予算委員会第二分科会 第6号
- 発言数
- 291 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/02/22
会議録
○今松主査 これより会議を開きます。 昭和三十八年度一般会計予算及び昭和三十八年度特別会計予算中、厚生省所管を議題といたします。 厚生省所管に対する質疑は、本日をもって終了することになっておりますので、質疑者がきわめて多数でございますから、質疑は一人三十分以内に終わられますよう、質疑者各位の格段の御協力をお願いいたします。当局におかれましても、質問時間を非常に制限していただいておりますので、御答弁は明瞭簡潔にお願いいたします。 質疑を続行いたします。足鹿覺君。
○足鹿分科員 厚生大臣にお尋ねをいたしますが、御存じのように農業基本法が制定をされ、その重要な条項、すなわち選択的拡大条項によりまして、政府が成長農畜産物として果樹、酪農、その他食鶏等の畜産物を奨励して参りました。なかんずく酪農を中心に昨年来の増産は目ざましいものがございまして、牛乳におきましても想定の一三%を一五・五%と上回り、また最近政府が着手をいたしました三十七年度構造改善事業におきましても、パイロット及び一般地区を通じて、二百五十地区中四〇%以上が畜産であり、特に酪農が中心であります。また一方、一般農家も畜産の多頭飼育、大型化等によりまして、今後牛乳を食料としての増産をすべき体制はほぼ整い、今後も拡大をする予定であります。これについては政府に重大な責任があるわけでありますが、かかる情勢下にあって、皮肉にも昨年の今ごろは豚肉が大暴落を来たしました。また昨年末から本年初頭にかけまして、すなわち十二月十一日に大手四大乳業メーカーが、一方的に乳価の値下げを通告し、消費者価格とは別に、酪農家とメーカー間にこれをめぐって紛争が惹起いたしております。国会でも、これは農林水産委員会または予算委員会、本会議等においても大きく取り上げられ、政治問題化しつつあることは御案内の通りであります。 二月七日の農林水産委員会は、異例の措置をもって委員長提案によって、メーカーの一方的牛乳の値下げ中止を行なうことを決定し、もしこれに従わない場合は、公庫融資等において、行政措置でもって制裁措置を講ずるという、きつい決議までいたしております。そしてまた一方、消費拡大の決議をいたし、なかんずく来年度より実施をされます学校給食の八万五千トンに達する拡大を、でき得る限り国産牛乳等を使用すべきことをもあわせ決議をし、その他必要な条項を取り上げて決定をいたしておるのであります。 政府は、この乳価値下げの問題に関連をして、乳製品の滞貨の買い上げをしながら、乳価の値下げを復元するということについては、いまだこれを実行いたしておりませんが、ともかくもこういう情勢の中にあって、私は、政府たかんずく特に厚生大臣として、牛乳等を食料として大衆化し、病弱者はもちろんのこと、妊産婦あるいは学童その他集団飲用を行なうとともに、一般家庭への消費拡大対策を考えておられるのかどうか、基本的にはこのような情勢に備えて、ただ単に農林省は増産すればいいというものではございません。厚生省といたしましては、従来この牛乳その他の大衆化、消費拡大の隘路がどこにあったかを検討し、牛乳等を食料として、これを大きく保健衛生の上からも取り上げて普及をしていく、その基本について、厚生大臣はいかにお考えになっておりますか。この際事務当局の意思ではなくして厚生大臣みずからの御所信を明らかにしていただきたい。
○西村国務大臣 この前も予算委員会で足鹿先生の御質問にちょっとお答えいたしたのでありますが、もう牛乳は完全栄養食でございまして、戦後でもこれをやや国民に普及しましたから国民の体位も非常に向上いたし、このために見るべきものがあったと思うのであります。従いまして、私たちといたしましては従来もこの集団飲用あるいは店頭等における販売につきましても奨励をいたして参ったのでございます。さらに学校給食の問題は、これは文部省でございまするが、私の方といたしましても妊産婦等に対することも考えてみました。しかしこれは予算上の措置を講ずることができなかったのでありまするが、いずれにいたしても、牛乳あるいは乳製品の販路、使用拡大というものに対しましては、私たちの方も格段の力を尽くしたい、かように考えておる次第でございます。
○足鹿分科員 先日も予算委員会において基本的にお尋ねをいたしましたが、厚生大臣は実情についてよく御存じない点があるのではないかと思う。要するに、国内産牛乳あるいは乳製品の消費拡大をはかっていくためには、先ほど指摘いたしましたように、病人、病弱者、妊産婦、学童その他の集団飲用あるいは低所得者に対する飲用対策、あるいは農家の還元対策等、これらを行なっていかなければならぬと思います。そのためには特定の場合の食品衛生法の緩和が当然問題になってくるのであります。学校給食が残念ながら八万五千トンも、国内牛乳の四四%にも当たるような大量を、アメリカの放出物資を使わなければならないという事態に至っておるということも、要するに国産牛乳の消費拡大をしていくためには、現在の食品衛生法の規制があまりにも前近代的である。明治、大正時代において牛乳が希少価値として取り扱われた、あるいは薬のような取り扱いを受けたときと五十歩百歩の取り扱いをあなた方はしておられる。食品衛生法の適用を通達等によって緩和をしておると逃げられますけれども、食品衛生法そのものはやはりその時代のものを受け継いでおる。そこに大きな消費拡大の隘路があるとはお考えにならないのでありますか。この点について大臣の基本的な考え方を伺いたい。
○西村国務大臣 厚生省の立場は、もちろん国民の体位向上、なかんずく妊産婦あるいは幼児等の体位向上のために牛乳の使用の拡大をはかることはもちろんでございまするが、もう一つ私たちの方は衛生面からそういうことの取り締まりをやっておるのでございます。今先生の御指摘のように、われわれの方でやっておる取り締まりがあまりにきついために、非常に流通を妨げておるというようなことがありますれば、もちろんこれは直さなければならぬと思います。しかしそれを改善いたしまするにつきましても、それはあくまでも衛生上の見地からで、最小限度のことはやらなければならぬと思うのでございまして、手放しでどうこうするというわけにはいかないのでございます。従いまして、法の改正がありまして、あるいはその法の改正からまた農村等につきましては特別の緩和措置を講ずることも十分通達をいたしておるのでございまするが、ただそれがあまりにPRができていないために、今お尋ねのような、あたかも衛生上の取り締まりが非常にきびしいからそのために非常に一般の妨げになっておるということのように聞き及ぶのでございます。私は、手放しにやるわけにはいきません、最小限度のことはしなければならぬけれども、それによって阻害されるということがないようにしたい、もし阻害しておるという事実がありますれば、いろいろ御教示を願いまして改めていきたい、かように思っておる次第でございます。
○足鹿分科員 それでは私はその事実をここに指摘をいたして申し上げたいと思います。これは学校給食用の牛乳の供給事業実施上の問題点について五県にわたって調査をしたものでありますが、大体において県の衛生部の指導がきびしいということ、食品衛生関係では容器の規制を受けるからやりにくいということ、従って、粉乳が格安であり、中学校においては国内牛乳をやろうとしても施設がないというように、明らかにその事例はあるのであります。ごらんになりたければあとでごらんに入れますが、厚生省はもっと現実の姿を見ていただきたいと思うのです。そうしないと実情に沿わないのではないか。十三日の私の質問に対して、酪農振興のため、食改善のため私は農林大臣等とも連絡をとり、そういう不便がありとすれば事例に即応して牛乳の普及には十分努めて参ります、と答えられ、ただいまもきわめて誠意のある御答弁ではありますが、具体的に事実をよく御存じありませんから、要するに昭和三十年一月十八日の農協関係への通牒あるいは三十年の三月三十一日の集団飲用の促進に関する通牒等を出しておるから、これで大体間に合っておる、今秋が指摘しておるような障害は大体起きておらないというふうに大臣はお考えになっておるようでありますが、それは間違いであります。そういう考え方でこの問題を処理されていきますと大きなあやまちを犯すことになる。大臣の御意思とは別な方向へ事態が進むということであります。つまり都道府県当局は、申請があっても法律そのものが生きておりますから、よほどの条件が整備しない限りは大部分は許可しておらないのが事実であります。この通牒は空文化しておるのであります。だからこういう通牒を出されるならば、先ほど前段に述べたような、今日の情勢に即応して食品衛生法自体をそのものずばりで改正されて、実情に沿うようにやるという御言明を少なくともこの機会になさって、そうして現地の調査をされ、どういうふうにこれを改正していくか、措置するかということについて、この機会にはっきり御言明のない限り、私どもはこの問題はこれ以上に発展をしていくであろう。酪農の現状から推して、スタートから大きなこういうつまずきを来たしておる今日において、もっと政府が総合的な立場に立って判断をされていかなければならぬ。農林省を突っ込むと、これは厚生省がこうだと言い、厚生省は通牒を出しておるから事足りておる、こういうことではぬらりくらりでさっぱり実際問題は解決いたしません。いかがされますか。食品衛生法を再検討する、そして善処するというお約束はいただけませんか。
○西村国務大臣 先般もお答えをいたしましたが、この問題には今度の学童に対する給食の問題等がありますので、今先生が御指摘のように非常に不便をこうむっておるというようなことであります。私どもの方は一片の通牒ではなくて、それを徹底的に周知徹底させれば、この集団飲用の場合でも大型の容器を使うことができるようになっておりますが、本法が生きておるためにそれがどうも徹底しないのだということになれば検討します。しかしいずれにいたしましても、これは文部省と農林省と私の方と密接な連絡をとらなければならぬので、去る二月の十八日に牛乳、乳製品関係各省連絡会議を開催することになりました。その連絡会議において一つ打ち合わせをいたしますとともに、特別承認規定によって通牒を出しておりますが、通牒を出すよりは本法を改正する必要があるんじゃないかということを御指摘のようでございますが、私は誠意を持って研究してみたい。連絡会議は三省間で直ちにやるということに今打ち合わせができております。いずれにいたしましても現在の酪農事情にかんがみまして、牛乳、乳製品の消費の増進をはかりたい、健全なる酪農の発達をはかりたい、かようで三省の会議を持つことは決定いたしまして、近く第一回の会合もありますし、また私の方といたしましては、法自身につきましても、実情がそれに合わないようでございましたら十分検討をいたしたい、かように思っておる次第でございます。
○足鹿分科員 少し前進をした御答弁をいただきましたので、いま一応念のため申し上げておきますが、たとえば先ほど述べました三十年一月八日付の環境衛生部長の通知、農業協同組合等が設置する牛乳の集団飲用促進のための施設につき協力方依頼について、というようないわゆる通牒、あるいはまた同年三月三十一日の集団飲用等の牛乳飲用の促進についてという知事あてに出した一片の通牒では、これは片がつかぬのですよ。これはその当時はあるいはそれでよかったかもしらぬ。しかし私どもは、これは長いこと十年にわたって叫んでおることであります。もうそろそろ厚生省も腰を上げられて、三省連絡会議をおつくりになったそうでありますから、大臣の裁断によって思い切った改正を行なっていただきたい。たとえば殺菌などの、製造方法につきましても、施設の基準がきわめてきびしい。少なくとも一石当たり七十万円以上の施設費がかかる、こういうような仕組みになっておるのであります。また牛乳の販売用容器は、透明のガラスびんであるということが法律に規定されておるのであります。一合以上のガラスびんであるということになっておる。ところがこの間も農林水産委員会で問題になりましたが、ある会社は家庭用にも持ち込んでおると言っておりますけれども、大部分が一合びんなんです。これはこの間も申しましたように、一合びんでありますと四十回しか使用にたえない。一合びんは十二円かかりますが、そうしますと一合びんについて三十銭の負担を消費者はしなければならぬ。毎日家庭で五合ずつ飲めば三十銭といえども一円五十銭ではありませんか。年間にこれを計算してごらんなさい。大きなことになります。従って、こういうところにももっとカン装を必要とする段階もきておりますし、この包装規制の問題にいたしましても確かに一つの問題点は出てきておる。また保存につきましても、殺菌後直ちに十度以下に冷却が必要だということをきめておる。農家が集乳カンによって集めたものを学校の煮沸殺菌場へ送って、そこで栄養士が殺菌をする、そうしてこれを子供に冷蔵庫に入れておいて飲ませる、あるいは集団飲用において飲ませる、病院等はそれぞれ配給容器によって飲ませる、可能ではありませんか。何も不都合ではないと私は思うのであります。そういうことが事実上においてできないということは——大臣はいろいろ対策は講じておると言うが、事務当局の説明をそのまま受け取られたのではこの問題は前進しない。事務当局も別に他意あってなさるわけではありますまい、あなた方がメーカー側の立場に立っておられると私は邪推はいたしません。もっと真剣に考えられるでありましょう。一斗カンにカン装したときは、一合が非常に安くつくのでありまして、一合びんの場合よりも二円ないし二円五十銭軽くなるわけであります。そういう計算は、これは専門家にわれわれはしてもらっておるのであります。そういうふうに実例をあげれば切りがありませんが、とにかく食品衛生法というものの内容を——その三省連絡会議とやらはどういう権限に基づいたものかは知りませんが、問題は厚生省自体が、食品衛生法をこのままに戦後十年も、二つや三つの通牒でほおかぶりをされたというところに問題があるのでありますから、ぜひこの点については御善処を願いたいと思います。 これに関連をしまして、乳飲料等の規格は野放しでいいのかどうか、これに対する大臣の御答弁を願いたいと思います。
○西村国務大臣 いろいろお話がありましたが、実は私も牛乳それ自身の問題には、足鹿さんのおっしゃったように詳しくはありません。詳しくはありませんから、事務当局の話を聞いて申し上げておるのでございます。しかしある県におきましては、特別承認規定を使ってやっておる県もあるやに聞いておりますが、徹底しないということでありますから、今度は三省会議があって、その乳製品の販路及び流通等につきましては、これは力を入れたいと思いますが、それとは別に今の食品衛生法によって非常に阻害されておるということがありますれば、私みずからも少し研究してみたい。しこうして先生の御希望に沿いたいと思います。今の最後の問題は、基準ができておるように承っておりますが、詳しいことは事務当局から御説明いたさせます。
○足鹿分科員 いや、事務当局はよろしい、きょうは時間がありませんから。
○西村国務大臣 基準ができておるように承っておりますが……。
○足鹿分科員 何の基準ですか。
○五十嵐政府委員 事務当局からただいまの点を申し上げますが、乳飲料につきましては、乳及び乳製品の成分等の規格に関する省令の中で別表に乳飲料の規格がございまして、そこで規定をいたしております。
○足鹿分科員 その規定は私も持っておりますが、それは乳飲料と銘打つからには、その内容規制をもっと厳重にされる必要があろうかと思うのです。私どもの持っておりますものと別なものであればあとで拝見をいたしますが、現在売られておりますものは、この間農林水産委員会には、その道の権威者の御出頭を願いまして公述をいただいておるのでありますが、別に規定はありません。たとえばデラックス牛乳とかあるいはホモナイズ牛乳だとか、あるいはビタホモ牛乳だとか、ここいらあたりは何かを添加して濃縮したり、あるいは脱粉を加えて濃くしたり、あるいはバターを加えてこれを分子を破壊して、そうして味を変えたりというようなことでありますから、牛乳そのものでありましょう。しかし色もののようなものはこれは問題であります。御存じのように、二月六日の農林水産委員会では、色ものについての見解が対立をいたしました。大体二割から三割程度であるという意見と、いや、五割は入れておるのだという意見とあって、メーカー側も五割程度は認めました。ところが色ものはもうかっておらぬのだというメーカーと、乳飲料協会は色ものを奨励してもうけて、そして、それでもって牛乳の奨励に当たるのだというふうに、公述が微妙に食い違っておるのであります。でありますから、色ものが利益率が高いということは間違いありません。ところが、この色ものに対するところの規格成分表というようなものの規制は残念ながらありません。大臣も、部長、局長も御旅行になると思いますが、思うときに、これから夏分に、なま乳の冷たいのがあったら飲んでごらんなさい。ほとんどありませんよ。ちょっと時間が過ぎますと、あるのは色ものだけであります。そういうものでありまして、もっと民情を視察していただきたい。ところが一般の大衆は、これは駅頭、活頭売りのように考えておりますが、実際は家庭にまで入ってきております。事実において二割説もあり、五割しか牛乳を含んでおらないということになりますと、それだけみずから牛乳の消費を抑制する結果になるではありませんか。要するに、利潤追求とはいえ、今日の実情に合わないこと著しい。この色ものに対するところの規格成分を、新しい見地において制定をして、そしてかようなものがなまの牛乳の消費を阻害していくようなことのないように、もっと厳重な態度をお示しになる必要があろうかと思いますが、いかがでありますか。
○西村国務大臣 厚生省でやっておる乳飲料は、衛生の見地からやっておるのでございまして、今の混合の割合その他の点につきまして、どういうふうになっておるか私は知りませんが、私の方で乳飲料に対する基準があると申しましたのは、衛生の面からの基準をつくっておるということでございまして、混合の割合その他につきまして、これを厚生省でやっておるものかどうか私は知りませんから、事務当局から御説明申し上げます。
○五十嵐政府委員 御指摘の乳飲料につきましては、ただいま大臣からお答えがございましたように、主として衛生的な見地から、細菌数でありますとか、製造の方法の基準でありますとか、保存の方法の基準というようなことをきめておるわけであります。しかし、牛乳あるいは乳製品の中には、たとえば加糖粉乳でありますとか、調製粉乳でありますとか、そういう種類のものにつきましては、その中の成分についても、一定のパーセントをきめで、おるというものもあるわけでございます。これは衛生上あるいは栄養上、どこまでの規定を設けることが一番適切であるかというような観点から、さらにこれは検討させていただきたいと存じます。
○足鹿分科員 十分御検討になる必要があろうと思います。今の御答弁は、私の質問に対する答弁にはならないわけであります。その程度のことは、私もとっくに知っておるわけでありまして、要するに、牛乳そのものを適当な衛生処理をして飲ませていく、そういうことにもっと重点を置かれないと、業者の利潤追求のためには手段を選ばないというような傾向に対しては、成分規制を行なうとか、いろいろな点において、牛乳が一つの食料としてもっと普及していくような措置を講じられる必要があるということを、私は言っておるのであります。要するに大衆は、コーヒー牛乳でも、ジュース牛乳にいたしましても、牛乳だと考えておる。あれが牛乳のような舌ざわりを持っておるのは、実はなま乳は二割か三割で、脱粉でいわゆる濃度をつけ、そして牛乳らしい口当たりをつけておるのであって、牛乳そのものではありません。ほとんどジュースと認めるべき筋合いのものでありましょう。これを冷やして、湯上がりや暑いときに飲むということは、駅頭のみならずもう家庭に入っておる。これは非常に消費を妨げる結果になりますので、さらに一段と御検討願いたいと思いますが、検討するということでありますから、最後に時間がありませんので、環境衛生法関係についてお尋ねをして、私の質問を終わります。 業者の利権法的なにおいが強くなった環衛法を改正し、食肉の消費を妨げておりますところの農協など生産団体が、食肉を低廉な販売を行なおうとする場合の阻害要因を除去するため、同法より食肉販売業を取り除く御意思はないかどうか、これを伺いたいのであります。その理由といたしまして、私はここに実情を申し上げておきますが、三十二年に環衛法が制定されましたときは、本来の趣旨は、理容、クリーニング、喫茶、映画館等の料金の値下げの過当競争、これを阻止して、結果として衛生的な施設を改善せしめるところに環衛法の目的があった。これを食肉あるいは氷雪販売業を加えたところに、そもそもの原因があるのであります。ところが、これは参議院において削除されましたけれども、また衆議院へ戻ってきまして、参議院の削除に同意できないままに成立をいたしまして、さらに昨年改正が行なわれたことは御存じの通りであります。現在、私どもが一番問題にしておりますのは、農協が豚肉というものをつくり、牛肉をつくり、これを完全な屠殺処理をいたしまして、これを食肉銀行とし、有無相通じてポリエチレンの袋等に入れまして、そしてこれを農家へ食肉銀行として配給している。これは別に農家の栄養改善の上からいいましても、けっこうなことではないかと思うのであります。ところが、事実上においては、都道府県においてはやかましくこれに干渉してくる。保健所や県がこれに干渉してきます。施設の面とかいろいろな面で、直接間接に干渉してきております。たとえば、農協の食肉銀行の直売には、県、保健所が販売業者の認可を与えないという事例は、静岡県伊東農協にもございます。東京都内の町田市にもございます。こういうために、農村において食肉等の、いわゆる消費を拡大し、みずからつくったものを農協等で合法的に処理しようとしても、環衛法がじゃまになってできない、こういうことであります。一方都会の消費地における消費者にとっては、食肉環境衛生同業組合なるものができ、標準販売価格というものを大体きめて、店頭には標準販売価格というものを堂々と展示して、そして協定小売価格で販売しておることは事実でありましょう。去年の豚肉値下がりのときにおきましては、卸売価格で前年比二四ないし二五%下がっております。にもかかわらず小売価格の値下がりは九%以下ではございませんか。ところが、一方デパートやスーパーマーケットのようなところで、これを大量に入れて、そしてうまくやったところでは、この環衛法によるところの一般食肉業者の販売市価よりも著しく安く、デパートに殺到したということも、当時の記憶に明らかであります。ところが主婦は、なかなかそこまで買いに行けない。一々デパートまで行けません。勢い近所のところで買えば高いものを買わされる。ところが農家は、八千円の子豚を買って、六カ月飼ってくさい思いをして高いえさを食べさせて、そして一頭八千円か九千円で売るというような悲惨事が行なわれているときに、このような農家の地場消費、あるいは消費者とは別に、何ら食肉の価格の下落が消費者価格に及んでいかないということは、勢いこれは環衛法の中に、食肉等のものが入れられたことに端を発しておるのでありまして、そういう点と、特に昨年の九月の国会の改正にあたりまして、価格協定の認可、アウトサイダー規制の発動条件が、適正な衛生措置が阻害される場合、あるいは健全な営業が阻害される場合と付加されました。これも当時もみにもんで、これは議員立法としてなされた。厚生省としては、これを適当な措置だとお考えになっておりますか。私は農村におけるところの牛乳、食肉その他の地場消費というものを一面においてもっと進めていかなければならない場合にあって、環衛法がこれを阻害しておるという点は見のがすことができないと思うのであります。特にこれから食肉業者が不振となった場合は、いつでも協定価格を引き上げてもこれは独禁法に抵触しない、こういうことになるのであります。こういうことではまことに困るのでありまして、要するに一般消費者に対し安価に牛乳や食肉が食べられ、そうして消費が拡大していくために、食品衛生法並びに環衛法の改正が今ほど必要に迫られておるときはないと私は思うのであります。この点は、われわれば農林関係に携わっておる者といたしまして、まことに遺憾千万に思うのであります。いろいろ例外規定はあるとおっしゃいますけれども、常にこの地場消費が妨げられておる。これは間違いありません。私は、一方的な立場に立って物事をきめつけるということについてはあまり好ましく思いませんが、今までこのことが久しく言われ、この問題においても、環衛法の問題については両院の態度が変わっておったというようないきさつから見ましても、その当時の段階と現段階とにおいては相当ずれがきておると思います。そういう各種の条件を判断をされまして、この際、特に環衛法について改正をし、農村等における地場消費に障害となる条項を再検討される御意思があるかどうか。また昨年九月改正の場合の営業の健全な経営が阻害される場合等についても、必ずしもこれはむやみに発動されるべきものではないと存じますものの、十分御検討になって、最近の情勢、特にもう一年半ないし二年、引き続き今後におきましては、先ほども述べましたように畜産の奨励によって入れられた肉畜あるいは乳牛等が生産力化して参ります。今のようなことでは暴落は必至であります。この阻害要因を除去してもっと大衆化し、消費者にももっと合理的に安く食べさせ、飲ませる。農村みずからもこれを消費していく。その阻害要因を除去していくということに対して、厚生省は英断のある処置をとる必要があると私は思いますが、最後に、環衛法を中心にいま一応厚生大臣の御所見を承りたいと思います。
○西村国務大臣 その前に、乳飲料の問題でいろいろ御指摘がありましたが、前に申しましたように、私の方は衛生上の見地から乳飲料について若干のあれをやっておりますが、今言いましたように、それに非常にまじりものが多くて牛乳の販路を阻害しておるというようなことでございますから、この点につきましては、今度三省の連絡会議がありましたときに、そういうことまで私のところでやるかどうかということにつきましても多少の疑問がありますが、いずれにいたしましても、しかしそれが牛乳の販路を阻害しているということは事実でありますから、三省間の連絡会議へこれを持ち出しまして一つ検討いたしたいと思います。 それから環衛法の改正の問題、これはいろいろ議論があるところでございますが、いずれにいたしましても、厚生省の立場としては、結局やはり衛生上の見地から食肉販売業は最小限度のことは取り締まらなければならないということでございます。しこうしてその環衛法の業種の中には入っておりまするが、それは料金のことについて厚生省は云々言うものではないということはたびたび今までも申し上げておるのでございまするけれども、今足鹿先生のお話でございますと、それは地場の消費のために非常に不便である、農協でそういうことをやりたいと言ってもなかなか許可がおりない、こういうことでございまするが、私の方は、農協でやりましてもそれが衛生上の措置を守るということになれば、私の方の関係としてはあえて云々するわけではございません。しこうしてまた価格等につきましても、私どもの方の立場から云々するものではないということは環衛法の改正のときにもたびたび申しておることであります。今も変わりはありません。しかしわが国の酪農の振興のために、新しい観点からもう一ぺん考え直してみたらどうか、こういうことでありますれば私も真剣に取り組んで、しかし衛生上のことは衛生上のことといたしましても、それが非常に阻害になっておるということをたびたび聞きます。私も取り組んでみて、一つ十分前向きの姿勢で検討してみたい。いずれにいたしましても今日酪農の振興の阻害になるようなことはやりたくない、かように思っておる次第であります。
○足鹿分科員 まだありますが、時間が少し超過いたしましたので、約束を守りましてこれでやめます。
○今松主査 本島百合子君。
○本島分科員 三十七年度厚生白書の冒頭に人口革命、こううたってあるわけです。人口問題が今後の大きな問題であることは、その国の成長にも関連がありますので当然だと思いますが、この中で私ども特に考えさせられることは、最近の傾向が少産少死型に移っていって、四十年から四十五年では八十四万、四十五年から五十年の間には四十九万くらいに人口は下がるだろう、こういうふうに推定されておるわけです。この中で人工妊娠中絶をしておるものが百万件ある、こう出ておるわけです。ところが毎年の記録で参りますと、妊娠中絶は百二十万から百五十万といわれておるし、また出生率の倍はやみからやみに子供が葬られておるということは常にいわれておることでございます。従って家族計画を十二分にやっていながらもそれに失敗してこういう妊娠中絶の形にいっておるのか、それとも予算上家族計画に対する施策が足りないので、こういう妊娠中絶をやみからやみでやっておるのか、厚生省はどちらであるとお考えになっておりますか。
○黒木政府委員 本島先生の御質問の意味が実は受け取れなかったのでありますが、最近のように人工妊娠中絶の実施件数が百万をこえておる、ただし三十二年、三十三年には届出の件数が百十二万でありましたものがだんだん漸減いたしまして、三十六年では百三万台に下がっております。しかしいわゆる先生のおっしゃるやみの中絶の件数もありまして、これはゆゆしい事態にあると思いますが、これが原因につきましては、お説のように家族計画の普及がまだ不十分であるというようなことも大きな原因であろうと思いますし、その他いろいろたくさんの原因があろうと思うのでありまして、どれが主要な原因だというようなことはまだ十分きわめていない状態であります。
○本島分科員 妊娠中絶の問題に関連いたしまして、私ども常に御相談を受ける場合注意することは、お医者さんに行ってそれをやった場合に、次の受胎までの間の予防措置というものをどういうふうに教えられましたかと聞きますが、ほとんどの人がそういうことは何も言われませんでしたということで、残念ながら母性保護や優生保護法にのっとらないでやみでやっておる人たち、この人たちは一年の間に三回やったというような例もあったわけなんです。ひどい人では四回やった。衛生知識が足りないという欠陥からそういうことになるのです。顔面は蒼白になっておりますし、貧血症状を起こしておりまして、その結果異常に母体を痛めて早死にをしておる、こういう例がちまたに一ぱいあるわけなんです。こういう場合に、この法律に基づかないでやっておるからというので、野放しになっておるというのが実情であるわけなんです。このお母さん方は一生涯その子供をおろしたということ、中絶をしたということが念頭にありまして、よわい五十前後になって人生もやや落ちついてきたころにこの問題と取り組んで、自分が罪悪を犯したという観念にとらわれてノイローゼぎみになっていく人がある。あるいはまたそのために気が狂ったというような人も出ておるわけなんです。こういう弊害というものがどのくらい厚生省として把握されておるのか、把握されたものがあればお示し願いたいと思います。
○黒木政府委員 確かに先生の御指摘のように、人工妊娠中絶の弊害が著しいのでございますが、大体その弊害のおもなものは不妊症、あるいは子宮外妊娠、習慣性流産等の後障害を起こしておるということが明らかになっております。 それから先ほど御指摘がございましたが、わが国で家族計画の普及状況と申しますか、実際にこういうような受胎の調節を実行した、あるいは実行しておるというような率を諸外国と比べてみますと、二十四才以下でこういうような調節を実行しておる、あるいは実行したことがあるものが五四・三%に対しまして、アメリカでは七一%、二十五才から三十四才までの経験者の率はわが国では七三二%、アメリカが七三%、それから三十五才以上は、わが国では六五・五%、アメリカでは九〇%というようなことで、二十五才以上になりますと大体外国に近づいておるのでありますが、二十四才以下ではまだまだ普及が徹底をしていない。そこで明年度こういう家族計画につきましての普及の計画をさらに進めようというので、新しい施策も考慮しておる次第でございます。
○本島分科員 昨年、一昨年と新宿や池袋等で薬の乱売というものが相当問題になりまして、私どももそれに取り組んだわけですが、現にも行なわれておる。今、表面では問題が静まっているように見えますが、そうでなくて、むしろ逆にそれがもう常習化してきた、こういう形の中で、たとえば正規に保健所等で指導しておるような受胎調節という形におけるものに乗っかるよりは新聞広告等を見て、そしていいかげんな薬を飲んでおろそうとする、こういう傾向もあるわけなんです。この子供たちは、妊婦が失敗しますと奇形児になって出てくるわけなんです。サリドマイド睡眠薬の奇形児の問題については、今回の予算でも措置をされておるようですが、今申し上げたように、正しい勤労家庭の生活の中で、家族計画に失敗して中絶をしなければならない。そのときに金がかかる。それがたびたび重なる、そういうことは二度も三度もやってはいけないのです。しかしながら、最近中絶が非常にふえてきておる。そこで家族計画の予算の中で、こうした面に対する宣伝、普及だとか、あるいは適切な指導というものを大幅に考えていくべきだと考えておったわけですが、予算上では法律にとらわれた点もあったし、また多少よくなったというようなことで、家族計画の補助金は六千二百万円でありますし、また優生手術に対する交付金は千四百万円、こういう程度なんですが、今までどのくらい正規の手術が行なわれて、やみがこれだけになっているというような数字がおわかりになりましょうか。 私の質問の時間が非常に短かいために、はしょって申し上げておるわけですが、もう一点お調べになっている問に伺います。それは最近アメリカで、サンガー婦人等が研究いたしまして、飲む薬によって調節ができる薬ができておるわけなんです。私も昨秋アメリカに行ったときこれをちょうだいしてきたいと思ったんですが、証明書がないと日本に持って帰ることができない、こういうことでちょうだいをしなかったのですが、その薬はもうすでに日本に入っておる、こういうことを言われたんですが、厚生省としてはその薬をどのように研究されておるのか、またある程度妊婦に対しての実験等も行なわれておると思いますが、あわせてその点を御報告願いたいと思います。
○黒木政府委員 御質問の優生手術の件数は、昭和三十六年度は総数が三万五千四百八十三件でございます。なお避妊の薬品につきましては、薬務局長から御答弁申し上げます。
○牛丸政府委員 ただいまの御質問の避妊の飲む薬でございますが、これは日本の製薬会社から今許可申請が出されておりまして、これは一昨年の暮れあたりに申請が出されたわけでありますが、今薬事審議会の新薬特別部会で審査をしておる最中でございます。しかしこれは黄体ホルモンの製剤でございますし、それが健康な人間のからだに及ぼす影響ということで——アメリカやイギリスではすでに許可をして使用されておるわけでございますが、日本ではなお日本の国内におけるデータが不足な点もございますので、そういうデータの収集を待って、さらに審議をするという段階で、なお特別部会で審議を続行中という状況でございます。
○本島分科員 私は薬の乱売も今あわせて申し上げたのですが、薬がほんとうにきくのかきかないのか。最近肝臓の薬なんか出て、ききもしないのに誇大広告の結果、非常な売れ行きだというようなことが出ておったようでありますが、妊婦に対する薬等についても、昔から言い伝えられておった方法によっておるもの、あるいは新しい薬として服用しておるもの、そうしてそれが結果的には実績が上がらないでこういう中絶にたよらざるを得ない、こういう形になってきている。それが先ほどから言っておるように、年間百万人以上の人々がこの中絶にたよっているという結果になっていると思うのです。今アメリカの薬は、私が聞きましたところでは、広範囲に実験をしていただいておる場所がつくってあるわけなんです。その効果はこういうふうだということになって、これを一般に市販するような段階まできた、こういうことなんです。そうしますと、その実験をしている場合に失敗があるとか、あるいはまた母体や胎児に危険があった場合、これはその州なり市なりあるいは国なりが負担をして、そうして皆さん方に実験をしていただいて調査をしておる、こういう形をとっておるわけです。日本の場合は民間のいわゆる受胎調節の指導だけにまかせてあって、こういう問題との取り組みがなされていない。だからこそ不幸な妊娠中絶で子供がやみからやみにほうむられていく結果になるのだ、こう考えておりますが、そういう点における厚生省のいわゆる取り組み方、それはどういうふうになっておりましょうか。
○牛丸政府委員 問題はちょっと多岐にわたっておるわけでございまして、一つは薬として一体どういうふうな扱いをするかということと、その許可された薬の使用方法についていかなる指導をするかという二つの問題に分類され得るのじゃないかと思います。それで私は薬務行政の立場からお答えを申し上げたいと思いますが、エナビットという商品名で申請がきております。経口の避妊薬と申しますのは、妊娠を調節するというか、避妊の効果については、ほとんど百パーセントきくというデータは出ているわけでございます。これは結局、妊婦が妊娠したときのホルモンの状態を薬によって人工的に体内につくるわけでございまして、そういうことから排卵を抑制して、その間妊娠ができないような状態にする、そういう原理に基づいてつくられた薬でございまして、避妊の効果ということについては問題はないわけでございます。しかしこれは毎日服用しなければならない。一定の生理の日を除いて大体毎月二十日は継続して飲まなければいけない。それからまた次の月も二十日は継続して飲まなければいかぬ。要するに、健康な人が常時何年間か継続して服用する、そういう状態においてその薬を使用することでございますので、そういう薬を健康人が常時服用することによって、避妊の目的は果たせるにしても、それ以外にその人の健康上、肉体的な、あるいは内部の構造に対していかなる影響があるか、そういうものに対するデータがまだ不足しているわけでございます。これは非常にむずかしくいえば、その子孫に至るまでの遺伝的な問題ということになりますが、そこまでは別としましても、その人本人の健康上の変化ということに対するデータがまだ不足しているわけでございます。従って、日本においてはその点を非常に慎重にやっているわけでございます。しかしそういう経口の避妊薬じゃなく、一般の従来用いられております避妊薬にいたしましても、これは正常な使用をすれば絶対きくわけでございます。ただその使用の仕方が非常に問題がある。そこに一つの失敗があって、妊娠をして中絶をしなければならぬというような結果がそこに出てくるわけでございます。これは薬の効用の問題よりもむしろその薬を避妊の目的のためにいかに正当に使用するかという問題でございまして、これはやはり避妊の目的のためには十分な指導をして、その目的を誤らないようにするということが大事じゃないか、この点については母子衛生の立場からそれぞれ指導なさっておるわけでございまして、その点についてはまた児童局の方からのお答えもあるかと思います。
○本島分科員 それは薬に対する慎重な取り扱いをしていることは当然であろうと思います。しかしアメリカでもそれだけの実験をして参っておるわけだし、むしろ日本で古来からやっているような方法に基づいて、農村あるいは僻地、山村というようなところに参りますと、たくさん子供を生み、たくさんの子供を殺し、そして母親も早く死んでいっているという例がかなりあるわけなんです。そういう点を見て参りますと、今回の予算の中でももう少し幅を大きく——すでに都市の家庭では実行しているわけなんですが、大都市を離れて参りますとこの点が十二分に行なわれていない。そこで今までの経験上から助産婦さん等の指導員もふやしてあるわけですが、この助産婦さんたちの交通費実費程度のものを差し上げているのをもう少しふやして、そして指導を徹底的にしていってもらったならば、やみからやみで中絶をする婦人たちはなくなってくるのじゃないか、こういうふうに考えて、この点予算に対して非常に不満なんですが、厚生大臣、今後こうした問題についてどういうふうにお考えになりましょうか。これは母体保護ということになれば非常に大きな問題で、しかも二十四才以下が割合少ない、こういう実例を今申されたわけですが、この点については特に考えていかなければならぬことだと思うわけなんです。これは割合にほうっておかれるわけです。この人々は悪いことをして子供をおろしているんじゃない。正規の結婚をして、しかも家族計画で指導しておるところの調節をいたしながらも失敗し、そしておろしていっている。しかも受胎が早くて追っかけっこで二度も三度もやっていられる。そこに母体が非常に弱められていく、病気にかかる、早死をするという悪循環を繰り返しているわけですから、そういう点を考えてもらいたい。 いま一つは、そうした子供を処置したときに子供を埋葬する方法がない。この月足らずの子供たちは野原に捨てられたり川に捨てられたりしておるわけです。母親が中年過ぎて自分の生活が安定してきたときに、子供のことを考え、おろした子供のことを精神的に非常に責められてくるというのは、その処置がうまくいっていないからです。ですから、それに対しては脱法であろうとも、その受胎した子供には罪はないのですから、そういうものの処置がなされるということでないと、病院から持って帰って自分で処置して下さい、三カ月以上は人間として認められているから墓地に埋めて下さいなんといっても、それを葬式を出すような形において出すというところはない。これをめぐって今までも、犬が引っぱり出したとかあるいはまたよその縁の下から出てきたとかいう事件も相当あったわけですから、こういう点の措置も厚生省としてはあたたかく母性を保護するという形においてなされなければならない。ところがそういう施策が一つも考えられていないものですから、今後受胎が減っていく、出産が減っていくということになれば、やみの方が減らないでこういう悲劇が出てくるわけですから、そういう点についての厚生大臣のお考えを一つ聞かしていただきたいと思います。
○西村国務大臣 現在の優生保護法でございますが、なかなかむずかしい問題でございますが、常識的に考えたならば、一口にいえばやはり適当なお子さんがというようになるわけであります。戦前は多産多死型、今は少産少死型、しかし大体人口の構造から考えましても、赤ちゃんが非常に少なくなっておるのであります。生まれる子供さんは百万、一番多く生まれたときが三百四、五十万ですから、それから計算しましても、表に出る出ないは別といたしまして、相当な妊娠中絶があることは事実であります。人口はますます老齢化していくという現象でありますから、家族計画というものは、一口にいえば中くらいに適当なお子さんを持つということが一番いいと私は思いますが、どちらかと申しますと、やはり自然のままがいい、民族でも多い方がいいと私は思うのです。ところが戦後これが経済上の理由から、たとい生んでも養えないんじゃないかとかなんとかいうことから、少し極端になったと思いますが、どうも皆さんが生もうとする機運がないわけです。私は、家族計画というのは一体よけい生めというのか少なく生めというのか、こういうことをよく役人の方に言うのですが、いずれにいたしましても、民族保存のためには相当なお子さんを持つということがぜひ必要だろうと思うのでありまして、あまり経済性に重きを置き過ぎるためにそうなるんじゃないか。それがひいて享楽的になっていくという一つの面も出ますから、正当な家族計画の普及ということが最も大切じゃないかと私は思います。昨年も大阪で家族計画の会議がありましたが、非常に認識しまして、さような意味で良識ある家族計画の普及——一時はいわゆるバース・コントロールが行き過ぎた、そのためにこういうような傾向になったのではないか。本島先生はその点は非常に研究をいたしておりますから、私のようなばく然たる考え方ではないでしょうが、私はやはり今のような状態では困る、妊娠中絶に対しましても、これはどちらかというともっとブレーキをかけなければならぬのじゃないか、しこうして中絶をする場合には、誤った方法ではなしに、また誤ったような薬ではなしに、その辺は十分注意をしてやらなければならぬのじゃないか、かように考えておる次第でございます。今現われた現象から見ますれば、どうも妊娠中絶は行き過ぎだ、優生保護法に一項を加えた経済的に云々ということは行き過ぎじゃないか、これは私個人の考えでございますが、どちらかというとまあできるものはでかした方がいい、私はこういうような気持でおるわけでございます。しかし優生保護法はいろいろな理由できめておりますから、その点につきましては厚生省は十分指導をいたしまして、誤りのないようにいたしたい、かように考えておる次第でありまして、妊娠中毒症にかかって非常に悩むような方々に対しましても、今年は、わずかな金でございますが、幾ばくかの措置をいたしました。また妊娠の方々に対してミルク等もやりたいというようなことも考えましたが、これは実現はできませんでしたが、いずれやはり大きい問題になってくると思います。御趣旨のある点は一つ十分考えていきたい、かように思っております。
○本島分科員 どうも大臣と私の考え方は少し違うようですけれども、とにかく人間本能としては、だれも調節したり子供をおろしたりしたいという人はないのです。結婚が正常に行なわれ、なおかつ早い年令において行なわれるような経済状態ならば、こういうやみからやみに中絶するということはなくなってくるわけなんです。ですから最近世界の傾向としても、子供の数はどのくらいが妥当かといったならば、日本の場合は三名くらいだ。アメリカあたりは二名だ、こういってそれで実行してきたら、二名ではとてもだめだ、最近では五名以上にしようなどといっているのですが、それはそれだけの経済力があってできるからいいのですよ。日本の場合、そんなことをいったら、勤労階層はその子供を育てるどころではなくて、自分が食っていけなくなるのです。それでどうにもならないというのが日本の現状ですから、産みたいだけ産ませるような世の中にするために、一つあなたの高邁なる思想で池田総理大臣にはっぱをかけて下さい。しかしその陰にこういう問題があるから、これを厚生省としては——どうも大臣の頭では、若いころやっているのは正規のあれではなくて、いたずら的なことでやっているのではないかというようなことがちょっとほのめかされたような気がするのですけれども、そんなことはないと思うのです。なぜかといえば、正規の結婚式をあげて一緒に暮らしたいのだが、それができないので内妻程度であった。そしてまた共かせぎであるから、この子供を産んではどうにも生活ができないという人が二十四才以下の年令の中に入っているわけなんです。ですから、そういう考え方を捨てていただいて、いたずら心でやっているのではなくて、真剣に人生と取り組み——子供を産んで育てるというのは女の本能ですから、そういう者があえてしなければならないという社会的欠陥、こういうものと取り組んで、予算上におきましても、その人々が将来嘆き苦しんでいくような形がないように、厚生省としての施策を考えてもらいたい、これが私のきょうの質問でございました。 もう一点、これは時間の関係で答弁がなければならないでけっこうでございますが、問題を変えまして、麻薬に関する単一条約を批准するのがことしであったと思いますけれども、その準備がなされておるかどうか。同時にその麻薬に関する単一条約を批准した場合において、日本は外国と比較して、麻薬に対して今回の改正が苛酷であるのか、あるいはゆるやかであるのか、この点だけちょっとお聞かせ願いたいと思います。そしてもちろん条約の問題ですからその準備は外務省だと思いますが、厚生省としての準備はどのようになさっておるか、この点だけをお聞かせ願いたいと思います。
○牛丸政府委員 麻薬の単一条約は、国連の方から英文の成文が外務省に昨年の十月ごろ届きまして、現在その翻訳を大体一通り完了しているところでございまして、なお準備中でございますが、外務省と私どもとの連絡では、できれば今国会で批准をしたいけれども、今のところまだはっきりとした準備ができてないという程度の状況でございます。従いまして、できれば今国会に早く批准の手続をする、どうしてもそれができなければ次の国会というぐらいの速度で批准の手続がなされると思います。ちなみに、この条約に対しましては現在七、八カ国が批准をしている程度でございまして、四十カ国批准をしないと効力を発揮しないわけでございますから、まだ日本がそうおくれているという段階でもないのじゃないかというふうに考えます。 次に、麻薬取締法との関係でございますが、この条約の批准との関係で麻薬取締法はそう大きな影響はございません。従って今回の麻薬取締法の一部改正で、現在批准をしておりません単一条約との関係におきましても、苛酷になるとか、そういうふうな点はないわけでございます。
○今松主査 この際申し上げます。 本日は質疑者がきわめて多数でございますので、質疑並びに答弁はできるだけ簡単に、明瞭にお願いをいたしたいと思います。有馬輝武君。
○有馬(輝)分科員 今主査の御発言がございましたので、簡単に要点だけ御質問申し上げたいと思います。 本日はらいの問題に関連いたしましてお伺いをいたします。 最初に、予算についてでありますが、本年度の内閣の重要施策の重点的な実施として九項目あげられまして、その中で税制改正の次に社会保障の充実について特に麗々しくうたわれておるのであります。それがそのまま受け取れるかどうか、具体的にお尋ねするわけであります。 最初に局長にお伺いいたしますが、らい予防対策費に一億六千万余組まれておりますが、その内訳が明瞭でありませんので、具体的な数字でお答えをいただきたいと思います。都道府県の支弁するらい予防費補助が幾らであるか、療養所入所患者家族の生活保護が幾らであるか、私立らい療養所の運営費の補助、それから藤楓協会に対する委託経費、この四項目に分けまして、数字でお示しをいただきたいと思います。
○尾村政府委員 ただいまの四項目のうち、国立関係の直営費と、お話のようにその他の対策費とございます。その他の対策費は私の方の公衆衛生局で主管しておりますので、その部分を御説明申し上げます。 第一に、らい予防指導費といういわゆる本省の直轄費がございます。それは私どもの方の予防課で直接事務に使う費用、これが二十七万九千円、ただいまのお話のらい予防対策費補助、これが全部で一億六千百五万三千円でございます。それからこの内訳にただいまの三項目が含まれておりますので、この内訳を申し上げます。らい患者のいわゆる生活援護費、これは生活保護にかわりまして、秘密保持で府県直轄にいたします。これが九千九百九万九千円、それから藤楓協会に事業委託をいたします経費、これの中身は、いわゆる世帯更生資金的なものと軽快退所者の新たにやります更生指導所の運営を委託するもの、それからその他の事業費補助、こういうふうに三つに分けられておりまして、これを三つ合わせまして四百二万ということになります。それからこのほかに非常に大きいものといたしましては、府県に、健康診断その他をいたします経費の補助をいたします。これが七百三十五万二千円。それから先ほどお示しになりました一項目に当たります私立らい療養所の委託経費、これが五千五十八万円で、前年度よりも約一割増加しておるわけでございます。以上が一般対策費でございます。
○有馬(輝)分科員 昭和三十四年で大体一万七百八十六人の収容者、そのほかに未収容者が千名くらいありますが、今の御説明の生活援護九千九百万というものは一戸当たりどの程度になりますか。
○尾村政府委員 現在積算しておりますのは、全部のいわゆる在宅患者、今お示しの患者でなくて、実際に本人は療養所に入っており、これの残っておる家族で生活保護にかかるような貧困者、こういうことでございまして、約一千世帯を予定しております。従いまして、九千九百万円でございますので、二戸当たり九万九千円ほど、こういうようなことでございます。ただしこれは平均でございまして、もちろん一部を補助したり、あるいは生活費の相当大部分を補助したり、こういうやり方でございます。
○有馬(輝)分科員 それから藤楓協会の基金がどの程度あって、経常収入がどのくらいで、この四百二万の運営はどのようになっておるか、計画についてお聞かせ願いたい。
○尾村政府委員 財団法人藤楓協会につきましては、当初は基金といたしまして二億の恩賜金、その他の浄財を集めて発足いたしました。これが基本金になっております。これは年次を経過する途次、その一部の金は不動産にかえまして、利殖をはかる等のいろいろなことをやっております。基本は二億になっております。これに対しまして、毎年これの利子と、今度は四百万円でございますが、国からのこれの委託費、これを合わせまして年間ほぼ一千万円程度の運営をいたしております。といいますのが、これは理事会の際に、毎年事業計画が出、さらに前年度の決算報告が出て、これを私どもの方で監査もいたしております。法人監査でつかんでおる額であります。従いまして、この事業内容は、財団としての必要な事務職員、それから年々研究委託費、あるいは入所患者の慰問的ないわゆる国で及ばない部分の諸慰安施設等にこれを消費しておる、こういう形で進んでおります。
○有馬(輝)分科員 次に、国立病院施設整備費が二百七十億組まれておりますが、この中に国立らい療養所の施設整備費も含まれておるのか、この点を明らかにしていただきたい。
○尾崎政府委員 国立らい療養所の施設整備費は一般整備が一億六千九百八十万九千円であります。
○有馬(輝)分科員 その具体的な計画はどうなっておりますか。
○尾崎政府委員 各施設から今、自分の方の施設をこういうふうに改善してほしいという要求がございまして、それをただいま検討中でございます。
○有馬(輝)分科員 僕は五年前に、たとえば鹿児島の敬愛園の講堂の問題についてお話したことをあるいはあなた記憶しておるかもしれない。とにかく私が行って——ほかの人が行ったときもそうでしょうけれども、患者を集めまして話をすると、講堂のまん中にはすわらない。みんな入口のドアのところにすわっているのです。まん中へすわりなさいといってもにやにや笑って来ない。なぜかというと、あとで聞いてみると、この講堂がいつ倒れるかしれないから、いつでも飛び出せるように入口のところにおるのだ、こういうことなんです。そういう状態について、検討中というのはおかしいでしょう。私はやはり施設の実態については、常に厚生省の職員の方々が行っておるのだから、要求があったならば、それを早急に具体化しないととんでもない事態が発生するおそれがあると思うのです。そこら辺についてどうでありますか。
○尾崎政府委員 今鹿児島の敬愛園の施設の整備をせなければならない、また大島青松園では水の問題とか、具体的な問題はこちらも承知しておりますし、施設側の要求を聞き、予算のことと考え合わせまして整備していきたい、こういうふうに考えております。
○有馬(輝)分科員 不測の事態が起きたらどうなります。
○尾崎政府委員 不測の事態を起こさないように、責任を持って整備をしていきたいと思っております。
○有馬(輝)分科員 時間がありませんから論議はやめますが、そういう状態なんです。だから大臣にここでお伺いしたいと思いますが、大臣は就任されてかららい療養所をたずねられたことありますか。
○西村国務大臣 いまだたずねたことはありません。
○有馬(輝)分科員 論議をいたしません。 次にお伺いしたいと思いますが、つき添い作業費の問題であります。不自由者の看護職員、これを職員に切りかえるというようなことがいろいろ取りざたされておりますが、私が具体的にお伺いしたいと思いますのは、つき添い作業員の定員が何名になっておって、それから重不自由者何名に対して何名のつき添いが今予算化されておるのか。普通の不自由者は何名に何名か、これをお聞かせ願いたいと思います。
○尾崎政府委員 不自由者のつき添い専任者に切りかえる者は、三十五年から切りかえておりまして、毎年五十名ずつの人間をふやしておるわけでございますが、三十八年度も五十名ふやしているのでございます。その不自由者に対する数は、患者の症状度によりまして、二人に一人とか、四人に一人とか、八人に一人とか、こういうような、その病気の状況によって計算をしておる状態でございまして、実施は、各施設の準備状況、建物の整備状況とからみ合わせまして、重点的にやっておるわけでございます。
○有馬(輝)分科員 私は、平均して重不自由者に対して何人に何人か、普通の不自由者に対して何人に何人になっておるかということを伺っておるのであります。経過を伺っておるのではありません。
○尾崎政府委員 平均して重不自由者四人に一人というふうに計算しておるはずでございます。
○有馬(輝)分科員 それは確かですか。
○尾崎政府委員 平均しては間違いないと思います。
○有馬(輝)分科員 今の点も確かに記憶しておきたいと思います。次にお伺いしたいと思いますが、医師の必要定員に対して、現在員は何名ありますか。
○尾崎政府委員 医師の定員が、三十八年一月一日現在におきまして百六十四名に対して百二十七名、欠員が三十七名でございます。
○有馬(輝)分科員 この三十七名という欠員の状態は、ここ五年間くらいにどういう工合に移っておりますか。
○尾崎政府委員 ここ五カ年間、あまり変動がない状態でございまして、人を採用するのにいろいろ努力している状態でございます。
○有馬(輝)分科員 努力しなければ大へんなことですよ。問題は、そのために厚生省としてはどのような具体策を講じられてきたのですか。
○尾崎政府委員 各関係方面大学とか、そういうような方向にいろいろ人を送ってもらうことをお願いし、また中におりますお医者さん方の待遇をよくするとか、外国へ行く機会をできるだけ与えるとか、そういうふうな努力と同時に、来年度におきましては医師の補充謝金というものをつくりまして、臨時的に随時に医師を大学等からお呼びするような予算措置も、謝金として組んでおるというような状態でございます。
○有馬(輝)分科員 私がお伺いしておるのは、ここ五年間くらいもやはり同じ状態であった、そういう手を打たれても、なおかつ充足できない、それに対してどういう手段を講じておられるかということを伺っておるわけです。努力する、あたり前だと言ったのはそこにあるんです。どういうことなんです。
○西村国務大臣 こういうような、らい療養所あるい精神薄弱児の療養所、いろいろな特殊な病院のお医者が非常に不足いたしておるのでございまして、御指摘のように、いろいろな手を打ってみましても、充足率はあまりよくならないのでございます。そこで、それではどうするかということでございます。私はこの点につきましては、これは医師のみならず看護婦その他の方も同様でございますが、何らかの手を打たなければならぬ、かように考えておりますが、もちろんお医者の給与のことにつきましては特段の注意を払いまして、今までも相当に、他の公務員等と比較していいわけでございますが、それだけではいかぬ。何か特殊な手当制度を設ける等のことをさらに積極的に考えないと、どうしてもこれは将来とも確保ができない、かように考えまして、これはらいの療養所もそうでしょうが、これから発足いたしますところの身体障害者の重度の人を取り扱う療養所にいたしましても、そういうような現象が起こるのでございまして、今有馬さんの御指摘のように、一体どういう手を打って、どういうふうになったかということになりますと、遺憾ながら十分御納得のできるほどの説明ができないのであります。相当に考えはしたけれども、部分的な考えでございまして、なかなかこれを充足せしむるに至らないというのが現状でございます。しかし、これは何らかの方法によって改善の実を上げなければならぬ。その何らかの方法はどういうことかといいますれば、処遇の改善ももちろんでございますが、その他あらゆる方法によりまして、一つ改善をしていきたい。これは私の方の役所としても、非常に大きい、重要な問題になっておりますが、この充足率につきましては、御指摘のようなことを十分検討いたしまして、今後改善の実を上げていきたいということだけを申し上げる次第でございます。
○有馬(輝)分科員 大臣の直撃なる御答弁で、私は最後に大臣にお伺いしたいと思っておったのですが、この予算分科会の貴重な時間をいただきまして、らいの問題だけでお伺いをいたしておりますけれども、政府側の答弁は、さっきも言いましたように、検討する、努力するというのは、ノーということと同じだと私は近ごろ理解しているのです。私は、五年前にこの問題を委員会で取り上げました。それから皆さん方の努力の結果がどのようになるかということを五年間見守ってきた。一年、二年で皆さん方をやり込めるのが能じゃない。前進することが能なんで、静かに見守ってきたが、一歩も改善されていない。ここに問題があると思うのです。大臣の御答弁でありましたけれども、私はやはり委員会の論議というものは、前向きでお互いに論議が進められなければいかぬと思うのです。くどくは申しません。 次にお尋ねをいたしたいと思いますが、一九五六年にローマのらい国際会議で、コロニーの問題が取り上げられまして、日本もその努力をするということになっておりますが、その状況についてお聞かせをいただきたいわけです。
○尾崎政府委員 御承知の通りに、従来日本では、らい患者は全員できるだけ隔離をして、そこで治療するという方式をとっておったのでございますが、ローマの国際会議の動き、また世界の大勢から考えまして、必ずしも全員隔離という方式をとらないで、患者の中の感染性の強い者を隔離しておけばいいじゃないかというふうな考え方を持ち、そういうふうな考え方で、漸次職員及び患者の頭の切りかえをしておるところでございます。従いまして、従来患者の退所をあまり認めないという方式だったのを、ある一定の菌検索を繰り返して菌が出ない者というような、その他の条件を見まして、軽症者は退所をどんどんさしていくという方式をとり、五、六年前には軽快退所者が七、八十名だったのが、現在は百六十名とか二百名にもこえるときがあるような状態になって、退所もどんどんふえております。なお、退所に際しまして職業補導をするとか、また退所者に対しまして衣服を供与するような、これは新規でございますが予算を組む。また退所者の退所後の生活、外での職業につくまでの訓練をする施設をつくるというふうな方針を漸次態勢を整えておるところでございまして、三十八年度予算にも新規にそういうふうな予算が芽を出しておる状態でございます。
○有馬(輝)分科員 次に、患者慰安金、支度金、それから作業賞与金、患者、職員につきまして一人当たりどの程度になっておるのか。これは数字だけでけっこうです。
○尾崎政府委員 まず患者の慰安金でございますが、全員に対して出るものでございますが、月七百五十円が八百五十円、百円増しということでございます。それから不自由者慰安金、年金の適用者は月二百五十円で同じでございます。据え置きでございます。年金の非適用者五百七十六人に対しまして、月五百円を六百五十円に百五十円増。それから作業賞与金、これはいろいろ種類がございますが、全部一律十円アップでございます。
○有馬(輝)分科員 一人当たりの額は平均幾らになっておるか。
○尾崎政府委員 作業賞与金でございますか、作業賞与金の平均は計算の方法によりますが、つき添いでいきますと作業賞与金が年二万九千円くらいになると思います。それから一般は一万八千円くらいになると思います。
○有馬(輝)分科員 年間ですか。
○尾崎政府委員 はい、年間でございます。
○有馬(輝)分科員 それから患者用品費と食糧費、それを一人当たりについて。
○尾崎政府委員 患者食糧費は今までは全部一律に百十五円だったのを、三十八年度は一般食と特別食に分けまして、一般食を百二十円、特別食を百五十円四十銭、こういうふうにいたしております。その人数の割合は、一般食……。
○有馬(輝)分科員 人数はけっこうです。用品費について……。
○尾崎政府委員 用品費は、今計算させますからお待ち願いたいと思います。
○有馬(輝)分科員 私が冒頭に申し上げましたように、重要施策の第二番目に取り上げられておるこういった社会保障費が、その内訳を見ると、大臣、こういった実態であります。たとえば食糧費にいたしましても百二十円、あるいは百五十円、しかもこれは患者であります。作業賃にいたしましても月千円、この作業賃に対するものの考え方について、厚生省の考え方も伺いたいと思いますけれども、これは後日に譲りますが、麗々しく社会保障の充実だというようなことを言いながら、実態はこういったありさまであります。しかも、これは今日に始まったことではなくて、先ほども申し上げましたように、もう数年変わらない実態である。諸物価の騰貴と比べてごらんなさい。どういう工合になりますか。これに対する大臣の所見を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○西村国務大臣 御指摘のように、すべて十分なようにいかないことははなはだ残念でございまするが、給食費にいたしましても、今申しましたように百十五円を百二十円、五円上げて、そのほかに百五十円四十銭の特別食をつくった。これは材料費ばかりでございますので、それは病院でございまするから十分とは申しませんが、一般の光熱費等が全部入らぬ費用でございますから、これによって、そう全く食べられぬというようなことではない。ただし栄養がそれによって非常に欠けるというようなことで、そのために患者が痛むということがあっては大へんだと思いますが、そのために特別食をつくったのでございますから、今御指摘がありましたすべてが十分であるとは申しませんし、そういうわけにはいきませんが、私たちは、その改善につきましては今後努めて努力したい。なかんずく、さいぜん御指摘がありましたように、これは病院でございますから勤めるお医者が第一でございます。言いましたように、これは国立病院等の——普通の病院の欠員は比較的少ないのですが、らい患者の病院だとか特別な病院につきましては、ますます顕著に不足率が現われて参りますので特別な手を考えなければいかぬ、かように考えておる次第でございます。十分御趣旨をくんで検討をいたしたい、かように考えております。
○有馬(輝)分科員 それじゃ、これは各省から出されたものを積算して大蔵大臣の予算編成の基本方針が書かれているのだろうと思いますが、社会保障の関係のところはすっかり書き直しておいていただきたい。これだけ申し上げまして私の質問を終わります。
○今松主査 河野正君。
○河野(正)分科員 本日の分科会におきましては、都市公害について御質問をいたしたいと思いますが、一口に都市公害と申しましても範囲はいろいろと広いので、時間の制約等もございますので、きょうは、今社会的に大きく問題になっておりまするスモッグの問題に限局して若干お伺いを申し上げたいと考えております。 御案内のように、スモッグといえばロンドン、こういうような表現でございましたけれども、今日ではむしろ世界的には東京スモッグが重大な問題となっているというような状況でございます。このスモッグは気象学的に煙霧であるわけでございますが、第二次産業、特に重化学工業の集中というものがスモッグの発生の原因となっております事実というものは敬遠することができない事実でございます。そこで、このスモッグは日本の経済成長のシンボル、こういうふうに申し上げても過言ではなかろうと私は考えております。この住民の健康を虫ばみまするスモッグが連日、東京に限らず全国各地の都市の住民の上空にたれ込めておりますることは、今申しまするように、日本の経済成長と大きく関係をいたして参りまするけれども、私は、池田さんが害われておりまするように、これは単に経済成長、経済成長と喜んでばかりはおれぬ事情が多いかと考えます。しかも、今申しましたように、東京に限らず、京浜、阪神、北九州、こういうような既成の重工業地帯のみでなくて、新産業都市の造成を目ざしておりまする数多くの地区におきましても、この問題は将来大きな問題となってくるのでありまするから、私は、そういうような新しい開発されまする都市にとりましては、このスモッグの問題というものは非常に重要な問題となってくるであろう。日本の経済成長あるいは日本の産業を考えた場合に決して無視できないのは今日のスモッグの問題ではないか、こういうふうに考えるわけでございますけれども、そういう点に対しまして大臣はどのようにお考えでございますか、御所見を承っておきたいと思います。
○西村国務大臣 スモッグ問題でございますが、これは最近非常にやかましい問題になりました。しかし私は基本的に、大体こういうふうに考えております。 既設の都市におきましては、今さら工業地区と住宅地区をそう分けるわけにもいきません。従いましてやはり現在のままでも、行政指導をやれば相当によくなるのじゃないかということが一つの問題、もう一つの問題は、先般御制定を見ましたばい煙の排出の法律に基づきまして十分今後の取り締まりを強化するということ、この二つの点でございます。そして新産業都市につきましては、今御指摘がありましたように、それとは別に新産業都市は一つ新しい観点から、この公害なかんずくばい煙につきましては特別に注意を払わなければなりませんから、都市計画の計画中におきまして工場地帯あるいは住宅地帯というようなものをしっかりした区分をしてかかる。しかもその工場地帯等につきましては、どうしてもばい煙等の被害を住宅地区が受けないように、やはり気象観測等も十分にやりまして綿密にやる。もちろん工場の煙突等につきましても、今はばい煙をつかまえる装置等もいろいろあるのでございますから、これは大工場はもちろんのこと、中小企業も少し工夫をこらしますれば集塵装置等もつけられるのじゃないか、かように考えております。いずれにいたしましても、これ以上ひどくなりましては非常に大へんでございます。 もう一つ、今都市のばい煙の発生源で一番問題になっておるものは自動車でございます。しかしばい煙防止法というものは自動車を対象といたしておりません。対象としてはおりませんが、厚生省といたしましても来年度はこのためにせっかく少額ではございますが若干の予算をとりましたので、東京につきましてはその調査をやるつもりでございます。その調査の結果に基づきまして、さらに自動車につきます根本的施策を進めていきたい、かように考えておるのでございますが、東京都あるいは大阪でもそうでしょうが、中小企業のばい煙が非常に問題でございます。なぜそういうふうになったかというのは、やはり熱管理が悪い。しかも産業が忙しいと、前は小さな設備でボイラー・プラントをやっておったのを、それ以上にオーバー労働させて、むやみやたらに燃料をほうり込むものだから、それが完全燃焼せぬで、ますます公害の原因になるということでございますので、私がさいぜんも申し上げましたように、現在ある都市とこれからつくる新興都市というものにつきましてはおのおの区別いたしまして、十分な施策を考えていきたい、かように思っておる次第でございます。
○河野(正)分科員 今大臣から、行政指導の点ないしはばい煙排出規制法の取り締まり強化、こういう大きな面から逐次解決をはかっていきたいというふうな御説明でございました。 そこで私は、そういうような行政指導ないしは法取り締まりの強化という点で解決していただくことはけっこうでございますけれども、現状の把握というものがきわめて必要であろうと考える。特に現状の把握を十分やっていただかぬと、そういう行政指導の緩急の度合い、あるいは取り締まりと申しましてもなお今日未解決のものがたくさんございますが、そういう問題を今後どう具体的に進めていくかという問題とも関連がございます。そこで実際今日社会で問題化しておりますスモッグの実態というものがどういう問題であるかというような二、三の具体的な事例を示して、一つ今後さらに格段の御善処を願わなければならぬというふうに考えます。 そこで一つ御指摘を申し上げたいと思います点は、大気汚染の深刻度を示しますデータとして厚生省が発表いたしました国内主要都市の降下ばい塵量を私ども見て参りましても、一平方キロ当たり平均月間の降下量というものは釜石が三十九トン、札幌が三十一トン、大牟田が二十八トン、北九州市では大体二十七トン、川崎二十三トン、大阪では二十二トン、比較的少ないといわれております横浜、神戸、四日市、こういうところで十四トン。ところが外国の方を見て参りますと、諸外国の中で最も降下量が高いといわれておりますニューヨークが二十六トン、スモッグの本家でございますロンドンが十二トン、こういうように諸外国と比べて参りましても、日本のばい塵の降下量というものが非常に高い。そこで私は、今大臣からいろいろ厚生省のスモッグと取り組みます意気込みは承って参りましたけれども、やはり現状におきます日本の都市環境衛生施設というものがいかに劣悪な状態にあるかということを示しておるものというように実は判断をいたすわけでございます。そういうような資料で、世界の例と比べましても非常に極端に劣悪な状態でございますが、そういう点については一体どういうふうに御認識をいただいておるのか。これは行政指導でいくとか、法の規制の取り締まり強化でできるとかというようなお考えでございますけれども、今申し上げますように、日本の場合は、世界と比べましても非常に劣悪な状態にある。ですからこういう点をよほどこれはふんどしを締めてかかっていただかなければならぬと思うのでございますが、そういう点に対します御認識はいかがなものでございますか、一つ御所見を承っておきたい。
○西村国務大臣 御承知のように、私が行政指導をしなければならぬというのは、私の方は公害の取り締まりといいますか、その点は厚生省はやっておりますけれども、肝心のばい煙源の方については通産省です。通産省の今までの認識は、これは生産コストの問題もありまして、なかなかそれに金をかけないということでおったわけですが、こういうように世論が高まりますと、これはまたわれわれのみならず、通産行政その他運輸行政等につきましても十分認識を新たにしておるわけです。釜石の例をとりますと、釜石は一番日本でひどいのでしょうが、あれも設備をうまくすればあんなに上がらなくて済むのです。現に宇部が相当に悪い状態でありましたが、設備にいろいろ金をかけましたから、今では宇部は相当にばい煙の排出は少ないわけでございます。そこはただ罰則をもってやるというのではなくて、これは行政指導をする、その行政指導は、私のところと通産省あるいは自動車に関しては私のところと運輸省、そういうものが一体となってやらなければ——私のところは工場管理をしておりませんために、そのよごすのはほかの連中といっては悪いですが、ほかの部分でございますので、行政指導をするということだけで相当に直るのであります。また熱管理の上におきましても相当利益をするのでございますから、私はまず法律をつくるとかいうような問題じゃない、行政指導を先にしなさい、それには指導員も要りましょう、いろいろ要りますが、そういう気持でやりなさい、しこうしてやはり最終的には法律に基づいた規制を基準にいたしまして、それに従わなければ厳重な取り締まりをやる、こういうことにいくのではないか、かように考えて私は行政指導、行政指導と言っておるわけでありまして、今後は関係官庁との間に十分連絡をとり、必要があれば連絡会等もつくらなければならぬ、私はかように考えておるわけでございまして、その面で相当に成績を上げてみたい、かように思っておる次第でございます。
○河野(正)分科員 実際問題として、そういうふうなばい煙が出て参りますと、そのために被害をこうむりますのは国民である。そのしりぬぐいを厚生省がやらなければならぬわけですね。でございますから、たとえばどういうふうに国民が被害をこうむっているか。防止することは通産省その他の所管にまかせるけれども、実際の被害は国民が受ける。その被害については厚生省が担当しなければならぬということでございますので、若干そういう意味で被害の実態を御指摘申し上げて格段の御努力を願って参りたいと思います。 御承知のように、このスモッグの中にばい煙粒子、亜硫酸ガス、四エチル鉛その他有毒物質が多量に含まれている。この有毒ガスの濃度の人体許容量というものは〇・一PPMといわれておるわけですが、最近の日本の状態を見て参りますと、そのはなはだしい場合は〇・二三PPM、これも本場のロンドンの場合と比べましても非常に問題にならぬほど濃度が高い。時間がございませんから、引き続いて御指摘申し上げますが、しかもそういうようなスモッグを連日吸引いたしますと、気管支、肺臓、そういうような呼吸器を侵される。ガスで酸素が不足いたしますから、心臓に対しましても悪影響をもたらす。最近都市におきます乳幼児のぜんそくというものの原因は、これがすべてではございませんが、かなりの比重で乳幼児のぜんそくの原因となっておる。あるいは肺臓ガン、トラホーム、最近では横浜のごときは横浜ぜんそくといわれて、外人までが非常におそれておる。これは大して名誉ではございませんが、そういうような被害が国民ないし住民に与えられる。ところがそういう被害なり悪影響については当然厚生省が処理してもらわなければならぬということになるわけでございますが、そういう点についてはどういうふうに対処されようと考えておりますか。そこは純粋に厚生省の職域でございますので、一つ大臣から御所見を承りたい。
○西村国務大臣 私もあまり専門屋じゃないからわかりませんが、〇・一PPM、それを吸えば危険があるとかなんとかいうものじゃないのです。水清ければ魚住まずということはありますけれども、人間の場合は空気がきれいならばきれいなほどいいのです。しかしそういうことは産業をする上においてできないことであるから、この程度にしたらまあまあとこういう常識的な数字であります。従いまして、これを非常に極端に押えると、産業に対してあるいは工場に対して設備費等の問題になってくるわけでございます。この決定はやはり現状を見つつ、現在の状況を勘案しつつやらなければならぬのじゃないか、かように思っております。従いまして、率直に申しますと、その基準のきめ方が一番むずかしいのでございまして、私どもと通産省と意見が合わぬところがそこにできるのであります。私どもの方は清ければ清いほどいいのですが、一方産業面から見ますと、そうもいかぬというようなことであります。今日本はいい方ではありませんけれども、ロンドン等に比べれば相当にいいわけです。しかも日本は湿気がありませんから、湿度の点につきましては日本は条件に恵まれております。従いましてロンドンのようたああいうことになるとは思いませんが、いずれにいたしましても、少しでもきれいな空気にしたいというのが私たちの希望でございまするし、いずれ基準等につきましても急速にきめまして、それを一つの目標にして今後は進みたい、かように考えておる次第でございます。
○河野(正)分科員 いろいろ行政指導を今後はどうやるかということについては、今後一つ通産省当局とも十分御検討いただいて、そういう被害を最小限度にとどめていただきたいと思いますが、今申し上げますように、いずれにいたしましても人体に及ぼします影響は非常に甚大なものがある。工場その他の規制をやることが根本問題でございますけれども、実際にスモッグで被害をこうむる、そうして心臓を痛める、呼吸器を痛める、あるいはガンが発生する、そういういろいろな事態が発生をするわけですが、そういう点に対する予防対策は一体ないのかどうか。たとえばロンドンあたりでは非常にスモッグの強いときには、簡単なものらしいですが、防毒面のようなガス・マスクを使用するというような点もありますし、それから日本でも学者の意見によりますると、かなり部厚なマスクを着用すればそれに吸収をして被害が非常に少ないというような学説もあるようでございます。ところが実際にそういう点に対するPRが十分でないと、住民はそういう簡単にやれることがやれない。 〔主査退席、倉成主査代理着席〕 そのために、結局あたら健康を虫ばまれてしまう、こういう点もあろうかと思いますが、そういう点に対するPRについて——これは業者を規制するわけでもございませんし、厚生省が積極的におやりになれば、これはできる問題でございますが、そういう点に対しても私はかなり欠けておる面があるのではなかろうかというように考えます。そういう点についてはどういうふうにおやりになっておるのか、またどういうふうに今後おやりになろうとしておいでになるのか。
○西村国務大臣 現在の日本の状態ですと、非常に乾燥いたしておりまするから——これは空気は先ほど申しましたようにきれいになればなるほどいいのですけれども、今の状態ですと、さほどにそこまで一般の人に対する注意は要らない。しかし、あなたが言われるようにマスクをするとか、あるいはうがいをするとか、そういうことは必要でございまするし、特別に病気を持った方に対しては注意をしなければなりませんけれども、日本は今平均して〇・一三PPMくらいでしょうが、ロンドンあたりは〇・七五、しかもロンドンは湿気が非常に多いのです。日本の場合でも東京よりは大阪の方がちょっと悪いのです。それですから注意はいたしますけれども、お医者の意見を聞きますると、今の程度で騒いで市民の方にやれマスクをしろ、やれ何をしろと——これはほかの病気がはやればそうですが、スモッグのためにどうだこうだということの宣伝よりは、私の方としてはこれを防ぐことに力をいたさなければならない。それよりももっと問題なのは、結局自動車から出る排気でございます。これは黒くなくても有害な物質を含んでおるのです。従いまして煙といいましても黒い煙、白い煙、赤い煙がありますが、その白い煙がいいというわけにはいかないのです。いかに有害なものを含んでおるかということが必要なのでございまして、燃料等につきましても、石炭をたくよりは油の方が悪いのでございます。これは硫黄分が多いのでございます。従いましてあなたが今御指摘のように、もう少し医療面で注意したらどうだ、こういうことは時と場合によってはやります。やりますが、今それだからといって全市民の方に、やれそのためにマスクをかけなければ健康を害するぞというようなことは、この際は見合わした方がいいんじゃないか。私の方の最も重要に考えておるのは、有害ガスを含んでおる自動車のばい煙は注意しなければならぬ。現に警察官等は相当に健康を害しておる事実がこれを証明いたしておるのでございます。一般市民に対する注意は、特別な方にはやりますけれども。そのために今の状態で市民に呼びかけてどうこうというようなことは、もっとひどくなってからでいい——ひどくならぬようにしょう、こういうような考えでおるのであります。
○河野(正)分科員 今自動車の話が出て参りましたから、この際申し上げておきたいと思いますが、それは行政上なかなかむずかしい面もあるが、私はかなり簡単にできやせぬかという問題もあろうかと思います。そこで特に厚生省は、技術的な面についていろいろ行政上の監督をされる点が多いだろうと思います。 そこで私は一点御指摘を申し上げておきたいと思いますが、それはたとえば東京都内だけを見て参りましても、東京都内で走ります約八十万台の自動車から一日に放出いたします鉛の化合物の量というものは、大体丁七トン、こういうふうに言われておる。そういう危険に対しますアフター・バーナーの義務づけというような問題についても一つございましょう。それからもう一つは、たとえばガソリンの自動車を走らせます場合に、ガソリンのオクタン価を高めるために、戦争中は飛行機の燃料に四エチル鉛をまぜる。それと同様に走ります車のガソリンにオクタン価を高めるために四エチル鉛をまぜる。そうしますと化学的にヘッチピレン等が出て参りまして、これが非常に有害に人体に作用する。そこでそういう点は、四エチル鉛はガソリンにまぜてはいかぬというような行政指導をすれば、少なくともその被害だけは防止できる、こういうふうに思うわけですが、そういう点についてきめのこまかい指導、これはやればできるのです。四エチル鉛をまぜるなと言えばそれでいいのですからね。そういうふうなやれる指導が行なわれなかった、そのために人体に悪影響をもたらしておる、そういう実例があるのではないかというふうに思うわけでございますが、そういう点はどういうふうにお考えになっておりますか、お伺いしたい。
○西村国務大臣 こまかい話になりましてむずかしくなりましたから、政府委員をして答弁させます。
○五十嵐政府委員 御指摘のように、排気ガスの問題は非常に大きな研究課題でございまして、私どもも排気ガスにつきましては、昭和三十五年以来三年にわたりまして。測定方法あるいは測定の機械器具等の研究をやって参ったわけであります。ようやく自動的に各種の有害ガス等を分離して測定できます機械の設計製作に成功いたしましたので、先ほど大臣から申し上げましたように、これを来年度は東京都内の要所に設置をして、その測定、各ガスあるいは紛塵ごとの自動的な測定をやりたいと考えておるのでございます。御指摘のように、排気ガスの中からはいろいろな物質が出て参るわけでございますが、大臣のお話にもございましたように、これが保健衛生の面からはゼロであることが望ましいわけでございますけれども、自動車の燃料の効率といったような面から、これをどの程度に保健衛生と調和できるかというような点が一つの問題でございまして、今回御決定を願いましたばい煙規制法におきましても、生活環境の改善をはかると同時に、公衆衛生の面と産業の健全な発達の面との調和をはかりつつ、公衆衛生の向上をはかって参りたいというような考えでおりますので、できるだけこういった点については技術的な問題も含めて検討いたしまして、有害ガスの排除という方向に向かって努力をして参りたい、このように考えておるわけでございます。
○河野(正)分科員 一例でありましたけれども、そういうように未然に科学的に指導すればできる場合もあります。 それからもう一つ、これは具体的な例ですけれども、たとえば亜硫酸ガスの発生ですね。今亜硫酸ガスがどういう原因で一番発生するかというと、これは火力発電所です。これが重油を使う、そのために亜硫酸ガスが多量に放出される。ところがその際に私どもが注意してみなければならぬ点は、中近東地域から輸入されました重油、これが硫黄含有量が一番高いわけです。そのために実は亜硫酸ガスというものが多量に放出される。それですから、(「ぜんそくになる」と呼ぶ者あり)今ぜんそくになるという御意見もございますけれども、重油を使う発電でございますから、重油をたかなければならぬでしょう。その際に重油の選定いかんによっては亜硫酸ガスを少なく済ますことができる、こういう科学的な、きわめて適切な実例があるわけです。そういう点についてはやはり厚生省が少し科学的な知識のうんちくを傾けて、通産省その他とも十分御相談になっていただきたい。案外こまかいような話ですけれども、これは非常に具体性がございます。そういう具体的な検討がなされずに、ただ工場を規制しよう、ところが工場を規制すると、機能が低下していかぬ、あるいは財政負担というものができぬ。そこで手をゆるめるということに頭が向いているようでございますけれども、もう少し知恵を働かせると、今申し上げますように、ばい煙の被害を僅少にとどめることができるような具体的な実例があるわけです。ばい煙の被害ということで世間で騒いでいるわけですから、そういう問題に真剣に取り組んでいただくというならば、そういう面についてのもう少しきめのこまかい行政指導をやっていただくことが、私はきわめて重要ではなかろうか、こういうように考えるわけであります。これは大臣も初めてきょうお聞きになったと思いますが、そういうふうな面もあるわけでございますから、一ついろいろな角度からこの問題に取り組むという姿勢を示していただきたいと思いますが、いかがですか。
○西村国務大臣 初めてではないです。相当にいろいろやっております。火力発電は新鋭のものはみなコットレル集塵装置を置いております。しかしそれは微粉のごみをつかまえるのですが、亜硫酸ガスをつかまえるわけにはいかないのです。そこで御指摘のように、亜硫酸ガスの硫黄分を含んでいないものをたいたらどうだろう。それは油の方が硫黄分は多い。それだから石炭——こうあなたは持っていきたいのかどうか知りませんが、しかしそれはそれだけではいかない。それでは火力発電所は全部石炭をたいたらどうだ、こういうところにすぐ持っていくわけにいかないので、やはり量とかなんとかいうようなことで考えなければならぬのでありますから、これは十分御趣旨はわかっております。研究をいたしまして、これは設備をよくすればある程度防げるというようなことはわかっております。また自動車等もやはり経済的理由で重油をたいたり、いろいろ混合のあれをたきまして、それが公害だけを主眼にして考えるというわけに彼らの経済はいかないと思いますが、最小限度にするということは、どうしてもやらなければなりませんから、御趣旨のところは十分わかっておりますので、注意深くきめのこまかい指導を私どもはやっていきたい。それからやはり、率直に申しまして、通産省が工場を管理しており、私の方がとやかく言うと、またそういう権限もありませんが、各省の連絡会を運輸省を含んでおそらくつくることになりましょう。そうしてこれは改善しなければならぬ、かように思っておりまするから、どうぞ一つ御協力のほどを賜わりたいのでございます。
○河野(正)分科員 持ち時間が参りましたから、最後に一点だけ申し上げて、他の委員に譲りたいと思いますが、先ほど局長からも報告がありましたが、本年から総合モニター制等の実施が行なわれる。もちろん測定や記録も問題でございましょうけれども、それだけでは解決できぬわけです。ところが公害対策審議会がいろいろ答申をなさっておるわけですが、その答申の面が十分実現されておらぬのが今日の実情であるようでございます。そこで、やはりせっかく大臣が諮問をされておるわけでございますので、この公害対策審議会の答申については、すみやかに完全に実施をしていただくように御要望を申し上げておきたいと思いまするし、その点に対しまする大臣の御所見を承って、私の質疑を終わりたいと思います。
○西村国務大臣 今どういう審議会があるか私は知りませんが、公害防止調査会というのは従来あるわけであります。しかし、それは非常に特定の方が個人の資格で各市町村に呼びかけましてやっておるわけです。それからこれはどうしても公共団体それから民間の協力を仰がなければならぬと思います。そういうような制度も、ぜひ一つ各省連絡会とともに考えていきたい。これはやはり広く民間に呼びかけてPRをしなければなりませんから、そういうような民間の機構も要るんじゃないか、かように考えて、せっかく今検討をいたしておる最中でございます。どうぞよろしくお願いします。
○倉成主査代理 山口鶴男君。
○山口(鶴)分科員 私はハンセン氏病対策と清掃問題につきまして、若干お尋ねいたしたいと思います。 最初に、ハンセン氏病対策についてお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、特に西村厚生大臣は科学技術にはきわめて豊富な識見をお持ちの方でございまして、厚生省行政に当たりましても、十分科学的な面での対策に力を入れているんじゃないかと思いまして、ひそかに尊敬をいたしているわけであります。特にハンセン氏病対策でありますが、大臣も御存じの通り、今や西欧諸国におきましてはハンセン氏病患者はほとんどおらないわけであります。いわゆる文明国といわれている国の中では、日本ほどらい患者、いわゆるハンセン氏病患者の多い国はない、こういうふうにいわれているのであります。ところが、厚生省所管の各種試験研究所の予算を拝見をいたしますと、国立らい療養所の予算もあまり伸びていないわけであります。厚生大臣は、この際、先進国においてハンセン氏病の患者が一番多いというような日本の汚名を払拭するためにも——このらい菌の純粋培養を実現することができればノーベル賞ものだというお話も聞いておりますが、特に、科学技術に造詣の深い大臣としては、抜本的に国立らい療養所を充実強化いたしまして、らい療養の面につきまして画期的な施策を講ずるお考えがございますか、まずお聞かせいただきたいと思います。
○西村国務大臣 らい患者の点につきましては、政府も相当に今まで力を入れて、今日若干の、一万人の患者はいますけれども、数においては相当減ったと思います。しかし、今、あなたが申されましたように、こういうものは先進国では全然ない。それに比べれば、若干にいたしましても現実にあるわけであります。しかしアジア諸国に比べれば比較にならないほど日本は少ないのであります。インドその他におきましてはらい患者は相当におるわけであります。その点からは、日本はアジアにおいては最もすぐれておる。しかし先進国に比べればまだこれが一万数千人もおるのでありますから、このらい患者につきまして、われわれ重点を置いておることは申すまでもありません。予算におきましても十分とはいえませんけれども、年々ふえておるのです。ことしもらい療養所に使う予算は二十六億くらいになっておるわけでございます。相当な力を入れておることは事実でございます。この患者の一日も早く絶滅されることのために私どもは努力して参っておる次第でございます。
○山口(鶴)分科員 確かにらい対策費は、昨年に比べまして二億三千万円ほどふえまして、二十六億円ほどになっておることは承知いたしております。しかし国家財政の予算の規模の増加率一七・四%に比べますと、一〇%に足りないわけでありまして、伸び率は少ない。こういうこともいえると思いますが、時間もありませんから、そういう問答はこれ以上いたしませんで、お尋ねをいたしたいと思います。 らい対策の問題、ハンセン氏病対策の問題につきまして、従来の考え方は、ややもしますと、らいというものは、いわゆるハンセン氏病というものは、不治の病である、だから強制的に隔離をいたしておけばいいというような状態であったと思うのであります。そういう考え方にのっとって現在のらい予防法もできておると思うのであります。しかし大臣も御存じのように、現在全国に約一万人の患者がおられますけれども、このうち百名程度は治癒して一般社会に復帰しつつあるわけですね。その後の科学技術の進歩によりまして、プロミン等の普及によりまして、らいは不治の病ではない、なおるんだ、こういう方向に大きく転換しつつあると思うのであります。従って私の希望したい点は、従来の古い型にはまったらい予防法をこの際改正をいたしまして、単に隔離するというような考え方ではなしに、療養所として、病院としての機能を十分に強化いたしまして、治癒という点に全力をあげてこの行政をやっていくというお考えがあるかどうかお考えがあるかどうか。従って、らい予防法を改正していくお考えがございますか、この点を一つお聞かせいただきたいと思います。
○西村国務大臣 今申しました予算の中でございますが、ことにらいの研究を十分進めたい。従いまして、北多摩にありますらい研究所につきましては、ことしは特別予算を増加いたしまして、今言いましたようなことで、この病原菌を絶対に絶ちたいということで研究に特に力を入れまして、三十七年度と比べましてらいの研究予算は三割以上も増したのでございます。御説のような趣旨に従って、今後この問題に力を尽くしていきたい、かように考えております。
○山口(鶴)分科員 私は、昨年も灘尾厚生大臣に対しまして、国立のらい療養所の運営が、隔離という点に重点があるのを治癒という方向に抜本的に改めるべきじゃないか、こういう意見を申し上げたのです。灘尾厚生大臣もぜひそのように努力をしたいと言っておられました。しかし本年研究所の予算が三〇%以上増加いたしまして、そういう方向に転換の第一歩をしるしましたことは非常にけっこうだと私は思うのでありますが、特に先ほど申し上げたように、西村厚生大臣は科学的な研究の問題について、まさに十分な抱負をお持ちなわけでありますから、西村厚生大臣が在任中にらい予防法の改正についても一つ着手をしていただきたいと思うのですが、その点はどうでしょうか。
○西村国務大臣 らい予防法につきまして私自身まだ十分検討ができておりませんが、必要ならば一つ検討してみたいと思います。
○尾村政府委員 ただいまのらい予防法の改正でございますが、実は昭和二十八年、二十九年にわたりまして、ちょうど御質問のような趣旨が、それ以前の古い予防法に入りまして、国立療養所で療養をすること、あるいは入所者の福祉をはかる、さらにこれらの療養の裏づけになります子供の教育等、こういうものが当時の改正で入りまして、ある程度進歩はいたしたのでございますが、らい予防法の中で一番問題になっておりますのは、らい患者となるといかにも全部法律によって収容してしまうのじゃないかという点がいわゆる近代的でないといわれる点でございますが、これは現在法律でも、あくまでらいを伝染させるおそれ、いわゆる感染患者ということに法律は規定しておりまして、むしろ入りましてから、従来伝染性があるかないか、治療が完成したかどうかという点で、学問的に証明の方法が非常に不確実であったというので、先ほどお話しのようにいわゆる排出菌の培養ができなかったので非常に困難でありましたが、最近療養所の学者の共同研究によりまして、菌そのものは培養できないけれども、身体の各所から一定の基準でこの菌を発見すれば、いわゆる染色で見る等のことによりまして、もう伝染力がないという証明が大体間違いなくできるというようになりましたので、退所につきましては、もう治癒完成した者は、いたずらに閉じ込めるというようなことでなしにやるということにいたしました。 いま一つの問題は、国立療養所の外出制限の問題が法律にある。これは今伝染のおそれなしというようなことがありますので、実態に即さぬという形で、これはもうすでに数年前から、医務局の指導もございまして、ある程度合理的な許可制度もやるというような指導方針はとられておりますので、現実にはこの法律のために一番問題になっておった点が、非常に窮屈になっておるとは思いませんけれども、ただ御説のように、まだ法律の中に治療問題中心あるいは研究のようなことも法的に入れてやる必要がある。そうしないと予算もとれないというようなことがございますれば、そういうようなチャンスに総合的に考える、こう考えておりますが、ただ私どもの考えでは、病院経営という形は必ずしも全部法律で干渉するとかいう形じゃなくて、治療とか保護を助成するのは、予算とか、あるいはそこの従業員の考え方、行政運営、こういうことでいくのではないかというので、現在まだ案等はつくっておりませんが、先ほど大臣が言われました通り、これは医務局ともよく連絡いたしまして、今後研究いたしたいと思います。
○山口(鶴)分科員 らい予防法が制定をされましたときに、国会において附帯決議が付されているわけですね。たとえば入所患者の自由権確保の問題、文化生活のための福祉施設を確立する問題、ただいま御指摘のありました外出制限の問題、あるいは強制入所の問題、退所者に対する更生施設の問題、あるいは国立のらいに関する研究所の設置の問題、こういうようなものが附帯決議としてなされていると思うのです。運用の中で十分配慮されているというお話は聞いたのでありますけれども、しかし実情がやはりそういうふうに移行しつつあれば、法律だけが旧態依然たるままになっているということは問題ではないか。従って少なくとも実情において緩和されつつあるものについては、この際法律的にもその論拠を与えていく、こういう立場で一つ善処をお願いいたしたいと思うのですが、大臣いかがですか。
○西村国務大臣 検討いたしてみたいと思います。
○山口(鶴)分科員 それでは、国立療養所におきます患者の人たちの待遇の問題でありますが、この問題につきましては、山花委員あるいは先ほど有馬委員からいろいろお話があったと思いますので、きわめて簡単にいたしたいと思うのであります。 私は昨年の予算分科会におきましても、不自由者慰安金の問題、また作業賃の問題につきまして、いかにも低額過ぎるではないかという御指摘をいたしておきました。本年度慰安金につきまして百円増加され、作業賃について十円値上げをされたようであります。また特に外国人との関係でいろいろ問題になっておりました不自由者慰安金につきましても増加になりましたことはけっこうだと思います。しかしいかにも少額過ぎるではないかというそしりだけは、私は免れることができないと思うのです。たとえば不自由者で働くことのできない方で、いわゆる障害年金の適用を受けている方につきまして、本年度は二千九百円程度の支給がなされるようでありますが、これも少ない。一面、ある程度からだが健康で甲作業に従事できる方の給与が一体月に幾らになるかということになれば、これは多分二千三百五十円程度にしかならないのじゃないかと思います。そういったことを考えてみても、ある程度の作業に従事する、たとえば食糧の運搬等の作業に一日四時間も従事しておる方が、なおかつ一カ月二千三百五十円程度の待遇ということは全くお話にならぬと思うのです。これについては、本年度は予算がきまったのでありますが、できるだけ近い機会に改正するという点は、大臣一体どうでございますか。
○西村国務大臣 各種作業ごとに十円上げまして、ほんのわずかなことでございましてはなはだ遺憾には思います。私たち十円では十分満足したものじゃありませんが、最終的に交渉の結果こうなったのでございますので、なお今後改善していきたいということを考えております。
○山口(鶴)分科員 特に国立療養所の運営は職員だけではできない仕組みになっているのですね。どうしても患者の人たちの看護作業とか——若干看護作業は一般職員に切りかえられつつありますけれども、しかしその他の作業についても、いわゆる患者さんの労働を当てにしなければ所内の運営ができぬという建前になっておるのですね。しかも作業に従事する中で、相当危険な作業に従事して死亡されたという例すらあるわけなんです。これは二、三年前でありますけれども、私のおります群馬県の療養所でそういうことがありました。ですから、本来ならば職員でもってやらなければならぬ仕事についても、患者さんの労働に期待をしている。そういう事態の中で、四時間働いて作業賃が今度十円上がって五十円だというような、あるいは乙作業のごときは十円上がって四十五円というような作業賃、これはいかにしても時代錯誤であることだけは明らかであると思います。この点は一つ十分な善処をお願いしておきたいと思います。 時間がありませんから退所者の問題について触れたいと思いますが、退所者の予算を拝見いたしますと、今度新しい施策として若干いろいろな仕事が現われておりますことはけっこうだと思うのでありますが、この更生指導所の問題、それから退所者委託金の問題、それから世帯更生資金による退所者の方に対する貸付、こういったものの人員の算定が全くばらばらでないですか。退所者委託金については百人退所するという形で予算が積算されております。それから退所者を収容する更生指導所は三カ所要求が一カ所に削られた。何人収容できるかといえば二十人しか収容ができない。しからば世帯更生資金の貸付は一体どうか、一人十万円で十人きりしか貸せないじゃないですか。一体退所者は現実にどのくらいあるのですか。そうしてなぜこういうふうに退所の方々に対する予算措置が人員の算定がばらばらなんですか。
○尾村政府委員 ただいまの新規に起こしました事業につきましても、従来の退所者委託金と、人数が退所者の総ワクあるいはその中でもばらばらじゃないかという御質問でございますが、その通りでございまして、これはそれほどきっちりした項目ごとの確実な希望者をとってやったというほどにはなっておりません。大体一番新しい更生指導所、これはできるべき立地条件、これの確実なところがさしあたり一カ所、これは神奈川県に大体土地も確保できておるというようなことと、それから一カ所の収容人員があまり大きくては——こういうような他に職業を覚えに出たりあるいはここでひそかにやらざるを得ないところでございますので、さような形から一カ所二十人、こういうことで更生指導所はさしあたり三十八年度の十月から、可能性から見ましてとにかく二十人一カ所始める、こういうことにいたしたわけでございます。 それから世帯更生資金の方は前年度の一世帯十万円を今度十三万円にいたしました。中身も支度資金、技能修得資金等をふやしたわけであります。人数も十名、十世帯にふやしましたが、これも前年度実際に世帯更生資金を退所間ぎわに借りまして、具体的な立ち上がりの職業を持つということの確率が大体従来こういうことでございましたので、一応それに二割増しをいたしまして、費用を三割増しをした、こういうことで幾分改善いたしましたが、しかしこれも最近の退所状況並びに退所者が実際に職業についていって必要とするような実績がもう少しよくつかめますれば、それに応じて、その年度の必要なものは組む、こういうつもりで、押えるつもりはないわけでございますが、従来の実績から一応伸びを考えてやったわけでございます。
○山口(鶴)分科員 どうもその点が私は事実上の認識が不足じゃないかと思うのです。大体百人程度、退所する方が患者の一%程度である、これが私は実態だと思うのです。ところが現実に世帯更生資金の貸付はどこがやっているか。藤楓協会でしょう。患者の方に聞いてみますと、藤楓協会の運営たるや全く封建的だと言うのですよ。藤楓協会の事務局長さん、名前をあげるのは恐縮ですからあげませんけれども、この方が天皇のごとくいばっていると言うのですね。そうしてその人に最敬礼の仕方が悪いとなかなか貸してくれぬと言うのですよ。ですから、この実績が少ないというのは、借りる人が少ないから少ないのじゃないのです。いわば世帯更生資金の貸付の窓口たる藤楓協会の運営が民主化されておらぬから、借りたくても借りられぬというのが実情なんです。そういう点の認識をはっきりしてもらわぬと困ると思うのですね。ですから、少なくとも百人の退所者委託金をお組みになったならば、やはりこれに合わせて組む。もちろん全部が全部必要とするということはないかもしれません、中にはお金持ちの方も全然ないとは言えぬでしょう。ですからぴたりと同じでなくてもけっこうでありますけれども、少なくともこれに近い数を組んでいく、そうして希望者は十分考えていけるという体制をしいてもらわなければ困ると思うのです。 そこで、私は確認をしたいと思うのですが、更生資金を借りたい方が十人にとどまらずたくさん出てくる、そうした場合は、予備費か何かを流用いたしまして、十分希望をかなえるという、あたたかい措置をやる気がございますか。
○尾村政府委員 一応この予算の費目からは委託費でございまして、年度当初に設定いたしました予算のワクで当該団体と委託契約を結ぶ、こういう形になっておりますので、いわゆるほかの伝染病予防費のような義務でございませんので、一応はこれは不可能でございます。しかし現実に、協会のただいまの御説のようなこともうわさにありましたので、現在いろいろと両方で協議しながら事務の適正化を指導いたしておりますが、現実にこれが何としても年度内に人数をふやさなければならぬというだけの必要な患者がもうまさに出てくる、こういうことをつかみましたならば、私どもとしてはよく事情を具して大蔵省にも正しい予算ならばお順いをする、こういう形になるかと思います。要は、当初の予算がその後どういうふうになるかということでございますが、ただ、先ほど他の先生からも御質問がありましたように、これを委託いたしますと、藤楓協会が本来の基金とその利子等を運用いたしましたりあるいは寄付を受けました総括の年間予算を持っておる、その中にこれをまぜましてやっておりますので、あるいは当該年度の相当部分まではその事業支出経費の中で運用できるという面も十分あるかと思いますので、これは私どもの方で監査指導をいたす責任がございますので、あるいはとりあえずそれで可能な範囲の場合にはそれで処理する、こういうふうな二段がまえで事情が起こった場合には解決したい、こう思っております。
○山口(鶴)分科員 この点は実情をいろいろ聞いておられるということでけっこうであります。少なくともこれからのハンセン氏病対策は治療に力を入れる、同時に、社会保障の面からいきまして、入所している患者さんの待遇についても改善をしていく、これが重点でありますと同時に、これからの行政の相当大きな部分が、退所されていく人たちに対する措置を一体どうするか、これがやはり私は問題になってくると思います。そういう点で実情を十分把握されて、必要な場合には大蔵省に予算要求もして措置をするというお考え方を忘れずに、一つ貫き通していただきたいことをお願いいたしておきたいと思います。 時間もございませんから、あと清掃の問題を若干いたしたいと思います。まず大臣にお聞きをいたしたいと思うのですが、経済企画庁で出しております国民生活白書、大臣お読みになっておられる、だろうと思うのでありますが、これを見ますと、まことに嘆かわしいことが書いてあるわけであります。しかも冒頭に書いてあるのでありますが、たとえば「わが国の生活は、テレビなど家庭電化製品に関しては一流国、被服については二流国の域に達したが、生活環境施設に関しては「等外国」といわれるほどに、両者の生活はアンバランスである。」こう書いてあります。生活環境施設に関する主管大臣は厚生大臣であります。この政府が出しました国民生活白書に書かれている生活環境施設、具体的には、たとえば清掃施設、下水道、こういったものが等外国であるという現状に対して、大臣としてはどうお考えになり、どうこれを改善する抱負をお持ちでありますか、まずお伺いをいたしたいと思います。
○西村国務大臣 いろいろな社会制度は進んでいきましたが、それに比較して、国民全般の社会保障ともいうべき生活環境施設というものがとかくおくれがちであった。ことにそれが目立つようになりましたのは、御承知のように人口の急激な移動で都市が困り、また農村では生活様式が変わっていったということで、都市も農村も同じように生活環境で困った、こういうことでございまして、今までのようにおろそかにしたということ、それにかてて加えて、急激に社会情勢が変わっているということで、ほかの社会保障としては相当に進んできたが、生活環境はその中でも特におくれたのだ、こういうことは、私も認めざるを得ないと思うのでございます。従いまして、政府といたしましても、この生活環境施設につきましては、三十八年度も十分ではございませんが、格段な措置をし、引き続いてやはりこの問題は計画的に一つある目標を持って進まなければならぬのじゃないかという考えで、今後は強力に改善をはかりたい、かように考えておる次第でございます。
○山口(鶴)分科員 お言葉は大へんけっこうだと思います。政府で考えております緊急五カ年計画、その総事業量を一千六百九十一億と計画をされておるようであります。三分の一補助という補助率から申しますと、補助金におきまして五百六十三億という格好になるかと思うのでありますが、一年間の平均は百十二億ですね。しかるに今回の清掃関係の補助金は四十億五千四百万円です。昭和三十八年度から始まる緊急五カ年計画総事業量一千六百九十一億に対して本年度の補助金はいかにも少な過ぎるのじゃないですか。この点は一体どうなんですか。これで五カ年計画が実施できますか。
○西村国務大臣 その金は補助率だけの金でございまして、それに対応いたしまして、起債もあるわけでございます。しかし、今総額をあなたはおあげになりました。それを五カ年でやるとすれば、その五分の一じゃないか、こういうこととは多少の開きがあるのでございます。しかし初年度でございますので、だんだんその年次に従って増していこうということは、これは大蔵省も認めておるわけでございます。私どもの方の希望といたしましては、やはり相当緊迫しておるからということで、必ずしも大蔵省とは同じ考え方でなかったのでございます。終局的にはそうなったのでございますが、いずれにいたしましても計画的にやる。この四十億は国費だけでございまして、その補助金に対応して起債もあるので、相当な大きい金になると思います。また三十七年度の予算あるいは三十六年度の予算等に対しましては、相当な伸び率を示しておるということは、確実であろうと思われます。
○山口(鶴)分科員 昭和三十七年度予算の二十四億円に比すれば、本年度の補助金四十億円は、これは増加いたしたことば事実でございまして、 この点の大臣の御努力に対しては敬意を表するものでありますけれども、ただ一千六百九十一億の総事業量を五年間でこなしていく、三分の一補助で五百六十三億ですね。起債があると言いましたけれども、起債は、補助率が三分の一だから、残りの三分の二に充当するものとして、これは当然起債を組むわけでありますから、結局五百六十三億円の補助金を五年間にこなすためには、どうしても百十二億の補助金を毎年組んでいかなければ、これだけの事業量にはならぬはずですね。そうでしょう。それに対して本年度は半分以下であるところの四十億五千四百万、これではいかにも不足じゃないですか。もちろん五カ年間に同じ事業量をするのじゃなくて、将来伸びていくというふうなお話なんだろうと思いますが、しかし、今のオリンピックを控えて、日本の都市清掃の問題というものは緊急なものじゃないですか。ですから、本来ならばだんだん事業量がふえるというのじゃなくて、少なくとも昭和三十八年度、九年度あたりに、その五カ年計画の仕事の半分くらいをやるぐらいのつもりでなくては、これは私は間に合わぬと思います。だから将来ふやすのじゃなくて、初めにふやして漸次減っていく、こういうくらいの気がまえでなくちゃいかぬと思いますが、それに対していかにも補助金が寡少じゃないか。この点一体どうなんですか。
○西村国務大臣 さいぜんも申し上げましたように、十分とは私も言っていないのであります。従いまして、これはある計画でいけば今後伸びざるを得ないのでありまして、ことにオリンピックもあるからというような問題もございますが、オリンピックでやらなければならぬ問題も、これのみならず、多々ますます弁ずのように金が要るのであります。しかし、これは非常に世論になっておりますから、少なくともある程度、これはどうしても計画的にいたさなければならぬ。初めは処女のごとく終わりは脱兎のごとくやるつもりでございます。 それからもう一つは、やはり屎尿処理といいましても、研究する事項がたくさんございまして、ただ単に金をくっつけて、むやみやたらにいたしてはいけないのであります。日本の屎尿処理は非常におくれておりまして、方法論がたくさんあります。たとえば、今まではむやみやたらにやっておりましたけれども、人口によりましてやる方法がたくさんあるのであります。それですから、実際施行する場合につきましては、やはり一万の都市の処理、あるいは五万の都市の処理、十万の都市の処理、さらに大都市の百万都市あるいは東京都のごときものは、その方法論が非常に違います。今までは、とにかくむやみやたらにいろいろ業者にまかせてやっておりましたが、方法論等も相当に研究していかなければならぬ。そのために、金が減ったんではございませんが、やはり方法を見つけて、これはしっかりしたものにしてやっていかなければならぬというので、金が来年度は、平均をはるかに下回っておるということだけは私は遺憾だと思いますが、これも国家全体の財政上の問題からこうなったことでございますが、私ば計画通りに十分やっていきたいと、かように考えて努力をするつもりでございます。
○山口(鶴)分科員 初めは処女のごとく終わりは脱兎のごとしと、こう言われたのでありますが、五年間でこの調子で、一体一千六百九十一億こなせますか。私は非常に危険だと思いますね。本日も新聞を拝見いたしましたら、西村厚生大臣と田中大蔵大臣がお話をした記事が載っておりました。近く将棋の王将戦をやろう、こういうお話だったそうですが、田中大蔵大臣は、私は駒組みがないと言ったら、いやわしは詰めが強いと、こう西村厚生大臣が言われたという記事が載っておるので、非常に意を強うしたわけでありますが、やはりこの詰めが強ければ、この事業量の百十二億に対して四十億幾らでは、この問題に関しては、ちょっと詰めが強いとはいかなかったのじゃないかと私は思います。どうですか、五カ年でこの調子で事業量をこなせますか。
○西村国務大臣 こなすように努力しますが、それに計算をしてあることも、一応そういう計画でいきますけれども、もっとこまかに話しますと、これは、つまり海洋投棄はやめよう、非衛生処理はやめよう、そして衛生処理をしよう、その衛生処理をするのに、下水道を使うのと、消化装置を使うのと、浄化装置を使うのと、この三つの方法でやろう、そうすると四十二年の人口が九千九百二十三万七千人になるから、そのうちの何人を対象にするか、それは全人口でございますから、山の奥の人口は、これは対象になりません。そこで、それを八千万人と踏んでいる。この踏み方にも多少の疑問があるわけです。従いまして、だんだんやっていって、やはりその間に考えつついくのでございますから、八千万人をやる。今大体衛生処理をしたところが三千万人くらい、あとの五千万人の処理をしようということでございます。それから計算をしてきておるのであります。従いまして、今後やっていく上におきまして、いろいろそういうようなことも正確にはじき出していかなければなりませんし、私は初年度が少なくても、相当に自信を持ってやれる、かように考えておる次第でございます、将棋の話は別でございまするけれども、それは自信を持ってやるつもりでございます。また、やらなければなりません。今日非常に屎尿処理は都会地のみならず、農村も大へんに困っておるわけでございますから、私は必ず来年度は相当の予算を組む、ことに今度雪害地なんかも思わざる屎尿処理の問題で困りました。新しい問題も提起されたのでありますから、おそらく飛躍的な予算になろうか、私はかように考える次第でございます。
○山口(鶴)分科員 雪害地のお話が出ましたが、結局雪害に関しまして、河野建設大臣が行かれて、汽車は通したようであります。しかしそのあとに残った問題として、なだれの心配とか、あれだけの雪が積もったあとにおける屎尿処理、塵埃処理の問題が今や雪害地帯における一番大きな問題になっているということは、私もよく承知いたしているところであります。問題は、下水道があの地域に全く普及していなかったことにああいう問題が起きる原因があるわけでございますから、この点は一つ、将棋の王将戦については十分田中大蔵大臣に勝っていただきたいと思うのでありますが、同時に予算の詰めの方も一つ大いに御努力をいただきたいと思います。 最後に海洋投棄の問題が出ましたのでちょっと触れておきたいと思いますが、海洋投棄が今非常に行なわれております。聞くところによりますと、東京湾あるいは大阪湾におきましては、湾の下が屎尿だらけである。大臣、科学には強いわけでありますが、海底の温度は摂氏四度、そういうところへいきますと、なかなか腐敗しないで、ほとんど原形のまま湾の底に滞留しておるというようなお話もございました。海洋投棄が行なわれる原因は、私は直営でないところにあると思うんです。業者に委託をしている。従ってその業者が湾から出ると、すぐ底を抜いて、所定の規則通りのところまで行って投棄をしないで、行きながらどんどん放出をしていく。いわば経営の業態が直営でないところに私は問題があると思うのです。この点の見解はどうですか。
○西村国務大臣 請負でありましょうと直営でありましょうと、投棄するところはさまっておるので、前も厚生省で海上保安庁等に頼んで、抜き取りで検査をしたこともあるのです。不法な投棄はしていなかったという年もありますし、不法投棄をしておってつかまえられた年もあるのです。従いまして不法投棄をすれば別でございまするが、普通の状態で、あの区域であれば、そうそう誇張して言うほどの被害もないわけでございます。しかしたまたま海流その他の点で、あるいは不法投棄をするというようなことがありましたら、今御指摘のようなことも起こるのでございます。従いまして、私はそれが特に請負の場合にそうなる、こういうこともあろうかと思われまするが、請負の場合でも直営の場合でも、それはいろいろあると思います。ただし、今は東京につきましては、請負の場合は船団を組んで出るのでありまして、東京都の職員が乗っておるようでありまして、その場所の確認をする。私どもの方といたしましても、ときどき抜き取りをいたしまして、東京都のみならず、ほかの海洋につきましても、海上保安庁等に依頼をしまして、十分気をつけたい、今までもやっておりましたが、今後十分気をつけたい。しかし要は、この海洋投棄を早くなくしたい。今、海洋投棄は全人口に対して一八%ぐらいのものをやっておる。こんなことをいつまでも続けるわけにいかぬと思っておりまするから、特別に環境施設については重点を置いて考えておるわけでございます。
○山口(鶴)分科員 国民生活白書百八十九ページ、厚生省の資料によるところの屎尿衛生処理率を見ましても、東京においても二六・二、%大阪においては五・〇%、こういう状態ですね。そういうところにどうしても今言ったような、大臣の、お話のようなことが起きるだろうと思うんです。やはり衛生処理率というものを上げていく、これがもちろん重要であります。同時に、不法海洋投棄はまだまだ残っているのではないかというお話を聞くのでありますが、この点の厳格な規制は大いにやっていただきたいと思うんです。そうして直営と請負の場合で必ずしも云々というようなお話もありましたが、やはり直営の方が、厳格に規制し得るということは、これは常識で考えても事実だと思うんです。こういう観点からも、直営をできる限り充実をして、そうして委託を減らしていく、請負を減らしていく、こういう点の努力は大いに進めていただきたいと思います。 それから函館では今度海岸にずっとパイプを引きまして、そのパイプを通じて海洋の方へ投棄をするというような施設をやっておるという話も聞いておるのでありますが、こういうことは一体どうなんですか。
○西村国務大臣 それはまだ私どもは聞いておりません。一つ調べてみたいと思いますが、あまり感心した方法じゃないですね。衛生局長から知っておればお答えいたさせます。
○五十嵐政府委員 私もその点につきましては初めて伺いまして、事情を承知いたしておりませんので、さっそく取り調べます。
○山口(鶴)分科員 とにかく海洋投棄をするような施設をあらためてつくるということは、私は少しおかしいと思う。それだけの経費があるならば、当然終末処理施設をつくるべきであって、そういう点の規制は一つ厚生省で十分実情をお調べになってやっていただきたいと思うのです。 もう時間もだいぶ経過しましたから、これでやめますけれども、とにかくハンゼン氏病の治療対策の問題につきましても、清掃の問題につきましても、いわば日本の又化国家としての体面からいきますと 非常に問題のところであろうかと思うのであります。従ってハンゼン氏病対策につきましても、抜本的な予算を確保いたしまして、そうして一日も早くあのような病気を日本の国土から全部治療していく、こういう方向で御努力をいただくと同時に、この清掃問題に関しましても、五カ年計画をつくったけれども、第一年度の予算が五カ年計画の一年分の予算の半分にも満たぬというような状態を一日も早く解消いただきまして、そうして生活環境施設の問題については等外国であるというようなそしりをなくするように、全力をあげて一つ御努力されることを心から期待申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○倉成主査代理 栗原俊夫君。
○栗原分科員 私は国立の病院並びに療養所に関して、きわめて具体的な問題でお伺いをしてみたいと思います。 昨年の暮れに、高崎の国立病院で輸血中に事故があって、入院患者が死亡し、今日刑事訴追を受けておる、こういうことがあったのですが、こうした問題を大臣は御存じかどうか。大臣御存じなければ、係の局長の方から、どんな状況であったかということを概略一つ御説明願いたいと思います。
○西村国務大臣 私はつまびらかにいたしておりませんから、政府委員から答弁いたさせます。
○尾崎政府委員 昨年の十二月六日に、国立の高崎病院で、入院していられました中村さんという四十二才の患者さんでございますが、十二月四日に胃ガンの手術を受けられまして、手術の状況は根治手術まではいかなかったのでございますが、一応うまくいきまして、二日後に点滴輸血をしておりますときに、血液がうまく入らなくなりまして、看護婦は二連球というものを使いまして、空気の圧で輸血をするようにして、その場を奥さんに頼んで、はずしておりましたときに、血液がなくなりまして、空気が血管の中に入ってなくなられたのではないかというふうなことで、心臓機能不全でなくなられた、これは司法解剖で大体そういうことが認められて、柏木という医師及び看護婦が業務過失で今取り調べを受けておるという状態でございます。まことに遺憾なことで、申しわけないと考えております。
○栗原分科員 ただいま取り調べを受けておる、こういうお話であったわけですが、取り調べの段階を過ぎて、いま一つ上の送検——送検されたことも取り調べの段階に相違ありませんが、刑事的な責任を追及される、こういう段階にまでなっておるのですか、その辺はどうなんですか。刑事責任があるとかないとかいう最後の判断は裁判にかかりましょうが……。
○尾崎政府委員 一月二十九日に書類送検せられたという報告を受けております。
○栗原分科員 少なくとも国の病院か、生命を託した入院患者に——結論的にはどういうことになるかわかりませんけれども、医師もつき添っていない、そしてまた看護婦もつき添っていない、こういう状況のもとで死が起こった、こういうことは重大な問題だと思うのですが、そういう、医師もいない、看護婦もつき添っていない、こういう基本的な状況、それはたとえば医師の方は定員に対して定員一ぱいあるのかないのか、あるいは看護婦も定員に対して定員一ばいにあるのかないのか、こういう状況はどうなっておるのでございますか。
○尾崎政府委員 患者さんがなくなられたときに、医師も看護婦もいなかったじゃないかというお話でありますが、御臨終のときには看護婦、医師が立ち会ったと聞いております。いずれにいたしましても、血液がなくなって空気が血管内に入った、そして事故が起こった、そしてそのときにもまだ看護婦がいなかったということは、はなはだ申しわけないと思います。 医師の定員は十九名で現員は十八名、そのほかに非常勤の医師が二名おり、看護婦は定員が八十三名、看護婦助手が十名、それに対しまして、現員が定員をオーバーしておりまして八十四名、それから看護婦助手が十三名、こういうような状態で、定員をオーバーして国費からの流用で、余分におったような状態でございます。
○栗原分科員 私がこういう質問をするのは、医師も定員に足りないのではないか、あるいは看護婦も定員が充足されておらぬのではないか、そういう状態の中でこういう事態が起こったのではないか、こう実は思いながら質問をしたわけなんですが、お聞きしてみると、十九名の定員で現員が十八名おり、しかも非常勤が二名おる。また看護婦も定員八十三名のところへ八十四名、そして補助看護婦というのですか、十名のところへ現員は十三名、こういう状況の中でなぜそういうことが起こるのだろうか、こうなると定員というものに非常に問題が起きてくるのですが、高崎の病院は、もちろん外来も含めて入院患者と両方をにらんでおるわけでありましょうが、定員がこれだけ充足されておりながら、なおかつこういう状態が起こる、これは一体どういうわけでしょうか。一方ではおそらく刑事責任ありというような追及も特に始めておるのかもしれませんけれども、当局としてはどういう見方をなさっておるのでしょうか。
○尾崎政府委員 病院の医師、看護婦の数はどれだけあったら足りるかということ、なかなかむずかしい問題かと思いますが、今回の事件は、その日に外科病棟が取り込んでおったという問題もあったかと思いますが、いずれにいたしましても、患者さんの輸血に普通の点滴輸血をして、血液が入らなくなった場合には看護婦か医者を呼んで、医者の判断で処置すべきものを、また二連球などを使うような場合には、普通病室でそういうものを使うことは、病院管理上困る問題なんでございますが、そういうふうな看護婦だけの判断で、病院の診療管理態勢にもやはり欠陥が多少あったのではないか。そういうときには医師がちゃんと輸血の処置をし、監督をして、看護婦が二連球を使っておるときには立ち会うということが必要だったと思います。その点につきまして病院も診療の管理態勢をもう少ししっかりやらなければならぬ。医師、看護婦にもおのおの職務の範囲をよく自覚さすように、より一そう指導していきたいと思っております。
○栗原分科員 ただいまの説明ではわかりかねるところがあるわけなんです。病院の医師の数、看護婦の数、これはなかなかむずかしい。しかし一応の基準が出ておって、定員が算出されておるんだろうと思いますが、それが充足されておる、そりいう中で起こった事件だ、従って建前からいえば医師も完全におり、看護婦も完全に定員だけおる。その中で起こった事故なんであって、国というか、厚生省の立場からいえば、これはやり得る段取りはしているんだから、問題は起こった現場に責任があるのであって、建前上からは責任はないのだ、断固として言い切れる立場がとれる、そういう医師の配置あるいは看護婦の配置ができておるのでありましょうか。ちょっと質問が回りくどいけれども、厚生省としては国立病院に、これだけあれば間違いないんだ、従って起こったのは現場におった人たちのやりそこないであって、建前の上からはわれわれには責任がないんだ、こう言い切れるだけのものがあるのか、こういうお尋ねです。
○尾崎政府委員 定員の数から申しますれば、ほかの、診療行為がこれよりもまだ多い病院にも、これだけの医師、看護婦の数でしかやっていないところもあるような状態でありまして、これで数が少ないから事故が起こったんだ、そういうふうに直接は考えるものではないのでありますが、特にこの病棟につきましては外科病棟でございますので、看護婦は重点配置をしておりまして、たしか二十九名の当時の入院患者に対しまして、看護婦が十名、三対一くらいの配置をしておったような状態でありまして、その点で特に問題だということも考えないわけでございますが、しかし病院の今の管理態勢というふうな問題につきまして、われわれの方でも責任を感ずるものでございまして、特に直接の国立の病院でございますので、医務局長といたしましては一般的な監督責任がございます。しかし技術的な面、いろいろの病院の管理上の指導に対しましてこういうような個々の問題に対して必ずしも注意をしてなかった、診療上の管理をよくしろという一般的な注意しか行なってなかったということにつきましては私としては責任を感ずるものであります。
○栗原分科員 重ねてお尋ねしますが、事件の起こった当時における現員は、医師十九名に対して現員十八名に非常勤二名、それから定員看護婦八十三名、それに補助看護婦十名に対して、看護婦現員八十四名、そして補助看護婦十三名、このことは間違いありませんね。
○尾崎政府委員 そういうふうに報告を受けております。
○栗原分科員 そこで、なくなられた中村さんに対しては、こうした成り行きでなくなった、こういうことについてどんな死亡に対する手当等をやっておるのですか。
○尾崎政府委員 病院側が直ちに遺憾の意を表しましていろいろお話をし、たしか中村さんは鉄道の方に勤務の方でございますので、そちらの方の方が中に入りまして示談が成立している、こういうふうに聞いております。
○栗原分科員 示談はむろん成立したと思いますが、具体的には見舞金とかあるいは慰謝料とかそういう点はもう片がついておるならば、具体的にはどんな工合になっておるのですか。
○尾崎政府委員 十二月末にまずお見舞金を五万円持って参りました。あと示談で、さらに、まだ金額は正式に聞いておりませんが、三十万円をということでお話が今大体つきかけておると聞いております。
○栗原分科員 私は、先ほども言いました通り手不足の中から起こった事件だ、こう受け取ったのですが、どうも聞いてみると、定員充足の中で起こった事件というので、実を言うとびっくりしておるわけです。 高崎はこのように定員に対して筒一ぱい充足されておりますが、全国的に言うと、どこでも昨今国立の関係は給与の関係があるために、医師も看護婦もなかなか定員を確保しにくい、こういうような話を聞いておるのですが、全体的な数からいうと国立病院の医師の定員総数、そして現員総数、看護婦の定員総数、そして現員総数、こういうものがわかっておりましたらちょっと……。
○尾崎政府委員 まず医師の関係でございますが、国立病院では医師の定員が千七百七十六名ございまして、三十八年一月一日現在におきまして千七百四十三名で九八・一%の充足率を示しております。私少し数字がよ過ぎるような気がしますので、これを調べてみますが、非常勤等のものが入っているのかもしれませんが、こういうような数字になっております。それから看護婦でございますが、看護婦は国立病院は七千百十五名に対しまして七千四十七名でございます。病院の方は割合よろしいのであります。問題は、少ないのは療養所の方、先ほど御指摘がございましたらい療養所などの方が問題でございます。
○栗原分科員 次に今度は療養所の方も少しお尋ねしたいのですが、なるほど病院は実によく定員が充足されておるので、これは予想と違ってびっくりしております。療養所の方はなかなかこうはいっておらないらしくて、私、群馬ですが、群馬の大日向あたりもなかなか欠員が多くて困っておるのですが、療養所の方の全体の数はどんな工合になっておりますか。
○尾崎政府委員 ただいまの病院の方も、これは院長先生方がえらい苦労をしていられてこういうような結果になっているのでございまして、またことに眼科だとか耳鼻科、こういうところはやはり入れるのに苦労しておる状態であります。療養所関係で、まず結核療養所を申し上げますと、医師の定員千六百七十六名に対しまして、現員は千五百二十九、九一・二%というような状態になっております。らい療養所は医師が百六十四名の定員に対しまして百二十七名、七七・四%でございます。精神関係の療養所が五十七名の定員に対しまして四十二名、七三・六%、脊髄療養所、箱根にあるのでございますが、四名に対して四名、一〇〇%でございます。このほか築地のがんセンター、六十七名に対して六十四名、九五・五%、これは医師でございます。がんセンターは国立病院の中に入れるべきものと思いますが、一応別になっております。それから看護婦の関係でございますが、三十八年一月一日現在におきまして、結核療養所は定員が一万三十四名に対しまして九千九百五十三名でございます。らい療養所が五百六十五名に対して五百六十五名でございます。精神関係の療養所が三百十八名に対しまして三百八名でございます。脊髄療養所が三十八名に対しまして三十七名でございます。看護婦は結核療養所が困っておる。らい療養所はそこで養成しておりますもので割合充足しておると思います。
○栗原分科員 実はどうも給与の関係で国立病院にしてもあるいは療養所にしても定員充足がなが困難ではないかというようなことを考え、また大日向あたりに行ってみますと、今の統計を見ますと、これは充足されておるのですが、大日向では医師定員十七名のところへ十一名、うち一名は歯科医師である。看護婦百五名のところへ現員が九十五名である。こういうようなことで、言うならばこれは大へんだというように実は思ってきたのですが、この数字を見せてもらって大いに意を強うしました。しかし新規の者をとることはそれぞれ非常に困難をされておるということを聞いておるわけですが、先ほどもちょっと触れました通り、病院関係は何といっても一番大事な生命を託するところでありますから、これはぜひとも定員を完全に充足するような御努力を願いたいし、またそのためには特に療養所関係、先ほど、らいの問題もありまして、特に同僚の有馬君、山口君からも話がありました。どうもらい療養所はかつて学位をとるための一つの場であったけれども、今は博士コースがあって現場におってはとれないというようなこと、またらい病院に勤めておったというキャリアは開業するときには何の役にも立たないというようなことで、どうも一向に医師がやってこぬというようなこと等がありますので、これら万般のことを十分配慮の上、少なくとも国の責任において、生命を預かるわけなのですから、かりにも間違いのないような措置を講じていただきたい、このように心からお願い申し上げます。 なお、せっかくこうした機会でございますので、特に地元の大日向の問題でございますが、今年は日照りで水が不足しておる。東京都もまたその大きな被害を受けて問題になっておるわけですが、大日向が伊香保と渋川市の水の権利の問題で、なかなか水がもらいきれないので大へん苦労しておる、手術にさえ問題が起こる、こういう状況だと訴えてきておる。従ってこのことについて、特に取り上げて何らかの措置が講じられておるかどうか、もし講じられてないとするならば、こうした現場の要求に応じて一応調査をなさって、必要とあるならば、これは至急何らかの手を打ってもらいたいと思いますが、これに対する当局の考えを一つお述べいただきたい。
○尾崎政府委員 今の医者、看護婦等の入手の問題、いろいろ苦労しております。特にらい療養所におきましてはだいぶお年寄りの方だとかからだの悪い方等があったり、結核療養所でもそういう傾向がありますが、なかなかお医者さんが手に入りにくいのを、院長が八方手を尽くしている、こういうような状況でありまして、これに対しましては根本的な対策を講じて参りたい、こう思っておるわけであります。 大日向の水の問題でありますが、私、大日向には二回参ったことがございますが、最近のこの事態はまだ聞いておりませんが、至急調べまして、水は何といたしましても病院の生命線でございますだけに、手術等が困らないように措置をしなければならぬ、こういうふうに思います。
○倉成主査代理 本会議散会後直ちに再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時五十二分休憩 ————◇————— 午後四時三十七分開議
○今松主査 休憩前に引き続き、会議を開きます。 厚生省所管に対する質疑を続行いたします。島本虎三君。
○島本分科員 きょうの厚生大臣に対する質問は、普通の社会労働委員会のと違いまして、清掃問題一本にしぼって、納得いくまで聞いてみたいと思いますので、よろしくお願いいたします。なお、午前中は地方行政の関係、これを取り扱う法的な立場を、一応篠田自治大臣から明らかにしていただきました。特にこれを提案する西村厚生大臣から、実施するために必要ないろいろな要件がありますので、その要件を一つ一つ聞いていかなければならないと思います。従って、若干時間が超過いたしましても、主査の慈愛ある扱いによって、よろしくお願いいたします。 まず、厚生省では、昭和三十五年ころ清掃施設整備のための十カ年計画を立てた、こういうようなことが言われておりますが、それはどういうような内容でございましたか、事務当局の方でまず。
○五十嵐政府委員 御指摘のように、昭和三十六年度を初年度といたしまして、清掃施設等の整備十カ年計画を予算的に厚生省として考えまして、三十六年の出発の当時、人口五千五百万人をおよその特別清掃地区の対象人口と見まして、これを十年後には七千三百万人余りになるという見通しで、この十カ年計画で七千三百余万人の出します汚物を衛生的に処理するということを目標にして、三十六、三十七年と実施をいたして参ったわけでございます。
○島本分科員 三十六、三十七年は実施をして参ったのですか、それとも予算が削られて実施できない状態になったのですか、この点明らかに願います。
○五十嵐政府委員 十カ年計画に基づきまして、二年間実施をして参ったわけでございます。しかしこれは国の財政等の関係がございまして、必ずしも私どもの意図しました十分な成果を上げておりません。とにかく二年間努力をいたしまして、この実施に邁進して参ったことは事実でございます。
○島本分科員 この十カ年計画を策定された際、十カ年の年次計画は立てましたか。
○五十嵐政府委員 私の承知いたしております範囲では、到達の目標を一応置きまして、それに向かってできるだけ早くこれを達成したいということで、進んで参ったように承知いたしております。
○島本分科員 到達の目標をきめ、年次計画が単年度ごとにこれをやられないで、二年たったならば、またここに清掃施設整備緊急措置というのが必要になってきた。こういうふうに言うとすると、前の計画が不完全であるために、今考えられているようなところの緊急五カ年計画が必要なのか、前の計画を十分やっていってもなおかつ追いつかないために、またここに五カ年計画が必要なのか、また十カ年計画を策定しても、全然これをやっていないために再びこうせざるを得なくなったのか、これはまことに大事な問題なのです。この辺、何のために急にこれをやらざるを得なくなったのか、はっきりしていただきたいと思います。
○西村国務大臣 今五十嵐局長からも申し上げましたが、一応十カ年計画を立てたのであります。そうしてその計画のもとにやろうとしたのでございまするが、御承知のようにごみ処理につきましても、日本は非常にきたないということはどなたも、ことに諸外国を回ってきた人はどなたもそうおっしゃるわけであります。それで、十カ年計画では間に合わぬじゃないか、もう少しスピードを上げてやらないと困る。ことに最近は、汚物の量もごみ等も多少多くなっているのです。これは生活の環境がよくなったからだと思います。いろいろな面でもう少し急ピッチでやらなければならぬのじゃないか。ことにごみもそうでございますが、屎尿の方は、都市では急に人口がふえるし、いなかでは生活環境が変わってくるというようなことから、十カ年計画では間に合わぬ、早いことわれわれの目的に到達した方がいいのじゃないかということで改定をいたして、目標に早いこと到達しようじゃないかというようなことで、今回そういうような計画を再び立てつつあるわけでございます。
○島本分科員 そうすると、立てつつあるとすると、到達目標ははっきりしておると思います。その事業量と見合わしたところの総額は幾らと策定いたしましたか。
○五十嵐政府委員 事業量の総額につきましては、実は全額で表わしますことは、物価の上昇、その他の関係で、非常にむずかしいわけでございます。私ども一応この五カ年計画の事業量といたしましては、まるい数字で申し上げますと、下水道中和処理につきましては、今後約一千八百万人分の処理をして参りたい、それから屎尿処理につきましては、約三千万人分、こういうような数字を五カ年計画の一応の目標にいたしまして、これを整備して参りたいと考えたわけでございます。
○島本分科員 金額は幾らほどになりますか。
○五十嵐政府委員 金額につきましては、単価の計算等で変わって参りますので、ここで申し上げ得るような明確な数字は、実は持ち合わせていないわけであります。
○島本分科員 きょうの公報によると、きょうは自民党の政調会の中の厚生部門と申しますか、社会労働部門というのですか、そちらの方に今度清掃施設整備促進緊急措置法案が厚生省の方からかけられて審議されたようですが、そちらの方に法案として出され、計画が緊急に策定されて、金額の目標がないということでは、これはちょっと提案することはできないのではないか。少なくともそれは考えがあるのではないかと思うのですが、これは全然ないのですか。
○西村国務大臣 今回私たちは生活環境施設整備の緊急措置法案を出したいと思って、今せっかく研究いたしております。その目的とするところは、下水道の整備、その他屎尿処理の整備、ごみの整備事業というようなこと、これは今まで計画を立てましても、それが厚生省だけの計画であったり、あるいは建設省だけの計画でありまして、一つもオーソライズされていない。従いましてこの法律では、私たちは少なくともある目標を立てまして、そしてそれを閣議の決定に持っていって、全部のオーソライズされた計画でやりたいということでございます。従いまして目標とするところも、これからつくらなければなりませんが、目標そのものを法律の中に織り込むわけではございませんけれども、屎尿処理にいたしましても、ごみの処理にいたしましても、この五カ年の間においてある目標を立ててやる。たとえば現在はごみの処理にいたしますると、ほとんど大部分が埋め立てに使われている。そういうことはいかぬ、それを焼却設備に持っていきたい、そういうことを、昭和三十八年度を基準にいたしまして、四十二年度にはそういう目標にしたい。しこうしてどれくらいの処理量があるだろうか。一人が一日幾ら出し、従ってどれだけをこの対象人口に考えて、そういうものを処理しなければならぬかという一つの目標を立てる。それに従いまして、また金額もはじき出すということはもちろんでありまするが、法律そのものといたしましては、緊急整備をやることにつきまして、厚生大臣並びに建設大臣等はしっかりしたものを閣議決定に仰がなければならぬ、こういうことを目標にして法律案を出したいというので、最終的の決定には至っておりませんが、今いろいろ党側との打ち合わせもやっておるわけであります。
○島本分科員 そうすると、千六百九十一億円を総額の目標にして年度計画、五カ年でこれをやっていきたいというふうに、いろいろ発表があったやに聞いておりますが、これは架空の数字ですか。
○五十嵐政府委員 どの資料からおとりいただいたのかわかりませんが、私どもが五カ年計画の予算要求の段階でいろいろ試算をしたことがございますので、あるいはその中の数字をおとりになっているのかとも思いますが、これは私どもあくまでも試算の段階でございまして、正式に決定をしたというような数字ではございません。
○島本分科員 五カ年計画を実施しようとする場合には、遂行の確信はもちろんあると思うのですが、これに対しては大臣、いかがでございますか。
○西村国務大臣 三十八年度を初年度といたしますが、実は三十八年度は予算も、これは三十七年度に比べれば相当に多額の金を用意いたしておりますが、それかといって十分な金ではありません。しかし五カ年計画を立てることによりまして、今後は十分進めていきますし、また目標を立てましたら、その目標を完遂するように進めていきたい、かように考えておる次第でございます。
○島本分科員 大体私の場合は、逆にそれくらいの腰ではだめだから、もっと積極的にやりなさいという激励の意味なんです。私どもの方で調べたところによると、今度の予算要求は百六十億、この百六十億でこういう施設の完備をいろいろとやっていきたいという要求に対して、最終的には四十億五千四百六十五万円、こういうふうになっておる。三十七年度に比べて二十四億多いからいいのだ、こう言われればそれまでですけれども、要求の百六十億に比べると四分の一、そうすると計画そのものが初めからくずれているのじゃないか、こういうような心配がある。五カ年計画を立てて、これが緊急だといっても、はたしてこの遂行が可能なのかどうか、私どもの方としては心配なんです。今のような予算の動きから見てみましても、何だか厚生省の行き方には、この方面に対しては腰がふらついているような気がしてならない。どうしても必要だったならば、百六十億に近いところの金で実施するのでないとだめだと思う。四分の一くらいのもので何ができるのでしょう。初年度からこういうような状態で、はたしてこれができるのかどうか、私どもとしてはだいぶ心配になってきているわけです。従って今後十分基礎のあるいろいろな計画の策定をして、五カ年の総額にしないで、一つ一つ単年度の策定で進めるのでなければ、これまた三十五年度のあの十カ年計画が二年にしてくずれ去ったように、今度緊急五カ年計画といっても、またいつの日にかくずれ去る、こういうようなおそれが感ぜられてならない。単年度の計画を立て、予算措置をはっきりして、それによって遂行する意思がおありなのかどうか、この点をはっきりしていただきたいと思います。
○西村国務大臣 単年度というよりもやはりある目標を持たなければいかぬと思います。屎尿処理にいたしましても、やはり対象人口を考えて、そしてその人口から排出されますところのものを衛生処理していくための処理の量、それに要する金、ごみにいたしましてもやはり同じでございまして、またわれわれがこれを詰めなければならぬと思っておりますのは、対象人口をどれくらいとるかというようなことでございます。御承知のように現在特別清掃地区として指定されておる区域におきましては、五千五百万人のごみについては対象人口でございますけれども、これを最終的に五カ年とすれば四十二年におきまして人口といたしましては九千九百万ほどになるわけですが、そのうちの何%がごみ処理をこの法律の対象として取り扱うかということでございます。その辺の数字をもう少し詰めてみることによってまた金も変わってくるわけでございます。いずれにいたしましても目標をつくりまして、その目標を達成する。御指摘のように三十八年度は必ずしも十分な予算とは私ども思っておりませんが、しかし一つには相当に過去に比べて多くなったということ、政府全体としてある計画のもとに進もうじゃないか、こういうことは大蔵省当局も認めておりますし、なおそれをさらに権威づけるために法律をつくって、閣議全体として決定をして、そういう目的で進もうというところに今回のわれわれの意図があるわけでございます。この数字そのものを閣議できめるわけじゃございませんが、目標をきめましたならば、それを完遂することに努力しなければならぬことは当然でございます。
○島本分科員 目標をきめたならばそれを完成しなければならぬのは当然なんです。その通りです。私もくどいのですが、前の例からして単年度にそれをきめておかないと、十年ときめても二年にしてだめになった、五年ときめても単年度ごとにやっておかないと見通しがつかないでしょう。それからまたやってみて何かあったならば、それをまた別の方へ持っていかれるおそれもあるでしょう。またその金額で間に合うと思っていても、それは不足になることもあるでしょう。不足になれば補正でやったらいいでしょうが、いろいろ基礎をおかないことにはこれは不安でしょうがない。ただ到達目標だけおいて勇往邁進するんだ、こういうことだったら非科学的な算定方法だと思います。これでは不安心だということです。従って単年度のものを早くやって、これを一つの青写真として完全に遂行するように、代々大臣がかわってもあんたの意思が思い通り進められるように、青写真をつくっておいた方が一番いいんじゃないかということです。これでないとかつてのように、すぐほうむり去られるようなおそれがあって、あんたの今言ったような、少ないけれどもだいぶ熱を持ってきた、この熱がせっかく上がってきてもだめになってしまう。こういうことが一番おそろしいのです。その点も十分お考え願って、この単年度計画をはっきりさして、そして青写真をつくることが私は必要だと思う。こういうような作業をして、来年度から安心してやっていけるようにする意思があるかどうか、この点もう一回御答弁願います。
○西村国務大臣 島本さんのおっしゃる単年度ということは、各年度ごとの算定数量、その額をきめる——それはその通りにするつもりであります。最終目標だけを示してやるのではなしに、単年度ごとの、つまりずっと計画量、預かり量、それに要する金、しこうしてその金の中に国家が補助するもの、起債でするもの、こういうふうにきめていくつもりでございます。 ただ、私が今申し上げた、数字を少し考えなければならぬのじゃないかということは、たとえば五カ年計画にいたしますと、九千九百万人の人口の中でもって何人分をこの五カ年計画で預かれるか、こういうことが必要になるわけでございまして、それにはいろいろ考えましてその最終の目標をきめたい、単年度で数字は組むつもりでございます。
○島本分科員 そういうふうにして、ぜひとも間違いのないコースでこれの実現を期してもらいたい。途中からまたこれじゃだめになって、もう一回計画を組み直すことがないように、この線で大臣の断言をはっきり得たものだ、こういうふうに信じまして次に進みたいと思います。大臣、よろしゅうございますね。 次に進みますが、ごみの焼却場に対しての予算は幾らでございますか。
○五十嵐政府委員 ごみの関係につきましては、主として起債でこれをまかなっておりますので、補助金はごく一部につきまして九千四百万円程度のものを計上いたしてございます。
○島本分科員 このごみの焼却場、それから屎尿の消化槽の問題、これは幾らくらい組んでやっておりますか。
○五十嵐政府委員 屎尿消化槽につきましては、二十億八千六百万円の補助金を計上しております。
○島本分科員 これはいろいろデータによってやっていると思います。しかし、これで現在のところ十分でございますか、それとも足りないとするとどのくらい足りないようなことになりますか。
○五十嵐政府委員 非常にお答えしにくい問題でございますが、先ほども大臣がお答えいたしましたように、この五カ年の計画を立てましてその到達目標に向かって年々予算をきめて進むということでございまして、三十八年度の予算は私どもも必ずしも十分だとは考えていないわけでございますが、ただ五カ年間の総量のワクにつきましては、大体これだけの事業をこなして参りたいということにつきまして、予算査定の段階で了解を得ておるように承知いたしておりますので、三十八年度を第一年度として、経済成長に伴いましてこれをふやして、全体を五年間に処理して参りたい、こういうふうに考えております。
○島本分科員 言葉だけではだめなんです。口では、具体的にお伺いします。北海道の札幌市のこの状態について、いろいろ屎尿処理、ごみの処理、こういうようなものが来ていると思います。これははたして計画通りにいっているか、まだ不足なのか、現に札幌市でやっているのでいいと思うのか、この点について、じゃ具体的に御答弁願います。
○五十嵐政府委員 札幌市の計画を具体的に説明しろということでございますが、私ここにその資料を持ってきておりませんので、これを数字の上で具体的に申し上げることは、ただいまこの席ではいたしかねるわけでございますが、全体から受けます私が持っております印象としましては、やはり御指摘のように、必ずしも十分にいっているとは考えられないのでございまして、この施設の整備については、札幌市においても非常に強い要望を持ち、また具体的な計画を持っておることを承知いたしております。
○島本分科員 ことに屎尿の場合には、ことしは豪雪です。そのほか、積雪寒冷地帯と普通の場所とこれは一様に見ることができないわけです。積雪寒冷地帯の場合には、同じ屎尿消化槽の場合でも、こういうようないろいろな施設の場合でも、特にいろいろな補助関係を含めて困難な状態にあるし、出費がよけいかかる状態にあることは御承知の通りなんです。具体的に例を申し上げますと、昭和三十四年に、現在のような状態でぐんぐん太ってきている札幌市は、屎尿の処理がどうにもならなくなって小樽内川というところに投げて、それが漁民に対する影響がひどく出て、これは補償を取られたのは四百万。今度はまた、つい昨年、三十七年の暮れに、これまたどうにもならなくなって、そしてまた川へ流して、今度取られたのが約二百万円ですよ。そういうような状態になっているのです。じゃ、これ以上できないのか。屎尿の消化槽、これがまだ必要人口の半分までできない。そういうような状態にしておいて、そして札幌市の人口の方はぐんぐんふえて六十四万になってきている、だんだん伸びていく、そして寒冷地帯という特殊地帯にある、そこで特にこういうような問題に対しては配慮してやるのでなければ、いかに五カ年計画を立てても、今にしてその通りなんです。市長の要望は、これをなんとか早くできるようにお願いしたいということなんです。万やむを得ずそれをやっているのです。ところが、今計画を聞いていると、不足だけれども、これでやっているとうまくいくような幻想を受けるのですが、現実の面ではそうです。こういうようなのは一つの悩みの種になっているわけです。こういうような点について、もう少しケース・バイ・ケースといってはなんですが、具体的にこういう問題と取っ組んで、積雪寒冷地帯の問題、普通の場合、人口のふえ方、こういうような面と合わせて的確な補助や起債の点を認めるのでなかったら、こういうような問題の解決はできないと思う。今まで完全にいっていたと思いますか。
○五十嵐政府委員 屎尿処理施設全般につきまして整備がおくれておりますことは、御指摘の通りでございます。これは先ほど大臣からも御説明がございましたように、この面の施策が全体としておくれておりました上に、社会情勢の変革と申しますか、そういう意味で急速に屎尿の処理の問題が、都市といわず農村といわず、大きくクローズ・アップされてきたというような関係から、非常に大きな社会問題になったわけでございます。そういう意味で、私どももわずかながらも努力をいたしまして、整備に力をいたして参ったわけでございまして、絶対額としては必ずしも多いとは申されないかもしれませんが、今までの予算の伸びの傾向から見ましても、最近の五カ年の間に下水道終末処理の補助につきましては約三・三倍、屎尿処理施設の補助金につきましては、約五倍、ごみの起債につきましては約七・三倍というふうに、かなりの伸びを見ておるような事情もございます。私どもといたしましては、この現実の姿を的確に把握し、それをよく反省いたしまして、この三十八年を土台に五カ年間で急速に整備をして参りたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○島本分科員 そうなら、あなたの考え方はいいのですけれども、それを実施するためにはもう少し具体的に計画を策定しておいて、こうなっているから、黙っていても、めくらがつえがなくてもまっすぐ行けるというようにしておいていいわけです。それを、聞いていると——あなたの場所は大事な仕事なんです。今あなたは厚生大臣の仕事を補助しながら、公害というような大きな問題を引き受けたり——とにかく今世の中で工場廃水を含めて公害の問題がうんとクローズ・アップしてきている。そういうような大事な面を含めているほかに、この屎尿の関係まで全部やらなければならないあなたは、まさに厚生省の中であなたの帰趨が今後の国民の衛生行政全体を支配するといっても差しつかえないほど重要なところにいるのですよ。もっともっとあなたは胸を張って、大蔵省なんかへ行っても絶対動かないほど強くならぬとだめなんです。これは私の激励です。あなたもう少し遠慮しないでどんどんとやりなさい。この問題は国民もあなたを支持するはずです。 そこで一つ聞きたいのですが、それだったら人口十万を対象にして——これはごみの場合は対象人口何ぼとか言いましたな。六千万か七千万か、対象人口は幾らでしたか。
○五十嵐政府委員 五カ年の目標としましては、ごみの場合は今後六千万人を整備して参ることを一応の目標としております。
○島本分科員 そうすると、人口十万の都市に対しては、ごみの場合は対象人口何万くらいになる見込みですか。人口十万人の都市としてやってみた場合、補助その他の関係……。
○五十嵐政府委員 ただいま大づかみにまるい数字で六千万人と申し上げましたのは、先ほどの五カ年計画の最終年と予想いたしております昭和四十二年の人口を、これは九千九百余万人でございますから約一億と見まして、その八割程度が都市その他いわゆる清掃法の特掃地域の人口となるのではないかという推定をいたしまして、その八割程度の人口に対してごみを衛生的に処理するためには、従来の整備された対象の人口を差し引くとどうなるかという試算をやったわけでございますが、それが六千万という数字になるわけであります。
○島本分科員 十万人の人口のところには六万人か……。
○五十嵐政府委員 でございますから、これをこのままの率で十万人に当てはまるかどうかということは問題がございますが、一応国民総人口の八割を目標といたしましたので、その率をかけますと、十万人のところは八万人ということになります。
○島本分科員 その場合、屎尿の場合の対象人口とごみの場合は一緒でございますか。
○五十嵐政府委員 一応私どもの到達目標として考えました数字は、ごみにつきましても、屎尿につきましても、八千万を目標にしたいというような考え方を持ったわけでございます。
○島本分科員 それから、いろいろと御存じだと思うのですが、こういうような作業は危険作業じゃないかと思っているのですが、この作業に従事している人については特に何かめんどう見て考えておりますか。
○五十嵐政府委員 この点は先生御承知のように、地方公共団体の責任で清掃事業をやっておるわけでございます。その作業につきましては市町村の仕事として、その職員あるいは市町村から許可を受けました業者がこれをやっておるということでございまして、その市町村の職員の給与につきましては、一般の地方公務員の給与に準じた取り扱いをやっておるものと承知いたしております。
○島本分科員 これは業者がやっているのですか、地方自治体がやっているのですか。幾ら業者に委託しているかというのは、はっきりデータが出ていると思うのですが。
○五十嵐政府委員 私の承知いたしておりますところでは、まるい数字でございますが、ごみにつきましては約八割が市町村の直営でございまして、二割が許可業者の仕事となっております。屎尿につきましては、昔からのいろいろないきさつがございまして、屎尿を肥料に使ったというようななごりかと思いますが、逆に八割が許可業者の仕事となっておりまして、二割が直営というような形になっております。
○島本分科員 そうすると、この予算は全部厚生省の方を通してやるいろいろな清掃整備のための計画による予算じゃないかと思うのですが、こういうような人件費——給与じゃなくて賃金に該当するようなものも、全部地方自治体の方でお組みになっておるのですか。厚生省の方で組む予算の中には全然入っていないのですか。
○五十嵐政府委員 御指摘の点は、先ほど先生がおっしゃいましたように、標準の団体として人口十万を対象にいたしまして、自治省で地方交付税積算の基礎になります基準財政需要額の算定をいたしておるわけでございます。従いまして、その積算は自治省が決定をするということでございますが、私どもはその参考になる資料を求められれば提出するということになっております。
○島本分科員 この緊急整備五カ年計画をやったのは厚生省と建設省で、自治省は直接これに対して意見を出していないというのが、つい先ほどの篠田自治大臣の答弁です。あなたは向こうから聞いてきてやった、こういうように言いますが、聞いているとどうもわからぬのです。これは自治省の方の意見もこの中に十分入れてやるのでないとだめだ、これが私の考えなんです。ところが実際は、建設省と厚生省でこれをいろいろと検討しているのではございますまいか。そうしてやっているから、こういうような点でなかなかはっきりしない点が出てくるのじゃないですか。実際やるのは地方自治団体ですからそっちの方の意見を求めて、施行上遺憾なきを期するのが当然だと思うのです。意見を求めてやりましたか。
○西村国務大臣 誤解があるのではなかろうかと思われますから、私からちょっと申し上げておきますが、この屎尿処理にいたしましても、ごみ処理にいたしましても、施設そのもの、たとえば下水管を敷く、あるいは下水管を敷いたあとの下水の終末処理をする、こういう施設でしたらこれは厚生省、建設省の所管です。下水道のメイン・パイプを敷くのは建設省がやります。終末処理は厚生省の所管ということになっております。それから今度は消化槽、浄化槽それ自身は厚生省です。今お話に出ておる分は、その屎尿を運ぶ、あるいはごみを集めるというような地方公共団体の金のことは、これは自治省がやるわけでございます。これは自治省が、教育費だとか、土木費だとか、いろいろな費目がありますが、そういうものの中に衛生費というのがありまして、その衛生費は自治大臣がきめるわけであります。私どもの方の施設をやる部分につきまして、今回の計画をした場合でも、これは自治省と十分打ち合わせをしておるわけです。それからあとの交付税でいく分につきましては、これは自治大臣がきめるのでございますが、自治大臣がきめる場合の交付税の基準になる基準財政需要額をきめるそのデータは、厚生省が向こうに出すわけです。そうしてその要求に基づいてそれを認めていただけば、厚生省のいうように自治省がきめるわけです。それは衛生費、教育費、消防費と、府県は府県、市町村は市町村、これは詳しく説明する必要もないと思いますが、そういうことなんで、私の方はそういうような交付税の基礎になるものは、十分厚生省の立場から自治省に対しては要求をいたしておるのでございます。
○島本分科員 それで、同じ厚生省で扱って予算措置をして計画を立ててやっても、やっているのは自治省のいわゆる地方自治団体である、こういうふうになったら、その辺はほんとうに連絡を緊密にしておかないといけない問題だと思うのです。それでやはり予算は厚生省を通じて出すとすると、この予算の中で占めるいろいろな割合だとか、こういうふうなものはほんとうによく検討しないといけないと思います。たとえば屎尿の運搬でも、そっちの方の身分上の関係は地方自治団体にあるということでありますからいいと思います。ただ器物の問題になるとこれは補助の対象になるから、いろいろな厚生省の関係の予算に入っているのじゃないか、こういうふうに思うのです。たとえばあまり小さいのですが、ごみ箱、ごみおけのようなもの、こういうふうなものの設置について、もしやるとするとこれは地方自治団体がやるのですか、厚生省の予算でやれるのですか、これはどっちなんですか。
○五十嵐政府委員 各家庭に置きますごみの容器等に対する予算ということでございますが、これは私どもの今まで取り扱っております範囲では、厚生省の予算としては考えていないのでございます。
○島本分科員 たとえば先進国の例によっても、皆さんも十分知っていると思うのですが、現在ごみをとりにこないということを都民からも、各地方へ行ってもずいぶん耳にします。町のすみずみに行っても、税金はとりにくるけれども、ごみはとりにこない。とりにきてもそれぞれの持っていく容器が別々なんです。たとえば車でくるとかいろいろなものがあるにしても、いろいろ向こうの方でやってくれるけれども、自分の家の前に置く箱は、ある場合には大きい箱を置いたりその容器が一定でないために、扱っている人夫と申しますか、清掃人の方に負担が相当過重になっているのですね。そういう点からしても、やはりそういうふうなものをちゃんと配置しておいて、予備にでも置いて、すぐそれを持っていって、そこに新しいのを置いていく、新しいのを置いていってまた入ったやつを持っていく、こういうふうにしたら能率上もいいだろうし、体裁もいい。こういうふうなものに対しては、オリンピックを前にして東京をきれいにするためにも、一定の体裁のいいようなごみ箱を置くということも一つの着想じゃなかろうかと思うのです。こういうふうな予算を組むとすると、これはやはり厚生省の方じゃなかろうかと思いますが、これは自治省の方の関係になりますか。
○西村国務大臣 ごみの処理にいたしましても、屎尿の処理にいたしましても、原則としては地方公共団体の責任と私は思います。しこうして、これをたとえば大じかけな下水工事をやる、あるいは消化槽をつくって一カ所でやる、そういう施設には莫大な金がかかるから、そういうものにつきましては国として見るのだ。今のお話のように、各家庭につきまして、ごみ箱の容器をどうするこうするというようなことは、元来これはやはり地方公共団体の仕事でございます。私の方は逃げるわけではございませんけれども、と申しますのは、交付税は島本委員も御承知の通り土木費、教育費、何々費、衛生費といって一応の基準需要額はきめて地方公共団体には流すのです。清掃費の場合をとりますと、人口十万を基準の都市と考えて、そこに一体幾らの金を衛生費でつぎ込むかといいますと、今までは二百四十四円、一人当たりの人口に対して金をつぎ込んでおるのです。それが各市町村にいくわけです。ところが、その金を教育費に使おうと土木費に使おうと消防費に使おうと、地方公共団体独立の建前をとりまして、公共団体の長がいかようにも流用してあんばいして使えるようになっておる。もし最も清掃に力を入れる市長さんでありますと、土木費にきたやつを衛生費に使うこともできる、教育費のやつを少し少なくして衛生費の方にうまくそれを割愛することもできる、容器をみな買ってやろうじゃないか、こういうこともできるしかけになっておるのであります。私たちの方の厚生省としては、今の単価、人口十万の都市を基準にとってはじき出した一人当たりの二百四十四円というものではとても現在の清掃はできないから、もう少し増してくれなければならぬということのいろいろなデータを私たちが出しまして自治省に交渉するわけです。それで認められれば自治省としては相当の予算を組むのですが、それが地方公共団体にいったときはその金がどういう工合に使われるかということは、これはまた別な問題になってくるわけでございます。従いまして、私はそういうような個々の家庭における問題のごみ箱をどうするかこうするかというようなことは、元来は原則的には地方公共団体の責任だ。特別の場合はまた特別と考えなければならぬと思いますが、原則としては地方公共団体の責任である、かように私は考えておる次第でございます。
○今松主査 島本君に申し上げますが、だいぶ申し合わせの時間も経過いたしておりますので、結論をお急ぎ願います。
○島本分科員 じゃ大臣もう一、二問でやめます、残念ですけど。そうすると、地方行政の方へ参りまして、自治省の方へ行きましても、また厚生大臣の方へ行きましても、盲点が一つあるわけです。清掃に従事している作業員、この作業員の人は一生懸命働いている。この従業員の勤務の関係、八時間になるのか、超過勤務はどうなるのか、身分は賃金の人もある、吏員の人もある、吏員の人は市町村でやるかもしれません。賃金の人はこっちからいく予算でやるかもしれない、そういうふうに超過勤務の点なんか全然見てないから勢い重労働になっていく、こういうような点があるのが一つ。そのほかに、屎尿の問題もその通り、ごみの問題もその通り、これを扱っている作業員の事故死が方々で意外に多いのです。私ども知っているのに本年で三人くらい死んでおります。そのほか、私も小樽市で市会議員を十二年やっていて、その間でもやはり四、五人死んでいるのです。これはごみを扱っていて下敷きになったり、糞尿を扱っておってそれのガスでやられて死んだり、いろいろあるのですが、みな正規の手段、正規の方法でやっているものじゃないのです。たとえば夜中にせんを抜いて川へ流す作業をしておる途中で死んでしまった。ごみをくずしていて、何でもないと思っていたのにがっぽり陥没して上からやってきたやつでつぶれてしまった、そういうようなことに対して補償がどっちの方にもないのです。自治体の方も考慮していない、こっちも当然こういうような危険作業、こういうものは見ていない、こういうようなことでは死んだ人だけは死に損だということになるのじゃないかと思うのです。これはどちらになるかよくわかりませんが、厚生大臣としては、やはりこれは憲法二十五条によって保障された国民の衛生福利の関係、社会保障の関係も全部守る権限があなたにあるわけですから、ほんとうにこの日の当らないような清掃人夫、賃金要員のようなこういう人たちが命を的にしてやっておる。そういうような場合はもう少しあたたかく見て、死んだならばどうだとか、補償の点までも十分考えてやってしかるべきじゃないかと思うのです。これを聞いたところが、地方行政の方は知らないと言っておる。こっちの方に聞いたならば知っておるかと思って今聞いてみたのです。こういう者の身分関係や補償関係はどうなるのでしょうか。
○西村国務大臣 私も詳しくはありませんが、むしろそれは労働省の労災法の範囲内じゃないか、そういうけがをした場合とか、支障を来たすというようなことは、労働省の労災法の安全衛生規則によって取り扱うもので、労働省の問題じゃないかと思われますが、しかし、それだからといって、私どもはそんなことは全然知りませんよというのではありません。そういうことが起こらないように、私どもの方はもし衛生施設におきまして、そういう事故があるということならば、おそらく労働過重になっておることでございましょうから、基準需要額をきめます場合も、これはもっと楽に仕事をするようにというようなことはもちろんありまするが、その問題それ自身は労働省の関係じゃないかと私は思います。
○島本分科員 残念ながらこれでやめます。
○今松主査 野原君。
○野原(覺)分科員 同僚の島本分科員から環境衛生の、特に屎尿とごみにつきましてお尋ねをいたしましたが、この問題は厚生省としても重要施策として打ち出されておりまするし、なお、わが国としては最も緊急に整備しなければならぬものであろうかと存じますので、私は昨年の通常国会でお尋ねをいたしましたが、引き続いて昨年の質問の上に立って、今年度の政府の計画その他について、若干お伺いしたいと思います。簡潔にお尋ねしますから、時間の関係もございますから、よく私の質問をお聞き下さって、これも一つ率直簡明な御答弁をお願いいたします。 第一点は、屎尿処理施設等の整備に関する今年度の予算を拝見いたしました。これは緊急五カ年計画に基づいて要求したものでございますか、お尋ねいたします。
○西村国務大臣 緊急五カ年計画に基づいて要求したものでございます。
○野原(覺)分科員 昨年の通常国会では十カ年計画というものを出しておられました。昭和三十六年度を起点といたしまして十年計画であったのです。突如五カ年計画に変更された理由はどこにあるか。
○西村国務大臣 都市におきましてはますます屎尿及びごみの処理が困りますし、また農村等におきましても、最近は非常に困るし、地方の御要望も非常に急なものがありました。とうてい今まで十カ年で考えておったというような緩慢さではいけない。従いまして、これを五カ年くらいの間にわれわれの目的とするところまで到達しないと、とても御要望がたくさんありますし、また実情も非常に困っておるということで、十カ年計画を緊急措置に切りかえて変更する、こういうことでございます。
○野原(覺)分科員 そういうことでございますならば、私は当然この通常国会に五カ年計画実施のための特別の立法措置が御準備あろうかと思うのであります。いかがでございますか。
○西村国務大臣 五カ年計画をつくるにいたしましても、厚生省だけでそれをつくって持っておったのでは、これは権威がありませんので、その五カ年計画をつくってこれをオーソライズする、権威あらしめるために、これは大蔵省、建設省その他の省とも関係がありますので、法律を提案して御審議を願いたいと思いまして、せっかくそれをただいま検討中でございます。
○野原(覺)分科員 十カ年計画が五カ年計画に変更されたのです。変更の理由並びに厚生大臣の決意はただいま承りました。従って私は、せっかく変更して緊急に整備したい——経済企画庁から出されました国民の生活白書等にもあることでございますから、これはやはりこの国会に出さねばならぬと思います。検討中でこの通常国会をもしのがすということになれば、あなたがただいま申されました緊急五カ年計画の決意は、あわとなって消えてしまいます。これは御所信のほどを重ねてお伺いしたい。この国会へ出しますかどうか、いかがですか。
○西村国務大臣 この国会に提出する覚悟をいたしております。
○野原(覺)分科員 これはすみやかに出して下さるようにお願いをいたしておきたいと思うのであります。 次にお尋ねしたいことは、五カ年計画の事業費でございます。これは幾らになっておりますか。屎尿とごみと分けて御説明いただきたい。
○五十嵐政府委員 五カ年計画の総事業費についてのお尋ねでございますが、私ども大臣から御答弁申し上げましたように、三十八年度の予算要求につきましては、五カ年計画を策定するという見通しで予算の要求をいたしまして、その予算要求の過程におきまして、いろいろと試算をいたしました数字等はございますが、物価の上昇、変動、その他いろいろな事情がございまして、五カ年を見通して的確に総事業費を計算するということは非常にむずかしいわけでございまして、ここでお答えを申し上げますまで固まった数字は持ち合わせてはいない次第でございます。
○野原(覺)分科員 局長さんおかしいですよ。試算の数字でけっこうです。それは物価はしょっちゅう上がるのですから、その計画がいつまでも固定しておるとは私も思いません。せっかく大臣非常な決意で五カ年計画を出したのですから、出した時点の試算の数字を述べて下さい。その時点はいつで、そしてどれだけと試算をしたか。それを一つ承りたいと思います。
○西村国務大臣 それは扱い量を想定をいたしまして一応試算をいたしました。屎尿処理、つまり屎尿処理は終末処理と消化槽総額、私どもの目標といたしておるものに到達するのには、千六百六十億くらい要ると思います。それからごみの処理につきましても、今試算をいたしておりまするが、やはり三百数十億要る。それが総額でございまして、屎尿処理につきましては、補助金と起債、ごみの方につきましてもそういう問題、これは一応の荒い数字を言ったのでございまして、これをもう少し取り扱い数量をどう見るかということで、これもきまってくるわけでございます。そういう意味において私申し上げたわけでございます。
○野原(覺)分科員 十カ年計画が五カ年計画に変わったんです。これは緊急に整備したいというあなたの御決意です。なぜ予算委員会に対して五カ年計画をお出しにならないのです。厚生省はこういう計画を持っておるのだがどうだろうかという、むしろ積極的にその数字を国会に提示すべきだと思う。私はここに手に入れました屎尿処理施設等整備緊急五カ年計画と昭和三十八年度予算要求の概要という、これはあなたの方でできたものです。これは民間で勝手につくったものじゃない。ところがこれに書いてあることと、大臣の言うことは違う。このデータでいきますと、五カ年間に屎尿は千六百九十一億円、こみは四百三十五億円として試算しておるじゃありませんか。むしろこういうものを出されて、そうして広く国会議員の意見をお聞きになられて、たとえば民間の学者に言わせますと清掃施設については六千億くらいかかる。と放送する人があるのですよ。だから広く国民の衆知を集めて、国会というものは、皆さん方の計画を、はいさようでございますかと言って私どもばかの一つ覚えのように質問するだけが能じゃないのです。社会労働委員会なり予算委員会なりで積極的な意見をお聞きになられて、ここにはっきりした、国論を統一した計画というものを立ててやるということで、初めて昭和三十九年度の大幅の予算の獲得ができるのです。そうお考えになりませんか。これはどうして隠されるのですか。その点承りたい。
○西村国務大臣 決して隠しておるわけでもなんでもありません。私が今申し上げましたのは、試算をする途中においていろいろな数字が取り扱い数量の問題について出るわけであります。それですから、いろいろな数字があるわけであります。あなたの持っておるのもおそらく私のところがいろいろ計算したものかと思われます。それも初め計算してみた、ところがやはりいずれも扱い数量によって数字が変わってくるのでありまして、それですから、この五カ年計画の数字というものはまだかちっとしたものではないのでございますから、あなたのお尋ねが、何も持っておらないのはおかしいじゃないかとおっしゃったから、私はあらかたの数字を今申し上げたのでありまして、法律にこの数字をうたうわけではございません。法律は五カ年計画を出す、その五カ年計画を出していくのだということが法律の主たることになって、この五カ年計画それ自身はこれから詰めていくわけで、取り扱い数量その他によっていろいろ試算しまして目標をつくるわけですから、あなたの持っておられるのは、おそらくその数字も私どもの方で出したのかもしれませんし、私が言いましたのも、今まだ試みにいろいろやっておる途中でございますので、そういうことで御了承を願いたいので、ぴちゃっとこれできめて五カ年計画でこれを動かさないでやるのだ、そこまでいっておらないのであります。どうかそういう意味で御了承願いたいと思います。
○野原(覺)分科員 私は、厚生大臣、なるべく早く終わろうと思った、五カ年計画のところは簡単に通れるだろうと思った。ところがとんでもないことをあなたはおっしゃるのですね。数字のない計画がありますか。あなた、数字のない、総額のない計画がございますか。五カ年計画といったら、三十八年度を起点として四十二年度までの年度別の計画を確立して初めて五カ年計画じゃないですか。五カ年計画じゃないじゃないですか、今の御答弁では。それならはっきりした数字をお示し願いたい。大体の目標は屎尿は千六百六十億、ごみは三百何十億と言いましたが、幾らですか。ごみはそれじゃ幾らですか、現在持っている数字をお聞きします。
○五十嵐政府委員 先ほど島本先生の御質問のときもお答え申し上げたのでありますが、五カ年計画につきましてはもちろん目標を持っておるわけでございます。金額につきましては、大臣からも再三申し上げますように、試算の数字もございますが、的確な数字をここで申し上げます用意はないわけでございますが、到達の目標を持っておりますと申し上げますのは、一応の事業量としてどの程度の事業をやっていこうか、こういうことでございまして、その数字につきましては一応私どもは目標としておりますのは、下水道終末処理につきましては、まるい数字でございますが、一千八百万人分、それから屎尿処理につきましては約三千万人分、それからごみ処理につきましては、ちょっと大きくなりますが、六千万人分を一応五カ年計画の到達目標といたしまして、事業量を基礎にして考えておるわけでございます。
○野原(覺)分科員 その事業量の事業費を聞いているんですよ。計画というものは金の計画が大事じゃないですか。それだけの事業量でいけば、総事業費は総額において幾らになるのかということをお伺いしたい、はっきりおっしゃって下さい。時間をとっては困りますよ。それが言えないということはないでしょう。そんなばかなことないでしょう。そんなことでは審議できませんよ。
○五十嵐政府委員 総事業費について今説明しろということでございますが、先ほど来申し上げましたように、物価の変動等でこれは変わる数字かと思います。私ども一応まるい数字で試算をいたしております範囲を申し上げますが、下水道終末処理につきましては約一千億前後ではないか、それから屎尿処理につきましては五百億前後、ごみ処理につきましては四百五十億前後というような数字が、先ほどの人数から出しまして推計試算いたしました一応のまるい数字になるかと思います。
○野原(覺)分科員 実にずさんきわまりないですね。局長、これはあなたの方の環境衛生局から出ているのですよ。その数字が、幾ら試算かしりませんが、何百億も変動してはたまったものではありませんよ。今あなたが言われたのは、総事業費千九百五十億、これは総ワクです。そういたしますと、私がお尋ねしたいことは、それでいきましょう。局長の今言った数字は私は反対です、そんなものでできはしない。一つ一つ裏打ちを聞いたら半日かかりますよ。私はお尋ねしようと思って用意しているのです。しかし時間があるから私は急ぎますが、これはあらためてまたお尋ねをいたします。 私がここで聞きたいことは、それではただいま申されました下水道、屎尿関係の千五百億円の、三十八年度から四十二年度までの年度別の金額——これは計画という限り出ないはずはない。その数字に基づいての試算でけっこうです。それから四百五十億円がごみの総事業費だということを言われましたが、これも年次別の計画がなくて十年計画が変更される道理はありませんよ。これはあるでしょう。おっしゃって下さい。
○五十嵐政府委員 私どものただいままで計画して参っております内容としましては、五カ年計画の総事業量並びに第一年度の三十八年度の予算ということでございまして、これを基礎にいたしまして今後三十九年から四十二年まで次の四カ年間にどのような事業量をどういうカーブで処理していくかということにつきましては、ただいま関係方面とも検討をいたしておるような次第でございます。私どもがただいま申し上げられますのは、四十二年度末にはこれだけの事業量を処理したいという目標を申し上げ得る程度でございます。
○野原(覺)分科員 それじゃこれは計画じゃないですね。大まかな目標を立てただけで、何が緊急五カ年計画ですか。局長は年度別に言えないじゃないですか。いいかげんなことを言っては困りますよ。総事業費だって実にあいまいじゃありませんか。こんな計画がどこにありますか。これはいけませんよ。 そういうことを言っても時間をとるから私は急ぎます。あなたは三十九年度から先は言えない。どうもないらしい。そこでお聞きしたいことは、今厚生省が立てておる総事業費、つまり五カ年の総ワクについては、計画として私どもに答弁される限り、少なくとも財政当局とは話し合いができておると思う。厚生省のひとり合点ですか。ビジョンですか。単なるビジョンではこれは計画になりませんね。これは大蔵省と合議にかけておりますか。ただいま申しました約二千億の総事業費についてはどうなっておりますか。
○西村国務大臣 大蔵省とただいまも折衝中でございまして、その最終的な結論になっておりませんから、そういうものを計画を立てて、そして閣議に出してそれを決定願うというのでございます。年度別のは、今の総事業量を平均でやるか、あるいはずっと後年度で上がるか、どういうカーブをとって年度別に内分けるか、こういうことを今検討中だというのでありまして、目標は一応持っております。それですべての点につきましてかちっとしたものができて、それを大蔵省も了知だということになれば、これは法律も別に要るわけじゃありませんので、そういうことをこれから検討するわけなんでございます。結局、年度別のあれは全然要らないんだということじゃない。年度別のあれはこれから立てるわけでございます。ただいまのところ大蔵省との折衝が全部完了しておるものではないわけでございます。
○野原(覺)分科員 総ワクについても大蔵省とは合意に達していないのですね。それじゃ局長の答弁とあなたの答弁と食い違っていますよ。総ワクについても大体の合意に達していないのですか、大臣。
○西村国務大臣 今年度私たちはこの屎尿処理及びごみ処理は緊急に取り上げなければならぬということで、三十八年度の予算折衝のときにこの五カ年計画をわれわれの考えに基づいていろいろ折衝した結果、いろいろな面で終局的には三十八年度の予算は決定したのであります。しかし緊急であるから五カ年計画は一つ立てようじゃないかということで合意ができておるわけでございます。今その事業量等につきましても大蔵省はややこれを了知いたしておりますが、金の面等につきまして最終的な了承を全部取りつけられたものではありません。従いまして、今回緊急措置として出す法律は、これは私の方だけではありませんで、下水道は建設省、終末処理を厚生省がやるわけでございますから、建設大臣、厚生大臣はやはりそういう五カ年計画を立てて閣議でもってこれを決定しよう、こういうのでありまして、今その作業の途中であるわけでございます。
○野原(覺)分科員 私は最初子供みたいな質問をしたのです。本年度のこの清掃関係の予算は五カ年計画に立ったものですかと聞いたら、そうですとあなたは言った。速記を調べて下さい。五カ年計画に立ったものならば、五カ年計画の総事業費の上に立った予算でなければならぬでしょう。大蔵省から反対されたら、これはつぶれてしまうじゃありませんか。そんな砂上の樓閣みたような、吹けば飛ぶような、三十八年度の予算は何も根底がないじゃありませんか。今の私の質疑ではっきりした。五カ年計画に立った予算かと聞いたら、そうだと言った。だから私はその答弁を聞いて非常に力強く思った。ところがあにはからんや、五カ年計画の総ワクについても財政当局の了解をとっていない。これは自治省をはずして、自治省はむくれておるかもしれませんが、自治省ともはたしてどれだけの話し合いをしておるものやらわかったものじゃない。これは私追及したら、またあなた困りますよ。大蔵省と自治省とあなたの方と少なくとも大体の——私はほんとうは三十八年度から四十二年度までの年度別の事業量と事業費をここで出してもらいたい。しかしそれができないならば、少なくとも総ワクについてくらいはおよその話し合いがついて、初めて、緊急五カ年計画の目標を立てました、こう言うて下さい。計画はまだですよ。年度別が言えないのに計画がありますか。大臣、私は何もあなたにこういういやみを言うためにお尋ねしているのではない。私は今ここで頭の中でちょっと試算をいたしました。総事業費を約二千億円と仮定します。そうなりますと、これは局長にお聞きしますが、この総事業費の二千億円というのは起債と補助金両方が入るわけでしょう。
○五十嵐政府委員 さようでございます。
○野原(覺)分科員 そういたしますと、三十八年度の予算は、屎尿、ごみについて、補助金がざっと四十億円、そうして起債が車まで含めて五十五億円だったと思う。そういたしますと、あれは三分の一の補助金として四十億ですから、その総計が百二十億円ですね。そして起債が五十五億円ですから、合計して三十八年度の事業費は百七十五億円ということになります。ところが、二千億の五カ年計画ならば、少なくとも年間平均して四百億の起債を含む金額を用意しなければならぬ。そうでしょう。ところが、百七十五億円しか三十八年度は立てていない。私の暗算で二百二十五億円、これだけのカバーを三十九年から四十年にやれますか。私は同じく一律にやれと、そんなばかなことは言いません。それは重点的になるでしょう。国の経済、財政の都合がありますからね。すでに本年二百二十五億というものが飛んでしまっているじゃありませんか。子供の算数じゃないが、二千億の五年間は一年間に四百億円ですよ。ところが、あなたはたった五十五億円しか起債は認めていない。これはそのことを頭に入れて要求はしたのです。大臣、あなたは五十五億の要求はしなかった。起債はあなたは百三十億ぐらい要求した。私は新聞を注意しておりました。ところが、第一次査定、第二次査定とどんどん削られて、五十五億になった。片一方の四十億円の方も、これは四十億円の補助金じゃなかった。だから、厚生省の頭の中では五カ年のビジョンが立って。そのビジョンを何とかしようとしておるか存じませんが、全くの一人相撲なんです。そこにあなた方の予算要求に力が出ない、そうしていつまでたっても屎尿とごみの問題が解決できない厚生行政の上での難点、弱点があるのです。私はこの国会に立法措置までお出しになるという大臣の決意を聞いて非常に心強く思ったのですよ。これはぜひこの国会に出してもらいたいのですが、こういうことを長々とやると、予定が先にございますから終わりますけれども、やはり少なくとも自治省、大蔵省とは早く話し合いをつけて、総ワクぐらいは閣議決定ぐらいにして下さい。年度別については、なおこれは財政当局と検討する。その年度のこれからの見通しも、経済の成長の見通しも立ててやらねばならぬからね。しかしながら、今の時点では総ワクはこれだ——物価が上がれば当然それはスライドしたらいい。だから、そのくらいの閣議決定ぐらいとって、そうして立法措置をされて国会に提案しないというと、きょうのような状態では済まないですよ。国会議員もばかじゃありませんから、知っていますよ。そういうことを調べるのが私ども国会議員です。私は実にあやふやな計画だなと思って、今慨嘆にたえない。これはもっとしっかりしたものに立てていただきたいのです。この点で、一つ大臣の御所信を承っておきたい。
○西村国務大臣 先生の初めの御質問で、三十八年度の予算は五カ年計画か——私はそうですと、こう簡単に答えましたが、つまりそういう意味において三十八年度から五カ年計画を進めようということを言ったので、この三十八年度の予算が五カ年計画の全部のあれを満足するものじゃないのです。先生はもう十分御承知の上で言われておることなんで、私の方といたしましても一つのビジョンを持ってやりましたが、なかなかうまくいかない。しかし、五カ年計画は立てなければならぬということは大蔵当局も認めましたので、それで、この五カ年計画をある目標を持って進めたい。従いまして、今度はその年次ごとの金の割り振りもやはり必要でございましょうし、しかし私の方だけ案を持っておったのではしようがないから、オーソライズするために緊急措置の法律を出そう、こういう考えをいたしておるのでございまして、目標に到達することにつきましては一つせっかく努力いたしたいということを申し上げる次第でございます。
○野原(覺)分科員 厚生大臣あまり理屈をおっしゃらぬ方がいいですよ。この質疑応答は、人が聞いておる通り、これはあなたの負けですよ。私はよく聞いて下さいよとだめを押して五カ年計画に基づいた要求ですかと聞いた。五カ年計画に基づいた要求ですかということは、総ワクがきまり、各年度別の金額を持って、三十八年度の予算を計上したのかということです。それにあなたが負け惜しみか知りませんが、いろいろ理屈をいいますと、また私がそれにひっかかる。時間がございませんから、これはこの辺にして、私は先に進みたいと思います。 昨年のこの分科会で、私が手数料と直営の問題について、相当詳細に当時の灘尾厚生大臣、それから五十嵐さんにお尋ねしたのであります。五十嵐局長は御記憶だろうと思います。清掃関係の経営形態の問題です。 そこでお尋ねしたい第一点は、去年のこの分科会では局長は直営が正しいということを明確に答弁されて、その後の地方自治体に対する行政指導の書物も、ずっと私は都市清掃という雑誌を読んでおりますが、それを見ておりまして、そういう指導をなさっておられることは私も認めます。それから時の灘尾大臣も方向としては直営をとらなければなりません、こういう断言をされてきたのですね。ところがその後私どもの調査によりますと、兵庫県の伊丹市、同じく兵庫県の洲本市、新潟県の直江津市等、これはたくさんございますから、等でいきます。この三つが非常におもな都市でございますが、民営化の方向をとっておるのです。これは局長も調査していると思う。あなたは直営が正しいのだ、直営の方向に指導するのだと言いながら、あなた方が指導しておる自治体は、逆に民営化の方向をとっておるのです。これはどうお考えになりますか。
○五十嵐政府委員 去年の御質問で、経営の主体は直営が望ましいとお答えいたしましたのはその通りでありまして、また私どもとしてはそういう方向で指導をいたしておるつもりでございます。ただ私どもの指導が不十分でございまして、手の行き届きませんところはまことに申しわけない次第であります。今後ともその指導をさらに進めまして、望ましい姿にするように努力をして参りたいと存じております。
○野原(覺)分科員 これはあなた方の責任ばかりではないのですが、自治省とはどういう話し合いをして指導をしておりますか。
○五十嵐政府委員 自治省との間でも、やはり経営の主体については直営の方向が望ましいということで話し合いをいたしております。またその具体的な問題としましては、先ほども話題に出ましたが、基本財政需要額の積算の場合に、できるだけ直営事業として実施していけるような、そういう受け入れ態勢をまとめてもらうような方向でこれを指導して参りたいという話し合いをしておるわけであります。
○野原(覺)分科員 歴史的な沿革がございますから、私もただいま直営にしてしまえとは言わない。これは理想をいえば直営にすべきなんです。ところが直ちにそれを直営にしてしまえといっても、これはなかなか容易ならぬことだと思います。ただ問題は、民営化にあとずさりするとは何事ですか。これから気をつけて指導しますと申されましたが、今まで気をつけて指導してきたんですね。それが民営化にあと戻りしていく。これはどこかに私は重大な欠陥があると思います。どう考えますか。指導しても民営化にいく、それならば指導してこなかったということになる。指導してきたんです、去年から一年。私がここで問題にしてから特に厚生省は重点を置かれたと私は聞いている。敬意を表しますが、それでも民営化に逆戻りしておるではありませんか。大臣、これはどこかに欠点があるんですね。どうお考えになりますか。時間の関係がありますから私はその欠点を申し上げますが、これはやはり私は清掃法の十五条について手を加えなければならぬと思います。これは単なる指導だけではできぬと思います。あなた方は直営が正しいと信念を持って私どもにお述べになるならば、直営に持っていくところの法的措置を講じなければならぬと私は思います。そうして初めて厚生省当局のこの直営が正しいと言うことが生きてくる。私は、清掃法の改正を今直ちにやれとは言いませんが、少くとも十五条については検討しなければならぬ時点に今きておると思います。大臣、いかがでしょうか。
○西村国務大臣 十五条というのは許可業者の問題でございましょう。今言いましたように、われわれが理想とするところにいかぬということになれば検討してみたいと思います。
○野原(覺)分科員 非常に誠意のある御答弁をいただいて、そういう御答弁をいただけるなら話は早いです。これはぜひ一つ検討して下さい。汚物取扱業、これを民間にやらせるという制度は私は廃止すべきではなかろうかと考えておるのです。これは地方自治法の精神からいってもそうです。清掃事業を民間にやらしたら金もうけですよ。これは地方公共団体の責任でやらねばならぬ仕事なんです、法の建前は。憲法からいいましても、自治法の精神からいいましても、それを民間でやらせて今まで放任してきた厚生行政の責任は大きいと思う。どうか西村厚生大臣で清掃法十五条を検討して下さるように重ねて要望をしておきたいと思うのです。 そこで局長にお尋ねしますが、手数料をあなた方は昭和三十五年度に全国で総額幾ら取っておりますか。
○五十嵐政府委員 ただいま手元にその数字がございませんので、取り調べまして……。
○野原(覺)分科員 大体でいいです。課長もおることですから……。
○五十嵐政府委員 手元に数字の準備がございませんので、至急取り調べましてお答えいたします。
○野原(覺)分科員 それでは後刻この問題は一つ御発表願いたい。その上で手数料の問題は、私の意見なり質問を申し上げたいと思うのであります。 私がここで申し上げましたことは、清掃事務というのは、厚生大臣、これは収益事業ではないということです。公益事業なんです。金もうけで清掃事業をやっちゃいかぬということです。私はそう思います。大臣はどう考えられますか。
○西村国務大臣 私も同感でございます。
○野原(覺)分科員 そうなって参りますと、その観点から手数料というものを私どもが分析してみる必要があろうと思います。金沢市では住民税が一番最低が一人平均年四百円です。ところが三百六十円に近いこの手数料がおっかぶさってきたんです。住民税が倍になったんです。清掃税法です。こんなものは税法にはございませんね。ところが手数料というのは事実上の清掃税になって全国にやかましいのです。これは私は非常に問題があると思うのです。従って手数料についても、今私は問題のほんのちょっとの点を出したわけですが、厚生大臣検討されてはいかがでございましょうか。収益事業ではないということ、清掃税という税金に事実上なっておるのではなかろうか。いかがですか、検討される必要がございませんか。
○西村国務大臣 現在の清掃法がそうなっておるから。そのもとは、やはり清掃する特定の地域をきめてあるから、その地域の住民だけがそれで潤う、地域外の人はやはり潤わないということで、公共団体全体としてそれを金を取るのがどうであろうかというような歴史的なあれがあるのだろうと思います。しかし根本は私もあなたと同じように、地方公共団体の責任によってやるべきものだ、かように考えておる次第でございます。
○野原(覺)分科員 私は昨年の国会でも申し上げたのです。地方自治法の二百二十二条によりますと手数料を取るのです。それは特定の個人が自分の利益のために要求した場合に取る。たとえば印鑑証明を市役所にもらいに行くと取るのです。公簿の閲覧を要求すると手数料を取られます。身元証明をしてもらおうと思えば手数料を取られます。これは特定の個人が特定の自分の利益のために役所に御迷惑をかけたというので料金を払うのです。あなたはある地域と言いますけれども、東京都を見て下さい、全部が特別清掃地域じゃありませんか。これは特定の個人じゃありませんよ。一千万の東京都民は不特定の大多数です。そういうのは御答弁になりませんよ。だから特定の個人が一身上の利益のために一個人の要求に基づいて行なう事務ならば手数料を取ってもよいが、今やごみとか糞尿というのは一個人の要求に基づいてその者の利益のためにとる事務じゃない。糞尿が溢れたら町がくさくなる、公衆衛生がよろしくなくなる。公衆衛生の責任は地方自治体です。そういう考え方でいけば手数料についてはぜひ再検討してもらわなければなりません。これは手数料は取るべきではない。局長にお伺いしますが、あなたは手数料取るのに賛成であろうと思いますが、いかがですか、反対ですか、賛成ですか。
○五十嵐政府委員 手数料を取ることに賛成であるか反対であるかというお尋ねでございますが、主観の入るお答えになりますので、その点は私はただいま清掃事業財政研究会という会合でこういった問題について鋭意検討いたしておるということを申し上げたいのでございます。ただ制度といたしましては、御指摘のように清掃法の二十条に手数料の徴収の規定がございまして、また地方自治法の二百二十二条にも今お取り上げのような規定があることは私も承知をいたしておるのでございまして、その点につきましては、仕組みとして取ることができるような形になっておる。従いまして私どもとしましては、清掃事業が各市町村においていろいろな形態で、いろいろな仕組みで実施されておりますので、この手数料については、特にとる方が好きだとか、あるいはとらぬ方がどうだとかいうことでなしに、地方公共団体の自主性にまかせてその運営に当たってもらっているというふうに承知いたしております。
○野原(覺)分科員 野放しですね。あなたは定見を持たない。あげて何やら研究会——これは荻田さんの研究会だろうと思いますが、厚生省も入っておりますけれども、都市センターの収益事業でやっておる委員会だそうですね。私はあの委員会にも意見があります。ああいう重要な委員会を、都市センターの収益事業でやらないで、なぜ厚生省はもっと権威あるものにしないのか。大臣の諮問機関に育てるということも一つの手です。そこの意見を待たなければわからないというような御答弁で、あげて地方自治団体にまかせる、これでは大臣困るのです。清掃法二十条には手数料をとる規定が確かにあるのです。しかし清掃法二十条の手数料は、私どもの見解によりますと大口の手数料ですよ。これもまたあとでお聞きしたいと思っておるのですが、厚生省は一人一日のごみが四百グラムから五百グラムという。東京都では七百から八百、大阪でも七百から八百、大体都会ではそのくらいです。人間の生活程度が高まれば高まるほどごみはよけい出るわけですね。だから四百から五百ということで自治省が交付税の算定基礎にしていることは私ども納得できない。これはあとで交付税のところで触れようと思っておりましたが、いずれにしてもその基準のごみは市町村にとる義務があるのですよ。大臣、ないと思いますか、あると思いますか。これは重要ですよ。地方自治法の精神からいって、憲法の精神からいって、私が東京都に頼んでとってもらっておるのですか、それとも頼まなくとも東京都はそのごみをとらなければならぬ責任があるのでしょうか。大臣、これは一番大事な点です。あなたはどうお考えになりますか。
○西村国務大臣 そういうようなごみはやはり地方公共団体がとるべき責任があろうと思います。ただ集めるとかなんとかいうことにどういう方法がとられておるかということで、とって処理することは地方公共団体の責任であろうと私は思います。
○今松主査 野原君に申し上げます。なるべく結論をお急ぎ下さい。
○野原(覺)分科員 結論を急ぎましょう。とるべき責任があるのです。手数料は本質的に払うべきものではない。清掃法二十条に、条例できめるならば手数料をとってもよいとうたっておりますから、みんな二十条に便乗してとっておるのですけれども、実はこれは清掃法二十条違反なんです。清掃法二十条のいっておることは、一人一日平均五百グラムぐらいのごみは当然とるべき責任がある、ところが、ここに大きな八百屋さんがあって、その八百屋さんがよそよりもうんとごみを出す、スーパーマーケットができて、よそよりもうんとごみを出す、それは特定の個人の利益のために御迷惑をかけるのですから、そのごみについては手数料をとらなければならぬというので二十条ができたのです。これは地方自治法の二百二十二条の先ほど私が申し上げました印鑑証明の理論からいえるのです。地方自治法の上に立って清掃法ができておるのです、自治行政ですから。自治行政の根本は地方自治法です。手数料は二百二十条の精神でいかなければならない。そうしますと、特定の個人がおのれの利益のためにお願いをしてとってもらうのではない。大臣が認めたように、その地方公共団体がとらねばならぬ責任がある。地方公共団体は、これも地方自治法にございますね、清掃の責任がある。清掃法にも、市町村が清掃の責任があるとうたっておる。とらねばならぬ。それがとんでもない間違いを犯して、現実は財源を豊かにしなければならぬというのでとっておるのです。だからこの問題については、どうか西村さん、あなたはこういう点は非常にまじめにお考え下さる方でございますから、御検討願いたい。これは自治法との関連から見て、都市センターの委員会にだけまかせないで、厚生省が本気にこの問題は検討されるかどうか、一つ大臣の御所信を承っておきます。
○西村国務大臣 そういう手数料等を入れておるのは、やはり地方公共団体の任意にまかせようという精神に出ておるわけでございます。しかし私といたしましては十分検討いたしていきたい、かように思っております。
○野原(覺)分科員 汚物の処分で手数料をとるのは、特定人に対する市町村のサービスではさらさらございません。これは汚物の一般性つまり不特定人に対し当然の責任によってとるのでございますから、当然手数料がなければならぬという理屈はないのです。それをみな手数料をとっておる。これは検討されるということでございますから、私はこれ以上固執いたしません。 そこで直営論に戻りますが、これは大臣、民間の業者に委託してやりますとチップを要求するのですね。困っております、屎尿をとってもらわなければならぬから。こう言ってはなんでございますけれども、まじめな民間の業者団体もありますが、背中に入れ墨をした暴力的なもの、そういうのが大都市には何百とあるのです。それがみんな下請けをしておる。チップを要求する。従って直営の問題も、私は十五条について先ほど申し上げましたが、これもとにかく単なる検討でなしに、こういう問題はすみやかに解決してやるのが政治だと思います。良識ある民衆は困っております。これはきょう大阪から連絡がありましたが、つい数日前大阪市であったことです。ある民間の委託業者が、大阪市の従業員——これは大阪市が委託する場合には、運転手と自動車を与えておるのですね。運転手と自動車は市のものです。そして肥やしをくみ取って運ぶのだけがその請負業者の仕事なんです。そこで利潤をかせぐわけですね。当然の公の仕事に金もうけをさせるとは何事かと私は言いたい。きょう私に連絡がありましたのは、その運転手が半殺しにされた。仕事の仕方が悪いというので、広場に集まって、親分が木刀を上に上げて、その合図で十四、五人でぶったたいてしまった。実は大へんな問題を起こしておる。当然市がやらねばならぬことをそういうものにやらしておって、何にも手をつけない、これが今日の末端における清掃行政の実態です。どうか緊急整備五カ年計画を急がれるとともに、こういうところにも手をつけていかなければ、私は本物の厚生行政とはいえないのではなかろうかと思います。 それでは局長、先ほど私の質問した残っております点について御答弁願います。資料はきましたか。
○五十嵐政府委員 先ほどお尋ねの手数料の額でございますが、三十五年度の調査で、非常にまるい数字で恐縮でございますが、屎尿に関しましては約四十億、ごみに関しましては約二十四億程度の手数料をとっております。
○野原(覺)分科員 三十六年は……。
○五十嵐政府委員 これはただいま集計中でございまして、手元に数字がございません。
○今松主査 まだあとに質問がありますからお願いします。
○野原(覺)分科員 どうも数字をお隠しになられてはいけません。そうすると三十五年度は大体六十四億ですね。三十六年度は集計中だと言いいますけれども、三十六年度の集計はできておるでしょう。お隠しになってはいけませんよ。私の手元にございますよ。これは都市センターの研究委員会の数字があります。これは間違いですか。あなたの方がつかまれないで、民間の委員会がこういったデータを持っておるとは何事ですか。三十六年、局長おっしゃって下さい。
○五十嵐政府委員 三十六年度の数字につきましては先ほど申し上げましたように私ども正式に発表した数字はございませんで、ただいま集計中でございます。
○野原(覺)分科員 三十五年が六十四億だそうでございますが、私の手元にあるその委員会から出された、これは勝手に人が捏造したものじゃない。驚いておるのです。これはほんとうか聞きたいと思っている。三十六年度に二百十六億円の手数料——厚生大臣、これがうそ半分であるとしても百億円の手数料、つまり今日の厚生行政は手数料をとらせるという方向できておるのではなかろうかという疑念を私は持つのです。私は三十四年は聞かなかったのだが、年度を越すごとに手数料の総額というのは大きくなっておりますね。局長いかがですか。
○五十嵐政府委員 重ねて申し上げて恐縮でございますが、ただいま取り上げられました二百十六億というのは、私どもの手元で集計したものではございません。またその内容の性格についても、よく承知していないのでございますが、ただ年々増加する傾向にあるかどうかということは、要素としましては、民間営業がふえるかふえないかということのほかに、あるいは物価の変動というようなこともございます。そういった詳細につきましては、ただいま数字によりまして鋭意検討いたしておるわけでございます。
○野原(覺)分科員 これはあとで文書で数字を出して下さい。厚生委員会に来て私はまたいろいろお尋ねをしますから、昭和三十年度ぐらいから三十六年度まで含めて、その増加傾向というものを見たい。 そこで大臣にお伺いしますが、厚生省は金がないのだからせめて手数料を取れ、君が手数料をどんどん取るなら補助金を出そう、こういうお考えを持っていらっしゃいませんか、自治省いかがですかこの点。これはここに来ておられる方が言うたかどうか知らぬが、手数料を取れ、それで取ったところに国が補助金を割り当てよう——自治省にお尋ねするのです。自治省がいなければ厚生省、局長いかがですか。
○五十嵐政府委員 私の承知いたしております範囲ではさようなことはございません。
○今松主査 野原さんに申し上げます。どうぞ一つ最後の一問としていただきます。
○野原(覺)分科員 あと一、二問で終わります。 まことに遺憾きわまりないのだけれども、そういうことをおっしゃっていないとすればこれはけっこうであります。しかしどうもそういう傾向があるやに思います。そうして単に民間業者が取る手数料じゃない。これは自治体も取ってはいけない。同時に民間業者がやる場合も取ってはいけない。そういう意味で、私はこれは地方公共団体の公益事務ということに重点を置いた清掃法の改正について検討を加えなければならぬ時期がきておると思います。時間がありませんからその改正すべき点を一つ一つは申し上げません。これはお尋ねの形式でお聞きしたいと思いましたが、これも私は一瀉千里で申し上げておきますが、今日の清掃は市町村の清掃に対する責任、これがはなはだ明確でありません。私の質疑でおわかりいただいたと思います。公益事務やら、収益事務やら、この首尾が一貫していない、この点の検討。 それから特別清掃地域という制度をとっておるのでございますが、今日特別地域だけが清掃されるべき筋合いのものではありません。全日本を清掃してもらわなければならぬ。原則としては全国一律に清掃法を私は適用すべきだと思います。ただし山の中もあれば特に清掃の要らない地点もあるわけでございますから、都道府県知事の適用除外地域というものは政令で基準を設けて指定ができるようにするならば私はよかろうと思う。これが第二点です。 第三点は、汚物の収集といいますか、つまり糞尿やごみの収集がさぼられております。これは自治省が見えてないからきょうはやかましく言わなかったのですが、ごみなんというのは今日週二回取ってもらわなければ困ります。全国のたくさんの都市では糞尿があふれているのです。災害のためにあふれているのではない。取りに来ないのです。民間業者にやらしておるから、民間業者はそろばんをはじいて仕事をする。こういう厚生行政が末端で行なわれておるのですから、汚物の収集が定期的にひんぱんに行なわれるように、これはむしろ法律でもって規制しなければ、ずるいといいますか怠慢な地方公共団体を縛り上げることはできない。これは民衆のためにならぬと思う。それから汚物の収集、運搬、処分、糞尿浄化槽の掃除などは民間に委託してやらしてはいけない。先ほど申し上げました、厚生大臣がお約束をいたしました十五条についての個所であります。その他水洗便所をつくるとか、あるいは糞尿の浄化槽を設けるというように個人が協力した場合には若干の補助金を市町村が出してやる。そしてその補助金の裏打ちというものは、二分の一ぐらいは国が持ってやる、こういう配慮がほしいのであります。私はきょうは質問を半分以上実は飛ばしたのです。夜分おそうございますし、同僚議員、委員長にもまた皆さん方にも御迷惑をかけますから、全く私の予定しております質問の半分にも満たないのでございますが、どうか一つ西村厚生大臣に最後に私は要望をいたしておきます。 今日、奥様方、お母様方にお尋ねをいたしまして、都市当局への苦情は何ですかと言えば、どこへ行ってもごみと糞尿と言います。その次はと言ったら交通と言うのです。その次に困るものはと聞いたら、物価高と言うのです。不思議なことにごみと糞尿の問題が最高のパーセンテージを占めているのであります。ここにも問題があるのではないか。外人が日本に来たら鼻つまみしないと道を歩けないぞと言ったそうです。最近清瀬議長は、日本はドイツより糞尿、ごみの清掃施設は五十年おくれていると議長室である代表の方々に言明をされた。全くなっていないと言明をされた。そこで緊急整備五カ年計画というものを立てられたやに承りましたので、私どもも非常に期待をしておったのでございますが、きょうお伺いをいたしますと、全くからっぽですね。総ワクも何もない、年度の計画も何もない。ただ宣伝だけだ。はなはだ遺憾にたえないのであります。そういうことを繰り返し述べてもどうかと思いますから、この国会には先ほど私が申し上げました五カ年計画の閣議決定をやって、その裏打ちの立法措置をこの通常国会で一つやられますように厚生大臣に御要望申し上げます。厚生大臣の決意のほどを最後に承りたいと思います。
○西村国務大臣 御承知のように、現在の清掃法も昭和二十九年から十年くらいになっております。しこうして、その間におきましていろいろ社会上の変遷もありますし、また直営でやるか請負でやるかというようなことにつきましてもいろいろな変遷があったと思うのでございます。そういうことは野原先生全部おわかりであろうと思いますが、要するに、今非常に逼迫した状態になっておるのでございますから、私の方は国でやる施設はもちろんのこと、その他地方公共団体がやるものにつきましても、法律につきましても、ここで再検討しなければならぬ重大な時期にきておるということは、私も家庭の方からよくやかましく言われるのであります。十分真剣に取り組んでみたいと思っておる次第でございます。
○今松主査 西村関一君。 西村君に申し上げますが、厚生大臣は七時から御用事があるようでございますので、それまでに一つおもな質問をお願いいたします。
○西村(関)分科員 私は時間もあまりございませんので、きわめて要点だけをお尋ねいたしまして、きょう質問をし残しました分につきましては別の機会に、あるいは社会労働委員会等におきましてお伺いをいたしたいと存じます。 きょうの質問の点は、医療班の海外派遣についてでございます。わが国が国際間におきまして、特にアジア、アフリカの諸国間において、友好、連帯の立場から医療班を派遣するということにつきましては、まことに大きな意義があると思うのでございます。こういう医学的な奉仕を中心として国際交流をやるということは、まことにけっこうなことだと思うのでございます。つきまして、ここ数年来、たとえば昭和三十年から今日まで、どのような医療班をどの国へどういう形でお出しになりましたか。また今後におけるところの計画、見通し等につきまして、まずお伺いいたしたいと存じます。
○西村国務大臣 これまでのことを政府委員から……。
○尾崎政府委員 医療班の出動回数の全体のものを手元に今持っていないのでございますが、沖繩関係のものをまず申し上げたいと思います。昭和三十五年から始まっておりますが、医療技術者の派遣、医師とか歯科医師、そういうような者の派遣が、沖縄には三十件、六十六名、これは結核とか、らい関係の専門の医者の数でございます。
○西村(関)分科員 私の伺っておりますのは、沖繩をも含めまして、沖縄は日本の領土ではありますが、特殊な状態にありますから、沖縄をも含めまして、海外のアジア、アフリカの諸国に、日本から医療班を派遣されたと伺っておりますが、その派遣の時期、班の編成の内容、それからどういう地域にどういう形で派遣をされたか、またその派遣についての国際機関との関係等々について、お伺いをいたしておるのであります。
○尾崎政府委員 今沖繩の数を申し上げましたが、これ以外の数字につきましては、インドネシア、ビルマ、ラオスに巡回診療班を三年ほど前に出しました。それからインドネシアには日赤の診療班を昨年出しております。それからビルマに本年巡回診療班を日赤から出しております。そのほかシンガポールに現地の政府から要望されまして医師を五名、これは個人契約で送り出しております。そのほかタイにヴィールス・センターをつくりまして、そこの要員を四名だったと思いますが、医師そのほかの技術者を出しております。そのほかWHOの関係で人を出すとか、コロンボ計画で出すのがあると思いますが、ここに総計を持っておりませんので、全体を申し上げることができないのははなはだ申しわけないと思っております。
○西村(関)分科員 私はあらかじめ質問の要旨については通達をしておいたのでありますから、もう少しデータをお持ちになってお答えをいただけるものと期待をいたしておりましたのですが、今の局長のお話ではきわめてばく然としておりますので、今お手元にそういう資料がなければ、後刻委員長におかれましては、今の質問の要旨につきまして、医務局から資料として提出をしていただきたいと存じます。もう 一度申し上げますが、その派遣の期日、派遣の場所、派遣の目的、班の編成の内容、さらに国際機関との関係というような諸点につきまして、詳細な資料を提出していただきたいと思うのであります。 私が手元に持っております資料によりますと、昭和三十一年にベトナムに、日本、アメリカ合衆国等六カ国からなりますところの医療班に参加いたしまして、日本から医療班が出ておることになっております。三十二年の六月には医師一名、看護婦二名によりまして、これは元日赤病院の職員でありましたところの医師を団長として、一年間の計画でやはりベトナムに派遣をせられております。それから三十五年の二月にはコロンボ計画で、日赤の現職の職員、医師二名がコンゴ国に出張をいたしております。それから三十六年の六月から四カ月間、インドネシアに日赤の職員が、第一陣が医師三名、医学関係の技師、エキス光線の技師でございますが、一名、看護婦二名、三十七年の三月には第二陣としてタイ国へ日赤の職員、医師三名、看護婦二名、三十八年の一月、今年の一月、ビルマへ日赤の職員が医師三名、看護婦二名という編成で、第三陣としてコロンボ計画の東南アジア巡回医療団の名のもとに、派遣をせられておるというふうに承知いたしているのでございます。なお局長は、シンガポールにも、ラオスにも派遣したというふうにおっしゃいましたが、私はそのことについてはまだ存じておりませんので、それらの点も含めまして正確な、先ほど申し上げましたような内容をもって、今すぐにお答えをいただけなければ、後ほどでけっこうでございますから、お答えいただきたいと思います。沖繩に対する医療班の派遣、今医師は六十六名に及ぶところの結核、らい関係の医師を派遣したということでございましたが、これももう少しく詳しく、期日なり期間なり内容等についてお答えをいただきたいと思います。
○今松主査 ただいま西村分科員からの御要求は、当局において至急に作成されて御提出を願います。
○尾崎政府委員 対外技術協力の関係を医務局が主管いたしたのが、この二年ほど前のことでございましたから、昔のことは存じませんでしたが、至急資料を整えて出したいと思います。
○西村(関)分科員 この際、厚生大臣にお伺いいたしますが、厚生大臣は時間をお急ぎのようでございますから、簡潔にお尋ねをいたしたいと思います。 以上私がお尋ねいたしましたように、日本の医学が、あるいは医術が、これらの形をもって海外に、特に東南アジア及びアフリカの友邦諸国に進出をして、相当な働きをなしつつあるということは、これはまことに慶賀すべきことであると思うのでございまして、特にわれわれといたしましては、この種の平和部隊と申しましょうか、そういう形の国際連帯行動を推し進めていくということは、国民のひとしく願うところであると思うのでございます。コロンボ計画等の中で行なわれることもけっこうでございますが、日本独自の立場から、アジア、アフリカの友邦に対して、幾多の要求のあるところに、この種の医療班を派遣いたしまして、いまだ十分に医学の恩恵を受けていないところの地域の諸国の人々に対して貢献をし、奉仕をしていくということは、いよいよますます盛んにしなければならないと思うのでございます。その点につきまして大臣はどのようにお考えになりますか。
○西村国務大臣 東南アジアまたはその他の後進国につきまして、いろいろな技術援助の面があろうと思われまするが、なかんずくこの医療援助の面につきましては、最も国の親善になるものではなかろうかと思っております。従いまして、ぜひともそういうことにつきましては特段の留意をいたしたい、かように考えております。
○西村(関)分科員 大臣の御答弁のように、私自身もさきに申し上げました通り、医療班の派遣等を通じまして国際的な協力を進める、ひいては世界の平和に貢献していくということは、非常に望ましいことであると考えておるのでございますが、ただここに一つ心配になりますのは、去る一月十九日でありましたか、日米安全保障協議委員会におきましてアメリカ側から、非軍事的な援助として、南ベトナムへの医療班を派遣してもらいたい。これは外務省で開かれて、こういう要請がアメリカ側からあって、日本側としては考慮をするというふうにお答えになったと、新聞紙上において伝えられております。この点につきまして、大臣も閣議等に御列席になりまして、この南ベトナムに対する非軍事的な援助を目的とする医療班派遣のアメリカ側の要請に対して、政府はどのようなお答えをなさいましたか。そういうことにつきまして、大臣は何らかの御相談をお受けになっておられるかと思いますが、それらの点についてお伺いをいたしたいと思います。
○西村国務大臣 厚生省といたしましては、まだ公式な連絡を受けてはおりません。事務的にはちょっとそういうことを聞き及んだということでございますが、公式な連絡はまだ受けておりません。いずれ受けることになるかもしれぬ、こう考えておる次第でございます。
○西村(関)分科員 まだ公式な連絡がないということでございますが、もし受けられた場合には、どういうふうなお考えをお持ちになりますか。
○西村国務大臣 その内容をよくお聞きしないと、わからぬわけでございます。非軍事的と申しますが、内容を見まして検討したい。今ここでそれは派遣すべきであるとか、派遣しなくてもいいだろうとかいうことは、公式な内容をお聞きしないと、私はちょっと判断に苦しむと思います。
○西村(関)分科員 これは一月十九日の外務省で行なわれました日米安全保障協議委員会でございますか、その会議の席上、アメリカ側から要請があって、外務大臣は、十分に考慮をするというふうにお約束になったと伝えられておるわけでございますが、お断わりになっておらないし、今大臣のお答えの通り、何らかの御相談があると予測されるわけでございます。内容を見た上で、厚生省としては検討をして、返事をするというふうに御答弁でございますが、現在ベトナムが置かれております国際情勢のきびしさというものにつきましては、大臣もとくと御存じのはずだと思うのでございます。御承知の通り十七度線を境といたしまして南北に分かれて、不幸な状態に立ち至っておる。これは今から九年近くになりますが、ジュネーヴ協定によりまして、フランスの植民地から独立をいたしましたベトナムが、北と南の二つの政権に分かれまして、まことに不幸な状態が続いておる。これはジュネーヴ協定によりまして、民主的な方法によって南北は統一する、その間国連の監視委員会によって監視される。こういう状態で今日まできておるのでございますが、しかるに現在南ベトナムにおきましては、いわゆる宣戦布告なき戦争が行なわれておるのでございまして、サイゴンには一万二千名に及ぶところのアメリカの軍事顧問団が駐在をいたしております。また四十万に及ぶところの国軍と称しております南ベトナムのゴ・ディエンディエム政権の軍隊がおります。しかもこの南ベトナムの各州各県にわたりましては、北ベトナムのいわゆる民族解放戦線の政府が樹立されまして、サイゴンの周辺から外へは、ほとんど治安が保たれていないという状態で、絶えず戦闘が繰り返されておる。しかもある地方におきましては薬品が散布せられて、農作物に甚大な被害が与えられておる。さらにそのために目をわずらい、呼吸器をわずらい、多くの死者が出ておるし、家畜にも多大の被害を与えておる。しかも夜となく昼となく戦闘が繰り返されて、いつ収拾がつくかわからないという状態に立ち至っておるのでございます。私は昨年の七月にベトナムに参りましたとき、つぶさに現地の状態を見たのでございますが、こういう状態の中に日本の医療班を派遣するということが、はたしてどういうことになるだろうかということについて、心配をするものでございます。いわゆる宣戦布告なき戦争といわれておる南ベトナムのゴ・ディエンディエム政権下に、日本の医療班がもし派遣されるという場合に、どういう不測の事態が起こらないとも限らない、そういう保証がどこに取りつけられるか。またそのようなことのために——私の心配いたしますことは、政府は慎重な態度をおとりになると思いますけれども、もし願わない不測の事態が日本の医療班に起こった場合に、日本の技術者、医師、看護婦、あるいは日本の国民の生命の安全を保つためには、やむを得ず自衛隊を派遣するといった事態にまで発展しないとも限らない。そういうことは望みませんし、政府も十分の配慮をせられることだと私は信じますが、そういうところから日本が、おそるべき戦争の中に巻き込まれていく危険が出てきはしないか。これはもし私の杞憂でありましたならば喜ぶものでありますが、そういう心配をいたします。そういう点につきまして、まだ具体的な御相談がないから、大臣としてはお答えができないということでございますが、こういうきびしい対立の中にある地域に対して、先年昭和三十一年にベトナムに医療班を派遣せられましたが、そのときはジュネーブ協定が成立した直後でございますから、まだそれだけの意義があったかもわかりません。現在は非常に苛烈な戦闘が繰り返されておる中に、そういう医療班を派遣するということにつきましては、慎重な上にも慎重な態度を、政府としてはおとりになるべきではないかと考えますので、重ねて厚生大臣の御所信を承りたいと思います。
○西村国務大臣 さいぜんも申した通りでございますが、これが普通の国、たとえばインド等の政府からそういう要請がありましたのなら、むろん問題にならないかもわかりませんが、西村さんのおっしゃいましたような南北ベトナムの特殊性があります上に、またかような非常に不安定な状況にございます。日米合同委員会でそういうような話が出たといたしましても、そういうことを考えまして、話を正式に受けないと、私として今ここでどうこうというわけにはいかないと思います。正式に交渉を受けましたら、十分検討をいたしたい、かように考えております。
○西村(関)分科員 日米合同委員会、日米安全保障協議委員会ですか、正式な名前はちょっとはっきり覚えておりませんが、そこで話が出たということ自体、私どもは心配いたしております。新しい安保体制下において、深入りをしていく一つの具体的な事実の現われとなりはしないかというところから、心配いたしておるのでございまして、そういう点については、私の願いは、当局としては、特に厚生大臣としては、慎重な上にも慎重な態度をとっていただきたい。これはまだ具体的な話がないから何とも言えないと言われる点は了承いたしますが、もし出た場合——必ず出るのですから、出た場合は、慎重な上にも慎重な態度をとって、渦中に巻き込まれないように、十分な御配慮を願いたいと存ずるのでございます。私は冒頭に申し上げましたように、ピース・フリゲート、いわゆる平和部隊というようなものにつきましては、これはインドのサルボダや運動、ガンジー主義に立っておるところのサルボダや運動の中でもやっております。またフレンドのクエーカーの人たちも、世界の紛争のあるところ、世界の混乱のあるところ、あるいは難民が苦しんでいるところに飛び込んでいって、奉仕の働きをいたしておる。そういうことが世界の平和を促進する上において、大きな役割を果たしておる等々の事実につきましては、私は若干承知いたしておるつもりであります。また日本が政府の立場からも、民間の立場からも、純粋な動機から、ただイデオロギーとかあるいは一つの陣営に加担するとかいうような形でなくて、純粋の動機から平和を促進する、真に国際協同連帯の行動を深めていくという立場から、人類愛の立場から、この種の働きが進められることに対しては、満腔の賛意、また激励を贈りたい。私自身もそういうことに対しては、具体的な働きの一端をになわしていただきたいと願っておるものでございますが、しかしながら私が申し上げましたようなベトナムに対する医療班の派遣につきましては、以上申し上げましたような心配がございますので、これは私が心配するのみならず、国民の多くの者がやはり心配をいたすところであると思いますので、その点この機会に、特に大臣にこの際善処を願いたいということを重ねてお願いをする次第でございます。 時間が参りましたし、なお日赤の問題につきましては、きょうは社会局長がお見えになっていないそうでございますから、私はその点につきましてもう一度、恐縮でございますが大臣の御所信を承って、大臣は七時に御用があるということでございますから、時間もたっておりますから、残余の質問は次の機会に譲りまして、これで私の質問を終わらしていただきます。大臣に最後の御所信を承りたいと思います。
○西村国務大臣 実はさいぜんも申しましたような、またあなたが申されますような、平和部隊としての医療、これは最も国際信義の上に役立つのでございまして、これは一つぜひやらなければならぬと思っております。今後も積極的に進むべきものではないか。実はインド等につきましても、らい患者の撲滅のために——日本でも、らいの撲滅のためには諸外国の援助を非常に受けた。従って、そういう意味において恩返しをするために、日本における民間の有志の方々が、インドにおきましてらいの撲滅をはかろうじゃないかということで、今相当な金を集めまして、インドに日本の部隊としてらいの研究所、療養所をつくろうということで、せっかく努力しておるようなこともあるのでございまして、平和的な意味における医療班というもの、これは絶対に進めなければならぬと思っております。しこうして、今お話しになりましたことは、特殊な地域でもありますし、ことに南ベトナムもそういうような非常に危険な状態だということも聞きましたが、また一方におきましては、日米委員会で取り上げられて話があることでございますから、それは公式に受けましたら、私といたしましてもこの医療の目的とするようなところも十分考えまして、慎重に考慮をいたしたいということを、重ねて申し上げる次第でございます。
○今松主査 以上をもちまして、昭和三十八年度一般会計予算及び昭和三十八年度特別会計予算中、厚生省所管に対する質疑は終了いたしました。 明二十三日は午前十時より開会し、労働省所管に関する質疑に入ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後七時二分散会