運輸委員会 第24号
- 発言数
- 152 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/05/28
会議録
○委員長(金丸冨夫君) それでは、ただいまから運輸委員会を開会いたします。 まず、観光基本法案を議題といたします。 提案理由の説明を聴取いたします。衆議院議員福家俊一君。
○衆議院議員(福家俊一君) ただいま議題となりました観光基本法案につきまして、私は、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表いたしまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 従来、わが国におきましては、観光に関する国の基本的方針が明らかにされておらず、ために、とかくその重要性が見失われがちとなり、観光に関する基盤の整備、環境の形成について欠けるところが多く見受けられる状況であります。 しかし、観光の果たすべき役割は決して小さなものではありません。すなわち、観光を通じて、外国との経済文化の交流が促進され、また、国際親善が増進されるばかりでなく、国際収支の改善にも貢献しているのであります。また、観光は、国民生活における緊張の緩和と見聞の拡充等を通じて、国民の保健の増進、国民の教養の向上及び国民の勤労意欲の向上にも寄与するものであります。さらに、観光開発は、地域格差の是正に大きな役割を果たしているものであります。 このような観光の経済的社会的使命の重要性にもかかわらず、現状においては、観光をめぐる経済的社会的諸条件の不備が目立っております。これに加えて、近時、所得水準の向上と生活の複雑化を背景とする観光旅行者の著しい増加は、国際競争の激化等の事情と相待って、観光に対する抜本的な対策の樹立の必要性を一そう大きなものとしているのであります。 このような事態に対処して、ここに、観光基本法を制定し、観光に関する国の基本的施策の方向を明らかにすることにより、その健全な発達をはかり、もって、国際親善の増進、国民経済の発展及び国民生活の安定向上に寄与しようとするものであります。 本法におきましては、まず、国の観光に関する政策の目標として、国際観光の発展及び国民の健全な旅行の普及発達をはかるべきことを明らかにし、次に、これらの目標の達成のため、国はその政策全般にわたり必要な施策を総合的に講じなければならないものといたしております。このことについて、さらに詳しく述べますと、国は、外国人観光旅客の来訪の促進及び外国人観光旅客の接遇の向上、国際観光地及び国際観光ルートの総合的形成、観光旅行の安全の確保及び観光旅行者の利便の増進、家族旅行その他健全な国民大衆の観光旅行の容易化、観光旅行者の過度の集中の緩和、低開発地域の観光開発、観光資源の保護、育成及び開発並びに国土の美化をはかるために必要な施策を講ずるものとし、さらに、それぞれの事項についてとるべき必要な施策を具体的に明らかにいたしております。 次に、政府は、これらの施策を実施するため必要な法制上、財政上及び金融上の措置を講じなければならないこととするとともに、毎年、国会に対し、観光の現況、政府の実施した施策等に関する報告を行なわなければならないことといたしております。さらに、地方公共団体は、国の施策に準じて施策を講ずるよう努めるものとすることといたしております。 また、このような施策の実施について、国及び地方公共団体は、相協力するとともに、行政組織の整備及び行政運営の改善に努めるものとして、施策の円滑な推進をはかっております。 最後に、本法の施行に関する重要事項等を調査審議する機関として観光政策審議会を設置することといたし、観光政策の適正な実施を確保するようはかっております。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願いいたします。
○委員長(金丸冨夫君) 本案の質疑は、次回以後に譲ります。 ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(金丸冨夫君) 速記を起こして。 —————————————
○委員長(金丸冨夫君) 次に、海運業の再建整備に関する臨時措置法案、外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法及び日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案、以上両案を議題といたします。
○浅井亨君 今審議されております問題の中で、外航船舶はどれくらい、何トンぐらいあるのですか。
○政府委員(辻章男君) お答え申し上げます。 三十七年の十月末で六百五十九万六千トン——約六百六十万総トンでございます。これは一応三千総トン以上の船を外航船として考えたものでございます。
○浅井亨君 そうしますと、戦後外航船の造船量はどれくらいあるのですか。
○政府委員(辻章男君) 終戦時におきましては、日本の全体の船腹は百三十万総トン程度であったわけでございます。その後新造して参ったわけでございますので、百三十万総トンのうち約半数ぐらいが外航船腹と考えておりますので、戦後の外航船腹の純増加量は約六百万総トン程度ということでございます。
○浅井亨君 六百万総トンでございますか、その隻数はどれくらいでございます。
○政府委員(辻章男君) 先ほど申し上げました約六百六十万総トンの隻数は、七百四十六隻でございます。
○浅井亨君 そのうち計画造船はどれくらいありますか。
○政府委員(辻章男君) これは、いわゆる十七次までのものでございますが、約三百七十万総トンでございます。これに十八次が約四十万トンぐらい加わりますので、総計いたしますと四百十万トン程度になるわけでございます。
○浅井亨君 その中で自己資金船はどのくらい。
○政府委員(辻章男君) 先ほど約六百六十万総トンと申し上げました、その中で、いわゆる計画造船のものが約四百十万トン程度と申し上げたわけでありますが、その差引の約百五十万総トンがいわゆる自己資金船というものでございます。
○浅井亨君 そうすると、自己資金船というのはずいぶんたくさんあるのですね。その中に自己資金船が、今おっしゃった——何ぼですか。
○政府委員(辻章男君) 失礼いたしました。約二百五十万総トンでございます。
○浅井亨君 そうすると、半分ですね。
○政府委員(辻章男君) さようでございます。
○浅井亨君 ずいぶん多いのですね。そうすると、それに対する今後政府といたしましてどういうような方法でこれを援助していくつもりですか。
○政府委員(辻章男君) 最近の自己資金船という言葉が少し妥当かどうかという問題があるのでございますけれども、まあいわゆる自己資金船と申しておりますのは、国の財政資金を受けずに、みずから市中の金融機関等からの借り入れによって作った船という意味でございます。最近のいわゆる自己資金船の傾向は、外国からの外資等によるものが多いわけでございまして、今後の私どもの方針としましては、それが採算的なものであれば、そういうふうなものも今後も認めていきたい、かような考え方をいたしております。
○浅井亨君 自己資金船に対してその助成措置があまり行なわれていないように思うのですが、それに対する何か根本的な理由がおありなんですか。
○政府委員(辻章男君) 今後の船舶の建造の基本的な私どもの考え方としましては、今当委員会で御審議していただいておりまする利子補給の強化と、それから財政資金の投入と、この二つによりまして、いわゆる日本船舶の海外競争力というものを付与しまして、これによって日本船が収益性を持ち、かつ外国船とも競争し得るようなコストに持っていって、これによって今後の国民経済上必要とされまする船舶の新造を行なっていきたいというのが基本的な考え方でございます。しかし、それ以外に、外資を導入しまして、またうまい荷主の相手方を見つけまして、船を作っていこうということは、非常に望ましいことでございますので、先ほど申し上げましたように、それが収益性があり、企業基盤に役立つというものである限り、認めていきたい、かように考えている次第でございます。したがいまして、今自己資金船に対する助成が少ないではないかという御意見と拝察するのでございますが、そういうふうな考え方をいたしておりますので、本来いわば国の助成なしに船を作っていこうというものがいわゆる自己資金船でございます。これに対しまして、特にどうこうしようという今は考えはないわけでございます。
○浅井亨君 やはり、こういう政府において補助した船に対しては補助する、自己資金船に対してはやらない、考えていないということになりますと、自分でやったものは自分で勝手にせいというように聞こえるのですがね。そこら辺がどうも私の感覚ではおかしいと思うのです。やはり日本の国策に沿って、いずれも同じ心がけの上にやったと思うのです。自己資金船のほうがかえって苦しいのではないかと、こういうふうに私は思うのです。そうすれば、同じ国策の線に沿ってやったものであるならば、自己資金船であろうと何であろうとも、すべてその感覚の上に立って補助すべきものではないか。たとえて言いますと、どこか会社に勤めた、自分から勤めたのだからいいじゃないか、また自分でやったものはいいじゃないかというようなことになりますと、日本の国内にいる一人々々が全部国策に沿わなくてはだめだと、こう言いましても、住んでいる以上は全部国策に沿っていると思うのです。そうであるならば、同じようなやはり一定の基本の上に立った方策を立てていくべきではないか、こういうふうに私は考えるわけなのですが、その点ひとつお伺いしたい。
○政府委員(辻章男君) 先ほど私が申し上げましたのは、今後の新造船につきまして、自己資金船といわゆる計画造船との差があるではないかという御趣旨かと思いまして、お答えした次第でございますが、今の御指摘は、いわゆる利子猶予の措置に関連しての御質問のようでございますので、その点私誤解いたしまして申しわけないと思っております。利子猶予措置につきまして、今御指摘ございましたように、いわゆる自己資金船につきましては、何らの国としての措置はないわけでございます。これは、利子猶予措置というものを海運の助成策としていろいろ検討いたしまして、また学識経験者その他金融の関係者の意見を海運造船合理化審議会等でお聞きし、検討しておりました際に、この海運企業の利子の負担というものが海運企業を非常に圧迫しているので、これを何とか軽減する方法を考えるべきではないか。それらの方法といたしましては、たとえば利子補給というものをまあ過去のものまで遡及して強化するというような考え方も考えられないわけではないのでございます。その方法としては、開発銀行と市中の金融機関が共同して利子の猶予措置をとるということならば、いわば政府の負担、それからまた市中金融機関もそれだけの負担をしようという考え方にまとまってきたわけでございます。で、そうなりますと、自己資金船につきましては、政府の開発銀行からの融資というものがないわけでございますので、それに対しまして開発銀行の融資の利子を猶予するというふうな措置がとり得ないわけでございまして、まあそういうふうな考え方で進もうということになりまして、私どもとしましては、それが全体的にどういうふうないわゆる効果を及ぼすであろうか、結局一隻ずつの問題ではないのでございまして、海運企業全体としてどういうふうなことになるかということを試算をいたしまして考えた次第でございます。ただいま申し上げたように、今法案を提出しておりますような、開発銀行の金利を十七次までの分を一〇〇%猶予し、また市中のほうがそれに対応するものを二分の一程度を最低協力願うということで、全体を大数的に見ますれば、海運界は立ち直り得るという心証を得ましたので、こういう制度に踏み切った次第でございまして、今御指摘されるように、確かにいわゆる計画造船と自己資金船とにつきましては扱いが違っておるわけでございます。企業全体及び海運界全体を見ますれば、こういう方法によって立ち直り得るということで、この方法をとるように決心した、かような経緯でございます。
○浅井亨君 そうすると、自己資金船に対する問題は、今後また何かの方法でほかになさる気持はあるのですね。
○政府委員(辻章男君) この自己資金船の問題としまして、よく海運界の中に、いわゆる高船価船、非常に高い船価の船というものが相当ございます。これはたとえば、いわゆる高船価船と言われておりますものが、スエズのブーム当時に作られた船でございまして、これは計画造船にもございますし、いわゆる自己資金船にもあるわけでございます。計画造船につきましては、この利子猶予措置によりましてある程度の合理化が可能なわけでございますが、自己資金船につきましてはそういうふうな措置がございませんので、そういう自己資金船を多く持っているような船会社は非常に苦境に立っている、そういうことで、この高船価の問題をどう扱うかということは、私どもも昨年来いろいろ検討したわけでございます。今回は、この利子猶予措置というものをやってみまして、この措置によって相当吸収されるものもあるじゃないか、その後の推移を見まして、高船価船の問題は次の課題としてなお検討していこうということで、目下いろいろ検討しているというふうな状況でございます。
○浅井亨君 それまでの時期を見るわけですね。その間に自己資金船とか高価船なんか持っている人は参りませんか、そういうことはないですか。
○政府委員(辻章男君) これは何らかの措置をとるとしますれば早いほうがいいのでございますけれども、これが一年程度おくれたからといって、それによってすぐにいわゆる企業として参るというふうな事態はないと考えております。
○浅井亨君 わかりました。では、その上に、今の御答弁の問題を中心にいたしまして、また一つ私の考えてみたい点がございます。きょうはこれで失礼させていただきます。
○河野謙三君 ちょっと一点だけ。貸船業者が新しく船を作る場合、荷主と長期の十年なら十年という安定した運賃計画を立てますね。そうして、その安定した運賃計画というのは、外国の船会社に十分競争でき得る値段でなければ荷主のほうは運賃を契約しませんね。そうすると、その運賃はコストを割るということですね。そこで政府はそれに助成する、こういうふうな道筋になっているのですか。長期契約をする場合の前提条件はどういうことですか。
○政府委員(辻章男君) それは、長期契約をいたしまして、その契約運賃というものが採算的な面でなければならぬというふうに考えております。したがいまして、その長期契約が、船主のほうから見ましてずっと損失を続けていくというふうな長期契約では、なかなか新造が困難だということであります。
○河野謙三君 その採算のとれる範囲でなければ当然運賃契約はできないわけですが、その採算の中には、政府のあらかじめ助成というものを計算に入れておるのですか、政府の助成のあるなしにかかわらずこれなら採算はとれる、こういうことで十年なら十年の長期契約をしておるのですか。
○政府委員(辻章男君) これは、いわゆる政府の助成も要素に入れておいて採算がとれるかどうかということを検討するわけでございます。
○河野謙三君 そうしますと、そういう長期の契約というものは、いわゆる貸し船業者と荷主の間に勝手に契約はできないはずですね。その長期の契約で料率をきめる場合には、あらかじめ荷主、船会社、運輸省、これが一体になって契約は成立するわけですか。
○政府委員(辻章男君) 普通のいわゆる建造船等に出て参りますやり方を申し上げますと、まず荷主との間にいわゆるそういう契約がめどがつきまして、こういうふうな契約でならば政府の助成及び開発銀行からの融資ということを前提にして採算がとれるので開発銀行の融資をお願いしたいということで、開発銀行のほうに融資申し込みをいたしまして、開発銀行のほうとしましては、それをいろいろ金融機関的な立場で検討される。それによって開発銀行の融資をするかせぬかがきまるわけであります。それと同時に、政府としましても、そういうような条件の船に利子補給の契約をすべきかどうかということをきめまして、それによって最終的に開発銀行の融資も決定し、また政府のほうの利子補給契約もでき上がる、そういうふうな順序に相なっておるわけであります。
○河野謙三君 単刀直入に伺いますが、そうしますと、荷主対貸し船業者の契約というものは、その一つの条件として、契約内容について政府の承認を得るということが条件になっておるのですか。何年間の間幾らの運賃で契約をする、その他いろいろ契約条項があるでしょうが、その契約条項について政府の承認を得て初めてその契約が成立すると、こういうことになっておるのですか。
○政府委員(辻章男君) 政府の承認を得るという言葉が適当でありますかどうかは問題があるかと思いますけれども、政府の利子補給契約をするということがはっきりし、それからまた開発銀行から融資を受けるということがはっきりしませんと、そういう条件の契約というものは成り立たないということは申し上げられるかと思います。
○河野謙三君 私は運輸大臣に伺いますが、そこがはっきりしてないといかぬと思うのですよ。たとえば、外国船と競争する場合には、船会社独自のコストでは競争になりませんね。たとえば、外国で一つの例が一万円で十分コストは引き合うという場合に、日本の場合は一万五千円かかる。その五千円は政府がめんどうをみてやるわけですね。ですから、その契約内容に対して、私は厳密に政府がやはり条件として契約者との間に入ってその承認を与えるべきだと思うのですよ。そうでありませんと、ある船会社がある荷主と、極端に言えば勝手に契約をして、この契約の料率は外国とは五千円の開きがある、だから政府が五千円めんどうみてくれなければいけませんと、こういうふうに早急に契約が成立して、あとのマイナスの五千円は政府がめんどうをみてくれなければならぬのだと、こういうことになりますと、おかしなことでしょう。私はこれは、厳密にこの契約の中には政府が立ち入って、政府の承認を得るということが条件でなければおかしいと思う。勝手にしでかしておいて、それでこれじゃコストを割っておるのだからこれだけのものは政府が当然めんどうをみるべきだと思うと、こういうような態度じゃないと思うけれども、そこの形式がどうもはっきりしていないと私は思う。その点は、私は形式をはっきり踏んだらいいと思うのですが、どうなんでしょう。
○政府委員(辻章男君) 利子補給というものの考え方の基本は、こういうことでございます。日本が非常に金利が高いものでございますので、その他におきましては十分外国と対抗し得る素質はあるわけでございますが、金利の面で非常に海外競争において苦境に立つ、そういうことで、国際的に海運が競争し得るような金利まで利子補給というものによってこれを引き下げる措置を講ずる、その上に立って海運業者は荷主との間に商業上の長期契約を結びなさい、そういう考え方でございます。したがいまして、この長期契約の条項がどうのこうのという審査は、これはいわゆる商業ベースにまかしておるわけでございます。先ほど申し上げましたように、それが開発銀行からいえば資金の回収のめどがないような契約でありますれば、あるいはまた利子補給の見地から見まして適当でないというものに対しては、ただ政府はこれを拒否する、あるいは開発銀行は貸し出しをしないという建前をとっておるわけでございます。
○河野謙三君 一般の民間の会社からいきますと、できるだけ損をよけいに計算しますよ。たとえば、五千円足らぬものは六千円足らぬという計算をして、そうして実質は五千円足らぬものを、六千円足らぬ、七千円足らぬぞと言って政府に持ち込むのですよ。だから、持ち込まれる前に、契約の成立する過程において、政府はそれは十分審査すべきだと私は思うのですよ。そうじゃないですか。民間はそんなに甘くないのですよ。めんどうをみてやらなければならぬのは、国家目的として私は了承する。しかし、めんどうをみる場合に、あくまでも厳密でなければならぬ、厳格でなければいかぬはずですよ。どこに厳格な態度を政府は発現する機会があるのですか。一応契約しちゃっておいて、これだけ足りないということじゃ、困るじゃありませんか、私はそれを申し上げておるのであります。でありますから、これはほかの契約と違いますから、たとえばAの会社が一つの貸し船業者と契約する場合に、それは契約するAの会社は安いほどいいのですよ。たたきますよ。しかし、それはたたく場合には、外国の船賃が標準である。しかしそれが、外国船賃がかりに実質一万円のものを、外国じゃ九千円で運ぼうと言うかもしれませんよ。それは運ぼうと言いますわ。そこらに問題があると思います。それを第三者である政府が厳格に査定しなければならぬ。また、国内の船会社にしても、自分のコストを一万三千円でいいものを、おれのところでは一万五千円かかる、一万六千円かかると言いますよ——人情として。そのいずれをとるとしても、やはり政府が利子補給する以上、厳格に私はコストの計算をすべきだと思う。また、国際的な船賃を厳格にそういうものは私は調査をすべきだと思う。その上に契約が成立する、成立したその契約の差金については政府が利子を補給する、こういうことならばわかるけれども、どうも極端に申しますと、形式上は荷主と船会社とが勝手に契約をして、そうしてそれを持ってきて、その書類を見て一応承認を与える、こういうことじゃ私はおかしいと思うのですが、そうじゃないですかね。
○政府委員(辻章男君) 先ほど私の説明が、言葉が足りなかったかもしれませんが、繰り返すようでございますが、利子補給の考え方は、利子補給という助成によりまして、海運に対する開発銀行及び市中の金融機関からの金利コストを下げてしまう。その上で、海運業者は商業ベースにおいてできるだけ有利な契約をとりなさい。その結果として、それが企業基盤に役立つようなものであれば、利子補給の形式的にはあとで契約をするわけでございますけれども、これはそのままでは損があるから利子補給の契約をしてやるという考え方ではないのでございまして、一応ある条件のものについては、利子補給の契約をするということを前提にして、その前提のもとに金利等をはじいて、海運業者が荷主との間に契約を締結するという建前をとっているわけでございます。それで、この利子補給の金というものは、やりっぱなしではないわけでございまして、契約後十五カ年の間に一定の利益が上がりますれば、これを国庫に納付させるという義務を負わしておるわけでございます。
○河野謙三君 ちょっと私の質問が悪かったと思いますがね。そうすると、きまった利子補給は、その船会社がどういう有利な、どういうもうかる契約をしておっても、それは一律一体に利子補給するのですか。極端に言えば、もうかっている会社にも利子補給するのですか、それを聞いておるのです。
○政府委員(辻章男君) それは、会社がもうかっておりましても、利子補給をするという建前でございます。
○河野謙三君 それなら、出発点が違うから、私はあらためての機会にこの点について御質問しますが、私はしかしこの機会に申し上げておきますが、船会社がどうしても立たない、外国の船との競争の場合に、日本の船会社のコストでは外国の船会社に荷物をみんな取られてしまう、だから外国の船会社並みにコストを下げてやる、そのために一番大きな負担は金利であるから、金利の負担をある程度めんどをみてやろう、こういうことで、あくまでも国際競争に勝つためには、太刀打ちするためには、その一番大きな問題は金利の負担であるから、金利を補給してやるということであるというふうに私は今まで解釈しておったのでありますけれども、そうでなくて、相手がもうかろうが、損をしておろうが、それはみんな一律一体にやるのだということであれば、根本的に私は出発点が違うから、あらためて御質問申し上げます。今お尋ねしたことについては、きょうは御答弁要りませんから、立ったついでに港湾局のことでちょっと聞きたいのですが……。
○委員長(金丸冨夫君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(金丸冨夫君) 速記つけて下さい。
○河野謙三君 きょうここに資料をいただいた中に、港湾の賃金の「職種別雇用形態別一日当り現金給与額」というのがありますが、これはウインチマンとか、デッキマンとか、沖仲仕とか、その他ずっとありますが、これは昨年の八月の御調査でございますが、現在施行されております認可料率の中に含むところのこれらの賃金の基準は、日当幾らになっておりますか。
○説明員(岡田良一君) 現在の原価計算上の賃金といたしましては、常用が千二百円、日雇いが八百八十円という計算になっております。
○河野謙三君 せっかく資料をいただきましたから、それをこまかく作業形態別にひとつ御説明いただけませんか。
○説明員(岡田良一君) 作業形態別と申しますと、ウインチマン、デッキマン、そういう種類別ということでございますか。
○河野謙三君 そうそう。
○説明員(岡田良一君) 現在の原価計算上は、全部そういうものを平均をいたしまして、常用は幾ら、日雇いは幾らというふうな計算でやっておりますので、たとえば船内常勤ですと、このうちの沖仲士というこの業種を主として、この賃金をとるわけであります。それから、はしけの常勤でありますと、はしけの船夫のこれをとるというふうな計算になっておりますが、船内のほうの内訳を申しますと、この沖仲士といいますのは、全部を労働省のほうの統計で平均したものでございますが、原価計算上は、この沖仲士を分けまして、常用労務者と、それから世話役、連絡員、記録員、道具番、いろいろな職種に分けて、それぞれ別の金額を基礎にして算定いたしております。常用のほうは、月額で申しますと、本給が二万五千円ということになっております。先ほど千二百円と申しましたのは、大体二十二日ぐらい稼働するという計算で計算したものでございます。
○河野謙三君 われわれがいただいたこの資料は、あなたのほうから出たのでしょう。今、さらにこまかく分けられましたが、こういう資料をあなたのほうから出したのだから、この資料に当てはまるように、比較できるように、私は日当というものを出して説明してもらいたかったのです。でありますけれども、この機会に、相澤さんから御質問もたくさん残っているようですから、はしょって私は伺いたいと思いますが、現行の認可料率はいつ改定になったのですか、現在施行しておられる認可料率は何年何月に改定になったのですか。
○説明員(岡田良一君) 六大港の船内荷役料につきましては、本年の三月一日から施行いたしました。それから六大港のはしけと沿岸荷役料につきましては、三十六年の九月から施行しております。
○河野謙三君 一方は一昨年の九月で、一方は本年の三月ですか、そうすると、それと現状とどのぐらいの開きがあなたの手元ではありますか。
○説明員(岡田良一君) 私のほうの計算といたしましては、大体労賃が一割ぐらい上がっておるというふうに考えております。
○河野謙三君 それは本年三月改定後ですか、一昨年の九月のものと比較してですか、その一割というのは。
○説明員(岡田良一君) 一昨年の九月のときの計算と本年の三月の計算との差額が大体一割ぐらいという考え方でございます。
○河野謙三君 私はこの認可料率を改定しろというようなことを言うために伺っているのじゃないのです。ただ、こういうふうに現実にあなたのほうが権限を持ってきめておられる認可料率と、あなたのほうから出される資料と、そこに違いが出ていますね。物価騰貴その他の関係から労賃の値上がり等でこういうふうに一方であなたのほうは認可料率をきめる、一方においてはこういう資料を出されるというと、あなたの手元でも非常に矛盾を感じておられると思う。これにつきまして、私は上げろということを言っているのじゃないのですよ、現状においてどういう態度で今後臨もうとしておられますか。
○説明員(岡田良一君) この労働省の統計は、毎年、前年度の分が翌年にならないとでき上がらないわけでありまして、ここにも三十七年の数字しかできておりません。それで、料率改定のときにいつも問題になりますのは、労働省の統計以後に上がったものをどうするのだということがいつも問題になるわけでありますが、その点につきましては、なかなか的確な資料をとることができませんので、なるべくその当時の料率改定の時期に近い賃金をとりたいという希望で、私のほうはいろいろ資料を集めておりますが、それが荷主なり船会社のほうをなかなか納得せしめるだけの客観的根拠のある資料が出ないので、結局労働省のほうの統計が使われるというふうな結果が起こる場合が多いわけです。
○河野謙三君 最後に私は運輸大臣に一つ申し上げておきたいのですがね。この労賃は、今後ともますます私は上がると思うのです。それで、労賃が上がるにつれて認可料率をどんどんどんどん改定していったのでは、これは直接日本の物価に影響してくるわけです。私は問題は、今後の対策としては、今何か新しく港湾整備五カ年計画というものをせっかく大臣お骨折りのようでございますが、問題はやはり、早く港湾の設備を改善して、そうして、かりにこれは必然的に上がるであろう労働賃金がすぐにこの荷役料にはね返って、そうして物価にはね返ることのないように、この点は運輸大臣特にお骨折りを願って、そうして、そういう意味合いからいきましても、港湾の五カ年計画というのは急いでいただいて、そうして人の手によって物をいろいろ扱うという一番おくれた日本の港湾の実態を早く私は改善しなけりゃいかぬと思う。同時に、そういうことにおいて目安をつけながら、一方、あまり不自然な——私はこの統計は非常に古いと思う、現実には千五百円も、千八百円も払っておるのですよ、これはひどいのになると二千円払っておるのです。しかるに、私が伺うところでは、一昨年の認可料率なんていうのは大体九百円ぐらいを基準にしていますよ。極端に言うと、倍くらいに上がっているのがある。こういうふうな実情を、何と申しましても、運輸省で積極的にこの港湾の施策というものはやってもらわにゃいかぬと思うのです。こういうふうにこまかいことですから、一々この問題は大臣のお耳に入っておらぬかもしらぬけれども、まあはなはだ出過ぎますけれども、せっかく、そういう意味合いからいたしましても、今度の港湾整備五カ年計画につきまして積極果敢にやっていただきたいと、かように私は特に要望をするのですが、もし、港湾の五カ年計画につきまして、ごく簡単でけっこうですが、現在どういうところまでいっておるか、この機会に大臣からお漏らし願えれば、たいへん私はけっこうだと思うのです。
○国務大臣(綾部健太郎君) 全く河野委員のおっしゃるとおりでございまして、私どもは三十八年度も相当の港湾の改良費その他港湾に関する予算の増額を申請いたしたのでございますが、まあまあという程度しか得られないので、三十九年度に思い切った、御指示に従うような港湾五カ年計画の早期実現の初年度を踏み出すように努力いたしたいと思います。
○相澤重明君 今河野委員が言われた港湾荷役料金というものに対する考え、これはやはり政府の考えを明らかにしないというと、私は非常にやはり問題だと思うのです。前回私が申し上げたのは、船主、荷主がいわゆる荷物についての料金について契約をする、先ほども局長から答弁のあったように、たとえば造船をする場合にも、長期契約ということをやる。しかし、長期契約をやるのに、一体荷物の積み取りというものがどのくらいできるのか、こういうことが非常に大事だけれども、その根本になる経費率から見て、荷役料金というものを無視はできないじゃないか。その荷役料金というもの、あるいは船内の荷役公示料金というものが一体どうなのか、こういう点をこの前は質問をしているわけであります。 そこで、きょうさらに聞いておきたいのは、この間参考人が来て、そしてそれぞれが話されたように、港湾の事業者と、それから船舶保有者、港運業者、この直接荷物を扱う人と、契約をする人と、その人たちの中に、たとえば公示料金の適用をする場合にどうなのか、どこが一体今言った料金をきめた場合に基準となるのか、今の法律上、あるいは運輸大臣が公示料金をきめる場合、どこにそれを適合させるのか、こういう点は私ははっきりしておらないのじゃないかと思うのです。そこで、前回そういう質問をして、今河野さんがさらに突っ込んだ話をしましたけれども、公示料金というものは一体どこを基準に示しておるのか、こういう点を少しく説明をしてもらいたい。
○説明員(岡田良一君) 港湾運送料金の決定の方法でございますが、これは荷主なり、船会社、つまり需要家が実際の港湾運送のサービスを受ける場合に支払う料金ということできめております。そこで、前回も御質問があったと聞いておりますが、元請と下請との関係でございますが、これは法律的に申しますと、俗称元請、下請というふうに言っておりますが、料金の計算の上では、たとえば船内作業なら船内作業を、たとえばホアマンは元請が出す——監督は元請がする、荷主との折衝は元請がする、実際の作業は下請がする、そういうふうに、船内作業、実際その段階によりまして、ここは元請のやる部分だ、ここは下請のやる部分だというふうに、実際上共同作業というふうな格好になっておりますので、計算上、それぞれの作業について、たとえば荷主との折衝費は幾らくらいに計算するか、一般管理費は幾らにつくか、監督の費用は幾らにつくか、そういうふうに計算しまして、それを積み上げて料金というものはきまるわけであります。したがいまして、元請がそのうちのこの部分とこの部分をやれば、その部分が元請の収入になり、それ以外の部分は下請の収入になる。そういうふうなことになりまして、いわゆる完全に元請が受けて、それをまた下請に出すという形でなくて、一つの作業を両方の業者が共同でやるので、それぞれがやった部分についての料金を取る、そういうふうな考え方になるわけであります。
○相澤重明君 そうすると、その比率はどういうふうになっておりますか。
○説明員(岡田良一君) 船内作業につきまして、たとえば俗にいう元請と下請との関係につきましては、元請のほうがホアマンという監督を出すとか、資材を出すとか、荷役機械を出すとか、そのやり方がそれぞれ各業者によりまして多少違うわけであります。ある元請の場合は機械は出さないけれどもホアマンだけ出すとか、ある元請はホアマンも機械も両方出すとか、それぞれの形によりまして、元請と下請の取り分が変わって参りますので、運輸省といたしましては、元請の取り分は幾ら、下請の取り分は幾らというふうにきめておりませんで、全部船内作業幾らということできめておりまして、その中で両方がどういうふうに取るかということにつきましては、関係者の話し合いにまかせておる状況であります。
○相澤重明君 現状についてどう把握していますか、どういうふうに今なっておるか。
○説明員(岡田良一君) 船内作業につきましては、大体元請が一三%くらい取っておるというふうに聞いております。
○相澤重明君 そういう資料というものは運輸省にはないのですか。
○説明員(岡田良一君) その船内作業のうち、元請がどれだけ取り、下請がどれだけ取るということは、運輸省は資料をとっておりません。
○相澤重明君 そういうお粗末だからだめなんだよ。どこに基準を出すのか、これは公示料金を決定する際に、もう四年ほど前から常にこの元請と下請業者のお互いの意見というものが対立しておったわけです。今までは、元請が二〇%、下請が八〇%という、そういう強い意見が出てきて、今取っておるのは、一二%取るから八八%、あるいは一五%取るから八五%になる、こういう実態なんだよ。あなたが今言った一三%というものは、そういうものは確実に見ておられないのだよ。これは力のある者にはぐっと押えられる。そういうところを運輸省というものはつかんでない。だから、この間も私が言ったのは、こういった実態をつかんでないからこそ、公示料金についても適正な価格が出てこない。それから、今度はそういうものに対するところの荷主の公平ないわゆる運賃料金というものをきめてやるのに非常に困難が伴ってきておる。この反面には、元請が一ぺんに荷主と今の公示料金に基づいて契約をして頭をそれだけ取ってしまうから、今度はこの下請の実際の作業をやる者は実際に仕事ができない、赤字になってしまうのだよ。というのは、なぜかといえば、その中には労務費というのが非常な大きな額になっている。私は労賃を下げろと言っているのではない、労賃はもっと適正化しなければいかぬ、もっと上げなければならぬという意見です、私の立場からいえば。しかし、それを払えば、今度は事業者というものはやっていかれない。各国の事情はどうなっていますか。今の日本のような公示料金をやっているのはそんなにないじゃないですか、各国の事情を見たって。もっと研究をすべきだと思うのです。そういう点がないから、さっき河野君がこの資料で出されたことについての意見が出ておったけれども、私はやはりこういう点についても適正ではない。ましてや、今の数字を出されておるのが、去年の夏あたりの資料を出されて、それで今に合致させようたって、それは物価がうんと上がっている今日できるわけはないじゃないか。千二百円でもって労務者を集めようたって、集まるわけがない。ですから、いやでもそれは、千五百円でも、千八百円でも、場合によりましては二千円出さなければ労務者は集まらぬ。そのために船込みが起きているんじゃないか。今神戸港の荷役作業はどういうふうにやっていますか、説明して下さい。
○説明員(岡田良一君) 神戸の状況でございますが、船内作業につきましては、神戸は日雇いが非常に多くございまして、常用が大体二割五分ぐらい、日雇いが七割五分ぐらいになっております。ただし、日雇いのうちに指名日雇いというものがございまして、これが実際上は特定の会社に専属したような格好になっております。これは名目は日雇いでありますけれども、実際は専属したような格好になっております。そういうことで、事実上の常用のような格好になっております。月末または月の初めになりますと、荷役に対する需要が非常に殺到いたしまして、非常に労務者をたくさんかき集めなければならない、しかしその月の中間には非常に需要が少ないというふうな関係もありますので、その指名日雇いというようなものを、ある程度の金を常時払いまして、仕事がなくても自分の会社のほうにつないでおきたいということで、ある程度の金を払って仕事がなくても月の中間は確保しておるというような状況になっております。しかし、それでも、月末なり月の初めの船が込んだ時期には、それで十分まかなえない状態でありますので、若干その時期には労働者が非常に足りないというふうな状況になります。しかし、月の中旬ごろには、非常に労務者が余っておるというふうな状態であります。
○相澤重明君 今の日雇い労務者を確保するのに、会社が若干なりとも手当をしていわゆる常用的な形にしておるというのは、どこの会社なのか、どういう会社なんです。元請であるのか、下請であるのか、どういうところがやるのですか。
○説明員(岡田良一君) これは俗に下請と言っていますが、船内荷役業者でございます。
○相澤重明君 そうすると、先ほど説明があったように、いわゆる荷役を行なう船内公示料金が適正にきめられておれば、確かにいいかもしれぬけれども、そういう今の説明をされたような形では、いやでも事業者というものはよけいな出費をしなければならぬということが、これが一つ明らかになったと思う、そこまでくんでないのだから。 それから、いま一つ聞いておきたいのは、今神戸の作業はどういう作業をやっておりますか。神戸港に船が入ってきた場合に、どういう作業をやっておりますか、そういうことについて把握しておったならば説明して下さい。
○説明員(岡田良一君) 神戸港でやっております作業といいますのは、どういうふうな意味の御質問でございましょうか。
○相澤重明君 これは、神戸には船がたくさん入ってきます。外国船も、日本船も、入ってきます。けれども、労働時間は、八時間なら八時間、九時間なら九時間という、労務者に対するところの労働時間というものを規定をしておるわけです。そうして、全部のこの事業者、事業会社が無理な作業をしない。無理な作業をするということは、今言ったようなよけいな出費をしなければならぬ。そこで、そういうふうにお互いが相談して、そうして、港に船がたくさん入ってくるときには、その仕事ができないのだから、船に外に出てもらう、港外に出てもらう、こういうふうにして作業がスムーズにいくように今やっているのですよ。日本の港湾の中で、これができておるのは神戸だけだ。こういう点を、一体どうしたら早く能率的に、しかも国際船舶が日本に入ってきた場合によくするかというのが、先ほど河野さんが言った港湾を整備しなければならぬということですね。港湾の合理化をしなければならぬ。それからまた、そういう労働力を確保しなければならぬ。そういうことができておらない。できておらないから、外国からせっかく船が入ってきても、荷物扱いをやってもらおうと思っても、中に入っておる労働力や機械力、そういうものを考えれば、いやでもその中におれば事故が起きるから、外に出てもらうということになる。こういう実態を私はやはり把握しなければならぬと思う。特に、おととしの横浜の船込み事件なんかを考えたときに、なぜ運輸省がこういうことをやっているのだろうかという、そういう不満がやはり業界において出てくるのは当然だと思う。だから、そういうところの実態を把握するということが第一の条件になるわけです。 そこで、いま一つ、先ほどの料率の問題に入るわけですが、先ほど参事官の言うように、元請業者、下請業者がその船内荷役をプールしたものが公示料金になっている。だから、それは力関係によって違ってくる。こういうところに、私は事業経営について非常な苦心をしておる業者の諸君が多いと思うのです。この前に公述をしてもらった全港振という、直接事業を担当している人たちは、どんなに苦労をしておるかわからぬ。だから、そういう企業を私はやっぱりはっきりすべきだ。もっとこれは政府に研究してもらいたいと思うのは、むしろ直接荷物を扱うものの基準というものをきめていくべきだと思う。そうして、その上に、必要ならば、いわゆる船主なり所有者なりというものに対しては、管理費というものをどうするか、フォアマンに対してはどうするかということは契約をしていくべきではないか。ところが、実情がそうでないから、一応この法律なり、あるいは運輸大臣のそういう料金をきめる際に、そういうことがぴしっぴしっとしておらぬから、結局はばらばらな形になってしまう。そうして、いざという、せっかく外国の船なり日本の船が荷物を扱おうと思ったところで、どうも適正に行なわれていかない、こういうところに私は問題点があると思う。そういう点について、担当者だから、参事官はどういうふうに把握し、また研究をしておるか、聞いておきたいと思う。
○説明員(岡田良一君) 港湾運送料率の算定の仕方につきましては、過去十年以上政府が関与してずっとやって参ったわけでございますが、現在のやり方が必ずしも完璧なやり方であるとは思っておりませんので、事務当局としましても、何かもっと完全な実態に合うような算定の方法がないかということを絶えず研究をしているわけでございますが、現在の段階ではなかなかまだその成案を得ておらないような状況になっております。関係の学者、諸先生方にも、何かいい方法はないかということを絶えず御相談申し上げておるわけでございますが、なかなかいい案を出していただけないような状況で、今後ともできるだけ早く現在のやり方について再検討をして、もっと実態に合うようなものにしたいというふうに考えております。
○相澤重明君 今回のこの法律提案の趣旨は、海運企業をいわゆる整備をする、大臣の説明があったように、とにかく外国のいわゆる船舶関係と比較をしても、日本は競争に負けない——まあ勝つというのは語弊があるかもしれぬけれども、とにかく一人前にやれる、そのために船腹の量も足りないし、積み取り比率も多くしていきたい。そのためには国家が全般的に財政支出も考えていきたい、こういういわゆる港湾整備等も含んで私は今回の提案があると思うのですよね。それがなければ、実際にいくら法律の条文だけ作ったところで、これはよくならぬわけですから。そういう点から考えていけば、私はやはり、この今回の問題については、そういういわゆる料金等のきめ方についても、やはり早く政府がそういう態度というものをきめてやらなければ、これはむずかしい。そこに、先ほどの河野さんのお話じゃないけれども、いわゆる荷主対港運業者、こういうもののバランスというものがなかなかはっきりしてこない。だから、先ほど局長が説明をしたように、もうかろうともうかるまいと、とにかく船を作る者には国家的に財政的な補助をするのだ、利子補給をするのだ、こういうことになってしまうと、これはその者だけは確かにいいかもしれぬけれども、それ以外の者は、今お話を聞いておっただけでも、非常に因る業者がたくさん出てくるわけですね。あるいは労働者も出てくるわけです。そういうところを企業整備をしていく、再建を進めていくというのが、やっぱり今回の法律の趣旨でなければいかぬと私は思うのですよ。そういう意味で私どもはやかましく話をしておるわけでありますが、今の参事官のお話では、なかなか近代的な法律とかあるいは作業を進める場合の考え方というものがまだまとまっておらぬようですが、これについてはどうなんですか。運輸大臣は、海運企業等についての対策委員会というようなものを持っていないのですか。とにかく、船舶等の問題については審議会というものを持っておっても、そういう海運企業の全般についてそういうようなことをあなたは何かお考えになっておるのか、それの対策をどうやろうとするのか、そういう点についてはひとつ大臣のほうから御説明を願っておきましょう。
○国務大臣(綾部健太郎君) 造船海運審議会というのがございまして、造船と海運全体につきましては、基本的な考え方を御研究願っておる機関は持っておりまして、やっておるのでございます。特に荷役業者についてのみの審議会というようなものは、まだ運輸省にはないと思います。
○相澤重明君 それで、今の専門的な面では、確かに政府も審議会等も持っておるようですが、私はやはりばらばらであってはいかぬと思うのです。大臣も何回か質疑を通じてお聞きになっておると思うのですが、やはり日本の港湾あるいは船舶等についての近代的な施設というものをするためにはどうするかというようなことを、やはりこれはこういう提案をするときにこそ私は基本的な考えを出しておいてやってもらいたいと思う。ところが、そういうことがないから、結局は、この前の話じゃないけれども、七人委員会とか八人委員会とかいうようなことになってしまって、あまり下のほうの意見は入らぬ、えらい人の名前は出ている、しかしそれは比較的高水準のところに確かに見ておるかもしらぬけれども、実態をそういうふうに把握をしていない、こういう非難なりあるいは批判というものが出てくるのは、私は当然だと思うのです。ですから、総合的なそういうことを、できれば私はやはり運輸大臣が積極的に取り組んでもらいたい、こう思うのです。だから、もっと率直に言えば、海運等の審議会をせっかく持たれているんだから、そういう中に事業者の代表もあるいは労働者の代表も入れて、単に学者だけのあるいは船主だけの代表というようなものだけによって私は運営を進めていくことは誤りではないか、こういうふうに思うのです。銀行の代表であるとか、船舶の保有者の代表であるとか、学者だけというようなことでは、今の海運を実際に専門的に全般的に振興させていくことについては若干不足しておるのではないか、こう思うのです。思うのですから、そういう点についてどう大臣が考えておるか、ひとつ大臣の考えを聞かしてもらいたい。
○国務大臣(綾部健太郎君) 御趣旨よく了承いたします。そこで、この海運の再建整備につきまして、順次今後問題の処理を進めていく場合におきまして、あらためて造船海運審議会に新たな諮問を順次並行してやっていこうと思っております。
○相澤重明君 それから、これはきょう私は質問をするつもりでなかったから、私の質問は次の時間だというので、きょうは資料を持ってこなかったんだが、先日ちょっと申し上げましたが、シップ・アメリカン関係……。
○天坊裕彦君 ちょっとその前に、開運して。ただいま和洋委員から、港湾その他いろいろ海運強化策に関連しては幅広く対策を考えるべきだというお話がございました。先だっての参考人の陳述を伺っても、海運強化のためには、特に港湾運送業、あるいはその背後地にある貨物自動車運送業、こういうものにまでも当然強化策を一緒に考えていかなければ困る、逆にしわ寄せがそこに来るんだ、こういう意見であって、私もその点はそのとおりだと思う。これは大臣も御同感だろうと思うわけです。ところが、今回の案で海運強化策が実施されますが、現実に港湾運送業そのものの強化案というものは、先ほど特に考えてないというお話でございますが、しかし何かお考えになっているんじゃないか。私はその中で問題は、たとえば施設の問題についてはやはり考えていく、それから労働者の問題も大事ではございますけれども、港湾運送業自体の強化策というものを考えてほしいと思うわけです。ところで、港湾運速業そのものは中小企業ばかりなんです。中小企業の対策というものもやはり考えてもらわなきゃいかぬので、これらの一般論については、現在通産省で、中小企業基本法とか、いろいろな中小企業対策は講ぜられているわけです。そのうちで特に一番大事と思われる近代化促進法というのがあって、中小企業のうちで国際競争力に非常に影響のあるものについては、税の問題についてめんどうをみてやる、金融の問題についてめんどうをみてやるとか、特別の措置が講ぜられ、その業種を近く通産大臣が指定するということになっているそうであります。ところで、今回の港湾運送業であるとか、貨物運送自動車事業とかというようなものが、そのうちに当然入らなければならぬと私は思う。ところが、実際の業種指定については、そういうものが入るか入らぬかわからぬという話を聞いているわけです。これはどうしても運輸大臣の一つの強い措置として、通産大臣に要望してもらって、こういうものの業種指定をしてもらわなければいけないと思うのですが、その点、大臣はどうお考えになっているか、大臣のお考えをお聞きしたい。
○国務大臣(綾部健太郎君) もちろん、天坊先生のおっしゃるとおり私も考えまして、強く通産省に今交渉いたしております。なるべく御趣旨に沿うよう努力いたしたいと思います。
○天坊裕彦君 これは通産省関係の中小企業だけに適用されるべきでなく、幅広く全体の中小企業に適用されていかなければならぬと思う。特に運輸省では、こうした事業については特別の監督権を持って別個にやっておられる。ところが、その別個に特別に見ていくところの運輸省関係の中小企業が一般の中小企業よりおくれるという格好になっては、これは困る問題だと思う。今大臣は一生懸命交渉しているというお話ですが、こうした海運強化策が出たときに、関連した中小企業が置いてきぼりされるということは大事な問題ですから、ひとつ大臣は、かけ合うだけでなく、ぜひともこれを入れるという立場で強く要望していただくことをお願いしておきます。
○河野謙三君 さっきの相澤さんの質問に対する答弁の中で、元請と下請のシェアの問題で、八〇何%、一〇何%という話がありましたが、公示料金をあなたのほうで苦心してきめられますが、ところがこの公示料金が守られておりません。相澤さんの御質問の角度は、元請業者が少し取り過ぎるじゃないかというような意味にとれたのですが、各商社からリベートを取られるのは元請業者です。運輸省がせっかく苦心して公示料金をきめて、この公示料金の大体近くで運賃をきめておけば、業者も大体うまくいくだろう、こういうことなのですが、実態はリベートを非常に取られる。民間ベースで行なわれる輸入、輸出等についてリベートを取られるのは、これは力が及ばないかもしれませんが、統制物資の——たとえば米とか、麦とか、その他政府の権力において輸入輸出している物資がありますね。たとえば米とか麦とかというものは、運輸大臣と農林大臣の間で、こういう統制物資についてリベートをむさぼることは相ならぬというくらいのことは、公示料金が実行できるように私は努力してしかるべきと思いますが、あなたのほうには、リベートが莫大なものがむさぼり取られているという実態は、お耳に入っておりませんか。もし入っておれば、それはとってもってあなたの権限ではできないので、大臣のほうに、こういう統制物資等につきましては、もう少し公示料金が守れるようにバック・アップするのが私は運輸省だと思うのですが、どうですか。
○説明員(岡田良一君) リベートというか、公示料金がある程度値引きをされて取引をされておるということは、非常によく聞くわけであります。それで、値上げの申請をいたしました際にでも、実際上今まで値引きをしてやっておるものであれば値上げする必要はないじゃないかというふうなことをわれわれのほうも言いまして、ほんとうに値上げの必要があるかどうかということは、公示された料金がそのまま授受されている場合に初めて値上げの必要があるというふうに考えまして、従来から公示料金をそのままとるような運動を関係業界のほうで強力にやらせておるわけであります。しかし、これは正式の値引きの場合でございますが、リベートとなりますと、個人間の取引といいますか、会社のほうの帳簿に出ないようなこともあるかもわかりませんので、その辺までは、われわれのほうとしては、実際行なわれておるかどうかよくわかりませんが、値引きにつきましては、ある程度行なわれておるということを聞いております。食糧庁とわれわれのほうの間では、もし輸入商社がそういうふうなことをした場合には、食糧庁として相当の注意を喚起するというふうなことをわれわれのほうとの間で申し合わせをしておるということを聞いておりますが、われわれのほうとしては、業界の集まりなり何なりの際に、厳重に公示料金をとるようにしろということを絶えず申し合わせて、業者のほうに強く要望しております。
○河野謙三君 申し合わせをしておられるし、御努力もしておられるでしょうけれども、現実に、今食糧のお話が出ましたが、食糧にはリベートというようなものはないとあなたのほうでは認識されておりますか。私は、食糧というのは、御承知のように、国内産のものも、輸入のものも、こまかくコスト計算をして、そうして消費者価格をきめておるわけですね。しかも、それには政府は莫大な赤字の補給金を出しておるわけです。でありますから、その食糧を輸入する場合にそれだけリベートを取っているということ自体は、もしリベートを農林省なら農林省が認めて、運輸省が認めておるならば、そのリベートの分だけ消費者価格を、それだけ中間経費を削減すべきですよ。八百億なり一千億の食管に赤字を出して、これは財政負担になっておるというのでありますから、その流通過程においての計算はあくまでも厳格でなければならぬ。それが、輸入業者が力にまかせて横暴をきわめて、そうしてやみでリベートを取るというようなことは、あなたのほうで御存じないならばそれでいい、知っておられるならばそういうことは許しちゃいけません。許しちゃいけないと同時に、これは単なる事務当局と食糧庁との問題じゃなくて、もう少し大臣対大臣の間で、国民の負担において行なわれているところの食糧の管理、この管理というものの計算は私は厳格でなければならぬと思う。もしリベートを出すほど運送屋がもうけるならば、公示料金を下げたらいい。私は下げるような実情はないと思う。むしろ苦しい。昔から運送屋というのは雲助根性で、まだ運送屋というのはこの社会の一番下積みであるという認識を持っているから、どうも卑屈だ。せめてこれを運輸省でバック・アップする、そうして堂々といただけるものはいただけるようにしてやらなければならぬ。この点について、もし御認識がなければ、もう少し御調査なさって、これはとっくりと、この問題は十分私は正確な収支計算をしていただきたい、こう思うのです。どうです、その点。
○説明員(岡田良一君) リベートという点につきましては、実はあまり聞いておりませんので、もしそういう事実がありましたら、食糧庁のほうにも厳重に話をいたしまして、ただいまの御趣旨に沿うようにできるだけ努力いたしたいと思います。
○河野謙三君 私は断言いたしますが、リベートはございます。事実がありましたら食糧庁と相談するということじゃなしに、私は——河野謙三は責任を持って申します。リベートがあります。しかも、莫大なリベートがあります。こういうあるという事実の上に立って、私は確信を持って御交渉願いたい、こう思います。
○大倉精一君 参事官にお尋ねしますがね。今、河野さんの御質問の件は、昭和二十八年に当委員会で非常に大きな問題になった。記憶ありますか。それは内容は、私の記憶をたどって申し上げますというと、昭和二十八年の十二月全港湾の労働組合がストライキをやったことがあった。その目的が、法律を守れ、輸入食糧の公示料金をとれ、こういう要求でストライキが始まった、こういうことであった。この委員会でそれを取り上げまして、いろいろ政府を追及し、あるいは審議をした結果、各港に六社寄った運賃収入の窓口を一本にして、そうして今後そういうことのないようにする、こういうことでもってストライキが解決した。その後輸入食糧に対する限りは公示料金をぴっちりとっている、こういう事態があったのです。これを御存じあるかないか、いかがでしょう。
○説明員(岡田良一君) 二十八年であるかどうかはっきり記憶しておりませんが、そういうことがありまして、現在は日本港運協会において中央で一括契約をいたしまして、そこで金も受け渡しをする。したがいまして、当然公示料金そのものがそこで受け渡しをされるというふうな形に改善されたというふうに聞いております。したがいまして、リベートがあるという点、ただいま河野先生からもお話がありましたのですが、少なくとも表向きの形としては、そういうふうに一括契約をいたしまして受け取るような格好になっておりますので、リベートのほうまではあまり聞いておりません。
○大倉精一君 それはまことに怠慢ですよ。国会でそういうことがいろいろ論議されて、一応方向はきまったのだ。リベートにしろ、値引きにしろ、同じことですよ。そういうことをさせないということがきまりまして、その措置を講じられた、その後において、もう実施内容についてあんまり関心を持たずに、リベートがあるかどうかよくわかりませんということは、無責任きわまる。河野さんが、私は責任を持ってあると言うということをおっしゃった。われわれがそれを知って、監督官庁がそれを知らないということは、おかしいと思う。そういうことがだんだん高じていきますと、当時問題になったように、輸入業者のあっせん料によって港運業者がいろいろな手を加えて、それにまた労働者も非常なしわ寄せになる。たいへんなことになるのですよ。これはさっそく調べて下さい。 それからもう一つは、これは港運料金ばかりじゃなくて、認可料金に関する限り、非常に奇怪千万なことは、今の輸入食糧と同じように、官庁みずからが入札をやるのです。これはどういう意味ですか。料金がきまっているのです。認可料金がきまっているところへもってきて、官庁みずからが料金の入札をやるというのは、どうもこれは法律に矛盾していはしませんか。これはどういう工合にお考えになっておりますか。
○説明員(岡田良一君) ほかのほうの料率についてはよく存じませんが、港湾運送関係につきましては、日本の政府は港湾運送について入札をやっていることはないと思います。ただ、米軍が行ないます場合に、やはり日本の公示料率というものを、米軍としてはもっと安くできるのじゃないか、そのかわり米軍のほうから機械を貸すからもっと安くしろというふうな意味で、こういうふうな機械を提供してこういうふうなことをやるから幾らでやるか、そういう形の入札はあるということを聞いております。
○大倉精一君 米軍の場合、たまたま話が出ましたけれども、これもやっぱり、機械を貸して、そうしてこれを日本の法に縛られないということが当時あった。これもあの当時の記録を調べてもらいたいと思う。ですから、そういうものは、米軍にしろ、何にしろ、日本の法に従ってもらわなければならない。米軍が例外という話はない。これは運輸大臣、せっかくの機会ですから、お考えを承っておきたいと思うのだが、まず第一番には、米軍にしろ、何にしろ、日本に来れば日本の法に従うということは当然だと思いますね。もう一つは、港湾ばかりでなくて、認可料金というものがある。これに対して、官庁みずから、お役所みずからが料金に対する入札をやる、こういうものに対するお考えを聞かしてもらいたい。認可料金はきまっておるのですから。ですから、それ以下でやれば法律違反ですよ。
○国務大臣(綾部健太郎君) さようなことは私は聞いておりませんが、ないと信じております。もしそういうことがあれば、法律違反ですから、明らかにいたして、善処いたしたいと思います。
○大倉精一君 これは非常に大きな問題であると思いますから、右から左へすっと改めるわけにはいかないかもしれませんが、少なくとも建前というものは一応きちんとしておかないというと、ここから混乱が起こってくるかと思うのです。ですから、長い間の習慣でありますから、ありますよ。長い間の習慣でありますから、右から左というわけにいかないかもしれませんが、建前というものをこの際はっきりしてもらいたいと思うのです。
○国務大臣(綾部健太郎君) それは、大倉委員のおっしゃるとおり、事実であるとするならば、けしからぬことでありますから、私はすぐ究明して、法律を守るという趣旨に従って善処をいたします。
○相澤重明君 せっかく港湾の話が出ているのですから、いま少しやりましょう。そこで政府は、昨年のこの登録されておる事業者は何人だったのですか。
○説明員(岡田良一君) 昨年の九月に港湾運送事業の免許の申請の切りかえの最終のときにおきまして登録されております事業者の数は、二千七百九十八でございます。
○相澤重明君 昨年の切りかえのときの二千七百九十八登録業者——その切りかえのときにはどのくらいふえたのですか。
○説明員(岡田良一君) 切りかえのときと申しますと、切りかえの少なくともそのときまでに事業をやっておるものは昨年の九月までに新しく免許申請を出すということになりまして、それまでに仕事をやっていなかったものにつきましては、全然新規という形で、これは別に昨年の九月に限られずに、いつでも免許申請を出せるわけでございますが、その後に免許いたしましたものは五百八十ほどございます。それは、昨年、ずっと前からやっておりましたものと、その後新しく始めましたものと、両方で五百八十認可をいたしております。
○相澤重明君 資料を置いてきてしまったので、的確な数字が言えないので私も因っているのですが、なぜ政府が、昨年のこの今まで事業をやっておった人のほかに、またとにかく三分の一なり、倍なり、そういうふうに一ぺんに新しく免許をしなければならなかったのか、その理由はどういうことなんですか。
○説明員(岡田良一君) 昨年、従来までやっておりました業者は、先ほど申しましたように二千七百九十八ございまして、そのうちですでに免許を受けましたものが四月末現在で三百二十九でございましたが、そのほかに二百五十ほどやっていなかった業者で新しく免許をしたものがございます。その二百五十ほどの内わけは、新規に港湾運送事業法の適用を受けて指定された港に新しい業者が免許されたもの、それから従来非常に法律の中の概念があいまいでありまして、従来一種の免許でやっておったものが、よく検討してみるとこれは一種と三種がいるというような、法律の概念を明確にするために新しく免許をとる必要があるもの、それから従来から無登録でやっておりましたものを、この際統合いたしまして、相当大きな業者にしてやむを得ず免許するというもの、それから新しく機械を使って始めるものであるとか、必要やむを得ないもの、そういうようなものが大体二百五十ぐらい、こうなっております。
○相澤重明君 僕は実は、昨年の事業を行なっておるものと、それから新しく認可したものの数字を、全部とってあるのですよ。そこで、これは政府がどうも一度に多くの業者を新たに認可をしたということについて疑問がちょっととれなかったのです。今話を聞いてみると、新しく港ができて、そこに指定したということや、それから法律上の欠格条項があったものを、行政指導の上で新たに適法化して、いわゆる免許を与えたもの、こういうふうに私は受け取れます。その限りにおいては、私は誤りではないと思う。ただ、先ほどの天坊さんのお話じゃないけれども、今の港湾関係についての事業者というものはほとんどが中小企業です。これは日本の中でも大きいのは幾つもないのです。ですから、そういう点からくると、経営が困難な中に競争者がたくさんできたということは、私は、河野さんのお話じゃないけれども、どうしても料金についてもダンピングを行なう、あるいはリベートを取る、こういうようなことが白昼公然と行なわれているということも、否定できない事実だと思うのです。ですから、運輸大臣は、その点まだこまかい点を聞いておらないから、まあすべてが法律のもとに適正に行なわれておるだろうというお話を受けたんですが、私は、先ほどの大倉委員のお話じゃないけれども、この港運業者がどんなに苦労をしたかということについて、当時からの話や、私自身が、米軍下の取り扱いについて、昭和三十二年に当委員会で、このことはこまかい質疑をお互いに行ない、またそういう違法行為のないように政府に要請をしたわけです。これは会議録に載っておりますから、十分調べてもらえばわかるわけですが、そのことは今日でも変わっておらないのです。米軍は、予算の削減、つまりアメリカの国家予算の削減という名のもとに、今の日本の法律において、あるいは公示料金においてきまっておることでも、なかなかこれはやろうとしない。それが単に、一つのいわゆる通訳の問題であるとか、機械力の貸与の問題であるとか、こういうような、名前は通っておるけれども、実際にはたいしたことはない。ですから、そういう点は、私も横浜港を見て知っておりますから、こういう点については確かに直さなければいけないということで、その後政府が努力したことは認めておるけれども、必ずしも多くの中には、それだけでは仕事がとれない。競争者の多い中では仕事がとれないから、表面はとにかくとして、裏ではそういうことをしなければいけない、こういうものが出てくるわけです。それでは私はやはり中小企業の育成にはならぬと思う。あさっても委員会をやりますね。そのときに、私はこの前も申し上げておいた船舶の輸出関係等の問題も含めて、通産大臣を呼ぶつもりですから、そのときには、先ほどの天坊さんのお話じゃないけれども、中小企業に対する政府の育成というものは一体どこに基本を置いているのか、こういうことも私はやはり例示をしてみればはっきりわかると思うのですよ。そういうことで、どうも昨年までの事業を行なっておる港運事業者がかなりやはり経営上苦しんでおるにもかかわらず、新たに今まで免許したものの三分の一とか、倍になるような事業者がどうしてふえたかという疑問は、なかなか私どもはぬぐうことができない。そういう点、先ほどの説明を聞きましたけれども、私はやはりいま少し具体的に説明のできるようにしてもらいたい。どこの港の関係者としてどのくらいになっておるのか、こういうようなこともできればこの次に説明のできるようにしておいてもらいたい、資料として。 それからいま一つは、先ほどの料率の改定の問題について、公示料金というものが、実際には、元請業者に当てはめていって、公示料金は荷主との話でもってきめて、それが実際に扱うところの下請業者は、そのうちから、先ほどあなたから説明があったように、何%とかいうものは取られて、そうしてそれだけの狭まった料金でもって仕事をしなければならぬ、こういうことになっておるわけです。これはやはり私たちはどうしても検討してもらわなければならぬのじゃないか。これはもう早急に、港運事業者というものの免許を運輸大臣がする以上、その人たちの経営というものがやはり成り立つようにしなければ、いくら法律を作ったところで、政府が努力をいたしますと言ったところで、私は、そういうことにはなっていかない、こう思うので、その点については、先ほど申し上げましたように、早急にひとつ政府としての研究を進めて対処していただきたい、こう思うのであります。 そこで、いま一つの問題点は、先日この資料を出してもらったと思うのですが、さらにこの港湾に対する実際の政府のいわゆる推進といいますか、国費を投入することについて、やはり具体的に作業ができるように、いわゆる運輸省自体が国費を投入するようにしなければ、なかなか関係の事業者というものは実際にはスムーズな仕事ができないと私は思う。今この中にはあまり載っていないようでありますが、港湾関係の費用というものを先日資料で出していただきましたが、私は、まだまだ実際の船腹量が増大をする中に、しかもこれからは、もうスーパーというどころではない、十万トンのタンカー船が入るというようなことから考えていって、今の日本の港湾のあり方では規模が小さ過ぎる。こういうことについても、船込み問題とも関連をして、早急に整備をすべきじゃないか。そして、やはり機械化をし、合理化をしていかなければ、いくら国際競争力に勝つ——勝つというか、一人前になろうとしても、そういう面でもやはりおくれてしまう。こういう点について政府の特段の注意を喚起していただかないというと、先ほどの話の造船には利子補給をするけれども、片ちんばになってしまう、こういうふうに私は思うわけです。こういう点について、運輸大臣が、先ほどの審議会のいろいろの答申も得られるようでありますが、特にお考えを持ってそういう対策を作る考えがあるかどうか、これはひとつ運輸大臣から聞いておきたいと思うのです。
○国務大臣(綾部健太郎君) 先ほど河野委員にお答えいたしましたように、三十八年度にも相当やったのです。しかし、国家財政その他の都合でまあまあという程度でございましたから、三十九年度は思い切った港湾整備の費用の予算獲得に努力するということを申し上げました。同時に、委員各位におかれてもぜひひとつ御協力方をお願いいたしたいと思います。
○相澤重明君 それからいま一つちょっと。港湾ではなくて、先ほど申したシップ・アメリカンとの関係もあるのですが、アメリカの業者から日本のいわゆる料金の問題について、どうも日本はけしからぬではないか、こういうので訴えられたことがあるのですが、そういうことはどういうふうに政府は把握しておりますか。
○政府委員(辻章男君) 今おっしゃいます、料金が不当ではないかと言われたのは、どういうふうな料金でございますか。
○相澤重明君 これは、アメリカの業者から、日本の荷物の料金が不当にアメリカの業者を脅かす、こういうことで、アメリカの業者から訴えられて、しかも日本の公正取引委員会は、それに対して、それが正しいような意見を出しておるのではないですか。これは今私は書いたものを持ってきてないから、今具体的に説明ができないけれども、私がこの前言ったのは、公正取引委員長を当委員会に呼び出して、少し日本の実情というものをもっと認識してもらわなければいかぬ、このくらいこの前申し上げたんですが、資料を置いてきてしまったのですが、そういうことはなかったですか。
○政府委員(辻章男君) よく調べてみますが、私の記憶では、海上運賃につきましてはそういうことはなかったと記憶いたしております。
○相澤重明君 私自身今資料を持ってきてないので、きついことを言えないけれども、私は確かにそういう事態があったと思う。これはやはり、国際競争という場面においては、私どもは正しいことは正々堂々とやっていいと思うのです。それが、国内の公正取引委員長が、少なくともアメリカに追随をしたような形の言論をはくということは、これは許されぬことだから、一度政府でも調べてもらいたい、どういうふうになっておるか。確かにこれはあるはずです。そう遠くない、ことしの早々だったか、昨年の秋だったか、出ておるはずです。そういう点について、私はやはり、少なくとも造船の利子補給をして、そうして船舶関係を守っていくという限りにおいては、やはり正しい意見は正しい意見として、日本人の立場は立場として、卑屈になる必要はない、こう思うのです。調べてみなければ、私もふろしきの中に資料を包んでそのままにしてきてしまったので、委員長が関係の質問をしろと言ったから、持ってこないで質問するのは無理な話ですが、そういうことを一度政府のほうで調べてもらいたい。そういうことが今後起きないように、アメリカ政府とも日本政府は十分話し合って、お互いに公正な競争をやろうではないかという態度を私は堅持をしてもらいたいと思うのです。そういう点について政府の考えを聞いておきたい。
○政府委員(辻章男君) 私のほうでもよく調べまして検討いたしますが、抽象的に申し上げて恐縮でございますが、今相澤先生の言われるような、アメリカが運賃、料金等につきまして不当な言いがかりをつけてくるような場合におきましては、われわれとしましては、断固としてこれに対抗して参るという決心でおります。
○相澤重明君 それから、私の質問で残されているのは、船舶関係の輸出状況、あるいはこの全体の造船と、この前数量をあげていただきましたが、それに国内としてどういうふうに、いわゆる計画造船を初め、戦標船の代替建造等も含んで、日本の造船能力を実際に生かしていける体制というものをどう作るか、こういう点についてのもっと的確な私はやはり政府の施策というものを望んでおるのです。そういう点を聞きたいわけです。ですから、この間のお話のありました船舶輸出について、運輸大臣の、少なくとも日本も外国にあまり負けないように延べ払いの問題についてもお話がありましたが、そういう点についても、やはりこれは通産大臣のはっきりした態度というものを当委員会で出しておかなければいけないと思うのです。そういう面で、次回に私はそれを譲りたいと思うのです。きょうは、手持ちも何もないので、手ぶらで来て、全部やらせると言ったので、私としても資料を持ってきてないから困りますから、この辺できょうは終わります。終わりますが、この次は、そういうことで、通産大臣をぜひ呼んでもらいたい、こういうことを私は委員長にこれは要求をしておきます。
○委員長(金丸冨夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(金丸冨夫君) 速記を始めて。 本案の質疑は、本日はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(金丸冨夫君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。
○大倉精一君 海運の問題については、私も若干お尋ねをしたいと思いますが、これは次回に保留いたします。 先般の運輸委員会において、去年の十一月二十八日に鯖波で起こった貨物列車の転覆事故、これに関連して、第二次的に復旧作業に従事していた作業員が死傷をしたという事件があった。これについて早急に調査、検討をしてその結果を報告されたい、こういうことで先般の委員会が終わっておりますが、その後の調査の結果について御報告を願いたい。
○説明員(遠藤鉄二君) 昨年の十一月の二十八日に北陸本線鯖波駅構内におきまして貨物列車が脱線をいたしました。その脱線貨車の貨物の取りおろし作業を通運業者に請け負わせておりましたところ、作業中に貨車が傾きまして、取りおろし作業中の通運作業員が新聞巻取紙の下敷きになりまして、一人が死亡し、一人が負傷をしました。こういう事件でございまして、昨年の暮れの本委員会におきまして、先生もお尋ねがございましたが、目下調査中でありますので、いずれお答え申し上げますと、こういうふうにお答えをしておいたのでございますが、その後現地におきましていろいろ調査も行なわれ、またこれは、問題の一等要点は、貨車が傾いたことによりまして死傷事故が起きたわけでございますから、この貨車が傾いたことについて責任が、過失があるのかないのか、こういうようなことが問題の要点であるかと思うのでございますが、その点につきましては、福井地方検察庁で、当時現場で国鉄職員の責任者である立場にありましたところの公安室長、それから客貨車の助役を被疑者といたしまして取り調べを行なっておったのでございますが、本年の四月三十日に過失がないということで不起訴処分ということに決定があったように聞いております。この検察庁の調べも、内容のこまかい点は、私どもとしてはこれは知ることができないのでございますが、結果は、過失がないとして不起訴処分、こういうことになったのでございます。それから、なくなられました方に対しましては、武生の労働基準監督所は、国鉄側には過失がないとして、死亡者の遺族の斉藤左智子さんに対しまして、一月三十一日に遺族補償が行なわれております。負傷者の大辻栄さんに対しましては、休業補償、それから療養補償金が払われておるのでございます。一応そのようなことで、責任問題といいまするか、そういうことは国鉄側に過失がないということになっておるのでございますが、国鉄に責任はないとは言いまするものの、本件は、国鉄の事故の復旧に際しまして、緊急の場合に、いろいろ契約等もはっきりせず、こういう仕事は緊急にやられるものですから、そういうような点も考慮いたしまして、国鉄といたしましては、遺族に対しましては特別に何らかの方法でお見舞を申し上げ善処したいと、かように考えております。その事件の直後に、死亡されました方に対しましてはお香典、負傷者に対しては見舞金を、それぞれ贈与はいたしておりますけれども、今回一応の事件の結着を見ましたところで、あらためましてさらにお見舞を申し上げたいと、かように考えておるのでございます。
○大倉精一君 これは私は、業務上過失があったかどうかという法律の問題をこの国会で聞いておるわけではない。この転覆事故に関連して、復旧作業に関連をして、現場に、日通の作業員なり、あるいは武生通運の作業員なり、そういう作業員を派遣するまでの過程が一つの問題点であると思うのです。まあ当時のことをもう一ぺん申し上げますというと、現場の作業員が朝出勤をしてくる。そこで、駅長室に来い、こういうことで、会社には了解が得てあるからすぐ応援に来てくれ、こうだったらしいのですね。実際は了解が得てなかったわけなんです。何も了解を得ていなかった。ですから、駅長が独断といいますか——で応援に差し向けたということ、それから貨車が転覆したというのですけれども、貨車が十五度ないし二十度傾いておった。しかも、一本六百キロもあるような巻き取りの紙が積んである。こういうことで、作業の監督者の田中某というのは、この貨車に入って仕事をやるのは非常に危険であるということを再々言ったのだけれども、現場の公安室長——との人はそういう任務があるかどうか知りませんけれども、公安室長という人が、だいじょうぶだからやれと、再三にわたって強要された。こういうことで、非常に危険を感じながらその貨車へ入ったということですね。しかも、その作業中に連結機をはずしたといいますね。連結機をはずしたことは、それも一つの原因でありましょうが、貨車が転覆をして、新聞巻き取りの下になって、一人は即死、一人は重傷、こういうことになった。ですから、業務上過失ということは、これは裁判所となれば云々できませんけれども、こういうような事故が起こった場合、責任は一体どこにあるのか。これは、この事件ばかりでなく、今後もあることなんです。ですから、こういう応急の場合に、運送屋にしろ、何にしろ、応援を求められて応援に行くのは当然なんだ。当然なんだけれども、その復旧作業の過程でこういう第二次的な事故が起こった場合、その責任はどこが負うのだ、どこが責任を持ってこの始末をするのだ、これがはっきりしていないのですね。現場においても、駅長さんは、国鉄の書記長の方、あるいはまた委員長の方が面会に行っても、面会する必要ない、こういうことで、しかも責任は国鉄にないのだというようなことで、責任を持って処理をする主体がわからぬのですね。そういう点について、国鉄は、こういう事件について、責任問題について、どういう工合にお考えになっておるか、これはおれのほうは全然責任ないのだ、見舞金を出しておけばいいんだ、香奠を出せばいいんだ、そういうお考えになっておるのか、その点を私は聞きたいと思っておるのです。
○説明員(遠藤鉄二君) こういう事故の際には、貨車の荷物の取りおろしということが通運業者の仕事でございますので、事故のみならず、たとえば貨車が運行中に荷くずれをするというようなときには、これは現場限りでもって通運業者にこの荷くずれの姿を直せということを注文するわけでございますし、通運業は多くはこういう仕事が本業でございますので、現場限りで、こういう緊急の事態がありまするし、支店長が知っておったか知っておらないかわかりませんのですけれども、これはまあやむを得ぬ緊急の措置であると思います。 それから、今の責任の問題でございまするけれども、私が責任ということを申し上げたのは、国鉄は何も知らないのだということではもちろんないわけでございまして、刑事上、民事上の、いわゆる法律上の責任のことを申し上げておるのでありまして、こういう問題に際しましては、当然責任という意味が違いますけれども、これは管理局でも、現地の駅長でも、責任を持って処理するということは、これは当然なことになるわけです。で、先ほど申し上げましたのは、法的な責任問題は、これはないということになったのであるけれども、国鉄も、非常にこういう場合には緊急の事態でございまするし、相当無理といいまするか、早く列車を運転させなければなりませんので、そういうお願いをしておるわけでございまするから、気持といたしましては、なくなられた方に対しましては、深くお見舞の意思を表するというふうにしたい。その形式はまあどうなりますかでありますが、お見舞ということで国鉄の謝意を表したい、こういう考えでおる次第でございます。
○大倉精一君 こういう場合ですね、荷物の取りおろし等をやるのは通運業者の当然の仕事である、こういう工合に今発言があったのですがね。これはちょっと当然ということはどうかと私は思うのですよ。通運業者が自分のしむけた荷物についての責任を持って作業をするのは、これはあたりまえなんですけれども、こういう場合に、当然だということじゃなくて、道義上やはりやるということじゃないかと思うのですね。だから、冒頭に私が言ったように、こういう復旧のときに、専門家であるところの通運の作業員に応援を求められるのは、当然だと思うのですね。それが応援に応ずることも当然だと思います。と思いまするけれども、冒頭申し上げたように、作業員がやはり日通なら日通、武生通運なら武生通運に所属しておるのであって、命令系統は当然支店長にあるのです。支店長の許可がなければ、要請がなければ、作業員というのは勝手に外の作業場へ行くわけにいかないのです。しかるに、支店長には係長を通じて了解を得ておると言われたので、それじゃ仕方がないというので現場へ出かけたのであるが、実はいまだ了解を得ていないということがわかったのです。それで、現地に着いてから支店のほうに連絡をして、じゃこうこうこういう工合にしたらどうかという事後承諾のような形になっておるのです。事後承諾ということはそれでいいのですけれども、了解を得ておると偽わって作業員をかり出したことが問題になるのです。なぜ問題かというと、今あなたが当然だとおっしゃったように、国鉄に対して通運業者あるいは営利の業者は従属するような関係にあってはならぬと思うのです。協力関係になければならぬと思うのです。そういう点がまず第一番の事故の問題点になると思うのです。そういう点について、一つ一つ協力関係というのは、当然そうなければならぬと思うのです。いかがでしょうか。往々にして、現場においては、そういう関係じゃなくて、あたかも従属関係のような場面をちょいちょい見るのです。それであってはならぬと思うのです。お考えいかがでしょうか。
○説明員(遠藤鉄二君) 今先生のお尋ねの、通運業者が国鉄に従属しているということは、われわれも毛頭考えておりませんで、これはもともと対等の立場の契約になるわけでございます。従属なんということは毛頭考えておらぬのです。ただ、こういう重量物の取りおろし作業をだれに頼むかといいますれば、これは今先生お話のように、国鉄に絶えず出入りする専門の方でありますから、こういうことでお願いするのがほんとうじゃないかと思うのであります。
○大倉精一君 それはそれでいいのです。ですから、私は、形式的なことじゃなくて、どういう格好でどういう態度でもって要請をされたかということ、これは一つ現場で調べてもらいたいと思う。今ここでどうこう言っても始まりませんから、現場においてひとつ、そういう点について、将来のためもありますから、調査をしておいてもらいたい。 それから、先ほど言ったように、十五度、二十度傾いておる貨車の中に入って作業をやるのは危険だ、こういうことを三十数年の経験でもって作業監督が言っておるのです。にもかかわらず、早く通さなければならぬから、だいじょうぶだからやれという工合に——これは強制でないとおっしゃればそれまでかもしれませんけれども、強制になるのですよ。その結果心配になったとおりになったのですね。しかも、その当時の状態が、通信区のほうと、それからもう一つは、国鉄部内においても意見が違っておったのですね。国鉄部内においても、通信区のほうですか、これは事故の現場五十メーター以内は立ち入り禁止だ、こうなっておった。ところが、営業区のほうですか、名前はよく記憶はありませんが、こちらのほうでは、危険はないという、そういう意見があったのです。そういう中で作業をやらしたというのですよ。これはやっぱり、法律上の問題じゃなくて、少なくとも責任を持って解決しなければならぬ責任は国鉄にあるのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○説明員(遠藤鉄二君) 危険があったかなかったかというようなこと、これもやはり、詰めていきますと、法的な問題になってくるのでありますけれども、そういう判定を出し得る立場にあります——これは客貨車区であります。そこの助役も被疑者として調べられました結果、検察庁でそういう認定をされたわけでございます。法的責任がないという問題でございます。 それから、お尋ねの、こういう事態が緊急に起こりますので、やはり手違いといいますか、そういうことがあるかもしらぬ、したがいまして、何らかあらかじめ——緊急事態になってからもともとの相談を始めたのでは間に合わないわけでありますから、そうなる前に、何らか基本的な契約といいまするか、きめ方といいまするか、そういうことをやっておけばいいのではないかと思うのでございまするし、そういう点も、先生のおっしゃったことを含めまして、よく検討をいたしたいと思います。
○大倉精一君 まず、今の答弁の初めに、貨車に危険があったかなかったかということは、裁判所で調べたらだいじょうぶだということでもって無罪になったと言いますが、ところがだいじょうぶだといってもひっくりかえったでしょう。危険があったのですよ。しかも、私はこの写真を持っていますけれども、非常に危険のある状態だったのですね。これに中に入って作業をやらすということ、これに問題がある。そこで、こういうように緊急の場合に、作業の応援を頼み、これに応ずる、これは当然であり、またそういうことなんだが、たまたまこの復旧作業の過程においてこういう不幸な事態が起こった場合に、一体国鉄は責任がないのかということです。これは法律以前の問題ですよ。これはあなたのほうは復旧作業に応援を頼んだのだから、これは請負制になっておりますと今答弁がありましたが、現地においては、応援をしてくれ、よっしゃということで、そういうことをやったのですが、その過程においてこういう不幸な事態がたまたま起こった、たまたま起こった事態に対して、国鉄というのはみずから責任を持ってこの解決に当たるべきだ、こういう責任があるでしょう。責任ということについても、いろいろ意味があると思うのですよ。しかし、みずから責任を持って解決に当たるという、そういう責任は道義上あるのですよ。それはいかがですか。
○説明員(遠藤鉄二君) 先生のおっしゃるような道義的な責任ということは、すべての事柄についてさようであると思っております。
○大倉精一君 私はほんとうは、ここではっきりあなたにこれは国鉄の責任がありますと言ってもらいたい。もらいたいけれども、なかなか言えまいと思って、私は責任を持って解決しなければならぬことじゃないかと、こういうことを言っているのですよ。しかし、それが今、当然責任を持って解決しなければなりませんとおっしゃるけれども、現場末端には、そういう常務の意向あるいは意思というものが統一されていない。現場においては、国鉄には責任がないのだ、まあ除雪人夫並みの手当で、見舞金でいいのだ、こんなことを現実に言っておる。これは現地の国鉄の労働組合の委員長が立ち会った席上で言っておるのですよ。そういうことも言っておるのですよ。ですから、あなたの言っておられることと、現地とは、違うわけですよ。こういうことは裁判にかけるかけぬ以前の問題ですけれども、当然これからもあるわけです。こういう緊急の場合に、国鉄は応援を求めた、これに応じた、その過程において、しかも国鉄みずからの監督指導のもとに、指揮のもとにおいて行なっておる作業最中に、こういう不幸な事態が起こった。当然これは国鉄は責任を持って解決すべきじゃないか、それをひとつはっきり言ってもらいたいですね。責任を持って解決しなければならぬ。責任を持って解決するという言葉がないでしょう、あなた。
○説明員(遠藤鉄二君) 現場の職員の気分と申しまするか、そういう点を考えてみますと、あまり責任々々と、自分が責任があるということになると、やはり将来きずがつくというようなこともございまして、責任々々ということで追及すると、かえって、無理といいまするか、酷なような点もあるわけでございます。管理者とすれば、今先生がおっしゃったような、こういう仕事をやらせたのは、国鉄がやらせたわけです。民事、刑事責任は別として、こういう事件を責任を持って解決したい。そういう意味における責任でありますれば、当然私どもはそういうことを考えなければいかぬと考えております。
○大倉精一君 そういう意味の責任でありますという答弁がありまするが、私はこれでずいぶん情状酌量しながらものを言っておるつもりですよ。それを、こういう責任があればということになると、これまた一言なかるべからずということになるし、それからあるいはあなたのほうで部下をかばうあまり、責任々々と言われるとどうも気の毒だと言われるかもしれませんが、死んだ者にとってみればたいへんです。これはたいへんですよ。死んだ者やあるいは重傷者にとってはたいへんなことになる。それで、この前から、どうも私の質問中に、その点ははっきりしない。だから私は、この際、よけいなつけたりの文句をつけずに、こういう場合には国鉄は責任を持って解決すべきだということをずばりと言ったらどうですかね。私は国鉄としては責任があるということを言いたいのだけれども、情状酌量してこの表現をしている。国鉄は責任を持ってこれは解決しなければならぬと、こういうことですよ——と思うのですが、いかがでしょうか。
○説明員(遠藤鉄二君) 責任を持って処理いたします。
○大倉精一君 まあきょうはこの程度にしますけれども、これは私は今後もあることだと思う。たとえば、三河島事件のときでも、ずいぶん方々から応援に行きました。行きましたが、幸いにして第二次的な人身事故がなかったから、こういうことは起こらなかった。あるいは、この事故のあとの常磐線の事故でも、その復旧過程において人身事故が起こらなかったから、この問題起こらなかった。たまたま鯖波の場合には第二次的な人身死傷事故が起こったのですから、これに対する責任問題はどうだということを私は言っておったのですが、この場合にも、あなた責任を持って解決しますと、こういうことでありますので、私は、責任を持って、さっそく現場にも所要の指示をされて、責任を持って解決されるように期待をいたします。さらにまた、非公式でもいいですから、その解決された事項について報告をしてもらいたい。報告して下さい。終わります。
○相澤重明君 関連をして。今の話を聞いておると、これはやはり人権問題ですからね。そこで、遠藤理事に聞いておきたいのだが、国鉄はたくさんのお客さんを扱い、また荷物を扱っておるわけです。そこで、今のような危険な問題を処理するのに、ただそのときばったりでは私はいかぬと思う。今大倉委員の言うことは、やはり関係者の間で、そういう非常事態の場合あるいは危険な場合の対策というものを立てておかなきゃいかぬと思う。そういうことについて、私は、これは一つの例ですが、たとえば通運業者との間にどういうようなことを契約なり、あるいは話し合いといいますか、そういうものをきめておるのか、そういう点はどうなんですか。
○説明員(遠藤鉄二君) 一般的に貨物取り扱いで通運業者と契約になっておりますのは、国有鉄道の責任における積みおろしあるいは集配の仕事を通運業者に契約をもって委託しておるものであります。それから、これは地方地方で多少違うかと思いますけれども、先ほどちょっと申し上げました荷くずれなども、これも定例的にあるものじゃございませんけれども、事故防止のため、国鉄職員がやるか、国鉄職員がやらなければ、通運業者にそれを受け持ってもらうということをやっておるはずであります。そういう契約になっておるのであります。
○相澤重明君 そうしたら、そういう契約条項を、よく僕もわからないから、本委員会の資料として提出してもらいたい。どういうことを通運業者とやっておるか。 いま一つ聞いておきたいのは、この機会だから。今通運業者というのはどのくらい国鉄は持っておるのですか、関係しておる通運業者。
○説明員(遠藤鉄二君) 数は、ちょっと今資料を持っておりませんので、後刻申し上げます。
○相澤重明君 それから、できれば、次の機会に資料として、日本通運を初め、通運業者の名前をあげて、それから年間の扱い数量——どのくらい扱い数をしておるか、数量、金額、これは私はたいへん大事だと思うのですよ。というのは、やはり、国鉄職員が第一線に出ておるけれども、実際に人が足りないために、今の大倉さんのお話のように、関連業の人にずいぶん無理を言うことがあるのじゃないかという私は心配をするのです。それが事故を起こすもとになりはしないかという心配、やはりそういうのは的確につかんでおかないと事故対策にならぬので、今や国鉄の問題は安全輸送ということが一番大事な問題だ。安全輸送といったって、ただ単に言葉だけで安全輸送と言っても何にもならない。その対策がなければならぬ。そういう面で、貨物の取扱い数量とか、あるいは年間におけるそういう問題について、それぞれの通運業者もいろいろ対策を持っておると思う。その意味での一つの資料というものを出してもらいたいと思うのです。この次あたりまでに出せますね。
○説明員(遠藤鉄二君) 私のほうの手元にある資料でございますので、急いで提出をいたします。
○相澤重明君 それから、国鉄の安全輸送についての協力を民間に頼んでおることはないのですか、何か。つまり、国鉄はレールの上を走るには、安全運転ということは、これは当然のことですが、いわゆる国民の生命財産を預かっているのですから、その安全輸送をはかるためには、単に国鉄ばかりなくて、いろいろな関係の人たちにも協力を願うことがあると思うのですが、そういう安全輸送というような問題について、何か国鉄として協力関係を要請しておるものはありませんか。
○説明員(遠藤鉄二君) 一般的には、部外者に安全輸送関係で国鉄職員がなすべき仕事を委託しておるようなことはございません。ただ、最近話題に出ておりますものは、踏切で自動車がエンストする、その場合に、もし踏切の付近の——これは無人踏切のことでありますけれども——居住者に何らかその場合に列車に知らせるようなことを依頼したらどうだろうかというような話も出ておりますけれども、具体化はしておりません。こういう安全確保のことを契約をもって部外の人にお願いしますということは、ほんとうに確実を期するという意味におきまして、なかなか——たまたまうまくいけばいいですけれども、それは非常に当てにするということはむずかしい問題でございますので、検討はいたしておりますけれども、具体的に申し上げるようなことは今の時点ではないように思います。
○相澤重明君 旅客の場合には、旅客輸送について、あるいは国鉄の輸送協力会といいますか、そういうようなものがあると私は思うのですが、したがって、そういう団体が、各地域においてかなり私はやはり積極的に民間の人が国鉄に協力するというような態度をとっておるところがたくさんあると思うのです。そういう問題はどうですか、ありませんか。
○説明員(遠藤鉄二君) 各府県ごとといいまするか、地域によっては市町村単位でもあるかと思いまするけれども、国鉄を中心とする輸送の安全の委員会といいまするか、協力会といいまするか、そういうものは地方々々でいろいろ設置をされております。先ほど申し上げましたのは、その業務を委託するという点について申し上げましたので、協力体制とすれば、地方々々でいろいろな機関を設け、お願いをしておるわけであります。
○相澤重明君 それから、これはよく私もわからないから聞いておきたいのだけれども、たとえば鉄道管理局単位に、輸送協力会とか何とか、そういうようなものがあるとしますね。これはあると思うのです。そういうのは、地方鉄道管理局長が委嘱をするとか、あるいは自主的にできたものを局長が協力をしていくとかいうことになろうと思うのですが、それはどういうことになりましょうか。
○説明員(遠藤鉄二君) 一般的に、私ども本社から、各地方に対して、こういう組織を作れとか、こうやれという指令はしてないのでございまして、地方地方の実情を見まして、管理局長のほうから提出をしてみたり、あるいは市町村のほうから提唱があって、それに国鉄が入れていただいて組織を作るとか、そういう地方々々の実情で適宜やらしておるような状態でございます。
○相澤重明君 それから、そういう協力者といいますか、そういう一つの組織を作られて、非常に国鉄についての協力をしておる、こういう人たちに国鉄の優待パスを出していることはありませんか。
○説明員(遠藤鉄二君) 私の知っている範囲ではございません。
○相澤重明君 今、国鉄の優待パスというのはどういうところに出しておりますか。
○説明員(遠藤鉄二君) 私パスのほうの仕事に関係いたしておりませんので、ちょっとお答え申し上げかねるのでございますが……。
○相澤重明君 もちろん、大ぜいの理事だから、わからなくても仕方がないけれども、少なくとも、国鉄職員に出すもの、国会議員に出すもの、まあ大ざっぱに言って、こういうところは私どもよくわかるわけですが、どういうところに出しておるかということは、できれば次の機会に資料として提出してもらいたい。ということは、私どもは実はこの国会に戦傷病者に対する優待乗車証の問題を法律として提案しようとしているわけです。これはいずれ機会を見て、この点をひとつ与党の皆さんにも私どもはぜひ協力を願いたい。しかし、これはやはり運賃料金に影響のある問題ですから、対大蔵省との問題もあるでしょう。したがって、私どもは、できるだけ、国のために御苦労願った人たちには、そういう優遇の道を考えるということはいいことだと私は思うのです。思うのですが、ともすると、一般に国鉄の優待乗車証というものは乱雑ではないかという批判を受けているわけです。そういう点もありますから、私はこの際に聞いておきたかったのでありますが、ひとつお帰りになったら、どういうところに出しておるかということをすぐお知らせいただきたい。 そこで、あとは、先ほど申し上げた、国鉄というものはマンモスでありますから、東海道新幹線のような問題が出ると、全くてんやわんやでわからなくなってしまうのですが、やはり疑問のないようにやっておく必要があると私は思うのです。そういう点で、今二つほどの、通運関係の問題と、優待パスの関係を御質問したわけであります。 きょうはこの程度で私は終わります。
○国務大臣(綾部健太郎君) 先ほど大倉委員から御注意ありました、今朝午前十時四十九分に、鶴見信号所より二百五十一度、百五十メートルの地点、すなわち京浜運河鶴見防波堤付近で、太平洋海運株式会社所有の祥和丸一万二千九百七十四トン、乗組員船長竹澤鍾以下四十三名、積荷は原油が二万四百九十五キロリットル、五月十七日スマトラ出港と、松本せい所有三友運輸株式会社扱いの第八大洋丸百二トン、乗組員三名、積荷は重油百八十キロリットル、この第八大洋丸と衝突いたしまして、第八大洋丸は転覆、一名が行方不明、二名が救助され、現在火災の危険はなし、それから巡視艇が五隻出動して、行方不明者を捜索中、それから祥和丸にはパイロットが乗っておった、こういう報告がございましたから、とりあえず御報告申し上げ、たびたびかかる事故の起こったことについて、遺憾の意を表しておきたいと思います。御了承願います。
○委員長(金丸冨夫君) それでは、本日は本議題についてはこの程度といたします。 次回は三十日午後一時の予定でございまするが、正確には公報をもって御通知申し上げます。 本日はこれをもって散会いたします。 午後四時散会