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43回国会参議院1963/03/12

建設委員会 第9号

発言数
56
登壇者
7
会派数
3
開催日
1963/03/12

会議録

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) ただいまより建設委員会を開会いたします。  先ほどの委員長及び理事打ち合わせの結果を御報告いたします。  本日の議事の件でございますが、初めに、建築基準法の一部を改正する法律案の提案理由並びに補足説明を聴取いたし、次に、屋外広告物法の一部を改正する法律案の質疑を行ない、次に、共同溝の整備等に関する特別措置法案、土地区画整理法の一部を改正する法律案の質疑を行ないます。  それでは本日の議事に入ります。まず、建築基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、提案理由の説明を願います。松澤政務次官。

松澤雄藏自由民主党建設政務次官

○政府委員(松澤雄藏君) ただいま議題となりました建築基準法の一部を改正する法律案の提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。  最近における建築技術の進歩により、わが国において従来より高層の建築物の建築も可能になっており、土地の合理的利用の点からも現行の建築物の高さの制限は、実情に合わない面が生じていると考えられます。一方、また、最近における都市の交通難等の実情にかんがみ、道路その他の都市施設との均衡を考慮して、建築物の規模の規制を行ない、健全な都市を育成することも必要であります。  このような観点から、都市における土地利用の状況及び都市施設の整備の状況を勘案して容積地区を指定し、子の地区内においては、建築物の高さの制限を廃止し、または緩和するとともに、他方、建築物の規模、すなわち建築物の延べ面積を規制することが合理的であると考えられます。このたびこの法律案を提出いたしましたのはこの趣旨によるものであります。  次にその要旨を御説明申し上げます。  第一に容積地区の制度を設けたことであります。建設大臣は、都市計画上または土地利用上必要があると認める場合においては、都市計画の施設として、容積地区を指定することができるものとし、この容積地区内においては、高さの制限、すなわち住居地域内においては二十メートル、その他の地域内においては三十一メートルの制限を廃止するとともに、一方において建築物の延べ面積と敷地面積との割合を規制することによって都市施設と建築物との均衡をはかろうとするものでありまして、容積地区の種別は、この割合により第一種から第十種までとし、都市ごとに、地区の実態に即してその指定をしようとするものであります。また、道路の幅員と建築物の高さとの関係についても、容積地区内においては、容積による合理的な規制を行なうことにより現行の前面道路の幅員による建築物の高さの制限を緩和することとし、他方、隣地における採光を確保するため建築物の一定の高さをこえる部分の高さについて所要の制限を行なうことといたしております。  第二に特定街区の規定を整備したことであります。現在、特定街区については、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合は法律に規定されておりますが、特定街区の性格にかんがみ、この割合を都市計画決定の際、個々具体的に定めることとするものであります。  その他確認申請手数料の限度額の改定等所要の改正を行なおうとするものであります。  以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願いいたします。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 次に、本案の補足説明を願います。前田住宅局長。

前田光嘉建設省住宅局長

○政舟委員(前田光嘉君) ただいま議題となりました建築基準法の一部を改正する法律案について逐条的に御説明申し上げます。  この法律案は、新たに容積地区の制度を設け、その地区内の建築物につい工、高さの制限にかえて、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合を規制すること、その他これの関連規定を整備することを主たる内容とするものであります。  以下条項を追って御説明申し上げます。  第三条の改正は、特定街区の種別の廃止に伴い、街区の指定変更ということがなくなりましたので、指定変更の場合における既存の建築物の取り扱いについての特定街区の項を削除するとともに、一方、容積地区の指定変更の場合における既存の建築物の取り扱いについて規定したものであります。  第六条の改正は、大規模の建築物の増加傾向にかんがみまして、確認申請手数料の限度、現行二万円を十万円に引き上げるものであります。  第三十五条の二の改正は、容積地区制度を設けたことに伴いまして、高層建築物の出現が可能になりましたので、高さが三十一メートルをこえる建築物について、防火上の見地から、内装の制限をしようとするものでありまして、この制限は、必要な技術的基準を政令で定めて行なうこととしております。  第五十六条の改正は、空地地区、積容地区及び特定街区の規定において使われます建築物の延べ面積という用語の意味の統一をはかったものであります。  第五十九条の二の改正は、従来は、特定街区内における建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合は、第一種から第六種までの種別により規制していたのでありますが、特定街区の性格に合うようにこの割合を建設大臣がその街区の都市計画決定の際個々具体的に定めるものと改め、これに関連いたしまして、規定の表現を改めたものであります。さらに、次に御説明申し上げますように、容積地区の規定が本条の前に挿入されますので、本条を一条繰り下げまして第五十九条の三としたのであります。  第五十九条の次に新たに加えます第五十九条の二の容積地区の規定は、最近における建築技術の進歩及び都市の交通難等の実情にかんがみまして、都市の発展に即応する建築物の規制を行なうために新たに容積地区の制度を設けたものであります。すなわち建設大臣は、都市計画上または土地利用上必要があると認める場合においては、都市計画法の定める手続によって、都市計画の施設として、別表第五(い)欄に掲げてあります十種類の容積地区を指定することができることとし、その地区内の建築物については、高さの制限を廃止または緩和し、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合によって規制することといたしました。この規制の内容について申し上げますと、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合は、第一種容積地区にあっては十分の十以下、第十種容積地区にあっては十分の百以下とする等容積地区の種別によって制限し、かつ、前面道路の幅員が十二メートル未満の場合においては、その幅員をメートルで表わした数値に十分の六をかけた数値以下、たとえば八メートルの場合には十分の四十八以下とする等前面道路の幅員によって制限するものであります。なお、機械室等の占める割合が著しく大きく、交通発生量が小さい建築物、敷地の周囲に広い公園、広場等があって環境が良好な建築物等については、その延べ面積が大きくなりましても、都市計画の観点から支障がない場合も考えられますので、これらの建築物については、特定行政庁の許可により、建築物の延べ面積の制限を緩和することといたしております。  また、建築物があまり高くなりますと、隣地との関係で問題が起きてきますので、高さが住居地域内においては二十メートル、その他の地域内においては三十一メートルをこえる部分については、隣地境界線からの水平距離に応じて高さの制限を行なうことといたしております。  なお、容積地区の指定にあたっては、建設大臣は、関係市町村の申し出に基づいていたすこととしております。  第八十二条の改正は、行政不服審査法の施行に伴います字句整理であります。  第八十五条の改正は、非常災害の場合における応急仮設建築物等に対する規制を緩和する区域の指定は、特定行政庁が建設大臣の承認を得て行なってきたのでありますが、その緊急性にかんがみ、都道府県知事の承認で行なうことができるように改めたものであります。  第八十六条の改正は、一団地内に二以上の建築物を総合的設計によって建築する場合において、容積地区関係の規定の適用につきましては、これらの建築物を同一敷地内にあるものとみなしまして、設計に融通性を持たせたものであります。  第八十六条の二の改正は、第三条第三項の規定によりその増築等について容積地区の規定の適用を受ける建築物につきまして、一定の範囲内で制限を緩和することとしたものであります。  第九十九条第一項の改正は、容積地区の制限に違反した場合における罰則を規定したものであります。なお、第十二号の改正は、規定の整備に伴うものであります。  最後に附則でありますが、まず第一項は、この改正法律の施行期日について規定しましたもので、容積地区制度の一般への周知及び防火関係の政令改正の準備等のため必要な期間を考慮いたしまして、六カ月の範囲内において政令で定める日から施行するものといたしました。  なお、容積地区関係以外の規定につきましては、公布の日から施行することとしております。  第二項は、この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用について規定したものであります。  第三項は、特定街区の規定の改正に伴います経過措置を規定したものであります。すなわち、この改正法律の施行前に指定された特定街区は、改正後の法律によって従前と同じ内容の制限を受けて指定された特定街区とみなすものであります。  以上建築基準法の一部を改正する法律案について逐条御説明を申し上げた次第であります。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 本案に対する質疑は、後日に譲ります。   —————————————

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 次に、屋外広告物法の一部を改正する法律案を議題といたします。  資料が提出されておりますので、谷藤都市局長より説明を聴取いたします。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) 前回の委員会におきまして御審議をいただきましたが、御質疑の内容につきまして、若干不十分な点がございましたので、補足説明させていただきたいと思います。  第一点は、現行法の第三条に関連いたしまして、本法の人口五千人以下の市街地的な町村の区域まで適用すべきじゃないかという御意見でございましたが、この点につきましては、屋外広告物法の制限は、一種の表現の自由に対する制限でございますので、この掲出によってもたらされるところの公共の福祉を害する程度に応じまして、慎重に行なわなければならないと考えております。本法では、この侵害の程度の大きいものを重点的にとらえて規制することによりまして、不必要な程度にまで、あるいはまた、ささいな程度にまで取り締まることは避けたいと考えております。この規制が効果的に行なわれることを期しておりまして、包括的に制限ができる制限として定められましたのが第三条の市街的な町村という言葉で表わしたものでありまして、人口五千人以上に限りましたのもこういうふうな事情からでございます。なお、五千人以下の町村につきましても、第四条で、必要な所は制限できるようにしておりますので、野放しにしているわけではございません。  御指摘の、五千人以下の基準が適当かどうかということにつきまして、現在の市町村の全体の総数が、三十五年の国勢調査に基づきますというと、全国で三千五百十一市町村でございます。その中で、五千人以下の市町村は三百二十八でございまして、約一〇%弱になっております。人口で申し上げますと、三十五年の国勢調査で、九千三百四十一万八千五百一人というのが総人口でございます。それに対しまして、五千人以下の市町村の人口が百十三万一千八百九十六人、約一%強に当たりまして、三十年から三十五年末までの間におけるその五千人以下の町村の人口減が五・六%というふうになっております。三十八年の一月一日におきます市町村の総数は三千四百四十九となっておりまして、約百近く減っておりますが、都市の周辺における町村は、大体において、さらに三十五年以降また合併が進みまして、現在の状態で五千人以下の町村ということになっておりますところは、非常にへんぴな村落になっておるようでございます。したがいまして、この市街地的という言葉で表わしたところのものには値しないように考えられますので、この基準をさらに五千人以下に限るかどうかという問題につきましては、今後の広告物の行政の移り変わりをもう少し見てみまして、その結果に基づいてさらに検討を加えたいと考えております。  次に、第二点につきまして、新しい執行方法で実施した場合には、府県の出費が増加するのではないかというふうな御質疑がございました。この制度につきましては、確かに従来よりもその費用がかさむことになります。ただし、大体一件当たり十円以下の程度にかかることになりますが、それを相手方からこの費用を取るということになりますというと、徴収技術上に非常に困難が伴います場合が多いことと考えられますし、また実際に、郵便料その他の費用を考えますというと、実際の経済的にもなかなか困難があると考えます。現在の参考資料の一番最後の、五十一ページでございますが、「屋外広告物担当職員数、取締費、手数料収入一覧表」というのがございます、五十一ページと五十二ページでございます。その中でごらんになっていただくとわかりますが、実際に予算で組んでおりますのと手数料であげておりますのと比べていただきますとわかりますように、実際には、広告手数料として入っております収入の半分程度しか実際の公告の取り締まりのほうには使われておらないというのが実情でございます。これを実際のこの手数料程度まで上げていただきますと、だいぶ費用をとって非常な複雑な手数をかけるよりは、十分に取り締まりの実績をあげることができるようになるのじゃないかと考えております。もちろん現在の段階では、前回に申し上げましたように、広告の取り扱いに対する取り締まりも十分に行なわれておりませんが、実際に最初の数年間は、相当お互いに取り締まるほうと広告物を掲出するほうとの競争状態になると思いますが、現在の京都の状態を見ますというと、ある程度の取り締まりが進みまして、最近は、取り締まり費用が非常に少なくなってきております。そういう点もございますので、今後は、地方の府県に対しましては、手数料に見合うだけの予算もしくはそれ以上の、場合によっては数年間それ以上の予算を計上していただいて、取り締まりに対して十分な処置をしていただくような指導をいたしたいと思っております。  そのあと、さらに広告物の行政につきまして、単に取り締まりというだけでなしに、広告物の質の向上をはかるべきじゃないかというふうな御質疑がございましたが、その点につきましては、もっともなことでございますが、ただ現在におきましても、二、三の県におきましては広告物のコンクールを行なったり、あるいはまた、モデルの広告板を作りましたりいたしまして指導しているところもございます。コンクールの場合におきますると、大体一等、二等、三等程度までは無料で一年間指定の掲示板に掲示をさせるというふうな積極的な指導をいたしている県もございますので、こういう問題につきましては、さらに指導を十分にいたしまして、今後の広告物の質の向上をはかりたいと考えております。  以上でこの説明を終わらせていただきます。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言願います。

田中一日本社会党

○田中一君 今、局長の言葉からも取り締まり、取り締まりという言葉が非ありますから、ある一定の目標のためには許されている範囲内の何をしてもかまわないという社会的な通念が、どういう取り締まり的な政策を講じても、それを乗り越えてやはり利潤追求ということに走りがちなわけなんです。また走るのが自然であり、かつまた合理的なわけなんです。そこで、今も従来はあまり費用はかかっておらないということを言っているけれども、それはそうじゃない。取り締まりをしないのです。いわゆる、しいて言うならば、窮屈な条例などを作ってそれを法律でもって締めようとすると、その盲点をついてますますそれが助長される、これは私は幾多の実例を知っております。これは、私ばかりじゃない、局長もそれを痛感していると思う。盲点はないか、どこに盲点があるだろうかということを非常に研究して、その盲点をついて大きな効果を、営利的な効果をあげているのが広告のやり方なんです。だから根本的にいえば、社会人としての自覚をいかに持たすかということに尽きるわけなんです。共同社会であるということの自覚を持たすことが大事です。自分だけおれはもうければいいのだということじゃなしに、共同社会においておのおのの人間がお互いに侵し合うことなくして、また特別な圧迫を受けないでやれるような社会を作ることが政治の要諦であろうと思うのです。といって一面、もうわれわれは前回の委員会でも言っているように、選挙というものを自分の今日の地位をあらしめるための機関として戦ってきております。したがって、屋外広告物に対するところの関心というものは、一般の社会人より以上な神経をもってこれに対処しようとしている。同時にまた、われわれ自身じゃなくしても、われわれを押し出そうという人たちは、より以上の効果をねらって法の盲点をつきながら宣伝をしようとしているのは、もうこれは私ばかりじゃない、君は知らぬけれども、松澤政務次官などは、その雄たるものです。だから一ぺんも落選なんかしておらないで、こうして出ておられる。そこで一体、締めつけていいか、あるいは、ここに明らかにあなた方が、あなた方というのは、国民が屋外広告物としてビラ等を張れるのだというような正しい張り方を教えるのは、かつて選挙ごとに行なわれる広告板ですね、広告を掲載する板を作るものですね、こんなものも一つの方法です。これは選挙ばかりではございません。そこに行けば自分の商品なり何なりが見られるのだという一種の広告板ですね、こんなことも一つの方法だと思うのです。そうして一番危険に感ずるのは、承諾をしなければそれは不法の張り紙だと言われるけれども、承諾なんというものは文書で一々とるわけではございませんから、だれかそこに使用人がおって、張らして下さい、いいでしょう、それきりでもって、承諾したということになると、これまた一種の盲点として侵害されるのです。といって、さっき言っているように、一面われわれ市民としてははなはだ迷惑な話です。ああいうビラの上にビラを張る、それを重ねた上にまたビラを張るというような形でもって、ことに自分の門やへいに張られた場合にはたまったものではありません。そうすると結局、当然これは政治の面で、行政の面で取り締まるのが当然じゃないか。はがしてくれ、はいでくれということを区役所なりどこなりに申し込む、そこでだれも張った者が確認されないから、自分が削るよりも——初めのうち一枚、二枚は自分で削るが、もうたくさんきたからどうにもならぬから、行政官庁に要求することになるから、この法律が一応そうした国民大衆の一つの期待にこたえるものとしては認めますけれども、どういう行政指導をして国民に周知徹底せしめるかということは、池田さんの言う大げさな人づくりよりも、こういうところに社会人としての自覚を持たすことが一番大事なんです。この法律を施行するにあたって、どういう行政指導をするか。そうしてまた国が直接、各地区の行政庁等が仕事を行ない、また行政指導をする場合も、費用を負担するかということを伺っておきたいのです。常にすべてそれは地方庁が行なうのだといって知らぬ顔をする。地方庁で新しく予算を組むなんということは、なかなか今日の日本の中央集権的な補助金制度、交付税制度をとっている限り、何とか自分ができないものは中央におんぶしようという傾向が強いのです。これまた必然です。でありますから、やはり一応こうしたものを周知徹底せしめるには、国がやはり助成金的なものを流すことによって少しは促進されるというのが今までの傾向です。その二つの問題、精神的な行政指導の面と、それから具体的な行政指導の面と、どういう考えを持っているか、伺っておきます。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) 従来の行政指導をいたしました内容につきましては、資料の五ページの「指導通達」というところがございますが、これが、今までのどういう点につきまして注意すべきか、また、どういうことに対して重点を置くべきかということをずっとやってきた内容でございます。今回の改正におきましては、さらに、これにつけ加えてまた行政指導をいたしたいと思っておりますが、この内容につきましては、この改正後の屋外広告物法の第七条の三項の規定によりますところの張り紙の除却につきましては、行政不服審査法の不服の申し立てはできないと考えられますので、その内容につきましては、一応違反のもの、あるいはそれに対しては、誤認のないような方法で十分注意すべきことなど、あるいはまた禁止とか、そういうようなものに対する適用除外の規定に対しては、対象の内容を明確にするように、さらに先ほど申し上げましたように、資料の中にございます禁止、制限区域という中で、非常にばく然としておりますし、あるいはまた府県によりまして非常に食い違いがありますのもございますので、そういう内容につきましては、さらに明確に規定するように指示いたしたいと思っております。それから許可または禁止に関して適用除外になる張り紙につきましても、法律適用除外となる理由及び掲出期間等を張り紙に明示するようなことを条例につけるように義務づけたいと思っております。許可の基準等につきましては、できるだけ具体的に定めまして、規則または告示によりまして住民に周知徹底させるようにすることも、特に注意いたしたいと思っております。  大体その程度のことに重点を置いてきめたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 前回の委員会でも、ある委員から質問があり、かつまた今、局長からも答弁があった憲法上の表現の自由というものを侵すような条例の作成は、指導いたしませんね。内容についてこういうものはいけない、こういうものはいいというようなことはいたしませんね、はっきりと。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) 内容については指示をいたしません。

田中一日本社会党

○田中一君 それから密告、投書等をやれというようなこともいたしませんね。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) そのようなものに対しましては、国としてはそういう行政指導はいたしません。やりません。

田中一日本社会党

○田中一君 ここで市民生活がおびやかされるような種々雑多な張り紙を、特定の個人の所有物を侵してくるような場合は、先ほど僕が言っているように、どういう形で行政庁に訴えたらいいのですか、自分のへいにべたべた張られてどうにもならない。もしかりにそれは司法上の問題だといえば、だれかが張り紙を除去するという費用の損害賠償を要求しなければならない、そういう場合には行政庁にそれを要求して、行政庁は謝罪の義務が生まれるということは感ぜられるのです、当然これは行政庁が義務を持っているのですから。義務まではいかないけれども、それを除去するだけの権利を持っているのですから、当然義務づけられるということも、一般通念としては考えられるわけですよ。砕けて言うと、私のへいにべたべた張り紙されて、これは自分がはぐにしては金もかかるし、時間もかかる、労力もかかる、とてもできないという場合、区役所なら区役所に要求してはいでくれ、はいでくれない場合にはこちらがはいで、その費用の請求権というものは行政庁に持つことができますか。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) その問題につきましては、行政庁は積極的にそういう不法、違反の広告物に対しましては、はぐべきでありまして、ただはがした個人が行政庁に対して請求するという請求権は生まれてこないと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 そうだと思うのです。そうだと思うけれども、しかしそこにやっぱり疑問が残る。そこまで発展すべきであると思う。いいですか、いつでも除去する権限を与えられたものならば、お役所に対してこれをはいでくれと要求した場合には、じゃ、はぐべきですか、うっちゃっておくべきですか、どっちですか。これは明らかに違反張り紙なんです。違反の張り紙を行政庁が自分の都合の悪いことだけをはぐ、自分にどうでもかまわぬものははがないということがあっちゃこれはこういう権限を与えることはできませんよ。成規の手続をしてあるのですから、電灯会社とか、電信電話公社とか、公共のものに名をかりてそれをきれいにする、同じように市民生活をおびやかすようなものは、張り紙は当然行政庁がこれを除去する義務があるということにならなければならないと思う。そういうところにまるで、行政庁というものは国民の上にあるものじゃないのです。国民のためにあるものです。国民の生活のためにあるものです。個人が侵される権利に対しては知らぬ顔をする、これはあっちゃならぬと思うのです。その点は松澤政務次官、どう考えますか。

松澤雄藏自由民主党建設政務次官

○政府委員(松澤雄藏君) ただいまの田中委員の今までの御趣旨なり、あるいはまた質問の内容等に対しては、全くそのとおりだと私も思いますが、実際問題といたしまして、個人の家庭のたとえばへいに張った、あるいはまた倉の軒下に張った、商店に張ったというふうな場合、それが行政庁のほうに対してはいでくれというふうなことになりますれば、当然に法の趣旨からしても、はぐといったようなことになっていけばこれはもう問題ないかと思いますが、さっきのお話のように、お互い社会人として、広告物をそういう所に張るべきであるかどうかというような観念をお互いがやはり持つような方向に行政庁としても指導しなくちゃならぬし、また社会人的立場に立っても、そういうふうなことを当然に頭に植えていってなさないような方向に持っていっていただかないと、実際問題として、一軒々々から全部市役所なり町役場等にその請求をされましても、なかなか手が回らないし実行不可能だ。さっきも私の名前を田中委員があげられましたが、実際問題としてそれは、われわれがお互いに選挙等のときに選挙法にのっとってやっておりましても、やはり大いにお互いが自己の立場を確保せんがために、あるいはまた応援者がこれを確保せしめるがためにやっておる部面があります。さっき田中委員が私の名前をあげられましたから率直に申し上げますと、田中委員の選挙当時、看板を私の実家の事もあろうに倉の白壁の上に三枚連続して張りました。それをわざわざ私のところまで問い合わせが、実家ですからどうだと言ってきた。だれが張ったかと聞いたら、分家の者が来て代議士とは非常に懇意なので、この程度のものはやっても差しつかえないということで本家も許したというような話であったから、張ってしまったものは今さらしょうがないだろう、東京のほうは格別どうこうということはないのだからと、こういうこともありまして、これは一つの笑い話のようになりますが、実際問題としてこれを、御質問の趣旨はよくわかりますけれども、一個々々の個人の方々から町村にこうだと言われましても、実際問題としてなし得ない。また、やればいいことだ、それを補助金的な立場において、そういうふうな方向に持っていかせるというようなことは、私もなし得るならばなしていきたいものだ、かように思いますが、しかしながら、そういうふうなことがもしも当然とした考えで、どこの家にもべたべた張ったものが、今度張られたほうが町村役場なり何なりへ請求すればいつでもやってくれるのですから、かえってべたべた張ったほうがいいのだという観念も、ときには社会人的な気持のない者もないとはいえない。したがって、さっきの御趣旨のように、PRといいますか、社会人的な立場というもの、そういうふうな方面の啓蒙といような方面に、私は重点を置いて、こういうような問題は解決していくというふうに持っていかなくちゃいかぬじゃないか。ただし、極端なものに対しては、これはこの法にのっとって当然に行政庁のほうにおいて、どうしても言うことを聞いてくれないというならば、こっちは独断的に実行に移していくというふうにいかざるを得ないのではないか。いずれにしてもPRなり啓蒙なり、社会人としての認識を深めていくという方向に、行政庁としては指導理念を持っていくべきじゃなかろうか、私はこういう考えです。

田中一日本社会党

○田中一君 僕の選挙に応援してくれてありがとう。そこで、今の答弁だけでは国民は納得しません。何といっても、今日資本主義、自由経済の社会なんです。それはもう盲点をついて自分の利潤をはかるためには、あらゆる宣伝ということはしなきゃならないわけです。しているわけです。私は、この立案の過程にあたって、そういう問題までも十分に検討されたと見ているのですが、そういうことはなかったのですか。少なくとも行政庁が自主的に除去できるということになる以上、どこのものを、公共施設だけやろうというのですか、電柱あるいは電信の柱、それらのものは全部それらの所有者が行なって、行政庁はそれを行なわないのですか。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) 先ほどのお話の点につきましては、問題は法令違反の状態を是正したいと、こういうこと、あるいは是正することが行政庁の責任でございますので、これは法の権威を保つ意味におきましても、当然行政庁はやらなければならぬことはやるものと考えております。したがいまして、今までの方法で参りますると、こういう違反の広告物がございましても、これは行政代執行という非常に手数のかかる方法を使いまして初めて行なわれるということになっておりまして、それがゆえに、せっかくの手数料が十分ありながらも、必要な取り締まり費を使っておらないというふうな逆効果を生んでおりますので、今回の改正につきましては、こういう点をなくしたい、容易に違反広告物に対してははがすことができるように、行為を単純化するために、今度の法改正をお願いしているわけでございますので、行政庁の責任はあくまでも責任としてやるべきだと考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 どこをやろうというのです。どこの張り紙を、明らかに不法であるという張り紙というものを認定した場合に、どこのものを除去するのですか。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) 不特定多数のものが目につきまして、それが広告としての価値を生むような場合には、当然それは屋外広告物と考えております。したがいまして、電車あるいはバスの外側に張りますところの、あるいはまた揚げますところのものは、全部屋外広告物と考えておりますが、国電の停車場の中におきますところの構内において切符を買っておる者しか見られないものは、屋外広告物とは考えておりませんが、外側の切符を持たない者が自由自在に見られる所に張りましたものは、鉄道の所有物に張りましても、屋外広告物と考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 もっとあるでしょう。もっとこまかく説明して下さい。どこに張るもの、どこの張り紙は屋外広告物であると、もっとこまかく市街地というか、市街地のそれを不法と認めた場合には、どこのものを除去して、どこのものを除去しないということになっているのか、その区別があるのですか。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) ただいま先生からお話のありましたへいの上に張りましたものも屋外広告物と考えております。ただし、ガラスの建物の家屋の中にありますものにつきましては、屋外広告物とは考えておりません。

田中一日本社会党

○田中一君 不法である場合に、除去してくれという要求があった場合に、行政庁は除去するのですか、しないのですか。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) そういう国民の協力をいただきまして、今まで行政庁において気がつかない場合でも、違反のものがありましたら、当然それにつきましては行政庁は進んではがすようにするはずでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 もう一ぺん確認いたします。そうすると、不法であるということが明らかに認定されたものは、行政庁は自発的にそれを除去するのか、それを被害者のみの申告によって除去するのか、二色あるが、二色とも認めるということですか。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) 当然両方とも、後者の場合におきましては、国民、住民の協力のことになりますので、それによりまして違反するものは全部除去することにいたします。

田中一日本社会党

○田中一君 五十一ページにあった今までの広告料——広告料というのですか、手数料ですか、それからその条例は何ページであったか、三十九ページですか、これを見ると、非常におかしいのです。この三十九ページの「条例における「禁止物件」の扱い一覧表」というのを見ても、許可を受けなければならない個所というものの区別が違っているわけです。各府県とも別々です。たとえば橋染にしても、群馬県はこれは知事指定、知事がいいと言えばいい、悪いと言えば悪い、あるいはこの橋はいい、この橋は悪いときめておる、富山県もそのとおりです。それからほかはいけませんときめている。そういう例を見るわけですね、たとえば栃木県では、街灯とか電柱とかの張り紙は特定の区域のみ禁止の扱いになっておる。それから茨木県は許可制にしている。それから全面禁止の場所もある。こういう工合に非常にまちまちなんですよ。法は一切国民一人々々が守らなきゃならぬ性質のものです。むろん、この中には市街地としての構成がまちまちなものは当然違う型はあると思うのです。しかしながら、このような橋梁がいいとか、街路樹、それから路傍樹等が、知事が許可すればいいとか、たとえば送電塔のごときはたくさん問題があります。ましてや栃木県におけるごとく道路標識に知事の権限でこれが張れるんだなんということは、ちょっとこれは僕は考えられぬと思うんですよ。道路標識とまぎらわしい広告をやった場合には、運転手が誤認するんです。そのために交通事故のもとになる。今日の社会常識からいってとうてい考えられないようなものが条例に——各地の条例によってまちまちなんです。いいですか政務次官、山形県では、公衆便所、電話ボックス等のうち、公衆便所のみはいけませんよときめている。そうすると電話ボックスはいいってことになっているのですね、こういうようなまちまちな指定は困るんです。大阪では公衆便所、電話ボックスは許可制にしている。そうなってくると、政府は一体、法律上の市街地というものはどういう定義をもって区別しているかということです。市街地の定義というものはどういうものか。市街地という表現を使っているんですね、市街地というものが大阪府と青森県とは違うなんてことは考えられないのですよ。個々における状態の違いはあろうと思う。しかし、この法律だってまた同じように、知事の解釈で、あるいは県議会の解釈で扱い方が違うということは、これは国民は迷惑だ。現在あるところの条例というものを全部一つの姿に、法の精神をそのまま生かすような姿に、——まあ強制はできないでしょう、条例にまかしてあるのだから。それが行政指導なんです。私は、今まで政府がいろんな意味で法律を作る、これが生みっぱなしです。生みっぱなしな政政治をやっているからこういうことになる、これはりっぱな証拠です。常に一つ一つの問題について、都市局には優秀な諸君が大ぜいいるのだから、地方へ回ったときはどうなっているんだ、このくらいのことはしなきゃならぬよ。きょう新聞を見ると、何県だかしらぬけれども、中央官庁の役人を接待するためにゴルフの会員に二口入れて、晩に飲むよりもゴルフに行ってゴルフで陳情したほうがきき目がございます、というようなことをぬけぬけ言ってる県もございましたよ。おそらくこれによるというと、やはり中央の課長さん以上の人たちは、バッグかついで出張のときにはあちらでサービスを受けているものだと思う。まあそれはそれでもいい場合もある、休みの場合などは。しかし、実際に一つの法律を作ったらば、その市街地なら市街地というものを常に——たくさん法律があるでしょうけれども、そのうちの自分の与えられている権限の問題は少ないと思うので、常に監督という言葉も語弊がありますけれども、協力してその事実というものを指摘しながらよりよいほうに向かっていくのが当然だと思うのです。山形県は山形県の条例がいいと思っている。大阪府は大阪府の条例がいいと思っている。知事会等があっても、なかなかこういうことにまでは……、政府が熱意がないからこういうものは不統一なままでもって、こういう一覧表に見られるような姿になっているんじゃないかと思う。そういう点は松澤政務次官、どう考えますか。そういうことであっちゃならぬと思うんです。

松澤雄藏自由民主党建設政務次官

○政府委員(松澤雄藏君) 確かにただいまの田中委員のおっしゃるように、できるだけ一つの法で生まれていくところの条例的なものは統一されたようなことになっていくべきだろう。特に昨今のように交通機関がきわめてスピード化されて、もう数時間といいますか、数分間で隣県に行くような時代であります。したがって、隣の県を回ってきたものが自分の県に帰ってきた場合において、その取り扱いがまことにおかしいというような感覚を与えないようにするためにも、できるだけ統一されたものができていくことが望ましいものである、まあかように考えます。ただし、その県その県においての独自的な点も私はあり得ると思いますので、全面的に同一というふうなことはならずとも、できるだけ行政指導のもとにおいて、今の御質問のような方向に持っていくべきだ、こういうふうに考えますので、今後はそのような方向に努力させるように努めていきたい、かように思います。

田中一日本社会党

○田中一君 この法律の告示に伴って各都道府県を指導しよう、こういう意図を先ほど内容に触れて谷藤局長から伺いましたが、この行政指導に今のような点が抜けております。今伺った中では抜けております。従来あるところの条例もこの趣旨によって、対象ごとに、政府並びに国会の意思——われが法律を作るのですから、国会の意思がかくかくであるから、これによってこのような方法をとってもらいたい、改正をしてもらいたいということを行政指導する用意がありますか、国会の意思も織り込んで下さい。

松澤雄藏自由民主党建設政務次官

○政府委員(松澤雄藏君) ただいまの御発言は、結局国会としてこの立場においての発言でございますから、そういうふうな意思があることを、県条例的な面で顧慮してもらいたいということを言うに何らやぶさかな問題でないと思います。したがって、今後そのような方向に努力して参りたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 まあ松澤政務次官からそういう御答弁がありましたから、その点は了承いたします。どうかひとつ個々の物件に対して明確に指示をしていただきたいと思います。そうしてこうした法律が存在していることを、改正という問題があると関心が持たれますけれども、常にこういう社会生活に密着している法律というものは、市民の心の中に溶け込むような方法は、むろん、先ほど答弁があったとおりしてもらわなければならぬのですが、より以上に、常にあなた方自身が、行政官自身がこれを顧慮しておいていただきたい。そういうことがないからこういう結果が生まれてくるわけです。そういう点を強く要望して私の質問を終わります。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 先ほどちょっと説明がありましたけれども、人口五千以上云々という、この人口五千と区切った問題ですね、これはお話によると、全国で三千五百のうちに人口五千以下というのは三百幾らしかないということ。これは逆に言うと、三百幾らしかないならば、ことさらに五千というところで切らなくたって支障はないのじゃないか、こんなような気もするのです。これは、たとえばわざわざここで五千以上ということで区切らないで、こういう制限を抜きにしてみたところで、実施の段階においてことさらに不便であるとか、厄介であるというようなこともないのじゃないか、このような気がするのですが、その点いかがでしょうか。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) 御指摘の五千人の基準が適当であるかどうかという点につきましては、先ほど申し上げましたとおりでございますが、この基準をきめた立法当時の思想から申しますと、これは、都市計画法の適用を受ける町村におきましては、市街地的な構成をやっておりますところの人口が五千人程度であるからということできめられたようであります。そこで、今の都市計画法の適用市町村に対しては、人口一万人程度と考えられるのが一応の基準になっておりますので、その中で市街地的人口の構成が五千という観点から、この立法の五千という基準がきまっておるわけでございます。先ほど、実際の数字につきましては、非常に少ない、全人口の一%程度の人口しか五千人以下の町村にはおりませんですが、実際の広告取り締まりの効果ということからきめた基準であります。この適用の内容につきましては、今後また現在のいろいろの推移を見まして再検討させていただきたいと考えておる次第であります。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 もう一つ、この間ちょっと私も質問したのですけれども、第七条の第三項ですか、ただし書きですね、非常に長ったらしいただし書きがついているのですが、こういうただし書き、私よく読んでみると、簡単にいうと、張っちゃいけないという所に張っている場合だとか、あるいはまた許可を受けなければならないときに受けないで張ったときとか、こういったような内容なんですね、こういうのは俗にいう蛇足というのだと思うのですよ。ヘビの足ですね。だから言わなくてもいいようなことを言っているような気がする。しかも、これは広告を張ろうとする人間に対する制限条項ではなくて、取り締まる側で気をつけなければならないという意味のただし書きになっている。そうすると、特に必要ないじゃないか、特に必要がないのにこういう長ったらしいただし書きをどうして書かなければならぬかという一つの疑問があるわけです。だからこういう蛇足、まあもっと極端に言うと、ヘビの足にげたをはかせるくらい御丁寧になっているのですけれども、こういうただし書きをつけなければならないという理由について御質問したいと思うのです。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) この法律そのものが表現の自由というものを束縛することに相なりますので、その行為について、実際の違反行為を取り締まる場合におきまして、間違いを起こさないように、取り締まる側に対して十分な注意を喚起する意味でこの条文が入っているわけでございます。これは、屋外広告物法に基づく条例に照らしまして明らかに違反している場合というように非常に回わりくどい文章になっておりますが、実際の実情におきまして誤解を生じ、または誤認をすることのないように書いたつもりでございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 資料について、まだわからない点があるからお伺いしたいのですが、条例による禁止物件の扱い一覧、この中でさっき田中委員が触れられたあれですけれども、内容について見れば見るほどわからぬ点が出てくる。第一点は、横棒はこれは規定のないものを表示しておるようですね、間違いないですね。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) さようでございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 ここで規定のないこの種のものについては、取り扱いは実際にはどうなんですか。野放しだということですか、どういうことなんですか。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) この広告別の実際の制限、禁止その他の内容をきめます場合におきましては、広告別の業界のほうの代表、それから文化団体の代表あるいはまた美術家とか、芸術家とかいうような学識経験者、そういうものを交えまして、広告物審議会というものを各県に設置をいたしております。それが知事の諮問機関として動いているわけでございますので、その審議会の結果に基づきまして県が条例によってこれを定めているわけでございます。したがいまして県によりましては、審議会の中できめているところ、あるいはきめておらないところというようにいろいろの差がございますが、その問題をこの条例の内容につきまして一覧表に作りますと、こういう三十九ページ以降の表になっていくわけでございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 そのことを聞いておるんじゃないのですよ。私のあれがまだおわかりになっていないようですが、横棒の場合、いわゆる条例のないしるし、これらの各項目ですね、府県別を言っているのじゃないのですよ。これらについては、やりっぱなしであって、取り締まってもいい、取り締まらぬでもいいという意味なのですか、これをお聞きしているのです。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) 禁止物件の扱い一覧表という表だと思いますが、この中で何も棒の入っていないものは規定をされておらないということであります。これは禁止物件としての扱いがされておらないということでございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 どうもその点がわからないのですよ。たとえば具体的にひとつ考えてみて、茨城県あたりでは、ポスト等に関しては許可制にしておくのだ、あるいは栃木では張り紙、張り札はやめさしているということなんです。これはみんなまちまちです。それから東京だ、神奈川だということになると、全面的にこれはいけないものだとしているが、こういう工合に一つのものに対して、みんなこう違っているのですから、お聞きしておった要点は、この条例を置いていないところは張っていいのか、悪いのか、立てていいのか、悪いのかということなんですね。これは指導面ではどういう工合に認識しているかということをちょっと伺いたい。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) 明らかに条例で禁止していない場所、物件につきましては、張っていいというふうに解釈しているわけであります。

松澤雄藏自由民主党建設政務次官

○政府委員(松澤雄藏君) ただいま御質問の、横線のところには、いわば禁止のものは入っていないというふうな事柄の御質問でございますが、これは、これを取り扱うときに、いろいろと私たちもお互いに討論し合って調べた範囲によりますと、今の私のほうの局長の答弁は、禁止されていないのだから、当然にそれを裏返せば張ってもいいと言わざるを得ないといった答弁にひとつ御了承願いたいと思うのです。張っていいといって張ることを奨励したようにとられては困ります。ということは、これは各県の実情に応じまして、ときによっては、ポストというふうなものは、私のほうの山形県等に行きますと、ポストには一切ものは張らないのだというふうにしております。自然にそれが不文律のようになっております。それからまた、ガスタンク、テレビ塔というふうなものは、山形県には張るような場所がないのであります。また石垣というふうな面に対しましても、張っても効力がない。雨が降ったような場合は、すぐ取れてしまうものだというものですから、ほとんど張っていない。そういうふうなところを、さっき申し上げたところの各委員会等におきましては、その必要性のないところにあえて禁止事項をとらぬでもいいじゃないかというふうな意味で、私は各県においては、そういうふうな考え方をも含めました意味において、条例では特別にこれを禁止する、こういようなことにならずにきたのだというふうにも現在まで解釈しておりますが、これは今後、せっかく御質問でございますから、十分に調査してみたいとは思いますが、私はそういうふうに解釈していったほうが妥当ではなかろうか、かように存じますので、一応補足的な回答にしておきたい、かように思います。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 今の問題については、まだはなはだ納得できない面がたくさんありますけれども、きょうの場合はこの程度にしておいて、第二点については、五大都市とその府県ですね、大阪府と大阪市、愛知県と名古屋市、京都と京都市、兵庫県と神戸市、こういうものを見ると、これがまた食い違ってしまっておるんですね。ここで示される範囲においては、神奈川県と横浜市だけは大体一致しておる。その他については、みんな食い違ってしまっておるんですよ。同じ場所において府県とその市とが違うということなんですが、一体これは住民にとっては、そんなことで納得するだろうかということなんです。こういう面について、どういう工合に指導されているんですか。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) 東京、大阪、名古屋、京都、神戸、横浜のようなところは特別都市として扱っております関係上、府と市との条例は異なっております。そういう関係で、ただいま四十ページ、四十一ページにございますように、表の中で実際の禁止区域の中でも若干の食い違いがございますが、これはやむを得ないと思いますが、この点につきましては、先ほど田中先生からもお話がありましたように、今後の広告物の行政指導におきまして、大体全部こういうふうにそろって参りますので、これを全部まとめまして、今後は積極的な指導をいたしたいと考えております。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 せっかく今後これらについて積極的な指導をしようというお話なんですから、これ以上聞くことはやぼなことですけれども、たとえば京都府民と京都市民が一つについて違ったあれを受ける、実際おかしなことになっちゃうのですね。大阪市で考えてみても、同じことがみんないえるのですよ。大阪市においては、高架鉄道の支柱というものに対しては、これを取り締まっておる、禁止しておる。ところが、大阪府の場合では、何にもそういうふうなものを設けてないということなんだな。同じ住民が市民と府民と……、これは実際いよいよ了解に苦しむわけなんです。さっき今後これらの食い違いについて何か指導されるという御答弁ですが、これらの点についてもっと今後も……、どういうものをやってみたところで、こういうようなことが、これはさっき話に出ました各府県間における違いというものはよくわかるわけです。それはいろいろその条例の作り方等が、その議会の内部とか住民の意向だとかいうものによって左右されることは、これはあり得ることだと考えるのですけれども、一つの府の中における市、県の中における市、五大都市、この中でこういう食い違いがあるということは、いよいよ惑す限りだと考える。十分こういう点についてしてもらわないと、今後どのようなものをやっても、こういうことでやったらばいろいろあれを来たしてしようがない。特に今度のは、たとえば警察なら警察の了解をとって勝手にできるということになるわけなので、こういうこまかいことについて、一巡査までに徹底しないところから、とんでもない問題を引き起こす心配が多分にあるので、私はむしろ、さっきいろいろ説明されておった、徴収している料金と、撤去する費用との関係と、あべこべになってどうだ、こうだというような話、そんなことよりも、これらの繁雑なこと、そこからくる間違いが相当心配されるので、このことについて、今後十分こまかい内容についてひとつ御検討の上、間違いなきを期してもらいたい。政務次官の、これに対する所感をお聞かせ願いたい。

松澤雄藏自由民主党建設政務次官

○政府委員(松澤雄藏君) 非常にごもっともだと思います。したがいまして、事務当局をして今後特に同一の府県内における府と市、あるいは県内における県と市というふうなことは、やはりただいまの御趣旨のような点が私たちにも感ぜられますので、十分に検討した上に立って、できるだけ統一的な方向に行政指導をするように持っていきたい、かように存じます。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 委員長からひとつ簡単に質問いたしますが、この前質問した件ですが、今度行政代執行にかわって、知事が張りもの等を積極的に撤去するということになるわけですね、費用は府県の負担になる、その場合、行政代執行でやる場合は、非常に費用がかかるが、知事がやる場合には、その費用がかからぬ、それから財政負担にもなるにはなるのだけれども、広告手数料のほうが非常に収入が多くて、手数料が入っても、広告物の取り締まりに使う費用は、半分くらいしか使わないから、広告手数料の全部を広告物の取り締まりに使えば、足を出すことはないのだ、そう府県の負担にならぬというお話でしたが、違反者に対するほうはどうなのか。違反者のほうは罰則がある。罰則による罰金以外に、今までは、行政代執行の場合は、その実費を徴収されたわけですね。ところが今度は、実費徴収されないわけです。みな県がやってくれるわけです。その場合に、何というのですかね、違反者に対する経済的負担というものが——負担というのですか、実費を徴収されるということも一つのペナルティーの一種と考えれば、やはり軽くなるわけですよね。県がどんどん除去してくれるのだから、張っても、今までよりは軽くなるのだからということで、逆にその違反を助長するということはないかどうかということですね。この点、ひとつ御答弁願いたい。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) 今までの屋外広告物条例によりました違反に対しまして罰金を課した例でございますが、これは三十三年度に京都におきまして、民族運動主幹の某が違反広告を出しまして、それをみずから広告を張ってなぜ悪いかということを言って出ましたために確認できまして、罰金三千円というものを科しております。そのほか、三十七年に一件ございますが、相手方ははっきりしておりますが、まだ起訴するかどうか未決定の状況でございます。というようなわけで、京都の場合につきましては、相当きびしくやっております。結論的に申し上げまして、相手の確認ということは非常にむずかしいという問題が入っております。で、今まで京都がやって参りました実例を申し上げますと、相当の費用をかけまして、国際観光都市としての美観上の問題から、積極的な広告指導をやって参りまして、現在は非常にほかの府県とは比べものにならないほど、きれいな町になっているわけでございますが、最初のうちは、これはシーソー・ゲームになりまして、はげば張るというようなことが繰り返されておりまして、相当の費用も必要としましたが、最近のように落ちついて参りますると、逆にむしろ手数料だけ必要としないような態勢にまできておるような次第でございまして、国民良識の問題もからんで参りますけれども、ある程度の取り締まりが徹底いたして参りますれば、自然に周囲がきれいになるということが考えられるのじゃないかと思います。これは、いろいろ公園その他動物園とかいうふうな場所につきましても、いつでもきれいにしてあれば、子供たちもごみを捨てないというふうな風習が生まれると同じことでございまして、やっぱりその町全体がきれいであるということが道徳的な、あるいはまた良心的な面におきまして反映してくるものと考えておりますので、その点の費用がどんどんかさむじゃないか、違反行為がふえるじゃないかということに対しましての現在の措置といたしましては、京都の例しかございませんけれども、その同じような方向に、善意の方向に向いていくのじゃないかと考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 関連。今の罰則に関する問題ですが、この法律では、第九条で罰金のみを条例に基づいて科する規定を設けるという、したがって、各都道府県の罰金の額等がこの資料に出ておらぬように思うので、さっそく次回の委員会まで出していただきたい。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) はい、わかりました。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 別に御発言もなければ、本案の審査は、本日はこの程度にとどめます。  ちょっと速記を中止して下さい。   〔速記中止〕

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 速記を始めて。  本日はこれをもって散会いたします。    午前十一時五十五分散会    ————・————

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