オリンピック準備促進特別委員会 第8号
- 発言数
- 62 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/06/12
会議録
○委員長(加賀山之雄君) ただいまからオリンピック準備促進特別委員会を開会いたします。 オリンピック東京大会準備促進に関する調査を議題にいたします。オリンピック東京大会の通信報道に関する件、東京国際スポーツ大会に関する件について調査を進めます。 なお、本日は、本件調査のため、委員長から、日本放送協会理事三熊文雄君、日本放送協会東京オリンピック総本部企画本部副本部長岡本正一君、オリンピック東京大会組織委員会事務次長佐藤朝生君、日本体育協会、日本オリンピック委員会総務主事青木半治君、以上の諸君を参考人として御出席いただいております。 それでは、これよりオリンピックの通信報道に関する件につきまして説明を願います。
○政府委員(西崎太郎君) 最初に、オリンピック東京大会における電気通信計画を簡単に御説明いたします。 御承知のように、電気通信関係につきましては、オリンピック組織委員会の中の電気通信に関する組織としまして、施設特別委員会の中に関連施設小委員会がありまして、郵政省もそれに委員を出しております。さらに、同小委員会の下部組織としまして、同小委員会に委員を出しております電電公社、国際電電、日本放送協会とともに、同小委員会の中に電気通信部会を組織いたしております。ここにおいて、上記各機関とともに、電気通信、放送に関する情報交換、総合調整等を行なっております。 このオリンピック大会において提供する必要のある電気通信サービスを大別しますと、大会運営用のため、二番目に報道用、三番目にラジオ、テレビ中継用、それから一般需要、この四つに大別されるわけであります。これらにつきましては、日本電電公社及び国際電電によってまかなわれるわけでありまして、大体におきまして、その準備は予定どおり進んでいると承知いたしております。 なお、このうちで海外通信の関係につきましては、太平洋ケーブルをオリンピック大会までに完成することが計画されております。同ケーブルは豊富なチャンネル数を有しますので、オリンピック大会用の通信並びにその他の一般的な国際通信に余裕をもって対処し得るものと考えられます。 それから宇宙通信のことも御説明申し上げます。もう一つ、このテレビのオリンピック時における国際中継といった問題とも関連しまして、宇宙通信の関係の準備状況について簡単に御説明さしていただきます。今飛んでおりますテルスター2号であるとか、あるいはリレー1号、こういった通信衛星を利用しまして、国際間にテレビを中継したりあるいは電信電話を中継するということは、これは将来の国際通信政策としても非常に重要なことでありますので、日本としましてもその世界の大勢におくれないように準備を進める必要があるわけでございまし、てそういった意味で、昨年の十一月にアメリカの航空宇宙局との間にこれを利用した実験協定、それを締結しまして、それをもとにしまして、日本側における地上施設の建設を進めておるわけであります。何分にもこの通信衛星を利用した衛星通信方式というのは非常に技術的にも困難な問題も多いわけです。非常にまた規模も、したがって資金的にも相当多額のものが必要であるということで、できるだけ国内の総力を結集してやる必要があるという意味におきまして、政府としましては、郵政省の電波研究所・それから通信事業者としまして国際電電、この両者が茨城県に宇宙基地を現在建設中でございます。その準備状況は、電波研究所の地上局は、予算的な関係もありまして多少おくれておりますが、大体完成は来年の四月ちょっと過ぎるのじゃないか、こういう予定でございます。したがって、実験の開始もそのころになるのではないかということでございます。一方、国際電電のほうは、これも現在鋭意建設中でございまして、本年の十月ころにこの運用が可能になる見込みでありまして、ただ問題は、やはりたとえば米国との間にこの衛星通信を実施する場合には、この通信衛星として適当なものがそのときに打ち上げられておるかどうかということにかかわるわけでありまして、現在飛んでおります。たとえばテルスターというものを考えますと、実はこれは軌道が常に変わる関係で、アメリカとの間に通信がしやすい時期としにくい時期と、こういうことがあるわけでありまして、来年の三、四月ころは最も適当な時期であるわけでありまして、もし今のテルスター2号がそのときにおいても正常に稼働をしておりますれば、実験が可能になるわけであります。ただ問題は、オリンピックのころにはたして適当な通信衛星が飛んでおるかどうかということが問題になるわけでありまして、この点につきましては当方としましても、先ほど申し上げましたアメリカのNASAに対しまして、これが可能になるような軌道と機能を持った衛星の打ち上げを強く要望して今まで参っておりますし、今後とも機会あるごとにこの希望を伝えて、実現するように努力いたしていく所存でございます。そういう意味で、現在このオリンピック時におきまして、実験的にせよ、オリンピックの実況が海外に中継できるということを確信を持っては申し上げる段階にはきておりませんが、われわれのほうとしましては、できるだけそれが実現するように努力して参りたい、こういうふうに考えております。
○委員長(加賀山之雄君) 次に、東京国際スポーツ大会に関する件でございますが、この御説明は前回の委員会で聞いておりますので、これより直ちに質疑に入ります。質疑の通告がございます。これを許します。岡田君。
○岡田宗司君 過日この委員会におきまして、私はプレ・オリンピックの大会に東独の選手の入国の問題についてお伺いしたわけです。主として青木さんからいろいろ御説明がございましたけれども、なお、その後私が多少調べたところによりますと、どうも納得できないものが多い。そうして、この問題につきましては、ローザンヌにおいても論議がされたようでございまして、おそらくこれには与謝野事務局長が行っておりまして、日本側としても論議には参加しておられたろうと思います。私はきょう、たぶん与謝野氏も御出席になるだろう、こういうつもりで、その際にいろいろなことをもう一度お伺いしようと思っておりましたが、今晩お帰りになるというようなことで、この点についてお聞きすることができないことをたいへん残念に思っておるわけでございます。 たとえば、この六月七日の新聞、朝日、読売等には、ロイターの電報として、『六日当地で行われた国際オリンピック委員会(IOC)と、二十五の国際競技連盟(IF)の合同会議で「北大西洋条約機構(NATO)諸国の東独選手への差別待遇をやめさせるため近くブランデージIOC会長らの特別使節団をベルリンへ送る」ことを決めたと権威筋から発表された。使節団はIOCと国際競技連盟が合同で編成するが、ベルリン行きの日時は決っていない。同権威筋によれば使節団は「常習的に東独選手へのビザ交付を拒否している西ベルリンの連合軍交通管理局と話合う」ことになっている。』、こういうことが出ておるのであります。したがって、この問題については、ブランデージIOC会長らが乗出すわけでございますので、相当重大に取り上げられておる。私はこれらのいきさつが、やはり東独選手の日本のプレ・オリンピックに参加するかしないかの問題とも関連がある問題と考えますので、与謝野さんが帰って参りましてから、いずれローザンヌの今度の会議のことにつきまして報告があろうかと思いますから、その際に詳しくお伺いしたいと思います。 なお、インドネシアの東京オリンピック大会への参加の問題につきましても、ローザンヌにおきましていろいろ論議されたことでありましょうし、またIOCのほうからもソ連選出の委員をインドネシアに派遣するということも決定されておるようでございます。その後のいろいろ発表からいたしましても、日本の調停も実を結ぶのかどうかわからないような事態も起こっておるようでございますから、それらを一括いたしまして、与謝野さんが帰りましたならば、もう一度この委員会を開いていただいて、ローザンヌの会議の報告を願いますその際に譲りたいと思います。したがいまして、私が取り上げました東独の選手の問題は、きょうはいたしません。次回に質問したいとこう思っております。
○委員長(加賀山之雄君) 岡田委員に申し上げますが、外務省情報文化局長の曽野明君に御出席をいただいておりますが、もし御質疑があれば……。
○岡田宗司君 実はこの問題について、まあ率直に申し上げまして、外務省でもって正式にこれはいけないというようなことは言わなかったにしても、そういうふうに外務省が指導したというのか、あるいは非公式な話だというのか、そういうように私どもには受け取られるような新聞記事を散見しておりません。その問題について、さきに青木さんにもお尋ねしたわけでございますけれども、なおこれには、やはり大島さんが御出席になっていただくと一番よくわかるのではないかと思っておりますが、大島さんもまだ外国へ行っておられて帰っておらぬようでございます。したがって、与謝野さんもおらぬし、大島さんもおりませんので、きょうはこの問題については私は問題については私は曽野さんに特にお伺いすることはございません。
○委員長(加賀山之雄君) ただいま岡田委員の御発言につきましては、また後刻理事会で御相談いたしまして、次回の委員会等の日取りを決定いたしたいと思います。ほかに御質疑はございませんか。
○岡田宗司君 ただいまの問題を離れまして、プレ・オリンピックにはいかなる競技にどのくらいの外国選手が参加されるか、すでに決定されておりますものあるいは大体確定できるというようなものについて御発表ができるかどうか、青木さんにお伺いしたいのです。
○参考人(青木半治君) 外国の選手は三百四十九名は招待をすることに決定をいたしております。二十競技全体で三百四十九名、また自費の参加選手につきましては百名以内ということは決定をいたしておりますが、しからば合計四百四十九名のうち、どこからどれだけの選手を呼ぶかということについてはまだ決定をいたしておらぬのでございます。
○岡田宗司君 それはいつごろ決定をすこるとになりますか。
○参考人(青木半治君) 今月末までにはきめたいと思っております。
○岡田宗司君 それからこれは青木さんのほうにお願いするのですが、東独のほうから前に申し込みがあったその選手名ですね、それがどういう種類で、どういう名前であるかということがおわかりだと思うのです。それをひとつ資料にして出していただきたいと思うのです。
○参考人(青木半治君) 今発表してよろしゅうございますか。
○岡田宗司君 はい。
○参考人(青木半治君) 陸上五名、水泳が十名、自転車が七名、体操五名、柔道三名、射撃六名、以上三十六名でございます。そのほかに科学者としてフード学——食餌学、医学の担当者を送りたいという希望でございます。
○岡田宗司君 前に青木さんが、プレ・オリンピックに東独の選手を招くときの基準として、どうもあまりいい選手がいないというようなことが、やはり呼ばない理由の一つになっていたような御説明がございましたが、つまりプレ・オリンピックに招待しますところの選手は、二十競技団体の意思を尊重いたしまして、世界ベスト・ファイブ以内を基準として決定するというようなお話でしたが、東独の選手をお招きにならない、あるいは向こうから参加を申し込まれたのに対してお断わりするというような態度をとられたのは、やはりこの問題が含まれているのですか、この点に関係がありますか。
○参考人(青木半治君) その問題はございません。各競技団体に三百四十九名を、たとえば陸上が五十名とか、あるいは水泳が四十一名、体操二十名というように三百四十九名を割り当てをいたしまして、その陸上の五十名の招待につきましては陸上連盟に、水泳の四十一名の招待につきましては、水泳連盟にすべて一任いたしたわけでございます。
○岡田宗司君 それで非公式にせよ何にせよ、東独に対して招待をしたいという競技団体はございますか。
○参考人(青木半治君) 私の手元には、重量挙協会と、クレー射撃協会が招待の手紙を出したという案内を受け取っております。
○岡田宗司君 そのクレー射撃協会と重量挙協会の招待に対しまして、向こうからすでに返事が来ておりますか。
○参考人(青木半治君) 重量挙につきましては、去年の十月の二十二日に、東独側からぜひ東独のほうに訪問してほしい、そうしてまた自分のほうとしては、プレ・オリンピックに参加をしたいという申し出が参っているそうでございます。そうして本年の二月の三日に、日本の重量挙協会のほうから、東独に対して自費参加ならば、五名程度なら招待をしたいという手紙を出しております。それに対しまして、三月の二十日付で東独側から、日本の訪問は見合わせるという返事が参っております。追って三月の二十五日と五月の二十五日の二回にわたりまして、三月二十日付の日本の訪問を見合わせるということは、再度日本に参りたいという手紙が三月二十五日と五月二十五日の二回にわたりまして通知が参っております。以上が重量挙協会の東独との関係でございます。 なお、クレーにつきましては、本年の四月十五日に自費参加であれば招待をしてもよろしいという手紙をクレー射撃協会は東ドイツに出しております。それに対して五月二十四日付で、東独側としては五名のスポーツマンに参加させるつもりであるという手紙が参っております。以上、クレー射撃会と重選挙協会の東独との関係を御説明いたしました。
○岡田宗司君 水泳につきましても、何か向こうからも参加したい、こちらからも呼びたいという意向があったのじゃないですか。
○参考人(青木半治君) よく聞いておりません。
○岡田宗司君 昨年根上コーチが東独の欧州大会に招待されて行っておる。そういうようなことからして、向こうから十人の申し込みがある。しかも、その中にはオリンピックで優勝した人も入っておるはずですから、そういう選手を日本側でも入れたいと思っておったけれども、東独の選手の施行問題がむずかしいようだから困るというようなことで、立場上たいへんおるという話も聞いておるのですが、そういうことだとやはりよくないと思うのでちょっとお伺いしたのですが、そのいきさつはどうなっておりますか。
○参考人(青木半治君) 水泳連盟のいきさつは私は存じておりません。
○岡田宗司君 こういうようにだんだん一つ一つお聞きしていくというと、とにかく招待状を出す、向こうもきたいというのがございますが、曽野さんこれに対して外務省はどうお考えですか。
○政府委員(曽野明君) 私のほうにはまだ——今初めて詳しいことを伺っただけで、何ら入国の御相談は受けておりません。ただ、委員長のお許しを得まして、せっかくの機会でございますので、ちょっと私の考え方を御参考までに申し上げてよろしゅうございますか。……実は、私政治とスポーツというものは本質的に完全に切り離してやるべきだということで非常な苦労をいたしておるのでございますが、何しろ現在の国際情勢のもとにおきまして、スポーツと政治の関係は非常に複雑なものでございまして、必ずしもスポーツと政治が完全に切り離されていない現実もあるのでございます。そこで私は、スポーツが政治的な要素を全然含まない純スポーツとして行われる限りは、政治はこれに絶対に干渉すべきではない。と同時に、スポーツ自体も政治的影響はおのずから排除して、あくまでスポーツの立場を保っていただきたい。こういうふうにしていけば、初めて政治とスポーツの関係はきれいに分離することができるという信念に仕事をやっておるわけでございます。その一つの苦労しました成果としまして、ことしの二月に軽井沢におきまして行なわれました例のスピード・スケート世界選手権大会が、わが国と国交のございません東独、北鮮のチームを入れまして、非常に円満に行なわれました事実がございます。この大会の運営につきまして、この大会の終わりました直後に、軽井沢大会での国際永連代表でありましたラフトマン国際永連副会長は、大平外務大臣に手紙を送りまして、現在の世界において、こういう国際スポーツをやる場合にいろいろの問題があることをよく知っていたが、しかし、日本の外務大臣がこういうむずかしい問題をすべて最もうまく解決してくれた、この大きな度量に感謝する。それからまた、こういうふうな政治的問題を解決しようとした私、すなわちラフトマンの努力に対しまして、すばらしい援助を与えてくれた情文局長にも感謝の意を伝えてもらいたい。それからまた、大会の運営を非常にうまく組織した竹田会長にも自分は感謝するという手紙をいただいておるわけでございます。大会の際において、非常にうまくいったのでございますが、途中で若干やはり政治が介入する動きがございました。たとえば私たちは、スポーツと政治は完全に別である、切り離さなければいかぬという見地から、各国のチームといいますけれども、これは結局地域の人々の代表である、国の代表ではないという考え方でやっていけば、きれいに大会は運営できる、こういうことで、たとえば国旗というものはやめていきたい、これは非常にいい効果があったのであります。それからまたその地域の代表という意味において、政治的なにおいのする正式の国名は使わないでおいていただく、これが非常によかったのであります。ところが大会の途中におきまして、あとで聞きますと、やはりどうしても正式の国名をアナウンスしてくれという政治的な要求があったのを、理事者がやっと断わって、混乱をしなかったというような事態もあったのであります。 したがいまして、私どもとしましては、あくまでも純スポーツの場合には、外交上の困難を乗り越えて強力に選手権大会その他の運営を援助していきたい、こう信念でもってやっております。今後もそういう考え方で私は処理していくつもりでございます。ただ現在、先ほども申し上げましたように、国際的にやはり政治とスポーツが非常にまぜて考えられる考え方もあるのでございまして、たとえば、これは六月四日の報知新聞に出ておりますが、インドネシアのマラデイ・スポーツ大臣は、こういうことをおっしゃっておるようであります。「スポーツに限らず、経済、文化を初め、この世には政治と切り離して考えられるものはない。もともとスポーツと政治が別であるという考え方は、イギリス、アメリカ、フランスが全世界を支配していた時代に生まれ、その当時にしか適用しない。」ということで、スポーツと政治は切り離せないということを言っております。あるいはまたマルクス主義の見地からいきますと、政治とスポーツと分けることは不可能であると思います。したがいまして、そういうふうな考え方の国がある限りにおきましては、どうしてもスポーツに対する政治の影響が及んでいる場合がございます。たとえば、その問題で一番私たちが苦労いたしますのは、こういう席でございますから、ざっくばらんに申し上げますが、分裂国家であります。たとえば一方の国と外交関係を結び、片方には外交関係を結んでいない場合、出てくるのはそこに国旗という問題がある。国旗という問題が、これが非常に遺憾なことでありまするが、またスポーツの大会ではそういうものは全部なくなってくれると非常にいいのでありますけれども、どうしてもそこに国旗というものが政治的要素を持ってスポーツに入ってくる場合がございます。たとえば一昨年の夏に横浜で行なわれました世界レスリン久選手権大会、これには東独の選手も参加いたしました。そのときに、初めから国旗は出さぬという約束がしてあるにもかかわらず、突然入場式のときに東ドイツの国旗を持ち出した。それでは西ドイツの側からいえば決して喜ばしいことでない。そこで外交上非常に私たち迷惑いたしたのであります。そういうふうなことがございますので、私たちとしましては、純粋に政治的要素のないスポーツ、政治ときれいに切り離していく、もしスポーツが政治に利用されている場合には政治面だけ落としていただく、そうすれば完全に運営できるのであります。こういう考え方であります。そのスポーツに政治的要素が加わるシンボルが国旗でございます。したがいまして、東独の問題も実は大してこの入国問題はむずかしいことはないのでございまして、こういう席で議論することが政治とスポーツの関係としてちょっとどうかと思うのでございますが、けさの報知新聞を拝見いたしますと大島選手強化対策本部長は、プレ・オリンピックにも統一チームで来ないかとドイツ側に聞いてもらったら、彼らはその可能性がある。まことにけっこうであります。これなら全然政治を抜きにして純砕なスポーツとして考えられる。こういうふうな関係でございまして、私といたしましては、政治とスポーツが初めからきれいに分かれていれば全然苦労はございませんが、どうしてもある場合にはスポーツに政治が入ってくる、政治の入ってきたスポーツと政治の関係は、もはやスポーツと政治の関係でなく、政治と政治のスポーツの関係でございます。したがいまして、政治を抜きにした、スポーツ、政治との関係はきちっと抜きにしていこう。そのために、ことしの二月にもIOCがローザンヌにおきまして、政治とスポーツにおける何か憲章を作ろうということをいたしておるのでございますが、なかなかそれはもめてできていないようでございますがその場合にIOCはの考えておりますのは、オリンピック、それから世界ないしは地域の選手権大会では、こういう点について政府は入国を拒否しないようにしてほしいというような憲章の作成に努力しているようでございます。私はここではっきり申し上げておきたいのでございますが、日本の政府といたしましては、そういうオリンピックあるいは世界選手権大会、こういうものにおきましては、今まで外国選手の入国を拒否したことはございません。たとえば東独の選手にいたしましても、三十一年の卓球世界選手権大会、それから三十六年の夏のレスリング世界選手権大会、ことしの二月の世界スピード・スケート選手権大会、みんな東独の選手も入っております。ことしの二月の軽井沢には北鮮のチームも入っております。ただし、その場合に政治的要素の入る国旗は遠慮していただきたい、私はこういう意味におきまして、政治とスポーツとはっきり区別するという意味におきましては、私は先生方と全然同感で、そのように大いに努力いたしております。したがいまして問題は、東京国際スポーツ大会の場合には、これがオリンピックと同じものなら、初めから統一チームできてくれるものなら、しごくけっこうであります。したがいまして、私はスポーツ関係者から入国の申請がまだ来ておりませんが、出ました場合には、政治的要素を除ける方式、これを考えて、それができるものなら、私は少なくとも外務省といたしましては、入国には問題ないように処理していくつもりでございます。ただこの点につきましては、私たちがいくらわいわい言いましてもだめでございまして、ひとつスポーツ関係者、あるいは先生方の御協力を得た上でなければできないのであります。私としましては、今後すべてのこういうスポーツが完全に政治的要素を抜きにしたスポーツとして、きちっと政治と区別して全世界に行なわれることによりまして、こういう問題に政府が苦労する必要がないような時代が早く来ることを希望しておる次第でございます。しかし、もしかりにあくまで東独の選手が国旗を持ってくるべきが当然だということになりますと、これはスポーツの問題を離れまして、これはもっと政治的な私らよりも上の人々に決定していただかなければならない問題だ、こういうことになると思います。 まあ僭越でございますが、私が今大いに努力いたしております政治とスポーツの関係につきまして、私の考え方を申し上げまして、御批判をいただきたいと同時に、御協力をお願いいたしたいと思います。
○岡田宗司君 分裂国家についてむずかしい問題があるということは、これはもう私どもも十分承知しています。しかし、従来の例から見ましても、世界選手権大会には東独にいたしましても、あるいは中国にいたしましても、北鮮も入国を許しておるわけであります。今回のプレ・オリンピックは、これはオリンピック、それからまた世界選手権大会と性質は違いますけれども、しかし来年のオリンピックを控えまして、こういう問題でトラブルが起こるということは、これはまことに遺憾なことであると私は思うのであります。もうすでにこの問題はいろいろと起こってしまっておる。それで私どもはこの委員会でも取り上げたので、この委員会で取り上げることを政治が介入したというようなことは言わないでいただきたいのですがね。とにかくあれだけ新聞に出て、そういうふうな問題が起こっておるから私はお伺いしたのです。それはそれとして、東独につきましては、前回、前々回の例もあるし、どうしても国旗を掲げなければならぬなんということを正面に出してそうして交渉してくることもなかろう、前々回の例、あるいは前回の例からして、すなおに参加を申し込んでくる、あるいはこちらからも招待状を出すということでございますから、私はそれは分裂国家については非常にいろいろむずかしい問題があることはよく承知しておりますが、特に東独と西独の関係はあのベルリンに壁を作って以来、非常にむずかしくなっておることもよく承知をしておりますけれども、IOCにおいても、とにかくブランデージ会長自身が乗り出して、ベルリンへ行って連合軍の当局と交渉をしようというような際ですから、私はこの問題についてはIOC、また外務省に前向きに解決していただくように要望したいのです。いずれこの問題につきましては、与謝野さんがお帰りになりましてから、なおお伺いしたい問題がありますが、それはIOCがこういう場合にどういう態度をとったかということが議論された結果、あのブランデージ会長なんかを派遣することになったのかどうか、そのいきさつ等について詳しい報告があれば、また日本の場合についても東独選手の参加——特に優秀な選手もおるのでありますから、その参加を望めることになると思うので、与謝野さんが帰られましたら、ひとつこの点についてお伺いしたと思います。
○藤田進君 電電公社のほうへお伺いしたい。 今提供された資料を見ますと、新局建設に伴ってかなり設備を増強されるわけですね。これはそろばんをはじけばわかるけれども、合計東京都で幾らくらいふえるのですか。
○政府委員(西崎太郎君) その関係につきましては、電電公社から担当の者が見えておりますから、そちらから説明さしていただきたいと思います。
○藤田進君 だから電電公社へ質問している。
○説明員(佐藤睦君) ちょっと今の御質問の趣旨が……。
○藤田進君 今ここに新設される局、あるいは現局利用と分けてあるが、新設される局の設備数は幾ら端子がふえるのかという質問です。合計すると幾らか。
○説明員(佐藤睦君) お答え申し上げます。 ただいまお手元に差し上げました資料の五の五ページに、オリンピック東京大会競技場等関連電話局一覧表というものを掲げてございますが、私のほうのオリンピック通信対策の準備といたしましては、大体オリンピック時に発生する需要がどのくらいであるかということをまず把握しなければならないのでありますが、先ほど郵政省のほうから御説明がありましたように、大きく分けまして、大会運営用とそれから新聞報道用と一般公衆用と、このようになるわけでありますが、この需要予測につきましては、われわれは大体過去のローマ大会の例並びに従来日本で行なわれている国体の例などる参考にいたしまして需要予測をやりました。その結果、大体全部の需要が、回線数といたしましているところでは、約一万八千回線くらい需要が出るのではないか。これは需要種別といたしますと加入回線と専用回線、こういうふうに分けられるのでございますが、こういうような需要に基づいて、われわれとしては局建を計画し、また現局の設備と端子増設をやるということで考えてございます。したがいまして、ここに書いております設備の、たとえば国立競技場の利用電話局は青山ということになっておりますが、大体一万一千端子増というふうに書いてございます。それからそのあとに関連電話局の端子増の数字も書いてございますが、これは今言いましたような需要予測に基づいて一応これをやっておる。ただこれは、オリンピックのための通信需要ばかりではなく、現在公社が本年度から実施しております第三次五カ年計画との関連においてこれを計画しておるというふうに申し上げたほうがいいんじゃないかと思います。われわれといたしましては、先般当委員会において、昨年六月ですか御報告申し上げましたように、オリンピック関連の通信需要につきましては、第二次五カ年計画並びに三次五カ年計画の通信設備というものを既定方針に沿って進捗さすと同時に、オリンピック関連電話局の通信設備については繰り上げまして、需要に対処するというふうに考えておるというように申し上げたのでありますが、そうい意味においてこの表をごらんいただければけっこうだと存じます。したがいまして、この設備の合計数は、ちょっとまだここに集計しておりませんが、この中にはオリンピックと一般需要充足との両方の設備が書いてあるというふうに御理解願いたいと思います。
○藤田進君 いや、その数字は、今時間があれば、すぐにでもできると思うのですが、僕の聞きたいのは、第三次五カ年計画によれば、いつまでに幾ら端子増をするのだと、ところが、ここにオリンピックという特殊の需要がある。したがって、五カ年計画よりも幾ら設備の増設をするということになるのか、そうして将来五カ年計画よりもはみ出た、オリンピックのためにはみ出たものがあるとすれば、東京はどういう加入希望者と設備現有との関係の競争率というか、加入率というものがどういうものになるだろうか、これが一つ。 それから地方都市、あるいは農村を含めた地方局等においてもかなり希望申し込みが多いですね。それらの割合等がどういうふうになる、だろうかということを知りたいのです。
○説明員(佐藤睦君) まず第一点についてお答え申し上げます。現在電信電話公社におきましては、第三次五カ年計画、三十八年度から着手いたしたわけでございますが、加入数で申しますと、三次五カ年計画に五百万加入者増設をやるということになっておりまして、このオリンピックの通信需要につきましては、大部分が臨時需要でございます。したがいまして、あくまでそのワク内でもって措置するということに考えてございます。ただいま先生がおっしゃいましたように、そのワク外でもって措置するということでなく、あくまでワク内で措置するというふうに御了承願いたいと思います。 それから第二の加入者の充足の点でございますが、来年行なわれますオリンピック東京大会は、競技場がまあ東京を中心といたしまして、ここに書いてございますように、江の島、葉山、相模湖、所沢、朝霞というふうに書いてございますが、こういうふうに電電公社の管轄から申しまと、東京通信局、関東通信局、信越通信局というふうにまたがるわけでございますが、われわれといたしましては、加入者充足につきましては、既定の三次五カ年計画を発表したとおりに充足率を三次五カ年計画の終了年度四十二年度までに九三%くらい達成さすというふうに考えてございます。
○藤田進君 オリンピックを成功させなければならないというのが国民の気持だと思うんです。ただ、その反面に、通信施設のみならず、それぞれその他の予算がオリンピックのために相当食われて、地方においてはやはりしわ寄せを食うんだというまた声もあるわけなんです。それが今の説明でいくと、五百増設するという五カ年計画のワク内において東京並びにその周辺を臨時に増設すると。しかし、加入者がふえるかもしれないが、設備自身は、各地の建設工事を見ても臨時じゃない、恒久的なものを作っておられる。そうなると、五百万のワクというものがこのために相当食われることになるので、したがって、地方においてはそれだけ五カ年計画の小さいものを受け取ることになる。それで地方は非常に加入できないということで各地とも停滞をして、なかなか何年待っても加入できないということが、五カ年計画にもかかわらず出てくるという点を私は何とかできないものだろうか。これは仕方がないですか。
○説明員(佐藤睦君) ただいまの点につきましては、予算的に申し上げますと、オリンピック関係の計画といたしまして、電話局の局建を繰り上げましたのは、第二藤沢、青山電話局、それから青山に設置する予定のTRC、すなわちテレビ中継センターなどがございますが、これが十九億でございます。そのほかにオリンピック東京大会の関連道路の整備拡充に関連した線路工事というのが七十六億で、合計九十五億というのがオリンピックの直接関連の工事費と申せば申せるのでありますが、現在公社といたしまして、すでに発表いたしました五百万増設で、予算的には約一兆七千九百億の範囲内でもってやろうというふうに考えてございますが、最近の実態は、オリンピック関連道路の整備拡充に関連した線路工事費が非常に多額に上っておる。ことに、線路工事などの支障移転工事をやらなければなりませんので、非常に工事費が多額に上っておるという点で、それに対する予算措置をどうしようかという点については公社としてもいろいろ苦労しております。この点については、今後国会方面の皆様方のいろいろ御協力を得なければならないと思いますが、われわれといたしましては、そういうような問題につきましては、新技術の採用とか、設計の経済化とか合理化ということによって、何とか現在の計画の資金のワク内で措置できるものはしたいというように現段階では考えております。
○藤田進君 だから、結論的には、四十二年完成予定の五カ年計画のワク内でオリンピックも臨時を含めて増設をするということになれば、結局オリンピックに直接関係のない地方地域においては、オリンピックがなかりせば、それだけもっと設備が増強されるんだが、その分だけは東京周辺に食われると、そういう結果になるんですか。なるんでしょう。
○説明員(佐藤睦君) 食われればですね。
○藤田進君 いや、今の説明でいきますと、五百万増設が五カ年計画でしょう。そのうちオリンピックのために臨時等を含めて、今ここの表に出ておるようにかなり大きな、来年の四月までに完成をするということになれば、それは別の予算なり計画を持たれて、従来の五カ年計画というのはオリンピックよりは別途に計画されるというのであれば、地方においてはさしてしわ寄せを食ったという感じは受けないし、事実そうなんですがね、その点がどうなのか。今の説明では、結局オリンピック関係ということで相当量食うから、新設されるのですから、これは臨時といっても、設備そのものは恒久的設備にされております。電話局等の今建設を見ても。そうなると、それだけの予算というものが地方に増設すべきものを食い取ることになるという説明のように思う。それでは地方はますます困るので、そうでないような予算措置なり計画はできないものか。
○説明員(佐藤睦君) ただいま御説明申し上げましたように、大体オリンピック需要の通信設備については、二次五カ年計画の遂行と、三次五カ年計画の一部を繰り上げてやることによって対処すると申し上げました。今の段階ではそういうような方針で対処しておりますので、オリンピックのために、たとえば地方の電話需要の充足が圧迫されるとか、おくれるというふうには現段階では考えておりません。
○藤田進君 でも数字的にそうなりませんか。五百万台というのが五カ年計画なんでしょう、これに伴う予算。しかし、オリンピックがないということになれば、臨時の急激に増加する需要というものはまあないと見ていい。オリンピックのないという形の伸びしかない。しかし、オリンピックということで、かなり、ここに書いてあるような新局建設を必要とするわけです。これは五カ年計画を繰り上げてやるのではあるけれども、五カ年計画の中に食い込んでいくわけです。繰り上げてね。そうすると、オリンピックというものは、かなりここでもわかるように大きな需要を予想されておるわけだ。したがって、それだけはオリンピックが終われば、臨時のものは一応局のほうへ返還されることになるんでしょう。あるいは、そのまま恒久的に切りかえるのも中にはあるでしょう。しかし、全体として五百万というものがきまって五カ年計画になっているのだから、それだけ地方に配分すべき計画というものを少しずつ削ってしわ寄せをして東京に持ってくる、こうなりませんか。
○説明員(佐藤睦君) それでは具体的にお答え申し上げますが、たとえば本年度大体電話増設は七十万ということに予定しております。東京通信局、東京都内で申し上げますと、大体十五万くらいを増設するということに考えております。そうして、この表をごらんになってもおわかりのように、オリンピック用関連収容電話局というのが東京都内の電話局にだいぶ書いてございますが、大体オリンピックの臨時通信需要に対処しますれば、そのあとは一般需要に振り向けるわけでありますし、あくまで、今言いました十五万もあれば、そのワク内で対処できる数字でございますから、その点は、そう地方の局建とか、関連の施設を圧迫をするということがなくできると考えております。
○藤田進君 用意がなければ困難でしょうが、地方の加入可能な率ですね。かりに電話一に対して加入申し込みが五十のところもあるし、百のところもある。大体計算としては全国的に、重要度等もありましょうけれども、数字の上では一台に対して十なり二十なりという数字が出れば、どこの地域も大体そういう競争率というのが望ましいのではないか、政治としては。しかし・東京の場合はかなり緩和されてくる。オリンピックのいい影響を東京都内で受けて、臨時が今度常設できるわけです。ところが、その反面、かなり前から加入申し込みしていてもなかなか架設してもらえないという大きな格差がつきはしませんかね。これで。
○説明員(佐藤睦君) その点につきましては、全国の三十七年度末の加入者充足率、ここにデータを持っておりませんが、その平均充足率に対しまして、東京は非常に通信需要が熾烈と申しますか、積滞が多いという点で、東京を今申し上げましたように、局建をやり設備をふやすことによって、地方との不均衡を来たすということはないと思います。
○藤田進君 これはデータをまたもらって検討さしてもらいます。
○岡田宗司君 電波管理局長にお伺いをいたしますが、テルスターによるテレビ国際放送、どうも先ほどのお話ですと、あまり見込みがないようなことですが、この資料によりますと、「中継実験実現のためには、リレー2号をふくむ新たな衛星が打ち上げられねばならない。わが国としては、東京オリンピックの国際テレビ中継実験を短時間でも実施したいと考えており、かねてより米国NASAに対し、これが可能となるような軌道と機能をもつ衛星の打ち上げを強く要望してきたところであり、今後も機会あるごとにこの希望を伝え、実現するよう努力してゆくつもりである。」こういうふうに書かれておりますが、実際にNASAとの交渉についてどの程度まで行なわれておるか、また、見込みについてはどういうふうにお考えになっておるか、これをもう一度お伺いしたい。
○政府委員(西崎太郎君) 御承知のように、先ほど申し上げましたの通信衛星の実験協定というものができまして、その結果、日本も西欧の諸国と一緒に地上委員会というものに加入いたすようになりまして、実は先般もその委員会が南米で行なわれまして、実はその際、余談ですが、実際に衛星通信によって南米と東京と電話通信をやった、こういうこともあったわけでありますが、そういったいわゆるNASAとの打ち合わせの機会が年に何回かあるわけでございます。そういうときに日本の要望も強く反映いたすとか、あるいはまた、こちらから先方に係官が行った場合、できるだけの機会を利用しまして、先方にこちらの意のあるところは通じてあるわけであります。何分にも御承知のように、通信衛星を打ち上げるというのは、アメリカとしましても相当予算的な措置を必要とするわけであります。それとの関連で現在のところ、はっきり責任のある回答は得てないわけであります。先ほど申し上げましたように、われわれのほうとしまして、そういった機会をできるだけ利用しまして、何とか実現するようにしたい、こういうふうに考えております。
○岡田宗司君 アメリカの六三、六四年度の予算ですね、これでNASAの予算もずっとふえていますが、この中には、やはりテルスター等の打ち上げに対する予算も、六二、六三年の予算よりもふえておりますか。その点は御研究になっておりますか。
○政府委員(西崎太郎君) 実は今はっきりした資料を持ち合わせておりませんので、もしお許しいただければ、あとで資料ででも提出させていただきたいと思いますが、当然この通信衛星用の予算はふえておると思います。まあ非常に専門的で恐縮ですが、たとえば今飛んでおりますリレー衛星というのがございますが、それの第二号というのもこの年内には打ち上げられる。あるいはまたちょっとこれは方式は違いますけれども、静止衛星と申しまして、地球を同じ速度で飛ぶために、事実上相対的には静止していると、こういった衛星の打ち上げも計画されておるわけでありますが、先生の今お尋ねの予算的な問題につきましては、あとで資料としてお答えさしていただきたいと思います。
○岡田宗司君 この問題はあなた方ですね、今こちら側の郵政省関係あるいはNHK関係等、この方々とNASAとの直接な折衝で行なわれているようですが、オリンピックの問題はやり何といっても国家的の問題ですから、これは外交交渉でアメリカ側と何か話し合いをすると、外務省のほうでアメリカ側を通じて話をするというようなことは行なわれておらないのですか。
○政府委員(西崎太郎君) まだ正式に外交ルートで申し入れをしておるということはないわけであります。場合によりましては、そういう点もひとつ考えさしていただきたいと思います。
○岡田宗司君 これはやはり急ぐということ、特に実現を確実にするという点については、やはり外務省を通じての交渉ということが私は必要じゃないかと思うのです。そういう点で十分御一考を願って、そしてアメリカ側も予算をふやしておることと思うので、したがって、早く実現のできるように一そうの御努力を願いたい、こういうふうに考えます。 それからNHKの方にお伺いしたいのですが、この国際放送についての準備ですね。場合によれば実験は可能であるし、それからさらに、もしアメリカ側でもって来年度の予算が十分組まれておって、そして来年の十、十一月の候に適当な通信衛星が飛ぶというようなことになっておれば、実際可能なことになるわけですが、それに対するNHK側のほうの技術的準備というものはもうできておるのでしょうか。
○参考人(三熊文雄君) ただいまの御質問にお答えいたします。 通信衛星につきましては、先ほど西崎局長からお話のありましたとおり、郵政省、それから電信童話公社、国際電信電話、NHKと、この四者が実験協議会というものを作りまして、おのおの分担をきめてあります。それでNHKの分担になっていますのは、この衛星を利用する場合の放送関係、これを受け持てということになっていまして、それにつきましては、今のお話のとおり着々と研究を進めています。 現在おも立ったものを申し上げますと、それに必要な送信機の研究、受信機の研究、それから同時にそういう衛星を使います場合には、現在のテレビジョンの信号の幅をできるだけ少なくしていくということが通信上非常にいいという点がありますので、いわゆる帯域を圧縮する方法、これらにつきまして現在研究を着々進めていまして、今のお話のとおり、われわれの見通しからいいますと、いつ何どき通信衛星が上がりましても、十分にそれにこたえるだけの技術的な自信を持って進めておるという現状でございます。
○岡田宗司君 それから、たとえばオリンピックのときに、通信衛星でどこへでも全部送られる、結局テレビ用のフイルムで撮って、それを外国へ航空機か何かで送るという方法がとられるわけですけれども、それらについてすでに研究はできておると思うのですけれども、たとえばアメリカへ送って、それが放送されるまでにどれぐらいの時間がかかるか。ヨーロッパへ、特にまあロンドンとかあるいはパリとか、ベルリンとかボンとかというようなところへ送られて、どれぐらいの時間がたてば向こうで放送可能なのか、その所要時間をお教え願いたい。
○参考人(三熊文雄君) 現在いろいろななま中継に対します方法を考えておるのですが、なかなかそれができないという点で、もし今のお話のとおり飛行便で送るということを考えますと、一つには航空機のジェット機を使うという点で、御承知のとおりアメリカまで、現在のままでいきますと、あれでどれぐらいですか、十何時間程度で行くと、ただ問題はその方式が、アメリカと日本の方式は一緒で、向こうの局へ送りますと、すぐさま全国中継ができるわけですが、ヨーロッパにおきましては方式が違うわけです。したがって、日本で撮りましたそういうフィルムはいいのですが、いわゆる録画した、VTRというほうになりますと、方式変換をしなきゃいかぬ、それに時間がかかるというので、あとは航空機だけの問題と思います。その方式変換だけは大体一時間以内くらいでできると思います。あとはジェット機の早さだけでいいと思います。はなはだ申しわけないのですが、その時間的なあれはちょっと私よく……。
○岡田宗司君 ヨーロッパの場合は、各国と契約してやるんですか。それともユーロビジョンでやることになるのですか。
○参考人(岡本正一君) ヨーロッパと申しましても、西ヨーロッパ側のことを申し上げますが、西ヨーロッパの各放送局の連合体でございますのは、EBU、ヨーロッパ放送連盟、現在われわれが組織委員会から委託を受けまして予備交渉を行なっております相手は、このEBUでございます。このEBUは大体テレビジョン関係で十七カ国からなっておりますが、先ほど三熊参考人から申し上げましたように、方式がイギリスあるいはフランスあるいはドイツ、イタリーというふうに全部異なっております。したがって、まだEBUの技術委員会ではその放送方法について最終的な結論を出しておりませんけれども、かりに想定で申し上げれば、東京から北回りの飛行機でコペンハーゲンに空輸いたしまして、コペンハーゲンにおいて放送を出しますと、それが方式が変換されておりますれば、西ヨーロッパ十七カ国に同時に放送されるということになります。したがって、現在ヨーロッパ放送連盟の幹部の考え方では、飛行機の進歩等もにらみ合わせて、東京から十時間たてばコペンハーゲンから送信ができるのではないかというふうに申しております。
○岡田宗司君 東欧諸国のほうはどういうふうになりますか。
○参考人(岡本正一君) ソ連並びに主として東ヨーロッパの諸国の放送連合体は、OIRTという略称で呼ばれております。で、昨年末パリでわれわれ関係者とOIRTの幹部と第一回の会合を開きまして、放送権契約の下交渉を行なっております。その後は文書の交換で交渉を行なっておりますが、ほかの国は大体予備交渉を完了しておりますが、OIRTとは予備交渉が完了というところまで参っておりません。近くできるだけ早く向こうの要望を聞いて早く契約の交渉に入りたいと思います。
○委員長(加賀山之雄君) ほかに御質疑がおありの方はございませんか。——別に御発言もないようでございますから、本件についての質疑は本日はこの程度にいたします。 参考人各位にお礼を申し上げます。本日は御多用のところを御出席いただきまして、まことにありがとうございました。本委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。今後とも一段の御協力をお願い申し上げる次第でございます。 それでは、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十分散会