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43回国会衆議院1963/02/18

予算委員会第二分科会 第2号

発言数
221
登壇者
19
会派数
2
開催日
1963/02/18

会議録

今松治郎自由民主党

○今松主査 これより会議を開きます。  昭和三十八年度一般会計予算及び三十八年度特別会計予算中、厚生省所管を議題といたします。  厚生省所管に対する質疑は本日及び来たる二十二日の二日間とすることになっておりますが、質疑者がきわめて多数でありますので、質疑は大体一人三十分程度にお願いすることといたしまして、質疑の重複を避け、簡素に行なわれますよう、質疑者各位の格段の御協力をお願い申し上げます。  これより質疑に入ります。山花秀雄君。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 時間がございませんので、私は簡単に一問題だけを厚生省予算に関連いたしまして質問をいたしたいと思います。  前年度の予算のときにもこの分科会で若干質問をいたした問題でありますが、ハンゼン氏病の関係の予算関係について質問をしたいと思います。従来から使われております言葉でこれから質問をいたします。いわゆるらい病関係の問題であります。多分患者の方から厚生大臣あてにいろいろ改善方について陳情書が出ておると思いますので、以下私が質問いたします内容につきましては、厚生大臣も関係局長もよく御存じだと思いますので、時間をむだにしないように、端的に一つお答えを願いたいと思うのであります。  多分お手元に出ております陳情書でありますが、八項目ほどで出ておると思うのであります。そのうちの一つでございますところの不自由者看護職員の増員についての要請が出ておると思います。昨年度の予算に比べまして本年度は若干予算規模がふくらんでおりますが、その配分内容をどういうようになさるかということは、せんだって予算書によって説明を承っておりますが、大綱だけでございますので、しさいな点が私にはわかりかねますので、ただいまお尋ねいたしました点で予算措置ができておるかどうかという点を、おそらくこれは大臣ではおわかりにならないのではないかとも考えられますので、担当局長さんの方でお答えを願えればけっこうだと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 お尋ねの施設職員の問題でございますが、大体私の方は今申されましたらいの病院にいたしましても、あるいは精神薄弱者、あるいは身体障害者というようなものにつきまして一番大事な問題は、その施設職員の問題でございます。従いまして施設職員は明年度の予算につきましても相当に増員をいたしたつもりでございます。その内訳等につきましては、ただいまお尋ねがございましたので、政府委員をして御答弁させたいと思います。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 今のお尋ねの点は、らい療養所のつき添いの関係を切りかえまして定員化する、この問題だと思いますが、来年度は五十名増員するようになっております。その五十名をどの療養所に配置するかは、予算が決定いたしましてからきめていきたい、こういうように存じております。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 たしか前年度も五十名ふやしたと思うのであります。前は灘尾厚生大臣の時代でありましたが、そのときいろいろお尋ねいたしました点については、おっしゃる通りごもっともな点がありますので、次年度予算から十分考慮するという言明をされたのであります。ここにその会議録も私は持参しておりますが、こうたびたび大臣がかわりますので、前言を追及するというわけにもちょっと参らないのでありますが、しかし内閣はやはり池田内閣で、おそらく厚生行政はそのまま踏襲されたと存じております。今たしからいの国立病院は十一カ所と私考えておりますが、そういたしますと、平均して一カ所に五人足らずの増員で間に合うと思われるかどうかという点であります。これを一つお聞かせ願いたいと思います。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 五十人の増員であれば十一カ所に分けると一カ所五人ずつではないか、こういうことのお尋ねでありますが、五人ずつ各療養所に分散するというよりも、このつき添いの定員切りかえにつきましては、重症者の病棟の整備等も一緒にあわせてやらなければいけないために、各療養所に全部分散してやる方向でなくて、一カ所なり二カ所なりに集中してそれを配分していく、そして一施設、二施設ずつよくしてやっていくという方策をとっているわけでございまして、来年度も各施設の準備状況と申しますか、患者との話し合い状況その他によりまして、今のような方法でやっていっては、というふうな考えで今おるところであります。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 重点施策でやっていきたい。そういたしますと、去年も五十人たしかふえたという予算でありますが、去年はどういう病院の方に平均配置されたのか、重点配置されたのか。それから今度もし重点配置をされようというのだったら、どういう病院に配当しておるか、もう大体心当たりがあると思いますが、お聞かせいただきたいと思います。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 昨年配当いたしました療養所の名前は、今ここでちょっと私お答えできないのでございますが、来年度の関係は各施設の方と話し合いをいたしまして、準備状況のできているところについて、そこの重症者の看護を患者つき添いでなしに、一般職員でもってやりやすいように施設も整備したい、こういうようなことをあわせてやりまして実施したい。その施設につきましては、これから、一応の計画は担当官の方で持っておるわけでありますが、また施設と話し合いいたしましてきめていきたい、こういうように思っておりまして、現在のところこの施設ときめていることは今ないと思います。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 ただいまのお話はどうもちょっと責任の所在があいまいのように承りますが、五十人増員するのだったら、大体それを重点配置をする、こういうお考えだと大体のめどがつくと思うのです。これから一つ施設側とよく話し合いをして、ポイントをきめて定める、こういう御答弁でありましたが、御承知のように約一万名ほどの患者で患者同盟というのをつくっておられますが、これらの代表の方とも懇談をされますか。単に病院管理者側との懇談でおきめになろうとしておられるのか、この点ちょっとお考えをお聞かせ願いたいと思います。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 できるだけいろいろな方面の意見も聞いてやっていきますが、最終的な決定は療養所の所長と話し合いをしてきめていくわけであります。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 そうすると、患者同盟との懇談も一応はやられるのですか、それともそれは無視して病院管理者側との懇談でおきめなさろうとしておるのか、この点非常に重要でございますので、はっきりお答え願いたい。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 患者同盟の方の意見も、いろいろ意見が出ますれば、その意見は一応参照はしたいと思います。ただしそれによって最終的の決定ということではないと思います。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 ただいま言明されましたように、一応患者側の意見を十分聴取して、それからおきめ願いたいことをこの際希望しておきます。  次に医師の充員ということになっておりますが、その五十名の増員は医師を含んでおるのですか、それとも職員だけの予算措置でございましょうか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 医師は含んでおりませんで、これは患者の看護に当たります看護助手的なものであります。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 医師の増員につきましては、今度予算措置がされておるのでしょうか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 らい療養所の医師の増員はやっておりません。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 これは一つ厚生大臣にもよくお考え願いたいと思いますが、今医師が非常に不足しておることは実態であります。患者同盟の方からも要請がきておる。おそらく管理者の方からも要請が出ておるのではないかと思います。ただいまの予算措置では医師は全然考えておらない、こういうお話でありますが、厚生大臣のお考えをこの際明らかにしていただきたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 医師は現在のところそういう施設には非常に不十分でありまして、定員数を埋めるに至らないのであります。それでありますので、私たちは医師の養成ということに力を入れておるわけでございますが、一般的に公立病院の医師が非常に不足がちでありまして、しかもそういうような特殊な施設の医師が非常に不足がちでございます。その充足率につきまして十分力を入れておるところでございますが、給与の問題もありまして、一般的に一般公務員等の給与は相当上がっておりますが、なお私的の機関の給与とはまだ相当に開いております。従ってこれをどういうふうに打開するかということは私の方の一番大きい問題ですが、徐々にやっておりますけれども、一ぺんにはなかなか上がらない。今給与のランクは医者としては相当に高いのですが、私的のお医者さんとの開きが相当にあるのであります。従って医師の定員はありますが、充足はできていないということは今御指摘の通りでありますが、十分力を入れまして満足な療養ができるようにいたしたい、かように考えております。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 医師の増員は考えていないが、その前の問題として定員も給与その他の関係で十分補充されていないのが実情だ、こういう厚生大臣の答弁でありますが、そうなりますと、一応の定員は患者数その他を基礎にきめられておるのですが、その定員も充足できないということになると、医療がおろそかになることはこれは理の当然でありますが、どの程度今定員数に不足しておる現状でありますか。これは一つ担当官の方からお聞かせ願いたい。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 らい療養所の医師の充足率は、三十八年一月一日付の数字といたしまして、定員百六十四名に対しまして百二十七名というような数字になっておりまして、三十七名欠員になっております。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 そうすると、平均いたしますと一カ所に三、四名足りないということになるのでありますが、おそらく国の予算ですから仕事の量はぎりぎりに定員がきまっておると思うのです。それになお三、四人の充足ができないということでは、これは私は怠慢だと思うのです。これはまるっきり世間と遮断されて、つまり世間から忘れられておるような、谷間のような病院であることは御承知の通りでありますが、もう少し思いやりのあるあたたかい処置をとっていただきたいと思います。私は今すぐ増員というようなことは申しません。せめて来年度の予算にはこの点を十分考慮されて、もし厚生大臣がおかわりになるときには申し送りをしていただきたいということを、この際強く要求して参りたいと思います。  なお、これに関連いたしまして、看護要員の不足から患者が代行をしておりますが、いつも問題になりますのはその作業手当の額の問題であります。本年度予算は去年と比べてふえておるか据え置きか、その点一つお聞かせ願いたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 特殊な病院――らいあるいは身体障害者でも重度の身体障害者を扱うというようなところは、どうしてもお医者の定員の問題――これは増員の問題ではなくして、人間を満たす実員の問題でございます。従いまして、もちろん給与の問題は給与の問題でありますが、何かそういうような特殊な施設については特殊な手当を出すというようなことを考えなければ、どうも定員の充足はできないのじゃないか、こういうように私自身は思っております。給与を上げるということは十分気をつけなければならぬのですが、それとともに特殊な手当制度も考えなければならぬのじゃないか。ことにらいの病院等につきましては、やはりお医者としても早く言いますとあまりいい商売じゃないということでありますので、十分施策を明年度も考えたい、かように思っておる次第でございまして、御意思のあるところは十分尊重していきたいと思います。  後段につきましては、政府委員から答弁させます。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 重症患者のつき添いに患者さんの元気な方をお願いしておるということは、山花先生御存じの通りでございまして、これをできるだけ一般の普通の健康人に切りかえていこうというので先ほどの五十名の増員をやったわけでありますが、まだ幾つかの療養所におきまして、患者さんの比較的軽微な方の補助にたよらざるを得ない状態でございます。そのつき添いの作業賞与金という費目になっておりますが、その金額がどうなったかという問題でございますけれども、これは一日十円前後アップいたしております。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 ただいまの説明だと、一日十円アップをしておる、こういうお話でございますが、もう問題の焦点がはっきりしておりますので、時間がございませんから、イエスかノーか、これはどうかというふうに端的に一つお答えを願いたいと思います。  第三国人の福祉年金にかわる処遇について、たびたび陳情が出ておると思いますが、この問題について、今度の予算措置はどうなっておるか、お聞かせ願いたい。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 福祉年金に関係の該当者でありながら朝鮮人のためにそれが該当しない人の関係でございますが、この金額も年六千円を七千八百円に上げております。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 そういたしますと、年額千八百円上がったということになるのですね。  その次にちょっとお尋ねしたいと思います。盲人給の新設についてやはり陳情が出ておると思いますが、これはどういう扱いになっておりますか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 特に盲人の方だけという扱いをいたしませんで、不自由者に対しまして不自由者慰安金を見ておるだけでございます。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 それは去年の予算措置とどうなっておるでしょうか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 一般の不自由者の慰安金は昨年度と同じ年額三千円でございます。もちろんその基礎に、一般の慰安金がございますが、これが年額九千円が一万二千円に上がっております。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 その次にちょっとお尋ねしたいと思います。盲人とそれから盲人指導の施設完備について陳情がずっと出ておると思いますが、これに何か見るべき施策は今度の予算上表われておるかどうですか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 特に来年度予算では特別の施策を追加しておりません。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 それからバスによる各施設との交流についての請願あるいは陳情がきておると思いますが、これについて予算措置がなされたかどうか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 バスの購入費はたしか二台だったか入っておるというふうに記憶しております。ただ患者さんのうちでも伝染性の多い方などはあまり外部に出すというようなことも問題がございますので、そういう点では患者の各施設間の交流という問題につきましては、いろいろまだ検討する余地もある、こういうふうに思っておりますが、しかし閉じ込められている方ですから、一般の社会に危険のないような範囲において、できるだけ自由にさしてあげたいという立場で検討はしておるところでございます。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 今の二台というのは、今度の予算でふえたという意味なんですか。ただ現在二台があるというような意味ですか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 交換差金として、今持っております悪いのを入れかえする、こういうふうな予算だったように、今ここで数字を持っておりませんので、申し上げられませんが、記憶しております。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 そういたしますと、古いやつを新しいやつに取りかえたというだけで、増量をしたという意味ではないのですね。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 さようでございます。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 それから盲人文化の点につきまして、二、三日前にちょっと新聞にも出ておりましたが、点字を翻訳して、若い外部の人たちが慰安というようなことで苦心惨たんして寄贈したというような、これは一つの社会美談として出ておりましたが、盲人の関係上、ちょっと本を読みたいあるいは娯楽雑誌、小説というようなものを読みたいと思っても読めないのであります。これに対してやはり陳情がずっと出ておると思いますが、ただいま申し上げましたような盲人文化教養費の増費というようなことが今度の予算措置で考えられたかどうかということです。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 盲人文化教養費として特に増額計上いたしておるわけではございませんが、お話の通りにらい療養所にいられる盲人の方々ははなはだお気の毒なのでございますから、従来からいろいろ庁費を切り詰めまして、たとえば邑久療養所におきましては盲人だけの音楽隊を組織するようにその器具を買って差し上げるとか、また皆さんの奉仕等によりまして点字の書物数を集めるということで、名施設とも努力しておる状態でございます。来年度予算で特にそのために計上はいたしてございません。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 身体障害者の諸費の増額、特に身体障害者であるがゆえにという意味で、これも単価が出ておると思いますが、予算上何らかの措置が今年あったかどうかお聞かせを願いたい。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 身体障害者につきましても前年通りのものでございます。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 時間がございませんので、私の質問は大体これで終わりたいと思いますが、ただいまお尋ねいたしました八項目の事柄は、患者の切なる希望といたしまして、厚生大臣あたりに要請書が出ておると私は思います。私の手元にも今読み上げましたようにきておるのであります。ところが、ただいま承りますと、四つの項目については若干の予算措置、これも悪口を言うようでありますが、スズメの涙程度の予算措置が講ぜられておりますけれども、あとの四つにつきましては、特に盲人を含む身体障害者の点につきましては予算上何らの措置も払われていないということでありまして、たとえば盲人関係においては岡山県の邑久あたりでは音楽隊を奨励したとかなんとかいうような心思いのお話がございましたが、しかし予算上の措置は何にもしていないということになりますと、これは気持だけの問題で実が伴わないという一点であります。私はこの前の、前年度の分科会でもこの問題を中心に灘尾厚生大臣にお伺いいたしましたときには、本年度の予算には間に合わぬが必ず考慮する――厚生大臣はおかわりになりましたが、おそらく局長クラスあるいは課長クラスの方はずっと引き続いて仕事に携わっておられると思うのです、そして陳情、要請書が出れば当該局長あたりに大臣の方からお示しがあると思うのです。まことに涙のない厚生行政だと私は思うのです。  それでは最後に一つだけお尋ねいたしたいと思いますが、去年は食糧費が十円上がりましたが、本年度は予算措置は上がったでしょうかそのままでしょうか、これをお聞かせ願いたい。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 食糧費は予算単価といたしまして百十五円が一般が百二十円、それから特別食と申しまして、患者さんの重症の方等に対しまして、特別に料理するという立場で特別食というものをつくりまして、それが百五十円四十銭の単価で組んでおります。平均いたしますと百二十五円ぐらいの状態になって、十円ぐらいのアップになると思います。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 去年は、この問題の質疑中に、たとえばこれは東京の一例でありますが、東京都の施設と国の施設では食糧費の予算単価がぐっと違っておるのです。東京都の方がうんと高いのです。あまりにも国立の方は安過ぎるのです。これは一般の、ほかの医療機関の施設にも同様なことがいえると思うのですが、国と都道府県とがそういう不公平のようなことで、患者が安心して施療あるいは療養ができるかどうかという一点であります。去年の厚生大臣はこの点を十分考慮しょうということでありましたが、本年度の予算措置を見ましても見るべき措置がございません。西村厚生大臣いかがお考えになっておりますか、この点大臣の所見をお漏らし願いたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 患者の給食費でございますが、ただいま局長から説明を申し上げましたように、昨年は予算単価として百十五円、それをことしは百二十円と百五十円四十銭の二つに一般食と特別食に分けてやったのでございます。平均をいたしましても相当上がったつもりでございます。これは材料費だけでございますので、材料費だけでもってそれくらい突き合わすわけでございますから、私は十分だとは申し上げませんが、まあまあというところではなかろうかと思うのでございます。しかし給食費の関係におきまして療養が十分できぬ、栄養が十分とれぬというようなことでは、これははなはだお気の毒でございまするから、ことしも予算単価において相当に上げましたけれども、さらに改善につきまして、あるいは実際の実行につきまして、患者が栄養不足にならないようにということは私も十分意を注ぐつもりでございますから、さような意味で御了承を賜わりたいと思います。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 去年も平均単価は十円上がったのです。ことしも平均単価は十円上がった。去年質疑をいたしましたときに、国立の方は大量でやるから東京都の場合よりも仕入れ措置を上手にやっておるから何とか追っつくのだ、こういうようなことを答弁されておりました。物価は上がっておるじゃないか、こう申しますと、たとえば油だとか何とかは下がっておるというような強弁めいた答弁をなさっておられましたが、そのときに横合いから灘尾厚生大臣がお立ちになりまして、この点は十分一つ考慮をしようということで本年度の予算になったのでありますが、これは厚生大臣が何と言われても相変わらずの措置だと私は思うのです。一段もっとあたたかい思いやりを――特に御承知のように一般社会から隔離をされまして、あそこに入れば二度と出られないという状態です。最近はいい薬ができまして退所者が幾らか今までよりはましになっておるような状態でありますが、そこで最後に一つ聞きたいことは、退所者が退所するときに退所支度金がある程度なければ、社会復帰なんかとてもできないのでありますが、予算上去年とことしも相違点がもしございましたならばお聞かせ願いたいと思います。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 退所者の支度金でございますが、これは単価は前年度と同様に一世帯十万円でございます。ただし前年よりも世帯数を約二割ふやしました。退所世帯数をふやしましたことと、さらにもう一つ退所者の対策でございますが、本年度新規事業といたしまして、ちょうど社会に純粋に溶け込むまでの間、年間一応約二十名の退所者を、更生指導所というものをつくりまして、ここに収容して、社会のいろいろな目に触れないように、しかも本人たちが、社会に戻るための職業補導あるいは精神、身体の自信がつけるように更生指導所をつくることにいたしております。これは団体に委託してやる。国立でありますと、看板その他もかけなければなりませんので、目立ちますから、さような形でこれを百八万九千円新規事業といたしまして、これは半年分でございます、ことしの十月以降に運営開始をする。明年から当然平年化しますが、さような事業で更生の対策を立てる、こういうことにいたしております。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 退所いたします患者に対しまして出るときに洋服とかシャツとか身なりをととのえます費用を新規に三十八年度は百名分予算を組んでおります。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 大体ことしは去年と比べて少し増員予算を組んでおるのですか、たとえば去年二十名だったが、ことし三十名というふうに数がふえておるのでしょうか。その見込数あるいは予算を立てるに一応の見込数というものがありますが、去年同様の退所者の数を見込んでおるのか、去年より若干ふえた数を見込んでおるのか、それをちょっとお伺いいたしたいと思います。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 今申し上げました退所支度金は、去年はゼロだったのでございますが、洋服とか何かを差し上げる費用、ことし三十八年度は百名見込みでございますが、従来の実績は、四、五年前までは七十名ぐらいだったのが漸次ふえていくという立場で百名を組んでおるわけでございます。

山花秀雄日本社会党

○山花分科員 私の質問はこれで終わりますが、あとからまた同様の質問が出るかどうかそれはちょっとわかりませんけれども、これで終われば、らい患者に対する更生処置の問題は一応終わると思うのですが、厚生大臣はよく政府委員の答弁をお聞きになっておられると思いますが、一段の愛情ある考慮をこの際お願いを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。

今松治郎自由民主党

○今松主査 楯兼次郎君。

楯兼次郎日本社会党

○楯分科員 私は、厚生省の所管からやや離れた面があるかと思いますが、実は最近頻発をいたしておりまする交通事故対策の一環として、厚生省としてぜひ一つ検討をしていただきたいという問題がありますので、質疑かたがた厚生省の考慮をお願いいたしたいと思います。  きのうの夕刊に、総理府の交通対策本部でもその必要を認めておるのであります。それはどういうことかといいますると、最近交通事故が非常に多い。特にひき逃げが多いわけです。これはほかの分科会で、私は厳罰に処すべきであるという主張をいたすつもりでありますが、とにかくひき逃げが多いので、救急医療制度の必要があるのではないか、こういうことを総理府では検討して消防法の改正を行なうという記事がきのうの夕刊に出ておったわけでありますが、統計を見ますると、交通事故による死亡者のうちで、事故発生後二時間後に死亡する者が四九%、六千人あるということが統計に出ておるそうであります。これらの人たちは、その二時間内に適切な治療が行なわれたならば命を取りとめることができるというようなことも統計はいっております。従って、この交通外傷者の救護措置について、総理府では一応消防法の改正というようなことを考えておるようでありますが、厚生省としてこの救護措置について何らかの措置を考えたことがおありになるかどうか、まずこういうことをお聞きいたしたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 交通事故に対するお尋ねでございまするが、もちろん交通事故全般といたしましては、政府といたしましても交通閣僚懇談会をつくりまして、その事故を起こさないように第一そういう施策をいたしております。しかし今までも相当に事故を起こし、しかも最近では全国で死者一万四千、傷者を入れれば四十万というような数に上っておりますので、やはりこの死傷者に対する事後処理という問題が重大な問題になってきておるのでございます。実は厚生省といたしましても、交通事故そのものの関係はともかくといたしましても、死者のうちで児童等が非常に多いのであります。この死傷者の数を年令別に見ますと、児童、老人が非常に多いのであります。児童に対しましては、都市の構造といたしましてやはり児童公園を十分につくってやらなければならぬ。それから老人につきましても特別な施策が要ると思います。それはともかくといたしまして、過去の例によりますと、相当な死者がある。その死者に対して事後処理をするということはやはり厚生省の分野でございます。非常に関心を持っておるのでございまするが、不幸にいたしましていまだに適切な方法がないわけでございます。けれども、ないということでは済まされないので、ああしたらうまくいくのではないか、こうしたらうまくいくのではないかといって施策をやっております。東京都の場合は、特に救急の場合は、消防庁との関係において、消防庁が指定病院をつくりまして早くそこにかつぎ込む、それは以後厚生省の病院その他がやるわけでございますが、この問題は、やはり救急医療として何とか方法を確立していきたい。少なくとも死亡者を一人でも食いとめたい、また傷ついた人におきましても、その病気が重くならないようにしたい、かようなことを考えておるわけでございまするが、今ここでこうこうするのだという方法は打ち出すことはできませんが、今後に対する大きい問題として、私の方では検討をいたしておるのが現在の段階でございます。

楯兼次郎日本社会党

○楯分科員 総理府が考えておる救急の対策としては、今、消防車にはお医者さんが乗れないそうでありますが、急の場合には、まず医者を消防車に乗せる、それから救急医療センターを新設して交通専門医などの設置を検討する、詳細はわかりませんが、新聞によると、こういうことを言っておるわけです。現在でも、東京都の場合は、消防車にお医者さんが乗る場合があるかどうか、そういう例はありますか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 現在消防署の方の救急車にはお医者さんが乗り込んでいってやるということはあまりないと思います。負傷せられた方に対して早く救護措置をする、そのためには、今お話しのように、頭を損傷している場合が相当多くて、それがあとで重大な結果を及ぼす。そういうことでありますと、できるだけ早く医者の診断を受けて、必要がある場合には適当な施設に早く送り込むことが必要であり、またそういうような脳の手術等ができますような医療機関をふやしていくことが必要ではないか。そういうような体制につきまして、厚生省の方も、三十八年度予算でいろいろ研究し要求したのでございますが、日の目を見ることができませんで、来年度につきまして、さらに一そうわれわれの方も、関係機関、特に消防庁などと連絡をとりまして、公的医療機関、私的医療機関一体となって救急のいい体制をつくり上げていきたいと考えております。現在の救急車にはお医者さんは乗っておられないと思います。

楯兼次郎日本社会党

○楯分科員 私の主張したいといいますか、お聞きをしたいのは、道路で外傷を受けて車に乗ったという場合に、手当が早ければ助かるものが、病院に行くまでに手当が受けられるならば助かったのが、約一〇%くらいは、そこに時間があるために死亡をしておる、こういうことが統計に現われておるわけです。そこでそれまでに日本全国全部というわけにはいきませんが、少なくとも大きな都市においては何とか、救急医療センターといいますか、そういうものを設けて、その間における死亡者を救済するというような方法を、これは厚生省単独でできるかどうか知りませんが、当然考えなければいかぬじゃないか。もうひき逃げ、ひき逃げがほとんど毎日の新聞に出ておるわけです。治療がすぐできないがために死亡している。これを何とか救済することを、厚生省単独ではできないにしたところが、厚生省が中心となって考えなければならないのではないか、こういうふうに私は思うわけです。医療救急センターというようなものを考えたことはございませんか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 考えたことはあります。東京都におきまして、そういうようなセンターを持つ。また病院も、地区別に大きい病院を特別に指定してやってみたらどうかといういろいろ案を立ててみました。しかし東京都のような場合は何と申しましても救急ということになれば、その制度をやはり医療だけで持っていくことはなかなか困難でございます。従いまして、現在の消防庁のあの機動力を使うということになりますので、一ぺんやってみましたらなかなか名案が出ない。従いまして、東京の場合は今後研究をいたすことにいたしまするが、東京都、その他の都市、たとえば札幌であるとか、名古屋であるとか、大阪であるとか、あるいは福岡であるとか、こういうようなブロックの中間都市と東京都は死傷者の大部分でございます。従いまして、その他のブロックの基幹都市というようなものと東京都はおのずからその救急医療に対しても方法を変えなければならぬだろうと私は思っておるわけであります。従いまして、本年度は大いにそういう施策につきまして検討しております。東京は格別でございますので、別な方法をしなければならぬ。その他の名古屋、大阪、博多、あるいは札幌、こういういうような都市につきましては、人口四、五十万くらいは人口四、五十万くらいに相当する救急の方法を考えてみたい、かように思っておりますので、三十八年度にはいろいろな面から検討いたしまして、一人でも死者がないように、また負傷者にいたしましても、傷が早くなおるように、これは特段の力を入れなければならぬ、かように考えて目下検討をさせておる最中でございます。

楯兼次郎日本社会党

○楯分科員 これはすでに大臣お話をお聞きになったと思いますが、私は岐阜県でありますが、お隣の愛知県は私の今申し上げたようなことをねらいにいたしまして、何か東海災害コントロール・センターというような名前で、各界の協力を得て、敷地、諸設備の準備を進めまして、外傷者の救急医療センターでありますか、そういう運動が行なわれておるようであります。コントール・センターとかいう名前だそうでありますが、それには車の中に手術室がある。そして災害現場に事故があった場合には急行させまして、そしてテレメーターで遠隔診断というのでありますか、負傷状況をセンターに逐一送りながら、その指示に従って適宜病院に収容治療する。また緊急を要する患者にはその走る車の中で手当といいますか、手術をする、処置をしていく、こういうセンターの設立を話し合っておりますが、どうも政府の援助がないとできない。こういうような話を聞いておるのであります。私は非常に時宜に適したことであると思うのでありますが、大臣はどうお考えになりますか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 今、楯さんからお話のありました名古屋におけるといいますか、愛知県におけるお話を私は関係者の方から詳細に聞きました。一つのいい方法であろう、こう思っておるわけであります。その問題も三十八年度の予算の折衝のときには大蔵省と折衝をいたしたのでございますけれども、何さまやってみなければわからぬというようなものだから、なかなか予算の獲得には至らなかったのであります。しかしながら私はあの方法、つまりコントロール・センターがあって、そのディスパッチャーからいろいろ指令をしていく。しかも先に消防庁の車が出ましても、あとから今度はほんとうの設備をした、医者が乗り込んだ救急車が行って適切な処置をするというのも、これは非常にいい方法であろうと思っております。しかも、せっかく名古屋市を中心にして、相当な寄付金まで集めてやろうという、はなはだ熱心なことでやっておりますので、政府も何らかこれに対して援助をしたいということで、直接の補助金はとっておりませんが、今与えられた予算の中でこれを一つモデル・ケースにいたしまして、それに援助したい。もしこの方法がかりにいいとしますれば、名古屋と同じ人口を擁する同じ規模の都市におきましても、相当にこれは有効に働けるものだということで――これをやってみて、あるいは改良すべき点も多々あろうかと思われますが、せっかく地元が熱心で、しかも名古屋大学の諸先生方が非常に熱心にやっておるのでありますから、私は何らかの方法で政府もこれに援助をして、モデル・ケースとしてこれを仕上げていきたい、こういう願望を持っておるわけでございますから、どうか一つ、あなたの方も地元でございますので皆様方を十分督励をいたしまして、いい方法をつくり上げることに御努力をお願い申し上げる次第でございます。

楯兼次郎日本社会党

○楯分科員 これは政府が手を入れて参加して実験をしたわけではないので、これをもって直ちに政府のあなたの方の資料とすることはできないかもしれませんが、昨年の十一月ですか、一月でしたか、とにかく昨年名古屋大学の教授がこのテレメーターの確率度を実験いたしました。そうしたらその実験の結果は一〇〇%成功であった、確率度は一〇〇%であった、こういう結果が出ておるということも聞いておるのであります。せっかく画期的な新しい試みでありますから、ぜひ一つ政府の御支援によってこうしたことが設立できますように、手続の問題は私は知りませんが、一つ何分の御支援をお願いしたいと思います。  もうこれでいいです。

今松治郎自由民主党

○今松主査 井村重雄君。

井村重雄自由民主党

○井村分科員 私は二、三の点を御質問申し上げたいと思います。  先般の新聞紙上を見ますと、臨時医療報酬調査会に関する法案を提出しない、何か別個の組織をつくりたいというふうな大臣の談話の発表がありましたが、それは事実でございましょうか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 懸案になっております臨時医療報酬調査会法案をどうするかということは、ちょうど国会の開会、しかも相当に日にちもたったのでございますから、私といたしましてこれを国会に提出するか、不提出にするかという態度をきめなければならぬことになりました。今まで実は国会におきましても、社会労働委員会等の御質問が野党の諸先生方からこもごもありましたが、今までは、検討をしたい、こう言っておったのでございます。しかしその時期がきましたので、先般来、これは国会と関係のところとはなはだ順序が違うので、初め国会に意思表示をすべきだと思いましたが、日にちの関係その他の関係から順序が違いましたが、まず、臨時医療報酬調査会法を医療問題の合理的解決のためにつくれという答申をいただきました社会保障審議会の方々にお集まりを願って、私の意思表示をしたのであります。本日はせっかくの御質問でありまして、初めて私が国会におきまして私の態度を表明するわけですが、この国会につきましては、諸般の事情を考えまして、この法案は提出するに至らない、かように考えて、私が社会保障審議会において発言いたしまして了解を求めましたことは事実でございます。

井村重雄自由民主党

○井村分科員 よほど十分お考えの上とも存じます。またこの臨時医療報酬調査会の設置に関してはいろいろな批判もあり、また医師会からもかなりの反対のあったことは事実でありますが、適正医療費の算定という問題は非常にむずかしい問題でありまして、支払い者側と、これを受け取る医療担当者の間に相当の問題があることは事実でありますが、しかし国民全体としては、やはり適正な医療費を算定してほしいという声も一部にあることは事実であります。しかしながら、大臣がさように決意された内部には、いろいろ十分お考えの上と存じますが、これについては支払い者側または医師会側と、今日まで内々に了解を取りつけられたでしょうか、いかがでしょうか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 私は、さようにこの国会には提出しないと申しましたことは、あの調査会法案のことそれ自身がとやかく言うものではないのであります。ただあの法案は、御案内の通り、前回二回も提案をいたしまして、その理由はどうであろうとも、通過するに至らなかったのであります。しかしあの法案の最終の目的にいたしております適正な医療を合理的にやるべきではないかということそれ自身は、決してこれは変わるものではございませんし、またわれわれとしては、そういうふうに進んでいかなければならぬのであります。従いまして、私は、法案を提出しないから全部それでもって事足れりとするのではありませんで、法律による方法ができなくても、何らかの方法によってそれにかわるべきものをつくらなければならぬのじゃないか。ことに社会保障審議会は、あの調査会法案とともに中央医療協議会も同じように答申をいたしたのであります。中央医療協議会の方は三十六年の十一月に通過をいたしておりますが、いまだにこれが開くに至らない。代表者を送っていただくような段階に至らないのであります。従いまして、私は、これは法律で制定されておりまして、厚生大臣は重要なものは中央医療協議会にかけてきめなければならない立場でございますので、関係の方々の了解を得て、中央医療協議会はなるべく早く開きたい。何らかの方法によって、調査会法案は提出しないとしても、厚生大臣の責任において合理的な医療費算定の方法は考えなければならないので、関係者に対しまして御了解を得るように努力を今までして参っておるのでございます。従いまして、私は、この関係者の方々の良識ある判断によりまして、何とか中央医療協議会だけは一つ開催するような段階に持っていきたい。それにはまだ十分な説明が要ろうか、かように患っておるのが現在の段階でございます。

井村重雄自由民主党

○井村分科員 お聞きすれば、非常に努力はしておられます。また御心配はしておられるようでありますが、まだ支払い者の団体側並びに医師会の十分なる御了解も取りつけておられないように承知をいたすのでありますが、仰せの通り適正医療費あるいは保険料の算定という問題はむずかしい問題でありまして、全体が納得しないと、せっかく国民皆保険になったのでありますけれども、非常にむずかしい問題でありますが、何か新聞紙上で聞けば、学識経験者をもって厚生大臣の相談的な機関と申しますか、諮問機関のようなものを設けるような御意思のようでありますが、この点については私どもも一緒に御心配申し上げたいと存じますから、一つすみやかに何らかの体系を立てられまして――今仰せの中央医療協議会、これは法律が通りながらいまだに組織ができておらない。従って地方医療協議会の方も非常に機能が悪くて、非常な不便をかけておるのでありまして、保険医の指定、取り消し、いろいろな問題等について非常に不便があるのでありまして、早急にこれらの発足に努力してもらいたい。と同時に、御存じの通り今日の医学の進歩は日進月歩といいますか、非常なスピードで医学が進歩しておりまして、今日の医療体系はもう来年の医療体系でないというくらいに医学は進歩しております。この進歩した医学を国民全体に及ぼすことが非常に必要だ。しかしながら、こういうふうな医療費をめぐっていろいろな国民の上にある団体的なものが、何かとらわれて、闘争をやっているとか、けんかをやっていて、それがために国民の医療に迷惑をかけるということは、国民としては納得できないと思うのです。もうそろそろ国民としても、この問題については相当深い怒りを持っておるんじゃないか。支払う者も、何か自分のポケット・マネーで支払うような考え方、また医療担当者も、自分で医療をきめるものだというふうな、少しの思い過ぎもあるように私は考えます。私自身も医師でありますけれども、多少そういうふうにも考えます。やはり近いうちにこれを決定しないと、ほんとうに組織はできていて医療が国民に恩典できない。これは大臣初め厚生省の各位の責任は非常に重いと思うのです。従来の行きがかりをかなぐり捨てて、すっきりこれを解決していただきたいというのが私の希望であります。  次に、社会保険の問題について、これは予算と少しかけ離れるかもしれませんが、一般論的に少しお尋ねしたいと思うのであります。実は国民健康保険の問題でありますが、ことしから世帯主が七割給付になることになるのですが、これに要する予算は大体見ておりますけれども、これに要する純国費の負担はいかがであり、被保険者の保険料負担はどれくらいでありますか。ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 数字でありますから、政府委員からお答え申し上げます。

小山進次郎厚生事務官(保険局長)

○小山政府委員 世帯主に対する七割給付は今年度後半から実施いたすことになっておりますが、年間にいたしますと、これに要します国の負担は、今年度のベースでいきますと、約八十億足らずでございます。これが所要経費の四分の三でございますから、四分の一に当たるものが保険料の方で負担される、こういうことになるわけであります。

井村重雄自由民主党

○井村分科員 さよういたしますと、年間世帯主だけの七割給付で純国費が八十億、その四分の一はさらに被保険者の負担になるということでありますが、これは勢い将来全部の被用者に七割給付を要望してくるということは、もう趨勢でございます。そうなれば逐年これは非常に莫大なる国費を要するということも明らかであります。そこで私はことしの予算査定の過程においていろいろ聞いたんですが、大蔵省がこの問題について幾つかの問題を投げかけております。失業保険と政府管掌保険を統合しろ、あるいは被用者保険の給付の制限を撤廃しろ、その他五人未満の事業所の社会保険の問題等、幾多この国費の負担増をめぐって大蔵省が、その査定の過程において示唆しております。場合によっては、これは一つの厚生行政の内政干渉のような行き過ぎの点も私は見られるかとも存ずるわけであります。しかし今世帯主だけで約百億以上の純経費を要する場合に、何らかこれを処置していく一つのスケジュールがなければならぬと思うのですが、それについて大臣並びに関係の御意見を承りたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 国民健康保険は、御承知の通り非常に低所得者が多いし、弱体な保険でございます。従いまして、その給付等につきましても改善をしなければならぬということでございまして、いろいろ問題を含んでおります。含んでおりますが、差しあたり急を要する世帯主の七割給付の給付改善を今年度はやったのでございます。しかもそれが年度の途中からでございます。引き続いて起こる問題は、やはり家族の給付内容の改善ということになるわけであります。政府といたしましては、今全部にこの了解を得ておるわけではございませんが、年次計画を立てまして、大よそ今後五カ年くらいな範囲内におきまして世帯主はもちろんのこと、家族もこれを七割給付に引き上げたい、かように今われわれとして考えておるわけでございます。しかしやはり明年度も予算の折衝のときにつきましては、それはいろいろ問題があろうかと思われますが、私たちとしては一応計画的にこの国民健康保険の給付の改善ということは、引き続いて一定の計画を持ってやるつもりをいたしておる次第でございます。

井村重雄自由民主党

○井村分科員 ただいま明確に、大体家族も七割給付を目途として五カ年計画でこれを推進したいというお考えのようでございまして、われわれもそれは非常にけっこうだと了承いたします。  そこでいろいろな保険の整理統合という問題でありますが、中央医療協議会の問題、臨時医療報酬調査会のこの問題でさえも、二年、三年といろいろ問題を起こしてなかなか容易に解決がつかぬ。私はこの各種の社会保険の統合という問題は、容易ならぬ作業であるということは承知はいたしておりますけれども、ここいらで一つ緊褌一番踏み切って、何か特殊の調査機関あるいは国をあげての審議機関か何かを設けて、一歩々々この社会保険を整理統合する一つのスケジュールをつくるべきでなかろうか。いつまででもでこぼこのまま、とにかく年々歳々いろいろな団体の要望に押されて、受け身、受け身でばらばらに保険の内容を改善していくというふうなことでは、少しでも改善されていけばそれでけっこうだという説も立つかもしれませんけれども、ぜひこれは――健康保険が発足してもう非常な年限がたっておるのでありますから、先進国並みにここいらで一つがんばって、この社会保険の整理統合をやってみたらどうかというふうな考えはあるのですか、何かそういうふうな根本的な対策についてのお考えはございますかどうですか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 保険制度につきましては、昨年の十月の社会保障制度審議会からもいろいろな勧告等も受けております。それは要約すれば、やはり非常に給付の内容、財政の規模その他についてでこぼこがあるから、一つそのでこぼこを直すべきだ。で、あの中には、いわゆるプール制をとったらどうかということが言われておりますが、御承知のようにいろいろ発達の歴史がありまして、今日に至っておるのでございまして、これを財政調整といたしましても、そうプール制を一時にとるということはできないのであります。従いまして徐々に進めなければならぬ。大体私は個人的の考え方といたしましては、医療保険、被用者保険と国民健康保険は、やはり当分の間二本建でいくべきではないか。しこうして国民健康保険は、給付の改善を徐々に上げていって被用者保険に近づけつついく。被用者保険はまたその中でいろいろな保険を持っておりますが、この被用者保険は被用者保険の中で可及的すみやかにこのバランスをとらなければならぬのじゃないか、かように私は考えておるのでございますが、今御指摘のようにそのためにはわれわれといたしましても、これはいろいろな学識経験者等に対しましても一括して、この制度のことについて御相談を申し上げる必要があろう、かように考えておりまして、昭和三十八年度はこれらのことをめぐりまして相当に調査研究しなければならぬ。しこうして三十九年度からは、少なくともその財政調節につきましては、何か見るべき施策を用いたい、今年度はとりあえず国民健康保険を被用者保険に一歩近づけるために、わずかに世帯主だけを七割給付にしたという一歩を踏み出した、かように思っておりますが、今年度三十八年度にはそういう調査機関も含めまして大いに検討をいたして、昭和三十九年度からは財政調節につきまして見るべき施策をやらなければならぬのじゃないか、かように私どもとしては考えておる次第でございます。

井村重雄自由民主党

○井村分科員 暫定的に地域保険と被用者保険とに一応段階を設けて統合していきたい、二本建にいたしたいという考え方は、ある程度私どもも納得できるのであります。が、しかし、この被用者保険も、とにかく現在は非常に数多く乱立いたしておりまして、これが治療を担当する担当者の側から見ると、非常なる事務煩瑣である。これはもう実情を知らない皆さん方に申してはわからないのであります。年末から月初めの診療報酬請求書を出すときにいかに苦労しているか、こういうむだが一体いつまでもこのままで許されていいかどうかという問題があるのであります。そこで私どもも一時これらの問題について考えてみたことがあるのですが、現在の各種共済組合保険とかあるいはいろいろな被用者保険を統合することはある程度簡単にできる。一面めんどうな点もありますけれども、現在の組合管掌とかあるいは政府管掌とかいろいろなものは、とにかく被保険者の組織体系と保険料徴収機関としてこれを置けばいいのでありまして、これを解消しなくても、一つの組織として保険料徴収と被保険者の名簿整理のための一つの機関として置けばそれでいい、あとは一切これをプールして、一個の被用者保険としていけばいいわけであります。保険料徴収機関としては、船員保険体系もあってもよろしい、あるいは各種の官庁の共済制度もあってもよろしい、あるいは組合管掌もあってもよろしい、政府管掌もあってもよろしいのですが、これは要するに被保険者の名簿整理、及び保険料徴収機関としての一つの末端組織として置いてもよろしい。しかし給付体系は、これを一本に持っていくということは、ある程度私は研究して、これは可能だと思うのです。そういう点で、一つ今度は十分お考えをいただきたいと思うのです。発足の歴史があるということは私も存じております。しかしながら、その歴史があるからといって、そのままにいつまででも置いていいという問題ではないと私は思うのであります。  これは余談でありますけれども、たとえば請求書は、戦時中は人手の問題いろいろな問題で、とにかく病名あるいは保険者番号、それだけと総点数で請求しておったのであります。そういうこともある程度やはり大胆に、事務簡素化のためには病名診断、給付機関、そして総請求点数、この三つぐらいでぱっと支払うという考え方でやはりやらなければ、いつまででもこういうふうな事務を押しつけていくということは、私は進歩でないと思うのです。そういう点も一つ考えてもらいたいと思うのです。  次に無医村の問題ですが、ことしの僻地医療対策といいますか、無医村医療の問題は、多少予算の増額もあるようでありますが、いま一度来年度予算に基づく構想について、簡単に承りたい。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 僻地医療の点でありますが、三十八年度は僻地の診療所三十九カ所を新設させていただきたい、こういうふうに予定しております。全体としては三百十四カ所僻地として措置すべきものが現在あると考えておるのでございます。それを五カ年計画で処理していきたいのでございますが、そのうちの百九十四カ所に診療所をつくり、九十五カ所にはマイクロ・バスをもって患者を医療機関の方へ運んでくればいいんじゃないか、あとの二十五カ所は、将来道路その他の関係で、措置しなくても解消されるだろう、こういうふうな考え方で、五カ年計画の中においてその診療所関係を三十九カ所まず新設をいたしたい、こういうことで補助金を組んでおります。補助金の単価は、これは前年度は坪当たり単価四万一千六百円のものを五万円に上げておりますし従いまして、全体といたしましては、この金額が三千七百四十三万四千円でございます。それから現在ございます二百三十七カ所と、来年新設いたします三十九カ所の運営費を二分の一補助でやっていきたい。この際運営費中、研究費を増額いたします。すなわち、僻地医療機関にはなかなかお医者さんが手に入りにくいので、お医者さんを手に入れやすいように研究費で見ていこうということで、研究費の増額を見ております。前年度は一万七千五百円を六万円に上げております。そういうようにいたしまして整備を新しくいたすことと、運営費の補助とあわせて、先ほど申しましたマイクロ・バスを考えておりまして、五カ年計画の第一年度として十九台を考えております。それから今申しました三百十四カ所の僻地以外に、特別僻地とわれわれの方で呼んでおりますけれども、人口が少なくて診療所をそこに建てることができにくい、そういうところは巡回診療を県でやらそうと考えまして、そういうような予算といたしまして巡回診療車二十三台分を組んでおります。それから離れ島とか海岸村につきましては、巡回診療船二隻を予定しております。なおこのほかに歯医者さんのいらっしゃらない地区に対しまして、巡回診療自動車の整備を二台考えております。

井村重雄自由民主党

○井村分科員 大体それは承知いたしております。来年度三十九カ所新設する、三百十四カ所五カ年計画でやる、従来処理されたものは二百三十七カ所ですか。これは非常にけっこうでありますけれども、二百三十七カ所ではたして全部のところに医者が定着いたしておりますか。私は、事実診療所の建物はできたけれども、医者がいないというところがずいぶんできているのじゃないかと思うのですが、いかがですか。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 この診療所の方式は、その僻地の診療所をつくるだけでなく、親元の病院と申しますか公的医療機関、都会の大きな病院に責任を持たせまして、そこから医者を派遣するような立場をとっております関係上、二百三十七カ所のうち二百カ所以上は医者がおりまして、今の状態では、比較的いい成績をおさめておるようでございます。ただし、それだけ親元病院はだいぶ苦労してやっております。こういうようなことで、いろいろ研究費を増額するというような措置をとって、少しでも親元病院が楽にやっていけるようなことを考えて措置をとっております。

井村重雄自由民主党

○井村分科員 これは大臣に要望として第一に申し上げたいのですが、今日都会には、ホテルまがいのデラックスの診療所、病院ができておりますけれども、実際同じ日本国民でありながら、ことしの豪雪地帯では、医者にかかることができないで、患者が運搬途中で落命しておるというふうな悲惨な事実もあるわけであります。だれであろうとも人命は非常に尊いものでございますから、ぜひ来年度は僻地診療、無医村解消ということについて、もっと力を入れていただきたいと思うのです。先ほど社会党の委員から、自動車事故の問題も出ましたが、実際町へ患者を運ぶときに、都会の病院の灯をながめながら、運搬途中で死ぬという悲惨なこともあるのですから、ぜひ一つこれは関係方面の多大なる理解を得て、無医地区を解消するように努力していただきたい。  それから、今診療所の医者の問題が出ましたが、実は設備、建物等に、親元病院はあっても、ほんとうにいなかの公民館のような木造の変な診療所では、やはり医者の誇りを傷つけますからして、福祉年金事業団等もありまして、都会地の病院にデラックスな病院を建てるのもけっこうですけれども、それらの僻地へ行く医師の、やはり一つの誇りを満足させるような完全な施設、図書室の完備、研究費の補助等も、これはもう少し思い切って、研究費、運営費、設備も考えてやってもらいたい。これはいなかだから、木造かわらぶき建てでよろしい、ペンキも塗らなくてもよろしい、じゅうたん一つ敷かなくてもよろしいという考え方では、やはり落ちぶれた姿では医師というものは僻地へ参りませんから、やはり医師としての誇りを満足させる、また自信を持って治療するという関係を一つ十分考えてやってもらいたいと思うのです。私は、今日社会保険のいろいろな問題もさることながら、無医地区の解消ということは非常に大きな問題だと思いますから、お願い申し上げておきます。  次に看護婦要員の確保の問題でありますが、これらについて今年度のこの予算でいかようなる措置が講ぜられるのか、一つ簡単にお答えをいただきたいと思います。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 看護婦が足りなくてだいぶ国民に御迷惑をかけて申しわけないと思いますが、従来看護婦さんの養成は、各医療機関がそれぞれやっておりましたが、これに対して責任をとらなければいけないという立場から看護婦等の充実対策を少し大幅に組みまして、二十数倍の予算になっておりますが、まず養成をいたします養成所、これをふやさなければいかぬという立場から、新設四カ所と増改築が八カ所の補助金を見ております。このほかに国立の病院でも、自分の方で養成をしようという立場で五カ所、府県とか日赤、済生会等に対しまして新設を四カ所、増設を八カ所やりたいというような予算を組んでいます。  それから養成所がかなりの定数と申しますか、能力を持っておりながら、その定数を一ぱいにやっていない。各病院の経費の関係からその能力一ぱいをなかなかやってくれないので、その運営費を見ようと考えましたが、その運営費がなかなかとれませんから養成所の備品を補助する。これは新規でございまして、二百七十カ所に対しまして机だとかいすだとかそういうふうないろいろ器具を充実してもらう費用六千八百万円の予算をとっております。  それから、さらに看護婦さんの学費に困る方に対してできるだけ補助をすることと一緒に、都会へ都会へと看護婦さんが流れてくるというのを防ぎますように、いなかの方でも看護婦さんに定着してもらいますようにという立場で、養成所におられる間に貸費をいたしまして、その貸費の関係でその府県にとどまるという立場をとるようにいたしまして、府県に看護婦の貸費生の補助制度をつくっており、その補助金を出しておりますが、その補助金が三十七年度は千三百三十名が二千二百八十七名にふえています。こういうふうな措置をとって看護婦さんの養成を強化していく。  なお、このほかに臨時措置といたしましては、パート・タイマーの資格を持っておりながらうちにおられる方をできるだけ働いてもらうような措置、これは一般行政といたしまして手を打っていく、こういうことであります。

井村重雄自由民主党

○井村分科員 看護婦の要員が非常に少なくて、公的医療機関あるいは私的医療機関双方とも非常に困っておる。医療法で定めるところの定員を満たしていない診療所が非常に多いということで、私は前々回の社労の委員会で指摘しておったのでありますが、今回わずかにいろいろな手当、諸経費が計上されておるようでありますが、こういう程度では決してこれは満足できない。思い切った措置が必要じゃないか。皆さんこのごろ御存じの通り、若い女の子のもぐりのあんまが非常に多い、あんまやマッサージ師を呼んでみると、働き盛りの若い女の子が非常に多い。しかし一方には看護婦が足りないというふうな矛盾があるのです。それはいろいろ収入の問題その他もありましょうけれども、ああいうふうなものを養成する私的の機関といいますか、そうしたものがいろいろできておるのでありますけれども、思い切って国立とかあるいは赤十字病院等の看護婦養成機関、公的機関ばかりでなしに法人組織あるいは地方の医師会組織の准看護婦養成機関について何らか国庫が助成する道を開かないと、きのうきょうの新聞を見ますと、日曜休診で非常に患者に迷惑をかけておる。なぜ医者が日曜休診をやらなきゃならぬか。やはり看護要員の不足、人手不足というふうなことで、土曜、日曜休日を与えなければ私的医療機関には勤め人がいないというふうなことも原因して、土曜休診、日曜休診というふうな問題が社会の悲劇を巻き起こしているような状態です。ちっぽけな私的医療機関に准看護婦的なものが足りないのです。これは、来年度はぜひ考えて、大幅な地方の准看護婦の養成ということに一つ力を入れてもらいたい。しかも准看護婦が正看護婦になり得る道を開いて、いつまででも准看護婦を捨て置かないで、たとえば栄養士も普通の栄養士と管理栄養士というふうなものとの関連があると同じく、これが正看護婦になれるような栄進の道をつくってやって、向学心を起こさして看護婦になる希望を持たせるというふうなことについて深い考慮が払われないと、これは医療問題は困ってくるのです。今日中小企業に非常に労力不足があると同じように大企業、大組織のところへ吸収されまして、こうしたいわゆる家庭的なところの医療補助者がだんだん足りなくなるから、十分この点は御考慮いただきたい。  まだいろいろ問題はございますが、時間がございませんからこの程度で私の質問を終わりたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 今、井村先生からお答えの要求はございませんでしたが、この際私の考えをちょっと申し述べておきたいと思います。実は私はくろうとでないものですからよくわかりません。しかし、だんだん私研究してみますと、やはり社会保障制度を進めるにいたしましても、第一に考えなきゃならぬことは、第一線で働く方は婦人技術者でありまして、婦人技術者が十分得られなければ、看護婦にいたしましても、助産婦にいたしましても、保母にいたしましても、婦人技術者が十分に得られません場合は、社会保障は第一線において進みません。ことに看護婦の問題を今まで見ておりますと、徒弟制度のために、厚生省のやり方も、あそこで二十人養成、ここで二十人養成というふうに昔は自分のところで足りるものを養成すればよかった。しかし私はそれではいかぬと思うのであります。これは公的病院に対しても、私的病院に対しても、看護婦の資格を持つ人を社会一般に送り出すということでございます、従いまして、看護婦は相当に学力があるわけであります。高校を卒業して三年もやらなければ資格はとれないのですから。それが徒弟制度だから、女としてはどこか養成所でやるんだということで社会的に地位も非常に低いのであります。私は、徒弟制度を破って学校教育との結びつけをどうしてもやりたい。そうして御婦人に対して社会的な地位を与える。処遇の改善はもちろんでありますが社会的地位を与えるということをやらなければなりませんし、また一方部分的に養成するんではなしに、やはり学校制度として養成して、それを公私の医療機関にやるんだ、そうして長く勤める青磁婦の人には、特別な商売で、非常に御苦労な商売でございますが、その割合に処遇はよくないのでございますから、そういう看護婦等には褒賞制度もまた十分に考えてやるとか、社会的な面からあらゆる方法を尽くして、来年は根本的に、これは教育の面とともに考えたいと思うわけでございます。せっかく先生たちもそういう気持でございましょうから、私も早草案をつくりまして、一つ皆さん方に御相談をしたい、かように考えておる次第でございますから、どうぞ御了承を賜わりたいと思います。

今松治郎自由民主党

○今松主査 田口誠治君

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 私は第一問として、精神薄弱児の対策について質問を申し上げ、また要望も申し上げたいと思います。  それでかた苦しい言葉になりまするが、新憲法ができましてから、国民の基本的人権というものは非常に高まって参りましたし、そしてすべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利も片一方において与えられておりまするし、国はまたすべての生活面について、生活の保障あるいは社会福祉、公衆衛生の向上、これが大きく増進するような諸施策を講じなければならない、こういうことに相なっております。そこでながめてみまするに、精神薄弱児の対策というものは、非常に冷飯扱いをされておるという感があるわけなんです。従って精薄の児童を持っておる親御さんも、今まではどうかといえばあまりさばけずに、隠しておるというような面がございましたけれども、最近はそうでなしに堂々と、自分のところの子供はこういうような低能な子供だから、こういう教育をしてもらいたい、こういうような施策を講じてもらいたいということが、積極的に親御さんから出てきておるというのが、現実の姿であるわけなんです。従って私はそういうことから考えてみますと、すべて児童は満六才になりますと義務教育を受ける権利も義務も持っておりますが、精薄児の場合には、これは軽微な者につきましては特殊教育を学校で受けておりますけれども、重病人の場合、高度な者、重度な者につきましては、その他の施設において教育はなされておるということが実態であるわけであります。従って義務教育で教育を受ける場合には、義務教育としての費用で教育が受けられまするけれども、その他の学園へ行って勉強しようとするなれば、五千円も六千円も月謝が要るということが実態であるわけなんです。これはいろいろ収入その他財産の面から、ABCDというような工合に段階はつけてありますけれども、多いところは五千円も六千円も出さなければならない。出そうと思っても出せない。そうかといって、自分の家庭ではその子供に勉強をさせて成長させるという守がなかなか困難であるわけでございますので、私はやはり一般の児童と同じ考え方の上に立って、精薄児教育にも努力をする必要があるのではないか、かように考えましてこれから御質問を申し上げるわけでございます。  そこでせっかく文部省から特殊教育課長さんがお見えになっておられまするので、特殊教育を受けられる程度の精薄児はどの程度の人であって、どの程度の教育がなされておるかということについて、まずお聞きをいたしたいと思います。

林部一二文部事務官(初等中等教育局特殊教育課長)

○林部説明員 現在の学校教育におきまして、精薄児を対象といたしますのは、私どもの方で学校教育法施行令に判別基準を定めまして、その判別基準によりまして収容するという体制をとっておるわけでございます。大体IQで申し上げますならば、教育可能な者と教育不可能な者という段階がございますが、私どもとしては教育可能な者を主として収容するという体制で、IQで申しまするならば大体四〇以上のものを、学校教育可能の対象と見ておるわけでございます。精薄児教育につきましては、精薄児養護学校と小中学校における特殊学級、この二つの体系で今進んでおるわけでございますが、両方とも合わせまして、その就学率はまだ非常に微々たるものでございます。従いましてすでに養護学校、特殊学級ともに年次計画をもって、その設置の推進に努めて参っております。私どもの考え方といたしましては、精薄の養護学校は四十四、五年ごろには、これを都道府県に義務設置という形で設置させるという体制をとりたいと思っております。それから特殊学級につきましては、大体人口三万以上の町及び市に将来特殊学級を、人口段階に応じまして義務設置をするというような体制で進めて参りたいと考えて、予算的な措置も年次的に講じておる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 そこでお伺いをいたしたいことは、大体これは総人口からいっても児童の数からいきましてもよろしゅうございますが、百対何人くらいが精薄ということになるのですか。もしそういう記録がございましたらお伺いをいたしたいと思います。

林部一二文部事務官(初等中等教育局特殊教育課長)

○林部説明員 文部省で大体精薄児の出現率を調査をいたして参っておりますが、私どもの方の調査結果によりますと、出現率は四・二五%というふうに現在のところ承知をいたしております。従いまして百人につきましては大体四人強というような状態でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 そこでただいまのお答えからいきますと、昭和四十五年には義務制にするというお考えで、徐々に内容を強化していかれつつあるということを聞きまして、意を強くしておりまするが、私は四十五年を待たずしてもう少しそういう時期を早めて義務制にしてもらうように、この点はお願いをいたしたいわけなんです。  それでこれは厚生省の方にお伺いをいたしたいと思いますが、ただいま特殊教育課長にお伺いをした以外の重病の精薄児を収容する施設が、公立、私立と全国にいろいろあると思いまするが、公立がどの程度あって、何人くらい収容されておるかということ。それからこの施設もやはり通園の場合と泊り込みの場合とあるわけなのですが、こういうような仕分けがございますれば一つデータをお示し願いたいと思います。

黒木利克厚生事務官(児童局長)

○黒木政府委員 精神薄弱児の収容施設の現況でございますが、施設は国立が一カ所、公立が六十六カ所、私立が九十九カ所、計百六十六カ所、その収容定員が二万七百十名でございます。それから精神薄弱児の通園施設は、公立が四十カ所、私立が三カ所、定員が千七百名でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 ちょっと前に戻りまするが、先ほど特殊教育課長にお伺いをした四・二五%というのは、特殊教育なり、養護教育を受けておる人を別にすると何%くらいになりますか。

林部一二文部事務官(初等中等教育局特殊教育課長)

○林部説明員 四・二五%は出現率でございますから、それで現在養護学校及び特殊学級に収容をいたしておりますいわゆる学校教育の方でお引き受けをいたしております就学率は四。五%程度でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 総人口からいきますると四・二五%精薄児というのはおるのだが、そのうちで今あなたの方で教育をしていただいておるのは、四・二五%のうちの四・五%教育をしておる、こういうことなんですね。

林部一二文部事務官(初等中等教育局特殊教育課長)

○林部説明員 さようでございます。従いまして、もしこれを三十六年五月一日現在の児童生徒数の状況を見ますと、四・二五%は出現率ですから、全児童生徒に対しましては、約七十九万人該当者があると私どもは見ておるわけであります。そのうち養護学校及び特殊学級に収容いたしておりますところの児童生徒が三万五千人程度でございます。そういう状況になっております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 厚生省の方へお伺いいたしまするが、ただいまお聞きになったように、総数からいきますると、実際に収容施設の中で教育を受けておる数というものは、全く微々たるものであるわけです。それでこの点につきましては、私が最初に申しましたように、親御さんがまださばけておらなかったという面もございますし、あきらめを持っておられる方もありまするし、施設そのものに入るについてのいろいろな条件がむずかしいという面もあるわけなんで、これを解消しなければならないと思うのです。  それでまず第一にこれを解消する一つの方法としては、父兄の負担が多過すぎるから、もう少しこれを軽減してもらわなければならない、徴収金を少なくしてもらわなければいけないわけです。それで今お伺いをいたしたいことは、この徴収金の算定の基準というものは、厚生省でおきめになっておるものは、どういうものであるか、その点を一つ御説明願いたいと思います。

黒木利克厚生事務官(児童局長)

○黒木政府委員 お答えを申し上げます。この精薄の、特に通園施設等の徴収基準は、各実施主体、つまり市町村長なり知事が実情に応じてきめるという規定が、児童福祉法の五十六条にございます。特に厚生省の方では、この方面の基準というものは、具体的には示しておりません。ただ併置費の予算措置として、いわば決算の場合基準と申しますか、そういうものは厚生省で持っておりまして、これを援護率と称しております。厚生省でまるまる八割二分に相当する額を負担しておりますが、予算上は七五%になっております。従って残りの二五%が保護者から徴収をする率に相当するわけでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 私はまずここに厚生省の精薄児に対するところの対策の貧困があると思うのであります。こういう七十九万人もおる児童を対象にそれぞれの地方自治体において徴収率の算出をきめるというようなことは、これはやはり問題であろうと思うのです。当然徴収令の算定基準というものは厚生省がつくって、これまでは必ずやれ、これ以上軽減する場合には地方自治体の能力においてやったらよろしいが、これだけはやれというふうにしてもらわなければならないと思います。その点どうでしょうか。

黒木利克厚生事務官(児童局長)

○黒木政府委員 御説のように、確かに義務教育に相当する児童もおるわけでございますから、できるだけ義務教育の例に準じて負担を少なくしていく、あるいはなくしていくことを目標にはいたしておるのでありますが、実はいろいろその実情から申しまして保護者の負担をできるだけ軽くするような実益を得たいというので、現在のようなやり方をやっておるのでございます。つまりそれが児童福祉法によりますと、先ほど申しました五十六条で、負担の能力が保護者にある場合にはその能力に応じて必要な経費を徴収するという法律の規定がございます。それに基づきまして、名児童福祉施設で徴収をしておるわけなんでありますが、特に保育所におきましては、はっきりした徴収基準的なものを私どもの方が――これは決算の基準というようなものでありますが、具体的に示しておるのであります。しかしこの精薄の通園施設等は、始めましてまだ間もございませんし、一応地方の実情にまかしたという格好でございますが、実は予算のいろいろの積算の基礎から申し上げますと、大体月に、通園施設の場合で申しますと、先ほどお話が出ました五千円かかるわけでございます。その中には、いろいろ人件費とかあるいは飲食費とか、バスで送り迎えをしますから、そういう費用が入っておるわけなのでございます。ところが義務教育に準じた取り扱いをいたすにいたしましても、給食費あるいはバス送迎の費用というものは、文部省系統でもこれは出してはいないのであります。従って少なくともこういうものは徴収可能な者からは徴収しなければならない。そこでいろいろ計算をしてみますと、最低に見積もりましても、平均して千八百円ぐらいの費用がバスの送迎費とかあるいは給食費等にかかるのでございますけれども、実態はじゃどういうふうに徴収しておるかと申しますと、御承知のようにA階層、被保護階層は、徴収はゼロでございます。B階層、これが一人当たり平均が三百九十二円でございます。それからC階層が平均が五百八円、D階層が平均が千三百八十四円という徴収の実態でございます。これは各県まちまちでございまして、非常に高いところ、低いところがございますが、平均してこういうような調査がございます。そうしてみますと、バスの送迎費用その他給食費で文部省の方の義務教育とは別にかかる費用が千八百円であるのでございますから、実際は、義務教育に準じても千八百円ぐらいとらなければならないのに、千三百円程度をとっておるというような実情でございます。しかし本格的にやはりしっかりした徴収基準をきめる、そうしてできるだけこれを逓減するという方向は正しいと思いますけれども、現在はそういうような実態で、むしろ知事にまかしてありますと、地方の実情に応じましてできるだけ経費を減免するということが励行されつつありますから、そっちの方を進めていく方が、現在では保護者の負担はだんだん少なくなるのではないかという考えでおる次第であります。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 普通の児童の場合でも高等学校へ出す場合、大学に出す場合は、親の負担能力に応じて学校に出すわけでございます。義務教育の場合はそういうことはないわけであります。それで精薄児の場合も、父兄の負担能力がある、ないというようなことを、義務教育の年令間は考えてもらっては困るということなんです。それを考えることがそもそも精薄児というものに対する認識不足といおうか、冷や飯扱いをしているといおうか、あまり強くそういう要望を打ち出してこなかった今日の事態において、そういうような不公平な取り扱いがされておるのだから、あくまでも義務教育を受ける権利と義務を持っておるこの年令の間は、そういう父兄の負担云々というようなことを頭においてものを考えることは間違っておると思うのです。その点どうなんです。

黒木利克厚生事務官(児童局長)

○黒木政府委員 確かに義務教育に相当する精薄児童につきましては、国の責任で教育を促さなくてはならぬのでありますから、できるだけ経費は少なくする、経費はゼロにすることが理想であろうと思います。ただ児童福祉法の全体の建前で、同じような状況にあるほかの児童におきましても、親の負担能力のある場合には徴収するという建前になっておりますものですから、立法上は今のところはいたし方ないのでございますけれども、確かにおっしゃるような方向に向かって努力をいたしておるわけであります。その努力の段階において、本来ならば先ほど申しましたように千八百円だけは別に徴収しなくてはならないわけでございますが、それを千三百円程度にとどめておるというようなことは、一つの努力の現われでございますが、先生のおっしゃるように、確かにこういうことは負担をできるだけゼロにするという方向に向かって、今後とも努力をいたしたいと思います。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 保育園や幼稚園へやっておる児童の場合とも異なっておりますし、これは義務教育を受ける権利と義務を有しておる年令の間は、やはり同じ扱いをしてもらうように、これは文部省とよく連携をとって、文部省の方では昭和四十五年には義務制にしたいという一つの考え方を立てて、そうしてせっかく努力していただいておるのですから、これはどちらかといえば、厚生省の方から文部省の方へハッパをかけてもらわなくてはならない内容のものでございますから、もう一段とこの方面で努力をしていただきたいということをお願いしたいと思います。  それからちょっとこまかいことになりますけれどもお伺いしますが、今の処置費の積算基礎は各県ごと違っておりますか、これは統一されておるのですか。

黒木利克厚生事務官(児童局長)

○黒木政府委員 これは大体各県共通でございますが、ただ施設の三十人とか六十人とか九十人とか、子供の数によりまして、少し差異を設けております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 それで結局処置費の積算基礎からこの専務費というものが割り出されるようになっておりますが、私は少なくともこの施設の事務費は、やはり全額国庫負担にしてもらいたいということなんです。これはそんなに多額の金ではございませんので、ただいまお伺いをいたしました公立、私立――まあ国立は別といたしましても、公立、私立の場合に事務費を全額負担したとて、これは予算的に支障を来たすというような内容のものではありませんので、少なくともこの辺から一つ手をかけてもらいたいと思うのです。これはことしということはむずかしいかもわかりませんが、社労の方でいろいろやられて、ことしということになりますれば――三十八年度というようなことに途中からなれば幸いでございますけれども、私の要望としては、やはり三十八年度の予算を審議するときにお願いをするのだから、三十八年度からという考え方でございますけれども、万が一その措置がとれなんだ場合は、来年度は完全にこの項を実現に移していただくように、これは強くお願いをしておきたいと思います。  それから職員の定員でございます。これが私実際に施設へ行ってみますと、こまかい話からいきますと、小便をするときから先生が連れて行って、小便するにはこうするんだと言って小便をして子供に見せて、それから教育をしておるのです。これは並み大ていのことではないのです。欲ばって言えば、一人か二人に一人ずつ先生が要るというように考えられるわけなんです。ところが現在のところでは、通園児童の場合は十名、収容児童の場合は七名に一人ということだと思うのですが、これは違っておればあとから承りたいと思いますが、それをまずさしあたり通園児童の場合でも、七名に一名、収容児童の場合でも五名に一名というように、職員の定員をふやしてもらうように、この点もお願いしがてら質問をするわけですが、いかがなものでございますか。

黒木利克厚生事務官(児童局長)

○黒木政府委員 確かに御質問のように、職員の定数が足りないという要望がございまして、事実そういう感じがいたすのでございます。中央児童福祉審議会でも、最低基準について厚生大臣に答申がございまして、お説のように十人の場合には七人、七人の場合には五人に一人というような基準のお示しがありました。その線に沿って財政当局にも要求したのであります。しかし、まず職員の処遇の改善というものが先決でございまして、この職員を確保することが何よりも急務であるということで、三十八年度はとりあえず職員の給与の改善に重点を置いたわけでございます。今後ともこの職員の定数の増加につきましては努力をいたしたいと思います。ただ大蔵省と大体の話がつきましたのは、この精薄の子供の中でも、重度の精薄の児童については特別病棟というものをつくっていく、この予算を認めていただきまして、全国で五カ所でございますが、この五カ所の子供を見る場合の職員の定数は、現在の基準よりも緩和される、お説のように五人なりあるいは四人に一人というようなことで、大体三十九年度からになりますが、今のところ話がついているような次第でございます。今後ともそういう努力をいたして参りたいと思います。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 その点については今後最大の努力をお願いしたいと思います。  それからただいま御答弁にもありました職員の待遇改善の関係ですが、特殊教育をしておる先生と、公立、私立の施設の職員とでは、手当がちょっと違って少ないと思うのですが、そうですね。

黒木利克厚生事務官(児童局長)

○黒木政府委員 御説のように、確かに精薄児の収容施設あるいはそういう施設の職員の特別手当については、他というか文部省の方と比べて十分ではないのでございますが、ただ今回の給与の改善の機会にできるだけ早い機会に格付をいたしたい。そういう場合に精薄施設の特殊性にかんがみまして優遇したい。本俸におきましてもあるいはその他特別手当といいますか、結局二十四時間の勤務形態でございますから、何か特殊の考慮をその場合にしたいということで、今大蔵省と交渉中でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 待遇改善の方は給与の面で御考慮いただいたという程度なんですか。今の手当の方は今まで通りですか。

黒木利克厚生事務官(児童局長)

○黒木政府委員 今まで通りでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 給与はどれくらい。

黒木利克厚生事務官(児童局長)

○黒木政府委員 これは私の方の児童収容施設の方は八%の平均アップでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 あすは国家公務員の給与の問題を内閣委員会で審議いたしますが、向こうの方では七・一%、これは八%というとパーセントがいいように聞こえますけれども、大体において現在が安いのですから、国家公務員の方のベース・アップのパーセントがどれだけになろうとも、やはりもう少し今の段階でぐっと上げてもらわなければ均衡がとれませんから、この点も一つお含みおきを願いたいと思います。まだいろいろ聞きたいのでありますけれども、時間も考えまして次に移ります。  それから私どもが行ってみましても、看護婦さん、栄養士というものがどうも要るように考えられるわけなのです。ぜひ看護婦さんと栄養士は少なくとも一名ずつ置きたい。もっとも置くということになりますと、収容人員何名に対してというか、いろいろそう基準はできると思いますけれども、その必要が特に精薄児の場合はあります。途中いろいろな病状の形になるわけです。それで先生が非常に戸惑うのです。そういうことから、やはりそれぞれの村で担当のお医者さんが見えまするが、お医者さんの意見を聞きましても、少なくとも専門的な知識を持っておる看護婦と栄養士というものはつける必要がある、こういうことを校医の先生も言っておられますので、この点も一つ御考慮をいただきたいと思いますが、この点につきましてはどういうようにお考えになりますか。

黒木利克厚生事務官(児童局長)

○黒木政府委員 お説のように中央児童福祉審議会も最低基準の答申の中に入れてございますから、今後努力を続けて参りたいと思います。ただ、三十八年度は先ほど申しましたように給与の方に重点を置きましてこちらの方が実は実現できなかったのでありますが、先ほど申しました重度の精薄児につきましてはそのような特別な加算というか特別な基準というものを認めていただく約束は大体できたわけであります。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 それから間食費は現行は五円だと思うのですが、このごろ五円の間食費といっても当然父兄の負担が相当にかかっておるわけなんです。この点はやはり変えていただく必要があると思うのです。そういうことを何かお考えになったことはございませんか。

黒木利克厚生事務官(児童局長)

○黒木政府委員 確かに間食費の五円は低過ぎるので、増額の要求をいたしたのでございますが、今回は先ほど申しましたいろいろな給与のことに重点を置きましたために、残念ながら断念をいたしたのであります。  なお、先ほど給与の八%のアップということを申し上げましたが、これは公務員の七・一%に相当するアップとは違いまして、公務員のアップの上に、公務員の七・一%アップに対しまして私たちの施設のアップは九・一ぐらいのアップを認めてもらうことになっておりますが、それにさらに八%増額ということでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 ありがとうございました。その九%の上にまた八%現在安いから増してやる、こういうことですね。  これはいろいろ質問をしていると長くなりますので結論に行きますが、こういう精薄児童の家庭について、児童福祉司さんが専門的においでになりますね。この方の数があまりにも足らないと思うのですが、これは全国にといったらいいのか、人口に応じてと質問したらいいのか、ちょっとその点迷いますが、どの程度おられますか。

黒木利克厚生事務官(児童局長)

○黒木政府委員 児童福祉司は主として福祉事務所に配置されているわけでございますが、実は定足数に満たない充足率でございまして、今定足数を充足することに重点を注いでいるような段階でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 時間がきたと思いますが、もうちょっとお願いします。  この点についてまだまだ私突っ込んでお伺いし、お願いをしたいことがございますけれども、次に移ります。  今、戦争未亡人児童の扶養手当と戦争未亡人でない未亡人の児童の手当と年限が違うのです。戦争未亡人の場合は満十八歳まで、その他の未亡人の場合には義務教育まで、こういうギャップがあるわけです。ところが地方に行ってみますと、どちらかといえば、戦争未亡人の場合には、十八歳未満の児童のある場合にきまった手当をもらっても、またその他の方からもあるわけで、実際は戦争未亡人でない未亡人の方が、子供をかかえておられる方は困っておられるわけです。だからその他の未亡人の方もやはり戦争未亡人と同じようにやってもらわなければ不合理じゃないか、こういう強い要望があるわけです。この辺どうなんですか、どなたでもいいがおわかりになったところで御答弁願いたい。

黒木利克厚生事務官(児童局長)

○黒木政府委員 国民年金の福祉年金というのは中学前の児童、私の方の児童扶養手当の対象児童も中学前ということで、その点については同じでございますが、ただ遺家族援護法の方の関係は所管の局長からお答えをしていただきたいと思います。

山本淺太郎厚生事務官(援護局長)

○山本(淺)政府委員 遺族援護法では御指摘の通り十八歳未満の子供につきまして加給されております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 それで戦争未亡人でない未亡人の子供さんの扶養手当も同じく十八歳までにしてほしいということなんです。どうですか。

山本淺太郎厚生事務官(援護局長)

○山本(淺)政府委員 援護法、恩給法のような世界におきましては、公務員の給与と同じような観念で国家補償をするという基本的な立場でそういう給付がてきでおるわけでございまして、社会保障の世界におけるそういう同類のものをどう処置するかということは、またおのずから別の見解、考え方が出るということであると考えるわけです。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 法律は別々でありますし、出発点が別な要素を持っておりますから、それで私は、違っておるということについてはわかります。わかりますが、戦後何年かたった今日において、戦争未亡人でない人の方が、よけい子供さんをかかえておる人たちは困るわけです。それはその他の方から入ってこないわけですね。戦争未亡人の場合には、ただ扶養手当だけでなしに給付されるのだから、そういうことから、そこに開きがあるからおかしいいじゃなかということが最近出てきておるわけです。法律をつくるときにはやはりそれぞれの要素があって、違った立て方がしてありますけれども、今日になっては、それはやはりおかしいじゃないかということになるのです。だから私は、この際やはり十八才なら十八才というところに線をきめるべきであろうと思うのです。その方面の担当の方は見えませんか。

山本正淑厚生事務官(年金局長)

○山本(正)政府委員 ただいまの御質問の中で、これは戦争未亡人との比較でお話がございましたが、年金の諸制度の中におきましても、拠出制年金と無拠出年金を比較いたしますと、そこにそういった差が出ておるわけでございまして、厚生年金等におきまして、あるいは国民年金におきましても、拠出制の年金の遺族年金の場合の加算の年令というものと、福祉年金でございます母子年金の子供の年令、いろいろ違いがあるわけでございまして、そういった諸制度を通じまして、それぞれ拠出制の年金と福祉年金との性格の違いといったようなこと、あるいはまた長期の年金制度の各種の制度がございまして、その間におきまして、子供の年令といったことでなしに、ほかの面につきましても、同じような制度でありまして、若干年限とかその他が違っておるというような、各種の相違があるわけでございまして、こういった問題につきましては、今後年金制度を整備していく上におきましてどうするかというような問題といたしまして解決をはからなければならぬ、かように考えておりまして、今回の年金改正におきましても、そういったような問題を検討いたしておる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 その辺を一つ今後よく検討していただいて、同一に法の改正をしていただくようにお願いをいたしたいと思います。  それから終戦後に戦地で病気になった、公務としましょう、公務で今度引き揚げてきて、そして内地で死亡した場合には、引き揚げてから一年間は弔慰料が出る、厚生大臣の認めたものは三年まではよろしい、こういうことに現在の法律はなっておるわけです。ところがこれが、三年で死んだ人も、四年で死んだ人も、五年で死んだ人もあるわけで、ここの法律をやはり検討して、改正していただく必要があるのじゃないか、こういうように考えられるわけです。これは今即答ということはちょっとむずかしいと思いますが、一つ御検討をしていただくようにお願いをいたしたいと思います。

山本淺太郎厚生事務官(援護局長)

○山本(淺)政府委員 お答えいたします。戦地で傷病を得まして内地へ帰りました場合におきましても、当該傷病と内地における死亡との間の因果関係がございますれば、年月がたっておりましても、当然これは公務死亡として公務扶助料あるいは遺族年金の対象になります。それから、ただいま先生の御指摘になりましたケースに該当するのではないかと思いますが、内地の兵舎等に常時居住する、たとえば兵隊さんのような方、こういう方につきまして、厳密な意味の公務とは言えないけれども、職務に関連して疾病を負った場合におきましては、ただいまのところ、一年以内になくなった場合、結核性疾病におきましては三年以内になくなった場合においては、特例扶助料かあるいは特例年金が出ることになっておりますが、この問題につきましては、先生御指摘のようにこの期間をもっと延ばして、救済の範囲を広くすべきでないかというような御要望がかねてから非常に強うございましたので、今国会に遺族援護法の改正を現在提出いたしまして、この一年、三年という期限を二年、六年というふうに緩和いたしまして、その間におきまして疾病にかかり、後、死亡した者につきまして、そうした年金の対象にしたいという改正を現在出しておる次第でございます。

今松治郎自由民主党

○今松主査 田口君に申し上げますが、時間もだいぶ経過いたしましたので、結論をお急ぎ願います。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 援護法の三十四条ですか。

山本淺太郎厚生事務官(援護局長)

○山本(淺)政府委員 むずかしい法律でいいますと、旧軍人の恩給の特例に関する法律でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 速記録を見て、またあとから直接行きます。  それから、私よく時間はわかっておりますが、一口で答えてもらえることだし、一口で文句を言いたいのだが、厚生年金の改正を去年とおととしと二年続けてやったわけです。厚生年金というのは、各種年金のうちで一番給付が悪い。これは厚生省も認めておられるし、それから被保険者も認めておって、昨年は分科会でも、厚生大臣が、来年は必ず改正をします、給付の引き上げをやります、こう言っておる。それから社労でも言っている。それから参議院でもそういうようにお答えになっておるのです。ところが、私は特に昨年の分科会で、今からやると言われても、社会保障審議会にかけて予算措置をとって、必ず来年できますかと言ったら、技術的に必ずできますというお答えがあったのです。ところが、ことしは何らそういう改正の意思なしということで、私たちとしては非常に不満であり、また国会の答弁が、大臣のかわるたびごと、局長のかわるたびごとにその内容が変わっていくということ、国会で約束したことが守られていかぬということについて、大きな不満があるので、この点についてどうしてそうなったのか。来年は当たり年ですから、ほうっておいても改正することになると思いますが、どうしてことし改正しなかったのか。去年の回答からの経緯を御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 厚生年金に対しまして、できるだけ早いところ改正をしたいというようなことを、厚生省としても考えておりましたし、前大臣もそう申しておったようでありますが、しかしいろいろ問題がありますので、やはり再計算の時期を待ってやろうか、本年度については、さらに検討することがたくさんあるということで延びたわけでございまして、来年はぜひともこれをやらなければならぬことになっておりますので、そういう次第で延びたのでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 大臣はそうですが、局長さん、ちょっと内容を詳しく話して下さい。

山本正淑厚生事務官(年金局長)

○山本(正)政府委員 ただいま御指摘ございましたが、厚生年金の改正につきましては従来いろいろの要望あるいは御意見等がございまして、昨年におきましても検討を進めておったのでございます。ただ非常に広範な問題にわたりまして、かつまた関係方面の意見が分かれる点も多々あるわけでございまして、そこで昨年度におきましてはこういった制度の改正を審議いたします審議会、具体的には社会保険審議会におきましていろいろ検討していただくという段取りになっておったのでございます。ところが社会保険審議会の、任期満了に伴う構成が若干おくれました関係、並びにその途中におきまして昨年の夏社会保障制度審議会から勧告並びに答申が出まして、特にその中におきまして年金制度の根本に触れる諸点が明らかにされたわけでございます。こういった制度審議会の勧告のあります諸点をも検討し、かつまた各界の意見の調整をはかっていくという方向をとっておりますので、今日の段階におきましては社会保険審議会におきましても御検討願っておる、こういった経緯をたどっておる次第であります。

今松治郎自由民主党

○今松主査 午後一時三十分より再開することとし、暫時休憩をいたします。    午後零時四十一分休憩      ――――◇―――――    午後一時四十二分開議

今松治郎自由民主党

○今松主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  厚生省所管に対する質疑を続行いたします。倉成正君。

倉成正自由民主党

○倉成分科員 原爆犠牲学徒の援護に関する御質問を申し上げたいと思います。  政府におきましては、今国会におきまして戦傷病者戦没者遺族等援護法を改正せられまして、いろいろな面においていろいろな条件を緩和されまして、戦没者遺族の処遇についていろいろと御配慮をいただいておることは、御同慶にたえないところであります。ところで、これらの戦没者の遺族と同様の立場にありながら、あまり大きな声を出すことのできない原爆犠牲学徒の問題について大臣に聞いていただき、御所見並びに対策についてお伺いしたいと思うのでありますが、長崎大学の学生の問題であります。昭和二十年八月九日午前十一時二分に長崎に原爆が落ちたことは御承知の通りでありますが、当時長崎医科大学並びに医学専門の学生が四百六十七名、この医学部において解剖学の講義その他いろいろな講義を受けておったり、あるいは実習をいたしておったわけであります。不幸にして原爆中心地が長崎大学のすぐそばでありましたために、これらの四百六十七名の学生、生徒諸君はほとんどこのとうとい犠牲になったわけであります。当時御承知のように医者が非常に足らない時代でございましたから、これらの学生諸君はいろいろ医者の方々の助手として民間の医療活動の応援をしておったことも事実でありますし、またこの八月九日には原爆の中心地において鋭意医学の研修に努めておったわけであります。そこで問題は八月九日という時点でありますが、これは通常から申しますと、夏休みに入るわけであります。長崎大学の学生というのは、長崎在住の者だけではなくして、九州のみならず全国から学生が参っておるわけでありますから、当然これは通常の状態でありますならば、夏休みとして郷里に帰っておったと考えられるわけであります。そこで、八月九日にこういった長崎大学の実習を受けておりながら原爆被爆を受けたということは、何らかの国家的な要請があったのではないか、たとえば軍医が非常に足らないから、とにかく夏休みはなくして早急に軍医を養成しなければいけないというような要請その他いろいろあったと考えられるわけでございます。当時長崎大学の教授をしておりました調という教授がおられるわけでありますが、この方の記憶によりましても、文部省その他から何らかの要請があって――詳しい法律の名前はわからないけれども、そういう指示によってこういう勉強をしておったといわれるわけでありますが、何分時間がたったことでありますから、その記憶をつまびらかにすることができないのが非常に残念であります。そこでこれらの学生の諸君の父兄といたしましては、戦後十八年たちまして、各戦没者の遺族の方々の援護がだんだん充実して参りますし、これらの方々は、そういった国家的な扶助のみならず、靖国神社にも祭られて、国家のために死んだのだということで、非常に厚い処遇を受けているにかかわらず、これらの学生諸君の父兄は何らのそういった恩恵を受け得ないということで、まことに残念だという気持を持っておりますし、だんだんこれらの父兄も年をとって、中には死亡された方もあるわけでありまます。  そこでこれらの方々の要請の第一点は、ちょうど動員学徒と同じような意味においてこれらの遺族の方々に扶助年金を支給していただきたいということであります。第二は動員学徒と同様に靖国神社に合祀していただきたいという点であります。第一の問題につきましては、これは国家総動員法その他法律がいろいろ明らかになれば当然こういう処置がとられると思うのでありますが、特に第二の問題について大臣の特別の御配慮をお願い申し上げたいと思いますのは、これらの遺族の方々の一番のねらいは、扶助年金等が受けられれば、もちろんこれが一番いいことには相違ありませんが、そのことよりもさらに重要なことは、これらの自分たちの子弟が決して犬死にをしたのではない、単に戦争によってばく然と死んだのではない、とにかく一生懸命国家目的のために働いておって死んだのだから、これを一つ認めていただいて、せめて靖国神社に祭っていただいて、そういう立場の父兄の気持も慰めていただくし、これらの死んでいった学生諸君の霊も慰めてもらいたい、こういう非常に純粋な気持の要望が強いわけであります。この点についてほかにもこれに似たような例が若干あるとは聞いておりますけれども、いかような処置をされるつもりか、一つ伺いたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 原爆の被災者につきましては、ほんとうにお気の毒でございました。ただいま政府としてやっておることは、非常にお気の毒ではございますが、一般戦災者との関連もありますので、援護法その他の対象になっておらないのでございますが、原爆被害者の身体上の問題もありますので、医療の問題につきましてできるだけお世話をいたしておるのでございます。今倉成さんからお尋ねの件でございますが、長崎において相当の学生の方がなくなったということで、遺族の方々にとりましては非常にお気の毒な次第でございますが、この方たちがただ単にその大学に行っておってということでございますと、一般の被災者と選ぶところがないわけでございますが、もしこれが今あなたも述べられましたように、何らかの形で軍の命に服しておった、あるいは動員学徒と同じような準軍属のような勤めをしておったんだということが積極的にわかりますと、遺族の方々に対しましても、さらに報いることができるのじゃないかと思って、その一点でございます。遺族に報いるにいたしましても、金の問題は別といたしましても、靖国神社に祭るということもございましたが、やはりその問題もおそらく準軍属というようなことにならないのかというようなことが問題になると思いますので、そうでなければ原爆のみならず焼夷弾で死んだいろいろな方々と同じような処遇しか、お気の毒でもできないのじゃないかと思われるのでございますから、そういうようなことをもう少し調査をして、動員学徒あるいはそれに近いようなことであったのじゃないかというようなことを、もう少しせんさくし、検討することが第一の問題じゃなかろうか、かように私は考えておるのであります。

倉成正自由民主党

○倉成分科員 ただいま大臣のお話のように、これが全然何らかの指示がなくて原爆にあったということであれば、一般の被災者と同じように扱わなければならないということはお説の通りだと思います。しかし先ほども申し上げましたように、八月九日といえば、学校の夏休みに当たるときに、しかも五名、十名の人ではございません。四百六十七名という大量の人が原爆でなくなったという事実は、これは動かすことのできないことであります。しかもこれら兄弟の焼けただれた無残な死骸を抱いて、ほとんど骨さえわからないというような形で、この骨を求めて歩いた肉親の悲しみは、いやすことのできないことでありますから、これはもちろん厚生大臣におきましても、また文部省にもお願いいたしまして、これらの根拠の規定について、これからいろいろ検討していただきたいと思うわけでありますが、かりに百歩譲りまして、それらの規定が十分明らかでなくても、せめて靖国神社に祭って、これらの学生諸君の霊を慰め、遺族の気持を何とか慰めてあげるということはできないものかということを考えておりまして、私も実は靖国神社あるいはいろいろな援護会その他各地を歩きまして、いろいろな方面と折衝を実はいたしてみたわけでありますが、どうしても援護法にひっかかるということであります。そういたしますと、どうも実情に合わないのじゃないかという気がいたしますので、できることなら援護法を一部改正いたしまして、そういう特殊なケースについては一つ靖国神社にも祭れる――これはもちろん靖国神社は国家の行事と無関係でございますから、これを直接というわけにはいきませんが、慣例としてそういうことになっておるようでございますから、そういう救済の方法はないかということを、特に大臣にお願いを申し上げたいのであります。この点についていま一度御答弁いただければ幸いと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 あなたがおっしゃいましたように、靖国神社に対しまして国家はそれと直接関連は持ちません。持ちませんが、御承知のように靖国神社にということで関連性があれば、やはりそれに相当するところのことをやらなければならぬという関連性も持ってきます。従いまして御趣旨のあるところは十分よくわかりましたから、私の方もさらに進んでやはり同情を持って一つ検討をいたしてみたいと思います。従いまして、事情に最も詳しい先生でございますから、その辺はまた御協力を願いまして、私どもも前向きの姿勢で同情を持って検討をしたい。今ここでそうだという確言だけは保留させていただきたいと思います。

倉成正自由民主党

○倉成分科員 今大臣の非常に同情ある御発言がございましたので、一つ今後私どもも十分いろいろな資料を整えて御協力申し上げたいと思いますので、こういった非常に小さい声ではございますけれども、気の毒な人々を救っていただきますように、ぜひお願いを申し上げます。  続きまして原爆の問題につきましては、御承知のように原子爆弾被爆者の医療等に関する法律を改正していただきまして、三キロ以内のものを特別被爆者として認めていただきまして、非常にこれはわれわれにとってありがたいことであったのでありますけれども、長崎の方は御承知のように地形が非常に輻湊しておりまして、三キロという円を描くわけでありますから、ある町の中途でこれがひっかかるとか、いろいろな点において不都合が出ている面が若干あるわけでございます。たとえばわらぶきのうちで焼けたうちがありましても、三キロからはずれるということもございますし、まあ現地の希望としては、この制限を撤廃してほしいという希望でありますけれども、撤廃ということはなかなか実現はむずかしい問題がありますが、もう少し距離を広げて特別の被爆者として取り扱っていただくことができないだろうか。また身体障害者や老齢者が相当あるわけでございますが、これらの方々に対する特別な援護措置が講ぜられないかという点でございますが、これについての御所見を伺いたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 三キロの制限はありますが、地形等の関係もあって、非常に気の毒だという場合もございます。非常にこまかい問題になりますから、政府委員がさらに詳しく知っておると思いますから、政府委員から答弁をさせます。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 一応一昨年の法律改正で三キロという線を引いたわけでございます。その前は二キロでございました。長崎と広島でも、同じ円周でございますと障害物、ことに山が長崎は多うございまして、これによりまして被爆量というものが必ずしも円周と平行しておらない。広島はほとんど平野でございますので、いわゆる距離の二乗に反比例するというのに近いところで放射能の検出が多く見られます。長崎はとんでもないところに案外反射が集中しているところと、距離は二キロであるが、前に山があって、その陰のために大したことがないとか、こういう不合理がしばしば言われております。また現実に資料も出ておりますので、先般から原爆の審議会で審議いたしますときに、長崎につきましては地形状況を見まして、ある程度応用をきかす。原則として三キロをふやしていいという形でなくて、現実に三キロで平野で受けたと同じようなことが立証されるならば、その部分は三キロとみなして応用をきかす。こういう指導をお互いにいたしておりますので、もし個個のケースで不都合がございましたら、さようなデータを調べまして、今のような線で処置したい、こう存じております。  それからなお老齢年金、障害者の援護でございますが、これは原爆被爆者の法律で、年令の差別なしに、この条件等に当たりました者に対しては手厚い医療保護を与える、これは一般の原爆症の医療、それから特別被爆者のその他の医療、これは一生続くわけでございますが、これをやっております。従いまして、被爆当時中年であったものが今老年になっておる者もございますし、それから当時一才であったものが全部十八才、こういう形になっておりまして、若い方では胎児の一部が十七才というのが今あるわけでございます。従って、みんな大体青年以上というのが対象者でございます。それからこれは一般病気でも減少はしておる。年間約三千名が日本国民のこの年令階層の一般死亡率で大体減少いたしております。しかしながら、生活援護その他の点になりますと、先ほど大臣が基本線をお示しになりましたように、一般戦災者等と比べまして、原因がどうあっても、現に困っておる生活条件というものは同じ条件である、こんな形で特有の点というものが現在のところなかなか見出せない、戦争補償問題ということが将来また別な形で認められれば別でございますが、これも今一般的には補償の対象にはならぬという解釈を下しております。さような形で一般の生活援護あるいは老人福祉等で生活援護の方はしていく、これがただ落ちのないように、原爆医療の施行と福祉事務所その他一般の生活援護関係の連絡を密にする、なるべく歩調を合わせていく、こういう形で今は措置をしておる状況でございます。

倉成正自由民主党

○倉成分科員 ただいま三キロの問題につきましてはできるだけ実情に合うようにしたいというお言葉でございましたので、これはなるべく現実に合わせて有利な形で適用できますようにぜひお願いを申し上げたいと思います。  あとの問題につきましては若干意見を持っておりますが、同僚議員からもさらに御質問があろうかと思いますから、この程度にいたしたいと思いますが、原爆の医療機関の問題を一言要望申し上げておきたいと思います。  これは御承知のように被爆者の医療に関する法律が適用になりまして、いろいろな機関で治療を受けるわけでありますが、大学あるいは日赤、長崎で例をとりますと、原爆病院の日赤というのが非常に大きな役割を果たしておるわけであります。これらはいろいろ各種のものがございまして、この間の連絡、調整ということが現実にそうまずいということは決して考えませんけれども、厚生省におきまして研究の問題、治療の問題、あらゆる有機的な関連を持つことがやはりこの法律の趣旨を生かすゆえんのものではないかと思いますので、これらの点については今御答弁を求めようとは思いませんが、いま少しく事情をお調べいただきまして、対策に万全を期していただきたいと思います。  次に、上下水道の問題についてお尋ねを申し上げたいと思います。  御承知のように東京の最近の水不足は毎日新聞に出ない日はありませんし、火事が起きまして水が足らないために消火がどうもうまくいかなかったというような事例は枚挙にいとまがございません。これは東京のみならず他の大都市、また中都市でも、門司とか長崎あるいは大阪とか豊橋とか、日立とか、厚生白書にありますように、中都市におきましても、これらの水不足が非常に大きな問題になっておることは御承知の通りでございます。そこで、厚生省でもこれらのために三十八年度から新しい計画をつくられておるようでございますけれども、先般の予算委員会におきまして、私が田中大蔵大臣と質疑応答いたしました際に、所得倍増計画に示す社会資本の充実の問題は改定をしたいという御発言が大蔵大臣からございました。これに合わせるかのように、建設省その他ではかなり大規模な思い切った計画を出しておることも御承知の通りであります。従ってただいま計画されておるようなテンポでいって、はたしてこういった環境設備の充実、特に上下水道の充実がやれるものかどうか。私が申し上げたいのは、もう少しこの社会資本の充実という面について、もっと大胆に、単なる国土開発という点だけでなくして、環境整備という意味の社会資本の充実について御発言をされ、また準備されることが必要でないかという意味において御質問申し上げておりますので、率直な御所見を伺えれば幸いと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 経済の繁栄につきましては、社会資本を強化しなければならぬという今までの社会資本に対する皆さんの考え方と申しますか、大体の政府の考え方も、上下水道までは社会資本というような観念が薄かったのです。ところが、今年ごろからは社会資本の充実という場合には、やはり上下水道、環境施設を含んでの社会資本、こういうふうに一歩進めたことは、私は非常に時宜を得たものだ。それほど上下水道及びその他の環境施設というものを社会資本と考える観念が強くなりました。今までは、それには違いないけれども、やはり社会資本と言えば道路、港湾、そういうようなものを言ったのであって、あまり環境施設の問題は取り上げなかったのですが、最近はそうではないようになったことは、考え方がだいぶ違ってきたと思うのであります。  そこで上下水道の問題でございますが、これは所得倍増計画につきまして、厚生省としては一応所得倍増計画に見合う十カ年計画をこの間つくったのです。つくっておりましたところが、この上下水道につきましては所得倍増計画の十カ年ではどうしても追っつかない。数字上のつじつまをそれに合わせますけれども、実際問題としてそれに追っつかないということで、上水道にしましても下水道にしましても、私は、その中から緊急やむを得ないものをとりまして五カ年計画をその分についてつくりまして、昭和三十八年度を初年度といたしまして四十二年度まで、まず取り急ぎ第一次の五カ年計画をやって、それで大部分の上水道、下水道を直していきたい、多少おこぼれがありましたら第二次でいこう、こういうふうに所得倍増による十カ年計画よりもスピードを早めてやりたい、こういう計画でやっておる次第でございます。そこで、結論といたしましては、それを進めるにいたしましては金の問題が出るのでございます。私は、三十八年度といたしましては、上水道にしましてもあるいは下水その他の屎尿処理にしましても、十分だとは思われませんが、今までよりは飛躍的な増大になったということは倉成さん御承知のことと思いますが、五カ年計画でやるつもりですから、逐次スピードをあげていきまして、現在の不便をしのぎたい、かように思っておる次第でございます。上水道につきましては大体一般的には普及率としてはいいのです。普及率としてはいいけれども、やはり水源が足らないという特殊な問題が部分的に起こっておるのであります。東京にいたしましても、施設としては小河内、村山、山口の貯水池は実に二億二千万トンの貯水量があるのです。雨さえ降ればもう心配ないのです。ところが台風がこないと申しますか、雨が降らないと申しますか、ためるべき水がないのです。そのために、これではしようがないから利根川から水を引こう、こういう計画になったのです。ところが、一口に利根川から水を引くといってもそう簡単に一朝一夕にできることではありませんから、さしあたり東京都といたしましては緊急にできるところの施設からやっていこうというので、江戸川の水を金町に引いて、そうしてしのぎをしよう、しこうして終局的には利根川の方から水を引いてくるという恒久策を立てておるわけでございます。従いまして、私の方といたしましても、東京都のみならず、その他いろいろの点でもって上水道は非常に重要なことでありますし、なかんずく水源の問題が――施設もさることながら、どうして水を得るかという水源の問題、そういうことにつきまして、都市の変貌もありまして、いろいろこれから重点的に施策を進めなければならぬ。金の問題につきましても、まあ一つ大蔵省も十分認識しておることでありましょうから、でき得る限りその方に重点的に予算もつけたい、こういうふうに私も責任者として十分大蔵省とも交渉して参るつもりでございます。

倉成正自由民主党

○倉成分科員 ただいま厚生大臣非常な御熱意を持っておられますので、この問題についてはせっかく御努力いただきたいと思います。ただ私が特に申し上げておきたいのは、社会資本の充実というのをどういう角度からやっていくかということについて、しばしば大蔵大臣、企画庁長官等に予算委員会等で申し上げたわけでありますが、ただ水が足らないからすぐ水道をつくるというような問題ではなくて、これから先、やはり先行投資的な考え方で道路をつくったり、あるいはこういう上下水道の充実をはかったりしていくということが非常に大切ではないか。文明国で上下水道のない国はない。日本の経済は表面ははなやかでありますけれども、公衆便所一つとりましても、経済あるいは文化というものが非常に根がないような感じをいたすわけであります。これらの点についてはやはり百八十度関係者の頭を転換いたしませんと、昨年の二倍になった、あるいは四割増しという問題ではなくして、本質的に頭の切りかえをすることが大事ではないか、そういう角度から私ども微力でございますが、いろいろ御協力申し上げたいと思いますので、特に厚生大臣におかれましては、ただいま申されましたような趣旨をさらにもう一歩お進めいただきまして、飛躍的にこれらの充実の計画、対策を立てられますように御要望を申し上げたいと思います。  そこで、もう少しこまかい問題に入りたいと思いますが、離島その他におきましては、やはりどうしても本質的に水が足らないという点で、海底水道をつけたり、いろいろ工夫をしておりますけれども、それでも水源の問題がありましてなかなかいかないというので、廃水を利用する、あるいはもっと積極的に海水を利用するというような問題がいろいろ考えられておるわけでございます。廃水の利用、海水の利用について、現在どの程度進んでおるか、そのコストの面、また十年くらい先に、この技術的な開発というのがどの程度進むかという点について、もし御承知であればお答えいただきたいと思います。これは今後の水源の問題、水の対策を考えます場合に、やはり非常に関連を持ってくる問題でありますから、特にお尋ねを申し上げておきたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 水を節約して使うために廃水の問題を考えなければならぬことは当然でございまして、しかもそれは飲料水のみならず工業用水等にいたしましても、廃水の利用を今も十分考えてやっておるところもありまするが、これからも考えます。海水から飲料水をとるということは、イオン交換樹脂によってとるのだろうと思いますが、大体トン五十円くらいにつくのじゃないか、それ以上になるのじゃないか。徳山でいろいろ研究をいたしておりまするが、それは規模等によりまするが、大体それくらいになる――今のトン五十円というのは私ちょっと記憶がありませんが、相当に高い値段であろうと思われます。従いまして今直ちに海水から真水をとって飲めるようにできるかどうかという問題は、今後の研究課題でございます。しかし絶対に水がない、そういうところによっては、海水から真水をとるという方法は今でも考えられておることでございまして、技術的には十分できることでございます。その他のことにつきましては政府委員から……。

五十嵐義明厚生技官(環境衛生局長)

○五十嵐政府委員 御指摘になりました離島の水道の関係につきましては、その非常な不便な点から見まして、特に補助率などを引き上げまして、その整備をはかっておるわけでございます。御指摘の海水あるいは廃水を利用する点につきましては、ただいま大臣からも答弁がございましたが、この点は非常におくれておると申しますか、研究の段階でございまして、海水につきましてはこれはある程度実験室では真水として使うことが可能でありますが、コストが数倍あるいは十倍ぐらいにつくというようなことで、特別の場合を除きましてはとうていこれを一般に使うことは不可能である。なおこれは今後研究をして参らなければならない課題だと思います。それから廃水を利用する点につきましては、一部工業用水としてこれを利用しておるというようなところがございます。これは今後この点についてはかなり開拓をする余地がある。こういった面につきましても十分意を注いで検討して参りたい、かように考えます。

倉成正自由民主党

○倉成分科員 時間もあまりないようでございますから、それではごく簡単にこの問題はその程度にいたしまして、年金福祉事業団と医療金融公庫との関係につきましてお尋ね申し上げたいと思います。年金福祉事業団と医療金融公庫との取り扱っている対象が、ある面で重なり、ある面でちょっと区別されておるということで、末端にある程度混乱を来たしているのではないかと思いますが、この点ははっきりされておるかどうか、一つ承っておきたいと思います。

山本正淑厚生事務官(年金局長)

○山本(正)政府委員 医療機関につきまして経営主体がいろいろございまして、その中で分けて申しますと、地方公共団体の経営いたしておりますものにつきましては、地方債の系統でいく、それから純然たる私的医療機関につきましては、医療金融公庫で融資がされておるわけであります。それ以外の会社、事業所あるいは団体といいますか、法人関係の医療機関につきましても福祉事業団で融資の対象になっている状態があるわけであります。  そこで問題は、たとえば日赤、済生会あるいは農協の団体、こういったものは年金福祉事業団の融資の対象、従いまして医療金融公庫では取り扱わないということになっておりますが、ただ若干今御指摘がございましたように、明確を欠いているといいますのは、福祉法人が経営いたしますもの等につきまして若干あるわけでございます。そういった問題につきましては、実はかつて年金福祉事業団ができます前におきまして、そのときの還元融資の対象ということでございますので、従来は還元融資といたしまして地方公共団体に融資いたしましたものを転貸しするという経緯を持っておりまして、その当時対象として取り扱っておりましたものが年金福祉事業団の対象ということに移行いたしました関係上、若干そういった点もあるわけでございます。

倉成正自由民主党

○倉成分科員 ただいまの点は、私実は具体的な事例を二、三持っておるわけですけれども、時間がございませんので、一言だけ大臣に御要望申し上げておきたいのは、一度は年金福祉事業団に申請をいたしまして、これが自分のところで取り扱わないということであれば、医療金融公庫に持っていってまたお願いする、もちろんこれが的確に取り上げられるかどうかは、一つの基準があることですから、当然のことでございますが、いつまでも宙ぶらりんでじっとあたためておく、そうして半年も一年もたってから、どうもこれはうちで取り扱わないのだというような扱いをされますと、非常に末端が迷惑をする、こういう事例は万々ないと思いますけれども、私の知る限りにおきましてはなきにしもあらずという感じがいたしますので、この点は一つ特に御要請を申し上げておきたいと思います。  時間が参りましたので、一つだけ雪害地における屎尿処理が非常に問題になっておりましたが、その後の対策を要点だけでけっこうでございますから、うまくいっているかどうかということをお尋ねしておきます。

五十嵐義明厚生技官(環境衛生局長)

○五十嵐政府委員 雪害地の屎尿処理につきましては、先ほどもちょっと御指摘がございましたように、屎尿処理自体が非常にむずかしい問題でございます。また雪害地におきます積雪量の関係で、それぞれの都市によりまして事前の準備がまちまちでございます。従いまして、あまり雪を予想していない地域で非常に大雪が降ったというところが困っておる、それから比較的雪の量は多いが、あらかじめ準備をしておるというようなところでは、それほど大騒ぎはしていないというような事情があります。私ども環境衛生の立場からは、ちょうど一月の雪が降り始めましたころ、暮れに一度屎尿をくみ取りまして、次のくみ取りの時期にだんだん差しかかったということで非常に困った事態が出たわけです。私どもといたしましては、極力不法投棄を排除するという建前から、できるだけまず消毒等に注意することはもちろんでございますが、不法投棄を避けるために、いろいろな容器を用意いたしまして、たとえばはなはだびろうなことでございますが、農家の肥おけを借り上げる、あるいは福井県の場合は、一世帯十日分のビニールの袋を適当なところに配置するというようなことをいたしまして、極力不法投棄を避けたわけでございます。なお、根本的にはやはり積雪の除雪が一番の問題でございまして、除雪をできるだけ重点的に考えて、この屎尿の処理に支障のないような計画を立ててもらいまして、これを平常の状態に戻すというふうに努力をいたしておるわけでございます。両三度にわたりまして現地に係官を派遣いたしまして、指導あるいは現状の視察等をいたしております。どうにか今のところは応急の措置が行なわれている、なお融雪時あるいはその後の恒久的な対策につきましても、引き続き事情を検討いたしまして、第二段、第三段の手を打ちたい、かように考えておるわけであります。

倉成正自由民主党

○倉成分科員 どうもありがとうございました。

今松治郎自由民主党

○今松主査 中村重光君。   〔主査退席、倉成主査代理着席〕

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 時間がたっぷりないようでございますから、問題点を二、三お尋ねいたします。  ただいま倉成委員から上下水道のことに関して質問がありまして、大臣から社会資本の中に下水道が入ってきた、これはきわめて好ましい現象である、こういった御答弁がございました。私はこれは当然なことであって、環境整備であるとか社会資本ということは、道路港湾というよりも、当然上下水道という面に重点が向けられていかなくてはならぬと思います。いろいろ上下水道の問題等に対しましてもお尋ねをしたいのでありますが、上水道のことに対しまして、ただいまの大臣の答弁では、どうも水危機というものが打開されるのかどうか、全くわからないわけであります。いろいろ水源がないために施設よりもそれが問題だ、こういうことでありますが、確かにそういう面はありましょう。しかし水源がないから、こういうことでは――私どもは水がなくては生きていけません。従って、そういった全く前途どうなるかわからないというようなことでは安心できないわけであります。東京都の渇水、これによる大きな不安というものは、ひとり東京都民だけではなくて、同じような現象が都市に現われておりますので、むしろ全国民的な関心であり、不安であるわけであります。従いまして、この上水道の問題、水飢饉の問題に対してどのような計画を持っているのか。下水道の問題に対しましては、十カ年計画、三十八年度から四十二年度までの五カ年計画、それにこぼれたものがあるならば、第二次計画でやるのだ、こういったはっきりした答弁があったわけでありますけれども、上水道の計画に対しましては御答弁がございません。水の危機、この危機をどうして打開をしてくれるのか、どのような抜本的な計画を持っておられるのか、まずこの点に対して明確にお答え願いたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 上水道のことをちょっと言い落としたかもしれませんが、上水道も実は三十八年度は初年度としまして五カ年計画をつくっております。上水道で申しますと、一般の上水道、農村その他いなかについては簡易水道、それからもう一つは専用水道、この三種類でございますが、現在全国的に見ましたこの普及率は、井戸水ではなくて、上水道、簡易水道、専用水道等のそういう施設でやっているものは、昭和三十六年度ではたしか五三%くらいであったと思います。こうして今後五カ年計画でやりますと、昭和四十二年度には、それらの上水道、簡易水道、専用水道でもってやれるものは、人口の七五%くらいにそういう施設をこぎつけたいと思っております。  そこで私が申しましたのは、そういう施設をするとともに、問題は水源の方にあるということでございます。雨が降らないとせっかくの貯水池も水がない。せっかく上水道、簡易水道の施設があっても、水源の方が十分にならなければ目的を達することができぬという意味で、水源のことに及んだのでございまして、簡易水道におきます水源の問題はあまり大したことはないと思いますが、大都会におきましては、水源の問題が大きい問題になるわけでございます。水源問題は一朝一夕になかなか片づく問題ではございません。そのために政府は、大都会におきましても、水資源公団をつくりまして、やはり遠いところから水源を得なければならぬということでございまして、これが水資源公団をつくった大もとでございます。従いまして、水資源公団といたしましては、ただいまは利根川と淀川に主力を注いでおりまするが、いずれは中京地区の名古屋方面あるいは北九州の方、さらには今後の工業地帯につきましても順次その指定水域をきめていって、その地域の水源の確保をする、こういうことで進むのではなかろうかと思っておるわけでございまして、私の方のこういう施設と、それから水源のことにつきましては歩調を合わせてやっていかなければならぬということであります。東京都の場合にいたしましてもやはり利根川の水を十分引くことができなければ今の貯水池が有効にならない。前は有効になっておったのでしょうが、どういうことでありますか。ちょっと事情が変わりまして――変わったというのは、気候のせいで昭和三十五年以来関東方面は大きい台風を受けていない。水が結局少ないので、今のような現象が起こっておるわけでございますから、施設と水源とは非常に考えていかなければならぬ。実は私どもの方の私事にわたりましてまことに申しわけございませんが、私は別府でございますが、別府等も人口がふえまして、施設は十分あるわけですが、やっぱり水源に不足を来たしておる。その水を得るには遠い河川から引いてこなければならぬというようなことが起こっておりまするが、それと同じように全国にそういう問題が起こりつつあるのではないか。これは水の使用が非常にふえますのでそういうことが起こりつつあるのではないかと思われまするから、水源の問題につきましては、水資源公団ができて、工業地帯はやるでしょうが、その他のところにおきましてもこういう問題が所々に起こるのではないか。従いまして私の方はそれをも含めまして注意しなければならぬ、かように考えておる次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 方向としてはわかるのです。確かにそういった広域的な水道行政というものが進められていかなければならぬ。ところが一部工業地帯に限っているというところに問題がある。今大臣は選挙区の別府のことをお引きになりました。確かに大臣の御意見の通りです。各地区にそういった状態が生まれてきている。従って地方自治体は非常に困っている。ここに法的根拠を与えることが必要であるということがはっきりしてくると思うのであります。今のように限られた地域に地方自治体がいわゆる水源を探すというのではなしに、法的根拠によって広域的な水道行政、一本化したところの水道行政をやっていくということになるならば、この問題は画期的な前進がはかり得る。そのことに対して、今単なる大臣の思いつきと言えばまあ失礼でありますけれども、頭の中に浮かんできたといったようなことではなしに、担当大臣として水飢饉の打開のためにこういう方策を講ずるのだといった、はっきりした一つの考え方を明らかにしていただきたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 思いつきではないのです。非常に考えて大事ですからやっておるのですが、ただ今までの行き方として、水道事業は地方公共団体が責任を持って公共団体でやるという建前、あるいはその地方における事業として、水道事業は適正な料金をとればペイ・ラインに乗るからやっぱり事業としてやっていこう、こういう建前をとっておるのであります。しこうして、水源の問題につきましては、これはそれをも考えてやるということとなると、はたしてペイ・ラインに乗るか乗らぬかわからぬけれども、今までの水道事業は公共団体が責任を持ってやる。しこうして組合等もできまして、各事業団体でもって適正な料金をとってそれでやればやれるのだということでいっておるのであります。水源の問題がそれほど重要でありません。今までは、あまり困らなかったものだから、そういう方式をとっていっておるのであります。新しい問題が出ますればこれから考えなければならぬと思われまするが、いずれにいたしましても、法律といえばどういうことを中村さん期待しておるのか知りませんが、法律の問題でなしに、やっぱり施設を進めるということではなかろうか。しこうして、やはりその水の責任者としては、公共団体が責任を持って国はそれに対して援助をするということではなかろうか、従って水道に関する限り、簡易水道は別ですが、水道に関しては補助金はありません。全部地方公共団体の起債ということでやっているのであります。厚生省はこれの技術的指導をいたしているというのが現在の状況でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 現実問題として、大臣はこれは十分おわかりになっていらっしゃると思う。水資源が一つの自治体の区域にない、隣の自治体の区域にはある、こういう場合に折衝する。ところが水利権とかなんとかいうようなことでうまく話が運ばないというのが私は現実であると思う。そういうところにやはり法的根拠を与えるという形において、いわゆる水資源の開発、広域行政というものを行なって、そうした、面を解決する必要が確かにある私はそういう意味で申し上げた。  それから今まで大臣は、公共団体がいわゆる公企業として適正料金をとったならば事業として成り立つ、いわゆるペイする、だからそういうことでやつているのだ、こういうことであります。先ほど上下水道というものは社会資本としてこの面に充実していかなければならぬという考え方の上に立ったお話しでしたが、適正料金をとったならば事業として成り立つというような考え方を改めないで、このまま押し進めていくのが適当であるかどうか、この点に関する考え方を一つお聞かせ願いたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 上下水道と申しましたが、下水道の方は補助をいたしておりますから、そうではありませんが、上水道の方は今まで言いましたように、大体事業としてやっていくということでございます。しかしこれも事情が変わりますれば、また検討し直さなければならぬ時期がくるかもしれません。早く急速にやらなければならぬとか、あるいはますます足りなくなって一事業としては経常ができないのだ、ことに水源の問題等も考えていくようになりますと、なかなかこれはペイ・ラインに乗らないというようなことになるかと思われますが、その点につきましては今後検討をいたして参らなければならぬ。大都会における、関東地区あるいは大阪地区というようなところにつきましては、水利権等いろいろな問題がありましても、とにかく水資源公団が総合的な立場から、飲料水のみならず工業用水その他につきましてもこの水の開発をしていくのだ。水利権等の問題もありましょうが、これはやはりそういう問題を解決いたしまして早く水の確保をしなければならぬ。水利権の問題にしましても、これは長い間の慣例でございまして、府県が水利権を持っているように思われますが、これは私個人の考え方ですが、水利権は終局的にはやはり建設大臣にあると思うのです。前の知事さんの、知事に水利権がある、こういう考えは、国の機関としての前の知事に水利権を建設大臣が委任しておったのだ、それが習慣的になって、あたかも水利権は知事にあるのだ、一県の知事ががんばればそれはどうすることもできぬのだということが慣例になっているのではなかろうか、水利権の終局は私は建設大臣にあるものと思うのでございます。慣例上そうなっているので、前の知事は政府の機関としての一つの役目をしておったのだ、こういうふうに私は考えているのですが、これは私個人の立場で、水利権の問題につきましては私はとやかく言いませんが、いずれにいたしましても困難な問題でございます。それを話し合いをつけまして、早いこと水の確保をしていただきたい、こういうのが私たち利用者側の願望でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 上水道の補助は起債一本でやっているわけですね。それと今、適正料金でやれば事業としてペイする、こういう考え方が――今のところ厚生大臣としてこの上水道の重要性、社会性、公共性ということを考えるときに、この法律を改めなければならぬ、起債一本ということの可否の問題、そういった今の水利権の問題は、一つの盲点があればこれを打開していかなければならぬと私は思う。そういったような現在の水道行政ということに対して改めなければならぬといったような点は当面考えておりませんか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 もちろん簡易水道におきましては補助金があることは中村さんも御承知の通りです。あとの残された上水道の問題でございます。検討はいたしていきたいと思いますが、今ここで、ちょっとどうするという御返事は保留させていただきたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 それでは局長にお尋ねしますが、東京都あるいはその他の六大都市、あるいはその他の主要都市の水道料金は大体どうなっておりますか。それと同時に飲料水と同じ水源地から工場に水を送っている、その工業用水の単価はどの程度になっておりますか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 料金はいろいろございますが、お尋ねの件は東京都でございますれば、おそらくトン十四、五円ではないかと思います。ところによっては一トンの飲料水の非常に高いところもあります。三十円あるいはもっと高いところもあります。東京都は十四、五円、もちろん平均でございます。基本料金がありまして、それに使用料が入るのでございます。しかも自家用であるか、営業用であるかということによって違いますが、大体十四、五円でなかろうかと思っておりますが、なお数字があれば……。

五十嵐義明厚生技官(環境衛生局長)

○五十嵐政府委員 水道料金のお尋ねでございますが、東京都では、全部十トン単位で申し上げますが、百四十円、それから六大都市の平均が百十五円、それから戦前に布設いたしました市の三十八カ所の平均でございますが、百三十五円、二十五年から三十年の間に布設いたしました十四市の平均が二百十二円、それから三十一年以降に布設いたしました六十カ所の平均が二百二十五円というふうに、布設の年次のおくれるに従いまして単価商になっております。なお工業用水につきましては正確な数字は記憶いたしておりませんが、トン当たり四、五円というふうに聞いております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 いろいろ差があるようであります。私が調査したところによりますと、大体同じ量で百円から五百円まで、こうなっているようであります。東京都で百円。そうすると、私が自分の地元のことを申し上げてあれですが、二百五十円、仙台も二百五十円、そういうように、同じ量の水を大都市である、あるいは中都市である、小都市である、そういうことで料金が違う。また長崎県では大きな工場に給水している水は三十円、水を中心とする事業はこれでは成り立たない。これははっきりしておりますが、時間の関係で深くは申し上げませんが、水は生活必需品であるということは議論の余地はありません。非常に公共性、社会性を持っている。そういうものを現在のいわゆる公営企業、公企業によってやらせて、起債一本で補助がない、こういう形でやっているために、そういう大きな差が生じてきている。そういうことが適当であるとお考えになっていらっしゃるかどうか。そしてまたどうしてそういう差額を生じてくるのですか、これらの点に対する考え方を一つ聞かしていただきたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 それはただいま申し上げましたように、地方公共団体の責任によってやっているから、その地方地方のなかによってやはり差ができるのであります。私は中村さんの言うように、これが公共資本だという意味においてそういう工合に差があっていいかどうかということに対しましては、あなたの御意見に対しまして私も大いに考えを新たにするような次第でございます。かくのごとく差があることは事実でございます。しかしたとえば電灯料金につきましても、これは必要欠くべからざるものでございますが、やはり相当に差があります。差はあるがかくのごとく差があるかどうかということは、これは別な問題でございまして、一トンについて十円ぐらいのところと一トンについて五十円も六十円もするようなところ、これはいいか悪いかということはもう一度検討してみなければなりませんが、十分御意見のあるところは私にもわかるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 大臣の答弁が誠意を持った答弁ですから私は反駁をいたしません。これはしかし適当でない、おそらく大臣もそういうお気持を強く植えつけられたからそういう御答弁が出たと思う。私は生活必需品である水ぐらいは、大都市になるがために安い、中都市、小都市なるがために高い、こういう不合理、不公平は直すべきだ、どうしてこういうことが生じているかということは、やはりまだ上水道というものに対する考え方、観念、社会性そういうものに政府が欠除している、そこから出発していると思います。その考え方をここで改めなければならぬ。同時に大都市ははやはり比較的財政豊かと言えばおかしいですが、現在の中央集権的な政治の中では、これは問題が実はあるわけですけれども、比較的大都市の財政は、貧之な中、小都市よりは楽であるということは言える。ところがそういう比較的自己財源の大きい大都市に対しては起債を多く出している。中都市、小都市には起債が少ない。少ないから結局は水道の施設をしなければならない、水を飲ませなければならない、だから水道料金を高くとらざるを得ない、従って非常な差がついてきていることは現実なんです。これを改めなくてはいかぬ。まずそういった問題点というものをここで直していただくということが大半だと思います。このような不合理な点を直していくという熱意が大臣におありかどうか、再度はっきりお答えを願いたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 十分今後肝を入れて検討して参りたい、かように思う次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 まだ水道の問題をお尋ねしたいのですが、時間がありませんから、原爆の被爆者の問題についてお尋ねをいたします。  今度医療費の単価が若干引き上げられておるわけです。私どもは原爆の被爆者の問題に対しましては、十七年間もっと前向きの施策を講じてもらいたいということを強く政府に訴えて、また要求して参ったわけであります。先ほど倉成委員から御質問がございましたように、距離の問題に対しましては二キロが三キロに拡大をされた。そのことだけに対しても被爆者が非常な感謝の気持を持っておるということは間違いございません。しかし先ほど局長からも御答弁がございましたように、法の運用の面におきましていろいろと盲点をできるだけ緩和するように努めておられるという気持はわかるわけです。しかしこの距離の問題はそういったむずかしい方を右にひねり左にひねりといったようなことではなしに、これを撤廃するというところまでもう踏み切るべきではないか、そう考えるわけでありますが、その点に対してはどうお考えですか。先ほど大臣は局長にこのことに対しての答弁をさせられたわけですが、原爆の被爆者が置かれている立場ということに対しましては、大臣はもうよくおわかりになっていらっしゃる、ですからこの距離の制限の撤廃の問題くらいは一つ大臣の責任ある答弁を伺いたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 ただいまの原爆被爆者に対する問題は、さいぜんも申しましたように医療の援護をするということが建前になっておるのでございますから、やはりそれにはある一定の制約と申しますか、そういう制限をしないと対象がわからないということになりますので、一応そういう制限をしておるわけでございます。しこうしてそれも昨年さらに距離を広げ、また本年はさらに医療手当というようなものに対しましても、新たに二千円、千円の手当の問題についても拡充をいたすようにいたしまして、原爆被爆の方々が医療で悩まないように、からだをこわさないようにというようなことにつきましては、今までもそういうふうな態度をとって参ったと思いまするが、今後におきましてもそういうような態度をとりたい、しかしそれだからといって、今すぐ三キロを撤廃して広島市全部だ、長崎市全部だ、こういうようにすることには慎重を要するのではなかろうか、かように考えておる次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 対象の把握がむずかしいとおっしゃるのですが、むずかしくはないのです。今でも二キロ以内あるいは三キロ以内にいたか、いなかったかということに対しましては、ちゃんと二人の保証人がそれを確認するということになっているのです。二週間以内に被爆地に帰ったかどうかということも、これを立証する方法はあらゆる手段を通してやっておられる。ところがそういったような制約をつけておられるところに非常な混乱があって、肝心の被爆者に医療を施してやることができない、大へんむずかしい問題が起こってきている。また精密検査の問題にいたしましても、二回もやらなければならぬとか、三回やらなければならぬとか、あるいは指定の病院でなくてはならぬとか、年をとりますと年をとったことによって生ずるいわゆる老病と原爆の放射能によって生じた病気であるかどうか、これもなかなかむずかしい。そういうことから被爆者を実に気の毒な状態に置いておるということは事実なんです。ですからそういう対象把握がむずかしいとかなんとかいったようなことにとらわれないで、この際一つすっきりする、このくらいは踏み切られるべきが至当じゃないか、その点いかがでしょうか。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 ただいまの距離制限撤廃のお話でございますが、特別被爆者の医療の問題であろうかと思います。原爆症そのものは当初の立法のときから広島市並びに政令で指定する地域、これが一応公布になっております。この中で原爆の放射能そのものの被害については決して二キロ、三キロというような制限でなくて、この適用保有者の中から認定疾患が出ますならば、たとえば白血病とか、これはもう差別なしに現行でもやっております。ただしむずかしい場合には原爆に関する審議会の審査を経ましてやっております。大部分は先例によりまして疾病名その他を定めまして、これで大体事務的に適用する、これが今約五千名を越しておるわけです。お話のかつて二キロでありました特別被爆者を三キロにいたしましたが、これは直接の原爆症が出るのでなくて、原爆を受けたために全身的にある程度生理的に機能が障害されているであろう、このために一般の疾病が普通の国民の発病率よりも高く、あるいは治療期間も長くかかるであろう、そうなりますと、この法律の自的である、放射能による医学的な被害を救う、こういうことに当たるので、実はこれにかかりますと一生資格が続くわけでございますが、それらについては普通の保険その他が優先して行なわれたほかに、本人の自己負担の部面をこれによって補うというような趣旨でございます。そこでこれは一生、たとえば当時赤ん坊でありました者は現在十八、九才でございますが、これはあと五十年間なら五十年間生きますと、この間ずっと継続してこの特典が無条件で続く、こういうことでごさいますので、われわれの時代のみならず将来の国民にも非常に負担をかけるという大きな問題でございますので、これは一般の国民の罹病率と違った放射能による被害というものには何らかの立証が要る、こういう形で学者並びに医療審議会の十分な研究を経まして、その結果、大体三キロまでは、被爆量は国際放射能基準にきめるよりは弱いけれども、現実に起こっているデータが一般よりは非常に高い。ただ三キロをこえますと、四キロ以上五キロまでの者と統計的に見た優位さがほとんど出ない。ただ特定な二次放射能を受けたと思われる者ないしはあと長くいまして、その土地における水を飲んだとか、灰を吸ったというような少数の者が付加されまして、距離の、いわゆる直接放射線の到達のほかに、付加によって何らかの変化が起こる、こういう者は気の毒でありますので、三キロを越しましてもこれらの症徴が現われる七つの症状につきましては、三キロ以内と同じように救う、こういうことをやっておるわけでございます。従いまして私どもといたしましては、この三キロを撤廃して、無条件にそれ以上のもの、四キロなりその近辺の町村にまで拡充するためには、これが一般の国民と違って、全部が何らかの障害の症徴があるという根拠がございませんと、なかなかやりにくいものでございますので、一応今まで出ましたデータで三キロにとどめております。しかしこれにつきましては、長期にわたっていろいろな研究が進んでおりますので、その結果によってはあるいはそういうことも立証されて、必要ならばこれは堂々とやる、こういうつもりでございます。ただ手帳を持っておられるから全部死ぬまで続く、特別保護というものが無条件にやられるということは、現在のところなかなか割り切れない。こういう状況で、現況の法律改正で今模様を見ておるわけであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 時間をとりますから、これ以上深くは申し上げません。  ただ、今局長が御答弁になりましたが、理論的にこれを考えてみると、なるほどとうなづけるところもある。ところが私どもはやはり現場にいるのです。実際問題としていろいろなことを直接被爆者から訴えられておる。それで窓口との折衝というものもあるのですよ。そういう中から、これは気の毒だ、こういうことは何とかしなくちゃならぬというなまの声を実際私どもは聞いている。だから、今あなたが御答弁になったようなことでは理論的に割り切れないいろいろな問題点がありますから、そういう点は十分お考えになって撤廃するという一つの考え方の上にこれと取り組んでいくということが私は大切だろうと思う。これを制限しなくちゃならぬという考え方の上に立って問題を把握し、理解していくのと、一つ撤廃したいという考え方の上に立って取り組むのとは、実際の行政の面において変わってくると思う。そのことを一つ強く申し上げたいと思うのであります。  療養手当が若干引き上げられましたが、この引き上げ内容に対しまして予算的な面についてお伺いいたします。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 現在までこれは法律によりまして医療手当、すなわち先ほど申しました直接の原爆症疾患を起こしておる治療中の患者につきまして、現行では本人の所得が所得税を納めるものでないという条件、世帯の所得税、すなわちおもに配偶者になりますが、この所得税の納付が前年度の実績年間五千六百六十円、これ以下のものに対しましては、十四日間以上の入院治療を受けました場合には月に医療手当として二千円、それ以下の場合には一千円、それから通院の場合には、四回以上月に行ったもの、これが二千円、それ以下は一千円、そういう形でやっておりまして、これはあくまで医療に直接必要な医療雑費という形で組まれております。前年度に比べまして本年度は件数にいたしましてほぼ三倍、これだけを見ることにいたしました。従って予算的にも前年度に対しまして約二倍半というか、五千五百五十三万円を本年は組んでおりまして、前年度より三千八百十九万円の増加であります。これによりまして大体原爆症認定患者のうち、三十七年度ではほぼ四二%程度のものがこれの支給を受けておったのが、来年は推定ほぼ七三%、全認定患者の七割三分程度がこれを受ける、こういう形になっております。約三割がまだこれを受けることができないようになっております。これが今の高額所得者という形で、毎日の通院のための交通費、あるいは入院患者でありますと鼻紙を買うとか、要するに医療継続にそのまま必要な雑費でございますので、こういうものはまだあとでふえるであろうという認識のもとに、一応こういう線で拡大をいたしたわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 この原爆被爆者の医療手当の支給に対する所得制限の問題自体にも問題があるし、また若干引き上げられました医療手当二千円という金額も、実情から推してあまりにも少額に過ぎる、こういう考え方を持っておりますが、このことに対しての考え方を一つ伺いたいということ。  もう一つは、療養しておりますと生活の問題というのが実は非常な不安になってきます。もう少し養生したいけれども、とても生活が困るからというので無理をする、また入院をおくらす。そのために病状を悪化させるといったようなことが現実に起こってきております。これに対しては療養手当というより、むしろ援護する、安心をして養生させる、被爆者の生命を責任を持って守ってやる、この考え方の上に立ってこの援護手当を支給することが正しいと思うのでありますが、この点に対する大臣の考えを一つ伺いたい一思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 御説のような場合が多々あろうかと思われます。従いまして私たちはこの原爆被爆者の問題につきましては、今後とも現在の状況で満足することなく、いろいろな面から検討をいたしまして、治療とともに生業等につきましても十分できるように検討いたして参りたい、かように思っておる次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 どうも今の答弁は、あなた、おざなりでないとおっしゃるかもしれませんが、私はこの前もこのことについて質問している。当時は灘尾さんが厚生大臣でありました。あなたではなかった。しかしあなたも自由民主党の国会議員として、いわゆる戦後処理というのか、自由民主党が旧地主の補償の問題とか、あるいはまた今現実にこの国会に提案されるであろう未亡人のいわゆる加給金の問題、あるいはその他遺族の恩給の問題とか、いろいろな問題を爼上に上げておられる。それらの問題と、この悲惨な被爆者を遇する問題とは、あまりにも軽重というものが過ぎる。どうしてもあなたは厚生大臣として、もっと積極的な考え、何とかこれをしてやらなくちゃならぬ、安心をして養生さして健康な姿に戻してやらなくちゃならぬということをお考えになるならば、もっと熱意のある、もっと積極的にこれと取り組み、みずからの厚生大臣の責任としてこの問題を解決しようというような、そうした積極的な考え方というのは出ないものか。これらの問題は今私がここで質問しているのではなくて、被爆者の人たちが十七年間叫び続けてきた声なんです。今何とかこれは考えてみましょうといったようなことでは、被爆者は納得しませんし、政治自体にもあまりにも私は差別があり過ぎると思う。この点に対する考え方を、一つ積極的な面からお答えを願いたい。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 ただ単に私はうわのそらで言ったつもりではないのでございますけれども、今中村さんのおっしゃることは、農地の問題とかあるいは未亡人の問題とかとの関連において、いろいろお話がございましたが、そういうようなことも直接の関連はさることながら、この原爆者の問題につきましては非常にお気の毒であるから、医療の問題はもちろん、そういうような生業もできないということがあるから、十分今後についても考える、こう申したのでございまして、それだから今ここにおきまして、ことしの予算措置以上にこういうことをやると具体的に申すわけにいきませんから、誠意を持って検討すると申し上げたのでございまして、その気持だけは十分御了承願いたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 局長に、今まで検討しておられると思いますのでお尋ねしますが、原爆によって死没した人に対する弔慰金、これも私は前回質疑をいたしております。さらに今被爆者が病気療養中あるいは退院された後にも、また発病されてなくなるという例があるわけでございます。これに対するいわゆる葬祭費というか、これを支給してほしいということも、これは被爆者の熱烈な要望となっておるわけです。これらに対して検討されたか、検討されてこれは不可と出たなら、どういうことからそういうことになったのか、それらの点についてお伺いいたします。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 実は原爆医療法によりますこの医療ということは、法律の一条にはっきり書いてありますが、それ以外の生活援護の問題に関連する問題としては、十分従来から検討はいたしております。これを二つに分けまして、一つは先ほどから大臣が申されておりますように、原因のいかんにかかわらず一般国民が戦争によっていろいろな被害を受けたという者に対する報償といいますか、報償的な考えに立つもの、これは非常に関連が多うございます。爆撃でやられた者と原爆でやられた者、手段は違うけれども、結果において死亡その他はやはり戦争の犠牲という点では同じである、こういうような一般の問題として解決して、原爆のみにその特有な措置をなかなか法律的、事務的に考えられない問題と、それからただいまお話しのありましたようなのもそちらに属すると思いますが、医療手当と同様に大体従来の諸法律で医療的なことをやる場合に、医療の範囲に医療、給付、看護、輸送というようなことの最後に、埋葬ということがよく載っております。こういうことになりますと、これは報償とかそういうことでなくて、現実に療養中死亡して、棺桶をつくって読経をして火葬をするということは、かなり医療の継続、最後の仕上げというようなこともございますので、現に療養中の者が治療中死んだ埋葬については、これは十分理屈からいっても検討の余地があるというので、ことしの予算には要求はいたしませんでしたが、年々百人、二百人という数で出ますので、これは考えております。ただこの場今問題になりますのは、特別被爆者が他の疾患でやっておる場合に、肺炎で死んだり何かする、これの方が多数でございます。これと原爆症そのもののために白血症その他で死亡したという者、これを埋葬料一本でどういうふうに片づけるかという点があるわけでございます。これは一般疾患でございますと、健康保険その他で優先いたしまして埋葬料が支給されておって、残りのいわゆる自己負担分についてどうするかという形になるわけでございます。従って原爆症の場合は、それらとの関連で近い将来理屈上も十分考える必要があるということで検討しております。  前者の弔慰金の問題は、戦争犠牲者の一般の問題で、実は原爆医療法の中で取り上げるといった特殊性は理論的にも、今までの日本の政治の方向としても、われわれまだ承知いたしておりませんので、これは検討いたしましたが、現に私どものところでこれを法律化する、法案をつくるというだけの裏づけのいろいろな考え方の資料が不足でございまして、今のところは現実にすぐにやるということはありません。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 資料不足とおっしゃいましたが、やろうという気になれば資料は何でもない。広島と長崎の調査によってさほど困難なものではありません。要はおやりになる意思があるかどうかということによって問題はきまる。  それから先ほど倉成分科員の質問に対して、原爆被爆者の年寄りに対する措置の問題のお答えがありました。一般の老人に対して偶することと同じである、障害者の場合もそうである、いろいろと今お答えもございました。特別被爆社でない一般手帳を交付されているいわゆる被爆者、これは先ほども私が申し上げました通り、七つの放射能による症状が出なければならぬということでは実際むずかしい。その中には、お年寄り、いわゆる老齢者であるという形で扱われて、仕事もできないという実に気の毒な状態にある、いわゆる被爆の孤独な老人ができておるということは現実である。そういった気の毒な人たちが一般の取り扱いと同じであることは、あまりにも無慈悲だと申し上げてもいい。特別にそのことに対する配慮が当然なさるべきではないか。また看護手当の問題にいたしましてもそうであります。ともかく特別に一つの原爆被爆者に対する取り扱いというものが考えられなければならぬと思います。先ほど大臣から前向きの答弁がございましたが、これらのいわゆる原爆被爆者に対する限定の問題に対して、もう一度検討をやり直して前向きの施策を講ずる、こういう考え方をお持ちなのかどうかお答えを願いたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 重ねてのお尋ねでございますが、老人問題につきまする処置をどうするかということは、政府委員がお答えしますが、私もこの被爆者の問題につきまして十分今後力を入れていきたいと思います。これはあえて云々とするわけではありませんが、いろいろな面を考えて、明年度の予算も被爆者のために出す金は約五割くらい増額になって、今年度七億数千万円が明年度は十一億というふうになっております。しかしそれは金の面を云々言うわけではありません。今せっかくお話がありましたいろいろの面につきまして、今後とも厚生省としても十分力を入れるように部下を督励しまして、研究もいたしまするし、皆様方のために万遺漏なきを期したい、かように考えておる次第でございます。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 ただいまのは老人が三キロ以上の場合と存じますが、これが七つの症状がなかなか区別しにくくて、せっかくの特別被爆者の医療を受けにくい、こういう御質問でございますが、七つの症状が、御存じのように循環器の障害あるいはじん臓の疾患とか内分泌とか七つあげてありますが、これがいずれもいわゆる老化現象、老人の疾患、症状と同じでございます。これがどちらか、自然的に起こったものかあるいはここで起こったものかということは、考え方によってどちらでもとれますが、従って認定する医師とそれから地元の審議会がどちらの方に重点を置いて考えるかということで、統計的にはもう確かにこの地区の老人の方がこれらの七つの症状の発病率が高いということはわかっております。これは一昨年の十月の国勢調査の付帯調査でやった結果、これらの罹病率が高いということがわかっておりますので、現在のところはこういうふうな高年令層にありましては、きめられた七つの症状を持ってきたものは極力これを認定していくという方向で、大体行政機関の方ではそのつもりで指導いたしておりますので、先ほどの御質問のうちの医療に関する限りは、この部分はこういうことでできるだけ前向きになるように一そういたしたいと存じます。ただほかの生活援護等につきましては、これは私どもいろいろ検討いたしましたが、今のところこれだけを取り上げてできる状態になっておらぬ、こういうことでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 いろいろ問題点は多いのです。被爆者の退院後の施設の問題であるとか、あるいはまた被爆者の健康管理の問題であるとか、問題点は多いのですが、それに対する取り組みというものが弱いということを私は申し上げたい。それからいろいろ御答弁はございましたが、実際の現場におきましては今の御答弁のようにすらすらとした行き方ではなしに、いろいろ問題がひっかかってくる。あなた方の方は予算の面で大体押えておられる。これは大蔵省が押えておるわけですから、あなたを責めるわけには参りません。制度は何か前向きにつくったようである、しかしその制度にはちゃんとお金というひもがついておる、それで押えておられる。だから運用の面においてあなたが今御答弁になったような形で行なわれておらない。非常にきびしく非常にシビアに問題が扱われておるところに私が指摘するような点があるわけなんです。そういう点を一つ十分御留意になって、もっとあなたは私どもの言っているように前向きでこれらの問題と取り組むという態度がなければならぬと思う。あなたにそれがなくして、大蔵省に対して予算の面においてもっと緩和しろ、こういうことを弾く訴えるということに迫力が出てこない、こう思うのです。その点を強く指摘しておきたいと思います。時間の関係がありますので、この程度でやめます。

倉成正自由民主党

○倉成主査代理 木原津與志君。

木原津與志日本社会党

○木原分科員 ちょっと援護関係について一問だけ大臣と厚生省当局の人にお話ししておかなければならぬことがあるのです。  一般の戦災者及びその遺族と原爆の戦災者及びその遺族との関係は、同一に取り扱わなくちゃならぬという考え方を政府当局がお持ちになっておること、これは私は考えを変えてもらわなれけばいかぬと思うのです。  一般の戦災者の人たちは、これは国に要求するよりほかに方法はないでしょう。しかし原爆の被災者及びその遺族というような人たちは、これは明らかに原爆という国際法に違反した――国の交戦の関係においてこういうことは許されておらないのです。その犠牲者なんです。だからこれはアメリカ自身に対して当然遺族なり本人なりが治療費の要求をし、あるいは損害賠償、慰謝料の要求をすることができるはずなんです。ガリオア・エロアのときに問題になりましたが、その金額だけでもガリオア・エロアの資金以上の損害賠償額になるのですよ。それを損害賠償も何も要求いたしません、一切文句を言いませんといって、日本政府がサンフランシスコ講和条約のときに放棄してしまったのです。そのために、これらの原爆の被災者並びにその遺族は、アメリカに対する相等賠償の道を失のうてしまったのです。この金額は莫大な金額ですよ。この間訴訟でも問題になりましたが、彼らの要求する金額だけでも莫大な金額になっているじゃないですか。ガリオア・エロア資金の返済以上のものになっておるのですよ。それを国の責任において、その被爆者並びにその遺族のものが損害賠償をすることができなくなってしまったじゃないですか。それならば、これらの者と遺族をどうするか。この被害者本人に対して国がどうするかということは、おのずから一般の戦災者とは迷うはずだ。この認識がないために、あなた方がこれを同一に取り扱わなくちゃならぬということを言われるのですよ。そんな考え方を変えて下さい。どうですか、大臣。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 一般の戦災者と全然同じではない。一般の戦災者は、医療の面につきましても見ておるわけではないのです。原爆の方々はやはりその特別な事情に置かれておったということで、健康管理の問題だけは特別に見ておるのです。その見方に対しまして、どれだけの程度まで進むかということなので、一般の戦災者とは区別して、やはり本人の健康管理だけは見ようということでやっておるのでございまして、その点につきましては――しかしながらそれをさらに進むるということは、厚生省だけの問題ではなく、政府一般の考え方に基づくものでございますが、医療管理だけは一般の戦災者と違って、医療について困らないようにしようということで特別の取り扱いをいたしておることは、木原さんも御承知の通りであると思うのですが、その程度の問題をどこまでいくかというについて、政府として今までの態度をとってきたわけでございます。

木原津與志日本社会党

○木原分科員 それならば今度、被害者本人ではなくて、困っておる遺族の援護その他についても、これらの人たちは当然アメリカに損害賠償をすることができるのをできぬように政府がしてしまったのだから、一般の戦災者の遺族の補償以上のものをこれらのものにやってやるということが当然じゃありませんか。その点について、遺族の補償の問題についてもう一歩アップした考え方でやって下さい。ことしはどうにもならぬかもしれぬが、次の三十九年度の予算でこの点を見てくれるように、あなたの方で責任を持って要求し――私は金額は幾らということは言わぬけれども、これだけのものをしてくれる、しょうという積極的な意思があるかどうかここで確かめておきたい。どうも今までの中村君だとか倉成君との応答を聞いておると、あなた方は前向きにそういった考え方を一つもしておらぬようだ。しておらぬのはなぜかということを私は聞いておると、原爆被災者も一般の戦災者も取り扱いとしては同じことにしなければならぬという考え方を持っておられるから、一歩も前進しない。そこで考え方のワクを変えて、ワクから一歩出て、本質が違うのだ、これらの人には当然国が損害賠償としてやらなければならぬものだという考え方に立って、一つ前向きの姿勢をとっていただきたい。その点いかがですか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 これは御意思のあるところはわかりますが、非常な大きい問題でございます。厚生省、厚生大臣のみではいけませんし、私といたしましても十分検討いたして参りたい。これは政府全般の大きい問題になろうかと思われます。意のあるところは十分尊重いたしまして、研究し、勉強したいと思っております。

木原津與志日本社会党

○木原分科員 もう一問だけ。この問題については今裁判にかかっておることは、大臣、御承知でしょう。原爆の問題について今裁判が起こっております。やがて第一審で、もう判決があると思いますよ。この判決で、原爆の被害者並びにその遺族に対して損害賠償の責任があるという判決が出たら、あなたの方で当然問題になることなのです。だから一つ総理大臣ともよく相談なさって、これはそういう方に持っていかなければならぬのだということで今後処理していただくように希望いたしまして、関連ですから、これで終わります。

倉成正自由民主党

○倉成主査代理 堂森芳夫君。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 医務局長は何か所用があるそうですから、最初に医務局長にお尋ねをいたします。  これは豪雪地帯と関係のあることでありますが、先般北陸地方を回りましたときに、豪雪のために大体一カ月間ぐらいは、各種の医療機関がほとんど患者がないので運転資金にも困っておる、こういうことでありまして、私が受けました陳情の中には、医療金融公庫の法律を一部改正してもらって、そうした場合の運転資金と申しますか、そういうものについて借りられるような道を講じてもらえないものだろうか、こういうような陳情があったのでありますが、担当の医務局長としては、こういう末端の医療機関の人たちの要望に対して、どういう態度で臨んでいかれるか、御答弁を願いたいと思います。

尾崎嘉篤厚生技官(医務局長)

○尾崎政府委員 豪雪地帯の医療機関が、患者さんが来ない、また来ても数が少ない、さらに雪おろしとかなんとかにだいぶ人が要っておる、そういうもので、しばらくのつなぎ資金と申しますか、短期資金がほしい、これをどうするかという問題でございますが、これに対しましては医療金融公庫の関係も一応考えたのでございますが、法律改正等、時間もかかるし、今度の予算には間に合わないというふうに考えまして、二月二日だったと思いますが、国民金融公庫の方に――もちろん市中銀行で貸し出しをやられるはずですが、国民金融公庫に対しまして、そういった場合に、豪雪地帯のお医者さん方に対しての短期融資をぜひ一つ慎重に考えていただきたいという申し入れをいたしまして、そうして了承を得、下部機関にも流してもらっておるようなわけであります。医療金融公庫に対しましては、今度の場合にはとても間に合わないという立場で、それともう一つは、医療金融公庫がどちらかと申しますと、私的医療機関の建設だとか、設備、機械というような長期運転に低利に貸すという立場でできております性格の問題もございまして、今慎重に検討しているところでございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 実は局長から御説明のあったことはよくわかっておるわけですが、大体国民金融公庫というものは、普通の零細な企業の諸君が借りられる機関として、一般にそういうふうに利用されておるわけであります。商工中金あるいは中小企業金融公庫等もありますが、今すぐ間に合わないということは、もう当然そうでありますが、将来災害のあった場合――あってはなりませんが、またないという保証はないわけであります。医務局、厚生省としては、建設資金だけではなしに――新しく建設資金を貸し付けた場合、運転資金の一部を貸しておるわけですから、それは貸せないという根拠はないと思います。将来そういうことを検討してもらって、そういうときに備えるようにしてもらいたいと思うのであります。この点一つ医務局長に要望いたしておきます。  そこで厚生大臣に伺いますが、国土総合開発計画、地域の開発計画、こういうものが着々実行に移され、また昨年は新産業都市建設促進法という法律が通ったわけでありまして、各地域に多くの開発、建設が行なわれているわけであります。しかしこれと並行しまして、同時に積極的に行なわれなければならないのが、福祉保健計画というものでなければならぬと思うのであります。たとえば大臣御承知だと思うのでありますが、四日市における地盤沈下の問題であるとか、あるいは水の問題であるとか、あるいはばい煙の問題であるとか、あるいは岡山における水島地区においても同様の問題が起こっておる。こういうことでありまして、そうした一方的な企業の建設はどんどん行なわれていく傾向にあるが、これとうらはらの関係にあるべき保健福祉の計画というものが政府には伴っていない、こういうふうに私は考えるのでありますが、大臣はどう考えておられますか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 仰せの通り、今までの都市計画につきましては、こういう福祉施設というようなものがほかのものよりはなはだしくおくれておったために、今までの旧都市につきましてはいろいろなトラブルが起こっておるのであります。従いまして、国土計画に基づきました新都市の建設につきましては、福祉施設というものを初めから十分に考えていかなければならぬ、かようなことは堂森さんと全く考えは同じでございます。同じでございまするが、率直に申しまして、今まで厚生省がそういう都市計画の初めにおいて発言をする機会は非常に少なかったのであります。ところがこれからの勤労の条件といたしまして、やはり福祉施設が十分でなければいけない。都市づくりにいたしましても、地上のことよりも地下のこと、つまり上下水道を完備する。また四日市の例なんかも引き合いに出されましたが、四日市は水の問題では十分に完備しており、水の問題で四日市は工業都市になったのでございますが、やはり煙突からばい煙が出る。そのばい煙が出ることにつきまして、気象の観測を怠っておったというようなことでもって、ああいうことになっておるのでございますから、これからの都市はやはり福祉施設について十分考えなければならぬと思っております。また現在旧都市につきましては、交通事故が非常に多いが、これを分析してみますと、どうしても子供あたりが非常に死ぬ。ですから都市計画につきましては、ある程度の面積を児童のためにさいてくれるということをやっていただかなければならぬ。あるいは保育所の問題にいたしましても、勤労の条件になるのでございますから、今後は新都市の建設に対して厚生省としては十分な発言をしていきたい、かように私自身は考えておる次第であります。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 大臣の所見は伺いましたが、しからば具体的などういう計画、あるいはどういうプログラムを厚生省はお持ちでございますか、こういうことをお尋ねしておるのであります。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 今まではそういうことをあまりやっていなかった、これから大いにやらなければならぬということでございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 私、たしか昨年の十一月と思うのでありますが、厚生省が、保健福祉計画法といいますか、そういうものを今回の通常国会には出す準備をしてほぼ終わっておる、そうしてこれに必要な調査費も三千万円くらいは要求しておるのだ、こういうふうな新聞記事を読んだのであります。その内容を言いますと、上下水道、社会福祉施設などの生活基盤の施設、健康増進、栄養改善などの保健福祉サービス等を対象とする。保健福祉計画として全国計画、都道府県計画、市町村計画を体系的に作成をする、三番目は、全国計画は閣議決定とし、地方計画は全国計画を基本として作成するというようなことを柱としておる、こう新聞が書いておる。ただいま大臣は何かおっしゃいましたが、こういうような計画が厚生省にあるわけですが、もしあるとするならば、もう一方では地域開発や国土総合開発といろいろなものでどんどん建設が進んでいく、こういう場合に、国民生活にとってうらはらの関係にあるところの厚生省の福祉保健計画というものが、新聞には出たけれども、大臣はおっしゃらぬということになると、大臣が幾ら大言壮語されましても、計画はない、こういうことと同じでありまして、この国会にお出しになる予定でありますか、あるいは出さないのか、あるいは厚生省は弱いからとうていそれは出せないというのでございますか、もう一度答弁を願いたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 事務的には検討をいたしておるのでございます。従いましてそれが新聞に載ったかと思われますが、今国会に法律案として提案をすることは今のところ考えておりません。まだそれまでに煮詰まっておらないということでありまして、事務的には十分検討されておりますから、そういうことにつきましても内容は事務当局から説明させてもよろしゅうございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 しかし大臣、そんな重要なことをもう知っておらなければいかぬですよ、内容はともかくとして。こまかいことはいいですよ。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 こまかいことも知らなければいかぬですが、そこまでいきませんから。しかし私は今申しましたような気持を持っておりまして、やはり新都市の建設にはそういう福祉施設が要るというような気持を持っておりますから、その点で事務当局はいろいろ検討をしていろいろ案を立てつつあるわけであります。私が全部初めからしまいまで立てるわけではありません。知識も持っておりません。でありますから、それにありましたようなことにつきまして、詳細につきましては事務当局から。私の気持が反映して、事務当局で研究をいたしておることだけは事実でございます。

伊部英男厚生事務官(大臣官房企画室長)

○伊部説明員 経済計画に対応いたしました保健福祉計画が必要でありますことは、ただいま堂森先生のおっしゃった通りでございます。また大臣からもたびたび御指示を受けておるわけでございますが、この問題が公式に取り上げられる契機となりましたのは、昨年の七月十二日、人口問題審議会で人口資質向上対策に関する決議というのを行なっております。この中で、経済開発は社会開発と並行した形で推進されなければならない、もし地域開発が経済開発に重点が置かれ、開発の主体である人間を対象とした社会開発を軽視することがあるとすると、非常に結果が大きい、従ってこれに対応したいわば保健福祉計画法というようなものを考えてはどうかという御建議があったわけであります。これに基づきまして事務的に研究いたしておるわけでございますが、明年度におきましては、三百万円の調査費をいただきまして、五県ほどの県におきまして実験的にいろいろ考えてみたい、その結果に基づきましてもう少し問題点を煮詰めて参りたい、かように思っておるわけであります。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 環境衛生につきまして、いろいろと政府が今後大いに留意をしていこう、こういうことは当然でありますが、昨年の通常国会、四十国会で、ばい煙の排出の規制等に関する法律というのが通りました。すなわちばい煙の排出を規制していく法律であります。その排出の基準をきめていく主たる責任者は厚生大臣と通産大臣であります。西村厚生大臣が重要な責任を持っておると思うわけであります。そこで昨年のたしか五月かと思いますが、参議院を通りまして、これが成立をいたしました。施行は六カ月後でありますが、そこで排出の基準というのはこれは両大臣によってきめられるわけであります。その基準はいつごろきまるのでありますか。その点、事務当局でもけっこうですが、御答弁を願いたいと思います。

五十嵐義明厚生技官(環境衛生局長)

○五十嵐政府委員 私どもただいま通産省その他関係方面と、鋭意検討いたしております。年度内には何とかきめてこれを実施していきたい、このように考えております。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 従来水質の保全をする場合にも、地域とかあるいは水質の基準をきめる、こういう場合にもいろいろと企業者の方から、特に大企業の方から圧迫があって、地域の指定についても多くの問題がある、こういうふうに言われておるのであります。そこで今回のばい煙の規制につきましても、これは国民生活に非常に重要な関係のある問題でありますから、通産省、厚生省、ある意味ではお互いに多少相反する立場で、なかなかこの問題についても意見の調整はむずかしいのではないか、こういうふうに私は想像をするわけでありますが、厚生省としては国民の保健上から、重大な決意を持って、これはあくまで取引をせずに、厳重な地域の指定と、それから排出の規制を行なうように、その基準及び地域の指定に努力をしてもらいたい、こう思うわけでありますが、たとえばこのばい煙の排出の規制等に関する法律を見ますと、罰則が非常に軽いのであります。海外のいろいろな例も大急ぎで調べてみたのですが、たとえばスエーデンなんかでは、もしばい煙の排出がある程度異常であると認められた場合には、操業の停止すら行なうことができる、こういう強い法の規制すら持つのであります。わが国のばい煙の排出の規制等に関する法律では、なるほど罰金あるいは体刑というものもございますけれども、操業の停止なんという厳重な、企業にとっては致命的になるような罰則はないのであります。従って不心得な業者になりますと、罰金を覚悟の上でそうした規制を犯していく、こういうふうなことも考えられますので、厚生省当局、特に担当局長は公衆衛生局長であると思いますが、その決意のほどを承っておきたい、こういうふうに思います。

五十嵐義明厚生技官(環境衛生局長)

○五十嵐政府委員 いわゆるばい煙規制法の施行に関しまして、国民の保健の立場から非常に強い御要望、あるいは御鞭撻とも受け取れる御質問でございますが、私どもただいままで、地域指定あるいは排出の基準につきまして、立法の当初から通産省などといろいろと話し合いをいたしております。幸いにいたしまして最近の企業界では、企業の公共性というような立場をよく認識されまして、先生が御指摘になりました大企業の圧迫というような点は、私どもはむしろ感じないと申しますか、非常な企業面からの協力を得てこの法律が制定され、施行されるような運びになっているというふうに理解いたしておるわけでございます。しかしながら第一条にもございますように「公衆衛生上の危害を防止するとともに、生活環境の保全と産業の健全な発展との調和を図る、」こういうことが建前になっております。排出を全くゼロにするということも不可能なことでございます。従いまして御指摘になりました罰則の点などにつきましても、この種の法律として許される範囲のあらゆる面での規制があるわけでございます。私どもといたしましては、従来取り上げられておりますばい煙につきまして申しますならば、リンゲルマンというような視覚による排出の基準ということよりは、もっと一歩前進いたしまして、一立方メートルの煙の中にどういう物質、どういうガスがどの程度以下でなければならないというような的確な基準をつくりまして、これを守っていただく、しかも罰則を適用するというよりは、御協力を得て自主的にこれを守っていただくというふうにしたい、こういう気持でただいませっかく通産省その他とも検討をいたしておるわけでございます。強い決意を持ってという先生の御指摘のように、私どもその気持でこれを実施に移して参りたい、かように考えておるわけでございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 局長のお気持はよくわかりました。そこでこの法律が衆議院を通ります際に、その附帯決議がついておるわけであります。読んでみますと、「政府は将来、自動車から排出される排ガス、騒音、振動、悪臭等の公害問題に対処するため、技術的研究を強力に推進し、その対策の確立につき努めること。」こうなっておるわけであります。御承知の通りこの法律が通りまして、もう一年近くなるわけでありますが、どのような具体的な対策を立てておられるのか、あるいは何もしていないならば何もしていないでけっこうであります。御答弁を願いたいと思います。

五十嵐義明厚生技官(環境衛生局長)

○五十嵐政府委員 御指摘の通り附帯決議をちょうだいいたしておりますことはよく承知しておりますが、これらの各種の公害の中には、学問的にも技術的にも非常に取り上げ方のむずかしい問題がございまして、私どもとしましては技術的な研究の推進と相待って、防止あるいは排除等、可能なものから逐次行政的に許されるならば取り上げていきたいということで、まず私どもとしては自動車の排気ガス等につきまして、従来研究をいたしておったわけでございます。これは三十五年から三十六、三十七年と三カ年にわたりまして、実は排気ガスの測定その他の研究をいたしておるのでございます。三十七年度、本年度の終わりまでにはその研究の結果、自動的に各種の排気ガス等の記録をすることのできる機械の設計、製作に成功する見通しがはっきりつきましたので、実は三十八年度の予算におきましても、それを東京都内に据え付けまして、排気ガスの実際の測定をガスの種類別に検討して参りたい、こういうようなことを進めておるわけであります。その他の問題につきましても、研究費などの運用の面におきまして、できるだけ検討を進めて参りたい、かように考えておる次第でございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 そこでもう一度大臣に伺いますが、ただいままで私が事務当局の方にいろいろお尋ねいたしましたように、国民の保健上から申しまして――産業都市がぐんぐん生まれてきている。これはある意味では国民の経済力を増加していくことでありますから、もちろんこれを喜ばない者はだれもないわけであります。一方これと同時に保健福祉の対策が進んでいかないと、国民の保健衛生上ゆゆしき問題が同時に生まれてくるわけであります。ただいま大臣から、そうした気持で今事務的には準備をしているのだ、こういうお話でありましたが、当初何かもっと大がかりな予算要求をして、この国会中には何とかして提案できるようなところまで持っていこう、大臣はこういう意気込みであられたのではないかと思います。ところがなかなかうまくいかないので、次に見送ろう、こういうので、予算も六百万ぐらいで一つがまんをして、じみちにもう一年やろう、こういうところではないかと思うのであります。これはきわめて重要なことでありますので、格別のあなたの努力を要望したいと思うのであります。  それに加えまして、これは私の新聞で見た政府の事務的な案でありますが、もちろんばい煙の排出に関する規制等の法律、こういうものは別にあります。また水質の保全に関する三法があります。そういうように水とばい煙はあるから、これは別の法律でいい。こういうのではなしに、厚生省がかりそめにもいろいろな産業の今後の発展に呼応して、保健福祉の対策を立てていきますならば、結局水と大気の汚染ということを除外した保健福祉対策なんというのはないのです。従ってこれはもっと大きく、ただ保健サービスをするとか、あるいは上水道、下水道、これは比較的厚生省でなわ張り争いをせずにやれるところはやっていこう、そういう消極的な態度ではなしに、もっと大きく、厚生省としてはもちろん同じ政府部内でありますから、そういうなわ張り的な考え方でなしに、もっと大局から国民の保健衛生を守っていくという大きな線で乗り出していかれて、そして政府としても強い政策を推進せられる、こういうことが私はぜひ必要と思うのであります。大臣のお考えを承っておきたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 これからの都市につきまして、保健福祉施設のことにつきまして、十分力を入れたいと思っておることは、さいぜん申し上げた通りでございます。保健福祉と一言に申しまするけれども、その中にはいろいろな面があるわけでございますが、今堂森さんが最も重点を置いておられました公害の問題にいたしましても、これはおそらくこれからは大工場の場合は、相当な施設をすると思います。これは火力発電所をつくるにいたしましても、何にいたしましても、相当な施設をして、この空気の汚染がないようにということは――今でも大工場はやります。しかし仕事の事柄によっては、やらぬというのも技術的に困難だからというような面のあるものもあります。しかし今や相当に大企業といたしましては注意すると思います。ただ中小企業の場合がこれは問題でございまして、施設をつくるのには相当の金が要ります。しかし私たちは、中小企業につきましても、たとえばばい煙を出さないようにするために熱管理をうまくやる。しかし施設もうまく――集塵装置等も役に立つものがだんだんできつつあります。あまり高くないもので機械的にばい煙をつかまえようという、いろいろな工夫もこらされておりますので、従いましてそういうことも指導しなければならぬと思います。今までは率直に申しまして、通産省はどちらかというと、逃げ腰であったというきらいはありましたけれども、現在の通産省はそうではありません。これは世論が非常にやかましいのでございますので、非常に強力に出ておりますのは、これは当然の次第でございます。従いまして私たちの方は、水質の問題にいたしましても、空気純潔の問題にいたしましても、その他の福祉施設の問題にいたしましても、今後十分に注意をしていきたい、かように考えておる次第でございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 大臣はえらく楽観的におっしゃいますけれども、現地で私たくさん知っています。従って通産当局がきわめて無責任なことをやっておる例を、たくさん知っておるわけです。きょうは一々そういうことを申し上げる時間がありませんから申しませんが、どうも厚生大臣はお人がいいように見えまして、えらく通産当局を買いかぶっておられるようでありますが、われわれのところには幾らもあります。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 昔よりいいです。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 昔はむちゃですから……。今はいいかもしれませんが、一つ格段の御奮起をお願い申し上げておくわけであります。  そこでもう時間もありませんから、次の問題に移りますが、たしか三十七年度の予算を審議する際に、灘尾さんが大臣であったと思いますが、わが国の社会保障制度の中で、諸外国にあって日本にない、重要なものが一つ欠けておる、こういうふうな質問をしたことがあります。それは児童手当制度であります。本年度の予算を見ておりますと、たしか家庭児童調査委託費というものが五百七十三万七千円ですか、納まれておるようであります。その他にも家庭児童調査費というようなものもわずかございますが、当時灘尾さんは、私に、日本の国にも児童手当制度をぜひともつくりたいと思います、ただ調査に日数が必要でありますので、しばらくお待ちを願いたい。しばらくというのはどれくらいであるか、こういうふうに聞きましたところ、まあ三、四年でございます、少なくとも昭和四十年度あたりからは実現することが可能でありまして、必ず昭和四十年度くらいにはこれを実現したいと思っております、こういうことでありました。西村厚生大臣にお尋ねをいたしますが、やはり児童手当制度は、そういう方向で今準備が進められておるのでありますか、この点承りたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 日本の社会保障として、一つの大きい柱である児童手当は、今やっておりません。特別な場合以外には児童手当はやっておりませんが、その問題につきましては、例の所得倍増の長期計画は、後半期においてということをうたっておりますが、灘尾前大臣がどういう意味においてそういう年月まではっきりいたしたか知りませんけれども、ただいまの段階では、中央児童福祉審議会にこの研究を依頼しておる程度でありまして、私自身としては、今何年度にという自信を持っておらないのが現状でございます。調査の進み方につきましては、事務当局から御説明を申し上げることにしますが、私は何年度ということを申し上げる段階ではまだないと思います。

黒木利克厚生事務官(児童局長)

○黒木政府委員 ただいま大臣の申されましたように、中央児童福祉審議会の中に児童手当特別部会というものを設置いたしまして、現在に至るまで十三回にわたって審議を重ねております。主として最初は外国のいろいろな制度の研究をいたしたのでありますが、その後、児童手当をわが国でやる場合の目的をどうするか、あるいはその構想をどうするか、どういう問題点があるかというようなことを、ただいま検討をされておる最中でございます。なお、昭和三十七年度に御指摘がありました家庭児童養育費調査というものを実施中でございまして、これは本年の四月に集計ができることと思いますが、家庭における児童が、第一子あるいは第二子、男女あるいは年令別に、どれくらい養育費がかかるかというような調査を主としてやっておるわけでございます。そこで今後の予定でございますが、この秋までにはこの特別部会で構想と問題点を整理して、中央児童福祉審議会を通じて答申をしていただく、そしてこの場合には昨年の七月に社会保障制度審議会から例の総合調整その他の勧告、御意見がございまして、もちろんこの児童手当関係も触れてあるのでありますが、この答申の趣旨を尊重するということで、この秋までに一応第一段階を終わりたい、かような予定でございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 そうすると、大臣はいつになるかわからぬ、こういう答弁でございますが、そんなにいつになるかわからぬということではなしに、大臣としては大体いつごろをめどとして――私は言葉じりをとらえてかみつきませんから、もっと正直におっしゃったらいいのじゃないですか。大体いつごろ、そんな十年もかかったのでは大へんです。もっと早いでしょう。計画を持っておられるはずです。大体いつごろからか、いかがでございますか。そんなに逃げられなくてもいいのじゃないかと思うのですが。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 逃げておるわけではありまんが、これは全般に施行するということにになりますると、財政上の問題等も相当大きい問題でございます。従いまして、慎重を期してやらなければなりませんし、長期計画の中にも、長期計画の後半と申しますから、四十二年くらい――四十年くらいをさすのかもしれません。そういう意味におきましてはそのころと、こう言った前大臣と同じことになりますけれども、今私は四十二年までにとか、あるいは四十一年までにとかということは、ちょっと申されませんが、日本の社会保障の一つの柱として欠けておるのでございますから、なるべくこちらも勉強しまして、一つすみやかにやるということだけでごかんべんを願いたいと思うのでございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 時間がございませんから、それくらいでかんべんしておきます。  そこで最後にお尋ねいたしますが、さっき井村重雄議員から大臣にお尋ねがあったのです。日本の保険制度は非常に複雑多岐であるので、これを何とかして早く統合する必要があるのではないか、こういう御質問があった。すると大臣は、何か学識経験者のいろいろな意見を聞いて、そして何かしていくのだ、こういうふうに御答弁ではなかったのですか。私は日本の保険制度として、国民健康保険と被用者保険というもの二つくらいの体系を立てて、柱にして、そして統合していったらいいのではないか、こういうふうに御答弁になったと思うのです。そこで、日本の社会保険というものはきわめて複雑多岐である、これは長い間われわれが主張してきたことであります。またおそらく厚生省当局もそれはよく知っておられることだと思うのであります。特に政府管掌と組合保険の間には、非常な大きなアンバランスがあるわけであります。政府管掌は戦争直後は非常な財政難で、四苦八苦の財政状態だったことは、大臣御承知の通りです。ししか近年になって財政的もゆとりができて参りました。もっとも給付内容を見ますと、組合管掌と政府管掌とでは大きな差があるわけです。同じ労働者であっても、組合保険に入っておる人たちは給付が非常にいいわけです。そして政府管掌の保険の人たちは非常に給付が悪いわけです。これはどういうわけかと言えば、もちろんこれは企業のアンバランスという関係の労働者に対するしわ寄せなんです。小さい企業に働く人はどうしても労働条件が悪い。企業が小さい。給与もどうしても小さい企業は悪い。労働条件がいろいろな意味で悪い。大きい企業は労働条件がいいし、また賃金も労働条件の一つですが、賃金が高い。そうすると賃金が高くて労働条件がいい人は病気になる率が少ない、これは当然です。そして政府管掌の人たちは賃金が安くて、従って労働条件が悪い、そして病気になる率も多い。こういうことになりまして、そうした二重格差といいますか、産業の二重構造が、健康保険にまで波及しておるわけです。そして小企業に働く人たちは、大企業に働く人たちと比較しまして悪い条件で働く、しかも不幸にして病気になった場合には悪い給付、劣った給付を受ける。たとえば組合管掌の保険では、家族の診療というものも全額組合が支払う、こういう組合もたくさんあるわけであります。また他の条件にもいろいろな差がある、こういう状態でありまして、少なくとも政府管掌と組合の保険とのアンバランスというものは、一日も早くなくさなければいかぬ問題であります。もっとも日雇い労務者の健康保険に至りましては、これはもう論外であります。非常に悪条件の保険であることは御承知の通りです。これは一日も早く統合していくことが必要であります。大臣は先刻井村議員の質問に対して、いろいろ答弁をしておられましたが、大臣はあなたの任期中に、この保険の統合に勇敢に立ち向かってこれを実行していく、こういう熱意を――もちろん短期間では困難でありましょう。しかし大臣は、それはむずかしいことであるがやる、こういう決意を持っておられるかどうか、これを承りたい、こう思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 医療保険のことにつきまして、いろいろでこぼこがある、そしてまたその考え方につきましても、いろいろ世間ではあるわけでございます。たとえば健康保険でも、家族だけは取り扱いを別にして、国保の方に入れた方がよかろうとか、いろいろな案があるわけであります。しかし私は大体に考えておりますることは、国保は国保として、地域保険は地域保険として、それから被用者保険は被用者保険として、その中においてバランスをとっていかなければならぬ。しこうして国保の方は今非常に状況が悪いのですから、これは給付内容を改善するために、本年も世帯主七割給付ということをやって、一歩を踏み出した。あと被用者保険につきましては、御案内の通りたくさんありますが、これを一本化するという意味が、たとえば甲の会社と乙の会社を合併するような一本化は、なかなか言うべくして容易ではなかろう。しかし財政の調節はしなければならぬ。この財政調節をする方法はどういうふうにしたらよかろうか、こういうふうなことを考えるわけでございます。私が言いましたのは、今なかなか困難だということを言ったのでございまして、被用者保険は被用者保険の中でバランスをとらなければならぬ。その方法とやり方はどうしていかなければならぬかというようなことが、いろいろむずかしい問題になるわけでございます。しかしながら、いずれにいたしましても、今堂森さんが御指摘になりましたように、政府管掌の保険と組合保険というものは、相当に給付の内容について違いがあります。いわんや、ただいま一番問題になっておるところは日雇い労務者の保険の問題でございますので、これが解決はそう遷延を許さない状況でございます。従いまして私といたしましても、今後保険のバランスをとるということに対しては、どうしても力を注いでやられなければならぬと思って、せっかく今もいろいろ努力をいたしておる最中でございますが、事柄はそう簡単なものではない。非常にむずかしい問題でございます。従いまして、いろいろなところの意見も徴しつつ、今後強力にこのアンバランスの是正に進まなければならぬ、かように考えておる次第でございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 どうも御答弁がよくわからないのです。保険を、何か会社を合併させるように、一つにすることはむずかしという御答弁ですが、しかし被用者保険を一つにすることは不可能ですか。私は可能だと思うのです。いかがでございますか。あなたの御答弁では、できないようにおっしゃった。それではもう何もできないのと一緒です。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 たとえば健康保険と政府管掌の保険ですね、これを直ちに一つのものにするというようなことは、それは不可能というわけではございませんが、いろいろ困難な問題がたくさんあるということを言っておるので、会社の合併はたとえで言ったのでございまして、会社のことは別に関係はないのですが、健康保険と政府管掌保険を直ちに全部一緒にするというようなことについても、相当に困難な問題があるから、これを研究して、しかしでこぼこは調整しなければならぬ、被用者保険の中ででこぼこを調整することについて検討は怠らない、かように申したのでございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森分科員 もう時間がありませんから終わりますが、でこぼこがあるのをなくす――どことどこのでこぼこをなくすのですか。被用者健康保険制度を一本にしていく、こういうことはあなたは御賛成のようでありますが、それは非常に困難はあるがやっていこう、こういう意図は持っておる、こういうことでございますね。それでは具体的にそういう作業といいますか、あるいは努力といいますか、あるいはプランといいますか、そういうふうなものをお持ちで、始めておられるのですか、いかがでございますか。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 たとえば日雇い保険等も、これは非常に財政上の赤字がございますので、来年度は何とかしなければならぬ。その他の保険につきましても、相当に財政上のアンバランスがあるというようなことにつきまして、それを財政調整していかなければならぬ。その財政調整をする場合に、各統合するか、それから財政調節だけですと、組合、組合がある一定の金を出して、共通の事業というか、共通の業務に対して、全組合が責任を持つというようなやり方もありましょうし、いろいろなやり方があるわけであります。従いましてそういうことにつきましては、現在も社会保険審議会がありまするが、社会保険審議会は御案内のように政府管掌の健康保険のみの研究機関でございます。従いましてそういうようなものにつきましても、何とかこれをもう少し全部をだき合わせたようなものにして研究ができるように、あるいは役所の中におきましても、これは今取り組んで研究をいたしておるのでございます。従いまして財政上のアンバランスと申しますか、そのために給付の内容が変わってくるのでありまして、一方は非常に豊かであり、一方は非常に豊かでないという財政上の問題がございまするから、そういうものは調節していかなければならぬ。その調節する場合に、一本にしていくか、あるいは財政調整資金を出させてやっていくか、いろいろ方法はある。従ってそれを研究するということでございますが、いずれにいたしましても改善しなければならぬ。被用者保険の中は被用者保険の中で改善をしていかなければならぬ、かように申し上げておるのであります。

倉成正自由民主党

○倉成主査代理 本日はこの程度にとどめ、明十九日は午前十時より開会し、外務省所管について質疑を行ないます。  これにて散会いたします。    午後四時十六分散会

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