外務委員会 第8号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1963/02/26
会議録
○委員長(岡崎真一君) これより外務委員会を開会いたします。 本日は、まず提案理由の説明を聴取したいと思います。日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の通商、居住及び航海条約及び関連議定書の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とオーストラリア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とニュージランドとの間の条約の締結について承認を求めるの件、国際労働機関憲章の改正に関する文書の締結について承認を求めるの件、在外公館の名称及び位置を定める法律及び在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、以上六件を一括して議題といたします。 提案理由の御説明を願います。飯塚外務政務次官。
○政府委員(飯塚定輔君) ただいま議題となりました、日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の通商、居住及び航海条約及び関連議定書の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 日英両国間の戦後の貿易関係は、最恵国待遇の保障がないまま毎年更新される貿易取りきめによっていましたが、政府は、両国間にガット関係を設定し、最恵国待遇を相互に保障することの重要性にかんがみ、英国によるガット第三十五条の対日援用の撤回を実現することを眼目として、両国間に新たな通商航海条約を締結するための交渉を昭和三十一年以来行なって参りました。この交渉は、当初貿易条項の取り扱いについて難航を続けましたが、わが国が対英貿易の障害除去のために払った努力が漸次効果を上げ、また、わが国の経済の成長の結果、わが国が輸出市場として再評価されるに至ったという情勢の発展により、英側より、ガット第三十五条の援用を撤回し、最恵国待遇を原則として与える用意がある旨を表明するに至りました。自来その他の条項についての交渉も進捗して、昨年池田内閣総理大臣の訪英の際両国間に最終的に意見の一致を見て、十一月十四日ロンドンにおいて、本条約及びこれと不可分の一体をなす署名議定書並びに貿易関係に関する第一議定書及び第二議定書が署名調印されるに至った次第であります。 この条約は、国民の出入国、国民及び会社の事業活動、産品の輸出入等については最恵国待遇を原則とし、身体、財産の保護、租税、海運等の事項については原則として内国民及び最恵国待遇を保障することを骨子としており、通常二国間の通商航海条約で規定される条項と基本的には同様の内容が詳細に規定されております。 次に、貿易関係に関する第一議定書は、いわゆる輸入品のはんらんの場合に輸入国が輸出国と協議してとることができる対応措置を定めたもので、一般にセーフガードと称されております。 第二議定書は、従来輸入割限を継続してきた若干の品目で条約発効後即時に自由化すれば関係産業が重大な損害を受けるおそれのあるものの過渡期間における輸入制限について規定しております。 この条約の締結と英国による対日ガット第三十五条の援用撤回により、日英両国間の通商関係はますます緊密となり、かつ安定した基礎の上で発展することが期待されます。 よって、ここに本条約及び関連議定書の締結について御承認を求める次第であります。 次に所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とオーストリア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明申し上げます。 本条約締結の交渉は、昭和三十六年四月二十七日より六月十三日までの間ウィーンにおいて二回にわたって行なわれ、両政府代表団の間で、大綱につき実質的合意に達しました。その後引き続き両政府間で折衝を行なった結果最終的合意に達し、同年十二月二十日ウィーンにおいて在オーストラリア内田大使とオーストリア側全権大使との間で署名調印いたした次第であります。 本条約は、二十五カ条からなり、わが国が従来締結したアメリカ、スウェーデン、デンマーク、ノールウェー、シンガポールとの間の諸条約とほぼ同様の内容のものでありまして、特許使用料及び利子に対する課税率を一〇%を限度とし、また、教授、留学生、短期旅行者等に対する広い範囲の免税措置について規定しております。これらの規定を通じて日本・オーストリア両国間の経済、学術、文化の面にわたる交流が一そう促進されるものと期待いたしております。 オーストリア側においては、昨年三月批准を了しております。 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明申し上げます。 わが国と連合王国との間の所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための条約締結交渉は、通商航海条約の締結交渉と並行して昭和三十一年以来行なわれてきたところ、昨年九月最終的合意に達したので、同月四日東京において大平外務大臣とモーランド駐日英国大使との間でこの条約に署名を行なったものであります。 この条約は、二十四カ条からなり、わが国が従来各国と締結している租税条約とほぼ同様の内容のものでありまして、OECD財政委員会が欧州諸国相互間のこの種条約典型として作成した勧告案をも参考としております。この条約の主たる内容は、配当については、日本側は一五%の軽減税率とし、英側は税制が異なるのでわが方の軽減税率に対応して所得税の付加税を免税することとし、特許使用料及び利子については、両国とも一〇%を限度として課税することとし、船舶及び航空機を運用する相手国の企業の利得については、両国とも地方税を含めて免税することとし、さらに、教授、留学生、短期旅行者に対して広い範囲で免税を認めること等を規定しております。日英間には通商航海条約も署名され、両国間の全般的な通商関係が安定した基礎の上に発展するものと期待されているこの際、租税の面から、両国間の経済、技術及び文化の面における交流を一そ促進することとなるこの条約の締結はきわめて重要な意義を有するものと考えます。 連合王国側においては、すでに議会は、この条約の批准について承認を与えております。 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とニュー・ジーランドとの間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 本条約締結の交渉は、昨年七月以来行なわれ、両政府間で折衝を重ねた結果最終的合意に達し、本年一月三十日ウエリントンにおいてわがほう在ニュー・ジーランド原大使とニュー・ジーランド側ホリオーク総理大臣兼外務大臣との間でこの条約に署名を行なったものであります。 この条約は、十九カ条からなり、わが国が従来各国と締結している租税条約とほぼ同様の内容のものでありまして、OECDの租税条約典型をも参考としております。この条約の主たる内容は、配当については相互に一五%の軽減税率とし、航空機を運用する相手国の企業の利得については免税、船舶を運用する相手国の企業の利得については五〇%免税とし、特定の移動する業務については、これを恒久的施設とみなし、さらに、教授、留学生、短期旅行者に対して広い範囲で免税を認めることとしたこと等であります。この条約を通じて日本・ニュー・ジーランド両国間の経済、学術、文化の面にわたる交流が一そう促進されるものと考えられます。 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。 次に、国際労働機関労働機関憲章の改正に関する文書の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 一九六二年六月二十二日、国際労働機関いわゆるILO第四十六回総会本会議は、機関憲章の一部を改正し、機関理事会の構成員の増加等を規定する同憲章の改正文書を採択いたしました。 この改正は、国際労働機関理事会構成員の数を現行の政府代表理事二十名、使用者代表理事及び労働者代表理事おのおの十名を、それぞれ政府代表理事二十四名、使用者代表理事及び労働者代表理事おのおの十二名に増加し、これに基づいて政府代表理事のうち非常任理事国の任命する理事の数を現行の十名から十四名に増加すること、並びに使用者代表理事及び労働者代表理事の選挙について「使用者の代表者二人及び労働者の代表者二人は、ヨーロッパ以外の国に属する者でなければならない。」とする現行規定の削除とを内容とするものであります。 この改正文書は、機関憲章第七条に掲げられているわが国をその一国とする十の主要産業国のうち五カ国を含む全加盟国の三分二の批准または受諾があったときに効力を生ずることになっております。本年一月十八日までに、この改正文書を批准または受諾した加盟国の数は二十三であり、この中にはカナダ、インド、ソ連の三つの主要産業国を含んでおります。 国際労働事務局は、本年六月の第四十七回機関総会において行なわれる理事改選に先だって、本改正文書が発効することを強く希望しており、わが国といたしましても、この改正文書の内容は妥当と認められますので、これを受諾いたしたいと考えるものであります。 よって、この文書の締結について御承認を求める次第であります。 最後に、在外公館の名称及び位置を定める法律及び在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。 まず、本法律案第一条におきましては、大使館の新設六館、公使館より大使館への昇格三館、総領事館の新設二館、領事館より総領事館への昇格二館を規定しております。 大使館の新設につきましては、アルジェリアに実館を設置するほか、ジャマイカ、トリニダッド・トバゴ、ウガンダ、ルワンダ及びブルンディの五ヵ国にそれぞれ兼館を設置し 近隣の大使をして兼轄せしめることといたしております。 アルジェリアは、昭和三十七年七月三日フランスより独立いたしましたが、将来北アフリカ諸国の中で指導的地位を占めるに至るものと考えられ、したがって、わが国が同国に大使館を設置することが望ましく、その実現は、わが国と同国との貿易その他関係の緊密化に資するところ大であると期待される次第であります。 また、カリブ海にありますジャマイカ及びトリニダッド・トバゴ、アフリカにありますウガンダ、ルワンダ及びブルンディは、いずれも最近独立した国でありますが、わが国といたしましては、すべての独立国の間に、友好関係を樹立するという基本的方針に基づき、これら各国に兼館として大使館を設置することといたしたいのであります。 次に、公使館より大使館に昇格いたしますものは、在グァテマラ、在アイルランド及び在イスラエルの各公使館でありますが、このうちグァテマラについては、兼館のまま大使館への昇格を予定しております。これら諸国につきましては、他国との均衡を考慮し、かつ、これら諸国との外交関係をより一層密接ならしむるために、公使館を大使館に昇格することといたしたいのであります。 次に、総領事館につきましては、台北に兼館として総領事館を設置し、領事事務を処理せしめることとし、また、イタリアのミラノに実館を新設することといたしております。ミラノは、同国の国際経済の中心地であり、わが国の対伊商業活動の中心地でもありますので、同地に総領事館を設置いたしますことは、今後ますます活発化を予想される商業活動の保護、経済事情の的確な把握等に資するところが大きいと考えるのであります。 なお、ヴァンクーヴァ及びメルボルンの各領事館につきましては、その重要性にかんがみ、今後領事活動の一そう円滑な遂行をはかるため、それぞれ総領事館に昇格させることといたしております。 次に、第二条におきましては、在外公外館の新設、昇格に伴い、これらの在外公館に勤務する外務公務員の在勤俸の額を定めている次第であります。 以上申し述べました在外公館の新設、昇格及びこれらの在外公館に勤務する外務公務員の在勤俸の額を定めるための法的措置といたしまして、本法律案を提出する次第であります。 以上六件につき、何とぞ、慎重御審議の上、御賛成あらんことをお願いいたします。
○委員長(岡崎真一君) 続いて、航空業務に関する日本国とアラブ連合共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び航空業務に関する日本国政府とクウェイト政府との間の協定の締結について、承認を求めるの件、二件を一括議題といたします。前回に引き続きまして、御質疑のある方は、順次御発言を願います。
○森元治郎君 これはこれからもあることだと思うのだが、こういう航空協定なんかの場合の説明は、文書ばかりでなく、地図をかいてもらうとたいへんいいと思うのですが、日本人は割に、僕ら目で見るほうが記憶がいいほうなんですよ。それで、もう少し丁寧に、ぱっと見てわかるように工夫をこらした提案の仕方をしてもらいたい。
○羽生三七君 この機会にちょっと聞いておきたい。これと直接関係はないのですが、前の日本とソビエトとの相互乗り入れの問題ですね。相互乗り入れといっても、東京とモスクワとまでは今行っていないけれども、あの間の事情はその後どうなっているんですか。そのままですか。
○政府委員(今井栄文君) 先般条約局次長からも御説明がありましたとおり、両者の間に、東京モスクワ路線というものがはたして経済的に成り立ち得るものであるかどうか。たとえば飛行場の受け入れ施設であるとか、あるいはまた飛行機のいろいろなグラウンド・サービスの関係であるとか、あるいはまた通信系の利用の方法なり、その施設の具体的な取り扱いなり、それからまた気象条件なり、あるいはまた代替空港というふうな面を調査してみないと、具体的に日本とモスクワとの間に路線が国際路線として十分機能を果し得るかどうかという点がまず問題になるわけでございます。したがって、外務省を通じてソ連大使館とも交渉しておりましたが、最近日本の、特に日本航空の技術的な職員がシベリア線の調査を具体的にやるというところまで話は来ております。おそらく来月適当な時期に日本航空から数名の職員が行きまして、実際の路線の適否についての調査を行なう、こういう段階になっております。
○羽生三七君 その場合は、北海道または新潟とハバロフスクですか、その間のという問題ですか。それと関連してですが。
○政府委員(今井栄文君) 具体的にそういう路線問題というふうなことについてのみ交渉をやりに行くわけでございませんが、そういった問題は、当然政府間相互の今後のそういった調査の結果に基づいての交渉になると思いますが、私どもが現在考えておりますのは、東京——モスクワ間の相互の乗り入れという線で考えております。
○佐藤尚武君 ちょっと今のに関連しますが、ソビエトはハバロフスク以西の日本航空機の乗り入れに同意していない模様でありますが、相互乗り入れというと、したがってハバロフスク——東京間だけのことになりそうに見えるんです。そこにもってきて、今お話のありました日本航空からモスクワに調査団を派遣するということ、そして、それはただいまの御説明では、シベリア各地における航空のために必要な実地調査をするんだというふうに私は伺ったのでありますが、ソビエトははたしてそれに同意をしたのでありましょうか。ということは、ハバロフスク以西は日本の航空機は飛ばない建前だとすれば、どうしてソビエトがシベリアの調査を日本側に承諾したのかがちょっとわかりかねるんですが、御説明願いたい。
○政府委員(今井栄文君) 御質問ごもっともだと思いますが、今現在日本航空が希望し、かつまた私どもが一応の案として考えておりますのは、日本の航空機がシベリアを飛ぶようになるまでは、ハバロフスクとモスクワ間はソ連の飛行機を日本がチャーターして、操縦士はソ連、それからキャビンのクルーは、日本のパーサーなりスチュワーデスが乗るというふうな形で、日本航空がソ連機をチャーターしてやるという案でございます。もちろん、権利として、われわれはあくまでも東京——モスクワ間についての相互乗り入れの権利を得たい。と同時に、ソ連側の特殊な事情もあるならば、ある特定の時期においてはハバロフスク−モスクワ間にソ連機をチャーターして飛ぶこともある程度考えられるというふうな線で考えておるわけでございます。したがって、そういったふうな基本的な考え方に基づいて調査を行なう、こういう考えでございます。
○佐藤尚武君 そしてソビエトが同意をしたわけでございますか、その調査に。
○政府委員(今井栄文君) 先ほども申し上げましたように、そういったふうな交渉は今後の政府間の交渉でございまして、一応とにかく、はたしてモスクワ路線というものが経済的に成り立ち得る国際路線になり得るかどうかというふうな点についての調査をやりませんことには、かりに先ほどのような考え方があったとしても、そういった交渉を具体的にすることが適当かどうかということになるわけでございまして、まず、東京−モスクワ線というものが国際航空路線として十分使用し得るものであるかどうかということの基礎調査が前提になって、その上でいろいろな交渉が今後行なわれる、こういうことになろうかと思います。
○曾祢益君 航空局長に伺いたいのですが、この前同僚の森委員が非常に適切な質問をされておったと思うのですが、それはつまり、国際線の競争が非常に激しいわけですね。ただ、日本の航空は結局日航になるわけですが、どれが日本の航空機の、あるいは航空機サービスの長所であるか。これはよほどその長所を伸ばしていかないといかんと思うのですね。ただ、それが僕ら見ていると、森君が指摘されたと思うのですけれども、少しどうもムードにたより過ぎている。日航が非常にサービスに努めていることは認められるけれども、どうもやはりフジヤマとゲイシャガールというようなムード的な面にたより過ぎているのではないか。これは日本のスチュワーデスが世界で一番美しくて、少なくとも珍しいという面においては、これはわれわれも同感の意を表するにやぶさかでないけれども、はたしてそれだけでいいものであろうか。スチュワーデスのみに限らず、やはり全体の乗組員いわゆるキャビン・クルーに対する、ほんとうの国際的競争にたえるだけの相当厳格なトレーニング、訓練というものをまだしていないのじゃないか、ムードにたより過ぎて。そういう感じがしてならないのですが、これはまあ航空当局のみならず、これはやはり日本の一つの観光産業としても運輸省としては非常に重要な点だと思うし、とにかく、赤字路線ということは国民に対しても申しわけないわけだが、そういう訓練の計画をお持ちであるかどうか、伺いたいのであります。
○政府委員(今井栄文君) 現在各国の航空会社ともに、ほとんど機材的には同じ機種を使っておるような状況でございまして、御指摘のように、その間において特色を発揮して多くの旅客を吸収するということは、これは各キャリアにとっても非常にむずかしい問題だと思います。で、日本航空が今後さらに国際線の競争に一歩先んじて有利な地歩を占めるためには、もちろん、これは御指摘のように、単に日本的なムードというふうなものにたよるということだけではいけないのでございまして、私どもとしてはまあ私どもが一般的に考えますことは、やはり飛行機の安全性を十分に確保すると同時に、その飛行機自体が、でき得る限り定時にやはり離発着するというところで旅客の信用を得るように努めるということではないかと思います。で、それについて、たとえばパン・アメリカンと日本航空との間にどういう違いがあるかというと、まだ日本航空は、大型のジェット機にしましても、現在わずかに七機程度しか保有しておらない。ところが、パン・アメリカンは百数十機持っておるというふうな状況で、かりにある飛行機が飛行場で多少の故障なり、あるいはまたスクワークというふうなことでステイする場合にも、直ちに代替機がすぐ利用できるというふうなことで、パン・アメリカンあたりはやはり定時性というものを売りものにしておるように私どもは伺っております。で、日本航空については、会社の首脳部にしましても、当然そういった点に最大の競争力の源泉があるというふうに考えて、今操縦士の訓練にしましても、それからまた飛行機の整備の関係にしましても、定時性確保ということに最大の重要性を置いて現在運航しておるような状況でございます。遺憾ながら、今申し上げましたように、必ずしも飛行機の数が十分ではございません。予備機というようなものが潤沢にあるわけでございませんので、ときによると、まあビーレイトするというようなことがあり得るわけでございます。
○曾祢益君 航空業務なんですから、それは安全性とやはり正確なことですね、定時性というか、これはもうむろんサービスの基本にならなければならぬことは当然なんです。私の申し上げたのは、それはもう前提として、それから先のサービスというか、これに関連して、その先のサービスが要するにムードだけではいかぬということです。言いかえれば、たとえば昔日本郵船というものが世界で非常に、船は一流でなくとも、サービスは世界で一番売っておった。それはやはりスチュワードなり、パーサーなり、のみならず船長−キャプテンまでこれは非常にお客さんにサービスするものなんですね。その上に食事についても、これは世界一流の食事を食べさせるというのがNYKのサービスだということになっておる。それほどみんな苦労して勉強し、売り込んだ。ただスチュワーデスとキャビンの日本的なデコレーションだけでというわけじゃないだろうけれども、まだそういう安易なところがあるのではないか。これは一朝一夕にしてできることじゃないのです。第一そういう意味の着想もないのではないかという感じがしてならない。そんなことでは、やはり今後旅客の取り合いは、豪華船で世界一周するなら別だけれども、普通の旅客の取り合いは航空機で取り合う。で、それに対する真剣なる研さんと努力が私は足りてないじゃないか。そういう意味で申し上げたので、あまりこれ以上申し上げると、外務委員会の議論からはずれるかもしれませんけれども、そういう着想も加えて、そしてサービス全般を上げるようにやっていただきたいと希望しておきます。
○杉原荒太君 私おくれてきましたので、すでに政府側の答弁で明らかになっておれば、もうそれでいいのですけれども、先ほどの、シベリアに調査員を派遣する、こちらはそういうつもりでおるが、ソ連側がそれを同意するかどうかの点はどうなんです。はっきりしておいて下さい、もし答弁なければ。
○政府委員(今井栄文君) その点については、そういうふうな、かりに日ソ間で航空交渉をやるにしましても、基礎的な調査というものは……
○杉原荒太君 それはいいから、結論だけ簡単に。ソ連が同意しておるかどうか、それだけ一つ。
○政府委員(今井栄文君) こちらから申し入れをして、向こうの返事を待っておるという状況でございます。
○委員長(岡崎真一君) 他に御質疑がなければ、両件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないと認めます。 それでは、これから討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、——討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 航空業務に関する日本国とアラブ連合共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、及び航空業務に関する日本国政府とクウェイト政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を一括問題に供します。両件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岡崎真一君) 全会一致でございます。よって両件は、全会一致をもって、承認をすべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により これを委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。 —————————————
○委員長(岡崎真一君) 続いて、国際連合の特権及び免除に関する条約の締結について承認を求めるの件、専門機関の特権及び免除に関する条約の締結について承認を求めるの件、国際原子力機関の特権及び免除に関する協定の締結について承認を求めるの件、国際地震工学研修所を設立するための国際連合特別基金の援助に関する日本国政府と特別基金との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上の四件を一括議題といたします。 きょうは、前会に引き続き、御質問のある方は順次御質問を願います。
○杉原荒太君 この国際連合の特権及び免除に関する条約の第二条第二項の意味が私にははっきりしないのでございますが、これを説明して下さい。
○説明員(須之部量三君) 第二項でございますが、国際連合並びに、所在地及び……。
○杉原荒太君 私のはっきりしないと言っているそのポイントは、第二項によると、これこれについては「訴訟手続の免除を享有する。」という原則がある。訴訟手続の免除ということ、大体これはどういうことですか。
○説明員(須之部量三君) それは、私ども了解いたしておりますのは、訴訟を免除されるというふうに了解しております。
○杉原荒太君 それは第一項で国際連合の訴えを提起する能力をきめておりますね。これはたとえばいわゆる民事訴訟の場合でいうならば、ここにいう能力というのは、当事者能力でしょう。どっちですか、当事者能力、訴訟能力両方含まっているのですか。
○説明員(須之部量三君) 両方含まれておると思います。
○杉原荒太君 両方含まれている。そうすると、第二項で、たとえば具体的なことを言ったほうがはっきりするから言うが、民事訴訟法で、たとえば国際連合が、借りている家屋なら家屋の問題について一つの民事訴訟を起こす。まず、民事訴訟の国際連合のほうの被告の場合をかりに考える。そうすると、ここの一体訴訟の手続の免除というのは、どういうことを意味するのですか。
○説明員(須之部量三君) たとえば建物の貸し主のほうから積極的に国連に対して訴えることができないという意味だと思います。つまり、第一項で国連のほうから積極的に訴えを提起することはできるけれども、被告として訴えられることを明示的に放棄した場合は免除されるという趣旨かと思います。
○杉原荒太君 何だか私には理解できないのですが、国ですら民事訴訟の主体にはなるのだし、応訴もするし、自分のほうから訴えも提起する。どうしてそこまでやらぬのか。そういう意味があるとするならば、その立法の趣旨そのものが非常に私には理解しがたいのですが。
○説明員(須之部量三君) 私はたとえば外交特権の大使館の建物と考えました場合に、大使館側のほうから原告として提起する場合はともかく、大使館のほうを被告として訴えることはできないという原則に類似しているんじゃないかと思います。
○杉原荒太君 それなら、もう一つ私の質問したいのは、ここに原則を規定して、ただしかし、国際連合のほうからその免除、一種の特権、それを放棄することができるということが第一段にうたってある。あとのほうでは、執行の免除のほうでは、執行の措置には及ばないとか、そうすることは放棄できないということですね、つまり。
○説明員(須之部量三君) 実はこの点の解釈につきまして、今までの先例等にはないらしいのでございますが、当時の、作られたときのたとえば学説と申しますか、書物を参考にいたしてみますと、もし訴訟手続を明示的に放棄した場合、その結果についてどうしても執行の措置が及ぶときには、その点についても免除を放棄するのが当然に期待されるのであろうという解説は出ているのは事実でございます。ただ、この文章を見た場合、もっと端的に考えてみますと、たとえば訴訟手続が行なわれているけれども、その中途において仮処分等の執行の措置ができない。あるいは判決が下りまして、執行する前に、他の方法で国連はその債務を履行して解決することはあり得ると思いますが、国連がその債務を履行するためにどうするかと考えているときに、直ちに執行するというような措置はとらないということを規定してある趣旨だと思いますが、執行の措置が明示的に放棄できるかできないかという点につきましては、先例もございませんが、今申しましたような当時の解説書によりますと、放棄することが期待されるであろうというような解説書はございます。
○杉原荒太君 後段は、放棄しちゃいかぬという趣旨になるのですか。
○説明員(須之部量三君) 今申し上げましたとおり、当時の解説書で、一つの学説と思いますが、その説によりますと、これは執行については免除放棄できないという意味ではなくて、むしろ訴訟手続を放棄した場合には、執行の免除の放棄もするのが期待される性格のものであるという説明は加えられております。
○杉原荒太君 私も、それは本来は筋合いはそういうものだろうと思うけれども、しかし、ここの書き方はそういうふうになっていないから、僕は質問しているんです。
○説明員(須之部量三君) したがいまして、この「執行の措置には及ばない」という趣旨は、建前としては今のようになるのだけれども、たとえば訴訟が行なわれている間の仮処分と申しますか、何かそのような執行措置がとられるような場合、あるいは判決がございまして、その判決に従って国連が執行を必要としないような措置で何かの債務を履行するというようなことがむしろあり得ると思いますので、裁判の手続の免除の放棄をしたからといって、直ちにその対象になっている財産、資産について執行できるものというふうにはならない、こういう意味を一応書いたものというふうに了解しているわけでございます。
○杉原荒太君 それではもう一つ、これは技術的には、国内法の上から見るというと、一つの訴訟法的な規定なんだから、これはなにですか、日本の場合で言うと、この条約それ自体が日本の国内法的な効力を持つ。それがこの条約の趣旨に従って別個に国内法の改正とか、それはしない。これ自体が即国内法の効力を持つんだ、そういうふうに受け取っていいんですか、どうなんですか。
○説明員(須之部量三君) もちろん、この条約を作りまして、もし非常に国内で関係者が多い場合には、国内法の改正ということも必要かと思いますが、国連でわが国で持っておる財産は非常に少のうございます。今の考え方は、この条約そのものから読んで、訴訟手続の特例にするということで、国内法の改正は考えていないというように了解しております。
○羽生三七君 この特権及び免除に関する条約には、アメリカは入っておりませんね。
○説明員(須之部量三君) 米国は、実は本部協定と申しますか、国連の事務局がアメリカにございますので、国連との間に、この特権をすべて包含いたしました、もっと広いものでございますが 本部協定を結んでおりますので、この条約には米国は入っておりません。
○羽生三七君 入る必要がないということですか。
○説明員(須之部量三君) そのように考えております。
○羽生三七君 それは条約上ですか。何か国際法上の関係で……。アメリカ自身の都合ですか。
○説明員(須之部量三君) 本部協定でも現に特権を全部認めることになっておりますので、むしろ入る必要がない、実益がないということだろうと考えます。
○羽生三七君 今、杉原さんからお話しのあったことに関連するのですが、国内法を当面は改正する必要がないということですが、国内法というのは、たとえば国内法に関連させる場合には、どういうことですか。日本の現実の法律でいえば、どういうものに該当するのですか。
○説明員(須之部量三君) 私も、今確実なあれは申し上げられませんが、おそらく民事訴訟法関係の一連の法規であろうと考えます。
○羽生三七君 もう一つ、日本の関係職員の該当する数というのは、どのくらいでありますか。
○説明員(須之部量三君) 国連のほうに入っておる日本人という御趣旨だと思いますが、大体国連関係で二十五名ぐらいがこの国連のほうの職員には日本人で入っております。大部分はニューヨークにおります。
○杉原荒太君 次の、専門機関のやつは議題になっておるのですか。
○委員長(岡崎真一君) 議題になっておりますから、どうぞ。
○杉原荒太君 一点質問しておきますが、専門機関のほうと国際連合のほうと、条約を比較対照してみますと、代表者の特権のところで、国際連合のほうには、代表者なるものの中身は、随員なども含むように規定してあるね。ところが、専門機関の条約のほうでは、全然そういうような規定はないね。区別の理由はどこにある。
○説明員(須之部量三君) 専門機関のほうは、第一条第一項の(V)でございますが、ここに定義がございまして、「代表団のすべての代表者、代表代理、」云々ということになっておるわけでございます。
○杉原荒太君 もう一つ、特権の範囲について、両者を比べてみると、差があるね。(g)項というのは、これは一方にはあって、他方には抜けている。この区別の理由は。
○説明員(須之部量三君) 御存じのとおり、専門機関は国連の中で例の経済社会理事会関係の仕事をやっておるものでございまして、国連そのものに対する加盟国の代表者という政治的な性格に比べますれば、何といいましても、技術的な性格がより強いように考えられますので、おそらく国連のほうの代表者については、外交特権に、より一歩近づけたという趣旨で(g)項が入っておるものと考えられます。
○委員長(岡崎真一君) 本日は、この程度にいたしまして散会いたします。 午前十一時二十分散会 ————・————