P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
43回国会参議院1963/02/14

建設委員会 第5号

発言数
66
登壇者
9
会派数
2
開催日
1963/02/14

会議録

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) ただいまより建設委員会を開会いたします。  建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題といたします。  本日は、去る七日聴取いたしました河野建設大臣の建設行政の基本政策及び昭和三十八年度建設省関係予算に関し質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言願います。

田中一日本社会党

○田中一君 私はこの際、三十八年度の予算を審議するにあたりまして、一応建設大臣の所信の表明は伺いましたけれども、その中で総括的に、予算の個々の問題については予算の分科会でもお伺いしたいと思いますけれども、総括的に建設大臣の態度についてお伺いしたいと思うのです。建設大臣が就任以来もう半年になります。相当意欲的な政策を発表され、かつまた、行動的な大臣としての職務に携わっていらっしゃる点については、これは尊敬します。率直に尊敬します。あなたが、まあ自民党内の派閥といってはおかしな話でありますけれども、少なくとも国民に向かって前向きの態度で数々の行動をしている点につきましては、世論もこれを承知しているものと考えております。したがって、その点は尊敬いたします。しかし、あなたに最初に伺いたいのは、まあ長い十数年の自民党政権のうちに、大体において一年ないし長くて一年半、二年が最高の在職期間であるように、慣行かどうか存じませんが、そういうことになっているらしく見受けられますけれども、この国会が過ぎましてから、大体地方選挙も済み、国会が終わった暁には、閣僚の入れかえが行なわれておりますけれども、あなた自身としては、もっと強い意欲で次期の、第何次になりますか、池田内閣あるいは河野内閣になるかもしらぬけれども、そういう形の仕事を引き続きやっていくという決意がおありなのかどうか、その点を最初に伺っておきます。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 私は、御承知のとおり自分で自分の立場をきめるわけに参りません。私自身としては非常に強い意欲をもって建設大臣を留任いたしたいと存じております。

田中一日本社会党

○田中一君 河野さんは総理大臣になるのが一番私はうれしいと思うわけです。しかし、総理大臣にならぬでも、これだけの実績というか、国民の歓迎を受けるという行政は、高く評価していいと思うのです。したがって、総理大臣になることも、御自分の政治家としての希望でございましょうけれども、まあ建設行政に対しては、大いにがんばっていただくことを最初にお願いしておきます。  そこで、私はここであなたの就任以来、新聞の統計を見ましても、あなたの所信、あなたの写真が一番たくさん過去六カ月間出ております。なかなかいいと思う。しかし、それだけに責任政治を考えていらっしゃる河野さんとしてはおそらく、聞くところによりますと、官房長等が新聞会見をしちゃいかぬ、おれが全部指示するというようなことをおっしゃっているらしいので、これも非常に歓迎します。それは責任政治のあり方として当然な姿でありますけれども、それだけに、今まで発表されているあなたの意思というもの、あなたの政策というものは、必ず実行し得るという考えのもとに立っていらっしゃると思います。したがって、本年度の予算の上におきましても、相当なあなたの考えている予算づけがなされたものと思いますが、ここでずいぶんだくさんあるから、一つ一つの問題について、あなたに質問するわけにはいきませんが、大づかみに、今まで長い間の、戦前は別といたしまして、戦後におきますところの建設行政のあり方が、相当大幅に変革されつつあるという事態について二、三質問するものであります。  第一に伺いたいのは、施行の方法の問題であります。たとえば今まで仕事をする場合には、直轄の仕事、それから請負によってなされる仕事、こういう工合に分かれておりますけれども、大体の傾向としては、請負化が推進されておるように見受けられますが、これは新聞等で見たのでありますし、また、確認しておりませんが、これは河川局長あたりが一番知っておるものと思いますから、わからぬことというより、あなたの耳に入らぬことは、河川局長から答弁してもらいますが、たとえば四十四田ダムと記憶しておりますが、あすこで請負に仕事を出す場合に、今までのような実績、それから経験と申しますか実績、それから適格であるという、機械とか技術者とかいうものの条件を見ながら、何人かの指名競争入札によって行なっておったのが常道でありますけれども、あの際には、相当大幅にダムの建設の経験のないものが指名業者として、あなたの指示じゃないと思うのですが、地建の局長あたりがそれを入れて、そうして入札を行なっている。通例、今日の建設業界というものは、談合によって工事の取得をやっております。私、これは犯罪と思いません。不正と思いません。当然だと思うのです。しかしながら、初めから落札するという意欲のない者を形式に入れて、それであなたのねらっているものが達成されるとは思いません。現にダム・サイト地点の堰堤の工事等には、道路業者が相当大きく指名を受けて入札に参加している。むろんこれらは逃げ札を出して逃げております。そして鹿島建設が本命でありますから、当然これが受けておる。受けるのは当然これは力もあり、条件もいいから受けるのでありましょうが、むろん中には辞退する者もあり、落ちるところに落ちたという印象を受けるのでありますけれども、そういうところに、今までの慣行の是非は別としても、どうもそういう既成の業者が指名に参加するということがあってはならぬと思うのです。ことに北海道等におきましても、北海道開発局では公入札をもって行なうということを指示しておりました。何年度からは公入札で行なう。公入札に基づいて行なうことの妥当でないという点は、これはもう戦後の長い間の経験、歴史が物語っております。会計法上には明らかに公入札が原則になっておりますけれども、これは、今日の日本の各産業界の実態から見ましても、そういうことは不可能である。したがって、今日まで公入札をした例はありません。たとえば物件の払い下げ等におきましては公入札制度をとっておりますけれども、これすら指定された業者が落札に参加するという現状でありまして、こういう点については、そういうこまかい問題はとおっしゃるけれども、これはこまかい問題じゃないのです。三百五十万といわれておるところの建設労働者がその中でどういう形で賃金生活を営んでいるかと見ますと、こういうことがないことが望ましいのです。したがって、四十四田ダムにおける入札の際の建設大臣の指示、あるいは建設大臣が知っているのか知らないのか、あるいは地建において行なっているところのもの、北海道開発庁等、これは北海道から来ておりますね。北海道開発局が、公入札をもって行なう、これが強い建設省からの指示だ、建設大臣の指示であるというような理解をして、それを強行しようとしている。これらの点について説明を願いたいと思うのです。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 実は四十四田ダムですか、それの入札について、世上いろいろな話のあることを私は聞いておりますが、私自身は、はなはだ不勉強でございますが、その内容も実はあまり心得ていないのでございます。ただ、総括的に私は大臣就任以来、この機会に明瞭にいたしたいと思いますことは、従来、A、B、C、D、それぞれグループがありますことは御承知のとおりであります。これを過去の実績によって、その実績を尊重して、それぞれの工事の大小によって指名をしておるというようなことでありましたけれども、私は、二つの点を指示いたしました。第一は、Aグループに必ずあるBグループを加えて競争入札の指名をしなさい、そしてBグループに、もしくはBグループの場合にはCグループ、それぞれの下位のグループの優秀なものを上位のグループに入れて、そしておやりなさい、いつまでたっても、AはどこまでいってもAであり、BはどこまでいってもBであるということは適当でない、その点を考慮しなさいということは言っている。第二点は、数があまり少ないということは適当でありませんから、おおむね十社以上を標準にして指名人を選びなさい、こういうことを総括的に指示したことはございますが、それ以外に、個々のものについては、私はよく心得ませんから、今お話のとおり、経験がどこがどういう経験があるとか、どこがどういう機械を持っているかということは、私にはわかりませんですから、そういう点については、指示は実は無責任といえば無責任かもしれませんが、まだその段階まで勉強が足りないということを申し上げるほかはないと思います。ただ最近に至りまして、中小企業を育成する必要が、さらに中小企業を育成するという意味合いにおきまして、中小企業の協同組合化を指示いたしております。これは、必ずしも協同組合法によらぬでもよろしい。順次実績において、経過において協同組合法によるようなことになればよりけっこうでありますけれども、初めからむずかしい協同組合法によって組合を作ってやれというところまでせぬでも、私機械を用い、その他の実力の持ちよりによって、そして組合の力をつけて、小さなものが集まって大きな仕事に参加することができることを認めてやるようにしなさいという、これらの点を入札の場合は指導しております。今の点につきまして、河川局長が来ておりますから、もし必要があれば説明をいたします。  それから北海道の場合は、公入札のお話がございましたが、私入札につきましては、今の点を指導しただけでありまして、公入札の是非ということはまだ考えたことはございません。公入札すべしということを言ったことはありませんし、公入札をしちゃいかぬというところまで言ったことは、まだそこまで研究が至っておりません。お話のとおり、非常にむずかしい問題でございまして、先般鹿児島方面を旅行いたしましたときに、ことしは暴風雨災害がないために、鹿児島方面は、これに関係する労務者が仕事がなくて困っている。したがって、こういうときに、ひとつ別の意味の仕事をこの方面に企画するようにという要請を受けたくらいでありまして、それらの点も配慮しつつ、仕事もしくはそれぞれ補助金の割当も考えていかなければ、さあ仕事だ、用事が急に起こったというときに、やはり地元に労務者等の蓄積も必要であろうという点等も考えますと、よほど広範に細心の注意を払って仕事を進めていく必要があるということは考えておりますが、何分まだそういう点まで十分研究が行き届きませんので、詳細は事務局から、必要があれば説明いたさせます。

山内一郎建設省河川局長

○政府委員(山内一郎君) 従来、請負にかけます場合に、どういう業者を選定するかという点につきましては、建設省としては、非常に安全といいますか、どこかの工事で実績が上がったという、その実績を見まして、十分安全過ぎるぐらいの指名をやってきて参ったわけでございます。しかし、今度新しく河野大臣になられてから、できるだけ能力のありそうなもの、そういうものにできるだけそういう機会を与えるようにと、こういう先ほどの御方針、それからできるだけ数をふやすように、こういう御方針でございましたので、たとえば四十四田で例をとりますと、従来ですと業者の五、六社ぐらいというのが例でございましたが、そういう御方針で、いろいろ業者を、各地方で建設省以外のやりました工事の実績を調べまして、可能性のあるものをできるだけ拾い上げる、こういうのが御案内のような指名になっているわけでございます。したがって、十一か十二の業者を選んで指名をした、こういうような状況でございます。

小島要太郎北海道開発庁総務監理官

○政府委員(小島要太郎君) 御承知のように、北海道開発庁は、北海道開発局の上級官庁といたしまして、この一般的な指揮監督をいたしておるわけでございますけれども、それぞれの事業の実施につきましては、北海道開発法に規定がございますとおり、あるいは建設省あるいは農林省あるいは運輸省と、それぞれの事業実施官庁が北海道開発局を指揮いたしておるわけでございます。したがいまして、この入札の問題につきましても、開発局は建設省の御指揮のもとにやっておるわけでございますが、私ども一般上級官庁といたしまして承知いたしておりますところでは、この入札の問題につきましては、この予決令の改正等の問題がありましたので、それの講習会など現地でも行なって、その法規改正の趣旨を担当官によく知らしめるということを、昨年やっておりましたが、その際に、公入札でございますか、その問題につきましての、これはその実行上、いろいろ微妙な点もあり、よく慎重にその方法等につきましては検討を要する、その上のことではあるけれども、公入札の問題も検討しておる、やれる範囲においてはやってみようかということを検討いたしておるということを、私どもは聞いておる次第でございます。これにつきまして、私ども開発本庁といたしましては、何分これは北海道だけの問題じゃない、全国的に歩調をそろえてやるべき問題であると思われるから、よく建設省と相談して、建設省の指示のもとにやるように、という一般的な注意を与えて参っておる次第でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 河川局長、四十四田ダムでもって道路専門業者を指名したという事実はないと言うのですか。あると言うのですか。あなたがさっき言った、適格者を選んで、十名以上の指名をするというのだけれども、道路専門業者はダム・サイトの建設に対する適格者でありますか。

山内一郎建設省河川局長

○政府委員(山内一郎君) どれが道路専門業者というかという点は、まあ問題あると思いますが、私のほうで選びましたのは、ダムをやった経験があるかどうかという点に重点を置いて調査をやりまして、指名をした次第でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 それじゃ、ひとつ指名業者の氏名、それから入札価格等を当委員会に出していただきたい。  それから北海道開発庁に最初伺いますが、そうすると、公入札をやろうという意思があって、そのような検討をしたという事実はあるというわけですね。そういうように聞きました。ところであなた、あまりたくさん言わぬでもいいんですよ、私の質問に答弁をしてくれればいいんです、北海道開発庁がどういう仕事をしているか、当委員会の委員は全部知っていますから。そこで河野建設大臣は、明らかに指名競争入札をもってやっているんだと言っております。建設省と相談して、全国的に影響があることであるから、公入札等の問題は、打ち合わせてやれと言っておりますけれども、北海道開発庁としてはどういう意思を持っておりますか。むろんあなたは大蔵出身の監理官だから、そう言われるかと思うけれども、現在まで会計法によるところの工事の請負入札制度というものの中で、公入札をもって行なった例は一つもないのです。これは大蔵省のほうで明らかに当委員会で答弁しているのです。そして公入札制度では適当でないという意思表示をしているのです。むろん会計法上の原則は、機会均等、公入札ということが原則になっております。日本の現状から見た場合に、適当でないから、河野建設大臣もそのような意思のもとに、なるべく多く、十名以上の指名でやったらどうかということを指示している。現在北海道でやっているものは、二十名、三十名ということで指名をやっている。これは公入札と少しも変わりない。そういう形でなぜ入札するかということです。あなたは知っているかと思いますけれども、それで安くていい仕事をする請負人が選ばれると思うかどうかという問題です。前段に言ったように、すべて話し合いでやっているのです。談合という言葉は非常にいやな言葉に聞こえますが、話し合いでやっている。仕事を持っている者、持っていない者、それぞれ緩急等を見ながら、先ほど建設大臣も鹿児島に行ったとき、昨年は災害がなかったので労働者が遊んでいた、これを何とかしなければならぬ。それらの者に仕事をさせる。あそこは災害の常襲地帯でありますから、災害が起こった場合に、労働者がいなくては因るという思いやりのある発言をしている。ところが、北海道では二十名、三十名という指名をして、それでいい実績が得られたかどうかということを考えたことがございますか。もしもそういうことをやっているならば、現在建設省が行なっているような程度にまで指名業者を引き締めておやりになることが妥当と思うのです。その点を、注意するとかなんとかでなく、こうしたほうがいいという意思表示をしたらいいじゃないですか。あなたがもし答弁できなければ、事務次官を呼んで下さい、長官を呼ぶのも都合が悪いでしょうから。

小島要太郎北海道開発庁総務監理官

○政府委員(小島要太郎君) 私は、北海道だけ変わったことをやるとすれば、それはよろしくないと存じまして、建設省と同じようにやるべきものだと存じます。

田中一日本社会党

○田中一君 現在行なっているところは取りやめさせますか。

小島要太郎北海道開発庁総務監理官

○政府委員(小島要太郎君) 私は、遺憾ながらその実態につきまして詳細な知識を持っておりませんのですが、その実態を調べまして善処いたしたいと存じます。

田中一日本社会党

○田中一君 それから、建設大臣が先ほど小業者も大きな仕事を消化し得るような力を持たしたいという気持は同感です。中小企業法では明らかに、中小企業の定義を見ますと、五千万円以下の資本金、従業員三百人以下、こうきめておりますけれども、私は、建設産業というものは、この中小企業法の定義というものでは当てはまらぬと思うのですよ。その点は建設大臣、どういう理解を持っておりますか。たとえば、ひどい例を言っちゃ工合が悪いけれども、相当な政治力がある、また、かつて政治家であったところのある国会議員がやめて、労働者を一人も持っておらぬ、社員も十人足らずのもの、そこでやはり数千万、数億の仕事ができるのです。これが建設産業の実態なのです。だから、労働者は常に職安あるいはそれぞれの手配師を通じてかき集めてくる。技術者は、その場合には下請という制度をもって下請業者をかき集めてやってくる。資本主義の一番悪い典型です。そういうものもあり得るのです。したがって中小企業者という定義は、非常にむずかしい、建設産業の場合には。そういう点は、今後中小企業育成のための諸政策もあるでしょうけれども、その場合にどういう定義をもってこれに当てようとするのか。これは山内さんにしても、ほかの現業関係の谷口さんしても現業の実態は知っています。ただ、政治力と、買収とか供応とか言いませんけれども、それらに類したことをして仕事をとっている人も今まで往々あったわけですよ。だから、その定義をはっきりしなければならぬ。大きな請負人でも、何十万という労働者を使っている業者もおります。これは全部貯金をしておらない。みんな下請に依存し、あるいはかき集めをやっておるわけですが、中小企業法によって育成しようという中小業者に対する定義は、どうお考えになるか、どういう線が妥当であるとお考えになるか伺っておきたい。これは、いろいろ政府部内でも検討しているものと思いますけれども、担当している局長からでもいいです。ちょっと伺っておきます。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 今お示しになりましたように、資本金五千万円、三百人、規定は、一応各業界を通じてそういう規模を指定しておるのでございまして、それぞれの業種によってさらに適当な線を政令に譲っておるというふうにいたしておるようでございます。したがいまして、今お話の建設業界におきましても、お話ような考えを持っておりますが、どの程度に線を引いたらよろしいかということにつきましては、今後十分各方面の意見を伺いまして、あらためて建設業界については、建設業界に妥当な線を出したいと考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 それから、せんだってだいぶ雪害では御苦労なさって方々飛び歩いたらしいのですけれども、私は青森県の弘前出身で、雪というものはしょっちゅう、雪がなくちゃならないものだと思っておりまして、こういうことを言うと、今回の雪害地方の方々には変に聞こえるかも存じませんけれども、まあ率直に言うと、私どもの考えでは、今まで毎年二メーター半降ったものが、今度は三メーター半降ったのだということに尽きてしまう、感覚的に。そこで、異常な、今まで雪が大量に降らない地点に降ったものだから大きな問題になっておりますけれども、これらの激甚地指定なんということを行なおうとしようと考えるかどうか、これを伺っておきたい。たとえばあなたも見ていらっしゃって、ただ単に雪が降ったということの災害、あるいは交通途絶して食糧もないというような、社会問題ですよ。雪害じゃない、社会問題になっている。しかしその中に、私どもの郷里でも、北海道でもございます。秋田もございますけれども、郷里ではどの家でもみなかんじきと馬そり、あるいは人間が乗るそりというものを準備してある。二メーター降ろうが三メーター降ろうが交通は途絶いたしません。食糧は適当に、それこそ隣の町からでも運べる、そういう準備が今までの雪害地にあったかどうか。それから、これは結論をお願いしますけれども、もしも今回の雪害地に大災害としての激甚地指定をするならば、北海道、青森、秋田、山形の常襲豪雪地帯に対するところのことも考えていただきたいのです。一年に三人や五人は、学校の倒壊、個人の住宅の倒壊によってけがをしたり、死んだりしているのはあたりまえのことです。したがって、部落々々の間の交通というものは、降雪時期の三カ月なら三カ月というものは全然とまってしまうわけです。したがって、冬眠するだけの食糧等も運び込んで、そうしてそこで冬眠している。生活している。建設省の工事場であるところの七ッ村ですが、これは岩木川の入口ですが、これなんかも数年前までは完全途絶です。留守を守る職員は、三カ月分の食糧を運び込んで、自分の現場を守っている現状なんです。せんだって災害委員会で御答弁なすっておるようですが、それらの点についてはどういうお考えを持っているか。  それから、つい昨日、山形の男が一人参りました。自分も長岡へ行ってみたが、長岡はおれの国よりも雪が少ない、と言っておりました。そういうのが現状なわけです。しかしながら、たいへんな社会問題としての現状から見て、それに対する施策それから救助しなければなりません。当然であります。だからといって、この特異な現象というものが、特異であるか常識であるかという点もひとつ考えていただきたい。もし、それならば、北海道青森、秋田、山形の一部くらいまでは、これに対するところの今までの政府並びに行政面の援助が足りなかった、そのためにあたりまえに考えて、政府にも訴えない、世論にも訴えないできたのが現状ですから、これに対するお考えをひとつ答弁していただきたいと思うのです。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 私も実は十数年前に日魯漁業の社長をしておりました当時に、北海道にしばしば参りまして、雪についても全然未知ではございません。その経験がありますので、今お話しになりましたような感覚を実は初めに持ちまして、雪害対策本部を作るときに、閣議で、どういうものかなという発言を実はいたしたのでございます。ところが、本部長を仰せつかって現地に行ってみますると、全然違った感覚を持たざるを得なくなったわけでございます。と申しますのは、ごく卑近な例を申しますと、同じ新潟でも、常に降雪の非常に多い高田、これは今の新潟県の知事の出生地のようでございますが、塚田君が言いますのに、私の高田にもずいぶん雪が降っておりますけれども、私の郷里は全然ほうっておいても差しつかえありません、降るものが降ったということで、何十年か何百年か、それになれておりまして、その当然来るのが来た気持でおりますから、差しつかえありません、と言っている。何分、この三條なんという所は、つまり、今回一番集中的に豪雪を見ました建物の被害に対して非常に心労いたしておるのであります。と申しますのは、私もその感を深くいたしますことは、たとえば雪の深い所では、建築を一ついたしますにも、壁をそのまま外部に現わしておるというような建築はできないのであります。雪の水分を壁が吸い込む、そうして壁がいたんでしまう。そこで板張りのうちが多い。壁の水分を避けるのに必要があるのじゃなかろうか。ところが、三條方面になりますと、ふだんの雪が一メートル未満です。大体あの方面の付近で一メートル未満でございますから、ごく下の部分に雪があるだけであって、そういう配意が今まで必要がなかった。降っても踏み固め、もしくは一部の排雪で間に合った。でございますから、都市計画もしくは町づくりにしましても、道路の幅が非常に狭い。雪を寄せておく場所がない、積んでおく場所がない。これを市街に運び出すについても非常に困難を来たしておるというところに三メートル、四メートルと雪が降って積もりますと、道幅が狭うございますし、積雪の経験がございませんから、全く惨たんたる状態を呈しておるというのが現在の状態でございます。で、たまたま長岡もずいぶん雪の深い所でございますけれども、戦災にあいましたために、表通りは非常に道幅が広くなりまして、戦前の長岡の雪の害の感じとは問題にならぬほど雪を処理できるようになっておりますために、長岡の表通りを歩いたときには、適当に処理したのではないかという感じを持ちますけれども、一たび裏道に入りますと、まだ幾らか被害の跡が見られる。しかしながら、長岡という所は雪が常に多く降る所でありますから、長岡から清水トンネルに近い方面は、そういった不安もなければ、あまり強い要求も、雪は多うございますけれども、ない。ことに交通途絶等の状態で、道路、鉄道等についてみますると、御承知のとおり、東北から北海道の線路にはどこでも、たとえば防雪林が線路の両側にあるのにきまっておりますけれども、これらの地方には防雪林らしいものは見受けられない。そうして雪だまりが各地にできておるというような点、さらにまた、山の切り出しをしますにも、皆伐するというようなことは、なだれの危険がありますから避けなければならぬことは当然でございまするにもかかわらず、そういう経験が薄うございますから、人家の付近の山の木を皆伐してしまって、そうしてなだれが起こっておる。また、なだれの起こる危険にさらされておるというようなことが、経験のないところにそういう事態が起こりましたために、各種の不安もしくは各種の考慮しなければならぬ問題が多くあるというのが現状だと思っております。したがって、この差異、この違いは、今回の豪雪の災害となり、政府もしくは一般からこれに協力しなければならぬ点があるのでございますから、ある時期まで、また、これらに対してどういうふうに今後の施策として、こういう豪雪が常時と申さぬまでも、三年に一ぺん降ってもそれが被害となってなるべく現われないように、たとえば都市計画を早くやるとか、道路を国鉄等の改修を急ぐとかというようなことで、すみやかに豪雪に対する対策を考慮して、それが一応でき上がれば、ある程度、今お話のように、あまり一般の雪とも解釈が違わなくなるだろうと思います。そうであるからといって、それじゃそのままほうっておいていいか、そういうわけにも参らぬのでございまして、私に関する限り、常時積雪の多い地方に対しましては、自治体等に除雪の機械を買う、それに補助をするとかというような施策は、順次いたして参らなければならぬであろうというふうに考えているわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 激甚地指定はどういう考えを持っておりますか。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) これは、昨日でしたか一昨日でしたか、私も発言して、一体何メートル降ったら激甚地の指定をするのか、ふだんに比べてどうであるからどうと言うても、一律にはいきかねるのじゃないか。したがって、目下検討中でございます。と同時に、地方の実情等も十分考慮していかなければなりませんので、地方の意見も十分伺った上で、ただ法律で一律的に量でこれを片づけることは困難である、こういう認識で検討いたしております。

田中一日本社会党

○田中一君 そこで、この豪雪地帯に対する、おそらく建設省の公共事業あるいは民間の公共事業というか、民間というか、地方公共団体の公共事業等も相当ストップしたり、大きな障害にぶつかっていると思うのです。一昨年でしたか、長岡で、やはり雪のために交通が途絶した。そのために仕事をしている人たちの資材が届かなかった。それも一週間やそこらじゃない。もっと長く届かない。そういう重量物はなかなか送ってくれません。開通しても緊急のものからしか送ってこないというので、とうとう契約上の不可抗力とも認められないで、契約上の罰則を適用されて、罰金を取っている例がたくさんある。建設省の北陸地方建設局、あるいはその他のところもあります。これは罰金を取られている。私は、こういう事態は不可抗力との認め方をするか、あるいはしないかの点だと思いますが、おそらくことしも相当のそうした雪の障害のために、契約期限等がおくれているものがたくさんあると思う。これはどういう扱いをするつもりか伺っておきたいのです。それでこれを不可抗力——大体今、双務契約になっておりますけれども、力によって双務的な明文を片務的なものに押しつけるというのが、今までのあなた方のやり方なんです。この機会にどういう工合にするか、将来ともするか、ひとつ伺っておきたいと思うのです。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 御承知のように政府、国鉄にいたしましても、もっぱら全力をあげて排雪に努めましても、機械等の現地到着がおくれまして、なかなか思うにまかせない経験者でございます。地建の局長でも、大声を上げて私にどなられるような場面もあったくらいで、みずから経験者でございますから、どの程度に努力して、どういうことになっているということは、よく知っていると思います。したがいまして、それぞれの現場におきまして、事情を十分に調査いたしまして、事情やむを得ざるものは、天災であるとかなんとかという解釈は別にいたしまして、これは情状十分にしんしゃくして、一々考慮してしかるべきものだと、これを一がいに天災の規定を当てはめて、こういう場合はいいんだと、これは分けますことは、はなはだ適当でございませんから、各業者が最善を尽くして御協力いただきまして、それでおくれるものにつきましては、事例ごとに別途考慮するということは、もしそういうことが従来やってなければ、私は建設大臣として、そういうことを新しく考えることを、地建局に指示してしかるべきじゃなかろうかと考えます。

田中一日本社会党

○田中一君 そうしていただきたいのです。しかし、大体地方の契約担当者は、点をかせぐというのか、何というのかわからぬですが、えてしてそれを片務的に相手方に押しつけるという傾向がある。それを承知しなければ、この次お前のところは指名しないぞと言われると、業者は弱いものですから、どうしてもそれに従っちゃう、そういう例がある。大体そうです。したがって、その点は通牒でも出したのですか、通牒でも出そうとするのですか。それらもまた結局雪害の一つなんです。現われた現象だけじゃなくて、間接的に雪害の一つなんです。したがって河川局、営繕局、都市局、道路局等、現業に携わっている局長が、そういうような建設大臣の考え方を徹底して下部に流すことができるかどうかという点を、ここでひとつだれか代表して明言して下さい。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) それは建設大臣から……。私は工期をなるべく早めるということについては、常に非常にやかましく言っておるのであります。しいて申せば、今お話しになりました一番の責任者は私であるかもしれないと思います。したがって、私は相当辛く地建局長を督励いたしますから、それが下部の契約相手方、契約者には相当に辛く当たるようになっているかもしれないと思います。しかし、必ずしも私は無理をしいるものではございませんので、誠心誠意おやりになってできなければ、これはもうやむを得ないことでございます。たとえば、ボーリングするとはいいながら、地盤が悪い所にぶつかってそうして工期がおくれるとかなんとかという場合もあり得ることであるし、また、ままあるだろうと思います。それでひとり道路だけの場合でなしに、建築の場合でもそれはあるのじゃないかと思います。要は、なるべく工期を短縮して投下資本の効率をよくするように願えるか願えぬかの問題でございます。でございますから、急ぐことは急ぎますけれども、今回のようなこういう雪が降りまして、それで一方には豪雪対策も行ない、それからまた、それぞれの中小企業が製品の搬出ができないとか、もしくは工場が休んでおって、これに対して逆にどう救済しようか、低利資金でも回そうかということさえ積極的に考えておるときでございますから、当然その期間、たとえば十五日にしろ、二十日間にしろ、おくれるということはやむを得ないことでございまして、これは残余の日程において取り返すことができれば取り返していただけば一番けっこうでございます。できないものについて無理にしいるというようなことは、それが河川局であろうと、道路局であろうと、営繕であろうが、それぞれ建設省の契約の相手方について、そういう無理なことをしいるという考えは持っておりません。明言いたしておきます。

田中一日本社会党

○田中一君 これは罰金を取ることですね、罰金をとって支払金がぽんとはずされればどうにもならないのですよ。罰金というのは契約じゃない、一方的なものですよ。お前のところはこうこうであるから、取引先からぽんとはずしてくれば、しぶしぶでも判こを押さなくちゃならないようになる。これはまあそういうことがないようにしていただきたいと思います。  それから直営方式と請負の問題について伺いたいのですが、傾向としては大体請負化、むろん、これは公共事業の増大から、ことにあなたが熱を入れている道路整備にしても、相当請負化をしなければならないという事実は、これは認めざるを得ない。これはその反面、長い間内務行政、内務土木以来の二万数千人からの直轄工事を行なう労働者を抱いているという現状、それから請負化をしても、大体書類等の扱いというものは相当延びているから、どのぐらいの範囲で今後請負化を進めていくか、あるいは現在抱いておりますところの直営の工事等もどの範囲で切りかえていくのか、現在まで、昨年の国会で、長い間下積みになって、国家公務員でありながら国家公務員の扱いを受けなかったというあなたの末端の部下を、大体において全部、そうじゃない定員、補助の職員にした、それらの諸君を一体どういう工合に将来持っていこうとするのか、まず大まかにその点だけを方針をお示し願いたいと思います。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 建設省の仕事は幅広に拡大されて参ることは御承知のとおりであります。また、そうあらねばならぬと考えております。したがいまして、今回建設省設置法の一部を改正する法案も御審議をいただこうと考えておるわけです。地方建設局の整備も拡充していこう、そうしておおむね従来自分で仕事しておった者を請負に回して、みずから監督指導者の立場にかわっていくべきだという建前でいきたい。そこで今お話の、二万数千人の諸君の立場をどうするかということになるわけでございますが、これらの諸君にも、まあお年をとっておられる人は直轄道路のあとの清掃とか、監督とかいうふうに回っていただく人も、できればひとつそういうふうに回っていただくこともけっこうでございましょうし、若い人は監督者のほうにかわれるように勉強していただいて、かわっていただければ一番けっこうだと、相なるべくはそういう方向で多年の自分の経験を生かしてやれるようなふうにしていただくと一番けっこうだと。ただ現状において、現状な現状どおり維持していこうというようなお考えでなしに、もう少し若い人は積極的意欲な持っていただきますならば、私は、新しく研修所等を拡充して、そういうところでもって勉強していただくことなんか一番いいのじゃないかと思うのです、そういう意欲の方がたくさんおありならば。また相当の年配の方は、今春らとおり、今後直轄国道、実は一級、二級全部直轄にしていこうというふうに考えておりますから、これらの補修もしくは監督もしくは管理等の役目も十分ふやしていくことにもなるでしょうし、何らかの方法で、先ほども話がありましたが、戦後復興の仕事において直轄の仕事をやらざるを得ない立場で建設省が直轄に相当に手広くやった、自分で機械を買い、自分で仕事をやらなければ、民間にその力がなかった時代に発足したものは、順次民間が拡充して参り、民間が十二分に成長して参った今日におきましては、当然私はそうあっていいのじゃないかと思うのでございますが、また、これらの諸君の間に、民間の建設業者等にひとつ転出しようというような意欲のおありの方は、これらの業者のほうにお願いをすることも手じゃないかということも、それぞれお話し合いによって、将来大いに発展的にひとつお考えいただくということになりますと非常にしあわせだと思っております。これはひとつ、そういう意味において今の組合の幹部にも御指導いただけると非常にけっこうじゃないか。私はその意欲を非常に強く持っているものでございまして、業界におきましても、当然受け入れるにやぶさかでないだろうと私は思うのでございますが、どうかひとつそういう方向でいっていただくことをお願い申し上げたいと思っております。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、現在請負化を進めるけれども、配置転換をして、新しい職場と新しい賃金体系に入れる、したがって、裏から言うと、現在の職員というものは一人も首にしないのだという前提に理解してよろしゅうございますか。首にしないのだという  こと。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 私は、首にするとかしないとかいうより、今積極的に首を切って処分してどうしようということじゃなしに、そういう方向にいきまして、仕事がなくなってしまえば、御本人は、今申し上げるような、各自に御協力願えないということになりますと、そこに初めて、仕事もなくなるし、別のポストにかわる意欲もないということになりますと、そういう問題が起こってくるのでございますが、その前提として、私が今申し上げたような方向に御協力願えるということが一番望ましい姿であると考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 一つの例ですが、最上川の下流で今度直営を請負に切りかえるというので。一月三十日に百五十名ですか、これは季節労働者と申しますか、十カ月雇用の労働者を首切っているのです。これはそういう契約だから首切ったってやむを得ぬじゃないか、納得ずくじゃないかと言われれば、それはやむを得ません。ただ従来北海道等でも行なっておるように、北海道等は積雪地でありますから、冬期は仕事はできない。大体において十カ月雇用の形式をとって、二カ月間は、二月、三月は失業保険でもって生活をしてもらう、そうして四月一日からまたあらためて十カ月雇用の契約を結ぶという形式を一昨年ですか、昨年からとってきているのです。ちょうど六カ月の失業保険がもらえるという時期になればよろしいけれども、そうでない人はこの失業保険がもらえないわけです。それで北海道等は、御承知のように、仕事が相当今度は増大しておりますけれども、なかなか地元業者だけでは間に合わない場合には、直営工事を相当やっております。そういう場合に、それらの労働者をほんとうに救われるという姿が一番望ましい。大体において今お話のあった定員法上の職員、直営工事を行なう職員が退職なり死亡なりして定員減になった場合には、そのまま充足しないで、まあ新卒等、経験よりも学校を出た者を採用するということもあり得るでしょうが、全部それらはそれらとして、配置転換とか、あるいは話し合いとかというようなことを持たれないのが今までの現状だったと思うのです。酒田の下流工事事務所の場合でも、話し合いにも応じない、それから酒田の市長があっせんを——これは社会問題ですからあっせんに乗り出そうといって面会を求めても、工事事務所長は会わない。これは一つの例ですが、こういう等々のことがあったというのは、建設大臣の考えたような気持が末端に浸透しておらぬということなんです。一昨年から昨年にかけて建設省の職員を十数名首を切ったのは、これは首を切った理由はあったのでしょう。私は存じませんけれども、そういう理由があって首を切ったのでしょうが、それらは今、人事院に提訴しているそうです。それが今後どう発展するか存じませんけれども、少なくとも建設大臣がそういう意思を持ち、かつまた、建設研修所を大学校にして、そうして配置転換のための再教育等も行なおうというような意欲があるならば、やはり話し合いをする場が作られなければならぬと思うのです。私は、建設大臣にも再三それらの不安に思っておる職員との話し合いの場を持とうと思って、官房長あたりによく言うのですが、山本官房長は、これは前身が警察だからというわけではないけれども、なかなかだめです。そんなことじゃだめなんです。私は河野さんが官僚出身でないという非常な魅力と非常な期待とを持っておる。といって、山本さんが建設省の官房長になったから、何も警察権を行使されておるわけではないでしょうが、えてして、そこにものをもってきてものを解決しようという傾向があると思う。これはいけないのです。したがって、近いうちに——近いというのは予算が通る前ですね。建設大臣はそれら不安に思っておる労働組合との会見を、私が立ち会ってよろしいですから、するという意思がおありですか。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) それは、まあ釈迦に説法でしょうが、建設関係の組合の諸君の一部には、相当過激な発言をされ、過激な行動をされる諸君がおありのことは御承知のとおりであります。したがいまして、私が先ほど申し上げましたのは、われわれはそういう考えは持っておるのでございますから、よくひとつそういう方向に皆さんもお考え直しをいただきたい。ただすわり込みをやったり、ピケを張ったりしておやりになってみたところで、それでどうなるものではございません。私のほうも、みずからがそういう積極的な意欲をお持ちになる人に対して十分御協力申し上げましょう、そのつもりでおりますということを御認識いただいて、こうしよう、ああしようと思うがどうだといって、建設的な積極的なお話し合いならば、幾らでも御協力申し上げる。それがそうでなしに、ただ現状で、何というのでしょうか、言葉はいろいろございましょうが、現状維持を強く主張して、これはこれでいいんだ、こうすべきだとおっしゃっても、国の政治のことでございますから、とにかく大きく事業するとか、考える場合には、直営よりもだんだん請負のほうに回していく、世相がそういうふうになっていて大きく転回しておるということは、これはどなたも否定はできないと思う。そういう中でありますから、今まで御協力をいただいた諸君には、今申し上げたように、ひとつ積極的に監督指導のほうに回る意欲のある人には、そういう機会を与えよう、そのためには、勉強しようとする人に勉強のできる場を作りましょう。また、そうでなしに、組のほうに入ってさらに働いていこうという意欲のある方には、組のほうに入って——組のほうに入ったらどうだろう、組に行ったらひどい目にあうとか、どうなるということは、これは建設省のほうでわが子を出してやるのでございますから、そういうことはされることはないと思います。そういう機会にもひとつ協力いたしましょう、あらゆる協力はいたしましょうと考えておるのでございますが、それを、今もたとえば東北地建の場合でも、これは相当に東北地建のそれぞれの出張所長もしくは地建局長あたりとの交渉の場において、必ずしも、私は報告を受けておりまして適切でない交渉の経緯をしばしば聞いております。したがいまして、今お話のような、交渉をしようといっても出てこぬじゃないかというようなお話があるのは、はなはだ遺憾でございますけれども、これはわれわれの責任者のほうにおいても遺憾の点があるかもしれませんが、と同時に、これはひとつそういうことで移り変わって参りまするこの建設省関係の諸君に御考慮をいただきたい。これはちょうど建設事業がこれだけ盛んになっているのでございますから、これは石炭産業のようでございますと、非常に困難な、同時にまた、そこで働いている人が職場を転換するのにも新しいほうにいかなければならないとか、いろいろなことにおいて非常にむずかしい。ああいうふうになっておられる諸君もある。しかし、その反面に、建設に携わっておられた諸君は、仕事はさらにどこへいってもたくさんあるのでございますから、御本人の意欲もしくは御本人の御希望によっては、幾らでもお世話申しましょうと言っておるのでございますから、それに御協力をいただける格好になるならば、建設的な話し合いならば、私は平静の場において建設的な話し合いをする、それらの意見を聞くということに時間をかすことに少しもやぶさかではございません。

田中一日本社会党

○田中一君 それじゃ近いうちに、まあ御不安というか、あまり暴力なんかを使っちゃ困るという考え方が各現場等にあると思う。私はそういうことのないような形で話し合いをするという場を作りますから、ひとつ応じていただきたいと思うのです。  それから、職員の問題はそれとして、今度一般労務者の場合、これは妙なものでしてね。たとえば半農半労という形の地域的な建設事業に参加している労働者が、現金収入を求める場合には、どうしても老人、女房等にたんぼをまかして建設産業の実際の労働者になっておるのです。名目はなるほど百姓として、土地を持っておりますから農民には変わりないのです。しかしながら、一年間通じてやはり建設産業の労働者として働いているというのが大体実態なのです。大農——大きな農業をやっておりませんから、大体三反か五反、あるいは一町歩なんというのはまれにあるくらいであって、この現場に来る人たちの多くは、ほんのネコの額のような耕作面積しか持っておらぬから、おばあさんとか、おやじさんとか、老人とか奥さんとかに頼んで現場に来ておる。こういう人たちがやはり何らかの形でその仕事にずっと継続できるような方法をとっていくべきだと思う。それは今まで、戦前から戦後を通じてずっと二カ月雇用という形式で、準職員とか、あるいは補助員とかいう形式で来た方々が、昨年、御承知のように大量定員化された。これは当然な権利であって、あたりまえだ。しかし、そうでない形のものもあり得ると思う。それらの雇用の問題も、これは何だお前は職安に行けばいいじゃないかとかいうことでなくて、その職場に精通している、五年も八年もそういう形でもって勤めている人がたくさんあるのです。これは河野さん、現場をお歩きになっておわかりと思いますけれども、たくさんあるのです。こういう方々を、これはもう請負になろうと何になろうと仕事があるわけですから、これに対する積極的な施策を考えてもらわなければならぬと思うのです。これは当然なことなんです。それも半年や一年来ているのじゃないのです。五年も六年も続いて建設省の現場に来ている。やはりこれは配置転換なんということじゃできませんから、強力なあっせんで職業的に安定するような道をはかってくれる考え方はありませんかどうか。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) よく実情に即しましてできるだけ御期待に沿うように努力いたします。

田中一日本社会党

○田中一君 それから、まだことしの現在においても、いわゆる建設労働者の地域的職別賃金というものは生きているわけなんです。これは官房長とも私いろいろ話をし、そして政府からも答弁書をもらっております。それは、かかる標準賃金で現在の建設労働者は使っておらないということ、労働省からも、かかる賃金体系というものは必要がないという態度を明らかにされております。ところが、相変わらず、この法律は生きておる。何にも使いものにならぬ法律が生きておる。そうして民間産業なりに働く者、公共事業に働く者の賃金というものは一応押えているわけなんです。これは単なる建設公共事業の労働者の賃金というものよりも、全体の立ちおくれの建設労働者の賃金というものに大きなマイナスになるものですから、これはひとつ本年度限りで廃法にしていただきたいのです。所管しておるのは、これは労働省が所管しておりますから、大橋労働大臣もこれは要らないと言っているのですから——私に明らかに言っているのです。ただ、どうも自分の力だけではとてもこれは大蔵省は納得しないから、何とか野党の力を持ってやってくれぬかなあなどということを言っているんです。おそらく河野さんの実力をもってするならば、田中角榮君も、もうこの際はうんと言うと思うのです。ことに今までの公共事業担当の主計官も、こういうものは必要ございませんということを明らかに答弁している。ただ、これは賃金部のほうでこれを抑えているわけなんですが、これはひとつ明らかに建設大臣の考え方を示してほしいのです。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 政府内部におきましても、大体そういう方向で今検討を進めておるようでございますから、私におきましても、積極的にひとつこの方向を支持して御期待に沿うことに努力いたします。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、それはあなたはやると言えばやれますよ。あなた、きのうの新聞に、道路整備費は今度四兆円を計上すると言ったんで、おそらく私は来年度は四兆円が計上されるものと思っております。ひとつ今の決意はほんとうのことであるというように理解して安心します。  それから、これはこまかいことになって、民間の職員の問題ですけれども、前建設大臣の中村さんは、昨年の三月に、こういう約束をしておるのです。建設業法に基づく施行令の中には、五十万円以下の請負工事というものは事業税の対象としない、請負登録をしないでもよろしいということになっておるんです。五十万円以下の請負工事は建設業法の登録をしないでも仕事ができるということに法律できめてあるのです。したがって、大蔵省のほうでも五十万円以下の請負工事の仕事に対しての利潤に対しては事業税をかけないということになっておるのです。ところが、今日一体五十万円という仕事というのはどういうものか、これはバラックの家一軒建たないです。一面も毎日々々一億円程度の仕事を消化している——あちらにいらっしゃる熊谷組みたいなところもあるし、そういう業者もある、登録業者は……。それからまた、年間かりに五百万程度の仕事を消化している建設業者もいるわけなんです。私は、登録をして、何を目的に登録するのかということになりますと、これは一般の大工さんなどが仕事をするのを規制しようというのではなくて、まあまあ百万円程度の工事といばえ、大工さん一人で作ってしまいます。百万円程度まで、建設業法の施行令に規定してありますところの登録しないでも仕事ができる範囲ということにきめる、きめようということを建設業審議会にかけるという約束を昨年の三月に中村建設大臣が私にした。私は、自分の選挙があったものだから、うやうやしているうちに一ぺんもそれを審議会にかけないでそのままになっている。これは中村さんも、あなたも仲間らしいから、ひとつ中村さんの約束したことをことし実行して下さい。さっそく建設業審議会にかけて、百万円程度まで引き上げるというようにしていただきたい。同時にこれに対しては、税金を取るほうの側からとやこう言いますから、そのほうもあわせて審議会の態度も明らかになるなら文句はありません。百万円程度の仕事は、御承知と思いますが、大工さんでもトビでも作ってしまうのですから、それをひとつどういうお考えか……。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 検討いたします。

田中一日本社会党

○田中一君 「検討」というが、建設大臣がすぱっと、何かきょうの新聞に出ているように、どこかの失対事業を審議会にかけずに勝手に左右しようとした——自分が実力者だからといって実力を過信してはいけません。やはりそれぞれ行政機構の中には制度があるのだから、建設業審議会にかけてきめて下さってけっこうなんです。「検討します」ということは——その事態は議事録に残っておりますから、官房長、昨年の予算委員会等の議事録をよくごらんになって、少なくとも国務大臣が当委員会において、国民の前において約束したことが果たせないということは、これはあっちゃならないと思う。したがって、中村前建設大臣が約束したことは、河野建設大臣が踏襲する義務があるのですから、「検討します」でなくして、そういう約束をしたならば、「必ずそうします」という答弁をして下さい。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 承知いたしました。

田中一日本社会党

○田中一君 単価の問題ですが、公営住宅は一〇%の単価の引き上げになっておりますが、それからほかに公団、公社等も若干ずつ値上げになっておりますけれども、土地、宅地の費用だけが相当大幅に、一割何歩かの単価が上がっておりますが、これは当然、場合によれば、昨年と同じように、土地価格が安く手に入った場合には、その金は建築のほうに流用していいのだ——昨年はそういうことだったと思うのです。ということに理解してよろしいのですね。

前田光嘉建設省住宅局長

○政府委員(前田光嘉君) 公営住宅につきましては、建設の実況にかんがみまして、若干の引き上げを行ないましたが、建設全般につきまして、今御指摘のように運用いたしまして、仕事が円滑にいくように考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 これは住宅局長それから営繕局長にお願いしておきますが、昨年大体入札に出す単価等は、どういう積算をしているか、内訳の明細を下さい。標準の明細、両方とも下さい。片一方は住宅、片一方は事務建築でいいから出して下さい。どういうふうな積算をしているか知りたいと思いますから。よろしゅうございますか。

建部仁彦建設省営繕局長

○政府委員(建部仁彦君) 資料を作成  します。

田中一日本社会党

○田中一君 オリンピックを目当てにして相当大幅に東京都は変貌しつつあるのでありますけれども、都市計画法に基づく用途指定というものは、今までのままの姿で放置されておるわけです。現在緑地帯等で工場適地にはどんどん工場が建っております。あたりまえだと思う。したがって、東京都の都市計画を根本的に、抜本的に、都民のため、あるいは国民全体のための用途に変えるというような考え方はないかどうか。これはこのままじゃどうにもなりません。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) ただいま御指摘の東京都の都市計画につきましては、従来第一次、第二次といいますか、順次積み重ねて参りまして現状に及んでおります。私は、これをこのまま推進することは必ずしも適当でない、現実にそぐわないものができておることは、今御指摘のとおりだと思います。同時に、東京都の将来につきましては、ひとつ思い切った考えをしなければいかぬのじゃなかろうかという意味におきまして、今までのものにとらわれずに、一応希望といたしましては、私は三月三十一日までに、今後すみやかに実行すべき東京都市計画は左のごときものであるというようなものを決定いたしたい。まあ決定になりますかどうか、案を少なくとも作りまして、そして今まで網をかぶっておりますものをはずすならはずす、たとえば、これは何メートルの道路予定地であるというものを、はずすものをはずしまして、全くの改訂版を出し、現実に即したものを出すようにせっかく今検討をせしめております。できました上でひとついろいろ御批判をいただきたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 それは河野さんが就任して、私がさっそくあなたに、なぜ首都圏整備委員長をとらないのかと言ったらとってしまった。それくらいの実力がありますから、今のことは全部できてしまいます。あなた、何といったって首都圏整備委員長をとらなければ計画はできません。私は意を強うしているのです。  そこでもう一つ、現在建築の確認申請は、大体建築士という資格を持っている者たちがやっておるのです。そこで私は、この際建築士に対して大幅な権限の移譲をしてほしいということを希望したいのです。それは常識的に何も、役人が、建築主事がこれは認める、認めないはきめるのですけれども、建築主事がどうこう言わないでも、建築士が自分の技術、識見によって、この分は一々許可申請しないでいいのだ、何々——石井一級建築士がやっておるのならば、これは許可事業なんてよろしいというようなことにすると事務の簡素化はできるのだ。それからたとえば共同検査にいたしましても、りっぱな共同検査をする機関もございます。専門に登録しておる人たちが共同検査をした場合には、これはこれでよろしいというような権限移譲をしてよろしいと思うのです。その時期に来ていると思う。ただただ役人が申請、確認に対して決定的な権限を持っている。みんな持っている。だから事務が渋滞するわけだ。あなた自身が考えている今度の機構改革の面におきましても、これは国の直接のものでありますから、できます。しかし、地方公共団体で行なわしめている建築関係の事務も、同じように建築士という称号を持っているりっぱな技術家がいるのですから、これに権限を移譲させるべきであると私は考える。たとえば登記事務を扱っている土地家屋調査士というのがございます。これらは土地家屋調査士が測量し、鑑定し、製図したものが、そのまま自動的に登記法によって、国が、登記所が保管しているところの台帳に載ってしまうのです。したがって、国民の利害というものは、その土地家屋調査士という、法務局が国家試験によって認めているさむらいによって自動的になってしまう。私は、建築士の場合にも、もはやある程度——全部が全部とは申しません、ある程度まで権限移譲して、そのかわりに、もしその建築士がだめならばぐんと縛ればいい。罰則も強化していいと思う。しかし、権限の移譲をするという方向が望ましいと思うのです。その点はどうお考えになりますか。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) よく勉強いたします。

田中一日本社会党

○田中一君 住宅局長、一言述べて下さい。

前田光嘉建設省住宅局長

○政府委員(前田光嘉君) 現在、建築士も相当ふえて、その資質も相当上がっておりますが、数多い建築士でございますし、これをどの程度にどの規模において権限を移譲して、一般の民間の建築を適正にやっていけるかという点について、かねてから検討いたしておりましたが、今後、建築基準法の改正につきまして、全面的に再検討を行なっておりますので、それと一体といたしまして、ただいま御指摘のような点になるべく沿うようにこの問題を処理しようと思います。現在検討している次第でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 その際に、やはり一級建築士、二級建築士という資格があるんです。これはやはり分類して、一本のものじゃだめだ、やはり一級はこれこれ、二級はこれこれという形に持っていっていただきたい、こう思うのです。

石井桂自由民主党

○石井桂君 ただいま田中委員の発言された、建築士に対して権限をまかす問題ですが、これは、私事を申しましてはなはだ恐縮なんですが、私が会長をしている日本建築士会連合会のほうからも、建設省に陳情書が出ております。それは建築士の仕事に、大体大きく分けると、建築の申請、確認の問題ですが、分野が二つあります。建築自体の強度とか衛生とか、そういう問題に対する建築自体の問題、建築本体の問題に対しては建築士に権限を移譲したほうがいい、それから都市計画関係の問題は、これは建設省の権限に残していていい、そういう趣旨のことを、陳情書をもちまして、私のほうの幹部から松澤政務次官まで、たしか陳情しているはずであります。一応申し上げておきます。よろしく御検討のほどをお願いします。

田中一日本社会党

○田中一君 市街地改造法が通って、ちっとも進まないわけです。これは大きな太鼓つきでやったのですが、たとえば東京でもこの地区、この地区、この地区できめておったうち、世界谷の三軒茶屋等はだめになりました。道路拡幅工事でもって事業を進行せざるを得なくなった。渋谷の上通も同じように、そうなりました。有楽町等もやろうとしたのがだめになりました。これは別の方法でやる。せめて大臣の認可したのは、新橋駅の西側、東側のあの区域がなかったわけです。しかし、これもオリンピック事業に予算が取られ過ぎちゃって何ら手はついておらないのです。聞くところによりますと、まあ五年後には、ということらしいように東京都は言っておるわけです。ところが、事態はもう進んでおるわけです。おそらく河野さん、車に乗っておいでになるからわからぬでしょうけれども、あの辺は地下鉄と、新幹線と、高速道路でめちゃくちゃです。あそこで商売をしておる人が商売できないのです。その地点は、せめても国から五千万でも一億でもいいいから、どっちみち起債でやるのですから、出してやって、東京都に、どの部分からでも市街地改造事業に着手するのだということにやっていただくことができないかという点です。現在どうにもならぬ商売の人がいます。これらは敷地もちゃんと決定してありますから、少しの起債でもいいわけなんです。しかし、あれだけの大きな事業をするのです。あそこでもって三百億程度かかるのです、全部。しかし、法律を作って国民が期待をかけておりながら、何ら出しておらない。大阪駅前にしてもそうです。なかなか進まないのです。まず東京都は、ほかはどこもだめになりましたから、一カ所だけでも手をつける、こういう方向をとっていただきたいと思うのです。これはひとつ、河野さんもわかっておられることだと思うのですが、わかっておらぬのじゃ困るのですよ。それは谷藤都市局長、答弁できるか。予算でやるのじゃないのですから、起債が十億きまっております、市街地改造法に。そのうち三千万でも五千万でも一億でも東京都に出してやればすぐやります。呼び水をやればやれるのですから……。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 田中さん御承知のとおり、東京都の場合には、金ではない。六大都市、ことに東京、大阪では、金でものができる、できぬということじゃない。金ならば幾らでも都合がつくはずであります。起債の申請をして参っておりません。これは非常に膨大なものでございますから、順次やるだろう。それを私のほうでもできるだけ協力して推進する役目はいたしますけれども、まだ地元がなかなかやかましゅうございまして、地元の協力が足らないのじゃないかという気がいたします。

田中一日本社会党

○田中一君 地元がやかましいというのは、だれが言うのですか。谷藤君が、都市局長が言うのですか、だれが言うのです。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) 東京都の新橋の場合につきましては、全体として新橋の南側の駅前を全部含めまして大きな市街地改造の区域になっておるわけであります。ところが、現在の新橋駅前の南玄関の所の広場と、今の国道との間に、十五号国道に沿いました部分が住民の話し合いがまだ十分ついておりませんために、東京都のほうでは、前から積極的に進められない。御承知のように、昭和通りは全部立体交差をしておりますので、その工事の、入口の国道から入ります汐留の交差点の立体交差ができないと、のど元を押えたような格好になっておるのであります。私どものほうでも積極的にあそこは早くやるように東京都のほうにも要請をしておりますから、あの外部の方々の話し合いが十分つかないために、今のところ進んでおらない状態になっております。ただし大阪、姫路その他の都市につきましては、この前も申し上げましたように、すでに施設建築物の地方債を要求いたしまして、ことしはついております。街路のほうは大体できまして、建築物にかかれるような態勢になっております。全体といたしまして、市街地改造の問題につきましては、法律も新しいために、各地方の住民の方も十分理解をいただいておりませんので、積極的に今のところこれを宣伝啓蒙をやっておるというのが事実でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、話し合いがつけばやるということですね。裏返しにすれば……。

谷藤正三建設省都市局長

○政府委員(谷藤正三君) そのとおりでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 それでは、私も都市局長に来てもらって——君はおそらく東京都から来ておる報告をそのままうのみにしておると思う。都市局長君が私と一緒に来て、みんなやるという答弁ですから安心しております。地元が了承したらすぐかかれるんだというふうに理解いたしましたから。ありがとうございました。  それから、きょうは予算に関連を持っておりますけれども、いずれ分科会でじっくり、せんだってまで伺った予算上の問題につきまして、大臣に質疑したいと思います。大体五時間程度とってもらえばよかろうと思います。これはもっとも参議院のほうに予算案が回ってきて後のことでありますが、そのようにひとつ必ず出るという約束を今のうちにまずしておいていただきたいと思います。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 委員長から最後に一つだけ御質問したいのですが、先ほど田中委員が質問されたうち、大臣が東京都の今後の計画について、三月三十一日までに、大体の計画の概要ですか、おまとめになって発表される、明らかにされるという御発言があったのですが、大体の構想というもの、今までのような既成概念にとらわれてやったのではだめである、思い切った着想でおやりになるような御発言があったのです。これについてもう少し、現状において大体おわかりになった程度でけっこうですが、構想ですね、明らかにできましたらその点御答弁願いたいと思うのです。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 私は、これまで東京都の都市計画を、相当意欲的に近代化して参ろうという設計ができておるのを知っております。しかも、これには非常な多額の金がかかるのでございます。同時に、市民諸君の御協力を得ることが非常にむずかしい。市民諸君の御協力もむずかしいし、金の面でもなかなか資金の調達が困難である。しかし反面、一般市民の側からしますれば、この路線はこれだけの幅にして、こういうふうにしてやるんだ、ここはこれだけの建築制限をするということになっておるということも私は聞いております。ところが、おおむね欧米の大都市について考えてみますると、既成の都市をそんなにこわしたり広げたりして新しいものにするということは、外国の地であまり私は見聞したことがございません。考えますのに、今あるものをこわしてこれをどういうふうにやり変える、どうだのこうだのということは、都市計画の学問の上からいうとどうか知りませんが、あまり利口な考え方じゃないじゃないか。今あるものをあるままにしておいて、必要な最小限度やむを得ざるものだけ直しまして、あとはむしろ新しい時代には新しい町を新しく作って、一番働きいいようなものを別に作ったほうがいいじゃないか、それが各欧米都市において行なわれておるものじゃなかろうか、こう思うのです。したがいまして、わが東京におきまして、私は日本の場合は、東京と大阪はそうじゃなかろうか。名古屋のように勇断をもってああいうふうにでき上がったものは非常にけっこうですけれども、今さら大阪、東京について、そういうことを企画いたしましても、非常に多額の金を使いまして、一般市民にも非常に迷惑をかけまして、そして一体何がその結果生まれてくるかと申しますと、やはり雑踏は依然として雑踏の連続であって、そこにすがすがしい都市ができるわけがない、道幅を広げれば自動車の数がたくさん入ってくるだけであって、少しも通りやすい道ができるわけではなかろうと思うわけであります。よって、現在の東京都については、必要最小限度の道路の整備もしくは区画の整理等を行なうにとどめまして、そして新たに東京周辺のしかるべき所にニュー・タウンの形式をとって、それぞれの業種別もしくは産業別の都市を作っていくことが賢明だろう、こう考えましてその方向に即して一つの案を作るように命じてあるわけでございます。できました上はしかるべき機関に諮りまして、そうして実現の方向にいきたい、こう考えております。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) もう一点簡単に伺いますが、東京都庁で十カ年計画というものを作っておりますね。御承知だと思うのです。それから政府の所得倍増十カ年計画に対応しまして詳細な計数もはじきまして、詳細に作っております。あの十カ年計画の構想とただいま建設大臣がお述べになった構想とは、これはまた別途の角度からのお考えであるかどうか、あの十カ年計画に沿うたものであるかどうか、その点をお伺いしたい。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 確かにそのとおりでございますが、そこで私は明らかに今申し上げましたような角度のものを想定いたしまして、でき上がったものについて既設のものと対比し、検討いたしまして、改定できるものがあれば改定して参りたい、そのしかるべき手続を踏んでいきたい、こう思っております。したがって今その立案方、制定方を命じてあるわけでありまして、でき上がりました上でどういうものができてくるか、順次固めていきたい、こう思っております。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 十カ年計画にはとらわれないでやはりおやりになる、こういうことですか。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) それはそのとおりです。十カ年計画は一応金の面では十カ年計画であれだけの金ができて、それだけの金があれば、あの程度のものができるだろう、あの程度のものは必要だろうということでお作りになったものだと思います。しかし、今私が申しましたように、あるべき姿のものを根本的に多額の金をかけて直すということは一体どうか。先進国においてもそういうことをやっておる国はないところをみると、やはり一考を要するのではなかろうか、こういう概念から、私は一つのアイデアを授けまして、そうして製図をさしております。そうしてそれができ上った上で各方面の御批判を十分ちょうだいいたしまして、むろん私の考え方が悪ければそれを強引に押すという考えはございませんけれども、こういう考えはどうでございましょうかということを、委員会、調査会等の議を経ていきたい、こう考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 関連、それは非常にいい考えです。ちょうど私のほうの今度都知事に出そうという阪本勝があなたの考えと同じ考えを持っている。非常にいい考えで、今までのものではだめです。非常に歓迎します。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) それでは、先ほどのは必ずしも十カ年計画にはとらわれないということでよろしゅうございますか。もっと着想を新たにしてお考えになるということに了承して……。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) それはそのとおりです。とらわれずに、私は、そういうふうにして考えましたものをしかるべき委員会、調査会の議を経て結論になるのであって、それらのものがもうすでに委員会、調査会を経て確定しておりますから、それを先ほども申しましたように勝手にどうするというようなことは考えておりません。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 別に御発言もなければ本日はこれにて散会いたします。    午後零時十三分散会    ————・————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗