科学技術振興対策特別委員会 第9号
- 発言数
- 95 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/05/29
会議録
○委員長(田上松衞君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。 まず委員の異動について報告いたします。本日、光村甚助君及び牛田寛君が辞任せられ、その補欠として阿部竹松君及び浅井亨君が指名されました。 —————————————
○委員長(田上松衞君) それでは、日本原子力船開発事業団法案について、前回に引き続いて質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○阿部竹松君 お尋ねする前に、近藤長官並びに政府委員の方、説明員の方に、私は当該の本委員でございませんので、お説明も承っておりませんし、したがいまして、内容も十分熟知しておりませんので、法案と直接関係のない点に触れてお尋ねするかもしれません。そういうときには御指摘願ってけっこうでございます。三日ほど前に商工委員会から法案並びに説明書等をいただきまして勉強さしていただいたのと、衆考両院の科学技術振興対策特別委員会の会議録を読ましていただいたので、なるべく重複しないようにお尋ねするつもりです。 ただ、質問する前に、いろいろと理解できない点が出てくるわけですが、その二、三点についてまずお尋ねするわけですが、これは衆議院で内田さんという政府委員の方がこの出資について説明をしておるわけですが、この出資の見通しについて、こういう御答弁をなさっております。「長期の見通しにおきましては、常に政府出資の半額を民間から調達するという考えは全くございませんで、おそらく大体総額の四分の一程度」——四分の一程度というから、つまり一〇〇%の場合二五%程度ということですが、「すなわち出資額の三分の一程度を民間から協力出資を求める、」と、こういうことを答弁しているのですが、民間から三分の一というと三三%、どちらがほんとうかということ。これはその次に問題になっておりませんが、この点はきわめて矛盾しているのですがね、こういう点はどうかということ。それから島村さんという政府委員の方がいろいろ答弁をなさっているようですがね、これは田中委員の質問に対してきわめて自信のない答弁をなさっておる。ですから自信がなくていろいろしておるわけですが、ここにおられるかどうかわかりませんけれども、そういう御答弁をなさっておるのと、それから人事問題等についても大臣とか、あるいは政務次官からでなく、一政府委員の方が、人事はどうするかというような御答弁をなさっておるわけです。私の承知している限りでは、あらゆる委員会において、人事問題等については、大臣あるは代行者である政務次官から御答弁をなさっているわけですが、科学技術庁長官、前の中曽根さんのときはあの人はなかなか雄弁家ですから、政府委員の答弁のようなことも自分で買ってやっておったわけですけれども、今度は逆も逆も大逆で、一政府委員が人事問題をどうと答弁していることは、私はちょっと了解できないわけですが、ういう点が相当出て参ります。したがって、その点についてまずお尋ねするわけですが、御説明を願います。
○委員長(田上松衞君) 内田政務次官の御答弁の前に、近藤長官から発言を求められておりますから……。
○国務大臣(近藤鶴代君) 答弁に入ります前に、一言皆様方におわびを申し上げたいと思います。ふとしたことから不健康な状態を続けましたために、長期にわたって欠席をいたし、大事な本委員会の審議に対しまして支障を来たしましたことは、まことに申しわけないと思っております。この際、おわびを申し上げます。なお本日、先ほど委員長から仰せのございましたように、私の答弁にあたりましては着席のままお答えすることをお許しいただきたいと思います。
○政府委員(内田常雄君) 阿部さんのただいまのお尋ねにありました政府委員の内田と申しますのは私でございまして、科学技術庁政務次官をいたしております。今大臣の近藤さんから発言がありましたように、近藤大臣が最近健康を害されて、しばしば委員会に出席不可能の場合もございまして、私なり他の政府委員からいろいろと法律案につきまして、基本問題につきまして御説明をいたして参ったわけでございますが、ただいまのお尋ねの口頭にありますこの事業団の資金構成につきまして、ただいまの速記録のしまいのほうは、やや表現が適切でないような点もありますので、重ねて簡単に御説明を申します。 この原子力船をつくります総所要資金は、現在の見通しでは、おおむね六十億円ぐらいと想定をいたしております。そのうち、総題につきましては政府が全体の四分の三、民間から四分の一ぐらいを調達するというような方向で考えておりますが、初年度であります本年度におきましては、全体の四分の一だけを民間が持つということではなしに、全体の三分の一を初年度は民間に持っていただくということになっております。すなわち、具体的には政府が一億円の出資を予算に計上いたしておりますが、民間はその半分の五千万円ぐらいを民間から出資をしていただく、そうしますと、全体の初年度は三分の二が国で、三分の一が民間ということになります。全体につきましては、今申しますように全体の四分の一が民間でありますから、政府が四分の三、これはすなわち民間の持ち分は政府の持ち分の三分の一、政府が三であり民間が一でありますから、したがって全体の四分の一が民間であり、すなわちこれは、民間の持ち分は政府の持ち分の三分の一である、こういうことを申しておるのでございます。いささかその衆議院の委員会におきます発言の速記がややずれておるようにも見えますが、そういう趣旨でございます。 それからもう一つ、この事業団の人事問題につきまして、私あるいは他の政府委員から基本のことにつきまして発言をいたしたことがあるかと思いますが、これは、たとえばこの事業団の人事が非常にむずかしいのでございます。ことに理事長などの人事は、これは完全に政府機関というのではなく、今言ったような民間の出資もあり、ことに仕事の内容は民間の造船工業界あるいは原子力工業界あるいは後に試運転乗員の養成などの問題もございまして、海運業界などにも関係があるということでございますので、この事業団の理事長その他の役員人事につきましては、それらの配慮から十分考えて参らなければならぬということまでは、これは実は科学技術庁、政府の部内ですでにそういう打ち合わせができておるわけでございます。 もう一つは、これはその法律にありますように永久の機関ではなしに、第一船を建造し、試験運転を済ました後は、この機関は解散するわけでありますから、そこの職員人事というものは、新しい技術者を初めから採用して育てていく、こういうようなことではなしに、おおむね先ほど申しましたような民間の業界あるいは政府あるいは政府関係の研究機関などから出向の形で技術者をこの機関に出してもらう、こういうことにならざるを得ないということも、これはこの機関をつくります初めから想定もし、また打ち合わせもいたしておるところでございまして、私もそのような説明をいたしておりますし、あるいは私以外の政府委員も同様の線での説明をいたしておる、そのことを御指摘ではないかと思いますが、理事長あるいはその他の役員につきまして、今の公務員の中からこれを任用するとかあるいは民間の何々会社、何々団体に属する甲乙丙丁を任命する、こういうようなことにつきましては、これはまだ全然きまってもおりませんし、政府委員その他の説明員などが何やら申し得る範囲ではないと考えますので、ただいま私が申しましたとおりに御理解をいただきたいと思います。
○阿部竹松君 私のお尋ねした内容を理解していただけなかったと思いますがね。その人事問題については、今、内田さんが御答弁なさったような趣旨を一局長さんがなさっておる。一局長さんといえばたいへん失礼なことになるかもしれませんが、これはいずこから「割愛」するとか何とかという言辞を弄して、今おっしゃったようなことを答弁なさっておる。私はそれを速記録を読ましてもらってわかりましたが、われわれ委員会に出てみまして、十六の委員会全部知りませんが、少なくともそういう人事問題等につきましては、私の承知しております限りにおきましては、大臣かあるいは政務次官が答弁なさっておる。しかしこの速記録を読んでみますと、科学技術庁の場合には、一局長が人事問題から全部答弁なさっておる。ですから、科学技術庁というものは実権が局長にあるかどうかということを私は言いたかったわけです。 それからもう一つの、最初の第一点のほうは四分の一ということですから、そうすると三月の二十八日衆議院で御答弁の「三分の一程度出資云々」というのは誤りである、こういうふうに理解してもよろしいですね。
○政府委員(内田常雄君) 誤りではないのでありまして、総額の四分の一を民間が持つ、それは言いかえると、政府が出資する分の三分の一を民間が持つ、こういうことであります。つまり三と一で四になります。その四のうちの一を民間が持つ。これは政府の持ち分と民間の出資分を比べた場合には民間の出資分は政府の持ち分の三分の一である、こういうふうな表現をいたしておるのでありますから、そういう表現以外にはいたしておりませんから、速記の書き方が——速記のほうが多少ずれているか……。読まれる方によって、私の御説明したように読んでいただければ幸いと存じます。
○阿部竹松君 その次に、最後に、お尋ねするための参考にお伺いしておきたいわけですが、私が承知しておる限りでは、世界中に原子力潜水艦あるいはサバンナとかレーニンという二隻のソ連、アメリカの商船を含めて三十数隻というように承っておるが、科学技術庁の御答弁は四十数隻以上五十隻近い、こういうような御答弁ですが、これはそのとおりですか。五十隻近い商船と潜水艦を含めて世界各国にあるわけですか。
○政府委員(内田常雄君) これは政府委員からあとで補足していただきますが、米国が持っております原子力潜水艦だけでも私は約三十隻あると承知をいたしております。そのほかにレーニン号、サバンナ号、それからソ連自身も原子力潜水艦を持っており、また英国におきましてもアメリカとの兵器製造協定などによりまして、原子力潜水艦を建造中のはずでございますので、やはり総数は三十数隻ではなしに、現に動いておる原子力関係の艦船あるいは船舶は五十隻かあるいはそれ以上になる、そう理解をしていただいていいのではないかと思います。しかし、これは間違うといけませんから、もう一ぺん政府委員から補足をいたさせます。
○政府委員(島村武久君) 世界にあります原子力船の数についてお答え申し上げます。 商船につきましては、ただいまも仰せのありましたようにアメリカにサバンナ号、ソ連にレーニン号、二はいだけでございます。潜水艦につきましては、昨年度末現在で、私どもが知り得ております数字は、アメリカに二十八隻ということになっております。それにソビエトの分、これは推定でございまして、おそらく十数隻ということが予想されますので、そのようなことを申し上げたわけでございます。言いかえますと、現在世界で建造を済ましておる原子力船というものは、四、五十隻はあるものというふうに考えられる、こういう趣旨でございます。
○阿部竹松君 その次にお尋ねするのは、今たまたま資金の問題が出ましたから、それに関連して一緒に尋ねておきますが、六十億云々ということで九カ年でやられるわけですが、はっきり財界との約束ができておるわけですかどうですか。この点は同僚野上委員もお尋ねしているようですが、その点について明確になっておらぬようですがね。
○政府委員(内田常雄君) 全体の見通しで、政府が三で民間が一という、はっきりした約束は、原子力関係の産業界とは、正直に申して、できておりません。ただ原則的に、これは政府の全額出資ではなしに、むしろ民間の業界が大勢集まって、研究開発の意味も含めて原子力第一船をつくるのであるから、政府ももちろんその金を出すのであるけれども、民間でも相当程度の出資をお願いすることにつきましては、そのシエアは別にいたしまして、産業界の了解を得ておるのであります。しかりしこうして、初年度の本年度につきましては、先ほど触れましたように、政府の一億円に対して民間は特に初年度その半分の五千万円、全体の三分の一の五千万円という約束を、はっきりつけておるわけであります。
○阿部竹松君 その次にお尋ねするのは、日本とイギリスと比較して、日本のほうが立ちおくれておるということで、研究もおそく始めたことですからやむを得ないとしても、技術庁からいただいた資料には、イギリスがこれから始めて六七年にでき上がると、こういう資料がございますけれども、そうすると、日本と比較して、一年や半年は仕方ないといたしまして、どういうわけでイギリスとそう差がつくかという点をお尋ねするわけです。これは技術的にひとつ御説明願いたいと思います。
○政府委員(島村武久君) イギリス側から得ました情報を、資料として差し上げてあるわけでございますけれども、実は、イギリスの最近の計画そのものは、しかく固まったものではございません、と申しますのは、いかなる船であるか、どのくらいの大きさのものであるか、その所要資金がどのくらいであるか、すべてが非常に大きな幅をもっていわれておるわけでございます。したがいまして、イギリス側のそのような六七年までにというのは、一応の目標程度のものでございまして、私どものほうの計画と対比できるような段階のものであるというふうには、まだ承知いたしておらぬわけでございます。イギリス側は日本の計画が大きく伝えられましたあとにおきまして、そういう計画のあることを漏らしておるわけでございます。しさいにこれを検討するだけの資料は出しておりません。したがいまして、これによりますと、まだこれからそういうことがきめられていくというふうに承知いたしております。お尋ねの、日本のほうがなぜイギリスよりよけいかかるかということにつきまして、適確な御返事を今いたすことは、向こう側の事情がいろいろわかっておりませんので……。そういう状況でございます。
○阿部竹松君 大体いただいておる資料を見ると、確かに今御答弁どおり固まっておらぬでしょう。しかし、日本のも、かかる図解説明までいただいたおるわけですが、これなどもまた今後何百回、何千回というふうに変わっていくでしょう。イギリスと日本と比較して、島村局長の御答弁をお伺いすると、日本の計画にびっくりしてあわててイギリスが計画を立てて、イギリスのほうがおくれておって、日本のほうが進んでいるやに承っておる。わが国においても、これはまだ国会を通っておらぬのですから、それから金を集めるにしても、六十億の金にしても、民間出資四分の一ということになれば十五億ですか、その十五億の三分の一の五億をどこから集めるという明確な約束もできておらぬ。そうすると、イギリスがおくれておって日本が進んでおるというふうに、まあ計画された当人ですから、思いたいのが当然かもしれませんけれども、それではあまりずさん過ぎるというようなことになりませんか。あなたのほうからいただいておる資料を見ると、わが国とそう変わってない。ただ原子力潜水艦の図面がないという程度のものである。
○政府委員(島村武久君) 仰せのとおりでございまして、わがほうもまだこの法案を通していただきました上に出発いたすようなことでございますけれども、それから、今までの研究開発の程度も、私どもといたしましては、まだイギリスのほうが早くから特に原子炉というような関係で日本よりもずっと進んでおるということを認めるにやぶさかでございません。おっしゃいますように感じておりますが、私が申しました意味は、たとえば、私どもがこの船の建造に七年の期間を当てております。たとえば、その中で設計をどのくらい、建造をどのくらいというような——将来変わるかもしれませんし、また、当然にやる部分は変わっていくと思いますのですけれども——一応のそういうような計画もつくっておりますが、それに見合うようなものがイギリス側からは出ておりませんので、したがって、また比較検討いたしまして、日本のほうがどの部分によけい時間がかかるというような意味で御説明があった、こういうことを申したわけでございます。決して日本のほうがイギリスより原子力船をつくるのに技術が進んでおる、こういう意味で申し上げたわけではございません。
○阿部竹松君 別に私あなたの言質を取ってお尋ねするわけじゃございませんから、それはけっこうですが、仰せの中、御答弁の中で、日本の計画を聞いてイギリスが始めた、こういうようにおっしゃったので、まだ国会を通っておらぬので、実際九カ年計画ですから、それは出発当初の半年や一年のおくれを取り戻すことはできるかもしれません。しかし、それにしてもイギリスが日本の計画に驚いて、あわてて計画をするというほど向こうが進んでおらぬことはないのではないかと思うわけです。特に昭和三十二年か三十一年か、はっきりわかりませんけれども、日本原子力船研究協会で、一時原子力商船の計画をいろいろと研究なさった。しかし、結果的に三十五年におやめになっておるわけです。そういうことでございますね。いかなる理由で三十五年に、一応原子力商船をつくろうではないかというのをおやめになったのか、そういう点をお尋ねするわけです。
○政府委員(島村武久君) おっしゃるとおりでございまして、イギリスでは、かって原子力船開発委員会をつくりまして六万五千トンのタンカーを建造しようということで、いろいろな作業をやっておりましたが、結局、経済的に合わないということで取りやめまして、原子炉の開発ということについて力を入れておるというような、過去における時期があったくらいでございます。その後、たしか本年になりまして、イギリス側から、あらためて原子力船をやるということを言い出したということを申し上げたわけでございます。時期的に見まして、日本の原子力船の計画というものが世界的に伝えられましたあとで、イギリスの最近の計画が寄せられたと申し上げただけでございまして、イギリス側に、日本が建造するならおれもやるぞというような意図があったかなかったか、そういうことは全然無関係。そういうような点だけを申し上げたわけでございます。
○阿部竹松君 この原子力商船に使う濃縮ウランですが、これは、やはり商船であろうと何であろうと、日米原子力協定によってやるわけですから、東海村で使おうと、この船で使おうと、原子力潜水艦で使おうと、一切アメリカとの協定によって行なわれる、こういうことになりますか。
○政府委員(内田常雄君) そのとおりでございます。
○阿部竹松君 そうしますと、濃縮ウランですが、濃縮ウランも私専門家でありませんから、わかりませんので、御説明願いたいわけですが、原子力商船で使う濃縮ウランと原子力潜水艦で使うウランとは違うということを私聞いておるわけですが、これは次官の内田さんでなくても、兼重先生もおいでになっておるようですから、これはそのとおりであるかどうかということをお尋ねしたいわけです。
○説明員(兼重寛九郎君) そのお答えに入ります前に、ただいま阿部先生は、原子力潜水艦に使う燃料も日米協定で入れるのかという質問があったかと思いますが、内田政務次官はそのことを気がつかないで、そのとおりでございますという答弁をなさったと思うんですが、原子力潜水艦というのが軍艦の意味であるなら、日米協定は原子力の平和利用に限っておりますから、日本が原子力潜水艦をつくるはずもございませんし、それに対する燃料を日米協定で買うとか借りるとか、そういうことが起こるはずはございませんので、内田政務次官は、陸上の研究用あるいは発電用の原子炉に使う濃縮ウラン、あるいは商船とか平和利用の船の推進用に使う濃縮ウランは、日米協定によってアメリカから買うか借りるかすると、そういう意味の答弁をされたものと思います。 それで、原子力潜水艦の燃料については、私は、自分がこのように知っておりますという意味でお答えはできませんけれども、ウランの濃縮度が非常に違いまして、現在サバンナ号で使っております濃縮度は四・四%ぐらい、それから、今、日本で計画をしております今度の原子力船、これはまた将来研究の結果多少は変わるかもしれませんけれども、三・七五%といういわゆる低濃縮のものでございます。で、原子力潜水艦は、私どもが聞いております範囲では、九〇%程度のもの、いわゆる高濃縮のものであると承知しております。
○阿部竹松君 その次にもう一点兼重先生にお尋ねしますが、今アメリカの原子力潜水艦ポラリスですね、あれが日本に寄港する——いや、寄港はいかぬとわが党は言っておるわけですが——というような申し入れを政府になしているわけです。外交上の問題については外務委員会でやるわけですから、ここでお尋ねしませんが、もし潜水艦が日本に入ってきまして、そして、これは査察はおそらく現在の段階ではできぬでしょうけれども、かりに——仮説の御答弁を求めて大へん恐縮ですが——入ってきて、もし査察ができるということになりますると、日本の原子力担当の諸先生方で十分わかるわけですね。十分な査察ができるわけですね、見せてさえくれれば。査察さえ許してくれればわからぬ点はないと、こういうような話を聞いたわけですが、いかがでしょうか。
○説明員(兼重寛九郎君) 軍艦でございますから、そういう技術的な機密になっておりますところに日本の人たちが入れるようになるとは、私は考えておりませんが、もしそういうところに入れるということがあったといたしましても、やはり計器がどういうふうになっておるか、外の形がどういうふうになっておるかということがわかるのでございますから、内部の構造は、実際に設計図面を見せてもらうとか、あるいはそれの資料を数字的に教えてもらうとかいたしませんと、よくわからないのではないかと思います。
○阿部竹松君 あわせてお尋ねいたしますが、きのう、原子力商船ではございませんけれども、原子力担当の先生お二人ほどにいろいろ承ったわけですが、たとえばアメリカのサバンナ号ですね、アメリカは日本と違って州々のそれぞれ独立した法律が大へんきつく、大統領といえどもなかなか権限の及ばぬ法律がたくさんあるわけですから、国柄が違いますけれども、サバンナ号はメリーランド州以外は絶対寄港させないという、こういう法律がメリーランド州以外の各州にあるということなんですね。ですから、原子力商般の危険度というものについて、さいぜん御説明があったように、二十八隻潜水艦を持って、一船の商般を持っておるアメリカでさえそういう状態ですから、なかなか日本で困難だと思うわけですが、そういう点についての学者としての先生の御見解はいかがでしょうか。
○説明員(兼重寛九郎君) 私はアメリカの州でサバンナ号についてそういうようなメリーランド州以外の法律が寄港を認めないことがあるかどうか存じませんけれども、実際に入っております港は、ほかの州にもございます。今何かここに表がございますから、それを読み上げることを許していただけれは読み上げますが、よろしゅうございましょうか……。一九六二年八月二十二日にジョージア州のサバンナ、それから九月十三日ヴァージニア州のノーフォーク、六二年九月十八日にパナマ運河通過、十月一日ワシントン州シアトル、十一月二十五日カリフォルニア州サンフランシスコ、十一月二十七日カリフォルニア州ロングビーチ、十二月十七日同じくロサンゼルス、それから十二月二十二日ハワイ州ホノルル、六三年二月五日テキサス州のガルベストンに入っておりまして、現在一部機器の取りかえとか、あるいはオーバーホールを実施中でございまして、まだガルベストンにおるはずでございます。ですから、メリーランド州だけということではないと思います。私は昨年の五月に、バージニア州のノフォークのすぐ近所でございますけれども、ヨークタウンという所で、桟橋につないであるところを見せてもらったことがございます、これはジョージア州でございます。
○阿部竹松君 今、先生から御説明を受けたその点は、この政府からいただいたのに、こうずっとサバンナのあれを書いてあるわけです。そこで、私の聞いたのは、ただいま申し上げましたとおり、これは航続キロ数が長いわけですから、相当世界を何周も回れるわけですけれども、寄った所はホノルルだけ——州には独立した法律があって、港には寄せぬわけです、そこを通っても。ホノルル、だけ寄せたというわけですね。ということは、普通の港じゃだめなんですね。アメリカの今のポラリス、これが来るので、佐世保の港で膨大な施設を米軍がやっている。簡単に潜水艦の寄港を、横須賀港ならよろしかろうとか あるいは大阪港ならよろしかろうとか、あるいは晴海埠頭がよろしかろうというわけじゃない。な設備が必要なんですね。今盛んに日本で佐世保でやっているようですね。そういうふうなことで、私の聞きましたのと違いまして、寄ったのは、私どもの常識的な群集で言う寄港というのは、ホノルルだけで、確かに歩くことは航続キロ数が長いですから歩いたと思うのですが、そういうふうに承ったのですが、もし間違いであれば指摘していただきたいのですが……。
○説明員(兼重寛九郎君) 私はこの全部のことが事実であるかどうか、自分の目で、あるいは直接のなにを調べたのでございませんけれども、たとえば昨年の十月一日にシアトルに入りましたのは、シアトルの国際博覧会との関係もございまして、そこに入りまして一カ月——約二カ月近くの十一月二十五日にサンフランシスコに入っております。ですから、シアトルの港に相当長い期間滞在しておったと考えられるのでありますが、私どもの仲間の駒形委員は、シアトルの港に入っておりますときにサバンナ号を見に行っております。したがって、その港に入らなかったということではなく、入ったのだと思いますから、今お聞きになりました話は、何かほかのことと混線しておるのかもしれないという気がいたしました。サバンナ号に関する限りは、アメリカでも、今申し上げましたようなふうに、いろいろな港に入っております。
○阿部竹松君 次にお尋ねをいたしますが、東海村の厚子力発電でも、まあいずくも同じでしょうけれども、ウラン燃焼のあとのアイソトープですね、あれは全部アメリカに持ち帰るということになっているわけですね。アイソトープですね。
○政府委員(島村武久君) お答えできません点は技術関係の者から補足してもらうことにいたします。日本にあります原子炉、これは大きく分けまして、アメリカから購入したもの、日本人の手で日本でつくったもの、それから現在東海村にある日本原子力発電株式会社、これがイギリスから導入しまして建設中の発電炉、そういうふうな分け方もできるかと思います。稼働しております原子炉は、アメリカから輸入したものと、日本でつくったもの、イギリスの分はまだ動いておりません。それらのうち、燃料関係で申しますとアメリカから借りたものが炉の数からいいますと絶対的に多いわけであります。原子力研究所で今つくって、もうすぐ動き始めます動力試験炉、この燃料はアメリカから買う。借りるのでなくて買うという形をとります。それから原子力研究所にございます国産一号炉、これは日本でできました鉱石からとりましたイエロー・ケーキからつくりました燃料とカナダでできましたものと合わせまして、一部の加工の仕事をカナダにたのんで、ほかは日本で加しまして、これを炉に入れておりますので、これはカナダからの分が入っておりません、こう言えます。これらのうち、使用済み燃料、燃料を入れましてある程度燃しましたあとで使用済み燃料ができるわけでございまして、大部分の小さな研究炉につきましては、これはほとんど永久的に使えることになりますので、お話のようにアメリカに送り返すというところまでもちろん至っておりません。現在までのところ、現実問題としましては、そういうように燃料のオリジンがいろいろ違うわけでございますけれども、現実にアメリカに送り返して再処理をたのんだというケースは、ただいまのところございません。送り返す必要が生じましたならば、これはアメリカに送り返して再処理をしてもらうということになるわけでございます。なお、原子力発電株式会社がイギリスから買いまして建てておりますところの炉につきましては、やはりイギリスから燃料を買うわけでございます。これも大体の方針といたしましては、使用済み燃料をもう一ぺんイギリスに送るということになっております。 将来のことを申しますと、日本でも原子力委員会で長期計画を立てました際、今後十年間のうちの、何と申しますか、十年くらいまでの間には、再処理工場を日本で建てまして、そこで再処理を日本でやっていくという計画を持っております。ただいま原子燃料公社でその設計の仕事に取りかかっているような状況でございます。長くなりましたが、まだ現在まで送り返した例はございませんけれども、日本で再処理をするような時期になりますまでは、おおむねそれぞれのオリジンに従いましてその国に送り返して再処理をしてもらうということになろうかと思います。
○阿部竹松君 局長さんの御答弁でございましたが、ブリテン国とわが国との協約は、これは天然ウランですね。それから私の話は少し古いからそれは変わったかもしれませんけれども、イギリスと日本と原子力協定を結んだときには、同じ国会でアメリカとも協定を結んでおるわけです。しかし、その前、問題になったのは、この原子力の法律をきめたときは、平和産業への利用ということで、われわれも賛成しておるわけです。しかし、その法案を論議するときは、まあ知識もなかったわけですが、濃縮ウランでも天然ウランでも一燃焼から、すすであるアイソトープが出る。それが問題で、それが兵器産業の核分裂に使われるんだ、アイソトープの中から抽出して……。しからば日本で発電炉を原子力によって発電してアイソトープが出て、日本で処理できぬというのはけしからぬ。アメリカが勝手に持っていくのはいかぬどいうことでしたが、一切がっさいアメリカへ持っていく、こういうことになり、当時の原子力局長は、今衆議院議員をやっておられる佐々木義武さんでしたが、これはアメリカへ持っていって何に使うのかわからぬが、それはいかぬじゃないかということで、国会で論争しましたが、そのときは、向こうへ持っていってしまったら、こっちで方法について注文つけるわけにいきません、こういうことだと思うんですね。ですから、近畿大学にある〇・一とかあるいは京都大学にある一・〇、こういうところの原子炉は、これは該当するかどうかわかりませんけれども、東海村にあるような大きな発電所は、当然該当してくるということになると、日本でこれからおつくりになろうとしている船も、東海村のアイソトープと同じような待遇を受けるかどうか、同じような措置を講じなければならぬかどうかという点をお尋ねしているわけなんです。
○政府委員(島村武久君) 阿部委員の御記憶は、大体そういうことだと思うのでありますけれども、もう少しはっきり申しますと、確かにそういう議論が国内であったわけでございます、協定を結びます際に。その結果、日本でできた使用済み燃料をみんな持っていくということは、アメリカもイギリスも協定で言っておらぬわけでございます。つまり、日本で再処理することも協定上は認めておるわけでございます。まあ過渡的に日本で再処理工場なんかできない間、その他の理由でアメリカなりイギリスなりに再処理を委託する場合には、それはもちろんアメリカは再処理してくれる。その場合にプルトニウムが出てくるわけでございます。プルトニウムは爆弾の原料になりますので、それが問題になって、国内で議論されたわけなんですが、そういう国内の御意見を外交交渉に移しまして、最終的にはアメリカもイギリスも、日本からもしアメリカまたはイギリスが供給した燃料を使用して、そうして出てきた使用済み燃料からとれたプルトニウムを、イギリスあるいにアメリカが優先購入権を発動して買うような場合には、アメリカ及びイギリスは、それぞれ平和目的にしか使わないということを条約上約束いたしました、最終的に。議論があったことは確かでございますけれども、最終的には平和目的にしか使えないということもイギリスもアメリカも約束いたしました。今回の船の場合、船に使います燃料も一応常識的に仕事が進みますれば、アメリカにたのんでアメリカから燃料を分けてもらうことになります。それを使いまして、出てきた使用済み燃料は、日本で再処理工場ができませんうちはアメリカに送り返すことになります。その使用済み燃料は、これは買った燃料でございますから、日本が所有権を持っております。再処理を委託いたしまして委託料を払いますけれども、出てきたプルトニウムはやはり日本が持っておる、日本の所有に属するものでございます。日本でプルトニウムを使う計画、これは平和利用の上からいろいろ使い方は研究されておるわけでございます。それに充てます場合には、アメリカは優先購入権を行使できませんが、日本の計画で余った分は、アメリカが優先購入権を発動して、売ってくれということを言うてくる場合が考えられる。しかし、その場合はアメリカといえども平和利用にしか使わないということを約束いたしました。ただ、私が申し上げましたのは、幾多の過程がございまして、現在の見通しからいたしますと、そういうことにはおそらくならないのじゃなかろうか、と申しますのは、原子力船が動き出しまして、使用済み燃料が出てくる。そのころには再処理工場ができておる、日本で。したがって、送り返して再処理してもらわなくても済むということになりはしないだろうかという考え方が一つでございます。それからプルトニウムに対するところの供給状況が非常に変わってきております。アメリカもイギリスもプルトニウムが非常に欲しかった時代が過ぎまして、少し余りぎみになってきておる。今後十年ぐらいどういうふうに変化するかは疑問でございますが……。したがいまして、アメリカは優先購入権まで行使してプルトニウムを分けてくれということにはならないのではないかというような予想もされるわけでございます。いずれにいたしましても、その辺になりますと、予想あるいは仮定の問題になりますので、理屈だけで申しますと、使用済み燃料からプルトニウムが出てくる、それは日本の所有に属して一日本の計画にはみ出た分についてアメリカが優先購入権を発動する場合があり得る、しかし、それはあくまでも、アメリカの場合もイギリスの場合も、平和目的に使うということを約束しております。こういうことでございます。
○阿部竹松君 今、島村局長がおっしゃったことは希望的観測で、そうですと言って断言できぬわけでしょう。それからアメリカ並びにイギリスとの協約の中で、平和産業にしか使いませんということは、どこにありますか。何年何月というあれだけ教えていただけば、あとで自分で調べてみます。
○政府委員(島村武久君) 昭和三十三年十二月五日の条約でございます。五日に効力を発生いたしました条約でございまして、条約の名前は「原子力の非軍的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定」という条約でございます。その第七条、これは非常に長い条文でございまして、A、B、C、D、E、F、ずっとあとがございますが、そのF項でございます。F項だけ読み上げますと、「アメリカ合衆国から入手した物質を燃料とする原子炉において生産され、かつ、アメリカ合衆国政府が所有権を有しない特殊核物質で、原子力の平和的利用のための日本国の計西における同国の需要をこえるものに関し、アメリカ合衆国政府は、(a)当該物質を、アメリカ合衆国政府との岡の協力のための協定の条件に従って燃料が供給される原子炉において生産された特殊核物質のアメリカ合衆国における時価で平和的目的にのみ使用するため購入する優先権及び(b)その購入優先権を行使しないときは当該物質の第三国又は国際機関への移転について承認する権利を有するものとし、かつ、ここにこれらの権利を付与される。」ということになっております。私が申し上げましたとおり、余った分だけについて優先購入権を持つけれども、それは平和的な目的のためだけだ、こういうことを約束しております。
○阿部竹松君 その次に、船の内容について若干お尋ねいたしますが、船の建造を始めるのは三年、四年とこうなるわけですね。そのとき建造を始めるわけですね。そうすると、そのときの予算が一年に十億幾らぐらい組んでいるわけですが、しかし、船が三十四億というように建造費のほうで予算を組んでいるわけです。船が二年でできてしまって、予算は一年に十億ということは、ちょっとつじつまが合わぬような気がするのですが、これは船をつくってしまって金を払わないでおくということですか。
○政府委員(島村武久君) お手元に差し上げてございますタイム・スケジュールに書いて置きましたのですが、建造期間二年と仰せられましたけれども、船に搭載いたします原子炉の部分などは、起工から据えつけが終わりますまで四年間、船の建造に足かけ三年を要する、それに応じて予算を組んでいるわけでございます。その総予算自体は、先ほど申し上げましたように、三十四億円で建造自体はできますものの、運航費その他全部を合わせまして六十億という計画、事業団の運営費等みんな含めまして年度割の予算を一応策定しているわけでございます。
○阿部竹松君 ですから、その島村局長さんの御答弁のようになると、その船を建造する場合の手数を掛けてみて、原子炉取りつけ期間を考えてみて、そうしてあなた方はこの九カ年計画を計画している。建造して竣工するまでのベースと予算の計上をしているベースと違うというような気がするのですが、ベースがこういうベースでいいかどうかということです。九カ年で、船の建造のほうは一年目は何をやって、二年目は何をやって必ずこのとおりいくかどうかわからない。四月 一日から発足するというのがすでに六月になるから、そのとおりいかないまでも、ベースは一応計画的に九カ年の間にどうするということになっている。ところが予算書のほうは予算をこのとおり見てみますと、しろうとだからよくわかりませんけれども、これは運輸省の方においでを願っているので、運輸省の船舶局長さんにもお尋ねするわけですが、こういうベースがあなた方の計画と合うかどうか、あとで国会で論争になって、五年目ごろに、あのときはずさんではなかったかといって論争してみても始まらないわけですから……。
○政府委員(藤野淳君) 原子力船の建造のタイムスケジュールでございますが、この参考資料にごらんいただきますように、船体の建造を足かけ三カ年でやる、船ができましてから試運転にかかる、試運転の前に臨界段階がございます。試運転をやりましてこれでよいとなって引き渡しを受けるわけでございます。このタイム・スケジュールは、年度別の資金計画とマッチしているわけでございまして、特別の支障がない限りこのスケジュールでやり得る自信がございます。しかし・何分初めての船でございますので、どこにどのような思わぬ障害が出てくるか、これはわからないわけでございます。一応計画で、できるようにその見通しを立てているわけでございます。
○阿部竹松君 一応できるということですが、その点はいいとして・その次にお尋ねしたいのは、どうして運輸省でおやりにならなかったか、これは観測船にするという話も承っておりますが、あの海鷹丸という観測船、これは運輸省の管轄で、あれは中央気象台の管轄に入るわけですか、ですから当然運輸省では今まで国費でもって外国から見ればスズメの涙ほどですが——とにかくそういうことを御研究なさったわけですね。船が九年後にできたときは、どこの管轄になるかあとでお尋ねいたしますが、そうすると一今まで研究してきておられて、しまいに観測船になるということになれば、気象庁に配属されるということになれば、当然あなたのほうは今まではずいぶん研究費を便って研究なさっている、運輸技研というところでですね。原子力船の波浪中における運動性能に関する研究とか、原子力潜水船の推進及び安定性に関する研究、こういうことで研究なさっておるのですから、運輸省でおやりになればきわめてよかったのではないかと思うわけですが、これは運輸省でやる脂力がなかったのですか。これは提案者でもけっこうですから、御答弁願いたいと思います。
○政府委員(内田常雄君) 阿部さんも御承知のように、原子力の研究、開発利用の面は、今のわが国の体制におきましては、原子力委員会がございまして、それが一元的に研究をする。ここで原理原則をすべてきめまして、それを関係方面に流す、こういう仕組みをいたしております。でありますから、この原子力船のことにつきましても、昭和三十二、三年ごろから、やはり原子力委員会が中心になりまして、原子力委員会の中に特に原子力船専門部会というようなものをつくりまして、この原子力委員会の会長は、御承知のように言うまでもなく科学技術庁長官ということでございまして、それで、原子力委員会と、またその一心同体であります科学技術庁が中心となってこの計画を進めて参りました。ただし、別に民間の関係業界、学界、あるいは今お話の運輸省の運輸技術研究所、また日本原子力研究所というような方面の総協力のもとに、先ほどからもちょくちょくお話に出ました原子力船研究協会というようなものが、これがまた他の方面の研究の中心となってやって参りました。これには運輸技術研究所もその片棒をかついで、そして協力してやってきておったのでありますが今申し上げたような体制から、今回の原子力船に関する基本計画というものは、運輸省も参画しながら、主として原子力委員会が中心となって、ここまで持って参った、こういう次第でございます。
○阿部竹松君 しかし、原子力商船を研究したとおっしゃる、今の御答弁の、研究協会——がこれはあなたのほうの文章です——。「船種。船型を選定するに至らないまま、三十五年十月解散した」。と書いてある。これは能力がないのでしょう。能力があれば続けるはずです。これは私が調べたのではない。これは科学技術庁原子力局からいただいた参考資料で、これに書いてある。「三十五年十月解散した。」これは能力がなくして解散したのでしょう。能力があれば解散せずに直ちにここから出発すべきなんです。発展的解消とも書いてない。ですから運輸省の技研が残っておる。政府の予算措置の中で、ことしは一億数千万円ですか、出して研究なさっておるのですからただ私がそこで考えることは、事業団にしないで、運輸省でやれば、これは全部国費から出さなければならない。こういうことに——よくわかりませんけれども——なっては、法人格で事業団というものがやれば、運輸省が直接やるものとは予算措置その他が違うから、こういうふうになったものか、そうでなければ、この問題については衆参両院で答弁しておるようですが、どうも速記録を読んで理解しようとしても理解できない点がたくさんあるのです。
○政府委員(内田常雄君) 先ほども申し述べましたように、原子力船研究協会という財団法人ももちろんございましたが、計画の中心は、あくまでも原子力委員会が、また原子力船専門部会というものが中心となって立てておるわけでございます。原子力船研究協会は、学問的、基礎的のいろいろな部門の研究を続けまして、一時、お話のように中断したかとも存じますが、またさらに作業を始めまして、今日まで引き続いて原子力船に関する研究を続けているはずでございます。それで、それに対しまして運輸技術研究所、つまり運輸省の付属の研究機関が研究していることも事実でございます。また、今回の原子力第一船の建造母体といたしまして、運輸省なり科学技術庁なり、国が直接その母体になってやるのがいいか、あるいはまた、今回の法律案のように、民間をも加えました事業団をつくったほうがいいかということは、私どもにおきましても十分検討を加えたのでございますけれども、これは単に政府の機構だけで原子力第一船を建造するという建前をとりますよりも、民間の原子力工業界あるいは学界、あるいは造船業界、さらにまた海運業界というようなものの総力を結集する仕組みとしましては、むしろ官民一体の事業団をつくるほうが最もその実際に即して成功をするのに近い、とこう考えまして、この事業団法を提案をいたした次第でございます。
○阿部竹松君 ということで事業団をつくったのであれば、三十五年以後、解散に伴って新たな角度から出発したということで理解できます。しからば三十六年度三十七年度、以前と同じように原船協に在来とってきたような同じ予算措置を研究費として支出しておる。これは運輸政務次官いかがですか、片方ではやめておいて、予算措置は以前のまま支出し続けてきたのだが、その方法は全然別個だと、こういうのですか。
○政府委員(大石武一君) 前の詳しいいきさつはよく存じませんが、とにかく原子力利用ということは非常に大きな問題でございます。ことに日本では近時新しい部門でございますし、それから日本の国内の総力を結集しなければとうていこの新しい分野を開拓することは非常に困難でございますので、当然これは長い間続けて研究すべきものと考えております。そういう意味において、運輸省におきましてもその研究の一部を分担して今ずっと研究を続けるという方針でございます。 なお、そのいきさつにつきましては、船舶局長からお答えさしたいと思います。
○政府委員(藤野淳君) 原子力船研究協会に三十六、七年にわたりまして研究費を原子力局から交付いたしましたのは、原子力船の試設計を委訟したわけであります。これを全部国費で委託しております。試設計は二種数ございまして、ただいま第一船として計画いたしております海洋観測船、これは比較的小型の船でございます。もう一つは大型の輸送船、タンカーでございます。この種類の試設計を委託いたしましたのが、ただいま先生の御指摘の点じゃないかと思います。これは原子力予算では研究協会に委託しておるわけであります。
○政府委員(島村武久君) ちょっと混線した面があるように拝聴しましたので、もう一ぺん申し上げますが、政務次官からお答え申し上げましたのは二つあるわけであります。この企画——原子力船開発をどのようにして進めていくかというようなことにつきましては、昭和三十二年以降原子力委員会で検討を続けて参ったことでございます。その間、検討をやります手段といたしまして専門部会を持ったのでございますが、これは資料にもありますように、一度ストップしまして、あらためて、もう一ぺん出直してやったというような経緯はございます。それは原子力委員会の内部の専門部会の問題でございまして、原子力委員会としては、三十二年以来一貫してこの原子力船開発の問題をどのようにして進めていくかということの検討を続けて今日に至ったわけでございます。また、昨年専門部会の答申を受け、委員会で検討した結果、原子力委員会としても建造に踏み切るべきであるということになったわけでございます。一方、原子力船研究協会でございますが、これは政府機関じゃございませんで、原子力委員会と別個にある民間の機関でございます。先ほど船舶局長からもお話がございましたし、阿部委員もよく御存じのとおり、原子力に関します研究開発関係の予算は、全部原子力委員会が見積もりを行ないまして、科学技術庁から大蔵省に要求いたしまして、一ぺん原子力予算として科学技術庁にきましたあと、それから政府機関でありますれば、たとえば運輸省の船舶技術研究所等にも、運輸省に移しかえておる、あるいは通産省にも移しかえる、農林省にも移しかえる。あるいは補助金、委託費として民間に交付するものもございます。あるいは出資金として日本原子力研究所に出資する分もございますが、一括してなにいたしておりますが、その原子力船関係の開発のための予算は、運輸省の機関にもいきますし、また、委託費として原子力船研協究会にも渡して研究を民間に委託して今日に至ったわけでございます。なお、この新しく第一船をいよいよつくることになりまして場合、これは法案にもございますように、この所管は先ほど政務次官から説明がありましたような理由で、内閣総理大臣と運輸大臣の共管という形で法律を準備いたしておるわけでございます。
○阿部竹松君 局長の御答弁はよくわかるわけです。よく理解できる。理解できるがゆえに、一方では解散して、その次の年新しい専門部会をつくって出発したとおっしゃるのだが、それが解散したところに、前と同じように三十六年、三十七年、予算措置を講じているのはおかしいではない。したがって、新しく出発したほうに予算措置を何千万円組もうが何億円組もうがこれは問題になりませんけれども、しかし一方では、ほかの機関がやはり新しくできて、一つの機関が解散したのに、こちらの予算書を見ると、今まであなたのほうの努力が数字になって現われておるから私は不思議に思っておる。しかしこれ以上のことは決算委員会の問題かと思いますので、私はそれでけっこうだとしますが、その次にお尋ねを進めますが、濃縮ウラン天然ウランと重油等のコストの差を若干お知らせ願いたいわけです。たとえば電気に利用する場合、一キロワット幾らとか、あるいは商船に使う場合、一馬力、まあわれわれが言う——今何CCとかいうようですが——それに対して、一万馬力に対してはコストが天然ウラン、濃縮ウランあるいは重油の場合どうであるかということをお示し願いたい。
○政府委員(内田常雄君) 今の原子核燃料の経済性の前に、阿部先生ちょっと誤解があるようですから申し上げておきたいのでありますが、原子力委員会における方針にのっとって活動して参りました原子力船研究協会というものは、これは途中で解散したことはないはずでございます。これはずっと基本的な研究を継続いたして参りました。何かお手元にある文書に解散したという文字が出ておりますのは、それはこの原子力船研究協会ではなしに、これは原子力委員会の中に特に設けた部会、原子力船専門部会というものを一時設置を取りやめたという、こういうことでございまして、国の予算の配分を受けまして研究を続けて参ってきておる原子力船研究協会のほうは、途中で解散した、解散したものに国から追っかけて予算をつけた、こういうことではございません。これはお手元に「原子力第一船開発計画について」という資料の第一ページの書き方が少しごたごたしていますので、あるいはお読み違いになったのではないかと思いますが、ちょっとつけ加えておきたいと思います。
○説明員(村田浩君) 燃料としまして天然ウラン、あるいは濃縮ウランそれから重油を使いました際に、そのコストがどのようになる、だろうか、こういう御質問と思いますが一いろいろな試算がございますけれども、一例といたしまして、ただいまここで考えられております原子力第一船、これは非常に原子力船としては小型な船でございまして、目的も海洋観測というような、商業目的ではない船でございますので、経済性はやや二の次になっておりますが、まあこの船につきましての数字で申し上げてみますと、先ほど兼重委員から御説明がございましたように、第一船に使われます燃料は、大体濃縮度で三・七五%ぐらいの濃縮ウランを使うことになろうかと思います。この燃料を総量で初めに約二千六百キログラムばかり使うわけでございますが、一度装荷いたしますと、約二年ばかりその燃料が使えます。そこで現在アメリカで決定しております濃縮ウランの価格がございますので、その価格から推算しまして、さらに先ほどもお話のございましたように、これを使用後に再処理いたします、そうした再処理の費用、こういったものも推定の中に加えまして、全部でどのくらいになるだろうかという試算をいたしました結果は、およそ年間の濃縮ウラン、これは燃料そのものの費用及び加工費その他を全部含めてでございますがおよそ一億六千万円見当になるだろうかと思います。他方、同じ原子力第一船として考えております六千三百五十トンの船を重油を使いましたエンジンをつけて動かした場合にはどのくらいの燃料費つまり重油の費用がかかるだろう、こういうコストを、対比のためにいたしてみますと、この場合のエンジンの馬力を原子力船の馬力と同様、一万軸馬力といたしまして、年間稼働率——これは年間稼働率というのが経済性に影響いたすわけでございますが、原子力船は一度燃料を積みますと二年も燃料を取りかえないで動けますので、非常に稼働率が高いわけでございます。重油の場合は途中何回も燃料を積みかえなければならぬという点がございますので、稼働率はどうしても重油だきのほうが低くなるわけでございます。一般にはこういう型の船でございますと、四〇数%程度ではなかろうかと思いますが、計算の上では六〇%というようなかなり高い稼働率を仮定いたしまして、かつまた重油の価格をA重油といたしましてトン一万三千四百円ぐういの価格で推定いたしますと、年間のこの第一船を重油だきとした場合の重油の費用は、約一億二、三千万円の見当になろうかという推定が出ております。したがいまして、先ほどの一億六千万円前後と比較いたしますと、濃縮ウランを使いますほうが二割程度い結果になるわけでございますが、これは先ほど来御説明ございますように、原子力第一船が商業目的でございますことと、それからまた、第一船という開発途上にあるそういった目的を持っておる、こういうことから来ておるわけでございまして、さらに実用船といったものについての試算を、先ほどお話がございました専門部会あたりでやっていただきました結果を見ますと、たとえば四万三千トンぐらいの原子力タンカーを建造いたしました場合に、これを原子燃料を使う原子力船にした場合と、それから重油だきの場合の燃料費を試算いたしました結果は、軸馬力一馬力一時間当たりの燃料費といたしまして、在来、つまり重油だきの場合には一円二十数銭、これに対しまして原子力船でやりました場合には、それはいろいろ型で変わって参りますが、概略しまして安い場合には一円以下、たとえば九十三、四銭、それから高い場合でも一円二十銭ぐらいというような試算が出ております。したがいまして、ごく大ざっぱに申し上げますと、実用船の場合には濃縮ウランを使います船のほうが重油だきの船に比べまして同型、大きさの船に比べまして一燃料費としましては約二割ないし三割安くなるだろうという推定が出ております。
○阿部竹松君 私もこれは営利を目的としたものでないということはよく理解できるわけです。観測船をつくるのであれば、今も電波がクモの巣のように世男じゅう張りめぐらされて発達しておりますしね、このつくらんとする原子力船よりまだスピードのある船がどんどんできるわけですから、水中にもぐった場合は別として、ソ連のあのパルテック海とかカスピ海、これをパトロールしている、日本でいう昔の駆逐艦、これは大体六十ノットぐらいでパトロールしているわけですから、そうすると、単なる観測船等はそれぐらいで十分間に合うわけです。しかし、これを観測船に使うということは、つまり原子力の開発、平和産業利用というところが主眼点だろうと思うわけですが、そこで、私が不思議に思うのは、六十億のうち、四分の一を民間から求める、こういうことなんですね。政府がそういう営利を目的とせぬということで割り切っているわけですから、どうして全額国庫支出ということでおやりにならなかったかという点がきわめて理解に苦しむわけです。ということは、速記録を拝見さしていただくと、同僚の野上委員の質問の中に海運業界の実態から海運業界の資金繰り等も楽でないから一なかなか金が集まりませんよという趣旨の質問をなさっている。あなたのほうでも、そうですと言っているわけです。それはほかの産業からもらうといっても、全然関係のない産業は、それはなかなか出しませんよ。そういうことになりますと、私は全額国庫支出ということでやられるのが当然だ、こういうように考えているわけなんですが、特に、近藤長官は長官就任以来、予算獲得については閣内随一であるというふうに私どもは承っている。この近藤長官をしてなお十五億の金を取れなかったというわけですから、よくよくのことではあろうと思うわけですがね。これは政府が全額出資でやるべきだ、こう思うわけです。なぜ十五億の金を民間出資に求めたかという点をお尋ねします。
○政府委員(内田常雄君) お答えと関連いたすのでありまするが、この法律案によりまする原子力船開発事業団は、これは船を一ぱいしかっくりません。したがって、五年ないし七年ぐらいで船を完成しまして、あとの二年だけ運航したり、乗員の養成をしますと、それでこれは使命が終わったことで解散いたすことになります。そうすると、日本の原子力船はそのままで、あとはつくらないかといいますと、もちろんそうではありませんで、言葉が悪ければ、発言が不穏当のところはあとで訂正さしていただくかもしれませんが、いわゆるこれは最初の試験台の船になるわけでありまして、したがって、政府だけの一つの研究ということよりも、造船業界、船舶用原子炉工業界、あるいは海運業界のすべての人の総参加のもとに、これを試験台にして、第二船以後は、これはもう国が直接こういう船を持ったり、あるいは建造したりするのではなしに、それぞれ民間の海運会社があとはつくっていただくという方向を一応想定をいたしておるわけです。原子力発電の場合につきましても同様でございまして、これはもう第一期から政府の金を入れないで、政府は間接助成はいたしますけれども、民間支出の日本原子力発電株式会社というようなものをつくりまして、これが十六万六千キロの第一発電所を建設中でありますが、船のほうは、むしろうっかりすると民間だけの金で原子力発電のようにいかないかという考え方も、あるいはあるかとも思いますが、船のほうは電気までいっていないということで、やはり政府が主となって出資をして研究対象を設けるが、民間の業界も今申しましたように相乗りでやっていただく、こういうような趣旨から、単に政府の金を惜しむということばかりではなしに、民間のほうも一緒に出資をしていただいて、そうして共同してこれを盛り上げていく、このほうがよかろう、こういうような実は考え方もあったわけでございます。近藤長官が予算を取りそこなったので、その分を民間で穴埋めする、こういう趣旨ではないというふうに御理解をいただければけっこうでございます。
○阿部竹松君 私は近藤長官がが金を取りそこなったと言っているのじゃない。金を取るのに一番優秀な近藤長官が、この人がやってすら取れなかったのだから、まことにやむを得なかったのだろう。しかし、なおかつ政府が出さぬというのはおかしいというように理解したわけですが、今の御答弁を聞いてみると、民間に投資してもらうのでなくて、四十五億の金を政府が投資するというように、逆の解釈ですが、そういうことになりますね。船は一隻しかつくりません、こう言っておるのですから、一隻つくったその結果、成果というものは、学術研究というものは金には換算できませんけれども、これは膨大な、とにかく日本にとっての四十五億が九十億あるいは百億になるということですから、政府が投資したということにこれはなるわけですね、あなたの御説明を聞くとです。
○政府委員(内田常雄君) そういうことにも考えられる面もございましょうが、これはそもそも日本原子力研究所という基本的な研究開発を担当しておる特殊法人がございます。これにおいてすらも若干ではございますけれども、民間からやはり出資を求めて、民間から人材もそこに出していただいておる、こういう仕組みを実はとって参っております。なおまた、この船につきましては、政府が四十五億を逆に民間産業界に投資するということにも考えられるかもしれませんが、できた船は、おそらくただいまの想定では、これは政府に所属せしめて、運輸省の所属で動かすというような方向をとるわけでありまして、やはりこれはもちろん四十五億は原子力船の開発のために政府が広い意味では社会的投資をしたことになりましょうけれども、それによってできたものは、むしろ政府の所属として民間の協力を求めるという格好の結果をとるというように構想をいたしておる次第でございます。
○阿部竹松君 九年たって、六十億かけてできた船が、その当時になったらゼロに等しい価格しかないかもしれませんけれども、その間、学問的に技術的に勉強した収穫というものが多く、金額にはかえられない、環さんできませんけれども、民間に残るではないかという話を私はしておる。 そこで、今お説に出ましたところの船は、一体だれのものになるのですか。事業団は解散してしまう。事業団はもう船を一ぱいつくって十年目に解散するわけですから、そうすると、その船はどこの所有ですか。無国籍ですか。
○政府委員(内田常雄君) この事業団は特別の法人でありますから、これは解散いたします際に、解散に関する法律は別につくりますけれども、その時に、やはり民間と話し合いをいたしまして、法律的の手続あるいは法律構成などにつきましては、いろいろ検討をいたさなければなりませんけれども、政府に所属せしめて、そうして先ほどから話に出ますように、政府の海洋観測船にして、政府が運航して参る。政府の所属、言いかえますと、国有財産に最終的には帰属することが可能なような、そういう実際上の措置を講じて参りたい考えでおるわけでございます。
○阿部竹松君 この法人組織、資金の問題で、衆議院で田中代議士と一日やった記録が載っておりますから、私はその点は触れませんがね、民同から十数億の金を集めるのに、この計画が途中で変わったり何かする場合は これはあり得ることだからやむを得ないとしても、その船がどこへいく、だれのものになるということをきめぬで、ばく然と民間から、法律をつくって国が集めるということは、これは穏当じゃないと思うのです。その船がだれのものになるか。
○政府委員(内田常雄君) この事業団が存続する限りにおきましては、事業団の所有でございまして、事業団の財産目録に載るわけでございます。その事業団が九年後に解散をいたします際の措置として、そのときはもう事業団がなくなりますから、船が無所有物にならないように、国の所有に属するような措置をとる、こういう方向で構想をいたしておることを申し上げます。
○阿部竹松君 その船を一ぱいつくってまあ何万海里航海するかわかりませんけれども、進水をやって航海して、これがよろしいということになったら、その事業団は解散するというのは、もう内田次官、あるいは局長から再三再四承ったので、よくわかっておるのですが、船がいよいよ動き出して、一人歩きできるというときには解散するのですから、そのときは国有財産処理法によって処理されるものか、それとも運輸省の管轄になって、運輸省の統轄下に観測船ですから、海鷹丸のように運輸省の中の気象庁の中に置一かれるものかどうか、こういうことをお尋ねしておるわけでおります。
○政府委員(内田常雄君) この法案の三十七条でございましたかの第三項にこの解散の際の処置は別に法律で定めるという規定が留保されてあるわけでございます。でありますから、このつくります際、あるいはこの事業団が存続します限りにおきましては、法人でございますから、財産目録もなければならないし、貸借対照表もなければならないし、また、観念的には帳簿上の利益余剰金、あるいは資本剰余金というようなものも考えられますから、剰余金があった場合には、それは和み立てろというような規定もありますが、最後の解散をします場合には、これはこの残余財産の分配の仕方その他につきまして、補充的に別に法律で定める、こういうことを留保いたしまして、そのときの実態に即して手続法を立案をいたしましてそうして国に所属せしめる、こういう考え方でおる次第でございます。
○阿部竹松君 ですから、そういう法律の条文になっておりますからお尋ねしておるわけです。あいまいもこで、何らあとでどうするという方法を明確にしておかぬで、まあとにかく船をつくればいいんだということなんでしょう。九カ年計画を立てて金をどう集めるか、しかし、それでは私はいかぬのではないかと考えるわけです。それではいかぬ。やはり将来この船をつくって、これだけの成果を上げて、そうしてあとは今申し上げましたとおり民間に払い下げるとか、あるいは運輸省の中に帰属せしめるとか、国有財産処理法によって処理するとか、幾つかの方法があるはずです。しかし、あなたのほうではそのときになったら、九年目に船が動き出したからこの船はいよいよ処理しなければならぬからというので、法律をお出しになって、この法律がなくなると同時に、新しい立法で処理するということ、でしょうが、それではあいまいもこで、十分なる審議ができぬのじゃないですか。特にあなたが剰余金云々というお話があったが、剰余金出る場合もありましょうけれども、九九%は東海道新幹線と同じで、赤字になって、よろしくお願いいたしますということにはなっても、剰余金が出ることは九九.九%までなかろうと思うのです。あなたはそういう甘い考えで物事を判断してはならぬのです。国の財産を四十五億出し、民間の経必着から原子力船の開発だということで究極はどうしますということもなくて——僕らは人がいいものですから、これは政府が四十五億の投資をすれば、りっぱな技術者とりっぱな学者をたくさんつくるから、船ができればいい、こういう気になるけれども、そんな甘い経営者はありませんよ。今年は五千万円ですか、毎年々々集めることになっておりますから、どこからどれ−くらい出すかということを話し合いなさっているんでしょう。全然話し合いせぬで、法律が通ってから、これから近藤長官と内田政務次官が各会社を、回って金を集める、こういうわけですか。造船会社には利子補給をやっている、開発銀行から。ほかの産業は五年間で払わなければならぬのを、十五年間も据え置いて……。この造船会社からびた一文も金をもらうこと政府はだめでしょう。そういうことになると、他の大会社から融資をしてもらう、投資をしてもらうことになれば、造船会社は国の助成によって、他の産業と違って、特別な開発銀行を通じて保護政策をとってもらっているわけですから、これからつくらんとする——まあ学問的研究かもしれぬけれども——そこに金を出すということは、法的には違法じゃなくとも、政治的に違法だと私は思うわけであります。そういう点はいかがですか。
○政府委員(内田常雄君) 阿部さんも御承知のように、航空機の開発制度につきまして、これとやや似たようなことで、YS11も初めてつくる場合、日本航空機製造会社でございますが、このほのは何べんも何べんも試作機はつくりまして、破究投資はいたしますけれども、飛行機が成功いたしますと、第二機でも第三機でも、ずっと継続してこの会社が存続して、そうして日本の総力を用いて開発した飛行機を、自分でもってそれをよその会社に売るという、そういう考え方をとっております。この日本航空機株式会社は、申すまでもなく政府出資、また民間の出資もあるわけでありまして、研究過程におきましては政府も出資して研究投資もする。民間の関係会社も出資をしてそれの研究投資に充てている。しかし、一機成功しますと、あとは継続的にこの会社がつくって、外に売り出して、この会社が解散しないで存続するという行き方をとっていることは御承知のとおりであります。ところが原子力船につきましては、そういう考え方をとらなかったわけであります。第一船だけは政府も金を出す。民間の関係業界も若干研究投資のつもりで金を出していただいて、そうして七年ないし九年かかって、そうしてとにかくこの船を完成させて、あとはその研究開発の成果というものを、それぞれの造船会社というものが、今度は自分の個人企業、それぞれの企業として第二船以下はその原子力船を開発し完成さしていく。第一船だけでこの事業団は終わりだと、こういう考え方をとりましたから、同じ特殊法人でありましても、飛行機製造会社とは違って、この法律に終期を置く。この法人の存続あるいは会社の存続する最終の期限を置いたわけであります。でありますから、この考え方に出発いたします以上は、どのみちこの船という有体物、原子力船という有体物ができまして、この法人が解散する際には、その船の所属をきめなければならないわけでありまして、そのとき、これはもう政府のほうに所属させることにするか、あるいはまた、もしこれが非常に優秀なもので、経済性もとれて、民間のベースの採算でも間に合うといりようなものになるか。そのときどきの事情によっては——これはそういう甘い考え方は、第一船でありますからもちろんないわけでありますが、採算がとれるというようなことは観念的にはあり得るわけでありますから、そこのところのその最終処理につきましては、これは民間に売り払うとか、あるいはこれ自身と別の第二の運航会社をつくってそれでやっていくとか、あるいはもう初めからこれは政府に所属さしていまうというようなことは、最初から実は非常に書きにくいわけでございまして、そこで、存続期限をきめ、その際の処置については別に法律できめるという条項を置いたわけであります。ただいまの考え方では、これは運輸省に引き継ぎまして、そうして政府所有の海洋観測船として稼働させる、こういう構想でおりますことを再三申し上げているわけでございます。
○阿部竹松君 その飛行機と違うからいろいろとお尋ねしているわけで、確かに飛行機の場合は、次出目のおっしゃるとおり、これもやはり研究所から出発しているわけでしょう。しかし、いよいよ試作機が生まれて、飛んで、最初の一機は防衛庁が買うとか、二機目も防衛庁、三機目は東南アジアへいくとか、あの飛行機をつくるときもいろいろ問題がありましたが、われわれも飛行機をつくるときに賛成したわけです。ただ、これは何とかなりませんか、ということは、エンジンはイギリス製品を使う。これはけしからぬ、全部国産品でやったらいかがですかと言ったら、戦争のために飛行機のエンジンは製作が非常におくれているのでやむを得ませんということで、賛成して、飛行機が今や飛んでいるわけですが、あれは一機や二機つくっても、当然赤字なんです。しかし三機、四機、五機つくることによって採算が合う。この原子力船の号は、この飛行機のほうと違って、飛行機のほうは当時研究関も吸収してやっているわけです。この原子力船のほうは、原船協というものがあっても、吸収しておらぬ。別個に動いている。おそらくこれが動き出すと、何人か技術者なり、あるいは研究されている方が入ってくるかもしれませんが、これは全然別個に動く。飛行機と違うわけですね。それに一船しかつくらないわけです。そうすると、何十名か、何百名か、何千名の技術者が、各造船所にばらばらになるでしょう。三菱とか、玉野とか、三井に行ったり、あるいは横浜ドックへ行くかもしれません。そういうことになったら、せっかくまとまった勉強をしても、たった一船しかつくらない場合に、全部ばらばらになってしまう。そういうことで、簡単にできる船だったら別ですよ、しかし、この船一隻つくってそうして、ばらばらになってしまう。研究した実績はとにかく残るでしょうけれども……。飛行機の場合は永久につくっていくわけですから、五機や十機つくっても採箕とれないかもしれませんけれども、二十機、三十機といううちには、長い月日のうちには黒字になる。あなたのほうは全然黒字にならない。それこそいかぬじゃないかと思うんです。どうして飛行機と一緒にこの原船協というものを同じシステムでこの事業団に吸収しなかったか。この点はいかがですか。
○政府委員(内田常雄君) 原船協は、今日原子力潜水艦の企画をここまで持って参るのに非常にいい研究をして、その功績が大きいのでありますけれども、これはつくります当時からほんとうに原子力船をみずからの計算において建造したり、自分が運航したり、あるいは乗員の養成をするという、そういう建前のものではなしに、全く原子力船建造についての基本的な研究を各方面から人々が寄り合ってする、こういう研究の中核体としてできておったわけであります。でありますから、これに今度現実に第一船をつくらして、財産を持たせる、あるいは短期でも運航の主体にするということ適当でないという判断に立ちまして、法律によりまして別の事業団をつくった、こういうわけでございまして、しからば、財団法人原子力船研究協会というものは、これに吸収してしまうかというと、そこのところは必ずしもきめてございません。むしろ、この事業団は第一船だけを建造する機構でありますけれども、研究協会のほうはまだまだいろいろな分野にわたって原子力船に関して研究をするところが残っておる面もございまして、引き続いてやはり研究の母体として基本的な学術的な研究を続ける、こういうことになる面もあるかもしれないのでありまして、これは原子力船研究協会の自主的な措置にまかせると、こういう形をとっておるわけでございます。なおまた、お尋ねのございましたように、せっかく事業団をつくりましてたくさんの技術者の協力を得ましても、第一船だけつくって九年後に解散してしまうということになりますと、人間の処置、あるいは、せっかく積み上げたノー・ハウというようなものをくずしてしまう、分散さしてしまうようなことになるわけでございますから、そこで阿部先生からお尋ねの人事問題になるわけですが、ここの職員、技術者というものは、ここで初めに採用して育てて、これが解散というときになってよそへ送り込むというものではなしに、すでに存在する技術者なり工学者を、それぞれの機関から出向の形で出していただきまして、そしてそれぞれの任務が終わったら、それぞれまたもとにお帰りを願う、こういう形になるだろう、ことにこの事業団が九年間存続するといいましても、さっきのタイム・スケジュールでごらんのように、二、三年ずつでこの事業団の内容が変わってしまうわけであります。最初は設計だけを一、二年やる、それから三年目、四年目あたりになりますと、建造とかあるいは舶用炉についての安全上の装置をやる、それから最後には、これは全く運航が主になってくるというようなことで、最初の設計技術者というものは、しまいのほうの七年目、八年目という運航時代には必要はないわけでありますから、設言が終わって二、三年たてば、それでその設計技術者というものは使命が終わるわけでありますから、そういう人をにわかに外から求めることはできないということで、その方面の十分な能力を持った人を民間の機関なり、あるいは政府関係の機関なりから出向させて、そして二、三年いていた、だいて、使命が終わったらまたお引き取りを願う、他の部門においても同じようなわけで、そういうふうに考えておるわけでございます。
○阿部竹松君 いろいろ御説明を承ったのですが、三年なり四年なり勉強して、今考えられるところによっても、原船協からも出るでしょうし、運輸省からも出られるでしょうし、あなたのほうの科学技術庁からも出られるでしょうし、原子力委員会のうちからも、それと、各大学校の優秀なエキスパートもおいで願ってやられることでしょうが、それが全部九年後にはばらばらになってしまったら、効力が半減すると思う。日本人というのは、内田次官御承知のとおり、自分で勝手々々に小さく人に隠れて研究をしたいという国民性がある。原子力の問題にしても、これは各大学、東京大学初め全部ある。これは研究だからやむを得ないとしても、民間会社でも、発電するために、三井、三菱、住友、全部ばらばらに研究をやっておるわけです。各商社も商社なりに全部研究所を持っておる。あなたのほうもやっておられるでしょうし、あるいは通産省でもやっておられるわけです。お互いに抜かれまいとして……。全部で知恵を出し合ってやろうなどという大きな心がまえがない。あなたの今おっしゃったように、全部派遣して勉強していただいて一つのものをまとめる。しかし、ばらばらにしてしまったら、毛利元就の三本の弓矢じゃございませんけれども、これは効力を半減するように思うわけです。仏つくって魂入れず、こういうように思うわけで、そういう点が心配なんですが、したがって、私は、こういうことに原子力を利用してやはり世界各国に負けないように船をつくるということも大賛成。しかし、そのやり方がまずいし、あいまいもことしている。やはり、さいぜん局長さんの話を聞くと、皮肉を言うわけじゃございませんが、イギリスよりはるかに進んでおるやに受け取られるのですが、これはお互いに手前別みそを言いたいものだからやむを得ないけれども、そのあたり、どうもはっきりと将来どうするかという方針はないのですかね。ただ船一つ衆知を集めてつくって、あとは全部解散ですか、そういうことですか。
○政府委員(内田常雄君) それは実は長い見通しにむしろ立脚いたしまして、今、阿部先生から御批判を受けましたような体制をとったわけであります。ということは、日本の国は御承知のとおり、世界有数の造船国でありまして一日本の造船業界というものは非常に世界でレベルが高く、また実力もあるわけですから、それにまた、船の推進機関というものは、石炭からディーゼル・エンジンに移り、ディーゼル・エンジンから原子力推進に移る、そういう方向をたどるのでございます。そういう場合において、船をつくる主体というものは、やはり特別の機関がいつまでもやるよりも、実力ある日本の造船業界というものが、原子力推進の研究を十分吸収して、これらの企業が実力を持って、あとからの原子力船というものを建造することが、むしろこの際に適していやしないか。これは電気のほうでも同じ考えをとりまして、これはいろいろな考え方もあるわけでありますが、原子力発電というものを、東京電力とか、あるいは関西電力とか、あるいはまた、これらの電力会社関係の産業界からの共同出資によります準民間会社の日本原子力発電株式会社というような企業に、将来やはり発電事業を担当させるというのが適当だという考えで、やはり特別のものをつくらないでやったのとやや似た考え、さような考え方に立ったほうが、日本の国の産業政策としてはいいだろう、こういう見通しをもってこういう構想を立てた次第であります。
○阿部竹松君 しかし、研究の統一ということは、政府機関だけでも一元化できないわけですか。運輸省でもやっておられる。大石次官、この予算の中で、あなたのほうでは特殊潜航艇——あの真珠湾攻撃をした特殊潜航艇のような小さい船をつくって研究なさっておるのですね。私、これはいつか一ぺん乗せていただきたいと思っておりますが、特殊潜航艇のような船を、水泳プールの大きなようなものをつくって、そこで運輸省がやっておられるわけですから、こういうようなことを各省がてんでんばらばらにやっておる。これは近藤科学技術庁長官、どう思いますか。こういうことであっては——政府機関が一元化して、運輸省のなわ張りとか通産省のなわ張りとか、こういうことを各省でやっていますが、私、商工委員ですからよくわかりますが、通産省でもやっておられる、あなたのほうでもやっておられる、そういうようなことで、各個ばらばらになって、特殊潜航艇の小さなものまで盛んにやっておるようですが、どういうことなんですか、一緒になりませんか。
○政府委員(大石武一君) これは前からたびたび内田政務次官からお答えしておるとおりでございますが、こういうことだと私は思うのです。すべて科学技術の研究ということにつきましては、やはり一つの中心があって、そこですべての方向をきめまして、これをいろんな方面で各自分担をして研究をする。そしてそれを中心に置いて、それを総合して成果を上げる、方向を進めていくということが一番科学技術として大事なことじゃなかろうかと思うのです。そしてそのような方向に日本の科学技術は進んでおると思います。したがって、この原子力利用の問題にいたしましても、運輸省では運輸省としての分担問題、ことに造船並びに運航と申しますか、そういう方面の研究を特に進めるのでございまして一特殊潜航艇ではございません。われわれが乗り得るようなものは、とうていそんなものはつくっておりません。ただいまつくっておりますのは、海を運航するいろいろな波の研究とか、いろんな研究がございますが、そういうものにつきましては、わずか長さ二百メートル、幅一八メートルの水槽を使っておるだけでありまして、とうていわれわれの乗るようなものはつくりませんのでございますが、やはり一つの模型をつくって一波の抵抗とかいろいろなことについて研究の一端をいたしておるわけでございます。そういう方面で予算をいただいて、その総合研究の一環として一部を受け持っておるわけでございます。
○阿部竹松君 ですから、それを三隻つくっておるそうですね。そういうところで働いておる運輸省の方々が、この事業団ができたとすれば、そこへ吸収されるわけですか。依然としてそれが残るわけですか。
○政府委員(藤野淳君) ただいま船舶技術研究所で特殊潜航艇のごときものを研究しておるという御指摘がございましたが、これは将来船舶というものが非常に高速化される、スピードが上がってくる。また大型化になる。その場合に、普通の推進機関を用いますよりも一原子力を用いますほうがより経済的で効率が高いという見地から、将来の商船があるいは水中にもぐる時代がくるのじゃなかろうかということを見通しまして、原子力ということも考えまして、潜水の船の抵抗の実験をいたしております。このモデルは長さが六メートルくらいでございまして、この船の形は潜水艦のような丸い形ではございませんで、断面が四角な形でございまして、貨物を搭載して商業的な運航ができるという船型を研究いたしておるわけでございまして、決して潜水艦のごときものを研究しておるわけでは毛頭ございません。なお、技術は非常に基礎的な、船型学的な仕事でございますので、そういう方面を担当いたしております政府の研究所で研究するのが適当であると考えまして、船舶技術研究所で目下担当いたしておる次第でございます。
○阿部竹松君 予算が三隻で十八万円ですから、木材一本買っても一万円もするのですから、私はそう精巧なものをつくっておやりになっておるとは思わないわけです。ただ、そういうあなたのほうで研究なさっておる幾つかの波の研究、水圧の研究あるいは風圧に対する研究をなさっておるから、そういうものが一切今後の事業団に入っておやりになるかどうかということをお尋ねしておるわけです。
○政府委員(藤野淳君) これは第一船の原子力船とはあまり関係がないのでございまして、遠い将来を見越して、将来船が水中にもぐって運航したほうが非常に性能がよくなるのじゃなかろうかという見通しのもとに、遠い将来を見越して研究いたしておるわけでございます。当面第一船の建造を拙当いたしております事業団でやるには不適当な項目でございます。非常に基礎的なものでございます。なお、抵抗の試験が主でございまするので、モデルをつくりますのは外形だけができればいいのでございまして、決して精巧なモデルというわけには当たらないわけでございます。
○阿部竹松君 そういうことから事業団が始められるのでないかと思うわけです。飛行機をつくる場合の研究所しか見ておりませんから、ほかはわかりませんが、やはり風洞をつくって、きわめてわれわれしろうとが見ても幼稚だなと思うようなことなんですが、その基礎が一番大切なんです。そういうことから私この事業団がお始めになるのかと思いまして、そういうあなたのほうで研究していらっしゃること、あるいは通産省の技術院で研究していらっしゃるようなことを全部衆知を集めて、毎年々々積み重ねて、九年目には一つの船をつくって運航させる、こういうふうに考えておったので、したがって、あなたのところの研究所も、通産省も、東海村からも人を借りる、そういうことになるのかと私は考えておったわけです。 しかし、全然違うということになれば、これは別個な問題ですが、したがいまして、結果がどうなるかわりませんが、話を変えまして、この九年目に船ができまして、成功すると、日本で今一番大きいのは三菱造船であるわけですが、三菱造船でもあるいは横浜でもあるいはまた川崎でも、それぞれ競争してつくるかもしれません。それから失敗すれば、どこもつくらぬということに相なりましょう。私はどちらとも言えないわけですが、したがって、存続させて、飛行機のように、あなたのほうでおやりになったらどうかという考えを持っているわけで次官はどちらに御賛成なさいますか。すが、
○政府委員(大石武一君) これは、科学技術庁政務次官の答弁と同じように、私は民間と政府の協力において、この事業団をもって船をつくることが一番いいのじゃないかと考えております。
○阿部竹松君 私のお尋ねしているのは、十年目に、これはたいへんコストが安くて、航続距離がもちろん長いわけですから、将来性もあるし、利用度が高いというところで、日本の民間の造船会社が次々と皆さん方が努力なさった資料に基づいてやられる場合と、これはどうもうまくいかないということでおやめになる場合と、両方があるでしょう。どちらをおとりになりますか、こういうお尋ねなんです。見通しはどうですかということです、端的に申しますと。
○政府委員(大石武一君) これは必ず成功するという確信と見通しのもとにこの事業を始めるわけでございます。
○阿部竹松君 大石さんは、ここに次官から大田がおって、答弁する必要ないと思って、軽い気持で成功すると言う、またそう言わなければ法律も通らんわけですから当然でしょうが、それに関連してお尋ねするのですが、それくらい成功するということだったら、なぜ国でやらぬのですか、別に言葉を返すわけじゃありませんけれども。
○政府委員(大石武一君) 将来、この船というのはだんだんやはり進んで参ります。御承知のように石炭をたいていだのが重油をたき、近頃は原油だきの船までつくろうという状態でございます。いずれ近いうちに原子力利用の船が当然出て参ると思います。そうなりますと、近い将来そういう原子力利用の船にだんだん移っていくのじゃないかと思いますが、その場合に、原子力利用というのは非常に新しい学問でございますし、総合的な研究を要するものでございますから、簡単には民間会社、造船会社、どこでもつくり得ないと思います。そういう意味において、将来一つの設計なりあるいは造船の技術の土台をつくるという意味において事業団をつくって、ここで一つの船を研究してみて、一つつくり上げれば、おのずからあとはその例にならいまして、船会社でもりっぱな船をつくり得ると思います。そういう意味で、民間の将来の造船技術なりあるいは原子力利用というものを開発する一つの大きな土台となるものでございますから、政府と民間の総力の結集においてこれを進めるのがいいのじゃなかろうか。こういう考えで、ことに政府がいくらきめましても、民間の、ことに原子力利用とか造船、海運、そういう方面の民間の力を集めなければ当然できないのでございますから、やはり政府と民間の力を集めてなすことが当然正しいと考えております。
○阿部竹松君 次にお尋ねすることは、たとえば横浜の港に原子力船を置くことは、東海村に一万キロの発電所がある。あの東海村と同じようなことになるのでございますね。横浜でも晴海の埠頭でも、一万馬力の原子力船があるということは、東海村と同じだと、こういうふうに理解してもいいわけですね。それとも、どこか、特に九カ年の長い月日ですから能登半島あたりに原子力船の寄港地でもつくるわけですか。そういうことじゃないんでしょう。
○政府委員(大石武一君) ただ、この原子力第一船をつくるということが、将来の原子力船の開発の土台となるというだけに私は中心があるのだと思います。したがいまして、この船だけにわれわれは問題があるのではなくて、この船をつくることによって、将来の日本の原子力船をつくる土台をなすんだということの意味のために、私はこの事業団ができて、この船をつくるんではなかろうかと理解いたしております。
○阿部竹松君 私のお尋ねしていることは、タービンをあれして船を動かすわけですから、しかし原料が濃縮ウランですからね。東海村はタービンを動かして電気を発電するわけですが、使用方法は違うけれども、原料が同じであるから、同じような原子力平和利用の発展のために、こういうことはわかります。しかし、安全を無視してはできないですからね。何ぼ言っても安全を無視してできないですから、やはり安全第一主義に政府もお考えになってもらわなければいかぬ。ただ、原子力開発ということを重点的に、安全はどうでもいいということに、お考えになっておらぬと思いますが、私のお尋ねせんとするところは、東海村と同じ現象が、原子力船の着いた個所で起きると、こういうことになるでしょうと、こういうことです。
○政府委員(大石武一君) 阿部委員のお尋ねは、安全性がどうであるかということの御心配の点でございましょうが、私はそのことにつきましては、当然絶対に安全性がなければならぬ、どこへ行ってもどんな場合でも、どこに寄港しても、何も問題にならない船をつくらなければなりませんし、また、必ずそういうものをつくるものと確信いたしております。
○阿部竹松君 これから九カ年先のことですから、今よりりっぱなものがつくれるかもしれませんが、アメリカの今度来るというポラリス潜水艦ね、これはもう普通の港じゃだめなんですよ。ですから佐世保に特別装置をしているわけです。大石さんは閣議においでにならぬから御承知ないかもしれませんが、それはもう特別装置をしなければならぬ。そうすると、当然それより進んで、もう十年後は特別装置必要ないということになれば別問題ですが、そうも簡単にならぬと思う。潜水艦のほうは、おそらく商船よりまだ精度がよくて頑健なものだと思うのです。深度も低い所まで下がっているわけですからね。そうすると、あなたのような簡単な気持で安全性は言えないのではないか、その安全性についての心配があるわけです。普通の岸壁では絶対だめなんですね。特に今度、佐世保では五千万ドルも投じて膨大な設備をなさっている。そういうような設備が必要なんで、特殊な港をつくるものか、それともまあ観測船ということになりますと東京へ寄って名古屋へ奇って、大阪へ寄ってなんという必要がないでしょう、これは。したがいまして、日本で一カ所か二ケ所、衆議院の速記録を読ましていただくと、関西云々というのを、私の読み違いかもしれませんが、あるわけですが、寄港地がですね。そういうことが明確になっているかどうか。これは大石さんよりも内田さんにお尋ねするほうが妥当かもしれませんが、そういう点はどうなんですか。
○政府委員(内田常雄君) お尋ねの点は、原子力船には濃縮ウランを使った原子炉が置かれるのだから、したがって海の上に浮いている原子力船といえども陸上の原子炉と同じような安全上の配慮が十分なされるのか、なされておるのか、こういうお尋ねだと思いますが、もちろん陸上の原子炉と同じような安全対策、あるいは法律上の安全規制、これにつきましては原子炉等規制法という法律がございますので、東海村にある陸上の原子炉、あるいは各大学などにあります陸上の原子炉に対する法的規制と同じ態度をもって臨むことになっております。のみならず、これは船で動き回りますから、動き回ります点につきましては、別に船舶安全法という法律がございまして、その船舶安全法によりまして動き回る点につきましてはさらに規制が加わると、こういうことになっております。 なお、私は技術者ではございませんが、科学技術庁におりまして、門前の小僧でございますが、さような立場から聞いているところを述べますると、船の中に置かれる舶用炉につきましては、安全検査がごとに厳重で、ことに設計とか工事方法の認可、あるいは施設の検査、性能検査などにつきましては、陸上の原子炉以上に十分な配慮を払っている。また、船の中におさめられる原子炉につきましては、コンテナといいますか、すぽっと原子炉が入ってしまう容器を、十分放射能に耐え得る容器をつくりまして、狭い船の中に入って原子炉を操作する運転要員などが放射被害を受けることが全くないような、そういう十分な技術上の措置が講じてあるわけでございます。また衝突したり沈没したりした場合に、この原子燃料であるウランの分裂が盛んに起こって爆発するというようなことはもう絶対ないように、たとえば阿部先生御承知のように、ウラニウムが核分裂のエネルギーを出しますのは、中性子がウランの核の中に飛び込んで核分裂を起こすのでありますが、この中性子が飛び込まなければ、そのウランの核分裂というものはないのでありますから、一たん事があった場合には、原子炉の中の中性子をみんな吸い取ってしまうように、制御棒というのがありまして、制御棒がちょうどたとえば陸上に火事があった場合に、シャッターがしゃっとおりるように、制御棒がさっと一斎におりてきまして、原子炉の中で動いている中性子をみんな吸い取ってしまう。ウランが残りましても物質としてのウランが残るだけで、核分裂を起こさない、そういう装置がしてあるわけであります。そればかりでなくて、さらに第二の方法として、制御棒がおりてくるだけでなくて、ボロンといって中性子を吸収しますそういう元素がしゃっと原子炉の中に水のように入ってきて、隙間をみんな埋めてしまうということで、ウランは全く核分裂を停止してしまう、こういうような仕組みが舶用炉については設けられておる、こういうことでありまして、したがって、衝突、沈没などの場合に原子炉の機能がとまってしまう、またさような場合に、さっきのコンテナの作用その他で、中にたまっておる何といいますか、核分裂のあとに残る燃焼済みの廃棄物などが外に流れ出ないように、十分な配慮が設けられておる、 こういうことでありまして、先ほど来、たびたび出ます原子力船研究協会などが数年かかってやって参りましたものの大部分というものは、この安全性、安全施設に対する研究というものに非常な努力が払われておる、かようなことを聞いておりまして、私どもはこの原子力船第一船がつくられ、それが日本の港を動きます場合に、法律的にもまた技術的にも心配のない措置がとられておると、こういう前提に立って今度の法案を起こしておる、かような次第でございます。
○阿部竹松君 さすがに科学技術庁の政務次官だけあって理路整然として御答弁なさるが、あなたの御答弁で満足いくのであれば、アメリカの潜水艦の日本寄港問題で、湯川博士初め百五十人も二百人も、次官はどうかわかりませんけれども、私どもより優秀な専門的に勉強をなさっている人が反対するわけがないのです。特に私どもが見ている文献によっても、十二ノットまでは大丈夫だけれども、十四ノット以上になると責任持てないという学者もおる。ところで、横浜の港を見てごらんなさい。これは政務次官でも船舶局長でも、これは運輸省の方から聞いてもわかるのですけれども、現在の港に、船は今より繁雑しても、あれより少なくなるということはあり得ないわけです。それからアメリカの沿岸警備隊におったF・クラウチという人ですか、その人も、陸上より海のほうが危険であると一こういうことを言っておる。ですから、あなたのおっしゃるとおりにいけば、これはまことに望ましいことであるけれども、そういう自信たっぷりでやられて、ほんとうに心配ないかどうかということを、やすやすと御答弁なさっているが、私どもは心配なんです。あなたの説が正しければ、私ども社会党は、とにかく兵器としての潜水艦、これは寄ってもらっては困るということなんですが、学者は、兵器としてよりも、安全度ということを考えて反対しておられる。あなたの説が正しければ、日本じゅうの学者とは言いませんけれども、反対の署名をされ、反対の立場をとっておる学者は、原子力学者でないといってもいい。しかし、あの学者が御心配なさっておる。僕の説は否定してもいいが、あの人たちの説を全部あなた否定するのですか。それから、日本の港がもう少し船が少なくなって、もう少し港が広くなるという当てでもあるのですか。ますます混雑してくるでしょう。東京都と同じです。そうなってくると、やはり安全度というものがきわめて心配になるし、当然そこに九年のものが十年かかってもやむを得ないですから、そこら辺あたりに力点を置かなければならぬと私は思うのですが、あなたは、いとも簡単に、とうとうとして、絶対大丈夫だと。本家本元の船がいつ衝突するかわからない。これが東京港なり、あるいは横浜港、神戸港、大阪、名古屋の実態じゃないのですか。私運輸委員じゃないですから、新聞記事で、船が衝突して何名犠牲が出たというとき、あっと驚くくらいですが、これは運輸委員に聞いてみてもたいへんなものです。東京都内のタクシーと変わりないというのが定説です。ですから安全度についてもう少し配慮が必要ではないかと考えるのですが、そこで、そういう点について近藤長官に、安全度の問題と、それからさいぜんお尋ねしておきました金の問題ですね。民からそう簡単に、四分の一という額で十年間ですから年月が長いわけですが、はたしてそう簡単に集まるものかどうかという懸念があるわけです。したがって、民間から集まるかどうかという懸念と、民間から、もし集らぬ場合には法改正なり、あるいは何らかの方法で国から出して、とにかく、一応六十億という金額にして船をつくってみるという方法が講じられることができるかどうかということを、簡単でけっこうですから長官にお尋ねいたします。
○国務大臣(近藤鶴代君) 一つの研究船としての原子力船を官民一体になって仕上げていきたいということは、民間側も非常な熱意を持って協力されるということにおいてこれが始まったわけでございますので、私はそういう点で民間の方々も可能な限りの努力はして下さるものであると思います。しかし、限度があってどうしても間に合わないというような場合には、阿部委員の御指摘のとおり、その後においての何らかの処置は考えなければならないのではないかとは考えておりますけれども、現在一つのものを完成しようという出発に当たりましては、計画いたしました方針で必ずでき上がるものであり、でき上がらせたいという熱意を持って出発をいたしたいと思っております。また安全度の問題につきましては、自民党、社会党の区別なく、将来原子力というものがいかような形で利用されましょうとも、もちろん平和利用に限られた問題であるといたしますならばなおさらのこと、そういう点についての安全度ということは、あらゆる角度からほんとうに取り組まなければならない、慎重に考えなければならないものだということは十分に考えておるわけでございます。
○阿部竹松君 その次にもう一点長官にお尋ねしておきますが、原子炉は初めは外国炉というように考えておったようですが、その後、国産ということにきまったような衆議院の委員会のですか、答弁がなされておるようですが、それが事実かどうかということと、それからもう一つ、これは一つの造船会社に発注するものか、これからやられるお仕事かもしれませんが、部分的に各社が分割して、十社にも二十社にも分割して・それぞれ部品に応じて御注文をなさるつもりか、それとも特定の。危険なものですから原子炉を据えつけていよいよ動き出すと、さいぜん内田さんから御答弁があったように、全く安全なものかしりませんが、それを持ち運びする、あるいは据えつけるというような設計から船が動き出すまでの段階等は、きわめてこれは注意しなければならぬと思うわけで、簡単に横浜でやるとか、あるいは東京晴海埠頭でやるというわけには参らないと思うのですが、その点をお尋ねしているわけです。
○国務大臣(近藤鶴代君) 初めは外国炉であるようであったのを国産炉にかえたということについてということでございますか、最初のお尋ねは。私その間のいきさつはあまり詳しくは知りませんけれども、予算折衝のときに、外国炉のほうが安上がりではないかというような話が出たことはございますのです。しかし、少々安上がりであっても、やはり国産炉でもって日本人の手によって日本の研究を完成するということにおいて、わずかぐらいの予算で外国炉をそのまま安易に取り入れるということはどうだろうかという議論をしたことはございます。そのことだけでございます・私が関知しておりますのは。それから……。
○阿部竹松君 その次にお尋ねしたのは原子炉ができますね、船にそれを取りつけるまでに、そちらに持って行ったりこちらに持って行ったりしなければならぬ。したがって船をつくる、これは長崎でつくるかどこでつくるかどうかわかりませんが、それは一つのところでもって初めから終わりまで全部おつくりになる計画であるか、あるいはもう日本全国の優秀な造船会社あるいは造機工場、そういうところに各個ばらばらに部品を注文する、こういうことになるのかどうか。各個ばらばらに注文すると、どこかで一切組み立てなければならぬ。そうすると、原子炉は原子炉でどこからか持ってくる。それからスクリューはスクリュー、あるいはほかのエンジンはエンジン、電気施設は電気施設というように、十社からも二十社からも持ってくるということになると、据えつけて船が動き出すと安全性を保てるかもしれませんが、これは運ぶまでがたいへんでしょう。ほかで、船に取りつけないうちに原子炉の試運転をなさることもあるでしょう。これはお伺いしておりませんが、常識的に考えてそうだと思っているのですが、そういうような一切の工程をおきめになっているのかどうか。
○国務大臣(近藤鶴代君) どこか一社で全部するのか、それぞれの特色のあるところで部品をつくって、一つのものにまとめ上げるのか、いずれにしても一長一短あると思いますが、私は実は技術のことは全然わかりませんので今どのような操作でどのようなところまで研究されているかということはここでお答えいたしかねますので、もし詳しいことがあれでございましたら、事務当局のほうからお答えさしていただきたいと思います。
○政府委員(島村武久君) この第一船を建造いたします趣旨は、研究開発を目的として、そうして実用的なものをつくって、広くわが国の産業界、造船工業界、関連工業界の広い分野の技術水準の向上をはかることにあるわけでございますので、第一船の発注に当たりましては、できるだけその精神が生かされるような方法を考えていかなければならないのは当然であると考えるわけでございます。ただ、どの程度に一括発注し、どの程度に分割発注するかというような具体的な問題になりますと、これは現在の段階で事業団の自主的な決定にまかせていくということになろうかと思います。ただ、常識的に考えまして、今までの在来の船をつくる場合にいたしましても、一社だけですべてものをつくるというわけではございません。実際にそれぞれの部分をつくりますことに関与いたします企業が相当多くなることは事実でございます。 なお、御参考までに申し上げますと、日本原子力研究所でつくりましたいわゆる国産一号炉は、これは原子炉メーカー各社がそれぞれの部分を分担して受注するというような方式をとったわけでございます。いずれにいたしましても一長一短はあるわけでございます。最終的な詳細なやり方というものは、事業団自体の自主的な判断にまかせたい、まかせるのが当然であるというふうに考えますけれども、要は、この立法の趣旨が生きるような方法をできるだけ考えてもらうようにいたしたいと考えているわけでございます。
○阿部竹松君 最初から最後まで、お尋ねしたいところは一切事業団、こういうことに御答弁をされるわけですが、私はほかの事業団のことを二、三例を申し上げてみますと、あらゆる事業団全部に該当するということは言いませんが、いろいろな事業団を仕事によってつくりますね、中小企業の場合に、金を貸すという例をとってみますと、つまり何千何億貸すんだということを決定して、貸す方法とか、貸す対象は、それは事業団でやるというようなことで今まで私ども審議してこなかった。事業団をつくるということ、もちろん役員構成から何から一切きまりますね。そうすると、額は幾らだと、そうしたら年何歩だと、何年計画でどういう装備だと、その対象はどうだというところまで、いろいろ立法措置の中で、設立するときは論議されるわけです。しかし、あなたのお話が、最初から最後まで、私どもがお尋ねしたいと思うことは、それは事業団でやります。なるほどごもっともな話です。あなたのほうは、ただ九カ年で、それで六十億の金を使って原子力船をつくるだけだと、こういうことになっているわけだ。それは一年から九年までの確かに年次計画も出ているけれども、おそらくこれまでは大修正に加えて大修正をされると、私は思う。私の言うことが一当たらなければ幸いだけれども、そういうことになってくると私は思う。そうすると、もう少し骨身のあるような、やはり筋を持った事実団法でないと、あとで問題になりゃせぬかという心配がある。つくった船がどこへいくかもわからない。あとで法律できめますというから、それは確かにそのとおりになるでしょう。ところが、つくった船がどこにいくかという行く先もわからないで、六十億という金を国と民間から集めるというわけですから、どうかと思うんですが、一切がっさい事業団ですから、それで御答弁するということですから、これ以上質問してもどうにもならぬわけですがさいぜんの御答弁の中で、ちょっと漏れておったわけですが、船に据えつける前に、やはり原子炉を、どこで試運するか別として、やるわけでしょう、船に据えつけてから試運転するということでなくて。船は船でどこかの造船会社でつくり、原子炉は東京の郊外でつくるか、東海村の横を間借りしてつくるかわかりませんが、原子炉をつくって、そこで試運転をやって、それからこれは十分だということで船に持ち込むという格好になるんじゃないですか。そうすると、その間の安全装置や何かは、全然やはりこれは事業団のやることであって、あなたのほうの考慮外だということですか。
○政府委員(島村武久君) おっしゃいますとおり、船自体はいずれにしてもどこかの造船所のドックでつくるわけです。また、原子炉そのものは、おそらくそのドック以外のところでつくられましょうと思います。その場合に、原子炉は原子炉として完成をして、試運転を船に積まない前にやるということは考えておりません。したがって、原子炉は——もちろんそれぞれの部品は外でつくるわけですが、ほんとうにその原子炉というものを組み立てて試運転いたしますのは船の中でございます。
○委員長(田上松衞君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(田上松衞君) 速記をつけて下さい。 他に御発言もなければ・本日はこの程度にいたしたいと思います。これで散会いたします。 午後四時十五分散会