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43回国会参議院1963/06/28

決算委員会 第10号

発言数
103
登壇者
14
会派数
3
開催日
1963/06/28

会議録

横川正市日本社会党

○委員長(横川正市君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  本委員会におきましては、去る六月の十四日より三日間、東海道新幹線の実情調査のため、静岡及び神奈川両県と、滋賀県、京都府及び大阪府に二班の委員を派遣し、つぶさに現地の実情を調査して参ったのでありますが、本日は、まず、これら両班より、その調査につきまして御報告をいただきたいと思います。  それでは、まず第一班より御報告をお願いいたします。

佐藤芳男自由民主党

○佐藤芳男君 私どもの班は、六月十四、十五の二日間、神奈川、静岡の両県下に派遣せられました。参加委員は、大森、和泉の両委員と私とでありました。  以下、実地視察の概要を御報告申し上げます。  視察日程の第一は、三島付近下土狩の新幹線用地の取得の問題であります。  この用地は、伊豆箱根鉄道会社の所有地で、その前身たる駿豆鉄道が経営しておりました鉄道の廃線跡の路盤なのであります。  今回の新幹線と交差しますのは一千四百九平方メーターでありまして、国鉄が近隣を買収した際の価格標準に基づきまして、五百二十八万円で買収しようということで伊豆箱根側との間に契約手続を進めつつある状況であります。  現場では、廃線路盤に伊豆箱根側が施した相当堅固な盛り土工事などが交差地点一帯にそのあとをさらしていたのであります。伊豆箱根側のこの工事は、廃線を復活すべく運輸省に提出している鉄道敷設の申請に関連して行なわれたものと推測すべきか、あるいはまたこの地区の有利な補償獲得のための作為とみなすべきかなどの、問題のある工事なのであります。  私どもは、前に述べました五百二十八万円で円滑かつすみやかに伊豆箱根側との間に本件買収契約が成立し、新幹線工事計画も渋滞しないことを希望しているのでありますが、これらの盛り土工事などを施した伊豆箱根側から何らかの形でその分の補償の要請が出されるだろうということは、現地当局も予想しているとのことであります。  そこで、今後の処理にあたっては、関係当局におかれましては、  一、当該路線の廃線化に伴って昭和六年に鉄道省が駿豆鉄道に交付した二十万円と重複支払いの面が起こらないようにすること。  二、いわゆるゴネ得との印象を与えるようなことのないようにすること  以上の二点を御考慮の上、慎重かつ明快な処理がなされるべきだと思うのであります。  日程の第二は、来宮付近の国鉄用地についてであります。この土地の借主は伊豆箱根鉄道会社でありましたが、新丹那トンネルのずりを捨てるために国鉄が返還を要請し、鉄線でまわりを囲みましたところ、借主たる伊豆箱根鉄道が、占用妨害だとして、その妨害禁止の仮処分を裁判所に申請しました、問題の土地であります。  しかし、この件につきましては、その後、先方が任意その申請も取り下げまして、問題は解決して、現にずり捨ても終わっている現況でありました。  日程の第三、第四は、新丹那トンネルの工事現場及び新幹線の試運転現場であります。いずれも国鉄技術陣の粋を集めて工事を進めている次第でありますが、その報告は省略いたします。  以上、要点のみを連ねて、第一班の報告といたします。

横川正市日本社会党

○委員長(横川正市君) 次に、第二班の報告をお願いいたします。

横山フク自由民主党

○横山フク君 第二班は、六月十四日から十六日の三日間にわたり、鈴木、高山両委員と私が参加いたしまして、東海道新幹線建設工事のうち、大阪幹線工事局が担当しております米原以西の工事を全線にわたり視察し、特に近江鉄道並行線区、京阪神急行電鉄並行線区及び新大阪駅建設工事については、現地で関係者から実情を聴取する等、調査して参りました。  第一は、近江鉄道との関係についてでありますが、関係者の説明によれば、同区間のルート決定にあたり、地元の要望をいれて、七・五キロの周回鉄道に併設することとなったが、三十五年十二月に同鉄道から文書で、ルートを数百メートル離すか、または同鉄道の全線を買収されたい旨の要求があり、その後三十六年九月になって、近江鉄道の代理人たる資格で西武鉄道の幹部から口頭で、併設区間路盤を新幹線同様の高架にしてほしい、もしそれができない場合は保安施設改善等に必要な経費及び減益補償金として四億一千万円を支払ってほしい旨の申し入れがあり、交渉は難航したが、国鉄側としても、工期の関係上、早急に本問題の解決をはかる必要に迫られ、種々検討の上、同年十一月になって、保安施設改善等に必要な経費として一億五千万円を同鉄道に支払い、また減益補償については両者でさらにその金額につき協議するとの覚書をかわし、直ちに本区間の工事に着手した。しかるに、同会社は、三十七年四月になり、運賃値上げを理由に、さきに要求した減益補償一億五千万円を、五億一千万円に増額要求してきた。本問題の解決を引き延ばせば工事の進行に支障を来たすとの判断から、併設により減収を来たすであろうと考えられる範囲でさらに一億円の減益補償金を支払い、この問題の最終解決をはかったとのことでありました。工期の関係から、きわめて短期間に解決する必要上、総額交渉とならざるを得なかったため、その積算に妥当を欠く点があったことは遺憾であるが、その間の事情を勘案して御了解願いたいとのことであり、われわれも、現地関係者が工期に迫られ、相手側の要求が無理であるにかかわらず妥協せざるを得なかった事情は理解できましたが、一方、公金で補償する限りは、国民が十分納得し得る範囲で、しかも合理的な根拠に基づいて積算された金額でなければならなかったと考えるのであります。  なお、本件の場合、さきに支払った保安施設改善等に必要な経費一億五千万円については、その積算の内容には疑問の点もありますが、併設によって現実に踏切等の危険度が増し、四十八カ所についてその改善が必要となる点は了解できました。ただ、ここで注意したいのは、近江鉄道が補償金を受け取ってすでに一年半も経過しているにかかわらず、いまだ何らの保安施設の改善を行なっていない点であります。現に、新幹線併設工事も相当進み、踏切等の危険が増大しており、早急にその改善に着手すべき必要性が認められました。運輸省は、この点、近江鉄道に対し強力な行政指導を行なうべきであります。  次に、減益補償として支払った一億円につきましては一地方鉄道整備法二十四条による競合路線の減収補償の対象にならなく、また、新幹線の併設により、旅客を大幅にバス路線にとられ、減収を来たすとの説明も、バス路線が並行路線でない点を考慮すれば、十分にわれわれを納得させるものではありませんでした。併設により旅客収入にわずかな減少を来たすとしても、一億円に上る多額の補償を支払わなければならないいかなる合理的な根拠も発見できませんでした。総額二億五千万円で解決したことが、当時の状況からやむを得なかったかどうかは、さらに国鉄側より資料の提出を求め、詳細に検討しなければならなく、今後の委員会審議にゆだねたいと思います。  第二に、京阪神急行との並行区間につきましては、山崎付近で同急行と三キロにわたり並行しますが、話し合いの結果、共同高架方式によることとなり、両者が経費を分担し、現在は完成した新幹線路線に京阪神急行を切りかえ運転し、同急行側路盤工事を施行しており、工事の円滑な進行をはかっておりました。  第三に、新大阪駅建設工事につきましては、現在、基礎工事はほとんど終わり、高架橋鉄骨の組み立てと、現行東海道線との連絡ホームの建設が進められておりました。ただ、ここで注意を喚起しておきたいのは、新大阪駅建設に関連する大阪市の都市計画事業の進行がおくれている点であります。来年十月に予定されている開業時までに、地下鉄の乗り入れは実現するとのことですが、大阪市の幹線道路の延長が間に合わないため、駅前広場の工事が開業後になり、この結果開業時に駅前及びその周辺道路に交通麻痺が予想されるのであります。関係当局の善処を求め、簡単ですが派遣報告を終えます。

横川正市日本社会党

○委員長(横川正市君) これをもって両班よりの報告を聴取したわけでございますが、本報告に関する審議は後日適当な機会に譲ることといたします。     —————————————

横川正市日本社会党

○委員長(横川正市君) それでは、三十六年度決算外三件を議題とし、審査を進めます。  本日は、防衛庁の部でございます。なお、防衛庁につきましては、去る六月二十四日に防衛庁及び会計検査院の説明を聴取いたしておりますので、まず、同日本委員会におきまして相澤委員から要求のございました自衛艦、米軍艦の入港取り扱いに関する件外一件について、防衛庁当局より説明を聴取いたします。

林一夫防衛施設庁長官

○政府委員(林一夫君) 相澤委員から御質問のありました二つの問題について、説明を申し上げたいと思います。  一つの問題は、自衛艦、米艦船が港に入る場合の根拠、手続というようなことでございます。港を二つに分けまして、米軍に提供しておる港湾、その他の港湾——その他の港湾というのは、一般の港でございます。  まず一般の港に入る場合のことを申し上げますと、これは自衛艦も米艦船も同じでございまして、この入港については、法律上何らの制限がない、自由であるということになっております。入港する場合の手続について申しますと、自衛艦も、また米艦船も、この港に入港する場合は港則法、また入港した場合中におけるところの使用条件については港湾法の適用を受けることになっております。具体的に申しますと、入港の場合においては届け出る、出港する場合には届け出る義務があるというような手続になっております。  次に、提供施設である港湾、この場合は、自衛艦につきましては、一般港湾に入る場合と同様の手続で入港ができるわけであります。ただ、この提供施設の港の中には制限水域がございますので、その港の中にあります錨地の指定とか、あるいは特定の制限水域の中に入るということにつきましては、制限がございまして、米軍の許可を要するということになっております。米軍の艦船につきましては、これは米軍提供施設でございますので、入港その他港内におけるところの行動については自由であるということになっております。  次に、お尋ねの横浜港におけるセンター・ピアの七号埠頭の早期返還について合同委員会に申し入れよということでございまするが、このセンター・ピア、これは新港埠頭とも言っておりますが、このセンター・ピアは、御承知のように、昭和二十年九月米軍によって接収されました。この埠頭を全部米軍に提供することになったのでございます。けれども、横浜市の復興に伴いまして、この新港埠頭は市の発展のために必要欠くべからざるものとなったので、政府は二十七年ころより米軍に対してその返還を要求いたしました。その結果、この新港埠頭の代替施設として提供いたしました瑞穂埠頭、これはノース・ピアと言っておりますが、この瑞穂埠頭を昭和三十年ころから整備することによりまして、逐次新港埠頭より移転させまして、新港埠頭の返還を受けたのでございます。けれども、この返還の際に、この新港埠頭の地域にありまする提供施設の冷蔵倉庫が、いろいろの事情によりましてノース・ピアのほうに移転できなかったのでございます。そのために、この冷蔵倉庫の利用のために、御質問の七号埠頭のみが今日まで新港埠頭に残っておるのでございます。この冷蔵倉庫を含む七号埠頭は、米軍にとりまして重要な唯一の施設でございますので、代替施設を提供しない限りこの七号埠頭の返還は非常に困難な情勢にあるのでございます。早くこの七号埠頭をノース・ピアのほうに移設したいと、こういうふうに考えておるのでありまするが、この移設工事には相当の費用もかかるというような点もございまして、現在慎重に検討中でございます。検討の結果、移設するということになりますれば、それぞれ合同委員会に手続をいたしまして決定をいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

横川正市日本社会党

○委員長(横川正市君) では、前回に引き続き質疑に入ります。質疑のおありの方は順次御発言を願います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 ただいま林長官から御説明をいただいたのでありますが、まず第一に、自衛艦並びに米軍艦等の港に入る場合の根拠、手続、使用条件、そういうものについて御説明をいただいたわけでありますが、今米軍に提供をしている水域ですね、制限水域はどことどこになっているのか、御説明をいただきたい。

林一夫防衛施設庁長官

○政府委員(林一夫君) 米軍に提供いたしておりまする港湾は、横須賀港と佐世保港の二つでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 そのほかに一部制限をして提供しておるところはございませんか。

林一夫防衛施設庁長官

○政府委員(林一夫君) 港湾として提供しておりまするのは、横須賀港と佐世保港でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 それから一般港での問題でありますが、今の御説明によりますと、横浜港は一般港の中に入る、こう解釈してよろしいのですか。

林一夫防衛施設庁長官

○政府委員(林一夫君) さようでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 そういたしますと、横浜港の中における新港埠頭、あるいは瑞穂埠頭ですね、この一部米軍に提供をしているわけですね。そうしますというと、これらについては管理者あるいは港長に届け出を行なう、こういう手続をとっているということになりますか。

林一夫防衛施設庁長官

○政府委員(林一夫君) これは一般港でございますので、入港の場合においては港則法によって届け出をするということになっております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 それは防衛庁では確認をされているのでしょうか。そういう点を、港湾の管理者——横浜港の管理者、あるいは横浜港の港長、そういうところでどういうふうにして確認をしておりますか、具体的にひとつ御説明をいただきたいのですが。

林一夫防衛施設庁長官

○政府委員(林一夫君) この問題はむしろ運輸省のほうから御答弁をいただいたほうが適当かと思いますから、運輸省のほうから御答弁をお願いいたします。

樋野忠樹海上保安庁警備救難監

○説明員(樋野忠樹君) 横浜のほうでは、港湾管理者に通告がございまして、港湾管理者のほうから私どものほうに参っております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 それでは、きょうその点こまかい点のやりとりをしておっても時間がかかるので、これはひとつ防衛庁と運輸省のほうで、その事実を、これは記録になっておると思いますから、資料の提出をしてもらいたい。そこで、私がきょうなぜそういうことを指摘をしておるかというと、先日も当委員会で申し上げたように、私ども横浜港の現地調査をした。その際に、瑞穂にたくさんの船が停泊をしている。しかし、御承知のように、横浜とか神戸とかというのは外国船の出入がきわめて多い。私ども日本の国民も、麻薬禍対策というものは、衆参両院を通じて決議までして、その対策に実は腐心をしておるわけです。心を砕いているわけです。ところが、どうも、この一般の日本国民の中の麻薬禍対策というものを進めておるにもかかわらず、なかなか跡を断たないというのは、やはり第三国人——外国人の取引というものがやはりあるのではないか。したがって、日本の政府においても、たとえば外国における香港ルートというものも、香港政庁に対してまでいろいろと協力方を仰いでおる。こういうことまで進められておるにもかかわらず、国内的にそれじゃわれわれのほうが万全であるだろうか、こういう点を考えると、必ずしもそうではないんじゃないか、必ずしもそうじゃない。そういうところにやはり問題点がひそんでおるんじゃないだろうか。こういう点は、だれかれなく実は指摘をされておる。そこで私は、やはりそういう点について、この米軍艦とかあるいは外国商船であるからということで特に怪しむという必要はないだろうけれども、しかしこれは国際的な問題としてわれわれはやはり協力を願わなければならないだろう。こういう面で、できるならば私はやはり、一般商港の場合は、先ほど御説明をいただいた港湾法なりあるいは港則法なりによって、日本の官憲においてもある程度の取り締まりはできるかもしらぬけれども、その中にしかし包まれるものについては、特定のものについては、これは日本の官憲が手を出すことはできないでしょう。そういう面からいけば、これらの点については、十分慎重に私は配慮しなければならぬ問題じゃないだろうか。だから、できるだけ、そういう犯罪とは私は申し上げませんけれども、そういう疑いのある、あるいはまた現にいかに日本の警察官が、あるいはまた麻薬を退治するための努力を相当関係者の人たちがしておっても、現実にもうたくさんの麻薬というものが日本の国内に流れておるということを言われるというと、どうしてもそういうものを退治ることをあらゆる面で考えていかなければならぬ。ですから、そういうことをできるだけ少なくする方途というものを講じなければならぬから、できるならば、横浜港のような一般港に対して米軍の船が自由に出入りができるということは、これはやめるべきじゃないか、こう私は思う。したがって、先ほど申し上げた、特に来年のオリンピックを控えて、横浜港には観光船を停泊するとかしないとかということを言われておるし、先ほど申し上げたように、港は非常に船込みで混乱を来たしておる状況でありますから、できればセンター・ピアの七号埠頭は解除して、そこにはしけどまりを作るとか、あるいは瑞穂のこれらの施設をできれば解除していただいて、そういうところにできるだけ港の施設をやはり統一して作る必要があるのではないか、こういう面が強調されるわけです。これは、ひとり横浜港ばかりでなくて、私は神戸港の場合も一般港としては言えるんじゃないか、こういう点も考えて御質問を申し上げておるのでございますが、先ほどのお話ですと、何か代替のための手続とか、費用がかかるからとか、こうおっしゃっておるようですが、具体的にその冷蔵庫を持つところの施設はどのくらいの金額をお考えになっておるのですか。政府は。

林一夫防衛施設庁長官

○政府委員(林一夫君) 冷蔵倉庫を含むこの施設の移転でございまするが、これに要する費用は、これは正確ではございませんが、大体五、六億を要する、こういうように聞いております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 それでは、たいした金じゃないんじゃないですか。先日当委員会で大森委員が104の話をしたけれども、飛行機一台分ぐらいのものでしょう。そうすれば、墜落したり、飛べなかったりすることを考えれば、それだけの施設がそのくらいの金でできて、そうして日本国民のために利用されることになれば、これほど安いものはないはずなんです。これはひとつ防衛庁長官に考えを聞いておきたいのですが、やはりできるだけ一カ所に集めて、できるだけ効率的に国費というものは使用されるということが私は望ましいと思うので、今の場合、日米安全保障条約によるとはいいながら、解除への方向というものが、林長官のお話のように、センター・ピアは進んでおるのですから、あと残されたわずかのものをどうするかということは、私はむしろ、少しくらいの金を出し惜しみをして、そうしてあとで混乱するよりは、早く進めたほうがいいと思うのだが、大臣はどうお考えになりますか。

志賀健次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(志賀健次郎君) 先ほど林長官から申し上げたように、これを早急に返還せしめることは非常に困難でございますが、ただいまの仰せごもっともな点も多いのでございまして、慎重に研究をいたしたいと存ずる次第でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 その答弁は、あなたの立場もあるから、私もほぼ了承しますが、私は、強い希望として合同委員会の中に率直に出してもらって、そうしてある程度そういう費用は日本政府も出してもらって、進めてもらう、そういうふうな慎重な言葉であると受け取っておきたいと思うのです。  それで、私の質問は、他の委員の質問もありますから、これで終わりたいと思うのですが、前回の質問にもありましたこれらの基地周辺の民生安定の問題については、地方市議会並びに市自治体自体も強い関心を持っておるのですが、何回も政府には要望されたと思うのですが、どうですか、ほんとうにやる気があるのですか、それだけきょうは私は聞いておきたい。やる気があるのか、それともないのか、これは大臣からそのことだけをひとつ聞いておきたいと思います。

志賀健次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(志賀健次郎君) これはちょうど一年前に就任したときから何度も申し上げておるのでありますが、基地周辺の対策につきましては、すべてとは申しませんけれども、これは人道上の問題がたくさん含まっておるのでございまして、真剣にやらなければならぬ。これはしかし、防衛庁だけがいきり立ってもできませんので、御承知のとおり、内閣にあります基地周辺対策協議会、あるいは関係閣僚懇談会がございますから、これをこちらでリードするような気持で、真剣に積極的に私はやりたいと思うのであります。したがって、御承知のとおり、基地に対する基本法の制定の問題があるのでございますが、この問題も、防衛庁といたしましては、前向きの姿勢で、何とかしてこれは早急にその実現を見たいと思っておるのであります。ただ、基本法を作りましても、その裏づけとなる予算が確保されなければ、これは絵にかいたもちになるのでございますから、その点は十分に配慮を尽くしまして、できるだけ早急に法律の立法化も急ぎたいと考えておる次第でございます。

横川正市日本社会党

○委員長(横川正市君) 先ほど相澤君から要求されました資料について、林長官と樋野警備救難監のほうはよろしゅうございますか。

林一夫防衛施設庁長官

○政府委員(林一夫君) わかりました。御要望の資料は提出いたしたいと思っております。

大森創造日本社会党

○大森創造君 この間二十四日に、F104のことについて、小川隊長にからむ問題について御意向をお聞きしましたが、きょうは時間がありませんからあとの機会に譲りたいと思いますけれども、これを決算的に見るというと、政府が昭和三十五年度予算でF104J機について国庫債務負担行為をやった、この金額はどのくらいであるか、そうして、今までほかの委員から聞いたことでございますが、その進行状況などはどういう工合になっておるか。

伊藤三郎防衛庁装備局長

○政府委員(伊藤三郎君) 三十五年度に国庫債務負担行為を行ないました総額は、六百九十八億円余でございます。現在までの進捗状況でございますが、F104Jは二十五機領収いたしております。DJのほうは十一機でございます。当初の計画に対しまして、相当おくれております。三十八年度の当初四月ごろわれわれ考えましたのは、まあ二、三カ月程度のおくれでありますので、三十八年度中には当初の計画に復することができるであろうというふうに判断しておったのでありますが、四月の後半、五月、六月、非常に飛行試験に適当でない天候が続きましたので、現在工場の中に組み立てられたままで飛行試験のできないでいる飛行機が相当ございます。十六、七機くらいたまっているようでございます。そういう事情で、さらに予定がおくれて参っております。現在のところ、三十八年度中に旧の計画に復することができるかという点は検討いたしておりますが、四十年の一月までには予定どおり全機領収するようにいたしたいということで、鋭意努力いたしております。

大森創造日本社会党

○大森創造君 四十年の一月までに予定どおり全機ということになると、二百機ですか。

伊藤三郎防衛庁装備局長

○政府委員(伊藤三郎君) 二百機でございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 この三十五年に債務負担行為をやって六百九十八億ということで、三十六年度には104が一機しかできなくて、三十七年度には二十三機、三十八年度一機、合計して今言われましたように二十五機という数字が出ている。104DJのほうは、三十六年度がゼロで、三十七年度が十機、三十八年度一機ということで、合計十一機、全部で三十六機という勘定になりますが、これは合っていますね。

伊藤三郎防衛庁装備局長

○政府委員(伊藤三郎君) 今の大森委員の数字をちょっと控えませんでしたので、そのとおりかどうか申し上げられませんが、もう一度申し上げますと、Jのほうは、三十六年度が一機、三十七年度が二十四機、合計二十五機。それからDJのほうが、三十六年度はゼロでございます。三十七年度が十機、三十八年度が一機。それから、ちょっと訂正いたしますが、Jのほうは、三十六年度が一機、それから三十七年度が二十三機、三十八年度が一機、合計二十五機でございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 私のほうの調査と符合しているのですが、そこでお伺いしたいのは、政府からの支払いという関係もあるでしょうが、こういうふうに、三十六年度がDJのほうがゼロで、三十七年度になると十機できる。104Jのほうは、三十六年度が一機で、三十七年度が二十三機と、こういうふうに製造の能率がばらばらに違ってくるという事情は、会社の事情などによるのですか、どういう事情によるのでしょうか。

伊藤三郎防衛庁装備局長

○政府委員(伊藤三郎君) DJのほうは、大体月に一機ないし二機というのが当初からの計画でございます。それから、それに対しましてJのほうは、最初のうちは製作上なれませんので、月に一機か二機というふうな数字でございますが、それから逐次上昇しまして、ピークのときには大体月産七機程度というふうな数字で生産をしているわけであります。

大森創造日本社会党

○大森創造君 そうすると、大体六百九十八億というもので、これは値上がりもございましょうが、予定どおりいくというと、私の計算では、大体一機当たりの平均単価が四億三百四十四万五千円ということになりますが、そこらの勘定になるのですか。

伊藤三郎防衛庁装備局長

○政府委員(伊藤三郎君) 予算積算時の単価でございますが、二百機を平均いたしまして四億三百万円余の予定でございますが、現在の段階におきまして最後までの見通しを申し上げることは非常に困難でございますが、大体今の生産状況を見ますと、部品、材料関係につきましては、ほとんど新三菱が関係者と契約を終わっておりますので、その面につきましては予算当時考えたものとほとんど変わりなくでき得るんじゃないかと見ておりますが、今後、新三菱、川崎航空機等におきまして、所要の工数並びにその単価がどういうふうになるかということは、問題であろうと思います。現在の経済情勢を前提にいたしますと、当初の予算どおりでいき得るんではないかと、現在時点では私ども判断しております。

大森創造日本社会党

○大森創造君 それから契約は、新三菱重工と、そのほかにどこがございますか。

伊藤三郎防衛庁装備局長

○政府委員(伊藤三郎君) 機体関係は新三菱重工でございます。それからエンジンが石川島播磨重工業でございます。そのほか搭載の通信機、兵器等につきましては、三菱電機、日本電気、東洋通信機、大澤商会——これはガン・カメラの輸入でございます。島津製作所、日本航空電子、そういう会社でございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 防衛庁長官にひとつお伺いしたいと思うのですが、この104の問題について、前回の委員会で申し上げましたように、小川二佐がやめられたという今までのいきさつは、私ども承知のとおりでございまして、「文芸春秋」にああいうことが発表された。内部の士気の問題についてはきょうは触れませんけれども、われわれが今から四年前にロッキードかグラマンかということで盛んに論議をされて、今大阪の知事をやっている左藤義詮氏が赤城さんの前の防衛庁長官であった。そのときの関係の委員会の記事を見てみましても、志賀さんの何代か前の防衛庁長官が、ロッキード104というのは非常に日本の風土、気象条件に合わなくて非常に安全性の点が問題だと思う、それから。パイロットを訓練するについても問題があると思うということをはっきりと——これは速記に残っておりまして、言明されております、衆議院の予算委員会で。左藤さん個人の考えはどうかわかりませんけれども。それからあと赤城さんが防衛庁長官になって、源田さんが空幕長、それで問題の小川君などが一緒にアメリカに行って、そしてその後決定をした。今度はバッジ設備の問題については、新聞などを見てみるというと、いろいろ意見が分かれていて、今度もまたアメリカに行っているようでございますが、そういういきさつにあって、われわれは104というものはどうなるんだろうかと疑問に思っていたところが、小川二佐がああいうことでやめられた。私はどうもそのふに落ちないのは、だれに聞いても、まあ「文芸春秋」にすっぱ抜いてからは、防衛庁のほうでは、これは態度を硬化するどころか、こうなっては問題は別だということで——これは当然だと思うのですよ。まあ慰留に慰留をしていたんですよ、今までの経過を見るというと。それで、防衛庁長官もそれぞれの場所で、彼は非常にまじめであって、そして技能的にもかけがえのない男で、二千数百時間の滞空時間を持っているのだと——これは実際そのとおりだと思うのです。あんなけんのんな飛行機に二千数百時間乗る滞空時間など持っている現地の飛行隊長の意見は、国民の一人として、また国会議員としては、これは信用するほかない。志賀さんがおっしゃるように、直情径行過ぎて、ワンマンだけれども、考えようによっては、あなただってワンマンだ、私だってワンマンだ、河野一郎だってワンマンだ、佐藤榮作だってワンマンだ、それをくさしている大野伴睦だってワンマンだ。ましてああいう飛行機に乗っている飛行隊長ともなれば、一方から見ると直情径行、これはすなわち技術者的ないいところもあるんじゃないかというふうに思うのです。その人が士気の云々ということは、これは個性的な彼自身のくせもあって、今の防衛庁に対する見方、考え方もあるだろうと思う。これはあるけれども、整備の問題についてこうだとか、あるいは部品の問題についてこうだとか、そういう具体的な事実を、実は間接的に聞いてみるというと、彼は相当膨大なものを用意していると言えるのです。ところが、「文芸春秋」にはその一部が載ったにすぎない。そういう飛行機の、現地で飛んで、隊長であって、防衛庁が、彼がおかしな男であるなら、今まで信用して、F104の飛行隊長を初代から四年問続けてやっているというのは、これは防衛庁の失態ですよ。ただ困るのは、「文芸春秋」というものに発表しちゃった、戒告になる前に発表したと、こういうことだと思うのです。このいきさつを冷静に考えてみるというと、私は決して防衛庁を責めるとか、ここでどうのこうのということではございませんが、この技術的な問題については、これは私もしろうとでございますが、きょうおそろいの皆さん方よりも、これは機械的にはわからない。機械的にはどだい104というやつは、ロッキード会社も不明なところがあるだろうと思うし、新三菱重工の技術者も不明なところがあるだろうし、新たに非常な苦心をこえて日本で開発しなければならぬという、そういう宿命的な飛行機でございますから、その場合に、今後104というやつを継続生産するなり、あるいはしないなりしても、とにかく問題の飛行機というものに、技術的に、科学的に、機械的にいろんな改良をする必要があるだろうと思うのです。前回申し上げたとおり、風速が七・五メートルでどうだとかこうだとか、それから西三佐が事故を起こしたあとに三回も事故が起こっている。そして、事故調査委員会を設けてどうこうという報告が私どものほうへ出ていましたが、一体この飛行機が完全なものになるためには、やはり関係者がみんな苦労しなければならぬと思うのです。その場合に、やっぱり実際に四年間乗っていた人が、具体的に、整備はどうだとか、地上支援機材がどうだとか、整備員の練度がどうだとかいうような問題について、これは問題を提起された以上は、まるっきりこれは信用できないという態度を一体とれるかと思うのです。まるっきり信用できないということなら、一体なぜ彼に四年間も飛行隊長をやらせたか。また、彼がたとえば準禁治産者的な男なら、なぜ二カ月間も慰留したのか。私は、このいきさつにかんがみて、どうも結論的に言うというと、これは防衛庁は、士気の問題はきょう問わないが、士気の問題を含めてでも、相当虚心に反省を要すべき点があるのじゃないか。さっき相澤氏からも話がありましたように、一機四億何ぼ、値上がりになると五億近いという、しかも次期戦闘機として継続生産するかもしれない。国民は何も知りません。こういう飛行機がどうだとか、安全度合いについて、信用すべき有力な一人に違いないのです。最高の一人かもしれないと思うのです。小川君の発言、これは、そういう今までのいきさつにかんがみて、防衛庁がこれに対して不問に付す、二カ月間慰留して——かけがえのない男だ、いい男だと慰留をして、ところが「文芸春秋」にぱっとすっぱ抜いた、これで今度は戒告して、それから首切る。これは、私も、多くの国民も、ふに落ちないと思うのです。それは、内部的な規制措置はそれでよろしいでしょう。だけれども、防衛庁としては、これに対して何とかせなければいかぬと思うのです。私の考えでは、小川君というのは確かにくせがある男であろうと思うから、何か士気の云々ということから言うというと、感情的なものもあるだろうというふうには想像にかたくない。たとえば、十の問題を技術的に提起された場合に、十のうち二つか三つぐらいは小川君の行き過ぎ、誤解であるということもあるかもしれません。この間、私は若干「文芸春秋」に基づいてここで議論したけれども、装備局長の答弁があった。私はわからない。それから装備局長だって、小川君以上にこれは104について……、実際パイロットする飛行隊長のほうが、実際の場面については、私は参考にすべき意見があると思う。だから、小川君の言うことだって、五つ六つ正しい点があるだろうと思う。これをこのままの形にするということは、私は、決算審査の立場から、防衛庁の関係、飛行機の関係を調べる立場からいろと、私としてはこのまま引き下がれない。これに対して志賀防衛庁長官は何か措置をとってくれますか。具体的に言いますと、実際提起された問題について、あの「文芸春秋」以外にありますよ。私は、さっき委員長理事打合会で、小川君を呼んだらどうだ、防衛庁を除いて小川君の話を聞いたらどうだ、これは大いに参考になる。五億の飛行機が再三事故を起こしている、どこが悪いかわからない、だれの話を一番聞くかということになると、小川隊長の話などが、ちゃんと決意をして——あなた方は防衛庁に今後ずっといるつもりだからいいけれども、三十九才の年配で、女房もあり、子供もあって、そうしてこうだという問題を提起しておるからには、私はこれに対して回答しなければならぬと思う。それで、私は、いろいろな問題を提起されている「文芸春秋」以上に、本委員会としても、もう少したってから、この夏休みあたりに現地の千歳へ行こうという話もあったけれども、それからあと小川君を呼ぶことを相談しようということになっている。そんなことは士気の問題に関するとか、パイロットの士気に関するということで、黙っているということもない。それなら昔の軍隊に返ってしまう。国民の税金ですから、公明にすなおに、いいことはいい、こういう立場でいかなければいかぬ。そうでないと、信頼される防衛庁にならない。私が言うのは、防衛庁に自信があるなら、名誉棄損的なことを言われたのだから、みずから防衛庁が小川君を呼んで、そうしてひとつ聞くなり何なりして、対決するという言葉はおかしいが、ちゃんとあれに対する具体的な回答を与えて、「文芸春秋」なりに発表しないと、おかしいと思う。もしくはこの委員会を通じて言うとか、何らかの措置をとってくれますかどうか、志賀長官から御答弁願いたい。

志賀健次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(志賀健次郎君) 私は前回もお答え申し上げたと思うのでありますが、ただ単に理由なしに私は慰留をいたしたのではないのであります。やはり本人の言い分も相当あろうし、また技術的な面についていろいろ指摘する面もありましょう。そういう点について、今大森先生のおっしゃったとおり、聞くべきものは十分に聞いてやろう、そうしてまた最高の経験を身につけておる人間でありますから、彼の言うことで、今後も104の運営について非常に参考になるものがあれば、率直にこれを取り入れていこう。何せ空幕も私も国会で非常に多忙であるし、しばらく待ってもらって、私は会おうと思っておったのであります。防衛庁長官が、第一線の中佐だか少佐だかわかりませんが、兵隊に会うということも、これは異例でございましょうが、私はみずから会うつもりであった。現に私は空幕の幹部に対しても命令を出しておるのであります。小川君の指摘するところで、率直に参考になるものは、何も感情にこだわる必要はない、これを取り入れて改めろ。また、感情問題で小川君とかれこれ渡り合うと、これは泥試合になるから、そういうことは厳に値しめ。もっぱら技術的な問題について小川君の言うところは、率直にこれをいれてやれ。そうして、今後私どもそういうつもりでございます。小川君もだんだん感情もやわらぐことでございましょうから、そのうちに私も会って、そうして今後の——104をせっかく今日まで建設して参った功労者でございますから、あまり感情にかられぬように、私もよく説得して、彼の意見は十分に何らかの方法で、よいものは率直に積極的にこれを取り入れて、今後の104の健全な運営、またりっぱな彼が作り上げた飛行隊がその成果をあげ得るように、私は最善の努力をいたしたいと思っておるのであります。

横川正市日本社会党

○委員長(横川正市君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

横川正市日本社会党

○委員長(横川正市君) 速記をつけて。

大森創造日本社会党

○大森創造君 私は、今の長官の態度でいいと思うのです、昔と違うのですからね。  104の問題についても、あなたを初め、朝野をあげて関心を持っている。何も私は、小川君を呼んで防衛庁とごたごたを起こさせるとか、そういうことがねらいじゃなくて、提起された問題について冷静に聞くという態度、みんなでひとつ安全性のある飛行機を作り出すという努力がなければいかぬと思うのです。これはこの前小野人事局長と質疑いたしましたが、防衛庁内部の措置としてはああいうことになればいたし方ないと思うが、えてして世の中の職場、それから法務省でもそうだ、防衛庁はことにそうだと思うので、ああいうケースの場合には、虚心に聞かないというとかえってあやまちを犯すだろうと思うので、これはひとつ、事をかまえるということでなしに、今の長官の意を受けて、ひとつこれは虚心に聞いていただきたいと思うのです。そこで、その結果を私のほうにひとつお出しいただきたいと思う。  そこで今度は、その問題についてはそれだけにしますが、あと一つだけお伺いします。  この第二次防衛計画、第三次防衛計画第二次防衛計画は今進行中でありますが、これの改定の話がある。アメリカのつまり対日軍事援助費の削減の問題がアメリカ国会内部で問題になって、これは、マクナマラですか、国防次官が来て、志賀さんと会談したり、それから池田総理と会談をしたりして、当然日本が軍事援助費というものを今度はアメリカにかわって極東の一つの戦略の一環として自主的にやらなければならぬということがきめられたはずです。そういう方針によって、第二次防衛計画、第三次防衛計画というものは防衛庁内部でそれぞれ検討している問題であると思う。  そこで聞くが、これは、第二次防衛計画の改定なり、あるいは昭和四十一年度から始められる第三次防衛計画というものについては、アメリカからの予算削減と同時に、大きな特徴的な一つは、これは日本の兵器の国産化という問題だろうと思う。これは当然そうなってくる。予算を削減されると同時に、日本の国産化の体制を作らなければならぬということが、私は特徴的なものになってくるだろうと思うのです。  そこで、この第二次防衛計画の改定なりあるいは第三次防衛計画の中にはっきりした核兵器というものが登場してくるだろうと私は思うのだが、それはどうですか。核兵器が今度は当然登場してくるわけでしょう。

志賀健次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(志賀健次郎君) どうも大森さんは、志賀防衛庁長官のようなことをおっしゃいますが、第二次防の改定の問題は、現在アメリカの予算の内容を私ども伺っておるところでございます。現在のところまだ具体的な内容を私ども把握いたしておりません。その具体的な対日軍事援助の内容などを見まして、それを検討した上でなければ、三十九年度のいわゆる第二次防の第三年度の計画がどうなるかということは現在申し上げるわけに参りません。また、第三次防は、当然これはやることになると思いまするけれども、現在具体的にまだ研究、作業を開始いたしておりません。したがって、核兵器を持ち込むとか——大体持ち込まないということがわが国の国是でございますから、それは大森先生の思い過しであろうと思うのでございまして、それはひとつ御心配のないように。第三次防をわれわれが策定いたすにいたしましても、核兵器を無条件に持ってくるというようなことは考えてもおらぬし、夢にも見ておりませんから、その点は御了承を賜わりたいと思うのでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 まあ志賀長官夢にも見ていないと言うけれども、夢がだんだん現実化するだろうという資料を私はたくさん持っております。もうあなたのほうに必ず来ますよ。あなた自身は夢にも見ていなくても、必ず出てくるだろうと思います。  そこでお伺いしますが、ボマークというのはどういうのですか、装備局長ですか、だれか知っている方答えて下さい。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) ボマークは地対空の誘導弾でございますが、私どもは第二次計画におきましてこれの導入ということは全然計画いたしておりません。

大森創造日本社会党

○大森創造君 ボマークというのは核兵器ですね。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) ボマークは、核弾頭と通常弾頭と、その両方が使えるものでございます。従来から政府の解釈として申し上げておりますのは、核兵器というのは、核弾頭をつけたものを核兵器と言うということでございますので、普通弾頭をつけましたボマークは、これは核兵器ではございません。

大森創造日本社会党

○大森創造君 ボマークというものを採用してはどうだというのは、遠くさかのぼって、赤城さんが昭和三十三年か四年に防衛庁長官の当時に、北海道でその構想を発表している。防衛庁のほうでは、これを第二次防衛計画に入れるかどうかということが問題になって、それを落としている。これは新聞などによっても、ボマークというものを開発しよう、国産化しようということは、各方面にちらちらしております。一番具体的な例を申し上げますというと、経団連の中に兵器国産何とか懇談会というものがありまして、そこでもってちゃんとスケジュールの中に載っている。このことは御存じですか。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 民間の団体におきまするスケジュールにつきましては私承知いたしておりませんが、第二次防衛整備計画は私が事務的に取りまとめをした責任者でございます。その際に、ボマークをはたして導入するかどうかということにつきまして、事務的にも検討いたしました。しかし、その結果、第二次計画にはボマークは考えないということで、そのように計画を作りましたのです。現在におきましても、何らボマークの導入は計画いたしておりません。

大森創造日本社会党

○大森創造君 これはまああなたのほうでは一番衝に当たる人ですから、言い回しが微妙になってくるだろうと思うのです。まあ民間の兵器生産懇談会ですか、そういうものは先ばしった構想を立ててもいいというような、私としてちょっとその問題については引き下がれないのです。赤城さんが北海道で昭和三十四年の構想の中にボマークを入れたらどうかという構想を話しているのですよ。当時の新聞を見ても、はっきり彼は言うている。そして一方その兵器懇談会という経団連の懇談会は、ボマークというもの、さらに大きく今原子力潜水艦の寄港が問題になっていますが、新型原子力潜水艦を作るという計画があるのです。経団連月報に出ている。そこで私としては、これはひとつ決算委員会に関係者にいつか機会を見て参考人として来てもらって、そしていろいろ構想を聞いてみたいと思うのです。F104にしてもそうだし、ボマークの問題にしてもそうですが、これは一体核兵器か核兵器でないかという問題については、ここに私は記録を持っている。これは横路節雄氏が衆議院の内閣委員会か何かで議論をし、それから地対空のミサイルのナイキ・アジャックスの問題、それからナイキ・ハーキュリーズの問題、これについて藤枝防衛庁長官とデリケートな、これは憲法違反かどうかという問題が提起されている。これは藤枝長官は当時こういう答弁をしているのですよ。核弾頭付のハーキュリーズを持つことがはたして自衛権行使の最小限度の範囲に入るかどうかは問題だが、いずれにしても政府は核装備はしないという立場を堅持している。今私がお伺いしたボマークということになると、104が事故が多くて、これは有人機最後の飛行機になるということだが、これをミサイルに切りかえるということは防衛庁長官としても腹案として考えているでしょう。装備局長は知らないはずがない。この経団連の兵器懇談会というものは、一歩進んだ計画をかねがね立っています。そこで、ボマークにしても、あるいは新型の動力による潜水艦ということは、これはずっと前の経団連の月報に出ておりますから、あとでお見せしてもよろしいが、こういう新型というものは世界の常識からいっても原子力ですよ。こういう計画が一方にある。私としては、民間が勝手に作ればいいとか、104を国会でもって問答をやるかどうかということになると、志賀防衛庁長官は、あずかり知らぬ、検討中であるということだと、経団連あるいは新三菱は頭にきてしまう。何とか104をきめてほしいということであなたのほうに申し入れがあるに違いない。そこで、日本の経団連の中の兵器生産懇談会なるものは、政府と無関係でないはずです、今までのいきさつからして。絶対に、何というか、勝手にやるなどということは——向こうが先行するなり、こっちがおくれるなりします、こっちは当局だから。だけれども、ボマークというのは、これは今までの横路節雄氏やその他の問答等からして、ボマークというやつがAとBとありますが、これが日本で採用された場合には、はっきりこれは核戦略体制です。これは核弾頭をつけるとかつけられないとかいう議論が今原子力潜水艦についてずいぶんなされているし、105についても、板付飛行場に配置がえになったあれについても、ずいぶん国会で外務委員会を中心としてやったようでありますが、私はボマークというものの兵器の性格からいうて、そういう議論はてんで私は夢のようなものだと思う。これははっきりした核兵器だと思う。そういうものを経団連の兵器生産懇談会のほうではっとに用意しておりますから、そこで、経団連は勝手にやれというのは、これはいかぬ。兵器というのは政府以外買うところはない。ほかの民間会社が買うとか、国会議員が買うとかいう問題でないから、兵器の性格からいうて、防衛庁のほうで買うことになっておる、国のほうで。こういう動きに対して、経団連の兵器生産懇談会というか、自民党の国防部会——おれは防衛庁だから、国防部会が何と言おうと、兵器生産懇談会が何と言おうと、おれのほうは違うという態度で済まされない密接な関係がありますよね。資料を出したり、指図したり、そういうことをしたことはありませんか、その関連のことをひとつお伺いしたい。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 日本の国防上のことにつきまして関心を持っておられる方がいろいろとおいでになることは、それ自体私どもとしましてもありがたいことだと思っております。ただいま、ボマークにつきまして、先生から、ボマークというものは当然核兵器であるという前提のお話がございましたが、それは、先ほど私申し上げましたように、ボマークというものは、普通弾頭と核弾頭と両用のものである。特に地対空の航空機相手のそういうミサイルにおきましての核弾頭の効果と普通高性能爆薬の効果というものにつきましては、これは一応のデータがございます。しかし、それ以外の場合の攻撃に使いますときの場合ほどの大きな開きはございません。したがいまして、侵入してくる爆撃機等に対しましては、むしろ通常弾頭の高性能のものを使ったほうが結果的には経済的である、こういう考え方も実はございます。従来、カナダにおきましては、ボマークを装備しておりますが、これは普通弾頭でやっております。先生御存じのように、先般アメリカとの問で核弾頭を持つか持たないかということでたいへんなやりとりがあったことでおわかりになりますように、ボマークは必ずしも核弾頭のものでなければならないわけではございません。したがいまして、私ども事務当局で、これは理屈になりますが、普通弾頭付のボマークを自衛隊が持つということは別に何ら差しつかえないわけでございます。しかし、その核兵器も使えるというものを持つかどうかということは、これは政治的な判断の分野に参りますと、私どもは、大臣の御指示によりまして、そういうものは現在の政治情勢下においては持つべきでない、こういう御指示を得まして、ボマークは計画からはずしております。そういう事情でございますので、先ほどお話がございましたが、民間の団体等に資料を出してどうこうということは一切いたしておりません。ただ、冒頭申し上げましたように、いろいろと日本の防衛のことにつきまして、真剣な御議論、御検討があるということは、それ自体けっこうなことだと私どもは考えております。

大森創造日本社会党

○大森創造君 時間がありませんから、ひとつ次回に、あとの機会に譲りたいと思いますが、そうすると、経団連のそういう動き、ボマークというものについてはあずかり知らないということでなくて、そういう民間の動きというものはあなたのほうは知っている、ただ防衛庁の計画にはボマークは採用しないということのように了解します。しかし、ボマークが核兵器かどうかという問題については、あとに譲りたいと思います。私のほうの資料では、どうもボマークというものは議論の余地がないような気がする。さらに、経団連のほうの民間の動きはどうでもいいと言ったって、それからすぐ防衛庁のほうが追っかけてくる。今の議論を見たって、ボマークというやつは議論している、計画の中に検討している、民間の動きとは無関係ではない。経団連のほうではさらに新型動力による潜水艦の開発ということをうたっておりますから、その次に防衛庁のほうにそういう問題が出てくると思います、あとからも。そういう問題は、きょうのあなた方の御答弁を一応了として、次回にいろいろの問題について質疑したいと思います。きょうはこれで終わります。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 私は、主として、FXを選定当時、私の質疑に対し国会で防衛庁から答弁があったわけですが、そういう答弁を通じてうかがわれる防衛庁の態度、言明、計画、そういうものと、今回のF104Jの事故と結びつけながら、二、三長官を主体にしてお伺いしたいと思います。  ただ、時間がございませんので、本日はごく二、三の点についてお伺いしたいと思いますが、大体ロッキードかグラマンかと騒がれた当初から、安全性とか低速時における運動性ないしはいわゆる滑走路の長さの不足、こういう点はF104がその当時から持っておった三つの不安であった、こういうふうに小川二佐も述べられておりますけれども、私どももその当時の内閣委員会でこういう点を重点的に、当時の赤城長官、加藤官房長、あるいは源田空幕長等に対して繰り返し追及してきたわけです。ところが、赤城長官以下口をそろえて、FOの安全性について、あくまでも安全性を主張して譲らなかったわけです。もしF104が、いうところのかような安全性を持っておったならば、ジェット機歴二千時間というこういうベテランの西三佐が墜落即死するというような事故も起きなかったであろう、かように推測されるわけであります。まず、この問題について長官はどうお考えか、お伺いしたいと思います。

志賀健次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(志賀健次郎君) 去る四月十日F104の初の事故がございまして、西三佐を失いましたことは、まことに遺憾しごくにたえないところでございます。ただいまお話しのとおり、ロッキードに機種がきまるまでの間、いろいろ経過がございますが、全力をあげて、その安全性、その他今御指摘の二点もございますが、それらを十分に確認した上で、F104というものが決定いたしておるのでございます。  また、去る四月十日以降合わせて四件の事故がございましたが、この事故のうち、機材の欠陥によるものは、西三佐の殉職いたしました初の事故、それから最後のきわめて小さな事故でございますが、その他は全部。パイロットの過誤によるものでございまして、少なくともわれわれはF104というものが致命的な機材の欠陥を持っているとは考えておりません。これは世界どこでもそうでございますが、非常に発達しました新しい戦闘機を使いまして、相当の事故が起きておるのであります。すなわち、パイロットの手の中に完全に入るまでの間には、それぞれの事故がどんな飛行機、どういう機種の飛行機にもあるのでございまして、それであるから104は当然であるとは私は申しませんけれども、少なくとも、104が性能上の致命的な欠陥によって、そうして西三佐のあの大きな事故を起こしたとは、私も考えておらないのであります。先般来、西三佐の事故につきましては、いろいろ御説明を申し上げておるのでありますが、当時、機材の欠陥によったものでございますが、西三佐の操縦が万全を期し得られますならば、ああした事故も起き得なかったのでございまして、少なくとも私ども、104につきましては、性能上あるいは機材上に欠陥があるとは考えておりません。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 今かりに、F104と、前回の主力戦闘機F86Fの胴体と、それから主翼の長さ、こういうものを比較してみると、その安全性は明確になると思うのですが、御承知のように、F104の胴体の長さは十六メートル六十九、主翼の長さは六メートル六十八というふうに、胴体は長いが、翼はきわめて短いということは、一たん空中においてエンジンに故障を起こしたような場合には、ものすごい沈下率を示すということになる。ところが、F86Fは胴体も主翼も十一メートルということで、緩漫な沈下率を示す、こういうことは私どもしろうとでもよく了解できるわけです。こういう点について、小川二佐も、詳しいことは申し上げませんが、その機体の問題についても非常に問題があったということを指摘しておるわけです。こういう点から考えますと、その当時の防衛庁が選定した、導入したF104は、きわめて不安定なジェット機であったということが、この点からも言えると思います。これに対して、長官はどういうふうにお考えですか。

志賀健次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(志賀健次郎君) 専門的なことでございますから、防衛局長から答弁させます。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) ただいま先生から沈下率等につきまして数字をあげての御質問でございますが、実はF104Jと申しますのは、御承知のように、その母体はF104Cでございます。これをもとにしまして日本のF104J、それ以外にカナダ、NATO諸国におきまして同様の機体をそのままに採用いたしまして、結局飛行機の製造を行なっております。現在までのところ約一千機程度すでに生産されておりまして、現実にそれぞれ任務についております。今後さらに一千機程度は、現在の計画では製造されるものでございます。したがいまして、約二千機の104Cというものが現実に極東及びヨーロッパ、アメリカ等において飛んでおる、こういう事実をもちましても、104がそれ自体危険な飛行機であるということでは決してないと私どもは考える次第でございます。ただ、非常に速いスピードのものでございますので、それ自体のプラスになっております点が逆に若干マイナスになってくるというふうなことは、これはいろいろと新しい兵器体系上当然持っておりますところの一つの条件でございます。その点をカバーすることは、結局はパイロットの教育練度の向上、こういうことになってこようかと、このように判断いたしておりますことを申し上げます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 私どもがその当時内閣委員会で論議した、その問題のおもな点は、そのロッキード、いわゆるF104Jの持つ安全性はどうか、こういう点であったわけです。特に、エンジンが空中で故障が起きた場合の火急降下の場合の危険率、こういう点にしぼって追及したわけです。ところが、先ほど申し上げたように、赤城長官も、加藤官房長も、源田空幕長も、口をそろえてこの安全性を強調して譲らなかったわけです。いわゆるジェット飛歴二千時間という非常にすぐれたパイロットが今回の事故を起こしたわけですが、このところで特に注意しなければならないのは、緊急着陸方式がいかにむずかしいものであるかということを、今回の事故を通して私どもは推察できるわけです。こういう点から推しても、この安全性ということがその当時のわれわれの論議の中心であったということ、そして不幸にして今回、このことがおもな原因であったと思いますが、こういう尊い犠牲を出した、こういうことになったと私ども確信するわけです。この点について明確なお考えをお聞きしたいと思います。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 先ほどもちょっと申し述べましたが、大体音速の二倍程度までのスピードが出ます、いわゆるセンチュリー・タイプと申しておりますが、こういう飛行機につきましては、何らかの原因でエンジンが停止いたしました等の場合におきまして、パイロットがいわゆるベイル・アウト——飛び出すわけでございます。この飛び出す時期を誤らないようにということが、一つの教育上の要諦になっております。これは、先ほど申しましたように、非常に高速で飛ぶ飛行機でございますから、先ほども御指摘がございました、翼面積が小さいために、スピードが落ちますというと急速にこれが落ちていく、これは当然のことでございます。したがいまして、パイロットとしましては、何らかの事故によって飛行機を所期どおり操縦できない場合には、なるべく早くベイル・アウトするということが一つの大事なことになっております。先般の事故につきましては、これは御説明すでにあったかと思いますけれども、結局あの飛行機を大事に扱おうということが、ベイル・アウトの時期を失わせたのではないか、こういうふうな考え方もございます。したがいまして、先ほど申しましたが、新しい非常に優秀な飛行機でございますが、それ自体のやはりマイナスの条件もございます。このマイナスの条件は、やはり人間の手によって補っていくより仕方がございません。尊い犠牲を出しましたこの例にかんがみまして、今後この104というものが、機体それ自体は決して、先ほど私が申しましたように、悪いものではございません。むしろ世界の第一流のものでございます。今後さらに一千機は作っていくという計画のものでございますので、この機体を完全に生かすように、パイロットの諸君に十分訓練、練度を重ねていただく、こういうことで大臣の御指導が出ておりますことをあわせて申し上げておきます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 ただいまの御答弁では、とうてい了解できないわけですけれども、時間がございませんから、次の問題に移りたいと思いますが、次期主力戦闘機の選定の段階で、源田調査団長が帰られた際に、滑走路の問題についても問題があったわけです。当初防衛庁としては、ロッキードの滑走路としては二千四百メートルあれば十分だ、こういう考えであったようですが、調査の結果、帰ってきてから、これは二千七百ないし三千メートルは最低必要である、こういうことが明らかにされたので、防衛庁としても飛行場の拡張に苦慮されたと思うわけです。この問題について、ここに記録が、ちょっと抜粋がございますが、三十四年の十二月八日、当時内閣委員会で源田空幕長に対する質問に対して、源田さんはこう答えられている。安全性から見れば長ければ長いほどよいが、F104Jのいわゆる演習訓練には二千四百メートルあれば十分だ、こういうことを繰り返し繰り返し主張されてきたわけです。この問題については、先ほど話題に出ました源田調査団の一員として渡米された小川元二佐も、その後実際に何年か訓練された結果、滑走路にも大きな問題がある。ということは、滑走路が不足している。私の記憶によれば、千歳は日本の飛行隊の滑走路としては最長で二千七百メートルであったと思いますが、それでもなお不足ということを強く訴えられているわけです。今回の訴えの中にも、そういう内容がうかがわれるわけです。そこで私どもは、日本の防衛庁の飛行場はみんな滑走路が短い——千歳だけが二千七百メートルで、以下はみなそれよりはるかに短い。こういう事情からも、長い滑走路を必要とする。いわゆるロッキードF104Jの問題は、非常にこういう点からも十分考えなければならぬのではなかろうか、こういう点を追及してきたわけですが、この滑走路の問題についてどういうふうにお考えですか。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) F104飛行隊のための滑走路の長さにつきましては、従来たびたび関係の委員会でも御説明申し上げておりますが、先ほど先生のお話にもございましたように、一応二千四百メートルあれば足りる、こういうことでございます。しかしながら、何分にも何ものにもかえがたい人命の安全のため、また非常に高価な機体の保護のために、この滑走路の延長が可能な場合においては、さらに三百メートル程度延ばしたい、すなわち二千七百メートル程度の滑走路を持たしたい、こういうことも従来防衛庁として説明をしてきておるところでございます。先ほどお言葉にございました、その必要であるということと、望ましいということと、これはまあ厳格に使い分けるわけでございますが、いろいろなことを想定いたしますと、長ければ長いほどいいという御答弁のありますとおり、三千であるとか、三千三百であるとかというような長さを持った滑走路があることは、望ましいことには違いございません。しかし、それがなければ配置できないというものではないということも、かつて御説明したところでございます。したがいまして、私どもは、現在時点におきまして、一応二千七百メートル程度まで滑走路というものは延長したいということで考えております。そこで、御参考までに申し上げますと、二千七百メートルの滑走路を持っておりますのが、今先生おっしゃいました千歳、そのほかに小牧、松島でございますが、二千四百メートル以上を拾いますと、浜松、新田原、百里、これらが二千四百メートルを持っております。さらに米軍の飛行場といたしまして、厚木が二千四百四十メートル、岩国、横田、三沢、板付等は三千メートル以上、こういうことでございますので、私どもは結論的に申しますと、二千四百メートルの滑走路を持ったものには、一応F104の部隊が配置できる。しかし、ほかの条件がこれを許すならば、さらに三百メートル程度延長したい、こういうことで事務的にいろいろな計画を考えております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 防衛庁の本庁にあって机上で計画をいろいろ立てられる、こういう観点からすれば、二千七百メートルあれば十分だというかもしれませんが、その小川二佐は、御承知のような経歴の持ち主で、実際訓練の結果、千歳におられたと思いますが、二千七百メートルの滑走路でもなお短いということを強調されておるわけであります。これは大きな問題だということを、この訴えの中でも特に強調されておるわけであります。こういう点から見ても、滑走路の長さということが非常な大きな問題であって、また今後も問題になる、こういうことは確信を持って言えると思うのです。そこでお伺いしたいのは、F104Jを防衛庁が導入して以来、この滑走路の延長の問題については、どのように取り組んできて、導入以来どのように拡張されたものか、そういう具体的な面についてお伺いしたいと思います。

上田克郎防衛庁経理局長

○政府委員(上田克郎君) ただいま防衛局長から申し上げましたように、望ましい形としては、二千四百メートルを三百メートル延長いたしまして二千七百メートルにするということは望ましいということで、104の生産に見合いながら延長を考えているわけでございますが、御指摘の千歳はすでに二千七百四十メートルでございます。そのほか現在延長を考えておりますところは、104の第二の配置を考えております新田原で、二千四百のものを二千七百にしたいということで、現在現地と折衝中でございます。なお、その後に飛行場を二千七百にするほうが望ましいということで考えておりますものが二つございます。百里がその一つでございますが、これは現在の計画ではなお二千四百で計画いたしておりまして、先ほども防衛局長から答弁がございましたとおり、二千四百でもやれる、しかし二千七百が望ましいという意味で、基地の建設を担当いたしております私たちの経理局といたしましては、でき得ればそういうふうな方向に持っていきたいという考えを持っておりますが、まだ、防衛庁として具体的に二千七百メートルにするような長官指令が出ておりますのは、現在のところ新田原だけでございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 私がお伺いしておるのは、現在どこどこの飛行場がどのくらいであるかということをお聞きしているわけではない。大体こちらも承知しておる。ただお伺いしたいのは、繰り返し申し上げるように、F104Jについては、源田空幕長でさえ、長ければ長いほど安全性がある、しかし二千四百で十分だと言う。こういう意味で、いわゆるパイロットの生命尊重という立場から考えるならば、長ければ長いほど安全だというのだから、長くするために防衛庁はこの新機の導入以来どのような努力をしてきたかということをお伺いしているわけです。それとも、なかなか飛行場の拡張については支障があって、意のごとくならずして今日に至っている、計画はかくかくだ、こういうことであるのか、その導入以後の防衛庁のいわゆる実際やってきた点についてお伺いしておるのです。

上田克郎防衛庁経理局長

○政府委員(上田克郎君) 先生御指摘のとおり、二千四百ぐらいの滑走路で既設の飛行場がある場合に、三百メートルの延長をいたしますにつきましては、新しい用地の買収という問題が常に出てくるわけでございます。用地の買収につきましては、一般の基地問題の例にも漏れませず、その際になかなか円滑に用地の買収は不可能でございます。しかし、その現地の所有者の反対あるいは賛成という方と両方ございますが、賛成の方は当然でございますけれども、反対の方にもよく事情をお話しいたしまして、その納得を得てできる限り拡張をスムーズにやるように努力いたしておるわけでございますが、その拡張についてきわめてむずかしい問題が常に発生しているということは事実でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 結局、お聞きすると、むずかしい問題があって進まない。これは、言うまでもなく、用地の手入れがなかなか容易でない。とにかく用地がなかなか手に入らぬ。予算も予想外にかかる。特に、F104Jの基地だということになれば、騒音もものすごい、そうして危険性もある、こういうことで地元の反対が強い。こういう幾つかの条件でなかなか意のごとく飛行場の拡張ができなかったということであろうと思いますが、しかし、繰り返し申し上げるように、源田空幕長でさえも、長ければ長いほど安全だ。防衛庁がもしいわゆる自衛官の生命を尊重するという、そういう基本的なお考えのもとに立つならば、万難を排して新しいジェット機を導入した以上は、危険が少しもないように、安全に訓練ができるように、こういう点に向かって最大の努力をしてしかるべきであったと思う。にもかかわらず、机上プランは別として、実際には遅々として進まなかった。こういう基本的な考え方に対して、長官はどういうふうにお考えになりますか。

志賀健次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(志賀健次郎君) 全く伊藤先生の仰せのとおりでございまして、私どもその御趣旨に沿いまして全力をあげておる最中であります。先ほど防衛、経理両局長から申し上げましたとおり、現在二千七百メートルの延長を目途に、新田原にいたしましても、あるいはまた百里につきましても、最善を尽くしておる最中でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 時間もございませんから、次の問題に入りたいと思いますが、私どもは、いわゆるFX選定の過程において、その当時アメリカでは、ロッキードF104はもう第一線の機からはずして生産も中止する、こういう報道を受けたわけです。こういうことになると、たとえば部品、機材の入手竜非常に困難になるであろう、こういう観点から、そういうようなジェット機を導入するということについては、部品の入手困難、こういうことを初めとして、機材の入手が困難になりますから、なかなかもってこれは考えざるを得ない大きな問題ではなかろうか、こういう点について追及して参りましたけれども、赤城長官以下関係者は、異口同音に、そういう心配は毛頭ないということを主張し続けてきたわけです。さて、今回の事故を通して小川元二佐のこの訴えを拝見しても、こういうことが非常に真剣に載せられておる、問題にされておる。こういうところにも大きな問題があったのではなかろうか、こういうふうに当然に考えられるわけです。この部品とか機材等の問題について不足だという大きな問題について、これも防衛庁のその当時の関係者の見込み違いであり、これはまた非常に大きな責任問題でもあろうと思うんです。現実において、導入して以来機材が芳しく手に入らぬ。こういうことでは、結局こういうことがパイロットのいわゆる貴重な生命にも関係してくる、こういうことになろうかと思う。これも大きな基本問題であろうと思うんです。この点長官いかがお考えですか。

志賀健次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(志賀健次郎君) ただいまの部品その他機材問題につきましては、装備局長からお答え申し上げます。

伊藤三郎防衛庁装備局長

○政府委員(伊藤三郎君) 104J用の部品の補給でございますが、現在においては必ずしも満足すべき状態でないことは事実でございます。先回の決算委員会でも申し上げましたように、配属されました104に対しまして必要な部品を全部取りそろえておくということになりますと、何万点という部品を各飛行場にそろえなきゃならぬということで、非常な経費を要しますので、通常やっておりますように、従来の経験等から見まして最も取りかえを必要とするような部品を予想をして、それをそろえておるだけでございますが、その予想が新しい飛行機におきましてはとかく狂いがちでございますので、そういう意味で部品がないという状態が起こっております。したがいまして、104はほかの86等に比べまして稼働率が低い状態にあるという状態でございます。輸入の点でございますが、現在104同型の飛行機は、米国においても、またヨーロッパにおいても、作っております。全体で約二千機の計画を持って生産をいたしております。米国自身は米国の空軍には採用しておりませんが、ほかの地域に対するものとして米国でもロッキードで製作いたしております。したがいまして、そういう意味で、米国で使っていないから部品の補給が続かないんじゃないかという点の懸念は、現在のところございません。現在製作しております104の所用の部品の輸入も順調に入ってきておりますし、また必要な国産化も進めておるわけでございまして、逐次現在のような部品不足——ほかの86等に比べて104が部品の不足状況が多い、したがって稼働率が低いというような状態は、逐次解消されていくものと考えまして、鋭意努力をいたしております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 このFX選定当時、防衛庁は104Jのいわゆる事故予想について内閣委員会でこう答弁されておるわけです。一万時間当たり事故六機の計画であります、一万時間に対して六機の事故が起きる割合に踏んでおる、こういう計画であるとの明確な答弁であったわけです。さて、F104は、もし間違いなくば、四月一日現在で、保有機数が三十五機、飛行時間は大体一千時間であろうかと思うんですが、にもかかわらず、今回の事故を入れて四件すでに事故が起きているわけです。こういう問題を通して見ると、この一万時間で六機の故障、こういうことは明らかに防衛庁の見込み違いということは推定されるわけです。この点はいかがです。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) 一万時間六機と申します際の事故率の件数は、通常大事故となっております。つまり、墜落とか完全なクラッシュでありまして、原形に復しにくいまでに破壊した場合の件数でございます。したがいまして、四月以来の104事故四件のうちで、そういった事故は一件、あとの三件はごく軽微な損傷でございます。一万時間六件という中には算入しておりません。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 墜落事故の面であるというふうに百歩譲って考えても、一万に対して六件ということと、大体現在は一千くらいであろうと思うのですが——間違いであれば御指摘いただきたい、一千に対して一機と見ても、はるかに見込み違いになるわけです、いずれにしても。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) ただいまのお話のように、四月十日に一件大事故が起こりましたまでの総時間は、約一千時間であります。したがいまして、一万時間六件といたしますと、一千六百時間くらいに一件が普通の計算になるわけです。その計算よりはるかに早く一件の事故が起こったということは、はなはだ遺憾に思っておりますが、今後ひとつ私どもも十分注意しまして、その一万時間ではもっと少ない事故率でおさまるように、現在鋭意点検、整備を急いでいるわけです。御了承願います。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 このロッキード型のジェット戦闘機はいかに不安定なジェット機であるかということの一つの証左になろうと思うのですが、ここに記録がございますが、日本のF104Jだけでなく、西ドイツでもF104Gを導入しているわけですが、有名なウイング紙という新聞の本年一月三十日あるいは三月十三日の新聞紙上に、「F104G生産の黒いうわさ」、こういう表題で事故が明確に出ておりますが、こういう内容です。「ある信頼すべき筋の情報によれば、西ドイツ空軍に引き渡されたF104G四十機のうち、少なくとも十四機から十七機が墜落事故を起こしたとのことだ」と報じている。こういうことなんですが、このロッキードは、こういう角度からも、なるほど物騒千万な不安定な戦闘機だということは、日本の事故だけでなく——これはロッキードは、言うまでもなく、日本と西ドイツとカナダであったと思いますが、それぞれ相当事故を起こしている。さかのぼれば、アメリカでこのロッキードF104をいわゆる開発した当時にも、アメリカ自体でも相当の事故を連続さしている。こういうことを総合すれば、このロッキードF104Gにしろ、Jにしろ、相当に不安定な危険千万な戦闘機であったということは言えると思うのです。この点いかがですか。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) 先ほどお話しの、西ドイツの事故につきましては、おっしゃるような記事が出ましたものですから、われわれのほうでも慎重に、できる範囲の権威ある筋を使いまして調査しましたところ、現在までのところ判明いたしました数字では、五件八機でございます。そのうちで四機は、編隊飛行中に全機が接触いたしまして、まことに不幸な、一ぺんに四機という事故がありましたので、機数が増加しておるのじゃないかと思っております。それからアメリカやカナダのほうは、確かな数字は入手できませんが、大体いろいろな情報を総合いたしますと、やはり先ほど来話にありますように、一万時間六件、あるいはときには四件というふうなところを上下しておるような数字を聞いております。したがいまして、大体今までわれわれが予想しております数字が一応理論的な数字じゃないか。もちろん、これは理論的な数字でありますので、実際には努力いたしましてそれ以下におさめたいというのがわれわれの念願であります。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 西ドイツでは、F104Gについては、普通のパイロットにはきわめて扱いにくい機種だという断定が下されておる、こういうふうに聞いておるわけです。  そこでお伺いしたいのは、事故調査委員会では、こういう西ドイツの事故、あるいはカナダの事故、こういう点については、そつなくすでにもう調査ができておると思うのですが、そういう点について、事故の事情についてどのように把握されておるのか。こういうことが今回の事故原因の究明に相当役立つものではなかろうか——多少違いますけれども、もとはいわゆるロッキードですから、ロッキードF104ですから、多少変わっておりますけれども、いわゆる事故原因の究明には役立つと思うのですが、そういう点を簡単にひとつお聞かせいただきたい。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) 事故原因につきましては、これも調査いたしましたところでは、アメリカの例について申しますと、機材の欠陥が四六%、操縦士の手落ちが二七%、あとは監督とかふなれ。それからカナダのほうでは、いろいろこれも雑誌を介しての調査でございますが、操縦士の手落ち、あるいは機材の欠陥、若干理由はございますが、半々程度に原因があると聞いております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 今度の千歳における事故の原因の究明については、その後も十分検討を加えられておると思うのですが、この調査委員会の調査の結果、これは一体どうなっておるのか。それと機体の構造上にも原因があったのじゃなかろうかと私どもは私どもなりに推測されるわけですが、ただ五月三十日内閣委員会で小幡教育局長が事故の原因として二つあげられておる。これはもちろん中間報告であろうと思いますが、第一の原因はいわゆる機材の故障であったと考えられる、第二の原因は操縦士に若干の手落ちがあったと判断される、こういうふうにきわめて皮相な、またきわめて薄っぺらな見方を当局としては出しておるわけです。小川二佐が、こういうようなことからも、職を賭してまでもこういう訴えをしておるのじゃなかろうか、こういうふうに考えられるわけです。そこで、現段階における調査の総括をひとつお聞かせいただきたい。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) 四月十日の事故原因につきましては、ただいま御指摘のとおり、第一原因は機材の故障でございます。第二原因は操縦士の若干の手落ち。その内容は、あれは御承知のように、最終段階までは西三佐は沈着に飛行機を操縦しておりまして、コントロール・タワーと絶えず連絡しておったと思いますが、その原因ははっきりしております。それは、一万メートル上空でスロットルが全開のままとまったということが、これは明瞭であります。そのあと幸い飛行機も低空で落ちましたので、粉みじんにはなっておらぬ。相当大きく分かれて破壊されております。事故の調査も比較的順調に参りまして、長い間かけました検討の結果、スロットル系統の故障の原因は次の三つに原因が集約されております。  第一は、ケーブルが何らかの原因ではずれて滑車に食い込んだのではないかというのが第一。  第二は、スロットルからワイヤーを通じましてエンジンにつながっております燃料調整系統の末端の部分がエンジンについております配油ホースとからみまして、スロットルが全開のままとまったのじゃないかというのが、第二の推定原因であります。  第三の推定原因は、外国にも例がありまして、何か整備や製造の段階で、たとえば布ぎれのようなものが滑車に食い込んで、そのためスロットルの回転がきかなくなったのじゃないか。  この三つが推定原因として考えられまして、これは、三菱の技術陣営も含めまして、一緒に実験その他あらゆる検討をしましたが、この機械装置に対してこのような現象が起こる原因は、この三つ以外には今のところ考えられません。したがって、これはそのうちのどれか一つであることは確かであるというふうに考えております。  なお、第二の操縦士の操作について若干の手落ちがあったんではないかという点は、これも前回申し上げましたが、最終段階に参りまして、エンジンをとめて滑走に入ります際に、スピード・ブレーキを引き上げるという手順を、省略といいますか、抜かしたという点が一つの問題でありまして、スピード・ブレーキを下げたままエンジンを停止させましたので、先ほど来伊藤先生の御心配のあります沈下率というものが急に増しまして、非常に低い高度で狭いところで急傾しまして飛行場の一角に突っ込んだという点は、もしこの際スピード・ブレーキを上げておってくれれば、もう少し緩漫な速度で着陸できたのではないかというふうに推測されるわけでありまして、この点、なくなった西君を責めるわけではありませんが、そういった点もあるいはできたのではないかというふうに、残念に考える次第であります。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 もう時間も予定以上にだいぶたっておりますし、皆さんに御迷惑をかけますから、なお次回にまた、あるいは内閣委員会であとお伺いすることにして、最後に一点だけお伺いいたしますが、私は、内閣委員会で、当時FX選定の過程で源田空幕長にこういう質問をしました。マッハ〇・九のF86Fでも相当事故を起こしている、ましてやマッハ二のF104ジェットJになると、音速の二倍という、こういう超速のジェット機であるから、これはよほどすぐれたパイロットでないと乗りこなせないのではないか、こういう質問をしたことがありましたが、源田空幕長は自信ありげに、F86Fを乗りこなせるパイロットならば心配なくこのF104Jは乗りこなせるということを繰り返し答弁してきたんです。また、こういうことを伺っているわけです。昨年の十二月、ジェット機歴一千時間以上の者の中からF104Jの搭乗員を求むべく、その課程を終わって、さてそれを完全に終わった者はわずか三名だ——何名入ったということは出ておりませんから、比較はできませんが、わずか三名であったということから見て、F86Fと格段の技術の高度を必要とするのではなかろうか、その当時から私どもはさように確信しておったわけですが、現在でもF86Fを乗りこなせるパイロットならば、源田空幕長のおっしゃるように、F104Jについても同様に乗りこなせる、こういうふうに考えているのか、それは間違いなのか、その点を明確にしていただいて、本日の私の質問を終わりたいと思います。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) ただいまのお話にありましたように、F86F一千時間の経験者は、FOの教官要員として教育しております。それから一般の戦闘要員は、86Fあるいは86Dの五百時間以上飛んだ者を一般の戦闘要員として訓練しておりますが、その間いろいろ、シュミレーターあるいは地上準備等につきまして非常に詳細な教育をやっておりまして、御心配の向きはあろうかと思いますが、われわれとしましては、プロペラ機からジェット機へ移るよりも、F86FあるいはDの経験者が104に移る危険度ははるかに少ないというふうに専門家から聞いておりますので、その点ひとつ、決して楽とは申しませんが、そのように了解をしていただきたいと思います。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 非常に時間が迫っておりますので、私はF104の問題についてはきょうは質問をやめたいと思いますが、まあこの問題では、先ほど大森委員も言われたように、非常に国民として不安な状態が起こっておる。特に、最近の新聞に娘を嫁にやった母親までが投書をしておるという現状が起こっておるわけですが、まあかかる意味から、先ほど長官のお話を聞いて、今後できるだけ自分としても個人に会って話をしたいと、こういう考え方もあるようでありますから、この問題は、多少ダブる点もありますし、きょうは質問をやめて、後日に譲りたいと考えております。  なお、したがって、私は、新聞で非常に問題になっておりますバッジの選定の疑問とか、こういう見出しで大きく今日表面に出ておりますこの問題について、ひとつ質問をしたいと思うのです。このバッジのシステムについては、まあ衆参両院で相当論議された点でありますが、第二回目をアメリカに派遣されて、いろいろ検討されて、すでにこの一週間かあるいは十日以内に決定されるということがうかがえるのであります。長官の答弁から考えますと、そういうふうに私はうかがえるのです。そこで、一、二点長官の意見をお伺いしておきたいんですが、先般第二次バッジ調査団が出発して、この三十日に帰国すると、こう聞いておりますが、長官がたびたび言っておられるように、六月はもうすでにわずかしかございません。あるいはまた七月の初旬までにきめる意思があるのかどうか、その点をひとつお聞きしておきたいと思います。

志賀健次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(志賀健次郎君) 当初は今月の末に決定いたしたい方針でございましたが、おそらく七月早々に相なるものと考えております。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 先ほど言ったように、まあ新聞やあるいはいろいろの町のうわさによりますと、ヒューズ、リットンの採用の云々に対して、最近GE社の強力な巻き返し的な運動が起こっておる。先般来も、ギルパトリック国防次官と同行して来ましたスチブンソン氏という役人が、いまだに継続して日本に残っておられる。そうして、防衛庁内、あるいはまた空幕に強力に働きかけて、バッジ・システムは米国の空軍で現在使用しておる、またNATO諸国においてもこのGEを設置しておると、したがってこのGE社のバッジ・システムを採用すれば非常にこれからの一貫した連携において作戦上も可能ではないかと、こういう圧力が——というと語弊があるかもしれませんけれども、そういうふうに持ちかけられておると、特にGE社でもこの動きに応じてうわさによると一二%の値下げをやったと——あれは二百七億円でしたか、それを一二%の値下げをやったとか、こういうふうに言われておるのだが、これらの動きに関連して考えられることは、防衛庁はこのような米国の国防省筋からの圧力が私はあるとは思いませんけれども、この四月二十七日の最終見積もりで値が入札された。そうして、あとで出る値下げに対してまたどのような態度でいるのか、まあ答弁を聞いておく必要があると、こういうふうに私は考えるのです。

志賀健次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(志賀健次郎君) 機種の選定は、日本が自主的にこれはきめるのでございまして、これは二次防の中で考えて以来一貫しておることでございます。したがって、アメリカから圧力が加わるとか、あるいはアメリカの希望をいれてということは毛頭ございません。私が最高の責任者でございますから、私が慎重に検討いたしまして、きわめて今日フェアに調査研究を続けている際でございます。したがって、これは部内に対しましても、議論するところは大いに議論しろと、裏に隠れておってこそこそいろいろな話をするのじゃなしに、国民の前においてフェアに大いに議論をしろ、その議論をしておることが新聞にもそのままに映っておるのでございまして、もしも防衛庁の中に異論がなければ、そのほうがおかしいのでありまして、私が奨励して大いに議論をさしておるのでございますが、しかし、議論もこれは限度がございまするから、そこでいよいよ最終的な結論を出すために、私は第二次の調査団を派遣いたしたのでございます。いやしくも兵器の選定にあたりまして、従来政治家がとかくやるのでございますが、足して二で割ったというような方式は絶対やりません。これはしかも、このシステムによってパイロットが活躍するのでございますから、もしもこのシステムに遺憾の点があったり、あるいはまた性能上においていろいろ後に議論されるようなことがありますれば、たいへんなことでございます。したがって、技術的にとことんまで調査研究をした上で最終的な判断を下すために、第二次の調査団を派遣いたしておるのであります。  なお、先生が冒頭に言われたスチブンソンという人、私一度会ったことがございますが、この方は、アメリカの国防次官ギルパトリック氏が日本に来訪せられまして私のところへ訪ねてきた場合にも、ついておられまして、そのとき私は一度お目にかかっただけでございますが、ギルパトリック氏が帰ったあと間もなくアメリカに帰国せられて、日本にはおらない人でございまするから、そういう人がバッジの機種選定にあたっていろいろ暗躍いたしておるような事実は、私は承知いたしておりません。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 それであらかじめわかりましたが、今度浦茂防衛部長が第二回目に行かれたおもなもの、現地調査ですか。これについては、リットン、ヒューズを中心に見てきておられるようですけれども、したがって、国内の防衛庁における意見というものは二つの問題で意見が対立しておったと、こういう見方を私たちはするわけです。なお、このGEのほうは、値段からいっても二百七億というような数字でもありますし、したがって、先ほどのこれが一二%下がるというようなことも流布されております。だから、長官としては、主として今後二回目に行かれた点が、リットンとヒューズとこの二つに行かれた点で、大体ここらできまると、こういうお考えなのかどうか、それを聞いておきたい。

志賀健次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(志賀健次郎君) これは、何度も他の委員会においても申し上げておるところでございますが、昨年の十一月に丸田君を——世間で団長と申すのでありますが、私は何も団長という名前を与えた覚えはないのでありますが、丸田君を中心としまして、バッジの調査のために派遣いたしました。その際におきまするアメリカの状況は、GEの組織はほとんど完成いたしております。したがって、丸田君の調査は、GEに関しましては、ほとんど完成いたしております。もう完璧なレポートが、私のほうに提出済みでございます。ところが、当時リットンは、まだ完全にはできておらなかった。ほとんど完全に近いもののようでございましたが、まだ調査の手が届かぬ点がございました。さらにまた、ヒューズ社のものにつきましては、いろいろな独立した機材は完成いたしておりましたけれども、これを結んで一貫しました組織としては、まだ完成しておらない。したがって、今回、浦君を中心とする調査団は、リットンとヒューズに重点を置いて、GEのほうはすでに昨年の十一月にもう完全に近い調査を完了いたしておりまするから、その三つを最終的に検討して、私は判断を下そうというのでございます。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 その問題について、継続して質問もしたいのですが、時間も多くありませんので……。なお、長官には、そういう御答弁をしていただいておりますから、私は、非常に熱心な検討をした結果、断を下そうというお考えだろうと思うのです。けれども、いろいろ世間の——新聞その他から私たちが推察しますと、特にF104飛行隊長小川二佐の辞任問題、なお航空幕僚監部におけるバッジの問題に対する幹部間の対立といいますか、あるいはまた意見の対立が、長官がおっしゃるような、結果を見出すためにやられる意見と違うような、まるでけんかであったのじゃないか。こういう論争の中で、五月三十一日の場面は、その結果が対立したのだ、こういうことを聞いておるのですが、それはほんとうに長官の意見を信用して聞いておいてもいいのかどうか。あるいはまた、小川隊長がいろいろ書いておられることから見ても、先ほど大森委員が真剣に訴えられたように、私もその点について心配する一人なんですが、どうですか、その点。

志賀健次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(志賀健次郎君) 防衛庁の幹部諸君は、非常に熱心な、また優秀な幹部をそろえてございます。また、空幕の諸君は、命がけで。パイロットを指導する立場でございまするから、空幕内における議論、また内局内における各幹部の意見は、これは当然あってしかるべきものでございまして、私はむしろ、つかみ合いくらいやるまでにひとつ議論をやってみろというぐらいに考えておるのでございまして、それは、新聞やマスコミでは、あるいはおもしろおかしく映っているものもあるかもしれませんが、これはなるほど、人間でございますから感情はございますが、私が最終的にきめれば、これは一切政府一任でございますから、この点はひとつ御了承を賜わりたいと思います。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 長官が委員会においてそういう発言をされる以上においては、それ以上の私たちは追及もできないわけです。しかし、長官、世間ではそう見てないのですね。新聞の記事を見ても、いろいろ私たちがうわさに聞くところを見ても、やはりそうは見てないのです。だから、形式的な答弁をされないで、多少の摩擦があったというくらいなことは、委員会で長官は発表されるべきだと私は思うのです。それでなければ、質問する価値ないですよ。いつもの長官の——私は、予算委員会のときにも、出て聞いていましたがね、全くそのときの答弁と一緒なんだ。それなら、私たちが心配してここでこういう発言する必要ないですよ。だから、その点だけは、摩擦のあった事実があれば、もっと率直に委員にも言っていただいて、将来の自衛隊の発展のために、国会議員はもとより、あらゆる面における努力をすべきだ、こういうふうに私たちは考えるわけです。特に長官は、新聞人の出身でもありますし、そういう点は、新聞にどの程度のことを書くということは、十分私は御承知だと思うのだがね、実際問題として。そこで、長官が公明正大にやっておるのだと言われることはわかりますが、しかし、何といいますか、日本の政治は、任期というのが早いわけですね。もっとやってもらいたい、いい長官だと惜しげに私たちは思っても、やれない場合があるのです。そこで、これも任期の仕事の一つだというふうに長官もお考えになっておられるのかもわかりませんが、このバッジ決定は、何としても、あるいは場合によっては、航空幕僚長の交代をさせるというようなお腹がなければ、この問題は解決つかぬというような考え方を私は持つわけです。そういう面については、ひとつ忌憚なく、新聞記事のどの程度は、ここまで来ておるのだということをちょっとお聞かせ願って、腹もひとつ聞かしてもらいたいと思うのです。どうかひとつよろしくお願いします。

志賀健次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(志賀健次郎君) 非常にこれはむずかしい御質問でございまして、私は元来、東北人で、舌足らずでございまして、十分なるお答えはできないと思うのであります。ただ、先生のいろいろなお話を伺っておって、このバッジの選定をめぐって非常に心配を願っておる。これはおそらく、国民の相当な人々が、先生と同じように心配されておると思うのでございます。それだけに私は、慎重にかつフェアにこの問題を徹底的に討議して、国民の不安——先生のただいま申されたお話は、国民のそれ相応の人々の抱く不安でもあると思いますので、そういう不安に対して、きわめて直截簡明にこたえなければならぬ。こたえるために、私はせっかく努力をいたしておる。あるいは、その努力の過程におきまして、議論のあることは、当然私は大いに議論をすべしということをむしろ指示をいたしておるのでございまして、その辺の裏口でこそこそ相談をするようなことはやめろ、堂々とやれ、こういう趣旨で、これまたフェアに議論をいたしておるのでありますから、またその議論の内容に、感情もございましょう、いろいろな行き違いもございましょうから、それがいろいろな形で、私もかつて新聞記者もやりましたから、そういうようなことを書いた経験もあるのでございますが、したがって、さっきお話に出てきました空幕長の云々というようなことは考えておりません。私はそういうことを念頭に置いておるのではないのでございます。これは、日本の防空の根幹をなす一つの組織でもございまするし、同時にパイロットの尊い生命をむなしくさせるようなことがあってはたいへんであるという非常な責任感から、私は慎重を期してその選定の結論を急いでおる次第でございまして、どうか、さような私の至らぬ努力の過程でございますが、御了承を賜わりたいと思うのでございます。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 最後にしますが、何回も繰り返しますごとく、長官の個人的な真剣な理念といいますか、防衛庁における考え方というものには、私は賛同せざるを得ないのです。そのとおりです。しかし、現実の違いというものは、これは見のがすことはできないのです。いくら長官が、そういうふうな理想的な防衛庁のあり方にしたい、そして日本の将来に寄与していきたい、こういう理想論をいかにおっしゃっても、現実に摩擦があって大きな影響があるというならば、これは英断の場合も私はあろうかと思うのです。小川隊長の場合も、やはりそういうところからきておる私は一節だと考えるのです。だから、理想には私は賛成しますけれども、それ以外の現実起こっておる問題は、もっと私も探究して今後いきたいと思いますが、長官はそのことは非常にわかっておるのだろうと思うのです。しかし、きょうは、時間もありませんし、これ以上の追及もいたしませんが、今後に継続して行ないたい、こういうふうに考えております。

志賀健次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(志賀健次郎君) ありがとうございました。

横川正市日本社会党

○委員長(横川正市君) 防衛庁に関する審査は、本日のところこの程度にとどめます。     —————————————

横川正市日本社会党

○委員長(横川正市君) この際、継続審査及び継続調査の要求に関する件についてお諮りいたします。  昭和三十六年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十六年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十六年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十六年度政府関係機関決算書、昭和三十六年度物品増減及び現在額総計算書、昭和三十六年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和三十六年度国有財産無償貸付状況総計算書の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査につきましては、今期国会中にその審査及び調査を完了いたすことは困難でありますので、閉会後も引き続いてその審査を行なうこととし、本院規則第五十三条により継続審査要求書並びに継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

横川正市日本社会党

○委員長(横川正市君) 異議ないと認め、さよう決定いたしました。  なお、要求書の作成、提出の時期等の手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

横川正市日本社会党

○委員長(横川正市君) 異議ないと認め、さよう決定いたしました。     —————————————

横川正市日本社会党

○委員長(横川正市君) 次に、委員派遣要求に関する件についてお諮りいたします。  昭和三十六年度決算外三件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、今期国会閉会中委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

横川正市日本社会党

○委員長(横川正市君) 異議ないと認めます。  つきましては、本院規則第百八十条の二によりまして、委員派遣承認要求書を議長に提出いたすことになっておりますので、要求書の内容、提出の時期等の手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

横川正市日本社会党

○委員長(横川正市君) 異議ないと認め、さよう決定いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十四分散会

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