外務委員会 第31号
- 発言数
- 31 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/07/05
会議録
○委員長(岡崎真一君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 「千九百六十二年の国際コーヒー協定の締結について承認を求めるの件」を議題といたします。 御質疑のあります方は、順次御発言を願いとうございます。
○岡田宗司君 国際コーヒー協定ですね、日本は輸入はそう多くない。どっちかといえば世界的に見て少ないと思うのですが、国際コーヒー協定によってどういう影響があるとお考えですか。最近国内におけるコーヒーの消費状況を見ておりますと、インスタント・コーヒーが非常にふえておる。そういうふうなことで、国際コーヒー協定の一番のねらいである、なまのコーヒーの輸入が日本にあまり多くならないのではないかという気がするのですが、その点についてどういうふうにお考えになっておりますか、そこらを大臣から一つ。
○国務大臣(大平正芳君) 戦後の貿易構造の変化の型といたしまして、先進国間は自由化を進めて参り、後進国との間には、後進国の第一次産品の安定を通じまして後進国の経済の安定と発展に資するということで、各種の商品協定という格好で問題が処理されておるわけでございまして、このコーヒー協定も、そういう全体の政策構造の中でとられておる一つの仕組みでございまして、わが国といたしましても、こういう世界的な傾向に即応いたしまして、応分のことを考えて参るという趣旨でおるわけでございます。具体的に今御指摘のコーヒーの需給関係、わが国に対しての影響等につきましては、事務当局から説明をいたさせます。
○政府委員(中山賀博君) 最近の三年間のわが国のコーヒーの実績は、昭和三十五年が一万七百七トン、三十六年が一万五千七十四トン、三十七年が一万五千三百四十四トンと、わずかでございますが上昇しております。同時に、インスタント・コーヒーもインスタント・コーヒーの格好で輸入が上昇しておりまして、三十五年には二十八トンでございましたが、その後三十六年が千五百十五トン、それから三十七年が二千七百四十五トンになっております。しかし、他方、わが国のインスタント・コーヒーの年間製造力も増加いたしまして、現在計画中のものを加えますれば、年間二千五百トン程度と見込まれるのでございますが、しかし、これはいずれも完全稼働するに至らず、昨年の実績は千百トン程度にとどまっております。こういうわけで、依然としてわが国の輸入はこのなまのコーヒーに多くなっております。それから、このコーヒー協定への加盟によりまして、われわれとしてはこの低開発国援助、ことに一次産品の貿易促進に関する問題は逐年やかましい問題になって参りまして、御承知のようなガットの場におきましても、いつもこれが問題になっておりますが、わが国がこういう協定に、条約に加盟することによって、価格の安定に国際的に資するということになれば、後進国に対するわがほうとしての大きな貢献になるだろうと、かように考えるわけでございます。
○岡田宗司君 私ども考えますと、インスタント・コーヒー、特に最近ではマックスウェルとかネスカフェとか、アメリカのものが非常にたくさん入っておりまして、日本の市場を支配しております。それから、またカン入りレギュラー・コーヒーがMJBその他アメリカのものが多いですね。そういたしますと、それらがどんどん自由化につれて一層入ってくるということになりますというと、もしそういうことがなければなまのコーヒーの輸入もふえて、そしてまあコーヒーの豆を輸出する国に利益するところが多いと思うのですが、しかし、一たんアメリカにそれが入ってそしてインスタント・コーヒーなりカン詰のいわゆるレギュラー・コーヒーになって入ってきますというと、どうも途中でもってだいぶ利益が吸い上げられてしまうというようなことになってくるのじゃないかという気がするわけなんですが、なまのコーヒーの輸入がもっとふえるというような方策——方策と言うのもおかしいが、そういうような何か促進するというようなことは行なわれないのですか。
○政府委員(中山賀博君) その点につきましては、コーヒーにかかります関税あるいは内国税の問題が重要な役割を占めるものだと考えます。そこで、現在のなまコーヒーの暫定関税は一〇%でございますが、いったコーヒーの関税は三五%、それからインスタント・コーヒーの関税は二五%でございます。それで一応なまのほうが安くなっておりますので、インスタントあるいはいったコーヒーが入ることを押さえる役目をなしていると思います。ことに最近ガットその他で一括関税引き下げ等の問題が起こっておりまして、ことに後進国のコーヒーの関税を引き下げることを要求しておりますので、趨勢としては、将来にわたっては、今の一〇%をさらに引き下げていくということになりますれば、やはりなまのコーヒーの輸入促進ということに役立つのではないかと考えるわけでございます。
○岡田宗司君 日本にブラジルのコーヒー院の支所というのですかがありますね。あれは日本とブラジルとの間にコーヒーの輸入について何か特別の協定があって、そしてそれに基づいてブラジルのコーヒー院が日本に支所を持っているのでしょうか。
○政府委員(中山賀博君) 昔、自由化が進みませんときは、バイラテラルな双務的な協定はいろいろな計画をいたしておりましたが、ただいまはコーヒーはAAになっておりますから、そういうことはございません。
○羽生三七君 この種の商品の国際協定は、たとえば今本会議で成立した国際小麦協定、あるいは今審議しているコーヒー協定、それから砂糖協定、すず協定と、この程度だと思うのですが、世界的に見て、この種の一次産品あるいはそれに関連する産品の世界的な協定というものは、趨勢的に見て大体現状程度のところか、まだ何か新しい発展というような傾向があるのかどうか、その辺の状況はどうですか。
○政府委員(中山賀博君) こういう商品協定は、今後とも広い範囲また強化された格好で締結される可能性が非常に強いと思います。このコーヒー協定は、砂糖協定なんかと同じパターンで、どちらかというとルースな協定でございます。ということは、輸出国が大体自分の輸出のクォータをきめまして、それだけのワク内で輸出する。輸入国としての唯一の義務としましては、その協定外の国から一定量以上は買わないという約束をするわけでございます。別に価格についての帯をきめているわけでもないわけでございまして、最近たとえばガットの関税等の引き下げ交渉、こういうものが進んで参りましたときに、工業製品については一括引き下げがかなり自由にできても、農業製品についてはなかなかむずかしいというような状態が起こって参りましたときに、アメリカもあるいはEECもこれに応じて、それでは、たとえば小麦とかあるいはその他の酪農製品について商品協定を作ろうじゃないかという議が出ておりまして、その研究も今行なっておるわけであります。それの大体の形勢を見ますと、かなりの価格とかあるいは生産そのものに立ち至った考えで規制しようという考えも出てきておりまして、今後は、もちろん商品によるのでございますが、ものにつきましては、そういう国際的な規制がかなり広く、そうして深くなるのじゃないかという考え方であります。
○佐多忠隆君 コーヒーが最近過剰状態になってきたというのは、需給の関係からいって、どれくらい数量的に過剰の状態にあるのか。それから最近下落の傾向にあるというが、どういうふうな下落の状況を示したのか、その辺を教えていただきたい。
○説明員(須之部量三君) その点、先般提出申し上げました資料でも若干触れておいた次第でございますが、米国の農務省の資料による数字でございますが、一九五九年ないし六〇年度で、大体輸出生産量が六千六百万袋、それから六二年度、六三年度の推定でも大体五千三百万袋が輸出可能の生産量でございます。つまり、現在あります在庫量を除きました毎年の生産量がこの程度で、輸出可能の生産量がこの程度になっております。 一方、需要のほうの見通しの数字でございますが、大体一九五九年度をとってみますと、四千百万袋、それから一九六二年度の推定でも四千六百万袋というふうになっておるわけでございます。一方、コーヒーの在庫量は、六三年度で七千八百万袋ということになっておりますので、毎年の輸出可能の生産量自体がすでに需要をオーバーしております。それから、在庫量が大幅にまる一年間の総需要量を上回っておるという状況でございます。 それから、価格の推移でございますが、この点は銘柄によってだいぶん違うわけでございます。第二次戦後一番ピークになりましたのが一九五四年の値段でございます。一番標準物のブラジルのサントス四号というものをとりますと、一九五四年で一ポンド当たり米国のCIFで七十八セントでございましたが、一九六一年度には三十六セント、半分以下に落ちておるというような状況でございます。
○佐多忠隆君 こういう過剰状態になっておるときに、生産のほうの量の規制、そういうものはやられておるのか、どういう規制方法でやられているのか。
○政府委員(中山賀博君) 生産自身の規制につきましては、多々困難がありますので、その措置に至ります第一前提としまして、輸出のクォータをきめていく。そのワク内で輸出するということで、価格の安定をはかろうとするものでございます。
○佐多忠隆君 この提案理由の説明によりますと、「輸出国はさらに生産及び在庫についても協定上規制を受けることとなっております。」、こういうふうに御説明になったのですが、それはどういう態様になっているのか。
○説明員(須之部量三君) その点は、この協定の直接の運営の機構と申しますか、それは今、中山局長から説明を申し上げましたように、輸出国の輸出割当という形で、世界の市場に対する供給量を制限するという形で価格の安定をはかるわけでございますが、その背後に、もちろん御指摘のように、生産制限ないし進んでは在庫の規制まで必要となるということでございます。そのために、この協定といたしましては、協定の本文をごらんいただきますれば、四十八条以下に、生産統制とそれから在庫の規制ということの条文を置いておりまして、理事会が、各生産国に対しまして、今後の生産計画というものを決定するということに協定ではなっております。したがいまして、今後それがどういうふうに運営されていくかという点につきましては、なかなかむずかしい点もあるかとは思いますが、この協定の建前といたしましては、生産目標というものを各国できめまして、それで各国はそのきめられた生産目標を実現するように生産統制計画を立てて、またそれを実行するということになっているわけでございます。現にブラジルにおきましては、これはこの協定が米国の国会で討議されました議事録を見ますと、資料によってでございますが、それによりますと、約十二億本のコーヒーの木を引っこ抜くという計画がある、あるいはコロンビアでも同様に作付の転換を行なうという計画が具体的に進んでいるということが記録に残っておりますので、おそらくそういう計画が現実に動いているのではないかというふうに考えております。
○佐多忠隆君 この協定が採択された後の価格の変動はどうなっているのですか。なお、今後相当この協定によって価格の安定が期せられるという見込みが立つのかどうか、その辺の事情を……。
○説明員(須之部量三君) この協定の結果、どの程度の水準に価格の安定をはかるかという点は、小麦協定のように、いわゆる価格帯というような規定がございません。ただ、この二十七条をごらんいただきますと書いてございますが、大体一九六二年当時の価格水準に安定させたいというのが一応目標になっております。今後の見通しでございますが、これは私どもとしては、もうすでに輸出国も相当数入っておりますし、輸入国も最近米国も入りましたし、スウェーデンも入るということになりましたので、消費国のほほうも相当の数が入ってきたわけでございますが、理論的にいえば、輸出国、それから輸入国とも、なるべく私どもは、どのくらい多くの国が入るか、入らないかでこの協定の効果がどれだけ達成されるかという点にももちろん影響があると思うわけでございますが、それにしましても、今後の価格の推移というものを見てみますと、この一、二年のところは、割に五四年以後のような急激な低落状況ではない、一応緩慢な状態になっておりますので、その傾向が一応推移するであろうというのが一応の見通しでございます。
○佐多忠隆君 去年の七月—九月に採択されて、その後の価格の動きはどうなんですか。
○説明員(須之部量三君) このコーヒー協定自体はまだ発効されていないのでございますが、採択された以後には、特に顕著な変化はございません。
○岡田宗司君 この一九六二年のコーヒー協定ができるに際しまして、一九六二年の七月から九月にかけて開催された国際連合コーヒー会議で採択されたものが本コーヒー協定である、こういうことになっておりますが、国際連合がこのコーヒー会議を開催して、そうしてこの協定を成立させるに至ったということについて、やはり国際連合の社会経済理事会等で、コーヒーの価格の下落が世界の経済、それから生産国の経済に及ぼす影響等を考えて、そうしてそういう方針をとって開かれたのでしょうか。
○説明員(須之部量三君) このコーヒー問題につきましては、初めは生産国同士で輸出者協定という形でやっておったわけでございますが、その後、それでもなかなかうまくいかないということになりまして、国連の第二委員会、これは経済問題を扱っておるのでございますが、そこでも問題になりまして、結局それと並行いたしましてコーヒー研究会というのが実はできておったわけでございます。それで、このコーヒー研究会で一九六二年の三月に一応草案を作りまして、このコーヒー研究会というところから国連に対しまして会議の開催方を要請した、それで、国連がそれを受けてこの会議を招集したというのが経緯でございます。
○岡田宗司君 国連がコーヒー協定に乗り出したということは、これはたいへんいいことだと思うのですけれども、この国連がこういうことで乗り出したということは、ただ緊急性だけの問題ではなくて、後進国といいますか、それから低開発国といいますか、それの経済を発達させるという積極的な意味を持って乗り出したのかどうか。
○国務大臣(大平正芳君) 御承知のように、「開発の十年」ということを標榜いたしまして国連が低開発国開発に積極的に同意を見せて、かつ、具体的なアクションをとりつつあるということは、御承知のとおりでございます。したがって、今御指摘のような背景が動いておると私は思いますが、同時に、この国連が低開発国の開発に乗り出すということになりますと、ガットにいたしましても、こういう問題を通商問題として、関税問題として取り扱っておるわけでございまして、国際経済機構がおのおのの動きを始めますと、自然そこにいろいろ摩擦が起こり得ることが懸念されるわけでございまして、今問題は、そういった点を秩序立てまして、国連で取り上げるべき、ガットで取り上げるべき問題というようなものを漸次国際協商によりまして区分けいたしまして、むだのないようにやろうという動きがありますことを、また合わせて御報告いたしておきます。
○岡田宗司君 そういたしますと、こういうパターンの、つまり、国連がスポンサーになって行なわれる国際協定というものが今後相当出てくる、そういうふうに考えてよろしいでしょうか。
○国務大臣(大平正芳君) 先ほど経済局長からも御答弁申し上げましたように、そういう傾向にあると思います。また同時に、今度の関税一括引き下げ交渉におきましても、商品協定というものをうたって、商品協定という形で問題を解決しようじゃないかというために、またそのために委員会も設けられるということで、世界全体がそのように動いておるということは、冒頭に私が申し上げたとおりでございます。
○委員長(岡崎真一君) 他に御発言もなければ、本件に関する質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明かにしてお述べを願います。——他に御発言もないようでありますが、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。本件全部を問題に供します。本件を承認することに御賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岡崎真一君) 全会一致でございます。よって本件は、全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないと認めます。 さよう決定いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。 午後六時四十五分散会 —————・—————