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43回国会参議院1963/05/30

建設委員会 第19号

発言数
70
登壇者
9
会派数
4
開催日
1963/05/30

会議録

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  まず、委員長及び理事打合会の結果を御報告いたします。  本日は、建築基準法の一部を改正する法律案について、前回に引き続き質疑を行ない、討論の後採決を行ないます。次に、昨二十九日付託になりました不動産の鑑定評価に関する法律案の提案理由及び補足説明を聴取いたします。   —————————————

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) ただいまから本日の議事に入ります。  建築基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質議の通告がございますので、この際御発言願います。市川房枝君。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 今審議されております基準法の改正案と直接の関係はございませんが、基準法に関連して少し伺いたいと思います。  建築申請をいたしましたときに、関係の当局から確認書がおりるわけでございますが、その確認というのはどういう意味でございますか、それをまず伺いたいと思います。

前田光嘉建設省住宅局長

○政府委員(前田光嘉君) 現在建築をいたします場合には、その基準として建築基準法がございまして、あるいは道路との関係、あるいはその建物の構造その他、いろいろ制限がございますが、この制限の条項にその建築物が合致しているかどうかということを、行政庁がこれを調べまして、そこで合致しておれば確認をするというふうにいたしまして、きめられた法規にその建築物の設計が合っているかどうかということをチェックする業務機構でございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 これは許可とは違いますか。これは、許可、不許可という意味ではないのだ、だから確認というのは大したことじゃないのだ、こういうことを言う人もありますけれども、その点いかがですか。

前田光嘉建設省住宅局長

○政府委員(前田光嘉君) 普通行政処分をいたします場合に、許可と申しておりますのは、一般的には許さないのでありますが、しかし、一定の条件があって、条件に適合しておればこれを許す、認めるという意味に使っております。非常に制限の強い場合に、禁止的な場合に一部を解除するという場合にこの許可を使いますが、確認は法規と合致してさえおれば、これは当然建てていくべきものである。しかし、ほんとうに合致するかどうかということを特定の行政庁において確実に調べるという意味において「確認」という言葉を使っておりますので、許可とは若干性格が違うと思います。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 そうすると、確認というのは非常に弱い、許可は強いというふうに今伺ったのでございますが、しかし確認は、基準法に合致しているかどうかということの確認なんでございますか。もし合致してないと、それが違反ということになるわけですね。

前田光嘉建設省住宅局長

○政府委員(前田光嘉君) 強い、弱いという表現はなかなかむずかしいのでございますが、許可は、一応行政庁の裁量によりまして、許可しないでもいいことが多いのでございますが、確認の場合には、法律にもありますように、チェックをするだけでございますので、建築基準法では、一定の期間内に確認をしなければならぬ、というふうに規定いたしまして、許可と、一般的に禁止したものを解除する、そういう構成とは違った法律的な体系になっております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 どうも、しろうとだから、今おっしゃる意味が私にはよくわからないのですが、一体、そういう確認というふうな法的な用語は、ほかで使っておるのでございますか、この基準法だけですか。

前田光嘉建設省住宅局長

○政府委員(前田光嘉君) 私ほかの法律全部は調べておりませんが、この建築基準法にいうような確認という制度は、ほかにあまりないと存じます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 どうしてこの法律だけで確認という………。

前田光嘉建設省住宅局長

○政府委員(前田光嘉君) 建築は、これは一般的に禁止をすべきものであって、ただ条件に合えば許してやるというものではなく、当然建築は各企業主体、工事場で作っていいものだ、ただ、それが法規に合致しているかどうかということを自分自身で判断をすれば、誤っている場合もあるだろう、そこで行政庁がそれを見てやるという建前でございますので、禁止をして、許すというのとは、法律構成は別にすべきであるということから、こういうふうにしたのであります。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 やはりわからないのですが、国民の基本的権利といますか、そういう場合には、許可とかいうのじゃなくて、やはり確認ということになりますか。建築をする自由というものは国民は持っているのだ、だから、それは許可とかいうのじゃなくて確認にしたのだ、こういうふうに解釈していいのですか。

前田光嘉建設省住宅局長

○政府委員(前田光嘉君) 建築の場合につきましては、法規で縛っておりますことは非常に技術的な事項でありまして、技術的事項にさえ合致しておれば、これは許していいのだという建前をとっておりますので、一般のその他の公益的見地から一応禁止をしておいて、公益的見地から見てその禁止を解除してもいいという場合に許可をするというふうな、そういう法制の場合と違った制度で考えられたのでございます。しかし、建築基準法の中にも、たとえば都市計画的見地からする場合には、許可を必要とする場合もございます。これは、都市計画的見地という公共的な見地についてやはり許可しなければ、原則として建てられない、建ててはいけない。しかし、公共的見地から見て許可してもいいという場合には、許可をするという条項も入っております。一般的に技術的な条件につきましては、その建物が、建築基準法に規定されており、技術的事項に合致しておるかどうかということをチェックするのだというふうに二つに分けてやっておるのでございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 まだよくわからないのですが、別の機会にもっと詳しく伺いたいと思います。  先に進みますが、そうしますと、建築物が公道でなくて私道に面している、私道を通って入ったところに建築物を建てるという場合には、この確認書がおりるということは、確認されるということは、それはその私道をつまり、通ってもいいということになりますか、その辺はいかがですか。

前田光嘉建設省住宅局長

○政府委員(前田光嘉君) 建築基準法では、御承知のように建物を建てる場合に、その敷地が道路に接する場合もございますが、その場合の道路といたしましては、道路法できめられたいわゆる公道に接する場合もこれは認めておりますし、そうでない私道の場合も認めております。そこで、建築をする場合に、私道に敷地が接する場合におきましては、それはやはり私道としての、実際上道路と、公道ではございませんでしょうけれども、私道として一般に認められておるもの、というものでなければ、これは建築基準法上の道路としては扱えないと思いますので、技術上この私道が通行の用に供されていなければならぬと思います。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 一般に認められているというのはどういうことですか、具体的にいいますとどういうことですか。

前田光嘉建設省住宅局長

○政府委員(前田光嘉君) 私道といいますと、御承知のように、これは個人が自分の所有地を道路に使っておりますので、ただその所有者が自分だけが歩くというのでは、これは私道と認めかねます。やはり自分以外のもの、その付近の人がそれを何らかの形において、あるいは地役権とか、あるいは借地権とかの関係もございましょうが、権利関係はともかくといたしまして、事実上その近傍の人がそこを最小限度通行しておるという事実がなければ、これは私道として認めることはできないと存じます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 いわゆるその私道に対しては所有権というものを地主は持っているわけなんですけれども、その所有権というのはどうなんです、その所有権と今の通行権ですか、私道でも一般に認められておればそれは道路と認めると、こういうことと所有権の関係はどうなんですか。

前田光嘉建設省住宅局長

○政府委員(前田光嘉君) 所有権は、これはこの敷地について、あるいは所有権じゃなくて賃借権でその道路を使う権利、とにかくその道路につきまして、その所有者あるいは賃借権者は、これを利用する権利があるかと存じますが、その場合に、本人以外のものが道路を使うという、その使う権利につきましては、いろいろ慣習法上使っておる場合もございますし、あるいは正規の民法上の権利によってそこを使っている場合もございますので、一がいには申されません。現在の都市の状況を見ましても、何となしに前から通っておるということで、そこを一応私道として認めざるを得ないという場合も相当にあるように聞いております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 さっき申しましたように、その私道の奥に建築物を確認を得て建築するわけですね、そういう場合に、その私道の所有権ないし賃借権を持っておる人が、これは私道なんだ、所有権が自分にあるんだから通さない、建築の資材なんか運ぶ、それを通さない、そういった場合にこれは一体どうなりますか。

前田光嘉建設省住宅局長

○政府委員(前田光嘉君) 先ほど申しましたように、この私道は明確な法的な規制を実は受けておりません。実質上は個人の所有物である、あるいは個人が所有権以外の権利によって、賃借その他の権利で使っておりますので、道路法の道路のように、何人も通行ができるという権利が保証されておりません。ただ建築基準法におきましては、それを道路と扱って、私道でもその私道に接して建築敷地を作ってもいいというふうにしておりますのは、やはりそこの家に到達する、あるいはその家への連絡というのが、普通の建築基準法で最低限度を規定しておりますところの生命の、あるいは財産の保全とか保護とか、こういうふうな限りにおいて、これは当然通行の用に供する必要がございましょうけれども、一般の公道とは違いますので、ある程度の道路としての利用につきましては、その所有者の考え方によって若干の制限と申しますか、もあることも、実は法律上はそれを制限するということは困難でないか、こう考えております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 今の御答弁のように、それはその私道の持ち主に所有権があるんだから、自由に第三者が使うということにはある程度の制限がある、まあ、たとえば、建築の場合に建築の資材を運ぶ車、あるいはコンクリートを運ぶ車なんかを通さぬと、それがもしその主張が成り立てば、建築できないのですけれども、それなら確認をしなければいいということになるのですが、確認しておいて、建て主はだからこれは建築できるんだと思うのに、片方は、私道なんだから、それはやはり持ち主の主張も一部もっともだということになるというと、私はなかなか確認を、そういう場合に、私道に沿っている場合には確認しないというならいいですけれども、確認はしておいて、そしてあとは知らぬと、これじゃ建て主が非常に困るわけですけれども、それはいかがですか。

前田光嘉建設省住宅局長

○政府委員(前田光嘉君) 私道として実際上通行をいたしておりまして、それが私道として確認した以上は、その道路としての効用を、できる限り効用に沿って利用されるようにされることが望ましいのでございますが、先ほど申しましたように、現在の法律では、私道につきましては、その通行の確保につきましての規定が実は明確でございませんので、どの程度が私道の場合に通行の制限を認めていいかどうかという点につきましては、実はその付近の、あるいは慣習できまっているとその慣習法によりますが、そうでない場合はいろいろ問題が出ようかと思います。現在の法律におきましては、私道が建築物の敷地に接しておることを要求しておりますが、私道の変更によりまして、建築物の敷地が私道に接する接し方が法律の規定に違反してくる場合におきましては、そういう私道を変更する、あるいは私道の利用の形態を変えることにつきましては、抑制、制限をする規定はございますが、それ以外につきましては、道路の通行の形態につきましてどの程度認めるか、どの程度のことは最小限度必要かということにつきましては、建築基準法の解釈から考えられる運用によらざるを得ないと思います。そこで、われわれもこの点につきましては、いろいろ建築の敷地等につきまして、問題が出ておりますので、実は私道の考え方につきましていろいろ検討いたしております。たとえば、そういう私道でもできるだけ公道にいたしまして、道路法によって当然一般公開にするとか、あるいはもしその点で困難である場合には、私道としての通行の確保をする場合に、何らかの法的規制ができるかどうか、ただこれは、全然土地の所有につきましては民間にゆだねられている関係上、一つの財産でございますので、個人の財産に対しまして、それがどの程度法的な制限ができるかという関係につきまして、相当財産権の関係がございますので、なかなか結論が出にくいのでございますが、最近の都市内の道路の状況を見ますと、公道の分量に比較いたしまして相当私道が多く、しかも、その私道を利用いたしませんと、建築敷地に入れないという場合がございますので、そういう点いろいろ検討いたしまして、なるべく一般の通行にも影響しない、しかし同時に、私道として提供しておる個人の財産権の保護につきましても、それほど重大な制限をしないで、しかも、土地が有効に活用できるという方法を何とかして見出したいと思いまして、いろいろ検討しておる段階でございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 これから御研究下さるということでけっこうですが、やはり国民の住居を必要に応じて建てさせるといいますか、建てるといいますか、ということになりますと、どうしても敷地の問題が必要欠くべからざるものになるのです。建築基準法は、さっきお話のように、建築についての物理的というか、現実的というか、それを規定しているんだと、だから、敷地の問題なんかについては、あまり実は関係ないみたいなようなことになっているのではないかという気がするのですが、だから、確認は確認、それから私道の持ち主は持ち主、そして自分の権利を主張する、こういうようなことで、矛盾、衝突が起きておりまして、これはまあ国民の中にはずいぶんその問題で困っている人たちがたくさんいると思うのです。そこで、ほんとうに建設省が国民の住居の問題を心配して下さるならば、敷地の問題まで考えていただくのが当然ではないか。それで、私道もあるその持ち主だけ、特定の個人の私道なら、これは私は問題はないと思うのです。その私道を何人かがそれを使っておるというような場合、ことに最初は通行を十分していたのが、持ち主が変わったというようなことから、いろいろめんどうな問題が起きてきているわけなのですけれども、だから、基準法の中では私は私道の問題をもう少しこまかく、ことに一般の住民の立場になって考えていただきたいということを非常に希望するわけなのですけれども、これはあれでございますか。今御研究といいますか、具体的な御研究に入っておいでになって……、将来これを改正するというようなところまではまだいっておりませんかどうですか。

前田光嘉建設省住宅局長

○政府委員(前田光嘉君) ただいま御指摘のとおりでございまして、われわれもこの私道の問題の扱い方が、現在の基準法あるいはその他の法律上不備であるということを痛感いたしておりまして、実は建築基準法の改正の際には、いつも議論をいたしまして、ある程度法案を作ったときもございますが、個人の財産をどの程度制限していいかどうか。それならむしろ、私道を全部公道にしてしまうべきではないか。しかし、そういう場合には、公道にするについては財政措置も必要でございますので、その点でなかなか簡単に結論が出ませんので、今日まで来ておりますが、何とかしてこの問題を処理したいと思いまして、鋭意検討中でございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 一応これで……。

藤田進日本社会党

○藤田進君 建築基準法の一部改正が施行されてそのあと、法としては高層建築を提案理由から見ても期待しておりますけれども、そうすると、経済性等から見て大体三十階ぐらいまでという答弁もあった、経済性の見地から。そうすると、相当な高層建築ができたとした場合に、これに伴う現行法下における許認可を得て各種施設をしているもの等に対する影響ですね、悪い影響について例示してもらいたい。

前田光嘉建設省住宅局長

○政府委員(前田光嘉君) 現在の建築物は、一応一般的には三十一メートルを基準といたしまして、いろいろ施設が伴って、これに関連してできておるものがございますが、たとえば防火の関係の条項などにつきましても、一応三十一メートルというものを基準にいたしまして——もちろん現在でも、現行法におきましても、例外許可によりまして、三十一メートルをこえる建築物もございますが、一応原則といたしまして、そういうふうな建物を限界と考えまして、所要の法規なり、あるいは設備その他をきめております。これにつきましては、防火の条項につきましても、目下消防庁と検討いたしておりまして、高層建築物になった場合におきましても、防火上支障のないようにいろいろ研究を進めております。  もう一つ問題になりますのは、電波の関係でございまして、現在マイクロウエーブが都市内——都市から各地に通じておりますが、その際に、建築物ができますと、あるいは障害になる場合も考えられます。この点につきましても郵政省といろいろ協議中でございますが、あるいはそのマイクロウエーブのルートの設定の仕方、あるいはまたそのルートを設定する場合に——アンテナを立てる必要のある場合でございますが、その場合に敷地なり、あるいは建築物の利用をどうさせるか。あるいはまた現在のマイクロウエーブを、電波そのものをこれは集中いたしまして、網の目のようになっておりますところの電波路を整理することが可能かどうかという点につきまして、目下郵政省と検討中でございますが、この高層建築物ができるに際しまして、あるいはその他の点につきましても、障害があるいはあるかもしれませんけれども、今のところ、われわれが聞いておりますのはその点でございまして、いろいろ関係の方面とも十分連絡いたしまして、一方で国民経済的に必要な高層建築にするとともに、それ以外の諸施設につきましても、十分連絡をとりましてお互いに支障のないように円滑にいくようにしたいと考えておるのでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 防火と電波関係だけですか。

前田光嘉建設省住宅局長

○政府委員(前田光嘉君) 建築物とその他の関係につきましては、たとえば飛行機の発着とか、あるいは道路の関係等ございますが、これらにつきましては、現在でも法規がありますし、ある程度の具体的な事項になりますので、今のところ、今回の建築基準法の改正によりまして高層建築ができた場合に、特にそれほどの障害があるということは、まだ実はわれわれも十分研究ができておりません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 その中で電波関係についてですが、いろいろ連絡をとり、ルートなり、あるいはそれを集中運営をするというようなことについて目下検討中というふうに聞くわけです。しかし、その方法として、法規上どのように考えているか。なるほど航空法によると煙突の高さがどうだとか、そういう規制をしているところがあるわけですね。電電公社のみならず、報道関係とか、あるいはその他の法人が現在現行基準法を基準にしてそれぞれ送信受信設備をやっている。それがどこかにその電波ルートにおける建築物の障害というものを受ける、通信関係が乱れてくるというときは、すでに設備改良はおそくなって、どうしても事前にこれが匡救をはかっていくということは当然なことだと思う。そういう場合に、施行者が当該各種電波経営者に対して事前に連絡協議をするなり、あるいはこれを所管官公庁において業務を代行するなり、何か法規上のものがないと、この法案の大きな手落ちになるように思う。そこで、これらについて行政指導のみならず、法規上の措置をどのように考えているか。

前田光嘉建設省住宅局長

○政府委員(前田光嘉君) 電波の関係につきましては、先ほど申しましたように、電波管理当局と検討をいたしておりますが、現在ある放送施設の改善あるいはまた建築物を、その電波路に当たる建築物については制限をするという場合も起ころうかと存じます。こういう場合につきましては、これは法律上電波路に当たる場所においては建築してはならない、あるいは一定の高さの建築物は建築してはならないというふうな規定も必要かと存じます。また、電波は御承知のように、まっすぐにいきますが、迂回をさせることもできますので、場合によっては迂回をさせていかせる。その場合に迂回のために必要なアンテナを設ける必要がございますが、その場合にその土地が使用できないと困りますので、そういう場合には、あるいは強制的にその土地が利用できるということもこれは法律が要るかと存じます。あるいはまた、電波そのものにつきましても、どの場所にその電波ルートを設けるかということにつきましても、現在ある電波路を集中する必要がございますが、こういう点につきまして、今郵政省におきまして、いろいろ案を検討されておりまして、必要な場合には法案といたしまして、できる限り早くこれを成案にいたしまして、法律案として提案をしたいと言っておりますが、それまでの間につきましては、この建築基準法の改正によりまして、高層建築がもし出てきます場合には、われわれのほうでは十分事前に連絡をとりまして、先般来申し上げましたように、指定区域が、容積地区が指定されまして建築が行なわれましても、一ぺんにたくさんの建築ができると考えられませんので、特定の建築物につきましては、ただちに電波関係の当局と相談いたしまして、それをどうするか、あるいは建築の抑制について御協力を願う、あるいはまた迂回路を設ける、あるいはまた、アンテナの位置を変えるということ等につきまして十分に連絡いたしまして、相互に矛盾のないように適切な運用をはかりたいと考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 要約すると、そういう障害が予想されるその場合は、建築基準法でなくて、電波関係法規の中に、その点を事前連絡協議なり、その他の措置について規定をするということを政府としては決定し、少なくとも来国会にわいてはその法案を出すということになるわけですか。

前田光嘉建設省住宅局長

○政府委員(前田光嘉君) 郵政省がそう考えておりまして、われわれもできるだけその線に沿って協力したいと考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 しかし考え方によっては、基準法の中に当然これは採光その他衛生等々については考慮を払っての改正があるわけなんだから、当然基準法の改正に伴いそういった関連する障害については基準法の中へ入れるべきだろうと思う。しかし、それはそれとして、他の電波は電波、あるいは航空は航空という形で別の規定を設けるということであれば、こうして提案される以上、国民としては、後ほどどのようなものがどうきまるかという危惧が残るわけで、当然それらの調整をとられて、提出の時期は今国会に間に合わないけれども、法律案要綱としてはこういうものを考えておる、各省間の調整はかようについているということでないと、どうも筋が通らないように思う。この法律施行になっても、そんなに早く高いものが建たないと思うということであれば、この国会でそんなに急いで建築基準法の一部改正を通す必要もなくなるわけです。だから、実際には空論じゃなくて、各方面から私も聞いておるわけです。発信所の付近に高層建築ができますと、目の前に高く障害物ができることと同じように通信が不能になるわけで、これが改良をしていかなければならぬ、それには相当事前に器具機械等を準備しなければならぬということで、この点はあらかじめ協議して、両々相待って運営が円滑にいくようにという非常に強い希望を私も受けておるわけです。そこで、そんなことを言われても、議事録を幾ら後日引っぱって見ても、なかなか電波関係、郵政省関係は出してこないということになり、その間の空白時における行政指導としては法に基づかないものは何もなりません、根拠がない。この際もっと明確に態度をはっきりしてもらわなければ賛否を明らかにするわけにいかない。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) ただいまの御意見しごくごもっともと考えますが、事務当局の話によりますと、郵政当局と緊密に連絡をとりまして、郵政当局において法案の準備中であります。私といたしましても、御趣旨の点十分考慮いたしまして、郵政大臣からぜひ次の国会に法案を整えて提案するように協力いたしたいと思います。万一御期待に沿うことができません場合には、別途建設大臣として考慮いたすことにいたします。

藤田進日本社会党

○藤田進君 それは別の電波関係法、郵政省所管法案の中でそういった支障についての事後処理を明確化していきたい、その骨子としては、その電波路における基準法による建物、高層建築ができないということなのか、あるいはその電波施設を高さを変えるなり、あるいはルート変更させるなり、あるいはそのいずれかを調整して最も適当であるというものに変更——いずれかを建築施行者に変えさせる、高さを制限させるか、あるいは電波関係者に、新聞報道なり、あるいは電電公社なり、その他の法人について改良させるか、そういった方向性はどうなりますか。

前田光嘉建設省住宅局長

○政府委員(前田光嘉君) ただいまの郵政省の試案でございますが、建築の高位の制限をするという条項も入っておりまして、その他、その以外の専門的な電波路の事項に関する事項も入っておりますが、建築制限に関する事項その他も電波法の中に入れる案で実は協議をしているわけでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 大臣の御答弁で、今後早急にその点は責任を持って法を立法化するようにという御決意がありましたから、この点、これで了承いたします。  それから次ですが、河野さんになられて、かなり新法の創設がこの国会に出て参りまして、要するに、私はこれを見ましての感じは、一方東京の場合を考えますと、首都圏の整備ということで大臣自身も委員長をやられて、あるいは国会その他官庁街を別に設けるのだということで下見もされたように思うのです。ところが、それ自体は、東京に対する人口の集中を防除する意味において一種のゼスチュアにすぎないんじゃないかという印象を受けるわけです。なぜならば、オリンピックはいろいろな運動のもとに誘致され、これに伴う施設ということもあり、あるいは今度の宅地開発なんといったようなことで緊急な、人口密度の高い東京、これを当面どう解決するかということに集中されているように思うのですね。そこで、首都圏としての広域構想に基づく衛星都市なり、あるいは官庁街、ことによれば国会なり、あるいは皇居なりを移転するという大きな構想とは矛盾を持つような施策、あるいは立法というものが出されてくるように思うのです。私は、根本的に東京が将来の人口増に伴ってこれに対処するのだ、水道、いわゆる下水道から始まって港湾設備、その他の交通機関、宅地、今論じている建築基準法の改正、これも東京がふくれる、そういうものに本来は重点があるのだ、東京都の将来への膨張に備えていくんだということのようにも思われるし、他面そういった都市の疎開という点も大きな政策として出されています。そうすると、いずれにしてもこれは二者択一の問題じゃないか。将来官庁街の移転なり、あるいは学校も含めてということであり、衛星都市を作り上げる、そういった一連のもう一つの大きな政策というものが、ほんとうにこれを推進するんだということになれば、やや現実に今行なわれている政策はアジャストされてしかるべきじゃないか、どうも二本立てのようだけれども、実際は衛星都市その他の広域都市に対する、あるいは官庁街疎開等に対する態度というものは、どうもゼスチュアにすぎないんじゃないかという私は感じを持っているわけです。この際、こういった総合的、根本的な内閣の建設大臣等の御方針をこの際承りたいと思います。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 実は私も建設大臣に就任いたし、引き続いて首都圏整備の委員長に就任いたしまして、いろいろやって参りますうちに、今お話のようなことを、私自身もしばしば感じておるわけでございます。そこで実は、先般首都圏整備の委員の諸君、その他建設関係の委員の諸君の中から熱心な諸君もしくはその他の学識経験者の諸君等にお集まりをいただきまして、一体今のように作文を書いておるようなことじゃ、どうしても自分としては得心がいかない、少なくとも何かやらなければだめだ、そうして一般の諸君に得心のいくようなことをしていかなければだめだ、あれもこれもと言うておるけれども、一つも進みもしない、ここ数年間何もやっていないじゃないかということを、諸君に率直に私は衷情を披瀝いたしまして、何から一体やったらいいか、どうすればできるかということの意見をひとつ聞かしてもらいたいということで、八月末までにその懇談会の意見をまとめて、明年度予算にこれを組み入れていくように実はしていきたいということで、来月の三日にあらためて、もう一ぺん関東平野を実はヘリコプターで、これらの諸君を案内して見てもらおう。といいますことは、少なくとも官庁街といいましても、今ある官庁を急に移すといいましたところが、そういうことはなかなか言うべくして実行できにくい。そこでさしあたり私は、ぜひやりたい、すぐやりたいと思っておりますことは、早急に考えられておりまする各省にありまする試験研究所、これは都内に散在いたしておりまするもの、これらは当然試験研究所等はなるべく統合していくこともいいでございましょうし、なるべく近接したところにあることもいいことでございましょうし、そういうような意味合いから、試験研究所をまず手始めにやろう、これと新設される予定の学校、これもやろう、この二つだけはどうしても手をつけたい、官庁はとにかくとして、これは政府自身でできることですから、やりたいということでいきたい。そのほかに、今お話のありました東京都内の中小工場の移転というようにして、少なくとも東京の人口の過熱することを避けたい。これが今お話のとおりに、こうして高層建築に直せば、そこに人口がさらに集まるじゃないか、道路を直せば、さらに便利になればなるだけ人口が集まってくるじゃないかということで、東京都を整備すればするだけ人が集まってくる、一方において分散するということで、どうもそこにいきかねる点があります。ということは、東京都と首都圏整備委員会並びに政府の施策との間に関連性がむろんあるわけでございますけれども、なかなかこれが東京都という行政体が、政府とテンポがうまく合っていきません。そこでこの連絡を緊密に、たとえば水道の問題一つを取り上げましても、われわれ、ああもこうもといろいろ苦慮いたしますけれども、都のほうはなかなか一緒に歩いていくことが困難な場合が間々あるわけでございます。そういうことで、これらも何とかひとつ抜本的に隘路を切り開いていかなければならぬのではなかろうかという考えでおるわけでございますが、帰するところは、今お話しになりましたようなことにならないように、私自身としても何とか持っていかなければならぬし、その方向をきめて、同時にそれを、たとえ一歩々々でも前進していくということに歩き出さなければいかぬのじゃなかろうかという非常に焦燥にかられておるというのが、私の実は現在の心境でございます。できるだけ御協力いただきましてぜひやりたいと考えておるわけであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 地方の知事その他の意見を聞きますと、河野建設行政というのは、実は東京あるいは大阪その他人口調密、しかも交通頻繁でどうにも動きのとれないというところに重点が置かれる、したがって、地域的所得格差といったような総合的なものではないので、ローカルでは非常に困るということを聞くのです。しかし、私ども東京にもおりますし、当面の交通事情というものを勘案しなければならぬということもわかるので、必ずしも知事の言われるようにほうっておいて地方都市だけというわけにいかないことはわかりますが、しかし、現在の国土総合開発審議会——私も数年ここに出ておりましたが、結局経済企画庁の出されたものを見て、いいかげんのときに散会するということがまたときにはあるわけですね。そこでその行政組織としても、今別途に考慮され、けさでしたか、新聞に出ておったように、首都圏庁を作る構想があるようですが、何にしてもテンポがおそい。そして今地方の知事が言うように、河野さんの当面緊急政策ということに重点が置かれるとするならば、東京の場合、行く末を考えると、首都圏整備と言われてみても、結局は旧東京都内における施設の増強に予算を集中するということになってしまうのじゃないか。その半面地方都市は、中小都市というものはだんだんさびれていくという傾向が非常に強く出つつあるように思われるわけです。そこで建設大臣とされては、今のようにいろいろ焦燥にかられるでしょうが、しかし、どうしてもこれは具体的に手をつけて発足されるものならば、首都圏の場合も発足されなければ、ただ機構いじりをしている段階ではないように思うのです。それから地方都市の開発というものも、総合開発というものにもっと骨を入れてやって参りませんと、地方都市がさびれていくから、自然青年たちは大都市に集中する、産業も集中するという悪循環があるので、これを強い行政力によって解決し、断ち切っていかなければならない時期じゃないかと思いますので、特段のひとつ御努力をいただきたいと思うのです。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 地方の知事さんのおっしゃるように、私の施策のために東京、大阪に人口が集まるのじゃないので、集まっておるこの人口を、この産業をある程度動けるようにまずしてやることが先決問題じゃなかろうかということで、実は必要な道路もしくは施策を発表いたしました。  ところが私考えますのに、現に、政府におきましても、主要産業都市の指定を急いで研究、検討中でございます。しかし、ここに一つ大きく考えなければならぬ点は、私は、国際的な貿易の自由化、国際経済に対する日本経済の全面的な投入という一つの事実、これに対応するために、国内的な感覚で地域格差の是正というような面で地方に施策をいたしましても、国際経済の中に融け込んで参る日本経済というものに考えを及ぼしましたときに、最もすぐれた立地条件のところに基盤を置いた産業、この産業でなければこの競争に勝ち抜くことはできぬだろう。したがってまた、これからの日本の産業というものは立地条件の最もすぐれたところに集中してくることはやむを得ぬのじゃなかろうかという気持がいたします。これをただ単に地域格差の是正で現状に一般の国民の分布をそのままにしておこうということをいたしまして、一体これからの世界経済の中でわが民族がどういうふうになっていくかということを考えましたときに、そこにひとつ、地域格差の是正ということだけでなしに、積極的な面をもって公共投資をしていかなきゃならぬのじゃなかろうか。したがって、地方産業都市の設定の際にも、そういう点を相当に考慮に入れつついかなきゃならぬのじゃなかろうかというふうに私は実は考えられます。現に経済企画庁あたりの将来の予測によりますれば、まあこんなものは予測でございますから、どれまでの信憑性が、確実性があるかわかりませんけれども、おそらく今後十カ年間に関東平野に集中する日本の人口は四〇%以上をこえるだろうということを実はそろばんをはじいている者もおるわけであります。そういうような国民的な構造の変革というようなものは、やはり将来の経済を見通して考えましたときに、そこにやはり産業立地というようなものの進んでおるところにどうしても集中されるし、産業というものはそうならざるを得ないのじゃなかろうか。また同時に、一面地価格の問題から考えましても、都市の土地の価格の非常な高騰に——非常に地方との間に地域差がある。これらはかかって道路交通の関係にあるだろう。したがって、東京とか大阪とか非常に土地価格の高いところと、これら近郊との間に道路交通の開設をいたしますれば、そこに新たな土地の利用度が増してくるというような点も考えますと、どうしてもやはり人口の集まっておるところになるべくそういったような施策をしていくということが必要じゃなかろうかという点も無視できないのだろう。あれもこれも考えますと、非常に道路の問題、河川の問題、住宅の問題、ただいまおっしゃいました産業投資の問題等を考えますと、公共投資には莫大なものが必要になってくるわけであります。これをはたして今後五カ年、十カ年の間に日本の経済が、これらの公共投資を一体どの程度考えられるだろうかということを考えますと、そこに一つのまた大きな問題があると思いますので、一体これらの調和を、調整をどうはかっていったらよろしいだろうかというようなことも実は悩まされておるわけでございます。せっかくひとつ各方面の方々の御意見を拝聴しつつ善処していく必要があるだろうと考えておるわけであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 今言われた既成都市を核として、その周辺に膨張していくようにというまあ考えが強いように思うのです。単独に衛星都市の形成とか、首都の移転とかということよりも、そういった面にウエートが置かれているように思うし、提出されている諸法案を見ても、そういう私は感じを受けたことを申し上げたわけです。しかし、首都圏に関する限りは、あるものはもうすでに東京都をはるか離れて本社を持ち、といったような産業活動の用意をしているところもあるし、また、政府がいろいろかけ声をやってみても、しょせんそういうことはなし得ないのだ、経費的にも歴史的にもやり得ないのだということで、旧東京都に集中するという傾向のものがほとんどを占めておるわけです。こういうときに一つの目標というものを早急に与えていくということは、行政の、今この時点では非常に大切な時期じゃないだろうか、それが一つであります。  それから、地方都市ですが、なるほど世界経済の中における将来の日本の経済というものは、私はそう容易なものじゃないと思われます。したがって、産業立地条件がもちろん必要ですが、その場合に個々の産業、地域におきましてはなかなかそういった産業基盤の強化のための公共投資などということは、御承知のとおり財源的にも、あるいは、その力関係においてもむずかしいことなんで、新産業都市指定がいろいろ問題になっておりますけれども、これなどにしても、単に指定を獲得したというだけではさした効果はないように思われる。一貫した総合的な施策がこれに伴いませんと、現実には予算の裏づけのあるものでないと問題があるように思われるのです。こういう点はもちろん経済企画庁の仕事かもわかりませんけれども、しかし、現状を見ますと、経済企画庁でもってこれらが国民の納得し得るような計画が立案され、実施に移されるということに私は非常に疑問を持っております。現行法上実施官庁である建設省も相当大きな力とならなければこれらの目的の達成はむずかしいと思う。今お伺いしますと、結局研究施設等手近かなものを、東京でなくてもよろしいものをしかるべきところに移転をしたい。これにはもちろん、伴う一般社会施設が必要でございましょうが、さらに一歩を進めて、どのようにしたいのか、緊急対策に結局は明け暮れて、これに追われていくということを私は予見せざるを得ないのです。どういう次の手があるのか、研究施設のみならず、皇居にしてもいろいろ議論がありましたが、御承知のように本殿ももう実施されておるというようなことから見ると、これはそのままだということであれば、なるほどかけ声だけで、実際に政府が腹をきめていないというふうに言われても仕方がないように思うのですね。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 実は私といたしましても、今後の道路にいたしましても、都市のあり方につきましても、将来の日本のあるべき姿、理想図というものを大体持たぬことは適当でなかろうと、ただ現状に即した道路、現状に即した追われた姿の建設、公共投資というだけでおっては、将来むだを繰り返すということになるだろう。たとえば現在主としてやっておりまするバイパスのごときは、その感を深くするものでございます。したがって、現に計画局において将来の日本のあるべき姿、あらしめたい姿というようなものを今せっかく勉強さしております。まだ粗案でございまして、発表する段階には至っておりませんが、私も多少一緒に勉強いたしております。そういうものにつきまして、なるべく早い機会に大方の納得のまあ一応つく参考になるようなものができれば一番けっこうだと思って、そういうものを目標に置きつつ、それに合うような、未来図に合うような現状に即した道路、たとえて申しますと、日本の縦貫道路にいたしましても、現状に非常にとらわれた縦貫道路というようになりますが、たとえば一例をあげますと、中国の縦貫道路をどこにしたらいいか、東京——大阪間はさることながら、大阪——下関——門司の間はどうしたらよかろうか、これを中心部の山岳地帯を通せという御要望が強いようでございます。これは表の日本のまん中を通して両方へ分けろという意見がだいぶ強いようでございますが、はたしてそれが一番適当であろうかと、現在の山陽線との関係がどうだろうか、人口の配置、将来の産業の分布等から考えてどうだろうかという点についても検討をいたしております。と同時に、明年度新しい道路五カ年計画におきましては、現在のバイパスに、さらにある程度修正を加えまして、そうして山陽線を大きく、バイパスというような意味合いにおきまして、ただ一つの市を回るというのでなしに、現在の山陽線を少し中に入ったところにひとつ将来の縦貫道路になるようなものも想定しつつやったらどうだろうというようなものも実はやっておるわけでございます。お答えになるかどうかわかりませんが、私といたしましても、決して既存の都市そのものにとらわれて、ただ追っかけられてそれだけを処理していくということに満足しておるわけじゃないのでございまして、そういうものも考えに置きつつやっていってみたい。早急にそういったものについても、われわれだけの結論を得た上で、大方の御批判を得て、最終的なものを何とかまとめてみたいと思って努力いたしておるということも実はやっておるわけでございます。何分財源のほうに見通しがつきませんものですから、あまり先走ったことを申すのもどうかと思います。それこれ見合いつつ、実はせっかく努力いたしておるということが現状でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 その趣旨のことはよくわかるし、なかなかそう簡単なものじゃございませんが時間がないので、私も一例をあげれば、東京の場合、私は毎日自分で運転して通っておりますが、急ぐときは渋谷に車を預けて地下鉄で来ます。そうしなければとても間に合わない。要するに、これらの経験から見ますと、拡幅ということも一つの考えでしょうが、問題は流れですね、流れが阻止されるということが、交差点において、あるいはその他のゴー・ストップでありますし、そういったことですが、一例をあげると渋谷——三軒茶屋、これは東急の専用道路、今拡幅されつつありますが、拡幅されたところで路面電車が、玉電というものがある。電車がとまる。バスがとまる。そのバスの量たるやたいへんなものなんです。朝晩見ますと、列車が連結して通っていくような状態です。そうして停留所間の運行時間が非常に短いために、通常の乗用車その他を追い越して行って、右側から、そして左に寄ってとまる。そのための交通事故も非常に出ております。大体私は毎日の交通事故を見て通りますが、これなんかも当然早急に地下鉄にしたらよさそうなものだ。よく聞いてみると、東急はそれぞれの有力者にひもがついていて、運輸大臣もその系統だというようなことで、なかなかバスの営業的見地から見ると、地下鉄にするよりいいといったこととか、いろいろな事情があるようなことを私は聞いております。こういう私権、いわゆる既得権の尊重ということも必要だと思いますけれども、しかしもっと抜本的な解決をするためには、いろいろ今度法案が出されておりますけれども、そういう実施面においても、既得権の尊重はしながらでも、行政指導を強くされて、これはあそこだけではございませんけれども、そういった流れの解決というものはできないだろうか。幾ら政界の有力者に企業自体が関係を持っていても、そういうことでは私は済まされないのじゃないかと思うのですが、どうなんですか。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 実は私もそういう感を深くいたしまして、御承知のとおり、建設省は道路を直す、幅を広げる、まっすぐにするということで、御承知のとおりバスの許可、認可といいますか、というような場合には、建設省の意見というものがあまり尊重されていなかった。建前じゃ意見を聞くとなっておったようでございますが、その意見も、三年くらい前に意見を聞いておって、三年もあとになって、前にこう言ったということで認可したり、許可したりしておるという実情は御承知のとおりであります。そこで先般来、私建設大臣になりましてから、運輸省との間によく話し合いまして、今後は建設大臣に協議するとか、要するに建設大臣の同意がなければ認可、許可できぬということに改めまして、今後は、今言うとおりに、こちらが道路の計画をいろいろ持っております。その道路計画−流れを考慮してバスの認可、許可に同意をするかしないかは、建設省として相当の権限を持つということにいたしたわけでございます。  どうも道路は作りますけれども、さっぱりその運用がうまくいっていないというふうに考えられます。たとえば関西にしましても、神戸——大阪間のあそこに阪神電車が路面を通っております。たいして人が乗っているようにも、たいして利用されているように思いませんが、あの路面は道路管理者としては非常に迷惑でございます。何とかあれをひとつ撤去するように話したいものだ、阪神電車にひとつ考慮してくれということも、しばしば私は運輸大臣等を通じて申しております。場合によれば、第二阪神のほうに、阪神電車にバスの専用権でもやったらいいじゃないか、そしてあれを撤去したらどうかということを積極的に言ってやっているんですが、どうも従来の慣行等もございまして、なかなか今お話のようにうまくいっておりません。たとえば、これから問題になりますのは、七月の十五日から、滋賀県の栗東で名神高速道路の開通式をやります。やりますと、ここにどういうバスを通すかという問題が起こってきます。私は、これは少なくとも運輸省単独でバスの許可をしてもらっては困る、われわれのほうと十分合議の上でやってくれといって、どういう形式でやるかということをせっかく今事務当局に検討させておるところで、強い運輸省に私は規制の要請をしていきたい、こう思っております。これらでも、せっかく多額の金をかけて道路を作りまして、無制限にバスを通されたら、また、これはスピード・アップできなくなっちゃうということになると思うのでございまして、今後、十分そういう点は注意して、ひとつ道路の管理はいたしていきたいと考えております。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) ただいまの藤田君の質問に関連いたしまして、ちょっと委員長から一点だけ伺いたいのですが、先ほど建設大臣は、今までやっておるいろいろな施策は、将来の未来図というのですか、将来の計画を考えながらやっているんであって、ただ追っかけてやっているのじゃないというお話がありましたが、しかし、政府には一応十カ年の目標があるわけですね。いわゆる将来所得倍増計画という目標があるのですよ。実際は、いつも実績が目標以上に進んでいるというところに問題があると思うのですね。そこで、目標と現実とは非常にかけ離れておる。一応各官庁がいろいろな計画を立てる場合、所得倍増計画というものに一応合わせながらやっていると思うのです。しかし実際は、設備投資なんかは予想以上に非常に進んでしまう。そこで建設行政を見ていますと、特に予算面から見ましても、追っかけているわけですよ。行き過ぎに対してどんどん追っかけている。それでもまだ公共投資とか、あるいは経済基盤の強化とかいうものが不十分で足りない。諸外国と比べても日本ほど予算の中で公共事業費の占める比率が大きいというところはちょっとない。諸外国の四倍くらいですよ。一八%も予算の中で公共事業費の占める比率はよその国ではない。先進国ではない。そこで、追っかけ追っかけいって、そして現実はどんどん、ほとんど無計画に設備投資が進んでしまう。そうして建設予算は非常にふえているけれども追っかけているわけです。ある一つの目標があってそれに計画的に進んでおるということではちっともない。ですから、前にも私が質問したのですが、今の政府の所得倍増計画ですか、そういうものについて、単なる目標だけではどうもいけないと思いますし、この実績と目標がどうしてそんなにかけ離れるのか。そうして、建設省は、政府が長期計画を立てる場合には、かなり強力な発言をして、幾らやってもあとを追っかけているという状態なんですよ。現実はそうなんですよ。ですから、政府の長期計画を立てる場合には、もっと計画的な発言をしなければ、さっき藤田君の質問されたような点についての実現がなかなかできないのじゃないかと思うのです。そういう政府の長期計画に対する建設省の考え方ですね、それを根本的に改めなければ、依然としてあとから追っかけていくという非常に無計画な——結果から見て無計画になっている。そういうことを繰り返すにすぎないのじゃないか。この点について建設大臣はどういうふうにお考えになっているか、この一点だけ伺っておきたいと思います。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 私は、お話のような点も理解できぬのではございませんけれども、日本の公共投資そのものは、終戦後の処理、跡始末といいますか、そうして、ある程度までこれを平常に復することに最近まで公共投資は食われておった。ようやくある程度まで回復してきつつあったところに、今の所得倍増の問題が起こってきた。ところが、一方、所得倍増の問題と数字を合わすようにやって参りますと、スタートにおいておくれております公共投資、設備投資——公共的設備投資でございますから、そこに余力が出れば国際水準に達するまでのところにいかなければならぬ。たとえば、道路にいたしましても非常におくれておる。一般の民間産業は国際水準に順次近づきつつある、場合によっては優位性を保持しているものもあるというようなときに、公共投資の面におきましては、公共施設の面におきましては、非常に国際水準からおくれておるというのが現状だと思います。したがって、これをただ単に所得倍増と相見合っていくという程度では足らない。足らないからといって、むやみに設備投資に過当なものを投入するということも、それだけの余力がございませんから、余力ができたときにはやはりそれだけのものを——今委員長が追っかけ追っかけとおっしゃいますけれども、スタートが非常におくれておりますから、余力があるときに追っかける格好になるのはやむを得ぬのじゃなかろうか、そうだからといって無計画でいいんだという考えではございませんけれども。したがって、この所得倍増——もしくはわが国の将来の十カ年計画を立てる際に、道路もしくは河川等の十カ年計画、もしくはこれらに必要なものについて相当考慮をして大幅な投資をするように企画はされておりますけれども、しかしなお、今以上に資金の余力が多少でもあるならば、私はもっとこれを広げていくというような意味合いから、明年を基準にして、新しい河川の五カ年計画、もしくは道路の新しい五カ年計画というものを明年からスタートいたしたい。そうして、少なくともわが国内的にも、また、国際水準にもなるべく近づけるようにして、そうして一般の産業界の要請にこたえるようにしていきたいというふうに私は考えていっておるわけでございます。今のお話のように、所得倍増計画は始終ばらばらで計画倒れをしておるのじゃないか——それはそのほうはそのほうで、いろいろ異常な過熱いたしたこともございますし、これを押えて正常に戻すことに財政当局で努力いたしたこともございます。かてて加えて先ほど申しましたように、貿易の自由化、八条国移行というようないろいろな問題が国際的ににわかに起こってきておるという事実もあるわけでございます。で、そういうものに対処しつついかなければなりませんので、そこに私は、きめのこまかい施策を考えてもっていく必要があるというふうに考えておるわけであります。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) この点については、また議論にわたりますから、私の質問はこの程度にしておきます。

田中一日本社会党

○田中一君 せっかく大臣見えたから一つだけ伺っておきますが、私はこういう自分の個人的見解を持っております。こうしていろいろな形の立法がなされ今提案されている法律全部を通じても、先ほど藤田委員が言っておるように、公共投資というものは増大している。したし、計画は出るけれども金がないということを常にいっておるわけです。私は、ことに都市問題住宅問題等は公債を出すべき段階が来ているのではないかという考え方を持っているのです。通常の国家収入から一般予算を組んでやるなんということではなくして、もはや、あすの民族の利益のために大幅な計画的な公共事業の公債を募集して、そうして相当先の計画を実現するということにしなければ、あとを追っかけて、現象、現象から追っかけて、いつまでたってもこれではだめです。一方、民間の利潤追求のための設備投資というものに対する押え方を、ただ金融機関を使ってどうこうというのじゃなくて、せめて、少なくともわれわれが、社会主義経済が考えているものの少しぐらいは取り上げるほうが得でございます。だから、 これはわれわれの政策の違いは別としても、公債発行ということを、ある特定なる目的のためにはやる段階に来ているのじゃないか。それに対するところの消化というものも、私は、今ならば自由である。これだけの証券投資を行なっている。証券投資を行なって株価をつり上げると同時に、その企業は架空な価値か正しい価値か、私はそういうことに暗いからわからぬですけれども、今日の株価が高いということが正しい価値なのか、あるいは投機的な証券業者の人為的な価値なのかわかりませんけれども、少なくとも国民所得の増大ということで、これは全部が全部というわけじゃございません。特定なる層、相当中間層までおりて証券貯蓄をしている現象から見ても、公債の消化ということは容易だと思うのです。そうしてあすの社会の建設ということを考える目的のための公債の発行という点は、今日まで閣議等の新聞報道を見ても出ておりまんせが、建設大臣としては一体それが望ましいと思いますか。私は、あなたはそのくらいな爆弾的な発言をしたってけっこうだと思うのです。あなたの腹はどうですか。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 先ほどから申し上げますように、私といたしましては、あれもやらなくちゃならぬ、これもやらなくちゃならぬ、やらなくちゃならぬものをたくさんかかえておるわけであります。要は、公共投資の額によってこれが制約されておる。はなはだ遺憾でございますが、それが現状でございます。お話のように、建設公債といいますか、公共投資に所要な公債を発行すべしという議論もわが党内にも相当強力にあるわけであります。しかし、私といたしまして申し上げられますことは、政府といたしましては、総括的な財政計画のもとにおきまして、今日の国際的微妙な経済事情のもとにおきましては、これをただ単に建設行政だけからのみ考えて公債発行をすべきであるとか、公債発行は適当でないとかいうような結論に達することは正しくないと私は考えております。したがって、私自身としては、公共投資の必要性、今日非常に急務に迫られている実情は、閣議その他において強く私は要請しております。ただ、それが国家経済全体から考えて、建設公債を発行してやることが適当であるかどうかという判断に立ってきめられることであって、今ここで建設公債を発行すべしという結論に、その点からだけで私は結論を出すことは適当でないと現在差し控えておりますが、私自身といたしましては、各種の公共投資も非常に多く要求に迫られておる。実は今年度の予算の編成にあたりましても相当に私は所要の予算については強く要請をいたしまして、第一次といたしましては、外資の導入に一方の道を開いて、今年度の予算は外資の導入である程度カバーいたしまして、予算の編成をいたしたわけでございます。さらに、明年度の予算編成にあたりましては、さらに大幅の外資の導入でこれをやるか、ないしは国内で建設公債の発行を、適当な国内経済の事情が、そういう情勢が樹立されておるかどうか。そのときの国際的国内的経済事情によって私は決定されることだと思うのでありますが、ただ今ここで建設公債を発行してでも絶対にやるべきだ、それでいいという結論には私は達しないわけであります。

田中一日本社会党

○田中一君 そこで、自由経済という立場から、民間企業が中心となった経済発展を示しているのが日本の現状なわけです。それにはどこの会社をつぶすためにということも一面の見方としてあり得るわけです。どこかがつぶれれば自分の会社がよくなるということなんです。したがって、その設備投資競争等に落伍する会社が必ず出るわけなんです。また国民経済、国民生活に一番必要な、消費経済に必要なものばかりを、それに見合う生産をしておるのじゃなくて、過大な利潤追求のための余分な製品を次から次へと作っている現状から見ても、それに合わせるための日本の社会投資というもの、公共投資というものは、それらに奉仕する形でもって引っぱり回されている現状だと思うのです。だから、今現在建設省が所管している、また河野建設大臣が主張しようという、公共投資というものが、公共事業というものがそれらに引っぱられ、それは幾ら一般財源からそれをもっていくのだと言っても、とどまるところを知りません。経済界はもうければいいんです。国民生活がどういうむだな消費財を与えられてももうけりゃいいんです。これに合わせていこうということは、これは自由経済でございますというかもしらぬけれども、私どもはとらない。この際、河野さん、ここでもって言明できないのだから言明しなくていいんですけれども、どこかでそのぐらいはずばりとして、民間企業に対しては要らない消費財をやたらに作らせないことにするのです。全体のバランスの上に立って、国民消費生活のバランスの上に立って抑制する、私はそうじゃなくちゃならぬと思うのです。たとえば道路計画にしても、あるいは港湾整備計画にしても、ことごとく日本の、われわれ民族の消費経済に当てはめるような製品を作ってる企業に従属する公共事業であるというのは、どの五カ年計画を見ても明らかなんです。はたして、新しい産業基盤を作る、新住宅市街地を作るといったところが、それが一体将来の日本の民族にどういう価値があるか、現在の私企業なり現在の社会のゆがみを直そうということにすぎないのであって、明日への投資ではないと思うのです。それには、目的のはっきりしたところの建設公債的な財源があれば、おそらく河野さんは胸を張って計画を実行に移すことになるだろうと思う。これはひとつ、ここで答弁できなければ、お考え願いたい。さもなければ、あなたが幾らいろいろな法律を出しても、これは絵にかいたもちです。実現するはずがございません。そういう死文化した法律はたくさんある。縦貫の問題にしても、今日はまた関東縦貫自動車道、横断自動車道というようなものも出ております。これはみんな当面のことを考えて作られている問題であって、あすのためのものじゃないというように僕は見ておるのですが、これは答弁を求めないでもいいのですけれども、もしあなたがもう一期建設大臣をなさるならば、今この答弁をひとつ聞いておきたい。それとも総理大臣になってくれれば一番いい、全部できるから

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 御意見は十分拝聴いたしました。決してわれわれは計画経済、統制経済に踏み切るわけには参りませんけれども、今、田中さんのおっしゃったように、決して利潤の追求や個人経済の助長にのみ専念しておるというようなことは絶対ございません。先ほども申し上げましたように、国家の百年の計を何とか立てて、それに合うように持っていきたいということにせっかく努力をいたすと同時に、現状において、非常に国民諸君が労働もしくは産業の情熱を沸かしていらしっしゃるものを御協力申し上げることができるようにいたしたいということで努力いたしておるのでございまして、したがって、それに所要の資金等につきましては、先ほど申し上げましたとおり、私といたしましては、自分でどうしても政治家の良心において、これだけの予算をもってこれに当たらなければならぬという場面になりますれば、それだけの予算はぜひひとつ大蔵当局をして編成するようにしてもらうという固い決意を持っておるわけでございます。ただ、その資金が、私の立場からして、それは建設公債でなければならぬという、そこまで大蔵大臣に言うのは少し私は越権である。所要の資金を出してもらうかどうかということで、私は建設大臣としてはこれで足りるのでございまして、ただし、国務大臣としての意見は、考えは、これはまた別個閣議等で申し上げることはあるわけでございまして、きょうはひとつこの程度でお許しをいただきたいと思います。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 他に御質疑はございませんか。——他に御質疑もないようでありますから、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。  御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。

田中一日本社会党

○田中一君 私は、社会党を代表して、簡単に三つの問題点を示して、今後この法律の実施にあたって十分に配慮をして、国民生活並びに技術的な欠陥から国民の社会生活が脅かされることのないような措置をとっていただきたいと思うわけであります。  一つの問題としては、関東大震災以来歴史的に高層建築というものは、少なくとも関東地区においては、現行法の高さ程度のものが妥当であるというような建築学者並びに政治的な配慮から、そのようになっておりますけれども、これは逐次くずれて参りまして、十二階、十三階、十五階というようなものを要求される段階になり、そして、これらの問題は、いわゆる河野建設大臣の発言として、要求として、建築学会等の学者連にも反映し、今日の歴史的な建築木基準法の改正というものが行なわれることになったことは、一つの前進としては認めるものであります。  第二の問題としては、一体今日提案をされているこの法律案の技術的な点を、私は当委員会の審議にあたって各参考人からも意見を聞きました。電子計算機等を使った計算上は安全性が保証されておるけれども、実際にこれを保証する何らのものを持っておらないという点であります。われわれの社会生活は、やはり人の集団でございます。電子計算機がこれでいいといって、それだけを信ずるわけには参りません。現に優秀なと称され、三億、四億するようなジェット機が相次いで墜落をしております。私はこのような、もしもこの超高層のビルが出現した場合に、これは今日のジェット機と同じように、何らかの地震等の起こった場合に倒壊する、倒壊しないまでも張りつけられたいろいろな部分的な建築材料等が落下する、そして周辺の通行人あるいは周辺の社会に大きな被害を与えるというようなことに対する責任の所在が明らかでないという点を指摘しなきゃならないのでございます。この建築申請に対する認可は、東京都が行なう、しかし、東京都はこれに対する責任が持てないから、建設省に一々相談すると言っております。   〔委員長退席、理事武内五郎君着席〕 建設省はこれに対する責任を持とうとしません。法律のどれを見ても、かかる超高層建築ができた場合に、事故があった場合には、それは政府が責任を持つんだという責任の所在が明らかになっておらない。建設省は学識経験者を集めて、そして検討させて認許可をきめるというようなことを言っております。一つの前進であろうけれども、私は技術的にまだ時期尚早ではないかという感を深くするものでございます。したがって、その点の法実施にあたっては、慎重に考慮されなきやならないという点を申し上げたいのであります。  第三の問題は、はたしてかかる法律改正による超高層建築が出現するやいなやの問題です。私は今日資料としてデータを拝見しても、五割ないし十割の、倍の資金がかかるんではないか、現行の制限されている高さのものと比較をいたしますと。そこに私はこの建築物に対する経済性の問題を指摘しなきゃならぬと思うのです。たとえ私企業であろうとも、三井不動産なら三井不動産が三十階のビルを建てようという場合でも、三井不動産の資産を形成しているものは、これはやはり国民大衆なんです。決して大きな独占資本の蓄積によって築かれたものではない、多くのわれわれ零細なる投資家によるところの資金なわけなんです。したがって、これらが五割ないし十割の高いものを作られることによって、それらのものが利益を受けるかどうかの問題を考えますと、これはむだな投資であろうと言わざるを得ないのです。そうして、ことに超々高層建築まで物好きな建築技術屋あるいは学者等が電子計算機を使って計算するかもわかりません。私はそういう際は、これこそ最も不必要な投資であるということで抑制させなきゃならないと思うのです。現在都市問題から発展したところのこれらの計画というものが、別の面から検討してみるならば、あえて三十階、五十階というような建造物を作るという必要はなくして、最も経済的な高さ、最も国民生活、国民経済に見合う高さというものが設定されなきゃならない。私は設定さるべきはずであるというように信ずるものでございます。  今回のこの提案が河野建設大臣の構想から生まれたものだということを学会の報告書はわれわれに送付してきました中にも書いております。したがって、この本法の運用にあたっては、建設大臣が責任を持つものではございません。建設大臣すらこのような形のものは賛成しない点が多々あるんではないかとわれわれは推測をするものでございます。したがって、社会党といたしましては、これに反対するつもりはございません。しかし、運用にあたっては十分なる配慮をもってなされることを、そうしてそれらのものをすべて法律、法律に準ずるところの政令あるいは省令によって国民が信頼し得る形、責任の所在の明らかになる形で運用されることを望んで、賛成するものでございます。

武内五郎日本社会党

○理事(武内五郎君) 他に御意見のおありの方はございませんか。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 この際、民社党を代表いたしまして、不満足ではあるけれども、本改正案に対して賛成することを前提といたしまして一言申し上げておきたいと思うのです。  敗戦国日本が置かれている世界的な位置、わけても国際経済の中にあえいでいる国民経済に立脚して、日本の建築の実情をまじめに検討している者は、現行の建築基準法を大幅に改正する必要があると感じていることは、これは否定できないと考えているのであります。だが、今度出されましたところの改正案は言うなれば、現時におきますところの日本の建築技術の進歩との見合いの範囲において、ただ高さと規模だけについて改正を加えているということでありまして、実際にはもっと考えなければならぬ点が多々あると考えまして、内心不満足であります。しかしながら、改正しないよりかは確かに一歩前進であるという意味において、冒頭申し上げましたように、不満足ではあるけれども、この際は賛成をしておきたい。願わくば将来日進月歩のこの激しい状態に対応いたしまするように、なお完全なものにしていただきたいということと、今、社会党から言われましたように、これが運営にあたっては、国民経済の上に逆効果を現わさないように私は留意していただきたいということを申し添えまして、賛成する者であります。

武内五郎日本社会党

○理事(武内五郎君) 他に御意見のおありの方は、ありませんか。——他に御意見はないようでございますから、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武内五郎日本社会党

○理事(武内五郎君) それでは御異議ないものと認めます。  これより採決に入ります。   〔理事武内五郎君退席、委員長着席〕

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 建築基準法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本案の報告書の作成等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 御異議ないと認め、さよう決定したします。         —————

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 次に、不動産の鑑定評価に関する法律案を議題といたします。  まず、提案理由の説明をお願いします。河野建設大臣。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) ただいま議題となりました不動産の鑑定評価に関する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明いたします。  最近における宅地価格の高騰は、根本的には宅地の需要と供給との不均衡によるものと考えられますが、さらには、合理的な地価の形成をはかるための制度が欠除しているため、地価がいわゆる呼び値等によって安易に、しかも不合理に決定される傾向が見受けられ、このことが宅地価格の高騰を一そう著しいものとしている現状にあります。  このような現状にかんがみ、現下の宅地難に対処する諸施策の推進をはかり、あわせて宅地の流通の円滑化と宅地価格の安定に資するため、土地等の適正な価格の形成をはかるための制度上の措置を講ずる必要があるものと考えられるのであります。  この問題に関しましては、本年三月、宅地制度審議会から、不動産鑑定評価に関する制度の確立に関する答申を受けたのでありますが、政府といたしましても、慎重に検討を重ねました結果、不動産の鑑定評価について権威ある鑑定人を確保し、不動産の鑑定評価に関する業務の適正をはかるための制度を確立することにより、土地等の適正な価格の形成に資する必要を認め、このたびこの法律案を提出することといたした次第であります。  次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。  第一に、不動産の鑑定評価について権威ある鑑定人を確保するため、不動産鑑定士及び不動産鑑定士補の制度を定め、高度の国家試験を実施するとともに、その合格者について建設大臣の登録を実施することといたしております。  第二に、不動産の鑑定評価に関する業務の適正をはかるため、不動産鑑定業者について建設大臣または都道府県知事の登録を実施し、この登録を受けない者は、不動産鑑定業を営んではならないことといたしております。また、不動産鑑定業者は、その事務所ごとに、専任の不動産鑑定士を一人以上置かなければならないこととし、不動産鑑定士または不動産鑑定士補でない者は、不動産鑑定業者の業務に関し、不動産の鑑定評価を行なってはならないことといたしております。  第三に、不動産鑑定士試験を実施し、または不動産鑑定士及び不動産鑑定士補に対する懲戒処分について建設大臣に意見を述べさせるため、建設省の附属機関として不動産鑑定士審査会を置くことといたしております。  第四に、この法律は、昭和三十九年四月一日から施行することといたしておりますが、施行の日から三年以内に限り、不動産の鑑定評価に関し一定年数以上の実務経験を有する者等に対し、本試験にかえて特別不動産鑑定士試験及び特別不動産鑑定士補試験を実施し、これらの試験の合格者に不動産鑑定士または不動産鑑定士補となる資格を与えることといたしております。  第五に、土地収用法の一部を改正いたしまして、収用委員会がその審理において鑑定人に出頭を命じて土地等の価格に関し鑑定させるときは、当該鑑定人のうち少なくとも一人は不動産鑑定士でなければならないことといたしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願いいたします。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 次に、本案の補足説明をお願いいたします。町田計画局長。

町田充建設省計画局長

○政府委員(町田充君) ただいま議題になりました不動産の鑑定評価に関する法律案につきまして、逐条的に御説明申し上げます。  この法律案は、六章六十条と附則二十項からなっております。  第一章総則でございますが、本章は、この法律の目的及び用語の定義に関する事項を規定いたしております。すなわち、  第一条は、この法律の目的を定めたものでありまして、この法律は、不動産の鑑定評価に関し、不動産鑑定士等の資格及び不動産鑑定業について必要な事項を定め、もって土地等の適正な価格の形成に資することを目的といたしております。  第二条は、この法律において使用しております特別の用語について定義を定めたものであります。すなわち、  第一項は、不動産の鑑定評価という言葉について定義を定めております。その内容は、土地もしくは建物またはこれらに関する所有権以外の権利の経済価値を判定し、その結果を価額に表示することといたしております。  第二項は、不動産鑑定業について定義を定めております。その内容は、みずから行なうと他人を使用して行なうとを問わず、他人の求めに応じ報酬を得て、不動産の鑑定評価を業として行なうことといたしております。  第三項は、不動産鑑定業者について定めておりまして、その内容は、第二十四条の規定による不動産鑑定業者の登録を受けた者といたしております。  第二章は、不動産鑑定士及び不動産鑑定士補について規定をいたしております。本章は、二節からなり、不動産鑑定士及び不動産鑑定士補に関し、不動産鑑定士試験及び登録に関する事項を規定いたしております。  第一節は、不動産鑑定士試験に関する事項を定めております。すなわち、  第三条におきまして、不動産鑑定士となろうとする者に必要な学識及び応用能力を有するかどうかを判定するため、国家試験として不動産鑑定士試験を行なうことを定めておるわけでございます。  第四条は、不動産鑑定士試験の種類及びこの試験の合格者に与えられる資格について定めているのであります。すなわち、  第一項は、不動産鑑定士試験を分けて、第一次試験、第二次試験及び第三次試験とすることといたしております。  第二項は、第二次試験に合格し、かつ、政令で定めるところによりまして二年をこえる期間不動産の鑑定評価に関する実務に従事した者は、不動産鑑定士補となる資格を有することを定めております。  第三項は、第三次試験に合格した者は、不動産鑑定士となる資格を有することを定めております。  第五条は、第一次試験の目的及び試験科目について定めたものでございまして、第一次試験は、第二次試験を受けるのに相当な一般的学力を有するかどうかを判定することをもってその目的とし、国語、数学及び論文について行なうことといたしております。  第六条は、第一次試験の免除について定めたものでございまして、大学もしくは高等専門学校を卒業した者または司法試験第一次試験もしくは公認会計士試験第一次試験に合格した者等につきましては、第一次試験を免除することといたしております。  第七条は、第二次試験の目的、試験科目及び受験資格について定めたものでございまして、すなわち、  第一項におきまして、第二次試験は、不動産鑑定士となるのに必要な専門的学識を有するかどうかを判定することをもってその目的とし、民法、不動産に関する行政法規、経済学、会計学及び不動産の鑑定評価に関する理論について行なうことといたしております。  第二項におきましては、第二次試験を受ることができる者は、第一次試験に合格した者または前条の規定によって第一次試験を免除された者に限って試験を受けることができるということにいたしております。  第八条は、第二次試験の一部免除を定めたものでございまして、大学等におきまして三年以上法律学、経済学もしくは商学に属する科目の教授もしくは助教授であった者、法律学、経済学もしくは商学に属する科目に関する研究によりまして、高等試験本試験、司法試験第二次試験もしくは公認会計士試験第二次試験において民法、経済学または会計学の科目に合格した者に対しまして、それぞれ当該科目の試験を免除することといたしております。  第九条は、第三次試験の目的、試験科目及び受験資格を定めたものであります。  すなわち、第一項において、第三次試験は不動産鑑定士となるのに必要な高度の専門的応用能力を有するかどうかを判定することをもってその目的とし、不動産の鑑定評価に関する実務について行なうこととし、第二項において、第三次試験を受けることができる者は不動産鑑定士補となる資格を有する者あるいは不動産鑑定士補で、実務補習を受けた期間が一年以上の者に限って第三次試験を受けることができることといたしております。  第十条は、実務補習について定めたものでありまして、実務補習は、不動産鑑定士補となる資格を有する者あるいは不動産鑑定士補に対して、不動産鑑定士となるために必要な技能を修得させるため建設大臣の認定する機関において行なうことといたしております。  第十一条は、不動産鑑定士試験を受ける者は、所定の受験手数料を納付すべきことを定めておるのでございます。  第十二条は、不動産鑑定士試験は、毎年一回以上、不動産鑑定士審査会が行なうことといたしております。  第十三条は、不正の手段によって試験を受けまたは受けようとした者に対し、不動産鑑定士審査会が合格の決定を取り消しまたは試験を受けることを禁止することができることを定めております。  第十四条は、不動産鑑定士試験に、関し必要な事項を建設省令に委任する旨を定めております。  第二節登録でございますが、本節は、不動産鑑定士及び不動産鑑定士補の登録に関し必要な事項を規定したものであります。すなわち、  第十五条は、不動産鑑定士または不動産鑑定士補となる資格を有する者が不動産鑑定士または不動産鑑定士補となるためには、建設省に備える不動産鑑定士名簿または不動産鑑定士補名簿にそれぞれ登録を受けるべきこととを定めております。  第十六条は、不動産鑑定士または不動産鑑定士補の登録についての欠格条項を定めております。  第十七条は、登録の手続を定めております。  第十八条は、変更の登録について定めてございます。  第十九条は、不動産鑑定士または不動産鑑定士補が死亡したとき等におきましては、建設大臣にその旨の届出をすべきことを規定いたしております。  第二十条は登録の消除でございまして、建設大臣が不動産鑑定士または不動産鑑定士補の登録を消除すべき場合について規定いたしております。  第二十一条は、不動産鑑定士または不動産鑑定士補の登録に関し必要な事項を建設省令に委任する旨の規定でございます。  第三章、不動産鑑定業でございます。本章は、二節からなり、不動産鑑定業者の登録及び不動産鑑定業者の業務規制に関する必要な事項を定めておるわけであります。  第一節は登録でございます。  第二十二条におきまして、不動産鑑定業を営もうとする者は、二以上の都道府県に事務所を設ける者にありましては、建設省に備える不動産鑑定業者登録簿に、その他の者にありましては、その事務所の所在地の属する都道府県に備える不動産鑑定業者登録簿に登録を受けなければならない旨を定め、さらに登録の有効期間は三年とし、有効期間の満了後も引き続き不動産鑑定業を営もうとする場合は更新の登録を受けなければならないことなどを規定いたしておるのでございます。  第二十三条は、この登録を受けようとする場合の登録の手続を定めたものでございます。  第二十四条は、登録の実施について定めております。  第二十五条は、建設大臣あるいは都道府県知事が登録を拒否する場合の規定でございます。  第二十六条は、登録がえの規定でございまして、建設大臣の登録を受けている不動産鑑定業者が一の都道府県にのみ事務所を有することとなるとき、または都道府県知事の登録を受けている不動産鑑定業者が二以上の都道府県に事務所を設け、あるいは現在の事務所を廃止して他の都道府県に事務所を設けるというふうになった場合におきます建設大臣または都道府県知事の登録がえの申請の手続について定めておるわけでございます。  第二十七条は、不動産鑑定業者につきまして、登録事項に変更があったときに変更の登録について規定いたしておるわけでございます。  第二十八条は、書類の提出義務でございまして、不動産鑑定業者は、毎年一回一定の時期に、過去一年間の事業実績の概要並びに事務所ごとの不動産鑑定士及び不動産鑑定士補の変動を記載した書面等を建設大臣または都道府県知事に提出すべきことといたしておるわけでございます。  第二十九条は、不動産鑑定業者の廃業の届出について規定をいたしております。  第三十条は、建設大臣または都道府県知事が不動産鑑定業者の登録を消除すべき場合について規定をいたしております。  第三十一条は、建設大臣または都道府県知事は、不動産鑑定業者登録簿その他の書類を公衆の閲覧に供さなければならないことを定めておるのでございます。  第三十二条は、登録申請手数料について規定でございます。  第三十三条は、不動産鑑定業者の登録を受けない者は不動産鑑定業を営んではならないことにいたしておるのでございます。  第三十四条は、不動産鑑定業者の登録に関し必要な事項を建設省令に委任する委任規定でございます。  第二節は、不動産鑑定業の業務に関する規制でございますが、まず第一に、  第三十五条におきまして、不動産鑑定士でない不動産鑑定業者、あるいは不動産鑑定士である不動産鑑定業者でありましても、みずから実地に不動産の鑑定評価を行なわない者は、その事務所ごとに専任の不動産鑑定士を一人以上必ず置かなければならないことといたしております。  第三十六条は、不動産鑑定士または不動産鑑定士補でない者が不動産鑑定業者の業務に関して不動産の鑑定評価をしてはならない、あるいは不動産鑑定業者はその業務に関して不動産鑑定士もしくは不動産鑑定士補でない者等そういう資格のない者に不動産の鑑定評価を行なわせてはならないことにしておるのでございます。  第三十七条は、不動産鑑定士等の責務ということで、良心に従い、誠実に不動産の鑑定評価を行なうとともに、不動産鑑定士及び不動産鑑定士補の信用を傷つけるような行為をしてはならないことにいたしております。  第三十八条は、秘密保持の義務でございまして、不動産鑑定業者並びにその業務に従事する不動産鑑定士及び不動産鑑定士補は、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならないということにいたしておるのでございます。  第三十九条は、鑑定評価書でございまして、不動産鑑定業者は、依頼に応じて不動産の鑑定評価を行ないました場合には、必ず、依頼者に鑑定評価額その他建設省令で定める事項を記載した鑑定評価書というものを交付しなければならない。そうして、その鑑定評価に関与した不動産鑑定士または不動産鑑定士補がその資格を表示して署名押印しなければならないということにいたしてございます。  第四章は、不動産鑑定士及び不動産鑑定士補あるいは不動産鑑定業者に対する監督処分の規定でございます。  第一に、第四十条におきまして、不動産鑑定士または鑑定士補が、不動産鑑定業者の業務に関しまして、故意に、もしくは相当の注意を怠って不当な不動産の鑑定評価を行なったとき等におきましては、建設大臣は、懲戒処分として、不動産鑑定業者の業務に従事することを禁止し、またはその登録を消除することができることといたしております。  第四十一条におきましては、不動産鑑定業者が、この法律の定める義務に違反したとき等におきましては、あるいはその業務に従事する不動産鑑定士あるいは不動産鑑定士補が懲戒処分を受けた場合において、それが不動産鑑定業者の責に帰すべき理由があるというふうな場合におきましては、建設大臣または都道府県知事は、その不動産鑑定業者の業務の、停止を命じ、あるいはその登録を消除するということができることにいたしてございます。  第四十二条におきましては、不動産鑑定士ないしは不動産鑑定士補が、不動産鑑定業者の業務に関し、不当な不動産の鑑定評価を行なったことを疑うに足りる事実があるときには、何人でも、建設大臣もしくは都道府県知事に対しまして、資料を添えてその事実を報告して、適当な措置をとるべきことを求めることができることといたしているのであります。  第四十三条は、懲戒処分等の手続でございまして、建設大臣ないしは都道府県知事が、先ほど御説明いたしましたような懲戒処分をしようとする場合には、聴聞を行ない、参考人の意見を聞かなければならないというふうな規定にいたしてございます。  第四十四条は、不動産鑑定士あるいは不動産鑑定士補に対しまして懲戒処分をいたしましたとき、あるいは業者に対しまして監督処分をいたしましたときには、その旨を公告すべきことを定めておるわけでございます。  第四十五条は、一般的な監督規定でございまして、不動産鑑定業の適正な運営を確保するため、必要な場合におきまして、報告の聴取、事務所等への立ち入りというふうなことについて規定を設けておるわけでございます。  第四十六条は、助言または勧告ということでございまして、不動産鑑定業の適正な運営の確保またはその健全な発達をはかるため必要があるときは、登録を受けた不動産鑑定業者に対しまして、必要な助言または勧告をすることができる旨を規定いたしておるわけでございます。  第五章は雑則ということでございまして、不動産鑑定士審査会、不動産鑑定士等の団体、それから名称の使用の禁止、及び農地等に関する適用除外等の規定を設けておるわけでございます。  四十七条から五十一条までは審査会の規定でございまして、不動産鑑定士試験を施行し、不動産鑑定士または鑑定士補に対する懲戒処分について建設大臣に意見を述べさせるために、あるいはこの法律またはこの法律に基づく政令によりまして、その権限に属せしめられた事項を処理させるために、建設省の附属機関として不動産鑑定士審査会というものを置くことにいたしております。その委員の構成、それから審査会に試験委員を置くことなど、五十一条まで審査会の関係の規定でございます。  第五十二条は、団体に関する規定でございまして、不動産鑑定士あるいは不動産鑑定士補の品位の保持あるいは資質の向上をはかり、あわせて不動産の鑑定評価に関する業務の進歩改善を目的とする社団または財団で、一定のものは、一定の事項を建設大臣または都道府県知事に対して届け出なければならない。  こういう届け出がありましたような団体に対しましては、建設大臣または都道府県知事は、必要に応じて報告を求め、助言もしくは勧告をすることができるという規定を第五十二条に置いておるわけでございます。  第五十四条は、不動産鑑定士または不動産鑑定士補でない者が、それぞれ不動産鑑定士あるいは不動産鑑定士補という名称を用いてはならないということにいたしております。  第五十五条におきまして、農地等に関するこの法律の適用除外について定めておるわけでございまして、農地、採草放牧地、及び森林とするための取引にかかる農地、採草放牧地、または森林の取引価格を評価する場合、損害保険の目的である建物につきまして、保険価額または損害填補額を算定するとき、並びに建築士事務所の業務として建物につき鑑定をするとき、こういう場合は、この法律にいう不動産の鑑定評価には含まれないのだということにいたしてございます。  第六章は罰則でございまして、この法律を適正に施行するために必要な事項について所要の刑罰規定を設けておるわけでございます。  附則に入りまして、附則は二十項にわたっておりますが、この法律の施行期日を定めるほか、特別不動産鑑定士試験及び特別不動産鑑定士補試験の実施、既存の不動産鑑定業に関する経過措置並びに登録税法、公認会計士法、建設省設置法、地方税法及び土地収用法の一部改正に関する事項を規定いたしておるのでございます。すなわち、  第一項におきまして、この法律は、昭和三十九年四月一日から施行することにいたしてございます。ただし、附則の第十八項中建設省設置法第二十二条の改正規定、これは宅地制度審議会の所掌事務の改正でございますが、この部分に関します限り、公布の日から施行することにいたしております。  第二項から第十二項までは、特別試験の規定でございまして、昭和四十一年十二月三十一日までの間に限りまして、本則に定めてございます第一次試験、第二次試験、第三次試験という本試験のかわりに、特別不動産鑑定士試験及び特別不動産鑑定士補試験を行なうことにいたしておるのでございます。  附則第十三項におきまして、不動産鑑定士試験は、本則においては毎年一回以上行なう建前になってございますが、昭和三十九年に関します限り不動産鑑定士試験を行なわない、昭和四十年においては、本試験の第三次試験は行なわないという経過措置を定めておるのでございます。  第十四項、第十五項は、この法律の施行の際に、現に不動産鑑定業を営んでおる者に対しまする必要な経過措置を定めたものでございまして、昭和四十年三月三十一日までの間は、第三十三条の規定、つまり登録を受けない者は不動産鑑定業を営んではならないという規定を適用しないということにいたしておるのでございます。  第十六項以下は関係法律の改正でございまして、登録税法の改正は、不動産鑑定士の名簿あるいは不動産鑑定士補の名簿に登録を受けようとする者は、所定の登録税を納付すべきことを定めておるのでございます。  第十七項は、公認会計士法の一部改正でございまして、不動産鑑定士試験の第一次試験の合格者には、公認会計士試験第一次試験を免除すること、それから不動産鑑定士試験第二次試験に合格した者には、公認会計士試験第二次試験において試験科目中経済学を免除することを規定いたしたのでございます。  附則第十八項は、建設省設置法の一部改正でございまして、改正の第一点は、不動産の鑑定評価に関する法律の施行に関する事務を建設本省の所掌事務に加えること、第二点は、宅地制度審議会の設置期間の満了後、宅地制度及び不動産の鑑定評価に関する重要事項を調査審議させるため、建設省の附属機関として宅地審議会を設けること、第三点は、不動産鑑定士審査会を建設本省の附属機関に新たに加えること、第四点は、不動産鑑定士試験等の実施に関する事務並びに不動産鑑定士等の登録及び監督、こういった業務を地方建設局の所掌事務に加えること、第五点は、不動産の鑑定評価の基準、その他不動産の鑑定評価に関するこの法律の施行の準備のために必要な事項を調査審議することを宅地制度審議会の所掌事務に追加いたしたことでございます。  附則第十九項は、地方税法の一部を改正いたしまして、不動産鑑定業を行なう個人に地方税たる事業税を課することをきめておるわけでございます。  最後の附則第二十項で、土地収用法の一部を改正いたしまして、収用委員会がその審理において鑑定人に出頭を命じて土地等の価格を鑑定させるときには、その鑑定人のうち少なくとも一人は、不動産鑑定士でなければならないということを規定いたしておるわけでございます。  以上をもちまして、この法律案の逐条の説明を終わらしていただきます。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 本案に対する質疑は、後日に譲ります。   —————————————

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 次に、連合審査会の件について御報告いたします。  さきに決定いたしました社会労働委員会との連合審査会は、六月四日、生活環境施設整備緊急措置法案及び労働災害の防止に関する法律案について開催することになりましたので、御報告いたします。本日は、これをもって散会いたします。    午後零時三十二分散会    ————・————

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