外務委員会 第32号
- 発言数
- 88 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/07/06
会議録
○委員長(岡崎真一君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 関税及び貿易に関する一般協定の譲許の追加に関する第十議定書(日本国及びニュー・ジーランド)の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とタイとの間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とマラヤ連邦との間の条約の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。 まず、マラヤ連邦との租税条約について補足説明を聴取いたします。須之部参事官。
○説明員(須之部量三君) それでは、マラヤとの租税協定につきまして簡単に補足説明を申し上げます。 この、マラヤとの租税条約でございますが、今までわが国が結んでおります租税協定の型を、先進国との間に結んでいる租税条約、後進国との間に結んでいる租税条約、大きく二つの型に分けてみるといたしますと、基本的には後進国の型を取り入れながら、ある意味では先進国との間の協定の型もかなり取り入れたという意味で、内容的に申しますと、一口に言えば、わが国にとってかなり有利になる租税協定であるというふうに考えられるわけでございます。この協定が対象としております租税の種類は、所得税と法人税でございます。その点は従来の租税協定と全く同じでございます。また租税条約といたしましての規定の置き方を見てみましても、その協定の立て方は、従来の協定とこれまたほぼ一致しておるところでございます。具体的にどんな点が従来の後進国のパターンと多少でも違っておるかという点を申し上げますと、たとえば配当とか使用料というものについての免税ないし減税の程度が日本にとって有利なきめ方になっておるという点でございます。たとえば船舶、航空機所得についてみますと、タイとの間の租税条約を見ますと、航空機のほうは航空機所得は免税でございますが、船舶所得は五〇%の軽減ということになっておるわけでございます。それがマラヤとの条約の間では、船舶所得も航空機所得もすべて免税ということになっておるわけでございます。また、配当に対する軽減税率の程度を見てみましても、タイの場合は業種ないし態様によって異なりますが、二五%、二〇%、一五%というような軽減税率でございますが、それがマラヤの場合は一五%ないし一〇%というふうになっておるわけでございまして、わが国の資本がマラヤに進出しておる状況から見ますと、この軽減税率が低いということが日本にとって有利だということが言えるわけでございます。で、これらの軽減税率の点は、ある意味で、先ほど申しました日本と先進国との間の租税条約のパターン、あるいはその税率に従っておるわけでございますが、一方この租税協定でも他の後進国と日本が結んでおります租税協定の例に従いまして、外国税額控除をいたします場合にみなし控除という制度を実施しておるわけでございます。マラヤにおいて創始産業法という法律がございまして、その法律によって規定された一定の産業は、特定の期間の間マラヤの所得税を免税されるというふうになっておるわけでございますが、その法律に基づいて減免された税ないしこの協定に基づいて減税された税は、一応マラヤで課税されたものとみなしてわが国の総合課税から控除されるという形になっておる状況でございます。おもな特徴はそれらの点でございまして、その他の点、従来結んでおります租税条約と特に異なっておる点はございません。 なお、わが国のマラヤに対する経済進出の状況でございますが、日本が合弁事業等で行なっております現地法人が十七社、それから日本の会社が現地に支店を持っておりますものが十二、駐在員事務所が二十五というわけで、かなり日本の現地における経済進出は目立っておるわけでございます。 一方貿易関係でございますが、日本のマラヤに対します輸出は六十年度が約三千二百万ドル、六十一年度が三千百万ドル、六十二年度が三千八百万ドル、日本の輸入のほうは六十年度で一億九千四百万ドル、それから六十一年度で二億ドル、六十二年度で一億八千六百万ドルというふうに相当な多量に上っております。 また、日本の船舶がマラヤに行っている実績でございますが、六一年度でもって七百二隻日本からマラヤに就航いたしているわけでございます。一方、マラヤの船で日本に来たものは、六一年には一隻もございません。 それから、その他、人的交流の状況を見てみますと、マラヤから現在日本に約百二十名ほどの留学生が来ているわけであります。その他、相互負担の研修生として七名来ております。また日本からは、相互負担で専門家として派遣されている者が五名いるわけであります。 このように、両国間の経済関係は非常に緊密なものでございまして、また今後とも発展する見通しでございますので、今回の租税の二重課税の防止条約ができるということは、両国の経済ないし人的交流をますます盛んならしめるものと思います。 以上、御説明申し上げました。
○委員長(岡崎真一君) 以上で説明は終了いたしました。 これから質疑に入ります。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
○岡田宗司君 これはマラヤ連邦との協定ですけれども、今度マレーシア連邦が成立した場合には、こういうマレーシア連邦の構成要素となる国との条約はどういうことになるのですか。
○政府委員(中川融君) マレーシア連邦ができました暁に、従来ございますマレー連邦、あるいは今シンガポールと条約を結んでおりますが、こういうものがどういう格好でマレーシア連邦という新しい国家に取り入れられるかということにつきましては、今までいろいろ先方に照会してみたところ、その地域をベースにいたしまして各地域が従来外国と結んでおりました条約、協定等は、そのまま今度は新国家の条約として引き継がれる、そうして、それはもとの地域に適用される、こういうのが大体経過的にきまっているところのようであります。したがって、マレー連邦との間に作りました条約、協定等は、そのまま一応マレーシアに適用されるものとして、マレーシア連邦に引き継がれるということであります。
○岡田宗司君 そうすると、何年かたって今度統一的なものがマレーシア連邦との間に結ばれることになりますか。
○政府委員(中川融君) マレーシア連邦ができました暁に、もちろんそれは一つの国家でございますから、外交権というものは単一になるわけでございます。したがって、いずれは全連邦に適用されるいわば単一の条約というものが、それぞれの項目についてできるということになると思います。当分の間は、従来の地域別のものを継承するということでございます。
○岡田宗司君 このマレー連邦との間に――ちょうど今日本とシンガポールとの間に、戦争中にシンガポールでもって日本軍に殺された中国人ですか、あれの慰霊碑ですか、慰霊塔の問題でいろいろ紛争がありますが、マレー連邦におきましても、同じようなことがあるのですか、それらの問題はどういうふうになっておりますか。
○政府委員(中川融君) 日本の占領いたしました地域において、戦争中にわが軍が与えました損害というものは、各地域によりましてそれぞれ性質が多少違うのでございまして、マレー自体におきましては、今まで一番問題になっております事案と申しますのは、日本軍が占領しておりました当時、兵補というものを現地住民から募ったわけでありますが、この兵補に対して補償を与えろ――その当時ももちろん与えておりましたが十分でない、また、兵補でもって負傷したり、死んだりした者があるというようなことから、この兵補に対する損害補償という問題が従来非公式にいわれていたわけでございますが、しかし、正式にマラヤ連邦からそういう申し出がありまして外交交渉になっている段階ではございません。大体マラヤ連邦の今までの態度から見ますと、戦時中のことは戦時中のことで一応解決した、むしろ将来の経済協力というようなことを真剣に考えていこうじゃないか、そういう態度でございますので、シンガポールの場合とは異なりまして、特にこの戦争中の被害に対する損失補償の問題が表向き取り上げられているという状況ではないわけでございます。日本としては、むしろ将来の経済協力という面において日本の誠意を示していきたいと考えておる状況でございます。
○岡田宗司君 マレーシア連邦の問題についてシンガポールとマラヤ連邦との間にトラブルがあって、マレーシア連邦があるいはシンガポールを除いて発足するかもしれないというようなことが伝えられているわけです。そのシンガポールがマレーシア連邦に入らないということの理由、もしシンガポールがマレーシア連邦に入らなかった場合に、日本との関係ですね、たとえばマレーシア連邦と一つになった場合と、あるいはそうでない場合と、日本との経済関係について、何か特別な変化が起こって、あるいはまたそれによって日本が不利益になるとか、いろいろ問題があるかどうか、そういう点について。
○政府委員(中川融君) 御承知のように、新しいマレーシア連邦は八月三十一日に発足するという予定で進んでおるわけでございますが、これの構成分子になりますいわば三つの単位、これの間の話合いが三つの単位の間で行なわれておるわけでございますが、なかなか条件の一致を見ない、むずかしかったわけでございます。シンガポール、ブルネイと二つが一番問題であるわけでございますが、主としてその内容は財政条項のようでございます。新しい連邦にどの程度地域おのおのの収入を持っていくかという問題で話合いが合わないわけでございます。ロンドンで会議を開いて、イギリスがいわば仲介に立って話をまとめようということであったのですが、それが急にやめになったというニュースも伝わっていたわけでございますが、実は今入りましたニュースでございますが、シンガポールとマラヤとの間の財政問題に関する話合いができたということでございますので、おそらくこの問題が片づいたのじゃないかと思います。いずれにせよ、新しい国家ができますということは、日本としても希望するところでございまして、やはり東南アジアにおいてできるだけ経済的にも安定した基盤を持った国家ができるということが、日本としても望ましいのでございますので、その国の事情にいろいろ日本として意見を差しはさむことは差し控えておるわけでございます。一般論としては、予想されるような形でのマレーシア連邦ができるということを日本としても希望しておるわけでございます。
○岡田宗司君 マラヤ連邦との関係で、日本の輸入が多いわけですが、原料、特に鉄鉱石なんかが多いのですけれども、あれは、鉄鉱石はだんだん掘っていけばなくなっていくものですけれども、そうして日本の鉄鉱石に対する需要が非常にふえてきて、よそにどんどんその資源を求めているわけですが、マラヤ連邦の鉄鉱石はあとどれくらい続くものか。
○政府委員(中川融君) 日本は、できるだけ日本に近い地域から鉄鉱石を輸入するというのをいわば方針としてきているわけでございますが、遺憾ながら、近いところの鉄鉱石がだんだん枯渇いたしまして、たとえばフィリピンあたりも日本の有力な輸入源であったわけでございますが、資源がだんだん少なくなって参りました。今もっぱらマレーシアから輸入しているというわけでございますが、マレーシアの鉄鉱石の原料は、これはまだ相当あるというふうに聞いているわけでございます。したがって、ここしばらくの見通しといたしまして、マレーシアからの鉄鉱石の原料が枯渇するというようなことは予測していないわけでございますが、しかし、大体の傾向といたしましては、さらにまたインドというふうに、だんだん移るというふうに、日本から遠いところにだんだん移っていくということが大きく見ての傾向でございます。 なお、マレーシアにおける鉄鉱石の資源状況等につきましては、御要望がございますれば、別に調べまして資料として御提出いたしたいと思います。
○委員長(岡崎真一君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(岡崎真一君) 速記を始めて。
○山本利壽君 先ほどシンガポールの話が出ておりましたが、今回締結の条約と同じようなものを、シンガポールともすでに締結されているわけでございますか。
○政府委員(中川融君) たしか一昨年であったと思いますが、同じような性質の条約をシンガポール政府と締結いたして、すでに実施いたしております。
○山本利壽君 もう一つ。今回の条約締結については、こういう工合に改訂するのには、ほかの先進国といいますか――あたりと、マラヤとの今回の条約との内容といいますか、そこらはどういうことになっておりますか。
○政府委員(中川融君) マレーシアといたしましては、従来イギリスとの間に税に関する条約を持っているわけでございますが、それが唯一の例でございます。今回日本が結びました租税条約と、イギリスとマラヤとの間の租税条約と比べてみますと、日本のほうがおくれて新しくできた関係もございますが、端的に申せば、日本とマラヤとの経済緊密化により有益に資するようにできていると考えるのでございまして、その意味で、日本と今度結びました条約のほうが、マラヤとイギリスとの既存の条約よりもベターなものであります。
○山本利壽君 マラヤにとってですか。
○政府委員(中川融君) これはあまり大きくは申せないわけでございますが、日本とマラヤとの経済緊密化に有利な条約であるというふうに考えております。
○山本利壽君 ちょっとデリケートだからわからぬのですが、それは、日本も後進国を開発するとかいう意味もあるし、それから、日本とマラヤとは同じアジアの中にあって大いに援助してやらなければならぬというようなこともあるから、それで、日本との条約はマラヤにとって有利なのがいけないということを言うわけではないのですけれども、他の国との比較において――他の国といっても、今のお話では英国しかないわけですから、おそらく今後ほかの先進国がマラヤと条約を結ぶのには、今度のが標準に、あるいは参考に大いになるでしょうが、だから、最近の日本とマラヤとだんだん緊密になってきた。それからまた、英国の場合は植民地であったのだから、非常に有利な条約を持っているかもわからぬですね。そこらの比較は、ベターということは、日本にとってベターなのか、マラヤにとってベターになったのか、そこらのところがわからぬから、それを聞いてみたわけです。
○説明員(須之部量三君) どちらにとって有利かという問題でございますが、形式的に見る場合には、わが国の資本なり船舶なりがマラヤに進出しやすいような形になっておるという点が言えるわけでございます。先ほど申しましたとおり、たとえば配当に対する課税とか、ほかのところと結んだものと比べて軽減率が低いというような点は、日本の資本が進出しやすいという面もございますし、先ほどの船舶課税は五〇%軽減ではなく、全部免税になっておるということで、日本にとっては有利な点もございます。と同時に、マラヤのほうから見れば、自分の産業化を促進するための外資が入ってくるので、企業はそれを大いに歓迎しておるので、国内の産業化をはかりたいという面から見れば、それがまたマラヤにとってはプラスの面でございますが、結局、その意味でこれはどちらが有利になるかということになりますれば、おそらく有利でないということを言うならば、要するに、当面の財政収入がそれだけ減る、軽減の程度が深ければ深いほど当面の財政収入が若干減るというので、どちらがプラスでどちらがマイナスかといえば、少くとも長期的に見れば両方プラスになる、こういうふうに言えると思います。
○岡田宗司君 タイとの関係についてですが、タイと日本との関係は、この間タイの国王が日本を訪問になったので、非常に経済的にも親密になったのですが、今、日本の商社はタイにずいぶん出ているわけですね。それで、現在タイに日本の商社はどのくらい出ておるか、また合弁会社はどのくらいあるか。それから、在留邦人は今タイにどのくらいいるか、また日本がタイで持っております企業あるいは合弁の企業、それから今計画されておるもの、そういうものについてちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(須之部量三君) まず、現在進出しております日本の企業でございますが、合弁会社で十七という数字になっております。それから、駐在員事務所が四十一、それから、支店が二十四ということでございます。それから、タイの企業が日本にありますのが、バンコック銀行と商社が一つということになっております。それから、合弁会社の内容でございますが、今個別的にちょっと会社の名前はあれでございますが、製糖関係、それから亜鉛鉄板の事業とか、それから殺虫剤それから乾電池、印刷用のインク、それから普通鋼材というようなものが合弁会社の事業形態になっております。それから、日本の現地に行っております在留邦人の数でございますが、タイの技術研修生とか留学生が約二百名日本に来ております。日本からの留学生はごく少数で、約数名のようでございます。それから、現実にタイにおります日本人の数でございますが、現在約一千名ということでございます。
○岡田宗司君 その一千名はおおむね商社員、それから合弁会社の技師、そういうような人が多いのですか。
○説明員(須之部量三君) そのとおりと考えております。
○岡田宗司君 今度この条約ができまして、これによって商社及びそこに働いておる人たちはかなり利益を受けらるということになりますね。
○説明員(須之部量三君) 利益と申しますか、今までこうむっておった不利が除かれるということだと存じます。
○岡田宗司君 今後のちょっと日本との貿易の見通し並びに今さらに計画されるであろう向こうへの経済進出、それはどういうふうに……。
○説明員(須之部量三君) まずタイとの間の貿易の見通しでございますが、まず日本のタイに対する輸出の状況でございますが、一九五九年で一億三百万ドル、それから六〇年で一億一千八百万ドル、それから六一年で一億三千四百万ドル、それから六二年で一億四千九百万ドルというふうに非常に逐年増加しているわけでございます。タイに対します輸出の品目構成を見ました場合の特徴は、非常に広い品目に分布されているわけでございまして、一つ一つの品目を取ってみました場合に、一番大きなものが、たとえば一九六二年を取ってみますと鉄鋼材の約一五%、これは相当部分が亜鉛鉄板だと存じますが、そのほか綿織物が一三%、それから乗用自動車、バス、トラック等が九・九%、この三つがほぼ一〇%を占める程度のものでございまして、あとは全部非常に低い比率でございます。一%にまで達しないというものだけでタイに対する輸出の約五〇%を占めるというわけでございます。ということは、タイに対する日本の輸出の品目構成が特定の品目に集中しておりませんで非常に広く分散している。つまり、タイのあらゆる面での市場に非常に深い関係を持っているわけでございまして、その意味では一番いわば安定してもいるし、同時に、伸びていくものではないかというふうに考えるわけでございます。 一方、日本のタイからの輸入のほうでございますが、これが一九五九年が三千七百万ドル、それから一九六〇年が七千二百万ドル、それから六一年が七千八百万ドル、それから六二年が七千二百万ドルというわけで、日本の大幅な出超でございます。タイからの輸入の問題は、御存じのとおり、従来は米が主たるものであったわけでございますが、入らなくなったわけでございまして、現在品目構成で六二年度の輸入を見てみますと、ゴムが三八%を占めております。それからトウモロコシが、飼料が約二〇%、それから米が約二〇%という程度でございます。結局、日本の輸入が最近かなり主としてゴムないしトウモロコシの買付がふえているということを中心に伸びてきてはおりますが、今後の問題としては、むしろ輸入がタイの商品をどれだけ輸入するかということに問題の一つがある、このように考えられるわけでございます。今後どんな事業が計画されているかという点でございますが、今私、的確な資料は持ち合わせておりませんが、おそらく、例のタイの特別円の問題等のあれもございますし、あれを通じてかなり現地の事業進出ということも考えられるのじゃないかというふうに考えております。今のところは的確な資料を持たないのでございます。
○岡田宗司君 タイと日本との貿易では、日本の輸出のほうが非常に多くて、大体輸入の倍ぐらい、例年そういうような状況ですが、そういうことになって参りますと、タイのほうが日本にもっと買ってくれというような問題が起こってくるのじゃないかということが予想されるわけです、タイのほうから日本にもっと買ってくれというような要求が。そしてまた、それについて、もし買わなければ、タイのほうで、日本の品物をそうたくさんは買えないというようなことが起こるのじゃないかと思うが、それらの点について。
○羽生三七君 ちょっとそれに関連して。タイに限らずアジア、特に東南アジアと日本との貿易の関係で、一次産品が中心の国でありますから、たとえばタイのように米の輸出国が、最近の日本の米の事情からそうたくさんの輸入はできないので、作付転換をタイがやって、最近はトウモロコシの栽培に力を入れて、それから日本が、今数字をあげられたように、トウモロコシの輸入が多くなってきている。それはタイの事情でそうならざるを得なかったと思いますが、タイに限らず、このアジア、特に東南アジア全体の一次産品を中心とする、それ以外に輸出すべき品物のない国々と、今岡田君が指摘したような、今後の日本商品の輸出との関連で、将来一体どうなるのか。一般的なお答えはずっと前に外務大臣から承ったけれども、具体的にどういう展望が持たれるのか、この点をひとつ岡田委員の質問と関連して、あわせて承りたいと思います。
○政府委員(中山賀博君) このアジアの諸国、なかんずくタイ等で、こちらが非常に出超になってバランスがとれなくなるということ。現に、これらの国は日本に対して非常に強くバランスの回復ということを言っているわけでございます。今、お話が出ました、トウモロコシというものも、ことに日本がタイから米を買わなくなってからは、これにかわる重要なる先方の対日輸出物資として非常に大きな重要性を持ってきたわけでございます。もちろん、このトウモロコシなども、米の輸出が日本に向かってできなくなったものですから、窮余の一策としてそういうことをやって非常に成功した例でございますが、実はわれわれとしましては、エカフェの貿易促進委員会というのがございまして、毎年一月に会合いたしまして、これらの国との間に具体的にどういう産品で伸ばし得るかということをいろいろ研究しております。このメーズの問題、メーズなんかも先ほど御説明があったかと思いますが、大体、日本の輸入量二百万トンの中で、かなり大きな部分がアメリカと南アから来ているわけですから、こういうものの輸入ソースの転換、それからメーズだけでは足りませんので、たとえば、新規にこういう対日輸出ができるものはないか。たとえばジュートのかわりになるような種類のものでございますケナフというものがございますが、こういうものをもう少し植えてみて、日本に送ることはどうかとか、農産物の面においても、鉱産物の面においても、いろいろ努力をしているわけでございます。ただエカフェで、それらのことは一例でございますが、これがもっと広い範囲でガットその他でも非常に問題になっているわけです。ただ問題になりますのは、一方において、日本の自由化が進んで参りますと、非自由化時代にはオープン・アカウントというようなもの、あるいは特別の貿易上の工夫によりまして、ある一国から特別に買い付けるというようなことができましたが、自由化に伴いましてその点が非常にむずかしくなって、国際価格で競争できるようなものでなければ日本に入ってこれない。こういう状況にあるために、たとえばカンボジアのトウモロコシのごときは日本に入ってこれない。これがいよいよカンボジアと日本とのアンバランスを激しくするということになって参ります。そこで、こういうギャップをどういうふうに埋めるかということにつきましては、これは一つには、やはり私は広い意味の経済協力の問題だと思うわけでございます。 それからまた、そういう意味では、投資前基礎調査委託費という予算が経済協力関係でついておりますが、こういう金を活用して、わがほうから技師も出し、そして、そういう具体的な実情に即した商品、あるいは農産物、あるいはその他のものをどうしたら日本に対してたくさん輸出することができるかということを具体的に研究しなければならないと思っております。だから、この基礎調査の調査費というようなものが今後大いに活用されることを期待するわけでございます。しかし、根本的な問題は、やはり国際的な規模において解決されなければならないことは当然でございまして、こういう意味で昨日もお話し申し上げました国際協定の面からまた問題を取り上げていくということが今後とも広くかつ深く行なわれることになるのではないかと考えております。
○羽生三七君 もう一つ。その場合、日本の農産物の保護政策との関係、これとの競合ですね、これでかなり日本としても困ることになるんじゃないですか。その辺はどうでしょう。
○政府委員(中山賀博君) 確かに農業の保護政策と国際的なトレードとの関係をどうするかということは、大事な問題であります。これは単に日本が悩んでいるだけではなくて、農業人口が大体全体の労働人口の一〇%くらいになっておるEECの諸国においても、農業政策というものは一番大きな問題、一番むずかしい。いわんや農業人口の多い日本としては、当然これは重大な問題になるわけであります。そこでその間の調和をどういうようにはかるかという問題でございます。ことにこの後進国との関係において、先進国のいわゆる温帯産品は、たとえば豪州、ニュージーランド、カナダ、アメリカ等ありますが、なかんずくそういうものと離れて熱帯の産品をどうやってこれらを生産をエンカレージしていくかという問題がございます。これは現にこの間のジュネーヴにおける関税一括引き下げ交渉においても問題になっている。そうして、たとえばそれらのものにつきましては関税を引き下げるという問題がありますが、そのときに、後進国に対しては、たとえば先進国が一定のパーセンテージ――五年間に五〇%なら五〇%下げても、後進国のほうは同じように下げなくてもいい。後進国に対しては若干そこに必ずしも正確な相互主義を要求しないとか、あるいはまた、今度は先進国でたとえばコーヒーとかココアについては関税を全廃するとか、あるいは数量的な割当を特別なスピードで下げていくとか、こういうように品目別にかなり詳細に問題を検討しているわけでございます。そこでわれわれとしましては、日本の自由化を一方において進めていく。そうして、それと農業製品の問題は、後進国の最も売らんとする物、たとえばことに熱帯産品についてそういう関税引き下げその他で協力していくというよりほかないと、かように考えております。
○岡田宗司君 今のお答えは一般的なほうで、私は、タイが今後日本に、貿易のバランスの面から何かもっとタイの品物を買ってくれということを要求してきやせんかということについてお伺いしたのですが、それらの点について、また日本側として、タイからトウモロコシだけではなくて、ほかにふやせるものがあるのか。そこらの点はどうなのか。
○政府委員(中山賀博君) タイはいろいろな産品について要求して参っております。たとえば塩、場合によって米、それから木材、鉱物資源、こういうものの対日輸出の増大方を希望しておりまして、ただ、しばしば値段がコンペティティヴでないということのために輸出が伸び悩んでいる状況でございます。
○佐多忠隆君 この条約が結ばれるまで、今までの間で、日本では所得税及び法人税、タイでは所得税、これがどういうふうな状況になっていたのですか。同時に、この条約を結んでからは、これはどういうふうに変わっていくというふうにお考えになりますか。
○説明員(平尾照夫君) この条約が締結して発効される前の段階におきましては、それぞれの国内法によって課税を行なう建前になっております。現実には、タイの企業が来ておる数は、先ほどの例のとおり、きわめて少ないわけです。これは通常の法人税率によって課税をする。すなわち、国税につきましては三八%の税率で課税しております。他方タイにおきましては、タイの通常税率によって日本の法人が課税を受けておる事業所得につきましては、一般に一五%、二〇%、二五%の税率によって課税をする。個人につきましては一〇%から五〇%の累進税率で課税をする、こういう建前になっております。たとえば特殊な投資所得につきましては、ことに日本の法人が受け取ります投資所得におきましては、同じく、先ほどの事業所得に対する税率と同様の税率で課税を受けているわけですが、本条約の発効によって、部分的にはそれが軽減税率の適用を受けるものがあるということになります。
○岡田宗司君 ニュージーランドの問題についてお伺いしたいのですが、ニュージーランドとわが国の貿易の関係につきましても、どうも日本のほうが輸出が多いというような状況で、ニュージーランドのほうで盛んに羊の肉を買ってくれということで、その輸入もふえてきております。日本とニュージーランドとの間の貿易の状況並びに見通しについて。なお、ニュージーランドの羊肉の日本国内における需要の増加あるいは売れ行きの増加ということは、今後どういうことになりますか。
○説明員(宮崎弘道君) 日本とニュージーランドの貿易は、一九五九年に日本側のニュージーランドに対します輸出が約一千百万ドル、それが大体増加を示して参りまして、一九六二年には約二千七百万ドルになっております。おもな輸出品は、綿、織物、これが二二%程度、化繊織物一三%程度、鉄鋼材二三%程度、こういったようなものが出ておりますほか、対ニュージーランド輸出が非常に多様化して参りまして、各種の産品が輸出されております。これに対しまして輸入のほうは、一九五九年は二千三百万ドルから一九六二年に三千三百万ドル余りに増大いたしております。おもな輸入品は、羊肉、それから木材、羊毛、ことに羊毛が三七%を占めております。そのほか数々の農産物等が入っております。一九五八年にニュージーランドとの間に通商協定が成立いたしまして、ただいま申し上げましたように、貿易額は約三倍に達しているわけでございます。一九六二年におきましてはニュージーランド側の外貨事情が逼迫いたしましたために、日本の同国に対します輸出も若干停滞したわけでございますが、ニュージーランド側の外貨事情も好転いたしましたので、今後はかなり伸び得るのではなかろうか。特にニュージーランド側の国内産業が工業化が十分進んでおりませんので、全体といたしましては、日本と同国との貿易は相互補完的なものがございますから、今後先方の輸入管理が緩和せられ、また関税が引き下げられて参りますと、日本の工業製品の輸出が伸びるのではなかろうかというふうに考えております。他方輸入のほうも、羊毛は若干昨年は内需が軟化いたしましたために、一昨年のレベルを下回ったわけでございますが、羊毛、食肉、木材、こういったような第一次産品は、値段もかなりコンペティティヴでございますので、若干の起伏はございましても、わが国の経済の成長に伴いまして増加していくのではないだろうか、かように考えております。
○岡田宗司君 羊肉がだいぶ日本に入ってきて安いのですね。日本では今牛肉も高い、豚肉も高いというので、だいぶ今の物価騰貴のやはり一つの現われになっておりますけれども、この羊肉が入ることによって、それらの上がるのを足を引っぱることができるのかどうか。それからまた、安いからもっとこれの需要がふえるのかどうか。これは消費物価の騰貴、特に牛肉や豚肉の騰貴との関係においてどうなのか、それをちょっとお伺いしたい。
○説明員(宮崎弘道君) 現在輸入羊肉は冷凍肉でございまして、その約九割はハム、ソーセージ等の加工用の原料として用いられております。特に比較的価格の安い大衆向けのソーセージ類には、豚肉、羊肉その他の肉類が混用されておりまして、このような混用は、食肉の加工品が国民に普及していく過程におきまして、比較的安価な栄養食品を供給するということに貢献しているわけでございます。他方におきまして、このような羊肉が消費されますと、国内のたとえば牛肉なり豚肉なり、こういったようなものに不当な圧迫を与えはしまいかという心配がございますので、今申し上げましたように、用途が国内の牛、豚等の肉類と違っておりまして、むしろ羊肉をまぜることによりまして、ソーセージ等の消費がふえる結果、国内の豚肉の消費もある程度はエンカレージされるという格好になりますので、むしろ全体としますと、羊肉の輸入によりまして、一方におきましてはソーセージ等大衆向けの加工食肉類の価格をある程度妥当な線に押さえると同時に、他方におきまして、国内の畜産に打撃を与えない、こう考えております。
○佐多忠隆君 今度輸入する豚肉は、どこから入れたのですか。
○説明員(宮崎弘道君) 今回の緊急輸入は、米国から入れるように聞いております。
○佐多忠隆君 ニュージーランドから入れる羊毛は、豪州から入れる羊毛と、性質なり値段なり、どういう相違があるんですか。
○説明員(宮崎弘道君) 豪州の羊毛とニュージーランドの羊毛とを比較いたしますと、たとえばアルゼンチンの羊毛は、これは豪州、ニュージーランド系の羊毛と非常に性質も価格も用途も違っておりますけれども、大体におきまして豪州、ニュージーランドの羊毛は似たようなものが多いわけでございます。なお、こまかい点につきましては若干相違するものもございますけれども、いずれも、御承知のように、羊毛は自由化されておりますし、無税となっておりますので、輸入業者のほうの嗜好に応じましてそれぞれの羊毛を買ってくる、かようになっております。
○岡田宗司君 今度のこの議定書が成立しまして、日本とニュージーランドの貿易はかなりこれによって相当ふえる、促進される、日本にとって有利である、こういうことでしょうか。
○説明員(宮崎弘道君) 今回の関税交渉が成立いたしますと、わが国といたしましては羊肉の現行の関税を据え置く、他方ニュージーランドにおきましては相当数の品目につきましての現行の関税を据え置く。ただ、味の素――グルタミン酸ソーダにつきましては若干の引き下げを行なわれるように相なります。したがいまして、特にこの関税協定によりまして日本ニュージーランド間の輸出が現状よりも飛躍的に拡大するということは考えられないわけでございますが、ただ、日本とニュージーランドの通商協定、昨年国会の御審議をいただきました通商協定によりまして、ニュージーランドが日本に対しましてガット三十五条援用を撤回いたしまして、その際の申し合わせによりまして今回の関税交渉を実施したわけでございますので、この通商協定と合わせ、さらに今後これはガットの場合におきましてもいろいろの問題が論議せられまして、たとえば一括引き下げ交渉なり、あるいは自由化の問題なり、こういったようなものが論議されますので、日本とニュージーランドがガット関係にあってノーマルな貿易関係を築いていくということが、長期的に見れば両国のためにプラスになると、かように考えております。
○曾祢益君 もう質疑応答があったことと思うんですけれども、このマラヤとの条約がマレーシア連邦ができたときには――まあでき方にもよるでしょうけれども、連邦の中のマラヤ連邦というものが、やはりある程度の、何というかな、独自性というようなものを持っておるだろうと思うので、したがって、この条約はマレーシア連邦ができても、少なくともマラヤ連邦に関しては引き続き有効であるというようなことについてのはっきりした見通しなんか立っているんですか。どうなんですか。
○政府委員(中川融君) 羽生先生から先ほど同じ御質問があってお答えしたわけでございますが、今度新しいマレーシア連邦ができました暁にも、従来、たとえばマラヤ連邦あるいはシンガポールというものが第三国と結んでおりました条約、協定は、引き続きその地域に適用するものとして新しいこの連邦により引き継がれるというのが今のこの連邦の考え方でございます。したがって、ここ当分はそういうものとして引き継がれる。まあいずれ将来は新しいマレーシア連邦全体を通ずる画一的な協定か条約かがだんだんできると思いますが、さしあたっては、そういうことでみな引き継がれていくということになっております。
○曾祢益君 それは大体そうだと常識上考えられるのですが、何か明確な根拠というものがあるのですか。外交の文書とか。向こうの国内法の関係とか、そういうものは、まだ連邦ができていないのにそういうことが言えますか。
○政府委員(中川融君) これは実は先方が三つの単位が相談いたしまして、いろいろ今度新しい連邦ができます条件をきめているわけでございますが、それが最終的になりませんので、いわば新しい国家の憲法草案というようなものも実はまだないわけでございますが、しかし、問い合わせました結果、そういう方針であるということを確めておるわけでございますので、大体間違いなくそういうことになるだろうと考えております。
○曾祢益君 そうすると、何らかそういう関係国の作る一種の条約みたいなあれにはっきりしておるのですか、その条約継承に関することが。今、草案であっても、大体そういう方針だと言うのですが。
○政府委員(中川融君) あるいは憲法そのものになりますか。あるいは憲法に付属する何か法律あるいは経過的なことをきめる政令と、こういうようなものに載せますか、そういう点はございませんが、何らかの形で新国家ができますときにははっきりするだろうと考えます。
○委員長(岡崎真一君) 他に御発言もなければ、ただいま質疑中の三件の質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないと認めます。 それでは、関税及び貿易に関する一般協定の譲許の追加に関する第十議定書(日本国及びニュー・ジーランド)の締結について承認を求めるの件について討論に入ります。御意見のあります方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないと認めます。 それでは、本件の採決に入ります。本件全部を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岡崎真一君) 全会一致でございます。よって本件は、全会一致をもって、承認すべきものと決定いたしました。 ―――――――――――――
○委員長(岡崎真一君) 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とタイとの間の条約の締結について承認を求めるの件について討論に入ります。御意見のあります方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――他に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないと認めます。 それでは、採決に入ります。本件全部を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岡崎真一君) 全会一致であります。よって本件は、全会一致をもって、承認すべきものと決定いたしました。 ―――――――――――――
○委員長(岡崎真一君) 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とマラヤ連邦との間の条約の締結について承認を求めるの件について、これより討論に入ります。 御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べ願いとうございます。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。本件全部を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岡崎真一君) 全会一致でございます。よって本件は、全会一致をもって、承認すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないと認めて、さよういたします。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(岡崎真一君) 速記つけて。 それでは、休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 ―――――・――――― 午後零時五十九分開会
○委員長(岡崎真一君) ただいまから外務委員会を再開いたします。 それでは、請願の審査を行ないたいと思います。 本委員会に付託されました請願第三五二号外五十八件の請願を議題といたします。 まず、専門員からその概要について説明を願います。
○専門員(結城司郎次君) 本国会会期中本委員会付託の請願は、合計五十九件ございます。内容によって分類いたしますと、大体六つのグループになります。請願の要旨はお手元にただいま配付いたしましたが、各グループごとに簡単に御説明申し上げます。 まず第一グループは、お手元の表の三五二号から一二四八号に至る日韓会談反対、即時打ち切りに関する請願三十一件であります。内容はいずれもほぼ同様でありまして、安保条約の強化、NEATOの結成、朝鮮統一の障害になるなどの理由から、即時打ち切られたいというものであります。 なお、念のため申し添えますと、第四十回国会に同趣旨の請願があり、保留となっております。 第二のグループは、三〇二五号、在日朝鮮公民の祖国との自由な往来を要望する請願四件であります。これはお手元に配りましたものの七ページにございます。請願の趣旨は、在日朝鮮人が祖国と自由に往来できるようにしてもらいたいというものであります。ただ、祖国が韓国をさすか、北鮮をさすかは文面の上では明らかでございません。なお、この請願は初めての例であります。 次に、この問題に関し、御参考になる二、三の点を簡単に補足申し上げます。 在日朝鮮人が日本から引き揚げることは、韓国向け、北鮮向けの別なく、自由に認められておることは御承知のとおりであります。しかし、請願の趣旨は、再入国の許可を取りつけた上で一時帰国したいというものであります。現在、これが取り扱いぶりは、韓国向けか北鮮向けかによって異なっております。請願者の言う祖国が韓国である場合は、現在、商用、スポーツ、人道的理由等の場合に限り成規の手続を経て例外的に再入国許可が与えられております。したがって、請願者が韓国向けの場合でありとすれば、現在よりも許可の基準や範囲を広げ、もっと自由にしてほしいという趣旨に解されるのであります。しかし、請願者が北鮮に一時訪問を希望するというのであれば、出国に際し、日本の法例上再入国の許可申請の手続がとれないことになっており、したがって、再入国の許可を得ることができないことになっておるのであります。少しく御説明申し上げますと、出入国管理令施行規則によりますと、再入国の許可申請には、「旅券又はこれに代る証明書」を呈示しなければならないこととなっておりますが、政府当局の見解によりますと、かかる旅券なり証明書というものは、「日本政府で日本政府の承認した外国政府又は権限のある国際機関」の発給したものでなければならないということになっております。したがって、在日朝鮮人が北鮮に行く場合には、申請の手続をとり得ないということになっておるのであります。 なお、御参考までに付言いたしますと、現在北鮮からスポーツ関係者等がわが国に入国をする場合がございますが、この場合におきましても、北鮮の旅券を認めてこれにヴィザを与えるというものではなく、香港の日本領事が渡航証明書を発給することになっております。この取り扱いは、ちょうど無国籍者に対して、日本への入国申請の場合に許可を与えると同様の建前となっておるわけであります。 第三は、請願第二七四二号、八ページでございます。これは戦時中の中国人の強制連行に対する日本政府の釈明及び遺骨送還に関するものであります。その趣旨は、すでに御承知でございましょうが、戦時中に中国人四万人の強制連行があり、及び約七千人の死者を出した事件について、政府は中国政府に対し陳謝釈明し、かつ、現在政府の手元に保管中の遺骨は、政府の責任においてすみやかに送還するか、あるいは政府がやらなければ、中国人捕慮殉難者慰霊実行委員会に引き渡されたいというものであります。なお、昭和三十年第二十二国会において同趣旨の請願が採択されておりました。内容は、政府の責任においてすみやかに遺骨の収納、送還を行なうべきだというものでありました。 次に、御参考までに本件の経緯、背景をごく簡単に御説明申し上げますと、中国人殉難者の数は、昭和二十一年三月、外務省が関係会社等からの資料によって名簿を作成したことがございますが、大体七千名であったといわれております。しかし、これは現在記録に残ってございませんそうであります。その後、民間の間から、遺骨は人道上送還すべきものだとの運動が起こり、中国人捕虜殉難者慰霊実行委員会など民間団体の手によって収納された約三千の遺骨が、昭和二十八年から三十三年にかけて、八回にわたって中共に送還されております。その間、本件は純粋に人道上の問題であるので、政府の責任により行なうべきだという意見が、たとえば昭和三十二年第二十六国会において本委員会でも論議されたのであります。政府は三十三年五月、非公式に、今後は遺骨の収納及び送還は政府の責任として行なうという建前を一応内定し、厚生省が遺骨の調査、収納、外務省が送還を担当することとなったのであります。厚生省では、自来死亡者のリスト作成中であり、現在も続けておるようでありますが、ほぼ六千二百名が判明し、九体の遺骨を収納、保管しておるのであります。外務省は、右九体の送還については、現在のところ、これが送還の時期、方法などは未定だという動きでございます。 次に、第四のグループは、請願二八五九号から三二二八号の、アメリカ原子力潜水艦の日本寄港反対に関するものであります。請願の趣旨は、潜水艦の安全性、災害の補償等が十分でないこと、あるいは日本の核武装や原子力潜水艦の基地化というものにつながるおそれがあるので、寄港を認めぬようにされたいというものであります。なお、念のために申し添えますと、この請願は初めてのものであります。 第五は、請願第三二二九号、核実験禁止協定の即時無条件締結等に関する請願であります。その趣旨は、核実験禁止協定の即時無条件締結を含む完全軍縮達成のため、まず日韓会談の中止、あるいはアジアの非核武装地帯宣言、米軍地基地の撤去、沖繩、小笠原の返還というようなものの実現をはかられたいというものであります。なお、第四十一回の国会においても同趣旨の請願があり、保留となっておることを申し添えます。 最後に、請願第三四六六号は、ドミニカの引揚者が非常な苦境にあるので、引揚者の再起と厚生をはかるため、百五十万ないし二百万円の特別融資と、百万円の補助金をもって救援してもらいたいというものであります。念のため申し添えますと、第四十回国会にも、ほぼ同趣旨の請願がありましたが、保留となっております。なお、御参考までに二、三の点を補足御説明申し上げますと、ドミニカの引揚者は、昭和三十六年十二月の閣議決定によって、終戦後の海外引揚者に準じて取り扱いを行なうということになっております。政府は、自来就職のあっせん、公営住宅の優先入居あっせん、安定するまでの生活保護法の適用、医療保護の適用、国民金融公庫よりの融資のあっせん等を行なっておるのであります。なお、最後に、ドミニカ引揚者の現況について一、二分申し上げさしていただきますと、引揚者は百三十三家族でございますが、現在までのところ、就職者は八十七家族、自家営業しておる者は二十七家族、再渡航者は三家族、あるいは干拓入植者が三家族、そうして職業訓練所入所中の者が七家族で、いわゆる未就職者というものは六家族にすぎないという状態になっております。なお、就職した者でも、特にまた病気中の者、あるいは職業訓練所入所中の者で生活保護法の適用を受ける者が三十七家族ございます。 以上、簡単でございますが、一応御説明申し上げます。
○委員長(岡崎真一君) 以上で説明は終わりました。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(岡崎真一君) 速記を始めて。 請願の審査はこの程度にいたします。 ―――――――――――――
○委員長(岡崎真一君) この際、継続調査の要求についてお諮りいたします。 本委員会におきましては、今会期中、国際情勢等に関する調査を行なって参りましたが、今会期中に調査を完了することが困難であると考えられますので、閉会中も引き続き調査を行なうために、継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の内容及びその手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(岡崎真一君) 次に、委員派遣要求に関する件についてお諮りをいたします。 国際情勢等に関する調査のため、今期国会閉会中に委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 なお、派遣の期間、派遣地、人選及び諸般の手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(岡崎真一君) それでは、日本国とビルマ連邦との間の経済及び技術協力に関する協定及び千九百五十四年十一月五日にラングーンで署名された日本国とビルマ連邦との間の平和条約第五条1(a)(III)の規定に基づくビルマ連邦の要求に関する議定書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 補足説明を聴取いたします。
○説明員(宇山厚君) ビルマと日本との間は現在賠償協定がございまして、その協定は昭和二十九年十一月に成立いたしまして十二月に国会の承認を得、翌昭和三十年の四月に批准の交換をいたしまして効力が発生いたしております。したがいまして、今日まで八年有余を経て順調に進行しておるのでありますが、今回成立いたしました日本国とビルマ連邦との間の経済及び技術協力に関する協定は、初め昭和二十九年に成立いたしました平和条約におきまして、平和条約の五条の1(a)(III)項に、ビルマと日本との賠償協定以後にできまする他のすべての賠償請求国に対する賠償とビルマの賠償協定が十分公平でないと考えましたときには、ビルマ連邦が日本国に対して再検討を要求することができるということになっておりまして、この条項に基づきまして、ビルマ政府から日本政府に対して再検討交渉を要求しておった次第でございます。 日本政府といたしましては、ビルマに対する現行の賠償協定も十分公平なものであって、そこできめられた賠償額も十分公平かつ公正なものであるということを一貫して主張したのございますけれども、ビルマ政府側の了承するところとなりませず、交渉が引き続き行なわれてきたわけでございますが、日本政府といたしましては、日本と非常に友好的な関係にあるビルマ連邦との間に、こういう懸案が未解決のままであってごたごたしておるということは、両国の間の友好関係上おもしろくないという見地に立ちまして、いろいろ対案を提示したのでありますが、その際、ビルマ政府側におきましても、賠償の増額を、必ずしも賠償という名称をとらないでもよろしい、とにかく何らかの経済的な協力をしようという日本側の申し出に同意をするという態度をとって参りましたので、そこでいよいよことしの一月にビルマ政府から、当時のオン・ジー貿易商工大臣を長といたしまする交渉団が参りまして、大平外務大臣との間に交渉がついに妥結することになったのでございます。 そのようないきさつにかんがみまして、今回できました経済及び技術協力に関する協定におきましても、賠償という名前を使ってございません。日本側から、「五百四億円に換算される一億四千万合衆国ドルに等しい円の額の価値を有する日本国の生産物及び日本人の役務からなる無償の援助」をするというのがこの協定でございまして、この協定を受けまして、別個の文書で、議定書におきまして、先ほど冒頭に申し上げました、日本国とビルマ連邦との間の平和条約第五条1(a)(III)の規定に基づく要求をビルマ側からは今後しませんという了解が成立したのでございます。 もし現在のこの協定が国会の御承認を得まして、両国間で批准の交換により効力を発生いたしますと、この新しい協定に基づく対ビルマ経済及び技術協力は、現行の賠償協定が再来年の四月に期限が満了いたしますその翌日から、こういった、先ほど申し上げましたような五百四億円に上る経済及び技術協力を日本からするということになるわけでございまして、その期間は、再来年の四月から十二年ということになっております。また、この五百四億円を十二年で割りますと、きちんとした数になりませんので、この協定の第一条の第二項にございますように、「最初の十一年の期間に、毎年平均して、四十二億千二百万円に換算される千百七十万合衆国ドルに等しい円の額」の生産物及び役務の供与をいたしまして、十二年目にその残余の額にひとしい協力をするということになっております。 また、この今度の協定及び先ほど申し上げました議定書と同時に、経済開発借款に関する交換公文が成立いたしました。これによりまして日本は、この新協定の効力発効の日から六年間の間に、ビルマに対して三千万米ドルにひとしい借款をビルマ連邦の経済開発を促進するために供与するということになっておりますが、この経済開発借款は、ただいま申し上げましたように、この新協定の効力の発効の日から六年間でございまして、新協定のほうが効力が発効してすぐ支払いが始まるのでなくて、再来年の四月から支払いが始まると申し上げましたように、その発動する起点が違うわけでございます。 それからまた、この経済開発借款のほうは、純然たる民間ベースの借款でございまして、これはその意味におきまして新しい経済及び技術協力のほうとまた性質が違うわけでございます。ただいまビルマ側におきましては、現行の賠償協定を八年間実施して参りまして、これによって日本から多くの生産物と役務を入れることによってビルマの経済に少なからざる貢献をしておるということを非常に多としておるのでございまして、初めは、ビルマの賠償につきましては、よくまとまった形のものとしてはバルーチャンの水力発電所しかない、あとは非常にこまごました調達が行なわれておって、ほんとうに後世に残るようなものがないという批評がときどき出ておりましたけれども、昨年から、新しい後世に残るような事業をビルマ政府において考えまして、これによりまして自動車、乗用車、トラック、バスの組み立て事業、それから灌漑用のポンプと耕耘機の組み立て事業、さらに電球、螢光灯その他から始まります電気器具の組み立て事業というものを新しく起こすようになりまして、これは、現地におきましてこういう種類の工業が全然なかったところに新しい事業として始まったわけでございまして、この意義も非常に高く買われております。しかしながら、何しろ始まったばかりでございまして、ただいまビルマ政府と日本政府の間で、今後これをいかに遂行していくか、そして、ほんとうにビルマ経済の発展に役立つようなものというところまでまとめ上げていくかということについて、いろいろ種々協議をしておるところでございますが、こういう事業がだんだん地について参りますと、従来、先ほど申し上げましたように、とかくの批評のありましたこまごました調達というものも、自然に少なくなって参りまして、ほんとうに後世に残る有意義な経済開発の事業となっていくのではないかと思って、日本国民の立場から非常に有意義なことではないかと考えておる次第でございます。したがいまして、今度の協定が、やがて現行の賠償協定が期限が満了いたしました際にも引き続き有効となりまして、日本の生産物、役務が出ていくというように、この現行の賠償協定と新しい協定との引き継ぎがうまくいって、先ほど申し上げましたような有意義な事業の遂行に支障のないようにしたい、こう考えまして、現在ビルマ側ともその引き継ぎについても協議もぼつぼつ始めておるような状況でございます。私、そういうことを担当しております者といたしまして、この協定がぜひとも今回の国会で御承認をいただきまして、そういった引き継ぎにも支障のないようになることをたいへん切望しておる次第でございます。
○委員長(岡崎真一君) 以上で説明を終了いたしました。 暫時休憩いたします。 午後一時四十三分休憩 ―――――・――――― 午後十一時三十三分開会
○委員長(岡崎真一君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 ただいま委員の異動がございましたので、御報告いたします。 本日付をもって石田次男君が辞任され、その補欠として二宮文造君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(岡崎真一君) 日本国とビルマ連邦との間の経済及び技術協力に関する協定及び千九百五十四年十一月五日にラングーンで署名された日本国とビルマ連邦との間の平和条約第五条1(a)(III)の規定に基づくビルマ連邦の要求に関する議定書の締結について承認を求めるの件 通商に関する一方日本国と他方オランダ王国及びベルギー=ルクセンブルグ経済同盟との間の協定を改正する議定書及び一方日本国と他方オランダ王国及びベルギー=ルクセンブルグ経済同盟との間の貿易関係に関する議定書の締結について承認を求めるの件 通商に関する日本国とフランス共和国との間の協定及び関連議定書の締結について承認を求めるの件 以上、三件を一括議題といたします。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。――別に御発言もなければ、三件の質疑は終局したものと認めます。 日本国とビルマ連邦との間の経済及び技術協力に関する協定及び千九百五十四年十一月五日にラングーンで署名された日本国とビルマ連邦との間の平和条約第五条1(a)(III)の規定に基づくビルマ連邦の要求に関する議定書の締結について承認を求めるの件について討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めます。 本件全部を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岡崎真一君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、承認することに決しました。 ―――――――――――――
○委員長(岡崎真一君) 通商に関する一方日本国と他方オランダ王国及びベルギー=ルクセンブルグ経済同盟との間の協定を改正する議定書及び一方日本国と他方オランダ王国及びベルギー=ルクセンブルグ経済同盟との間の貿易関係に関する議定書の締結について承認を求めるの件 通商に関する日本国とフランス共和国との間の協定及び関連議定書の締結について承認を求めるの件を一括して討論に入ります。御意見のあります方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○羽生三七君 本来ならば、先の案件とこの案件を十分に質疑を尽くすべきでありますが、国会の諸般の事情で、やむを得ず質疑を省略することを申し添えて賛成をいたします。討論を省略いたします。
○委員長(岡崎真一君) 他に御発言もなければ、これより採決に入ります。両件全部を問題に供します。両件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岡崎真一君) 多数でございます。よって両件は、多数をもって、承認すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続は、慣例により、委員長に御一任願いたいと存じます。 これにて散会いたします。 午後十一時三十九分散会