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43回国会衆議院1963/02/21

予算委員会第二分科会 第5号

発言数
313
登壇者
21
会派数
3
開催日
1963/02/21

会議録

今松治郎自由民主党

○今松主査 これより会議を開きます。  昭和三十八年度一般会計予算中文部省所管を議題といたします。  文部省所管に対する質疑は本日をもって終了することになっておりますが、質疑者が十名以上の多数になっておりますので、質疑は一人三十分くらいといたしまして、三十分以内に終わられますよう、質疑者各位の格段の御協力をお願い申し上げます。  質疑を続行いたします。湯山勇君。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 私は、二つの問題について文部大臣にお尋ねいたしたいと思います。一つは定数に関するものでございますが、従来たびたび大臣には、すみやかにこの五十人以下というのを実現することについて御要請申し上げますし、大臣もそれについてはそのつどお約束をいただいて参りました。ところが、一つ問題がございますのは、文部省でおやりになった学力テストの結果等から見て、山村の生徒、児童の学力が全国一般の平均から見るとずいぶん劣っているということは、これは大臣も御存じの通りだと思います。そういう山村には各学年が一学級ずつという規模の学校が非常に多うございまして、そういうところは実は今日までの基準の中学五十二、小学校五十四、そういう基準がございましても、政令によってそういうところは五十三になっても二学級にしてもらえない。あるいは小学校では五十五でも二学級にしてもらえない、こういう事例がございます。今回の五十というのがきまりましても、そういうところには、つまり学力テストによっては考慮しなければならないそういう条件にあるところが、五十一名という学級が残るのじゃないかということを心配しておるわけでございますが、大臣の話では、全部五十以下にするのだという御言明も以前にもございましたので、そういう学級はつくらないというお約束がいただけると思いますが、その点いかがなものでございますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 一般抽象論としましては、おっしゃるように僻地、離島等におきましても、教育効果が上がりますように極力努力せねばならない責任をわれわれは負わされておる、こう心得ます。ただ具体的な実行となりますと、いろいろな今までの沿革もございましょうし、国あるいは地方公共団体の財政力ということとも直接からみつきますために、ずばりときちんとした姿になし得ないということもあり得ようかと思いますけれども、一般論としては、今申し上げるように極力努力して一日も早く教育効果が上がる諸条件を整備しなければならない、こう思っております。お尋ねに対しましてもっと具体的にお答えする必要があろうと思いますが、必要あらば政府委員から申し上げます。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 御質問の御趣旨はよくわかるのでございまして、原則として三十八年度におきましては小、中学校ともに一学級の編制を五十人にするわけでございます。ところで現行の標準法におきましては、学級編制の場合に同学年の児童生徒を対象にしまして四以下の学級に編制する際におきましては例外的に政令できめております。従って政令の第一条におきましては、例外的にこの法律の施行に伴いましていわゆる不経済学級の規定があるのであります。一の学級に編制する場合には十八人から五十五人まで、二の学級に編制する場合には二十八人から五十三人までというようにきめられております。従って、原則は五十人でございますけれども、そういう五十五人あるいは五十三人までという学級が三十八年度においては法律の施行に伴ってできるものと考えます。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 大臣、今お聞きになりましたように、実は大臣がおっしゃったように地方の財政事情というような関係じゃなくて、あるいは従来のそういう地方的な慣例じゃなくて、国の方針によって今言ったような、実は五十と言いながら今度はどうなるかわかりませんけれども、従来は五十二、五十四ということを言っておられましたのが、実は五十三あるいは五十五、しかもそれは今言われたように不経済学級というのは都会にはほとんどございません。これは特に山村等に多い。そういう実情でございます。そこで、五十というのは一つの非常に大きな区切りでございまして、そこまでいくまでの暫定措置が今日までの政令であるというふうに解釈すれば、今度はこういう一名ということは、一名ぐらいなことはと言うようですけれども、そうじゃなくて、五十名と五十一名ではいろんな点で非常に違って参ります。そこで、ぜひ今回の施行にあたりましては、そういうことじゃなくて、五十名以上はつくらないのだという方針で一つ政府としては臨んでいただきたい、こう思いますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 お尋ねに正確に答え得ないような気持がしますが、五十名が五十一名でありあるいは二名であるなんということがあることが望ましいことでないことは常識的にもわかることであります。さりとて、それを今度はきちんと五十名以内にしようとならば、学級を二つつくるとかまたそれに応じた人的、物的設備をしなければできないということになろうかと思うのでございますが、それが直ちにはできかねるという実情がありますために、やむを得ず制度としては、一般的には今御指摘のようになっておることかと心得ます。従って、冒頭に申し上げましたように、それが望ましい姿じゃないわけですから、なるべくすみやかに僻地、離島等の児童生徒と市街地ないしは離島でないところの児童生徒と、質的にも同じような教育を受けるという希望は当然持ち得るわけでございますから、その要望にこたえる努力はいたさねばならぬ。ただいきなりずばりと参らないという悩みを感じながら今後の努力に待つべき点が残ろうかと思いますが、そのことはしばらく御了承願わざるを得ない、まあやむを得ない実情じゃないか、こう私は思います。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 大臣のお考えはちょっと私のお尋ねしておることと違うわけです。と申しますのは、学校の教室がなくてできないとかあるいはその土地の特殊な事情によってできない、これはそういう場合はあると私は思います。ところが今言っておるのは、文部省の方針あるいは政府の方針として、今のように不経済学級とかいう理由をつけて、今度のように五十名になった場合に、五十一名あってもそれは二学級にしてはいけない、こういう規定をしようとしておるのです。そういう規定をすることはいけない、そういうことは今度はやらないのだ、こういうことを御言明願えば、今私が申し上げましたような方針で大臣がやっていただいて、その例外としてそういうものができる、これは私はそれまでどうこうと申し上げておるわけではありません。方針としては五十以上はつくらないのだ、こう言っていただけばけっこうなんです。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 現在の法律が今御指摘のようなことになっておることから、方針といいますかが生まれ出ておることを御指摘になっておると思いますが、そうならざるを得なかった理由は、私の想像を申し上げて恐縮ですけれども、さっき申したようないろいろな事情があって、希望すべき条件ではないけれども、やむを得ずそうせざるを得なかったから従来そうであり、三十八年度まではそうであることがやむを得ないということかと思うのであります。方針などとは申し上げかねましょうけれども、気持としては、先刻から申し上げておるようにもっといい条件を与え得るような下地をつくりまして、法律も改正するところへ持っていきたい、その気持はございます。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 この事項は法律事項ではございませんで、政令事項でございます。従って大臣がそのお気持になればやれることなんです。ただ、今大臣がおっしゃったように、やむを得ないところまで無理にということじゃなくて、今度政令をつくる場合には特にそういう山村等が不利益にならないように、そういうところにしわ寄せがいかないようにやるという御言明を一ついただければ、この問題は私終わりたいと思いますが、大臣、法律ではございません。政令ですから……。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 法律と申しましたのは私の思い違いでございまして、施行の政令であります。それを改めようとならば予算措置その他を通じまして教員組織等も整備してかからざるを得ないわけでございますが、御案内の通り、今までの小中学校におけるすし詰め、ベビー・ブーム対策としてやむことを得ず五十二人だ、五十四人だ、それを三十八年度でやっと五十名までたどりつくというふうな五カ年計画が行なわれ来たっておることは御案内のごとくでありまして、一般的に五十名の定員にするということが精一ぱいで、やっとたどりついたという経過的な段階でございますために、気持は私も湯山さんの気持と同じだと心得るのですけれども、現実問題としてずばりとそこまでは行きかねているということを御了承いただきたいという気持で申し上げておるのであります。三十九年度以降につきましては、もちろんこういう離島、僻地等の問題ばかりでなく、全面的に定数をどれだけにすべきか、学級編制をどうすべきかということに真正面から取り組んで解決せねばならぬ時期にきておると思います。それとあわせて考えたいとむろん思っておりますが、三十八年度にそれを直ちに実現せよ、そういたしますという意味においてのお答えは現実問題としてできない実情であるということを御理解いただきたいとお願いします。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 大臣のお気持はよくわかるのですが、御答弁はどうも納得しかねるのです。これは政令をおつくりになるときに一体そういう学級がとれだけあるかということもお聞きしたいのですけれども、もう時間の関係もありますからお尋ねいたしません。ただしかし、大臣のそういうお考えならば、実際どれだけあるかというようなことを御調査いただけばあるいは可能な点も出てくるかと思います。ぜひ一つそうしていただくし、三十八年度でもしそれが困難であれば、今のお話のように三十九年度では解決するというお約束をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 全努力を傾けたいと思っております。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 今ちょっと触れましたように五十名と五十一名とでは、教育効果が非常に違って参ります。それは書類だけにしても、一名はみ出すといろいろじゃまになることがあるわけです。そういう点は、学力調査の結果などでもきっと出ておると思うのですけれども、その学力調査のテストの問題、いろいろ当時も議論になったと思います。私はその学力調査の問題について、今から少しお尋ねいたしたいと思います。  それはこの学力調査が、実は大臣がお考えになったような面に使われないで、ずいぶん誤って使われている。それから当時指摘したいろいろな弊害が、もうすでにずいぶんたくさん出ております。こういうことについて、大臣はあるいは御存じないかもしれませんけれども、学力テストに伴う各般の弊害について文部省は御調査になり、御把握になっておられるかどうか、これは局長の方から御答弁いただいてもけっこうです。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 学力調査の結果につきましては、いろいろな面で私ども県教育委員会その他と連絡をいたしまして、結果の利用という面から研究いたしておるわけでございます。従ってその結果につきまして、予算措置をすべきものは予算措置をするというような方向で考えておりまして、あるいはまた学習指導の上にこれを役立てるというような問題につきましては、文部省あるいは県の教育委員会の専門家によって、そういう学習指導の上にこれを生かしていこうというようなことで現在やっているわけでございます。全般的に申しまして、非常に学習指導の研究が盛んになって参った。また生徒の進度あるいは生徒の指導の上に、かなりいい結果を与えているというような報告も受けております。全般的にそういうような状況でございます。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 学力テストというものが学校間の競争あるいは府県間の競争、そういう形でずいぶん弊害をもたらしておることは、お気づきになっておられると思います。しかしそういう点の具体的のものを申し上げれば、あるいはもっとわかっていただけると思いますので、事実あったこと、ただ具体的な名前は申し上げないことにいたします。もし必要あれば、お尋ねいただけば、あとで事務当局へは具体的にどういうところでどうということを申し上げてもけっこうです。  その一つは、この学力テストが今のような点取り競争にならないために、順位あるいは県内のそれぞれの学校別の順位、そういったものは発表しないということになっておりますが、現に守られておるでしょうか、どうなんでしょう。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 これは調査する場合におきまして、県の教育委員会等と申し合わせをいたしておりまして、全般的にそういう順位その他については発表しないということになっております。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 私がお尋ねしたのは、守られておるかどうかということなんです。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 文部省あるいは県の教育委員会としては守っておると思いますが、昨年の場合におきまして、ある一部の新聞等でそれが出たということは聞いおります。それ以外は守っております。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 文部省の方針では発表しない。文部省が発表しなければそういう材料は得られないはずなんです。それが出ているし、それから全く意外なことには、ある県の知事選挙で、この県は前回は何位であった、今回は何位に上がっておる、これは教育行政よろしかった成果である、こういうことをちゃんと演説で知事が言っておられる。こういうことをお聞きになったことはございませんか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 私は聞いたことございません。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 そういうことがあったならどうなんですか。そういうことについてどうお考えでしょうか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 学力調査はもちろん教育上の効果を高めるために、学習指導の改善その他に役立たしめるためにやっているわけでありますから、別に選挙とは関係ないと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 そういう御答弁ではなくて、文部省の方針はこうだ、ところがそれが今のように公開の席で公表される、そういうことがいいか悪いかということなんです。そういうことは望ましいか望ましくないか、それは弊害と認められないかどうか、こういうことです。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 私その内容を存じませんので、弊害かどうかという批判は差し控えたいと思いますが、その内容なりあるいはそういうことを言われた場所等については、これは場合によっては誤解を受けるようなこともあるかと思いますが、私はその内容を存じませんので、その批判は差し控えたいと存じます。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 内容は簡単です。昨年何位であったが、今年何位に上がった、それは教育行政よろしきを得たためだ、こういう発言の内容は今申した通りなんであります。それはどうなんですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 その程度のことであれば、別に弊害だというようには私は考えないのでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 それからある二つの県ですが、一つの県は文部大臣がそういうことをおっしゃったということが新聞に出たということです。というのは政府の補助が内定しておった、たとえば農業高校においてモデル畜舎の補助が内定しておった、ところがその学校でたまたま学力テストを拒否した事件があったために、それを取り消した、そこで県の方から再三陳情があったけれども、文部省の方でそれはいけないあるいは好ましくないというような御指摘があった、そこでやむを得ずその県は内定しておったのをほかへ振り向けて、内定しておったところへは県単でもって補助した、こういう事例がございます。もし文部省に対する気がねがなければ、何も内定しておったものを別にのけて県単でやる必要はないわけで、結果的には同じようなことが操作の上だけでなされておる、こういうことは好ましいことなんですか、あっていいことなんですか、どうお考えでしょうか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 そういう問題につきましては、一般的に補助を出す場合におきまして、補助金の交付決定以前において、かりに内定しておりましても、学校の受け入れ態勢その他によって変更をすることは往々あることでございます。従って今御指摘になるような学校が必ずしもその学力調査のみに関係しておるとは考えられませんけれども、県として適当であるかどうかということは、これは県の判断であります。従って県が判断をして変えるということになれば、これは今申し上げましたように、決定前であれば変更することはできるわけでございます。私はそのことにつきまして、別に変更が悪いというようには考えておりません。別にだからといって学力調査のみにそれが関連しているというようには考えていないのであります。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 局長、そう考えていない考えているという問題でなくして、事実をもう少しよく聞いていただきたいと思います。事実を申し上げておるわけですから、もしその学校の受け入れ態勢ができていない、準備ができていないなら、何も県単でそこへつくる必要はありません。それは県単でやって、ただ国からくる補助だけをほかへ回す、その操作は学力テストを拒否したということにあるのです。それは県会の会議録にはっきりあります。そしてそういう事実はなかったと教育長は答えておりますけれども、しかし過程においてはそういう事実もあったということが、県議会の公式の会議録にちゃんと出ているのです。こういうことは明らかに文部省の何らかの指示あるいは干渉があったという以外に考えようがないのであって、たとえば、かりに県が独自にやったとしても、学力テストをやらなかったからというので、国の補助をほかに回して、特に県単でやる、こういうことはおかしい話ですね。だからそういう事態についてどう考えるか、こういうことなんです。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 その場合におきまして、学力調査の結果のみについてそれを変更するということであれば、それは必ずしも好ましくないと思っております。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 それから学校の成績も、やはり成績に関心を持ち過ぎる関係から、すでに公表されております具体的に学校に現われた弊害の幾つかを申し上げます。これも学校の校長会、教頭会そういうところで、県からも入って会議を開いて、そこで学力テストの結果をよくしようじゃないか、成績をよくしようじゃないか、こういう申し合わせ決議をしております。それから今度は、それと同じようなことですけれども、県の管理主事、指導主事、そういう人たちがそれについていろいろ特殊な指導をしております。これもあちこちの県にたくさん事例がありますが、たとえば教育事務所長が自分の管内の校長に対して、学力テストの成績を向上させるための具体的方策を提出せよ——書類で提出しております。それから準備教育が行なわれている。文部時報では、そういうことはしてはいけない、しないようにしているのだと書いてありますけれども、そうじゃなくて、準備教育をしてもよろしいかという校長の質問に対して、管理主事が、スポーツの試合にいくときでも練習するでしょう、それで判断しろ——準備をやれというのじゃないのです。しかしとにかくやれということ、やってもいいということを暗に指導している。それから昨年度は道徳、ホームルームの時間が相当犠牲にされております。これも調査してみました。本年は体育、音楽、これが犠牲になっております。その時間をつぶして学力テストの練習をしております。それから現場の例で見ますと、これは特にテストのときに、よくできる子の隣へできない子、そのうしろへできる子と交互に前後左右並べて、それに対しての指導は、きょうのは学校の試験じゃないから、隠す必要はないんだ、隠すなということなんです。ということは暗に見てもいい——見よということじゃありませんけれども、そういう指導が行なわれております。それからこれは管理主事ですけれども、成績の悪い子これには休んだ子供についてはもうやらないのだと書いてあります。そこで成績が悪い子が休むのはいたし方ない、こういう指導をしております。どうでしょうか、通常の出席人員とテストを受けた人員とは今年度あたりは相当開いておるのじゃございませんか。現実にこういう指導をしているのです。それからまだあります。これも特定の書店の名を言うことをはばかりますが、昨年の出題傾向はどこそこ書店の発行した問題集からたくさん問題が出ている、あれを使えという指導が、これも県側、つまり管理職にある側の人が指導しております。もっと著しいのは、従来丸をつけるのは何番と何番につけるのが確率が大きい、これを調査しています。そうしてわからないものは何番と何番につけよという指導をしております。これも文部省はそういうことをお調べになったことはないでしょう。そこまでいっているのです。さらにうしろ側で——これは事実だれということはわかりませんが、何番と何番というのをうしろで指を組んで指示した先生まであったという、これだけ申し上げれば、このテストの全体の順位、全体が行政面で使われている。そのことが全くそれと別個の補助金を出す、出さないに使われてくる。そういうことが、実は学校経営の一つの点を上げることの目標になっている。こういうことで出てきたテストの結果というものに、一体どれだけの効果があるでしょうか。さらにこういうテストをすること自体が、今申しましたように、それ以上に教育を破壊している。こういう事実がこれだけ明瞭に出ているわけです。こういうことだと、これは学力テストについてもう一ぺん考え直す段階がもう来ているのじゃないかと思うわけですが、大臣、大体今大へん具体的に申し上げたつもりです。お聞きいただいて、これでいいとお考えでしょうか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 お話を聞いておりましても学力テストはやめなければならぬとは思いません。御指摘のことは、もし学力テストに関連させて補助金の取捨をきめるということありせば、それこそ脱線でございますから、もしあったとすれば誤りですから、今後について改むべし、そういうことを示唆されたと思います。先生が点数を上げるだけの目的でカンニングまでみずからし、もしくはカンニングをそそのかすようなことをされたとすれば、それは先生が悪い。本来テストはそういうものじゃないですから、当該の学校等におきましては、担当の先生が一人々々の児童生徒を指導されるための学習指導上の参考にしていただく意味において効果がある。教育委員会だ、文部省だという立場におきましては、その結果に基づいて、その結果が物語る合理的ないろいろな原因を探究して、教育諸条件の改善の資料にもしたい。教育課程の改善、学習指導要領の改善等にも資したいということが目標でございますから、その目標はそれ自体正しいことだと思いますし、それに最もいい姿で協力していただくために、先生も御協力願いたいし、教育委員会も、指導主事等も協力していただきたいという線から言って、弊害を生み出すように努力するような姿は、それ自体が間違っていることであって、そういう態度をそういうことをした人々が改めさえすれば、弊害は除き得る性質のものと心得ます。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 それは大臣のおっしゃる通りなんです。ただ今申し上げましたように、今局長が言われたように、そういう順位がわかる——特に文部省の配慮はそういうものを発表しないんだ、従って競争心はあおらないようにするということをちゃんと自分で書いておきながら、局長はそういう順位を発表したからといって悪いとは言えない——問題はここなんです。そうやって順位を発表すれば、一つの客観的な基準のような印象を与えて、どうしたって競争してくる。そこでそういうことについてはそういったことにならないように万全の配慮がなされなければなりませんし、今もしこういうことが相当行なわれているとすれば、出てきた結果そのものが、大臣が言われましたように客観的な資料にはなり得ないと思います。そうだとすれば、これは各教育委員会が自発的にやっているものではなくて、文部省の方針としてやっておられる。そういうテストが、ただ先生が悪いからそうだというだけでは済まされないので、そういうことでないようなものにする努力を政府みずからしなければならないと思うのです。そうでなければ、これだけたくさんの何億もの金を使ってやっても何をやったかわからない。ただいたずらに競争心をあおっただけにとどまる。そこで、その点については一人々々の先生の問題もありますけれども、おやりになる文部省自体反省する段階ではないか、こう思うわけです。やめるとかやれとかいう問題ではなくて、これ自体についてもう一ぺんやり方、あり方というものをお考え直しになる必要があるのじゃないかと思いますので、申し上げておるわけであります。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 今おっしゃったような気持は私どもも持っております。先ほども触れましたように、御指摘のような誤り、弊害があるとするならば、そのことを是正する努力——当該誤りを犯した人も教育委員会も、文部省もむろん反省すべきで、そういう弊害の点をお互いが努力して除きながらよきテストが行なわれるような努力をする、そういう心がまえで対すべきものと思います。従って、文部省自体におきましても、回を重ねるごとに、そのたびごとに反省をしつつ、翌年を考えるというふうな心がまえできておるつもりでございますが、それにしても努力の足りないことがありせば、さらに省みてよりよき努力をしていきたいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山分科員 では終わります。

今松治郎自由民主党

○今松主査 辻原弘市君。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 文部省、自治省、大蔵省、それぞれ関係の三省に対して二つの問題をお尋ねいたしまして、現在の状況、今後の方針を一つ明らかにしていただきたいと思います。  私がお伺いをする二つの問題の一つは、教職員の定数についての問題であります。一つはそれとうらはらの関係になる施設の問題であります。  そこで、最初に定数から伺いますが、まず問題をわかりやすく二つに分けて大臣に伺いたいと思います。一つはもうすでに、これは国会が開かれるたびに、また今国会になりましてもしばしば予算委員会また文教委員会でも指摘をされておりますように、現在の義務教育小学校における定数問題は、諸外国に比しまして著しく収容定員が高いということ、これを教育振興のためにぜひとも減らして、教育効果を十分上げさせる、こういう方向に努力しなければならぬ、それに対して大臣も努力いたします、こういうことになっておるのであります。それから現実に起きておる問題は、いわゆる小中学校の義務教育生徒、児童の数がここ数年来大幅に減っておる。それによって起きる教職員の定数減、さらにはそれらによって引き起こる現実の教職員の強制退職、いわゆる首切りの問題、こういうことが今の定数の問題に大きくいってはらんでおると思います。そこで三十九年度以降、これは文部省の資料によりましても五カ年にわたって約三百万の生徒の減少を来たす、こういうふうに発表をいたしております。それに対応するに大臣は、国会でも述べられたようでありますが、ぜひとも何とかしなければいかぬ、こういうことであったようでありますが、具体的には一体どういうことかということを私はお尋ねをいたしたいのであります。  大ざっぱにいって、三十八年も含めて以降五年、六年の間には、おそらく文部省の発表では七万名ぐらいということでありますが、実数においてはそれをはるかに上回るでありましょう。ほうっておきますると大量のいわゆる首切りを出さなければならぬ。それを救う措置として、とりあえずの方法は、三十八年度予算において講じておるようでありますが、問題は長期にわたってこの生徒減によってどういうような具体策をとるか。これは二つの要素がある。さきに申しましたように、一つは減ってくる生徒、児童数に対応して現員を減らさない。もう一つは先ほど申した、この機会に学級定数を減らして、学級定員を減少することによって教育効果を高めるという、この教育本来の目的をこの機会に一つ達しなければならぬという二つの目的を私は含んでおると思う。相当思い切った施策がなければならぬ。まず、定数法の改正をおやりになりますか、それはいつ、その改正をおやりになるか、その計画は一体どういう内容に基づくものか、時間がありませんので一括してお尋ねをいたします。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 先刻もお答えしたことに関連をするわけでありますが、小中学校の生徒急増時期に際会いたしまして、三十八年度を最終年度とする五カ年計画を立てて、昨年まで五十二、五十四という学級編制であったものを、三十八年度で最終的に全部五十名にするということがようやく予算措置その他ででき上がりまして御審議を願っておるようなわけであります。そうしますれば全国的にわずかながら予算上の定数は減少するというケースになっておったかと思います。そのほかに僻地学校の対策だ、あるいは養護教諭、事務職員の増員、そういうふうなこともあわせて考え、かつまた従来の実績によりますると、自然退職が全国で約一万人ある。そういうものを全部プラス、マイナス総合してみますると、相当数の新規免状受給者を採用するという余地もあって、いわゆる首切りというものは必然的には出てこないという条件は整備できる、そういうめどをもって今日まで参っておるのであります。具体的に関係の都道府県にも連絡をいたしまして、望ましからざる首切りなどということが行なわれないように指導し連絡を整えて今日に参りました。一方五十名という学級編制が最終段階というか、終着駅だとは、むろん文部省としては思っておりません。当面理想を言えば際限のないことだと言えるかもしれませんけれども、現実性を持って実行できるような案でなければならないという考慮も念頭に置きながら考えますと、さしより四十五名の学級編制を目標にしてしかるべし、こういうふうに思います。そこで三十八年度は今申したようなことで経過いたしまして、九年度以降の課題としては、今申した学級編制は四十五名、それに応ずる教員組織を考えていく。こういう建前で一応思いますことは、三十九年を第一年度として、五カ年ぐらいで四十五名の学級編制を実現したいものだ、こう思いますので、そういう考え方に立って文部省としては作業を進めつつあるのであります。できますことならば、間に合うならば、当国会に御審議を願いたいという心がまえもまだ持っております。なかなか困難な要素もございますけれども、そういう考え方に立ってこの問題に対処しておるような次第であります。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 大蔵省に伺いますが、今大臣からお述べになった五カ年で四十五名に減員をしていくというこの計画に基づく定数法の改定というものは、大蔵省としてはこれに同意をせられておるか、大蔵省の見解をこの機会に聞いておきたい。

谷川寛三大蔵事務官(主計官)

○谷川説明員 ただいま文部大臣から詳細な御説明がございましたが、五十人をさらに引き下げる問題につきましては、まず文部省から御相談にあずかっておりません。御相談が参りました上で検討いたしたいと思っております。私どももちろん、五十人をどうするかという問題につきまして、教育効果の点等を考えまして、何人にするのが一番いいのかという点につきましては、慎重に検討しなければならない重要な問題であると考えております。ただ、何さま予算の面で非常に制約をする、つまり三十九年度以降の財政負担となるわけでございますが、予算面での制約が非常に多くなって参りますものでございますから、地方財政との関係、それから国の財政の全体の見通しとの関連からいたしまして、取り扱いには相当慎重を期さなければならぬと思うのであります。御相談がありました上で、検討いたしたいと思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 聞くところによれば、この五カ年計画を法律の改正によってやるという場合に、その負担の方法、これは一半は国庫負担法でいきますけれども、残り半分は交付税でありますが、その義務教育国庫負担法の扱いについて、何か政府部内では、従来の半額精算方式を改めて、定数に基づくいわゆる理論的なものに持っていこう、こういう動きがあるやにわれわれ仄聞するのであります。これはかつてこの半額国庫負担法ができる当時に一時議論のあった定員定額制というのと非常によく似通っておると思うのでありますが、そういうことになりますと、府県における教育意欲というものはきわめて減退をするし、その地方々々におけるいわゆる地方教育の独自性というものが、国の基準に縛られて、動きがつかなくて、独自性が失われるという結果が生まれると同時に、地方はそれぞれ国にのみ依頼をするという傾向を生んでくる心配を多分にはらんでくると私は思いますが、その点についての大臣の見解は一体どうなのか。現行のいわゆる義務教育半額国庫負担法を前提として五カ年計画を立てられ、法律改正をやるという決意であるのか、あるいはそういういわゆる交付方式等についてまで何らかの検討を加えてやるということであるのか。この点は、私は、先ほど申し上げました教育水準の向上という点においては、きわめて重大なポイントになると思うので、大臣のはっきりしたお答えを承っておきたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 今の御指摘の点につきましては、現行法の建前でいくことがベターだと心得ております。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 大臣のお考えとしては現行法がよろしいということでありますから、われわれもいわゆる財政理論その他の点においてはいろいろな見解があることは承知をしておりますが、しかしながら現実今までやって参りました実績からいたしますと、これは財政当局においては、それぞれ地方の出したつけをあとで精算するということでありますから、はなはだもってこれはおかしな方式だというお考えがあるかわかりませんけれども、ぜひともこの現行の半額負担の方式というものは踏襲をせられるということを前提にして、一つおやりを願いたい。これは希望であります。  そこで前提として御質問申し上げました三十九年以降に対する方法、中身につきましては、いろいろ議論がありまするが、時間がございませんし、また固まっておらぬようでありますので、今日その点についての個々の議論は避けたいと思います。そこで少しく具体的に承って参りたいのは、三十八年度はすでに予算措置をして具体的に出ておるのでありますから、それらの点についての内容に触れてみたいと思います。  先般、いつでありましたか、さだかに記憶をいたしませんが、今も大臣、私が問わぬことをお答えになっておりましたが、文部省が首切りはやらないということを説明をしておる新聞の記事を私は見たのでありますが、若干ふに落ちぬ点があります。これは文部省の扱っておる国庫負担金の関係と、もう一つは自治省において行なっておる交付税との関係、この両面において少し内容を明らかにする必要があると思うのでお尋ねをいたしたいと思います。読んでみますると、本年度の国庫負担金千八百四億、こういうようになっておるが、その積算の基礎になっておる定数の根拠でありますが、トータルすると一万八千名ともかく予算上において措置をした、こういうことになりまして、ほっかっておけば約二万一千名の減員になる。文部省の言い分は減員と首切りは同一ではないという理論を展開しておる。理論的にはわからぬでもありませんけれども、その内容を一つ一つ見るとかなり無理な言い分をその中に含んでおりまして、われわれは少なくても三十八年度二万一千名減員になる点について、事実上首切りが生じないという保障は、文部省の結果によっては出てこないのではないかと心配するのであります。そこで伺いますが、まず第一点の質問は文部省で一万八千名予算措置をした。内容は避けます。ところが一方この国会に提出されました自治省の地方財政計画によりますと、その算定の準則は一万六千五百名、こういうようになっておる。一体この食い違いはどこにあるのか、この点をまず伺いたい。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 文部省といたしましては、負担金の積算基礎としまして、基本として一万八千六百十人の者を対象にしているわけであります。ただしこれにつきましては、御承知のように実績負担でございますので、定数としては一万八千六百十人を確保いたしましても、予算措置としてはあとの精算に待つ分もございます。従って現在各府県でオーバーしておりますのが大体二千名くらい、そういう問題については当初の予算の積算としては除きまして、一万六千ばかりの定数の分を計上いたしましてこれを精算した暁におきまして実績を負担する、こういうような建前をとっておるわけであります。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 ちょっと説明がわかりにくいのですが、要するに一万八千というものの中には、これは各府県の実績に基づく積み上げた数字——これは私はあとで伺いたいと思うのだが、あなた方はいわゆる過員という言葉を使っておりますね。要するに各府県において基準をオーバーしている数字ですかこの二千というのは。あなた方のいう過員ですか、どうなんですか、この二千というのは。今の説明によるとどうも私は少し不可解になってくるんだが、一応一万八千というものを見込んでおるが予算措置としては一万六千云々ということになりますと、少なくても国庫負担の方は実績主義だからそれでいいとしても、交付税の方はそうすると二千の不足が生じてくるということで、あなた方が言う一万八千の根拠は、少なくても半分においては、交付税の扱う部分においてはそれが満たされておらぬという結果になる。そう理解してよろしいか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 御承知のように従来教員定数につきましては、交付税の積算基礎は標準法の通りに積算するというのが建前でございます。だが義務教育費国庫負担法の関係におきましては実績負担でございますので、標準法の定数をオーバーした分がございましても、それはあとで精算をしたときに負担をする、こういう建前になっております。従って私申し上げました約二千七十名ばかりの定数でございますが、これは標準法を上回った分でございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 これは肝心な点でありますのであとで自治省に詳しく聞きますが、これは明らかに国会に出した資料によって私は見ているので、どういうふうに単位費用を出したかということは、時間があれば少し詳しく聞きたいと思います。なければ一日くらいかけてゆっくりこの点はお聞きしたいと思っております。  それからもう一つ、今あなたの御答弁になりました交付税では教職員のあれは定数法通りだ。交付税の単位費用のとり方においては、私の記憶では学校数、それから学級数は実績方式をとっている。その間において定数に影響はありませんか。その点はどうですか、単位費用の算定の場合に。これはあとで自治省にも聞きますが、文部省の見解を最初に伺っておきたい。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 従来実学級数を基礎にした計算によりまして定数を計算しておりますので支障はないと存じます。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 いや、私の言うのは、あなたは半額国庫負担の方は実績主義、すなわち実学級、実定員が中心になるんだからそれは精算ができるんだ、こういうふうに言っている。そこで交付税の方では教職員の定員は確かに定数法によってやっておる。だがかりに——ここらあたりも実際、問題なんです。実績というものが最低、定数法通りになっていれば問題ないです。ところが、各府県のあれがここにありますけれども、定数を上回っておるところもあるし定数を下回っておるところもある。ということになれば、自治省でいう定数法というのは必ずしも文部省のいう財政措置とは一体にならない。なりませんね。だから定員の面においても交付税の方式のいわゆる定数法による云々というのは文部省の実績云々というのとはぴったり合わないのです。合いませんでしょう。どうでしょう。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 従前の実定員と申しますか、各県の事情はいろいろございまして標準法通りになってなくて、それに満たない県が相当あった、これは御承知の通りであります。三十八年度におきましては定数としては標準法通りにこれを充実するという計画で完全にその実施のための予算を組んでいるわけであります。従ってそのズレという点は私は三十八年度においてはなくなるというように考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 だから交付税で措置している部分については、かりにあなたの今おっしゃられた定数法通りとした場合に、過員の点については予算措置されませんですね。精算をするとあなたのおっしゃるのは半額についての精算をするだけで、交付税の精算はいつしますか。それはどうなんです。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 精算はもちろん半額の国庫負担金についてでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 早くそれを言えばわかりい凄けれども、そういうことなのです。だから一万八千でつじつまが合うとあなたの言うのは、少なくとも精算できるのは二千についての半分であって、財源措置においては欠くるところがある。私は今の教職員定員その他についてのいわゆる財政措置及び配分方法というところにも考えるところがもちろんないとはいえません。ある。従って文部省がどういう計画をしても、残りの半分についての意見がぴったりしないとこれはあなた方の言い分が通らないんです。だから先ほど私はその前提でいろいろ反論を試みているので、一万八千で予算措置をしているから云々というけれども、一例をあげても交付税の少なくとも二千名、あなたが言っている過員の一万八千と一万六千との開きのその半分については、あげて地方へ負担さしているということなのです。完全な予算措置なんということは理論的にも数字的にも言えないんです。そうでしょう、大臣。だからそれを少なくとも文部省の主張通り完璧にするためにはどうするかという問題があるのです。どうされますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 ただいまの質疑応答ではっきりしました。辻原さん御指摘の半分についての財源措置なしということはその通りだと思います。これは半額国庫負担の制度あるいは交付税でもって財源手当をするという地方財政計画の根拠法というものが持ちます制度上のそごからくる必然性だと思うのであります。今後の立法問題としてそれをどうするかという課題がございましょうが、すぐどうということはできませんので、先刻お答え申したようにその部分について関係都道府県と文部省とも十分に連絡をとりながら、自己負担によって現実に首を切らねばならないというところに持っていかないそのことを今まで相談をしておるわけでございまして、その見通しを含めまして、せっかくいわば四十五名を目標として考えると仮定しますれば、その方向づけをしておる県が、端的に言えばいいことをしたから余儀なくいい先生を首切らなければならぬという矛盾した結果にならないようにする努力にわれわれも協力しなければならぬ、そういう考え方で昨年来当該都道府県等々と文部省の事務当局が相談しながら今日に参りまして、現実問題としましても首切りが行なわれないようにという措置を大体してきたつもりでおります。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 私は抽象議論をここで承ろうと思っていなくて、文部省が発表されたもの及び文部省の資料に基づいてお話を申し上げておるので、大臣の御決意は私は非常に期待をして承っておりますけれども、現実には幾多欠陥があるということを前提にして、私が前段で申し上げました定数法の改正は、教員定員の確保というものをやってもらわなければ、極端に言いますると穴だらけになる。  時間の関係ではしょりまして次に伺いますけれども、一万八千名を算定されたその算定の方法は定数法の本則に基づいてやったのか、施行令第一条に基づいてやったのか、施行令第一条も含んでやったのか、その辺のところをぴたりと簡潔にお答え願いたい。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 定数の計算につきましては先ほど申し上げましたように、私どもとしては、実学級数を踏まえていろいろ調査をいたしまして、各都道府県から報告して参りました数字をもとにいたしまして定数をきめたのでございます。従って政令第一条の学級も当然その中に入って計算をされておる、かように申し上げたいと思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 その点ちょっと確認しておきたいのですが、これは各府県の実績をもとにして計算したのですね。間違いありませんね。各府県の実績をもとにしてということは定数法を離れますよ。各府県は定数の基準によってやっているけれども、実学級——これは私あとで施設のところでも理論的なものと実際的なものとの比較を少しやってみたいと思うのですが、それはあくまでも実学級ですね。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 もちろん標準法の規定通りに計算するわけでございますけれども、実際の実情を考慮しないといろいろやはり支障がございますので、私どもとしては都道府県の教育委員会を通じて実際の調査をいたしまして、そういうものから標準法の規定に従ってそれを参酌しながら計算をしたということを申し上げたわけでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 だから答弁があいまいになるのですよ。実学級をとったのか実績主義をとったのか、しからざるか、定数法に基づいて、要するに各府県ごとに計算すると出てくるからそれによってやったのか、実学級をとったということになれば、地方においては過員が出ないのです。そうでしょう、福田さん。そこで簡単に申し上げますが、現在において判明している地方の状況を私の調べた範囲で申し上げてみると、まだ全部完了しておりませんが、各府県においては三十八年度予算をにらんでそれぞれ知事査定及び都道府県議会において決定しておるのもある。その状況から見ると、現在三十七年度末に大幅に減員になる府県が現在明瞭になっているのは約十三県、おそらく減員になるであろうと思われるのが二府県。あなた方のと私が申し上げることが間違っておるかどうかあとで調べてみて下さい。二、三大きなのを言いますと、三重県においては約二百七名の減、京都においても二百五十名の減、私の県においては約六十二、兵庫県においては百六十七、島根において百四十二、山口百二十八、香川九十七、まだ全部申し上げませんが、大きなところをちょっと見てもそういうことになる。これは何が原因かというと、いわゆる実態というものと、あなた方が三十八年度予算において措置をした、いわゆる定数基準法に基づいてやった予算措置が原因でこういうあなた方の言葉でもって言えば過員、悪く言えば、あとでこれをどうするかは別として、数字の上ではこれだけの首切りということになる。時間がありませんからあなたの今の実績ということについては、また後刻もう少し数字を持ってあなた方の方もお答えを願いたいと思うのですが、決して実績を持ってやっておらぬですよ。その点だけは明らかです。実績を持っておればこういうなには出ない。しかもあなた方が実績を持ってやれば、文部省のこの前の発表しましたあれによると、八府県が特殊な事情によって過員だ、こう言っている。過員だということは定数法を基準にしてやっているのですよ。実績主義をとってくれれば非常にいいのです。国で予算措置をする場合においては、非常にいい方法というのは、予算措置はできるだけ高い定数法をつくってやる、地方の実情に合わすためにはそのめどを地方に置いてそれに満たざるところを引き上げていく、そういう指導をやる、それによって生まれた実績は国によって予算措置をしていくということが現実においては最もいい方法だと思います。ラフかもしれぬけれどもいい方法だ。しかし現にやっているのは必ずしもそうじゃないということを指摘をしておきたい。  それから養護教員、事務職員について約四千名ですか増員をするのだという発表をしておりますが、これは今あなたの言われた完全な地方で持っている定員のほかに全国的にそれだけふやしてよろしいということなのか、それとも、一般教員の間に過員が生じてくるというあなた方の考え方に基づいて、それを事務職員の方向に振り向けるという考え方に基づいて四千名が生まれてきておるのか、それはどうなんですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 まず先ほどのお尋ねについてちょっと申し上げておきたいと思いますが、私申し上げましたのは、従来毎年五月一日現在において学級数、定員等を調査いたしましてやるわけでございます。従ってこの標準法の基礎になりますものにつきましても、当然にその実際の学級数あるいは学校数というものが基礎になって各府県から出てくるわけでございます。もちろんその計算としては標準法に規定されておる通りに計算するわけでございます。私が先ほど二千七十名ばかりの過員があるということを申し上げましたのは、標準法で計算して参りますと、どうしてもそれだけの過員が出るというところでございます。従って先ほどいろいろ御指摘のありました具体的な県の場合におきましてもそれぞれ数は違いますけれども定数法をオーバーする過員が実際にあるわけでございます。そういう問題であろうかと思います。  それから、ただいまの二番目のお尋ねでございますが、これは養護教諭、事務職員につきましても定数法の中で充足してもらう、こういうような計画でそれぞれ二千名ずつ一応計画いたしております。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 だから、今あなたが先にお答えになりました言葉について私なにしたのは、重要な点だから言ったわけです。実績主義をとるというのと、五月一日の指定統計を基準にしてあなた方が各府県から積み上げたものとは違うのです。その指定統計に表われてくる数字というものは、すでに定数法に基づいて無理をして合わしたものなんです。それは現に持っておる定員とは別個に、三十八年度の国の予算措置をにらんで定数法を基準にしてやったものなんだから実績とは言えない、そういう意味を言ったわけで、従って、地方においては実績をもってやらぬのだから、こういうふうなあなた方でいう過員、われわれでいう首切りが現われるのです。それから定数法の範囲で事務職員、養護教員を配置するということは、従ってそれは別途に増員をするということでない、そういう意味に私は解します。要するに、現在の定員の中の配置転換、いわゆる職種変更といいますか、そういう形において四千名を確保するにすぎない、実質的な増ではないということが明らかだと思います。  それから、これは大臣にもう一ぺん、今私が申しました過員というのはどういうことなんですか。文部省のこの前の表明によりますと、「等々の府県によっては過去における種々の事情のため、従来からかなりの過員をかかえておる」、私は少なくとも教育行政をあずかる府がこういう言葉を使ってもらいたくないと思います。余っていた、余っていたということは要らなかったのだ、要らないものがこれだけある、そういう表現というのは私は正確ではないと思います。なぜそういうことを私が言うかというと、何とかして終戦後教職員の定数を確保して教育振興をいたしたいというので、国があまり金を出さぬものだから、それぞれ地方においては父兄負担までやって、一時は相当な無理をした、そういう実績が積み上がってきておるわけです。必要万やむを得ざる状況から、その教職員定員というものを都道府県も努力したし、町村も努力して確保した。それを、法律ができたから、それに照らしてなにしたものは過員だ、余っているものだ、そういう表現は、少なくとも教育行政をあずかる文部省として私は用うべき言葉じゃないと思う。文部大臣どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 定数法が法律として現にあり、それから計算したものとの比較からいたしましてオーバーしているものを過員と言っていると思うのです。過員という表現の持つ心理的影響はいろいろございましょうけれども、オーバーしていることは事実だ、そのオーバーしていることを指摘する方便として過員という言葉を使っただろうと思うのでございまして、何かしら要らぬものだという意図を含めた用語ではむろんないと存じます。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 だから、そういうことでなければ、少なくともそういった地方の努力に対して水をさすような言葉を文部省として使わないように配慮してもらいたいということなんです。そう言葉は私は軽々に使うべき言葉じゃないと思うのです。過員なんという言葉は見ても聞いても非常に目、ざわり、耳ざわりな言葉です。  こまかい点はたくさんありますが、定数の問題であと一点だけ伺っておきたいと思うのです。自然退職をあなた方は見込んでつじつまを合わされようとしている。ところがそれは地方においてはどういう形かといいますと、退職の強要、いわゆる退職勧奨という形になって現われてきている。それぞれの地域によって、ある場合においては五十五才で退職勧奨する場合がある。ところが年々かなりの無理をするものですから、だんだんその年令が下になってきておる。極端な場合は五十才以下においても退職勧奨が行なわれておる。この退職勧奨というものは私は本来の法律に基づくものじゃないと思うのです。しかし地方においては現実にやっておる。この退職勧奨ということについて、文部大臣はこれをどういうふうにお考えになりますか。承っておきたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 退職勧奨というものが法律に基づいたものでないといたしましても、実際問題としてはやむを得ざる方法だと思います。勧奨された対象が客観的に見て適当でない人に勧奨されることは厳に批判の対象となり、反省さるべきと思いますけれども、勧奨そのことは私はいい意味ではあった方がいいと思う。ある県のごときは六十以上にもなって、腰を曲げながら勤めているというところもあると聞きます。そのために学芸大学の新卒の免状をもらった人々が就職の場がない。先生になりたいという意欲を持ちながらその場が与えられないという結果にもなっておることは、これは私は度が過ぎている事例だと思うのですが、一般的に申して最初申し上げた通り、勧奨ということが良心的に行なわれるならば、よき新陳代謝が行なわれていって、教育の場にいい条件を付加する作用を持つものだ、そういう意味において私は勧奨はあってしかるべきだ、過度の不当の勧奨はあるべからず、かように思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 最後に、これは文部省から資料を出してもらいたいと思いますが、さっき申し上げた数府県においては過員が生ずるということについて、一体どの程度の過員が生ずるかという点であります。あなた方があげた数府県の中には、私の調べでは必ずしも本数に達しておらない、いわゆる三十八年度の予算の定数法に達していない府県も含まれているように思う。それらの点について、はたして過員が生ずるものかどうか、一つ具体的な資料を御提示願いたいと思います。定数の問題は時間の関係でこまかい点は省略いたします。  そこで、文部省の関係はこのくらいにして、次に自治省の方に伺っておきたいと思います。先ほど文部省にもお尋ねしたのでありますが、あなた方が明年度財政計画において組まれた教職員定数の単位費用のとり方、これはどういうふうに算定をせられておるか、その基礎を一つ明らかにしていただきたい。

山本悟自治事務官(財政局交付税課長)

○山本説明員 地方財政計画におきましては国庫負担の積算と同一の方法によりまして数額を出しまして、それから国庫負担額を引きまして、そのものを一般財源といたしております。ただいま交付税の現在基準財政需要額算定に用いまする単位費用の積算についての御質問がございましたが、これにつきましては従来から標準団体というのを想定いたしまして、そこにおきますところの教職員数を想定し、それのそれぞれ構成別の単価を定めまして、それに現在の俸給表を当てはめまして金額を算定いたしました。さらにその標準団体におきますところの教職員数で割り返しまして一人当たりの単位額というものを交付税の改正案の単位費用といたしている次第でございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 そのことはわかっているのです。そこで一万六千何がしというものを組まれて、さっきもお尋ねしたのですが、その定数の計算は交付税法に基づく単位費用のとり方、いわゆる測定単位の教職員数については定数法による、それから学校学級については五月一日指定統計の実積による、こうなっていますね。それを基礎にしていわゆる標準規模をあげて積算したものが一万六千何がし、こう理解しますが、これは間違いありませんね。

山本悟自治事務官(財政局交付税課長)

○山本説明員 ただいまの御質問のうちで、地方団体の総歳入の推定をいたしております地方財政計画におきましては、先ほど申し上げましたように国庫負担金の積算方法と同一の方法でもって積算をいたしているわけでございます。それからもう一つ、それを地方財政計画できめられました財源に従いまして各団体ごとに普通交付税を配分する際に用いております基準財政需要額の算定ということにおきましては、先ほど申し上げましたような格好で標準団体というものを使って単位費用は出しておりますが、さらにそれに各府県ごとの教職員の数という、私ども交付税の言葉で申し上げれば測定単位の数値というのをかけることにいたしておるわけでございます。その測定単位の数値の算定方法と申しますのは、標準法による標準学級及び標準定数に従って各府県ごとに計算をする、こういうことになっておるわけでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 私のお尋ねの仕方が悪かったかもしれませんが、地方財政計画による一万六千五百円、この数字は間違いありませんね。

山本悟自治事務官(財政局交付税課長)

○山本説明員 その通りでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 そこで交付税のからくりがあります。からくりがあって要するに結局下から積み上げようが上から逆算してこようがその点は合うようになっているのでしょう。従って単位費用を出して各府県に配分をして積み上げると大体それに合うということにつじつまを合わしているわけでしょう。そうしますと結局単位費用を使って各府県の計算をした場合も、要するに一万六千五百円を実際的には配分したという形になりますね。その点は間違いありませんね。

山本悟自治事務官(財政局交付税課長)

○山本説明員 測定単位を算定いたします方法は、先ほど来申し上げましたように……。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 こまかい話はいいのです。なるかならぬか。時間がないから、過程の説明はよろしい。

山本悟自治事務官(財政局交付税課長)

○山本説明員 来年度の各学校ごと、学年ごとの生徒数というものが出て参りまして、それが五月一日の統計でわかるわけでございますが、それに基づきまして、各学校ごと、学年ごとに標準法通りの計算をいたすわけでございます。ほぼただいまの負担金の基礎あるいは財政計画の基礎と合うような数字が出て参ると思いますが、八月に普通交付税を決定いたします際の数字は、現在のところ正確にはわからないわけでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 先刻文部省にお尋ねしたのと同じことでありまして、要するに一万八千名という財源措置については、交付税においてはその半分は措置されておらぬということが明確であります。  次に、高校急増対策でありますが、参考に承っておきたいのであります。今日、大きな社会問題として、ともかくどこの地方に参りましても、わが子をせめて高等学校にまで進学をさせたいという親の心情が連日このちまたにあふれております。すでに公立高等学校においては、各府県、大体願書の締め切りが行なわれたように私は聞いておりますが、文部省において、全国的にその定員に対する志願者の割合、競争率は一体どうなっておるか、この点を一つ明らかにしてもらいたいと思います。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 ただいまの御質問でございますが、募集定員は、公私立合わせまして全国で大体百五十四万人強でございます。志願者数はまだ正確につかめておりませんが、入学見込み数といたしましては百六十万ぐらいでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 見込数でなくて、すでに締め切っておりますから、少なくとも公立については、募集定員に対してなんぼの志願者があったということを一つ明らかにしてもらいたいと思います。私がその数字を基礎にして実は大臣にお尋ねしたい点は、高校の急増対策、これは施設及び定員を含めての問題でありますけれども、少し私どもあるいは一般父兄、一般国民の認識と文部省の認識との間にずれがあるということ、これは私は前にも、去年でしたか文部大臣にそういうことを申し上げましたけれども、文部省が要するに高校急増対策として措置をしておる、あるいは考えておる基本というのは何かといいますと、文部大臣がしばしば本会議等でも言っておるいわゆる九六%の進学率は可能なんだというようなことは、これは各府県における今私が福田さんにお尋ねをした募集定員に照らして言いかえてみると、各府県ではことしの高等学校は何人入れる、そのための施設をやりました、定員はこうこうだというそれを前提として文部省の諸般の計画が行なわれている。ところが一般の国民、父兄は何を考えているかというと、そうではない、募集定員が少なくて、競争率が高いので、うちの子は落ちはせぬか、これが心配で、そこになるべくそういう子供たちの教育のためにも、あるいはまた親心からいっても、そういう希望を満たしてやるための方法をとれというのが私たちの言い分です。そこに私は大きな食い違いがまずあると思います。だから現在の既定の計画においては、やはりはみ出るものがおそらく昨年に比して本年も劣りますまい。府県においても、また文部省においてもかなり努力をされたけれども、相当数のいわゆる中学浪人というか試験失敗者が生まれる。これを解消するということのために本格的な取り組みをやってもらいたいというのがわれわれの希望であります。しかし文部省では、この重要な問題についてまだ資料をつかんでおらぬようでありまするから、それについての質問はそれ以上いたしません。  そこで文部大臣にこの機会に承っておきたいことは、高校急増対策とはいうが、それでは全国的にまた各府県ごとに高等学校というものは一体どうあるべきか、高等学校というものはどう配置すべきか、いわゆる普通高等学校、工業高等学校その他各種の高等学校について、どう配置するのがベターであるかというような一つの考え方、これを文部省は示されたことがありますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 そういう構想を各都道府県に示したことはないと思います。このことは、今の高等学校の制度が、申し上げるまでもなく御承知のように、都道府県が設置責任者という建前で、都道府県内の実情に即して責任を持って行なう、そういう建前でありますことから必然性を持っておると思いますが、今までかくあるべしというふうなことを文部省で考えて示したことはないと思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 将来はどうですか。そういうことを考えていますか、考えていませんか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 一般的に青少年の向学心がだんだんと向上しておることは、国全体の立場から見まして喜ばしいことと思います。そういう傾向が年々顕著になりつつあるということも、実数としては申し上げかねますけれども、大勢は私もそう思っております。そういう情勢に応じ、一面また世界をあげて技術革新の方向をたどりつつある産業教育という立場からいきましても、考えるべき課題がそこにあるのではなかろうか、かようなことを総合的に考えまして、都道府県が設置責任者だからほっておけばよろしいという時期はもうすでに過去のことで、今後に向かっては、何らかの、あたかも産業構造ないしは産業配置が考えられるのと似たような意味において、何もそれにサービスすることが第一義でないことは申すまでもありませんが、一般的な進学希望の燃え上がりに対して、普通高校、産業教育関係の諸学校の配分を、全国的なまた都道府県的な人口の移動あるいは産業の変化等々にかんがみまして、考えるべき課題ではなかろうかということは、個人的にも思います。現にそのための作業を文部省内でしておるわけではございませんが、取っ組んでいくべき課題が目睫に迫りつつあるというふうに感じます。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 私の言わんとするところは、今日高等学校の施設あるいは定員等において非常におくれを見せておることは、これはあなたの今言われた高等学校は、いわゆる都道府県立なんだから、国はこれに対して関与するといいますか、直接の責任はないのだといったような一つの認識のもとにきておる。従って今各府県において、先ほど申しましたような、非常に生徒がふえ、進学率が高まってきた今日において、それをどうするかという問題については、結局地方々々のいわゆる財政能力に大きく支配される、教育的見地というものがきわめて乏しいということ、はたしてそういうことでいいのかどうか、あなたの言われたように国も一つ責任を持って、かりに財政能力が乏しかろうとも、教育の機会均等は、義務教育はおろか、少なくとも今日においては高等学校までを含まなければ現実に論ぜられないのですから、そういう意味において、おくれているところを引き上げていくという、国の何らかの指導方針がなければいかぬと私は思います。従って、まだ検討しておらぬというのでありますが、私はこれをやることが時宜に適する処置であろうと思います。  次に、急増対策として国で措置をいたしまして、本年度の補正において起債五十億を投下して云々と、こういうことになっておるわけですが、進学率の基準改定を行なった、こういう国の財政措置を通じてながめて見ることは、財政措置そのものにおいて、私どもとあなた方の計数の取り方、実態の把握において相当の隔たりがあるということは、これは前々から申し上げているところであります。しかしかりに百歩下がって、あなた方の措置されたものをもって一応のロジックが合っているということを前提にしても、そのことが直ちに地方の実情に結びついているかということになりますと、きわめて疑わしい、私はこう言わざるを得ない。言いかえてみると、高等学校急増対策の措置というものは、いたずらに総ワクのみにかかずらわって現実を無視しておる。交付税、起債がその通り、補正をしてトータルにおいて事業費二百十二億という改定後のこの数字は、いたずらに数字にとどまっている。ほんとうに地方が要求しているかゆいところに手が届いておらぬ。その具体的なものは何かというと、私は原則的にいって補助金がいい、何がいいという議論はいたしません。しかし今日これだけの社会的要請と喫緊の問題であるものについて、いわゆるペニシリン的役割を果たさせて、地方の財政負担を軽減する、また一般国民の希望に沿うという考え方からするとすれば、およそ縁遠いやり方を役所がやっているということを言わざるを得ません。たとえばこれを各府県に配る場合に一体どうしているか、起債でしょう。交付税の配り方をもって起債の配り方としているでしょう、その通りでしょう。そうした場合に、その基礎は何かというと文部省でつくった三十五年の理論計数を基礎にしてそれを延ばしている。そのときの三十五年の実績を勘案して六〇%というものを当初出した。そして新しく六一・八%という改定を行なった。その六〇%のときの配り方を見ても、生徒数を基礎にしてのみ配っているから、たとえば私の県において新しい高等学校を三つ建てるとしましょう。ストレートにその三つに対してペニシリンの役割を果たしているかというと一向果たしておらぬ、新設も既設も何もあったものではない。私の県には私学が非常に少ない、ほとんど公立である。そうするとウエートは勢い公立にかかる。あなた方の全体計画はどうかというと、私学と公立ではかなり私学に重みをかけておる。私学のないところはどうするか、みんな重味が公立にかかる、言いかえると財政負担がかかる。私は時間がないのでこまかいデータを出して説明することを避けるが、そこまで言えば賢明なあなた方はおわかりだと思う。そういった欠陥がこの財政措置の面において現われておる。文部省がいわゆる補助方式を、かぶとを脱いで断念をしたということはきわめて遺憾だと思う。せっかく貴重な国費を使うのに、ほんとうに建てなければならぬ、ほんとうに喫緊を要しておるそういうものにいかないような方式をなぜとったのか、こういうことは国の財政から考えてみても効率ある金の使い方と言えない。文部大臣どうですか。簡単にお答えを願いたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 結局問題は、先刻のお尋ねに答えましたように、高等学校というものを国の立場で、地方公共団体の立場で、どうとらえるかという現行制度の問題だと思います。補助金方式がいわば欠陥を補うような作用をするかと期待をしましたが、実現不可能に終わりました。そのこと自身は遺憾な気持ちがありますけれども、結果論ですが、現行の制度からいきますれば、起債及び地方交付税の財源によって措置するというほかには方法がない。それにまかされてもよろしいという制度であることに、それ自体問題が伏在しておるのじゃないか。純粋に教育効果を上げるという目的が、ずばりそのまま都道府県の当該学校と結びつかないというやり方であってよろしいんだという建前になっておるところに、問題が伏在しておると思うのでありまして、これは先ほどお話があったことと関連をして、将来に向って大きな立場から検討さるべき課題がそこに残っておると私は理解します。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 管理局長、あなたはこういうことを把握しておられますか。国で予算措置をした二百十二億が交付税、起債という形によって、それぞれ各府県に配られ、当該学校に何ぼいった、そしてその地方の全体の計画の中にそれがどういう役割を果たしておるか。それが公費と公費以外の負担の分についてはどうなっておるか、こういう精細な資料をお持ちですか。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 詳細な実態は把握いたしておりません。

今松治郎自由民主党

○今松主査 辻原君に申し上げます。時間がありませんので簡単に……。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 その通りだ、詳細な資料はない。そのことを明らかにしないでどうして一体国の財政措置ができますか。父兄負担あるいは今問題になっておる、いわゆる持たしてはならない設置者以外の負担を他に転嫁するというようなことをどうして防げるか、私はこれは疑問でならない。主査からも督促がありますからこまかいことは申しません。これは自治省にも聞いておいてもらいたい。たとえばあなた方が配ったある県における起債がどういっておるかということのごく一例です。これは文部省も一つこういうことは聞いてもらいたい。たとえばこの県においては高等学校が十九ある。それが三十七年度にあなた方の起債がいっておるのは五つ。これは各県の実情がありますから、そのこと自体がどうだと私は申すのではない。起債というものは要するに借金なんだから、したいところもあり、したくないところもあるでしょう。またそれは県の裁量によるというととも知っております。しかしどこも建てたいから計画を持ってきておる。ところが重点的に起債の配分されたところとそうでないところと両方ある。それにはいろいろなイントネーションが考えられます。現実の問題としては、こういうことが合理的な急増対策かと私は言っておる。私がこの議論をやれば、それは交付税なり起債の建前だからやむを得ないということで済ましておる。たとえば、もう一つ、はなはだ恐縮だけれども、これは直接文部省の問題、工業高等学校がある。私今これをお願いをいたしまして、四つのサンプルをとってみた。その数字はまた機会があればお見せいたします。これを見ると、一言でいえばあなた方が工業高等学校に対して補助金十三億、その他起債でやりました、こう言っておる施設その他については、大ざっぱにいってほんとうに地方が必要とする経費の約半分にしか達しておらない、これが実情なのです。これで国が予算措置をしたということが言えるかどうか。言いかえてみると、文部省はあくまで補助をする場合にも常に基準を設けてやる、その基準外にいくらやろうと、それは手前勝手でやりなさい、責任を持ちません、その基準たるやきわめて低い、文部省では今これを検討されておるようでありますが、そういったはみ出た部分が、ちょうど氷山の中の隠されている部分と同じように、この部分の方が大きいのです。こういう実情に今日ある。言いかえてみると、県で建てる高等学校が国からの来方が少ないために、その財源の負担を地方に転嫁をする、そこに市町村に土地を提供させたり、寄付金を強要したり、さらに今度は市町村が入学する子供の父兄を集めて頭割り幾らという寄付金をさせる、こういう現実の姿が現われてきておる、このことはあなた方もよく知っておりながら、それに対して措置をとろうとされない。そこで今国立高専が問題になっておる。国立高専の土地を地方から寄付させた、これは地方財政法の十二条でしたかでは禁止しておる、けしからぬではないか、確かにけしからぬ。なぜ国がその措置をしないかという問題である。さらにもっと大きな問題は高等学校の問題である、これは一体どうしますか、文部大臣はどうされますか。設置者以外に負担をさせるような問題についてはあなたはどうお考えになりますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 これは今指摘されましたように、根本的には単価、構造比率の問題にも関連がございましょうが、基準というものを守らざるを得ない。その基準は、大蔵省と折衝して格上げするほかにない。年々歳々、文部省に限らずあらゆる問題について努力はしますけれども、一方大蔵省の立場からいえば、この基準を一挙に引き上げることは全国政に関連する施設に影響することのために、理屈と実情はわかっておっても踏み切れないという悩みを毎年続けておることに基づくと思います。ある時期に抜本的な考慮を大蔵省もいたしてもらいたいと思いますが、文部省自体としても、今御指摘の高等学校についてもその他の学校に関連しましても、実情に即して、弊害の起こらないように努力を重ねるほかにはない、かように思うわけであります。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 自治省では、設置者以外の公共団体が負担するという問題については、この間大臣の答弁によってもこれを厳に規制をしたいという考えがあるようですが、今言った公立諸学校の地方公共団体相互間のそれらの負担については、一体どう考えておりますか。

立田清士自治事務官(財政局理財課長)

○立田説明員 私からお答えするのはあまり適当でないかもしれませんが、私たちとしては本来設置者が持つべきものは持って、他に転嫁していかないようにする、根本的にはそういう態度でいくべきであるというふうに考えておるわけであります。  そこでそのことに関連しまして、今の高等学校の用地関係でございますが、用地関係については、設置者がみずから取得いたしまして、みずから償還していくというものについては別途起債措置を講じていくということにいたしておる次第であります。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 都道府県が設置者ですから、都道府県で財政措置をする、その一半の責任を設置者以外の市町村に負わして、市町村より寄付金あるいは土地の提供等をさせるということについてどうかということをお尋ねしたわけですが、これは大きな政治問題でもありますけれども、これは将来にわたって財政負担区分を明確にするという建前からはっきりした国の指導方針がなければいかぬと思います。ただ私がここで申し上げるのは、地方の父兄、あるいは市町村が土地を提供し、なにするという気持も、これは教育的に考えてみれば、まことにとうといということを言わざるを得ない。しかし、そういうことは明らかに法律では禁止しておる。けしからぬ、私はけしからぬということだけでは済まされない問題だと思う。これは現在地方公共団体相互間については法律の規制はないようでありますが、もし、やるというような場合においては、当然その前提として現在何がゆえにそういうことが行なわれておるかの原因を探求し、実態を把握して、その上に立った財政措置、予算措置が行なわれなければならぬ、私はそう思う。この点はどうですか。大蔵省それから文部大臣にも一つ私の意見に対してはっきり承っておきたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 一般論としましては、先ほどお答えした通りに申し上げざるを得ないし、また実情もそうであると思います。もどかしい気持もしょっちゅうしておりますけれども、なかなか成果は上がらぬという悩みを感じております。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 そういうことじゃないのです。ピントがはずれておる。私の言うのは、たとえば地方財政法等の改正によって負担区分を明確にしよう、いわゆる設置者以外のものの負担を禁止しようというような考えがどうも自治省にもあるようです。また私もそれは正しいと思う。正しいと思うが、一面しかしただ法律措置だけをやって折り目を正したということだけでは、こういう問題は事済まないと私は言っておる。だから、それをやるからには当然文部省として責任を持って、いわゆる市町村が土地の寄付をしなくても済むように、あるいは市町村以外が、これはどのくらいになっておるかお尋ねをしたかったのでありますが、おそらく年間二十億くらいになっておるという話も聞きます。市町村の持つ以外のものについて二十億程度持っておる。あるいはその他は百億くらい持っておるかもしれないと言われておる。そういう経費というものは出どころがないから必然的に持っておるのであって、だから法律でそのことを規制するということになれば、その前提として予算措置が行なわれなければならぬということを言っておるのです。そういう考えが大臣にありますか。きょうは自治省の責任者が見えておらぬから……。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 そういう考えがございますから申し上げておるのであります。ございますけれども、思う通りになかなか簡単に参らないという悩みを申し上げておるのでありまして、建前としてはお説の通りその努力をなすべき責任を感じます。

今松治郎自由民主党

○今松主査 辻原君、結論をお急ぎ願います。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 最後に一点、これは自治省に伺いますが、先ほど私がるる述べました中で、交付税それから起債の配分について、六一・八%本年補正をいたしましたね。私の聞くところによりますると、この六一%というものと、補正前の六〇%というものは性格が根本的に違う。前者は理論的なものである。後者は実績を積み上げたものである。それこそさっき福田さんの言われた実績である。これは実績を積み上げたものであるということになると、その配分方法というものは私はおのずから変わってこなければいかぬと思うが、先ほどから私が強調しているように、地方の実際ほしいというものに対して実情に合うようにするためには、いかなる配分方法をとるのか、どういう尺度でもってこれを分けるのか、この点について成案があれば一つ承っておきたい。

山本悟自治事務官(財政局交付税課長)

○山本説明員 質問の点でございますが、本年度と同様、明年度におきましても交付税の基準財政需要額でもって設置すべき額は、総額におきまして九十億。なおかつ交付税というのは御承知と思いますが、それぞれの基準財政需要額の算定におきましては、実績主義をとらない。客観的な標準的なものを基礎としていくという考え方に立っております。基準財政需要額の算定方法は昨年度と全く変更しないというような考え方に立っております。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 昨年と変更しない…。

山本悟自治事務官(財政局交付税課長)

○山本説明員 三十七年度と同様な配分方法をとりたいと考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 そうしますと、前に使った六〇%の際の配分方法というものと、それから六丁八%という新しい補正をしたものとの間には、これは非常に根本的な相違があるじゃありませんか。それを無視してあなたが従来通りの配分方法をやるということは、これはますます各府県の実情に合わなくなる結果が生まれてくる。それについてあなた方は調査されましたか、どうですか。

山本悟自治事務官(財政局交付税課長)

○山本説明員 交付金対策の全体計画の手直しの際におきましては、六〇%の進学率が引き上げられたことはよく存じておるわけでございます。その際の基礎というものも各県別にいろいろあるわけでございますが、個々の団体の実績の進学率そのままをとって交付税を配分することは、交付税の持っております標準的な各団体の行政というものに基づいて基準財政需要額を計算するという建前から申しまして、適当とは考えられませんので、このやり方は昨年度と同様な客観的なものによってやっていきたいという工合に考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原分科員 それには重大な異議がありますけれども、時間の関係で一応自治省の見解だけを承って、次の機会にそれらの問題について詳細にいたしたいと思います。  大へん時間を超過いたしまして申しわけありません。終わります。

今松治郎自由民主党

○今松主査 次に、野原覺君。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 私は大事な点について若干お尋ねをしたいと思うのであります。大臣もなかなかお疲れのようでございますが、国会ともなれば大へんなことだろうと心から御同情申し上げます。しかし私は明快なる質問をしたいのですけれども、歯を抜かれてしまって、発音がはなはだ不明瞭になろうかと思いますが、悪しからず御了承をお願いしたいのであります。  第一点の質問は、ここにこういうものが配付になった。義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律案、私はこれを拝見したのであります。従ってこの教科書の無償給与の政府の措置、計画についてまずお尋ねをいたしたいのであります。  大臣も御承知のように本年の四月に入る小学校の一年には、昨年度の予算で七億円計上いたしました。来年の四月入る子供には、ことしの予算で衆議院を通過いたしましたが、小学校の一年から三年までに二十七億一千八十三万円計上をしておるのであります。そこで私が疑問でならないのは、来年は、つまり再来年、昭和四十年の四月に入る子供にはどういう措置をするのかということであります。まずこの点いかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 これは大体御承知の通り、法律に基づく調査会ができまして、その答申の線に沿って措置をいたしておるのであります。その答申は数カ年の年次計画を持ってこれを実施していくべきだ。建前は原則として国費でもって全額負担、ただし将来においては地方公共団体も負担すべきかいなかということも検討する課題ではあるであろうということも添えまして答申が行なわれました。  そういう答申の線からいたしまして、私どもとしましては、ことしの小学校一年に無償給付をいたしますことから始まって、五カ年計画程度で小中学校全部に及ぼしたいという考え方のもとに、三十八年度予算に計上をされました予算をもって、一、二、三までとる。三十九年度予算においてどうするかは今後の問題でありますが、冒頭に申し上げましたように、五カ年で完了せぬとなれば、一、二、三、四、五、少なくとも五年生までは三十九年度予算ではとるようにしていきたい、こういう考えでおるわけであります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 それは文部大臣の希望ですね、閣議決定ではございませんね。五カ年計画で小中学校全部が完了する。しかもその内容は全額国庫負担、公立、私立とも含めて貸すのではなしに給与だという答申の三原則、だからこの答申の点は、閣議では決定していないでしょう、いかがです。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 年次計画及び実施方法すべてを閣議決定しておるわけではございません。それは答申そのものも年次を何年と具体的には指示されておりませず、かつまた経費負担の点につきましても、少数説ではございますが、地方公共団体も分担するということを検討してしかるべき課題であろうということも申し添えられておりますから、そのことは今後に残っております。残っておりますけれども、閣議決定はそういう意味で全部完成までの内容を、あらかじめ決定するというところまではいっておりませんけれども、主管省は文部省でございますから、文部省としては答申の線に沿って実現を期していく、こういう考えでおります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 いや、その主管省が、はっきり言って、実にたよりないから聞いているのです。たとえば、あなたは大学管理も単独立法ということを言ったが、国会で何を答弁されようとも、簡単に閣議で否決になるじゃありませんか。あなたの文教政策は簡単に大蔵大臣からはね返されておるじゃありませんか。だから聞いているのです。やるのかやらぬのか閣議できまっていないのでしょう。今あなたは重大な御答弁をなさったんですよ。国民はどう受け取っておるかと申しますと、都道府県も全額国庫負担と受け取っているのです。ところが今あなたのお言葉の中にちょっと出てきましたが、地方が負担することになるかもわからない。こうなって参りますと、これは一体何ということでしょうね。こういう法律を国会に出して予算をとって、ここ一、二年選挙民に対する投票をかせげということですか。これで政府は一体本気で無償の措置を考えているのかどうですか。きょうは大蔵省も来ておりますから、あとで大蔵省にははっきり聞きたい。そういういいかげんなことでは、私は納得できませんよ。これはやるのかやらぬのか、きまっておらぬでしょう。はっきりどうかということを言って下さい。委員長も非常にあせっていますし、ぼくも早く終わりたいのです。閣議で、やるのかやらぬのか、きまっているのかきまっておらぬのか、いかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 義務教育諸学校の児童生徒に給付する教科書を無償にするということは、閣議どころではない、法律できまっております。ただその方法について最終的なところまできまらない部分があるということを、答申の線に沿って申し上げたのであります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 法律は何という法律できまっているのですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 義務教育諸学校の教科用図書の無償に関する法律、この前の通常国会で御審議、決定をいただきましたものによってきまっております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 その無償に関する法律というのが例の調査会をつくるという中身の法律でしょう。そこで調査会ができて、答申があって、今度は本気で無償にするかどうかが閣議決定という順序になるのですよ。あなたはそれは大へんな誤解をしていらっしゃいます。あの法律で無償なんということは主張できませんよ。しかもその無償の中身は全額か半額がわかってない。そうですね。無償にするというような言葉だけであって、あるいは半額国庫負担に三十九年度の予算ではなるかもわからない。この点はいかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 今申し上げました法律第一条で無償にすることは、明確に決定されております。政府はそれを執行する責任がございます。ただ、その方法について調査会を設けて研究しろという命令を法律で与えられておる。それに従って調査会を組織し、調査会の委員諸公が検討して下すって結論が出たのが答申として出ておるということでございまして、方法論については法律そのものが研究しろということですから、研究したことを実行しつつある、こういうことでございます。繰り返し申し上げれば、お説のように閣議でやるか、やらぬかをきめるという課題にあらずして、法律そのものが政府にその執行を命じておる。方法だけはよく考えろ、こういうことですから、考えつつある。考えながら着々として実践に移りつつある。そして五年以内には完了するという気がまえでおる、こういうことを申し上げたわけであります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 そこで、その無償の中身です、方法ではなしに。これは全額か、半額かということは閣議ではさまっておりませんか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 それも方法の一種であろうと思います。無償であるかいなかは、国対公共団体の関係でなくて、国もしくは公共団体対国民という関係において、すなわち児童、生徒の保護者から見て無償であるかいなかということが法律できまっておる。そこで経費の分担については、国費、公費一本でいくか、あるいは分担するかいなかも含めて調査会でよく検討し、そして政府がよろしいと思うところに従って無償措置を実践するということで、方針はもう確定いたしておるのであります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 国民から見たら、全額も半額もそれはなるほど無償でしょう。それはあなたのおっしゃる通り。しかし地方の財政当局としては、財政担当者としては重要なことです。だから全額か、半額かということは、これはまだ政府としてはさまっていない、三十九年度の予算ではどうなるかもわからない、こう理解してよろしいですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 それは概念的にはおっしゃる通りに考える余地があるわけであります。しかしこの法律の制定されました趣旨、目的、それからいいまして、国費一本がベターであると文部省は考えております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 どうもあなたの答弁ははっきりしないのですよ。それではお尋ねしますけれども、答申がまだ閣議で承認をされていないのです。ところがあの答申は、公私立とも給与で、そうして無償だ、全額国庫負担だ、こういうことだったと思う。その後答申の趣旨は、そうなると来年度は私立学校はどうなるのだろうか、あるいは給与にならないで貸与になるのではなかろうか、そういう疑問があるでしょう。だから厳密に考えれば、閣議が最終的に答申を承認していない限り、あなたが何と御答弁になろうとも、失礼でございますが、あなたがまた来年も大臣をしているかどうかわからない。そうでしょう。だから私は一担当大臣が何と言おうとも、やはり的確な法律なり閣議の決定になるという保証がない限り、私どもは信頼するわけにいきません。その意味において四十年に入学する子供に対する教科書の問題はどうなるかわからぬのです。まだどういう方法になるか——あなたは方法とおっしゃるわけですが、私は内容だと思うのだけれども、あなたの言う通りに方法だととりましても、それはどういうことになるかわからない。とにかく無償という原則は法律できまっております。それはあなたの言う通り無償の原則はきまっておるけれども、その原則を生かす具体的な中身、方法というものがきまっていない。この点、私がそう受け取って間違いですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 間違いでないと思います。ないと思いますが、法律の趣旨から無償の措置を講じなければならないことを命じられておる以上は、内閣がかわりましょうとも、文部大臣がかわりましょうとも、法律に基づいて国民に対してこれを実行していく責任が課されておる。方法については法律そのものが研究しろと命じましたから、研究しておる。研究したのが一ぺんにすべて最終段階まで見通しのついた姿で閣議できまるかいなかということは、その年々の状況にもより得る課題であると思います。しかし趣旨を徹底すべくあらゆる努力を政府がなすべき一般的な政治的な責任は負わされておる、こう理解いたします。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 なぜ私がこういうことをしつっこくお尋ねするかと申し上げますと、今日まで自民党政府がとってきた教科書無償の過去の歴史があるから聞いておるのです。これは文部大臣御承知でございましょう。昭和二十六年度に入学する児童に対する教科用図書の給与に関する法律、法律第四十九号、昭和二十六年三月二十九日公布、これで小学校一年の国語、算数は国と地方が半額国庫負担でお祝いとして出すということになったのです。昭和二十六年はそうだったのです。法律をわざわざつくってやったのです。ところが今度は昭和二十七年以降になりますと、新たに入学する児童に対する教科用図書の給与に関する法律として第三十二号を公布いたしまして、昭和二十七年、二十八年の二カ年にわたって小学校一年の国語、算数は全額国庫負担で今度は差し上げるということにこの法律をつくってやったのです。ところが今度は昭和二十九年になったら、これを停止した。三十一年にはこれを廃案にしたのです。こういうりっぱな法律ができておったものを廃案にしたのです。だから幾ら無償を原則にするという法律ができたからといって、国民は安心できませんね。こういう歴史があるのですから……。そうでしょう。二十六年は法律で無償だ。二十七年、二十八年の二年カにわたって無償で差し上げるという法律をつくっておきながら、翌二十九年にはストップ、三十一には別の法律を持ってきて、これは廃案だ。そうして自来十年を経過したのであります。立ち消えになること十年であります。自民党の文教政策に対する国民の批判はやかましい。超国家主義だ、反動だという批判が一面であります。環境と条件を整えるといって池田さんが本会議で施政演説をしても、辻原委員が質問したように、高等学校の急増対策は何という一体環境と条件の整備の仕方です。だからここら辺で点数をかせがなければならぬと考えたのでしょう。これは党で考えたのでしょう。私はそういう受け取り方しかできないのですよ。ほんとうにまじめに自民党の諸君が教科書無償を考えておったから、二十六年、二十七年のこの法律を生かしてきた。ところがまた今度はこういう法案を出した。あなたにお尋ねしたように、国民にあれだけ選挙のときに総理大臣が演説をしておきながら、いまだに閣議決定ができないとは何という醜態ですか。教科書無償については文部大臣も至るところで演説をしてきたでしょう。ところが閣議決定もしていないのです。三月三十一日に制度調査会は解散しなければならぬ。それで答申を十一月末でございましたか期限を切って出させておきながら、いまだに閣議決定しない。予算だけ通す、こういうようなことは、歴史がございますから、これは単なる原則だけで、国民に対する宣伝だけで、あすの運命はどうなるかわかったもんじゃない、こう受け取られてもやむを得ないのじゃないかといったら、あなたは先ほどお認めになったのです。お認めにならざるを得ないのです。私の言うことは、これは決して間違いじゃありません。だからして本気で教科書無償のこういう法律案を国会で審議してもらおうと思うならば、まず閣議決定していらっしゃい。その閣議決定の裏打ちがない限り国会は審議しません。こんなものを出して、そして中身は何ですか。私はきょうは提案説明を聞いておりませんからあとで指摘しますが、この中身は実にひどいものです。読んでみて私はがく然とした。陰険で悪質で、無償措置は社会党も反対しないだろう、国民もついてくるだろう。これはおそらく大多数の国民が双手をあげて、父兄負担が軽減するという立場からもついてきます。私ども社会党は無償措置の法案を出したくらいですから、無償措置には反対いたしません。それならば、純粋にいかなる児童、生徒に供与するのかという対象の問題、どういう方法で無償供与を実施するか、措置をやるかという方法の点、代金の支払いはどうするのかという無償措置だけの法律をなぜつくらないのです。ところが無償措置という羊頭を掲げて狗肉を売っているでしょう。私は時間がないから一々お尋ねをしないで急ぎます。これはいずれば国会で問題になるから、私どもは逐条にその正体を国民の前に明らかにしていきますが、大へんなことをやっておるのですよ。文部省の役人が教科書会社に刑事のごとく立ち入る権利を与えておるのですよ。第二十条、無償措置という法律で、文部省の役人にそんな警察権を与えるとは一体何事ですか。それからこれは初中局長もよく聞いてもらいたい。実は採択、発行についての規定をやっておる。閣議で決定もしないでおきながら採択、発行の規定をやっておる。清瀬文相の第二十四国会に教科書法案が出ました。衆議院は大混乱のうちに強行に押し切られました。私は当時文教委員であった。ところが参議院でストップになってこれが廃案になった。議会で廃案になったということは、民主主義、立憲政治の建前からいうならば、国民の意思がそこにないということです。だから少なくとも清瀬文相の出した教科書法案の中にうたっておった検定、採択、発行、この三つについては、あらためて法律を出して国会の賛成が得られない限り実施すべきではないにかかわらず、歴代の文部大臣はあの中の検定を抜き出して行政措置でやってしまった。国会のじゅうりんですよ。われわれ野党が少数だから、あなた方は平気でこれをやっておる。立憲政治のもとに許せますか。国会で廃案になってそれがだめだというものを、行政措置でやってきたのです。検定は行政措置でやったけれども、残る採択と発行には手がつかないというので、あのときの三つのうちあとの二つが残っておるから、国民がついてくるであろう無償措置の中に入れた。この膨大な中身は何ですか。みな採択と発行でございましょう。題名を変えなさい。教科用図書の採択、発行に関する法律案としなさい。無償措置に関する法律案としてこういう羊頭を掲げて狗肉を売るようなことをやって、われわれ社会党がだませるとか、国民がだませるとか考えておったらとんでもないです。私は、一々質問しておる時間もありませんから、急ぎますから、私の意見だけに終わったわけですけれども、そういうことなんです。  教科書課長はここにおられますね。きのうの毎日新聞に課長談話が載っておる。「採択にあたっては教育委員会が新しく設ける教科書選定審議会の意見を聞くのだから片寄ったものを選定したり、文部省の意向に支配されるおそれは全くない」とこう言う。課長さん、子供だましの談話を出したらいけませんぞ。全くないとは何事ですか。私は文部大臣にお伺いしたい。あなたが責任者ですからお尋ねしますよ。あなたはこの教科書課長談話と同じ見解ですか。同じ見解だというならば、私は質問があるのです。同じ見解ですか。もう一ぺん文部大臣聞いて下さい。こう言っておるんです。課長が、「採択にあたっては教育委員会が新しく設ける教科書選定審議会の意見を聞くのだから片寄ったものを選定したり、文部省の意向に支配されるおそれは全くない」と言っておる。お伺いします。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 大体同意見でございます。少し違うと感じますことは、片寄った教科書を選定するという表現は、文部大臣の検定しました教科書以外は採択の対象になりませんから、どれでも片寄っていないものだけを検定したはずであります。たくさんある種類の中から、どれを選べば片寄っておる、どれを選べば片寄っていないというものではないと思いますので、その辺は少し違いますけれども、大体間違いのない選択ができるだろうと期待しております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 その理由は、審議会の意見を聞くからですね、いかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 それもございます。また今度の法律の趣旨に従って、教育委員会が一そう努力してもらうであろうことも期待しておるのでありまして、現行の制度からいきますと、御案内の通り、そういう特別の委員会等制度に基づいてつくるということはなしに、いわば教育委員会がずばり選定してもよろしいということになっておりますから、それよりはより民主的に衆知を集めてよきものが選ばれるであろう、そういう期待は持てるであろうと思います。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 教育委員会の努力に期待するといいますが、教育委員会はやはり一つの権力機構でございまして、任命制の教育委員会になった以上は、これはあなたの方に顔を向ける努力をするのです。あなた方がそういうふうにしてしまったのですよ、私は反対したのだけれども。だからしてこの努力に期待するということは、文部省に迎合する努力、文部省の意図になるべく沿おうとする努力しかしないのです。そういう機構になっておるんですよ。  そこで審議会の意見を聞くといいますけれども、これによると審議会の委員は民主的に選ばれるのですから、これはどこがきめるのですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 県に置かれます審議会につきましては、都道府県の教育委員会がきめます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 都道府県の教育委員会がきめた委員は、都道府県の教育委員会の都合のいい人がきめられますよ。だからあなた方は、都道府県の教育委員だけぐっと引き締めたらいい、都道府県の教育委員会が自分の都合のいい委員だけきめます。そこで審議会ができます。そのできた審議会は、教科書を数種——数種とは二つか三つですよ、これはこの中に書いてあります。そうしてABCもしくは第一、第二、第三とランクをする、これを見れば書いてある。そうしてこのランクをすると、市町村教育委員会がどうしても拘束されます。だからして文部大臣は、都道府県の教育委員会だけにらみをきかしておいたらいい、これは完全に統制でないと言えますか。統制とは一体どんなことですか。統制とは、形だけ検定教科書にしておくことじゃないでしょう。だからして世の識者が、これは国定をごまかす最も悪質なやり方だと言っておる。文部大臣のきのうの第二分科会の——私は第一分科会に出ておりましたから出ることができませんでしたが、文部大臣の意見なるものも同僚の議員から聞きました。あなたの意見は、新聞にも載っておるのです。ただいま教科書課長の談話を大体において肯定するというお話もございました。これはどう考えても、悪質な国定版にする魂胆でしょう、反駁がございますか。これは大臣にお尋ねします。国定教科書についてあなたは賛成ですか反対ですか、これははっきり言って下さい。国定教科書にすれば値段が安くなりますし、それから転校しても本を本屋に新たに求めに行く必要もございません。だから私は文部大臣は国定教科書には賛成か反対か、これはやはり国民の前に、この際こういう法律を出すのでございますから、明確にしておいた方がよかろうと思う。文部大臣いかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 国定とおっしゃることが、どういう意味かはっきりつかめませんが、文部大臣が著作権を持っておるもの以外は使うべからずということが国定だとしますならば、そんなことをする、よりも、現行法の制度がいいと思っております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 それはどういうわけで、現行法の制度がいいのですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 これは、消極的に申せば、何かしら国が勝手なことを、国の立場でするという疑いを持たれるおそれもなくなるので、現行法の方がいいと思います。現行法の学校教育法に根底を持ちますところの文部省の検定制度、これはいいことだと思います。さらに、検定するにあたって学校教育法二十条以下の示しますように、教科に関することは文部大臣これを定めよという権限と責任を与えられて、学習指導要領をつくって、国民に責任を負っております。その指導要領の線に沿って、学校教育法二十一条のいう通りの、文部大臣の検定をしたもの以外は使ってはならないというふうなやり方で、そして教科書会社がその趣旨を受けて出版する、それを政府が買い上げるというやり方で無償措置につながる、この現行法の趣旨を生かしていった方が、より教育基本法の趣旨にもかなうことは必然でございますから、そういう意味で現行の制度がよろしいと思います。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 本心からの御答弁であろうと思います。現行制度がよろしいという、あなたがほんとうに自己の良心に偽らない御答弁であるならば、私も賛意を表します。失礼でございますが、現行法でよろしいならば、現行法をよりよく生かす道を講じなければいけませんね。お聞きしますが、私はこの十八条というのを見て驚いておるのです。これは初中局長でけっこうです。教科書会社というのは幾つあるのですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 八十六社ございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 そういたしますと、今度あなた方が出したこの法律案第十八条でがんじがらめにしばっている。事業能力のないもの、それから信用状態の悪いものは指定もしない、それから教科書問題の汚職でひっかかったもの、従業員がひっかかってもやらないという規定がありますね。これでいけば、今あなたが言った八十六社でございますか、その中から幾らの教科書会社が残るのですか。これは計算をしておるはずと思うのです。この第十八条に該当する会社は、一体何社ありますか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 八十六社と申し上げましたのは、全部の教科書会社の数でございまして、義務教育関係だけで申しますと、四十五、六社だと思います。それにつきまして、この十八条にひっかかって指定ができないというものは、私は現在の会社においてまずないと思います。今お尋ねのように、従業員が、採択に関して、刑法の罰金に処せられたという場合には指定できないじゃないかとおっしゃる意味でございましょうが、これは、法人の役員と書いてございまして、発行の責任者が、そういう場合におきましてはひっかかるけれども、従業員そのものはひっかからないようになっているわけでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 この逐条審議のときに、よく具体的なデータを出して私どもも論議をしたいと思うのです。まだ提案の説明もないのですからね。ところが第十二条で、都道府県は数種としておりますね。そして県一本ということもあり得るのだ。こうなりますと、四十六社から出た教科書が、私は今日のようにたくさん採択されるとは限らないと思う。そうでしょう。都道府県の教育委員会がきめるのは二または三、多くて四または五です。そうなれば、結局五社か六社です。大体都道府県教育委員会なんというのは、文部省から招集されて、その前後には文部大臣から訓示を受けにくるのです。五社か六社です。四十六社のうち四十社ぐらいは、第十二条だけからいってもつぶれるじゃありませんか。中小企業の教科書会社をつぶす法律じゃありませんか、これは。私のところに夕べ教科書会社のある人から電話がかかった。これはゆっくり提案になるだろうから、私は教科書会社方面の意見も聞こうと思うのですけれども、そういうおそるべき、教科書会社をぶっつぶすようなことを無償措置に書いてある。それから文部省の役人を立ち入らせる、警察権をやれることを書いてある。無償措置という中身はそれです。そして無償措置は五カ年計画ということだが、いまだに閣議できめないで、やたらに教科書の統制をすることばかりあせっていらっしゃる。このやり方は、これは何と申しても、あなた方は弁解の余地はありませんよ。  これから私は結論を申し上げます。第一、三十九年度以降は完全無償が保証されていないではないか、これが私の質疑の結論の第一ですが、遺憾ながらこれは私の質疑の通り認めざるを得なかったのです。完全無償は保証されておりません。閣議できまっていない。結論の第二、国定化への路線をしいたあとは、この無償措置がやめになるかもわからぬという国民の心配を打ち消すことは、遺憾ながらできません。昭和二十六年、二十七年、二十八年と法律をつくってきて、廃案にしてしまったものですから、だからこの無償措置という題名で国民をだましておいて、そしてここで採択発行の悪らつな規定を、野党の猛反対を食って通すことができなかったのを、あっと通して検定を行政措置でやったから万々歳、そうなれば無償措置はやめましょうという、また廃案の法律が出ないと保証できますか。やりかねません。  そこで委員長、私はまだ三十五分しかやっていないので、もう少し下さい。

今松治郎自由民主党

○今松主査 時間は零時五十二分でございますが、十分程度延長します。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 皆さんに御迷惑をかけて済みませんが、せっかくの分科会ですから、もう少しいただきます。  私が申し上げております結論の第三は、五カ年計画を閣議で決定すること、同時に、私はこの法案を見て驚きましたが、政令々々というのが山ほどあります。ほとんど政令に委任しております。そこで、政令内容を同時に提示しない限り、私ども社会党は遺憾ながら、この無償措置に対する法案の審議には応じかねます。政令で逃げておりますから。だから、これを配付されましたけれども、同時に政令内容はこういうものだという要綱くらいは、閣議決定をとって国会に臨んで下さい。これが私の教科書無償措置に対する質問の大要であります。  その次は、同僚議員からもるる質問がございました高等学校の急増対策です。若干重複しますけれども、大事な点だけ私はだめを押しておきたいのです。六一・八%に進学率を修正しました。お尋ねしますが、最近東京都は五千人増員をきめました。文部大臣、あの五千人の増員は、この修正をいたしましたところの六一・八%の中に含まれておりますか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 東京都におきまして、最近新聞等によりますと、五千人くらい増員するという話がございますが、これは六一・八%の中には含まれておりません。ただし、聞くところによりますと、この五千人というのは、大体一学級の定数を許される範囲まで収容する、五十人を上回っても収容するというような、いわゆる収容力に余裕を持たせるという意味においてきめたものと聞いております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 大へんなことです。私も東京都を調べたのですが、含まれていないのです。あなたが何とただし書きをつけて申しましょうとも……。何と言ったですか。私は昨年の通常国会で六〇%を攻撃したでしょう。そのときあなた方は、できるのだと断言をしたのです。私は修正を迫ったのです。たとい幾らかでも修正しろ、今のうちに修正しないとこれに見合う事業量の見当がつかぬじゃないかといってがんばってきたのです。どろなわ式に、二、三カ月あとに入学を控えて六一・八%と修正をした。ところが東京都はがまんができない。大阪もそうです。都道府県みながまんができないのですよ。政府の進学率の計画というものはずさんきわまりないじゃないですか。五千人が入っておらぬ。五千人を入れたら六一・九%になるか六二%になるか知りませんけれども、事実上は、政府の計画が、都道府県の教育委員会、地方当局によってみなひっくり返されておるということです。そういう信頼のない計画に立って、進学者の決定と事業量の決定をしておる。  第二の質問。昭和三十七年度は中学校の卒業者は百九十六万二千人、昭和三十七年度の進学率は幾らでございましたか。これは事務的なことですから局長でけっこうです。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 三十七年度の実績は六四%くらいになっております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 私は実績は聞いてないのです。当初計画を聞いておるのです。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 文部省としては三十八年度を初年度にして考えておりますので、三十八年度の進学率を申し上げたわけでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 昭和三十七年度の文部省の当初計画があったでしょう。僕は三十七年度の当初計画を聞いておるのだ。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 ただいま申し上げました三十七年度の進学率でございますが、これは私どもとしては別に計画数にとったわけではございません。一応見込みとしては六一%程度ということを見込んだことはございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 あなたの方の資料によって、生徒の数は百十九万八千人、六一%という当初計画がある。実態は六四・八%、群二十七万一千人入ったのです。当初計画と実態に三・八%のずれが生じ、その人員に七万三千人の狂いが生じている。これが昨年度の実績です。文部省の計画とはおよそそんなものですね。こんな計画を立てるから大蔵省が鼻で笑っておるのです。もう少し動かしがたい計画を立てなさい。私は文教に関心があるから言っておるのです。私どもはいつでも文部省のバックアップをしますよ。せっかく計画を立てておきながら、去年度において三・八%の狂いを生じ、ことしの一月になってどろなわ式で六一・八%が十日もたたぬうちに、五千人増員ということで東京都の教育委員会によってひっくり返されている。高等学校急増対策の一番土台になる進学率の計画がこういうことで、どうして他省を納得させ、国民を納得させ、知事や都道府県教育委員会を押えることができますか。  第三点。そこで文部大臣にお尋ねいたします。あなたは六一・八%の計画ということにしましたが、今局長と私の質疑応答でお聞きのように、昨年三・八%の開きがあったのであります。ことしも開きがあろうと思います。すでに東京都は五千人ふやしました。どのくらいの開きがあろうとお考えですか。それともないとお考えですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 大臣のお答えになる前に私申し上げますが、三十七年度六四%の進学率が出たわけでございますけれども、これは実際に入った結果から見たものでございます。従って、三十八年度の計画にあたりましても、大体各都道府県で募集する募集定員というものを考えまして六一・八%というものをきめたわけでございます。従って、その募集定員以上に入れる、増して入れるという場合におきましては、最終的には六一・八%が若干上回るということはあると思います。しかしながら、政府として一応財源措置を保証するという限りにおきましては、今の六一・八%が限度だ、こういうような事業計画のもとに六一・八%というものをきめたわけであります。従って、比率におきましても、募集定員以上に入れるとか、そういう問題が起きれば、当然実際の進学率というものが若干変わってくるということは予想されるところでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 六一・八%というのは、昭和三十七年度の実績から見て三%低いわけです。今年の六一・八%は逆戻りした上に三%も低いのです。このため中学浪人ということがやかましく叫ばれておるわけです。中学浪人ということの定義を申し上げますと、意思に反して高校に進学できない子供たちを言うのです。入りたいという自分の意思に反して、結果においては、建物が足りない、学校が少ないために入れなかったという子供、これを称して世間では中学浪人と呼んでおる。やはりその数が一体どれだけであるかという判断をしておく必要があろうと思う。大事なことですよ。意思に反して入れなかったという子供たちが五万人おるのか、十万人おるのか、二十万人おるのかということを判断をして対策を講じなければならぬので、それを聞いているのです。どれだけですか。あなたは財源措置について云々と言いましたが、それはあとでゆっくり聞きます。大へんなミスがあります。だから、どれだけだとあなたは読んでおりますか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 ただいまお述べになりました三十七年度の進学率そのままになるとは私は考えておりません。これは当然六四%以内であろうと想像いたしますけれども、六一・八%が二%になるか、それは先ほど申し上げたように実際に子供が入ってこないとわからないわけであります、ただ、申し上げておきたいと思いますのは、募集定員等に基づきましてこれを算定いたしました場合におきまして、大体今年度の入学希望者あるいは入学見込み数というものを勘案いたしまして考えますと、希望者の九六%程度は入学できるという計画でございます。従って、従来と同じような率で入学できるといたしますと、いわゆる中学浪人というようなものは出ないというように考えるわけでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 大きな認識の相違です。六一・八%でいけば希望者の九六%充足するというのはとんでもないことでしょう。これはしろうとが考えてもわかるじゃありませんか。三十七年度が六四・八%、三%少ないのです。政府の計画によりましても一年間二%ずつ上がっているでしょう。それからいけば六八%近いものになるのですよ。この点の数字の検討は時間をとりますから文教委員会に譲ります。  そこで、あなたが先ほど答弁しました財源措置についてお尋ねします。六〇%の進学率が六一・八になる。事業量も一・八%に見合って増大したと思いますが、いかがですか。事業量、坪数、校舎、これは六〇%の事業量のそのままですか。それとも六一・八%に進学率を修正した以上は、計画においても事業量がふえてなくちゃいかぬでしょう、これはどうなっていますか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 そういう進学率の増、あるいは単価、構造比率の変更というようなことで、全体の事業量は変わっております。もちろん三十八年度におきまして、百五十四億円の財源措置が二百十二億円というように変わってきております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 財源措置は変わりましたよ。しかしそれじゃお尋ねしますが、一・八%ふえたことに見合う事業量はどれだけですか。その事業量はいつきまりましたか。いいかげんなことを言っちゃいけませんよ。いつきまったのですか。一・八%に見合う事業量がどれだけになっていますか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 今申し上げました要素を含めまして、ことしの一月十一日に閣議で報告いたしまして、全体の事業量、と同時に三十八年度の事業量、事業費というものをきめたわけでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 だから一・八%に見合う事業量はどれだけになっておりますか。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 生徒数のふえたことによりまして、全体の事業量を改定いたしておるわけでございます。その事業量について、たとえば新設、既設等の区別等もございますので、全体としてはそのふえただけの財源措置は、はっきりいたしておるわけでございます。金額についてはいろいろな要素が重なってきておりますから、そのパーセンテージだけで事業量の伸びを律することはできないわけでございますが、一応三十八年度の全事業量は事業費にいたしまして、建物の方では十二億のものを十三億九千万にふやしております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 これは怪しいものですね。私ここにデータを持ってきて掘り下げて聞きたいのですが、時間がないので……。そういたしますと、六一・八%に、今年度一・八%ふやしましたから来年度またふえる。結局全日制の場合三年間で約十二万人近い生徒増になると私は思いますが、これは局長どうなっていますか。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 生徒数にしては約十二、三万人ふえる計算になります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 じゃ、ことし一・八%の事業量をふやしたと、こういたしまして、現実にこの四月からふえていくわけですね。来年、再来年と——これは速記に残しておきたいのです。ふえていくのは疑問に思うのです。事業量についてはそのままではないのか。結局すし詰め学級で、あのところで問題になりましたように、急増対策として一割すし詰めの方式をとったでしょう。新設校も建てる、校舎も建てる、増設もするけれども、一割のすし詰めだということは、一割減の基準坪数ということで算定をしたはずですね。ところがその上に一・八%ふやして、また詰め込まれるのではないかという疑問を持つのですが、そういうことは絶対にございませんか。はっきりおっしゃって下さい。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 一割詰め込みの計算は、既定計画の場合におきましても、今度の改定計画におきましても採用いたしております。しかしそのふえたのに応じて全体の事業量をふやしておるわけでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 非常に時間が経過いたしまして、同僚議員の皆さんにもまことに相済まぬのであります。主査の顔を見ますと、早くやめんかいなという顔をしております、私もやめたいのですが、もう二、三問だけで終わりますから。

今松治郎自由民主党

○今松主査 なるべく結論をお急ぎ願います。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 私はいずれ文教委員会においてこういったこまかい点はお尋ねいたします。しかし予算委員会でございますから……。過日、予算委員会の総括の質問で、荒木文部大臣と池田総理の教育基本法に対する見解の相違について私はお尋ねをいたしましたが、時間不足のために、残念ながら文相の所信をお伺いすることができなかったのであります。端的にお尋ねいたします。私はこれは非常に重要なことだと実は思っておるのです。文部大臣は簡単にお考えかもしれませんが、私どもは非常に重要に考えておるから繰り返しお尋ねをいたしますが、あなたは、同僚議員の村山委員の私の総括質問に続いたことを取り上げて、文教委員会でお尋ねをいたしましたところ、私は出ておりませんでしたが、聞くところによりますと、文部大臣としては教育基本法でいくが、個人荒木としては教育基本法には不満だ、こういうことを申されたやに承わるのでございますが、いかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 文部大臣としても、一国民としても、現行の憲法、法律ことごとくに準拠して行動すべきことは当然のことと心得ております。同時に憲法であれば教育基本法であれ、学校教育法でも、その他もろもろの教育関係の法律につきましても、現在の法律そのままでずっといってよろしいか、現状に即して将来にわたってはこうも変えたい、ああも変えたいという、いわゆる立法論の立場でものを考え、ときに応じて意見を言うということも、また同時に許され、かつまたなすべきことだ、こういうふうに考えておることを申し上げたのであります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 そういたしますと、文教の本質についてとあなたがお書きになった。そこで朝日新聞、毎日新聞を初め、当時の新聞論説という論説を私はあさり読みましたが、これは許しがたい文部大臣であると攻撃をしておる。当時の社説は大へんな文部大臣が出現したと攻撃をいたしました。あなたは、そのあなたの署名入りの論文の中で、教育基本法では日本人はみじんもつくれないと断定をしておりますが、この点はどうなりますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 教育基本法で日本人がつくられつつあります。もっとよくつくるという、言葉は適切じゃございませんけれども、育成していくために教育基本法が識者によって再検討され、よりよきものができたとするならば、もっとよき日本人が形成されていくであろう、そういうことを私は期待する意味をもって立法論を述べたことがあります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 とんでもないです。あなたは教育基本法では日本人はみじんもつくられないと書いておる。あれは取り消しますか。そうすれば私は質疑は終わります。東京新聞にあなたが書いたあれは取り消しますね。教育基本法ではみじんも日本人はつくれないということをお取り消しになれば私はもうこの質問は終わりますよ。私は資料を出してもよろしい。東京新聞社に原稿があります。取り消しますか、いかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 取り消す必要はないと思います。現行の教育基本法で人間形成ができないと言った覚えはありません。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 日本人はみじんもつくれないと書いております。どうなりますか、書いたことはございませんか。これは間違いだったのですか。錯誤でお書きになったのですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 教育基本法があります限り、それの趣旨に従って教育が行なわれなければならぬことは、これは一つのこととして当然のことであることは冒頭に申し上げました。その教育基本法がつくられましたときの環境、諸条件、そういうものを考えあわせてみますると、憲法と同じような意味において、もっとよりよきものに改正をすべき課題ではなかろうか、そういうように当時も思いましたし、今も思っております。そこでそういう意味のよりよき改善へ向かっての努力というものがなされてしかるべしとは別途思いますが、人づくりということに関連して申せば、憲法であれ、教育基本法であれ、さっき申し上げた通り、主権者たる国民の意思の現われとしての憲法、法律、諸制度に従ってすべてのことが、文部省のみならず日教組といえどもこれに従って行動すべきであるということは鉄則だ。それはそれとして別個の問題、立法論としてはもっとよきものにしたいものだという意欲は、今でも持っております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 立法論としての意欲じゃない。私の質問にお答え願いたいのです。教育基本法では日本人はみじんもつくれない、こう言ったことはございませんかと言っておる。書いたことはありませんか。東京新聞に載っておるのです。それを聞いておるのです。ないと言えば、私は証拠をここに出して、じゃ、あなたはお取り消しになりますかということになると思うのです。それはいかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 出したことはございます。その言葉を全部覚えておりませんけれども、いかなる用語を使いましょうとも、現に憲法、教育基本法、その他の法律に従って国家民族の営みが行なわれております。そのことはそれ自身が真実であります。教育基本法がよりよく改正されるならば、もっとよくなるだろうということを申したのであります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 出したことはあります。今お認めになられました。そしてお取り消しにならないのですか。みじんもつくれないと書いた。日本人がみじんもつくれないということは、日本人の教育は教育基本法ではできないということじゃありませんか。それをあなたはお認めになった。今確かに書いた、こうお認めになった。取り消さないのですか。そのままにしておきますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 立法論の立場からものを申すことは、それ自体が意味があるのであって、現実にどうだという問題とは別個のことであります。従って、取り消す、取り消さないの問題じゃない。私はそういう意見を持っておるということでありまして、現実とは別個のものだと心得ております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 教育基本法では日本人はみじんもつくれないという意見を持っておる、こう受け取ってよろしいのですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 みじんもつくれないという用語であったかどうかを正確には覚えませんが、自分の意見を言います場合の一種のゼスチュアとして用語は必ずしも文字通りに受け取れない場合もあり得るわけでありますが、別に逃げるわけじゃございません。表現がある程度過剰であったなどということもあり得るかとは思いますが、根本の考え方は、再々申し上げますように、立法論の立場から現行の教育基本法を識者の知恵もかりながら、よりよきものに改善すればなおいいであろう、人間形成につきましても、もっとよりよき効果を期待し得るであろう、そう思うことを述べたのであります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 そういうことなら、私は問題にしませんよ、文部大臣。憲法にしても、教育基本法にしても、ベストのものであるとは私も思いません。私どもも思っておらない。よりよきものに改善するということは、国民の願いです。しかし私が問題にしておるのは、日本人はつくれないと断定しておる。あなたが「みじんも」ということに拘泥されるなら、「みじんも」と書いてあるのだけれども、これは伏せてもよろしい。日本人はつくれないと文部大臣が断定しておる。今の学校教育は、教育基本法でやっておるのです。そうでしょう。そうしたら今の学校教育は間違いだ、この三段論法が成立するでしょう。教育基本法では日本人はつくれない、学校教育は教育基本法でやっておるとすれば、学校教育のやっておるこのやり方は間違いだ、素朴に言ってこういう論法が成り立ちますね。だから取り消したらいかがですか。取り消しなさいよ。あなたが取り消さないというならば、文部大臣をやめてもらわなければならない。あなたは、文部大臣と個人荒木とは別だとお考えかもしれませんが、これは別じゃないですよ。教育基本法でほんとうに教育をやるのだという熱意を持った方が文部大臣になって、初めて今日の教育基本法の実績が上がる。教育基本法に疑念をはさみ、教育基本法では日本人はつくれないと天下の大新聞に発表されるようなお方が文部大臣になられたのでは困るのです。私は、そういう意見を持つことは自由だと思います。だれがどんな意見を持とうと自由だと思う。しかし今日の日本の教育を担当する文部大臣を引き受ける限りは、教育基本法に対して絶対的な中正の態度でこれをよりよく具体化して、その学校教育の面で実績を上げていくという努力をされる方に文部大臣になっていただかなければならぬと思います。取り消しませんか。取り消さなければ、私は、きょうは質問は終わりますけれども、また同じ問題でいずれかの機会に、私ども社会党はあなたの責任を究明しなければなりません。男らしく荒木さんも九州男児だから取り消したらいい。私の言うことがでたらめであるというならば私は証拠を出します。東京新聞を出します。取り消しなさいよ。こだわる必要はありませんよ。いかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 繰り返し申し上げるようですが、立法論の立場からものを言うことは自由だと思います。文部大臣であろうとなかろうと、それはそういう立法論的な立場において事柄をよりよくする意図を表明するという意味においては、ほめられてしかるべきことだと思います。憲法も教育基本法も、野原さんも万全だとは思われないと同様、私も万全だとは思わない。もっとよくするべき努力をすべき課題であろう、こういう意味のことを述べたのであります。法治国日本において、憲法、教育基本法以下の法律に従ってペストを尽くす努力をする責任が具体的にあり、かつ就任以来それを行なってきておることは、私も人後に落ちないと思っております。そういう努力は在任期間中ペストを尽くさなければならない、また尽くして参る。これは当然のことであります。それと立法論の立場からものを言うということは別個のものだ、かように思います。

野原覺日本社会党

○野原(覺)分科員 あなたが本委員会で答弁されたことがもしあなたの良心に対して間違いでないとするならば、東京新聞に書かれたことはお取り消しになるべきであります。しかし時間の関係があるから、この問題は、いずれあらためて池田総理の御出席を願って私は追及いたします、お取り消しにならぬのでございますから。私は、池田総理とも個人的に話したことがあります。あらためて池田総理に出ていただいて——日本の六十万の学校教師は、教育基本法でやっておるのです。都道府県の教育委員会も教育基本法によってやっておるのです。それを日本人はみじんもつくれないと文部大臣が天下の新聞に書いて、そしてそれをあえて取り消さないというならば、私どもはばかじゃありません、国会にだてで来ておるのじゃありません、これは適当な機会にはっきりしましょう。従ってきょうの私とあなたのこの点に関する速記は、あなたも十分読んでおいていただきたい。このことを申し上げて終わります。

今松治郎自由民主党

○今松主査 午後二時より再開することとし、暫時休憩いたします。    午後一時三十分休憩      ————◇—————    午後二時十六分開議

倉成正自由民主党

○倉成主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  主査が都合により出席がおくれますので、その指名により、私が主査の職務を行ないます。  質疑を続行いたします。村山喜一君。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 荒木大臣に、初めにILOの問題で一言だけお尋ねをしておきたい。  ILOの案件が下旬に提案をされる。それは前に出しました原案通り閣議決定をした。そのときに自民党の役員会が、これを了承をするのにあたって、二つの付帯決議をつけているようであります。第一は特別委員会で一括審議をするということ、第二が問題でありますが、教育公務員の政治活動の罰則を立法化する、この点であります。特別委員会で一括審議するというそのやり方は、これは議運の段階でいろいろ話し合いがなされるだろうと思うのですが、われわれが注目をいたしておりますのは、ILO八十七号条約の批准に関連をして、この際国内法の改悪といいますか、特に教職員の政治活動の罰則を強化する、こういうような付帯条項をつけて審議を開始するという態度、自民党の方は役員会でそういうふうに決定をしておる。それにこたえて大橋労働大臣が、提出後も修正はあり得るという態度を出している、わけであります。  そこで荒木大臣にお尋ねをいたしますが、文部大臣としての荒木さんは、このILOの八十七号批准をめぐりまして、そういうような教職員だけ特別の扱いをするという方法を、おとりになるつもりであるのかどうかという点でございます。というのは、他の公務員あるいは公労協の諸君につきましては、組合員の範囲というものは法律事項で規制をしようとするのに対して、ひとり教職員だけは政令に委任をするということを前に出されたことがある。政令に委任をして、文部省令で学校長と教頭とは組合員になれないのだという形において、これを持っていこうとされた事実が過去においてあるわけであります。そういうようなところから、労働者の団結権の侵害と申しますか、国内法の改悪を便乗改悪としてこの際出していくという基本的なかまえ方が、文部省の中にあるのではないかと世間では見ているわけでございます。従いまして、これに対するところの荒木文部大臣の態度について承りたいのであります。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 閣議決定をして提案することにきめました案が、文部省の考え方であります。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 そういたしますと、自民党の役員会で了承をされたこの問題については、荒木文部大臣としては、そういうような決議があっても、それについては聞いてはおるけれども、自分としては閣僚の一員として、その方針ではないのだ、こういうことでございますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 今申し上げました通り、文部省としての正式の態度は、閣議決定の線でございます。与党の方でどうされるかということは、これはどうも党務のことで、私の関知しないところであります。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 それで了承をしておきます。  次に、高等学校の全入運動に関連をいたしましてお尋ねをしておきます。  第一の問題は、今まで触れられておりますので、焦点だけをしぼって質問いたしますから、お答えを願いたいと思うのでありますが、文部省の昭和三十八年度の急増計画の進学率、入学率の状況を調べてみますと、進学の希望者は百六十二万人であります。そうして百五十五万人を収容するのだという計画であります。その進学率、入学率は九五・七%である。この前管理局長からこの点については説明を承りました。ところがこの中身を調べて参りますと、こういうことになっておるようでございます。いわゆる全日制の公立、私立合わせまして百五十四万一千六百名ということになりますから、残りは定時制の希望者六万人に対して入学のワクというものは八千四百名。百五十四万一千六百名、これは募集定員であって、定時制の進学希望者は六万人おる。それに対するワクは百五十五万、これは概数であると思いますが、これから打ち出して参りますと、定時制の入学のワクは八千四百名ということになります。六万名の希望に対して八千四百名しかワクを持っていないわけであります。ということは、勤労青少年に対する門戸が非常に狭いという結果になる。全日制に通う者は、百五十七万人くらいの進学希望者があって、そのうちの百五十四万人が収容できる。文部省の計画を見ていくならばこういう比率になるようでありますが、そういうふうになっているかどうか、これは大臣でなくてもけっこうでございますから、お答えを願いたいと思います。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 ただいま八千幾らという数字が出たのでございますが、私どうも了解いたしかねるわけでございます。三十八年度の高等学校の入学者数として計画しておりますのは、全日制、定時制を合わせまして、公私立を通じまして百五十四万九千人、約百五十五万人でございます。その中で定時制は十六万一千人を見込んでいるわけでございます。ただ定時制の中には、御承知のように実際には全日制を希望しておりまして、全日制に進学できない者が定時制にいく場合が相当ございますので、実際に就職しておって定時制に入る者は、その中でも約六万人くらいではないかというように推定いたしております。従って先ほどお述べになりました定時制の進学希望者、実際に就職いたしておりまして進学する者の数も、非常に内輪に見まして六万人程度というように考えたのでございます。そういたしますと、それらを合わせまして進学希望者は百六十二万人程度ということでありますので、入学率は大体九六%程度になる、こういうようになっておるのでございます。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 それは初中局長の説明は違うのです。この前杉江さんの説明では、九六%が入学できるという根拠について説明がなされたのです。そのときに全日制と定時制と合わせて百六十二万人の進学希望者がおる。その中の百五十五万人が進学できるのだという説明です。だからその割合は九五・七%で、おおむね九六%という数字だ、そうでしょう。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 この入学率の推定の際には、定時制の進学希望者を一応六万と見ておるわけです。それはただいま初中局長の説明と一致しておるわけと考えますが……。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 全日制の進学希望者というのは百五十六万、それに定時制の希望者というのが六万だとおっしゃったでしょう。そうすればそれと合わせて百六十二万人だ、こういうことで説明をされたはずなんです。そのうちの百五十五万人を収容するのだ、こういうように説明されたんですよ。だから今のあなたの説明と福田さんの説明は違っている。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 百五十六万というのは、これは公私両方合わせた数字と考えているわけであります。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 百五十四万九千人という。私は百五十四万一千六百人かと思ったのですが、その数字は内訳としてはどういうことになりますか。この前資料をいただいたのでは、公立が百七万六百十三人、これは募集定員です。それから私立の方が四十八万一千八百八十二名、こういうように資料をいただいたのですが、その資料は若干の間違いがあって、四十七万九百八十七人、それを足し合わせると百五十四万一千六百人となるでしょう。その募集定員に対して全日制と定時制合わせて百五十五万ということなんだから、資料としては百五十五万から募集定員分を差し引いたのが定時制という格好になるでしょう。——私の言うことが正しいものだから答弁できないのです。  それで問題は、一体今日入学率がどのようになるのか。それから進学希望者というものが百六十二万人程度ということで押えておいでになるけれども、これは過小見積もりではないのかということが問題になってくるわけです。先ほど辻原分科員の質問に対して、まだ客観的な数字というものは握っていないという答弁でございましたから、見込みの問題になってくると思いますが、公立高等学校の募集定員に対するところの応募率、これがどういうふうになった場合にはどのようなことになるというふうに押えておいでになりますか。たとえば東京都の場合、公立の場合は五万人収容する。私立の場合は大まかに言って九万人収容する。その場合の公立の応募率というものが、定員に対して一・七七だ。ほかの県においては一・五四とか一・四九とか、それぞれ応募率が公立高校の設置数によって違っているようでありますが、その場合、全国的にあなた方がこういうような推計をなさる場合、一・五倍の競争率があった場合は、私立の方にそのうち幾らを引き受けてもらえるから、全体の入学率九六%というものは確保できるのだという、客観的な統計に基づく数字をお持ちにならなければならないはずなんです。それがあるかどうかということです。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 全体について申し上げますと、私ども調査いたしました公立の募集定員は全国で百七万、端数がついておりますが、約百七万であります。それに対して入学見込み数は大体百十一万人でございます。それから私立の場合におきましては、募集定員は四十七万で、入学見込み数が四十九万八千ということになっております。合計いたしますと、募集定員が百五十四万一千くらいになり、約百五十四万でございます。それに対して入学見込み数が百六十一万余でございます。切り上げまして百六十二万というふうになっております。これは各教育委員会から調査したものでございまして、東京都の場合を考えましても、先ほど午前の委員会で申しました五千人は別にいたしましても、公立の募集定員は東京の場合六万六千二百四十人というようになっております。それから私立は大体八万六千九百くらいになっております。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 おかしな数字を言われると思うのです。募集定員というのは、文部省の方針に従って一割のすし詰めを認めて、それによって募集定員というものを各都道府県においては出している。それを今度ははるかに上回る。公立の場合には百七万というのが、百十一万に実際はそれだけふえるだろう。私立の場合はこれは営業政策がありますから、若干ふえるだろうということは言えるであろうと思います。しかしながら公立の場合には、法律が制定されて一割すし詰めということで募集をして、その募集定員が百七万六百十三人と出ているのに、百十一万にそれがなるというのはおかしなことです。そして全体が百六十万人くらいになるということをおっしゃるのですが、そうなると、あなた方が最初に出された入学率の根拠というものが、九六%ではなくて、九九%くらいになるのじゃないか。だから、こういうような数字をあなた方が出されておるけれども、これは全くの推計で、当てずつぽうであって、何ら科学的な根拠がないということを明らかにしている数字ではありませんか。そういうようなところに今日の高等学校に進学できない、小学校のときには青空教室で、中学校のときにはすし詰めで、高等学校は狭き門で、首つりまでやらなければならない、こういう社会現象が出ている原因は、文部省の一貫しないところのずさんな計画にあるのじゃありませんか。  この問題を追及しておりますと時間がありませんので、次に進めますが、私立の入学金の問題でございます。  これは今までいろいろな意見を調べてみますと、入学の契約の証拠金であるという説がある。それから手付金であるという説がある。あるいは一つの慣習であって、規則を承認をして受験をした以上は、これは民法、商法を越えるところの強制力を持つものであるとみなさなければならない、こういう説もあります。そこで文部大臣は、文部省の統一的な見解というものを、この際明らかにされる必要があると思うのであります。文部省は、この私立の入学金というのは、どういう性格のものであるのかということを明らかにされたことがありますか。また入学金の性格をどういうふうに見ておられるのか、この点について統一的な見解を承りたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 民法的な法律概念としてどうなんだということは、私にも思いつき以外のことは申し上げかねます。またそれ以外の立場から、どういうふうにこれを解すべきかという統一見解というほどのものを、特に検討したことはございません。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 これは後日でけっこうでございますから、統一見解を出してもらいたい。そうしなければ論議が発展をしないわけです。  そこで大臣にお尋ねいたしますが、私立学校といえども、これは公の支配に属する学校であります。憲法、教育基本法、学校教育法のもとにおけるところの学校法人であり、学校教育がなされているわけであります。このことは何人も疑うわけには参らないのでありますが、そうなるとするならば、いわゆる授業料というものを徴収できるというのは、学校教育法に書いてあります。しかしながら入学金やあるいは施設設備の整備拡充費、こういうようなものを父兄あるいは学生から取り立てるところの根拠は、今の教育法体系の中において、どのようになっているのかという点を承りたい。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 学校教育法施行規則の第四条に、「学則中には、少くとも、次の事項を記載しなければならない。」、その第七号に「授業料、入学料その他の費用徴収に関する事項」、入学金というのは、ここにいう入学料にやや相当するものと考えております。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 そういたしますと、学校教育法施行規則も、当然私立学校の場合には適用されるわけであります。とするならば、そういう学則の定めをした場合において、当然認可をするかしないかということが、監督官庁としてきまるわけです。学則の変更についても、これは私立学校法の施行規則によりましても、変更申請の手続をしなければならないことに相なっておる。とするならば、監督官庁である——高等学校は国立を除いて文部大臣の監督下にはございませんが、この監督官庁である都道府県知事、これが認可権を持っておるものだとお考えになりますか、どうですか。その点についてお尋ねをします。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 学則の変更は届出事項になっておるわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 届出事項になっていた場合に、届け出なかった場合にはどうなりますか。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 これは法律その他の法規に違反する行為でありますから、これを注意して、その届出をさすように指導すべきものと考えます。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 そういたしますと、そういう行政指導をあなた方がやられる、あるいは都道府県の知事がおやりになる、こういうことになるわけでありますが、そういうふうになって参りますと、入学金というものの性格でありますが、入学金は規則で定め、あるいは学則で定める、あるいはこういうような手続を経て初めて徴収ができる、このようになりますと、その他というのがありますね。この入学料あるいはその他施設設備の整備拡充費、こういうようなものは、どこに限界を引いて、これが正しいとか、これがどうだとか、こういうような一つの基準のあり方は、どこに設定をされておいでになるかということ、この点はどうですか。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 その金額等についても、基準等は現在定めておりません。私立学校については、全般にその自主性を尊重するという立場から、ただいまも申し上げました学則等についても届出事項にしておるというようなことで、全体の考え方がその自主性を尊重していく、こういう立場でおります。そこで私立学校の正常なあり方のために、私どもとしてはある程度基準的なものを用意しておるものもございますけれども、今の授業料、入学料その他の費用徴収等につきましては、基準とすべきものを示してはおりません。私立学校の良識にまかしておる次第であります。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 法律の中で授業料は取れるということが明らかにされているのに、さらに入学金その他の施設整備の費用まで学則の中に記入したから取れる、こういうふうに一面的に割り切っていくことについても問題があると思うのですが、かりにもしそれが規則に従って許されるとしても、当然私立学校は学校法人であり、公益法人である。そうして憲法、教育基本法、学校教育法等の公の法秩序に従わなければならないとなって参りますと、憲法第二十六条のいわゆる能力に応じて教育を受ける権利というものを、私立学校の場合にどういうところまで推し及ぼせるかということが、社会的な一つの限界として打ち出されなければならないと思うのですが、その点はいかがですか。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 私立学校への入学を法律との関連において、教育の機会均等という見地からどう考えるかということについては、私は私立学校の特殊性ということとの関連において考うべき問題だと思います。たとえば授業料が公立より高い、また入学金が高い、そのことのために直ちに教育の機会均等が阻害されているとは、必ずしも考えられない問題であります。義務教育の段階におきましては、公立に入るところを私立に特に希望して入るというような状況において、それらの区別があることが、教育の機会均等を阻害するとは言い得ませんし、また義務教育でない段階におきまして、それらの授業料、入学金、その他に特別なものがあるということが、直ちに教育の機会均等に反するとは考えられないと思います。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 小学校や中学校の場合には、教育の選択について私立を選ばなくても、公立が厳然としてありますから、これについて教育の機会均等の問題は取り上げられません。しかしながら現に東京のように、公立の方が少なくて私立の方が多い場合には、当然公立だけでは収容し切れないのだから、私立でも同じような教育の機会均等という問題を、憲法に定めてある点から見て考えていかなければならない公の責任が私はあると思う。そういうような立場において、あなた方は行政指導をしなければならないのじゃないですか。そのような観点から、教育の機会均等に沿うような打開策があるかどうかということをお答え願いたい。  これはある高等学校のことしの例ですが、内訳は、入学金が二万円、施設整備拡充費が五万円、授業料が四月分一カ月分で四千二百円、そのほか学友会の入会金が一万円、それから後援団体の入会金が三千円、そのほかにもありますが、かれこれ合わせて七万九千七百円、こういうような経費を取ることによって、教育の機会均等が期し得られるかどうかということです。これはどうですか。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 法的な意味の教育の機会均等は、そのような事実があるからといって、憲法の規定に反するような性質のも、のでは私はないと思います。ただ能力のある者が広く進学できるように、その進学を容易にするような配慮は、教育政策として当然とられなければならない問題である、そしてそのことが、実質的にすべての者にその能力に応じて進学することを容易にする、こういう意味はあると思います。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 だからこれが容易にしておりますかどうかということです。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 現実はその点においては、私はそのような事実は、必ずしも進学を容易にしているものではないと思います。ただ、だからどうするかという問題になれば、現実の私立学校のあり方という見地から、それを直ちに不当であるという結論は、なかなか下し得ない問題だと考えます。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 そこで、公取の方がお見えになっておりますのでお尋ねをいたしますが、独禁法の問題としてこの問題を取り上げて考えた場合には、こういうような社団法人、公益法人である私立学校経営者によって、第二条で定める「その他の事業者」として、不当な対価による取引というものが行われた場合には、これは当然独占禁止法の制約するところでもありますし、公取委員会の告示の十一号によれば、不公正な取引方法の内容規定として、第四項に正当な理由がないのに、相手方により差別的な対価をもって供与を受けるという条項が明らかに入っております。とするならば、次の事項についてはいかがでありましょうか。というのは、定員五百名という学校でありますが、定員より少ない合格発表をして、そして第一次の補欠入学者に対しては三口の特別寄付金、これは一口が一万円であります。第二次については五口の施設拡充の特別寄付金、だから五万円であります。第三次については十口ですから十万円、こういうような方法で徴収した場合には、入学の募集定員よりも少ない発表合格者数をあらかじめ予定をし、そして故意に一次から三次までの補欠入学者をつくり上げて、それによって不当な対価を得ているという事実が明らかに発生している。こういうようなものは当然不公正な取引の条項に当たると思うのですが、その点についてはいかがでありますか。

小沼亨総理府事務官(公正取引委員会事務局長)

○小沼政府委員 ただいまの入学金の差別の問題は、確かにあまり好ましいことではないと考えますが、独禁法にいう独禁法の対象は「事業者」ということになっておりまして、独禁法の「事業者」というのは、「商業、工業、金融業その他の事業を行なう者」ということでございまして、この際も「その他の事業」という中には、交通業だとか農林業だとか水産業だとか、そういった一般経済事業を行なうものをさしておるということで、従来解釈して参りました。従いまして、学校がこういう行為を行ないましたときに、これを独禁法上の「事業者」の行為として独禁法の対象にするのは、従来の扱い方からして無理ではないかと考えております。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 独禁法ではこういうような「事業者」については、たとえば協同組合とか、そういうようなものは適用除外にする、こういうようなことが書いてあるわけです。そして第二条の「その他の事業を営むこと」という、「その他の事業」の中には、民法三十四条による社団法人が入るのだということが規定されておる。とするならば、学校は公益法人であり、学校法人でありますけれども、当然そういう事業を営む業者に私立学校の場合にはなる。現実において、こういうような問題が現に出ておるじゃないですか。これは不公正取り扱いであると言わなければならない。なぜかならば、当然欠けるであろうということを想定をしておりながら、募集定員一ぱいでさえも入学を許可しないで、第一次、第二次、第三次と不当に——当然欠けた場合には補欠入学で、前に合格した者と成績の順によってきめるわけでありますから、当然正規の入学者にならなければならないにもかかわらず、それから不当に利得を得ている。こういう状態が出ているわけですから、この点については御検討を願いたいと思うのですが、どうでしょう。

小沼亨総理府事務官(公正取引委員会事務局長)

○小沼政府委員 ただいま申しましたように、はたして独禁法上の対象になるかどうかわかりませんが、非常に問題もございますようですから、独禁法上はたして取り扱い得るものかどうかという点については、御指摘の通り検討いたしたいと思います。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 法制局にお尋ねをいたしますが、これは民法の九十条の公序良俗に反する行ないである。公の秩序または善良の風俗に反する事項を目的とした法律行為は無効とするということがある。そうすると、今まで私立学校の経営者は、これは一つの慣習法である、こういう建前に立っておりますが、この問題を取り上げてみましても、いわゆる契約であるという解釈も、まだ統一的に文部省としては出しておりませんが、このように、明らかにこういうような事態が出ているわけです。たとえば、定員が五百名しかない収容能力、学校教育の上から考えて、五百名入れた場合においてようやく教育ができる。にもかかわらず、それを千二百名合格発表をする。そうしますと、千二百名分から入学金を取るわけであります。それは欠けるであろうということを想定するわけですが、その場合においては、明らかに千二百名を収容しても、これはそういう正常な教育が行なわれる施設は持っていない。にもかかわらずそのようなことをやるというのは、これは幾ら慣習法であっても、民法九十条にいうところの公序良俗のこの法則に違反をする疑いがある。これは一種の詐欺行為ではないかとさえ考えられるわけでありますが、そういうような見解というものはお持ちならないかどうか、お尋ねをいたします。

山内一夫内閣法制局参事官(第一部長)

○山内(一夫)政府委員 今の入学金の問題を法律上問題にするとすれば、今先生がおっしゃいました通り、私は現行法では民法九十条の問題になる。ほかではどうも、現行法ではそう問題にすることではないのではないかと思っています。民法九十条の考え方からいって、この入学金の問題をどう考えるかということになりますと、御承知のように民法の九十条の具体的な適用の問題というのは、裁判所の判例をつくって、だんだん確立していく問題のように思うわけでございます。今先生がおっしゃった御見解というものは、私は一つの考え方としてはあるいは成り立つ。それを成り立たないというふうに私の方から申し上げるべき根拠もないと思うのです。しかし私としては、こういうものは個々のケース、特に今の場合におきますと、私立学校のいろいろな立場、経営上のいろいろな困難というものも考える面があると思います。両当事者の方のいわゆる利害の問題というものをもう少し分析してからでないと、具体的なことはなかなか言えないのではないか。裁判所でもこれをかりに取り扱ったときに、結論を下す場合には、その辺の事情をやはり非常に具体的に考慮した上で、決定する問題ではないかと私は思います。ですから、ここでこれが民法九十条の関連から、無効になるということを言い切る自信は、ただいま持ち合わせておりません。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 私は入学金を取る取らないという問題で言っているのではない。ただ募集定員が五百名であるにもかかわらず、それを千二百名もとる。こういう事実が過去においてあったのですよ。これは明らかに詐欺行為じゃありませんか。だから、これは民法九十条からいって、こういうようなのは違法と言わなければならない。どうでしょう、その解釈は。私は正しいと思うのですが……。入学金を取るなんということは言っているのじゃありませんよ。その点はいかがですか。

山内一夫内閣法制局参事官(第一部長)

○山内(一夫)政府委員 それはおっしゃるように、確かに、ほんとうの大学教育に値する教育をやろうとすれば、五百人しかやれないというのに千人とるということになれば、これはあるいは詐欺的な要素を含むのではないかと思います。ただ現実の問題として、いろいろな学校側の方の事情というようなこともあるかと思います。たとえば校舎を増築するとか、いろいろな努力というものはある場合にはありましょうし、それは全部そういうふうに言い切れる事態であるかどうかというのは、現実問題ということに相なるのではないかと思います。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 具体的にはどうせ裁判で争われることになりましょうが、私はそういうふうな見解を持っておる。入学金の問題については、法制局の方でも一つ御検討を願いたい。  そこで、こういうような入学金の問題をめぐりまして、各界の意見が日本教育新聞に取り上げられた。その中で内藤次官は、次のようなことを言われております。大臣これは御承知かと思いますが、「いずれにしても現状では私立の良識に期待するよりない。法律をつくって四月に入ってから入学金を払うようにする方法もあるが、なるべく法の力を借りないで私立の良識に待ちたい。しかし、世論が盛り上がれば、もちろん法律をつくって現状を是正する。」こういうふうにはっきりと内藤次官は言われたということが新聞に出ております。文部大臣としてはこういうような方針でありますか、どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 前段のことを考えて、当面は処置すべき段階だと思います。この問題に限らず、客観的にものをとらえて、立法措置を講じなければ、学校の場合であれば、学校教育目的というものが阻害されるというおそれありとせば、立法措置を講じる時期が来ないとは言えませんけれども、今直ちに立法措置を講じなければならないというふうには、私としては今は考えておりません。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 これはもちろん個人の見解として出されたのでしょうが、世論が盛り上がれば法律によるところの規制をやって現状を是正する、こういうように内藤次官は言っているわけです。大臣は、今直ちにやる考え方はない。大臣が今直ちにやる考え方がないというのは、これに対して具体的な解決の方法がおありになるから、そういうことを言われるのですか。ないとすれば、大臣はこの現状を放置しておこうとされるのですかり現実にはすでに、子を持つ親たちは、私立学校を本来から受けたいと思わなくとも、公立の学校をつくってくれないから、やむを得ず私立学校にも試験を受けなければならない。成績の悪い子を持てば持つほど、二つも三つもかけて入学試験を受けておかなければならない。そのためには、そこに十万なり二十万というなけなしの金をあちらこちらに行って借金をしながら、子供たちのために払っているという現状がある。そういう現実をあなたは是認をされるわけですか、どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 現実は現実でありまして、是認するもしないもないと思います。そういう現象、そういう事態というものがなぜ起こるのか、それに対してどういうふうな処置を講ずべきかということにつきましては、さしより、この国会に法律案を提案してこうするのだ、あるいは予算を新たに提案してどうするのだという形では、時期すでにおそい時期でございますから、かりにそういうやり方で立法もしくは予算措置等で考えることなりといたしましても、それは次の機会を待たざるを得ない。ことに新聞等に出ております実態を把握するにしましても、もっと責任を持って真相を把握しなければ、立論することは早い面もあろうかと思います。そういう考え方に立って、今のように申し上げたのであります。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 そういたしますと、実態を調査した上で、そういうような弊害が現実においてある、だからそれに対しては何らかの措置をしなければならないということになりますと、大臣が任期中の間におやりになる御意思でありますか、どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 それは先ほど申し上げましたように、実態を把握して、客観的な姿をとらえ得ました上に立って、立法措置を講ずべきものとするならば、もちろんやるべきことだと思います。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 私は問題は、そういうような状態にあるのは、一つは政府に責任があると思います。というのは、三十七年度、三十八年度の高校急増対策の中におけるところの、あなた方の私立学校のこの計画というものを見てみますと、三十七年度においては六十億の事業費計画を持っておる。そのうち振興会の方から融資がなされているのは二十二億円、国庫補助金は二・七億円、とすれば、それに地方交付税は、これは地方財政計画の中で見られたのは十億円、それの実績が十七億三千万円ですから、差引いたしまして、これは財源的に措置されたのは、初めの計画では三十四億七千万円、そしてその後十億の交付税が、実質は各都道府県が一生懸命やりましたために、十七億三千万円、ですから、差引八億円という穴があいているわけです。この穴を私立の経営者は、入学金やあるいは施設整備金という形で集めなければ、経営ができない。資金的にやりくりがつかぬわけです。そこで今日の、昭和三十八年度のこういう問題が、また輪をかけて大きくなったのではないか。とすれば、昭和三十八年度のあなた方の計画は、事業費が六十七億円だ。その中で見ているのは、振興会の融資としては二十七億円、それに国庫補助金が四億二千万円、それから地方交付税の中で見られるその助成金が十億円、そうするならば、不足しているのは二十五億八千万円。昨年は地方交付税の中で、各地方団体が私学に対する助成金を計画よりも上回って出したために、八億円の不足で済んだけれども、三十八年度は今からやってみなければわかりませんが、今のところでは二十五億八千万円という不足金がある。この不足金を父兄、入学を許可された者、そういうような者から巻き上げなければ、私立学校の経営が成り立たない、そこに根本的な原因があるのではないか、このことはどうでありますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 お話のような意味合いも、否定するものではございませんが、私学の入学者等から寄付金を徴収する。授業料、入学金は一応別にしまして、寄付金もしくは寄付金と目すべき金が入学者の父兄から出されておる。そういう事例は、いわば慣例的、慣習法的に平穏かつ公然に、明治以来行なわれ来たっておる姿だと思います。その程度が幾らか高まりました。あるいはまた入学する側も、すべりどめを幾つも用意するというような風潮も、最近とみに出てきておるようにも思われるわけですが、それらの事柄が一緒になりまして、特別に問題になりつつあることは、遺憾ではありますけれども、そういう寄付金に期待をするという考え方、やり方というものは、少なくとも今までは慣習的に一般国民、受験者の父兄というものも、心理的な内容は別といたしまして、世間的には一応納得されながら、今日まできておる姿だと思います。だからといって、放置してよろしいと申し上げる意味でないことは、先刻お答え申し上げたことで御理解いただけると思います。従って今日の段階における実感を十分に調査、把握し、その上に立って冷静に、今後に対する考え方を打ち立てねばならない問題であろうかと存じております。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 私学の問題は、これは非常に大きな問題でありますので、そういうような世論の実態、現実において問題が起こりつつあるのですから、そのような意味合いから、今後どのように対処すべきかという対策を文部省としては、やはり国会に、国民の前に明らかにされなければ、これは仕方ありません。そういうようなのは、しばらくたてばおさまるでしょうというような無為無策の手では、私は文部省の行政責任というものは、国民に対して果たされないと思う。そういうような点から、この問題については、やはり文部省としてこういうような方向をもっていくのだという方針を出して、池田内閣としても今後の対策を明示願いたいと要望を申し上げておきます、  そこでまことに済みませんが、あと五分程度で終わりますが、お許しを願います。

倉成正自由民主党

○倉成主査代理 なるべく早くお願いいたします。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 財政課の茨木さんにお尋ねいたしますが、ことしの事業計画が二百十二億円、これは政府計画であります。国庫補助が三十一億、起債が九十億、それに交付税が九十一億、ところが今度地方財政計画を見てみますと、あの中に一般普通建設事業という費目がありますが、単独事業として百四十八億が高校急増のために使われるというふうになっております。とするならば、この問題は、政府計画と都道府県の計画との間に、事業量において四十二万七千坪、金額において四百九十七億円の差が、現実においてもある。そうして三十七年度の政府計画と都道府県の計画の金額上の開差は百五十二億円、三十八年度においては百四十七億円だ、こういうようにわれわれは聞いておるのであります。とするならば、この単独事業の百四十八億というものは、この開差に相当する百四十七億と見合うものであるのか。二百十二億の中におけるところのいわゆる起債と交付税の百八十一億の中で、単独事業の百四十八億が考えられているのか、それは積み重ねられているのか、その点について説明を願っておきたいと思う。

茨木広自治事務官(財政局財政課長)

○茨木説明員 ただいまの点は、二百十二億の中には国庫補助事業がございますので、その分は国庫補助を伴うものの方に入って参ります。その残りの分が単独事業の方に上がって参りまして、それが百四十八億、こういうことになるわけであります。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 わかりました。そういたしますと、やはりわれわれが問題にしなければならないのは、この政府計画の二百十二億という計画と、現に都道府県で進めておる計画、これとの間に三十八年度においてもなお百四十七億の開差がある。このことは自治省としてはお認めになりますかどうですか。

茨木広自治事務官(財政局財政課長)

○茨木説明員 二百十二億の政府計画の内容そのものの問題であろうと思いますけれども、これは生徒急増対策としての部分を取り上げておるわけでございます。従ってそれぞれの団体において計画するものについては、このほかにまたそれぞれの団体の必要によって延ばすものがあるかもしれませんが、一応政府といたしましては、急増対策として二百十二億、こういうものを基礎に計画を立てるということで進めておるわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山分科員 この分につきましては、この開差がなお百五十億くらい現実にある。この分については起債をもって処理するか、何らかの財源的な措置を講じてもらいたいと思うのですが、これはまた自治省関係の予算分科会で申し上げたいと思います。  私の質問は以上で終わります。

倉成正自由民主党

○倉成主査代理 玉置一徳君。

玉置一徳民主社会党

○玉置分科員 ただいまの問題に関連いたしまして、一言文部大臣にまず冒頭にお伺いいたしたいと思います。  ただいまの私立学校の入学金の問題でありますが、私は契約だと思います。しかし非常に弱いものの上におぶさった契約でありますので、法律以前の問題であって、まずよくないことは行政指導して、学校目的を到達するようにするということが一番肝要ではないか、こういうふうに感じるのでありますが、私立学校の皆さんと一緒に御懇談をされまして、すみやかにこういう世の中の世論に対して、反応を示されることが望ましいのじゃないか、かように思いますが、御所見はいかがでありますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 学校の利用関係が、生徒ないしはその保護者と学校との間の契約関係であることは、私ももちろんそう思いますが、入学金がいわゆる手付と言わるべきものなのか、利用関係の授業料の前納というふうなものであるのか、いろいろとございましょうが、そういう法律問題は別としまして、今の御質問は世論的にやかましくなっておるのだから、それに対処するような心がまえで、政治的もしくは行政的に善処すべきではないかという御忠言を込めた御質問でありますが、もちろん先ほど来お答えしておりますような考え方をもって善処せねばならない、そう思っております。

玉置一徳民主社会党

○玉置分科員 それで私の質問を始めたいと思うのです。  まず最初にお伺いを申し上げたいのは、義務教育諸学校施設国庫負担法の改定についてであります。御承知の通り小中学校施設につきましては、いわゆる終戦っ子が非常に入学して参ります入学増加に対処いたしまして、昭和二十八年に小学校不正常授業解消促進臨時措置法が制定されたわけであります。これは国庫補助がわずかに三分の一、基準坪数に至りまして、文部省もさすがに応急最低基準という名前でお呼びになっておりますが、生徒数一人当たりわずか〇・七坪にすぎません。中学校は公立学校施設国庫負担法によりまして、国庫補助二分の一であって、基準坪数は二十八年制定の、これまた暫定最低基準という名前で呼ばれておりますが、生徒一人当たりわずかに〇・九一八坪にすぎず、これが危険校舎に対する措置と一緒に何らの改正を見ないままに、昭和三十三年に一緒にまとめられまして、義務教育諸学校施設国庫負担法として現在に至っているのは、御承知の通りであります。このように時代離れのしました非常に低い補助率の上に、しかも基準坪数が実際の必要に比べてまた非常に低い。あまつさえ建築単価が今日までは実情にそぐわなかった。その上に少ない木造しか従来割り当てておりませんでしたのを、やむなく永久構造物の建築をせざるを得ないという場合も、少なくなかったわけであります。さらにはまた校庭敷地というようなものも、多額の費用が要りますにかかわらず、補助起債の対象に該当しない。こういう理由が積もり積もりまして、設置者であります町村あるいは府県は、必要な最低の需要を満たすために、低い補助率はますます実質上低くなっておる。これがひいては父兄の負担として肩にかかっておったというのが、今日までの学校施設の整備の偽らざる実情だと言わなければならないと思うのです。このことは長らく文部大臣の職においでになりまする荒木さんの、よく御承知のことと存ずるのであります。  そこで大臣に申し上げたいのは、大臣が非常な熱意を持って、その実現に昨年来御努力いただきました教科書の無償配布、このことは昨年のこの分科会におきまして、私の質問に対してもお答えをいただいたのでありますが、義務教育の費用もできるだけ国庫で全額負担をしていきたいという御熱意の現われである、こう思いまして、その意味におきまして、私たちも心から敬意と、その労に感謝をいたしておるわけであります。同様な意味におきまして、義務教育の場を提供する施設の整備充実は、教科書無償配布と同様な、むしろこれに優先して、全額国庫負担として措置すべきものと考えねばならないと思うのであります。  さらに文部省の施設の整備計画につきまして一音いたしますと、昭和三十三年から策定を見ました中学校の不正常解消の五カ年計画は、本年度三十八年度をもって大体完了を見ることになったわけで、あとは社会的人口増という、ごく特殊の場合を除きまして、一応の完了を見たわけであります。三十二年の調査に基づく危険校舎の改築もまた、三十八年度に若干の積み残しはあるとはいいますが、なお、それから後発生しました危険校舎の問題もございますけれども、一応これまた本年度、三十八年度をもって完了を見るわけであります。  こういうように見て参りますと、教職員の人件費を除きまして、文部省予算の重要な部分を占めております義務教育施設の国庫支出の大きな柱は、本年をもって一応の完了を見ることになったわけで、しかも近い将来、生徒数の増加ということが見込まれる客観情勢ではございません。こういう観点から見ますと、施設の充実をはかるべき一番いい機会ではないか。言葉をかえて申しますと、昭和二十八年以来、しんぼうにしんぼうを重ねて参りました文部当局の悲願は、今こそ実現するにふさわしい時期に到達したのではないかと思われるわけであります。  そこで端的に文部大臣にお尋ねを申し上げたいのでありますが、義務教育学校施設の整備充実を期するために、大臣は義務教育施設国庫負担法を改正して、来年度通常国会に提案される御意思があるかどうか。その際、義務教育施設につきましても、教科書無償配布と同様に、できるだけ全額国庫負担の理想に燃えて、従来の補助率を引き上げる御決意があるかどうかということについて、御所見を承りたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 義務教育の人的、物的設備ないしは学用品等が、適正に整備充実されるべきことは、お説の通りで、いささかの異論もございません。当然のことと存じます。ただ思いまするのに、義務教育諸学校の設置責任者は、市町村という建前でございます。施設設備について、国費にするか、現状通り原則として二分の一負担ということでいくか、いずれかというならば、国費一本でやった方が、地方財政のそのときどきの変動に応じて、むずかしい問題が起こらないで済むであろうという一種の期待は持てるお説だとは思います。ですけれども、憲法でいう義務教育の無償ということを、どうとらえるかという問題で、正確なことは申しかねますけれども、少なくとも義務教育の施設を通じて教育を受けるについて、一種の対価と思われるようなものは負担させない趣旨だと承っておりますが、そういう前提に立ちますれば、義務教育諸学校の施設設備の整備に関連します限りは、国費一本化、国費、公費二本立てで協力してやるかということは、形式的にはちょっとぴたっとしない課題であろうかとも思います。その意味におきましても、さしあたりお説の通り義務教育諸学校施設費国庫負担法の趣旨を、国費一本に変えるという角度から、次の通常国会を目ざして努力するという気持は、今のところございません。要は国費と公費を合わせまして、御指摘のような施設を十二分に整備されることが望ましいことと思いますが、国費のみにより行なう考えはないと御理解をいただきたいと思います。

玉置一徳民主社会党

○玉置分科員 そこで、そういうお答えでございますと、百尺竿頭一歩を進めまして、小学校の教室の三分の一の補助にすぎないものを、すみやかに二分の一まで引き上げなければならないことは当然だ、こう思うのですが、次にお尋ねを申し上げたいのは、小中学校とも実習室、図書館あるいはクラブ室、個別指導室、放送室というように、教育実施上絶対に必要な施設になっておることは周知の事実でありますが、地方公共団体やPTAの負担におきまして、それぞれこれらは不完全ながら実施されつつあるのも、また実情でございます。ましてや所得倍増計画に見合っての産業教育の振興の叫ばれております今日、昭和二十七年や二十八年に定められたような応急や暫定の最低基準坪数では、とうてい実情に沿えないということは、大臣もよくおわかりのことだと思います。いろいろな先に必要な計画がございまして、きょうまで実現の運びにならなかった事情も、わからぬことはございませんけれども、先ほど申しましたような意味合いにおいて、今こそこれを改訂すべき時期だとわれわれは思うのであります。そこで先ほどの義務教育諸学校施設国庫負担法の改正と関連いたしまして、すみやかにこの古い基準坪数を大幅に改訂いたしまして、現在の教育が実際に必要としている実情に合致するようお改めいただきたいと思うが、どうでありましょう。  その次に、その際従来お預けのままになっておりました小学校の屋内体操場は、当然国庫補助の対象とすべきだと思いますが、これについてどうお考えになるか。  三番目に、昨年も申し上げたことでありますが、そういうような意味で危険校舎や災害復旧の場合も、現在は基準坪数の分だけが対象になっておるのは御承知の通りであります。従来の、先ほど申しました通りPTAもしくは設置者の負担におきまして、基準はいかにあろうとも、実際に必要な坪数を現に所有しておることは事実でありますが、それが火災その他災害のためにこわれた場合は、災害復旧の基準に合致したものだけは、少なくとも対象として取り上げてあげるように改正せなければならないのじゃないか、こういうように三番目に思うわけです。   〔倉成主査代理退席、主査着席〕  その次に、昨年度も申し上げたのでありますが、学校敷地の問題も、昭和二十八年や二十九年の場合とはかわりまして、相当な負担になっておることも事実でございます。これが今度の改正にあたりまして、これも対象に入れるように措置すべきだと思うのでありますが、どういうようにお考えになるか。  さらに五番目といたしまして、将来生徒数が小学校におきまして減少していくことは御承知の通りでありますが、それを現在のような一人当たり生徒数何坪という計算では、実情に沿い得ないようなところができてくるのではないか。ある規制は要ると思いますけれども、学級数についてどうという建築基準も、あるいは考慮せざるを得ないようなことになるのではないかとも考えられるわけでありますが、以上五点につきまして、大臣もしくは政府委員の方から御答弁をいただきたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 今の御指摘の点は全部賛成であります。義務教育に関しまする限り補助率は二分の一たるべし、そういう主張は文部省は従来から持っております。大蔵省との間に一部意見の相違はございますけれども、ぜひ賛成してもらう努力を続けたいと思っております。一々の案件につきましては、具体的に政府委員から必要ならば申し上げます。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 御指摘の諸点、私ども公立文教施設の仕事を担当している立場から、まことにごもっともと考えます。そのような御指摘をありがたく感謝いたしているわけであります。  御存じのように公立文教施設整備の今後の課題としては、一つは御指摘のように基準の改訂ということが、まず第一になされなければならないと考えております。この基準の改訂、それはその基本構想としてやはり生徒一人当たりを学級単位に直すということ、それから特別教室の見込み分が現在きわめて薄いので、これを教育課程の命ずるままにそれの実施できるような、特別教室を整備できるような基準に引き上げる、この二点が大きな点でございます。そのような基準の引き上げをしないから、御指摘のように危険改築その他災害復旧等にあたって、補助対象の資格坪数が非常に少なくなる、そのために地方負担が非常に多くなる、こういうことが現実でございます。そのような点を改めるのには、まず第一に基準坪数を改めなければならない。これは実は当面早急にこれが改訂に努力すべきだと考え、ただいまもそのように努力をいたしておるようなわけでございます。  それから小学校屋体につきまして、これは従来戦災復旧分について見られておったのでありますけれども、三十八年度予算において残念ながらこの予算の獲得かできませんでした、私どもは小学校の屋体は、戦災復旧分のみならず、一般補助の対象にすべきものだ、こう考えております。これは明年度以降の予算において、ぜひとも実現しなければならない課題であると考えております。  それから学校敷地の問題でございますが、これも現実に何とか財源措置をすべき問題と思われますけれども、直ちに補助金交付でいくかどうか、あるいはその他起債等の措置も考えられますが、これらについて現在のところ、まだ十分関係各省とも打ち合わせをしておりませんが、私どもも現在確たる成案は持っておりません。今後十分検討して参りたいと考えております。  以上で大体お答えしたかと思いますが、なお基準改訂、その他小学校屋体を一般補助の対象にし、そしてまた負担率等を整備する、こういうことに関連して、当然付帯法の改正の問題が起こるわけであります。先ほど大臣の申されたことは、国庫において全額を負担する、こういうふうな趣旨の改正は考えておらない、こういうふうな御趣旨があったかと思いますが、私どもは以上のような諸点を考えまして、三十九年度においてはぜひとも法改正をいたしたい。なお基準改訂については早急にやりたい、かように考えて努力いたしております。

玉置一徳民主社会党

○玉置分科員 次に施設の構造比率と単価でございますが、昨年度も本分科会におきまして荒木文部大臣にお尋ねをいたしたところでございますが、今年度からは統合の場合の永久構造と木造比が八〇対二〇、危険校舎が七〇対三〇、新増築の場合が六〇対四〇で、昨年度よりはよほどよくなっておることは率直に認めまして、感謝をいたします。しかしながら御承知の通り義務教育の諸学校は、それぞれの地域でいつも言われます通り、いろいろな非常の場合の避難場所であり、かつはまた国家財政から見ましても、長い目で見れば永久構造物でやる方が、はるかに得であるわけであります。先ほど申しましたように、ことしが大体考えられる一番いい時期だと思いますので、来年度からは、従来から叫ばれました通り、永久構造物にできるだけ設置者の希望と申しますか、需要がかなえられるまで一つごがんばりを願いたい。単価の引き上げが従来とも非常に低うございましたので、補助率をさらに実質的に低める要素を持っておったのでありますが、ことしはずいぶんと直していただいたことも事実であります。これは毎年気をつけていかぬと、じきに差が開いてくるわけでありますので、今後とも十分の御努力を一ついただきたいということをお願いいたします。  次にお尋ねを申し上げたいのは、通学費の補助についてであります。文部省が学校統合の御指導をされます際に、その成果の上がるにつれまして、遠距離通学者の通学費補助というものが非常に問題になって参りまして、昨年も私はこの分科会を通じまして文部大臣にもお願い申し上げ、その後文部省並びに自治省に参りまして、実情を申し上げて御陳情したわけでありますが、御承知の通り文部省ではスクール・バスという制度をお設けになっております。それの補助率は半額でございますが、バス一台で定時に一つの学校に集中させるということは、事実上不可能でございまして、ほとんどが在来の交通機関を利用されておる。設置者は大体通学費の半額の補助をしておるというのが実情でございます。この金額が、私の方の一つの例をとりますと、京都府の北桑田郡京北町では実に五百二十万円、先日行って調べて参りました。その他美山町あるいは船井郡の日吉町、八木町、園部町あたりは、百万円ないし三百万円というのが実情でございます。なるほど統合いたしましたために、国並びに府県の教職員の方のあれは若干減ったと思いますけれども、設置者の方ではかえって負担を多くしておるというのが実情でございます。幸いことしは文部省の方で特別交付金の算定要素の中に、通学費の補助は全国平均一人当たり四千円としましてその半額の二千円、委託補助料は一人当たり六千円としてその半額三千円を、それぞれ交付の対象として計算していただきまして、これまた非常に感謝をしておるわけでありますけれども、私は教育目的を達成するために統合というものが好ましいことは、決して否定はいたしません。けれども、こういうような通学費の補助が統合に伴いまして、地方自治体の財政支出を非常に多くしておるということも事実でございますので、ただ単に特別交付税に含んだというだけでなしに、せっかくスクール・バスの制度をおとりになっているのであるから、一つこれも何とかして制度化をしてもらうわけにいかぬだろうか、こういうお願いを申し上げたいと思うのですが、今後御研究をしていただくだけの御熱意があるかどうか、一つ大臣の御所見をお伺いしたい。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 ただいま御指摘になりました学校統合等に関連いたしまして、いわゆる遠距離通学者の便宜をどのようにはかるかという問題でございます。文部省としても、御指摘のように遠距離通学者の負担を軽減するという意味で、いろいろな手を考えて参ったのでございますが、先ほどお述べになりました方法も、現行制度において一つの方法だと考えております。そのほかにスクール・バスを補助いたしましても、これは全部に行き渡るということはなかなか困難でございますので、特に家庭の困るような、いわゆる準要保護児童につきましては、小学校四キロ、中学校におきますと六キロ以上の通学者に対しましては、小学校三千二百二十三円、中学校六千三百二十五円というような単価をもちまして、通学費の補助を出すことになっております。これも一つの方法でございます。従いまして、なお今後遠距離通学者の負担を軽減するという方向におきましては、御趣旨のように私どももできる限りやりたいと思っておりますので、そういう方向で関係各省とも相談して参りたいと思います。

玉置一徳民主社会党

○玉置分科員 十分の御研究をいただきたい、かように御要望申し上げまして、質問を変えまして、文化財関係のことについて二、三点お伺い申し上げたいと思います。  先般奈良県の平城宮趾の問題が、非常に世間の注目を引いておったわけであります。本年度におきまして四億二千七百万円の予算を計上されまして、この一部分を国が買い上げるという措置をされましたことは、非常にけっこうなことだと思うのでありますが、全国でこういった史跡が六百八十五件、特別史跡が四十九件、合計七百三十四件あるというようなお話でございます。これにつきましては、一挙にどうしろということは非常に無理だと思いますが、文化財保護法の八十条には、史跡名勝天然記念物の指定を受けたものは、その現状を変更する場合は、委員会の許可が要ることになっておりますのは御承知の通りであります。すなわち自分の所有権に制限を加えられておるわけでありますので、こうした民族の歴史と申しますか、あるいは長くその現状を残しておきたい史跡名勝天然記念物を、何らの代価を与えないで現状変更を規制しておるという実情にかんがみまして、将来漸を追うて必要なものから、国が買い上げていくという方針が望ましいと思うのでありますが、大臣もしくは委員会の御答弁をいただきたい。

宮地茂文部事務官(文化財保護委員会事務局長)

○宮地(茂)政府委員 お答えいたします。ただいまの御質問は、文化財保護につきまして、平城宮跡のように、文化財保存を確実にするのには、できることなら漸次国有化と申しますか、国が所有権を持つようにした方がいいのではないかということだと存じますが、文化財保護を完全にするために、全部国が持っていくということを目標にするというのは、一つの考え方ではあろうと思います。しかしながら、ただいま御指摘になりましたような文化財保護法の趣旨にかんがみましても、文化財というのはいわゆる国の宝でございますし、やはり国、地方公共団体、それに国民全般がこれに関心を持って、国だけということでなくて、全部のものが共同責任を持って、これを大事にしていこうという心がまえなり、施策なりが必要であろうかと思います。従いまして、土地などにつきましても、いろいろ事情がございましょうが、たとえば個人所有の土地が文化財になっておるとしましても、その土地がその個人の先祖代々のものであった、あるいはある村なら村のものであった、本人なり村民の特殊な愛着心というものがあろうかと思います。そういったようなことで、あながちこれを国有化にした方がいいか、あるいはそういう個人なり村民の非常な愛着心をもとにしてやった方がいいか、いろいろケース、ケースによって違うかと思います。従いまして平城宮跡に、今回御審議いただいております予算にも、初めて四億数千万という金額を計上しまして、国がこれを買い取るということをいたしたわけです。こういったようなものは個人に持たすとか、あるいは村に持たしておくとか、あるいは県がお持ちになるというのでは、非常に大規模である。国がともかくこういうことは処理しなければいかぬといったような、ごく例外的なものは国で買うことがいいのではなかろうか、そういうような考えで、国が買収をするということは今回が初めてのケースでございまして、従来から先ほど申しましたような考えで、必ずしも将来国有化にしてしまうのだという考え方では進んでいないわけでございます。

玉置一徳民主社会党

○玉置分科員 次に、重要文化財の災害防止につきましてお伺いを申し上げます。  重要文化財に指定されております建造物もしくは美術工芸品は、一社寺、一個人の所有というよりは、国の宝であり、民族の誇りであるということが言えると思うのであります。これが復元につきましても、年々かなりの国費を投じていただいておりまして、滅失を防いでいるのもこのためだと思うのです。ところが昭和三十八年までわずか七年の間に、京都の金閣寺、奈良の法隆寺、この間焼けました壬生寺、そういうものをまぜまして五件の建造物が焼失し、美術工芸品の焼失したものは六件であります。美術工芸品の盗難に至りましては、昭和二十六年からこちらへ二十一件に上っております。こういうものは金にかえがたい大事なものだと思うのです。火災、盗難予防、そういうことにつきましては、委員会としても万遺漏のないような御指導と御措置をいただきたいのですが、どういう措置をおとりになっておるのか。その際に、御承知の通り神社、仏閣は入場料、観覧料というのを取っております。あれは地方自治団体におきましては、これに対して観光税を賦課しておるのも近年少なくないと思いますが、こういう財源を焼失、滅失、毀損あるいは盗難の予防というような方向の財源に向けていただくように、一つ行政指導をやっていただきたい。そういうことでどういうようになされておるか。この二点につきましてお答えをいただきたい。

宮地茂文部事務官(文化財保護委員会事務局長)

○宮地(茂)政府委員 文化財の焼失あるいは盗難等につきましては、ただいま御指摘のように数は一般の建物等に比べまして、文化財が特に多いというわけではございませんが、御指摘のような数字の被害がございますことは、まことに遺憾なことと思います。つきましては、これらに対してどのような防災の方法をとっておるかという御質問でございますが、文化財保護委員会といたしましては、都道府県の教育委員会あるいは所有者、これらと協力いたしまして、できる限りの防災施設を講じております。具体的に申し上げますと、たとえば消防署に直結いたします火災報知機とか、あるいは自動火災警報装置、あるいは貯水槽をつくる、あるいは消火栓工事、ポンプを備える、防火壁、防火塀をつくる、避雷針を設ける、また消防道路といったような多方面につきまして、できる限りの措置を講じておるわけでございます。また美術工芸関係には、今申しました火災関係のものに加えまして、特に盗難等から防ぐために、防犯ベル、防犯灯、施錠設備といったような方法をいたしております。相当数のこういう国宝、重要文化財等に対しまして、できる限りの防災措置は講じておりますが、しかしながらまだ完璧とまでは至っておりません。従いまして予算等につきましても漸次、防災予算は年々増額いたしておりますが、今後とも充実に努めたいというふうに考えております。またその他の防災につきましては、こういう設備をいたしますと同時に、私どもといたしましては所有者、特に神社、寺等に対しましては、心の防災と申しますか、国の大事な宝を燃やしたり、盗難にあわないように、精神的に大いに気をつけるといったようなことも、しょっちゅうお願いしておるところですが、警察、消防署等にも連絡もとり、あるいはパトロールと俗称言っておりますが、文化財管理指導官といったようなものも定員をとりまして、各地を回らしておるといったいろいろな方法で、物心両面でできる限りの措置を講じております。また防災施設等の財源は、どうしてやっておるのか、観覧料等をここに投入さしておるかというお話でございますが、当然これは所有者がもともと原則として、そういう防災施設をやるのが建前でございます。ただ国としましてはそれを促進するために、補助金といったものを出しておりますので、当然所有者としての社寺等が財源も相当負担いたしております。ただそれぞれの社寺の財源等から見まして、常に二分の一とか三分の一とかいった一律補助はできませんが、大体申し上げますと半分くらいを国が補助し、残りの半分くらいはその所有者のお寺、神社が中心になって、若干の寄付等を募ってやるというのが建前でございます。

玉置一徳民主社会党

○玉置分科員 明年度そういう費用といたしまして、予算といたしまして今年度の二五%増の二億一千六百万円を計上されておいでになることも存じておるわけでございますが、さらに解体修理をされました分につきましては、火災の場合、いわば水浸しになるくらいに各所から放水ができるような設備をされておるように承っておるのでありますが、将来は火災報知機やそういうものだけではなくて、そこまで思い切った措置を講じるように予算の増額をお願いを申し上げたい、かように思います。  そこで最後に、重要無形文化財につきまして、大臣並びに委員会にお伺いをいたしたいのです。政府は現在重要無形文化財、いわゆる人間国宝でありますが、芸能関係で各個指定が十六件の二十二人、総合指定が三件、工芸におきまして各個指定が二十七件の三十三人、総合指定が三件の指定をされておるわけであります。文化財保護法第四条におきまして、「文化財の所有者その他の関係者は、文化財が貴重な国民的財産であることを自覚し、これを公共のために大切に保存するとともに、できるだけこれを公開する等その文化的活用に努めなければならない。」というように規定されて、その責任を明らかにしておるわけでございます。また同法の五十六条の六におきましては「委員会は、重要無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、重要無形文化財について自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を行い、」というように規定しまして、伝承責任、記録の作成等の責任を負わしめているのであります。つまり重要無形文化財に指定せられました人は、いわゆる人間国宝としてまことに栄誉なことでありますけれども、ただいま申し上げましたような伝承責任を負わされるだけでありまして、政府はこれに対しまして、工芸品と申しますか、久留米がすりが百二十五万円、結城つむぎが十万円余を計上しておるだけでございまして、いわゆる売りにいくような民族芸術と申しますか、古典芸術品の工芸品なりの買い上げについても、十分な予算を計上しておりません。こられの個人指定五十三人のうち、ことに工芸品の指定は、伝承が非常に困難な、いわば現在の経済性に合わないようなものが多いと思うのであります。そうして指定されて、みずからの生活を維持して、しかも人間国宝というような栄誉にふさわしい生活を維持していくということは、なかなかむずかしい場合もかなり少なくないのじゃないか。  かつて昭和三十七年三月二十九日の朝日新聞の天声人語でありますが、「かっぽう着姿のおばあさんが無形文化財の記録措置」必要と国家的に認められるのは気持のよいことだ。文楽の三味線、大夫など名人たちの人間国宝指定と並んで、八丈島で「かっぺた織」を一人で守り続けた玉置びんさんや、上方寄席下座音楽の林家トミさんなどがそれに選ばれた。〃名誉〃なことではあるが、実質的には報いられるところきわめて少ないのが残念だ。文化勲章や文化功労者、芸術院会員など相当の年金もあるが、人間国宝などは指定のしっ放しでほとんど国庫補助もない。芸能関係では指定でかせぎのよくなる人もあるが、滅びゆく技術保持者などの場合は〃文化財貧乏〃の声さえある。それにつけても思出すのは、久留米ガスリの手織で人間国宝だった森山トヨノさんの自殺である。重要無形文化財の指定がかえって重荷になり、肩書にふさわしい手織ばかりを要求されて、利益のあがる機械織ができず、過労ばかりで暮しが立たなくなったのも死の一因といわれた。なまじっか〃有名〃になると参観人が押寄せて仕事に専念できず、採算に合わぬ〃伝統技術〃に追回されて迷惑なことが多いという。指定の名誉を裏付けるだけの国庫補助のないのがうらめしいわけだ。森山さんの自殺事件から世間もそれに気付き世論も起って、正藍冷染の宮城県栗駒町の千葉あやのさんにここ三年間ばかり「伝承者養成費」として年額十五万円が出されている。が、個人への国庫補助はそれだけで、あとは技術保持者の〃集団〃として結城つむぎに七十五万円、久留米ガスリに百五十万円、文楽に五十万円ほどの国庫補助があるくらいのもの。これもスズメの涙でしかない。文部省ではせめて「人間国宝」に一人三十万円の年金をと予算に求めたが、今年も保留のままである。無形文化財に指定されるほどのものは、たいてい〃滅亡寸前〃で、商売にならぬ場合が多い。しかも指定される人はほとんど高齢者ばかり、生活能力も弱い。せっかく「人間国宝」や「記録措置」にする以上は、その無形文化財が滅びず、その人の暮しも立つように、花も実もある扱いにしたいものである。」というのが出ております。全くこの通りだと思います。  文部省は、聞くところによりますと、ことしも何とかして年金を四十万円ほど支給したいというので、大蔵省と折衝されたやに聞いておりますが、これもだめだったと承っております。私の言いたいことは、ここにも読みました通り、せっかく人間国宝として指定し、国の宝としてこれを伝承するのだという、伝承責任と記録責任を古い伝統の芸術の保有者に負わしておいて、そのまま捨てておくということは、まことに申しわけないことじゃないかということで、文化勲章や功労者と同様、年額五十万円程度年金を支給して、生活の確保をはかるとともに、なお買い入れその他の予算措置を増額して、真にこの法律が規定し、委員会が指定された目的を達成するようなところへ持っていかなければならないと思うのでありますが、文部大臣は、このことにつきまして、年金支給ということ、あるいは伝承者を養成するための買い入れ金を増額するということにつきまして、御努力をいただく決意があるかどうか、御所見を承りたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 結論から先に申し上げます。御指摘の御趣旨には賛成であります。努力をいたしたいと思います。無形文化財、いわゆる人間国宝、人間そのものが身につけておることそのことが、よき伝承として受け継がれていかなければならない趣旨で指定されるわけございましょうが、御当人の文化的な功績を顕彰する措置でもあり、本人も名誉であることは当然といたしまして、そのことも一つの文化財指定の目的ではございましょうが、特に人間文化財につきましては、それが維持せられ、保存せられ、伝承されるのでなければ、本来の目的は達成し得ない道理でございまして、お話の通り、とかく経済的にはうとい人々が多いことも事実であります。有形文化財には、先ほど政府委員からも申し上げた通り、火災予防その他のもろもろの経費を投じて、これを温存すべく努力しておる。人間文化財については、ただ生きておる人間であるがゆえに、名誉であろうということだけにとどめておる格好になっておることは、片手落ちだ、また本来の目的にも沿わないゆえんだと思います。そういう趣旨から予算要求等もいたしておりますが、微力にして大蔵当局を説得するに至っておりません。しかし大体機は熟しつつあると思います。大蔵省あたりでも相当理解を深めておるものと存じております。さらに努力いたしたいと思います。

玉置一徳民主社会党

○玉置分科員 せっかく努力をお願いして、私の質問を終わります。

今松治郎自由民主党

○今松主査 太田一夫君。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 三十分にとどめまして、大体三点についてお尋ねをいたしますから、そのおつもりでお答えをいただきたいと思います。  最初は、先ほどもちょっとお話のありました高校の進学率の見込みの問題でありますが、先ほどのお話で承りますと、百六十一万人入学できる、ゆえに皆さんのお見込み通り全員入営できる。こういうお答えであったように承りましたが、大臣、そういうことでございますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 毎度お答え申し上げておりますように、元来国なり、公共団体を統括する立場における自治省の立場としましては、一種の予算みたいな性格を持って見通しを立て、対策を講ずるほかには手がないわけでございますが、その意味においてとり得る合理的な根拠、具体的な根拠といえば、三十五年度の実績しか当時なかったものですから、それを基礎に置きまして六〇%の進学率ということで三十七年度予算を組み、計画を立てたわけであります。これは申すまでもなく三十八年度から始まるピークに備える前向きの姿勢のための計画でありましたから、当然そういうことにならざるを得なかった次第でもございます。ところが、その後各都道府県の具体的な実施計画等を連絡し、打ち合わせをしながら確認して参るに従いまして、六〇%の進学率では実情に沿いかねるということが結論づけられまして、また相談して検討を加えました結果、六〇%の進学率を六一・八%と見込みを変える、またそれに応じて事業量も算定し、その事業量に相照応しまするところの財政措置も講じなければならない、そういう結論に立ちまして、三十七年度の起債財源の追加割当、さらに三十八年度の地方財政計画なり起債の計画なりが裏打ちせられまして、金額において二百十二億円という規模で三十八年度に対処する。そういうことをやっていきますれば、おそらく三十五年度の実績であったところの九六%近い入学率は確保できるであろう、こういう見込みのもとに今日まで参っておるような次第であります。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 九六%の入学率は確保できるであろうとおっしゃるのでありますが、先ほどの御説明では六一・八%、人数に直しますと百五十四万九千人の進学率と踏んでいらっしゃる。百五十四万九千人を百五十五万人と見ても、百六十一万人という、それを六万人オーバーした数字が入学できる見通しである。これは途中で知事なりが、いろいろの公立学校その他の生徒の応募率、あるいは募集定員等をにらみ合わせて、百五十四万九千人ではとても少ないから、百六十一万人ぐらいにしなければならないというところから、百六十一万人何とか入るだろう、こういう計算をなさったのではないでしょうか、実情に合わせかんがみて。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 先ほど申し上げました数字でございますが、進学率六一・八%と申しますると、大体先ほど申し上げましたように、入学者数としては百五十五万人程度が見込めるわけでございます。中学校の卒業者は二百五十万人ございますが、それに対して六一・八%ということでございます。実際に二百五十万人程度の中で、具体的に今度は高校に入っていくことを希望するという者につきましては——これは当初からいろいろ希望数は変わって参りますが、大体私どもの調べましたところでは百六十二万人程度だ、こういうように考えております。従いまして、先ほど申し上げました百五十五万人の計画数に対して百六十二万人というものは、約九六%近い、こういうことを申し上げたわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 今のお話をもっとくだいて言いますと、百五十四万九千人ぐらいでいいと思っていたけれども、具体的な動きを見てみると、百六十二万人ぐらい入る、こういう状態になってきたから、百六十二万人ぐらい、九六%にちょっと少ない程度の収容ができるように考え直しました、こういうことでございますか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 私の申し上げました当初六〇%というのは、三十六年度の進学率を基礎にして、一応財政計画としてその範囲を六〇%として考えたわけでございます。その後、府県の事情がだんだんわかって参りまして、募集定員等の計画が固まって参りますにつれて、もう少し高いということがわかって参りましたので、六一・八%に実情に合うように訂正した、こういうことでございます。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 そうすると、六一・八%というのは何人でございますか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 六一・八%と申しますのが百五十五万人でございます。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 あなたの方は入学見込み数は百六十一万人とおっしゃった。百五十四万人よりも多いじゃありませんか。ですからこれはあなたの方の見込み数を改訂なさったのでしょう。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 さような意味ではございませんで、計画数としては百五十五万人計画しているわけでございます。ところで実際に入学を希望する者の数がどれくらいあるかということを調べてみますと、大体百六十二万人ぐらいある、こういうことでございます。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 そうすると私も少し誤解していたようでありますが、あなたの方の六一・八%、百五十四万九千人というのは動かしておるわけではない、ただ実際の応募者が百六十一万ほどあると思う、こういうことですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 大体見込みはそういうことだということを申し上げたのでございます。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 そうしますとあなたの方の計画では、七万人の中学浪人が出るという見通しでございますね。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 これが直ちに中学浪人ということではないのでありまして、これは入学希望見込み数でございますから、高等学校に入学できない者につきましては、これはいろいろ実際に就職するとかいうのが、例年の傾向でございます。従って必ずしもその差を中学浪人というように私どもは考えていないわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 そうすると、あなたの方の先ほど村山分科員の質問に対してお答えになった百六十一万人と百五十四万人の関係は、今まであなたの方が立っておった見込み——これは財政計画をお立てになる必要上、百五十四万九千人という数字をいささかも動かしたものではないのである。それで実際応募の見込みは百六十一万人程度あって、その差七万人はあふれる見通しである、あふれる七万人は就職するなり中学浪人になるであろう、こういう御見解でございますね。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 さように考えてないのでございまして、これは各都道府県で募集定員等を計画いたします際には、御承知のように一学級五十人でやる場合もございます。あるいはこの急増期におきましては、約一割の余裕を見てよけい収容できるという計画でもって、募集定員をきめる場合もございます。従っていろいろございますけれども、私の申し上げましたのは、百六十一万ないし二万程度は入学希望者でございます。従ってたとえば私立等におきましても、募集定員以上に収容するということは毎年の例でございます。あるいは公立学校におきましても、校長の裁量によって若干はよけいとるということも、従来やって参っております。従いまして、そういうことを考えますと、約百五十四万人と申しますけれども、それ以上に収容可能だ、こういうように私どもは考えております。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 局長さん、はっきりおっしゃっていただきたいのです。世の進学希望者並びにその親たちが一番心配しておることでございますので、誤解のないようにおっしゃっていただきたいのですが、あなたの方は百六十一万人入れる見通しであるというように、誤解を与えることをおっしゃっては困る。百五十四万九千人は変わらないけれども、これは五十人のクラスを五十五人にするなり等いたします、実際の入学者が百五十四万九千人より少々ふえるであろうけれども、百六十一万人希望者があるので実は弱っておるのだ、こういうことですね。それとも、百六十一万人希望者はあるという現状であるけれども、弱っておらない、それは百五十四万九千人の今まで考えていた数字のほかにアルファがあるのだ、そのアルファというのが七万人近い数字であるから、皆さん安心して下さいと天下におっしゃるのかどうか、その辺のところをはっきりおっしゃっていただきたいのです。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 私、明瞭に申し上げたつもりでございますが、百六十一万人程度は収容できると考えております。しかしながら、その百六十一万人の全部が高等学校に入ってくるかどうか、これは結果を見なければわかりません。その中にやはり一部は、当初は希望しておりましても就職する者も出るであろうということ、そういう意味において申し上げたのであります。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 百五十四万九千人の計画を、進学率を読んでいたけれども、百六十一万までは入れるであろう、公立、私立、定時制を含めまして入れるであろう、こういうことでございますね。大臣、そうですが。大臣、あなたからはっきりおっしゃって下さい。百六十一万入れるなら入れるとはっきりおっしゃって下さい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 今お話の通りでありまして、百六十二万対百五十五万でございますが、その比率が大体九五・七%ということに相なるようであります。冒頭に私が申し上げたことはそのことを意味するのでありまして、国公、私立を通じて、中学を卒業した生徒が高等学校に入学するであろうところの比率が、六一・八%と推定される。当初は六〇%と見ましたが、その後一年余りの都道府県との具体的連絡のもとの都道府県の見込みが、さらにより現実的でございますから、相談しました結果が、六〇%ではちょっと足りない、六一・八%と見れば、今申し上げた百五十五万何がしが収容できるという能力ができてくる。そのための施設、設備をやらなければならぬ。そういたしますれば、進学希望者百六十数万の九六%に相当する百五十数万というものが収容できる。このことは従来、最近数年間の実績でもあり、ほとんど一〇〇%に近いものが実際上は国公、私立、いずれかに収容されておるのだ。その現実を、先刻申し上げましたように昭和三十五年度の実績について当初の計画を立てたのであります。繰り返し申し上げれば、その後一年余りの再検討の結果六一・八%、それに応ずる仕事量を考えまして財源措置を講じ、そして今やっておるわけでございます。従って六万人見当のものがあぶれるという数になることは、数字上当然であります。ただし、今初中局長が申しましたように、その中で、あなたの言葉を拝借すれば、プラス・アルファは、六万人の中から浪人という姿にならないで入るものも期待できておるのが従来の実情だ。だから数字的にはそのことは省いてお考えいただいた方が明瞭であると思うのであります。同時に、しからばその六万人はいわゆる中学浪人——行こうと思って当然行けるはずのものが行けなくなったのだ。すべてがそうであるか、というと、必ずしもそうでない。高等学校は義務教育ではないものですから、高等学校に入学して勉強するにふさわしい適性能力を選考いたしまして入れないと、本来の、全部の生徒を対象とする教育が正常に行なえませんので、選考しました結果、どうしても適性を欠いておるという者も、六万人の中には何がしかおるわけであります。またそのほかに、今申したプラス・アルファが現実には高校に入るというのも従来の実情である。六万人の内訳は、数字上は除いていただいて、プラス・アルファ的に御理解いただきますればよろしいかと思います。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 先ほどおっしゃったときの局長さんの言葉だと思いますが、前の村山委員のときに、たしか入学見込み百六十一万とおっしゃったように思うのです。今大臣のお話によりますと、百五十四万九千人プラス・アルファであるが、そのアルファというものは六万人ではないのだ。ちょっと違うじゃありませんか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 私ちょっと先ばしって申し上げて恐縮でございますが、訂正をいたします。  私の申し上げる趣旨は、計画数が百五十五万人であります。入学希望者の数、これが百六十二万でございます。従いまして百五十五万の計画数で、それが全部入れば九六%になるという趣旨でございます。従いまして、プラス・アルファ云々のことはございましたが、それはあるといたしましても、百五十五万の計画数だけでもって九六%になるということを、この際訂正さしていただきます。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 それは容易ならざる話ですから、はっきり聞いておきたいのです。私は、先ほど来の委員会の話で、あなたの方は百六十一万人が入学の可能性があるような幻想をお与えになった。確かにわれわれ、幻想ということではなくして、そういう安心を持った。だから、ちょっと不審を持ったから念のためにお尋ねをした。ところが、実は百六十一万の数が公、私立一切を合わせての入学見込み数ではない。それを相変わらず百五十四万九千人、約百五十五万人とおっしゃいますと、依然として七万の中学浪人が出る。その中学浪人七万人の中には、やむを得ず就職する人もあるでしょう。浪人となる者もあるでしょう。この七万人の中学浪人を、今あなたの方は半ば公然とお認めになったようなものだと思いますが、局長、それはどうですか。その七万人に対する対策はほんとうにないのですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 この問題につきましては、私どもとして計画数は、約九六%入学できる計画をいたしております。これは先ほども申し上げましたように、財源的に事業計画をきめます際に、政府としてこの程度保証するというものでございます。従いまして、それぞれの都道府県において、これ以上に増募をやりたいというような府県があれば、もちろんその増募をとめるという筋のものでは決してございませんから、そういうことを含めましてプラス・アルファと申しますか、計画数よりも実際はもう少し上回るだろう、収容力は上回るであろうということを私は申し上げたわけでございます。従いまして、就職する者等を合わせますと、幾らになるかわかりませんけれども、あぶれる者はあまりないというように私どもは推定しているわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 あぶれる者はあまりないとおっしゃったところに、そこにちょっと大事なかぎがあるわけですね。あぶれる者があまりないということになりますと、七万人の中でどれくらいが中学浪人として残り、どれくらいがやむを得ず就職するものとあなたの方は想像をしていらっしゃるか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 従来の実績を見ますと、いわゆる九六%入りまして、四%は高等学校に行かない者でございますので、そういうものが全部中学校の浪人というようにかりに仮定いたしますと、従来はやはり四、五万程度のものがあったと思います。その範囲においては、三十八年においても私どもは一応そういう意味においてあぶれる者はあり得ると考えております。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 そうすると今度のあなたの方は、単独で地方の県が独自の立場からいわゆる増募する、余分に募集するものを勘定に入れても、なお四、五万は残るであろう、こういうことですね。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 大体そんな勘定になろうと思っております。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 そこで、大臣、四万ないし五万の浪人が出るということが明らかになりましたといたしましたならば、ここに一つ問題があるのですが、特に考えていただかなければならないのは、その四万、五万をどうするか。浪人のままにほうっておくということは、非行少年をいたずらにふやすだけということにもなりかねない。あるいは学校へ行けなかった、行けなかったからやむを得ず就職したということで、破れかぶれになって、やはり同じように、就職した青少年でも、十五才、十六才という、いわゆるまだ年端もいかない少年は、とかく非行に陥りがちなんです。そういう少年を四、五万もつくってしまうということは、私は残念だと思う。何とかどうしても入れなければならないというときが来たら、そういうものが四、五万残るならば、その希望をかなえてやるという応急対策を考えるべきではないかと思いますが、何とか手を打って、その場合には臨時に財政計画を立てて何とかする。それは起債の方法もあるでしょうし、あるいは一般財源を使っておいて、その他の方法による後ほどの補てんもあるでしょう。何とかして親の要望にこたえる、本人の要望にこたえるということは、やるべきじゃないかと思いますが、四、五万はちょっとえらいじゃないですか。大臣、どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 その点は非常に微妙なところであるわけですが、こうだと断定的には申し上げにくい対象かと思います。かりに御心配のようなことをゼロにするために何かを考えるとしますれば、これはどうしても高等学校という制度を、いわば義務教育制度と同じような立場において受け入れるという制度につくり変えないことには、一人も浪人を出さないという状態は確保できないものかと思います。そこで最終的に、仮定の数字ではあったのですけれども、例年のごとく四、五万かそこらの者があぶれたといたしまして、その四、五万の者ははたして高等学校に入って、他の者と一緒に机を並べて勉強ができるかどうか。学校側から見ましても、高等学校の教育を受ける適性能力を欠いておるがゆえに、そういう生徒が入ってきたために、その他の者の学習に悪い影響を与えるといろことにならないかどうか。高等学校側の話を聞きますれば、最近いわば特殊教育にでも持っていかなければいけないとおぼしき者も、幾らか入ってくる傾向にもあるということも聞くのでございますが、そういうことで、いわば悪平等になって、高等学校教育の本来の目的が達し得ないという不便を、学校側では痛感する立場をとっておるようであります。このことは、繰り返し申し上げますが、高等学校というものが、一定の適性能力を持った者を収容する後期中等教育施設として受けとめられている限りにおいては、何がしかの形は、浪人ですけれども、やむを得ず高等学校に入れない、他の道を歩かざるを得ない適性能力の人が毎年幾らかはある。その数字が大部分ではないかとも想像されますし、結果的には、従来の実績を聞いてみますと、それらの人々は就職をいたしまして、そして職場教育なり、定時制の教育を受けるというコースをたどっておるようであります。ですから御要望というか、御心配の気持は私どもも同じ気持を持ちますけれども、学校教育の場で、それをすべて今の制度のままで受けとめることは、事実問題として困難だ、こういうふうに考えておるわけであります。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 それはなるほど適正なる能力を持たない志願者もあるでしょうけれども、しかし中学を卒業しただけで世の中に出るのと、高校を出て世の中に出るのとでは大きなハンディがあることは御承知ですね。しかも近代産業は高校を出た人を最も多く求めているのです。そしていたずらにひがみを持たせて、そして将来非行少年のグループの素地をつくる、非行少年を多く出すというようなことをあらかじめ計画の中に入れてあるということはいささか人情の立場から見まして、人間的な立場から見て、悲しい話だと思います。入れない人が非常に多かったときには何とか県で考えてくれ、そのときの財政は何とか考えてみようという大きなワクの考え方はあってもしかるべきだと思いますが、いかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 今おっしゃった意味からいたしまして、当初六〇%の進学率を見込み、実情がだんだんわかるにつれて、それを修正して六一・八%と計画を変更し、それに応ずる施設設備に対応するところの財政措置を講じて、さあいらっしゃいというかまえにしたということが、今の学校制度を前提として考えます限りの、まあベストを尽くした姿だと思うのであります。しかし、すでにして六一・八%の進学率を見込むということは、その背後には三八・二%の、中学を出たら当然高等学校に入らない多数の者がおることを計算しておるわけでありまして、たまたま家庭の事情で中学だけで職場に入る。そうでなくて、希望した者が六一・八%である。その中からはみ出た者がおることだけが心配の対象でなくて、お説のごとくんば、中学を卒業した者の一〇〇%を対象として何か考えるべきじゃないかという課題として受けとめないと、解決の方法は立たないのじゃないかと想像するわけであります。その角度においてとらえるとしますならば、問題はもうすでに現行制度の後期中等教育としての高等学校、すなわち、義務教育でないという形では解決ができない課題と取り組むその対象を論ずることになるかと思うわけであります。ですから、制度が今のままであり、最近数年の実績を見まして、先刻来何度も申し上げるように、進学率およそ六〇%あるいは六一・八%、二%ということを前提として考えます限りは、何がしかの中学浪人的な数字が出るという算術的な結末を毎年々々きちんとはめ込むということは不可能だと思います。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 時間がなくなりましたから、私は最後の質問にとどめますけれども、六一・八%は今後ふえないものであるという考え方も、これは見込みなのですから、あくまでも当初財政計画をお立てになったときの腹づもりでありますから、事態が急変して参りましたならば、雪が降ったり、雨が降ったり、川がどうなった、こうなったという天災と同じように、これは応急対策をお立てになるのが生きた政治であろうと思うのです。大臣も、別に子供たちを無理に就職に追いやったり、あるいは町の浮浪人としたり、中学浪人とすることを好んでいらっしゃるわけではございません。実情はやはり子供が勉学がきらいだから中学を出たらどうしても就職したいというのがありますから、無理に一〇〇%にしろとは言っておりません。私どもがおよそ集計した数字では百六十六万人はあるだろうと見ておるわけですから、もし百六十六万人あるとするならば、さらにここに四、五万の数字が加わりますと、八万から九万、十万近い中学浪人が出るという、こういう非常な混乱も予想されますので、十分一つ事態の変化に即応した臨機応変の手は打っていただきたいと思う。東京の都立高校は百三十六校あって、五万三百二十人の募集に対して八万九千三十四人も応募しておる。これは一・七七倍ですから二人に一人くらいしか入れないということを考えますと、今あなたのおっしゃった不適性な人でなくて、非常に能力の高い人が高校のいい学校を落ちて私立も何も受けておらなかったらそれが浪人になるということも考えられますわけで、非常にもったいない話だと思うのです。ここは大臣六一・八%などにこだわらないで、生きた姿を見て、臨機応変の対策を、これは県の財政ともにらみ合わせますけれども、お考えをいただきたいと思うのです。そういう基本的な考えについての御所見を最後にちょっと承りたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 今お話の御趣旨にいささかの異存もございません。ただ、いささか弁解じみますけれども、国として、起債財源あるいはまた自治省と相談の上で、交付税の財源措置をどうするかということを一応開き直って考えざるを得ませんので、そういう作業に立脚して、責任を持って、国の立場で財源措置を講ずるのだという前提において対策を立てましたのが、当切六〇%を基礎とする対策でございます。今あなたが御指摘なさいますように、いささか疎漏のそしりは免れませんでしょうけれども、その後の実態を極力把握することをいたしまして、六〇%にこだわるべきじゃない、六一・八%で押えるならば、少なくとも昭和三十五年度までに推移してきた程度のことは確保できるから、それをとにかく実現しようという応変の措置をしたつもりでございます。ところでこれは三十八年度のピークを迎えるために三十七年度、正確には三十六年度からこの異常状態でございますから、三十八年度を迎えたいという前向き姿勢でずっと推移してきたわけでございます。その間、三十六年度の考えよりも三十七年度は応変の措置が加わり、三十八年度になりましての今申し上げた対策も応変の措置が加わり、さらに今後推移するに応じてまた応変の措置をプラスせねばならぬという事態は、確実な基礎を持ちます限りはやらねばならぬことだ、むろんそのように思っております。ただ、今騒がしくなっておるのにぴたりと合うようなことが実施できるようにならないのがもどかしさを感ずるところでありまして、基本的な気持、考え方は御指摘と同じ気持であることを申し上げたいと思います。

今松治郎自由民主党

○今松主査 川俣清音君。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 与えられた時間内で質疑をしたいと思いますので、今この分科会で荒木文部大臣と政策論争をやる時間はございません。またやろうとも思いません。荒木さんは荒木さんなりの感覚を持ってやっておられるのでありますから、今それを急に変えようと思いましても、なかなかかたくなな荒木さんですから、そう変わるわけでもないと思いますから、むだなことになると思いますので避けます。  ただ問題は、文部省みずからがうそを強要するようなことはやってはならないし、荒木さんに最も不似合いだと思うのです。いろいろな非難はありますけれども、荒木さんはうそを言わぬというところに一番高い評価があると思う。もし評価があれば、これは一番高い評価だと思う。それだけは認めていいのじゃないかと思うのです。そこで、義務教育の補助はもちろんですけれども、単価などが現実に合わないということがあまりにも明らかなんです。新築等の建物の単価等が、補助と現実の請負額との間に大きな開きがあることはもうすでにお認めになっている。いろいろな事情であろうけれども、単価はやはり是正していかなければ——文部省からでもこれを解決していかなければならないのじゃないか、私はそう思うのです。ほかの方は請負師と仕事のあれだからなあなあで幾らかやれるだろうけれども、文部行政だけは正しい中で問題を処理していくことが一番望ましいのじゃないかと思うのです。そういう意味で、単価の問題について荒木さんもう十分聞いておられましょうし、文部省から率先して単価を是正していくという考え方が——これは義務教育の学校ですから、ほんとうの姿で解決していくということが最も正しいのではないか、正しいことをもって文部省の行政の一番の柱としておられるのですから、この点から是正していくお考え方はないかどうか、この点だけお尋ねいたします。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 考えはございます。ございますが、実効はなかなか簡単に上がって参りません。それでも一昨年の災害でございましたか、学校施設につきましては大蔵省も率先して賛成してもらいまして、復旧のための建設単価の引き上げをしてもらいました。三十七年度の予算にもそれを踏襲し、三十八年度はさらにそれにプラス・アルファの補正をしてもらって予算は御審議願っているわけであります。それでもなおかつ御指摘のように現実の単価との隔たりがあろうと思います。これは、大蔵省は大蔵省の見方がございましょうし、かりに想像すれば、政府の予算単価、構造建築単価等につきまして、率先して高くしていくというふうに受け取られることはできにくいことだろうとも思います。従ってある程度現実のあとを追っかけるような形にならざるを得ない実情もわかるような気がするのであります。そういうことを念頭に置きながらでも、できるだけ実情に合うように努力することは、当然私どもとして努むべきことだ、気持としてはあなたと同じ気持で、あなたの御期待ほどの大幅な前進がないことは、これまた事実として認めざるを得ないと思いながら、気持だけは持ち続けて努力していきたいと思っております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 次に移りますが、町村で義務教育をして、昔でありますならば、学校教育を受けた者が町村に残りまして、町村の財政に寄与するような経済活動を行なうのでございます。最近御承知のように在村する者がだんだん不足になって参りまして、父兄から見てもそうでありますが、町村財政から見ますと、町村財政の大半の経費をかけて教育した者がその町村に残らない。支出だけになりまして、将来期待する財源にならないという結果、学校教育に対する町村の負担が非常に苦しいという状態が起きておることはお認めだろうと思います。父兄の方からいうならば、自分の子供が義務教育であろうと一定の教育を受けて、そして子供の将来の基礎を築いてやるんだから、まだがまんできると思いますが、町村財政からいいますと、町村で育った者がほかの町村に行って産業活動とかいろんな活動の結果、他の町村、都市の収入増になって現われる。支出は貧弱な町村で、収入は大都市にいってしまう。それが地方財政に大きなプラスになる。それだけに国全体の経費で支弁していかなければならないということになると思うのです。義務教育というものは国全体の教育程度を上げていくところにあるのでありますから、従って町村に過分な負担をさせることをできるだけ控えて参りませんければならないのではないかと思います。これは社会党だから、自民党だからの区別じゃない。町村財政全体から見てそういうことが言えるのではないか。おそらく荒木さんはこの点については十分お知りになっておると思います。それだけに単に義務教育として国の財政内でこれより負担ができないんだということで逃げるわけにはいかない問題じゃないかと思うのです。この点いかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 お話の意味は私もわからないじゃございません。一体義務教育を国、地方公共団体という立場でどういうふうに受け取るかという根本的の考え方になると思うのでございますが、少なくとも今の制度上のものの考え方は、義務教育はその設置責任者が責任を持ってやる、やりにくい点があるならば国が分担金、負担金、補助金というふうなことで協力してやろう、その地域の住民の利益のためであり、住民のためそのものでもあるけれども、国家的にも意味があることは当然ですから、そういうふうなやり方で協力してやっていこうという建前になっておると思います。その建前を根本的に考え直せ、どうだという、お説としてはわかりますけれども、せっかくの川俣さんのお説ではありますが、公の立場において今すぐ御賛成申し上げる決心はつきかねます。いわばかわいい娘を年ごろに仕立ててお嫁にやるような親の気持みたいな気持は私もわかるのでありますけれども、国、公共団体の制度論としては、賛成しろとおっしゃっても、すぐイエスと申し上げかねるわけであります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そうだろうと思いますよ。私は無理に強要したのです。それだけに今の制度を完全に実行していかなければならない。少なくとも町村の財政を考えていくならば、そういう負担を無理にかけないというところに義務教育の本質があるんだと思うのです。それが完備されていないから今問題を出した。少なくとも今の単価のような問題を初めとして、完備しておるならば、義務教育というものは個人の子弟の教育にも必要だけれども、国全体の産業活動のために、国民活動のために必要なんだから、社会全体の利益のためにお互いにこれは分担しようということだろうと思う。だからある町村だけに特別に分担すべきだということには荒木さんもなかなか踏み切れないとおっしゃったことは、その通りだろうと思う。それならば、国全体のために町村に過分な負担をさせてないかというと、過分な負担をさせておるわけです。そこに問題があるのだということを指摘しておる。それならば荒木さんやれないことはない。今のをもっと完璧ならしめることが荒木さんの趣旨を徹底させることではないか、こう思うわけです。これ以上議論すると議論になりますから、次に移ります。  そこで、分科会なので、これは大臣でなくてもけっこうです。こまかいことになりますから、官房長にお尋ねをしたいと思いますが、文部省の財産の中に、行政財産と普通財産とがございますが、多分大学の敷地や立木地区も入っておるのだろうと思いますが、土地価額にいたしまして千八十四億一千七百七十五万円ばかりになっております。これはおそらく大学等の敷地、また大学所属の演習地なども入っておると思いますが、立木地区をお持ちになっておるのです。これもおそらく学校林であろうと思いますが、樹木として一億二千九百二十八万円ばかり、坪にして十五万二千坪ばかりお持ちになっております。あるいは立木になりますと、百七十三億二千七百二十五万立方メートル、価額にいたしまして百五億六千三百万円ばかり立木を持っておられるのですが、これはどういう評価をされておるのですか。

安嶋彌文部事務官(大臣官房会計課長)

○安嶋政府委員 立木の評価でございますが、これは演習林の立木が大部分かと思いますが、それぞれ営林署等で行なっております立木の評価の基準に従いまして評価をいたしておるわけでございます。これはもちろん年々成長するわけでございますから、評価額は年々上がるわけでございますけれども、年々やるということも大へんでございますので、大体五年に一ぺんくらいずつ評価がえをいたしております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 五年に一ペんでしょうが、これはいつの評価ですか。

安嶋彌文部事務官(大臣官房会計課長)

○安嶋政府委員 実は手元に資料を持ち合わせておりませんので、調べてお答え申し上げます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 文部省は金のことになるとさもきたないと申しますか、俗事な考え方をされまして、演習林等の管理にいたしましても必ずしも十分でないのじゃないかと思われる点がたくさんある。学校等も直接自分の財産といいましても、それによって受ける金銭上の問題についてはあまり関心を持たないというようなところがありまして、その評価につきましても問題があるのではないか。国の財産でございますから、やはり財政法に基づいて正しく評価をする、学校の評価ばかりでなくて、文部省としてはみずから進んで何年に一回かは評価をするという責任が、財政法の命ずるところによって文部大臣にあることになる。これは事務当局が悪い。何といっても表向きは大臣の責任です。しかし大臣に樹木や立木の評価をさせるといったって、これは無理なことです。財政法の命ずるところに従って、もし評価の仕方が悪いと大臣に責任を負わせるということになるのだと思います。それでいつごろ評価したということはおわかりにならぬでしょうか。

安嶋彌文部事務官(大臣官房会計課長)

○安嶋政府委員 国有財産の評価が適正でなければならないという点については、ただいまおっしゃった通りだと思います。ただ、しかし国有財産の台帳価額は、国有財産の現在額がおよそどの程度であるかということを示すめどでございまして、その評価が正確に行なわれることはもちろん必要でございますが、その評価がかりに適正額以下でありましても、あるいは以上でありましても、そのことによって財産自体の増減というものがあるわけではないのであります。実際上国の損害が生ずるというような場合は、その財産を処分する場合でありまして、処分する際におきましては、時価評価を基準にして決して国損になるような評価をしてこれを処分するというようなことはしていないのでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 そのこと自体が誤りなんです。ですから、今いかに安く評価しても差しつかえないではないかという考え方は財政法の示すところではない。現に実際これは財政法によると、毎年現在高を報告しなければならない。しかし毎年というのは、実際は困難であろうから、実際の取り扱いとしては五年に一回の評価がえをしているということは、私も認めます。ただ問題になっているのは増減だけでありましょうが、やはり正しい評価をすることでなければならない。これは議論じゃない。やはり財政法に命ぜられるままにやらなければならない。もし財政法に命ぜられるままにやれないなら、文部省としてはやれないのだということでこれをほかの方法にかえていかなければならないのではないか、学校法人の財団に移しかえをするとかいう方法をみずからとっていかなければならないのではないか。  次に時間もありませんので急ぎますが、文部省が持っておられて、あまり入り用でないのだろうと思いますが、国有財産を無償で貸与されている。この文部省所管の国有財産をどういうところへやっているかというと、墓地を持っているものを無償で貸与されている。これはどういう理由なんですか。何か保存しなければならない墓地を持っておられて、それに付属する墓地を無償で貸しているというようなものですか。実態がわからないのですが、坪数にして七千五百四十坪、しかもその評価が出ている。これを無償で貸与されている。それからその中には樹木もあるし、立木もある。墓地ですからもちろん立木もあるでしょう。これは特別会計のようなものでありまするならば、それを処分しにくいから持っていなければならぬということもありましょうし、あるいはこれはおそらく演習林に所属しておるところかもしらぬと思うのですけれども、実態がよくわからないのですが、御説明願えれば了解すると思います。

安嶋彌文部事務官(大臣官房会計課長)

○安嶋政府委員 御指摘のものは、先生のお話の通り演習林のものでございまして、北海道大学の付属演習林の中にそういう土地があるわけでございます。御承知の通り北海道は明治時代に開拓を始めたわけでございますが、大学の演習林に内地から植民をいたしまして、そこで演習林の経営、農場の経営等が行なわれたわけであります。非常に広大な土地でございまして、その中で植民が生活をしておったわけでありますが、その際の必要欠くべからざる用地といたしましてその墓地を無償貸付をしたというような経過でございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 必ずしも文部省が持っていなければならぬということはないのじゃないかと思うのです。もしも無償で貸与していくというならば、やはりこれを処分するというようなことで片づけるべきものじゃないか。おそらく私は演習林だとは思うのです。学校の敷地の中に墓地があるわけもございませんし、おそらく演習林の中じゃないかと想像するのですけれども、一般の人から見ると非常に不可思議なわけなんですね。あるいは天然記念物として持っている、それならば貸し付けるというのはおかしいということになって、何とも納得のいかない点なんです。それならば無理に持っていなければならぬということもないであろうと思いますから、町村なりその使用者にやはり払い下げる等の措置を講ずべきじゃないかと思うのです。どういう状態だか私はわかりませんよ。だけれども、国の財産を報告されて、私どもがこれを審査する上からは、そういう感じがするということだけを申し上げておきます。そのほかにため池もあるのですけれども、面積は小さいのですが、これもやはり演習林の中にあるため池ですね。これも無償で貸し付けておられるのですね。どうもこういう点で文部省がわざわざ執念深くこういうものを持っていなければならないという理由がはっきりしないのですけれども、どういう理由なんでしょうか。

安嶋彌文部事務官(大臣官房会計課長)

○安嶋政府委員 ただいま申し上げましたように、特に北海道大学の演習林は非常に広大な地域でございまして、その中には墓地、ため池、町村の役場敷地、鉄道用地、電力会社の使用する用地、それから各種の鉱物を採掘する用地等が散在いたしております。これ自体は大学の研究に直接役に立つというものではございませんから、これは御指摘の通り、用途廃止をすればいいのじゃないかというお話もあるかと思いますが、これはやはり広大な演習林の農場の一部として管理しておるわけでございまして、その部分だけを切り離しまして用途廃止をするということも、広大な土地全体の管理上から考えますと必ずしも適切ではないというようなこともあるかと思います。そういう観点で従来通りそれを文部省所管にしておるわけであります。今後のあり方につきましては十分検討したいと考えます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 これで終わりますが、無償で貸し付けておるのでしょう。有償なら——また将来解約をしてどうしてもこれだけはなければならないという考え方で暫時無償ということならわかります。おそらく無償ですから、大体永久無償なんでしょう。無償でなければならぬ事情があったのであろうと思うのです。無償でなければならぬ事情があるのならば、それを開放したからといって、差しつかえはないのじゃないか。無償で使用さしておくということになれば、開放したから、しないからといって、そう区別があるとは思えないのです。大学の演習林としての機能を果たせないということじゃないだろうと思います。実情はわかりませんよ。しかしこの点については文部省みずから十分検討されてしかるべきじゃないか、こう思うのです。荒木さん、どうでしょうか。

安嶋彌文部事務官(大臣官房会計課長)

○安嶋政府委員 ちょっとその前に実際のことを申し上げたいと思いますが、国有財産の国以外のものに対する使用でございますが、これは非常に数が多うございまして、ほとんどが有償でございます。ただ、ただいま先生のおっしゃいました墓地とか火葬場とかいった演習林の中に存在いたします特殊なものにつきましては、明治以来の慣行上無償の扱いにいたしております。ただ文部省が所管しておることがいいかどうかという点につきましては、さらに検討いたしたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 詳しい実態を自分自身承知しないままでお答えするのがちょっとさびしいような気がしますけれども、今会計課長と川俣さんとの質疑応答を承りながら、大体会計課長が申し上げるようなことで当面処理するほかになかりそうに思うのでございます。もちろんいいかげんにほうっておけというのじゃございませんけれども、無償であるに至ったそもそもの一つ一つの原因が、沿革がどういうものか、そういうことも十分に調査しました上で、処置できるものならするという考え方のもとに、実態把握がまず先じゃないか、こういうふうな気持がするわけであります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 有償ならば演習林自体において将来の必要性があるだろうと思うから、一時的にはやむを得ないという事情で有償で貸し付けるということはあると思う。いろいろ特別なことがなければ無償貸付というものはあり得ないと思うのです。従来の買われたか買われないのかわからぬというような事態——おそらく墓地を買うというようなことは不可能だったと思うのですよ。だからその事態は、一体ほんとうに所有権を取得したかどうかもわからぬ事態じゃないか、それだからこそ無償だということになるだろう。ため池などについても、おそらく利用者の水利権があるために無償というような形になっておるのじゃないかと思うのです。そうでなければ無償ということがないはずなんです。無償には無償だけの事実があったのであろうから、それならそのように整理をすることが好ましいのではないか、これだけなんで、無償を有償にすべきだ、そういう議論じゃないのです。誤解しないでほしいと思うのです。十分検討願いたい。  これで質問を終わります。

今松治郎自由民主党

○今松主査 田口誠治君。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 十五分と限られておりますので、答弁の方もそのようにお願いいたします。用意してきた質問内容を変えて、簡単なものを御質問申し上げたいと思います。  現在小中学校の統合の場合の建築費は半額補助金が助成されておるわけですが、火災等で災害を受けた場合には起債だけというように把握しておるわけです。私の申し上げたいことは、統合の場合と同じように、やはり国から補助金を助成してもらうように改正をしてもらいたい、こういう考え方なんですが、その点いかがなものですか。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 火災焼失の場合も、大火の際は災害復旧として措置できるわけでございますが、大火でない場合が問題でございます。ただ火災の場合、この原因にもいろいろありますし、また復旧の態様にも特殊な事情もありますし、一般的な補助で考えることが他と同様には考え得ない面もあるということで、現在は起債で措置しているわけでございますが、この点今後の研究課題であろうと思いますけれども、火災の場合の特殊性を考えて、しばらくは起債で措置するということでいいのではないかと考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 大火の解釈ですが、町ぐるみ焼けたというのを大火というのか、学校がまる焼けになったのを大火というのか。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 学校がまる焼けになったという場合でなく、いわゆるその地方公共団体にとって復旧に非常に大きな負担がかかるというような、いわゆる大火でございます。その場合は災害復旧として措置しております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 今御答弁のありましたような大火の場合には、父兄がそれぞれ火災にかかっておるのだから、その地方自治体も相当支出が多いわけで、そういうような点の考慮がされておると思いますけれども、そのことと、学校が火災にありたというのをちょっと混同してはいけないように思うわけです。というのは、多く理屈は申しませんけれども、池田さんが人づくりに努力をしておられる、この一役を文部大臣が買っておられる。学校がまる焼けになった、そうしますと、結局早く環境のいい学校を建築して、そしてそこで子供を教育せねばならぬ、こういうことになりますと、今の地方自治体の財政力からいきまして、まあ起債は九〇%、ほとんど一〇〇%近い起債は起こせますけれども、やはり国の補助金が助成されるということがあり得ないので、焼けたついでに環境のいい、いい学校をつくって一いい学校とは、すなわちもう再び焼けないような鉄筋コンクリートの学校をつくって、そうして子供を教育したいという自治体の考え方があっても、起債だけではそれができないというところが相当にあるわけです。そういうことから考えますと、まる焼けになったというような学校に対する国の恩恵というものは、もう少しこれは考え直してもらう必要があると思うのです。従って私は、率の面は、半額が妥当とか、七〇%が妥当とか、三〇%が妥当とかいうことは申しませんけれども、やはり起債だけでなしに、補助金を助成してもらうような方途をつくってもらわなければならないと思うのですが、この余地は将来とも全然ありませんか。それとも、そういうことについての考えを今まで抱かれたことがないかどうか。また地方自治体からそのような要請がなかったかどうか。この点について承りたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 ございました。私の選挙区でも同じような、今あなたのおっしゃるような事例があって、先生何とかならぬものかと相談を受けたこともございます。事務当局に話を聞いてみますと、今政府委員からお答えしたようなことで、たまたまある学校の校舎が焼けたということだけでは助成金が出る道はないと言われて悲観したことがありますが、そのままであきらめて、仕方がないのだともむろん思いません。なぜ、大火というときには助成するが、学校一校だけが、まる焼けか半焼か知りませんけれども、火災の厄にあったときにはだめなのか、そのことを事務的に行政的に掘り下げて、どうしても大火でなければ助成できないものであって、個別的なものは取り上げ得ないという根本的な理由等も、私自身まだ究明いたしておりませんので、はっきり申し上げかねますけれども、疑問は私自身も残っております。何とか検討して、できるものならばあるけじめをつけることによって、特殊な場合はだめだが、こういう場合はよろしいということの解決策があるかどうか、そういうことも事務当局ともども検討してみたいと思います。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 大臣が検討してみるというお答えでございますので、大きく期待をかけておきます。  それから、敷地を買収する場合に、これは全然補助の対象にはならないのですが、この場合にも私は同じように国の方でどれだけかめんどうを見てやる必要があると思うのですが、こういう点について今まで御検討されたことがないのか、どうしてこういうものが置き去りになっておるのか、その点も承りたいと思います。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 土地の買収には、単価とか、その他土地買収の態様にいろいろな変化がございます。一律にある基準で助成するという補助の対象としてはなかなか扱いにくい事情がある。それも、この土地買収費が補助の対象にならない一つの理由と承知いたしております。しかし今後の課題としては、やはりこの点も一つもっと研究すべき課題である、かように考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 最近は学校を建てる場合に、りっぱな田畑をつぶすことを避けて、整地するにも相当お金のかかるところへ学校を新設するということをどこでもやっておるわけなんです。従って、土地の買収もそうですが、整地に相当に予算を食うわけです。従って、今のお答えもそういう面についての検討をしていただくということでございますので、これはおそらく各市町村からも、表現はどういう表現できておるかわかりませんけれども、そうした陳情が大臣なり局長さんのところへ来ておると思いますので、この点も考慮を願いたいと思います。  そして、特に私は学校教育の場合には、もう少し国の予算を使ってもよろしいということです。パーセンテージからいきましても、日本の今の自衛隊の予算のパーセンテージと比較してあんなに下がっておるようなことでは、私はりっぱな人づくりの、環境のいい教育をすることはできないと思いますので、学校教育に対する必要なもろもろの関係予算というものは、もう少し大臣の方で努力していただいて、大きな予算要求をして、予算獲得をして、地方自治体の要求に沿うような方法をとっていただきたいと思います。私は少なくとも自衛隊の予算よりも、総予算に占めるパーセンテージは学校教育の場合は上回ってもよろしい。それをやらなければ人づくりの何のと言ってみたとて、これはから鉄砲に終わるわけですから、こういうような点についてどういうお考えであるのか。なかなか大蔵省の方がうんと言わぬのか、初めからつつましやかな予算で予算要求をされておるのか、この点も一つ簡単にお答えを願いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 大蔵省は簡単にうんと言わないのが商売ですから、容易ではございませんが、お説のごとく、国の予算の中に占める教育関係の予算金額というものは、妥当なものである限りは多々ますます弁ず、多ければ多いほどよろしい、国家、民族のためになるといっても私は過言でないように事柄としては受け取っております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 もう三分ですから一問だけ聞きます。  御承知の通り各地に飛行場がございまして、そして飛行場の騒音に悩まされて児童の教育に非常に支障を来たしておるわけなんです。それで防衛庁としても防音装置の予算はそれぞれ獲得して努力はしておりまするが、国立の場合には防衛庁の方からは——国立といえば大学と今度の新しい高校で、それよりございませんが、そういう場合に私はどうもいつも不満に思っておりますることは、岐阜県の岐阜大学の農学部、工学部が毎年図書館を鉄筋で建てたり校舎を増築したりしておりますけれども、防音装置をやらないわけなんです。当然防音装置をやらなければならない。またここ三年も五年も前から学校の先生も父兄も町長も、みんなが防音装置をしてもらいたいという要請をしてきておる地域の学校に、図書館を建てたり、あるいは校舎を増築したり、鉄筋コンクリートで建築する場合に、そのときに防音装置をすればこれは安く上がるわけであります。それで国立の場合は防衛庁は見ませんから、やはり文部省の方で気を使っていただかなければならないのですが、なぜそれをやらないのか。これが私は非常に疑問でならないわけなんです。岐阜大学の農学部、工学部の場合を見ても、すぐ近くに飛行場があって、その周囲の小学校、中学校はもう去年、おととしと順次防音装置がなされておるけれども、大学の方だけは取り残されておるということなんです。それで現場というか学校の方から、そういうような要求が現地からないのか。それともいろいろ要請のあったときには、その予算要求を見ただけで施設の方ではオーケーをされるのか。調査をされるのかどうか知りませんけれども、調査を実際にされるとするなれば、これじゃだめじゃないか、防音装置をこの機会にやったらどうだというように省の方では言っていただくべきであるけれども、それがなされておりませんが、なぜそれをやっておらないのか、今後どうするのか、これだけを答弁をいただいて私の質問を終わります。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 私直接大学等から御陳情をいただいたりしたことはございません。事務当局の方でどうであるかは存じないわけでございますが、これは自動車が非常に多くなって騒音がとてもたまらない状態だ、あるいは飛行機がプロペラからジェット・エンジンにかわって、ことに飛行場の付近では何ともならないということから、騒音防止の課題が最近とみにやかましく登場してきたことと思います。小中学校等におきましては、児童生徒が子供であるがゆえに騒音の中で授業が受けられない、学習効果も上がらない、子供なるがゆえに感受性が特に敏感だ、無視をすることができないという緊急課題として数年来国会でも論議されまするし、予算的にも一ぺんにはいきませんものの、逐次防音装置等が行なわれつつあることはすでに御承知のところでございます。問題が最近になって出てきました事柄と、相当の金も要るしすることと、大学の方は中に入っているのは大人だから、児童生徒ほどの緊急性を持って考えるに至っていない。常識的なことばかり申し上げてどうかと思いますが、そういう理由のもとに、私どもも直接大学当局から承る機会にも接しないというようなことにもなっておろうかと思います。さりとて今後に対しまして、大学といえども膨大な国費を投じて目的を達成しようとするならば、騒音による勉学の効果を減らさないように、減殺しないようにという考慮も当然あるべきことだと思います。問題は緩急軽重、限りある予算規模の中に、いつからこれを取り入れていくかという問題として残っておる課題ではなかろうかと思うわけであります。検討すべき問題であることは言わずもがなと思いますが、しからばいつからかということは、今のところ具体案は持っていないということを率直に申し上げまして、お答えにかえます。

今松治郎自由民主党

○今松主査 以上をもちまして、昭和三十八年度一般会計予算中、文部省所管に対する質疑は終了いたしました。  明二十二日は、午前十時より開会し、厚生省所管に対する質疑を行ないます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時十七分散会

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