決算委員会 第9号
- 発言数
- 72 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/06/24
会議録
○委員長(横川正市君) ただいまから決算委員会を開催いたします。 この際、参考人の出席要求につきましてお諮りいたします。 昭和三十六年度決算審査に資するため、今後政府関係機関等の役職員を必要に応じ随時参考人として出席いただき、御意見を聴取いたすことといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(横川正市君) 異議ないと認めます。 なお、参考人出席の日時、人選等、諸般の手続につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(横川正市君) 異議ないと認め、さよう決定いたしました。
○委員長(横川正市君) それでは、三十六年度決算外三件を議題とし、審査を進めます。 本日は防衛庁の部でございます。まず、防衛庁長官から、昭和三十六年度防衛庁関係決算について説明を求めます。
○国務大臣(志賀健次郎君) 昭和三十六年度における防衛庁関係歳出の決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和三十六年度防衛本庁の経費について御説明申しあげますと、当初の歳出予算額は千七百十七億千六百七十五万円でありまして、これに昭和三十六年十月以降の政府職員の給与を改善するための予算補正追加額三十一億七千二百四十二万円、成層圏における放射能調査等のため科学技術庁から移しかえを受けた額三百二万円、前年度からの繰越額三十二億四千六百三十七万円を加えますと、歳出予算現額は千七百八十一億三千八百五十七万円となります。この歳出予算現額のうち、支出済歳出額は千七百十九億六千六百九十万円でありまして、これを歳出予算現額に比較いたしますと六十一億七千百六十七万円の差額を生じます。この差額は、繰越額と不用額とでありまして、繰越額は五十八億六千百五十二万円、不用額は三億千十四万円であり、これを昭和三十五年度の決算と比較いたしますと、繰越額において二十六億千五百十五万円の増加となっており、不用額において二十二億七千五百三十一万円の減少となっております。 昭和三十六年度の予算につきましては、昭和三十五年度末の現態勢を維持するための経費を使用しましたほか、陸上自衛隊につきましては、前年度の六管区隊、四混成団を十三師団に改編する初年度といたしまして、四管区隊、一混成団を、八師団に改編して、防衛力及び警備力の向上をはかるとともに、自衛官千五百人を増勢して建設大隊、施設大隊等の改編を行ない、施設作業能力を高め、災害派遣等民生協力面の強化をはかりました。また、三十五年度に引き続き、第七混成団の機甲化を中心として装備の改編を行ない、既存部隊の質的向上をはかりました。 海上自衛隊につきましては、老朽艦の除籍計画に基づく計画的代艦確保を主眼として、特にその性能向上に留意し、乙型警備艦二隻、潜水艦一隻、甲型駆潜艇二隻、中型掃海艇二隻、計七隻五千九百八十トンの建造及び大型対潜喧戒機(P2V−七)十四機の生産を三十五年度に継続して行なうとともに、ヘリコプター七機、練習機十三機を購入することにいたしました。また、人員につきましては、三十六年度就役艦の海上要員、航空機の増設に伴う航空要員及び後方補給教育要員確保のため、自衛官四千四百三十一人、自衛官以外の職員千二百四十九人の増員をはかりました。 航空自衛隊につきましては、防空能力等を強化し、各航空団の配置と指揮機能の適正化をはかり、防空警戒体制の基盤を造成するため、西部方面航空隊、第六、第七航空団、偵察航空隊、保安管制気象団等を編成するとともに、これら部隊等の後方支援能力を強化するに要する自衛官五千百十三人、自衛官以外の職員八百九十一人を増員することといたしました。航空機につきましては、F104J戦闘機及びH19ヘリコプターの生産を行なうとともに、ジェット中間練習機(T1A)二十機の第三次生産に着手いたしました。 以上のほか、三自衛隊の統合運用の基盤を造成するため統合幕僚学校を、体育の振興をはかるため体育学校を、それぞれ新設いたしました。また、対空誘導兵器の導入に備えG・Mの研究を、さらに騒音防止対策を進めるための所要経費を、それぞれ使用いたしました。 繰越額五十八億六千百五十二万円のうちおもなものは、器材費等二十七億三千五百五十七万円、艦船建造費十八億四千五十万円、施設整備費九億七千五百二十一万円などでありますが、この繰り越しを生じました理由の概要を申し上げますと、器材費等につきましては、装備品の大部分が、一般市販品と異なり、特殊の規格、性能が要求されますので、調達に際して、規格の決定、仕様書の調整に慎重を期したこと、また有償供与を主とする輸入品につきましては、その手続等にやむを得ない日数を要したために、契約または納入が遅延したこと等に基づくものであり、艦船建造費につきましては、要求性能の決定及び設計の作成等に長期の日数を要したことに基づくものであり、施設整備費につきましては、用地の取得に際し、所有者の納得を得ることが困難であり、また補償の折衝に意外の日数を要したこと等により、工事が遅延したことに基づくものであります。 また、不用額三億千十四万円のおもなるものは、人件費、器材費等でありますが、器材費等につきましては、契約価格が予定価格より低かったことと、装備品等の維持費を要することが少なかったこと等によるものであります。不用額は、前に述べましたように、前年度に比較して二十二億七千五百三十一万円の減少となっておりますが、これは、昭和三十六年度予算につきましては、防衛力整備計画に基づく自衛隊の任務遂行に必要な予算で、これが適正な執行をはかるために年度内消化可能なもののみを歳出予算に計上いたし、その執行にあたりましても計画的、合理的運営をはかった結果、前年度に比べ大幅に圧縮することができたものと思っております。 次に、昭和三十六年度調達庁の経費について御説明申し上げます。 調達庁の歳出予算現額は九十一億二千五百四十三万円でありまして、これに対し、支出済歳出額は八十二億二千八十六万円、翌年度への繰越額は七億二千五百十七万円、不用額は一億七千九百三十九万円であります。 支出済歳出額の内訳は、調達労務管理事務費で六億五千百五十八万円、国際連合軍等関係補償費で二億六千三百三万円、施設提供等諸費及び防衛支出金で五十六億七千七百十万円、その他当時の調達庁の所管事務の執行に使用した調達庁で十六億二千九百十四万円であります。 これらの経費の支出について、概略御説明申し上げますと、 調達労務管理事務費は、日本国とアメリカ合衆国との相互協力及び安全保障条約に基づく地位協定の規定により駐留米軍の使用する従業員の労務管理事務等に必要な経費でありまして、そのおもなるものは、労務管理事務及び離職者対策としての職業訓練を都道府県に委託した経費、駐留軍従業員の宿舎の維持運営等に要した経費及び駐留軍関係離職者等臨時措置法の規定に基づき離職者に支給した特別給付金等であります。 国際連合軍等関係補償費は、国際連合軍の使用により荒廃した広島県原村演習場の復旧工事に対する広島県への補助金、占領軍事故による人身被害者に対する見舞金等及び占領期間中における土地、建物、動産等に対する占領軍の不法使用等による未払い債務に対する補償として支出いたしたものでありまして、ことに連合国占領軍等の行為等による被害者に対する給付金の支給に関する法律が第三十九回臨時国会において成立しましたので、従来行政措置により支給しておりました占領期間中における連合国軍等の不法行為により人身に被害を受けた被害者及び遺族に対する見舞金の増額措置をはかることができ、その結果約千三百件を処理することができたものであります。 次に、施設提供等諸費及び防衛支出金について御説明申し上げます。 これらの経費は、昭和三十六年度一般会計予算として総理府所管調達庁に計上された施設提供等諸費と、昭和三十五年度一般会計予算の翌年度繰越額である防衛支出金でありまして、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約及び日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づく合衆国軍の駐留に関連して支出したものであります。 支出済歳出額の内訳は、行政協定及び地位協定に基づいて駐留米軍の使用する施設及び区域等の提供に必要な経費として、民公有の土地、建物、動産等の借り上げ、買収費及びこれらに関連しての補償費等、また駐留米軍またはその構成員等の行為によってこうむった損害に対する補償費等に要したものであります。 翌年度繰越額が生じましたのは、調達労務管理事務費につきましては、特別給付金において受給資格者よりの申請書の提出がおくれたため、その内容の調査確認が年度内に終了しなかったことに基づくものであり、国際連合軍等関係補償費につきましては、事故給付金において、その支給対象者である占領期間中の人身被害者に対する被害事実や被害の内容等についての証拠資料の整備確認、あるいは受給権の認定等に著しい困難と不測の時日を要したことに基づくものであり、施設提供等諸費及び防衛支出金につきましては、買収及び補償等で所有者との契約締結に予想以上の日数を要したこと、また補助金工事等において工事等の関係上翌年度にわたる債務負担の承認を得て繰り越す等の措置によったものであります。 不用額を生じましたのは、調達労務管理事務費において、在日アメリカ合衆国軍直接雇用従業員の間接雇用化の実施が当初の予定よりおくれたため、調達労務管理事務地方公共団体委託費を要することが少なかったこと等のためであり、国際連合軍等関係補償費については、連合国占領軍等の行為等による被害者等に対する給付金の支給に関する法律の施行に伴い、従来行政措置で支給しておりました事故見舞金を要することがなくなったこと等のためであり、また施設提供等諸費及び防衛支出金におきましては、主として各種補償金の査定の結果、これに要する経費が少なかったことと、各種工事費の精算の結果等によるものであります。 以上昭和三十六年度のおもな事業の概要について御説明申し上げましたが、当庁における予算の執行や、会計経理につきましては、国民一般から多大の関心を寄せられておりますので、特にこれが執行にあたりましては、諸法規を順守することはもちろん、最も効果的に運用するよう戒め、まだ綱紀の粛正にも留意し、国民の信頼にこたえるよう努力をいたして参ったところでありますが、会計検査院の昭和三十六年度の決算検査報告におきまして、不当事項として八件の指摘を受けましたことは、まことに遺憾に存ずる次第であります。 指摘事項の内訳は、工事関係四件、物件二件、役務二件となっておりますが、指摘の趣旨につきましては、よく部内に徹底させ、将来再びこのような過誤を繰り返さないよう万全の措置を講ずる考えであります。 なお、会計検査院御指摘の各事項につきましては、十分事実を究明いたし、相応の処分をいたした次第であります。 以上をもちまして説明を終わります。 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
○委員長(横川正市君) 次に、会計検査院より検査報告を聴取いたします。
○説明員(樺山糾夫君) 防衛庁関係の昭和三十六年度歳出決算額のうちで、航空機、艦船等の前金払い、概算払いの精算が済んでいないことなどのために、二百七億五百七十九万六千五十一円につきましてはこれを未確認といたしておりますが、その他の決算額につきましては確認いたしております。 検査報告に掲げました不当事項は八件でございますが、その概要を簡単に御説明いたします。 まず、工事の関係でありますが、一号は、レーダー基地九カ所の電話交換装置の改修をいたします際に、そのうちの一カ所の基地だけを調査して、接続コードの長さをきめて、九カ所分のコードを前もって購入したのでありますが、実際の工事をやってみると、それぞれ長さが異なっており、そのため、これを接続するコネクターが別に必要上なって、約百四十万円が不経済となったもので、事前の調査が不十分であったと認められるものであります。 次の二号は、海上自衛隊下総基地の滑走路新設工事におきまして、予定価格の積算において、不注意のため、型ワク数量などの計算を誤ったり、転圧を行なう土工機械の種類が実情に沿っていなかったなどのため、工事費が約七百八十万円高価となっていると認められるものであります。 次の三号の工事におきましても、予定価格の積算において、諸経費の見積もりが過大であったため、約九十万円高価となっておると認められるものであります。 四号は、駐留軍住宅地区の送電線を移設する工事でありますが、送電線の負荷容量や電線の規格につきまして、調査が十分でなかったため、工事費が約百十万円不経済となっていると認められるものであります。 次の五号と六号は、物件の調整についてでありますが、演習弾を改造する場合に、まだ使用可能な従来の木箱を活用せずに、新規調達していたり、ジープのドアを交換する場合に、フレームはほとんど再使用することができるもので、カーテンだけを取りかえればよいのに、フレームの回収利用の道を講じておらず、全部を新しく調達していて、不経済となっているものであります。自衛隊の物資、器材の調達が、漸次国内調達に切りかえられて増加してきている際でもありまして、このように再使用ができるもので、業務の運営に支障を生じないと思われるものは、これをできるだけ活用するという配意が必要であると考えられます。 最後に役務についてでありますが、七号は航空機用の燃料の輸送について、国鉄の運賃が改正されているのを知らずに、高い運賃を支払っていたものであります。 八号は、航空機部品の修理におきまして、輸入品の販売代理店を持つ業者から安く購入ができるのを知らずに、修理業者が選定した一般業者をそのまま容認したため、不経済となっているというものであります。 防衛庁の予算執行につきましては、内部監査にも相当の努力の跡が認められまして、従来から見ますと、相当改善された部面が見受けられるのでありますが、なお以上のような点について今後留意を要すると考えられるものであります。 以上で御説明を終わります。 —————————————
○委員長(横川正市君) 次に、去る五月三十一日の本委員会におきまして、相澤委員より、基地周辺の民生安定等につき後日適当な機会に防衛施設庁より報告を聴取したい旨の要求がございましたが、本日この点に関し防衛施設庁長官より報告いたしたい旨の要望がありますので、この際発言を許します。
○政府委員(林一夫君) 相澤委員より御要求のありました八項目につきまして説明を申し上げたいと存じます。 第一の点は、基地周辺の民生安定策についての政府の方針でございます。基地周辺問題の対策につきましては、特損法その他行政措置によりまして、農林漁業に及ぼす損失の補償、学校、病院の防音工事、民家の集団移転補償等を実施しております。また、周辺の河川、用排水路、道路、飲料水施設等の公共施設につきましても、被害の防止または復旧等の工事を実施しておりますが、特に各省に関係する主要な基地周辺の問題につきましては、基地問題等閣僚懇談会あるいは基地等周辺問題対策協議会におきまして協議いたし、その対策を講じ成果を上げておる次第でございます。今後ともこのような方針で問題を解決していく所存でございます。 次に第二の点でございまするが、基地周辺の民生安定対策の予算的措置についてでございます。三十八年度予算に計上されておりますのは、すでに資料によりましてお手元にお届けしておりまするが、その概略を申し上げますると、一つは基地周辺道路整備、これは米軍施設関係が四億五百七十八万八千円、自衛隊施設関係が、一億二百二十八万九千円、合計五億八百七万七千円ということになっております。 次に、基地周辺農林業等被害防止対策でございます。これは、米軍施設関係が十九億四千四百三十二万四千円、自衛隊施設関係が一億八十八万五千円、計二十億四千五百二十万九千円ということになっております。 次に、騒音防止対策でございますが、米軍施設関係が二十億、自衛隊施設関係が二十一億九千七百四十二万六千円、計四十一億九千七百四十二万六千円ということになっております。 次に、飛行場周辺の家屋集団移転補償費でございます。米軍施設関係が一億五千二百四十四万六千円、自衛隊施設関係四千七百五十万円、計一億九千九百九十四万六千円ということでございまして、これが合計いたしますと、六十九億五千六十五万八千円ということになっております。 次に第三点は、基地周辺の騒音対策についてでございます。この基地周辺の騒音対策につきましては、特に厚木飛行場周辺の対策について説明申し上げたいと思います。この飛行場周辺の騒音対策につきましては、昭和三十五年の十月、日米合同委員会のもとにあります騒音対策特別分科会におきまして、その対策を鋭意討議研究を続けて参ったのでありますが、消音機の設置、飛行時間、飛行方法、飛行高度、飛行区域等の規制について、米備に対し申し入れを行ないました。現地米軍の協力を得て、次のような措置が現在とられております。一つは、地上エンジン・テストに対する消音機の使用でございます。次は飛行時間の制限。第三点は、飛行方法の規制でございます。第四点といたしまして、飛行範囲の規制等を行なっております。また、政府といたしましては、米軍に対しこれらの措置をとらせるとともに、飛行場周辺の騒音等の被害防止対策としましては、現在学校、病院の防音工事、航空機のひんぱんな離着陸による農業被害の損失補償、滑走路延長上の騒音及び危険度の高い地区内にある建物等の集団移転補償を実施しております。 なお、騒音の人心に与える影響につきましては、板付飛行場周辺地区で昭和三十六年度から調査を実施中でございます。 また、家畜に与える騒音の影響につきましては、すでに板付飛行場、芦屋飛行場周辺で調査済みでございます。 次に、厚木飛行場周辺の集団移転の実績と今後の計画について説明申し上げます。厚木飛行場周辺の集団移転補償につきましては、昭和三十五年十月の閣議決定に基づいて実施いたしているのでございますが、この閣議決定において、移転の範囲は航空法第二条に規定する進入表面及び転移表面下の土地であって、滑走路からの距離がそれぞれ約一千メートル以内の区域が示されておりまして、この範囲内に居住している移転の希望者は百三十七戸であったのでございます。これにつきまして、昭和三十五年度から昭和三十七年度までに九十八戸を移転いたしました。その補償費は一億一千七百八十三万四千円でございます。また、敷地の買収は、その面積が三万六千七百七坪、買収額が一億四千八百三十四万八千円でございます。今後の計画としましては、昭和三十八年度の移転補償としまして約三十戸計画いたしておりまして、金額としまして四千三十九万二千円、敷地の買収費といたしまして一万二千百七十七坪、金額としまして六千八十八万七千円を予定しております。なお、滑走路先端から進入表面下千五百メートル以内にある居住者から、移転措置をされたい旨の要望がございます。また、この移転に関連する進入表面下の農地を買い上げられたい旨の要望が提出されておりまするが、当庁といたしましては、その対策のために、現在調査費を計上して、危険の度合い、騒音の度合い等について、横浜の防衛施設局において調査を行なわしめているので、その結果を待ちまして、検討いたしたいと存じております。 次に第五の点、医療施設、社会福祉施設等の防音処理計画でございます。医療施設の防音工事は、昭和三十八年度において、米駐留軍基地関係のもの二施設、約八千百七十万円を実施する予定でありまするが、保育所及び幼稚園につきましては、現在のところ計画しておりません。現在防音工事の対象としておりますのは、特損法に基づく学校教育法による学校教育施設及び医療施設でございまするが、国の財政上の問題もありまして、最も防音対策を必要としております義務教育施設に対する工事を優先的に推進いたしている次第でございます。また、保育所につきましては、特損法に基づく防音工事の対象となっていないのでございまするが、現在検討中でございます。 次に第六〇点でございます。道路損傷の補償対策、予算的裏づけにつきまして申し上げます。厚木海軍飛行場周辺の道路につきましては、昭和二十七年より昭和三十七年までの間に三十七件、計十九億六百五十九万九千円の国費を補助金として関係地方公共団体に支出しております。また、昭和三十八年度におきましては三件、一億二千二百八十四万八千円の予算措置をいたしております。この各地万公共団体に対する年度別補助金の内訳は、すでにお手元に提出いたしました資料によって御承知願いたいと思います。 次に第七の点でございますが、横浜市内米駐留軍住宅移転の具体的対策と予算的措置についてでございます。この問題につきましては、目下横浜市の企図する土地区画整理事業計画及び米一軍の意向等を照会中でございますので、これらの事情を勘案の上処理方針をきめたいと考えております。 第八の点、これは丸山前長官が欧州米軍基地視察をやってきたが、その成果はどうかということでございます。その報告によりますと、ヨーロッパにおきます軍用飛行場はおおむね市街地から遠隔の地に設置されておりますので、航空機の騒音問題等は日本におけるほど重要な問題にはなっていないということでございます。したがいまして、騒音対策についても、参考となるべきものはなかったという報告でございます。 以上、概略でございまするが、御説明を終わります。
○国務大臣(志賀健次郎君) 先ほど、検査院から指摘されました事項につきまして説明申し上げたのでございますが、大蔵省からも不当事項として指摘されておる問題がありますので、この際追加して御説明申し上げたいと思います。 昭和三十四年の二月から三十六年の七月までの間に、大蔵省からその保管管理を依頼されました仙台市元陸軍造兵廠外三カ所の普通財産のうち暖房装置の部品等を、大蔵省の東北財務局の職員と防衛庁の職員四名が共謀いたしまして部外の古物商にこれを売却した問題があるのでございます。その売却いたしました額は約七百万円でございます。まことに防衛庁といたしましては恐縮かつ遺憾にたえぬところでございます。その後、防衛庁四名の職員は、仙台の地方裁判所におきましてそれぞれ刑を言い渡されまして、すでにその刑が確定いたしておるのでありますが、防衛庁の元四名の職員が、国家に与えた損害を幾らかでも返そうということで、三十数万円の金を返しつつあるのでございまするが、いずれにいたしましても、まことに申しわけない次第でございます。今後大蔵省とも十分に緊密な連絡をいたしまして、大蔵省から保管管理を依頼されておる国の財産の措置につきましては万全を期して参りたいと思うわけでございます。
○委員長(横川正市君) それでは、これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次発言を願います。
○相澤重明君 御説明いただきましたので、後日質問をいたしたいと思いますが、二つほどだけ申し上げて、また政府の見解を統一していただいて出していただきたいのがあります。 一つは、全国の港の中に防衛庁の船が入る場合はどういう考えで入れているのか。あるいは外国船を入れる場合にはどうなのか。特に米軍艦を入れる場合どうなのか。これは、横浜でいわゆる浦賀水道域におきまして、自衛艦と商船の衝突事故がありました。きょうは時間がありませんので、いずれ御報告を受けて、それに基づいてまた質疑を行なうつもりでおりますが、そういう点について、商港といわゆる自衛艦等の配属される港との区分けについて政府はどう考えておるか、これは資料で御提出願いたい。 第二の問題は、横浜の港におけるフース・ピアレというところが米軍に接収されております。そこの七号埠頭において、これはあまりたいした関係もないようでありますので、解除をしてもらうように合同委員会にひとつ提案をしてもらいたい。それはどういうことかといいますと、オリンピックをいよいよ来年に控えまして、御承知のように、港に少なくとも宿泊設備を持つ船が五隻ないし六隻は来て停泊をする予定だと思うのです。これはしかし、政府の方針もありますから、観光船がどうなるか、これはいろいろ今後の問題だと思いますが、それから同時に、私ども実は先日運輸委員会として横浜港の現地調査をしたわけです。その際に、あまりにも港の中における船の置き場所が乱雑である、航行が実に不徹底である、こういうようなことで、はしけのたまり場というものをこれは考える必要があるのではないか、それが港の事故を少なくすることではないか、こういうことで、ノース・ピアレの七号を解除してもらって、そこにはしけのたまりを置いたらどうか。現在は、横浜港におけるはしけの数の一五%ないし二〇%しかたまりがない、こういうので、これは官民一致した意見であります。そういうことで、日米合同委員会に申し込めばおそらくこれは解除されるだろうという意見が非帯に強いので、そういう点で政府にぜひこの点をひとつ望んでいただきたいと思うのです。特にこの港関係についての、先ほど申し上げた、自衛艦の停泊とかあるいは米軍艦の停泊についてはどういうふうにするかという点について、政府の統一見解というものを出されて、それを資料として次の機会にひとつ御説明をいただきたいと思う。 以上です。
○委員長(横川正市君) 林長官いいですか。
○政府委員(林一夫君) 見解を統一いたしまして、次の機会に説明申し上げます。
○大森創造君 防衛庁長官、三時に御退席だそうでありますが、なるべく能率的にひとつ質問をいたします。水曜日また来られますね、もう一回。 そこで、私は三項目にわたって御質問したいのでございますが、まず、きょうは時間もないことだから、元第二航空団第二〇一飛行隊長の小川君辞任の問題について質疑を行ないたいと思います。まず、この小川さんという人物はどういう人物ですか、長官ひとつお答え願います。
○国務大臣(志賀健次郎君) 小川君にはじかに私は会ったことはないのでございますが、いろいろ直接関係のある諸君から聞いてみますると、きわめてまじめな、直情径行型とでも申しましょうか、まことにりっぱな人物でありまして、御承知のとおり、飛行時間も二千時間を突破しておるという、日本でも優秀なパイロットであると私は承知いたしておるのであります。
○大森創造君 そこで、四月十日に、これも優秀なパイロットの西三佐が事故を起こして死亡した。で、十日の日にそういう事故がありまして、十六日の日にその直接の隊長である小川君がやめられたということでございますが、何十日間か防衛庁としては慰留をされたようでございますが、なぜ慰留しましたか。
○国務大臣(志賀健次郎君) ただいま申し上げたように、非常に優秀なパイロットでございまするし、また生涯をかけて航空自衛隊のために奮闘して参った得がたい人間でありますから、私はひまをみてじかにでも会って本人の心境を聞いてみたいと思った。おそらく小川君は、事故が起きましてから一週間日の十七日に辞表を出して参ったと思うのでありますが、彼は、日本最初の104の飛行隊の隊長として、建設途上の部隊でありますから、非常に心労が多かったと私は思う。上司あるいは自分の部下との間にあって、いろいろ問題を処理する際において非常に苦労された。そこにもってきて四月十日の大事故でございまするから、非常に責任を感じて、将来これは自分の現在の考えでは勤まらぬというふうに考えたのではないか。非常に思い詰める性質の人間のようでもあります。そうしたことから辞表を出して参ったのであると私考えまして、十分に休養をしてもらって、その間に私は、本人の希望も聞いたり、あるいはまた心境も聞かしてもらって、あくまで私は慰留したいというので、私の部下に命じて、当分僕が命ずるまでそのままにしておけということで、最近までそのままになっておったような次第でございます。
○大森創造君 そうすると、長官のおっしゃられるのは、人物が優秀であって、F104Jというような超音速の飛行機のパイロットとしてはかえがたい人物だから慰留に努めたということですけれども、そこに人事局長来ておりますか——人事局長にお伺いいたしますが、慰留をしていたのにかかわらず、今度はその依願免退職ということにして、しかも戒告をしたという理由は何ですか。
○政府委員(小野裕君) 今、長官からお話しのように、四月以降約二月慰留を続けて参ったのでありますが、本人の辞意は非常にかたかったのであります。たまたま六月の十日でございましたか、「文芸春秋」の七月号に手記を発表いたしました。この手記は、退職問題とは別でございますが、これはこれとして一つ取り上げざるを得ないことになったのであります。このほうは、いわゆる懲戒処分の問題でございます。退職の問題と懲戒の問題とは、一応、元は一緒かもしれませんけれども、問題としては別な問題でございまして、ただいまの発表しました手記の問題にからみまして戒告処分を受け、しかもその日に従来から願い出ておりました退職が許可された、こういうことになるわけであります。
○大森創造君 大体いきさつはわかりましたが、人事局長のおっしゃられる慰留をして、なるべくいてもらおうと思った、二カ月間長官初め幹部の方の意向はそこにあった。しかし、それにもかかわらず、依願免退職で戒告したということは、その六月十日発行の「文芸春秋」に手記を書いたということが直接の原因になったわけですね、確認しておきます。
○政府委員(小野裕君) 戒告処分を受けたのは、その理由でございます。 それから退職のほうは、もう本人も見込みがないということで、その機会にいわばこちらもあきらめざるを得なかったと、こういうことであります。
○大森創造君 まあ理屈の上では、退職ということと「文芸春秋」に手記を書いたということは違うようなことは、私も頭の中では了解するけれども、これは密接不可分の関係があるということはあなたも御了解だろうと思う。そこで伺いたいのは、「文芸春秋」に書いたのは、そのどういう点が不穏当で、どういう点がまずいのか。
○政府委員(小野裕君) 隊長としていろいろ苦労をしてきた問題がたくさんあると思うのであります。そういうことを発表することは自体について、すぐそのままけしからぬとは考えませんけれども、たまたま小川君が書きましたあの文章というものが、必ずしも適切な表現をしておりません。そのために、部内外に対しまして自衛隊に対する誤解を招くような部分がございます。そうした点は、自衛官としてふさわしからぬ行為というように考えて、懲戒の対象になったわけでございます。
○大森創造君 まああなたの御答弁は、防衛庁の人事局長の御答弁としては、私はわからぬことはない。そうだろうと思う。だけれども、一方、私から見るというと、内容が問題だと思うのだね、内容が。あとから、私はここに「文芸春秋」を持っていますから、事実のことはそう私も詳しくないのですが、ここのところはどうだ、ここのところはどうだと、装備局長などにお尋ねいたしますが、これは内容が問題である。しかし、職場に職を奉じているし、ことに自衛隊、防衛庁はおかたいところだから、検察庁みたいなものだから、昔の軍隊とはちょっと違うけれども、とにかくそういうところだから、この現地の飛行隊長として、こうやってほしい、ああやってほしいということは幾らもあるので、志賀防衛庁長官がおっしゃられるように、これは二千何時間飛んでいるのだから、滞空時間を持っているのだから、ジェット戦闘機マッハ二の滞空時間の記録というのは日本一じゃないですか。この人は源田調査団にも参加した。そうして、西三佐が事故を起こして死なれて、数日を出ずして、断固、西三佐の死亡したことに密接不可分の関係があって、このままではどうも航空自衛隊はだめだということを頭に描いて、一大決心をして、覚悟をしてこれは辞職をしたのですからね。内容が問題だと思う。そこで、職場として首にする——首にすればいいでしょう。しかし、彼を志賀長官も信用しているがごとく、これはF104J始まって以来の隊長ですからね。この人以外に隊長をやった人はないでしょう、どうですか、どなたかお答え願いたい。この人ただ一人でしょう、交代しないでしょう。
○政府委員(小野裕君) 初代の隊長でございます。
○大森創造君 そうすると、今まで四年間一番知っている人ですれ、F104Jというのは。失礼ながら防衛庁長官も、七月の人事でずっと防衛庁長官をおやりになるかどうか知らぬけれども、そこでとにかく、ここにお並びのどなたより、F104J——ほかのことは知りませんよ、一番詳しいから飛行隊長にした。その人が、「文芸春秋」にこれはいろいろなことがずっと出ている。国会議員、決算委員の私としては、看過できませんな、これは。防衛庁としてもそうだろうと思う。これはあとからお尋ねいたしますよ。そうするというと、私は、その人事局長のお考えは、昔の軍隊とは違う、近代的な自衛隊のことはよくわかるが、F104Jといって最初の機種選定のときから問題があって、構造的なあぶないところがあるのじゃないかということで、われわれはしろうとですらそういう点考えていて、国会の論争でもずいぶんそれがあった。従来あった。そのことを一番ぴったり知っているのは、日本中あまりいませんよ、小川君くらいの人は。そこで、きのうの何か新聞を見ますると、こういうことが書いてあるのですよ。これはあとから長官にお伺いしますが、西三佐の事故に関連して、どうもほんとうの事故というのはわからないような私は感じがするのです。「補助翼スイッチに欠陥」というのが出ている。こんなことは新たな構造的な欠陥ですね。六月二十三日、きのうですよ。「F104全機の部品取替え」、こういっている。きょうは時間がないから、私は長官に集中的に要領よく御質問しなければならぬから、あとでゆっくり申し上げますが、フラップ・スイッチの故障、これは構造的な欠陥ですね。そうして新聞によりますと、「製造過程に致命的な欠陥があったとの見方が強い」というのだな。これは、前の西三佐が四月十日に事故を起こして、またぼんぼんと事故を起こしている。その事故の原因がわかっていないのですよ、「文芸春秋」の隊長の手記によると。これはあと回しにして、そこで、あなた、小川二佐の話は、懲戒免職は、これはこれでよろしい、部内の統制上。この意見については、これは防衛庁として対決しなければいけません。そうでなければ、日本の防衛庁の権威はないでしょう。どうしたって、長官なりどなたか、責任ある態度でもって検討しないというと、「文芸春秋」百万部ぐらい売れているのじゃありませんか。現地の隊長が、四年間隊長をやった二千数百時間の隊長が、私は覚悟している、しかも、これは序の口だ、序論だと言っている。本論は、これから平服を着てからだんだん展開して、要は自衛隊を愛するからだということを言っている、彼は。だから、内容の問題については、私は、本決算委員会を仲介にして、これはあとで委員長あてにお願いいたしますが、どうしたって私は、小川二佐に本委員会に来てもらって、そうして残っておるあなた方と話し合いして、しろうとの私に聞かしてもらうという措置は、何が何でもとっていただこうと思う。 そこでお伺いいたしたいのは、人事局長にお伺いいたしますが、あなたの現在の立場というか、そういう措置をとられたことはわかる。これはわかる。だけれども、今私が申し上げたように、国民の立場からすれば、あるいは国会議員の立場からすると、この内容が一番問題です。これは依願免退職にしただけでは済まされない問題です。問題は、これはずっと、どっちが真実かという問題が残りますからね。そこで、こうある新聞によるといっておりますね——表現が適切でなかった、こういうのです。それは、自衛隊法に触れるとか、内部の服務規律には触れるかもしれない。あぶない飛行機だ、安全性がどうかわからない。それから欠点が、あとから申し上げますが、これもこれもこれも、しろうとの私がこれを読んだだけでもあぜんたらしめるものがここに書いてある。この問題はどうなんだという措置は、防衛庁の幹部にしてもらわなければならぬという、このことを前提にして、人事局長にお伺いいたしますが、これは内容について言っているのじゃないのですね。あなたは内容についてはわからないでしょう。飛行機に乗ったことはありますか——乗ったことはないでしょう。内容について云々じゃないでしょう。
○政府委員(小野裕君) この処分は、長官から航空幕僚長に委任された範囲の処分でありまして、この懲戒の審査は、航空幕僚幹部の中で行なわれたわけでありますが、それについて、その結果あるいは処分の決定について長官にお伺いがあったことはありました。しかし、詳細の点については、空幕内部の懲戒審査委員会で審議されておるわけであります。しかし、ここで大きく取り上げました問題は、今お尋ねの、いろいろ機体の関係その他の問題についてもちろん問題もございましょうが、特に懲戒委員会として大きく取り上げましたものは、「ふさわしくない行為」といううちに、本人の規律に対する立場というものが問題になったわけでありますが、その点は、具体的に申し上げますならば、これは内容について触れて参りますが、いわゆる機種、機体、部品というような面でなく、本人が申しておりまするうちで、あるいは徒党化するとか、私兵化するとか、下剋上であるとか、指揮権の紊乱という言葉を使っております。必ずしも断定はしていないかもしれませんけれども、だれが読んでもそのように感ずる表現であります。これは言い過ぎであると、まことに遺憾であると、こう考えます。
○大森創造君 その言い過ぎであるということは、よくわかりました。しかし、飛行機の問題は、これは未解決です。下剋上だとか、無礼者とかなんとかいうことは、これは自衛隊の中で許されまじき言葉だ。ことに人事局長の感覚からすると、とんでもないことだ。しかし、飛行機がこうこうこうということは、これは別個の問題だということは、あなたもおわかりだと思う。そいつはあとから問題にしますが、そこで、こういう言葉がけさのある新聞に書いてある。「航空自衛隊の元F104飛行隊長小川朗二空佐が、戒告処分を受けて、依願退職となった。ジェット機事故の原因は、部内にあるとの所感を「文芸春秋」に書いたからだという。小野防衛庁人事局長によれば「国民に不安を与えるような手記を発表するのは、自衛隊員にあるまじき行為」なのだそうだ。」、これはよくわかりました。「法務省の総合研究所教官だった安倍治夫検事は、現在の検察官や検察制度の批判を「中央公論」に書いて、函館地検にとばされた。中垣法相は「けっして左遷ではない」と否定しながら「意見を述べる場合は、上司の同意を得てからにすべきだ」と非難している。いずれも、部内の内情をもらされたのが、たいへん気にさわったらしい。」、なかなかいいことを言っているのです。「外部に発表する前に、上司にいえというのは、いかにも、もっともに聞こえる。しかし、それで改革されるならともかく、たいがいは握りつぶしにあう。」——大事なところだから謹聴して下さいよ、「外部に訴え、世論の力を借りなければ、めったに目的は達せられない。」、小川二佐もこれを知っているのです。何で、奥さんと子供があって、やめられますか。これは私、プライベートにも若干知っておるのですよ。小川二佐は飛行機が好きなんですからね。士官学校を出て、東大を出て、しかし、飛行機がとにかく好きな人で、情熱を持って飛行機を飛ばそうとしていた人ですよ。その人がいたたまれないのだから……。そこで、「内部だけで論議しろというのは、つまりは改革の意思がないからだ。」、こう言っておる。私も同感です。この人の首を切った、ちょんにしてそれだけになったならば、改革の意思がないのですよ。これに指摘されておるような事実があるにかかわらず、あえてべんべんとして、そうして何というか、事なかれ主義で、何となく仕事をやっておるという人ならば、それで済む。しかし、前段申し上げたとおり、私や国民はそれで済まされないのですね。「やる気があるなら、どこにもち出されようと、いっこうかまわないはずである。戦前は、天皇の軍隊であり、天皇の検事であった。長年つちかわれたこの気風は、制度がかわっただけでは、なかなかなおらない。いまの自衛隊、検察陣に、これが残っていて、外部からはクチバシをいれるなというのなら、大いに警戒を要する。批判が間違っていると思えば、同じ場所で、堂々と反論すればいい。それによって、批判が根拠のないものとわかれば、はじめて国民も安心する。」こう書いてある。私も全く同感なので、これはひとつ防衛庁も受けて立って下さい。人事局長の話は、その限りにおいて了解します。ただ、この際、人事局長に申し上げますが、あなたはさっき私が質問したことに対してお答えになっていない。内容について云々できないですね、その点については何とも触れていないが、これは国民に不安を与えるような手記を発表するなど、自衛隊員としてあるまじき行為云々という、あなたのような、人事局長のような人ばかりいて、志賀防衛庁長官や、池田総理や、それからその他もろもろの局長や、空幕長や、内部に矛盾があって、これはどうしても致命的欠陥だから直さにゃならぬということをちゃんと現場の人がわかっていながら、それを黙っていて、それを発表するというと首になるということ、だから発表しないという態度の人が圧倒的多数であったから、日本は軍隊を誤ったのですからね、過去の日本の歴史においては。そうでしょう、これは。ほんとうのことを言うというと、これはどうも上司にまずいということ——今のあなたのおっしゃられた不穏当な表現があったということ、それはその限りにおいて認めまするけれども、たとえば国会の場所において、この点がまずい、しろうとの大森議員がスロットルがどうだとか、何だとかかんだとか言ってもわかりませんけれども、それと皆さん方が問答しているというのは、明らかに、パイロットとして、技術者として、ここのところがまずいんだと。国会議員も知らない、防衛庁の人もほおかぶりしているという場合には——小川朗二佐がそういう立場に置かれている要素は非常に多いと思うんだけれども、その場合にはやめるほかない。やめて平服になってもいいから、覚悟をして——これはその手記を見ますというと、実に、書いてありますよ。この手記をあえて書いたというのは、これは弔辞から出発していますよ。自分の愛する部下、西三佐の弔辞、この死をむだにしたくないという決意のもとに書いているんですよ。そこで、小川二佐は、ノイローゼでもなければ精神に異常があるわけでもない。むしろ、私の考えからすると、直情径行、さっき長官が言われたように。そして責任にたえられないのですよ。あとから申し上げるように、下からの突き上げ、機械がないじゃないか、整備員が足りないじゃないか、整備しようと思っても部品がないじゃないか、滑走路が短いじゃないか、整備員三百九十人を五百人に増員したって、F86F関係の整備員が多くて、非常に精功なF104Jのこの飛行機についての整備員がいないじゃないか、こういうことでは、毎日命がけで遺書を書きながら飛んでいる小川隊長にすれば、これはやめるほかないですよ。従来小川君はいろいろなことを言いましたか。部内において、空幕の関係だとか何とか、直接の上司に、ここをああしたほうがいい、あそこをああしたほうがいいというようなことを言いましたか。どなたかお答え下さい。
○政府委員(小野裕君) 私は、今度の本人の退職願い出以後のことでありますが、いろいろ従来のことも聞いたわけでありますが、退職を申し出るまでにおいては、そういう点について特にはっきりした意見の具申ということはなかったように聞いております。全然そういう話をしないわけではないのでありましょうが、非常に強い、何と申しますか、判断とか決意とか、こういうものをもって、こういう点をこういうふうに考えてほしいというような具体的な意見の具申は、私どもそういうことがあったということは聞いておりません。 なお、もう一言ちょっとお答えいたしますが、先ほど御引用になりました私の談話なるもののうちで、これは実を申しますと、防衛庁の記者クラブの皆さんからお尋ねがあって、雑談的にお話をしたことでありまして、そのお書きになった文章には、いろいろニュアンスなんかが違っておると思うのでありますが、私は、部外に不安を与えるという表現でなくて、誤解を与えるというように申したかったのであります。言葉が足りなかったか、あるいは別の言葉をお使いになったか、わかりませんけれども、気持としては、内外に誤解を与えるおそれのある事柄を発表されたと、こういうふうに、私はその点が遺憾であると考えております。
○大森創造君 人事局長の言われていることは私はよく了解しているのですよ。それは了解しているのです、その限りにおいては。そこで別な角度からお伺いいたしますが、今の千歳の飛行場の問題の飛行機の訓練は、今月に入ってからやめておりましたのでね。どういう理由でやめておりましたか。どなたか……。
○政府委員(小幡久男君) 今月に入りましてから、気象状況、それからフラップのスイッチの点検、あるいは。パイロットのレーダーサイト実習というふうな理由から、約四週間ほど飛行を停止しておるということは聞いております。これは第二航空団で処理しておりますから……。
○大森創造君 そうすると、四月十日に西三佐が墜落した。そこで、防衛庁長官のお話によるというと、事故調査委員会を作って、そして技術陣を入れての調査結果を本委員会にも報告して、過日承った。私の考えでは、結局この事故調査委員会でも、西三佐墜落の原因は、これはわからないと思うのですよ。わかるはずがないと思うのです。まあ一応あれはお伺いしておりますが、大体事故というやつは、一つぽっと何かあると、これは神のみぞ知るというか、死んだ西三佐は知っていると思うけれども、あとからみんなで手分けをして、部品を集めたり何かしたって、そう科学的にわかるはずがない。第一、志賀長官のこの間の回答は、三つか四つありました。訓練不足だとか——訓練不足であったって事故がない場合があるのですからね。たまたま自転車に乗ったって、オートバイに乗ったってそうですから。ただ一つ、練達のパイロットの西三佐が不可抗力であるというような何かがあったということは、一応国会に、われわれの委員会のほうや、それから内閣委員会のほうに、事故調査の結果を発表したところで、それで済まされるはずがない。だから、防衛庁の皆さん方は頭が痛いわけですよ。西三佐は死んで、その原因として考えられるのはこれ、これ、これと、調査委員会でこの三カ条を出してきたけれども、これに対して手当をしてそれで足りるというものじゃないですよ。依然として構造的欠陥があるであろうという疑心暗鬼があった。ところが、これは六月二十三日だから、きのうの新聞にみな出ている。あのときには出ていないのですよね。訓練不足だとか、スロットルがどうだとかということを言っていたって、これは重大な構造的な欠陥があるということが、六月二十三日の各新聞に出ている。それは今お話のように、補助翼スイッチに欠陥があった。フラップを動かすスイッチが正常な動きを示していないことがわかった、こういうことですね。これは新たに出てきたのですね。この前志賀長官と私が問答した当時には、どなたも、装備局長も、技術関係の人も、だれも、こういうことが考えられるということは言わなかった。国会での問答は問答として、時間がたてば済むのだからいいわ、しかし、飛行機に乗る人と、責任持って訓練計画などを立てる人などは、それで済まされないから、一生懸命研究した結果、こういうことになったのですね。「第二航空団千歳基地は今月初めから飛行訓練を中止していたF104ジェット戦闘機の機体を整備、点検、欠陥個所の究明に当たっていたが、スピードを調整するフラップのスイッチに根本的な欠陥があったことをつきとめ、近く全機の機材を取り替えることになった。」と、こうある。これはとても志賀長官、衆議院の予算委員会や何かでも、あるいは参議院の予算委員会でも、本決算委員会でも、私がお尋ねした当時に、しろうとのあなたにはこんなことはわからない。そこで、これは「フラップ・スイッチの故障は製造過程に致命的な欠陥があったとの見方が強い」ということになると、問題はさらに根本的な方向にいかざるを得ない。政治的な発言では済まされるはずはない、こう思います。そこで、これは事実だろうと思うのだけれども、そのうしろのほうに、教官パイロットK三佐、三十七才の話がある。これは現にいる教官パイロットですよ、K三佐は。その前に伺いますが、千歳基地に練達のパイロットは何人いるのですか。
○政府委員(小幡久男君) 現在は教官パイロットが六名おりまして、さらに養成されまして新しく教官となったのが六、七名ふえているはずでございます。
○大森創造君 みんなで何名。
○政府委員(小幡久男君) 合計テスト・パイロットを見ますと、現在は十四名おります。
○大森創造君 そうすると、あっちこっち総合しまするというと、防衛庁の中でも、小川隊長の手記が、これはほんとうの点が多いということを言っているが、きのうのあれですね、「フラップ・スイッチの故障は製造過程に致命的な欠陥があったとの見方が強い」、これは今まで出てこなかった。皆さん方の答弁漏れの、おそらく可能性のなかった構造的欠陥が今度出てきた。そこで、そのうしろに、その十四名のうちの——初め六名とか何とか言ったが、とにかく十四名がみないいパイロットかどうか——まありっぱなパイロットにしても、十四人だ。その中の一人がこう言っている。教官パイロットK三佐の話、「文春に掲載された小川隊長の手記は真実を伝えている」と、こういうことを言い切っている。「初めての機種だけに、」云々ということがある。だから、冒頭に申し上げたようなことは、それを防衛庁としては、たとえば決算委員会に、頼んででもいいから小川君にここへ来てもらって、それで、君は「文芸春秋」にこういうこといっているけれども、私どもはこういうことだということをやってもらわない限りは、納税者の私、国会議員の私は税金を納めませんぜ。防衛庁は、相手にしない。これは防衛庁の権威のためにもやるべきだと思うのです。それはともかく、五月に入ってからでもいいが、問題の四月十日に、西三佐が事故を起こしたあとに、事故が何回起こったか。
○政府委員(小幡久男君) 西三佐が四月十日に事故を起こして後は、ごく小さいものも入れまして、三件起こっております。
○大森創造君 その事故の原因はわからないでしょう。
○政府委員(小幡久男君) 前回も御説明したかどうか知りませんが、三件のうちで、二件は、飛行場へ着陸いたしまして、しばらく進行いたしまして、左へそれて、飛行場外へ脱落いたしまして、若干の故障を生じたのですが、この原因は、前回も御説明申しましたとおり、飛行機は後輪で着陸しまして、しばらく滑走しまして、前輪をおろして停止になりますが、その間、少し、前輪をおろすまでの間時間がかかりまして、しかも当時は、横風が十八ノット前後吹いておりました。大体、この飛行機は二十ノットが横風の着陸リミットになっておりまして、そのリミットに近い状況のもとにおいて、前輪をおろすのがおくれまして、大きな尾翼が横風をまともに受けまして、そのまま、方向を調整する機能を失いまして、滑走路外に飛び出しました。この二件は、パイロットの繰縦上のミスが第二原因であります。それから最後の一件は、これは、同じく着陸いたしまして、ノース・スリーと申しまして、飛行機の前部が非常に震動いたしまして、これも方向を失いまして、滑走路外にはみ出まして、停止したのでありますが、この原因は、油圧系統に空気が、これは自然に入るのでありますが、その空気が少したまり過ぎまして、そのために、油圧の力が、かじを制御するほんとうの力が出なかったということでありまして、これは油圧系統に空気が入っておったということが欠陥として指摘されると思います。したがいまして、これにつきましては、整備の段階で空気抜きの作業を、よりひんぱんに徹底してやるということで、現在は、整備の段階で解決しております。
○大森創造君 整備の段階で解決していると、こう言うが、あなた飛行機に乗ったことがありますか。
○政府委員(小幡久男君) 私はパイロットじゃありませんので、乗ったことはありませんが、これは現在、御承知のように、欧米各国で二千機余りロッキードを使っておりまして、そういう事例は多少ございました。やはり同じように空気を抜くということを「マニアル」に書いてあるよりは頻度を縮めてやるということで、現在解決をいたしております。
○大森創造君 どうも、小川朗二佐じゃないけれども、私、心細いと思うんだ。私、飛行機に乗ったことありませんが、アメリカでこうだなんて言ったって、これは、しろうとの私が見たって、北海道というのは、てんで風土とか、いろいろな点が違うのです。そこでお伺いしますが、風速はどこらで演習を中止するという指示をしていますか。
○政府委員(小幡久男君) 現在は、「マニアル」では、大体二十ノットがリミットになっておりますが、現在までのところ、まだ試航の段階でありますが、その半分の十ノットというところを基準にしております。メートルでいいますと、五メートルぐらいになりましょうか、その見当でございます。
○大森創造君 それはおかしいじゃありませんか。五月二十九日の新聞によるというと、「風速7.5メートルでも中止」ということなんだから。大体前に、全天候の飛行機だというロッキード会社の説明がございますから、だから、この新聞記事によるというと、十メートルや十五メートルでも、従来は飛んでいたにもかかわらず、事故があったから、今度は、「風速7.5メートルでも中止」と、こういう見出しで書いてあるに違いないと思う。そうすると、あなたの説明だというと、五メートルでも中止ということですか。
○政府委員(小幡久男君) ちょっとメートルの換算が正確でないので、ノットで表現いたしますと、十ノットなんであります。これは元来二十ノットが一応リミットになっております。全天候といいますけれども、飛行場で真横に直角に風を受けた場合は、二十ノット以上は着陸が安全でない、こういうことになっております。全天候とは別に、そういう制限があるわけであります。しかし、そのぎりぎりのリミットで着陸することは、かなり現在の104の初歩の段階においては、無理もあろうかと思いまして、最大限の安全性を求めまして、その半分のリミットに当分押える、こういう自粛措置をとっているわけであります。
○大森創造君 そこで今度は、このいわゆる問題の手記の内容に移りますけれども、その滑走路長の問題ですね。これは従来も三千メートルほしい、しかし、日本の飛行場は二千四百メートルしかないという議論がありましたが、この点と、それから「滑走制止装置が大問題であったにも拘らず、」、いいですか、これは小川君の手記だ。「何等かの理由で制止装置の装備が遅れたために、それを必要とする理由と矛盾して無装置のまま訓練に使用していたこともそうである。」、少しややこしい表現だけれども、こういうことですね。この飛行機を飛ばすためにも、滑走路長が一定の長さがなければならないということが一つと、これは必要条件だが、それから滑走制止装置が絶対必要だというのだね。滑走制止装置——ブレーキみたいなものだ、この字の感じからすると。滑走制止装置が絶対必要であったにもかかわらず、「無装置のまま訓練に使用していた」というのは事実かな。
○政府委員(小幡久男君) 御承知のように、104は着陸いたします際に、ブレーキとそれから落下傘、この二つがスピードを制御する一般的な施設になっておりますが、さらに大事をとりまして、ちょうど航空母艦に着陸いたします際に、ワイヤー・フックをかけて着陸するという仕組みがありますが、あれと同じアレスター・フックというものですね、アレスター・フックのかぎを飛行機につけまして、ワイヤーによって最後の場合には動きをとめるという万全の措置をとりたいと思いまして、現在アレスター・フックをつけているわけであります。これをつけない飛行機が、若干初期にはございました。これは米国に遊学しました非常に優秀なパイロットは、これなしに向こうでも飛んできましたものですから、こちらでも全部がつく間に、わずか七、八機でありましたが、アレスター・フックなしで飛んだ期間があったわけであります。
○大森創造君 これは、あなたのほうがどうも機械のことを知ってるようで、私があまり知らないから、何だかこれは後日ひとつ小川君に言いまして、小川さんに来てもらいたい。これは学理上は知らないけれども、実際のことを知っている人ですから、そこで、滑走制止装置がなかったということもあるのだね、今の答弁によると。
○政府委員(小幡久男君) 申しましたように、通常はブレーキとそれから落下傘でございますね、この二つがやはり一種の滑走制止の装置でございます。それにプラス・アルファとしまして、アレスター・フックを使用しまして、第三の武器を日本では特に必要と認めて、つけようということにきめたわけであります。当初は米国から帰ってきたベターなパイロットは、向こうでもアレスター・フックなしでやっておりましたものですから、若干の飛行機にはそれなしでやってもいいだろう、こういうことでアレスター・フックなしで飛ばせておりますが、それとても、ブレーキと落下傘とはございますので、今の滑走路長から見ますと、一応はこれで大丈夫であろうという結論を得ているわけであります。
○大森創造君 それではこういうことはどうなんだ。「去る二月に」——問題のその西三佐の飛んだ飛行機は「定期整備となったまま、五十日間も格納庫にあったものであって、可動機となった日、それをいきなり戦闘訓練に使ってしまったという出鱈目」、これはでたらめかでたらめじゃないか。
○政府委員(小幡久男君) これは、調べましたところ、104につきましては、整備員も、あそこで現在、アメリカ派遣いたしまして帰りました連中を中心にいたしまして、教育を兼ねて整備をやっておりますので、その間当該飛行機につきましては、在庫中にいろいろ整備、点検等は実演をしております、教官連中は。学生はそれを聞きながら整備をしているというために、相当時間を食いました。しかしながら、実際実動機として飛ばします前には、十分点検もやっておりますし、また、パイロットが全部チェックいたしまして、いきなり倉庫から出してすぐ飛び上がると、そうい一ずさんな構成にはなっておりません。
○大森創造君 しかしあなた、千歳にそのときいたわけじゃないのだからね。私はこれだけのことならば、当然防衛庁として、小川君が天下に百万人の人が——百万の発行部数のある雑誌に、これは冒頭に弔辞の一節をあげながら、そうしてあなた方のように職にとどまっているのではなくして、今まではともかくとして、今度は職をやめるのだ。三十九才ですよ。士官学校を出て、東大を出て、そうして飛行機にあこがれてやった人が、西三佐が死んで四日目に辞表を出して、そうして一大決心をしてこれを書いているのですね。当時の状況、あなた、わからないでしょう。これはだれの報告をいつ求めたのですか。
○政府委員(小幡久男君) 御指摘のような文章が「文芸春秋」に出まして、当然各項目につきまして航空幕僚幹部に、われわれのほうから調査いたしまして、それぞれ所管の間の問題ですと、現地の整備系統が順序を通じまして報告を受けましたものを、われわれも御報告申し上げている次第でございます。
○大森創造君 そこで私は、これは一機五億円か、値上がりしていると六億円くらいになるのじゃないか。これを継続生産するということになると、五百億だ、一千億だという金が使われることになるのだから、これはあとで志賀防衛庁長官にお伺いいたしますが、これはなかなかちょっとやそっとで済まされない問題だと思う。たとえば、こういう機械の問題について国会の決算委員会でしろうとの私にお答えになる、それは準備されていますよ。これだけの事故があった、しかも、「文春」に、現地の飛行隊長が、制止装置がなかったとか、あるいは定期整備五十日間、ぱっと可動機となった日にそれをいきなり戦闘訓練に使ってしまった。こういうでたらめなことを書かれてしまったら、相当、これに対して整備の部長というか、そういう整備の担当の人と打ち合わせをして、こういう答弁をしましょうということが、これは私は想像にかたくない。これはわかるのだ。だけれども、私は、あなた方が信用をして、二千数百時間飛んで、信用していたから源田調査団の一員に加わり、志賀長官の言われるごとく、これは現在人事局長が、これは自衛隊法に触れる、首にすると言ったって、この飛行機隊の始まって以来の隊長ですからね、これは二人とない。それがこれだけの決意をしてこれを書いている。これは序論程度であって、これから本論を展開するといわれている。自衛隊は今のままではだめだということだから、それで私は書いたのだということになると、そうしてこれは「文春」にすっぱ抜かれて出た。そういうことになると、あなたのほうから、防衛庁のほうから、装備局長のほうから通達があった。現地の情勢は私は大体想像できる。それはたいへんだ、天下の大事だ、西三佐が死んだということにからむ問題、それにまた小川二佐、直接の隊長が辞職届を出した、それはたいへんだ。一体、ここのところのでたらめだというのを、どういうふうにつじつまを合わせるかということは想像にかたくないと思うのです。これを、とにかく飛行機の問題は人命に関する問題、国損に関する問題だから、日本の防衛はいかにあるべきかという問題だから、これは次期戦闘機の主力機にして、この八月にF104Jというやつを主力戦闘機にする、どうだという計画が防衛庁にあるはずだから、私は、こういう現場の問題について、一番直接の衝にあって、西三佐のその当時の行動を知っているのは、あなたより——あなたはあとで報告を受けたにすぎないのだから、小川さんがこういうことを言っている限りにおいては、信用ができないから、これは現地の整備隊長みたいな者を呼んで下さい。決算委員会はいいかげんにやって、やあやあということを言われたらこれはたいへんだ。これだけのことは私ははっきり確証をつかみたい。 その次にお伺いしたいのは、「飛ばすのに必要とする物はどうであったか。」、F104を整備するのに必要な部品の不足だ。これはこのとおりだとたいへんですよ。整備するのに部品がないということですよ、これは。自動車の部品がなくて、遠距離運転できませんものな、パーツがなくて、ジャッキがなくて。これは有人機として最終の飛行機ですよ、マッハ2だ。それが整備するにも部品が不足しているというようなことは何ですか。それから「地上支援器材の遅延が実態であったのである。結局部品が不足、器材が不足、何が不足で果してこの超音速機の完全な整備ができるものであろうか。ただでさえ不安定要素の多い新製機を、不足した部品や器材で如何にして整備して安全に飛ばせうるであろうか。」、これはこのとおり聞くとほんとうですよ。交通地獄だなんといっているけれども、部品がなくて整備はできませんよ。 それからお伺いしますが、一体整備員いうのは何人いるのか。それから、その部品や装備品や、いわゆる器材などはやはり新三菱重工で作っているのか、そういう点をお伺いします。
○政府委員(伊藤三郎君) 部隊で使用しております部品は、大体入荷いたしております。ただ何万点とある部品でありますので、全部品をそろえておくということは、経費上できませんので、従来の経験等に基づいて部品をそろえてあります。したがいまして、そういう予想がはずれた場合には、部品がないということになるわけであります。特にこういう新しい機種でありますので、装備直後の一、二年というのはどうしてもそういう部品が不足をするという状況が他の機種に比べて多いのはやむを得ないと思いますが、そういう場合には、その部品を取り寄せて装備をするわけでございます。したがいまして、どうしても可動率は下がるという結果になってくると思うわけであります。部品がないために全然飛べないというような状況ではございません。他の機種に比べて若干可動率は下がっておりますが、十分整備したものを飛行させるというふうにいたしております。 それから地上の支援器材が相当入っていないというようなことを言っておりますが、これはほとんど入たております。入っておりませをのは、機関砲の関係でございまして、それ以外は入っております。飛行については差しつかえはないというふうに考えております。 それから部品等のメーカーでありますが、大部分新三菱重工に発注をして領収しておりますが、それ以外のメーカーにも注文をしてございますが、相当数は新三菱重工でございます。
○大森創造君 私は、人に聞いてみるというと、新三菱重工のほうの小牧工場のほうでは、昭和四十年の十一月中に二百機完納を目標とする。それから、いろいろ仕事があって部品に手が回らないのだ、こういうことを言っている人があるのです。それで、小川さんの手記にもそういうことが書いてある。そこで、その次に移りますというと、一番これは大事だと、飛行機に実際乗る人はこの点が非常に不安だと思うのですね。ほかの飛行士はこう言っているのですね。現在千歳では、一機を飛ばすのに、いつでもそのつど二、三機から部品を集めてそうして整備するんだ。今のお話でわからないことはない、最初はそういう現象もあるということは。これも肝心なところ、私も肝心な飛行機に乗ったことがないのでよくわからないんですけれども、これはひとつ小川さんに来てもらって、あなた方のほうがほんとうかどうかということは確めなければならぬ部類に属すると思う。それから小川隊長にすれば、くやしくてくやしくて夜も眠れない、やめてしまえという気持なんですかね。「整備支援においては、補充されてくる整備員の技能程度が逐次低下し、」これはわかりますよ。「人数は増しても未だ自衛隊実務教育中の整備員が多く、」——未熟練の整備員が多くという意味でしょうね。「しかも他方航空機数がふえていくことは、一機当りの整備の質が落ちていたということであった。」——練度一〇〇という言葉がある。練度一〇〇というそういう技術的な高度の技術が要求される整備なんですね、このF104Jというのは。
○政府委員(小幡久男君) 104の整備員のレベルにつきましては、やはり86Fと同じように、3、5、7と分けてあります。それから比率は、あるべき姿は上級と中級とが約八二・五%、それから初級が一七・五%、これがあるべき姿であります。現在のところはこれが七〇対三〇くらいが実情でございまして、若干まだあるべき姿に到達していないのが事実でありますが、御承知のように、整備員は五十四名昨年アメリカから入って参りまして、そのうちの半数の二十四名を中核としまして、現在千歳で教育を兼ねて、F86Fの整備員のうちで一番いいのを集めてやっておりまして、航空自衛隊としましては、一番練度のすぐれたものを集めておることは事実でありまして、初期におきましては、まだ若干セブンとファイブの人数が足りませんことは事実であります。努力はしております。
○大森創造君 長官は御用事があるそうですから、一つだけお伺いします。 継続生産の問題ですね。このF104というのは、これは衆議院、参議院でも、ずいぶん継続生産の問題については問題にされておる。それで長官がそれぞれお答えになっている。ニュアンスは多少違うけれども、私が調べたところによるというと、F104にはまだきめてないと、まだ考慮中だと。それから、これはF104にはきめてないということが結論でございますか。しかし、腹の中はF104にやりたいと、こういうことですか。それとも、F104は確かに問題の飛行機だから、これはやめたいというお気持ですか。どうも政府の答弁というやつは、原子力潜水艦寄港の問題でも何でも、わけがわからないところがあって、頭のいい皆さんはわかるかもしれないけれども、私などは頭が悪いからよくわからないんだな。いつの間にかぱっとなってしまうので、はっきり答えて下さい。
○国務大臣(志賀健次郎君) F104の継続生産の問題につきましては、しばしばお尋ねもあり、また、そのつどお答えをいたしておるのでありますが、防衛庁といたしましては、将来のわが国の防空のふり方を中心にこれを目下検討中でございまして、現在のところ、その結論が出ておらないのであります。その真意が、どうも私東北人なものでありますから舌たらずで、どうも表現がそのつど変わっておるようにいろいろ非難を受けるのでありますが、真意は、ただいま申し上げたとおりであります。
○大森創造君 そうするというと、長官は、率直なところお聞かせ願いたいのだけれども、どうも今までのいきさつにかんがみて、F104Jというやつは継続生産にいたしたくないという気持があなたの個人的な見解だね。
○国務大臣(志賀健次郎君) それは全くあなたの推測でございまして、問題は、わが国の防空のあり方がどうあるべきか、どうなるであろうかということが中心でございまして、それに基づいておのずから結論が出てくるのでありまして、現在私ども作業をいたしておりますのは、将来の日本の防空の問題がどういうふうになるかということに重点を入れて検討をいたしておるのでありまして、それに基づいて継続生産するかどうかということがおのずからきまってくるのでございます。
○委員長(横川正市君) 大森君にちょっと……。長官は渉外で三時間までということでありますから……。
○大森創造君 それじゃこれで終わります。あなた、自民党の政調国防部会で、国防部会の結論は、これは日にちはさておき、F104Jの継続生産を決議されたようですね。その席におられたのですか、いかがですか。
○国務大臣(志賀健次郎君) いっそういう決議があったかどうか知りませんが、決議があったことは承知いたしておりますが、防衛庁の方針は、ただいま申し上げたとおり、これが率直な防衛庁の意見であります。
○大森創造君 これ一つで終わります。「志賀防衛庁長官がこのほど参院予算委員会で「航空自衛隊の主力戦闘機ロッキードF104Jを継続生産する意向はない」と発言したことは経団連航空機業界にかなりの波紋を呼んでいる。経団連、業界とも現在の生産計画(二百機)が完了する四十年以降、さらに百機を追加して継続生産したいと要望を重ね、」云々ということがあって、「志賀談話は寝耳に水というわけ。さっそく元防衛庁長官の衆院議員船団中氏(防衛装備国産化懇談会会長)が防衛庁に乗り込んで真意をたしかめるなどのあわてぶり。経団連防衛生産委員会の千賀事務局長は「防衛事務局によると」」云々と、こういうことがあるけれども、あなたは、原子力潜水艦の寄港の問題も、そういうにおいも近ごろしてきたと思うが、国会はあと何日間かで終わるし、これは中小企業基本法案とか、ややこしいやつはどうなるかわからないけれども、国会が終わってから、こうすぱっとF104にきめるべく今から腹の中きめてしまっているのと違うの。
○国務大臣(志賀健次郎君) お話のように、日本の将来の防空のあり方が簡単に結論が出るなら、仰せのとおりになるかもしらぬけれども、そう簡単なものではございません。われわれは命がけでこの問題に取り組んでおるのでありまして、F104の継続生産の問題が、国会が終わればすぐにきまるなどということはあり得ないのであります。したがってまた、百億、二百億程度の金で事済むなら別でありますが、相当巨額な財源を必要とする問題でありまして、そう十日や一週間、あるいは二週間でこの問題の結論が出る問題じゃないことだけは御了承願いたいのであります。
○大森創造君 これで志賀長官に対する質疑は、きょうの残階は終わりますが、今お話のありましたように、確かに日本の防衛の問題、飛行機をどうするかという問題は重大問題でございますから、そういう問題については、次回に譲りまして、きょうは、小川飛行隊長の質疑を中心にして、その範囲において、きょうは私は志賀防衛庁長官への質問は終わります。
○国務大臣(志賀健次郎君) お尋ねじゃございませんけれども、先ほど元小川飛行隊長のことについて私がいろいろと申し上げた、その中で直情径行型ということを申したのであります。私は、彼の名誉を重んじ、彼を敬愛するから、最大限の表現を用いて直情径行型と申し上げたのであります。私しろうとでございまして、いろいろの人の話を聞いて総合するところ、どうも名パイロットというものは、とかくみんなてんぐが多い。このF104のパイロットとしてアメリカに派遣せられた者が七人ある。これを、航空自衛隊その他世間では、七勇士とか七人のさむらいと呼んでいるのであります。やはりさむらいだけにみんなてんぐでございます。したがって、このパイロットというものの社会は、どうもてんぐが多いから、感情の問題で支配される点が非常に多いのであります。私はあえて「文芸春秋」の手記をかれこれ申すのじゃございませんけれども、西君が五十日間整備した飛行機に乗って飛び出した、でたらめである——そのときの飛行隊長は一体だれですか。小川君が飛行隊長です。小川君の命令で西君が飛んでいるはずです。もしも小川君の命令なくして西君が飛んでいるとすれば、これはたいへんなことでありまして、むしろ飛行隊長の責任にあると思う。隊長の部下である西君が飛び出すことをもしも小川君が承知しているならば、君、ちょっと待てとか、もう少し整備を、点検をした上で搭乗しろという命令があってしかるべきであって、それをでたらめであると、すぐにきめつけられるところが、私はしろうととして非常にふに落ちないところがあるのでございまして、どうもパイロットの社会には、直情径行型、感情に激しやすいようなさむらいが集まっているのでありまして、そういう感情問題もよく勘案せられて御批判を賜わりたいと思うのであります。これは私の希望でございます。
○大森創造君 私も一言言わざるを得ない。 その直情径行であるその人を四年間初代の飛行隊長としてやってきたのです。四年間ですよ。余人にかえないでやってきた。しかも、今までのいきさつから見るというと、これはどっちに真実があるかということは、志賀長官幾ら言ってもわかりませんよ。これはわからないですよ、あなたは。その言葉は、ニュアンスはちょっと違わせるけれども、何回も——政治的発言かもしれないけれども、これはかえがたい人物であって、四十日間も慰留を続けたのですからね、防衛庁の幹部は。そして「文春」にすっぱ抜かれたといって、今度こういうことになった。向こうは向こうとして、今度は感情でなくて事実を指摘している。整備がどうとがこうとか事実をいっている。それはあなた方のほうがこの問題について論駁する個所が相当あることは私も認める。しかし、これは欠席裁判だから、私はしろうとだから、また、ここにいる防衛庁の人だってみんなしろうとですから……。まあ私はこれだけ志賀長官に申し上げたい。どうしたってこのままでは済まされませんよ、小川君はここに出たいと言っているのだから。で、これは私は決算委員会というのは、どうでもいいようなことをやるところではないと思う。この飛行機というものに根本的に構造上の欠陥があるということは、当時機種を採用するときに、左藤防衛庁長官からちょんと言明されている。ロッキード、グラマンの話は全然すぱっときまっているとは思いません、科学的に。それで、今までの経過から見て、風速がどうかこうかとか、先ほど話したように新たな構造的な欠陥が最近になって発見されたということ、しかも、どれを見たって、何といいますか、その小川君の言うことには真実であるということも出ているのですから、これはぜひ防衛庁としては受け立って、私の前でこれはこれはこうだという判定をして下さい。そうでいなと、これはとても国民の代表として済まされない、これだけは。名誉棄損です、ある意味で言えば。このことがうそのはずではない。これはあとでひとつ理事会で御相談願いますが、防衛庁のほうは誠意がないと思う。このことは次回にお伺いいたします。
○委員長(横川正市君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(横川正市君) 速記を始めて下さい。 防庁関係の審査は日本の、ところのこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時一分散会