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43回国会参議院1963/03/26

運輸委員会 第13号

発言数
164
登壇者
13
会派数
2
開催日
1963/03/26

会議録

金丸冨夫自由民主党

○委員長(金丸冨夫君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  日本航空株式会社法の一部を改正する法律案を議題として、提案理由の説明を聴取いたします。綾部運輸大臣。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(綾部健太郎君) ただいま議題となりました日本航空株式会社法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  昭和二十八年八月、日本航空株式会社法の施行により、同年十月、日本航空株式会社が発足して以来、十年になりますが、この間における同社の発展はまことに目ざましく、中でも国際路線網は、年とともに拡充され、昨年十月には待望の南回り欧州線の開設を見、名実ともに日本を代表する航空会社として、世界の航空界に確固たる地位を占めるに至っております。  しかしながら、近時における国際間の競争は、大型ジェット旅客機の導入とともに急速に激化し、各国航空企業の赤字は大幅に増大する傾向にありますが、わが日本航空株式会社もまたその例に漏れず、同社の今後における路線の維持伸張には、多大の困難が予想される状況にあります。  このような段階におきまして、多数の職員を管理し、内外にわたる重要な業務の全般にわたって強力な統括を行なっていくためには、同社の首脳陣の強化が強く要請されておりますので、現行法を改正いたしまして、所要の措置をとることといたした次第であります。  その内容の大要を申し上げますと、まず、会長制を新たに設けることといたしました。  現状におきましては、社長以下の首脳陣は、会社事務の繁忙化とともに当面の業務に忙殺されざるを得ない状況でありますので、特に取締役会を主宰して最高経営方針の決定をリードし、内外にわたる重要な業務を強力に遂行し得る識見の高い人材を会長として置き、最高首脳陣の強化をはかることが必要であります。  次に、取締役の増員について申し上げます。  日本航空株式会社の発展と国際競争の激化に伴い、同社の経営がますます複雑、困難の度を加えて参りましたことは、さきに申し上げたとおりでありますが、このような事態に対処するとともに、近く予想されます日本航空整備株式会社との合併に備えて、現行の取締役の定員十五名を会長を含めて三名増加しまして、十八名とすることにいたしました。  以上が、この法律案を提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申しげます。

金丸冨夫自由民主党

○委員長(金丸冨夫君) 本案に対する質疑並びに補足説明は後日に譲ります。     —————————————

金丸冨夫自由民主党

○委員長(金丸冨夫君) 次に、船舶職員法の一部を改正する法律案を議題といたします。まず、補足説明を聴取いたします。

若狭得治運輸省船員局長

○政府委員(若狭得治君) 船舶職員法の一部を改正する法律案の提案についての補足説明をいたしたいと思います。  この改正案は、電波法の一部を改正する法律案に対応いたしまして、船舶通信士の法定乗組員数を国際水準の線まで低減すること、並びに乙種船舶通信士と丙種船舶通信士の免許年令を当分の間現在の二十才から十八才に引き下げようとする、二つの内容を持っているのでございます。  改正の第一点の法定乗組定員の減少という点につきまして、さらに御説明申し上げますと、現行法では、三千トン以上の旅客船並びに五千五百トンをこえますところの非旅客船、すなわち貨物船及び漁船等の船舶無線電信局を電波法上第一種局といたしまして、一日二十四時間の運用義務が規定せられておりますために、船舶職員法は、これに対応いたしまして、船舶通信士の法定の定員を、三千トン以上の旅客船及び遠洋及び近海の五千五百トン以上の非旅客船につきましては、三名と現在規定いたしておるわけでございます。改正法律案では、電波法の改正法律案に対応いたしまして、国際航海の旅客定員二百五十人をこえる旅客船のみを三名とし、非旅客船については一名としたものでございます。こういうふうにいたします理由は、現行の規定が、太平洋戦争時代に船舶通信士の法定定員を増員した体制を、戦後十八年の今日まで踏襲いたしてきておりますために、国際条約からも、また外航船舶の実際の状況から見ましても、国際水準をはるかに上回っておりますために、海運企業の国際競争力強化の重要な一環でありますところの乗組定員の合理化を実施する上において、非常な障害となっております。また、一面におきまして、通信機械の発達が非常に急速に進んで参りまして、最近では、多数の人員を擁しないでも、十分な通信疎通ができるというような情勢になっておるということ。しかも、船舶通信士の需給状況が、最近の陸上産業のいんしんのために、非常な逼迫状況を示しておるというようなことでございますので、船舶の安全航行に支障のない範囲におきまして、船舶通信士の法定乗組定員を外国並みに改める必要があるからでございます。しかしながら、一挙に船舶通信士の法定定員を一名に削減いたしますと、無線通信が一定の時間帯に集中いたしまして、現在の海岸局の能力では、船舶通信の疎通が円滑を欠くおそれが出て参りますので、三年間を限りまして、新造船を除く現在の船舶につきましては、経過措置として、暫定的に二名の定員を規定をいたしておるわけでございます。  また、改正の第二点は、現行法上船舶通信士の船舶職員としての免許年令は満二十才ということになっておりますけれども、最近の、先ほど申し上げましたような異常な需給の逼迫の状況から見まして、高等学校を卒業して資格を持っておる者につきましては、直ちに船舶職員として勤務させようという態勢をとることが必要でございますので、これを十八才まで引き下げる。なお、「当分の間」というふうに限定いたしておりますのは、この年令引き下げの問題は、船舶通信士のみならず、他の職種についても同様な問題がございますので、そういう根本的な問題を解決するまでの間、さしあたり最も需給の逼迫いたしておりまする船舶通信士につきましてこの年令の引き下げを行なうというものでございます。  以上、簡単でございますが、説明を申し上げます。

金丸冨夫自由民主党

○委員長(金丸冨夫君) 次に、本案は、衆議院において修正せられまして、修正回付せられたのでありますが、修正点の説明を衆議院からしていただくことになって、今、細田先生をお呼びいたしておりますので、この点についての説明を後刻に譲りまして、質疑に入りたいと思います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 質疑に入る前に、いいですか、政務次官も出席をしておるわけですが、今の衆議院で修正議決をしてきたものを政府は認めて、いわゆる衆議院議員の提案者をお呼びして御意見を聞く、こういう考えであるが、一体、この参議院の運輸委員会に今政府が提案をしあるいは補足をしておることでやっていこう、そういう考えでおるのか、それとも、他院で——いわゆる参議院から見れば他院であるところの衆議院が修正議決したものを提案として今後進めていくのか、これは基本的な問題であるから、運輸省の態度を聞いておきたい。どちらであるか。つまり、衆議院でもって修正議決をされたから、そのことについて、本院としても、政府の当初の提案というものはあったけれども、とにかく衆議院が修正をしてきたものを基本に進めていこうという考えなのか。それとも、いやそれはもう、政府提案というものは原案であるから、あくまでもその原案に基づいて審議をする。したがって、衆議院の修正は、衆議院の段階においての修正だから、その意見を聞くだけだ、こういう考え方なのか。これは大石政務次官に聞いておきたい。その答えのいかんによっては、これは審議しない。

大石武一自由民主党運輸政務次官

○政府委員(大石武一君) われわれ運輸省は、これはいわゆる行政府でございます。したがいまして、こういういろいろなこの法案の改正の点については、われわれの希望する面を国会にお願いして参りますが、あくまでも、国会は立法府でございますから、法律は国会の御意思に従うだけでございます。したがいまして、われわれは、衆議院に先に提案いたしまして、衆議院において議決を賜わりましたものは、その御方針に従ってわれわれはその御審議を賜わるだけでございます。したがいまして、参議院でまた御審議を賜わりますというと、十分に参議院の御趣旨によって御審議をいただきたい、こう申しておるのであります。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 端的に言って、もちろん、衆議院、参議院、それぞれ独立しておる現行憲法下において、われわれは独立した審議権を持っていることは、もう当然なんです。しかしながら、少なくとも国会法に基づいてわれわれは審議をするのだけれども、衆議院におけるこの院の意思というものをわれわれが考えた場合に、政府提案というもののあり方というもの、院の取り扱いのあり方というもの、これはやはり私は現在の政治の中では重要な問題だと思う。したがって、それはいわゆる委員長、理事の打合会の中で打ち合わせをして、その方針をきめて提案をされるのも一つの方法であろうけれども、私どもとしては、その提案のあり方いかんによっては、これはやはり政治の中における国会運営であるから、そのことを無視して国会運営というものはない、こう考えておるわけです。そういう点について、やはり根本的な方針というものを聞いておかないというと、審議というものはから回りしてしまうということになると思います。いわば、私ども社会党としては、衆議院の段階においても、条件はつけているけれども、ついに残念ながら反対せざるを得なかったのであります。しかも、その衆議院において多数党であるところの与党自民党が、いわゆる議決をして持ってきたものである。国会としては、衆議院の議決はいわゆる修正議決、今委員長の申されたとおり。そういうことであるから、そういう意思をお互いに話し合いながら私はこの法律案の審議というものはすべきであると思うのです。そうでないというと、単に運輸省が提案をしておるから、あるいは参議院が先ほど申し上げたような立場であるからというだけでは、やはり今の政治情勢の中ではむずかしいのではないか。結局、審議というものは相当長引くだろうということは言えるわけです。そうすると、先ほど委員長が質疑に入る前にせっかく希望されたけれども、そのことはなかなか私はむずかしいということを思うので、実は質疑をしたわけなんです。そういう点において、今政務次官から、参議院のいわゆる審議に対するまあ十分な誠意というものは認められたけれども、やはり提案の仕方いかんによると、私はやはり先ほど申し上げたような根本的な問題に触れられてくるのじゃないかと思う。こういう点で、この点については、あとでひとついま一度私としては委員長、理事の打合会で十分方針というものを明らかにしてもらう。今私ども社会党の理事がいないけれども、いずれ迫って参りますから、したがって、そういう点を明らかにしてもらわないと、われわれは質疑はうんとあるわけです。とても、二日や三日で上げろといっても、上がるはずはない。そういう意味で、方針さえはっきりすれば、これはわれわれ審議は速いわけです。そういう点を私は委員長に希望しておきます。委員長の御答弁をいただきたい。

金丸冨夫自由民主党

○委員長(金丸冨夫君) よくわかりました。  ところで、ただいまこの法案は衆議院において修正せられて回付せられたのでありますが、今この修正点に対しての説明を承りたいと思いますから……。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 今私の要望に対しての委員長の答えは、よくわかりましたということですが、私の言ったことがよくわかったから、そういうことをやるということですね。ただわかりましたじゃ、わからぬ。

金丸冨夫自由民主党

○委員長(金丸冨夫君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

金丸冨夫自由民主党

○委員長(金丸冨夫君) 速記をつけて。

細田吉藏自由民主党

○衆議院議員(細田吉藏君) 私は衆議院の細田吉藏でございます。  船舶職員法の一部を改正する法律案に対しまして修正案を提出いたしました者といたしまして、修正案の理由を御説明申し上げます。  まず初めに、修正の案文でございますが、これは朗読を省略さしていただきまして、内容を御説明申し上げたいと思います。  内容は二点ございまして、第一点は、この一部改正法案の附則の第二項でございますが、第二項に「この法律の施行の際現に存する船舶については、」云々ということがございまして、これは裏返して申しますと、今後「法律の施行の際」以後に新造される船についてはこの経過規定が適用されることになっておらないのが原案でございまするが、これに対して、新造船についても第二項を適用いたそうという意味で、「この法律の施行の際現に存する船舶については、」——一部を削るというのが第一点でございます。在来の船舶のほかに、新造船についてもこれを適用するというのが第一点でございます。  第二点は、同じく附則第二項に「この法律の施行の日から起算して三年間は、」とございますのを、「四年間」というふうに改めようとするものでございまして、この二点でございます。  これに伴いまして、見出しの「経済規定」とございますのを、これはむしろ、「経済規定」といたしますよりは、この修正に伴いまして「適用の特例」というふうに改めたほうがより適切であると考えましたので、見出しを改めることにいたしたわけであります。しかし、中身といたしましては、前に申し上げました二点でございます。  この二点につきまして修正いたそうといたしております理由は、この法律の改正は、経過規定自体がそうでございますように、通信士の雇用の状態もございまするし、またオート・アラームの状況その他もございまするし、できるだけ、各般の情勢から考えまして、急速な変化を避けるべきである、このように私ども考えたのでありまして、種々の角度から検討いたしました結果、三カ年というよりは、四年にしまして、そうした種々の情勢が、少しでも、急速な変化によるいろいろの混乱あるいは支障が少なくなるというように考えたのでございます。なお、新造船につきましても、直ちにこの経過規定の考え方を、新造船は除外する、新造船は初めから一人ということについては、私ども若干の問題点があろう、このように考えまして、在来船と同じように、やはり四年間新造船についても適用の特例を考えることが実情に合う、これは各般の事情を勘案した結果、このようにすることが適当だと、必要であると、こう考えた次第でございます。  はなはだ簡単でございまするが、修正案を提出いたしました者として、以上内容並びに趣旨を御説明申し上げたわけでございます。

金丸冨夫自由民主党

○委員長(金丸冨夫君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

金丸冨夫自由民主党

○委員長(金丸冨夫君) 速記を始めて。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 船舶職員法改正案についてお尋ねをするわけでありますが、特に衆議院からわざわざ細田議員の御出席をいただいて修正案に対する御説明をいただいたことに敬意を表しておきたいと思います。  そこで、ただいま衆議院の議決の御説明をいただいたわけでありますが、二、三の点をひとつ御質問したいと思うのです。  この衆議院における修正の御意思は、基本的な考え方としては政府提案の方針にあるようでありますが、ただ、あまりせっかちに、急速にこの法律の改正を行なおうとするならば、かえって混乱が起きるのではないか。むしろ、また同時に、新造船等の問題に対しても、足りない点を補足をする特例という形で、問題を含めて修正議決をされた、こういうふうに承っておるわけであります。そこで、なぜそれではそういう急速な変化というものはあるいは混乱をするというようにお考えになったのか、こういう点について、一つの例ならば、いわゆる船舶職員の国際水準ということを政府も言われておるし、また衆議院の段階の御審議の際にもお話があったと思うのですが、国際水準ということが単に物とかあるいは定員とかいうだけにお考えになっておるのか、それとも、そういうものと同時に、やはり船舶職員に対するところの人間的な、これらの実際に重要な国際社会の中でわが日本国民としての立場が尊重されるという立場においてのいわゆる船舶職員が待遇を受くるということができるか、こういうことをお考えになっておると私は思うのでありますが、その一つとして、日本の船舶職員の待遇の条件と外国の二、三の例をあげていただいて、待遇条件というものはこうなっている、この点をひとつ最初に、できましたならば御説明をいただきたいと思う。

若狭得治運輸省船員局長

○政府委員(若狭得治君) 船員の待遇の外国との比較の問題につきましては、生活の様式も異なりますし、また賃金の建て方その他、非常に各国ともそれぞれの事情によりまして違った様相を示しておりますので、これを簡単に、表面的な数字のみをもって、待遇がいい悪いというような比較をすることは適正ではないと考えますけれども、端的に、われわれのところに現在集まっております資料等によって比較いたしますと、アメリカの船舶職員の給与というものは非常に高い水準にございまして、日本の約四倍程度の賃金水準にあると考えられるようでございます。それから一番日本と同じような条件で戦後急速に船腹拡充をして参りましたノルウェーの船舶職員の給与、それから日本の船舶職員の給与というものを比較してみますと、個人的な一人当たりの賃金は、ノルウェーのほうが、ごく大ざっぱに見まして、約五〇%程度高いようでございます。しかしながら、お説のように、ノルウェーは非常に少ない人数で船舶運航を行なっておりますので、一船当たりの船員費全体といたしましては、大体日本程度の船員費を支払っておるというような状況になっております。  現在問題になっております通信士の給料等の比較につきまして調査いたしましたものを御披露いたしますと、外国では、この通信士の給料については、いろいろな段階がございまして、これも一がいに比較することは困難でございますけれども、通信士の資格というもの、あるいは船内における位置づけというものは、非常に低いものが多いような状況でございまして、日本では、すべてが船舶職員ということで、一般の部員とは区別された待遇をいたしておるわけでございまして、現在では、船舶の中における地位というものは、一等航海士と通信長、あるいは一等機関士と通信長というものは同じ給料をもらう、それから二等航海士と二等通信士、三筆航海士と三筆通信士というような序列になっておるわけであります。船の中には、その下にたくさんの部員というものがおるわけでございます。ところが、外国では、部員から非常に高給をはんでいるところの士官というようなものまで、いろいろな段階がございますので、その比較は簡単にできませんけれども、一般当たりの給料の比較ということになりますれば、当然、日本は三名乗り組んでおりますので、外国よりもはるかに高い給料を支払っているというような状況でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 今の局長の説明ですと、結局、日本人は外国人よりも給料はあまり高くなくてもよろしい、安くてよろしいという説明にしか今聞こえないわけです。ということは、第一に言われたことは、船舶職員の待遇について、生活条件が違うとか、賃金体系が違うから比較するのは適当でないという説明をされているわけです。これは、今のような話をされるというと、日本人というものは、やっぱり国際的に見た場合に、まだ十二才であるとか十才であるという考え方を政府自身が持っておる、こういうことにほかならぬと私は思う。そんなことなら、この法律を提案しないほうがいい。私どもは、少なくとも、国際社会の中へ日本が復帰をして、そうして同じような立場で、同じようにひとつ仲よくしていって、しかも国際競争力、貿易等の促進をはかろうというのが、この船舶を新造したり、あるいは造船量をふやしたりという私は趣旨だと思う。したがって、いかにいい船をたくさん作っても、それを操縦する人が真剣にやっぱりなってもらわなければ、あるいは外国とそう変わりのないように待遇がよくなければ、私はその人の励みにならぬと思うのですよ。  第一、私は聞いておきたいのは、今のような、生活条件が違うというならば、それでは日本の外航船舶の人たちは、どのくらい日本に住んで、どのくらい外国におるのか、船の中にどのくらいおるのか、ひとつ済まぬけれども、三千トン以上のトン数の隻数をあげて説明してもらいましょう。それから審議しましょう。今のような、いわゆる船舶職員の待遇について、生活条件が違うとか、賃金体系が違うなんということだけで、その中心を流れているような説明を受けたのでは、私は、少なくも日本の働く人たちの立場に立ってこの問題を考えた場合に、とてもそれでは賛成ができない。ということは、私どもも何回も諸外国を回っています。そうして常に思うことは、日本の出先におけるいわゆる外務省の人たちやあるいはまた日本の船舶の重要な責任を負っておる人たちがどう待遇されておるだろうか、どう国際社会の中で迎えられるだろうかということを心配する一人ですよ。ですから、私どもは、外国の在外公館においても、単に外務省の役人だけでなくて、各省の役人も、できればその国にふさわしいいわゆる在外公館の人も置きたいし、あるいは日本の船舶に乗り組んでおる人たちにも、外国と比較してみすぼらしくない、ほんとうに日本の人はいい人だとお話をしてもらうような、そういう取引をできる立場というものをやっぱり常に私どもは考えておるわけです。  そういう点について、今の政府の提案、船舶局長の提案を聞いておると、どうもその点がすっきりしない。そこで、第一に、今申し上げたようなトン数による隻数、それにいわゆる外国と日本におけるところの生活の日数、それをひとつ知らして下さい。

若狭得治運輸省船員局長

○政府委員(若狭得治君) 私は、生活様式が違うということで、単なる形式上の比較ということはむずかしいということは申し上げましたけれども、これは現在の賃金水準が決してこのままでよろしいということを申し上げておるわけではございませんで、ただ、具体的な問題といたしまして、たとえばイギリス、アメリカ等におきましては、終身雇用制度をとっておりませんので、そういうことで、表面上の賃金というものと、日本の表面上の賃金というものを比較するということは妥当ではない。たとえば雇用制度の問題について見ますと、日本では予備員給というものがございまして、船からおりましても、会社との雇用契約が切れない、その間雇用を確保している、そういう経費が余分にくっついて回っておるわけでございます。したがって、乗船中の給与だけで比較するのは必ずしも適当ではないということを申し上げたわけでございまして、決して現在の給与で十分であるということを申し上げたわけではございません。また現に、現在の海上労働の実態からいたしましても、一昨年船舶の定員に関する労働組合と船主との間の協定を労働組合側の主張によって撤廃をいたしまして、定員の合理化によって給与のベースを上げていこうという努力を現在労使間において行なっておるわけでございます。先ほどノルウエーの例を引いて申し上げましたけれども、一人当たりの給与は相当違いますけれども、一船全体としての給与の総支出額は日本とあまり異ならないということを申し上げましたけれども、これは定員をもっと労使双方の協力によって合理化することによって給与を改善する、待遇を改善する必要があるということを申し上げたわけでございます。そういう方向につきまして労使とも現在努力をいたしておりますので、この船舶通信士の問題も、そういう観点からわれわれは提案いたしておるような状況でございます。  なお、現在の日本の船舶で、乗組員の日本にいる期間はどの程度という問題でございますけれども、これは、法律によりまして、約一カ月程度の有給休暇の期間日本にいるだけでございます。もちろん、その間、外航船舶については、数回日本に帰って参りまして、停泊中家族に会うというような期間はございますけれども、これは最近の荷役の状況から見ましても、だんだん短縮されているというような状況でございまして、そういう点につきましては、非常に従来と異なって、最近の社会風潮から見ましても、船員になる人が非常に少なくなっている状況でございますので、われわれといたしましては、この船員の給与の改善、待遇の改善という問題につきましては、真剣に取り組んで参らなければならないと考えているわけでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 私の質問の趣旨に答えていない、その一部を答えただけで。私は、三千トン以上、それから外航船舶の隻数、それによるところの日本と外国との、いわゆる船員諸君が泊まる数、そういうものを説明をしろと、こう言っているのです。

若狭得治運輸省船員局長

○政府委員(若狭得治君) ただいまの御要求の資料につきましては、手元に詳細がございませんので、後刻お届けいたしたいと思います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 それでは、端的に、いま一つ聞いてみましょう。現在の旅客船で三千トン級以上の船は何隻ありますか。

若狭得治運輸省船員局長

○政府委員(若狭得治君) 三千トン以上の旅客船の隻数は、資料を探しておりますけれども、私の記憶では七隻ということになっております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 そのうちで、今七千隻という御答弁ですが、そのうち遠洋と近海に分けて下さい。分けると何隻ですか。

若狭得治運輸省船員局長

○政府委員(若狭得治君) ただいま資料に基づいて御説明申し上げますが、先ほど七隻と申し上げましたが、これは三千トン以上の沿海の船舶でございまして、そのほかに近海が旅客定員二百五十名未満が一隻、それから遠洋の二百五十名未満が一隻、それから遠洋、近海の船舶で二百五十名以上が九隻でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 そうしますと、近海は十一隻ということですか。

若狭得治運輸省船員局長

○政府委員(若狭得治君) 近海以上の旅客船は十一隻でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 そのうちで、先ほどの遠洋のいわゆる国際航路に従事するものが七千隻、そうですか。

若狭得治運輸省船員局長

○政府委員(若狭得治君) 七隻でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 七隻。七隻のうち、内訳を会社別に説明をして下さい。どこの会社が何隻。

若狭得治運輸省船員局長

○政府委員(若狭得治君) 今手元に資料がございませんけれども、遠洋の船舶の旅客船の大部分は大阪商船の移民船でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 そうすると、政府の提案をしようとする趣旨は、今のお話ですと、三千トン以上の遠洋船七隻、そのおもなるものは大阪商船の移民船ということですね。ほかに何かありますか。いま少し説明を十分してもらいたいと思うのですが、今回のこの船舶職員法の改正について、私が先ほど申し上げたように、外国と日本との船舶職員の待遇、労働条件、そういうものについて不十分であるから、私は質問を実はしておるのであって、それが今の七隻は大阪商船の移民船であるという等の説明だけしかつけられなかったのですか、そんなことだけですか、ほかにありませんか。

若狭得治運輸省船員局長

○政府委員(若狭得治君) 今回の改正は、この旅客船については、国際条約に合わせまして、多少従来とは様式を異にいたしておりますけれども、大体旅客船につきましては、従来どおり三直制をとりまして、三名の定員を乗せるということを考えておるわけでございます。一番問題になりますのは、貨物船でございます。貨物船が、従来五千五百トン以上の船舶につきましては三名の乗り組みでおりましたものを、今度の改正によりまして国際条約と同様に一名にしようということでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 今、岡委員が見えたから、いまちょっと進めてから相談していただきたいと思いますが、今の国際航路に対する、特に遠洋航路の七隻の話はわかりました。そこで、局長が説明されたように、特にその中心は、非旅客船、いわゆる貨物船等の問題を触れられたわけでありますが、私はやはり、遠洋にせよ、近海にせよ、いわゆる船舶職員の待遇というものが実際問題としてよくなっていかなければ、これはもう単に政府の言う合理化という名前は、働く者の数を少なくしていく、それからいわゆる給与条件、賃金条件というものをできるだけ上げたくない、こういうような趣旨がこの法律の中に見られる。まさに悪法というべきだということが言えるわけです、そういう観念からすれば。そこで、そうではないだろうと思うからこそ、一生懸命に内容を御説明いただこうと、こう思ったわけです。そこで、先ほどの、たとえば遠洋の三千トン以上の大阪商船の移民船の話が出ましたから、移民船のたとえば一航路は、どのぐらいの日数がかかって、どのぐらいの経費がかかるのですか。先ほどのお話のように、アメリカなりノルウェーの場合と比較してみて、向こうは人数が少ないし、だから人数が少ないから給料が高いのだ、日本は人数が多いから、給料が低くても、全般の経費から見れば変わりはない、こういう説明をされているわけです。ひとつ移民船の話をして下さい。比較してみたいと思います。

若狭得治運輸省船員局長

○政府委員(若狭得治君) 移民船につきましては、多数の乗客が乗っておりまして、その乗客からの通信の需要も非常に多いわけでありますので、これは減らすというようなことはわれわれ考えておらないわけでございます。従来どおり法律といたしましても三名の乗組員を期待いたしておるわけでありますが、また実情におきましても、四名程度の通信士を現在乗り組ませて航海いたしておるわけでございます。したがいまして、これは船の安全という面よりも、むしろ、そういう面もございますけれども、乗客の利便のために船舶無線局を運用しているという度合いが非常に多いわけでございますので、その点につきましてはこの法律は何も触れておらないわけでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 そうすると、今の局長の答弁ですと、大阪商船の移民船については、乗客も多いからあまり赤字にはなっていないと、こういうふうに理解していいのですね。だから、この通信士の問題についても、三名を確保しておることであるし、場合によれば四名も乗り組ませるということであって、この大阪商船の移民船についてはもうかっておると、こういうふうな答弁と聞いていいですか。

若狭得治運輸省船員局長

○政府委員(若狭得治君) 航路全体としての収支ということは全然別問題でございまして、これは御承知のように、移民船の運航というのは、計画どおり移民が出て参りませんものですから、そういう点で非常な空席がございますし、移民船に乗るお客の率というものも最近二六%程度まで下がっておるというような状況でございますので、とうてい収支が相償わないような状況でございます。しかし、この問題等は、その収支の問題と、それから船舶の安全、乗客の利便というものとは全然別問題でございますので、われわれとしては、その移民船についてこういう面の合理化をしていただこうというようなことは考えておるわけでございません。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 そうすると、今度はいよいよ本質に入るわけですが、貨物船の場合に特に合理化を進めなきゃならぬと、こういう五千五百トン以上の特に貨物船についてはどうするか、五千五百トン未満の貨物船についてはどうするかという問題に触れてくると思う。そういう問題について、いま少し説明をして下さい。

若狭得治運輸省船員局長

○政府委員(若狭得治君) 国際条約は、国際航海に従事する千六百トン以上の船舶はすべて一名の通信士を乗船させるということになっておるわけでございます。わが国におきましては、昭和十九年以来、船舶職員法の改正によりまして、三名の通信士を乗り組ませるということになっておりまして、また、昭和二十六年には電波法ができまして、五千五百トン以上の船舶につきましては、船舶職員法の三名の定員を置きまして、二十四時間船舶局を運用するという規定ができたわけでございます。それから、千六百トン以上につきましては十六時間船舶局を運用する、千六百トン以下は八時間というような規定が電波法にできたわけでございます。そういう体制が今日まで踏襲されてきたわけでございます。  具体的に数字的に申し上げますと、現在ある船舶についての隻数を申し上げますと、五千五百トン以上の貨物船につきましては五百八十七隻が現在あるわけでございますが、これはすべて今度の法律改正によりまして三名の定員が一名になるということになるわけでございます。それから千六百トン以上五千五百トン未満は三百九十五隻ございますけれども、これが一名になる——現在二名でございますけれども、一名になるということでございます。いずれもこれは国際条約に合わせまして、われわれとしては国際水準並みということを考えて、こういう改正をいたしたわけでございますし、また現に外国の日本に参ります船舶をいろいろ長い間にわたって調査をいたしましたけれども、いずれも定員は一名で現在のところやっているような状況でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 たいへん、条文だとか、あるいはそういう合理化の問題では、国際条約、国際条約ということを言われているんですが、国際条約を尊重するんなら、まず第一にILO八十七号条約を無条件批准をすべき日本の私は立場であってしかるべきだと思う。四の五の言って理屈をつけて、関係法律を改悪しなければ国際条約の批准をしないという今の池田内閣、それはやはり運輸省も一連の関係があるわけです。だから、国際条約なんていうことだけを強調したって、そんなものは中身がよくならなければ何にも意味がない。私どもの言うのは、国際条約というものは、少なくとも大多数の国の人たちがこれならばいいということで結ばれているんだから、そういうことに合わせるのは賛成なんです。決して反対をしているわけじゃないんです。喜んで賛成をするわけです。けれども、先ほどから質疑をしておるのは、どうも国際条約の名による船舶職員法の改正というものは、むしろ改悪になっていくんじゃないか、こういう点を心配するから私は質疑をしているんであって、今のお話の、たとえば貨物船の中で五千五百トン以上のものは、今三人の通信士が今度一人になる、千六百トン以下のものは、二人のものが一人になる、こういう説明ですね。ところが、国際水準に合わせると言うんだけれども、これらの隻数に対して、施設というものはどうなっておるか。つまり、この中では、先ほど衆議院の細田議員からも説明のあったように、やはりそれだけの施設、機械の設備というものが伴わなければ、そう簡単にできるものじゃない、これが一つ。  二つ目には、先ほどもいわゆる無線の話が出ましたが、その受信の設備というものは、やはり国内的にもそれは完成をしなければ混乱を起こすことははっきりするわけです。だからこそ、衆議院では、そういう点を配慮されて修正議決をしているわけなんですね。今の局長の答弁を聞いていると、国際条約、国際条約という説明が盛んに出るんだが、そういう点についてはどう把握しているのか、私は船舶局長に聞いておきたい。一体今の設備、この非客船の無線に対する設備、それと国内の設備はどうなっているのか、ここのところをちょっと説明をしていただきたい。

若狭得治運輸省船員局長

○政府委員(若狭得治君) 船舶の無線局の定員の減少に伴う設備としてまず考えられるものは、オート・アラームでございますけれども、これは先ほど御説明いたしましたように、船舶局は二十四時間運用し、二十四時間その無線局で外国のいろいろな通信を聴守する義務があるわけでございます。しかし、これは三十年前に人命安全条約ができまして、オート・アラームを設置したものにつきましては、その間の聴守義務を免れることができるという規定ができたわけでございます。それによって、外国はオート・アラームを船に取りつけまして、現在貨物船につきまして、先ほど申し上げましたように、一名の通信士で八時間の間船舶局を運用いたしましていろいろ通信をやっている。それから、その運用時間が終わった後は、オート・アラームによって貨物船等の遭難した場合のSOSの受信を行なっているわけでございます。この性能が一体十分信頼できるかどうかという問題につきましては、前々国会におきまして当委員会でも何回か審議された問題でございます。その後、郵政省におきましても、実地に乗船いたしまして、外国航路まで行って、その状況を検査しているというような状況でございますけれども、そういう性能が一体どうかという問題があるわけでございます。日本は終戦後ずっと三直制をとっておりまして、オート・アラームにたよる必要がなかったために、日本船でそれをつけているものは非常に少なかった。したがって発達がおくれていたじゃないかという懸念があったわけでございますけれども、ここ数年来非常にこれをたくさん船につけるようになりました。また、輸出船につきましても、ほとんど日本製のオート・アラームをつけて、今日まで一つの狂いもない状況でございます。また、昨年の暮れ郵政省が行なわれました実地の調査におきましても、外国製品と日本製品との間には全然差異がないということが明確になったわけでございます。  それからもう一つは、先ほど細田さんが御説明になりましたとおり、海岸局の設備の拡充の必要があるわけでございます。現在は、通信は二十四時間に適当に配分されて日本の海岸無線局に入っているのでございます。これが一名になった場合は、一定の時間帯に通信が輻湊するわけでございます。したがいまして、それを受け入れるだけの海岸局を増設する必要があるわけでございます。これはなかなか一挙に参りませんので、われわれは、電電公社等と連絡いたしまして、一応三年間ということで、その間に整備していただきまして、日本船が多少増加いたしましても、この通信疎通に障害がないようにしていただくということで、連絡いたしておったわけでございます。そういう点についての問題があるわけでございます。  それからもう一つは、最近の通信機器の発達という面に先ほどちょっと触れましたけれども、自動受信機というものができまして、通信士がそばについていなくても自動的に受信できるような装置ができてきております。それを現に船につけているものもございます。それから、気象の天気図というものをそのまま模写して受信できるという装置もできてきております。そういうものも今後できるだけ船に取りつけていただきたい。それから、たくさんつけるようになると、コストも安くなるでしょう。また技術的にももっとりっぱなものができるだろうし、そういうことを助長するために、現在の定員をそのまま縛りつけておくということは必ずしも適当な考え方でないのではないかということでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 今の説明の中に出てきましたが、今参議院においても、電波法の改正が逓信委員会にかけられている。この関係は非常に大きいと思う。今の局長の説明ですと、電電公社との関係で、それらの施設については三年間で完成させていきたいということが言われたが、どのくらいの予算で、どのくらいの自動設備というものができるのですか、電電公社と話し合っているということですから、説明して下さい。

若狭得治運輸省船員局長

○政府委員(若狭得治君) 電電公社ではいろいろ具体的に計画を立ってお考えになっているようでございますけれども、それを正式に決定するには、この法律が確定した後でなければはっきりした計画が立たないだろうと考えているわけであります。もちろん、現在いろいろ検討しておられますので、もし必要があれば、電電公社からお聞き取り願いたいと思います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 今の私の聞いていることに対する答えは、抽象論議ですよ。法律案が通らなければ計画ができないということで、どうして法律が通るか。ですから、私は、本院の同じ常任委員会の中の逓信委員会で、今電波法の改正を審議しているわけです。われわれはこの船舶職員法の改正と非常に重要な密接な関係があるということを十分承知している。しかし、今の局長のような答弁では、これはとてもじゃないけれども、私ども審議できない。それは衆議院のさっきの修正議決をした趣旨からいっても、この内容について明らかにならぬわけです。そうすると、これは委員長に私から申し上げるのは、結局は逓信委員会との合同審議をしなければ、今のような説明では、これはとてもじゃないけれどわれわれの納得するわけにいかない。そうすると、まあ来月の幾日になるか、合同委員会を逓信委員会と一緒にやるということにならなければ、これはできない。  それからいま一つは、私が先ほど御質問を申し上げたのは、たとえば貨物船の中の五千五百トン以上のものが五百八十何隻とかいう隻数をお話しになり、あるいは千六百トン以上のものが三百九十五隻ですか、そういうものの中で、具体的にこの人数を減らしてもできるのだと、たとえば先ほどの自動受信機等の問題も、そういうものはどのくらいの隻数がどういうふうにできておるのかと、こういうふうに質問をしておるのです。だから、それについて御答弁というものはまだ具体的にないわけです。その具体的なことをひとつ御説明いただきたい。

若狭得治運輸省船員局長

○政府委員(若狭得治君) 自動受信機等の設備がなければ現在の三名が一名にできないということを申したわけではございませんで、現在の船舶局の事務量というものを詳細に調査いたしました結果、大体公衆通信につきましては一日四・五というような平均数値が出ております。それからなお、それ以外の気象電報の送受、あるいは航行警報の送受というようなこまかいいろいろな仕事を十分調査いたしまして、その結果、一名の乗組員でこれを十分処理できる事務量であるというようにわれわれは考えたわけでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 どうも中心の点のお答えをいただけないので残念なんですがね。そういう答えをしておる限り、いつまでも質疑は続きます。それから、今の説明をいただいたのですが、今局長の言うように、たとえば八時間執務をすればよろしいと、あとは海難問題についてSOS等の発信を受信した場台には、それを聴守する義務があるだけであって、八時間の執務態勢というものに対する今回の法改正というものをやろうとしておる。そうすると、それ以外のものは、実際に耳があっても聞く必要がなければ、口はあっても答える必要はないと、こういうようなことをやらせようとしているわけです。これはまことに残念なことだと、それは一人ではそういうことになるわけなんです。ですから、この問題について、今の八時間執務制というものに対する考え方というものは、どうしてそういうふうになるのか。それは、いわゆる設備がよくなる、施設ができて、そうしてやはり、たとえば先ほどの自動受信機の話も出たけれども、それができなくても、対外国船との比較において、日本は決して負けてはいないと、こういう説明をしているわけです。その内容を見れば、今言った船舶通信士が、二十四時間の中で、たとえば睡眠時間を若干とっても、二十時間としても、八時間というものはとにかく執務の義務がある。そのほかには、SOSが来なければ、その間というものはもう聞く義務はないと、言う義務もないと、こういうことになるわけであります。そういうことでしょう、局長、それはどうなんです。

若狭得治運輸省船員局長

○政府委員(若狭得治君) 義務ということが適当かどうかわかりませんけれども、事務量としては八時間の勤務で十分処理できるというように考えておるわけでございます。もちろん、先ほど申し上げましたように、船舶通信士の仕事といたしましては、気象通報の送受、航行警報の受信というようないろいろな問題が公衆通信以外にあるわけでございます。また現実には、船舶通信士はいろいろな外国放送をキャッチいたしまして、それによって船内の文化活動を行なっておるというような仕事も現実にはあるわけでございます。しかし、それは最低限を規定しようという法律の問題ではわれわれはないと考えております。したがって、実際問題としては、労使間においてそういう問題は協議によって処理されていくべき問題で、法律問題といたしましては、どうしても船舶の航行安全上必要な通信をこの八時間のうちに処理できるかどうかということについてわれわれ検討した結果、そういう点については問題はないというふうに考えたわけでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 ですから、問題がないというのは、船舶通信士の生理条件というか、人体条件というか、そういうようなものまで私どもはやはり科学的に調査をされて今説明をされておると思うのですよ。おると思うが、私はそういうことを先ほど端的に申し上げたように、一人にしても、今申し上げた一日二十時間以上の勤務の中で、八時間だけは今の義務はあるけれども、あとはもう実際の事務上の義務というものはないのです、この説明を聞いておると。そうして、特にあるといえば、SOSのそういう場合に、これは国際航法上必要であるからやらなければならない、こういうことを言われておると私は思うのです。こういう点については、私は非常に問題があるのではないか。むしろそういう点については、運輸委員会はいわゆる専門委員会というわけにはいかぬと思うのです。逓信委員会の中における電波法改正の問題についてのやはり十分な意見を聞かないと、私はこの問題はなかなかこれでいいというわけには今のような御答弁ではいかぬと思う。そこで、先ほど申し上げたように、それは二十八日にするのか来月にするのか知らぬけれども、私は今のような説明だけではなかなか納得できないので、逓信委員会との合同審議というものを私はやはりやらないと、船舶職員法の改正というのは、実は通信士の問題が出ておるだけに、定員を削減するという問題が出ておるだけに、私はやはり重要な課題になるのじゃないか、こう思うのです。この点については、少しく委員長、理事のほうでもやはり御相談を願いたい。私としては、合同審議でなければとてもできぬ。さもなければ、当委員会に関係者を呼んで説明を聞くということになるわけです。それはそれとして委員長、理事にひとつ預けておきますが、そこで先ほどの質問に移るわけですが、先ほど局長の説明をされたのは、外国の場合は日本と違って終身雇用制度というようなものがない、しかも、日本の船員は、有給休暇一カ月というものがあって、内地にも上陸ができる、あるいは、その他航海の都合によっては、臨時に上陸もできて、家族との慰安もできる、こういうような説明をされておる。だから、日本は非常にいい。けれども、私はそう思っていない。日本の船舶職員が外国の船舶職員と比較をして、そうして待遇条件なり労働条件がいいと思っていない。思っていないから、単に国際条約という名前によって、いわゆる条件を落とされていくということは、私は賛成できないのですよ。そういう意味で、先ほど申し上げたのは、国内と国外にどのくらいとどまっておって、一航路どのくらいの日数なのか、それでその人たちの給与というものはどのくらいであるのか、こういう具体的な事例というものを説明を願いたい、こう言ったわけです。この点については、今手元に資料がないようですから、あとで資料の提出を願いたいと思います。資料の提出をしていただいて、それによって私は質問を進めていきたい、こう思うのです。  それから、その次にひとつ聞きたいのは、国鉄の船舶局長も来ておるようですから、総裁もおるし、運輸省との関係もありますから……。そこで、今の船員局長の提案をしておる趣旨について、この法律と同時に、国鉄の青函連絡船を初めとしてのいわゆる連絡船、国鉄のいわゆる船舶というものについては、同じような考えで適用する、こういうことであるのかどうか、この点をひとつ国鉄のほうから御答弁願っておきたい。それから、運輸省のほうからもその説明をいただきたい。

大石武一自由民主党運輸政務次官

○政府委員(大石武一君) 今、日本の本州と北海道をつなぐ青函連絡船のような船は、これは国際航法上の規制は現在は受けておりません。しかし、やはりたくさんの人命を預っておりますし、いろいろな事務上の仕事がたくさんございますので、現在は規定どおり三名の通信士を乗せてございますが、今後もこの連絡船につきましてはこの方針を続けさせて参る考えでございます。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 私よく承知いたしておりませんで、はなはだ申しわけありませんが、取り調べてお答えいたします。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 今回のこの船舶職員法の改正は、私が先ほど申し上げたように、電波法の改正と相通ずるものなんです。これは決して別々なものじゃないわけです。そうですね。そうしますというと、電波法の改正は、すなわち国鉄の連絡船にも私は通ずるものだと思う——という理解をするわけなんですが、そういう点、政務次官はどういうふうに考えておりますか。

大石武一自由民主党運輸政務次官

○政府委員(大石武一君) 先ほどお答え申し上げましたように、連絡船は別に、三名乗せなきゃならぬとか、数字にしろ、そういうことは今までないんです、規定は。ですが、やはり現実には、いろんな仕事も多いし、たくさんの人を預っておりますので、今までの制度が安全であると考えておるような、やはり三名を乗せておるわけでございます。しかし、今後は、この法律が改正されまして、外航船舶も一名でよろしいということになりましても、連絡船につきましては、今までどおり三名なら三名の通信士を乗せて、確実の上の確実の保障をして参りたいと考えている方針であります。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 政務次官の答弁は、たいへん誠意のある答弁で、いいと思うんですが、しかし、具体的に、この法律が改正になった場合には、今申し上げた電波法の改正とともに行なわれるのでありますから、そういうことになると、電波法との関係、それから国鉄のいわゆる船舶との関係、こういうことはやはり一連の問題として私はやはり聞いておかなきゃならぬ、たださなきゃならぬ問題だと思う。そこで、まあ十河総裁にそういうこまかいことを聞くといったって、これは無理なことでありますから——しかしほんとうは知ってもらわなきゃいけないことなんだけれども、私としてはできればあとでこれは国鉄の船舶局長にそういう点をやはり聞いておかなきゃならぬと思うんです。そういう意味で、そのことはあとでひとつ委員長、理事のほうで、いつごろ私の質問をやらしてもらえるのか、これもまた打ち合わせしてもらいたいと思うんです。  そこで、いま一つお尋ねしておきたいのは、本法改正を行なう場合には、当分の間乙種船舶通信士及び丙種船舶通信士の免許年令を二十才から十八才まで引き下げる、つまり若い者でもよろしい、こういうことをいっているわけです。そこで、なぜそういうふうにしなきゃならぬかということになると、これは設備がよくなったということと、いま一つは、人員の需給状況、こういうものによって、なかなか船舶通信士になり手がない。資格は持っておっても、実際に、会社がぜひ雇いたいといっても、なかなか応募者がない、こういうことが問題だと思う。今までの中でも、昨年、一昨年の需給状況の中で見てみると、二十人ほしいと思ったところで、一人か二人きり来ない。あるいは、十五人ほしいと思っても、一人きり。実際にはなかなか入り手がない、こういうようなことが船舶協会から事例として出されているわけです。こういう点が、特に乙種あるいは丙種の免許年令というものを低下をさせる理由にも述べられておるようにも私は思う。そこで、私の船員局長に聞いておきたいのは、なぜそういうふうに、せっかく学校を卒業し、技術免許を持っておる人たちが、この船舶に乗り組むのをいやがるのか、なぜ応募してこないのか、こういう点について政府はどう考えておるかということをひとつ説明してもらいたい。

若狭得治運輸省船員局長

○政府委員(若狭得治君) 現在の船舶通信士の新規供給源の大半は、電波高等学校でございます。高等学校の卒業時の年令というのは十八才でございまして、現在の船舶職員法によりますと、二十才でなければ正式の船舶職員としての待遇は受けられないことになっておりますので、二年間の空白があるわけでございます。したがいまして、電波高等学校を卒業いたしまして船に乗りましても、見習いとして二年間〇期間を過ごすわけでございます。で、その期間の待遇条件というものはもちろんよくないわけでございまして、そういう点から見ましても、この高等学校を卒業して通信士として十分な資格を有する者については、船舶職員としての資格を同時に付与するような方向に進みたいと考えておるわけでございます。なお、この前の提案の補足説明でもちょっと御説明申し上げましたけれども、最近の若年関係の陸上産業というものは非常ないんしんをきわめておるような状況でございまして、その待遇条件というものは、海上の労働条件に比べて必ずしも安くないというような条件がございます。しかも、質的に海上労働というものは非常に特殊なものでございまして、家庭を離れて長期間海上の生活を行なわなければならないという状況から見まして、現在の給料というものははたして均衡のとれたものであるかどうかという点について、われわれは非常に大きな問題をはらんでおるというように考えておるわけでございます。そういう問題とも考えまして、十八才で通信士としての資格を取った者については、船舶職員の資格を同時に与えるという制度に進めたいと考えておるわけであります。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 私は、今の局長の答弁の中で、もう端的に現われていると思う。とにかく、指摘をされたように、陸上の労働者階級と海上の労働者階級との違い、あるいは特殊性というものは十分お認めになっておるにもかかわらず、いわゆる海上の、特に長い間の苦労をされておる船舶職員に対して、ひとつも待遇を改善しようとしない。待遇を改善しなくても、条件が悪くても、とにかく何とかやりくりさえできればいいと、こういう考え方がこの中に現われている。だからこそそういう提案をしようということになるというふうに、私は反語でそう思うのです、今の提案の趣旨を思うと。つまり、国際条約で十八才でもいいということであるから、日本の高等学校、無線学校、通信学校を出た者をそのまま航海に乗り組まして差しつかえない。私はもちろん乗れないと言うのじゃないのですよ。乗ることはけっこうなんです。乗ることはけっこうだけれども、少なくとも現在までのこの三名なり二名なりというものを、それを一人にしてしまうということは、決して日本の外航船舶に対するところの問題としてよくはならない。それをよくするには、やはりそれだけの技術の向上と、国際社会の中における条件というものがほんとうにそういうように進んだときに初めて言えることであって、今の説明を聞いてわかるように、陸上の者はどんどんいい商売があればそっちに向いてしまう。せっかく技術を持った者でも、そういう特殊技能というものを生かして使えない。ここに私は根本的な問題があると思うのですよ。ですから、なぜ船舶職員にもっと待遇改善をしてやることを積極的に考えないのか。今、全日海を初め、多くの組合の人たち、あるいは船舶に従業しておる人たちが、この賃上げ闘争をやるというのも、そこにあるわけです。わかっておりながら、やらない。当然、外国の人たちから比較してみて、日本の労働者の賃金は悪い、労働条件もよくないと、こういうことがわかっておりながら、国際条約という名前によって平面だけの解釈をさせていわゆる悪法を押しつけようとする、こういうように私は今の説明で受け取れる。これは私のひが目かどうかわかりませんよ。しかし、私はそう受け取れる。そこで、先ほど申し上げたように、一体、外国との人件費の比例、労働条件というものを先ほど説明を願ったわけですが、あとで資料として出してもらいたいんだけども、私はそういうことがわかりながらなぜそういうふうなことをするのかという点がどうしても疑問が解けないんですよ。私には解けない。そこで、具体的に、給料を上げろ、賃金を引き上げろと、こういうことを海上の労働者が言っておるんだけれども、そういう問題について、船員局長の説明では、引き上げることを政府は考えておるかどうか、あるいはあなた方はそういう話に乗ってやる考えがあるのかどうか、この点を聞いておきたいと思う。どうです。

大石武一自由民主党運輸政務次官

○政府委員(大石武一君) 私どもは、勤労者の待遇ができるだけ早くよくなることを希望しているわけでございます。それは相澤委員の考えと全く同じでございます。ただ、今度の問題、たとえば労働年令の引き下げの問題につきましても、私は、この考え方は一時の間に合わせという考え方もございますが、私としてはかえってこれは進歩的な考えではなかろうかと思います。世の中が進んで参りまして経済状態がよくなりますれば、どうしても労働年令の幅が広くなってくる、あるいは職域が広くなってくるのは当然だと思います。そういう意味で、今まで二十才でなければ通信士が船舶の通信ができなかったものを、十八才まで引き下げるようになったということは、私は、日本の文明の、あるいは経済の進歩ではなかろうかと考えるわけでございます。そして、できるだけ広い範囲に勤労階級の働く方面を広げてやることが、私は一つの労働問題の進歩ではなかろうかと思う次第でございます。そういう意味におきまして、私は、十八才に引き下げることが、その仕事をする上において、能率において何ら差しつかえなかったらば、できるだけ引き下げてやるべきじゃなかろうかと考える次第でございます。ことに、今、満十八才で例の通信高等学校を終えまして、それから実地訓練はある程度つき合うけれども、とにかく資格を持って働けるというのに、現在の制度では満二十才にならなければ船舶通信士として働けないというのでございますから、その二年間の空白を私はやっぱり埋めてやる必要があると思うのであります。でありますから、やはり年令を引き下げることは、単に供給の不足ということ以外にも、二年間遊ばせるということの解決に私はやはり年令を引き下げることが妥当ではなかろうかと思います。もう一つは、やはりその二年間、せっかく船舶通信士になろうと考えて通信高等学校を出ましても、船舶に乗り込むようになりますと、その間の生活を保障しなければなりません。そうなれば、いやがおうでも他のいんしん産業のほうに引っぱられていく。ここにやはり需要供給のアンバランスが出てくるんじゃなかろうかと思う次第でございます。したがいまして、私は、できるだけ早く年令を引き下げまして、そして早く乗り組めることが、一番私は船舶乗組員を希望している人々には役に立つんではなかろうか。しかし、これはほかのいろいろな産業とも関連いたしますから、船舶職員だけではたしてそれがいいか悪いか申されませんけれども、そういう意味で私は船員局長が、暫定的にそういうことをやってみたいという話をしているんだと思いますが、そういう考えでやっていきたいと思う次第でございます。  なお、船員——船の乗組員の待遇改善を要することは、当然でございます。で、今度の船舶通信士ですか、この問題につきましても、私そうだと思うのであります。なるほど、三名を一名に減らすということで、現在国際水準では一名の通信士で間に合っているのでございますが、三名を一名にすることは改善であるか改悪であるかわかりません。しかし、外国が一名で間に合っているものを、日本の現在の文化水準でやり得るというならば、私それでよかろうと思うのであります。同時に、三名を一名に減らすということは、一番根本な問題はその経済的な問題でございますから、おわかりだと思います。どうしても三名の給料を払って外国の船舶と競争すると容易でございませんので、やはりでき得るだけ外国船舶に対抗し得るような、日本のやはり海運界の経済的な状況をよくしてやるということが必要だと思う。そういうことから、三名を一名にしてもやり得るだろう、その他いろいろな機械設備にしても日本のもので十分できるだろうという観点のもとに、こういうことをお願いをしているわけでございます。したがいまして、三名を一名に減らしますと、十分に通信士におきましては外国の船舶と競争対抗ができるわけでございます。そうなりますと、むしろその船舶通信士の待遇も私はよくなるのではなかろうか、こういうことも考えられますので、ひとつこの法案をでき得ますならば早く御審議を賜わりまして通してやりたいということをお願い申し上げる次第でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 そうすると、次官に聞きますが、次官あれですか、あなたの今の説明のように、三名を一名にし、しかも乙種、丙種の場合、暫定措置で当面十八才に年令を引き下げる、こういうことで、むしろこの学校の卒業者に希望を持たせる、こういうことであるけれども、その場合にはこの通信士の待遇というものは外国並みになる。つまり、三名だから経費が多いんだが、三名を一名にすれば待遇もよくなる、こういうことであるから、これは先ほどノルウェーやアメリカの話があったけれども、そういうふうに同じような待遇をしてやれる、こういうことですか。

大石武一自由民主党運輸政務次官

○政府委員(大石武一君) さっき若狭局長が多少お気に召さない答弁をしたのでありますが、これはひとつ、質問の鋭い相澤委員の御質問におそれをなして予防線を張った答弁をしたんだ、言葉が足りなかったと思うのであります。確かに、できるだけ私は、三名が一名になれば今よりももっと待遇をよくすることができる、すべきであると考えております。ただし、アメリカなり、ノルウェーなり、あちらの人と同じであるかどうかということは、これはむずかしい問題だと思います。やはり日本には日本として、賃金のつり合い、バランスがございますので、待遇はよくしなければいけませんけれども、いわゆる絶対数字とかそういうものにおいてどうかということについては私も自信がありませんですけれども、必ず待遇はよくすべきであると考えております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 私は、船主協会の人たちのいろいろ陳情も受けておりますし、資料もいろいろ読ましていただいたわけですが、単に資本家側の考える合理化政策だけで政府がこの法改正をやろうとするようなことでは、これはもう私としてはとてもじゃないけれども了解できない。そこで、せめて条件をよくし、希望を持たせるという大石政務次官の言うような言葉であるならば、具体的にやはり、船主協会の人たちが私どもに陳情している、いろいろな資料を出しておりますが、こういう問題でアメリカと日本の労働者の違いというのはどのくらい縮まるのだ、政府としてもそのためにはどのくらいの助成をし、この経営合理化によってこれだけのことができるんだというようなことがなければ、これはもう実際に条件を悪くすればするだけ、それを押しつけるだけですよ。だから、日本の労働者階級がいつまでたっても賃金引き上げの要求をしなければなかなかやってくれない、生活条件をよくしてくれないというところに問題があると私は思うんです。大石次官も、テレビを見て、あるいは外電を伝え聞いて知っていると思うんですが、日本の池田内閣のような立場でやったら、日本の労働者階級はたまりませんよ。フランスのドゴール大統領でさえ、見なさい、フランスの労働者が一一%余の賃上げ要求をして、政府は最初四%幾らというようなことを言っておったけれども、それを七%にも八%にもすると言っているじゃありませんか。ところが、なかなか日本の池田内閣はそういうことをやろうとしない。そうしてしかも、そういういわゆる船主協会の人たちが、いろいろ合理化政策をしなければ国際競争に勝てない勝てないと言うけれども、それじゃその内容はどうかといえば、今聞いてみれば、生活条件が違うとか、賃金体系が違うというだけの説明では、国際社会の中でなぜ日本人だけが悪い待遇を受けなければならぬのか、私はそういう点についてはどうしても納得できません。私は、外国へ行ったら外国人と同じように日本人もあってしかるべきじゃないか。私はこの前も東南アジアに本院の代表として行ったときに、東南アジア各国を回ったときに、向こうの在外公館の諸君と話したんですけれども、日本人の給料が悪いし、そうして待遇がよくないから、向こうへ行っても満足な話もできないんですよ。向こうの人たちと満足なおつき合いができないのですよ。そういうようなことを、特にこの航海という陸上とは全く違う海上勤務で御苦労されておるこの船舶職員に対する待遇くらいよくしてやらなくて、一体どうして国際競争力に勝つなんていうことをのめのめと言えるのだろうか。私は、人間を、国際条約でもいうように、人命安全ということを第一に考えるならば、まずこの人たちに不慮のないことを望むと同時に、この人たちの待遇をよくしてやる、後顧の憂いなからしめて、そして国際競争の世界の中においても私たちは日本人の立場で十分働いていただきたい、こう思うのです。ところが、今度の場合、通信士の場合、募集してもなかなか応募者がない。しかも、政務次官の言うには、学校卒業して二十才まで、現行法でいくと二年間のブランクがある。これじゃせっかくの技術を身につけた者を遊ばして気の毒じゃないか。私はそうじゃないと思うのです。そういう考え方じゃなくて、学校を卒業したならば、その人たちが早く一人前になるように養成をすべきであるし、本人にも、自信を持って、希望を持ってやっぱり船舶通信士としての任務を遂行してもらうような立場を作ってやるべきだと思うのですよ。十八才の者は、学校卒業した者は、直ちに船に乗り込んで一人で全部が処理できるなんていうことを考えることが間違いだと思うのです。やはり経験というものは、私は、いくら科学的社会の中でも、人間の経験の尊いということは、これはあると思うのですよ。そういうことを考えていけば、やっぱりできるだけそういうことを、私どもが国際社会の中でも決して恥ずかしくない立場というものを作ってやる、人間を完成させるということが大事なことじゃないか。ですから、むしろ条件を低下をさせるなんていうことは、文明社会の中ではいわゆる逆コースなんですよ。これはもっとよくしていくというのが、あるいは十八才というのは、むしろ私は二十才なり二十一才なりまでは、お互いに生活も何も心配はない、そして技術をつける、りっぱな技術を作るということが必要だと思うのですよ。そういうことを考えていけば、私どもとしては、たとえば百歩を譲って、その学校卒業者の人をとにかく直ちに任務についてもらうということはけっこうなことだけれども、それは単にその人が十八才でいいんだから何でもそれでいいということじゃなくて、それだけの仕事もできるように、しかも生活も安定をして、生活にも心配がない、生活条件、労働条件というものをよくしていくことがつかなければ、私は意味がないと思うのですよ。そういう意味で、大石次官のあとで答弁された後段の説明はわかるけれども、二年間のブランクで遊んでおれば、結局船舶通信士になり手がない、よそへ行ってしまう、そういうものの考え方では、私は賛成できない。むしろ、そういうふうに二年間の、たとえば現行法で二十才になるまででも、おれたちは喜んで将来船舶通信士として一生仕事をやりたい、これだけのプライドを持つ条件を作ってやるべきだと思うのです。そういう点で、若干これは意見の相違と言われるかもしらぬが、私は、特にこの条件のきびしい海上に勤務される船舶の職員の問題であるから、この点を強く指摘しておきたいと思うのです。そういうことで、現在船舶通信士の中で乙種の免許を持っておる人ですね、丙種の免許を持っておる人、こういう人はどれくらいおるかということを、これは船主協会の資料でも出ておりますけれども、ひとつ政府はどういうふうに把握しておるのか、その人たちの年令構成、それから賃金条件、そういうものを御説明してもらいたいと思うのですが、船舶局長どうですか。今の乙種船舶あるいは丙種船舶の通信士の免許を持っておる人で、その年令構成と、その人たちのいわゆる待遇条件、賃金条件というものはどういうふうになっておるかということを数字をあげて説明してもらいたいのです。

若狭得治運輸省船員局長

○政府委員(若狭得治君) 現在の商船関係に乗り組んでおります通信士の実際の数でございますけれども、甲種通信士が約千九百名、それから乙種通信士が約千三百名でございます。このほかに丙種通信士は、漁船関係とか沿岸の小さい船の通信士でございますけれども、この数は相当数に上っております。今手元に資料がございませんけれども、相当数に上っておるわけでございます。今度の法律改正によりまして問題になっておりますのは、甲種通信士及び乙種通信士の関係でございまして、これは商船関係でございますので、その給料を申しますと、労働協約によってきまっております。日本の外航船の通信長というものは、本給は五万三千円でございます。それから二等通信士は三万八千円、三等通信士は二万九千円——これは初任本給でございます。このほかに、実際に乗船いたしますれば、乗船手当、航海手当、あるいは家族手当等のいろいろな諸手当がつくわけでございます。それから、本人につきましては、本人の経験年数に応じまして本人本給というものがこのほかにありまして、この保障本給よりも高い場合には本人本給を適用するということになっておるわけでございます。

金丸冨夫自由民主党

○委員長(金丸冨夫君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

金丸冨夫自由民主党

○委員長(金丸冨夫君) 速記をつけて。  十三時半まで休憩いたします。十三時半から再開いたします。    午後零時三十分休憩      —————・—————    午後一時五十一分開会

金丸冨夫自由民主党

○委員長(金丸冨夫君) 休憩前に引き続き、委員会を開会いたします。  運輸事情等に関する調査を議題といたします。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 前回国鉄の新幹線工事に関連して衆議院においても問題になった近江鉄道の問題について、国鉄当局から、その間の経緯並びにその後における事情といいますか、そういった点について聴取したいと思うので要求したわけですが、その間の事情の説明をお願いしたいと思います。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) 近江鉄道と国鉄新幹線との関係につきまして御説明いたします。御質問の個所は、近江鉄道——新幹線が滋賀県下を通ります区間でございます。彦根から近江八幡、ちょうどあの辺のところを通ります区間におきまして、近江鉄道と新幹線が全く並行をいたした区間が約七キロ半ございます。この並行区間の線路を決定いたしました経過といたしましては、いろいろ、国鉄におきまして、新幹線の計画につきまして調査、研究をいたしたのでございますが、いずれの線につきましても、地元の方が、農地をたくさんつぶす、また町をつぶすことによりまして、移転家屋がたくさんできる、いろいろな観点からいたしまして、最初は、滋賀県下を新幹線が通りますことにつきまして、全面的な反対を申されたのでございます。その後、地元の方々といろいろ折衝をいたしましたところ、大体、御指摘の、近江鉄道の線路に沿いまして——近江鉄道の用地でございますが、これが帯状に鉄道用地といたしまして残っておる区間がございますので、地元といたしましては、この新幹線を近江鉄道にできるだけ密着をさせまして、近江鉄道の法尻と申しますか、近江鉄道の用地を使いまして、なお不足の分は民地を提供することによりまして、民地の被害を最小限度にして通ってくれと、こういうようなことで地元の方々とお話し合いがついたのでございます。そこで、われわれといたしましては、できるだけ近江鉄道に新幹線が沿いまして民地をつぶすことを少なくする、これがまた沿線の移転家屋、支障家屋その他の点から見ましても一番被害が少ないというようなことが考えられましたので、採用線路を設定いたしたのでございます。  そういたしまして、近江鉄道に対しましては、いろいろ比較検討をしたけれども、この線が一番地元の方々にのみ込みやすい、また農地をつぶすことも一番少ない、また今まででき上がっておりました沿線の町の形態をつぶすことも一番被害が少ない線であるから、この線に沿って私たちは線路を決定したから、近江鉄道の用地を買収し、またその他踏切の改良その他につきまして、私たちは近江鉄道と協議したいということを近江鉄道に申し込んだのでございます。  そういたしましたところ、近江鉄道といたしましては、これまた全面拒否をして参ったのでございます。さようなことで、自分たちだけが犠牲になって線路を作られては困るということの観点からいたしまして、全面的に協議を拒否して参りました。しかしながら、私たちといたしましては、その他に線路を移すというごとは非常に支障が大きくなりますので、鋭意近江鉄道に対しまして説得をいたしまして、この近江鉄道に並行する路線の決定を承諾してもらうように働きかけたのでございます。  そういたしましたところが、近江鉄道といたしましては、それでは自分のほうの条件があるということでございまして、まず第一に言って参りましたことは、話は少し前後いたします——少し申し落としましたが、拒否いたしましている間に、近江鉄道といたしましては、自分たちは新幹線に対して全面的に反対するわけではないのだが、自分たちの線路に乗りかかってくるような構想が困るのであって、数百メートル離してくれという話がございました。しかしながら、この離すということは、地元との問題がございますので、これは私たちとしては承諾することができませんので、どうしても近江鉄道に並行する線を強硬に申し入れたのでございます。  そういたしましたところ、近江鉄道といたしましては、最初に条件として出して参りましたことは、近江鉄道は、さように大きな鉄道が乗りかかってこられたのでは、運営することができないから、全面的に買収をしてくれという申し入れがございました。しかしながら、この申し入れにつきましても、私たちといたしましては、聞く筋合いのものではございませんので、これを拒否いたしました。そして、買収はいたしません、だから並行するということで承諾をしていただきたいということを、なお執拗に近江鉄道と折衝したのであります。  そういたしましたところ、近江鉄道といたしましては、しからば補償を出してくれというような話が出て参ったのであります。その補償に二色ございまして、一つは、近江鉄道は間の構造が地平の線路でございます。畑の地区から約五十センチないし一メートルの高さの線路でございます。また、そこを並行して通ります新幹線の線路の高さは、平均いたしまして約六メートルの高さでございます。これは、六メートル以上のところもございますが、最小六メートルの高さを通るような格好に相なりますわけでございますので、近江鉄道と新幹線とのレールの高さが、一番小さいところで五メートルないし五メートル五十の高さの差が出てくるわけでございます。そういうようなものを作りますのに対しましては、近江鉄道といたしましてはいろいろの障害がある、これに対して補償をしてもらわなければ承服はできないということを言って参ったのであります。その補償の項目が二項目ございまして、一点といたしましては、踏切が見通しが悪くなる、その他というようなことで、そういうような物理的と申しますか、そういうものにつきまして二億六千万円の補償をほしい。それからまた、今までそういう平らな所を走っておりましたところが、そういう谷間になりまして、ほこりをかぶりましたりいろいろなことになりますので、お客さんが減ってくるということを申しまして、この補償が、最初は一億五千万円の損害があるということを言って参ったのでございます。でございますから、二億六千万円とプラス一億五千万円、合計約四億一千万円の補償をしてくれということを言って参りました。しかし、これに対しまして、私たちといたしましては、さような大きなものに対して補償するわけにいかぬということを言っておったのでございます。そうこういたしまするうちに、今度は、さようなことで話がまとまらないのなら、自分たちといたしましては、そういうこまかい問題で議論をしておっても話がつかないから、近江鉄道を高架にしてくれ、新幹線と同じレベルにそろえてくれ、そういうことのほうが安全でもありますし、いろいろな点において地元の方もよりよい状況になりまするので、並行区間を並ぶような高架にしてくれという要求が出て参ったのでございます。これにつきましては、私たちといたしましては、一応理屈のあることでございますので、ひそかにこの高架にいたします金がどのくらいかかるかということを算定をしてみたのでございます。そういたしますと、約四億金がかかる、こういうことが——これは近江鉄道に発表したのではございません、私たちが事務的に、内々におきまして、高架にした場合にはどのくらい金がかかるかということを算定をいたしましたところが、約四億金がかかる、こういうことでございます。しかしながら、まことに近江鉄道に対しましては申しわけのないことを申すのでございますけれども、あの程度の鉄道だったなら何も高架にしなくてもいいのではないかということを私たちはひそかに考えまして、この四億は少し金がかかり過ぎるので、もっと安くこの問題をおさめられないだろうかということにつきまして折衝を重ねたのでございます。そういうような高架にしてくれと言って参りましたのが、三十五年の暮れでございます。約一年かかりまして、この問題につきまして折衝をして参ったのでございます。  そういたしましたところが、先ほど申し上げました、収入減が一億五千万円、設備の増強費が二億六千万円といったのは、その後いろいろ調査をしてみた結果、収入減といたしましては、先般一億五千万円と言ったけれども、これは五億余りになるというような返事が来たのでございます。そういたしますと、七億数千万円の要求に四億一千万円ばかりのものが変わってきたのでございます。しかしながら、私たちといたしましては、あくまでさようなことに取り合う気持はございませんし、またその交渉の途中におきまして全面的に高架にしてくれというような話もありました。高架にいたしますと四億でいくのでございますので、四億以上の七億というような金を出すくらいならば、高架にしてしまったほうが国鉄のほうとしては安上がりでいい。しかし、なお一そうこの四億を安くいくために折衝いたしまして、現状のままの姿にしてできるだけ会社の説得をするということをやったのが、約一カ年かかりましてやりました。  ところが、総額二億五千万円という数字におきまして会社が妥結をする様子が見えて参ったのでございます。そこで、私たちといたしましては、この総額二億五千万円ということであれば、まず私たちが全面的に高架をすれば四億かかるであろうということから見ますると、相当内ワクにこれを押えたのでございますし、もちろんこれは全面高架の問題ではないということで承知をして参りましたので、ここでもう一つ一押ししようという努力をしまして、まずしからば二億五千万円をあなたのほうでおのみになるということになるならば、七億数千万円の補償に対しまして二億五千万円ということできたのだから、これをあなたのほうはどう解釈するかという、折衝のうちに話が持ち上がったのでございます。そういたしましたところが、会社といたしましては、自分たちが最初二億六千万円設備改良その他にかかるというものが、この二億五千万円のワクにはめてみると一億五千万円になるということを会社のほうが申してきたのでございます。そこで、私たちといたしましては、それでは一応二億五千万ということにつきましては、あなたのほうから設備の改良その他につきまして一億五千万という数字が出てきた、この問題の一億五千万ということについては直ちに話がわかりました——これは近江鉄道の用地も使っておりますし、いろいろな問題が入っておりますので、話がわかりました。それでは一応一億五千万円を最初差し上げることによりまして工事に着工さしてくれということを話をしたのでございます。これが三十六年の十二月でございます。そのときに、一応設備改良その他につきまして一億五千万円の補償を払うことによって直ちに全面的に工事着工の承諾を得たのでございます。そうして同時に、残る一億につきましては、なおこの線路ができましたためにいろいろと支障を来たすことによって減収をするという問題については私たちも納得がいきかねるから、もう少し資料を突き合わせて調査をしようというようなことを申し残しまして、工事に着工したのでございます。そのときに、十二月に金を一億五千万円払いまして、年度内にこの話をつけてくれ、そういうことを目途にして協議をいたしましょうということで、工事に着工をしたのでございます。  その後、現地におきまして、いろいろと調査をし、協議をいたしましたが、なかなか結論に到達をいたしませず、三十七年の三月になりましてもまだ結論が得られずにおりましたところが、近江鉄道といたしましては、総額二億五千万というものについて国鉄と当会社とが協議が整っておるのに対しまして、一億五千万だけ払って工事をやって、その後何ら誠意を見せてこないので、今までの話はやめて工事を中止してくれという申し入れが出て参ったのでございます。そこで、私たちといたしましては、工事を中止するというわけにも参りませずいたしますので、再びいろいろな資料をとりまして検討をいたしました結果、残りの一億を三十七年の六月に支払うという段取りに相なったのでございます。そのときに、もはやいかなる要求も今後はしない、二億五千万円において——これは、私たちといたしましては、いろいろ問題がごたごたいたしまして、再び全面高架というようなことを言い出されましても、問題が複雑になるということも考慮いたしましたし、また用地その他につきましても、沿線の地元の方と近江鉄道との言い分が食い違っておるところもございますしいたしますような問題が残っておりましたので、あとで何かこの問題につきましての要求がましきことが出てこられては困るということを考えましたので、これをもってすべてを打ち切りにするという一札を取りまして、三十七年六月に残り一億を支払ったのでございます。そういたしまして、その支払うときに、近江鉄道のほうの総額が四億を、私たちといたしましては二億五千万に妥結をいたしましたので、内訳を近江鉄道の出して参りました七億の内訳に合わせまして、一億五千万は設備改良その他、一億は減収その他ということで支払ってほしいという要求がございましたので、総額が二億五千万に押えられておれば、内訳は会社の最初に申し出ました姿にし、また会社の要求の姿に合わせてやるということが話を妥結させますのに便利であろうかというふうに考えまして、ただいま申し上げましたように、一億五千万は設備改良その他、一億円は減収その他に対する補償であるということで、二億五千万円を支払ったのであります。  近江鉄道と新幹線との関係、またこれに対しまして二億五千万を支払いました経過の概要は、以上であります。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 この近江鉄道というものは、資本金どのくらいの会社ですか。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) 資本金は三千四百万円でございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 従業員はどの程度ですか。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) 三百七十八人でございまして、これは昭和三十六年度末現在でございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 この会社の最近三カ年間の収支状況、決算状況ですね、これをちょっとお聞かせ願います。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) 最近三カ年間の経常収支はわかりませんが、昭和三十六年度について申し上げますと、運輸収入は、旅客が一億七千七百二十四万九千円、貨物が八千五百四十三万六千円、そのほかの雑収入を加えますと二億八千八百一万円、営業費は三億二千四百十一万九千円でございますので、差引三千六百十万九千円の欠損に相なっております。もちろん無配でございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 そうするというと、この会社自体としては赤字である、三十六年だけれど。その前はすでに調査ができておるはずじゃないかと思うのだが、どうですか。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) 今手元に資料を持ち合わせておりません。もちろんわかりますので、後ほどお届けしたいと思います。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 こまかい数字じゃなくて、ずっと無配ですか。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) ずっと無配であるように記憶いたしておりますが、あとで確かめまして御返事申し上げます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 この会社の設立はいつごろですか。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) 明治二十九年六月十六日でございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 資本金三千四百万円になったのはいつごろですか。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) はっきりした資料を持っておりませんので、後ほど調べまして御返事申し上げます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 次に、近江鉄道の帯状の用地、これはどのくらいの坪数になるのですか。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) これは七キロ五百メートルでありまして、近江鉄道の言っておりますのは七千平方メートルであります。こちらで確認をしておりますのが——といいまするか、沿線の地元の方の言っております言い分から取りますと、三千平方メートルと言っておりますので、先ほど申し上げましたように、そのような点につきましてあとでクレームが出ないように、私たちといたしましては三千平方メートルを取りまして、近江鉄道の用地と確認をしたわけでございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 ずいぶん弟があるけれども、それは一体どういうふうにしてその差が出てくるのですかね。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) これは、近江鉄道の用地のほかの民地を買収いたしますときに、先生方十分御承知のことを私申し上げて恐縮でございますけれども、買収いたしますときに両地主の立ち会いを必要とするのでございまして、このときに近江鉄道に立ち会ってくれということを申し出ましたところ、近江鉄道からは立会人が参りませんでした。そこで、私たちとしましては、あなたのほうが立ち会いをしないならば、沿線の地主の方のおっしゃることをもって確認をいたしまして、近江鉄道のほうの財産の区分点をきめますということを、近江鉄道のほうに念を押しまして、それでよしということになりましたので、私のほうが、沿線の地主の方から申し出られました数字からいくと三千平方メートルになっておるのであります。あとで近江鉄道が言っておりますのは、その沿線はここまでだということを、境界の食い違ったことを申しておりましたが、それを含めますと七千平方メートルになっておりますが、沿線の地主の方から私どものほうの聞き取りといいますか、立ち会い確認によりまして三千平方メートルと確認をしたのでございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 そうすると、確認ということは、近江鉄道のほうは七千平方メートルになる、そこで調査するために立ち会いをしてもらいたいと言ったら、出てこなかった。それで、実際に調査したら、沿線の地主からの意見も含めてみると三千平方メートル、こういうことですね。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) そのとおりでございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 それで、これは全部が近江鉄道の用地ですか。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) 新幹線の用地のうち一部が——近江鉄道の用地だけに新幹線ができたのじゃございません。新幹線の用地は、近江鉄道の用地とそれに沿いました民地との両方にまたがっておるわけでございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 それで、その民地のほうには坪どのくらいで払ったのですか。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) ただいまはっきりしたことがわかりませんが、私聞いておりますのは、平米二千円から二千二、三百円の間だと思います。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 二千円から二千二、三百円。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) これは後ほどよく調べましてお答えいたします。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 近江鉄道のほうにはどの程度払ったのですか。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) 近江鉄道のほうは、先ほど申し上げましたように、二億六千万円という数字が出て参りましたのを、一億五千万円にこれを圧縮をいたしましたので、用地その他につきましては平方メートル七百七十円でございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 そうすると、設備改良というのがその他の費用というわけですか。端的に言うと、土地の分は幾ら、それから設備改良の分は幾らと、こうお答え願いたい。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) これは、先ほど申し上げましたように、二億五千万円というものを最初に頭をきめまして、一億五千万円を設備改良ということにし、その他を減収補償というような向こうの申し出た姿に変えましたので、この変えて向こうに支払いましたときの内訳を申し上げますと、用地費が約七十万円、その他が設備改良でございます。一億五千万円の中が、七十万円の用地費ということにし、その他が設備改良、増強施設などに相なっております。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 設備改良というと、その内容をひとつ説明してもらいたいね、どの程度の設備改良になっているのか。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) これは、内訳を今申し上げますけれども、一億五千万円を——向こうの要求二億六千万円が出てきましたものをそのまま圧縮したような形に相なっておりますので、多少アンバランスのところがございますけれども、大きいものから申し上げますと、踏切が、今まで平面交差でございましたものが、そのそばに立体交差のものが並ぶということで、警報機をつけましたり、あるいは遮断機をつけたり、そういうようなものがおもなものでございまして、その踏切をいたします金が八千五百万円と……。それからもう一つ申し上げたいと存じますことは、こういう今私が申し上げますものを合計いたしますと一億六千七百万円になるのでございますが、これは先ほど申し上げましたように一億五千万円にしておりますので、大きい数字だけを申し上げますけれども、数字が少しずつ違っておることを御承知いただきたいと思います。踏切の設備が八千五百万円でございます。それからそのまた踏切を設備いたしましたのに対します補修費とかその他が七千二百万円、これらが一番大きなものでございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 ちょっと、踏切を何する費用ですか。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) 設備をいたしまして、後にそれを補修していく、そのものの姿で完全なものに守っていくために多少の修理をいたしましたりするものの金をある程度つけてやったわけでございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 それがおもなものですね。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 関連。説明を聞いておりますと、平面交差のところを立体交差にするわけですか。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) 平面交差のところは立体交差にいたしません。近江鉄道は平面交差で、新幹線は立体交差になっておるものでございますので、今までの平面交差の状況が非常に悪くなる、築堤の中に穴があいてそこからすぐに平面交差に出てくる、こういうふうに踏切の条件が非常に悪くなりますので、そこに警報機をつけましたり、あるいは自動遮断機をつけたり、必要によれば踏切警手をつけるというような設備の要求があったということでございます。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 何かそういうものの補償について、何年間どういうふうに補償をするというような基準でも国鉄のほうにあるのですか。

中畑三郎日本国有鉄道新幹線総局総務局長

○説明員(中畑三郎君) 全部に基準があるというわけではございませんが、踏切の関係につきましては、道路と鉄道との交差に関する協定というのが国鉄と建設省で取りきめたのがございますので、大体それに準拠して積算をいたしましたわけでございます。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 それですと、大体何カ年くらいになりますか。

中畑三郎日本国有鉄道新幹線総局総務局長

○説明員(中畑三郎君) 今回の場合は、大体十五年間ということにいたしました。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 人件費と補修をしていく費用との比率というのはどのくらいになるのですか。人件費のほうがはるかに大きいですか。

中畑三郎日本国有鉄道新幹線総局総務局長

○説明員(中畑三郎君) 補償いたしましたのは人件費と物件費の双方でございますが、そのうち人件費につきましては、俸給が幾ら、諸給与が幾ら、あるいは間接の割掛費が幾らといったように、ただいま申しました協定で大体の基準額をきめておりますので、その基準の額を使いまして計算をいたしました。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 先ほどの説明で、ほこりをかぶったり客が少なくなるというので一億五千万円、それが交渉の結果一億になったという話ですが、ほこりをかぶるというのは一体どういうことなんですか、レールの上を走っているのですからね。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) これは線路の高さが、先ほど申し上げましたように、五メートル高さがあるわけです。それから土地の構造物が、原則といたしまして、約七キロ半のうち約七キロぐらいは盛り土の構造でございます。その上を高速列車が走りますので、砂ぼこりが下の線路の上にかぶってくる、こういうようなことでお客が減るというようなことを申されまして、先ほど申し上げましたように、一億五千万を要求しておりましたのが、後になりましてこれを五億と言って参りましたので、私たちはこれに対して、さような毛のは考えられないという交渉をいたしたのでございます。それに対しまして、あくまで全面高架の四億以下にこれを押えるという、大まかなと申しますか、妥結の根本方針を念頭に置きまして、その内訳を、会社のほうの申し出の内訳に合わせた内訳を作って折衝いたしたのでございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 工事の間においてはほこりが出るかもしれぬけれども、新幹線に車が走っていく段階になって、ほこりがもうもうと出るような工事なんですか。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) これはもう、私たちといたしましては、さようなものではなくやっておりますが、四億という数字を二億五千万に押えまして、そのときの内訳を、向こうが、そういうような自分たちが七億数千万円の要求を出してきた、そのひな形に合わしましたものでほしいということを言って参りまして、しかも、私たちといたしましては、その二億五千万ももっと時間をかしてある程度話し合いをしていきたいということで、最初に一億五千万を払いまして、工事を着工して参りました。後の残金を今度は旅客の収入減という姿で払え、払おうというような話し合いになりましたので、さような内訳を使ったのでございますが、私たちといたしましては、そのもうもうと砂ほこりのたつようなものは作らないということを十分説明をしたのでございますけれども、最後の姿はそういう姿であるということでございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 それはそうだと思うのだ。七キロ半の間もうもうと汽車が通るたびにほこりをあげているという、そんなものだったら、新幹線名物になって、話にならぬと思うのだ。  それで、話はまた別になりますが、客が少なくなるという——この平常の客と新幹線ができてからの客が少なくなるという、それは、伝えられているところによると、景色が悪くなる、こういうふうに言われているが、その間の説明はどうだったのですか。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) 景色が悪くなるというのは、少し話が大きくなっているのではないかと思うのでありますが、私たち、向こうのほうからの要求でございますと、観光客と普通旅客が減る、団体客も減る、こういうようなものをそれぞれ合計いたしまして、十五カ年間よこせ、それで五億一千万円減るという書類を突きつけられたのでございます。それを先ほど申しました二億五千万円の中にはめ込みまして、最後に一億という数字をこの姿にしてほしいという要求がございましたので、話を妥結させるという意味におきまして、観光客の減り方、一般旅客の減り方、団体旅客の減り方というものをそれぞれ按分をいたしまして一億円を算定した表を作って、内訳として会社に渡したのでございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 その旅客が少なくなるという説明ですね、向こうの説明の根拠は何だったのですか。私が考えれば、新幹線と近江鉄道は客の奪いっこをする性質の鉄道ではないですね。近江鉄道に乗る人が、新幹線ができたから近江鉄道へ乗らなくて新幹線に乗るという性質の線路でないと思う。いわゆる普通に言われている並行線といっても、全然質が違う。そうなるというと、直接旅客を新幹線が取るのでなくて、ほかに理由が出てくると思うのですがね。観光客といってみても、新幹線へ乗って観光をするというわけには参らぬと思うのだ。そうするというと、巷間伝えられるように、景色代ということになると思うのだが、これは違うのかな。もうちょっと詳しく説明してもらわぬとわからぬ。なぜ旅客が少なくなるのか、向こうの言っている理由を説明してもらいたい。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) 近江鉄道からこちらの大阪の幹線工事局長のところに出て参りました書類、先ほど申し上げました、収入が五億一千四百万円減るといっておりましたものに書いてありますことは、新幹線敷設による当社沿線風致阻害、観光客減殺によって観光旅客運賃の収入減がある、こういうことを向こうは言っているわけでございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 そこで、その景色代ということになってくるのですが、景色代に一億円払ったというのは前代未聞だと思うのですがね。先ほど大石さんが言ったように、これは旅客が少なくなる、客が少なくなるということで収入が減る、これならばある程度の筋が立つと思うのですが、それはどうして減るのか。私はその理由もようわからぬと思う、今の説明の中身では。先ほど申したように、新幹線と近江鉄道とは全然目的が違うし、旅客の取りっこをする線路ではないのだから、まあ景色のことがあるから乗る人が少なくなると言ったって、そういうものでもないと思うのだ。これはやはり金を取るためのごね代ですか、あなたの率直なところを聞きたい。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) 私が申し上げてどうかと存じますけれども、五億一千万円を、こういうためにお客さんが減って、その損害をこうむるから、その補償をしろということにつきましては、これは非常に数字が大き過ぎるというふうに考えております。しかしながら、私たちは、これを根拠にして算定の資料にいたしたのではなくて、先ほど申し上げましたように、全面的に高架にさせられた場合には四億かかる、これを四億以内に何とか押えていこうということに重点を置きまして、その七億数千万円出て参りましたものにつきまして、全面高架でいけば四億になるという、その内訳に入れていこうということで努力をいたしまして、二億五千万円のところで承知をさしたというようなのが折衝いたしましたときの重点でございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 五億一千万円なんというべらぼうな金、こんなものは問題にならぬ。それを一億になったんだから、ずいぶん安くなったんだからいいじゃないかというふうに聞こえるがね。そうではなくて、今の話でいうと、高架にするというと四億かかる。ところが、あなたの説明では、この鉄道がにわかにここで高架にするほどの鉄道ではないということになれば、これも向こうのごねる一つの材料だと思うんですが、じゃ一般の沿線の住民が、鉄道が通るから響くから、みな木造家屋をやめにして、コンクリートで建て直してもらいたい、景色が悪くなるから、みな五階、四階にして、上のほうでよく見えるように、風通しのいいようにしてくれというふうになると思うんです、話の筋からいうと。高架でなくても、鉄道は本来の目的に使用できるわけでしょう。そうするというと、国の施策としてやる仕事なんですからね。そういうふうな建前で、ずいぶん住民もがまんしているのが多いと思うんです。ところが、私鉄が、こういうふうな国の仕事に対して、高架にしてくれとか、やれ何だとかいって、七億とか幾らとかいう要請をするということは、言語道断だと思うんだが、そういう数字がひょこっと出てくるから、二億五千万円はちょっと安いようにあなたたちは錯覚を起こすけれども、もっと基本的に考えてみれば、景色代一億円というのは、これはけしからぬ。だから、低くなって見通しが悪くなるといったって、これが鉄道本来の目的が達成できないというのなら、これはたいへんな問題ですけれども、そうでなくて、それは使用にたえて、十分間に合う。それに対する設備改良についても補償をする、そうしてそれに伴うところの費用弁償もしているわけですから、これを高架にすれば四億かかるのを、この程度になったんだから安いと思われる、その説明もある程度わかるけれども、向こうの言っていることはもともとふっかけですよ。そういうふうに、今の説明の中身からいってとれるわけですがね。しかし、今ここではこれ以上は申し上げませんが、先ほどのこの会社の決算状況、役員構成、こういったものについての過去三カ年間の資料と、それから、明治二十九年に設立されたといいますが、三千四百万円の資本になったのはいつ、それで、大体この鉄道の沿革をたどって、どの程度配当したことがあるのか、幾年ごろから無配になっておるのか。まあ俗に言うと、これは厄介会社、厄介になっておる会社と受け取れるわけです、説明を聞くと。だから、たまたま新幹線が通るので、得たり賢しというふうな印象を非常に受けるわけです。そういうふうな点で、今の内容の資料と、旅客、貨物、その他の収入、そういったものについての、やはり最近三カ年の傾向を表わした数字、それからその後における——三十七年の六月ですから、もうぼつぼつ一カ年がじきにたつわけです。そうすると、最近における乗客数というもの、こういったものについてひとつ説明資料を出してほしい。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 資料をひとつ。非常に珍しい書類だと思うので、近江鉄造の出した要求書をもらいたいんですがね。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) 小酒井先生のおっしゃるのは、向こうからこちらに出した書類でございますか。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 そうです。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 それとあわせて、踏切、これは警報機をつけたり、また踏切の設備をする、そのための補修、こういうことで八千五百万円、七千二百万円——七千二百万円は十五年間、こういうことですが、こういう点について、どういうふうな施設をするのか、単価の状況を出してもらいたいと思います。  だいぶ、今聞いたところでは、直接向こうへ行ってみぬと、なおこまかい事情はわかりませんが、何かつかみ金的な、いわゆる七億幾ら出して、高架の場合には四億幾ら、そう言ってだんだんだんだん、国鉄のほうが負けさしたのだか向こうのほうが折れてきたのかは別として、二億五千万円で結着をつけて、土地が七十万円で、今言ったような設備改良が一億五千万円のうちほとんど、こういう点で、あとの一億円が風景その他いろいろの理由があるわけですが、それは資料として今小酒井さんが要求しましたので、高架に向こうがしてくれと言ったときに、しなければならないものなんですか、これはどうなんです。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) これは、地元の方々が非常に踏切の状況が今までよりも悪くなるということで、しなければならないかというようなむずかしいものではないと思いますけれども、新幹線の他の一例、もう一つこういう例があるのでございますが、そこは約三キロ新幹線と私鉄が並行しておりますが、これは全面高架にいたした構造にしております。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 それはどこですか。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) 京阪神鉄道でございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 これは私鉄の規模が全然違うね。大体実情がわかりましたので、先ほどの資料をいただいてひとつゆっくり検討さしてもらいたいと思います。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 関連をして二、三お尋ねをしたいのですけれども、東京−大阪圏で私鉄と並行をしておる個所あるいは私鉄の上を高架で通過するような個所というものは、何個所くらいあるのですか。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) 国鉄と近江鉄道のように並行しております区間は、近江鉄道と、先ほど申し上げました京阪神鉄道、二カ所でございます。立体交差——交差をしております区間は、これは相当数ございます。十数カ所ではないかと思いますが、相当ございます。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 私は、この問題が新聞などで報道をされたことが、いろいろな影響を今後も与えることになると思うのです。実は、あれを見たときに、交通ジャーナルですか、運輸ジャーナルですか、あれを私も見たときに、まさかこういうことがやられておるとは実は考えられなかったのです。ところが、衆議院で質問が出て、そうしてそれが事実であるということを聞いて、実は驚いたわけでありますが、そういう条件の中でこれだけの補償がされるなら、もっと現実にいろいろ影響を受けておる者たちが補償をしてもらうのは当然だという、そういう気持というものが非常に強まってくるのじゃないかと思うのです。そういう点について、やはりこれは非常に私は問題だと思うのですが、政府のほうでどういうお考え方か。何か、衆議院の委員会では、この支払ったことに対して次官御発言になっておったようなんですが、どうなんでありますか。

大石武一自由民主党運輸政務次官

○政府委員(大石武一君) ただいまの小酒井委員の仰せられたように、私も早い話がごね得だと思いますけれども、ごね得ということがあまり世間に宣伝されますと、これが悪例になるおそれは十分にあると考えております次第でございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 ちょっと国鉄総裁に聞きたいのですが、先般の上丸子の補償の問題のときに、総裁は社会通念上と言われたが、こういうふうにお払いになるのは社会通念上妥当だと思いますか、どうですか。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 先ほど大石常務理事から説明のありましたように、会社の要求、地元の要求等で、京阪神と同じようにこれを高架にしなければならぬというようなことは、どうも社会通念上あり得ないのじゃないか。したがって、大石常務が言われましたように、この近江鉄道の補償は、高架にするという費用をこれは最小限にして、これをより内輪に、できるだけ国鉄の負担を軽くしようということで努力いたしました結果、今申し上げましたような点で妥協をしたということだと思っております。その内訳の収入減や、先ほどお話ありましたような景色の何とかいうふうなことは、それはいろいろ問題になっておもしろくないと思いますけれども、全体をできるだけ圧縮しようということで努力をした結果、こういうふうに落ち  ついたのじゃないかと考えております。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 もう一点だけ、AFEシステムというのは、支払い方法か何かにあるのですか。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) これは、支払い方法じゃなくて、予算の執行権を総裁から現地の局長に落とします操作でございます。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 そうすると、それは一定のワクが現地に渡っておって、現地でそれを支払っていいということになるのか。これだけのものを限定をして要求をしてくれば、あなたのほうから現地へ落とすというシステムですか。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) 新幹線とかあるいは建設線といったようなものにつきましては、この場合でございますと、大阪の工事局長が、大阪の工事局長の所管の中の鉄道につきまして、新幹線を建設するためにこれだけの予算支出を認めるぞという事務的な操作が、AFEという操作であります。   〔委員長退席、理事天坊裕彦君着  席〕

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 これは、運輸大臣のほうは別に関係がなしにやれるのですか。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○説明員(大石重成君) これは運輸省とは関係がございませんで、国鉄総裁が部下の現地局長に予算執行権をゆだねるという操作でございます。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 資料をいただいてからまたお尋ねをしたい、資料を見た上で質問をさせていただくかどうか判断したいと思いますが、私はまあこれでやめます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 大石政務次官、地方鉄道軌道整備法、これの二十四条、二十五条、二十六条、どういう関係があるか、説明してもらいたい。

大石武一自由民主党運輸政務次官

○政府委員(大石武一君) 非常に法律的なむずかしい解釈なものでございますから、当面の責任者である鉄監局長にお答えさせたいと思います。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) 地方鉄道軌道整備法第二十四条は、御承知のように、「補償」とという項でございますが、ちょっと読んでみましょうか。「日本国有鉄道が地方鉄道に接近し、又は並行して鉄道線路を敷設して運輸を開始したため、地方鉄道業者がこれと線路が接近し、又は並行する区間の営業を継続することができなくなってこれを廃止したとき、又は当該地方鉄道業の収益を著しく減少することとなったときは、日本国有鉄道は、その廃止又は収益の減少による損失を補償するものとする。」、いわゆる廃止補償あるいは減益補償というふうに言われておりますが、これは先ほど岡先生の御質問にございましたと存じますが、新しくあとからできました国有鉄道が並行いたしましたり、あるいは接近いたしましたりして、いわゆる営業上競合関係になる、つまり、今までAという私鉄に乗っておったお客が、新しく国鉄が線路を作って営業を開始したために、その客が新しい国鉄の線路のほうへ移ると、こういった場合の規定でございまして、岡先生のおっしゃるように、東海道新幹線は、これは営業を開始いたしましても近江鉄道の客を奪うという関係にはないわけでございまして、したがいまして、この地方鉄道軌道整備法第二十四条は、この際には適用がない。もちろん、適用がある場合には、国有鉄道は、私鉄側と協議が済みますというと、それを運輸大臣に申請して参りますので、これで初めて運輸省としては関係が出るわけでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 二十四条の今一の項の説明をしたわけですね。それに関係をして、補償をする場合に「五年をこえてすることができない。」、たとえば補償をした場合ですね、第二項はそう規定しておるわけだな。それから第三項、四項、こういうものも、五項を含んで、運輸を開始するというときに初めて今の運輸大臣の問題が出てくるわけですね、そうですね。それには今回の場合は該当しない、近江鉄道の場合は該当しないということになると、国鉄はこの法律関係としては、地方鉄道軌道整備法というような法律は関係がないと、こういう解釈をとっておるということですね。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) さようでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 運輸省もそのとおりの考えですか。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) そうでございます。つまり、一般的な損害賠償というふうな意味で支払っておるものと解釈いたしております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 今の議論については、いずれ私は決算委員会で、こういうことは決算上の問題ですからね、決算委員会でやります。ただその解釈だけ聞いておけばよろしい。それで、法律二十四条については、一般的な損害補償ということで、運輸省も国鉄も認めておる、こういう解釈ですね。  それから二十六条、説明して下さい。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) 二十六条は、「減益補償金額」の算定方法でございますね。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 そうです。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) これをずっと読んでみましょうか。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 読んで下さい。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) 「第二十四条第一項の地方鉄道業の収益が減少した場合における毎営業年度の補償金額は、当該地方鉄道業の毎営業年度における益金が、その営業年度の営業用固定資産の価額に日本国有鉄道において同条同項の運輸を開始した日の属する当該地方鉄道業の営業年度の前営業年度末からさかのぼり既往三年間における営業用固定資産の価額に対する益金の平均割合を乗じて得た額に不足する金額以内において運輸大臣の定める金額とする。但し、毎営業年度における補償金額は、益金とあわせて営業用固定資産の価額に政令で定める割合を乗じて得た金額をこえてはならない。」と、つまり、たとえばこの国鉄が昭和三十七年度に営業を開始したということになりますと、前年度でございますから、昭和三十六年度、三十五年度、三十四年度と、三カ年間の平均の益金の割合を出しまして、それを営業用固定資産の価額に対してこれを乗じまして出した額に、差引いたしまして不足する金額以内において運輸大臣の定める金額とすると、こういうことでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 今鉄監局長の法律を読み、説明をしたことから考えますというと、これもこの法律は適用はない、こういう解釈でいいですね。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) さようでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 法律の適用であるかないか、そういうまた補償であるかないか、こういうような問題は、私ども参議院においては、三十六年度の決算が今審議中であります。総理大臣に対して総括質問をこれからするところであります。こういう問題については、決算上の問題でありますから、当委員会として、私はここで今質疑をする考えはございません。しかし、三十六年度の決算を政府が一般会計並びに特別会計を提案をしておりますから、したがって、その中で私どもは、今の政府の考え、国鉄の考えが正しいものであるかどうか、こういう点については決算委員会で審議をするにしても、いわゆる専門の問題は、これは常任委員会の問題であるから、疑惑のないように、また法律の適用が誤りないようにするのが私は当委員会の使命だと思うのです。そういう意味で、先ほどから御説明を聞いておりましたけれども、やはり問題は、支払いの方法なりあるいは金額の問題ということについては、どうもなかなか簡単に納得するような状況ではないようです、いろいろこの法律、条例等を総合してみるに。したがって、それがわかりやすくできるように、運輸省なり国鉄当局がひとつ資料でも作って説明をしたらばどうだろうかと思うのです。いわゆる巷間に国鉄の不信を出されるということは、私どもはまことに遺憾である。そういうことがあってはならない。必要な経費というものは、これはもう当然払わなければ、近代社会の中でなかなか工事を進めることはできない。しかし、それが必要な資金であるか、金額であるかどうかということは、先ほどのお話の法律関係等も、やはり十分適合できるようにしておかなければならぬと私は思う。  いま一つ、政府がせっかく御出席ですから、運輸省にお尋ねしておきたいのは、公共用の事業のための用地取得に対する問題についてはどういうふうにお考えになっておりますか。

岡本悟運輸省鉄道監督局長

○政府委員(岡本悟君) たしか私どもの記憶では、昨年の六月に仰せの公共用地取得に関する法律が成立いたしたと思いますが、当然東海道新幹線の工事の場合にはこれは適用があるわけでございます。そういうふうに解釈いたしております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 したがって、この次の委員会までに、いかがですか、今の関係の法律の条章を抜粋をして、それから国鉄が今回とられた措置について先ほど岡委員なり小酒井委員から資料要求がありましたが、それらの資料の提出をして、親切に説明をして理解を求められるようにする。私は、この常任委員会の場はけんかの場じゃないと思うのです。要は、いかにして問題を国民の各位に理解をしてもらうかということが、まず議員としてのあり方だと私は思うのです。そういう意味で、つまらぬ不信を出すだけが問題じゃない。あるいは、そういうことを宣伝するだけが問題じゃない。したがって、十分理解をしていただくように、やはり説明ができるように、資料を出すことが一番私は問題の解決になるだらうと思う。そろいう意味で、私は出していただく問題点として、今地方鉄道軌道の整備法というものを実は読んでいただき、また説明を求めたわけです。そういうことにひとつ頭を進められて、きょうは、まあ私がやるとなるとたくさんあるだろうし、ちょっとやそっとの時間じゃ終わらぬだろうし、それから予算の執行上という面でいけば、これは決算上の問題になるから、決算委員会で私はまたお尋ねする時期もあると思います。そういう意味で、議事を進行する意味で、以上の点を委員長と政府側に要求しておきますが、いかがですか。

天坊裕彦自由民主党

○理事(天坊裕彦君) 今の点、よろしゅうございますね。

大石武一自由民主党運輸政務次官

○政府委員(大石武一君) まことにありがたい御配慮でございます。そのように準備いたします。これは次の委員会と申されましても、問に合うように努力いたしますが、何せ一番理解しやすいようによく資料をまとめたいと思いますので、少し時間をおかし願いたいと思います。できるだけ早くやりたいと思います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 それでは、大石政務次官の誠意ある御答弁で、私は本日はこの問題についてはこの程度で終わりたいと思います。   〔理事天坊裕彦君退席、委員長着   席〕

金丸冨夫自由民主党

○委員長(金丸冨夫君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

金丸冨夫自由民主党

○委員長(金丸冨夫君) 速記を起こして。  本日の質疑はこの程度で終わることといたします。  次回は、三月二十八日午後一時より開会することにいたします。本日はこれにて散会いたします。    午後三時十二分散会

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