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43回国会参議院1963/02/21

社会労働委員会 第5号

発言数
133
登壇者
14
会派数
2
開催日
1963/02/21

会議録

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。  委員の異動についてお知らせいたします。二月十九日、高橋進太郎君が委員を辞任せられまして、その補欠に徳永正利君が選任せられました。   —————————————

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  日本原子力研究所における労働問題に関する件及び総合職業訓練の問題に関する件を調査のため、日本原子力研究所副理事長森田乕男君及び雇用促進事業団理事近藤凡夫君を参考人として決定し、その出席を要求したいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   —————————————

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 労働情勢に関する調査を議題といたします。質疑の通告がございますので、順次御発言を願います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 きょうは三十八年度の予算についての質問をしたい、こういうことを予定しておったのでありますが、労働大臣の都合で、十一時過ぎまでしか時間がないようでございますから、大臣のおいでになる間、新しい労働行政についての御意見がございます。ですからこの点について二、三承わりたい、こう思うわけでございます。  この大臣のごあいさつの中にいろいろと御意見がございますけれども、何といっても、完全雇用の達成と労働条件の向上という項目で申し上げれば、二つにしぼることができると思うわけでございます。そして、今度の予算を見てみますと、いろいろな面が盛られております。しかし、今日まで労働省が言われて参りました百二十六万の技能労働者の不足、それから労働省の調査部で統計が出ておりますように、たとえば低所得者の問題を見ますと、九百五十万の低所得者がいるということでございます。片面を見ると、何といつでも潜在失業者がたくさんの数を占めておるという面がここら辺の面からもうかがえるわけでございます。ですから、私は、何といっても早急に完全雇用の方向をひとつ出していただきたい。訓練にいたしましても、技能労働者を作り上げるための十分な訓練構想はございませんし、私は、どうも昨年より努力されて予算をふやされて、そして努力をされたことはよくわかるのでありますけれども、しかし、年次計画的においても、やはり完全雇用はこうやっていくのだということをお出しにならないといけないような状態にきておるのではないか、経済の面から考えてもそう思うのでありますから、ひとつ完全雇用の道、潜在失業者解消の道、こういうことを考えて参りますと、私は、たとえば労働時間の短縮をどういう工合にして、労働力の配置をどうするとか、そういうものを中心にした完全雇用の年次計画というものをお立てになっていいのではないか、そういう気がするわけですが、労働大臣のお考えはどんなようにされておるか、お聞きしたいと思うのであります。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 完全雇用の問題について年次計画を立てるべき時期がきているのではないか、こういう御趣旨の御質問と承ったのでございます。私も、お説には全く同感でございます。完全雇用の前提でありまする経済成長政策というものが年次計画に乗って進められつつあるのでございますから、こまかい計画とまではいかなくとも、大よその到達の目標とか、あるいはそれまでに行なうべきいろいろな施策等につきまして見込みを立て、これを計画にしていくということは、今後の労働政策の進め方の上から申しましても、まことに必要、かつ、適切なことであると考えます。ただ、現在の労働省といたしましては、部分的にそういう計画がある程度でございまして、総合的な計画ということまではまだきておりません。これにつきましても、今後調査研究を進めまして、すみやかにこうした計画を作り上げるべく努力をいたしたいと存じます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 大臣のお気持はよくわかるわけでありますけれども、しかし、たとえばここで中高年の雇用対策、就職対策をどうするかという問題が一つございます。このことは私の主観でありますけれども、中高年の就労対策というのは、現状の都市や農村におけるといいましょうか、主として都市でございますけれども、ここにおける中高年の失業者の就労対策を立てるという、これが一つの大きな問題でございます。もう一つの、中高年の対策を立てるにいたしましても、零細農が、経済の進みにおいて自分の生活を求めていく場というのは、やっぱりより高い収入のところを見つけて生活を豊かにしたいという要求は、就職転換という必ず欲求が年ごとに私は高まってくる。そうなって参りますと、今の中高年の就職対策も、たとえば求人と求職の関係を見ると、一〇何%という、情けない低い状態でありますけれども、だんだんと私は深刻になるんではないか。それも技能のない労働者、こういう形の方々がふえていくのではないか、私はそう思うのであります。これに対しても労働省としては努力をしていただかなければなりませんし、本年も少し予算をふやして努力をしていただいているわけでございます。また、職業訓練におきましても、職業訓練で技能労働者を少しずつふやして、高度なものもありましょうが、簡単な技能でもつけて職についてもらうという努力をされておるようでありますけれども、しかし、こういうものをおやりになっても、この前の国会で私がここで議論をいたしましたように、今就職しているものが非常に長時間の労働をしている。そして、そういうところにはかかっているけれども、新しい労働力を吸収をする雇用者のほうにかまえがないということでありますれば、いかに労働省ががんばられても、それを吸収するところが私はないと思うのです。そういうことを考えてみますと、何としてもここではもう完全雇用の年次計画というようなものを立てなければ問題は解決しないのじゃないか。努力されていることはよくわかりますけれども、せっかく努力されていることが、国民の側からすれば、受け入れるときには一歩も進んでいないという格好になりはせぬかと私は思うのでありますから、そういう点からいっても、完全雇用の年次計画、将来の計画というものをぜひ打ち立てていただきたい。これなしには、このようないろいろの問題の解決をすることができないのではないか、まあこう思うわけでございます。だから、労働大臣のお気持はわかりますけれども、しかし、もうその気持だけの問題じゃない、具体的な施策の段階に入ってきているのではないか、私はそう思う。いつも私は議論をいたしますけれども、この問も予算委員会で一言いったのですが、どうも生産設備拡大だけをやって、その生産力が六割あまりか七割近くしか動いていないで、あとは宝の持ち腐れになっている。こんなもったいないことはないのではないか。その面からも、勤労を通じて生活を引き上げていく、労働力のあるものは、完全雇用を通じて生活を引き上げていく、これが経済発展の基礎になっていくのだという角度からいっても、完全雇用の計画を今お立てになるときではないか、私はそう思うのです。ですから、私は、大臣のお気持がそういうことでありますれば、各担当部門においてどういう工合にその計画をされているか、それもお聞かせを願いたいと私は思うのです。

三治重信労働省職業安定局長

○政府委員(三治重信君) 完全雇用計画の年次別というものにつきましては、私たち、まだその計画の段階にまで至ってないわけですが、新産業都市の新立法が施行されるにあたりまして、各地域から産業都市の地域計画で相当参っております。それを総合してみますと、全体の長期計画による労務の需給計画から見ると、大体地方の雇用をただ単純に集計しただけで二・五倍くらいの予想になって、非常に労働力不足の傾向になる。それはまあ各地方都市においては、非常に意欲的な投資計画なり、産業発展計画になっているわけであります。したがって、これをわれわれが調整しないというと、各地方々々で非常にばらばらになるということで、私たちは三十八年度におきましては、この新産業都市のいろいろの計画を労働の立場から調整する検討を始めておりまして、地域別、産業別の雇用計画というものについての全体の労務需給計画の試案を三十八年度では一応作りたいと思います。それと今後の新産業都市のいわゆる指定計画というものに労務の需給計画の見通しをはっきりさすという計画、こういうものを作って参りたい。これによりまして国全体としての、いわゆる完全雇用への接近の年次計画とまでは至りませんが、より具体的な地域別、産業別の労務の需給計画というものが、相当具体的に計数がはじけると思って、目下努力中でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それに関連して、もう一つ訓練局長にお尋ねしておきたいのですが、三十八年度の訓練計画は、大体直接総合訓練、一般訓練、それから事業内訓練、委託訓練、合わせてどういう工合に、何人になりますか。

村上茂利労働省職業訓練局長

○政府委員(村上茂利君) お答えいたします。三十八年度の職業訓練の規模を申し上げますと、いわゆる公共職業訓練として行ないます数は、一般職業訓練といたしましては四万三千八百六十五人、それから中高年令層、炭鉱離職者等を含みまして、いわゆる転職訓練の形で行ないますものが三万一千三百二十五名を予定いたしております。なお、別に事業内職業訓練がございますが、これは必ずしも予算と見合いませんけれども、三十八年度におきましても、できるだけ促進して参りたいと考えておる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうすると、訓練局長にお尋ねしますが、両方合わせて七万五千くらいの数ですけれども、百二十六万の技能労働者不足という問題は何で解消しようというのですか。

村上茂利労働省職業訓練局長

○政府委員(村上茂利君) 先ほど大臣に御質問ございましたが、長期的な完全雇用との関連におきまして、将来どのように技能労働者を養成するかというような課題が私どものほうにも課せられておるわけでございますが、当面の百二十六万の技能労働者不足という問題と、長期的に見ました場合に、所得倍増計画との関連の問題も別にあるわけでございます。そこで、職業訓練として行ないます場合には、御承知のような、訓練所の建設というような物的施設の充実の問題もあるわけでございますし、一方におきましては、民間におきます事業内訓練の助成強化という問題もあるわけでございます。そういった面を考えまして、労働省としましては、職業訓練長期基本計画を策定いたしているところでありますが、御参考までにその数字を申し上げますると、昭和三十四年から三十五年の間にどの程度の技能者を養成するか、その目標を次のように定めているわけでございます。すなわち、熟練工につきましては六十一万人養成いたしたい。それから、いわゆる半熟練工、半熟練工というのはどの程度のものをいうのかという問題はございましょうが、一応経験三年以上、六年未満程度のものを半熟練工といたしまして、その半熟練工を九十四万人訓練いたしたい。すなわち、熟練工及び半熟練工を合わせまして百五十五万人を養成したい。それから、別に再訓練の方法を用いまして、百三十九万人の再訓練を行ない、別に第一線監督者に対しましては、四十二万人について、職長訓練を実施いたしたい、こういう目標を策定しておったところでございまするが、この計画を遂行できましたならば、おおむね所得倍増計画で目標といたしております目標には近いものが実現できるのではなかろうか、こういうふうに予定している次第でございますけれども、何分にも、そういった計画と現実の施設整備等についてのズレが生ずる可能性がございます。すでに本委員会におきましても、藤田先生初め、諸先生から、訓練施設の充実につきまして、いろいろ御指摘があったわけでございますが、そういう御指摘にかんがみまして、三十八年度では、できるだけ施設拡大をいたしたい。そこで、先ほど御答弁申し上げました数のほかに、三十八年度中に約一万七千名の訓練が可能なように、施設だけを三十八年度中に拡大していく、訓練を三十九年度から開始いたしたい、かような計画が別にあるわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 まあ私は具体的な話をちょっと聞いたわけですけれども、三十八年度中に一万七千人分拡大をする。しかし、私は、やはり技能労働者の不足に対しては、事業内訓練でもやらない限り、七万五千くらいのことではとても——倍増計画だと思うのです。先ほどおっしゃったのは三十五年とおっしゃったが、四十五年でしょう。昭和三十四年から四十五年までですね、そうですね……。

村上茂利労働省職業訓練局長

○政府委員(村上茂利君) そうです。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それで、三百五十万ほどの訓練をおやりになるというのでありますけれども、今年のこういう歩み方では、とてもそんなところへいきそうなはずがないわけであります。これは問題の数字がけたはずれでありますから、私は、こういう状態で職業訓練行政を置いておいて、職業案長のお話を聞きますと、三十八年度中に地域別、産業別産業都市開発の試案を作ってみて計画を立てよう、こういうことでありますけれども、今は一次産業じゃなしに、二次産業ですね、転換しなければならんところは二次産業であって、そこへ持っていこうとするのに一番必要なのは訓練だと私は思うのです。第三次産業にうんとふやしていこうというなら、これは別ですけれども、訓練の問題は技能をつけるということが必要であろう。だから公共訓練合わせて、その各事業内における技術有能者を使って全体の技術をあげていくというような格好の保護助成なんというような問題は、私は相当真剣に考えられていいんではないか、こう思うのですけれども、ここではあまり明確にならないわけです。そうなっていくと、大臣の先ほどおっしゃいましたこの完全雇用をやっていくんだ、やろうとして今一生懸命に今年から努力するのだということと、具体的な行政の面を二つ合わせてみると、少し私はズレが大き過ぎるのではないか、こう思うのです。たとえばILOが、昨年四十時間労働制をきめましたけれども、それが具体的な行政の面に入っていって、四十九時間以上働いている人が、農業労働者を含めて、二千五百万人もいる、一千万人の潜在失業者がおる。これを四十時間したら解消するか。それじゃ年次的にどう解消していくかといったら、その中には、相当な技術訓練をそこに加えなければ、技術能力のないものを職場にやっても、これは生産になるかどうかという大問題が起きてくる。そうなって参りますから、この完全雇用というのは、口で言うだけなら言いやすいのでありますけれども、この完全雇用に持っていくためには、その十分な配慮というものが一般の行政において行なわれつつ、計画を、順次その到達目標に向かって努力しておるんだといわれるなら私もわかるわけでありますけれども、そういう努力がされてなくて完全雇用をやるのだということだけを聞く。こういうことでは私は少し了解がしにくい。  それで、大臣のおっしゃいました中高年や職業訓練や、その他の行政について努力されておることは、私は、昨年より今年努力されておることはわかりますけれども、一体このきょうまでのベースで労働行政をやっていこうとしたら、ちょっとずつちょっとずつ進んでいく以外にないのではないか。今や経済との関連で、外国の労働者のベースに合わそうとしたら、私はきちっと労働時間は幾らになる。どういう工合に年次計画をやって、生産労働者としてどういう労働力の配置をしていくのだということが出てこなければ、私は、たとえば労働時間の週二日休みの四十時間の勧告がきまっておりますが、四十九時間以上働いておるのが二千五百万もおるという状態。これをそれならどうして解消するかということになって参りますと、なかなか労働省としても答えが出ないのではないかと私は思う。だから、そういうことばかり私は責めるわけではありませんが、何とかこのILOのほうや各国が今努力しておるこの目標の労働行政をやろうとするなら、大胆に日本の政治の中に完全雇用の問題というものを具体的に、計画的にばさっと天下に打ち出さなければ、労働省は、大臣以下、毎年苦労をされるけれども、実が結ばないということに終わってしまうのではないか、私はそう思う。そういうことは、一面から見れば日本の経済についても一プラスになっていない。マイナスだ。マイナスとはいわないが、プラスになっていないという答えになるのではないか。私はそう思いますから、大胆に私はILOのこの勧告を含めて、どうやっていこうというこの気持を大臣からお聞かせを願いたいと思うわけです。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) ILOの諸条約あるいは諸決議というものは、これは経済の発展の基礎になるものであり、わが国としても、だんだんにその方向に向かって国内の整備を急ぐべきものであるということは申すまでもございません。ただ、やはり経済の発展の段階に応じまして、逐次にこれに即応した施策を行なっていくということが、やはり経済の重要な部門を担当いたしまする労働省としては必要なことではないかと、こう思うのでございまして、今後とも経済の伸展、また、技術なり、また、労働面の実情を考え合わせて、その方向に進むようにいたしたいと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 お言葉を返すようでありますけれども、経済の伸展に沿って労働事情をよくしていこうとよく言われますけれども、そこに問題点が私はあると思う。そこに問題点がある。なぜかと申し上げますと、経済は、池田さんの言われるように、生産設備は非常に膨大にでき過ぎるほどできているわけですが、消費の面ができていないから、六割あまりしか日本の生産機関は動いていないというのが現状じゃありませんか。だから、日本の国民所得も、じいさんもあかちゃんもまぜて十六万何千円になろうとしているのでありますけれども、それが生産と消費のバランスがとれてないから、今のように経済が動いてないわけですよ。ですから、何といっても、日本のように、生産力を握っているところにだけ所得が固まっているようなことをやっているから経済が動かない。外国の例を見てみなさいよ。これは賃金問題になりますけれども、生産性と賃金上昇率は、ここ十年以来、賃金上昇率のほうが高い。なぜ高いか。物価が少し上がったから、それだけカバーするだけ高い。同じにして物価が横ばいという原則でやっておりますからそういうことが出てきているわけであります。ですから、むだな経済になっていない。ところが、そういう意味で、今外国の経済が少し鈍化しておりますけれども、その調整のための鈍化でありますが、日本はそうじゃなしに、自由主義、自由経済の過大な、行き過ぎた設備投資資金の負担に応じて経済が鈍化している。全くこれは国民の犠牲以外に何ものもない。これは私は損得の議論をするわけじゃないのですけれども、そういう面からいって、今こそ大胆に、これだけの生産力があるのだから、これだけの国民の購買力を作る、このためにはこれだけの労働時間で完全雇用にする、これだけの購買力を国民の中に作って経済力を維持しようじゃないかという建前に立って、ILOが示しているような、あの完全雇用の道の一つの柱である労働時間の短縮を中心にしたそういう完全雇用の計画を大胆に——今の経済がよくなれば、国民の生活も労働者もよくなっていくのだと、こういうものに対して新しいかまえを——労働行政というのは労働者を守る、それはあわせて国の経済を守るという立場から完全雇用の計画というものをお出しにならなければ、この問題は、個々の面では非常に皆さん努力されておりますけれども、解決しないのではないかということを私は先ほどから申し上げているわけであります。ですから、経済が伸びたらみんながよくなるということは、一面的にはわかりますけれども、日本はそんな現状であるのかどうかということをひとつお考えをいただきたい。そうして、その訓練の面や、労働力の配置の面や、賃金、あわせて購買力の問題も、そういうところを総合して完全雇用の計画というものをひとつ立てていただかなければ問題は解消しないのじゃないか、それをひとつお出しになったらどうですかということを言っているわけです。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) なるほど現在生産設備の一部が運転していないというようなことは、事実としてあると存じます。そうして、それが国内の消費の不足のためであるということもいえるとは思いますが、しかし、もともと現在の状況は、国内の経済問題が主ではございましょうが、しかし、それが国内だけで処理できる問題でなく、やはり国際収支の問題とからんで現在のような状況が出てきておると思うのでございます。したがいまして、私どもは、単に国内的観点だけからこの労働時間とか、あるいは賃金を完全雇用の方向へ持っていけば、それでうまくいくじゃないかというふうには考えられませんので、やはり日本の経済の底力をつけまして、そうして外国との商品の交流を盛んにし、しかも、国際収支を改善するということがなければ、労働条件の改善も、将来にわたって安定させていくことはできないのではないか、こう思うのでございまして、したがいまして、やはり経済の発展と即応して労働条件の問題を考えていくということが、真に安定した向上をこいねがうゆえんである、かように存じておるのでございます。もちろん労働時間の問題につきましては、わが国も四十八時間の労働時間の制限をいたしておるようでざざいますし、また、それが世界的な時間の水準から見ましても、決して短いものではないし、日本の国情から見ましても、これをすみやかに励行することが必要ではないかと思いまするので、超過労働につきましては、できるだけこれを短縮し、四十八時間のワク内におさまるように、進んでは、また短縮するように、できるだけの措置を講じて参りたいと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 まあちょっとこれから議論をし、御意見を伺いたいときに時間がないようで残念なんでありますけれども、経済の発展とか成長というものは何であるか、需要と供給とのバランスによって起きる問題であるわけでありますから、そういう意味を含めて御理解をしていただいてくれるなら、議論というものも、大臣も具体的な問題に論及をしていただけるのではないかと私は思うのでありますけれども、きょうは十分から他の委員会においでになるということですから、私は次の機会に大臣に対する質問は譲りまして、この次ひとつまたお聞かせ願いたいと思うのです。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) ちょっと速記をやめて。   〔速記中止〕

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 速記を起こして。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、まあ予算関係はこの次に譲りますけれども、一つだけ基準局長に聞いておきたいと思うのです。これは基準局長になるのか調査局長になるのかわかりませんけれども、賃金の問題が非常に世間で問題になってくる。なって参りますと、これは労働統計調査部ですか、部長おいでになっていますか。この統計調査書類を見ますと、賃金の上昇の面と生産性の問題との統計が出ているわけであります。ところが、この対照をしなければならぬ労働生産性の統計数字が、去年の九月ごろから生産性と賃金上昇率の見合いの問題が議論になってきたら、九月ごろから一段とごそっと下げて、三十六年だけ変えるというのならともかくとして、それならごまかしがきくかもわかりませんが、そうでなしに、三十五年も三十四年も、または三十三年まで全部統計数字を変えてしまっている。これは何を物語っているか、私はよくわからぬのです。だから、これはどういうことか、一ぺん説明をしてもらいたいと思うのです。

大宮五郎労働大臣官房労働統計調査部長

○説明員(大宮五郎君) お手元に先生お持ちの「労働経済指標」に載っております労働生産性指数は、通産省の発表しております生産指数を労働省の作成しております雇用指数で割りまして、いわば労働者一人一カ月当たりの生産量という形でもって労働生産性を表わしているものでございます。昨年の九月分につきまして通産省の生産指数が改正になりまして、それ以降は新しい数字しか出ないわけでございます。改正しました条件は、三十年基準であったものを、三十五年の生産の状態をよく表わすようなものにするということで三十五年基準にした。それで、さかのぼりまして三十三年まで通産省は指数を修正したわけでございます。私どものほうの指数は、通産省のほうの生産指数が変わりますと、割り算の関係で、どうしてもその結果が変わって参ります。私どものほうの作成しております雇用指数が別に変わったわけではないのでございますが、通産省のほうの生産指数が改訂されましたために、われわれのほうも変えざるを得なかったわけでございまして、別に他意があるわけではないのでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そんなら三十五年を一〇〇にしてやったということですか、通産省の指数は。それで、その一三二というのは何を基礎にして、どこを一〇〇にして一三二というのは出てくるのか。これはやはり三十年を一〇〇にして、ここにも書いておりますがね、この説明はどうなるのです。もう一ぺん言って下さい。

大宮五郎労働大臣官房労働統計調査部長

○説明員(大宮五郎君) 私どものほうの指数は、賃金指数も雇用指数も、従来から三十年基準のものを、三十年を一〇〇にしたものをとっておったわけでございます。それまでは通産省の旧生産指数も、三十年を一〇〇にしたものであったわけでございます。通産省のほうの指数が昨年の九月分から変わりまして、それが私どものほうにわかりましたのが、すでに私どものほうとしては、雇用指数等について計算が終わったあとだったものでございますから、とりあえず一カ月分だけは三十年を一〇〇にしたものを出しておきまして、翌月からは、全部私どものほうの指数を三十五年を一〇〇に改めたわけでございます。したがいまして、現在は全部三十五年を一〇〇にした指数でもって発表しております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それじゃ賃金のほうはどうなりますか、賃金の指数は。

大宮五郎労働大臣官房労働統計調査部長

○説明員(大宮五郎君) 賃金も三十五年を一〇〇にしたものに全部改めております。これは統計審議会で、経済関係の諸指標は、従来三十年基準で統一されておったのでございますが、最近、経済の構造等が大きく変わって参りましたので、できるだけすみやかに各省関係の指標も三十五年を基準にするようにすることが望ましいということになりまして、私どもは、昨年の初めに消費者物価指数が改訂になりましたときにも、一応三十五年基準に変えようかとも思ったのでございますが、生産指数のほうもまだ三十年基準でありましたので、しばらく見送りまして、生産指数の改訂と同時に、全部三十五年に改めたわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうおっしゃいますけれども、昨年の六月二十日のものと十一月二十六日、変わってからのものとあわせて見て、三十三、四、五、六と、この両方が同じ数字をここへ掲げているんです。どこが三十五年を一〇〇にした数字に賃金が変わっていますか。ここは一つも変っていないじゃないですか、前の統計数字と一緒じゃないですか。

大宮五郎労働大臣官房労働統計調査部長

○説明員(大宮五郎君) 昨年十一月に発行いたしました分までは、全部三十年基準のものが載っているわけでございます。十二月から発行したものにつきましては、全部三十五年を一〇〇にしたものになっているわけでございます。したがいまして、六月ごろ出しましたものと、十一月に発行しました分につきましては、同じものが載っているわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、どうも疑いを持つわけです。あなたを責めるわけじゃありませんけれども、今日ノーマルな経済の施策は、たとえば欧洲等のEECのごとく、長期的に労働者の賃金やその他の問題が統計をとられてきているというのは事実なんですよ、どこでも。それを、三十五年の一番賃金が上がった景気の頂点のときにこの指数を変えてしまって、それで格好だけをつけるという、これはあなたの罪とは思いませんけれども、政府全体がこういう指数の使い分けといいましょうか、それをやるということは、私は、何といいますか、こういうことで済むのかなあという感じを持っている。統計調査部は、通産省がそうせいというからそうしたというんですから、私は何もいいませんけれども、今日の改訂の指数というものは、三十年を基準にして労働省の統計も出てきているのに、その一番経済の頂点になったときをぱっと一〇〇として、そのときは賃金と生産性がこうなんだ、この波だという、二、三年の傾向を軽くして見たものの考え方、それまで低かった、バランスがとれていなかった問題をどう解消するかというところに力を入れないで、こういうやり方というのは、いずれ私はほかの機会でこれは問題にしますけれども、どうも納得がいきにくいわけなんです。ちょっとそれでお尋ねしたわけでありますから、けっこうです、この問題は。  それじゃ、予算の問題はあらためてやるといたしまして、きょうは保険局長見えておりますか。それじゃその前に、労働省の方の問題は一応おきまして、原子力研究所の問題についてお尋ねしたいのです。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) ちょっと速記をやめて。   〔速記中止〕

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 速記を起こして。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 科学技術庁の原子力局の次長さんおいでになりますね。この原子力研究所の昨年からの争議のしさいについてはよく御存じだと思うのですが、よろしゅうございますね。  そこで、この昨年の賃上げの経過を見ますと、ここで働いている人が団体交渉をやった。そして、今度は中労委にかけてあっせん案が出た。あっせん案の金額についてまず第一段に問題が起きた。このあっせん案は、中労委は二千二百五十円、ところが、原子力研究所のほうは二千九十九円、そして中労委が、いや、私どもあっせん案として出したのは二千二百五十円なんだといって明確にしているのに、ここのところをあいまいにしておいて、最後は千八百幾らですか、千八百四十六円という給与表を、せっかく団体交渉をしておりながら、組合と団体交渉という人格を認めておりながら、団体交渉を打ち切って、そして勝手に賃金だけ配分してしまった。そういうことは法で認められた不当労働行為で、今地労委ですか、にかかっているわけです。かかっているわけでありますけれども、しかし、私は、そういう労働者に対する不信感、そこで働いている方々に対する不信感で、そしてその労使関係を持っていこう。だからその延長は、今日の新しい年度の賃金の問題についても、そういうものの考え方でやっておいでになるものだから、ざっくばらんに言って、フェア・プレイに、法に認められている団体交渉というものが一つも行なわれていないという格好にきていると私は思う。そうなってくると、原子力研究所というのは、今日社会の科学の先端をいく高度な技術、科学能力の必要な研究をする所だと私は思う。だから、よりここに全知能をぶち込んでいただいて成果をあげていただかなければならぬというのが原子力研究所ではなかろうかと私は思う。そういう重大な役目を持った原子力研究所が、肝心の成果をあげていただかなければならぬそこで働いている方々とその理事者との関係が、こういう不信感の状態では、私は問題がある。国民としての立場からいっても、これは問題があるのではないか、私はそう思う。ですから、原子力局は、このような状態というもの、ここから派生してきた原子力研究所の将来、今日の運営というものをどういう工合につかんでおられて、どういう工合に指導をしておられるか、私はそれをまず第一に聞きたいと思う。

江上竜彦科学技術庁原子力局次長

○説明員(江上竜彦君) 原子力研究所が、国の基本的な課題である原子力平和利用の研究の中核機関として設けられまして、そのためには、特に優秀な研究者の確保に努めなければならぬとともに、最高水準の研究環境を整備しなければならぬという要請に基づきまして作られたものでございます。で、日本原子力研究所のこういう設立の趣旨にかんがみまして、われわれといたしましても、その研究者の処遇につきましては特に考慮しなければならぬ。この種の政府関係機関の中でも、最も高いばかりでなく、民間を含めて考えても、相当上位の水準にあるというところに給与を定めるべきであるという考え方を持っております。なお、研究者以外の職員につきましては、同種の職域にある者との均衡を考慮しつつ適正なところにきめるべきである、かように考えております。これが原子力委員会並びに原子力局として原研の給与に対する考え方の基本でございます。  さて、先ほど藤田先生から御指摘のありました昨年の給与問題でございますが、これはただいまおっしゃいましたように、労使側において団体交渉した結果、中労委の裁定があったわけでございます。中労委の裁定は二千二百五十円、一人平均ですね。二千二百五十円の原資をもって給与の改定をする、こういうことでございます。その解釈につきまして、理事者側といたしましては、三十六年度予算ベースに比較して二千二百五十円の賃上げであるというふうな了解をしてこれを受諾したということでございまして、それについて、当然原子力研究所といえども政府関係機関で、九割以上は政府が出資している機関でございますから、その面における制約があるのは当然でございますので、科学技術庁に対して相談があった、そういう了解で受諾してもよろしいかということで受諾をしたわけでございます。ところが、その解釈をめぐりまして、その後、理事者側と労働組合側との間に食い違いを生じておるというのが現状でございまして、その解釈の相違をめぐって団体交渉をしばしばいたしたのでございますが、妥結をみるに至らず、組合側から水戸の地労委に提訴されておる。不当労働行為であるということで提訴されておるわけでございます。われわれは、現在その地労委の裁定というものを注目しておる、こういう段階でございまして、基本的な原研給与のあり方については先ほど申し上げたことで、これがわれわれの方針である、かよう御承知願いたいと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、副理事長に伺いますが、今の大体同じ質問でございます。それで、どうもその二千二百五十円が二千九十円になって千八百四十六円になったという経緯をひとつお答えを願いたい。

森田乕男日本原子力研究所副理事長

○参考人(森田乕男君) これは根本的に前提だけをひとつ申し上げておきたいと思うので、ございますが、私のほうの法人格は、大体特殊法人ということになっております。そこで、民間からの出資が約五、六%入っているわけでございます。だから九〇数%というものは国家の税金を使ってわれわれのほうは研究いたしております。こういう格好でございますので、科学技術庁なり大蔵省からの御監督というものは、大体政府機関と同様に行なわれておるということは御承知のとおりでございまして、その上に、お金は、われわれは予算の範囲内の分しかないということ、これは当然のことでございますが、一方、特殊法人なるがゆえに、労働組合のほうは、労働法上の権利を十分お持ちになっておる。われわれは、ある程度制限された経営形式しか持ってないということを前提としてお考えおき願いたいと思うのでございます。昨年の二千二百五十円のお話でございますが、これは国の御解釈としては、予算単価にのっとってやるのだと、中労委のお考えから申しますと、これは実行単価でやりなさいということは本心であったろうと思うのでございますが、われわれは、国の御解釈に従って、そういう条件で受諾いたしますという御返事を申し上げたのでございますが、それではほんとうの受諾になってないということは、労働委員会のお話のように承知いたしております。そこに食い違いがございまして三月三十一日に立ち至ったのでございますが、その場合に、どうしてもわれわれとしては従業員のために支払うということは当然でございますし、どうしてもわれわれ自分の大事にしている従業員のためには、この予算を流しては困る。流さないためにはどうするかといいますれば、結局予算の繰り越しをする、予算の繰り越しをする以前に、予備金の申請をしなくちゃいけない。しかしながら、ずっとその当時の経緯から見まして、そういう予備金の使用申請をいたしましても、これは当然通るものじゃないという経営者としての見通しを持ちまして、それでしなかった。それで、このまま推移すればこの予算は流れてしまって、われわれ大事な従業員に支払うことができないということで、どうしても決意をもってお支払いをいたしますと、こういう経緯でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで、私は、組合の方々からお聞きしますと、どうも団体交渉をしておいでになっても、団交をやるのには、政府がきまらないと返事ができない、政府がきまったらこれだと言って、このとおりよりしようがないということだけで、ただ顔を合わすだけに団交がなっている。そこで働いている従業員と理事者との関係というものはどうなっておるか、私が疑問に思うのは、平生行なわれていることが、政府のほうできまらなければそれまで返事ができないと言う。それから、政府がきまったら、もうこのとおりだと、一銭の融通もきかぬのだと、こういう工合に、こういうような団体交渉が行なわれているということを聞いている、これが一つであります。  そこで、もう一つ疑問が起きるのは、さっきのお話の問題なんです。労組法上の手続であっせん申請をされて、中労委の二千二百五十円というあっせん案が出て、その解釈上の問題をめぐって、二千九十九円というのを、中労委は二千二百五十円だと、それでともかくこれを受諾した。受諾しておいて、今度は予算が切れるから云々というお話がございましたが、で、千八百四十六円を組合を通じて配分した、先に金を渡してしまった。今まで団交してきた組合に一言のお答えも言わんで、そうして配分だけしてしまったということになれば、これはどういうことになるのか、そんなことでいいのか。私は、研究所の理事者側としては、こういういきさつをどうお考えになっているのかということをもう少し深くお聞きしたい。

森田乕男日本原子力研究所副理事長

○参考人(森田乕男君) 団体交渉を拒否するとかというようなことは絶対にございませんし、交渉はいつも応じて、十分に意を尽くしてやっている次第でございますが、いかんせん、先ほど申し上げましたとおりに、私自身も民間におりましたから、よけいにその不自由さがわかるのでありますが、自分の金を自分で支払うのではなくて、よそからいただいてくる金を分配するというのが、これが実情でございますので、われわれとしては、一昨年のごとく、国のお考え以上の数字で交渉を進めておって、それがなかなかむずかしくなって組合のほうから中労委に提訴されました。それで、つまりいささか解釈上に疑義のある裁定が下った場合に、私自身も、これは中労委にいたしましても大蔵省にしても、また、科学技術庁にしても、全部これは国家の機関でございますので、その国家の機関の御意思が違った場合に、一体だれがその御裁定をいただくのか、われわれといたしましては、十分に、よけいに支払いたいというのが本心でございます。できますれば、われわれとしては、当然にそれをよけい支払いたいということ、この経営者としての本心はおわかり願えると思うのでございますが、そういういきさつで、十分に協議し、内容を盛った話し合いを昨年もいたしてきたわけでございます。普通の場合、中労委にかけないというような場合には、やはり国からどれくらいもらえるかというめどをつけて交渉を続けているのでございまして、われわれとしては、まるで絵に描いたもちの話をしていると、あとでおまえはうそをついたじゃないかということを言われるようなこともたびたび経験いたしておりますので、なかなかにわれわれとしては、決断をもって内容のあるお話をしがたいというのが現状でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 あなたもそこの理事者でございますから、これだけのものが必要だ、だから、それだけのものは政府に対して要求をして問題の解決をはかっていくという努力をおやりになっていただかなければ、この問題は解決しないと思う。中労委であっせん案が出たけれども、そんなものはどうでもいいのだ、二千二百五十円のあっせん案が出たのに、千八百四十六円しか払えないというようなことで押しつけておられるのか、そこらあたりをお聞きしたい。

江上竜彦科学技術庁原子力局次長

○説明員(江上竜彦君) 特殊法人であります以上は法令上の制約がある、これは当然でございますけれども、あくまで団体交渉というのは、理事者がその自主性において組合側と交渉されるべきものでございます。その理事者側の判断の中に、その特殊法人であるという制約が判断の一つの要素として入ってくる、これは当然のことだと思われます。  さて、その中労委の受諾にあたりましても同様のことでございまして、理事者側としては、この二千二百五十円の裁定というものは、予算ベースを基礎にしたものである、こういう判断のもとに受諾したい、こういう御相談に対してわれわれは了解した、こういうことでございます。現実に千八百何がしか払ってないということは、われわれとしては関係のない問題。われわれが了承しましたのは、予算、ベースに対して二千二百五十円アップの線で妥結するということでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうすると、何ですか、中労委という公の調整機関を尊重されているわけですね。そういう意味ですね。

江上竜彦科学技術庁原子力局次長

○説明員(江上竜彦君) そのとうりでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そういたしますと、副理事長の森田さん、少し話が食い違ってきやしませんかね。私は、団体交渉の中で金額が高いとか安いとかいう議論があるということは、労使双方の中でございますから、私がどうせいこうせいというようなことは口はさむものではございません。それはもう自主的な関係においておやりになることですけれども、少なくとも、その調整機関としての中労委が一定の額を裁定する、労働組合側も受諾する、理事者、当局側も受諾するということになりますれば、これはやはり実現するという建前、この公の調整機関、特に行政委員会なんですよ、あそこも。中央労働委員会というのは行政委員会なんですから、やはりその決定を尊重するということでなければ、世の中は私は進まないと思うのです。そういう格好で二千二百五十円が出たので、それは予算上のベースとして、原子力局はそういう理解のもとに受諾しなさいといったと、こうおっしゃっている。あなたのほうは二千九十九円でやれといって、しまいは千八百四十六円だと、それだけを組合を肩すかして従業員に配分してしまったということであれば、正常な労使関係というものは、こういうところからは生まれてこないのではないか、私はそう思うのです。ちょっと言い過ぎでございましょうか。御所見を承りたい。

森田乕男日本原子力研究所副理事長

○参考人(森田乕男君) 二千九十九円というのは、これはやはり大蔵省その他の、国家としての中労委の裁定の御解釈なんでございまして、われわれとしてはこれに従わざるを得ないということで、従いまして、二千九十九円の金だけは全部分配をいたしたと、こういうことでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私が組合から聞いているのによりますと、千八百四十六円の給与表を作成して、これを、これ以上は賃上げは絶対認めないとして、組合と全然話をせんで分配してしまった。それからはもう組合との関係は全部ぷつっと切れてしまった。ただ、団体交渉として申し込むと、顔合わすことにはなるけれども、この問題は一切だめだ。こんなことでは、政府の関係と、それからその研究所の関係というものは——片っ方は労働者なんですからね。この不信感をやはり取り去らなければ、労使関係というものは私はうまくいかぬと思うのです。そこのところあたりが、どうも私も聞いておって理解に苦しむところなんです。で、こういう労使慣行でことしから将来の労使関係をお持ちになろうとすれば、私は重大な問題じゃないかと思うのです。私は、きょうここへお忙しいところを来ていただきましたのは、政府側である科学技術庁の関係の方々と、それからこの研究所の方々、理事者、労働者との関係がどうなっているか。どうも私の判断では理解ができませんので、こんなあいまいな状態で、将来この政府外郭団体の機関が、そういうあいまいな状態の中で、自由に裁量によって理事者側がやれるような状態で済むとしたらたいへんなことではないか。六十幾つ外郭団体があるわけでありますから、だから、たいへんなことだと思って、原子力委員会の過去の例についてちょっとお尋ねをしておるわけでございます。ですから、副理事長さん、ひとつそういう点は少し食い違いがあるのじゃないですか、千八百四十六円と二千九十九円の関係は。

森田乕男日本原子力研究所副理事長

○参考人(森田乕男君) これは配分の問題でございまして、配分の問題にもいろいろわれわれのほうには制約がございます。そういうことが一つあるわけでございます。それから、三十七年度に関する限り、その原資は、全部一時金として組合に支払いました。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 なおわからなくなってくるわけですがね。その二千二百五十円という中労委のあっせんを受けた、それが二千九十九円だといってすったもんだされたようでありますけれども、結局双方で中労委のあっせんを——まあお亡くなりになりましたけれども、藤林さんの出された二千二百五十円があっせん案の額なんだということを確認をされた。そういういきさつを含んで受諾されて、今原子力局も二千二百五十円という予算単価の中で施行できるということで受諾したとおっしゃっているわけなんですが、実際に払った額は千八百四十六円だと、こういうことですね。そのときには、せっかく今まで団体交渉をやっていた組合も通さずにこの問題を処理したという。それで、今お話を聞くと、給与表がありますのでということでは、これはその行政委員会としての中央労働委員会の、国民みんなが守っていかなきゃならぬ調整機関というものに対して、私は問題がありはしませんですかね、これは。

森田乕男日本原子力研究所副理事長

○参考人(森田乕男君) 今原子力局から申されました、二千二百五十円を認めたとおっしゃったのは、それは藤田先生のまあちょっと御了解違いでないかと思うのでございますが、予算ベースで二千九十九円をということを認められたということになっていると思うのです。

江上竜彦科学技術庁原子力局次長

○説明員(江上竜彦君) ちょっと誤解があるようですから申し上げますと、ここに原子力研究所があっせん員藤林敬三殿あてに出した回答書がございます。「日本原子力研究所は、昭和三十七年三月八日付で、貴委員会から提示されたあっせん案については、あっせん案第一項の「職員一人当り平均月額二千二百五十円(税込)」は昭和三十六年十月一日現在において実施される給与改訂の平均一人当りの所要源資として昭和三十六年度予算単価(二万八千九百四十一円に上積みされるものであると諒解してこれを受諾いたします。貴委員会の長期に亘る御尽力に対し茲に深甚なる謝意を表します。」、こういう形で受諾したいということに対して原子力局は了承したと、こういうことでございます。

森田乕男日本原子力研究所副理事長

○参考人(森田乕男君) そのとおりなのでございますが、つまり二千二百五十円を何の上に積み上げるかということが問題になって、結論的に二千九十九円になるということであったので、原子力局のおっしゃるのは、予算単価にこれを積めということを研究所も書いているわけなんです。しかしながら、藤林さんのおなかの中はそうじゃなくて、実行単価、こういうものというものは、現実のそのときの金に積むのがそのときの常識であり、原則である。これは労働法上の大原則であるというお考えを向こうさんはお持ちになっておりましたので、それに二千二百五十円を積むのと予算単価に積むのとでは違いが出てきたと、こういうことでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 今前段はそこでよくわかって参りました。この二万九千九十二円の現在の賃金をもらっているベースですね、これに一人当たりの二千二百五十円のベース・アップということのあっせん案をお出しになったのですから、それをお受けになったということに、これはもう労働者の方はそうお受け取りになるのは当然ですし、また、賃上げというのはそういうものだし、あっせんをおやりになった藤林さんもそう言われるのは当然だと私は思うのです。それを予算単価の二万八千九百四十一円に二千二百五十円だというところで、ここで食い違いが一つ出てきたということですね。これは非常に残念なことだと思うのです。だから、私は、この段階においても、原子力局は、実際の問題との関係において、十分に当局側と相談されて、実際に中労委があっせんしたときにおいて処理される問題ではなかろうかと私は思うのです。これが一つです。  それから、後段の、それを千八百四十六円に下げて、つんぼさじきに置いておいて組合員に配分したというのは、これはちょっとわかりませんね。それはどういう工合にお答えをいただけるのですか。

森田乕男日本原子力研究所副理事長

○参考人(森田乕男君) これは、配分につきましてはいろいろ制約があって、この金でもって本年度の昇給原資とするということなんでございまして、その中には手当があったり、いろいろのものがございますから、あとで逆算すればそういうことになるということなんで、全部の金は全従業員に渡っております。これは間違いありませんし、われわれのところでそういう金を残すという必要もありませんし、絶対によけい支払いたいというのがわれわれの所存なんでございますから、そういうことはございません。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうすると、中労委のあっせん案と違いますけれども、二千九十九円分は全部払ったとおっしゃるわけですか。

森田乕男日本原子力研究所副理事長

○参考人(森田乕男君) さようでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 千八百四十六円というのはどういうところなんですか。

森田乕男日本原子力研究所副理事長

○参考人(森田乕男君) 私、きょうこまかい数字を持って参りませんから、はっきりは申し上げられませんが、たとえばほかにこういうものには手当をつけるとかいう金もその中に含まれておりますので、一般につまり平均すればそうなったということで、それから、三十七年度に関する限りは、その原資でもって全部一時金として支払ったということを組合に十分に話をいたしました。それから、三月三十一日に二千九十九円の原資の債務確定をしておるわけでございまして、それ以上の金はわれわれのほうではどうしても出ないということは、これはもう間違いない話なんでございます。二千九十九円に関する限りは全部お支払いし、こういう配分方法でやるからということで、何回も組合にも話をかけて、そして交渉しようじゃないか、話もしてくれといってこちらからも申し込んだことが数回あったのでございますが、向こうさんが、二千九十九円で話をするなら話をしないとおっしゃるものですから、なかなか内容に立ち至ってまで話はできなかったけれども、われわれとしては、これをもう支払わないとたいへんなことになって、全従業員の福祉に関係があるから、やむを得ないから払おうじゃないかと腹をきめて、経営者としては私は当然だと思ってお支払いをいたしました。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 どうもその辺になるとよくわからぬようになってしまうのですけれども、私は、この問題はいつまでもやる気はありませんが、こういう工合に確認してよろしゅうございますか。団体交渉は今日でもおやりになっている、問題があれば。それから、たとえば労働委員会のようなところであっせんをした場合の認識を私はやり改めてもらいたいと思うのです。その予算ベースだ実際のベースだといって、それじゃ二千二百五十円あっせん案で受諾して上がったと、労働者はそれじゃ二千二百五十円上がるのだと思っていたら、二千九十九円だった。そういう格好になったら、これはあっせんをした人も失望を感じるでしょうし、これあたりの問題は、将来これはうんと考えていただかなければならぬ問題ではなかろうか。これは原子力局にもお願いをしておきたいと思います。予算上いろいろのものがあっても、あっせん員としては、ただあっせん案というものはぶっつけたらいいということであっせんをするのではない。これだけのものは余裕をもって支払えるのだという建前をもってあっせん案というものは出すものだ。だから、その点何か機械的に予算ベースだからというような格好でこういうことになりますと、なおさら不信感というものが私は生まれてくると思うのです。ただ、だいぶ済んだことでありますし、私は、これを今の段階では——将来どうか知りませんけれども、この問題は、今の段階ではそれ以上追及しようとは思いませんが、そういう点はぜひ改めてもらいたいと思うのです。そうでなければ、理事者と労働者との間に不信感が生まれるだけだと私は思います。だから、そういう点は、少なくとも調整機関の労働委員会というものが調整をしたときには、理事者側も、やはり政府側——直接監督官庁になります科学技術庁の関係の方々も、それはやはりそこで問題を処理されるというなら、あらゆる努力してそこでやはり問題を解決する。少なくとも、社会に受諾だという方式までお出しになった。そこで内容について問題の残っているというようなことのないように、ぜひ私はしてもらいたい。将来の問題は、そういう努力をしてもらうようにお願いしておきたいと思います。  それから、もう一つお聞きしたいことは、三十八年度のこれからの賃金の問題なんです。昨年の暮れから賃上げが要求されて団体交渉がされている。ところが、その団体交渉で顔を合わすだけで、ほとんど問題になっていないような気がするわけです、私の聞いている範囲では。これは実際にあなたから聞かなければわかりませんが、とにかく何を言っても、政府が方針を出さない限り、返事のしょうがないのだという問題、たとえば政府で一つなら一つの問題がきまれば、これできまったのだからおまえは従え、労使関係で、憲法や、たとえば基準法においても、賃金、労働条件は労使対等の立場できめるという大原則がうたわれているわけです。それに一方的にこういうことになっているというのは、その機構が悪いのか、理事者側自身でその問題がなかなかむずかしいというなら、こういう外郭団体の機構が悪いのかどうか、機構が悪いならば、機構の問題にメスを入れなければならぬと私は思うわけです。ですから、そのどちらが悪いのか、その点を一つ原子力局と理事者の森田さんとからお答えを願いたい。

江上竜彦科学技術庁原子力局次長

○説明員(江上竜彦君) これはあえて原子力研究所だけの問題ではなく、同種の政府関係全体に通ずる問題である、かように考えられますが、大部分の金を国民の税金でまかなっておる機関としては、その間におのずからの制約というものは、これは免かれないと思います。しかし、理事者は、だから何も自主性がないということではない。そういったことは理事者の判断の中に当然あるべきであって、したがって、そういう判断を頭に入れつつ、やはり理事者は自主的に組合との交渉に当たり、給与に対する方針を定めるべきである、かように考えております。

森田乕男日本原子力研究所副理事長

○参考人(森田乕男君) 私は、政府機関でございませんから、ほかの関係のことは存じませんので、私の関係している原子力研究所のことだけを申しますれば、一番最初に申し上げましたように、これは根本的には、やはり制度上といいますか、組織の問題に関連してくるのじゃないか。こういう状態で労使間の話し合いを進めるならば、自主性は確かにないとは絶対に申しませんし、これは立場々々の相違がございまして、いろいろ違うとは存じますけれども、非常に限られた中におけるところの自主性であるということは間違いないと存じますので、政府機関と同じようになってしまったらむしろはっきりするかもしれませんし、あるいはもっと自由を与えていただくか、これはもうどちらかひとつ立法府のほうでお考えを願いたいと存ずるわけでございますが、なかなか勝手なことを申しまして……。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 労政局長にお尋ねしますが、まあこの問題はあと二つあるわけです。ここで少しお尋ねしたい問題があるわけですけれども、局長に、今の動向について、去年のあっせん案の経緯、労働委員会の関係、それから今の最後の問題、これについて労働省はどうお考えになっておりますか。

堀秀夫労働省労政局長

○政府委員(堀秀夫君) 昨年の中労委のあっせんをめぐるその後の経緯については私どもも承知しておりますが、この問題は、率直に申しまして、やはりこの中労委のあっせん案を受諾される場合において、関係者の意思がどうもやや食い違っておった点が根本の問題ではないかというふうに思うわけでございます。私どもの立場からいたしますれば、これは藤田先生御指摘のように、中労委という公正な第三者機関が中に入り、努力をいたしましてあっせんが出されました以上、これは当事者においてなるべく尊重してもらいたいということを基本的な立場からは要望したいと思っておるわけでございます。また、そのあっせんが出されるまでの過程におきましては、これも藤田先生御指摘のように、あっせんは、ただ一方的に机の上で出されるものではなくて、その出されるまでの過程において、当事者の状況も十分事情を聴取いたしまして、このくらいは出せるのではないかということを、当事者の陳述等をもとにして出されるというわけでございます。率直に申しまして、その事情聴取の過程において関係者から述べられておったときの事情と、それからあとで受諾されましたときの意思と、その間にやや微妙な食い違いがあったのではないか、この問題はそういう点が根本問題になっておるのではないか、率直に申しましてそう感ずるわけでございます。したがいまして、先ほど指摘されましたように、今後こういう問題の処理については、関係者において十分ひとつ御配意の上、いやしくも関係者に意思の食い違いがあったために後日に問題が残ることのないように、善処方をお願いしたいと思っておるわけでございます。  今後の問題でございまするが、これは言うまでもなく、三公社五現業と異なりまして、いわゆる政労協関係の政府機関におきましては、労組法、労調法が適用されておるわけでございます。ただ、その間において、これらの機関が、その業務の公共性、特殊性にかんがみまして、政府あるいは地方公共団体の出資金によって設立される、あるいはその業務の運営についても、交付金、補助金が出されておるわけでございます。その関係からして主務官庁等との監督権というものが、これは設置法自体において明記されておるわけでございます。しかし、でありまするから、この二つの別の面からのおのおのの柱があるわけでございますので、運用はなかなか困難な面があると思いますが、私どもは、やはり団交権が認められておりまする以上、当事者において、十分に誠意をもって団交を尽くされることは当然であろうと思うのであります。ただ、ただいま申しましたようなこれらの機関についての特殊性がございまするが、これは労使関係者においても、その公団あるいは研究所というような特殊性を十分御理解の上団交をされる、しかし、団交はあくまでも自主的にされるということは当然であろうと思うのでございます。したがいまして、これらの先ほど申し上げました労組法、労調法が全面的に適用になっておるということと、ただし、公団、公庫等の間に、中には特殊性があるということを考えあわせながら、当事者間において十分に団交を尽くされるということが望ましいと考えておる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 労政局長、あなたのお考えはわかりました。それで、こういう外郭事業体の団交というのが、昨年から今日にかけて、ほとんど行なわれてない。実のいった団交が行なわれてないという状態にあると私は推察する。また、事実そのようであります。ですと、何か先ほども原子力局と理事者側とのお答えがありましたように、片っ方は自由裁量、それは一応国のしばりの中にあるけれども、自由裁量があって、それはもう一つ突っ込んで言えば、それでなければ事業なんかまかされないと私は思う。機械的な、人形的な存在ならば、一つの事業をまかすことは私はできないと思う。そういう意味では相当な裁量を政府機関は認めなければいけませんし、でありながら、実際問題としてはそういっていないのかどうか、その基本に問題があるのかどうか存じませんけれども、とにかく団交というものが、労組法、労働三法をフリーで適用されるものでありながら、十分にいっていないのが現実である。私は、だから労政局としては、労働省として調整、あっせんまでやれとはいいません、これは調整機関がありますから。しかし、労組法にきめられているような団体交渉には、そういうものは大いに労使、使用者に対して——労働者とここでは言う必要がないと思うのですが、その当局、理事者側に対して、誠意をもって法律に定めた団体交渉に応じなさいということは、大いに教育、啓蒙される義務が私はあるのじゃないかと思う。どうもその点が抜けているような気がするのですがね。その点はどうですか、見解は。

堀秀夫労働省労政局長

○政府委員(堀秀夫君) 私どもの立場といたしましては、これは労組法、労調法が全面的に適用になっておるのでございまするから、もとより設置法その他の法律上規定されましたいろいろな制約はございまするけれども、それらを考慮しつつ、誠意をもって団交を尽くされるということ、これはもう機会あるごとに関係者には申し上げておるわけでございます。本年の団交等におきましていろいろな問題が起きておりますのは、これはいろいろな本年の特殊事情がそれに加わっておると思うのでございます。まあ公務員関係の給与法の改正というようなものがまだ行なわれておらないというような特殊事唐もあると思うのでございまするが、しかし、建前は、あくまでも当事者間において自主交渉ということが法律の建前になっておるわけでございまするから、当事者がいろいろ困難な事情がございまするが、誠意をもって団交を尽くされることを希望し、また、機会があるごとに関係者にはその旨要望しておるところでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私はその点を一番心配しているわけです。労組法の六条ですね、六条違反は七条の不当労働行為ということでやればいいじゃないかということでこの問題が社会からほっぽり出されておれば、私は、社会の公共性というか、国民生活といいますか、そんなことでは社会は進まないと私は思う。やはり法律できめられたことは誠意を尽くしてそれを守っていくということでなければいけないのだけれども、どうもその点が抜けているような気がするのでありますから、労政局長、労働大臣にそういう点の啓蒙を大いにやってもらいたいということを主張しているわけです。いずれまた原子力関係の問題については、きょうは私たちこの問題に対するあまり知識があるわけではありませんので、きょうの段階ではこの程度にして、またあらためて、もっと深く問題をえぐってお尋ねするようなことがあるかわかりませんが、そのときにはぜひ御協力をお願いいたしたいと思います。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 午前中の質疑はこの程度にとどめて、午後は一時より再開いたします。  暫時休憩をいたします。    午後零時十一分休憩    ————・————    午後一時十七分開会

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) ただいまから委員会を開会いたします。  午前中に引き続いて労働情勢に関する調査を議題とし、質疑を行ないますが、その前に、参考人の出席要求についてお諮りいたします。  午前中、総合職業訓練問題の調査のため、雇用促進事業団の近藤凡夫君を参考人として出席願うよう御決定願ったわけでありますが、同君の御都合が悪いようでありますので、あらためて同事業団の総務部長石島康男君に参考人として御出席願うように取り計らいたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   —————————————

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) これより質疑を続行いたします。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 私は、去る二月五日、この社会労働委員会の場で、北陸並びに山陰地方を襲った、いうならば昭和三十八年一月豪雪ということがふさわしいと思いますが、そういう中で、申し上げました該地域における製造工業部門における主として中小企業における直接もしくは間接の被害について、たとえば具体的な問題として、当時の時点では輸送でありましたけれども、中小企業、零細企業の被害の状況であるとか、あるいは中小企業の受けた損害であるとか、中小企業の資金難からくる工場の操業の停止であるとか関連の中で、事業不振からくる賃金のカットであるとか、賃金の遅払い、欠配等々の問題を予想いたしまして、大体、該地域における状況把握や、その他の打つべき手について、労働省は今申し上げたような、主として中小零細企業、これも製造工業部門でありますので、その間の配慮について、手を打たれようとしているかということをお伺いしたわけでありますが、そのときには、政府委員として、きょう御出席になっている大島労働基準局長だと思いましたが、しかじかの手を打つべく見解の表明があったわけでありますが、それに関連して、その後どのような形になっているかといったような点について、ひとつお伺いしたい、そう思うわけであります。

大島靖労働省労働基準局長

○政府委員(大島靖君) 今回の異常な豪雪によりまして、北陸その他非常な災害を受けたわけでありますが、なかんずく今回の豪雪による労働者の被害につきましては、私どもといたしましては、非常に憂慮いたしておるところでございます。先般も当委員会におきまして杉山先生から、この問題についての御指摘がございましたわけでありますが、労働省といたしましては、今回の豪雪に際しまして、まず失業保険でありますとか、労災保険の関係、これが保険料の納入につきまして、ことに中小零細企業につきましては、非常な被害を受けておりますので困難な向きも多かろうと思いまして、雪害が発生しましてあとの保険料の納期限の延長の措置をとり、また、雪害発生前の滞納金の問題があるのでありますが、滞納の保険料の期限が参りましたものにつきましても、その延滞金とか追徴金、そういったものを減免するというようなことを実情に応じまして、できるだけの便宜をはかっていきたいというような措置を講じております。さらに失業保険金の受給につきましては、原則といたしまして毎週公共職業安定所に出頭いたしまして失業認定を受けて支給されるわけでありますが、雪害によりましては、場合によりまして、実情によりまして安定所に出頭ができない者につきましては、出頭し得る状態になってから一括して失業認定を行なうというような措置を講じております。また、労災保険の保険施設といたしまして、雪害地で労災保険に加入いたしておりまする事業所に対しまして、消毒剤でありますとか栄養剤、こういった薬品類を労災保険の保険施設として配付の措置を講じたりいたしております。また、失対事業関係におきましても、いろいろ雪害の関係で問題点もございますので、除雪作業等の失業対策事業としての実施等についても、できるだけ実情に合うような措置を講じたいと考えております。  さらに、これからあとの問題でありますが、なだれの危険性が非常に強うございます。ことに山間部におきまする工事現報等におきましては、特になだれによる産業災害の防止、これは各基準局、監督署から、一々の事業所に対して注意するように警告を発して、そのとっております措置、対策につきまして報告を接受いたしております。なお、中小零細企業が原料、資材の入手なり、あるいは運送が不可能でありますような点から操業が困難になっております。こういった場合の休業手当の問題でありますとか、あるいは賃金の遅払い、不払いの問題、こういった問題が今後も起きて参りますおそれもありますので、われわれといたしましては、十分注意をいたしまして、こういう雪害のおりからでありますから、ひとつ各方面協力して、何とかうまくしのいで参りますように全力を尽して当たりたい、かように考えておるわけでありますが、以上、労働省全体といたしましての今回の雪害に対する対策を一応御報告申し上げます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 たとえば具体的な問題といたしまして、地方労働基準局あるいは系列の監督署などを通しまして、いろいろとそれなりの指示やあるいは報告などを接受しておられると思いますけれども、雪害はやはり融雪期に入りまして、今後いろいろと資金の操作あるいは配慮の裏づけが具体的に手が打たれないというと、いろいろと原料の入手の問題であるとか、あるいは運転資金の問題などで、今後のほうがむしろ直接の、いろいろの労使の紛争の原因をかもし出すであろうところの問題が起きることが予想されるわけであります。で、そういうような点につきまして、いろいろと配慮をしていただくことを特に希望申し上げておきますが、もう一点お伺いしておきます。たとえば私が新潟県やそれから冨山県などの状況は、実際に行って状況把握をして参っておるわけでありますが、そういう中で、これは一例でありまするけれども、富山県におきましても、新潟県においても、これはおそらく石川、福井、他の山陰地方におきましても、そうだと大体推定し判断をいたしますが、具体的に今申し上げた二県でございまするが、その地域における、たとえば地域のすべての労働組合は、それなりの組織路線を通しまして、たとえば県知事であるとか県議会議長というものに対しまして、要約して共通の問題として、こういうようなことを、これは具体的には主として府県の労働商工部の窓口を通して、たとえば知事なり県会議長に文書もしくは口頭などでかなりきつい申し入れをやっておるわけであります。申し上げまするならば、低所得者に対して、家屋の倒壊破損などの復旧に相当の補助をひとつ考慮してほしい、それから豪雪被害の中で中小企業に対する特別融資制度の確立をいろいろと手を打たれるようでありますけれども、そういう場合について、通勤不能による欠勤者の給与補償という問題も含めて十分考えてもらわなければいかぬ、そういう手を中央に進達するように、もちろんこういうような要望については、地方自治体で処置できる問題と、それから中央に進達反映させて、中央でそれぞれの面で手を打ってもらわなければならぬ問題もあるだろう、そういう要望であります。さらに地域において、政府及び県の施策は、実際においては商工業者の救済のみに偏重しておるように思われる。むしろ中小企業に働く賃金労働者の生活を重視するように留意してもらわなければ困るんだ。たとえば一つの融資が流れてくる。政府の三つの系列金融機関を通して流れてきても、どうもそれが商工業者あるいは経営者のみに利用されて、そこのもとで働いておる賃金労働者の生活を裏づけるような、やはり賃金の問題であるとか、生活保障の問題についてはどうも回ってこないんだ。したがって非常に難儀をしているんだ、こういうふうな点を要約して申し入れをしておるわけであります。そういうような関係について、これはただいまは、まあ基準局や監督署を統括されておる基準局長から、一応それなりの状況の報告なり、また、打とうとしておる手について考えを聞きましたけれども、今、各府県関係の労働商工担当から上がってくるような状況については、何か資金配慮とか資金操作面について、労働省に上がってきておるかおらないか、そういったような状況について、労政局長御出席のようでありますが、その点について何か、現状のありのままでいいんでありますが、なければないんだ、あるならあるんだといったような点について、ひとつありのままをお聞かせいただきたいと思います。

堀秀夫労働省労政局長

○政府委員(堀秀夫君) ただいまの豪雪による被害の復旧関係につきまして、金融面について円滑に流れるようにしてもらいたいという御質問、まことにごもっともでございます。これは大蔵省、通産省その関係各省問におきまして、総合的に検討を行なっておるわけでございます。私どもの直接関係のあります労働金庫関係につきましては、これは私ども、ただいま労働金庫協会等の御意向も伺いまして、いろいろ検討しておりますが、あるいは労金連合会において、まだ相当の余裕金もあるような実情も聞いておりまするので、よく労金協会の御意見も伺い、さらに大蔵省とも折衝いたしまして、なるべく金融の円滑化をはかって参りたい、このように考えておる次第でございます。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 これはおそらくどなたでも、燕の洋食器という問題については、これはもう、こういう一般化された問題でありますが、私はこの間、燕に行きまして、たとえばこの製造部門における実態も、一応大づかみでありますけれども、たとえばこの製造業、主としてこれは洋食器を製造しておるわけでありますが、商工関係を、これは燕の市役所でまとめておる問題であります。県にも当然上がってきておる問題だと思うのですが、三つの項目に分かれて資金上の配慮を要請されておるわけなんです。  そのうちで、私はいろいろ申し上げますが、たとえば給与引当金の融資の希望額というものについて三億二千四百何がしというものを、やはり融資要望額としてきております。それから運転資金、その引当融資の希望額として十億何がし、それから材料の引当金の資金融資としてこれこれ−約八億−九億に近いものを、一応融資希望額といっておりますが、そのうちで最初申し上げました、給与引当金融資の希望額というもの、三億二千四百八千三百万円ばかりになっておりますが、この融資が円滑に流れなかったときには、一体どうなるのだ、それはどうも、その他の工場の息の根がとまってしまえば参りませんから、この引き当ての融資ができなければ、これは何とも気の毒であるけれども、工場の火を消してしまうわけにいきませんから、何としてもこの三億何がしというものを、これを融資してもらわなければ、三つの項目に分けておっても、この運転資金の問題、材料の入手に関する資金の問題、それと関連をして給与引き当ての融資というものがこなければ、後払い、欠配がいいとか何とかいっても、何とも打つ手がないのだ。これから雪が解けてみると工場の土台、工場というものも、だいぶ痛んでおって、なかなか原料がそう簡単にこないのだ、ますます資金繰りに苦しくなるのでというようなことであったわけでありまして、私は、しかしそれはあなたたちは、あまり手前みそではないか、給与引き当ての希望融資額がこなければ労働者の賃金が払えない——払えなくてもしようがないというのは……。それはもちろん、そうでありまするから、そうでないように、十分ひとつ、融資の点についてお願いをしておるのだというふうに、強く業者は言っておるわけでありますから、県なりまた中央においても、そういうことのないように、ひとつ十分努力してほしい、こういうひもつきの注文を強く受けてきておるわけであります。もちろん私がこういう場で申し上げまするのは、たとえば豪雪対策本部におきましても、あるいは大蔵省におかれましても、通産省におかれましても、それなりの手を打っておる、また、それなりの処置が十分でなくても、拙速的に手が打たれておるということは、よく了承できておるわけだ。ただ、今地域の被害地のそれらの零細企業のもとで働いておる賃金労働者の生活利益の上に立っておる、すべての例外ない労働組合の代表が、それぞれの自治体に、先ほど申し上げたような要約して三つの申し入れをしておる。その中で、政府や自治体というものは、いろいろな施策をしておられるけれども、それは商工業者、経営者、企業主、そういった人に対して、いろいろと救済の手は伸ばされておるけれども、そこで働いておる賃金労働者については手が打たれてないということは、これもやはり融資があっても、その融資というものが、やはり賃金に対する裏づけの融資というものに回ってきていないのだというようなことについて、融資する限りにおいては、必ず労働者の賃金の不払いなどという不手ぎわを来たさないようにというひもをつけて、融資の窓口で厳重に行政指導してくれというふうに私は受けとめておるわけであります。  したがいまして、やはりこの前もこの点を要望申し上げたり、あるいは労働省としてどういうふうに手を打っておられるということについて、労働大臣もおられましたのでありますが、まあ、先ほど申し上げましたとおり、これから融雪期に入って参りまして、そうして被害の状況だとか、工場の操業の状態であるとかいう問題は今後に出て参りまするので、次には私も、もう少しデータをたくさん収集いたしまして、そうして労働大臣も御出席いただいて、そうしてその節に一応煮つめて具体的にお伺いをしたい、そういうことにいたしておりますので、きょうはこの程度で詳しい質問を打ち切っておきます。大体のその間に対するひとつ、何らかの答弁をいただけばいいと思います。

大島靖労働省労働基準局長

○政府委員(大島靖君) 先ほど来、杉山先生御指摘の雪害によりまする労働者の生活の確保の問題——賃金の問題でありますとか休業手当の問題でありますとか、こういった問題につきまして、地元の労働者ないしは労働者団体におきましても、非常に憂慮せられておるところでありまして、たとえば新潟県におきましても、こういう問題につきまして、新潟県労働組合協議会でありますとか、あるいは全新潟労働組合会議でありますとか、二月初旬に私どもの新潟の基準局に対しまして、この辺についての実情の開陳と要請がございました。さらに二月十一日には、杉山先生御自身で新潟の基準局においでいただきまして、つぶさにこの辺の実情の御説明を賜わり、また所要の処置を講ずべき旨の御要請があったわけであります。新潟の局長も非常に感激いたしまして、直ちに私に電話でその旨を報告して参りました。また、先ほどお話のありました燕市におきましても、市長、市議会の議長、商工会議所の会頭等におきまして、いろいろな問題、なかんずく私どものほうの関係といたしましては、各種社会保険料の減免、延納措置についての陳情等も、現地の局のほうへございましたのでありまして、要するに全般を通じまして、結局中小企業における資金繰りの問題に帰するところであると思います。大体賃金につきましても、一般的に二月の未が賃金締め切り日になっておりますので、今後今御指摘のような問題がやはり起こってくると思うのであります。さらに、融雪期を控えまして、賃金遅払い、不払いの問題が起こっておることも憂慮されますので、こういった点、要するに中小企業の金融面につきましての手当が非常に重要であろう。現在政府部内においても検討されておりますが、私どもの立場につきましては、労働者の生活の確保という面からいたしまして、強く金融についての措置を要請いたしつつあるところであります。どれだけが経営のやりくり、どれだけが賃金引き当てという仕分けは困難でありますけれども、要するに全体としてなるべくたくさんの資金が当該地域の中小企業に回わるように、私どもも全力をあげて努力をいたしたいと考えております。   —————————————

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 次に、総合職業訓練の問題を議題といたします。  政府側の出席者は、村上職業訓練局長、堀労政局長であります。並びに参考人として雇用促進事業団石島総務部長が出席をされております。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 先ほど藤田委員の質問の中、あるいは答弁の中にもありましたわけでございますが、労働省として所得倍増計画を背景にして昭和三十五年と言っておりますが、長期計画を立て、そして昭和四十五年までに三百二十三万の技能労働力を養成していく、こういう計画を立てられたわけでございます。  ところが、実際にその計画がどういうふうに実施をされてきたかということを見ますると、たとえば昭和三十六年度には十二万九千人、また三十七年度には十五万三千人という訓練者数でございまして、計画からそれぞれ三万人以上も下回わっておる、こういうことが言われておるわけでございますけれども、そういう計画どおりいかなかった主要な原因について、まず訓練局長のほうから御説明を願いたい、このように存じます。

村上茂利労働省職業訓練局長

○政府委員(村上茂利君) ただいまの、計画と実施の状況の食い違いと申しますか、今、柳岡先生の御指摘の計画というのは、どういう点の御計画か、ちょっとつまびらかにいたしませんが、午前中の本委員会で私が申し上げましたのは、昭和三十五年度に所得倍増計画を作ります際に、それとうらはらの関係下技能労働者養成をどうしたらいいかということが取り上げられまして、そういう観点から職業訓練長期基本計画というものが作られたわけであります。しかし、何分にも昭和四十五年度を目標とする計画でございますので、その問いわゆる年次計画的なものを小刻みに作るという点については、これは非常に不確定の要素が多い。計画策定上のいろいろの問題があったのでございますが、かりに私ども昭和四十五年に到達すべき目標を描きまして、それを直線で結んだ場合に、どのようなカーブになるかというような線も一応考えたわけでございます。  それは、あくまでも四十五年度という、かなり先の状態を想定して姿を描いておるわけでございますが、私どもといたしましては、経済の趨勢自体が、この所得倍増計画のテンポより急速に進んできたということから、技能労働者不足の姿も一そう深刻な様相を呈してきたというふうに感じております。  そこで問題は、過去の問題じゃなくて、今後、将来どうするかということでございまするので、三十八年度及び三十九年度に、できるだけ訓練施設の拡充をばかりますと同時に、事業内訓練についても相当な援助を行ないたい、こういうふうに考えておるわけでございます。そこで午前中にも申し上げましたように、公共職業訓練としましては七万六千ほどの規模でございますが、それをさらに三十九年度には大幅に引き上げたい。でき得べくんば、訓練生の数は十万以上をオーバーするような形に持っていきたいというふうに考えておるわけでございます。そういう意味でございまして、三十八年度以降におきましては、訓練施設拡大のテンポを急速に進めていきたい、かように考えておるようなわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 私どもが把握した中では、先ほど申し上げましたように非常に長期的な計画でございますから、計画と実際の実施面では多分に食い違いがあるということはわかりますけれども、そういう過去のいろいろな実態を詳細に分析して、その上に立って、あらためて現在の経済成長に見合うところの訓練制度を確立することがぜひとも必要ではないかと、このように思いますし、また労働省として昨年秋ですか、三十八年度から始まるところの拡充五カ年計画というものを立てたわけでございますね。この計画の中で、はたして現在産業界が要望しておるところの技能労働力、あるいは就職難にあえいでいる中高年令層の就職を保証するような訓練機関としての機能を十分に発揮することがすきるかどうかということは、非常に私は疑問があるわけでございます。特に炭鉱離職者の増大、あるいは貿易自由化に伴うところの各企業の合理化に伴って、おそらく失業者群というものは、ますます増大をしてくるのじゃないか、このように思うわけでございますが、この拡充五カ年計画の主要な施策と申しますか、今局長は訓練所の新設、拡大、こういうことを申されたわけでございますが、私はそれだけでは十分ではない、こういうふうに思います。  たとえば高度化していく科学技術、こういうことを考えますときに、どうしても既存の訓練所の強化と申しますか、各施設の強化ということも十分にやっていかなければ、進歩していく科学技術に追いつけない、そういう仕事を十分に、機械なりをこなすような労働者が生まれてこない、養成できない、こういうふうに思うわけでございますが、そういう点について、どういう構想なりを三十八年度の予算の中で持っておられるか、お伺いをしたいと思います。

村上茂利労働省職業訓練局長

○政府委員(村上茂利君) 産業界の需要いたしております技能労働者対策でございますが、その総合的なものは、単に公共職業訓練のみならず、会社、企業がそれぞれの必要性に応じまして、事業内職業訓練を実施いたします。これが職業訓練の実は大宗とも、大幹とも申すべきものでございまして、御承知のように、諸外国では、それぞれの産業、企業の必要に応じまして事業内訓練を行なっておるわけでございます。私ども従来申し上げております訓練生の数は、公共職業訓練所におきます訓練生の数と、それから事業内訓練におきましては認定職業訓練と申しまして、三年ないしは一部二年でございますが、従来の技能者養成とほぼ同じ認定職業訓練を受けておる訓練生の数を申し上げておるのでございますが、それ以外に、企業内におきましては、新たに労働者を採用いたしました場合に、初任者訓練であるとかあるいは再訓練であるとか、あるいは幹部訓練、監督者訓練などを行なっておるわけであります。それらの各産業、企業が、それぞれの実情に応じまして、適当な長さの期間と適当な内容の訓練を行なっておりますものについては、格別の法的な規制をいたしておりませんので、その内容は具体的に把握いたしておりません。私どもが従来申し上げておりますのは、公共職業訓練と事業内訓練のごく一部の認定職業訓練についての数を申し上げておるのでありまして、その合計を見ますると、たかだか十五万程度でございまして、まことに数が少ないじゃないか、こういう御指摘を受けるんでありますが、それ以外に、実は氷山の表面に現われざる水面以下の膨大な事業内訓練があるわけでございます。遺憾ながらそれは職業訓練行政として十分把握しておりませんので、どの程度の数字であるかということを申し上げることができないのでありますけれども、全体としては、そういう姿になっておるわけでございます。  そうして今後におけるあり方としては、できるだけ国、地方公共団体が、職業訓練の面におきましても積極的態度を取るべきであるということからいたしまして、公共職業訓練所の拡充を考えておるわけでございます。しかし諸外国の例から見ますると、国または地方公共団体が、このような大規模の訓練所を経営しておるという例は、世界的にはあまり類例がないのでございますけれども、先生御指摘のような将来の趨勢から見まして、できるだけ力をいたしていきたい、しかしながら公共職業訓練所の使命としては、おのずから中小企業の技能労働者あるいは転職訓練などに重点が置かれるべきであろうと考えるのでありまして、大企業における技能労働者の訓練は、訓練の自前能力があるわけでございますから、その面に対する国ないしは地方公共団体の援助というものは消極的である、そのような形になろうかと思われるわけでございます。そういった全体の姿を描きながら、できるだけ拡充をして参りたい、強化をして参りたい、かように考えておる次第でございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 技能労働者の養成という面について、今、局長の申されたような面もあろうかと思いますが、たとえば訓練制度の充実の一つの重要な柱として転職者訓練、いわゆる中高年令層の就職促進をはかるという意味が大きくあるわけでございますが、企業内訓練においては今申されましたように、三年なりあるいは長いところで四年も、学校を卒業してすぐ養成をする、ところが公共職業訓練所では、最高でも二年、普通は一年、こういう工合でございまして、当然同じ企業の中に、もし就職した場合には、そういう三年なり四年なりやった技能労働者と公共職業訓練所で一年なりやった技能労働者の技能の差異というものは当然出てくるわけです。  そうしますと、いわゆる半熟練工的な地位しか、この公共職業訓練所を通って就職した者は得られない、そうすれば、当然そこに賃金の格差も生まれてくる。しかも低い賃金でそこへ就職する者は中高年令者、転職者ということで、賃金が低いから、そこに長くいられない、こういう実態が私は出てきているんじゃないかと、また、そういう可能性も今後あるのではなかろうかと、こういうふうに思うのでございますが、そういう点からいっても、公共職業訓練所の機能と申しますか、訓練内容の充実、そういうことが、非常に私はこれから新設、拡大とともにあわせてやはり力を入れていかなくちゃならぬと、こういうふうに思います。  そこで問題は、そういう訓練内容の充実なりあるいは指導の強化をはかっていくというためには、当然訓練所に働くところの指導員あるいは職員の問題が大きく考えられなくちゃならないと思います。この指導員の確保あるいはその他の事務職員の確保について労働省として、どういう構想を持っておられるかまずお伺いしたいと思います。

村上茂利労働省職業訓練局長

○政府委員(村上茂利君) 職業訓練指導員の確保の問題でございますが、これは一口に職業訓練指導員と申しましても、公共職業訓練所で指導をいたしますその指導員と、都道府県営の一般職業訓練所と雇用促進事業団の訓練所の指導員とあるわけでございます。それからまた、事業内の訓練によりますところの指導員もあるわけでございます。しかしながら、事業内のものは、それぞれの会社の実情に応じて確保し、その待遇をはかっておられるようであります。公共職業訓練所の指導員につきましては、これは賃金その他の労働条件の問題もございますが、基本的には、現在産業界においては、技能者が不足でございますので、そういう状態の中に、りっぱな技術を持つ指導員を確保するということは、率直に申しましてきわめて困難な事情がございます。これは一般公務員におきましても、技術職員を採用する場合に非常に困難を感じているのとほぼ似たような状況にあるわけでございます。  そこで、労働省といたしましては、みずから積極的に指導員を養成するという構想を考えなければならない、こういう観点から、雇用促進事業団の中に中央職業訓練所を置き、中央職業訓練所におきまして、高等学校を卒業した者に対し、四年間の指導員としての訓練を施す、こういう施設を設けまして、来年度はその三年度に相なるわけでございます。しかしながら、そのような方法をもっていたしましても、りっぱな指導員を養成することは、できるかもしれませんけれども、量的になかなか困難な状況にありますので、さらに、すでに指導員となられた方、あるいは初めて指導員として採用した方、いわゆる初任者及び中堅の指導員に対して、短期の養成訓練を施するというような短期速成の訓練方式を採用しているような次第でございます。しかしながら、そのような方法をもちましても、なかなか困難でございます。したがいまして、都道府県の場合には、一般広告によって募集するとか、あるいは雇用促進事業団の場合におきましても、同様な手段あるいは関係方面に、そのような指導的な人の募集を依頼するといったようなことで、一般から求めておるような次第でございます。  しかしながら、現状におきましては、指導員の能力、資格において、そのような状況にありますので、必ずしも十分であるというふうには認めがたい点もありますので、さらに将来募集、訓練をいたしまして、指導員そのものの質を高めたい、かように考えておる次第でございますが、一方におきましては、待遇が悪いから、いいのが来ないじゃないか、このようなことも言われております。この点につきましては、先生御承知のように、雇用促進事業団の場合におきましては、地方公務員である指導員につきましては、それぞれ地方公務員として都道府県条例によって給与が定められておる。このような状況にございますので、そこに他の地方公務員と比較したところの制約を受けざるを得ない、このような事情にございますが、私どもできるだけこの待遇を改善したいという観点から、予算編成の場合には、極力努力いたしているような次第でございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 職業訓練法施行規則第一条三号によりますと、職業訓練指導員の数は訓練生三十人を一単位として訓練を行なう場合は一単位について三人、訓練生五十人を一単位として訓練を行なう場合はその一単位について四人、こういうふうにきめられているわけです。現在この施行規則が、どういうふうに守られているかお聞きしたい。

村上茂利労働省職業訓練局長

○政府委員(村上茂利君) 労働省としましては、大体そのような観点から予算編成その他について配慮いたしておるような次第でございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 詳細な数字もしおわかりなら教えていただきたいのですが、結局、来年度の予算では、そういう方向で予算編成をしておるというならば、それでもけっこうですけれども、できることなら、ひとつ現状のこの職業訓練生に対する指導員の正確な数字をお示し願いたいとか、かように思います。

村上茂利労働省職業訓練局長

○政府委員(村上茂利君) 現在の訓練指導員の状況を申し上げますると、昭和三十七年度におきましては、一般職業訓練所におきまして約一千九百名、これを昭和三十八年度におきましては約二千三百七十名、それから総合訓練所におきましては、三十七年度が約千百五十名、これを三十八年度におきましては千三百二十名程度にそれぞれ増加をいたしたい。つまり一般訓練所におきましては約四百七十名程度、それから総合訓練所におきましては約百七十数名の増員をはかりたい。そうして、できるだけ今後指導体制の充実をはかりたい、かように考えております。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 それじゃ次に、雇用促進事業団の方にちょっとお伺いしたいのですが、今訓練局長のほうから、指導員の定数については施行規則どおり三十八年度からはやっていきたい。それで一般訓練所では四百七十名程度、また総合訓練所では百七十何名かの増員を考えておる、こういうことでございますが、全国総合職業訓練所の指導員につきましては、昭和三十七年の十月現在で定数は訓練法の規則によると千百十名の定数になるわけでございますけれども、実際は八百七十五名しかおらない。したがって二百二十五名も不足をしておる、こういうデータがあがっておるわけでございますが、今訓練局長の言われた百七十名程度の増員で、はたして施行規則どおり実施する自信があるわけでございますか。ちょっとお伺いいたします。

石島康男雇用促進事業団総務部長

○参考人(石島康男君) 参考人の石島でございます。本日は、近藤理事が昨日から病気で急に伏せっておりまして、私かわりまして出て参りましたわけでございます。なお訓練関係全般については、訓練部のほうでいろいろやっている面がございますが、私、急遽参りまして、詳細な資料を持ち合わせておりませんけれども、ただいま御質問ございました昭和三十七年の十月現在において指導員が八百七十五人ということは、実際はそうではございません。いろいろと指導員の中にも、正規の教頭あるいは嘱託あるいは臨時職員、こういった格好で指導員をやっております者もございますので、実際においては欠員において全体で六十名程度の、まあそのときによって違いますが、そのような状況であるわけであります。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 聞くところによりますると、雇用促進事業団では、十人に一人というような指導員の体制は、今後新設される訓練所においては、そういう方向をとるけれども、既設の訓練所におきましては現在員でもってやっていくのだ、こういうような方針だということを聞いておりますが、それは事実でございますか。

石島康男雇用促進事業団総務部長

○参考人(石島康男君) いろいろと既設の訓練所の訓練の内容がたいへん複雑になってきておりますので、したがいまして、現在の定員では非常にむずかしい点もあるわけでございますが、よく訓練のやり方を十分協議いたしまして実情に合うように、そして現在の定員で、できるだけやっていけるように努力いたしたい。こういうふうに思っているわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 私は、この施行規則に定められていることは、少なくとも一種目の訓練に対して、これだけの指導員が必要だ。ところが現状を見ますると、一人の指導員が何種目も受け持っているというような実態があるようでございます。さらにまた事務職員ですね。こういう面が非常に少ない。いわゆる定数化されておらないために少なくなって、そしてその事務を指導員がやっている。いわゆる本来の任務でない仕事まで指導員がしなければならない。こういうような実態があるということでございますけれども、この点はいかがですか。

村上茂利労働省職業訓練局長

○政府委員(村上茂利君) 総合訓練所のみならず、一般の訓練生の定員と指導員の関係がまず基本であるようでございますので、私からお答えさせていただきますが、先ほどから先生が御指摘になっております訓練法の施行規則第一条、これは雇用促進事業団ではなくて、都道府県の一般職業訓練所に対する一つの基準でございます。そこでこの規定にもございますように、三十人に一人を必らず置けという規定の仕方にはなっておりませんで、「を標準とし、訓練生の数、訓練の実施に伴う危険の程度及び指導の難易に応じて増減した数とする」というふうにこの規定はできておりまして、しゃくし定木にどの職種につきましても三十人を一単位として、一単位につき三人、こういう規定には実はなっていないのであります。これは訓練職種にむずかしいものもあればやさしいものもありますことは、これは当然のことで、規定自体はそういうふうになっておるわけであります。  そこで従来とも、訓練法が施行される以前から、すでに一般職業訓練所におきましては、職業補導所という名称で、すでに実体が存在しておったわけでございますし、総合訓練所におきましても、訓練法が制定される以前に、すでに総合職業補導所という名称で実体があったわけであります。したがいまして、訓練法が施行されましたのちに、直ちにこの施行規則に合致するようにすべて万事うまくきりかえたかどうかという点につきましては、完全にきっちり整ったとは申せない点があったわけであります。しかしながら訓練法が制定されました以降においては、この第一条各号に示されておりますこの規定に従いまして、一単位を三十人とする、そして一単位については三人、こういうような標準で実施をいたしてきております。しかしながら場合によりましては四十人を一単位としているという場合もあります。格別この規定にはございませんけれども、そういったものにつきましては、適宜指導員の数を定めまして処置しておるような次第でございます。  以上のようなことでございまして、私は施行規則第一条に規定しているようにやっているかどうかという御質問がございましたときに、第一条の規定の標準におおむね従いましてと、こういうふうに申し上げました趣旨を御了解いただきたいと思います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 私は、その規則のあるいは法律の一般的な解釈については、それはいろいろあると思うのです。ただ、先ほどから申し上げておりますように、単に、これからの訓練制度は、施設を拡大するだけではなくて、内容を充実していかなくちゃならぬ。たとえば新聞にも出ておるのですけれども、炭鉱労働者が、九州の方でござまいすが、訓練に行ったら、非常に訓練がずさんだ。これではほんとうの訓練ができないということで戸惑っておる、こういうことを言っておるわけです。しかも産業界が現在要請するところの優秀な技能労働者を作るためには、これはもちろんこの規則で定められている以上の指導体制というものを私は作っていかなければできないのじゃないか。だから職種によってはどうの、あるいは四十人でも五十人でもやれるのだというようなことではなくして、もっともっと指導体制を強化をして、そしてほんとうに訓練生が企業内訓練の三年なり四年かかって会得をする技能に匹敵するような技術を身につけられる、こういうことが、やはり労働省としてはとっていかなくちゃならないのではないか、こういうふうに思うわけです。  そこで雇用促進事業団として、それでは今までの現状から照らし合わせて、今私が申し上げましたような観点に立つならば、やはりどのくらいの指導員が必要であり、現在どのくらいが不足だと思うか、あるいはまた三十八年度の予算の中で、雇用促進事業団として、どういう要員の数を労働省に要求をしたのかどうか、そういう点をおわかりでしたらお知らせ願いたい。

石島康男雇用促進事業団総務部長

○参考人(石島康男君) 柳岡先生の、できるだけ指導体制を強化して、訓練の内容を充実すべきであるという御意見に対しましては、私どもも、まことにそのとおりに考えておるわけでございます。しかしながら、先ほど訓練局長からも話がございましたような状況でございまして、いろいろと職種は雑多ございます。非常に関連の近いような職種が幾つか組み合わせてあります場合に、場合によっては、一人の指導員が二つの職種で、同じ電気なら電気の指導、講義をするということはあり得るわけでございまして、また、そういったことでやることが実情にも適しておる、ということもございまして、そういうやり方をもっと研究いたしまして、現在の与えられた範囲の中で極力やっていきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。  なお、今までの要求の状況という御質問がございましたが、私担当でございませんので、本日承知いたしておりません。よろしく御了承を願います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 詳細はわからないということで、どうも質問のしようもないのですが、現状では非常に指導員が不足をしておって、各訓練所で労働強化が行なわれておる。たとえば栃木では、夜間訓練の帰り道にトラックにはねられて指導員の方が死亡されておる。また兵庫県では、宿直中に脳溢血で一人の方が倒れられておる。これは最近起こった事件でございますが、これらはいずれも、要員不足に基づく労働強化からくる死亡、こういうふうに推測をされるわけでございますが、この点御承知でございましょうか。

石島康男雇用促進事業団総務部長

○参考人(石島康男君) 栃木の問題、兵庫の問題、いずれも承知いたしております。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 この点、この死亡について雇用促進事業団として、こういうことを質問するのはどうかと思いますけれども、私どもは今申し上げましたように、一人で何職種も受け持ったり、あるいは特別訓練を受け持ったりして、しかも事務職員が少ないために余分な仕事までやっている。こういうところからくる労働強化、それが死因ではないか。こういうふうに考えているわけですが、どうでしょうか。

石島康男雇用促進事業団総務部長

○参考人(石島康男君) 栃木の場合にも兵庫の場合にも、具体的なケースにつきまして、どうであるという原因については、もちろん言えないわけでございます。必ずしも労働強化だけが原因じゃなかったのではないだろうか。その他のいろいろな問題もあるわけでございます。そういうふうに感じているわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 しかし、先ほど申し上げましたように、非常に指導員が、きめられた規則から照らし合わせても、不足であるということは現実でございますので、この点については、ひとつ三十八年度の予算の中でどうなっているか。雇用促進事業団として、労働省に要求した定数はどのくらいで、確定数はどうなっているか。こういう点について、ひとつあとで資料を提出していただきたい。かように思います。  次に、雇用促進事業団の職員の給与の問題でございますが、先ほど藤田委員のほうからも、政労協の職員の賃金の問題について質問がございました。この雇用促進事業団の賃金が、たとえば同じ政府機関の日本住宅公団の職員と比較して見ました場合に、高校卒の初任給で二百四十円も低い。あるいは大学卒四年でもって五千二十円も賃金が低い。こういうデータが出ておりますが、これは事実でございますか。

石島康男雇用促進事業団総務部長

○参考人(石島康男君) 雇用促進事業団の職員の給与につきましては、いろいろとその向上について検討もいたし、努力もいたしているわけでございます。ただ、他と比べてどのように低いかということは、そう簡単に実は比較できないのでございまして、単に平均給与だけ調べましても、あるいは平均年令だけ調べても、あるいは学歴だけ単純に調べましても、ほんとうに低い、あるいはどれだけ低いとか高いという比較が非常にしにくいわけでございます。正確に申しますと、学歴なり年令なりあるいは経験年数、これを全部同一にいたしまして、そういう状態のもとにおいて、住宅公団と雇用促進事業団では、どのように給与の開きがあるか、こういう計算をしなければわからないわけでございます。それが、遺憾ながら今のところ住宅公団に、そういうような資料もございませんので、そういった比較ができない。しかし、われわれといたしましては、できるだけこれを上げていくようには努力いたしたい、こう思っているわけでございます。  なお、初任給が、高校卒、大学卒それぞれ低いということにつきましては、これは各政府機関についても同様でございますが、一応の考え方といたしましては、たとえば大学卒で申しますと、基準内で一万七千五百円という一応の線が、各公団、事業団、線がそろっているわけでございます。私どものほうも、制度といたしましては、試験合格者に対しましては、そういったものを給与する、こういったことになっているわけでございますが、他の政府機関と違いまして、私どものほうはまだ試験制度を実施いたしておりませんので、先ほど訓練局長からお話がありましたように、すべて国家公務員に準拠したやり方として、国家公務員の普通採用の場合の給与に見合うものを初任給として支給している、こういったことでございます。なお初任給につきましては、現在、私どものほうの組合と団体交渉をやっておりまして、これを先ほど言いましたような線に、試験制度を実施することによって、他の公団、事業団に見合うような初任給に引き上げるべく、今いろいろと折衝中でございまして、現在のところ、まだ話し合いがついておりませんので、近くそういう話し合いがつくのじゃないか、こういうふうに思っているわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 同じ政府の関係機関で賃金が異なるということは、非常におかしいわけでございますし、また、当然重要な訓練機関に働く労働者としては、少なくとも他の政府機関よりも賃金が低いということは——低いということよりも、もっと高くしなくちゃいけない、こういうふうに私は考えます。しかし、現在では日本住宅公団と比較いたしますと、先ほど申し上げたような、かなりの差があるということでございまして、これは指導員の確保のたにめも、あるいは訓練所の内容をより充実していくためにも、この賃金の問題については、ひとつ格段の御努力を願いたい、このように思います。  そこで、もう一つお聞きしたいのですが、総合訓練所として訓練生の福祉対策については、どういう方法をとっておられるか。やはり、転職者訓練等におきましては、自分の住居を離れて寮に入る、こういう人も多分にあろうと思います。そういう人たちの福祉の問題については、よほど誠意をもった対策を立てていかなければ、訓練所でほんとうに楽しく、また心を込めて訓練に従事をする、こういうふうにはならないのではないかと、こういうふうに思うわけでございます。こういう点について、どういう対策を促進事業団としてとっておられるか、お聞きしたいと思います。

石島康男雇用促進事業団総務部長

○参考人(石島康男君) 訓練生の福祉のために、どのような対策をとっておるかという御質問でございますが、一般訓練と、それから国の要請によってやっております転職訓練、あるいは炭鉱離職者訓練、それぞれあるわけでございますが、特に転職者の訓練、あるいは炭鉱離職者の訓練につきましては、それぞれ国の予算で交付金といたしまして、寄宿舎を設置する。それには最小限度必要な舎監、あるいは炊事婦等の予算もついておるわけでありますが、そういったもの。それから、なお、雇用促進事業団法によりまして、訓練を受けます間の職業訓練手当、あるいは別居手当、技能習得手当、こういったようなものの支給、そういったものが現在行なわれておるわけでございます。その他の一般訓練につきましては、やはり、従来、県で訓練所を経営いたしておりました当時から現在に至りまして、県から寄付を受け、あるいは出資を受けて寄宿舎を作っておる、こういうのが現状でございます。そういったものに収容いたしまして、訓練生の訓練の充実をはかるというようなわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 職業訓練振興会という組織があるようでございますけれども、今申しました寄宿舎とか、あるいは食堂とか、そういうものは、この職業訓練振興会というものがやっているのじゃないのですか。また、この振興会というのは、一体どういう団体なのかお聞きしたいと思います。

石島康男雇用促進事業団総務部長

○参考人(石島康男君) 職業訓練振興会は、労働大臣が認可いたしました団体であるわけでございますが、最近では総合職業訓練、あるいはそれ以外の雇用促進事業団がいろいろやります仕事の内容の充実をはかるために、こういうために作られておるものでございますが、今おっしゃいました寄宿舎につきましては、国から交付金を受けて、舎監あるいは炊事婦の交付金を受けております場合に、その炊事につきまして、職業訓練振興会に委託いたしまして、その給食業務をやらせておる、こういったようなこともやっております。それ以外の仕事もやっておるわけでございますが、今御質問のことは、大体そういうふうになっておるわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 私は、やはり、訓練生の福祉対策につきましては、当然公団自身が責任をもって実施をしていくということが本来のあり方ではないかというふうに思うわけでございます。最近起こった事件として、大阪でこの食堂の問題、今まで振興会で経営しておったのが民間に委託をするというようなことから、値段が高いとか低いとかということで争いが起きて、料理人がほうちょうを持って何かあばれ回った、こういう事件が最近あったようでございますが、こういうことを、やはりそういう何か予算を節約するためとか、あるいはまた、独立採算という面を非常に強く出して、そうして何でもかでも民間に請け負わせる、こういう一般的な現在の各政府機関の傾向でございますけれども、そういうところにやはり問題があろうかと思うのです。したがって、訓練生がほんとうに愉快に訓練を受ける、日常生活ができるというためには、やはり公団自身が責任をもって、こういう福祉対策に当たっていくという体制が、私はぜひとられなければならない、こういうふうに思うわけでございます。ひとつそういう点も十分公団としても配慮をして、問題の起きなようにしてもらいたい、かように思います。  きょうは詳しいことがわからないというような答弁がありまして、私のほうも具体的な質問がしにくいわけでございますので、本日はこの程度にしておきますけれども、ひとつ重要な訓練制度に携わる公団でございますから、勇気と自信をもって労働省に要求して、そうしてもっと訓練制度の充実を一日も早く期してもらうことをお願いしたいと思います。  次に、労政局長にひとつお尋ねしたいのですけれども、先ほど藤田先生の質問の中にもありましたけれども、また、今の公団の賃金の問題とも関連してくるのですが、それぞれの政府関係機関の賃金がばらばら、そうして何か争議が起きると、今度は、それは政府機関であるからということで、何か統一して押えつけていく、こういうことは、私は非常におかしいと思うのです。当然そういうふうな政府機関であるのだから、同じように争議の指導をしていく、あるいは対策をそれぞれの理事者がやっていくということであれば、同じ政府関係機関に働く労働者は、すべて賃金も同じ、労働条件も同じ、こういうふうにしていかなければ、つじつまも私は合わないと思うわけでございますが、こういう点について、どうお考えでございますか。

堀秀夫労働省労政局長

○政府委員(堀秀夫君) いろいろ公団、公庫、事業団等ございますが、まあ政府の行政関係の業務とうらはらのような仕事をしている場合が非常に多いわけなのです。そういう意味から申しますれば、なるべく同一条件であることが適当であるということが出て参りますが、またしかし、役所ではやれないようないろいろ微妙な問題につきまして、それを処理させるために公団、公庫、事業団というようなものができた関係上、その業務の特殊性というものもあわせて考えなければならないのであります。  したがいまして、まあなるべく統一されることは望ましいと思いまするが、その間におきまして、おのずから業務の特殊性があると思いまするので、そういう他の公団、公庫等の振り合いを見ながら、その公団、公庫、事業団等における特殊性を勘案いたしまして、労使交渉の上、適当な金額がきめられるということが望ましいのではないかと思うわけでございます。  ただいま先生の御指摘されましたような点は、やはり一つの大きな問題点でございますので、これが今後私どもを初め、関係者一同が研究しなければならない問題であるということは、そのとおりであると存じます。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) ちょっと速記をやめて。   〔速記中止〕

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 速記を起こして。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 公団の石島さん、公務員給与に準ずるということでいつも問題を、雇用促進事業団もそうだし、福祉事業団もこの前問題を起こしているわけですけれども、公務員給与と合わせて見て、同じようにやるということでありますから、この事業団に働いている方々の給与が、公務員給与とこう並べてみてこんなに低い、納得ができぬというような給与を何でお作りになるのですか。そんなことで争いが起きるというのはおかしいじゃないかと私は思うのですけれども、今そういう議論があって、表面は準ずるということである、しかし実際上は、何千円も違いがあるというようなことは、どっから起きてくるのですか、ちょっとお伺いしたいのですがね。

石島康男雇用促進事業団総務部長

○参考人(石島康男君) 御承知のように、公務員に準拠するということが、政府機関の場合現在通例になっておるわけでございます。したがいまして、当初事業団ができますときには、他の公団、事業団のことは詳しく知っているわけではございませんが、大体、そういった現在の公務員俸給表に準拠したものができているわけでございます。今御質問の、なぜ公務員に比べて低いかということでございますが、これは先ほども柳岡先生に答弁したわけでございますが、ほんとうに比べまして低いかどうかということは、非常にこれは詳細な資料によって検討いたしませんと、一人々々の職員は、すべて一番初めに格づけされます場合でも、あるいはその後の昇給でも、一人々々特別昇給もあったりなかったり、あるいは昇給が延びたり、いろいろあるわけでございます。したがって、同じ職員を二人比べましても、同じ学校を出ておって、同じ年数勤めておっても給与が違うということがあり得るわけであります。そういう意味でございますので、ほんとうに二つのところを比較するという場合は、その二つのところの全職員につきまして、学歴別、それから経験年数別、年令別の状況によって、同じ条件の人が、どのように違うかということをずっと集計いたしまして積み上げてこないと、実はほんとうに比較して、どうこうということが出ないわけでございます。たまたま一人、二人自分と同じ人が県におる、あるいは国家公務員におるということになれば、自分が低いということもあり得るでありましょうし、先ほど申しましたように、人事というものはそれぞれ非常に幅があるわけでございます。そういう意味で必ずしも絶対低い、どれだけ低いという根拠が出てこないというのが現状ではないだろうか、こういうふうに私ども思っておるわけであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私の言っているのは、公務員給与に準じて同じようにやるのだというのが公団や事業団の出発点で、これは法律を作っているときから、きちっときまっているのです。それなのに、公務員給与に比べていつも低い低いという問題が出ている。そういう問題を事業団自身で議論をされているのがおかしいのじゃないかという考え方なんです。  むしろ事業団というなら、特殊な事業をおやりになって成績をお上げになったら、それだけ、公務員の給与どころか、もっと高い賃金を払ってもいいんですよ。だけれども、公務員は管理職として国が保障するので、公務員の給与は公務員の給与として争いがあるわけですけれども、しかし公務員の給与に準ずるというちゃんと規律をきめておきながら、比べて見たら低い、低いから労働者から文句が出るのは当たりまえなんです。何で争いが起きないようにちゃんとしておかれないかということを私は考えますから質問をしているわけですが、これは今質問も終わりましたから、私は言いませんけれども、その政府の外郭機関の事業団に、みんなこういう問題があるわけですよ。従業員が一番よく知っているのだ。自分の能力や経験年数や仕事の範囲はよく知っている。そして公務員と比べてみて、ずっと低いから問題が出る。出発点のときは準じて同じようにやるのだときまっているのに、そういうところに変化が出るから問題が出る。私はむしろ事業団というのは、一方においては能率を上げるために、これだけを限って追求して、よりよい成績を上げるために事業団を作るというのが法律を作るときのいつも説明なんです。そうでしたら、より事業団の中に理事者も従業員も能力があって、社会から要求された問題をしていれば、賃金が幾ら上がってもいいわけなんです。そのために労働三法に行なわれている適用によって、あらゆる権利が保障されて、賃金、労働条件は対等の立場できめるという基準法の原則に立って、問題は処理されるというのが、事業団や公団の姿ではないかと私は思う。ところがその全体の問題で、いつも議論がある。どうも不思議でしょうがないわけです。ですから私は、きょうはこれでやめます。同じような議論を、どの事業団や公団や外郭団体も、やるたんびにしなければならぬということは、非常に残念だと思うのです。これは十分研究してもらいたいと思うのです。お願いしておきます。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) ちょっと速記を止めて。   〔速記中止〕

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 速記を起こして。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、この次の問題は、厚生省の関係にありまする支払い基金の問題についてお尋ねしたい。がこれは、残念ながら手違いになりまして、基金の当局側が出席できないということになりまして、日をあらためて来ていただいて、私はこの問題を明らかにしたい、こう思っているわけでございます。  きょうは厚生省の保険局長に来ていただきまして、そしてこの問題の関係をひとつ明らかにしておきたい、こう思うわけでございます。  私の理解する限りにおきましては、この給与とか、その他の経費一切の代金は、事務費単価診療費一点についての事務費単価が総財源になっているようでございます。そうなると、その事務費単価で従業員給与一切の問題が処理されるということであれば、ちょっと今も議論がありましたように、公務員に準ずるという話から、まず出発しなければならぬと思うのです。ほんとうにこれに準じて賃金給与がまず最低限上げられる、いつも上がっている、その同じ状態にあるというのが、私は前提条件ではなかろうか、こう思うわけです。  ところが聞いてみると、その最低条件すら満たされていないような話を聞くわけです。政府との関係において、事務費単価の操作が、大蔵省と厚生省の間に疎通されていない。そうすると肝心の基金、事業団ですね、事業団といいますか公団、これは財源がないから、賃金はこれくらいだということで、結局押しつけていくというのが、私はこの暫く長い問の結果ではなかろうか、こういう工合に感じておるのですけれども、保険局長はどう理解されますか。

小山進次郎厚生省保険局長

○政府委員(小山進次郎君) ただいま藤田先生が仰せになりました問題は、二つございます。  一つは、一体基金の事務的経費をまかなう単価というものが、どういう仕組できまっていくかという問題でございます。この点につきましては、建前から申しますというと、基金だけで必要な費用をきめ、それをまかなうためには単価が幾らでなければならぬかという見積りを立てまして、それぞれの費用を分担する関係者と交渉するわけであります。関係者の一番大きいものが政府でございます。大体、全体の五割五分程度の割合を占めております。その次に大きいのは健康保険組合でございます。三番目が共済関係、大まかに申しまして、その三つがあるわけであります。この三つと交渉いたしまして単価をきめていく、これはそういう仕組みになっているわけであります。その単価をきめていくことについて、それじゃ何か形式上の制約があるかということになりますと、これは建前上はございません。両方の話し合いがまとまっていくならば、それで運営されていくという筋合いのものでございます。  ところが、最近の実情はどういうふうになっているかと申しますと、実は費用を負担する側から非常に文句が出ているのであります。われわれが費用を負担するとするならば、基金の運営というものは、われわれが納得できるような内容において行なわれなければならぬ、先ほど来、いろいろお話を拝聴いたしまして、やや逆な傾向が基金に起きているわけでありますが、支払い者側といいますか、費用を負担する側の言い分としては、基金の仕事の性質から見て、これはほかの公社、公団は、結局国家公務員ということになりますが、それと同じ程度の待遇を保障していかなくちゃならぬ、そのために、これだけの金が要るという限度であるならば、われわれ必ずしも値上げに応じないわけじゃない、しかしそれをこえてということになると言い分があるぞ、また人件費以外のいろいろな庁費関係についても、節減できるものはできるだけ節減してくれ、いずれにしても、この費用負担は帰するところ事業主と被保険者というものが負担をするのだから、これは当然の立場からして、そういう主張が絶えず繰り返えされているわけであります。率直に申しますと、どうもこの議論、最近やや基金側の旗色がよくないのであります。従来は大体基金の側がこのくらい出してくれというと、まあ大体応じておる傾向が強かったんでありますが、この四、五年来の傾向といたしまして、取り扱い件数も非常にふえていることであるしするから、これで済むはずだという、かなり内容に立ち入った議論が出て参っているわけであります。その結果、なかなか要求したとおりのものがきめられないでいる、これが第一の問題でございます。  それから第二の問題は、それじゃ両者の折衝によるとして、片方の側が金を出すのだから、出せないというふうに言い張ったら、それで問題は片づくかといえば、それはそういうわけにはいかぬわけであります。ところが実際問題として、どういうことになるかといいますと、大体先ほど申し上げました費用を負担する側の大きい三つのうち、共済組合系統は、おれのほうはとにかく大勢に順応する、特に積極的な対案は出さぬ。それから組合側は、先ほど申し上げましたように四、五年前は非常に激しく切り下げを主張しておったわけでありますが、最近はとにかくそれじゃ相手が多過ぎたのじゃ話がまとまりにくいだろうから、全体の大半を制するところの政府関係のほうが、この程度は承知しなければならぬということになれば、おれのほうもそれに右へならえをしてのむことにしよう、こういうことになりまして、実質的には交渉相手が政府関係にしぼられてきた、こういう経緯で、ございます。その場合に議論になりますのは、先ほど申し上げました給与の問題でございます。これは個々の問題でございますから、その一つ二つの例を取り上げると、一概には言えないことになると思いますけれども、どうも実態としては、やや高いものが多いというのが、今の基金の実情だという内容のようでございます。  実は、この点私どうも、ある時期までは基金の関係者並びに従業員諸君のいろいろな御主張に従って、いやそうではないのだ、おれのほうはむしろほかの公庫、公団に比べて低いのだぞ、少なくともおれのほうの関係のものを、ほかに比べて悪いような状態にしておけるか、少なくともほかと同じ程度にしなくちゃいかぬのだと、こういうことで折衝して参ったのでありますが、どうもだんだん中身を割って議論をいたしますと、これは旗色が悪い、こういうようなことで、最近は、とかくいろいろな事務費単価の引き上げの交渉が基金の要求したようなままには進まぬような実情になっているわけです。  たいへんくどくどと申しましたが、それでは結論として、今後一体どうするのだということでありますが、私はいずれにしても、その基金の諸君の待遇というものを、ほかの公社、公団に比べて低い状態におくいわれはないと思っております。これはあくまで同じでなくちゃいかぬ。ただ、これよりいい状態におけということを関係者に納得させるということは、この費用の負担者の性質上、なかなかむずかしい、かように考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 今、小山さんの言われたよその公団やその他の団体より低くはしたくない、しかしそれよりか高くするとすると、他がいろいろの意見がある、まあこういうお話のようでございます。しかしその作業能率については、よそのことはよく知らないけれども、この基金の作業量からいいますと、これは昭和二十五年当時から大体十年ですが、二倍半以上に作業の密度が上がっているわけですね。むろん賃金も上がっていましょうけれども、これだけ労働生産性が高まっている。当時の賃金に比べてみれば、どれだけ上がっているかということになりますと、当時の賃金はうんと安かったですからね、だからそれは何ですけれども、これは生活に伴って賃金は上がっている面が非常なウエートを持っていると思う。だから、単に生産性と賃金上昇のバランス論ばかりでなく、主として賃金の内容は、生活の問題が大きなウエートである。これを即作業量に合わして、ここで十年の比率を、生産性と賃金上昇率とで割り出すことはできない。まあ大体ここ五、六年というならば、そういう理屈は立つでしょうけれども、ただ、そういう日本は戦後の混乱時代でありますから、一応三十年か三十一年当時からのものならば、それを比べてみる価値があると私は思うのですけれども、二十五年当時からみて、ずんずんと作業能率が高まっておって、それで実際問題百パーセント働いていると私は判断する、あなたの見方はともかくとして。そういう格好でありながら、やはりここにも賃金の低さ、他の公団その他の関係公務員との関係においての賃金の低さ、それからまたその作業能率が、これだけの濃度になってきているのだから、これに対して何とかカバーしてもらいたい、もっと賃金を上げてもらいたい、これが政府機関の外郭団体として能率を上げよと社会が要求している問題に沿った賃金の要求が出てきている。ところが、聞くところによると、今度の単価の問題にいたしましても、財源になるものは五十銭だけ値上げをして、それで一切押しつけるのだという話が上のほうで進んでいる。それをずっと引き戻してくると、とても公務員並みどころか、そんな財源なんてないという格好の状態ではないか。こういう状態でありますから、朝から原子力研究所の話をしたようでありますけれども、とにかく政府がきめなきゃわからぬ、きめたらこれに従え、これ以上は一歩も融通がつかぬ。どういうところに交渉の相手を求めていいのやらわからぬという格好の中に組合がある。そして、だんだんと伝票がふえてくる、作業やらなきゃ、ほっておくわけにはいかない、これは支払いの問題がありますから——基金の支払いの整理をしなきゃ金が払えないわけですから。そういうところで日々追いまくられている。これでは少し理屈が合わぬのじゃないか。国民の健康、衛生、疾病の一切のものをここでまかなっているわけですからね。できるだけ早く整理をして、早くお医者さんに払ってやらなきゃいけない問題でしようし、そうしますと、そういう無理な仕事をさせておきながら、どうも聞くところによると、事務費一点単価を五十銭だけ上げて、ことしはこれで終わりだということで押しつける。事業者団体がおいでにならないから、どうもここのところぴったりいかないのですけれども、どうもそういう格好で厚生省と大蔵省と一点単価を勝手にきめて押しつけるという格好にあるようだと聞き及ぶのです。先ほどのお話を聞いていると、まず事業者団体側が今年の必要な財源、必要な支出の計をはかって、これを政府側、それから健保連、共済組合、しかし今では、政府がほとんどの交渉相手だといって、政府がむしろ交渉権を委任されているような格好にあるというなら、そういうところは政府機関としても、やっぱり十分配慮するというかまえがなければ、この問題は、いつまでたっても尾を引くのじゃないか、私はそう思うのです。  今の一点単価の値上げ、要するに事務費の単価の、診療一件についての単価の値上げですね、五十銭できめて、ことしは押しつけるというような格好で、組合の交渉をされているとか、されてないとかいうようなことは、全然度外視して処理されようとしておると聞くのですが、どうですか、その辺の関係は。

小山進次郎厚生省保険局長

○政府委員(小山進次郎君) 私が先ほど申し上げた国家公務員に準ずるとか、あるいは他の公社、公団の待遇とどうとかいうことを申し上げたのは、文字どおりのことを申し上げたわけであります。同じような条件の人がそこにおったとしたら、どういう待遇を受けるか。少なくともそれだけの待遇を基金について拒否するいわれはないじゃないか。それをするために必要な金であるならば、いやでもこれは上げてもらわなくちゃいかぬというのが、これが基金のいわば立場を総括的に守る私どもの主張であるわけであります。  交渉は、先ほど申し上げたように、基金とそれぞれの相手方とするわけでありますが、話がなかなかつかない。そこで、われわれが飛び出していって、とにかくそういう原則に従ってやれるだけのことはしてくれなきゃ困るということで押しつけたのが、来年度の予算の単価でございます。したがって、あの引き上げがありますならば、結果においては、今、私が申し上げたことができるという確信のもとに、あれはきまったものでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 五十銭値上げをしますと、大体賃金はどれぐらい上げられるという予想に立っておられますか、積算されたと思うのですが。

小山進次郎厚生省保険局長

○政府委員(小山進次郎君) 今度の公務員のベース・アップのアップ率に準ずる八・五%程度の引き上げが予定されております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 八・五%の今度の公務員の、五十銭値上げによってやれる、そういう認定のもとに、これは五十銭値上げをはかっておられるわけですか。今のお話ですと、そうとっていいわけですね。

小山進次郎厚生省保険局長

○政府委員(小山進次郎君) 総括的に見て、そういう考えでございます。個々のものになれば、これはそれぞれの実態に応じて若干の違いが出ると思いますけれども、総括的には、そういうめどで定めております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで、小山さんね、あなたも労働関係は御存じだと思いますけれども、管理職と一般行政職、管理職の場合は、なかなかものさしで労働の量、資というものははかりにくいと思いますけれども、こういう作業職になりますと、おのずから人間の労働力の、ノルマといいますか、ある一定の一日の作業量というのは割り出せると、私は思うのです。  そこで賃金が、一般の生産工場においても、きめられていくわけでありますけれども、ここでこれだけ作業量が、どんどん伝票がふえて、上がっていくわけですが、そのように非常に密度が、どこをこれはものさしであわして見るかというと、むずかしいのですけれども、この上がり工合の統計をみて見ますと、相当の距離で毎年上がっているわけですけれども、こういう作業能力に対して、特別な待遇を与えてあげなければならぬというような、単に公務員に準ずるということだけでいいのかどうか、こういうことをお考えになったことはないですか、厚生省としては。

小山進次郎厚生省保険局長

○政府委員(小山進次郎君) 現在の基金の給与のきまり方は、いわば出来高払いという考え方でございませんので、今先生がおっしゃったような考えを入れるということは、非常にむずかしいわけであります。先ほど来申し上げていますように、総括的に見て、私は基金の職員の人たちに対して、ほかの公庫、公団に劣る待遇を押しつける理由は全然あり得ない。したがって、その限度においては、必ず金を負担する側においては、つき合ってもらうべきだ、この点は非常に強く考えております。しかし、それでは基金の現在やっておられる仕事というものが、他の公庫、公団の仕事と比べて、そんなに特殊性を、主張できるほどむずかしい仕事だと言い切ることができるかという点については、これはなかなかそうは言えないと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 ただ、出来高払いとか請負制度とか、どうとかいいますけれども、そういう作業内容を持つ生産工場もあります。しかし、おのずから人間の能力限界、それを能率として概算をして、集約したものが能力給、そうして一般的な賃金として現われてくるわけであります。ただ、出来高払いをしているから、どうのこうのというわけじゃなしに、能率、また人間の可能な労力という積算の上に立って、一定の限界がついてくるわけですから、そうかといって、これはいろいろと作業量がふえてくる、簡単に定員をふやしていくというわけにはいかんわけでしょう。そうすると定員内における人が、やはりそこで働いて、そうしてどうしても始末をしなければならぬというような、単純といったらいかぬけれども、この伝票整理、その他については、そういう作業内容にあるわけですから、だから付加されてきた問題だけは、やはり付加されてくるわけですから、そういう点は、やはり見てやらなければならぬという考えが浮かんできてあたりまえだ。これは小山さんに言うより、先に理事者側に言うべきことなんですけれども、しかしあなたのほうで一応の裁定をされるわけでしょうから、意見を申し上げるわけです。理事者側の方がきょう来てないので、この次お尋ねしたいと思っておりますけれども、もう一つ、そういうことを聞きたいのと、それから理事者側の自由裁量権という格好、団体交渉的な要素でこれをきめるわけですけれども、今までの関係で、理事者側の主観というものが、どの程度政府側との関係に認められておるわけですか。

小山進次郎厚生省保険局長

○政府委員(小山進次郎君) 定められた単価で入ってくる収入でやれる限度においては、従来とも、かなり広い範囲の裁量が認められておったわけであります。したがって、先ほど申し上げましたように、事のいきさつは、建前が非常に変わってきたというよりも、実際問題として金を負担する側が非常にきびしくなってきて、そうして下手をすると切り込まれるというくらいな、きびしさをもって責めるようになってきた。そういうことからして、むしろ現在のところでは、過去において得られたやや優位な地位というものを、いかにして今後守っていくかということに問題の重点を置いて考えざるを得ないような実態になってきているというのが、まあ問題の実態なんであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで、何か厚生大臣が事務の簡素化の問題を取り上げられているようでありますが、これはどういうことなんですか。

小山進次郎厚生省保険局長

○政府委員(小山進次郎君) 研究をしている段階でございまして、まだ取り上げるとか取り上げないというふうに申し上げるところまで進んでいる問題ではございません。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで、まあ小山局長にお尋ねしておきますが、その公務員の給与に準じるという、こういう方針がありながら、公務員給与に比して個々の基金の賃金は安くないという工合に判断されておりますか。

小山進次郎厚生省保険局長

○政府委員(小山進次郎君) 私は、さように聞いております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 この組合側の意見を聞きますと、大体昇給の暫定繰り入れその他も、公務員給与並みにしたところで九%は引き上げにゃいかぬと、こういっております。それから何といっても、この労働三権のある団体であって、これだけ能率で追い込まれて、単に公務員給与だけで、これを押しつけられなければならぬという理由は何ものもない。だから、もっと給与を引き上げて待遇をよくしてもらいたいという、こういう強い要求が出ているということを私は聞いているわけです。だからそういう点で、今八・五%と言われますけれども、九%を上げることが必要だということと、小山さんが認定された八・五%というのは何を含んでいるか。それから、先ほどこれはもう話がありましたから、いずれ理事者側に聞きますけれども、もう一つ、この点をひとつお伺いをしたい。少なくとも公務員並みにしても九%の財源を持たなければ、公務員並みにすら上げられないんじゃないかという意見がありますが、これについてはどうですか。

小山進次郎厚生省保険局長

○政府委員(小山進次郎君) 先ほど申し上げましたように、同一の条件で、公務員であったとしなたらば、どういう内容の待遇であるかということとの比較において、公務員に準ずる、準じないということがきまるわけでございます。  で、そういうふうな議論になりますと、先ほど来、私率直に申し上げておりますように、ややいいという傾向のほうが強いのであります。問題は、そういう状態をもとにして、アップ率だけは常に無条件に他の公社、公団のとおりに上げてほしいという、そういう要望があることは、これは事実なんであります。また、そういうことができれば、それは望ましいということも、私はある程度いえるだろうと思うのであります。ただ、支払いをする側からみますというと、簡単にそれには応じきれない。われわれが保障しなければならぬ内容というものは、とにかく基金の職員に対して、公庫、公団の職員に劣らないような待遇をさせろと、そのぐらいの主張には、しぶしぶながら応じなくちゃいけないというような点で、あの金がきまったわけでございます。したがって、事の細目については、私も当面の全責任者でもございませんので断定的には申し上げかねますが、精神なり建前は、先ほど申し上げたようなことができるし、それをやると、こういう前提で、来年度の単価がきめられたものと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それじゃ肝心な人がおらないので、どうも話が進まぬわけですけれども、今、これはあなたに言っても何ですけれども、どうも、先ほどのお話と同じで理事者側は、あなたはそういう見解を持って団体交渉みたいなことを、話し合いをする、向うが主観的に案を立てて、それと政府との団体交渉というか、話し合いによってものをきめているのだ、その建前においては制約も何もないのだ、こういうことなんですが基金の当局側というか、理事者側としては、組合と団体交渉をしないと——たとえばしたとしても、全然政府がきまらなければ、どうにもならぬ、それでうわさに聞いているのは、五十銭の値上げだけで組合側はとてもできないと思っていても、たとえばこれがきまれば押し付けてくるという以外には何もない。正常な労使関係というものは何もないという工合にいわれている。これはあなたを責めるのは無理なんですけれども、そういうことは、私はあってはいけないと思うので、これは小山さんも正常なルートの中で、この問題を処理されようとしているのですから、やはり正常なルートで労働三法の適用する団体でありますから、そういう点も一つ理解もしていただいて、理事者側のそういう指導をしてもらいたい、これをお願いしておきたい。

小山進次郎厚生省保険局長

○政府委員(小山進次郎君) 私の気持は、先ほど申し上げたとおりでございます。理事者側がいろいろ交渉をしながら、おそらく労働者側からいえば、どうも態度をはっきりしないじゃないかという印象を受けますのは、結局それをまかなう金を調達するだけの見通しがつかなければできぬわけであります。先ほど申し上げたように過去においてはきめられた単価の中で、ある程度、裁量をやっていける余地が——相当多かったわけであります。ところが結果的にはだんだんそれが苦しくなってき、支払い側の内容に対する批判というものが、基金の理事会においても非常にきびしくなってきて、なかなか引き上げを承知してくれぬということになってきたわけなんであります。いわばそういう費用を負担する側が、とことんまで納得しなければ、おれたちは上げないぞという態勢を強くとるようになってきましたので、いきおい基金の責任者としては、やっただけの始末は、必ずそういう費用を負担する人たちにつけさせるだけの見通しをつけにゃいかぬわけであります。そういう意味で、いろいろ慎重に事を運んでいるというのが実態でございます。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 残余の質疑は、次回に譲り、本日は、これにて散会いたします。    午後三時九分散会    ————・————

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