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43回国会参議院1963/02/07

建設委員会 第3号

発言数
29
登壇者
7
会派数
3
開催日
1963/02/07

会議録

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) ただいまより建設委員会を開会いたします。  建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題といたします。  まず、建設行政の基本施策に関し、河野建設大臣の所信を承りたいと存じます。

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 今国会に提出いたします建設省関係の予算案及び法律案につき、皆様の御協力を得て御審議をいただくにあたりまして、建設行政の方針につきまして、その概要を申し上げたいと存じます。  最近におけるわが国経済は、高度の成長を続けて参っておりますが、その反面においては社会資本の貧困が露呈され、さらに都市の過大化、地域格差の拡大等の地域的課題が発生し、これらが今後のわが国の経済の安定成長あるいは国民生活の向上に対する阻害要因として重大な問題となってきているのであります、このような事態に対処するため、政府においてはかねてより公共投資を拡充し、社会資本の充実に努力してきたのでありますが、明昭和三十八年度においても、施策の最重点の一つとして公共投資をあげ、この際社会資本の立ちおくれを大幅に取り印し、各種のひずみの解消をはかって将来の発展の基盤をさらに強化いたしたいと考えているのであります。  建設行政は、これらの公共投資の中核をになうものでありますが、これからの建設行政は、長期的な国土建設の視点に立ち、新たに国民の期待する理想的な国づくりを目ざし、国土保全、産業基盤及び生活環境の整備等の各事業を総合的に推進し、先行的かつ重点的な公共投資の実現をはかる必要があります。  このため、道路、治水等既定の長期計画に関しては、根本的改定の要ありと考えられるのでありますが、明年度においてはその準備作業を急ぐとともに、道路の重点的整備、宅地の大規模な開発等々、実行可能な施策については、これを着実かつ積極的に実施に移す所存であります。また同時に、これらの建設事業の執行にあたっては、引き続き工事規模の適正化と国民に迷惑をかけない事業の執行方法の徹底等十全の配慮を尽したいと考えております。  以下、昭和三十八年度における建設行政の基本施策の重点につきまして御説明申し上げます。  まず、治水事業につきましては、近年激甚な災害の頻発する状況等にかんがみ、すでに本年度までに既定の五カ年計画に基づく事業について相当の繰り上げ施行をはかって参りましたが、引き続き明年度においても、次に申し上げる点に重点を置いて緊急施行を算する治水事業の大幅繰り上げ実施をはかり、災害復旧の進捗、海岸事業の促進と相待って、国土の保全に万全を期することといたしております。すなわち、河川改修及び砂防事業につきましては、特に経済効果の大きい重要な河川、近年災害の発生の著しい河川について事業の促進をはかるとともに、緊急を要する東京湾高潮対策事業につきましても、阪神地区と同様に緊急三カ年計画を策定し、事業を推進する考えであります。また、最近の水資源開発の急務にかんがみ、多目的ダム事業の促進をはかり、特に利根川、淀川両水系の開発を促進する所存であります。なお、河川行政につきましては、河川管理の適正を期するため、河川管理制度、ダム防災、水利制度等に関する規定を整備し、最近の社会情勢に対応した河川管理を行ない得るよう河川法の改正について準備を進めております。  次に、道路整備につきましては、最近における道路交通の実情にかんがみ明年度においては、特に道路交通の輻湊する地域の道路整備及び経済発展の基盤として地方開発の促進に資する道路整備に重点を置いて事業の拡大をはかることとしております。  道路施策の重点につきましては、第一に、全国的に幹線道路網の整備といたしまして、高速自動車国道の建設る推進するとともに、国土開発縦貫自動車道の調査についても積極的に促進いたします。一級国道については、全路線にわたり改築を促進し、交通の輻湊する都市及びその周辺には、再改築を推進いたしたいと考えております。  第二に、二級国道及び地方道につきましては、従来の計画を積極的に促進するとともに、踏切道の改善、待避所の設置等の応急対策事業を強力に実施する考えであります。  第三に、大都市交通対策事業といたしましては、大都市内の重要幹線道路、街路並びに高速道路等の整備を重点的に実施する所存であります。また地下占用工事による道路の掘り返しを防止するため、共同溝の設置を促進いたしたいと考えております。  第四に、積雪寒冷地域における雪寒対策事業につきましては、特に除雪事業に配意して強力に実施することとしております。  以上の諸施策のほか、道路管理の強化のため一級国道の直轄管理区間を延長するとともに、道路の清掃、美化等にも十分配意し、道路愛護精神の高揚をはかりたい所存であります。  次に住宅対策につきましては、第一に、低所得者のための公営住宅等の低家賃住宅の供給の増加をはかることとし、そのほか公庫、公団住宅等を含め政府施策住宅の戸数について増加をはかることとしております。  第二に、住宅の質の向上をはかるため、規模の増加、不燃堅牢化、中高層化を推進することといたしております。第三に、住宅金融公庫において農山漁村向け特別貸付住宅の戸数を増加するとともに、新たに、住宅改修資金貸付制度を設け、主として農山漁村住宅の改善を推進することといたしております。  第四に、住宅の建設にあたり、工期の短縮、労務の節約、建設費の低廉化をはかるため、政府施策住宅の量産化を推進することといたしております。  次に、宅地対策につきましては、住宅対策推進上の重要課題でもありますので、明年度においては、特に力を注ぐ所存であります。  まず、最近における宅地の入手難及び宅地価格の高騰に対処するための制度上の措置については、昭和三十七年度から建設省に設置された宅地制度審議会において調査審議を進めておりますが、さしあたり住宅地開発事業に対する収用権の付与、不動産鑑定評価制度等について、同審議会からの答申を得て所要の措置を講ずるほか、さらに土地利用計画の整備等宅地問題を根本的に解決するための諸制度の整備についても、同審議会の答申を得てあらためて所要の措置を講ずる所存であります。  さらに、日本住宅公団による宅地造成事業及び住宅金融公庫融資による地方公共団体等の宅地造成事業等を大幅に増大して宅地供給の増加をはかる考えでありまして、これに関連して次のように立法措置等を考慮いたしております。  その第一は、新住宅市街地の開発についての立法措置であります。良好な住宅地の大規模な供給をはかるためには宅地の造成、分譲、関連公共施設の整備等に関する新住宅市街地開発事業を施行する必要がありますので、所要の立法措置を講じたいと存じます。  第二は、日本住宅公団及び住宅金融公庫の宅地債券の発行であります。分譲宅地造成の事業資金を確保するための一方策として、同公団及び公庫において新たに宅地債券を発行することとし、この債券の一定額以上の購入者には住宅公団、地方公共団体等の造成する宅地を提供するようにいたしたいと考えております。  なお、市街地における土地の合理的利用を一そう促進する必要がありますので、一定の区域について建築物の高さの制限を緩和して、容積を規制する容積地区を指定することとする等、建築基準法の改正の検討を進めております。  次に、都市施設の整備について申し上げます。  近年、人口及び産業の急激な都市集中特に大都市に対する過度集中の結果、都市における公共施設の整備が相対的に追随できず立ちおくれを来たしている実情でありますしこの解決のためには、人口、産業の大都市に対する過度集中を緩和し、その地方分散をはかるための新産業都市の育成その他の諸方策を進める一方、すでに低下を来たしている都市機能を回復させるため、都市における公共施設を急速に充実させる必要があります。このため明年度における都市計画事業につきましては、  第一に、交通関係諸施設については街路、都市高速道路及び駐車場の整備を急速に推進いたす所存であります。特に東京都につきましては、オリンピック東京大会の開催を明年に控えていることでもあり、関連する街路等の整備に、力を注ぎたいと考えております。  第二に、このような人口集中の結果生じている市街地の乱雑化を改め、あわせて公共施設の整備拡充を行なう土地区画整理事業及び市街地改造事業については、引き続きその推進をはかる考えでありますが、特に土地区画整理組合が自主的に行なう土地区画整理事業に対し、財政的に国の援助が必要でありますので、土地区画整理組合に対して、事業資金の貸付を行なう都道府県に対し国の資金の貸付けを行なうこととしております。  第三に、下水道及び公園緑地の整備について格段の努力を払う所存であります。特に下水道は非常に普及がおくれておりますので、新たに五カ年計画を策定し、緊急に整備を必要とする地域について計画的な整備を行なって参る所存であります。  次に、以上述べましたような所管事業量の大幅な増大に関連して、その合理的、能率的な遂行に資するためには試験 研究機関を中心として設計基準の標準化及び規格化をはかるとともに、建設技術の高度化に十分対応し得るすぐれた職員の養成訓練を行ない、事業の能率的運営をはかることが必要であると考えます。このような見地から当省附属の研究、研修機関等における試験、研究あるいは教育訓練につきまして、その内容を一段と充実して参りたいと考えております。  以上昭和三十八年度建設省施策の重点について申し述べたのでありますが、これらの諸施策の適確な推進をはかるため、明年度において当省の支分部局である地方建設局を総合的な行政機関として改革する予定であります。すなわち、現在地方建設局は主として河川、道路等の直轄事業を実施しているのでありますが、今後は都市計画、住宅関係を含めた行政事務並びに、補助金関係の事務をも分掌せしめることとし、地域の特性に応じた総合的な建設行政の実施を促進するとともに、あわせて所管行政の合理的運営をはかる考えであります。  以上建設行政に関する諸施策の概要を申し述べたのでありますが、各位の御協力を得まして建設省関係予算案及び法律案の御審議が円滑に行なわれますようお願いいたす次第であります。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 次に、昭和三十八年度建設関係予算の概要説明を願います。

松澤雄藏自由民主党建設政務次官

○政府委員(松沢雄蔵君) ただいま大臣より建設行政施策全体にわたり基本方針を申し述べましたが、これに基きまして建設省関係の昭和三十八年度歳入歳出予算につきまして、その概略を御説明いたします。  まず、総額について申しますと、建設省所管の一般会計歳入歳出予算といたしましては、歳入は十三億四千五百余万円、歳出は三千三百六十一億三千四百余万円であります。歳出におきましては、このほかに、総理府及び労働省の所管予算として計上されますが、実質上建設省所管の事業として実施される予定の経費等がありますので、これらを合わせますと、昭和三十八年度の建設省関係予算は、三千八百七十一億九千五百余万円となり、前年度の当初予算に比べ四百三十六億九千四百余万円、また、前年度の補正後の予算に比べ、三百二十二億五千余万円の増加となっております。なお、このほかに国庫債務負担行為として、国立国際会館建設に八億五千万円を予定いたしております。  次に特別会計予算の概要を御説明いたします。治水特別会計の昭和三十八年度の予算総額は、歳入歳出とも八百七十六億七千百余万円で、前年度の当初予算に比べ百八億七百余万円、また前年度の補正後の予算に比べ百五億六千八百余万円の増となっております。これを勘定別にいたしますと、まず、治水勘定につきましては、総額六百九十億八千二百余万円で、前年度の当初予算に比べ八十一億五千八百余万円の増でありまして、うち一般会計より受け入れとして五百三十八億千五百余万円、地方公共団体工事費負担金収入として百億六千百万円を予定いたしております。  また、特定多目的ダム建設工事勘定につきましては、総額百八十五億八千九百余万円で、前年度の当初予算に比べ二十六億四千八百余万円の増でありまして、うち一般会計より受け入れとして、九十七億八千六百余万円、地方公共団体工事費負担金収入として三十億四千五百万円、電気事業者等工事費負担金収入として三十九億千四百余万円を予定しております。  なお、このほかに国庫債務負担行為として、直轄河川改修事業に二十三億円、直轄砂防事業に一億八千万円、多目的ダム建設事業に四十九億五千万円を予定いたしております。  次に、道路整備特別会計でありますが、本特別会計の昭和三十八年度予算総額は、歳入歳出とも二千五百五億七千二百余万円で、前年度の当初予算に比べ四百三十四億二千二百余万円、また、前年度の補正後の予算に比べ四百三十一億四千五百余万円の増でありまして、うち一般会計より受け入れとして二千二百四十四億七千百万円、地方公共団体工事費負担金収入として百八十九億七百万円、前年度剰余金の受け入れとして十億四千万円を予定いたしております。  なお、このほかに、国庫債務負担行為として、直轄道路改策事業に百七十億円、道都圏街路事業費補助に四十五億円を予定いたしております。  次に、個々の事業予算の重点について御説明いたします。  第一に、治水事業につきましては、国土の保全と民生の安定を期する見地から、事業の格段の促進に努めてきたところでありますが、近年の災害の発生の状況及び水資源開発の急務にかんがみ、昭和三十八年度におきましては治水事業前期五カ年計画の第四年度として、緊急を要する事業に重点を置いて、大幅繰り上げ実施をはかることとしております。昭和三十八年度の治水事業関係予算のおもなものとしては、治水特別会計において、河川事業に四百四十七億円、多目的ダム建設事業に二百三億三千五百余万円、砂防事業に百四十五億五千九百万円、水資源開発公団交付金に十八億四千百万円、一般会計において、海岸事業に二十二億六千余万円、チリ地震津波災害地域津波対策事業に二億七千六百万円、伊勢湾高潮対策事業補助事業分に四十四億七千二百万円を予定しております。  次に、そのおもな内容について申し上げます。  まず、河川事業につきましては、経済効果の大きい重要な河川、最近水害の著しい河川、放水路、捷水路工事及び大規模な引堤工事を施行している河川、大阪湾及び東京湾地域における高潮対策並びに低地地域における排水ポンプの整備等に重点を置いて、事業の促進をはかる方針であります。すなわち、直轄河川については、継続施行中の利根川等百河川及び北海道の特殊河川として十六河川の事業を実施する予定であります。補助事業におきましては、中小河川改修事業として継続施行中の三百七十四河川のほか、緊急に改修を要する三十河川を新規に採択するとともに、小規模河川改修事業として継続施行中の二百四十九河川のほか、新規に七十二河川の着工を予定し事業の促進をはかることとしております。  高潮対策事業につきましては、その緊要性にかんがみ、東京地区について既定計画を再検討の上、昭和三十八年度以降緊急三カ年計画を策定し、事業の推進をはかることとし、大阪地区についても、前年度に引き続き、緊急三カ年計画に基づき事業の促進をはかることといたしております。  多目的ダム建設事業につきましては、治水効果及び用水需要の増大を考慮して、事業の促進をはかることといたしております、すなわち、直轄事業では十一ダムを継続して施行するほか、新規に天竜川の小渋ダムに着工することとし、また、実施計画調査としては、三ダムの調査を継続するほか、新規に吉野川の早明浦ダム及び天塩川の岩尾内ダムの調査に着手することといたしております。補助事業としては、二十のダムを継続して施行するほか、新規に沼田川の椋梨ダム等六ダムを着手することとし、また、実施計画調査としては、三つのダムの調査を継続するほか、新規に養老川の養老ダム等七ダムの調査を実施する予定にいたしております。また、水資源開発公団において行なう利根川矢木沢ダム等三ダムの建設事業に対し、建設費の治水負担分として交付金を交付し、その促進をはかることといたしております。  次に砂防事業につきましては、直轄事業として継続施行中の二十六水について実施するとともに、地すべり対策事業として継続施行中の四水系について実施することとしております。補助事業としては、近年災害発生の著しい河川及び土砂による被害の著しい河川に重点を置いて施行するとともに、都市周辺及び重要地域における予防砂防を実施することとしております。  次に、海岸事業につきましては、近年頻発する海岸災害の被害状況及び海岸災害の被害状況及び海岸事業の進捗の状況にかんがみ、重要な地域における海岸保全施設の整備に重点を置き、直轄事業としては、継続施行中の八海岸のほか、新規に岡山海岸に着手し、事業の促進をはかることとしております。補助事業についても、同様の方針に基づいて実施することとし、高潮対策事業、海岸浸食対策事業として継続施行中の七十七海岸のほか、新規に三十三海岸を予定し、重点的に事業を促進する方針であります。  また、チリ地震津波災害地域津波対策事業につきましては、昭和三十八年度以降おおむね四カ年で完成することを目途に、事業の促進をはかることとしております。  伊勢湾高潮対策事業につまきしては、直轄事業は昭和三十七年度に完了しましたが、補助事業についても昭和三十八年度中に完了する予定であります。  第二に、災害復旧対策関係予算について御説明いたします。  災害復旧対策関係の予算総額は、一般会計よりの歳出として四百億六千百余万円でありまして、その内訳は、災害復旧事業費三百五十七億一千百余万円、災害関連事業費四十二億百余万円、鉱害復旧事業費一億四千八百余万円であります。そのおもな内容を申し上げますと、まず、災害復旧事業費につきましては、直轄災害は、内地二カ年、北海道三カ年復旧の方針に基づき、三十六年災は完了し、三十七年災は内地分は完了し、北海道分は八〇%の進捗をはかることといたしております、補助災害につきましては、緊要事業は三カ年、全体として四カ年で復旧する方針のもとに、事業の進捗をはかることとしております。  また災害関連事業につきましては、災害復旧事業にあわせて、適切な実施をはかり、再度の災害を防止するため効果を上げることといたしております。  第三に、道路整備事業について御説明いたします。  政府におきましては、経済の高度成長に伴う自動車輸送の需要増大の趨勢に即応して、道路整備五カ年計画に基づく道路整備を積極的に推進することといたしておりますが、昭和三十八年度におきましては、一級国道の一次改築、大都市及びその周辺地域の道路の再改築並びにオリンピック関連道路一大都市地域の道路、産業開発及び観光上重要な地方道路の整備に重点を置いて、積極的に事業の推進をはかることとしております。  昭和三十八年度における一般道路事業予算のおもなものといたしましては、一級国道に一千六十二億八百余万円、二級国道に三百六十一億三千二百余万円、主要地方道に三百六十九億九千八百余万円、一般地方道に二百七十七億五千八百余万円、市町村道に二百十二億三千七百余万円を予定し、これにより国道及び地方道を含めて約二千七百三十キロメドトルの改良及び橋梁の工事と約二千三百キロメートルの舗装工事を実施し、五カ年計画に対して改良及び橋梁の工事については事業費でおおむね五三%、舗装工事についてはおおむね四五%を達成することといたしております。また、特に踏切道の立体交差化、待避所及び共同溝の設置等につきましても、積極的に推進をはかる考えであります。なお、従来に引き続き、内地の一級国道のうち、交通量の特に多い区間を、国が直轄で維持管理を行なうこととし、昭和三十八年度におきましては、さらにこの区間を約七百キロメートル追加して合計約五千キロメートルとする予定であります。  なお、このほか国土開発縦貫自動車道の路線について調査を促進するための調査費として一億六千万円を計上しておりますが、これにより東北、中国、九州、北陸、四国、中央の各自動車道について調査を促進するとともに、新たに、北海道自動車の調査に着手することとし、また、本州四国連絡架橋調査費については、三億五千万円を計上し、本格的調査を進めることにいたしております。  なお、積雪寒冷特別地域における道路交通を確保するため、これに必要な道路事業費及び機械費として四十三億二千七百万円を計上しております。  また、街路事業の予算につきましては、前述の道路関係予算に五百二十二億三千六百万円が含まれておりますが、これによりまして、社体交差を含む道路改良、橋梁整備及び舗装新設等の街路事業を実施して、都市内交通の円滑化をはかるほか、人家の密集した地区で、幹線街路の整備とともに市街地の合理的利用をも必要とする地区において、都市改造土地区画整理事業及び市街地改造事業の実施を推進いたしたいと考えております。  次に、有料道路について御説明いたします。  まず、日本道路公団につきましては、道路整備特別会計からの出質金九十五億円のほか、借入金等を合わせて八百七億六千四百万円の質金により、事業を行なうこととしておりまして、高速道路については、名神高速道路小牧−西宮間のうち京都−栗東間を六月に、これを含む尼崎−栗東間約七十二キロメートルを本年度中に完成するとともに、その他の区間についても工事の促進をはかり、また、東京−富士吉田間の国土開発縦貫自動車道中央自動車道及び東海道幹線自動車国道の建設の促進をはかり、一般有料道路については、第三京浜道路等の工事を、前年度に引き続き促進するとともに、若干の新規の事業にも着手する予定であります。  次に、首都高速道路公団の事業につきましては、道路整備特別会計からの出資金十五億円、東京都出資金十五億円のほか、借入金等を合わせて三百七十六億七千六百万円の資金により、事業を行なうこととしておりまして、首都高速道路については、昭和三十七年度において実施している七路線のうち、六号線を除く、六路線を継続実施することとし、このうち、一号線について東京日本橋本町三丁目、鈴ケ森間約一二・五キロを昭和三十八年度中に供用開始することとしており、また、駐車場については、江戸橋ほか二カ所を継続実施し、その全部を完成する予定であります。  次に、阪神高速道路公団の事業につきましては、道路整備特別会計からの出資金二億円、地方公共団体からの出資金二億円のほか、借入金等を合わせて六十六億二千二百万円の資金により、事業を行なうこととしておりまして、昭和三十七年度に引き続き、大阪一号線を継続実施し、このうち難波−土佐堀間約二・八粁を年度内にほぼ完成するほか、新規に神戸一号線に着手する予定であります。  第四に、都市計画事業について御説明いたします。  昭和三十八年度における都市計画事業関係予算は六百七億二千五百万円であります。このうち、まず、街路関係事業の予算額は、首都高速道路公団及び阪神高速道路公団に対する出資金を含め五百三十九億三千六百万円でありまして、これにつきましては、すでに申し述べました道路整備特別会計に計上されております。  次に、一般会計に計上されております都市計画事業の予算額は六十七億八千九百万円でありまして、これにより下水道、公園等の整備をはかることにしております。  下水道関係の予算額は六十四億七千万円で、前年度に比し十七億六千六百万円の増でありますが、事業の緊要性にかんがみ、昭和三十八年度から下水道整備五カ年計画を策定し、都市施設中最もおくれている下水道の整備の促進に努める保存であります。  公園関係の予算額は、三億一千九百万円でありまして、国営公園、都市公園及び墓園等の整備をはかることとしております。  第五に、住宅及び宅地対策について御説明いたします。  政府は、国民生活の向上安定と社会福祉の充実を期するため、十カ年に約一千万戸の住宅を建設する目標のもとに、昭和三十六年度以降五カ年間に約四百万戸の住宅の建設を見込み、特に低家賃住宅の大量供給と、不良、老朽、過密居住宅の一掃をはかるため、政府施策住宅として六百万戸の建設を予定しておりますが、昭和三十八年度におきましては、二十八万七千戸の建設を計画しております、この戸数は、前年度に比較いたしますと、二万二千戸の増となっておりますが、特に昭和三十八年度におきましては、住宅の質の向上をはかるため、不燃堅牢構造の住宅の増加に重点を置くとともに、建設単価の是正をはかることとしております。  また、民間自力によって建設される住宅は、最近の実績より見て約五十万戸程度と推定されますので、これを合わせて昭和三十八年度におきましては、約七十八万七千戸の住宅の建設を見込んでおります。なお、最近における宅地の入手難及び地価の高騰に対処するため、宅地供給量の大幅な増加をはかることとし、このため日本住宅公団における宅地開発事業及び住宅金融公庫における宅地の取得、造成に対する融資について、その資金量の増大をはかるとともに、地方公共団体及び土地区画整理組合において土地区画整理事業方式による宅地造成を推進して参る考えであります。  政府施策住宅に対する予算措置としては公営住宅に対しましては、一般会計予算において二百二十一億百余万円を予定し、第一種住宅一一万二千三百戸、第二種住宅三万三千七百戸、計五万六千戸及び災害復旧のための第二種住宅三十二月の建設に対し補助することとしております。  住宅地区改良事業といたしましては、一般会計予算において二十五億三千余万円を予定し、劣悪な居住環境を改善し、あわせて市街地の合理的利用をはかるため、不良住宅の除却及び改良住宅四千五百戸の建設に対し補助することとしております。  次に、住宅金融公庫におきましては、産業投資特別会計よりの出資金九十五億円のほか、借入金等合わせて七百九億六千三百万円の資金により、十二万八千戸の住宅建設、三百万坪の宅地の取得、三百三十五万坪の宅地の造成及び被災佐宅の復興に要する資金の貸付を行なうこととし、このほか農山漁村住宅等の改善を促進するため、新たに住宅改修資金の貸付制度を設け、約八千件の改修融資を行なうこととしております。なお、分譲宅地の供給の増大をはかるため、宅地需要者に対して計画的な資金積立を奨励することとし、このため新たに宅地債券九億円を発行することとしております。  また、日本住宅公団におきましては、産業投資特別会計からの出資金八十億円のほか、借入金等を合わせて七百五十四億円の資金により、賃貸住宅二万二千戸、分譲住宅一万一千戸の建設、市街地施設の建設を行なうとともに、宅地については、一千三百二十五万坪の住宅用地及び四百四十万坪の工業用地の取得造成事業を行なうこととしております。なお、住宅金融公庫におけると同様に、新たに宅地債券十億円を発行することとしております。  以上のほか、都市における火災その他の災害を防止し、あわせて土地の合理的利用の促進及び環境の整備をはかるため、防災街区造成に対する補助金として、一般会計予算において二億八千万円を予定しております。  第六に、官庁営繕について御説明いたします。  建設省で実施いたします官庁営繕のうち、建設省所管予算として計上されておりますのは、六十八億七千七百余万円でありまして、前年度予算に比し十一億四千六百余万円の増額となっております。実施にあたりましては、算に中央官庁地域の早期整備と、中央、地方の合同庁舎の建設、その他一般官署の建てかえ丁国立国際会館の建設の促進等に重点を置くことといたしております。  このほかに、オリンピック東東大会実施準備費として二十五億七千二百余円を計上し、前年度に引き続き、事業を実施することといたしております。  以上のほか、昭和三十八年度予算中のおもなものについて申し上げますと、産業開発青年隊につきましては、五千七百余万円を計上し、幹部及び中央隊の訓練を行なうともに、道府県の青年隊の運営費等を補助することとし、また、中央訓練所を拡充して技能訓練の徹底を期することとしております。  水防対策につきましては八千五百余万円を計上し、無線局の増設並びに水防施設の整備に対する補助等を行ない、水防態勢の強化充実をはかることといたしております。  次に、土地区画整理組合貸付金について御説明いたします。この経費は、前述の宅地対策の一環として、氏間自力による宅地造成の促進をはかるため、土地区画整理組合に対し宅地造成土地区画整理事業に必要な資金の貸付を行なう都道府県を対象として、国がその所要資金の一部に相当する資金を無利子で貸し付ける新たな制度でありまして、昭和三十八年度は、二億円を計上しております。  以上が昭和三十八年度の予算の概要でありますが、なお、組織関係のおもなものといたしましては、付属機関においては、建設研修所を改組して建設大学校を設置し、地方建設局においては、昭和三十八年七月一日から実施する本省からの事務の大幅な委譲に伴い、計画管理部を新設する等所要の整備を行なうことといたしております。  定員につきましては、昭和三十八年度においては、前述の本省から地方建設局への事務の委譲に伴う本省から地方建設局への定員の振りかえ、また、地方建設局においては治水・道路両特別会計から一般会計への定員の振りかえ等がありますが、全体としては増減はなく、したがって、昭和三十八年度における建設省の定員は三万五千七百二十人となります。  以上をもちまして、昭和三十八年度の建設省関係の一般会計予算及び特別会計予算の説明を終ります。よろしく御審議のほどをお願いいたします。

田中一日本社会党

○田中一君 建設大臣も帰ってしまうし、政務次官もこの説明が済むと帰ってしまうと困るから、ちょっと要求しておきたい資料がある。それは、今説明された予算の中で、大体三月一ぱいで施行されるものと考えますけれども、御承知のように毎年繰り越し予算が消化できないものがある。したがって、この予算の中で想定される三十七年度予算のうち、三十八年度に繰り越される分は、どのくらい見込んでおるか。これは各所管別に資料を出してほしいと思うんです。  昭和三十七年度は、完全に消化し得るというなら、そういう答弁でけっこうです。関係機関も全部出していただきたい、いいですか。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) ほかに何か資料要求ございませんか。——なければ、あとでまた事務局のほうへ御要求していただいて、資料要求したいと思います。  以上で河野建設大臣の基本政策及び松澤建設政務次官の予算概要について説明を聴取いたしましたが、これに対する質疑は後日に譲ります。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 次に、今国会提出予定法律案に対し、山本官房長より説明を願います。

山本幸雄建設大臣官房長

○政府委員(山本幸雄君) 本国会に建設省から提出いたしまする予定の法案につきましては、いずれ詳しく御審議願う機会があるのでありますが、今次国会にどの程度のものを考えておるかということを、きわめて簡単に御説明を申し上げます。  ただいま予定しておりまするのは十三件でありまして、そのうち予算関係の法律案は四件、その他九件であります。この九件の中にはなお検討中のもの二件を含んでおります。  以下、各法律案の内容について、簡単に御説明申し上げます。  第一は、建設省設置法の一部を改正する法律案でございます。もっともこれは内閣委員会で御審議を願うことになる法律案でございます。建設省といたしましては、重要な法律案なのでございます。内容としましては二点ございまして、第一点は、地方建設局への事務の委譲、もう一つは、建設研修所を建設大学校に改めるということの二点でございます。  このうち、第一の地方建設局の事務分掌範囲の拡大につきましては、地域の特性に応じた建設行政の実施を促進する。従来、地方建設局の所管しておりまする事務のほか、計画あるいは集約といったような行政事務をも移す。さらにまた、建設省自体はなるべく企画的な事務に集約をしていって、建設省の窓口というものを国民に近接したところに置くというのが今回の事務委譲のねらいでございます。なお、今、地方建設局でやっております直轄工事の仕事、事務は現状のままであります。委譲いたしまする事務の内容は、一般行政事務あるいは補助金関係事務等ございますが、これらに伴いまして機構あるいは定員について、それぞれ措置をいたすものでございます。  第二は、共同溝の整備等に関する特別措置法案でございます。これは、交通が著しく輻湊している道路あるいは輻湊することが予想されます道路で、道路の掘さくを伴う道路の占用工事がひんぱんに行なわれますることによって道路が悪くなる、あるいは道路交通が支障を受けるというようなものを、共同溝設置道路として建設大臣が指定いたしますると、その道路の道路管理者が共同溝を設置することにいたしまして、その場合の費用の一部を関係の公益事業者、これは電気通信、電線、ガス管、水道管といったようなものがおもな内容でございますが、そうした関係公益事業者に負担をさせますとともに、国も一定の割合によりまして補助をいたし、あるいはみずから負担するというものでございます。  次は、住宅金融公庫法及び日本住宅公団法の一部を改正する法律案でございます。なお内容は二つありまして、一つは、住宅金融公庫におきまして、住宅改修資金の貸付制度を設けるものであります。主として農村向けといたしたいのでございます。第二は、住宅金融公庫宅地債券、それから日本住宅公団宅地債券の発行に関するものでありまして、この宅地債券を引き受けた者に対しまして、宅地の譲り受け人の選定の際に、特別の取り扱いをせんとするものでございます。  次は、土地区画整理法の一部を改正する法律案、これは新たな宅地を造成するための土地区画整理事業を施行する土地区画整理組合に対しまして、都道府県の資金の貸付を行ないまするにあたりまして、国は予算の範囲内におきまして無利子で必要な資金の貸付を行なうことができるようにしたい趣旨のものでございます。これに対しまして、土地区画整理事業の開始の段階におきまして、資金調達の便を与えんとするものでございます。  以上四件が予算関係法律案でございまして、以下その他の法律案について御説明をいたします。  下水道及び清掃施設の整備を促進するための緊急措置に関する法律案、これは予算に無関係というわけではありませんけれども、下水道並びに清掃施設の整備五カ年計画というものをはっきりとさせたいという趣旨の立法でございます。下水道と清掃施設の整備五カ年計画というものを昭和三十八年度以降に実施をいたしますものでありまして、建設大臣の権限といたしましては、下水道のうち終末処理場を除く部分について、それから厚生大臣の権限といたしましては、この終末処理場と屎尿及びごみの処理のための消掃施設について、それぞれ整備計画を作りまして国の決定を求め、それに基づいて国が必要な措置を講ぜんとするものであります。これは、厚生省と共同提案にかかるものでございます。  次は、新住宅市街地開発法案でございますが、これは、人口集中が非常に著しい都市あるいはまた周辺等におきまして、住宅地の大規模な供給をはかりまするために、新住宅市街地開発事業の制度を創設いたしまして、地方公共団体または日本住宅公団などを事業の施行者といたしまして、用地の取得にあたりまして収用権あるいは先買い権を与えんとするものであります。また、宅地の処分につきまして、住宅が建設され住宅地として利用されるように措置を講ぜんとするものでございます。  次は、建築基準法の一部を改正する法律案でございます。最近におきまする、特に都市における土地の合理的、効率的な利用ということが非常に要望されて参っておるのに対処いたしまして、都市計画上あるいは土地利用上必要があると認められる地区を容積地区ということにいたしまして、その地区内におきましては、建築物の保有面積の敷地面積に対する割合は法律で定める一定限度以内でなければならないという、いわゆる容積率をきめようというものでございます。この容積地域制度というものは、欧米諸都市において採用されておるものでありまして、この制度を今回わが国も取り入れんとするものでござます。  河川法案及び河川法の施行法案、これは御承知のように、現行の河川法というものは相当古い法典でございますが、だんだんと社会の進展に伴いまして、河川管理制度、ダム防災、あるいはまた特に最近やかましい水利制度といったようなものの規定を整備する必要が生じてきておるように考えられますので、それらの事項について所要の改正をいたしたいというものでございます。  それから次は、屋外広告物法の一部を改正する法律案、屋外広告物法に基づく条例に違反をいたしまして張り出されました張り紙あるいは布製の張り札といったようなものを除きまするのは、非常に手続が今複雑でありまして、時日を要するために、この手続を簡素化して、行政代執行法の手続によることなく、都道府県知事またはその命じた者あるいは委任した者がみずから除却ができるというふうにいたしたいという趣旨のものでございます。  それから不動産鑑定士法案、これは不動産の鑑定評価を行なう者の資格、業務組織などを規制することによりまして、権威ある鑑定人を育成することによりまして、不動産価格形成の適正化、合理化あるいは不動産取引の円滑化に資したいという目的のものであって、鑑定人につきまして高度の資格試験を行なって、登録を実施していきたいという趣旨のものでございます。  なお、検討中の法案といたしまして、高速自動車国道法の一部を改正する法律案、これは高速自動車国道を通行することができる自動車の種類というものは、交通に危険を及ぼしあるいは交通の円滑を阻害することのないようなものに限定をする、いわば車種別の規制というものをやりたいという趣旨のものでございます。  最後の公共物管理法案は、今いろいろの法律で公共物についての規制は行なわれておるわけでございますが、これらの法律に管理に関しまして特別の定めのないものにつきまして、これらの規制について適切なる管理をはかるための法律案を作りたいという趣旨のものでございます。  以上、簡単に御説明を申し上げましたが、これらの法律案の国会に提出をいたしていきまする時期でございますが、予算関係法律案につきましては、ここ数日中には国会に提出になる段取りになろうかと思います。  下水道、それから新庄宅市街地は、ややおくれまして二月の中旬ないし下旬ころになりはしないか。それから建築基準法以下のものにつきましては、三月に入ることかと思います。なかんずく河川法案は、ややそれよりもおくれて国会に提出される段取りになるかと思います。ただいま極力関係方面と事務的に折衝中でございまして、できるだけ早く国会に提出をいたしまして御審議をいただきたいと考えております。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) ただいまの官房長の説明に対して、御意見、御質疑ございますか。

田中一日本社会党

○田中一君 この提案は全部衆議院先議になるのですか、それとも参議院先議の部分があるなら説明をしていただきたい。

山本幸雄建設大臣官房長

○政府委員(山本幸雄君) その点は、先ほど委員長とも御相談をしたいということで、お話もいたしておったわけでございますので、後ほど……。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 委員長から申し上げます。終わりましてから理事会を開きまして、いずれも予算関係については衆議院先議ということになっておりますので、予算関係以外につきまして、今予定されておる法案のうちどれを参議院で先議を希望するかどうか、その点あとで理事会で御相談したいと思うのですが、それでよろしいですか。御希望がありましたら、御意見を伺いたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 これはむろん、参議院の理事会だけの意思で決定さるべきものではない。そこで、一応従来の慣例といいますか、こちらへ提案しようという心がまえは、提案するほうの政府の側に何か持っていなければならぬと思う。たとえば、ここで、委員会終了後、あるいは委員会の途中でも、委員長理事打合せ会で、これは参議院に出してくれという要請をしても、あなたのほうで、それを決定することはできないと思う。やはり衆議院にも話し合いをしなければならぬと思う。その点、衆議院はきのう建設委員会を持ったのですから、一応衆議院にも同じような相談をしていると思う。だから、衆議院ではこれこれでございますという答弁をしても、一向差しつかえないと思うのです。結局、今のようにげたを当委員会に預けるような態度はいけないのです。現に昨日衆議院の建設委員会を開いておるのですから、一応向こうの状況なり政府の心がまえなりというものを表明するのは従来の慣行で持たれたはずですから、委員長において、げたを預けられても、おそらく困ると思う。それから理事諸君も困ると思います。衆議院ではかくかく考えております、衆議院ではこういう希望が述べられておりますということを表明すべきだと思うのですが、どうですか。

山本幸雄建設大臣官房長

○政府委員(山本幸雄君) 実は、衆議院の委員長とも−衆議院では理事会は格別開かれませんでしたけれども−委員長、それから参議院の委員長ともお話を一応しておりますが、予算関係法律案は衆議院に先議をしてもらいたい。それから、河川法のような非常に大きな問題の法律案といいますか、そういうものは衆議院に先議をしてもらいたいというお話がございます。したがいまして、予算関係法律案四つと河川法は衆議院先議という御意向がございます。その他につきましては、適宜参議院のほうに先議をしていただいてもちろんけっこうなことだと私は考えております。

松澤雄藏自由民主党建設政務次官

○政府委員(松沢雄蔵君) ただいまの件は、皆さん御承知のように、従来少しく、衆議院側に予算の法案が回りまして、参議院側のほうに回ってくるのは非常におくれた、こういうふうなこと等がございまして、政府といたしましては、従来そのような立場をとってきたものを、自今参議院側と衆議院側とお互いに国会をよりよく有効に運営せしめるというふうな立場からしても、従来の方針でなく、参議院側にも余裕のある御審議を願うというほうが非常に適当であろうと、かように考えまして、与党である自民党並びに社会党の党の幹部の方にこれを申し入れするとともに、一方議会のほうにもこれを申し入れをいたしまして、ともどもにお話し合いをいたしました結果、従来の方針をやめて、今国会からは参議院のほうにも十分以上の審議期間をお与えするようにというふうになったということをわれわれは連絡を受けまして、それに基づきまして衆議院側にもお話しをいたしました。したがいまして、ただいま官房長からお話がありましたように、衆議院側としても、そのとおりでけっこうだと、こういうふうなお話もございましたし、そこで、参議院側の皆さん方にもそのお話を申し上げまして、原則的な立場からいきましては、従来の慣例等もございますので、ただいま委員長のお話のように、予算に伴うもの四件程度は衆議院側で直ちに取りかかるといたしまして、他にありまする法案等を、参議院側のほうで御協力願って、私たちのほうも促進をいたしまして、一日もすみやかに提案すると、こういうふうにして御先議を願ったらどうか、こういうふうな意味で、ただいま官房長が御説明をいたしたような経過でございますので、御了承していただきたいと、かように思います。

田中一日本社会党

○田中一君 今官房長の報告を聞くと、河川法のような大法案は衆議院に出してほしいなんという発言は不穏当ですよ。わが国は、衆議院、参議院、二院を持っている国会なんです。まあつい口がすべったと思うけれども、少なくとも河川法だけは衆議院にまかしてほしいということならいいけれども、かかる大法案は衆議院に先議さすべきだという発言は、これは不穏当です。こういう言葉は、速記録から除くほうがいいと思う。

山本幸雄建設大臣官房長

○政府委員(山本幸雄君) ちょっと言葉が足りませんでしたが、要するに、予算関係、先ほど御説明しましたように、河川法は少し提出がおくれます。おくれる関係で、衆議院のほうは予算のほうをやってしまうとやや手があく、ですから、そのころに河川法が出るんじゃなかろうか、そういうふうな意味で、それは相当手もかかるが、やりたい、こういう趣旨でございます。少し言葉が足りませんでした。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) それは田中君、衆議院のほうでそういう希望であったということを官房長が伝えたので……。

田中一日本社会党

○田中一君 そうです。しかし、官房長がわれわれに報告するには、そういう刺激することは除いて報告すればいいのであって、結論は河川法は私どものほうでしたいということなんです——正直か何か知らぬけれども。しかし、松沢政務次官は今までの慣例を破ってとか慣例を変えてとかいうことを言っているけれども、両院ともに予備審査という制度があるのです。したがって、法案を本付託されなければ慎重なる審議はしないはずはございません。われわれはしているはずです。真剣にしているはずです。だから、何も今松沢政務次官が言うような、予備審査だから真剣にしないのだというのじゃなくて、やはりこれは提案される政府としては、すべての法案がスムーズに成立することが望ましいのであって、何も参議院のほうにも若干——予算関係だけは衆議院に出すと、これはまあ時間的に二月いっぱいが大体衆議院の予算の審議期間と大体見ていいと思うから、これはいいと思う。しかし、予備審査をしているのです。だから、そういうことを理由にして参議院にも持ってこようなんという考え方は、これは私は妥当でないと思う。それから、党と党との話し合いというなら、参議院の場合には、同志会なり、民社なり、あるいは二院クラブ、そういう各派とも話し合いをしていただきたいのですよ。衆議院ならまあ大体社会党、自民党が相当数の勢力を持っているからいいけれども、参議院はそうではないのです。そういう言葉も、これはやっぱり穏当を欠くわけです。だから、予備審査でわれわれが慎重に審議をしていないという気持で言ったのじゃないと思うけれども、そういう制度があるのだから、何ら法案の審議にはどちらに出そうが関係ありません。ことに、今までの慣例を云々なんということも要らないのです。われわれは反対する法案でも熱心に懇切丁寧に審議をするのですから時間がかかるのであって、それは予備審査であろうとも、本付託になったものであろうとも、同じです。だから、そういう点は提案者のほうで一応考えて、こうしたいがどうであろうかということが私は望ましいと思うのです。そんな責任をのがれることをしないで、政府としては、提案者としてはこうしたいのだ、それでどうですかという相談が妥当だと思うのですがね。その点どうですか、政務次官。

松澤雄藏自由民主党建設政務次官

○政府委員(松沢雄蔵君) 私が申し上げたのは、一建設委員会というだけの問題じゃなくして、政府全体として、従来よく言われがちであったところの、衆議院から会期末等になって一挙に参議院にあらゆる法案が流れ込んでくるというふうなことをよく参議院側から言われてきたと、そういうふうな点から、一応政府の考え方としては、国会側としても両方にゆとりのある期間をおいて御検討を願うという方式を考えていただきたい、こういう希望でありますから、結局、今の田中委員のお話のとおりに、政府の側に立つ建設省としても、その趣旨には何ら変わりがないのでありまして、両方で、予備審査、あるいはまた本審査であろうとも、御審議を願う点におきましては、何ら変わりがあるわけではありませんけれども、そういうふうな趣旨のもとに国会側にわれわれどものほうとしてはお願いいたしてきたので、これに対しまして今御質問があったから、その経過を御説明を申し上げたのであって、決して他意あって云々したわけではないのですから、あくまでも、政府側に立つわれわれといたしましては、一日もすみやかに法案の成立を願うのでありまして、それに対して皆様方に御協力をお願いしているわけです。

田中一日本社会党

○田中一君 政府じゃないですよ。提案者だよ。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) ほかの会派の方にも、この法案の取り扱いについて御意見がございましたら、一応ほかの会派の方の御意見も承っておいて、そうして理事会であとでこの取り扱いを相談するという形をとったらいかがでございましようか。

田中一日本社会党

○田中一君 いや、僕は何も余分なことを言っているのじゃないのだけれども、松沢君、こうなんじゃないの。今回は、統一地方選挙も行なわれ、各衆参両院とも委員会は欠席が多いのではないか。そうなると、三月末から四月にかかると、もはや両院ともに開店休業的な現象が生まれて、法案も流れる危険が多分にあるのじゃなかろうかという心配から、両方に負担してもらおうという気持になったものだと思うのですよ。私はそれがほんとうの姿だと思うのですよ。そこで、それはそれでいいと思うのです。しかし、それならそれでもってはっきりしてくれればいいのであって、そういう表明をしてくれればいいのであって、もう一つの問題は、えてして今まで法案が非常に会期末になって殺到するということは、提案する時期がおそ過ぎるのです。政府が提案する法律案というものは、まあ社会党が反対するであろうなんという法律案はぎりぎりまで待って、そうして一挙にもみつぶそうという考え方でもって出す法案が多いのです。これはまあ松沢君は長い間の国会の生活でそれをやる策士の一人だと思うのだ、今までね。だから、それじゃいけないということですよ。今言うとおり、河川法が重要なら、二月のせめて中旬ぐらい、二月一ぱいくらいにお出しなさいというのだ、提案する時期を。われわれが慎重に審議しようとするから、だから会期末あるいは継続審議なんということに追い込まなければならないような羽目になるのであって、早くお出しなさい、早く。今伺っていると、だいぶ先になるものが多いらしい。これじゃ、物理的にいっても、慎重審議できませんよ、だから、ただいまも官房長が言っている提案理由の説明の中で、十五日ぐらい全部早めに出せば大体きまる——その点はどうなんですか。今度の場合、事を衆議院、参議院の各委員会にげたを預けた形で相談するということは、今までないのですよ。それにはやはり、そういう一つは法案の提案がおそいということ、それから、今回は統一地方選挙があるから、これは定足数が欠ける——欠けるのじゃ困るから、そういう点を心配するから、そういうことを言っているのでしょうけれども、これは予備審査もあるんだから、まあなるべく、われわれが慎重審議をするためには、問題がある法案は、たとえ早く提案されようとも、会期末ぎりぎりになるかもわかりません、慎重に審議するのだから。そういう点を考えて、もう少し法案の提出を早くするということが大事だと思うのです。その点ひとつ政務次官も考えておいてもらいたい。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 田中委員が言われたことでもう全部が尽きておることですけれども、さっきの政府側の話の中で、どうもわれわれの認識と非常に違う点があるので、もう一ぺんくどいようですけれども、今のことをしっかり腹に入れておいていただきたいために申し上げますが、話の中で、会期末にたくさんの法案が殺到してしまう、だからいいかげんにされるんだというような気持の表明があったわけなんです。そんなもんじゃないはずですね。常に国会法は尊重してやらなきゃいかぬ。言うまでもなく、国会法の五十八条には、「内閣は、一の議院に議案を提出したときは、予備審査のため、提出の日から五日以内に他の議院に同一の案を送付しなければならない。」と、厳格に規定してあります。本来は、田中委員が言われたように、早くこれを出せばいいのですよ。十三件あるのを、用意ができたならばどんどん。それは、本審査であろうと、予備審査であろうと、その関係においては−さっきの話了解できないことはないですけれども、少なくとも議案の審査においては、本審査であろうと、予備審査であろうと、議院がしっかりやるのには内容的には変わりはないわけですから、十分のみ込ましておく。だから、いずれにしても、ともかく早く出してもらうということだけは、これはしっかり含んでおいてもらいたい。一つ々々をこなして、それが終わってから出す。さっきの話のように、これは数日中だろう、これは二月の中下旬だろう。これは三月になるだろう、何か一つ一つしなきゃならぬかのような感覚でおられてはこれはやはり心配されるような、会期末のどさくさに持ってきて、ろくに審議もしない、そういうことがあって、国民に議院の審査というものはきわめて粗雑であるかのような印象を与えることは、迷惑千万な話だと思うのです。一にかかってそれは議案を提出される政府側の責任なわけですから、その点はしっかりつかんでおいていただきたい。要望申し上げておきます。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) 委員長から申し上げますが、河川法はいつごろ出せるのですか、大体の見通し。

山内一郎建設省河川局長

○政府委員(山内一郎君) 全面的に今度改正したいと思いますので、ほとんど書きかえになります。全部書きかえ、こういうことになります。したがって、早くて三月中旬ごろ、あるいは下旬にかかる見込みの公算が大でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 これだけの大法案を、実際いわゆる「すべし」とか、命令調みたいなのを——天皇憲法から国民憲法に変わって、言葉の表現を変えるならいいけれども、精神はおそらく変わらぬと思うのです。しかし、若干変わっているものもあるのだと思うのです。そうなれば、明治二十九年から今日までの河川に対する国土計画上の変遷から見ても、相当大幅な内容の変革が行なわれなければならないと思うのですよ、それだけに、これはずいぶん苦労して今日まできていると思う。これがかりに三月中旬に出たとする。それを衆議院でも慎重にこれはやりましょう。参議院でも慎重にやりましょう。まあ継続審議もやむを得ないという腹がまえだと僕は察しようとしているけれども、その点はどうなんですか。もっと早く出さばいいのですよ。

山内一郎建設省河川局長

○政府委員(山内一郎君) できるだけ早く提出いたしまして、本国会に通していただきたいと思いますが、その準備のほうが間に合わないということでございます。ずっと前からやっていたのでございますが、非常な長大なものになりますので、できるだけ本国会には通していただきたいという希望は今でも持っております。

木村禧八郎日本社会党

○委員長(木村禧八郎君) この法案の取扱いにつきましては、あとで理事会で御相談することにしまして、別に御発言もなければ、本日はこれをもって散会いたします。   午前十一時三十五分散会

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