社会労働委員会 第6号
- 発言数
- 76 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/02/28
会議録
○委員長(加瀬完君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 委員の異動についてお知らせいたします。二月二十五日、柳岡秋夫君及び杉山善太郎君が委員を辞任せられ、その補欠に阿部竹松君及び稲葉誠一君が、二月二十七日、丸茂重貞君、稲葉誠一君、阿部竹松君、竹中恒夫君及び徳永正利君が委員を辞任せられ、その補欠に、塩見俊二君、杉山善太郎君、野上元君、手島栄君及び重宗雄三君がそれぞれ選任せられました。 —————————————
○委員長(加瀬完君) 参考人の出席要求に関する件を議題といたします。 政府関係特殊法人等の給与問題に関する件調査のため、社会保険診療報酬支払基金理事長久下勝次君を参考人として決定し、その御出席を要求したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(加瀬完君) 労働情勢に関する調査を議題といたします。質疑の通告がございますので、順次御発言を願います。
○藤田藤太郎君 支払基金の理事長に御質問を申し上げたいと思うわけですが、基金という特殊な、特に国民健康の上において重要な役割を持っておられるこの基金の医療保険費の精算業務という形でございまするが、どうも私の耳に入ってくるところによりますと、そこの職員の皆さん方は、仕事は毎年増強をしていく、しかし、その給与、労働条件の問題については、どうも自分たちの働いている相手方の使用者側との要求や話し合いについてもうまくいっていないし、そして、何か私たちの使用者の上に政府がおって、その関係において、どうもぴったりと私たちの使われている、要するに使用者と労働者という関係がうまくいっていない。賃金、労働条件そのものも、十分にそこで働いている労働者の皆さん方の意思が、団体交渉にも、それから賃金、労働条件にもうまく反映をしていない、こういう格好では困るという非常に陳情、抗議、請願というものを受けるわけであります。先日も厚生省の小山保険局長に来ていただいて、いろいろと話を聞いてみたのでありますけれども、肝心の基金の理事者の方からお聞きせないと、なかなかぴったりわからぬということできよう来ていただいたわけであります。 そこで、質問の第一点は、労使関係はどういう工合に進んでおるか。たとえば団体交渉の問題、その中で労働条件をきめるときにはどうしているか。それから、また、今日のここの労働者の賃金その他労働条件は公務員に準ずるということであるけれども、ほんとうに公務員に準じた労働条件が確立しているのかどうか、こういう点をひとつお聞かせをいただきたい、こう思うわけであります。
○参考人(久下勝次君) まず、最初にお尋ねの、支払基金の労働組合との関係につきまして、概略を申し上げてお答えにかえたいと思います。 支払基金の職員は、総数で三千八百余名でございまするが、もちろんその中には管理職もありまするので、三千二、三百名が労働組合の組合員になっております。これは全国単一の組織を作っておりまして、私のほうの各支部、これは各県にございます。各県にございますその支部にやはり労働組合の支部を設けておるのでございます。さような関係上、正式な労働組合との団体交渉その他の連絡につきましては、組合側の全国的な執行委員会と私どもとで団体交渉をやっておるわけであります。しかしながら、全国に支部がございます関係で、労働組合の支部と私のほうの支部事務所の責任者との間には、やはり労働協約の上で協定をいたしまして、幹事長の権限に属する範囲内においての団体交渉をやらしておるのでございます。それから、なお、中央、地方ともに労使協議会というのを、これも協約によって設けまして、そうして正式な団交に載せないようなことでも、職員の執務に関すること等につきましては、労使協議会におまして十分意思の疎通をはかるようにやらしておる次第でございます。そういう関係でございまして、一般的に、今までの経過を申し上げましても、給与等の改定などがございます場合にも、あるいは期末手当の問題があります場合にも、十分労使話し合いをいたしまして、そして、少なくとも今まで円満に妥結をみた上で決定をいたしておる次第でございます。今回の国家公務員のベースの改定に伴いまして、当支払基金におきましても、従来の例にならいまして、国家公務員に準拠してベースの改定をするということで、ただ、このためには、財源的に基金事務費の引き上げを各保険者にお願いをいたさなければなりませんので、一応私どものほうとしては、大筋の計算をいたしまして、事務費単価の引き上げにつきまして、昨年の秋以来ずっと交渉をしておりましたような次第でございます。ただ、問題となります国家公務員の給与に関する法案が昨日まで国会の通過をみませんでしたために、具体的な話し合いを労働組合との間にはする段階に至っておりませんけれども、この今回の給与ベース改定につきましても、すでに今日まで組合の申し出に常に応じまして、いろいろそのときどきの事情は説明いたしておるのでありまして、今回の給与改定につきましての団体交渉は、今日まで合計十七回やっておる次第でございます。 第二点の、基金の給与につきましてでございまするが、これは昭和二十五年創設以来、若干の変還はございましたけれども、昭和三十二年に、今日の給与の基盤を、これまた労働組合との話し合いの上できめまして、それ以来その方向で進んで参っておるのでございます。現在までやっておりまする給与の基本的なことを一、二申し上げてみたいと思います。 それは、まず、本俸につきましては、公務員より二号俸上にする、こういうことでございます。それから期末手当につきましては、年間を通じまして、〇・五カ月公務員より高い期末手当を支給する。そういう前提に立ちまして、昭和三十二年度以来、数回の公務員の給与の改定がございましたけれども、その基盤に立ちまして、その上に公務員に準ずるベースの改定をして今日に至っておる次第でございます。 —————————————
○委員長(加瀬完君) 委員の異動についてお知らせいたしすま。 本日、野上元君、手島栄君、重宗雄三君及び塩見俊二君が委員を辞任され、その補欠として、柳岡秋夫君、竹中恒夫君、徳永正利君及び丸茂重貞君が委員に選任せられました。 —————————————
○藤田藤太郎君 そうすると、昭和三十六年、昨年度の賃金は幾らになっておるでしょうか。
○参考人(久下勝次君) 昨年度の職員の平均給与は、三十七年度ですから、本年度と申したほうがよいのですが、約二万二千円です。
○藤田藤太郎君 今いわれた公務員給与より二号俸上だ、それで二万二千円ということになりますと、まあその人員構成や年令構成やその他によって、まあ公務員給与は今二万なんぼになるのですか、二万五千円か、六千円なんぼになりますか、これと必ずしも同じ額でないと公務員給与でないとはいいませんけれども、これより二号俸上ということですが、大体一号俸でどれくらい違うのですか。二号俸ですと、大体どれくらいの額になるわけですか。
○参考人(久下勝次君) 二号俸と申しましても、各号俸によって、御承知のとおり、給与の間差が違っておりますので、一がいには申せませんのでございますが、最下級のところあたりで四百円から六百円程度の間差になっております。それから、だんだん係長クラスになりますと、千四、五百円から二千円程度の間差がございます。それが一号の間差でございます。
○藤田藤太郎君 そういたしますと、公務員給与より、下のほうで千円から千二百円、上のほうで三千円から四千円の賃金が高いということであって、公務員給与が二万六千円で、基金の給与が二万二千円、この関係は、職員の皆さん方は公務員給与に準じてという、この大原則が貫かれていると理解されておりますか。
○参考人(久下勝次君) まず、最初に御指摘の、平均ベースが低いという点でございますが、これは先ほど藤田先生もおっしゃったように、私のほうの職員は、全体的に非常に若いのでございまして、平均年令が二十七才ぐらいでございます。したがいまして、ただ単に全体の平均ベースだけを御比較願いまするとおっしゃるようなことになろうかと存じますが、そういう基本的な人員構成の面が違います。しかも、なお、つけ加えますと、私どものほうの職員の資格は高校卒でございます。仕事の性質上、高校卒程度のものが最も適しておりますから、そういうものを主として採用いたします関係上、年令が比較的若く、したがって、全体の平均としては、比較的に給与が安くなっておるわけであります。そういう点につきましては、労働組合側も十分納得していただいておるはずだと信じます。
○藤田藤太郎君 私は、この賃金がどうのこうのということをここでお尋ねしようと思ってないわけであります。これはまあひとつ組合と理事者側で、何が適当かということをおきめいただいたらいいと思う。ただ、そういう原則があって、その原則に従って賃金が向上していく、そういう現実の今日の姿が、要するに職員の組合とあなた方の団体交渉によってそれが理解されているかどうかということが私のお聞きしたいところなんです。で、私たちの耳に入ってくるところによりますと、どうも団体交渉にいたしましても、前段はとにかく、上のほうの政府の機関がきめなければ返事ができないのだ、そして、きまってしまえば、きまったのだからこれに従え、こういう団体交渉だと聞くわけでございます。それから、この前、小山保険局長からお聞きしたところによりましても、また、原子力研究所の方々のことを科学技術庁の原子力局長から聞きましても、やはり外郭団体といいまするか、政府の外郭団体というのは、政府がむろん資金の面、それから作業を提供する面ですから、ある程度の制約はあるけれど、しかし自主的に物事がやれるという基準で、これは何の制約もなく労働運動もできるし、そういう事業についての手腕力量が買われてその理事者になっている。そして、また、手腕力量がなければ、ある程度の大まかなものをまかさなければ事業は発展せぬわけでありますから、そういう意味において団体交渉を聞いてみると、とにかく政府側できまらなければ何にもできないのだ、きまったらこれに従わなければいけないのだ、おまえらこれに従えという一言で団体交渉が行なわれているのと、それから政府の外郭団体が六十幾つありますけれども、どうも政府側の話を聞いてみると、そうでもないようです。組合に対しては、とにかく命令で押しつける、何ら自主性がないのだという格好で労使関係がある。まあ、そういうところに不満があり、もめてくる危険があるのではないかと私は思う。だからそういう点は、明らかに原則がきまれば、その原則に従ってきちっとやる。そのきちっとやっておることが職員の皆さんに理解されておるという、この前提条件が私は出発点だと思う。そういうことも十分に理解させるような努力もしておられないで、こういう不満と不信感、そういう格好で労使関係があるということは、私は残念でしようがないと思う、話を聞くたびに。今の理事長さんのお話を聞いておると、こういう原則があって、組合も理解して、そして賃金、労働条件はみなきまっておるのだと、こういわれると、これでもう何もないという、しごく円満にといいましょうか、しごく正常に労使関係が持たれているということになるわけですが、そこらの話が食い違うところを、私はまあ労使来ていただいてやれば一番いいところですけれども、そうもいきませんので、理事者側に来ていただいて、そういうところをお話を聞いているわけであります。今のお話のようなことでありますならば、私は、やっぱりあらゆる項目の団体交渉も、今の理事長さんがおっしゃったような格好でやってもらいたい。そうすれば問題は一つも起きないんじゃないかと思う。そこらあたりはどうでしょうか。
○参考人(久下勝次君) お話を伺っておりますると、私、先ほど来申し上げておりましたのは、実は過去における団体交渉の経過を申し上げたのでございますが、お話を伺っておりますると、何か今回の給与改定に関する問題の交渉の経過等もかみ合わせてのお話のようにうかがえるのでございます。過去におきましては、お話のとおり、相当激しい闘争に出まして、一昨年の十一月から十二月にかけましては、全国的にかなり激しいストライキが行なわれたりした経過もございますけれども、最終的には妥結いたしまして、そしてその調印の上で実施をしておるようなわけでございます。その他の場合におきましては、多少のいざこざはありましても、過去の実績は、先ほど来申し上げておりまするように、最終的に妥結をして実施がされておるということでございます。ただ、今回の給与ベースの改定につきましては、今日までの経過、先ほど申し上げたように、十七回ほどの団体交渉を重ねてはおりまするけれども、御指摘のように、私どもとしては、具体的な回答を今までいたしておりません。これは、しかしながら、基本となるべき国家公務員の給与が国会の御審議の関係で延び延びになっておりましたために、私ども自身の具体的な案を作成することができない、そのために、また数多い保険者との話し合いも具体的には進まなかった。ましてや、内輪の労働組合はもちろん、私どもには理事会がございますが、そこに対しましても、こういうような改定をしたいという御相談も実はいたしかねて参った事情でございます。そういう事情が基本的にございましたために、今日まで十七回の団体交渉を重ねましたけれども、もう少し待ってもらいたいというような話だけで、労働組合側はあるいは不満を持っているのかもしれませんが、私が聞いておりまするところ、あるいは感じておりまするととろでは、やむを得ないということで了承をしてもらっておると思っておる次第でございます。
○藤田藤太郎君 その問題は少しあとにしますが、それじゃ、これは重ねてお尋ねして恐縮ですけれども、事務費単価が、診療一件当たり十一円五十銭ということで今年はおやりになっているんですけれども、公務員給与がきまらなかったということもありますけれども、しかし、厚生省としては、ある一定の公務員給与が上がるといいますか、上がる予想のもとに何がしのやはり事務費単価を引き上げて、給与の問題も含めてあなたのほうとの交渉をし、結末をつけておられるというように聞いておるんですが、その点について組合のほうから聞きますと、いまだに何らその答えも何にもないということでございますので、全然今のあなたがおっしゃったように、十五回余りやったけれども、具体的な話をしたことはないという団交が十五回も続けられている、これでは、やはりこういう事情でこういう工合になっているんだからという工合にやはり理解ささなければ、ただ政府当局できまったから、わしらは何の自主性もなければ何もないんだという格好でおやりになっているということでは、私は、労使関係は不信感以外に何もない。厚生省から聞いてみると、そうでないような方向で動いている、こうなるとどうなんですかね。私はどうも理解ができない。だから事務費の単価を幾らぐらい上げたら、公務員のたとえば今度の給与アップ七・九%に見合ってあなた方の賃金が——ほかにも労働条件があるでしょうけれども、さしあたっての基本給を含めた基本的な基準賃金の引き上げの原資が幾ら必要か、それに対してはどれぐらい上げたら処理ができるかというようなこともお考えになって、そこらあたりをちょっと聞かしていただきたいと思います。
○参考人(久下勝次君) 前回の御質疑の際に、保険局長からお答えがあったように私伺っているのでございますが、今回の給与ベースの改定につきましては、私どもも自身でいろいろ計算をいたしまして、まず一番大口の委託者でありまして、しかも、また、監督をしておられる厚生省当局に事務費単価の引き上げのお願いを続けておったのでございます。その結果、昨年の暮れの政府との予算折衝におきまして、この事務費を三十八年四月一日以降五十銭程度引き上げようという、大筋の話はきまっているようでございます。私どもといたしましては、その線に沿いまして、なお、その他の健康保険組合、共済組合でございますとか、その他非常にたくさんのいわゆる保険者がございますので、その方面との話を現在進めておりまして、ある程度の了解はいただいているのでありますけれども、問題は、具体的に給与をどういうふうに改定していくか、この具体案を作るにつきまして、先ほど申し上げたような事情もございまするので、これから実は大急ぎで、私どもはこの五十銭の財源をもとといたしまして、この程度のことをやりたいということで案を作り、まず保険者方面に単価引き上げの御了承をいただきまして、その上で団体交渉というふうなことにしたいと思っている次第でございます。したがいまして、たいへんおくれて私ども困っているのでございますけれども、ここ一週間か十日の間がヤマであるというふうに考えて、せっかく努力しているところでございます。
○藤田藤太郎君 そうすると、この五十銭の事務費単価の引き上げで、公務員の給与プラス二号俸という格好の賃金ができるという自信をお待ちですか。
○参考人(久下勝次君) 財源の計算から申しますと、大体お話のとおりになると思っておりますが、具体的な案につきまして、どう上げるかということについては、まだ話はきまっておりませんので、自信を持って申し上げる段階ではございません。
○藤田藤太郎君 それ以上の問題については団体交渉でおきめになることですから、私は、公務員給与プラス二号俸でいいとか悪いとかということをここで言う権限はございません、労使間でおきめになることですから。しかし、最低限の条件だけはやはりちゃんとそろえて、そうして労使の団体交渉にお持ち込み願うことを私は申し上げます。そこで、積極的に一日も早くひとつ団体交渉を持って、そうして話を進めていただきたい。そこでお願いしておきますけれども、私は、労使間のことですから、あまり立ち入ってやりたくないのですけれども、とにかく基金に自主性があるのだから、労使間では、やはり働いている人が納得して信頼する、自分の労働能力を通じてその業務の向上をはかる、それには不信感があっては私はできないことだと思う。だから、職員の集団である労働組合が代弁して当局側と話し合うのですから、そこに不信感がないように、今までの給与についても、はっきり大原則がきまっているのですから、その大原則に沿って賃金その他の労働条件がすべてきめられていくのだというふうに組合に理解させるように努力していただきたいということであります。 それからもう一つは、団体交渉、労使関係でこれは処理しなければならない問題でありますから、やはり誠意を持って、ただ政府がきまらぬから私は一言も発言できぬのだ、政府がこれにきめたのだから、おまえらはこれに従うのだ、こういう団体交渉なら実も何もないわけですね、それは何もない団体交渉です。これでは労働三権で認められた労働者の権利といいましょうか、労働組合の建前からいっても、これはなかなか理解できないところである。相当な自主性をやはり持っておられる、また、自主的に権限を行使していただけるということで、厚生省もその他の保険者も、信頼して基金の業務運用をやっていただいているのですから、その点は、そこで働いている労働者の諸君が、ほんとうにわれわれが熱意を入れて仕事をやれるという雰囲気をあらゆるところで踏み起こしていただかなければ、この国会で特に政府の公務員であるとか、または外郭団体のような性格の事業なんですから、これは他の模範となってもらわなければならぬ問題をここで私たちがどうだこうだと議論するようなことは、私は残念だと思うのですよ。そういう点から私はお願いをしているわけですけれども、そういうことのないように、あなたのほうの労使関係または外郭団体六十団体の労使関係というものは、やはり他の模範とするような、正常な労働三法に認められた労使関係というものを私は作っていただきたい、そのために一段と努力をしていただきたい、これをお願いをしておきたいわけでございます。労働条件その他をおきめになるのは私たちの干渉するところじゃございませんから、それは労使でやっていただきたいのでありますけれども、今の私が前段に申し上げたようなことが組合からだんだんと伝わってくると、われわれも労働行政を担当する者といたしまして、これは黙っているわけにはいかないということで、ここでわざわざ忙しい時間を割いて来ていただいてこのような議論をしなければならぬ、私は残念だと思っているわけですが、ぜひともひとつ理事長さん、これからそういう点の義務感を駆使していただいて、正常な関係で労使関係が持たれて、正常な状態で労働条件がきめられているんだというようなことが、私たちの耳に、国会に入ってくるようにぜひお願いをしておきたいと思います。きょうはこれ以上もうお尋ねするつもりはございません。どうもありがとうございました。
○委員長(加瀬完君) 久下さん、ありがとうございました。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(加瀬完君) 速記を起こして。
○藤田藤太郎君 私は、この前、大臣に、もう少し労働行政の基本についてお聞きしたいということでしたが、途中労働大臣が他の会議に出られましたので、そのまま打ち切っているわけでありますけれども、きょうも労働大臣は他の会議に出ておられるわけでございますから、そこで、労働行政一般について、少し予算関係の質問をしたいと思うわけでございます。 第一に御質問したいことは、職安局長が見えておりませんようですから、訓練局長から先にお聞きいたします。この前も少し訓練の状態についてお聞きしたのでありますけれども、私は、今日本の経済の状態から参りますと、だんだんと第一次産業から第二次産業に移行しつつある。むしろ労働省自身の口からおっしゃっておりますように、技能労働者の不足というものは、そのまま生産そのものに影響をしているわけでございますから、訓練局としては、非常に重大なお任事を引き受けられていることだと思うわけであります。ですから、先日のお話のように、政府の訓練する人員というものは非常に少ないのですね。そうすると、まず第一にそこでわれわれの疑問に思われてくることは、それじゃ百二十六万という技能者が足らぬといっているのに、これでいいのかどうかということがまず第一に出てくる問題でございます。これには訓練所その他の増設によって、一時にはいかないという面がありましても、やはり将来訓練をしていくというかまえだけは私はここで現わしてもらわなければいかぬ、そうでなければ、これはいつまでたっても、たとえば普通の文部省関係の技術学校の卒業者、または各事業ごとにその技能を訓練していくという問題、こういう他力本願にゆだねてそのことを済ましていくというだけでは、訓練局の意義は半減も何減もしてしまうと私は思うわけでございます。ですから、たとえばことしの政府関係は、総合訓練幾ら、一般訓練幾ら、技術関係の学校卒業者が幾ら、そして事業内の訓練はどのくらいが予想され、政府としてその技能者を作るために、事業内にしても、それから文部省の関係の国家的な処置にしても、技能養成のためにどういう処置を講じているか、そのために、たとえば財政的な援助はどうなっている、こういうやはり少し詳しいことをきょうはお聞かせをいただきたいと思うわけでございます。
○政府委員(村上茂利君) ただいまの御質問に対しまして、まず第一に、職業訓練の分野におきまして、政府なり地方公共団体がどのような役割を持ち、そして、その役割を果たすために予算的にどう考えておるかという点をまずお答えさせていただきたいと思います。すでに先生御承知のように、昨年二月の労働省の調査によりましても、技能労働者の不足は約百二十六万という数字が出ておるわけでございます。ところで、従来、職業訓練を担当する分野でどのような訓練を行なっておるかということを申し上げますと、御承知のように、公共職業訓練がその一つであり、いま一つの大きな柱は事業内訓練であるわけでございます。事業内訓練は、昭和三十六年度の実績を見ますと、約七万二千人程度の認定職業訓練を実施しております。しかしながら、各会社、工場におきまして、それぞれの必要性に基づきまして、それぞれ独自の訓練を行なっているわけでございまして、たとえば初任者訓練であるとか、再訓練であるとか、追加訓練をやっておるわけであります。実はそれがすこぶる膨大な数に達しておるはずでございますけれども、労働省としましては、労働大臣が認可いたします認定職業訓練だけを把握しておりまして、そのような任意に実施しております事業内訓練につきましては、その数を把握していないわけでございます。そこで、百二十六万の技能労働者が不足しておるのに、公共職業訓練で、たとえば来年度の予算で考えております数字は約七万六千でありますが、その七万六千と、それから認定職業訓練として事業内で行なっておりますものの数が約七万二、三千、両者合わせても十五万に達しないじゃないか、それじゃはなはだ不足じゃないかという御指摘をいただくわけでありますが、いわばそれは正規に定型化された訓練が十五、六万と、こういうことでございまして、事業内で任意に行なっております数は相当に達しておるわけでございます。それから別に、御承知のような工業高等学校で訓練をやっておるわけでございます。この点につきましては、私ども技能労働者の訓練につきましては、それを除外いたしております。なぜかと申しますと、大学の工学部とか理工学部、あるいは工業高校などをエンジニアのカテゴリーに入れまして、いわゆる半熟練工の技能者というワクの中に入れて考えておりおりません。これは所得倍増計画を三十五年に策定いたしました際に、一応所得倍増計画に見合ったところの職業訓練長期計画というものを考えてみようじゃないかということで推算をいたしまして、昭和四十五年度までに技能労働者がどれくらい必要であるかという推定をいたしまして長期の計画を立てたわけでございます。そうして昭和三十五年度までに熟練工を六十一万人、半熟練工を九十四万人、合わせて百五十五万人を訓練する。それ以外に、すでに働いております中堅技能工に対します再訓練を百三十九万人について実施をする。それから、職長に対しまして、監督者訓練を四十二万人について実施をするという計画を三十五年に作りまして、その長期見通しのもとに訓練を進めておるわけでございます。で、ただいま申しました熟練工六十一万人、これを事業内訓練及び公共職業訓練によって実施しょう、また、半熟練工の九十四万人も、同様に公共訓練等によって訓練しようというものであります。で、これは事業内で任意に実施する訓練じゃございませんので、職業訓練法に基づいて、定型化された訓練を実施しようとする計画でございます。その長期計画のもとに、できるだけ計画的に職業訓練を拡大していきたい、かように考えておりますわけでございまして、しからば三十八年度においてはどうかと申しますと、公共職業訓練におきましては、訓練人員を七万六千六百九十人、その内訳は、転職訓練として三万一千三百二十五人、それから一般の熟練工養成のための養成訓練としては四万三千八百六十五名の訓練定員を予定いたしております。三十八年度におきましては、それ以外に施設拡大をいたしまして、約一万七千人程度の訓練を三十九年度に開始できますように、三十八年度中に施設を建設いたしたい。その建設費を見込んでいるわけでございます。そのような関係で、予算規模といたしましては、三十七年度におきましては、職業訓練の予算が三十九億三千万円でございましたが、三十八年度におきましては、六十二億四千万円、かなりの増額をいたして、六〇%以上の予算増をみているわけでありますが、これをもってしてもまだ不十分ではないかという御指摘をいろいろいただいているわけでございます。まことにわが国の産業界の現状から見ますれば、まだまだ拡大の必要があると存じます。ただ、本年度増額いたしました予算を消化し、そうして訓練に必要な指導員を十分に確保して、本格的な訓練を実施いたしますためには、そういった指導員の確保、その他いろいろの条件がございまするので、私どもとしましては、極力この訓練規模の拡大をはかっているところでございますけれども、そのような諸条件とにらみ合わせまして、三十八年度におきましては、ただいま申しました六十二億という予算の規模で準備を進めていきたい、かように考えている次第でございます。
○藤田藤太郎君 そうしますと、大学、高校を含めて、ことしの三月にどのくらい技術者が卒業するでしょうか。
○政府委員(村上茂利君) ちょっとお待ち下さい。今、資料がありますので探してみます。
○藤田藤太郎君 資料を調べていただいている間に、会計課長見えていますね。失業保険会計から、たとえば失業対策や住宅や訓練やその他に会計から支出される金を項目別にちょっとおっしゃって下さい。
○政府委員(住栄作君) 合計で八十四億三千八百十万六千円、これのおもな内訳を申し上げますと、まず移転就職者用宿舎でございますが、これがほとんど大半でございまして、四十七億五千八百万……。
○藤田藤太郎君 何戸分ですか。
○政府委員(住栄作君) 五千戸分でございます。それから、港湾労働者のセンターといたしまして約六千九百万、それから、総合訓練所関係の経費といたしまして二十二億七千万、それから、職業訓練所に対します施設費の補助金でございますが、これが約二億九千万でございます。同じく職業訓練のための宿舎につきましては七千七百万、それから、中央職業訓練所がございますが、これに対しまして約一億一千万、それから、簡易宿泊所、これは港湾労働者等の宿泊施設を作っておりますが、その簡易宿泊所に対するものとして約一億一千万、以上がおもな内容でございます。
○委員長(加瀬完君) もうわかりましたか。
○政府委員(村上茂利君) はい。いわゆる技術者の教育訓練でございますが、文部省のほうで調査いたしております資料によりますと、昭和三十七年度におきましては、理工学部系統で、大学では三万一千八百名ということでございます。短大では五千三百名、それから、工専が設立されまして、定員としては……。
○藤田藤太郎君 卒業した人ですよ。ことしの三月卒業する人です。
○政府委員(村上茂利君) ただいま申し上げておりますのは定員でございます。なお、工業高等学校は十四万三千八百七十名程度でございます。
○藤田藤太郎君 工専は。
○政府委員(村上茂利君) それから、工専は二千二百九十名でございます。 次に、卒業生はどうかと申しますと、工専は、これは創設されたばかりでございまして、まだ卒業生はございません。大学では、三十七年度で予定いたしておりますのが二万四千四百、短大では四千七百、それから、工業高等学校では十万五千八百八十という数字になっております。ここ数年間、工専あるいは理工学部などの定員増が予定されておりますので、昭和四十一年度以降におきましては、卒業生の数がかなり増大するというふうに考えられております。
○藤田藤太郎君 ですから、文部省の技術学校関係のものが、たとえば大学なんかは、ほとんど就職、現場へ出るわけですね、短大、大学は。工高は半分に見ましても、大体ここで七万ぐらいの人が外へ出るということになりますね。だから、私は、やはり職業訓練という名目ばかりでなしに、労働省は技能者が不足しているというなら、私は、文部省の技術教育の学校に対して、普通科ばかりじゃなしに、こういう工業技術の増加を労働省自身が要請をして、設備もあることですから、そういうところへ力を入れるということと、片方において、何も技術者は労働省だけでやるんだということでなしに、やはり文部省に要求をされて、必要な技術者をここで総合的に生み出すということでなければいかぬのではないか、私はそう思うのですが、局長どうですか。
○政府委員(村上茂利君) 御指摘の点はまことにごもっともでございまして、御承知かと存じまするが、経済審議会で一月中旬に、人的能力政策に関する答申を行なっております。その中におきましても、産業界の現状から見まして、教育、訓練をどのように進めるべきかという点についての方針を打ち出しておるのでございます。特に技能訓練につきましては、年令の若いうちに技能訓練を行なわなければ、相当な年配になりますと、技能修得のテンポがおそくなりまするので、できるだけ早目に技能訓練をすべきである、それと学校教育をどのように関連さして将来推進していくべきか、特に中学校卒業生で、働きながら訓練を受けているものの定時制高校の利用等につきましても、いろいろな見解を示されておるわけでございます。そこで、今御指摘のように、訓練である、教育であるといったような点につきまして障壁を設けるということは、私どももとらないところでございまするが、ただ、問題は、技能訓練の本質から見ましても、相当程度実習に重点を置かなければならないということが言えるかと思います。 御参考までに申し上げますると、工業高校の、たとえば機械工作課程などにおきまして、一体三年間にどの程度の実技訓練をやるかという点を見てみますると、大体六百六十五時間程度というのが標準的な時間になっております。しかし、一方、公共訓練におきましては、たとえば一カ年の訓練コースにおきましても、応用実習は七百五十時間というふうに、工高三年の実習時間よりも実技訓練の時間が上回っておるわけでございます。また、二カ年の専門訓練になりますと、応用実習時間が二千八十時間というふうに、工高三年の実習時間よりもはるかに、倍以上も実習を多くしているというような点から見まして、実技の訓練に重点をどの程度置くかどうかということに、いわゆる学校教育的な知識教育とのかみ合わせの問題が技術的に起こってくるだろうといわれておりますが、いずれにしましても、先生御指摘の問題は、きわめて重要な問題であると存じまするので、労働省としてもいろいろ研究をいたしておる次第でございます。
○藤田藤太郎君 そこで、そういう方法がとられて、順次学校教育の面からもふやしていかれる。私は、もう一つの面は、事業内の訓練、これこそ設備があるわけですから、そこでどうして訓練していくか、外国の訓練なんかを見てみますと、おくれた国は学校形式も必要でしょうけれども、むしろその一人の熟練工に三人とか五人とかを専門につけて、そして実技訓練をやっている。こういう方法をとっている国が相当多いと私は思うわけです。だから、そういうことを考えてみますと、事業内の訓練というのは、実技の向上のために非常に役立つのではないか。だから、これを単に認定だと、認可許可の証書を出すか出さぬかというような割り切り方じゃなしに、もっと私は労働省の訓練局が指導して、実際に実効のあがるようなことを私はお考えになったらどうなのか、こういうことを考えるわけです。それで、私たちは、ものの考え方としては、今日一つの面からいえば、労働時間の短縮による完全雇用の道というものは、これは世界の各国がとっておることでもありますし、ILOも勧告案として、少なくとも先進国は実施しなさい、しようじゃないかということで四十時間労働制がきめられておるというのが一つのファクターですね。それじゃ日本の設備投資拡大はどうかというと、三十四年、五年、六年にかけて十兆からの投資が行なわれて設備が拡大したことも、これも事実です。今操業率が七〇%ぐらい、まあ悪口をいえば宝の持ち腐れということになっておるわけです。それから、もう一つのファクターというのは、零細農家です。五反平均の零細農家は、第一次産業から第二次産業に転換しなければ生活の道が立たないということで地域開発ということがいわれておるわけですけれども、地域の開発が十分に行なわれていない。しかし、いずれにしても、店をたたむのじゃなしに、家をたたんで生活のできる所に移動して来るというのがここ二、三年の非常に大きな傾向じゃないか。単に学率の子供ばかりでなしに、世帯をたたんで移動しなければ生活できぬという格好ではないか。それをたとえば事業所が引き受けるといったって、技術的にゼロの人に生活ができるだけの給与を出してそれじゃ引き受けられるかというと、これはたいへんなことだろうと思う。だれがそれを援助するか、助けていくかということになると、私は、労働行政だと思うのです。だから、そういう面から見て、学卒みんなを含めて、大体二十万ちょっとなんですがね。今日日本が経済的にも飛躍しようと思えば、この操業短縮なんというものは異常な状態ですから、公共訓練で五十万を用意せよとは、私は一ぺんにはよういいませんけれども、少なくとも、技術を身につける人が一年間に五十万ぐらいふえるという計画を立てなければどうにもならぬのじゃないかということを考えているわけです。ですから、そこで、職業訓練所を一つ建てるにしても何億という金が要る。だから、なかなか資金が出せないというならば、これはこれで力を入れていただかなければなりませんけれども、もっと努力したならばその他の方法があるはずだと、私はそう思う。本来は、今おっしゃったような、公共訓練所によってしていくことがいいことですけれども、そんなに一ぺんに七万から二十万にも上る人を一年のうちにせよといったって、これは無理ですけれども、そこらあたりにお考えを大胆にお出しになる時期にきているのじゃないか。私が雇用計画を労働大臣にお出しなさいというのも、これも一つのファクターだと思う。ただ、頭を工場に、また、職場に並べてみたって、生産に即百パーセント移行しないのでありますから、そういう段階というものがまず大きなファクターとして考えられる。職業訓練の問題となると、そこのところあたりにいくと、どうも私はそこらの点が欠けているのじゃないかという気がするのですが、職業訓練局長、ひとつ大いにふんばっていただきたいところなんですが、局長どうですか。
○政府委員(村上茂利君) 御激励をいただきまして、まことに恐縮に存じますが、労働省としましては、先ほど申しました昭和四十五年度までに所得倍増計画に基づく労務者の増加というものが一応予想せられまするので、増加分の約六百九十万人ばかりを対象にいたしまして、そのうち、従来の経験率から見まして、どの程度のものが熟練工として必要であるかという数字を押えまして、冒頭に申し上げましたような百五十五万人の訓練計画を立て、一応それを目標にして訓練の規模を考えておるわけでございます。しかしながら、先生御指摘のように、事業内の訓練をもっと考えるべきじゃないかということについては全く同感でございまして、現在の三年ないし二年の認定事業内訓練——これはもともと労働基準法に規定されておりました技能者養成の発展的な形態であったわけでありますが、技能養成の段階におきましては、いわゆる徒弟の弊害排除という点からいろいろの規制を行なう、そういうわけで労働大臣が認定するという意味で、認定職業訓練ということに現在はなっておるわけであります。しかしながら、今後高等学校への進学率が高まってきました場合に、従来の徒弟の弊害排除という点から、規制すべき年令をオーバーした高校卒業者が相当出て参りますると、別な観点から訓練を考えなければいけない。こういう問題も出てくるわけでございます。また、何も三年という長期間でなくて、もっと短期の適切な訓練を行なうべきじゃないか、それをどういうふうに考えるかというようないろいろな課題を私ども負わされておるというふうに感じておりまして、そういう点につきましても、種々検討いたしておるような次第でございます。
○山下春江君 ちょっと関連して訓練局長の御意見を承っておきたいと思うのですが、御承知のように、日本には精薄児、精薄者が五百万おるといわれております。これはきょうまでほとんど非生産人口であります。ただもう食べさせて着さして生きているというだけでありましたが、御承知のように、だんだんこの問題も発展して参りまして、今日では、この人たちを、手も足りない社会になりましたので、生産人口に加えなければならないというのが日本社会の大きな問題だと思うのです。これは労働力のフロンティアでございましょうか。ところが、厚生省がやるか労働省がやるかということを、ちょっとどうやればいいかと思うのですが、やっぱり職業訓練と名がつけば、労働省にお願いするのが一番妥当であると思うのですが、従来いろいろな所で、学校その他の施設で訓練をいたしました。われわれはこれを職業戦線に復帰させる、社会に復帰させるということに重点を置きまして、それでいろいろな会社にやってみましたところ、どうもこれがたいへんな悲劇を生んでおるのです。知恵のある子供たちが、もらってきた給料をちょっと貸せといって持っていって返さない。あるいは親がかわいそうだと思ってラジオを買ってやったら、これを取り上げて質へ入れてしまうとか、悲惨な問題が起こってきまして、われわれも今どうするかということをたいへん憂慮しておりますが、そこで、結局これはただ社会復帰ということに目安を置いて訓練をする施設ではいけないのであって、こういう人たちだけが日本の生産について、割合に安直な、そして人手をもってやらなければならないようなところを庇護してやる授産場、要するに、その人たちの生産力だけでは、その施設及び食べていくのに足らないかもしれません。それを若干国が庇護してやりましょうという庇護授産場において、一般の知恵の十分な子供たちとは別な所で生産戦線に活躍させたい。これは親及び社会が、この子供たちをいつまでも非生産人口として見過ごしておきますことは、との悲劇がどこまでいってもなくならないと思いますので、労働省でもよりよりお考えをいただいておると聞いておりますけれども、もっと本格的にこの者たちを生産人口に立ち直らせるための庇護授産場というふうなものをぜひひとつ考えてみていただきたいと思うのですけれども、きょうまでにいろいろそういう経験から、何か結論をもうぼつぼつつかんでおいでにならないかしらと思うのでございますけれども、労働省のほうでは、こういう問題についてどういうふうにお考えをいただいておるでしょうか。
○政府委員(村上茂利君) 精薄児童の訓練につきましては、すでに数年前からわれわれとしてもいろいろ検討しておるところでございますが、前提といたしまして、どの程度の精神薄弱状態がいわゆる労働力人口として労働市場に活躍し得るであろうかどうかという、その線の引き方がかなりむずかしいという問題があるわけでございます。しかしながら、一部労働省の所管に属しております身体障害者職業訓練所におきまして、たとえば陶器の窯業でございますが、窯業関係のろくろ回しその他の訓練をやっておるところがございまして、それがはたしてどの程度の効果をあげるであろうかという角度で、今実験的にやっておるわけでございます。ただ、ただいま申しましたように、どの程度の状態の人々を対象とするという基本的な問題があると同時に、どの程度の適職と申しますか、適した訓練職種にどのようなものがあるかという問題もございますし、また、そういう専門訓練所を設けるのがいいかどうか、むしろ一般の訓練所の中に溶け込まして訓練をするのがよくはないか、ただ訓練職種だけ軽易なものを選択したらよいではないかというような問題もございまして、制度的に今割り切るというところまで遺憾ながら達しておりませんけれども、なお今後十分研究を続けていきたいと考えております。
○藤田藤太郎君 そこで、訓練局長にもう一つお願いしておきますが、今の身体障害者、精薄児の訓練というものも、これは重要視していただかなければなりませんが、お考えになっていることだと思いますから、この点はそう追及しませんが、問題は、所得倍増計画で十年で所得を倍増するというのは、一年に七・二%ずつやっていくんだ、当初こういう計画でありました。ところが、三十二年、三年を基準年度として、所得倍増計画は四十五年を目標にしているわけですけれども、実際は三十四年、五年、六年の実質の成長というのは、五年分とか六年分の成長をしているということなんです。それは単に理屈だけじゃないのであって、それだけの生産設備ができているということなんです。だから十年たって倍になるのか、一倍半になるのか、私は知りませんけれども、その生産設備の拡大に応じて需要と供給のバランスがとられなければ、これは経済成長とも経済発展とも何とも言わぬのであって、それは口で言うだけになってしまうわけです。だから、需要と供給、供給と需要というバランスが、この経済成長というのはとれていなければいかぬ。そういうことになると、この速度に応じてやはり計画もし、その生産設備拡大に応じてやはり経済もバランスをとりながら成長するとすれば、それだけの労働力というものを供給していくという考え方は、単に平面的な倍増計画の雇用、要するに、訓練計画でなしに、そこらは私はもう少しお考えにならなければいかぬのではないかということを申し上げたいところなんです。それはぜひひとつそういう意味で、大胆に出していただきたいと思う。
○政府委員(村上茂利君) 先ほどの御質問とただいまの御意見でございますが、先ほども御指摘がございましたように、たとえば農村関係の問題がございます。かつて三十六年度におきまして、農村の二、三男対策という趣旨も含めて、職業訓練所の新設を行なったことがございます。私どもは、今後職業訓練所の新設を行ないます場合には、新産業都市建設、低開発地域の工業化促進といったような、もろもろの地域産業に関連する問題を考えまして新設計画を将来進めていきたい、そうして先生御指摘のような農村関係の問題にも対応できるように姿勢を整えていきたいというふうに考えておるわけでございます。まだ予算的には不十分ではございますけれども、将来大筋としてはそのような方向に持っていきたいというふうに考えております。
○藤田藤太郎君 将来というと、十年先も将来ということですけれども、まあ一般的な将来ということでなしに、私は、積極的に訓練局長に取り組んでいただきたいということをお願いしておきます。 これとうらはらの問題、やはり私は雇用の問題だと思います。職安行政だと思う。今の話にも出て参ったのでありますけれども、たとえば総合訓練所に二十二億七千万円の金をほうり込んで、今までのものも含めて一万七千人の訓練の場ができる、こういうことなのです。だから、金が要るということはよくわかります。わかりますが、これは一般会計からももっと出ているのだと思いますから、それを加えるともっと大きな数字になると思います。そこで、ことしの職安行政の大体の方針というものは、この間も局長がおっしゃったのですけれども、もう少し具体的に、ことしの新規労働と、訓練その他からくる年令別の求人、求職の関係、それから、大体ことし予想される就労人口の増加、そういうふうなものをひとつ失対部長からお聞かせいただきたい。
○説明員(和田勝美君) 藤田先生の御質問でございますが、ことしを大観して私ども考えておりますのは、この三月に卒業いたします中学、高等学校の卒業生に対しまする求人は、一般的には景気調整の時期であるといわれながら、きわめて好調でございまして、中学卒業生につきましては、約三倍の求人がございます。高等学校卒業生につきましても、大体二倍くらいの求人でございます。大学卒業生につきましては、多少景気調整の影響がございまして、昨年より下回っておりますが、なお卒業生を上回る求人がございます。そういうふうにいたしまして、新しく学校を出まして社会に働く者に対する就職の問題は、本年度においては大丈夫まかなうことができる、こういうふうに考えております。なお、年令的に見て参りましてやはり問題になりますのは、中年以上と俗にいわれております者、大体三十五歳以上くらいなところでございます。この方々は、確かに日本の賃金形態等とからみ合うことでございましょうし、最近の産業のオートメーション化というような問題に伴います熟練度の問題等もからみ合いまして、中年の方に対しては、相当努力をいたさなければ就職の口を見つけることに非常に問題があるわけでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、要するに、新規労働力に対して非常に大きな求人があるのに対して、とてもそれを充足することができない状況でございます。この傾向は今後も続くと思いますので、私どもといたしましては、安定所を通じまして、できるだけ中高年の方々を採用するような行政指導を各事業主に対していたして参りたい、こういうふうに考えております。 また、訓練局長から御答弁申し上げましたように、技能労働力が非常に不足しておりますので、中高年の方については、何らかの技能を身につけていただければ非常に就職が容易である。訓練所を卒業された人の就職口は非常に高いわけでございますから、中高年の方には、安定した職場につきますためには、どうしても手に技術をつけていただくということで、訓練所の増設等もございますし、失業対策事業の中でも、本年度の下期以降におきましては、訓練とともに、懇切丁寧な就職指導官を置きまして、そして中年の方に見合った職場を開拓して、安定した職場についていただくような努力をしたい。したがいまして、安定行政の重点といたしましては、今後は中高年の方に安定した職場を見つけるための、きめのこまかい就職指導措置を訓練とともにやっていく、こういう考え方が三十八年度の私どもの考えでございます。
○藤田藤太郎君 その気持はわかりました。気持はわかりましたけれども、一番最近調査された、たとえば二十五才から三十五才まで、三十五才から四十五才まで、四十五才以上とか、そういうふうに分けて求人、求職の関係はどうなっているか。年令が少し食い違ってもけっこうです。
○説明員(和田勝美君) 安定所の窓口に対して就職を申し込んでこられる方と、それから、人を求めてこられる方の率を年令別にちょっと申し上げてみますと、三十七年度におきましては、全国平均で一・五、要するに〇・五だけ求職者のほうが上回っております。それを年令的に申し上げますと、二十才未満に対しましては一・二、二十四才から二十才が一・四、それから二十九才から二十五才の間が一・五、それから三十四才から三十才の間が一、これはバランスがとれている。それから三十九才から三十五才が一・六、四十九才から四十才が二・八、五十才以上の方に対しては七・九、三十五才を境にして、非常にバランスがくずれている、こういうような状態でございまして、三十八年度の当初におきましては、この状況がなお続くのではないか、かように私どもは推定をいたしております。
○藤田藤太郎君 これは殺到率ですね。
○説明員(和田勝美君) 殺到率でございます。
○藤田藤太郎君 そこで殺到率が大体三十四才ぐらいを中心にして、下のほうでも殺到率が多少あるのですね。そこでどうなんですか、人員的に三十才ぐらいまでの方は、遊んでいる労働者というとおかしいけれども、仕事を休んでいるという人は非常に少ないんですね。三十五才以上の人のほうが人員にしては圧倒的に多いんじゃないですか。
○説明員(和田勝美君) 三十七年度の実績で大体今の数字に合わせて数字を申し上げてみたいと思います。安定所に申し込んでおるものでございますが、これは調査時点は三十七年の十月の時点でございます。二十才未満が十二万九千、それから二十四才から二十才が二十九万四千、二十九才から二十五才が二十万二千、三十四才から三十才が十一万八千、三十九才から三十五才が八万七千、四十九才から四十才が十一万、五十才以上の方が十万一千でございます。大体そういう傾向でございます。
○藤田藤太郎君 二十九才以下で殺到率が一・五、これはどういうことでしょうか。これは分析されておりますか。
○説明員(和田勝美君) この点は正確に分析をまだいたしておりませんが、失業保険受給者のほうを見ますると、女子の方の受給者の数が多いのです。今言われました年令層が、それがやはり安定所には求職の格好で出てきておるわけでございます。若い婦人の方につきましては、できるだけ好条件の所に向かって行きたいということで、一時的な離職をしてこられる。それほど長い間の滞留ではなくて就職される向きと、結婚等の問題もあるやに私ども推定いたしておりますので、そういうところが意外に高いのは、婦人の問題があるのではないかと考えております。
○藤田藤太郎君 そこで、問題は、中学卒業というところがら、何といっても賃金が安いということで、企業の吸収度合いが大きいということはよくわかると思うのです。そうなると単に労働者が労働力の配置についたというだけでなしに、やはり完全に独立して生計が立てられているかどうかということが非常に関係してくると思うのです、年少者の場合。高年令の方々は、世帯を切り回していくわけでありますから、なかなか雇いにくいというのは、そういう面も一つある。だから、そういうことがありますけれども、私は、やはりこういうところでネックになっているのは、今は商業サービスの時代ですけれども、これはやはりどうしても中高年の殺到率の多いところは、半失業的な状態にみな入っていく、失対の窓口に行っても登録はしてもらえない、なかなかむずかしいという格好になると思うのです。しかし、これは労働省としては、職安の窓口だけの資料でありますから、職安の窓口に行かない失業者というものはどのくらいと推定されておりますか。
○説明員(和田勝美君) 失業者がどのくらいかにつきましては、労働力調査によりますと、完全失業者は最近では三十四万程度である、こういうことになっております。しかし、問題は、完全失業者の取り方が非常にシビアであるというような点がございまして、それ以上に、いわゆる不完全失業の問題がいろいろ御論議になっておるわけでございます。この取り方につきましては、同じ労働力調査によりまして、短時間就労と申しますか、一週間に三十四時間未満のものについて考えるのが一つと、それから転業希望、あるいは就業希望を持っておられる意識面からする調査、こういうものがございます。意識面からする調査でございまして、現在職を求めておられる方は、最近におきましては大体百四十四万くらい、こういうようにいわれております。それから、短時間の就労者の方につきましては、全体としまして雇用関係だけで申し上げますると、やはり百四十二万くらいある、これが労働力調査の三十七年度の平均数字でございます。それは三十四時間未満の就業者でございます。
○藤田藤太郎君 私は、ここであまり局長や大臣のおらぬところであなたと議論しようと思わぬけれども、労働力調査というのは、この調査は根本的に変えなければいかぬ時期にきていることを私は皆さんにも主張し、皆さんも相当理解された上で、労働力調査の三十万という完全失業者というのは、架空というか、これは実在とは全く違ったものである。だから、そこで問題は、労働時間短縮というような問題は、あなたのほうの内部でどう議論されておりますか。
○説明員(和田勝美君) これはまことにどうも申しわけございませんが、所管が基準局のほうでございまするので、この席で御答弁申し上げることはひとつ差し控えさしていただきたいと思います。
○藤田藤太郎君 あなたは大臣や局長でないから、答えられないというならそれはやめますけれども、何も基準局のことじゃないですよ。今労働時間や賃金は基準局だというけれども、四十八時間までは基準局が労働基準法で認めて、三十六条協定で基準外時間は働けるということになっておる。そういう意味においては、そのものさしだけは基準局だというのはちょっとおかしいです。四十九時間以上を二千五百万人以上も毎日働いておるということで、その半面に、半失業者が一千万もおるということは、これは職安行政の柱ですよ、時間短縮という問題は。だから、これはそうあっさり片づけることのないようにしておいてもらいたい。きょうは答えられないというならよろしいですけれども、これは基準局の問題だからとは、そうはちょっと言いにくいのじゃないですか。これは職安行政の柱ですよ、完全雇用は。だから、それはいいですよ。それはいいですけれども、しかしそういうことになってきますと、ことしの新規労働力というのはどれくらいに推定しておりますか。
○説明員(和田勝美君) ちょっと資料を見ますから……。
○藤田藤太郎君 それじゃ、ついでに、新規労働力を加えて、日本の産業労働力の雇用労働者は幾らになるか、三十八年度。
○説明員(和田勝美君) 政府の立てております経済見通しによりますと、三十八年度の雇用者総数は二千六百三十四万でございまして、三十七年度に比較いたしまして、新規労働力は百十五万の増加を見込んでおりまして、増加数字は四・六%の増を見込んでおります。なお、これは安定所がつかんでおります数字でございますので、まことに恐縮でございますが、中学、高等学校合わせまして百三十万人が就職の希望を持っております。
○藤田藤太郎君 そうすると、二千六百三十四万人というと、産業労働力の中の何%になりますか。
○説明員(和田勝美君) 就業者総数は四千六百七十八万を予定いたしております。したがいまして、約六割程度になります。
○藤田藤太郎君 和田さん、外国の産業労働力の中における雇用人口というのは、大体イギリスが一昨年あたりで八九%、アメリカ、フランス、ドイツあたりが大体七五%くらいだと思うのです。私は、日本がこれだけ第二次産業に入ってくるとすれば、第二次産業を中心に日本の経済が発展するということになると、少なくとも七〇%から七五%、八〇%くらいのところにならなければ、近代化というものはなかなかむずかしいのじゃないですか。そういう面で、労働省は、今後の計画として、どういう工合にその半失業者を顕在失業者という格好にしながら、産業労働力の中における雇用労働者の占める割合というのは、どういう格好で進んでいくかという推定はどうですか。
○説明員(和田勝美君) 御指摘のとおり、欧米の工業化が特に進んでおりますところでは八〇%をこえる雇用者率でございます。日本の場合は、先ほど申し上げましたとおりの状況でございますが、これは最近の例を見ましても、逐年雇用者率が上がって参っております。失業者総数に占める雇用者の数が逐年上がって参っておりまして、この傾向はさらに進むことを予定しております。倍増計画の四十五年度におきまして、私どもの推計からいたしますと、六六・四%程度になる、そういうような状態に変わっていくと考えております。それは主として第一次産業から二次産業、三次産業への移行が非常に最近顕著でございますが、その傾向が持続れるという想定でございます。
○藤田藤太郎君 そこで、私は、注文をひとつつけておきたいわけですけれども、日本の今日の工業水準ですね、零細農家のかかえている半失業者の状態というものは、たとえば国民所得との関係を見てみても、五反百姓は十五、六万円しか収人がないのです。それで国民平均所得が十六万円をこすという、そういう中において細々とのりをすすって生存をしているというのが、今日の関東を中心にして、西のお百姓だと私は思うのです。そういう潜在失業者が、全くもって今の日本の近代的な方向とは違った格好で生息しているという格好は、人権の上から、在民主権の今日の憲法の上からでも、むしろ正常な形で生存ができるように指導していかなくちゃならぬのが今日の役目じゃないかと私は思う。そういうことになってくると、四十五年度六六%という、そんなことでは済まされないのではないか。もっとやはりその方々の生活をどう守っていくか、正常なその人の持っている労働力を、技術をつけながら生産に動員していくのにはどうしていくか、そうして潜在失業というのを顕在化していきながら生活をみていくという格好のものを私は大いにやらなければならぬ。それには大きな柱は時間短縮である、職安行政の私は中心課題である、こう思っているのですけれども、そこらあたりは少しどうも淡々としておられるようでありますけれども、これはもっと突っ込んで研究してもらわなければいかぬ問題じゃないですか。これは与党、野党の問題では私はないと思う。日本の経済発展のための基礎条件だと、私はそう思う。そこらを追求されたことがありますか。
○説明員(和田勝美君) 安定関係といたしましては、先生の今のお説のとおりの方向で実は考えておりまして、三十八年度予算におきましては、地域別の雇用計画を策定するための調査関係費も認められておりまして、今、国会の御審議を仰いでいるわけでございますが、私ども全国的なものを見ますると、地域的に相当のアンバランスがある。この地域格差というものを是正をしていかなければ、全体の国民の生活水準というものはなかなか上がりにくいということから考えるのが一点。それから、新規労働力が需要との関係において偏在をしておりまして、そういう意味からいたしますと、今後の見通しというものを私どもははっきりつかみまして、その供給、需給の関係のバランスというものを見ながら、経済政策に対しても当然発言をしていかなければならない、こういうのが私どもの考え方でございます。その端的なのが、最近行なわれるだろうと思いますが、新産業都市の指定等につきましても、そういう視野から労働の円滑な供給ができ、需要が満たされるという観点から、ぜひ私どもは地域開発というものをそういう視野で見てもらいたいという考え方を持っておりまして、今申しましたような地域別の、産業別の雇用計画を三十八年度では策定をいたしたい、それを今後の一つのいろいろの経済政策が進んでいきますための重要な素材として取り上げていきたい、かように考えております。 労働時間の短縮問題につきましては、労働省を代表して確定的なことを私から申し上げますと、権限問題等もございますのですが、当然私どもとしては関心を持っておりまして、方向としては、先生御指摘のとおり、労働時間短縮の方向に向かっておることはもちろんでございまして、部内においても、それぞれそういう見地から検討が行なわれておるということでございます。
○藤田藤太郎君 それでは、各府県別とまでは無理でしょうけれども、まあ特徴点をあげる、東京、大阪、北海道、青森、秋田あたり、それから新潟辺、それから、たとえば中国、山陰、北九州、南九州、四国という工合に、全体の労働力の殺到率はどうですか。
○説明員(和田勝美君) 地域別の殺到率は、手元に三十六年の資料しかございませんので恐縮でございますが、申し上げてみますと、北海道は〇・九でございます。求人のほうが多うございます。それから、東北が二・一、関東地区が〇・九、中部地区が〇・六で最低でございます。近畿地区が〇・九、中国地区が一・五、四国地区が一・五、九州が最大でございまして、三・三でございます。
○藤田藤太郎君 これは三十六年ですね。
○説明員(和田勝美君) さようでございます。
○藤田藤太郎君 そこで、きょうは約束ですから、この程度でやめておきますが、そこで、これは職安局長、訓練局長を合わせて何ですけれども、失業保険の会計より八十四億三千八百万という金がここに使われておるわけですね。私は、まあこの際ですから、あまりもう言いたいことも言わぬことにいたしますけれども、しかし、失業保険の金というものは、私は有効なところへ使ってほしい。どれが有効でないということはいいませんけれども、私は、たとえば百歩を譲っても、やっぱし訓練所の増設であるとか、要するに地域的な雇用のための指導であるとか、そういうところにこうやっていくならば、私は、これは失業保険の金が千何百億もたまっているのだから、失業保険の本質論はきょうはやめますけれども、いずれやりますが、しかし、私は、そういうところがら少しはずれて、移転就職者用の宿舎を建てて四十七億も使われるわけですね。これはあまりやかましゅういいません。今日の事態ですからいいませんけれども、労働省としては、これはやはり予算を中心に、内閣がちゃんと国の政治、経済計画立てるのですから、よその分野にまであまり立ち入らないように、これは建設省の仕事としてやはりそこで住宅を建てるようにしておいきにならなければ、理屈が少し合わぬのじゃないかと私は思う。まあいろいろの事態を考えて、私はあまり追及しませんけれども、本筋はやはり生かすように努力をしていただきたいということなんです。会計課長も——三人期せずしてこういう結論が出ているのですから、これは大臣から聞かなければいかぬ問題ですけれども、一応こういう割り振りが一昨年からこれが続いておるわけですが、もうぼちぼち本筋に戻していいのではないかと私は思うのですが、この予算を立てられたわけですが、どういう説明をせられますか。会計課長からひとつ意見を聞いておきたい。
○政府委員(住栄作君) 失業保険のいろいろの積立金は、もちろんこれは失業保険事業に充てるために徴収された保険料のうち、剰余部分を充てておるわけでございますが、これを失業保険事業の一環としまして、福祉施設に使用するということにつきましては、失業保険法の中にも規定はあるわけでございます。制度的にはそういうようになっておるのでございますが、もちろん失業保険の積立金でございますから、それが失業の予防とか、あるいは失業者の就職の促進、こういう目的のものに使われる、これは当然のことだと思うのでございますが、先生もおっしゃいましたように、それにはおのずから限度もあろうかと思うわけでございます。その限度というものをどういうように解釈していくかということにつきましては、そのときの雇用失業情勢、あるいは社会情勢等の観点から、まあ一応客観的に容認されるべきものでなければならぬと考えるわけでございます。特に住宅の問題につきましては、先ほどからもお話がありましたように、現在労働力の地域間のアンバランスがあって、非常に失業情勢の悪いところ、したがって、失業保険の受給者が安定所に殺到しているところがあるかと思いますと、労働力が非常に不足しているというような状況でございまして、そういったことのために需要地に住宅を建てる、まあ私どもの考え方は、そこを移転就職者が永久の住宅としてそこに住まわせるということでなくて、国の一般住宅政策が徹底いたしまして、そういうものに収容されるまでの間、暫定的に落ちついてもらう、こういう趣旨のもとに、現在の雇用失業情勢から考えて、まあやむを得ない点があるのじゃないだろうか、こういうように実は考えておるわけでございます。 なお、建設省の住宅対策との関係におきましては、たとえば炭鉱離職者が永久に住むために、住宅計画のワクからリザーブをしていただく。したがいまして、移転就職者用の住宅に暫定的に入って、そうして建設省の住宅計画、これは都会地中心にでき上がっているわけでありますが、そういったものの中から一定のワクを見込んでおいていただきまして、逐次そこに移動をしていただく、こういうようなことも建設当局とも連絡して考えておるわけでございますので、住宅につきましては、いろいろ御指摘のような問題があるかと思うのでございますが、現在の情勢からやむを得ない、こういう観点から実は予算の審議をお願いしておるような状態でございますので、よろしくお願いいたします。
○藤田藤太郎君 僕はまああなたをあまり責めませんけれども、今の殺到率を見たって、大体大都会を中心とする太平洋ベルト地帯といわれるところは、殺到率が〇・九を頂点にして、〇・六ということなんですよ。だから、生産労働力が足らないというのは、むしろ経済を一番になっている通産行政にあるわけなんですよ。通産省から建設省に頼んで、建設省に大いに住宅を建設してもらうというのが筋です。労働省が何もかも受けて、こぼれてきたものを受けて、そしてよそのほうの分野まで手を出して、そして積み立てた金は、また失業保険のときに申し上げますが、労使が積み立てて、政府も積み立てて、ぴしゃっとやっておいて、そして余ったものは住宅のよその分野までとってここに四十七億も入れる必要はなかろうと、私はそう思う。いろいろ一般の問題を参酌してとおっしゃったから、きょうのところはこれ以上追及しませんけれども、もうぼちぼち方向をかえて、本筋に戻してもらいたいというのが私のお願いですよ。
○委員長(加瀬完君) 他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十三分散会 —————・—————