としては非常に危険な作業であるということで、今、部長も申されましたようないろいろな条件を出して話し合いをしたようでございますが、ところが、その話し合いが解決をしないうちに、日雇い作業員に対して命令的にこれを撒布をさせた。その結果が十七名に及ぶ被害者を出しておるわけですね。これはやけどあるいは頭痛、目まい、下痢あるいはその食欲減退とか吐きけとか、いろいろな現象を起こしておるようでございますが、この事実、特に、また重症としては、やけどによって二カ月間も入院をしなければならぬと、こういうような事実が出ているようでございますが、これについては林野庁として把握をいたしておりますか。
○説明員(日比野健児君) 承知しております。そうして、それにつきましては、事後処置でございますが、そういう方に対しては万全の策を講じております。
○柳岡秋夫君 こういう被害者が出た、あるいはまた薬のついた葉ですか、葉をヤギが食べてヤギが死んでしまった、こういう事例もあるようでございますが、こういう被害が出たことについて、その後の事後処理と申しますか、この撒布についての事後処理、あるいはどういうことでこういう被害者が出たのか、そういう点の調査をなされたでございましょうか。
○説明員(日比野健児君) 調査と申しますか、実はわれわれ調査する前に、営林局なり営林署で非常に心配しまして、すぐお医者さんにその原因その他につきまして聞いておるわけでございますが、例のやけどの場合は、これはもうはっきりしますので、被服に薬がついて、そこに火がついて燃えた、燃えたというか、火がついた、こういうことでございますが、目まいとか吐きけという問題になりますと、必ずしもお医者さんの御意見が必ずしもはっきりしなくて、その原因がどこにあるかということは、実は必ずしもはっきりしないというような報告をわれわれは受けておりますが、いずれにしましても、そういう事態があることにつきましては、十分注意するようにということはくれぐれも言ってあります。繰り返し繰り返し指導いたしております。
○柳岡秋夫君 お医者さんの意見を聞いたと申しますが、その中ではっきりしていないと申しますけれども、これはおそらく県の衛生部の技師だろうと思うのですが、これが県立日南病院の内科のお医者さんにあてた意見書によりますと、責任者の不注意な点があったのじゃないかということではっきり書いてあるわけです。特に労働基準法の四十二条によって危害の防止ということがきめられておるわけですが、そういう危害の防止に対する万全の措置が当局として欠けておった、こういうふうに見られるということがはっきりお医者さんの意見書の中にあるわけです。したがって、当然そういう意見書に基づいて、当局としては十分の調査をやはりする必要があったのじゃないか。いまだもってそういう調査が十分になされておらないということは、これは事の重大性から見て非常に問題があると思うのですが、こういう点はどうですか。
○説明員(日比野健児君) 今お話しの、県の職員の方が日南病院ですか、日南病院に出された意見書というのは、実は私まだ承知しておりませんので、至急調べたいと思いますが、いずれにいたしましても、この薬につきましては、今になりますと、全国的には面積が広くありませんけれども、試験的に行なっていまして、そのやり方その他については、十分われわれ徹底しておると、こう思っておりましたのですが、たまたま去年そういうふうな問題が若干出ましたので、さらにその点を強く指示いたしまして、今後はそういうことに十分気をつけるようにということは、先ほど申し上げましたように、機会あるごとに繰り返し繰り返し指導しておるわけでございます。
○柳岡秋夫君 この枯殺剤による被害、あるいはこういう事件に対して、林野庁として、その正確なと申しますか、詳細の報告は受けておらないわけですか。
○説明員(日比野健児君) 報告は全部受けております。
○柳岡秋夫君 そうしますと、こういう被害が出た、あるいはこれを撒布するときにどういう措置をして、あるいは取り扱いについてどういう注意をしてこれを実施したのか。あるいは当然マスクをしたり防具、先ほど申されました手袋をしたり、防護衣ですか、防護衣を着てやるということになりますれば、これは炎天下の場合ですと、相当な苦痛があると思うのです。したがって、休憩時間等も十分与える、こういうような配慮も必要ではないか、こういうふうに考えるわけですが、そういう点の配慮と申しますか、撒布をする場合の労働条件等について、どういう中でそういう仕事が行なわれたのか、こういう点についてまだ調査をしておりませんですか。
○説明員(日比野健児君) まあその具体的な場合にどういうことをやったかということまでは明確には必ずしもなっておりませんけれども、まあ一例を申し上げますと、被服に薬剤がつきました場合、それについては火気について非常に注意を要する点がございますので、休憩時間というか、休憩時間はまあ水洗の必要もありということで、三十分は余分に休憩時間を認めておるわけであります。
○柳岡秋夫君 やはりそういう人畜に被害を与えるような危険性のある仕事をするわけですから、当然休憩時間にしても、あるいはその他の労働条件にしても、これは労働者にとっては非常に大きな問題なんですね。ですから、そういう問題について明確な結論が出てからこういう危険な作業を実施するということが私は本来のあり方じゃないかというふうに思うわけです。それを話し合いがつかないからということだけで、しかも、時期が時期だからということだけで、危険な作業に強制的に日雇い作業員を動員して就労させるということは、私は、一般の仕事とちょっと内容が違いますので、問題があるように思うわけです。したがって、こういう点については、今後こういう問題が解決しない以上、この薬の撤布については、実施を延ばすとか、そういうようなお考えはないでしょうか。
○説明員(日比野健児君) 薬が危険かどうかにつきましては、先ほども申し上げましたけれども、われわれといたしましては、林業だけでなしに、あっちこっちで使用されておりまして、林業においても、試験的とはいいながら、面積がそう多くありませんけれども、数年の経験を持っておりますので、注意すべきことを十分注意すれば、そうそう常時災害が起きるというふうには考えておりません。そういう事件が起きましたことについては、非常に反省はしておりますけれども、そうかと申しましても、すべての話し合いなり条件なりがはっきりしない以上は、その使用を延ばすというところまでは、まだわれわれとしては踏み切っておりません。ただ、若干話し合いが続きまして、そのうちに時期がズレるということになりました場合には、それを延期するとかいうようなことは考えられると思いますけれども、一般的に労働条件なり何なりの話がつかなければやらないのだというふうには、われわれの立場といたしましては、そうでございますというふうにはちょっと言えないと思います。
○柳岡秋夫君 しかし、試験的に行なっておるという御説明ですね、試験的に行なった結果、作業員にそういう被害を与える、あるいはヤギが死んだとか、そういうようなことが起きておるわけです。したがって、それはどういうところに原因があるのかということを十分調査をして、しかも、その調査に基づいて、労働省のほうでは労働省としての意見もあるだろうし、皆さんのほうとしては当局としての意見もあるでしょうし、そういう意見を持ち寄って、万全の措置をしてから実施するということが試験的、テスト的に実施をする意味じゃないかと私は思うのですがね。そういうことが全然まだあいまいなままに再び実施するという、そうして再びこのような事故が起きるということになりますと、これは責任問題が非常に大きくなると思うのですがね。しかも、この効力についても、全然撤布の効果がない、こういうふうに現場の人は言っているのです。しかも、写真等を見ますと、せっかく植えておる木まで枯れてしまっておる。いわゆる造植林と申しますか、造林木ですね、そういうものまで枯れて不成績な造林地を作っているということがいわれておるわけです。ですから、やはり効力の面、効果の面、それから今言った取り扱いの問題、こういう問題をやはり徹底的に調査をして、そうして、それが明確な結論が出てから私はこの薬を使うということがほんとうではないか、こういうふうに思うのですが、どうでしょうか。
○説明員(日比野健児君) 先ほど試験的と申し上げましたのは、これは簡単に言い過ぎましたのでありまして、データといたしましては、クマササというのがありますね、ああいうものにつきましては非常にはっきりした効果が上がっているようでございます。その他の問題につきましては、若干問題があるようでございますし、また、薬の種類等もありますので、そういう意味で試験的な部分もある、こういうことでございますので、その点は訂正さしていただきます。一般的に申し上げまして、われわれといたしましては、不幸な事例が出たということにつきましては、責任は痛感いたしますけれども、その使用方法さえ十分注意すれば、そういう危険は防げる、こういうふうに考えております。それから、また、組合との話し合いにつきましては、全部頭からそのまま聞く耳は持たぬ、仕事だけはやるのだ、こういう態度では決してございませんので、労働条件に関する問題であれば、十分話し合って納得の上でやるというのがわれわれの立場でございますが、たまたま若干の問題で見解が対立しまして、それでも事業ができないということになりますと、これはまた半面、われわれの立場における問題がございますので、その点は要するに日常の労務管理と申しますか、日常の信頼関係と申しますか、そういうものの基盤の上に立ちまして事を処理していくのが適当じゃないか、このように考えております。
○柳岡秋夫君 その効果の問題で、本来の除草だけではなくて、せっかく作った林木まで枯らしてしまったというような事例があるわけですが、こういう点について調査はもちろんされたと思うのですけれども、やはりどこに原因があると思いますか。
○説明員(若林正武君) 国有林におきましては、枯殺剤を昭和二十五年以来使用いたして参っております。昭和三十六年におきましてわが国で使用いたしておりますのは、鉄道及び林業関係を合わせまして、二千五百トン近くわが国で使用いたしておりますが、そのうち、国有林におきましては、約一割現在使用いたしているような現況に相なっております。それで、私どもといたしましては、今後薬剤の使用にあたりましては、先ほど先生からいろいろ御指摘のございましたような、使用にあたって改善いたすべき事項につきましては、積極的に改善をいたして参りたい、かように考えておる次第でございます。
○藤田藤太郎君 私は、労使関係について少しくお尋ねをいたしたいと思うのです。ここに私がもらっておる資料に、労務ハンドブックというのがあるわけです。この取り扱いはどうされておりますか。
○説明員(日比野健児君) その労務ハンドブックと申しますのは、どう申しますか、われわれがつけた名前でないのでございます。実は担当課長が九州へ行きましたときに、営林署長さんを集めまして若干の話をしたのをプリントにいたしまして、事務参考として営林局へ配付した、こういうものでございます。
○藤田藤太郎君 そうすると、これは全国的に——隅田さんという人は何の課長ですか。
○説明員(日比野健児君) 林野庁の労務課長でございます。
○藤田藤太郎君 この人が言われたというが、いろいろの角度にわたって発言をされておるようです。むしろ労使関係、今後の団体交渉のあり方その他についてまで言及をされておるようでありますけれども、これは労務課長ですと、労務関係は、職員部長の下の労務課長だと思うんですが、この人が労働対策を一人で受け持っているわけですか。
○説明員(日比野健児君) 決してそうではありませんので、まあ長官以下、私を含めまして、業務部、職員部、両方一緒になりましてやっております。一人でやっておるわけではございません。
○藤田藤太郎君 この林野庁というのは、政府の農林省の中の機構ですね。ここで団体交渉その他、ずっと私は資料を見ますと、なぜ労使の間に不信感が生まれているか、これは非常に私は問題だと思うんです。なぜこういうことをやらなきゃならぬか。あなたのほうの関係を見ても、労働三法や公労法その他、当事者側が法律というものの理解なしに、昔のまま人を支配し、権力で人を使う、命令で使うという観念が、どうも露骨に各所において行なわれているようですね。人権無視といいましょうかね。だから、相手の人格を尊重する——労働組合というのは、労働三法があって、その原則に基づいて労働者は保護されている。権力だけで押えつけるなら労働法なんて要らぬと私は思うんです。その点どう考えますか。
○説明員(日比野健児君) 先生御指摘のとおりだと思いまして、われわれも常にそういう心がまえでやっておりますが、ただ、まあ問題の印刷物につきましては、言葉づかいに若干荒いところがあるということは、これは私もそう思いますけれども、その基本的な考え方を——たまたま先ほども若干九州問題に触れましたけれども、そういう九州の従来の労使関係の中でどぎつく出し過ぎた、まあどぎつくというと言葉が悪いんですが、端的に、率直に、わかりやすくと申しますか、強調して出したという点でいろいろまあ言葉づかいの点は問題があると思いますが、その中に流れております考え方につきましては、要するに、結局は人間と人間との問題だから、その信頼関係をかちとることが一番先決だ。したがって、そういう観点に立てば、労使の間においては、管理者と申しますか、当局者と申しますか、当局者の態度としては、できないことはできない、できることにつきましては誠意をもってやる、労働条件の改善等につきましては積極的にやる、こういうような趣旨でしゃべっておるのでございまして若干の言葉づかい等につきましては、今申し上げましたように、行き過ぎの点もあろうかと思いますが、底に流れる思想におきましては、そういうことを強調したかったものだと考えております。
○藤田藤太郎君 私は、労働関係というのは労働省の分野であって、その他のところは労働関係なんてものは、もうどうでもいいんだという感じ、そういう問題が起きたら労働省が何か言ってくれるぐらいの格好で労使関係をお持ちになっているからこういうことになるんではないかと私は思う。しかし、日本の産業の開発、また、日本の経済、近代国家の道というのは、憲法に認められた労働三権の問題から始まって、労働基準法はあなたのほうも適用されて、労使の関係は対等の立場で賃金、労働条件をきめるというのが基準法の大原則なんですね。それから、もう一面を見ると今、国会で問題になっておりまするILO八十七号というのは、結社の自由と団結権の擁護という、これは今じぶん日本が論議しているのはおかしいくらいで、結社の自由や団結権の擁護というものは何ものにも支障を受けないで、団結、これが恒久平和や人類の幸福の基礎であるという、これが私はILOの大前提だと思うんです。日本は九十八号の団体交渉に関する条約を批准いたしております。だから、憲法における労働三権の確立によって国際的に仲間入りをして、労働基準法によって対等の立場できめる結社というのは、労働組合法によってきちっと労働組合が結成されるということは、公務員も、私は、職員団体として今の公務員法でもきちっとこの問題やられる。ただ、団体交渉即労働協約という問題に入るか入らないかというのも、八十七号の結社の自由と団結権の擁護のこの条約に基づいて今度の国会で議論されるように、公務員ですらそういう事実でございます。たとえばイギリスやフランスとか、欧州の各国に行きますと、あの九十八号の適用にいたしましても、公務員の除外というのが管理職以上なんだという結論を出して実行している。これは世界の私は流れだと思うんです。こういうことからひもどいて参りまして、なぜあなたのほうはその世界の流れに逆らわれるのか、なぜ問題を労使の間に起こされるのか、私はどうも理解ができない。こんなハンド・ブックが、ブックとして事実出されたかどうか知りませんけれども、ここに書いている内容を見ても、法律も何もない、ただ残るのは権力のみだということ以外に何もないでしょう。今までの常識上の、慣例上の団体交渉は全部拒否してしまっている。それにはこまかい指示がずっと与えてある。私は、政治問題として国会で議論するようなものまで労働組合が云々というところまで言いません。しかし、職員が働いて、自分が精一ぱい働いて、自分の生活を引き上げ、待遇をよくしてもらう、再生産のために賃金も上げてもらいたい、手当も上げてもらいたい、作業内容も、自分の能力に応じてやってもらいたいというのが組合としての主張の当然のことじゃないのですか。それをずっとこれを読んでみますと、実際に事業内のことというのは、事業内の仕事と、それから組合が独立して時間外でやる仕事と私は解釈の十分にできないような問題が多いと思うんです。全農林なんかの場合は私はそう思います。そういう場合も、あなたのほうは、組合活動として、団交という格好になったら、一切休暇願を出さなければいかぬ、これが前提になっているでしょう。休暇願を出して、当局側は五時なら五時、四時なら四時の時間がきたらぴしゃっと帰ってしまう、団交はやらない。どうなんですか、当局側は時間内で団体交渉をする、組合側はその時間内の団体交渉に応じてもいいけれども、それはおまえらは休暇をとってこい、こんなことが各事業所でやられていますか。組合独自の行事ならば別といたしまして、団体交渉についてそんなことが各事業所でやられていますか。民間と言わず、官公庁と言わず、単に組合のものだけということにほんとうに厳密に分析できるのは幾らもないと思うんです。業務との関係において、再生産やその他の問題が団体交渉の課題になるのが当然だと私は思うのです。そういうことがありながら、そういう措置、そういう態度で団交をおやりになるとはどういうことなんですか。よその例はどうですか。
○説明員(日比野健児君) 今御指摘の、昼間だけ団交をやって、五時過ぎたら打ち切るんだというような形式的なことで団交をわれわれやっておらないつもりでございますが、ただ、原則といたしましては勤務時間中にそうおそくまでやったって、原則としてはあれですから、まあ大体われわれは東京でやっていますのは、普通の場合には、時間外にわたりましても、一時間かそこらのことは、開始の時間によりりますけれども、そこはそうぴしゃりとやっておりませんし、また、各営林局におきましても、そういうことはやってないと思います。むしろ時によりますと徹夜団交をしいられている場合さえあるのが実情でございます。それから、当局は時間内にやって、組合のほうは許可を得てやらなければいかぬということでございますが、それはそういうことでございますが、専従は別でございますが、専従職員でない交渉委員につきましても、団交に出た場合につきましては、普通なら組合休暇になれば賃金カットということになりますけれども、実際そういうことはいたしておりません。
○藤田藤太郎君 おまえらは休暇をとって来い、団交は私らは時間内でやるんだと、そういうことを実際にあなた方は、業務内の団体交渉、賃金、労働条件その他の団体交渉をやるのに、そんな態度で臨んでおられるわけですか。今お話がありましたが、一時間くらいは延ばしてもいいという、理事者側としたら、一時間であろうと三時間であろうと、それは過度の徹夜交渉は、これは体力の問題もありますから、そんなものは私はやれとは言いませんよ。そんなものはやれとは言いませんけれども、問題の焦点がないことには、いつも夜おそくなって、それで問題が解決する。しかし、解決するためには、時間がどうであろうとこうであろうと、誠心誠意をもって努力するというところに団体交渉の主点があるのじゃないですか。私は、時間の問題じゃないと思うのです。どうはき違えておられるのですかね、その点が僕にはよくわからないのです。
○説明員(日比野健児君) ちょっと御説明がまずかったかもしれませんが、われわれといたしましても、先生が今申されたような態度でやっておるのでございまして、一時間と申しましたが、これは例でございまして、まあそれは問題によりましたら夜中までもやることがありまして、何とかこの時点で解決しなければいかぬという問題にぶつかった場合にはそういうこともやっておりますが、まあ常日ごろそういう関係にあるのもまたおかしいことだと思いますが、われわれの経験では、そういう点につきましては、まあ少なくとも私どもにおきましてはうまくいっておるというふうに考えております。
○藤田藤太郎君 ところが、九州では、団交が八カ月も拒否されているという現実が出ているのです。これはどういうことですか。九州では八カ月間も団交が行なわれていない、拒否されている。
○説明員(日比野健児君) 八カ月団交が行なわれていないというふうに私は聞いておりませんが、何か特定の問題についてでございましょうか。
○藤田藤太郎君 九州では団交拒否が八カ月問も実施されていることが報告をされております。これはまあ内容については私はよくわかりませんけれども、いずれにいたしましても、この組合の持って参りましたものをずっと見てみますと、従来やってきたことは別として、一として、従来やってきたことはすべて間違いであるということを発見したのであるから、今後はこの方式でやっていくというのがこの労務ハンド・ブックだと私は思うのです。団交以外の話し合いなら聞いてやるといった工合で、誠意をもって問題を解決しようという意思は全然ない。二番目に、組合からの団交申し入れに対して、当局の都合を作って、きょうはだめだ、あすもだめだといった調子であり意識的に団交の引き延ばしを策し、団交を拒否している。団交をやっても、組合の交渉委員が公務がたまっているので、その交渉委員が公務をやらなければ団交を受け入れないと拒否して業務命令を出している。上部役員が参加する場合には、下部の自主性がなくなるという理由で交渉を拒否している。同じ一つの組合でしょう。交渉委員が団交に出席するときには、休暇簿によって交渉出席の承認を受けよ、承認を受けないので団交はできないと拒否している。むろん傍聴は許可しない。傍聴はけしからぬと、こういう格好で見ておる組合というのは、組合を見て信頼感が全然ない。生産の業務はやらしておって労使間で信頼感がないというのは、どこが原因でしょう。むしろあなたのほうが使用者側になるわけですから、そういう不信感を払拭するためにあなたのほうが努力されるのが当然じゃないでしょうか。組合は、団結してようやく対等の立場というものが生まれてくる。そして当局側に会われる、団体交渉するということですから、それをどうお感じになっているか、私はよくわからぬと思うのですよ。だから、むしろ当局側のほうがその不信感を払拭するために努力するところに正常な団体交渉が生まれると思うのです。それを個人の感情によってだんだん進めていくから、この労務ハンド・ブックのように、うるさいから権力あるのみだというような結果になってしまうのじゃないですか。
○説明員(日比野健児君) 先生の御意見と私決して違ってないと思うのでございますが、ただ、現実の問題といたしまして、九州というところにつきましては、その前に、当然管理者として信頼関係を確立するように努力すべきだという御意見につきましては、まさにそうでございまして、われわれもそのために日夜交渉をいたしたり、話し合いをいたしたりしまして、いろいろの問題の解決に努力しておるのでございまして、それはまあそういう信頼関係を打ち立てる、また、そういう今の前提においてすでにやっておることでございまして、その点は先生の申される御意見と、われわれといたしましてはちっとも変わってないと思いますが、たまたま九州におきまして問題が若干起きたと申しますのは、まあ一口に申しますれば、九州は遠い、北海道と比べて遠いということはありませんが、要するに、当局側の指導も不十分だったということは率直に認めます。それから、また半面、組合内部の事情等もありまして、中央本部の指導も若干足らなかったのではないかというふうにわれわれは考えておりまして、そういうことではいかぬということで、現在若干まあトラブルがありましたけれども、だんだんそういう方向に向かっているというふうにわれわれは感じとっております。
○藤田藤太郎君 たとえば臨時作業員の満了前に組合と協議をして、あれは季節的労働ですね、あなたの林野庁ですから。そういうときには次のことをどうするとかいうことで、それだけの協議ということになっているようですけれども、これについても一方的にもう全然協議も何もせぬで打ち切ってしまう。こういうことはたくさんあるわけです。一つ二つそれでは申し上げてみたいと思うのです。たとえば宿舎の割当にいたしましても、こんなものは私はやはり長くおるとか、それからその人個人々々の環境とか立地条件とかによって宿舎というのは順次与えられていくのが、これは社会の常識だと思うのです。それで、そういう宿舎委員会というようなもので今までやっていたのが、今ではもう全然相談も何もせぬで、所長が一方的にぴしゃっぴしゃっと、組合が不服であろうと何であろうと、おかまいなしにこれをきめてしまう。労働時間の問題についても、土曜日の時間は十二時で終わるというのを、公告して、きょうから十五分延ばすのだと、それから制服の貸与の問題や、これはこまかいことになりますけれども、レクリエーションの関係のいろいろの小さい問題においても、どうもたくさん問題があると思うのです。たとえば年次有給休暇を請求したらいやがらせをするとか、または病気休暇で休んでおったら、一々その自宅まで行って管理者が確認をする。それから配置転換にしても、組合の幹部になると配置転換の工作をして、その業務につけないようなところに追いやるとか、いろいろたくさんこまかい問題があげられておる。年休を組合幹部がとると、その行動をスパイをつけて監視をするとか、私は、何でこんなことをやらなければならぬか、こんなことをなぜ林野庁という政府の機関の皆さんの間で、なぜこんなことをやらなければならぬのか、それを聞きたいのですよ。
○説明員(日比野健児君) 具体的な問題いろいろ先生方もおっしゃられるようでありますけれども、われわれもわれわれなりに、局からの報告等は承知しておりますが、若干内容と申しますか、趣旨と申しますか、そういうものにおきましてわれわれの承知しておることと違ったところがあるのは当然かと思いますが、われわれといたしましては、もしいろいろな場合において行き過ぎたということがあれば、それは十分是正の指導をいたして参りたいと考えております。
○藤田藤太郎君 そこで、私は、取り上げたら時間がかかるるばかりなんです、幾らでもあります、そういう問題は。しかし、これをここで争っているということも芸のないことだと私は思う。だから、こういうことのないようにすることがまず先決問題だと思う。だから労務ハンド・ブックというのは、こういう思想を、権力あるのみだということをまず撤回されることだと思う。労働組合の人格を認めて、正常な労使関係に持っていくということが私は第一前提だと思う。その点はどうですか。
○説明員(日比野健児君) そのハンド・ブック——先生はハンド・ブックと申されますからハンド・ブックと仮称しますが、その問題につきましては、先ほど申し上げましたように、その内容をしさいに読んでいただければ、若干の言葉づかいの荒い点は、これは私も認めますけれども、その精神においては、別に突拍子もないことを言っておるのじゃなしに、むしろ本来の組合の正しい姿における成長を願って書いておるということは、その行間に現われておると思います。したがって、今パンフレットを引き上げるとか引き上げないとかいうことは考えておりません。
○藤田藤太郎君 あなたは、たまたまこれは九州でしゃべったことであって、ハンド・ブックというものはないのだと、こうおっしゃっているじゃないですか。こういう工合な思想で労務対策を今後もおやりになるというのですか。
○説明員(日比野健児君) 何度も繰り返し申し上げますように、若干の言葉の悪いところはありますので、それは率直に認めますが、その精神においては、別にこれを撤回せにゃいかぬというような問題とは私は考えておりませんのでございますが、しかし、そうかといって、先ほど御議論のありましたような、正しい信頼関係に立った労使関係というものを願うという態度においては、今後とも十分努力して参りたい、このように考えます。
○委員長(加瀬完君) ちょっと私からも伺いたいのでありますが、先ほど部長さんの御説明では、藤田委員の指摘されるハンド・ブックというものは、これは林野庁の正式な機関で出したものではない、まあそうはおっしゃいませんでしたが、意味はそのように私どもは承った。これは担当課長の口述を便宜プリントしたものであって、正式なものではない、こういうようにお話があったのでございますが、その点もう一度はっきりさしてくれませんか。
○説明員(日比野健児君) 正式なものと申しますと、内部決裁を受けて通ったという意味では正式なものじゃないと思いますが、たまたま労務課長が九州へ出まして、そのときにいわゆる業務指導と申しますか、そういう意味でしゃべったことであります。したがって、素材においては、常にわれわれ中で議論していることを——何べんでも申しますが、表現の問題は若干問題であろうかと思いますけれども、その精神においては、われわれが常に中で議論している問題を、ある意味では端的過ぎるくらいに、言い過ぎた点はあるかもしれませんが、基本的な問題につきましては、別にわれわれが考えていることとそう違っているとは考えておりません。しかし、そうかと申しましても、われわれといたしまして、この話の内容に流れる精神というものは、われわれはわれわれなりにそう考えておりますので、そういう点においては今後とも十分——トラブルを起こすことをあえてやるというのは、われわれそう思っておりませんので、団体交渉すべきことは団体交渉する、団体交渉事項であるかどうかという問題で話が合わぬような場合は、それはそれとしてたな上げして、話し合いということで実体的な解決を考えていく積み上げ方式をとりまして、今後の全林野との関係につきましては、よりよい労使関係というものを築いていきたいというのがわれわれの念顔でございまして、まさにそういう念顔の上に立ってこのパンフレットはできているものだというふうにわれわれは考えておりますので、御了承いただきたい。
○藤田藤太郎君 そうすると、あなたの今のお話にありましたことをお聞きしますと、組合の団結権という人格は認める、その間に正常な団交または不信感のない労使関係を作り上げていく、こういう決意だということでいいですか。
○説明員(日比野健児君) そのとおりでございます。
○藤田藤太郎君 それをここであなたが確認されるなら、この労務ハンド・ブックの問題について、来週ここでもう一度私どもはやりたいと思いますから、ぜひひとつこの分析をしてわれわれに御意見を聞かしていただきたい、こう思います。これが一つでございます。 それから、もう一つは、いろいろ上がって参っております。私ら常識でも考えられないようなことが平気で現地で行なわれてきておる。これはあなたのほうの報告もあることですから、この組合の出している資料、これは上げてもよろしゅうございますから、これとあなたのほうの報告になったこととの食い違いですね、その食い違いをひとつ明らかにこの次の委員会でしていただきたい。そして今の正常な労使関係に持っていく、不信感を払拭するという建前に立って、私はこのような全部にいろいろ意見があると思いますけれども、常識上どういう工合にして解決するという形を今度の委員会で明らかにしてもらいたい。その資料をひとつ来週出してもらいたいと私はお願いしたいんですが、どうでございましょう。
○説明員(日比野健児君) 組合のほうの情報と申しますか、報告と申しますか、そういうものをいただきまして、それで検討したいと思います。若干私は先生のちょっと言われたいろいろの事件というか、トラブルの内容は、若干われわれの承知しておりますのと違いますので、若干といいますか、いろいろ項目について違いますので、それを見せていただきまして、それでどうするかきめたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。
○藤田藤太郎君 それじゃ来週の委員会にひとつ提出していただきたいと思います。それから、係長とか所長とか、そういう人の会議を連日開いて、ここに予算表も出ておりますけれども、非常に多額の金をそこにお使いになって、労務対策一筋に私はやっておられるような気がするわけです。そんなことが実際上あなたのほうの予算上の措置として行なわれていいのかどうかということを私は疑問に思うわけです。しかし、私は、あなたのほうはあなたのほうなりに理由があるでしょうと思いますから、そういう理由も明らかにしていただきたい。特に私は、労働組合と当局との関係でございますから、このハンド・ブックの多数の個所に出てくる思想的な面がここに出てくるわけであります。そういう思想的な面をもって、観念的な解釈で組合対策をおやりになるというところにこういう間違いが起きてきやせんかという気がいたす次第でございます。思想的な問題は思想的な問題で、労使の団交のルールにはずれたら、そのはずれた問題に対して処理されたらいいと思います、労使の間で。しかし、その眼目を思想的な問題だけに終始しておられるところに問題の間違いが、勇み足があちらにもこちらにも、私は正常なルールを破壊する勇み足となって現われているのじゃないか、私はそういう工合に見るわけであります。だから、そういう点も十分にひとつ払拭してもらいたいということですけれども、今、来週の委員会にはここに出していただくということですから、ひとつそれを期待して質問を終わりたいと思います。
○柳岡秋夫君 先ほどの薬剤による被害の状況とその原因ですね、どういうことでそういう被害が起きたのか、先ほどの答弁では非常に例が明らかでないものですから、ひとつそれを調査して出してもらいたい、こういうふうに思います。
○委員長(加瀬完君) 残余の質問は次回に譲ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十一分散会