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43回国会参議院1963/03/28

外務委員会 第15号

発言数
167
登壇者
13
会派数
5
開催日
1963/03/28

会議録

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) ただいまより外務委員会を開会いたします。  この際、委員の異動について御報告申し上げます。昨三月二十七日付をもって野村吉三郎君、青柳秀夫君、大野木秀次郎君が辞任され、重宗雄三君、近藤鶴代君、重政庸徳君が補欠として選任されました。  また本日付をもって、委員近藤鶴代君が辞任され、井川伊平君がその補欠として選任されました。   —————————————

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) 「関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのアメリカ合衆国等との交渉の結果に関する諸文書の締結について承認を求めるの件」、「千九百六十年の海上における人命の安全のための国際条約の締結について承認を求めるの件」、以上二件を一括して議題といたします。両件ともすでに提案理由の説明を聴取しておりますので、本日は補足説明を聴取いたしたいと存じます。中山経済局長。

中山賀博外務省経済局長

○政府委員(中山賀博君) ただいま議題となりました「関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのアメリカ合衆国等との交渉の結果に関する諸文書の締結について承認を求めるの件」につきましては、すでに提案理由において御説明いたしましたとおり、わが国の貿易自由化の伸展に伴い、わが国のガット譲許の一部を修正し、または撤回する必要が生じたので、政府は昨年五月から本年二月まで米国、ドミニカ、欧州経済共同体、ギリシャ、ペルー及びウルグァイとガット第二十八条に基づく関税交渉を行ないました。以上の六カ国との交渉の結果、わが国が譲許を修正または撤回するものは合計十五品目、また、その代償として提供する譲許は合計二十四品目となっております。これを各交渉相手国別に見ますと、米国との交渉では、修正される譲許はパイナップルカン詰、トマト製品、モリブデン鉱、絶縁電線など十一品目、その代償として与える譲許は血粉、調整ナット、グリース、大型白黒テレビ、受信用真空管など十六品目、欧州経済共同体との交渉では、修正される譲許はトマト製品、銅製品などの三品目、その代償として与える譲許は大理石、タンタルなど四品目、ドミニカとの交渉では、譲許を撤回する石こう一品目に対し、代償はリグナムバイタ一品目、ギリシャとの交渉では、譲許を修正するエメリーサンド及びコランダムサンド一品目に対して、代償は海綿の一部と大理石の二品目、ペルーとの交渉では、譲許を撤回するアンチモン鉱一品目に対して、代償は鉛鉱一品目、またウルグァイとの交渉では、譲許を修正するトマト製品一品目に対して、代償はひづめと血粉の二品目となっております。  なお、わが国が譲許を修正または撤回する十五品目のうち、農林物資はパイナップルカン詰、トマト加工品など五品目、または通産物資は銅製品など主として非鉄金属関係の十品目となっております。また、この十五品目のうち、パイナップルカン詰と綿実油につきましては、関税引き上げと合わせて、これまでの従価税を従量税に変更いたしましたが、これはパイカンにつきましては、おもに低価格のパイナップルが沖繩のパイナップルと競合するおそれがあるために、これらの低価格品を押えるために採用したものでありまして、綿実油につきましては、国際価格が将来下落する場合があり得ることを考慮に入れたものであります。また、わが国が代償として譲許した品目の中で、液化石油ガスについても従量税に変更して譲許しておりますが、これは液化石油ガスの海上運賃についてはいまだ国際的な公定レートがなく、運賃の査定がきわめてむずかしい状況にあるために、税関の事務簡素化の見地から従量税による譲許を行なったものであります。

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) 運輸省中野船舶検査官。

中野由巳運輸省船舶局首席船舶検査官

○説明員(中野由巳君) 海上における人命の安全のための国際条約は今回を含めて四回にわたって作成されました。一九一二年四月十四日の有名なタイタニック号の海難を契機としまして、一九一四年に署名されたものが最初の条約であります。この最初の条約は発効するに至りませんでしたが、その後の一九二九年、一九四八年に署名されたものはいずれも発効いたしております。現在は一九四八年のものが効力を生じております。  今回の条約は、一九四八年以後の技術の進歩、一九四八年の会議で採択されました勧告、原子力船の出現等に伴い、現条約を改正する必要が生じたため、IMCOの招請により開催された国際会議において作成されたものでございます。  この条約は、十四条の条約本文と、条約の不可分の一部をなす八章百九十八規則の規則から成り、条約本文は主として条約の手続事項を定め、規則は、条約の目的である海上人命安全の確保に必要な実際的な措置を定めております。すなわち一としましては、第五章航行の安全におきましては、船舶の運航環境を安全なものとし、二、第二章構造で、船舶自体でとるべき安全措置を定め、三、第六章穀類の運搬及び第七章危険物の運搬で、危険な積荷の種類及び積付方法を制限し、四、第四章といたしまして、無線電信及び無線電話で、遭難の場合の救助を求める手段を講じさせ、五といたしまして第三章救命設備等で、船舶を放棄する場合の安全な脱出と救助を待つための措置を講じさせるものとし、六といたしまして第一章一般規定で、これらの事項を励行するための手段として、政府の責任において船舶検査を行ない、証書を発行し、この証書は他国の港において容認されることを定めております。また七といたしまして第八章原子力船という項で、原子力船についてその特有の危険性にかんがみ、以上の事項に付加すべき特別の措置を定めております。  この条約は一九四八年の条約を各部にわたって変更しておりますが、その大部分は技術的な事項でございます。おもなるものを申し上げますと、次のとおりでございます。一といたしまして、漁船は従来と同様に適用を除外されておりますが、漁船の定義が新たに今回設けられました。漁獲物運搬船、工船等は、貨物船として適用を受けることが明確にされたわけでございます。これが第一章関係でございます。二といたしまして、総トン数五百トン以上の貨物船について、構造の検査及び証書の制度が新たに設けられました。これも第一章関係でございます。三といたしまして、総トン数五百トン以上の貨物船に、電気設備、後進力、操舵装置及び脱出設備の基準が新たに設けられました。これが第二章関係でございます。四といたしまして、総トン数四千トン以上の貨物船について、防火構造の基準が新たに設けられました。五といたしまして、救命いかだは、従来は固型のものに限られておりましたが、膨張式救命いかだが新たに採用されました。これが第三章関係でございます。六といたしまして、貨物船の無線設備の強制範囲が、従来の総トン数五百トン以上から総トン数三百トン以上に拡大されました。これが第四章関係でございます。第七といたしまして、穀類の運搬について、締約政府間で容認される穀類の積載図の制度が新たに設けられました。これが第六章関係でございます。八といたしまして、原子力船について、新たに規制が行なわれました。これが第八章関係でございます。以上です。

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) 以上で説明を終了いたしましたので、これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 この関税貿易のほうの質問だけれども、修正撤回される十五品目というものの自由化の時期はどういうふうになりますか。

中山賀博外務省経済局長

○政府委員(中山賀博君) 今後の自由化の見通しにつきましては、農林物資、通産物資に分けてお答え申し上げます。  パイナップルカン詰、現在はFA制になっておりますが、自由化の時期は未定でございます。トマトペースト及びトマトピューレー、これは現在FA制になっておりますが、自由化の時期は未定でございます。それからトマトジュース。FA制でございますが、自由化の時期は未定でございます。それからトマトケチャップ。FA制でございますが、自由化の時期は未定でございます。それから綿実油。FA制でございますが、引き上げ実施後できるだけすみやかに自由化の予定でございます。  それから、次に通産物資について申し上げます。エメリーサンド及びコランダムサンド、これはFA制でございますが、引き上げ実施と同時に自由化の予定でございます。それからモリブデン鉱、これは精鉱を含んでおりますが、FA制でございますが、引き上げ実施と同時に自由化の予定でございます。アンチモン鉱、FA制でございますが、引き上げ実施と同時に自由化の予定でございます。黄銅または青銅の棒、管、それから中空棒につきましては、FA制でございますが、引き上げ実施と同時に自由化の予定でございます。それから絶縁電線、これは三品目になっておりますが、FA制でございまして、引き上げ実施と同時に自由化の予定でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 この自由化が未定という意味は、どんな条件のときに決定に移るのですか。

中山賀博外務省経済局長

○政府委員(中山賀博君) これにつきましては、各品目によって事情が異なるわけでございます、パイナップル等につきましては、できるだけ早急に自由化する予定でございますが、いろいろ準備の整わない点もありまして、自由化の時期をただいまにおいて明確に申し上げることができないのが実情でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 トマトをお聞きしたいのだが、トマトの自由化の時期は未定だそうですが。

中山賀博外務省経済局長

○政府委員(中山賀博君) 御質問は、トマトペースト及びトマトピューレーそれからトマトジュース、トマトケチャップの自由化の時期だと考えますが、これらにつきましては、いまだわが国の製品の国際競争力が十分でございませんので、農林省等においていろいろ研究しているのでございますけれども、自由化の時期はまだ見当がつかないのでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 最近われわれの茨城県でも、トマトなんかは非常によいというので、農村で作り始めたとたんに、時期的にとたんにトマトの自由化ということになるのでたいへん困るから・自由化を阻止してくれないかというような農民の陳情がたくさんあるのです。これについて農林省の方でもおられたら御方針を伺いたいと思うのです。

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) さっそく呼びます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 それじゃ、あとにします。  私専門家じゃないのでわからないが、譲許を修正または撤回するものと、代償として提供する譲許と、こういうものがあるわけですが、この基準というのは、一体どういうところで代償として提供する譲許というのがきめられるのですか。

中山賀博外務省経済局長

○政府委員(中山賀博君) 原則的に申しますと、たとえば今回修正される譲許は十五品目、それから代償として提供されるものは二十四品目でございます。これらの譲許の一九六一年における各交渉相手別の輸入実績を見ますと、前者が、つまり修正、撤回される譲許の十五品目の輸入実績は一千六十五万四千ドル、それから、代償として提供される譲許は二十四品目、つまり輸入実績は七百六十九万六千ドルとなっております。修正または撤回する譲許の価値と代償としての譲許の価値は、これら譲許品目の年間貿易額と税率の引き上げまたは引き下げの幅を基礎とし、さらに将来の輸出の伸張の見通し等を加味して比較されるわけであります。これを要するに、関税の引き下げまたは引き上げがあった場合に、これと輸入実績をかけたもので一つのこれを出しまして、それが大体等価になるということ、そのほかに、将来これを下げることによって輸出が非常に増加するだろうとか、あるいはこの関税を上げることによって輸出がはばまれるというような将来の点をも考慮して、勘案して交渉するわけでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 品物対品物の、品目対品物別の比較というようなことも考慮されるわけですか。

中山賀博外務省経済局長

○政府委員(中山賀博君) 交渉の途中におきましては、自分のほうはこれを上げたいといいますれば、これに関連を持つ相手国としては、じゃ自分のほうはこれを下げてくれということを言いますが、そうして初めは商品と商品が見合うという格好の段階もございますが、最後には、今申しました税率の引き下げの幅と、それから過去における実績と、それから将来の見通しというものを勘案して、全部で総計してまあ一応いいところで手を打つということになっております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 この結果、損得と言っちゃおかしいけれども、有利、不利というような点は、外務省どんなふうに評価しているのですか。

中山賀博外務省経済局長

○政府委員(中山賀博君) これは、結果においてわがほうが若干得になるように評価しております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 具体的にどういう点で。

中山賀博外務省経済局長

○政府委員(中山賀博君) 今御説明申し上げたように、交渉の過程においては、どの品目とどの品目、それから、それに税率の上げ下げ、それに過去の輸入実績等を勘案していたしますが、ずっと最後は総計で出すわけでございます。で、その点は結局われわれとしましては、修正、撤回される譲許額と、それから対象として提供せられる譲許はそれぞれ十五品目、二十四品目でございますが、その結果、そのカバレージを出しました結果としては、前者が一千万ドル近く、それから後者が七百六十万ドル近くで、わがほうとしては大体三百万ドルくらい得をしているのだと、こう考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 トマトの自由化のほうは農林省が来てからにします。  海上人命の安全条約、これについて、今度の新しい条約の特徴は、四八年以降の技術の進歩、原子力船の建造ということがポイントみたいなものだと思うのですが、ざっと見たところでは、もう少し、たとえば第八章を見ても、一時的な原子炉の設置なんだというような表現が当然入るべきだと思うのだな。そういう点が書かれてないのは、少しく原子力船を規定する場合には弱いのじゃないかと思うが、どうして具体的に原子炉なんだということが書かれてないのですか。

中野由巳運輸省船舶局首席船舶検査官

○説明員(中野由巳君) お答えいたします。現在原子力船につきましては、御承知のように、商船におきましては開発段階でございまして、それに対しまして技術の進歩を阻害しないという点におきまして、こまかい点についてはまだ規定しないといった点が、各国ともそういうような状況でございまして、これから実際商船の場合にはコマーシャル・ベースに乗るといったことを考えます場合に、いわゆる規定のほうから先に載せるということじゃなしに、その船の安全性を非常によく評価いたしまして、それにフォローするような状況に規定したいといったようなことでございまして、現段階におきましては、各国が安全評価書を入港しようとする相手国に出しまして、その相手国がその安全性を確認いたしまして、これなら大丈夫といったようなことで、相互協定によりましてお互いに入港しようという状況でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 海上における人命の安全ということは、船舶に乗り組んでいる人あるいはお客さんだけではなくて、船はもちろん海上ばかりでなく、港にも当然これは入るんですから、入らなくちゃならぬのだから、船、客以外の人に対する影響ということも、これは規定してあるんですか。

中野由巳運輸省船舶局首席船舶検査官

○説明員(中野由巳君) 原子力船につきましては、今お話しのございました船に乗り込む人たちの人命は申すに及ばず、水資源とか、いわゆる第三者に対する障害ということについても考えているわけでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そうすると、こまかい詳細な規定、原子炉なんだというような厳密な具体的な規定は、これは別個の条約を取りきめないとならないと思う。

中野由巳運輸省船舶局首席船舶検査官

○説明員(中野由巳君) 現在原子炉につきましても、いろいろな形式がございまして、さらに冷却体あたりを新らしいものでやっていくというような、開発段階にございますので、原子炉については、画一的に、炉について、こういうものであるといったふうなことを現在すぐ規定するのは無理ではないかということで、各国とも国内的に規定はそれぞれ——たとえばロイド船級協会あたりはロイドとして考えているというようなことになっておりますが、国際的にこういうふうな規定を設けるべしといったこまかい規定はございません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 私の伺っているのは、だんだん技術開発が進んで、一つの船舶について、原子力船についてのあるパターンができると思うのだが、エンジンとか、あるいは船舶の構造上。そうなった場合には、これをはっきりもっと具体的に安全を取りきめる規定が、協定がなければならぬのじゃないか、こういうことなんです。

中野由巳運輸省船舶局首席船舶検査官

○説明員(中野由巳君) その点につきましては、お説のとおりでございまして、これがあるパターンができましたら、当然それにフォローした規定はできると思います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 これをざっと読んでみますと、なるほど、おっしゃるように、コマーシャル・ベースといいますか、なまぬるい、あってもなくてもいいような、一応の規定というような感じがするのですが、日本はまだ原子力船を持っていないから、その点もありましょうけれども、あなたの印象はどうですか、口あけだからこの程度という条約だね、これはどうも。

中野由巳運輸省船舶局首席船舶検査官

○説明員(中野由巳君) 現在、国内法その他からいいまして、船舶安全法におきましても、船員法、船舶職員法におきましても、「船舶」という表現になっておりまして、「原子力船は除く」と書いてございませんので、当然、原子力船がわが国に入る場合には、これをチェックする必要がある。お互いにその点につきましては、各国もそういう考えでございまして、船が入る前に、詳細なる、安全性を示した、安全度を説明するに足る資料を相手国に提出するという段階でございますが、これがなければ、今、お話し申しましたように、かえって、船がどんどんと勝手に入ることができるというようなことが考えられますので、当然、こういった規制は、前段階においては必要であると、こう考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 今、原子力船として就航しているのは、米ソだけですか。  それから、日本の場合、けさの新聞に出ていたようだが、いよいよ原子力船を建造することになったのですか。

中野由巳運輸省船舶局首席船舶検査官

○説明員(中野由巳君) 現在、御承知のように、原子力船が商船として動いておりますのは、アメリカとソ連でございます。潜水艦その他は別といたしまして、商船は、今その二カ国でございまして、さらに、イギリスあたりが建造するということを聞いておりますが、わが国におきましても、四十三年におきまして、一応、原子力船を建造するという予算を、政府といたしまして、現在、原子力船開発事業団というものを設立いたしまして、その原子力船の開発に着手するという段階になっております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 この条約の署名国は現在どのくらいで、英米ソの大国が入っているのか、入っていないのか、何カ国になるのですかな。

須之部量三外務省条約局外務参事官

○説明員(須之部量三君) この条約に、一九四八年当時は、六十四カ国入っておったわけでございまして、六〇年の会議には必要な国だけ集まりましたために、四十五カ国、会議には参加しております。ただ、この条約の発効でございますが、これは、百万トン以上の船舶を有する七カ国を含む十五の国が受諾をしたときから一年後に発効することになっております。これは条約の第十一条に書いてあるわけでございますが、現在までのところ、百万トン以上の船を有する国が四カ国、その他の国が六カ国、すでに受諾しておりますので、大体、本年の夏ぐらいは定数に達しまして、来年の夏ごろ発効するというのが大体の見通しでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 こちらにあまり時間がないので、なるべくたくさん、はっきり答えてもらいたいのですが、米ソが入っておるのかどうか、百万トン以上の四カ国にソ連も入るだろうと思うが、もうこれを承認しておる国があるのだろうかどうか。

須之部量三外務省条約局外務参事官

○説明員(須之部量三君) 米国はすでにこの条約を受諾しております。ソ連はまだ受諾しておりません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 十五カ国あるならば、その十五の名前をあげて下さい。そのうちの百万トン以上が四カ国でしょう、その四カ国も。

須之部量三外務省条約局外務参事官

○説明員(須之部量三君) 百万トン以上の船を有する国が今十七カ国あるわけでございまして、その国の名前を申し上げますと、米国、英国、ノルウェー、リベリア、日本、ギリシャ、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、ソ連、パナマ、スウェーデン、デンマーク、スペイン、ブラジル、アルゼンチンの十七ヵ国でございます。で、以上のうち本年の一月二十二日現在で、ノルウェー、フランス、米国、スペインが受諾しておりまして、その他六カ国も受諾しております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 この条約で、原子力船関係のことは、第八章に規定してあるのだが、たといコマーシャル・ベースだからとはいいながらも、安全の証明書を持ったり非常に注意を払っているのだが、軍艦の場合、これは主権の百パーセントを代表するものであり、領土の延長であるということで、これについての安全証明書を出したり拘束されることを好まないということについて、どういうふうに政府は考えていますか。

須之部量三外務省条約局外務参事官

○説明員(須之部量三君) この海上人命安全条約は、そもそも普通の商船等を対象とするものでございまして、この条約全体が、軍艦は一応除外しているわけでございます。したがって、この条約から軍艦を除くのは当然と思います。一方、例の原子力船運航者の責任に関する条約では、軍艦も含むようになっているわけでございますが、軍艦を含めるかいなかにつきましては、非常に強い異論もございまして、この原子力船運航者の責任に関する条約、現在これも原子力船を持っております米ソとも反対しているわけでございまして、したがいまして、考え方としてどうこうということはあり得るかと思いますが、今の見通しといたしまして、この人命安全条約を軍艦に適用するというような事態になることは、まず見通されないのじゃないかというように考えるわけでございまして、さらに、安全証明書を入港前に提出する、あるいは入港した際に特別の監督に服するというような規定につきましてすら、実はソ連圏の三カ国は留保しているわけでございまして、決して望ましいこととは思いませんが、なかなか原子力船について徹底した措置がとれるということまでは、時間がかかる問題ではないかというふうに考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 軍艦が主権の延長であるということは、今日までの国際法の大々原則であるが、技術の進歩、原子力の時代にあってみれば、この大原則も一九六三年になれば大修正を加えるべきときだ。したがって、日本は国際会議において、そういう主張を真正面から取り上げて、時代は変わったのだということをおやりになる大胆な御意思はございませんか。

須之部量三外務省条約局外務参事官

○説明員(須之部量三君) 考え方としてその立場をとり得るわけでございまして、原子力船運航者の責任に関する条約の場合には、軍艦もこれは含めるべきだという建前に日本は賛成したわけでございます。ただ現実の問題としまして、ただちにこのような方向に物事が動くかということになりました場合には、見通しとしては、まだまだ時間がかかるというふうに考えているわけでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 昨年だったか、原子力船運航者の責任に関する条約、これは米ソは条約には賛成したのですか。

須之部量三外務省条約局外務参事官

○説明員(須之部量三君) この条約には反対投票いたしました。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そうすると、この条約は、日本が賛成して、いつ効力を発生するのですか。

須之部量三外務省条約局外務参事官

○説明員(須之部量三君) この条約は一応反対しましたのはソ連圏の九カ国、米国と十カ国であったわけでございますが、多数決で一応成立はしたわけでございます。発効規定は、現実に原子力船を運航しておる国が一カ国とその他の国二カ国の受諾がある場合に発効することになっておりますが、肝心の原子力船を持っております米ソとも反対をしておりまして、これを受諾する見通しがございませんので、現在のところは発効の見通しは立たない状況でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 まあ、大臣がこられたから、簡単にやりますが、その会議で日本は賛成した。もちろん軍艦も含めるべしという説を述べたんだと思うのですが、米ソの主張と、それから日本代表がそこで大いに奮戦したんだろうと思うが、その間の事情をひとつ、日本政府奮戦の図をやったならば、賛成した以上は、これに拘束されるようなことをがえんじないという米ソに向かっては、当然入港国として一発食らわせなければならなかったはずだと思うが、やったかどうか。

須之部量三外務省条約局外務参事官

○説明員(須之部量三君) 賛成した国は大体二十八カ国あったわけでございますが、それらの国、今その交渉の会議におけるどういう主張というようなことは具体的に必ずしもつまびらかにいたしませんが、大体二十カ国が賛成いたしまして、十カ国が反対した、棄権四カ国というのが大体の、まあ国の分け方でございまして、わが国としましては、もちろん軍艦も損害補償の点については含めませるのが筋であろうということは主張したわけでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そういう、軍艦も含ませるべきだと言ういいチャンスがあるんですから、これはやっぱり大いに友邦二十カ国ですか、賛成は。それとともにこれを引っぱり回してそういうふうに引っぱっていってもらいたいと思うんです。そうしなければ、とてもこの日本の場合などは、安保条約があるんだからということで、なかなか動きがとれない。やはり大ぜいの声をひとつ集中して、そしてやっていかないと、日本の場合はとんでもない事態が起きるんじゃないか、かように思います。  ところで、大臣もお見えになったから一問だけ。海上安全条約に関連して、きのうあたり湯川さんなど原子力関係の委員の方々が、原子力潜水船の寄港は一時的な原子炉の導入になるという建前で慎重にやってもらいたいということをきめたようですが、どういうことなんですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 原子力船の寄港問題は、安保条約の運営の問題なのでございまして、私どもの責任の問題でございます。ただ、安全性の問題、損害補償等の問題につきましては、私どもの責任におきまして、日本国内の専門家の方々に御懸念になる節は十分に討議願って、それを先方に克明に伝えて、それで安全だという基礎を固めたということを国民に御納得いただく手順を踏んで参らなければいかぬということで御意見を求めておるわけでございますが、特別会議におきましても、あるいはまたきのうも有志の学者からも御声明がございました。私ども十分それを考慮いたしまして、国民の御納得がいくような手順を踏んでいきたいと思っております。

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) 速記を始めて。

安福数夫農林省農林経済局国際経済課長

○説明員(安福数夫君) トマトの自由化の問題の御質問に対して御説明申し上げます。  現在、御承知のとおり、農林省といたしまして農業構造を改善していくというのが農林行政の大きな柱の一つになっておるわけでございますが、その中で選択的拡大をして参る業種としまして、将来総生産における農業所得の大きなウエートを占めるものとして、園芸、果樹、そういった面を大きく取り上げておるわけでございます。その一つといたしましてトマト生産があるわけでございます。現在トマトの生産につきましては、地域的に非常に集中しておる生産構造を持っております。ことに愛知県、長野県そういうところに集中しておるわけでございますが、問題はアメリカ農業との関係になると思いますけれども、非常にわが国の農業自体の経営規模は零細であることは御承知のとおりでございまして、現段階においてこれを自由化するということは、国際的な競争力をとても持ち得ない、こういうふうに私ども反対しておるわけでございます。この条約との関係におきましていろいろ問題はあったわけでございますけれども、これがいつまでも自由化しないということには参らぬとは思いますけれども、現在農林省といたしましては、加工用のトマトの品種の普及につきましても鋭意努力しております。したがいまして、そういった態勢が整いました暁には、あるいは自由化という問題が日程に上ることがあろうかと思いますけれども、現在、現段階においては、関税が上がったからといって、今すぐに自由化して参るという実態にない、こういうふうに農林省としては考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 その競争力というのはいつごろまでにつけられるのですか。あなた、長野県と言ったけれども、茨城県だって農家は一生懸命に選択的拡大ということでやっているんだから。幸い自由化は未定であるから、なるべくひとつ延ばして、ほんとうに競争力をつけてもらいたい。この競争力をつける時間的な目途はどのくらいにつけておりますか。

安福数夫農林省農林経済局国際経済課長

○説明員(安福数夫君) 私ここに資料の持ち合わせがございませんので、いつまでにこれが競争力を持ち得るか、あるいは自由化の時期がいつごろになるかということは、今お答えできないのでございますけれども、品種の改良なり、こういった優良品種の普及というものには、日本に適した品種というものをやはり持ってくるわけであります。そういった品種改良もからんで参りますので、そう簡単に——機械産業の合理化という形では非常に短期間にこれは行なわれるわけでございますけれども、年に一回の生産実験しかできないという問題もからみまして、かなりの期間かかる、こういうふうに考えられます。ただ、農産物の自由化という問題は非常に困難な問題があることは、たびたび農林大臣も国会で答弁がされておるわけでございますけれども、やはり自由化というものは世界的な大勢でございまして、それに対する農林省としての考え方を今後十分詰めて参りたいと思いますけれども、特定品目については、やはり自由化というものはどうしてもできないというものもあるでしょうし、そのうちでトマトにつきましては、やはりここ一年や一年半では、おそらく自由化まで持っていかれないのじゃないだろうか、このように考えております。原局のほうで鋭意そういう対策については十分検討しておりますが、現在のところ、はっきりしたところの見通しはっけ切れない状態だ、このように考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 トマトは年一回だから、一年じゃかわいそうだから、やっぱりこれは二年、三年くらい延ばして、なるべく引き延ばしてもらいたい。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 ちょっと関連して。  自由化を延ばしてトマトの加工製品を保護するという方法をとられるわけですけれども、たとえばアメリカあたりの食料品の加工業の大きな資本が日本に入ってきまして、日本でもって製造をやり、そうしてしかも、向こうの非常に有名な商品のレッテルでもってどんどん売り出すというふうなことになってくると、せっかく自由化を先に延ばしても、それに席巻されて、既存の日本の加工業者がやられてしまうというおそれなしとしないのです。それに対してどう対処をしていくのか。これまた自由化を延ばす問題と同時に、その問題についても考えておかなければならぬものがあるのじゃないかと私は思うのですが、それに対してはどういうふうにこれは大臣ばかりじゃない。農林省のほうじゃどういうふうにお考えになっておりますか。

安福数夫農林省農林経済局国際経済課長

○説明員(安福数夫君) 私自身がお答えする能力があるかどうかわからないのでございますけれども、従来のいきさつと、四月以降のIMFの勧告なり、八条国移行なりそれからOECDとの関係なり、そういった問題で、資本の自由化ということと関係して、現在各関係省でそういった問題についても検討されている段階でございまして、どういうふうになるか、私自身がお答えすべき問題じゃないし、能力がないわけでありますけれども、従来のいきさつも二、三あるわけでございます。そういった外国資本が日本に進出して参るという場合に、やはり農林省といたしましては、国内産業との関係を十分検討いたしまして、いろいろ資本のあり方なり、そういったものに条件をつけて参るというのが従来のいきさつであったわけであります。農林省といたしましては、将来といたしましても、そういった態度で事を処したいという考え方しか申し上げるわけに参りません。資本の自由化なりがなって、それに対してどういう法律規制が加えられるのか、そういったものは、私自身お答えする能力がないということになります。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 実は、これは日本ばかりじゃないのです。EEC諸国においてもそういう問題が起こっているのです。たとえばフランスに、アメリカの大きな食料品工業が入ってきて、フランスの中は大恐慌を来たしているのです。そういうような問題について考えておかないと、自由化を延ばすのだ延ばすのだと言っていても、今後裏口からどんどん入ってきて居すわられてしまうというと、幾ら自由化を延ばしてもしようがないという問題が、いろんな産業に起こってくると思うのです。これは外務大臣にお尋ねすることじゃないかもしれませんけれども、通産大臣等にしたほうがいいんでしょうけれども、これはやはり重大な問題だと思うので、その点はひとつ外務大臣のほうでも十分に御考慮願わなければならぬと思うのですが、これについて外務省は、経済関係については、どういうふうに考えておられるのですか。

中山賀博外務省経済局長

○政府委員(中山賀博君) 八条国への移行、それからまたガットの場合におきましても、十一条の受諾ということで、いわゆる経常取引、それは貿易外も含めて経常取引というものを自由化していかなければならぬ。そうすると、今までいろいろ外資が入ってきて、そうして、そのいわゆる果実でございますね、元本に対する果実というものは、普通の概念によりますと、これは経常取引のほうに入りますから、果実というものは送金が自由になるわけです。そうすると、今までは外資法によりますと、その果実を送らせないということによって、元本が入ってくる魅力を減殺しておったわけでありますが、それができなくなる。そうすると今度は、今仰せのような危険も起こってくるわけでございます。そこで今度は、それじゃ八条国に移行したから、資本取引のほうも直ちに自由化しなければならないかといいますと、これはIMFの条章に照らしましても、またさらには日米通商航海条約の全体のコンストラクションから見ましても、これは、経常取引とそれから資本取引というものは別だということになってくるわけでございます。おそらく将来の格好としましては、今までは果実を送らせないということで、元本を制約しておったのが、むしろそのものとの資本取引のほうで、ことにいわゆる直接投資、ダイレクト・インヴェストメントというところでスクリーンして、そうしてこれをある程度国内の経済状態に合わしたものに作っていくということが必要になってくるかと思います。現に大蔵省あたりではそういうことを研究して、その国内法上の措置を考慮しているわけであります。その点は、われわれ、EEC諸国等の実例を見ましても、ある程度の、八条国にもちろんなっておりましても、そういう資本取引の規制ということは、大なり小なり行なっているわけでございまして、われわれといたしましては、新しいIMF八条国移行、あるいはその他と照らし合わせながら、そういう運営が、資本取引について、できるものだと、かように考えております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 日本の場合、とにかく安定しておる、経済成長率が比較的大きい、そういうようなことで、たとえばアメリカ資本のみならず、他の資本が日本に入ってくるということの可能性は、かなり私はあると思うのです。そうしてこれは、大きい産業ですと、対抗措置も容易にできるでしょうし、政府もかなりそれに対して保護をすることになるでしょうけれども、今言った小さなものですね、たとえばトマトの加工なんていうのは、これは小さなものですが、大体水産物等を除いて、それ以外のものは、大きなものが入ってくると、たちまち席巻されてしまう。たとえば今ある日本におけるコカコーラ、これなんか、新しいやり方でどんどんやっているので、どんどん伸びている。それでかなりみんな脅威を感じているというようなこともありますから、これは十分に研究して、そうして対策を立ててもらわぬと、自由化だけ引き延ばしたからといって、それでなかなか保護できない。しかも、中小がやられてしまうということになります。そこいらもっとよく考えてもらうことと、それから、それを急速に、そういうようなことに対する保護措置を講ずるといいますか、何か新たなる措置を講ずるようにしてもらわなければならないというふうに私ども考えるのです。

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) 両件に関する質疑は、一応この程度といたします。   —————————————

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) 次に、日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の通商、居住及び航海条約及び関連議定書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。   —————————————

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) ただいま委員の異動がございましたので御報告申し上げます。委員重宗雄三君が辞任され、熊谷太三郎君が委員に選任されました。   —————————————

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 日英通商航海条約に入る前に、今珍しい事件が起きているのは、イギリス政府なんです。商務省が、例の対ソ油送管を作って送ってやることにしたという報道が新聞に出ているわけです。日本のほうでは、NATOやアメリカやなんかの話があって、一応遠慮してあるいは行政指導があったのか、政府のほうでは自主的判断と言うのですが、とにかく大口径のものは送らないということになったようです。イギリスは、のっそりしているくせに、なかなか手が早い、商売にかけては。ですから、ドイツが契約して、ドイツが送らないことをきめたとたんに、さっとその契約を自分のほうにつないじゃって、電光石火の早わざをやったのです。あれはNATOの勧告である、こういうようなところに理由をつけているのです。政府も、少しあぜんとしたのじゃないかと思うのです。どんなふうにお考えですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) この問題は、たびたび申し上げておりますように、日本はNATOのメンバーではございませんから、NATOの決議はございましても、それに拘束される覚えはないわけでございます。私どもの態度といたしましては、たびたび申し上げておりますように、日本はこれがココム協定に入っておりませんから、ココムにリスト・アップされるというようなことになりますと、貿管令の別表を改正いたしましてやらなければならぬのでございますが、そこまでまだ問題は行っていないようでございます。したがって、私ともの態度といたしましては、NATOの決議があったということによって日本政府の態度をきめるべきじゃないということは堅持いたしております。ただ、これは商売のことでございまして、あるいは値段が折り合わないとか、技術上の配慮があるとかで進まないものもあるのかもしれません。しかし、NATOの決議があったから直ちに政府がそれに即応して措置をするというようなことは、いたしておりません。で、メーカーのほうでは、方々へこれを売ってマーケットがあるわけでございますから、全体のマーケットで最大の販売量を確保するように考えており、商業政策上の考慮もございまして、あるいは市場を転換されたところもあるのかもしれませんけれども、政府はそういった点に干渉をしてきておりませんし、そういうことについてまた干渉する意図も持っておりません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 私は、イギリスの今回の措置は少しどぎついのだが、やはりドイツなどのいわゆるEECをリードしている国に対するしっぺい返しくらいの意気が見えると思うのですがね。大臣の立場で、そうだなんということは言えないかもしらぬが、EECに入れなかった、商売もそこだけ減らされた、それならおれだって貿易拡大のためには何だってやるぞという一つの意気込みだというふうに思うのだが、大臣の見解という意味ではなくして、御感想でいいですが、どういうふうに思いますか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 公開の席上で感想を述べるというのも、いかがかと思うのですけれども……。

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) 速記を始めて。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そこで、日本もアメリカへ行って綿製品の交渉をやっても、あのような状態でなかなか思うようにいかない。そうなれば、いわゆる中共貿易ということも日本に残されたマーケット、条件に合うならばやってもいいということは総理も大平大臣もおっしゃっているので、ただ条件がなかなか折り合わないということでありますから、もしアメリカあるいはカナダのほうでも日本貿易が急に拡大できない、しかも、少しく日本に情がない仕打だというのならば、さっと手のひらを返して、隣に広がっているマーケットに出ていくという気組みもあってしかるべきだと、私は気組みを伺っているのです。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) まあ国の経済外交の方針といたしましては、やはり長期にわたって繁栄の基盤を作らにゃいかぬわけでございますから、今、森先生おっしゃるように、相当ある場合には高姿勢に出るということが、日本の基本的な利益に長期的観点でなるかどうかという判断が必要じゃないかと思うのでございます。ようやく国際信用が高まって参っておる段階で、今、日本にとっては非常に大事な時期だと思います。私ども並びにわれわれの内閣の性格からいたしまして、あまり国際的に高姿勢に出るということが賢明かどうか、私は必ずしも賛成いたしかねるという感じです。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 それじゃ機動性のある外交、こう言ったらどうですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 日本の基本的利益になるものでございますれば、これは考えなければならぬことだと思います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そこでイギリスがああいうふうに出たからというわけではないが、全く油送管の問題は、ことしの春問題になってからずっと見ていて、そうあれを軽視しなくて、軽視することが賛成だという空気よりは、やったっていいじゃないかという空気が一般的じゃないか。西ドイツでも、イギリスでも、日本でも、もちろんそういう空気は業界でも強いので、イギリスが今度やったからというわけじゃないが、もし業者がアメリカの引き合いがあって話をするという場合には、もちろんこれは政府は押える筋合いではないと、むしろ許すということをされると思うのですが、どうですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) それは先ほど申しましたとおり、政府は押える権限はないわけでございます。また、押えようとも思っておりません。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 ちょっと関連して。この六月ごろ北村徳太郎さんが団長になってソ連に通商使節団が行くことに大体きまったのですが、おそらくこれが向こうに参りましたときに、油送管の取引も問題点には出てくる、こういうふうに予想されます。これはこの間のネステロフが来たときのいろいろな言動からも私は予想されるところがあるのです。そういうような場合に、今外務大臣が言われましたように、政府としてはあえてこれを押える意図はないという態度を堅持されますか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 日本のほうでは、非常にこの問題をいろいろ問題にしておるわけでございますけれども、現に御承知のとおり、日ソの貿易協定のときにも、先方から全然そういう話がございませんし、それで通商協定の結果については、ソ連側も満足されているわけです。それでしたがって、ソ連側がどのように出ますか、私どもの接触を持っておる大使館筋からも、そういうお話を特に聞いたことがございません。向こうの出方も見て、それから日ソ通商関係全体から見て、一応のフレームをきめて、信用の限度なんかも一応見通した上で、長期協定を作っておるわけでございまして、それについて先方も満足いたしておるわけでございますから、もちろん、この実施の過程におきまして、多少のモディフィケーションはあろうと思いますが、基本的な構造、規模、そういった点はきまっておるわけでございます。したがって、大きく更改して参るなんということも考えられないわけでございますが、いずれにいたしましても、そういう問題がございますれば、十分鋼管の輸出とかいうような角度でなくて、むしろ日ソ通商関係のあり方、規模、態様等と関連してやはり考えるべき問題じゃないかと思います。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 この前の貿易協定の際に、向こうが鋼管の問題を持ち出さなかったということですが、これは、あの協定を成立させるためにそういう考慮が払われたと思うのですが、その後、ソ連からアメリカのほうに、なぜ各国のパイプを輸出するのに対して押えるような措置をとったのだという抗議が、これは日本のことも含めてですが、出ているような調子ですが、決して向こうはこの問題について黙っておるということではないと思います。そういうようなことから、私どもはやはりこの問題が出てくるというふうに考えるわけですが、今のお話ですと、どうもはっきり肯定せられるのか、否定せられるのかわからないようなお答えでしたけれども、ただ私は、NATOからこちらへ申し入れがあったときに、通産大臣なりあなたなりが答えられたのと、その後イギリスはこれに従わないで、パイプの輸出をやるという態度をとっている。また、西ドイツにおいても、政府はこれに対して、NATOのなにに従うような態度をとっておりますが、かなり反対党あるいは民間の業者あたりからも強い要求等もあるようで、こんなことから、どうもあなたなり通産大臣なりの言い方が多少変わってきたのじゃないかという印象を受けているのですが、あのNATOから申し入れがあったときと今日と、多少この問題について政府として変わってきたのかどうか、その点はどういうふうにお考えでしょうか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) あのときも申し上げたように、NATOの決議に関連して、NATOのメンバー各国がこの決議に対してどういう表情を示しておるかというような点は、私どもも在外公館を通じていろいろインフォーメーションをとってみたわけでございます。しかし、当時われわれとしては、この問題に、別にメンバー国じゃないですから、拘束される理由はないので、政府の見解というのは申し上げたとおりでございまして、われわれが関心を持っておりましたメンバー諸国の動向の一環として、今度イギリスが伝えられるところによりますと、やや前向きの姿勢をとっておるかのようでございますけれども、そのために特に政府のほうの調子を変えるというようなものではないと私は思っております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 まあ今油送管の問題について、あと一つだけお伺いしますが、大臣のお話を伺っていると、問題が起きたとき、すなわち、日本の業者がソ連と何らかの話し合いをしたときに態度をはっきりするが、まあまあ許していこう、何も許していこうじゃない、押える筋合いではないというふうな印象を受けるのですが、そのとおりですね。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 押えようとは思っておりません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 日英通商航海条約について伺いますが、この条約を結ぶときに、日本は過去七年間の交渉、ことにその終わりのほうにおいては、イギリスはEECに大体入るのだ、入れる、そういう前提で、この際イギリスと通商条約をすみやかに結んで、将来EECに働きかける一つのチャンスにしようというところが交渉当事者外務省あたりが大いに奮発する原因になっていたかと思う。また、イギリスの三十五条撤回を契機として、EEC内部にまだ援用している国々の撤回を促進しよう。こういう二つのねらいがあったと思うのですが、当時の心組みは、たいへんEECに加盟するのだ、早くこれと条約を結ぶ、そうしてEECの足がかりにしたい、同時に、EEC内部の三十五条援用国の撤回の促進の糸口にしたい、こういうことがあったことは間違いないと思うが、どうですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 今森さんが言われた後段のほう、すなわち、日英通商航海条約におきまして三十五条の援用撤回をしていただくということは、すでに交渉を始めておりましたベネルックス三国、フランス等の援用撤回に大きな刺激になるという念願、意図は十分ございました。ただ、前段の、この条約はそもそもイギリスのEEC加盟ということを前提というか、予想してやったのかというお尋ねに対しましては、ノーと言わざるを得ないと思います。なぜならば、これはもう七年も前から交渉が始まっておったわけでございまして、EECに加盟の問題は、その後起こってきた問題で、この条約の交渉に当たっておりましたわれわれ当事者として、イギリスのEEC加盟というものを予想してやるのだ、急ぐのだというような気持は毛頭なかったのでございます。むしろ逆に、EEC加盟が中断したということによって、この条約がさらに光彩を加えてきたというように思います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 衆議院の段階でも、松本さんがそんな、同じような御質問があったかと思うのですが、さらに、予想しない、予想しないと強調されるのは、なぜそんなに強調されるのですか、七年間といいますか、スタートしたときは、なるほどEEC加盟の問題はないけれども、後段の、もう条約の大体煮詰まってきたころには、ブラッセル会議も開かれて、加盟できるできないの論議はありましたが、ここ一、二年前からは、やはりEECに入るのだということを予想して、前提という言葉はあなたおきらいなら、——を予想しておったことは当然だと思うのですが、どうして前提とはしない、前提とはしないと言って突っぱるのですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私どもといたしましては、この条約の締結交渉ということとは別個に、EECに英国が加盟するであろうということについて予想いたしておりました。そのことはいなめないと思うのでございますが、この条約交渉において、この条約交渉自体が、EEC加盟の予想との関連が別になかったわけでございますから、特に強調するわけではなくて、ありのままの状態、気持はそうであったということを申し上げているにすぎないのでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 私は、イギリスがEECに、予想したのに、入れなかった。そこを野党がつついてくる。それをのがれるためというふうな印象を受けるものだが、これはすなおに了解しておきます。  この条約は、イギリスの議会が、あれほど三十五条援用のトップ・バッターだったわけですが、そのイギリスが、今度はこの撤回をやってのけた。議会では相当な論議があったことと思うのですが、その議会の議事録も新聞報道もあまり読んでいないので、どういう論議があったか、賛成の人もあったろうが、反対の人もあったろう。向こうのイギリスの国会における空気はどうだったんですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 非常に簡単な論議があったようでございますが、事務当局から説明させます。

須之部量三外務省条約局外務参事官

○説明員(須之部量三君) 御存じのとおり英国の国会では、この条約が三週間提出されておりまして、それで承認を得ることになるわけでありますが、昨年の十二月五日に下院におきまして討論が行なわれたようでございます。その際、討論にあたりまして、もちろん政府側から態度を表明し、それから質問が出たわけでございますが、討議の基調といたしましては、日本経済の目ざましい発展、それから日本の貿易の自由化ということから、この際英国として日本と条約関係に入りまして、相互の通商関係を安定化させることが有利であるという意見が基調になっておりまして、条約の内容というよりは、条約に関連した若干の点につきまして、いろいろの質問が出たのは事実でございます。特に、英国の毛製品産業地からの選出議員から、若干毛製品に関連しての質問が出たようでございますが、特に指摘された点としましては、今度日本から毛糸とかトップとか毛製品の繊維品が英国のほうに輸出されるようになるので、それは非常に困るじゃないか。あるいは毛製品の例のマークの標示方式について、まだ日本側で英国が希望するような措置がとられていない。それから、若干の陶磁器について、きわめて少数であるけれども、まだ意匠盗用の事例があるのじゃないか。さらに、今度の条約ができたに関連しまして、東京における英国の大使館の経済担当官をもっと増強すべきであるというような意見が、おもな意見であったように聞いております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 イギリスの国会の議案の審議の状況というのは私は知らないのだが、調印したのは池田さんが行ったときだから、十一月の十四日で、十二月の初めに国会で審議をして、そしてこれを通過さした。普通の条約案件は、審議をして、もっと長くかかるのじゃないですか。いつもイギリスというのはこのくらいであっさりと賛成でオーケーされていってしまうのですか。

須之部量三外務省条約局外務参事官

○説明員(須之部量三君) 御存じのとおり、英国の場合は、条約の締結権は女王の大権でございます。国内立法を伴う場合には、国会の権限としまして法律案の形で討議が行なわれるわけでございます。この条約の場合、英国の国内法を伴いませんので、十一月十四日に国会に提出いたしまして、十二月五日に討議が行なわれ、そして成立しておるわけでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 ほかの条約案だとどうなんですか。そんなに簡単に国会を通過するのですか。

須之部量三外務省条約局外務参事官

○説明員(須之部量三君) 先ほど申しましたとおり、国内立法を伴わないものにつきましては、すぐに成立しております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 私は、早くさしたる反対もなく通るのはあたりまえだと思う。私はヒュームさんがあしただかあさってだか来られるから、国会にお見えになられるから、一言われわれのほうの態度を表明しておかなければならぬと思うから言っておかなくちゃならぬ、ヒュームさんに。大体、これはごらんなさい。第一議定書、セーフガード、こういうよろいを着て、第二議定書では残存輸入制限、そうして自主規制——自主規制なんというものは、あなたよく読んでみると、この間御質問申し上げようと思ったのだが、全く情ないと思うのは、打ち首はいやだから自殺さしてくれ、おれの名誉のために。うちのほうで自主規制しますから、あなたのほうでセーフガードの中に入れないで、そうしてそこでおれのほうが自主規制して切腹したほうがいい、顔を立ててくれという内容のものなんです、これを読んでみると。大臣、規制に関する交換公文、これなら向こうはそれはもうスピード審議ですよ。これはわがほうにとって不利とは言わないまでも、過去のいろいろなこともあるでしょう。なかなか問題があってつらい。大成功と、先ほど大臣の言う光彩陸離たる条約と言うわけにはこれはいかないと思うが、大臣、率直にお考えをお聞きかせ願いたい。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) その点につきましては、衆議院におきましても、川上貫一先生から同じようにおしかりを受けたわけでございますが、私はそのときにも申し上げたのであります。条約の条文から形式的に御判断されると、今、森先生がおっしゃったような感じ方は無理ないと思うのです。しかし、問題は実体面にあるのでございまして、わが国のチャンピオン産業というものの競争力は相当強いものがあるわけでございまして、国際的にいろいろ紛議を従来かもしてきたわけでございます。そして私どもは、先ほども申しましたように、長期にわたって市場を拡大していくということでございますので、この爆発的な競争力を一挙にもう野放しにしますと、そのときはよろしいかもしれませんけれども、そのあと各国がいろいろ制限措置を講ずるというようなことになりますと、日本の不利益でございますから、日本のほうで自主的に秩序ある輸出を確保していくほうが日本の利益になるのだ。つまり、日本の関係産業が非常に強いユニークな競争力を持っておるというものにつきましては、むしろ日本が自発的に自主規制するほうが得だと、こういうように考えるわけです。  もう一つは、歴史は飛躍いたしませんで、従来それじゃどうだったかということをごらんいただきまして、私どもがやる政策というのは、非常に純粋に模範的な条約典型を作って国会に出すなんということは考えられないことでございます。したがって、従来、この規制品目というのがどれだけあったか、それから自主規制の品目がどれだけあったか、それを交渉を通じまして漸減の方向に持っていって、しかも、そういった規制というものは無制限に無期限にやるわけじゃないのだということで、条約にターミナルを設けておくというようにすることは現在から見て大きな前進であるのだ、というようにこの間も申し上げたわけなんでございまして、そういう意味で、決して満点ではございませんけれども、及第点はちょうだいできるのじゃないかというくらいの気持は持っております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 この及第点の日英通商航海条約を結んだことは、これから三十五条撤回をお願いするフランスなりあるいはイタリア、あるいはベネルックスの国に一体どういうふうに影響があると思うか。やはり従来のこれらのEEC内部における三十五条援用国と協定を結ぶ場合に、これが一つのひな形になるわけですね。そうすれば、これより上ということはない。協定というものは相当厳しい内容になると予想されるが、今までのこれらの国々との交渉、あるいは下交渉でも、あるいは向こうの情勢に対しては私は決して特によい影響はない、むしろこれだけ日本に自粛させたのだからということで向こうはかかってくるだろうと思うがどうですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私は去年の秋訪仏いたしましたときに、デスタンという大蔵大臣にお目にかかったときに、その前々日ロンドンで最後の交渉をいたしたわけでございます。それで英国政府ははっきりと三十五条援用撤回に踏み切りましたということを言明されたので、そのままデスタン氏に伝えたところ、これは非常にショッキングだという表情で、またそうも言われました。したがって、この条約の署名ということは、大陸諸国の対日態度をきめる上におきまして大きな刺激剤であったことは争えないと私は思います。しからば、現実にベネルックス三国やフランスとの交渉がどうだといいますと、交渉の実際に当たられた諸君も非常にこれに勇気づけられて交渉が円滑に運んでおることもいなめない事実でございます。しかし、今、森さんがおっしゃったように、これはそういう意味の刺激剤になったが、こういう既成事実は、そういういまだ三十五条の援用撤回をしていない国々により多く獲得する場合の足かせになりはしないかという御懸念でございますが、大陸諸国との交渉の過程におきましても、私が先ほど申しましたように、現在の状況から比べてどれだけインプルーヴメントがきくかということを考えてみると、交渉の経過から見まして、三十五条の援用撤回はもとより、規制品目の整理等につきまして、相当私どもの予想に近く考えてくれておるわけでございますので、そういう点を考えてみますと、この条約署名のメリットというのは相当高く評価していいんじゃないかというように私は考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そこでもう一点だけ伺いますが、このEECの国というのは一九七〇年に共通通商政策をやるというくらいですから、一つの国が、たとえばフランス、あるいはイタリアが日本と話をする、三十五条撤回の話をする場合には、このイタリアなりフランスなりという国は、関係EECの国とあらかじめ相談しつつやっていくのか、これはバイラテラルに、楽に交渉できるものか、その点どうですか。

中山賀博外務省経済局長

○政府委員(中山賀博君) ローマ条約の規定によりますと、共通通商政策ができるまでの間は、六カ国が各国独自の通商政策をとれる建前でございますが、同時に、その間の政策の調整をしなければならぬという規定がございます。そこで、三十五条問題につきましても、従来ともフランスあるいはベネルックス等に対してはバイラテラルな交渉をしておるわけでございますが、その交渉の経過あるいは結果等については、六カ国内部で協議し、あるいはインフォームしておるものと、こういうふうに考えております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 まあ最初はこちら側としては、もちろんガット三十五条援用の無条件撤回を求めておったんでしょう。それは原則的にそうされたのでしょうけれども、実情からして第一議定書、第二議定書及び自主規制のことをやらなければどうにもならないというので、こういうことになったのだと思うのですが、この有効期間が六カ年ということだ。そうしますと、これらの第一議定書、第二議定書及びこの自主規制も六カ年続くわけだと思うのです。もちろんその前に変えられるということにもなりましょうけれども、事実上は私は六カ年続くと思うのですが、はたしてその六カ年後にこれが一挙にやめられるものかどうかという点に非常にまた問題があると思うのです。というのは、この条約の効力は六カ年だ、だから新しくまたやり直すという場合にも、そうそう前のものから大きく変わるということも考えられないし、またイギリス側としても、おそらくそうそうこれらをイギリス側に有利な条件を捨てようとも思わない。ですから、私はこれがさらに続くような気がしてしようがないのですが、一体こういう議定書や自主規制の何をつけるときに、六年後にはこういうものはもうやめるのだということを大体了解の上でやられたのか、それともそうでなくてやられたのか、その点はどういうことなんでしょう。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 第一議定書はセーフガード条項、これはレシプロカルですから、両方がそういう権限を留保いたしておるわけであります。それから第二議定書のほうは規制品目でございます。これは五年で消滅することになっているわけでございまして、そういうことも交渉の非常な大きな焦点として努力いたしてきたわけでございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 自主規制のほうはどういうことですか。

中山賀博外務省経済局長

○政府委員(中山賀博君) 自主規制につきましては、その間にネガティヴリストと違いまして自由化の時期がございませんから、協定の続く限り続くものと考えております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 それから、この条約があとフランスだの、あるいはベネルックス三国との交渉に影響を与えるだろうということは、先ほどから森委員の質問なり、それに対する御答弁からわかるのですけれども、今フランスといろいろやっておられるようですが、フランスは従来日本に対して、イギリスよりもっと厳しい態度で臨んでおったのですが、今度フランスとやっておられるのは大体この程度になるのか、それともやっぱりもっと厳しいものになるのか、現状よりも幾らか緩和されるけれども、このイギリスのと比べるともっと厳しいものになる見込みなのか、そこらを。

中川融外務省条約局長

○政府委員(中川融君) フランスとの交渉は今まだやっている最中でございますので、的確にどういうものになるか、まだ実ははっきりは申し上げられないわけでございますが、一応今考えられております見通しとしては、イギリス以上にきびしいものになるとは考えていないわけでございます。まあせいぜいイギリス程度のものというふうに考えておるわけでございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 やはり有効期限等はイギリスぐらいのものになるのですか。

中川融外務省条約局長

○政府委員(中川融君) 有効期限につきましても、たとえばイギリスが六年でございますが、大体こういうようなところを目安にして、国によってはっきり同じ形のものとはなかなかいきませんけれども、大体の目安はこういう程度のところで考えております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 日米通商航海条約ももうそろそろ新しく更改しなければならぬ時期に来ているわけですが、この前もあれができましたときにだいぶいろいろ問題になって、表向きは平等を掲げて、実際は日本のほうに平等性を欠くということだったので、だいぶ問題になったのですが、今後日米通商航海条約を更改する場合の態度というものはどういう態度で臨みますか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) これは締結いたしましてから今日までの運用の実績をよく調べて、この中でどういう点がカバレージがきくかというような点をよく検討してみなければなりませんし、同時に、アメリカが第三国との間でどのように通商関係を調整されておるか、そういった点を見きわめて、この条約改正の要否並びに改正するとすればどういう点をどうするべきかというような点を目下検討しておるという段階でございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 イギリスとの今度の条約について私ども感ずるのは、先ほど森君が指摘されましたように、きわめて全部ひっくるめると不平等な形、しかしあなたは、これは名を捨てて実を取ったという御見解のようですけれども、どうも私どもは実を捨てて名を取ったというふうに見るのですが、これはやはりあなたは名を捨てて実を取ったというふうにお考えですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 名も取り可能な限り実も取ったというふうに考えております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 そうすると、これは及第どころじゃない、優等だということですか。どうもあまり優等とは思えないのですがね。えらい自画自賛をされますが、ともかく私どもはやはりこういうようなことについて、日本側としてはどうもふに落ちないという意見も相当あるわけです。たとえこれが国会で承認されましても、イギリスという国がなかなか貿易等に関しましては昔から古つわものでありまして、しかも、なかなかえげつないことをやる国でありますので、私どもはどうも無条件にこれが名も実も取ったというふうには考えられないし、またこれの運用等にあたりましても、今後イギリス側から、今まででも相当ずいぶんこまかい問題までいろいろ言ってきておるいきさつから見まして、よほどこちら側でも無条件で手放しで名も実も取ったんだと喜んでいないで、この運用にあたっては気をつけてやってもらわなければならぬと思っているのですけれども、どうでしょう。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 仰せのとおりでございまして、私どもとしても、細心周到なかまえで運営に当たらなければならぬと思います。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 で、まあこの条約に従いましてイギリスとの経済関係が非常に密接になってくるわけですが、日本にイギリスの資本というものはあまり今まで入ってきておらない。技術提携におきましてもそれほどでもないのですが、今後イギリスの資本の進出は、まあ技術提携の形でもいいわけですけれども、そういうものがこれから相当あるという見込みでしょうか。

中山賀博外務省経済局長

○政府委員(中山賀博君) この条約の結果、直ちに何か新規な産業投資が行なわれるということもあまり考えられないわけでございます。というわけは、イギリスは旧来における自己の勢力範囲、つまり英連邦あるいは直轄領土におきまする資本取引が相当盛大でございますし、現にまたイギリスはEECに対してもかなりの、アメリカに次いではイギリスが投資をしているわけでございまして、はたして極東の日本まで手が伸びるかということについては、若干疑問があるわけだと思うのであります。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 もう一点お伺いいたします。イギリスの経済は必ずしもいいとは言えない。特にEECに加盟しなかったあと、かなりEECとの競争も激化することも予想されるわけですが、ポンドがどうもあまりいい地位にないと思うのです。今後ポンドの切り下げということが必ずしも予想されないことではない。そういうこともあり得る。これはひとり日本のみならず、世界に非常に大きな影響を及ぼすわけですが、イギリスが先からポンドを切り下げますとは言いませんけれども、あるいはそういうことが行なわれるかもしれないと私は思う。これは日本にとりましても重大な影響を及ぼすのですが、このポンドの切り下げ等の予想について、外務大臣はどういうふうにお考えになりますか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) EEC加盟中断という事態は、EECに加盟しておった状態が脱退したということではないわけでございまして、問題が振り出しに戻ったにすぎないわけでございます。もちろん、仰せのように心理的な影響はあると思いますが、あの中断が発表になったときも、アメリカ初め大陸諸国の中央銀行は協力態勢をとりまして、貿易通貨としてのポンドの価値というものに動揺を来たさないように配慮いたしておりまするし、また、英国政府自体も、ポンドの切り下げというようなことは毛頭考えていないということを公式に言明いたしておりまするし、また、イギリスの政権にとりましても、この問題は非常にシリアスな問題でございますから、あらゆる手を講じて通貨価値の維持ということには万全の措置を講ずると思いますので、私どもといたしましては、ポンドの将来につきまして不安を感じておりません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 一点小さい問題ですが、第一議定書のEECに対する対抗措置、これには大体両方の国でどの品目ということは書いてないけれども、おおよそこの対象となるべき品目というのは暗黙にあるいは明らかになっていると思うのだが、イギリスから日本へのもの、日本からイギリスへのものをどういうものと予想されているか、その点だけ伺いたい。

中山賀博外務省経済局長

○政府委員(中山賀博君) 日本がイギリスに輸出している品目は、食料、それから機械類、ことに船舶、それから原材料製品、特に繊維の品目とかその他でございまして、それからまた向こうから買っておりますものは、もう大半が、非常に大きな部分が機械、それからウールトップ等の原材料でございます。そこでこの条約ができましても、この貿易のパターンそれ自身はあまり変わりないと思うわけでございます。そこでもちろんセーフガードは双務的になっておりますけれども、イギリスとしては、それじゃ何がこわいかということになりますと、もうすでにネガティヴ・リストあるいは自主規制よりもつとセンシティヴなアイテムはそこに含まれておりますが、そしてむしろそれで一々そういうものがセーフガードに当たるだろうかということは全然予想していない。むしろセンシティヴなものがネガティヴ・リストの中に入っておるということだと思います。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 今の、ポンドの将来性について不安がないと、こういうふうに言われましたけれども、どうも世界経済の情勢、あるいはそのイギリス自体の情勢から見て、またポンドの流出の状況その他の状況から見まして、私は必ずしも不安なしとは言えないと思うのです。あるいはイギリスのほうでは、今のポンドそのままのレートを続けていこうというふうに考えておるかもしれないけれども、私はどうもまだ不安があるんじゃないか、そういうふうな際に、日本の受ける影響は重大なんで、その点についてはポンドの将来のレートの変更等の場合に日本が対処すべき方法というものは、これは今からやはり考えておいていただかなければならぬものと考えるのであります。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 御要望の点は承っておきます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 この前大蔵大臣には尋ねたのですが、直接これは外務大臣には関連ではないが、御検討なさっておるのかどうか、それはアメリカの連邦銀行、それからイギリスのイングランド銀行のスワップ協定を御検討なさっておるかどうか。

中山賀博外務省経済局長

○政府委員(中山賀博君) われわれはそういうことについて情報は持っておりますが、直接には大蔵省で研究しております。

曾禰益民主社会党

○曾祢益君 ごく技術的なところですが一点伺い落としたので伺いたいのです。それは十八条の六号、要するに、一般的には内国産品と輸入品とをいろいろ課税その他で差別待遇しちゃいかぬということになっておるのですが、六号で、国産品に対する補助金等はいいということになっておるわけですね。これはそうすると日英ともに、会社がどこかは別として、国産品に対しては補助金かなんか出して、たとえば自動車産業とかあるいは造船とかそういう製品についてはお互い国産補助をやってもこれは一向差しつかえない、こういう意味になろうかと思うのですが、その点はどうなんですか。

中川融外務省条約局長

○政府委員(中川融君) 今曾祢委員の御質問の趣旨、私ちょっと捕捉しそこなったのでありますが、国内的に補助金をお互いに自分のところの事業に出すことは差しつかえない、自分のところの生産者に出すことは差しつかえないという規定がここにあるのでございます、これは一般規定でございまして。しかしながら、この補助金がその国の輸出につきまして、その国の業者に特に保護するような結果になるものならば、これはやはりガットの原則によって、ガットの許可がなければできないわけでございます。そういう面での制限はこの規定でも当然かぶるわけでございます。あるいはこのお答えと違う御趣旨の御質問であったかと思いますが、お答えいたします。あるいは違いましたら、またお答えいたします。

曾禰益民主社会党

○曾祢益君 そのとおりなんですが、だから、そこが現実に国産保護をする程度である場合には、国産保護をやってもいい。しかし、それが足場になってそんなことは国産と輸出は分けられないと思う。輸出奨励金なんかむろんいかぬと思う。事実上そういうふうに、たとえば日本の自動車産業に日本の自由化対策という見地から補助金を出した、それがはね返って結局輸出の奨励にもなるわけです。防衛的な意味だったら十八条の六号でお互いにかまわないのだ、イギリスも実際シップ・ビルディングなんかでやっているじゃないか、そういう問題があると思うのです。実際上の助成策と、ガットの精神と日英通商航海条約あるいは日米通商航海条約との関連、これを政府はどう見ているか、実際これはポイントだと思う。

中川融外務省条約局長

○政府委員(中川融君) ただいま御指摘のとおりの事態であるわけでございまして、ここは原則論を書いておるわけでございまして、具体的の個々の補助金がはたしてこれで許される限度であるとか、あるいはそのガットの規定に基づきまして、その国の輸出を奨励するような性質のものに当てはまるかどうかということは、個々の場合にやはり判定しなければならないと思うわけでございます。具体的にこの条項が規定されました経緯から申しますと、イギリスが自国の農産品に対して与えております補助金制度でございます。これについてやはりイギリスとしては非常な関心を持っておりますので、これをやはり原則的にここで留保をしていきたいということが主たる原因になってこの規定になっておるわけでございます。

曾禰益民主社会党

○曾祢益君 これで終わりますが、だからそういうイギリス側の主たる国産農産品保護がEECでも問題になった原因であったにせよ、この条項を置けばいろいろ両方ともこれでいいかけ引きができるんじゃないかと思うのです。そこら辺のことはあまり追及せぬほうがいいかもしれぬが、国産品保護という程度ならいい、しかし輸出奨励金的になっちゃいかぬと、そういうふうに伺って、その辺でやめておきます。

野坂參三日本共産党

○野坂参三君 私一点だけについてお聞きしたいと思うのですけれども、これはもうすでに森君の質問の中でも触れられたわけですけれども、今度この条約全体を見たところで、一番重要な問題だと思うのです。先ほど外相は、これは大体及第点と申されましたけれども、この問題も、つまり自主規制の問題ですけれども、私は及第点どころか全体をやはり落第点に落とす一つの条項だと思うのです、この自主規制は、たとえば先ほど配付されたのを見ましても、センシティヴ・アイテムの問題、双務的な問題、この自主規制になりますと条約上に明文化されて、そして日米通商条約にもない日本に法的な義務を負わせる。こういう条項だと思います。自主規制といえば、これは自主的なものであるべきで、実質上、読みますと、自主でも何でもない。こういう例はほかにありますかどうか、この点まずお聞きしたいと思います。

中山賀博外務省経済局長

○政府委員(中山賀博君) 自主規制の前例は、たとえば昨年、つまり一九六二年の日米綿製品協定は双務的なもので、これは条約の形になっておりますが、それがもう過去においてわれわれは数年間自主規制をしております。つまり昨年より前のほうは全部あれは綿製品に対するものは自主規制でございます。それからヨーロッパの国に対しても、品物によって自主規制いたしております。

野坂參三日本共産党

○野坂参三君 私のおそれるのは、この条項、ここにあります交換公文、これがあることが今後の日本と他の諸国、特にヨーロッパの諸国との通商条約を結ぶ上で、たとえば今問題になったイタリアとかフランスとか、こういうところに、もうすでにイギリスと日本との間にこういうちゃんと交換公文がある、実績があるということをたてにして、同じようなことをやはり主張されるし、またこれを拒否することは日本としてはできないようなものです。そういう点はどうでしょうか。

中山賀博外務省経済局長

○政府委員(中山賀博君) まあイギリスに対して最恵国待遇を与えることを拒否し、したがって無差別な待遇を要求したわけですけれども、一挙にそこまではいかない。他方、われわれにもまあ八九%の自由化はいたしましたけれども、現に二百五十余の非自由化品をかかえておる。そういうベースで交渉いたしましたときに、まあ向こうは、ネガ品目はこれだけ、それから自由化品目はこれだけとなって、結局話はついたわけでございますが、私はもしあれを自由化しなかったら、結局イギリスとしてはネガに入れてくれということに言ってきたと思うわけでございます。そこで、最初に六十有余の自主規制の品目になった。そこで私はネガに入れられた場合と、それから自主規制になった場合は、どっちが得かということを考えてみますと、将来のやりようといたしましては、もちろん自主規制のほうが有利でございます。ということは、輸出規制ということになりますと、輸出者は通産省からライセンスをもらってこれを使うわけでございます。輸入規制ということになりますと、イギリスのたとえばボード・オブ・トレードから出すライセンスを使って輸入をするわけでございます。そうすると、このライセンスを持っておれば何でも商売は強いわけで、おれは役所からこれだけのライセンスをもらっている、だからお前のところから買うということで、商売の主導権がライセンスを持っている者につかまれるわけでございます。そういうことからいいますと、むしろネガ・リストよりもこの自主規制ということになったほうが、われわれとしては商業上の実務からいえばそのほうが有利だと、こういうように考えております。

野坂參三日本共産党

○野坂参三君 つまり私の言っていることは、商売上の得失とか、あるいは事務上どうとかいう問題ではなくて、もっと深い原則上の問題じゃないかと思うのです。こういうみずからをしばるような条項をここに作り上げて、イギリスに対しては何らのこちらのこういうことを提案もしていないと、全く一方的に受け入れているというところに問題があり、これが例になれば、たとえばイタリア、フランスのほうから、イギリスにこういう例があるから、おれのところにはこうだと、こういうことを主張されても私は拒否することはできないと思うんです。だから、これ自体が日本をみずから好んで縛ったということとしかとれないと思うんですが、この点どうでしょうか。商売上の得失の問題じゃないと思うんですが。

中山賀博外務省経済局長

○政府委員(中山賀博君) まあ単に商業上の利害だけではない問題でございますが、同時に、体裁におきましても、まあ交換公文にいたしまして、条約上の義務と、それからいわゆる行政上の権限内の自主的な措置との間の自主的な一つの宣言というようなものの中間を行っておりまして、この広い利害較量、それからまた将来に対するイギリスの市場の確保、それ等から見て、また交渉としてはこの辺が限度であり、またむしろここまでよく行ったというふうな感じもいたしておるわけでございます。

野坂參三日本共産党

○野坂参三君 ちょっとこれを見ますと、非常に政府が交渉を妥結さすために急いで、またあせって作ったと、ここまで譲歩してともかく早く作り上げるということが主で、その背景はどうか。どこに目的があったかといえば、先ほども論議されたような、EECにイギリスが加盟すると、これにまた日本が、この条約をまず作っておけば、乗っかっていくことができると、先ほど外相は、一年前からこれを準備している、だからEECイギリス加盟の問題とは関連がないように言われましたけれども、あの加盟の問題は、一年ぐらいよりもっと前からあったことなんで、こういうものをあせって、こういうものを特に譲歩したというふうにしかわれわれはとれないと思うのです。だからある人は、屈辱的な条項だとまで言っておりますが、こうなった背景ですね。つまり、EECにイギリスが加盟し、これにまた日本があとで入っていくというような交換条件的な意味でこういうものが作られたのじゃないかというふうにとるのだが、どうでしょう。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 先ほど森さんの御質問に対してお答え申し上げたのは、一年でなくて七年ということを申し上げたので、七年かかってやったわけでございまして、急に取り急いでまとめるべくあせったという性質のものではございません。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 関連して。今の問題は、自主規制をせざるを得ないような客観的な実態が存在しておるかどうか、その問題が一つあるわけですね。それからもう一つは、国際的に日本商品がコスト・ダウンをして正常な形で貿易をやる場合に、これはどこの国からも拒否される理由は全然私はないと思う。ただ問題は、自主規制をやらざるを得ないような客観的な実態が存在しておるものか。だから、その条約の形式上とか、あるいはそれが対等であるとかないとかいうことを別にして、純然たる事実問題としてそういう事実が存在して、やむを得ざる経過措置としてということなのか、その辺が少し明白でない。その点を一つ聞かしていただきたい。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 先ほど申しましたように、日本の輸出商品によりましては、物によっては非常に強い独得の競争力を持っておるというわけで、今までも対英ばかりでなく、各国に輸入制限措置は受けておるわけでございます。輸入制限を受けておった品目のうち、依然として規制品目として残っておるもの、それから、その一部を自主規制に振りかえるもの、それから自由化するものという振り分けをやったわけでございます。したがって、今度の条約の締結によりまして、初めて自主規制せざるを得なくなったわけではないのでございまして、前々からあるものを、先ほど私申しましたように整理いたしまして、できるだけしぼってそれで規制品目と自主規制品目に若干行かざるを得なかったということになっておるわけでございます。

石田次男公明会

○石田次男君 この条約に関係して。イギリスのEEC加盟は、御承知のとおり、失敗したわけです。それは結果論でありますが、それまでの日本政府の判断として、イギリスのEEC加盟が成功すると見通していらしたか、失敗すると見通していらしたか、その辺どちらですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私どもはEEC加盟を希望いたしますし、また、おそらくそういった方向に行くだろうというように当時予想いたしておりました。

石田次男公明会

○石田次男君 簡単にお伺いしたいのでありますが、今のお答えですと、結局成功するだろうと思っていらしたわけですね。それが失敗したわけです。で加盟が成功するだろうと、そういうふうに判断していらした材料ですね、結局情報源はどの辺にあったのか。つまりジュネーブの青木大使あたりの意見でしょうか。それともアメリカあたりとの情報交換をしているので、それやらあるいは青木大使と、それを全部総合してこちらで判断してやったものでしょうか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 石田さんは失敗してしまったというように、もう過去完了に問題を取り上げていらっしゃいますが、私どもそう取り上げていないで、依然としてイギリスの加盟というのはあり得ると思っておりまして、結論はついたと思っておりません。それから私どもがEEC加盟ということでの判断をする場合は、御承知のように、去年は非常にEEC熱が、官民とも高揚して参りまして、多勢の方がヨーロッパをたずね、また、先方からも人が見え、われわれは収集する情報に事欠かんくらい相当にインフォメーションはあったわけでございます。したがって特定のソースからということでなくて、全体的に情報は収集しておったということでございます。

石田次男公明会

○石田次男君 それに関連するわけですが、去年EECに対する専任大使を置いたらどうかということを申し上げたときに、その必要はない、こういうお答えであったわけです。最近移動大使のことを考えておいでのようですが、これはどういうふうに考えていらっしゃるのですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私どもEECメンバー各国と二国間の交渉をやっておりますが、同時に、全体として一つのまとめとしてのEECとの交渉は、今、在伯大使が当たっておりますが、また同時に、OECDの加盟問題も軌道に乗りつつあるわけでございます。現在の段階では、OECD関係は在仏大使が担当いたしておりますが、EEC関係は在白大使が担当して、事欠かなくやっておるわけでございますが、こういった国際協力団体と日本との間の問題が現在の仕組みでこなし得ない段階になれば、ひとつ工夫をしなければならないと思っておるわけでございますが、現在のところ、移動大使——EEC向けに大使を特命してやるという考えはございません。今後の仕事の分量、内容の推移を見まして判断すべきものと思っております。

野坂參三日本共産党

○野坂参三君 締めくくってお聞きしたいが、今質問しましたように、今の英国のEEC加盟、これは大体政府としても楽観的な見通しを持っておられた。これがああいう事態になって、これはやはり外交上の失敗だと思うのですけれども、こういう点を外相としてはお認めになっていますか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 仰せのように、すべて将来について的確に見通してやらなければならぬものでございますけれども、私なども予言者でございませんので、こうあれかしと思っておったことがそのようにならぬ、ままならぬ場合がたいへんあるわけでございます。非常に非力を痛感いたしております。

野坂參三日本共産党

○野坂参三君 もう一つ。たとえば、日韓会談の問題にしましても、外相あるいは池田総理自身も、会談の妥結も間近いというふうな見通しをずっと言われて、何回も言われていたし、また、その見通しでずっと進めてこられたところが、今言ったああいう状態になったのです。ここでも、私は重大な外交上の失敗があるというふうにこれはだれも認めていると思うのですけれども、この点、外相はどういうふうにお考えになっていますか。もっとも、私はここで不信任案を出そうなどと考えておりませんが。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) なかなか的確に将来を予想するということはむずかしいことでございまして、そういう意味で無力を感じておるわけでございます。各方面から辞職を勧告されておりますが、(笑声)大臣を辞職する瞬間まで最善を尽したいと思います。

野坂參三日本共産党

○野坂参三君 私、共産党とかどうとかいう立場を離れて、私はやはり日本の外交問題について、この際深刻にお互いに考えなければならぬ問題を軽視しているのじゃないかと思うのです。今回のEEC問題も、日韓会談その他、あげればたくさんあると思うのです、外交の問題で。これはどこから政府のああした失敗が出てくるか、情報源の問題じゃなくて、もっと根本的な私は問題がありゃしないかと思うのです。こういう点、私は政府側としても、客観的にまた真剣にこの問題を検討してもらわないと、第二、第三の失敗がまた起こってきやしないか、迷惑をこうむるのは日本国民だと思うのです。こういうことだけ申し上げて終わります。

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) ほかに御質疑もなければ、本件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) 御異議ないと認めます。  これより、討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 社会党の立場で、次の希望条件を付して本条約に賛成をいたします。  日本が貿易の拡大に迫られていることは当然でありますし、特にこの数年来、膨大な設備投資の結果、供給圧力が増加して、対外貿易をさらに一そう拡大しなければならぬ日本としては、それがアメリカであれ、対共産圏であれ、西欧であれ、ラテン・アメリカであれ、AA諸国であれ、その国のいかんを問わず、貿易を拡大しなければならない必要に当面しておることは言うまでもありません。そういう意味で、イギリスとの貿易の拡大のために当面この条約が制定されることは、基本的にはもちろん異議もないし、また賛成するところであります。ただ、問題は、そうではあるけれども、この種の貿易の基本条約において、たとえばそれが交換公文においてであるにしても、自主規制という異例の規定を設けたということは、今まであまり前例のないことだろうと思います。そういう客観的な事実が存在しているとすれば、これはある程度やむを得ざる事情と思いますけれども、しかし同時に、そういう条件をすみやかに解消するような国内的な条件を確立するとともに、また他方、それが正当なものである限り、わが国に対する一方的な処置とならないような対等の条件の早急な確立を要請されておると思います。したがって、貿易の発展という意味では、本条約にはもちろん異存もないし、賛成でありますが、この種の異例の処置は、従来の前例にないのみでなく、きわめて一方的な感じを国民大衆にも与えますし、また、これは今後の条約あるいは協定の先例にもなりかねないので、このような条件をすみやかに解消し得る努力を、今後とも一そう払うべきであろうことを要望いたします。  以上の若干の要望を付して、社会党としては本案に賛成をいたします。   —————————————

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) ただいま委員の異動がございました。委員重政庸徳君が辞任され、沢田一精君が選任されました。   —————————————

曾禰益民主社会党

○曾祢益君 私は、この条約に対しまして賛成の討論を行ないたいと思います。明日は——今晩ですか、イギリスの外務大臣が日本に来る。これは何でもないようですけれども、日本から総理がしばしば戦後イギリスをたずね、あるいは外務大臣がたずねても、イギリスから総理はおろか、外務大臣が日本に来るということもいまだかつてなかったのではないかと思う。それは直接には、日英通商航海条約が調印され、できるならば、その批准を促進するという意味で来るのだと思う。これは考えてみると、相当画期的な事件であり、時たまたまわれわれが本院においてこの条約の審議に当たっておるわけでありまするが、隔世の感なきを得ない。かつてイギリスは、日本はチープレーバーの国である、ソーシャル・ダンピングの国である、これは残念ながら戦前はまさにそのとおりであった。戦後におきましても、日本のある外務大臣がイギリスに行ったときに、テレビに出演して、いきなり、日本が模造品、これを作っている、どうじゃとやられて大いに恥をかいたというように、イギリスがまだまだ日本に対しては非常に警戒的な制限貿易措置をとってきたことは御承知のとおりであります。これを撤廃させて、ガット三十五条の援用をやめさして、いわゆるガットの場において日英のほんとうの自由な通商関係を打ち立て、もってイギリスばかりでなく、ベネルックス、フランスあるいは英連邦の中におけるガット二十五条援用国に対する一つの足がかり、これの撤廃の足がかりを作るという意味において、私どもはこの条約に注目し、あとに申し上げるように、また同僚羽生委員がいろいろ申されておるような難点もありまするけれども、大局的な見地から、この条約に、一つのいい方向として、第一のステップとして賛成するものであります。しかし、われわれの審議の中にも明らかであったように、なるほど三十五条撤廃はできた。原則として最恵国待遇、場合によっては内国民待遇を相互に約束する形になった。しかし、その代償として、ただ単にバイラテラルな形であるいわゆるセーフガード条項とか、緊急事態に対応する留保条項があることはまだしも、現実には今日までのいわゆるネガティヴ・リスト、対日差別品目の百八十品目が、その半分近くが何らかの形で事実上差別待遇をそのまま認めなければならない。その形が、一部では残存輸入制限品目、センシティヴ・アイテムという形が残り、いま一つは、自主規制という、しかもそれが覚書交換で本条約ではない。形においては国際条約ではないという形をとりながら、現実には、この審議を通じて政府当局も認めたように、現実にはっきりした国際約束の形をとっておる、野坂委員も指摘されたとおり。これははなはだ残念なことであり、まあ少し極端な言い方をすれば、確かに名は取ったけれども実はどこまで取ったか。実を捨てたと言っては語弊であるにしろ、決して安易に楽観的に手放しで歓迎されるような内容ではないと思う。事態はそのようにシビアなものである。われわれは、外務当局が非常に苦心をしてここまで来たことを了とするけれども、しかし、こんなものは——まあこんなものと言うのは言い過ぎかもしれないけれども、この内容で、外務大臣が手放しで名実ともに取ったなんという、そういう不謹慎な態度でこの条約を迎えることは、私ははなはだよろしくない。そこで、そういう問題、内容であることを十分に承知の上で、ぜひ政府にこの際希望を強く申し上げたいのは、第一には、この条約の内容であるセーフガード条項あるいはセンシティヴ・アイテム並びにこのいわゆる自主規制というものについて、こういうものをすみやかに条約の期限内においてもなくすような真剣な努力をされることが、これは私は第一の希望である。同時に、この条約ばかりでなく、今、日本がこれを契機として、一方においては諸外国に日本品に対する差別待遇の撤廃を要求すると同時に、日本みずからが、自由化、ガットの精神に近い残存自由化をどうしていくかという大きな問題が起こってくる。それらの問題に対する対外通商政策としての確立した方針もまだ聞いていない。対内政策として毛、一体政府が何を考えておるかというと、まことに私ども不安でならない。ただ単に特定な産業を独禁法からはずして、これを自由化に備える。これは私は全然それを不必要であると言うのではございません。ややもすれば独禁法の穴抜けをねらうようなことになってはならないし、それが国の戦略的な産業、たとえば特殊鋼なり自動車なんかにどういう程度のことをやるのが妥当であるかというようなことについて、十分な考慮がめぐらされていない。いわんや、日本のひよわい中小企業なり、あるいは輸出産業の一つの基盤である中小企業なり、日本のもう一つのひよわい産業である農業がどうして自由化に対して守られていくのか、それらの問題について、いわゆるガットの場においてでけっこうであるけれども、あるいはバイラテラルな条約で、ほんとうに広い意味でセーフガードの条項を一体どういうふうにしていくか、対外対策の基本方針というものをわれわれは一つも示されていない。そういうことでは非常に私は心もとない。それから対内政策としても、今申し上げたように、単に大きな産業、この産業を保護しなければならないことはわかっても、その保護にのみ走らずに、中小企業なり農業に対する基本的な体質改善で自由化に向かえるような基本的政策がない。  それから第三に、一番基本的な問題は、まだまだ日本が、ヒューム外相が来て大いに外交辞令でいろいろはなやかな面もあるでしょう。それからさらには、去年の九月にエコノミストが・日本をもう一ぺん見直そうじゃないか——コンシダー・シャパンという特集版みたいなものを出して、日本の経済に対する見方を変えてくれ、これは決して池田内閣の所得倍増計画の成功ではなくて、日本の勤労者の団結や、日本のそういう努力の結果、いわゆる近代的な工業国の段階に近づいたということに対する認識だと思う。だが同時に、日本のまだ賃金水準は低い。したがって、ほんとうにイギリスとの間にこういういろいろな差別的な残存するセーフガードその他を撤廃しようと思うなら、やはり日本がこれだけの世界に経済成長率を誇っておる反面において、日本のまだ賃金が低い。そういう問題を直して、いやしくもそういった差別待遇の一切の口実を与えないようにするという基本的政策というものが私は確立されなければいかぬ。  以上、私どもの基本的な考え並びにそれに基づく希望を付しまして、本案に対する賛成の討論を終わります。

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) 別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  「日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の通商、居住及び航海条約及び関連議定書の締結について承認を求めるの件」を問題に供します。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) 賛成者多数でございます。よって本件は、多数をもって、承認すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   —————————————

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) 次に、「関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのアメリカ合衆国との交渉の結果に関する諸文書の締結について承認を求めるの件」、「千九百六十年の海上における人命の安全のための国際条約の締結について承認を求めるの件」を再び議題といたします。  質疑を続行いたします。——ほかに御質疑もなければ、両件に対する質疑を終局することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) 御異議ないと認めます。  これより、討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  まず、「関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのアメリカ合衆国等との交渉の結果に関する諸文書の締結について承認を求めるの件」を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) 賛成者多数でございます。よって本件は、多数をもって、承認すべきものと決定いたしました。  次に、「千九百六十年の海上における人命の安全のための国際条約の締結について承認を求めるの件」を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) 全会一致でございます。よって本件は、全会一致をもって、承認すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上清一自由民主党

○理事(井上清一君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後一時十二分散会    ————・————

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