運輸委員会 第28号
- 発言数
- 40 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/06/13
会議録
○委員長(金丸冨夫君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 港則法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、提案理由の説明を聴取いたします。綾部運輸大臣。
○国務大臣(綾部健太郎君) ただいま議題となりました港則法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 近時、臨海工業地帯の造成が急激に進展し、これに伴って港湾の規模も拡大され、また、利用船舶も高速、超大型化の傾向を生じているのに加え、港内の交通は相当に輻湊化し、また、油流失による火災の危険も増加いたしている事情にあります。これらの点に対応して、交通安全の確保のための規制を一そう強化する必要が生じて参りましたので、港則法について所要の改正をしようとするものであります。 改正のおもな点を述べますと、 第一、港内における油送船の附近では、相当の注意を払うことなく喫煙や火気の取り扱いを行なうことを一般的に禁止するとともに、海難の発生等によって油等が流出し、火災のおそれがあるような場合は、港長が附近にある者に対し、火気の使用禁止等を命じ得ることといたしました。 第二に、著しく船舶の交通が輻湊し、かつ、巨大な船舶が多く出入する港については、現在の汽艇、はしけ等のいわゆる雑種船は、一般的に他の船舶の進路を避けなければならないこととされておりますが、この義務を負う船舶の範囲をさらに拡大、雑種船以外の一定の小型船舶にまでこれを及ぼすことといたしました。 第三に、港内の特定航法の中で、防波提入口付近においては出船優先の航法等を規定しておりますが、これらについて、地形等やむを得ない事情のある場合に、命令によって特別の航法を定め得ることといたしました。 第四に、船舶交通のひんぱんな水路等について、信号によって船舶交通の整理を行ない、また、船舶が混雑し、あるいは航行上の危険が生じた場合は、交通の制限を行なうため港長に所要の権限を与えることといたしました。 第五に、港湾事情の変化に応じ、姫路港及び松山港を特定港とし、住ノ江港及び口之津港について特定港の指定を廃止することといたしました。 以上がこの法律案を提案する理由であります。 なにとぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(金丸冨夫君) 本案の質疑は後刻に譲ります。 —————————————
○委員長(金丸冨夫君) 次に、都市高速鉄道建設助成特別措置法案を議題といたします。 提案理由の説明を聴取いたします。参議院議員大倉精一君。
○大倉精一君 ただいま、議題となりました都市高速鉄道建設助成特別措置法案について、提案の理由を御説明申し上げます。 最近の大都市における交通の混雑ははなはだしいものがあり、この傾向は日とともに激しくなる一方でありまして、このまま放置するならば、都市の交通は全く麻痺することは火を見るよりも明らかなことであります。 この極度に混雑している都市交通の現状を打開して、都市交通の中心目的たる大衆大量輸送、公共輸送の円滑化を急速にはかるためには、思い切った対策が必要であると考えます。 今日、自動車の路線別運行規制などが行なわれておりますが、これらは当面を糊塗する弥縫策にすぎず、基本的な都市交通の解決策にはなり得ないものであります。 都市交通の急速な解決をはかるためには、当面、道路網の建設を行なうと同時に、都市の大量輸送機関である地不鉄の建設を促進し、地下鉄網の延長をはかることが最も効果的な対策であると考えるわけであります。 これらの観点から、三十八年度においても、地下高速鉄道の建設費を補助するため、予算措置として二億二千七百余万円の補助金を支出することになっておりますが、一キロ当たり二十億円から三十億円の建設費を要する地下鉄建設に、この程度の補助では、その実効はきわめて薄いといわなければなりません。 さらに、制度上から見ましても、補助金の交付は、単に予算措置として行なうよりは、その根拠を法律の規定によって与えられていることが望ましいと考えられますので、この際建設費の利子相当額の範囲内で補助することがで、きる旨を法律上明確にして、今日の緊急課題である地下鉄または高架鉄道の建設を促進すべきであると考えるのであります。 本法律案は、このような趣旨を達成するために提出した次第であります。 次に、本法律案の内容について概略御説明申し上げますが、将来の都市高速鉄道の発達等も考えまして、単に地下鉄とせずに、法案名も、助成対象も、都市高速鉄道とし、地方鉄道法第一条第一項の地方鉄道と、軌道法第一条第一項の軌道で、都市及びその周辺において、主として地下または高架で敷設されるものとした次第であります。 これらの鉄道、軌道で具体的に助成対象とすべきものは、運輸大臣が、都市交通審議会の意見を聞き、緊急に建設すべき都市高速鉄道の予定路線として、閣議の決定を経て指定した路線に限ったわけであります。 以上の都市高速鉄道で、昭和三十八年以降昭和四十七年度までに建設に要した資金に対して、昭和三十九年度から昭和五十三年度までにおいて、前年度分の利子相当額の範囲内で、予算で定めるところにより補助することとした次第であります。 なお、この利子の額については、別に定める運輸省令により計算することとしてあります。 ただし、以上の補助を受けた路線について営業開始後利益を生じた場合は、助成年度内においては、その利益の相当額を補助対象となる建設に要した資金の利子相当額から控除することとし、また、その路線全部が営業を行なうこととなった場合で、営業開始の年から十カ年以内に利益を生じた場合は、その利益を生じた年度の翌年度において、当該利益額の二分の一を下らない金額を補助額の合計額に相当する額に達するまで政府に還付しなければならないこととした次第であります。 なお、この予定路線にかかる都市高速鉄道の建設資金については、政府においても必要資金の確保に努めるものとする旨の規定を設けるとともに、附則におきまして、この法律の助成対象である都市高速鉄道については、地方税法を改正して、不動産取得税及び固定資産税についてそれぞれ特例を設けたのであります。 以上が、本法案の概要であります。何とぞ、慎重審議の上、すみやかに御賛成を賜わりたいと存ずる次第であります。
○委員長(金丸冨夫君) 本案の質疑は後日に譲ります。 —————————————
○委員長(金丸冨夫君) 次に、港則法の一部を改正する法律案を再び議題といたします。 質疑のあります方は順次御発言を願います。
○天埜良吉君 ただいま港則法の一部改正をする法律案の提案理由の説明を聞いたのでありますが、大体八項目ぐらいの改正するところがあるようであります。最近非常に海難事故が多いのでありますが、各項目について、そのために起こったというような例をひとつお示しをいただきたいと思います。
○説明員(亀山信郎君) まず、改正の第一点は、非常に混雑しておる港におきまして、大型船の針路を避けるべき小型船の範囲を拡張したわけでございますが、これにつきましては、最近大型船と小型船が港内において衝突をいたしました例は、名古屋、大阪、神戸、関門、京浜と、この特に混雑する港における全衝突事件が、三十六年で四百三十四件の海難のうち、百六十四件ございまして、その中で、大型と、今申し上げました避航すべき義務がある小型船——三百トン未満を考えておりますが、これが百六十四件の衝突事件のうち三三%という数字を示しております。それ以外のものは、大型船同士、もしくは小型船同士でございまして、この避航義務を、現行は雑種船のみとなっておりますが、三百トン程度以下の小型船にまで拡張いたしますときには、これらの衝突事件のうちの幾らかは減少し得るのではないかというふうに考えております。 それから、港内における油送船によって生じた事故につきましては、件数はさほど多くないのでございますけれども、御承知のとおり、昨年十一月に京浜運河におきまして非常に大きな事故がございました。これは外国のタンカーと国内のタンカーが衝突いたしました。その際に、やはりその付近におりました油ばしけが一緒に燃えております。こういう大きな事故があったわけでございまして、これに対応すべく、港内における油送船の付近の水域における火気取り扱いの制限を新たに港則法の中に規定いたしたいということで改正の提案をいたしておるわけでございます。 その以外の点につきましては、やはりこういう港内における事故にかんがみまして、特定港内において航行管制、つまり船の出入港を港長が一定の標識によって指図をするということにするというのが一点でありまして、またさらに、事故が起こった場合に、現場で船舶の交通の制限をする必要があるわけでございまして、それに対する権限を法律に明定いたしまして、そういうものに違反した船に対して、船長その他に対して、先ほどの航行管制の違反と同様、罰則をもってこの規定の実行を確保するというふうな点がおもなる改正点でございます。
○天埜良吉君 第五番目にあげてある姫路港及び松山港を特定港とし、住ノ江港及び口之津港を特定港の指定からはずすということになっていますが何かこの特定港にするには一定の基準というようなものがあるのでしょうか。
○説明員(亀山信郎君) 港則法の第三条第二項に、「この法律において「特定港」とは、きっ水の深い船舶が出入できる港又は外国船舶が常時出入する港であって、別表に掲げるもの」というので、一つの基準といたしましては、喫水の深い船舶が出入する港、あるいは外国船が常時相当数入ってくる港ということにいたしておりますが、現実には、大体大型船とここで申しますのは、五百トン以上の船舶というふうに考えておる次第でございます。
○天埜良吉君 住ノ江港などは五百トン以上の船が今でも入っているんじゃないかと思いますが、事情は変わっておりますか。
○説明員(亀山信郎君) 住ノ江港は、なるほど船は現在入っておりますが、五百トン以上の船舶が三十六年の統計では二十五隻、三十七年で五十三隻、さらに二十トン以上の全船舶を見ますと、三十七年で三百十六隻、三十六年が百六十四隻、これは昭和二十四年等に比べますと、昭和二十四年では二十トン以上の船が実に四千八百九十三隻の入港が年間あったわけでございます。現在は二十トン以上の小型船も含めまして三十七年が三百十六隻、三十六年が百六十四隻というふうで、相当減少して参っており、特に港湾が混雑をいたしまして、港長を置き、港内のいろいろの制限禁止を港長みずからやるという必要性が薄くなって参ったというふうに考えた次第でございます。
○河野謙三君 ちょっと資料を要求したいのですがね。それは、この趣旨は、危険防止ということと、円滑な運航ということとは、これは非常に矛盾する問題でして、これは陸上と同じですわね。そこをいかに調整するかということは非常にむずかしいと思うんだが、私は資料として、もしありますれば、過去五年間における主要港におきましてどの程度の数量の荷さばきをしてきたか、輸出入、それからこれは内地近海も同様ですね、相当ふえてきているはずですが、それと主要港における滞船の実績といいますか、日本の貿易で一番大きな負担は私はレバリッジが多いことだと思います。こういうことはどういうカーブを示してきておるか、この資料を一つ私は出していただきたいと思いますが、できますか。
○説明員(亀山信郎君) できます。港湾局のほうで作っておりますから、後刻……。
○河野謙三君 それはお手元にあると思いますが、次の委員会までには御提出願えますね。
○説明員(亀山信郎君) 承知いたしました。
○河野謙三君 けっこうです。
○相澤重明君 港則法の改正を提案をする趣旨が運輸大臣から述べられたのでありますが、私は、現在の港則法並びにこの港則法改正の趣旨だけで、これで一体、港の混雑緩和とか出入船舶の航行安全ということがはかられるだろうか、こういう点に若干疑問を持つものなんであります。そこで、私はひとつ運輸大臣にお尋ねしたいのは、一つの例でありますが、今日の船舶の重量トンは非常に大型化しておるということは、これはもう海運二法の審議の際にもそれぞれの委員から質問されたところであります。そこで、現在の港そのものがこういう時代に即応した条件というものが具備されておるだろうかということを考えると、なかなかそうなっておらぬじゃないかという気がするわけであります。なるほど、今までの、今説明のあった五百トン以上、あるいは五百トン未満という分類をすれば、現在までの港でも、ある程度の、こういう一部改正という条件で、あるいはかなりの混雑というものは避けられると思うかもしれぬけれども、これからの時代に即応したものとしては、私は根本問題として今、一考を要するのじゃないかと思うのです。そこでひとつお尋ねしたいのは、東京湾において、千葉、東京、川崎、横浜——この東京港という一つの名称をつけるとするならば、これはどうしたならば一体混雑緩和ができるか、どういう考えを持っておるか。これは少なくとも、首都一千万の人口を擁し、そのまわりには千葉、神奈川という大県を持っておるということからいけば、ここに出入する船舶、その扱う貨物の量はたいへんなものだと私は思います。先ほど河野委員から、過去五年間の数字を資料として要求されておりますが、私は大臣がどのように今の東京を中心とした港についての把握をしておるかということをひとつ御説明いただきたい。どうなっておりますか。重要港の中でも最大のものだと私は思うのです。御説明をいただきたいと思います。どうですか。
○国務大臣(綾部健太郎君) 経済の発展が、異常なほど発展して参りまして、私どもといたしましては、その先行投資ともいうべき道路と港湾については、さらにさらに大きな構想のもとにやらねばならぬと考えております。財政の状況と見合わせて、その規模、施行の順位その他についてはとくと考慮いたしたいと思います。現在におきます東京湾の輻湊状況等は、事務当局をして説明いたさせます。
○河野謙三君 私、資料の要求を一つ落としましたからちょっと……。先ほどお願いいたしました資料のほかにもう一つ、過去五年間の主要港の荷さばき数量、実績、その内訳、その中に特に油だけを分けまして、どのくらい今まで扱っておるかということをひとつ資料を出していただきたいと思いますが、これもできますね。
○説明員(亀山信郎君) できます。
○相澤重明君 それでは事務当局から答弁して下さい。
○政府委員(比田正君) ただいま港則法が改正されますに関係いたしまして、最初に全国の港の話、次に東京湾のお話、こういう御質問だったと思いますが、この港湾の改修は非常に今立ちおくれておりますので、ただいまも五カ年計画を作りましてやっておりますが、来年度からは新しく五カ年計画を改定いたしまして、最近の諸情勢に適応したものに変えまして、さらに推進していきたいと思っております。その際に一番問題となりますのは、鉱石の専用船あるいはタンカー等の非常に超大型のものの取り扱いでございまするので、これらがたくさん入ります港につきましては、これらに対して特に配慮いたした整備計画を立てていきたいと思います。 東京湾につきましては、御承知のとおり、約一億トンくらいのものが現在入っております。これは横須賀から木更津のほうまでかけた、千葉県のほうまで含んだものでございますけれども、こういうような大きな荷物が将来入って参りますと、ただいま御指摘がありましたように、その船舶の安全ということが非常に問題でございます。これは大別いたしますと二つの要素になると思います。一つは、油等は非常に危険な品物でありますから、できればそういうものを場所を限りまして安全なところに配置するということが一つの要件でございます。もう一つは、すでにできておりますものを動かしていくことはできませんから、そういうものを何とかして航行を制限できるような形に港の格好を変えていくか、あるいは少し離れたところで油等はパイプで輸送ができますから荷役をする。あるいは、今後ふえます分については、危険な奥まった水面を避けまして、外側の安全な水域に面したところで取り扱いをしたらどうかと思っております。こういうような計画につきましては、港湾の管理者であります県、市等から案が出て参りますと、事務当局といたしましても、慎重に審議いたしましてその変更をきめますし、根本的な計画は、運輸大臣の諮問機関であります港湾審議会というようなのがございまして、各界の専門家が集まりまして、そこで慎重に審議をして決定いたすことになっております。 ただ一つ申し上げたいのは、これらの設備というものは、非常に金もかかりますし、時間がかかります。一年でできるような場合もございますけれども、やはり最小限度二年、三年というものがかかるわけであります。ひどいものになりますと、根本的には四、五年もかかるというような設備もあるかもしれません。したがいまして、でき得る限り手っとり早い方法で何らか安全な方法を見出すということをただいま検討いたしているわけであります。
○相澤重明君 今の局長の御答弁というのは、通り一ぺんの答弁なんで、私の今質問しておるのは、現在の港則法では不十分であるから港則法の改正をしたいということで今提案をされておるのだけれども、このようなことだけでは、これは京浜運河におけるタンカーの事故から見て、たばこを吸うのをやめたらどうだ、あるいは混雑をしておるものをできるだけ混雑を緩和する、小さい船の問題についても緩和するというような条件は、これはある程度できるかもしれぬけれども、これから少なくとも大型化する船舶をもって国際競争に乗り込んでいくという場合に、この港則法というものは船の出入りにきわめて重要な要件を備えるものだから、これでいいのかという点で私は疑問を持つ、こういうことで、たとえば東京港の場合はどうなんだろうという一つの質問をしたわけです。 そこで、まだ少し不十分のようですから、私はいま一つお尋ねをしておきたいと思うのですが、それでは現在の水深ですね、港の水深というものは、千葉の場合にはどのくらいあるのか、どのくらいの容量のものが接岸できる状況にあるのか、東京港の場合はどうなのか、川崎、横浜の場合はどうなのか、こういう点について、東京港を中心とした四つの港について具体的にひとつ説明をしてもらいたい。
○政府委員(比田正君) 水深につきましては、京浜地区では、石油と鉄鉱と両方のための航路は現在十二メートルでございます。これでは非常に不足でありますので、今の港の外側にそういう船が入れるような施設をやることをただいま検討いたしておりますが、さしあたり混雑の問題につきましては、本年度、川崎のほうの入口が十二メートルで今まで入れなかったのですが、本年度からこれが入れるようになりました。それから川崎側の京浜航路は、幅百五十メートル掘りまして、そこへはしけがそっち側を通れるように今工事をいたしております。それから横浜港では、扇島航路がありまして、それが横浜から入るところで急カーブでありますので、これをスローなもう少しやわらかいカーブに直しますような改良工事を本年度中にいたします。これらは約四億六千万円ほどかかるのでございますが、三十八年度に完了いたしますと、今まで入りました程度の船は前よりもかなり楽になって混雑が緩和されるというふうに当面の措置はいたしております。東京につきましては、これは油の精製はございません。将来考えられるとしても、油の貯留地でございますので、さような大きな水深は必要でない。普通の商船と同じような程度で、十メートルないし十一メートルくらいまでであれば十分であるというふうにわれわれは判断いたしております。それから千葉につきましては、工場の港が多うございます。たとえば、出光の精油所ができましたところでは、その前面が十六メートルに確保されておりますので、これは相当大きなタンカーなどが入りましても、千葉のほうはただいま入れるような状態になっております。
○相澤重明君 千葉のは、タンカー船を接岸させるための新しい水深十六メートルというのを作ったわけです。しかし、現実に、横浜港なり、川崎港、東京港なりの場合は、それはできないのですね。現状の状態ではできない。十二メートル以下のもので、七万トン、十万トンのタンカーとか、鉱石船とか——鉱石船はないけれども、タンカーのようなものがこれから入出港するというときに、現状のままでたくさんの千トン、二千トンの船の間にそういう大きい船の航行ができるのか。これは私は今の局長の答弁を聞いておって、実際はあまり港のことを知らぬのじゃないかという気がする。私はそこでひとつ、われわれも研究する必要があるし、これは水先案内人の意見を聞いたらいいと思う。一体現在の水先案内人はどういう考えを持っておるか、今船を入出港させるのにどのくらいの苦労をしておるか、おそらく知らぬでしょう。現在の水先案内人の人類だけでは港は整理できません。こういう実情というものをやはり私はつかんでいかないと、規則、省令どころか、細則くらいのところの提案をしておるのであって、根本的な港の混雑緩和をはかるというような条件にないと私は思う。ですから、もっと極端に言えば、こまかいたくさんの船の中へ大型の船を入れようと思ったって、入ればしないのです。そのために起きる事故が多いのですよ。ですから、私は、今の港というものは根本的に再編成する時期に来てはいないか。ですから、東京港も、川崎港も、横浜港も、大きい船も小さい船も入り乱れてわれ先にひとつわが港へというような考え方を持っておる現状においては、私は港の混雑緩和はできないだろうと思う。そこで、それをやはり、港湾管理者側の諸君の言うこともきることながら、抜本的に考えるには、運輸省が、国がそういうことを考えてやる必要があるのじゃないか、こう私は思うのです。この点について、実は私も先日水先案内人の山下君を呼んでいろいろ聞いてみました。これは実際現状においてはどうにもならぬ、これで事故が起きないのは不思議だ、こう言っているわけです。だから、もっとそういう点についてやはり根本的に対策を立てる必要がある。私ども国会議員も、比較的陸のことは明るくても、海のことは暗い。こういうふうに、私自身も聞いてびっくりするほどなんです。ですから、港湾局長にたいへん失礼なことを言ってしまったけれども、それくらいの根本的な問題を提案をしてもらいたかったというのが私の実は言いたいことなんだけれども、そういうようなことは省内で議論されたことがないのか。たとえば現状の横浜港、川崎港、その奥まったところの東京港について、このままでいいのか、これだけのことでもって現在の船込み条件なり船舶の被害というものが起きないと思われるのかどうか。私はどうも物足りないような気がする。そこで、そういう点についてお尋ねをしたのでありますが、そういう点について議論はないのですか。どうですか、大臣。
○国務大臣(綾部健太郎君) 私も、水先案内人の組合長といいますか、何十年とやっておる、ちょっと名前は忘れましたが、そういう人を運輸省に招致いたしまして、いろいろ意見を取りかわし議論をいたしました。しかし、現在の時点において、やらぬよりも、幾らかでもそれを、相澤先生のおっしゃるようなことをやるためには、根本的にやるといえば、今日の財政状態ではたしてそれが容認されるであろうかというようなことも考えまして、そうしていろいろ議論の末、とりあえず現在の時点においてなし得る海上運送の緩和ということにこの改正も一つの役割をなすんじゃないか、かように考えて本法案を提出した次第でございます。引き続き、その相澤先生のおっしゃるような抜本策については、あらゆる面から熱心に検討いたしまして、明年度の予算等におきましても、世論が先行投資の不足ということを言っておりまして、すべての物価の原因その他が、日本の経済規模があまりにも急速に拡大したために、いろいろな面において矛盾と撞着があって、それに起因するいろいろな事故が起こっているということは、政府も痛感いたして、ただいま財政と見合いましてその根本策については検討をしておる次第でございまして、いずれそのうちに何らかの結論を得たいと、かように考えておる次第でございます。どうぞ御了承を願います。
○相澤重明君 大臣や局長の説明の趣旨は、私も了としているわけです。それはとにかく、今の混雑緩和だとか危険防止をするには、京浜港におけるたくさんの事故の例から見れば、最低限度こういうことはすぐやらなければいけない、こういうことなんです。私は法律改正というものは根本的なものをやるべきであって、当面すぐ運輸大臣の権限でやれるようなことはやる、あたりまえのことだ。それは特に私どもが否定をする何ものもない。これはよくやってくれ、むしろ鞭撻するほうなんです。そうじゃなくて、私の一番心配するのは、こういうことをやりつつも、現在のままでいくと——私は事務当局にお尋ねしたいのですが、やはり大きい船が入ってきても、それがその船が小さい船の中に入ってきて港へ着ける、こういう考え方でしょう、どうなんですか。それはどういうふうになっておるのですか。それは、ちょっと先ほどもお話が出たように、大型船については、港外に出して、それで小さい船によって中に荷物を運ぶ、そういうことを考えておるのか、どういうふうになっていますか。今の考えは、この港則法の一部を改正する提案の趣旨には別にそれはないでしょう。とにかく、港の混雑を緩和するとか、危険を防止するとか、そういうことだけを今提案しているだけですね。一番深刻な先ほどの姫路港や松山港の問題については、特定港の基準というものがあって、それに基づいて指定をしたというだけであって、この船舶の大型化に対処する具体的な法律をどうしたらいいかということについてはないでしょう。この中に別に入ってないでしょう。どうなんですか、事務当局に聞いておきたい。
○説明員(亀山信郎君) 仰せのとおり、超大型船がどんどんふえて参るということに対して、施設面に非常に根本的な問題があるということでございますが、これにつきましては、港湾局長から申し上げましたとおりで、今後施設を拡充していくということでございまして、私どもの提案しております港則法では、施設面の拡充ということではなくて、現実にある施設、非常に船舶の入出港の数並びに型の大きくなったのに対して追っつかない施設の現状において、できる限り安全をはかっていきたいという趣旨のことでございまして、たとえば、先ほども申しましたけれども、大型船が京浜運河のような狭いところへ、しかも小型船がたくさんあるところへ入るのに対しては、どうしても航行管制ということで、大型船が通る際には、それに向き合いになるとあぶないような場合に航行を一時とめる、あるいは朝のラッシュ時は大型船の航行をあすこの入口で全然とめておくというような、ほんとうの現場に即した、その場その場の状況においてやる、いわば交通巡査が整理をするというふうなことを主眼にしたこういう権限を港長に持たし、それにそむいた者に罰則を当てはめていくというのが、大型船に対する対策でございます。
○相澤重明君 だから、今の亀山次長の話を聞いておってもおわかりだと思うのですね。それくらいのことは、これは省令でもできれば、運輸大臣のこれは混雑緩和に対する態度というもので、そういうことでできるのですよ、このくらいのことは。だから私は、京浜運河におけるタンカーの類焼事故のときに、すぐ運輸大臣はこういうことをやらなければいかぬとこう言って、あのとき運輸省としても規制を講じたと思うのですね。そういうようなことは、これは非常手段としてできるのですよ。だから、法律改正という場合には、もっと抜本的なものを私はやっぱり考えて提案をしなければ、その場一時を糊塗するだけじゃないか。それでは、私どもやっぱり国会として、何だ、一時を糊塗するだけならいつでもできるじゃないか、そういうことでなくて、なぜもっと五年先、十年先のことを政府なり国会というものは取り上げないのか、目先のことだけでもって毎日々々追われておるようなことではだめじゃないか、こういう国民の非難というものは私は免れないと思うのです。だから、大臣はこれから港湾整備の五カ年計画も来年は改定をするということは先ほどもお話しになったけれども、それは非常にけっこうなことであって、そういうことと取っ組んでいくのが法律改正の重要な問題だ。今の港則法、ただこれは、はしけの多いのや、五百トン、千トンの多い船の中に大きな船を入れる場合には、港長が一つの港内の混雑を見て規制をすることがができるという程度のものであって、ひとつも根本的なものに触れていないのじゃないか、これは私の考えです、私は横浜港や東京港の現状を見ているから、見ているだけにそれを心配するわけです。だから、もっと根本的なもののひとつ改正案を出せないものだろうか、こういう点で実は何回も会議を持つたびにわれわれは思うのです。特に、私は昨年も運輸大臣に申し上げたと思うのですが、東京湾の開発については、これは私ども、東京、神奈川、千葉、埼玉等の周辺の都府県においてそれぞれ会議を持って今開発計画というものを進めておるけれども、これはもうこのまわりのものだけではない、これは国がやるべきだ、その中における港という問題は運輸大臣の監督下にあるのだから、やはり運輸大臣は強い発言力を持っておるのだ、こういうことを昨年私は申し上げた。ですから、その中で、松永安左衛門翁の東京湾門発に関する計画もあるでしょう。大学の教授グループの作っているものもありますよ。われわれもその中に審議に参加しているわけです。すでに二回も総会を持ちました。いろいろ研究しておるけれども、運輸省が直轄しておるところのこういう直接関係を持っておるところの港湾に対する法律、港則に対する法律、こういうようなものから考えていくと、いま少し前向きな姿勢がとれないものだろうかという点を私は昨年以来主張しているわけですよ。ですから、昨年も、今提案せられようとしている清掃法の問題についても、私はむしろ積極的な意見を出した。とにかく、港というものはいかにあるべきか、特にその中の船舶の出入についてはどうするものか、こういうことは私どもがこれはもう忘れてはならないことだと、こう思って実は今まで主張しておるのですが、今回は、むしろ私に言わせれば省令あたりでできることを、省令とまでいかないから、ひとつ法律の一部改正の中に入れて提案をしていこうという意図しかどうも私には受け取れない。こういう点で、先ほど大臣が御答弁いただいたように、むしろ積極的に取り組むというならそのときに僕は法律改正を出したらどうなんだろうか、このくらいにまで考えるわけです。そういう点どうなんです大臣。
○国務大臣(綾部健太郎君) 理想は、おっしゃるとおりでございます。しかし、現実に法律に根拠のないことは、運輸大臣がやれと言ってもやれないのです。現在の状況において、現在をどういうふうにするのが最善かということに思いをいたしまして、とりあえず港則法の改正を提案した理由でございまして、理想はそれは相澤先生のおっしゃるとおりですが、理想と現実というのはなかなか一致しません。理想と現実が簡単に一致するなら政治というものはそうめんどうなものでないと思うのですが、理想と現実をいかにして一致さすかということに私は政治というものがあると考えて、そうして、なるべく理想に近いように、それではそのままそれができるまで待っておればいいじゃないかといったのではまた一面いろいろな事故が起こりまして、一体運輸省は何を考えているのか、やれるじゃないか——やれないのですから、やれるようにまず港則法の改正をいたしたような次第でございます。聡明なる相澤委員はそういうことはおわかりだろうと思いますから、どうぞひとつ御協力賛成を願いたいと思うのです。
○相澤重明君 今の運輸大臣の言うことは、私はこのくらいのことはあたりまえなことだとそう言っているのですよ、あたりまえのことだと。それだけでは決して根本的な問題にメスを入れることにはならぬ。たとえば、先ほど次長から説明を受けると、とにかく大型船についても小型船についてもそのまま流し込むという形なんですね。これはそのまま流し込むということでしょう。そこで今の、たとえば横浜港と川崎港と東京港千葉港も含んで、千葉は特に先ほど局長の説明したように、十六メートルの水深ができたから大型船は入るけれども、それ以外はそれだけの水深を持っているところはないのですよ。その中に大型船を引き込んできて、考えてもごらんなさい、今の十万トン級のタンカーを、水先案内人が少しくらいのチャーター・ボートを持ってきてやったところで、そう簡単に船がくりくり回りますか、大型船が。五百トンや千トンの船をかじをかえるのは簡単かもしれぬけれども、七万トン、十万トンの船というものは、そんなに簡単に回るものじゃないですよ。それだからこそ、事故というものは、実は大型船が入ってきて、しかもちょっとしたしけでも来るとたいへんな騒ぎです。港へ入っておる船を港から沖へ出すだけでもえらい騒ぎなんです。だから、私はむしろそういうことを考えるならば、たとえば横浜港は大型船を入れるなら入れる、小型船は川崎港に入れるなら入れる、東京港に入れるならここを通らなければ大型船は通ってはいけない、むしろ港則法を変えるならそのくらいまでなぜできないのかという気があるわけです。こまかい船も一緒にしておいて、そうしてそのまま大型船の向きを変えるとか、方向を変えるとかいったって、それはできるものじゃない、こういう私は気がする。そこで、私が気がするだけではいけないから、これは今の局長や次長の説明を聞いただけでは、どうも私も納得することはできない。そこで、委員長にひとつ私は頼みたいのだけれども、ひとつ専門家を呼んで聞いてみようじゃないか。船が自由自在にこまみたいに回るか、回らぬか、行き合う船がどうなるか、ひとつ水先案内人等を参考人として呼んで意見を聞いてみようじゃないか。そうしなければ、私はこの程度のことたけでは——それは現状の混雑をどうするかということを少しでも前向きにやっていくのだという運輸大臣の考えはわかりますよ、その気持ちはわかるけれども、これだけではどうもなかなか、港則法というものを改正をするという立場に立てば、いま少し進んだ意見というものがなければならぬ、こう思うんです。思うから、そこでひとつ参考人の意見を聞く機会を設けてもらいたい。これは委員長に聞くんですが、どうですか。
○委員長(金丸冨夫君) 理事会に諮りまして、御希望に沿うようにひとつ努力したいと思います。
○相澤重明君 それじゃきょうはそれまで、私は。
○国務大臣(綾部健太郎君) ちょっと今の点について、そういうことをやるような世情であれば、いとも簡単なんですが、たとえば小さい船はここを通るなとか、大型船のみにせいというようなことをすると、すぐ中小企業の圧迫である。自民党政府は大企業擁護であるとか、いろいろな議論が起こりまして、法律に根拠がないことは一切やれないのが現状でございまして、もうまことに憂慮にたえませんが、どうかひとつその辺も、意見をお聞きになって、納得がいったならば、その点御協力をお願いしたい。
○政府委員(比田正君) ただいま相澤先生のお話を伺っておりますと、十万トンの船あるいは七万トンの大きな船が横浜に入れるかというようなお考えがあったようでございますがわれわれも実は専門家の意見を十分に聞いたつもりでございますが、あの京浜の航路は四万五千トンということで計画いたしました。幅は三百四十メートル、深さ十三メートルでございますが、そのときの時点ではそれで入れるという専門家の意見でありまして、その後小さい船がこの三年間くらいどんどんふえてきまして、陸でいいますと、自動車のほかに自転車やオーバイが非常にふえた、通行人がふえたということで、幅も十分あり、深さもあるのだけれども、今のような小さいものがうろちょろする状態では入れない、こういう結果になったわけでございまして、ましてや八万トンとか十万トンということは、私どもも入れるとは思っておりませんし、専門家も絶対に入れぬとおっしゃっているわけでございます。ただ、例といたしましては、七万六千トンばかりの鉱石を積んで参りました船が、積荷を減らして五万トンにいたしまして入った一つの例はございますけれども、タンカーは大体四万トンどまりでございますから、私どもはそれ以上の大きな船は無理だと考えております。その点ひとつ御了承を願いたいと思います。
○説明員(亀山信郎君) ただいま私の説明が足りなかったようでございますけれども、大型船と小型船が乱雑に交通、行き会いをしないように航行管制を現状ではいたしたいというので、今度の法律案で航行菅制の港長の権限を強化して、これに違反したものに罰則をつけるという点でございまして、もちろん航路全体をセパレートしておくということは、非常に望ましいわけでございますが、まだそういう航路ができていない現状においては、大きい一万トン以上の船が鶴見航路を入ってくる場合には、そこを通って出る船は一応全部ストップするというのが航行管制でございます。これが、あの曲がりかどを入ってしまえばやや安全になりますので、そのときは小型の船もそこを出て行ってよろしいと。あるいはその逆で、大型船は今入るな、外で待っておってくれ、そして一定の小型船が通り過ぎてしまったあとで、さあ入ってよろしい、そのかわり小型船は待て。これは先ほど交通巡査がと申し上げましたけれども、そういうふうに、現場々々で一応流れをセパレートして安全をはかっていこうという趣旨の規定でございます。御了承を願います。
○委員長(金丸冨夫君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(金丸冨夫君) それじゃ速記つけて。 本案に対する質疑は、本日はこの程度にしてやめます。 次回は十八日午後一時開会といたしまして、本日はこれをもって散会いたします。 午前十一時五十三分散会