議院運営委員会 第33号
- 発言数
- 13 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/06/28
会議録
○委員長(田中茂穂君) 議院運営委員会を開会いたします。 選挙制度審議会特別委員の推薦に関する件を議題といたします。 事務総長の説明を求めます。
○事務総長(河野義克君) 一昨二十六日、内閣総理大臣から本院議長あてに、選挙制度審議会特別委員本院議員秋山長造君から、同審議会特別委員辞任の申し出があったので、後任者の推薦を願いたい旨の文書が参りました。 後任につきましては、秋山君所属の日本社会党から鈴木寿君を推薦して参りました。議長といたしましては同君を内閣総理大臣に推薦いたしたいと存じておりますので、御了承をお願いいたします。
○委員長(田中茂穂君) ただいま説明のとおり、選挙制度審議会特別委員を推薦することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田中茂穂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○米田勲君 この際、与党の理事並びに議運の委員長に対して本院における議会運営の諸問題について、この機会に所見をただすとともに、われわれの考え方を少しく述べたいと思います。 委員長も長い間議運の理事をなさった経歴もあるしするので、本院の毎国会におけるその置かれている立場というものを、何度も苦労をして苦心をされていると思うのである。それは大体衆参両院があるのですが、政府から出してくる法律案のほとんどが衆議院先議であるということにあまりに片寄っている関係上、衆議院から打ち上げて参議院に回ってくる法律案の時期というものが、常に非常におそい。衆議院においてはその法案が相当長い期間慎重に審査されるので、参議院に回ってくると、もうそれは全く限られた短い時間である。しかも与党の諸君は、その法案を上げるために努力をしなければならぬという立場に立たされているようであります。ところが、われわれ社会党としては、やはり衆議院で慎重審議をした法案は、参議院において簡単に審議をしていいという性質のものではなくて、やはり本院においても、尽くすべきところは尽くし、論ずるところは論じ合う、そういうことでなければ、参議院の使命というものは全く果たされないという、そういう観点から見ると、どうも参議院における法案の政府からの提出の仕方が、いろいろ慣行や理由から、衆議院にほとんど先議として扱われる。残るわずかな期間で、たくさんの法案をかかえて参議院がいつも泥をかぶるという状態で、この議会運営は正常でない、こういうことでは参議院の任務を果たされないということを、今度の国会でも痛感しているわけです。このことについて、まず第一に、委員長はどうお考えになっておられるか、そしてまた、その問題はわれわれと同感であるなら、今後参議院の立場で、どういうふうにしていったら、われわれの考えているような参議院の使命を果たす慎重審議ができるようになるのか、その改善策はどういう点にあるのかということを、ひとつ委員長の立場で所見を伺いたい。
○委員長(田中茂穂君) ただいま米田君から、私に対してのお尋ねでございまするので、お答えいたします。 米田君の御発言は、毎国会において、政府提出の法律案件があまりにも衆議院のほうに先議が片寄り過ぎて、しかも衆議院のほうにおいて、会期のほとんど大部分を費やして、会期末になって参議院に送付されてくる、しかし、重要法案についても審議日数はきわめて少ない。そういうことでは国会の正常な運営は期しがたい、この点について、委員長に対して、どういうふうに考えているかというまず第一のお尋ねでございますが、委員長といたしましても、全く米田君の御意見と同じ考え方を持っております。このたびの通常国会開会にあたりまして、委員長の立場からといたしましても、また参議院の与党の国会対策委員長の立場から高橋君も、きわめてこの問題を重視いたしまして、強く政府に、おおむねできれば、提出を予定される法律案の半分程度は参議院に先議をさすべきである、そうして衆議院、参議院ともに、特に重要な法案においては、ほぼ同じ日数の審議期間を考慮すべきであるという点を、強く申し入れたわけでございますが、残念ながら、三分の一に満たない程度の法案しか参議院に先議として提出されなかったというところにも問題があったと思うのでございます。しかし、この間のいきさつについて仄聞するところによりますと、衆議院のほうにおいては、与党であると野党であるとを問わず、与野党の衆議院の諸君が、参議院に先議案件を多く回すというこに強く反対されたといういきさつもあるわけであります。この点については、特に参議院は党派をこえて、この問題については衆議院の与野党の諸君にもこの点を十分ひとつ申し入れる必要があろうかと存じまするし、なおまた、次国会以降におきましては、今会期のようなことのないように、重要案件については、できるだけ衆議院と同じ日数程度の審議期間を考慮して参議院のほうに送付するように、特別な配慮を要求する必要を、私としては痛感をいたしておる次第でございます。 第二のお尋ねでございまする今後の対策については、委員長としてはどういうふうに考えておるかという点につきましては、ただいまちょっと触れましたように、参議院の与野党あげて、衆議院の与野党の諸君にもこのことを申し入れますと同時に、参議院側の各会派の幹部と一諸になりまして政府にも強く申し入れ、なお衆議院側の各会派の幹部にも強く申し入れる必要を考えておるわけでございます。以上でございます。
○米田勲君 ただいま田中委員長のほうからいろいろ御意見なり対策について述べられましたが、長い間の慣行で、そのことがなかなか言うはやすいけれども実現ができないというまま本日に至っておるのですが、この際、議長に、ぜひこの問題については、参議院の立場からも強く政府に働きかけて、われわれが短い日数で重要議案をしゃにむに審議しなければならぬというような事態の起こらないように、善処方を大きく期待したいのですが、議長のお考えはいかがですか。
○議長(重宗雄三君) お二人のお話、ここで聞いておりまして、全く同感であります。委員長の申されましたとおり、私もそのとおり考えておりましたが、ただいま御質問がありまして、私も強くひとつ今後は善処していきたいと考えております。御了承を願います。
○米田勲君 議長のお答えはよくわかりました。今後ともひとつ精力的にこの問題解決のために御努力をわずらわしたいと思います。 ところで、一般的な問題を今議運の委員長にお尋ねをしましたが、私は、当面している問題について、この参議院の国会運営がぜひとも正常な形で最後まで運営されることを期待するがゆえに、現在当面し起こりつつある事態について、与党の理事あるいはこの委員会の責任者である田中委員長に対し、それぞれただしておきたいことがあるわけです。御承知のように、現在参議院の社労委員会には三つの法案が問題になっております。その一つは、労働災害の防止に関する法律案であります。この法律案は本院に予備付託になったのは二月二十二日であって、本付託になったのは五月二十三日であります。第二の法律案である失業保険法の一部改正法案は、予備付託が三月二十日であり、本付討は六月七日であります。そしてその第三番目に、職業安定法及び緊急失業対策法の一部改正法案が予備付託になったのは五月七日、本付託になったのは六月二十三日であります。この三つを考えてみますと、労働災害の防止に関する法律案は失対法よりも約一カ月以前に本付託になっております。失業保険法の一部改正法案は、失対法案よりも十六日以前に本付託になっている勘定であります。そしてまた、この職業安定法及び緊急失業対策法の一部改正法案は、本付託の二十三日に日曜日であって、二十四日からこちらで審議を開始するという事態であります。社会労働委員会の従来の慣行は、本付託になってきた議案から順次に審査を進めていくということが長い間貫かれてきた慣行なのであります。ところが、二十四日からきょうに至るまでの社労委員会における理事会の話し同いは、いまだに両者一致しないまま来ているわけであります。すなわち、社会党の理事が、ただいま申し上げました三法案を慣行に従って本付託になった順序に審査を進めていきたいということを主張し、なおまた、その審査の日程については、当面して会期が七月六日までありますので、それを見通した上で七月三日までの審査日程を組み、その段階で自後の余す日数の間でどうこの問題を扱っていくかをきめたいという考え方を、理事を通して主張したわけであります。それに対して与党の自民党の理事は、まず第一に失業対策法案だけを先議して、他の二法案はあと回しである。失対法案だけ質疑をしてもらいたいということを主張するとともに六月三十日この社労委員会を議了するというめど、そして七月一日には本会議でこれを議了すると、こういう日程を主張したわけであります。ここに両者の理事の主張が非常に大きく食い違いまして、なかなか折り合いがつかない、社労委員長も苦労をしたわけであります。その後、自民党のほうでは、この六月三十日委員会議了という日程については撤回をされまして、失対法案のみを審査をしたいということに態度を変えられましたけれども、依然として折り合いがつかないということで来たわけです。昨日の理事会の話し合いの結果、話がまとまらないものですから、与党のほうの理事から、明日は十時から理事会を開き、十時半から社会労働委員会を開くということについて、正式の手続が委員長の手元に渡りまして、委員長は、その手続が条件を整備しておりましたので、公報に記載をし、きょうその準備態勢に入ったわけです。ところが、与党のほうの理事の諸君は、党内のいろいろな事情から予定された時間にはもちろん来ることができないし、その後も、午後、相当時間を経過しても、理事会を取り運ぶに至らないので、社労委員長は、他の会派の諸君にしばらく待ってもらいたいという自民党の理事の話があったことを告げて、待機の姿勢のまま、現在の時間になってしまっているわけであります。この経過をお考えいただいてもわかりますように、社会党としては、この職業安定法及び緊急失対法の一部改正法案というのは、いろいろな点で疑点があり、このままの法案が、もし成立をするとすれば、容易ならぬ事態が発生することを予想して、十分その法案の性格やあるいは内容を明らかにしていきたいということから、審議を相当長い期間にわたって、慎重にやりたいというふうに考えておったところであります。ところが、先ほど第一の質問で申し上げましたように、参議院に回ってきたのは六月二十三日であります。向こうのほうでは約五、六カ月の間この法案を持っておって、われわれのほうには、すでにもう幾ばくの日数も残さないときに送ってきた、そういう関係もありますけれども、この法案の扱い方について、いまだ一問も質疑が行なわれていない段階で、これは不確実な情報でありますけれども、院内外に、特に報道機関の人たちも、与党の諸君は、きょうの本会議でこの法案を急遽中間報告という方法によって日程にあげて、本会議で審査をして議了をしたいという会議の持ち方を計画し、それを実行するやに聞いているわけであります。そこで、私は与党の理事にお尋ねをしますが、今のような経過のこの法案を、どうしても委員会審査を十分にやらすことなく、本日の本会議で突如として中間報告を求めるの動議を提出して、本会議で審査議了というような方法に出られるのかどうか、あらかじめお伺いしたいわけです。 私は先ほどからも申しているように、本院における諸法案の審査は、われわれの置かれている立場、参議院の置かれている立場から考えて、言葉に語弊はありますけれども、衆議院よりは一そう慎重な立場で法案の最終的な検討を行なう任務があることを自覚しますと、そのような与党の中に計画があることが事実とすれば、事は重大であって、そのようなやり方は、参議院の運営をきわめて不正常なものにして、むしろ混乱を起こすばかりであるから、そういう挙には出られないほうが、参議院の運営上、今後のことも考慮すると、大切な考え方でないかと思うわけです。それで、与党の理事に、そういうお考え、中間報告の動議を出すようなお考えがあるのかどうか、このことをお聞きをすると同時に、議運の委員長は、そういう事態に立ち至った場合に、わが党の、私がただいま主張しているような立場から、慎重な扱いについての配慮が必要であるというふうに考えますので、それぞれから今の問題について御所見をただしておきたいと思います。
○鍋島直紹君 今、米田理事からわが党の態度につきまして、御質問あるいは所見を求められたのでございます。自由民主党としての態度を簡単に申し上げてみたいと思います。 米田さんが言われたように、二十三日に失業対策法案が付託されたことは、そのとおりであります。社労委員会におきましては他の二法案とともに、三法案をかかえたわけでありますが、政府与党であるわが党としては、どうしてもこの三法案を成立させていきたいということは、すでに御承知のとおりでございます。そのうちの二法案につきまして、いわゆる失対法といわれる法律案外の二法案につきましては、社会党の方々も賛成せられ、あるいはいわば極端な御反対もない法律として審議せられることになり、失対法につきましては、衆議院の段階におきましていろいろなことがあったことは事実でございます。 そこで自由民主党の方針としても、できるだけ審議を、いわば日程外にも作って、そうして審議をしていただくことを要望し、特に失対法につきましては問題があったので、できるだけ優先的にその討論採決の日程に至るまで日程をきめていただいて、そうして御審議を願うという方針に基づいて、今日まで進めてきましたが、残念ながらその日程の組み方等々において、社会党及び自由民主党の理事の間に意見の食い違いがありまして、その間いろいろなことがあって、ついに他の二法案とともに十分な審議まで入り切れなくて今日に至っていることは事実でございます。 そこで、今度の本会議において中間報告等の動議を出して、そうして本会議のいわゆる議題、公報に載っている議題外に動議を出していろいろ審議をするということを絶対にしないのか、するのか。あるいは中間報告等が報道機関等からいろいろ言われているがどうかという御質問でございます。本日午後の事態におきましては、自由民主党として社会労働委員会の審議に重点を置き、しかも、その討論採決の日を理事会において日程をまとめていただくことに全力を注ぎまして、決定を見ていなかった次第でございます。その後、緊急執行部会あるいは総会等のことが夕刻五時−八時ごろにございまして、今日におきまして本会議が開かれまして動議を提出する、それは中間報告その他いろいろございましょう、いわゆる動議を提出するということにつきましてのことを、絶対にわが党として、しないということを、私は保証することはできない事態になっております。 以上お答え申し上げます。
○委員長(田中茂穂君) 米田君の私に対する御質問がございましたので、ただいまの米田君の御発言、それに対する鍋島君のお答え、いろいろ両党のお立場あるいはまた参議院の正常な運営をあくまでもはかって参りたいという気持は、米田君、鍋島君とともに、委員長といたしましては最も関心を持っている問題でございますので、この問題につきましては、なお十分善処をいたして参りたいと、かように考えております。
○米田勲君 ただいまの鍋島理事の発言の中に、われわれとしては重大なことが含まれていると考えるわけです。これは国民が考えても、だれが考えても、この職業安定法及び緊急失対法の一部改正法案が現在参議院に回ってきた日が二十三日である。いろいろな事情はあるにしても、まだ一分間も一言も質疑が行なわれていたいという段階で、本会議において本日中間報告を求めるの動議を出すかどうかについてはわからないということは、出すことが予想されるというふうに判断をされるわけです。こういうことは、私はだけが考えてもむちゃな話ではないか。国会の正常な運営をしていくという立場から見れば、まことに理不尽なやり方であり、そういう軽率な議案の取扱いでは、国民の付託にこたえて参議院のわれわれが活動することは、ほとんど不可能であるということすら考えられるのです。私はここは、一般的な、きょうは国会運営の諸問題についてただしたいということで開いていただいた委員会でありますから、そういう角度で私は申し上げているのですが、今のような与党の側の態度では、社会党は絶対に、そういうことが行なわれるようでは、参議院の正常な運営に協力することはできない。与党の諸君がそういう挙に出るなら、われわれとしては、国会法に許された、参議院規則に許されたあらゆる合法的な方法をもって与党の無謀なやり方に対して抵抗せざるを得なくなるわけです。われわれは本会議なり委員会が、不正常な、国民の期待を裏切るような状態になることは好ましくないことでありまして、どうかひとつ委員長も与党理事も、私の主張していることを十分お考えいただいて、本日の本会議がわれわれの予測のつかないような状態にならないように、そのためには中間報告などの挙に出ないように、国会の運営の円満な遂行に善処を強く要望しておくわけです。なおまた議長に対しても申し上げたいのですが、議長の明晰な頭をもって判断していただければはっきりわかるように、もしも本日私の懸念しているような動議が与党側から出るとすれば、本会議には相当の混乱、渋滞が発生すると考えられますので議長はそのような事態を引き起こさないためにあらゆる努力をし、善処方を強く要望しておく次第であります。
○委員長(田中茂穂君) 米田君にお答えいたします。米田君の御発言十分私もよくわかりましたので、できるだけ円満に収拾するように善処をいたしたいと存じます。 暫時休憩いたします。 午後八時五十三分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕