科学技術振興対策特別委員会 第2号
- 発言数
- 15 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/02/07
会議録
○委員長(田上松衞君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について報告いたします。 去る一月二十二日、加藤シヅエ君、瀬谷英行君及び矢山有作君が辞任されまして、その補欠として光村甚助君、松澤兼人君及び岡三郎君が選任せられました。
○委員長(田上松衞君) 次に、理事の補欠互選についてお諮りいたします。 加藤シヅエ君の委員辞任に伴いまして理事に欠員が生じたわけでありますが、その補欠互選を行なう必要があります。ついては、先例によりまして手続を省略して、その指名方を委員長におまかせ願うことといたしまして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田上松衞君) 御異議ないと認めます。それでは理事に松澤兼人君を指名いたします。 —————————————
○委員長(田上松衞君) 本日は、昭和三十八年度科学技術庁の施策及び予算について説明を聴取することにいたします。 初めに近藤科学技術庁長官から基本施策についての説明を願いたいと思います。
○国務大臣(近藤鶴代君) 最近の驚異的な科学技術の進歩と社会のあらゆる部門への科学技術の浸透によって科学技術振興に対する社会的要請が飛躍的に増大しつつあることは、世界の趨勢であります。 近年におけるわが国の急速な経済発展と国民生活の向上においても、この間におけるわが国の科学技術の進展が大きな要因となっていることは明白な事実であり、今後わが国が海外の先進諸国に伍して貿易自由化による国際競争に耐え国民生活の向上をはかり、かつ、将来における繁栄を確保するためには、今や国として格段に科学技術の振興をはからねばならぬことを痛感する次第でございます。 このような観点に立って、私は昭和三十八年度におきましては、特に次の諸施策を実施して参る所存であります。 まず、最近産業の発展近代化による国民生活の著しい改善にもかかわらず、豪雪、台風、集中豪雨等わが国の地理的特殊条件による自然災害は依然として跡を断たず、国民生活を脅やかしております。 これに対して、従来関係行政機関それぞれの立場から災害に対する研究を行ない、当庁においても総合的な立場からこれらの研究を推進して参りましたが・三十八年度においては、防災科学技術に関する総合的中枢的性格を有する国立防災科学技術センターを、当庁の附属機関として新設いたしたいと考えております。 このセンターは、防災に関する既存の試験研究機関と相協力して活動することを主眼とし、関係機関との研究施設の共用、流動研究員制の採用、必要資料の収集等いわゆる総合研究センターとしての新しい運営方針をもって業務を進めることといたしております。 また、当庁においては、従来から資源の総合的利用方策についての調査を実施してきましたが、新しい国づくりの観点からその重要性はきわめて高まりつつありますので、今後はさらに新時代に即応して生活環境の地域的特性等について科学技術的観点から先見性のある調査を強化する所存でございます。 宇宙開発につきましては、宇宙飛しょう体等に関する研究の助成及び宇宙開発合同推進連絡会議の設置等、宇宙開発の総合的推進に努力して参りましたが、さらにその業務体制を整備強化するとともに、航空技術研究所を航空宇宙技術研究所に改称し、宇宙科学技術に関する所要の試験研究を行なわせることとするほか、宇宙開発審議会を強化し、さらに最近における海外主要各国の積極的な推進方策にもかんがみ、宇宙開発に関するわが国の地歩を確立するため、その開発に関する重点目標を設定することについて同審議会に諮問し、早急にその開発体制の整備推進に努める所存であります。 原子力平和利用につきましては、ここ数年世界的にもやや沈滞の傾向が見られたのでありますが、昨年あたりから各国において実用動力炉の運転、原子力船の運航開始等のほか、さらに、大型原子力発電所の建設計画が次々に決定される等、再び以前にもまさる活気を呈し、大きな期待が持たれるようになって参りました。 わが国としましても世界的な開発のペースにおくれないよう長期計画の線に沿って、研究開発の一そうの推進をはかるとともに、三十八年度においては新たに幾つかの具体的開発計画に着手し、原子力平和利用の幅と深さを一段と広げるよう、特別の努力をいたす所存であります。 すなわち数年来研究を行なってきた原子力船につきましては、日本原子力船開発事業団(仮称)を設置して、三十八年度よりいよいよ第一船の建造計画に着手する考えであります。 さらに、日本原子力研究所においては、新たに国産動力試験炉、材料試験炉等の開発計画を具体的に開始し、原子燃料公社においては、再処理施設等の設計並びに山元一貫製錬試験施設の建設に着手する予定であります。 これら原子力利用に伴う放射線障害防止については、放射線医学総合研究所を中心として、一そう研究を充実強化し、核爆発実験に伴う放射能対策をも含め、万遺憾ないよう措置いたしたいと考えております。なお、多数の原子力関係施設の置かれている茨城県に当庁の地方支分部局として水戸原子力事務所の新設を予定いたしております。 次に科学技術の国際交流についてでありますが、科学技術の進展とともに、その必要性はますます強まりつつあります。 したがいまして、日米科学委員会の勧告による共同研究を初めとし、国際共同研究、国際会議への参加、科学アタッシェの増員等をさらに一そう推進する所存であります。 また、現在アジア原子力会議、国際原子力機関のシンポジウムの開催について準備中でありますが、三十八年度は、アジア電子技術会議の開催及び東南アジア原子力研修生の受け入れを予定し、一そうアジア地域との交流に努力いたしたいと考えます。 国産技術の振興に関しましては、新技術開発事業団の事業規模をさらに拡大強化し、また発明実施化の助成、地方発明センターの設置の助成等をはかるほか、民間の研究活動の促進に資するための税制上の優遇措置をさらに前進せしめる等の施策を講じ、また、これと平行して日本科学技術情報センターの機能の増強をはかるとともに、優秀な研究者、技術者の顕彰を行なう所存であります。 なお、国民全般に対する科学技術振興についての普及啓発は、中央、地方相互間の緊密な連係のもとに実施することが必要であると思われますが、特に地方に対する科学技術に関する知識の普及および科学技術振興施策の浸透について一段と努力して参りたいと考えます。 最後に当庁としては、国全体として調和のとれた科学技術の振興をはかるべく、関係行政機関の行なう科学技術業務の総合調整並びに総合推進に今後とも努力いたす所存でありますが、特別研究促進調整費の活用等により、さらにその役割を十二分に発揮するよう努めたいと考えております。 なお、国立試験研究機関の刷新充実方策につきましては、科学技術会議の答申の線に沿って進めていく所存でありますが、研究公務員の処遇の改善、海外留学の拡大、人当研究費の充実確保をはかるとともに、国立研究機関の集中移転については関係方面と十分連絡をとりつつ研究を行なうにふさわしい環境を整備するための検討を進めて参りたいと存じます。 また、科学技術振興の基本となるべき科学技術基本法の制定につきましては、目下科学技術会議で審議中でありますので、その答申を待って法案の作成を進めたいと考えております。 以上、当面考えております施策の大綱を申し述べましたが、わが国科学技術振興施策の重要性にかんがみ、微力ながらもあらゆる努力をいたす所存であります、 委員各位の御支援御協力を重ねてお願いしてやまない次第でございます。
○委員長(田上松衞君) 次に、科学技術庁関係予算について、説明を聴取いたします、松田政府委員。
○政府委員(松田壽郎君) 昭和三十八年度科学技術庁の予算要求額は、歳出予算額百四十七億五千八百万円、国庫債務負担行為額四十八億六千二百万円でありまして、これを前年度予算に比較いたしますと、歳出予算額二十億二千九百万円、国庫債務負担行為額十七億一千万円の増額となっております、これを増加比率で申し上げますと、三十七年度は対前年度六・六%でありましたものが、三十八年度は一五・九%となっておりまして、予算規模は伸長を見たこととなります、 次に、予算要求額中おもなる経費について、お手元に提出いたしました、「重点事項別予算額表」の順を追ってその大略を御説明いたしますと、まず国立試験研究機関の強化推進については、特に各省庁に共通した問題として、人当研究費制度の確立をはかりました、国立試験研究機関においては、従来研究者に対する一人当たり研究費というものは制度上確立しておりませんでした、このため相当な規模を持つ特別の課題に関する研究以外に、各研究者及び研究機関がそれぞれの創意による研究を実施するには不自由を感じていたので、当庁は三十八年度各省庁の試験研究予算の見積り方針の意見書において、この点を特に要望いたし、三十八年度より国立試験研究機関の研究員についても、国立大学の教官に準じた取り扱いをすることになりました。 次に、研究者の海外留学につきましては、国立試験研究機関の研究者を海外に留学させて、そのすぐれた技術を習得させることは、研究者の質的向上と研究能率の増進にきわめて有効であり、特に若い研究公務員に海外留学の機会を多く与えてその研究欲を満足させることができれば、人材確保に大いに効果を及ぼし得ると考えられますので、これらの目的のために三十八年度は留学者の員数の増加をはかりました。 また、近時電子計算機は多くの研究分野に広く利用されてきましたが、そのプログラミングに習熟している者がきわめて少ないため、まだ未利用の部門が相当あると考えられますので、三十八年度より各省庁所属試験研究者を対象として電子計算機のプログラミングの研修を行なうための経費を当庁に一括計上いたしました。 次に、重要総合研究の推進について申し上げます。 先ず、防災科学技術を推進するため国立防災科学技術センター(仮種)の新設であります。台風、津波、高潮、豪雨、豪雪、地震等、しばしばわが国に襲来する自然災害についての防止対策研究は、関係各省庁所属の試験研究機関等で限られた分野でそれぞれの規模で従来から実施していますが、その総合性、協調性、機動性等については欠けている点が多く、特に新しい分野を開拓するための近代的設備等の整備については、なかなかその実現を見ることができない現状であります、したがって当庁は三十八年度において、各省庁の実施する防災科学技術の試験研究を一段と推進するため必要な総合的試験研究の実施と、各省庁の試験研究に共同利用できるような設備の整備、流動研究員の派遣等を主たる任務とする国立防災科学技術センター(仮種)を新設し、同時に防災に関する各種資料等の収集整理を行なって防災科学技術のデータセンター的機能を持たせる予定であります。 なお、このセンターが中心となって推進する総合試験研究に対しては、関係国立研究機関の研究費分として特別研究促進調整費のうちに三千万円を予定しております。 人工降雨の試験研究は、三十七年度南九州、北関東で実施してきたものを三十八年度もこの両地区で引き続き実施することにしております、次に宇宙科学技術の研究開発につきましては、研究体制に対する基本的な考え方として、ロケットの飛翔体及び燃料システムの基本的な問題は国立研究機関が開発研究に当たり、観測ロケットの試作及びその実験並びに計装関係の機器開発は、国の責任においてこれを民間に委託実施させていくこととし、まず、航空技術研究所の改組と拡充でありますが、現在の航空技術研究所を航空宇宙技術研究所と名称を改め、その任務のうち宇宙開発技術についての試験研究を加え、同時にロケット部を新設することといたしましたが、ロケット部においては当面ロケットの飛翔体、エンジン及び燃料システム等の基礎的試験研究を実施いたすことにしております、民間機関への研究委託としましては、民間に対する宇宙開発に関連する試験研究のために、三十五年度以降一段ロケットの試作研究を中心に、助成方式で進めてきましたが、三十八年度よりは国がみずから実施する建前のもとに開発研究を民間に委託する形式に切りかえることにして研究調整局に宇宙開発室を新設し、試作発注、研究発開委託等の事務に当たらせる予定であります。 その他の総合研究といたしましては、環境科学技術の試験研究でありますが、前年度よりの継続研究として、水質汚濁、大気汚染及び騒音等の防止に関する研究を民間に委託して行なうこととし、多数部門関連試験研究としましては、実験用SPF動物の量産化に関する試験研究が本年度で一応終了しますが、三十八年度は新たに農業利水の高度化をはかるための試験研究と凍結乾燥に関する試験研究について民間団体に補助金を交付する予定であります。 人間科学に関するものとしては、新たに作業環境及び労働条件が人間の能力及び生理に与える影響の研究に着手することとして、厚生省及び労働省所管の試験研究機関と当庁との総合研究の制度を新設し、各省庁で必要とする経費を一括計上してこれが総合推進をはかることといたしました。 特別研究促進調整費につきましては、重要試験研究の促進方法としてきわめて効果的な役割を果たしており、本年度は関係各省庁の要望もすでに十五件に達し調整費の不足を痛感している次第で、三十八年度は大幅に増額をはかって二億五千万円を計上しましたが、このうち三千万円が防災科学技術の総合推進をはかるための試験研究費として特定されていることは、さきに申し上げたとおりであります。 次に、原子力平和利用の促進について申し上げますと、日本原子力研究所においては、まず東海研究所関係では既設の原子炉の定常運転を続行して原子炉関連工学等の研究を進め、このためホットラボラトリー及びラジオアイソトープ製造工場の増設等を実施する予定であり、このほか遮蔽研究用原子炉の工事を促進し、三十九年度当初に運転を開始する目標といたしております。また、新しい原子炉の開発研究として、国産の動力炉、材料試験炉等を取り上げることとし、その基本的設計研究を開始することにしました。次に三十七年度より建設工事を開始した高崎研究所につきましては、コバルト60線源および加速器による中間規模試験設備を整備し、三十八年度末には運転を開始するほか、ラジオアイソトープ工学試験室関係の整備を開始することとしました。なお、本研究所の三十九年度以降に建設を予定される諸施設の用地として茨城県大洗地区に新団地の敷地を購入するため必要な経費も出資金の中に計上しております。 原子燃料公社につきましては、三十八年度は、試験研究の経費に重点を置くこととし、まず人形峠鉱山においては鉱石の一貫製錬試験設備の建設に着手し、また水力採鉱試験、洗鉱中間規模試験を実施するとともに、東海製錬所においては、精製錬関係の試験研究を引き続き実施するほか、プルトニウム燃料研究施設の着工、使用済み燃料再処理工場の基礎設計の実施を予定しておりますが、なお探鉱関係につきましては、ほぼ前年度程度の事業を倉吉地区、人形峠地区及び小国地区を中心に実施する計画であります。 日本原子力船開発事業団(仮称)の設置につきましては、わが国における原子力船の開発研究は三十二年度以降国立試験研究機関及び国の助成を受けた民間機関等において、それぞれの分野で研究を実施して予備的な研究の段階を一応終了しましたので、原子力委員会の策定した「原子力第一船設計、建造及び運航を主たる内容とする九カ年計画」に基づいて、原子力調査船の建造に着手することにいたしました。このためには研究開発体制を整備する必要がありますので、特殊法人「日本原子力船開発事業団」 (仮称)を設置することとし、所要の法案を用意しましたが、初年度は、基本的設計に着手するため必要な経費としては政府出資金一億円のほか、民間からも五千万円の出資を予定しています。 原子力平和利用研究を推進するため国立機関の原子力試験研究につきましては、原子炉用材料、原子力船、核融合、放射線標準、放射線利用等に関する研究並びに核原料物質の調査等について国立試験研究機関が前年度に引き続き実施するため必要な経費を、当庁に一括計上しております。理化学研究所の原子力研究は、従来国からの委託費等でまかなわれておりましたが、三十八年度予算よりこれを政府出資金に切りかえることとし、またサイクロトロンの建設については三十七年度に本体の一部に関する工事の契約を締結することになっており、引き続き付帯設備及び建家等の整備をはかって四十年度に完成することを期待しております。民間機関における試験研究のうち、核融合、原子炉安全性、放射性廃棄物処理、放射線障害防止等の重要研究については、研究委託費及び補助金を民間に交付して引き続き研究を実施させることとし、原子炉用燃料の照射試験についても補助金を交付する予定であります。 核燃料物質につきましては、三十八年度の所要量について必要経費を計上いたしました、なお予算要求額が三十七年度に比し著しく減額になっておりますのは、日本原子力研究所の動力試験炉用燃料の代金決済が終わったためであります。 放射線医学総合研究所においては、放射線による障害の防止及び放射線の医学的利用のための試験研究については研究用設備の重点的整備を行なうこととし、また放射能対策をはかるための調査研究を行なうことにしており、なお放射線の障害防止及び医学的利用に関する技術者の養成訓練のためには、施設を整備してこの事業拡充強化をはかる予定であります。 放射性廃棄物の処理事業につきましては、三十八年度も日本放射性同位元素協会に、これを行なわせることとし、特に集荷能力の増強をはかるため、新たに集荷場を増設するのに必要な経費も補助することにしました、 原子力発電所立地調査は、三十五年度以降三カ年計画で通商産業省において、原子力発電所の立地条件について、図上調査を行なってきたもののうち、比較的条件のよい地域についてはさらに地質および気象等について国有地を選んで調査をするため必要な経費を計上しました。 水戸原子力事務所の設置につきましては、東海村地区における原子炉施設等の監督及び安全対策の強化をはかるため、水戸市に当庁の地方支分部局として原子力事務所を設置し、茨城県下における原子力行政事務の万全を期することといたしました。 次は、新技術の開発でありますが、新技術開発事業団は本年度で出資金総額が十億五千万円になりましたが、引き続き開発計画を実施していくために、三十八年度においては五億円の出資金を計上しました。 発明実施化試験の助成は、個人及び中小企業者が実施する発明試作試験に対して行なわれるものでありますが、近時技術内容の高度化と試作試験規模が拡大していく傾向にありますので、三十八年度はこれに対する補助金についても、一件当たりの金額を引き上げる予定にしてその増額をはかりました。 日本科学技術情報センターにつきましては、理工学部門の情報収集を強化充実するとともに、新規事業として国内文献についても収集整理と情報提供の業務を開始する予定にしております。なお現在本センターは建物が狭隘で都内数カ所に分散間借りをしている実情でありますので、三十八年度を初年度として三カ年計画でビルの建物を開始することにしたため、これに必要な経費も出資金として計上しております。 次に、科学技術普及啓発業務といたしましては、三十八年度から地方における科学技術の普及啓発に重点を置いて事業の強化をはかることとし、実行にあたっては地方の科学技術振興団体等と密接な連絡をとりつつ進めていく考えで所要の事務費を新規に計上いたしております。 次に、国際交流について申し上げますと、科学技術者の国際交流として、従来から日豪科学技術者の交流を行なってきましたが、本年度より西欧諸国とも交流をすることにしましたので、三十八年度も引き続きこれらの諸国と技術者を交換し、国際技術協力の一助としたい考えであります。 東南アジアよりの原子力研修生受け入れにつきましては、東南アジア地域の各国原子力関係技術者をわが国へ研修生として受け入れることは、わが国が国際原子力機関加盟国としての地位を高めることに資するばかりでなく、東南アジア諸国に対する国際協力の一助となることと考え、三十八年度より援助費を計上して研修生受け入れを実施することにしました。 国連技術援助計画による公務員の渡航につきましては、フェローシップの内訳となっている技術拡大援助計画による分、通常援助計画による分および地域別援助計画による分の合計五十六人分の往復交通費の半額を計上したものであります。 アジア電子技術会議につきましては、一昨年第一回アジア電子技術会議が東京で開催された際、これに対して補助を行ないましたが、三十八年度においては第二回のアジア電子技術会議を開催する計画のもとに、所要の経費について予算的措置を講じることにいたしました。 日米科学協力に関しましては、昨年第二回日米科学委員会が開催され、その勧告に基づいて早期に着手すべき問題について、その後両国の政府間会議で取りきめられましたが、三十八年度については国内の調整連絡に必要な経費及び情報部会の活動に必要な経費を計上しました。 次に、放射能調査研究につきましては、前年度に引き続き全国二十四都道府県に陸水、土壌及び各種食品の放射能測定を組織的、定期的に実施させて、常時放射能の分布状況を把握しておくとともに、国立試験研究機関においては大気、天水、海洋、牛乳、人体等の放射能調査及び各種放射能の機器分析並びに放射能対策研究を実施させるとともに、その一部を民間団体に委託研究させることにしております。 次に、資源の総合的利用方策の調査につきましては、従来からの調査を一そう強化促進させるとともに、三十八年度はさらに国民生活環境の調査、都市機能の限界調査及びFAO等の主催する国民食糧消費の総合調査に関して基礎資料作成のための調査を新規に実施することにいたしました。なお三十八年度より資源総合利用方策についての実証的調査をも実施することとし、LPGの冷凍車への多目的利用の開発及び土壌改良剤、土質安定剤の施用試験のため、民間機関に対し、助成して実施させる計画であります。 最後に、所管試験研究機関の整備について申し上げますと、航空宇宙技術研究所では三十七年度より第二次整備五カ年計画に着手してきましたが、三十八年度はさきに申し上げた宇宙関係のほかにV/STOLに関する試験研究設備を中心に整備をはかっていく計画のほか、飛行実験部を新設して航究機の機上における実験を強化することにしております。 金属材料技術研究所では、第一次整備七カ年計画の最終年度分として必要な研究設備の整備が完了できるよう予算を計上しましたほか、研究体制を充実きせるため製造冶金に関する研究部を新設することにいたしました。 理化学研究所では、さきに申し上げました原子力関係以外に一般研究関係については、ほぼ前年どおりでありますが、三十八年度特に研究体制の整備強化をはかるため、人当研究費、総合重点研究費等の制度を確立するほか、農薬研究室を増設することにいたしました。また現在の場所から埼玉県朝霞地区への移転関係については、三十七年度に引き続き研究棟および付帯設備の完成をはかることにしております。 以上、昭和三十八年度の科学技術庁予算のうち重要項目についてその大略を御説明いたしましたが、このほか、原子力損害賠償補償契約に関する法律の施行に必要な国の契約限度額を一般会計予算総則において三十五億円と定めることにいたしております。
○委員長(田上松衞君) 以上で説明を終わりましたが、これに対する質疑は後日に譲ることといたします。
○松澤兼人君 提出が予定されております法案は、科学技術庁関係では科学技術庁設置法の改正案、原子力船開発事業公団法ですか、それとこれは長官の所信表明にありましたが、原子力科学技術基本法ですが、そのほかにありますかどうかということ。それから、それぞれ提出を予定されております法案の提出時期、これについてちょっと……。
○政府委員(森崎久壽君) ただいまのところ三件以外にはございません、法案で提出予定いたしておりますのは。
○松澤兼人君 それで、その提出時期、基本法については当分まあ出ないようなふうに承りましたけれども、この通常国会に間に合うかどうかということ、間に合わないならば間に合わない、それと、原子力船の開発事業公団法、それから科学技術庁の設置法改正案はいつごろお出しになるのか。
○政府委員(森崎久壽君) 科学技術庁設置法の改正の問題につきましては、すでに閣議を終わりまして、衆議院のほうに提案いたしております。それから日本原子力船開発事業団法につきましては、ただいまの予定では明日閣議決定いたしまして、最近の機会に衆議院のほうに御提出するという段取りであります。
○松澤兼人君 基本法はこの通常国会には間に合わないというお見通しなんですか。
○政府委員(森崎久壽君) 基本法につきましては、ただいま科学技術会議において検討中でございまして、今国会に間に合うかどうかにつきまして、まだ少し御猶予をいただきまして検討させていただきたいと思います。
○委員長(田上松衞君) 今ちょっと気がつきましたので、特に申し上げておきますが、次の委員会までに相当期日があると考えますので、いろいろな都合で、もし委員さんたちのほうから資料の要求がありますならば、遠慮なく申し出ていただきたいと申います。御要求はございませんか。 別にないようでしたら、いずれそれはあとで適当に役所側と相談いたしまして、個々にでもお申し出があれば、便宜取り計ろうということにいたしたいと思います。 本日はこれで散会いたします。 午後二時散会