建設委員会 第12号
- 発言数
- 69 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/03/22
会議録
○委員長(木村禧八郎君) ただいまより建設委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告申し上げます。 去る二十日、徳永正利君が辞任せられ、高橋進太郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(木村禧八郎君) 次に、理事の補欠互選についておはかりいたします。 ただいま報告いたしました委員の異動に伴いまして、理事に欠員が生じましたので、この補欠互選を行ないたいと存じます。 互選の方法は、手続を省略して、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木村禧八郎君) 御異議ないと認めます。それでは、増原恵吉君を理事に指名いたします。 —————————————
○委員長(木村禧八郎君) 次に、土地区画整理法の一部を改正する法律案、共同溝の整備等に関する特別措置法案を議題といたします。 御質疑のある方は順次御発言願います。
○田中一君 最初に、土地区画整理法の一部を改正する法律案について質疑を行ないますが、土地区画整理事業を今日まで行なっているうちに、組合施行の分は、全国的にどのくらいあったか、それが一つ。それから、大体において、五カ年を時限として事業を行なっているはずでありますが、その土地区画整理事業の組合施行のうち、着手してから完成までの年次ですね、それから期限等、わかったらばひとつ報告してほしいと思います。その資料はおそらく準備してあると思うから、資料を配付してくれれば一番幸いです。
○政府委員(谷藤正三君) ただいまの御質問に対しましてお答え申し上げます。組合の現在までやって参りました実績でございますが、この内容につきましては、戦前、大正八年から昭和二十年まで、この間では、非常に組合施行が盛んに行なわれまして、旧法に基づくものが行なわれまして、その間八年から二十年までにおける施行面積は、組合施行で一億百八十一万七千坪でございます。全体の事業施行面積に対しまして、つまり政府施策もみな合わせた全体の面積に対しましては、五四%の高率になっております。そのあと戦後昭和二十一年から二十九年度まで、つまり旧法における最後までの間におきます施行は、戦後の荒廃の状態に影響されまして急に減りまして、八十二地区、四百六十九万七千坪というふうに落ちまして、政府施策を合わせました全体に対しまして、四%という率に低下いたしておりますが、昭和三十年以降の新法に入りましてから、逐次経済生活の安定とともに、また、宅地需要のいろいろな時代の流れとともに増大いたしまして、三十年から三十六年度までの間におきます施行は、組合施行で百二十地区、千二百二十二万五千坪、全体の量から見ますと、一四%というふうな工合にまた増大いたしております。 それから五カ年における施行の計画でございますが、これは、新規の建設戸数の三百八十万戸に対する分といたしまして、宅地造成分が、全体で二億五千四百万坪というふうに一応、これは公式の数字になっておりませんが、建設省としての一応目安といたしまして、二億五千四百万坪という数字を考えております。その中で区画整理分につきましては、新規建設分としまして、各年度ごとに一応考えておりますのは、三十六年に組合分としましては三百万坪、三十七年は五百万坪、三十八年は五百万坪、三十九年は五百万坪、以下四十一年まで五百万坪で、十カ年計画におきまして後半になる四十二年以降は、四十二年が六百万坪、四十三年が七百万坪、四十四年が七百万坪、四十五年が七百万坪、合わせまして五千五百万坪という考え方をしておりますが、実際の新規建設敷地分としまして、先ほど申し上げました三百八十万戸に見合う分が千五百万坪というふうに考えておる次第でございます。
○田中一君 戦前、組合施行によって行なわれた事業の戦後そのままの姿で復活したもの、それから戦後、組合施行で行なわれたもので、むろん完成したものが多いと思うのですが、新法ができるまでの事業の地区と量、期限ですね、それから新法に切りかえられる前に、今言っているのは、完成したものでありまするが、新法と同時に新法に乗りかえて行なって、この法律改正までに、今提案されているこの法律の改正の今日までに行なわれている事業、そのうちを二つに分類していただきたいのは、一つは、既成市街地における土地区画整理事業、それから宅地造成という一つの新しい目的のために、まず都市計画法の指定をして、そうして山林原野等、新しく宅地造成をしている土地区画整理事業と分類して、資料はあると思うから、それをひとつ表にして出してほしいと思うのです。
○政府委員(谷藤正三君) 戦前の表につきましては、大体施行の全体の量はわかっておりますが、その使用の状態が、そのまま宅地造成としての使用のままになっているかどうかということは、ちょっと資料が非常にむずかしいと思いますので、できるだけ努力いたしたいと思います。
○田中一君 いやがらせの時間かせぎに、あなた方に不必要な資料調製を要求するという時間かせぎのためのものではないのであって、戦前行なったものが、戦争という非常事態によって中止された、しかし、それが戦後において継続してなされているもの、これは大体被戦災地域に多いのですが、しかし、戦災復興によるところの、何だったかな、あの法律は、罹災地の復興ということが行なわれて、そのままの形で再現しているものがあるはずです。たとえば一つの例をいうと、広島県の新しい道路を作って、それを今日では一級国道にすり変えてある。その場合は、戦前行なった区画整理事業をそのまままた復元した状態になっているわけなんですよ。そういう地区が相当あると思うのです。そういうもの、戦前のこまかいものは要りませんから、戦前行なっている事業が、戦後になってまたそのまま呼び起こされて、中断されたものが生き返ってきてやっているという事業が各所にあるはずです。それを戦前のものと言っているわけであって、その以前の戦前のものは要りません。それから新法に切りかえられるときの完成した——戦災地の復興は時限法でしたね、あれは三十二年に終わったのかな、三十一年に終わったのかな、全部。
○政府委員(谷藤正三君) 三十四年でございます。
○田中一君 それは、二年間延長して三十四年になったのでしょう。三十二年ではないかと思う、戦災復興の事業として行なった区画整理事業というものは。
○政府委員(谷藤正三君) 実際の内容から申し上げますと、若干まだ現在も戦災復興の事業は残っておりますが、予算措置としましては、三十四年で完了したことになりまして、三十五年以降につきましては、大都市分に集約して残しまして、それが都市改造その他都市計画事業として継続されておる状態になっております。
○田中一君 私がそういう資料を要求するのは、こういうことなんですよ。当然しなければならない事業であっても、それが予算の措置の上からいって、補助率等の関係からいって、時限を持っている法律でありますから、たしか十年間だと思ったけれども、一ぺん打ち切ってしまった。しかし、その後復活して行なっている事業があるはずなんですよ。それをさして資料を出してくれというふうに申し上げているわけですから、たくさんあるというが、数は少ないはずです。戦災地の計画が再現したやつですね。それから戦後のやつは、御承知の新法ができるまでの事業の実態と、それから大体仕事は五年ぐらいで終わっているのでしょう。計画としては大体五年ぐらいで完成するようになっているのでしょう、建設大臣の認可というものは。どうです。
○政府委員(谷藤正三君) 計画といたしましては、大体五年が長いほうでございまして、早いものは三年でございますが、普通一ある程度平均いたしまして十一万坪程度になっております。大きいものは三十万坪ぐらいからありますが、一万、二万坪のものは早く終わりますけれども、普通の状態からいいますと、第三年度から保留地が生まれまして、それが事業費に使用されるという格好になりますので、五年程度で大体終了するというのが普通の情勢でございます。
○田中一君 心配するのはね、今度のこの法の改正によって行なおうとする地区には、そういう問題がありませんけれども、結局事業が終わったあと、清算事務に入って問題が起こるわけなんですよ。で、実際に事業は終わった、しかしながら、清算事務が一体何年間かかっているかということが知りたいわけなんですよ。で、非常にむずかしい問題が——組合制度の場合には、実質的に組合がやっているのだかさといって、政府はおそらくノー・タッチできているはずです。おのおのの組合員がおのおのどういう問題があろうとも、それはその組合内の実態として組合が解決している。方法があればそれを報告願いたいのです。それを知りたいからそういう要求をしているわけなんですから、実態が明らかになるようなものであればいいと思います。
○田上松衞君 ちょっと関連。時間におくれて参りましたが、田中委員のほうから、今資料要求について御発言がありましたので、ダブっておるかもしれませんけれども、田中委員が要求された資料で、私が申し上げることが含まれておるならば、それでけっこうですが、そうでない場合には、今申し上げることをあわせてお聞きしたい。実際は、この程度のことならば即時御答弁できるかもしれませんけれども、せっかく正確な資料の御要求のようですから、あえて申し上げます。大体私が承知しておる範囲では、区画整理事業総面積が一億六千万坪ほど、全国で地区としては七百十五地区くらいじゃないのかと感じておるわけなのですが、そこで、その中に田中委員が言われたような問題、中に戦災復興事業として扱われておるものが幾地区で、どのくらいかということ、さらに接収解除地の場合がどうなっているのか、残りの土地改良事業に含まれておるもの、これは純粋な土地改良計画としてなされておりますね。これがまあ三十八年度計画そのものは、大体百地区くらいかと承知しておるわけですけれども、それが予定されておるものがある。しかし、それが計画としてどうなられておったかということ、そしてその中にさらに完成した場所——都市計画事業の中だけでもけっこうです——完成した地区、これはまあ田中さんの言われたとおり、完成した地区であっても、事業は完成しておるけれども、清算事務がまだ未完了であるという場合もありましょうから、清算事務まで含めて完成したものはどのくらいあるかということを、きわめて簡単なこれは数字が出ると思いますから、表の中にそれがわかるようにしておいていただきたいと思うわけなんです。 それからもう一点の問題は、ついでですから、いわゆる組合施行によってまあ事業が完成した地区及び面積、これを資料の中にわかるようにしていただきたいと思います。
○政府委員(谷藤正三君) 戦災復興、接収解除その他はいわゆる組合施行としてはやっておりませんが、資料としては整うと思いますので、あらためてあとで整理いたしまして提出いたしたいと思います。
○田中一君 それから関係の政令の案は来ていますか。
○政府委員(谷藤正三君) 一応建設省の案は、持って参っております。
○田中一君 それを配付してもらって下さい。 これに関連する事業の形態については、あとでまた質問しますが、この改正法案の中で、すぐにわれわれが考えるのは、個人施行の場合には、融資をなぜしないのかという点です。個人の施行とそれから組合施行のうち、組合施行だけを取り上げたという理由、それから個人の場合は、それに該当をなぜしないかということですね。
○政府委員(谷藤正三君) 今度の改正案につきまして組合を施行の対象にいたしましたのは、御承知のように、戦後の農地解放によりまして、従来の何千町歩というふうな土地を持っておりました大地主というものはなくなりまして、土地の地主という名前を持っておりましても、単位が非常に小さくなって参りました。個人施行として現在やります場合には、電鉄あるいは観光会社その他の大会社の企業会社が主体になりまして、若干の地主を含めて、何人かの者が入っている場合もございますけれども、普通の宅地造成をやっております場合には、主として企業的な会社が主軸になっておりますので、そういう個人施行の場合においては、十分な資金を持っておるというふうに私たちは解釈いたしております。組合の場合は、先ほど申し上げましたように、従来の地主と違いまして、そういう土地というものを若干持っておりまてしも、現金というものを持っておらないというのが非常に多いわけでありまして、戦前の組合施行の場合と性質が違っております。宅地造成の急務を呼ばれておりますけれども、思うようには施策が進んでいかないということを考えまして、この貸付制度を行なうという改正を希望いたした次第でございます。
○田中一君 それはそれでけっこうです。そこで、政令案の要綱が示されておりますが、総体的に日本の国土を利用し、住もうという国民の意思というものが、新しい宅地造成によって憲法で保障された平和な社会が出現するという考え方を持つには、相当規模、やっていく規模がここに示されている、政令要綱案の中に示されておりますけれども、国土の再分割、用途別あるいは形態別、いろいろ要素がありますけれども、国民生活のうちに国土のあり方、国土の形態等がかくあるべきだという一つの確たる考え方が立って初めて、従来ともに都市計画法に基づく土地区画整理事業というものが行なわれておったと思うのです。これらの規模というものが、その地域の客観的な関連する現象によって左右されなければならぬということは考えておると思うのです。都市計画が先行して土地区画整理事業を行なうということになっておるけれども、土地が単に利潤追求のためにだけ利用されるということであってはならぬと思うのです。日本の四つの島の立地条件、気象によるところの条件等は、少なくとも海外を長く旅行した人たちの目から見ても、単に自分の国である、祖国であるという考え方以外に長所をたくさん持っておることは事実です。その中で国土の利用というもの、国土の配置というものが、国民生活の中からも社会生活の中からも、あらゆる面から確固たる信念というものが生まれなければ、是非の問題は論議さるべきものではない。要請される事業主体の事業の許認可という問題について、政府としてはどういう考え方を持っておるか。ただ単に新しい町づくりの基盤をなす市街地ができればいいんだということだけでは、今回の事業資金を無利子で貸し付けようという事業体制に対する考え方が明確でないと思うのです。だから、既成市街地における都市改造的な意思を持ち、また現在の住生活、現在の社会生活の環境を整備し、よくしようという思想については、これは一応納得できるのです。山林原野、これに対してやはり国が行政力を持つところの都市計画に基づく新市街地の基盤をなす土地の造成、土地区画整理事業というものが、どこにその背景をなすところの思想があるかということを考えるときには、今政令で示される相当規模、あるいは環境等に対してどういう考え方を持っているかということを最初に伺っておきたいのです。これは、局長に聞くべきものではなくて、大政務次官がおるから……、河野建設大臣はどこへ行ったか知らぬけれども、これは探してほしいのですがね。——それが背景にならなければ、やはりこの事業の促進によって国民が過当なる負担をしなければならないということ、あるいはこれに付随するところの交通その他の新しい負担が生まれてくる。同時にまた土地の価格というものが、むろん事業の大半の資金というものは事業計画による保留地等を売却する収益を財源として行なうのは、これは当然でありますけれども、なぜこの地区でこうしなければならないかという条件をはっきりと僕は説明してほしいと思うのです。言葉だけではないのです。私は、今まで過去やったものに対する資料をほしがっているのはそれなんです。既成市街地におけるものは目で見て納得できますが、新しく山林原野を含んだ地区に、その地区になぜ新市街地としての造成をしなければならないか、しなければならないという条件ならば、ここに国民生活の負担減とか、あるいは環境とか、あらゆる条件が具備されなければならぬと思うのです。何をどういう形でもって許可をしようとするか、もし局長がその答弁ができなければ、またすることが冒険ならば、私が今質問しておるこれをひとつ建設省に持ち帰って、建設大臣から説明していただきたいのですよ。それがもとになるわけです。私はいたずらに日本の美しいこの土地を市街地化することによってのみ、われわれ民族の幸いがあるとは考えておらないのです。沼あり、原野あり、森林あり、山あり、あらゆる——太古とは言いませんけれども、自然の姿というものがわれわれの生活の中に溶け込む、そうして相国愛なり、あるいは人類愛なりというものがつちかわれる環境にわれわれの民族を置くべきである。ましてや、若い少年たちが危険を感じない——非常にこれは常識論でありますけれども、不安のない社会の共同生活ができるという市街地が望ましいのであって、十分環境が望ましいのであって、その裏づける法執行の精神というものをまず最初に伺っておきたいのです。今回の法律改正の対象というものは、おおむね私が今申し上げているような地区の事業を中心に考えておられることが明白であると思うから、あえて伺うわけなのですが、ひとつ答弁して下さい。 それで私がもう一つ申し上げます。私は、谷藤局長の答弁で不十分なら聞きません、これはまあ大きな政治、政策問題が入りますから。背景となるべき思想を伺っておくということなんです。
○政府委員(谷藤正三君) ただいまの御質問にお答えいたしますが、何分大問題でございますので、十分にお答えができるかどうかわかりませんが、御承知のように、戦後における大都市の膨張は、産業の伸びと同様に非常に急激でありまして、大都市というものは、ほとんど混乱状態のまま発展を続けて参っております。生活環境の問題にいたしましても、一応道路政策によりまして、ある程度道路というものは伸びて参りましたが、その公共投資というものの中には、ほかの生活環境投資は非常に少ないものであります。問題は、たとえば最近の団地構成をやっております住宅公団の場合でさえも、その団地構成の中には、下水道その他のいわゆる環境施設としての今まで立ちおくれとなっているものが公共投資と相待って初めて整備されるような状態でございまして、現在の宅地の地価の膨大なる値上がりに対しまして対応できない。したがいまして、なるべく安い宅地を供給することが精一ぱいで、環境整備さえもされないで、現在の宅地造成というものが行なわれているのが現状でございます。したがいまして、現在そのようなものが区画整理さえ行なわれず、いわゆる農村の昔の農道のままで、これは東京でさえも農道のままで、練馬区、世田谷区その他北多摩、南多摩のほうに参りますと、農道のままでどんどん宅地に住宅が建っておるのが現状でございますので、このままでいきますというと、混乱した都心におきますところの交通の対策というものは、郊外からの交通のために、ますます混乱するということになって参りますので、現在の東京あるいは大阪その他の大都市の今後の対策を一体どういうふうに立てるか。これは、都市の構造をどういうふうに切り変えるかということが、まず第一の政策的な問題点になると思います。それに伴いまして、都市の構造の、つまり都市の機能をどういうふうに再検討するか、再編成するか。また、それに従いまして、現在の都市構造というものをどういう形に直していくか。それに伴って、その周辺における労務、流通、消費というものを、施設に対してどういうコンビネーションでこれを作りかえるか。したがって、その中間における部分につきましては、住宅地の構成が、今までみたいに純住宅地、住宅専用地区でなしに、いろんな工場その他のものが混在している現在の住宅地区というものをもっと純化する方法を、どうあるべきかということをいろいろ考えていかなければ、現在のほとんど無秩序に膨脹しました都市の構造というものを切りかえていくということはできないと考えております。したがいまして、もし今のような無秩序なものをこれ以上このまま放置することは、今日、都会生活をいたしますところの住民に対しましても、精神的にも、肉体的にも非常な混乱を与えますので、できるだけ早くそういうものからもう一度再編成をいたしたいというのが、考えの基本になっているわけでございまして、ただいま先生からお話しになりましたような美観風致その他の地域につきましては、これを極力保持することを前提といたしましております。で、現在のさらに伸びていくであろうものに対しまして、今までと同じような条件というものを与えないようにするためには、できるだけ、必要な公共施設を、宅地の造成にいたしましても、土地の利用度を最高度に上げていく、あるいはまた、公園、道路その他の公共施設というものの整備を早目に仕上げる、したがって、その他の、とにかく土地を、宅地を作りさえすればいいというふうな今までの宅地造成のあり方を、もっと公共施設を整備し、あるいは生活環境の施設を整備したところの姿にいたしまして、その住民に対して、快適な生活をさせるようにいたしたい。同時にまた、健全な体躯と同じ健全な精神というものを植え込むためには、やはり生活環境の整備というものが、まず第一であると考えますので、その点を考慮いたしまして、これらの公共施設というものが、都市計画的にきめられました区域の中におきまして、順々に整備されていくということを考えまして、今度の改正の部分における百二十一条の二の一項におきましては、一に、「新たに相当規模の住宅市街地を造成することを目的とすること。」二に、「都市計画として決定された街路その他の重要な公共施設の新設又は変更に関する事業を含むこと。」、そういうことを前提にいたしまして、今度の改正をお願いいたしておる次第でございまして、政令の中身につきましては、ある程度の、こういう事業が実施されるような面積と事業量が必要になって参りますので、その点につきまして、政令でこまかく定めたいと思っているわけでございます。
○田中一君 個人が土地区画整備事業を自分の持つ資金によって行なう場合には、今いう規制がなされない。今回対象となる、国が二分の一の融資という形で行なう融資に該当する地区だけが、そういう制度を受けることにならざるを得ないと思うのです。現在まで、たとえば予定されているところの東京−沼津間の二級国道の沿線は、武蔵野として、フラットではないけれども、小さな丘が武蔵野のほんとうの姿として残されておったはずでありますけれども、最近はそうじゃない、とにかく平面化する、あらゆる樹木は伐採してしまう、ブルドーザーでぶっ倒す、資本主義の一番悪いところですよ、目的がそこにあるのだから。それで、相当多額の金銭が受けられるような利用を考えておるのが、現状なんですよ。ましてや、これは今、都市計画という先行する指定が存在するわけでありますけれども、そういうものではなしにやって、もうきれいに樹木は伐採する、谷は埋め尽くしてしまう、これは切り盛りをやるのですから、もう平坦になってしまう。当然なんですよ。この融資される面だけが、それが強調される。私は、ここに政令に指定されている「施行地区の面積が二十ヘクタール以上」——二十ヘクタールなんというものは、ちっぽけなものですよ。こういうものが放置されて、たかだか六億の融資を受ける地区だけが、これから強い条件を受けることになるということは、片手落ちではないかと思う。その点はどうなんです。
○政府委員(谷藤正三君) 土地区画整理事業として施行されます事業の内容につきましては、土地区画整理法の第二条におきまして、「都市計画区域内の土地について、公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るため、」というふうになっておりまして、個人の場合におきましても、この第二条のほうは、そのまま適用されるわけでございますが、「施行の認可の基準及び公告」として、第九条の中で認可しないというものは、「市街地とするのに適当でない地域」というふうに、そういう部分がありますれば、それは認可しないというふうになっておるわけでございますので、少なくとも個人で施行する場合におきましても、組合で施行する場合におきましても、都市計画事業としての形におきまして行なわれ、それがそういうふうな土地区画整理事業として行なわれる場合には、当然そこで認可の基準によって押えられることになるわけでございます。
○田中一君 局長の言うように、法が立法の精神どおりに動いておるのなら、私はこういう質問をするんじゃないのですよ。ましてや、前提となるのは、市街地なんです。この事業を行なうのは、市街地なんです。いい景観を背後に持っている地域が、突如として、都市計画の指定によって、市街地として指定される。それが大きく平面化され、平面化に変貌するのはあたりまえのことなんですよ。自然の姿を持っている山林、原野というものが、それが市街地という指定によって、変貌するのは当然なんです。そうして、地価の上がることが——むろんこれは土地を所有する価値と造成する経費とが、正しい形で加わって、それが市民、都民、国民のために提供されるというのじゃないのです。現に考えてごらんなさい。住宅公団が行なっている宅地造成は、一般市民の住宅用の宅地では、私が今言っているように、宅地の価格、造成費が加わった原価主義をもってこの価格がきまっております。しかしながら、河野建設大臣の就任以来、工業団地、目的が工場を作る場合には、もはや、この原価主義というものはくずれているのです。そうしておおむね原価ならば五千円のものが、目的が住宅、宅地街の目的にやる場合には、倍になって、いわゆる時価主義になって売買されているのが現状じゃありませんか。経済的な利用価値によって土地価格というものが上下するのは当然です。というのは、理論的に当然じゃなくて、今日の資本主義社会においては当然だと言っているのです。政府は政令を、政令だから自由に変えるんだといって変えております、昨年変えております。少なくとも、われわれが住宅公団法なり、住宅金融公庫法なりの法律を審議している場合には、原価主義というものが原則となっておかれてきたのです。これは行政権にまかされている問題であるといっても、少なくとも法律の制定の精神というものを一方的にくずして、そうして政令を勝手に変えているじゃないか。この事実というものは、究極、住宅公団に提供した土地を売却したその価格が、当時妥当なるものであったとするならば、今後多くの利用者に売却される価格まで値上がりをする、値上げをするための目的であると言わざるを得ないのです。したがって、市街地として造成されようとする計画地その地区に対して、それらの環境を全部具備しろといったところが、するものではないのです。組合員は、利潤追求のためのみそうした事業を行なうということになるのです。私は、この融資制度が究極悪いとは言いません、悪いとは言いませんが、建設大臣がその事業を許可する場合に、認可する場合に、どういう責任と思想をもってそれを認可しようとするかというところに疑問を持つから、それを解明してくれと言っているのです。局長が法律の条文を説明して、それが思想でございますということならば、あなたよりもわれわれが、この土地区画整理法という法律は十分に慎重審議しているから、内容はよくわかっております。そういうものを行政権という権力によって一方的にじゅうりんするから、まかしておけないという心配を持つわけです。自分の土地を国民の多くのために提供しようという考えでなくして、要求する宅地というものを、この要求にこたえて過大なる利潤を上げようという考え方に立つ組合員がまれにあったとするならば、それに対して、国民の税金である金を無利子で特定なる者に貸すという考え方に対して疑問を持つというのです。法律どおりの、われわれが法律を作ったときの精神でそれが行なわれているならば文句はございません。そうではないという事実があるからです。一方的に政令を変えて、原価主義というこの方針を国会に提示し、そうしてその国会に何ら相談せずして、その大原則であるところの原価主義を時価主義にすり変える、そうして利潤の、とはあえて言いません。なるほど、言う言葉はよし、この剰余金をもってもっとたくさんの宅地造成をして、国民にそれを安く提供いたしましょう、こういうことを言っておる。言葉はいい。しかし、内容は今日の悪い資本家と同じような形の計画ということを言わざるを得ないのです。私はこれを、融資を受ける組合の理事者に対して、平面的なプランを中心として許可しようという考え方しかないのですよ、どの法律のどこを見ても。この政令に示されている問題も、これは当然のことなんです。いかに行政権が国民の要求する、国民の持てるものを背景としての思想を持っているかどうかという点を伺っているわけなんです。
○政府委員(谷藤正三君) ただいま組合が施行する場合には、いたずらに利潤追求をやりまして高い土地を売り渡すような、そういうことを政府が助長するような形になっておらないかという御質問の御趣旨のように考えられますが、この問題につきましては、私たちも十分検討いたしまして、現在の組合が実際やっておりますのは、先ほど申し上げましたように、宅地の需要の猛烈な要求に対しまして、それに対する供給の量が非常に少ないということが、要するに、宅地の地価の騰貴を生んでいる現状でございまして、これのバランスがどうとれるかということが、地価の安定ということに対しましても大きな役割りを演ずることになると考えております。したがいまして、地価が非常に高い、組合の助成をいたしましても、それがいたずらに騰貴を生むだけで、地主の利益になるだけじゃないかというふうな御趣旨のように考えられますけれども、現在の荒地のままにして、そういうふうな正当なる公共施設としての立場で土地区画整理事業をやらせるというふうなことをせずに、野放しのままでどこでも農道の形で買わせる、必要なるがゆえに買うというふうな悪循環が重なりまして、現在の地価騰貴を生んでいるわけでございますので、むしろ私たちといたしましては、必要な公共施設を備え、必要な生活環境を備え、そういうことにしたことによって正当な事業を行なわせるような形で市街地を作りまして、それでこれをある程度新しい環境の整った市街地の造成をやりたい、実際今までみたいに農村の農道の中に宅地がいたずらに作られるのと違いまして、土地区画整理の事業として行ないました場合には、普通の今までの平均の状態で参りまして、整理前に大体道路とか水路とか、その他の地積に対する全地域の中の面積が大体五%程度でしかないものが、区画整理事業を行ないますというと、大体二〇%に持っていくのが原則になっておりますし、公園とか、そういうもののない所の、つまり〇%が少なくとも大体三%の要求をいたしております。場合によっては六%の要求もいたしております。実際には、今までの施行前の公共の利用地が五%程度のものに対しまして、あわせまして整理後には二三%程度のものを要求するような形になっておりますし、事業を行ないます場合におきましても、保留地の、つまり自分の事業資金に充てますための保留地分といたしましては、今までなかったものが、七%から大体一〇%、この程度のものが事業資金に充てるための保留地として、各地主から全部提供されることに相なります。したがいまして、合計いたしますと、実際の整理事業の五%程度のいわゆる道路とか農道とか水路とかいうことになっておりました地積部分が、二三%から三〇%程度の地積を公共のために供出いただくということに相なりますのと、それが実際に農地として、山林としてでき上がっておりますために、実際の地積か反坪に合っておりませんために、そういうものが、整理いたしますというと、実際の測量によりまして、終わったあとの実際の減歩率が、大体二二から二五%、この程度の公共用地に対する用地が生まれるという計算に相なります。したがいまして、現在の値段で考えましても、大体十万坪単位の区画整理事業を行なうということになりますというと、大体公共用地を全部生み出したものをもとの値段で返して、つまり、現在の地主たちが出した値段を全部もとのままの値段、それから今度、二二から二五%の用地が減った分に対して、地主に値段を等価にいたした、こういう条件を条件に入れまして計算いたしますと、大体、四割三分から五割近くの値段が、現在の農地としての地価に対して上がらなければ、地主としては採算がとれない、これが現在の状況でございます。なおかつ、事業を行ないます場合の、当初における組合の借入金の状態は、普通は大体、今現在で百五十組合が三十八年度ございますので、その中で、借りている金は、市中銀行、農業協同組合、信用金庫等から借りておりますけれども、大体において、短期の借入金になっておりまして、しかも、利子は一割近い高利でございます。それに対しまして、住宅公団のほうは、財投から借りております関係上、住宅公団の行ないますところのでき上がりの単価と、それから同じ原価にいたしましても、組合施行におきますところの組合のでき上がり単位とは、違ってくるのがあたりまえでございまして、したがいまして、住宅公団の単価と同じような値段で組合施行の区画整理事業の宅地を売れということは、非常に無理があると私は考えております。ただ、無理がありますが、できるだけ、こういうふうな公共用地を十分にやっていただく、生活環境を十分整えていただくということによって指導いたしまして、そのためには、当初の、しかも、せいぜい一町歩あるいは多くても、内地におきましては、二町歩が、現在の農家の持っておる畑の限界でございますので、そのほかの非常に小さい地主がたくさん入っておりまして、現金を出し合いまして、組合施行をやって宅地を造成して、しかも、売ってやるということのできない地主が非常に多いことは、先ほどすでに御説明申し上げたとおりでございますので、最初の資金の算定から始めて実際の計画を立て、実施額を立てて、仮勘定をやってというふうな順序の仕事をやっていきます場合の組合の当初における資金さえも、自分たちのふところからは出せないのが現在の地主の状況でございますので、いやでもおうでも金を借りなければならない、そのとき一割の高利で借りなければならないということでは、せっかく宅地の需要が非常に多いのに対しましまして、十分に伸びが出てこない、しかるがゆえに、宅地の値段はますます上がってくるという悪循環を繰り返しますので、われわれといたしましては、組合の事業をできるだけ助成いたしまして、当初の資金でも、保留地が出るまでの三年まての間——大体三年でございますが、少なくとも三年までの事業が円滑に低利のものでいかれますように、当然私たちが無利子で貸し付ける分が、全体の事業ではございませんので、大体において、先ほどの政令に書いてございますように、総事業費の三分の一以下ぐらいの限度にいたしておりますので、残りの三分の二は、いやでも市中銀行その他の農業協同組合、信用金庫というふうなものから借りなければなりませんので、そういうものを合わせまして、円滑に事業を施行することによって、公共用地を生み出していただできるように宅地を作っていただくということが念頭にございまして、決して地主の利益をはかるというふうなことは全然考えておりませんし、むしろそういうことによって相共同して正当なる環境の整った宅地を造成していくというのが、国としての施策であり、また国民にも協力していただくというふうに、私たちは考えているような次第でございます。
○田中一君 いかに価格が上がるかということを説明しているけれども、上がっていい、それは当然なんです。ただ私の言っているのはね、なぜ新しく宅地を造成しなければならないかということに帰着するわけですよ。もしもほんとうに国民が要求する宅地が少ないからやるのだというならば、別の方法がありますよ。私が委員長にも言っているように、この法律案と、これから出そうとする住宅地域かな、その法律案、それから住宅金融公庫法等の改正案、これを一緒に審議してくれというのは、それなんです。同じ思想なんですよ。宅地を新しくどの地点に造成しようというならば、国全体の計画を考えているかどうかということなんです。その地区々々の派生的な要求に対して、一々認可するなんということじゃなくして、全体の国土計画というものがありやいなやと言っているのです。それで、国民が宅地を要求するからというなら、また宅地が値上がりをするからというならば、方法は幾らでもあるのです。幾らでも方法はありますよ。まず、国が持っているところの住宅金融に対する条件としては、宅地を持たなければ金を貸しませんよという考え方があるのですね。だから、一面住宅金融公庫に対する融資の申請が、何十倍、何百倍ございますと言って誇っている。何十倍も何百倍もの人が住宅地を求めて狂奔しているのですよ。資本主義社会じゃ需要があれば土地が上がってくるのですよ。一人にしか貸さないものを、十人、五十人の人たちが、たくさん宅地探しに歩くから当然宅地は上がっていくのですよ。政府の政策が宅地を上げているのです。一方、こういうことは、何べんもくどく申し上げているように、昨年公団法の改正もやり、また現在の事業法上に許されている範囲の中高層あるいは屋根貸しの住宅公団の家がたくさんできております既成市街地における住宅建設用地というものは、空間がたくさん残っているのですよ。水の問題その他の条件によって、やむを得ずニュー・タウンを作るのだという考え方は、ある部面については認めてもよろしいけれども、野放しで農地、山林、原野等をやたらに宅地化するという考え方があるから、これを宅地化して、そうして国民の需要にこたえるのだということは、一番拙劣な政策なんです。こういうことは、もはや常識なんですよ。私がこんなことを言うのがおかしなくらい常識なんです。徒歩二十分、三十分で自分の職場に行けるような所には規制しないでおいて、宅地に見合う空間がたくさん残されているのですよ。それらに採算のとれる融資をすることのほうが早いのです。国民生活もそのほうがいいのです。一時間、二時間と往復時間がかかるような所からすし詰めになって通勤するよりも、人間の生命力も延びるのです。駅におりて徒歩三十分、二十分という所が主としてあるのです。乗りものに乗れば金が余分にかかるのです。そんなに日本の労働者は賃金をたくさんもらっていませんよ。自動車を持って通勤するような賃金はもらっておらないのですよ。だから僕が言っておるのは、宅地造成というこの事業を遂行するにあたっての背景にある思想は何かということを聞いているのですよ。局長はとうてい、むろん自分の与えられた法律の範囲、行政の範囲しか答弁しないと思うのです。私は今のこの法律をさして言っているのではないのです。政府が持っておる宅地政策というものは、どこに根本の思想があるかと聞いているのです。これらの諸君は、今るる局長が説明しているように、善良なる諸君は、利潤追求ということは度外視して宅地を提供しようという気持の人があるかもしれません。この人たちに対する無利子の融資措置というものは、反対するものじゃないと前段に言っているのです。しかしながら、利潤追求という思想が、政府にも行政部内にもあると同じように、政府が見本を示している以上そうならざるを得ないと言っているのですよ。なぜ平塚工業団地の価格を、原価主義を切りかえて時価主義にしたのですか。それを撤回しなさい。その政令を撤回しなさい。政令の改正を撤回しなさい。少なくとも政府の政策の面において、時価主義というものが顔を出している以上、ましてや、自分の土地を自分の資金で造成しようという事業の計画者は、飽くなき利潤追求ということにならざるを得ないのですよ。それは国民の住宅要求度——いわゆる宅地の、国民の要求に対する住宅がバランスがとれぬからくるのだというならば、第一に、宅地造成というこの考え方を政府施策として持っておる住宅金融公庫、住宅公団のこの事業の形態を一つにしなさい。住宅公団、住宅金融公庫が、国家機関が同じ目的のために予算を計上するなんていうことは間違いですよ。値上がりを促進するもとなんです。一つにしなさい、窓口を一つに。そうして住宅金融公庫の資金によって住宅を建てている、あるいは店舗等を建てているという各種団体の宅地造成に対する権限を一手に国の関係機関が握ることが望ましいのです。住宅公団と住宅金融公庫、住宅金融公庫の出先機関であるところの各種団体が、同じ土地を競合して買おうとしている。上がるのはあたりまえですよ。上げているのですよ。私は、この土地区画整理法の審議というものは、やはりそれぞれの関係する法律が出ておるし、また出ようとしている、それらが全部一つになって宅地の問題を審議しなければ、——この法律案を審議しなければ結論は出ないと言ったのはそれなんです。むろん都市局長は、自分の与えられた範囲のことしか言わないでしょうけれども、国会はそんなものではない、全体のものです。それは谷藤君、幾ら説明しても僕は納得できない。明解に政府の土地政策が表明されておらない。間違いなら間違いでもいい、何でもいい、一つの思想というものが背景になくちゃならないと言っている。困ったことを、これもする、あれもする、それが既成市街地に対する土地区画整理事業の精神です。よい環境、そのために既成市街地におけるところの土地区画事業を行なうのは当然です。これには一応安定した地価というものが存在しているのです。しかし、今度考えているのはそうではない。新しく農地、山林、原野等を開拓して宅地を作るべきだという考え方、どうも私にはこれは谷藤君から聞こうとするのは無理かもしれないが、それが明らかにならなければ、ほかの法律案に対しても同じことを言わなければならないから、めんどうくさく言っている。新市街地の問題も、新住宅地域の問題ですか、あれも、住宅関係二法案の例の公団、公社の問題も、みんな関連しているから言うのです。問題は土地区画整理事業、この種の事業に対して、六億無利子の融資をするということに対して反対しないことは、先ほど言ったとおりです。政策として何を考えて、どういう方向に行こう、あるいは日本の国土問題というものが抽象的な問題でなくして、あるいは私権の制限をしている、現在建築基準法において相当大きな私権の制限をしている。都市計画にしたって、それこそ大きな私権に対する制限をしている。だから国土全体に対する問題も、自分の所有しているものを勝手に何をしてもいいという考え方でなく、先ほど言ったように、農道にしても、自動車の入れないようなものでも、それを勝手気ままに宅地にすることは困る、そういうことをするならば、それらのものに対して明らかに都市計画法なり、あるいは建築基準法なりで、一応かりに制限することは、国民全体の社会、国土からいって許されるはずだと思う。そういう問題は全部野放しにして力づくでもってやっている。自分の土地を自由に住宅地化し、将来の都市としての機能を失わしめるよう行為は、これを阻止する方途をとるのは可能だと思う。また、近代社会においては当然の措置として国民も納得するだろうと思う。——行政権の貧困からくるのですよ。行政上の力のなさ、政治の貧困からくるのです。これは委員長、私は今のような答弁では満足しませんから、ひとつ建設大臣に、この質問の要旨を十分局長から伝えてもらって、建設大臣から宅地造成に対する考え方を打ち出していただきたい。そうしてこれがほんとうに善良な土地区画整理組合を運営しようとしている人たちに対しては、三億や六億でなく、当然国がすべきものであるけれども、政治の貧困からしないのです。もっと大幅に無利子の金をお出しなさい。そうしてあらゆる面で国民に提供しようという、その最良な環境の宅地というものを価値づける事業を行なうものに対して、損をかけないというような方途をお示しなさい。たかが三億程度のものを無利子で貸したからといって、どれだけ解決になりますか。できるならば公共施行としておやりなさい。場合によれば国が直接おやりなさい。窓口がたくさんあるから地価が上がる。なるほど所有者が、所有権者が集まって組合を作ってやれば地価は上がりません。しかし、保留地なり、あるいはそれを自分の持ち分として得られたところの土地を取れるだけたくさん高い金で売りたいというのは人情ですよ、今日社会の。政府でもやっているじゃないですか。住宅公団を通じてやっているじゃないか。これはひとつ委員長からも、これは私これ以上しませんから、局長によく言ってですね、建設大臣のこれらに対する答弁を要求します。委員長からも、なおひとつ通じておいていただきたいと思うのです。こまかい問題につきましては、その問題が解明されてから質問をいたしますが、大体において、私どもとしては、善良な所有者が宅地造成をしようという考え方については、もっと大幅な助成方法を考えるべきだという考え方に立っております。あとの質問は保留して、一応終わります。
○委員長(木村禧八郎君) ただいまの田中君の御発言は、非常に重要だと委員長は認めます。この法案は、宅地難解決のための宅地造成事業のうちの一つでございますが、政府の全体の宅地難解決の根本的な考え方、総合的な政策、そういうものを田中君ははっきりさせないと、この法案だけ、部分的に審議をしても、なかなか困難であるという御趣旨でございますので、建設大臣の意見を聞くこともどうしても必要だと思いますので、そのように取り計らいたいと思います。 この土地区画整理法の一部改正案に対する御質疑は、ほかにもございませんですか。——ございませんでしたら、この質疑は保留いたします。 —————————————
○委員長(木村禧八郎君) 次に、共同溝の整備等に関する特別措置法案に対する質疑をお願いいたします。
○田中一君 共同溝の整備等に関する特別措置法案について、アメリカを中心とする新興国家ですね、新しい国づくりをするという歴史の浅い国々のデータをお示し願いたい。 それからヨーロッパとスウェーデン、ノルウェー、それからイタリア、フランス——フランスは大体いいと思うが、イタリア等の伝統ある都市の共同溝に関する同様な措置、フランスの場合には、大下水がパリを中心にあるからいいとしても、ほかの国々のいろいろの例がお調べになってあると思うから、それを資料として最初にお出し願いたいと思います。
○委員長(木村禧八郎君) よろしゅうございますか、平井道路局長。
○政府委員(平井学君) ただいま御質問の個々の国々、個々の地域について詳細な資料は、ただいま手元にございませんので、恐縮ですが、この詳細な資料は、至急に資料として提出さしていただくようにいたしまして、現在わかっております範囲でお答えいたしますと、フランスは、ごらんのように千五百キロメートルの大下水渠がございまして、これが下水渠のほかに共同溝の用を果たしております。 それから、アメリカ等におきましては、現在わかっておりますところでは、ニューヨークの例が若干わかっておりますが、これは詳細まだ十分に資料が入っておりません。 スウェーデンというお話でございましたが、スウェーデン等につきましては、実は残念心ながら、現在資料の都合で入っておりませんので、これは後刻あらためて資料を提出いたすことにいたしたいと思います。
○田中一君 私は、あなた方が非常に官僚と言っては言葉が悪いけれども、上級公務員は、非常に一つの法律を作るのに慎重であって、おそらく一つの法律を作るには、長い間、公共事業の一つとしての共同溝等についても、比較検討し、日本の状況、諸外国の状況等を十分に調べて、そうして提案されるのを、今日まで十何年間の経験では、その後に結論を出すという行き方をとっておるのを非常に尊敬しておったのです。最近の法律は、おおむね思いつきでやるような形のものが非常に多いのです。どうも地下におけるところの共同溝の考え方なんというものは、もうこれは何年も前から多くの国民の口に乗って、実に熱心に要求されたものであることは、平井局長も知っているはずです。大体において、道路行政のうち、ニュー・タウン、いわゆる新しい町づくりの場合には、これをおそらく実施していると思うのですが、平井君のほうで、新しい町づくりの場合に、現在共同溝という規模の大小は別にしまして、これらのような構造によって共同溝を作った事例というものをお持ちだと思う。これはあとで資料としてお出し願うと思うが、今あるなら、どの町のどこがどのくらいということの説明をしておいていただきたいと思うんです。
○政府委員(平井学君) これは適切な事例ではないかと思いますが、さしあたり御質問に近い事例としてあげますと、わが国では、戦後の事例でございますけれども、いわゆる町づくりではございませんが、一つの復興過程における部分的な町づくりといえばいえるかも存じませんが、新宿区の角筈二丁目、いわゆる淀橋の付近でありますが、ここに、たしか昭和三十五年東京都が音頭をとりまして、昭和三十五年にあの淀橋の最も交通の輻湊する、将来ともに輻湊することが十分予想されたあの角筈の一帯に共同溝を設置いたした例がございます。それからもう一つは、これまた完全な意味の町づくりではございませんけれども、例の第二阪神国道、これは阪神地域の国道の輻湊を緩和するために第二阪神国道ができたのでございますが、部分的にはあの家屋の移転をしたり、いろいろ相当な手術を伴う道路つくりでございますが、そういうものが部分的な町づくりといえばいえると思いますが、あの第二阪神国道を設けるにあたりまして、これまた道路側で音頭をとりまして、こういう法律的な強制の裏づけなしに話し合いで関係公益事業者と協力してりっぱな共同溝がごく最近これはできたのでございます。それから古くは、関東大震災のあとの帝都復興事業、これまた、いわば一種の町づくり、町の立て直しでございますが、帝都復興事業としてあの九段坂の所に、国費で一つのモデルとして共同溝を作ったのが、まあわが国でのおもな事例であるかと考えております。
○田中一君 それはひとつ、今専門員から渡された建設春秋には二十ばかり出ておりますけれども、これはひとつ資料として出して下さい。 そこで、今度の事業計画が示されてありますけれども、将来の方針としてどういうことを考えておられるかということです。たとえば地下鉄線には地下鉄線の延びた所には、全部それを包含しようという考え方に地下鉄の許可をしておるか。地下鉄の許可はこれは運輸省所管でしたかな。
○政府委員(平井学君) 運輸省と建設省の両方でございます。
○田中一君 それならなおさらのことだ。これから延びようとする地下鉄あるいは高速道路——高速道路は困難か知らぬけれども、地上鉄には少なくともこれを併置しなければならぬというようなことを考えておりませんか。
○政府委員(平井学君) 将来の地下鉄建設計画につきまして、これを最大限に活用をする計画でおりますけれども、併置しなければならないという強制的な措置は考えておりません。
○田中一君 強制することが考えられないという考え方はどこからきているんです。
○政府委員(平井学君) これはいろいろと検討をいたしてみたのでございますが、地下鉄自体も、現在一定のプログラムを作って、目前の大都市交通のこの混乱を早く解決するために時間的な目標を作ってやっております。一面、あとから御説明いたしますように、この公益事業物件を埋める共同溝につきましては、相当の費用を伴いますために、関係公益事業者にも、いろいろと費用の負担を政令等できめさしてもらうことになっております。さようなわけで、その間、関係者のある程度の計画の一致、話し合いということが今回の法律案の相当な基礎になっております。そんなわけで、全面的に強制とはいきませんが、ただ、地下鉄を運輸省と道路管理者側が免許する際に、できるだけ共同溝を作るための計画と調整をするようにということを、これは現在もやっておるし、今後もさようにやっていくようにいたしております。
○田中一君 運輸省のほうは運送を主として考えておる。路面の道路の管理者としては、これは建設大臣のはずですから、要求するのは建設大臣側であって、目的が違うの、だからといって受け身に立つのは運輸大臣になるわけですけれども、建設大臣の見解はどうなんですか。大臣はいないから、建設省の見解はどうなんですか。
○政府委員(平井学君) 実は、共同溝につきましては、法案にも示してございますように、第一に、現在交通が非常に輻湊しておる。将来ともに輻湊するおそれがあるということが一つと、一面、将来の都市発展あるいは都.市改造の見地から、ガス、電気等の公益物件の増設、新設を行なう見込みの大きいところ、そういう二つの条件を中心にして共同溝の敷設計画を立てまして、それと別に、地下鉄のほうは必ずしもこれと計画が一致するわけではございません。そこで、私どもの考えといたしましては、特に道路管理側といたしましては、共同溝建設計画のあるところ、私どもの考えております共同溝建設の青写真と、それから一面地下鉄の免許申請、これとあわせまして、その一致するところにつきましてはこの共同溝建設との調整をさせるように、いわば条件といいますか、道路使用を許可する際に、そういうふうな条件をつけてやるようにいたしております。
○田中一君 三十九年度はどれくらい考えていますか、実延長で。
○政府委員(平井学君) その前に、三十八年度は、お手元の資料か、四カ所で三・六キロを考えておりますが、私どもといたしましては、大よそ三十九年、四十年、この三カ年で東京で大体二十六キロ、それから大阪、名古屋等で約六キロ、こういうふうに考えておりまして、東京につきましては、とりあえず向こう三カ年の二十六キロのうち、とりあえず三十八年度において三・六キロ、その残りの二十二キロ余りを三十九年、四十年中にはやりたいと、かように考えておる次第でございます。
○田中一君 都市局長に聞きますがね、たとえば今回の都市区画整理事業を行なう市街地等には、この共同溝を併置の条件ということを考えておらないのですか。
○政府委員(谷藤正三君) 共同溝は、あれは非常にいいことは事実でございますが、共同溝というものを作りますときの工事費が非常に高くなりますので、現在の新しい区画整理事業を行なうような宅地造成区域につきましては、共同溝のところまでは考えておりません。
○田中一君 道路局長と都市局長の間に、もう共同溝というのは掘り返しがあまり多くちゃ困るからその分だけやればいいんだということに、建設省の意見は帰着したというように印象ずけられるが、一体どうなんだ。僕はニュー・タウンこそ、規模の大小を問わず、そうした施設をしなきゃならないというような考え方を持たなきゃならぬと思うのですよ。どうも基本的な政策的な思想というものがないんですよ。それが一番初めに申し上げたことなんですよ。政策としての基本的な態度、背景をなす思想というものが欠除しているのです。おそらく都市局長も、今後行なうという土地区画整理事業の地区には、将来の何かを考えながら許可をするんだと思う。しかし、それもさっき言っているように、その思想は何かと聞いているわけです。片一方じゃ、共同溝というものを当面の弥縫策としてやるんだという考え方、ニュー・タウンを作るためにも、そんなこと考えておらぬということじゃいかぬと思うんですがね。
○政府委員(平井学君) 決してニュー・タウンについては考えておらないというわけではございませんで、ただ残念ながら、現在のニュー・タウンが昭和三十八年ないし三十九年に具体的にどこにということがまだきまっておらないというような関係で、特に御説明しなかったのでございますが、この問題は、過去のこういう苦い経験にかんがみて、相当な規模の、しかも、大工業地帯とか、そういう相当輻湊するようなことが予想されるニュー・タウンにつきましては、もちろんこういった施設を先行的にやらしていただく予定で実はおります。
○田中一君 谷藤君、どうなんです。今の市街地を作るために、それは考えておらないのか。
○政府委員(谷藤正三君) 道路局長の申し上げております新市街地という範囲は、おそらく新産業都市、つまり地方における工業の産業構造上生まれてくるところの工業の核点となるべきような新しい都市というふうにお考えになっておられるものと思われますが、そういう場所につきましては、これから伸びていく場所につきましても、当然考慮しなければならぬ問題でございまして、先ほど私の申し上げましたことは、区画整理事業を行なうような宅地の造成区域、つまり既成市街地の周辺部における住宅市街地の部分につきましては、幹線道路が入って参りまして、将来それが住宅市街地のまん中を貫いて幹線道路が先に延びていくというふうな区域がありますれば、当然これは道路局長の申し上げておるように考えなければならぬことでございますか、そうでなくて既成市街地の周辺部において乱雑に伸びていくところの現在の宅地というものを、環境の整っれ宅地にいたしたいというふうな地域につきましては、幹線街路が入ってくるわけではございませんので、その地域との連絡道路が主体になって考えられますので、そういう地域につきましては、現在の電信、電話、ガス、水道、そういうものにつきましては歩道の下を利用するとか、共架施設をするとかということによりまして、美観風致その他のことにつきましては、従来の電柱だけはやたらに建つという構造にしなくても、現在方法論としては考えられますので、これを二メートルあるいは三メートルというような大きな共同溝施設をして膨大な金を、事業費をそこにつぎ込むということをしなくても済むのじゃないかと、こういうふうなつもりで申し上げたわけでございます。
○瀬谷英行君 この問題は、都市計画の基本というものがちゃんとしていないというと、なかなかこれはうまくいかないじゃないかという気がするのですけれども、今の特にこれは東京都の顕著な例は、掘り返されている地域がガスであったり、電信電話であったり、下水であったり、地下鉄であったり、何かその連絡がなくていろいろと掘り返されているという現象が多いような気がするのですけれども、一貫した都市計画というものが中心になって、その都市計画をもとにしてすべての道路なり、あるいは交通なり、水道なり、電信電話なりといったようなものが、これが連繋をとって計画をされていくようにしないと、とかく都市のいろいろな混乱がどうしても絶えないんじゃないかという気がするのですけれども、この基本になる都市計画といったようなものはちゃんとなっているのかどうかということが、私どもとしては関心を持たざるを得ないところなんですが、その点はどうなんでしょうか。
○政府委員(平井学君) 都市計画そのものは、都市局長から別途お話があると思いますが、私のほうの立場から申しますと、ただいまのような御懸念の点は、実は去る昭和三十三年の事務次官会議の、掘り返し抑止に関する申し合わせというものができまして、それ以来、全国都道府県単位に、掘り返し防止連絡協議会というものが県単位に組織されまして、知事が中心になりまして、ただいま御指摘のような関係公益事業者、道路管理者が集まって協議会を作っておりまして、そうしてこれは申し合わせではございますけれども、毎年々々の公益事業の掘り返し計画を持ち寄りまして、そこで一定のプログラムを作り、そこで話し合いによってなるたけ同一個所のものはお互いに、あとのものは先に繰り上げ、あるいは先のものは若干待ってやるというふうにして調整をずっといたしてきております。ただ残念ながら三十三年以来のこの申し合わせによる連絡協議会の機能が、これ以上どうも上がらないということにかんがみて、実は昨年閣議了解で、これをさらに一歩進めた、掘り返し抑止に関する閣議了解事項を定めて一段とこれを強化して、今回の法案提出の準備といたしたのでございます。そこで、たとえば東京都あるいは大阪等につきましては、既成のこの市街地の混乱を防止するための共同溝につきましては、都市計画の計画を十分にらみ合わせて、それに加うるに地下鉄工事の計画、それから高速道路のような大規模な道路改良工事、そういったものを活用してやるというふうに進めて参っておるつもりでございます。ただ新産業地帯等について、新しい大規模な相当な市街地が作られる場合につきましては、残念ながら、まだ明確な計画が出ておりませんので、これを実は待っておるわけでございますが、新産業都市等の計画が固まり次第、これと並行してこの問題を結びつけてやる、こういう心がまえで考えておる次第でございます。
○瀬谷英行君 今でもしばしば苦情を聞くのは、やはり掘り返しというものが年がら年じゅう都民にとって、あるいは交通にとって障害になっているという苦情が多いんじゃないかという気がするわけです。これは私ども自身が直面をする機会が多いわけでございますけれども、連絡協議会の機能が今日まで十分に発揮できているかどうかという点が問題であろうと思うのです。連絡協議会といっても、仕事がまちまちですから、そう簡単なものじゃないということは私どもにも十分想像ができるわけですけれども、そごを来たすといったような事例があるとすれば、それはどういう面でそごを来たすのか、その機能を十分に発揮できないのか、これは運営上の問題であるのか、その基本は一体事業の性質上やむを得ないところであるのか、その辺はどういうことでありましょうか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(平井学君) 実は、この道府県単位に設けられておりますところの連絡協議会といいますのは、あくまでも連絡協議する会でありまして、調整ではございません。しかしながら、東京都の例で申しますと、知事のところへ毎四半期、場合によっては毎月、この道路掘り返しを伴うような公益事業者が集まりまして、そこで話し合いで調整をするのでございます。事の始まりは、そもそも年度の初めに、各公益事業者から一年間の予想し得る限りの掘り返しの申請を出します。昭和三十七年度の当初の面を見ますと、東京都では約千七百件の掘り返し々、伴う公益事業者の申請が東京都知事あてに出ております。これを毎四半期ごと、また、区域によっては毎月連絡協議会を開きまして、お互いにこの同一区間の工事は、なるべく一年一カ所にしぼるというふうに話し合いをする、また、コンクリート舗装あるいはアスファルト舗装をしたようなりっぱな道路については、アスファルトの際は向こう三カ年間、また、コンクリート舗装の際は向こう五カ年間は掘り返し工事を原則として認めないから、そのつもりで掘り返し工事をよく調整してきなさい、また、従来の木造の平屋建二階程度の家の区域を整理して大ビルを作るような建築の計画のある際は、これも事前に届けさして、これを協議会に持ち出して、お互いにそういう区域の埋設工事等を繰り上げてやる等の指導を行なってきております。これによって昭和三十三年ごろ以前に比べれば、相当無用の重複掘り返し工事は抑制されてきたのでございますけれども、しかしながら、遺憾ながら東京その他日本の大都会は、最近の高度の経済成長によりまして産業と人口が猛烈な勢いで集中をいたしております。いわば、まだまだ放置するならば生々発展する過程にありますので、この協議会の規制措置だけではどうにも押え切れない、これを無理に押えてしまうというと、伸びる経済力を阻害する、再出の生活必需要求にこたえ切れない、こういう状況でございますので、もはや、この自主規制的な連絡協議会では間に合わない、いわば、東京でいえば東京の全区域が毎月、毎年こういった電気、ガス、水道等の新しい需要を呼び起こしておるために、そこに何らか法的規制を伴う措置をしなければならぬ、こういうような段階に至っておるのが現状でございます。
○瀬谷英行君 この前、建設大臣が何のときだったか忘れましたけれども、東京都の問題についてちょっと触れて、都政あり、区政ありで非常に東京都の場合は機構が膨大であり、複雑であり、容易じゃないというような意味のことを言っておられたのですけれども、行政機構の縦の連絡——横の連絡だけのものでなくて、縦の連絡、都と国の場合、これらの面ではたしてうまくいっているのかどうか。たとえば建設省なら建設省としての行政指導の面で壁にぶつかるといったようなことが都政との間にないのかどうか、こういう点ですか、こういう点で一体、特に都市計画の面ではどういうものだろうか、今日までの実績はどうかという点をちょっと私は気になるのでお聞きしたいと思うのであります。
○政府委員(谷藤正三君) 都市計画的な面におきましては、先ほど申し上げましたようないろいろな連絡のことがございまして、すでに新聞紙上にも出しましたように、東京の今後の計画をどういうふうにするかということで、大都市再開発問題懇談会というものの意見としまして、新しく東京の機能の分散、再配置をはかる、都市の構造の再検討をするということで、基本構想はすでに固まりまして、東京都とも十分打ち合わせをしております。それに従いまして現在引き続いてその基本構想に対しましてどういう手法を用いるかということで毎週一回都との連絡会をいたしておりまして、そのためには、首都高速道路公団あるいは首都圏関係、道路局、全部入っていただきまして、常に連絡をとりながら進んで参っておりますので、街路の問題、主として今現在は街路の再検討をいたしておりまして、今月中に大体山の手線の内側の構想は全部まとまるということになっておるわけでございます。で、いろいろ問題の点はたくさんございますので、一挙に解決することは簡単にできないと思いますが、大臣の命令によりまして、去年から引き続いて新しく再検討をいたしておりますので、順々に解決して発表できる段階になると考えております。
○瀬谷英行君 私なんかの感じでは、いろいろな立法措置というのが何かすべて後手に回っておるというふうな感じを受けるわけなんです。これは東京の、体裁よくいえば、高度成長といったようなものの影響かもしれませんけれども、たとえていえば、はれものにこうやくを張るようなあんばいに立法措置が、あっちこっちでことごとく後手に回って追っかけていくといった点がありはしないかということを感ぜざるを得ないわけです。そういうことをやっておるようじゃ、なかなかこういう東京のような特に大都市の場合は追っつかないのじゃないか、こういう気がするので、やはりこれは基本になる都市計画の面から思い切った構想を立てて、すべて交通政策にしても、道路行政にしても住宅、水道、下水、すべての面で総合的にこれは計画を推進し、対策を立てていくというようにしないと、いつまでたっても労多くして功少なしといったようなことが続けられるのじゃないかというおそれがあるのです。ですから、その面で、はたして立法措置が後手に回っておるという懸念がないのかどうかということと、それから、それを解決するための根本策として思い切った勇断でもって今日対策が立てられておるのかどうかという点についてお伺いしたい。
○政府委員(平井学君) 共同溝の問題につきましては、ただいま後手に回っておるのじゃないかという御指摘がございましたが、これは戦後多年にわたって、建設当局といたしましては研究を進めて参ったのでございますけれども、今までいろいろな事情で法律としても日の目を見るに至らなかったのでございますけれども、幸い今回ここまでこぎつけて参ったような次第でございます。なお、私どもこの都市計画との関係、都市の再開発計画との関係についてはどうかという御質問でございましたが、少なくとも東京、大阪その他、少なくとも既存の大都市の市街地の共同溝の選定等につきましては、十分都市局のほうの都市計画と密接な連絡をとりまして、重要順位等をきめ、将来の都市計画のあり方とも十分にらみ合わせて場所を選定いたしております。先ほど田中委員からおしかりがありましたが、それと別個に新産業都市等のいわゆるニュー・タウンを作る際における問題につきましては、これは計画が順次具体化し次第、先手を打って、それこそ先行的に共同溝の計画を作っていく、かような考えでおります。
○瀬谷英行君 この法案提案の理由等については、私はわからぬことはないと思うのであります。ただ、これは一つの例でありますけれども、屋外広告物の問題にいたしましても、共同溝の問題にいたしましても、特にまあ大都市かふくらみ過ぎてしまって、そしてあふれたごみ箱のような状態になってしまって、それに対してあとから何とかして手を打っていくというために、いろんな法律ができてくる、立法措置をとらざるを得なくなってくるといったようなことが私としても感じられるので、御質問してみたわけです。だから、そういうことを何回も繰り返すことも、それはやむを得ないことである、それはやむを得ないことではあるけれども、もっと根本的に必要なことは、都市計画の基本にさかのぼってやることじゃないか、その点についての現在の複雑な行政機構の連絡といったようなものが今後特に予算の面においてもいろいろ問題が生じてくるんじゃないかと思うのですけれども、うまく今日まで運営をしてこられたのかどうか、今後においてもその点についての見通しはだいじょうぶかどうかという点を私はお聞きしたいわけであります。
○政府委員(谷藤正三君) 戦後の急激な都市人口集中の問題に基因するわけでございまして、御承知のように、東京都の一千万近くの人間、特に戦後の人口増の約六〇何%は東京に集中するというふうな状態に相なっている事実は、皆様御承知のとおりでございまして、戦後の最近まではどっちかというと常に施策のほうがおくれがちになってきているということは事実でございます。ただ、欧米の市街地と異なりますところのものは、新しく町が作られてくるという状態と、農村から都市構造が生まれてきたところの日本というものの構造と、都市の構造そのものに違いがございまして、その自然発生的な日本の都市の発展の過程が一つの矛盾を含んだまま現在に立ち至っているわけでございます。したがいまして、施策のほうが若干欧米的な単純化された姿において行なわれてきていないということは事実でございますので、その点を十分最近反省いたしまして、先ほど言い落としましたが、現在の東京都の将来の計画に対しましては、都市の再開発という面で見ますると、もう一つは公共投資という面において、高潮対策、あるいは利水、水道、下水、そういったようなその他の一般の公共施設の問題につきましても、定期的な連絡会議をいたしまして、東京都との相互の調整をはかっているのが事実でございますので、最近は大体において政府の意図する方向に向かって東京都も前進しつつあるものと私は考えておりますが、実際の具体的な施策が表面に現われてくるまでには若干の時間的なズレがございましたために、現在も、あるいはまた外から見ますというと、都と政府との間に思想的あるいは施策的なズレがあるように見られるかと思いますけれども、現在のところ非常に順調に協議の整っておりますところは順々に仕事をやっておりますので、だんだん解決できる方向に向かえるものと確信いたしている次第でございます。
○石井桂君 関連して。今都市計画のお話を瀬谷先生から御質問したようですけれども、私は、都市計画というものは、もう指導性がなければ都市計画でき得ないと思うのです。都市計画法ができたのが大正八年くらい、今から四十数年前ですが、それからずっと都市計画諸施設がいろいろな計画に基づいて東京あたりはやっておられる。ところが、まあ今お話のとおり、急激な人口増加があって、なかなか都市計画が追っつかないと、これはごもっとも、そのとおりだと思うのですけれども、それではほんとうは都市計画でなくなるので、瀬谷先生の言ったようなごみ箱の始末みたいな、そういう都市計画では困ると私どもも常々思っているわけです。私も東京の都市計画関係のことを何年かやった経験があるのですが、どうも自分がやった経験から考えてみて、やはり道路とか、下水とか、あるいは河川とか、港湾とか、そういう諸施設が、都市計画のほんとうのねらいであるところの指導性を持って、将来こういうふうに作るのだというので、あらかじめ、そのできた跡始末でなくて、こういうふうにすべきだというふうに引っぱっていくほどの力がやられてなかったということは、どうも認めざるを得ないというふうに思うのだけれども、それらについて、ずいぶん監督、指導的な機関に当たられた歴史がある建設省の幹部としては、どういうふうに考えているか、心がまえの問題なんですがね。都市計画はどういうふうなものが都市計画であるか、そういう考えを——都市計画というものは、指導性を失ったら都市計画でないと僕は思うのですよ。道路でも、港湾でも、それから今の下水でも、あらゆる今の都市に必要な諸施設というものは、将来の発展を見越して、つまり国民を引っぱっていくような指導性のあるものでなければならないはずなんですよ。ところが、道路の問題も、水道の問題も、河川の問題もみんな跡始末に追われているというのは、原因は急激な人口の激増によるものであるとしても、どうもやはり根本的な都市計画に対する考えというものが仕事をする人にしっかりつかめていないのじゃないかという気がするのだけれども、少し極言かもしれませんが、皆様方のお考えはどうですかとお聞きしたいわけです。
○委員長(木村禧八郎君) それに関連して。私も、先ほど、首都圏の計画について、懇談会を設けて、そこで一応大体の意見がまとまったというようなお話があったわけですね、それはどの程度のオーソリテイを持っているものか、それが今後どの程度に、今石井先生言われたような、総合的な具体性を持って実現されていく可能性があるのが、今の懇談会の総合的な計画案というものですか、その点についてもわかる限り御答弁願いたいと思う。
○政府委員(谷藤正三君) 都市計画法そのものは、ただいま先生おっしゃいましたように、非常に古いものですし、四十何年かの時間を経て参りまして、その間日本の産業そのものの発展が欧米と比較にならないほどの急速な明治以後の伸びを示したという事実が、後手々々と回りましたような関係になっておりまして、御承知のように、都市計画法というものができておるにもかかわらず、その法律の補足的な形において、実際には、都市計画法の改定ということではなしに、都市区画整理法が生まれ、建築基準法が生まれてきている、あるいはまた市街地開発法が生まれてきたというふうになりまして、もう別の法律が並行した形で伸びてきたというのが日本の都市計画上の今までの経過でございますが、その点につきましては、たとえば建築基準法一つをとりましても、建築基準法というものは、つまり欧米においては、ビルデイング・コードという建築の基準をきめるという技術的な内容と、もう一つは、全般に対しましては、当然都市計画的な性質を持って、風致地区あるいは地区のいろんな問題がその中に入っております。したがいまして、純粋のビルディング・コードという形ではなしに、都市計画的なものを全部織り込みながら、その時点に合うような形で都市計画法の一部改正的な性質を持ってきておるわけでございます。戦後におきましては、市街地改造法というような形になりまして、また区画整理法の 一部が別の形で生まれてくるというようなことをたどっておりますのが現状でございまして、都市計画そのものが、公共の福祉を増進し、また市民の生活環境の向上をはかるというふうな実際の目的を充足するためには、計画法そのものではおおい切れないものを別の法律で補ってきたというのが今までの発展過程かと考えておりますが、実際の仕事をやります場合に、都市計画の本来の精神にもとるようなことをやっておるわけじゃなしに、日本の発展そのものが非常な矛盾を含んだ姿で伸びてきたということが、あらゆるものが若干後手に回ってきておるような形にならざるを得なかったのじゃないかと考えております。逆に言いまするならば、日本の現在の東京という一千万の人間が住んでおるところの大都市が、もう一度再開発できるような——都心のどまん中の六階の建物、七階の建物といういうものの中に木造の二階家、一階家が入っておるというような形で、非常に矛盾した形で都市というものが成長してきたというものを、まだ再開発できるだけ、日本の今の都市構造、都市計画の中には、まだ伸ばし得る余裕を持っておるというふうにも、善意に解釈すれば、そういう点も出て参りますので、その点につきましては、もう処置のなくなった欧米の都市のように、新しくニュー・タウンを作る、現在の土地を捨てて新しい土地に動くというところまでいかないで済むような形で私たちは考えておるのでございますので、その点について、今委員長からお話もありましたように、再開発懇談会というもので、正式の政府機関ではございませんけれども、懇談会というものを作りましてやってきたいろんな内容というものは、現在の都心というものを、つまり銀座、丸ノ内というふうな千代田区、中央区の一部分を中心にいたしまして一つの山を作った東京というものが、ただだらだらとあとは末広がりに伸びていく東京の姿というものを、都心というものをもう一度再分解いたしまして、現在の都心の中には、流通施設、消費施設、業務施設というものが全部混在いたしまして、問屋の隣にはビルディングが建って業務をやっておる、その隣には中央市場があるというふうに混在したところの現在の東京の都市の機能というものを、日本の政治の中心としての都市機能、首都としての都市機能にもう一度分解いたしまして、都心に必要なものは残す、都心に必要でなくてなおかつ一千万の人間に対しまして必要なもの、つまり、衣類にしましても、食糧にしましても、これは東京から一千万の人間が住む限りにおいてははずすことができませんので、そういう施設は、わざわざ中央市場のために郊外から入って参りまして、また郊外の物の消費地域に対して出ていくというふうに、二重の交通を生むことによって現在の交通輻湊というものを来たしておりますので、そういうようなむだな交通を最小限度にするということも考えまして、流通施設は郊外のほうに移したい。 それからもう一つは、いま一つの、富士山型の東京の都市の構造というものを、副都心に、たとえば池袋とか、新宿とか、そういうふうな副都心のほうに業務の中心を持っていきまして、これ以上都心に対しては膨大な人口の流れが——昼夜間交通の大きな差を占める人間の流れというものを都心に持ってくることを避けまして、副都心地区の業務の中心の拡大によりまして、副都心のほうに交通を集める。したがいまして、交通施設につきましても、その副都心というものを中心にいたしまして、現在の地方鉄道、国鉄、あるいは高速自動車道、あるいは一般の街路網、そういうものを再編成をいたしていきたい。その再編成の中で現在の環状六号線以内の、つまり山手線の大体周辺から内側のほうの地区につきましては、今月一ぱいで再検討を終わりたい。引き続きまして、そういう業務施設の移動、あるいは埋立地に対する木場の木材関係の会社の施設その他中小企業のもので、外へ出ても、東京の都心でなくても困らないものは、都心から衛星都市のほうに出してやるというふうなことにつきましても、その面におきましては、跡地の整理、利用の方法、あるいはまたそれを出すための融資の仕方、いろんな面におきまして、金融、融資上の問題から始まりまして、たくさんの手法的な問題点がございますので、その問題点につきましてこれから検討いたしまして、なるべく早く結論を得まして、次の国会あたりまでには必要なものは法律を整備していきたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。引き続きまして、東京の基本構想が終わりましたので、これに引き続いて来年度の早々から大阪の構想の基本的な考え方をまとめたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○石井桂君 今のお話で、大体わかるのですがね。局長の御答弁は、今東京の都市計画の話と同時に、いわゆる首都圏の話も同時にされているように承ったのですが、だから、大体都市計画というものはその首都圏なら首都圏の計画の一環として考えてやる、その首都圏というものは国土総合開発あるいは国土計画の一環としてやるということの考えはわかるのですが、それを運ぶときに、都市計画を今度は実施するときにおくれないようにするのには、相当に先回りして手を打たなければいかぬということはわかっておるわけですね。その場合に、先ほど瀬谷さんが発言されて気がついたのですけれども、たとえば共同溝なら共同溝の法律が出る、建築基準法の法律が出る、ばらばらにやっていたのでは、総合的な都市計画なり、地方計画なり、国土計画というものはできてこないのじゃないかという気がするのですよ。昔は、都市計画法というものがあって、一番大きな単位が都市計画全体をまとめていたわけです。それが、人間がふえて、都市が急に膨脹してしまうから、間に合わなくなって、共同溝を出すとか、建築基準法を出すとか、いろいろな法律が出てきて、そして各法律に基づいてやっておるのですが、総元締めになる、またこれからしたいと思うのは、どういうふうにしてやるかということも聞きたいわけなんです。たとえば、四十何年も前の都市計画法をやめちゃって、新しく強力な都市計画法を作って、あくまでそれが地方計画、国土計画に基づいたものであって、やりたいとか、何かこう、こういう大きな複雑な仕事をやるのに、指導精神がしっかりしていないと、背骨が固まってこないと、いい計画ができないだろうと思うから、聞いておるわけなんです。
○政府委員(谷藤正三君) たとえば共同溝の問題でございますが、共同溝一つを作るにいたしましても、現在の交通輻湊状態の地下鉄——先ほど道路局長から説明がありましたが、地下鉄工事との合併、あるいは新設の街路区域の中での構造、たとえばこの議事堂の周りに高速道路等を一緒に施行するというような、現在の交通の混雑した中に割り込まないで、また割り込みましても他の方法によってそれを逃げる工夫ができるような場所につきましては、現在のままで共同溝の施設も進めていくことができるわけでございますが、たとえば新宿の角筈から南のほうに下がって参りました、あの狭い、バーとか、そういうものがある場所、あるいはコマ劇場の周辺部にあける放射六号線のある場所につきましては、いかにやろうと思いましても、現在のままではできません。したがいまして、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、東京の再開発というものを行なうことによってのみ可能になって参ります。ですから、そういうことを前提にいたしまして再開発の手法を進めていくと同時に、街路の拡幅、あるいはほかの地下あるいは地上の交通機関の大量輸送機関のもう一度再検討なり、そういうものを進めていかなければならぬわけでございまして、そういう意味で、先ほども再開発の問題を申し上げたわけでございます。実際には、神田の地域にいたしましても、先ほど田中先生から話がありましたように、もっと近距離のところへ住宅を作れば、今までのような輸送の困難あるいはまた個人的な疲労もなくて快的な生活ができるんじゃないかというお話でございますが、その問題につきましても、都心の周辺には、神田あたりにつきましても、あの通りに古本屋が並んでおりまして、あるいはまた裏のほうには狭い一方交通の道路がたくさんございまして、しかも各小さなブロックから車が出て参りまして、現在の交通の混雑をさらに倍加しておるわけでございますので、そういうものにつきましては、その狭い街区をなくするような、もっと大きなブロックを作る。それから、下を商店街あるいは本屋にいたしまして、上を住宅街に切りかえる。そういたしますと、都心のほうの業務中心に入りますのに、神田から通うのにも、歩いてでも、場合によっては電車に乗っても、五分や十分もあれば通える。あるいは新宿の周辺にしても、現在のコマ劇場、あるいは新大久保、柏木町というふうな、戦後に建ちましたああいうような木造建築の住宅街につきましても、これを、現在の新宿の副都心による、淀橋浄水場の副都心計画にからみまして、あの付近を全部げたばき住宅または中高層の高級住宅に変えることによって、快的な生活条件というものを備える、そうして公園なり緑地なりその他のものを置きながら再開発できることも事実でございます。ただ、そういうことをやっていくためには、それだけの十分な準備と時間が必要になって参りますし、現在のままで、あるものをどっかへ追い払って、その中へその都市の公共施設だけを拡充していくということは、不可能な問題になります。御承知のように、百万二百万、場合によっては五百万というような地価を持っているところの都心ないし新宿付近の土地に対しまして、そのままの地価の形におきましては再開発が非常に困難になりましたので、どっかに順々に、たとえば木場が埋立地のほうに移った跡地を利用いたしまして別のものを移す、あるいはどっかの問屋街の中心が集まって郊外のほうに出たところの、そのあき間をねらいまして次の都心の再開発をはかるというふうな工合に、順々にやっていきませんというと、実際の手法といたしましては工事ができません。その点も考えまして、逐次再開発とからんで、共同溝の問題につきましても、道路局長と相談しながら順々に今やっていくことにいたしておるわけでございまして、他のほうに対しましても、連絡の点において、全部連絡しておるわけでございます。来年の三十八年度に施行いたす分は、そういうめんどうな手法を使わなくともできるところから順々にやっていく、こういうふうな考え方でやっておるために、まるで悪く言えば逃げ回って何か格好をつけておるというふうに見えますけれども、そうではなくて、十分な準備のもとにそこから始めていきたいというのが私どもの考えでございます。 同時にまた、先ほど先生からお話がありました、都市計画法そのものをどういうふうにするのかという問題につきましては、ただいま再検討いたしておりまして、なるべく早い機会において都市計画法の改正を、建築基準法、市街地改造法その他の現在ありますような付属的な法律を合わせまして一本にした都市計画法を作るつもりで、大臣からも命令されておりますので、現在いろいろ資料を集め準備いたしております。で、これはまた、十分な検討をいただきまして、早く実施の段階に移せるようにしなければ、このままで追い打ちのような形で順々に法律を作っていくことは、ますます都市計画というものを混乱させる状態になることは、私たちも十分承知いたしておりますので、なるべく早くその点は、先生のお説のように、変えていきたいと思っております。
○瀬谷英行君 提案された法案そのものについて、ああじゃないこうじゃないということを論議することよりも、もっと基本になる問題があるのじゃないかということが、私も言いたかったことですし、石井先生も言われたことじゃないかと思います。立法措置が後手に回っているのじゃないかということは、さっきも私ちょっと申し上げましたけれども、これははれものにこうやくを張るような格好になっているのじゃないかという意味なんです。こうやく、ばんそうこうそのものがいかに文句なくりっぱなものであったとしても、それのみによってはれものがなおるというわけにいかぬと思うのです。そこで、これは政務次官にもちょっとお伺いしたいのですけれども、先ほど掘り返しの問題がちょっと出ましたときに、都道府県の連絡協議会というものを作って、三十三年以降協議をして、そうしてばらばらにならないようにやってきている、こういうお話があったのです。しかし、委員長からも御質問がございましたけれども、この協議会なるものがどの程度に機能を発揮しているかということが問題です。その場合に、はっきり私がお聞きしたいのは、この連絡協議会の指導性はどこにあるのか、指導性の中心はどこにあるのかということなんです。その中心がどこにあるのかわからずに、とにかく関係者が集まって相談をするということだけだと、私は小田原評定になってしまうと思うのです。小田原評定になってしまうから、当面の問題を相談をするという範囲にとどまってしまう。先ほどもお話が出ておりますけれども、指導性ということを非常に強調しておりましたけれども、やはりこの種の問題を解決するためには、どこかが中心になって指導性を持たなければならないのじゃないか、こういう気がするのです。それは一体、都心の場合について言うならば、都なのか、あるいは建設省なのか、あるいは自治省なのか、それらのいろいろの役所が、どこかが中心になって指導性を持ってやっていかないことには、なかなかうまいこと運営ができない、あるいはせっかくの協議会を持っても機能を発揮できないのじゃないか、こういうことを懸念するわけなんです。それと、そういう意味で、従来持っておったこの協議会というものがなかなか思うようにいかなかったという面があるならば、その原因はどこにあるのか、その機能を発揮するためにはどうしたらいいかということを明らかにしていただいたほうがいいのじゃないかと、こう思います。 それから、先般私も予算委員会でちょっと質問したのですけれども、首都圏整備の関係で、東京都がむやみとふくれ上がってしまった、一体どうしたらいいだろうという問題です。このままでいくというと、篠田自治大臣の表現によると、東京は中気のような状態だ、こういうことを言っておった。私も中気の状態だと思うのですよ。中気の状態に輪をかけて、中気がよろいを着たような格好になっているのじゃないかということをおそれるわけです。そうすると、今後の問題としては、道路だ、下水だ、ガスだ、電信だ、電話だ、共同溝だという対策の問題よりも、根本の問題から先にきめていかなければならないのじゃないか。たとえば東京都の場合は、これ以上東京都は膨張するのかしないのか、その膨張を許すのか許さないのか、人口を制限するのかしないのか、あるいはもっとこれを縮小していくのかどうか、こういうことがやはり基本にならなければいけないと思うのです。そういうことが基本にならないで、ただ野放しでもって、なるようになれで、ビルが建つ、住宅が建つ、人口が何となくふえていくということになると、そのための立法措置として、下水を作るの何やるのと言ったって、私はなかなかたいへんだと思う。だから、そういう基本というものをちゃんとどっかで、総元締めということを先ほどちょっと言われましたけれども、総元締めというような中心があって、一体今後の首都圏の整備はどういうふうにするのか。きのうもちょっとテレビで言っておりましたけれども、マンモス東京をどうするかというお話が出ましたけれども、東京を遷都していくという考え方もあるというようなこともありましたが、これは篠田自治大臣のお話では、いっそのこと東京を富士山ろくかどっか移しちゃったほうがいい、こういうことも言っておられる。だから、富士山ろくに移してしまったほうがいいということになれば、これは東京は縮小していくという考え方なんですけれども、その辺のところが、もとがはっきりしないことには、立法措置というものは常に後手に回ってあとから追っかけていく、繁雑な仕事を苦労してやるということになっちゃうと思うのですがね。その辺の中心となる考え方、基本になる考え方というものをちゃんとさせていかないと、今後この種の問題については私は非常にやりにくくなってくると思うので、それはもう政治の基本問題になると思いますから、その点をひとつお伺いしたいと思うのです。
○政府委員(松澤雄藏君) ただいまの御質問の御趣旨、そのとおりだと私たちも考えております。ただ、篠田自治大臣が太り過ぎて中気に当たっているのだという話ですが、私はそこまで実は考えておりませんし、大臣も考えておりません。確かに太り過ぎちゃって動きがとれないという状態ですから、これをいかにしてやせさせる方向に持っていくかというふうなものの考え方は、ただいまのお話のようなことで、実は政府自体が非常に頭を痛め、新聞紙上でごらんのように、またわれわれも大臣から常に連絡を受けて政府も全体的に苦労していることを常に聞かされておりますが、ただし現実の問題としては、先ほどの各委員の方々の御質問に対して、私どもの都市局長は学のあるところを全部披瀝するようにして先ほどは申し上げましたが、現実の問題といたしましては、率直に申し上げて、ほんとうにてこずっておるというふうに申し上げたほうが——あまりにも率直過ぎるかもしれませんけれども、私はかえって御理解いただけるのじゃないか。したがって、だからといって投げておけないというふうな部面で、先ほどの石井委員のお話のように、もうやっとこさ追っかけるような格好で追っかけておりますが、しかしながら、もうとても追っかけ切れぬというのもまた現実であろう、かように見ております。したがって、やることなすことがいつも後手々々だというふうに言われておるのも、また今まででも言われてきたのも、これもまた事実として私どもは認めざるを得ないと思っております。だが、今申し上げたように、だからといって全然投げておけないというふうな立場から、代表的な、根本的なと申しますか、抜本的な計画ができて、そうしてこれを具体化するという段階に至るまでの間は、やはり考えついた最大限度の範囲において最大の力を出して、そしてその仕事に当たっていくという以外に道がない、こういうわけで、現実にわれわれは、今やっておるようなわけであります。 なお、首都圏との先ほどの連絡関係とか、あるいはまた、いろんな計画ができたやに聞いておるが、それがはたして見込みがあるのかというような御質問もあったようでありますが、これは率直に、私たちが首都圏というものを引き継ぎましていろいろと検討してみたのですが、どうもあまりにも、今はやりの言葉で申し上げていかがかと思いますけれども、イメージ的なといいますか、ビジョン的なといいますか、はたして実行ができるかというふうなことが非常に大きく浮かんでおります。したがって、現在建設省と首都圏の事務当局とがもっと密接に連絡をとって、そうして再検討して参る。そうして、現実にできるというふうな抜本的な考え方をもって、まとまったものは直ちに取りかかるのだということにしてもらいたいということを、すでに大臣から指示をいたしております。 なお、最後に御質問のあったところの、協議会の指導性はどこが持っておるのだというふうなお話でございますが、これは自主的な立場をとって、法的なものではありませんけれども、一応そういうふうなものは作っておりますが、やはりこれは建設省、あるいはまた道路の管理者といいますか、地方自治団体の長というふうなところに一応の指導性をとらせておりますけれども、このような状態になってきますと、単なる指導性的なものではどうも押え切れないのみならず、強力な指導性的な立場をとっていけない、こういうような気持で、これをやはり国民の総意のもとにおけるものとして持っていかざると得ないという点から、公的なものとして作って、そうして強力な立場をとって、行政指導をもあわせてやっていくというふうなこと以外に道がないのじゃないか、こういうわけで、現在、その法的な措置をとるべく、事務当局には直ちに検討するように指示を与えておるというのが現況であります。結果的に、結論的に申し上げまして、ほんとうに大東京といわれる東京というものは、いろいろと施策を講じておりまして、先ほどから申し上げましたように、一口に言うベット・タウン、いわば昨今国会に提案いたしております市街地開発法というふうなもの等も出しまして、そうして幾分なりとも現段階のものを打開していきたいというふうなことで出しておりますが、だからといって、これでもって万事解決するというふうなことはとうてい申し上げることもできませんし、抜本的なものを考えなければならぬ、そういうふうな意味から、今の御質問の中にもありましたように、富士山ろくのほうに官庁の分室的なものを移転をしてみようとか、あるいは学校関係のものだけでも移行してみようとか、あるいは筑波山ろくのほうに移行してみようというふうな意味で、いろいろと調査をさせ、また検討もさしておるというのが現段階でありまして、ここで直ちにこうということを遺憾ながら申し上げかねる次第ですから、皆さん方のよい知恵等がございましたならば、ひとつ何かと御指導をお願いしたいと、こういうふうに思っているような次第であります。
○委員長(木村禧八郎君) 他に御発言もなければ、本日は、この程度にとどめて、散会いたします。 午後四時七分散会